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個人投資家のための会社説明会

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個人投資家のための会社説明会
japanese
investor
投資家ネット*『ジャパニーズ インベスター』/宝印刷主催
個人投資家のための会社説明会
第19回 基調報告
『女性を元気にする会社 part 2 ~ワークライフバランス~』
2010年12月15日(水) 於: 京王プラザホテル 南館4F 「錦」
常務執行役員
近藤 一仁
【ご注意】 「個人投資家のための会社説明会」は、個人投資家の皆様に参考情報を提供し、企業に対する理解を深めていただくことを目的に開催するものです。従いまして個
別銘柄への投資を推奨したり、特定の金融商品の購入を推奨したりするものではありません。また、主催者及び参加企業は投資・運用結果に対して一切の責任を負いません。
投資や金融機関とのお取引を行われる場合には個別情報をご確認の上、ご自身の判断と責任において行うようお願いいたします。
本日お話ししたいこと
japanese
investor
ワークライフバランスの歴史
なぜ「ワークライフバランス」を叫ぶ?
ワークライフバランスがなぜ大切なのか?
ワークライフバランス実現の具体策~法律&制度~
ワークライフバランス実現が及ぼす効果
ワークライフバランス実現の具体策~必要な意識改革~
わが国の上場企業における女性役員
世界一、女性が活躍する国、日本へ
ワークライフバランス実現に向け、私たちにできること
本日の3社のご紹介
1
ワークライフバランスの歴史
1
japanese
investor
アメリカで1980年代後半
Work Family Balance (WFB)
発展
Work Life Balance (WLB)
2
誰が「Work Life Balance」と言い始めた?
アメリカ:2003年、上院で「Work Life Balance」が
優先課題と決議
日本:政府が2004年頃から取組みを開始
2007年3月より
「仕事と生活の調和に関する専門調査会」が始動
2
働く女性に関する略年表(1976~2010年)
1976年
・女性初の公使(緒方貞子 国連代表部)
1979年
・東証1部上場企業で初の女性取締役誕生
1980年
japanese
investor
1995年
・育児・介護休業法改正
・「育児休業給付金」支給開始
・女性初の大使(高橋展子 デンマーク)
・女性向け就職情報誌「とらばーゆ」創刊
1997年
・女性初の事務次官(松原亘子 労働省)
1999年
・男女共同参画社会基本法の公布・施行
1981年
・男女別定年制(男性60歳女性55歳)に無効の
判決(最高裁)
・神戸商船大学の受験制限解除により、全
国立大学が女性に門戸開放
2000年
・「男女共同参画基本計画」策定
・女性と仕事の未来館開館(東京都港区)
・女性初の知事(太田房江 大阪府、潮谷
義子 熊本県)
1982年
・女性初の税務署長(河村喜久栄)
2001年
1983年
・女性初の地方裁判所長(寺澤光子)
・日本人女性初の国際裁判官(多谷千香子 旧ユーゴスラビ
ア国際戦犯法廷)
1986年
・男女雇用機会均等法及び労働基準法
一部改正の施行
2002年
・厚生労働省「少子化対策プラスワン」とりまとめ
2003年
・女性初の旭日大綬章受賞(赤松良子、林寛子(扇千景))
・緒方貞子 文化勲章を受章
1988年
・「日経WOMAN」「Hanako」創刊
1989年
・全ての国家公務員採用試験で女子の受験
制限が撤廃
2004年
・「仕事と生活の調和に関する検討会議」報告書刊
・林寛子(扇千影)初の参議院議長に選出
1990年
・女性初の国公立大学長(池川順子 県立高知
女子大学)
2005年
・「男女共同参画基本計画(第2次)」策定
2006年
・「マザーズハローワーク」全国12カ所に開設
1991年
・女性初の市長(北村春江 芦屋市)
・育児・介護休業法の制定
2007年
・「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕
事と生活の調和のための行動指針」策定
1993年
・女性初の衆議院議長(土井たか子)
2008年
・「短時間労働者対策基本方針」策定
1994年
・女性初の最高裁判事(高橋久子)
・日本人女性初の宇宙飛行士、宇宙へ
(向井千秋)
2010年
・女性2度目の叙勲。桐花大綬章・林寛子(扇千景:元参議院
議長)
・事業仕分けで厚生労働省の「男女ワークライフ支援事業」が
廃止(女性と仕事の未来館閉鎖に?)
