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『第10回アジア太平洋地域ITSフォーラム バンコク2009』報告 「第16回
◆『第10回アジア太平洋地域ITSフォーラム バンコク2009』報告 ◆『第6回 地域ITS推進団体連絡会』(in 高 知)について ◆「第16回ITS世界会議ストックホルム2009」 ◆『第8回ITSシンポジウム2009』について 最新情報 ◆『第4回日本ITS推進フォーラム』の概要に ◆『International Symposium on ITS ついて Research 2009』参加報告 ◆『2009年度 ITS Japanコミュニティプラザ』 報告 ◆『新IT戦略』への対応について ◆「DSRC等応用サービス普及促進委員会」 ◆取材対応 の活動状況 ※写真、図等の著作権はITS Japan及び寄稿者に存するので、利用されたい場合は必ず承諾をとるようにしてください。 ◆ 『第10回アジア太平洋地域ITSフォーラム バンコク2009』報告 バンコクで開催された「第10回アジア太平洋地域ITSフォーラム」は、会期を終了しました。 報告内容は下記の通りです。 《概要》 会議テーマ : “ Smart Move ” 会期 : 2009年7月8日(水)-10日(金) 会場 : Queen Sirikit National Convention Center 公式ウェブサイト : http://its-ap2009.in.th 住所 : 60 New Rachadapisek Road, Klongtoey, Bangkok 10110, Thailand Tel : (662) 229-3000 Fax: (662) 229-3001 主催 : タイ交通省、タイ科学技術省、タイ電気通信委員会、ITS Thailand 後援 : バンコク市、王立警察、タイ工業連盟(Federal of Thai Industries)、 タイ自動車工業会、タイ電気電子工業会 : Ministry of Transport General Chair : Ministry of Science and Technology & ITS Thailand Co-Chair 登録者数 : 124名 来場者数 : 約700名(日本35名) 参加国数 : 22ヵ国 出展数 : 22(13ヵ国) 論文数 セッション数 : 34 : Key Note Session:3、 Country Report:2 Executive Session:3、論文Session:10 他にThai Track、KIWIセミナー 治安問題や新型インフルエンザ問題等の不安もありましたが、特に大きなトラブルもなく、盛況のうち に無事終了しました。また、初日の歓迎レセプションには、アビシェット首相が来賓され、スピーチの中 でタイにとってITSの発展が非常に重要であり、また、国としてもITSの推進を強く推進する旨の発言が 力強く語られました。 会場正面 会場内(開会式場手前付近) 《開会式》 開会式では、初めに主催のITSタイのPresidentであるDr.Sorawit Narupitiから歓迎の意を表する挨 拶があり、続いてITS Japanの天野専務理事より、ITS AP(アジア太平洋地区のITS推進会議)事務 局長としての立場から歓迎の挨拶がありました。 開会式場 ITS タイ PesidentのDr.Sorawit Narupiti ITS AP事務局長 天野ITS Japan専務理事 AP理事会メンバーおよびVIPによるオープニング 《セッションプログラム》 Country Reportを含め、全18セッション、登壇者は71人になりました。 以下、セッション数を示します。( )は登壇者数。 ・Key Note Session 3(9) ・Executive Session 3(18) 7/8 :Telecommunication & Safety(6) 7/9 :Telematics(5)、Traffic Information(6) ・Country Report 2(10) ・Technical Session 10(34) 7/8 : Toll Parking System(4), Transport Planning and Modeling(2), Freeway ManagementⅠ(3)、Telamatics(4),Traffic Management and Control(5) 7/9 : Public Transport System(5),Freeway Management Ⅱ(4),Traffic Information(3) Sensor and Date Analysis(2),Pricing/User Charging(2) ・Thai Track 1 7/8 : Brainstorming for establishing Traffic Information Center Foundation <キーノートセッション> 初日(7/8)のキーノートスピーチには、各地域のITS推進団体の代表として、日本からITSJapan渡 邉会長、欧州からERTICOのVincent Blevaque氏、米国からは昨年のNY世界会議組織委員長であ ったMichael Noblett氏が登壇されました。また、来年の世界会議の開催国である韓国からITS韓国 会長のChulho Lieu氏が登壇されました。渡邉会長からは、“Advancement of ITS in Japan”と題し、 日本のITSの取り組みの考え方、官民の連携による取り組み、大規模実証実験による推進等につい て紹介がありました。 7/9のセッションには、韓国交通研究所のDr.Young-Jun Moon、ITSスウェーデンCEOのChrister Karlsson氏、宇宙航空研究開発機構、招聘主幹開発員の小暮聡氏が登壇されました。Dr.Moonか らは今後の韓国ITSの方向として環境、モバイル、ユビキタスをキーワードとしたGreen-Intelli Travel Society(G-ITS)のコンセプトと、来年釜山で開催される世界会議の概要について、Karlsson氏から は、今後の欧州ITSの方向として、実用段階、官民協調、標準化、インテグレートをキーワードに、 I2010、eSAFETY、EasyWayの取り組みについて紹介されました。小暮氏からは、2010年夏に1号機 が打ち上げ予定の準天頂衛星システムについて、準天頂衛星がアジア(バンコク、シドニー等の地 域)で利用可能であることと、従来のGPSに対し精度、受信時間(利用時間)での優位性およびIMES (屋内メッセージシステム)について説明されました。 7/10のセッションには、国立台湾大学のJason Chang教授と慶応義塾大学の川嶋弘尚教授が登壇 されました。Chang教授からはSMART TRAVELERの取り組みが紹介されました。川嶋教授から は、協調システム(特にSmartway)およびその標準化について報告されました。 ITS Japan 渡邉会長 慶應義塾大学 川嶋教授 <エクゼクティブセッション> 初日(7/8)のセッションは高知工科大学の熊谷教授がモデレータを担当され“Telecommunication & Safety”のセッションタイトルで、7人の方が登壇されました。日本から、警察庁交通局交通企画課 の畠山課長補佐と総務省総合通信基盤局電波部移動通信課推進係の上原総務技官が登壇され、 畠山課長補佐からは、DSSSについて、実証実験、今後の取り組み課題等を含め紹介されました。 上原技官からは、700MHzの車車間通信に関する実証実験による検討やユビキタス特区におけるプ ロジェクトや研究開発について紹介されました。 7/9のセッションでは、午前中は“Telematics”のセッションタイトルで5人の方が登壇されました。日 本からは日立製作所の小山敏氏より、ITSに関する無線通信の標準化の組織と5.8GHz、DSRC及び 700MHzの標準化動向について紹介されました。 