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DigitalSimulationofAnalogFilter
ア ナ ロ グ フ ィ Jレ タ の デ ィ ジ タ Jレ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 重 広 孝 貝 I j D i g i t a lS i m u l a t i o no fAnalogF i l t e r By Takanori SHIGEHIRO Summary Int h i spaper,t h e r ea r ep r e s e n t e dsomeZ t r a n s f o r m a t i o nmethodsandc i r c u i ts y n t h e s i sexamp1eso fd i f f e r e n c ee q u a t i o n,s i m u 1 a t i n gana10gf i l t e r . InZ t r a n s f o r m a t i o n,i ti sg e n e r a l l yusedStandardZ t r a n s f o r m a t i o n,MatchedZ t r a n s formation,B i 1 i n e a rZ t r a n s f o r m a t i o n ,e t c . Then,anewZ t r a n s f o r m a t i o ni sd e v i s e d andt h er e 1 a t i o namongthena r ea 1 s og i v e n . BetweenLCRana10gf i l t e r( t h er e s o n a t o r ) andd i g i t a 1f i l t e ro b t a i n e dbyeachZ t r a n s formation,i ti sd i s c u s s e dt of i n dt h e proper Z t r a n s f o r m a t i o n method and t h e proper s i n ge x a m p l e s . c i r c u i ts y n t h e s i s,u あらまし ここでは,いくつかの Z変換について述べると共に,それを使ったアナログフィルタのシミュレーション の回路構成例を示す。 普通 z変換には標準 Z変換,整合 Z変換 ,. J X一次 Z変、換等あるが,変わった Z変換を紹介する。 本文の要点は Z変換相互の関連性を見い出し,これを用いて LCRアナログフィルタをシミュレーション し,その回路構成はどの Z変換法が適正であるか,あるいは直列形と並列形のどちらが良し、かを検討した。 最近の研究の問題点としては, 1 . まえがき 1)特有の近似論 ディジタルフィノレタには次のような特徴がある。 2)係数打切誤差,丸め誤差,あるいは演算形式, 1)高精度で安定度が良好,したがって Qの高い邑l 構成法の総体的な最適設計 3) LSI化 路が得られる。 2)個々の回路のインピーダンス整合の問題がな し 、 。 等が大きなものである。 ここでは, 3) フィルタ関数の変化に富んでいる。また,フィ ルタ関数を簡単に変更することができる。 1) の近似論についてただ単なるディジ タルシミュレーションを考えており,これはアナログ フィルタの Sに標準 Z変換,整合 Z変換,双一次 Z変 4)時分割多重演算が可能である o 換等によるディジタルフィルタの Zがどのような近似 また ,LSI化に適することから,経済性,信頼性,低 関係にあるかを示している。いま一つは, 2) の構成 電力化,小型化,高速化の向上に伴い,最近の研究の 法についてであるが,いくつかの Z変換法を用いて二 進展はめざましい。 次の LCRアナログフィルタをディジタルシミュレー - 91- ションし,直列形,並列形の回路構成において,どの Z変換法,構成法が適当であるかについて検討した。 となる。 この変換法はとくに高域フィルタや帯域消去フィルタ に有効である。 2 . Z変換法 2 3 . 