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水田集落10年後の変貌 Ⅰ

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水田集落10年後の変貌 Ⅰ
帝 調査 巖
前 森 山 集 団農 場 の 経 営
市
内
治
容
{1)前 森山集団農場の概 要
1)経 営 の意思決定 と労働力配分
1)立 地条件
2)共 同化 と土地管理
2)農 場の変遷
{4)乳 価停滞期 にお ける公社営事業
【2)大規模畜産経営 の生産構造
㈲
川
1)公 社営事業導入の背景 と事 業内容
1)経 営規模 と部門構成
2)収 支状況 と償還計画
2)生 産方式 と技術水準
3)現 地の要望
共同経営 と生産管理方式
{5)環 境汚染防止対策について
一一40一
(1)前
1)立
森 山集 団農 場 の概 要
地条件
族 経 営 で 展 開 す るケ ース が 多 い。 しか し ここで は 、
前 森 山 集 団 農 場 は 、戦 後 入植 に よ る草 地 型酪 農
主 体 の 大 規 模 畜産 共 同経 営(構 成 農 家22戸)で
中国 で の経 験 と教 訓 に基 づ き 、共 同化 の 道 を選 択
あ
した。 それ も生 産 部 門 の共 同化 だ けで な く、 生 活
る。 奥 羽 山 脈 の東 側 、標 高1,305mの 前森 山 山麓 に
部 門 の か な りの 部 分 を も含 め た全 面 共 同 経 営 で あ
広 が る当 農 場 か らは 、間 近 かに雄 大 な岩 手 山(2,041
った 。
m)を
の ぞ む こ とがで き る。
入植 以 来任 意 団体 で あ ったが 、53年 に は農 事 組
農 場 の 地 形 は 、 全般 的 に起 伏 に富 み 、東 南 面 の
緩 傾 斜 地 で 、5∼15度
575m(最
高635m、
の勾 配 を もつ 。 標 高 は平 均
最 低515m)、
平 均 気 温7.4℃ の
合 法 人 と して 法人 化 して い る。 これ を 契 機 に月 給
制 を採 用 した 。以 前 は 「い っ さ い共1司、 サ イ フ は
一 つ 」 で 、各 人 へ は 「こづ か い程 度 」 を 分 配 して
高 冷 山 間 地 帯で あ る。 無 霜 期 間 は105日(初 霜9月
いた 。 それ を電 気 代 な ど生 活 費 の 一 部 は 、 各 人 が
20日 頃 、 晩霜6月10日
雪12
負 担 す る とい う シス テ ムへ 転 換 した の で あ る。 一
、12月 か ら5月 まで は
方 、 生 活 水 準 の 向上 とと もに、 個 々 の 生 活 様 式 も
頃)、 積 雪 量1.3皿(根
月5日 、 融雪4月20日)で
西 風 が 強 い 。土 壌 は洪 積 火 山灰 土(現 在pH5.5∼
少 しず つ変 化 して きて い た。 以 前 は、 家 庭 電 気 製
6.3、 以前 はpH4--4.5)、
品 とい え ば洗 濯 機 ぐ らいの もの で あ った が 、 電 子
燐 酸 吸収 係 数2,800、
表 土 は10∼50㎝ で あ る。 農 業 を と りま く自然 条 件
レ ン ジな どが 各 戸 に 入 って きた の で あ る。 これ ら
は厳 しい。
の変 化 に基 づ き、56年 に は共 同 食 堂 が廃 止 さ れ る
国鉄 花 輪 線 岩 手 松 尾 駅 まで 約7㎞ 、 村 役 場 、学
こ とに な っ た。
校 、農 協 まで は約9㎞ で あ る。 また 東 北 縦貫 自動
この食 堂 廃 止 を め ぐって 討 議 した 際、 共 同組 織
車 道 松 尾 八 幡 平 イ ンタ ー まで は、 車 で10分 の と こ
全体 の あ り方 も再 検 討 され 、 運 営組 織 を 改正 す る
ろに あ る。
こと に な った 。 この 中 で 重 要 な こ とは、 男 子 労 働
2)農
力 の み に よ る経 営 へ 転 換 した ことで あ ろ う。54年
場の変遷
図 一1は 、 農 業 生 産 を 中心 に そ の変 遷 を み た も
頃、 当時 の 経 営 規 模 か らみ る と過 剰 労 働 力 だ と指
ので あ る(附 表1参 照)。 入 植 、 開墾 、酪 農 開始 、
摘 され た こ とが あ る。 そ れ が契 機 と な っ た ら しい
その 後 の 拡 充 過 程 、 そ れ と同 時 に生 産 手 段 が 近 代
が 、 婦 人 の 農 業 労 働 か らの解 放 が 試 み られ た の で
化 ・大 型 化 し、 さ らに 肉 牛 、養 豚 な ど の複 合 部 門
あ る。 それ で 「女 は の ん び りさせ たつ も りだ った」
が 導 入 され て きて い る。 以下 、簡 単 に紹 介 して お
が 、 その 婦 人 達 は 、 西根 町 の ブ ロ イ ラ ー工 場 や 農
こ う。
外 へ 賃 稼 ぎ(「 出稼 ぎ」)に行 って しま った 。家 庭 の
昭 和29年 先 遣 隊11人 、30年35人 が 入植 し、31戸
生 活 向 上 、 少 しで も収 入 を と考 え て の こ とで あ る。
で ス タ ー トした。 構 成 員 は 、28∼30年 中国(旧 満
中 に はそ れ で 体 を こわ した人 もい た。 一 度 は;男
州)か
子 の みに よ る経 営 に転 化 したの で あ る。 しか し他
ら帰 国 した元 開拓 団 、 開拓 義 勇 隊 、 兵 士 、
軍属 で 、 出 身 地 は九 州 か ら北 海 道 に至 る1道15県
方で 農 場 の 方 は 、 公社 営 事 業 で 規 模 拡大 して お り、
に 及 ぶ。 開拓 入植 で は 、 開拓 以 後 土 地 を分 割 し家
男 子 労 働 力 の み で は管 理 が ゆ き と どか な くな って
一41一
きて い た 。 そ こで 再 度 見 直 しが 行 な わ れ 、少 しず
が 、 公 社 営 事 業 を導 入 した50年 代 は120tと な る。
つ 婦 人 を 雇 用(臨 時 雇)し 始 め た ら、 み ん な 戻 っ
開始 以 来20年 間 で 達 成 した 乳量 とほ ぼ 同量 を 、 こ
て きた とい う。
の10年 間で 増 加 させ た こ とに な る(実 質 的 に は事
基 軸 で あ る酪 農 部 門 の 拡 大 は著 しい 。 乳 牛 頭数
の増 加(牛 舎 増 設)と1頭
業以 降 の5年 間)。その 結 果 、年 間 乳 量 生 産 は2,000
当 り乳 量 の 増 加 によ っ
tレ ベ ル に達 して い る。 もち ろ ん この 増加 は 、生
て 、年 間 乳 量 は急 速 に伸 び て き た。 乳 量 増 加 を 年
産手 段 の近 代 化 、 大 型 化 に 裏 うち さ れ て お り、 そ
平 均 で み る と、31∼35年35t、36∼40年67t、41
の 機 械化 体 系 の 装 備 に と もな って 、飼 料 作 の作 付
∼45年65tと
体 系 も変 化 して きて い るの で あ る。
伸 び 、46∼50年 に は36tと 鈍 化 す る
図一1前
S.30
35
40
5
5
1
年次
森 山 集 団 農 場 の変 遷
45
60
30
0
住宅
宅
住
45 0 新
組 織 ・生 活
赤字化
Ψ
4041
00
初黒字 住宅 改造
5356婦
人再雇用
OO
法人化 運営組織変更
給料制
婦人労働 力の解放
共同食堂廃止
土地利用
3ヒ
ピ
苦_9
公 社営 事業(草 地造 成 な ど)
牧草単作化500
エ ・麦 ・大 豆 ・バ レイショ ・牧 草 な ど4
牧草+コ ー ン
大型化
▽
」L− 一〇
3
90 剃
額○ 郷
甜o 雛
300 1
舎第
牛
機 械 ・牛 舎
一
8.一 塁口
47
0
中央
316各 農3441
55
0
第5・ 第6
50
乳4tmnyAtaM−
一ーー 一→
酪
農
乳 牛 頭 数S.31S、35
S.40
部
1頭 平 均乳 景
一4,140kg
4,?53kg
門
ー
809t
−
993t
約2,190t
5
云0
●`
1.197t
約120t
そ の他 部 門
45養
豚O
-一=一
4445頃OO
(,豹
注)草 木 附表1よ
509頭
約5,900kg
5,078kg
一
ー
白■
ロ
年 平 均 〃35t
S.60
382頭
5.045kg
0∨
り白
3
t
t
6
ワ7
00 硲0
3
増 加 乳 冊140t
480t
223頭
t
t
4 臼O
QU (O
t
㌔__一
ー
年 間 乳 用4t144t
S.50
S.45
167頭
(育成+搾 乳)10頭67頭
養鯉 ワサ ビ
り作成 した。
一42一
ー一〉
59
0
野菜
②
1)経
大規模畜産経営の生産構造
営 規 模 と部 門構 成
は18∼20ケ
月 、650∼700kgに
月 平 均6∼8頭
酪 農 部 門 が 基 軸で あ り、複 合部 門 と して 肉牛 、
仕 上 げて 出荷 す る。
出 荷 し 、1頭
当 り49.5万
円で あ る。
養 豚 部 門 を も って い る。 収 入源 と して は さ らに ス
事 故 率 は 雌 の 方 が 低 い(雄10%、
ク ー ルバ スや 除 雪 ブル ドーザ ー の運 転 手 とい っ た
を 考 慮 し、 乳 雌 肥 育 中 心 で や っ て い る と い う 特 徴
農 外 賃 作 業 も若 干 あ る。
が あ る。
①酪農
③養豚
飼育 頭数 は、搾 乳 牛369頭 、育 成 牛140
飼 育 頭 数 は 種 雄 豚4頭
頭 で あ る。 出荷 量 は 、平 均6t/日 で計 算す ると年 間
る 。 出 荷 は800∼900頭/年
2,190tと な り、松 尾 村 全 体 の産 乳 量6,900t(59年)
い こ と も 影 響 し 、480円/kgに
の約1/3の
は600∼620円/kgを
シェアを 占め る。県 畜 産 農 協 を 通 して
であ
低
し か な らな い 。 当 初
見 込 んで い た の だ が 、 か な り低
迷 して お り 、 現 在1頭
応 じて 加 工 原 料 乳 へ まわ す 量 を決 めて い る。 生 産
円 の 赤 字 が 出 て い る と い う。
④生産手段
、母 豚53頭
、豚 価 は 上 物 率30%と
経 済 連 へ 出荷 す る。経 済連 で は、飲 用乳 の需 要量 に
者 へ は 、両 方 をプ ール した価 格で 支払 わ れ る こ と
雌2∼3%)点
の 販 売 に つ き4,000∼5,000
表 一1は 、 農 場 の 所 有 す る主 な 機
に な る。 現 在 、 乳 価 は㎏ 当 り101円 と停 滞 して い
械 ・施 設 で あ る 。 畜 舎17棟
る。
