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目黒区の野鳥その2(PDF:1288KB)
グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ●目黒区の季節と鳥 春 3 月、春になると鳥たちはヒナを育てる繁殖期*に入ります。群れて冬越し していた鳥もだんだんオスとメス 2 羽での行動になっていきます。公園や学校の 木々では、シジュウカラやメジロなどがさえずり*ます。メジロは、2 羽の絆を 確かめるように、枝に並んでお互いに羽をつくろい合います。 4 月、巣箱で巣作りを始めたシジュウカラ。巣の材料を繰り返し運ぶメスの周 囲を、オスが鳴きながら見守ります。キツツキの仲間のコゲラは、くちばしをノ ミのように使って庭木などの枯れ枝に直径 3cm ほどの穴を開け、くりぬいた幹の ツバメ 中を巣として卵を産みます。商店街や駅近くのビル街などでは、南の地方から渡 ってきたツバメが電線で『土食って虫食って渋ーい』とさえずります。 5 月の連休の頃、 普段は見られない旅鳥*たちが、駒場野公園や都立林試の森公園などの森を訪れます。 キビタキやオオルリ、サンコウチョウなど鮮やかな色合いや飾り羽を持つものが、繁殖地の北の地方に 向かう途中、羽を休めます(P.1)。連休が明けたバードウィークの頃、シジュウカラのヒナが巣立ちま す。親鳥は巣立ったヒナ(幼鳥)を安全な樹林の中へ誘導していきます。水辺に飛来するカワセミは、目 黒区では年間を通して見られていますが、区内で巣作りをした記録はありません。 夏 6 月、庭や公園で、幼鳥のいる群れが目立つようになります。 シジュウカラやスズメなどの幼鳥は、巣立った後でもしばらくは大 きな鳴き声を出して親に餌をねだります。巣立ち間近のツバメのヒ ナも、泥と枯れ草でできた巣からはみ出しそうです。目黒川付近や 総合庁舎の池などで巣作りをしていたカルガモのヒナも育ち、親鳥 の後を泳ぐ姿が見られます。近年、目黒川などの水辺のほか、庭の 池の魚を狙ってアオサギや白鷺のダイサギ、コサギが飛来し、おどろかされることがあります。7 月~8 月にはほとんどの鳥が繁殖期を終え、充分な餌をとりながら厳しい冬に備えます。 カルガモ親子の行進 秋 9 月中旬になると、冬鳥*の第一陣としてコガモの群れが目黒川船入 場に渡って来ます。その後、キンクロハジロやオナガガモなどが川や公園 の池に飛来します。この頃のカモ類は、オスもメスと同じような地味な色 合いをしています。キビタキなどの旅鳥たちが、今度は南の地方に移動す る途中に緑地で羽を休めます。エノキやミズキの実は、長旅の大切な栄養 源となります。ヒヨドリやムクドリも木の実を食べに集まります。 9月~10 月頃、中目黒公園など草地の多い場所では、モズの高鳴きを聞 くことがあります。高鳴きは、冬の縄張りを宣言するものといわれていま イイギリの実を 食べるヒヨドリ す。ジョウビタキやウグイスなどの冬鳥が顔を見せ、11 月になるとツグミ やアオジ、目黒川にはユリカモメが現れ、目黒区で冬を越す鳥たちが揃います。 冬 12 月、落葉した木々に止まるホンセイインコの群れが目立つようになります。また、上空を飛 ぶタカ類が見られる頃です。シジュウカラはメジロやコゲラなどとひとつの群れ(混群)になって、冬越 しする昆虫などを探して食べます。この群れの中にヤマガラなどを見ることもあります。 1 月、厳冬期を迎え、メジロやツグミが頻繁に庭に来るようにな ります。アカハラやシロハラも、庭や公園の樹林で冬越しをします。 時にはオオタカやハイタカが狩をする姿が観察されることもありま す。やがて、日が延びてくるとウグイスがさえずり出します。最初 に鳴くさえずりは『初音』といわれますが、まるで練習をしている かのように下手な鳴き方が多いようです。暖かい日にはシジュウカ ラやキジバトもさえずリ始めます。 2 月、厳しい寒さが続きますが、川や池で冬越しをしていたカモ 類は夏羽*に変わり、北の地方に戻る準備ができます。ツバキの花に は、甘いミツを求めてヒヨドリが飛来します。ツバキの黄色い花粉 を顔中につけたヒヨドリは、近づく春の証です。 さえずるウグイス * 用 語 説明→P.6、P.9 5 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ●目黒区の環境 目黒区全域に広がる住宅地には、大小さまざまな 緑地が見られます。庭木として多種の樹木が植えら れた植え込み、花壇や菜園、草地のほか、地面の乾 湿や日照の差異など、身近な生物の生息する多様な 環境が形成されています。また、鎮守の森と呼ばれ 古くから伝わる社寺林や目黒川などの崖線の樹林、 公園や大学構内などのまとまった緑地が「みどりの 島(緑島)」のように点在し、新しく作られる緑地と ともに、大小の「みどり」が「モザイク状」にまち 全体に分布していることが、目黒区のみどりの特徴 です(図 3)。野鳥は、人間生活と関わりながらこのよ うな「モザイク状のみどり」を利用し区内全域に生 息しています。 10ha を超える緑地には、東京大学(駒場キャンパ ス:駒場 3 丁目)、防衛省防衛研究所(中目黒 2 丁目)、 図 3 目黒区のみどりのようす 碑 文 谷 周辺 東京工業大学(大岡山キャンパス:大岡山 2 丁目)があ (2014年目黒区みどりの実態調査より) りますが、いずれも区の周辺部に偏在しています。 野鳥の主な観察地は、駒場野公園:旧東京教育大学(駒場 1-20)、駒場公園(駒場 4-3)、西郷山公園(青 葉台 2-10)、菅刈公園(青葉台 2-11)、東山公園(東山 3-24)、目黒天空庭園(大橋 1-9)、目黒区総合庁舎 屋上目黒十五庭(上目黒 2-19)、目黒川船入場(中目黒 1-11)、中目黒公園(中目黒 2-3)、都立林試の森公 園:旧林業試験場(下目黒 5-37)、清水池公園(目黒本町 2-12)、すずめのお宿緑地公園(碑文谷 3-11)、碑 文谷公園(碑文谷 6-9)、中根公園(中根 2-6)、めぐろ区民キャンパス公園(八雲 1-1)、衾町公園(八雲 5-7) 、 都立駒沢オリンピック公園(東が丘 2)などがあります。