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短期滞在者用国別情報 カンボジア王国

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短期滞在者用国別情報 カンボジア王国
カンボジア王国
短期滞在者用国別情報
本情報は国別生活情報より短期滞在(出張)用の情報を抜粋したものです。
1. カンボジア プロフィール
(1)正式名称
(和文) カンボジア王国
(英文) Kingdom of Cambodia
(2)政体
立憲君主制
(3)首都
プノンペン
(4)面積
18万1,000平方km
(5)人口
13.4百万人 (2008年)
(6)民族
カンボジア人 (クメール系)90%以上、ほか中国系、ベトナム系、チャム族など36の少数民
族
(7)言語
カンボジア語 (クメール語) (公用語)
(8)宗教
仏教 (上座部仏教)
(9)略史
9~15世紀カンボジア王国「アンコール時代」。1884年フランス保護領カンボジア王国となる。
1953年カンボジア王国として独立。同70年クーデターによりクメール共和国成立。79年から
内戦状態が続く。1993年5月、パリ協定に基づき第1回カンボジア制憲議会選挙が実施される。
同年9月新憲法発布、シハヌーク国王即位。2004年10月、シハヌーク国王引退、シハモニ新
国王即位。
(10)在留日本人
1,201人 (2011年10月)
(11)気候
熱帯モンスーン型気候で高温多湿であり、雨季(5~10月)と乾季(11~4月)に分かれる。プノ
ンペンの平均気温は摂氏27.5度で、3、4月ごろが一番気温が高くなる。
【参考】
「外務省ホームページ-各国・地域情勢-」 外務省
『最新世界各国要覧 10訂版2000』 東京書籍
“Statistical Yearbook of Cambodia 2011” National Institute of Statistics,
Ministry of Planning
2.業務のための基礎データ
(1)JICA事務所の概要 (カンボジア事務所)
住所 :6th,7th,8th Floors, Building #61-64, Preah Norodom Blvd, Phnom Penh, CAMBODIA
連絡先 : 国番号 :855
市外局番 :023
電話 :+855-23-211673~4
FAX :+855-23-211675
URL :http://www.jica.go.jp/cambodia/
E-mail :[email protected]
執務時間 : 8:00~17:00 (昼休み12:00~14:00)
JICA事務所休日 :下記の祝日、および土、日曜日。
1月1日、2日
新年
4月13日~16日
クメール正月、代休(16日)
5月13日~16日
国王誕生日、代休(16日)
短期滞在者用国別情報/カンボジア王国―1
All Rights Reserved, Copyright(c) 2012 Japan International Cooperation Agency
10月13日~17日
盂蘭盆、代休(17日)
11月27日~29日
水祭り
12月31日
(2012年)
大晦日
事務所までの交通 :
【空港から】
関係者に出迎えを依頼することを勧める。万一、出迎え者に会えない場合、または出迎えがない
場合は、空港にタクシーカウンターがあるので、ここでタクシーを頼み、事務所へ向かう。片道9米ド
ル。(2012年9月現在)
【空港以外から】
関係者に出迎えを依頼することを勧める。出迎えがない場合は、あらかじめホテルまたは旅行会
社を通じて車両を手配する。車両は1日あたり40~70米ドルが相場である(車種による)。
(2)JICA事務所周辺地図
(3)日本との時差、
サマータイム
(4)祝日、
日本との時差 :-2 時間
サマータイム :実施していない。
祝日 :
官公庁の休日
1月1,2日
元旦、代休(2日)
1月7,9日
対虐殺政権戦勝記念日、代休(9日)
2月7日
万仏節
3月8日
国際女性デー
4月13日~16日
クメール正月、代休(16日)
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5月1日
メーデー
5月5,7日
仏誕節、代休(7日)
5月9日
聖畝祭
5月13日~16日
国王誕生日、代休(16日)
6月1日
子供の日
6月18日
前王妃誕生日
9月24日
憲法記念日
10月14日~17日
盂蘭盆、代休(17日)
10月29日
国王即位記念日
10月31日
