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現在、地域医療の現場で起こっていることをキーワードで拾い出し、別紙に

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現在、地域医療の現場で起こっていることをキーワードで拾い出し、別紙に
せお福祉まちづくり計画
2011.3
地域医療を考える -知ることが第一歩―
1.地域医療の現場では
-行政・地域住民・医療関係者の関係-
現在、地域医療の現場で起こっていることをキーワードで拾い出し、別紙にまとめまし
た。地域医療の関係者は、主に行政・地域住民・医療関係者です(本章末の別紙:行政・
地域住民・医療関係者の関係(キーワード)を参照下さい。
)
。
この図に示したように、行政、地域住民、医療関係者の思いはバラバラ、場合によって
は敵対とも言える状況です。また、行政、地域住民、医療関係者も一体ではなく、例えば、
行政は医療行政者であり病院経営者で、地域住民は住民であり患者でもあります。医療関
係者の場合は、医者・看護師と病院経営者、病院勤務医と開業医と立場も考え方もそれぞ
れです。
地域住民と医療関係者の間にはお互いに不満が、地域住民と医療関係者は行政(特に国
の医療政策)に疑問や不満があり、おそらく行政は地域住民と医療関係者に国の医療行政・
政策が思うように浸透していかないことに不満があることでしょう。
現在、地域医療の現場で起きている問題を解決していくためには、行政、地域住民、医
療関係者が“同じ思いと行動を”とまでは言いませんが、お互いの違いを認めることから
スタートする必要があります。
地域医療の現場で起きている問題をマスコミなどでは
「地域医療崩壊」と言っています。
そしてこの解決策を「地域医療再生」と行政もマスコミなども言っています。実態を端的
に表したキャッチフレーズだとも言えますが、このような言葉を使い合っていると実際に
起こっていることが見えにくくなりそうです。ここでは、あえて使いならされた言葉を使
わずに報告していきます。
【用語の解説】
医療の言葉(あるいは行政用語)は、一般になじみの無いものが多数あります。ここで、ま
ず用語について確認しておきます。
(下記の用語の解説の多くは、千葉県保健医療計画、平成 20 年 4 月、千葉県を参考に要約しました。*
は、フリー百科事典 Wikipedia を参考にしました。
)
《全般》
診療所と病院*;診療所は、医師等が診療を行う場所のこと。患者を入院させるための施設を
有しないもの又は 19 人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。住民の多く
は大きくても小さくても“病院に行く”などと言っていますが、病院は、20 人以上の入院設
備を備える施設です。診療所は、病院、産院などの紛らわしい名称をつけることができませ
ん。許可・届出上の名称としては、
「~医院」
「~クリニック」
「~診療所」が多く見られます。
公立病院;都道府県、市町村や日本赤十字社、済生会などが開設する病院。
かかりつけ医;
「主治医」
。日ごろから患者の体質、病歴や健康状態を把握し、診療のほかに健
康管理上のアドバイスなどを行う。病状に応じて適切な専門医の紹介を行う。
総合診療;患者の状態を臓器別に診るのではなく、心・身体・社会的背景などを含めて総合的
に診察する診療形態。専門各科と連携した診療を行うことにより、一人ひとりのニーズにあ
った幅広い診療を提供する。
一次医療(プライマリ・ケア:Primary
Care);個人や家族が最初に接する保健・医療のこ
と。日常的に頻度の高い傷病に対して行われるレベルの医療。かかりつけ医が中心に担って
いる。
二次医療;一次医療より専門的で、現在の医療水準から見て大部分の医療が完結するレベルの
医療。地域の大部分の疾病に対応する役割を担う。
三次医療;全県的な見地で、高度な医療水準で実施される医療。
《地域医療》
地域医療*;
『地域医療とは包括医療(保健予防、疾病治療、後療法および更生医療)を、地域
