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RMAN Oracle Database 10g FOV

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RMAN Oracle Database 10g FOV
Oracle Database 10gR2 Recovery Manager Feature Overview
Recovery Manager
Oracle Database 10g Release 2
2006年8月
企業全体のバックアップとリカバリに関するベスト・プラクティスを確立し、そのテストを行うことは、IT 競
争を勝ち抜くために非常に重要です。しかし、限られたバックアップの時間枠とリカバリ時間を維持しながら、
増加するデータのバックアップとリカバリをどのようにして確実に行うかという課題が残されています。1 日
24 時間週 7 日間といった可用性を実現する方法はあるのでしょうか。
オラクルは、メディアの消失や破損からデータを保護するため、Oracle Recovery Manager(RMAN)を提供
します。RMANは、データベース・サーバーにネイティブで統合されたユーティリティであり、すべてのOracle
データ・タイプに対する信頼性の高いバックアップとリカバリを保証します。また、ほとんどの操作はデータ
ベースがオンライン状態のままで実行できます。RMANは、サーバーと緊密に連携するよう設計されており、
バックアップおよびリストア中のブロック・レベルの破損検出機能を提供します。RMANは、ファイルの多重
化と圧縮によって、バックアップ中のパフォーマンスと領域の消費を最適化します。主要なテープ・バックアッ
プのソフトウェア管理システムによる処理は引き続き実行できますが、RMANは、データベース・バックアッ
プのパフォーマンスを向上させ、テープ・バックアップの暗号化機能を提供するために、Oracle Secure Backup
と緊密に統合されています。
Oracle8 Database で導入されて以降、RMAN はリリースごとに機能を追加してきました。Oracle9i Database
ではブロック・メディア・リカバリや再開可能なバックアップおよびリストア機能を導入し、Oracle Database
10g では、ディスクベースのバックアップ管理機能や増分更新バックアップを導入しました。最新リリースで
ある Oracle Database 10g Release 2 の RMAN では、バックアップの設定と管理はさらに容易になり、今まで
に比べ短時間で処理が完了します。DBA の利点は以下のとおりです。
未使用ブロックの圧縮による、バックアップ時間の短縮とサイズの縮小
暗号化によるバックアップ・セットの保護
容易な設定による RAC 環境への動的なチャネル割当て
Oracle Enterprise Manager Grid Control 内すべてのデータベースのバックアップ・ジョブを管理
指定した増分バックアップによるスタンバイ・データベースの迅速なロールフォワード
ここからは、それぞれの機能について詳しく説明します。
未使用ブロックの圧縮(10g Release 2 のリリース 10.2.0.2 より使用可能)
以前のリリースでは、RMAN はオラクルが使用したすべてのブロックをバックアップします。表の切捨てや縮
小操作のためにセグメントによって使用されていないブロックについても、バックアップは実行されます。
新しいリリースでは、ローカル管理の表領域に含まれる使用中のブロックのみがバックアップされるように
データベース・バックアップは拡張されました。未使用ブロックは、過去に使用されたことがあるかどうかに
関係なく、バックアップの対象から除外されます。これにより、読取りと書込みの対象となるブロック数が減
るため、バックアップ・パフォーマンスが向上するとともに、バックアップ・セットのサイズが小さくなりま
す。たとえば、1TB の表領域がオブジェクトでいっぱいになった後、すべてのオブジェクトが切り捨てられた
とします。後続のバックアップでは、合計で 4MB のデータファイル・ヘッダーと領域ビットマップのみが読
み取られ、1MB 未満の小さなバックアップ・セットが生成されます。これは、ブロックが空であるかどうかに
関係なく、1TB 分のデータファイル全体の読取りと書込みが行われるため、通常の OS コピー操作'dd'と比較
した場合、飛躍的な高速化とバックアップ・サイズの縮小が実現します。
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Oracle Database 10gR2 Recovery Manager Feature Overview
バックアップ・セットの暗号化
バックアップのセキュリティは、すべての企業の安定性を維持するために非常に重要です。バックアップおよ
びデータへのアクセスは、認可された従業員にのみ限定する必要があります。Oracle Database 10g Release 2
では、新しいオプション CONFIGURE ENCRYPTION FOR [DATABASE | TABLESPACE …]を使用することに
より、データベース全体または特定の表領域に対して、バックアップ・セットを暗号化できます。
Oracle Databaseに含まれるAdvanced Encryption Standard(AES)暗号化アルゴリズムを利用すると、ユーザー
は、バックアップに使用する暗号化アルゴリズムを指定できます。デフォルトでは、Oracle Walletを使用して
暗号化バックアップへのアクセスが認証され、リストア中もOracle Walletを提示する必要があります。または、
ユーザー定義パスワードを指定して、暗号化バックアップへのアクセスを認証することもできます。Oracle
Recovery ManagerとOracle Secure Backupを使用すると、テープ・バックアップを暗号化することもできま
す。Oracle Secure Backup、オラクルのテープ・バックアップ管理ソリューションについての詳細は、OTNを
参照してください。
RAC 環境への動的なチャネル割当て
Oracle Real Application Clusters(RAC)を使用すると、複数の低コスト・コンピュータを 1 台の大規模コン
ピュータとして機能させ、データベース処理を行うことができます。これによって、大規模 SMP に代わり、
すべてのアプリケーション・タイプに対応する実現可能なソリューションが提供されます。処理の総需要が高
まり、ユーザー数が増加した場合、必要に応じて RAC ノードを容易に追加できるため、下層のデータベース・
ソフトウェアやハードウェアを変更しなくても、増加するワークロードを処理できます。RMAN では、1 つの
専用ノードを使用するか、またはバックアップを実行するための特定のノードを設定することにより、標準の
データベース環境と同じ方法で RAC 構成をバックアップできます。