前国王誕生日
11月9日
独立記念日
11月27~29日
水祭り
12月10日
人権の日
(2012年)
官公庁の休日 :上記祝日と土、日曜日。祝日が土、日に重なった場合は代休あり。但し、祝日が土、
日の両方と重なる場合には1日のみが翌週の最初の日に振り替えられる。
(5)ビジネスアワー
(6)言語
官庁
7:30~11:30、14:00~17:00 (土日休み)
銀行
銀行によって異なるので確認が必要。(土日休み)
商店
営業時間は店によって異なり、24時間営業のコンビニエンスストアもある。
業務 :業務で必要な言語は英語、クメール語。
ホテル、買い物、食事 :ホテル、高級レストランでは英語が通用する。また、外国人が多いレスト
ラン、スーパーマーケットでも英語が通用する。カンボジア人が利用する
市場、一般商店などでは英語が通じないこともある。
(7)通貨
通貨 :カンボジアリエル (Riel)、米ドル
(8)為替レート
1 米ドル=4,070 リエル (2012 年 9 月 24 日現在)
(9)関係機関
【在外日本関係機関】
・日本大使館
住所 :No.194, Moha Vithei Preah Norodom, Sangkat Tonle Bassac, Khan ChamkarMon,
Phnom Penh, Cambodia
電話 :023-217161~4
URL :http://www.kh.emb-japan.go.jp/
・日本国際協力センター(JICE)カンボジア事務所
住所 : Unit G04C, Ground Floor of Hong Kong Center, Preah Sothearos Blvd., Chak Tomouk,
Daun Penh, Kingdom of Cambodia
電話 :023-217944
・日本貿易振興機構(JETRO)プノンペン事務所
住所 :Attwood Business Center, Unit #17-21E2, Russian Blvd., Sangkat Toeuk Thla, Khan
短期滞在者用国別情報/カンボジア王国―3
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Sensok, Phnom Penh, Cambodia
電話 :023-966-253
FAX :023-966-220
URL :http://www.jetro.go.jp
・カンボジア日本人商工会(JBAC)
住所 :Attwood Business Center, Unit #17-21E2, Russian Blvd., Sangkat Toeuk
Thla, Khan
Sensok, Phnom Penh, Cambodia (JETRO内)
電話 :012-725-503
・カンボジア日本人会
住所 :#3, St. 390 (日本人会館内)
URL : http://www.jicam.cc/
(10)有用サイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html (外務省「各国・地域情勢」)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/index.html (外務省「渡航関連情報」)
http://www.jetro.go.jp/world/asia/kh/ (JETRO「国・地域別情報(カンボジア)」)
http://nyonyum.net/ (カンボジア生活情報サイト<NyoNyum(ニョニュム)WEB>)
http://krorma.com/ (カンボジアクロマーマガジン)
3 入国・出国情報
(1)入国時
入国カードは、プノンペンへ向かう機上で税関申告書と一緒に手渡されるので、速やかに記入する。別送申告はアナカ
ン(航空別送荷物)分も忘れないようにすること。
記入済み入国カードを、あらかじめ日本で取得したビザが掲載されているパスポートに添えて入国審査官に提出する。
赴任後はビザの条件(シングル・マルチプル、期間)に注意し、更新・変更が必要であれば外務省に申請する。通常 2 週
間から 1 カ月程度の手続き期間が必要である。
(2)帰国時
国際線は離陸2時間前をめどにチェックインする。空港利用料はチケット料金に含まれているため別途支払う必要はな
い。チェックイン後、出国審査ブースでの手続きを終え、手荷物チェックを通ると、待合室がある。待合室には飲食店や免
税店、本屋、マッサージ屋、洋服屋等がある。空港併設のレストランもあるが、一旦出国審査ブースへ向かうと、外へは
出られない。
(3)出迎え
