...

PMBOK中級セミナー

by user

on
Category: Documents
29

views

Report

Comments

Transcript

PMBOK中級セミナー
PMBOK中級セミナー
『本標準に含まれる知識は,本標準の作成に貢献したプロジェクトマネジメント
の実務者がそれと認めた良い実務慣行を基に作成されたものである』
~PMBOKガイド第4版 p.3
『ここでは,本書で述べる知識,スキル,プロセスを常にすべてのプロジェクトへ
画一的に適用すべきであると言っているわけではない.どのようなプロジェクト
であっても,プロジェクト・マネージャは常に,プロジェクト・チームと協力して,ど
のプロセスが適切であり,各プロセスをどの程度の厳密さで実施すべきかを決
定する責任がある.』 ~PMBOKガイド第4版 p.38
プロムス代表 河合一夫
http://www.proms.jp
本資料の無断複写は,著作権法上の制限事項を除き,禁じられています.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
1
内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
中級セミナーの目的と範囲
PMBOK再見
プロセスの相互関係
プロセス構築
技法とツール
人間関係スキル
組織・人とPMI標準
まとめ
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
2
1. 中級セミナーの目的と範囲
„
前提
„
„
PMBOKの基本(初級セミナーレベル)が理解できていること
目的
„
PMBOKガイドを利用して、プロジェクトの遂行が可能となる
„
„
PMBOKガイドの読み方を知る
範囲
„
„
プロセス間の関係を知る
主要なツールと技法
見積り
„ EVM (Earned Value Management)
„ WBS
„
„
組織と人
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
3
2. PMBOK再見
プロジェクトマネジメント再考
2. PMBOKガイドとは
3. プロセス群
4. 知識エリア
1.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
4
2.1 プロジェクトマネジメント再考
„
プロジェクトの目標の達成は大切
„
„
ステークホルダーのニーズと期待を満たす
企業のビジョン,ミッションの達成がもっと大切
„
„
良いプロセスは良いプロダクトをうみだす
„
„
プロジェクトの目標は,良い「プロダクト,サービス,所産」を
創造すること
良いプロセスは,組織・人に依存する
„
„
利益を出すにはどうすれば良いのか
組織文化,慣行,メンタルモデル,リーダーシップ等
組織・人の変革が必要となる
„
プロジェクトを実施する中で行うのが効果的
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
5
2.2 PMBOKガイドとは
„
PMBOKとPMBOKガイドの違い
„
„
プロセス群
„
„
PMBOKは知識体系であり,PMBOKガイドは,良い実務慣
行(Good Practice)として認められている知識体系の一
部を特定している
立上げプロセス群(2),計画プロセス群(20),実行プロセ
ス群(8),監視・コントロール・プロセス群(10),終結プロ
セス群(2)
知識エリア
„
9つの知識エリア,42プロセス
„
„
プロジェクトマネジメントプロセスと成果物指向プロセス
組織や人
„
組織体の環境要因,人間関係スキル
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
6
2.3 プロセス群
通常,プロジェクト開始以前に,その母体組織や顧客によりプロジェクト立上げの準備が
実施される.PMBOKでは,42プロセスを5つのプロセス群に分類している.
プロジェクト
の承認と資
金調達
プロジェクトの境界
監視・コントロール
計画
イニシエータ
やスポンサー
インプット 立ち上げ
成果物
エンド・
ユーザ
記録
プロセス
資産
終結
実行
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
7
2.4 知識エリア(1)
知識エリアを技術と人間行動の軸でマップしてみる.この図からトレーニングの方
法を考慮しないといけないことがわかる.技術的(知識主導)知識エリアと人間行
動的要素の強い知識エリアでは,記述されていることを実践する際には,組織文
化や慣行などに留意が必要である.
