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平成18年度小中高の系統的指導法開発実践講座> 市立 中学校 2年
<平成18年度小中高の系統的指導法開発実践講座> ○○市立○○中学校 2年 美術科学習指導案 平成18年○月○日(○) 3校時 美術室 指導者 ○○○○ 1.題材名 「アジアの装い~装いの表現~」(鑑賞) 2.題材について <題材観> 人間が生活していく上で、衣・食・住は最低限必要で大切な要素である。文化の進んだ地域 では、衣文化は発達し、綺麗な衣類で着飾り、また仕事や作業などに応じた機能性の高い衣類 を着分けたりしている。日本でも情報が進み老若男女問わず、各世界のファッションへの興味 は高く、なくてはならないものになってきている。それは、ブランド品の需要率が世界でトッ プであることからも伺える。 第2・3学年の鑑賞の目標には、 「日本や諸外国の美術の文化遺産を鑑賞し、表現の相違と共 通性に気付き、それぞれのよさや美しさ、想像力の豊かさなどを味わい、文化遺産を尊重する とともに、美術を通した国際理解を深めること」とある。 今回はそうした目標の達成に向け、興味・関心の高い「衣」に着目する。衣類の原点であり 諸外国の美術品ともいえる各国の民族衣装を、日本を中心とするアジアの国々に限定して調べ、 それぞれの国の文化や風土による表現力を学ばせたい。また、そこから発展させ、未来の衣装 を考えさせ、より深く味わう見方を養いたい。 <生徒観> 明るく落ち着いた学級である。美術では、制作に対する興味・関心の高い生徒が男女とも比較 的多い。制作活動には前向きに取り組める生徒が多いが、あまりにも慎重になりすぎて制作が遅 れがちな面もある。 今回は制作ではなく鑑賞であるが、グループをつくり皆と協力しながら楽しく進められるよう にする。そのことで表現の可能性を広げ、制作意欲と進度を向上させるよう配慮する。 <指導観> 鑑賞というと、生徒は「堅苦しい」「つまらない」といった印象を強く持っているようである。 今回は数人のグループを作り、自分たちが調べることで楽しく、そして意見やアイディアを協力 して出し合うことでそのイメージを払拭したい。また、自国、日本を中心にアジアの国々に限定 することで親しみやすさや身近さを感じやすいと考えた。ここでは教科書を導入に使い、関連資 料と織り交ぜていくことで、より親近感を出したいと思う。そして調べたことから発展させ未来 のファッションを考えるという作業を入れ、鑑賞の楽しさを十分に感じさせたい。 3.育てたい能力・態度等 (1)自国や諸外国の美術に関心を持ち、主体的に鑑賞し、理解しようとする意欲・態度 (2)作品を調べ見方や味わい方を学び、よさや美しさを読みとる感性 (3)想像をふくらませ、その国の文化や風土による意図、表現の工夫を感受する感性 (4)感じ取ったことを、自分なりの見方をもとに適切な言葉や絵などで表現する能力 4.生徒を見つめる視点(評価の観点) (1)感性や想像力を働かせ、よさや美しさなどを感じ取り味わおうとする。 【鑑賞の能力】 (2)日本や諸外国の美術文化に対する関心を高め、その国の文化や風土を感じようとする。 【美術への関心・意欲・態度】 (3)日本及び諸外国の美術の文化遺産などを鑑賞し、表現の相違と共通性の気付き、それぞれ のよさや美しさ、想像力の豊かさなどを味わい、美術を通した国際理解を深める。 【鑑賞の能力】 (4)感じ取った作品のよさ美しさなどの価値を、自分なりの見方をもとに適切な言葉や絵など で表現する。 【発想や想像の能力】 5.準備 (1)指導者:ファッション雑誌 民族衣装の写真(数点) 世界地図 ノートパソコン(インターネット) (2)生徒:教科書、資料集、筆記用具 6.学習の展開(2時間扱い) 時 主な学習 ◇ ○指導上の観点 ☆評価の観点【評価方法】 グループをつくり「アジアの民族衣装」を調べ、 ○ 「衣」を通し身近なアジアの国々に着目させる 発表する ○ その国の文化、風土について考えさせる ○ 衣装のデザインが持つ意味を知り、どう感じたかを グループごとに国・時代を決める 1 インターネットから 時 書籍から 間 その他 目 学習プリント 民族衣装に関した書籍 自分の言葉で表現させる ☆ 民族衣装について真剣に協力して調べているか 【関:態度・プリント】 ・ グループで調べたことを発表する ・ アジアの風土、文化やその良さを知る ☆ 正確に調べ、適切にまとめられたか 【関 想 技:態度・プリント】 ☆ 調べたことから、感じたことを自分なりの見方をも とに適切な言葉で発表できたか 【鑑:発表・プリント】 ◇ 調べたことをもとに、その国の未来の衣装をデ ○ ザインする 2 ・ 時 間 ・ 目 調べたことを生かし、その国の文化、風土を感じさ せるデザインにさせる その国の文化、風土を大切にし自由に発想す ○ あくまでもファッションデザイン(アイディアスケ る。 