(施設の所在地は丁目-番です) ●目黒区の野鳥の概要 目黒区の野鳥の記録種数は、在来種 139 種、外来等(外来種および飼育種)33 種、合計 172 種です。渡 りの区分別にみると冬鳥が 41 種と最も多く、旅鳥 36 種、留鳥 29 種と続きます。 区内で繁殖または繁殖の可能性の高い種は、留鳥では、カルガモ、キジバト、ツミ、コゲラ、オナガ、 ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ムクドリ、スズメ、ハクセ キレイ、カワラヒワ、夏鳥ではツバメの計 16 種です。(図 4) 渡りの区分(目黒区を基準に区分) りゅう 留 鳥 : ある地域で一年中見られる鳥(スズメなど) なつ どり 夏 鳥: 春に南の地域から渡って来て繁殖し、秋には南の 地域に渡る鳥(ツバメなど) ふゆ どり 冬 鳥: 春から夏にかけて北の地域で繁殖し、秋に渡って来て 越冬し、春には北の地域に渡る鳥(ウグイスなど) たび 繁 殖 16 種 ちょう どり 旅 不 鳥:春秋の渡りの途中に見られるもの(キビタキなど) 明: 目黒区で観察例が極めて少なく(まれ)、冬鳥か旅鳥、 迷鳥(本来の分布域から外れて渡って来た鳥)などの 区分ができないもの 外来等: 外来種は、外国産の野鳥が、ペットなどとして輸入さ れ、逃げた り放さ れるなど して野外 で見ら れた もの。飼育種は、日本の野鳥だが、飼育されていた ものが、同様に野外で見られたもの 外来等 33 種 在来種 139 種 合計 172 種 図 4 渡りの区分別の種数 国(環境省)及び東京都(区部)が指定している保護上重要な種(絶滅のおそれのある種)は、表 1 のと おりです。目黒区での記録は、観察例が極めて少ないものか、移動の途中に一時的に観察されたものが ほとんどです。林試の森公園や駒場野公園等では、例年、越冬するものや渡りの時期に通過するものが みられており、市街地の中で緑地が重要な役割を果たしていると考えられます。また、タカ科のツミは 2010 年、2013 年、2014 年に営巣(巣作り)が確認されています(営巣地は公開していません)。 6 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] 表1 保護上重要な種 R-2、R-3 国 東 京 カ テ ゴ リ ー 名 と 基 本 概 念 (資 料 よ り 抜 粋 ) 絶 滅 危惧Ⅱ類 (絶滅の危険が増大している種) 準絶滅危 惧 (現時点での絶滅危険度 は小さいが、生 息条件の変 化によっては「絶滅危惧」 に移行する可 能 性 の あるもの) 絶滅 (当該地域において、過去に生 息していたこと が確認されており、飼育 ・栽培下を含めすでに絶滅し た と 考 えられるもの) 絶滅危惧 ⅠA 類 (ごく近い将来にお ける野生での絶 滅 の 危 険性が極めて高いもの) 絶滅危惧 ⅠB 類 (ⅠA 類ほどではな いが、近い将来 に お け る野生での絶滅の危険性が高いもの) 絶滅危惧 Ⅱ類 (現在の状態をもたら した圧迫要因が 引き続き作 用する場合、近い将来「絶 滅危惧Ⅰ類」 の ラ ン クに移行することが確実と考えられるもの) 都 区 部 準絶滅危 惧 (現時点での絶滅危険度 は小さいが、生 息条件の変 化によっては「絶滅危惧」 として上位ラ ン ク に 移行する要素を有するもの) 情報不足 (環境条件の変化によって 、容易に絶滅危 惧のカテゴ リーに移行し得る属性を有 しているが、 生息状況を はじめとして、ランクを判 定するに足る 情 報 が 得られていないもの) 非分布 (生態的、地史的な理由から 、もともと当該 地域には分 布しないと考えられるもの 。但し、鳥類 では、確認 記録があっても当該地域が 主たる生息域 ではないと判断される場合は、非分布として扱った ) 種 名 ミ ゾ ゴ イ、サシバ、サンショウクイ ヨ タ カ 、ノジコ 3種 2種 サ ン コ ウチョウ、チゴモズ、コサメビタキ 3種 ヨ シ ゴ イ、ササゴイ、ツミ、オオタカ、フクロウ、 ア オ バ ズク、アカモズ 7種 オ シ ド リ、コアジサシ、チュウヒ、ハイタカ、ノスリ、 ア オ ゲ ラ、チョウゲンボウ、ハヤブサ、コヨシキリ 9 種 ダイサ ギ、チュウサギ、 コサギ、オオバ ン、ホトトギス、 ヒ メ ア マツバメ、コチドリ、ヤマシギ、オオジシギ、 タ シ ギ 、キアシシギ、イソシギ、カワセミ、モズ、 ヤ マ ガ ラ、ヒバリ、オオヨシキリ、トラツグミ、 セ グ ロ セキレイ、ベニマシコ 20 種 カイツブリ、アカエリヒレアシシギ、トビ、ウソ、イカル、 クロジ 6種 ク イ ナ 、コチョウゲンボウ、チゴハヤブサ、 イ ソ ヒ ヨドリ、コジュリン 5種 ミゾゴイ、サシバ、サンショウクイ、アオバト、ツツドリ、 カッコウ、アマツバメ、オオコノハズク、アカショウビン、 ア カ ゲ ラ、キクイタダキ、ヤブサメ、エナガ、 メ ボ ソ ムシクイ、ミソサザイ、マミジロ、クロツグミ、 コ マ ド リ、コルリ、サメビタキ、オオルリなど 25 種 野鳥の記録の変化をみると、1970 年代からコゲラ、カワセミが区内で見られるようになっています。 1980 年代からは、アオサギ、ダイサギ、コサギなどのサギ類が公園や住宅内の小さな池に見られるよう になり、区内各地から観察例が寄せられるようになりました。キンクロハジロ、ホシハジロなどのカモ 類は、1990 年代以降に目黒川や碑文谷公園弁天池等に冬鳥として飛来するようになりました。外来種の コジュケイは、1980 年代以降、ほとんど観察されなくなっています。 1970 年以降の年間確認種数は図 5 のとおりです。種数は年々増加傾向にありますが、これは、観察者 数の増加も一つの要因になっていると思われます。年ごとの増減は、主に旅鳥、冬鳥の確認種数の変化 によると考えられます。 