心 に 、 ト ラ ク タ ー15台 を 備 え る 。 大 型機 械 化 体 系
② 肉牛
乳 用 雌 雄 の 飼育 頭数230頭 。スモール
を ほ ぼ 完 成 して い る と い っ て よ い 。
・素 牛 販 売 と肥 育 牛 販売 が あ る。 スモ ール は、生 後
2∼3週
⑤土地
間 ・体 重50kg程 度 で 販売 し、素 牛 は、6
械
施
2式
薬
剤
散
布
機
1式
糞 尿 処 理 ・散 布 機
1式
パ イプ ライ ン ミル カー
6台
舎 ・・
倉
所
事
務
タ
ワ ー サ
イ
バ ル ク ●クー ラ ー
5基
ト
ク
3台
尿
ト ラ ッ ク
1台
婦
小 型
普
通
ッ
乗
用
車
17棟
4棟
バ ン カ ー サ イ ロ
ラ
1棟
5棟
ロ
用
11棟
庫
穫
庫
収
舎
草
間
牧
宅
4式
納
施 肥 用 作 業 機
車
2式
書
耕 転 用 作 業 機
タ
蕃
15台
ク
設
住
ー
ラ
デ ン トコ ー ン作 付 地50
チ モ シ ー、 オ ー チ ャ ー ド、 ク ロ ーバ ーの 混 播 で あ る 。
場 の主 な機 械 ・施 設
機
ト
牧 草 地150ha、
hαの 飼 料 畑 を 確 保 し て い る 。 牧 草 は 、 イ タ リ ア ン 、
∼7ケ 月 ・300㎏ 前 後 に して 販 売 して い る。 肥 育
表 一1農
、 サ イ ロ16基 な ど を 中
1台
他
一43一
人
ホ
ー
1棟
7基
9基
溜
22基
ム
1棟
こ の他 に農 場 に 隣接 す る 長久 保 牧 野(村 営)か ら、
を 考 え る とき 、 新 た な複 合部 門 の 開 発 は重 要 で あ
放 牧 地 に該 当 しな い場 所12haを 、 採 草 地 と して 借
る。
入利 用 して い る(収 量4t/10a、
借 地 料4,000円/
2)生
10a)。 また長 久 保 牧 野 は放 牧で も利 用 して い る。
産 方 式 と技 術 水 準
乳 牛 か ら年 間 産 まれ る子 牛 は約350頭 、 雌 雄 は
農 場 で とれ る牧 草 の 豊 凶 に よ って 、放 牧 頭 数 は毎
約 半 々で あ る。
年 異 な る。放 牧 期 間 は5月 中 旬 ∼10月 中旬 で 、59
年30頭 、60年15頭 の 乳 牛 を 委 託 放 牧 して い る。 肉
雌 子 牛175頭 の うち60∼70頭 は更 新 用(搾 乳 牛)
牛 も粗飼 料 不 足 の た め 、58・59年 に は放 牧(約8
で 、残 りは肥 育 あ る い は スモ ール で 販 売 され る。
頭)を 試 み た こ とが あ る。
肥 育 は8∼10頭
宅 地 は1戸 平 均10a、
に は年 間 舎飼 で あ る。
各 戸 は1戸 当 り約70の
自給 野 菜 畑 を保 有 す る。 しか し、 飯 米 は す べ て 購
雄 子 牛 は、 畜舎 不 足 の た め素 牛 ・スモ ー ルで 販
売 さ れ、 一 部 は肥 育 され る。
入 して い る。
⑥ 複 合部 門
の群 飼 方式 を と って お り、 基 本 的
肉 牛 、 養豚 は 現在 定 着 しつ つ あ
搾 乳 牛 は 、けい留 式で 、パ ドックで 運 動 させ なが
る複 合 部 門 で あ るが 、 酪 農 の 規 模 拡大 の みで な く、
ら、 や は り基 本 的 に は年 間 舎飼 で あ る。 乳 量 は 、
従 来 か ら様 々 な 作 目 に チ ャ レ ンジ してきて いる(前
1頭 当 り5,900kgに まで伸 びて きた。1司量 の 飼 料 で
掲 図 一1)。
も、1日2回
35年 頃 に は リ ン ゴ導 入 を考 え たが 、無 霜 期 間 が
給 与 か ら3回 給 与 へ と変 更 した こ と
に よ る成 果 だ とい う。 耐用 年 数 は、 目標 を5∼6
短 く、 開 花 期 が 遅 れ る と い う こ とで や れ な か った。
産 におい て い るが 、現 在4.5産(7∼8才)で
44年 に は養 鯉 を始 め た が 、冬 の管 理 が 難 し く3年
乳 飼 比 は、59年31.5%で
程 度 で 中止 。45年 頃 に は か な りの投 資 を して ワサ
60年 は約28%ぐ
ビを 試 み たが 、 これ も害 虫 や雪 が 多 いな どの 問 題
ケ 月で あ るが 、 夏 の 発 情 が 弱 く季節 的 に 分 べ ん 時
が あ って 中止 して い る。 また最 近 に な って 、 前 述
期 が偏 って い る。 これ に と もな い 産 乳 量 も偏 り、
の よ うに婦 人 労 働 力 が 戻 って き た こと も あ り、58
1∼3月
・59年 と野 菜(約3ha)を
に低下 す る。 今後 年 間産 乳 量 を増 や す た め に は、
試 み た 。 ホ ウ レ ン草 、 ア
スパ ラ、 レタ ス な ど高 冷 地 を 利 用 しての 野 菜 作 付
で あ る。 しか し野 菜 は、 市場 価 格 の変 動 が 激 し く、
あ る。
あ ったが 、 円高 の影 響 で
らい に な る。 平均 分べ ん 間 隔 は14
は 多 く、11・12月 は 出荷 量 が5t/日
以下
これ らを 考 慮 した対 策 が 必 要 で あ る。
飼 料 の 作 付 体 系 は、牧 草5年
一デ ン トコ ー ン3
年 間 約400万 円 もの 赤 字 を 出す ことにな って 中 止 し
年 程 度 の 輪 作 が 望 ま しい とい う。 しか し宿 根 性 雑
て い る。
草(「 ギ シギ シ」)対 策 で 、 コ ー ンを5年 連 続 して
現 在 、 県 開 発 公社 な ど か ら、 ズ キ 一場 で の レ ス
作 付 け て い る 圃場 や、 土 地 の傾 斜 が 急 で コ ー ンが
トラ ン経 営(ス テ ーキ 肉)を す す め られ 、 検 討 中 で
播 け な い場 所 もあ る。 ギ シギ シ は繁 殖 力 が 強 く、
あ る。 農 業 内部 で あ らゆ る 方 向 を模 索 して きた あ
な か な か 除 去で き な い。 根 が にが い ため 、 これ を
との 現段 階 で は 、 この よ うに地 域 の観 光 資 源 を も
食 べ た 牛 は 下 痢 を す る。 コー ンを3年 作 付 けれ ば
活 用 しなが ら、 農 場 員 の 就 業 率 を 高 め る以 外 に な
だ いた い な くな るの だ が 、 そ うは い か な い場 合 も
い の か も しれ な い。 何 をや るか は十 分 な検 討 が必
多 く、牧 草 の 更 新 が ス ム ーズ に い か ず苦 慮 して い
要 だ が 、今 後 特 に婦 人 や高 齢 者 の 就 業 場 面 の 確保
る。 コー ン播 種 は、 この ギ シギ シ対 策 で もあ る。
一44一
コー ンの収 量 は、 現 在5t/10a(目
標6t/10α)
る。 成 分 規 格 で 特 に問 題 に な るの は 、乳 脂 率3.5
で あ る。 栽 培 期 間 は95∼105日 、170㎝ 程度 で 収 穫
%以 上(農 場3.68%)、
す る。 こ れ を110∼115日 、2m以
8.44%)、 細 菌数100万 以下(同100万 以 下)な
上 の もの にす れ
無 脂 固 形 分8.5%以
上(同
どで
ば 目標 達 成 が 可 能 だ が 、無 霜 期 間 が短 い こ とや 、
あ る。 農 場 で 燕 脂 固 形 分 が低 い の は、 粗 飼 料(乾
風 に よ る倒 伏 な どを 考 え る と限界 が あ る とい う。
物)の 不 足 に よ る。 とれ を上 げ るた め に は 、現 在
牧 草 の収 量 は、 年 間5,000t(生
/10α で あ る。2∼3回
の1.5∼2倍
草)、4∼4.5t
収 穫 す る が 、6月 、8月
の 給 与 が 必要 で あ る とい う。 この対
策 と して、 まず 収 量 自体 を増 や す こ とが 考 え られ
の2回 収 穫 が 主 で あ る。 三 番草 は 、栄 養 価 が低 く
るが 、 これ は土 地 の 制約 な ど が あ り困 難 で あ る。
て サ イ レー ジ利 用 が不 能 だ し、 また9月 に な る と
そ こで 、 現 在 の 高 水 分 サ イ レー ジを低 水 分 化 す る
よ く乾 か な いた め 乾燥 も とれ な い とい う。
方 向 を考 え て い る。 収穫 して す ぐに サ イ ロに つ め
最 近 、 乳 価 は停 滞 して い るが 、乳 量 の生 産 調 整
る た め高 水 分 にな るの だ が 、 これ を半 日 ぐ らい乾
(割 当)自 体 は それ ほ ど厳 し くは な い。 む しろ乳 質
燥 した い。61年 は これ を 実施 す る予 定 だ が 、 それ
規 格(検 査)が 厳 し くな って い る とい う。 乳価 停 滞
で 作 業 の 遅 れ が で る心配 もあ る。 しか し、 機 械 化
に くわ え、 規 格 か らは ず れ る とさ らに単 価 が 下 が
で 何 とか 対 応 して い きた い と考 えて い る。
{3)共
同 経 営 と生 産 管 理 方 式
前 森 山 集 団 農 場 で は 、共 同経 営 とい う形 態 で 、
の計48人 で あ る。前 述 の よ うに女 子 の 農 業 労 働 か
生 産 諸 要 素 の 共1司管 理 が 行 われ て い る。 こ こで は
らの 解 放 を試 み た た め 、常 勤 は男 子 の み とな って
労 働 力 と土 地 の 管 理 を 中心 に 、以 下 みて い くこ と
い る。 また 臨 時 雇 は女 子 の みで あ る。
にす る。
図 一2は 、農 場 の組 織 構 成 を示 して い る。 運 営
上 の 意 思 決 定 は 、 重層 的 な各 種 の 会 議 で な され る。
1)経
営 の 意 思決 定 と労 働 力 配 分
各 課 ・委 員 会 ご との会 議 、 それ ら相 互 の 組 合 せ に
農 場 の 構 成 農 家 は22戸 で あ る。 しか し参 加 は個
人 単 位 な の で 、厳 密 に み れ ば 「構 成 員(組 合員)」
と 「農 場 員 」 は 異 な る。
「構 成 員 」 は 、1口(=1,000円)以
よ る関 連 部 門 の 合 同会 議 、 全 員 によ る全 体 会 議 並
び に総 会 な どが あ り、民 主 的 に運 営 され る。
各 生 産 部 門 は 、各 課 単 位 で 編 成 され て い る。 各
上 出 資 して
人 の 配 属 は、総 会 で 決 め られ る。 そ の 際 、 本 人 の
い る人 で あ り、 臨 時 雇 の婦 人 層 も出資 は して い る
希 望 と健 康状 態 及 び農 場 の 必 要 性 を 基礎 に 、 話 し
