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参考資料 - 電子政府の総合窓口e

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参考資料 - 電子政府の総合窓口e
参考資料
参考 1 ITU-T 勧告 J.83「Digital multi-programme systems for television, sound and
data services for cable distribution」
参考 2
ETSI EN 300 492「Digital Video Broadcasting(DVB);Framing structure,
channel coding and modulation for cable systems」
参考 3 東経 110 度 BS・CS デジタル放送の概要
参考 4 波長多重の詳細
参考 5 ITU-T 勧告 G.694.1「Spectral grids for WDM applications: DWDM frequency
grid」
参考 6 ITU-T 勧告 G.694.2「Spectral grids for WDM applications: CWDM wavelength
grid」
参考 7 電子情報通信学会 CS94-15, OCS94-5 光パッシブネットワークにおける波長間
隔の最小値
参考 8 FM 一括変換方式による BS-IF 伝送
参考 9 デジタルテレビジョン放送方式の比較
参考 10 超多値 QAM 変調方式の開発について
参考 11 次世代 CATV システムのための広帯域インタラクティブ CATV 実験施設の概要
参考 12 256QAM 方式デジタル有線テレビジョン放送実験結果報告書
参考 13 CATV 伝送における 256QAM 変復調器の性能
参考 14 QAM 信号に対するケーブル反射について
参考 15 インターリーブ方式に関する考察
※ Web 掲載にあたっては、著作物の利用条件に基づき、一部の参考資料については割愛させて
いただいております。
参考 3
東経 110 度 BS・CS デジタル放送の概要
1
東経 110 度における衛星の経緯と今後の計画
1.1
BS 放送の経緯
BS 放送は、昭和 59 年 1 月に打ち上げられた BS-2a により、衛星放送の普及と難視聴
解消を目的に同年 5 月、1 チャンネルでの試験放送から開始された。その後、昭和 61 年 2
月に BS-2b が打ち上げられ、同年 12 月から独自番組による 24 時間の試験放送を開始し
た。さらに平成元年、BS 放送は 2 チャンネルでの本放送を開始した。
平成 2 年 8 月には BS-3a の打上げによりトランスポンダが増加し、国内初の民間衛星
放送会社㈱WOWOW(当時 JSB:日本衛星放送㈱)が放送を開始し、多チャンネル放送
へと転換する第一歩となった。さらに平成 3 年 8 月に打ち上げられた BS-3b によりハイ
ビジョン試験放送(MUSE 方式)を同年 11 月に開始した。
平成 9 年 4 月に打ち上げられた BSAT-1a 以降の衛星は大型化により、完全 24 時間放送
(食による中断のない)が可能となった。
平成 10 年 4 月に打ち上げられた BSAT-1b を使用し平成 12 年 12 月 1 日から BS デジ
タル放送が開始され、平成 13 年 3 月に BSAT-2a、平成 15 年 6 月に BSAT-2c が打ち上げ
られた。
平成 19 年 3 月現在、BSAT-1a、1b を使用し BS アナログ放送を、BSAT-2a、2c を使用
し BS デジタル放送が行われている。BS デジタル放送推進協会(BPA)の発表によれば、平
成 18 年 12 月末現在の BS デジタル放送普及件数は 2145 万件である。
1.2
BS 放送の今後
現在、日本には 8 チャンネルの割り当てがあるが、平成 12 年の WRC-2000(国際電気
通信連合世界無線通信会議)で 17、19、21、23 チャンネルの計 4 チャンネル分の追加割り
当てが決定し、日本では現在の 8 チャンネルに 4 チャンネルが加わり合計 12 チャンネル
の使用が可能となった。
また、平成 19 年 11 月に BS アナログハイビジョン放送が、平成 23 年中には BS アナ
ログ放送がそれぞれ終了する予定になっている。
平成 19 年 6 月打上げ予定の次期衛星 BSAT-3a から追加される新たな 4 チャンネルと
BS アナログ放送の終了で空く 3 チャンネルの放送の利用・技術に関する展望や周波数の
利用の在り方、発展に向けた総合的方策等は、現在、
「衛星放送の将来像に関する検討会」
等で検討されている。
また、受信システムや伝送方法については、これらの追加チャンネルを考慮しておく必
要がある。
1.3
東経 110 度 CS デジタル放送の経緯
N-SAT-110 は平成 12 年 10 月に BS と同一軌道位置の東経 110 度に打ち上げられた。
BS と電波到来方向が同一で、BS 放送と同じ円偏波であるため 1 台の受信アンテナで BS
放送と東経 110 度 CS デジタル放送の双方が受信できるメリットがある。
衛星の運用は JSAT(㈱日本サテライトシステムズ)と SCC(宇宙通信㈱)の 2 社によ
り行われ、衛星の呼称は衛星全体では N-SAT-110、JSAT 分は JCSAT-110、SCC 分はス
ーパーバード D 号と呼ばれている。トランスポンダは JSAT、SCC 各々12 本ずつ、計 24
本(右左旋偏波各 12 本)が搭載され、出力は 104.7W である。
110 度 CS を使用した放送は平成 14 年 3 月から開始され、当初は㈱WOWOW と㈱スカ
イパーフェクト・コミュニケーションズのプラットフォーム 2 社により、サービス提供が
行われていたが、平成 18 年 12 月に㈱WOWOW がプラットフォーム事業から撤退し、以
降、㈱スカイパーフェクト・コミュニケーションズ 1 社により提供されている。平成 19
年 3 月現在、テレビ 71 チャンネル(HD2 チャンネル、SD65 チャンネル)、データ 4 チ
ャンネルの放送が行われている。㈱スカイパーフェクト・コミュニケーションズの発表に
よれば、平成 19 年 2 月末現在、約 46 万の視聴者がいる。
1.4
東経 124 度・128 度 CS デジタル放送(SKY PerfecTV!)
東 経 110 度 の 軌 道 位 置 で は な い が 関 連 す る デ ジ タ ル 放 送 サ ー ビ ス で あ る SKY
PerfecTV!は、平成 18 年 3 月末現在、約 374 万の受信者がおり、JSAT の衛星 JCSAT-3、
JCSAT-4A の 2 衛星からテレビ 178 チャンネル、音声 102 チャンネルのデジタル放送が
行われている。衛星位置は東経 128 度(JCSAT-3)、東経 124 度(JCSAT-4A)で地上か
ら見ると BS 放送より若干南寄りとなる。トランスポンダ出力は 60W(JCSAT-3)、75W
(JCSAT-4A)で垂直・水平の直線偏波により送出されている。図 1 に衛星位置の概略を、
表 1 に衛星の比較を示す。
東経 128 度
CS
JCSAT-3
SKY PerfecTV!
CS
東経 124 度
JCSAT-4A
東経 110 度
CS
BS
BSAT 1a (BS-4 先発機)
BS デジタル放送
BSAT 1b (予備衛星)
BSAT 2a (BS-4 後発機)
BSAT 2c (予備衛星)
図1
衛星位置概略図
東経 110 度 CS デジタル放送
N-SAT-110
表1
衛
項
BS
星
目
衛星名称
衛星軌道位置
(東経)
免許出力
(トランスポンダ
定格出力)
放送用
トランスポンダ数
( )内は全数(注)
偏
波
調
番
方
組
アナログ
衛星放送
BS デジタル
放送
BSAT-1a
BSAT-2a
BSAT-1b
BSAT-2c
110 度
数
平成 18 年 12 月現在
東経 110 度 CS
デジタル放送
(東経 128 度、124 度)
SKY PerfecTV!
