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第17回世界電気通信標準化協調会議(GSC-17) 報告 - ITU-AJ
第17回世界電気通信標準化協調会議(GSC-17) 報告 とりごえ 一般社団法人電波産業会 企画国際部長 まつ お 一般社団法人情報通信技術委員会 企画戦略部長 ゆう し 鳥越 祐之 かずのり 松尾 一紀 2.参加機関 世界電気通信標準化協調会議(GSC: Global Standards Collaboration)は、情報通信技術(ICT)に関する世界の GSCメンバーである参加標準化機関(PSO: Participating 主要な標準化機関の代表者や専門家及び国際電気通信連合 Standards Organization)の8機関及びITU並びにオブザー (ITU)が一堂に集まり、ICTに関する意見交換及び情報共 有を行い、グローバルな標準化活動を推進することを目的と バとして13機関の合計約90名が参加した。 (1)参加標準化機関及びITU した会議である。GSC会合では、成果文書として決議及び ・ARIB(一般社団法人電波産業会) コミュニケを策定し、各機関における標準化活動の戦略的な ・TTC(一般社団法人情報通信技術委員会) 方向付けに生かされている。GSCは法的な登録機関ではな ・米ATIS(Alliance for Telecom. Industry Solutions) く、また、常設の事務局もない。GSCは、1994年に豪州メ ・中CCSA(China Comm. Standards Association) ルボルンでの第1回会合以来、参加機関が持ち回りでホスト ・欧ETSI(European Telecoms Standards Institute) となり開催されている。 ・加ISACC(ICT Stds Advisory Council of Canada) 2013年春、第17回GSC会合が開催されたので、その概要 ・米TIA(Telecoms Industry Association) について報告する。なお、今会合では設立以来20年が経過 ・韓TTA(Telecoms Technology Association) するGSCの運営方針等について、抜本的に見直すこととなっ ・ITU(国際電気通信連合) (2)オブザーバ た。 インド通信IT省、A4WP(Alliance for Wireless Power) 、 ANSI(American National Standards Institute)、EPO 1.開催概要 (European Patent Office) 、IEEE-SA(IEEE Standards (1) 開催期間:2013年5月13日(月)∼16日(木) Association) 、ISO/IEC JTC1、JPO(Japan Patent Office) 、 (2) 開催場所:韓国 済州島 KIPO(Korea Intellectual Property Office) 、KISA(Korea (3) テーマ:Standards for Shared ICT(共有されたICTの Internet and Security Agency) 、Korea Wireless Power Forum ための標準) 写真1.Opening Plenary、議長を務めたKJ Wee氏(TTA)(左から6人目) 、両サイドは各SDOのHoD ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013、11) ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) 39 スポットライト 写真2.GSC-17参加者の集合写真 3.参加者(日本) 代表団長会合 代表 日本からは、メンバーとして以下の方々が参加した(敬称 略。かっこ内は主たる担当) 。 (1)ARIB 佐藤孝平 ARIB(HoD、IMT(TFコンビーナ、リード 全体会合 全体 HoD (Heads of Delegations) Meeting GSC (Global Standards Collaboration) Plenary Global Radiocommunication GRSC Standards Collaboration タスクフォース( タス ス(TF TF) ・ IMT ・ ラジオマイク ・ ワイヤレス電力伝送(新設) 役) ) 、横尾忠晃 ARIB(IPR WG、コミュニケAd-hoc) 、鳥 越祐之 ARIB(IPTV(放送・通信連携システム) 、IPR WG、事 務 局 )、石 田 良 英 ARIB(IMT)、山 本 武 志 ARIB/NEC(ITS(TFコンビーナ) ) 、大矢智之 mmbi(モ バイルマルチメディア放送) 、村上 誉 NICT(再構成可能 な無線システム) (2)TTC 前田洋一 TTC(HoD) 、姫野秀雄 NEC(Interoperability(リード役) 、NGN) 、端谷隆文 富士通(ICT & the Environment( リード役 ))、 高 呂 賢 治 OKI( Home Networking) 、永田健悟 NTT(IPR WG) 、今中秀郎 NTT GTSC Global Telecommunication Standards Collaboration 作業グループ( 作業 プ(WG WG) ・ 知的財産権(IPR) ・ 管理(Admin) タス タスクフォース( ス(TF TF) ・ 緊急通信 ・ M2M ・ ITS (全体の統括) 、山本秀樹 OKI(IPTV) 、松尾一紀 TTC (事務局) 、深堀道子 総務省(動向把握) 4.