統合
マネジメント
品質
マネジメント
スコープ
マネジメント
技術的
コスト
マネジメント
リスク
マネジメント
調達
マネジメント
タイム
マネジメント
人的資源
マネジメント
コミュニケーション
マネジメント
人間行動的
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
8
2.4 知識エリア(2)
知識エリア
統合マネジメント
スコープ・マネジメント
タイム・マネジメント
プロセス
プロジェクト憲章作成
ステークホルダーのニーズと期待を満足させる要求を文書化
プロジェクトマネジメント計画書作成
全ての計画書を定義,作成,統合,調整する行動を文書化
プロジェクト実行の指揮・マネジメント
目標を達成するために,計画書で定義された作業を実行する
プロジェクト作業の監視・コントロール
目標を達成するために,進捗を追跡,レビュー,統制する
統合変更管理
すべての変更要求をレビュー,承認し,変更をマネジメントする
プロジェクトやフェーズの終結
公式に終了させるために,すべてのアクティビティを完結する
要求事項収集
ステークホルダーのニーズを定義し,文書化する
スコープ定義
プロジェクトおよび成果物に関する詳細な記述書を作成する
WBS作成
プロジェクトの成果物や作業をマネジメントしやすく分解する
スコープ検証
完成したプロジェクトの要素成果物を公式に受け入れる
スコープ・コントロール
スコープ・ベースラインに対する変更をマネジメントする
アクティビティ定義
要素成果物を生成するための具体的作業を特定する
アクティビティ順序設定
アクティビティ間の関係を特定し,文書化する
アクティビティ資源見積り
アクティビティを実行するために必要な資源を見積もる
アクティビティ所要期間見積り
アクティビティの完了に必要な作業期間を見積もる
スケジュール作成
スケジュールの制約条件を分析し,スケジュール作成を行う
スケジュール・コントロール
2010年6月26日
プロセスの要約
スケジュール・ベースラインに対する変更をマネジメントする
PMI日本支部&PROMS
9
2.4 知識エリア(3)
知識エリア
コスト・マネジメント
品質マネジメント
プロセス
プロセスの要約
コスト見積り
アクティビティを完了するたに必要な資源の金額を算出する
予算設定
アクティビティやワーク・パッケージのコスト見積りを積算する
コスト・コントロール
コスト・ベースラインへの変更をマネジメントする
品質計画
品質要求や品質標準を定め順守する方法を文書化する
品質保証
品質要求と品質管理測定の結果を監査する
品質管理
品質活動の実行結果を監視し,記録する
人的資源マネジメント 人的資源計画書作成
役割,責任,スキルを特定し文書化する
プロジェクト・チーム編成
任務を完了するために必要なチームを設定する
プロジェクト・チーム育成
コンピテンシーを強化し,チーム環境を改善する
プロジェクト・チームのマネジメント
メンバーのパフォーマンスを追跡し,フィードバックを行う
コミュニケーション・マネ ステークホルダー特定
ジメント
コミュニケーション計画
情報配布
影響を受ける人,組織を特定し,適切な情報を文書化する
情報ニーズを定め,コミュニケーションへの取り組みを定義
適切な情報をステークホルダーに提供する
ステークホルダーの期待のマネジメント ステークホルダーのニーズに応えるため,問題へ対処する
実績報告
2010年6月26日
状況報告,進捗測定,予測等の情報を収集し,配布する
PMI日本支部&PROMS
10
2.4 知識エリア(4)
知識エリア
リスク・マネジメント
調達マネジメント
2010年6月26日
プロセス
プロセスの要約
リスク・マネジメント計画
リスク・マネジメント活動を実行する方法を定義する
リスク特定
リスクがプロジェクトに影響を与える,その特性を文書化
定性的リスク分析
発生確率と影響度の査定を基に優先順位付けを行う
定量的リスク分析
プロジェクト目標全体に与える影響を数値化する
リスク対応計画
リスクに対する選択肢と方策を作成する
リスクの監視・コントロール
リスクの追跡,残存リスクの監視,新たなリスクを特定する
調達計画
調達の取り組みを明確にし,納入候補を特定する
調達実行
納入者を選定し,契約を締結する
調達管理
調達先との関係をマネジメントし,変更と是正を行う
調達終結
個々の調達を完結する
PMI日本支部&PROMS
11
2.4 知識エリア(4)
プロジェクトマネジメント・プロセス群
知識エリア
統合マネジメント
立上げ
プロジェクト
憲章作成
計画
実行
プロジェクトマネジメント
計画作成
監視・コントロール
プロジェクト作業の監
プロジェクトや
プロジェクト実行の指揮・ 視・コントロール
フェーズの終結
マネジメント
統合変更管理
スコープ・マネジメント
要求事項収集
スコープ定義
WBS作成
スコープ検証
スコープ・コントロール
タイム・マネジメント
アクティビティ定義
アクティビティ順序設定
アクティビティ資源見積り
アクティビティ所要期間見
積り
スケジュール作成
スケジュール・コント
ロール
コスト・マネジメント
コスト見積り
予算設定
コスト・コントロール
品質マネジメント
品質計画
2010年6月26日
終結
品質保証
PMI日本支部&PROMS
品質管理
12
2.4 知識エリア(5)
知識エリア
プロジェクトマネジメント・プロセス群
立上げ
計画
実行
人的資源計画書作成
プロジェクト・チーム編成
プロジェクト・チーム育成
プロジェクト・チームのマ
ネジメント
コミュニケーション・マ ステークホル
コミュニケーション計画
ネジメント
ダー特定
情報配布
ステークホルダーの期待
のマネジメント
人的資源マネジメント
リスク・マネジメント
リスク・マネジメント計画
リスク特定
定性的リスク分析
定量的リスク分析
リスク対応計画
調達マネジメント
調達計画
2010年6月26日
監視・コントロール
終結
実績報告
リスクの監視・コント
ロール
調達実行
PMI日本支部&PROMS
調達管理
調達終結
13
3. プロセスの相互関係
1.
2.
3.
4.
5.
立上げプロセス
計画プロセス
実行プロセス
監視・コントロール・プロセス
終結プロセス
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
14
3.1 立上げプロセス
立上げプロセスでは,プロジェクト計画作成に必要な情報を収集し,文書化す
る.プロジェクトの外部環境やステークホルダーを分析し,プロジェクトの目標を
明確にする.
