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国の地域公共交通施策の取組について
資料10 国の地域公共交通施策の取組について 平成26年11月4日 国土交通省関東運輸局 企画観光部交通企画課 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 目次 1.地域公共交通に関する現状と課題 2.これまでの経緯 3.地域公共交通の目指す方向性 4.地域公共交通活性化再生法の改正等 地域公共交通の現状 モータリゼーションの進展により、地域公共交通の位置付けが相対的に低下し、輸送人員の減少に歯止めがかから ない状況。 交通事業者の不採算路線からの撤退による地域公共交通ネットワークの減少や運行回数などのサービス水準の大幅 な低下が進行するとともに、地域交通を担う民間事業者の経営悪化が進行。 モータリゼーションの進展と輸送人員の減少 地域公共交通サービスの衰退 • モータリゼーションが著しく進展 • 乗合バスについては、過去5年間で約8,160㎞の路線が完全に廃止。 鉄道については、過去5年で約7ヵ所約105㎞の路線が廃止。 • バス・鉄道の分担率は、6割から3割に低下 • 公共交通空白地域の深刻化 各交通機関(陸上)の輸送人員の推移(全国) 100% 80% 60% 40% 20% 0% 42 51 20 23 15 14 22 13 67 70 69 70 7 16 10 5 15 10 5 16 10 5 15 10 空白地面積 自動車 民鉄 (我が国の人口の 5.8%) • 運行回数の減少(乗合バス事業) 路線1㎞あたりの 平均運行回数 1970年 1989年 2009年 約16回 約11回 約7.3回 (出典)公益社団法人日本バス協会「日本のバス事業」(平成24年) 1990年 2000年 65億人 48億人 5.1億人 7,351千人 (我が国の可住地 面積の約30%) (出典)平成23年度国土交通省調査による JR(国鉄) • 輸送人員は大幅に減少 地域鉄道 36,477 km2 バス 出典:地域交通年報、自動車輸送統計年報 乗合バス事業 バス 500m圏外 鉄道 1km圏外 空白地人口 4.3億人 2010年 42億人 (90年に比べ35%減) 3.8億人 (90年に比べ25%減) (出典)自動車輸送統計年報、鉄道統計年報及び国土交通省調査 • 民間バスの約7割、地域鉄道事業者の約8割が赤字 民間バス 69% 31% 地域鉄道事業者 24% 黒字 76% (保有車両30両以上の事業者(2012年度) ) 今後の急激な人口減少(2050年人口はピーク時2008年の約8割の9,500万人に減少)の下で 地域公共交通をめぐる環境はますます厳しいものとなることが想定される。 赤字 (2012年度) 1 地域公共交通に係る問題点とその背景 我が国の地域公共交通は、基本的には企画から運行まで、民間事業者又は独立採算制の公営事 業者により実施されてきた。 民間事業者 人口減少等により経営が厳しくなった結果、サービス水準の低下が顕在化するとともに、既存 の地域公共交通ネットワークを検証・改善する経営余力が失われ、地域住民のニーズやまちづ くりとの構想とのミスマッチが発生。 市町村 公共交通の必要性に対する認識が乏しい、計画策定のノウハウがない、地域公共交通の維 持・改善は民間事業者の役割であるとの認識が依然として根強い等の理由で、域内の公共交通 施策の立案に消極的な自治体も存在。 結果として、公共交通ネットワークの縮小、サービス水準の悪化に歯止めがかからず、日常生活に おける住民の足としての利用が困難となる事態が生じている。 参照:地域公共交通部会最終とりまとめ 2 地域公共交通に対する社会的要請の増大① 運転のできない学生・生徒や、高齢者、障害者等の交通手段を確保する観点からは、自家用自動車には一定の限界 がある。今後高齢化が急激に進むことが予想される中、地域公共交通の役割は一層増大。 今後本格化する人口減少社会において都市の再生を図るためには、コンパクトシティの実現により市街地の拡散に 伴う低密度化を抑制し、人口密度の維持を図ることが必要。