PARALLELISM パラメータを設定すると、RMAN は、すべてのアクティブな RAC ノードに対して、指定され
た数のチャネルを動的に割り当て、バックアップやリストア処理を実行します。RMAN は、Oracle Clusterware
(旧称 Cluster Ready Services)を利用して、最小負荷ノードでバックアップやリストア処理を実行します。
この場合、バックアップやリストアの全ワークロードが、より効率的に RAC ノード全体に分散されます。
Oracle Enterprise Manager 10g Release 2 の拡張機能
Oracle Enterprise Manager は、Oracle テクノロジに基づいたシステムやアプリケーションの管理と監視を行
う単一の統合ソリューションであり、バックアップ・ジョブの管理機能と監視機能がさらに強化されました。
Oracle Enterprise Manager Database Control を利用すると、DBA は、すべてのバックアップ・ジョブを日付
範囲やバックアップ・タイプ(例:フル、データファイル、アーカイブ・ログ)ごとに表示し、ジョブのステー
タス(例:"完了"、"完了、警告あり")、入力サイズ、出力サイズ、および出力速度も確認できます。それぞれ
のバックアップ・ジョブをさらに表示すると、次の図に示すように、入力ファイルと出力バックアップ・セッ
トまたはイメージ・コピーとそのサイズ、および圧縮率(圧縮した場合)を確認できます。
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Oracle Database 10gR2 Recovery Manager Feature Overview
図1. Oracle Enterprise Managerのバックアップ・ジョブ詳細情報
Oracle Enterprise Manager Grid Control では、企業全体のバックアップを管理するために、いくつかの機能が
拡張されました。すべてのターゲット・データベースにわたるバックアップ・ジョブを表示でき、失敗したジョ
ブについては、ジョブを再送信しなくても容易に再開できます。バックアップ・ジョブが失敗した場合、電子
メールを使用して、ただちに DBA に通知できます。さらに、ユーザー定義の RMAN スクリプトをジョブとし
て作成し、任意の数のターゲット・データベースに適用できます。リカバリ・ウィザードが拡張され、オリジ
ナルの Oracle ホームやデータベースを消失した場合に、別の Oracle ホームに対してリストアやリカバリを実
行できるようになりました。
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Oracle Database 10gR2 Recovery Manager Feature Overview
図2. Oracle Enterprise Manager Grid Controlのバックアップ・レポート
SCN を使用した増分バックアップ
デフォルトでは、増分バックアップには前回のバックアップ処理でバックアップされなかったブロックのみが
含まれます。RMAN の新しいオプションを使用すると、指定した SCN から開始した増分バックアップを作成
できます。この新しい「SCN を使用した増分バックアップ」オプションを使用すると、プライマリ・データ
ベースとは大きく異なるスタンバイ・データベースのロールフォワードを迅速に行うことができます。
また、この新しい RMAN オプションを使用して、Data Guard、リストア・ポイント、およびフラッシュバッ
ク・データベースを使用したテスト・データベースをリフレッシュすることもできます。開発、レポート作成、
またはテストのために、フィジカル・スタンバイ・データベースを一時的に読取り/書込みモードで開いた後、
過去のポイントにフラッシュ・バックして元のフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。データベー
スがフラッシュ・バックされると、Data Guard によってスタンバイ・データベースとプライマリ・データベー
スの同期が自動的に行われます。または、リストア・ポイントの SCN を使用した RMAN の増分バックアップ
によって、スタンバイのロールフォワードがただちに実行されます。
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Oracle Database 10gR2 Recovery Manager Feature Overview
Oracle Database 10g Release 2 Recovery Manager の主な新機能と利点
機能
利点
未使用ブロックの圧縮
データベース・バックアップの高速化とサイズの縮小
バックアップ・セットの暗号化
Oracle Wallet またはユーザー定義パスワードによる認
証を使用したバックアップの保護
RAC 環境への動的なチャネル割当て
RAC ノード間での自動的なワークロード分散
Oracle Enterprise Manager の拡張機能
•
•
Grid Control
•
すべてのターゲット・データベースにわ
たるバックアップ・ジョブの表示
•
企業全体にわたるすべてのバックアップ・ジョブを表
示する単一の中央ビュー
•
失敗したバックアップ・ジョブの再送信
なしでの再試行
•
失敗したバックアップ・ジョブについての DBA への警
告と迅速な対応
•
失敗したバックアップ・ジョブの電子
メールによる通知の設定
•
•
別の Oracle ホームへの完全なリストア/
リカバリの実行
プライマリの Oracle ホームやデータベース全体の消失
時のウィザードによるリカバリ
•
•
RMAN スクリプト・ジョブの作成と複数
ターゲット・データベースへの割当て
複数の RMAN スクリプトを企業全体で維持するための
労力の削減
•
バックアップ・ジョブの RMAN コマンドおよび出力と
の容易な関係付け
•
バックアップが破損していないことをワンクリックで
確認
•
カタログ・データベースの作成/アップグレード用ウィ
ザード
Database Control
•
バックアップ・ジョブ・レポートの表示
•
リストア検証
•
カタログの拡張
•
カタログ・スキーマのインストール
とアップグレード
•
カタログの作成と表示
SCN を使用した増分バックアップ
指定した増分からのスタンバイ・データベース
のリカバリ
アーカイブ REDO ログの適用と比較した、迅速なスタン
バイ・データベースとプライマリ・データベースの同期
リカバリ時の一時データファイルの再作成
簡単な自動化リカバリ
HARD 準拠のバックアップ要素
破損のないバックアップを実現、バックアップ要素は
HARD 準拠ストレージ上で検証可能
新しいバックアップ・レポート・ビュー
バックアップ・ジョブのバックアップ・セットおよび複
合ファイルとの容易な関連付け
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