双一次Z変換法 これは H(s) の Sを アナログフィルタからディジタルフィルタを設計す 2 1-Z-1 s=T ・ ー 1+Z-1 る際,普通 Z変換法を用いるが,本章では代表的な Z 変換法を 3例紹介する。以下では変換前のアナログフ ィルタ伝達関数を H(s)としそのインパルス応答を 2 で置き換える変換法である。すなわち ,H(s)を式 ( 5 )のように仮定したとき,双一次 Z変換法によって得 h ( t ),また , Z変換後の伝達関数を H( めとする。 られるディジタルブイノレタの伝達関数 HB(Z)は ただし , Tは十ンプリング時間である。 , ' ! ( ( , pjT¥ (,. p;T¥ー 1i 日ィ (1-"~:'\-(1+ 百ー \Z-1 ~ 2 1 . 標準 Z変換法 , HB(Z)=弓 インパルス応答 h(り を T(sec) ごとにサンプリン 併(1)= L ;h( t )・a(t-nT) g (1 +Z叫 十 く2-1) P ・ . .( 2 8 ) となる。 となり , h*( I )のラプラス変換は Hホ(s)=TL ;h(nT)・e-nsT 2 2 ) -・ ・( 3 . Z変換の近似と誤差 となって ,e -STの無限級数で表わされる。 本章では,前主主で紹介した標準 Z変換を基礎として 式 (2-2)を e'T=Zで置き換えれば H(s) の標準 Z変 換 H, (Z)が次式となる。 新しい Z変換をも併わせて相互関係を検討してみた。 また,近似等により求まった Sがアナログの Sに比し ・ … (2-3) Hs(Z)=TL ;h(ηT)・Z-n n=O て,どれだけの誤差があるか検討してみた。 3 -1 . 標準Z変換 ここで,式 (2-3)の無限級数和が Z-1の有理関数形で 表現できるとすれば, この変換法を考えるのにまず,簡単な一次線形差分 方程式として,次式を考える。 p L ;a ' S j・ Z-j dy _ Yn-Y d t T ト . . . … (2-4) H, (Z)= 土 七 一 一 一 1+ L ;b・ S j . Z j . . . . ( 3 1 ) 1 式( 3 1 )の右辺を Z変換すると 右辺=十 .Y(Z)ー十Z-1Y(Z) となり,標準 Z変換法による伝達関数が得られる。 この変換法は低域フィルタや帯域フィルタに有効であ 1-Z-1 - --T一 一 ・ Y(Z) る 。 2 2 . 整合Z変換法 … … (3-2) が求まる。 s平面上における H(s) の零点,極をその よって,左辺の一旦ニ dt Sであることより ソ 1-Z-1 まま Z-1面上に写像する変換法である。すなわち, s~-~--t 一…… (3-3) の関係がある。 ¥﹄ノ /4¥ F D 釘 つ 、﹄ノ >一一 P 可 ハ/t¥ J u ノ一、 , 一一一 、 、 F 一q 一 一 五 日 これを Z→の関数を近似することから考えてみると, d す 〔 訂)2+ 1ノ 一 炉 、 't 一 〆 , ‘ 、 、 。/、 h e d 〆 、 Ht 一 一ノ 、 PH H(s)を ¥一一一ーと一一手一千・ 1¥ i~ 1 1 ( 1ろ 〓 ー ( 1 + . ' IZ " ) Z 1 } グして得られる関数を併(りとすると, これは ・ ・(2-7) Z-1=e -ST=1-ST+ 。 ー の とすれば,整合 Z変換によるディジタルフィルタの伝 右辺第 3項以下を切捨てると ,Z-1=1-ST となり, , 達関数 HM(Z)は Sについては p p . . . ( 3 5 ) I I(1-ePjTZ-1) L ;aM jZ-j HM(Z)=三L一一一一一← ' iz i I I(1-eQ jTZ-1) 1+L ;bMjZ-j ・ …(2-6) となり,式 ( 3 3 )と同じ関係が得られる。 1-Z-1 ということは S関数に S=← T ーを入れても標準 Z . - 92 - 変換として求まることになる。 誤差となり良くない。そこで,式 (3-5)と式 (3-7)か 式 (3-5)は 3-1図のような右半面での円軌跡を示す c らして,互に共役であるから,これらの差をとると実 数部が零となり新しい関係式が得られる。 j U J }w k 一 27 。 3 1図 軌 跡 F i g .3 1 Locusof R . . 