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本発明はトランスフェクションにおける遺伝子導入を
JP 2005-287309 A 2005.10.20 (57)【 要 約 】 【課題】本発明はトランスフェクションにおける遺伝子導入を増強するための薬剤および 方法を提供することを課題とする。 【解決手段】本発明は、トランスフェクションにおける遺伝子導入効率を高めるオリゴペ プチドを提供する。また本発明は、該オリゴペプチドおよびトランスフェクション試薬を 含むトランスフェクション組成物を提供する。また本発明は、該オリゴペプチド、核酸、 およびトランスフェクション試薬を含む混合物を細胞に接触させる工程を含むトランスフ ェクションの方法を提供する。また本発明は、該オリゴペプチドおよびトランスフェクシ ョン試薬を含むトランスフェクションキットを提供する。 【選択図】なし 10 (2) JP 2005-287309 A 2005.10.20 【特許請求の範囲】 【請求項1】 配列番号:7のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドおよび薬学的に許容される担体を含 む、トランスフェクション増強剤。 【請求項2】 オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のトランスフ ェクション増強剤。 【請求項3】 遺伝子導入キットであって、配列番号:7のアミノ酸配列を含むオリゴペプチド、およ びトランスフェクション試薬、を含むキット。 10 【請求項4】 オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、請求項3に記載のキット。 【請求項5】 ウイルスゲノムと結合するウイルス蛋白質またはその機能的同等物をさらに含む、請求 項3に記載のキット。 【請求項6】 ウ イ ル ス 蛋 白 質 が ア デ ノ ウ イ ル ス の コ ア 蛋 白 質 VIIで あ る 、 請 求 項 5 に 記 載 の キ ッ ト 。 【請求項7】 核酸をさらに含む、請求項3に記載のキット。 【請求項8】 20 トランスフェクション試薬がカチオン性脂質である、請求項3に記載のキット。 【請求項9】 遺伝子導入細胞の製造方法であって、(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含むオリゴ ペプチド、(b)核酸、および(c)トランスフェクション試薬、を含む混合物を細胞に 接触させる工程、を含む方法。 【請求項10】 該混合物が、ウイルスゲノムと直接結合するウイルス蛋白質またはその機能的同等物を さらに含む、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 ウ イ ル ス 蛋 白 質 が ア デ ノ ウ イ ル ス の コ ア 蛋 白 質 VIIで あ る 、 請 求 項 1 0 に 記 載 の 方 法 。 30 【請求項12】 オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、請求項9に記載の方法。 【請求項13】 トランスフェクション試薬がカチオン性脂質である、請求項9に記載の方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、遺伝子導入効率を上昇させるための薬剤および方法等に関する。本発明の薬 剤は、核酸を細胞に導入し目的遺伝子を効率良く発現させるために有用である。 【背景技術】 40 【0002】 バイオテクノロジーの発達に伴って、核酸を細胞に効率的に導入する手段の必要性が高 まっている。特に近年、遺伝子治療やアンチセンス医薬等の技術の進歩に伴って、特定の 遺伝子を標的組織の細胞内に効率良く導入するための方法の開発が盛んに行われている( Smith, L.C. & Nordstrom, J.L. Curr Opin Mol Ther. 2(2), 150-4 (2000), Lundstrom, K. Trends Biotechnol. 21(3), 117-22 (2003), Sandrin, V. et al., Curr Top Microb iol Immunol. 281, 137-78 (2003), Bitzer, M. et al., J Gene Med. 5(7), 543-53 (20 03)) 。 現 在 、 細 胞 中 に 遺 伝 子 を 導 入 す る 方 法 と し て は 、 リ ン 酸 カ ル シ ウ ム 法 、 DEAE− デ キストラン法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、マイクロインジェクシ ョン法などの化学的・物理的手段を用いる導入方法、およびウイルスベクターを利用する 50 (3) JP 2005-287309 A 2005.10.20 生 物 学 的 方 法 が 用 い ら れ て い る 。 そ れ ら の 中 で も 、 リ ン 酸 カ ル シ ウ ム 、 DEAE− デ キ ス ト ラ ン、リポソームなどの薬剤を用いた遺伝子導入は、操作が簡単で安全性に優れ、比較的細 胞毒性も低いことから多用されている。しかしながら、これらの方法は一般に遺伝子の導 入効率が低くいという欠点がある。 【 非 特 許 文 献 1 】 Smith, L.C. & Nordstrom, J.L. Curr Opin Mol Ther. 2(2), 150-4 (2 000) 【 非 特 許 文 献 2 】 Lundstrom, K. Trends Biotechnol. 21(3), 117-22 (2003) 【 非 特 許 文 献 3 】 Sandrin, V. et al., Curr Top Microbiol Immunol. 281, 137-78 (200 3) 【 非 特 許 文 献 4 】 Bitzer, M. et al., J Gene Med. 5(7), 543-53 (2003) 10 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、遺伝子導入効率を上昇させるための薬剤および方法を提供する。本発明にお いて提供される薬剤および方法は、所望の核酸を細胞に導入し目的遺伝子を効率良く発現 するために有用である。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、トランスフェクションの効率を上昇させる新たな薬剤を検索した結果、 配 列 番 号 : 7に 記 載 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む オ リ ゴ ペ プ チ ド が 、 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に よ 20 る遺伝子発現効率を著しく向上させることを見出した。通常のトランスフェクション法で は、遺伝子発現効率の低さが問題になっているが、このオリゴペプチドを用いることによ り 、 遺 伝 子 発 現 効 率 を 上 昇 さ せ 、 in vitroで の 遺 伝 子 発 現 だ け で な く 、 遺 伝 子 治 療 等 in v ivoで の 遺 伝 子 発 現 効 率 を 上 昇 さ せ る こ と が 可 能 と な る 。 【0005】 すなわち本発明は、遺伝子導入効率を上昇させるための薬剤および方法等に関し、より 具体的には、請求項の各項に記載の発明に関する。なお同一の請求項を引用する請求項に 記載の発明の1つまたは複数の組み合わせからなる発明は、それらの請求項に記載の発現 に既に意図されている。すなわち本発明は、 〔1〕配列番号:7のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドおよび薬学的に許容される担体 30 を含む、トランスフェクション増強剤、 〔2〕オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、〔1〕に記載のトランス フェクション増強剤、 〔3〕遺伝子導入キットであって、配列番号:7のアミノ酸配列を含むオリゴペプチド、 およびトランスフェクション試薬、を含むキット、 〔4〕オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、〔3〕に記載のキット、 〔5〕ウイルスゲノムと結合するウイルス蛋白質またはその機能的同等物をさらに含む、 〔3〕または〔4〕に記載のキット、 〔 6 〕 ウ イ ル ス 蛋 白 質 が ア デ ノ ウ イ ル ス の コ ア 蛋 白 質 VIIで あ る 、 〔 5 〕 に 記 載 の キ ッ ト 、 40 〔7〕核酸をさらに含む、〔3〕から〔6〕のいずれかに記載のキット、 〔8〕トランスフェクション試薬がカチオン性脂質である、〔3〕から〔7〕のいずれか に記載のキット、 〔9〕遺伝子導入細胞の製造方法であって、(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含むオ リゴペプチド、(b)核酸、および(c)トランスフェクション試薬、を含む混合物を細 胞に接触させる工程、を含む方法、 〔10〕該混合物が、ウイルスゲノムと直接結合するウイルス蛋白質またはその機能的同 等物をさらに含む、〔9〕に記載の方法、 〔 1 1 〕 ウ イ ル ス 蛋 白 質 が ア デ ノ ウ イ ル ス の コ ア 蛋 白 質 VIIで あ る 、 〔 1 0 〕 に 記 載 の 方 法、 50 (4) JP 2005-287309 A 2005.10.20 〔12〕オリゴペプチドが配列番号:7のアミノ酸配列からなる、〔9〕から〔11〕の いずれかに記載の方法、 〔13〕トランスフェクション試薬がカチオン性脂質である、〔9〕から〔12〕のいず れかに記載の方法、に関する。 【0006】 また本発明においてトランスフェクションとは、核酸を細胞内に導入することを意味す る。「トランスフェクト」および「トランスフェクション」という語句は、核酸の導入の 方法、導入される核酸の形態、または細胞内へ取り込まれるメカニズムを限定するもので はない。 【発明を実施するための最良の形態】 10 【0007】 本 発 明 は 、 配 列 番 号 : 7に 記 載 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む オ リ ゴ ペ プ チ ド を 含 む 、 ト ラ ン ス フェクションによる遺伝子導入増強剤を提供する。このオリゴペプチドを用いることによ り、トランスフェクションによる遺伝子導入の効率を向上させることが可能である。本発 明における遺伝子導入は、(a)該オリゴペプチド、(b)核酸、および(c)所望のト ランスフェクション試薬、を含む混合物を、標的とする真核細胞に接触させる工程、によ り実施することができる。混合の順序は任意であってよいが、好ましくは、トランスフェ クション試薬を核酸溶液に混合する前に、まずオリゴペプチドと核酸とを混合し、両者の 複合体を形成させ、その後トランスフェクション試薬を混合し、三者の複合体を形成させ た後、これを細胞に接触させることが好ましい。しかし、あらかじめ該オリゴペプチドを 20 トランスフェクション試薬に結合しておき、これを核酸に混合するようにすれば、操作を 簡 略 化 す る こ と も 可 能 で あ る 。 本 発 明 の 方 法 は 、 一 過 的 (ト ラ ン ジ ェ ン ト ) な 核 酸 の 導 入 、 お よ び 恒 常 的 (constitutive) ま た は 安 定 (stable) な 核 酸 の 導 入 に お い て 適 用 す る こ とができる。 【0008】 上記複合体と細胞との接触は、細胞をこの複合体と共にインキュベートする(例えば i n vitroま た は ex vivoで ) か 、 あ る い は 複 合 体 を 生 物 に 注 入 す る ( in vivoで ) こ と に よ り 実 施 す る こ と が で き る 。 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン は 、 体 外 ( in vitroま た は ex vivo) で 行 う 場 合 で あ れ ば 、 例 え ば 細 胞 10 6 個 当 た り 核 酸 1 pg∼ 1000μ g、 好 ま し く は 10 pg∼ 100μ g、 よ り 好 ま し く は 0.1 ng∼ 100μ gの 存 在 下 に 実 施 す る と よ い 。 In vivo投 与 で は 、 例 え ば 30 0.01∼ 10 mgの 核 酸 を 使 用 す る こ と が で き る 。 【0009】 本 発 明 に お い て オ リ ゴ ペ プ チ ド と は 40残 基 以 内 の 鎖 長 か ら な る ポ リ ペ プ チ ド で あ る 。 