...

余計な改行は - ITpro

by user

on
Category: Documents
9

views

Report

Comments

Transcript

余計な改行は - ITpro
日経パソコン 2011.1.24
仕事が速くなる即効ワザ満載
パソコン操作
最短手順 の定石
26
仕事が速いと言われる人は、たいていパソコンの操作も速い。
「同じ作業をしているのに何が違うのか」と不思議に思うかも
しれない。その差は、数ある操作方法のうち「最短手順の定
石」を知っているかどうかにある。本特集では、ビジネスでよく
見かける具体的な課題を例に、効率的な操作の最適解を導き
出そう。
(田村 規雄、松元 英樹)
日経パソコン 2011.1.24
27
パソコン操作
最短手順の定石
余計な改行は「置換」で一気に削除
電子メールの本文を、Word など
ば、メールソフトが自動的に改行し
換後の文字列」欄に何も指定しなけ
にコピーして使い回すことがよくあ
ている場合もある。いずれにしても、
れば、改行を“なし”の状態に置き
る。その際の悩みの種が“余計な改
これらを1つずつ選んで[Delete]キ
換え、一括削除できる(図 2)
。
行”だ。メールの本文は、1 行ずつ
ーで削除するのは面倒だ(図1)
。
とはいえ、改行を全て削除してし
右端で改行されていることが多く、
こうした改行を取り除くには、
「置
まうのは考えもの。段落を区切るた
通常の文書として流用するためには、
換」機能を使うのが定石。Word の
めの改行や、空白行を挿入するため
余計な改行を全て削除しなければ格
置換機能を使うと、改行を検索して
の改行など、そのまま残しておきた
好が悪い。この改行は、メールの送
別の文字に置き換えられる。
「検索
い改行もあるだろう。
り主が自分で入れている場合もあれ
する文字列」欄に改行を指定し、
「置
そこで、とっておきのテクニック
問題
メールの本文から、余計な改行を削除せよ
左図のようなメールの本文を、右図のように Word 文書に取り込んでください。そ
の際、余計な改行は削除して、文書として読みやすい形に整形してください。
本文をWordにコピーして、
余計な改行を取り除く
1 つ ず つ[Delete]キ ー
で消すのは面倒
図 1 メールの本文は 1 行ずつ改
行 さ れ て い る こ と が 多 い の で、
Word にコピーして貼り付けるだ
けでは余計な改行ができてしまう。
これを 1 つずつ消していくのは大
変な手間だ
通常の操作
最適解
改行を1つ選択
何度も繰り返す
「置換」機能で
改行を一括削除
大量でも
一瞬
[Delete]で削除
図 2 実は「置換」機能を使うと、改行を全て検索して一気に削除できる。しかも、ワイルドカードを
駆使すれば、段落を区切る改行などは残して、文章の途中の余計な改行だけを一括削除できる
28
日経パソコン 2011.1.24
図 3 メ ー ル本文を Word に貼り付けるには、
必要な本文を選択して、Word 文書にドラッグ・
アンド・ドロップすればよい
イルドカードを駆使し、余計な改行
角の句点または改行以外の文字②改
だけを削除するのだ。ワイルドカー
行③全角スペースまたは改行以外の
ドとは、検索や置換で、任意のパタ
文字──という3 つの文字が連続す
ーンに合致する文字を表すための特
る箇所を文書内で検索する。
「検索
殊文字。Word では「^」
(ハット)に
する文字列」欄に指定した 3 つのか
続けて「11」または「13」を入力する
っこがそれぞれ①②③に相当して、
余計な改行を見抜くには
●ワイルドカードを駆使して改行を置換
1
ドラッグ
を紹介しよう。
「置換」機能の中でワ
ことで、改行を表せる。
●単に貼り付けるだけでは、余計な改行が入る
●まずはドラッグ操作でコピー
「^11」が改行を表す。
「!」は「〜以
外」を表す記号で、
「
[ ]
(
」大かっこ)
