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未来を拓く成長戦略 Part6

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未来を拓く成長戦略 Part6
japanese
investor
第63回「個人投資家のための会社説明会』
基調報告
『未来を拓く成長戦略 Part6』
2014年11月26日(水) 於: 京王プラザホテル南館3F 「錦」
シニア・アドバイザー
岡山商科大学 経営学部 商学科 教授
近藤 一仁
【ご注意】 「個人投資家のための会社説明会」は、個人投資家の皆様に参考情報を提供し、企業に対する理解を深めていただくことを目的に開催するものです。従いまして個
別銘柄への投資を推奨したり、特定の金融商品の購入を推奨したりするものではありません。また、主催者及び参加企業は投資・運用結果に対して一切の責任を負いません。
投資や金融機関とのお取引を行われる場合には個別情報をご確認の上、ご自身の判断と責任において行うようお願いいたします。
本日、お話ししたいこと
japanese
investor
1 「成長戦略」は、女性の活躍が最重要課題のひとつ
2 アベノミクス ~岩盤規制撤廃に向け、これからが正念場~
3 1年前に比較して、成長戦略は進捗 ~課題は「実行」~
4 マスコミでも大きく取り上げられる「女性の活躍」
5 内閣府が考える「女性の活躍への施策」
6 「時短先進国ドイツ」に学ぶ!
7 事例~女性が元気で活躍する会社/ダイバーシティ経営~
8 本日の参加企業のご紹介
1
バブル経済崩壊、停滞の20年、そして 「成長戦略」
第1次安倍晋三内閣
2006年9月26日~2007年9月26日(366日)
福田康夫内閣
2007年9月26日~2008年9月24日(365日)
麻生太郎内閣
2008年9月24日~2009年9月16日(358日)
鳩山由紀夫内閣
2009年9月16日~2010年6月8日(266日)
菅直人内閣
2010年6月8日~2011年9月2日(452日)
野田佳彦内閣
2011年9月2日~2012年12月26日(482日)
第2次安倍晋三内閣
2012年12月26日~2014年11月26日迄(701日)
第2次オイルショック
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investor
東日本大震災
停滞の20年
バブル経済崩壊
オイルショック
昭和40年不況
出所:日経テレコン「日本経済新聞朝刊」の記事検索より作成。 ※2014年は11月20日まで
2
安倍首相のプロフィール ~「日本の稼ぐ力を取り戻す」~
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1979(昭和54)
1982(昭和57)
1987(昭和62)
安倍 晋三
1991(平成03)
1993(平成05)
1995(平成07)
1997(平成09)
2000(平成12)
2002(平成14)
2003(平成15)
2004(平成16)
2005(平成17)
2006(平成18)
生 年 月 日 1954年(昭和29)9月21日
出
学
自 新聞記者安倍晋太郎、洋子の
次男として、東京に生まれる。
父方の祖父は衆議院議員の
安倍寛(酒や醤油の醸造元)
母方の祖父は第56~57代
首相の岸信介
大叔父は第61~63代首相の
佐藤栄作
2007(平成19)
2008(平成20)
2012(平成24)
歴 成蹊小学校、中学、高等学校
を経て、成蹊大学法学部卒
2013(平成25)
investor
神戸製鋼所入社、ニューヨーク、加古川、東京本社に勤務。
父、安倍晋太郎外務大臣の秘書官となる。
森永製菓社長 松崎昭雄氏の長女で電通社員の昭恵氏と結婚。
媒酌人は、清和会創始者の福田赳夫氏
父、安倍晋太郎がすい臓がんのため、急死。(67歳)
父の地盤を受け継ぎ、山口1区から出馬、40歳で初当選。
石原伸晃氏らと共に、小泉純一郎氏の選対の中核を担う。
44歳で自民党青年局長に就任。
内閣官房副長官に就任。(第2次森内閣、第1次小泉内閣)
小泉首相の北朝鮮訪問に随行し、安易な妥協を排す強硬論を主張。
50歳で自由民主党幹事長に抜擢。(サプライズ人事として注目)
夏の参議院選挙で引責辞任するも、幹事長代理として異例の就任。
第3次小泉内閣で、内閣官房長官に就任。(52歳)
「美しい国へ」を文藝春秋から出版、その後の自民党総裁選で麻生、
谷垣両氏を大差で破り、総裁に就任(53歳)。第90代内閣総理大臣
に戦後最年少で就任。「美しい国」、「戦後レジームからの脱却」、
「教育バウチャー制度導入」、「ホワイトカラーエグゼンプション」(残
業代ゼロ法案)など分かりにくいカタカナ語を連発と批判される。中
国・韓国への訪問で関係改善を目指した。
参議院選挙で予想外の「歴史的大敗」、閣僚のスキャンダル等から
体調(機能性胃腸障害)を崩し、9月11日の所信表明演説後の2日
後に退陣表明、無責任との批判を浴びる。
文藝春秋に手記を寄稿。 勉強会「クールアース50懇話会」を立ち
上げ。終戦記念日に靖国神社を参拝。
民主党政権下で自民党谷垣総裁が任期満了となり、総裁選に出馬
表明、1回目で石破茂氏に敗れるも、決戦投票で勝利(108票対89
票)、一度辞任した総裁が自民党の歴史で初めて再選された。
第96代内閣総理大臣に就任(58歳)・病気は、特効薬により寛解。
「アベノミクスと3本の矢、成長戦略」を柱に参議院選挙で圧勝。
3
消費増税先送りで財政再建に黄色信号!女性の活躍に期待
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investor
岩盤規制の改革は、既得権益集団との対決!