N-SAT-110
JCSAT-3
JCSAT-4A
110 度
110 度
128 度
124 度
104W
(106W)
120W
(130W)
104.7W
(130W)
59/60W
(60W)
70.8/
72.4W
(75W)
4
予備 4 本
4
予備 4 本
12
(24)
20
(28)
16
(32)
円偏波
(右/左)
直線偏波
直線偏波
(垂直/
(垂直/
水平)
水平)
34.5
34.5
27/36
デジタル
デジタル
アナログ
TC8PSK/
TC8PSK/
映像:FM
QPSK/
QPSK/
音声:PCM
BPSK/
BPSK
切替可
切替可
27
式
衛星打上げ
2
CS
円偏波(右) 円偏波(右)
1 チャンネル帯域幅
(MHz)
変
衛星の諸元・番組数
SDTV:3
HDTV:1
音 声:1
データ:1
1997 年 4 月
1998 年 4 月
注
HDTV:7
SDTV:3
音 声:19
データ:8
2001 年 3 月
2003 年 6 月
HDTV:13
SDTV:83
データ:2
2000 年 8 月
デジタル
QPSK
(TC8PSK/BPSK の伝送も
可能)
SDTV :178
音 声 :102
データ :37
1995 年 8 月
1999 年 2 月
Ku バンドのみ
東経 110 度デジタル放送の周波数配列
2.1 BS 放送
追加の可能性があるチャンネルを含んだ各トランスポンダのダウンリンク周波数配列を図 2
に示す。BS アナログ放送は帯域幅 27.0MHz、中心周波数間隔 38.36MHz で BS-5ch、7ch、9ch、
11ch に、BS デジタル放送は中心周波数間隔 38.36MHz、帯域幅は 34.5MHz で BS-1ch、3ch、
13ch、15ch に割り当てられている。BS の追加チャンネルは BS-15ch の上側に現行のデジタル
放送と同一の帯域幅 34.5MHz、中心周波数間隔 38.36MHz で BS-17ch、19ch、21ch、23ch の 4
チャンネルが割り当てられた。したがって、BS 全体の周波数は 11.7~12.2GHz で帯域幅は
500MHz となる。
2.2 東経 110 度 CS デジタル放送
帯域幅 34.5MHz、中心周波数間隔 40MHz で、右旋円偏波が ND2~ND24 の偶数チャンネ
ルに、左旋円偏波が ND1~ND23 の奇数チャンネルに、各々12 チャンネルが割り当てられてい
る。放送としては右旋円偏波の 12 チャンネルが割り当てられており、左旋円偏波の用途は決
定されていない。
全体の帯域は、BS とのガードバンド 50MHz を挟み 12.25~12.75GHz の 500MHz である。
12.75GH
12.25GHz
11.7GHz
BS右旋円偏波
12.2GHz
12.291GHz
ND
1 3 5 7 9 1 1 1 1 1 2 2
2
1
11.72748GHz
12.14944GHz ND
6
4
3
5
12.731GH
CS 右旋円偏波
8
7
1
9
1
1
1
1
1
1
1
1
2
1
2
2
2
2
38.36MHz
12.271GHz
40MHz
BS デジタル放送
BS アナログ放送
注1
BS 追加チャンネル
注2
CS 右旋円偏波:SCC
CS 右旋円偏波:JCSAT
12.711GHz
東経 110 度
CS デジタル放送
CS 左旋円偏波:110 度 CS
CS 左旋円偏波の使用は未定
図2
2.3
CS 左旋円偏波
BS・110 度 CS 周波数配列表(ダウンリンク)
IF 周波数配列
受信アンテナの局部発振周波数が 10.678GHz のコンバータを使用した場合の BS-IF と
CS-IF 右旋偏波の IF チャンネルを表 9.2、9.3 に示す。BS-IF は 1022~1522MHz、110 度
CS-IF は 1572~2072MHz で BS・CS 右旋偏波帯域全体では 1050MHz と非常に広い周波
数帯域となる。
CS の左旋偏波は局部発振周波数が 10.127GHz のコンバータを使用した場合の IF チャン
ネルを示した。
表2
BS-IF チャンネル表
BS-IF
周波数範囲(MHz)
(Lo 10.678GHz)
チャンネル
番号
中心周波数
(MHz)
BS- 1
1049.48
1032.23
~
1066.73
BS- 3
1087.84
1070.59
~
1105.09
BS- 5
1126.20
1112.70
~
1139.70
BS- 7
1164.56
1151.06
~
1178.06
BS- 9
1202.92
1189.42
~
1216.42
BS-11
1241.28
1227.78
~
1254.78
BS-13
1279.64
1262.39
~
1296.89
BS-15
1318.00
1300.75
~
1335.25
BS-17
1356.36
1339.11
~
1373.61
BS-19
1394.72
1377.47
~
1411.97
BS-21
1433.08
1415.83
~
1450.33
BS-23
1471.44
1454.19
~
1488.69
備考
デジタル
アナログ
デジタル
追加
チャンネル
デジタル
(注)中心周波数間隔:38.36MHz
帯域幅:アナログ
27.0MHz
表3
デジタル
34.5MHz
東経 110 度広帯域 CS-IF チャンネル表
東経 110 度 CS-IF(右旋円偏波)
東経 110 度 CS-IF(左旋円偏波)
チャンネル 中心周波数 周波数範囲(MHz)
チャンネル 中心周波
番号
(Lo 10.678GHz)
番号
数(MHz)
(MHz)
周波数範囲(MHz)
(Lo 10.127GHz)
ND 2
1613
1595.75 ~ 1630.25
ND1
2144
2126.75 ~ 2161.25
ND 4
1653
1635.75 ~ 1670.25
ND3
2184
2166.75 ~ 2201.25
ND 6
1693
1675.75 ~ 1710.25
ND5
2224
2226.75 ~ 2241.25
ND 8
1733
1715.75 ~ 1750.25
ND7
2264
2246.75 ~ 2281.25
ND10
1773
1755.75 ~ 1790.25
ND9
2304
2286.75 ~ 2321.25
ND12
1813
1795.75 ~ 1830.25
ND11
2344
2326.75 ~ 2361.25
ND14
1853
1835.75 ~ 1870.25
ND13
2384
2366.75 ~ 2401.25
ND16
1893
1875.75 ~ 1910.25
ND15
2424
2406.75 ~ 2441.25
ND18
1933
1915.75 ~ 1950.25
ND17
2464
2446.75 ~ 2481.25
ND20
1973
1955.75 ~ 1990.25
ND19
2504
2486.75 ~ 2521.25
ND22
2013
1995.75 ~ 2030.25
ND21
2544
2526.75 ~ 2561.25
ND24
2053
2035.75 ~ 2070.25
ND23
2584
2566.75 ~ 2601.25
(注)局発周波数
右旋:10.678GHz、左旋:10.127GHz
中心周波数間隔:40MHz
帯域幅:34.5MHz
参考 4
波長多重の詳細
1
波長多重の基本
1.1
波長多重の方式
異なる波長の光を 1 本の光ファイバで伝送することを波長多重伝送という。波長多重を
行う場合には、以下の 2 つの方式がある。
(1)“粗い波長多重”CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplexing)
(2)“密な波長多重”DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)
両者は、波長の間隔が異なり、その波長(周波数)は、ITU-T で規定された波長配列を
使用することが望ましい。図 1 の(1)に CWDM の波長多重例を示す。CWDM の波長範
囲を台形で、波長中心を中心の線で示す。また、(2)に DWDM の波長多重例を示す。DWDM
の方が波長を有効に使用できることが分かる。
(1)
CWDM(粗い波長多重)
(1)CWD
(粗い波長多重)
(
(
波長(nm)
1300
1400
1500
1600
2nm 間隔
2
(2)DWD
(密な波長多重)
(2)
DWDM(密な波長多重)
波長 (nm)
図1
1.2
CWDM と DWDM
光の波長間隔(光の周波数間隔)
波長多重伝送をする光の波長間隔は、二つの方式で以下のように定義される。
①
DWDM 伝送の場合
波長間隔は、193.1[THz]を中心に 12.5GHz、25.0GHz、50.0GHz 又は 100GHz 間隔
の周波数で規定される。
②
CWDM 伝送の場合
波長間隔は、波長を多重・分離するフィルタの中心波長で規定され、20nm 間隔で規
定される。
1.3
使用波長(周波数)
波長多重伝送をする波長(周波数)は、二つの方式で以下のように定義される。
(ITU-T
G.694.1)
(1)
DWDM 伝送の場合
12.5GHz 間隔の波長多重を行う場合の光の周波数 f は、
