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発達心理学2007 授業の流れ 2.1 成熟と学習 持っていたものが開く 後に
授業の流れ 発達心理学2007 今日の授業のねらい=発達はどのような要 因によってひきおこされるのかについての 理解を深める 2007/5/2 2.発達をひきおこす力 2.1 成熟と学習 2.2 遺伝と環境 2.3 生物学的なものと社会的なもの 2.1 成熟と学習 持っていたものが開く • 成熟 Î 主として遺伝的に決定される、年齢的にほぼ 一定した発達の過程 • 学習 Î 経験の反復によって生じる持続的な行動変 容過程(行動や心身機能の変容) 後になって身につける 成熟と学習のちがい • 成熟 Î 生得的 • 学習 Î 後天的 発達 成熟 学習 1 ゲゼルの階段登りの研究 一卵性双生児 A児 46週から訓練 B児 53週から訓練 結果 A児 52週で26秒 B児 53週で45秒、55週で10秒 ゲゼルが出した結論 子どもの発達は、生得的なもの(成熟)によっ て決まる 発達は生得的なもの(成熟)によって決まる のか? ゲゼルの研究における問題点 1.Bも動き回っていた Î 自然に「訓練」していただろう 後天的な学習の機会もあった 2.運動機能しか見ていない Î 身体は成熟の働きが優位である Î 人間の発達は心身の全てを含む 精神機能は成熟だけでは説明できない レディネス レディネス(readiness) 準備性 学習が効果をもつためには,学習者の心身が 一定の発達を遂げていることが必要であるが, このような学習成立のための準備性のことを レディネスという。 学習に必要な準備状態 般的能力 一般的能力 興味・関心 準備性 2.2 遺伝と環境 • • • • 鳶が鷹を生む 瓜の蔓に茄子はならぬ 雀百まで踊り忘れず 氏より育ち • 氏か育ちか • nature –nurture論争 2 双生児 • 一卵性双生児 遺伝的に同一 • 二卵性双生児 遺伝的には兄弟 双生児法における推定 異なる環境で生育した一卵性双生児間の類似性→ 遺伝の影響を直接表す 同じ環境の一卵性双生児でも類似しない部分→一 人一人に固有な環境(非共有環境)の影響を表す 双生児の比較 双生児はなぜ似るのか? • 一卵性と二卵性の環境の影響が等しいと仮定 して、両者を比較 • ↓ • 一卵性の類似性が、二卵性の類似性の2倍以 上ならば遺伝効果があることを示す ◆例えば、双子には同じような洋服を着させるな ど、環境も同一に整えられる傾向がある ◆遺伝的要因+環境的要因 Î双子が似ている要因は遺伝的なものだけで なく、しつけや養育などの環境的なものも影響 している 2.3 生物学的なものと社会的なもの 生物種としての人間 独自の遺伝子、染色体、身体諸器官 =人間として発達していく可能性、素質 社会の中で、能動的に外界に働きかけること をとおして、人間としての発達をとげる 人間は労働をとおして人間になった 3