プロジェクト
憲章作成
プロジェクト憲章
ステークホル
ダー特定
ステークホルダー登録簿
プロジェクト憲章
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
2010年6月26日
要求事項
収集
PMI日本支部&PROMS
15
3.2 計画プロセス
計画プロセスでは,プロジェクト実行に必要となるプロジェクト計画書とプロジェ
クト文書を作成する.監視・コントロールによりプロジェクトマネジメント計画書の
更新が要求される.
プロジェクト
憲章作成
プロジェクト憲章
スコープ定義,要求事
項収集,予算設定,ス ベースライン
ケジュール作成,品質計
画,調達計画...
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
プロジェクトマネジメント
計画書更新版
2010年6月26日
プロジェクトマネ
ジメント計画書
スコープ・コントロール,
スケジュールコントロール,
品質保証,リスクの監
視・コントロール
プロジェクト
作業の監視・
コントロール
PMI日本支部&PROMS
16
3.3 実行プロセス
実行プロセスでは,作業パフォーマンス情報を収集し,計画との差異を変更
要求として処理する.必要に応じて,計画書を変更する.
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
プロジェクトマネ
ジメント計画書
プロジェクトマネジメント
計画書更新版
統合変更
管理
変更要求
承認済み
変更要求
変更要求
プロジェクト
実行の指揮・
マネジメント
作業パフォーマンス情報
作業パフォーマンス情報
実績報告
2010年6月26日
スコープ・コントロール,スケジュールコントロー
ル,品質保証,リスクの監視・コントロール
PMI日本支部&PROMS
17
3.4 監視・コントロールプロセス
監視・コントロールプロセスでは,プロジェクトの進捗やパフォーマンスを追跡
し,レビュー統制し,計画の変更が必要な分野を特定,それらの変更を開始
するプロセスからなる.
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
プロジェクトマネ
ジメント計画書
実績報告
実績報告書
プロジェクトマネジメ
ント計画書更新版
プロジェクト
作業の監視・
コントロール
2010年6月26日
変更要求
統合変更
管理
作業パフォーマンス情報
作業パフォーマンス測定結果
スコープ・コントロール,スケジュールコントロール,
プロジェクト実行の指揮・マネジメント
プロジェクトマネジメント計画書更新版
作業パフォーマンス情報
PMI日本支部&PROMS
プロジェクト
実行の指揮・
マネジメント
18
3.5 終結プロセス
終結プロセスでは,プロジェクトやフェーズの事務処理のために必要なすべて
の活動を含む.
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
調達管理
プロジェクトマネ
ジメント計画書
プロジェクトや
フェーズの
終結
2010年6月26日
プロジェクトマネ
ジメント計画書
調達終結
PMI日本支部&PROMS
19
4. プロセス構築
1.
2.
3.
4.
5.
テーラリング
課題管理
不具合管理
変更管理
取り組み方
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
20
4.1 テーラリング(1)
„
プロセスの実装
„
プロセスは,インプットをアプトプットに変換するアクティビティ
の集まり
プロジェクトマネジメント・プロセス
„ 成果物指向プロセス
„
„
テーラリング
„
„
インプット指向とアプトプット指向の組み合わせ
まずは現状分析
現場で実際に行っている手順,方法は何か.標準は一旦忘れる.
„ 「できている部分」と「できない部分」の識別
„
インプット
プロセス
アウトプット
ツールと技法
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
21
4.1 テーラリング(2)
„
インプット
„
プロセスを起動するトリガとなるデータ
„
„
„
アウトプット
„
次のプロセスのトリガとなるデータ
„
„
„
その組織にとって,何がトリガとなるのか.他のマネジメントシステムとの関連
を考慮する.
PDCAをまわすための,トリガとなるインプットを整理.
何をトリガにすればプロセスがまわるのか
プロセスがまわれば,不足な情報は継続的に改善される
ツールと技法
アウトプットを生成するための適切なツール・技法を選定
„ そのツール・技法を使用する知識・経験の有無
„
„
人と組織
„
アウトプットを生成するために必要な知識,スキル,経験
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
22
4.1 テーラリング(3)
„
実際に使用している用語の定義,意味との相違
PMBOKを利用する際,PMBOKの言葉と自組織のプロセスの言葉の相違
に注意が必要
„ PMBOKをベースとした用語の定義をしておくことで,プロセスの拡張,見
直しがスムーズに行える
„
„
例えば,PMBOKにおける変更要求
„
„
計画値と実績値の差異
是正処置
„
„
予防処置
„
„
プロジェクト・リスクによって好ましくない結果が発生する確率を低減するた
めにとられる行動
欠陥修正
„
„
将来のパフォーマンスを計画書に沿ったものとするための指示
プロジェクト構成要素の欠陥の特定
更新
„
2010年6月26日
修正,追加のアイデアや内容を反映するための公式の変更
PMI日本支部&PROMS
23
4.2 課題管理
通常,課題はどのように管理されるのか.課題(インプット)が認識される.そ
の後,課題への対処が行われ,対処内容の検証がされ,課題が完了される
という流れとなる.
