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議事録 - 横浜市

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議事録 - 横浜市
第4回
ブルーカーボン検討委員会
(発言順)
議事要旨
平成 24年 12 月 17 日(月)14:00~16:30
横浜市開港記念会館
6 号室
【会議次第】
1.開会挨拶
14:00~14:10
横浜市温暖化対策統括本部
2.ブルーカーボン事業検討報告
環境未来都市推進理事
14:10~14:30
3.ブルーカーボン事業についてのディスカッション
4.連絡事項
14:30~16:40
16:40~
横浜市温暖化対策統括本部
5.閉会挨拶
信時正人
企画調整部
プロジェクト推進課
担当係長
本田
16:45~
株式会社横浜八景島
取締役社長
布留川氏
【出席者】*敬称略
<委員>大関、刑部、工藤、桑江、布留川
<アドバイザー>小田、近藤、佐々木、中津、秦田
<横浜市>信時、本田
<八千代エンジニヤリング株式会社>石井、岩澤、岩本、鈴木、中田
【配付資料】
・会議次第
・座席表
・会議資料(本編、資料編)
【傍聴者】
・傍聴者:7 名
【議事要旨】
1.開会挨拶
2.ブルーカーボン事業検討報告
(会議資料(本編)に基づいて八千代エンジニヤリングより説明)
3.ブルーカーボン事業についてのディスカッション
工藤:資料には目標年次として 2050 年まで示されているが、短期、中期、長期という区分ごとに施策
配置および目標設定を行うべきである。また、効果が出るまでの所要期間は、温暖化防止や水質
浄化、生物多様性など種類によって異なると考えられるため、その違いを考慮すべきである。
近藤:取組方針によって難易度および実現するまでの所要期間は異なると考えられ、方針 2 と方針 4
は短期、方針 3 は中期、方針 1 は長期ではないか。いつ、誰が実施するのかを明確にする必要
があるが、まずは横浜市が主体となり、ゆくゆくは市民を巻き込んでいくのがよいのではないか。
工藤:横浜モデルを発信するには、ゆるキャラ等のブルーカーボンの象徴を作ることも有効ではないか。
桑江:コベネフィット評価は世界の潮流である。コベネフィットを評価することのメリットとしては、
効果間にはトレードオフがあり温暖化防止だけを追い求めると他の生態系サービスが低下する
可能性があることから、コベネフィットを監視することで、生態系サービス全体でプラスになる
施策を選択することができる。一方、コベネフィットを評価することのデメリットとして、得ら
れる効果が複合的で切り離せないため、一部の生態系サービスにのみ関心がある主体からの資金
調達が困難になる恐れがある。なお、経済価値化については、二酸化炭素が最も先行し、文化的
サービスが最も遅れている。
方針 2~4 は既に取り組んでいるものもあり比較的容易であるが、方針 1 が最も重要かつ困難で
あり、かつ横浜モデルの核になる部分である。
近藤:現状では、IPCC では陸域生態系の議論に終始しており、海洋生態系に関する知見が少ない。し
かし、先日行われた COP18 では、パプアニューギニア等の途上国から、マングローブ等におけ
るブルーカーボンの意義について認識してほしいとの強い要望があった。これを受けて、気候変
動枠組条約の下の部会において、ブルーカーボンについての議論を 2013 年に行うこととなった。
また、ブルーカーボンを世界に発信するためには科学的知見が必要であり、学術的にフォローし
ていくことが重要である。
工藤:横浜をフィールドとした科学的な実践研究を行うことは、内湾や都市という条件での研究となる。
横浜市にブルーカーボンの研究拠点を置き国際的な人材や知見の交流をするというのがアカデ
ミックな点で重要である。
大関:国際的な交流を行うことで、アカデミックだけでなく、経済についてもメリットも生まれるだろ
う。また、国から「イノベーション」という言葉を含む補助事業があるため、それらを有効活用
することが望ましい。
各主体の役割分担については、市は「率先的な取組」より「先進的な取組」、大学・研究機関は
役割の明確化、市民はまず「海を楽しむ」があり次に「海を守る」、とするとよいのではないか。
工藤:福島県天栄村では、NEDOの補助事業をきっかけに、再生可能エネルギーに先進的に取り組み、
現在では再生可能エネルギーのテーマパークのようになっている。横浜市にブルーカーボンのテ
ーマパークのようなものを置き、他都市や海外とも連携するとよいのではないか。
信時:水俣市や海士町の方にブルーカーボンに取り組んでいることを説明したところ、非常に興味を持
ってくれたので、連携もありうるのではないか。また、陸電については、横浜港の最大顧客であ
る船会社が横浜港に温室効果ガス削減対策を求めており、陸電に対応した船舶も運航している。
その背景には、荷主がカーボンフットプリントに配慮するようになってきたことが挙げられる。
中国や韓国の港との競争に負けないように、港として温暖化対策に取り組んでいく必要がある。
小田:現状では、海岸の防災対策が進んでいない。企業から資金を得るためには、護岸の災害対策とブ
ルーカーボンを絡めて、CSRも含めて仕掛けを行うとよいのではないか。陸電については、日
本は電力価格が高く船会社はコスト増となるため、入港料を上げる等アメとムチをうまく使う必
要がある。海外では、NOxやSOxの排出量を規制することで、陸電の導入を促進している事例
