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住田町総合計画 後期基本計画(平成24年3月)

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住田町総合計画 後期基本計画(平成24年3月)
~里山でいっしょに暮らしたい~
住田町総合計画
後期基本計画
(平成 24 年度~平成 28 年度)
平成 24 年 3 月
住
田
町
町民憲章
わたくしたちは、豊かな緑の山々と清流気仙川をこよなく愛します。
そして、住田の風土の中で培われて来たかおり高い伝統と恵まれた自然
を生かし、心をひとつにして、豊かで住み良い町をつくるため、ここに住
田町民憲章を定めます。
1
わたくしたちは、ひとりひとりの創意と恵まれた資源を生かし、勤労
を尊び、産業の振興にはげみ、豊かな町をつくります。
2
わたくしたちは、ひとりひとりの個性を生かしすすんで学習にはげみ、
教養を高め、知性と実行力を身につける教育の町をつくります。
3
わたくしたちは、ひとりひとりの真心を生かし幸せな生活ができるよ
う、互いにきまりを守り助け合い、健康で明るい町をつくります。
(昭和 50 年 9 月 8 日制定)
住田町の花・木・鳥
花……あつもりそう
初夏、紫紅色の美しい花をつ
木……すぎ
大空に向かってまっすぐに伸
鳥……やまどり
気品にあふれた銅褐色の羽
け、山里を飾る「あつもりそう」 び、用材としても広くその価値 毛で体をつつみ、長い尾をもつ
人と自然の調和を図る温かい町 を認められている「すぎ」
民性を象徴している。
「やまどり」
緑の町として、さらに発展しよ こまやかな習性と飛翔迅速な
うとする町の未来を象徴してい 姿は、かおり高い文化の振興を
る。
象徴している。
(昭和 60 年 6 月 1 日制定)
町民のみなさまへ
平成 19 年に「住田町総合計画基本構想」及び「前期基本計画」を策定し
てから、はや 5 年が経過します。その当時は、平成の大合併もピークを過
ぎ、多くの自治体が合併後の新自治体の経営改革に取り組んでいる時期で
した。
住田町においては、平成 15 年 3 月に当面、自立・持続をしていくという
基本方向を決定し、その条件のひとつとして「民官協働」を掲げ、
「前期基
本計画」においても、町民の協働参画の基盤強化に取り組んでまいりまし
た。
このたび、
「基本構想」の策定から 5 年を経過し、前期基本計画に見直し
を加え、さらに平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災という未曽有の大災
害の教訓や近隣被災自治体への復興支援も盛り込んで「後期基本計画」を
策定いたしました。これにより今後 5 年間は、引き続き「産み」
「育て」
「守
る」の「基本構想」に沿って計画を進め、安心してずっと暮らすことので
きる地域を目指していきます。
町民のみなさまの、より一層のご協力を賜りながら、
「地域の協働」を推
進し、これまで受け継いできた宝に磨きをかけて、未来へと伝えていきま
しょう。
平成 24 年 3 月
住田町長
多
田
欣
一
住田町総合計画後期基本計画目次
<総論>
第 1 章 計画にあたって
第 1 節 計画の意義
第 2 節 計画の性格
第 3 節 計画の期間
第 4 節 計画の組み立て
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1
1
1
第 2 章 計画の背景
第 1 節 町の沿革
第 2 節 自然条件
1 位置
2 地勢、気候
第 3 節 社会経済
1 人口
2 産業構造
第 4 節 国、県等の計画
1 国の計画
2 県の計画
3 三陸地方拠点都市地域基本計画
第 3 章 これまでの計画のまとめと後期基本計画の目標
第 1 節 前期基本計画(平成 19~23 年度)の総括
第 2 節 後期基本計画(平成 24~28 年度)の目標
<計画の推進>
第 1 章 基本姿勢
第 1 節 協働による町づくり
第 2 節 効率的な行財政運営
第 3 節 広域との連携
第 4 節 国、県との連携
2
2
3
3
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第 2 章 計画の管理
第 1 節 進捗状況の管理
第 2 節 柔軟な対応
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28
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<プロジェクト>
「住田い町の物語」創造プロジェクト(前期)の総括
「住田い町の物語」創造プロジェクト
【起】 「交流ステップアップ」プロジェクト
【承】 「定住システム構築」プロジェクト
【転】 「くらし豊かさ実感」プロジェクト
【結】 「こころ豊かさ満喫」プロジェクト
東日本大震災復旧・復興支援プロジェクト
<部門別計画>
第 1 章 芽が出ますように! ~次世代の創出~
第 1 節 新たな息吹の誕生を願います
1 新しい家族と出会うために
2 元気な赤ちゃんを産むために
3 子育て支援の充実
4 保育サービスの充実
第 2 章 大きく育ちますように! ~産業の振興~
第 1 節 農業を振興します
1 新規就農者育成支援と確保
2 農業経営者の育成
3 農商工連携による商品開発
4 地域の特性を生かした生産振興
5 安全・安心農業の推進
第 2 節 林業を振興します
1 森林整備の推進
2 木材流通システムの発展
3 FSC 森林認証
4 新規就業者の確保
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第 3 節 商工業を振興します
1 商店街活性化推進
2 企業支援による雇用の場の創出
3 商品開発
第 4 節 観光を振興します
第 5 節 適正な土地利用を進めます
第 3 章 花が咲きますように! ~人材の育成~
第 1 節 生涯学習を推進します
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第 2 節 就学前教育を充実します
第 3 節 学校教育を充実します
1 「生きる力」の育成
2 教育環境の整備
3 安全な学校給食の提供と食育の推進
第 4 節 社会教育を充実します
1 家庭教育
2 乳幼児教育
3 少年教育
4 青年教育
5 成人教育
6 高齢者教育
7 男女共同参画
8 森林環境学習
9 社会教育施設
第 5 節 スポーツ、レクリエーションを振興します
1 スポーツの振興
2 スポーツ施設
第 6 節 芸術文化を振興し文化財を保護します
1 芸術文化の振興
2 文化財の保護と活用
第 7 節 国際交流を推進します
第 4 章 実がなりますように! ~環境の保護~
第 1 節 心地よい自然環境をまもります
1 自然環境の保全
2 森林の保全
3 地球温暖化対策の推進
4 新エネルギー
(1) 自然エネルギー資源の活用
(2) 木質バイオマスエネルギー
5 水資源の保全
第 2 節 心地よい生活環境をつくります
1 廃棄物の適正処理
(1) ごみ処理
(2) 産業廃棄物
(3) し尿処理
2 生活道路の整備
3 河川の整備
4 町営住宅の整備
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5
上下水道の整備
(1) 簡易水道施設の整備
(2) 集落水道の整備
(3) 公共下水道等の整備
6 公共交通
7 道路ネットワーク
8 情報化
9 中心地域活性化
第 3 節 安心な生活環境をつくります
1 消防防災対策の充実
2 地域安全対策の充実
3 消費生活の安定
第 4 節 保健医療を充実します
1 健康維持増進
(1) 次世代支援対策の充実
(2) 食育の推進
(3) 成人・老人保健対策の充実
(4) 感染症対策の充実
2 医療体制
第 5 節 社会福祉を充実します
1 地域福祉
2 障がい者福祉
3 高齢者福祉
第 5 章 仲良くできますように! ~協働の推進~
第 1 節 自助と協働のご近所をつくります
第 2 節 協働によるまちづくりを進めます
<地区別計画>
1 地区別計画の内容
2 前期基本計画の総括
3 世田米地区計画
4 大股地区計画
5 上有住地区計画
6 五葉地区計画
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iv
<資料編>
統計資料
(1) 人口及び世帯数の推移
149
(2) 年齢区分別人口の推移
149
(3) 産業別就業者の推移
149
(4) 一人当たり分配所得及び所得格差の推移
150
(5) 生産農業所得の状況
150
(6) 生産性の状況及び農業産出額の状況
150
(7) 農家数の推移
151
(8) 経営耕作地規模別販売農家数
151
(9) 森林資源の現況
151
(10) 保有山林規模別林家数
152
(11) 農林水産業純生産額の推移
152
(12) 商店数の推移
152
(13) 商店販売額の推移
152
(14) 事業所・従業者数・製造品出荷額
153
(15) 観光客入込数(滝観洞)の推移
153
(16) 第2次産業純生産額の推移
153
(17) 第3次産業純生産額の推移
153
(18) 土地利用の状況
153
(19) 自動車登録台数の推移
154
(20) 道路の状況
154
(21) 町道の状況
155
(22) 保育園の入所児童数
155
(23) 児童、生徒数の推移
155
(24) 高校進学率の推移
155
(25) 芸術文化協会所属団体の状況
155
(26) ごみ処理の状況
156
(27) し尿処理の状況
156
(28) 普通世帯に対する持ち家数
156
(29) 交通事故の状況
156
(30) 火災発生の状況
156
(31) 消防団、消防設備の状況
157
(32) 高齢者の状況
157
(33) 身体障害者手帳保持者の状況
157
v
(34) 療育手帳保持者の状況
157
(35) 要介護・要支援認定者の状況
157
(36) 老人クラブの状況
157
(37) 各種検診受信率の推移
158
(38) 主要死因別死亡者数の推移
158
(39) 一般会計・歳入の推移
158
(40) 町税の推移
159
(41) 一般会計・目的別歳出の推移
159
(42) 一般会計・性質別歳出の推移
159
総合計画後期基本計画策定の経過
160
町勢振興調査会(諮問)
161
町勢振興調査会委員名簿
162
町勢振興調査会(答申)
163
用語説明
164
vi
〈総論〉
後期基本計画<総論>
第1章
計画にあたって
第1節
計画の意義
本計画は、「住田町総合計画基本構想」でめざす「安心してずっと暮らすことのできる地
域」の実現に向け、平成 19 年度から平成 28 年度を目標年次とした計画期間のうち、平成
24 年度からの後期 5 か年の行政各部門ごとの施策の方向を定め、住田町の行財政運営の基
本とするものです。
第2節
計画の性格
① 基本計画は、基本構想で示された「安心してずっと暮らすことのできる地域」を実現
するため、長期的展望、視点に立ち、総合的かつ計画的に定めるものです。
② 基本計画は、町の行財政運営の基本となるものであるとともに、行政各部門の個別計
画の指針となるものです。
③ 基本計画は、国、県等に対して積極的な支援、協力を要請するとともに、住民や関係
機関、民間団体等に対しては、町と一体的な施策の推進を期待するものです。
第3節
計画の期間
後期基本計画は、平成 24 年度から平成 28 年度までの 5 か年計画です。
基本構想
平成 19 年度~平成 28 年度
後期基本計画
平成 24 年度~平成 28 年度
実施計画
5 年毎のローリング
第4節
計画の組み立て
本計画は、これまでの住田町の歩みと現状を踏まえ、今後の住田町の進むべき方向を定
めています。
本計画は、「総論」「計画の推進」
「プロジェクト」「部門別計画」「地区別計画」で構成さ
れています。
総論……………計画策定にあたっての概況、前期基本計画の総括、本計画の目標を示
します。
計画の推進……町の基本的な姿勢と、計画を推進するための進行管理の考え方を示し
ます。
プロジェクト…住田町を取り巻く厳しい社会・経済情勢の中、今後も地域が持続して
いくための重点プロジェクトと東日本大震災に対応したプロジェクト
を示します。
部門別計画……行政各部門ごとに現状と課題を踏まえ、目標と施策の方向を明らかに
します。
- 1 -
後期基本計画<総論>
地区別計画……町民と行政が一体となり、地区の特性を生かした特色ある地域づくり
を進めるため、希望する地区と共に地域づくりの方策を明らかにしま
す。
第2章
計画の背景
第1節
町の沿革
本町が村落を形成したのは、藤原氏の頃。金の産地として多くの労働者、商人が集まり、
みちのく黄金時代が全盛を極め、神社、寺院が建立され、内陸と沿岸の接点、宿場町とし
て発達してきました。
藤原氏、葛西氏、伊達氏の統治下の後、明治 2 年廃藩置県により当初は江刺県に、さら
に一関県、磐井県、水沢県、宮城県、明治 9 年 5 月岩手県に編入されました。
昭和 30 年 4 月 1 日世田米町、上有住村、下有住村の 1 町 2 村が合併し、住田町が誕生し
ました。新町発足後は旧町村間の機能の融和が図られるとともに、自然と一体となった農
林業を主幹産業に、独自の集約的複合経営の「住田型農業」を実践し、生産、流通、加工、
さらに住宅生産・販売に至る一連の林業循環型システムを構築し、現在は林業を軸とした
「森林・林業日本一の町」をめざして施策を展開しています。
第2節
1
自然条件
位置
本町は、岩手県の東南部に位置し、広域圏中心市である大船渡市までは約 18km、奥
州市までは約 50km、県都盛岡市までは約 90km です。
交通条件としては、東北新幹線(水沢江刺駅)まで約 50 分、東北自動車道(水沢イ
ンターチェンジ)まで約 1 時間です。
地理的には、北緯 39 度 5 分 23 秒から 39 度 19 分 52 秒、東経 141 度 23 分 19 秒から
141 度 44 分 40 秒の間にあり、東西 30.68km、南北 19.02km で、面積は 334.83km2 です。
2
地勢、気候
本町は、その四方を標高 600m~1,300m の山々に囲まれ、総面積の約 90%が峻険な山
地で占められています。平坦地は極めて少なく、町北東部から大きく西部に蛇行して
南下する気仙川及びその支流沿いに集落、農耕地などが集中する典型的な山村です。
地質は、古生代の堆積岩と、中生代の火成岩からなっており、約 80%が堆積岩で占
められています。
気候は、沿岸部に比較的近いことから、海洋性気候の影響を受け、冬季は比較的温
暖ですが、夏季は冷涼と内陸的な気候の影響も受ける地域です。年平均気温は 11.2℃
- 2 -
後期基本計画<総論>
(盛岡地方気象台:住田アメダス 2010 年平均)と低温で、冬季は北部で 20cm~30cm、
南部で 10cm~15cm の積雪があります。
第3節
1
社会経済
人口
昭和 30 年の 13,121 人をピークに減少の一途をたどってきた本町の人口は、平成 22
年には 6,190 人と、50 年間で 6,931 人、半数以下に減少しました。
高齢化は急速に進展しており、昭和 55 年の 65 歳以上の高齢者比率は 15.2%でした
が、昭和 60 年 18.3%、平成 2 年 22.0%、平成 7 年 27.7%、平成 12 年には 33.0%と
年に 1 ポイントの割合で上昇し平成 22 年には 38.7%と、町民の約 2.6 人に 1 人が 65
歳以上の高齢者となっています。
また、平成 22 年の 0 歳から 14 歳までの人口比率は 9.2%、15 歳から 29 歳までの若
年者比率は 11.1%で、15 歳から 64 歳までの生産人口比率は 52.0%となっています。
2
産業構造
昭和 30 年の就業人口は 6,445 人で、産業別就業人口比率は、第 1 次産業が 80.9%、
第 2 次産業が 5.8%、第 3 次産業が 13.3%でしたが、その後の高度経済成長などによ
る産業構造の変化により、建設業、製造業、サービス業を主体に第 2 次、第 3 次産業
が伸び、平成 17 年には第 1 次産業は 25.0%、
第 2 次産業は 34.9%、
第 3 次産業は 40.0%
となっています。
平成 18 年の農業産出額は 49 億円で、その 9 割近くが畜産関係です。また平成 19 年
の商品販売額等は 33.8 億円で、92 事業所、295 人の従事者数です。製造業の出荷額等
は 112.3 億円で、24 工場、682 人の従事者数となっています。
第4節
国、県等の計画
本町の「住田町総合計画基本構想」でめざす「安心してずっと暮らすことのできる地域」
の実現のためには、住民の町づくりに対する理解と関心を高め、行政と住民が一体となり
諸施策を推進する必要があります。
また、この目標を達成していくためには、町単独で可能なものではなく、国、県、広域
市町村圏等の施策と相乗的に展開することによって、はじめて実現されるものです。
このため、国、県、広域市町村圏計画等との整合性を図りながら調和の取れた町づくり
を推進していく必要があります。
- 3 -
後期基本計画<総論>
1
国の計画
国においては、平成 22 年から平成 27 年を目標年次に、
「多軸型国土構造形成の基礎
づくり」を目標とした「21 世紀の国土のグランドデザイン」が示されており、その達
成のための課題として、
① 自立の促進と誇りの持てる地域の創造
② 国土の安全と暮らしの安心の確保
③ 恵み豊かな自然の享受と継承
④ 活力ある経済社会の構築
⑤ 世界に開かれた国土の形成
の 5 点が挙げられ、その戦略として「多自然居住地域の創造」、「大都市のリノベー
ション」、「地域連携軸の展開」、
「広域国際交流圏の形成」が示されています。
2
県の計画
県では、平成 30 年度を目標年次として、平成 21 年度から 10 か年計画として、いっ
しょに育む「希望郷いわて」を基本目標としていわて県民計画を策定し、10 年後に実
現していきたい岩手のすがたにむかって、
「ゆたかさ」を育む、
「つながり」を育む、
「ひと」を育む
という、3 つの視点で岩手の未来を描き、実現することを目指すとしています。
3
三陸地方拠点都市地域基本計画
平成 6 年 9 月、岩手県知事から沿岸 10 市町村(※2 宮古市、釜石市、※1 大船渡市、陸
前高田市、※1 三陸町、大槌町、※2 田老町、山田町、※2 新里村、住田町)
(※1 平成 13 年
11 月 15 日、大船渡市と三陸町の編入合併により新「大船渡市」
。※2 平成 17 年 6 月 6 日、
宮古市、田老町、新里村の新設合併により新「宮古市」。)が三陸地方拠点都市地域の
指定を受け、平成 7 年から概ね 10 年間にわたって、本地域の有する自然、社会経済、
歴史文化等の特性を生かした、豊かさとゆとりを実感できる「職・住・遊・学」が備
わった、魅力ある生活空間を創造していくことを目的として、三陸地方拠点都市地域
基本計画を策定しました。
(平成 18 年 3 月、計画期間を平成 18 年度から概ね 10 年間
とする「三陸地方拠点都市地域変更基本計画」に変更。
)
地域内で有機的な連携をとりながら、居住環境の整備、産業機能の集積、観光文化
資源を生かした交流拠点の整備をすすめ、様々な交流を生み出していく「さんりくサ
ンライズ交流都市圏」の形成をめざし、基本戦略としては、
① 県土の均衡ある発展を担う三陸連担都市圏の形成
② 次世代を担う新産業拠点の形成
③ 地域内外にわたる多様な交流拠点の形成
を掲げています。
- 4 -
後期基本計画<総論>
第3章
これまでの計画のまとめと後期基本計画の目標
第1節
前期基本計画(平成 19~23 年度)の総括
1.計画の推進
「協働による町づくり」、「効率的な行財政運営」、「広域との連携」、「国、県との連携」
を基本姿勢として計画の推進をしてきました。
人口の減少、少子高齢社会の進行で、都市と地方との地域間格差が拡大するなか、直面
する課題に加え、新たな地方分権改革など変革の動きも激しくなるなど市町村を取り巻く
環境は厳しいものがあります。町では、活力に満ちた職員育成、健全な行財政基盤の確立
を図りながら、町民との協働による町づくりを進めてきましたが、引き続き町民と行政が
一体となって町づくりを進めていく必要があります。
また、広域での事務処理をさらに進め、質の高いサービスの提供と効率的な事務事業を
進めるため、構成自治体と連携しながら運営を図っていく必要があります。
2.芽が出ますように! ~次世代の創出~
(1)新たな息吹の誕生を願います
①【新しい家族と出会うために】については、施策の方向として、
「結婚希望者に対する
結婚対策の推進」「結婚後の町内居住の推進」を掲げ、結婚相談員による個別相談、イ
ベントの開催など結婚希望者への支援を行ってきましたが、十分な成果をあげること
が出来ませんでした。ハピネすみた(結婚対策推進懇談会)の設置により、結婚対策
への理解の広まりがみられ、結婚相談員の設置により、結婚希望者やその家族の相談
しやすい環境が整備されていますが、結婚希望者等が自ら相談に来る例は極めて少な
く、相談員が戸別訪問しているのが実態です。今後も結婚相談員による相談業務や出
会いイベント開催の支援を行いながら、ハピネすみたと連携し、粘り強く事業を継続
していく必要があります。
指標
5 年間で婚姻数
(目標)10 組 → (実績)1 組
②【元気な赤ちゃんを産むために】については、施策の方向として、
「生命の尊さの理解
と父性・母性の育成」「母親の子育て支援」を掲げ、出産祝い金制度、妊婦保健事業に
取り組んできました。出産祝い金制度の創設によって、第 3 子以降の出産が若干増加
しましたが、劇的な変化はありませんでした。また、妊婦保健事業によって妊婦の健
康管理が図られ、安全な出産に寄与しました。引き続き妊婦の出産支援に取り組んで
いく必要があります。
指標
合計特殊出生率
(目標)2.1 → (実績)1.45
- 5 -
後期基本計画<総論>
③【子育て支援の充実】については、施策の方向として「子育て支援体制の整備」「児童
虐待防止及び放課後児童の健全育成」を掲げ、施策を進めてきました。次世代育成支
援事業、子育て支援事業、放課後児童クラブ運営費補助、放課後子ども教室の設置な
どの事業を実施してきました。これによって、乳幼児を対象とした各種健診や相談も
対象者のほとんどが利用し、それぞれの健康管理や発育・発達の把握により、早期の
適切な対応につながっています。また、児童の放課後の安全な遊び場、居場所を確保
し健全育成に寄与し、就学児を持つ父母が安心して仕事に従事することができる環境
づくりをしました。引き続き、健診等については、対象者への適切な情報提供をしな
がら高受診率を維持していきますし、放課後児童の健全育成については、利用者の利
便性の向上を念頭に置いた運営や、運営費補助を実施するなど、子育ての支援をして
いく必要があります。
指標
放課後児童クラブ (目標)2 ヶ所 →
(実績)1 ヶ所
※他に放課後子ども教室の開設2ヶ所
④【保育サービスの充実】については、施策の方向として、
「保育園による子育て支援の
充実」を掲げ、施策を進めてきました。保育所運営事業として、乳児保育、延長保育、
障がい児保育などを実施してきました。多様化する保育ニーズに対応してきましたが、
今後さらにきめ細かな保育サービスの実施と環境整備について検討して、子育て支援、
就学前教育を担っていく必要があります。
指標
保育所待機児童数 (目標)0 人 → (実績)0 人
(2)産業を創出します
①【農業】については、施策の方向として、「農業生産法人化の支援」「農業農村産業ク
ラスター事業の展開」を掲げ、施策を進めてきました。平成 21 年度から農商工連携に
よる住田農業振興プロジェクトを3ケ年計画で創設し、生産振興、担い手育成、特産
品振興の3つの部門により、事業を展開しています。今後は、実現性のある成果を得
るため、住民と十分な意見交換を行いながら施策の創設と年次的な戦略を作成し、相
互理解、連携協力を図っていく必要があります。
指標
農業産出額 (目標)59 億円 → (実績)49 億円
②【林業】
1)新規就業者の確保については、住田高校生への林業後継者のガイダンスなどを通し、
林業を職業として認識してもらう取組を進め、生徒の森林・林業に対する意識変化を
引き出すなど、着実に成果が出てきており、今後もこの取組を継続してまいります。
また、林業担い手対策事業、緊急雇用対策事業などにより素材生産部門での若年者の
- 6 -
後期基本計画<総論>
新規就業が少しずつ増えてきており、今後はこれを森林保育部門まで拡大し、就業者
の世代更新を図っていく必要があります。
指標
新規就業者数 (目標)10 人 → (実績)15 人
2)森林を活用した新たなビジネス展開、3)の商品開発においては具体的な事業創設に
は至りませんでしたが、森林の持つ付加価値を最大限活用するため、J-VERやフ
ォレストック制度による、森林のCO2吸収量をクレジットにして販売する取組を始
めており、今後はこれを収益化する取組みや、間伐材も含む林地残材を木質バイオマ
ス資源として有効に活用するなどの事業化を検討していく必要があります。
指標
・「遊林ランド種山」入込者数
(目標)30,000 人 → (実績)15,317 人
・特産品の開発数 (目標)5 点 → (実績)1 点
3.大きく育ちますように!
~産業の振興~
(1)農業を振興します
①【農業経営者の育成と産地化】について、施策の方向として「土づくりの徹底と高品
質作物の生産のための栽培技術向上」「基幹作目の栽培面積の拡大と産地化」「農地の
流動化・作業受委託の推進と施設型園芸の普及・拡大」
「意欲ある農業者や経営体等に
適した農業経営の確立」を掲げ、施策を進めてきました。農業経営者の育成について、
農商工連携による住田農業振興プロジェクト担い手育成部門において、担い手育成支
援制度を創設し、担い手の農家研修支援、生活支援を行うとともに、担い手農業者経
営安定対策事業により、立ち上げ資金の助成を行い、就農時の経営安定を支援し、担
い手の確保を推進しました。しかしながら、基幹作物の栽培面積拡大、土づくりや栽
培技術の向上、施設園芸の普及拡大の面では、農業を取り巻く環境の厳しさや農業者
の高齢化などにより、産地化の推進には至りませんでした。今後は、担い手農業者の
育成事業がより効果的な事業となるよう見直しながら、新規就農者を確保する取り組
みを継続して進めていきます。また、土づくりや栽培技術の指導と流通・販売体制の
確保に向けた取り組みに重点を置いて、意欲ある農業者が安定的に継続して農業生産
にあたることが可能な環境整備をきめ細かく進めていく必要があるため、大船渡農業
改良普及センター、大船渡市農業協同組合、指導的農業者と連携協力して、農家の巡
回による普及、指導を行っていく必要があります。
指標
・基幹作目(イチゴ、キュウリ)1 品目毎の年間販売額
(目標)1 億円 → (実績)3 千万円
・法人経営体の育成 (目標)5 経営体
→ (実績)1 経営体
②【集落営農の促進と特産品開発の推進】については、施策の方向として、
「各集落の特
長を生かした集落営農の促進」
「山菜、きのこ菌茸、果樹等新規作目の導入、地域特産
- 7 -
後期基本計画<総論>
品・加工品の開発」「新たな集客・交流機会の創設」を掲げ、施策を進めてきました。
畑作生産振興事業、農業生産振興事業によって、新規作目の導入による栽培面積の拡
大と遊休農地を活用した農業振興を支援しました。また、里山整備によって山焼きが
実施され、山菜類生産の環境整備を図ってきました。農商工連携による住田農業振興
プロジェクト特産品振興部門において「食」をテーマとした地域おこし事業を実施し、
地産地消、地域の特産品・加工品開発のきっかけづくりを行った結果、商品化にむけ
て女性農業者等が工房開設に動きだしました。今後も産業まつりを始めとする様々な
集客、交流行事に農業者が積極的に出店し、消費者のニーズに応え得る商品を生産、
販売できる環境づくりを支援していく必要があります。一方で、集落営農は、共通理
解をする話し合いの時間を要するため、継続して根気強く推進していく必要がありま
す。
指標
1 振興会 1 特産品 (目標)1 → (実績)0
③【安全・安心・安定した産地形成の推進】については、施策の方向として、「安全安心
野菜の生産・消費の町内への普及拡大と、町外への販路の拡大」
「資源循環型農業の確
立」を掲げ、施策を進めてきました。安全安心農業推進事業を実施し、安全安心農業
ネットワーク会議を構築して、研修会等の実施と農業講座の開催、モデル農家の支援、
軽トラワゴン市等での販売活動や保育園、高齢者施設への食材供給を実施しました。
安全安心認証制度を創設し、制度の普及拡大を進めてきました。今後、より一層の制
度への理解と普及、安全安心農業の土づくり、技術の普及推進を農家巡回をしながら、
きめ細かい対応をしていく必要があります。
指標
・安全安心農業認証制度の創設
(目標)創設 → (実績)創設済み
・被認証農家数 (目標)30 戸 → (実績)5 戸
(2)林業を振興します
①【森林整備の推進】については、施策の方向として、「適切な森林施業の推進」「持続
可能な森林づくり」を掲げ、施策を進めてきました。森林整備事業、林業振興対策事
業など適切な森林整備と持続可能な森林経営を目指す取組みや、経営委託補助制度の
創設など認証林の再造林を促す取組みを進めたほか、作業道や搬出道の開設により経
費の削減を図り、森林所有者の施業意欲を高めながら間伐や周辺の森林整備を一体的
に行いました。また、新たに竹林整備事業により、町内の竹林を整備することで、景
観の維持とともに、たけのこの生産など、林産資源の活用を図りました。
指標
民有林素材生産量 (目標)35,000m3 → (実績)29,047m3
②【木材流通システムの発展】については、施策の方向として、
「町・森林組合・素材生産
業者・木工団地等の関係者間での連携、情報の共有化」
「新たな設備投資による生産性
- 8 -
後期基本計画<総論>
の向上」を掲げ、施策を進めてきました。これまで、三陸木材高次加工協同組合を初
めとする木工団地の各組合へは、木屑焚きボイラー、発電施設(公設)、木質ペレット
製造施設の整備や高周波プレス機、四面モルダー、フィンガージョインティングシス
テムの貸与などの支援により、集成材をはじめとする生産物の生産量の拡大及び品質
の向上並びに経費の削減を図ってきました。引き続き、生産性の向上と、経営状況の
安定化のため支援していく必要があります。また、三陸木材高次加工協同組合・協同
組合さんりくランバーへは、職員を継続して派遣し、安定した経営を進めるために情
報を共有しています。
指標
大槌気仙川流域における木材流通量
(目標)150,000m3 →
(実績)166,115m3
③【FSC 森林認証】については、施策の方向として、「林業関係者の知識習得の機会づく
り」
「森林組合が素材生産から木材製品販売までをコーディネートする機能の強化」
「森
(木材)に対する理解の醸成とファンづくり」「認証取得事業体との連携を図りながら
の森林認証材の普及・啓蒙」「デザイナーとの連携による木工商品販売推進」を掲げ、
施策を進めてきました。FSC森林認証及び認証材の普及促進と製品化については、
森林づくり指導員の設置や、講習会による森林認証制度の普及と認証林の加入拡大を
進めた結果、私有林の加入面積が 4,000ha を超すなど、町内での森林認証に対する認
知度は向上しています。また、森林認証材普及促進事業の助成制度を活用し、認証材
を使用した住宅の建築を促進するなどの取組みを行いました。しかし、全国的には、
森林認証材の認知度、浸透度はいまだ低く、販売量に反映しない状況となっています。
木工商品販売推進については、製品化や販売組織体制の構築、デザインの多様化など
の取組みは進展しておらず、引き続き、認証制度の普及ととともに、製品の多様化と
製品販売体制の整備に取り組んでいく必要があります。
指標
森林認証材の住宅建築戸数 (目標)5 棟/年 → (実績)2.5 棟/年
(3)商業を振興します
①【商店街の振興】については、施策の方向として、「商店街独自の組織強化による商店
街の活性化」を掲げ、施策を進めてきました。住田町商工業指導事業補助金によって、
住田町商工会が実施した経営相談、講習会、中小企業資金融資の斡旋を行ったことに
対して助成を行いました。これによって、町内商工業者の経営の安定化、商工業の振
興を図りました。また、商工会が発行したプレミアム付き商品券発行事業に助成し、
商店街の活性化を図りました。今後も町内商工業者の経営安定のために、商工会に対
して継続支援を行っていく必要があります。
指標
市日の開催数 (目標)5 回/年 → (実績)3 回/年
- 9 -
後期基本計画<総論>
②【特産品の開発】については、施策の方向として、「農林産物加工品の開発、商品化」
を掲げ、施策を進めてきました。女性農業者が販売している加工品のブラッシュアッ
プ研修や農商工連携研修参加を支援し、既存の加工品のさらなる魅力づくりを推進し、
町外への販売についても検討を進めました。また、町産品を活用したご当地バーガー
の試作販売を行い、試作に関わった女性農業者の起業化が見込まれています。今後は、
あらゆる分野での商品開発を視野にいれ、通過客のニーズに対応できる商品づくりを
進めていく必要があります。
指標
特産品開発数 (目標)5 点 → (実績)0 点
(4)工業を振興します
施策の方向として、
「既存企業のフォローアップによる雇用の場の確保」を掲げ、施策
を進めてきました。企業訪問を行い既存企業のフォローアップに努め、平成 22 年度よ
り新規学卒者雇用促進奨励金を創設し、新規学卒者の雇用の確保を図ってきました。
今後も、企業の的確なニーズを把握し、雇用促進奨励金制度の見直しや被災企業が住
田町に立地する場合の助成制度を検討していく必要があります。
(5)観光を振興します
施策の方向として、「観光施設の充実と周辺整備」「広大な自然をフィールドとした体
験型観光の構築」を掲げ、施策を進めてきました。滝観洞については、一般国道 283
号仙人峠道路滝観洞IC開通により入込み客の増加が見込まれることから駐車場の整
備を行い、誘客増への対応を図るとともに滝観洞の案内看板の設置も行い、観光PR
を図りましたが、東日本大震災の地震被害により洞内の一部が崩落し、入洞ができな
い状態となっています。道の駅種山ケ原においては、被災地支援の方々の通行もあり
例年以上の利用者となっていますが、一過性のものとならないよう関係機関と連携し
ながら観光振興を進めていく必要があります。住田町観光協会体制強化支援事業によ
って、観光コーディネート機能の強化と住民団体との連携が促進されました。今後の
円滑な観光客の受け入れ体制整備が期待できます。
指標
入込者数 (目標)50,000 人 → (実績)25,552 人
(6)適正な土地利用を進めます
施策の方向として、
「各種土地の調整による無秩序な開発を抑制した適正な土地利用の
推進」を掲げましたが、無秩序な土地利用、土地開発行為が見込まれなかったことか
ら、主要施策への取り組みはありませんでした。
4.花が咲きますように! ~人材の育成~
(1)生涯学習を推進します
- 10 -
後期基本計画<総論>
施策の方向として、
「学び合い教え合いながら、人生を豊かに楽しむことのできる環境
づくり」「自分にあった手段や方法で学ぶことができる生涯学習環境づくり」を掲げ、
施策を進めてきました。生涯学習推進本部会議によって、庁内各部署と連携を図りな
がら、各部署で実施している生涯学習事業の実施と情報交換を行いました。これによ
って、町として一体となった生涯学習の推進を図っています。
指標
各種講座の参加者の情報活用件数
(目標)240 件/年 →
(実績)684 件/年
(2)就学前教育を充実します
施策の方向として、「家庭教育や小学校教育、地域社会との連携強化」「就学前教育関
係組織の充実・教育内容の質的向上」を掲げ、施策を進めてきました。一貫した連携
によって、小学校に入学したばかりの小学校 1 年生が集団行動が取れない、授業中に