ッチ)なので色鉛筆程度で着色し、何点でも描いて 色鉛筆で着色し、ファッションデザインのよう も良く自由に考えさせる な簡易的なものとする ☆ 調べたことを生かしデザインされているか ☆ 自由に発想し、楽しくデザインしているか 【関 想 技 鑑:プリント】 【関 想:プリント・態度】 7.他校種における関連した題材との関連や系統性について 小学校 共通点 中学校 高等学校 「アジアの装い~装いの表現~」 アジアの文化(各国独自のファッション性)について注目し、日本との比較を通して自国のファ ッション文化を理解できる鑑賞題材とする キーワード:アジアの装い ねらい アジアの民族衣装への関心を アジアの民族衣装の美しさから、 日本の着物と文様の関係を 高め、そのよさや特徴に気付 その国の文化、風土を深く理解す 理解し、日本人の感性と文化 く。 る。 への理解を深める。 アプローチの グループでオリジナル衣装を 調べ学習から理解を深め、デザイ パワーポイントによる鑑賞 仕方 作成し、ファッションショーで ンをすることでより関心を高め と、現代文様のデザインを考 お互いに鑑賞しあう。 る。 える。 主となる鑑賞 アジアの民族衣装のカラー写 「マサイ一族の花嫁衣装」などの 日本の染織品各種画像 作品 真 写真 唐草文様、青海波文様等 活動内容 ① アジアとは何か。民族衣装 ④ アジアの民族衣装を調べる ① 教科書の鑑賞 の紹介 ⑤ 調べたことを発表する ② パワーポイントによる ② グループ制作 ⑥ 調べた国の未来ファッショ ③ ファッションショー 対応する教科 開隆堂 3・4上「みんなでつ 書の内容 くるファッションショー」 ンを考える 開隆堂 美術2・3下 「装いの表現」 鑑賞 ③ 日本今様文様デザイン 光村図書 美術Ⅲ「日本の自 然とデザインのモチーフ」 8.本時の指導(1/2) (1)本時のねらい ①アジアの民族衣装を調べ、衣装の美しさやその国の文化、風土を理解する。 ②調べたことを分かりやすくまとめ、発表する。 ③調べたことをもとにその国の未来のファッションを考える。 (2)学習の展開 学習活動 ○指導上の留意点 ☆主な評価の視点【評価規準】 導 ①「衣装」で何を想像する? ○ファッション雑誌の切り抜きなどを見せる ○マサイ族の花嫁衣装を見せる(教科書から) 入 マサイ族の花嫁衣装の写真 ○生徒に意見を発表させ、民族衣装について考えさせる ②「民族衣装」で何を想像する? ○連想しやすい国を挙げ、発表させることでイメージを ③「○○の国の民族衣装」は? 膨らませやすくする(日本→着物、中国→チャイナ服) 衣装の原点、民族衣装を調べよう 展 開 ○世界地図を掲示する ○学習の流れを説明する ◇衣装のデザインの特徴=その国の文化・風土 ① (なぜそんなデザインになったのか?につながる) ② ①2~4人のグループを作る ③ ②調べたい国をアジアの中から選ぶ ④ ③ノートパソコンを用意し検索させる ◇どうしてそんなデザインなのでしょう? (その国の文化・風土についても調べる) ④希望のグループは図書室で書籍を調べる ○プリントのまとめ方を説明する ・プリントにまとめる ☆民族衣装について真剣に考えようとしている 【関:発言・態度】 ☆グループを速やかに作り、国を選ぶ。【関:態度】 ☆協力し調べることができる【関 鑑:態度・プリント】 ☆イラストや解説を丁寧に記入している【技:プリント】 ☆民族衣装の美しさや国の文化・風土に関心を持ち、感 じ取ったことを自分なりの見方をもとに適切な言葉で 表現している。【鑑:プリント】 アジアの民族衣装を調べよう グループを作りましょう どの国を調べましょう? インターネットで調べましょう 書籍で調べましょう 発表しよう ・プリントを投影し発表する ま と め ・発表を聞いての感想をプリントに 記入する ○プリントを投影機で映し発表させる。 ①民族衣装の特徴 ②国の文化・風土 ③その衣装や調べての感想 ☆協力しはきはきと発表している【関 鑑:発言・態度】 ☆他の発表を聞いて、アジアの様々な国の民族衣装の美 しさや文化・風土に関心を持ち、感じ取ったことを自 分なりの見方をもとに適切な言葉で表現している 【鑑:プリント】