課題の発見
課題管理のよくある問題:
・アドホックな管理:どの時点で誰がどのように課題を識
別するのかを決めていない.
課題への
対処
対処内容
の検証
・課題への対処が進まない:通常のタスクとは別のものと
して扱うため,対処が進まず溜まっていってしまう.
・対処の判断方法:その課題に対して本当に良かったか
判断していない
是正処置
(再発防止)
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
24
4.3 不具合管理
通常,不具合はどのように管理されるのか.不具合(インプット)が認識され
る.その後,不具合への対処(調査,修正)が行われ,修正内容の再テスト
(検証)され,不具合を完了するという流れとなる.
不具合の発見
不具合への
対処
再検証
不具合管理のよくある問題:
・どの時点から不具合の管理をするのか:不具合を
管理する意味はどこにあるのかが明瞭になってい
ない.
・不具合なのか,仕様変更なのか不明確なものも
ある.
・対処の判断方法:その不具合に対する対処がよ
かったのか,レビュー等で確認しているのか不明な
ことが多い.
是正処置
(再発防止)
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
25
4.4 変更管理
通常,変更管理はどのように管理されるのか.変更要求(インプット)が認識
される.当該変更要求の影響が評価され,その後,変更要求をどのベースラ
インに反映するのかが決定され,対処が行われ,対処内容が検証され,変
更要求が完了されるという流れとなる.
変更要求
の発見
変更要求の
評価
変更要求の
対処
変更管理のよくある問題:
・何を変更管理として受け付けるか:ユーザニーズ
も変更要求となるのか?
・影響の評価が難しい.ベースがはっきりしていな
いこともある.また,個人の判断で評価できないこ
とも多い.
・対処の判断方法:プロジェクトの目標に対して妥
当な判断なのか,他への影響も含めて対処された
のか
検証
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
26
4.5 取り組み方(1)
„ 課題,不具合,変更要求のプロセスはほぼ同じ
„ 発見→評価(調査)→対処→検証
„ インプットの整理
„ 課題はいつ発生して,誰が課題を認識しているか
9
変更要求,不具合も同様
„ PMBOKでは,変更要求は計画と実績との差異
„ 課題,不具合,変更要求の管理は基本は同じ
„ PMBOKを参照することの意味
„ 他のプロセスとの整合を比較することが可能
„ 部分ではなく,マネジメント全体との整合がとれる
„ PMBOKに手順が記述されているわけではない
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
27
4.5 取り組み方(2)
PMBOKを用いて,全体最適を考えたプロセスの枠組み
組織にあわせてインプットを整理し,PMBOKのプロセスと整合を確認.不足,
重複,曖昧な部分を自ら組織のプロセスに反映.PDCAサイクルで見直し.
要求事項
収集
プロジェクトマ
ネジメント
計画書作成
プロジェクトマネ
ジメント計画書
統合変更管理
変更要求
承認済み変更要求(調査済不
具合,検討済課題)
プロジェクト
実行の指揮・
マネジメント
2010年6月26日
プロジェクトマネジメント
計画書更新版
作業パフォーマンス情報
課題
不具合
変更要求(課題,不具合)
スコープ・コントロール,スケジュールコントロー
ル,品質保証,リスクの監視・コントロール
PMI日本支部&PROMS
28
5. 技法とツール
WBS
2. 見積り
3. EVM
1.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
29
5.1 WBS
はじめに
2. 要素
3. 例
4. 用語
1.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
30
5.1.1 はじめに
„
WBSのW:Workとは
„
„
成果物? or 作業?
Workは目標を達成するために必要な全ての要素
„
„
初級セミナーの内容を抜粋し,一部補足
成果物,プロセス,機能,スキルなど何でもあり
WBSの基本形態
„
プロジェクトの種類
„
„
„
プロダクト,サービス,結果(所産)
成果物指向WBS(構成要素)とタスク指向WBS(プロセス)
基本は成果物指向WBSで考える
後述するWBSの要素を組み合わせる
„ プロセスは方針レベルと実践レベルで分ける
„
9
2010年6月26日
e.g. V字モデル(WFモデル)を基本として,個別にはプロトタイピングや
反復開発を実施
PMI日本支部&PROMS
31
5.1.2 要素
„
基本要素
„
„
プロジェクトの目標(成果)に直結したもの
機能要素
„
統合的要素
„
„
分析的要素
„
„
„
„
例:システム設計の分析結果がハードウェア設計,ソフトウェア設計,ネット
ワーク設計
プロセス要素
„
„
プロダクトの構成要素を統合するための要素(作業)
ライフサイクル,プロセスを表す要素
方針的要素
プロジェクトマネジメント要素
WhatとHowの要素
„
通常のWBSにはWhatとHowが混在している
„
„
2010年6月26日
基本要素(What),機能・プロセス・PM要素(How)
作業の組み立てをしっかりとイメージすることが重要
PMI日本支部&PROMS
32
5.1.3 例(1)
この例では,自転車の構成要素をもと
にしてWBSを作成している.また,第2
階層にプロジェクトマネジメント要素があ
るのは,WBS作成の原則である.