ブースを出ると、すぐ前がバゲッジクレームのカウンターになっている。荷物を引き取った後、税関検査台に向かい、申
請用紙を税関出口の係員に渡して出る。この建物の出口で出迎えの人と会うことになる。出口は客引きでごった返してお
り、偽の出迎え人、スリや置き引きに細心の注意を要する。
(4)市内への移動
関係者に出迎えを依頼することを勧める。万が一出迎え者に会えない場合、あるいは出迎えがない場合は、タクシー
組合の空港タクシー・カウンターがあるので、ここでタクシーを頼み宿泊先へ向かう。市内各所まで一律9米ドルである。
4 通信
(1)電話
電気通信事業は、一部外国企業との共同事業を含めて、カンボジア王国郵電省(MPTC)が管理、監督、運営まですべ
短期滞在者用国別情報/カンボジア王国―4
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てを行っている。
(2)携帯電話
携帯電話は月契約をすることも可能だが、プリペイドカードの番号を入力して購入した料金分の通話ができるタイプも
選べる。プリペイドカードは街中の携帯電話店や露店などで売っており、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドルがある。
(3)ファクシミリ
固定型電話の設置と同じく、MPTC やTelecom Cambodia、Viettel (Cambodia) Pte. Ltd./Metfone(民間の電話会社)な
どに申し込み、市販の端末機を購入して取り付け工事を依頼する。また、電話局に申し込まなくても交換機(方式)が日本
と同じなので、日本製の FAX も取り付け可能である。高級ホテルや市内のビジネスセンターでも簡単に送受信できる。
2012 年8 月末現在、プノンペン市内から日本まで 1 分間1.19 米ドルで送信できる。ビジネスセンターなどでは手数料が
加算され、1 分間 6 米ドル程度である。
(4)郵便
カンボジアの郵送制度は確立されていない。プノンペンでは郵便局職員に個人宅に配達してもらい、多少のお礼をする
のが慣例となっている。ただし、プノンペンの住所・番地は整備されていないため、住所だけで郵便が届くことはきわめて
難しい。地方の場合は、長距離タクシーの運転手や大手バス会社が宅配便のような役割を果たしている。
企業や団体の多くは、P.O.Box(私書箱)を利用している。年間12.5米ドル程度で開設できるので(大きいタイプは年間
15米ドル)、個人で開いてもよい。私書箱は中央郵便局とオリンピック支局、チュバーオンパゥ支局で開設できる。
カンボジアから手紙を出す場合は、ポストはないので郵便局から投函する。切手代を払うと職員が貼ってくれるが、自
分で貼って投函したほうが確実である。
書留、小包、船便は受け取り時に手数料をとられる。日本との船便は1カ月ぐらいかかる。
通常の航空便では、日本~カンボジア間は配達まで3~8日かかる。UPU(万国郵便連合)などの技術指導で状況はか
なり改善されてはいるが、紛失することもまれにある。
最も確実なのは、EMS(国際エクスプレスメールサービス)で、到着すると郵便局のカウンターから電話連絡がある。プ
ノンペン市内には、中央郵便局を含め市内 8 カ所の EMS 取扱い郵便局がある。また、EMS は投函発送も可能である。
シェムリアップなどの地方都市との連絡も 3 日ぐらいで確実にやりとりできる。貴重なものや重要書類、また個人同士の
小包のやりとりは、この EMS を利用するか、多少割高でも民間の国際宅配サービスを利用したほうが早くて確実である。
主な国際宅配サービスについては国別生活情報イエローページを参照。
(5)インターネット
主なインターネット・プロバイダーについては国別生活情報イエローページを参照。
近年はMetfoneのモバイルインターネットサービスが手軽で人気を集めている。同社のサービス料金表は以下の通り。
Package
Monthly fee
Data free
Over use
USD
MB
C/100KB
MI0
0
Month
0
0.3
MI2
2
Month
150
0.3
MI5
5
Month
500
0.3
MI day
1
Day
100
0.3
MI week
6
Week
700
0.3
MI month
18
Month
2560
0.3
Package
Payment type
Monthly fee
Deposit
Data free
Over use
USD
USD
GB
Cent/MB
LTEasy
Prepaid
0
0
0.7
LT3
Prepaid
3
0.8