出所:「男女の雇用機会均等へ向かって」(女性と仕事の未来館)、その他各種報道等より作成。
3
「ワークライフバランス」に関する記事の頻出傾向
全国紙
うち日経四紙
「ワークライフバランス」を含む記事の件数
(件)
japanese
investor
800
朝日、読売、毎日、産経、日経、日経夕刊、日経産業、日経MJ、日経ヴェリタス
(日経金融)に掲載された記事の中で「ワークライフバランス」を含む記事件数を
調べたもの。
700
671
576
600
475
500
436
400
300
181
200
100
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
1
222
170 166
19
90
19 年
91
19 年
92
19 年
93
19 年
94
19 年
95
19 年
96
19 年
97
19 年
98
19 年
99
20 年
00
20 年
01
20 年
02
20 年
03
20 年
04
20 年
05
20 年
06
20 年
07
20 年
08
20 年
09
20 年
10
年
0
1
55
26
5
27
14
66
1
194
出所:日経テレコン21(2010年は12月8日まで)
4
なぜ「ワークライフバランス」を叫ぶ?
仕事の実態
japanese
investor
仕事中毒 = 夜討ち朝駆け
滅私奉公 = サービス残業
企業戦士 = エコノミック・アニマル
専業主婦 = 良妻賢母
接待麻雀 = 一石二鳥
目指す方向
1 男女平等
2 雇用機会均等
3 男女共同参画
4 女性差別撤廃
5 少子高齢化 ⇒ 多子青春化
5
ワークライフバランスがなぜ大切なのか?
1
職場での長い労働時間、有給休暇の未消化
2
少子高齢化の進展、女性の社会進出の遅れ
3
ワーキングマザー・母子家庭の増加
4
家族・家庭の崩壊、熟年離婚の増加
5
仕事中毒(Workaholic)→健康が犠牲に!
6
犠牲の極限は?
うつ病、統合失調症、ED、過労死、自殺
japanese
investor
但し、重要なことは、ワークライフバランスをレジャー(余暇)時間の確保とすり替えて
はならないということである。「バランス」という言葉が誤解を生むことから、日本IBM
では「ワークライフインテグレーション」と呼んでいる。つまり、一所懸命に仕事をしな
がら、充実した生活を送るという「仕事と生活の統合」を目指す呼称であろう。
6
「バランス」よりも「インテグレーション」を目指す!
japanese
investor
ワークライフバランスで生まれる「仕事の充実」と「仕事以外の生活の充実」の好循環
ワークライフバランスで生まれる「仕事の充実」と「仕事以外の生活の充実」の好循環
個人
好循環
家庭生活
働き方の
見直し
仕 事
趣味・学習
生活の充実
& 成長
仕事以外の生活
健康・休養
地域活動
活力 &
持続的発展
企業・社会
出所:「ワーク・ライフ・バランス実践プログラム」(東京都生活文化スポーツ局都民生活部男女平等参画室編集)
7
長い労働時間とその背景
japanese
investor
週50時間以上働く過重労働者の割合、日独差は5倍以上!
