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松江工業高等専門学校

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松江工業高等専門学校
独立行政法人 国立高等専門学校機構
松江工業高等専門学校
技術シーズ集 2014
郡原 宏
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
機械要素
対応可能な分野
1.
歯車の仕上げ加工法
自動車用歯車の仕上げ加工に用いられるホーニング加工やねじ状砥
石による歯面研削加工
2. 食違い軸歯車全般
ウォームギヤ,フェースギヤといった食違い軸歯車の歯形理論
3. 工具の幾何学的設計
ホブ等の歯切り工具及び機械要素創成用特殊工具の幾何学的設計
研究内容
■ 高性能フェースギヤの開発
本研究は,一般産業機械用や自動車用歯車に比べ
てより高品位,高性能が求められる例えば航空機用
フェースギヤの開発を念頭においた研究であり,歯
車加工を従来法であるピニオンカッターによるギヤ
歯切りではなく汎用のマシニングセンターや複合加
工機を用いて行うことを特徴としています.設計例に
ついて性能試験を行った結果,1390N・m の入力トルク
で 98.9%という高い伝達効率が得られました.
汎用機による歯面加工
■ 内歯車形状砥石を用いたギヤホーニング
自動車用歯車の仕上げで世界標準となっているギ
ヤホーニングにおいて,軸角固定方式を用いた場合に
生じる砥石短寿命の原因を食い違い軸歯車の観点か
ら考察しました.これを解決するため,提案した軸角変
動方式により,砥石寿命を大幅に延ばすことに成功しま
した.
ギヤホーニング
■ 内歯車の歯面仕上げに関する研究
ZI20A の開発では,長年培ってきた歯車理論,解析
技術をもとに松江工業高等専門学校の郡原宏教授と共
同でねじ状砥石による加工理論の検討を行い,その結果
を実現する研削加工機に仕上げた.(三菱重工ニュース
第 4784 号-2009 年 1 月 22 日発行-より引用)
内歯車研削盤 ZI20A
三菱重工業(株)
主な使用機器・設備など
ホブ盤(清和鉄工 MH-300)
,マシニングセンター (大阪機工 PCU-402 立型)
ワイヤ放電加工機(三菱電機 FX10k 350×250×220)
産学連携に関する実績
・ギヤホーニングにおける砥石寿命延長法に関する民間企業との共同研究
・高性能フェースギヤの開発に関する民間企業との共同研究
・内歯車の高能率仕上げ加工法に関する民間企業との共同研究
門脇
健
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
内燃機関,伝熱工学
対応可能な分野
1.
内燃機関の燃焼特性
火花点火機関や圧縮着火機関における各種の炭化水素燃料の蒸発・燃
焼,実機による動力・燃費性能試験,粒径・燃料蒸気濃度のレーザ計測
2. 曲がり管内における流動特性
内燃機関の吸・排気管や各種の曲がり管内における二次流れの可視化
実験と数値解析
研究内容
■ 火花点火機関の燃焼特性に関する研究
現在,自動車用機関としては火花点火機関が多く用い
られています.将来は電気自動車が主力となりそうです
が,当面は火花点火機関や圧縮着火機関との共存の時代
が続きそうです.本研究室では,石油燃料の枯渇や地球
温暖化の対策として,バイオエタノール混合ガソリンや
炭化水素混合燃料の蒸発・燃焼特性に関する研究を行っ
ています.具体的には,単一液滴の蒸発速度の測定,光
散乱による粒径・濃度測定,実機による動力・燃費性能
試験等を実施しています.また,夢のエンジンであるス
ターリングエンジンの各種モデルの製作を学生達と一緒
にトライしています.
可視化エンジン
■ 曲がり管内の流動損失の低減に関する研究
圧力勾配により流れる曲がり管内の流れは,管内流の
基本的な流れです.しかし,矩形断面を持つ管内流に対 スターリングエンジン
する内部流動の詳細な研究例は少なく,未知の点が多い
のが現状です.そこで本研究では,矩形断面を持つ曲が
り管内の二次流の可視化実験と数値解析を行っています.
具体的には,管断面の縦横比が 2, 3 で,無次元曲率 0.03
の場合について,ディーン数の変化に対する付加渦の発
生限界を明らかにし,二次流模様がどのように変化して
いくかを調べています.また,マイクロバブルを用いた
矩形曲がり管
流動損失の低減に関する基礎研究も行っています.
主な使用機器・設備など
レーザ光散乱実験装置(除振台,He-Ne レーザ,100mW,空冷)
動力計(自作プロニー式,電気式,Max 7kW)
産学連携に関する実績
・廃棄食用油の燃焼特性に関する民間企業との共同研究
高見 昭康
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
材料力学・計算力学
対応可能な分野
1.
FEM による構造解析
機械構造物などを有限要素法(FEM)により解析し,応力・変形など
の機械特性などを調査研究
2. FEM による形状最適化解析
機械構造物などを形状最適化解析により,最適な形状の機械部品を設
計する支援の実施
3. 引張試験機による構造物の強度解析
精密万能試験機オートグラフを用いて機械構造物などの強度計算を
実施
研究内容
■ 各種機械構造物の構造解析(応力・変形解析)
構造物を設計する場合,安全性の確保は避けて通れない問題である.安全性
の検証には,その構造物を試作し実験を実施することが有効ではあるが,時間
と費用がどうしても必要となる.コンピュータを持ちた構造解析を行うことに
よって試作および実験の経費を軽減することが可能となる.
■ 形状最適化解析による設計支援
近年の設計では 3 次元 CAD が用いられることが多くなり,設計上流の過程で
の使用が非常に効果的な,形状最適化を適用することが可能になってきている.
形状最適化をすることにより安全性の確保と質量の増大化の問題を解決する.
帯鋸インサートチップ刃の
応力分布
初期形状
最適形状
フックの形状最適化
実物形状
■ 引張試験機による構造物の強度解析
精密万能試験機オートグラフを用いて機械構造物などの強度計算を実施す
る.
主な使用機器・設備など
汎用有限要素解析ソフトウェア MARC2008
精密万能試験機オートグラフ AG-X
産学連携に関する実績
・木材加工用の帯鋸インサートチップ刃の構造解析
・引張試験による布材の強度解析
高尾 学
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
流体工学
対応可能な分野
1.
波力発電装置の開発
波浪エネルギーを利用した波力発電装置の開発
2. 風力発電装置の開発
ダリウス風車やサボニウス風車など垂直軸風車の開発
3. 斜流ポンプの開発
キャビテーションに強い斜流ポンプの開発
研究内容
■ 振動水柱型波力発電装置の開発
現在,世界では 100 を越える波力発電装置の開発
プロジェクトが実施されています.本研究室では,
波力発電装置の中でも,空気タービンを用いて波浪
エネルギーを電気エネルギーに変換する振動水柱型
波力発電装置の研究を行っています。特に,高効率
の空気タービンの開発を進めており,往復流型衝動
タービンやウエルズタービンの形状最適化を目指し
ています.
振動水柱型波力発電
■ 直線翼垂直軸風車の高性能化に関する研究
直線翼垂直軸風車は,方位制御が不要,発電機な
どの重量物を地上に設置できるという利点がありま
すが,プロペラ風車に比べて効率や起動性が悪いと
言われています.本研究室では,この風車の高性能
化を図るため,風洞試験やフィールド試験を通して,
形状の最適化を進めています.
■ 斜流ポンプのキャビテーションに関する研究
ポンプの高速・小型化によってキャビテーション
が発生しやすくなり,異常な騒音・振動およびキャ
ビテーションエロージョンが問題となります.本研
究では,キャビテーションの発生,特にその強さを
低減する羽根車の設計手法を確立することを目指し
います.
直線翼垂直軸風車
斜流ポンプのインペラ
主な使用機器・設備など
風洞用送風機(朝日ファン・直径 900mm,最大流量 0.5m3/s)
トルク・回転数測定装置(小野測器・型式 TS-3200)
産学連携に関する実績
・小型波力発電プラントの民間企業との共同研究
・直線翼垂直軸風車に関する民間企業との共同研究
・斜流ポンプのキャビテーションに関する民間企業との共同研究
藤岡 美博
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
計測工学
対応可能な分野
1.
船上での質量計測装置の開発
船上のような揺動する環境下での質量計測装置の開発
2. 質量計測可能なロボットアームの開発
力センサなどを利用して質量計測可能なアームの開発
3. カンキツ類収穫支援ロボットの開発
カンキツ類の収穫時に運搬作業を支援するロボットの開発
研究内容
■船上での質量計測装置の開発
船上のような動いている環境での質量計測ができれ
ば,捕獲した水産物を水揚げ後質量計測を行う必要
がないため,効率的な取引・運搬が行えるようにな
ります.そこで,本研究室では動いていたり,傾い
ていても精度よく質量が計測できる装置の開発を目
指しています.
船上用質量計測装置
■質量計測可能なロボットアームの開発
ロボットアームは,工場内で定められた作業を行
うことがほとんどですが,ロボットの活動場所が広
がりロボットアームに求められる機能も多様化して
います.そこで,本研究室では,ロボットアームに
質量計測機能を持たせることで,作業内容の汎用化
を進めています.
4.
■ カンキツ類収穫支援ロボットの開発
カンキツ類の収穫時には,足場の悪い環境で作業者
は果実の入ったカゴを運搬しなければなりません.
そこで本研究室では,全自動化を目指すのではなく,
比較的安価ななるように機能を限定し,肉体的に厳
しい果実運搬作業を支援するロボットの開発を目指 カンキツ類収穫補助ロボット
しています.
主な使用機器・設備など
DC 応答加速度計(PCB・3801,測定レンジ ±3g)
加振機(サンエス,SSV-725)
産学連携に関する実績
なし
山根 清美
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
流体力学,生産工学,機械設計
対応可能な分野
気体・液体の流れ解析
流体力学に関する問題の解決(数値計算法、計算結果の可視化なども)
2. 生産工程の改善
トヨタ生産方式による生産工程の改善支援
3. 設計工程の改善
機械設計の効率化,3次元 CAD による設計・強度解析
1.
研究内容
■ 気体・流体の流れ解析
当研究室の主テーマは,流体力学です.特に,数ナノメートル(1 ナノメートル=1/1000 ミク
ロン)程度の狭い領域の気体の流れ特性を研究する分子気体力学を専門としてい
ます.これは,実験が不可能な領域(高クヌッセン数領域)の流れをコンピュ
ータで解析する非常に特殊な領域です.しかし,一般の流体力学,数値計算法,
計算結果の可視化などのアドバイスもできますの
で,ご相談下さい.
■生産工程の改善
松江高専の機械工学科では,トヨタ生産方式
(TPS)の講義を始めています.理由は,生産工
程を含めた企業の効率改善にトヨタ生産方法を適
用し,劇的な改善が報告されているためです.ト
ヨタ生産方式は,上手く適用すると,生産性だけ
でなく社員の満足度をも向上するシステムであ
り,これを県内企業に正しく導入することは重要と考
えます.専門家ではないですが,若干の指導はできる
と考えますので,ご相談下さい.
トヨタ生産方式の教科書
■ 設計工程の改善
3 次元 CAD による設計
松江高専の機械工学科では,3次元(3D)CAD による
機械設計の講義を始めています.機械設計は,経験に
より習熟し,比較的習得に時間のかかる作業です.これも専門家では
ないですが,実務経験があり,3DCAD による設計・強度解析などに
ついてアドバイスができますので,ご相談下さい.
主な使用機器・設備など
気体流れ解析シミュレーター,高速計算機など主に計算環境が充実.
産学連携に関する実績
多くは大学との共同研究であるが,民間企業の委託による研究の経験あり.
新野邊 幸市
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
材料工学
対応可能な分野
1.
金属材料の熱処理
鋼の焼入れやチタンの熱処理などの組織制御
2. 金属材料の材料試験
引張り試験や圧縮,曲げ,硬さ試験による材料特性の評価
3. 材料の製造プロセスの開発
マイクロ波加熱による燃焼合成や積層クラッド材の開発
研究内容
■ 金属材料の熱処理
鋼をはじめとする金属材料は熱処理によりその組織を多様に変化させること
ができ,その結果,強度や延展性などの機械的特性も変化します.本研究室で
は電気炉加熱により,鋼の焼き鈍し,焼き入れ,焼き戻しの他,アルミニウム
合金の溶体化処理や時効処理により組織制御が可能です.
■ 金属材料の材料試験
金属材料は弾性変形のち塑性変形を起こし,やがて破断に至ります.このと
き,弾性変形が起こる最大荷重(応力)や塑性変形が起こる最大荷重(応力),さ
らには伸び(歪み)などの材料特性を把握しておくことが重要です.本研究室で
は,万能材料試験機により最大 5t までの引張・圧縮・曲げ試験を行うことが可
能で,ビッカース硬さ試験により微小部の硬さを測定することも可能です.
■材料の製造プロセスの開発
近年の環境問題により,資源の節約や安価な代替材料への変換,熱源の無駄
を少なくする製造プロセスの開発が要求されています.本研究室では,瞬間加
熱と局所加熱を得意とするマイクロ波加熱を利用した材料の燃焼合成や,異種
間材料を積層させて,反応拡散を利用した製造プロセスを開発しています.
図 1 積層クラッドによる燃焼合成
図 2 マイクロ波加熱による燃焼合成
主な使用機器・設備など
万能材料試験機(島津製作所 Auto Graph AG-50KNX)
走査型電子顕微鏡(日本電子 JSM-6360LA)
産学連携に関する実績
なし
本間寛己
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
熱工学
対応可能な分野
1.
熱駆動型サイクル
排熱駆動型の吸着冷凍サイクルの開発
2. バイオマスのガス化
木質バイオマスの間接ガス化システムの開発
3. 液体燃料の燃焼
油液滴の燃焼特性評価
研究内容
■ 吸着冷凍サイクルの高効率化に関する研究
吸着サイクルは,100℃以下の低温度レベルの熱エネルギーを駆動源にする固
体粒子吸着剤を用いた熱駆動型ヒートサイクルである.低温度レベルの排熱は
用途が限られるため,ほとんど未利用のまま放出されているのが現状であり,
本サイクルはこれを有効に使える手段として注目されている.しかし,サイク
ルの熱効率が低いという欠点を持っている.
従来の吸着冷凍機は大型であるが,本研究では小型で持ち運び可能な吸着式
冷凍サイクルの試作機開発を目指している.
■ ゴムノキ廃材の間接ガス化に関する研究
インドネシアでは天然ゴム生産のためゴムノキのプランテーションが多数存
在している.樹液を 10 数年にわたり採取したゴムノキの老木は,伐採され木材
として家具などに加工されている.このような加工を行う工場では 1 日あたり 1
トン近くの廃材が排出されているが,現在は乾燥用の燃料として利用されてい
る.また,インドネシアは電気インフラの整備が不十分であり,工場の立地し
ているような郊外では安定した電力供給がされていない.そこで,大量に排出
されるゴムノキ廃材をガス化して発電に用い,発生した電力を工場の補助電力
と利用するシステムを検討している.
■ 廃食油液滴の燃焼特性評価に関する研究
廃食油は植物が原料であるため燃料として使用した場合はカーボンニュート
ラルとみなすことができ,二酸化炭素排出量の削減に有効であるとされている.
本研究では,重油ボイラの燃料として広く使われている A 重油の代わりに廃食
油を使用する有用性について検討している. A 重油と廃食油の燃焼特性の違い
を明らかにするため,微細化した燃料のモデルとして単一液滴を用いた燃焼実
験を行い,燃焼特性を調べている.
主な使用機器・設備など
電子式圧力電送機
排ガス分析器
産学連携に関する実績
・GHP システム排熱の有効利用に関する民間企業との共同研究
・廃食油の燃焼特性評価に関する民間企業との共同研究
・ゴムノキ廃材のガス化に関する海外企業との共同研究
齊藤 陽平
講師・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
制御工学
対応可能な分野
1.
機器の運動制御
一般的な運動制御のほか,外力に対し受動的な振る舞いをする運動
制御系を構築することができます.また,適応制御(フィードバック
誤差学習の応用)による対象物や環境に合わせた力制御についても対
応可能です.
2. ロボットおよび制御回路の開発
ロボットの開発や制御回路の開発について対応可能です.
研究内容
■ 外力に対し受動的な運動制御に関する研究
一般的に,ロボットなどの機器はアクチュエータにより動力を発生させ,外
界に対して能動的に動作します.それ故,ロボットの外界である人間や作業環
境に対して必要以上の力を生じることになり事故の原因となります.通常は,
外界の情報を多数のセンサにより収集し,能動的にアクチュエータを制御し事
故を防ぎ安全性を確保しています.本研究で提案する手法は,外界から受ける
力を必要最小限のセンサで取得し,力に応じてロボットのエネルギーを減耗さ
せることで速度を下げ安全性を確保できます.また,同じ枠組みを用いて,外
界から受けた力に従って動作させることも可能となります.