座っていられない、話を聞かないなどの問題行動(小1プロブレム)は発生していま
せん。特別に支援を要する児童に対しての連携した対応が出来ているところです。児
童の問題行動等の解消と豊かな心の醸成、主体的に学ぶ姿勢の育成が図られています。
今後も、児童の実態を把握しながらから、保・小連携を一層推進していきます。
指標
研修会等参加者数 小学校参加者各校 (目標)2 人以上 → (実績)2 人
(3)学校教育を充実します
①【「生きる力」の育成】については、施策の方向として、「学ぶ喜びに結び付ける教育
の推進」「
「知・徳・体」の調和のとれた心豊かでたくましい児童生徒の育成」「家庭や
地域社会の教育力の充実」
「保・小・中・高の連携を密にした教育水準の維持向上」
「学
力向上を目指した教育諸条件の整備拡充」「教えるプロとして教師の資質の向上」「豊
かな国際感覚を身に付ける教育の充実」
「身近な自然の重要性を考え、学ぶ機会の提供」
を掲げ、施策を進めてきました。学校教育を充実するため、教育相談員、きめ細やか
な児童生徒育成支援非常勤職員の設置、各種教職員研修、各種研究団体への補助を実
施することによって、児童の学力向上はもとより、国際理解、郷土理解、そして学校
安全が図られました。また、障がい児支援として、障がい児の生活・学習支援を行い、
他の児童と同様に学習を行うことができました。また、学校に障がい児が一緒に生活
することにより、障がい者への理解が図られました。今後も継続した実施が必要です。
指標
・学習定着度状況調査 (目標)全校県平均以上 → (実績)未達成
・問題行動の発生件数 (目標)0 人 → (実績)0 人
・不登校児童生徒数
(目標)0 人 → (実績)0 人
②【学習環境の整備】については、施策の方向として、
「地域・保護者・学校と連携した、
学習環境整備」「地域に根ざした活力ある教育環境の確保」「安全で快適な学習環境の
- 11 -
後期基本計画<総論>
確保」
「人材育成と定住促進のための環境の整備」を掲げ、施策を進めてきました。小
中学校に学校備品を整備するとともに、学校施設については、必要の都度、施設の改
修や修繕をしながら、教育環境の整備充実を図っています。中高一貫教育校の設置推
進においては、震災復興における国・県の動向を注視するとともに、今後の方向性、
国の研究開発校制度の活用等について検討する必要があります。
指標
バリアフリー整備校 (目標)2 校 →
(実績)2 校
③【安全な学校給食の提供と食育の推進】については、施策の方向として、
「地産地消と
多様な献立と栄養バランスに配慮した安全な学校給食の提供」「食育の推進」を掲げ、
施策を進めてきました。学校給食調理業務等の委託や、公会計処理により事業の効率
化、透明性を図りながら、衛生管理を徹底した安全な給食の提供が行われています。
また、地元産の農産物を食材に活用することにより、地元の農業等について理解を深
め、安全安心な学校給食の提供が図られました。米飯給食施設の整備によって、県立
住田高校への昼食、陸前高田市への米飯給食を提供するとともに、より一層の品質管
理、衛生管理を徹底しながら、学校と連携し、食に関する指導を充実させていく必要
があります。
指標
・食中毒事故発生件数 (目標)0 件 → (実績)0 件
・食育に取り組む学校数 (目標)全校
→ (実績)全校
・食指導の実施回数 (目標)全校全学年 1 回以上/年 → (実績)4 回/年
・町内産食材利用割合 (目標)40% →
(実績)32%
(4)社会教育を充実します
①【家庭教育】については、施策の方向として、
「父親や祖父母への家庭教育の意義の浸
透」「学習情報の提供、家庭教育に関する親などへの学習機会の提供」「教育振興運動
の充実と地域ぐるみでの子どもを育てる環境づくり」を掲げ、施策を進めてきました。
家庭教育の支援を進めながら、乳幼児学級、家庭教育学級を開催してきました。これ
によって、様々なテーマで講演会を開催し、保育園・小中学校保護者を中心に家庭教
育の大切さの認識を深めています。今後も、内容や開催方法を工夫しながら、効果的
な事業実施を図っていく必要があります。
指標
・家庭教育学級開催校等 (目標)全校
→ (実績)全校
・家庭教育学級参加者数
(目標)保・小・中学校生徒対象世帯の 6 割(60%) → (実績)96%
②【乳幼児教育】については、施策の方向として、「子育てサークルとの連携強化」「乳
幼児教育の学習機会や情報の提供」を掲げ、施策を進めてきました。家庭教育学級と
同様、家庭教育の支援を進めながら開催してきました。今後も、内容や開催方法を工
- 12 -
後期基本計画<総論>
夫しながら、効果的な事業実施を図っていく必要があります。
指標
・乳幼児家庭教育学級開催回数
(目標)8 回 → (実績)9 回
・乳幼児学級の参加者数 (目標)15 人
→ (実績)39 人
③【少年教育】については、施策の方向として、
「自ら伸びようとしている少年への体験
の場の提供」を掲げ、施策を進めてきました。青少年劇場の開催は、生の芸術に触れ
る貴重な機会となっています。すみたコミュニティスクール事業では、町内小学校か
ら毎年 40 名程度の児童が参加し、地域の人材を活用して学校では体験できないような
学習を行いながら、楽しく活動しています。今後も、学校だけでは体験できない機会
をつくっていく必要があります。
指標
・教育振興運動実践地区数 (目標)全地区 → (実績)全地区
・教育振興運動関係事業等の参加者数
(目標)小・中学校生の 90%以上 → (実績)99%
④【青年教育】については、施策の方向として、
「先進的な企画や取り組みに触れる機会
の提供」「リーダーの創出と自主的な活動への発展」を掲げ、施策を進めてきました。
青年教室として、ボランティア事業を実施し、青年たちの集う機会をつくってきまし
た。青年層の減少とともに、社会や地域とのつながりも薄れている現状にありますが、
今後も、青年活動の活性化を促すためにも、青年たちが交流を持てる機会を増やして
いく必要があります。
指標
・ボランティア活動参加者数 (目標)延べ 40 人
→ (実績)延べ 172 人
・ボランティア団体の立ち上げ
(目標)1 団体 → (実績)0 団体
・各自治公民館青年活動事業
(目標)5 回
→ (実績)5 回
⑤【成人教育】については、施策の方向として、
「学習要求に応える各種情報の提供及び
学習環境の整備」「地域づくりの担い手として世代の中心となり実践できる力の養成」
を掲げ、施策を進めてきました。町民講座を継続して開設しています。そのうち、古
文書、絵画講座等はサークル化が図られました。歴史文化講座については、文化財ボ
ランティアの発足と活動につながっています。ボランティア関連講座は各種ボランテ
ィアの育成に寄与しています。今後も、講座の充実を図って、地区公民館と自治公民
館との連携を図りながら、生涯学習の更なる充実を図っていく必要があります。
指標
・ボランティア活動参加者数 (目標)延べ 15 人 → (実績)延べ 172 人
・各自治公民館自主事業数
(目標)2 回 → (実績)6 回
⑥【男女共同参画】については、施策の方向として、「男性を含めた意識改革のための学
習機会と情報の提供」を掲げ、施策を進めてきました。また、平成21年には住田町
- 13 -
後期基本計画<総論>
男女共同参画推進本部を立ち上げ、平成22年には住田町男女共同参画計画を策定し
て、施策を総合的かつ計画的に推進するよう体制等の整備を図りました。女性リーダ
ーを対象とした講座を開催し、講話や学習会、視察研修を通して、日常生活とは違っ
た視点から、地域と自分を見つめる機会を創出しました。今後も、自らが教師、リー
ダーとなる参加の在り方を検討しながら、他市町村との交流を行い、リーダーとして
の自覚、自主性を育むきっかけづくりをしていく必要があります。
指標
講座参加者数 (目標)延べ 300 人 →
(実績)延べ 305 人
⑦【高齢者教育】については、施策の方向として、
「豊かな経験と知識を生かした社会参
画の推進と学習の機会の充実」を掲げ、施策を進めてきました。高齢者教室を継続し
て開設しています。世代間交流や他地区教室との交流により参加意欲の向上が図られ
ています。また、高齢者の豊富な知識、経験を生かすことができ、新たな生きがいと
楽しみを見いだす機会となっています。今後も従来通りの事業を進めながら、自らが
教師、リーダーとなる参加の在り方を検討していく必要があります。
指標
講座参加者数 (目標)延べ 200 人 → (実績)延べ 988 人
⑧【生涯学習と「森林(もり)の科学館構想」】については、施策の方向として、「幼児
から高齢者まで各年代に応じた「森林環境教育」を系統的に展開」「町内外への本町の
実践とその成果のアピール」を掲げ、施策を進めてきました。森林環境教育推進事業
を実施し、保育園児から小・中学生・高校生まで森林内での多様な体験活動などを通
じて人々の生活や環境と森林との関係について学んでいます。今後、女性リーダー、
高齢者教室とも連携しながら、ニーズに合わせた効果的な事業展開を図っていく必要
があります。
指標
講座参加者数 (目標)延べ 700 人 → (実績)延べ 761 人
⑨【社会教育施設】については、施策の方向として、「地区の活動拠点としての地区公民
館整備」
「中央公民館や地区公民館図書室の蔵書の充実と読書活動を促す取り組み」
「子
育ての情報交換の場としての機能の充実」を掲げ、施策を進めてきました。地区公民
館については、五葉地区公民館の建替えや上有住地区公民館の全面改修を行い、安全
性の確保や地区の拠点施設としての整備が図られました。中央公民館については、図
書室の拡充と書籍の充実を図るとともに、開館時間を延長するなど利用者の利便性の
向上も図っています。今後は、下有住地区公民館の建設について、地元と協議しなが
ら進めていく必要がありますし、さらに各地区公民館の利用促進を図っていく必要が
あります。
指標
・図書室利用者数
(目標)延べ 6,000 人 → (実績)延べ 8,118 人
・地区公民館利用者数 (目標)延べ 4,000 人 → (実績)延べ 16,656 人
- 14 -
後期基本計画<総論>
(5)スポーツ、レクリエーションを振興します
①【スポーツの振興】については、施策の方向として、
「子どもから高齢者まで町民が生
涯にわたりスポーツに親しめる機会の提供」
「生涯スポーツの普及・推進のため体育指
導者の養成と資質の向上」
「競技スポーツの向上のための自主管理運営の促進」を掲げ、
施策を進めてきました。ニュースポーツの紹介や普及のため、また、各種競技種目に
ついても教室を開催し、生涯を通じてスポーツレクリェーションを楽しむきっかけづ
くりと各スポーツの普及の場を創出しています。スポーツ推進委員は本町スポーツ教
室の指導や運営に大きな役割を果たしており、スポーツ振興に欠かせない存在となっ
ています。今後についても、スポーツ推進委員と各種目別協会が中心となり、地区公
民館等とも連携をとりながら、住民が参加しやすい教室や大会の運営を図って行く必
要があります。
指標
教室参加者数 (目標)延べ 150 人 → (実績)延べ 181 人
②【スポーツ施設】については、施策の方向として、「社会体育館や生涯スポーツセンタ
ー、運動公園の整備充実」「小中学校の体育館や校庭の開放」「運動公園の大規模改修
及び施設予約管理の整備」を掲げ、施策を進めてきました。小中学校の体育館や校庭
は、町民により利用が図られています。運動公園については大規模改修が実施され、
東日本大震災による近隣市町の野球場施設が被災したこともあり、利用頻度は極めて
高い状況にあります。平成 22 年度から、体育施設の維持、管理を町体育協会等に委託
することにより、管理体制の充実や利用促進が図られています。今後も、老朽施設の
改修などを実施し、より良いスポーツ環境を提供するための施設整備を行っていく必
要があります。
指標
施設利用者数 (目標)延べ 42,000 人 → (実績)延べ 69,107 人
(6)芸術文化を振興し文化財を保護します
①【芸術文化の振興】については、施策の方向として、
「優れた芸術や文化に触れる機会
の提供」
「芸術文化活動の成果を発表できる機会の設定による日常の文化活動や各種団
体の活性化」「芸術文化講座の開設や自主活動グループの育成・支援」を掲げ、施策を
進めてきました。文化・産業まつりの開催によって、児童生徒や一般町民による文化
活動の発表や作品の展示、広く芸術に接する機会を提供しています。また、町内・気仙
地区内の各種行事に積極的に参加し、芸術文化活動の活発化が図られてきました。今
後も、文化・産業まつりは、芸術活動の成果を発表する場として、重要な場となって
いることから、引き続き継続して開催していく必要があります。
指標
文化産業まつり等出品者数 (目標)500 人
→ (実績)615 人
②【文化財の保護と活用】については、施策の方向として、
「文化財の調査研究、保護保
- 15 -
後期基本計画<総論>
存、継承及び生涯学習活動のための整備」「国指定名勝『イーハトーブの風景地
種山
ヶ原』の保存管理計画の策定」を掲げ、施策を進めてきました。町内の文化財資料及
び民俗資料の保管・展示施設としての機能の充実を図るため、民俗資料館施設の修繕
とリニューアルを行いました。特にも平泉の世界文化遺産登録に関連する資料として
産金コーナーにかかる展示を充実しました。また、栗木鉄山跡の石垣修復のため、調
査の実施と記録保存を行ったうえ、石垣の修復をしました。今後、民俗資料館のより
一層の展示の充実と利便性の向上を図っていく必要がありますし、栗木鉄山跡地を国
内有数の産業文化遺跡として調査、保存をしていく必要があります。
指標
・郷土芸能保存団体数 (目標)現状維持 → (実績)現状維持(15 団体)
・民俗資料館入館者数
(目標)延べ 300 人/年
→ (実績)延べ 413 人/年
(7)国際交流を推進します
施策の方向として、
「保・小・中・高の継続した系統的な国際理解教育と海外派遣事業
の継続」「町内外在住の外国人との交流の場や機会の提供による相互理解と友好親善」
を掲げ、施策を進めてきました。国際教育教員の派遣を受けながら、保育園、小学校
の国際理解教育(英語活動)が充実されましたし、中学校においても学力向上のための
英語学習の充実が図られました。平成 23 年度には、職員の採用も行ったので、今後一
層の英語学習を中心とした国際理解教育の進展が期待されます。
5.実がなりますように! ~環境の保護~
(1)心地よい生活環境をつくります
①【自然環境の保全】については、施策の方向として、「ごみ不法投棄対策」、職員によ
る監視活動、県、民間との合同パトロールの継続、ボランティア監視員による日常的
なパトロールの強化、警察、県、土地所有者などと連携による不法投棄廃棄物の処理」
「河川の水質保全」
「公共下水道への接続促進、合併処理浄化槽設置への補助及び監視
体制の強化」を掲げ、施策を進めてきました。町内に不法投棄されているごみは、町
公衆衛生組合連合会と町との連携により調査・回収し環境美化を図っていますが、ご
みの不法投棄が後を絶たないことから、引き続き監視と調査を進めていきます。また、
気仙川の水質調査によって、環境施策の基礎データを収集し、調査結果を町民に周知
することで、気仙川の水質保全への意識の高揚が図られました。一般家庭への浄化槽
の設置整備に対して補助を実施することによって、浄化槽の整備がすすみ、気仙川の
水質保全につながっています。それでも、まだまだ整備率は高い状況にはありません
ので、浄化槽の効用と補助制度の更なる周知を図っていく必要があります。併せて、
単独浄化槽から合併処理浄化槽の切り替えについても促進していく必要があります。
指標
環境基準による河川類型「A類型」の維持
- 16 -
(目標)維持 → (実績)維持
後期基本計画<総論>
②【森林の保全】については、施策の方向として、
「森林の施業の適切な実施及び森林管
理認証の普及」
「森林の持つ水源かん養機能や国土保全機能、二酸化炭素固定機能など
の多面的機能に配慮した森林施業推進」を掲げ、施策を進めてきました。当町の取得
しているFSC森林管理認証は、世界的な森林生態系の保護意識の高まりを背景とし
て生まれた「適正な森林管理」を認証する制度であり、環境保全の観点から見て適切
で、社会的な利益にかない、経済的に見ても持続可能性の高い森林管理を行っている
ことの証明であり、林業振興対策事業補助金等を活用した森林認証林の加入拡大が、
直接森林の保全に繋がるとの認識のもと取組みを進めています。
指標
人工林率 (目標)50.0% → (実績)53.8%
③【地球温暖化対策の推進】については、施策の方向として、「公共施設における省エネ
ルギー・省資源、リサイクル化への先導的な取り組みの実施」「家庭や事業者への意識
啓発」を掲げ、施策を進めてきました。平成 15 年度に策定された住田町地球温暖化防
止対策実行計画へ取り組み、目標の 8%削減に対して、平成 20 年度には 12.6%の削減
を達成しました。
指標
CO2 排出量平成 12 年度比 8%削減 (目標)8%削減 → (実績)12.6%削減
④【新エネルギー】1)自然エネルギー資源の活用については、施策の方向として、「町の
特徴的な自然エネルギー資源を活用した新エネルギーの導入」を掲げました。自然エ
ネルギーの導入については、実現していませんが、東日本大震災によって災害時のエ
ネルギー確保の重要性が再認識されたところですので、導入の可能性について引き続
き検討していく必要があります。役場公用車について、ハイブリッド車などの導入を
積極的に図ってきました。今後も公用車の更新にあたっては、クリーンエネルギー車
の導入を進めていく必要があります。
指標
・クリーンエネルギー自動車の購入
(目標)3 台 → (実績)2 台
・公用車(ディーゼル車)全7台へのバイオディーゼル燃料の導入
(目標)7 台 → (実績)3 台
2)木質バイオマスエネルギーについては、施策の方向として、「木質燃料燃焼機器の導
入による環境意識の向上」「木質燃料燃焼機器の導入推進によるCO2の排出量の削
減」「林地残材のエネルギー等への利用推進」「林地残材を木工団地のボイラーへ供給
するシステムの確立」を掲げ、施策を進めてきました。木質バイオマスエネルギーの
活用については、すでに木工団地へ、木質ペレット製造施設や木屑焚きボイラー、発
電施設の導入などハード面の整備を行ってきたところであり、この施設を有効に活用
するため、一般家庭で木質燃焼燃料機器を導入する際の補助制度を設け、導入を促進
する取組みを始めており、これを継続し、ペレット供給量の拡大や林地残材の利用を
- 17 -
後期基本計画<総論>
進めていく必要があります。
指標
・木質燃料燃焼機器の導入台数
(目標)ストーブ 10 台/年
→ (実績)1 台/年
・木質ペレット生産販売量 (目標)300t/年 → (実績)306t/年
⑤【水資源の保全】については、施策の方向として、「水源かん養機能の保全」を掲げ、
施策を進めてきました。整備が遅れ水源かん養機能が低下している森林の所有者に対
し、FSC森林認証グループへの加入を促し、林業振興対策事業等により、作業道、
搬出道の開設を進め、間伐等の搬出、運搬に係る費用の削減を図りながら森林整備を
一体的に進め、水源かん養機能の回復を図りました。引き続き保全が必要な森林の整
備を進めていく必要があります。
⑥【廃棄物の適正処理】1)ごみ処理については、施策の方向として、
「ごみ減量化の推進、
生活系ごみの排出抑制、生ごみの有効活用、資源リサイクル化」
「ごみの効率的な処理
の推進、現在の効率的な収集処理体制を維持及び新たな枠組みの広域処理についての
検討」を掲げ、施策を進めてきました。ごみ減量対策として、ごみ減量推進員を設置
して、町内のごみ排出状況を調査して実態を把握しました。さらに、調査結果をチラ
シ等で周知して、ごみ減量の意識啓発と生ごみ処理対策(ダンボールコンポスト)の
普及を図ることができました。沿岸南部の 3 市 2 町が、共同で運営する新しい清掃工
場が完成し、ごみ処理全般に係る効率化と運営にかかるコストの削減が期待されます。
今後は、生ごみ処理容器等の普及によって生ごみの減量化対策と、資源古紙回収によ
って分別の徹底強化を進めるとともに、さらには、広域によるゴミ分別も検討してい
く必要があります。
指標
ごみ排出量〈平成 23 年度〉 (目標)1,750t → (実績)974t
2)産業廃棄物については、施策の方向として、
「県との連携による産業廃棄物処理業者
等に対する監視体制の強化」を掲げ、施策を進めてきました。これまでも県と連携し
ながら産業廃棄物処理業者等に対する監視や調査を実施してきました。今後も継続し
て、定期的に調査、監視を実施していく必要があります。
3)し尿処理については、施策の方向として、
「公共下水道や浄化槽の設置による河川の
汚濁防止」
「広域による効率的な収集処理体制の維持」を掲げ、施策を進めてきました。
一般家庭への浄化槽の設置整備に対して補助を実施して、浄化槽の整備を進めてきま
した。引き続き、浄化槽の効用と補助制度の更なる周知を図っていく必要があります。
し尿処理に関する事務を共同処理するための、広域連合により町内のし尿の収集処理
が円滑に行なわれてきました。施設の大規模改修は終了しましたが、東日本大震災の
- 18 -
後期基本計画<総論>
被災によっての修繕に対応していく必要があります。
指標
汚水処理施設整備率
(目標)54%〈下水道 34.1%、浄化槽 19.9%〉
→ (実績)50.6%〈下水道 31.2%、浄化槽 19.4%〉
⑦【生活道路の整備】については、施策の方向として、
「町道の改良舗装及び景観に配慮
した道づくり」を掲げ、施策を進めてきました。町道の維持補修工事、除雪等を実施
し、町道を良好な状態に維持してきました。また、道路改良、舗装等工事を施工し、
住民の生活路線を確保し、日常生活の利便性の向上が図られるともに、地域経済の活
性化の促進、観光振興に寄与しました。今後も引き続き、住民の生活路線の確保を第
一義として取り組んでいく必要があります。
指標
・改良
8 路線 (目標)延長 3,800m →
(実績)1,644m
・舗装 10 路線 (目標)延長 5,800m〈舗装規模 29,000 ㎡〉
→ (実績)3,080m〈舗装規模 15,400 ㎡〉
⑧【河川の整備】については、施策の方向として、
「自然景観に配慮した河川の保全及び
水質の保持」を掲げ、施策を進めてきました。町民総参加河川清掃は、春・夏の町民
行事に定着しています。実施によって河川の環境保全、町民の環境美化意識の高揚が
図られています。今後も引き続き実施し、河川への生活雑排水を放流しないための意
識向上と公共下水道への接続や合併処理浄化槽設置の向上を図っていく必要がありま
す。
⑨【町営住宅の整備】については、施策の方向として、
「町営住宅の建設・森林認証材を
利用した町営住宅の建設・入居条件を緩和した特定公共賃貸住宅の整備」
「町営住宅の
バリアフリー化・町営住宅のバリアフリー化の推進」「定住住宅建設・入居条件等の緩
和を図った定住促進住宅の建設」を掲げ、施策を進めてきました。町営住宅の修繕、
維持管理等を行い、維持保全を図るとともに、新たに定住促進一般世帯用住宅及び定
住促進単身用集合住宅を建設し定住環境を整備しました。今後は、東日本大震災で被
災した方々への住宅供給も視野に入れながら、老朽化した既存町営住宅の住み替え等
のために、引き続き町営住宅を整備していく必要があります。
指標
町営住宅の建設 (目標)14 戸 → (実績)6 戸
⑩【上下水道の整備】1)簡易水道施設の整備については、施策の方向として、「五葉簡易
水道の早期完成」「民営の川口簡易水道の安定した給水確保」を掲げ、施策を進めてき
ました。五葉地区では、五葉飲雑用水施設を整備し、平成 20 年 4 月 1 日に供用開始さ
れました。また、世田米簡易水道事業、八日町簡易水道事業、下有住簡易水道事業、
五葉簡易水道事業、民営川口簡易水道事業を統合し、住田町簡易水道事業として認可
- 19 -
後期基本計画<総論>
を受けました。このことによって、各簡易水道事業の運営を1本にし、効率的な運営
を行うことができるようになりました。そして、旧町営世田米簡易水道事業と旧民営
川口簡易水道事業の施設統合事業を平成 24 年度完成に向けて進めています。今後も施
設の維持管理に努め、安定した水の供給をしていく必要があります。
指標
簡易水道普及率〈H23〉 (目標)55.0% → (実績)57.0%
2)集落水道の整備については、施策の方向として、
「自家水共同施設の更新・新設等に
配慮した集落水道の整備」を掲げ、施策を進めてきました。簡易水道給水区域外の地
区の住民が実施した、飲料水施設整備事業に対して補助を行い、経費の負担減を図る
とともに、安全で安定的な飲料水の確保に寄与しました。今後、飲料水供給施設の共
同化を進めていくとともに、簡易水道給水区域の拡大も検討していく必要があります。
指標
集落水道整備地区数
(目標)5 地区 → (実績)5 地区
3)公共下水道等の整備については、施策の方向として、
「下水道区域における下水道へ
の接続率の向上」「下水道区域外における浄化槽の普及拡大」「事業運営の効率化と経
営の安定化」を掲げ、施策を進めてきました。一般家庭の浄化槽の設置整備に対して
補助することにより、浄化槽の整備を進めてきました。また、浄化センター及びマン
ホールポンプ等管渠の維持管理を行ったことにより、汚水処理を適正に実施し公共用
水域の環境保全に効果を上げました。今後、公共下水道への接続率の向上と、区域外
での合併処理浄化槽の普及促進について、一層周知を図っていく必要があります。
指標
汚水処理施設整備率
(目標)54%〈下水道 34.1%、浄化槽 19.9%〉
→ (実績)50.6%〈下水道 31.2%、浄化槽 19.4%〉
⑪【公共交通】については、施策の方向として、
「バス運行の確保」を掲げ、施策を進め
てきました。JR バスの廃止路線を住田交運によって代替バス路線を維持し、岩手県交
通の路線については広域生活路線運行として確保してきました。平成 22 年度には住田
町コミュニティバスの実証運行を実施し、平成 23 年度からは本格運用を開始しました。
これによって、住民の移動手段の確保と利用促進が図られています。また、コミュニ
ティバス利用者を対象に聞き取り調査を実施し、利用者の意見、要望を反映した運行
を図りました。今後も公共交通の維持に関する総合的な調査、検討を実施して、民営
路線バスも維持しながら、住民ニーズを把握して町営バスの利便性の向上を図ってい
く必要があります。
⑫【道路ネットワーク】については、施策の方向として、「国道の改良整備の促進・国道
4 路線の整備・新幹線、東北自動車道、花巻空港等へのアクセス時間の短縮による、内
陸部との交通格差の是正・[国道 107 号]新白石トンネル、小股~荷沢間の改良整備の
- 20 -
後期基本計画<総論>
促進・
[国道 340 号]窪田~火石間の改良整備、川口地区、両向地区の改良整備の促進・
[国道 397 号]小股~大股間、高屋敷工区の早期完成の促進・[国道 283 号]仙人峠道
路のアクセス道の整備と一般車両の供用の早期実現」
「県道の改良整備の促進
一般県
道の 4 路線については、一車線区間・狭隘区間の解消等による改良整備の促進」を掲
げ、施策を進めてきました。対県要望等活動は継続して実施しているところですが、
なかなか本町が希望するような形では実現に至っていない状況にあります。しかしな
がら、特にも東日本大震災後は、本町を通る国・県道のうち国道 397 号と国道 340 号
は、気仙地区沿岸の復興道路として重要な役割を担っている現実もあり、早期の改良
整備がなされるよう強く要望をしていく必要があります。
⑬【情報化】については、施策の方向として、「地域情報通信基盤の整備・都市部との格
差のない整備」
「各種交流の支援・ホームページの内容充実・住民への行政情報の積極
的な提供・全国に対する町の情報発信による各種交流の支援」を掲げ、施策を進めて
きました。携帯電話の不感地帯を解消するため、移動通信用鉄塔を整備してきました。
地域情報通信基盤施設整備をすすめ、テレビの地上デジタル放送、超高速ブロードバ
ンド、公共ネットワークの整備、確実な防災情報の伝達など、抱える情報化課題の解
決が図られました。今後も、携帯電話不感地帯の解消を図るための基盤整備とホーム
ページなど情報提供サービスの内容を充実して行く必要があります。
指標
インターネット接続世帯の割合
(目標)50% → (実績)33%
⑭【川向地区再開発】については、施策の方向として、
「川向地区全体の一体的な整備」
を掲げ、施策を進めてきました。検討会を重ねてきましたが、まだ実現に至っていま
せん。検討会の検討結果を受けて、これまでの中心地域・中心商店街活性化構想と併
せて見直しを図り、新たな構想の体系付けを行い、中心地域活性化構想(川向地区整
備計画、中心地域活性化計画、役場新庁舎建設計画、中心地域景観形成計画)として
検討することとし、今後、それぞれの計画の整合性を図りながら、実現に向けて進め
ていくこととしました。
指標
・役場本庁舎の建設 (目標)建設 →
(実績)未建設
・運動公園の整備 (目標)整備 → (実績)整備済み
(2)安心な生活環境をつくります
①【消防防災対策及び救急業務の充実】については、施策の方向として、
「総合的な消防
防災体制の確立による災害に強い安全なまちづくり」を掲げ、施策を進めてきました。
具体的には、消防団の団員確保と活動環境の整備のため、消防屯所の改築、消防車両
の更新、団員装備の充実、陸上移動通信システムなどの整備を行い、各地域において
は耐震性貯水槽の設置、防災行政無線施設のデジタル化に対応した機器更新の事業着
- 21 -
後期基本計画<総論>
手、常備消防においては高規格救急自動車の更新を行うなど、災害に強いまちづくり
を進めてきたところです。今後は、東日本大震災の反省点も踏まえながら、防災行政
無線のデジタル化への移行も含めた設備更新、自主防災組織の活動活性化のための支
援、大規模災害に備えた非常用備蓄品等の整備を進めていく必要があります。常備消
防についても、消防車両や無線設備など計画的な更新を図る必要があります。
指標
火災ゼロ日数 365 日の達成 5 年間で 15 件〈H22 年度末〉
(目標)365 日 15 件 →
(実績)26 日 10 件
②【地域安全対策の充実】については、施策の方向として、
「総合的な交通安全及び防犯
体制の確立」を掲げ、施策を進めてきました。関係団体への支援を実施し、その活動
の活性化を図ってきました。また、安全施設についても、住民及び関係団体と連携し
ながら新たな設置や更新、修繕を進めてきました。今後も、犯罪発生を未然に防ぐた
め、又、交通事故の撲滅のため地域と一体となった防犯、交通安全活動を推進する必
要があります。
指標
交通死亡事故及び飲酒運転ゼロ日数の 365 日の達成〈H22 年度末〉
(目標)死亡 → (実績)220 日
(目標)飲酒 → (実績)132 日
③【消費生活の安定】については、施策の方向として、
「消費者の意識啓発と消費者保護
の充実」を掲げ、施策を進めてきました。これまで、広報やすみたテレビの静止画放
送を活用し、意識啓発のための情報提供を行ってきました。今後は、相談業務につい
て気仙地区で共同窓口を設置し、消費者保護のための体制を強化することとしていま
すので、その取り組みを推進する必要があります。
指標
消費活動に関わるトラブル等の未然防止
(目標)未然防止 → (実績)発生なし
(3)保健福祉を充実します
①【健康維持増進】1)母子保健については、施策の方向として、
「安全で安心した妊娠や
出産と育児の支援」を掲げ、施策を進めてきました。乳幼児の健やかな発育発達を促
すためには、必要性のあるものに加え、保護者のニーズも取り入れながら、柔軟に支
援を進めていく必要があります。今後も、乳幼児の発育発達を支援し、保護者の育児
に対する不安の軽減を図っていく必要があります。
指標
乳児死亡ゼロ (目標)0 人 → (実績)0 人
2)成人・老人保健については、施策の方向として、「生活習慣病予防対策の強化」「心
の健康づくり対策の推進」を掲げ、施策を進めてきました。各種健診や保健指導など
の保健活動によって、健康管理の重要性の意識向上と健康の保持、増進を図りました。
- 22 -
後期基本計画<総論>
また、医療機関と連携し、疾病の悪化防止に努めました。今後も、がん予防を中心と
した生活習慣病予防対策、東日本大震災による心的ストレスを念頭に置いた心の健康
づくり対策を中心に施策を展開する必要があります。
指標
80 歳未満で死亡する人の割合 40%未満を維持
(目標)40%未満 → (実績)31.8%
3)食育の推進については、施策の方向として、「家庭・学校・地域等の食育関係機関の
連携によるライフステージに沿った食育・食環境づくりの推進」を掲げ、施策を進め
てきました。食育を通した健康教育、相談事業を実施して、望ましい食習慣の定着の
ために、意識啓発を進めてきました。今後も、関係機関と連携を図りながら、進めて
いく必要があります。
指標
・朝食欠食者の割合
小学生 (目標) 5.0% → (実績)3.4%
中学生 (目標)10.0% →
(実績)1.0%
高校生 (目標)15.0% →
(実績)32.7%
・極端な偏食がある者の割合 小学生 (目標)15.0% → (実績)18.2%
中学生 (目標)25.8% →
(実績)24.4%
高校生 (目標)20.0% →
(実績)27.8%
②【医療体制】については、施策の方向として、
「県立住田病院の診療科目の充実を図る
ための県への要望」を掲げ、施策を進めてきました。住田町地域医療対策協議会を立
ち上げ、検討し、対県要望等活動は継続して実施しているところですが、実現に至っ
ていません。今後は、住田地域診療センター2 階の病床復活や診療科目の充実を要望し
ていく必要があります。
指標
診療体制
(目標)県立病院 1 ヶ所、一般診療所 2 ヶ所、歯科診療所 2 ヶ所 計 5 ヶ所
→(実績)県立病院付属診療所 1 ヶ所、一般診療所 2 ヶ所、歯科診療所 2 ヶ所
計 5 ヶ所
(4)社会福祉を充実します
①【障がい者福祉】については、施策の方向として、「福祉サービスの充実」「相談支援
体制の整備・機能強化」
「地域活動支援体制の整備・機能強化」
「一般就労支援」
「保健・
医療・福祉の連携」「障害の発生予防」「バリアフリーの推進」を掲げ、施策を進めて
きました。障がい者の自立を支援する事業や地域生活を支援する事業に取り組み、障
がい者の経済的負担の軽減や、必要なサービスの提供を進めて、相談体制を整備して
これにあたってきました。今後も、住み慣れた地域で自立して生活していくための支
援を続けていく必要があります。
指標
施設入所者の割合 (目標)10%の減少 →
- 23 -
(実績)8.0%の減少
後期基本計画<総論>
②【高齢者福祉】については、施策の方向として、
「包括的支援事業の充実・要介護状態
でのニーズに応じたサービスの提供」「介護予防の充実・通所型・訪問型の介護予防サ
ービスの充実」
「自立と共助の推進・一人暮らしや高齢世帯における生活支援の充実と
家族の支援・地域全体が助け合い、支え合う地域福祉コミュニティの推進」
「生きがい
と社会参加活動の推進・高齢者の豊かな経験や知識・技術を生かせる場の確保」を掲
げ、施策を進めてきました。今後も高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を継続
していくことができるように、介護予防への取り組みとサービス基盤の整備を図って
いく必要があります。特に在宅の重度要介護者に対する家族の介護負担が増大してい
ることから、入所待機者の解消に向けて、特別養護老人ホーム移転改築について調査
検討し、第 5 期介護保険事業計画期間内での実現に向けて取り組む必要があります。
また、シルバー人材センターは解散しましたが、元気な高齢者が経験や技術を活か
し、生きがいを持って社会参加できる施策を一層充実させる必要があります。
指標
シルバー人材センター登録者数 (目標)100 人 → (実績)72 人〈解散時〉
6.仲良くできますように!