強力な既得権益集団
法人税の引き下げ
混合診療の全面解禁
労働法制の改定
農地の有効活用(減反施策を廃止)
女性の活躍
コーポレートガバナンスの強化
財務省
医師会、開業医
労働組合、社員
農協、全農、既存農家
都議会や国会
経団連、企業
1年前に比べて進捗はしたが、課題は「実行」あるのみ!
2014年9月に、第2次安倍内閣で、「女性活躍担当大臣」
を新設。担当大臣は、有村治子氏が就任した。
4
男女共同参画社会基本法施行 ~今年は15周年~
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investor
1976年
・女性初の公使(緒方貞子 国連代表部)
1999年
・男女共同参画社会基本法の公布・施行
1979年
・東証1部上場企業で初の女性取締役誕生
2000年
1980年
・女性初の大使(高橋展子 デンマーク)
・女性向け就職情報誌「とらばーゆ」創刊
・「男女共同参画基本計画」策定
・女性初の知事(太田房江 大阪府、潮谷義子 熊本県)
2001年
・日本人女性初の国際裁判官(多谷千香子 旧ユーゴスラビ
ア国際戦犯法廷)
2002年
・厚生労働省「少子化対策プラスワン」とりまとめ
2003年
・女性初の旭日大綬章受賞(赤松良子、林寛子(扇千景))
・緒方貞子 文化勲章を受章
2004年
・「仕事と生活の調和に関する検討会議」報告書刊
・林寛子(扇千影)初の参議院議長に選出
1981年
・男女別定年制(男性60歳女性55歳)に無効の
判決(最高裁)
・神戸商船大学の受験制限解除により、全国立
大学が女性に門戸開放
1982年
・女性初の税務署長(河村喜久栄)
1983年
・女性初の地方裁判所長(寺澤光子)
1986年
・男女雇用機会均等法及び労働基準法
一部改正の施行
2005年
・「男女共同参画基本計画(第2次)」策定
1989年
・全ての国家公務員採用試験で女子の受験制限
が撤廃
2006年
・「マザーズハローワーク」全国12カ所に開設
2007年
・「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」策定
1990年
・女性初の国公立大学長(池川順子 県立高知
女子大学)
2008年
・「短時間労働者対策基本方針」策定
2009年
・女性が開発に参画したビール風飲料「キリンフリー」が大ヒット
1991年
・女性初の市長(北村春江 芦屋市)
・育児・介護休業法の制定
2010年
1993年
・女性初の衆議院議長(土井たか子)
・林寛子(扇千景:元参議院議長)桐花大綬章の叙勲
・事業仕分けで厚生労働省の「男女ワークライフ支援事業」が
廃止(女性と仕事の未来館→女性就業支援センター)
1994年
・女性初の最高裁判事(高橋久子)
・日本人女性初の宇宙飛行士、宇宙へ
(向井千秋)
2011年
・なでしこジャパンがドイツW杯で優勝し、ブーム化
・アジア太平洋経済協力会議(APEC)「女性と経済サミット」
・女性役員の会「エグゼクティブ・ネットワーク」が発足
1995年
・育児・介護休業法改正
・「育児休業給付金」支給開始
2012年
・大津市長選挙で越直美が、36歳で全国最年少の女性市長
2013年
・大河ドラマ『八重の桜』放送、連続TV小説『あまちゃん』放送
出所:「男女の雇用機会均等へ向かって」(女性と仕事の未来館)、その他各種報道等より作成。
5
戦後の女性のライフサイクル ~結婚を契機に家庭へ~
japanese
investor
●結婚後は家庭に入り、社会には出ず、一生涯専業主婦が多かった!
