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就労支援

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就労支援
自立相談支援機関における
就労支援
ぎふNPOセンター
理事長 駒宮博男
自立相談支援機関における就労相談
(テキスト:第6章)
• テキストの目次を拾うと・・・・
・生活困窮者に対する就労支援とは
・就労支援の進め方
・就労支援に必要とされる基本的知識
• 厚労省HP(人材育成⇒生活困窮者・・・)
前期7(明治学院大学 新保美香さん)
就労とは何か??
・・・・「サラリーマン」はいつから始まったか・・・・
(参考)マックスウェーバーの捉え方
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
• 旧来の善行により救われるという考えは、神を冒涜している!
• 神は善行の有る無しに拘らず、救われるか救われないかを決定するが、人は
その決定を知ることは出来ない!
• もし、神に救われている人間ならば、一切の欲望・贅沢を禁じ、全エネルギー
を信仰と労働に集中すべき!
• 徹底した禁欲と勤勉に基づき天職を全うすることにより生じた利潤の追求は、
隣人愛の証!!
• 勤勉且つ合理的に利潤を追求し、得られた利潤は全て再投資する!!
• こうしたプロテスアンティズム(カルヴァニズム)が産み出した「エートス」が近代
資本主義を形成した!!
■ちなみに、「男は外で働き、女は内で家事に励む」という思想は、ピューリタニズ
ム!(農業国日本では有り得ない思想であることに注意!)
■現代の労働観は決して普遍的なものではなく、地域的時代的宗教的産物であ
ることにも十分注意!!!
日本の産業構造の変化
60歳
私が生まれた年
50歳
明確な社会の変わり目
(1959年 伊勢湾台風)
(1964年 東京オリンピック)
40歳
⇒ 地域における地元学・聞き書きできっと確認
戦後日本の目標だったアメリカの産業構造の変化
“Socially Useful R & D” by Mike Cooley 1980
各種文明
縄文
1万年
8000
弥生
6000
4000
弥生以降
2000
0
1000
2000
石油文明(石油使用量)
室町後期+戦国
1500
江戸
1600
1700
明治 大正 昭和
1800
1900
平成
未来
2000
2100
内山・渡辺・澁澤の世界
経済学のなかった時代
産業資本主義
国民国家
石油文明
車の普及
※何を残し、何を捨てるか??
※何が持続可能か??
コンピュータの普及
サラリーマン就労
未来は展望出来るか?
室町後期+戦国
江戸
明治 大正 昭和
平成
三次産業
二次産業
一次産業
未来
?
(参考)いわゆる近代以降を概観する
地域に生きる人間類型
◉稼ぎ
◉つとめ
◉暮らし
3つのバランスをどう作るか?
あなたのバランスは?
バランス良い稼ぎ・務め・暮らしを求めて
「稼ぎ」 = 生業
稼ぎ
「務め」 = 地域貢献
いわゆる「仕事人間」
「暮らし」= 日々の生活
「暮らし」に拘る趣味
人?
務め
家庭も稼ぎも顧みないNPO人間
暮らし
あなたは、どのタイプ??
①仕事人間
・仕事優先
・家は寝るところ
・地域のことなどやっとれん!
②NPO人間
・社会貢献最優先
・稼ぎや家庭は顧みることなし!
③趣味人
・衣食住、全て趣味のあったものに
・薪ストーブ、有機野菜・・・・・
・基本は、「自己中」
④バランスの取れた「地域人」
・稼ぎ、つとめ、暮らしのバランスの取れた人
・「豊森」的理想人?
世代によって「就労感」は大きく異なる
どのような世代にいるかも重要なファクター
• 改めて、世代間の相違を考える
• 多世代共創はどのようにしたら可能か
• 何を受け取り、何を受け継いだか?
(何を捨てたか?)
(何を産み出したか?)
付録)世代による生活観の断絶
(生い立ち等により多様化しているが・・・・・他の世代との会話の困難さ)
・戦争世代
(96歳~)
・戦中派
(86~96才前後)
・“浮浪児の世代”
(76~86才前後)
・団塊の世代
(66~76才前後)
・“しらけの世代”
(56~66才前後)
・“バブルの世代”
・“不安の世代”
・“超不安の世代”
・“諦めの世代”
(46~56才前後)
(36~46才前後)
(26~36才前後)
(0~26才前後)
付録)世代による生活観の断絶
(生い立ち等により多様化しているが・・・・・他の世代との会話の困難さ)
・戦争世代(96歳~)
今が一番? 危機感低い 戦前のモラルを継続
・戦中派(86~96才前後)
今が一番? 危機感低い 戦前の教育を受け戦後に精神的混乱 高度成長の立役者
・“浮浪児の世代”(76~86才前後)
一番おなかが空いているときに食べ物が無かった モラル基盤脆弱 バブルを作った世代
・団塊の世代(66~76才前後)
学生闘争世代 年金を満額もらえる最後の世代? 戦後民主主義者の集まり?