f = 193.1 + n × 0.0125 [THz]
(ただし、n は整数)
25.0GHz 間隔の波長多重を行う場合の光の周波数 f は、
f = 193.1 + n × 0.025 [THz]
(ただし、n は整数)
50.0GHz 間隔の波長多重を行う場合の光の周波数 f は、
f = 193.1 + n × 0.05 [THz]
(ただし、n は整数)
100.0GHz 間隔の波長多重を行う場合の光の周波数 f は、
f = 193.1 + n × 0.1 [THz]
※
(ただし、n は整数)
光の周波数を波長で言い換える場合には、以下の式で変換する。
λ=
c
f × 103
ただし、
λ [nm] :波長
f [THz]:周波数、[THz]=[ 1012 Hz]
c[m/s]
:光速(=2.99792458×108)
※
200GHz については、ITU-T G.692 を引用。
※
表 1 に代表的な DWDM 伝送時の光周波数と参考波長を記載する。
表1
ITU-T
G.694.1 の光周波数と参考波長
光周波数[THz]
参考波長
100GHz 200GHz
[nm]
間隔
間隔※
1624.89
184.5
184.5
1624.01
184.6
1623.13
184.7
184.7
1622.25
184.8
1621.38
184.9
184.9
1620.50
185.0
1619.62
185.1
185.1
1618.75
185.2
1617.88
185.3
185.3
1617.00
185.4
1616.13
185.5
185.5
1615.26
185.6
1614.39
185.7
185.7
1613.52
185.8
1612.65
185.9
185.9
1611.79
186.0
1610.92
186.1
186.1
1610.06
186.2
1609.19
186.3
186.3
1608.33
186.4
1607.47
186.5
186.5
1606.60
186.6
1605.74
186.7
186.7
1604.88
186.8
1604.03
186.9
186.9
1603.17
187.0
1602.31
187.1
187.1
1601.46
187.2
1600.60
187.3
187.3
1599.75
187.4
1598.89
187.5
187.5
1598.04
187.6
1597.19
187.7
187.7
1596.34
187.8
1595.49
187.9
187.9
1594.64
188.0
1593.79
188.1
188.1
1592.95
188.2
1592.10
188.3
188.3
1591.26
188.4
1590.41
188.5
188.5
1589.57
188.6
1588.73
188.7
188.7
1587.88
188.8
1587.04
188.9
188.9
1586.20
189.0
1585.36
189.1
189.1
1584.53
189.2
1583.69
189.3
189.3
1582.85
189.4
1582.02
189.5
189.5
1581.18
189.6
1580.35
189.7
189.7
1579.52
189.8
1578.69
189.9
189.9
1577.86
190.0
1577.03
190.1
190.1
1576.20
190.2
光周波数[THz]
参考波長
100GHz 200GHz
[nm]
間隔
間隔※
1575.37
190.3
190.3
1574.54
190.4
1573.71
190.5
190.5
1572.89
190.6
1572.06
190.7
190.7
1571.24
190.8
1570.42
190.9
190.9
1569.59
191.0
1568.77
191.1
191.1
1567.95
191.2
1567.13
191.3
191.3
1566.31
191.4
1565.50
191.5
191.5
1564.68
191.6
1563.86
191.7
191.7
1563.05
191.8
1562.23
191.9
191.9
1561.42
192.0
1560.61
192.1
192.1
1559.79
192.2
1558.98
192.3
192.3
1558.17
192.4
1557.36
192.5
192.5
1556.55
192.6
1555.75
192.7
192.7
1554.94
192.8
1554.13
192.9
192.9
1553.33
193.0
1552.52
193.1
193.1
1551.72
193.2
1550.92
193.3
193.3
1550.12
193.4
1549.32
193.5
193.5
1548.51
193.6
1547.72
193.7
193.7
1546.92
193.8
1546.12
193.9
193.9
1545.32
194.0
1544.53
194.1
194.1
1543.73
194.2
1542.94
194.3
194.3
1542.14
194.4
1541.35
194.5
194.5
1540.56
194.6
1539.77
194.7
194.7
1538.98
194.8
1538.19
194.9
194.9
1537.40
195.0
1536.61
195.1
195.1
1535.82
195.2
1535.04
195.3
195.3
1534.25
195.4
1533.47
195.5
195.5
1532.68
195.6
1531.90
195.7
195.7
1531.12
195.8
1530.33
195.9
195.9
(2)
CWDM 伝送の場合
CWDM は一般に、波長多重・分離フィルタの中心周波数で規定する。表 2 にレーザダ
イオードの公称波長と波長多重・分離フィルタの中心波長、伝送波長範囲を記載する。
(ITU-T G.694.2) 温度が変化するとレーザダイオードの出力波長は変化するが、使用温度
範囲において波長は波長多重・分離フィルタの波長範囲内になければならない。
表2
※
ITU-T
G.694.2 の光周波数
レーザダイオード
波長多重・分離
波長多重・分離フィルタの
の公称波長
フィルタの中心波長
波長範囲
[nm]
[nm]
[nm]
(1530)
(1531)
(1524.5 ~ 1537.5)
1550
1551
1544.5 ~ 1557.5
1570
1571
1564.5 ~ 1577.5
1590
1591
1584.5 ~ 1597.5
1610
1611
1604.5 ~ 1617.5
一般的に、CWDM 伝送に使われる波長は、周囲温度の変化に応じて波長が変化する光源
が使われることが多いので伝送波長については規定されない。
2
波長多重伝送時の注意点
2.1
光ファイバの使用可能帯域
光ファイバケーブル中の光信号伝送時における損失の波長依存性を以下のグラフに示
す。通常の光ファイバは、CWDM 伝送したときに伝送損失が著しく悪くなる波長(1370
~1430nm など)があり、通常使えない。図 2 に示すように、これらの波長多重時の問題
を改善するために伝送損失の波長依存性を均一化したファイバを使用することで、
CWDM 伝送時にどの波長帯域も選択できるようになる。
1.2
O
0.9
損失(dB/km)
S
E
C
L
通常の光ファイバ
0.6
0.3
波長特性を改善した光ファイバ
CWDM伝送波長
0
波長(nm)
1300
1400
図2
2.2
1500
1600
光ファイバの使用可能帯域
光ファイバアンプの使用可能帯域
光ファイバアンプは、増幅できる波長帯域によって種類が異なる。一般的に FTTH シス
テムで使用される光増幅器は、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)であり、C バンド
帯域、L バンド帯域の光信号を増幅できる。
C バンド
PDFA
ラマン増幅器
TDFA
EDFA
L バンド
EDFA
1290 1310 1330 1350 1370 1390 1410 1430 1450 1470 1490 1510 1530 1550 1570 1590 1610 λ
nm
図3
光増幅器(EDFA 等)の使用可能帯域
また、一般的な光増幅器(EDFA)における利得の波長特性を以下に示す。
19.5
5.8
利得 [dB]
雑音指数 [dB]
5.6
5.4
19
5.2
18.5
5
4.8
18
1510
1520
1530
1540
1550
1560
1570
1580
4.6
1590
信号波長 [nm]
図4
2.3
光増幅器(EDFA)の利得の波長特性例
光増幅器の AGC(Automatic Gain Control)動作
光増幅器へ 2 波以上の光信号が入力される場合、一般的な光増幅器では、光信号の全パ
ワーの出力が一定になるように出力レベルを自動的に変化させる。この場合、たとえば、
2 波長で同電力の光信号を光増幅器に入力した場合、入力電力は 2 倍となり光信号 1 波長
あたり 3dB 低く出力されるので注意が必要である。通常は、光信号 1 波長あたりのレベ
ルが一定になるような光増幅器を使用する、又は、主信号に影響のないレベルで第 2 信号