構成 アドホック(Ad-ho d-hoc)グループ ・ コミュニケ ・ 決議 図1.GSC会合の構成 GSC会合の構成を図1に示す。全体会合(GSC Plenary) では、GRSC/GTSC等各分科会の活動状況が報告される他、 HIS(High Interest Subject)について報告、意見交換が行 5.開催日程 GSC-17の日程を図2に示す。5月13日(月) 、14日(火) われる。GRSCは無線関連、GTSCは有線関連の技術的事項 の2日間にわたりオープニング全体会合が開催された後、14 を扱う。その他のワーキンググループ等では、特定のテーマ 日夕にAdmin-WG、15日(水)午前にGRSC、GTSC及び について作業を行う。 IPR-WG、午後にIPR-WGがそれぞれ開催された。また、並 40 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013、11) 図2.GSC-17の日程 行してコミュニケ案及び各決議修正案に関するアドホックグ ループが開催された。これらの検討結果が、最終日16日(木) 午前のクロージング全体会合に報告された。 (2)GRSC 1. Wireless access including RLANs & ad-hoc Networking 2. Mobile Multimedia Broadcast & Multicast 3. Reconfigurable Radio Systems(RRS) 6.議論されたHIS HISは参加機関が共通に高い関心を持つテーマで、今会合 では以下の19のHISについて議論が行われ、特にM2M、 (3)GTSC 1. Future Networks including enhancement of NGN 2. Cybersecurity Emergency Communications(緊急通信) 、ITSは重点事項 として扱われた。 (1)Plenary 1. Continuing cooperation on IMT standardization 7.主要議題と結果概要 ARIBから、 「ARIBの活動報告」 、 「IMT-Advancedの標準 2. Emergency Communications 化」 、 「高度道路交通システム(ITS) 」 、 「放送・通信連携シ 3. Security and Lawful Interception ステム−IPと連携した拡張コンテンツ配信システム」 、 「無線 4. Identity Management and Identification Systems アクセス・無線LAN」 、 「移動端末向けのマルチメディア放 5. IPTV 送」 、 「再構成可能な無線システム(RRS) 」及び「工業所有 6. Intelligent Transportation Systems(ITS) 権(IPR)に関する活動」について8本の寄与文書、TTCか 7. ICT and the Environment ら、 「TTCの活動報告」 、 「デジタルサイネージ」 、 「ICTと気候 8. Interoperability 変動」 、 「インターオペラビリティ」 、 「ホームネットワーキン 9. Smart Grid グ」 、 「IPRに関する活動」について6本の寄与文書をそれぞれ 10. Machine-to-Machine(M2M)Communications 提出、発表した。また、関連するHIS、WG等の審議に参加 11. Cloud Services し、決議の改訂等で意見を反映した。 12. ICT Accessibility 以下、HIS、WGに関する審議のうちARIB及びTTCに関 13. Wireless Charging System 連する分野について、その概要は次のとおりである。なお 14. Home Networking かっこ内にHISの項目番号を示す。 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013、11) ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) 41 スポットライト 7.1 全体会合 する貢献やCollaboration on ITSの活動開始などについて報 7.1.1 IMTの標準化(Plenary 1) 告した。また、タスクフォークの今後について、ITU-R対応 ARIBのリード役で、ARIB及び各標準化機関から、3GPP に関する活動を中心に活動を継続するとともに、Collabora- 等外部機関技術仕様の国・地域標準へのトランスポーズ状 tion on ITSの活動との整合について検討することとし、決議 況等IMTに関する最近の標準化状況が紹介された。