本 発 明 の オ リ ゴ ペ プ チ ド は 、 配 列 番 号 : 7の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む 40残 基 以 内 の 所 望 の オ リ ゴ ペ プ チ ド で あ っ て よ い が 、 好 ま し く は 配 列 番 号 : 7の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む 、 30残 基 以 内 、 よ り 好 ま し く は 25残 基 以 内 、 よ り 好 ま し く は 23残 基 以 内 、 22残 基 以 内 、 21残 基 以 内 、 ま た は 20残 基 以 内 の オ リ ゴ ペ プ チ ド で あ る 。 特 に 、 配 列 番 号 : 7に 記 載 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら な る オ リ ゴ ペ プ チ ド は 好 ま し い 。 配 列 番 号 : 7に 記 載 の ア ミ ノ 酸 配 列 か ら な る オ リ ゴ ペ プ チ ドの片方または両方の末端には、数個(例えば1、2、3、または4個)のアミノ酸を付 加してもよい。また、オリゴペプチドはジスルフィド結合を含有させてもよい。また、鎖 40 状ペプチド、環状ペプチド、または枝分かれペプチドであってもよい。また、オリゴペプ チ ド 修 飾 さ れ て い て も よ く 、 例 え ば リ ン 酸 化 ペ プ チ ド (Ser(PO3 H2 )、 Thr(PO3 H2 )、 Tyr(PO 3 H2 )誘 導 体 )、 ホ ス ホ ノ ペ プ チ ド (リ ン 酸 化 ペ プ チ ド の カ ル バ 型 誘 導 体 ) (Ser(PO3 H2 )、 Th r(PO3 H2 )、 Tyr(PO3 H2 )に 対 応 す る ホ ス フ ァ タ ー ゼ 抵 抗 性 誘 導 体 )、 硫 酸 化 ペ プ チ ド (Tyr(S O3 H))、 ア ミ ノ 基 修 飾 誘 導 体 ( Acetyl化 、 Succinyl化 、 Biotinyl化 、 Boc化 、 Z化 、 Dnp化 、 Dns化 、 Myristoyl化 な ど 種 々 の 修 飾 ) 、 チ オ ー ル 基 修 飾 誘 導 体 ( Farnesyl化 、 Geranyl化 、 Biotinyl化 な ど ) 、 糖 ペ プ チ ド [Asn(GlcNAc)、 Ser(GalNAc)、 Thr(GalNAc)含 有 ペ プ チ ド な ど ]、 非 天 然 ア ミ ノ 酸 含 有 ペ プ チ ド を 含 ん で も よ い 。 ま た 、 ペ プ チ ド 結 合 の 修 飾 、 ア ミノ酸誘導体、保護ペプチドを含んでもよい。これらの化学修飾された任意の配列からな る オ リ ゴ ペ プ チ ド は 、 商 業 的 に 入 手 可 能 で あ る ( 例 え ば 株 式 会 社 ペ プ チ ド 研 究 所 , Osaka, 50 (5) JP 2005-287309 A 2005.10.20 Japan) 。 【0010】 オ リ ゴ ペ プ チ ド と 核 酸 と の 混 合 は 、 好 ま し く は 0∼ 40℃ 、 よ り 好 ま し く は 0∼ 28℃ 、 例 え ば 室 温 で 行 い 、 1分 か ら 24時 間 、 例 え ば 3分 か ら 8時 間 、 好 ま し く は 5分 か ら 30分 静 置 さ せ る と よ い 。 オ リ ゴ ペ プ チ ド は 、 1 pg∼ 1000μ g、 好 ま し く は 10 pg∼ 100μ g、 よ り 好 ま し く は 0.1 ng∼ 100μ g程 度 用 い る と よ い 。 【0011】 混 合 の 比 率 は 、 好 ま し く は 、 核 酸 に 対 し て オ リ ゴ ペ プ チ ド を 重 量 比 で 0.1か ら 50、 好 ま し く は 0.2か ら 10、 よ り 好 ま し く は 0.5か ら 10、 よ り 好 ま し く は 1か ら 10、 よ り 好 ま し く は 2か ら 8に す る と よ い 。 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 試 薬 は 、 そ の 種 類 に 応 じ て 核 酸 の 量 に 対 し て 10 適 し た 比 率 を 混 合 す れ ば よ く 、 例 え ば 核 酸 1μ g に 対 し て 、 0.1か ら 300 nmol、 好 ま し く は 0.1か ら 200 nmol、 よ り 好 ま し く は 1か ら 100 nmol、 よ り 好 ま し く は 1か ら 50 nmol で 混合するとよい。 【0012】 上記のオリゴペプチドを用いることにより、該オリゴペプチドなしでトランスフェクシ ョ ン を 行 っ た 場 合 に 比 べ 、 遺 伝 子 導 入 効 率 は 統 計 学 的 に 有 意 ( 例 え ば 有 意 水 準 p<0.05) に 上 昇 す る 。 遺 伝 子 導 入 効 率 の 上 昇 は 、 該 オ リ ゴ ペ プ チ ド な し の 場 合 と 比 べ 、 例 え ば 1.3 倍 以 上 、 好 ま し く は 1.5倍 以 上 、 よ り 好 ま し く は 1.8倍 以 上 、 よ り 好 ま し く は 2倍 以 上 、 よ り 好 ま し く は 2.5倍 以 上 、 よ り 好 ま し く は 3倍 以 上 、 よ り 好 ま し く は 4倍 以 上 で あ る 。 こ こ で遺伝子導入とは、核酸を細胞内に導入することを意味する。また遺伝子導入とは、該核 20 酸が導入された細胞内でその核酸の作用を発揮することであってもよい。例えば発現単位 (プロモーターおよびその下流に連結された遺伝子)を含む核酸を遺伝子導入することに より、該発現単位にコードされる遺伝子が細胞内で発現(転写、翻訳、またはその両方) する。また遺伝子導入効率とは、細胞への核酸の導入の効率を言い、例えば全細胞中のト ランスフェクションされた細胞の割合、細胞集団における核酸の取り込み量、または全細 胞集団における導入遺伝子の発現レベルである。該遺伝子が細胞内で発現される場合は、 好ましくは、全細胞集団における導入遺伝子の発現レベルである。発現レベルは、例えば ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン の 24時 間 後 に 測 定 す る 。 細 胞 集 団 に お け る 導 入 遺 伝 子 の 発 現 レ ベ ル は 、 細 胞 試 料 を 調 製 し 、 全 細 胞 蛋 白 質 1 mg相 当 の 細 胞 抽 出 物 当 り の 該 核 酸 の 発 現 量 を 測 定 す る 。 発 現 量 は 、 mRNAレ ベ ル 、 蛋 白 質 レ ベ ル 、 ま た は 該 蛋 白 質 の 活 性 レ ベ ル に よ り 決 定 30 することができる。 【0013】 また本発明のオリゴペプチドを用いたトランスフェクションにおいては、ウイルスゲノ ムと結合するウイルス蛋白質またはその機能的同等物をさらに用いることが好ましい。す な わ ち 、 (a) 配 列 番 号 : 7の ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む オ リ ゴ ペ プ チ ド 、 (b) 核 酸 、 (c) 該 ウ イ ル ス 蛋 白 質 ま た は そ の 機 能 的 同 等 物 、 お よ び (d) ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 試 薬 、 を 含 む 混 合 物 を 細 胞 に 接 触 さ せ る 。 混 合 物 の 調 製 は 、 好 ま し く は (a) 該 ウ イ ル ス 蛋 白 質 ま た は 機 能 的 同 等 物 と 核 酸 と を 混 合 す る 工 程 、 (b) (a)の 混 合 物 に 該 オ リ ゴ ペ プ チ ド を さ ら に 混 合 す る 工 程 、 (c) (b)の 混 合 物 に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 試 薬 を さ ら に 混 合 す る 工 程 を 含 む 方 法により行う。得られた混合物を真核細胞に接触させる工程により、該細胞に核酸を導入 40 することができる。ウイルスゲノムと結合するウイルス蛋白質またはその機能的同等物の 混 合 の 比 率 は 、 好 ま し く は 、 核 酸 1μ g に 対 し て 、 1か ら 500 nmol、 好 ま し く は 1か ら 200 nmol、 よ り 好 ま し く は 1か ら 50 nmol、 よ り 好 ま し く は 1か ら 10 nmol で 混 合 す る と よ い 。 【0014】 また、該オリゴペプチドと該ウイルス蛋白質またはその機能的同等物とは、予め混合し ておいてもよい。両者を含む複合体を形成させておき、これに核酸およびトランスフェク ション試薬を混合し、トランスフェクションを行ってもよい。 【0015】 上記ウイルス蛋白質は、ウイルス粒子においてウイルスゲノムと直接結合している蛋白 質を言い、好ましくは、ウイルスが感染後、細胞内に取り込まれる蛋白質である。さらに 50 (6) JP 2005-287309 A 2005.10.20 好ましくは、トランスフェクションにおいて使用されるウイルス蛋白質は、該蛋白質が由 来するウイルスにおいて、ウイルスが感染後、ウイルスゲノムと共に細胞内に取り込まれ るウイルス蛋白質である。このような蛋白質は、本発明のトランスフェクションにおいて 、核酸が細胞内に取り込まれた後でも該核酸と結合している。細胞内での結合は、実施例 に記載したように、標識した核酸と蛋白質の細胞内局在を検出することにより知ることが できる。また本発明において用いられるウイルス蛋白質は、好ましくは、感染後に、核も しくは核膜に存在(細胞質にも存在してよい)する蛋白質である。 【0016】 ウ イ ル ス 蛋 白 質 と し て は 、 好 ま し く は ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア 蛋 白 VII( adenovirus core p rotein VII) が 用 い ら れ る 。 ア デ ノ ウ イ ル ス の ゲ ノ ム DNA( 約 36,000 bp) は 、 ウ イ ル ス 粒 10 子 の 中 で 塩 基 性 蛋 白 質 で あ る コ ア 蛋 白 VII( core protein VII: Genbank Accession No. B K000408, DAA00649) , コ ア 蛋 白 V( core protein V: Accession No. BK000408, DAA00650 ) 及 び コ ア 蛋 白 μ ( core protein μ : Accession No. BK000408, DAA00651) と と も に 凝 集 さ れ て お り 、 ク ロ マ チ ン 様 の 構 造 を と っ て い る 。 コ ア 蛋 白 VIIは 分 子 量 19kDaの 主 要 な DN A結 合 蛋 白 質 で あ り 、 僅 か で は あ る が histone H3( Accession No. M26150) お よ び sperm b asic protein( Accession No. M60331, M60332) と の ア ミ ノ 酸 配 列 の 類 似 性 を 有 し て い る ( Sung, M.T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80, 2902-2906 (1983)) 。 コ ア 蛋 白 Vは 、 コ ア 蛋 白 VIIと DNAと の 複 合 体 の 外 殻 を 形 成 し 、 コ ア 蛋 白 VIIよ り は 緩 く DNAと 結 合 し て い る ( Chatterjee, P.K. et al., J. Mol. Biol. 188, 23-37 (1986), Fedor M.J. & Daniell, E., J. Virol. 47, 370-375 (1983)) 。 コ ア 蛋 白 μ は 、 19ア ミ ノ 酸 の 小 さ い 20 塩 基 性 の 強 い ペ プ チ ド で 、 ア デ ノ ウ イ ル ス DNAの 凝 集 に 関 与 し て い る と 考 え ら れ て い る ( A nderson, C.W. et al., Virology 172, 506-512 (1989), Keller, M. et al., Biochemis try 41, 652-659 (2002)) 。 【0017】 アデノウイルス粒子は細胞に感染後、細胞質において段階的にコートが外されていく。 ア デ ノ ウ イ ル ス ゲ ノ ム と コ ア 蛋 白 と の 複 合 体 は カ プ シ ド 蛋 白 ( capsid protein: Accessio n No. BK000408, DAA00653) と と も に 細 胞 膜 か ら 細 胞 質 側 核 膜 へ 移 行 し 、 そ の 時 カ プ シ ド 蛋 白 が 核 膜 上 の Nuclear Pore Complex (NPC) に 結 合 し ( Greber, U.F., Rev. Med. Virol . 