...

4 表面・界面の分析法 - 九州大学 先導物質化学研究所 高原研究室

by user

on
Category: Documents
31

views

Report

Comments

Transcript

4 表面・界面の分析法 - 九州大学 先導物質化学研究所 高原研究室
4 表面・界面の分析法
目的
表面分析の原理と応用法を理解する。
表面・界面の分析は何に役立つか
1.  表面・界面の形態、官能基の分析
2.  表面や界面の制御による材料の高性能化・機能化
表面・界面の分析法→機器分析などのテキストも参考にする。
l  分光学的解析(赤外吸収分光法、X線光電子分光法、オージェ電子分光法
、二次イオン質量分析法)
l  散乱・反射法(エリプソメトリー、X線反射率測定、表面X線回折)
l  形態観察法(光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査トンネル顕微鏡、原子間力顕
微鏡)
l  表面物性測定(接触角、動的接触角)
日本接着学会編、表面解析・改質の化学、日刊工業新聞(2003).
高分子学会編、高分子分析技術最前線、共立出版(2007).
主な表面分光分析法
ATRプリズム
ATR-IR
多重全反射赤外吸収分
光法 ATR-IR:Attenuated
total reflection-infrared
spectroscopy
XPS
X線光電子分光 XPS:Xray photoelectron
spectroscopy
オージェ電子分光 AES:
Auger electron
spectroscopy
AES
静的二次イオン質量分光 SSIMS: Static secondary
SSIMS
ion mass spectroscopy
イオン散乱分光 ISS: Ion
scattering spectroscopy
ISS
µ
1-10keV
主な表面形態観察法
TEM
SEM
STM
SFM
透過電子顕微鏡 TEM: Transmission electron microscopy
走査電子顕微鏡 SEM: Scanning electron microscopy
走査トンネル顕微鏡 STM: Scanning tunneling microscopy
走査フォース顕微鏡 SFM: Scanning force microscopy
1
En = (n + )hνOSC
2
化学結合の状態を評価
4.1 赤外吸収分光法
原子1�
原子2�
1 2
2
V (r ) = kx = 2π2 mν OSC
x2
2
m1m2
m=
m1 + m2
1 k
ν OSC =
2π m
ΔEvib = En+1 − En = hν OSC
不連続な振動準位を伴う調和振動
子のポテンシャルエネルギー曲線
結合の強さによって吸収波数が異なる
kC ≡C > kC =C > kC −C
2200>1650>1000cm-1
分子振動によって赤外光が吸収されるの
は双極子モーメントが光の電気ベクトルと
相互作用するときのみ
赤外活性な分子の規準振動の例(双極子モーメントが変化)�
分子が振動するにつれてその双
極子が変化すると、電磁場と相
互作用する�
波数(cm-1)
=10000/λ(µm)
二酸化炭素����������������水�
有機物に代表的なIR吸収バンド�
振動のモード
波数/cm-1
O-H stretch *
3300-3650
N-H stretch*
3060-3550
C-H stretch
2850-2960
C=O stretch*
1600-1900
C=C stretch
1620-1680
C-H bend
1340-1465
C-C stretch、bend 700-1250
*水素結合状態に敏感(ナイロン、ポリウレタンなど)�
赤外吸収分光法ー試料の形状で様々な手法を選択する
ATR-IR
DRS or DRIFT
Detector
Flat substrate
ERS or RAS
方法
透過法
内部反射法(ATR)
外部反射法(ERS)
反射吸収法(RAS)
光音響法(PAS)
拡散反射法(D RS)
PAS
基板
NaCl
、KCl
、C aF2
高屈折率プリズム(I
RE)
平滑非金属表面、水面
平滑金属表面
不透明物質
粗面試料
感度
普通
高感度
低感度
高感度
高感度
高感度
赤外吸収分光法で得られる情報と特徴(最も情報量の多い分析法)
1)
0.5μmー数μmの深さの化学結合状態分析
2)
内部反射(ATR)法による深さ方向の分布測定
3)
非破壊分析
4)
定量性
6)
イメージング(10μm分解能ー顕微IR)
適用試料
1)
あらゆる固体試料
2)
界面での吸着膜なども評価可能(ATR、RAS、ERS)
測定条件
1)
真空〜水中まで
2)
測定温度(低温から高温まで)
問題点
1)
深さ方向の分解能が悪い
2) 二次元分解能が悪い
多重全反射赤外吸収法(ATR-IR)
内部反射法
2
θ
1
5
Depth/µm
4
3
1
2
3
4
5
KRS-5 45 n=2.35
Ge 30
Ge 45
n=4.0
Ge 60
n=3.42
Si 45
n 2 =1.5
1
2
2
5
3
1
4
0
4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000
試料に高屈折率のプリズムを
密着し、プリズムと試料界面
で赤外光を全反射させる。そ
のとき滲み出す赤外光(エバ
ネッセント波)の吸収を評価
する。
dp =
500
Wavenumber/cm-1
エバネッセント波の滲み出す深さの波長依存性
λ 2 −2
(n1 sin θ − n22 ) −1/ 2
2π
ポリジメチルシロキサンPDMS 2.5nm thick
PET (b)
(a)  PDMS(2.5nm) on PET
(b)  PET
(c)  (a)-(b)