図5 年間確認種数年変化(外来等は除く) 陸 鳥 ハト目、カッコウ 目、ヨタカ目、ア マツバメ目、タカ 目、フクロウ目、 ブッポウソウ目、 キツツキ目、ハヤ ブサ目、スズメ目 水 鳥 カモ目、カイツブ リ目、カツオドリ 目、ペリカン目、 ツル目、チドリ目 7 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ●生物多様性と野鳥 い の ち わ 1)目黒区生物多様性地域戦略 ささえあう生命の輪 野鳥のすめるまちづくり計画 生物多様性には、生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性の 3 つレベルがあるとされ、私たち 人間の暮らしはこれら生物の多様性のもたらす恵みを享受することによって成り立っています。現在、 世界中の人間の消費活動の負荷などによって生物多様性の損失が進んでいます。生物多様性地域戦略は、 地域での生物多様性の確保(保全と回復)を目指す計画として策定されますが、目黒区では、「野鳥」を都 市における生物多様性確保のシンボルとしてとらえ、自然と共生する社会を目指す「野鳥のすめるまちづ くり」をテーマとしています。野鳥は、ペットとして飼う鳥ではなく、野外で自然に暮らしている鳥のこ とを指しています 2)シンボルとしての野鳥 ア みどりのつながりのシンボル 市街地の中で大小の緑地がモザイク状に分布している目黒区では、個々 の緑地を有機的に連結し、機能を連携させるネットワークの形成が重要 な課題です。そこで、点在するみどりを行き来し、緑地を基盤に生活し ている野鳥をエコロジカルネットワーク形成のシンボルとして 扱っています(P.1) イ いきもののすめるみどりへの転換のシンボル 鳥類は生態系ピラミッドでは上位のいきもので、植物や昆虫 等の小動物など、餌となるいきものの種類や数が豊富で生息 に適した環境があるほど、多くの種の野鳥が生息できます。 季節感やうるおいを感じ、自然と共生するまちづくりを 目指すうえで、みどりの量の確保だけではなく、いき もののすめるみどりへと質の転換を図るシンボル 図 6 生 態 系ピラミッドの概念図 として、野鳥を位置づけています ウ 区民に親しまれるまちづくりのシンボル ウグイスの初音を楽しむ、シジュウカラやツバメの子育てに一喜一憂するなど、庭先や身近な場所 に訪れる野鳥は、区民にとってやすらぎやうるおいのある生活のシンボルです。また、多様な野鳥の 生息できる環境は、生物のひとつである人間にとっても暮らしやすい快適な環境であるといえます。 このように、区民に親しまれ、身近な暮らしから生物多様性が確保された自然と共生する社会を目指 すきっかけとなる野鳥を、まちづくりや活動のシンボルとしてとらえています 3)計画目標の 3 つの柱(短 期 目標達成年は 2020 年) 目標1 みどりの風景をまもり、いきものにやさしさのある環境をつくります ・短期目標の指標 :野鳥の年間確認種数 50 種を維持し、70 種を目指す :タンポポ、ツバメ等の指標在来生物種の分布率 37%→50% 目標2 自然とのふれあいを大切にしためぐろの暮らしを未来に伝えます ・短期目標の指標 :世論調査における「生物多様性」の言葉の認知度 36.8% → 80% い の ち わ 目標3 すべての主体があらゆる活動で「ささえあう生命の輪」の確保を目指した協力と連携を行います ・短期目標の指標 :グリーンクラブなど公園等で活動を行う登録団体数 106 団体→120 団体 :いきもの住民会議(活動団体・自然通信員※等の研修、交流)開催の継続 ●野鳥リストについて 1)基本リスト 野鳥の観察記録データは、目黒区都市整備部みどりと公園課が保有する各種自然環境調査に関する記 録を集計・リスト化したもので、2009 年に区のホームページなどで公開した「目黒区いきもの住民台帳暫 定版」(「目黒区産動植物目録:1984 年目黒区」01-02 を基に作成)の鳥類リストの部分を更新したものです。 暫定版からの主な変更点は以下のとおりです ア 分類、種名、学名は、日本鳥学会編日本鳥類目録改訂第7版 R-1(以下「鳥類目録」とします) に合わ せました イ 在来種と外来等(外来種および飼育種)を別リストとしました ウ 2014 年までの観察情報を追加・更新しました エ 主要な種について、観察地を示した観察地点図及び観察月バーを掲載しました 8 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] 2)集計資料 ア 専門調査 目黒区が専門機関に委託して行う自然環境調査などの結果 イ 区民参加調査(自己調査) 自然通信員(表紙 3)による身近な生きもの調査など区民が庭や公園などで自主的に行う活動で す。ウグイスの初音やシジュウカラの巣箱調査などは毎年区報で参加の呼びかけを行い、多くの 観察記録が寄せられています。駒場野公園の自然観察舎・中目黒公園の花とみどりの学習館によ る定点調査、公園活動登録団体や小学校のビオトープ活動での観察記録も資料としています ウ イベント型調査 いきもの発見隊や駒場野自然クラブなど公園等で行う観察会などの調査で、専門の講師の指導 により行うことが多いものです。区報などで区民に参加を呼びかけています エ 資料調査 自治体や民間機関などの調査報告書、団体のニュースレター、出版物などの文献を調べたもの 3)集計期間 観察日は 2014 年 12 月 31 日までの記録。観察年または観察年代(10 年単位)がわかる記録を抽出して います。抽出した記録件数は在来種 19,251 件、外来等 1,056 件、合計 20,307 件です 4)対象区域 目黒区内。他区にまたがる公園(都立林試の森公園の品川区区域、都立駒沢オリンピック公園・東山公 園の世田谷区区域)や緑道(九品仏川緑道の世田谷区区域)は施設全域を対象区域にしました 5)対象種 野外で観察された鳥類で、在来種(日本産の種)、外来種(人為的に持ち込まれた外国産の種)の区分は 鳥類目録に準拠しました。在来種であっても飼育されていたものが逃げたり、放たれたりしたもの(資料 でその旨が記載されているもの)は飼育種とし、外来種と合わせて「外来等」としました。観察記録は、写 真や複数の観察者の目視などで種の判定のできたものを対象としています。種が確定できないものや「ハ イタカ類」「レンジャク類」などの記録は除きました。