8, 213-222 (1998)) 、 NPCを 介 し て 核 へ 移 行 す る ( Trotman, L.C. et al., Nat. Cell Biol. 3, 1092-1100 (2001)) 。 カ プ シ ド 蛋 白 解 離 後 、 核 移 行 中 に 或 い は 核 移 行 後 直 ぐ に 30 、 コ ア 蛋 白 Vも ア デ ノ ウ イ ル ス ゲ ノ ム か ら 解 離 す る が 、 コ ア 蛋 白 VIIは 感 染 初 期 の 間 は 常 に 、 ア デ ノ ウ イ ル ス ゲ ノ ム と の 結 合 を 維 持 し て い る ( Chatterjee, P.K. et al., EMBO J. 5 , 1633-1644 (1986), Matthews, D.A. & Russell, W.C., J. Gen. Virol. 79, 1671-1675 (1998)) 。 こ の ア デ ノ ウ イ ル ス ゲ ノ ム と コ ア 蛋 白 VIIと の 複 合 体 ( 以 下 、 ア デ ノ コ ア と 略 す)は、アデノウイルスの初期遺伝子の転写のための及び初回複製のための、真の鋳型( template) に な り 得 る 構 造 で あ る 。 【0018】 ア デ ノ ウ イ ル ス の 初 期 遺 伝 子 の 発 現 に 関 与 す る ホ ス ト 側 の 因 子 と し て 、 Template Activ ating Factor (TAF) が 同 定 さ れ て い る 。 TAFに は TAF-I/SET( Matsumoto, K. et al., J. Biol. Chem. 268, 10582-10587 (1993), Nagata, K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U 40 .S.A. 92, 4279-4283 (1995), Okuwaki, M. et al., J. Mol. Biol. 311, 41-55 (2001) ) 、 TAF-II/NAP-I( Kawase, H. et al., Genes Cells 1, 1045-1056 (1996), Okuwaki, M . et al., FEBS Lett. 506, 272-276 (2001)) 、 TAF-III/nucleophosmin/B23( Okuwaki, M. et al., FEBS Lett. 506, 272-276 (2001)) の 3 種 類 が 知 ら れ て い る 。 TAF-Iは ア デ ノ コ ア に 結 合 し 、 nucleaseの 感 受 性 を 上 昇 す る た め ( Okuwaki, M. & Nagata, K. J. Biol. Chem. 273, 34511-34518 (1998)) 、 DNA、 コ ア 蛋 白 及 び TAF-Iの 三 重 複 合 体 を 形 成 す る こ と に よ っ て 、 ア デ ノ コ ア を 改 造 ( remodeling) し 、 転 写 ・ 複 製 の た め の machineryが DNAに 接近し易いようにしているものと考えられている。アデノコアの構成成分であるコア蛋白 VIIを 、 本 発 明 の オ リ ゴ ペ プ チ ド と 併 用 す る こ と で 、 遺 伝 子 導 入 試 薬 に よ る 遺 伝 子 導 入 効 率を有意に上昇させることが可能である。 50 (7) JP 2005-287309 A 2005.10.20 【0019】 コ ア 蛋 白 質 VIIが 由 来 す る ア デ ノ ウ イ ル ス の 血 清 型 ま た は 株 は 特 に 制 限 さ れ ず 、 所 望 の 型 の ア デ ノ ウ イ ル ス の 蛋 白 質 VIIを 用 い る こ と が で き る 。 ま た ウ イ ル ス の 宿 主 に 制 限 は な く 、 所 望 の 宿 主 に 感 染 す る ウ イ ル ス 由 来 の 蛋 白 質 VIIを 用 い る こ と が で き る 。 具 体 的 に は 、 例 え ば Human adenovirus type 5( 例 え ば Accession No. BK000408, DAA00649) 、 Huma n adenovirus type 2( 例 え ば Accession No. BK000407, DAA00606) 、 Human adenovirus type 11( 例 え ば Accession No. BK001453, DAA01654) 、 Human adenovirus type 11 stra in Slobitski( 例 え ば Accession No. AF532578, AAP49207) 、 Human adenovirus type 12 ( 例 え ば Accession No. BK000405, DAA00558) 、 Human adenovirus type 35 strain Hold en( 例 え ば Accession No. AY128640, AAN17482) 、 Human adenovirus B( 例 え ば Accessio 10 n No. NC_004001, NP_852697) 、 Human adenovirus B strain 35p( 例 え ば Accession No. AY271307, AAP92347) 、 Human adenovirus E( 例 え ば Accession No. NC_003266, NP_478 406) 、 Human adenovirus F( 例 え ば Accession No. NC_001454, NP_040858) 、 Human ade novirus type 4( 例 え ば Accession No. U70921, AAC83411) 、 Mastadenovirus( 例 え ば Ac cession No. M73811, AAA75346) な ど の コ ア 蛋 白 質 VII( major core proteinと も 呼 ば れ る)を好適に用いることができる。これらの蛋白質は、前駆体および成熟体のどちらでも 用いることができるが、好ましくは成熟蛋白質またはその断片が用いられる。 【0020】 また上記のウイルス蛋白質と機能的に同等の蛋白質を用いて、トランスフェクションを 行うこともできる。機能的に同等の蛋白質とは、上記のウイルス蛋白質のアミノ酸配列と 20 有意なホモロジーを示す蛋白質であって、核酸と結合する活性を有し、該核酸の細胞への トランスフェクションによる遺伝子導入を増強する能力を持つ蛋白質のことを言う。例え ば機能的に同等の蛋白質は、上記のウイルス蛋白質のアミノ酸配列とホモロジーを示す蛋 白質であって、核酸と結合する活性を有し、トランスフェクションにおいて該核酸からの 遺伝子発現を増強する能力を持つ蛋白質であってよい。このような蛋白質は、上記のウイ ルス蛋白質の天然型のアミノ酸配列を適宜改変して作製することができる。また、機能的 の同等の蛋白質は、天然のウイルス蛋白質の核酸結合断片、あるいは他の蛋白質またはペ プチド断片が付加された融合蛋白質であってもよい。機能的に同等の蛋白質は、好ましく は 成 熟 コ ア 蛋 白 質 VII全 長 の ア ミ ノ 酸 鎖 ( 例 え ば 配 列 番 号 : 6) の 連 続 し た 70% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 75% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 80% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 85% 以 上 、 よ り 好 ま し く 30 は 90% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 95% 以 上 を 含 む 蛋 白 質 で あ る 。 ま た 部 分 断 片 は 、 一 般 に 、 蛋 白 質 VII中 に 存 在 す る 塩 基 性 ア ミ ノ 酸 に 富 む 領 域 を 有 し て い る 。 具 体 的 に は 、 10ア ミ ノ 酸 の 領 域 に 5つ 以 上 、 好 ま し く は 6つ 以 上 の 塩 基 性 ア ミ ノ 酸 ( 特 に Lysお よ び /ま た は Arg) を 含む領域を有する。他の蛋白質またはペプチド断片が付加された蛋白質としては、実施例 に 記 載 し た よ う な 、 Hisタ グ ま た は 他 の ペ プ チ ド タ グ が 付 加 さ れ た 蛋 白 質 等 が 挙 げ ら れ る 。また、機能的に同等の蛋白質としては、具体的には野生型蛋白質のアミノ酸配列におい て 1 ま た は 複 数 の ア ミ ノ 酸 が 置 換 、 欠 失 、 お よ び /ま た は 付 加 し た ア ミ ノ 酸 配 列 を 含 む 蛋 白 質 、 野 生 型 蛋 白 質 の ア ミ ノ 酸 配 列 ( 例 え ば 配 列 番 号 : 6) と 70% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 8 0% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 90% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 95% 以 上 の 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 配 列 を 含 む 蛋 白 質 、 な ら び に 野 生 型 遺 伝 子 の コ ー ド 領 域 ( 例 え ば 配 列 番 号 : 5) の 一 部 ま た 40 は全部を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸がコード する蛋白質であって、トランスフェクション効率を促進する活性を保持している所望の蛋 白質を用いることができる。変異の導入は、公知の変異導入方法に従って実施することが できる。例えば目的の変異を入れたオリゴヌクレオチドを用いて変異蛋白質をコードする 核酸を構築することが可能である。 【0021】 ア ミ ノ 酸 の 置 換 、 欠 失 、 お よ び /ま た は 付 加 に お い て は 、 改 変 さ れ る ア ミ ノ 酸 数 は 、 通 常 50以 内 、 好 ま し く は 40以 内 、 30以 内 、 好 ま し く は 25以 内 、 よ り 好 ま し く は 20以 内 、 よ り 好 ま し く は 15以 内 、 よ り 好 ま し く は 10以 内 、 よ り 好 ま し く は 8以 内 、 よ り 好 ま し く は 5以 内 である。特にアミノ酸を保存的に置換した蛋白質は活性が維持されやすい。保存的置換は 50 (8) JP 2005-287309 A 2005.10.20 、 例 え ば 塩 基 性 ア ミ ノ 酸 ( 例 え ば リ ジ ン 、 ア ル ギ ニ ン 、 ヒ ス チ ジ ン ) 、 酸 性 ア ミ ノ 酸 (例 え ば ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 ) 、 非 荷 電 極 性 ア ミ ノ 酸 (例 え ば グ リ シ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 セ リ ン 、 ス レ オ ニ ン 、 チ ロ シ ン 、 シ ス テ イ ン ) 、 非 極 性 ア ミ ノ 酸 (例 えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオ ニ ン 、 ト リ プ ト フ ァ ン ) 、 β 分 岐 ア ミ ノ 酸 (例 え ば ス レ オ ニ ン 、 バ リ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン ) 、 お よ び 芳 香 族 ア ミ ノ 酸 (例 え ば チ ロ シ ン 、 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 ト リ プ ト フ ァ ン 、 ヒ ス チ ジン)などの各グループ内のアミノ酸間の置換などが挙げられる。アミノ酸配列の同一性 は 、 例 え ば BLASTPプ ロ グ ラ ム ( Altschul, S. F. et al., 1990, J. Mol. Biol. 215: 403 -410) を 用 い て 決 定 す る こ と が で き る 。 例 え ば NCBI( National Center for Biothchnolog y Information) の BLASTの ウ ェ ブ ペ ー ジ に お い て Low complexityを 含 む フ ィ ル タ ー は 全 て 10 OFFに し て 、 デ フ ォ ル ト の パ ラ メ ー タ を 用 い て 検 索 を 行 う ( Altschul, S.F. et al. (1993 ) Nature Genet. 