生産労働者の年間総実労働時間(製造業、推計値)
(時間)
日本
米国
イギリス
ドイツ
50時間以上働く日本の労働者は
欧米に比べて非常に多い
フランス
2,200
2,100
欧米諸国の超過勤務の状況
2,000
1,900
28.1
26.8
日本
ニュージーランド
1,800
1,700
18.0
アメリカ
15.4
オーストラリア
15.3
15.5
イギリス
1,600
13.2
6.2
アイルランド
スペイン
1,500
フランス
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1,400
ポルトガル
ドイツ
デンマーク
出所:厚生労働省労働基準局勤労者生活部企画課推計
2.3
イタリア
2.4
ベルギー
3.8
2.0
2.7
2.9
1.9
1.6
1.4
2.5
スウェーデン
オランダ
0
20.0
20.0
7.9
5.8
5.4
5.7
5.9
5.3
4.3
5.3
5.0
5.1
3.7
4.5
フィンランド
オーストリア
50時間以上働くドイツの労働者は
日本の1/5以下
21.3
4.2
5
2000年
1987年
10
15
20
(備考) 1.ILO, "Working Time and Worker's Preferences in Industrialized Coutries : Finding the Balance" (2004年)により作成。
2.各国のデータは1987年と2000年の数字だが、日本は1993年と2000年の数字、アメリカは1979年と1998年の数字、フィンランド、スウェーデンは1995年と
2000年の数字。オーストラリアは1979年と2000年の数字。
3.雇用者のうち1週間当たり50時間以上働いている者の割合である。ただしアメリカと日本については49時間以上働いた割合。
25
30 (%)
8
低い年次有給休暇の消化率、日独の差は約24平日!japanese
investor
年間休日日数の国際比較
週休日
60
70
80
ドイツ
(1996年)
104
フランス
(1992年)
104
イギリス
(2001年)
104
日本
(2005年)
104
アメリカ
(1997年)
104
90
週休日以外の休日
100
年次有給休暇
110
120
130
8
140
143.2
31.2
11
25.0
8
25.0
15
10
8.4
13.1
出所: 厚生労働省「平成16年就労条件総合調査」(2004)、EU及び各国資料より厚生労働省労働基準監督課推計
(日本以外の年次有給休暇は付与日数を示す。欧米においては年次有給休暇は「完全取得」が原則。)
(日)
150
140.0
137.0
127.4
127.1
9
有給消化率と自殺の関係
~国際比較~
japanese
investor
日本は欧米先進国と比較すると自殺率が高く、有給消化率が低い。
自殺率と有給消化率の国際比較
自殺率
有給消化率
(人/10万人)
(%)
30
100
89
25.8
21.9
18.2
20
75
74
65
17.0
13.9
53
10
58
57
11.6
11.1
33
80
60
9.4
40
9.2
6.1
5.2
イタ リ ア
ス ペイ ン
イギ リ ス
ドイ ツ
アメリカ
カ ナダ
ス ウ ェー デ ン
中国
フラ ン ス
ベルギ ー
韓国
日本
0
77
66
63
13.2
77
20
0
(注)中国は中国本土の都市部農村部にわたる調査地域のみの結果
出所:ロイター、WHO等より作成。
10
自殺率の国際比較
japanese
investor
自殺率の国際比較
0
5
10
15
20
(単位:人/10万人)
25
30
30.7
30.1
1位:リトアニア
2位:ロシア
28.3
26.9
3位:ベラルーシ
4位:カザフスタン
25.8
22.9
5位:日本
6位:ガイアナ
22.6
21.9
7位:ウクライナ
8位:韓国
21.6
21.5
9位:スリランカ
10位:ハンガリー
17.5
17.0
17位:スイス
18位:フランス
13.9
11.1
27位:中国
41位:アメリカ
9.4
9.2
50位:ドイツ
52位:イギリス
72位:イタリア
35
5.2
(注)中国は中国本土の都市部農村部にわたる調査地域のみの結果
出所:WHOが各国資料より作成。2009年最新データ
欧米各国と比べて日本の
自殺率が高い理由
1
1 責任感の強い国民性
2
2 「恥」の文化
3
3 宗教的な抑制が無い
中国は、1995~1999年に10万人当りの
自殺率が13.9人⇒23人になったとの報告
もある。左のWHO(2009年)との関連は?
自殺率急増の背景は・・・
1
1 社会の急速な変化についていけない
2
2 共産主義⇒資本主義、農村⇒都市
価値観の急激な変化
3
3 中国から出稼ぎ労働者 vs 台湾の経
営者との軋轢
4
4 高齢者が医療費負担に耐えられない
5
5 一人っ子政策下での高齢化した両親
の負担
11
増加傾向を示す「うつ病」の患者数
japanese
investor
女性
男性
うつ病・躁うつ病患者数の推移
(千人)
1200
1,041
1000
924
800
711
655
586
600
433
441
274
279
468
400
200
159
162
1996年
1999年
243
338
386
2005年
2008年
0
2002年
※統計上は「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」の総患者数。
出所:厚生労働省「患者調査」より作成。
12
急速な少子高齢化の進展
japanese
investor
日本の年代別人口構成推移
(千人)
140,000
65歳以上
15~64歳
0~14歳
120,000
23.1%
100,000
80,000
40.5
60,000
63.9%
40,000
51.1
20,000
13.0%
8.4
2055
2050
2045
2040
2035
2030
2025
2020
2015
出所:総務省統計局『国勢調査報告』および『人口推計年報』各年10月1日現在人口より作成。
2010
2005
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
1955
1950
0
(年)
13
母子家庭の急増と高止まりする熟年離婚
japanese
investor
母子世帯数・父子世帯数の推移
(千世帯)
800
母子世帯数
717
父子世帯数
700
500
離婚の増加や離婚の低年齢化
を背景に、特に幼い子供のいる
母子世帯が増加している。
502
483
480
701
627
587
600
!