午後のセッションでは“Traffic Information”のセッションタイトルで5人の方が登壇され日本から3名 の方が登壇されました。東京海洋大学の久保信明准教授からは、アジアの大都市での高層ビル等 の狭間に対する準天頂衛星(QZSS)を用いたGPSの優位性について報告されました。続いて今回バ ンコクAPフォーラムでの政府代表として参加いただいた警察庁交通局交通規制課交通管制技術室 の彦坂正人室長からは、VICSおよび交通情報の高度化としてのプローブの官民での取り組みにつ いて報告されました。高知工科大学の熊谷教授からは、Grass Root ITSと題し、高知での市電ステー ションや狭い道路での対向車情報提供等の安全システムでの地域環境を配慮した取り組みが紹介 されました。 警察庁交通局交通規制課交通管制技術室 彦坂室長 <カントリーレポート>および<論文セッション> カントリーレポートは、7/8と7/9の2日に分けて実施されました。7/8には、韓国、香港、オーストラリ ア、7/9には台湾、インドネシア、タイからの報告がありました。論文セッションは10のセッションタイト ルで34名の登壇により論議が行われました。 カントリーレポートは、韓国からは、韓国交通システム研究所長のKeung-Whan Young氏より、無 線系ITSサービスとして、DSRC・UTIS(大都市向け交通情報収集提供)・VMC(車々間通信)の現状 紹介があり、続いてCALMやWAVEなどのプラットフォームの開発状況について現状説明がありま した。香港からは、ITS香港のPresidentのSam Pang氏より交通インフラを一層効率的・便利にすると いう立場で、情報収集・提供システムや地域交通管理システム(ATC)及び交通管理監視システム (TCSS)を中心に現状紹介がありました。インド・オーストラリアは、タイ首相の訪問と重なったため短 時間での終了となりました。 インドネシアからは、交通省のDr.Elly Adriani Sinaga局長が登壇し、ジャカルタの交通問題として、 交通渋滞とそれに伴う移動スピードの低下、自動二輪車の増加と高い割合の事故率、効率の悪い 小型乗り合いバスが公共交通の人気移動手段、農村から都市への流入による爆発的な人口増加 に追いつかない交通事情などの問題点の列挙がありました。これら増大する交通量を制御する手段 として、ERPが最善と位置づけ、ERPを早急に導入すべく準備状況の説明が行われました。タイから は、運輸省運輸交通政策計画室副局長のChamroon Tangpaisalkit氏より、2重行政に関する官庁の 問題や標準化に対する認識不足、資金・知識・技術の不足などが指摘され、CMRT(道路交通管理 委員会)はITSに関連する多数の官庁を統括する存在としてOTP(Office of Transport and Traffic Policy and Planning:運輸交通政策計画室)に問題解決の役割を与えていることが報告されました。 なお、以下に、カントリーレポート等も含め、今回のフォーラムにおいて、特に、東南アジア各国(タ イ、インドネシア、香港)から報告されたITSに関する情報に焦点を当て、少し詳しく報告をいたしま す。 ○タイ タイ運輸省運輸交通政策計画室(OTP)のTangpaisalkit副局長から、施策のビジョン(便利・迅速・ 安全・公共交通への平等アクセス・他)、焦点、戦略立案、政府の体制(省内の7部署と13機関)、 OTPがITS戦略立案及びコーディネートの責任部署、さらに交通管理、旅行者情報、ETC、車両制 御、事象管理と緊急対応システム、について説明がありました。課題として、標準化に対する認識 不足、関係する官民の調整不足、予算不足、適切な知識と技術の不足、が述べられました。タイ のITS開発については、マスタープランの策定、ITS導入のセンター機関の設立、ITS導入に関する 責任分担、民間や教育機関での正しい知識と適切な技術の正しい開発、が必要であると述べられ ました。 Pichai 教授(Prince of Songkla大学)から、タイの交通事故分析について報告がありました。タイ では、2005年時点で、事故件数が155万件、事故死者数が14千人であり、過去20年間増加し続け てきました。人口10万人当たりの死者数を国際的に比較すると、スウェーデン4.9人、日本5.7人、 に対しタイは20.6人と約4倍となっています。また、オートバイの事故死者が7割以上です。事故の 原因は、人的ミスが圧倒的に多く、次にインフラ不備、車両不備となっています。オートバイのドラ イバーに関しては、飲酒運転、無免許、安全教育を受けていない等の状況が報告されました。タイ 国としては、道路安全マスタープラン(2009年~2013年)を策定し、2013年までに10万人当たりの 死者数を14.15人とする目標を掲げています。具体的な対策として、ドライバーの教育、オートバイ 専用車線、ヘルメット着用、事故発生時の救急体制、が必要との報告がありました。 Passakon部長(NECTEC:国立エレクトロニクス・コンピュータ研究所)からは、タイの通信事情と ITSについて報告がありました。タイのICT市場は、2009年(予想)には、5700億バーツ(1兆6000億 円)であり、内訳はコンピュータハードウェアが13%、ソフトウエアが12%、サービスが5%、通信が 70%です。また、2007年から2008年に8%の増加、2008年から2009年に5%の増加があります。イ ンターネットユーザーは、13百万人(人口の2割)、プロバイダーは約100人。ようやくBroadbandが Narrowbandに並んだ状態です。携帯電話は、GPSが主流で、3Gが新たに登場しているとのことで す。 バンコクの登録車両数は230万台(2005年、全人口約6200万人)。タイ運輸省が定義したITSの6分 野は、①旅行者情報、②交通管理・制御、③商用車、④公共輸送、⑤道路課金、⑥道路安全で す。アプリケーションとしては、交通情報システム、RFIDを使用したバス管理システム、ドライブレ コーダ、ETC等があります。 タイは国際標準化ISO/TC204 WG16(CALM)にも参加し、V2V, V2Iも研究していまして、国際標 準化活動としては、交通情報システム分野(FM多重、プロトコル、位置特定、コーディング)、ITS 用電波の割当て(National Telecommunication Commissionに提案)等が焦点となっています。 ○インドネシア インドネシア運輸省都市輸送システム開発部のSinaga部長からは、ジャカルタの交通状況につ いて、人口9百万人、9百万台の車両、1日に1500台の新たなオートバイと500台の乗用車登録、と の説明があり、特にジャカルタの交通問題については、渋滞と大気汚染、渋滞は平均時速17km、 7割がオートバイ、大量の小型タクシ、通勤システムの不備等。オートバイに関しては、安価でdoor to doorの便利さ、から普及しているが、家族4人がヘルメットなしで1台のオートバイに乗っている写 真も写され、安全の問題が指摘されました。交通問題に対しては、総合的な施策の必要性が問わ れているが、渋滞解消の施策として、High Occupancy Vehicle(3名乗車)、混雑課金、駐車課金、 車両税他を検討した結果、混雑課金の施策を推薦し、混雑課金の検討状況について詳しい説明 がありました。 ○香港 ITS香港の社長Mr. Sam Pangから、香港のITSについて説明があり。面積1100平方km、人口7百 万、登録車両数58万台、毎日1千万人の公共交通利用、約百万人が自家用乗用車を利用してい ます。香港のITSは、以下の4つの分野で構成されています。①中央集約型の交通情報システム は、収集した交通情報をインターネットや事業者へ提供している。②交通管理は、交通状況の監 視と信号制御を行っている。③事象管理は、監視カメラ他による事象検出と交通状況と緊急対応 の一斉放送を行う。④旅行時間提供と案内は、主要目的への旅行時間推定と可変表示板による 提供を行う。 <KIWIセミナー> 今回のAPフォーラムでは、以上の各セッションでの報告のほかに、Commercial Session Sponsorと いう形で参加いただいたカーナビ用地図の標準フォーマットの普及促進団体であるKIWI-Wコンソー シアムのセミナーが7/9(17:00~19:30)に開催されました。セッションタイトルは、“Seminar on Standardization of Digital Map Data Format and the Mission of KIWI”で、タイの関係者中心の約30 名の参加者に対しタイ語での通訳を介し分かりやすく説明が行われました。KIWIはカーナビの物理 格納フォーマットの日本標準でありJISとして制定されており、セミナーでは、事務局の安藤弘幸氏 が司会を務め、講師としてISO/TC203/WG3議長である柴田潤氏、KIWIの理論設計者である角本繁 氏から説明が行われました。タイではGIS、交通情報システム、テレマテティックスが進展しており、 デジタル地図の標準化が重要な時期となっており、非常にタイミングの良い企画になりました。 ≪閉会式≫ 最終日の7/10に、Key Note Sessionに引き続き行われた閉会プログラムでは、最初に、ITSタイの PresidentのDr.Sorowit Norupit、今年のストックホルム世界会議について地域マネージャーの Tomas Blom氏、韓国交通研究所のDr. Young-Jun Moonより韓国でのITSの取り組み状況と来年の 釜山世界会議概要紹介があり、続いて次回2011年のAPフォーラムが開催される台湾より、ITS台湾 事務局長のDr.Wenjing Huangより計画概要が紹介されました。最後にフォーラム閉会と次回開催 国の台湾(高雄市)へのバトンタッチが行われ3日間のバンコクAPフォーラムを終了しました。 ITS台湾事務局長Dr.Huang ITS台湾会長 Dr.John Chaien-Chung Li ITSタイVice President Passakon氏 ITSタイPresident Dr.Sorawit 《テクニカルツアー》 約50名の参加にて、Traffic Police Command CenterとMass Rapid Transit(地下鉄管制センター)を 見学しました。 1) Traffic Police Command Center: 1948年に創設され、ラジオや電話での情報提供も運営しています。ツアーでは、Vipavadi Rangsit Roadにある交通管制センターを訪問しました。この中に交通モニターセンターと電話セン ターが併設されています。 2) Mass Rapid Transit(地下鉄管制センター): 2004年に開設されたバンコクでは、初めての自動運転による地下鉄です。全長約1kmもある整 備場の見学も合わせて行われました。 Traffic Police Command Center Mass Rapid Transit(地下鉄管制センター) 《スポンサー》 以下の企業、団体がスポンサーとして参画し、各イベントを盛り上げました。KIWI-Wコンソーシア ムは、コマーシャルセッションスポンサーという位置づけで参画いただきました。 ITS AP 2009 CONFERENCE PROGRAMより 《付随イベント》 <ITS AP理事会議> バンコクAPフォーラムの前日、7/7(火)の午後(13:00-15:30)にシェラトンホテル内会議室で開催 されました(理事会+総会)。 出席者: BODメンバー8名(全11名)、オブザーバー14名、事務局3名他 計24名出席。 主な議事: ・バンコクAPF開催関連 ・2009年ストックホルム世界会議および2010年釜山世界会議の紹介 ・2012年APF開催地決定プロセス ・ITS AP覚書の改定 ・次回APF開催予定の台湾への議長移管 他 全般的には特に問題なく終了しました。議題「ITS AP覚書の改定」では、ITS JapanからAPのあり 方の論議、MOUの改定(1年延期)について提案し、オーストラリア、台湾、韓国等から意見は出まし たが、ほぼ好意的に了解されました。また、次回APF開催国台湾のJason Chang教授に議長が移管 され、総会では天野専務理事のITS AP事務局長就任が承認されました。 なお、理事会前の昼食会と総会終了後において、渡邉会長から、合流されBODメンバーへの紹 介と挨拶がありました。 AP BOD理事会風景 AP BOD理事会出席者 《Exhibition》 13ヶ国から22の企業・団体が出展しました。日本からは、三菱重工、住友電工、トヨタ、豊田通商、 Forum8(現地企業2+ソフトとの共同展示)ITS Japanの5団体が参加したほか、Forum8社が現地提 携企業を通じて出展しました。昨年のシンガポール大会は、主催者側の発表では、17カ国から38団 体の展示がありましたが、無展示のブースがかなり目立ちましたが、バンコクではそのようなブース はなく、過去に経験のないといわれるほどの景気後退という不利な条件の中での展示としては、そ れなりに高い評価を与えられる物でした。 <ショーケース> ITS Japanブースのすぐ後ろに設定されたショーケース会場で、1日3回交通システムデモンストレー ション(タイの交通情報収集・配信予定のショー)が行われました。 ITS Japanブースでは14枚のパネルと2台のディスプレイを使い、 ① ITS in Japan (ITS-Safety 2010とLong Term Vision 2030”の紹介) ② ITS サービスの紹介(準天頂衛星システムと関連サービス) ③ ITS in Asia-Pacific (アジア各国のITSの取り組みを紹介) の3テーマで来場者に訴求しました。 期間を通じて多くの見学者が訪れました。来年打ち上げが予定されている準天頂衛星関連情報に ついては、大いに注目を集めました。 また、今回は、タイやオーストラリアから取引パートナーを探すための助言(ITS製品の日本市場へ の販売ルート)について、数社から依頼や紹介がありました。 ITS Japanブース風景 タイ産業大臣(中央)のITS Japanブース訪問 Abhisit首相(左から4人目)が展示会場を来訪、ITS タイブー スで記念撮影 <他の日本企業の展示> バンコク大会では、バンコクを東南アジアの生産拠点としているトヨタ自動車が支援を打ち出し、展 示も昨年のシンガポール大会に比べ大掛かりなものとなりました。三菱重工はETCのパネル掲示や ナビ関連車載器を出展していました。住友電工は、信号制御機、車両感知器など交通管制用機器を 展示し、日本の信号制御技術をアピールしました。この他、豊田通商やForum8(現地提携企業であ る2+ソフト社名で共同展示)が出展をしていました。 トヨタ自動車 三菱重工 住友電工 2+ソフト(Forum8) 《第10回ITS AP フォーラム のまとめ》 ・ 開会式には、首相やタイ政府関係者が出席し、全国紙にも取上げられたことでタイにとって今後の ITS普及への足掛かりとなるフォーラムとなりました。また、治安問題、新型インフルエンザおよび グローバルな経済状況の悪化の中、参加者や参加国数は過去のAP Forumに劣ることなく、会議 は成功したと言えます。 ・ タイの交通事情は、ここ10年で空港と市内の高速道路建設、スカイトレインや地下鉄の公共交通 機関等の整備により、従来より渋滞は緩和されていますが、いまでも市内の渋滞は激しく、今後関 係省庁や民間との連携による、ITSの開発や導入が期待されています。 ・ 今回のフォーラムでは、アジア諸国・地域のITSの開発・導入の発表の内容に関して、従来より課 題などを掘り下げていること、また、二輪車の混合交通、安全、標準化、教育やITS関係者の次世 代育成、などについて共有の課題が議論されています。 ・ ITS APフォーラムは今後とも、AP地域として、環境対応などの地球的な課題とアジア特有の課題 の両面を議論する場として益々その重要性を増し、ITS Japanとしても積極的に議論に参加していく 必要があると考えています。 (担当:国際グループ) ◆ 「第16回ITS世界会議ストックホルム2009」最新情報 会議テーマ : “ITS in Daily Life” 会期 : 2009年9月21日(月)~25日(金) 会場 : Stockholmsmässan (Stockholm International Fairs) 所在地 : SE-125 80 Stockholm, Sweden 公式ウェブサイト:http://www.itsworldcongress.com/ 欧州では北欧で初めて開催される「ストックホルムITS世界会議2009」に向けた準備が進められてい ます。日本としてもこの世界会議を有効に活用することを考えて、準備活動を推進していきたいと考え ています。今後、世界会議をより有益なものにしていくため、ご意見、ご要望をいただければと考えてい ます。 特徴: ・ 会議登録目標数:5000人。 ・ スウェーデンITS会議と同時開催。 ・ 世界会議として初めて車・道路・航空・海運などの多彩な輸送モードを取り上げます。 ・ 展示会場外でのデモに加え、ストックホルム近郊のテストコースや研究所、交通管制センターや 物流センターを視察するテクニカルビジット、市外や近隣国の海運や港湾施設を視察するテクニ カルツアーなど多種多様なメニューが企画されています。 公式イベント: 1. 開会式:21日(月)14:30~15:30(レセプション13:30~14:30) 3極代表および主催国からのウェルカムスピーチ: 主催国:スウェーデン産業エネルギー情報通信省通信担当大臣アサ・トルステンソン 欧州 :ERTICOギュンター・ジマーメイヤー会長 AP :ITS Japan渡邉浩之会長 米国 :ITS America Michael Huerta会長 同時期にストックホルムでEUの「運輸大臣非公式会合」が開催されるのに伴い、欧州運輸大臣 (約30人)が招待されます。 2. Ministry/Industry Round Table:21日(月)15:30~17:00 テーマ: ”Economic Growth with sustainable climate response” 「気候変動への持続的な対応をともなった経済的成長」 Speakers: 欧州: スウェーデン 産業エネルギー情報通信省通信担当大臣アサ・トルステンソン 欧州委員会: 副委員長/運輸担当委員アントニオ・タヤーニ AP: 警察庁 片桐 裕 次長 米国: ミシガン州知事Jennifer M. Granholm Round Table Speakers: 欧州: Ericsson, CEO, Carl Henrik Svanberg AP: トヨタ自動車株式会社 渡邉浩之技監 米国: Credit Suisse, Head of Global Infrastructure Investment Banking, Markus Pressdee 3. Industry/Ministry Round Table:22日(火)09:00~10:30(予定) テーマ: ”Future Transport – a multimodal challenge. ITS solutions ensuring environmental friendly transport” 司会: スウェーデン道路庁長官Ingemar Skogö Speakers: 欧州: スウェーデンVolvo社CEO Leif Johanson 英国Logica社CEO Andy Green AP: 韓国高速道路会社社長Lieu, Chull Ho 米国: Telvent Ferradyne社 President, Lawrence Yermack Round Table Speakers: 欧州: スウェーデン貿易産業省副大臣Leif Zetterberg AP: 中国 ITS China会長 Zhongze Wu 米国: Metropolitan Transportation Commission事務局長Steve Heminger 4. 展示会場開場リボンカッティングセレモニー:22日(火)10:40~11:05 Industry/Ministry Round Tableの後に行われます。 日本からはITS Japan渡邉浩之会長、警察庁 片桐 裕次長が参列予定です。 5. 閉会式:25日(金) 13:30~15:00 Prize, Passing the Globe、来年以降の世界会議のPRなどが行われます。 セッションプログラム: 1. Executive Sessions: ・ 全14セッション 官・民・学の有識者がITSの効果・問題・課題などを取り上げ、政策や戦略を議論します。 日本から登壇される方々は下記の通りです(09年7月21日現在)。 •ES01: “ITS for Energy Efficiency and Climate Change mitigation” 辻本 圭助 経済産業省製造産業局 企画官ITS推進室長 津川 定之 名城大学 教授 •ES03: “Removing barriers to ITS deployment” 天野 肇 ITS Japan専務理事 •ES05: “Towards a common approach to Cooperative Systems” 島 雅之 国土交通省自動車交通局 技術安全部国際業務室長 •ES06: “GNSS-based applications and services for mobility” 中島 務 財団法人 衛星測位利用推進センター 専務理事 •ES07: “Application development for Cooperative Systems : the “hold card” for Safety and Environment” 井上 剛志 警察庁 長官官房 参事官 森川 高行 名古屋大学 教授 (モデレータ) •ES08: “Policy, Strategy and Standards for future ITS Communications” 坂中 靖志 総務省総合通信基盤局電波部新世代移動通信システム推進室長 •ES10: “Driver Distraction” 須田 義大 東京大学 教授 •ES13: “Capitalization on Field Operation Tests – the next steps” 竹村 晃一 内閣官房 IT担当室 参事官 (調整中) 天野 肇 ITS Japan専務理事 (モデレータ) •ES14: “Services deployment challenges for cooperative mobility” 大庭 孝之 国土交通省道路局 道路交通管理課ITS推進室長 2. Special Sessions: ・ 全73セッション 各地域の専門家が研究・実用段階のITSに関する個別のテーマについて深く掘り下げ、最 新の技術や施策を議論します。 日本のオーガナイザーは下記のセッションを企画しています: (警察庁): “Approach to Practical Use of Vehicle-Infrastructure Cooperation Systems” (総務省): “Development of Communications Technologies for Vehicle Safety” (経済産業省): “Energy ITS” (国土交通省道路局): “International Challenges of Vehicle-Infrastructure Cooperative Systems” (日産自動車): “Vehicle to Infrastructure and Vehicle to Vehicle application with focus on rural roads” (ITS Japan): “Implementation of Safe and Sustainable Urban Transportation Systems” (ITS Japan): “Innovative Technologies and Institution for Efficient Logistic Operation” (ITS Japan): “Regional ITS Progress in Asia Pacific Region” 他にも日本のITS関係者が多数登壇します。 