3:266-272; Madden, T.L. et al. (1996) Meth. Enzymol. 266:131-141 ; Altschul, S.F. et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389-3402; Zhang, J. & Madd en, T.L. (1997) Genome Res. 7:649-656) 。 パ ラ メ ー タ の 設 定 は 、 例 え ば open gapの コ ス ト は 11、 extend gapの コ ス ト は 1、 wordsizeは 2、 Dropoff (X) for blast extensions i n bitsは 7、 X dropoff value for gapped alignment (in bits)は 15、 final X dropoff v alue for gapped alignment (in bits)は 25に す る 。 ス コ ア の た め の マ ト リ ッ ク ス と し て B LOSUM62を 用 い る 。 例 え ば 2 つ の 配 列 の 比 較 を 行 う blast2sequencesプ ロ グ ラ ム ( Tatiana A et al. (1999) FEMS Microbiol Lett. 174:247-250) に よ り 、 2 配 列 の ア ラ イ メ ン ト を 作成し、配列の同一性を決定することができる。ギャップはミスマッチと同様に扱い、野 20 生 型 蛋 白 質 の ア ミ ノ 酸 配 列 全 体 ( 例 え ば 配 列 番 号 : 6の 全 長 ) に 対 す る 同 一 性 の 値 を 計 算 する。アライメントにおける野生型蛋白質の外側のギャップは無視して同一性の値を計算 すればよい。また、ハイブリダイゼーションにおいては、野生型蛋白質のコード配列(例 え ば 配 列 番 号 : 5) を 含 む 核 酸 、 ま た は ハ イ ブ リ ダ イ ズ の 対 象 と す る 核 酸 の ど ち ら か か ら プローブを調製し、それが他方の核酸にハイブリダイズするかを検出することにより同定 す る こ と が で き る 。 ス ト リ ン ジ ェ ン ト な ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の 条 件 は 、 例 え ば 5xSSC (1× SSC は 150 mM NaCl, 15 mM sodium citrateを 含 む )、 7%(W/V) SDS、 100μ g/ml 変 性 サ ケ 精 子 DNA、 5xデ ン ハ ル ト 液 ( 1 xデ ン ハ ル ト 溶 液 は 0.2%ポ リ ビ ニ ー ル ピ ロ リ ド ン 、 0. 2%牛 血 清 ア ル ブ ミ ン 、 お よ び 0.2%フ ィ コ ー ル を 含 む ) を 含 む 溶 液 中 、 48℃ 、 好 ま し く は 50 ℃ 、 よ り 好 ま し く は 52℃ で ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン を 行 い 、 そ の 後 ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ 30 ン と 同 じ 温 度 、 よ り 好 ま し く は 60℃ 、 さ ら に こ の 好 ま し く は 65℃ 、 最 も 好 ま し く は 68℃ で 2xSSC中 、 好 ま し く は 1xSSC中 、 よ り 好 ま し く は 0.5xSSC中 、 よ り 好 ま し く は 0.1xSSC中 で 、 振 蘯 し な が ら 2時 間 洗 浄 す る 条 件 で あ る 。 【0022】 上記のウイルス蛋白質、および本発明のオリゴペプチドは、薬学的に許容される担体と 共に適宜組成物とすることができる。このような組成物は、トランスフェクションによる 遺伝子導入増強剤として有用な試薬および医薬となる。また、該ウイルス蛋白質および/ またはオリゴペプチドを有効成分として含む遺伝子導入増強組成物は、後述のトランスフ ェクションキットの要素となる。担体としては、例えばリン酸緩衝液、生理食塩水、蒸留 水、培養液、血清等が挙げられるが、それらに限定されない。また、適当な塩と共に凍結 40 乾燥物としてもよい。また本発明のオリゴペプチドは、トランスフェクション増強剤、ト ランスフェクション併用剤、またはトランスフェクション補助剤としても有用である。 【0023】 ま た 、 本 発 明 に お い て 使 用 さ れ る 上 記 ウ イ ル ス 蛋 白 質 お よ び /ま た は オ リ ゴ ペ プ チ ド は 、単離または精製されていることが好ましい。ポリペプチドの精製度は、例えばポリアク リルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーのような分析化学技術を使用 して決定することができる。本発明の遺伝子導入増強剤は、好ましくは、ポリアクリルア ミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーにおいて、該ポリペプチドが試料中 のポリペプチドの中で最も強いバンドまたはピークとして検出される。該ポリペプチドは 、 試 料 中 に 存 在 す る 全 ポ リ ペ プ チ ド に 対 す る 割 合 (重 量 /重 量 ) が 、 好 ま し く は 10% 以 上 50 (9) JP 2005-287309 A 2005.10.20 で あ り 、 よ り 好 ま し く は 20% 以 上 、 よ り 好 ま し く は 30% 以 上 、 40% 以 上 、 50% 以 上 、 60% 以 上 、 70% 以 上 、 ま た は 80% 以 上 で あ る 。 よ り 好 ま し く は 90% 以 上 で あ る 。 ポ リ ペ プ チ ド は合成ポリペプチドまたは組み換えポリペプチドであることが好ましい。合成ポリペプチ ドとは、化学合成により合成されたポリペプチドであり、組み換えポリペプチドとは、該 ポリペプチドを発現する核酸を内因的に有さない細胞に、該ポリペプチドを発現する組み 換え核酸を導入して生産されたポリペプチドである。なお「ポリペプチド」とは、特定の 鎖長のものを限定する意図はなく、ペプチド、オリゴペプチド、蛋白質も含む。また組み 換え核酸とは、遺伝子組み換え技術により作製された核酸であり、両端の鎖が自然の状態 と同じように配置されていない核酸および自然界にない合成配列を含む核酸が含まれる。 【0024】 10 また、上記ウイルス蛋白質は、他のウイルス蛋白質(特に同種のウイルスのウイルス蛋 白質)またはその断片が実質的に含まれていないことが好ましい。また、上記ウイルス蛋 白質は、全ウイルスまたは全ウイルス溶解物(特に同種のウイルスの)から分離されてい ることが好ましい。他のウイルス蛋白質が実質的に含まれていない蛋白質とは、目的の蛋 白 質 が 、 そ れ 以 外 の 所 望 の 1つ の ウ イ ル ス 蛋 白 質 に 比 べ 、 重 量 比 で 5倍 以 上 、 好 ま し く は 6 倍 以 上 、 好 ま し く は 7倍 以 上 、 好 ま し く は 10倍 以 上 、 好 ま し く は 20倍 以 上 で 含 ま れ て い る こ と を 言 う 。 例 え ば 、 ア デ ノ ウ イ ル ス 蛋 白 質 VIIを 用 い る 場 合 は 、 ア デ ノ ウ イ ル ス の 他 の 蛋白質(例えばアデノウイルスのコアに含まれないウイルス蛋白質、例えばウイルス性核 酸ポリメラーゼまたはその断片、ウイルス外殻蛋白質など)を含まなくてよい。 【0025】 20 トランスフェクション試薬としては、核酸の細胞への導入を媒介する所望の化合物また は組成物が用いられる。好ましくはリン脂質、カチオン性脂質、ポリエチレングリコール 結合脂質、カチオンポリマー、およびデンドリマーなどが挙げられる。これらの試薬はリ ポソーム系、非リポソーム系の試薬が含まれる。また、トランスフェクション試薬は、天 然 ま た は 合 成 化 合 物 で あ っ て よ い 。 例 え ば 、 HVJリ ポ ソ ー ム な ど の ウ イ ル ス 由 来 リ ポ ソ ー ム等もトランスフェクション試薬として用いることができる。 【0026】 リン脂質としては、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチ ジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホ スファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、レシチン(卵黄レシチンまたは 30 大豆レシチンなど)、リゾレシチン等の天然リン脂質、またはそれらの修飾物(例えば水 素添加物)が挙げられる。リン脂質の疎水性部分を構成するアシル基の種類については特 に限定されず、例えばラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基 、オレオイル基等のアシル基が挙げられる。 【0027】 カチオン性脂質とは、分子内に正電荷を有する原子団を有する脂質である。より具体的 に は 、 カ チ オ ン 性 脂 質 は 、 1 つ 以 上 、 典 型 的 に は 2つ 以 上 の 脂 肪 酸 鎖 と 正 電 荷 を 有 す る 基 から構成された分子であってよい。正電荷の原子団としては四級アンモニウム基またはコ リ ン 基 等 が 挙 げ ら れ る 。 カ チ オ ン 性 脂 質 は 、 例 え ば ド デ シ ル ( C12) ま た は ヘ キ サ デ シ ル ( セ チ ル 、 C16) 脂 肪 酸 鎖 を 有 し て よ い が 、 そ れ ら に 限 定 さ れ な い 。 ま た カ チ オ ン 性 脂 質 40 は、一価カチオン性脂質または多価カチオン性脂質であってよい。具体的なカチオン性脂 質 と し て は 、 N-[1-(2,3-ジ オ レ オ イ ル オ キ シ )-プ ロ ピ ル ]-N,N,N-ト リ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム ク ロ リ ド (DOTMA)、 1,2-ビ ス (オ レ オ イ ル オ キ シ )-3-3-(ト リ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム )プ ロ パ ン (DOTAP)、 1,2-ジ ミ リ ス チ ル オ キ シ プ ロ ピ ル -3-ジ メ チ ル -ヒ ド ロ キ シ エ チ ル ア ン モ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド (DMRIE)、 ジ メ チ ル ジ オ ク タ デ シ ル ア ン モ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド (DDAB)、 ジ オ ク タ デ シ ル ジ ア ン モ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド (DODAB)、 ジ オ ク タ デ シ ル ジ ア ン モ ニ ウ ム ク ロ リ ド (DODA C)、 1-[2-(オ レ オ イ ル オ キ シ )-エ チ ル ]-2-オ レ オ イ ル -3-(2-ヒ ド ロ キ シ エ チ ル )イ ミ ダ ゾ リ ニ ウ ム ク ロ リ ド (DOIC)、 ジ オ レ オ イ ル ホ ス フ ァ チ ジ ル コ リ ン (DOPC)、 N-(2-ヒ ド ロ キ シ エ チ ル )-N,N-ジ メ チ ル -2,3-ビ ス (ド デ シ ル オ キ シ )-1-プ ロ パ ン ア ン モ ニ ウ ム ブ ロ ミ ド ( DLRIE) な ど が 挙 げ ら れ る 。 さ ら に 、 リ ポ ス ペ ル ミ ン 、 特 に 、 2,3-ジ オ レ オ イ ル オ キ シ -N- 50 (10) JP 2005-287309 A 2005.10.20 [ス ペ ル ミ ン カ ル ボ キ シ ア ミ ド エ チ ル ]-N,N-ジ メ チ ル -1-プ ロ パ ン ア ミ ニ ウ ム ト リ フ ル オ ロ 酢 酸 (DOSPA)、 1,3-ジ オ レ オ イ ル オ キ シ -2-(6-カ ル ボ キ シ ス ペ ル ミ ル )-プ ロ ピ ル ア ミ ド ( DOSPER) も 好 適 に 用 い ら れ る 。 ま た 、 ジ お よ び テ ト ラ -ア ル キ ル -テ ト ラ -メ チ ル ス ペ ル ミ ン 、 例 え ば テ ト ラ メ チ ル テ ト ラ パ ル ミ ト イ ル ス ペ ル ミ ン (TMTPS)、 テ ト ラ メ チ ル テ ト ラ オ レ イ ル ス ペ ル ミ ン (TMTOS)、 テ ト ラ メ チ ル テ ト ラ ラ ウ リ ル ス ペ ル ミ ン (TMTLS)、 テ ト ラ メ チ ル テ ト ラ ミ リ ス チ ル ス ペ ル ミ ン (TMTMS) お よ び テ ト ラ メ チ ル ジ オ レ イ ル ス ペ ル ミ ン (TMDOS) 等 も 挙 げ ら れ る が そ れ ら に 限 定 さ れ な い 。 