現在,この制御手法を電動車椅子に応用する研究を進めています.
■ フィードバック誤差学習の応用
人間が運動する場合に,脳内では目標値との誤差を考えながら体を動かすフ
ィードバック制御と,過去の経験から導いた逆モデル(目標とする動作から各筋
肉が発生させるべき力を逆算する仕組み)を用いたフィードフォワード制御が
並行して機能することで,望ましい動きをより早く実現しています.さらに,
逆モデルは目標値との誤差の信号から学習する事が知られています.この枠組
はフィードバック誤差学習と呼ばれています.本研究室では,この考え方を元
に適応制御を行いロボットマニピュレータが物体に作用させる力の制御に応用
する研究を進めています.
■ ロボット教材の開発
近年,RC サーボモータを用いたロボットが多く市販されています.しかしな
がら,ロボットを動かすというホビー的な要素が強く,
「制御」を学ぶ教材とし
て不十分な部分が多くあります.さらに,新しい学習指導要領により中学校技
術で「制御」の単元が導入され,
「制御」を学ぶことは重要性を増してきていま
す.そこで,本研究室では「制御」を学ぶ教材として使用することを目指した
ロボットの機構設計から制御回路やプログラムの開発までを進めています.
主な使用機器・設備など
・デジタルオシロスコープ,簡易ロジックアナライザなど
産学連携に関する実績
・電動車椅子への受動的運動制御に関する研究
土師 貴史
助教・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
ロボット工学
対応可能な分野
1.
柔軟全周囲クローラの研究と応用ロボットの開発
上下だけでなく左右への湾曲が可能な新しい移動機構の開発と
研究を行っています。また,その機構を用いた新たなロボットの
開発と制御系の構築を行います。
2. 移動体の運動解析
移動ロボットなどの動作特性の解析に対応可能です。
研究内容
■ 柔軟全周囲クローラの研究と応用ロボットの開発
瓦礫や沼地など不安定な路面において,建機のキャタピラに代表され
るクローラ機構が有効です。本研究室では上下だけでなく左右への湾曲
も可能にした単一のクローラ機構を,柔軟全周囲クローラ(Flexible
Mono-tread mobile Track : FMT) として提案し,研究しています。
これまでのクローラ機構では難しかった螺旋階段などでの安定走行な
ど,異なる場面で活用できる可能性を持った移動機構となっており,こ
れを用いた探査型ロボットの開発を行っています。
Fig.1 柔軟全周囲クローラ
Fig.2 FMT の高速円運動の軌跡
■ ロボットの動特性の解析
FMT の高速旋回時における滑り特性を,モーションキャプチャソフト
を用いて解析します。全身柔軟体の移動特性が,これまでに判明してい
る機構と類似するのか,新たな特性があるのか,その解明を行います。
この設備を用いて,様々な移動体の二次元平面化での運動を解析する
ことが可能です。
主な使用機器・設備など
遠隔操作システム(サンリツオートメーション,TPIP2)
動作解析ソフトウェア(OA サイエンス,PV-Studio2D)
産学連携に関する実績
なし
E-mail
専門分野
築谷隆雄
教授・博士(工学)
[email protected]
電気電子工学
対応可能な分野
アナログ信号処理
能動素子を用いたフィルタ回路等の合成
研究内容
アナログ信号処理は,微細化 CMOS 技術に支えられ,情報通信,計測制御など
多くの分野で利用されています.本研究では,低電圧動作,低消費電力,広帯
域動作等に適したデバイス(OTA, CCII, CDBA, DVCC,OTRA 等)を CMOS
により合成し,フィルタ回路等の信号処理回路への適用を行っています.一例
として,図 1 に CMOS による OTA の構成例,図 2 に OTA を用いたバイカッ
ド回路を示します.この回路は,電流出力の選択により,低域通過特性,帯域
通過特性,高域通過特性,帯域除去特性,全域通過特性が実現でき,その特性
も OTA のバイアス電流により電子的にチュ-ニングできる機能があります.ま
た,CMOS による構成であるため,低電圧動作,低消費電力特性を有していま
す.このように,CMOS による OTA 等のデバイスを用いた信号処理回路の合
成について研究を行っています.
Ib3
±
VDD
M9
M1 M2
M5
-Io
V-
Iο3
M10
M6
M3 M4
V+ Io
Iin
Ib
M7
Ib4
−
gm4
M8
+
M11
M12
Ib1
±
gm1 Iο1
+ +
−
gm3
+ +
−
C1
+
gm2
−
Ib2
+
Iο2
±
VSS
図1
OTA の構成例
図2
主な使用機器・設備など
回路シミュレ-ションソフト(PSPICE)
産学連携に関する実績
なし
OTA によるバイカッド回路
C2
飯塚育生
教授・工学博士
E-mail
専門分野
[email protected]
情報通信工学
対応可能な分野
情報通信システムのハードウェアと若干のソフトウェア
布線論理とプログラムによる組み込み系,+通信機能,+センサ
研究内容
1.空中超音波による通信
空中超音波は音波であるため,伝搬速度が遅く,ビームの指向性が鋭くない,
更に変調が難しいといったデメリットがある.しかし,人間に感知されず,距
離計測が容易であるので,変調方式を研究している.
-用途- 室内で移動する機器の位置同定と情報伝達
近距離通信(光・電波が使えない場)
2.磁気による通信
壁の両面にコイルを置き,磁力線でデータ伝送と片側のトランシーバに電力
も送るシステムを開発している.磁力線を使うので漏洩が少ない.
-用途- コンクリート,ガラス越しにセンサをおいてデータを取得
3.線状に分布した無線センサネットワークに関する研究
センシングの同時性と情報伝達パスの高信頼度化を目指したシステムを研究
している.
-用途- 交通渋滞の長さを計測
主な使用機器・設備など
オシロスコープ,周波数カウンタ,ネットワークアナライザ
任意波形発生装置,プリント基板加工機,回路設計ツール,
マイコン開発ツール
産学連携に関する実績
自動販売機に Web と Mail サーバーを設置して在庫を知らせる装置の開発
映画の副音声を映写機に同期して再生する装置の開発
交通量計測装置の開発
福間 眞澄
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
誘電・絶縁材料・計測
対応可能な分野
空間電荷分布測定装置の開発 空間電荷分布測定は,材料内部の電荷の動き
を非破壊で測定する技術で,電気電子機器の絶縁材料等の性能・信頼性評価に
利用されています.空間電荷分布測定技術の一つにパルス静電応力(PEA: Pulsed
Electro-Acoustic)法があります.PEA 法では以下のようにして材料内部の電荷
分布を測定します.測定する材料にパルス電圧を印加すると材料と電極界面や
材料内部に蓄積した電荷に静電気力が働き電荷の存在する場所で圧力波(音波)
が発生します.接地電極の背面に取り付けた圧電素子により,伝搬した音波を
電圧信号に変換し,その時間変化を記録します.その後,信号処理することに
より材料内部の電荷分布を算出します.
研究内容
■空間電荷分布測定技術の改善 プリント基板等の音響的性質の異なる多層試
料では,試料界面での音波の反射等により空間電荷分布の正確な測定が難くな
ります.そこで,超音波顕微鏡の技術と PEA 法を融合し,音響的性質の不均一
性による誤差を信号処理により除き,2層程度の材料の空間電荷分布を測定す
る技術開発を行っています.誘電体の厚さ,音響特性(音響インピーダンス,
音速)と空間電荷分布測定を1台の装置で同時に測定する装置のハードウェア
を最近,実現することができました。音響的な性質の違いや接触状態等の誤差
を補正する信号処理用ソフトウエアの開発が,今後の研究課題と考えています.
■高温用空間電荷分布測定装置 電力用半導体(パワーデバイス)は,インバ
ータや電源装置に利用することで電力変換効率の向上や装置の小型化が実現で
きます.より高性能な電力用半導体の実用化には幾つかの課題があります.そ
の一つに,半導体の封止材料(モールド樹脂)があります.半導体を MOSFET と
して高電圧,大電流で利用すると半導体の温度上昇と高電圧によりモールド樹
脂が帯電し,帯電した電荷により半導体が誤動作する場合があります.このた
め電力用半導体のモールド樹脂には,絶縁だけでなく,高温で帯電しない性能
が求められています.これまで開発してきた高温用空間電荷分布測定装置がモ
ールド樹脂の帯電評価に利用できる可能性があることが最近わかってきまし
た.
■その他の空間電荷分布測定装置 その他の用途の空間電荷分布測定装置2次
元空間電荷分布測定装置,交流用空間電荷分布測定装置など,用途に合わせた
空間電荷分布測定装置の研究開発を行っています。
主な使用機器・設備など
・空間電荷分布測定装置(分解能・感度:1C/m3, 20µm,温度範囲:室温~250℃)
・デジタルオシロスコープ(1GHz)
,数台(LeCroy,IWATSU)など
産学連携に関する実績
・半導体用モールド樹脂の高温帯電現象の測定
・ナノ材料添加高分子材料の空間電荷分布測定
・電気二重層キャパシタ電極材料の特性評価
・LabVIEW を用いての比較的簡単な計測装置の試作提供
別府 俊幸
教授・博士(医学)
博士(工学)
E-mail
[email protected]
専門分野
電子回路、計測制御
対応可能な分野
1.
2.
計測用電子回路
音響機器の開発
研究内容
■ 電子回路
アナログ電子回路(低周波)設計に
関わる技術相談に対応可能です。
■ エンジニアリングデザイン教育に関する研究
製品開発プロセスに関する
教科書および教科内容の研究を
進めています。
主な使用機器・設備など
産学連携に関する実績
・
・
医療用血液ポンプの民間企業との共同開発
オーディオ機器の民間企業との共同開発
箕田 充志
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
高電圧工学・電力工学
対応可能な分野
1.
電気絶縁設計に関する研究
超電導電力機器の絶縁設計・核融合炉の絶縁設計
2. 風力発電システムに関する研究
風車の落雷に関する研究
3. 理工学教育に関する研究
理科離れ対応教育・ものづくり教育に関する活動
研究内容
■電気絶縁設計に関する研究
現在,超電導電力機器の開発が活発に行
われている.超伝導マグネットなど超伝導
電力機器の絶縁は,多くの場合,冷媒と固
体の複合絶縁を構成することが考えられ
超電導電力ケーブル
る.複合絶縁では,冷媒の比誘電率は固体
と比較して小さいため,電界集中が生じやすく電気的弱点となりやすい.また,
固体絶縁物の表面に発生する沿面放電が絶縁設計上大きな問題になる.機器の
正常な動作を確保するためには,極低温複合絶縁技術を研究することが重要か
つ急務である.研究は,極低温領域における複合絶縁系の放電現象に関する技
術的問題を明確化し,解決法に対し指針を与えることを目的とし,これまであ
まり議論されていない極低温における電気絶縁について検討を行っている.
■風力発電システムに関する研究
風力発電システムの設置台数の増加や風車の大型化に伴い落雷による事故が
多発している.突発的な事故によってシステムの交換が頻繁に行われた場合,
発電コストの上昇や長期間の運転停止を招く可能性が高く,風力発電システム
の導入に関する経済的試算を見直しする必要もある.特に,ブレードの交換作
業は,ブレードが長くなるにつれ高コストおよび長期間を要する.
研究は,この問題解決の指針を得るため,落雷によるブレードの破損メカニ
ズムの解明および落雷被害の防止・改善法について検討を行っている.
■理工学教育に関する研究
近年,子供たちの理工系離れが叫ばれて久しい.本研究は,小学校の高学年
から中学校の早い時期に,
「ものづくり」を伴う科学技術体験をさせることで,
小・中学生に対し,効果的に科学技術へ興味を促し向上心を育む教育を行うと
同時に,理科離れを改善する効果等を検証する.
主な使用機器・設備など
高電圧発生装置(100kV 交流電圧,インパルス電圧,高電圧アンプ)
産学連携に関する実績
・超電導機器の電気絶縁に関する共同研究
・風力発電システムの落雷に関する調査研究
・JST 他・各種財団からの理科離れ対応教育に関する助成
宮内
肇
准教授・工学修士
E-mail
専門分野
[email protected]
電力工学
対応可能な分野
1.
スポーツ競技力向上に関する工学的手法の適用
フィジカルコンピューティングの利用
2. 非線形科学の利用
同期現象,時系列予測,パーコレーション
研究内容
■ アーチェリー競技力上達に係る工学的手法の利用
アーチェリーの競技人口は少ない.
経験者も偏在・高齢化している.島
根県内の高校で部活動として,アー
チェリー部があるのは3校のみであ
る.(広島県15校,山口県7校,
岡山県5校,鳥取県5校)初心者が
【図1 工学的手法適用の基本構成】
アーチェリー競技力の上達を目指しても,経験者からのコーチを受けることは
地方においてはほとんど不可能である.また,アーチェリーは危険性を伴うた
めに,安全に競技ができる広大な場所を必要とするので,環境面からも制約を
受け,競技力向上に悩んでいる.そこで本研究では,これら様々な制約を受け
るアーチェリー競技力上達のために,工学的な手法の適用を探ることを目的と
する.図1に示すように,各種センサとフィジカルコンピューティングを利用
すると,比較的簡単に目的とする装置がデザインできる.工学的手法を用いて,
普通高校等の他校とは異なったスポーツ競技力向上を図ることができる.
表1 アーチェリー競技練習の制約側面と工学的解決方法
各種センサ
マイコン基板
デザインプログラミング
描画
(シミュレーション)
設定プログラム
制約側面
内容
工学の適用
環境
18m、30m、70m、90mの射場 矢の投射シミュレーション(エアアーチェリーの構築)
設備
矢の的中位置の読み取り
得点の自動検出(各種センサの利用)
現状分析
競技レベルの把握
的中位置の分散等の統計的処理・時系列分析
射形の構築 射形の把握と教師なき構築 各種センサの利用、データマイニング、クラスタリング
コーチング 教師なき上達練習法の構築
同期現象の利用(各種センサの利用)
メンタル
競技時の精神的な安定
脳波の分析(メンタルトレーニング)
アーチェリー競技の練習を行うにあたって,制約を受けている側面の具体的
な内容および,それを解決するための工学的手法の適用について表1にまとめ
た.制約側面として,環境・設備・現状分析,コーチング,メンタルがあると
考えられる.これは,アーチェリーに限らず,他のスポーツ競技力向上に適用
できると考えられる.
主な使用機器・設備など
PSIM(パワーエレクトロニクスシミュレータ)
LabVIEW
産学連携に関する実績
・廃タオル炭素材を用いた電気二重層キャパシタに関する共同研究
衣笠 保智
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
信号処理工学
対応可能な分野
1.
ディジタルフィルタによる信号処理
さまざまなディジタルフィルタを用いて信号処理を行います.
2. 適応信号処理を用いた雑音除去
適応信号処理に基づいた信号処理により雑音除去を行います.
研究内容
■適応ノッチフィルタを用いた狭帯域雑音除去に関する研究
適応ノッチフィルタを構成し,周波数が未知の狭帯域雑音除去方の開発を行
っています.適応信号処理に基づいて構成されているため,周波数が未知,か
つ変動しても,追従し雑音除去を行えます.現在,さらに効率よく除去できる
方式の開発を行っています.
■超音波を用いたイノシシ撃退に関する研究
現在行われているイノシシの被害対策の一つとして,ラジオや大音響の音楽
を使用した対策例があります.しかし,これでは近隣に人家があると利用でき
ず,また,農家自身も音を出している間は田畑にいるのが苦痛です.そこで,
人間の可聴域外の音波(超音波)による対策に着目し研究を行っています.
主な使用機器・設備など
PC
DSP(Digital Signal Processor)
産学連携に関する実績
なし
渡邉 修治
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
半導体電力変換
(パワーエレクトロクス)
対応可能な分野
1.
特定用途対応半導体電力変換器
電力エネルギーを要するアプリケーション用電源の開発
2. 半導体電力変換器の制御システム
DSP を用いた半導体電力変換器の制御システム開発
研究内容
■ 高効率な電力変換を実現するスイッチング電源回路
現在,直流電源を必要とするアプリケーションでは,バッテリーを一次電源
としてその電力制御に直流チョッパ回路が広く用いられています.この回路は
従来のリニアアンプと比較して理論損失がゼロであることやディジタル制御シ
ステムとの相性の良さなどから今後ますます応用の場が広がると考えられま
す.その一方で実際には回路中で使用される半導体スイッチデバイス固有の特
性に伴う熱損失が発生しており,電源回路の小型化による高周波スイッチング
化によって,この損失は増大傾向にあります.
この損失を低減するために「ソフトスイッチング」をキーワードに,電力変
換回路構造を見直し,電力変換効率向上が見込まれる回路について研究を行っ
ています.
