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余暇市場動向(2013~2014 年)
☆ トピックス 余暇市場動向(2013~2014 年) 作成者 図表1:余暇市場推移 (兆円) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (年) 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 「2014 レジャー白書(公益財団法人 日本生産性 本部)」によると、2013 年の余暇市場は 65 兆 2,160 億円・前年比+0.8%と僅かだが、2002 年の+0.7% 以来 11 年ぶりのプラスとなった(図表 1 参照) 。規 模の突出して大きいパチンコ・パチスロ(18.8 兆円・ ▲1.3%)を除くと+1.6%で、同時期の国民総支出 +0.9%、民間最終消費支出+1.8%と同水準の伸び を示した。年の後半における消費増税の駆込み需要 も拡大要因となった。特に観光・行楽部門は 2 年連 続で 4%台の伸びを示し、多くの分野で回復傾向がみ られた。 渡辺洋一郎 出所:日本生産性本部「レジャー白書」 ◎ 図表2:エービーシー・マート スポーツシューズ四半期売上高推移 スポーツシューズ・ウェアが堅調 (億円) 14/3~5 13/12~14/2 13/9~11 13/6~8 13/3~5 12/12~13/2 12/9~11 12/6~8 350 300 250 200 150 100 50 0 12/3~5 スポーツ部門(2013 年 3.9 兆円・前年比+0.1%)は横ば いを維持した。スポーツ用品はシューズ、ウェアが堅調で、 ランニング用品、登山・キャンプ用品も引続き伸びた。ゴル フ用品は 2 年連続で増加した。スポーツサービスで伸びたの はフィットネスクラブ、スキー場だった。 2014 年もスポーツ用品は堅調が期待される。エービーシ ー・マート(2670)の四半期決算をみると、スポーツシュー ズが順調に拡大している(図表 2 参照) 。 出所:エービーシー・マート決算短信 趣味・創作部門ではコンサートが堅調 趣味・創作部門(2013 年 8.2 兆円・前年比▲2.7%)はマ イナスから回復していない。CD、音楽配信は著しい縮小が 目立つ。映画は入場者数が横ばい。ビデオソフトはアニメと 邦楽しか売れず、レンタルも勢いがない。書籍は販売金額が 伸びず、電子書籍は伸びているものの、市場はまだ小さい。 数少ない堅調な分野はコンサートなど。コンサートは、大規 模なスタジアム・アリーナのツアーが数多く打たれた。 2014 年 1~6 月の状況をみると、映画は「アナと雪の女王」 の大ヒットで入場者数が大幅に伸長。一方、音楽ソフト(C Dなど)やビデオソフトは引き続き低調だった。コンサート は 4~6 月に前年同期を下回ったが(図表 3 参照)、需要期で ある下期に改善が期待されよう。 図表3:コンサート四半期売上高 前年同期比 (%) 80.0 40.0 0.0 ▲ 40.0 11/1~3 11/4~6 11/7~9 11/10~12 12/1~3 12/4~6 12/7~9 12/10~12 13/1~3 13/4~6 13/7~9 13/10~12 14/1~3 14/4~6 ◎ 出所:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査 このレポートは投資の判断となる情報の提供を目的としたものです。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致し ます。なお、株式は値動きのある商品であるため、元本を保証するものではありません。 ☆ トピックス ◎ 携帯電話ゲームはアプリゲームを得意とするゲーム会社が好調 12年7月 9月 11月 13年1月 3月 5月 7月 9月 11月 14年1月 3月 5月 娯楽部門(2013 年 43 兆円・前年比+0.8%)は 2 年連続で 図表4:パチンコホール月次売上高 わずかに増加したが、震災前の水準までは回復していない。 前年同月比 (%) 外食など堅調な分野があるものの、ゲーム関連やパチンコ・ 8.0 パチスロ関連などは低調だった。 2014 年 1~6 月において、パチンコホールの売上は依然低迷 4.0 している(図表 4 参照) 。遊技機関連企業の 14/4~6 期決算も 0.0 概ね低調だった。また、保通協(保安通信協会)によるパチ スロ機の検査方法が見直される方向のため、既に開発済みの ▲ 4.0 機械は検査を通過できない可能性が高く、業界に大きな影響 を与えそうだ。 ▲ 8.0 ゲーム関連をみると、1~6 月のゲームハード・ソフトは前 年同期並みだった模様。携帯電話向けゲームは明暗が分かれ た。14/1~6 期において、ブラウザゲームを主力としたゲーム 会社は低迷。一方、アプリゲームを得意とするコロプラ(3668) 出所:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査 などは好調だった。 ◎ 遊園地・テーマパークは 2014 年も好スタート 図表5:遊園地・テーマパーク四半期 入場者数前年同期比推移 11/1~3 11/4~6 11/7~9 11/10~12 12/1~3 12/4~6 12/7~9 12/10~12 13/1~3 13/4~6 13/7~9 13/10~12 14/1~3 14/4~6 (%) 観光・行楽部門(2013 年 10 兆円・前年比+4.0%)は 2 年 40.0 連続の好調な伸びが続いている。遊園地・テーマパーク市場 20.0 は+10.5%、前年に引続き過去最高の売上だった。30 周年記 念イベントの人気から、オリエンタルランド(4661)が運営 0.0 する東京ディズニーリゾートの 2013 年度入園者数は 3,000 万人を初めて突破した。旅行業は、国内旅行が堅調で、取扱 ▲ 20.0 高が+2.1%だった。会員制リゾートクラブの売上は+5.5% ▲ 40.0 で、最大手のリゾートトラスト(4681)は過去最高売上・利 益を更新した。 遊園地・テーマパークの四半期入場者数は、2014 年もプラ 出所:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査 スを維持しており(図表 5 参照) 、後半も堅調が期待される。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、人気映画シリーズ「ハ リー・ポッター」の世界を再現した新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」を 7/15 にオープン、人気化している。オリエンタルランドは 5/29 より東京ディズニーランド(TDL)でスタ ートした夜の新エンターテイメント「ワンス・アポン・ア・タイム」が好評で、前期の周年イベント効果の反 動を補っている。また、2015 年 1/13~3/20 の期間において、大ヒット映画の「アナと雪の女王」をテーマに した新スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」をTDLで開催する予定であり、集客 効果は高そうだ。 参考銘柄 コード 銘柄名 コメント 2670 エービーシー・マート スニーカー・スポーツシューズ中心に販売好調。今期増配予想を公表。 3668 コロプラ 新作アプリゲーム「白猫プロジェクト」のヒットで、7~9期は好決算を予想。 4661 オリエンタルランド 新規イベント効果で、下期の入園者数も堅調だろう。 4681 リゾートトラスト 中期目標の18/3期営業利益240億円(前期同151億円)は超過を予想。 このレポートは投資の判断となる情報の提供を目的としたものです。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致し ます。なお、株式は値動きのある商品であるため、元本を保証するものではありません。