【0028】 ま た 、 そ の 他 の リ ポ ポ リ ア ミ ン ( 例 え ば ジ オ ク タ デ シ ル ア ミ ド グ リ シ ル ス ペ ル ミ ン (DO GS)、 3β [N-n',N'-ジ メ チ ル ア ミ ノ エ タ ン )-カ ル バ モ イ ル ]コ レ ス テ ロ ー ル (DC-Chol)、 パ 10 ル ミ ト イ ル ホ ス フ ァ チ ジ ル エ タ ノ ー ル ア ミ ン -5-カ ル ボ キ シ ス ペ ル ミ ル ア ミ ド (DPPES)、 並 び に 、 WO96/17823お よ び WO97/18185に 開 示 さ れ て い る リ ポ ポ リ ア ミ ン な ど で あ っ て も よ い ( B e h r , J . P . e t a l . , P r o c . N a t l . A c a d . S c i . U S A . , 1 9 8 9 , 8 6 ( 1 8 ) : 6 9 8 2 - 6 9 8 6 )。 ま た 、 ア ミ ジ ニ ウ ム 基 を 含 む 脂 質 ( 例 え ば 特 許 出 願 WO97/31935の 脂 質 ) を 用 い る こ と も で き る。 【0029】 また、トランスフェクション試薬として他のポリカチオンを用いてもよい。このような 例 と し て は 、 WO98/54130お よ び WO99/51581を 例 示 で き る 。 さ ら に 、 他 の 適 用 な カ チ オ ン ポ リマーとしては、ポリリジン、ポリヒスチジン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン、 ポ リ (4-ビ ニ ル ピ リ ジ ン )、 ポ リ (ビ ニ ル ア ミ ン )、 ポ リ (4-ビ ニ ル -N-ア ル キ ル ピ リ ジ ニ ウ ム 20 ハ ラ イ ド )、 ス ペ ル ミ ン 、 ス ペ ル ミ ジ ン 、 カ ダ ベ リ ン 、 プ ト レ シ ン 、 ヘ キ サ メ チ レ ン テ ト ラ ミ ン 、 メ タ ク リ ル ア ミ ド プ ロ ピ ル ト リ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム ク ロ リ ド (AMBTAC)、 3-ア ク リ ル ア ミ ド -3-メ チ ル ブ チ ル ト リ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム ク ロ リ ド (AMBTAC) な ど が 挙 げ ら れ る (Barton et al., Comprehensive Organic Chemistry, Vol. 2, Pergamon Press, p.90 ; Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd ed., Wiley Interscience, Vol.11, p.489; Mahler & Cordes, Biological Chemistry, Harper International Editi on, p.124)。 【0030】 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (PEG) 結 合 脂 質 と し て は 、 製 薬 学 的 に 許 容 さ れ 、 PEG鎖 を 有 す る 脂 質 で あ れ ば よ い が 、 脂 質 と し て は 天 然 ま た は 合 成 リ ン 脂 質 、 PEG鎖 と し て は PEGの 平 均 30 分 子 量 が 1000∼ 12000ダ ル ト ン (Da) 程 度 の も の が 好 ま し い 。 PEGに よ り 細 胞 と の 相 互 作 用 が 上 昇 し 、 核 酸 導 入 効 率 の 向 上 が 期 待 で き る 。 PEG結 合 脂 質 と し て は 、 PEG2000-ジ ス テ ア ロイルフォスファチジルエタノールアミンなどを例示できる。 【0031】 また、トランスフェクション試薬としては、天然または人工リポソームを用いてもよい 。例えば、ウイルスリポソーム、人工膜リポソーム、ウイルス破砕物から再構成させたリ ポソーム等であってよい。例えば、エンベロープウイルスを不活化したり、または破砕し て リ ポ ソ ー ム を 再 構 成 さ せ る こ と が で き る 。 一 例 を 挙 げ れ ば 、 HVJ (Hemmaggulutinating Virus of Japan)-リ ポ ソ ー ム な ど 、 マ イ ナ ス 鎖 RNAウ イ ル ス か ら 作 ら れ る リ ポ ソ ー ム が 挙 げ ら れ る 。 ウ イ ル ス の 不 活 化 は 、 例 え ば UV照 射 に よ り 行 う こ と が で き る 。 ま た リ ポ ソ ー ム 40 は、例えば振盪および超音波により調製することができる(「ライフサイエンスにおける リ ポ ソ ー ム / 実 験 マ ニ ュ ア ル 」 シ ュ プ リ ン ガ ー ・ フ ェ ア ラ ー ク 東 京 (1992) pp.282∼ 287 参照)。また不活性化したセンダイウイルス粒子、またはリポソーム及び核酸を混合した 組 成 物 ( 膜 融 合 リ ポ ソ ー ム ) の 製 造 が 知 ら れ て い る ( 金 田 安 史 : BIOTHERAPY,8,1265(1994 )) 。 あ る い は 破 砕 ウ イ ル ス の 再 構 成 は 、 例 え ば 、 ウ イ ル ス 可 溶 化 物 か ら リ ポ ソ ー ム を 再 構 成 さ せ 、 い わ ゆ る ビ ロ ソ ー ム ( virosome) を 調 製 す る こ と に よ り 実 施 で き る ( Bagai et al., 1993, Biochem. Biophys. Acta 1152, 15-25) 。 具 体 的 に は 、 ウ イ ル ス を Triton X-100 な ど の 界 面 活 性 剤 で 可 溶 化 し た 後 、 不 溶 性 の ゲ ノ ム -蛋 白 質 複 合 体 を 遠 心 除 去 す る 。エンベロープおよびエンベロープ蛋白質を含む可溶化液から界面活性剤を除くことによ り粒子を再構成させ、ビロソームを調製することができる。ビロソームは粒子径を均一化 50 (11) JP 2005-287309 A 2005.10.20 す る た め に 、 遠 心 分 離 ( 例 え ば 12000rpm, 10分 ) に よ り 粒 子 サ イ ズ が 揃 っ た ビ ロ ソ ー ム を 分離して回収することができる。これらを本発明におけるトランスフェクション試薬とし て用いることができる。 【0032】 デ ン ド リ マ ー と は 、 3つ 以 上 、 典 型 的 に は 5以 上 の 分 子 枝 を 持 つ カ チ オ ン 性 の 樹 状 分 枝 を 有する分子を言い、典型的にはカチオン性スターバーストポリマーが挙げられる。これら は層状の球形成長によりアンモニウムコアまたはエチレンジアミンコアから派生する球形 ポリマーであってよい。典型的なデンドリマーは、コアから放射状に結合する反復単位が 層 状 の 構 造 を と っ て お り 、 こ の 層 は ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン (generation) と も 呼 ば れ る (D.A . Tomaliaお よ び H.D. Durst( 1993) E. Weber ed., Topics in Current Chemistry, vol 10 . 1 6 5 , S u p r a m o l e c u l a r C h e m i s t r y I - D i r e c t e d S y n t h e s i s a n d M o l e c u l a r R e c o g n i t i o n, Sprlnger-Verlag, Berlin, 193-313)。 デ ン ド リ マ ー の サ イ ズ 、 形 態 、 お よ び 表 面 電 荷 密 度は、コア、反復単位、ジェネレーション数、および表面の官能基によって調節される( US5,527,524、 US5,338,532、 US4,694,064、 US4,568,737、 US4,507,466、 お よ び WO88/0117 9、 WO88/01178、 WO95/24221、 WO95/012397、 WO96/22321、 WO96/31549、 US5,266,106 参 照 )。反復単位は、好ましくはアミドアミンである。またジェネレーション数は、例えば3 ∼ 20( G3∼ G20) 、 好 ま し く は 5∼ 15( G5∼ G15) 、 よ り 好 ま し く は 5∼ 10( G5∼ G10) で あ る。デンドリマー表面は、リジンまたはアルギニンのようなカチオン性アミノ酸が付加さ れていてもよい。あるいは、グラフト化デンドリマーを用いることもできる。具体的なデ ン ド リ マ ー と し て は 分 枝 状 ポ リ ア ミ ン が 挙 げ ら れ 、 例 え ば Poly(amidoamine) (PAMAM)、 20 よ り 具 体 的 に は STARBURST (登 録 商 標 )(Dendritech, Inc.)、 SUPERFECT (登 録 商 標 )( QIA GEN) な ど が 挙 げ ら れ る ( J.F.Kukowska-Latolla et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 4897-4902; A. Bielinska et al., 1996, Nucleic Acids Res. 24: 2176-2182; J. Haensler & R. Szoka, 1993, Bioconjugate Chem. 4: 372-379; M.X. Tang et al., 1996, Bioconjugate Chem. 7P 703-714) 。 デ ン ド リ マ ー を 用 い た ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に つ い て は 、 WO95/2422l、 WO93/19768、 お よ び WO95/02397を 参 照 す る こ と が で き る 。 DNA : デ ン ド リ マ ー の 荷 電 比 は 、 1: 5∼ 1: 50の 間 で あ る こ と が 好 ま し い ( J.F.Kukowska-Lat ollaら ( 1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:4897-4902) 。 【0033】 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 試 薬 は 1種 を 用 い て も よ い し 、 2種 以 上 を 混 合 し て 使 用 し て も よ い 30 。 好 ま し く は 、 1種 以 上 の カ チ オ ン 性 脂 質 が 用 い ら れ る 。 例 え ば 、 カ チ オ ン 性 脂 質 は 、 必 要に応じて他の脂質、特に中性脂質(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールア ミ ン (DOPE)、 ジ フ ィ タ ノ イ ル ホ ス フ ァ チ ジ ル エ タ ノ ー ル ア ミ ン (DPhPE)、 ま た は コ レ ス テ ロ ー ル な ど ) と 組 み 合 わ さ れ て よ い 。 DOSPAお よ び DOPEの 3:1 (w/w) 混 合 物 ま た は DOTME お よ び DOPEの 1:1 (w/w) 混 合 物 を 含 む カ チ オ ン 性 脂 質 組 成 物 は 、 一 般 的 に 本 発 明 の ト ラ ン スフェクション組成物として有用である。また、カチオン性脂質と中性脂質との混合物か ら な る ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 試 薬 と し て は 、 例 え ば GeneFECTOR (登 録 商 標 ) お よ び MultiF ECTOR (登 録 商 標 )(VennNova Inc.) が 例 示 で き る 。 【0034】 トランスフェクションに用いられる核酸は、任意のポリヌクレオチドであってよく、デ 40 オ キ シ リ ボ 核 酸 (DNA)、 リ ボ 核 酸 (RNA)、 ま た は そ れ ら の ハ イ ブ リ ッ ド で あ っ て よ い 。 