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マグネシウム空気電池における電解液の検討

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マグネシウム空気電池における電解液の検討
マグネシウム空気電池における電解液の検討
2016 年度水曜班
1.
背景
つ行った.
リチウムを用いた電池の開発が進んでいるが,
リチウムは希少金属であるため枯渇の恐れがあ
3.
る.そのため,資源量が豊富なマグネシウムを用
結果
測定の結果、以下のようになった。
いた電池の開発が盛んとなっている.だが,マグ
ネシウムを負極に用いると表面に水酸化物など
の不動態が形成されてしまうため,反応の持続が
困難となる.
このためマグネシウム板の工夫に関する研究
は多いが,電解液の種類による評価はあまり行わ
れていない.よって本年度の水曜班は,マグネシ
ウム空気電池の性能をより引き出す電解液を検
Fig.1 測定結果
討することを目的とした.
2.
2.1.
これより内容量(J)を求めると,NH4Cl aq が最も
実験
電池の作成
大きいことが分かった.
① コーヒーフィルターの中に銅網を入れ,銅網
の上に活性炭を均等に敷き詰める.
② 上からマグネシウム板,コーヒーフィルタ
4.
考察
NH4Cl aq を電解液として用いると,以下の反応
ー,活性炭,銅網となるようにマグネシウム
が進行すると考えられる.
板を置き,丸める.
2NH4Cl + Mg(OH)2 → MgCl2 + 2NH3 + 2H2O
③ 丸めたものをコーヒーフィルターに入れ,フ
これにより不動態である水酸化マグネシウム
ィルムケースとマグネシウム板の間に細長い
の生成を抑制することが可能となり,他の電解
銅網を入れる.
液を用いた場合より電池の反応の持続が可能に
④ 電解液を10 cm3加える.
なると考えられる。
また,各電解液の測定前後の pH 変化は
2.2.
Table.2 のようになった.
電解液の調製
Table.1 のように電解液を調製した.
Table.2 測定前後の pH 変化
Table.1 電解液の調製
測定前の pH
測定後の pH
濃度(mol dm-3)
NaCl 水溶液
6~7
9~10
NaCl aq
5
CaCl2 水溶液
6~7
9~10
CaCl2 aq
3
NH4Cl 水溶液
6~7
9~10
NH4Cl aq
1
クエン酸緩衝液
6~7
12~14
なお,クエン酸緩衝液は pH が 6.4 になるよう
調製した.
よって,クエン酸緩衝液を用いた際,水酸化
物が形成されやすくなると考えられる.
以上より,マグネシウム空気電池の電解液と
2.3.
測定
0.1A,1 時間の定電流測定を各電解液で 3 回ず
して,よく用いられている NaCl aq より NH4Cl
aq の方が優れていると分かった.
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