電子負荷装置
DSP 制御システム
(PM モータ制御
実験装置)
三相インバータ
システム
400VDC 昇圧回路(卒業研究)
結合インダクタを持つ直流チョッパ実験回路
(専攻科特別研究)
主な使用機器・設備など
制御用 DSP 装置(PE-Expert2, PE-Expert3; Myway プラス社)
回路シミュレータ(PSIM Ver.7.0)
電子負荷装置(400V/20A 直流電源)
,三相インバータシステム
産学連携に関する実績
なし
片山 優
准教授・博士(学術)
E-mail
専門分野
[email protected]
制御工学
対応可能な分野
1.
自動制御装置の開発(フィードバック制御)
フィードバック制御により定値制御・追値制御を必要するシステムの
制御装置の開発
2. IC タグを用いた管理システムの開発
シーケンサを利用した制御システム・生産管理システムの開発
研究内容
■自動制御装置の開発(フィードバック制御)
化学プラントなどのプロセス制御系において,温度,湿度,流量,圧力など
を制御することで生産効率を向上することが可能です.PID 制御器をはじめと
する各種制御機器を活用していても,外乱の影響や環境の変化などによるシス
テム変動の影響で制御性能が劣化する場合もあります.本研究室では,制御系
の高度化・知能化に関する研究を行っており,最適な制御系の設計法やロバス
ト(頑健)な制御系の設計法,むだ時間系に対する状態予測型 PID 制御系の設
計法などについて研究を進めています.
■IC タグを用いた管理システムの開発
シーケンス制御は,身の回りの電化製品をはじめ,産
業機器,自動化設備などさまざまな装置で使用されてい
る.特に工場の生産ラインではシーケンス制御の利用率
が高い.現在,生産ラインなどに多く利用されているシ
ーケンサを利用した様々な管理システムについて研究し
ている.
本研究では,IC タグを利用した車両運行管理システ
ムを民間企業と共同で研究しており,工事現場を移動す
る車両等に,電波で個々の識別が可能な IC タグを取り
付けることで,見通しの悪い現場内での警告表示や工事
の進捗状況を把握するためのデータの取得などを行って
いる.
車両運行管理システ
ムの拠点装置
主な使用機器・設備など
MATLAB(シミュレーションソフト,MathWorks)
シーケンサ(三菱電機,KEYENCE,オムロン)
産学連携に関する実績
・IC タグを用いた車両運行管理システムを民間企業と共同研究
粂野 紘範
助教・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
非線形工学、電気回路工学
対応可能な分野
1.
非線形システムの基礎研究
カオスや同期現象などの基礎研究
2. カオスを応用した技術開発
カオスを利用した技術の開発やカオスコントロールに関する研究
3.
ニューラルネットワーク応用に関する研究
既存のネットワークの改良や新しいネットワークの開発
研究内容
■結合カオスシステムにみられる同期現象に関する研究
自然界では、蛍の明滅の同期や、カエルの合唱の同期、柱時計の振り子の同期
など、様々な同期現象がみられます。しかし、その大半の同期現象は不規則な
同期の遷移や同期の消滅など複雑な同期現象です。複雑な同期現象を解明する
ために、電気回路上で大規模な結合カオスシステムを作り、その振る舞いを調
査し、観測される同期現象の解析を行っています。
■カオスを応用した楽器と周辺機器の開発
現在、電子オルガンのような電子楽器から音声を変調合成するソフトなど
様々な電子音を用いたものが開発されています。しかし、それらを用いて作ら
れた音は未だ自然な音を再現することができません。自然な音には、非線形な
要素から生まれる不規則に揺れる成分を含んでいます。その揺らぎをカオスの
もつ独特な周波数成分と揺らぎを利用し、表現することで、より自然な音を出
力できる電子楽器の開発を行っています。
■非線形ダイナミクスを応用したニューラルネットワークの開発
ニューラルネットワークを用いて何かしらの問題を解こうとしたとき、求め
たい最適解ではないトラップのような極所解に捕まってしまうという極所解問
題というものがあります。その問題を回避するために、これまでノイズを印加
することで極所解を避けるという方法がとられてきました。しかし、その方法
でも最適解を求めることは難しく、問題のスケールによっては膨大な計算量が
必要となります。そこで非線形のダイナミクスを利用して極所解を回避できる
ニューラルネットワークの開発を行っています。
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
髙橋信雄
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
パワーエレクトロニクス
対応可能な分野
1.
調光システム
省エネと人にやさしい調光システムの開発
2. 太鼓の打動作再現
人間による打動作の三次元計測,サーボモータの制御,音の解析など
に基づく,和太鼓の打動作再現システムの開発
研究内容
■調光システムの開発
照明の省エネルギー手法には,初期照度補正,昼光利用制御,在/不在制御,
ゾーニング制御,タイムスケジュール制御,局所制御など様々なものがあります.
本研究では,その中の昼光利用制御に着目して,オフィスなどで使用される屋内
照明用の蛍光灯の照度を,外光変化に対応
して変化させる調光システムの開発を目
的としています.
外光は図に示すように大きく照度を変
化させます.そのため室内調光制御では,
単に目標照度に追従させるだけでなく,照
度の変化パターンが人の感覚にも適した
調光を考慮することも重要だと考え,ファ
ジィ制御なども取り入れた調光を研究しています.
■和太鼓の打動作再現システムの開発
和太鼓は、誰でも打てば響くシンプルな楽器で
す.しかし,この動作を機械にさせようとすると人
間の様な響きのある音はなかなか出せません.
これまでに,「人間は太鼓をたたくとき,
① ばちが打面に接触後,少し押し込んでいること,
②直後急激に手首を返し打面を響かせていること,
③ばちの軌道は叩いた瞬間は一軸的な動きをして
いること」を明らかにしています.研究では,(1)
相対運動解析システムを利用した人間の打動作の
三次元計測,(2)打動作を再現するためのサーボモー
タの制御,(3)再現された音の解析,(4)神社の祭礼
の録音から太鼓データの抽出など,を行っていま
す.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
亀谷 均
教授・工学博士
E-mail
専門分野
[email protected]
計測工学
対応可能な分野
① 光計測技術: 可視光から近赤外までの波長領域を使ったセンシング技術に
ついて研究開発を行っています.
② 放射線計測: X 線,γ線,中性子線,荷電粒子線の検出技術.あるいはこれ
ら検出技術を応用する装置の開発.
研究内容
これまで開発した検出器の例です.
①荷電粒子検出器
陽子線などの荷電粒子を検出するセンサです.
②中性子検出器
中性子の検出に使われるセンサです.
③ 糸断線検出器
③糸断線検出器
工業用ミシンで使われる大きな糸巻きの糸
が無くなる直前の状態を検出するセンサです.
④ 光 CT 装置
赤外線を利用して,小さな生物の断層イメ
ージ像が取得可能な装置です.
⑤ 非接触呼吸計測装置
④光CT装置
非接触で呼吸数と呼気流量が測定出来る装
置を現在開発中です.
⑥ 水中リミットスイッチ
水深 50m で使用可能なリミットスイッチです.
⑦ 泥面検出器
水とヘドロの境界面が検出出来るセンサです.
エネルギ-の小さなγ線を利用しました.
⑧ γ線 CT 装置
小さな物の断層イメージ取得の為の装置です.
⑦泥面検出器
主な使用機器・設備など
・分光器(紫外、可視、近赤外)
・フォトンカウンティング用計測機器
産学連携に関する実績
・糸断線検出に関する民間企業との共同研究
・水中リミットスイッチに関する民間企業との共同研究
・泥面検出器に関する民間企業との共同研究
・ダム湖の貧酸素化解消システムに関する民間企業との共同研究
など
久間英樹
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
ロボット工学、認知心理学
対応可能な分野
1.鉱山坑道探査ロボットの開発
坑道内の非接触形状計測および計測データを用いた坑道内実物模型の製作
2.
「笑い」の定量的評価方法の利用に関して
「笑い」の定量的評価方法を用いた心のケアー
3.企業内人材育成用教材の開発
機械設計から電子制御までの一連のプロセスを習得できるものづくり教材
研究内容
■
鉱山坑道探査ロボットの開発
従来の坑道調査は,各種の古文書等,歴史的資料
を検討することによって,当時の採掘方法等を推定
していく手法であった.本研究で提案する手法は,
ロボットに取り付けた各種センサを用いて,坑道
内部で直接探査することによって定量的に坑道内
部形状を計測し,坑道採掘の方法を解明していく
手法である.これにより坑道内部の形状データが
非接触取得可能となり,それらのデータを利用して
新しい坑道内模型の製作も可能となる.
立坑専用探査ロボット
■ 「笑い」の定量的評価方法の利用に関して
非接触で笑顔度の定量的な計測が可能な「スマイル
スキャン」センサを用いて,高齢者介護施設における
介護者と高齢者のコミュニケーションのきっかけ作り
としての「笑い」の効果の検証.また保健室等での
心の変化を定量的に把握するために,笑顔度データ
を継続的に構築して利用することを目指している.
■
笑顔度検出センサ
企業内人材育成用教材の開発
本事業の実施を通じて,特定技術だけに精通した
単能技術者だけではなく,機械・電気・電子・制御
など幅広い技術分野での知識を持ち,自社業務の課
題の抽出やその改善策の提案,更には自社技術を活
かした新製品・新分野開拓を牽引できる若手技術者
の育成を目指している.
オリジナルものづくり教材
主な使用機器・設備など
笑顔度検出センサ(オムロン スマイルスキャン)
,3次元レーザ加工機(ヤマザキマザック SPACE
GEAR U44),同時5軸加工機(ヤマザキマザック VARIAXIS 630),3次元造型機(ストラタ
シク Dimension Elite),3次元レーザ計測器(ローランド DG LPX-600RE),3次元
CAD/CAM(JBM MasterCAM X)
産学連携に関する実績
・鉱山坑道探査ロボットの開発に関して民間企業から寄付金
・簡易キャリヤーの開発に関して民間企業と共同研究
今尾浩也
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
超電導工学
対応可能な分野
1.
結晶成長
様々な電気炉を用いた単結晶の育成
2. 極低温計測
液体窒素および極低温冷凍機を用いた極低温における電気・磁気特性
の測定
3. X 線回折測定
X 線回折装置による結晶分析
研究内容
■ 超大型 Bi 系超電導単結晶の育成と大電流化
自己フラックス法により世界最大サイズの Bi-2212 相
超電導単結晶を育成しました。この単結晶を用いて
試料表面にピンニングセンターとして絶縁体のアル
ミナを微細分散して導入させる手法を開発しました。
手法の改良により、ピンを導入していない単結晶と
比較して2倍以上の電流値が得られることが確認さ
れました。
Bi-2212 相超電導単結晶
■ 部分溶融法による超電導体の作製
部分溶融法により作製した超電導体は超電導体中に
絶縁体を微細分散させることが出来るため、磁気的
な特性に優れた大電流導体を形成することが出来ま
す。本研究では磁束ピンニング力と電流値の関係を
詳細に調べるシステムを構築し、これにより、試料
の作製条件と臨界電流密度の関係を検討しています。
■ 非接触超電導磁気搬送装置の製作
完全反磁性により超電導体で形成した軌道上に浮上
させたマグネットを電磁誘導により移動させるシス
テムを作製しました。超電導体とマグネットの浮上
特性について測定し、安定な浮上と移動が得られる
パラメータの検討を行うことで、非接触の移動シス
テムを形成することに成功しました。
磁気つり上げ効果
磁気浮上搬送システム
主な使用機器・設備など
極低温冷凍機(30K,30W)
各種電気炉(真空炉、超高温型、ガス置換炉、るつぼ炉
ロックインアンプ、大型電源、X 線回折装置
産学連携に関する実績
他)
長澤 潔
准教授・工学修士
E-mail
専門分野
[email protected]
制御工学・機械力学・振動工学
対応可能な分野
1.
2.
非線形ダイナミクス解析
メカトロニクス全般
研究内容
■ 細管内移動物体の非線形運動解析
非線形ダイナミクス解析に関する基礎研究の立場から,細管内を移動する物体の
運動と流体運動との相互作用の研究を進めている.この課題は不連続現象である渦
の発生が重要となるため,数値計算が有効な解析手段となる.まず,狭い二次元流
路内に弾性支持された円柱の運動 (図 1 参照) について,移動境界適合座標系を適
用した MAC 法を用いた自作プログラムにより数値解析を行い,支持剛性やレイノル
ズ数 Re,流路幅比 w (=W/D) が,物体運動や流体運動に及ぼす影響を明らかにした.
さらに,円柱の渦励起振動に注目し,共振点近傍で渦励振振動数 Sc が円柱の固有
振動 Sn に引き込まれるロックイン現象について,その発生を数値計算により確認
した(図 2 参照).St はストローハル数を表す.今後は,ロックイン現象と流路幅比
の関係等について詳しい検証を行い,この特徴的な非線形現象を発生させる原因と
なる物理的メカニズムの解明を進める.
図1.解析モデル
図2.ロックイン現象(数値計算)
Re=170 , w=2.5
■ 半導体触覚センサの開発研究
民間企業において,極限作業用ロボット(通産省プロジェクト)に関わった
経験をもとに,ロボット用各種センサの研究,マスタースレーブシステムの制御
法等に関する研究を進めている.半導体圧力センサを応用したロボット用触覚
センサの開発を進めている.
主な使用機器・設備など
数値計算用コンピュータ
産学連携に関する実績
特に無し
松本 浩介
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
超電導工学
対応可能な分野
1.
超電導材料応用
酸化物超電導体試料の作製および酸化物超電導材料を用いた線材・機
器等の開発関連分野
2.
薄膜化技術
真空蒸着装置を用いた各種電子材料の薄膜化
研究内容
・酸化物超電導体の高品質化に関する研究
超電導体は焼結体,単結晶、薄膜(厚膜)などの様々な形で用いられている
が,その複雑な組成・結晶構造などの点から高品質で単相の試料を作製するこ
とが困難となっている.したがって,工学的な応用に際しては作製条件を明確
にすることが必要となる.そこで,各作製方法においてパラメータを変え最適
作製条件を探ることを目的として研究を進めている.
・APC 導入による超電導臨界電流の増大に関する研究
超電導体を工学応用する際に,超電導臨界電流密度(Jc)を大きくすること
が重用となる.この Jc と大きく関係するものが,超電導体内部に侵入した磁束
を拘束するピンニングセンターである.本研究室で作製している Bi 系超電導体
(BSCCO)は内部にピンニングセンターがあまり存在していないため,電流を
流すと超電導状態が破壊されやすい.そこで,人工的なピンニングセンター
(APC)を試料内部に導入することで高 Jc を得られるようにすることを目的と
している.
主な使用機器・設備など
高真空蒸着装置(ULVAC VBP-6A)
マッフル炉(ヤマト FO-200)
産学連携に関する実績
・水質浄化装置の遠隔モニタリングシステムの共同研究
幸田 憲明
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
ソフトコンピューティング
対応可能な分野
1.
マイコン機器の開発
組み込みマイコンを利用した機器の開発
2. ワイヤレス機器の開発
特定小電力,Bluetooth,ZigBee 通信を用いた機器の開発
研究内容
■ ライントレースロボットの開発
装置自らが学習を行って,より効率的に速く処理が
できるようになるシステムを実現すべく,マイコンを搭載
したライントレースロボットによる機械学習システムの
研究を行っています.ライントレースは走行コースの
認識がシンプルであり,簡単な条件のもと走行コースを
ユーザの調整が無くとも速く走行できる制御規則を
自律的に獲得できる制御システムの実現を目指しています.
■ 苗列の検出システムの開発
水田の雑草取りは順調な稲の成長には欠かせない作業
ですが,非常に負担のかかる作業でもあることから自動化
の要望が強くありました.実現のためには,ロボットが
水田に植えられた苗の列に沿って移動できるように
苗列を検出するシステムの開発が必要となります.
現在,まず初期段階として与えられた水田風景写真から
苗列を検出するアルゴリズムの研究を行っています.
■ ワイヤレス通信に関する研究
広大なフィールドもしくはプラントの状況を把握する
ためのセンサネットワークや,一般家屋内でのリモート
コントロールユニットなど,ワイヤレス通信機能を搭載
することによって高い有益性が得られています.そこで
頻繁にデータ通信を行う必要があるアプリケーション向け
にµ-ITRON を搭載したワイヤレス通信モジュールを製作し
ました.今後は上記のライントレースロボットに搭載し PC と
連携を図れるシステムを実現していく予定です.
主な使用機器・設備など
シミュレーション用PC
ライントレース用コース(日立インターメディクス)
産学連携に関する実績
・水質浄化装置(担当:センサコントローラ)の民間企業との共同研究
堀内
匡
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
知能システム
対応可能な分野
1.
パターン認識に関する研究
複雑なパターンを自動的に認識/判別するシステムの構築
2. 機械学習に関する研究
ロボットが行動を自分自身で学習するシステムの構築
3. 最適化に関する研究
大規模問題に対する確率的最適化とその応用に関する研究
研究内容
■ サポートベクターマシンの高速化
サポートベクターマシンは優れた性能を有するパターン認識手法として注目
されているが,マージンパラメータとカーネルパラメータの探索に非常に時間
がかかる.本研究室では,これらのパラメータの探索を高速化する手法に関し
て検討を進めている.パターン認識の基礎的研究にあたる.