ま た核酸は修飾されていてもよく、ホスホロチオエート誘導体、ホスフォロジチオエート誘 導 体 、 ま た は メ チ ル ホ ス ホ ネ ー ト 誘 導 体 、 お よ び ペ プ チ ド 核 酸 ( PNA) が 含 ま れ る 。 ま た 核酸は、1本鎖、2本鎖、または3本鎖などであってよい。また、核酸は環状であっても 直鎖状であってもよい。核酸はオリゴ核酸であってもよく、長鎖の核酸であってもよい。 具 体 的 に 例 示 す れ ば 、 核 酸 は cDNA、 ゲ ノ ム DNA、 オ リ ゴ DNA、 ア ン チ セ ン ス 核 酸 ( Drug Del ivery System,10,91-97,1995) 、 デ コ イ ( The Journal of Biological Chemistry,267,12 403-12406,1994) 、 siRNA、 リ ボ ザ イ ム ( The Drug Delivery System,10,91-97,1995) 、 三 重 鎖 DNA( 細 胞 工 学 、 13巻 、 No.4、 277-285、 1994) 、 プ ラ ス ミ ド ( Methods Enzymology ,221,317-327,1993) 、 RNAベ ク タ ー 等 で あ っ て よ い 。 好 ま し く は 、 核 酸 は 1 本 鎖 ま た は 2 50 (12) JP 2005-287309 A 2005.10.20 本 鎖 の DNAま た は RNAで あ る 。 最 も 好 ま し く は 2本 鎖 DNAで あ る 。 核 酸 と し て は 、 好 ま し く は 天然または組み換えウイルスゲノムを構成し得る核酸(全長ウイルスゲノム核酸等)以外 の 核 酸 が 用 い ら れ る 。 ま た 鎖 長 は 例 え ば 10塩 基 以 上 、 好 ま し く は 20塩 基 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は 30塩 基 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は 50塩 基 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は 100塩 基 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は 500塩 基 以 上 、 よ り 好 ま し く は 800塩 基 以 上 、 よ り 好 ま し く は 900塩 基 以 上 、 よ り 好 ま し く は 1000塩 基 以 上 、 よ り 好 ま し く は 2000塩 基 以 上 、 よ り 好 ま し く は 3000塩 基 以 上 で あ る 。 好 ま し い 態 様 の 1 つ で は 、 DNAは 転 写 単 位 を 有 す る 。 転 写 単 位 と は 、 プ ロ モ ー ターを有しており、その下流に所望の遺伝子が連結されている核酸のことである。該遺伝 子 の 下 流 に は 、 好 ま し く は ポ リ ア デ ニ レ ー シ ョ ン シ グ ナ ル が 結 合 し て い る 。 こ の よ う な DN Aは 、 例 え ば プ ラ ス ミ ド で あ っ て よ い 。 プ ラ ス ミ ド は 環 状 で も よ く 、 あ る い は 切 断 し て 直 10 鎖化してもよい。プロモーターとしては、ウイルス由来または真核細胞由来のプロモータ ーを用いることができ、例えばポリオーマウイルス、アデノウイルス、サイトメガロウイ ル ス ま た は シ ミ ア ン ウ イ ル ス 40に 由 来 す る プ ロ モ ー タ ー を 使 用 す る こ と が で き る 。 あ る い は、特定の細胞型において転写活性を持つプロモーター(組織特異的転写調節配列を含む プロモーター)を使用することもできる。このようなプロモーターは、当業者には周知で ある。 【0035】 核酸が、本発明のオリゴペプチドと上記ウイルス蛋白質と共に複合体を形成することで 、細胞内に導入された時に、該核酸が核内において転写に適した活性化状態に維持される と考えられる。また該複合体は、核酸の核への移行を促進し、該核酸からの遺伝子発現を 20 促進すると考えられる。本発明のオリゴペプチドと上記ウイルス蛋白質を用いたトランス フェクションは、所望の発現ベクターを細胞に導入する時に、該ベクターからの目的遺伝 子の発現効率を上昇させるために特に有用である。すなわち本発明は、本発明のオリゴペ プ チ ド お よ び /ま た は 上 記 ウ イ ル ス 蛋 白 質 ま た は そ れ と 機 能 的 に 同 等 な 蛋 白 質 を 含 む 、 ト ランスフェクションにおける導入遺伝子の発現効率を上昇させる薬剤にも関する。 【0036】 遺伝子としては、蛋白質をコードしても、しなくてもよい。例えば、疾患に対して治療 または予防効果を持つ蛋白質をコードする所望の遺伝子を用いることができる。このよう な蛋白質は、投与対象が有する内因的遺伝子であってもよく、あるいは治療効果を有する 外来遺伝子であってもよい。蛋白質をコードしない核酸としては、アンチセンス、リボザ 30 イ ム 、 siRNA等 を コ ー ド す る 核 酸 が 挙 げ ら れ る 。 蛋 白 質 と し て は 、 所 望 の 構 造 蛋 白 質 ま た は調節蛋白質、酵素などが挙げられ、それらにはサイトカイン、ホルモン、受容体、受容 体断片、抗体、抗体断片、各種のシグナル分子などが含まれる。また、所望の抗原蛋白質 をコードする核酸を用いることで、該抗原に対する免疫を誘導するために用いることがで きる。 【0037】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドおよびトランスフェクション試薬を含むトラン スフェクション組成物に関する。該組成物は、ウイルスゲノムと結合するウイルス蛋白質 またはその機能的同等物をさらに含んでよい。また該組成物は核酸をさらに含んでもよい 。本発明のトランスフェクション組成物は、必要に応じて薬学的に許容される担体または 40 媒体と適宜組み合わせることができる。「薬学的に許容される担体または媒体」とは、細 胞への導入であるトランスフェクションを有意に阻害しない材料である。このような担体 または媒体としては、例えば滅菌水、生理食塩水、培養液、血清、リン酸緩衝生理食塩水 ( PBS) な ど が 挙 げ ら れ 、 こ れ ら を 適 宜 組 み 合 わ せ て 製 剤 化 す る こ と が 考 え ら れ る 。 ま た 本発明の遺伝子導入増強剤およびトランスフェクション組成物は、脱イオン水、デキスト ロース水溶液等の担体または媒体を含んでいてもよい。また、安定化剤(例えばコレステ ロール等のステロール類)を含んでいてもよい。また、抗酸化剤(例えばトコフェロール ま た は ビ タ ミ ン Eな ど ) を 含 ん で い て も よ い 。 さ ら に 、 そ の 他 に も 、 植 物 油 、 懸 濁 剤 、 界 面活性剤、安定剤、殺生物剤等が含有されていてもよい。また保存剤やその他の添加剤を 添加することができる。また、ワクチンとして用いるためには、免疫反応を増強するため 50 (13) JP 2005-287309 A 2005.10.20 のアジュバントをさらに含んでもよい。本発明の組成物は、水溶液、カプセル、懸濁液、 シロップなどの形態であり得る。また本発明の組成物は溶液、凍結乾燥物、またはエアロ ゾルの形態の組成物であってよい。凍結乾燥物の場合は安定化剤としてソルビトール、シ ュークロース、アミノ酸及び各種蛋白質等を含んでいてもよい。本組成物は試薬として、 および医薬として有用である。個体に投与されるトランスフェクション薬剤の投与量は、 投与方法および投与部位、個体の年齢、体重および疾患状態などに応じて適宜調整し得る 。 【0038】 また本発明は、本発明のトランスフェクション組成物の遺伝子導入における使用に関す る。本発明のトランスフェクション組成物は、特に真核生物細胞、より詳細には、高等真 10 核 生 物 細 胞 (動 物 細 胞 を 含 む )の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン に 適 用 さ れ 得 る 。 例 え ば 初 代 培 養 細 胞または樹立細胞系に核酸を導入するために使用することができる。このような細胞とし ては、例えば動物細胞、具体的には、繊維芽細胞、筋細胞、神経細胞(ニューロン、星状 細 胞 、 グ リ ア 細 胞 ) 、 肝 細 胞 、 造 血 系 細 胞 ( リ ン パ 球 、 CD34陽 性 細 部 、 樹 状 細 胞 等 ) 、 上 皮 細 胞 、 多 分 化 能 を 持 つ 細 胞 、 特 に 造 血 幹 細 胞 、 お よ び 胚 性 幹 (ES)細 胞 等 が 挙 げ ら れ る 。 核酸のトランスフェクションは、インビトロ、エクスビボ、またはエクスビボで行われる 。本発明の方法は、有用な遺伝子産物を発現するトランスフェクトされた細胞を産生する ために用いられ得る。また本発明の方法は、トランスジェニック動物の作製の工程として 使用され得る。本発明の方法は、遺伝子治療、ウイルス防御、ならびにアンチセンス、ア ン チ ジ ー ン 核 酸 、 siRNA、 リ ボ ザ イ ム 、 も し く は デ コ イ な ど の 細 胞 へ の 導 入 の 方 法 を 含 む 20 、細胞への核酸の導入を必要とする任意の治療方法における工程として有用である。これ らの方法は、インビボおよびエクスビボ遺伝子治療における癌処置、ならびに診断方法に おいても有用である。また、本発明のトランスフェクション組成物は、真核生物細胞の任 意のトランスフェクションにおける研究試薬として利用され得る。またトランスフェクシ ョン組成物は、治療適用および診断適用され得る。 【0039】 本発明のトランスフェクション組成物を投与する場合は、該組成物は、局所、皮膚、経 口、経腸、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、気管内、腹腔内等の経 路で、インビボおよびエクスビボで投与するように調剤することができる。例えば、本発 明の組成物は所望臓器に直接注射するための注射用製剤または局所投与用として医薬的に 30 許容される担体を含んでよい。このような担体としては、生理食塩水などの等張滅菌溶液 、滅菌水、血清等が挙げられる。また、溶解により注射剤として調整可能な乾燥組成物、 特に凍結乾燥組成物としてもよい。投与に使用する核酸の用量および投与回数は、投与方 法、疾患、投与遺伝子、または治療期間等のパラメーターに応じて適宜調整され得る。投 与方法については、特に組織(例えば腫瘍などを含む)または循環経路への直接注射や、 体 外 に 取 り 出 し た 細 胞 に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 後 に 、 そ の 細 胞 を 移 植 す る ex vivo投 与 が 挙げられる。投与対象となる組織は特に制限はないが、例えば筋肉、皮膚、結合組織等が 挙げられる。投与対象としては特に制限はないが、例えば、ニワトリ、ウズラ、マウス、 ラット、イヌ、ブタ、ネコ、ウシ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、サル、およびヒトなどを含む 鳥類、哺乳動物、およびその他の脊椎動物が挙げられる。 40 【0040】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドおよびトランスフェクション試薬を含む、トラ ンスフェクションキットに関する。本発明のキットには、ウイルスゲノムと直接結合する ウイルス蛋白質またはそれと機能的に同様な蛋白質をさらに含んでもよい。また本発明の キットは、核酸をさらに含んでもよい。キットに含まれる各成分は、包装された処方物と して、例えば、各成分が容器等の隔離のためのデバイスの中に提供される包装処方物とし て提供することができる。さらに、包装処方物は、細胞への核酸の導入においてトランス フェクション組成物を使用するための使用説明書を含むことができる。1つの態様におい て、キットは、本発明のオリゴペプチドおよびカチオン性脂質を含む。また、カチオン性 脂質を含むトランスフェクションキットは、必要に応じて、中性脂質、他のトランスフェ 50 (14) JP 2005-287309 A 2005.10.20 クション試薬、他の遺伝子発現増強薬剤、または添加剤、あるいはそれらの組み合わせを 含んでもよい。キットにおける各成分の相対的量は、トランスフェクション組成物の調製 を容易にするために調整し得る。キットの成分は、適切な媒体または担体と混合されてい てもよい。またキットには、トランスフェクションのコントロールとして用いられる標準 核酸を含んでもよい。このような核酸としては、マーカー蛋白質(例えばルシフェラーゼ 、 β − ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 、 GFP等 ) を 発 現 す る ベ ク タ ー 等 が 挙 げ ら れ る 。 