・“しらけの世代”(56~66才前後)
学生闘争挫折を見学 高度経済成長の様子を知る最後の世代 立ち上がるやつは少々いる
・“バブルの世代”(46~56才前後)
バブル期に就職 超自信過剰? ディスコでうかれた世代
・“不安の世代”(36~46才前後)
ニート世代 雇用形態の変化で生活不安 勝ち組負け組みの分離
・“超不安の世代”(26~36才前後)
最早物質生活の向上は無いことを認識 積極的に農山村へ 持続可能社会を真剣に考える
・“諦めの世代”(0~26才前後)
全く見えない未来像 自分の将来像がつかめない 何をやっても無駄と思っている?
世代間は大きく断絶している?
• 私の世代、それ以前の世代
頑張れば、誰でも何とかなった!
(会社は「家族」のようだった?)
⇦ 世の中が「右肩上がり」だった!
• 今の若者
何に向かって頑張るんだろう??
⇦ 世の中は「右肩下がり」?
就労を妨げる諸要素
NPO法人スチューデント・サポート・フェイス 谷口さんの資料より
自動思考(認知のゆがみ・考える癖)
・恣意的推論
・分極化思考
・マイナス化思考
・感情的決めつけ
・レッテル張り=ラベリング
・拡大解釈・過小評価
・過度の一般化
・自己関連づけ
・選択的抽象化
・「すべき」思考
根拠のない先読み
0or 1
良いことも悪いことに
「きっとうまくいかない」
「私はダメ人間だ」
破局視等
微小部分の法則化
理由なく自分のせいに
悪いことだけを抽出
過度の追い込み
認知のゆがみを生むスキーマとは??
モデル事業1年目の利用者分析
基本的プロフィール
(学歴と問題群の関係)
学歴ー精神疾患 分布
45
40
35
30
25
人数
精神
20
15
10
5
0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
50.0
45.0
40.0
35.0
%
30.0
25.0
精神%
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
学歴ー生活困窮 分布
45
40
35
30
25
人数
生活困難
20
15
10
5
0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
50.0
45.0
40.0
35.0
%
30.0
25.0
生活困難%
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
学歴ー既婚等 分布
160
140
120
100
人数
既婚
80
離・死別
60
未婚
40
20
0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
120.0
100.0
80.0
%
既婚%
60.0
離・死別%
未婚%
40.0
20.0
0.0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
学歴ー就労問題 分布
90
80
70
60
人数
50
就労
40
30
20
10
0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
70.0
60.0
50.0
%
40.0
就労%
30.0
20.0
10.0
0.0
中卒
高卒
専門・短
大学・院
見えてくる問題の基本構造
(解決困難な負のスパイラル)
就労困難
・高い失業率
・フルタイム雇用の困難性
・ミスマッチ
疾病・障害
貧困・生活困窮
・発達障害
・鬱等の疾病増加
・制度の情報不足
・孤独、関係性の喪失
・ひきこもり
・制度の情報不足
「
十
五
の
少
年
」
高
橋
元
吉
(
18
93
〜
19
65
)
生も遺遺苦そ東大職う東十
きう言言しの京阪をま京五
てこにがみ汽にに求くでの
ゆれはあだ車戻もめゆ靴少
か以かっしのる職てか磨年
れ上うたた中たは大なき
まは書 のでめな阪いを
せ悪い で少汽かにのし
んいて 助年車っ行でて
こあ けはにたっあい
とっ ら服乗 たらた
をた れ毒っ
う
し
たした
な
た
け
れ
ば
90年代後半から2000年初頭の社会変化
企業利益 : 21兆円 ⇒ 36兆円 +15兆円
家計所得 : 280兆円 ⇒ 265兆円 -15兆円
生活保護世帯の拡大
自殺者はいつから増えたか
1995年はどういう年だったのか
• 阪神淡路大震災
◆「ボランティア元年」
• 経団連の「新時代の日本的経営」
◆「長期蓄積能力活用型」 ⇒ 正規:
1/3
「高度専門能力活用型」 ⇒ 技術系派遣でも可:1/3
「雇用柔軟型」
⇒ 非正規・誰でもOK: 1/3
◆終身雇用・年功序列の崩壊 ⇒ 完全な競争社会に
1999年 : 労働者派遣法改正で原則自由に
2004年 : 更なる改正で製造業にも解禁
• 急速なインターネットの普及
◆IT技術を持つ若手社員 VS 生産性の低い上司??