●現在でも第一子が誕生すると、全体の7割の女性が仕事を辞めるという(厚生労働省調べ)
専業主婦
結婚
学生
就職
専業主婦
結婚
1~3年後
結婚を期に退社
10代
20代
30代~
6
進む女性の社会進出 ~日本の女性の就業率目標~
japanese
investor
目標:73%
(2020年)
【参考】 海外の女性就業率(2010年)
デンマーク
72%
EU27カ国で最高
イタリア
47%
EU27カ国で最低
現状:69.5%
(2013年)
EU27カ国の平均:58%
(2010年)
出所:「労働力調査」(総務省)より作成。
7
少子高齢化の進展~期待される女性の労働力人口!~
japanese
investor
政府目標=73%
25~44歳女性の就業率(右軸)
(推計)
労働力人口総数(左軸)
うち女性
(注)労働力人口は15歳以上の就業者と完全失業者の合計。就業率は人口(年齢階層別)に占める就業者の割合。労働力人口と就業率は「労働力調査」(総務省)、
将来推計は国立社会保障・人口問題研究所の「労働市場への参加が進むケース」をもとに作成。
8
国連「人間開発報告書」に見る日本の女性の不平等!japanese
investor
HDIおよびGIIにおける日本の順位の推移
報告書発行年
2005
2006
2007
2008
2009
HDI
11位
7位
8位
8位
10位 11位 10位 10位 17位
GII
2009年までは
GEM
2010
2011
2012
2013
43位 42位 54位 58位 57位 12位 14位 21位 25位
出所:国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書」より作成。
HDI
(Human Development Index 人間開発指数)
基本的な人間の能力が国として平均どこまで伸びているかを図る指数で
す。生存、健康、教育、知識、生活水準等で測られます。
GII
( Gender Inequality Index:ジェンダー不平等指数)
保健分野、エンパワーメント、労働市場の3つの側面から構成されており、国家
の人間開発の達成が男女の不平等によってどの程度妨げられているかを明ら
かにするもの。 GEMが政治・経済分野の女性参画度を中心に算定していたの
に対し、GIIは女性の健康や教育水準を評価項目に加えている。
■日本のGII(ジェンダー不平等指数)の順位低下の理由
・GEM値が低いのは、女性の国会議員割合,女性行政職・管理職割合、女性専門職・技術者割合、女性の勤労所得割合がGEM上
位国と比較すると極めて低い水準にあるからである。元来、看護師など女性が多数を占めている職業は対象外。
女性が役職に就けるような社会のシステムが必要
・女性の「仕事への意識改革」・男性管理職の「女性に対する意識改革」・企業の「人事制度・俸給制度」
の改革などが必要であるが、最も重要なのは「長い労働時間・勤務時間」の短縮と仕事の能率向上策!
9
女性の活躍を阻んできた諸要因
家庭
家事・育児による負担
保育所の未整備
親の考え・夫の無理解
女性自身
社会進出への意識
モチベーションの低さ
近所・世間体
japanese
investor
仕事・職場
男性優位のビジネス社会
男性管理職の古い考え方
長い勤務時間・拘束時間
男女の賃金格差
法律・制度
法整備や活用の遅れ
育児休暇制度の未整備
有給休暇制度の不徹底
10
① 保育所の未整備、厳しい残業の実態!