の で 「構 成 員 」 に な っ て い る。 病 気 等 に よ る休 養
合 いに よ り相 互 に納 得 した うえ で 決 め られ る。 技
者 も 「構 成 員 」 で あ る。 ま た高 齢 者 で 出 資の な い
術 を い か す こ とを考 えて 、 留 任 者 が 多 く、結 果 的
人 や 、 定 年(60才 定 年 制)に 達 した人 は、 「構 成 員 」
に長 期 専 門化 して い る場 合 が 多 い 。 そ れ で も年 齢
で は な い こ とに な る。 「構 成 員 」 は、 各 種 の 会 議
や 希 望 な どに よ り、年 に5∼6人
に 出席 で き 、 選挙 権 、発 言 権 を も って い る。
臨 時 雇 は 、 な るべ く同 じ家 族 で 作 業 で き るよ うに
「農 場 員 」 は 、農 場 で 実 際 に作 業 して い る人 を
い う。 現 在 、常 勤(常 時 従事 者)32人 、 臨 時 雇16人
一45-一
は 交 替 して い る。
配属 さ れて い る。
乳 牛 課 で は、 各 牛 舎 ご とに担 当者 を決 めて お り、
図 一2組
織 の 構 成
ー ま 一
そ れ ぞれ が他 の牛 舎 の 作 業 を 手 伝 う こ とは な い 。
位 で の1頭 当 り乳量 は 、S,600・-6,300kgの 幅 が あ
た だ し朝 の搾 乳 だ けは 、 朝 が 早 い こ と もあ り、 他
る。 しか しこれ が 、牛 の能 力 や粗 飼 料 の質 の差 に
の 課 の 人 も交 替 で 行 な う。 全 員3日 に 一 度 は朝 の
よ る もの な の か 、飼 養技 術 の差 に よ る もの な のか
搾 乳 作 業 が まわ って くる。 その 他 の 日常 管 理 や 夕
は、 簡 単 に は判 断 で き な い ので あ る。 む しろ年 齢
方 の 搾 乳 は 、各 牛 舎 の 担 当 者 が 責 任 を も って 行 な
間 の 現 在 の 賃 金 格 差 を 問題 に す る 声 が 、 若 い層 か
う。
ら出て い る よ うで あ る。 農 外 労賃 との比 較 の 中で 、
乾草担 当
労 働 力 の 質 に見 合 った賃 金 水準 の要 求で あ ろ う。
ル ー プ に分 か れ て お り、 実 際 の 作 業
農 場 に よ る生 活 施 設 等 へ の共 同 負 担 は 、以 前 は
で は それ ぞ れ 組作 業 を くん で 行 な われ る。 トラク
大 き な ウ エ イ トを 占め て い た 。 しか し生 活様 式 の
タ ー の管 理 は 、 お お よ そ1人 に1台 つ つ の 責 任 制
個 別 化 に対 応 して 、 現 在 は ほ とん ど無 くな って き
を と り、 各 人 が責 任 を も って 点 検 す る。 サ イ レー
た。 一
一般 の会 社 と同 様 に 、慰 安 旅 行 な どが あ る だ
ジの 運 搬 は、 そ れ を必 要 とす る課 の人 が 行 な い 、
け とい う。
農 耕 課 で は 、 サ イ レー ジ担 当(8人)と
(4人)の2グ
さ らに収 穫 な どは 適期 に実 施 す る必 要 が あ る ので 、
他 の 課 の 人 も作 業 を手 伝 う こ とに な る。
以 上 の よ う に、 経営 単 位 は農 場(=法
女 子 の 臨時 雇 賃 金 は、時 給350円 で あ る。松 尾村
農業 委 員 会 の設 定 した60年 度 農 作 業 賃 金 標 準 額 は 、
人)で あ る
田植 ・水 田除 草 ・稲 刈4,500円/日 、畑 作 業4,000
が 、 生 産 単 位 は課 に な って い る。 さ らに実 際 の作
円/日 で あ る(い ず れ も実 働8時 間)。作 業 種 類 が異
業 単 位 は、 作 業 の 性質(量 と質)に 応 じて構 成 され
な る とは い え 、 これ らに比 べ れ ば 低 い 。
て い る。 牛 の 飼 養 や機 械 の管 理 な どは 、個 人 また
女 子 の補 助 労 働 力 と して の 組 み 入 れ 調 整 が 非常
は家 族 が 担 当 す る。耕 種 部 門 で は 、作 業 ご と に分
に難 しい とい う。 図 一3は 、20才 以 上 の 家 族 員 の
業 し(サ イ レー ジと乾 燥)、 さ らに 必要 に応 じて 組
年 令 別 構 成 を み た もの で あ る。 入 植 一 世 も高 齢 化
作 業 を行 な う。 また 過 重 労働 化 の恐 れ の あ る朝 搾
して き て お り、全 体 の 約60%以
乳 、適 期 性 が 問 わ れ る飼 料 収 穫 な どは 、 そ の 労働
きて い る。女 子 は25人 、 現 在 この うち16人 が 農 場
力 の不 足 分 を 各 課 間 で 連 け い 、 補 完 しあ う。 非 常
で働 い て い る。 一 般 的 に は、 経 営 の 必 要 な 時 に 雇
に合 理 的 な労 働 組 織 にな って い る とい え る。 大 規
用 す るの が 臨 時雇 で あ るが 、 農 場 で は全 員 雇 用 制
模 生 産 に は不 可 欠 な 集 団 的 労 働 の 一形 態で あ る。
を 採 用 して い るた め、 臨 時 雇 の 希 望 が あれ ば 全 員
賃 金 は 、法 人 化 以 降 、 月 給 制 を と って い る。 法
雇 用 す る こ とに な る。 これ に対 応 して 、 これ らの
上 が50才 を 過 ぎ て
人 化 以前 は時 給 制 で あ った 。 労 働 の 強度 に よ り4
就 業 場 面 と作 業量 を確 保 せ ね ば な らな い。 野 菜 導
ラ ンク に分 け 、男 女 差(20%)を
入 は、 そ の 対策 で もあ っ た。60年 は雇 用 希 望 が 多
つ けて 月払 い 方式
を と って い た と い う。 現 在 、 初 任 給 は基 本 給11.6
万 円/月 で 、勤 続 年 数 に応 じて 年1,000円 ず つ 昇 給
く、 何 とか 乳 牛課 で調 整 した とい う。
他 方、57年 の売 上額 が 低 いが(後 述)、 これ は男
円の 昇 給 が
子 の みの 経 営 へ転 換 した こ とに よ る影 響 で あ る。
あ る。後 述 の よ うに 現在 赤 字 累 積 の ため 、 ボ ー ナ
牧 草 収 穫 期 に は乳 牛課 の労 働 力 も収 穫 労 働 に従 事
ス は な い 。個 人 間で 業 績 の差 が あ って も、 そ の原
す るが 、 この 間 の飼 養 管 理 の不 徹 底 さが 、 大 幅 な
因 を 確定 で き な い こ と もあ って 、 賃 金 に も格 差 を
乳 量 低 下 を もた ら した。 補 助 者 が 全 くな くて も困
つ け て い な い。 例 え ば、 各 人 が 責 任 を もつ 牛 舎 単
るの で あ る。
す る。 さ らに10年 勤 続 後 は、3∼4万
一47一
図一
一3年
令 別 農 場 人 口構 成(昭 和60年 、20才 以上)
〈女子〉
男 女計
〈男子〉
才80
∼
σ人(o』)彰
●
11人
75∼
1(1励
一
70∼
〇(0,0)
-
65∼
2(33)
・
人1
竺
-
1・
1・
111
60∼
・1
臼∼
・1
釦∼
1
世代
一
11(183)
-
11(183)
12(2α0)
●
45∼
1(L6)
1
-
11
1・
z6人
(注)農
3(50)
40∼
1・
部 ∼
11
30∼
・1
25∼
・1
20∼
・1
-
〒Ψ
2(a3)
一
一
2(3.3)
一
第
二
世代
9(1頴)
6(10ω
計35人
諭(1000)
場 資 料 よ り作 成 。
同 じよ う な こ とは 、 高齢 者 に関 して も言 え る。
場 合 、 自由 に 外 部 の労 働 力 市場 と接 触 す る ことが
高 齢 化 し補 助 的 労働 力 と な って も、 土 地 出資 者 で
で きず 、受 け身 的 に対 応 せ ざ る をえ な い側 面 が あ
あ る限 り、 本 人 の就 業 希 望 が あれ ば 雇 用 す る こ と
る。 そ こに 、複 雑 な労 働 力 調 整 と弾 力 的 対 応 が 要
に な る。 飼 料 基 盤 を必 要 とす る酪 農 で は、 労 働 的
請 され る。
に大 変 な草 地 作 業 を こ なす た め に は、 や は り若 い
基 幹 的 な労 働 力 が 必 要 で あ る。 基 幹 的労 働 力 数 や
飼 料 基 盤 な どか ら、 こ れ以 上 の 酪 農 拡 大 に限 界 が
あ る とす れ ば 、 婦 人 、 高齢 者 で も可 能 な何 らか の
複 合 的 部 門 を み つ けて い か ねば な らな い。 林 産 物
や 農 外 自営 業 な ど も含 め 、 さ らに は高 齢 者 の趣 味
・娯 楽 の 場 な ど もふ ま え た広 い範 囲で の 選 択 が 必
要 に な ろ う。
2)共
同化 と土 地管 理
農 場 の 規 約 は、土 地 と生 産 手 段 の所 有 に関 し、
次 の よ うに 規 定 して い る。
「第4条
して 共 同 使 用 とす る。
農 場 員 は永 代 使 用 の権 利 を農 場 に提 供 す る。
第6条
基 幹 的 労 働 力 と補 助 労 働 力 の 結 合 の仕 方 の調 整 、
土 地 は 農 場 員 の所有 す る境 界 を は い
農 場 の 経 営 に必 要 な 生 産 手 段(建 物 、
設 備 、 農 機 具 、 家 畜 、 種 子 、 肥 料 等)は 農 場 の
それ に必 要 な生 産 規 模(大 規模 化 ・複 合化)が 要 請
所 有 とす る。 」(r写
され る。 労 働 力 の 移動 性(参 入 と離 農)と 質 的変 化
∼1984』 よ り引 用)
(高齢 化 と技 能 の 格 差 形 成)に 対 して 、 共 同経 営 の
各 人 の 農 地 は、 法 人 へ 現 物 出 資 され 、 法 人 有 と
一48一
真記録
ま え も り1954
な って い る。法 人 化 以 前 も、実 質 的 に は共 同所 有
で あ った 。 土地 管 理 主 体 は法 人(=共
同 経 営)で あ
離 農 時 は、 土 地 を集 団 へ 売 却 して い る。 当 時 は
任 意 団 体 なの で 、 取 得 名 義 は個 人 に な って い るが 、
る。 土 地 を 主要 な生 産 手 段 とす る農 業 に お いて 、
購 入資 金 は共 同 で 負 担 して い る。 実 質 的 に は 、集
生 産 単 位 の 拡大 は 、何 らか の形 で 土 地 利 用 の集 積