を入力する。
2.4
2 波長間のクロストーク
異なる波長の光信号を同一の光ファイバで伝送した場合には、クロストークが起こる。
クロストークが生じる原因として以下がある。
(1)
線形クロストーク
線形クロストークは、波長分離フィルタにおいて、透過すべき波長帯域以外の信号が十
分に除去しきれないで、光受信器に混入し妨害波として生じるものである。
※
電波信号を光信号に復調するときに、お互いの電波信号の周波数が異なる場合には、
クロストークが生じても妨害波にはならない。
λ1
λ2
λ2
λ1
λ
λ1
λ2
線形クロストーク
λ
線形クロストーク
による影響
λ
f1
f
電/光(λ2)
λ1
光(λ1)/電
波長 分離
電/光(λ1)
波長多重
f2
f
光(λ2)/電
λ2
λ1
f
f2
λ
線形クロストーク
図5
2 波長間の線形クロストーク
f
線形クロストーク
による影響
λ2
λ
f1
(2)
非線形クロストーク
非線形クロストークとして、ラマンクロストーク(Raman crosstalk)がある。ラマンク
ロストークは、波長間隔が 100nm 離れているときに最も生じやすく、光ファイバ内伝送
中に生じ、波長分離フィルタでは除去できない。
※
電波信号を光信号に復調するときに、お互いの電波信号の周波数が異なる場合には、
クロストークが生じても妨害波にはならない。
ラマン利得
約13THz
励起光
ラマン利得の波長依存性
周波数 [THz]
図6
非線形クロストーク(ラマンクロストーク)の波長依存性
λ1
λ2
λ1
λ
λ1
λ2
λ2
線形クロストークなし
λ
非線形クロストーク
による影響
λ
f1
f
電/光(λ2)
λ1
光(λ1)/電
波長分離
電/光(λ1)
波長多重
f2
f
光(λ2)/電
λ2
λ1
λ
f1
f
f2
非線形クロストーク
による影響
λ2
λ
線形クロストークなし
図7
f
2 波長間の非線形クロストーク(ラマンクロストーク)
2.5
2 波長以上の光信号を同一の光受信器で受信をする場合
同じ
比の光送信機を使う方式
● CN
同じCNRの光送信器を使う方式
Cレベル
CNB
Cレベル
CNB+N
Nレベルは、3dB悪化します。
Nレベル
周波数
周波数
Cレベル
CNN
Nレベル
周波数
● 異なるCNRの光送信器を使う方式
異なる
CN 比の光送信機を使う方式
Cレベル
Cレベル
CNB+N
CNB
Nレベルは、ほとんど悪化しない
Nレベル
周波数
Cレベル
周波数
CNN
→ CN 比を改善しています
→ CNRを改善しています。
Nレベル
周波数
図8
2 波長以上の光信号を同一の光受信器で受信をする場合の雑音レベル
2.6
光ビート
2 波長以上の光信号を同一の光受信機で受信する場合、光信号の波長(周波数)差に応じ
た周波数を中心にして光ビート雑音と呼ばれる干渉成分が生じる。光ビート雑音の中心周波
数は、
f beat =
c λi − λi +1
λi ⋅ λi +1
(1.1)
[Hz]
c=2.997942458×108 [m/s]:光速
以下に光ビート雑音の中心周波数と光信号で伝送する電波周波数の差(オフセット周波数)
における RIN の劣化を示した実験結果を示す。たとえば、2.5GHz の電波信号を光で変調し
(総合変調度:m√N=30%時)、伝送する場合に RIN=-140dB/Hz 以下を満足するために
は、
f beat ≥ 25GHz
(1.2)
となり、0.2nm 以上、波長間隔を離せば十分であることが確認できる。通常、DWDM の
100GHz 間隔の波長多重であれば、約 0.8nm の波長間隔となり、これら光ビートについて
考慮する必要はない。
-90
m√N=40%
m√N=30%
-100
RIN [dB/Hz]
-110
-120
-130
-140
-150
0
2.5
5
7.5
10
12.5
15
17.5
20
22.5
25
Offset Frequency [GHz]
図9
光信号の波長(周波数)差と RIN の劣化量の実験結果
参考 8
FM 一 括 変 換 方 式 に よ る BS-IF 伝 送
1
BS-IF 伝 送 方 式 の 概 要
強 度 変 調 シ ス テ ム に お い て BS 信 号 を 伝 送 す る 場 合 、光 伝 送 回 線 の 広 帯 域 性 を 生 か
し て 770MHz 以 下 の 周 波 数 多 重 信 号 に 約 1~ 1.4GHz の BS-IF 信 号 を 周 波 数 多 重 し
て 伝 送 し て い る 。 し か し 、 FM 一 括 変 換 シ ス テ ム に お い て は 、 770MHz 以 下 の 信 号
を 約 1~ 5GHz の 広 帯 域 FM 信 号 に 変 換 し て お り 、BS-IF 信 号 の 周 波 数 帯 域 と 重 な っ
て い る 。 こ の た め 、 FM 一 括 変 換 シ ス テ ム で は BS-IF 信 号 を FM 一 括 変 換 シ ス テ ム
の伝送信号と単純に周波数多重して伝送することが不可能である。この問題を解決
する方式として以下の 2 つが考えられる。
1.1
BS-IF 信 号 を FM 一 括 変 換 し て 伝 送
AM-VSB 信 号 キ ャ リ ア の 減 少 に よ っ て 増 え た 周 波 数 偏 移 量 の マ ー ジ ン を BS 信
号 の 伝 送 に 配 分 す る こ と で 、 BS 信 号 も FM 一 括 変 換 し て 伝 送 す る 方 式 。
V、UHF信号
0
1.0
2.0
周波数 [GHz]
+
FM一括
変換器
E/O
FM一括変換信号
BS-IF信号
0
0
図 1
1.2
1.0
2.0
周波数 [GHz]
3 6 9 12
周波数 [GHz]
BS-IF 信 号 を FM 一 括 変 換 し て 伝 送 す る 場 合 の 機 能 ブ ロ ッ ク 図
BS-IF 信 号 を BS-RF 信 号 に 周 波 数 変 換 し て 伝 送
BS ア ン テ ナ の 低 雑 音 周 波 数 変 換 器( LNB)か ら 出 力 さ れ た IF 帯 信 号 を 再 び RF
帯 に 周 波 数 変 換 し 、 FM 一 括 変 換 信 号 と 周 波 数 多 重 し て 伝 送 す る 方 式 。 BS 信 号
の 伝 送 帯 域 は 約 11.7~ 12.1GHz で あ る 。
V、UHF信号
0
1.0
2.0
周波数 [GHz]
BS-IF信号
0
図 2
FM一括
変換器
1.0
2.0
周波数 [GHz]
+
周波数
変換器
E/O
FM一括
変換信号
0
BS/CS
RF信号
3 6 9 12
周波数 [GHz]
BS-IF 信 号 を BS-RF 信 号 に 周 波 数 変 換 し て 伝 送 す る 場 合 の 機 能 ブ ロ ッ ク 図
2
伝送特性
1.1 及 び 1.2 の い ず れ の 方 式 に お い て も 、実 験 室 レ ベ ル で は 動 作 が 確 認 さ れ て い る 。
それぞれの方式における伝送特性の代表例を以下に示す。
70
45
35
60
CNR, D/U [dB]
CNR, CSO, CTB [dB]
40
50
40
30
25
20
15
10
5
30
0
200
400
600
800
0
1000
1500
Carrier Frequency [MHz]
CNR
CSO
CTB
CNR
(a) 90~770MHz帯域信号伝送特性
図 3
2000
Carrier Frequency [MHz]
D/U
(b) BS/広帯域CS信号伝送特性
90~ 770MHz 帯 信 号 、 BS/広 帯 域 CS 信 号 同 時 伝 送 時 の 伝 送 特 性
[1]
Res. BW: 8MHz
25
With DCF
FM Converted
Signal
-30
20
BS
-50
CS
CNR [dB]
Electrical power [dBm]
-10
BS
15
BS
10
-70
Target
CS
CS
Target
Without DCF
5
-90
0
0
-110
10M
7G
14G
Frequency [Hz]
(a) 伝送信号の周波数スペクトラム
5
10
15
20
25
1.3μm Zero-Dispersion Wavelength
Transmission Fiber Length [km]
(b) BS/広帯域CS信号の伝送距離特性
BS信号キャリア周波数: 11.996GHz
CS信号キャリア周波数: 12.725GHz
( 測 定 条 件 )伝 送 キ ャ リ ア 数:AM 15,QAM 62,BS 12, CS12、V-ONU 受 光 電 力 :-12dBm
図 4
BS/広 帯 域 CS 信 号 の 周 波 数 ス ペ ク ト ラ ム 及 び 伝 送 距 離 特 性
[2]
( FM 一 括 変 換 信 号 と BS/広 帯 域 CS 信 号 を 送 信 側 で 波 長 多 重 し 、受 信 側 は O/E 変 換 後
電気的に周波数分離)
〔参考文献〕
[1] 池 田
智 , 電 子 情 報 通 信 学 会 ・ OCS/OFT 研 究 会 映 像 情 報 メ デ ィ ア 学 会 ・ 放 送
技 術 研 究 会 電 気 学 会 ・ 通 信 研 究 会 , Nov. 2006.