~協働の推進~
(1)自助と協働のご近所をつくります
施策の方向として、「地域コミュニティーの維持、充実」「組織活動の支援・自治公民
館や地域づくり組織の自主的な活動支援と、関係機関、団体との連携強化」
「施設の整
備・活用・コミュニティー活動の拠点となる各自治公民館整備への支援・社会教育施
設の開放促進による地域コミュニティー活動の場の整備充実」を掲げ、施策を進めて
きました。地域づくりの主要な役割を担っている自治公民館の活動を支援し、併せて
自主的な生涯学習事業の活動促進を図るとともに、地区公民館との連携についても取
り組んできました。今後も、継続した取り組みを進めていく必要があります。
指標
自治公民館数 (目標)22〈現状維持〉 →
(実績)22〈現状維持〉
(2)協働によるまちづくりを進めます
施策の方向として、
「住民と行政との協働体制の構築・自発的な町づくり団体などと連
携した協働の推進体制づくり」
「コミュニティビジネスへの進展・コミュニティビジネ
スが期待できる活動への支援」を掲げ、施策を進めてきました。平成 19 年度からの新
たな地区別計画について、従来同様、補助事業による財政支援と地区担当職員配置に
よる人的支援を行ってきましたが、次第に住民主体、地域主体の事業推進体制に移行
させてきました。各地区では、事業の見直しを行い、地区の課題に即した地域づくり
事業が継続的に実施されてきましたが、地区によっては活動が停滞する地区もみられ
ました。今後は、地域が主体となって活動を継続する地区に特化した支援を実施して、
地区別計画の推進を図っていく必要があります。
指標
新規コミュニティビジネスの数
(目標)5 団体 → (実績)4 団体
- 24 -
後期基本計画<総論>
第2節
後期基本計画(平成 24~28 年度)の目標
ずっと暮らせる地域社会
「産み」「育て」「守る」を基本に「安心してずっと暮らすことのできる地域」をめざ
し、心地よく、安心な暮らしのできる地域社会の実現を図ります。
1
豊かな自然と安らぎのあるふるさとに、新しい人と家族の未来を創造します
先人から豊かな自然を引き継ぎました。
先人から穏やかな暮らしを引き継ぎました。
今、最も必要とされているのは息吹です。
春の新緑は人に活力をもたらします。
新しい生命は周囲をも動かす力を秘めています。
まぶしい生命の誕生は人に社会に波紋を広げます。
「1.37」が※1日本の合計特殊出生率です。
田舎は力があります。
都市の数字に惑わされることなく、この地で「産む」ことを見直します。
※1)日本の合計特殊出生率:平成 21 年厚生労働省「人口動態統計」
2
人の和と恵みのふるさとに根づいた、人と産業を育成します
この土地への想いがあります。
この土地への願いがあります。
この土地へ新たに根付こうとする希望があります。
深く根を張り、大きく葉を広げ、高く伸びる。
そんな大樹が必要です。
大樹が育つ時間と空間はここにあります。
心地よい時間と空間が田舎の優しい気持ちを育んでいます。
凝縮された時間と空間は、都市の人と産業を磨きます。
人も産業も創られ磨かれて成長します。
優しい気持ちを大切にしつつ、
研ぎ澄まされた感性を持った時代が求める人と産業を育成します。
- 25 -
後期基本計画<総論>
3
守り育てた伝統と育まれた工の技を、次の世代へ継承します
この地を守る責任があります
未来へつなげる責任があります。
今の豊かな環境は、未来の人の財産です。
今は過去からの贈り物、そして未来から借りたものです。
私たちには責任があります。
とぎれることなく持続するという責任があります。
先人の培った“住田町”を未来の子どもたちに伝えていきます。
人口はしばらく減少を続けます。
その中で大切なことは、この地域がずっと持続していることです。
地域の持続のため、計画は絞り込んだものとなっています。
目標として掲げた 3 つの要素は、「産み」
「育て」
「守る」ことです。
大切なこの地がいつまでもここにあるためには、この 3 つが必要です。
- 26 -
〈計画の推進〉
後期基本計画<計画の推進>
第1章
基本姿勢
第1節
協働による町づくり
基本構想が目標とした「安心してずっと暮らすことのできる地域」を未来の子どもた
ちのために残していくためには、住民と行政が協働し、計画を推進していく必要があり
ます。
(1) 出来るだけ多くの情報を共有化するため、住田テレビを活用した自主放送番組やホ
ームページの充実を図るとともに、加えて広報誌や配布文書を活用した情報の発信に
努めます。
(2) 住民が行政に対して積極的に意見や提言が出来るよう、電話やファックス、郵便、
電子メールなど、いずれの手段でも受け付けできるような環境の整備をしています。
(3) 各地区の特色を生かした町づくりを推進するため、住民の意見による地区別計画を
支援します。
第2節
効率的な行財政運営
住民の期待と信頼に応えうる「今」に対応した効率的な行政組織体制、運営体制の確
立のため、平成 22 年に策定した行政改革大綱に基づき運営改善を図る必要があります。
(1) 開かれた町政の推進を図るため、広聴広報や情報公開制度の充実による住民の町民
への関心を高める環境づくりを図り、積極的に行政情報を公開し、町民との情報の共
有化に努めます。
(2) 職員個々の政策形成参画による意欲の向上、職務の実践能力向上のための職員研修
の充実、人事交流の推進等に努めるとともに、行政運営を効率的に行うため、組織体
制を見直し、適切な人員配置に努めます。また、事務効率化のための電子化推進、執
務環境の向上に努めます。
(3) 直接住民に接する公共サービス提供者として頼りにされる職員として、また地域活
動の中心的な担い手として、元気な町職員の育成を図ります。
(4) 組織としての施策の管理機能、横断的な調整機能の充実を図り、
「あれもこれも」で
はなく緊急度と優先度を重視する行政執行体制の確立に努めます。
(5) 自主財源の確保のため、課税客体の的確な把握、受益者負担の適正化などの公平負
担の徹底、徴収の向上に努めるとともに、事務事業の簡素化・効率化に努め、健全な
財政運営の確保を図ります。
第3節
広域との連携
本町は、大船渡市や陸前高田市と連携し、気仙広域連合や大船渡地区環境衛生組合、
大船渡地区消防組合を設置し、し尿収集処理や介護保険認定事務、ゴミ収集処理、消防
救急業務等を共同で事務処理しています。また、産業や観光の振興、道路整備などの課
- 27 -
後期基本計画<計画の推進>
題別に、関係市町村で構成する協議会等に加入しています。
住民の生活圏が拡大していることや、効率化を図るための広範囲での市町村連携の取
り組み強化が求められていることから、一層の広域行政の推進を図る必要があります。
(1) 気仙 2 市 1 町の歴史的な繋がりを重視するとともに、地域の特性を尊重しながら機
能分担を図り、連携事業の充実を図ります。
(2) 広域連合や一部事務組合での処理事務の拡充を図り、広域連携を推進します。
(3) 課題別に組織されている各種協議会等についても、連携強化を推進します。
第4節
国、県との連携
本計画の目標達成のためには、町単独だけではなし得るものではなく、国や県の施策
と相乗的に展開されることにより実現に向かうものです。今後においても、国、県事業
の積極的な導入と、その促進を図る必要があります。
(1) 国、県の施策等の迅速な情報収集に努め、国、県事業の積極的な誘導を図ります。
(2) 国、県との緊密な連携を図り、国、県の施策を活用した事業導入を推進します。
第2章
計画の管理
第1節
進捗状況の管理
この計画は、町民に広く周知するとともに、毎年度、計画の方向性に沿った取り組み
の実施状況を把握し、取りまとめます。
具体的には、5 か年度計画で毎年見直しを行う実施計画を策定する際に、前年度までの
実績により計画の進捗状況を把握し、そのうえで新年度以降の実施する事業の検討を行
うものとします。
第2節
柔軟な対応
町の行財政運営は、今後、この計画に掲げた方向を基本に進めていくものですが、今
後の経済社会の動向の変化や東日本大震災からの復旧・復興に係る状況の変化、新たな
課題の出現など、現時点で予見できないものもあると考えられます。
したがって、計画の着実な推進に努めながらも、計画を硬直的なものとせず、その時
点で最良と考えられる方策を選択し、柔軟に課題に対応していく必要があります。
- 28 -
〈プロジェクト〉
後期基本計画<プロジェクト>
「住田い町の物語」創造プロジェクト(前期)の総括
1
【起】「交流ステップアップ」プロジェクト
目標を達成するために、
「交通の要衝、気仙川、滝観洞などを活用し、所得向上を推
進すると共に、交流人口の増加を図ります」
「結婚対策として、有効なシステムを構築
し、婚姻数と定住人口の増加を図ります」という項目を掲げ、施策を進めてきました。
一般国道 283 号仙人峠道路に悲願の滝観洞インターチェンジが開設され、滝観洞への
観光客入込数の増加が期待され、増加傾向にありましたが、東日本大震災の地震被害
により、洞内の一部が崩落し、入洞が出来ない状況となっています。また道の駅「種
山ヶ原」においては、被災地支援へ向かう方たちの通行により例年以上の利用者とな
っています。今後、東日本大震災の被害や影響で状況が変化していることから、この
変化に適切に対応していく必要があります。また、結婚対策については、結婚対策推
進懇談会の設置や結婚相談員を設置することによって、結婚対策への理解の広まりと、
結婚希望者やその家族の相談しやすい環境が整備されましたが、婚姻数の増加にはつ
ながっていない状況です。今後も、結婚相談員による相談業務や出会いイベント開催
の支援など、粘り強く事業を継続していく必要があります。
指標
1 入込数(H22 滝観洞・遊林ランド種山・道の駅種山ヶ原)
2
(目標)200,000 人 → (実績)107,431 人
計画期間中の結婚対策効果数 (目標)10 組増 → (実績)0 組増
2
【承】「定住システム構築」プロジェクト
目標を達成するために、
「多様な町営住宅を提供し、退去者等に持家取得の促進を図
るなどの定住システムを構築し、人口の増加を図ります。併せて、民間住宅の建設を
振興するなど住宅環境を整備し、人口の増加を図ります」「出産環境の整備と保育環境
の拡充を行い、出生数の増加を図ります」「 民間空家や遊休農地を活用しながら、移
住促進システムを構築し、移住者の増加を図ります」という項目を掲げ、施策を進め
てきました。民間賃貸住宅については、目標を上回る建築戸数となっています。しか
し、持ち家の取得については、目標の 4 割程度、空家住宅の紹介による契約成立件数
も 3 件と目標を下回っています。住むところと働く所は密接な関係があります。今後
は、働く場所、雇用の確保がさらに強く求められていますので、その実現に努めなけ
ればなりません。また、東日本大震災によって、津波の来ない地域に住みたいと思う
方々の要望があれば、それに応える体制を整えることも必要となります。出産環境の
整備については、県の事業である IT を活用したイーハトーブ事業に参加し、安心して
出産できる体制を図っています。
指標
1 平成 19 年度から平成 23 年度までの新町民(出生数+転入者数)
(目標)1,000 人 → (実績)660 人
3
【転】「くらし豊かさ実感」プロジェクト
目標を達成するために、
「森林・林業日本一の町づくりを推進し、木材流通システム
を発展させ、林産物の差別化などを行い、従事者の所得向上を図ります」
「安全農業を
推進し、農産物の差別化や産地化、経営者の育成などを行い、農家の所得向上を図り
ます」
「企業誘致や企業支援を行い、就労の場の拡大と町民所得の向上を図ります」と
いう項目を掲げ、施策を進めてきました。林業への新規就業者、大槌・気仙川流域に
おける木材流通量は、目標を上回っています。しかしながら、そのほかでの目標に対
- 29 -
後期基本計画<プロジェクト>
する実績は、成果が上がっていない状況です。町民アンケートでも多くの意見が寄せ
られている部分ですので、今後、さらに工夫と実現が求められます。農業振興では、
安全安心認証制度が創設され、普及拡大を継続して進めていく必要があります。就労
の場の確保としては、既存企業のフォローアップと新たな雇用の場の確保のため、継
続した企業誘致に広域連携で取り組むとともに、地域内での新たな雇用の場も視野に
いれ支援を図っていく必要があります。
指標
1 平成 23 年度農業産出額
2
(目標)59 億円 → (実績)49 億円
平成 23 年度大槌気仙川流域における木材流通量
(目標)150,000m3 → (実績)166,115m
3
4
【結】「こころ豊かさ満喫」プロジェクト
目標を達成するために、
「本町の恵まれた自然と共生し、自然を豊かさとして享受で
きるような取り組みを行い、町民の生活満足度の向上を図ります」「自立した地域づく
りの支援やコミュニティビジネスを推進し、参画する人の生活満足度の向上を図りま
す」という項目を掲げ、施策を進めてきました。地域づくり推進のための地域の協働
において、目標を大きく下回る状況です。地区別計画での地区の取り組みが停滞して
いる地区もあることから、それらの影響と考えられます。今後は、意欲ある地区に特
化し、実績を積み上げることで、活動の停滞している地区の底上げもしていく必要が
あります。
指標
1 自然を豊かさとして享受する生活満足度の向上
・講座参加人数
(目標)700 人 → (実績)761 人
・アツモリソウ公園の設置
(目標)1 ヶ所 → (実績)1 ヶ所
2 地域づくり活動の参画による生活満足度の向上
・地区別計画推進協働人数
(目標)2,000 人 → (実績)523 人
・コミュニティビジネス (目標)5 → (実績)4
・自治公民館数 (目標)22 → (実績)22
- 30 -
後期基本計画<プロジェクト>
「住田い町の物語」創造プロジェクト
~賑わいと豊かさのシナリオ、起承転結4つのプロジェクト~
「住田い町の物語」は、くらし豊かさ・こころ豊かさを物語のなかの一編とし、
それぞれの町民の夢が一編ずつ詰まった物語と位置づけます
「住田い町の物語」
~くらし豊かさ・こころ豊かさ編~
出会い結ばれ、北の地へ
自然と共生した心満たされる生活
本当に住田い町、ずっと暮らしていける町は、ここにあった
いま、きょう子さんは世田米商店街にある住民交流拠点施設でお茶を飲んでいます。展
示されている友人の絵をゆったりとした気持ちで眺めています。この施設が出来てから、
定期的に生け花だったり、手芸だったり、写真だったりが交代で展示されています。きょ
う子さんも種山ヶ原や五葉山で撮った写真をいつか展示しようと思いを馳せています。
【起】
きょう子さんは森の案内人としての経験と地域づくり活動の経験から、住田の地域資源
を生かした着地型観光の企画運営にも参加しています。インターネットでの農産物販売に
加え、住田の地域資源や生活の様子を紹介したり、観光プランを発信するなど、都市部か
らの旅行者を招いています。一度参加した人もリピーターとなって、家族のようなおつき
あいをしているそうです。
【承】
きょう子さんとジローさんの三人目の子どもも間もなく社会へ巣立とうとしています。
そのうちの一人は、ジローさんの兄夫婦のお世話をいただきながら、二人が借り受けてい
た実家の遊休農地を活用して農業に携わっています。担い手農業者として、安全安心農業
を目指し町が実施する農業講座などへも積極的に参加しています。まだまだ少ない担い手
ですが、仲間をつくり新しい農産物も研究中です。
【転】
二人は、子どもたちが巣立った後の事を考えています。それぞれ会社の定年も近い歳と
なりました。実家のお母さんもまだまだ元気ですが、兄夫婦とは介護の話題も出始めてい
ます。もし、介護が必要となったとき、特別養護老人ホームも新しくなりましたが、でき
るだけ実家で、協力しながら介護して行こうと話し合っています。でも、孫にはっぱをか
けながら楽しそうに農作業の手伝いをしているので、まだまだ先の話かもしれません。
きょう子さんは、自分が手掛けてきた活動に、若者から高齢者までがもっと参加できる
ように工夫し、ゆくゆくは、みんなが笑顔で、生きがいをもって暮らしてゆける町づくり
の一端を担いたいと思っています。
【結】
- 31 -
後期基本計画<プロジェクト>
1.プロジェクトの創造
平成 15 年 2 月に発表した「地域経営に関する研究レポート」における「住田町の地域
づくり理念」と、その理念に基づく「当面は住田町で自立・持続」の基本姿勢を基に、
平成 18 年度までの住田町総合発展計画後期基本計画においてプロジェクト S を構築し、
プロジェクトを推進してきました。そして平成 19 年度からの住田町総合計画前期基本計
画においても、町民の意思(町内の状況)や自治・地域づくりに関する現行の制度・枠
組み・状況の根本が継続しているとして、従前から継続している人口増加対策、所得向
上対策等を重点的に取り組まなければならない課題ととらえ、その克服と「地域づくり
の理念」の更なる具現化のために、住田町が自立・持続をしていく必要があることから、
総称「住田い町の物語創造プロジェクト」をプロジェクト計画として位置づけ、取組ん
できたところです。
そして、後期基本計画においても、「住田い町の物語創造プロジェクト」をプロジェ
クト計画として継続して位置づけ、重点的・効率的に取組んでいくものです。
「住田い町の物語創造プロジェクト」は、起承転結 4 つのプロジェクトで構成し、事
業展開がストーリー性を持って段階的に進められるよう、また、ケースに応じては途中
からも事業展開が図られるよう計画を構築しています。
加えて、4 つのプロジェクトを具体化するため、プロジェクトの下位にプログラムを
設け、更に、プログラムのうち、特に重要なものは、重点プログラムとして位置づけて
います。
なお、総称は、住田町を舞台としたそれぞれの町民の夢のある物語を 4 つのプロジェ
クトにより創造するため「住田い町の物語創造プロジェクト」としているものです。
「住田い町の物語」創造プロジェクト
~賑わいと豊かさのシナリオ、起承転結 4 つのプロジェクト~
【起】「交流ステップアップ」プロジェクト
【承】「定 住 シ ス テ ム 構 築」プロジェクト
【転】「く ら し 豊 か さ 実 感」プロジェクト
【結】「こ こ ろ 豊 か さ 満 喫」プロジェクト
~交 流 人 口 拡 大のシナリオ~
~新 町 民 拡 大のシナリオ~
~町 民 所 得 向 上のシナリオ~
~生活満足度向上のシナリオ~
2.プロジェクトの推進
① プロジェクトを体系的に推進するため、年度ごとに推進方針並びに推進チーム設置
要綱を作成し、進捗管理を行うプロジェクトチームの組織を設置します。
② プロジェクトの具体的事業化については、財政状況を踏まえた予算査定において判
断することとしますが、様々な観点により各事業課において十分に検討された各プロ
ジェクトに関連する事業については、相当程度優先的に予算化することとします。
特に、プロジェクトの下位に位置づけたプログラムのうち重点プログラムについて
は、更に予算化を優先させるものとします。
③ 各プロジェクトの下位に位置づけたプログラムは、その状況において必要な変更が
可能なものとします。
④ プロジェクトの進捗状況については、毎年度点検するものとし、その結果は町のホ
ームページ等に公開のうえ、広く町民の意見を聴くこととします。
- 32 -
後期基本計画<プロジェクト>
【起】「交流ステップアップ」プロジェクト
~交流人口拡大のシナリオ~
「現状と課題」
住田町は、3 本の国道が通る交通の要衝であり、また、清流・気仙川や滝観洞、種山ヶ
原など自然豊かな地域資源があります。これまでも、産直展開の支援の取り組みなどを
推進し、交流人口の拡大に努めてきましたが、東日本大震災で被災した観光施設の復旧
と震災復興を支援する方々による交通量の増加への対応を含めて、都市住民との交流も
含めた交流人口の拡大に努める必要があります。
また、町内の未婚者は、職業や地域を問わず 30 歳以上でも相当数おり、従前から課題
となっています。結婚は、個人的なことではありますが、結婚の意思がある未婚者には、
出会いの機会の創出の一助となるよう、相談体制をとり、支援事業を実施するなどの対
策を継続していく必要があります。
「目標」
交流人口の拡大
「指標」
1.平成 28 年度入込数 120,000 人/年
(遊林ランド種山、道の駅ぽらん、滝観洞、各種体験観光参加者、農家民泊利用者等)
2.平成 24 年度から平成 28 年度までの結婚対策効果数 10 組増
「目標を達成するために」
1.種山ヶ原、気仙川、滝観洞などの観光資源や五葉山火縄銃鉄砲隊、砂金採り、農林
業体験を活かした観光振興による所得向上を推進すると共に、交流人口の増加を図り
ます。
2.結婚対策として、有効なシステムを構築し、婚姻数と定住人口の増加を図ります。
プログラム名
☆ 交流人口拡大プログラム
縁結び推進プログラム
施
①
②
③
①
注 1 ☆は重点プログラム
注 2 交流人口拡大プログラムは主に観光振興に区分
- 33 -
策
着地型観光の推進
中心地域活性化の推進
魅力ある食や商品づくり推進
結婚対策の推進
後期基本計画<プロジェクト>
【承】「定住システム構築」プロジェクト
~新町民拡大のシナリオ~
「現状と課題」
住田町の人口は、昭和 30 年の合併当時 13,121 人でしたが、平成 22 年の国勢調査では
6,190 人となっており、国立社会保障・人口問題研究所の発表では平成 32 年には 5,396
人となることが予想されています。
また、出生数は、昭和 40 年代後半から 60 年代前半まで年間 80~120 人でしたが、平
成 3 年以降は 60 人を割り込み、平成 21 年までの最近 5 年間の平均は年 31.4 人なってい
ます。高齢化率は、昭和 60 年が 18.3%、平成 18 年が 37.2%、平成 22 年が 38.7%で、
高齢化に歯止めがかからず、出生数の低下と併せ、少子高齢化が益々進んでいます。
人口の減少と少子高齢化は、地域社会の維持や町行政の運営に大きな影響を与えてお
り、その対策が強く望まれています。
「目標」
新町民の拡大
「指標」
1.平成 24 年度から平成 28 年度までの新町民(出生数+転入者数)
850 人
「目標を達成するために」
1.多様な町営住宅を提供し、退去者等に持家取得の促進を図るなどの定住システムを
活用し、人口の増加を図ります。
併せて、民間住宅の建設を振興するなど住宅環境を整備し、人口の増加を図ります。
2.出産環境の整備と保育環境の拡充を行い、出生数の増加を図ります。
3.民間空家や遊休農地を活用しながら、移住促進システムを活用し、移住者の増加を
図ります。
4.企業誘致や企業支援を行い、就労の場の拡大と町民所得の向上を図ります。
プログラム名
☆ 住まい確保プログラム
移住促進プログラム
子育て支援プログラム
☆雇用の場創出プログラム
施
策
① 町営住宅の建設
② 町営住宅入居者の持家取得の推進
③ 民間住宅の建設振興
① 移住の促進
② 民間空家住宅・遊休農地の活用
① 子育て環境の拡充
② 出産環境の拡充
①
②
- 34 -
既存企業のフォローアップ
企業誘致の推進
後期基本計画<プロジェクト>
【転】「くらし豊かさ実感」プロジェクト
~町民所得向上のシナリオ~
「現状と課題」
平成 20 年の人口一人当たり町民所得は、1,696 千円で、県民所得の 2,261 千円、国民
所得の 2,756 千円を大きく下回っています。そのなかでも、町民の農業所得は、平成 17
年で 1 戸当り 1,039 千円、専従者 1 人当り 1,389 千円となっており、町民所得 1,696 千
円と比較しても、なお低くなっている現状です。
また、農業算出額は、昭和 60 年をピークとして年々減少傾向にあります。一方林業は、
木材価格の長期低迷が依然として続いているものの、国では、10 年後の木材自給率を 50%
以上に引き上げる計画を策定しており、これに対応していく必要があります。
農林業は、本町の基幹産業でもあることから、今後も農林業を中心とした生産を伸ば
しながら町民所得に反映させる対策が強く望まれています。
「目標」
町民所得の向上
「指標」
1.平成 28 年度人口一人当たり町民所得 1,866 千円
2 . 民 有 林 素 材 生 産 量 35,000 ㎥ /年
参 考 平 成 21 年
28,763 ㎥
「目標を達成するために」
1.森林・林業日本一の町づくりを推進し、木材流通システムを発展させ、林産物の差
別化などを行い、従事者の所得向上を図ります。
2.農商工連携を推進し、農業生産振興、担い手育成、特産品振興による農家の所得向
上を図ります。
プログラム名
施
☆ 森林・林業日本一の町推進プログラム
① 森林整備の促進
② 木材流通システムの発展
③ 新規就業者の確保
① 農業生産振興
② 新規就農者の確保、育成
③ 安全安心農業推進
農商工連携による農業振興プログラム
- 35 -
策
後期基本計画<プロジェクト>
【結】「こころ豊かさ満喫」プロジェクト
~生活満足度向上のシナリオ~
「現状と課題」
住田町は、豊かな自然に恵まれおり、町民アンケートにおいても「住田町の良いとこ
ろ」の問いに対し「恵まれた自然」はトップを占め、「あなたにとって豊かさとは」の
問いに対し、上位から「心身の健康」、「恵まれた人間関係」、「生きがいや目標をもった
生活」、「収入や資産が多いこと」の次に「豊かな自然に囲まれた生活」、「時間的なゆ
とり」が多く回答されています。
これまでも、様々な自然との共生の取り組みを行ってきましたが、今後は、保育園、
小・中学校、高等学校と連携して自然を豊かさとして享受するための取り組みを充実し
ていく必要があります。
また、地域づくりは、地区別計画の推進などにより町民に理解されてきており、軌道
に乗りつつあります。
今後は、更に、自立した地域づくりの支援やコミュニティビジネスの推進など、参画
する町民が生きがいを持って生活できような取り組みを行っていく必要があります。
「目標」
生活満足度の向上
「指標」
1.自然を豊かさとして享受する生活満足度の向上
2.地域づくり活動の参画による生活満足度の向上
「目標を達成するために」
1.本町の恵まれた自然と共生し、自然を豊かさとして享受できるような取り組み行い、
町民の生活満足度の向上を図ります。
2.自立した地域づくりの支援やコミュニティビジネスを推進し、参画する人の生活満
足度の向上を図ります。
プログラム名
☆ 自然共生プログラム
地域づくり推進プログラム
施
①
②
①
②
③
注 1 自然共生プログラムは主に農林業と自然との共生に区分
- 36 -
策
森林環境学習の推進
アツモリソウの活用推進
地区別計画の推進
自立した地域づくりの推進
コミュニティビジネスの推進
後期基本計画<プロジェクト>
<東日本大震災復旧・復興支援プロジェクト>
1.本町での状況
平成 23 年 3 月 11 日(金)午後 2 時 46 分頃に三陸沖を震源とするマグニチュード9.0
の巨大地震が発生しました。この地震により宮城県栗原市で震度7、本町においても震
度5強を観測しました。
また、太平洋沿岸を中心に大津波が発生し、特に東北地方から関東地方の太平洋沿岸
に壊滅的な被害をもたらしました。
本町においては、町内での死者、行方不明者はありませんでしたが、仕事、通学、通
院や入院、買い物のために沿岸市町村にいた町民が津波のため遭難し、死者 13 名の人的
被害となっています。他に、町内の家屋や公共施設などでは、屋根瓦の落下や壁の崩落、
天井の破損などの被害がありました。
2.プロジェクトとしての取り組み
町内での被害については、人的被害を除けば、沿岸市町村に比較すれば軽微な被害でし
た。しかし、地震発生後の停電の長期化や物流の停滞、近隣自治体の津波被害によって、
町民の生活に大きな影響がありました。
そこで、今回の震災を教訓とし、より早く復旧して、より安全で災害に強い町づくりを
進める必要があります。また、被災した近隣自治体の復旧・復興は長期的な取り組みとな
ることから、それを支援するために、後期基本計画5年間のなかで、プロジェクトとして
位置づけて取り組んでいこうとするものです。
「目標」
東日本大震災の被害からの復旧と災害に強い町づくり
近隣被災自治体の復興支援
「目標を達成するために」
目標を達成するために、2つのプログラムで構成し、それぞれに施策を設定し事業展開
をしていくものとします。
プログラム名
☆ 復旧と災害に強い町づくり
☆
近隣被災自治体の復興支援
施
①
②
③
④
①
②
③
注 1 ☆は重点プログラム
- 37 -
策
防災行政無線施設の強化とデジタル化
自然エネルギーの導入
観光施設の復旧
新たな災害協定の締結
近隣被災自治体への職員の派遣
し尿処理施設の大規模改修への負担
復興支援道路としての国道 107 号、340
号、397 号の早期整備の推進
〈部門別計画〉
後期基本計画<芽が出ますように>
第1章
芽が出ますように!
第1節
新たな息吹の誕生を願います
1
~次世代の創出~
新しい家族と出会うために
「現状と課題」
本町では、昭和 50 年代から農業後継者の生活安定のための対策として、結婚相談所によ
る結婚対策が進められてきましたが、全国的にも職業や地域とは無関係に「未婚化、晩婚
化」は広がり、現在では少子化とともに人口増加のための大きな課題となっています。
町内の未婚者の多くが結婚を希望しながら出会いや紹介を待っている状況で、その家族
もまた結婚を希望しています。
「未婚化、晩婚化」の背景には「男女間の結婚に対する価値観の相違」、「結婚に対する
意識の希薄さ」、「雇用、労働環境の悪化による生活展望の不透明さ」、「人間関係の希薄さ
による出会いの場の減少」などの社会環境の変化がありました。
しかし、東日本大震災を機に、家族の絆、人と人の絆の重要性が改めて認識されつつあ
り、お互い支え合うパートナーを求める動きもあります。
このように、結婚はあくまでも社会環境の変化に加え、当事者の自由な選択に委ねられ
るものではありますが、結婚希望者への出会いの機会の提供や未婚者のいる家族が抱える
課題解決の支援が必要となっています。
「目標」
婚姻数の増加
指標
5 年間で婚姻数
10 組
「目標を達成するために」
○施策の方向
・独身者及びその家族の結婚希望をかなえる
主要施策
・結婚希望者支援:相談業務等支援
・結婚後の町内居住の推進:町営住宅優先入居制度の確立、空き家情報の提供
- 39 -
後期基本計画<芽が出ますように>
2
元気な赤ちゃんを産むために
「現状と課題」
平成 21 年全国の合計特殊出生率は 1.37 であり、本町の 1.45 は全国平均と比べていくら
か高率ですが、年々減少傾向にあります。
年間出生数が、30 人前後とまさに少子化の一途をたどっている本町においては、元気な
赤ちゃんを産むためには思春期からの健康づくりが大切であると考え、平成 15 年度より町
内中学校・高校等を対象に思春期保健事業を実施しています。
さらに、平成 22 年度より妊婦一般健康診査受診票が 14 枚となり、妊婦の経済的負担が
軽減され全員が規定どおりの健診を受診し健康管理に役立っています。
元気な赤ちゃんを産むためには、妊婦健診や母親学級等をとおして妊婦の健康管理を適
切に実施することが必要と考えています。最近は就労妊婦が増加していることから、なか
なか妊婦と面接することが少なくなっており、母子手帳交付時や妊婦健診の結果、産休に
入った時期を見計らって訪問等により状況を把握し支援していくことが必要です。
又、全国的に児童虐待の事件も多いことから、妊婦になる前からの健康づくりとともに命
の大切さや母性父性の育成を図っていく思春期保健にも力を入れていくことが必要です。
「目標」
出産に関する意識啓発と健康管理の支援による出生数の増加
指標
合計特殊出生率
2.1(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・生命の尊さの理解と父性・母性の育成
・妊婦の健康管理に対する意識の向上
主要施策
・思春期からの健康づくり:思春期保健事業
・妊婦の健康管理の推進:妊婦保健事業
- 40 -
後期基本計画<芽が出ますように>
3
子育て支援の充実
「現状と課題」
乳幼児を対象とした各種健診や相談は、対象者のほとんどが利用し、それぞれの健康管
理や発育・発達の把握により、早期の適切な対応につながっています。また、放課後児童
クラブや児童館、放課後子ども教室を設置して、児童の安全な遊び場や居場所を確保し、
就学児を持つ父母が安心して仕事に従事できる環境づくりを行いました。
しかし、子育てにおいて地域との関係が薄い状況が続き、地域からの子育ての知識や技
術を習得することが困難であり、子育てに対して十分に自信が持てない状況となり、子ど
もの健やかな発育、発達を促す障害となっています。
母親等保護者がまわりとのコミュニケーションがうまくとれない状況にならないよう、
相談窓口を強化する等、育児不安に陥らないよう支援を継続していく必要があります。
また、放課後児童の健全育成については、利用者の利便性を念頭においた運営や、運営
費を補助するなどの支援をしていく必要があります。
「目標」
子どもたちの個性の伸長と生きる力の育成
指標
放課後児童クラブ、児童館、放課後子ども教室の運営・支援
「目標を達成するために」
○施策の方向
・子育て支援体制の整備
・児童虐待防止及び放課後児童の健全育成
主要施策
・各種健診の実施
・育児の相談指導
・育児サークル、育児ボランティアの支援
・民生児童委員の資質の向上
・保育園・学校・民生児童委員との連携強化
・児童の居場所、遊びの場確保
:放課後児童クラブの運営支援、児童館、放課後子ども教室の実施
- 41 -
後期基本計画<芽が出ますように>
4
保育サービスの充実
「現状と課題」
就労形態が多様化する中で、乳児保育、延長保育、障がい児保育など多様なニーズに対
応するための保育体制を整備し、仕事と子育ての両立支援を行っている一方で、家庭で子
育てする親への支援がなお求められています。
また、核家族化の進行などにより、保育所入所児童の未満児の占める割合が高くなって
きていることから、関係機関との連携強化と保護者に対する家庭教育への意識づけが必要
です。
「目標」
安心して子どもを産み育てられる環境整備
指標
保育所待機児童数
0 人(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・保育体制の整備による子育て支援の充実
主要施策
・保育体制の整備:一時保育、延長保育、土曜日保育及び乳児、障がい児保育の実施、
子育て情報の提供と相談
- 42 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
第2章
大きく育ちますように!