司 + 1Z-1 T 3 3 図軌跡 F i g .3 3 Locusof ( a )椅i 中 2T 式 (3-5)の Sを 51,式 (3-7)の Sを 52とすれば, 凶s o Z -Z-l ~::: (b)周3 良教 5 =立1二雪之=互三乞土 2T となる tT ωs C … ・ ・ ・( 3-9) この関数の軌跡は 3-3図となり,式 (3-9)を 展開すると, r M +) 叩 ( 5 = j三乎'[=j 3 2図 誤 差 1-Z-1 F i g .3 2 Errorof~T (310) となり,周波数誤差は上式右辺第 2項以下となる。 3 3 この軌跡からもわかるが,式 (3-5)は 双一次変換 前節までに求めた変換法は,差分方程式で考えれ s= =1ーっ~~+J 一coswT 一一百「一 …ー (3-6) Ynの信号に対して Y.-1あるいは Y叫 ば 1 との差を の値をとり,実数部の誤差は振巾誤差と呼ぶことにす 考えて求めていた。 S平面で考えれば,角周波数叩に る。虚ー数部は sinwTを級数展開すると, 対するヘクトんの加減で求めることができる。 j E 1 3 ! ? ι j( wート3 + . . . . . ) ここで,よく知られている双一次変換を取上げてみる と,普通,差分でいう信号差ではなく,信号の比で差 となり右辺第 2Jfj以下が周波数誤差となって表われる 2 )図。え ( 3 4 )では Z-lを級数展開することによ ( : 3- り,標準 Z変換の関係式を求めたが 分をとっていると解釈できる。 これを S平面で考えれば,ベクトルの除算となる。 3 2図からわか 前節でも述べたように,変換されたものは実数部のな るように振巾誤差があるので共振系のシミュレーショ いものが望ましい。ベクトノレの除算で実数部がないと ンの場合は共振蒋に大きな誤差を生じる。 いうことは,分子の偏角と分母の偏角が π/2の差とい 式 (3-5)と共役なものが得られれば,実数部が零とな 1一 式 一一係 S 関 の Z一 T は 一 るような変換が可能となる。すなわち, となる。 うこと t いま, . . . 一 (3-7) 。 1-02=? s=}-c()些~-;竺竺Z\ T 但し, T -j.1¥ w T2 1-cosω T ~---t~ ..~ {01=標準 Z変換の偏角 2 =分母の関数の偏角 。 。 ¥ ーち~W3+... )…(3-8) 標準 Z変換の偏角を求めてみると となる。 ベ 千 ) + . ; - 81=t 3 2 . 新 Z変換 3-1 で述べた変換法では, 3-1で、述べた標準 Z変換を基準に考えれば, (これを分子として〉次の関係がある。 s自体に実数部が表われ よって - 93- 82を求めると, 3 1 1 ) ・( いベ与) s s 変換法 この偏角をもち,標準 Z変換に対応するものに s=J 士 互 二L T 一( 3 1 2 ) 与Zニ 和「変換 がある。 Sご二会 1-Z-1 Table 3 1 Each t r a n s f o r m a t i o n function and e r r o r j/JI l_Z-1 くなっている。 3 2図( b ) .3 5図の誤差図より,もっと誤差を小さく R e . o するためには次のような関数が考えられる。 sι~ ~ + j( as i nwT bt a nw~て) Eム 噌 ZEA ワL H L 一 一 + A Qd O 守 , nL u 内4AV 44 n m 跡 2T 軌 司jd 、 一 M0 4 -L 。 句 F T 。 。 ~ + ÷ = 1 この関数は新変換と双一次変換を合成したものに等し い 。 となる。換算係数を付けると, 。 を満たす ψ の定数の中で一番線形近 ….(3-14) 1. 1 1 ¥ iI~sin wT+tan←~l T-¥2 2I =~ , ; = f 一 ( ! . 二 三: 1)_(1坦Z三日左~2l.....(3-17) T¥ 4Z-1 ( 1+Z-1) 4図のようになる。式 ( 3 1 4 )は この変換式の軌跡は 3 次式となり,第 2項以下が周波数誤差となる。 = 3 4 . ( 3 5 リング周波数の約 3割である。また, ベwt) 叩 この方法による微分特性としての直線部分は,サンプ この他にも, Newton.Cotes法の微分公式から線形近似のよい関数 t j (+ J ; ω + . . . . . . ) z変換とし,換算係数を与える と,次式が求まる。 となる。