japanese
investor
30~34歳の女性で正社員の1週間当たり労働時間
小さな子どもがいる女性の4割が残業をしている
末子年齢
3歳未満の
既婚者
6.1
51.9
末子年齢
3~5歳の
既婚者
5.3
53.7
独身者と
子どもの
3.0
いない
既婚者
0
16.4
34時間以下
22.5
16.8
40.6
20
残業あり
20.1
40
35~42時間
30.5
60
43~45時間
22.4
46~59時間
80
60時間以上
3.2
1.8
5.9
100
(%)
(備考) 1.総務省「就業構造基本調査」(2002年)により特別集計。
2.対象は1年間の就業日数が200日以上の正社員の30~34歳女性で、「独身者」「子どものいない既婚者」「末子年齢3歳未満の既婚者」「末子年齢3~5歳の既婚者」
のグループに分類し、各グループ内における1週間当たりの労働時間の割合である。
3.「独身者」は配偶者なしの者。
4.「子どものいない既婚者」は、配偶者を有する者で末子年齢14歳以下の者と同居していない者。
5.「末子年齢3歳未満の既婚者」は、配偶者を有する者で末子年齢3歳未満の者と同居している者。
6.「末子年齢3~5歳の既婚者」は、配偶者を有する者で末子年齢3~5歳の者と同居している者。
11
② 日本男性は家事や育児に非協力的!?
japanese
investor
育児時間の国際比較
日本
(2001年)
単位:分
男性
米国
(1995年)
25
女性(フルタイム)
女性(専業主婦)
218
ドイツ
(1992年)
スウェーデン
(1991年)
33
90
59
70
62
-
124
130
93
193
142
118
106
202
175
261
112
女性(パートタイム)
イギリス
(1999年)
1.OECD,“Employment Outlook”(2001年)、総務省「社会生活基本調査」(2001年)により作成。
2.日本は6歳未満の子どもを持つ夫婦、ほかは5歳未満の子どもを持つ夫婦。
生活時間配分の各国比較(2001年、総平均時間、週全体)
日本男性はEU各国の男性と比べて「家事」の
時間が極端に短く、ドイツ男性の半分以下。
有業男性
(分)
1600
1400
1200
1000
431
342
305
344
303
317
332
296
52
85
114
96
112
91
113
70
135
103
143
92
119
77
132
83
472
491
480
504
481
472
492
473
169
115
141
178
155
125
115
118
230
281
311
231
263
291
306
337
日本
イギリス
ドイツ
フランス
ベルギー
スウェーデン
フィンランド
ノルウェイ
800
600
400
200
仕事、学業、学習研究
家事
移動
睡眠
食事・身の回りの用事
自由時間
0
出所:日本は総務省統計局「2001年社会生活基本調査特別集計」の集計結果によるEU比較用組替え数値。他の国は1998年~2002年EU調査の数値。
"How Europeans spend their time - Everyday life of women and men"(Eurostat, 2004)
12
③ 長時間労働は、是正されているか?時短先進国に学べ!
japanese
investor
(注)フルタイマー、パートタイマー、自営業を含む実労働時間の統計。「ドイツ」の1979年と1983年は「西ドイツ」のデータ。
是正阻害要因
出所:「OECD Employment Outlook 2011」より作成。
変わらぬ価値観
急速な円高進行
長引くデフレ!
不祥事への対応
13
④ 有給休暇の低消化率、日独の差は年間約380時間!
japanese
investor
年間休日日数の比較
アメリカ
(1997年)
104
日本
(2005年)
104
イギリス
(2001年)
104
フランス
(1992年)
104
ドイツ
(1996年)
104
60
70
80
10
13.1
15
8.4
8
週休日
140.0
31.2
110
週休日以外の休日
137.0
25.0
8
100
127.4
25.0
11
90
127.1
120
130
143.2
140
150
(日)
年次有給休暇
出所: 厚生労働省「平成16年就労条件総合調査」(2004)、EU及び各国資料より厚生労働省労働基準監督課推計
(日本以外の年次有給休暇は付与日数を示す。欧米においては年次有給休暇は「完全取得」が原則。)
14
ドイツ人:バランスのとれた三つの素顔、家庭も地域も!
japanese
investor
「家庭」での素顔
ドイツ人は、三つの素顔の
バランスを取って生活している!
「企業」での素顔
「コミュニティ」での素顔
15
⑤ 女性の活躍に関する男女の認識差、働く意欲に影響!
japanese
investor
女性の能力は十分活用されているか
4.5 2.2
6.2
7.1 1.82.5
19.7
28.9
21.4
外:男性
内:女性
(単位:%)
36.0
38.1
31.4
そう思う
どちらとも言えない
そう思わない
出所:主要企業100社のアンケート(NHK調べ)
どちらかと言えばそう思う
どちらかと言えばそう思わない
わからない
出所:内閣府「男女のライフスタイルに関する意識調査」(平成21年)より作成。
主要企業100社のアンケートでは、99%が女性の活用が必要だと回答している。
女性の活用について、男性の42.2%が「十分活用されている」とポジティブに回答し
ているのに対し、女性は31.4%しか「十分に活用されている」と思っていない。
16
⑥ 女性から見た「女性上司」、男性上司派が依然優位?!