第1節
農業を振興します
1
~産業の振興~
新規就農者育成支援と確保
「現状と課題」
日本の基幹的農業従事者の平均年齢が 66.1 歳(2010 世界農林業センサス)と農業者の高
齢化が進行する中、本町においても、中山間地域に見られる激しい少子高齢化と、厳しい
農業経営環境という今日の実態を反映し、農家意向調査(平成 23 年 7 月実施)における平
均回答年齢は、66.3 歳となっております。
一方で、平成 7 年の支援制度創設以来、毎年 1 名から 7 名の農業者、経営体が制度を利
用し新規に就農している状況にありますが、今後、多くの農業者が高齢化等でリタイアす
ることが見込まれることから、担い手となる人材確保を更に進めていく必要があります。
このように、特にも、若い世代の新規就農が必要であることから、就農意欲の喚起と就
農後の定着を促進するため、就農準備から早い段階での経営確立まで、総合的な支援が必
要であり、就農から経営安定までの期間をできるだけ短縮できるよう関係者が情報を共有
し、きめ細やかな支援が必要であります。
既存の研修制度や経営安定支援、生活支援制度などの制度を効果的に活用できるよう助
言するなどの必要があります。
また、若手農業者の交流の機会が減っています。若手農業者ならではの情報交換、共有の
場が必要であります。若手農業者の交流の機会を設け、仲間づくりを支援し、切磋琢磨す
る農業者を育成支援していく必要があります。
「目標」
新規就農者等の確保・育成
指標
新規就農者研修制度活用人数 5 名(5 年間)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・新規就農者等の技術向上と経営安定のための環境づくり
主要施策
・農業技術の向上:研修支援制度
・農業経営の安定:生活支援、経営安定支援制度
・ネットワークづくり:農家巡回担当者及び若手農業者の勉強会開催、農商工連携
プロジェクト実践塾開催
・支援体制づくり:農家巡回担当者連絡会設置、担い手部会設置
- 43 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
2
農業経営者の育成
「現状と課題」
農業従事者の高齢化と後継者不足などより、主業型農家(専業、第 1 種兼業)が減少し、
本町全体における農業生産力が年々減退してきています。
このような状況の中でも、平成 23 年度現在、認定農業者は個人 66、法人 12 で、計 78 経
営体、エコファーマーには延べ 58 名が認定されております。
畜産部門では、個別経営から企業的経営形態、企業傘下による経営への転換、耕種部門
では、夏秋キュウリを中心とした品目の組み合わせによる周年型経営に取り組む農家が増
加傾向にあります。
地域農業を推進していくためには、認定農業者をはじめとする、経営感覚に優れた農業
者及び経営体のリーダーの存在が不可欠です。
農業技術指導と併せて、農業経営に対する知識を高めていく必要があります。
「目標」
農家の経営安定と所得向上
指標
農産物販売金額年 1,000 万円以上の認定農業者 30 経営体(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・主業型農家の経営安定と優れた農業経営者とリーダー育成
主要施策
・農作業の効率化:生産基盤の整備、農業生産振興事業ほか各種助成制度
・農作物の付加価値を高める:農畜産物加工推進事業補助金制度ほか各種助成制度、
特産品振興部会設置、農商工連携推進、六次産業化支
援
・リーダー育成:認定農業者連絡協議会支援、農商工連携推進委員会設置
・農家の所得向上:生産振興部会設置、農業経営研修
- 44 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
3
農商工連携による商品開発
「現状と課題」
農業者の減少に伴う生産量の減少が顕著であります。生産物の付加価値を高め、多様な
消費者ニーズに対応するため農商工連携による事業や商品づくりが求められています。
かつて住田型農業と言われた時代背景にあり、町内で生産、加工、流通を完結する過程
がありましたが、現在は、町内完結が難しい状況があります。町内に限らず多様な業種と
連携してより効果的な事業や商品づくりを進めていく必要があります。
また、多様化する消費者ニーズや流通形態に対応するため情報を収集し、六次産業化に
よる商品づくりを支援し多様な販路を確保していく必要があります。
本町の加工品及び連携商品等の信頼度を高めるとともに、PR ポイントである木材を活用し
た包装・装飾による「住田町らしさ」の演出を進めていく必要があります。
「目標」
農商工連携による新たな商品づくり
指標
農商工連携による新たな商品 3 品(5 年間)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・農商工連携への理解を深め、他地域との交流による学びの機会を増やす
主要施策
・農商工連携への理解を深める:農商工連携推進委員会の設置、連携による試作商品
づくり
・他地域との交流:食イベント出店支援
・連携商品づくり:農畜産物加工推進事業、六次産業化支援事業
・食による町おこし:町産物を活用した料理アイディアコンテスト開催、実践塾、地
産地消による食の提供推進事業
・付加価値づくり:林業との連携
・農商工連携推進戦略構築
- 45 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
4
地域の特性を生かした生産振興
「現状と課題」
本町は面積が広く、沿岸部の気候、山間部の気候の影響を受けるなど地域によって気候
条件が違っています。その特性を生かした生産振興を今後も継続していく必要があります
が、地域ごとの特性を生かした生産振興には、一定のグループ、組織での取り組みによる
生産量の確保が不可欠でありますが、実態として展開されていない状況にあります。
集落あるいは地区の中で、新たな取組みのリーダーとなる人材を掘り起こしながら仲間
づくりを支援し、地域の特性を生かした産物づくりの支援を図っていく必要があります。
高齢者、女性に適した品目選定などきめ細やかな情報収集と発信に努め、小さな生産振興
の輪を広げていく必要があります。
各集落で定めた水田農業ビジョンや中山間地域集落協定の目標を共有し、有効な農地の
集積、遊休農地の活用、さらには農業基盤整備地区を中心とした集落営農を支援する必要
があります。
また、鳥獣による被害が深刻化しています。個人レベルでの取組みでは解決できない状
況であり、集落ぐるみの防止対策を早急に進め、全町的な対策を支援する必要があります。
鳥獣害対策と生産振興は一体的に進めていかなければならない大きな課題となっていま
す。農業者の生産意欲を減退させない環境づくりが必要です。
「目標」
小規模グループの取り組みから集落営農へ
指標
・小規模グループの新たな取り組み
5 事例(5 年間)
・集落ぐるみの鳥獣害防止対策取り組み事例
5 事例(5 年間)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・集落の特性を生かした小規模グループの取り組みと集落ぐるみの鳥獣害防止による
生産振興
主要施策
・仲間づくり:集落ごとの勉強会、意見交換会開催
・組織活動:農林業振興会活動補助金制度
・里山活用:里山活用組織活動支援
・鳥獣害防止対策:鳥獣害防止対策支援事業(ハード・ソフト)
- 46 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
5
安全・安心農業の推進
「現状と課題」
安全安心農業推進にあたっては、平成 18 年度に住田町安全安心ネットワーク会議を設立
し、平成 21 年度には「住田町安全安心農産物認証制度」を創設し、農業講座の開催、圃場
研修の実施、土づくり研修、先進地視察研修を実施し、その結果、現在認証制度により認
証されている作物が 11 品目で実人数 5 名となっています。認証制度に申請しないものの、
認証される農法で栽培している農家も多くみられることから、認証制度の普及PRを図っ
ていく必要があります。
また、安全安心ネットワーク会議の会員を中心に安全農業に取り組んでおり、学校給食、
保育園、福祉施設等への食材提供を行っています。しかしながら、認証作物が少ない現状
にあっては、認証作物が流通、販売の場面でメリットを得られにくいという課題がありま
す。
今後は、町内で食材を必要としている公共施設、民間飲食店等に安全農産物の供給のし
くみづくりを進めながら、安定供給と安定生産を図りながら、町外への流通、販売のあり
方を検討していく必要があります。
また、畜産経営では経営の拡大に伴う畜産排泄物の処理や有効活用のため、畜産農家の
堆肥化施設や鶏糞炭化施設の整備を進めてきました。引き続き畜産排泄物の有効活用を推
進し適正処理を図っていく必要があります。
「目標」
安全農産物の町内公共施設等への安定供給と生産振興
指標
町内産食材割合 40%以上(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・安全安心認証制度の普及拡大と安全農産物の町内公共施設等へ安定供給
主要施策
・安全安心農業の普及推進:農業講座の開設、安全安心農業推進事業助成金制度
・公共施設等への安定供給:農家巡回担当者連絡会、計画的供給体制づくり
- 47 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
第2節
1
林業を振興します
森林整備の推進
「現状と課題」
本町の森林の人工林率は 53.8%と県平均を大きく上回っていますが、木材価格の低迷等、
森林林業を取り巻く環境は依然として厳しく、これまでも森林整備対策を行ってきました
が、未だに森林施業意欲の低下による間伐の遅れている森林や主伐後に再造林されない森
林が増加するなど、引き続き、持続可能な森林を維持、拡大していく対策が求められてい
ます。
一方、国では、林業を成長分野と位置付け、
「森林・林業再生プラン」で 10 年後の木材
自給率を 50%以上に引き上げる計画を策定し、今後 10 年間で必要な路網の整備、森林施業
の集約化を進め、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進めるとしており、当町に
おいても、これを機に必要な路網整備と施業集約化に取り組み、生産性の高い林業を構築
していく必要があります。
「目標」
生産性が高く持続可能な森林・林業の構築
指標
間伐実施森林面積
350ha/5 年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・森林施業コストの低減と持続可能な森林づくりの推進
主要施策
・施業の集約化による間伐等森林整備の推進・支援
・作業道、搬出道開設の整備支援
・素材生産と森林施業の効率化、低コスト化の検討・推進
・シカ・カモシカ被害対策の推進
・オフセット・クレジットの推進
- 48 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
2
木材流通システムの発展
「現状と課題」
円高の影響よる外材の輸入増加など、国産木材の価格を押し下げる要因が依然としてあ
るものの、川下では東日本大震災後の復興住宅による需要が今後出てくるものと見ており、
住宅市場のニーズを的確に把握しながら、効率的かつ安定的に製品を供給し、地域材の円
滑な流通をめざして取り組んでいく必要があります。また、引き続き木工団地の経営の安
定化も図っていく必要があります。
一方、川上では、津波による合板工場の被災により合板用の木材の行き場が失われ、素
材生産業者の経営や林材価格に影響がでており、林業経営の安定化のために、早急な対策
が求められています。
「目標」
木工団地の経営の安定化と地域材流通量の拡大
指標
民有林素材生産量
28,763m3(H21)→
35,000m3(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・町、森林組合、素材生産業者、木工団地等の関係者間の連携、情報の共有化による
木材流通システムの強化と経営の安定化
主要施策
・木工団地の経営の安定化のための支援
・木質バイオマスの利活用による森林資源の有効活用
・素材の需給調整の推進
・先進地研修等への支援
・合板用木材の販路回復に向けた取組
- 49 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
3
FSC森林認証
「現状と課題」
平成 16 年 3 月に森林管理・加工流通管理認証を取得し、住田町産の認証木材を加工し、
住宅建設(FSCの家)までを一貫して行うことが可能となりました。
認証林は当初の 9,266ha から平成 23 年の年次監査時には 12,340ha に拡大するとともに、
住宅部材の一部に認証材を使用した住宅の建築、木工品の販売を行っています。
今後は、森林認証というツールをさらに活用しながら地域材を継続的に宣伝することや、
環境に配慮した森林施業の推進と木材の安定供給に向けた取り組みが重要となっていま
す。
「目標」
森林認証の普及と森林認証材の利用拡大
指標
・森林認証林の面積 14,500ha(H28)
・森林認証材の住宅建築戸数
25 棟(5 年間)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・森林認証林の加入拡大及び認証製品の販売の促進
主要施策
・森林管理・加工流通管理認証の普及促進
・森林認証材利用の推進・支援
・森林認証材の安定供給と、環境に配慮した持続可能性の高い森林管理の推進(私有
林整備への支援)
- 50 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
4
新規就業者の確保
「現状と課題」
林業就業者は、高齢化が進むと同時に、これまでの林業を担ってきた昭和初期生まれの
世代のリタイアが進んでいます。若手の就業者数が微増する一方、木材価格の長期的な下
落等の林業の低迷を受けて就業者数全体は縮小する傾向にあります。
急激な担い手の減少により、事業体側では即戦力となる新規就業者が求められています。
住田町の林業を活性化し、川上の生産性を向上するためには優れた人材の確保が欠かせま
せん。このため、事業体の経営基盤を強化すると同時に、不安定な雇用の解消及び社会保
障の充実、即戦力となる新規就業者の確保に向けた環境の整備が必要です。
「目標」
担い手となる新規就業者の確保
指標
新規就業者数
20 人(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・新規就業者にとって魅力ある就業環境の整備
主要施策
・林業事業体への雇用支援
・社会保障を充実させた雇用体系の整備支援
・既存の林業者養成機関等と連携した即戦力となる人材の育成・支援
・新規就業者と定住対策との連携
・PR 活動の推進
- 51 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
第3節
1
商工業を振興します
商店街活性化推進
「現状と課題」
商業の状況は、経営者の高齢化や後継者不足、自家用車の普及による消費者の町外流出、
町外資本の小売業進出が要因となり、地元消費の減少や小売り事業所が減少しています。
このため、商店街においては、商店主を中心に農林産物を含めた産直と連携し、青空市・
軽トラ・ワゴン市などを開催してきましたが、商店街に賑わいを呼び戻すためには至りま
せんでした。
商店街には、町内外に誇れる歴史や文化、景観及び食べ物など数多くの地域資源、財産
が現存していることから、地域資源を活用し商店街の魅力を高め、人と人との交流を促進
し商店街に賑わいを取り戻す必要があります。
「目標」
人と人との交流を促進して商店街に賑わいを創出
指標
集客イベントの開催数
5 回/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・中心地域活性化構想の具体案による商店街の魅力づくりを進め、交流人口の拡大を
図ります
主要施策
・景観的魅力づくり:木材を活用した商店街づくり
・食による魅力づくり:飲食店との連携協力
・イベントによる魅力づくり:青空市・軽トラ・ワゴン市、かっこう祭りほか各種
イベントとの連携協力
・マップ作成による魅力発信:商店街みどころ、食べどころマップ作成
・商店等の経営支援:中小企業資金金融利子補給制度、空き店舗活用支援
- 52 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
2
企業支援による雇用の場の創出
「現状と課題」
町内の雇用環境は、ここ数年の間企業撤退や経営縮小が影響し、厳しい状況にあり雇用
の場の創出が引き続き求められています。
そのため新たな企業誘致のための企業訪問や情報収集を継続して行うとともに、既存企
業の規模拡大やフォローアップに努め、企業の求める人材を育成していく必要があります。
さらに、企業間連携や新産業創出につなげるため、企業ニーズの的確な把握や異業種間
交流等を実施していく必要があります。
「目標」
雇用の場の創出
指標
町内就業者数
2,500 人(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・既存企業のフォローアップによる雇用の場の確保と新たな雇用の場の創出
主要施策
・既存企業のフォローアップ:企業訪問、雇用促進奨励金、中小企業資金利子補給
制度、新規学卒者等雇用促進奨励金
・企業誘致:企業訪問
・企業間連携促進:異業種交流会
- 53 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
3
商品開発
「現状と課題」
これまで地場産品を活用した特産品の開発に取り組んできましたが、町内の多様な資源
を十分に活かす方向に至っていない現状があります。核となる資源を選定し、一貫した商
品開発が必要です。
このような状況の中、林業の町である本町の特性を活かし、杉の魅力による住田らしさ
を演出していくことが必要です。
産地や加工者、流通、デザイン、販売などの連携を強化し、一体的に取り組むとともに
デザイナー等のアドバイスを得ながら売れる商品づくりを進めていく必要があります。
また、農産加工品等の包装資材に杉を活用し、付加価値を高めるとともに住田町を全面
にアピールできる商品づくりを進めていくことが必要です。
「目標」
杉などの木を活用した商品開発
指標
商品開発数
3 点/5 年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・木を活用した商品づくり
主要施策
・商品開発体制づくり:研修会開催
・魅力ある商品づくり:農林商工連携推進、アツモリソウ活用検討会、専門家の助言
- 54 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
第4節
観光を振興します
「現状と課題」
「団体旅行」から「家族・小グループ旅行」まで、顧客のニーズは多様化してきており、
地域がプロデュースする着地型観光が求められています。
観光客が地域に滞在し、各種体験を通して地域の人々との普段着の交流が出来るメニュ
ーづくりが必要です。
本町の観光資源である滝観洞は、一般国道 283 号仙人峠道路滝観洞インターチェンジが
開設され、駐車場などの周辺整備を行い観光客入込数が増加しましたが、東日本大震災の
地震被害により洞内の一部が崩落し、入洞が出来ない状況となっております。今後の状況
を見極めながら整備を進めていく必要があります。
平成 24 年度はJR東日本と岩手県の協働によるディスティネーションキャンペーンが実
施される予定であり、世界遺産に登録された平泉文化や被災地応援ツアーが旅行会社によ
り企画販売されることが想定されます。平泉文化とゆかりのある住田の砂金文化や管内被
災地との連携によるツアー受け入れの可能性もあることから、受け入れ体制づくりを進め
ていく必要があります。さらには、これを契機として町の自然や文化を活かした魅力づく
りによる誘客を継続的に図っていく必要があります。
「目標」
自然を活かした着地型観光
指標
入込者数
120,000 人(H28)
(遊林ランド種山、道の駅ぽらん、滝観洞、各種体験観光参加者、農家民泊利用者等)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・自然、文化を活かした魅力ある観光、体験メニューづくりと受け入れ体制づくり
主要施策
・メニューづくり:すみた森の案内人、五葉山火縄銃鉄砲隊をはじめとする活動団体
の連携、交流促進
・受け入れ体制づくり:ガイド養成講座、住田町観光協会体制強化支援
・コーディネート機能強化:住田町観光協会体制強化支援
・情報発信、PR:関係団体への委託
- 55 -
後期基本計画<大きく育ちますように>
第5節
適正な土地利用を進めます
「現状と課題」
本町は、町土の総面積 334.83 ㎞ 2 のうち、約 9 割が峻険な山地で占められています。そ
のため、宅地や耕地に利用できる土地は希少であることから、住宅地や商工業地の拡大に
は基幹産業である農林業の土地利用との調整を図る必要があります。
農用地は、優良農用地を確保するとともに、遊休農地の有効活用を推進する必要があり
ます。林地については、森林・林業日本一を目指す木材流通システムの木材生産を担う産
業振興機能のほか、国土の保全、水源かん養、自然環境の保全、レクリエーション機能等、
多面的な利用を維持増進していく必要があります。
その他の各種土地の利用については、農用地や林地との調整を図りながら、自然環境の
保全や美しい景観の確保など心地よい生活環境に結びつく土地利用の推進が求められてい
ます。
「目標」
自然環境の保全と産業振興の調整による適正な土地利用
「目標を達成するために」
○施策の方向
・各種土地の調整による無秩序な開発を抑制した適正な土地利用の推進
主要施策
・農用地、林地との調整を図った住宅地、商工業地の確保
・優良農用地の保全と遊休農地の有効活用
・自然環境保全に配慮した多面的な森林地域の土地利用の推進
- 56 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第3章
花が咲きますように!
~人材育成~
第 1 節 生涯学習を推進します
「現状と課題」
町内においては、社会経済情勢の大きな変化により、心の豊かさを享受する生活のゆとりが
少なくなっていると同時に、青少年を取り巻く環境の変化や若者の社会参加意欲や就業形態の
変化、家庭や地域の教育力の低下が叫ばれるなど、生涯学習を推進する上で新たな課題が明ら
かになってきました。
このような中にあって、生涯学習による人づくりを強く推進するためには、豊かな心の醸成
と生きがいづくり、社会の変化に対し柔軟に対応できる能力を養う必要があり、町づくりに寄
与する人づくりのためにもより良い学習機会と情報の提供が強く求められています。
また、その推進のためには、生涯学習事業の連携や情報交換を行う生涯学習推進本部の活動
の充実を今まで以上に図っていく必要があります。
「目標」
町民の学習意欲のかん養と生涯学習推進体制の充実
「目標を達成するために」
○施策の方向
・学び合い教え合いながら人生を豊かに楽しむことのできる生涯学習環境づくり、生涯学習
事業を効率的、効果的に進めることのできる推進体制づくりによる生涯学習の推進
主要施策
・生涯学習環境の整備:各種生涯学習事業の連携
・効率的・効果的な事業推進:生涯学習推進本部の活動の充実・生涯学習情報の提供
- 57 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 2 節 就学前教育を充実します
「現状と課題」
現在の幼児を育てる環境は、少子化、核家族化等により、子どもの成長についての情報交換
や、子育ての悩み等について相談できる機会が少なくなっています。保護者の中には、親とし
ての自覚と自信をもって子どもを教育することができず、子育てに戸惑う姿も見られ、就学後
にみられる子どもたちの問題行動の多くは、家庭の教育力の低下や保小の連携不足に要因があ
ると指摘されています。
また、就学前の子どもたちには、「食事・睡眠などの基本的生活習慣の未確立」、「遊びの
機会の減少による人間関係の希薄化」、「屋内での孤立型遊びの増加」、「直接体験・自然体
験の不足」などの課題があることが実態調査から明らかになっています。
「目標」
幼児から小学校教育への連続的な発達を意識したなめらかな接続と子ども達の思いやり
の心、豊かな心の育成
指標
研修会等参加者数
小学校参加者各校 2 人以上/年
各保小の交流(児童間、保育士・教師交流あわせて)
5 回以上/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・就学前教育関係組織の充実と教育内容の質的向上、家庭教育や学校教育、地域社会と連携
による就学前教育の推進
主要施策
・家庭教育や学校教育、地域社会との連携強化
:家庭教育学級との連携、森の保育園活動の充実
・就学前教育関係組織の充実と教育内容の質的向上
:就学前教育指導委員会の充実、就学前教育部会活動の充実、
就学前教育研修会の充実、幼児教育(保育)プラン適応指導
研修会の充実
- 58 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 3 節 学校教育を充実します
1
「生きる力」の育成
「現状と課題」
今日の児童生徒は、「基本的生活習慣や善悪の判断の欠如」、「他者との好ましい関わり方
が身に付いていない」等の問題が指摘されています。その背景には、少子化や直接体験の不足
等、様々な要因が絡み合っているため、学校だけでは解決できない状況があります。登下校時
の安全確保に関する問題等への対応なども含め、学校、家庭、地域社会及び関係機関がそれぞ
れの役割を果たしつつ、相互に連携しながら心の教育の充実や安全確保の取り組みが求められ
ています。自分の生き方を考え、学習することの意義を理解し、望ましい人間関係を築き、地
域社会に貢献していこうとする人材を育成するキャリア教育の充実も必要です。
また、町内児童生徒の学力の実態はほぼ県平均程度であり、基礎・基本のより一層の定着
と、知識を活用し、子どもたちが自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断し問題を解決で
きる「学ぶ力」と「生きる力」の育成をさらに図る教育の実践が求められています。
「目標」
知性と実行力のある心豊かでたくましい児童生徒の育成
指標
・学習定着度状況調査
全校県平均以上(H28)
・体力運動能力テスト
全校全種目 全国比 100 以上(H28)
・問題行動の発生件数
0 人(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・充実した教育活動の推進による児童生徒の「生きる力」の育成
主要施策
・学ぶ喜びに結び付ける教育の推進:キャリア教育の充実
・保、小、中、高の連携を密にした教育水準の維持向上
:保育園・小学校・中学校・高等学校の積極的な連携、
住田高校教育振興会補助金交付事業の実施
・豊かな国際感覚を身に付ける教育の充実
:国際理解教育の推進、郷土理解教育の推進
・身近な自然の重要性を考え学ぶ機会の提供:環境教育及び森林体験学習の充実
・教えるプロとして教師の資質の向上
:上級免許取得講座受講、教職員研修・研究の充実
・家庭や地域社会の教育力の充実:教育振興運動の推進
・学力向上を目指した教育諸条件の整備拡充
:小規模・複式指導の充実、特別支援教育の充実、情報教育の充実
・「知・徳・体」の調和のとれた教育活動の実践
:学力分析と授業実践研修の開催、言語活動の充実、道徳教育の充実、
健康と安全に関する指導の充実、食に関する指導の充実
- 59 -
後期基本計画<花が咲きますように>
2
教育環境の整備
「現状と課題」
本町は、少人数によるきめ細かな学習など個に応じた教育を行う環境にはあるものの
「社会に対応した競争意識の欠如」、「少人数による各種活動への支障」など、少子化に
対応した教育環境の整備が求められています。
また、通学支援のあり方や学校を含む児童生徒の安全確保、教育の機会均等の観点から
後期中等教育の場の存続と高等教育への就学困難者などへの経済的支援の継続が求められ
ています。
「目標」
教育環境の機会均等
「目標を達成するために」
○施策の方向
・地域・保護者・学校と連携した児童生徒の安全確保、地域に根ざした活力に溢れ安全
で快適な教育環境の確保、人材育成と定住促進のための環境整備による地域の信頼に
応える学校教育の充実
主要施策
・地域・保護者・学校と連携した児童生徒の安全確保
:登下校時における安全指導と通学環境の整備(スクールバス更新等)
・安全で快適な教育環境の確保:学校施設のバリアフリー化、学校教育施設の整備促
進、学校施設の計画的な改修整備
・地域に根ざした活力ある教育環境の確保:教育環境の充実と中高一貫教育の推進
・人材育成と定住促進のための環境の整備:奨学制度、住田高校教育振興会への支援
- 60 -
後期基本計画<花が咲きますように>
3
安全な学校給食の提供と食育の推進
「現状と課題」
「食」を取り巻く社会や家庭の環境の大きな変化から、栄養の偏りや不規則な食事による生
活習慣病等「食」に起因する問題が増加しており、このような中、安全な学校給食の提供とと
もに、「食」に関する正しい知識と選択する能力を習得するなど、健全な食生活を送ることを
目指した「食育」の推進が求められています。
また、「食」の安全性も問われており、地元産の「安全安心な農産物」のさらなる活用を図
っていく必要があります。
「目標」
安全な学校給食の提供と正しい食事の取り方や望ましい食習慣を身につけた心身ともに健全
な児童生徒の育成
指標
・食中毒事故発生件数
0 件(H28)
・食育に取り組む学校数 全校(H28)
・食指導の実施回数
全校全学年 1 回以上/年
・町内産食材利用割合
40%以上(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・給食内容の充実と食育の推進による適切な学校給食の実施
主要施策
・学校給食の内容の充実:食材及び施設の衛生管理の徹底、地元安全安心農作物の積極的
な活用、多様な献立の実施
・食育の推進:学校との連携による専門性を活かした学習指導、食に関する情報提供、学
校保健会・家庭教育学級・教育振興運動との連携
- 61 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 4 節 社会教育を充実します
1
家庭教育
「現状と課題」
本町の家庭を取り巻く現状は、核家族化、少子化の進行、個人中心のライフスタイルへの変
化などに伴って、地縁的なつながりが希薄化し、親同士はもとより子育て経験者などと気軽に
話し合う機会が少なくなってきています。さらには、価値観の多様化、大人社会のモラル低
下、家庭教育に対する親の考え方の変化、子どもに対する無責任な放任、過保護、過干渉、子
どもの接し方への未熟さなど家庭の教育力の低下が指摘されています。
また、全国的にも少年非行や犯罪の多発、小・中学校におけるいじめや不登校等の青少年を
めぐる様々な問題を直視するとき、子どもの教育や人格形成に対して最終的な責任を負うのは
家庭であることの再認識と家庭の教育力再生の必要性が併せて指摘されています。
「目標」
「心豊かでたくましい住田っこ」の育成のための親としての成長促進と実践力の向上
指標
・家庭教育学級開催回数
3 回/年
・家庭教育学級参加者数
延べ 300 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・家庭教育の意義の浸透、学習情報と家庭教育に関する親などへの学習機会の提供、教育振
興運動と連携した地域ぐるみで子どもを育てる環境づくりによる家庭教育の推進
主要施策
・家庭教育の意義の浸透及び学習機会と情報の提供
:就学前乳幼児対象の学級開設、家庭教育学級の開設、コミュニケーションの場の
提供、家庭教育情報の提供
・子どもを育てる環境づくり:教育振興運動との連携、保育園教育の充実、保育園、小学
校、中学校との連携強化
- 62 -
後期基本計画<花が咲きますように>
2
乳幼児教育
「現状と課題」
核家族化の進行などによる子育て環境の変化により、世代を通して子育てを学ぶ機会が少な
くなり、経験の少なさが様々な不安を抱かせています。一方、地域では、近隣との関係の希薄
化により、一人悩みを抱え込む親も見受けられことから、身近な子育て支援の仕組みづくりが
求められています。
また、少子化の進行により、就園前の児童が自宅近くで友達と遊ぶ機会が持てないことな
ど、乳幼児期の地域における健全育成の課題解決が必要となっています。
「目標」
子育て家庭のストレスや孤立感、不安感などの軽減
指標
・乳幼児家庭教育学級開催回数
6 回/年
・乳幼児学級の参加者数
延べ 40 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・子育てサークルとの連携強化、学習機会と情報の提供による乳幼児教育の推進
主要施策
・子育てサークルとの連携強化
:保育園開放事業の実施、子育てサークルなどコミュニケーションの場の提供
・学習機会と情報の提供:乳幼児学級の開催、乳幼児教育情報の提供
- 63 -
後期基本計画<花が咲きますように>
3
少年教育
「現状と課題」
少年犯罪の多発化や多様化は社会全体に大きな不安をあたえています。「どこにでもいる普
通の子」が起こす犯罪は今や都市部に限った問題ではなくなり、町内でも、犯罪の発生に対す
る危機感を少なからず抱いています。
「健全な心と体を持つたくましい少年の育成」は誰もが願うところですが、家庭教育力の低
下やライフスタイルの変化により基本的生活習慣が身に付いていなかったり、「生活経験や自
然体験」、「読書」、「異年齢間交流」等の不足から心と体のバランスがとれていない少年が
見受けられるようになっています。
「目標」
健全な心身をもつ児童生徒の育成
指標
・教育振興運動実践地区数
全地区(H28)
・教育振興運動関係事業等の参加者数
小・中学校生の 90%以上(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・体験活動の機会の提供による少年教育の推進
主要施策
・各種体験活動の機会の提供
:教育振興運動の推進、各種青少年リーダー交流研修会の実施、すみたコミュニティス
クールの開設、青少年劇場の開催、高校生ボランティア事業の実施、子ども会育成会
活動の推進、森林環境学習の推進、各種スポーツ教室及び大会の開催
- 64 -
後期基本計画<花が咲きますように>
4
青年教育
「現状と課題」
個人志向の高まりや価値観の多様化が進み、趣味や趣向の合う活動や自己の目的に沿う事業
への参加は活発である反面、自らが企画・立案し社会貢献をしようという姿勢は消極的である
など、地域づくり、町づくりの場への青年層の参加は少ない状況にあります。
地域社会では、町づくりや次代を担う子ども達への関わりから高齢者への関わりなど、様々
な場面での青年層の積極的な参画を渇望しており、地域の教育力向上のためにも、青年の持つ
可能性や地域に貢献できる力を引き出していくことが必要となっています。
「目標」
まちづくり、地域づくりに自主的に関わる地域社会の一員としての意識の養成
指標
・各自治公民館等青年活動事業数
1 回/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・先進的な企画や取り組みに触れる機会の提供、リーダーの創出と自主的な活動の促進によ
る青年教育の推進
主要施策
・先進的な取り組み等に触れる機会の提供
:青年教室の開設
・リーダーの創出と自主的な活動の展開
:自治公民館及び地区公民館における青年の参加促進、高校生ボランティア事業参加者
への意識啓発
- 65 -
後期基本計画<花が咲きますように>
5
成人教育
「現状と課題」
職場や家庭、地域において重要な位置にある成人は、最も充実した年代であり、地域社会か
ら期待される年代です。しかし、町外への流出による成人層の減少や職業上の就労時間の不均
衡などから継続的な学習活動や地域社会における連帯意識、参加意識は充分とは言えない状況
にあります。
経済活動を営む上でも心の豊かさと潤いをもたらすための学習活動は必要であり、積極的に
学習活動や地域参加活動に参画し、職業課題や地域課題を解決するよう意識の高揚を図るため
の学習機会と、成人層が持つ多様な知識・技能、資格や学習成果を地域づくりや町づくりに活
かせる場の提供が求められています。
「目標」
地域づくりに貢献するための主体的な学習や活動の意識のかん養
指標
・地区公民館ボランティア事業参加者数
・各自治公民館自主事業数
延べ 100 人/年
1 回/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・学習要求に応える各種情報の提供及び学習環境の整備、地域づくりの担い手として世代の
中心となり実践できる力の養成による成人教育の推進
主要施策
・学習環境の整備と情報提供
:町民講座の開設、公民館連携生涯学習講座の開設、地区公民館ボランティア事業の
実施、各種学習情報等の提供
・地域づくりの担い手育成
:各種団体における研修事業支援、自治公民館自主講座の支援、地域づくり事業への
参加の誘導
- 66 -
後期基本計画<花が咲きますように>
6
高齢者教育
「現状と課題」
長寿社会と言われて久しい昨今、当町においても、高齢者の町づくりや地域づくりにおける
社会的役割は益々重要となっています。
元気な高齢者育成のため、生涯学習の観点からも高齢者の積極的な学習意欲に応える教育環
境の充実が求められているほか、地域の教育力再生のためにも、世代を越えた交流の場の設定
など、豊かな経験を生かせる場や能力が発揮できる場を提供する必要があります。
「目標」
優れた知識や技能、経験を地域社会や地域教育力再生に役立てることのできる、元気な高齢
者の育成
指標
高齢者教室参加人数 延べ 900 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・豊かな経験と知識を生かした社会参画の推進と各種学習機会の提供による高齢者教育の推