6nm Ag filmを蒸着
感度の増大
Y. Nishikawa et al., Appl. Spectrosc., 45, 752(1991).
ATR-IR
アラキジン酸カドミウムLB膜[(CH3(CH2)18COO)2Cd]
(T.Ohinishi et al.,J.Phys.Chem.,82, 1990(1978).)
1200cm-1以下
ガラスの強い吸収
2920cm-1 CH2逆対称伸縮振動
2850cm-1 CH2対称伸縮振動
1545cm-1 COO-逆対称伸縮振動
1430cm-1 COO-対称伸縮振動
吸光度が積層数に比例
4.2 X線光電子分光法(XPS)p.397
オージェ電子
hν
X-ray
KLL
2p
L2,3
2p
2s
L1
2s
光電子
1s
1s
K
光電子放出過程
オージェ電子の放出過程
試料に高真空中でエネルギーhνの軟X線(MgKα、AlKα)を照射し、光電効果
で放出される光電子の運動エネルギー、Ekを評価し、それより電子の束縛エ
ネルギー、Ebを評価する。放出される光電子の量は元素の量に比例する。
Eb = hν − Ek − φ
Cの1s軌道からの光電子はC1sと表示。
3λより深いところから放出された光電子は自由行
程を考えると表面から飛び出すことは出来ない。
XPSで得られる情報
XPS装置
XPSの走査モード
ワイドスキャン
ナロースキャン
項目
(サーベイスペクト 定量分析のみ
状態分析
測定領域
0~1200eV (M g,A l)
ピークの両側 5~10eV
エネルギー分解能 低分解能
中分解能
中、高分解能
エネルギーステップ 0.5~1eV
0.1~0.2eV
0.05~0.1eV
S/N 比または時間 数分
S/N 10
S/N 10~50
高分子の場合
真空度:10-9torr
(1torr=133Pa)
ナロースキャン
(結合状態を精密に知る)
-C1s"
PET"
-O1s"
ポリエチレンテレフタレート(PET)
ワイドスキャンーどのような元素が表
面にあるかを調べる(定性的)
-O2s"
c/s"
-O KLL"
Atom %"
C 70.9"
O 29.1"
C-O
C=O
-C-O- C=O
1000"
800"
600"
400"
結合エネルギー (eV)"
200"
O
O
O
O CH2CH2
C1sはCの結合状態により
ピークがシフトする。(化学
シフト)。電気陰性度の高
い原子が隣接すると、高エ
ネルギー側にシフト
0"
深さ方向のプロファイリング
光電子の固体中での平均自由行程、λは数nm以下なので、表面からの信
号のみが検出される。
Analyzer
e
θ =90 deg.
d0
X-ray
d=d 0sin θ
θ
Analytical depth/nm
e
X-ray
12
Analyzer
3λ=10nm
10
8
6
d = 3λ sin θ
4
2
0
0
20
40
60
80
θ/deg
検出器方向からみた電子の飛び出す深さは一定であることを利用している。
従って、試料を傾斜させると表面からの寄与が大
ポリイオンコンプレックスLB膜
CF 3 (CF 2 ) 7 CH 2 CH 2 COOCH 2 CH 2
CH 3
O
+
=
N C CH
CF 3 (CF 2 ) 7 CH 2 CH 2 COOCH2 CH 2
2
N
CH 3
CH 3
F
2C 8C 2-de-C2 N+ Cl -
分析深さを浅くすると、表
面のフッ化炭素部分から
の信号強度大
Macromolecules, Vol.21, 2443 (1988).
