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参考資料編 - 山形県ホームページ
(参考資料編) 目 次 小水力発電の基礎知識 ················································· 1 1.小水力発電とは ····················································· 2 2.小水力発電の特徴 ··················································· 2 3.発電単位あたりのコスト比較 ········································· 3 4.落差と水量から得られる発電量 ······································· 3 5.固定買取価格制度 ··················································· 4 6.発電出力の算出例 ··················································· 4 小水力発電実施に係る協議・調整について ···························· 5 小水力発電導入までの流れ ··············································· 6 許認可申請に係る事前協議・調整 ········································· 7 事前協議・調整概要(1) ··············································· 8 事前協議・調整概要(2) ··············································· 9 河川法に関する協議・諸手続き(1) ····································· 10 河川法に関する協議・諸手続き(2) ····································· 11 許可手続きが必要かどうかの確認 ········································· 12 小水力発電に関する水利権の手続きの簡素化1 ····························· 13 小水力発電に関する水利権の手続きの簡素化2 ····························· 14 電気事業法に関する協議・諸調整 ········································· 15 ヘッドタンク及び農業用水路等内の堰の取扱い ····························· 16 主要電気事業法令概要 ··················································· 17 電気事業法関係法令 ····················································· 18 主任技術者の選任(電気事業法第43条) ··································· 19 電気事業者との協議・諸調整 ············································· 20 系統連系に係る標準的な業務フロー(特別高圧、高圧) ····················· 21 電気事業者との協議・諸調整 ············································· 22 買取単価の決定タイミング ··············································· 23 土地改良法の協議・諸手続き ············································· 24 小水力発電の運営、操作、保守管理について ·························· 25 再生可能エネルギー導入支援のための融資制度 ····························· 26 発電による維持管理費充当割合計算書 ····································· 27 小水力発電施設の採算年数について ······································· 28 小水力発電導入事務について ············································· 29 複式簿記について ······················································· 30 損益計算書の事例 ······················································· 31 (参考)損益計算書の説明(1/2) ·········································· 32 (参考)損益計算書の説明(2/2) ·········································· 33 貸借対照表の事例 ······················································· 34 (参考)貸借対照表の説明 ··············································· 35 小水力発電に関する電気事業法の手続きの簡素化 ··························· 36 主任技術者の選任(電気事業法第43条) ····································· 37 ダム水路主任技術者について<補足> ····································· 38 小水力発電施設の操作・管理 ············································· 39 (株)山形発電の事例 ··················································· 40 その他参考資料 ························································ 41 山形県河川流水占用料等徴収条例(1/3) ·································· 42 山形県河川流水占用料等徴収条例(2/3) ·································· 43 山形県河川流水占用料等徴収条例(3/3) ·································· 44 小水力発電の売電収入を充当できる範囲の整理 ····························· 45 野川地区発電事業計画概要書 ············································· 46 水力発電に関する用語解説1~4まで ··································· 47~53 系統連係に関する用語解説 ··············································· 54 小水力発電の基礎知識 -1- 1.小水力発電とは 区 分 出力(kW) 備 考 大水力 100,000~ 中水力 10,000~100,000 小水力 1,000~10,000 ミニ水力 100~1,000 マイクロ水力 100以下 2,000kW以下のものを総 称して小水力発電と呼ぶ場 合もある マイクロ水力発電導入ガイドブック(2003年、新エネルギー・産業技術総合開発機構 【kW(キロワット)】 電気エネルギーを使って単位時間当たりに仕事をする能力の大きさを電力といい、単位をワット(W)であらわ す。(蒸気機関の発明者ワット(1736~1819)の名前ちなんだもの) 電力の大きさは電流と電圧の積(せき)であらわされる。 電力(W)=電流(A)×電圧(V) 1kW=1,000W 2.小水力発電の特徴 特 徴 • 発電効率が高い。 70%前後 風力:20% 太陽光:10% 原子力:30% • エネルギー密度が高い。 • CO2を排出しない。 • 短期間の建設が可能で、維持管理が容易。 課 題 • 初期コストが高い。 • 水利権協議 • 季節や気候によって水量が変化し不安定。 