■ 古文書文字認識とその応用
日本には「くずし字」で書かれた古文書が多く存在する.本研究室では,古
文書文字認識とその応用に関して,情報工学科の加藤聡研究室と共同で研究を
進めている.パターン認識技術を用いた古文書文字認識エンジンおよびそれを
組み込んだ古文書読解支援システムに関して検討を進めている.パターン認識
の応用的研究にあたる.
■ 強化学習によるロボットの行動獲得
強化学習は,報酬を手がかりにして環境に適した行動を学習する手法であり,
研究が進められているが,計算機シミュレーションがまだ多いのが現状である.
本研究室では,LEGO Mindstorms NXT を用いて組み立てたロボットを対象
に,効率良く前進するための歩容動作を強化学習によりロボットが自分自身で
獲得することを目指している.
■ 模倣学習によるロボットの行動獲得
模倣学習は,他者の行動を観察することで効率良く行動パターンを獲得する
枠組みであり,近年研究が始まっている.本研究室では,LEGO Mindstorms
NXT を用いて二体のロボットを組み立て,模倣対象である教示者ロボットの歩
容動作データをモーションキャプチャシステムにより取得し,その動きを実現
するための行動を学習者ロボットがニューラルネットワークにより学習するこ
とで模倣する研究を進めている.
主な使用機器・設備など
MATLAB,LEGO Mindstorms NXT
モーションキャプチャシステム (MotionAnalysis MAC 3D System)
産学連携に関する実績
・決定木学習を用いた知識発見に関する共同研究
・ニューラルネットワークを用いたパターン識別に関する共同研究
・視覚障害者のための触覚(点図)ディスプレイに関する共同研究
加藤
健一
助教・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
制御工学
対応可能な分野
1.
システム制御・メカトロニクス
主にカメラを利用したロボット等の制御系設計・開発
研究内容
■低価格な視覚フィードバック系の実現に関する研究
情報や物質の移送の際などにみら
れる時間的な遅れ(むだ時間)は,シス
テムの安定性や制御性能などと密接
な関係にあり,実際上の問題意識と理
論的奥深さの両面から,さまざまな研
究が行われています.本研究では,こ
のうちカメラを用いた制御系,視覚フ
ィードバック系の実現に関する研究
を行っています.
図1 計測遅延
視覚フィードバック系はその名の
通り,カメラ等の視覚的な計測情報を利用した制御系のことです.非接触かつ複数
の物理量を同時に計測できるという利点がありますが,不安定な制御対象を観測・
制御する際には通常高いフレームレートのカメラとその動画像処理を行うための
専用のハードウェアが要求され,一般に高コストになります.そこで,制御工学の
知見を応用し,これら専用機器の使用を回避しようというのが本研究の目的です.
図1はある回転角度をエンコーダおよび 60fps の安価な Web カメラを用いて計測
した結果です.約 100[msec]のむだ時間が存在しています.これを本研究では,サ
ンプル値制御と呼ばれる制
御理論を応用することによ
って,図2のような回転型ア
ーム上のブロックの積み上
t=2[sec] t=17[sec] t=25[sec] t=33[sec]
げに成功しました.ブロック
の傾き角度を計測する際の
遅れに加え,ブロック自体の
不確かさと画像フレーム間
t=35[sec] t=40[sec] t=47[sec] t=49[sec]
のシステムの挙動を陽に考
慮することで,このような制
図2 視覚フィードバック系
御系を実現しています.
主な使用機器・設備など
・Matlab/Simulink
産学連携に関する実績
・特になし
青代敏行
講師・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
生体工学,ロボット工学
対応可能な分野
1.
メカトロニクスを利用した福祉機器の研究・開発
メカトロニクス技術を利用した歩行訓練器等のリハビリテーション
機器の高機能化,パワーアシストスーツの研究開発.
2. 生体組織接合に関する医療機器の研究・開発
血管止血,縫合などに代わる医療・手術機器の研究開発.
研究内容
■歩行訓練器の開発
高齢者や身体に障害を抱えている方々の歩行リ
ハビリテーションを目的とした移動型歩行訓練器
の開発とモーションキャプチャシステムを用いて
歩行訓練時の機器評価を行っている.
■パワーアシストスーツに関する研究
運動しやすく重筋作業も可能なパワースーツの
研究開発.ヒトの運動情報を獲得し,素早くアク
図 1 歩行訓練器
チュエータに伝達することを目的に,ヒトの各関
節のモデル化とヒト運動に追従しやすいスーツ機
構・構造の開発を行っている.またヒトの運動を
センシングするため,筋電位センサを利用したセ
ンシング方法を構築し,各ノイズ除去・信号処理
の方法の研究を行っている.
■複合低エネルギ生体組織接合技術を利用した手
術機器の開発
図 2 パワースーツ
これまでに図 3 の低レベル量な振動,熱,圧力
の複合エネルギを用いた生体組織技術を用いた鉗
子型生体組織接合装置を開発した.さらに,ステ
ントや人工心臓脱血管の接合を目的に生体適合材
料として医療現場で使用されているチタン材料,
ステンレス材料と生体組織接合技術を応用した
様々な医療機器の開発を行う.
図 3 生体組織接合装置
主な使用機器・設備など
モーションキャプチャシステム MAC 3D system,有限要素法解析ソ
フト NEiWorks,Matlab
産学連携に関する実績
なし
越田 高志
教授・博士(工学)・技術士
(情報工学部門)
E-mail
[email protected]
専門分野
情報システム
対応可能な分野
1.
生産工程管理システムの研究開発
Java と MZPlatform を利用した生産工程管理システムの開発
2. インターネット上の分散処理システムに関する研究開発
Web サービスを軸にした CALS/EC システムの開発
3. セマンテック Web に関する研究開発
エージェントを利用した協調型 CALS/EC システムの開発
研究内容
■金属加工会社における生産工程管理システムの研究開発*1
生産工程管理システムは,企業固有の情報や業務形態
への依存が大きく,汎用システムの利用が困難である.
その分,高価格となり,中小企業では導入が困難な状況
である.我々は,企業固有情報が組込み可能なフレーム
ワーク MZPlatform とデータベースを基に工程進捗管理
機能や各種検索機能などを備えた,高機能・低価格な
工場にてシステムのテスト
生産工程管理システムを共同開発している.
■部品納品・原価管理システムの研究開発
多数の部品を利用する製造業では,正確な部品発注
と納品管理が工程管理の基本であり,部品の受発注と
連動した正確な原価管理の実現も利益確保の必須事項
である.本研究室では,*1 とは業種の異なる企業に
対しても,MZPlatform をベースに,企業固有の業務
形態を反映した最適なシステム構築を進めている.
■エージェントによる Web サービス商品調達
B2B システムの研究開発
システム説明の様子
協調型エージェントとは,エージェント言語による通信に基づき,複数のプ
ログラムを連携し,目的の処理を実現するシステムである.本研究室では,分
散処理プログラムである Web サービスの研究,及びリソース情報をソフトウェ
アで自動処理するセマンテック Web の研究と並行しつつ,これらを融合し,有
機的に連携するエージェントシステムの研究開発を行なっている.
主な使用機器・設備など
ハードウェア:PC,ソフトウェア:Java 関連の各種フレームワーク
産学連携に関する実績
・生産工程管理システムに関する民間企業との共同研究
・部品納品/原価管理システムに関する民間企業との共同研究
E-mail
専門分野
田邊 喜一
教授・博士(工学)
[email protected]
認知人間工学,画像情報処理工学
対応可能な分野
1.
視覚作業時の客観的指標による認知状態の評価
瞬目や眼球運動などの生体指標による認知負荷や関心・興味の推定
2. 視覚運動系情報の自動計測
画像処理による瞬目や眼球運動の自動計測
研究内容
■ 瞬目情報に基づく認知状態の評価に関する研究
瞬目の生起頻度や生起タイミングを指標として,コンピュータディスプレイ
を介した視覚作業時の認知的負荷や画面に対する注意や関心を評価する研究を
行っています.例えば,注意が向けられた位置に,何か刺激が呈示されると,
それに同期するかのように瞬目がタイミングよく多数生じます.つまり,刺激
呈示とそれに対する瞬目生起タイミングから,観察者がどのように画面に注意
を向けているのかが推定できます.
■ 瞬目情報の自動抽出ソフトウェアの開発
画像処理手法の一種である複数テンプレートマッチング法を用いて,瞼と眼
球表面との境界をトラッキングすることにより,瞬目を瞼の動きとして抽出す
る方法を開発しています.このようにして得られた瞼の動きを瞬目波形と呼び
ますが,この波形から瞬目持続時間や振幅,閉瞼時間等の様々な形状特徴を取
得する方法を検討しています.
(a)開眼
( b)半閉眼
(c)閉眼
眼瞼裂幅 [pixels ]
テンプレートの設定例
160
140
120
100
80
60
40
20
0
0
50
100
150
200
250
300
350
経過時間[ms ]
瞬目波形の事例
主な使用機器・設備など
視線計測装置(ナック・EMR-9)
高速度デジタルビデオカメラ(CIS,VCC-G22V31CL,サンプリング速度:120fps)
産学連携に関する実績
特になし
金山 典世
教授・理学博士
E-mail
専門分野
[email protected]
情報ネットワーク
対応可能な分野
1.
2.
3.
ネットワーク設計・構築・運用・管理手法
ネットワークプロトコルの開発研究
ネットワーク管理教育
研究内容
■ IPv6 マルチキャストルーティング
Source Specific Multicast(SSM)を用いた IPv6 におけるマルチキャストルー
ティングプロトコルの開発研究を行っている.
■ ハイブリッドマルチキャスト手法
サイト内部ではアプリケーションが豊富で,多くの機器が対応している IPv4
マルチキャストを用い,サイト外部への送受信ではマルチキャストに非対応な
インターネット上でも動作可能な Xcast6 を用いたハイブリッドマルチキャスト
手法の実装実験を行っている.
■ IPv6 マルチホーミングに関する研究
IPv6 を用いてマルチホーミング(上位との複数接続)における様々な問題を解
決するための手法の研究.特に、ソースアドレス選択の問題に対応するために,
プレフィックス変換装置を開発し,その解決手法を実験研究している.
■ 履歴情報を持ったファイルシステムの研究
WWW 上に過去の更新記録全てを保存し,閲覧可能にするための HistoricalWeb
システムを開発したが,本質的にはファイルシステム自体にそのような履歴管
理機能が必要であり,本研究では ZFS(Zettabyte File System)を応用すること
で,履歴情報を常に持ったファイルシステムを開発している.
■ ネットワーク実習が可能な e-Learning システムの開発
ネットワーク上で学習可能な e-Learning システムが多く開発されているが,
利用しているネットワーク自体に影響を与えかねないネットワーク実習に関す
る e-Learning システムは,その特殊性故に存在していない.ここでは,仮想 PC
と VPN を駆使し,学習者の PC-Unix 同志を仮想的に結ぶ仮想学習ネットワーク
を構築することで,上記目標を可能にすることを目指している.
主な使用機器・設備など
L3,L2 スイッチ (主に Cisco)。
PC-Unix サーバ
産学連携に関する実績
・長距離無線ネットワークに関する共同研究など。
原
元司
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
情報ネットワーク
ソフトコンピューティング
対応可能な分野
1.
ネットワーク技術・サーバ構築技術に関する技術支援
FreeBSD 周辺技術とサーバ構築・管理技術の支援
2. オープンソースソフトウェアによる教育支援
OSS 技術を活用した教育プラットホーム構築方法,e-Learning コン
テンツ表現方法(XML)など
3. ソフトコンピューティング技術の基礎と応用
強化学習,組合せ最適化手法における近似解法などの技術的支援
研究内容
■ 動的ルーティング手法
ベイズ推定,ACO(Ant Colony Optimization)といったソフトコンピューティ
ングを活用した動的ルーティング手法,3次元センサネットワークに適した動
的ルーティング手法の研究を行っています.センサネットワーク,効率化が課
題となっているインターネット環境での応用を目指しています.
■ オープンソースソフトウェアによる教育支援
高専間共同研究であるオープンソースソフトウェアによる教育用プラットホ
ーム構築(OPE プロジェクト),e-Learning 用のコンテンツをオープンソース化
して統一的なフォーマットで扱う c-Learning プロジェクトなど,オープンソー
スソフトウェアの活用についての研究を行っています.特に,筆者はネットワ
ークサーバ構築時に発揮されるオープンソースソフトウェアの達人の技をデー
タ化して再利用することに興味を持っています.
■ ソフトコンピューティング手法に関する研究
アントコロニー最適化(ACO)とその拡張である分割統治型 ACO(dACO),分散
学習オートマタによる学習システム理論とその応用,遺伝アルゴリズム(GA),
焼き鈍し法(SA)などのソフトコンピューティング手法について研究を行ってい
ます.学習オートマトンは,生物の学習過程の心理学モデルで,Q 学習などの
(現代的)強化学習の基礎となった学習機械の一種です.筆者は,マルコフ決
定過程(MDP)での学習制御など,確率的最適化問題について興味を持っていま
す.
主な使用機器・設備など
FreeBSD サーバ,クライアント等
産学連携に関する実績
・文科省社会人学び直しニーズ対応教育推進プログラム
「オープンソースソフトウェアによる中堅ネットワーク管理者養成プログラ
ム」実施(平成19~21年度)
渡部
徹
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
人工知能(AI)
対応可能な分野
1. パターン認識に関する開発
判別困難な複雑なパターンを自動的に認識/分類するシステムの開発
2. 予測に関する研究
現在までの観測データを解析して,未来を予測するシステムの開発
3. RFID に関するシステムの開発
IC タグや IC カードを用いたシステムの開発
研究内容
■ 行動量センサによる牛の健康管理システム
畜産農家の生産性を向上させる目的で,
牛に行動量センサを装着し,精度良く発情や
病気を発見するシステムを開発しています.
行動量データのノイズ除去や発情/病気の
解析には,複雑系事象の解析に適したニュ
ーラルネットワークなどを適用しています.
■ アグリサーバによる農業支援システム
農地に設置したアグリサーバにより温度・
湿度・土壌水分量などのデータをリアルタイ
ムに取得し,農業従事者等に農地情報や適
切なアドバイスを提供する農業支援システム
を構築しています.推論部分には,ニューラ
ルネットワークやファジー制御などを応用して
います.
■ RFID によるヒト/モノの管理システム
RFID とは,電波を用いて非接触でデータ
キャリア(IC タグ/IC カード)と情報をやりとり
する自動認識技術です.この技術を用いて
ヒトやモノを管理する研究を行っています.
従来はバーコードなどが利用されてきた領
域ですが,近年は RFID 技術が取ってかわ
ろうとしています.
主な使用機器・設備など
各種センサ,携帯端末,サーバ,ネットワーク環境
産学連携に関する実績
・通信告知端末に関する民間企業との共同開発
・牛の発情検知システムに関する民間企業との共同研究
和田守 美穂
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
知能情報学
対応可能な分野
1.
音声処理に関するソフトウェアの開発
音声や音響信号などを応用したシステムのソフトウェア開発
2. 音響測定に用いるソフトウェアの開発
コンクリートの打音診断等,音響信号の分析および,測定・診断ソフ
トウェアの開発
研究内容
■ 楽器の演奏支援ソフトウェアの開発
楽器を演奏するにあたり,よりよい音色を目指す
には,よい音色を聞き分けること,よい音色の演奏
を真似ることが必要になります.ただ,自分の音色
とよい音色との違いを聞き分けるには経験や能力が
必要となります.そのような問題を改善するのがこ
のソフトウェアです.楽器の個人練習をする際に役
立つソフトウェアの開発を行っています.
演奏支援ソフトウェア
■コンクリートの打音検査における音響
分析に関する研究
コンクリートの簡易検査として,コンクリート
の表面をハンマー等で打撃して行われる打音検査
があります.この打音検査において,検査者の疲
労を軽減するために回転式打音検査器が開発され
ました.この検査器を用いて打音した際の音響信
号を分析し,コンクリートの状態を自動的に診断
することを目指しています.
コンクリートの含水率と
打音の基本周波数の関係
■ プレゼンテーション評価システムに
関する研究
様々なシーンで必要となるプレゼンテーション能力を向上させるためのシ
ステムについて研究を行っています.プレゼン資料の評価,プレゼン音声の
評価などを自動または相互評価によって行い,プレゼンの個人練習を効率的
に行うシステムの開発を目指しています.
主な使用機器・設備など
・PC
・マイク等音響設備
産学連携に関する実績
・見積りデータベース管理システムに関する民間企業との共同研究
・映画の副音声同期化システムに関する民間企業との共同研究
橋本 剛
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
人工知能(ゲーム情報学)
対応可能な分野
1.