752
400
300
200
86
100
84
78
80
90
100
94
93
熟年離婚の件数推移(件/年間)
(件)
0
45,000
1992年 1995年 1998年 2001年 2004年 2007年 2008年 2009年
41,824
40,39540,353
40,096
38,920
同居期間20年以上で離婚した件数
40,000
35,000
31,877
30,000
!
熟年離婚の件数は、1970~
2000年のわずか30年で8倍に
まで増加し、その後も高い水準
で推移している。
25,000
20,435
21,718
20,000
15,000
10,883
10,000
5,000
5,072
6,810
0
1970年
出所:『平成21年度離婚に関する統計』、『平成21年国民生活基礎調査』(厚生労働省)より作成。
1980年
1990年
2000年
2007年
2009年
14
ワークライフバランス実現の具体策 ~法律&制度~
japanese
investor
1986年 男女雇用機会均等法及び労働基準法
1991年 育児休業法の制定
1995年 育児・介護休業法の改正
1999年 男女共同参画社会基本法(2005年第2次計画)
2003年 次世代育成支援対策推進法
2004年 「仕事と生活の調和に関する検討会議」報告書
2007年 「仕事と生活の調和(WLB)憲章」を公表
時短(短時間勤務制度)
在宅勤務制度(テレワーク)
フレックスタイム制度
育児休暇・介護休暇制度
男女雇用均等とファミリーフレンドリー施策
15
家庭と仕事への意識調査 ~両立を図りたい願望~
女性の意識
(%)
家庭専念
男性の意識
育児優先
(%)
両立
60
44
育児優先
30
52
両立
51
50
41
40
40
31
34
42
38
38
41
36
39
34
36
24
35
24
16
20
11
0
0
88
28
93
98
出所:「日本人の意識・2008」調査(NHK放送文化研究所)
2003
16
23
24
1973
78
83
45
45
37
37
14
14
2003
08
40
31
39
21
17
10
10
83
41
28
10
78
34
21
10
1973
40
40
30
26
41
44
40
30
20
家庭専念
60
51
50
japanese
investor
08
(年)
88
93
98
(年)
16
日本男性は家事・育児にもっと協力すべき!?
日本男性はEU各国の男性と比べて「家
事」の時間が極端に短く、ノルウェー男性
の4割程度に止まっている。
生活時間配分の各国比較(2001年、総平均時間、週全体)
有業男性
自由時間
(分)
japanese
investor
食事・身の回りの用事
睡眠
移動
家事
仕事、学業、学習研究
1600
1400
305
296
344
342
303
317
332
112
91
132
83
113
70
114
96
135
103
143
92
119
77
480
473
504
491
481
472
492
141
118
178
115
155
125
115
230
311
337
231
281
263
291
306
日本
ドイツ
ノルウェー
フランス
イギリス
ベルギー
スウェーデン
フィンランド
1200
431
1000
52
85
800
600
400
200
472
169
0
出所:日本は総務省統計局「2001年社会生活基本調査特別集計」の集計結果によるEU比較用組替え数値。他の国は1998年~2002年EU調査の数値。
"How Europeans spend their time - Everyday life of women and men"(Eurostat, 2004)
育児時間の国際比較
単位:分
男性
女性(フルタイム)
女性(パートタイム)
女性(専業主婦)
日本
(2001年)
25
112
218
米国
(1995年)
イギリス
(1999年)
ドイツ
(1992年)
スウェーデン
(1991年)
33
90
59
70
62
-
124
130
93
193
142
118
106
202
175
261
1.OECD,“Employment Outlook”(2001年)、総務省「社会生活基本調査」(2001年)により作成。
2.日本は6歳未満の子どもを持つ夫婦、ほかは5歳未満の子どもを持つ夫婦。
17
男性の育児休業取得率は低水準ながら上昇傾向
(%)
japanese
investor
(%)
育児休業取得率の推移
2.0
100
89.7
女性(左目盛り)
男性(右目盛り)
90
80
70.6
70
50
85.6
1.72
72.3
1.56
64.0
56.4
60
90.6
1.6
1.4
1.2
1.23
49.1
1.8
1.0
40
0.8
30
0.6
0.56
20
0.42
10
0.50
0.33
0.12
※ 参考:宝印刷の育児休業所得率
(過去1年実績)は、女性100%、男
性10.5%でした。
0
平成8