【発電効率】 発電所(火力発電・水力発電・原子力発電)や太陽光発電システムなどにおいて、利用するエネルギーに対 して変換できる電気エネルギーの割合 たとえば、100のエネルギーで30のエネルギーを電気として取り出す⇒ 発電効率=30% ➢ 発電効率が高いほど、効率的な発電設備といえる 【エネルギー密度】 単位面積あたりでどれくらい発電できるかを表す数値 -2- 3.発電単位あたりのコスト比較 設 備 利用率 稼動年数 33.8~38.3円 12% 20年 9.9~17.3円 20% 20年 19.1~22.0円 60% 40年 発電単位あたりのコスト (kWh) 住宅用 太陽光発電 風力発電 小水力発電 コスト等検証委員会報告書(エネルギー・環境会議 平成23年) 【設備利用率】 発電施設が一定期間に生み出した電力量と、その期間フル稼働したとして得られる発電電力量との百分率比。 年間の設備利用率(%) =(1年間で発生した発電電力量(kWh)/(認可出力(kW)×365日×24時間))×100 4.落差と水量から得られる発電量 発電出力[kW] 水の持つエネルギーを =9.8×落差[m]×水量[㎥/s]×変換効率 電気エネルギーに変換 (変換効率 =水車効率×発電効率≒0.7) =9.8×落差[m]×水量[㎥/s]×0.7 ≒7 ×落差[m]×水量[㎥/s] 【電力量(WhもしくはkWh)】 一定の電力が、ある時間働いて使った電気の量 1[kW]の電力が1時間働いた電力量を1[kWh] ※1世帯あたりの年間電力使用量(試算値)=4,200kWh -3- エアコンの消費電力が2.5kWとなっ ている場合、このエアコンを5時間使用 した場合の消費電力は 2.5kW×5時間=12.5kWh 5.固定買取価格制度 種類 区 単価(円/kWh) 分 35.7 200kW未満 中小水力 200~1,000kW 風 力 20年 30.45 25.2 1,000~30,000kW 太陽光 買取期間 10kW未満 42 10年 10kW以上 42 20年 20kW未満 57.75 20kW以上 23.1 20年 調達価格の試算条件(中小水力) 10,000kW以上 30,000kW未満 200kW以上 1,000kW未満 200kW未満 85万円/kW 80万円/kW 100万円/kW 5千kWで42.5億円 500kWで4億円 100kWで1億円 9.5千円/kW 69千円/kW 75千円/kW 5千kWで47.5百万円 500kWで34.5百万円 100kWで7.5百万円 発電規模 建設費 維持管理費 (年間) 6.発電出力の算出例 【発電出力の算出例】 取水槽 導水路 《発電出力》 ・有効落差:1.0m(0.5m×2) ・流 量:1.0㎥/s ⇒ 7×1.0×1.0=7[kW] 《年間発電量》 7[kW]×24[時間]×365[日] =61,320[kWh] ➢ 61,320[kWh] / 4,200[kWh] ≒14[世帯分の年間電力使用量] 下掛水車 ➢ 売電金額 61,320[kWh]×35.7[円/kWh] =2,189,124 円 -4- 小水力発電実施に係る協議・調整について -5- 小水力発電導入までの流れ 概略設計(効能性の検討) 一年目 ・発電計画地点の年間流況・落差等の調査 ・年間発生電力、建設コスト、年経費の概算 ・採算性の評価 事業計画・(基本設計)作成 各種事前協議 河川法(1年程度) 二年目 □水利使用の許可 ・発電のための新 たな水利権取得 ・最寄の国土交通 省河川事務所又 は各総合支庁河 川担当部局 電気事業法 電気事業者 土地改良法 □工事計画届出書等 ・一定規模以上の電 気工作物 ・ダム水路主任技術 者の選任 等 ・系統連系 ・他目的使用 等 等 実施設計 三年目 【河川法】本協議 【電気事業法】協議 電気事業者協議 土地改良法協議 ↓ ↓ ↓ ↓ ・系統連系 等 ・他目的使用 水利使用許可の 標準処理期間 水利使用許可 ○国土交通大臣 10ケ月 ○地方整備局 5ケ月 ・工事計画届出書 ・主任技術者届出 等 系統アクセス検討に 3ケ月程度要する ・改築申請 等 ↓ ↓ ↓ ↓ 許可 受理 契約 承認 ↓ ↓ ↓ ↓ 工事着工・設置 -6- 許認可申請に係る事前協議・調整 概略設計途上で暫定的に出来上がった各種資料により、関 連関窓口に事前説明を行い事前協議・調整を行っておくこと が重要である。 ・ 河川法(国土交通省) ・ 電気事業法(経済産業省) ・ 電気事業者(系統連系) ・ 設備設置地点の管理者 (農業用水路、多目的ダム等) ・ その他法令 (自然公園法、農地法、農業振興地域の整備に関 する法律、砂防法、地すべり法、 等) -7- 事前協議・調整概要(1) □河川法(流水占用の許可) 発電のための水利使用は「特定水利使用」と呼ばれ、出力の小に拘わらず水利 権の取得が必要。また、かんがい用水等水利権を取得済みであっても発電用に 利用する場合には、目的が異なるため、新たに水利権の取得が必要となる。 ◆ 協議先:国土交通省の最寄の河川事務所 または県庁、 各総合支庁の河川担当部局 ◆ 一級や二級河川等の河川種別により、水利権許可権者が異なるので、相談す ることで明確になる。 ※発電所を作る場所によって水利権申請が不要な場合がある発電所の設置場所 により異なるので許可申請が必要かどうかを事前に確認しておく必要がある。 □電気事業法(工事計画届出書等) 一定規模以上の発電事業を行う場合、電気事業法において「電気工作物」として 位置付けられ、電気事業法に関する協議・諸手続きが必要となる。 ◆ 協議先:関東東北産業保安監督部東北支部電力安全課 ◆ 一定規模以上の工作物に該当の場合、工事計画(指定様式)を工事着手の 30日以上前に届出が必要。 □電気事業者(系統連系) 発電設備を電力会社の商用電力系統に連結する場合には、連系するための技 術要件などに関し、事前に電力会社と十分に協議することが必要である。 ◆ 協議先:電力会社の最寄の営業窓口 ◆ 系統するための技術的要件等に関し、電力会社と十分に協議が必要。 -8- 事前協議・調整概要(2) □土地改良法(他目的使用の承認) 農業用水利施設(土地改良施設)を水力発電に利用する場合には、本来の用 途・目的と異なるため、施設所有者の承認を受けなければならない。 ◆ 協議先:農業用水利施設(土地改良施設)の所有者(管理受託者) ◆ 他目的使用の申請者(発電を行う者)は施設所有者(管理受託者)に他目的申 請を行う。(水力発電を行う者と管理受託者が同一の土地改良区であっても、こ の手続きは必要である。) □土地改良事業の一種として小水力発電を実施の場合 土地改良事業の一工種として小水力発電を実施する場合は、発電計画を含む 土地改良事業計画が同法に基づく所定の手続きに従って策定されることが必要で ある。 このため、土地改良区等や農林水産省及び県等の関係者による調整が必要で あるほか、関係市町村、地域住民(地元自治会)、地権者、漁業者等関係者への 説明を行い、計画の早い段階から理解を得ておくことが重要である。 また、土地改良区が施設管理者となる場合は、土地改良区の定款、規約、維持 管理計画等の該当事項に反映させる必要がある。なお、土地改良区の定款の変 更は県知事の認可を要する。 ◆ 相談先:総合支庁産業経済部農村計画課 事前協議・調整にあると便利な資料(全てそろって無くとも良い) □発電予定箇所の位置図 □発電所の設置方法が分かる図面 □現況写真 □発電所の工事期間、運転開始時期等の概略工程表 □かんがい用水水利使用規則の写し(従属の場合) □施設管理委託協定書(国営造成施設等の場合) 小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック(国土交通省) -9- より一部改変 河川法に関する協議・諸手続き(1) 水力発電所を設置する場合には、河川法に基づき水利権を取得す る必要がある。発電のための水利使用は「特定水利使用」と呼ばれ、 かんがい用水等水利権を取得済みの場合でも発電用に利用する場 合には、新たに水利権の取得が必要となる。 小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック(国土交通省) より 新たに河川区域内に施設を設ける場合は、以下に示す多くの項目の許可を得る必要がある が、既存の農業水利施設を利用する発電で、既存のかんがい用水等の水利権が許可済みで、 その水利権に従属する(内数となる)場合は、法第23条の協議・諸手続が中心となる。 条 文 内 容 法第23条 流水の占用の許可 河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省で定めるところにより、 河川管理者の許可を受けなければならない。 