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京都 仕事と生活の調和行動計画

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京都 仕事と生活の調和行動計画
京都
仕 事 と生 活 の調 和
(ワーク・ライフ・バランス) 行動計画
1
行動計画の策定の趣旨
平成19年7月、経済界、労働界、地方公共団体の代表者等から構成される仕
事と生活の調和推進官民トップ会議が設置され、同年12月に「仕事と生活の
調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及びその行動指針が合意されました。
これを受け、京都版の行動計画を策定するため、平成20年度から京都雇用
創出活力会議(構成:京都府知事、京都市長、京都労働局長、連合京都会長、
京都経営者協会会長)の下にワーク・ライフ・バランス専門部会を設置し、6
回の検討を経て、オール京都で推進する行動計画を策定しました。
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(要旨)
仕事は暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらします。同時に、家事・育児、近隣
とのつきあいなどの生活も暮らしには欠かすことはできないものであり、その充実が
あってこそ、人生のいきがい、喜びは倍増します。
しかしながら、現実の社会には、
・安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない
・仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない
・仕事と子育てや老親の介護との両立に悩む
など、仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られます。
これらの状況が、働く人々の将来への不安や、豊かさを実感できない大きな要因
となり、社会の活力の低下や少子化・人口減少にもつながっていると言えます。
個々人の生き方や子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な働
き方の選択を実現するため、仕事と生活の調和の推進に社会全体で取り組むこと
が求められています。
〔京都雇用創出活力会議ワーク・ライフ・バランス専門部会〕
連合京都、京都経営者協会、京都商工会議所、京都府中小企業団体中央会、京都
経済同友会、京都府連合婦人会、京都市地域女性連合会、NPO法人きょうとNPO
センター、京都「おやじの会」連絡会、学識経験者、京都労働局・京都府・京都市、市
長会、町村会
1
2
目指すべき社会と実現のための行動計画
(1)
策定までの経緯と議論の内容
①
ワーク・ライフ・バランス専門部会において、「仕事と生活の調和の
実現した社会の姿」と関係機関・団体における関連施策等これまでの取
組の状況を整理しました。
仕事と生活の調和が実現した社会とは
○だれもが意欲を持って働き経済的にも安定した暮らしのできる社会
中小企業の経営安定と雇用の維持による経済基盤の安定を前提としながら、仕事にやりが
いや充実感が持てるとともに、若者や母子家庭などを含め、だれもが働くことを通じて経済的自
立が図られ、安定した生活ができる社会が望まれます。
(これまでの取組)
○
若年者、母子家庭等への総合的な就労支援
○
人を雇い入れる際の助成金等の支給 等
○性別や年齢にかかわらず自らの希望により多様な働き方が選択できる社会
年齢や性別に関わらず、自らの希望により人生の各段階に応じて多様で柔軟な働き方を選
択する人を支援する社会が望まれます。
こうした多様な働き方を支えるため、長時間労働の解消や、働き方の形にかかわらず公正に
評価され、子育てや介護といったことに対して、社会全体で支える環境整備を進めます。
(これまでの取組)
○
育児・介護休業、短時間勤務、パートタイム労働者の均衡待遇等多様な働き
方を可能とする施策の推進
○
保育所待機児童対策の推進等の子育て支援
○
労働時間等見直しガイドライン等の周知
○
育児や介護との両立や女性の活躍推進に取り組む企業の表彰、認証等
○
仕事と家庭の両立支援等に取り組む企業に対する助成金の支給 等
○だれもが家庭や地域活動に参画でき充実した暮らしができる社会
一人ひとりが自主的に家庭生活や地域活動に参加できるとともに、健康で文化活動にも取り
組める、ゆとりのある暮らしの実現が望まれます。
そのためには、一人ひとりの生き方が尊重され、社会活動に対する評価を高めることで、多
様な人々が地域活動に参画できる環境づくりを進めます。
(これまでの取組)
○
NPO、地域団体等の活動支援 等
2
②
その結果、仕事と生活の調和の実現に向けた施策は、各機関・団体に
おいて推進されているが、「ワーク・ライフ・バランスとは何か?」「な
ぜ取組が必要なのか」の周知や「企業支援の内容が行き渡っていない」
等の意見が出されました。
また、ワーク・ライフ・バランスの概念は広範であることから、まず、
喫緊の課題について重点戦略を定め、関係機関・団体が連携し、オール
京都で取り組む事項を策定し、効果的に実施することとしました。
内容については、急速な景気後退を背景に、