これが双一次変換である。 s中 J 3-6図 関 数 の 合 成 に よ る 近 似 似の良いものをとり. T 1+Z-1 U E 否7 F l g . 3-6 Approximationby s y n t h e t i c function 3 5図 周 波 数 誤 差 F i g .3 5 Frequencyerror s=~.~ =一 一 . 一 Z-l •••••• (3-16) ω z w z 図 〉 。 叫品山・ 干T f d M H . 3 +汚T n ゐ 表3 1 各変換関数と誤差 … … (3-13) 一 1 1+Z- と苧坐I 手話J ' J . J .-.;欠変換 そこで,比による Z変換の関係式は, 。 f 。 u l + 。 前十品J+ z - アナログ 標準 Z変換 差 周波数 D " 呉 振 け1 を求めたものもある。 ・ ・ ・ ・ ・( 3 1 5 ) たしかに,これらは線形近似は伸びるけれども,式 ( 3 1 7 )のように関数は少し複雑となる特徴を持つ。 整 理 以上の各 Z変換法による Sの関数及び誤差を検討し てみると,まず,各 Z変換における関数,誤差を表に 4 . LCR アナログフィルタのシミュレーショ ン しておく。(表3 1 )。 表3 1より振巾誤差を持つものは,標準 Z変換だけで, 今までに述べてきた Z変換を使って LCRアナログ 残り 2つは改善されて零となっている。周波数誤差は 回路をディジタノレシミュレーションする。このとき構 標準 Z変換,新変換は同じであるが,双一次変換は良 成も直列形;並列形の 2通りで構成してみた。 - 94- 4 -1 . LCRアナログ回路 伝達関数 H(jw) は H(j回)= 寸主一一「、一 4 2図 直 列 構 成 ー …( 4 1 ) R+j(甜 Lー与、} F i g .4 2 Seriessynthesis 却しI ¥ H(s)で表わせば R 一 一S … ・( 4 2 ) H(s)=一, • R ~. 1 r十 ' : ; ; : ' S + 一 一 L . LC いま,ディジタルシミュレーションのために中心周波 4 3図 並 列 構 成 F i g .4 3 P a r a l l e ls y n t h e s i s 数(共振周波数〕を 500(Hz)にとり ,L=O.10142(H), C=1( μF)とする。また , Q=5とすれば R= 63.694 (Q)となる。これらの値を使つての振巾特性はグラフ 4 2 . 4 3 . 新変換 LCRアナログ回路の伝達関数 H(s) 式 (4-2)に式 1 1 乙示す。 ( 3 9 )を代入すると次式が求まる。 標準Z変換 ここでは 4 1図より,差分方程式をたてると次のよ H(Z)=A・ 一 一 一 一 1 + AZ Z 1_Z-3 司 唱 うになる。 ・ ・ ・(4-6) 1 1 ¥ 12L .1 ー+~+ n~,, )qp={ ー+一)ω1 u ¥ RT2'T .R C/ RT2'T (L L ρ .1 1 ーー と 2q 2+一 gp; ngp-1 r ι T' P r. To T 〔 宇 但し , ・ ・ ・ ・ (4-3) A=.:::'~ / 4 5 子) B={ ~T." -2) 振巾特性をグラフ 1に示し,直列構成を 4 4図に示す。 q p J 但し ,q ρ は出力信号 , gpは入力信号 , Tはサ ンプリング・タイムとする。 次に標準 Z変換すると次式が求まる。 1 (1-Z-1) H(Z)=ヲす . ( 1KZ-1干J Z ; ; 巧 v こで A_ L ,1 , 1 A= 一一一+~+ .:~ RT2.T .RC C= =R _ 1 : . . _ = T2 K=~ =!',. A 一 ・ ・ (4-4) D _ 2L ,1 B = : : : : : n +ーT ~ R T 2 ' 4 4図 直 列 構 成 T T= =~ A F i g .4 4 S e r i e ss y n t h e s i s 振巾特性はグラフ 1I 乙示される。また,このときの直 次に並列構成のための伝達関数は式 ( 4 6 )が因数分解 列構成は 4-2図のようになる。 できないため,求めることができない。 並列構成は式 ( 4 ーのを次のように変形して得られる。 