また、 の改正案と共に承認された。 WRC-15 の議題として、 「移動業務への周波数の追加割当並 7.1.5 ICTと環境(Plenary 7) びにIMTへの追加特定(議題1.1) 」が設定されたことを受け TTCのリード役で、日本が積極的に貢献しているITU- て、多くの標準化機関から協力の重要性が表明され、決議 TSG5/WP3の環境影響評価手法等の勧告化作業(2009- 16-1「IMT標準化に関する協力」に対し、WRC-15議題1.1 2012年) 、L.1410の日本へのダウンストリーム活動紹介、並 に関する情報・意見交換を行うことを加える改正を行った。 びに、今期2013-2016年の活動概要を寄書及び修正決議案 7.1.2 Emergency Communications(Plenary 2) として提出し、審議をリードした。また、他PSOの意図や動 GSC16で設立された緊急通信に関するタスクフォースの活 動を次回のGSC(GSC18)まで継続することを合意した。 向を把握して、決議の修正に寄与した。 TTCが寄書により提示した修正決議案をベースに、寄書 本タスクフォースを用い、SDO間の協調の促進、緊急通信 を提出した各PSO及びITU-Tのコメントに沿って、決議を修 に対するユーザからの要求条件の調査、公共安全性に関する 正した。また、Attachment A(勧告/標準リスト)及び 国際協調などを実施する予定である。 Attachment B(イベントリスト)への追加を行った。 7.1.3 IPTV(Plenary 5) 7.1.6 インターオペラビリティ(Plenary 8) ARIB、ETSI、TTA、TTC、ATISより寄書が提出され、 ATISのリード役で議事を進めた。ARIBから、ITUの放送・ ETSI、TTC、TIA、ATISより寄書が提出され、TTCのリ ード役で議事を進めた。 通信連携システム(IBB: Integrated Broadcast- Broadband 審議後にTTAにて相互接続を担当するメンバーと議論を systems)の一つであり、放送とインターネットコンテンツ 実施。TTAではセキュリティに関する試験をメインに実施。 を連携させて様々なサービスを展開するハイブリッドキャス TTCから紹介した活動について、途上国へのメリットは理解 トシステムを紹介した。TTCから、IPTVによるデジタルサイ されたが、オペレータ/ベンダメリットについての認識共有 ネージに関するITUでの標準化として、ITU H.780の承認、新 が必要であると感じた。 しい課題の設定(Q14/16) 、審議中の内容を紹介した。 7.1.7 Smart Grid(Plenary 9) 決議について、ARIBから、IBBシステムに関する情報交換 TIAのリード役で、ATIS、ETSI、IEEE、TIAから各寄書 の推進等、TTAから、Connected TVの追加が提案された。 のプレゼンが行われた。ETSIから、欧州指令(M/441(ス アドホックグループでの議論の結果、一部修正を施し承認さ マートメータ) 、M/468(EV充電) 、M/490(スマートグリ れた。 ッド) )を受けて、ETSI、CEN、CENELECが協力して対応 7.1.4 ITS及び同タスクフォース(Plenary 6) 中であり、M/490については、2012年末に第一フェーズが終 TIAのリード役で、各標準化機関から寄書発表が行われ 了(四つのWGで、概念モデルやスマートグリッドに利用可 た。ARIBから、700MHz帯の一部のITSへの割当て及びこれ 能な標準リスト等を検討) 、第二フェーズ(2013-2014)で具 に対応したARIB標準規格T-109の策定について紹介した。 体的な仕様や試験仕様を検討中(第二フェーズの検討を行 また、GSC ITS TF、ITU-R、AWGでの国際協調活動の推 っているSmart Grid Coordination Groupの構成等)である 進、ITU-R SG5でのReport ITU-R M.2228 Advanced ITS ことが報告された。ATISとTIAからは、NISTのSGIP radiocommunicationsの策定について紹介した。TIAから、 (Smart Grid Interoperability Panel)活動への貢献を行って ITSタスクフォースの今後について、ITU-TのCollaboration いることが報告された。 on ITSに引き継ぐよう提案があった。これに対しARIBから、 7.1.8 M2M及び同タスクフォース(Plenary 10) これまでITU-R関連の活動で実績のあるタスクフォースの活 ETSIのリード役で、各標準化機関からM2Mに関する検討 動を継続することを提案し、オフラインで調整することとな 状況、ETSIから、TC M2MからoneM2Mパートナーシップ った。 プロジェクトへの成果文書の移管状況等が紹介された。