japanese
investor
男性上司派
異性の方がお互いの弱みを補ってうまく機能すると思うから。
考えていることが想定の範囲内で、基本的に単純だから。
女性だと対抗意識が出てしまい、素直に意見が聞けない。
トラブル対応時に男性の方が冷静で物事を見る視野が広
いと感じる。
男性上司の方が女の部分を武器にしやすい。
女性上司は社内調整等で不利な気がする。
女性上司派
どちらでも良い
自分が抱える問題を一度は経験していることが多く、
アドバイスを求めやすい。
男女差というより、個人差の方が大きく、
ケースバイケース。
協調性をもって合理的に仕事ができる人が多い。
男性は仕事上での付き合いと割り切れ、
女性は仲良くなれる。一長一短。
苦労がわかるので、部下として支えようという気持
ちになる。セクハラをしない。
出所:「女性の働き方アンケート」日経産業新聞(平成23年11月30日)より作成。
17
「女性の活躍」によって期待される「経済の好循環」
japanese
investor
女性の社会進出
少子高齢化に
対応する政策
企業経営の持続的発展・成長
安全・安心な家庭・
企業・社会の構築
「幸せ」の享受・感得
業績の向上や新規事業の創造
企業や社会の
リスク軽減
「女性の活躍」が
好循環生む
国内需要の高揚・
消費の回復
事業環境の好転
やる気のない男性社員に刺激・
働く女性のモチベーション向上
草食系男子と肉食系女子の融和
経済成長率の改善・
雇用の安定
晩婚化傾向と出生率の改善
(多子青春化の促進)
18
「多子青春化」に向かうため条件整備~働く女性の意識~japanese
investor
どうしたら、子どもが増えると思うか?(15項目から当てはまるものを3つまで選択)
日本は、もっと子供が増えたらいいと思うか?
どちらで
もいい
17.8%
68.4%
69.4%
69.0%
働く母親が仕事を続けられる職場環境
50.1%
45.4%
47.5%
0歳から小学校入学までの保育環境の充実
いいえ
4.0%
31.0%
38.1%
34.9%
夫の理解と協力
はい
78.2%
子供を産みたくなる夢のある社会
(N=770)
(N=770)
子どもなし
子どもあり
全体
34.8%
33.9%
34.3%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
少子化対策としては、経済的な支援よりも・・・
1 育児と仕事を両立できる職場環境の整備
2 未就学児に対する保育環境の充実
3 家族(特に夫)の育児への理解と協力
4 子どもを産みたくなる夢のある社会の実現
出所:働く女性の意識調査レポート(イー・ウーマン)
25
女性の就業率が高い国ほど高成長!北欧諸国に学べ!
japanese
investor
スウェーデン
ベルギー
スペイン
アイルランド
オーストリア
オーストラリア
フィンランド
ドイツ
スイス
カナダ
ノルウェー
フランス
米国
イギリス
オランダ
デンマーク
イタリア
日本
ポルトガル
ギリシャ
出所:OECD「Employment Outlook 2010」、IMF「World Economic Outlook 2011」より作成。女性就業率(25~54歳)は2009年、GDP成長率は2011年予想値。
20
ダイバーシティが及ぼす効果~企業の活性化&効率化~
japanese
investor
「仕事と生活の調和」を経営戦略として明確化
1.社内ニーズに合った柔軟な制度
+
2.実際に制度を利用しやすい環境整備
マニュアル作成や研修で周知徹底
育児・介護休業、短時間勤務者等の
業務調整方法の確立
休暇を取得し易い職場作り
3.多様な人材の活躍を進める取組み
多様で柔軟性の高いキャリア形成
パターンの提供
多様な働き方の均衡処遇
長期休業からの復帰支援
キャリアアップを阻害しない人事評
価上の配慮
身近なロールモデルの提示 等
4.業務の効率化や労働時間の短縮
業務の「見える化」と優先順位付け
等による時間当たり生産性の向上
ITの活用による業務の効率化
「ノー残業デー」等、残業時間管理
の厳格化 等
【 効 果 】
◆出産・育児による女性社員の退職減少 ◆男性の家庭・地域社会への参画
◆女性管理職・リーダーの増加 ◆優秀な人材の採用・定着
◆社員の満足度向上・企業イメージ向上による意欲向上
ダイバーシティ(多様な人材の能力)発揮
企業・組織のパフォーマンス向上
21
女性が活躍する会社のランキング ~目立つ生保!~japanese
investor
女性が活躍する会社ランキング(2014年)
順位
2014年
企業名
2013年
1位
2位 資生堂
2位
5位 住友生命保険
3位
1位 日本IBM