1 (S , S? H(Z)= 苛A1子己Z1+子三 z 2 f. . . . . . ( 4 5 ) 但し, 7_ K +〆玄王土可 2J 4 4 . のようになる。 1-Z-2 H(Z)=M・1+ 一 一 一 一 一 一 1 K Z 1 十] Z 2 [ 但 し M = 4LC+22RRι CT+T2 Z?=~-ÝK2二 4J 2J K-2J K= S1 , =-1一 一 ← 一 一 一〆 K : τ 可 S2=-1+ Z 双一次変換 4 2 )に式 ( 2 ー 7)を入れて,双一次変換すると,次 式( K-2J 2(T2 二~_LC) 4LC+2RCT+T2 4LC-2RCT+T2 J 4LC+2RCT+T2 〆K2-可 - 95- ….(4-7) 5図 。 振巾特性をグラフ 1に示す。また,直列構成は 4 このときの振巾特性をグラフ 1に示す。直列構成は t 7図に示す。並列構成は,係数が復素数となり構成 できない。 4 5図 直 列 構 成 F i g .4 5 Seriessynthesis 4 7図 直 列 構 成 F i g .4 7 S e r i e ss y n t h e s i s 次に並列構成のための伝達関数を式 (4-8)に示し, t --b 図に構成を示すc 1 ¥ ィ ' 2: z i A z z一1+KZJZ2i H( かル 7弓 フ 域 t 1 0 F t v g一 , J 一﹂一一↓一 γ'F 恒 1 .つナログ こ〉標準 Z変 換 . d .f . j . .次 変 換 A 主 主 合 Z変 換 ×新変換 T=O o . 002(5ec) l 量 一 み 20 ザ 一 一 吋 一P一 刀 一PU 一 AA し 但 J一れザ一プ一 /VK一 K 一 . . ( 4 8 ) ( d B ) ー 30 n u 内U ・ 4 1 i O ' F R E Q U E N C Y( H z ) 7 . グラフ 2 ウ 標 準 Z変 熱 U ︽ 減-災 ナ口ゲ 4 6図 並 列 構 成 ; j z変 撒 終{ i7 .変 挟 ムな A )く刊変!世 F l g .4 6P a r a l l e ls y n t h e s i s T=0.00002(5ec ) 民 4 5 . 1 0 -20 整合Z変換 式( 5 2 )を整合 Z変換すると H(Z)は式 ( 4 9 )とな る 。 ( d B ) 3 0 H(Z)=A・ ・ ・ ・( 4 9 ) 1-KZ-1+ jZz p l u v ' C﹂ uN F﹄ l i cC l f fT) T.c o s ( nR K=2.e去 F L ω -4 日 1 0 R "> nu 但し 1 λ1Z-1 1 0 ( H z ) 4 6 検討 以上 ,LCRアナログフィルタを各種 Z変換により, ディジタノレシミュレーションしたわけであるが,まず M = e A T {∞( s l i c( ; 1 { )T ) 2 グラフ 1, 2より振 r h特性を検討してみると,もっと n(/Zc-(~JT)} のは標準 Z変換である。特性はサンプリング時間 Tに L / 出2 7 もアナログ特性に近いのは双一次 Z変換であり,悪い よっても大きく変わり , T=O.2( r n . s e c )付近では顕 - 96- 著にあらわれているが T=0.05 (m.sec)以下では 次に,構成について検討すると,新変換を除いた他 の変換法はほとんど差はなく,直列形,並列形の構成 アナログ特性に近いものになる。 における差もほとんど認められなかった。 次に周波数特性について検討する。 s e c )以トでは周 サンプリング・タイム T=0.05 (m・ ただ,双占次変換においては他の変換より遅延素子 ' (m・ s e c ) 波数誤差はほとんど認められないが1'=0.2 浮が若干多いが IC等による製作上では問題にならな では共振点がずれている。これは 3-6の表 1からわか いと考えられる。新変換は関数の次数が大きくなるた るように,周波数誤差の値が負の値をとる新変換では め素子数が増えるのはやむをえない c 共振点がアナログの共振点より右側にあり,誤差の値 が正の値をとる双一次変換では共振点が左側にずれて 以上,誤差,特性,構成法等総合的に判断すれば, x . J一次変換がもっともすぐれていることがわかる。 いる。また誤差の大きさとしては双一次変換が新変換 標準 Z変換においてはサンプリング周波数が共振周 の半分となっている。