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スライド 1 - 全国健康保険協会
決 議 全国健康保険協会(協会けんぽ)は、加入者数約3,600万人、加入事業所数約170万事 業所という日本最大の医療保険者として、主に中小企業・小規模事業所で働く方やその ご家族の医療を保障し、日本の国民皆保険制度を支えているが、協会けんぽの財政は極 めて厳しく、危機的な状況にある。 急激な少子高齢化を背景に、現役世代の賃金の伸び率を大きく上回る伸び率で医療費 が増加し続けるという構造的な赤字要因を抱える中で、高齢者医療に対する負担も大変 重く、加入者、事業主の負担は既に限界にある。我が栃木県では、約50万人、約2万2千 事業所が協会けんぽに加入し、その多くが中小企業・小規模事業所だが、経営状況は依 然として厳しく、「保険料率についてはこれ以上の引き上げは絶対容認できない。」 「更なる負担増は企業存続に関わる深刻な問題だ。」という切実な声が寄せられてい る。 現在協会けんぽの保険料率は全国平均で10%、我が栃木県は9.95%であり、健康保険 組合や共済組合と比べても格段に高く、収入の低い者が重い保険料率を強いられるとい う、社会保障とは到底言えない状態である。これ以上の負担は、中小企業・小規模事業 所の経営並びに従業員及びご家族の雇用や生活に直接影響する。協会けんぽの財政問題 は、一保険者の問題を超えた、地域経済、雇用に直結する極めて深刻な問題である。 また、高齢者医療に対する現役世代の拠出金負担も深刻である。高齢者医療の負担は 広く社会全体で支えるべきであり、負担能力に応じた公平なものとすべきである。 我々は、2年前に、協会けんぽの財政基盤の強化を図るための署名活動を実施し、全 国で320万筆、我が栃木県では7万7千筆を超える署名をいただき、内閣総理大臣に提出し たが、未だにその実現に至っていない。昨年成立した健康保険法等改正法附則や附帯決 議、さらにプログラム法で規定されているとおり、政府は、本年度中に協会けんぽに対 する国庫補助率について検討し、所要の措置を講じることが決まっている。 国及び政府は、もはや一刻の猶予も許されない極めて厳しい現状を直視し、来年通常 国会に提出する医療保険制度改革法案において、構造的に脆弱な協会けんぽの財政基盤 を改善する恒久措置を講じるべきである。我々は、県内の加入者、事業主その他協会け んぽ関係者の総意をもって、下記の事項の実現を期し、決議する。 記 一、全国健康保険協会に対する国庫補助金の補助率を健康保険法が定める上限 である20%(現在16.4%)に引き上げること 一、公費負担の拡充をはじめ、高齢者医療制度を抜本的に見直すこと 平成26年7月11日 全国健康保険協会 栃木県大会