0.7
LT12
Prepaid+Postpaid
12
20
4
0.7
LT20
Prepaid+Postpaid
20
50
12
0.7
LT VIP
Prepaid+Postpaid
40
50
20
0.7
LT day
Prepaid
1.5
0.5
0.7
LT week
Prepaid
8
3
0.7
近年プノンペン市内では、インターネット・カフェがあちこちに見られるようになった。また、普通のカフェでもWi-Fiのサ
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ービスを無料で提供しているところが多い。
5 気候、服装
一年の平均気温は27.5度であり、一般的に熱帯モンスーン型気候の特徴を持つ。一日の気温は、20~38度程度であ
る。雨や風の強い日や12~2月の朝晩は、冷涼感がある。日本の夏服で通年過ごせるが、日差しが強いので、肌をさら
さない長袖のほうが過ごしやすい。室内はエアコンのよく効く場所もあるので、夏服のほかに薄手のジャケット、カーディ
ガンの類もあるといい。雨季は毎日のように激しいスコールが降り、雨具が役に立たない場合も多い。
都市部の男性のオフィスウエアは、襟のついたシャツとズボンが一般的である。屋外の式典では、サファリジャケットを
着用することがある。女性は伝統的にはブラウスに長い巻きスカートを着用するが、最近は近代的なファッションが浸透
し、若い女性は肌を露出することも多い。色のタブーはないが、明るい色が好まれる。男女ともに履物はサンダルが多
い。
衣料の品質・好みにこだわりがなければ、基本的には現地調達が可能であり、中国、タイ、ベトナムからの輸入衣料品
や、現地工場から出るアウトレット品が安価で市場に出回っている。これらは寸法基準がまちまちなので試着した方が良
い。カンボジアでは、仕立屋が安価で一般的に普及しているので、カンボジアの伝統シルクをはじめ、さまざまな素材の
布地で服を仕立てることができる。男性でも現地で公務員やガードが着用するサファリジャケットを仕立てる人もいる。
6 衛生状況、健康管理
国別医療情報( https://libportal.jica.go.jp/fmi/xsl/library/public/data/medical-p.html )を参照。
7 交通機関
交通手段は、道路、鉄道、航空、河川舟運に大きく分けられる。維持管理の不備、さらに治安の問題などで外国人の利
用できる手段は限られる。地方への移動に際しては、最新情報を確認するとともに、安全確保についての指示を順守す
る必要がある。
<道路>
カンボジアの道路網は約5,200kmの国道(1桁および2桁国道)、約6,400kmの州道(3桁の路線番号)、および約3.3万
kmの地方道から構成されている。道路事情は近隣国と比較して悪く、1桁国道はほぼ舗装が完了したものの、2桁以下の
道路は未舗装の区間も多い。特に雨季には道路損傷が進行し、走行に支障をきたす区間が増えるため、最新の情報を
入手しておくことが必要である。一方、1桁国道等の路面状態の良い道路ではスピードの出しすぎによる交通事故に注意
する必要がある。主要国道の概況は以下のとおり。
・1号線(プノンペン~ネアックルン)約60km。プノンペン近郊では交通量も多く、沿道に住居が多いことから、走行には
注意を要する。現在日本の無償資金協力により順次整備中。
・1号線ネアックルン地点。現在は橋梁がないためメコン川を所要約15分のフェリーで渡河する。フェリーは2~3隻就航
しており、乗船までおおむね15~30分程度の待ち時間が必要。同地点では現在日本の無償資金協力により橋梁を建
設中。
・1号線(ネアックルン~べトナム国境(バヴェット))約110km。ADB(アジア開発銀行)の協力により簡易舗装で整備
済。
・2号線(プノンペン~タクマウ)約11km。4車線のアスファルト舗装道路が整備されているが、バイクやバイクリヤカー
(ルモ)などで混雑している。また、沿道には工場や学校など人の出入りの多い施設が立ち並んでいる。
・2号線(タクマウ~タケオ)約67km。簡易舗装がなされている。プノンペンからタケオまで1時間半程度を要する。
・2号線(タケオ~ベトナム国境(プノンダン))約50km。日本のノン・プロジェクト無償により整備済。
・3号線(プノンペン~カンポット)約150km。韓国の協力により簡易舗装で整備済。所要約3時間
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・3号線(カンポット~国道4号線(ヴィールリン))約55km。世界銀行および韓国政府により整備済であるが損傷が進ん