ま た 必 要 に 応 じ て 、 例 え ば 、 DEAEデ キ ス ト ラ ン お よ び /ま た は ク ロ ロ キ ン の よ う な 他 の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョン増強薬剤、ならびに他の添加剤を含み得る。 【0041】 本発明のキットは、診断のためのキットともなる。例えば、診断用キットは、本発明の 10 オリゴペプチド、およびトランスフェクション試薬に加えて、診断用核酸を含む。診断用 核酸は、細胞内物質の存在を検出するために使用することができる核酸であり、例えば、 細胞中にトランスフェクトされたときに、細胞内物質(例えば、蛋白質、低分子、ステロ イド、ホルモン、または核酸)に応答して、該核酸の発現または細胞内の遺伝子の発現を 増加または減少させる核酸が挙げられる。またキットは、治療用核酸を含むことができ、 このようなキットは治療キットとなる。核酸としては、天然または人工の配列を含む核酸 であってよく、特に治療用蛋白質をコードする核酸が挙げられる。具体的には、細胞にお いて発現が不足している遺伝子、細胞中において望ましくない遺伝子の発現を阻害するた め の 核 酸 ( ア ン チ セ ン ス 、 siRNA等 ) 、 ま た は 細 胞 中 に お い て 望 ま し く な い 蛋 白 質 の 活 性 を阻害する蛋白質(阻害因子、抗体、可溶性受容体)などが挙げられる。 20 【実施例】 【0042】 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限さ れるものではない。なお、本明細書中に引用された文献は、すべて本明細書の一部として 組み込まれる。 【0043】 1 ) 精 製 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 質 の 調 製 精 製 蛋 白 調 製 の た め に 、 ま ず 大 腸 菌 に よ る ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 蛋 白 質 ( Pre-V II) 発 現 プ ラ ス ミ ド ( pET14b-(XhoI)-pre-VII) の 構 築 を 行 っ た 。 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII 前 駆 体 遺 伝 子 の ORF( 配 列 番 号 : 3) を 含 む DNA断 片 を 以 下 の プ ラ イ マ ー セ ッ ト ( 5'-GCCTCG 30 AGATGTCCATCCTTATATCGCCC-3' (配 列 番 号 : 1)、 5'-GCCTCGAGCTAGTTGCGCGGGGGGCGGG-3' (配 列 番 号 : 2)) を 用 い て PCRで ア デ ノ ウ イ ル ス 5 型 遺 伝 子 ( Ad5: Accession No. BK000408) を 鋳 型 に PCRで 増 幅 し た 。 DNA配 列 を 確 認 後 、 PCR産 物 を XhoIで 切 断 し 、 大 腸 菌 の タ ン パ ク 質 発 現 ベ ク タ ー で 、 ア ミ ノ 末 端 に 6個 の ヒ ス チ ジ ン か ら な る ヒ ス チ ジ ン タ グ を 含 む pET14b ( Novagen, Madison, WI) の XhoIサ イ ト に 挿 入 し た ( pET14b-pre-VII) 。 【0044】 ヒ ス チ ジ ン タ グ つ き pre-VII (His-pre-VII) の 発 現 と ヒ ス チ ジ ン タ グ 精 製 は Novagenの プ ロ ト コ ー ル に 従 っ て 行 っ た 。 His-pre-VIIは 0.1 mg/mlア ン ピ シ リ ン を 含 む LB培 地 で 生 育 さ せ た 大 腸 菌 BL21( DE3) 株 か ら 最 終 濃 度 0.2 mg/ml IPTGの 添 加 に よ り 37℃ で 2時 間 発 現 誘 導 さ せ た 。 大 腸 菌 を 遠 心 で 回 収 し 、 超 音 波 処 理 で 破 壊 し た 。 His-pre-VIIを 含 む 不 溶 性 画 40 分 を 遠 心 で 回 収 し 、 His-pre-VIIは 6 M Ureaを 含 む バ ッ フ ァ ー を 用 い て 可 溶 化 し 、 Ni-NTA ( Novagen) で 6 M Urea存 在 下 精 製 し た 。 His-pre-VIIは 水 に 透 析 し 、 凍 結 乾 燥 し た 。 Hispre-VIIは バ ッ フ ァ ー A( 20 mM Tris-HCl pH7.9, 0.5 M NaClお よ び 6 M urea) に 溶 解 し 、 さ ら に HiPrep Sephacryl S-200 カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー で 精 製 し た 。 精 製 し た His-pre -VIIは 水 に 透 析 し 、 -30℃ で 保 存 し た 。 Protein VII( 配 列 番 号 : 6) は 報 告 さ れ た 条 件 ( W ebster, A. et al., Cell 72, 97-104 (1993), Mangel, W.F. et al., J Biol Chem 271, 5 3 6 - 4 3 ( 1 9 9 6 ) , M a n g e l W . F . e t a l . , T r e n d s B i o c h e m S c i 2 2 , 3 9 3 - 3 9 8 ( 1 9 9 7 )) で 、 H is-pre-VIIの ア デ ノ ウ イ ル ス プ ロ テ ア ー ゼ 切 断 に よ り 調 製 し た 。 His-pre-VIIは 0.5 mg/ml His-pre-VII, 0.5 mg/ml salmon sperm DNA, プ ロ テ ア ー ゼ 活 性 化 ペ プ チ ド で あ る 50 mM polypeptide VIc (NH2-GVWSLKRRCF-COOH), 10 mg/ml ヒ ス チ ジ ン タ グ つ き ア デ ノ ウ イ ル ス 50 (15) JP 2005-287309 A 2005.10.20 プ ロ テ ア ー ゼ (His-Ad protease), 20 mM Tris-HCl pH 7.9を 含 む 溶 液 で 37℃ で 6時 間 切 断 し た 。 溶 液 の NaClと Ureaの 濃 度 を そ れ ぞ れ 0.5 M, 6 Mに あ わ せ た 後 UnoSカ ラ ム ( Bio-Rad Laboratories Inc., Hercules, CA) に ロ ー ド し 、 protein VIIは 20 mlの 0.5 M-1.5 M NaC l( バ ッ フ ァ ー A) の 直 線 勾 配 で 溶 出 し た 。 精 製 し た protein VIIは 水 に 透 析 し 、 -30℃ で 保 存 し た 。 3 Lの 培 養 液 か ら の protein VIIの 収 量 は 約 3mgで あ っ た 。 His-pre-VIIお よ び prot ein VIIの 濃 度 は そ れ ぞ れ モ ル 吸 光 定 数 22,190お よ び 16,500、 分 子 量 24,514お よ び 19,400 を 用 い て UV260 nmの 吸 光 度 か ら 計 算 し た 。 【0045】 2 ) ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII或 い は ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合体形成による遺伝子発現効率の向上 10 ま ず 、 精 製 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 ( 配 列 番 号 : 6) 或 い は ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII 前 駆 体 蛋 白 質 ( 配 列 番 号 : 4) と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 形 成 の 確 認 を 行 っ た 。 そ れ ぞ れ の 精 製 蛋 白 質 0.25, 0.5, 1 , 1.5, 2及 び 3 nmol/5μ lと 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ ( luciferase) 遺 伝 子 発 現 プ ラ ス ミ ド ( pSV-Luc: TOYOBO, Kyoto, JAPAN) 200 ng/5μ lと を 混 合 し 、 室 温 に て 10分 静 置 し た 。 ア ガ ロ ー ス ゲ ル 電 気 泳 動 に て 複 合 体 形 成 の 確 認 を 行 っ た ( 図 1 ) 。 蛋 白 添 加 な し ( lane 1, 8) の 場 合 は 、 単 体 の プ ラ ス ミ ド の 分 子 量 の 位 置 に 泳 動 さ れ て い る が 、 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 或 い は ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 蛋 白 と 混 合 し た 場 合 は 、 蛋 白 量 依 存 的 に 単 体 分 子 量 の DNAは 減 少 し 、 高 分 子 量 位 置 ( 図 1 中 で "Ori" と 記 載 ) に 残 存 し て い る こ と が 確 認 さ れ た 。 そ れ ぞ れ の 蛋 白 質 は 1 nmolで ほ ぼ 100%の DNAと 複 合 体 を形成していることが確認された。 20 【0046】 こ の 精 製 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 或 い は ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 蛋 白 質 と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 を 用 い て 、 カ チ オ ン 性 リ ポ ソ ー ム ( Lipofection法 ) に よ る 遺 伝 子 発 現 効 率 を 調 べ た 。 遺 伝 子 導 入 は TransIT( Mirus Corporation, Madison, WI) を 使 用 し 、 添付の方法に従って行った。詳しくは下記のように行った。トランスフェクション時の細 胞 密 度 が 50-80%に な る よ う に 、 そ の 前 日 に HeLa細 胞 を 24 wellデ ィ ッ シ ュ に お よ そ 5 x 10 4 cells/ 0.5 ml MEM(10%FCS)/ wellで ま い て 培 養 を 開 始 し た 。 1 wellあ た り の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 反 応 液 と し て は 、 5μ lの TE( 10 mM Tris-HCl pH7.9, 0.5 mM EDTA) に 溶 解 し た 40 ng/μ l の pSV-Luc (総 量 と し て 200 ng/5μ l) と 0.25, 0.5, 1 , 1.5, 2及 び 3 nmol の コ ア 蛋 白 VIIを 含 む 5μ lの 蛋 白 溶 液 を 混 合 し 、 最 終 容 量 10μ lで 室 温 10分 間 放 置 し て DNA- 30 コ ア 蛋 白 VII複 合 体 を 再 構 成 し た 。 一 方 、 リ ポ ソ ー ム 溶 液 は TransITの マ ニ ュ ア ル ( Mirus ) に 従 っ て 行 い 、 50μ lの Opti-MEM(-) (GIBCO-BRL, Rockville, MD) と 0.8μ lの TransIT を 混 合 し 、 室 温 で 10分 間 放 置 し 形 成 さ せ た 。 リ ポ ソ ー ム 溶 液 と DNA-タ ン パ ク 質 複 合 体 を 混 合 し 、 さ ら に 室 温 で 10分 間 放 置 す る こ と で 、 リ ポ ソ ー ム -DNA-コ ア 蛋 白 VII複 合 体 を 形 成 し た。この溶液を培地に加えた時間をトランスフェクション後0時間とし、実験に用いるま で イ ン キ ュ ベ ー タ ー 中 で 培 養 し た 。 遺 伝 子 導 入 24時 間 後 に 、 細 胞 の lysateを 用 い て lucife rase活 性 を 測 定 し た 。 詳 し く は 下 記 の よ う に 行 っ た 。 培 地 を 除 き 、 wellの 壁 沿 い に 0.2 ml の Luciferase cell lysis buffer (25 mM Tris-phosphate pH7.8, 10% glycerol, 0.2% T riton X-100) を 加 え て 室 温 で 5 分 間 放 置 し た 後 、 細 胞 溶 解 液 を 回 収 し た 。 