「企業が存続できなければ
働く場がなくなる。まずは働く場の確保が必要。」「将来に対する不安が
ある。だれもが経済的に自立して生活できることが必要。」との意見が出
されたことを踏まえ、
「経済的自立の応援」を中心に、今後3年間で取り
組む事項を定めました。
(2)
1
オール京都で取り組む重点戦略( )内は各事業の目標値
経済的自立の応援
生活困難に陥りやすいひとり親家庭、非正規雇用の方々等の支援
子育てをしながら働きたい方、再就職を目指す方等の、相談からフォローア
ップまでの総合的な就労支援
① 「マザーズジョブカフェ」(仮称)の開設-女性の再就職や、ひとり親家庭の親の
就労をワンストップで支援
(ア 来所者数延べ27,000人、イ マザーズコーナーにおける担当者制によ
る就職支援を受けた重点支援対象者の就職率63%以上(平成 22 年度))
② 「ライフ&ジョブカフェ京都」(仮称)の開設-非正規労働者・生活保護受給者の
生活就労ワンストップ・サービスセンター
(ア 来所者数延べ60,000人、イ キャリアアップハローワークにおける担当
者制による就職支援を受ける支援対象者数700人)
2
中小企業の応援
中小・小規模企業が多いという京都の特性に配慮
中小・小規模企業のこれまでの取組を評価するとともに、中小企業の実情に
合った育児・介護支援の取組方法の紹介や関係法令、助成金、支援制度等の情
報提供
① ワーク・ライフ・バランス推進アドバイザーの設置
② 労働時間等見直しガイドライン等の周知
③ ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業への助成金等の支給、表彰・認証等企
業の評価
(2①②③及び次項3②④により、ワーク・ライフ・バランス関連制度等の導入や
雇用管理改善を働きかける事業所数延べ700社)
3
3
子育て応援
キャリアを中断することなく働きつづけるための保育等の環境の整備、子育て
家庭の不安感を解消・軽減するための支援方策、男性育児休業取得促進
① 安心ゆりかごサポート-就職活動中等の一時保育の実施(3カ所で実施)
② 事業所内保育所設置・運営等の支援-費用の一部を助成
③ 子育て家庭の交流等-交流会の開催(20回開催)
④ 改正育児・介護休業法の周知
4
女性の起業、チャレンジ応援
仕事と子育ての二者択一を解消するための多様な選択肢の支援
① ソーシャルビジネス等女性の起業、チャレンジを応援する表彰制度の創設
5
地域、NPO、大学連携
地域の団体、NPO等との協働により子育てや高齢者支援などの地域課題を
解決するための方策や大学等と連携した次代を担う若者に対する支援方策の実
施(「新しい公共」への参加機会の拡大などを通じた地域社会の活性化)
① ワーク・ライフ・バランス地域推進事業の実施-地域団体、企業、大学、行政等
多様な主体が協働して、地域におけるワーク・ライフ・バランスを推進する取組を
実践(3地域で実施)
② ワーク・ライフ・バランスの先行取組企業の情報等を大学へ提供するとともに、
人生という長いスパンでワーク・ライフ・バランスを捉えるためのライフプランの策
定支援 (大学との連携事業延べ30校)
6
情報発信・情報共有
あらゆる機関のWLBに係る情報や支援制度、ユニークな取組、活き活きと働
く人々の情報などを総合的に発信・共有
① WLBポータルサイトの開設
② 「日本女性会議2010きょうと」の開催
③ 京都独自の期間を設定し、集中的な広報・啓発を実施
(3)
推進体制・拠点
① 京都雇用創出活力会議ワーク・ライフ・バランス推進戦略本部
連合京都、京都経営者協会、京都商工会議所、京都府中小企業団体中央会、京都経済同友
会、京都府連合婦人会、京都市地域女性連合会、NPO法人きょうとNPOセンター、京都「お
やじの会」連絡会、京都府社会福祉協議会、京都府母子寡婦福祉連合会、学識経験者、京
都労働局・京都府・京都市、市長会、町村会
② ワーク・ライフ・バランスセンターの開設
(4)
計画期間
平成22年度~24年度
4
(3年間)
(5)
重点戦略に取り組むための連携の概要
京都労働局
京都府
京都市
経済的自立の応援
職業紹介・マッチング
カウンセリング
職業訓練
保育付き訓練
保育所等の育児支援情報の提供
生活支援のための相談にワンストップで対応
中小企業の応援
助成金等の企業支援情報
ワーク・ライフ・バランス
助成金等の支給
推進アドバイザーの設置
関係法令、取組例の周知等
ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の表彰、認証等
子育て応援
子育て支援の推進
関係法令、取組例の周知等
安心ゆりかごサポートの拡充
事業所内保育所設置支援
女性の起業、チャレンジ応援
表彰制度の創設等の支援
地域、NPO、大学連携
WLB地域推進事業の実施等の地域支援
情報発信・情報共有
日本女性会議2010きょうとの開催
ワーク・ライフ・バランスの取組事例や支援情報等の発信
連携
市町村
労働団体
経営者団体
5
社会福祉団体、NPO法人等関係機関
(参考)
図1
非正規雇用者の割合の推移(京都)
雇用者に占める非正規雇用者の割合は年々増加している。
(%)
60
55.9
50
48.0
38.9
40
59.9
40.0
40.6
35.5
30
22.5
28.6
23.5
20
23.4
19.7
12.4
10