「外来等」には亜種を記したものがあります 6)分類と種の表現 分類は、界―門―綱―目―科とし、学名は、属名と種小名までとしました(一 部 亜 種まで表記しました) せきつい ちょうこ う 〈例〉 動物界-脊椎動物門-鳥 綱-スズメ目-スズメ科-スズメ (スズメの場合) 7)観察地点図・観察月バー 観察地点図は、観察記録の大まかな分布状況を把握する参考にしてください。図上 の点は隣接する複数の街区(○丁目○番)を集約して表示しており、実際の観察地点 とずれる場合があります。また調査の性格上、表示のない場所に分布していないこと を示すものではありません。観察月バー 観 察 月 バー は観察記録を月ごとに集計し、記録件数に よって濃淡をつけてあります 観察月バー 8)データ処理 データは、目黒区の保有するパソコンシステムに集計しています。資料調査では、和名、学名、 科名、目名を原資料の表記から、鳥類目録の新しい表記に変更したものがあります 9)リスト中の表記、略号 ア 【記録】 観察記録の内容です。件数は、登録されている記録件数です。○は、 観察記録の例示で、種の 特性を表すものなどを抽出しています。※は、引用した資料の番号(表紙 3 参照)です。転記に際し て内容を一部要約しています。文中の観察地は町名を記載しています。公園等の施設の所在地は P.6 を参照してください。旧林業試験場は現都立林試の森公園、旧東京教育大学は現駒場野公園です イ 用語、略号 ♂:オス ♀:メス 幼:幼鳥(ヒナが巣立ち後、成鳥になる前の時期。羽の模様が成鳥と異なるもの が多い) 繁殖期:繁殖を行う時期(多くの鳥類では春から夏など餌の豊富な時期に繁殖する) 夏羽:繁殖期の羽(冬羽に比べ派手な場合が多い) 冬羽:繁殖期以外の羽(夏羽に比べ地味な場合が 多い) さえずり:繁殖期の声(メスを呼んだり、縄張り宣言のため種固有の節回しや音色で鳴く。 本格的なさえずりにならないものを「ぐぜり」という) 地鳴き:さえずり以外の声(危険を知らせた りするもので、通常短く鳴く) まれ:観察件数が数件以内で区内でほとんど観察されていないもの 10)目黒区の野鳥を調べるときは、市販の図鑑のほか、身近な生物を紹介した小図鑑『めぐろのいきもの 80 選』(目黒区発行:表紙 3)もご活用ください 9 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ●目黒区の野鳥(在 来 種 ) せきつい ちょうこう 動物界 ANIMALIA―脊椎動物門 CHORDATA― 鳥 綱 AVES ■カモ目 ANSERIFORMES―カモ科 ANATIDAE 1 オシドリ Aix galericulat 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 冬鳥。1997 秋から 2 年にわたり目黒川の大橋、東山付近でオス 1 羽が越冬した 【記録】12 件 ○1997 年 12 月 8 日目黒川(東山)♂1 羽 マガモの数羽の群と越冬 2 ヒドリガモ Anas penelope 冬鳥【記録】1 件 ○1985 年 9 月 26 日防衛省技術研究所(中目黒)1 羽※01-10 3 マガモ オシドリ Anas platyrhynchos 冬鳥。目黒川や呑川、碑文谷公園や清水池公園の池で越冬する【記録】36 件 ○2007 年 2 月 4 日呑川(緑が丘)♂5 羽♀4 羽 川床の藻を食べる ○2011 年 11 月 2 日目黒川(東山) ♂3 羽♀2 羽 Anas zonorhyncha 4 カルガモ 留鳥。繁殖。目黒川や公園・学校の池などに飛来。1980 年代から各地で繁殖 【記録】473 件 ○2004 年 4 月 28 日月光原小学校(目黒本町)2 羽 プール脇に営 巣 卵 2 個○2005 年 6 月 20 日目黒区総合庁舎屋上「目黒十五庭」開園前、ヒメコ マツの鉢に営巣○2008 年 5 月 30 日中根小学校(緑が丘)2 羽 ビオトープの池に 飛来○2012 年 5 月 16 日目黒区総合庁舎池 親 1 羽、孵化直後のヒナ 9 羽 5 オナガガモ マガモ Anas acuta 冬鳥。1990 年代から目黒川や碑文谷公園の池で越冬する【記録】115 件 ○1997 年 5 月 18 日駒場野公園♀1 羽 2 月から大池に滞在(この時期の記録は珍 しい)※04-03○2014 年 11 月 26 日目黒川船入場 35 羽○2014 年 12 月 27 日呑川 (緑が丘)♂5 羽♀15 羽程度 6 コガモ Anas crecca 冬鳥。主に 1990 年代から目黒川や碑文谷公園の池などで越冬する 【記録】156 件 ○2012 年 4 月 8 日東京工業大学♂5 羽♀3 羽以上 ひょうたん池 ○2014 年 11 月 26 日目黒川船入場 5 羽 7 ホシハジロ カルガモ Aythya ferina 冬鳥。1990 年代から目黒川や碑文谷公園などの池で越冬する【記録】56 件 ○1995 年 1 月 17 日碑文谷公園 35 羽 池に落ちたクヌギの実を潜って採る ○2009 年 12 月 22 日目 黒川(中目黒) 9 羽 8 キンクロハジロ Aythya fuligula 冬鳥。1990 年代から目黒川や碑文谷公園、清水池公園の池で越冬する 【記録】86 件 ○2012 年 1 月 11 日清水池公園 9 羽 ○2013 年 2 月 8 日碑文谷公園♂66 羽♀12 羽 ○2014 年 12 月 24 日目黒川船入場 32 羽 ■カイツブリ目 PODICIPEDIFORMES―カイツブリ科 PODICIPEDIDAE 9 カイツブリ Tachybaptus ruficollis 東京都区部:準絶滅危惧 カイツブリ 冬鳥。碑文谷公園の池などに時々飛来。1990 年代まで中目黒で繁殖の可能性 【記録】23 件 ○1982 年 7 月 9 日防衛庁技術研究所 1 羽※03-01 ○2005 年 3 月 14 日碑文谷公園 冬羽 1 羽 目黒区の主なカモ類の比較(オス) マガモの♂と♀(手前) 10 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ■ハト目 COLUMBIFORMES―ハト科 COLUMBIDAE 10 キジバト Streptopelia orientalis 留鳥。