その実効性を担保するためには、諸機能が集約した拠 点どうし、あるいは拠点と居住エリアを結ぶ地域公共交通ネットワークを再構築することが重要。 自動車以外の交通手段を確保する必要性 集約型都市構造(コンパクトシティ)の推進 • 地方部では過半数の住人が公共交通に不自由感を感じており、 運行本数の少なさが深刻な問題 日常生活における公共交通機 関の不自由を感じている人 うち運行本数の少なさを 理由としている人 うち路線数の少なさを 理由としている人 首都圏 近畿圏 中京圏 地方圏 全体の 37.4% うち 62.0% うち 18.0% 全体の 38.5% うち 64.7% うち 19.7% 全体の 54.8% うち 80.6% うち 28.6% 全体の 56.0% うち 85.2% うち 30.3% 出典:平成24年 国土交通省調査 • 高齢化が進む中、自動車以外の交通手段を確保する必要性は 今後ますます増大する懸念。 (人口:千人) 2010年 75歳以上人口 約1400万人 (約11%) 県庁所在地の人口の推移 県庁所在地のDID面積の推移 (三大都市圏及び政令指定都市を除く) (三大都市圏及び政令指定都市を除く) 〈1都市あたりの平均人口〉 (年) 〈1都市あたりの平均DID面積〉 (年) 1970年→2010年 人口は約2割増加 1970 1970年→2010年 DID面積は倍増 1970 2010 2010 約40年前の 1970年と同水準 2040 0 2050年 75歳以上人口 約2400万人 (約25%) (人口 10 単位:万人) 20 30 40 0 (面積 20 40 60 単位:km2) 出典:国勢調査 国立社会保障・人口問題研究所(平成25年3月推計) ※DIDとは、国勢調査で定められた「人口集中地区」。原則として人口密度が1平方キロメートル 当たり4,000人以上の国勢調査基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それら の隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有する地域。 • 多極ネットワーク型コンパクトシティー(串と団子) 2010 2013 2016 2019 2022 2025 2028 2031 2034 2037 2040 2043 2046 2049 2052 2055 2058 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 • 現在でも進展するまちの拡大 1970年から2010年にかけて人口が約2割増加、併せてDID面積は倍増。 今後は、急速に人口が減少し、2040年の人口は、1970年と同程度に 減少する見込み 計画的に配置された生活サービス機能への アクセスの確保のため、公共交通の充実が 必要。 (年) (出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(中位推計) 3 地域公共交通に対する社会的要請の増大② 地域社会の活力を維持・向上させるためには、地域住民の通院、通学、買い物などの日常生活上不可欠な移動に加 え、文化活動やコミュニティ活動、「遊び」のための活動、その他様々な活動のためのおでかけを含む外出機会の 増加を図ることが重要。 国内外の観光客を含む地域外からの来訪者との交流を活発化させ、地域活力の増進を図る際には、地域公共交通の 充実により、観光旅客等の来訪者の移動の利便性や回遊性を向上させることが重要。 公共交通の整備によって「遊び」のための外出機会が 増大した例(富山市) 広域的な観光圏を設定し、観光旅客の移動の利便性や回遊 性を向上させる取組み(京都府) 【外出機会が増えた目的】 観光・まちづくりと一体となった鉄道再生 ~「海の京都」事業(観光まちづくり)による需要創出~ 20% 通勤 2% 通学 買物 55% 31% 2% 飲食 16% 4% 4% 通院 観光 2% 6% 散歩等 鉄道とバスの 連携による 周遊ルート 10% 4% 業務 その他 0% 8% 10% 10% 主に増えた目的 ついでに増えた目的 20% 30% 40% 50% 60% ≪H23市内電車利用者へのアンケート調査より≫ 4 目次 1.