ゲーム人工知能の開発
将棋囲碁など各種ゲームの強い思考ルーチンの開発
2. パズルの作成,ソルバーの開発
各種パズルの自動作成と強力なソルバーの開発
3. 各種探索アルゴリズムの開発
経路探索,探索によるコスト最適化など各種探索アルゴリズム作成
研究内容
■ コンピュータ将棋の開発
コンピュータ将棋 TACOS を開発,現在アマ六段
の実力です.コンピュータオリンピックで4度優勝
するなど各種大会で活躍しています。2005年に
はプロ棋士と対戦し,あと一歩の所まで追い詰めて
善戦し話題になりました.探索アルゴリズム開発や
評価関数の機械学習が現在の中心テーマです.近年
Wii ソフト早指し将棋三段
は並列計算の研究にも力を入れています.PC ソフ
トや Wii ソフト(早指し将棋三段)の思考ルーチン
にも使われています.小さいサイズの将棋(5五将
棋)でも何度も優勝した強豪プログラムを開発しました。
■ オセロ完全解析を目指す研究
2007年にチェッカーというゲームが完全解析
されて大きな話題になりましたが、それよりも遥かに
難しいオセロの完全解析を目指して探索アルゴリズム
の研究を進めています.詰め将棋の分野で発展した探
索法(証明数探索)を改良し,残り石が30以上ある
定石局面の結論(勝ち負け引き分け)を高速に計算
する事に成功しました.また,本研究で開発した方法
で有名な詰め将棋問題「寿」
(611 手)を過去最高の
わずか 7 秒で解く事に成功した.
残り 33 石の局面
■ 各種ゲームの開発
近年は囲碁の研究に力を入れ各種大会で活躍をしています.また中国将棋,ト
ランプ(大貧民)の開発を行っているほか,AMAZONZ,四人将棋,connect6,
コリドールなどさまざまなゲームの研究開発を行いました.
主な使用機器・設備など
PC
産学連携に関する実績
・
・
PC 用将棋ソフトの販売
Wii 用将棋ソフトの販売(思考ルーチンとして使用)
加藤 聡
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
知能情報工学
対応可能な分野
1.
パターン認識
音声,文字,画像などの認識システム
2. データ分類
自己組織化マップ(SOM)を用いた,多変量データの分類システム
3. HPC(High Performance Computing)
GPU や PC クラスタなどによる計算アプリケーションの高速処理
研究内容
■ 古文書学習支援システムの開発
近年,生涯教育がますます盛んになっており,そ
の一つとして古文書を扱った古典文学や歴史の学習
があります.古文書はくずし字で書かれており,一
般の人には読むことは困難なので,古文書を読む会
が各地で盛んに開催されています.本研究では,初
心者が読解困難な文字に対する読みの候補文字を複
数個提示するような古文書学習支援システムにおけ
る文字認識エンジンを構築しています.
古文書学習支援システム
■ 自己組織化マップ(SOM)を用いた
クラスタリングに関する研究
自己組織化マップは,限られた数の制御点(コー
ドベクトル)を使って,データの分布を学習によっ
て近似することができます.この性質を利用して,
可視化が困難な多変量データのクラスタリング(グ
ループ分け)を精度良く行うための手法の確立を目
指しています.
■ VGA カードを利用した数値計算の高速化
SOM による
クラスタリング
VGA カードに用いられているプロセッサ(GPU)
を,汎用の数値演算プロセッサとして利用し,Particle Swarm Optimization 法(PSO)や,遺伝的ア
ルゴリズム(実数値 GA)など,さまざまな最適化手
nVIDIA TESLA C1060
法の計算処理を非常に高速に行わせることを目的とし
GPU computing processor
ています.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
なし
廣瀬 誠
准教授・博士(情報科学)
E-mail
専門分野
[email protected]
画像情報処理工学
対応可能な分野
1.
三次元計測装置の開発とその応用
・民生品のみによる安価・軽量かつ高精度な三次元計測装置の開発
2. 三次元動作計測と解析
・モーションキャプチャ,フォースプレート,筋電計等を用いた動作計測および解析
3. 同期現象を用いた画像処理
・同期現象を用いた画像圧縮,画像認識
4. 三次元 CG,AR の作成
・三次元コンピュータグラフックスを用いた作品,ビデオ,AR 等の開発
研究内容
■ 軽量 3D カメラを用いた三元計測装置の開発
現在,多くの三次元計測装置が開発されています
が,手軽に扱える装置は少なく,専門的な知識が必
要な場合がほとんどです。そこで,低価格,軽量,
低電力,容易な操作性を実現する三次元計測装置の
開発を行っています.現在は,SONY 製 3D カメラ
を用いたステレオビジョンシステムを開発中です.
SONY 製 3D カメラ
■ 相対運動解析装置を用いた三次元歩行分析
ヒトの歩行はユニークな特徴を持つと言われ,次
世代の認証技術として注目されています.本研究で
は,ヒトの歩行を三次元的に計測・分析しヒトの「く
せ」の抽出を試みています.
歩行の 3D データ
■ 同期現象を用いた画像圧縮
ホタルの発光や人の拍手等は,互いが強調しあう
ことでいつの間にか揃います.これを同期現象と呼
びます.本研究では,
「揃う」ことに注目し,画像の
画素を揃えて画像の高圧縮を試みています.
同期する振動子
■ 生馬地区のビデオ,AR の作成
地域の歴史・文化を視覚的に分かりやすくかつ能
動的操作で主体的に学ぶための 3D コンテンツ作成
を行っています.
生馬紹介 AR
主な使用機器・設備など
・民生品カメラ
・相対運動解析装置(モーションキャプチャ,フォースプレート,筋電力計,ハイスピードカメラなど)
・3D Studio Max, Motion Builder, Metasequia, Sachi など
産学連携に関する実績
・平成 24 年度島根県シーズ育成事業(同期現象を用いた画像圧縮)
・生馬地区紹介ビデオの作成(生馬公民館)
稲葉 洋
講師・博士(情報科学)
E-mail
専門分野
[email protected]
画像処理,コンピュータグラフィ
ックス
対応可能な分野
1.
人の動作・運動に関する情報の可視化
画像処理・コンピュータグラフィックス技術に基づく,人間の情報理
解を支援するための提示手法や映像表現に関する研究
2.
可視化に関するソフトウェア開発
上記の研究成果に基づく,スポーツ練習者や指導者の支援に向けたソ
フトウェア開発
研究内容
1. 初心者の技術習得に向けた練習支援映像の実時間提示システム
初心者の技術習得に向けた練習支援
映像の提示システムを開発していま
す.本システムは,練習者の動作と手
本となる動作との違いを示す映像を練
習者に実時間で提示することにより,
動作の間違いを指摘するものです.これにより,練習者のみでの技術習
得を支援します.
2. 可視化に関するソフトウェア開発
研究の成果に基づき,スポーツの練習者や指導者に向けた,人の動
作・運動に関する情報の可視化に関するソフトウェアを開発していま
す.これまでに,射的競技であるアーチェリーの競技技術評価に向けた
ソフトウェアを開発しました.
主な使用機器・設備など
ビデオカメラ,モーションキャプチャ
産学連携に関する実績
スポーツ支援情報の可視化に関する,民間企業との共同研究
安井 希子
助教・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
音響心理学,音楽情報処理
対応可能な分野
1.
不均一な変動を含む音に対する印象の客観評価
不均一な変動を含む音を聴取した際の変動感および粗さ感の推定
2. 変動音に対する評価法の工学的応用
変動感に関する評価法の騒音・演奏音評価への応用
研究内容
■不均一な変動を含む音に対する変動感および粗さ感の評価
様々な変動音には,音
の大きさが周期的だけ
ではなく,不均一に変動
しているものがありま
す.ここでは,時間およ
び振幅方向における,
そのような変動を 2 次変
動と呼び,その変動を
含む音に対する変動感
や粗さ感を音響信号か
ら推定する方法を研究しています.
2 次変動の概要
■変動音評価法を応用した電気自動車の接近に対する気づきやすさ評価
近年,電気自動車が普及しつつあり,静音性に優れていると言われています
が,歩行者が電気自動車の接近に気づきにくいという問題があります.ここで
は,2 次変動によって気づきやすさが変化すると仮定し,様々な 2 次変動を含む
合成音の気づきやすさを主観評価させることで,その仮定を検証しています.
また,その結果に基づいて,気づきやすさの評価方法を研究しています.
■変動音評価法を応用した演奏音に対する熟達度評価
演奏音の一つに,発音操作を繰り返すことによって奏でられるトレモロ音が
あります.トレモロ音はそのような方法によって奏でられるため,その音には
周期的な変動だけでなく,2 次変動が含まれています.演奏の上手さを表わす熟
達度は,演奏音に含まれる変動の影響を受けることが過去に報告されています
ので,変動感に対する評価法の熟達度評価への応用を検討しています.
主な使用機器・設備など
PC,マイクロフォン,録音機,スピーカー,ヘッドホン,騒音計
産学連携に関する実績
特になし
高田龍一
教授・農学博士
E-mail
専門分野
[email protected]
コンクリート工学
対応可能な分野
1.
未利用資源のコンクリートへの有効活用
産業廃棄物などの未利用資源のコンクリート材料としての活用
2. コンクリートの耐久性に関する研究
コンクリートの耐凍結融解性能に関する検討
3. 機能性コンクリートの開発
耐アル骨反応コンクリート,植生コンクリートの開発
研究内容
■未利用資源のコンクリートへの有効活用
現在,多くの産業廃棄物の処理が大きな課題となっ
ている.
これまで,廃瓦,廃ガラスをはじめとする多くの産業
廃棄物,一般廃棄物のコンクリート材料への有効利用
について,実験的に検討を行ってきた.廃瓦について
は強度,耐久性を満足する配合を見出し,特許の出願
も行っている.
■コンクリートの耐久性に関する研究
コンクリートの耐久性については,多くの視点から
検討を行うことが求められるが,とりわけ耐凍害性に
関する研究を行ってきた.
粗悪な骨材の利用に対する耐凍害性,凍害診断手法
の開発,近年は水路構造物の凍害メカニズムに関する
検討を行ってきた.
■機能性コンクリートの開発
コンクリートは土木材料として代表的な材料である
が,単に強度のみを追求するのでなく,植生,浄化性
能,また耐アルカリ骨材反応性を有するコンクリート
の開発を進めてきた,廃瓦,廃ガラスを利用した場合
の意匠性に優れたコンクリート,クリンカーアッシュ
を用いた植生ポーラスモルタルの開発,天然ゼオライ
トを用いた耐アルカリ骨材反応性コンクリートの開発
などをこれまで実施してきた.
主な使用機器・設備など
コンクリート用耐圧試験機,コンクリート用凍結融解試験装置(A 法)
モルタルバー試験装置
産学連携に関する実績
・廃瓦を利用したコンクリート製品の開発に関する民間企業との共同研究
・鋳物スラグの有効活用に関する民間企業との共同研究
・廃ガラスの有効活用に関する民間企業との共同研究
荒尾 慎司
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
水工水理学,土木環境システム
対応可能な分野
1.
マンホール部における局所損失の解明
下水道におけるマンホール部の形状損失に関する実験的研究
2. 河川水質の実態解明
中小河川でのBOD,DO,pH,窒素,りんなどの水質調査
3. 開水路流れにおける魚の挙動解明
開水路に構造物を設置した中での,魚の挙動に関する実験的検討
研究内容
■ マンホール部の形状損失の定式化
管頂接合
横流入方向
主流方向
本研究では,下水道におけるマンホー
ル部の形状損失を実験的に明らかにし,
その結果を定式化することにより,下水
道の設計や浸水予測計計算に反映させる
ことを目的としている.定式化するには,
6個の無次元数を考慮しなければならな
いため,実験条件が無数にあることが,
これまで定式化できない大きな理由とな
っている.本研究室では,これを克服す
るためにチャレンジし続けているところ
である.現在,流入管2本と流出管1本
が接続する3方向接合円形落差マンホー
ルの損失を定式化するために必要な実験
を実施しており,平成 23 年度には,定式
化する予定である.
=4cm
■中小河川における水質調査
宍道湖に流入する松江市内の中小河川を対象に,宍道湖での富栄養化の原因
となっている窒素,りんなどの水質調査を実施している.
■ワンドにおける魚の挙動に関する研究
開水路流れ場にワンドを設置することにより,水理学的に魚の挙動を解明す
る実験を行っている.
■河川の水質汚濁解析に関する研究
国土交通省や県・市町村が保有している水質データをもとに,河川の水質汚
濁の実態を明らかにし,有効な対策を検討する.
主な使用機器・設備など
水路幅30cm,長さ10mの可変勾配型開水路
3方向接合マンホールの損失を明らかにするための実験装置
産学連携に関する実績
河原
荘一郎
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
土質工学,地震工学,土木施工
対応可能な分野
1.
土質工学
落石の運動特性および衝撃力,土質試験全般,模型実験全般,教材
2. 地震工学
地盤地形の地震動と地震被害に及ぼす影響,常時微動観測,GIS
3. 土木施工
ゴム材料の耐摩耗性・耐カット性,土の締固め,ブルドーザのけん引性能
研究内容
■ 落石覆工上の敷砂緩衝材への落石の衝撃応答
落石覆工(ロックシェッド)には落石による衝撃力を緩和させるために屋根部
には敷砂緩衝材(厚さ約 90cm の川砂や山砂)が設置されている.本研究では,敷
砂緩衝材の粒度,厚さ,密度,含水比,および落石の質量,落下高さ,底面形
状の衝撃応答に及ぼす影響を調査することを目的とする.そのため,落石に見
立てた重錘の落下衝撃の室内実験を行っている.直径 50mm の平底および半球
体の重錘を,内径 200mm,高さ 100~200 mm のモールドに充填した供試砂上
に,落下高 16~46 cm,重錘質量 3~7 kg の計 16 通りの組合せで落下させ,重
錘貫入量,重錘加速度,およびモールド底面土圧を測定している.
■ 地盤地形の地震動と地震被害に及ぼす影響
一般に,地震動(地震による地表でのゆれの強さ)は地盤や地形の影響を大きく
受け,同じ市町村内であっても場所により震度が異なる.計測震度計は平成の
大合併前の各市町村に大抵 1 個しか設置されていないので,さらに高密度な震
度把握が望まれる.本研究は,島根県東部平野を対象とした 50 m メッシュ程度
の高密度な表層地盤のゆれやすさマップを作成することを主たる目的とする.
そのため,常時微動を観測する方法を利用する.常時微動観測は,計測器の移
動・設置がしやすく,1 地点わずか 10 分程度の短時間で測定できる特長がある.
ちなみに,地盤は平穏時においても微小振動しており,これを観測することに
より強震時の卓越周期等の推定が可能となる.2009 年度末で松江市街地におい
て約 180 点の観測を行った.
■ ゴム材料の耐摩耗性および耐カット性(現在休止中)
クロラー用のゴム材料の耐摩耗性および耐カット性を調査する目的で,まず
それらを評価する試験法を考案した後,試験を実施した.その結果,耐摩耗性
および耐カット性の両者に優れているゴム材料を見出した.
主な使用機器・設備など
繰返し三軸圧縮試験機,改良型一面せん断試験機,変水位透水試験機
圧密試験機,地盤の常時微動測定装置,擁壁土圧実験装置,大型乾燥機
高速データロガー,マルチファンクションシンセサイザー,圧電型加速度計
重錘落下衝撃応答実験装置,
「キャスポル」
,手回し携帯振動台「ぶるる」
産学連携に関する実績
・ゴム製クロラーの耐摩耗性および耐カット性の向上
淺田 純作
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
都市計画,交通計画
災害社会工学,まちづくり
対応可能な分野
1.
都市計画,交通計画,防災計画
各種計画の立案,検討,見直し 等
2. まちづくり
各種ワークショップの開催 等
3. 社会調査
アンケート調査,ヒアリング 等 各種社会調査と分析
研究内容
■防災まちづくり
ゲーム形式の防災訓練や,タウンウォッチン
グ等のワークショップの手段を用い,防災まち
づくり活動を推進するものです.
「まちづくり」は「ひとづくり」の精神で防災
をテーマに活動することで,地域住民の協力意
識が高まり,福祉や環境などの他の地域コミュ
ニティ活動にも役立っています.
松江市での防災ワークショプ
■公共交通利用促進
公共交通(特にバス交通)の維持に関して多くの地方自治体が困難に直面し
ていることから,その改善策について様々な視点から検討していくものです.
その一つとして今までのバス事業のあり方を転換し,事業を市民・行政・事業
者による協働事業として位置付け,
「松江公共交通利用促進市民会議」を立ち上
げました.そこでは,実際に利用促進を図ると共に研究として様々な調査や取
り組みを行っています.
■社会調査・災害調査関連
自然災害によって被害が生じた地域を対象にアンケート調査やヒアリングを
行い,住民の対応行動や意識を分析することで問題点を抽出し,今後の災害対
応行動のあり方を検討するものです.