法第24条 土地の占用の許可 河川区域内の土地を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところ により、河川管理者の許可を受けなければならない。 法第25条 土石等の採取の許可 河川区域内の土地において土石を採取しようとする者は、国土交通省令で 定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 法第26条 工作物の新築等の許可 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、または除却しようと する者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けな ければならない。 法第27条 土地の掘削等の許可 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形 状を変更する行為または竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土 交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 法第55条 河川保全区域における 行為の制限 河川保全区域内において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状 を変更する行為または工作物を新築し、改築しようとする者は、国土交通省 令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 法第57条 河川予定地における行 為の制限 河川予定地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変 更する行為または竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省 令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 10 - より一部改変 河川法に関する協議・諸手続き(2) いわゆる水利権には以下の2種がある (1)許可水利権 河川法にもとづき、河川管理者の許可によって得られる取水の権利 <発電のための水利権> ①発電を目的に河川から新たに取水 ⇒従来どおりの申請 ②許可済みの他の水利使用に従属(従属発電) ⇒河川の流量等に影響しない、許可申請の簡易化が可 ※他の目的で取水された水を利用して行う発電を「従属発電」と呼ぶ。 (2)慣行水利権 河川法成立(明治24年)以前の取り決めによって水の利用が認めら れていた者に対して認められている取水の権利 <発電のための水利権> ①慣行水利権を許可化して従属発電として申請 ②慣行水利権はそのままで、新規の発電水利として申請 ◆ 許可手続きを必要としない場合 ・従属元の水利使用の目的を達した後の水を使用 →農業用排水路 ・水利使用の許可と関係のない水を使用 →上水場の浄化後の水、下水道の処理水等 国土交通省は小水力発電のための水利使用の許可手続を円滑に実施する観点から 「小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック」を作成し、平成22年3月31日よ り同省のホームページに記載していますので、詳細については同ガイドブックを参照されたい。 - 11 - 許可手続きが必要かどうかの確認 小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック(国土交通省) - 12 - より 白黒印刷用に着色調整 小水力発電に関する水利権の手続きの簡素化1 - 13 - 小水力発電に関する水利権の手続きの簡素化2 【スケジュ-ル】 公布:平成25年1月30日(水) 施行:平成25年4月1日(月) 国土交通省ホームページより - 14 - 電気事業法に関する協議・諸調整 一定規模以上の発電事業を行う場合、電気事業法において「電気工 作物」として位置づけられ、電気事業法に関する協議・諸手続が必要 となる。 電気事業の用に 供する電気工作物 電気事業者 ・一般電気事業者(電力会社) ・卸電気事業者 ・特定電気事業者 ・特定規模電気事業者 事業用電気工作物 電気工作物 自家用電気工作物 卸供給事業者 ・公営卸供給事業者 ・その他卸供給事業者 事業用電気工作物に該当する場合は、電気事業 法に基づく工事計画の事前届出、保安規定の届 出、主任技術者の選任・届出が必要 一般用電気工作物 電気工作物の区分 出典:マイクロ水力発電導入ガイドブック/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 届出が必要なもの ○、不要なもの × 出力条件 保安規定届出 電気 ダム水路 主任技術者選任 主任技術者選任 工事計画届出 ダムあり 又は、200KW以上 ○ ○ ○ ○ 又は、最大使用水量1m3/S以上 ダムなし かつ、20KW~200KW未満 ○ ○ × × かつ、最大使用水量1m3/S未満 ダムなし かつ、20KW未満 × × × × かつ、最大使用水量1m3/S未満 (参考) 上水道施設、下水道施設、工業用水道施設の落差を利用する水力発電設備であって、かつ、 敷地外にダムや水路が存在しないものは、ダム水路主任技術者と工事計画の届出は不要。 ○ 発電出力20kw未満で流量 1㎥/s未満の場合は一般用電気工作 物となり、法的な手続きは不要となる。 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 15 - より一部改変 ヘッドタンク及び農業用水路等内の堰の取扱い [問い合わせ先] 関東東北産業保安監督部東北支部電力安全課 〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町3丁目2-23 仙台第2合同庁舎 電話:022-221-4947 http://www.safety-tohoku.meti.go.jp/ 経済産業省ホームページより - 16 - 主要電気事業法令概要 ①保安規程の届出(法第48条) 電気事業法では保安規程の制定を規定しており、工事の着手までに制定する必要がある。保安 規程は、保安を確保する組織ごとに制定し、以下に示す電気工作物の工事、維持及び運用に関 して規定する。なお、保安規程を変更した場合も届出が必要である。 1)業務管理者の職務及び組織に関すること 2)従事者の保安教育に関すること 3)保安のための巡視、点検及び検査に関すること 4)電気工作物の運転または操作に関すること 5)発電所を相当期間停止する場合の保全確保に関すること 6)災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること 7)保安についての記録に関すること 8)法定事業者検査に関する実施体制等に関すること 9)その他保安に関し必要な事項 出典:小水力発電導入手引書/平成19年3月/(財)広域関東圏産業活性化センター ②主任技術者の選任・届出(法第43条) 事業用電気工作物の場合、試験により免状を受けたものを電気主任技術者として選任する必 要がある。免状の種類には、第1種、第2種、及び第3種があり、保安の監督をすることができる 自家用電気工作物の工事、維持及び運用の範囲が定められている。 ③ダム水路主任技術者の選任・届出(法第43条)(小水力発電の場合) 水力発電所の場合は、「電気主任技術者」と合わせて「ダム水路主任技術者」が必要で、工事 着手前までに選任が必要である。 ダム水路主任技術者は、主任技術者免状が必要で、取水、水路、放流施設等の水力施設の工 事・維持及び運用の監督を行う。「ダム水路主任技術者免状」は「実務経験等の認定」により取得 できる。主任技術者免状取得の手続きは、所管の産業保安監督部となる。 さらに、選任の日から遅滞なく(概ね1ヶ月以内)届出が必要とされ、所定の様式が規定されて いる。変更した場合も届出が必要である。 ④工事計画の事前届出(法第48条) 電気事業法では工事計画の届出を規定しており、所定の記載内容が必要とされる。工事計画 は、工事着手の30日以上前に届出が必要(届出が受理された日から30日経過しなければ工事 に着手できない)である。 