繁殖。一名ヤマバト。民家の庭木や建物などで営巣している 【記録】926 件 ○1982 年 4 月 3 日中目黒駅ホーム屋根に営巣※04-01 ○2012 年 6 月 1 日目黒十五庭 エゴノキに営巣※04-05 11 アオバト キジバト Treron sieboldii 東京都区部:非分布 旅鳥【記録】14 件 ○2004 年 10 月 24 日東京工業大学 2 羽 ひょうたん池脇の桜 の樹冠近くに 2 羽近づいてとまる○2010 年 12 月 25 日都立林試の森公園♀1 羽 池に水を飲みに来る ■カツオドリ目 SULIFORMES―ウ科 PHALACROCORACIDAE 12 カワウ Phalacrocorax carbo 留鳥。上空通過記録が多い。目黒川船入場や碑文谷公園などの池では数羽が飛 来し魚を捕る【記録】210 件 ○1998 年 3 月 1 日目黒川船入場 2 羽 大雪の中、 岩の上にとまる いきもの発見隊○2010 年 11 月 7 日東京工業大学 400 羽以上 上空を通過 アオバト ■ペリカン目 PELECANIFORMES―サギ科 ARDEIDAE 13 ヨシゴイ Ixobrychus sinensis 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 まれ【記録】1 件 ○1974 年 10 月旧林業試験場※02-01 14 ミゾゴイ Gorsachius goisagi 国:絶滅危惧Ⅱ類 東京都区部:非分布 旅鳥。都立林試の森公園での記録。旧林業試験場時代は少数が留鳥 【記録】3 件 ○1974 年 10 月旧林業試験場※02-01 ○2010 年 5 月 2 日都立林試の森公園 1 羽 ○2014 年 9 月 27 日都立林試の森公園 1 羽 15 ゴイサギ ゴイサギ Nycticorax nycticorax 留鳥。夜間上空通過が多い。目黒川や碑文谷公園等の池で魚などを捕る 【記録】187 件 ○1987 年 9 月 3 日駒場野公園 3 羽 いずれも幼鳥 駒場野自然ク ラブ活動※04-01○2011 年 1 月 6 日 目黒川船入場 7 羽 捕食、休息 16 ササゴイ Butorides striata 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 まれ【記録】1 件 ○1978 年 7 月 16 日大岡山 1 羽 22:50 頃上空を飛ぶ声※01-02 17 アマサギ Bubulcus ibis まれ【記録】1 件 ○1981 年 5 月 5 日目黒本町 11 羽上空通過※01-02 18 アオサギ アオサギ Ardea cinerea 留鳥。1990 年代から民家等の小さな池で魚などを捕る行動が見られるようにな った【記録】230 件 ○2008 年 5 月原町小学校(原町)1 羽 屋上のビオトープ池 に降りる 児童と観察○2009 年 7 月 上目黒小学校(上目黒)1 羽 夕暮れに飛ぶ姿 を 3 回目撃○2010 年 4 月 28 日南 1 羽 庭の小池に舞い降り 15cm 位のコイ (10 尾)をねらう 29 日、30 日も○2010 年 10 月 16 日大岡山 6 羽 編隊を組んで上空通過 19 ダイサギ Ardea alba 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。1970 年代から民家等の小さな池で魚などを捕る行動が見られるようにな った【記録】113 件 ○1998 年 4 月中目黒 1 羽 庭の水盤に来て金魚をとって行 く○2003 年 10 月 16 日自由が丘 45 羽以上 18:45 頃夜空を南西方向へ飛ぶ※04-01 ダイサギ 11 濡れた羽を干すカワウ グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] 20 チュウサギ Egretta intermedia 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 まれ【記録】2 件 ○1985 年 5 月 30 日自由が丘 1 羽 上空通過※01-10 ○1998 年 7 月 8 日碑文谷公園 1 羽 池※04-04 21 コサギ Egretta garzetta 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。1970 年代から民家等の小さな池で魚などを捕る行動が見られるようにな った【記録】290 件 ○1960~1969(昭和 40 年ころ)旧林業試験場 まれに上空通 過○2004 年 4 月 15 日目黒川船入場 8 羽 小魚 を捕食○2014 年 7 月 8 日中目黒公園 2 羽 コサギ ■ツル目 GRUIFORMES―クイナ科 RALLIDAE 22 クイナ Rallus aquaticus 東京都区部:情報不足 まれ【記録】1 件 ○1984 年 10 月 16 日 目黒本町 1 羽 落鳥(死骸)※01-02 23 ツルクイナ Gallicrex cinerea まれ【記録】3 件 ○1981 年 10 月 20 日目黒♀型 1 羽 民家に迷いこむ○1986 年 10 月 12 日駒場野公園 1 羽 水田畔に脚と羽毛 が落ちていた駒場野自然クラブ活動※04-01 24 オオバン ホトトギス Fulica atra 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 まれ。いずれも目黒川での記録。隣接区の大田区の洗足池では生息している 【記録】2 件 ○2003 年 11 月 1 日目黒川(中目黒) 1 羽 翌日まで滞在○2014 年 12 月 28 日目黒川(下目黒)1 羽 太鼓橋付近 ■カッコウ目 CUCULIFORMES―カッコウ科 CUCULIDAE 25 ホトトギス Cuculus poliocephalus 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 旅鳥。