また タスクフォースでは、コンビーナのARIBから、ITU-Rに対 42 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) 多くの標準化機関から、他の関連業界との協力・連携の重 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013、11) 要性が指摘された。 また、前回GSC-16で設置されたMSTF(Machine-toMachine(M2M)Task Force)についても活動状況報告が あり、MSTFのGSC-18までの活動継続が提案され、TIA議 長の継続と併せて合意された。 決議に関しては、oneM2Mパートナーシッププロジェクト 1.4GHz帯を考えているが、地域によっては800MHzも利用 される可能性があるとの説明があった。 7.2.2 モバイルマルチメディア放送及びマルチキャスト (GRSC 2) ARIB、ETSI、TIAから寄書が提出されたが、ARIB以外 は実用化の動きがなく、一時に比べて沈静化している。 が2012年7月に設立されたことに伴い、GSCメンバーが ARIBから、NOTTVの商用放送状況について紹介し、先進 oneM2M、ITU-T等の活動に参加・支援することを奨励す 性をアピールした。ETSIから、デジタル音声放送、MBMS、 ること、oneM2Mとの重複がないように活動すべきことを加 DVB-T2/NGH等の標準化状況が紹介された。TIAは動きが える改正を行った。 なかった。 7.1.9 ワイヤレス給電システム(Plenary 13) TIAはサマリーにおいて、今後はモバイル環境での伝送効 TTAから、ユースケース、効率性の定義、技術の評価方 率改善や処理量低減技術の標準化、欧州におけるデジタル 法等これまでに10の標準・技術レポートが作成されたこと、 音声放送や日本における商用マルチメディア放送の拡大、グ 2013年は、WPC、A4WP等のデファクトスタンダードのレビ ローバル協調の継続等が期待されるとした。 ュー等を行う予定であることが紹介された。またA4WPから、 7.2.3 再構成可能な無線システム(RRS) (GRSC 3) 同アライアンスにおける標準化状況が紹介されるとともに、 ARIBから、日本のTVホワイトスペースに関する制度と CJK WPT WGから、WPTの現状をまとめた技術レポートを ITU・IEEEでの標準化動向を紹介し、周波数の利用調整の 作成したこと等が紹介された。また、TTAよりWPTのTask 自動化が課題であることを説明した。ETSIから、RRSに関 Forceを設立して、CJK IMTのレポートをベースに世界の現 する技術仕様における、同一オペレータ内IMT/GSM RRS、 状をまとめたレポートを作成する提案があり、その旨盛り込 2.3-2.4GHz帯のLicensed Shared Access、TVホワイトスペ むよう決議の改正を行った。 ースに関する活動と策定文書の紹介があった。TIAから、 7.1.10 ホームネットワーキング(Plenary 14) ITU-R、IEEE、WIF(Wireless Innovation Forum)での活 ETSI、ITU、TTC、IEEEより寄書が提出され、ITUのリ 動の紹介があり、課題としてRRSならではの問題の明確化、 ード役で議事を進めた。TTCから、BBF(Broadband 制度の在り方に関する議論の深化が必要との説明があった。 Forum)で規定されているTR-069:CPE WAN Manage- これらを踏まえ、前回以降のITU-R及びETSIでの作業の ment Protocol(CWMP)とG.9973のインターワーキングを 進展を反映し、決議の改正を行った。 検討予定であることを報告した。ETSIから、高品質VoIPの 7.3 GTSC 推進やDECT ULE(Ultra Low Energy)によるセンサ・ス 7.3.1 NGN(GTSC 1) マートメータ関係を推進しており、今後はM2M関係を DECTベースで推進予定であることが報告された。 7.2 GRSC 7.2.1 無線アクセス・無線LAN及びアドホックネットワーク (GRSC 1) ETSI、ITU-T、TTAより寄書が提出され、ETSIのリード 役で議事を進行した。 将来網に関連したトピックスとしてNFV(Network Functions Virtualization) 、SDN(Software Defined Networking) 、SUN(Smart Ubiquitous Networks)が紹介された。 ARIBから、技術委員会に設置した無線LANシステム開発 決議の修正が議論され、研究機関との連携強化、GSCにお 部会について紹介した。ETSIから、音声とデータを同時に提 ける協調活動としてロードマップ作成を実施することが合意 供するとともにインターネット接続等を行うNEW Genera- された。決議のタイトルをNGNからFuture Network(FN) tion DECT、DECT Based M2M等DECTに関する標準化状 へ変更することが合意された。 況、IEEE 802.11acの標準化等無線LANの標準化状況が紹 7.4 工業所有権作業グループ(IPR WG) 介された。