でいる。
・4号線(プノンペン~シアヌークビル)約230km。USAID(米国国際開発庁)によりアスファルト舗装による整備済。所要
3.5時間程度。プノンペン近郊では交通混雑が激しくなっている。コンテナ車などの大型車が多く、交通事故も多いた
め、走行には注意が必要。
・5号線(プノンペン~コンポンチュナン)約90km。路面状況は比較的良好。プノンペン近郊は沿道に工場や住居が多
い。
・5号線(コンポンチュナン~バッタンバン~シソポン)約270km。ADBの支援により道路補修済。プノンペンからバッタ
ンバンまでの290kmは現在5~6時間程度で走行可能。
・5号線(シソポン~タイ国境(ポイペト))約50km。ADBの支援により整備済。
・6号線(プノンペン~スクン~コンポントム)約170km。かつて日本とADBの支援により改修した区間であるが中国が
拡幅工事中。プノンペン~コンポントムまで3時間程度で走行可能。
・6号線(コンポントム~シェムリアップ)約150km。途中まではADB、そこから先は世界銀行により整備済。シェムリアッ
プ近郊17kmは日本の無償資金協力で整備済み。プノンペン~シェムリアップ間約315kmは5~6時間程度で走行可
能。
・6号線(シェムリアップ~シソポン)約100km。ADBの支援により整備済。
・7号線(スクン~コンポンチャム)約50km。日本の無償資金協力によりアスファルト舗装による整備済み。プノンペンか
らコンポンチャムまでの125kmを2時間程度で走行可能。
・7号線(コンポンチャム~クラチェ)約220km。ADBの支援により整備済。
・7号線(クラチェ~ストゥントレン~ラオス国境(ブン・カム))約240km。中国政府の支援により整備済。
プノンペン市内の道路はほぼ舗装済みで、日本の無償金協力により排水対策施設の整備も進んでいるが、地区によっ
ては雨季のスコールの直後は水たまりになることもある。また、自動車やバイクなどの車両の急増と交通ルールの不徹
底のため、スピードは出さないものの衝突事故は日常茶飯事である。また、歩行者も細心の注意が必要である。
庶民の足は、オートバイ、自転車、トゥクトゥクなどであるが、近年自家用車も急増している。中距離移動では乗り合いト
ラックが多い。シアヌークビル、コンポンチャム、シェムリアップなどの主要な地方都市をはじめ、ほとんどの州都には長
距離バスも運行されている。会社によりサービスが異なるが、冷房完備のバスもある。
プノンペン近郊ではルモと呼ばれる荷車付きバイクが人々を満載しているのが見られる。
<鉄道>
鉄道はプノンペン~シソポン間336km、プノンペン~シアヌークビル間264kmの2路線があるが、軌道の老朽化が激し
く、安全面で支障があることから復旧工事中。復旧後も貨物輸送が主となる。
<航空>
国内航空路線は2012年8月末現在、カンボジアアンコール航空(Cambodia Angkor Air)がプノンペン-シェムリアップ
(1日3便)、シェムリアップ-シアヌークビル(月・水・金の週3便)の2路線で運航している。ベトナム航空との合資による
航空会社で、機体はベトナム航空のものを使用。国際線は、プノンペン国際空港とシェムリアップ空港に国際定期便が乗
り入れている。プノンペン国際空港には、タイ航空、バンコク航空など15社の国際定期便が乗り入れており、直行便はバ
ンコク、ホーチミン、ハノイ、ビエンチャン、香港、上海、台北、クアラルンプール、シンガポール、ソウルなどの便がある。
シェムリアップ空港は、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ビエンチャン、パクセー、ルアンパバーン、シンガポール、ソウル、
昆明などの便がある。プノンペン、シェムリアップとも2002年に旅客ターミナルビルが整備され、近代的な空港となった。
プノンペン国際空港の空港税は航空チケットに含まれているので空港で支払う必要はない。一方、カンボジア人の空港
税は外国人と異なり安い価格設定となっているため、チェックイン後に窓口にて差額を現金で返還してもらえる。
<河川舟運>
河川舟運はメコン川やトンレサップ川を横断するフェリーや物資輸送が中心である。プノンペン~シェムリアップ間に高
速艇が毎日運航されている。また、プノンペン~べトナム(チャウドック)までの定期運航も毎日ある。ただし、両便ともメコ
ン川の水量が下がる時期には運休する。
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◎留意点
・オートバイ・タクシー(モトドップ) :