1)工事計画届出書(指定様式) 2)工事工程表 3)工事計画書 記載事項:発電所の名称、位置、出力、周波数、使用水量、有効落 差の他、設置する設備の諸元 4)添付書類:発電所位置図、各設備の構造図、設計計画書等 出典:小水力発電導入手引書/平成19年3月/(財)広域関東圏産業活性化センター 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 17 - より一部改変 電気事業法関係法令 対象事項 定 義 電気工作物 の定義 一般用電気 工作物 条項 概 要 法第 2条 発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、 水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものそ の他の政令で定めるものを除く)をいう。 令第 1条 電気工作物から除かれる工作物 「電圧30V未満の電気設備であって、電圧30V以上の電気的設備と電気的に接 続されていないもの」 法第 38 条 則第 48 条 次に掲げる電気工作物 ただし、小出力発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するもの又 は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそ れが多い場所であって、経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。 一他の者から600V以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内において その受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に、かつ、 電気的に接続して設置する小出力発電施設を含む)であって、その受電のための 電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続 されていないもの 電 気 工 作 物 の 分 類 二構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して 設置する電気を使用するための電気工作物を含む)であって、その発電に係る電 気を600V以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外 の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていな いもの 注)上述を要約すると、一般用電気工作物となる設備は以下の通り (1)電力会社からの電気の供給を受ける需要設備であって、受電電圧が600V以下 のもの (2)一般用電気工作物と同一構内に設置する小出力発電設備 <小出力発電設備> 600V以下の電圧の発電用の電気工作物であって、以下のもの (1)太陽電池発電設備であって、出力20kW未満のもの (2)風力発電設備であって、出力20kW未満のもの (3)水力発電設備であって、出力20kW未満かつ流量1m3/S未満のもの(ダムを 伴うものを除く) (4)内燃力を原動力とする火力発電設備であって、出力10kW未満のもの (5)複数の前記の発電設備を同一構内において系統と連系する場合は、出力の合計が 20kW未満のもの 諸 手 続 等 事業用電気 工作物 法第38条 一般用電気工作物以外の電気工作物 自家用電気 工作物 法第38条 電気事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作 物 工事計画 法第47条 則第62条 自家用電気工作物の「工事計画」の認可など 法第47条 則第62条 「工事計画」の事前届出 使用前検査 法第49条 則第65条 「使用前検査」 主任技術者 法第43条 「主任技術者の選任」 則第52条 事業場または設備ごとに有資格者を選任 主任技術者の「不選任承認」 保安規程 法第42条 則第50条 【保安規程】を定め、使用開始前に届け出ること 注)法:電気事業法、令:電気事業法施行令、則:電気事業法施行規則 (資料)「太陽光発電システムの設計と施工」太陽光発電懇話会編 出典:太陽光発電導入ガイドブック2000年改訂版/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) より一部改変 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 18 - より 【資格者確保】 主任技術者の選任(電気事業法第43条) 1.電気主任技術者 出力区分 要 件 5,000kW以上 第2種電気主任技術者以上の選任 5,000kW未満 第3種電気主任技術者の選任でも可(ただし受電電圧50,000V未満) 2,000kW未満 2以上の事業所の兼任が可 1,000kW未満 電気保安協会等への外部委託が可 500kW未満 事業所勤務の第1種電気工事士又は高校電気科卒以上の者でも可(許可手続き 必要) 100kW未満 事業所勤務の第2種電気工事士又は高専・高校卒以上の一般電気工学を履修し た者で可(許可手続き必要) 20kW未満 電気主任技術者の選任は不要(ダムが無く最大使用量1m3/s未満の場合) ※電気主任技術者は、国家試験により免状交付。学歴や実務経験を要せず誰でも受験可。 ※電気主任技術者は、設置者又は従業員のほか、常勤の派遣労働者、発電設備の維持管理 を委託された者及びその従業員でも可。 2.ダム水路主任技術者 出 力 区 分 要 高さ70m以上のダム 又は588kPa(約60m)以上の導水路 第1種ダム水路主任技術者 高さ70m未満のダム 又は588kPa(約60m)未満の導水路 第2種ダム水路主任技術者 上のうち、500kW未満 〃 〃 件 事業所勤務者で、高卒以上の土木工学を履修した者又 はこれと同等の知識と技術を持つ者でも可 100kW未満 事業所勤務者で、土木技術で相当の知識と技能を有す る者でも可 20kW未満 ダム水路主任技術者の選任は不要(ダムが無く、200kW 未満かつ流量1m3/s未満の場合も不要) ※ ダム水路主任技術者は、学歴や実務経験に応じて免状交付(学科試験は無く、届出制)。有資格 者である派遣労働者又は発電設備の維持管理を委託された者及びその従業員でも、事業場に 常時勤務する条件で認められる。 第1種:大学(土木工学)卒5(3)、大学卒9(3)、短大・高専(土木工学)卒6(4)、短大・高専卒10 (4)、高校(土木工学)卒10(5)、高校卒14(5) 第2種:大学(土木工学)卒〔3〕、大学卒5〔3〕、短大・高専(土木工学)卒〔3〕、短大・高専卒5 〔3〕、高校(土木工学)卒5〔3〕、高校卒7〔3〕 ア.カッコなし数字:水力設備(又は水力設備に相当する発電用設備以外の設備)の工事、維持又は 運用に係る経験年数。イ.及びウ.の経験年数を含むことが条件。 イ.( )の数字:高さ15m以上の発電用ダム工事、維持又は運用に係る経験年数。 ウ.〔 〕の数字:水力設備の工事、維持又は運用に係る経験年数。 平成24年7月6日 - 19 - 地方キャラバン説明資料(東北農政局)より 電気事業者との協議・諸調整 発電設備を電力会社の商用電力系統に連結する場合には、連系す るための技術要件、余剰電力の売電料金等に関し、事前に電力会社 と十分に協議することが必要である。 系統連系の選択 低圧連系 ・低圧受電(600V以下) ・発電設備出力50kW未満 ・売電(逆潮流)条件付で有 高圧連系 ・高圧受電(600V~7000V) ・発電設備出力2000kW未満 ・売電(逆潮流)可能 系統連系 商用電力系統に接続あり 単独運転 系統連系と単独運転 商用電力系統に接続なし 系統連系の手続き 項 目 内 容 事前協議 系統連系照会による営業的条件、技術的条件の検討を行い、連系方法 を電力会社と協議する。 系統連系申込 事前協議の仮合意を得たら、電力会社に正式に系統連系を申し込む。 電力会社で系統連系の技術検討、協議、事前確認が行われる。 契約の締結 連系協議の合意が得られたら、電力会社と契約書の締結を行う。電力 会社は系統連系工事の施工に入る。 竣工検査 施工完了後の自主検査の際に、電力会社が連系協議合意内容に基づい ているか検査を行う。 出典:風力発電導入ガイドブック(2008年2月改訂第9版)/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 20 - より 系統連係に係る標準的な業務フロー(特別高圧、高圧) <固定価格買取制度での売電の場合> 平成25年1月末現在 - 21 - - 22 - 買取単価の決定タイミング (電気事業者との売電単価決定時期) ○系統連系申込みの日が売電単価適用日となる。 注)申込みが受理されないと効力が発揮されないので要注意。 平成24年10月18日 H24年度農業農村整備事業技術研修会資料より(於:山形県土地連) - 23 - 一部改変 土地改良法の協議・諸手続き 【土地改良施設の他目的使用申請】 農業用水利施設(土地改良施設)を水力発電に利用する場合に は、本来の用途・目的と異なるため、施設所有者の承認を受けなけ ればならない。 ① 申請 他目的使用申請者 (小水力発電を行う者) ② 申請 施設管理受託者 ④ 契約 ・土地改良区 ・市町村 ・民間企業 など ・土地改良区 ・県 など 施設所有者 ⑤ 承認 ・国(農林水産省) ・県 ・土地改良区 など 他目的使用申請の流れ ① この承認申請は、水力発電への利用が施設本来の用途または目的を妨げず、か つ、施設を総合的に利用することが関係農家の利益に合致する場合に限り行うこ とができる。 ② なお、水力発電を行う者と管理受託者が同一の土地改良区であっても、この手 続きは必要となる。 ①他目的使用の申請者(小水力発電を行う者)は、管理受託者に他目的使用の申請を行う。 ②管理受託者は、施設の所有者に他目的使用の申請を行う。この申請書に以下の書類を添付し なければならない。 ・関係図面 ・管理受託協定書 ・他目的使用契約書(案) ・管理受託者の意見書 「他目的使用(小水力発電への利用)が、当該財産の本来の用途または目的を妨げず、 かつ、関係農家の利益と合致する旨」 ③施設所有者は、管理受託者からの申請書を審査したのち、承認を行う。 施設の所有者 基づく法令等 国(農林水産省) 土地改良法施行令第59条 県 県条例 土地改良区 水路使用規則等 ④他目的使用申請者と管理受託者が契約を結ぶ。 ○その他協議・調整 □土地改良財産の改築、追加工事申請 □他目的施設使用負担 日本水土総研発行:再生可能エネルギー導入の手引き - 24 - より一部改変 小水力発電の運営、操作、保守管理について - 25 - 【資金調達】 再生可能エネルギー導入支援 のための融資制度 経済産業省 資源エネルギー庁 環境・エネルギー 対策貸付 再生可能エネルギー 推進支援貸付 電力需要対策 高度化事業 貸付 対象 中小企業者等 固定価格買取制度の発電 設備の認定を受けた事業 者 中小企業組合等 貸付 元 日本政策金融公庫 商工中金 中小機構・都道府県 資金 使途 ■ ■ ■ 再生可能エネルギー設 備※を導入するための 費用 ■ ※太陽光、風力、太陽熱、 温度差エネルギー、バ イオマスエネルギー、 雪氷熱、地熱、水力、 地中熱 貸付 期間 15年以内 【据置期間2年以内】 再生可能エネルギー 源を用いた発電※ に係る設備資金 売電事業等に係る運 転資金 省エネ・新エネ・自 家発電等の設備導 入に要する費用 ※太陽光、風力、地熱、 中小水力、バイオ マス 10年以内(固定金利) 20年以内 (当初10年固定、11年 以降見直し) 20年以内 【据置期間5年以内】 【据置期間3年以内】 貸付 利率 ■ 再生エネルギー設備 (地中熱除く) 特別利率③ (貸付期間15年の場合、 1.35%) ■ 地中熱利用設備 特別利率① (貸付期間15年の場合、 1.85%) ■ 10年以内: 長期プライムレート +0.2%以上 ■ 10年超: 当初10年長期プライム レート+0.2%以上 (11年目以降は見直 し時点の長期プラ イムレート+0.2% 以上) ■ 1.05% (貸付期間中は固定金利) 問い 合わ せ先 日本公庫相談センター 0120-154-505 商工中金サービスセンター 0120-079-366 中小機構 地域振興企画課 03-5470-1528 平成24年9月13日 - 26 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【維持管理費軽減】 発電による維持管理費充当割合計算書 一般地区 農家負担15% 出力(平均) 建設費 売電可能電力量 売電収入 借入金利息 区分 項目 50 kW 100,000 千円 241 MWh 年間可能発電電力量 50kW×24hr×365日×利用率 55% 8,194 千円 ( 241 MWh × 34 円/kWh ) 積み上げによる均等化利率 金額 170 直 人件費 接 修繕費 費 その他経費 100,000 × 560 100,000 × 310 0.56% 係数 建設費 千円 0.17% 係数 建設費 千円 100,000 × 0.31% 千円 小 計 資 借入元金 借入金利息 本 (5年据20年) 費 係数 建設費 千円 1,040 建設費 千円 556 残存価格 100,000 × 建設費 千円 404 耐用年数 1/ 地元負担率 100,000 × 0.15 × 27 × 地元負担率 0.15 均等化利率 0.0269 千円 小 計 発電施設 間 一般管理費 発電施設建設改良積立金 接 (修繕積立) 費 小 計 経 費 合 計 維持管理費 維持管理費への充当 発電による維持管理費充当割合 959 千円 固定資産税 125 ( 千円 人件費 0.0 + 純工事費 3,333 ( 修繕費 170 + 560 + その他経費 310 )× 総合耐用年数 90,000 ÷ 27 年) 千円 3,458 5,457 千円 100,000 千円 2,737 千円 2.7 % 7,019円/10a×(81,477ha/57)≒100,000千円 平均賦課金×(土地改良区面積/土地改良区数) (売電収入 - 経費合計) - 27 - 係数 12.00% 【維持管理費軽減】 小水力発電施設の採算年数について 地域用水環境整備事業に係る発電施設の採算年数について (地元負担 15%) 野川地区 項 目 金額 (千円) 計算式 ①売電収入(年間) ・年間販売可能 電力量 一般地区 計算式 31,620 金額 (千円) 8,194 241MWh*34円/kWh (出力 平均50kW) 930MWh*34円/kWh ②発電費用(年間) 5,254 1,569 ・直接費 (人件費、修繕費) 3,484 1,040 ・借り入れ利息 1,352 404 ・間接費 (管理費) 418 125 ③売電収益(年間) (①-②) 26,366 6,625 ○建設費全体の 採算年数 ○売電収益による地 元負担分回収年数 335,000÷26,366 (建設費÷売電実収益) 335,000*0.15÷26,366 (建設費*地元負担率 ÷売電実収益) - 28 - 13年 2年 100,000÷6,625 (建設費÷売電実収益) 100,000*0.15÷6,625 (建設費*地元負担率÷売 電実収益) 16年 3年 小水力発電導入事務について 項目 業務補助シ ステム等 内容 外注等 対応 摘要 1.運営 各種報告書作成業務 電気事業者、経済産 業省等 会議開催資料作成 総会、役員会 委託発注関係業務 保守点検管理業務など 会計処理 複式簿記 貸借対照表、損益計 複式簿記シ 算書 ステム 申告書作成 公認会計士の活用も可 公認会計士 公認会計士の活用も可 公認会計士 資格者確保 出力500kW未満の場合、設置者が主 任技術者免状を持たない者を主任技 術者として選任可(許可選任) ダム水路主任技術者 電気主任技術者 クレーン運転技能講習受講 必要に応じて 2.操作・管理 日常巡視点検 ゴミ、風雨、洪水時 発電機緊急停止時の対応 操作・監視・制御 夜間、休日、無負荷運転の対応など 遠隔制御シ ステム 必要に応じて 3.保守 法定点検業務 機械及び電気設備の法定点検 クレーン点検 必要に応じて - 29 - 【会計処理】 複式簿記について 1. 都道府県や市町村の企業局等で行う公営発電事 業では、地方公営企業法で複式簿記が義務付けら れている。 2. 国庫補助事業を活用した場合は、小水力発電に より得た収入について、必要額を差し引いた分は国 庫返納となる。 3. 必要額については、原価償却費、建設改良積立 金、災害準備積立金等を計上できるが、これを会計 上明確に区分するには、複式簿記(賃借対照表、 損益計算書)に移行する必要がある。 4. 現金の収入のみを扱った単式簿記では、支出を 伴わない減価償却費や引当金を計上できず、余剰 金として取り扱われ、国庫返納しなければならない 自態も想定される。 このため、会計の処理に当たっては公営企業に 準拠して、複式簿記によって経営・管理を行っていく ことが必要である。 