◆急速に広がったグローバルマネー
• 「失われた10年」(1991/1〜2002/1の11年間)
◆企業倒産、リストラ、金融の統廃合、就職氷河期
貧富の社会的分離は何をもたらすか
• 基本的人権の阻害
生活保護受給世帯の急増
しかし、受給者は受給可能者の20%弱
中途半端な「勝ち組」は、転落の恐怖に戦々恐々
• 貧困の世襲+富裕層の世襲
生活保護受給世帯の世襲
東大生の親の年収は大学間で最高
• 犯罪発生率の上昇
犯罪の主原因は・・・・・
◆幼児期の愛情不足
◆青年期の教育機会の不足
◆貧困
• 結果的には、社会コストは増大する
学歴と犯罪率
最終学歴と勤務の継続
10年程前からの就労支援の変化
• なぜ、若者はすぐやめてしまうのか?
・HWの機能不全??
・求人/求職のミスマッチが「不幸」を発生?
・「履歴書」は信用出来るか?
⇒個人の能力を表現するツールとしては?
⇒学歴だけでOK?(社員教育で補完?)
⇒「職務経歴書」のほうがまだいい?
・終身雇用の終焉
⇒手厚い社員教育の終焉
⇒即戦力を要求する企業
• アメリカでは・・・・・
・求人サイド:必要なスキルの明確化
・求職サイド:自分のスキルの正確な棚卸し
• コンピテンシーとは・・・・
・経済的成功者の特性
⇒「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」
「論理思考」
生活困窮者自立支援における
段階的支援
状態に合わせた就労支援
• 就労準備支援
・生活自立支援
・社会自立支援
・就労自立支援
• 中間就労(就労訓練)とは・・・
・雇用型
・非雇用型
• 一般就労への就労支援
障がい者とグレーゾーンの課題
• 障がい者手帳を持っていれば・・・・
・障がい者年金を貰いながら、いわゆるA,B型へ
• 特に精神障がいの場合のグレーゾーン
・自分(家族)の障がいを認めたくない
⇒障がい者の制度に繋げない
⇒いっそのこと、「株式会社 鬱」をつくるか!!
NPO法人スチューデント・サポート・フェイスの事例
・・・・就労支援を含めた、包括的支援の実際・・・・
• 事例①:
・本人は母子家庭の男子(14才)
・祖母が相談に
・母親は育児不能・・・・・
• 事例②:
・本人は22才(男性)、窃盗で拘置所に
・母親が電話で相談に(自殺企図)
・祖母は無年金
最後に・・・・
(お伝えしたいことは山ほどありますが・・・・)
「復帰したい社会」であるのか?
ー競争社会は、「穴の空いたバケツ」(奥田知志さん)ー
勝ち組
一般就労
勝つかも知れない
社会階層
勝つ見込みが薄い社会階層
競争を諦めざるを得ない社会階層
生活困窮者自立支援法モデル事業 現場の葛藤
⇒ 一般就労は穴の空いたバケツに戻すこと?
格差社会は明確に広がっている
(フロー(年収)ストック(金融資産)から概観する)
我が国における勝ち組、負け組の実体
千人
民間平均年収 公務員平均年収
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
非難!!
格差社会に関しては、基本的に無関
心。
しかも、ひとりでも多くの「勝ち組」を!と
思っている。
この階層が、政策決定者層!!!
1999年
2009年
3,000
選挙で意識
する階層
2,000
1,000
0
負け組
準勝ち組
(公務員、大企業)
勝ち組
年収1,000万円でもフリーライダー!では、どこから「勝ち組」
正規雇用と非正規雇用の所得格差
生活困窮者自立支援機関設置・運営の手引き(HIT H26年3月)より
正規・非正規・合計(万人)
100万円以下=850万人、
100万円から200万円=950万人
(万人)
1000
950
900
850
従って、約1,800万人がワーキングプア
⇒就労者の約30%以上!!!
合計
800
750
700
650
600
550
非正規
500
450
400
350
正規
300
250
200
150
100
50
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 1700 1800 1900 2000 2100 2200 2300 (万円)
厚労省データより、駒宮作成
日本人の全金融資産は
1,600兆円と言われているが・・・・
野村総合研究所 日本の富裕層・超富裕層は81万世帯、その純金融資産総額は188兆円より。
抽象的な前図をちゃんと分析!