進
主要施策
・学習機会と情報の提供
:高齢者教室の開設、スポーツ・レクリエーション活動の奨励、各種学習情報の提供
・社会参画の推進:高齢者による次世代への技術や知恵の伝承、ボランティア活動の推進
- 67 -
後期基本計画<花が咲きますように>
7
男女共同参画
「現状と課題」
地域の活性化は女性が握っているといわれるように、全国的にも女性の社会的進出は広がっ
てきています。男女共同参画社会の重要性が増してきている中で、本町においても福祉や環境
など地域社会の中での女性の活動領域は広く、女性の豊かな感性を生かした独自の様々な活動
を繰り広げています。
しかし、「男女共同参画」という言葉の浸透とは裏腹に日常生活における保守的な意識はま
だまだ強く、特に、男性の意識変革が必要であり、少子高齢化、人口減社会が到来していてい
る今こそ、元気な女性の活躍が不可欠であり、また男性側からも「男女共同参画」の意義が理
解される環境整備が求められています。
また、その推進のためには、男女共同参画施策の連携や情報交換を行う男女共同参画推進本
部の活動の充実を今まで以上に図っていく必要があります。
「目標」
男女共同参画への意識の変革と社会参加意欲の醸成及び男女共同参画推進体制の充実
指標
男女共同参画講座参加者数
延べ 300 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・男性を含めた意識改革のための学習機会と情報の提供、男女共同参画事業を効率的効果的
に進める推進体制づくりによる男女共同参画の推進
主要施策
・学習機会と情報の提供
:女性リーダー講座の開設、男女共同参画講座の開設、男女共同参画情報の提供
・推進体制の構築:男女共同参画推進本部の活動の充実、女性活動団体への支援、自治
公民館女性活動の促進
- 68 -
後期基本計画<花が咲きますように>
8
森林環境学習
「現状と課題」
本町では代々豊富な森林を活用した生活を送ってきました。しかし、先人が守り育ててきた
本町の森林や森林と暮らすための文化や誇りは、ライフスタイルの変化に伴い次世代に引き継
ぐのが困難な現状にあります。この現状を危惧する人が多くいる反面、その現状にまったく気
づいていない人、問題視していない人も多くいます。
これまでに、保育園児を対象とした「森の保育園」、小中学生を対象とした「森林環境学
習」(総合的な学習の時間を活用)、高校生による「ボランティア活動」、一般町民対象の
「種山ヶ原散策」、高齢者教室や女性リーダー中央講座での「森林環境学習」をとおして各年
代に応じた森林環境学習が展開されてきました。世界的にも地球環境問題への対策が求められ
ているなかで、他の市町村に先駆けてこれらの森林環境学習の整備・充実を図り、町民全体の
環境に対する意識と実践力を高いレベルに押し上げること、森林と共に生きてきた住田町民で
あることの誇りを取り戻すことは、「森林・林業日本一の町」をめざす本町において非常に重
要な課題となります。
「目標」
森林や林業に関心と誇りを持ち、持続可能な循環型社会への理解を深め実践していく力の養
成
指標
講座参加者数(保・小・中・高・一般)
延べ 700 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・幼児から高齢者まで各年代に応じた「森林環境学習」の系統的な展開と情報発信による森
林環境学習の推進
主要施策
・森林環境学習の系統的な展開
:住田型森林環境学習の整備充実、森の保育園の充実、小中学校における総合的な
学習の時間を活用した森林環境学習の充実、高校生を対象としたセミナー等の
開催、高校生によるボランティア活動等の実施、一般町民を対象とした散策会等の
森林環境学習の充実、森林環境学習指導者の養成、産業振興課との連携、実践例や
成果等の情報発信
- 69 -
後期基本計画<花が咲きますように>
9
社会教育施設
「現状と課題」
公共性の高い社会教育施設は、町民の生涯学習の拠点となる施設であると同時に、地域づく
りの拠点施設となるため、五葉地区公民館の建替えや上有住地区公民館の全面改修を行い設備
の充実を図ってきました。
今後は、情報化の進展に対応するために、インターネットなどの情報ツールや視聴覚の設備
の充実が求められている反面、子ども達の活字離れによる国語力の低下が指摘されており、図
書の充実と読書へ目を向けさせる活動の充実が求められています。
また、拠点施設の整備として、下有住地区公民館の建設について、地元と協議しながら進め
ていく必要があります。
「目標」
地域活動拠点づくり
指標
・中央公民館図書室利用者数
延べ 7,000 人/年
・地区公民館利用者数
延べ 6,000 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・地区の活動拠点としての地区公民館等の整備、中央公民館及び地区公民館図書室の充実
と読書活動の推進、子育ての情報交換の場としての機能の充実による社会教育施設の整
備充実
主要施策
・活動拠点の整備:下有住地区公民館の整備、中央・地区公民館の施設設備の充実
・図書室の充実:図書購入、企画展の開催
・読書活動の推進
:読み聞かせなどのイベントの開催、インターネットや広報誌による図書情報の発信
- 70 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 5 節 スポーツ、レクリエーションを振興します
1
スポーツの振興
「現状と課題」
運動不足による生活習慣病の増加など、スポーツは健康づくりにも欠かせないことから、限
られた時間を有効に活用しながら手軽にできるスポーツの普及や機会を提供し、生涯にわたり
積極的に健康づくりを進める意識の高揚を促すことが必要となっています。
一方、各種目別協会による各種大会では、参加チーム同士の交流が図られていますが、活動
を維持・継続するうえで、若年層の企画・推進力の向上と自主運営力の向上が今後の競技スポ
ーツ振興上の大きな課題となっていることから、その対策が必要です。
「目標」
生涯にわたり積極的にスポーツに親しむ意識の高揚
指標
教室参加者数
延べ 180 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・スポーツに親しめる機会の提供、生涯スポーツの普及推進のためのスポーツ指導者の養成
と資質の向上及び競技スポーツ団体の組織の強化と活性化によるスポーツの振興
主要施策
・スポーツに親しむ機会の提供
:すみたスポレク祭の開催、すみたスポーツラリーの開催、生涯スポーツ情報の提供、
総合型地域スポーツクラブの支援と新たなクラブの設立
・スポーツ指導者の養成と資質の向上
:各種スポーツ教室の開催・スポーツ指導者講習会への参加
・競技スポーツ団体の組織の強化と活性化:各種大会の支援
- 71 -
後期基本計画<花が咲きますように>
2
スポーツ施設
「現状と課題」
スポーツ施設の整備充実は、町民が生涯にわたって日常生活の中でスポーツに親しみ、健康
保持や体力づくりを推進するためには必要不可欠なものです。
社会体育館は昭和 52 年から、生涯スポーツセンターは平成 10 年から、運動公園については
平成 21 年度大規模改修が終了し平成 22 年度からリニューアルされた施設として利用され、現
在では社会体育館は年間約 9,000 人、生涯スポーツセンターは年間約 15,000 人、運動公園は
平成 22 年度約 11,000 人が利用しています。また、学校開放としての町内学校体育施設利用は
年間約 35,000 人と多くの方が活用しています。
なお、運動公園については、防球ネットが設置されていないためファールボール等への危険
防止対策が不十分であり、大規模改修整備により各種大会が開催されるようになり観客席が不
足している状況です。さらに、社会体育館については、建設後 34 年が経過し、アリーナの床
面が経年劣化で歪みが発生し、屋根、外壁等が腐食するとともに、照明器具も老朽化している
状況にあり、運動公園の観客席増設及び防球ネット設置等と社会体育館のアリーナ床、照明器
具、屋根・外壁等の改修による機能の充実が強く求められています。
「目標」
生涯にわたり積極的にスポーツに親しむための環境づくり
指標
施設利用者数
延べ 70,000 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・スポーツ施設と管理運営体制の整備充実による利用促進
主要施策
・スポーツ施設の整備充実:運動公園・社会体育館等の改修
・適切なスポーツ施設の管理運営
:スポーツ施設の予約管理体制の整備充実、小中学校体育施設の開放
- 72 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 6 節 芸術文化を振興し文化財を保護します
1
芸術文化の振興
「現状と課題」
芸術文化の意義は、感動と安らぎをもたらし、生きる喜びとなり、豊かな人間性や創造性を
育み、豊かな感性を育てます。それが、個性豊かな町づくりにつながり、町全体の活力を高め
ます。
しかしながら、芸術・文化に親しみ、生活の豊かさを享受する人の数は減少傾向にあるよう
に見受けられます。文化産業まつりなどでは、鑑賞者の少ない中での出品や舞台発表となって
おり、出品者や発表者の意欲の喪失につながる恐れもあります。
本町では、芸術文化協会が中心となり、多種多様な加盟団体がそれぞれ地域を元気にするた
め、その振興を図っていますが、参加者の減少やリーダーの高齢化など、町民憲章に掲げる
「かおり高い伝統」の維持継承も懸念される状況であり、活動を維持するためにも継続した支
援が望まれています。
「目標」
芸術や文化活動による豊かな心を育む環境づくり
指標
文化産業まつり出品作品数
500 点/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・優れた芸術文化に触れる機会の提供、芸術文化活動の成果を発表できる機会の設定、
各種団体の活性化による芸術文化の振興
主要施策
・優れた芸術文化に触れる機会の提供:青少年劇場の開催、文化産業まつりの開催
・文化活動と各種団体等の活性化
:芸術文化団体・郷土芸能団体の支援、自主活動グループの育成、芸術文化講座の
開設
- 73 -
後期基本計画<花が咲きますように>
2
文化財の保護と活用
「現状と課題」
町の長い歴史の中で生まれ、先人達が築き上げ、守り受け継がれてきた町民共有の財産であ
る貴重な文化財は、町民の郷土を愛する心を育むとともに、創造力豊かな文化の指針となりま
す。また、生活や志向の変化が進む中で、歴史や伝統や資源の損失、風化、衰退が進みつつあ
ることもまた現状です。
町内には平成 23 年度現在、指定文化財は、国指定名勝 1 件、県指定有形文化財 3 件、史跡
1 件、町指定の有形文化財 2 件、天然記念物 1 件、無形民俗文化財 6 件、埋蔵文化財包蔵地と
して 121 箇所が遺跡台帳に掲載されていますが、特に、埋蔵文化財包蔵地の調査保護、指定文
化財の定期的な調査などの活動は十分とはいえず、文化財全体での調査保護体制の強化が望ま
れています。
また、国指定名勝の「種山ヶ原」の保護と活用、全 6 巻からなる「住田町史」と「住田の歴
史と文化」の活用、民俗資料館の整備と活用による町民の愛護思想の高揚と、後世への確かな
伝承が望まれています。
伝統芸能においても、それぞれの地域で守り受け継いできていますが、過疎化や担い手の高
齢化など、その維持継承が大きな課題となっていることから、その対策が必要です。
「目標」
文化財の保護と活用による愛護思想のかん養と地域の伝統文化の確かな維持継承
指標
・郷土芸能保存団体数
現状維持(H28)
・民俗資料館入館者数
延べ 400 人/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・文化財の調査研究、保護保存、継承及び生涯学習活動のための整備による文化財の保護と
活用の推進
主要施策
・文化財の調査研究:指定文化財のパトロールと埋蔵文化財の調査を実施
・文化財の保護保存:栗木鉄山跡地の整備と活用、国指定種山ヶ原の活用
・文化財の継承及び生涯学習活動のための整備
:文化産業まつり郷土芸能発表会の開催、文化財史跡めぐりの開催、民俗資料館の
整備と活用、町史等の販売と活用、伝統芸能維持継承支援
- 74 -
後期基本計画<花が咲きますように>
第 7 節 国際交流を推進します
「現状と課題」
保育園や学校においては、国際教育主事の派遣、中学生・高校生の海外派遣事業により、保
・小・中・高において継続的、系統的な英語教育を進め、国際理解に努めています。一方、社
会的には、民間企業の中国人研修生の受け入れ、国際結婚もわずかながら増加しており、外国
人と接する機会が増えてきています。
児童・生徒においては、授業の他、様々な場面での触れ合いにより異文化理解と尊重・共生
できる資質と能力の育成、自己の確立、コミュニケーション能力が磨かれ大きな成果をあげて
いるなど、特に、外国人講師や中国人研修生の地域に根ざした活動により地域においても国際
理解が進んでいます。その一方で、国際結婚により定住した方々の地域や家庭とのコミュニケ
ーションは少なく町内には支援組織もないことから、一層の広域連携が望まれています。
今後は、児童・生徒に対する国際理解の場の継続と内容充実を図るとともに、国際社会の一
翼を担う地域社会形成者の育成のためにも国際理解を超え、地域文化を積極的に国際社会に発
信できる人材の育成と国際化時代に対応した町民意識の高揚を図ることが必要です。
「目標」
異文化理解の推進及び地域文化を積極的に国際社会に発信できる能力の養成と定住者との相
互理解
「目標を達成するために」
○施策の方向
・保・小・中・高の継続した系統的な国際理解教育の充実、町内外在住の外国人との交流の場
や機会の提供における相互理解と友好親善による国際交流の推進
主要施策
・国際理解教育の充実
:国際教育主事の保育園・小学校・中学校への派遣、海外派遣事業の継続
・相互理解と友好親善
:各年代や段階における国際交流事業の実施、活動内容等の情報発信
- 75 -
後期基本計画<実がなりますように>
第4章
実がなりますように!
第1節
心地よい自然環境をまもります
1
~環境の保護~
自然環境の保全
「現状と課題」
ごみの不法投棄について、職員による監視活動、県、民間との合同パトロールを実施し
ていますが、国・県道、町道、林道などへの廃棄物の不法投棄は減少傾向となりつつも、
後を絶たない現状です。
平成22年度には、町内全域の不法投棄調査と回収を実施し、一定の成果を得ています
が、テレビの地上デジタル放送への移行により、不用になったテレビの不法投棄が懸念さ
れることから、今後も、継続して日常的な監視の強化と調査を進める必要があります。
気仙川の水質は、環境基準による河川 6 類型の上位から 2 つ目「A類型」に属するなど、
良好な状態にあります。
今後も、河川の水質を保全するため、公共下水道区域内では接続の促進、区域外では合
併処理浄化槽設置などの排水浄化対策を進めるとともに、事業所からの排水に対する監視
体制の強化、河川清掃の実施などによる住民への河川浄化意識の啓発に努めていく必要が
あります。
また、東日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染問題が
発生しています。その対応については、国や県の動向を注視しながら、各課との連絡を密
にすることにより、対策を講じていく必要があります。
「目標」
ごみ不法投棄の撲滅と気仙川の水質及び環境の保全
指標
環境基準による河川類型「A類型」の維持(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・ごみ不法投棄対策として、関係機関との連携強化によるごみ不法投棄及び廃棄物処理
の対策強化
・河川の水質保全対策として、公共下水道への接続促進、合併処理浄化槽設置への補助
及び監視体制の強化
主要施策
・ごみ不法投棄の監視活動の実施
:職員及び関係機関、民間との合同パトロールの実施
・河川の水質保全の推進:公共下水道への接続促進、合併処理浄化槽の普及促進、
事業所排水の監視体制の強化、町民総参加河川清掃の実施
- 77 -
後期基本計画<実がなりますように>
2
森林の保全
「現状と課題」
本町の森林の人工林率は 53.8%と県平均を大きく上回っており、これまで、スギ主体の
拡大造林を進めてきましたが、環境や公益的機能の増進等に配慮する観点からも、人工林
の植栽は適地適木とし、土地的条件が厳しい所については、広葉樹に転換していくような
施業を実施していく必要があります。
近年の木材価格の低迷等、森林・林業を取り巻く環境は厳しく、森林施業意欲の低下に
よる間伐の遅れなど森林の管理が手薄になってきています。
また、土場での残材の放置などにより台風などの大雨による残材流出が下流域で災害を
もたらす状況もみられます。
このため、適切な森林施業の実施、伐採現場の残材等の対策が必要となっています。
「目標」
健全な森林の育成による自然環境の保全
指標
間伐実施森林面積
350ha/5 年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・ 森 林 の 持 つ 水 源 か ん 養機 能や 国土 保 全 機 能、 CO₂固 定 機 能な ど の 多 面的 機 能に 配慮
した森林施業の推進
主要施策
・間伐施業の推進・支援
・保安林改良事業等の推進
・FSC森林管理認証の普及促進
・木質バイオマスエネルギーの利活用による森林内環境の整備
- 78 -
後期基本計画<実がなりますように>
3
地球温暖化対策の推進
「現状と課題」
本町では、平成 15 年度に「地球温暖化実行計画」を策定し、平成 19 年度までに役場事
業活動に伴う二酸化炭素排出量の 6%削減(基準年度を H12 年度に設定)を目指した取り組
みを推進し、平成 20 年度には 12.69%を削減し目標を達成しています。
今後は、町全体で取り組めるように地域や子どもたちへの働きかけを推進し、意識の向
上を図り、限りある資源を大切に、有効に活用することにより、地球にやさしい「低炭素
社会」の構築を目指す必要があります。
「目標」
温室効果ガス排出量の削減
指標
CO2 排出量
平成 12 年度比 15%削減(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・公共施設における省エネルギー・省資源、リサイクル化への先導的な取り組みの実施
・家庭や事業者への意識啓発
主要施策
・公共施設での推進:照明のLED化、太陽光発電の導入
・一般家庭での推進:省エネ生活の励行、子どものエネルギーへの関心の喚起
- 79 -
後期基本計画<実がなりますように>
4
新エネルギー
(1)
自然エネルギー資源の活用
「現状と課題」
化石燃料の大量消費による地球規模の環境悪化が懸念されており、本町では、資源エネ
ルギーの効率的な利用や環境に対する負担を軽減する取り組みを積極的に推進してきまし
た。
これまで、木材加工工場における未利用木質資源を活用した木屑焚きボイラーを整備、
木質ペレット生産施設やバイオマストイレの設置、各家庭や事業所でのペレットストーブ
の導入など、木質バイオマスエネルギーの導入を積極的に推進してきたところです。
東日本大震災以降、自然エネルギーがさらに注目されていることから、今後も、町の特
徴や資源を活かした新エネルギーとしての自然エネルギーの導入を一層進めていく必要が
あります。
また、エコカーなど低燃費で環境に配慮した車の、町公用車への導入も積極的に推進し
ていく必要があります。
「目標」
新エネルギーの活用による化石燃料使用量の削減
指標
公共施設への太陽光発電の導入
2 ヵ所新設(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・自然エネルギー資源を活用した新エネルギーの導入
主要施策
・住田町地域新エネルギービジョンの見直しと新エネルギー導入への補助制度創設
・自然エネルギー導入:太陽光発電の導入、木質ボイラーの導入
・低燃費車への転換:公用車へのエコカー導入の推進
- 80 -
後期基本計画<実がなりますように>
(2)
木質バイオマスエネルギー
「現状と課題」
「森林エネルギーのまち」を基本理念とし平成 12 年度に策定した地域新エネルギービジ
ョンに基づき、町民等を対象とした普及啓発としての講演会や施設見学会、ペレットストーブ展
示会等の体験学習や情報の提供に努めています。
ペレットストーブ・ボイラーの導入の推進については、補助金制度を設けてから 63 台、ペレッ
トボイラー2 台の導入実績となっており、木質バイオマスの熱利用のモデル事業として推進する一
方で、クリーンエネルギーの地消地産を目指し、木材加工工場に木質ペレット製造施設導入助成
を行い、木質ペレットの活用を進めています。
平成 17 年度からは、木材加工工場における木質資源のゼロエミッションを目指し、木屑焚きボ
イラーを導入して工場内の未利用木質資源をエネルギーに変え、そこで得られる蒸気を木材乾燥
施設等に使用するとともに、蒸気を利用した発電施設も整備し、工場の一部でその電力使用する
というコージェネレーション事業を実施しています。
さらには、発電等により発生する余剰熱を利用した施設園芸ハウスへの熱供給を行い、環境と
経済の両立を目指し取り組んでいます。
地域新エネルギービジョン策定から 10 年が経過し木質バイオマス、特にも木質ペレットの利用
については普及しつつあります。
しかしながら、林地残材の利用には至っておらず、林地残材の利用推進と、木質燃料燃
焼機器の普及の推進を図っていく必要があります。
「目標」
地域の木質バイオマス資源の利活用の推進
指標
・木質燃料燃焼機器の導入台数
・木質ペレット生産販売量
ストーブ 5 台/年
300t/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・木質燃料燃焼機器等の普及拡大及び木質バイオマス資源の利用の推進
主要施策
・木質燃料燃焼機器購入費補助等による木質燃料燃焼機器の導入推進
・林地残材等利用の推進
・木質ペレットの利用の推進
・ 環 境 意 識の 醸成 と CO₂の 排 出 量の 削 減 に よ る オ フ セ ッ ト ・ ク レ ジ ッ ト 化 の 推 進
- 81 -
後期基本計画<実がなりますように>
5
水資源の保全
「現状と課題」
水は、日常生活や産業活動を支える重要な資源です。本町は、水を生み出す豊かな森林
に恵まれていますが、木材価格の低迷等、林業を取り巻く環境は厳しく、森林の管理が手
薄になり、森林施業の遅れと、それに伴う森林の水源かん養機能の低下が懸念されていま
す。環境に配慮し、森林を再生することによって、水源かん養機能を向上させることが求
められています。
生活用水は、町の簡易水道と地域の水道組合等の水道により供給されていますが、施設
の整備により、水量の確保と安全で安心な水の供給が求められています。
「目標」
安全で安心な水の確保
「目標を達成するために」
○施策の方向
・水源かん養機能の保全
主要施策
・間伐施業の推進
・保安林改良事業等の推進
- 82 -
後期基本計画<実がなりますように>
第2節
1
心地よい生活環境をつくります
廃棄物の適正処理
(1)
ごみ処理
「現状と課題」
一般家庭から排出される主な廃棄物は、大船渡地区環境衛生組合(大船渡市、住田町で
構成)で収集・運搬、分別・破砕の中間処理と再商品化を経て、平成23年4月に操業開
始した岩手沿岸南部広域環境組合【通称
岩手沿岸南部クリーンセンター】
(釜石市、大船
渡市、陸前高田市、大槌町、住田町で構成)で溶融処理されています。
岩手沿岸南部広域環境組合の運営費は、構成市町のごみの排出量に応じて負担すること
から、構成市町では、ごみの減量化対策に積極的に取り組んでいます。
町では、これまで「生ごみ処理対策」と、
「資源古紙の回収の徹底」を重点対策として位
置づけ、各地域での勉強会、小学校での環境学習などの取り組みを進めています。
ごみの資源化に合わせ、ごみの出し方(分別)など個別の対応も必要となってくること
から、ごみ減量対策と合わせ、適正なごみ処理の普及が必要となっています。
「目標」
ごみの減量化
指標
ごみ排出量 一人 1 日あたりのごみの排出量 450g(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・ごみ減量化の推進
生活系ごみの排出抑制、生ごみの堆肥化、資源リサイクル化
主要施策
・住民への意識啓発(簡易包装化、レジ袋・マイバック運動など)
・生ごみ処理用機器の普及促進
・集団資源回収の奨励
- 83 -
後期基本計画<実がなりますように>
(2)
産業廃棄物
「現状と課題」
産業廃棄物については、事業者の責任による適正処理が求められています。しかしなが
ら保管基準の不備や不法投棄も見受けられることから、町内の不法投棄調査と処理事業を
実施しました。今後も、産業廃棄物処理施設への立ち入り調査を行うなど、専門的知識を
有する県と連携しながら、その監視体制を強化し、不適切な処理の防止に努めます。
「目標」
産業廃棄物の適正処理
「目標を達成するために」
○施策の方向
・県との連携による産業廃棄物処理業者等に対する監視体制の強化
主要施策
・関連施設への定期的な立ち入り調査
・不適正処理、不法投棄への監視体制の強化
- 84 -
後期基本計画<実がなりますように>
(3)
し尿処理
「現状と課題」
し尿の処理については、気仙広域連合による収集処理が行なわれています。平成 22 年度
における本町の処理人口は 3,403 人で総収集量は 2,936kl になっています。
世田米地区の公共下水道は、平成 15 年度の供用開始以来、平成 22 年度までに接続箇所
数 579 件(接続率約 81%)となっております。また、合併処理浄化槽については、平成元
年度から設置への補助を実施しており、平成 22 年度までに 316 基が対象となるなど、普及
に向けた対策を講じております。
しかしながら、下水道と合併浄化槽を合わせた汚水処理施設整備率は 50.4%(平成 22 年
度末)に留まっており、今後も下水道への接続率の向上と浄化槽の普及拡大に向けて、住
民が容易に事業導入できる体制づくりと、その啓発に努めていく必要があります
「目標」
し尿の衛生的な処理
指標
汚水処理施設整備率
64%〈下水道 36%、浄化槽 28%〉(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・広域による効率的な収集処理体制の維持
・公共下水道や浄化槽の設置による河川の汚濁防止
主要施策
・広域処理の推進
・公共下水道への接続促進
・合併処理浄化槽の普及促進
- 85 -
後期基本計画<実がなりますように>
2
生活道路の整備
「現状と課題」
幹線道路である国道、県道と集落を結ぶ町道は、町民の日常生活や地域の産業経済活動
の基盤を成しています。
平成 23 年 4 月現在町道は、162 路線で、総延長は 162 ㎞に及びます。拡幅やカーブの緩
和など道路を改良した改良率は、54.5%、道路舗装率は、53.9%です。主要な生活路線は、
改良や舗装をしていますが、利用者数が少ない路線では改良や舗装が遅れており、局部的
な改良、舗装及び補修が必要です。
道路整備にあたっては、周囲の景観と融合した景観形成に努めていくとともに憩いの場
の設定にも配慮した道づくりを進めていく必要があります。
「目標」
生活環境の向上と産業振興の基盤整備
指標
改良
5 路線 延長 1,190m(H28)
舗装(補修) 6 路線 延長 2,612m(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・町道の改良舗装及び景観に配慮した道づくり
主要施策
・町道の改良
・町道の舗装(補修)
・道路景観の向上
- 86 -
後期基本計画<実がなりますように>
3
河川の整備
「現状と課題」
本町では美しい自然景観を保全していくため、地域住民が主体的に草刈りや清掃活動を
行っています。年 2 回行われている「町民総参加河川清掃」は、町民運動として定着し、
自然環境を維持保全する意識が浸透したことにより、気仙川だけでなく、昔ながらの小川
や素堀りの水路を維持保全していこうとする気運が醸成されています。
しかしながら、各家庭から排出される生活雑排水などにより清流気仙川が汚れている実
情があり、生活雑排水などを直接川や水路に流さないようにするとともに、河川等への廃
棄物の不法投棄の防止や監視活動の継続的な実施が求められています。
河川の整備方向として、台風や大雨等により河川や水路等が災害を受けた際には、自然
環境に配慮した工法での工事実施が望まれています。
「目標」
気仙川、その支流、水路などの維持保全
指標
環境基準による河川類型「A類型」を維持(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・自然景観に配慮した河川の保全及び水質の保持
主要施策
・「町民総参加河川清掃」
、自然公園内等の草刈りや清掃活動の継続的な実施
・河川等への廃棄物の不法投棄を防ぐ活動の継続的な実施
・生活雑排水を直接川や水路に流さない運動の推進
・公共下水道への加入促進
・浄化槽設置の促進
・河川、水路等自然環境に配慮した工法での災害復旧の円滑な実施
- 87 -
後期基本計画<実がなりますように>
4
町営住宅の整備
「現状と課題」
町営住宅群は、一般民家と相まって周囲の自然景観と調和した住田固有の住宅景観を創
り出しています。平成 23 年 4 月現在で 9 団地に、総戸数 177 戸の町営住宅があります。
このうち公営住宅は 138 戸で、所得制限等の入居条件を緩和した特定公共賃貸住宅は 39
戸(地域活性化住宅 2 戸、特定公共賃貸住宅 7 戸、定住促進一戸建て住宅 7 戸、定住促進
集合住宅 23 戸)となっています。
昭和 31 年度から昭和 44 年度に建設した公営住宅 22 戸は、耐用年数をすぎており建て替
えを必要とする時期にあることから、計画的な町営住宅の建設が必要となっています。
地域林業のシステム化を推し進めるためにも、町営住宅での森林認証材等の積極的な使
用を図っていく必要があります。
「目標」
町営住宅建設による定住促進と高齢者や障がい者にやさしい住宅の確保
指標
町営住宅の建設
15 戸(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・本町の特徴を生かした計画的な町営住宅の建設
主要施策
・町営住宅の建設
・特定公共賃貸住宅の建設
・町営住宅のバリアフリー化の推進
・定住促進住宅の建設
・持ち家取得促進のための環境・条件整備
- 88 -
後期基本計画<実がなりますように>
5
上下水道の整備
(1)
簡易水道施設の整備
「現状と課題」
本町の簡易水道施設は、平成 20 年度に世田米地区、下有住地区、八日町地区、五葉地区、
川口地区の 5 地区の各簡易水道施設を統合し、住田町簡易水道事業として運営されていま
す。簡易水道区域以外では、生活用水として個人若しくは共同で、自然流水や湧き水、井
戸などを利用しています。本町の水道普及率は、平成 21 年度末 56.6%で、平成 21 年度末
の県平均 93.2%を大きく下回っています。
簡易水道事業としては、川口地区と世田米地区の施設を統合する整備事業を実施してお
り、平成 24 年度に完了する見込みです。
簡易水道区域以外の水道施設については、東日本大震災以降に自然流水や井戸水の水量
が減少しており、日常生活に支障をきたす地域が増えています。新たな井戸を掘削したり、
水源地を変更したりして、各自で対応していますが、住民への安全で安定した水道水を供
給し、水道普及率を向上させるためには、新たな簡易水道施設を検討する必要があります。
「目標」
安全で安定した水の供給
指標
簡易水道普及率
60%(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・新たな簡易水道施設の整備
主要施策
・世田米地区と川口地区の円滑な施設統合の実施
・簡易水道施設を要望する住民との話し合いによる整備方向の合意形成
- 89 -
後期基本計画<実がなりますように>
(2)
集落水道の整備
「現状と課題」
個人や共同の給水施設は、水質不良、異物混入など飲料水として適当でないものがあり
ます。このため、簡易水道施設整備区域外の自家水共同施設の更新・新設等の整備に対し
て補助をし、安定した飲料水の確保をしていく必要があります。
「目標」
安定した飲料水の確保
指標
集落水道整備地区数
5 地区(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・自家水共同施設の更新・新設等に配慮した集落水道の整備
主要施策
・共同水道滅菌施設設置の普及促進
・飲料水施設整備の促進
- 90 -
後期基本計画<実がなりますように>
(3)
公共下水道等の整備
「現状と課題」
近年、生活様式の多様化や近代化に伴う家庭や事業所からの雑排水の増加により、河川
等の水質悪化が進んでいることから、下水道等による汚水処理施設の整備が必要になって
います。
住居が集中している世田米簡易水道区域内では、特定環境保全公共下水道整備に平成 9
年度から事業着手し、平成 15 年度に供用を開始しています。その他の地域については、集
落の状況及び整備費用等の面から、合併処理浄化槽による汚水処理が適切と考えています。
今後は、下水道への接続率向上により施設を有効活用するとともに、合併処理浄化槽の
普及拡大を促進して汚水処理施設の整備率を高め、快適で衛生的な生活環境づくりを進め
ていく必要があります。
「目標」
下水道や浄化槽の整備による衛生的な汚水処理
指標
汚水処理施設整備率
64%〈下水道 36%、浄化槽 28%〉
(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・下水道区域においては下水道への接続率の向上と事業運営の安定化を図り、区域外に
おいては浄化槽の普及拡大を目指す
主要施策
・下水道への接続の促進:処理区域の見直しによる受益者の拡大
・下水道施設の適切な管理運営
・浄化槽の普及促進:浄化槽設置整備事業
- 91 -
後期基本計画<実がなりますように>
6
公共交通
「現状と課題」
鉄道は、JR 釜石線上有住駅がありますが、町の最北東端に位置しているため、利用範囲
が限られています。バスは、岩手県交通が盛岡大船渡間、大股中井大船渡間を運行してい
るほか、廃止代替バス路線として八日町陸前高田間、八日町遠野間を運行、さらに平成 22
年度からは川口上有住間を町営のコミュニティバスを実証運行、23 年度には本格運行して
いますが、マイカーの普及などにより利用者の減少が進行しています。
しかし、鉄道やバスは、児童生徒や高齢者等の交通弱者にとって、通学や通院などに欠
かせない交通手段であり、運行及び利用者の利便性の確保は大きな課題になっています。
そこで、利用者が減少することによって、運行回数の減少と利便性の低下、利用者の減
少という悪循環を断ち切るために、利用者の意向を把握し、便利なダイヤ編成に反映させ、
利用者の増加を図る必要があります。
今後、コミュニティバスとスクールバスとの統合を進め、町民の利便性の向上を図ると
ともに経費の縮減に努めていく必要があります。
「目標」
利便性のある交通手段の確保
「目標を達成するために」
○施策の方向
・バス運行路線の確保と利用者の利便性の向上
主要施策
・民間バス路線の維持
・総合的なバス運行体系の構築
・町営コミュニテイィバスの継続運行と利用者の意向把握による利便性の向上
- 92 -
後期基本計画<実がなりますように>
7
道路ネットワーク
「現状と課題」
周囲を山々に囲まれた本町においては、近隣市町への通行は、ほぼ全て峠越えをしなけ
ればならず、特に冬期間の通行には積雪、凍結などの危険が伴うなど、内陸部との交通格
差の是正が課題となっています。
沿岸と内陸を結ぶ国道 107 号は、世田米バイパスの開通や白石峠工区などで改良工事が
進められてきましたが、白石峠、荷沢峠については冬期間においても安全に通行できよう
抜本的な道路改良が必要です。
遠野市、陸前高田市を結ぶ国道 340 号は、平成 4 年の赤羽根トンネルの開通により、大
幅に時間短縮が図られ、冬期間においても円滑な通行が確保されていますが、田谷~火石
間、川口~天風間、葉山~山脈地間は道路が狭く改良が急務の課題です。
東北自動車道、東北新幹線に接続する最短路線の国道 397 号は、高屋敷工区、津付道路
において改良工事が継続実施され、整備が進んでいます。
釜石市・住田町・遠野市を結ぶ国道 283 号仙人峠道路の開通により、通行の所要時間が
大幅に短縮され、冬期間の運行も円滑に行えるようになりましたが、この道路から住田町
ヘ連絡するアクセス道が十分でなく、早期の整備が切望されています。
県道は、一般県道の釜石住田線、上有住日頃市線、遠野住田線、世田米矢作線の 4 路線
があり、隣接市と連絡する重要路線として、道路改良が進められていますが、さらなる改
良促進の必要があります。
「目標」
所要時間の短縮と安全な通行の確保
「目標を達成するために」
○施策の方向
・国道 4 路線及び一般県道 4 路線の改良整備の促進
主要施策
・国、県に対する積極的な要望活動の展開と工事促進に係る積極的な協力
【国道 107 号】新白石トンネル、小股~荷沢間の改良整備の促進
【国道 340 号】田谷~火石間の改良整備、川口地区、両向地区の改良整備の促進
【国道 397 号】高屋敷工区、津付道路の早期完成の促進と栗木トンネルまでの抜本的
な改良の促進
【国道 283 号】仙人峠道路のアクセス道の整備
【一般県道の 4 路線】一車線区間・狭隘区間の解消等による改良整備の促進
- 93 -
後期基本計画<実がなりますように>
8
情報化
「現状と課題」
平成 19 年度に地域情報通信基盤施設整備事業を実施し、翌年からその光ケーブルを活用
したサービスとして、地上デジタル波放送や自主放送(住田テレビ)をはじめとするテレ
ビ放送、IP電話、IP告知端末、NTT東日本のBフレッツによる高速インターネット
の各サービスを開始しました。
これによって、本町の情報化をめぐる環境は飛躍的に改善され、都市部との情報格差がか