主な使用機器・設備など
産学官連携に関する実績
・松江市におけるモビリティマネジメント(共同研究)
・GISを利用した水害時即時対応行動支援システムの開発(共同研究)
山田 裕巳
教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
建築環境工学,室内空気環境
住居健康環境(アレルギー等)
対応可能な分野
1.
室内空気環境に関する改善技術研究開発
シックハウス改善技術の開発補助、企画立案、評価方法 など
2. サスティナブル技術・健康関連技術研究開発
健康性及び省エネルギー性能向上技術開発、各種計画立案など
3. 室内環境及び健康関連技術評価
アンケート調査,ヒアリング 等 各種社会調査と分析
研究内容
■室内空気環境の改善技術研究開発
省エネルギーを目的とした住宅の気密化に伴
って、室内の空気汚染が問題(シックハウス問
題)となっており、その対策が急務となってい
ます。シックハウス問題は、建材・換気など複
合的な対策が求められることから、総合的な環
境改善方法の研究・提案を行います。
室内空気質評価状況
■サスティナブル技術・健康環境技術研究開発
住まいと健康・省エネルギー性能の関係が明確になりつつあります。健康に
関しては、健康被害を防ぐ技術のみならず、健康を維持向上させる技術開発に
関しても、さまざまな評価技術を用いて検討を進めます。また、省エネルギー
性能を向上させる建築技術に関しては、生活者の快適性・エネルギー消費量及
び温熱環境の測定などを通じて、適切な省エネルギー手法の提案を行います。
■社会調査関連
室内の化学物質濃度やカビなど健康に害を及ぼす要素の居住環境調査を行う
ことで住まいの健康性評価及び住まい方の問題点を抽出し、助言します。また、
大規模実態調査により、住まい及び住まい方の対策指針を策定することが可能
となります。
主な使用機器・設備など
産学官連携に関する実績
大屋 誠
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
構造工学
対応可能な分野
1.
耐候性鋼橋梁の鋼材選定に関する調査研究
ワッペン式曝露試験を用いた鋼材選定
2. 鋼橋梁の腐食環境評価に関する調査研究
鋼橋梁の腐食環境に関する環境調査,既設橋梁のさび評価
3. 構造物の耐荷力,振動特性調査に関する研究
コンクリート構造物の載荷試験,構造物の振動特性調査
研究内容
■ 耐候性鋼橋梁の鋼材選定に関する調査研究
耐候性鋼橋梁の使用鋼材は,飛来塩分量の測定値
や鋼材の曝露試験の結果を用いて 100 年後の腐食量
を予測し,決定されている.曝露試験による方法は,
飛来塩分量を用いる方法より信頼性が高く,近年,
耐候性鋼橋梁の鋼材選定では注目されている方法で
ある.大屋・武邊研究室では,松江第五大橋の橋梁
建設にあたり,最新の予測技術を用い,鋼材選定を 簡易架台を用いた曝露試験
行った.実橋梁が建設後はモニタリングを行い,予
測技術の検証をおこなっている.
■ 鋼橋梁の腐食環境評価に関する調査研究
鋼橋梁の腐食環境を風向・風速,飛来塩分量,温
度・湿度,ACM 型腐食センサーによる腐食電流計測
等による現地観測により評価している.現在は,領
域気候モデルなどを用いた数値シミュレーション等
を用い,季節変動等を考慮した地域全体の腐食環境
評価が可能か研究を行っている.
既設橋梁腐食環境調査
■ 構造物の耐荷力,振動特性に関する研究
載荷試験装置を用いて RC や鋼構造物の耐荷力測
定を実施している.また,既設橋梁や構造物の振動
特性を把握するために,常時微動計測システムを用
い固有周期と減衰定数の測定を行い,耐震補強等の
評価について研究を行っている.
RC 構造物の耐荷力試験
主な使用機器・設備など
イオン透過抵抗測定装置(日鉄防蝕(株))
,イオンクロマトグラフィ(DIONEX)
常時微動計測システム((株)物探サービス,GEODAS-10A-24DS)
産学連携に関する実績
・「松江第五大橋道路の鋼橋における腐食環境の評価」に関する島根県高規格道路事務所
との共同研究
・「山陰地方における耐候性鋼橋梁の適用性評価に関する調査・研究」国土交通省松江国
道事務所,倉吉河川国道事務所との受託研究
広瀬 望
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
水工水理学
対応可能な分野
1.
水文気象現象の解明
気象・水文観測データ,衛星観測データ,数値気象モデル,GIS,Google
map を用いた水文気象現象の解明・予測・可視化に関する研究
研究内容
■ 中国地方における水循環プロセスの解明
地球温暖化の進行は,降水の極端現象の増加と積雪減少を引き起こすため,
洪水や渇水などの大規模水災害の増加と融雪期の水資源の減少が予想される.
そのため,温暖化の影響を考慮した治水対策立案や長期的な水資源管理を行う
必要がある.そこで,中国地方の一級河川流域に着目し,①複数の衛星観測デ
ータや数値モデルを用いて積雪水量分布を把握し,②観測データや数値モデル
による河川流量の長期予測を行い,流域スケールでの水循環プロセスの物理的
変化を明らかにする研究を進めている状況である.
■ 耐候性鋼橋梁の腐食環境評価マップの作成
構造物の長寿命化やライフサイクルコスト低減には,耐候性鋼材の使用が有
効であるが,適切な環境下で使用しないと,その防食性能を十分に発揮できな
い.そのため,架橋地点の腐食環境(飛来塩分量,気象要素,鋼材の腐食
減耗量)を計測し,耐候性鋼材の適用性を検討しなければならない.
そこで,
鋼材の腐食環境を簡易かつ広
域に評価できれば,架橋地点の鋼材選定
のみならず,既設橋梁の維持管理の優先
度把握に有効である.
本研究では,①観測データや数値モデル
による腐食環境評価の高度化,②既存の橋
梁データベースと比較可能な腐食環境評価
データベースの整備,③腐食環境評価マッ
プの作成を目的として,研究を進めている
状況である.
主な使用機器・設備など
ワークステーション
産学連携に関する実績
腐食環境評価のマップ化
武邊 勝道
准教授・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
地球化学,地質学
対応可能な分野
1.
岩石,土壌分析
無機化学組成
2. 水質分析
無機化学組成・DO,COD,BOD
3. 飛来塩分調査
腐食環境調査
研究内容
■腐食環境調査
飛来塩分調査,付着塩分調査,ワッペン型曝露試
験(鉄連法),ACM センサを用いて腐食環境を調
査します.松江第五大橋建設地域の腐食環境も調査
しました.
■地球化学図の作成
奥出雲地域における土壌の元素分布とたたら製鉄
史跡の分布について調べています.
■ ヘドロ中の元素分布分析
腐食環境調査風景
ヘドロの中での元素の挙動を知るため,ヘドロの
化学分析をしています.
地質図と Fe 分布
主な使用機器・設備など
イオンクロマトグラフィ(DIONEX ICS-1600)
産学連携に関する実績
・耐候性鋼橋梁に蓄積する粉塵堆積物が腐食の進行に与える影響(共同研究)
松崎
靖彦
准教授・博士(工学)
E-mail
専門分野
[email protected]
橋梁工学
対応可能な分野
1.鋼橋の長寿命化に関する研究
鋼橋の長寿命化,耐久性向上の研究
2.耐候性鋼橋梁の腐食環境とさび評価法
耐候性鋼材のさび判定と適用環境の見極めの高度化
研究内容
■鋼橋の長寿命化に関する研究
他の社会資本と同様に,進行する老朽化に対して,効率的な維持管理の方法や延
命・長寿命化への対応,耐久性向上の研究に取り組んでいます.
■耐候性鋼橋梁の腐食環境とさび評価法
耐候性鋼材のさびは,同一橋梁内においても各部材の部位ごとにさまざまな状
態を呈します.これらに対して,防食性能を発揮する保護性のあるさびの生成の有
無,また適用環境の適否を見極める方法の高度化に取り組んでいます.
高い
腐食速度
腐食
環境
ぬれ時間
気温・湿度
地域性
海上
海水・波しぶき
多湿
高温
臨海工業
地帯
凍結防止剤
床版漏水
結露しやすい
海岸地帯
田園地帯
低い
南面
保護性さび
橋台・橋脚
高さが高い
水はけ
良好
鉛直
外ウェブ面
ガセットプレート上面
水平補剛材
東西面
常に乾燥
表面状態の安定
保護性さびの形成
接触物
が無い
塵埃
垂直補剛材下端
桁端部
北面
形成されにくい
結露しにくい
支間中央部
形成され易い
構造物
要因
低湿
低温
寒冷地帯
橋台・橋脚
高さが低い
下フランジ裏面
風通し
水はけ
日照条件
構造物の高さ
水はけ
不良
土砂・苔
草木が被る
接触物
耐候性合金
保護性さび形成の要因分析図
主な使用機器・設備など
産学連携に関する実績
少量
多量
周藤 将司
助教・博士(農学)
E-mail
専門分野
[email protected]
コンクリート工学
対応可能な分野
1.
2.
3.
コンクリート構造物の劣化診断
各種の破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の劣化診断
コンクリート構造物の劣化診断技術の改良および開発
非破壊による診断の精度向上を目的とする研究
コンクリートの物性・耐久性の評価
コンクリートの各種物性および耐凍害性の評価
研究内容
■RC 開水路の凍害診断に関する研究
コア供試体採取跡
背面
表面(内面)
凍害によるコンクリート構造物の劣化に
ついては,進行度合いが環境的要因に大きな
影響を受けるため,対象とする構造物の供用
環境や供用条件に応じた診断・対策が求めら
れます。特に農業用 RC 開水路では,右の写
真のように特徴的な内部変状(層状ひび割
れ)が生じることが明らかになっています。
この発生メカニズムを解明した上で,層状ひ
び割れの定量的評価手法に関する検討を行
っています。また,延長距離が長いという特
徴を有する開水路特有の表面ひび割れ発生
パターンを明らかにし,ひび割れ発生の抑制
方法に関する検討を行っています。
■非破壊による凍害診断のための
現地試験方法に関する研究
凍害診断の際には,一般的に相対動弾性係
RC 開水路側壁の
数が指標として用いられます。現在の試験方
層状ひび割れの発生状況
法では,現地で非破壊試験によって相対動弾
性係数を評価することができません。そこで,既存の機器を組み合わせて利用
することで,現地非破壊試験から一次共鳴振動数・動弾性係数・相対動弾性係
数を明らかにする方法について検討しています。
主な使用機器・設備など
凍結融解試験機(A 法:水中凍結水中融解)
,超音波測定器,動ヤング率測定器
(駆動子・ピックアップ分離型)
,耐圧試験機など
産学連携に関する実績
特になし
宮下眞也
教授・修士(教育学)
E-mail
専門分野
[email protected]
英語教育,認知言語学
対応可能な分野
1.
映画英語を利用した英語指導の研究
映画英語を利用したアメリカ生活場面把握指導の研究
2. CALL教材を利用した語彙指導法研究
CALL教材を利用した語彙指導の研究
3. 認知言語学的立場からの言語研究
コミュニケーションを重視した立場での言語分析
研究内容
■ 映画英語を利用した英語指導の研究
英語力を判定する基準として殆どの企業がTOEICスコア―を採用してい
るので,企業で生き残るためには得点アップが必要となります.TOEICで
出題されるのはアメリカでの生活場面の英語です.アメリカでの生活場面に馴
染ませるために,TOEICの話題に適した映画の場面を利用する事を研究し
ています.その場面で使われる英語も分析し,TOEIC語彙教材やリスニン
グ教材の開発も行っています.
■ CALL教材を利用した語彙指導研究
英語4技能の基本は語彙習得でありますので,技能の改善には語彙力アップ
が必要となります.興味深く語彙学習に取り組める教材を使って語彙指導をす
ることを研究しています.既存パソコンソフトを使った語彙学習が英語力にど
のように影響するかを研究し.さらに語彙学習教材の開発研究も行っています.
英語力の判定にはTOEICテストスコア―を利用しています.
■ 認知言語学的立場からの言語研究
形式的立場での研究では解明できなかった言語の課題を,コミュニケーショ
ンを重視した認知的立場から研究しようとしています.具体的には,コヒアラ
ンス,メタファーなどの言語現象の研究,コミュニケーションやリーディング
における中期記憶の働きの研究を行っています.伝達重視の英語教育にも有効
な指導法も本研究で導かれると思います.
主な使用機器・設備など
COCET3300,NetWork Academy 2,英語映画ソフト
産学連携に関する実績
特になし
森山恭行
教授・学士
E-mail
専門分野
[email protected]
運動方法学
対応可能な分野
1.
健康維持・改善につながる体操(テンダー・ストレッチ)の指導
血流の淀みをもたらすスリーピングマッスル(特にインナーマッスル)への
刺激提供を目的とします
2.
コーチング方法の指導
スポーツコーチング理論の職場社会での応用について
3.
バスケットボールの技術指導全般
限りある人材で最高のパフォーマンスを生むノウハウについて
研究内容
■ スポーツビジョン能力の向上について
「ヘッドビデオカメラ映像を利用した自己
客観視のトレーニング効果」というテーマ
で,スポーツビジョンに関して研究してい
ます.視機能の向上というより,「何を見
るか」「どこを見るか」という着眼点を低
年齢期に指導することの重要性についての
研究です.
■ 運動方法学としてのバスケットボールについて
「トラインアングル・オフェンス」の
翻訳をはじめ,バスケットボールに繋
がるあらゆることについて研究し,講
演,実技指導などを全国各地でおこな
っています.
■
ウエイト・トレーニングを偏重しない体の鍛え方について
故障をしない身体,バランスのとれた
強い身体を作ることを目的として,ウ
エイト・トレーニングに頼らず,関節
の可動域を広げながら負荷を与える運
動処方について研究しています.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
黒田祐一
教授・理学修士
E-mail
専門分野
[email protected]
地理学
対応可能な分野
1.
日本の地名の特色
地形図の地名および歴史地名の資料を用いた比較研究
2. 特定の地域を対象とした地名の研究
市町村レベルの地名資料の収集・地図作成と特色の分析
3. 地名データベースの構築
全国の小字地名をデータベース化する試み
研究内容
■ 日本の地名の特色
日本の地名の数は日常的に使われる地形図の
地名では数十万,小字レベルで数百万と膨大なも
のであり,日本人の歴史・文化・生業・自然観な
どを知る上で欠かせないものです.現在、地形図
に記載されている地名の表記・発音・位置はすべ
てデータベース化されており,地形図との対応や
分布図の作成も可能になっています.また,大字
および町名など住所レベルの地名は沿革や歴史
的変遷などを全国的に網羅した資料があり,検索
システムも整備されています.これらを利用し
て,たんなる語源探求ではなく,分布図の作成や
地形図との対応,同種の地名の位置や組み合わせなどを総合的に解析すること
により,日本の地域的・歴史的な特色や,生活との関わりを明らかにすること
を試みています.
■ 地名データベースの構築
小字レベルの地名はふだんあまり使われませんが,その数は市町村あた
り数万にものぼり,我々の過去の生活に深く関わるものが多数含まれて
います.地名研究の嚆矢となった柳田国男の『地名の研究』では,全国
の小字資料を一部カード化したものが使われています.しかし,小字地
名を網羅したデータベースはいまだ作られておらず,検索や分布図の作
成はできません.日本の地名研究を格段に進歩させることが確実な,小
字データベースの作成を試みています.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
山根繁樹
教授・修士(文学)
E-mail
専門分野
[email protected]
日本近代文学
対応可能な分野
1.
文学テクストの読解
単独での読解が困難な文学テクストの読解
2. 言語文化についての考察
言語によって表象される文化と社会との関わりについての考察
3. 文章の推敲
文章表現の推敲指南
研究内容
■ 日野啓三小説作品の研究
日野啓三は,戦後に若手批評家として注目され,
1960 年代には新聞記者としてベトナム戦争などを
取材しました.1970 年代に入ると小説家として活
躍し始めて芥川賞を受賞,1980 年代以降は,それ
までにない世界観の提示で数々の文学賞を受賞す
るなど,戦後文学において特異な存在です.日野啓
三の小説作品は,さまざまな方法で書かれ,時代に
よって傾向が異なるともいえますが,丁寧に読み解
くと,一貫している何かがあることがわかります.
今後は,日野啓三作品の一貫したテーマとそれぞれ
のバリエーションについて,その全容を明らかにす
ることを目指します.
■ 1980 年代文学の研究
1980 年代は,
「価値観の多様化」が叫ばれはじめ,
「ポストモダン」という言葉が聞かれるようになっ
た時代です.文化面でも経済面でも,賑やかで華や
かな時代でしたが,1990 年代に入ると社会の様々
な面が暗転し,文学も力を失っていきます.では,
1980 年代とはいかなる時代だったのか.そして,
そこで「消費」されて終わったかにみえる文学作品
たちは,現在いかに評価されるものなのか.文学作
品を読解することにより,それを生み出した時代に
ついて考察しようとしています.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
日野の 80 年代作品例
鳥谷智文
准教授・修士(文学)
E-mail
専門分野
[email protected]
日本史
対応可能な分野
1.