オートバイの後部座席に乗るタイプのタクシーで、プノンペンでは最も安価な交通機関である。市内では1kmで1,000リ
エル程度であるが、乗車前に料金交渉が必要。待たずに乗れること、door-to-doorで移動できることなどから便利で
あるが、交通事故や犯罪に巻き込まれるなど事故も多く報告されていることから、勧められない。
・シクロ :
いわゆる人力車である。大きい荷物がある時、1、2人で乗りたい時に適しているが、現在は数が減っている。価格は近
距離で2,000リエル~1米ドル程度、1時間借り上げで約3米ドル程度であるが、モトドップ以上に料金面のトラブルが
多く報告されていることから、乗車前の料金交渉が不可欠。
・トゥクトゥク :
バイクがワゴンをひく形の車である。大きい荷物がある時、4、5人で乗りたい時に適している。主要ホテルやスーパー
の前には観光客目当てのトゥクトゥクが待機しており、ひと乗り1米ドル~3米ドル程度、1時間借り上げで約5米ドル程
度であるが、乗車前の料金交渉が不可欠。英語が比較的通じる。
・タクシー :
市内を流すタクシーは存在しておらず、自分でタクシー会社に連絡するか、ホテルのフロントや旅行会社を通じて予約
することが一般的である。現在、政府公認タクシーを登録中であり、登録済みの車は黄色いラインがボディに巻かれ
ている。市内利用であれば、短距離は5~7米ドル程度、空港へは片道9米ドル、1日借り上げると25米ドル程度が相
場である。空港から市内への移動ではタクシー組合が管理することとなり、市内最初の目的地まで9米ドルの均一料
金となった。
・バス :
民間による中距離・長距離バスがある。
・鉄道 :
運行休止中。
・航空 :
国内便は、プノンペン-シェムリアップ、シェムリアップ-シアヌークビルの便が定期運航中。
8 宿泊
旧シハヌーク時代からの建物を修復した数件のホテルに加え、近年新築の大型ホテルやこぢんまりとしたブティックホ
テルも増加している。宿泊料はホテルの格によってお手頃なものから高額なものまで様々あり、ファシリティーを含め多く
の選択肢がある。
外国人がよく利用するホテルは国別生活情報イエローページを参照。ここに紹介するホテルでの部屋代の支払いには、
クレジットカードを使用できるが、ホテルにより使用可能なクレジットカードは異なる。また、チェックインの際に、クレジッ
トカードでデポジットを切られることがあるので確認が必要である。
低料金のホテル、ゲストハウスも多数あるが、安全面で不安があり、利用は勧められない。なお、カンボジアでは高級
ホテルや外国人向けのブティックホテル以外はクレジットカードの使用は難しい。また、トラベラーズチェックは銀行での
換金を含め、使用時に高率の手数料が必要となるので注意を要する。
9 電気事情
(1)電圧
現地の電圧は220Vなので、日本から持参した電化製品を使う際は変圧器(220V→100V)が必要となる。また、停電も
多く電圧も不安定なため、220V対応製品使用の場合も電圧安定器を使用すると、より製品が長持ちする。
短期滞在者用国別情報/カンボジア王国―8
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(2)コンセント、モジュラージャックの形
プラグの足が二股のもの(日本と同じように平べったいもの、もしくは丸い棒状のもの)、三股のものと、さまざまな形の
プラグがある。型の違うプラグとコンセントを接続するための変換プラグはスーパーマーケットや家電店で手に入る。モ
ジュラージャックは日本と同じであり、変換プラグは必要ない。
(3)家電製品
タイ、ベトナム、中国、韓国、台湾などからの輸入品が多く出回っており、品質にこだわらなければ、たいていのものが
手に入る。最近は日本製の家電も多くなってきた。
10 食事
(1)一般事情
カンボジアでは昔から、中国、ベトナム、タイなどの周辺国から、食文化の面でも影響を受けているが、フランス植民地
時代の名残であるパンやコーヒーなども広く親しまれており、多彩な味覚を楽しむことができる。
(2)飲食店
中国、ベトナム、タイ、インド、韓国など、アジア各国の料理をはじめ、フランス、イタリア、ドイツ、ロシアなど、世界各国
の料理が楽しめる。日本料理店も次々とオープンしている(主な飲食店は国別生活情報イエローページを参照)。
また、プノンペン市内には、おしゃれなカフェやピザ、ハンバーガーなどのファストフードのお店もあり、外国人やプノン
ペンの若者たちで賑わっている。
高級レストランや人気のレストランに行く場合は、事前に予約をしたほうが良い。
11 安全対策
※生命・財産に直結するこ
11‐1 暴動、クーデターなど
とでもあり、治安・安全情