世帯数(万世帯)
3,000万円未満
アッパーマス層
世帯%
資産 総額(兆円) 世帯平均資産 (万円)
4,048
638
80.40
12.67
500
254
1,235
3,981
準富裕層
富裕層
268
76
5.32
1.51
196
144
7,313
18,947
超富裕層
5
0.10
44
88,000
5,035
100
1,138
(合計)
野村総研データより、駒宮作成
前表をちゃんとグラフ化すると・・・・
(我が国のストック(純金融資産のみ)分析)
160000
140000
120000
超富裕層(0.1%、平均8.8億)
100000
80000
富裕層(1.51%、平均1.9億)
60000
準富裕層(5.32%、平均0.73億円)
40000
アッパーマス層(12.7%、平均0.40億円)
20000
普通の人達(80.4%、平均0.12億円)
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
野村総研データより、駒宮作成
究極の課題(創造的・分権的支援)
地域資源を活用した新たな就労形態
・・・ソーシャルビジネスの新たな可能性を探る・・・
障害者を含めた多くの人の社会参加の目指す
「四季産業」とは(百業のすすめ)
公共サービス
春
寒天
山仕事
酒造り
縄綯え・むしろ
冬
菌打ち
山菜
田植え
夏野菜準備
6次産
業
カフェ
6次産業
カフェ
草刈り
夏野菜
椎茸
冬野菜準備
稲刈り
椎茸
キノコ
薪割り
秋
夏
公共サービス
「季節商売」だからこそ、消滅しかかっている様々なビジネスをつな
図解6次産業
玄米:37円/合
小麦:3円/100g
精米:75円/合
製麺:30円/100g
おにぎり2個:200円/合
パスタ:700円
「多業」試案
(人口規模3,000人、1,000世帯)
季節
職種
人件費
地域お助け保険(5,000円/世帯・年)
5,000,000
各種小規模事務局請負
1,200,000
6次産業カフェ(社会的居場所)
2,400,000
学童、福祉有償移送
1,200,000
春
椎茸菌打ち、夏野菜、田植え、山菜
1,200,000
夏
草刈り、秋冬野菜、夏野菜、椎茸
1,200,000
秋
間伐・薪割り、稲刈り、椎茸、キノコ
1,200,000
冬
寒天、藁縄、むしろ、酒造り
1,200,000
通年
合
計
15,800,000
*年収250万円で6人雇用
*就労準備支援、中間就労の場に!!
現在進行中のプチ事業
(昨年売り上げ7万円! 縄綯え機も購入!!)
田植え ⇒ 草取り ⇒ 稲刈り ⇒ 縄綯え・注連縄づくり
来年度は、もしかしたら全国の神社を舞台に縄綯え普及?
神社本庁等とジョイント???
経済って一体なんでしょうね?
• お金って何でしょうか?
• 就労って何でしょうか?
• とりあえず、お金以外にも大事な価値があり
そう?
• 社会を「経済性」、「効率性」だけで縛るとどう
なるでしょうか?
• これを機会に、是非お考えください!
(参考)ドラッカーのことば・・・・・
「経済活動、経済機関、経済合理性は、それ自
体が目的ではなく、非経済的な目的のための
手段にすぎない」
『ドラッカー365の金言』より
私の就労感
就労 = 社会参加
⇒「人と人」、「人と自然」の、
良好な関係性を構築する手段
関係性の遮断による
幸せ感の喪失
(近代が奪ったもの)
ブータンにおける幸福の定義とは・・・
幸福 = 人と人、人と自然、世代間の関係性が良好なこと
未来の人々
現在の人々
生活のベースである地域の自然
過去の人々(祖霊)、神々
バリの人々が大事にしていること
• 「トリ・ヒタ・カラナ」とは、
・サンスクリット語の「トリ」: 3
・サンスクリット語の「ヒタ」:安全、繁栄、喜び
・サンスクリット語の「カラナ」:理由
• バ
リ語で「幸福な生活に必要な三つの要素」とい
う意味を持ち、
・パ
ラヒャンガン(人間と神の調和)
・パ
ウォンガン(人間同士の調和)
・パ
ルマハン(人間と自然の調和)
で構成されている。
ご清聴有り難うございました!
最大の研修は現場(ODA)です!!
現場の事例を共有出来る場を作りましょう!
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