「たたら製鉄」に関する研究
特に出雲地域における「たたら製鉄」の経営的特徴について
2. 松江藩領に関わる産業
特に松江藩領における生産,流通物資及び業種の特徴について
3. 古文書の解読
特に経営に関する古文書の解読について
研究内容
■ 「たたら製鉄」に関する研究
近世から近代にかけて発展した
「たたら製鉄」について出雲地域
を中心に研究しています.特にた
たら製鉄業の経営的特徴,たたら
製鉄に携わる人々の特徴などを古
文書を読み解くことによって明ら
かにしようとしています.
■ 松江藩領に関わる産業
松江藩領における近世から近代
初期にかけての産業や流通につい
たたら製鉄を営んだ櫻井家
て興味をもって研究しています.
特に松江藩領で利益を得た産業,業種及び物資について,古文書を中心的史料
として明らかにしようと試みています.松江藩の産業の中では,鉄に関係する
事業をまず研究しようと思っています.
上記研究には,産業や職種(例えば鉄,木綿などの産業,問屋業,運輸業な
ど)に関しての経営が記述されている古文書の解読が必要です.古文書につい
てご関心のある方はぜひご一報下さい.
主な使用機器・設備など
特になし。
産学連携に関する実績
特になし。
服部真弓
准教授・修士(英語教育)
E-mail
専門分野
[email protected]
英語教育学,英語学
対応可能な分野
1.
2.
英語教育教材の開発
母語を有効活用した英語リーディング教材の開発
英語 100 万語多読指導
英語 100 万語多読による英語運用能力向上を目指す指導
研究内容
1.
英語教育教材の開発
日本は,英語が日常生活で使われていない EFL(English as a Foreign Language)
環境の国であり,学習者は常に英語と母国語との間に身をおいています.中国,韓国も
同様の状況です.これに対する用語が,ESL(English as a Second Language)です.
ESL とは,アメリカへ移民としてやってきた人の英語学習環境等を指します.ESL 環
境では,学習者の母国語が単一ではないため,授業では目標言語も使用言語も必然的に
英語となりますが,日本のような EFL 環境の英語授業では,英語と母語の両方を使用
することが可能です.内容を深めるには,母語の活用はむしろ有効といえます.
2.
英語 100 万語多読指導
「100 万語多読」とは,
「辞書は引かない」
「わからないと
ころは飛ばす」
「進まなくなったらやめる」の基本三原則で,
絵本レベルからスタートして年間数十万語を読み,将来的に
はペーパーバックを楽しんで読むことを目指す英語学習法
です.英文を日本語に訳さず,英語のまま瞬時に理解し,長
時間継続して,物語を楽しめるレベルにまで高めると,それ
が楽しみとなり,趣味になります.そして,その楽しみ・趣
味が運用能力を向上させるといわれます.英語による情報処
理速度が増し,処理負担が減るので,特にリスニング・リー
ディングに効果があるといわれています.
主な使用機器・設備など
松江高専図書館 多読図書 304 冊 169 万語(2010 年 9 月現在)
産学連携に関する実績
特になし
小川 陽子
講師・博士(文学)
E-mail
専門分野
[email protected]
日本古典文学
対応可能な分野
1.
2.
3.
日本古典文学作品の研究
主に平安・鎌倉時代に作られた文学作品の研究
松江藩における文学享受の研究
松江藩において書写・享受された文学作品とそれをめぐる人々に関する研究
古典籍の解読
くずし字で書かれた古典籍の解読
研究内容
■ 中古中世王朝物語の研究
『源氏物語』を中心に,平安・鎌倉時代に作られた
物語を研究しています.それぞれの作品内容も重要
ですが,その作品が現代まで伝わってくる過程でど
のように受け止められたのか,どのような人々に読
まれたのか,という受容の問題を特に重点的に扱っ
ています,この検討を通じて,中世・近世の人と文
学とのあり方を明らかにしていくことを目指してい
ます.
■ 松江藩における文学についての研究
上記の研究から発展して,この松江という地にお
ける人と文学を研究対象とするようになりました.
現在は,特に堀尾氏時代の松江において,堀尾氏と
その周辺の人々が京の人や作品といかに関わってい
たか,どのような文学作品を生み出していたか,そ
の実態を解明することを目指しています.古典文学
を切り口として松江の一面に迫ることができればと
考えています.
上記2つの研究はいずれも中世・近世に書かれた古典籍そのものを解読する,
すなわちくずし字を読むという作業が不可欠です.お近くに内容のわからない
古典籍がございましたら,ぜひご一報ください.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
大西永昭
講師・修士(教育)
E-mail
専門分野
[email protected]
日本近代文学
対応可能な分野
1.
活字メディアの分析
文学作品だけではなく、雑誌記事や広告など活字によって表現される
メディアの分析
2. 出版文化についての考察
出版文化と文学との関わりについての考察
研究内容
■ 芥川龍之介の研究
国語教科書の定番教材「羅生門」の作
者として,その名を広く知られる近代作
家・芥川龍之介は,今や日本以外の諸外
国でも作品が読まれており,その意味で
は日本を代表する小説家だといえます.
このとき問題となるのは,そのような有
名作家の作品を読む読者の「読み」が,
その作家の持つイメージによって拘束さ
れてしまうということです.
しかし,芥川だけにとどまらず,作家
像は出版ジャーナリズムなどの様々なメ
普及版『芥川龍之介全集』広告(1934 ディア言説によって語られたものであ
り,各時代の社会状況や出版者のメディ
年)
ア戦略などによって歴史的に構築されて
きたものでもあります.この創られた作家像を読みほどき,改めて作家に対す
る評価や作品の読解を行っています.
■ 近代出版文化と文学場の研究
近代は出版技術の発展により,特に大正期以降,出版ジャーナリズムがほぼ
今日的なかたちに成長することで,作家・編集者・出版人・読者、雑誌・文学
賞・出版社・書店などから形成される「文学場」
(P・ブルデュー)が誕生しま
した.現在でも私たちは文学に対して「社会や経済を超越した何か」という信
仰にも似た感想を抱きがちですが,その価値観自体が「文学場」の中で形成さ
れてきたものなのです.そこで文学が出版文化からどのような影響を受け,読
者はそれをどのように受容してきたのかを考察します.また,今後,電子書籍
が普及していったとき,これまで紙媒体の中で表現されてきた文学がどう変質
していくのかも考察対象として考えています.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
大森
誠
講師・修士(教育学)
E-mail
専門分野
[email protected]
英語教育学
英語コーパス言語学
対応可能な分野
1.
コーパスを利用した英語教育
コーパスを利用した英語教育研究,教材開発
2. ICT を活用した英語教育
マルチメディア等の ICT の特性を活かした英語授業
研究内容
■コーパスを利用した英語教育
コーパスとは「電子化された大量の言語デ
ータベース」のことです。1964 年にアメリカ
で編纂された約 100 万語の Brown Corpus 以
来 , British National Corpus や Bank of
English といったコーパスは億レベルの単位
で編纂されています。辞書の編集や基本語彙の
選定など,コーパスは英語教育における教材開
発の基礎資料として利用されています。さらに KWIC コンコーダンスライン
学習者コーパスなどの特殊な分野に特化した
コーパスは,シラバスデザインやテスト開発,語彙指導などに活用することも
可能になります。コーパスは英語教育において,今後ますますその必要性が高
まると考えられます。コーパスが英語教育にどのような形で活用できるのか,
その可能性や具体的な方法を探究しています。
■ICT を活用した英語教育
小学校の外国語活動のために英語ノートデジタル版が作られ,また,多くの
教科書出版会社からデジタル教科書やデジタル教材が出版されています。今後
も英語教育における ICT の普及は今後も拡がっていくと考えられます。
英語教育において ICT を利活用することにより,学習者に興味関心を持たせ
ることが可能になり,学習者それぞれのニーズにあった学習環境を提供するこ
とも可能になります。「実践的コミュニケーション能力の育成」のために ICT
で何ができるのか,ICT がどのように寄与するのか,また,授業において ICT
を効果的に活用していく方法を研究しています。
主な使用機器・設備など
特になし
産学官連携に関する実績
特になし
E-mail
松田 節郎
講師・博士 (工学),
学士 (教育学)
[email protected]
英語教育学, 地球統計学,
機械学習
専門分野
対応可能な研究テーマ
1.
2.
英語コーパスを用いた言語学的特徴の抽出
地球統計学を用いた地質データの空間分布モデリング
ニューラルネットワーク (ANN) 及びサポート・ベクター・マシン (SVM) を用いたデータマイニング
3.
研究内容
■英語コーパスを用いた言語学的特徴の抽出
英語コーパスを構築したり,コーパスとして蓄積された英文テキストに対して統計解析を
行ったりします。これにより,動詞の使い分けや語句の連語関係などを科学的に明らかにし
ます。
■地球統計学を用いた地質データの空間分布モデリング
この場合の地質データとは,地下温度 (図 1 参照),鉱石品位,地下水中の物質濃度など
を指します。これらのデータがもつ「値」だけでなく「位置」も考慮して,その空間的な分
布を推定する学問が地球統計学 (空間統計学) です。もともと石油探査の分野から発展した
学問ですが,最近では大気中の汚染物質の濃度分布推定などに応用されています。
■ニューラルネットワーク (ANN) 及びサポート・ベクター・マシン (SVM) を用いたデータマイニング
ANN や SVM は人工知能の一種です。教師データを用いた学習によって,未知の入力に
対する出力を予測できるようになります。図 2 は生命情報学の分野における応用例で,タン
パク質のアミノ酸配列を入力すれば,その輸送先 (細胞内局在部位) を予測することができ
ます。タンパク質の輸送先はその機能と密接な関係があり,実験をすることなしに,タンパ
ク質の細胞内における働きを知ることができます。
Elevation (m)
500
500
00
2
4
6
8
10 12 14 16 18
18 (km)
10
Temp. (°C)
180+<
180
160 to
160
− 180
180
140 to
140
− 160
160
120 to
120
− 140
140
100 to
100
− 120
120
80
80to−100
100
60
60to−80 80
40
to
60
40 − 60
20
20to−40 40
0
-500
-500
-1000
-1000
S
N
図 1 地熱地域での地温分布推定の例
図 2 タンパク質の細胞内局在部位の
予測サーバ
主な使用機器・設備など
一般的な性能のパーソナル・コンピュータが 1 台あれば研究できます。
産学連携に関する実績
石灰岩中の不純物成分の空間分布推定によって,石灰石鉱山における採掘計画の
策定に貢献しました。
渡辺賢治
講師・博士(文学)
E-mail
専門分野
[email protected]
日本近代文学
対応可能な分野
1.
明治期における文学作品、草稿、書誌、注釈等の研究
幸田露伴研究を軸とした、当代文学の諸相や仏教思想に関する考察
2. 私小説についての研究
昭和期における私小説作家の考察、文学史的位置づけに関する考察
3. 国語教育におけるメディア教材に関する研究
サブカルチャーを導入した国語教育の可能性と展望についての考察
研究内容
■幸田露伴と仏教
明治・大正・昭和と生きた幸田露伴は小説に限らず、随筆・
評論・史伝・考証・紀行文・戯曲・評釈など、多彩な執筆活
動を展開しています。その全貌は未だ把握されていません。
露伴文学全体を眺めた際、初期から後期まで、仏典に依拠
した作品が散見され、縁起や運命の中で生きる人々の姿とと
もに求道者たる人間の生命力が湧出しています。
浪漫的作風のなかにも仏教的色彩が色濃く反映されてい
る点に注目し、初期から後期まで通底する露伴文学における
仏教の受容ついて研究しています。また露伴研究を軸に当
代文学における仏教の受容についても考察しています。
「五重塔」
(『尾花集』収載)
■私小説の可能性
現在、日本の私小説評価は徐々にですが変化しています。
一昔前までは、低い評価として扱われてきた私小説ですが、
最近では右の『私小説ハンドブック』が刊行されるなど、
私小説を一つの研究ジャンルとして位置づけることも可能
となってきました。また日本に限らず、中国・韓国・台湾
など東アジアにおける私小説の隆盛も認められ、日本の私
小説との共通点や相違点など、研究課題は広がりつつあり
ます。こうした状況から、私小説が日本独自のジャンルで 『私小説ハンドブック』
あること、またその可能性について研究しています。
(勉誠出版 2014.3)
■国語教育とサブカルチャー
現在、アニメや漫画といったサブカルチャーの隆盛には目を見張るものがあ
ります。国語の定番教材である「山月記」や「羅生門」、「こころ」なども漫画
化されており、複数の種類が刊行されています。こうした現象から国語教育と
サブカルチャーとの関わりに注目し、その可能性や問題点を考察しています。
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
Marshall Higa
講師・修士(教育学)
E-mail
専門分野
[email protected]
英語教育・応用言語学
対応可能な分野
1.
Japan’s JET Programme and English language teaching in
Japan.
研究内容
In 1987, various branches of Japan’s government created the JET
Programme, which brought foreign-born, native-speaking foreign
language speakers to serve as teaching assistants in foreign
language classes in Japanese secondary schools. These assistants are
known as assistant language teachers (ALT). The two primary aims
of this program were to support foreign language education and
internationalization in Japanese schools. The aim of this research is
to focus on factors, which influence the personal and professional
development of these foreign-language assistants and in this context,
find ways to improve English language teaching in Japan.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
一箭・フェルナンド・ヒロシ
助教 (体育学修士)
E-mail
専門分野
[email protected]
保健・体育 運動生理学
対応可能な分野
1.
トレーニングが身体及び運動パフォーマンスに及ぼす効果に関す
る研究
2.
特殊環境下での運動が身体及び運動パフォーマンスに及ぼす影響
に関する基礎的研究
研究内容
1.トレーニングが身体及び運動パフォーマンスに及ぼす効果に関する
研究
「PDCA サイクル」を用いて,通常練習と競技会の観察結果,及び体力測定の結果に基づ
いて,各選手の弱点と考えられた体力要素を改善するため,2 ヶ月間で 2 回のトレーニン
グ介入を行った.体力測定の結果を直ちに各選手にフィードバックし,個々の弱点を明確
に意識させるとともに,トレーニングへの意欲を向上させるよう配慮したことで 3 種類の
体力要素(形態及び身体組成,筋力,有酸素性作業能力)が 2 ヶ月間という短期間で大き
く改善させることができた.
2.特殊環境下での運動が身体及び運動パフォーマンスに及ぼす影響に
関する基礎的研究
近年,安全性と簡便性に優れる常圧の低酸素室が開発され,これを用いた低酸素トレ
ーニングが普及しつつある.低酸素室や高酸素室内でのトレーニグは,一般的には狭い室
内で行わなければならない,という制約がある.しかしその反面,低地でのトレーニング
と並行させて,補助トレーニングのような位置づけで随時実施できることや,酸素濃度を
自由に変えられるというメリットもある.このような方法は,自然の高地へ出かけ,そこ
に長期間滞在して行う高地トレーニングなどでは実施が難しく,人工環境室を利用したト
レーニング特有の長所といえる. そこで通常酸素条件,低酸素条件および高酸素条件で
運動を行った際のパフォーマンスおよび生理応答に与える影響について検討した.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
高木健司
教授
E-mail
専門分野
[email protected]
流体工学
対応可能な分野
1.
数値解析
ノイマンの境界条件を持つポアソン方程式を解くとき,精度の良い解を与え
る.
2.
配管設計
分岐を有する配管系.分岐部のエネルギ損失を最小にする.
研究内容
■ 流れの数値解析
種々な条件の下でナビエストークスの方程式を解いた,圧力を求める場合,
空間について離散化した式を数値的に積分する方法があるが,積分経路によっ
て値が異なる.そこで圧力に対するポアソン方程式を解く方法もあるが,ノイ
マンの境界条件となり,流れの条件によっては不合理な結果となる場合があっ
た.そのような場合でも良好な結果を得られる方法を示した.
■ 低エネルギ損失分岐継手
流れの主管に対して両方向に分岐させる場合,十字継手を使用するか,また
はT形継手2個をニップルで接続し,両方向に分岐させることになる.十字継
手では,ある流量比においてエネルギ損失が著しく増大することが知られてい
る.また,T形継手を組み合わせる方法では,接続に使用するニップルの部分
で損失が増大する.
そこで十字継手の対向する支管中心軸をずらすことによって,十字継手で発
生する特異な損失を押さえた継手の作成を試みた.この場合,単体の継手なの
でニップルなどによる損失は一切ない.その結果,エネルギ損失がもっとも少
ない支管距離内径比の値を見出だした.
主な使用機器・設備など
なし
産学連携に関する実績
なし
田邊 弘正
教授・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
微分幾何学
対応可能な分野
1.