平成24年7月6日 地方キャラバン説明資料(東北農政局) 農業水利施設を活用した小水力発電に係るQ&Aより - 30 - 【複式簿記】 損益計算書の事例 勘定科目 番 1 発電収益 借方 貸方 備考 2,083,580 48,572,621 0 46,206,086 2 売電利益 3 渇水準備引当金繰入 2,083,580 0 4 渇水準備引当金取崩 0 0 5 預金利息 0 56,236 6 雑収益 0 2,310,299 10,252,622 0 3,851,666 0 700,000 0 7 直接費 8 人件費 9 退職給与引当金繰入 10 修繕費 1,354,500 0 11 修繕費引当金繰入 3,075,500 0 12 水利使用料 1,258,142 0 13 諸費 12,814 0 14 資本費 8,333,166 0 15 減価償却費 7,084,700 0 16 借入金利息 57,006 0 17 一般管理費 1,191,460 0 18 雑損 0 0 12,522,663 0 12,522,663 0 0 0 15,380,590 0 0 0 19 管理部門費 20 共用施設維持費 21 発電所維持費 22 当期純利益(欠損) 23 利益積立金 24 建設改良積立金 14,996,075 0 25 災害準備積立金 384,515 0 26 剰余金 0 0 平成24年9月13日 - 31 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【複式簿記】 (参考)損益計算書の説明(1/2) 一定期間(通常1年)の費用と収益を表にして、利益を算出したもの が「損益計算書」であり、経営成績(利益)を明らかにするもの。 平成○○年度 △△発電所 損益計算書(1/2) 項目 費用 目の細分 収益 説明 借方 発電事業収益 発電事業収益 貸方 26,065 発電収益 電力会社に売電して得た収入 渇水準備引当金繰入 渇水準備引当金繰入額を借方に整理 渇水準備引当金取崩 渇水準備引当金取り崩し額を貸方に整理 預金利息 預金の利子等 雑収益 収益的支出に負担する目的で他から提供された寄付金、不用品売却収益等 47,421,823 47,206,086 26,065 56,236 直接費 159,501 19,098,450 給料 発電職員に係る給料、諸手当及び賞与 8,206,130 法定福利費 発電職員に係る健康保険料、労災保険料等 1,100,000 福利厚生費 発電職員に係る福利厚生費 退職金 発電職員に係る退職金 退職引当金 発電職員に係る退職給付引当金繰入額 管理委託費 巡回監視等で電気保安協会に委託した場合等の委託費 1,532,000 臨時雇用賃金 発電に係る臨時雇用賃金、人夫賃金 2,176,000 400,000 0 人件費 700,000 ※職員が他の業務と兼ねている場合は、日報により処理するか、各々の会計支出総額等により按分して計上 修繕費 建物修繕費 発電に関する建物の修繕費、本来の効用持続年数を維持するために必要な費用 768,205 構築物修繕費 発電に関する導水路、貯水池等の修繕費 350,000 機械及び装置修繕費 発電設備の機械・装置に関する修繕費、定期点検費 450,000 器具、備品等修繕費 工具、器具、備品等に関する修繕費 200,000 修繕引当金 一定割合の修繕費を計上し、年度の修繕費の執行額が予算を下回った場合、その 残余額を引当金として繰入 2,661,795 ※修繕費支払基準を作成し処理する 水利使用料 諸費 水利使用料 河川法第32条に定められている流水の占用に必要な額 消耗品費 耐用年数が1年未満又は取得価格が相当額未満の工具、器具等の費用 補償費 発電事業に伴い通常発生する事業損失に係る補償費等 0 賃貸料 発電に関する事務所借地料、自動車等の借り上げ料等 0 損害等保険料 火災保険その他の損害保険料 516,835 11,985 25,500 雑費 0 平成24年9月13日 - 32 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【複式簿記】 (参考)損益計算書の説明(2/2) 平成○○年度 △△発電所 損益計算書(2/2) 項目 費用 目の細分 説明 収益 借方 資本費 貸方 11,850,723 建物減価償却費 構造物減価償却費 減価償却費 3,246,938 発電に関する建物、構造物、機械装置、車輌備品等の減価償却を定額法で整理 機械装置減価償却費 1,398,699 減価償却費=取得価格/耐用年数 車両減価償却費 321,119 備品減価償却費 158,295 借入金利息 日本政策金融公庫借入元金に対する利息を整理 一時借入金利息 一時的に借入した借入元金に対する利息を整理 事務所費 事務所用消耗品、固定資産に計上しない事務用品費、参考図書費等 報酬費 発電に関する役員の報酬 50,000 会議費 発電に関する総会等の会議経費 30,000 旅費 発電に関する出張等により支給する交通宿泊費日当等 282,000 燃料費 発電に関する自動車等の燃料費 285,000 292,456 57,006 借入金利息 0 1,496,701 一般管理費 通信運搬費 電信電話料、郵送料、請負運搬費等 研修養成費 発電に従事する職員に対する研修等に係る経費 調査委託費 発電事業に関する調査、委託費等 交付金 渇水、治水等の協議会等の交付金 雑費 固定資産除去損 固定資産を廃棄したときの雑損額を整理 計 上 一般管理費 54,000 0 土地改良施設 (電力供給施 0 設を含む)の維持管理費を 0 雑損 321,958 0 管理部門費 土地改良施設 維持管理費 3,856,551 10,508,473 人件費 土地改良施設(電力供給施設を含む)の維持管理に要する人件費 修繕費 土地改良施設(電力供給施設を含む)の修繕費、定期点検費等 購入電気料金 土地改良施設(電力供給施設を含む)の電気料金 ダム管理費 ダム管理費 水路管理費 一連の管理体系下の水路管理費 4,821,680 250,000 1,643,020 215,000 71,000 雑費 0 購入電気料金 発電管理所及び発電所に係る発電停止時等の電気料金 保守点検費 発電管理所及び発電所の空調機器等の保守点検費 回線使用料 遠隔操作、制御に関する回線使用料 520,000 管理費 発電管理所及び発電所の清掃等の管理費 367,000 ガス水道費 発電管理所及び発電所のガス、水道等の料金 159,000 121,773 2,340,000 発電所維持管理費 雑費 0 当期純利益 (総収益-総費用) の残額を借方に記載 当期欠損金 (総費用-総収益)の残額を貸方に記載 5,938,112 合計 47,421,823 47,421,823 建設改良積立金、災害準備積立金等として処分 平成24年9月13日 - 33 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【複式簿記】 賃借対照表の事例 番 1 勘定科目 固定資産 借方 金額 貸方 金額 説明 1,181,410,460 159,755,550 2 土地 11,335,000 0 3 建物 103,624,375 0 4 構造物 468,028,071 0 5 機械装置 566,423,014 0 6 車輌 0 0 7 備品 0 0 8 減価償却累計額 0 1,597,555,550 9 無形固定資産 32,000,000 0 0 0 99,447,532 0 99,447,532 0 10 建設仮勘定 11 流動資産 12 現金及び預金 13 未収金 0 0 14 貸付金 0 0 15 前払い費用 0 0 16 固定負債 0 77,069,442 17 農林公庫借入金 0 31,588,887 18 他会計借入金 0 0 19 退職給与引当金 0 11,700,000 20 修繕引当金 0 15,282,652 21 渇水準備引当金18百万円 0 18,497,903 22 流動負債 0 0 23 一時借入金 0 0 24 未払金 0 0 25 未払費用 0 0 26 未払消費税 0 0 27 資本金 0 6,787,500 28 自己資本金 0 6,787,500 29 借入資本金 0 0 30 剰余金 0 1,037,245,500 31 資本剰余金 0 874,033,673 32 利益剰余金 0 163,211,827 33 利益積立金 21百万円 0 6,964,450 34 建設改良積立金250百万円 0 152,380,634 35 災害準備積立金 10百万円 0 3,866,743 36 未処分利益剰余金 0 0 37 繰越欠損金 0 0 1,280,857,992 1,280,857,992 38 合計 平成24年9月13日 - 34 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【複式簿記】 (参考)貸借対照表の説明 決算日における資産と負債、資本を対照表示する ○年度 △△発電所 貸借対照表 資産 勘定科目 説明 負債+資本 借方 固定資産:電気事業の用に供する資産で、土地、建物等継続的に所有する財産 貸方 1,175,368,512 土地 土地の所得に関して要した用地買収費、補修費等を整理 