[2] K. Kikushima, et al., IEICE Trans. Commun., vol. E89-B, No. 11, pp.
3008-3020, Nov. 2006.
デジタルテレビジョン放送方式の比較(「デジタル放送の標準方式」の規定)
「標準デジタルテレビジョン放送方
式」として有テレ法施行規則第23
条第1項第6号に定義
11.7~12.2GHz
伝送路ごとの方式
6MHz
全伝送路に共通の方式
誤り訂正方式
広帯域
高度挟帯域
12.2~
12.75GHz
12.2~12.75GHz
12.2~12.75GHz
27MHz
34.5MHz
30条
シングル
キャリア
BPSK, QPSK,
TC8PSK
QPSK
BPSK,
QPSK, TC8PSK
BPSK,8PSK
最大約52Mbps
最大約34Mbps
(QPSK,3/4)
最大約52Mbps
(TC8PSK,2/3)
最大約45Mbps
(TC8PSK, 2/3)
31条4項
39条
46条(31条4項)
48条1項
(8PSK,2/3)
48条2項
内符号:畳込み符号化(符号化率 7/8, 5/6, 3/4, 2/3, 1/2)、
32条2項TC8PSKはトレリス符号化2/3 40条2項
46条(32条2項)
外符号:短縮化リードソロモン(204,188)
15条2項
51条(38条)
シングル
キャリア
最大約23Mbps
15条2項
46条(30条)
シングル
キャリア
(DQPSK), QPSK,
16QAM, 64QAM
64QAM, 3/4, GI:1/8
38条
27MHz
シングル
キャリア
マルチキャリア
(OFDM) 19条
約18Mbps
36条
36条
36条
34.5MHz
20条
情報レート
(標準レート)
狭帯域
29条
伝送帯域幅
変調方式※1
CS
BS
UHF帯
使用周波数帯
搬送波
平成19年3月9日「標準テレビジョン放送等のうち
デジタル放送に関する送信の標準方式」の一部
改正が行われH.264の規定が追加された。
デジタルテレビジョン放送
地上
32条2項
40条2項
スクランブル方式
46条(32条2項)
内符号:LDPC
49条3項
外符号:BCH
49条3項
MULTI2 8条
多重化方式
MPEG-2 Systems 3条
映像符号化方式
4条、21条
4条
音声符号化方式
5条、7条
5条、7条
※1 ()内の変調方式は、運用上使用しないもの。
※2 CSデジタル放送の【27MHz方式】の場合は、
MPEG-2 Audio BCも使用可能。
参考 9
MPEG-2 Video
4条、42条
MPEG-2又はH.264
4条、50条
4条
MPEG-2 Audio AAC※2
5条、7条、41条
(実線)
「デジタル有線テレビジョン放送方式」として有テレ
法施行規則第23条第1項第5号に定義
→内容は第26条の16第3項及び4項に記載
有テレ法施行規則
第26条の16第3項
を改正することに
より、H.264の適
用が可能となる。
(破線)
5条、7条
5条、7条、41条
表中の条文の数字は、
※「デジタル放送の標準方式」の条文改正中は下線
※準用による規定のもの(括弧書き)
「デジタル有線テレビジョン放送方式」の定義について
《有線テレビジョン放送法施行規則》
第二十三条
五 受信者端子において、送信の方式がデジタル有線テレビジョン放送方式(第二十六条の十六第三項及び第四
項に規定する信号により搬送波を変調する方式をいう。以下同じ。)となつており、かつ、九〇メガヘルツか
ら七七〇メガヘルツまでの周波数を使用する有線テレビジョン放送
第二十六条の十六
1・2(略)
3 九〇メガヘルツから七七〇メガヘルツまでの周波数を使用する有線テレビジョン放送のうちデジタル放送を
行うための搬送波を変調する信号(以下「伝送信号」という。)は、次に掲げる条件に適合するものでなけれ
ばならない。
一 誤り訂正方式は、デジタル放送の標準方式第四十条第二項 に規定する短縮化リードソロモン符号によるも
のであること。
二 デジタル放送の標準方式第三条から第八条まで、第十六条又は第四十三条、第二十一条第一項又は第四十
二条、第二十一条第二項から第四項まで及び第四十一条の技術的条件に適合するものであること。
条文
これらの条文の内容は
右表のとおり
ケーブルテレビにおいて
H.264の追加については
技術的な問題はなく、第
50条を追加することによ
り、H.264の適用が可能
となる。
第3条
第4条又は第50条
内容
MPEG-2Systems
MPEG-2(H.262)又はH.264
第5条
AAC音声
第6条
データ信号及びメタデータ信号の符号化方式等
第7条
音声信号の標本化及び量子化
第8条
スクランブル等
第16条又は第43条
緊急警報信号
第21条第1項又は第42条
YUV422(映像信号の色空間)
第21条第2項から第4項
映像信号の標本化及び量子化
第41条
BC音声
参考 10
超多値 QAM 変調方式の開発について
1 はじめに
通信・放送機構(TAO)横浜次世代ケーブルテレビリサーチセンター(期間:平成 12
年 4 月~平成 15 年 3 月)で、デジタル多チャンネル伝送の高度化を目指して超多値伝送
技術の研究開発が行われた。リサーチセンター終了後に、NHK 放送技術研究所において、
さらに研究が行われた。以下では、それらのうち、1024QAM 変調方式に関する研究成果
の一部を紹介する。そこで用いた試作機器は、商用の STB と比較すると、ややオーバー
スペックな仕様のものが使われている点に、注意が必要である。
2 伝送方式
1024QAM の伝送方式としては、ITU-T J.83 Annex C の 64 QAM 方式を拡張すること
を基本とした。ロールオフ率については、ITU-T J.83 Annex C と同じである 13 %と、
BS 放送一中継器の情報容量(約 52 Mbps)を伝送可能[3]にした 4 %の 2 種類について検
討した。
以下では、特に断らない限り、ロールオフ率は 13 %とする。
表 1 実験に用いた 1024 QAM の伝送方式
外符号
リードソロモン(204,188)
内符号
なし
コンスタレーション
・ 正方配置
・ 上位 2 ビットは差動符号化、
・ それ以外のビットは各象限内はグレイ符号化し、
象限間は回転対称配置
ロールオフ率
4 %
13 %
シンボルレート
5.769 Mbaud
5.274 Mbaud
情報レート(TSMF なし)
53.165 Mbps
48.603 Mbps
情報レート(TSMF[96,15])
52.611 Mbps
48.096 Mbps
3 商用 HFC(Hybrid-Fiber-and-Coaxial)ケーブル施設で伝送実験
まずはじめに、商用 HFC(Hybrid-Fiber-and-Coaxial)ケーブル施設で伝送実験を行
った結果を示す[1]。図 1 に伝送実験を行った施設の構成を示す。同軸部分の 3 段目の増
幅器後の信号を受信して実験を行った。伝送周波数は 623MHz とした。
Tap-off
Optical fiber
Coaxial cable
Measurement
site
1400 m
Head-end
O/E
図 1 伝送実験を行った施設の概要[1]
10-1
1.E-01
Theory
Experiment
IF (Back-to-back)
BER
ビット誤り率
10-2
1.E-02
10-3
1.E-03
10-4
1.E-04
10-5
1.E-05
10-6
1.E-06
10-7
1.E-07
30
35
40
45
CN
比 [dB]
C/N
図 2 ケーブル施設での CN 比対ビット誤り率特性[1]
図 2 に測定した CN 比対ビット誤り率特性を示す。CN 比=37.5dB でビット誤り率
=1×10-4 が得られ、理論値からの劣化は 2dB 以下であった。