同じ自転車でも,汎用品とレーサ用では
仕事の仕方が違うはずであるからWBS
も違ってくる.WBSは,プロジェクトの要
素を階層化しただけのものではなく,プ
ロジェクトを「ある視点」で構造化したも
のであると捉える.
2010年6月26日
PMI,Practice Standard for Work Breakdown Structures,PMI,2006,p.8
PMI日本支部&PROMS
33
5.1.3 例(2)
基本要素
自転車を構成する要素
である,フレーム,クラン
ク,車輪,ブレーキ.プ
ロジェクトマネジメント要
素を追加しておく
統合的要素
プロセス要素
コンセプト,設計,組立,
テスト
コンポーネントテスト→製
品テスト→顧客テスト
コンセプトは方針的要素
でもある
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
34
5.1.4 用語
„
CA(コントロールアカウント)
„
„
WP(ワーク・パッケージ)
„
„
コストアカウンティングに使用するWBS要素.CAは,スコープ,
予算,スケジュール,実コストを統合してマネジメントするコン
トロールポイント.CAは1つ以上のワークパッケージを含む.
WBSの最下位要素.アクティビティとの区別が必要.
WBS辞書
„
WBSの各要素について記述した辞書.WBS要素ごとにス
コープや簡潔な定義,規定された要素成果物,関連アクティ
ビティのリストなどをまとめたもの.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
35
5.2 見積り
はじめに
2. 適用範囲
3. 見積手法の比較
1.
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
36
5.2.1 はじめに
„
見積手法
„
„
„
プロジェクトの進捗にあわせた方法を選択
プロジェクトの特徴にあわせた方法を選択
複数の方法を利用する
„
„
例えば,開発期間=2.5~3.0×工数1/3 (COCOMOの簡略式)
見積対象は,欠陥,工数,期間
„
さまざまな手法が存在する
„
例えば,欠陥は,欠陥除去モデルを利用
9
„
工数,期間の見積はパトナムやCOCOMOを利用
9
„
作り込む欠陥と除去された欠陥による品質管理
利用可能なデータやソフトウェアがそろっている
見積もりには不確実性がある
„
リスクとして管理される項目の一つ
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
37
5.2.2 適用範囲
パラメトリックな手法
プロジェクト初期に
おける見積
チーム毎の見積
(ボトムアップ)
個人毎の見積
(ボトムアップ)
WBSを使用
要求定義
概略設計
詳細設計
構築
計画
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
38
5.2.3 見積手法の比較(1)
手法
アプローチ
長所
限界
類推
過去の類似プロジェク
トと比較する
見積りは実経験に基づく 真に類似のプロジェクトが存在しな
ければならない
エキス
パートの
判断
エキスパートに相談す
る
経験的データはほとんど
必要ない.新規や固有
のプロジェクトに適してい
る
エキスパートは思い込みをもちがち
である.知識レベルに疑問のあるこ
ともある.一貫性を欠く可能性があ
る
システムを階層的によ
トップダ
ウン見積 り小さいコンポーネン
トに分解することで,
り
ソフトウェアの規模を
見積もる
要求定義に結びついた
見積りを提示でき,共通
ライブラリを利用して小
さいコンポーネントの規
模を測定できる
妥当な要求定義が必要.アーキテ
クチャの追跡が困難.エンジニアリ
ング的な思い込みにより過小見積
りとなる可能性がある
各コンポーネントを個
別に評価する.集計し
て全体見積りとする
見積りの詳細な裏付け
があるため正確な見積り
が可能.個人の責任を
増進する.
時間がかかる.特にプロジェクト早
期には詳細データが手に入らない.
統合コストが軽視されることがある.
エンジニアリング的思い込みにより
過小見積りとなる可能性がある.
ボトム
アップ見
積り
Daniel D. Galorath, 富野壽,“ソフトウェアの規模決定,見積り,リスク管理”,共立,2008
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
39
5.2.3 見積手法の比較(2)
手法
アプローチ
長所
限界
顧客提示の価格内に納
めやすい
定義された機能のコストについて妥
当な評価が必要.エンジニアリング
的な裏付けが弱くなる.
設計パラメータと数学 モデルは通常手間がか
的アルゴリズムを用い からず使いやすい.プロ
て全体の見積りを行う ジェクトの早期に有用.
客観的で反復利用可能
適切に用いられなければモデルが
不正確となりうる.規模の過小見
積りにより,プロジェクト範囲の過小
見積りとなる.パラメータを楽観的
に考えすぎると,見積りが過小にな
る
コストに 予算内でどのくらいの
合わせた 機能が提供できるか
について,エキスパー
設計
トの判断を用いる
パラメト
リックモ
デル
Daniel D. Galorath, 富野壽,“ソフトウェアの規模決定,見積り,リスク管理”,共立,2008
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
40
5.3 EVM
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
はじめに
基本式
判定
予測
例
略語
参考
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
41
5.3.1 はじめに
„
EVM(Earned Value Management)は,出来高管理
„
„
「計画値」と「出来高」と「実コスト」を比較
„
„
スコープ,スケジュール,資源を統合し,プロジェクトの実績と
進捗を客観的に測る手法(PMBOK)
考え方自体はシンプルで計算が簡単.四則演算のみ.