14.3
11.6
0
昭和62年
平成4年
平成9年
総数
平成14年
男性
平成19年
女性
資料出所:総務省「就業構造基本調査」
図2
年間総実労働時間数(京都・全国)
一般労働者の年間総実労働時間は高止まりしている。
一般
2,042
2000
2,057
2,038
2,020
1,840
2,045
2,035
2,009
1,829
2,023
1,842
1,790
1,796
2,033
1,850
1,836
1800
年
間
総
実
労
働
時
間
1,809
2,017
1,813
1,798
常用
1600
1400
1,176
1,170
1200
1,115
1,112
1,195
1,178
1,162
1,121
1,182
1,152
パート
1000
平成16年
常用(京都)
平成17年
常用(全国)
平成18年
一般(京都)
平成19年
一般(全国)
パート(京都)
平成20年
パート(全国)
※一般労働者とは、常用労働者からパート労働者を除いたものをいう。
※年間総実労働時間数とは、年間所定内労働時間数と年間所定外労働時間数(残業や休日労働)と
の合計
資料出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」
(規模30人以上)
6
図3
仕事と生活の調和に関する希望と現実(全国)
「仕事」だけでなく、「家庭生活」や「地域・個人の生活」もともに優先したい人(④
⑤⑦の合計)は60.3%であるが、実現できているのは16.7%となっている。
①「仕事」を優先
18.5
希望
24.7
9.0
30.7
②「家庭生活」を優先
6.3
③「地域・個人の生活」を優先
3.8
2.0
④「仕事」「家庭生活」をともに優先
4.9
48.6
現実
19.3
11.5
11.6
1.8
2.9
0%
20%
40%
⑤「仕事」「地域・個人の生活」をともに優
先
⑥「家庭生活」「地域・個人の生活」をとも
に優先
⑦「仕事」「家庭生活」「地域・個人の生
活」をともに優先
⑧わからない
2.3
2.0
60%
80%
100%
資料出所:内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」(平成20年9月)
図4
子どもの出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴(全国)
出産前後に継続就業している割合は20年間変化していない。
0%
昭和60~平成元
平成2~6
平成7~11
平成12~16
(子どもの出生年)
10%
5.1
20%
19.9
8.0
16.4
10.3
12.2
13.8
11.5
就業継続(育休利用)
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
35.7
34.6
4.7
37.7
32.3
5.7
32.0
6.1
39.5
41.3
就業継続(育休なし)
25.2
出産退職
妊娠前から無職
8.2
その他・不詳
※1歳以上の子を持つ初婚どうしの夫婦について集計
資料出所:国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査(夫婦調査)」
7
図5
労働力人口の推移と見通し(全国)
労働力人口(万人)
9000
8000
7000
実績値
6,384
6,666
6,766
推計値
6,657
労働市場への参
加が進むケース
6,628
6,180
6000
6,657
6,426
5,584
労働市場への参加
5000
4,228
が進まないケース
4000
労働市場参加が進ま
ず少 子化 の流 れが 変
3000
えられない場合現在の
2000
1990年
1995年
2000年
2006年
2012年
2030年
2050年
3分の2弱に減少
資料:実績値は総務省「労働力調査」
、2030年までの推計値は独立行政法人労働政策研究・
研修機構による推計(2008年2月「平成19年労働力需給の推計-労働力需給モデルによる
将来推計の結果」)、2050年の労働力人口は、2030年以降の性・年齢階級別の労働力率が
変わらないと仮定して、
「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)
」の中位推計に基づき、
厚生労働省社会保障担当参事官室において推計。
※「労働市場への参加が進まないケース」とは、性・年齢別の労働力率が2006年と同じ水準
で推移すると仮定したケース。
「労働市場への参加が進むケース」とは、各種の雇用政策を講じ
ることにより、若者、女性、高齢者等の労働市場への参加が実現すると仮定したケース。この推
計において、税・社会保障制度等の労働力需給に与える影響については必ずしも考慮されていな
いが、こうした制度が変更されることによって労働力需給に大きな影響を及ぼす可能性があるこ
とに留意が必要。
資料出所:平成22年版子ども・子育て白書から転載
お問い合わせ先
京都雇用創出活力会議ワーク・ライフ・バランス推進戦略本部事務局
京都府 府民生活部 男女共同参画課
〒601-8047 京都市南区東九条下殿田町70 京都テルサ東館2F
TEL 075-692-3236
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