Cl -
4.3 二次イオン質量分析法(ATp975)
(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)
エネルギーを持ったイオンが固体内に入ると、入射
イオンはエネルギーを与えながら減速する。このと
き衝突カスケードが表面に達したとき、そのエネル
ギーが表面の結合エネルギーよりも大きいという
条件を満たせば、その粒子やイオンは真空中に放
出される。
→二次イオンを質量分析
D-SIMS(Dynamic-)
S-SIMS(Static-)
(
1µm
1mm
10 -4 10 -3 A/cm
5 20keV
0.1 1s
nm
mm
10 -9 10 -6 A/cm
0.5 4keV
10 2 10 5s
SIMSで得られる情報と特徴
1.  微量元素の種類と量(ppm~ppb)
2.  深さ方向の元素分布測定(DSIMS)
3.  界面の分析(DSIMS)
4.  元素の3次元分布(DSIMS)
5.  全元素の分析
6.  同位体の分析
7.  化合物の直接同定(SSIMS)
8.  表面第一層の分析(SSIMS)
9.  分子量、分子量分布の評価(SSIMS)
SIMSの問題点
1.  絶対定量性(二次イオン化効率が一次イオンの種類、
元素の種類に大きく依存する)
2.  チャージアップ
動的二次イオン質量分析法
(DSIMS)
半導体中にドープされた超
微量の硼素の検出
O2+ ion gun(4keV, 30nA)
Q-Mass
Energy filter
Extraction lens
Scan 200µm x 200µm
4keV O2+
試料
BをドープしたSi
幅広いダイナミックレンジ
静的二次イオン質量分析スペクトル
ポリスチレン
表面の分子フラグ
メントのスペクトル
が得られる。
表面の分子種の
定性、定量
PS mass=91のト
ロピリウムイオン
4.4 形態学的観察
1) 形態学的観察の概要
顕微鏡の歴史
1683年 A.�レーウェンフック�単式顕微鏡
R.�フック�複式顕微鏡
1837年 イギリス�ワトソン光学会社�顕微鏡の製造
1866年〜�カールツアイス�アッベ�油浸レンズ
1876年�アッベ�開口数の概念
1903年�シグモイド�暗視野顕微鏡
1925年�山本忠昭�干渉顕微鏡
1935年�F.ゼルニケ�位相差顕微鏡
1938年�E.�ルスカ�電子顕微鏡
1969年�ダビドビッツ�共焦点レーザー走査顕微鏡の原理
1981年�Binnig, Roher走査トンネル顕微鏡
1986年�Binnig, Quate, Gerber原子間力顕微鏡
顕微鏡の分解能�
1 mm
高
さ
分
解
能
1 µm
1 nm
0.05 Å
1 pm
2Å
1 nm
1 µm
1 mm
有機・高分子材料のナノテクノロジー�
半導体
生体
有機・高分子材料
m
器官
シリコン単結晶
組織
繊維・フィルム
細胞
低分子の単結晶
染色体
バクテリア
生体膜
球晶
mm
集積回路
µm
LSI
単一分子デバイス
nm
原子
タンパク質
核酸
脂質
多層膜・LB膜
二分子膜・ミセル
高分子の結晶
ミクロ相分離構造
カーボンナノチューブ
フラーレン
ナノテクノロジー ナノメートル・スケールで加工する
↓
分子を組み立てて新しい材料を作る
基礎技術
新しい概念に基づく
顕微鏡
走査プローブ顕微鏡
1981 走査トンネル
顕微鏡
1986 原子間力顕
微鏡
観るだけではなく
測る、加工する
2) 透過電子顕微鏡�
薄膜試料に高速の電子線を照射
し、試料を透過した電子波を対物
レンズなどの電子レンズで拡大す
る。
加速電圧 60kV
波長 0.005nm
1.5
λ=
V
CCDカメラ
http://www.jeol.co.jp/cgi-bin/searchDB.pl?searchWhat=emTerms
TEMを用いた結晶性高分子の表面構造解析 ポリエチレンの0.01%キシレン溶液を373Kで調製し、348Kに放置すると液が
濁ってくる。その液の中には単結晶が生成している。電子顕微鏡で見ると
B
A
a
B
)
(
0
11
c
b
(110)
a
b
A
10nm
0)
菱形の板状の結晶が生成(ラメラ結晶)
1
1
(
(110)
使ったポリエチレンの長さは5µm以上
どのようにして分子は厚さ10万分の1mmの薄い板状の結晶に入っているのか?
何個の分子が1つの単結晶に入っているのだろうか?