平成11
育児休業取得率=
平成14
平成16
平成17
平成19
平成20
0.4
0.2
0.0
平成21 (年度)
出産者のうち、調査時点までに育児休業を開始した者(開始予定の申出をしている者を含む。)の数
調査前年度1年間の出産者(男性の場合は配偶者が出産した者)の数
出所:「平成21年度雇用均等基本調査」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)より作成。
18
共働き世帯の増加と専業主婦世帯の減少
japanese
investor
専業主婦世帯と共働き世帯の推移
(万世帯)
専業主婦世帯
共働き世帯
1,200
1,114
1,096
1,100
1,054
1,011
1,000
952 946
897
914
900
823
903
930
937
956
930 927
889
942 951
916
894
961
875
771
800
700
721
720
84
86
977
854
825
664
614
600
1980
82
出所:『平成21年版男女共同参画白書』(内閣府)
88
90
92
94
96
98
00
02
04
06
08 (年)
19
ワークライフバランス実現が及ぼす効果
~個人~
japanese
investor
既婚・独身を問わず、男女ともに「ワークライフバランスが図られている」と感じてい
る人の方が仕事への意欲が高い。
【ワークライフバランス別】仕事に積極的に取り組んでいる人の割合
(%)
100
男性(既婚)
男性(独身)
女性(既婚)
女性(独身)
80.7
80
60
72
67.9
71.7
74
67.5
64
61.4
57.6
54.6
48.6
53.6
44.2
40
41.7
38.4
22.5
20
0
仕事と生活のバランスが 仕事と生活のバランスが 仕事と生活のバランスが 仕事と生活のバランスが
うまく取れている人
やや取れている人
あまり取れていない人
全く取れていない人
出所:少子化と男女共同参画に関する専門調査会「少子化と男女共同参画に関する意識調査」(2006年)より作成。
20
ワークライフバランス実現が及ぼす効果
~企業~
japanese
investor
「仕事と生活の調和」を経営戦略として明確化
1.社内ニーズに合った柔軟な制度
+
2.実際に制度を利用しやすい環境整備
マニュアル作成や研修で周知徹底
育児・介護休業、短時間勤務者等の
業務調整方法の確立
休暇を取得し易い職場作り
3.多様な人材の活躍を進める取組み
多様で柔軟性の高いキャリア形成
パターンの提供
多様な働き方の均衡処遇
長期休業からの復帰支援
キャリアアップを阻害しない人事評
価上の配慮
身近なロールモデルの提示 等
4.業務の効率化や労働時間の短縮
業務の「見える化」と優先順位付け
等による時間当たり生産性の向上
ITの活用による業務の効率化
「ノー残業デー」等、残業時間管理
の厳格化 等
【 効 果 】
◆出産・育児による女性社員の退職減少 ◆男性の家庭・地域社会への参画
◆女性管理職・リーダーの増加 ◆優秀な人材の採用・定着
◆社員の満足度向上・企業イメージ向上による意欲向上
多様な人材の能力発揮
企業・組織のパフォーマンス向上
21
ワークライフバランス実現が及ぼす効果
~企業~
japanese
investor
企業(ワークライフバランス認定企業)
2009年度 東京都認定
東京ワークライフバランス認定企業
2009年 豊島区認定(第1期)
ワークライフバランス推進認定企業
NPO法人フローレンス
白十字(株)
武陽ガス(株)
巣鴨信用金庫
(株)妙徳
さくらクリニック
ゲティンゲ・ジャパン(株)
広研印刷(株)
(株)イーウェル
大東産業(株)
(株)デジタル・インフォ・プロデュース
徳力建設工業(株)
(株)とらうべ
小泉電機(株)
(株)トーリツ
宝印刷(株)
(有)ケア・プランニング
バンビ保育園
(注)妙徳はジャスダック上場企業(コード6265)、宝印刷は東証1部上場企業(コード7921)である。
22
ワークライフバランスを推進する企業のスローガン
japanese
investor
しっかり働き、ゆっくり休む~時間内に効率的に働くワークスタイルの確立~
(キヤノン)
よく働き、よく楽しめ!仕事時間と自分時間 会社も家族もパートナー
~いきいき社員を本気でサポート~ (大和証券グループ本社)
OFFを充実して ONも充実しよう! (日産自動車)
ライフで充電 ワークも充実 (三井化学)
仕事も生活も全力投球~OnとOffを切り替えて「健康で豊かな生活」の実現
を~ (鹿島建設)
「ワーク」も「ライフ」もあんしん、あったか、あかるく元気! (全日本空輸)
変化への対応に向け「考えよう!自分のWLB」「見直そう!働き方」
~一人ひとりがやりがいを持ち、能力発揮できる企業へ~ (髙島屋)
しごとは、いいバランスで!~自分らしさを活かして、伸ばす~ (CIJ)
23
ワークライフバランス実現が及ぼす効果
~社会~
japanese
investor
どんな社会が生まれるか?