時 間 を 置 い て 測 定 し た 時 に は こ の 時 点 で 溶 解 液 を 液 体 窒 素 で 凍 ら せ て 、 -30℃ で 保 存 し た 。 Luciferase 40 活 性 の 測 定 は 25μ lの Luciferase Reagent( Promega, Madison, WI) を 3.5 mlチ ュ ー ブ に 分 注 し 、 5μ lの 細 胞 溶 解 液 を 加 え MiniLumat LB9506 (BERTHOLD)を 用 い て 15秒 間 の 発 光 を 測 定 し て 行 っ た 。 細 胞 溶 解 液 の タ ン パ ク 質 濃 度 は 次 の よ う に 測 定 し た 。 96 well plateに 4 μ lの 細 胞 溶 解 液 を 加 え た 。 濃 度 の 標 準 と し て 0.5∼ 8 mg BSA/wellを 用 い た 。 0.2 mlの Bra dford試 薬 ( Nacalai tesque, Kyoto) を 混 合 し 、 室 温 で 10分 間 程 度 放 置 し 、 OD600 nmで の 吸 光 度 を BioLumin960( Molecular Dynamics) 用 い て 測 定 し た 。 結 果 を 図 2 に 示 し た 。 蛋 白 添 加 な し の 場 合 を 1と し て 相 対 値 で 表 し て い る が 、 精 製 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 及 び ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 蛋 白 質 の 両 者 に お い て 、 遺 伝 子 発 現 効 率 の 向 上 が 観 察 さ れ た 。 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII前 駆 体 蛋 白 質 の 場 合 は 2 倍 程 度 の 向 上 で あ る が 、 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 の 場 合 は 5 倍 の 向 上 が 観 察 さ れ 、 よ り 効 果 が 強 い こ と が 確 認 さ れ た 。 50 (16) JP 2005-287309 A 2005.10.20 【0047】 3 ) 遺 伝 子 導 入 後 の 細 胞 内 に お け る ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VIIと プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 形 成の確認 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 と DNAと の 複 合 体 の 細 胞 導 入 後 の 挙 動 を 解 析 す る 一 環 と し て 、 細 胞 内 で の 局 在 に つ い て 解 析 し た 。 ロ ー ダ ミ ン ( rhodamine) で ラ ベ ル し た プ ラ ス ミ ド D NAと ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 と で 複 合 体 を 形 成 し 、 Lipofection法 に て HeLa細 胞 に 導 入 し た 。 細 胞 導 入 4 時 間 後 及 び 16時 間 後 、 抗 コ ア VII蛋 白 抗 体 を 用 い て 染 色 し 、 共 焦 点 レ ー ザ ー 顕 微 鏡 に て 観 察 し た 。 抗 コ ア VII蛋 白 抗 体 は 、 5ヶ 月 齢 の SDラ ッ ト ( Tokyo JKKENN DOU BUTSU Inc.) に 精 製 コ ア VII前 駆 体 蛋 白 質 100μ gを 完 全 ア ジ ュ バ ン ト ( Sigma, St.Louis, MO) と と も に 免 疫 す る こ と に よ り 調 製 し た 。 こ の 時 、 2週 間 隔 で 30μ g及 び 50μ gの 精 製 コ 10 ア VII前 駆 体 蛋 白 質 を 完 全 ア ジ ュ バ ン ト と と も に 投 与 し boostを か け た 。 細 胞 へ の 遺 伝 子 導 入 後 、 プ ラ ス ミ ド DNAと ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 は 細 胞 質 内 で も 複 合 体 を 形 成 し て い る ことが確認された(図3)。 【0048】 4)オリゴペプチドによる遺伝子発現効率の向上 200 ng pSV-Lucに 、 100 ngま た は 200 ngの ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 を 混 合 し 、 室 温 で 10分 間 放 置 す る こ と で DNA-コ ア VII蛋 白 複 合 体 を 形 成 さ せ た 。 こ の 溶 液 に さ ら に 200, 30 0, 400, 500, 600, 700, 800 ngの オ リ ゴ ペ プ チ ド ( YAKMKRRRRRVARRHRRRP (配 列 番 号 : 7) ) (こ の オ リ ゴ ペ プ チ ド を 「 RRR」 と も 称 す ) を 加 え 10分 間 室 温 に 放 置 し た 。 DNA-コ ア VII 蛋 白 -オ リ ゴ ペ プ チ ド 複 合 体 は 、 上 述 の 2 ) の 条 件 で HeLa細 胞 に リ ポ フ ェ ク シ ョ ン 法 に よ 20 り ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し 、 そ の 約 24時 間 後 に ル シ フ ェ ラ ー ゼ 活 性 を 測 定 し た 。 そ の 結 果 、 RRRオ リ ゴ ペ プ チ ド は ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 効 率 を 有 意 に 上 昇 さ せ た 。 核 酸 と の 混 合 比 は 、 調 べ た 中 で は 核 酸 : オ リ ゴ ペ プ チ ド が 1: 1の と き の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 効 率 が 最 も 高 く 、 1:4ま で 明 ら か な 増 強 効 果 が 見 ら れ た 。 【産業上の利用可能性】 【0049】 本発明のオリゴペプチドは、汎用のトランスフェクション試薬と併用して遺伝子導入効 率を上昇させることができるため、広い適用範囲を持つ。これにより、プラスミド、オリ ゴ DNA、 RNAを 含 む 所 望 の 核 酸 を 真 核 細 胞 に 導 入 す る こ と が で き る の で 、 細 胞 内 で の 蛋 白 質 の発現、蛋白質製造、細胞の形質転換、およびトランスジェニック動物の作製のために有 30 用である。また、蛋白質をコードする核酸を細胞内に導入することを通して、その蛋白質 の細胞内での作用、および薬剤に対する応答を解析すれば、医薬品および農薬等の開発に も有用である。更に、治療核酸または治療蛋白質を導入するためにインビボまたはエクス ビボで本発明の組成物を用いれば、病気の治療および予防に利用することも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【 図 1 】 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 形 成 の 確 認 を 示 す 図 で あ る 。 ル シ フ ェ ラ ー ゼ 遺 伝 子 (pSV-Luc) を 含 む プ ラ ス ミ ド DNAを VII蛋 白 質 ま た は pre-VII蛋 白 質 と 混 合 し 、 DNA− 蛋 白 質 複 合 体 を ア ガ ロ ー ス 電 気 泳 動 で 分 離 し た 。 DNAは Syber Goldで 染 色 し た 。 "Ori"は 電 気 泳 動 の 開 始 点 (origin)、 "nc DNA" は nicked circular DNA (ニ 40 ッ ク の 入 っ た 環 状 DNA)、 "cc DNA" は closed circular DNA (ニ ッ ク の な い 環 状 DNA) を 表 す。 【 図 2 】 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 形 成 後 の 遺 伝 子 発 現 効 率 の 変 化 を 示 す 図 で あ る 。 レ ポ ー タ ー 遺 伝 子 の ア ッ セ イ に よ り 、 Luciferase活 性 を 測 定 し た 。 DNA− 蛋 白 質 複 合 体 を HeLa細 胞 に リ ポ フ ェ ク シ ョ ン 法 で ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た 。 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン の 24時 間 後 (24 hpt) に 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ 活 性 (Relative Light Uni t; RLU) を 測 定 し た 。 【 図 3 】 遺 伝 子 導 入 細 胞 内 に お け る ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 と プ ラ ス ミ ド DNAと の 複 合 体 の 確 認 を 示 す 図 で あ る 。 Rhodamineラ ベ ル し た DNA (赤 色 ) (パ ネ ル A) お よ び Rhodamine ラ ベ ル し た DNA− VII複 合 体 (パ ネ ル B) を リ ポ フ ェ ク シ ョ ン 法 に よ り HeLa細 胞 に ト ラ ン ス 50 (17) JP 2005-287309 A 2005.10.20 フ ェ ク シ ョ ン し た 。 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 後 の 図 示 し た 時 間 (hpt) に 、 細 胞 を 固 定 し 抗 V II抗 体 (緑 色 ) で 染 色 し た 。 パ ネ ル Aは Rhodamine (赤 色 ) シ グ ナ ル を 、 パ ネ ル Bは コ ア VII 蛋 白 (緑 色 ) シ グ ナ ル を 表 す 。 VII蛋 白 質 は ト ラ ン ス フ ェ ク ト さ れ た 細 胞 内 で も DNAと 複 合 体を形成していた。 【 図 4 】 ア デ ノ ウ イ ル ス コ ア VII蛋 白 、 プ ラ ス ミ ド DNA、 RRRオ リ ゴ ペ プ チ ド の 複 合 体 形 成 後 の 遺 伝 子 発 現 効 率 の 変 化 を 示 す 図 で あ る 。 レ ポ ー タ ー 遺 伝 子 の ア ッ セ イ に よ り 、 Lucife rase活 性 を 測 定 し た 。 複 合 体 を 、 図 2 と 同 様 に HeLa細 胞 に リ ポ フ ェ ク シ ョ ン 法 で ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た 。 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン の 約 24時 間 後 (24 hpt) に 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ 活 性 (RLU) を 測 定 し た 。 横 軸 は 、 核 酸 に 対 す る オ リ ゴ ペ プ チ ド の レ シ オ (重 量 比 ) を 表 す 。 【図2】 【図4】 10 (18) 【図1】 JP 2005-287309 A 2005.10.20 (19) 【図3】 【配列表】 2005287309000001.app JP 2005-287309 A 2005.10.20 (20) JP 2005-287309 A 2005.10.20 フロントページの続き (72)発明者 井上 誠 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 株式会社ディナベック研究所内 (72)発明者 弘中 孝史 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 株式会社ディナベック研究所内 (72)発明者 長谷川 護 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 株式会社ディナベック研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA01 DA02 EA04 HA01 HA17 4B065 AA93X AB01 BA02 BB11 BB19 CA60