5 月から 6 月に、夜間に上空通過する鳴き声を聞くことがある 【記録】28 件 ○2007 年 5 月 30 日都立林試の森公園 1 羽 林内からトッキョ キョカキョクというさえずりが聞こえる○2008 年 5 月 27 日平町 1 羽 22:00 過ぎ移動しながらさえずる声を聞く ツツドリ 26 ツツドリ Cuculus optatus 東京都区部:非分布 旅鳥。秋期に樹林地で記録がある。木の実や昆虫類を食べる【記録】13 件 ○1996 年 9 月 29 日駒場野公園 1 羽 コナラの樹上で毛虫を食べる 駒場野自然 クラブ活動※04-03○2009 年 9 月 24 日都立林試の森公園 3 羽 サクラでケムシを捕食 27 カッコウ Cuculus canorus 東京都区部:非分布 旅鳥。主に春の渡りの時期に鳴き声の記録がある【記録】17 件 ○2010 年 5 月 12 日碑文谷公園 1 羽 朝、池畔のシイのこずえで さえずる○2014 年 5 月 28 日中目黒公園 カッコウ ■ヨタカ目 CAPRIMULGIFORMES―ヨタカ科 CAPRIMULGIDAE 28 ヨタカ Caprimulgus indicus 国:準絶滅危惧 東京都区部:非分布 まれ【記録】3 件 ○1941 年 5 月 8 日上目黒※04-02○1960 年代夏期 旧林業試験場※02-01 ■アマツバメ目 APODIFORMES―アマツバメ科 APODIDAE 29 ハリオアマツバメ Hirundapus caudacutus 旅鳥【記録】1 件 ○1950 年代旧林業試験場。夏期上空通過※02-01 ヨタカ 夜 間 鳴き なが ら 渡るホトトギス ●一番古い記録 江戸時代 の歌舞伎役 者二代目市 川團十郎が 家族で訪れ た大円寺(下 目黒)で詠んだホトトギスの句が、自筆の日記「老の楽」に次のように収録されています 『享保 19 年 6 月 4 日朝曇り、 ほととぎすこぼすほど啼く。五ツ頃より晴天。 朝くもり声を拾へや子規 才牛 ほととぎすゝとぞ記しけり 翠扇 杜宇ほぞんかけたか目黒みち 錦女… 』 日付は旧暦と考えられますが、享保 19 年(1734 年)は現在のところ年の記述のある 記録としては一番古いものですです。参考:「郷土随筆 目黒界隈」(1961:富岡 丘蔵著) 12 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] 30 アマツバメ Apus pacificus 東京都区部:非分布 旅鳥。主に秋の渡りの時期に、上空通過の記録がある【記録】25 件 ○2000 年 9 月 15 日東京工業大学 3~5 羽 上空をやや低く飛びまわる ツバメ数 羽も混じる○2006 年 10 月 15 日駒場野公園 2 羽 上空通過 31 ヒメアマツバメ アマツバメ Apus nipalensis 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。1990 年代駒沢オリンピック公園競技場上空でさえずりながら追従飛行 【記録】15 件 ○2002 年 1 月 10 日 都立駒沢オリンピック公園 2 羽 ■チドリ目 CHARADRIIFORMES―チドリ科 CHARADRIIDAE 32 コチドリ Charadrius dubius 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 まれ。中目黒公園用地で繁殖期の記録がある【記録】8 件 ○2000 年 6 月 2 日 中目黒公園予定地 1 羽○2001 年 6 月 28 日中目黒公園予定地 3 羽 警戒しながら 上空を旋回 ■チドリ目 CHARADRIIFORMES―シギ科 SCOLOPACIDAE 33 ヤマシギ Scolopax rusticola 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 ヒメアマツバメ 旅鳥。林試の森公園や駒場野公園などで記録がある【記録】11 件 ○2002 年 11 月駒場野公園(駒場)保護○2007 年 11 月 5 日八雲 1 羽 夕方に上空 通過※04-01 ○2010 年 10 月 27 日都立林試の森公園 34 オオジシギ Gallinago hardwickii 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 まれ【記録】1 件 ○1993 年 4 月 11 日駒場野公園 1 羽ホタル橋から大池方向に飛ぶ※04-03 35 タシギ Gallinago gallinago 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 まれ【記録】1 件 ○1986 年 4 月駒場野公園 1 羽 水田※04-03 ヤマシギ 36 キアシシギ Heteroscelus brevipes 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 旅鳥。春秋の渡りの時期に上空通過の記録がある。近年の記録はない 【記録】4 件 ○1973 年 10 月 19 日 大岡山 23:50 頃、鳴きながら通過※01-02 37 イソシギ Actitis hypoleucos 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。目黒川や碑文谷公園の池などの記録があるが少ない【記録】26 件 ○1981 年 4 月 13 日 碑文谷公園 1 羽 池畔※01-02○2008 年 5 月 15 日 目黒川(上目黒)1 羽 餌を採る 38 アカエリヒレアシシギ イソシギ Phalaropus lobatus 東京都区部:準絶滅危惧 まれ【記録】1 件 ○1984 年 5 月上旬清水池公園 2 羽 池内を浮かんで泳ぐ※01-02 ■チドリ目 CHARADRIIFORMES―カモメ科 LARIDAE 39 ユリカモメ Larus ridibundus 冬鳥。