3. Technical Sessions / Forum Sessions / Interactive Sessions : Technical/Scientific Sessions 118セッション 650件 Interactive Sessions リジェクト 36セッション 340件 249件 取り下げ 34件 投稿総数 1273件 展示会:レイアウト (7月15日現在) 全体で170団体が出展します。 日本からの出展数:16団体9ブース 日本館ブース(ITS Japan、HIDO、VICS、NEXCO、道路局、ORSE、UTMS)としての展示を企 画中。 Demonstrations:(参加無料 現地で参加登録 会議登録者優先) #1: 体験パーク ”リトル・スウェーデン”(屋外会場) #2: 持続可能な鉄道輸送デモ(屋外会場) #3: 交通管制(鉄道・道路・海・民間航空管制のジョイントデモ) (展示会場) #4: 路車・車車通信デモ(欧州プロジェクトSAFESPOT, CVIS and COOPERS) (屋外会場) デモンストレーション・シアター(展示会場:約30分) Technical Visit:(別料金:€ 25) #1: ”Kista” サイエンス都市視察 (Kista:ストックホルム北西にあるICTクラスター) #2: ストックホルム公共交通安全管理センターと視力障害者向け歩行者ナビ(e-Adept)デモ #3: Safe and Secure(Citybananシテュバナン線建設現場視察) #4: Trafik Stockholm交通管制センター #5: 公共交通情報 #6: インテリジェントパーク&ライド #7: サウスリンクトンネルナイトビジット(道路維持管理) #8: Scaniaデモセンター(トラック-Scaniaと鉄道-Bombardier) #9: ”VECTUS” パーソナルラピッドトランジット #10: ITS物流管理視察 #11: 高速鉄道“Gröna Tåget”デモ乗車 Congress Tour:(別料金) <Pre-Congress Tour> #1: ”VTI”視察(交通研究機関:Driving Simulator etc) #2: Mariehamnクルーズ <Post-Congress Tour> #1: オスロITS視察 #2: ヘルシンキITS視察 #3: マルメ・コペンハーゲンITS視察 Post#3:オレスンド橋 GALA Dinner : (別料金) 23日:市庁舎(1200人収容) Hotels : 公式ウェブサイトでホテルの予約ができます。 Official Carrier : 期間中有効のストックホルム広域の公共交通パスが配布されます。Official Airline : Star Allianceメンバーのエアラインで予約時にコード“SK13S09“を伝えると割引になります。 Registration Fees : 登録分類: スタンダード料金 会議登録( 4日) € 1400.00 スピーカ・モデレータ登録(4日) € 1062.50 展示会のみの入場 事前オンライン登録の場合無料 今後の主な予定(変更の可能性があります): ・09年11月10日 世界会議報告会(予定) セッションの概要を日本語でまとめたセッション概要集を販売中。 詳しくは、ITS Japan ホームページをご覧ください。 URL: http://www.its-jp.org/ 価格: 会員 2,100円 非会員 5,250円 (担当:国際グループ) ◆ 『International Symposium on ITS Research 2009』参加報告 東京大学先端モビリティ研究センター(ITSセンター)およびタイChulalongkorn大学工学部主催の国際 シンポジウムに参加しましたので下記に報告をいたします。 1.概要 「International Symposium on ITS Research2009」が7月11日(土)にバンコク市内のChulalongkorn大 学で開催されました。ITS研究者の連携活動を通じて情報交換を深め、研究の国際ネットワークを広 げることを目的とし、今回はSeoul、Beijing、Singaporeに続いて4回目のシンポジウムとなります。東京 大学と、Chulalongkorn大学およびNECTEC(National Electronics Computer Technology Center:タイ 国立電子コンピュータ技術センタ)関係者及び学生を中心に約50名が参加しました。 プログラムは、Traffic Management, Vehicle Control, Image Processing and Communication, ITS Implementationの4つのセッションで構成されました。日本、タイ、オーストラリアから12名の研究者の 発表があり、聴講者との活発な質疑が展開されました。 2.プログラム Session 1: Traffic Management 1-1. 桑原雅夫 (東京大学) Vision and Mission of Advanced Mobility Research Center 東京大学ITSセンターの構想と使命 1-2. Edward Chung (オーストラリアQueensland University of Technology) Arterial travel time estimation 幹線道路の旅行時間評価 1-3. Sorawit Narupiti (タイChulalongkorn大学) Pilot project on traffic data collection and processing on Expressway 高速道路の交通データ収集処理のための実験的プロジェクト Session 2: Vehicle Control 2-1. 須田義大 (東京大学) Sustainable Transport and Vehicle Technology 持続可能な交通と自動車技術 2-2. Nuksit Noomwongs (タイChulalongkorn大学) New approach to evaluate vehicle handling by using driving simulator with scaled vehicle ドライビングシミュレータを使った自動車操作評価のためのアプローチ 2-3. 鈴木高宏 (東京大学) Constructing Realistic Traffic Simulation with Human Driver Mode and its Applications ヒューマンドライバーモード交通シミュレーションの構築とその活用 Session 3: Image Processing and Communication 3-1. 池内克史 (東京大学) Four-dimensional virtual cities for ITS 4次元のITSバーチャル都市空間 3-2. Chaodit Aswakul (タイChulalongkorn大学) Computationally time-saving approach to signal timing optimization based on Cell Transmission Model セル伝達モデルを用いた交通信号最適化のためのコンピュータを用いた試み 3-3. Supakorn Siddhichai (タイ NECTEC,) Development of traffic video processing systems by NECTEC NECTECの交通ビデオ処理システムの開発 Session 4: ITS Implementation 4-1. 