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QAM信号に対するケーブル反射について
参考 13 QAM 信号に対するケーブル反射について 平成 11 年 12 月 27 日の(社)日本 CATV 技術協会 規格・標準化委員会 WG4 対応 SG 複数 TS 方式有線テレビジョン放送実験作業班による「256QAM 方式 デジタル有線テレビジョン放送 実験結 果報告書(案)」によれば、反射に対する 256QAM 信号の BER 特性の許容値は既存の有テレ法 (64QAM)の許容値より厳しく、その許容値では遅延時間 2μs 以上では満足しないことになる(図 1 参照)。これは 1.5μs 程度までは波形等化によって補償されているが、それ以上の遅延時間に関し てはケーブル伝送ではあまり考えられないので対象としていなかった。64QAM のデータではあるが、 波形等化能力の測定例を図 2 に示す。また、QAM 信号に対するケーブル反射の影響に関して、学会 報告「秋山他: “64QAM 信号の同軸伝送における妨害特性の一検討”、テレビ学技報、vol.20,No.53. pp.25-30(Oct.1996)」に、電通技審規定のロールオフ率 13%で影響を受けるケーブル反射は 64QAM で約 25.5dB、256QAM で約 32dB とある。図 1 や図 2 の波形等化(EQ)によって補償されない遅延 時間での実験結果に類似である。 0 -5 UD比 (dB) -10 -15 -20 訂正前 BER 1E-4 -25 64QAM有テレ法基準 -30 -35 -40 0.1 図1 1 反射遅延時間 (μs) 10 反射に対する 256QAM 信号の BER 特性の測定結果 (256QAM 信号の誤り訂正前の BER が 1×10-4 となる反射波との DU 比) 0 -5 UD比 (dB) -10 EQ能 力 -15 -20 -25 -30 有 テ レ法 基 準 -35 -40 0.1 1 反射遅延時間 (μs) 図 2 64QAM 信号の実験結果 10 一方、有線テレビジョン放送法施行規則では、64QAM 信号や OFDM 信号におけるケーブル反射に 対する規定では、標準テレビジョン放送方式の場合の基準と同一としている。標準テレビジョン放送 方式のケーブル反射については、昭和 62 年 9 月 28 日の電気通信技術審議会答申諮問第 30 号「多チ ャンネル化等に伴う有線テレビジョン放送施設に関する技術的条件」の報告書の 134 頁に記載されて いるが、映像信号のゴーストによる画像評価などから決められている。 ケーブルテレビ施設でのケーブル反射などの測定結果に関しては、ケーブル伝送での反射特性に関 しては、平成 5 年 6 月 21 日の電気通信技術審議会答申諮問第 54 号「高精細度テレビジョン放送に伴 う有線テレビジョン放送施設に関する技術的条件」の報告書の参考資料 18 の図 2(図 3 に転記)、あ るいは学会報告「大野他: “電通技審準拠 64QAM 信号伝送と現用伝送路性能測定結果 ケーブルテレ ビ協議会実験報告-その 3”,テレビジョン学会技術報告,vol.20,No.35.pp.37-42(Jun.1996)」 あるいは「沼野井他: “集合住宅の多い現用ケーブルテレビ局のデジタル放送導入のための伝送路性能 の測定結果(東京デジタルワークス報告:その 2) ”,映像情報メディア学会冬季大会, 5-2.pp.90(1997)」 の図 2(図 4 に転記)にあるように遅延時間が長くなるとケーブル反射は減少する。 図 3 諮問第 54 号答申時の報告書内参考資料 18 の図 2 ケーブル反射振幅 (dB) 0 -10 -20 有線テレビジョン 放送法施行規則 -30 -40 A局での測定結果 -50 -60 0.1 1 ケーブル反射の遅延時間 (μs) 図 4 ケーブル反射測定結果の一例 10 以上の実験結果とケーブルテレビ施設の反射の特徴から、図 5 に示すケーブル反射を許容限界とす ることを提案する。 256QAM では波形等化補償範囲を遅延時間 1.5μs までとし、遅延時間 1.5μs 以上ではケーブル反 射-35dB 以下とする。 1024QAM では波形等化補償範囲を遅延時間 3μs までとし、遅延時間 3μs 以上ではケーブル反射 -41dB 以下とする。QAM の信号間隔(シンボル間距離)を同じとすると、1024QAM の信号は 256QAM の 2 倍となるためケーブル反射による許容値は-6dB となり、-41dB 以下とした。 0 -5 UD比 (dB) -10 -15 -20 -25 64QAM -30 256QAM -35 1024QAM -40 -45 0.1 1 反射遅延時間 (μs) 図 5 ケーブル反射の許容限界 10