地域公共交通に関する現状と課題 2.これまでの経緯 3.地域公共交通の目指す方向性 4.地域公共交通活性化再生法の改正等 地域公共交通活性化・再生法(平成19年法律第59号) 基本方針 計画の作成・実施 協議会 市町村、公共交通事業者、道路管理者、港湾管理者、公安委員会、住民等 地域公共交通総合連携計画 地域公共交通のあらゆる課題について、当該地域にとって最適な公共交通のあり方について合意 形成を図り、合意に基づき各主体が責任を持って推進。 連携計画に定めることが できる地域公共交通特定事業 ・ ・ ・ ・ ・ ・ LRTの整備 BRTの整備 海上運送サービスの改善 乗継の改善 鉄道の再構築 鉄道の再生 法律上の特例措置 〈市町村における連携計画策定件数〉 600 ・LRT整備に関する軌道事業の上下分離制 度の導入 ・LRT・BRT車両購入費等について自治体 助成部分の起債対象化 ・鉄道再生実施計画作成のための廃止予 定日の延期 ・鉄道事業における「公有民営」方式の上下 分離を可能とする特例 ・関連交通事業法の事業許可等の手続き の合理化 等 462 500 398 400 300 492 510 263 200 100 0 H20年度末 H21年度末 H22年度末 H23年度末 H24年度末 新たな形態による輸送サービスの導入円滑化 関連交通事業法の 事業許可等の手続き の合理化等 DMV(デュアル モード ビークル) 軌道と道路の両方の走行が可能な車両 IMTS(インテリジェント マルチモード トランジット) 磁気誘導による専用 道路部分と一般道路 の両方を走行する車両 水陸両用車 等 5 国の施策の効果① (コミュニティバス・乗合タクシーの輸送状況) 地域の足を確保する手段として、コミュニティバスや乗合タクシーの導入が進んでいる。 コミュニティバスの導入状況 3,000 導入市区町村数 コミュニティバス数 2,500 2,000 2,390 2,207 2,564 3,500 2,738 2,000 1,087 2,302 2,500 1,099 1,130 1,155 1,165 500 0 0 20 21 22 2,377 1,500 500 19 2,168 1,619 813 1,000 18 3,096 2,815 3,000 1,549 887 コース数 事業者数 1,963 1,500 1,000 乗合タクシーの導入状況 18 23 年度 ※個別調査による。 927 19 895 20 919 21 1,016 1,062 22 23 年度 ※個別調査による。事業者数は、団地型・過疎型等の形態により重複しており、延べ数。 平成20年度の乗合バス輸送実績 総計43億人 40.1 路線バス (30両以上の事業者) 1.0 1.1 (単位:億人) 0.8 路線 バス 高速 (29両 バス 以下) 93.2% ※一般乗合旅客運送事業の輸送実績報告書から集計。 2.3% コミュニ ティバス ・乗合タク シー 事業種別 系統数 輸送人員 コミュニティバス 4,314系統 77百万人 乗合タクシー 232区域 3百万人 2.6% 1.9% 6 国の施策の効果② (コミュニティバスの状況(路線バスとの比較)) コミュニティバスの導入が増える一方、既存路線バスとの競合問題を抱えている状況。 (系統数) 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 ○輸送実績(H20年度) ○コミュニティバスの導入時期 項目 1,727 1,188 903 平成11年以前 平成12~14年度 系統数 走行キロ 輸送人員 輸送人員キロ 1人平均乗車キロ 平均乗車密度 運送収入 運送支出 収支率 1,008 平成15~17年度 単位 系統 千キロ 千人 人キロ km 人 百万円 百万 % 4,314 96,927 76,767 363,617 4.7 3.8 14,096 35,179 40.1 参考:路線バス 41,861 1,945,490 4,067,692 18,044,688 4.5 9.4 721,601 840,552 85.8 平成18~20年度 ○路線バスとの競合の有無 ○競合路線の今後の対応 路線バス撤退 予定 2.2% 未回答 6.9% 無回答 43.9% あり 42.4% なし 50.7% 値 コミバス増設 検討中・未定 0.2% 5.6% 路線バス 縮小予定 25.4% 現状維持 15.0% コミバス撤退 コミバス縮小 予定 3.4% 予定 4.3% 出典:社団法人日本バス協会「バスネットワークの実態分析調査報告書」(平成23年) 7 乗合バス事業に係る補助金額の推移 バス事業者の収入減を補う形で、市町村による補助金の額が劇的に増加。 (億円) 財政状況に鑑み、既存の地域公共交通ネットワークの再編・最適化が必要不可欠な状 況。 乗合バス事業に係る補助金額の推移 500 455 445 450 393 400 339 350 300 403 過去7年間で 約200億円増 303 277 246 市町村補助 250 都道府県補助 200 157 150 国庫補助 131 150 151 142 144 116 111 64 76 2010 2011 100 50 73 72 74 77 80 79 2004 2005 2006 2007 2008 2009 0 (年次) 出典:日本バス協会「日本のバス事業」 8 目次 1.地域公共交通に関する現状と課題 2.これまでの経緯 3.地域公共交通の目指す方向性 4.地域公共交通活性化再生法の改正等 交通政策審議会地域公共交通部会における審議 <主な審議事項> • • • • 社会経済情勢の変化に対応した今後の地域公共交通サービスのあり方 地域公共交通の充実を図るに当たっての関係者(国、都道府県、市町村、事業者、地域の関係者等)の役割と責任の分担のあり方 関係者の役割分担を踏まえた、地域公共交通の充実を図るための制度的枠組みのあり方 地域公共交通の安全かつ効率的な運営や、良質なサービスを確保するための方策 <委員等> [委 員] [臨時委員] [オブザーバー] 部 会 長 部会長代理 淺野正一郎 家田 仁 加藤 博和 佐藤友美子 高橋 玲子 竹内 健蔵 中村 文彦 原田 昇 藤井 一也 矢ケ崎紀子 情報・システム研究機構国立情報学研究所名誉教授 東京大学大学院工学系研究科教授 名古屋大学大学院環境学研究科准教授 追手門学院大学地域文化創造機構特別教授 (株)タカラトミー社長室共用品推進課係長 東京女子大学現代教養学部国際社会学科経済学専攻教授 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授 東京大学大学院工学系研究科教授 連合中央執行委員、全日本交通運輸産業労働組合協議会議長 首都大学東京都市環境科学研究科観光科学域特任准教授 青木 真美 佐藤 剛 正司 健一 白石 勝也 土井 勉 古川 康 森 雅志 若林亜理砂 一ノ瀬俊郎 上杉 雅彦 樺澤 豊 竹内善一郎 田中亮一郎 同志社大学商学部教授 全国地方新聞社連合会会長、北海道新聞社東京支社長 神戸大学大学院経営学研究科教授 愛媛県松前町長 京都大学大学院工学研究科特定教授 佐賀県知事 富山市長 駒澤大学大学院法曹養成研究科教授 東日本旅客鉄道(株)常務取締役・総合企画本部長 (公社)日本バス協会副会長・地方交通委員長、神姫バス(株)代表取締役会長 第三セクター鉄道等協議会会長、わたらせ渓谷鐵道(株)代表取締役社長 (一社)日本民営鉄道協会副会長・地方交通委員長、遠州鉄道(株)代表取締役会長 (一社)全国ハイヤー・タクシー連合会副会長・地域交通委員長、第一交通産業(株)代表取締役社長 ⇒平成26年8月6日 「地域公共交通の充実に向けた新たな制度的枠組みとその活用に関する基本的な考え方」として最終とりまとめ 9 地域公共交通に係る問題の解決の方向性 基本的考え方 民間事業者の事業運営にともすれば任せきりであった従来の枠組みからの脱却 地域公共交通の再定義 ▶ 地域の総合行政を担う地方公共団体が先頭に立って ▶ 関係者の合意の下で ▶ まちづくりと一体で 持続可能な地域公共交通ネットワーク・サービスを再構築 ポイント ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ まちづくり、観光振興等の地域戦略との一体性の確保 地域全体を見渡した総合的な公共交通ネットワークの形成 地域特性に応じた多様な交通サービスの組み合わせ 広域性の確保 住民の協力を含む関係者の連携 具体的で可能な限り数値化した目標設定 コミュニティバス、LRT等を導入しただけで問題が解決するわけではない! (コミュニティバス等は手段であって目的ではない.) 