透過電子顕微鏡で元素も識別できる(エネルギーフィルターTEM)
a
1.0 µm
b
200 nm
A
マイクロポーラス構造(A)部分の断面の硫
黄原子のEFTEM写真であり、マイクロ
ポーラス構造中にブロック共重合体の相
分離によるナノ構造が基板に対し垂直方
向に配列している T. Hayakawa, S. Horiuchi, Angew.
Chem. Int. Ed., 42, 2285(2003).
粒子表面に形成したポリマーブラシの特性解析
シリカナノ粒子上のPMPCブラシの直接観察 (Dr. Horiuchi,
AIST)
ナノ粒子上の重合開始
剤からATRP
CH3
SiO2
CH2
C
n
Br
COOCH2CH2OPO3CH2CH2N(CH3)3
エネルギーフィルター透過電子顕微鏡による
PMPCグラフトナノ粒子のPMPC鎖のマッピング
S. Horiuchi, T. Hanada, M. Ebisawa, Y. Matsuda, M. Kobayashi, A. Takahara,
Contamination-Free Transmission Electron Microscopy for High-Resolution
Carbon Elemental Mapping of Polymers, ACS Nano, 3, 1297–1304(2009).
トモグラフィーによる3次元観察
X線CTと同じ原理
3次元透過電子顕微鏡による共連続構造の可視化(陣内
ら)
74nm
Network:
Box Size: 270 nm x 270nm
x 210 PS,
nm
Transparent: PI
H. Jinnai et al., Phys. Rev. Lett., 84, 518 (2000).
H. Jinnai et al., Adv. Polym. Sci., 170, 115 (2004).
3)�走査電子顕微鏡(SEM)
原理
電子光学的に収束された電子ビーム
で、試料表面を二次元的に走査する。
電子ビームは試料表面から二次電子
をたたき出し、二次電子を集めてデイ
スプレイを輝度変調するディスプレイ
のラスターが走査と同期しているので、
試料表面の拡大像が得られる。
参考:http://www.jeol.co.jp/cgi-bin/searchDB.pl?searchWhat=semTerms
髪の毛のSEM像
蓮の葉の表面のSEM像
ガラス繊維強化ナイロン6のSEM像
4)�走査プローブ顕微鏡
顕微鏡の分解能ー用い
る光の波長λが限
界�
走査プローブ顕微鏡ー
光を使わず、微細
(nm以下の)位置
制御技術を利用�
�
走査プローブ顕微鏡
サ−ボ回路
z
x
y
コンピューター
Tip
Sample
ピエゾ素子
レ−ザ−光
走査回路
位置検出
ダイオード
針の位置
針の先端と表面
の間のトンネル
電流
特徴�
•  空気中でも観察で
きる(電子顕微鏡
は真空のみ)�
•  試料の前処理不要
(電子顕微鏡は
TEMでは超薄膜、
SEMでは金属蒸着
が必要)�
•  高分解能�
カンチレバ−
試料表面
たわみ方向
針の先端と表面原
子に働く力
原子間力顕微鏡(AFM)
1nm以下
走査トンネル顕微鏡(STM)
非常に鋭く尖った探針を導電性の物
質の表面に近づけ、流れるトンネル電
流から表面の構造などを観察するもの。
走査フォース顕微鏡
(Scanning Force Microscope)
ーカンチレバーという微小な力を検出
するプローブを用いて表面の形態のみ
ではなく表面の性質あるいは相互作用
力が評価可能
l 原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)形態
l 水平力(摩擦力)顕微鏡(Lateral Force Microscope)水平力・摩擦力
l 走査粘弾性顕微鏡(Scanning Viscoelasticity Microscope)粘弾性
l 化学力顕微鏡(Chemical Force Microscope)官能基間の相互作用力
l 分子間力顕微鏡(Molecular Force Probe)分子鎖一本の力ー変位曲線
原子間力顕微鏡の原理は80年前に提案されていた
水平方向だけでなく垂直方向をも拡大するために、従来は触針式プロファイラが利用され
てきた。初期のプロファイラの例を図に示す。1929年にSchmalzによって発明されたこの
プロファイラは、カンチレバーの終端にある先鋭なプローブの動きを光レバーアームによ
りモニタしました。感光紙上での触針の動きを記録することにより、表面形状を拡大したプ
ロファイルが得られた。この種の「顕微鏡」は、1,000倍以上の倍率でプロファイル「イメー
ジ」を作り上げることができた。
Uber Glatte und Ebenheit als physikalisches und physiologishes
Problem, Gustev Shmalz, Verein Deutscher Ingenieure, Oct 12, 1929, pp.