4位
6位 パソナグループ
5位
3位 第一生命保険
6位
- 全日本空輸
7位
- セブン&アイ・ホールディングス
1位 【資生堂】
仕事と育児とを両立している女性社員が集まり意見交換するイベントな
どを開催し、育児や介護をしながらキャリアアップできる環境を整えてい
る。
3位 【日本IBM】
女性の管理職登用で2位。日本国内のみならずグローバルで活躍できる
リーダーの育成に力を注ぎ、候補となる女性を役員などの上層部が選
定し、昇進・昇格の実現を後押しする「スポンサーシップ制度」を導入。
7位 【セブン&アイ・ホールディングス】
9位 【イオン】
流通大手2社が初めて10位以内にランクイン。
8位
9位
10位
9位 明治安田生命保険
- イオン
- 髙島屋
出所:「日経WOMAN」調査結果(2014年4月)より作成。
8位 【明治安田生命保険】
ワークライフバランス部門で1位。各部署でワークライフバランス推進へ
の取組み状況を点数化し、所属長の評価に反映する仕組みを導入して
いる。
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「育メン」しやすい会社のランキング ~目立つ電機・機械!~
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父親が子育てしやすい会社
ランク
★★★
トップ3水準
企業名
株式会社日立製作所
三菱電機株式会社
★★★ 【日立製作所】
育児・介護支援、勤務形態の多様性を実現するための制度を拡充し、ワーク・ラ
イフ・バランスの実現を目指している。育児休職制度は、小学校1年終了時まで
の通算3年間、回数に制限なく取得可能で、男性の利用も増加している。男性の
配偶者出産休暇の利用は、2年連続で100人を超える。
株式会社NTTデータ
★★
日本電気株式会社
トップ10水準 ニフティ株式会社
富士通株式会社
コスモ石油株式会社
マブチモーター株式会社
★★★ 【三菱電機】
仕事と育児の両立支援に努め、2007年4月には次世代育成支援対策推進法に
基づく次世代認定マークを取得。「育児短時間勤務制度」「セルフサポート休暇
制度」など様々な支援制度を整備。「育児休職制度」は10年以上連続で男性社
員が利用、「配偶者出産休暇制度」は、約400人が利用している。
豊田通商株式会社
キリンホールディングス
★★★ 【NTTデータ】
花王株式会社
トヨタ自動車株式会社
旭化成株式会社
「ワークスタイル・イノベーション」をビジョンの一つに掲げ、生産性とワークスタイ
ルの確信に取り組んでいる。テレワーク(在宅勤務)、裁量労働制、長期連続休
暇取得などの他、父親のワークライフバランス推進のためにパパ・プレパパセミ
ナーの開催や社内SNS上のパパママコミュニティでの情報交換を継続している。
住友商事株式会社
出所:NPO法人ファザーリング・ジャパン・第一生命経済研究所共同調査結果(2009年6月19日)より作成。
※従業員数301人以上の全上場企業を対象に、労働時間・休業制度・啓発活動等4分野約40項目を調査した結果。
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経済産業省のダイバーシティ経営企業100選 (うち上場企業)
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関東地区 凸版印刷
女性社員のアイデアで画期的な食品パッケージを生み出し、市場を牽引
大塚HD
化粧品等の戦略商品の事業や重要プロジェクト等で女性リーダーを登用
リクルートHD
ワーキングマザーが「ゼクシィ」などの大ヒット企画を実現
東京海上HD
女性営業担当者が業績向上に貢献。女性社員発案の保険商品がヒット
三菱UFJファイナンシャルG
女性復職者を早期戦力化し、生産性向上、人材育成コスト低減を実現
大和証券グループ本社
女性社員の活躍の場を拡げ、長期的な顧客の資産運用に取り組む
富士通
女性が企画した女性向けPCが差別化に成功し、収益に貢献する商品に
トッパン・フォームズ
女性の視点を活かした研究開発により、オリジナル商品がヒット
エステー
女性デザイナーを登用し、芳香消臭剤「消臭力」をメガブランドに育成
損害保険ジャパン日本興和HD 女性中心の営業店やバイネームの女性の登用・育成で進化を目指す
サイボウズ
女性マネージャーが「ユーザーの声」を製品開発に活かし、売上向上
SCSK
IT業界の常識を変える働き方改革で生産性と社員満足度の向上を実現
アサヒGHD
女性マーケッターの登用により、女性向け低価格ワインの開発に成功
楽天
英語公用語化。外国人を積極的に採用・登用、活躍できる体制に