上空通過のほか冬期目黒川に群れで飛来し越冬する。東京都の鳥 【記録】92 件 ○1978 年 10 月 29 日宮前小学校(八雲) 80 羽前後 上空を編隊を 組んで通過○1998 年 2 月 5 日目黒川船入場 80 羽○1998 年 12 月 9 日目黒川 船入場 170 羽○2013 年 11 月 27 日 目黒川船入場 1 羽 ユリカモメ 目 黒 川 や碑 文谷 公 園の 池 で記録のあるイソシギ 13 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] Larus crassirostris 40 ウミネコ 冬鳥。上空通過のほか目黒川での少数の記録がある【記録】11 件 ○2012 年 5 月 20 日目黒川船入場 1 羽 11:30 頃、下流方向から飛来したがカラ スに追われ、下流に戻る 41 セグロカモメ Larus argentatus 冬鳥。冬期上空通過のほか目黒川に少数が飛来する。河床に下りる 【記録】25 件 ○2009 年 1 月 14 日目黒川船入場 成鳥○2014 年 12 月 28 日目黒川(下目黒)1 羽 セグロカモメ 42 コアジサシ Sterna albifrons 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 夏鳥。上空から水中に飛び込んで魚などを捕える。碑文谷公園などの池に少数 が飛来【記録】23 件○2009 年 6 月碑文谷公園 2 羽 池内の杭上にとまった♀に ♂が求愛給餌○2009 年 6 月 22 日清水池公園 7~8 羽 池上を飛び、時折池に 飛び込み、小魚を捕食 43 アジサシ Sterna hirundo まれ【記録】1 件 ○1950 年代旧林業試験場 春秋まれに上空を通過※02-01 ■タカ目 ACCIPITRIFORMES―タカ科 ACCIPITRIDAE 44 トビ Milvus migrans 東京都区部:準絶滅危惧 コアジサシ 留鳥。上空通過の記録が時々ある【記録】66 件 ○1987 年 2 月 1 日駒場野公園 1 羽 上空通過 駒場野自然クラブ○2008 年 1 月 25 日月光原小学校(目黒本町) 1 羽 上空輪を描く○2011 年 1 月 28 日油面公園(中町)1 羽○2013 年 11 月 8 日 中目黒公園 1 羽 45 チュウヒ Circus spilonotus 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 まれ【記録】2 件 ○1983 年 11 月 14 日旧東京教育大学 1 羽 上空通過。カラス にモビング(タカ類を追う行動)される※04-01 ○1988 年 10 月 30 日駒場野公園 1 羽※04-01 Accipiter gularis 46 ツミ トビ 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 留鳥。繁殖。2000 年代から観察例が増える。複数個所で営巣している 【記録】33 件 ○2013 年 11 月 3 日 柿の木坂♀1羽 庭で鳥を捕食 47 ハイタカ Accipiter nisus 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 冬鳥。上空通過や捕食行動の記録がある【記録】30 件 ○2010 年 12 月 4 日 都立林試の森公園 1 羽 南門の付近の塀沿いで ツグミを捕食 48 オオタカ ハイタカ Accipiter gentilis 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 冬鳥。上空通過や捕食行動の記録がある【記録】32 件 ○2010 年 12 月 31 日 都立林試の森公園 1 羽 ドバトを捕食○2013 年 11 月 6 日碑文谷 1 羽 ヒヨドリが異様に騒ぐ 49 サシバ Butastur indicus 国:絶滅危惧Ⅱ類 東京都区部:非分布 旅鳥。春秋の渡りの時期に上空通過の記録がある【記録】14 件 ○1994 年 4 月 3 日駒場野公園 3 羽 上空通過※04-01 ○2003 年 9 月 23 日東京工業大学 13 羽以上 7:25 頃から上空通過 オオタカ 碑文谷 公園 でも見 られ たコ アジ サシの求愛給餌( オスがメス に餌 を運び求愛する行動) 14 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] 50 ノスリ Buteo buteo 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 冬鳥。上空通過の観察記録が時々ある【記録】9 件 ○1999 年 12 月 24 日 中央町 1 羽 朝、50 羽前後のカラスに追われ、 一時植え込み内に舞い降りる ■フクロウ目 STRIGIFORMES―フクロウ科 STRIGIDAE 51 オオコノハズク Otus lempiji 東京都区部:非分布 まれ【記録】1 件 ○1965 年 4 月 9 日 旧林業試験場※02-01 ノスリ Strix uralensis 52 フクロウ 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 まれ【記録】2 件 ○1930~1939(昭和 10 年ころ)祐天寺(中目黒)墓地で鳴く ○1950 年代旧林業試験場※02-01 53 アオバズク Ninox scutulata 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 夏鳥。1960 年代までは繁殖していた可能性がある【記録】10 件 ○1981 年 6 月 8 日五本木(成鳥 1 羽捕獲後放鳥※01-02○1997 年初夏 八雲氷川神社(八雲)1 羽 ○1998 年 6 月 1 日中根公園 声を録音 ■ブッポウソウ目 CORACIIFORMES―カワセミ科 ALCEDINIDAE 54 アカショウビン Halcyon coromanda 東京都区部:非分布 アオバズク まれ【記録】2 件 ○1960 年代旧林業試験場 春期(月の記録なし)短期滞在通過 防火貯水池で金魚などで空腹を満たす※02-01○1970 年 9 月 27 日旧林業試験場 1 羽 落鳥※02-01 55 カワセミ Alcedo atthis 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。