4 伝送特性の劣化要因
QAM の伝送では、以下に示すような、伝送路の特性による劣化と、送受信器の不完全
性による固定劣化がある。
○ 伝送路の特性による劣化要因
・ 熱雑音
・ 非線形歪
・ 伝送路上の反射
・ 隣接チャンネル妨害
○ 送受信器の不完全性による劣化要因
・ AD、DA 変換器の量子化ビット数と信号処理のビット精度
・ 周波数変換及び搬送波再生に伴う位相雑音、周波数誤差
・ クロック再生に伴うタイミング誤差
以下では、これらのうち、
・ 伝送路上の反射
・ 周波数変換の位相雑音
・ 搬送波再生に伴う位相誤差
・ クロック再生に伴う識別タイミング誤差
について述べる。
5 伝送路上の反射
QAM 受信器では、適応型波形等化器が用いられるのが一般的である。伝送路上の反射
妨害を評価する際に、受信機でどのような適応型波形等化器を用いているかを無視して
考えることはできない。適応型波形等化器の動作を単純化して、ある値以下の遅延時間
の反射波はほぼ完全に等化され、それ以上の遅延時間の反射波は全く等化できないとす
る。この場合、反射波の限度は、模式的に図 3 のように表される。
反射波のレベル
(a)
等化器の性能
による限界
(b)
等化可能な
最大遅延量
(c)
等化可能
等化できない場合
の反射波の限度
等化不可
遅延時間
図 3 等化器を利用した場合の反射波の限度(模式図)
(a) 等化器の性能による限界
試作した機器[1]では、1024 QAM の場合、反射波のレベルが(-)10 dB 以下なら
等化可能であった。
(b) 等化可能な最大遅延量
試作した機器[1]では、判定帰還等化器の帰還タップ数を 32 としており、32 シン
ボル期間に相当する約 6μ 秒まで等化可能である。
(c) 等化できない場合の反射波の限度
遅延時間が非常に長い場合、全く等化が行われない。また、遅延時間が非常に長
い場合、希望波と反射波の相関はほとんどないとみなせる。このような状況での許
容される反射波のレベルは、同一チャンネル妨害と同じ値である。64 QAM の場合
の伝送帯域内の単一周波数妨害レベルは(-)30 dB 以下としている。1024 QAM の
シンボル間距離は、64 QAM の 1/4 であるから、(-)42 dB と推定される。
仮に上記の値を用いた場合を、現行の規定と比べると図 4 のようになる。この図より、
短い遅延時間の場合は現行の規定で十分であるが、遅延時間が長い場合は、現行の規定
より厳しい値を規定する必要がある。
また、現行の規定で、極めて短い遅延時間の場合、直線を外挿してしまうとかなり大
反射波のレベル
きな値が許されることになるが、上限を決めておく必要があると思われる。
-10
-20
現行の規定
-30
-40
0.25
1.5
遅延時間
6
図 4 等化器を利用した場合の反射波の限度(試作器[1]からの推定)
6 周波数変換の位相雑音
HFC 型の実施設での実験(ロールオフ率:4%)で得られた CN 比対ビット誤り率特性
を図 5 示す。図中で「SG」「民生チューナー」と記されているのは、それぞれ
「SG」
:測定用信号発生器
「民生チューナー」 :市販の地上デジタル放送受信用チューナー
を、受信器の第一周波数変換に用いた場合の結果である。それぞれの位相雑音を図 6 に示
す。第一周波数変換以外の部分には、同一の装置を用いた。固定劣化(ビット誤り率=2×10-4)
は、
「SG」の場合約 2 dB であるのに対し、
「民生チューナー」の場合約 5 dB という結果が
得られた。「民生チューナー」の位相雑音については、1024QAM を実用化するためには、
ビット誤り率
まだ改善の必要があると思われる。
CN 比
図 5
CN 比対ビット誤り率特性(ロールオフ率:4%)[3]
[dBc]
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
-110
-120
-130
10
100
10 k
1k
Offset frequency [Hz]
100 k
(a) SG
(b)民生チューナ
図 6 周波数変換に用いた装置の位相雑音[3]
7 搬送波再生に伴う位相誤差
受信機での搬送波再生が正確に行われずに位相誤差が残ると、コンスタレーションが
図 7 のように傾くため、誤り率が増加する。計算機シミュレーションにより、位相誤差
に起因する固定劣化を評価した[2]。図 8 に示すように、1024QAM では、搬送波位相誤
差が 1 度の場合の固定劣化は約 5.5 dB、誤差が 1.4 度を超えると 10 dB を超える。64QAM
に比べて高精度な搬送波再生が必要である。
θ
図 7 搬送波再生に伴う位相誤差
図 8 搬送波位相誤差に対する固定劣化[2]
8 クロック再生に伴う識別タイミング誤差
受信機でのクロック再生が正確に行われずに識別タイミング誤差(図 9)があると、誤
り率が増加する。計算機シミュレーションにより、識別タイミング誤差に起因する固定
劣化を評価した[2]。図 10 に示すように、1024QAM では、識別タイミング誤差が 3 度あ
る場合の固定劣化は約 5 dB、誤差が 3.5 度の場合は 9 dB を超えている。64QAM に比べ
て高精度なクロック再生が必要である。
識別タイミ ング誤差
クロッ ク周期
(360度)
図 9 クロック・タイミング誤差
図 10 識別タイミング誤差に対する固定劣化[2]
9 まとめ
通信・放送機構(TAO)横浜次世代ケーブルテレビリサーチセンター及び NHK 放送
技術研究所において行われた、1024QAM 変調方式に関する研究成果の一部を紹介した。
反射波のレベルについては、現行規定より厳しい規定が必要になると思われる。さら
に、現行の 64QAM 用の STB で用いられている技術で、1024QAM 用の STB を製作す
ると、固定劣化が無視できない値になることが予想される。また、相互変調歪や隣接妨
害(与干渉及び被干渉)については、検討しなかった。
[参考文献]
[1] 倉掛、中村、小山田、“ブラインド等化を用いた 1024QAM 復調器”、電子情報通信学会
技術研究報告、CS2003-29、2003 年
[2] 中村、倉掛、小山田、伊東、“ケーブルテレビの 1024QAM 変復調器における固定劣化
のシミュレーション”、映像情報メディア学会誌、Vol. 56、No. 2、pp.297-301、2002
年
[3] 倉掛、中村、小山田、“ケーブルテレビ用 1024QAM 受信機の開発”、映像情報メディア
学技術報告、BCT2004-74、2004 年
(参考)4096QAM の伝送特性
表 A1 に示すパラメータを用いて測定した CN 比対ビット誤り率特性を図 A1 に示す[A1]。
・ ロールオフ率は、20%。
・ ブラインド等化ではなく、BPSK によるトレーニング信号を付加している
・ 周波数変換用発振器は、測定用信号発生器を使用
・ HFC 施設を伝送した信号を受信点で AD 変換して保存し、パソコンのソフトウ
エアで復調
・ 固定劣化は、3 dB 以内。Back-to-back では約 1.5 dB
[参考文献]
[A1] 中村、倉掛小山田、“ケーブルテレビ伝送 4096QAM 信号のソフトウエア復調実験”、
映像情報メディア学会冬季大会、7-1、2004 年
表 A1 4096QAM の伝送パラメータ
図 A1 4096QAM の CN 比対ビット誤り率特性
参考 14
QAM 信号に対するケーブル反射について
平成 11 年 12 月 27 日の(社)日本 CATV 技術協会 規格・標準化委員会 WG4 対応 SG 複数 TS
方式有線テレビジョン放送実験作業班による「256QAM 方式 デジタル有線テレビジョン放送 実験結
果報告書」によれば、反射に対する 256QAM 信号の BER 特性の許容値は既存のデジタル有線テレビ