なり解消されました。今後は、情報サービス提供機器の更新や残されている携帯電話の電
波不感地域の解消と、ラジオ放送の受信改善という課題に引き続き取り組んで行く必要が
あります。
また、住民サービス向上のため構築された総合行政ネットワークシステム、住民基本台
帳ネットワークシステムや内部情報システムの更新を図り行政の情報化を進める必要があ
ります。さらに、インターネットのホームページは行政情報の提供のみならず、交流事業
の実施や産業振興へつながるよう、ホームページ自体の機能の見直しを含めた利用を検討
しながら、内容の充実と積極的な活用をしていく必要があります。
「目標」
都市部との情報格差の解消
指標
情報通信基盤施設加入率
97%(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・都市部との情報通信の格差解消と行政情報の発信による各種交流の支援
主要施策
・地域情報通信基盤の加入率の向上
・携帯電話の電波不感地域の解消とラジオ放送受信改善の促進
・自主放送住田テレビの充実と活用
・ホームページの内容の見直しと積極的な活用
- 94 -
後期基本計画<実がなりますように>
9
中心地域活性化
「現状と課題」
本町の中心地域は、古くから内陸と沿岸の接点であり、歴史的にも宿場町として栄えて
きました。現在、3本の国道が通る交通の要衝となっていますが、世田米バイパス開通後
は、中心地域への人や物の流れが少なくなり、単なる通過点となっています。
中心地域を世田米商店街エリアと川向エリアに分けて、それぞれのエリアの特性に合わ
せた施策を展開し、人と人の交流を促進して中心地域に賑わいを取り戻す必要があります。
今後、世田米商店街エリアは、中心地域の賑わいの根幹を形成するエリアとして誘客を
図る必要があります。ハード事業整備は必要最小限として、ソフト事業を中心に事業を進
める必要があります。
川向エリアは、役場本庁舎や町議会議場、農林会館、小学校などの町の中核的な公共施
設が集中するエリアとなっています。国道 107 号沿いには商業施設が進出、町営住宅の整
備も進み、世田米の町裏蔵並みを背景とする昭和橋を望む風景は、町を代表する景勝にも
なっています。中心にある運動公園は、野球場を中心とした住民のスポーツ・健康を支え
る施設として機能していますが、野球場の大規模な改修も行われ、東日本大震災後はスポ
ーツ施設が被災した陸前高田市など町外からの利用も増加しております。
今後、川向エリアについては住民の生活、娯楽、学習、行政が集約されたエリアとして、
既存の施設との融和を図りながら役場新庁舎の建設も含め、社会体育館の改修や遊具公園
の整備など、施設整備の充実と合わせ周辺道路、駐車場等地区全体の整備を進め、再構築
していく必要があります。
「目標」
人と人との交流を促進し賑わう中心地域の再構築
指標
・役場庁舎の建設整備と健康増進・スポーツ拠点の充実(H28)
・住民交流拠点施設の整備(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・中心地域の機能再構築と一体的な整備の推進
主要施策
・役場新庁舎の建設
・社会体育館の改修
・川向地区道路の整備
・遊具公園の整備
・文学碑の建立
- 95 -
後期基本計画<実がなりますように>
第3節
1
安心な生活環境をつくります
消防防災対策の充実
「現状と課題」
本町における災害は、集中豪雨などの気仙川の氾濫による水害、土砂災害、それに、火
災や地震災害が主ですが、平成 23 年の東日本大震災のような想定外の大規模災害が突如と
して起こり得る可能性も十分にあります。
火災をはじめとする災害活動の中核となるのは、消防団ですが、団員数が減少傾向にあ
ると同時に、町外に就労する団員も多く、日中に即時対応可能な団員は限られています。
大規模災害が発生した場合は、関係機関や消防団のみならず、地域住民の果たす役割は大
きく、自主的な行動が必要となります。それぞれが役割を明確にしながら地域全体の防災
力を高める必要があります。
先の大震災においては、停電により住民への情報伝達がうまくできなかったこと、電話
回線も途絶し情報収集も不十分だったことから、住民への情報伝達手段、情報通信手段の
確保が必要です。
本町は、急峻な山々に囲まれ厳しい自然条件下にあり、人家も点在していることから、
連絡手段の確保のほか、水利確保、非常時の備蓄品配備など、非常時に備える準備を行っ
ていく必要があります。また、災害活動の中心となる消防団や常備消防署は、その役割を
確実・効果的に果たせるよう、有事に備えた訓練を行うと共に、装備品の更新等、遂次環
境を整えていくことが必要です。
「目標」
火災及び風水害等の発生の未然防止と被害最小限化
指標
火災ゼロ日数 365 日の達成
15 件/5 年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・総合的な消防防災体制の確立による災害に強い安全なまちづくり
主要施策
・情報通信手段確保:防災行政無線の充実、衛星携帯電話の活用
・地域における防災力の向上:訓練、座談会、各種講習会の開催、備蓄品等の確保
・消防防災設備の充実(消防団・常備消防)
:消防自動車等の備品更新、消防屯所の改築、水利施設の新設
・防災組織の強化:消防団員の加入促進
- 96 -
後期基本計画<実がなりますように>
2
地域安全対策の充実
「現状と課題」
交通安全は、町民の身近な願いであり、町民を交通事故から守るためには、交通安全施
設の整備を推進すると共に、交通安全思想の高揚を図ることが求められています。
また、町民が安心して暮らしていく上では、犯罪の防止などの防犯対策も重要な役割が
あります。本町における犯罪の発生は少ない状況にありますが、全国的には、犯罪の低年
齢化や複雑化が進行しており、関係機関が一体となった犯罪の未然防止を図ることが求め
られています。
「目標」
交通死亡事故及び飲酒運転の撲滅と青少年非行や犯罪の起こらない環境づくり
指標
交通死亡事故及び飲酒運転ゼロ日数 365 日の達成
「目標を達成するために」
○施策の方向
・総合的な交通安全及び防犯体制の確立
主要施策
・交通安全施設の整備:ガードレール、カーブミラー等の設置
・交通事故被害者の救済:交通事故相談の充実及び交通災害共済制度の普及
・防犯施設の整備:防犯灯の設置
・防犯意識の高揚及び防犯体制の整備:関係機関及び地域との連携、街頭啓発活動
- 97 -
後期基本計画<実がなりますように>
3
消費生活の安定
「現状と課題」
経済のサービス化が進展し、多様な情報通信サービスが普及する中で、通信販売・ネッ
トオークションなど選択の幅が広がった一方、商品の現物や相手方の信用性を確認できな
いまま行う取引によるトラブルが増加しています。また、インターネット上のWebサイ
トや電子メールを通じた架空請求・不当請求等の消費者トラブルに巻き込まれるケースが
多発しています。
このように、悪質業者は次々と新たな手口を生み出しており、その手口も巧妙化・悪質
化が進み、消費者トラブルは依然として後を絶たない状況です。
こうした多様化する消費者相談に対応するためには、専門的な知識や経験を有する常勤
の相談員の確保が必要ですが、相談件数等を考慮すると、管内共同で設置し、効率的な相
談体制を整備する必要があります。
「目標」
消費生活の安定と向上を図る
指標
消費生活に関わるトラブル等の未然防止
「目標を達成するために」
○施策の方向
・消費者の視点による消費者行政の展開
主要施策
・相談体制の充実:消費生活相談窓口の共同設置
・消費者の意識啓発:消費者に対する有用な情報の提供
- 98 -
後期基本計画<実がなりますように>
第4節
1
保健医療を充実します
健康維持増進
(1)
次世代支援対策の充実
「現状と課題」
子どもたちが心身ともに健やかに成長することは大きな願いです。
本町においても、核家族化の進行や女性の社会進出に伴って少子化が進行するなど、子
育て環境が大きく変化しています。これらの変化により、育児不安を抱える子育て家庭や
児童虐待、集団生活になじめない子ども等の新たな問題が生じてきています。
このようなことから、子どもたちの状況を正確に把握することと保護者の疑問や不安を
解消するためには、乳児健診など乳幼児との接点を多くする機会と専門家に相談する機会
を設定する必要があります。
さらに、小児科医の不足により健診体制の確保が大きな課題となっていることから、対
策をとっていく必要があります。
「目標」
安心して楽しく子育てができる環境の整備
指標
・乳児死亡
0 人/年
・乳児健診受診率
100%/年
「目標を達成するために」
○施策の方向
・健全な発育発達と育児の支援
主要施策
・育児支援事業の推進:相談の実施(乳児・1歳児・2歳児・5歳児)、乳幼児教室の
開催、こども相談の実施
・乳幼児健診事業の推進:乳児健診、1歳6か月児健診、3歳児健診、歯科健診
(2歳児・5歳児)の実施、幼児フッ素塗布事業の実施
- 99 -
後期基本計画<実がなりますように>
(2)
食育の推進
「現状と課題」
飽食の現代、本町における食生活状況も、ライフスタイルの多様化や核家族化、女性の社
会進出、食料事情の多様化等により大きく変化しました。
平成 22 年度岩手県ガン等疾病予防システム集計によると、本町における「朝食の欠食率」
は、
「週 2~3 日食べない」
「週 4 日以上食べない」と答えた小学生は 3.4%、中学生は 1.0%、
高校生は 32.7%という結果であり、平成 17 年度に比較して小学生・中学生は減少していま
すが高校生は増加しています。
また、「食べない食品群の有無」については、「ある」と答えた小学生は 18.2%、中学生
は 24.4%、高校生は 27.8%という結果であり、年齢が上がるにしたがい増加傾向にありま
す。
人間の心と体の成長・発達を考えた場合、
「1 日 3 回食事をとること」
「栄養バランスのと
れた食事をとること」は大変重要なことです。
このことから、本町においても、子どもの頃からの成長・発達段階に応じた、人間のライ
フステージにおけるよい食習慣・食環境づくりを、家庭・学校・地域等の食育関係機関が連
携を図りながら進めていく必要があります。
「目標」
朝食を欠かさず食べ、偏食をなくす
指標
朝食欠食者の割合
小学生 0%、中学生 0%、高校生 15.0%
極端な偏食があるものの割合
小学生 10.0%、中学生 15.0%、高校生 20.0%
「目標を達成するために」
○施策の方向
・家庭・学校・地域等の食育関係機関の連携によるライフステージに沿った食育・食環境
づくりの推進
主要施策
・食育推進事業(妊娠出産期・乳幼児期・学童期・思春期・成人期・高齢期)
:離乳食教室・ふれあい交流クッキング・食生活応援教室・地区栄養教室の実施
- 100 -
後期基本計画<実がなりますように>
(3)
成人・老人保健対策の充実
「現状と課題」
本町の主要死因別死亡数は、悪性新生物・心疾患・脳血管疾患・肺炎が上位を占め、生
活習慣病と高齢化に伴うものが多い状況です。
また、同様に国保疾病実態調査においても高血圧や糖尿病等の生活習慣病と高齢による
と思われる眼科疾患・歯科疾患が多い状況であることから、元気でいきいき働くためには、
若い世代からの生活習慣病予防対策が必要です。
また、社会生活環境や対人関係の問題・精神疾患等により社会適応が困難となる者が増
加しているため、自殺対策を含めた心の健康づくりを講じる必要があります。
「目標」
生き生き働き、健康寿命の延伸
指標
80 歳未満で死亡する人の割合
40%未満を維持(平成 22 年 31.8%)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・生活習慣病予防対策と心の健康づくり対策の強化
主要施策
・生活習慣病予防事業の推進
:健康教育、健康相談、健康診査(各種基本健診・がん検診等)
、
機能訓練、訪問の実施
・心の健康づくり事業の推進:研修会の開催、相談・訪問事業の実施
- 101 -
後期基本計画<実がなりますように>
(4)
感染症対策の充実
「現状と課題」
本町では、定期予防接種に加えて、任意予防接種を追加し、現在 10 種類の予防接種を行
っています。
近年は、日本脳炎予防接種の再開や国の補助金による任意接種の勧奨に加えて、東日本大
震災後は支援によるワクチン接種等、予防接種の種類が増加し、今後は定期と任意の予防接
種の勧奨がおこなわれ、2種から3種の同時接種ということも日常的に実施されると予想さ
れます。
現在のところ定期予防接種対象疾患の感染はありませんが、今後の感染防止のため、接種
率の向上を図る必要があります。
さらに、新型インフルエンザのような新たな感染症がいつ発生するかわからない世界情勢
であるため、不測の事態に備え対策を講じておく必要があります。
「目標」
定期予防接種対象疾患を予防する
指標
定期予防接種の接種率 90%
「目標を達成するために」
○施策の方向
・感染症の予防対策の強化
主要施策
・各種予防接種の推進:定期予防接種(BCG、ポリオ、DPT、MR、日本脳炎、
インフルエンザ)、任意予防接種(子宮頸がん、ヒブ、
小児肺炎球菌、高齢者肺炎球菌)、東日本大震災支援による
ワクチン接種(高齢者肺炎球菌、6か月児から中学生までの
インフルエンザ・ロタウイルス)の実施
・防疫対策の推進:物品の備蓄、体制の構築
- 102 -
後期基本計画<実がなりますように>
2
医療体制
「現状と課題」
本町には県立病院 1 ヶ所、一般診療所 3 ヶ所(出張診療所 1 ヶ所含む)、歯科診療所 2 ヶ
所ありました。しかし、唯一入院設備(65 床)のあった県立住田病院が平成 20 年4月には
19 床の診療所(岩手県立大船渡病院附属住田地域診療センター)となり平成 21 年4月には
病床が休止し、無床診療所になりました。また、かつて 10 科あった出張診療科が現在は 5
科と半減しています。
救急体制については、大船渡消防署住田分署の高規格救急車 1 台が更新され、装備も最
新式の器材に一新、充実されました。
高齢化率が高く、面積の広い本町においては、今後も医療体制及び救急体制の整備確保
が重要なことから、その整備促進を図る必要があります。
「目標」
安心して生活できる医療体制・救急体制の確保
指標
診療体制
県立診療所 1 ヶ所、一般診療所 2 ヶ所、歯科診療所 2 ヶ所の維持
町内に病床の確保
「目標を達成するために」
○施策の方向
・住田地域診療センターの充実と災害等緊急時の医療体制の確保
主要施策
・住田地域診療センターの充実:病床復活を含む県への要望の実施
・災害等緊急時の医療体制の確保:管内医療機関との連携確保
・地域医療体制の確保:町内医療機関の連携、住田町地域医療対策協議会の充実
- 103 -
後期基本計画<実がなりますように>
第5節
1
社会福祉を充実します
地域福祉
「現状と課題」
町民の意識、価値観の多様化などにより、地域コミュニティーの希薄化が進んでいます。
地域の問題や課題はそこに暮らす人々とともに考えて、町民全体で取り組むことが重要で
す。また、町民一人ひとりの知識や経験を活かし、自らの取り組みを活かした地域づくり
が望まれています。
誰もが皆、安心して自立した生活を送ることができるような生活環境の整備が求められ、
さらに災害時に援護を必要とするひとり暮らし高齢者や障がい者など要援護者への支援が
求められています。
「目標」
お互いを尊重し、支え合い、安心して暮らせるまちづくり
「目標を達成するために」
○施策の方向
・安心して暮らすための地域環境の整備と要援護者への支援
主要施策
・支え助け合いの推進:保健・医療・福祉の連携、地域福祉コミュニティーの推進、
助け合いの意識啓発や活動への参加意識の向上
・ボランティア活動の推進:ボランティア活動の育成支援、民生児童委員活動の支援
・安心して暮らせる環境の整備
:ひとにやさしいまちづくりの推進、生活困窮者の自立支援
・安全に暮らせる環境の整備
:災害時要援護者への支援、情報伝達体制の構築、虐待、家庭内暴力の防止
- 104 -
後期基本計画<実がなりますように>
2
障がい者福祉
「現状と課題」
障害福祉サービス利用者の約 40%が施設入所しており、その他の利用者は在宅で居宅介
護や生活訓練等を受けています。障がい者が地域で安心して暮らせる社会の実現のために
は、相談支援や地域活動支援、居住環境整備、就労支援の充実を図っていくことが必要で
す。障がいのある人の中には、福祉サービスを利用していない人も少なからずおり、福祉
についての情報を広く細やかに提供する必要があります。また、障がい者の能力や適性に
応じたサービスを提供することが大事です。
また、地域住民の障がい者に対する正しい理解と協力が不可欠なことから、地域におけ
る啓蒙を図っていく必要があります。
「目標」
障がい者の地域での安心した生活確保
指標
施設入所者の割合
10%の減少(施設入所から地域での生活へ)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・障がいのある人や家族が地域で安全に安心して暮らせる環境づくり
主要施策
・福祉サービスの充実:介護給付・訓練等給付による支援、日常生活用具給付等事業・
移動支援事業・訪問入浴サービス事業・更生訓練費給付事業・
生活訓練等事業・日中一時支援事業・社会参加促進事業の実施
・相談支援体制の整備と機能強化
:相談支援事業・相談支援機能強化事業・成年後見制度利用支援事業の実施
・地域活動支援体制の整備と機能強化
:コミュニケーション支援事業・地域活動支援センター事業・地域活動支援
センター機能強化事業の実施、気仙地域障がい者自立支援協議会の運営
・一般就労支援:在学中から施設実習や事業所実習するための支援、気仙地域障がい
者自立支援協議会就労部会と連携した就職支援
・保健・医療・福祉の連携:保健・医療・福祉の連携体制の充実
・障害の発生予防:早期予防活動の推進・健康診査の充実
・バリアフリーの推進:公共施設のバリアフリー化の推進
- 105 -
後期基本計画<実がなりますように>
3
高齢者福祉
「現状と課題」
本町の高齢者数は平成 18 年の 2,552 人をピークに徐々に減少し、平成 23 年 3 月現在で
は 2,415 人となりましたが、高齢化率は 18 年の 37.2%に対して 23 年には 38.4%へと上昇
し、26 年には 39.3%に達すると予想されます。また、認知症高齢者は平成 18 年に 70 人で
したが、23 年には 103 人となり、今後ますます増加することが予想されます。
高齢者が要介護状態になっても安心して暮らせるために、
「施設サービスの整備」、
「在宅
サービスの充実」、「緊急時の対応や関係機関の体制整備」、「地域の支援体制の確立」が必
要となっています。
また、高齢者が健康で生き生きと暮らすことは地域の活力につながることから、寝たき
りや認知症を予防するための介護予防施策や、元気な高齢者が経験や技術を活かし、生き
がいをもって社会参加できる施策を一層充実させる必要があります。
「目標」
住み慣れた地域での生活の維持と社会参加の促進
指標
要介護高齢者
400 人(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・高齢者が住み慣れた地域で尊厳あるその人らしい生活を継続できるような、包括的か
つ継続的なサービス体制の確立
主要施策
・介護サービス基盤の整備
:入所施設の整備、地域密着サービスの充実、在宅サービスの充実
・介護サービスの質的向上:介護支援専門員研修会の開催、サービス事業者の指導
・介護予防の推進:地域ミニデイサービス・集中リハビリ教室の実施
・認知症高齢者支援対策の推進
:気仙地区安心ネットワークシステムの充実、認知症サポーター養成講座の開催、
認知症介護講座の開催
・地域ケア体制の整備:生活管理指導員派遣事業、緊急通報装置設置事業、配食サー
ビス事業、高齢者生活福祉センター居住部門の運営
・高齢者の積極的な社会参加の推進:老人クラブへの補助
・生きがいづくり、趣味創作活動への支援:高齢者教室・趣味創作活動への支援
- 106 -
後期基本計画<仲良くできますように>
第5章
仲良くできますように!
~協働の推進~
第1節
自助と協働のご近所をつくります
「現状と課題」
本町では、自治公民館を中心に多様なコミュニティ活動が行われており、昔ながらの伝
統や文化、地域連帯の意識と郷土愛が受け継がれてきましたが、組織運営や活動に支障が
出始めている地区も見受けられます。
社会の変化への対応や防災、犯罪の未然防止などのためにも地域力の向上を図る必要が
あります。
「目標」
自治活動の維持と連帯意識が育まれ、社会の変化に柔軟に対応できる地域力の向上
指標
自治公民館数
22〈現状維持〉
(H28)
「目標を達成するために」
○施策の方向
・地域コミュニティの維持・充実、組織活動の支援、施設の整備と有効活用による自助
と協働の地域づくりの推進
主要施策
・組織活動の支援
:生涯学習の推進、地区公民館と自治公民館の連携強化、公民館長等研修の実施、
自治公民館活動への支援、各種自主組織活動への支援
・活動拠点施設の整備と有効活用
:自治公民館維持管理及び自治公民館改修等への支援
- 107 -
後期基本計画<仲良くできますように>
第2節
協働によるまちづくりを進めます
「現状と課題」
平成 14 年度からの住田町総合発展計画後期計画では、世田米、大股、下有住、上有住、
五葉の各地区公民館単位に地区別計画を策定し、住民と行政が協働し、地区の特性を活か
した地域づくりを進めてきました。
これまでの活動を通じて、地区によっては活動の目的が不鮮明となり、曖昧なまま活動
していることで活動参加者の減少や後継者不足によって活動が低下しつつある状況です。
今後は、地区公民館単位のみにとらわれず、住民のやる気と自主性を活かした目的別地
域づくり、住民の自主的な地域づくりについてその意欲を喚起し、新たな地域づくり団体
を育成しながらさらに推進する必要があります。
「目標」
住民の自発的な地域づくり
指標
新規地域づくり団体の数
2 団体/H28
「目標を達成するために」
○施策の方向
・住民主導の組織運営の確立によるまちづくり
主要施策
・住民と行政との協働体制の構築:地区別計画の推進、集落支援員の設置
・コミュニティ・ビジネスへの進展:自主的な住民組織への支援
- 108 -
〈地区別計画〉
地区別計画の内容
1.計画の策定
町民と行政が一体となり、地区の特性を活かした特色ある地域づくりを進めるため、
各地区の計画を策定したものです。計画の策定にあたっては、地区民の代表の方々と、
地区を担当する町職員が協働でつくりあげたものです。
この地区計画は、住田町総合計画前期基本計画地区別計画(平成 23 年度まで)を
基に、原則として本計画の期間(平成 28 年度まで)の基本方針などを検討したもの
ですが、地区の自主性と将来を見据えた長期展望の視点を含んだ内容となっています。
2.計画の推進
この地区別計画は、地区の将来の目標を示すという性格もあわせ持っており、事業
の実施にあたっては地区の自立を促し、町との役割分担を明確にしながら進めていく
ものです。
計画の推進方策については、
「部門別計画」
「第5章 仲良くできますように!~協
働の推進~」
「第2節 協働によるまちづくりを進めます」で示しています。
3.計画の構成
計画の構成は、実施地区ごとに、それぞれの特徴と自主性を生かした組み立てとな
っています。
4.前期基本計画の総括(平成 19 年~23 年)
地区ごとの総括は次のとおりです。
- 109 -
【前期基本計画の総括】
世田米地区別計画 -「いきいきしたまちづくり」-
「うるおいのある町にしよう」
「いきいきした町にしよう」
「ふれあいのある町にし
よう」を基本指針に「夢」
「希望」
「意志」を持った計画の具現化に向けて、委員、地
区民、行政が相互理解を深めながら事業を推進しました。事業ごとに担当チームを組
織し、それぞれの主体的な取組みを尊重したことにより、自主性、創造性が発揮され
ました。6 つの自治公民館を有する本町の中心的地区であり、広範囲にわたる課題や
ニーズに対応しようとする意欲から、
「あれも」
「これも」と盛り込んだ計画であった
ため、成果が見えにくくなりました。今後は、課題の重要度などを整理しながら、地
区民が継続して取り組んでいける事業の検討を進めていく必要があります。
<実施期間> 平成 19 年度~平成 23 年度(5 ヶ年)
①うるおいのある町にしよう
基本方針である「豊かな水と緑の自然環境を活かした美しい環境づくり」と、
「子どもからお年寄りまでが快く、健やかに、生き生きと暮らせるような環境づ
くり」を進めるため、川向河川公園の整備や清掃活動を実施し、地区住民の憩い
の場を整備するとともに、各家庭などでの美化活動に対する意識の醸成が図られ
ました。また、世田米発見ウォーキング事業を実施し、地域の宝の再発見と地域
を客観的に評価する機会を得るなど、地域の大切な資源を未来の子どもたちに伝
えることができました。
<実施事業とその成果>
○川向河川公園整備事業
・「気仙川をきれいに」の看板設置や、遊歩道に桜並木の整備を実施しました。
これにより、環境や景観への関心が高まってきています。
○川向河川公園清掃活動事業
・川向河川公園を地区の憩いの場として位置付け、区域の草刈や清掃活動を実
施しました。年々、参加者が増えており、環境や景観への関心が高まってき
ていますが、主な参加は近隣住民が多く、地区全体としての取り組みとなっ
ていないのが今後の課題となっています。
○せたまい発見ウォーキング事業
・東峰、愛宕、曙の公民館(地区)を中心として取り組み、地元資源の良さを
再認識するなどの機会となっています。
- 110 -
②いきいきした町にしよう
基本方針である、
「地域内に潜在している人、物、自然環境などの“宝”を様々
な場面で積極的に活用し、地区民の笑顔あふれる暮らし」を推進するため、地域
の人たちが有する“得意技”を紹介する事業や、地域内の名木や古木などの地域
資源の調査事業を展開し、地域固有の魅力を発見する機会になりました。
<実施事業とその成果>
○せたまい“宝”探し事業
・今まで気が付かなかった地域の自然景観の素晴らしさや、地域の人が有する
得意技を発掘することにより、名木・古木めぐり事業や凧づくり教室に展開
することができました。
○名木・古木めぐり事業
・地区内40カ所の名木と古木の調査を行い、今まで気が付かなかった資源を
発見し評価することで、地域へのさらなる興味と関心を深めるきっかけとな
りました。
○地域の“達人”に学ぶ事業
・凧づくりや門松づくりなど、地域の人たちが有する“得意技”を生かす場を
設定し、また、地域内の子どもたちが技術を学ぶことにより世代間交流を図
ることができました。
○せたまいまちづくりだよりによる情報発信
・年に数回せたまいまちづくりだよりを発行し、事業の取り組みや結果を広く
地区民に周知することで、地区民全体で取り組む意識の醸成を図ることにつ
ながりました。
③ふれあいのある町にしよう
基本指針である、「若者の行動力と高齢者の知恵や経験を生かし、ひとり一人
が世代を超えて、思いやりを大切にしたふれあいの場づくり」を推進するため、
懇談会の開催やあいさつ運動を展開し、子どもから高齢者までがすごし易く、安
心なまちづくりに努めてきました。
<実施事業とその成果>
○まちづくり懇談会開催事業
・各自治公民館との懇談会を開催することで、地区内の課題を共有し、また地
区民の町づくりに対する参画意識の向上を図ることができました。
○「あいさつ」運動の促進
・次代を担う子供たちが健やかに成長していくために、家族や地域の多くの人
たちとふれあうことが大切との認識のもと、子どもたちの登校時に合わせた
あいさつ運動を展開することで、地域の多くの人たちとふれ合うきっかけと
なりました。
- 111 -
大股地区別計画 -「共につくる元気な大股」-
「地域の発展はよいっこ(結い)の心から」を基本方針として、
「結いと協働」
「コミ
ュニティビジネス」の 2 つの視点に立ち、
「地域リーダーの創出と結いの復活、情報を発
信する地区公民館活動」
「地域資源を活用したコミュニティビジネス」
「豊かな自然環境・
生活環境の保全と創造活動」の 3 つの活動に取り組んできました。
先の計画からの課題でありました、特定の地区民に偏った取り組みや、協働への多忙
感を払拭するため、地区民の取り組みを地区公民館や地区の教育振興運動などの関係団
体の活動とリンクさせ、地区民の活動負担の軽減を図りながら効果的な取り組みを進め
てきました。
また、平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災においては、地区公民館を町のボ
ランティア活動の拠点として開放し、ボランティア団体への食材提供を行うなど、地区
民が一体となった後方支援を行いました。
今後においても、
「結いと協働」の精神の基、地区公民館や地区の教育振興運動などの
関係団体と協力し、地区民の負担とならないような効果的な取り組みを進めていく必要
があります。
<実施期間> 平成 19 年度~平成 23 年度(5 ヶ年)
①地域リーダーの創出と結いの復活、情報を発信する地区公民館活動
地区内全ての人材・課題・情報を、地区の活動情報発信の拠点である地区公民
館に集約し、活動の展開を通じて、結いと協働の心を醸成していくとともに、地
域リーダーの育成を施策の方向として取り組んできました。
特にも、次世代を担う青少年との交流を通じて実施した文化・風習などの伝承
活動は地区公民館を活動拠点とした地域リーダー育成の象徴的活動であり、また
ボランティア団体への後方支援については、間接的ではありますが、全国的にも
その活動が情報発信されました。
<実施事業とその成果>
○地域活動の拠点
・地区公民館を地区活動の拠点として位置付け、スポーツを通した地区民相互
の交流や世代間交流、教育・文化活動などの取り組みを進めてきました。ま
た、大股を語る会の実施においては、青少年やその親の世代がこれまで受け
継がれてきた知恵や技、知識などに触れ、大股地区をもっとよくするための
議論を交わす機会となりました。
○教育・文化に関する活動
・地区の年中行事や大股神楽などの郷土芸能を、林間学校や教育振興運動など
の取り組みを通じ、次世代を担う青少年等への伝承を行いました。なお、地
区内の屋号や地名などの由来を残そうと調査を実施しましたが、由来などが
- 112 -
わかる全ての資料がそろわないなどの理由から、調査の実施を中止していま
す。
②地域資源を有効活用した経済活動
大股地区がもっと元気になるよう、豊富な地域資源や豊かな自然環境と、交通
の要衝としての地の利を生かしたコミュニティビジネスを進めてきました。
特にも、県内 NPO と連携したツアーの実施や地場産品の販売、渓流ゾ-ンなど
の地域内の環境整備など、地域資源を活用した取り組みを進めてきました。
<実施事業とその成果>
○グリーンツーリズムの研究と実施
・地区の“宝”ともいうべき炭窯をメニューに組み入れ、県内 NPO と連携した
「大股地区ニューツーリズム」を実施しました。組み入れたメニューは、炭
焼き体験の他に町の観光名所である種山ヶ原の散策や郷土料理の振る舞いな
どがありました。
○地場産品の活用
・年間 6 回の作業が行われる炭窯が生み出した木炭や炭俵、地区内農家が生産
した山菜やきのこ類、野菜などの自然の恵みを活用した地場産品を、道の駅
「ぽらん」などを通じて地区内外に販売しています。
③豊かな自然環境・生活環境の保全と創造活動
現在残されている豊かな自然環境と生活環境を、「結いと協働」の精神を生か
した整備を進め、地区民が自然の豊かさと、暮らしに対する安心感を実感できる
環境づくりを目指してきました。また、地区を訪れる方々が地域の魅力を存分に
体感できる環境づくりを進めてきました。
<実施事業とその成果>
○協働で取り組む事項
・先の計画で整備した渓流ゾーンの遊歩道や案内看板、歴史の道の標柱などの
維持管理や、それら周辺の草刈作業を行うなど、身近にある豊かな自然を、
誰もが季節ごとに満喫できる施設の整備と保全に努めてきました。
- 113 -
下有住地区計画 -ひと と みどり を美瀬(みらい)に伝える郷 下有住-
ちょぺっとお金も
先の計画から、各集落の利害に囚われることなく下有住地区全体の取り組みとして、
「次世代を支える人を育てる」ことと、
「緑の山々と気仙川等の豊富な水資源を大切にす
る」ことを到達点とし、
「人財の育成(ひと)
」と「環境保全(みどり)
」を取り組みの重
点項目として事業を実施しました。
その結果、従来から地区で実施されてきた事業と地区別計画で新たに計画された事業
が、地域資源の有効活用や地区民の協力・連携により円滑に実施され、地区全体として
「下有住」を見直すことができました。
特に、下有住を語る会では、地区公民館や自治公民館、教育振興運動といった関係団
体との連携による取り組みを行っており、様々な意見交換がなされるなど、世代や集落
の垣根を越えた交流が図られました。
<実施期間> 平成 19 年度~平成 23 年度(5 ヶ年)
~ひと(人財)~
①下有住の未来を支える人づくり
下有住地区は、地区ならではの地元学や芸能活動を通じた世代間交流が図られ、
特にも下有住児童館は、学童保育だけではなく、育児サークルやボランティアグ
ループ、地区活動の拠点として重要な役割を担うなど、人材育成には目を見張る
ものがあります。
<実施事業とその成果>
○家の周りや地域の自然資源の活用
・改めて事業として実施はしませんでしたが、これまでの地域づくり活動によ
り、地域で受け継がれてきた技法が祖父母世代から親世代や孫世代に伝える
など、各世帯での取り組みにより地域の自然環境の整備が図られました。
②下有住の地域を学ぶ地元学
平成 12 年度に高瀬地区で地元学が始まり、平成 13 年度には地区全体で行われ
るようになり、その後、毎年実施してきました。
その結果、普段見慣れている風景に多くの資源があったことや、地元の諸先輩
方の豊富な記憶や情報を知る絶好の機会となりました。
<実施事業とその成果>
○「地元学」の継続
・各自治公民館や地区の教育振興運動といった関係団体との連携により、立場
- 114 -
が違う仲間が様々な意見を交わす場となりました。
~みどり(環境)~
①下有住の農林業を守り育てよう
先の計画より、地域農業振興事業として、土づくり講演会や有機農業講演会を
開催し、遊休農地活用事業に取り組み、特にも、先進地の青森県田子町からニン
ニクの種を購入して、ニンニク栽培の普及啓発に取り組んできました。
<実施事業とその成果>
○農産物加工品の開発事業
・先の計画からの取り組みにより、ニンニク生産者は一様の広がりは見せたも
のの、生産者ごとに品質が一定せず、また、加工品についても加工施設の整
備の面から断念せざるを得ない状況でした。しかし、これまでの土づくりや
有機農業講演会の開催により、減農薬、減化学肥料栽培が地域内に定着し、
また農業後継者の育成や、町の里山整備事業との連携による蕨峠の山焼きに
参加するなど、地区内の農林業を守り育てる意識が高まっています。
②気仙川の清流を守り育てよう
気仙川に架かる唯一の一本橋である松日橋。関東のある大学生の調査によりま
すと、松日橋のように、橋板から橋脚まで木材で制作されているのは全国的には
5 橋あり、さらに、その管理を地域住民で行っていることに限定すると、3 橋に
絞られるとの報告がなされております。
<実施事業とその成果>
○松日橋をみんなで維持・管理していく体制づくり
・大雨や台風による河川の増水で流失した際に、地域が一体となって橋の架け
替え作業を行いました。今後も、河川の清流化と美しい景観の保全に努め、
松日橋を下有住地区の象徴として、現状を守りながら維持管理を行っていき
ます。
- 115 -
上有住地区計画 -まっと住田い上有住-
「みんなで作ろうよ」
「みんなで楽しもうよ」
「みんなで育てようよ」を基本的な柱と
して事業を実施しました。上有住地区が持ち合わせている「歴史・風土・もの」の良さ
を地区民自らが再発見することで、将来に伝える可能性を再認識するとともに、事業に
取り組むことで、より活気のある「まっと住田い上有住」を築きあげることが可能であ
ることを実感することができました。
今後も「まっと住田い上有住」の実現に向け、地区民が自ら地域の持てる力を地区民
の自主性により、さらに発展性のあるものにするため、
「みんなでやればできる」を合言
葉として、
「協働し循環する施策」を展開させていく必要があります。
<実施期間> 平成 19 年度~平成 23 年度(5 ヶ年)
①みんなで作ろうよ
「食」への関心が高まる中、上有住地区では先の計画から、地域ぐるみで地産
地売り推進事業に取り組んできました。その象徴的な事業として、八日町市日の
開催と赤羽根直売所の周辺整備事業があげられます。
八日町市日の開催においては、生産者が直に販売に携わることにより、生産の
励みと喜びを感じる場として、いわゆる「地産」を推進してきました。
また、赤羽根直売所の周辺整備事業においては、バイオマストイレを改修し、
利用者の利便性向上を図るなど、国道 340 号線の拠点施設として、集客力・販売
力の向上、いわゆる「地売り」を推進してきました。
これらにより、上有住地区民総参加による生産から販売、流通、運営体制を確
立することができ、高齢者が活躍する場の創出へとつながりました。
<実施事業とその成果>
○赤羽根直売所の周辺整備
・気仙の北の玄関口として、お客さんに気持ち良く利用してもらうため、バイ
オマストイレの改修を行い、また、直売所の運営体制も確立されました。し
かし、昨今の他直売所との販売競争激化に伴いまして、上有住地区外からの
生産物供給も必要となっています。
○生産・販売体制の整備
・先の計画から復活した八日町市日の開催について、町内においても、年2回
の開催が定着しつつあります。また、原木舞茸や行者にんにくの栽培を奨励
し、特産品開発に向けた取り組みを行いました。
○運営体制の整備
・赤羽根直売所の運営やそれに供給する生産者、八日町市日開催に向けた各公
民館の協力体制などにより、上有住地区民が総参加で生産、販売、流通及び
運営できる体制づくりが整備されております。
- 116 -
②みんなで楽しもうよ
上有住地区には、自然豊かな山や川、これまで伝承されてきている様々な言い
伝えや匠の技といった“宝”があります。上有住地区に住む私たちが、毎日目に
している風景の中にある“宝”や、近所の方々が有する“宝”を見失いがちであ
ったため、「楽しみながら」を合言葉に、地区全体で再発見したその“宝”の良