(1)一般事情
報に関しては、各自の責任
カンボジアは、長い間、同民族同士で内戦を続けてきた国であり、党派間、党内部の対立など
において最新かつ正確な情
抗争の要因には事欠かなかった。最大の不安定要素だったクメール・ルージュが 1997 年に入り
報を入手してください。
ほぼ崩壊の様相を呈したが、98 年 7 月の総選挙後も政党間での混乱があり、現在は安定してい
るように見えるものの、引き続き何らかの混乱が発生する可能性は否定できない。
(2)対処法
暴動、クーデター、戦争などが起こる時はそれなりの予兆がある。日ごろから情報収集ルート
を作っておき、大使館や所属・勤務先などと連絡を密にする努力が必要である。大使館は日本人
の安全確保の立場から情報を流し指示をするので、それに従うこと。
日本大使館では、電話などの通信網が使用できなくなる事態に備え、FMを開局している(周波
数88.6MHz)。
国外脱出の事態を想定し、迅速に航空券を確保する方法も各自調べておくこと。
11‐2 強盗、盗難
(1)一般的治安状況
暴動・クーデターといった社会不安が落ち着きを見せているせいか、一般犯罪は増加傾向にあ
り、在留邦人がよく遭う被害はスリ、置き引き、ひったくりといった屋外での盗難被害、および住居
短期滞在者用国別情報/カンボジア王国―9
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内の物品の盗難被害である。犯行におよぶのは決して貧しい者のみではなく、一見きちんとした
身なりをした若者でも遊ぶ金欲しさにひったくりを繰り返すケースもある。
外国人は基本的に「金持ち」として狙われる傾向にあるため、外出時には常にスリやひったくり、
置き引きの危険性を意識して行動しないと、一瞬のスキを突かれてしまう。
多発犯罪の傾向と対策は下記のとおり。
①
路上強盗:銃器を使用したオートバイ、金品、携帯電話機等を狙った強盗
≪対策≫夜間の外出を控える。夜間に移動せざるを得ない場合は極力自動車(メーター制タク
シー含む)を利用し、オートバイ(バイクタクシー含む)は極力避ける。
②
ひったくり:二人乗り、もしくは三人乗りのオートバイで接近し、追い越しざまにバッグをひ
ったくる。
≪対策≫可能な限り手荷物は持たない。バッグを持ち歩く際はしっかり抱える。車道側にバッ
グがこないようにする。リュックサック等の狙われにくいカバンを使用する。
③
スリ:ローカル市場やイベント会場などの人ごみで、ポケットの中やカバンの中の物を盗
む。
≪対策≫極力人ごみに入らない。入る場合はカバンを前に抱える。ポケットの中に何も入れな
い。周囲に怪しい動きを見せる人物がいないか留意する。
④
置き引き:レストランやバス乗り場などで、自分の荷物からちょっと目を離したスキに盗ま
れる。
≪対策≫公共の場では自分の荷物から決して目を離さない。
⑤
ホテル貴重品盗難:客室に出入りするルームサービス、清掃作業員など従業員による犯
行
≪対策≫原則貴重品はフロントのセーフティボックスに保管する。部屋の中であってもアクセ
サリーや時計等は見えるところに放置しておかない。異常を感じた場合は直ちにホテ
ル側に訴える。
⑥
住居内盗難:住居内侵入強盗(窃盗)、窓からの盗難など
≪対策≫鍵のかけ忘れをしない。訪問者があった場合は必ずドアを開ける前に確認し、見知ら
ぬ人物の場合は安易にドアを開けない。窓は必ず閉めて鍵をかける。一軒家の場合
は警備員の傭上が必須。
⑦
強姦事件:知人による犯行が多いため、発覚を遅らせる目的で強姦後に殺されるケース
がある。
≪対策≫一人歩きを避ける(特に農村部では昼間でも女性の一人歩きは危険)。知り合いでも
安易に気を許しすぎない。知り合ったばかりの人に勧められる飲み物などは極力口
にしない。
(2)住宅の防犯対策
住居内に侵入しての強盗、窃盗事件が多く発生しているため、住居の防犯には特に留意する
必要がある。形式としては24時間警備員が付いているサービスアパートメントに入居するのが
最も望ましい。警備員のみならず防犯カメラの設置、地域管轄の警察とのコネクション作りなども
サービスアパートメントの責任で実施するので、煩わしい手間がほとんどない。ただしサービス
アパートメントに居住する際は外からの泥棒の侵入より、内部のスタッフによる犯行が圧倒的に
多いため、スタッフの教育がしっかりなされているか、合鍵を持っている人間が清掃作業員等も
含めて何人いるか、自分以外にセーフティーボックスを開けられる人間(マスターキーやマスタ
ー番号の所持者)が何人いるか等をチェックし、有事の際に怪しい人間を絞り込めるようにしてお
いたほうがいい。