心の豊かさを重視する社会
よく働きよく遊ぶ社会
能力ある女性が活躍できる社会
家族の大切さが理解できる社会
超過勤務(残業)の少ない社会
正社員と非正社員(派遣・パート)のバランスの良い社会
多子青春化に向かう社会
24
「多子青春化」に向かう社会 ~働く女性の意識~
どうしたら、子どもが増えると思うか?(15項目から当てはまるものを3つまで選択)
日本は、もっと子供が増えたらいいと思うか?
どちらで
もいい
17.8%
japanese
investor
68.4%
69.4%
69.0%
働く母親が仕事を続けられる職場環境
50.1%
45.4%
47.5%
0歳から小学校入学までの保育環境の充実
いいえ
4.0%
31.0%
38.1%
34.9%
夫の理解と協力
はい
78.2%
子供を産みたくなる夢のある社会
(N=770)
(N=770)
子どもなし
子どもあり
全体
34.8%
33.9%
34.3%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
少子化対策としては、経済的な支援よりも・・・
少子化対策としては、経済的な支援よりも・・・
1 育児と仕事を両立できる職場環境の整備
2 未就学児に対する保育環境の充実
3 家族(特に夫)の育児への理解と協力
4 子どもを産みたくなる夢のある社会の実現
出所:働く女性の意識調査レポート(イー・ウーマン)
25
ワークライフバランス実現の具体策~必要な価値観の変革~
japanese
男性側の課題
investor
男性中心職場への疑問
男性の育児休暇への意識改革
男性の家事に対する抵抗感の払拭
専業主婦→専業主夫の容認
女性側の課題
女性の仕事に対する意識改革
女性は職場の花
女性の仕事は補助
女性は男性に適わない
26
女性役員が2人以上いる主な企業
(赤字は女性が社長の企業)
japanese
investor
証券
コード
7865
2168
7615
2378
4911
4951
9783
9788
9792
1382
1413
2128
2137
2167
2181
2190
2209
2228
2345
2398
2412
2413
2425
2432
2449
2751
2818
2910
3054
3241
3251
3382
3391
社名
ピープル
パソナグループ
京都きもの友禅
ルネサンス
資生堂
エステー
ベネッセホールディングス
ナック
ニチイ学館
ホープ
桧家住宅
ノバレーゼ
光ハイツ・ヴェラス
ウェブマネー
テンプホールディングス
JCLバイオアッセイ
井村屋製菓
シベール
システム・テクノロジー・アイ
ツクイ
ベネフィット・ワン
エムスリー
ケアサービス
ディー・エヌ・エー
プラップジャパン
テンポスバスターズ
ピエトロ
ロック・フィールド
ハイパー
ウィル
駐車場綜合研究所
セブン&アイ・ホールディングス
ツルハホールディングス
役員数
7
16
15
13
13
14
11
14
18
9
11
11
6
9
10
8
12
11
10
11
14
11
10
8
8
8
12
13
7
8
10
20
12
女性
役員数
5
4
4
3
3
3
3
3
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
証券
コード
3622
3726
3753
3787
3822
4295
4503
4665
4745
4915
4918
4921
4926
5695
6252
6287
6630
6758
6791
7620
7649
7861
7864
8251
8601
8698
8907
8920
9039
9502
9539
9704
9722
社名
ネットイヤーグループ
フェヴリナ
フライトシステムコンサルティング
テクノマセマティカル
Minoriソリューションズ
フェイス
アステラス製薬
ダスキン
東京個別指導学院
エイボン・プロダクツ
アイビー化粧品
ファンケル
シーボン
パウダーテック
TAIYO
サトー
ヤーマン
ソニー
日本コロムビア
ヤマトマテリアル
スギホールディングス
東京リスマチック
フジシールインターナショナル
パルコ
大和証券グループ本社
マネックスグループ
フージャースコーポレーション
東祥
サカイ引越センター
中部電力
京葉瓦斯
東海観光
藤田観光
役員数
7
7
9
6
14