団 員 へ 平 等 に持 ち分 を 分 割 した こ とに な る(利 用
を 要 請 す る。 さ らに そ れ に と もな う生 産 手 段 の 大
は共1司)。現在 存在 す る個 人有50haは 、 こ う した土
型 化 は、 分散 的 な土 地 利 用 で は な く、 集 団 的(面
地 で あ る。 この 個 人 有 地 は 、農 場 が借 入 す る形 で
的)な 土地 利 用 を必 要 とす る場 合 が 多 い。 こ こで
利 用 して い る。
は法 人 有 とい う形 で 、 そ れ を可 能 に して い るの で
法 人 化 以 後 の 離 農 は な い。 赤 字 の た め 、 出 資金
の 返 還 を受 け る と同 時 に、 負債 も分 割 して 引 き受
あ る。
現 在 、法 人 有150ho、 個 人 有50haで あ る。出資 は
各 戸 ほぼ平 等 で 、1戸 当 り約7ha=400万
円の 出
けね ば な らぬ とい う事 情 もあ る。 しか し、後 継 ぎ
に男 子 が い て も、 そ の 後継 ぎ は農 業 へ 就 業 して い
資 を して い る。 土 地 評 価 は、 近 隣 の 売 買 価 格 を 参
な い と い う世 帯 が 、 現在5戸 で て きて い る と い う。
考 に した。 現在 は赤 字 なの で 、 原 則 的 に 出資 配 当
家 が 農 業 だ か ら とい って 、農 業 を継 ぐ者 ばか りで
(土 地 配 当)は 出て い な い。
な いの は、 い まや前 森 山 に限 った こ とで は な い。
新 規参 入 は、 現 在 認 めて いな い。 離 農 は、 入植
今 後 、 世代 交代 が 進 む に つれ て 、 農 場 で は これ ま
以 来数 件 あ っ た。 その 理 由 を みれ ば 、 例 え ば 次 の
で にな か った タ イプ の離 農 が 増 え る可 能 性 が あ る。
よ うな ものが あ る。 まず 入植 を 始 め た 昭 和30年 頃 、
こ う した離 農 に よ る労働 力 の 変 動 は、 ど こで も生
期 待 に反 した場 所 だ と い う こ とで2人 が 離 農 して
じう る問題 で あ る。 む しろ重 要 なの は、 そ う した
い る。30年 代 前 半 に は、 実 家 に後 継 ぎ が いな い な
変 動 に 対 して 、生 産 単 位 の基 盤 で あ る土 地 利 用 の
ど 、実 家 の 関 係 で3人 ぐ らい離 農 した。 そ の 後 の
'離農
は、 本 人 の 家 族 の 事 情 によ る もの な どだ とい
集 団化 を維 持 す る シス テ ム、 これ が 存 在 す るか 否
う。 子 供 が 娘 ば か りで 、 男 子 後 継 ぎ が な い とい っ
同化 とい う シス テ ムが 、 従 来 これ を 可 能 に して き
た家 で あ る。 いず れ も法 人化 以 前 の事 例 で あ る。
た。 注 目す べ き点 で あ る。
{4)乳
1)公
か とい う こ とで あ ろ う。 前 森 山 農 場 で は 、 生 産 共
価停 滞 期 に お け る公 社 営 事 業
社 営 事 業 導 入の 背景 と事 業 内 容
に は余 裕 が あ っ たが 、 規 模 拡 大 の た め の 資 金 が不
公 社 営 事 業 の 導 入に つ い て 、 農場 で協 議 した の
は昭 和52・53年 頃 で あ る。 第 一 目的 は 、酪 農 の 規
足 して い た ので あ る。54年 事 業 着 手 、57年 に は完
了 して い る。
模 拡 大 で あ る。 そ れ まで の拡 大 過 程 の 中 で 、相 対
表 一2は 事 業 内 容 を 示 して い る(附 表2・3参
的 に45年 以 降 の 乳 量 増加 テ ンポ は鈍 化 して い た。
照)。 主 な 内容 をみ る と、酪 農 で は 、草 地 改良 約
第 二 の 目的 は 、 複 合 部 門 の導 入 に あ る。 当初 は 、
40hα、 牛 舎(搾 乳2棟 、育 成1棟)、
養 豚 拡 大 を 考 え て い た が 、豚 価 が悪 化 して い た た
堆 肥 舎3棟 、 尿 溜3基 、 トラ クタ ー3セ
め 計 画 を取 りや め た。 代 りに 肉牛 肥 育 を導 入す る
が あ る。 肉 牛 で は、 牛 舎2棟 、堆 肥 盤1基
こ とに な る。 当 時 、農 場 と して は、 労 働 力 と土 地
舎2棟 、 尿 溜1基 な ど と な って い る。 ほぼ 計 画 通
一49一
サ イ ロ7基
、
ッ トな ど
、堆 肥
りの 規模 で 実施 され た 。 そ の結 果 、 搾 乳牛120頭
元 利 返 済 計 画 に よ れ ば 、60年 は 肉牛 肥 育 関 係 の 返
(60頭 ×2棟)、 育 成牛72頭 、 肉 牛126頭 の増 頭 が
済 が あ って格 別 に 大 き く約1.1億
可 能 にな った 。 総 事 業 費 約6.2億
3,000∼4,000万 円 、66∼70年 約2,000万 円、71∼
は、 国50%、
県25%、
円、 負 担 区 分
受 益 者25%で
あ る。前 森 山
農 場 は、 約1.5億 円 を 負 担 す る こ と にな った 。
76年1,000∼1,500万
円、61∼65年 が
円 の 返 済 を して い く こと に な
って い る。徐 々 に 減 ら して い く予 定 で は あ るが 、経
常 利 益 を黒 字 に す るた め に は 、 少 な く と も返 済 に
2)収
支 状 況 と償 還 計 画
耐 え うる営 業 利 益 を 出 さね ば な らな い 。
表 一3は 、57∼59年 の資 産 、 収 支 の 推 移 を み て
い る(附 表4・5参
照)。
部 門別 の 営 業 利 益 を み る と、 共 通 、 育 成 牛 、 養
豚 、 園芸 の 各 部 門 が 赤 字 にな って い る。 共 通 部 門
貸 借 対 照 表 で み る と、負 債 ・資 本 計 の う ち長 期
の 「そ の他 の共 通 経 費 」1702万 円の うち500万 円
約2、8億
は 、 固定 資 産 税 等 の 租 税 公 課 で あ る。 園 芸 部 門 は
円に の ぼ る。 この うち 公社 営 事 業 関係 の借 入金 は
市 場不 安定 の た め に 、60年 に は 中止 した。 養 豚 部
1.6億 円 で あ る。 長 期借 入金 の約56.3%に
相 当す
門 は、 古 い畜 舎 を使 って お り、 償 却 費 は小 さ くな
る。 公 社 営 関 係 の 借 入金 は 、 主 に総 合 資金 に よ る
って い るが 、 そ れで も赤 字 が 続 いて い る。 就 業 場
借 入金 の 占 め る割 合 は 、59年 で55.7%、
(5年 据 え 置 き 、20年 償 還 、利 率5%、
据 置 期 間 中4.5%、
但 し、
償 還 開始59年)。
面 確 保 の側 面 もあ り、豚 価 の 回復 を待 って い る状
況 に あ る。 これ らの 赤字 部 門 の存 在 が 、結 果 的 に
損 益 計 算 書 で は、57年 の 経 常 利 益 の 赤字 の大 き
さが 目だ つ 。 営 業 利 益 で す で に赤 字 に な って い る
借 入金 圧 力 を 強 め て い る。
さ らに その 圧 力 を強 め る要 因 と して 乳価 の停 滞
た めで 、 販 売 ・管 理 費 す らカバ ーで き な い 程 度 の
が あ げ られ る。 酪 農 部 門 は、 全 売 上 高 の61.4%を
農業 利 益 しか 得 られ なか った た め で あ る。 これ は
占め 、農 業 総 利 益 の大 半 を 生 み 出 して お り、 現 在
58年 と比 較 して もわ か る よ う に、 原 価 の 高 さ よ り
で も農場 で の基 軸 部 門 で あ る。その乳 価 は現在101
は売 上 高 の低 さ に 問題 が あ る。 これ は前 述 の よ う
円/kgで あ る。公 社 営 事 業 の導 入 を計 画 して いた 頃
に、婦 人 の補 助 労 働 力 が 欠 けて い たた め の 飼 養 管
は、 乳価 は上 が る とい う予 測 を して い た と い う。
理 の不 徹 底 、 そ れ に よ る産 乳 量 の 低 下 が 主 な 原 因
60年 に は少 な くと も112円/kg程 度 に は な るだ ろ う
で あ る。58年 は 、原 価 の伸 び に比 べ 売 上 高 の 伸 び
と して い た の だ が 、 か な り予 測 が はず れ て しま っ
が 大 き く、 経常 利益 が わ ず か に黒 字 に な って い る。
た。 結 果 的 に 、 この 乳価 停 滞 も借 入金 圧力 を強 め
59年 は 、売 上 高 は伸 び た が 、 そ の反 面 、原 価(特
た。 予 測 通 りの 乳 価 に な って い れ ば 、少 な く と も
に材 料 費 、 労 務 費)、 販 売 ・管 理 費が と もに上 昇 し
公 社 営 事 業 によ る償 還 分 の か な りの 部 分 は 、 そ れ
た。 そ の結 果 、 営 業 利 益 は 減 少 し、営 業 外損 益 の
に よ って 吸 収 され た にち が い な い 。
負担 に耐 え きれ ず 、 経 常 利益 は 赤字 に転 化 す る こ
しか しなが ら、60年 は経 常 利 益 が 好 転 し、 赤 字
と に な った 。59年 の 累 積 赤 字 は 、 約7,40〔巧 円に及
累 積 が58年 水 準 ぐ らい に まで 減 少 した とい う。 赤
んで い る。
字部 門 の 中止 、 円高 に よ る コ ス ト低 下 、 返 済 の 進
表 一4は 、59年 の 損 益 を部 門 別 に みた もの で あ
行 な どに よ る もの と思 わ れ る。 今 後 は、 徐 々 に赤
る。営 業 外 損 益 の 中で 最 大 の負 担 は、 長 期 借 入金
字 累 積 を縮 少 して い く こ とに な ろ う。 現 在 が 一 番
の た め の支 払 利 息割 引料 で あ る。 昭和76年 まで の
苦 しい時 で あ る。
一50一
表一2公
社営事業の内容(前 森山団地)
(千円)
事
事
業
種
酪
目
事
草 地 造 成 改 良
業
本
道
備
552m
施
畜産施設用地造成整備
1.65hα
設
雑
水
施
小
設
陳
畜
物
看
視
業
量
事 業 費
転 石 処 理0.4hα2
1.92hα
23,232
3,662
他
貯 水槽1基
配 管1,249m
4,898
0.6ho
8,031
4,982
8,031
備
整
舎
事
53,319
整
舎
事 業 費
牛
16,545