さを地区内外にPRしようと事業を実施しました。
<実施事業とその成果>
○マップツアー(上有住の景観の再認識)
・先の計画で作成したマップを活用しながらツアーを実施してきました。マッ
プには記載されていない地区内の“宝”も紹介しようと、ガイドブック「ぶ
ら~りかみありす」を作成し、ツアー以外に訪れた方にもその良さを知って
もらおうと、案内看板を設置しました。
○上有住のシンボルキャラクターづくり
・地域キャラクターとして「カムイ」くんを設定し、地区内広報紙「かみあり
す」や史跡名勝ガイドブック「ぶら~りかみありす」に掲載するなど、誰か
らも親しみやすい地域づくりに活用してきました。
○八日町市日の定期的開催
・先の計画より開催が復活した八日町市日については、かつての賑わいを取り
戻すと同時に、地元野菜を生産する農家が消費者との交流を楽しみ、生産意
欲の向上につながりました。また、わら細工や竹細工などの名人が実演即売
を行い、古くから伝承されている技を披露しました。
- 117 -
五葉地区計画 -地域の協働・自然との共生による新たな可能性-
「地域の協働」
「自然との共生」を基本理念に掲げ、常に自分たちの地域づくりのため
という前向きな姿勢と地元主導により各事業を展開してきました。
特に、
「五葉まつり」では、午前中に地区対抗の運動会、午後に芸能団体による発表と
演舞が行われ、会場周辺には地元野菜などの直売コーナーを設けるなど、地区民が思考
を凝らしたイベントを開催し、地区内外に五葉の良さをアピールしました。また、五葉
地区公民館の新築に伴い、改めて地区民みんなに愛され、集える活動拠点となるよう、
記念式典を開催しました。
先の計画より、滝観洞や五葉山などの豊かな地域資源をアピールし、交流人口を増や
す対策に取り組んできました。特にも、平成 20 年 3 月に開通した国道 283 号線仙人峠道
路滝観洞インターチェンジ開通により、交通環境が向上したため、六郎峠や大洞地区へ
の桜やツツジの苗木を植樹するなどの景観整備を行ってきました。東日本大震災による
ボランティア活動などの車両もあり、地区内の交通量は増えていることから、今後も植
樹後の生育管理や剪定作業を含めた景観整備を継続する必要があります。
<実施期間> 平成 19 年度~平成 23 年度(5 ヶ年)
①地域の協働
基本方針である「一人一人が地域の一員として地域づくりに参加しよう」を目
指して、地区民に「結い」の定着を促し団結力を強化するため、各事業を展開し
ました。
五葉まつりは、地区公民館の新築工事に伴い、グラウンドが使用できない期間
もあり、継続こそしませんでしたが、地区対抗による運動会と芸能団体の発表会
を併せて開催したため、地区民が一丸となって取り組んだ象徴的な事業でした。
<実施事業とその成果>
○地区民懇談会の開催事業
・町のコミュニティ自立支援プロジェクト「地域づくり座談会」の開催に併せ
て、地区民述べ 100 人が参加し、地区の活性化のための手がかりを模索する
意見交換を行いました。
○五葉まつりの開催事業
・地区民の元気を呼び起こすと共に、地区内外の方々に五葉地区を広くPRす
るため、平成 19 年度と 20 年度に「五葉まつり」を開催しました。21 年度以
降は、地区公民館新築工事に伴いグラウンドが使用できなかったことや、会
場周辺の住民に負担がかかるなどの役割分担がうまく図られなかったことな
どにより、継続開催が困難となっています。
○郷土芸能伝承活動
・五葉まつりでの披露や町内外のイベントでの演舞など、伝承活動が行われて
- 118 -
いますが、踊り手不足などにより、団体によって活動に差が生じてきていま
す。先の計画から、伝承者が途絶えた場合に備えて、映像記録や資料の保存
を進めてきましたが、
各団体との調整がうまく図られないなどの理由により、
取り組みが進んでいませんでした。集落共同で指導者育成を進めることや後
継者を地区外から募るなどの取り組みと並行して、今後も映像記録等の保存
を進める必要があります。
②自然との共生
基本方針である「きれいな水・・・みずみずしい緑・・・新鮮な空気 この自然から
の恵みを誇り・大切にしよう」を進めるため、地域のすばらしい資源を埋もれさ
せないよう工夫しながら整備し、地域の癒しの場を創出するとともに、多くの観
光客が訪れるような対策を実施してきました。
特にも、滝観洞インターチェンジの開通に伴い、観光客などの交流人口が増加
していることから、ゴミなどの環境保全と地区公民館周辺や植樹した桜並木周辺
の景観整備に力を注ぎ、子供からお年寄りまでが参加するなど、地域が一体とな
った取り組みを進めてきました。
<実施事業とその成果>
○景観の保全活動
・地区公民館周辺や六郎峠、桧山地区、大洞地区といった景勝地に続く沿線を
中心に平成 15 年度より清掃活動と草刈作業を実施してきました。作業には、
子供からお年寄りまで参加し、地域が一体となって取り組みました。また、
桜の植樹も同時に行い、桜並木での「桜まつり(仮称)
」の開催を目指して整
備を進めてきましたが、生育にばらつきがみられるなどの課題が生じていま
す。
○四季の写真館整備
・訪れた方々に五葉地区の四季折々の風景を知ってもらおうと、地区公民館と
滝観洞に写真を常時展示しました。また、世田米地区の空き店舗を利用した
出張写真展を開催などPR活動を続けてきましたが、地域全体としての盛り
上がりが今一つであったため、今後の取り組みの課題となっています。
- 119 -
世田米地区計画
~ いきいきしたまちづくり ~
目
1
次
せたまいまちづくり計画の目標・・・・・・・124
(1) 計画の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
(2) 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
2
せたまいまちづくり計画の具現化・・・・・126
(1) うるおいのある町にしよう・・・・・・・・・126
(2) いきいきした町にしよう・・・・・・・・・・・128
(3) ふれあいのある町にしよう・・・・・・・・・130
- 121 -
1
せたまいまちづくり計画の目標
(1) 計画の特徴
世田米地区の人々が、ふれあいを大切にしながら、自主的、創造的な取り
組みにより、いきいきした、うるおいのある地域社会を築いていこうとする
ものです。
この世田米地区の計画には、地域住民の自主性に富んだ「夢」「希望」「意
志」が盛り込まれており、課題を明確にするなど、無理なく継続した取り組
みが行える 3 つの特徴を持っています。
①
住民参加の計画であること。
地域の方々が提案し、知恵を出し合って取りまとめた計画です。
②
地域住民の実行計画であること。
行政への要望や提案にとどまることなく、計画の具現化のために、地域
住民の主体的な参加と取り組みを期待する計画です。
③
地域づくり意識の高揚を図る計画であること。
行政への住民一人ひとりの係わり方など地域づくりへの関心や意識の高
揚を図っていく計画です。
計画期間
平成 24 年~平成 28 年(5 カ年計画)
(2) 基本方針
3 つの基本方針は、せたまいまちづくりの取組みの方向を示すものです。
①
うるおいのある町にしよう
②
いきいきした町にしよう
③
ふれあいのある町にしよう
計画を具現化していくための世田米地区計画体系図は、次図のとおりです。
- 122 -
世田米地区計画体系図
<基本方針>
<目
うるおいのある
町にしよう
標>
<目標を達成するために>
健やかに暮らせる
・花・緑・水のあるまちづくり
まちづくり
・お宝発見・癒しを体感できる
まちづくり
~豊かな水と緑のまち~
い
き
い
世
き
田
し
いきいきした
“宝”を生かした
た
米
町にしよう
・地域の”宝“を発見評価する
里づくり
地
ま
区
ち
計
づ
画
く
~活力あふれるまち~
まちづくり
・地域の”宝“を活用する
まちづくり
・地域の“宝”を情報発信する
まちづくり
り
ふれあいのある
町にしよう
笑顔のにあう
まちづくり
~思いやりのあるまち~
- 123 -
・ふれあいのまちづくり
・安心なまちづくり
2
せたまいまちづくり計画の具現化
(1)うるおいのある町にしよう
~豊かな水と緑のまち~
「現状と課題」
世田米地区は、町の南部に位置し、気仙川に沿った美しい景観や豊かな自
然に恵まれている地域です。歴史や文化が感じられる神社や仏閣、美しい景
色が見られる場所もたくさんあります。特にも各公民館が主体となっている
「せたまい発見ウォーキング」は、こうした地域の「宝」を新たに発見する
機会となっています。地元に居ながらも気づかない地域の魅力を再発見し、
守り伝えていく必要があります。
川向地区は、役場・学校・体育館・運動公園などの公共施設が集中し、町
の中枢的役割を担っています。川向河川公園は、グランドゴルフ・ゲートボ
ール場などがあり地域の健康づくりや交流の場として活用されており、せた
まいまちづくり委員会では、6 つの公民館との共催により、平成 15 年度から
草刈りなどの環境美化活動を行っていますが、主な参加は近隣の住民が多く、
地区全体としての取り組みとなっていないことが課題として挙げられます。
今後も、川向河川公園を地域の憩いの場としての位置づけ、地区内での役
割分担を明確にするなどし、気仙川の清流や桜並木のある景観を活かした整
備を進めていきます。また、歴史や文化が感じられる地域の「宝」を次世代
に伝えていく取り組みを進めていくこととします。
「基本方針」
うるおいのある町にしよう ~豊かな水と緑のまち~
豊かな水と緑の自然環境を活かした美しい景観づくりと、子どもからお年
寄りまでが快く、健やかに、生き生きと暮らせるような環境づくりを進めま
す。地域の大切な資源を、未来の子どもたちに伝えていきます。
「目標」
健やかに暮らせるまちづくり
「目標を達成するために」
◇
花・緑・水のあるまちづくり
気仙川の清流や河川敷に植栽した桜並木の景観を生かし、既存の歩道を
整備して川向河川公園の充実を図ります。また、子どもからお年寄りまで
さらに利用しやすいように少しずつ設備を整えていきます。さらに、川向
河川公園を地域内外の方々との交流の場としての利用を進め、ひいては地
- 124 -
域内の森林や川、風景を守り育てる運動に繋げていきます。
・草刈りなどの環境美化活動を進めます。
・桜並木の手入れをします。
・円形いすの設置やパーゴラの設置など小さな設備を設置します。
・水辺空間の利活用を進めます。
・お花見会の開催など景観を生かした交流の場を設けていきます。
<実施事業>
・川向河川公園整備事業
・川向河川公園清掃活動事業
◇
お宝発見・癒しを体感できるまちづくり
地域には歴史や文化が感じられる神社や仏閣、美しい景色など地元に居
ながらも気づかない大切な資源がたくさんあります。歩く速さ、目の高さ
で、ゆっくり地域を見つめることによって、地域の「宝」を発見し、大切
な資源を未来の子どもたちに伝えていきます。
・緑豊かな地域を巡り、癒しを体感します。
・自然、歴史、伝説などを学び体感するコースづくりに取り組みます。
・案内人を発掘・育成し、歴史や伝説などを次世代に伝えていきます。
<実施事業>
・せたまい発見ウォーキング事業
- 125 -
(2)いきいきした町にしよう
~活力あふれるまち~
「現状と課題」
世田米地区は、商業の中心地である世田米商店街やプレカット工場、集成
材工場などが立地する地域、田園風景が広がる地域と対象地域が広大な地区
であり、これまでの取り組みにより、各地域には人、物、自然景観などの様々
な“宝”が潜在していることを知りました。
特にも、東峰地区、川口地区を対象に実施した世田米発見ウォーキング事
業では、この事業の実施や開催に向けての準備を通して、さらに、名木・古
木めぐり事業と併せて実施したことにより、今まで気がつかなかった自然景
観のすばらしさや、神社仏閣の貴重さを実感することができました。
また、凧づくり教室や門松づくり教室を通じた地域の“達人”に学ぶ事業
においては、
“ 得意技”を披露する地域の方々と、初めて体験する参加者とが、
お互い笑顔でいきいきした表情をしていました。
各地域においては、このような人、物、自然景観等の“宝”がまだまだ潜
在していることから、今後も地域固有の魅力を発掘する事業を継続し、地域
の活性化につなげていくこととします。
「基本方針」
いきいきした町にしよう
~活力あふれるまち~
地域内に潜在する“宝”を様々な場面で積極的に活用し、地区民の笑顔が
あふれる暮らしを促進していきます。
「目標」
“宝”を生かした里づくり
「目標を達成するために」
地区民のひとり一人のささやかな満足感や充実感を源泉に、住民の参画と
参加により地域への関心を深めながらまちづくり運動の連帯感を培います。
◇
地域の“宝“を発見評価するまちづくり
気仙川、倉並、四十八滝、叶倉、樺山、名木、古木、名人、達人、物な
ど地域資源を発見し、世田米発見ウォーキング事業や地域の“達人”に学
ぶ事業などにつなげていきます。
- 126 -
<実施事業>
・せたまい“宝”探し事業
◇ 地域の“宝”を活用するまちづくり
地域の人たちが有する“得意技”をまちづくりに生かす場の設定や地域の
宝を“ビジネス”に繋げる運動や“美しい自然景観”の保全を促進します。
<実施事業>
・地域の“達人”に学ぶ事業
◇ 地域の“宝”を情報発信するまちづくり
地域の達人の技や美しい自然景観の情報、並びに地区住民のいきいきとし
た活動を広く発信していきます。
<実施事業>
・せたまいまちづくりだよりによる情報発信
- 127 -
(3)ふれあいのある町にしよう
~思いやりのあるまち~
「現状と課題」結構
近年の携帯電話やインターネット等の情報媒体の発達は、必要な情報を逐
次得ることができるとともに、自ら情報発信することも可能となってきてい
ます。このような情報化の波は、価値観の多様化を促す反面、日常生活や各
種行事の持ち方などにおいて家族間・世代間・地域間で従来培ってきた価値
観を変容させています。
また、少子化の進行や若者の町外への流出、職場環境の多様化等により青
年層の地域活動への参加が減少しています。このため、次代を担う青少年層
への伝統芸能の伝承等が進みにくい状況にあります。
一方、子供たちをとりまく環境も変化してきており、子供の安全を守るた
めには、家族とともに地域の人たちが見守る、いわば地域ぐるみの安全確保
が求められています。
先の計画では、地域内の子供から高齢者までがふれあうきっかけづくりを
進めることを計画しており、世田米小学校PTAと連携して登校時にあわせ
たあいさつ運動の展開や、地域の方々が日々の行動を下校時間帯に合わせる
など、一定の成果が得られており、お互いの見守り機能の充実も図られてお
ります。
今日の社会において、個人単位では「便利で豊か」でも、地域単位では「何
かを失いつつある」ことも実情であり、人と人とのふれあいを通じて、誰も
が参加しやすい地域づくりが、より一層求められていることから、先の計画
と同様に、ひとり一人の思いやりを大切にしたふれあいの場づくりを推し進
めていくこととします。
「基本方針」
ふれあいのある町にしよう ~思いやりのあるまち~
若者の行動力と高齢者の知恵、経験を生かした世代を超えた「ふれあいのあ
る町」を目指します。
「目標」
笑顔のにあうまちづくり
「目標を達成するために」
世代間と地区内外の『生きた情報』の発信と活用につとめ、子供から高齢
者までがすごし易く、安心して住める「まちづくり」を進めます。
- 128 -
◇
ふれあいのまちづくり
人と人とのふれあいを大切にしていきます。
・歩いていける範囲を単位とした、自発的な活動を支援します。
・創作活動の成果の観賞や感動を伝え合う機会づくりを支援します。
・青少年層の地域参加機会づくりを支援します。
<実施事業>
・まちづくりだよりの発行や活動状況の記録展示等の広報事業
・まちづくり推進研修事業
・まちづくり懇談会開催事業
◇
安心なまちづくり
次代を担う子供たちが健やかに成長していくために、家族や地域の多く
の人たちとふれあうことが大切です。繰り返して「あいさつ」をかわすだ
けでも親近感が増し、地域の多くの人たちとふれあうきっかけになること
から、世田米地区全体で「あいさつ」運動を推し進めていきます。
また、安心なまちづくりを進めるため、子供から高齢者までの世代間の
交流を進めていきます。
・「あいさつ」運動を推進します。
・世代間交流を進めます。
<実施事業>
・学校と関係団体間の連携
・「あいさつ」運動の促進
・子供から高齢者までがすごし易い環境づくりの促進
- 129 -
大股地区計画
~ 心豊かな住みよい大股地区 ~
目
1
次
大股地区の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134
(1) 位置及び区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134
(2) 歴史・文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134
2
大股地区計画の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・134
3
大股地区計画の具現化・・・・・・・・・・・・・・・136
(1) 人材育成と情報発信・・・・・・・・・・・・・・・136
(2) 経済と可能性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・137
- 131 -
1
大股地区の現状
(1)位置及び区域
大股地区は、住田町の西部に位置し、四方を急峻な山に囲まれた山村地域
で、種山から東南へ流れる大股川と辰砂山から南へ流れる小股川沿いに、大
股、中井、姥石、小股の集落が点在しており、4集落を合わせて大股地区と
称しています。
本地区は、遠野市、奥州市、一関市、陸前高田市と隣接しており、国道1
07号と国道397号が小股地区で分岐、合流している交通の要衝で、内陸
方面からの玄関口となっています。特に、奥州市方面からの西の玄関口には、
国指定名勝「イーハトーブの風景地」のひとつで、宮沢賢治がこよなく愛し
た「種山ヶ原」と名勝「環川」など自然豊かで美しい景観が残されていると
ともに、道の駅「ぽらん」、遊林ランド種山などの観光施設があります。
(2)歴史・文化
大股地区は、古くから内陸と沿岸を結ぶ重要な街道筋上にあり、交易の中
継場として人の交流が盛んな地域で、現存する一里塚や栗木鉄山などが歴史
の道を偲ばせます。また、荷沢峠を境に南部藩と接していたことから、政治
的 に も 重要な 位 置 に あ り 、 蛭子 舘金山 や 沢 々 に あ っ た と さ れ る 烔 屋 な ど 、 鉱
物資源が豊かなことでも知られており、特にも、鉱山の経営によって、木炭
の需要が支えられ多くの雇用が生み出されました。
川沿いにわずかに広がる平地では、畑を中心とした自給自足の暮らしが営
まれ、現金収入は、集落のまわりに広がる雑木林での炭焼や養蚕で得ていま
した。わずかな耕地には、ひえやタカキビ、小麦などが植えられ、雑穀食、
粉食が食の基盤となっていました。
また、大股神楽などの民俗芸能や、宇南大権現(小股)・石祐神社(柏里)・
日天月天(里古屋)・小股舘(小股)などの史跡が現在に残され、伝えられ
ています。
2
大股地区計画の目標
津付ダム建設などの改良工事や東日本大震災の発生によるボランティア活
動の拠点になるなど、大股地区を取り巻く環境は日々変化しています。こう
いった中で、平成 19 年に策定した「住田町総合計画前期基本計画大股地区計
画」の一部を見直し、大股地区の人々がもっと元気になり、大股地区をもっ
とよくするため、「よいっこ(結い)」と協働の精神を大切にしながら活動
に取り組み、心豊かな住みよい大股地区を築いていこうとするものです。
また、先の計画と同様に、2つの視点で無理なく継続した取り組みが行え
- 132 -
るよう、情報を共有しながら地区公民館活動と一体的な地域づくりを進めて
いこうとするものです。
<2つの視点>
①「結いと協働」(大股をもっと元気にするために)
②「コミュニティビジネス」(大股をもっとよくするために)
<取り組みの中心>
①人材育成と情報発信
②経済と可能性
~
イメージ図
~
大股地区振興協議会
・自治公民館
・地区公民館 ・老人クラブ
・郷土芸能保存会 ・婦人会
・体育協会
・子ども会育成会 ・消防団
等役員
大股地区民
「結いと協働」(大股をもっと元気にするために)
「コミュニティビジネス」(大股をもっとよくするために)
人材育成と情報発信
経済と可能性
心豊かな住みよい大股地区
- 133 -
3
大股地区計画の具現化
(1)人材育成と情報発信
「現状と課題」
現在、旧大股小学校校舎を大股地区公民館として、地区の情報発信や人材
育成など、地区の中心施設として活用しており、さらに、交流や生涯学習な
どの様々な分野の発祥、機軸となる機能を持つ施設として活用を進めていま
す。
しかし、平成 23 年 9 月 30 日現在で大股地区の人口は 352 人と、町内 5 地
区の中でも少ない人口規模となっており、また、津付ダム建設工事による集
落の移転と国道 397 号線の改良工事により、集落形態が少しずつ変化してい
ます。
そのため、宇南大権現(小股)や石祐神社(柏里)、日天月天(里古屋)、
小股館(小股)などの史跡や栗木鉄山跡地、蛭子館金山などの遺跡といった
有形文化財や、大股神楽などの伝統芸能といった無形文化財、小正月のみず
き団子づくりなどの古くから地域で行われてきた伝統行事を、今後どのよう
に継承していくかが喫緊の課題となっています。
今後も、地区公民館を地区の中心施設として活用し、生涯学習などによる
地域リーダーの創出や、元気な地区民の取り組み内容などを発信し、地区民
全体が元気になるよう取り組みます。
また、東日本大震災の発生により、全国的にも地域コミュニティーが重要
視されていますが、大股地区は、地区公民館を中心として培ってきた「よい
っこ(結い)」と「協働」の精神を大切にしたコミュニティーがあります。地
区公民館に町ボランティアセンターが設置されるなど、復興支援の拠点施設
としての役割を果たしていますが、今後も、こういった「大股地区ならでは」
の地域コミュニティーを維持させた中で、地区公民館を訪れる人も元気にな
るような支援を行っていきます。
-目標-
地域の伝統の継承と地域リーダーの創出、地区公民館活動を中心とした情
報発信
<主要事業>
・世代間交流を通じた伝統行事の継承
・生涯学習を通じた伝統芸能の保存
- 134 -
(2)経済と可能性
「現状と課題」
大股地区の主な産業は農林業であり、しいたけや水稲、豆類の生産や、林
業に従事している方もいますが、高齢化や人口減少が進む中で、耕作できな
い農地や、管理が行き届かない林地が増えている状況です。
先の計画では、地区の“宝”ともいうべき炭窯を活用した「大股地区ニュ
ーツーリズム」を実施し、炭焼き体験の他に町の観光名所である種山ヶ原の
散策や郷土料理の振る舞いなどを体験メニューに取り入れましたが、現在で
は受入れ側の高齢化などにより、大股地区ニューツーリズムの継続実施が困
難となっています。
そういった中でも、炭窯の維持管理は継続されており、生産された木炭は
地区内外を問わず好評を博しています。特にも、冬期間を控えた秋口には販
売が集中するほどとなっています。
今後は、津付ダム建設に伴う改良工事などによる交通量の増加といった地
の利を活かし、道の駅「ぽらん」や遊林ランド種山、種山ヶ原森林公園など
の施設を地域の観光施設、交流の場と位置付け、木炭などの地場産品の販売
も含め積極的に関わっていき、大股地区をもっとよくする発想や工夫をして
いきます。
また、訪れる人が地区の広大な森林を背景にした大股川とその支流の篠倉
沢や環川などが織りなす、複雑で多彩な自然景観をふるさとの魅力として存
分に体感できる環境づくりを進めていきます。
-目標-
地域資源の活用と創造、自然環境の保全活動
<主要事業>
・炭窯の維持管理
・遊歩道、自然散策路等の整備
- 135 -
上有住地区計画
~まっと住田い上有住~
・・・目 次・・・
Ⅰ 上有住地区の現状
Ⅱ これまでの上有住地区計画
まっと住田い上有住イメージ図
Ⅲ 上有住地区計画の具現化
・みんなで作ろうよ
・みんなで楽しもうよ
- 137 -
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
140
140
141
142
142
143
Ⅰ
上有住地区の現状
上有住地区は、本町の北東部に位置し、国道 340 号を辿っていくと町の北の玄
関口となる赤羽根トンネルがあります。集落については、両向地区 110 世帯 321
人、恵山地区 60 世帯 187 人、坂本地区 105 世帯 333 人、八日町地区 133 世帯 331
人、天嶽地区 74 帯 258 人と、大きく 5 つに分かれており、気仙川と坂本川の川
沿いを中心に集落が形成されています。
また、地区内には、保育園や小学校、中学校といった公共施設があるほか、郵
便局やアンルス、八日町商店街を有するなど、下有住や五葉地区を含めた有住地
区の中心地となっています。
平成 19 年 3 月から東北横断自動車道の一部である国道 283 号線仙人峠道路が
供用を開始し、その乗り入れのインターチェンジが隣接の遠野市上郷町平倉地区
に設置されており、沿岸部をはじめ、他市町村から本地区への交通アクセスが向
上しています。これにより、交通量や交流人口の増加が見込まれることから、産
業の振興や観光面において誘客がしやすい状況になるものと期待されます。
なお、本地区は、中山間地域であり、過疎化と少子高齢化が著しいものですが、
これまでの産業の振興にこだわらず、その特性を生かしながら、地区の協働をさ
らに図り、活力を見出していくことが、今後の発展に結びついていくものと考え
ます。
Ⅱ
これからの上有住地区計画
先の計画から、「みんなでやればできる」を合言葉に、「協働し循環する施策」
を展開することが、「まっと住田い上有住」につながるものと取り組んできまし
た。
今回の上有住地区計画では、今まで計画を推進してきた基本的方向や主要施策
をさらに発展性のあるものにするため、地区民が自ら地域の持てる力を地区民の
自主性により、新たに推進していきたい施策、実行性のある取り組みにするため
検討を重ねてきました。
また、上有住地区が有している「歴史・風土・技」の良さを伝承し、育んでい
く重要性を認識し、固定概念にとらわれず外部からの新たな視点を取り入れるな
ど、計画期間内にとらわれず長期的な展望に立って検討してきました。
このような検討の結果、
「みんなでやればできる」を合言葉として、
「まっと住
田い上有住」の実現に向けた基本方針と計画体系図は次図のとおりとなりました。
- 138 -
~
まっと住田い上有住イメージ図
<キャッチフレーズ>
~
みんなでやればできる
上有住地区計画推進協議会
~
・上有住地区公民館 ・両向自治公民館 ・恵山自治公民館
・坂本自治公民館 ・八日町町内会 ・天嶽自治公民館
みんなで作ろうよ
~
みんなで楽しもうよ
賑わいある上有住
楽しむ上有住
まっと住田い上有住
- 139 -
<事業実施主体>
<基本方針>
<あるべき姿>
<具現化>
Ⅲ
上有住地区計画の具現化
(1)みんなで作ろうよ
「現状と課題」
「食」への関心が高まる中、上有住地区では先の計画から、地域ぐるみで地産地
売り推進事業に取り組んできたことにより、八日町市日の復活が実現し、上有住地
区内における農産物の販売体制が整備されました。
また、行者にんにくや原木まいたけの生産振興を図り、特産品開発にも取り組み
ました。特に行者にんにくにおいては、町内畜産業者との連携による加工品の販売
につなげることができました。
今後も、「地産地売りの上有住」を継続させるためには、八日町市日の運営に携
わるなど、上有住地区民総参加による生産・販売・流通・運営体制をさらに発展さ
せ、「地産地売りの上有住」を継続させることが必要となります。また、行者にん
にくといった上有住地区内で生産が盛んな作物を活用し、新たな「伝統食」を開発
するなど、「賑わいある上有住」の実現に向けた取り組みを推進していきます。
【そのためには、こんなことをやりたいよね】
①生産・販売体制の整備
安心安全に配慮した農作物の生産・販売・流通・運営を地域ぐるみで行うこと
で、「地産地売りの上有住」をさらに発展させる取り組みを行います。また、若
者の応用力と高齢者の知恵を融合させた新たな「伝統食」を開発するなど、高齢
者が活躍する場の創出に取り組みます。
<主要施策>
◇『アツモリソウ・山菜・鮎・きのこ』などの季節の食材を活用し、集客力・
販売力を伴った催しを開催します。
◇新たな上有住の伝統食を開発するなど、上有住地区の食材をPRしていきま
す。
<主要事業>
○八日町市日の開催事業
○上有住伝統食開発事業
- 140 -
(2)みんなで楽しもうよ
「現状と課題」
上有住には、自然豊かな山や川、これまで伝承されてきている色々の言い伝え、
匠の技といった、沢山の“宝”があります、
地区に住む私たち自身が毎日目にしている風景、近所にある匠の技を見失いがち
でした。地区のみんなで、その“宝”の良さを知りながら、伝えながら、行いなが
ら楽しんでいきたいと思います。
そのために、地区のみんなで作った、案内板やマップを利用し、史跡・景勝を巡
り、清流気仙川を活かした散策・交流会等を行っていき、地区の親睦と相互理解を
深め、上有住で暮らしていく楽しみを見つけていきます。
また、伝承される言い伝えや、匠の技を伝承していくため、世代間交流を行い、
技を受け継ぐ喜び、次世代に伝える喜びを創っていきます。
これらを行うことにより、上有住で生まれ、育まれてきた地区民や、上有住を訪
れた人々が楽しめるような地区づくりへとつなげていくものです。
【そのためには、こんなことをやりたいよね】
①お宝再発見・PR
上有住地区内には、鏡岩から葉山めがね橋までに清流気仙川が作り出すどこに
も負けない美しい景観があります。どこにも負けない史跡名勝があります。こう
いった景観を中心に、子どもからお年寄りまでが利用しやすいように環境を整え
ていく中で、地域内の“宝”を再認識し、次世代に伝えていく取り組みを進めて
いきます。
<主要施策>
◇史跡名勝をめぐり、またはガイドマップを活用するなど、上有住地区の景観
の良さを広く周知していきます。
◇つきのき淵や上有住城跡地などの景観に、誰もが触れ合えるような環境を整
えていきます。
<主要事業>
○マップツアー開催事業
②お宝の共有化
上有住地区には、昔から伝わる郷土料理や草履、縫い物などの技が伝承されて
おり、古くから活用されている屋号などがあります。こういった技や伝統、言い
伝え(由来)などを調査し、次世代に伝えていく取り組みを進めていきます。ま
た、上有住地域キャラクター「カムイ」くんを活用しながら、誰もが親しみ、参
- 141 -
加しやすい地域づくりを進めていきます。
<主要施策>
◇各世帯の屋号を調査していきます。
◇地区内の食材を活用した料理を広くアピールするための食の匠や、草履や縫
い物などの技の匠を生かした交流の場を設けていきます。
◇上有住地域キャラクター「カムイ」くんを活用した広報活動を行います。
<主要事業>
○屋号の調査事業
○食の匠、技の匠実演即売
○広報「かみありす」の定期的な発行
- 142 -
五葉地区計画
~ 地域の協働・自然との共生による
新たな可能性 ~
目
1
次
五葉地区の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
(1) 位置及び区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
(2) 歴史・風土・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
2
五葉地区計画の特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
3
五葉地区計画の具現化・・・・・・・・・・・・・・・・148
(1) 地域の協働・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・148
(2) 自然との共生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・149
- 143 -
1
五葉地区の現状
(1)位置及び区域
五葉地区は、住田町の東部、県立自然公園五葉山の北山麓に位置し、東方
を釜石市、南方を大船渡市、北方を遠野市に接しています。愛染山、五葉山
に気仙川の源流を抱き、種山ヶ原と並ぶ町の観光地「滝観洞」を擁する地域
です。五葉山麓に位置することから、沢沿いに集落が点在し、山間地の農村
風景が広がっている地域です。
(2)歴史・風土
昔は「甲子(かっし)」と呼ばれた地域でしたが、五葉山にちなんだ五葉
小学校の名称から五葉地区と呼ばれるようになりました。藤原時代から産金
が行われ、昭和初期まで採掘が行われた坑道があります。五葉山の檜は平泉
の伽藍や支倉常長の遣欧使節船の建造に用いられ、その皮は火縄銃の原料と
なり、巨大鉄砲藩伊達家を支えました。地域資源は自然の産物であるイワナ
やニホンジカ、天然記念物のカモシカ、サル、クマ、などの野生動物の宝庫
です。観光資源では滝観洞や五葉山、町指定文化財である檜山阿弥陀堂など
があり、鉄砲隊などの人的資源も有している地区です。
2
五葉地区計画の特性
国道 283 号線仙人峠道路と滝観洞インターチェンジの開通や東日本大震災の
発生によるボランティア活動の拠点となるなど、五葉地区を取り巻く環境は
日々変化しています。また、①豊かな自然への誇りと郷土意識の高揚、②高齢
化と健康への不安、③地域資源の効果的活用方法、④子育ての経済的負担軽減
など、地区が抱えている課題もあります。こういった課題に対して、今後 10 年
間の総合的な地域づくりの方途を基本方針として、期待される効果や振興上の
留意点を平成 19 年に策定した「住田町総合計画前期基本計画五葉地区計画」の
中で整理しています。
この計画は、平成 19 年に策定した「住田町総合計画前期基本計画五葉地区計
画」の一部を見直し、改めて「地域の協働」と「自然との共生」による新たな
可能性を見出す取り組みを進める指針とするものです。
○基本方針・目標
①地域の協働
「地区民一人一人が力を寄せ合い活気ある地域づくり」
②自然との共生
「誇れる自然の恵みを大切にし、次世代に伝えよう」
- 144 -
イメージ図
<実施主体>
五葉地域づくり委員会
<基本方針>
①地域の協働
②自然との共生
<
目
標
>
<
地区民一人一人が力を寄せ合い
活気ある地域づくり
目
標
>
誇れる自然の恵みを大切にし、次
世代に伝えよう
<主な事業>
<主な事業>
・郷土芸能伝承事業
・懇談会の開催
・四季の写真館整備事業
・自然の恵み散策ツアーの開催
・景観整備事業
- 145 -
3
五葉地区計画の具現化
(1)地域の協働
-現状-
五葉地区は、もともと人口が多い地区ではなく、道路整備の立ち遅れによ
り通勤圏が制限され、就労機会が少ないことなどによる人口流出により、少
子化とともに高齢化が進み、人口減少が著しい地区となっています。そのた
め、権現舞や念仏剣舞、鹿踊りなどの伝統芸能や竹細工などの工芸技術が伝
わっていますが、若年層の流出と少子化により後継者が少なく、指導者も高
齢になっているため、その伝承と保存が急務となっています。
また、医療機関も遠いことから緊急時の対応など、地区の高齢化に伴い、
心身の健康に対する不安を抱えている方が多い状況となっています。
-施策の方向-
地区民が一丸となって、自分たちで共に生きる五葉地区を目指して、団結
力を強化するための取り組みを進めていきます。
中でも、伝統芸能については、保存活動に携わる一人一人の役割を明確に
しながら、映像記録や資料の保存を進めるよう、各伝承団体との調整を図る
とともに、集落共同で指導者を育成することや後継者を地区外から募るなど
の取り組みを働きかけていきます。
また、地区民懇談会を開催する中で、地区民が生活する上で不安に感じて
いることや学びたい内容などを把握し、生涯学習活動などを活用して少しで
も解消できるよう地区公民館や 3 自治公民館、教育振興運動といった関係団
体と連携した取り組みを進めていきます。
-目標-
地区民一人一人が力を寄せ合い活気ある地域づくり
<主な事業>
・郷土芸能伝承事業
・地区民懇談会の開催
- 146 -
(2)自然との共生
-現状-
五葉地区への誘客のため、資源調査を実施し景観整備や案内看板の設置、
四季の写真館の整備を実施してきました。
そういった中でも、五葉地区には活用できる地域資源がまだまだ潜在して
おり、それらを埋もれさせないよう工夫しながら整備し、地区特有の魅力と
して創出する必要があります。
特にも、日々の生活に追われ、普段目にしながらも気づいていなかったす
ばらしい風景や風土があります。
また一方で、滝観洞インターチェンジ開通により、五葉地区への交通アク
セスが向上しましたが、それと同時に主要道路や河川周辺へのゴミの散乱な
ど、環境への悪影響についても対策を検討していく必要があります。
-施策の方向-
豊かな自然を守り、住み慣れた環境を大切にしながら、地域資源である景
観整備を進めていき、その自然のすばらしさを次世代に伝えるよう取り組ん
でいきます。
また、五葉地区公民館を活動の拠点として位置付ける一方で、桜並木の環
境整備や地区民の憩いの場の整備、観光資源である五葉山や滝観洞と地区内
の景勝地を線でつなぐ取り組みにより、町内外からの来訪者の増加を図りま
す。
-目標-
誇れる自然の恵みを大切にし、次世代に伝えよう
<主な事業>
・四季の写真館整備事業
・自然の恵み散策ツアーの開催
・景観整備事業
- 147 -
〈資料編〉
<資料>
統計資料
(1) 人口及び世帯数の推移
(単位:人、世帯)
人口
区分
計
人口の増減
男
女
計
1K㎡当り
人口
世帯数
男
1世帯当り
人口
女
昭和30年
13,121
6,282
6,839
2,058
39.1
6.4
昭和35年
12,619
5,954
6,665
△ 502
△ 328
昭和40年
11,449
5,379
6,070
△ 1,170
△ 575
△ 174
2,176
37.6
5.8
△ 595
2,226
34.1
5.1
昭和45年
10,397
4,925
5,472
△ 1,052
△ 454
△ 598
2,270
30.9
4.6
昭和50年