8
11
18
11
11
9
14
11
14
11
15
11
20
10
10
9
10
11
23
20
14
6
13
14
22
17
10
13
女性
役員数
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
27
わが国の上場企業における女性役員数の推移
japanese
investor
全上場会社の女性役員数と比率の推移
女性役員数(人)
700
女性役員数
女性役員比率(%)
1.4%
1.33%
同比率
1.17%
600
1.21%
1.22%
1.23%
1.2%
500
1.0%
0.81%
0.73%
400
0.8%
0.58%
300
538
200
100
62
0.19%
204
83
550
529
554
0.6%
0.4%
0.24%
0.15%
563
260
292
0.2%
99
0
0.0%
1995年
1997年
1999年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
※ 2006年調査からジャスダックの女性役員を含む。
出所:東洋経済新報社「全上場会社の役員における女性の登用状況調査」より作成
28
北欧の女性は、経営がわかる?
japanese
investor
アジアの女性役員の比率
女性役員の比率
女性役員の比率
0
10
20
30
国名
50
44.2
ノルウェー
21.9
スウェーデン
上位
フィンランド
アメリカ
15.2
カ国
南アフリカ
14.6
10
40
16.8
香港
調査 女性役員が
いる企業の
企業数
比率
女性役員
の比率
42
67%
8.9%
ニュージーランド
100
40%
8.7%
オーストラリア
200
49%
8.3%
中国
78
49%
7.2%
カナダ
13.0
デンマーク
12.5
オランダ
12.3
シンガポール
57
47%
6.4%
イギリス
11.7
台湾
75
40%
6.3%
マレーシア
27
37%
5.9%
2,408
27%
5.1%
8.7
ニュージーランド
ポルトガル
3.0
クウェート
2.7
インド
下位
オマーン
2.3
韓国
81
14%
1.5%
イタリア
2.1
カ国
ヨルダン
2.0
日本
100
16%
1.4%
日本
1.4
バーレーン
1.0
アラブ首長国連邦
0.8
カタール
0.3
サウジアラビア
0.1
10
出所:女性取締役インターナショナル(CWDI)調査より作成。
29
ノルウェーの女性役員活躍の背景
japanese
investor
1 国家としてCSR政策を重視
人権の重視(平等)
従業員の満足
環境と気候への配慮
汚職対応と透明性
2 労働環境法による保護
ノルウェーの女性役員比率
60%
44.2%
40%
20%
21.6%
6.8%
0%
1日9時間、週40時間を越えてはならない
休暇法による暦年25平日分の有給休暇を付与
2002年
男女平等法による性差別の禁止
平等・差別撤廃オンブスマンによる対応
2003年、性別クオータ制度による取締役数の男女平等(40%基準)
父親の10週間の育児休暇制度(賃金の80%を保証)、休暇取得率90%
待機児童ゼロを実現し、84%の女性が保育施設利用可能
2004年
2010年
3 現政権における閣僚構成
女性閣僚比率は約47%(2009年7月現在)
4 ノルウェー経済の特徴
企業番付の上位が政府保有株式の多い石油ガス、通信大手
人口が480万人と小さく、国の政策が浸透しやすい
出所:CWDI(Corporate Women Directors International)資料より作成。
ノルウェーの国旗
ノルウェーの国旗
30
「世界一、女性が活躍する国、日本へ」 (提言&アイデア)japanese
investor
男女同数議会
国会や地方議会の議員定数を男女同数にするアイデア。有権者は常に2票の投票権を持ち、
男性候補者から1人、女性候補者から1人を選ぶ。
チャイルドケアセンター
市町村単位で、これから社会人になる学生と時間に余裕のある高齢者を雇い、働く女性がい
つでも子供を預けられるようにする。同センターで働いた実績は大学の単位に振替が可能、
また採用試験にも評価項目になる。
管理職登用義務化
女性の活用を企業に義務付ける。女性管理職の比率を30%と基準を設け、基準を達成でき