途中経過による最終予測が可能
„
„
„
PI(パフォーマンス・インデックス)を利用
このままのペースだと最終コスト,スケジュールはどうなる?
計画値に入れるには,どの程度パフォーマンスをあげればよ
いか
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
42
5.3.2 基本式(1)
„
PV
„
„
EV
„
„
„
CV=EV-AC
SV
„
„
WBS要素を完了するために発生したコスト
CV
„
„
WBS要素を完了するために要した予算コスト
WBSの終了基準,0-50-100,0-100
AC
„
„
WBS要素の完了するまでの予算コスト
SV=EV-PV
BAC=完了時の総PV値
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
43
5.3.2 基本式(2)
„
CPI(コストパフォーマンスインデックス)
„
CPI=EV/AC
„
„
1.0未満はコスト超過
SPI(スケジュールパフォーマンスインデックス)
„
SPI=EV/PV
スケジュール遅れ
CV
SV
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
44
5.3.3 判定
„ CV,CPI,SV,SPIを利用して,パフォーマンスの判
定を実施する
2010年6月26日
PMI,Practice Standard for Earned Value Management,PMI,2005,p.16
PMI日本支部&PROMS
45
5.3.4 予測(1)
„
スケジュール予測
„
EAC=(BAC/SPI)/(BAC/month)=month/SPI
当初予定12ヶ月,SPIが0.6の場合,12/0.6=20ヶ月となる
„ 残作業のコスト見積は3種類( PMBOK3rdより)
„
„
新規見積に基づくETC
„
„
偶発差異を織り込んだETC
„
„
„
残作業のコスト見積の修正版
ETC=BAC-EV
現在の差異が特殊.この先は,予定通りとする.
差異を反映したETC
„
„
ETC=(BAC-EV)/CPI
現在の差異が将来も続くとした場合
2010年6月26日
PMI,Practice Standard for Earned Value Management,PMI,2005,p.17
PMI日本支部&PROMS
46
5.3.4 予測(2)
„
„
総コストの見積は3種類(PMBOK3rdより)
新規見積を用いたEAC
„
EAC=AC+ETC
„
„
残予算を用いたEAC
„
„
„
PMBOK 4thでは,CPIを用いて EAC=BAC/CPI としている.
EAC=AC+BAC-EV
現在の差異は特殊,同様な差異は生じないと判断した場合
CPIを用いたEAC
„
EAC=AC+(BAC-EV)/CPI
„
„
EAC = AC +(BAC-EV)/(CPI×SPI) ・・・ 4th
残作業を完了するために必要な予算は,効率指標を用いる
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
47
5.3.5 例(1)
„
„
タスク数:10
BAC(総PV)=35人週
12週経過時点(単位は人週)
„
„
„
„
„
„
PV=19
EV=15
AC=24
SPI=0.79
CPI=0.63
最終予測は?
40
30
週
„
PV
EV
AC
20
10
0
1
2010年6月26日
3
5
7
PMI日本支部&PROMS
9
11
人週
13
15
17
19
48
5.3.5 例(2)
„ 新規見積
„ EAC=AC+ETC=24+30=54
„ 残予算
„ EAC=AC+BAC-EV=24+(35-15)=44
„ CPIを利用
„ EAC=AC+(BAC-EV)/CPI=24+(35-15)/0.63=56
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
49
5.3.6 用語
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
AC:Actual Cost(実コスト)
BAC:Budget at Completion(完成時総予算)
CPI :Cost Performance Index(コスト効率指数)
CV:Cost Variance(コスト差異)
EAC:Estimate at Completion(完成時総コスト見積)
ETC:Estimate to Complete(残作業のコスト見積)
EV:Earned Value(アーンドバリュー)
PV:Planned Value(プランドバリュー)
SPI:Schedule Performance Index(スケジュール効率
指数)
SV:Schedule Variance(スケジュール差異)
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
50
5.3.7 参考
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
51
6. PMBOKの人間関係スキル
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
リーダーシップ
チーム形成活動
動機付け
コミュニケーション
影響力
意思決定
政治的風土と文化に対する認識
交渉
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
52
6.1 リーダシップ
„
„
組織に目標達成を促すよう影響を与える能力
タイプ
„
業務処理型リーダ
„
„
カリスマ的(変容型)リーダシップ
„
„
日本のやり方は中国で通用するのか?