建物 建物の建設、取得に関して要した工事費(調査・設計を含む)、補修費等を整理 103,624,375 構造物 構造物(水槽、水路、貯水池等)の建設、取得に関して要した工事費(調査・設計含む)、補修費等を整理 492,843,674 機械装置 機械(水車、発電機、配電盤等)の建設、取得に関して要した工事費(調査・設計含む)、補修費等を整理 482,299,523 車輌 貨物自動車等の取得に関した費用を整理 1,604,600 備品 工具、器具等(耐用年数が1年以上で取得価格が相当額以上のもの)を整理 1,948,908 減価償却累計額 無形固定資産 建設仮勘定 その他 11,335,000 上記に対する減価償却累計額を整理(補助金を含む減価償却にあっては、補助金に相当する額を控除 した金額を帳簿減価とみなし、定額法にて整理) ダム使用権、水利権、上水道施設利用権、借地権、電話加入権等を整理 建物、構造物等を建設・改良工事に支出した費用(調査、設計、工事費等)を整理(完成した時点で固定 資産本勘定として科目ごとに整理) 流動資産:現金等の資産 174,469,892 32,072,800 26,250,000 23,389,632 92,013,251 現金及び預金 現金、金融機関に対する預貯金、掛金等を整理 未収金 時の経過によって発生する収益で、未だその支払いを受けていないものを整理 貸付金 職員貸付金、他会計貸付金を整理 未経過支払利息、未経過保険料、前払賃借料(1年以内に費用となるもの) 仮払消費税 3,549,397 1,085,960 固定負債:負債のうち流動負債以外の償還期限が一年以降に到来するものを計上 0 日本政策金融公庫借入金 発電事業に係る土地改良事業負担金を整理 31,588,887 発電に従事する在職職員の将来の退職給与支給に必要な毎年度一定額を整理 修繕引当金 ある年度において多額に発生する修繕費の平準化額を整理 渇水準備引当金 発電に要する水量の増減によって生ずる収益及び費用の変動を防止するためこれに相当する額を整理 9,647,385 31,913,368 流動負債:一年以内に償還しなければならない短期の債務 年度途中における一時的な予算不足を補うための短期の借入金 未払金 既に債務は発生しているが、まだ支払いの終わらないものを整理 仮受消費税 20,312,034 0 一時借入金 未払消費税 2,310,299 0 借入資本金 資産の総額から負債及び積立金の合計額を控除した額のうち国庫補助金、負担金として区分できなく なったものを整理 建設又は改良の目的で他の会計から長期借入金を整理、返済を要する 剰余金 建設工事に関する国庫(県)補助金、建設改良資金としての寄付金、建設工事に対する工事負担金等整理 利益剰余金 積立金等を充当し繰り越し欠損金を埋め、なお残額があるときは次年度以降、欠損金を埋める場合の 財源として、その1/20を下らない額を積み立てる 建設改良積立金 将来とも安定した発電事業に備えるため土地改良施設(発電施設を含む)の更新及び改良に係る資金 災害準備積立金 繰越欠損金 災害による不時の損失に備えるための資金を整理 当期純利益がある場合、当年度において未処分利益剰余金として処理し、翌年度において総代会等の 議決を経て処分済利益剰余金(利益積立金及び建設改良積立金、災害準備積立金)にあて、さらに残 額がある場合、国庫納付額の算定基礎数値となる。 毎年度の累積欠損金を借方に記載 未処理欠損金 当年度における未処理の欠損金を整理 未処分利益剰余金 合計 6,787,500 6,787,500 0 資本剰余金 利益積立金 5,490,058 3,179,759 継続的に提供を受けている対価として時の経過とともに発生したと見られる債務(未払利息、未払賃 金、未払賃借料等)を整理 課税売り上げ中の消費税相当額を仮受消費税①と仮払消費税②に分け整理し、払分を未払消費税 (①-②)として整理 電力会社から受け取る消費税 資本金 自己資本金 93,461,674 建設又は改良以外の目的で他の会計から借入金を整理 退職給与引当金 未払費用 0 87,377,894 前払費用 他会計借入金 174,469,892 987,172,639 808,333,673 0 178,838,966 8,269,713 166,080,576 4,488,677 建設改良積立金を計上 1,267,381,763 1,267,381,763 平成24年9月13日 - 35 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【資格者確保】 小水力発電に関する電気事業法の手続きの簡素化 電気事業法(経済産業省) 経済産業省小型発電設備規制検討WGにより、小水力発電に関する電気事業法の規 制見直しが議論され、これに基づき平成23年3月14日に電気事業法施行規則の一部が 改正された。 ≪主な改正点≫ ○一般用電気工作物(届出等不要)の範囲 :ダムなし10kW未満は不要 →ダムなし20kW未満で、最大使用水量 1㎥/s未満は不要 ○ダム水路主任技術者選任と工事計画届出:ダムなし10kW未満は不要 →ダムなし200kW未満で、最大使用水量 1㎥/s未満は不要 【改正後】届出等が必要なもの:○ 届出等が不要なもの:× 保安規定 届出 電気 主任技術 者選任 ダム水路 主任技術 者選任 工事計画 届出 ダムあり 又は、200kW以上 又は、最大使用水量1㎥/s以上 ○ ○ ○ ○ ダムなし かつ、20kW~200kW未満 かつ、最大使用水量1㎥/s未満 ○ ○ × × ダムなし かつ、20kW未満 かつ、最大使用水量1㎥/s未満 × × × × 出力等条件 (参考) 上水道施設、下水道施設、工業用水道施設の落差を利用する水力発電施設 であってかつ、敷地外にダムや水路が存在しないものは、ダム水路主任技術者 と工事計画の届出は不要。 平成24年7月6日 - 36 - 地方キャラバン説明資料(東北農政局)より 【資格者確保】 主任技術者の選任(電気事業法第43条) <再掲> 1.電気主任技術者 出力区分 要 件 5,000kW以上 第2種電気主任技術者以上の選任 5,000kW未満 第3種電気主任技術者の選任でも可(ただし受電電圧50,000V未満) 2,000kW未満 2以上の事業所の兼任が可 1,000kW未満 電気保安協会等への外部委託が可 500kW未満 事業所勤務の第1種電気工事士又は高校電気科卒以上の者でも可(許可手続き 必要) 100kW未満 事業所勤務の第2種電気工事士又は高専・高校卒以上の一般電気工学を履修し た者で可(許可手続き必要) 20kW未満 電気主任技術者の選任は不要(ダムが無く最大使用量1m3/s未満の場合) ※電気主任技術者は、国家試験により免状交付。学歴や実務経験を要せず誰でも受験可。 ※電気主任技術者は、設置者又は従業員のほか、常勤の派遣労働者、発電設備の維持管理 を委託された者及びその従業員でも可。 2.ダム水路主任技術者 出 力 区 分 要 高さ70m以上のダム 又は588kPa(約60m)以上の導水路 第1種ダム水路主任技術者 高さ70m未満のダム 又は588kPa(約60m)未満の導水路 第2種ダム水路主任技術者 上のうち、500kW未満 〃 〃 件 事業所勤務者で、高卒以上の土木工学を履修した者又 はこれと同等の知識と技術を持つ者でも可 100kW未満 事業所勤務者で、土木技術で相当の知識と技能を有す る者でも可 20kW未満 ダム水路主任技術者の選任は不要(ダムが無く、200kW 未満かつ流量1m3/s未満の場合も不要) ※ ダム水路主任技術者は、学歴や実務経験に応じて免状交付(学科試験は無く、届出制)。有資格 者である派遣労働者又は発電設備の維持管理を委託された者及びその従業員でも、事業場に 常時勤務する条件で認められる。 第1種:大学(土木工学)卒5(3)、大学卒9(3)、短大・高専(土木工学)卒6(4)、短大・高専卒10 (4)、高校(土木工学)卒10(5)、高校卒14(5) 第2種:大学(土木工学)卒〔3〕、大学卒5〔3〕、短大・高専(土木工学)卒〔3〕、短大・高専卒5 〔3〕、高校(土木工学)卒5〔3〕、高校卒7〔3〕 ア.カッコなし数字:水力設備(又は水力設備に相当する発電用設備以外の設備)の工事、維持又は 運用に係る経験年数。イ.及びウ.の経験年数を含むことが条件。 イ.( )の数字:高さ15m以上の発電用ダム工事、維持又は運用に係る経験年数。 ウ.〔 〕の数字:水力設備の工事、維持又は運用に係る経験年数。 平成24年7月6日 地方キャラバン説明資料(東北農政局)より - 37 - 【資格者確保】 ダム水路主任技術者について<補足> ダム水路主任技術者は、保安上の意見を尊重する旨の契約を締結するなどを 条件に、自社の従業員以外(派遣労働者等)から、事業場に常時勤務する条件等 で選任することができる。