熊谷靖彦 (高知工科大学) Lessons Learned from ITS development in Japan 日本のITS開発から学んだこと 4-2. Passakorn Prathombutr (タイ NECTEC) Traffic Information Services (TIS) development in Bangkok バンコクにおける交通情報サービスの開発 4-3. Somsak Panyakeow (タイChulalongkorn大学) Development of Photonic Devices & Solar Cells and Their Potential ITS Applications 光素子と太陽電池の開発とITSアプリケーションへの可能性 3.成果 昨年のシンガポールNanyang Technologies Universityで開かれた前回シンポではアメリカとヨーロッ パからも登壇がありましたが、今回は主に日本とタイによるワークショップとなりました。しかし、従来 から交流のありましたSorawit Narupiti 先生やNECTECのPassakorn Prathombutr 氏以外のタイの研 究者ともネットワークを広げることができ、今後のITSジャーナルの海外展開にとって意義ある機会と なりました。 (担当:国際グループ) ◆ 『新IT戦略』への対応について 7月6日にIT戦略本部において、新IT戦略が承認されましたのでその内容を 下記に報告いたします。 (資料:IT戦略本部) ITS関係の記述 Ⅱ. 産業・地域の活性化及び新産業の育成 (将来ビジョン及び目標) 1. 産業の革新・活性化 (4) デジタル技術を活用した社会の省エネとデジタル機器の省エネを両輪とするグリーン IT による低炭素化や、高度道路交通システム(ITS)等による交通事故減少、渋滞解 消、決済・案内による移動のスムーズ化及び物流効率化、CO2 削減等を実現し、社会 システムの効率化、関連産業の活性化を図る。 (方策) 3. グリーンIT・高度道路交通システム(ITS)の推進 (3) 事故の未然防止や最適経路案内、公共交通へのデジタル技術の活用等による効率的 な交通システムの構築や決済・案内、物流効率化等に資するITS サービスの国内外で の普及に向け、次世代の車載機や車両及びシステムの開発並びに設備等の整備とと もに、国際標準化を加速する。 ITS-Japanとしての今後の予定 1. IT新改革戦略での10年度マイルストーン(実用化と車載機の普及)達成 ・J-Safety 委員会活動(実用化ロードマップ分科会の新設(予定))を通して、貢献をしていく 新戦略とIT新改革戦略(2006年1月)との関係 新戦略は、「IT新改革戦略(旧戦略)」の成果を引継ぎつつ、これを重点化するとともに、内外 の経済情勢の著しい変化を踏まえ、2015年までを展望して、旧戦略をさらに進化、発展させる新 たな戦略である。ただし、2010年度までの間は、旧戦略についても、新戦略との関係も踏まえつ つフォローアップを行う。 2. IT新戦略本部発行の重点計画2009(仮称)に具体的内容を盛り込む活動 ・ ITS Japan からのパブコメ内容 ・ 経団連殿の提言書内容(ITSに関わる部分) ⇒ 内閣官房を通して、民間の意向が反映するよう、活動をしていく。 (担当:企画グループ 立松) ◆ 「DSRC等応用サービス普及促進委員会」の活動状況 「DSRC等応用サービス普及促進委員会」は7月21日にWGの活動状況報告審議を行いました。報告 の内容は下記のとおりです。 尚、委員長が、天野委員長(トヨタ)から佐藤委員長(トヨタ)に交代しました。 1.ロードマップWGの活動状況 国土交通省の「スマートウェイサービス」の早期実用化に向けて、国土交通省と高速道路会社を対 象に行ってきた一連の提言活動を6月で終了しました。この提言活動によって、国土交通省から、ス マートウェイサービスを国家プロジェクトとして位置づけるとともに、高速道路会社各社からは、路側 インフラの整備を前向きに検討していただけることになりました。 今後は、DSRC車載器の普及促進方策を中心に検討を進めております。 (1) ITS車載器の普及台数予測 ・ 車載器の普及促進に向けて、これまでのWGでの検討成果をもとに、車載器の普及台数 予測の方法等について審議を行いました。 ・ 予測の考え方、前提条件、普及シナリオ等に基づき、上位・中位・下位の3つのケースに ついて概括的な予測値を提案しました。現在のところ、概ね5年累計1,000万台レベルの普 及を見積もっています。 (2) 普及方策の検討 ・ スマートウェイサービスウェイの普及に関して、路側インフラの整備を前提に、車載器の普 及方策のアイディアについて審議を行いました。 ・ 自動車、電機、通信等、スマートウェイサービスウェイに関係の深い会員企業からなる事 業者団体としての立場を活かし、効果的な普及方策の企画・実行により、車載器の早期普 及を目指します。 2.普及促進WGの活動状況 ETCの多目的利用サービスの普及促進に向けて、以下の活動を進めています。 (1) 設備設置費用の低廉化のための機器インターフェースの標準化検討 ・ サービス事業者のシステム整備の負担軽減策として、路側機インターフェースの標準化の 検討を、電子情報技術産業協会(JEITA)と連携して進めています。 ・ 12月を目標にITS Japan、JEITA共同で現状課題を整理し、標準化の可能性を検討してい きます。 (2) 新規事業者・一般ユーザーへのPR活動 ・ 2008年度の活動成果である新規事業者向け冊子、一般利用者向けパンフレットを利用し た広報活動を展開し、ETC多目的利用サービスの普及促進を図っていきます。 ・ 今後は、新規のサービス事業者の開拓に向けて広報企画を検討するなど、活動計画を具 体化していきます。 (担当:実用化/連携促進プロジェクト 鈴木) ◆ 『第6回 地域ITS推進団体連絡会』(in 高知)について 第6回目を迎える「地域ITS推進団体連絡会」を本年は高知で開催すべく準備中です。その企画概要 について下記に報告いたします。 テーマ: 『ITSを地域に根ざしたもの、地域に浸透したものとするには、 何が必要か? どういう配慮が必要か?』 〔 ※ 小人数のWGに分かれて、フリーディスカッションを主体とした運営としたい〕 ①場所:高知市〔 高知草の根ITS:現地視察を含む 〕 ②会議日程:2009年10月22日【木】~ 10月23日【金】 (2日間) 1) 第1日目:2009年10月22日【木】 13:00 ~ ・地域ITS現地視察〔高知草の根ITSの実施実例見学〕 ・現地視察意見交換会 & 情報交換会(懇親会を含む) 2) 第2日目:2009年10月23日【金】 8:30 ~ 12:30 ・地域ITS推進団体連絡会(本会) ・基調講演/地域ITSを考えるヒント/全員参加による討議 など ③内容企画(素案) 1) 基調講演:高知県地域ITS推進協議会会長〔高知県土木部道路課長(仮)〕 ・『ITSに期待すること。ITSで出来ること。(仮題)』 2) 地域ITSの活性化ソリューション(考えるヒント!!) ・高知地区における“草の根ITS”への取組み ・eⅤ、pHVなどの電気自動車の普及を見据えて、充電スタンド・電池交換ステーションなどのイ ンフラ整備計画の動向共有 ・公共交通の利便性向上(一例として、バスの運行情報案内、バスの通過情報案内などの実施 事例の紹介(情報共有) 等) ※ 今後のECO社会、環境負荷軽減、脱炭素社会に向けて、ITS技術を利活用した新しい“まちづく り”の可能性を考えたい。 (主催・事務局)ITS Japan (後援) 高知県、高知県ITS推進協議会 ● 上記連絡会は、関係者のみのクローズドな会議としての開催を予定している (担当:普及促進グループ 小林) ◆ 『第8回ITSシンポジウム2009』について 1. 準備状況 第8回ITSシンポジウム2009は、「社会に溶け込むITSへ」をテーマに、2009年12月10日(木)、11日 (金)に広島市立大学 講堂で開催します。