計
隔
農
量
18.16hα
草 地 整 備 改 良
用
費
肉
農
基
路'整
業
備
整
搾 乳牛 舎
770,242㎡2棟
育成牛舎
446㎡ ×1棟
215,379
気密 サイ ロ
7基
81,896
257.6㎡ ×1棟
附帯 設 備 一 式
15,096
敷 料 庫1棟190㎡
計
量施設
牛 舎2棟700.44㎡
65,026
備
業
電気導入施 設整 備
用
飼料調整貯蔵施設整備
乾 草 庫1棟
190㎡
8,200
飼 料 庫 等 整 備
施
農
具
庫
整
備
設
家畜排せつ物 処理施設
整備
小
堆肥舎
尿
溜
3棟
32,270
35,612
3基
108β38
344,641
計
農 機 具 等 導 入 費
堆 肥 舎2棟
盤 ユ基320㎡
18g㎡
尿 溜1基483㎡
トラ ク タ ー
3セ ッ ト他
52ユ71
フ ァ ー ム ダ ン プ1台
カ ッ タ ー3台
他
4,316
土地 利 用 円 滑 化 事 業 費
測
量
及 試
験
費
用
地
及 補
償
費
工
事
一
般
4β05
費
6,647
1,918
費
24,904
雑
5,243
管
理
計
附
帯
合
注)『
事
務
費
計
6β86
486,925
134,794
4,870
1,349
491,795
136,143
岩手 山北部地 区公社営畜産基地建設事業実績書』の 「事業計画事業費総 括表 」よ り引用。
一一51一
表 一3決
算 の 推 移
勘
貸
資
産
の
部
借
対
負
債
●
照
科
目
昭 和57年
流
動
資 産
154,210
(100.0)
固
定
資 産
337,545
(100.0)
資
産
計
動
負 債
192,997
固
定
負 債
276,554
(うち長期借入金)
62ユ
510,171
(103.7)
515,495
(104B)
100.0
157,764
(81.7)
183,708
(95.1)
35.6
329,111
(119.0)
315,652
(114.1)
6L2
303,239
(121.2)
287,285
(1148)
55.7
499,361
96.9
(98.2)
250,050
(100.0)
計
469,552
(100.0)
資
本
計
22,203
(100.0)
負 債 ・資 本 計
491,756
(100.0)
510,171
(103.7)
515,495
(1048)
100.0
303,433
(100.0)
357,236(
117.7)
398,531(
131.3)
10α0
486,876
(103.6)
23,294
(104旬
(ユ06.3)
16,134
(72.6)
・3.1
原
価
267,603
(100.0)
290,909
(10&7)
330,143
(123.3)
82.8
原
価
275,837
(100.0)
299,035
(108.4)
342,866
(124.3)
86.0
益
27,596
(100.0)
58,201
(210.9)
55,665
(201.7)
14.0
販 売 ・管 理 費 計
34,978
(100.0)
36,608
(104.6)
41,022
(117.2)
10.3
21,592
14,643
原
生
産
価
農 .業
益
農
業
総
利
計
算
書
320,325
(94.8)
331,618
債
売 上 高(収 入)計
損
37.9%
(115二7)
(ユ00.0)
昭和59年
構成比
195,170
(126.5)
178,552
(100.0)
昭 和59年
負
の
部
昭和58年
491,756
(100.0)
流
資
本
表
定
(千 円:%)
3.7
営
業
利
益
▲7,382
経
常
利
益
▲26,981
953
▲7,160
▲1.8
当
期
損
益
▲26,817
1,100
▲7,160
▲1.8
注)『
営 業 報 告 書(付 属 資 料)』 よ り作 成 。
一52一
表 一4部
門 別 損 益 計 算 書(59年1月1日
∼59年12月31日)
(千 円:%)
部門名
勘定科目
酪
農
業
収
入
家
農
売
畜
上
高
〃
農 作 物
〃
収 入 計 ①
合
計
共 通部 門
乳 牛部 門
217,042(54.5)
217.042(10ω)
111,447(28.0)
20,434(183)
育成牛部門
農 耕部 門
1,266(1.1)
肉'牛 部 門
67,959(60.9)
養豚 部 門
事 業部 門
21,787(19.5)
52.659(96.1)
54.776(13.7)
2.116(38)
398,531(100.0)
244,745(61.4)
1.266(0.3)
52,659(13.2)
67,959(17.0)
21.787(5.4)
2.116(0.5)
原
生 産 原 価
330,143(820)
182.348(55.2)
1.676(0.5)
52,659(15.9)
60.154(18.2)
20、924(63)
5.995(L8)
価
農 業 原 価 ②
342,866(86.0)
194,550(56.7)
1,676(0.4)
52,659(15.3)
60.154(17.5)
21.445(62)
5.995(L7)
農業 総利益 ① 一②=③
販
売
'
1 9 ー
管
理
費
50,195
55,665(14①
発 送 配 達 費
7,417(1.8)
6,445(86β)
販 売 手 数 量
12.521(3.1)
6,723(53.6)
その他 の共 通経 費
計
④
営 業 利 益 ⑤ 一④=⑥
営 収
業外
損 費
益
営業外収益計⑥
1?.584(44)
17,020(96.7)
41,022(103)
17,020(41.4)
14,643〈3.7)
3,782(0.9)
支払利息割引料
23,755(6.0)
営業外費用計⑦
25586(6.4)
経 常利 益⑤+(⑥ 一@)=③
▲7,160(▲1.8)
前期繰越利益 ◎
▲66.958(▲168)
当期未処 分 利益 ③+⑨
▲74.118(▲18.6)
449(2.5)
16.105(39.2)
34,089
▲17,020
2.305(60.9)
1。447(3&2)
一
▲410
?,805
341
2,000
4,080(32.5)
36(0.2)
59(ρ3)
453(1.1)
5,銘6(13ユ)
一
▲863
4(0.1)
6,384(1.9)
6、384(1β)
▲4,267
18(仏2)
952(128)
22(0.1)
園芸部 門
65(0.5)
1,629(13.0)
19(0.1)
84(0.2)
1.971(4B)
2,418
▲1,629
2,000
▲4β52
2,418
▲1,629
2,000
▲4,352
25(0.6)
23.755(100.0)
2a755(92β)
1.830(7.1)
33,?06
▲38,470
注1)合
2)生
▲859
25
計 の(%)は 、収入 計① に対す る割 合。各 部門 の(%)は 、各 勘定 科 目の合計 に対 す る割 合.
産 原価=総 費用+期 首仕 掛 品等棚 卸高 一期 末仕掛 品等棚卸 高
農 業原価=生 産原価+期 首棚 卸高+家 畜 仕入高+廃 畜振替 高 一期 末棚 卸高
3)「
第 七期
決 算報告 書」 よ り作 成。
表 一5部
門 別 費 目 構 成(59年1月1日
∼59年12月31日)
(千円:%)
部門名
費
飼
料
費
索
労
務
費
目
膳
人
自
給
飼
料
飼
料
書
費
①
②
賃
金
雑
給
労 務 費 計 ③
種
肥料
苗
費
・農 薬 費
ト ラ ク タ ー 費
経
共通部 門
乳牛部門
68,552(37.5)
140,360(42.2)
44.374(24.3)
112,707(6L8)
192.909(57.9)
▲3.510(▲L9)
1.047(0.3)
61,976(18.6)
5,616
384
9,3臼(2.8)
72029(2L6)
25,062(13.7)
4.759(2.6)
32.863(18.0)
634(0.3)
9,785(2.9)
2,581(0β)
鵠,067(11.4)
一 切﹄ -
372(0.2)
145(0.0)
料
7,966(2.4)
保
険
料
898(0.3)
家
畜
代
434(0.D
諸
資
材
蹟
巳275(1.2)
6,964(2.1)
16
2,454(0.7)
種
付
費
1.126(0.3)
1.126(0.6)
登
録
費
47(0.0)
費
7.219(22)
1
868(0.3)
経
費'計
④
総 費 用 ⑤+⑥
(参 考)生
産
原
98.926(29.7)
364,893
他 勘 定 振 替 ⑥
970(3.8)
4,120
4,316(17.1)
630(0.9)
91
401
7.676(12.0)
13ρ54
'
5,294(21.0)
1,708
2,560
3,615
4,503
153
17,153
田4
8,354
419
3,538
蹴
225(α3)
812(1.2)
5,6田(88)
189
106(α4)
262
568(a2)
加(0.1)
42
903
3,266
535(2.1)
1,784
3,229
110(0.7)
581(0.9)
285
田4(α4)
163
525
1.150(1.8)
22
391
586(2.3)
557(2.2)
208
753(1.1)
731(2.9)
473(0.2)
14
0
370(0.5)
8(α0)
1
3
2(0.0)
5,037
35,544
26,919
52,124
7(α0)
40.287(22.0)
182,348(100.0)
182,348
、各 部門 の総 費用 に対す る割 合.
第 七期
362(1.4)
441(0.6)
40
決算 報 告書」 よ り作成。
▲2,780
1,676
10,391(16.2)
64,082
▲293
▲29,699
330,143
2)「
11,630
476
▲3L897
注1)(%)は
17.387(69.1)
6(0.0)
182,348
332.996(100.0)
価
43,251(67β)
5.049(2.7)
▲17
共 通費 配 賦 額
小計①+②+③+④=⑤
3,525
6.254(98)
82
園 芸部 門
17.797(70.8)
825
5,020
事業 部門
434(1.7)
2β田(1.2)
保 険 衛 生 費
雑
43,004(67.4)
養豚 部門
2、762(4.3)
328(0.1)
1,433(0.7)
動 水 光 熱 費
8,047
115
299(0.1)
肉牛 部門
237(0.3)
16,036
3,215
516(α2)
借
3,525
1.243(0.6)
租
課
7,480
24.823(13.6)
施 設 修 繕 費
公
農耕部 門
17,7鵠(53)
減 価 償 却 費
税
育成牛部門
1,937(0.6)
車 両 等 経 費
賃
黄
計
52.659(15β)
〃.
