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1. 日本産業の事情 大量生産と大量販売で右肩上がりの発展を遂げてき
1. 日本産業の事情 大量生産と大量販売で右肩上がりの発展を遂げてきた日本経済のバブルが弾けてから約 10 年。経済 環境が大きく変化し、マイナス成長からなかなか抜け出すことができない現状であり、弱りきった体 力に駄目押しするかのように、東南アジア、中国の脅威に晒され、工業立国日本の存在すら脅かされ る毎日です。 価格競争で中国に負ける現実を、指をくわえて見ていてよいのでしょうか?日本本来の技術力や洗 練された商品には、もう価値が無いのでしょうか?これから生き残るために、これらの疑問を肯定す る訳にはいきません。 2. 弊社の開発目標 分野を問わない、素材も問わない。 現状、無いものを考えよう。 現在の我が国では、日常生活で必要とするほとんどのものが家庭や個人に行き渡っています。その 結果、消費者のニーズは、 「皆が持っているものではなく、より珍しいものを」や、 「自分だけのもの を」であり、結局このニーズを満たすものが売れています。 安いもの、こだわりなく使うものに関しては、100 円均一やユニクロに代表されるような商品に勝 負を挑むほうが間違いでしょう。それよりも、時代と環境の変化に目を向け、中小企業の国日本とし てイタリア商法を取り入れ、 『少量でもよりよいもの』や『世界に向けて発信できるもの』の開発を目 指すべきです。 今回ご紹介するハロー・ドリームフィルムは、この目標を満たす可能性につながる要素を含んだ商 品です。その要素とは何か、従来の技術と比較しながらご説明します。 3. 従来技術の比較 今までの加飾方法は、平面ではシルク印刷、パット印刷、ホットスタンプ、熱転写などありますが、 曲面ではシルク印刷、パット印刷は不可となります。他の方法であっても、曲面が単純な一次曲面で 構成されていればなんとか対応できますが、複雑な三次曲面で構成されていると対応できない場合が 多く、唯一対応可能な水転写でも限界があり、同じ模様、複雑な色彩は不可能に近いものです。 複雑な曲面に印刷できる方法はないか、と思い続けていた 2001 年 4 月、ある大学の先生との雑談 で得た技術に「これは使える!」とひらめきを受け、即決で提携を決定し、約 1 年半かけて完成の運 びとなりました。昨年 11 月に開催された東大阪テクノフェアで展示発表を行い、商品第 1 号として アンモナイトのレプリカ教材が誕生しました。 本技術では、画像を印刷したフィルムの 1.5 倍程度まで伸びる性質により、今まで不可能とされて きた、三次元の彫りの深いものや球形に近いもの、複雑な形状のキャストにも装飾プリント加工が可 能になりました。 しかも商品開発のたびに時間とコストを費やしてきた、製版の作業が不要となります。貼り付ける 画像の作成・処理はパソコンで行い、その画像データをプリントアウト後フィルム化し、キャストに 貼り付けすれば完成です。版代が不要であるため小ロットのデメリットが非常に小さくなり、その結 果お客様ごとにオーダーメードすることで「オンリーワン」の消費者ニーズにも容易に対応できるこ とになります。 項目 多色刷り 印刷面 平面 曲面 球面 印刷対象素材 量産性 最低ロット イニシャルコスト トータルコスト 納期 従来法 可能 可能 一部可能 不可 素材により不可 可能 1000 以上? 製版費用 完売なら安価 2∼3 週間 ハロードリーム 可能 可能 可能 可能 可能 可能 1 版不要 安価 3∼4 日 試作が早くできる 修正が簡単 メリット 4. ハロー・ドリームフィルム試作プロセス ハロー・ドリームフィルムは、当面は新規表面加飾技術として特長を生かした商品の提供を行ってい く予定ですが、 「オンリーワン」の消費者ニーズに応える分野の他に、試作の分野にも参入したいと考 えております。 これまでは、モデルを造りプリントをする際に、版代とロット数の問題で泣かされてきましたが、 納期とコストを削減でき、さらに今までとは違う価値を持たせることや、バラエティ溢れる試作を低 コストで実現させることが可能になると思われます。試作プロセスは以下のとおりです。 お客様 5. 信和化成 ① 製品企画 ② デザインの提案 ③ プリントデザインの提案 ④ 試作モデルの作成 ⑤ 画像データの送付(メール、CD、写真など) ⑥ ⑦ 完成品 フィルムの作製、貼り付け おわりに ハロー・ドリームフィルムは、既存商品の低迷が続く中、遊びとオンリーワンという贅沢な夢をかな える商品の登場を心から迎える気持ちを込めて開発した技術です。 夢を追い求め、夢を膨らませ、ものづくりは日本発で世界に発信し続けようではありませんか。 (2003.1.28 (社)西日本プラスチック製品工業協会での講演内容) お問合せ先(信和化成(株) 、代表取締役 辻本 正美氏、TEL:06-6724-7500、 e-mail:[email protected])