MS&ADインシュアランスGHD 保険金支払部門では事故解決率1.4倍、営業部門でも大幅増収に
アステラス製薬
女性MRが、女性医師の増大や製薬企業の変化に対応し、売上拡大
中部地区 大垣協立銀行
女性による女性向け商品開発と女性所長の店舗におけるCS向上
近畿地区 積水化学工業
女性限定公募で登用された女性社員が企画した新商品が売上に貢献
髙島屋
女性シニアマネージャーの発案による販売手法で売上3倍増を実現
帝人
CEOが女性リーダーを抜擢、全社横断型プロジェクトで新ビジネス創造
出所:「平成25年度 ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集」(経済産業省)より作成。
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凸版印刷 ~女性のアイデアでヒット商品を開発~
事例研究
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POINT
市場環境の変化に対応するため、ダイバーシティの取り組みを強化
まずは女性だけで構成するチームを作って女性に活躍してもらう
女性だけのリーダー研修を行ってキャリアデザインに取り組む
5年間で平均残業時間が20%以上減少
女性管理職の割合が9年間で25倍に増加
希望によって65歳まで働ける体制を構築
女性が中心となって開発した商品が大ヒット
女性が中心となって共同開発した丸美屋食品工業の
「手のりたま」が大ヒット!
性別ではなく個々のスキルを重視して能力を伸ばす
従業員
管理職
うち女性
8,587人
1,170人(13.6%)
新入社員定着率
男性
93.8%
女性
96.0%
平均年齢
うち女性
1,810人
うち女性
41人(2.3%)
産休取得者
60人
40.6歳
育休取得者
うち男性
56人
勤続年数
3人
33.3歳
育児休業
復帰率
100.0%
うち女性
14.3年
9.6年
有休取得率
41.9%
出所:「平成25年度 ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集」(経済産業省)、女性の活躍「見える化」サイト(内閣府男女共同参画局)より作成。
25
宝印刷 ~ダイバーシティとCSR経営への取組み~
事例研究
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Q.育児休暇を取得された経緯や理由を教えてください。
A.専業主婦の妻一人で、2歳の長男の世話をしながら
赤ん坊(次男)の世話をするのは、産後の体調を考え
ると大変だと思います。また、妻の両親は自営業を営
んでおり、私の両親は高齢のため、両親の助けは限ら
れていました。この様な中、私も子どもの成長や教育
に関して興味があり、育児に携わりたいと思い、育児
休暇を取得しました。これからも父親として育児に積
極的に参加して家族の絆を深めたいと思っています。
宝印刷(株)総務部 総務課長 市川
Q.2週間の育児休暇を取得されたそうですが、その結果はいかがでしたか。
A.まとまった時間を子どもに費やすことで、子育ての重要さを再認識できました。
当初は妻をフォローするためと考えていましたが、結果としては子どものため、家族の
ためになり、育児休暇を取得できて良かったと思います。子どもから教えられることも
多く、これからは男性も意識を変えて育児に積極的に参加する必要があると思います。
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男女の育児休暇取得率 ~男性の取得率は上がらない~
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男女別育児休暇取得率の推移
年
女性
男性
1996
49.10%
0.12%
1999
56.40%
0.42%
2002
64.00%
0.33%
2005
72.30%
0.50%
2008
90.60%
1.23%
2009
85.60%
1.72%
2010
83.70%
1.38%
2011
87.80%
2.60%
2012
83.60%
1.89%
「育メン」に対する上司の「パタハラ※」!
なんで、男のおまえが育休なんて取るんだ。
なんで、男のおまえが育休なんて取るんだ。
キャリアに傷がつくぞ!
キャリアに傷がつくぞ!
たかだか4カ月のブランクでキャリアに傷が
つくとしたら、僕がそれまでの人間だったと
いうことです。
子どもの教育費は何千万円もかかるんだぞ。
いっぱい残業して金を稼ぐ。これが家長として
のあるべき姿だ!