10 まちづくり、観光振興等の地域戦略との 一体性の確保 地域公共交通に係る問題の解決の方向性① (富山市) (熊本市) 公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり ゾーンバスシステムの導入による路線再編 凡例 基幹公共交通 (幹線) 支線 市街地線 メインターミナル 交通センター 乗継ポイント 拠点地点 ゾーンバスシステムの導入 中心市街地地区 F地点 D地点 C地点 F地点 D地点 乗換え ポイント化 C地点 BRTの導入 E地点 B地点 幹線 A地点 中心部 メインターミナル 公共交通沿線における居住人口の 増加による公共交通の利用者増 バス路線 鉄道 E地点 B地点 A地点 中心部 メインターミナル 公共交通沿線 居住推進地区 フィーダー線 11 地域公共交通に係る問題の解決の方向性② 地域全体を見渡した総合的な公共交通 ネットワークの形成 地域全体の公共交通ネットワークを総合的に考え、交通機関相互の連携を十分に図ることが必要。特に、公的支援の あるサービスは公的支援のないサービスを補完するものとして位置付け、両者の重複をできる限り避けるとともに、 民間活力を最大限活用することに留意する必要。 問題事例:コミュニティバスと民間バスの競合(パターン①廃止代替路線の延伸) コミュニティバスの 採算性が悪い コミュニティバスの延伸 採算性の向上 競合の発生 =民間バス路線の 収支悪化 乗換 コミュニティ バスの運行 Aバスとは別の 過疎集落 事業者が受託 地域全体のネットワークについて バス事業者と十分協議を行い 系統の短縮 役割分担を決定することが必要 公共交通空白地域 の発生 12 地域公共交通に係る問題の解決の方向性② 地域全体を見渡した総合的な公共交通 ネットワークの形成 問題事例:コミュニティバスと民間バスの競合(パターン②公共施設巡回型) ○○バス 公共施設A ○○バス 公共施設A ○○バス △△市 ××号 ××号 公共施設C 公共施設D △△市 ××号 ××号 ○○バス 公共施設D 中心市街地 巡回型コミュニティバ スの運行 公共施設C 公共施設B 公共施設B 競合の発生 過疎集落 路線収支の悪化 公共交通空白地域 の発生 ○○バス △△市 ××号 ××号 役割分担を決定することが必要 △△市 ××号 ××号 バス事業者と十分協議を行い ○○バス 地域全体のネットワークについて 系統の短縮 13 地域公共交通に係る問題の解決の方向性③ 地域特性に応じた多様な交通サービスの 組み合わせ 具体例(豊岡市) 民間路線バス 中心部から生活拠点を運行(幹線系統) 凡例 生活拠点 民間路線バス 生活拠点 市営路線バス デマンド交通(市営) デマンド交通(地域主体) 中心 拠点 民間路線バス 市が民間路線バス会社に要請して 市中心部の循環コミュニティバスを運行 市営路線バス 生活拠点から周辺部にかけて、地域の需要特性に 応じた柔軟な路線設定で運行(フィーダー系統) 生活拠点 連節バス(ナント) 地域主体デマンド交通 地域コミュニティーが自家用自動車を 使用してデマンド型で運行(会員制) 生活拠点 生活拠点 市営デマンドバス 利用者が多く見込めない路線を デマンド型で市が運行 14 地域公共交通に係る問題の解決の方向性④ 広域性の確保 既存の行政区域にとらわれない広域的な公共交通ネットワークの形成を図ることが必要であり、交通ネットワークを 形成すべき生活圏の単位が複数の市町村にまたがる場合は、関係市町村や都道府県が連携して、当該地域にとって最 適な公共交通ネットワークの形成を図るよう絶えず取り組むことが重要である。 五條市 <課題> ●バス路線が複数の市町村にわたる ため、市町村どうし、あるいは 個別市町村とバス事業者の間の調整 が困難。 