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五指
概 要 寺 歴 宗派は天台宗で、山号は大日山。通称「美江寺観音」と呼ばれる。寺伝によれば、719 年(養 老 3 年) 、元正天皇の勅願により、伊賀国名張郡の伊賀寺(坐光寺)の十一面観音を美濃国本巣 郡十六条(現瑞穂市美江寺)に移したのが起源であるという。開山は、空海の師である勤操(ご んそう 東大寺別当) 、と伝わる。現在地に移転したのは天文年間(1532―55 年)、斎藤道三の稲 葉山城築城時といわれており、城の南西に位置し、裏鬼門を守護するといわれている。 構 造 木造(ヒノキ材)、寄木造(よせぎづくり)、内刳(うちぐり)、玉眼(ぎょくがん)、彩色 寸 法 像高 27.7cm 特 徴 頭頂に莎髻(しゃけい)を結い、地髪(じはつ)は巻き毛で、左肩に弁髪(べんぱつ)を垂らす。両 眼は慎目(しんもく)で、上歯で下唇を噛み、耳朶(じだ)は環状で三道(さんどう)を彫出する。 顔を前に向け、条帛(じょうはく)、裙(くん)、腰布(こしぬの)を着け、半跏(はんか)で左足を下 げる。左手は肘を下にして胸脇に構え、掌を上に五指を握り羂索(けんさく 欠損)を執る。右 手は肘を外にして腰脇に構え、掌を内に五指を握って宝剣を執る形だが、指先が欠損している (宝剣(柄部が欠損)は別保存) 。光背は火焔(かえん)光(後に補われたもの) 。台座は岩座(後 に補われたもの) 。 銅製の頭飾、胸飾、腕臂釧(わんぴせん)、足釧(そくせん)を付ける。宝剣は木造漆箔。現状で は全身黒色の塗料で覆われるが、背面の一部に当初の彩色がのぞく。光背、台座は彩色。