うちの場合、妻の方が給料も高いので妻を世
帯主にしているんです。
僕は家長ではありません…
そういう問題じゃない!バカモノ
出所:厚生労働省「女性雇用管理基本調査」(2007年以降は厚生労働省「雇用均等基本調査」より作成)。 ※パタハラ:パタニティ ハラスメントの略で、育児のため
事業所規模5人以上。2011年度の数値は、岩手県、宮城県、福島県を除く
の休暇や時短を申し出る男性に対するいやがらせ
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ワークライフバランス実現の具体策~価値観の変革が必要~
男性側の課題
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男性中心の職場からの脱皮
男性の育児休暇への意識改革
男性の家事に対する抵抗感の払拭
専業主婦→専業主夫の容認
女性側の課題
女性の仕事に対する意識改革
女性は職場の花
女性の仕事は補助
女性は男性に適わない
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「女性が輝く社会」のゴール~愉快に暮らせる家庭と企業~
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女性の活躍の場を拡げることによって企業や社会のリスクを軽減し、普通に結婚し、
家庭を作り、親や子ども達といった身近な家族との絆を大切にしながら、「当たり前の
幸せ」を全ての国民が享受、感得できるようにしていくことが、「女性が輝く社会」の最
終的なゴールであって欲しい。
女性が自信とやりがいを
感じる
男性が刺激を受ける
男性と女性がバランスよく、お互いを尊重して、
楽しく愉快に暮らせる家庭と企業を目指す!
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本日の参加企業3社のご紹介
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ヤマハ株式会社 取締役常務執行役員 高橋 源樹 氏
世界トップシェアを誇る創業127年の楽器メーカー。ピアノ、電子楽器等の楽器、音響機器、AV
機器、音楽ソフト等の「音・音楽」を中心とした事業から半導体、ゴルフ用品に至るまで幅広く事
業を展開。欧米市場に加えて、中国を含む新興国市場の開拓も進め、グローバルに事業を拡
大している。
株式会社メディカルシステムネットワーク
代表取締役社長 田尻 稲雄 氏
医薬品卸会社と調剤薬局の受発注・決済等を、ITを活用して代行する医薬品等ネットワーク事
業と、地域に根差した「なの花薬局」を全国に展開する調剤薬局事業の2つを中核とする。特に
医薬品等ネットワーク事業は、国内では類を見ないオンリーワンのビジネスモデル。
テクマトリックス株式会社 代表取締役社長 由利 孝 氏
当社は、IT戦略の立案から、コンピューターシステム導入における分析、設計・構築、保守、運
用・監視の一連のサイクルにわたるトータルサービスを提供するITサービス企業です。現在、ク
ラウド(利用)型ビジネスモデルへの戦略的転換を推進し、安定収益を出せる体質への事業構
造改革を断行しています。
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参考文献・資料
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『企業の女性活用度調査2011報告書』 日経ウーマン、2011年4月刊
『女性を活用する国、しない国』 竹信三恵子著、岩波ブックレット、2010年9月刊
『ワーク・ライフ・バランスと働き方改革』
佐藤博樹、武石恵美子共著、勁草書房、2011年3月刊
『ワーク・ライフ・バランスと家族形成~少子社会を変える働き方~』
樋口美雄、府川哲夫共著、東京大学出版会、2011年1月刊
『仕事と子育て男たちのワークライフバランス』
中間真一、鷲尾梓共著、幻冬舎ルネッサンス新書、2010年12月刊
『女性社員活躍支援事例集~ダイバーシティを推進する11社の取り組み~』
日本経団連、日本経団連出版、2007年11月刊
『男の座標軸~企業から家庭・社会へ~』 鹿島敬著、岩波新書、1993年1月刊
『定年後~豊かに生きるための知恵~』 加藤仁著、岩波新書、2007年2月刊
『夢をかなえる~思いを実現させるための64のアプローチ~』
澤穂希著、徳間書店、2011年11月刊
『平成25年度 ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集』(経済産業省)
『なぜ、女性が活躍する組織は強いのか? - 先進19社に学ぶ女性の力を引き出す「仕組み」と
「習慣」』 麓幸子/日経BPヒット総合研究所(編)、日経BP社、2014年6月刊
『女性が活躍する会社』 大久保幸夫/石原直子著、日経文庫、2014年10月刊
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