計
合
1(0.0)
3,386(13.4)
27,038
2,079
0
298
0
2379
1,880
5,995
6β84
▲1,904
52,124
63,789(100.0)
25,134(1000)
5,995
6,384
52,659
60,154
20,924
5,995
6β84
表 一5は 、部 門 別 の 費 目構 成 を 示 して い る。 合
求 され 、建 築単 価 が非 常 に高 くな る。 償 還 が 大
計 で 最 も高 い構 成 比 を もつ の は 、 総 費 用 の42.2%
変 だ し、維持 費 も大 変 で あ る。鉄骨 は ア ンモ ニ ア
を 占め る購 入飼 料 費 で あ る。 円 高 が コス ト低 下 に
によ る さび が す ご くて 、む しろ間伐 材 な どを 利
与 え た影 響 は大 き い。 特 に 肉 牛 、 養豚 で は そ の 比
用 して 木 造 で 建 て た 方 が よ い と い う意 見 が あ っ
率 は 高 く、飼 料 価 格 は 両 部 門 で の 収 益 性 を決 定 的
た。
に左 右 す る とい って よ い。
②
不 動 産取 得税 の 問題 。 公 社 か ら生 産 者 へ の 移
転 時 に、 不 動 産取 得 税(当 時 県 税で3%、
3)現
地の要望
約600
万 円)が 賦課 され る こと に な る。 これ を何 とか
公社 営 事 業 に つ い て 、 主 な 要望 は 次 の よ うな も
して ほ しい とい う要望 が あ った。
のが あ った 。
①
牛 舎 等 の建 築基 準 に 、 も う少 し融通 性 を も た
せ て ほ しい 。 柱 の 太 さ な ど必 要 以 上 の 強度 を要
{5}環 境 汚 染 防 止 対 策 につ いて
前 森 山 団 地で は 、家 畜 排 せ つ 物 処 理 施 設 と して
尿 の 半 分1788.ltは
、地域の水稲作農家の水田を
堆 肥 舎5棟 、尿 溜4基 、 堆 肥 盤1基 が 設 け られ 、
中心 に還 元 す る。 これ は総 生 産 量 の ほぼ 半 分 に 当
農 機 具 で は糞 尿 吸 上 ポ ンプ2台 が 特 に準 備 さ れ た 。
た る。 経 営耕 地197haの う ち、40haは デ ン トコ ー
これ らの施 設 と機 具 を 用 い て 、 尿 や 糞尿 混合 液 の
ンの作 付 が 計 画 され たが 、 こ こに は 肉 牛 と豚 の オ
散 布 や 、敷 料 の イ ナ ワ ラや オ ガ クズ を混 合 した堆
ガ クズ堆 肥 計1793.1tを
肥 の製 造 を行 な う こ とが 計 画 され た。
地 に は 、乳 牛 の糞 尿 混 合 液2233.8t、
「計 画 書 附 属 資 料 」 の 中 で は 、糞 尿 の利 用 は施
肥 設 計 と して 取 り上 げ られ て い る。 変 更 す る前 の
前 森 山 団 地 の 計 画頭 数 は 、搾 乳 牛 約340頭
、育 成
還 元 し、残 り157haの 牧 草
乳 牛 の尿 の
半 分 と豚 の尿 計2125、5.tを 投 ず る こ と と して い る
(図 一4)。
こ うした糞尿還 元 によって、トウモロコシ2,400,000
牛 約270頭 、肥 育 牛 約40頭 そ して 豚 が 繁 殖 約60頭 、
㎏(ha当 た り収 量60,000㎏)、
肥 育 約510頭 だ っ た が 、 これ らの生 産 す る糞 尿 の
(ha当 た り収量45,00b!・.g)の
年 間粗 飼 料 生 産(表
半 分 は 、197haの 計 画 経 営 面 積 に還 元 され る こ と
6)に
に な って お り、残 り半 分 は、 イ ナ ワ ラ入 手 の た め
半 とカ リの 約6/7を
に 交換 に 用 い られ る な どの 方 法 で 、 地 域 的 に 利 用
また 、 この 飼料 生産 で 、TDN自
され る計 画で あ った。
で63%、
経 営 内 で の糞 尿 利 用計 画 を、 詳 し くみ て み よ う。
牧 草7,065,000㎏
一
必 要 な 肥 料成 分 の う ち、 窒 素 と リ ン酸 の 過
供 給 しう る と され て い る。
初 妊 牛 で70%と
給 率 は、 経 産 牛
な る よ う給 与 計 画 はた て
られ て い る。
敷 料 は 、 肉牛 と大 部 分 の 豚 に は オ ガ クズ を 使 い 、
計 画 の 中で は 、総 労 働 時 間 と糞尿 処 理 労 働 時 間
乳 牛 と残 りの豚 に イ ナ ワ ラを 用 い る こ と と した 。
(切 り換 え しや 堆 肥 の 管 理 に要 す る時 間)の 調 整 に
そ して 、 イ ナ ワ ラを混 入 し発 酵 さ せ た き ゅ う 肥
はふ れて い な い。 この 点 に っ い て の考 察 は、 堆 肥
(乳 牛 か らの3088.2tと
生 産 の 経 営 内 で の 可 能 性 を明 確 にす るた め に 必 要
豚 か らの130.8t)と 乳 牛 の
一55一
表 一6作
付 と飼料生産の計画
作 目名
利用形態
作付面積
血α
サ イ レー ジ
牧
草
で きあが り量
463軌500㎏
ag11545㎏
hα当 収量
45000㎏
157
乾
トウ モ ロ コ シ
総 生産 量
2,425,500
291,060
45,000
2,400,000
1,654,800
60,000
草
40
サ イ レー ジ
図 一4糞
尿 利 用 計 画
152t
'
/肉 牛 オガ クズ堆肥
豚 オガク ズ
堆 肥
1640t
デ ン トコ ー ン
/豚
40ho
'
豚
尿
乳
牛
へ
3088t
地域 へ
き ゅう肥
き ゅ う 肥130t
337t
牧 草
/
t57ho
1788t
乳
牛
尿
1788t
\
乳
2234t
\
牛
糞尿混合
で あ った と思 わ れ る。 が 、 経 営 内で の還 元 に オ ガ
デ ン ト コ ー ン は50,000kgで
クズ 堆 肥 を考 え た 点 は(水 分調 整 剤 と して イ ナ ワ
が 計 画 収 量 よ りや や低 い。 前 森 山の 場 合 、 高冷 地
ラを 使 用 した もの よ り発 酵 が 早 い)、 経 営 内で の
で あ る た め の 困 難 が 大 き い よ う だ 、 牧 草 ・デ ン ト
労 働 節約 を考 慮 した こ との あ らわ れ と言 え よ う。
コ ー ン の で き あ が り量(利 用 量)は 、 牧 草 サ イ レ ー
以 上 の よ うに 、 前 森 山 団 地 で の環 境 汚 染 防止 計
ジ が1,472,000kg、
あ って 、 デ ン ト コ ー ン
牧 草 乾 草 が599,500㎏
画 は、 粗飼 料 自給 率 を 高 め る経 営 的 目標 に 、汚 染
コ ー ン の サ イ レ ー ジ が1 ,928,000㎏
源 で あ る糞尿 の 半 分 の 量 を結 合 さ せ 、 残 りを地 域
え た 量 が8,700kgで
内 還 元 に ゆ だ ね る方 向 で た て られ た。
TDN自
あ る(表 一7)。
給 率 は60∼65%で
、デ ン ト
、牧 草 を 生 で 与
そ して 乳牛 の
、 ほ ぼ 計 画 通 り と評 価
こ う した 計 画 に た い して 現 実 は ど うだ ろ うか 。
で き る だ ろ う 。 しか し 、 草 地 の 施 肥 に 関 し て は 、
まず 収 量 に つ い て だ が 、 牧 草 は40,000・-45.000㎏ 、
草 地 が 古 くな って お り、 肥 料 の 効 果 が あ が らな く
一56一
表一7作
付 と飼料生産
作 目名
利用形態
作付面積
hα
サ イ レー ジ
牧
草
599,500
草
50
サ イレージ
デ ン トコ ー ン
デ ン トコ ー ン
尿利用の実際
ン
肉
\
牛
また 、計 画 と大 き くち が う も うひ とつ の 点 は 、
経 営 外 へ 持 ち 出す 糞 尿 の 量 が 非 常 に 少 な い こ とで
ミガ ラ)
あ る。 前 森 山 は、 イ ナ ワ ラを 昭 和59年 は45ha、60
●
豚
年 に は15hα、 水 稲 作 農 家 か ら手 に 入 れて い る。 こ
尿
1000t
れ は 、 購 入 な い し イ ナ ワ ラ交 換 に よ る の だ が 、
この イ ナ ワ ラ交 換 の た め水 稲作 農 家 に渡 した堆 肥
乳
牛
尿
2000t
は、 昭 和59年76t、
、
150hG
50,000
ず れ ば 、背 の高 くな る コ ー ンで 陽 を さ え ぎ る こ と
豚1000t
(+モ
ミガ ラ)
草
1,928,000
,000
2000t
1
牧
40,000
∼45
がで き 、 ギ シギ シの 増 加 を お さえ る こ とに な る。
(+モ
50b
1遵72∂oookg
hα当 収量
40,000㎏
∼45,000
150
乾
図一5糞
で きあが り量
,
牛
6000t
(+イ
ナ ワ ラ)
あ っ た。 これ
以 外 の 糞 尿 はす べ て 経 営耕 地 に還 元 され て い る。
イ
吉
乳
昭 和60年6tで
ラ
黍
6
6t∼76t
団 地 の 耕 地 は 火 山 灰 土 壌で 土 が 悪 く、前 森 山 と し
て は、 少 しで も多 くの 有機 物 を投 ず る こ と に よ り、
土 を 肥 沃 に した い と考 え て い る ので あ る。
これ ら二 点 の違 い の結 果 、乳 牛 と豚 の 尿 の みが
草 地 に散 布 され 、 残 りの糞 尿 の ほぼ 全 量 が 、
デント
コー ンに投 入 され てい る(図 一5)。 実際 の量 の把握
は困 難 だ が 、 現在369頭 い る乳 牛(成 牛)の きゅう肥
(推定値)
な って き た とい う。
の 量 と糞 尿 混 合 液 の量 だ けで も、4,600tほ
実 際 の糞 尿 の利 用 に お いて は、 計 画 で 考 え られ
どには
な る とい う。生 の状 態 で の総 糞 尿 生 産量 は、 牛 だ
な か った困 難 が 発 生 した。 それ は、 牧 草 地 の 雑 草
けで もお よ そ10,000t、 豚 の分 を加 えると約12,000
ギ シギ シの増 加 で あ る。 この ギ シギ シ駆 除 対 策 と
tと 推 定 され 、岩 手 県LAP運
して 、糞 尿 の 還 元 は 、 デ ン トコ ー ン50haを 中 心 に
い る 「土 づ く り対 策 技 術 指 導 資 料 」 の還 元量 を 目
せ ざ る を得 な くな っ た。 と い うの は 、 牛 に 飼料 と
安 に す れ ば 、 そ の5∼6倍
して 与 え た牧 草 に ギ シギ シの 種 子 が 混 入 して い る
入 に な って い る よ う に思 わ れ る。
動 協 議会 が だ して
とな って お り、過 剰 投
と、糞 を ま くこ と は ギ シ ギ シの 種 子 を ま く こ とに
そ の 上 、 この 量 的過 剰 に加 え て 、投 じ る糞尿 は
な って しま い、 ギ シギ シを ます ます 繁 殖 させ る こ
ほ とん ど発 酵 がす す ん で いな い 生堆 肥 で あ る とい
と に な るか らだ 。 これ に対 して デ ン トコー ンに 投
う質 の 面で の 問題 もか か え て い る。 前 森 山で は、
一57一
この 生 堆 肥 の 過 剰 投 入が 原 因 と考 え られ る硝 酸塩
な い 、 目標 とす べ き量 と性 状 を決 定 す べ きで あ る。
中 毒 が 、 こ こ2∼3年
次 いで 、 堆 肥 を 目標 の 量 と性 状 で生 産 す るた め の
牛3頭
発 生 して お り、60年 には 乳
に中 毒 症 状 が あ らわ れ た。
経営 内労 働 力 調 達 の 可 能 性 を調 査 しな け れ ば な ら
こ う した 事 態 に対 して、 前 森 山 は、 糞 尿 の 完 熟
な い。
堆 肥 化 が 解 決 に つ な が る と考 え、 完 熟 堆 肥 生 産 を
経 営 内で の 目標 達 成 が 困 難 な 場 合 に は 、堆 肥 生
追 求 して ゆ くつ も りで い る。熟 成 して い く過 程 で
産 に つ い て 経営 補 完 的組 織 が 存 在 して い るか ど う
の発 熱 は、 一 般 に 混 入 して い る雑 草 の種 子 を殺 す
か とい う点 まで 、検 討 を進 め るべ きで あ ろ う。 近
効 果が あ り、 ギ シギ シに対 して もそ れ は期 待 で き
隣 にな ん らか の参 加 可 能 な堆 肥 生 産 組 織 が な いの
る。 また 、発 酵 に よ り堆 肥 中 の窒 素 を減 少 させ る
な ら、 地 域 の有 機 廃 棄 物 処 理(利 用)の 状 態 、 堆 肥
こ とが 、硝 酸 塩 中 毒 を 防 ぐだ ろ う。
の 需 要 ポテ ン シ ャル 等 か ら、 地 域 的堆 肥 生 産 シ ス
しか し、 現 在 完 熟堆 肥 をつ く るの は 、 な か な か
テ ム形 成(な い し改 善)の 可 能 性 を さ ぐ り、 そ の実
困 難 で あ る とい う。 それ は、 労 働投 入 面 の制 約 に
現 にむ けた 計 画 が 必 要 とな る。 この点 の調 査 ・計
よ るだ け で な く、 堆 肥 舎 の 大 き さ に もよ って い る
画 ・実 行 は 、 現 行 の 畜 産 基 地 建 設事 業 の 内容 に は
と い う。堆 肥 舎 は 、冬 期120日 分 の糞尿 を2mの
高
な い。 だ が こ う した 経 営 補 完 的 組 織 へ の参 加 が あ
さで 積 み 、 切 り換 え しな どのた めに、余 裕 率 を1.5
って初 めて 、 経 営 に と って 十 全 な 糞 尿 利 用 が 成 立
と っ た面 積 に設 計 さ れ た。 しか し、 前 森 山 は、 一一
す るの な ら、 そ も そ も団 地 計 画 の 中 の堆 肥生 産 計
年 間 は発 酵 させ て ほ ぼ 全 量 経営 内耕 地 に還 元 した
画 は 、 この 組 織 の計 画 と1司時 平 行 して 立 て られ な
い意 向で い る。 そ うす る と、発 酵 に よ り堆 肥 の 体
くて はな らな い。
積 が減 少 す る と して も、120日分 で は狭 い と い う こ
同 じ こ とが 、経 営 内で 利 用 す る必 要 が な い 糞 尿
につ いて も言 え る。 余 剰 糞 尿 が で るな ら、 その 処
とに な るだ ろ う。
以 上見 て き た よ うに 、 前 森 山 団 地 の糞 尿 利 用 上
理 計 画 が 必要 で あ る。 そ して、 その 地 域 的 利 用 を
の 問 題 の 原 因 は 、 計 画 に 際 して 、 糞尿 の全 量 還 元
考 え るな ら、 そ の 計画 の検 討 が 必 要 なの で あ る。
の 経 営 的 意 義 が 、 計 画 者 側 に充 分伝 わ らな か っ た
公 社 と して は 、 こ う した地 域 的計 画 に今 後 ど う参
点 に あ る。 計 画 者 は、 粗 飼 料 自給 率60%以
与 す るか 検 討 す べ きで あ ろ う。
上達 成
とい う課 題 か ら、 この 経 営 体 に と って の堆 肥 の重
要 性 を 検 討 し、 その 上 で 適 切 な 計 画 を 立 て る努 力
を払 った 。 だ が 、 前 森 山が 感 じて い る堆 肥 の 重 要
性 は、 計 画 者 の 認 識 を上 回 る もの だ った の で あ る。
粗 飼 料 自給 率 の 向上 を重 視 し、 耕 地 の 肥 沃 化 を
必 要 と考 え て い る経 営 体 で の環 境 汚 染 対 策 は 、 家
畜 糞 尿 堆 肥 化 過 程 を経 営 内 の重 要 な 部 門 と して 位
置 付 け る こ とで 、効 果 を あ げ る ことが 可 能 で あ る。
また 、 そ の こ とが 、 経 営要 素 で あ る耕 地 の 健 全 な
再 生産 に必 要 な の で あ る。 そ の 際 、 まず 地 力 維 持
に必 要 な堆 肥 の 量 と性 状 につ い て 充 分 な検 討 を行
一58一
(農 村 開 発企 画委 員 会 研 究 員)
附表1前
年
森 山集 団 農 場 年 表
生 活 関 連 施 設 等
次 ・
農 業 生 産 関 連 施 設 等
乳牛
頭数
年間
乳紐
1頭 平
均乳量
中 華人民共和国よ り帰国 、兵士、開拓団、義
勇隊出身者。
S路 ∼29
・
S29.