整合 Z変換だけは周波数誤差が 波数の 1 0倍程度では特性が悪く,サンプリング周波数 みられなかった。 も考慮することが望ましいこともわかった。 振巾誤差の中心周波数付近においてはサンプリング タイム T=0.05 (m.sec)は,標準 Z変換にだけ誤差 が表われ,式 ( 3 6 )の実数部がかなり重みを持つこと 5 . あとがき 本論文では,アナログブイノレタからディジタルブイ がわかる。 ノレタを設計する際,用いられる変換法を標準 Z変換法 T=O.2 ' (m.seけでは,新変換 • . J k-'次変換は誤差が を基本として新しい変換法,あるいはお互いの変換法 なく,表 1を裏付けている。標準 Z変換の共振時にお の間の関係を明らかにした。また,各 Z変換法の誤差 ける振巾誤差を計算してみると,式 ( 4 1 )から求まる について検討し誤差を減らす方法を考察した。 + Z ーのす抗生じ,振巾特性の Q 次に,アナログの 2次フィルタを例に上げ,各 Z変 を悪くしている。共振特性のすそ(叩>問。〕において 換法を用いて構成し,どの変換法がもっとも有効か明 振巾特性式の分母に は,標準 Z 変換,整合 Z 変換はほとんど同じで • j Y . . 次変換,新変換の!I原に誤差が大きくなる。但し • y,' ‘ ら方ミにしたハ しかしながら,ここで、述べた各変換法の相互関係に 次変換はアナログ特性より負側に誤差が表われ,他(主 加えて. {也の変換法(例えば,整合 Z変換)をも加え 正に表われる。 た巾 ! l , 1 .、相互関係を確立する必要がある。 これは Sの Zへの変換関数によるものである o また, また,新変換と双一次変換の合成により線形近似の 共振特伎のすそ(叩<wo) では,整合 Z変換において よい変換関数を述べたが,これよりももっと簡単で線 のみ誤差を生じる c これは,整合 Z変換が, 形近似のよい変換関数の導出が望まれる。 1-KZ-l S+a=一 一1' 一一一 -一(4-10) 但し ,K=e-aT, aは正の実数 謝 辞 日ごろから,ご指導いただく本学電子工学科中村正 の変換関数となるため. 4-8図 ( b )より振 l l J誤差が低い 孝先生に心から深謝の,意を表わします。また,本研究 周波数において他の変換方法よりも大きいことが説明 に御協力し、ただいた本学電子工学科上野友己君に感謝 できる。 します。 jl A l 6 . 参芳文献 Ws 。 “ Active F i l t e r s Lumped,D i s t r i b u t e d,I n t e g r a t e d,D i g i t a l,and Parametric" McGraw H i l lI n c .,New York (ω 靭l~λ 4 8図 1) Lawrence P . Huelsman ( c )周波数 ( a ) 軌跡 n : . を7 ¥ b )振巾誤差 w s ( 1 9 7 0 ) . ' 2 )C .M.Rader ,B.Gold: “Digital FilterDesign Techuniques i nt h e FrequencyDomain" IEEE ( c ) 周波数誤差 1-KZ-l F l g .4 8 Locusanderrorof 一一寸「一一 T r a n s .,AU-15,, 2 '( 19 6 7 ) . 3) 辻井,鎌田: “ディジタルフィノレタ"昭 48 電凶 - 97- 関する一検討"信学論(A), 55 -A, 1, p . 1,( 昭 連大, 2 3 8 . 4) B .ゴールド, 和47-01 ) . C.M.レイダー著,石田訳:“電 子計算機による信号処理"共立出版, ( 1 9 7 2 ) . 7) 船田,池谷.“ディジタノレ微分プイノレタについて" 5) 城戸:“ディジタノレフィノレタI. I, ]]]"日本音 響学会誌 27-4,5,6,p .2 3 1, p.274, p.311, 信学論 ( C ),54-C, 2, p . 182, (昭和4 6 ー 0 2 ). β) 船悶,池谷, ( 19 7 1 ) . “ディジタノレフィノレタ設計のための Z変換について"信学論倒, 5 5 -D, 2, p . 106, 1 1:“ディジタノレブイノレタの特性改善に ) ()平井,治 ) -9 8ー (昭和47-73).