TIAから、cdma2000 ベースのFemtoのRev A仕様 ARIB、ATIS、CCSA、ETSI、ITU、TIA、TTA、TTC、 が2012年第2四半期に完成したことが紹介された。CCSAか EPO、ANSI、KIPOの11機関からIPRに関する検討状況が ら、TD-LTE ベースのトランクド システムの標準化を開始し 紹介された。ITU、ETSIの寄書では、これらの機関における たことが紹介された。なお、その周波数として、1.9GHz帯、 標準必須特許の議論状況の紹介、ANSI、TIAの寄書では、 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013、11) ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) 43 スポットライト 米国の連邦取引委員会(FTC)/司法省(DoJ)における SecretaryのMs. Rita Teaotiaが参加した。インドでは標準 標準必須特許に関する取扱い状況が紹介された。また、 化機関Telecom Standards Development Society、India ETSI、KIPOから、主に特許庁の出願審査における標準化 (TSDSI)を、既存の組織を吸収、統合する形で設立する予 文書の有用性の高まりについて言及された。 ARIBから、IPRに関する手続の流れ、IPR宣言書の提出件 定であり、設立後にはGSCメンバーとしての参加を希望した い旨の表明が行われた。 数、標準規格のダウンロード件数、データベースへのアクセ ス件数を紹介した。 TTCから、IPRセミナ等の活動状況、東京地裁における差 し止め請求に対する判決等を紹介した。 10.コミュニケ GSC会合の成果を内外にPRするためのコミュニケが作成 ITUから、FRAND宣言を行った標準必須特許の扱いに関 された。コミュニケでは、M2Mのグローバル標準化に向けた し、①差止めの是非、②RANDの「合理的」の意味、③非 oneM2M等協調体制の確立とその意義、GSC Emergency 差別の意味、④ガイドラインの拘束性、⑤移転・譲渡につ Communications Task Forceの技術報告案での中間結論・ いて議論が行われていることが紹介された。 提言と次回GSCまでの活動継続、ITS標準の調和に向けた 7.5 管理作業グループ(Admin WG) ITS Task Force等での活動継続、政府・規制機関・司法に Admin WGでは、期間中に開催された代表団長(HoD) 会合において、GSCの在り方や運営方法を抜本的に見直す よる標準必須特許への世界的関心と標準化機関におけるIPR ポリシーの変更、IPRデータベースの改善等が強調された。 ことが提案されたことを受けてGSC Reform(改革)につい ての議論が行われ、以下の論点を中心に検討を進めることと なった。 >GSCの構成、委任範囲、作業方法の見直し >より戦略的な事項について議論し、非戦略的なHISsに ついては議論しない 11.次回会合 ETSI(欧州)から、次回のGSC会合(GSC-18)を2014 年7月21日∼24日、Sophia Antipolis(フランス)に招致し たいとの提案があり、承認された。 >戦略的議論を行うために、開催期間の短縮、参加人数 の圧縮、開催頻度の増加 >ホスピタリティーの維持、メンバーシップモデルの基本 的維持、メンバーの要件の明確化 今後議論を継続するため、HoDアドホック会合を設置し、 12.今後の展望 これまでGSCでの様々な意見交換及び情報共有は、時代 の標準化ニーズに迅速かつ適確に対応するための協力体制の 2013年12月末までにGSC改革に関する勧告をまとめること 構築に大きな役割を果たしてきた。ITUでも、総会前に欧、 となった。 米、アジア等の地域レベルで事前の意見集約を行い、意思 決定の円滑化を図っているところであるが、GSCは、世界レ ベルでICTの標準化において発言力と技術力を持つ主要SDO 8.改定された決議、その他会合文書 が一堂に会し、各SDOの首脳レベルが今後の方向性につい 今次会合での審議の結果、決議について11件の改訂、2件 て意見交換及び情報共有を行う意味で、その意義は大きい。 の廃止及び16件の継続が合意された。決議を含む本会合の 今後ともGSCが戦略的な役割を維持し続けるためにも、 全ての文書は以下に掲載されている。 HoDを中心にした抜本的改革の検討の行方が注目される。 http://www.tta.or.kr/English/new/external_relations/gsc17_document.jsp 今後ICTを活用した製品、サービスの高度化はグローバル に一層進展することが見込まれ、世界レベルで研究開発、標 準化を戦略的・効果的に推進していくことが望まれる。ま た、その進展の速度も一層加速化されると思われ、新たな技 9.インド電気通信省代表の参加 今回のGSC会合にインド通信IT省電気通信局Additional 44 ITUジャーナル Vol. 43 No. 11(2013, 11) 術への迅速な対応が求められる。このような状況において、 GSCへの期待はこれまで以上に高まることが予想される。