1461-1467
原子間力顕微鏡:AFM
(A+B)-(C+D)
A
B
C
D
カンチレバーのたわみ
フォトダイオード
レーザー
チップ
原子間力
カンチレバー
試料
走査型粘弾性顕微鏡:SVM
A
B
C
D
Z
ピエゾ素子
X
走査
Y
力
フォトダイオード
チップの応答
レーザー
高弾性率領域
カンチレバー
試料
水平力顕微鏡:LFM(摩擦力顕微鏡:FFM)
A
B
C
D
Z
X
カンチレバーのたわみ
レーザー
カンチレバー
水平力(摩擦力)
チップ
試料
走査
Z
ピエゾ素子
歪み
ピエゾ素子
(A+C)-(B+D)
フォトダイオード
X
Y
低弾性率領域
Y
ピエゾ素子のZ軸方向の正弦的変位
チップの先端の形状のたたみ込み効果
ー実際の幅よりも大きく見える�
チップ先端の形状の効果
http://mechmat.caltech.edu/~kaushik/park/4-1-0.htm
有機単分子膜の高分解能AFM像(分子像)
10
nm
HO
Si
OH
HO
Si
5
O
Si HO Si
Si
Si HO Si
OH
O
O
OH
O
O
O
OH
OH
O
HO
HO H
O
OH H O
Si
Si
Si
Si
Si
Silicon wafer
Si
Si
O
O
O
O
H
O
OH
Si
Si
ED
OTS molecule in a
hexagonal manner
0
0
5
nm
10
High-resolution AFM image
15 mN m -1
(10) spacing : 0.42 nm
六方晶に配列したメチル基
が識別できる。
Distance between Si atoms : 0.58 nm
オクタデシルトリクロロシラン CH3(CH2)17SiCl3
ポリエチレン単結晶(HDPE Mw=520k)の表面構造
343Kで48時間結晶化(セルフシーディング法)
(b)
(a)
(c)
scanning
direction
3 µm
3 µm
cantilever
原子間力顕微鏡像 水平力顕微鏡像 カンチレバーの走査
方向と折りたたみ構
造の関係
水平力でのコントラスト
→規則正しい分子鎖折りたたみ構造(2nm程度)の存在
Kajiyama,Takahara,1999
CDのピット
10 µm x 10µm
www.thermomicro.com
神経細胞(水中)
15 µm x 15µm
www.thermomicro.com/apps/lifesci
直径15nmの金コロイド粒子
www.thermomicro.com/apps/physci
走査フォース顕微鏡を用いた表面弾性率のマッピング
(PS/ Polyisoprene(PI)) (70/30w/w) ブレンド薄膜
PI
PI
Thickness=ca.100nm
Bulk Tg
PS 373K
PI 200K
PS
PS
2 µm
2 µm
Height/nm
Modulus/a.u.
(a) AFM
100 (a)
80 PS
PS
60
40
20
0
PI
0
1
3
2
Distance / µm
SVM によりゴム状態
(PI)とガラス状態(PS)
が明確に区別できる
かつ非相溶系ブレン
ドなので相分離界面
がシャープ
(b) SVM
4
(b)
0
PS
PS
PI
1
2
3
Distance / µm
4
ナノハンマー、ナノシェーバー�
原子間力顕微鏡の針の先端で孔をあける、分子を削り取るー超高密
度メモリ、ナノマシン�
5µmx5µ
m
探針の先端は窒化ケイ
素なので高分子や有機
薄膜に比べて著しく高
い硬度を示す�
CDの表面に書いた幅
0.5µmの文字�
(Basel大学)�
有機単分子膜の表面
に書いた幅200nm
の文字(九州大学梶
山研究室)�
4章の演習問題
1.  ATR-IRの原理について解説せよ。分析深さと光の波長(波数)、プリズ
ムの屈折率の関係について解説せよ。
2.  XPSの原理について解説せよ。さらにXPSではなぜ表面の10nmの層が
分析できるのか、その理由を説明せよ。
3.  SIMSの原理について解説せよ。S-SIMSとD-SIMSの違いを説明せよ。
4.  表面層の分析を行うためにはどのような分析手法があるか。原理ととも
に解説せよ。
5.  SEM, TEMの原理と特徴について解説しなさい。
6.  SFMの正式名称を示し、その原理を簡単に解説せよ。電子顕微鏡に比べ
てSFMはどのような長所があるか。
Fly UP