住民に対して社会的に適応し実践すること』
(佐久市立国保浅間総合病院の吉澤国雄氏のまと
めによる)
。先進的な医療機関では、介護保険施行以前に老人デイケアを行ったり、病院を中
核に、医療と福祉が一体化した保健福祉拠点の整備を行ったりするなどの実践を行っている。
地域(医療)連携室;医療機関の間での患者紹介に関する連絡・調整や患者からの医療・介護
に関する相談を受け付けるなど、地域医療連携の強化・推進を目的に地域の医療機関に設置
される。医師、看護師、ソーシャルワーカーなどから構成。
地域医療支援病院;かかりつけ医を支援し、地域医療の充実を図ることを目的として、二次保
健医療圏ごとに整備される病院。施設の共同利用、地域医療従事者の研修なども行う。
地域(医療)連携パス;急性期の医療機関から回復期の医療機関を経て自宅に戻るまでの治療
経過に従って、各機関の診療内容や達成目標などを明示した治療計画。患者や関係する医療
機関で共有することで、効率的で質の高い医療の提供と患者の安心の確保を期待。
開放型病院;地域の開業医や診療所の医師に対して施設や設備を開放している病院。その病院
で開業医や診療所の医師が開放型病院の医師と共同で手術や検査などを行うことが可能。患
者の入院治療も開放型病床で共同により治療することができる。
《救急医療》
初期救急医療;救急患者のうち、入院の必要がない軽症者に対する休日や夜間の外来診療のこ
と。
「休日夜間急患センター」や「在宅当番医」がその役割を担う。
二次救急医療;初期救急医療機関で入院や手術を必要とすると判断された救急患者や重症患者
に対応する医療。各地区において病院などが当番制で夜間・休日に対応する「病院群輪番制」
により実施。
三次救急医療;救急車により直接、あるいは初期・二次救急医療機関から転送される心筋梗塞、
脳卒中、頭部損傷などの重篤救急患者に対する救命医療。高度な治療機能を持つ「救命救急
センター」で実施。
病院群輪番制;救急車により直接搬送されてくる、あるいはかかりつけの診療所など初期救急
医療機関から搬送されてくる重症救急患者に対し、地域ごとに休日や夜間に複数の医療機関
が当番制で対応すること。
夜間・休日急病診療所;在宅当番制と同様の機能を果たすもので、市町村などが設置運営主体
となり、地区医師会の医師が交代で夜間・休日診療に当たる診療所。
救命救急センター;心筋梗塞、脳卒中、頭部損傷などの重篤救急患者の救命医療を行う医療機
関。24 時間体制で高度な救急治療を行う。
国 - 県 -(広域市町村組合) - 市町村
出先機関(健康福祉センター等)
医療行政と福祉行政(高齢・介護/障害)と健康増進行政
「医療行政者」であり「
(県・市立病院)病院経営者」⇒住民とみるか患者と見るか
地域保健医療圏と圏域外
(圏域外からの通院・入院)
行政
・国の医療行政
(医療費削減/病院の統合/研修医制度等)
・身近な診療科が無くなる
(小児科、産婦人科、外科等)
・地域に医院が少ない
・大きな病院に直接行って
・国の医療政策に疑問・不満
・かかりつけ医の奨励
・慢性的な長時間勤務
・医師・看護師不足
何がいけないか?
・医療事故への不安/医療の安
全性の低下
・信頼できる医者がいない
⇒根本的な原因
究明より犯人探し
・3 時間待って 3 分診療
⇒医療現場からの逃げ出し
・親身で無い/態度が偉そう
地域住民
医療関係者
開業医/廃業/自殺
・インフォームドコンセント
「住民」であり「患者」
住民代表
≠
・医療には本質的にリスクが
市町村議員
NPO/地域住民団体
ある(理解されていない)
・すぐに医療ミスとして訴え
社協(県/市町村/地区)
られる
・感謝の言葉より
家族からの文句・暴言
医者・看護師と病院経営者
医師会/歯科医師会(県/市町村)
公立病院と民間病院
病院勤務医と開業医
病院と診療所(かかりつけ医)
専門・高度医療と総合医療
医療(外来・入院/在宅診療)
急性期病院/リハビリ病院
救命救急センター
□行政・地域住民・医療関係者の関係(キーワード)
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