ジョン放送方式(64QAM)の許容値より厳しく、その許容値では遅延時間 2μs 以上では満足しない
ことになる(図 1 参照)。これは 1.5μs 程度までは波形等化によって補償されているが、それ以上の
遅延時間に関してはケーブル伝送ではあまり考えられないので対象としていなかった。64QAM のデ
ータではあるが、波形等化能力の測定例を図 2 に示す。また、QAM 信号に対するケーブル反射の影
響に関して、学会報告「秋山他:“64QAM 信号の同軸伝送における妨害特性の一検討”、テレビ学技
報、vol.20,No.53.pp.25-30(Oct.1996)」に、平成 8 年 5 月 27 日電気通信技術審議会一部答申「有
線テレビジョン放送におけるデジタル放送方式の技術的条件」におけるロールオフ率 13%で影響を受
けるケーブル反射は 64QAM で約 25.5dB、256QAM で約 32dB とある。図 1 や図 2 の波形等化(EQ)
によって補償されない遅延時間での実験結果に類似である。
0
-5
UD比 (dB)
-10
-15
-20
訂正前 BER 1E-4
-25
64QAM有テレ法基準
-30
-35
-40
0.1
図1
1
反射遅延時間 (μs)
10
反射に対する 256QAM 信号の BER 特性の測定結果
(256QAM 信号の誤り訂正前の BER が 1×10-4 となる反射波との DU 比)
0
-5
UD比 (dB)
-10
EQ能 力
-15
-20
-25
-30
有 テ レ法 基 準
-35
-40
0.1
1
反射遅延時間 (μs)
図 2 64QAM 信号の実験結果
10
一方、有線テレビジョン放送法施行規則では、64QAM 信号や OFDM 信号におけるケーブル反射に
対する規定では、標準テレビジョン放送方式の場合の基準と同一としている。標準テレビジョン放送
方式のケーブル反射については、昭和 62 年 9 月 28 日の電気通信技術審議会答申諮問第 30 号「多チ
ャンネル化等に伴う有線テレビジョン放送施設に関する技術的条件」の報告書の 134 ページに記載さ
れているが、映像信号のゴーストによる画像評価などから決められている。
ケーブルテレビ施設でのケーブル反射などの測定結果のうち、ケーブル伝送での反射特性に関して
は、平成 5 年 6 月 21 日の電気通信技術審議会答申諮問第 54 号「高精細度テレビジョン放送に伴う有
線テレビジョン放送施設に関する技術的条件」の報告書の参考資料 18 の図 2(図 3 に転記)
、学会報
告「大野他:
“電通技審準拠 64QAM 信号伝送と現用伝送路性能測定結果 ケーブルテレビ協議会実験
報告-その 3”,テレビジョン学会技術報告,vol.20,No.35.pp.37-42(Jun.1996)」及び「沼野井
他:
“集合住宅の多い現用ケーブルテレビ局のデジタル放送導入のための伝送路性能の測定結果(東京
デジタルワークス報告:その 2)”,映像情報メディア学会冬季大会,5-2.pp.90(1997)」の図 2(図
4 に転記)にあるように遅延時間が長くなるとケーブル反射は減少する。
図 3 諮問第 54 号答申時の報告書内参考資料 18 の図 2
ケーブル反射振幅 (dB)
0
-10
-20
有線テレビジョン
放送法施行規則
-30
-40
A局での測定結果
-50
-60
0.1
1
ケーブル反射の遅延時間 (μs)
図 4 ケーブル反射測定結果の一例
10
以上の実験結果とケーブルテレビ施設の反射の特徴から、図 5 に示すケーブル反射を許容限界とす
ることを提案する。
256QAM では波形等化補償範囲を遅延時間 1.5μs までとし、遅延時間 1.5μs 以上ではケーブル反
射-35dB 以下とする。
1024QAM では波形等化補償範囲を遅延時間 3μs までとし、遅延時間 3μs 以上ではケーブル反射
-41dB 以下とする。QAM の信号間隔(シンボル間距離)を同じとすると、1024QAM の信号は
256QAM の 2 倍となるためケーブル反射による許容値は-6dB となり、-41dB 以下とした。
0
-5
UD比 (dB)
-10
-15
-20
-25
64QAM
-30
256QAM
-35
1024QAM
-40
-45
0.1
1
反射遅延時間 (μs)
図 5 ケーブル反射の許容限界
10
参考 15
インターリーブ方式に関する考察
現在 ITU-T J.83 Annex C 及び Annex A に採用されているエラー訂正方式は、(204,188)RS
(リードソロモン)で、204 バイトのブロックで 8 バイトのエラーまで訂正できる。これに深さ
I(I=インターリーブ長)で畳み込みインターリーブ処理をすることにより、伝送路上でのバー
ストエラーを受信側でデインターリーブする事で分散させて、そのバースト保護長(時間)を約
I 倍(Ix8+1 バイト)にする事ができる。このバースト保護時間は Annex や、変調方式(64/
256QAM)によらずに単純に伝送レートに反比例する。
表 1 に現状の Annex C のシンボルレートのまま、インターリーブ長 I と 64/256/1024QAM
にした場合のバースト保護長、遅延時間を示す。
表 1 インターリーブ長:I によるバースト保護長の変化
インターリーブ長
バースト保護長(μs)
遅延時間(μs)
64QAM
256QAM
1024QAM
64QAM
256QAM
1024QAM
12
24.5
18.4
14.7
47.3
35.5
28.4
17
34.6
26.0
20.8
48.5
36.4
29.1
34
69.0
51.8
41.4
50.1
37.5
30.0
204
412.8
309.6
247.7
51.3
38.5
30.8
現状の I=12 の場合、そのバースト保護長は 24.5μs であり、この時間長が最低限確保できれば
十分であるが、この値が、最近の伝送路では過剰要求の傾向がある。
Annex A の場合も、64QAM の規定で I=12 であるが、帯域が 8MHz のため、データレートは、
ほぼ Annex C の 256QAM に相当する(41.34Mbps)ので、18μs 程度のバースト保護長でも十
分であると言える。
参考までに、誤り訂正方式が異なる Annex B ではあるが、DOCSIC (Data Over Cable Service
Interface Specifications)ケーブルモデムが国内でも 256QAM を実施していて、そのバースト保
護長は、4.1~16μs で運用できていることも事実である。(I=8~32、表 2 参照)
これらのことから、256QAM でのインターリーブ長も I=12 で良いと思われる。
なお、1024QAM は、伝送路に要求される性能が厳しいことに加え、受信機の固定劣化も無視
できない値になることが予想される。この受信機で生じる誤りは、バースト誤り発生の可能性も
あり、実現性確認のための検討時には、インターリーブ長を I=12 以外の 17、34 あるいは 204
等の検討が必要と考える。
<参考>
・Annex B におけるインターリーブ長とバースト保護長/遅延時間の関係
表 2 に Annex B のインターリーブ長による、耐バーストエラー長と遅延時間を示す。
DOCSIS の仕様(注)の対象とする伝送路は、当時まだ多く残っていた全同軸の多段網で
も使えることを想定していたため、I=128 までを必須機能としている。
注:http://www.cablemodem.com/downloads/specs/CM-SP-RFI2.0-I11-060602.pdf
しかし最近の国内での実際の運用では、伝送路の品質向上により、バーストエラー保護時
間は 4μs(I=8)でも問題ない。また FTTH との速度競争の観点からは、遅延時間の短縮で