条件適合(コンティンジェンシー)理論
„
„
リーダシップの有効性が状況によって変化することを基本とした理論
フィードラー理論
„
„
„
„
リーダとメンバの関係,タスク構造,職位パワー
リーダー・メンバー交換理論
パス・ゴール理論
„
„
ビル・ゲイツが用いたソフトウェア業界を独占するために用いた手法
異文化間リーダシップ
„
„
カリスマ性が組織を弱体化させる側面を持つ
倫理的リーダシップ
„
„
役割やタスクを明白にし,設定された目標に対してメンバを導く
道筋(パス)を明確に示してメンバの目標(ゴール)達成を助ける
リーダ参加型理論
リーダーシップは常に必要であるか?
„
多くの状況において.リーダーがどんな行動をとろうが関係ないことが示されている
2010年6月26日
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.255PMI日本支部&PROMS
53
6.2 チーム形成活動(1)
Margerin-McCannのチームの役割
報告・助言者
情報の提供や収集を行う
創造・革新者
アイデアやタスクに対する従来とは異なるアプローチを生み出す
探索・プロモータ 可能性を探求し,新しい機会を探す
評価・開発社
組織が直面する実際の制約に合わせ,選択肢を分析しアイデアを出す
推進・組織者
前へ突き進み,結果を出す
完結・生産者
体系的なやり方で結果を生み出す
管理・検査者
詳細に注目し,業務を各側面から管理する
擁護・維持者
基準や価値を守り,チームの卓越性の維持に努める
連結者
チームの業務を調整しまとめる
※フォーマルとインフォーマルな役割を設けるのがプロジェクトマネジメントではポイント
2010年6月26日
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.212PMI日本支部&PROMS
54
6.2 チーム形成活動(2)
Belbinのチームの役割(抜粋)
役割
貢献
許容可能な弱点
付随的なものを無視する.効果的なコミュニケーショ
ンに夢中になる
プラント
創造的,想像的,異端的.困難な問題を解決する
調整者
成熟している,自信がある,よい議長.目標を明確にす しばしば,操ることが巧みであると見られることがあ
る,意思決定を促進する,権限を委譲する
る.
モニター,評価者 まじめ,戦略的,洞察力がある.正確に判断する.
他の人たちを奮い立たせるような推進力や能力に
欠ける
実施者
規律がある,信頼できる,保守的,効率的.アイデアを 柔軟性が少し足りない.新しい可能性に対して反
応が遅い.
実際的な行動に変える.
完成者,仕上げ
者
骨身を惜しまない,誠実,心配性.エラーや脱落を探し
心配しすぎる傾向がある.権限委譲を嫌がる.
出す.時間厳守.
資源調整者
外向的,熱心,話し好き.機会を探す.接触を開発する 楽天的過ぎる.最初の情熱が去ると興味をなくす.
シェーバー(形成 挑戦する,ダイナミック,圧力がかかると元気を出す.
者)
障害を克服するための推進力と勇気がある.
チームワーカー
挑発的な傾向あり.人の感情を逆なでする.
協力的,おとなしい,知覚的,外交的.人の話を聞く,
危機的状況で優柔不断
建設的,摩擦を避ける.
ひたむき,自発的実行,献身的.貴重な知識や技術を 狭い範囲でのみ貢献する.専門的なものについて
提供する.
よく考える.
ヒューバート・ランパサッド,トータルパフォーマンススコアカード,生産性出版,2004,pp.2522010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
55
スペシャリスト
6.2 チーム形成活動(3)
会長
チームが目標に向かって進むように,チームの開発資源をどう使うかを
決定し,メンバーの能力を最大限に引き出す人.通常はPM
成型工
チームの力をまとめ,全員の注意を一点に向け,グループの会議や集団
作業の成果物の形を決める人.主任設計者がこの任にあたる.
種まき
プロジェクトが直面している重要問題を視野に入れ,新しいアイデア戦
略を推進したり,プロジェクトが抱える問題の解決策を模索する人
モニター/批評家 ある方法に沿って問題を解決し,アイデアや提案を評価する人.
会社員
概念が計画を具体化するために実行に移し,合意のとれたプランを系
統的,かつ効率的に実施する人.
チーム員
メンバーを支援し,メンバーの欠点を補強し,メンバー間のコミュニケー
ションを強化することで,チームの士気をあげる人.