ない企業には、未達の人数で1人あたり100万円程度を負担させ、託児所の設置にあてる。
家政婦活用支援
途上国から家政婦を受入れ、国が住居を保障し、安価に家政婦が活用できるシステムを構築
する。
出所:日本経済新聞(2010年11月8日(月)朝刊 31面)より作成。
31
女性が活躍する国、目標実現へのロードマップ
 議会を男女同数に
 女性管理職の登用を
企業に義務付け
目標実現への
目標実現への
ロードマップ
ロードマップ






2010年
・
・
・
・
japanese
investor
・
・
・
キャリア認証制度で再就職しやすく
女性を活用すれば法人税優遇
地域の学生と高齢者で子育て支援
託児所と老人ホームを融合
頑張った女性を評価する表彰制度
家政婦の活用を支援
・
・
2015年
・
・
・
・
・
・
・
・
・
2020年
(出所)日本経済新聞 2010年11月8日(月) 「世界一、女性が活躍する国、日本へ」より
32
ワークライフバランス実現に向け、私たちにできること!japanese
investor
働き方を変えてみよう! Change Japan!
1 残業しない日を決める。
2 仕事の前に今日やることを書き出してみる。
仕事の優先順位が見える!
3 自分の新しい目標を決めてみる。
4 誰かが家事をしていたら、手伝ってみる。
企業経営の視点を変えてみよう!
1 企業は職場風土改革に取り組んでみる。
2 自社だけではなく、関連企業や取引先にも配慮してみる。
3 消費者の一人として、サービス提供者の働き方にも配慮してみる。
4 ワークライフバランス実現企業を社会的に評価してみる。
政治を変える!
1 真のワークライフバランス実現に向け活動する政治家を選ぶ!
33
会社説明を行う3社のご紹介
japanese
investor
テンプホールディングス株式会社 代表取締役社長 篠原 欣子 氏
テンプグループは「雇用の創造・人々の成長・社会貢献」を企業理念に掲げ、幅広く人
材サービスを展開。5ヶ所の保育施設や、障がい者雇用の場としてクッキー工房を運営
し、積極的に女性や障がい者の就労を支援。仕事を通じて夢や喜びを提供できる企業
を目指している。
株式会社ハイパー 代表取締役社長 玉田 宏一 氏
法人のお客様を対象としたコンピュータ本体やソフトウェアなどの販売を中心に、アスク
ル&サプライ事業、サービス&サポート事業を展開し、企業のビジネスニーズをワンス
トップで提供しています。また、ハイパーでは管理職をはじめ様々な職場で女性が活躍
しています。
株式会社綜合臨床ホールディングス 代表取締役社長 立川 憲之 氏
臨床試験(治験)を実施する医療機関を支援するSMO(治験実施施設支援機関)。大
手SMOとして唯一、医療の現場から出発した企業として、患者や医師の目線に立った
経営を行い、新薬を待ち望む患者様のために、治験期間の短縮と治験の品質向上を
図っている。
34
参考文献・資料
japanese
investor
『職場のワーク・ライフ・バランス』
佐藤博樹、武石恵美子共著 (日本経済新聞出版社、2010年11月刊)
『女性を活用する国、しない国』 竹信三恵子著 (岩波書店、2010年9月刊)
『フィンランド流社長も社員も6時に帰る仕事術』
田中健彦著 (青春出版社、2010年刊)
『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』
山田正人著 (文芸春秋、2010年刊)
『改訂版 ワークライフバランス -考え方と導入法-』
小室淑恵著 (日本能率協会マネジメントセンター、2010年3月刊)
『ワークライフバランス』 坂東眞理子、辰巳 渚著 (朝日新聞出版、2008年刊)
『経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス』
学習院大学経済経営研究所 (第一法規、2008年刊)
『出生率の回復とワークライフバランス ~少子化社会の子育て支援策~』
丸尾直美、的場康子、川野辺裕幸編著 (中央法規出版、2007年12月刊)
『女性の品格』 坂東眞理子著 (PHP研究所、2006年刊)
『多子青春化~日本の生きる道~』 西脇 隆著 (日本評論社、2005年3月刊)
35
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