9,585
4,569
5,016
昭和55年
9,036
4,344
4,692
△ 812
△ 356
△ 456
2,259
28.5
4.2
△ 549
△ 225
△ 324
2,294
26.9
3.9
昭和60年
8,702
4,150
平成 2年
8,228
3,927
4,552
△ 334
△ 194
△ 140
2,241
25.9
3.9
4,301
△ 474
△ 223
△ 251
2,246
24.6
3.7
平成 7年
7,783
平成12年
7,305
3,729
4,054
△ 445
△ 198
△ 247
2,204
23.2
3.5
3,485
3,820
△ 478
△ 244
△ 234
2,168
21.8
3.4
平成17年
平成22年
6,848
3,265
3,583
△ 457
△ 220
△ 237
2,174
20.5
3.1
6,190
2,959
3,231
△ 658
△ 306
△ 352
2,081
18.5
3.0
(※△=減、国勢調査)
(2) 年齢区分別人口の推移
昭和50年
区分
総
実数
(単位:人、世帯)
昭和60年
増減率
平成7年
増減率
実数
平成12年
増減率
実数
数
9,585
-
8,702
△ 9.2
7,783 △ 10.6
0歳~14歳
2,249
-
1,546 △ 31.3
15歳~64歳
6,071
-
5,566
△ 8.3
65歳以上
1,265
-
1,590
高齢者比率
13.2
-
18.3
7,305
平成17年
増減率
実数
平成22年
増減率
実数
増減率
△ 6.1
6,848
△ 6.3
6,190
△ 9.6
1,120 △ 27.6
880 △ 21.4
690
△ 21.6
572
△ 17.1
4,508 △ 19.0
4,015 △ 10.9
3,661
△ 8.8
3,220
△ 12.0
25.7
2,155
35.5
2,410
11.8
2,497
3.6
2,398
△ 4.0
-
27.7
-
33.0
-
-
38.7
-
36.5
(※△=減、国勢調査)
(3) 産業別就業者数の推移
区分
第1次産業
就業者
(単位:人、%)
第2次産業
構成比
就業者
第3次産業
構成比
就業者
分類不能
構成比
就業者
就業者
構成比
合計
昭和40年
3,548
65.6
753
13.9
1,103
20.4
3
0.1
5,407
昭和45年
2,968
55.9
1,078
20.3
1,260
23.7
0
0.0
5,306
昭和50年
2,404
48.7
1,257
25.5
1,262
25.6
13
0.3
4,936
昭和55年
1,911
38.9
1,601
32.6
1,397
28.4
5
0.1
4,914
昭和60年
1,999
41.3
1,554
32.1
1,284
26.5
2
0.0
4,839
平成 2年
1,546
33.6
1,696
36.9
1,354
29.4
4
0.1
4,600
平成 7年
1,268
29.8
1,622
38.2
1,356
31.9
5
0.1
4,251
平成12年
902
24.3
1,441
38.8
1,369
36.9
0
0.0
3,712
平成17年
834
25.0
1,164
34.9
1,335
40.0
2
0.1
3,335
平成22年
631
22.5
889
31.7
1,282
45.7
2
0.1
2,804
(国勢調査)
- 149 -
<資料>
(4) 一人当たり分配所得及び所得格差の推移
(単位:円、%)
昭和55年
町民所得
(A)
1,114,576
県民所得
(B)
1,301,000
国民所得
(C)
1,706,000
昭和60年
1,271,706
1,702,000
2,146,000
74.7
59.3
平成 2年
1,709,674
2,233,000
2,775,000
76.6
61.6
平成 7年
1,903,775
2,594,000
3,033,000
73.4
62.8
平成12年
1,850,822
2,608,000
2,929,000
71.0
63.2
平成17年
1,724,077
2,363,000
2,878,000
73.0
59.9
平成18年
1,789,968
2,346,000
2,922,000
76.3
61.3
平成19年
1,866,613
2,383,000
2,934,000
78.3
63.6
平成20年
1,696,342
2,267,000
2,754,000
74.8
61.6
平成21年
1,726,081
2,214,000
2,660,000
78.0
64.9
区分
所得格差
(A) / (B)
(A) / (C)
85.7
65.3
(市町村民所得推計、岩手県の県民所得)
(5) 生産農業所得の状況
区分
(単位:百万円、農家一戸当たりの単価は千円)
平成2年
平成7年
平成12年
平成16年
平成18年
住田町
1,791
1,398
1,350
950
1,110
岩手県
154,617
133,395
99,000
89,100
82,800
住田町
1,523
1,311
1,424
967
1,216
岩手県
1,432
1,330
1,071
1,020
962
平成19年
生産農業所得
82,800
農家一戸当り
962
(岩手県生産農業所得統計)
(6) 生産性及び農業産出額の状況
区分
(単位:千円、産出額は億円)
平成2年
平成7年
平成12年
平成16年
平成18年
住田町
102
82
122
93
111
岩手県
89
79
61
57
53
50
50
50
49
2,615
2,619
2,619
2,544
平成19年
耕地10a当り
50
農業産出額
住田町
岩手県
3,475
2,460
(岩手県生産農業所得統計)
- 150 -
<資料>
(7) 農家数の推移
区分
(単位:戸、%)
総農家数 販売農家数 専従農家数
1,237
100.0
1,176
100.0
1,066
100.0
977
100.0
913
100.0
848
100.0
昭和60年
平成 2年
平成 7年
平成12年
平成17年
平成22年
計
1,097
88.7
1,041
88.5
923
86.6
848
86.8
787
86.2
714
84.2
140
11.3
135
11.5
143
13.4
129
13.2
126
13.8
134
15.8
568
62.2
507
59.8
兼業農家数
第1種兼業 第2種兼業
225
872
18.2
70.5
155
886
13.2
75.3
144
779
13.5
73.1
69
779
7.1
79.7
54
733
5.9
80.3
48
666
5.7
78.5
自給的
農家数
346
37.9
341
40.2
(農林業センサス)
(8) 経営耕作地規模別販売農家数
区分
0.3ha
販売農家数
平成17年
平成22年
未満
(単位:戸、%)
0.3ha
0.5ha
1.0ha
1.5ha
2.0ha
3.0ha
5.0ha
10.0ha
~0.5ha
~1.0ha
~1.5ha
~2.0ha
~3.0ha
~5.0ha
~10.0ha
568
27
212
252
57
10
4
1
2
以上
3
100.0
4.8
37.3
44.4
10.0
1.8
0.7
3.7
0.9
0.5
507
35
185
206
54
12
4
5
2
4
100.0
6.9
36.5
40.6
10.7
2.4
0.8
14.3
1.1
0.8
(農林業センサス)
(9) 森林資源の現況
(単位:ha、%)
総面積
区分
面積
国有林
立木地面積
比率
計
人工林
天然林
人口林率
7,428
24.8
6,853
3,874
2,979
56.5
県有林
2,568
8.6
2,568
2,145
423
83.5
町有林
8,618
28.7
8,304
3,897
4,407
46.9
計
11,186
37.3
10,872
6,042
4,830
55.6
11,367
37.9
10,924
5,873
5,051
53.8
29,981
100.0
28,649
15,789
12,860
55.1
公有林
私有林
合計
(平成 22 年度町産業振興課)
- 151 -
<資料>
(10)保有山林規模別林家数
区分
保有山林 3ha
なし
未満
計
経営体数
比率
(単位:戸、%)
3ha
5ha
~5ha
10ha
~10ha
20ha
~20ha
30ha
~30ha
50ha
~50ha
100ha
~100ha
以上
262
6
0
70
98
54
8
13
9
4
100.0
2.3
0.0
26.7
37.4
20.6
3.1
5.0
3.4
1.5
(2010 年農林業センサス)
(11)農林水産業純生産額の推移
区分
平成17年
平成20年
平成21年
農業
747,273 1,507,495 2,137,847 1,435,806 1,362,931 1,180,849
873,617
747,276
林業
291,062
848,048
501,976
379,362
463,028
298,033
403,536
水産業
7,967
5,390
47,804
49,057
154,685
61,570
合計
昭和45年
昭和55年
(単位:千円)
平成2年
平成7年
平成12年
329,819
-
20,234
1,046,302 2,360,933 2,687,627 1,864,225 1,980,644 1,540,452 1,277,153 1,097,329
(市町村民所得推計)
(12)商店数の推移
区分
商店数
総数
卸売業
従業員数(人)
小売業
飲食店
昭和61年
昭和63年
卸売業
小売業
14
180
12
168
34
396
13
152
8
144
34
378
平成 4年
飲食店
38
430
平成元年
平成 3年
総数
29
349
12
31
平成 6年
139
7
132
428
27
401
平成 9年
135
5
130
338
22
316
平成11年
129
7
122
322
37
285
平成14年
112
0
112
301
0
301
平成16年
107
5
102
312
21
291
平成19年
92
5
87
295
12
283
(商業統計調査)
(13)商店販売額の推移
区分
(単位:万円)
昭和60年
昭和63年
平成3年
平成6年
平成9年
平成11年
卸売業
57,206
48,824
79,694
85,505
18,591
61,334
小売業
371,025
380,424
384,781
562,570
405,443
380,598
428,231
429,248
464,475
648,075
424,034
441,932
合計
平成14年
-
平成16年
平成19年
75,604
11,030
336,302
348,326
338,301
336,302
423,930
349,331
(商業統計調査)
- 152 -
<資料>
(14)事業所数・従業者数・製造品出荷額
区分
(単位:人、万円)
平成2年
平成7年
平成12年
事業所数
29
27
24
従業員数
870
795
768
製造品出荷額等
969,208
平成17年
平成20年
平成21年
平成22年
20
22
21
20
623
678
635
648
912,648 1,008,693 1,020,846 1,149,439 1,201,342 1,162,822
(工業統計調査)
(15)観光客入込数(滝観洞)の推移
区分
(単位:人)
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成20年
平成21年
平成22年
県内客
20,047
28,745
10,317
8,826
4,306
2,536
5,839
4,973
4,663
県外客
8,514
19,069
13,596
8,765
7,283
4,792
10,861
9,255
8,681
28,561
47,814
23,913
17,591
11,589
7,328
16,700
14,228
13,344
合計
(町産業振興課)
(16)第 2 次産業純生産額の推移
区分
平成2年
鉱業
平成7年
567,963
(単位:千円)
平成12年
637,937
平成17年
300,865
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
269,353
295,435
183,802
44,788
111,263
建設業 1,670,421 2,675,697 2,961,294 1,037,278
809,703
999,925
655,068
989,829
製造業 1,935,836 2,093,107 2,606,719 1,162,145 1,591,761 1,781,470 1,841,542 2,839,284
合計
4,174,220 5,406,741 5,868,878 2,468,776 2,696,899 2,965,197 2,541,398 3,940,376
(市町村民所得推計)
(17)第 3 次産業純生産額の推移
区分
(単位:千円)
平成2年
平成7年
電気・ガス・水道業
17,424
卸売・小売業
891,076
平成12年
14,005
平成17年
155,466
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
-
5,435
10,079
9,636
-
594,966 1,002,167 1,275,438
847,364
735,155
556,937
675,291
金融・保険・不動産業 1,289,540 1,990,401 2,049,985 2,156,962 2,145,929 2,149,994 2,162,295 2,160,309
運輸・通信業
636,200
サービス業 2,253,795
公務
合計
541,395
886,948
699,658
628,514
590,395
571,193
510,039
805,949 1,996,940 1,972,872 1,903,509 1,966,237 1,904,743 1,793,563
792,258 2,667,403 2,741,522 1,778,645 1,083,232
995,735
880,885 1,035,384
5,862,869 6,600,114 8,677,562 7,883,575 6,608,548 6,437,516 6,076,053 6,174,586
(市町村民所得推計)
(18)土地利用の現況
区分
総面積
(単位:ha、%)
田
畑
宅地
山林
牧場
原野
雑種地
その他
面積
33,483
515
702
261
27,128
489
1,451
101
2,836
比率
100.0
1.5
2.1
0.8
81.0
1.5
4.3
0.3
8.5
(平成 22 年度岩手県統計年鑑)
- 153 -
<資料>
(19)自動車登録台数の推移
区分
貨物
平成2年度 平成7年度 平成12年度 平成17年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
普通車
230
258
266
216
184
175
182
小型車
525
449
389
275
225
209
204
23
19
17
18
18
18
2
3
5
5
5
5
自家用
乗合
(単位:台)
25
営業用
自家用
1,835
2,141
2,302
2,216
2,035
2,004
1,994
営業用
5
5
5
4
3
3
3
特種車
68
93
110
106
90
92
90
大型特殊車
33
40
20
17
17
19
18
小型二輪車
25
37
35
28
34
36
35
乗用
129
279
536
897
1,040
1,080
1,122
貨物
817
938
883
898
860
863
859
二輪
48
51
45
32
34
35
33
三輪
1
1
1
1
1
1
1
小型特殊自動車
630
610
599
552
536
532
526
自動二輪車(125cc以下)
167
141
91
32
67
67
63
原動機付自転車等
757
617
506
445
326
308
294
5,295
5,685
5,810
5,741
5,475
5,447
5,447
乗用
軽自動車
計
(東北運輸局岩手運輸支局統計、町税務課)
(20)道路の状況
(単位:m、%)
道路延長
区分
実延長
改良済
舗装済
改良率
舗装率
一般国道
107号
21,244
21,244
21,244
100.0
100.0
340号
18,324
18,324
18,324
100.0
100.0
397号
14,213
14,213
14,213
100.0
100.0
53,781
53,781
53,781
100.0
100.0
釜石住田線(167号)
16,707
5,285
16,707
31.6
100.0
上有住日頃市線(180号)
4,306
3,403
4,306
79.0
100.0
遠野住田線(238号)
8,416
6,817
8,416
81.0
100.0
世田米矢作線(246号)
5,673
38
5,673
0.7
100.0
35,102
12,399
35,102
35.3
100.0
162,106
88,296
87,305
54.5
53.9
250,989
154,476
176,188
61.5
70.2
計
一般県道
計
町道(149路線)
合計
(平成 23 年 4 月 1 日道路施設現況調査 国、県道は平成 22 年 4 月 1 日現在)
- 154 -
<資料>
(21)町道の状況
区分
(単位:m、%)
路線数
実延長
改良延長
改良率
舗装延長
舗装率
1級町道
16
44,436
25,494
57.4
26,588
59.8
2級町道
19
30,254
15,229
50.3
16,552
54.7
小計
35
74,690
40,723
54.5
43,140
57.8
その他町道
127
87,416
47,573
54.4
44,165
50.5
合計
162
162,106
88,296
54.5
87,305
53.9
(平成 23 年 4 月 1 日道路施設現況調査)
(22)保育園の入所児童数
区分
(単位:人、%)
入所児童数
定員
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
入所割合
計
世田米保育園
80
1
10
11
14
17
30
83
103.8
有住保育園
90
1
5
4
7
6
21
44
48.9
170
2
15
15
21
23
51
127
74.7
合計
(平成 23 年 4 月 1 日現在 町教育委員会)
(23)児童、生徒数の推移
区分
(単位:人)
昭和60年
平成7年
平成17年
平成22年
平成23年
男
女
計
男
女
計
男
女
計
男
女
計
男
女
小学校
329
327
656
277
233
510
155
132
287
124
127
251
113
132
245
中学校
164
183
347
122
140
262
95
93
188
69
54
123
72
60
132
493
510
1,003
399
373
772
250
225
475
193
181
374
185
192
377
合計
計
(学校基本調査)
(24)高校進学率の推移
区分
中学校卒業者数
高校進学者数
高校進学率
昭和55年
(単位:人、%)
昭和60年
172
平成2年
143
161
119
139
93.6
97.2
平成7年
74
118
99.2
73
98.6
平成12年
平成17年
83
平成22年
75
82
47
75
98.8
100.0
平成23年
51
46
97.9
51
100.0
(学校基本調査)
(25)芸術文化協会所属団体の状況
部門
郷土芸能
団体数
部門
団体数
文学
15
茶道
詩吟
1
民謡
1
華道
1
書道
2
三曲
1
音楽
2
彫刻工芸
1
舞踊
2
1
計
4
31
(平成 22 年度 町教育委員会)
- 155 -
<資料>
(26)ごみ処理の状況
区分
(単位:人、t)
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
処理計画人口
8,328
7,905
7,423
6,908
処理人口
8,069
7,678
7,220
6,908
年間総排出量
1,147
1,226
1,198
1,765
年間総収集量
1,052
1,143
1,124
1,765
自家処理量
95
83
74
0
平成19年
平成20年
-
平成21年
-
6,608
6,510
-
6,376
-
1,496
1,415
-
平成22年
6,295
-
1,350
-
1,089
-
-
(公共施設状況調査)
(27)し尿処理の状況
区分
(単位:人、t)
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
処理計画人口
8,328
7,905
7,423
6,908
処理人口
4,090
4,248
4,353
4,451
年間総排出量
4,265
4,314
4,376
4,483
年間総収集量
2,100
2,446
2,760
2,444
自家処理量
2,165
1,868
1,616
2,039
平成19年
平成20年
-
平成21年
-
3,894
3,733
-
3,570
-
2,149
2,191
-
平成22年
3,554
-
2,254
-
2,117
-
-
(公共施設状況調査)
(28)普通世帯に対する持ち家率
区分
岩手県
住田町
昭和55年
72.7
86.6
(単位:%)
昭和60年
72.2
88.8
平成2年
72.3
88.1
平成7年
70.8
88.8
平成12年
70.1
89.3
平成17年
70.7
87.4
平成22年
70.9
87.7
(国勢調査)
(29)交通事故の状況
区分
平成14年
(単位:件、人)
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
発生件数
18
17
13
17
14
12
19
15
死者
3
0
1
0
1
0
0
0
傷者
19
23
17
25
16
15
17
21
(交通統計)
(30)火災発生の状況
区分
火災件数
建物
林野
その他
計
焼失面積
損害額
建物(㎡) 林野(a)
(千円)
死傷者(人)
死者
傷者
平成18年度
2
0
1
3
77
0
7,376
0
0
平成19年度
2
0
1
3
216
0
41,136
0
0
平成20年度
0
0
1
1
0
0
34,540
0
0
平成21年度
0
0
1
1
0
0
0
0
0
平成22年度
1
0
3
4
332
130
76,551
1
0
(消防年報)
- 156 -
<資料>
(31)消防団、消防設備の状況
区分
分団数
数量
(単位:人・台)
定員数
6
団員数
465
自動車
小型動力
ポンプ
ポンプ
※ 413
5
※うち機能別団員 38
(32)高齢者の状況
区分
積載車
15
15
(平成 22 年度 町総務課)
(単位:人)
ひとり暮らし
虚弱高齢者 認知症高齢者
高齢者
60
235
257
103
在
宅
ねたきり高齢者
人数
(平成 23 年 4 月 1 日現在 町保健福祉課)
(33)身体障害者手帳保持者の状況
区分
人数
視覚
(単位:人)
聴覚平衡 音声言語 肢体不自由
17
28
7
168
内部
計
73
293
(平成 22 年度 町保健福祉課)
(34)療育手帳保持者の状況
区分
人数
(単位:人)
A
B
計
30
45
75
(平成 22 年度 町保健福祉課)
(35)要介護・要支援認定者の状況
区分
平成20年度
平成21年度
平成22年度
(単位:人)
要支援
1
2
24
24
26
1
37
37
36
2
74
82
108
要介護
3
95
75
80
73
84
55
4
計
5
70
70
56
98
54
58
473
420
423
(平成 22 年度 町保健福祉課)
(36)老人クラブの状況 (単位:人)
区分
クラブ数
数量
22
(平成 23 年 4 月 1 日現在
会員数
1,589
町保健福祉課)
- 157 -
<資料>
(37)各種検診受診率の推移
区分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
胃
22.6
21.9
22.1
21.3
22.0
子宮
42.2
35.4
37.8
38.3
41.8
(単位:%)
がん検診
乳
45.0
40.2
41.7
43.5
46.3
肺
25.8
25.8
33.3
22.4
25.8
大腸
32.9
31.7
30.6
30.2
35.2
健診(※H19まで基本健診)
結核検診
若年者
特定
高齢者
38.2
82.6
38.3
81.5
23.3
13.4
77.5
25.0
13.3
72.5
23.3
13.0
79.3
(町保健福祉課)
(38)主要死因別死亡者数の推移
区分
平成18年
結核
悪性新生物
心疾患
高血圧性疾患
脳血管疾患
肺炎
肝硬変
腎不全
不慮の事故
自殺
糖尿病
その他の全死因
計
(単位:人)
平成19年
0
26
25
1
13
12
0
5
3
3
0
26
114
平成20年
0
26
26
0
14
18
0
0
1
3
1
14
103
平成21年
0
40
24
1
9
13
0
5
3
0
1
11
107
平成22年
0
38
16
3
11
19
1
2
5
2
1
24
122
0
31
13
1
14
15
1
2
4
3
1
19
104
(町保健福祉課)
(39)一般会計・歳入の推移
区分
町税
地方譲与税
利子割交付金
配当割交付金
株式等譲渡所得割交付金
地方消費税交付金
特別地方消費税交付金
自動車取得税交付金
地方特例交付金
地方交付税
交通安全対策特別交付金
分担金及び負担金
使用料及び手数料
国庫支出金
県支出金
財産収入
寄附金
繰入金
繰越金
諸収入
町債
合計
(単位:千円、%)
平成18年度
決算額 構成比
平成19年度
決算額 構成比
平成20年度
決算額 構成比
平成21年度
決算額 構成比
平成22年度
決算額 構成比
413,349
9.1
460,660
8.2
462,825
10.9
441,800
8.4
435,204
9.5
99,750
1,147
685
395
2.2
0.0
0.0
0.0
55,142
1,485
835
339
1.0
0.0
0.0
0.0
54,462
1,523
302
85
1.3
0.0
0.0
0.0
51,426
1,485
245
97
1.0
0.0
0.0
0.0
49,820
1,124
305
99
1.1
0.0
0.0
0.0
63,196
0
14,401
6,712
1.4
0.0
0.3
0.1
60,128
0
13,389
2,638
1.1
0.0
0.2
0.0
52,812
0
12,233
3,936
1.2
0.0
0.3
0.1
54,607
0
7,621
4,716
1.1
0.0
0.1
0.1
54,513
0
7,620
9,766
1.2
0.0
0.2
0.2
2,223,055
831
9,328
78,436
128,554
48.7
0.0
0.2
1.7
2.8
2,231,170
843
10,327
77,367
374,891
39.8
0.0
0.2
1.4
6.7
2,287,931
721
15,154
107,812
216,998
53.7
0.0
0.4
2.5
5.1
2,318,162
736
10,228
106,784
629,922
44.3
0.0
0.2
2.1
12.1
2,463,012
774
13,027
108,305
481,848
53.4
0.0
0.3
2.3
10.4
567,247
93,559
500
184,854
12.5
2.0
0.0
4.0
239,583
75,787
2,100
876,888
4.3
1.4
0.0
15.7
305,517
75,988
5,610
18,180
7.2
1.8
0.1
0.4
273,199
64,914
1,320
204,627
5.2
1.3
0.0
3.9
231,756
128,515
9,080
25,560
5.0
2.8
0.2
0.6
111,051
30,631
537,300
2.5
0.7
11.8
71,821
90,088
961,079
1.3
1.6
17.1
210,563
198,562
230,554
4.9
4.7
5.4
254,818
106,364
697,072
4.9
2.0
13.3
243,208
75,108
273,100
5.3
1.6
5.9
4,564,981
100.0
5,606,560
100.0
4,261,768
100.0
5,230,143
100.0
4,611,744
100.0
(地方財政状況調査)
- 158 -
<資料>
(40)町税の推移
区分
町民税
固定資産税
軽自動車税
町たばこ税
鉱産税
合計
(単位:千円、%)
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
決算額 構成比 決算額 構成比 決算額 構成比 決算額 構成比 決算額 構成比
119,742
29.0 161,604
35.1 172,366
37.3 156,275
35.4 146,475
33.7
242,463
58.7 249,076
54.1 244,295
52.8 240,724
54.5 243,941
56.0
11,411
2.8 11,734
2.5 12,021
2.6 12,245
2.7 12,552
2.9
35,907
8.7 35,782
7.8 32,628
7.0 31,295
7.1 30,749
7.1
3,826
0.9
2,464
0.5
1,515
0.3
1,261
0.3
1,487
0.3
413,349
100.0 460,660
100.0 462,825
100.0 441,800
100.0 435,204
100.0
(地方財政状況調査)
(41)一般会計・目的別歳出の推移
区分
議会費
総務費
民生費
衛生費
労働費
農林業費
商工費
土木費
消防費
教育費
災害復旧費
公債費
諸支出金
合計
平成18年度
決算額 構成比
(単位:千円、%)
平成19年度
決算額 構成比
平成20年度
決算額 構成比
平成21年度
決算額 構成比
平成22年度
決算額 構成比
73,908
1.7
71,715
1.3
69,358
1.7
67,685
1.4
68,556
1.6
812,544
667,137
18.1
14.8
1,461,934
686,996
27.1
12.7
734,095
715,621
18.3
17.9
1,211,818
844,080
24.3
16.9
989,899
827,665
22.9
19.2
286,768
1,097
6.4
0.0
290,352
963
5.4
0.0
281,940
730
7.0
0.0
308,321
709
6.2
0.0
293,705
679
6.8
0.0
1,098,228
39,549
24.5
0.9
1,213,314
59,814
22.5
1.1
614,598
40,732
15.4
1.0
445,431
40,939
8.9
0.8
405,326
33,001
9.4
0.8
257,400
212,704
5.7
4.7
343,919
212,230
6.4
3.9
266,061
229,261
6.6
5.7
406,479
239,664
8.2
4.8
437,073
261,083
10.1
6.1
301,447
440
6.7
0.0
344,399
1,958
6.4
0.1
378,802
2
9.5
0.0
815,438
162
16.3
0.0
460,095
2
10.7
0.0
741,938
0
16.5
0.0
708,403
0
13.1
0.0
675,750
0
16.9
0.0
606,209
0
12.2
0.0
536,981
0
12.4
0.0
4,493,160
100.0
5,395,997
100.0
4,006,950
100.0
4,986,935
100.0
4,314,065
100.0
(地方財政状況調査)
(42)一般会計・性質別歳出の推移
区分
人件費
扶助費
公債費
物件費
維持補修費
補助費等
積立金
投資及び出資金・貸付金
繰出金
普通建設事業費
災害復旧事業費
合計
平成18年度
決算額 構成比
(単位:千円、%)
平成19年度
決算額 構成比
平成20年度
決算額 構成比
平成21年度
決算額 構成比
平成22年度
決算額 構成比
871,825
19.4
893,158
16.6
819,406
20.4
844,292
16.9
847,080
19.7
213,599
741,936
333,671
29,636
450,945
281,883
4.8
16.5
7.4
0.7
10.0
6.3
220,014
708,403
382,499
45,422
457,310
7,522
4.1
13.1
7.1
0.8
8.5
0.1
234,915
675,750
425,477
48,614
574,314
168,820
5.9
16.9
10.6
1.2
14.3
4.2
250,925
606,209
461,121
71,437
611,418
479,856
5.0
12.2
9.2
1.4
12.3
9.6
309,984
536,981
520,335
40,863
495,401
403,169
7.2
12.4
12.1
0.9
11.5
9.3
9,900
555,691
1,003,634
440
0.2
12.4
22.3
0.0
9,940
1,266,467
1,403,304
1,958
0.2
23.5
26.0
0.0
9,600
433,871
616,181
2
0.3
10.8
15.4
0.0
9,640
435,837
1,216,038
162
0.2
8.8
24.4
0.0
7,460
426,304
726,486
2
0.2
9.9
16.8
0.0
4,493,160
100.0
5,395,997
100.0
4,006,950
100.0
4,986,935
100.0
4,314,065
100.0
(地方財政状況調査)
- 159 -
<資料>
総合計画後期基本計画策定の経過
平成23年 6月24日
策定業務推進要領の策定
7月 6日
地区別計画推進母体代表者会議
7月15日~ 8月 5日
アンケート調査
8月 5日
第1回策定委員会議(本庁課長補佐クラス職員)
8月30日~ 9月16日
地区別計画見直し及び策定見込アンケート調査
8月30日
地区別計画策定について説明会(大股地区)
10月 6日~11月 4日
地区別計画の各地区総括(案)
、計画(案)の校正
10月18日
第2回策定委員会議
11月 4日
総括(案)
、計画の骨格(案)作成
11月17日
企画審議委員会
11月18日~12月 9日
部門別計画(案)、プロジェクト計画(案)作成
12月 5日
骨格(案)の修正
12月25日
アンケート結果すみた広報に掲載
平成24年 1月11日
第3回策定委員会議
1月16日~ 23日
地区別計画の大股地区総括(案)
、計画(案)の校正
1月23日~ 1月30日
住民懇談会
1月27日~ 2月 7日
町勢振興調査会公募委員募集
2月 6日
後期基本計画素案作成
2月 7日~ 20日
パブリックコメント実施
2月10日
企画審議委員会
2月14日
第4回策定委員会議
2月17日
関係団体等検討会
2月21日
町勢振興調査会へ諮問
〃
町勢振興調査会開催
2月25日
後期基本計画の概要をすみた広報に掲載
2月29日
議会全員協議会で説明
3月19日
町勢振興調査会から答申
3月21日
町長決裁により後期基本計画策定
- 160 -
<資料>
23 住 町 推 第 1 4 7 号
平成24年2月21日
住田町勢振興調査会長
様
住田町長
多
田
欣
一
住田町総合計画後期基本計画(案)について(諮問)
住田町勢振興調査会条例第5条の規定により、住田町総合計画後期基本計画(案)
について諮問します。
- 161 -
<資料>
住田町勢振興調査会委員名簿
番号
職名
氏名
特別職
1
住田町商工会長
横澤
2
気 仙 地 方 森 林 組 合 代 表理 事 組 合 長
枛 木 澤
3
住田町社会福祉協議会長
紺野
4
住田町婦人団体連絡協議会長
佐々木
益枝
○
5
大船渡市農業協同組合女性部
佐々木
絹代
○
6
住田町自治公民館連絡協議会長
高橋
靖
○
7
住田町教育委員会委員長
千葉
英夫
○
8
住田町教育委員会委員
高橋
美穂子
○
9
住田町農業委員会会長
吉田
信一
○
10
住田町消防団長
水野
覺
○
11
住田町消防団
遠藤
好代
○
12
世田米地区公民館長
佐々木
忍
○
13
大股地区公民館長
菊池
充
○
14
下有住地区公民館長
金野
純一
○
15
上有住地区公民館長
熊谷
士郎
○
16
五葉地区公民館長
川村
勝人
○
17
公募委員
松田
みさ子
18
公募委員
松田
千秋
19
公募委員
千葉
憲一
団本部
住田支部長
副部長
- 162 -
吉夫
学識経験者
光 毅
朋夫
○
○
○
備考
<資料>
平 成 24 年 3 月 19 日
住田町長 多 田 欣 一 様
住田町勢振興調査会
会長 千 葉 英 夫
住田町総合計画後期基本計画について(答申)
平成 24 年 2 月 21 日付け 23 住町推第 147 号をもって諮問された標記について、
審議した結果、
原案を可とします。
なお、計画の推進にあたっては、調査会での意見を反映されるよう要望いたします。
- 163 -
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