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【目的】 便秘症患者に対しては第一選択薬と して浸透圧性下剤が処方され
30amF511 浸透圧性下剤硫酸 マ グネ シウム と大腸 刺激性 下剤 ピサ コジル を併用 して も、潟下 作用 は増強 しない ○ 五十嵐 信智 1,今 理紗子 1,三村 綾子 1,飯笹 朋彦 1, 面高 み どり1, 名古屋 智香 1,石井 敬 1,戸 田 雄大 1,落合 和 1,杉 山 清 l (1星薬大 ) 【目的】便秘症患者 に対 しては第一選択薬 として浸透圧性 下剤 が処方 され、効果 が認 め られ ない場合 には大腸刺激性 下剤 な ど、作用機序が異 なる潟下剤 が併用 さ れ る。 しか し、湧下剤 の併用 によ り滴下作用 が増強す るか ど うかについての明確 なェ ビデ ンスはない。 そ こで本研 究では、作用機 序が異なる潟下剤 ( 硫酸マ グネ シ ウムお よび ピサ コジル)を併用 した際に、滴下作用が増強す るか否かを調べた。 【 方法】硫酸マ グネ シ ウム単独 、 ピサ コジル単独 、あるいは硫酸マ グネ シ ウム と ピサ コジル を同時にラ ッ トに経 口投与 し、8時間後までの糞 中水分量 を測定す るこ とで滴下作用 を評価 した。 また、投与 5 時間後の大腸 を摘 出 し、アクアポ リン 3 ( AQP3) のタンパ ク質発現量 を解析 した。 【 結果 ・考察 】硫酸マ グネ シ ウム単独 、 ピサ コジル単独 、あるいは これ らを併用 投与 した ラ ッ トの糞 中水分量は、いずれの群 において も経 時的に増加 し、投与 2 時間 目以降か ら下痢 が認 め られた。 しか し、併用群 の糞 中水分量 は、硫酸マ グネ シ ウム単独群 よ りも低 く、 ピサ コジル単独群 とほぼ同程度であった。大腸 の水 の 輸送 に重要な役割 を担 う AQP3のタンパ ク質発現量は、 コン トロール群 に比べ、 0%低下 し、 硫酸マ グネ シ ウム単独群では約 6倍増加 し、ピサ コジル単独群では約 7 0%低下 していた。本研究の結果か ら、硫酸マ グネ シ ウム とピサ コ 併用群では約 7 ジル を併用 して も潟下作用 は増強 しない ことがわかった。 この理 由 として、併用 した際の大腸 にお ける AQP3の発現量が ピサ コジル のそれ と同程度であったため である と考 え られ る。今後 、潟下剤 を併用す る場合 、その治療効果 を正確 に確認 し、適正 に使用 してい く必要がある と考 える。