もある。IMO(国際海事機関)では陸電の規格化の議論が進んでおり、陸電を導入することで、
横浜港のアピールになるのではないか。
信時:陸電によるコスト増は、電力会社との契約の仕方次第で抑えられると思う。
大関:シンポジウムでは、参加者は話を聞いて終わりではなく、自身のアピールできる場があるとよい。
また、第 2 回シンポジウムにも参加したいと思ってもらうための仕掛けが重要である。
近藤:シンポジウムでは、地方自治体がブルーカーボンに取り組んでいるということを発信することが
重要である。
佐々木:先日開催したワカメイベントの参加者が 700 人であったということだが、どのように周知し
たのか。
本田:プレスリリース等も行ったが、八景島のホームページに掲載したことが一番効果が大きかっただ
ろう。
佐々木:資料(資料編)に「参加したいイベントの種類」について市民アンケート結果が記載されてい
るが、ブルーカーボンに関わるイベントを周知する際は参加者のメリットを明確にするとよい。
また、横浜市には環境教育基本方針があることから、これと関連付けるとよい。事務局の役割も
非常に重要であり、フランス・マルセイユのオフィスデラメールという団体は、海の環境教育に
関する活動を統括している。この事例では、市民だけでなく観光客に対しても情報発信しており、
海の価値を高めることによる観光客の増加を狙っている。
布留川:今年のワカメ植付イベントは金沢小学校の授業の一環で実施することができた。今後、横浜市
内の小学校全体に広げられたいと考えている。
小田:学校教育として実施する場合、ワカメの収穫も含めてモニタリングまで一連の流れを体験し、最
後にブルーカーボンという観点で総括できるとよい。
工藤:資料(本編)に期待される効果が記載されているが、あまり風呂敷を広げすぎると論点が不明瞭
になってしまうので、表現や内容の精査する必要がある。ただし、横浜市だけでなく他都市や海
外とも連携する場合には、それらの海でのみ発現する効果もあるかもしれない。
八千代:期待される効果については、横浜市のみに限定せず記載しているものもあるため、今後精査し
たい。
中津:地域特性という言葉が先ほどから言われているが、横浜市と一口にいっても、インナーハーバー
と金沢では全く別の世界であり、金沢区で行うブルーカーボンの延長に横浜があったほうが分か
り易いと思う。地域の巻き込み方についても、アミューズメントや研究だけでなく、「生活」と
いう視点が重要であり、ブルーカーボンの目的は「人の幸せ」や「豊かで楽しい生活」であるべ
きではないか。誰が主役になるのか、誰のためにやるのか、いつの時点を目指すのか。それをバ
ックキャスト的にまとめて、交通整理をする必要がある。
工藤:方針 2~4 の交点が「人の幸せ」になるのではないか。
信時:コペンハーゲンでは、目的は温暖化防止ではなく、快適なまちづくりとしている。
小田:横浜の海の現状について記述がない。ここの海はこのような現状なので、このような取組をして、
将来このような海にしたい、という具体的にするべきである。
~~~休憩
10分間~~~
刑部:被災地で陸電を導入し、これまで 20,000 円/日かかっていた電気料金が 5,000 円/日で済んだ。
また、港湾施設で太陽光発電を行うことで、陸電に使用することもできる。ブルーカーボンでは
温室効果ガス削減量が少なく、クレジット売買で活動資金を得ることは難しいと思われるため、
陸電等のブルーリソースで得た資金をブルーカーボンの活動資金として活用するとよいのでは
ないか。
秦田:市民の幸せを目指すのは賛成である。そうであれば、今回のアンケート対象者は少ないため、目
指す姿や取組のアイデアについて、市民の意見をもっと広く吸い上げる必要がある。
ブルーリソースに期待される効果のうち、資源供給(エネルギー)についてはバイオマス由来に
よるものは困難と考える。韓国では、国内で海草からエネルギーを得るのは無理だとし、東南ア
ジアから海藻を輸入している。また、資源供給(水)という視点はおもしろい。2050 年には人
口が倍になり水が足りなくなると予想されることから、海水の有効利用は重要である。
外部資金の調達や、いろいろな人の意見を収集できる仕組みを作ることが望ましい。そのための
方法として、横浜市が知的財産権を取得することで、企業がアイデアを出しやすくすることも考
えられる。
刑部:横浜ブルーカーボンの中で完結できるような仕組み、すなわち補助金が無くても動く仕組みを目
指すべきである。日本では、補助金がなくなった途端に取組を継続できない事例が多い。
桑江:これまで世界、国、横浜市と広いスケールで考えていたが、金沢区のような小さいスケールで実
践することが重要であると感じた。方針 1 は、まずは社会実験として実際にローカルで動かして
みるとよい。国際的に取り組むには厳密性が求められるが、ローカルであれば縛りが少なく自由
に行うことができる。
佐々木:サンフランシスコの水族館では、市民と研究の連携に成功している。日本国内では、三重県志
摩市が里海づくりに取り組んでおり、このような地域と連携するとよいのではないか。
中津:金沢区では海に関する活動が盛んであり、連携することは可能である。
布留川:金沢区でまず取り組む場合、横浜市内の他区の企業も進出できるように配慮する必要がある。
5.連絡事項
(横浜市より説明)
6.閉会挨拶
・株式会社横浜八景島
取締役社長 布留川氏
(以上)
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