野迫川村 十津川村 既存バスのサービスでは必ずしも通院 ニーズに対応していないため、県、市、 村がコミュニティバスの運営主体となり、 広域的な移動を含めた通院行動を支援 15 地域公共交通に係る問題の解決の方向性⑤ 住民の協力を含む関係者の連携 公共交通機関の利用促進、自家用車の使い方の見直し等の住民による各種取組みや一定の負担も織り込んだ形で、地 域公共交通ネットワークの形成を図ることが重要 <地域住民や地元企業が費用の一部を負担する運行を実施した例> 内 訳 地元企業 ・運賃収入 利用促進 財政協力 地元 住民 自主運行バス 協賛金、利用促進、 連携活動 委託 交通 事業者 バスの運行 ・世帯からの協賛金 運行 経費 運行 収入 ・地元企業からの 協賛金 支援 市 (運行経費の一部を支援) ・市からの運行経費 補助 16 地域公共交通に係る問題の解決の方向性⑥ 具体的で可能な限り数値化した目標設定 それぞれの地域の交通サービスが現状においてどのレベルにあるかをできる限り客観的に認識した上で、地域が自ら の目指す方向性を可能な限り具体的な数値目標に落とし込み(見える化)、達成状況をモニタリングすることが必要。 公共交通のアクセシビリティ(行きやすさ、乗りやすさ)に係る国土交通省の試算・分析に関する検討 公共交通の路線長と 人口密度の関係のイメージ (=空間的アクセシビリティ) 50 人口規模 30 1万人未満 20 1~3万人 10 3~10万人 6 10~30万人 4 30万人~ 2 1 0.6 0.4 0.2 0.1 公共交通の運行本数と 人口密度の関係のイメージ (=時間的アクセシビリティ) 0.06 0.04 0.02 10 20 30 40 60 100 200300 500 1000 2000 4000 10000 可住地人口密度(人/㎞2) ※公共交通路線長密度= (鉄道路線長+バス路線長)/可住地面積(㎞/㎞2) 300 人口規模 200 1万人未満 1~3万人 100 3~10万人 70 10~30万人 50 30万人~ 30 20 10 7 5 3 2 1 0.7 0.5 10 20 30 40 60 100 200300 500 1000 2000 4000 10000 可住地人口密度(人/㎞2) ※公共交通平均運行本数= 鉄道路線当たり平均運行本数+バス路線当たり平均運行本数(本/平日) 17 目次 1.地域公共交通に関する現状と課題 2.これまでの経緯 3.地域公共交通の目指す方向性 4.地域公共交通活性化再生法の改正等 18 ※要求中のため未確定 19 ※要求中のため未確定 20 ※要求中のため未確定 21 ※要求中のため未確定 22 参考URL ◇パブリックコメントにおいて提示した案 ①地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行令及び道路運送車両法施行の一部を改正する政令案 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155140113&Mode=0 ②地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行規則の一部を改正する省令案 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155140114&Mode=0 ③地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針の改正(案) http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155140115&Mode=0 ◇交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会の最終とりまとめ 「地域公共交通の充実に向けた新たな制度的枠組みとその活用に関する基本的考え方」 http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo12_sg_000082.html ◇地域公共交通支援センター(地域公共交通活性化事例、地域公共交通確保維持改善事業の紹介等) http://koutsu-shien-center.jp/index.html 23