微分幾何学の研究
リーマン部分多様体の微分幾何学
2. 数学教育について
主に中学・高校における数学教育全般について
研究内容
■ リーマン部分多様体の微分幾何学の研究
微分幾何学の一分野である「部分多様体論」を研究しています.
「多様体」
とは滑らかな曲面や空間の概念を一般化したものであり,
「部分多様体」と
は空間内にはめ込まれた曲線や曲面の概念を一般化したものです.多様体の
各点における接空間に内積を導入すると,多様体に距離の概念が導入されま
す.これを「リーマン多様体」といいます.リーマン部分多様体の微分幾何
学は微分幾何の起源とも言え,現在でも盛んに研究されている重要な研究課
題の1つです.
現在は,主に曲線論による部分多様体の微分幾何学を研究しています.部
分多様体の性質を調べるとき,部分多様体上に描かれたある種の曲線の形状
を外側の空間から調べることによって,そのはめ
込みの性質を決定しようというのはある意味で自
然なことであると思われます.部分多様体と外の
空間の幾何学的構造(極小性・平行性・等方性等)
と部分多様体上の曲線類の関係を明らかにしてい
きたいと考えています.
主な使用機器・設備など
なし
産学連携に関する実績
なし
中村 元
准教授・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
関数解析(実函数論)
対応可能な分野
バナッハ空間の幾何学的構造の研究とその応用
研究内容
実函数の本質的変動量
実数の有界区間上の関数の変動量の概念を一般化して,n 次元ユ
ークリッド空間上の可積分関数(ルべーグ積分の意味での)の本質
的変動量,更には p 乗可積分関数の p-変動量の性質を調べています.
これを用いてソボレフ空間とBV空間の関係も調べています.この
研究は確率論における無限次元直積測度の結果を基としていますの
で,上記の変動量の概念が無限次元直積測度の研究に寄与できる事
を期待しています.
■ 実バナッハ空間のフォン・ノイマン-ジョルダン定数
一般の実バナッハ空間のノルムの構造が,どの程度実ヒルベルト
空間(内積が定まる実バナッハ空間)に近いかを示す代表的な指標
としてフォン・ノイマン-ジョルダン定数があります.全てのバナ
ッハ空間で1以上2以下の値をとり,この値が1に等しい事はヒル
ベルト空間と同値であることは良く知られています.そこでこの定
数の値が1に極めて近い空間が持つ幾何学的性質を,空間の単位球
の等方性,対称性の考えを導入してその観点から調べています.
主な使用機器・設備など
特になし.
産学連携に関する実績
なし.
鈴木 純二
准教授・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
電気化学・固体化学
対応可能な分野
1.
Li-ion 二次電池負極の改良・開発に関する研究
ケイ素などを材料とした高容量・高出力 Li-ion 二次電池負極の開発
2. 活性炭素材の表面修飾による高機能化に関する研究
金属担持・酸化処理による活性炭の電気化学的有効表面積の増大化
3. バイポーラセルを用いた金属中の Li 移動速度の測定に関する研究
金属材料中の Li 移動速度を測定・評価
研究内容
■ Li-ion 二次電池負極の改良・開発に関する研究
現行の黒鉛材料に替わる新規負極材の検討を行って
いる.ケイ素は黒鉛の約 10 倍の理論容量を持つ魅力的
材料であるが,高容量ゆえに充放電に伴う著しい体積
膨張・収縮のため,電極体としての維持が困難であり,
電極材としての信頼性に乏しい.また,高容量を生か
すためには短時間で充電が出来る必要(高出力化)も
望まれる.この課題を克服するために気相成長非晶質
ケイ素電極を作成し,実用化に向け研究を行っている.
Si
特殊加工したCu箔上に成膜し
た非晶質 Si 膜の電子顕微鏡
写真(Siの厚さ:約 3.7 µm)
■ 活性炭素材の表面修飾による高機能化に関する研究
活性炭は比表面積が大きく,除湿・脱臭剤,水の浄
化フィルター,電気二重層キャパシタ電極など多くの
用途に用いられているが,必ずしも用途に応じた表面
状態・細孔構造をしていないため,その特性を充分に
生かせいていない.そこで,金属担持や酸化処理,ま
たはその複合処理を行い,用途に最適な表面構造の創
製(有効表面積の拡大・機能を付与)とその応用につ
いて研究を行っている.
Ag
特殊な手法にてAgを担持し
た炭素繊維の電子顕微鏡写真
(繊維の直径:約 7.0 µm)
■ バイポーラセルを用いた金属中の Li 移動速度の測定に関する研究
バイポーラセルを用い,二重分極法にて Li 原子が様々な金属中を移動する速
度を測定し,その速度から Li-ion 二次電池の材料設計の指針を得るとともに,
移動機構の解明(移動経路・金属種と移動速度の相関)の研究を行っている.
主な使用機器・設備など
小型真空蒸着装置,小型電気溶接機,アルゴン雰囲気グローブボックス
電気化学測定機(Potentiostat/Galvanostat,定電流充放電試験装置,交流イ
ンピーダンス測定装置)
産学連携に関する実績
・リチウムイオン二次電池新規負極体開発に関する受託研究
・天然物炭化活性炭を用いた電気二重層キャパシタ電極開発に関する受託研究
・JST 他各種財団からの高比表面積を持つ繊維のリチウムイオン二次電池/電気
二重層キャパシタ電極への応用に関する助成…etc.
門脇 聖
准教授・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
組合せ論
対応可能な研究分野・テーマ
1.
2.
3.
組合せデザインを利用した対戦スケジュールの作成法の開発
符号理論や暗号理論等への組合せデザインの活用法の開発
離散数学の問題を中心とした新たな教材の開発
研究内容
■いくつかの条件を満たす対戦スケジュールの作成に関する研究
「7名の学生がマージャンで遊びたい.すべての学生が同じ回数遊び,自分
以外の人と同時に遊ぶ回数は同じであるような最小回数のスケジュールを作成
せよ.
」というような問題は,離散数学における組合せデザインの問題です.で
は,このスケジュールはどのように作成できるでしょうか?その答えは,実は
右の図の中に隠されています.7人を各頂点(●)に対応させ,
遊ばない組を直線または曲線で結ばれる3人とみてみましょ
う(以下,直線または曲線を単に「線」と呼ぶこととします)
.
各頂点はちょうど3本の線上にあり,どの2つの頂点も同一線
上にはちょうど1回ずつ存在します.よって,右図は7人のう
ちの3人がちょうど3回遊ばず,自分以外の人と同時にちょうど1回遊ばない
ことを表しています.すなわち,遊ばない人以外の4人組を考えることにより,
問題の条件を満たし,その遊ぶ総回数が7回のスケジュールを作成できたこと
になります.7人のうち4人が遊ぶすべての場合は 7C4=35 回になりますので,
その差を考えると 28 回も差があることがわかります.本研究室では,上の例以
外にも様々な条件を満たすスケジュール作成法の開発を行っています.
■組合せデザインの他分野への活用に関する研究
組合せデザインは統計的実験計画法の分野で主に研究され
てきましたが,最近では符号理論や暗号理論等へも活用され
るようになってきました.実際,上で作られた組合せデザイ
ンから右に表現される 16 個の 1‐誤り訂正符号と呼ばれる符
合を作ることができます.本研究室では,このような組合せ
デザインの他分野への活用に関する研究も行っています.
(0,0,0,0,0,0,0),(0,0,1,0,1,1,1)
(1,1,0,1,0,0,0),(1,0,0,1,0,1,1)
(0,1,1,0,1,0,0),(1,1,0,0,1,0,1)
(0,0,1,1,0,1,0),(1,1,1,0,0,1,0)
(0,0,0,1,1,0,1),(0,1,1,1,0,0,1)
(1,0,0,0,1,1,0),(1,0,1,1,1,0,0)
(0,1,0,0,0,1,1),(0,1,0,1,1,1,0)
(1,0,1,0,0,0,1),(1,1,1,1,1,1,1)
■離散的構造を扱う数学の問題の教材開発
組合せ論は,Gauss が数学の女王とみなした整数論と「姉妹科学」であると言
われます.その理由のひとつは,ややこしい定義や基本的な知識をあまり必要
とせず誰でもすぐに取り組める問題にも関わらず,その解決には意外な努力を
要することが数多くあるためだと思われます.本研究室では数学の面白さや数
学的なものの見方・考え方のよさを感じられる教材として,そのような離散数
学の問題を中心とした新たな教材開発を行っています.現在のところ「ハノイ
の塔」
,
「パスカルの三角形」,
「碁盤の目の数」等々の教材化を考えてきました.
主な使用機器・設備など
特になし
産学連携に関する実績
特になし
神吉 知博
講師・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
代数学
対応可能な分野
1.
2.
簡約可能概均質ベクトル空間の分類
クイバーに付随する表現の分類
研究内容
■概均質ベクトル空間
概均質ベクトル空間の理論は、日本を代表する数学者の一人である佐藤幹夫
先生によって、1961 年に創始されました。概均質ベクトル空間とは、線型代数
群の有限次元有理表現のうち、ザリスキー位相で稠密な軌道をもつ表現のこと
「概均質ベクトル空間」になる群と表現は、どれ
をいいます。ではここで問題。
くらいあるのでしょうか?どのように分類するのがいいでしょうか?
■クイバーに付随する表現
有向グラフ(クイバー)を用意します。
すると例えばディンキンクイバーに付随
したある表現については、必ず有限個の
軌道に分解でき、特に概均質ベクトル空
間になることが知られています。
■両理論の関係は?
ディンキンクイバーに付随するスカラ
ーなし表現を考え、
(有限)概均質ベクト
ル空間になるかを調べると、表のような
数が現れます。これはスターリング数と
呼ばれる組合わせ数と関係していること
がわかってきました。このように両理論
について関係を探りながら、問題解決へ
向いつつ、さらに発展させていきたいで
す。
主な使用機器・設備など
特になし
産学官連携に関する実績
特になし
安達裕樹
助教・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
理論物理学(素粒子現象論)
対応可能な分野
1.
高次元ゲージ理論
高次元時空における素粒子現象論の解析
2. フレーバー(CP)の物理
CP 対称性の破れやフレーバーの物理
研究内容
■ 高次元ゲージ理論,フレーバー(CP)の物理
素粒子理論とは,物質の最小単位(素粒子)とは何か,宇宙を支配している
根本的な法則は何なのか,を問う分野です.現在、素粒子理論では「標準模
型」と呼ばれる理論が 100GeV(100 ギガ電子ボルト=約千兆℃)程度まで,非
常に高い精度で確かめられています.
しかしながら,この標準模型がさらに高いエネルギー(温度)領域まで正し
いかどうかは定かではなく,また,標準模型自身に理論的な問題点が存在す
ることから,宇宙を支配している根本的な法則であるとは考えられていませ
ん.このような動機から「標準模型を越える新しい物理(理論)」が精力的に
探されています.近年,この標準模型では説明のつかない測定結果が現れて
いることも大きな動機の一つです.
このような「標準模型を越える新しい物理」については様々な候補が挙が
っていますが,その中でも比較的よく研究されている分野の一つが高次元模
型です.高次元模型とは我々が住んでいる 4 次元時空はもっと高い次元(高
次元時空=5 次元空間,6 次元空間...)の中に埋め込まれた空間だと考える模
型です.
このような高次元空間の存在は,標準模型からの「ずれ」として現れます.
従って,高次元模型の予言を調べることは高次元模型を検証する上で重要で
す.我々は、高次元模型がフレーバーの物理や CP 対称性の破れにどのよう
な影響を及ぼすのか等を調べています.
主な使用機器・設備など
なし
産学連携に関する実績
なし
須原 唯広
助教・博士(理学)
E-mail
専門分野
[email protected]
物理学(原子核理論)
対応可能な分野
1.
数値計算
シュレディンガー方程式の解の数値シミュレーション
2. 原子核におけるクラスター構造
空間的な強相関構造(クラスター構造)の理論的研究
研究内容
■原子核におけるクラスター構造
原子核理論は、原子核の性質をシェレディンガー方程式から出発して調べよ
う、という学問です。ここで難しいのは、原子核は、粒子数 10~200 個程度か
ら構成されており、いわゆる少数多体系(矛盾した言葉ですが)である、とい
うことです。つまり、原子核の粒子数は粒子数無限極限をとって理論を単純化
することは出来ない程度には少ない(少数)が、一方簡単にシュレディンガー
方程式を解くことが出来ないほど、粒子数が多い(多体)ということです。こ
のような中途半端な粒子数を表現して、少数多体系という言葉が用いられます。
では、このように取り扱いの難しい原子核の研究をどのように行うか、とい
うと、最近の計算機の発展を生かした数値シミュレーションによって行います。
様々な微分方程式を数値的に解く、ということは良く行われる研究手法ですが、
それをシュレディンガー方程式に対して適用する、ということです。実際に用
いている手法は反対称化分子動力学法と生成座標法です。
原子核に現れる様々な構造の中でも、私は、とりわけ空間的に局在した部分
系(4He(α粒子)や 16O)によって構成される強相関の構造、クラスター構造、
に着目しています。通常の原子核の基底状態は核子(陽子、中性子)がお互い
に独立であるかのように振舞う、弱相関の構造によって記述されます。一方、
わずかに原子核を励起させると、とたんに原子核の相が変わり、強相関の構造
が現れます。このような弱相関、強相関構造の共存は原子核特有かつ本質的な
現象で原子核を非常に興味深いユニークな系にしています。
例えば、質量数 12 の炭素における弱相関構造(左)と強相関構造(右三つ)
の原子核中での密度分布を下に示しました。右側三つにはそれぞれ 3 ピークが
存在し、三個のα粒子によって炭素が構成されていることが分かります。この
ような構造を持つことは元素合成においても重要であると考えられています。
主な使用機器・設備など
数値計算用コンピュータ
産学連携に関する実績
特になし
実践教育支援センター
第1技術班
E-mail
専門分野
[email protected]
機械系
対応可能な分野
1.
機械工作一般
汎用機械,NC 工作機械による加工法,加工
2. CAD,CAD/CAM における設計,加工
2D,3D 設計を用いた NC 工作機による加工
3. 工作系学習教材の開発
学生実験実習の教材,小中学生向け教室の教材開発
研究内容
■ 機械工作一般
汎用フライス,汎用旋盤,ボール盤等による加工各種 NC 工作機による加工
マシニングセンタ,CNC 旋盤,3 次元レーザー加工,ワイヤ放電加工等.
■ CAD,CAD/CAM による設計,加工
2DCAD,3DCAD を使用した設計,CAD/CAM による加工データの作成,各種
先端加工機による加工.
■ 工作系学習教材の開発
学生向け機械工作の教材の開発,小中学生向けの工作教室向けの教材の
開発.
主な使用機器・設備など
汎用工作機,マシニングセンタ 3 軸 5 軸 CNC 旋盤(Y 軸)
,3 次元レザー加工機,
NC ベンダ
産学連携に関する実績
・研磨装置に関する共同研究
・たたら製鉄に関する地域法人との研究
・斜流ポンプ用インペラーに関する民間企業との共同研究
実践教育支援センター
第 2 技術班
E-mail
専門分野
[email protected]
電気・電子・情報系
対応可能な分野
1.
電子制御機器の開発・試作
マイコン,電子回路による制御回路の開発,基板の試作
2. 情報システム開発・試作
サーバ構築,ソフトウェア開発
3. 電子工作教室の実施
オリジナル工作キットの開発,工作教室の実施
研究内容
■ 各種回路基板の開発・試作
マイコン搭載制御回路基板
充電回路基板
■ソフトウェアの開発
CNC 機能拡張ソフトウェア
成績処理システム
■ 学校開放事業「チャレンジ!電子工作」
LED 風鈴
電子工作 事例
主な使用機器・設備など
・基板加工機(ミッツ Eleven Auto、Eleven T ほか)
・各種計測機器(オシロスコープ,デジタルマルチメータ,LCR メータほか)
産学連携に関する実績
・CNC 用機能拡張ソフトウェア開発に関する依頼
・スイッチング電源製作に関する依頼
・アルミ箔巻き取り機の制御基板に関する民間企業との共同研究
ほか
実践教育支援センター
第 3 技術班
E-mail
専門分野
[email protected]
環境・建設系
対応可能な分野
1.
測量器具を使用した調査等
トータルステーション,レベル等を使用した地形調査
2. コンクリートカヌーの製作
コンクリートの弱点を克服し,軽量化を意識したカヌーの製作
3. ナイフを用いた竹細工
体験教育的視点で実施
研究内容
■ 忌部山城の遺跡測量調査
■ コンクリートカヌー「ばんじまし艇」の製作
■ 学校開放事業「竹でフォークをつくろう!」
主な使用機器・設備など
トータルステーション・レベル等測量器具、SolidWorks
産学連携に関する実績
・松江市教育委員会からの依頼による遺跡調査
・学校開放事業の実施
Fly UP