S3α
9月
現地調査(代表3名)入
遣 隊(11名)現
12.開
拓農業協同組合設立
4.本
隊 到 着(33名)
10月 開 拓開始
10.先
7.第1・
S31.
植決定
第2住
地到着
・
4.耕
宅完成
1α
食堂、炊事場、風呂場完 成、自家発電開始。
1α
第3・ 第4住
宅完成
S3a
馬 導入(4t)
5岩
6第
手県開 拓連 より トラクター到着 機械開墾開始
一年度蒔 付終 了(ヒエ、大豆、馬鈴薯 等)畜 力農機具、
その他加工機入 る
11。
第1牛 舎 完 成
。
初 め て乳 牛導 入(6月3頭
、11月7頭)
10.厩
舎 、鶏 舎完 成
5ト
ラク タ ー 第1号 導 入 。 機 械 作 業 開 始◆
12.第2牛
。
北海道よ り乳牛導 入(12頭)
S35.
胞
1a豚
北海道よ り乳牛導 入(11頭)
舎完成(後に第4牛 舎 となる)
肱
外線による電気導入
4.耕
t
4
頭
67
t
144
kg
4,140
頭
16?
t
480
kg
4,753
頭
223
t
809
kg
5,045
旦
舎 、 サ イ ロ、 車 庫 完 成.
S34.
S36.
頭
10
転 機 入 手、 デ キ ス タ ー、 トレー ラー 到着 、 ミル カ ー設
置 完 了 、 パ ケ ッ ト搾 り。
7.公
団 に よ る機 械開 墾開 始(12月40ho完
12.第3牛
S37.
S3α
S4α
S41.
104二
乳出荷先、不二家に変更
5.婦
人 ホ ー ム完 成
11.牛
乳出荷 先、森永乳業に変更
6ス
3.ヘ
ーベ ー ラー到 着(乾 草梱 包)
10.機
械抜根完了(基本的 に開墾完了)
。
第1・
ト ラ ッ ク(3t)、
ク ー ル バ ス通 学 開 始
。
12初
の黒字 決算(年度決算)
7.耕
7.住
宅改造開始
了)
舎完成
第4牛
舎 、豚 舎増 改 築
トラ ク ター 等 導 入
馬売却
3..第1牛
舎 堆 肥 盤 、尿 溜 工 事 開 始(環 境 整 備 事 業)
7.第4牛
舎増築着工、森永御殿場牧場より高 等登録牛(2
頭)導入
、
S42.
1.ク
S43
5.牧
草用農機具導 入によ り牧草へ単一作物化す る
9.牡
積 牛舎完成、肉用素牛生産開始
。
各牛舎増 改築
10.鯉(153匹)購
S44.
S45
5.1戸
建住 宅 着 工(8月3棟
6.給
S46.
◆
完 成)
入放す
繁殖豚舎、肉豚舎完成
水完 成
a第3・
7.1戸
S47.
ー ラー ス テ ー シ ョ ン設 置(中 松 尾)、 集 乳 開 始
第4住 宅内部改造終了
建住 宅4棟
3.第1・
第2住
6.第4ト
完成
U.ト
宅改造完了
6.放
送塔完成
2.物
価 狂乱 、乳 価6%引
レ ンチサ イ ロ完 成
ラク タ ー車 庫 完 成'・
4.ト
ラ ク タ ー °4.㎜"導
12.中
央 牛舎 完 成。 バ ル ク クー ラー 、 パ イ プ ラ イ ン ミル カ ー
入
が導入
S48、
1σ
.S49.
4.前
騰
10.新
森山保 育所閉鎖。開拓連合会解散、岩手畜
6第2肉
き 上 げ 、 飼料50%高
産農協となる。
10.松
尾村乳牛 共進会優勝
11.飲
繁殖豚 舎完成
客間完成 、食堂、炊事場改造完成
豚 舎 完成 、 トラ ク ター(2台)、
入(二次構)
用 水道 完成
一59一
その 他 大 農 機 具 導
(附表1っ づ き)
年
S50.
生 活 関 連 施 設 等
次
9.村
乳牛
頭
数
農 業 生 産 関 連 施 設 等
道前森線完成(舗装)
5ア
1ρ
メリカ輸入作導 入(1頭)
糞 尿 タ ン久
11.パ
。
油 タ ン ク完 成 。
ン ク リー ナ ー 、 コ ー ン八 一 ベ ス 歩 一 入手(コ
ー ン栽 培
382
頭
t
993
kg
5.前8
復活)
育成牛舎新設
2.第2牛
S51.
1頭 平
均乳量
年量
乳
間
舎 改 造 終 了 、パ イ プ ラ イ ン ミル カ ー 入 る、 トラ ッ
ク購 入 。
5ご
排 水 用 ヒ ュー ム 管埋 設(1号
地 の 泥 炭 地)
6.中
央 牛 舎 バ ンカ ー サ イ ロ完 成
10.堆
肥場、尿溜完備(環境整備事業)、肥料倉庫完成 。
12.ア
メ リ カ輸 入 牛(2頭)
S54.
10.大
規模畜産基地建設事業(公社営)着手
S55.
3.ス
チ ール サ イ ロ4基 建 設(公 社営 事業)
12新
牛 舎完成(搾乳牛舎60頭x2棟)、 第5・ 第6牛 舎とす
S53.
t.各
戸電話設置
a農
事組 合法人前森山集団農期 となる
る(公社営事業)。
S56.
格 納庫1棟
第3牛 舎改造終了。搾乳牛369頭収容可能 とな る。
2.共
3.食
4.婦
同組織のあり方を討議。運営組織を変更。
堂廃止、男だけの労力に経営を切りか え。
人の一部出稼 ぎ開始
己
12.道
路舗装工事
&ビ
・(∼S57)育
。
婦人労働力回帰(臨時雇)
成 牛 舎(酪 農)1棟
、 ス チ ー ルサ イ ロ3基 、 道 路
育成牛舎(肉
計量施設一式、堆肥盤1基 、公社営事業完 了
ニ ー ル ハ ウ ス20基 建 設(野 菜 用)
11.北 海道より乳牛導入(2頭)
肱
乳牛改良 ・給餌法改善で搾乳牛1頭 当り乳量が5.800kg
を超 える.
S59.
4販
S60.
。
注1)年
、 草 地 造 成 、 整 備40hα
整備、雑 用水施設、哺育牛舎(肉牛)1楓
牛)i棟(公 社営事業)
S57.
S58.
