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カヤネズミ
哺乳類 カヤネズミ 岡山県:準絶滅危惧 Micromys minutus (Pallas) 環境省:該当なし 嚙歯(ネズミ)目 ネズミ科 選定理由 本種は、かつて、ススキが生えるような草地があればどこにでも 生息していたと思われるが、市街化の進行や河川改修などにより生 息環境が改変され、急速に失われつつある。 存続を脅かす要因 河川開発(河川改修)、土地造成(農地開発、市街化、宅地化) 分布状況 日本(本州の中部以南、四国、九州)、ヨーロッパからシベリア を経て中国、ウスリー、朝鮮半島。岡山県下では、三大河川の河川 敷を中心に、南部から北部にかけて広く分布するほか、中小河川の 河川敷、耕作地周辺の草地にも生息する。 撮影:山田 勝 生息情報 頭胴長約 60mm、尾長約 70mm。世界で最も小さいネズミの仲 間。河川敷や牧草地、耕作地などイネ科の植物が茂る場所に生息す る。地表から数十cmの高さの草上に球状の巣を作り、子育てをす る。草本の茎や葉、種子、果実、昆虫などを食べる。岡山県下で は、営巣や繁殖についての報告は多数あるが、食性その他、行動や 生態面についての報告はほとんど見あたらない。 特記事項 IUCN2009: LC(軽度懸念)。 文献番号 2 ,5,7,8,15,17,18,19,20,21,25,27, 31,32,33,34,35,42,45,46,47,50,52,55, 61,62,68,79,80 (小林秀司・川原啓路) ツキノワグマ Ursus thibetanus japonicus Schlegel 岡山県:絶滅危惧Ⅰ類 環境省:東中国地域およ び西中国地域地域個体群 食肉(ネコ)目 クマ科 選定理由 本種は、北海道を除く日本最大の陸棲脊椎動物であるが、近年各 地で減少が報じられ、一部地域では絶滅している。岡山県でも北部 の東西に分かれて、別個の個体群が存在するが、いずれも、わずか な個体数が生息するのみで、最も絶滅の可能性が高い哺乳類の一つ と考えられる。 存続を脅かす要因 森林伐採、林相変化(針葉樹林転換、天然林減少、採餌木減少(コ ナラ・ミズナラ林の枯損、ドングリ等の不作) ) 、狩猟影響(有害駆 除、ワナ狩猟による混獲) 、その他(越冬場所減少) 、産地局限 分布状況 本州、四国、九州に分布するが、九州では絶滅している可能性が 高く、四国や中国地方においても絶滅が危惧されている。岡山県で は、主に北東部の氷ノ山に連なる中国山地に生息分布するが、県北 西部にも生息する。県北東部の個体群は 10 頭程度と推定されてい る。 生息情報 頭胴長約 1.4m。胸の白い三日月模様が特徴。おもに豊かな自然 林に生息する。雑食性で、主に果実、種子、蜂蜜、カニなどの小動 物を採食する。元々奥山に生息する動物であるが、近年里にも出没 することが増え、養蜂業や果樹農業に被害を与えている。本県にお ける生息数は、隣県と比較してかなり少ないと見積もられており、 絶滅の危険性はいまだに高い。 特記事項 岡山県では、本種の保護管理計画を 1999 年からスタートさせて いる。関係者の尽力もあり、結果として近年は生息個体数の安定 と人身事故の防止、農業被害の抑制にかなりの成果を上げている。 IUCN2009: VU(絶滅危惧Ⅱ類) 文献番号 5 ,8,15,17,18,19,20,21,22,25,31,32, 33,34,35,47,50,52,55,62,68,79 (小林秀司・川原啓路) - 37 - 撮影:矢吹 章