水辺の鳥。1990 年代から公園などの池で記録。繁殖期の記録がある 【記録】111 件 ○1995 年 5 月 7 日駒場野公園 2 羽(♀1♂1)大池。メスが小魚を 捕らえ、その後オスに入れ替わり、とった魚をどこかに運ぶ。駒場野自然クラ ブ活動○2014 年 9 月 14 日菅刈公園 1 羽 和館前の池の手すりにとまる ○2014 年 10 月 7 日目黒川船入場 1 羽 カワセミ ■キツツキ目 PICIFORMES―キツツキ科 PICIDAE Jynx torquilla 56 アリスイ まれ【記録】2 件 ○1973 年 4 月 26 日旧林業試験場 1 羽 声 ○1998 年 4 月五本木※01-02 57 コゲラ Dendrocopos kizuki 留鳥。繁殖。1980 年代から区内で見られるようになり、各地で繁殖するように なった【記録】523 件 ○1998 年 4 月下目黒アンテナを盛んに叩く○1998 年 6 月 16 日田道小学校(目黒)1 羽 プールのヤゴ採り作業中上空通過○2004 年 5 月 7 日駒場野公園シナノキで営巣 コゲラ 58 アカゲラ Dendrocopos major 東京都区部:非分布 まれ【記録】2 件 ○1970 年 10 月 19 日東京工業大学 1 羽※01-02 59 アオゲラ Picus awokera 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 留鳥。1990 年代から駒場公園などの樹林で記録がある【記録】5 件 ○1995 年 10 月 1 日駒場公園 1 羽※04-03○2007 年 10 月 3 日中目黒公園 1 羽 花とみどり の学習館脇のケヤキに飛来 アオゲラ 目黒川船入場 や碑文谷 公園な どで小魚を捕 食するカ ワセミ が観察されています 15 グリーンデータブック いきもの住民台帳[目黒区の野鳥] ■ハヤブサ目 FALCONIFORMES―ハヤブサ科 FALCONIDAE 60 チョウゲンボウ Falco tinnunculus 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 冬鳥。上空通過がほとんど。1990 年代自由が丘で繁殖期に継続観察される 【記録】38 件 ○1996 年 6 月 8 日自由が丘上空カラスに追われる ○2014 年 8 月 26 日中目黒公園 2 羽 61 コチョウゲンボウ Falco columbarius 東京都区部:情報不足 まれ【記録】1 件 ○1971 年 6 月 5 日 旧林業試験場 1 羽 上空通過※04-02 チョウゲンボウ 62 チゴハヤブサ Falco subbuteo 東京都区部:情報不足 まれ【記録】1 件 ○1997 年 10 月 1 日 駒場野公園 1 羽 上空通過 63 ハヤブサ Falco peregrinus 東京都区部:絶滅危惧ⅠB類 冬鳥。主に秋期上空通過の記録がある【記録】7 件 ○1983 年 9 月 30 日林試の 森暫定解放 1 羽 上空通過※04-01○2010 年 10 月 23 日都立林試の森公園 1 羽 ○2014 年 5 月 8 日目黒川(下目黒)1 羽 上空通過 ハヤブサ ■スズメ目 PASSERIFORMES―サンショウクイ科 CAMPEPHAGIDAE 64 サンショウクイ Pericrocotus divaricatus 国:絶滅危惧Ⅱ類 東京都区部:非分布 旅鳥。主に渡りの時期に鳴きながら上空を通過しているものが観察される 【記録】22 件 ○1979 年 4 月 25 日鷹番 1 羽 商店街上空をさえずりながら通過 ※02-01○2013 年 5 月 7 日駒場野公園 1 羽 果樹園付近からさえずりながら飛び立つ ■スズメ目 PASSERIFORMES―カササギヒタキ科 MONARCHIDAE 65 サンコウチョウ Terpsiphone atrocaudata 東京都区部:絶滅 サンショウクイ 旅鳥。渡りの時期に公園などで記録がある。ツキ・ヒ・ホシ・ホイホイとさえずる 【記録】27 件 ○1993 年 5 月 4 日駒場野公園♂1 羽 駒場野自然クラブ活動※04-03 ○2010 年 9 月 24 日都立林試の森公園 2 羽 ■スズメ目 PASSERIFORMES―モズ科 LANIIDAE 66 チゴモズ Lanius tigrinus 東京都区部:絶滅 まれ【記録】2 件○1960 年代旧林業試験場 夏期まれに観察※02-01○1970 年 5 月 28 日大岡山 1 羽 アンテナにとまる※01-02 67 モズ サンコウチョウ Lanius bucephalus 東京都区部:絶滅危惧Ⅱ類 留鳥。駒場野公園などで繁殖の可能性がある【記録】367 件 ○2007 年 4 月 15 日駒場野公園♂1 羽♀1 羽 北門脇キンモクセイ内で営巣の可能性あり 駒場 野自然クラブ活動○2006 年 10 月 26 日 中町 1 羽 街路樹で忙しく高鳴く ○2013 年 11 月 8 日中目黒公園 1 羽 原っぱ周辺で高鳴き 68 アカモズ Lanius cristatus 東京都区部:絶滅危惧ⅠA類 まれ【記録】3 件 ○1960 年代旧林業試験場夏期まれに観察※02-01 ○1974 年 10 月旧林業試験場※02-01 モズ 高鳴きをするモズ モズは漢字で百舌と書くように、いろいろな鳥の声をまねします。 2006 年 2 月 4 日大岡山では、午前 8 時から 10 分ほどの間に、 セグロセキレイ、オオヨシキリ、ヒバリ、ホオジロ、ウグイス、カ ワラヒワ、センダイムシクイ、ホトトギス、ジュウイチ 、ヤマガラ と、10 種類のさえずりをまねしたオスの記録があります 16