で囲んで複数の文字を指定可能。例
具体的に見ていこう。まずはメー
えば「
[!AB]
」と指定すれば、
「A ま
ルの本文を Word に取り込む。ここ
たは B 以外の文字(A でもなく B で
ではメールソフトの「Windows Live
もない文字)
」が表せる。
メール」から本文をドラッグして、
なぜ、このような文字の組み合わ
Word 文書に貼り付けた(図 3)
。
せを検索するのかというと、句点(。
)
置換の画面は、
「ホーム」タブ右端
の後ろに続く改行は、段落を区切る
の「編集」欄で「置換」を選ぶ方法で
ための改行と考えられるので除外し、
も開けるが(Word 2007/2010 の場
それ以外の改行だけを削除対象とす
合)
、
[Ctrl]キーを押しながら[H]
るためだ。また改行の後ろに続く全
キーを押すと瞬時に開ける(図 4)
。
角スペースは、次の段落の行頭にあ
2
図 4 置換機能を利用するた
めに、
[Ctrl]キーを押しなが
ら[H]キーを押す(①)。置
換の画面が開いたら、
「 オプ
ション」ボタンを押す(②)
[Ctrl]
+
[H]
クリック
2
(
[!。^11]
(
)^11)
(
[! ^11]
)
¥1¥3
3
4
チェック
1
図 5 「ワイルドカードを使用す
る」にチェックして(①)、
「検索
する文字列」欄と「置換後の文字
列」欄に図のように入力(②③)。
「すべて置換」ボタンを押す(④)
。
これで余計な改行を削除できる
全角の句点
検索する文字列
全角スペース
(
[!。^11]
(
)^11)
(
[! ^11]
)
1
置換後の文字列
クリック
句点
改行
以外の文字
2
改行
1
上記
全角スペース
改行
以外の文字
上記①②③の組み合わせを検
索し、該当する部分で①と③
だけ残す(②の改行を削除する)
¥1¥3
上記
3
3
図 6 このように指定して置換することで、
「句点(。
)の後ろにある改行」
「次の文字が全角スペース」
「前
後に改行が連続」という 3 つの場合を除く改行を全て削除できる。記号や数字は半角で入力すること
「オプション」ボタンを押して詳細を
る字下げと考えられるので、この改
表示し、
「ワイルドカードを使用す
行も段落区切りとして除外する。さ
る」欄にチェック(図 5)
。
「検索する
らに改行の前後に別の改行が連続し
文字列」欄と「置換後の文字列」欄
ている場合、空白行を作るための改
には、図 6 のように入力しよう。
行として、やはり除外したい。つま
指定したワイルドカードの意味は
り、上記①②③の組み合わせを検索
っこ(図 6 ①)に合致する文字と、3
だけで、余計な改行を全て検索でき
こうだ。段落を区切るための改行や
すれば、段落区切りなど削除したく
番目のかっこ(同③)に合致する文
るわけではない。また、タイトルや
空白行を設けるための改行など、必
ない改行を除外して、余計な改行だ
字はそのまま残し、2 番目のかっこ
箇条書きを区切る改行のように、句
要な改行は残すために、
「検索する
けを探せるのだ。
「置換後の文字列」 (同②)に合致する余計な改行だけを
点で終わっていないが残しておきた
文字列」欄には 3 つの文字の組み合
欄に指定した「¥1¥3」は、
「検索す
削除するという意味である。
い改行まで削除してしまうなど、完
わせを指定している。すなわち①全
る文字列」欄に指定した 1 番目のか
もちろん、この 3 つの組み合わせ
璧な指定方法とは言えない。しかし、
行区切り改行
(
[Shift]
+
[Enter]
)
^11
段落区切り改行
(
[Enter]
)
^13
図 7 Word に は 改 行 が 2 種 類 あ り、
メールソフトによって貼り付けたとき
の改行の種類が異なる。改行マークの
形を見て使い分けよう。
「^」
(ハット)
は[Back space]キーの 2 つ左にあ
る[へ]のキーで入力する
日経パソコン 2011.1.24
29
Fly UP