資源調査員
グループの外にどんなアイデアや製品,資源があるか調査・報告し,外
部の人や物にコンタクトをとてチームを良い方向へ導く人
仕上げ係
チームの行動や成果物に抜けや間違いがないことを確認し,最新の注
意が必要な作業に目を光らせ,仕事がうまく処理されるようにする人
エドワード・ヨードン,デスマーチ,日経BP,2006,pp.112-
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
56
6.3 動機づけ
„
初期の動機づけ理論
マズローの欲求5段階論
„ マグレガーのX理論とY理論
„ ハーズバーグの二要因論
„
„
現代の動機づけ理論
„
„
„
„
„
„
„
マクレランドの欲求理論
目標設定理論
強化理論
職務設計理論
公平理論
期待理論
文化に左右される動機づけの理論
„
アメリカでアメリカ人がアメリカ人について考えたものが大半
„
2010年6月26日
他の文化への移転には注意が必要
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.80PMI日本支部&PROMS
57
6.4 コミュニケーション
„
異文化コミュニケーション
„
„
高コンテクスト文化と低コンテクスト文化
文化の違いに関する指針
中国
高コンテクスト
ベトナム
アラブ
類似していることが証明されるまでは互いに異
なると仮定
„ 解釈や評価よりも叙述を重視
„ 相手の立場に立つ
„ 自分の解釈を作業仮説として扱う
„
„
ギリシャ
スペイン
イタリア
イギリス
北アメリカ
コミュニケーションおける倫理
„
スカンジナビア
「本当の嘘」と「罪のない嘘」
„
2010年6月26日
職場の士気を下げてしまうため,敢えて嘘をつく
ことはゆるされるのか
韓国
低コンテクスト
スイス
ドイツ
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.250PMI日本支部&PROMS
58
6.5 影響力
„
力(パワー)とは,AがBの行動に影響を与える
„
„
„
„
実行せずとも潜在能力でよい
依存関係.依存度が高いほど影響度が高い
B自身が自分の行動にある程度の裁量を持っている
力の源泉
„
公式の力
組織における個人の地位に基づいたもの
„ 強制力,報奨力,正当権力,情報力
„
„
個人的な力
„
„
専門力,同一化,カリスマ性
印象のマネジメント
„
自己描写,同調,弁明,謝罪,手柄の主張,お世辞,好意
2010年6月26日
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.290PMI日本支部&PROMS
59
6.6 意思決定
„
合理的意思決定プロセス
„
„
„
人間の限定された合理性
直感
„
„
„
„
„
„
„
不確実性が高い
参考となる事例がない
科学的な予測が困難
事実証拠が限られているか
事実証拠が明確な方向性を示していない
分析データがほとんど役に立たない
根拠のある妥当な代替案が複数存在する場合
時間的な制約がある
意思決定のスタイル
„
„
„
„
直接的タイプ
分析的タイプ
概念的タイプ
行動的タイプ
2010年6月26日
高
あいまい性に対しての寛容度
„
„
明確な問題,選択肢が明確,選考が明確,時間・費用の制約がないなど
低
分析的
概念的
直接的
行動的
合理的
直感的
思考方法
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010,pp.140PMI日本支部&PROMS
60
6.7 政治的風土と文化に対する認識
„
組織文化
„
他の組織から区別される意味システムの共有
„
„
„
„
„
„
„
„
革新およびリスク性向
細部に対する注意
結果志向
従業員重視
チーム重視
積極的な態度
安定性
組織文化のトピックス
„
„
„
„
倫理的組織文化
精神性
顧客対応型文化
国の文化と組織文化
2010年6月26日
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010
PMI日本支部&PROMS
61
6.8 交渉
交渉の比較
交渉の特徴
奪い合い型の交渉
分配可能なリソースの量 固定的
高い
統合型交渉
相乗効果的(WinーWin)
変動的
主な動機
一方のみ勝つ
どちらも勝つ
主な利益
対立的
調和的
関係の焦点
短期的
長期的
尊敬的(妥協)
信頼
低い
防衛的(WinーLose, Lose-Win)
低い
協力
高い
① Aの目標点
Aの希望範囲
② Bの抵抗点
Bの希望範囲
③ Aの抵抗点
妥協範囲
①
②
2010年6月26日
④ Bの目標点
③
④
スティーブン・R・コヴィー,7つの週間,キング・ベアー社,1996
スティーブン・P・ロビンス,組織行動のマネジメント,ダイヤモンド社,2010
PMI日本支部&PROMS
62
7. 組織・人とPMI標準
典型的な組織環境
ポートフォリオ
ポートフォリオ
インプット
プログラム
組織資源
プロジェクト
プロジェクト
プロジェクト
人間関係スキル
・リーダーシップ
人格コンピ
テンシー
知識コンピテンス
2010年6月26日
アウトプット
組織成熟度(ベストプラクティスの達成能力)
PMCDF
実践コンピ
テンシー
プログラム
・意思決定
・チーム形成活動 ・政治的風土と文
化に対する認識
・動機付け
・交渉
・コミュニケーション
・影響力
PMI日本支部&PROMS
プロジェクト・
チーム育成
どのようにテーラリング
すべきか?
63
8. まとめ
„
PMBOKガイドは,PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)へ
のガイドとして利用
具体的な知識をPMBOKガイドから得るのではなく,どういったやり方があ
るのかを知る
„ 技術的な側面と人間的な側面の両方があることを知る.(参考:プロジェ
クトマネージャの人間術)
„
„
PMのプロセス参照モデル
„
PMプロセスが体系化され論理的に纏められている
„
„
プロジェクト統合マネジメントを中心に,プロセスのつながり,インプットや
アウトプットを理解する.
„
„
自分たちのPMプロセスの道標.但し,そのまま取り入れることはしない.
具体的な内容は,自分たちで決める必要がある
PMBOKガイドの読み解き方
„
詳細な規定がない部分は,自分なりの解を考えてみることがPMへの理
解にもつながる
2010年6月26日
PMI日本支部&PROMS
64
Fly UP