今年のシンポジウムは、特別講演やパネルディスカッシ ョン形式で参加者と広く議論する「企画セッション」(4)と一般論文は全て対話型で行う「対話型セッ ション(ポスターセッション)」(2)でプログラムを構成します。 企画セッションは、地域、市場創出・新産業創出、交通心理・教育、環境にまつわる4つのサブテー マを取り上げます。セッションの趣旨、登壇者の決定(一部決定済み)に向けて作業を進めており、 10月上旬発表予定のAdvanced Programに詳細を掲載します。対話型セッションは、ポスターの前で 自由に討議の後、後半はモデレータにより運営されるオープンな質疑応答時間を設け、さらに議論 を深めます。昨年採用したこの方式は、聴衆が論点を共有でき、論議も盛り上がり、多くの知見が得 られたと発表者・参加者とも好評でした。 一般論文については、「査読あり」論文を7月10日(金)に締め切り、35編の投稿があり、現在査読 作業の準備に入っています。8月28日(金)締め切りの「査読なし」論文と合わせ、テーマごとに分類 し2つのポスター会場で2日間にわたり発表する予定です。 尚、今回のシンポジウムは、地元の取組を広く紹介するため、ITS車両(ITS Safety公道実証実験 で使われた車)の試乗会(12/9)やデジタルサイネージのデモ、11月に広島で開催される「第76回 IETF会議」(*1)で使われた先進的ICT実証実験の体験も予定しています。 (*1) Internet Engineering Task Force の略。インターネット関連では世界最大級の国際会議で、インターネットに関す る技術標準について議論し、その策定を行う。日本では、2002年の横浜会議に続いて2回目の開催、1,300人 参加予定。実証実験は総務省の「ユビキタス特区」事業としてICカードを活用した会議運営支援、観光スポット への経路情報提供などを広島の先進的なICT施策をアピール。 2. プログラム予定(7/21現在) <12/10(木)> 10:15~10:30 開会式 10:30~12:30 企画セッション1 「地域に溶け込むITS」 モデレータ:藤原教授(広大) 登壇者:広島市立大学/広島市/広島電鉄/マツダ 12:30~13:30 昼食 13:30~16:00 対話セッション1 16:20~17:50 企画セッション2(*2) バンケット 広島国際会議場 18:30~ <12/11(金)> 9:30~11:30 企画セッション3 「交通心理学・人間工学から見たITS(仮題)」 モデレータ:末冨主幹研究員(マツダ) 登壇者: 吉本教授(埼玉工業大)、蓮花教授(帝塚山大)、芳賀教授(立教大) 11:30~12:30 昼食 12:30~15:00 対話セッション2 15:20~16:50 企画セッション4(*2) 16:50~17:10 閉会式 (*2) 企画セッション2、4の2つのテーマは、「市場創出・新産業創出・付加価値を生み出すITS(仮題)」、「環境にま つわるITS(仮題)」で、現在、登壇者と日程を調整中。 3. 論文募集 (1) 「査読あり」論文:7月10日(金)締切済み (2) 「査読なし」論文:ショートアブストラクト提出期限 8月28日(金) 日本語または英語で250字程度 メール本文記載かWordファイルかPDFファイルで。 尚、詳細は、http://www.its-jp.org/topics/topics066.htmをご覧下さい。 4. 参加登録料 参加申込の受付は10月より開始します。 (1) 論文発表者参加:一般15,000円/学生8,000円 (2) 聴講のみの参加:一般・会員15,000円、同・非会員23,000円/学生3,000円 5. 会場及びアクセス (1) 会場:広島市立大学 http://www.hiroshima-cu.ac.jp/ 講堂全景 アクセス: 「広島バスセンター」またはJR山陽本線「横川駅」からバス。バス停「市立大学入口」 から徒歩8分、バス停「市立大学前」から徒歩1分。 (2) バンケット会場:広島国際会議場B2会議室「コスモス」 参加費:3,000円 http://www.pcf.city.hiroshima.jp/icch アクセス: 市立大からバス20分、JR広島駅からバス20分、広島バスセンターから徒歩10分。 6. ホテル情報 現在までに、比較的安いビジネスプランを提案しているホテル情報。 (1) ホテルサンルート広島 http://www.sunrotehotel.jp/hiroshima/ 5,775円 6,930円(朝食) (2) 広島駅前グリーンホテル http://www.ekimae-green.com/ (3) ANAクラウンプラザホテル広島 http://www.anacrowneplaza-hiroshima.jp/ 5,500円(朝食) 10,000円(朝食) 7. お願い (1) 「査読なし」論文投稿は、締め切りが8月28日(金)です。関係の皆様への論文応募の展開を 宜しくお願いします。 (2) 12/9(水)はITS車試乗会、12/10(木)開会式直後の企画セッション1は地元の取組の紹介 (ICT先進都市実現に向けて、モビリティ技術活用した地域ICT、ITS Safety公道実証実験結 果、情報技術を活用したLRTの利用促進)など興味深いプログラムを企画しています。 広島から遠方の方は是非前泊での計画を宜しくお願いします。 (担当:実用化/連携促進プロジェクト 日野/井出) ◆ 『第4回日本ITS推進フォーラム』の概要について 日本ITS推進フオーラムを下記日程で実施いたします。 尚、プログラム内容は検討中です。 1. 構成案 1)「総合シンポジウム」として従来どおり開催をする 2)「東京モーターショーシンポジウム」として開催をする 2. 開催日時及び場所 1) 「総合シンポジウム」 日時: 2009年11月17(火)、18日(水) ・11月17日: 9:30~17:00 ・11月18日:10:00~17:00 場所: 新霞ヶ関ビル 灘尾ホール ・11月17日: 9:30~17:00 ・11月18日:10:00~17:00 2) 「東京モーターショーシンポジウム」 日時: 2009年10月30日(金) 13:00~16:30 場所: 幕張メッセ 国際会議場 3. 企画案 1) 「総合シンポジウム」 例年どおり関係省庁より、最新のITS取組みについて講演をしていただく。 (プログラム内容は、現在検討中) 2) 「東京モーターショーシンポジウム」企画案 対象参加者はITS関係者を主体とするが、モーターショー来場者でも興味がわく企画内容とす る。 (プログラム内容は、現在検討中) (担当:総務グループ 廣井) ◆ 『2009年度 ITS Japanコミュニティプラザ』報告 ITS Japanは会員サービスの一環として、2009年度第1回及び第2回の「ITS Japanコミュニティプラザ」 を下記内容で行ないましたので報告いたします。 「第1回ITS Japanコミュニティプラザ」 1. 期日: 2009年6月30日(水) 16:00~17:30 2. 場所: ITS Japan A会議室 3. プログラム: ① 16:00~16:45 千葉大学 人工システム科学専攻 機械系コース 准教授 並木明夫氏 「1000分の1秒の動きを追う画像センサと瞬発的な高速運動が可能なロボットシステム」 ② 16:45~17:30 日本電気(株) 航空宇宙・防衛事業本部 誘導光電事業部 和田昭久氏 「小型無人飛行機による災害監視システム」 並木さん、和田さんともに、動画を利用したプレゼンを実施いただき、非常に理解しやすい講 演であったとともに、参加者からも鋭い質問が飛び出し、好評をいただくことができました。 講演終了後に講演者との交流パーティ(17:30~18:30)も行い、両講師を中心に活発な意見 交換が行われました。 尚、終了後に提出していただいたアンケートの結果では、『非常に参考になった。今後も継続 してこの様な内容を実施して欲しい。』との内容が大半でした。 ● プログラム:① 並木研究室では、「1000分の1秒の動きを追う画像センサ」を複数用いて収集した視覚情報を、リ アルタイムに高速処理し、「瞬発力を高めたアーム型ロボット」を高速制御することで、人が目いっぱ い早く動かす腕の動きをリアルタイムに追いかけたり、投げた球を打ち返したりするロボット制御の 研究をしています。 人が視覚的に判断する際には、脳が高度な予測をしながら、対象物の環境変化を認識していま す。同等の認識能力を持たせるために、1000分の1秒の動きを追う画像センサを利用し、センサ情 報を制御システムに高速にフィードバックすることで、状況をリアルタイムに判断し、制御を追従させ ることができます。 ● プログラム:② NECは、小型無人飛行機に小型カメラやセンサを搭載し、災害地などの情報をリアルタイムに把 握可能な災害監視システムを開発しました。 このシステムは、「各種カメラ・センサ・通信装置を搭載した小型無人飛行機」と「飛行経路設定、お よび情報受信・解析処理する地上システム」からなります。 人が近づけない災害地域などの上空に小型無人飛行機を飛ばして、画像を収集することによりリ アルタイムでの監視が可能であり、特に災害直後の初動時に、リアルタイムに現地情報を把握でき るシステムと考えています。 「第2回ITS Japanコミュニティプラザ」 1. 期日: 2009年7月16日(木) 16:00~17:30 2. 場所: ITS Japan A会議室 3. プログラム: ① 16:00~16:30 ITS Japan 国際G 「ITS世界会議ストックホルム2009 説明会」 ② 16:30~17:00 在日スウェーデン大使館 投資部 産業参事官 ハンス・ロディーネル氏 シニアアドバイザー 森 道郎 氏 「スウェーデンおよびその自動車クラスターについて」 ③ 17:00~17:15 ITS ITS Japan 総務G 「ITS Japan企画 世界会議ツアーのご案内」 ④ 17:15~17:30 JTB 「スウェーデン情報」 当日は、世界会議の見所や企画ツアーの説明に加え、スウェーデン大使館からハンスさん、 森さんをお招きし、スウェーデンの産業政策、特に自動車産業の現状につき、ご講演いただき ました。 参加者は31名でした。 (担当:総務グループ 廣井) ◆ 取材対応 6月の通常総会でITS Japan 新会長に就任した渡邉浩之氏は、約1時間に亘ってマスコミの取材に 意欲的に抱負を述べていました。 期 日 : 7月6日(月) 15:30~16:30 場 所 : ITS Japan マスコミ : ①日刊自動車新聞 ②Mobi21 掲載記事 : ●『日刊自動車新聞』 7月13日掲載 〈インタビュー〉 ITSジャパン 渡邉浩之・新会長に聞く 日刊自動車新聞 2009年7月13日(月) 第10面 1994年設立のVERTIS(道路・交通・車両インテリジェント化推進協議会)時代から15年にわたり、 日本のITS(高度道路交通システム)をけん引してきた豊田章一郎会長(トヨタ自動車名誉会長)が退任 し、同じトヨタ出身の渡邉浩之技監がITSジャパンの新会長に就いた。渡邉氏は「エレクトロマルチビジ ョン」を搭載した8代目クラウンの主査を務め、専務時代にはトヨタのITS戦略を指揮した経験を持つ。 今後の課題などを聞いた。(畑野 旬) ―就任あいさつで「自動車産業は転換期」と訴えました 「自動車が誕生して100年ちょっと。産業の発展や人の移動を支えてきたのは確かだが、安全や環 境、渋滞などの問題が深刻化し、エネルギー制約も出始めた。今、これらの問題が全部重なって起きて いる。ハイブリッド車(HV)や電気自動車などの環境技術は問題解決に必要だが、さらにITSという技術 で車を変えていく必要がある」 ―これからのITS普及で何が変わりますか 「一言で言えば“予測”ができるようになる。沢山の車から情報を集めるプローブ(フローティングカー) 技術を使えば、目的地までの到着時刻がわかる。と言うことは、マイカーから電車への乗り継ぎなど、 いろいろな交通手段を組み合わせることができる。昔、豊田英二トヨタ自動車最高顧問が『理想の車は 筋斗雲(きんとうん)だ』と言ったが、乗り換え駅に着いたら車は自動で駐車場に入り、帰りは再び目の 前に現れるような時代が来るかも知れない。また安全面で言えば、ブラインド(死角)から飛び出してくる 自転車や、カーブの先で起きている渋滞もわかるようになる」 ―この種のプロジェクトは縦割りの弊害が指摘されます 「確かに縦割りはある。しかし、いろいろなプロジェクトが日本で動いている中でITSが一番、その障壁 を乗り越え、府省や産学官が連携し、うまく機能している分野ではないか。私は燃料電池実用化推進協 議会の仕事もしているが、とくに産業界が団結するところではITSの取り組みを参考にしているほどだ」 ―実用化を進めるためには何が必要ですか 「まず、車自身が変わる必要があるし、インフラもそう。それから燃料も変わらなくてはならないし、市 民や企業の意識、政策や法律もそうだ。この五つを同時進行で変えていく必要がある。一気に全国 津々浦々で変えることはできない相談だから、まずはモデル都市でやってみて、PDCA(計画・実行・確 認・見直し)のサイクルを回し、『こういう形だったらいいな』というものを他地域へと展開する。国民に見 える形にすることが大事だ、自分の意識も変えなければいけないと思う人が増えればうまくいく。ハイブ リッド車が普及しても乱暴に運転すれば効果はない。二酸化炭素を減らすなら、インフラを良くし、燃費 の良い車を買って頂いて、しかもエコドライブ(省エネ運転)する、これらがそろわないと駄目だ」 ―交通事故ゼロ社会の実現はいつころになりますか 「いつまでに、と答えられるほど生易しい問題ではないが、事故現場を歩くと、まだやらなければならな いことが沢山あると感じる。マクロ統計も必要だが、現地現物で目の前の課題を一つひとつ、つぶして いくことも大事だと思う」 ●『Mobi21』8月号 7月25日発売 (担当:広報 安川) 編集後記 環境にやさしい再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマス等)が今注目を浴びています。 先日46年ぶりの皆既日食にマニアもそれほどでもない人も話題でもち切りでした。硫黄島は晴天で 美しく見えたそうですが、残念ながら首都圏は雨模様で見ることができませんでした。 次に日本で見られるのは26年後とのこと。 太陽光がいつまでも持続(再生)可能でありますよう、恩恵に感謝しつつ次回の皆既日食まで楽しみ に待ちましょう! 1. 箱根彫刻の森美術館 四季折々の雄大な自然が楽しめる箱根。彫刻の森美術館は、その大自然を生かして1969年に 開館した、国内ではじめての野外美術館(オープンエアーミュージアム)です。箱根の山々が望め る70,000㎡の緑豊かな庭園に、近・現代を代表する彫刻家の名作約120点が常設展示されていま す。お気に入りの作品をじっくり眺めたり散策気分でのんびり歩いたり、思い思いに芸術とふれあ うことができます。また、世界有数のコレクション300点余りを順次公開しているピカソ館をはじめ、 5つの室内展示場や、広場を作品に、天然温泉の足湯もあり、心豊かな憩いのひとときを過ごす ことができます。 (箱根彫刻の森美術館ホームページより) 写真下は、ニキ・ド・ファン・サール作 ミス・ブラック・パワー 写真下は、ピカソ館 写真下は、岡本太郎作「樹人」 写真以下 野外彫刻の数々 2. 花壇の花々 8月の風景がスライドショーでご覧いただけます。 ● 盛夏です。今月号より編集者がT.SからH.Yに替わりました。 写真も新たなシリーズを検討中です。会員の皆様からも忌憚のないご意見をいただけましたら幸 甚です。今後とも引き続きご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(H.Y) 編集・発行 ITS Japan 〒105-0011 東京都港区芝公園2-6-8 日本女子会館ビル3階 TEL:03-5777-1012 FAX:03-3434-1755 ホームページhttp://www.its-jp.org/