一軒家に居住する場合は警備員の傭上が必須だが、かえって警備員がトラブルを引き起こす
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ことも珍しくないため、傭上する警備員の質については十分留意する必要がある。また一軒家は
他の形式の住居に比べて侵入箇所が多く、住居を取り囲む壁の上すべてに鉄条網を張り巡らせ
る、窓には必ず鉄格子を設置するといった対策が必要になる。
(3)市中での防犯対策
手荷物をねらう軽犯罪が多いので、外出時には十分注意を払う。上述(1)の①~④、および⑦
を参照。
(4)注意すべき場所、危険地域
国防省本部付近、軍地方本部付近、CPP党(カンボジア人民党)を含む各政党本部付近、政府
高官の住居付近、ナイトクラブ、バー、レストラン、カラオケ店、遊技場、工場、学校、市場などは
テロの攻撃対象となる可能性が高く、人の集まるところでは、スリ、置き引きなどの被害例が多い
ので、注意が必要。また、低料金のゲストハウスでは麻薬などが売買される場所もあり、夜間は
特に治安状況が悪い。
(5)被害時の心得
できる限り加害者との直接的接触を避け、金銭、物品の被害にとどめるのが重要である。特に、
武器を持った強盗には逆らわず、平常心を保ち、相手の要求に従うのが賢明である。この国で
はガン・ポイントは単なる脅かしではないことを肝に銘じておくこと。
被害に遭った場合は大使館に届けること。警察に届けても保険金請求に必要な被害届等の書
類は作成してもらえるが、その後の捜査、犯人逮捕、物品奪還といった成果はほとんど期待でき
ない。
万一に備え、緊急連絡網、最寄りの管轄の警察、病院、勤務先関係者などのリストと、緊急に国
外に移動するのに必要なパスポート、貴重品などをすぐ出せるようにしておくこと。
11-3 火災、風水害、地震
(1)一般的災害発生状況
火災は線香や炭の不始末、および電気系統のショートによって発生するケースがほとんど。都
市部の住居密集地域では火災が発生すると次々に燃え広がり、一帯が焼失してしまうこともある。
プノンペンでは最近、10階建てを越える高層ビルが建設されるようになってきており、2012年9
月現在、まだ高層ビルで大規模火災が発生したことはないが、カンボジアのはしご車は3階部分
までしか届かないので高層階に居住する場合は注意が必要だ。
天災は少ない。代表的なのはベトナム沖の台風の影響による暴風雨、雨季の大雨による洪水
で、程度の差こそあれ洪水被害は毎年のように発生している。農村部では落雷の犠牲になる人
も少なくないため、雷雨に見舞われたら屋内に避難すること。
またプノンペンでは大地震の歴史はない。
(2)防災対策
火事に対しては、消火器、バケツ、砂バケツ、水道ホースなどを準備し、燃えやすいものを風
下に置かないなどの注意が必要である。また、非常時用にろうそく、懐中電灯、燃料、食料、飲料
水、米ドルなどの当座の現金をある程度用意しておくことが望ましい。特に、パスポートなどの重
要な証明書類などは1カ所にまとめておき、コピーをとって別に保管しておくとよい。
(3)被災時の心得
火事の場合、消防署はあるが、行政サービスとして徹底されていない。なお、浸水時には不用
意に動かないこと。
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11-4 緊急連絡先電話番号
・日本大使館 :023-217161~4
・警察 :117
・消防 :118
・救急車 :119
12 その他
12-1 禁止されている言動(タブー)
・注意する時はその人だけを呼び、人前でどなったり、叱ったりしないこと。
・国王および王族関係者を誹謗中傷しないこと。
・政治の話をカンボジア人と不用意にしないこと。
・修行の邪魔になるので、女性は僧侶に触ったり話しかけないこと。
・寺院(敷地を含む)内では帽子などの被りものを取る。傘、帽子、スカーフなど頭を覆っているものは、とったほうがよい。
・人の頭をむやみに触ったり叩いたりしてはいけない。頭の上には精霊が宿っていると信じられている。また、洗濯物は不
浄な物であり、その下をくぐらない。
・独身女性にむやみに馴れ馴れしくすると、それだけで「公認」の仲になってしまうことがある。未婚の女性を一人だけで誘
うのも結婚をする気が無いのなら避けた方がよい。
・割り勘の習慣がなく、主催者や招待した人がお金を払う。特に身分の高い人に会計の際に金額を聞くのは失礼である。先
に支払いを済ませるか、次の機会にお返しをする方がよい。
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