(外部選任) また、設置者が経済産業大臣の許可を受けて、主任技術者免状を持たない者 から主任技術者を選任することができる。(許可選任) 項 資格 保有者 資格を保有 しない者 出力500kW未満の 自家用電気工作物 出力500kW以上の 自家用電気工作物 兼任 ○ (ただし、同一又は近傍 水系に限る) ○ (ただし、同一又は近傍 水系に限る) 不選任承認 (外部委託) × × 外部選任※1 (派遣等) ○ ○ 許可選任※2 ○ × 目 経済産業省 主任技術者制度の解釈及び運用(内規)(平成24年3月30日改正)による ※1 外部選任(派遣等)する場合の要件 ・派遣法※による派遣者であって、作業場に 常時勤務すること ・設置者は、主任技術者として選任する者の 意見を尊重すること ・工事、維持及び運用に従事する者は、主任 技術者として選任する者の指示に従うこと ・主任技術者として選任する者は、工事、維 持及び運用に関する保安の監督の職務を忠実 に行うこと ※2 許可選任する場合の要件 ・出力500kW未満 ・高等学校又はこれと同等以上の教育 課程において、土木工学を修めた者、 または、同等以上の知識及び技能を 有すると認められる者 ・出力100kW未満の場合は、上記に 揚げる者のほか、土木技術に関し相 当の知識及び技能を有すると認めら れる者 ※労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等 に関する法律(昭和60年法律第88号) 平成24年9月13日 - 38 - 農業農村整備計画セミナー資料より 【操作・管理】 小水力発電施設の操作・管理 1)土木施設の維持管理 土木施設の定期的な点検(工作物の損傷、変形、ひび われ等の有無)と維持管理を行うとともに、豪雨、台風、 地震時等の異常気象の前後には、必ず随時点検を実施し、 必要に応じ対策を実施する。 2)機械及び電気設備 水車、発電機、制御装置、保護装置等設備の巡回点検 を実施し、異常の即期発見に努める。また、計画的に細 密点検を実施し、安全な運転を確保することが重要。 3)ごみ等の対策 土砂、落ち葉、木の枝や生活ごみ等の塵芥、また、冬 季の雪氷等が流入し、水車の故障や羽根の磨耗の原因と なる。除塵機等の点検、清掃等の日常の管理作業が重要 である。 4)発電機の無負荷運転の防止 無負荷状態での発電状態は、発電機の故障の原因とな ることから、負荷から無負荷運転への状況変化には運転 停止等の適切な対応が必要である。 - 39 - (株)山形発電の事例 【関係土地改良区:最上川中流土地改良区】 【事務処理】 1.株主総会、取締役会、監査役会の開催に伴う事務作業 2.事業報告書(貸借対照表、損益計算書など)の作成委託 3.申告書等の作成・提出業務 4.点検業務の委託に伴う発注業務 5.東北電力㈱への提出書類作成業務、1回/月 6.経済産業省へ自家用発電所半期報提出作成業務、2回/年 【現場】 1.法定点検業務 ①機械設備及び電気設備の定期点検(業者委託)、1回/年 ②日常巡視点検(社員)、1回/週 ③クレーン点検(ボイラ・クレーン協会)、1回/2年 2.保守点検管理業務年間委託(業者委託)、1回/月 3.発電所の遠隔監視(社員)、毎日 4.発電機運転(停止)時に生じる改良区施設と発電施設の切り替え作業 【その他】 1.ダム水路主任技術者の選任 2.電気主任技術者の選任 3.床上操作式クレーン運転技能講習 4.関係省庁(機関)からの調査・アンケート類の記入、提出業務 - 40 - その他参考資料 - 41 - 山形県河川流水占用料等徴収条例(1/3) - 42 - 山形県河川流水占用料等徴収条例(2/3) - 43 - 山形県河川流水占用料等徴収条例(3/3) - 44 - - 45 - 建 設 費 内 容 71 1.50 198 4.40 - 46 - 930 年間発電力量(MWh) 発電所上屋(電気盤等防雪工) 発電機器、送電施設、諸制御装置等 建築関係 電気関係 総事業費 地方事務費 合 計 工事雑費 測量及び試験費 測量、実施設計 水圧管路、発電施設ピット、基礎工事等 土木関係 純工事費 工種 1,033 内容 9.80 9.80 6.93 250.42 250.42 6.93 常時使用水量時 最大使用水量時 年間可能発電力量(MWh) 有効落差(m) 発 電 総落差(m) 計 出力(kW) 画 使用水量(m3/s) 放水位(m) 260.227 建設費 取水位(m) - 流れ込み式 (発電) 2,578ha 発電方式 受益面積 地域用水 用水路名 野川幹線用水路 置賜野川 (%) (%) 59.60 2.12 8 361 1,777 351,750 140 905 工事費(千円) (円/kWH) (円/kWH) (千円/kW) (千円) 三相誘導発電機 経 kWH当り建設費 済 性 発電原価 経費率 設備利用率 野川 軸流プロペラ水車 2台 消費電力 地区名 kW当り建設費 建設費 発電機 水車 水 水圧管路(m) 路 放水路(m) 335,000 千円 地域用水環境整備事業 水系名 事業名 発電所位置 山形県長井市小坂 山形 野川 県名 発電所名 国 県 25% 流水の占用許可(従属利用) (23条) 工事計画の認可 野川土地改良区 50% 市 10% 地元 野川 地区 15% 野川幹線用水路は、 長井ダムを取水源とし、ダム発電施設からの放流水を導水し、置賜野川沿岸の農 業地域に農業用水を供給している。 概 本用水路は、豊富な流下水量と落差を有しており、膨大な包蔵水力が賦存する発電適地である。 要 小水力発電施設の導入により、農業用水利施設の維持管理費の軽減、低炭素社会の創出及び農村地 域における生活環境の向上に資するものである。 協 議 電気事業法 事 河 川 法 項 造成施設の予定管理者 負担区分 発電施設事業計画概要表 野川地区発電事業計画概要書 - 47 - - 48 - ダムを伴わない出力20kW未満の水力発電設備 - 49 - - 50 - - 51 - - 52 - - 53 - 系統連係に関する用語解説 1.系統の種類 ①低圧配電線 低圧需要家に電力を供給する低圧の配電線をいう。 一般には、単相2線式:100V、単相3線式:100V/200V、三相3線 式:200V、及び三相4線式:100/200Vの方式がある。 ②高圧配電線 高圧需要家に電力を供給する役割と、配電用変電所から柱上変圧器等を介して低圧 需要家に電力を供給するまでの送電を行う役割を兼ね備えた高圧の配電線をいう。 一般には、三相3線式:6.6kV。また、特定の一需要家への電力供給を目的に 施設される専用線もある。 ③スポットネットワーク配電線 2回線以上の22kV又は33kV特別高圧地中電線路から需要家がそれぞれの回 線ごとに施設した変圧器の2次側母線で常時並行受電する配電線をいう。 ④特別高圧電線路 7kVを超える特別高圧の電線路であって、特別高圧需要家に電力を供給する役割 と変電所まで電気を送電する役割とがある。なお、電圧が35kV以下の場合は、配 電線扱いもある。また、特定の一需要家への電力供給を目的に施設される専用線もあ る。 2.連系の区分 ①低圧配電線との連系 (50kW未満) 発電設備等の一設置者当たりの電力容量が原則として50kW未満の発電設備等は、 低圧配電線と連系することができる。ただし、同期発電機・誘導発電機を用いた発電 設備等の連系(逆変換装置を介した連系を除く。)は、原則として逆潮流がない場合 に限る。 ②高圧配電線との連系 (50kW以上~ 2,000kW未満) 発電設備等の一設置者当たりの電力容量が原則として2,000kW未満の発電設 備等は、高圧配電線と連系することができる。 ③スポットネットワーク配電線との連系 発電設備等の一設置者当たりの電力容量が原則として10,000kW未満の発電 設備等は、スポットネットワーク配電線とスポットネットワーク受電方式により連系 することができる。 ④特別高圧電線路との連系 (2,000kW以上) 発電設備等を特別高圧電線路((3)に定めるスポットネットワーク配電線を除 く。)と連系することができる。ただし、35kV以下の特別高圧電線路のうち配電 線扱いの電線路と連系する場合に限り、高圧配電線との連系に係る技術要件に準拠す ることができる。また、この場合、連系できる発電設備等の一設置者当たりの電力容 量は原則として10,000kW未満とする。 電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン - 54 - 資源エネルギー庁より 一部改変