。
表 整 理 は 、 「写 真記 録 ま え も り1954∼1984」
のf年
売用野菜 の作付開始、福島よ り種豚入手
頭
509
野菜作中止
表 」 を 中心lc、
約t
2,190
「農 業 の あ らま し1985」 及 び 今 回 の 聞 き 取 り調 査 を 参考teし た 。
主 に 、 農 業 生産 基 盤 の 変 遷 に 関 す る 事 項 を抽 出 して あ る 。
2)乳
牛 頭 数 は.搾 乳 牛+育
成 牛 で あ る 。S31∼
旬 の 数 値 は 、 「農場 の あ ら ま し1田6」 よ り引 用 、S60は
一60一
約kg
5,900
聞 き取 り調 査 に よ る。
附表2農
業 用 施 設 の規 模 決 定 根 拠
設
部
門
畜 種
施設の種類
牛
舎
模)
根
拠
堆肥 舎
尿
溜
229㎡x2棟
169,2㎡ ×2基
最 大 貯 溜燈352.2㎡
最 大 貯 溜鑓1692t所
185㎡ ×2棟
150【㎡×2基
486㎡ ×1棟
サ イ ロ
95㎡ ×2基
66.15㎡xl棟1
92.4㎡
×1基
一 法
所 要 面 積352.2㎡
要 規 模169.2㎡
月)×6㎡=!08㎡486㎡
月)×7㎡ ヨ378㎡
最 大 貯 溜 殖88.2㎡
最 大 貯 溜垣92.4tα1所
90㎡ ×2基
所 要面 積
田.2㎡+2×L5■6&15㎡
要規 模924㎡
計 画 頭 数90頭(13ケ
月 ∼16ケ 月)
90頭 ×14kgx365日=45駄9t必
要絶数
現 有 バ ンカ ーサ イロ6mX25mX23mXα7=241.5t
不足 分45ggt-2415t=21&4t=312㎡
幸300【己
257.6㎡ ×1棟
ホ イル トラ ク タ95PS(42+0,25)×(23+0.25)×2台=22.7㎡
80PS(3.6+0.25)×(L7+0.25)=7.5㎡
八 口ベ ス タ ー(52+025)×(3
.2+0.25)×2台
ア タ ッチ メ ン ト(49+025)×(1β+α25)x2台=21.1㎡
モ ア コ ンデ ィ シ ョナ ー(4ρ+0.25)×(a1+α25)=142㎡
フ ォ ー レー ジブ ロア(2フ+0
.25)×(2+α25)=13.3㎡b
ヘ イ メー カ(40+0
.25)×(3+α25)-133㎡
ダ ンプ ボ ック ス(43+0.25)×(1.9+025)x2台i196㎡
ス ラ リー ポ ンプ(1β+0.25)x(1.0+0.25)×2台
シ ョベ ル ロー ダ ー(▲4+0.25)×(22+α25)x2台i228㎡
家畜 輸 送 車(725+0,25)x(2A+0,25)工
舎
計 画頭 数46頭(0∼2ケ
"80頭(2∼4ケ
散 料厩
208㎡ ×1棟
肉牛400頭
の敷 料4ケ 月分 貯 溜
400頭 ×4㎏ ×1208=192tエ480㎡
480㎡ ÷3mXL3=208ロf
乾 草庫
228㎡x1棟
肉 牛400頭
の 乾草4ケ 月貯 溜
400頭xlkg×120日248t48t×11㎡
528㎡ ÷3×1.3=228㎡
堆 肥 舎
1120「×1棟
90㎡xl棟
育 成牛126頭
堆 肥 盤
435㎡xl基
最 大 貯溜 量7580f所
尿
504㎡x1基
最大貯溜蹟504㎡
溜
446㎡ ×1棟
(6ケ 月 ∼12ケ 月 令の 牛 に 給与)通 年 サ イ レー ジ
42頭 ×8嬉x365日 ÷0ご74×1.15=190㎡.・.95㎡x2基
2?6㎡ ×1棟
480㎡ ×1棟
牛
770ロf×2棟
÷2mx13目229㎡
300㎡x1基
ー
農具 庫
計 画 頭数
18頭(0∼3ケ
54頭(4∼12ケ
規模x2棟60棟x▲3㎡=780㎡
実施面積(規 模)
470㎡ ×4基
舎
搾 乳牛120頭60頭
積(規
算
509㎡ ×2戊
473㎡x2基
育成牛
肥育牛
面
サ イ ロ
堆肥 舎
尿
溜
育成牛
能
積
搾 乳生 月 通 年 サ イ レー ジ
グ ラス サ イ レー ジ60頭
×30kgx182日 ■327.6t3276㎡+α74xLI5=509㎡
コ ンサ イ レー ジ60頭
×30㎏ ×183日 工329.4t32息4÷{L8xL15=473㎡
サ イ ロ
肉 牛
可
計 画頭 数
牛
農
置
積
780㎡ ×2棟
乳 牛
酪
面
648㎡x1棟
9215㎡x1基
300㎡x1基
、
コ37.6d
計197
,1㎡+40α 「(整備室)=237.1㎡
配 置等 を 考え て8
皿x322ロ
ー257.6㎡
工46㎡
鳳9㎡'
月)6㎡x46頭
一276【¢
月)6〔
ゴx80頭=480㎡
最 大 貯溜 貴311㎡
要面 積7田
25τ6㎡ ×1棟
23052㎡x1棟
456.64㎡x1棟
1go㎡ ×1棟
ノt■528㎡
所 要面 積311ロf÷2m×13=202㎡
㎡ ÷2mXLI5=435㎡
190㎡ ×1棟
108㎡x1棟
81㎡ ×1棟
360㎡ ×t基
483㎡ ×1基
注)「 岩手山北部地区公社営畜産基地建設事業実績書」より。
附表33年
勘
度 比 較要 約貸 借 対 照 表
定
流
資 動
資
当
座
資
産
た
科
現
目
金
7,519
債
権
15,739
上
計
卸
資
産
産
貸
倒
引
当
金
有 形 固 定 資 産
固
定
資
部 産
等
減価 償却 累 計 額
負
債
債
本
資
部
本
の
部
注)出
1.0
5.2
1.1
0
0
0
5,553.
325,977
195,170
31.4
350
37.9
313,735
677
639
60.9
△0
0
325,977
313,735
5,641
6,589
4647
331,618
32α325
677
0
0
63.9
60.9
1.1
1.3
9
68.6
65.0
100.0
62.1
510,171
515,495
務
54,945
27,572
47,851
11.2
54
9.3
入 金
34,293
21,003
24,132
7.0
4L1
47
未 払 金 ・未 払 費 用
14,030
13,699
13β29
入
期
債
借
100.0
2⑨
2.7
2.6
0
0
0
動
前 受 金 ・仮 受 金
0
0
0
負
割
形
0
0
0
0
0
0
債
納
当 金
0
0
0
0
0
0
そ の他 の 流 動 負 債
89,728
95,488
98,394
18.2
1&7
19.1
192,997
157,764
183,708
39.2
30£
35.6
250ρ50
303,239
287,285
50B
594
55.7
引
税
手
充
計
長
期 借
入
計
資
法
金
そ の他 の固 定 負 債
合
の
24.7
491,756
短
固
定
部 負
債
資
24.1
25β
計
の
・
12.1
0
100.0
買
流
5.7
△0
△0
337,545
合
負
4.7
26,452
332,898
そ の他 の固 定 資 産 等
計
11.9
0
127,464
332,898
計
49
122,969
178,552
期
0
125,860
△0
当
3.2
62,152
△0
期
61,410
29,129
154,210
計
の
前
0.1
23,258
5,091
前 々期
OB
0
△0
比 陶
1.5
0
その他 の流 動資産
産
成
741
4,141
24987
千円)
構
59年12月 現在
0
そ の他 の 当座 資 産
な
58年12月 現 在
57年12月 現在
名
・ 預
金
売
(単位
本
定
当
準
期
備
損
5.1
55
329,111
315,652
56.2
64.5
61.2
486,876
499,361
95.5
954
96.9
90,253
90,253
1&4
17.7
175
276,554
469,552
金
9α262
0
金
そ の他 利 益 剰 余 金
54
25,871
計
益
2a367
26,504
一41
0
0
一26β17
1,100
一68
,240
,058
0
一7ユ60
一55
一66
一84
,958
2
一13
.3
合
計
22,203
23,294
16,134
4.5
4.6
合
計
491,756
510,171
515,495
100.0
100.0
所:r第
七期
決 算 報 告 書 』(前 森 山 集 団 農 場)よ り。
一62一
0
0
一1
.4
一13
.0
3.1
100の
附表43年
度 比較 要 約 損 益 計算 書
(単位
57年1月
勘
定
科
純
売
商
品
経
業
名
上
原 価
8,234
4,344
1,047
12.0
a1
費
36,484
38,882
原
その 他 の 製 造 経 費
9,390
28,963
28,941
却
当 期総製 造 費 用
価
仕
掛
製
品
品
等
増
減
増
減
0β
330,143
8&2
△0
0
8.1
一85
.3
3⑨
814
0.3
9.6
7.3
83.6
0.7
82B
0
0
上
原
価
267,603
290,909
330,143
8&2
81.4
82B
売 上
原
価
合
計
275β37
299,035
342β66
上
営
総
利
益
管
費 合
業
業
損
外
計
益
収
一7
益
特
常
別
特
利
別
引
損
税
期
注)出
等
損
益
当
86.0
55,665
9.1
16.3
14.0
1,540
826
1,292
0.5
0.2
0.3
2,485
1,812
1449
OB
0.5
0.4
647
1,142
1,950
02
0.3
05
4,673
3,780
4,692
1.5
1.1
L2
5.9
6.7
5.9
0.2
0.1
0.1
4刀
2.3
3.1
11.5
10.2
1α3
17,765
24,045
548
506
12,406
34,978
36,608
41,022
14,643
3,496
3,782
23,109
436
1,024
953
所:附 表3と 同 じ。
一63一
6.0
3.7
1.0
1.0
0.9
73
6.5
6.0
0.1
0.3
一&9
,160
3
47.6
7.1
25,151
0
47.6
7.0
1,100
,817
1,830
一7
.4
0
0
0
23,755
一2
25,297
1,100
,817
額
益
21,592
22,264
144β19
一26
476
8276
144,484
一26
2a445
11,991
,981
失
損
充
一26
益
損
前
益
83.7
58,201
3,100
その他営 業外 費用
経
90.9
27,596
,382
支 払 利 息 割 引 料
人
△0
△0
89.0
△2,851
290,909
26τ603
332,995
10.9
売
営
税
△13,897
△2,577
役 員 報 酬
人 従業員給与 ・賞与
販売件
生
費
費 厚
費
合
計
二
股 販売 費(除 人件費)
管
理 減 価 償 却 費
費
そ の 他 管 理 費
営
業
外
損
益
304,807
270,180
1.2
22
品
販
当
1&1
6,758
売
法
172
費
製
部
22.7
61,315
償
3.2
72,029
68,977
価
100.0
484
費
工
2.3
期
4&0
費
加
100.0
当
2.7
務
注
期
49.0
料
外
前
12,722
減
益
100.0
千 円)
比{%
192,909
38,067
損
部
398,531
前々期
労
当期 製 品 製 造 原 価
の
59年12月 ま で
8,126
171301
構 成
から
造
損
の
357,236
59年1月
材
常
益
58年12月 ま で
303,433
高
売 上
から
57年12月 ま で
から
148,569
製
営
目
58年1月
一7
一8β
,160
0
0
7,160
0.3
一&8
0.5
一1B
0
0
一18
0
0.3
0
一1β
附表53年
度比較経営分析表
分
分
平
収
益
性
析
均
損分
益
分
岐
点析
蹴
員
数{刈
58年1月
57年12月 まで
58年12月 まで
33B人
3L2人
総 資 本 経 常 利 益 率 陶
総
資
資
本
回
総
転
資
値
57年1月 か ら
一58%
59年1月
から
59年12月 ま で
31.1人
4.3%
.6%
2.9%
一1
0.2%
0β 回
率 回
から
0.7回
.4%
0.8回
本 旧)
561.9日
511.9日
469.7日
本
回
流
動
資
産(副
188.3日
170.0日
171.1日
回
転
流
動
負
債 旧)
209.6日
179.2日
156.4日
転
期
売
上
債
権 旧)
1&5日
率
間
た
買
な
卸
入
資
債
産 旧)
務 旧)
率
上
総
利
6.0%
.4%
3.7%
一1B%
0.3%
16.3%
14.0%
販 売 費 ・一 般 管 理 費
協
11.5%
10.2%
10.3%
支払利 息割 引料
陶
τ3%
65%
6.0%
1人
当 り 人 件 費(年)囲
8,988冊
1人 当 り加工高(粗利益)(年/人)囲
労 働 分 配 率(加
長
工 高){宏
利 益)比
動
比
期
適
合
率
働
円
5,981刊
円
4,061子
円
5,640千
53.7%
37.0%
41.2%
45.2%
49.3%
46.7%
円
率{勉
885%
1063%
103.6%
45%
比
率{矧
経
常
収
支
比
率 〔
㌶
損 益 分 岐 点 売 上 高(年)囲
定
2,464租
2,181千
12,804手
106.2%
本
全
円
113.2%
資
安
円
2,085千
79.9%
己
営
11,443手
率 吻
自
率 陶
費(年)囲
対 前 年 売 上 高 比 率 陶
注)出
34.5日
9.1%
当 り 売 上 高(年)囲
定
114.7日
陶
1人
流
3.6日
益
要
固
42.2日
売 上 高 経 常 利 益 率 働
率
経
51.6日
一&9%
璽至売
固
127.1日
売 上 高 営 業 利 益 率 働
高
利
益
20.8日
151.7日
一2
加 工 高(粗
安
全
性
分
析
事
名
総 資 本 営 業 利 益 率 協
売
上
生
産
性
分
析
従
率
一1
分
析
比
析
4.6%
113.4%
363.148千
一19
1036%
所:附 表3と 同 じ。
一64一
102.7%
101β%
円
355.301千
円
円
175,111千
117.7%
413,859朝
−a8%
0.5%
.7%
164.086千
3.1%
円
193,337千
.111.6%
円
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