FTP 性能を上げる効果が期待できるため 256QAM でも、I=8、16、32 程度で行われている。
(バースト保護長は、4.1~16μs)
表 2 インターリーブ長 I による、バースト保護長(Annex B)
・インターリーブ長 I とバースト保護長の関係
インターリーブ長 I とバースト保護長の関係は、ほぼ比例関係にある。
Annex A/C での、64QAM のインターリーブ方式を図 1 に、送信側のインターリーブと
受信側のデインターリーブの概念構成図を図 2 に示す。
最もバースト誤りに対する耐性が強い(長い)インターリーブ I=204 のインターリーブ方
式を図 3 に、送信側のインターリーブと受信側のデインターリーブの概念構成図を図 4 に示
す。
204(12×17)バイト
12 バイト
1
同
1 2 3
期
2
3・・・・・・・・16
17
同
1 2 3
期
1
12×17×3 バイト遅延
12×17×2 バイト遅延
12×17×1 バイト遅延
同
期
同
1
期
図 1 64QAM のインターリーブ方式(I=12)
M×11
1
12
M×1
M×10
M×2
M×9
M×3
M×8
M×11
M=17 バイト (I×M=204 バイト)
総合メモリ容量:1122 バイト
[17(1+2+3+・・・+11) =17・11・12/2 ]
送 信 側
受 信 側
図 2 64QAM の送信側と受信側の概念構成図(I=12)
204(12×17)バイト
同
1 2 3
期
同
1 2 3
期
204×3 バイト遅延
204×2 バイト遅延
204×1 バイト遅延
同
期
同
1
期
図 3 I=204 のインターリーブ方式
203 バイト
1
204
1 バイト
202 バイト
2 バイト
201 バイト
3 バイト
200 バイト
203 バイト
総合メモリ容量:20706 バイト
[(1+2+3+・・・+203) =203・204/2 ]
送 信 側
受 信 側
図 4 インターリーブ I=204 の送信側と受信側の概念構成図
なお、インターリーブ深さ I の取り得る値は、誤り訂正符号が RS(204,188)の場合、TS
パケット長が 204 バイトであり、TS パケットの同期(0x47)が常にインターリーブの同一の
パスを通るという条件を満たす必要があり、I の値は 204 の約数(1,2,3,4,6,12,17,
34,51,68,102,204)に限られる。
・バースト状の誤りに関してのインターリーブ深さの効果
誤り訂正符号が RS(204,188)の場合、204 バイト中に 8 バイトの誤りがあれば訂正でき、
9 バイト誤りで訂正できなくなるので、インターリーブされて送信されたデータに、バースト
状の連続誤りが発生し、9 バイトの誤りとなる連続誤り長さを比較する。
I=12、M=17 の場合
12 バイト
204(12×17)バイト
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
1
同
123
期
0123
0123
0123
同
123
期
同
123
期
0123
0123
0123
同
123
期
連続誤り
同
123
期
0123
0123
0123
同
123
期
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
12 バイト単位で同一部分になるので、97(12×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能となる。
31.644Mbps の場合、24.5μs に相当する。
I=204、M=1 の場合;
204 バイト
同
123
期
202 203
同
123
期
202 203
同
123
期
同
123
期
202 203
同
123
期
202 203
同
123
期
202 203
同
123
期
連続誤り
同
123
期
1・・・・・・・・・・・・・9
202 203
同
123
期
I=204、M=1 の場合は、1633(204×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能となる。I=12、M
=17 の場合の 16.8 倍となる。
31.644Mbps で 412.8μs に、256QAM の 42.192Mbps でも 309.6μs に相当する。
以上から、64QAM(31.644Mbps)、256QAM(42.192Mbps)、1024QAM(52.74Mbps)につ
いて、バースト誤り耐性についてまとめると以下になる。
I=12 の場合:97(12×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能
64QAM で 24.5μs、256QAM で 18.4μs、1024QAM で 14.7μs
I=17 の場合:137(17×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能
64QAM で 34.6μs、256QAM で 26.6μs、1024QAM で 20.8μs
I=34 の場合:273(34×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能
64QAM で 69.0μs、256QAM で 51.8μs、1024QAM で 41.4μs
I=204 の場合:1633(204×8+1)バイトの連続誤りで訂正不能
64QAM で 412.8μs、256QAM で 309.6μs、1024QAM で 247.8μs
・インターリーブ長による処理時間と必要メモリ容量の関係
一方、インターリーブを長くするとその処理時間が長くなるとともに受信機で処理するため
のメモリ容量も増える。インターリーブ処理時間は、図 2 や図 4 に示すように送信側と受信側
のメモリ通過時間のみで考えると、
I=12 の場合で M=17×11=187 バイトの通過時間(64QAM
で 47.3μs、1024QAM で 28.4μs)、I=204 の場合でも M=1×203=203 バイトの通過時間
(64QAM で 51.3μs、1024QAM で 30.8μs)で大きな差にはならないが、処理に必要なメモ
リ容量は大きく変わるので以下に、I=12、17、34、204 の各メモリ容量を示す。
I=12 の場合:M=17 バイト×(1+2+・・・+11)=17×11×12/2=1122 バイト
I=17 の場合:M=12 バイト×(1+2+・・・+16)=12×16×18/2=1728 バイト
I=34 の場合:M=6 バイト×(1+2+・・・+33)=6×33×34/2=3366 バイト
I=204 の場合:M=1 バイト×(1+2+・・・+203)=1×203×204/2=20706 バイト
I=12 の場合を基準にすると、I=17、34、204 のそれぞれで約 1.5 倍、3 倍、18 倍であり、こ
れもほぼ I に比例している。
・光クリッピングに関する実験報告に対する考察
参考 12「256QAM 方式デジタル有線テレビジョン放送実験結果報告書」の光クリッピング
に対する 256QAM 信号の BER 特性の図 9-2 では、I=12 から I=204 にすることで、光変調度
の許容値が約 0.5 から約 0.65 に改善(C/N で約 2dB に相当)されていることが分かる。
しかしながら、このクリッピングに対する)I=204 にする効果が出てくる光変調度 0.5 辺りで
は、訂正前のエラー率が規定の 1.0×10-4 であり、全くマージンがないため、実運用ではこの光
変調度は 0.3 程度に調整されることが多い。
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