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“自分のことが好き”と言える子どもの育成を目指して ~重ね合う3つの力
“自分のことが好き”と言える子どもの育成を目指して ∼ 重ね合う3つの力を意識しながら 目 ∼ 次 目次 ……… 1 はじめに ……… 2 Ⅰ 研究主題 ……… 3 1 時代の背景から ……… 3 2 子どもの実態から ……… 3 3 教師の思いから ……… 4 4 保護者の願いから ……… 4 1 「“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も 」 と は ・ ・ ・ ……… 5 2「重ね合う3つの力」とは・・・ ……… 6 1 研究の仮説 ……… 8 2 実践を支える手だて ……… 8 Ⅱ 研究主題設定の理由 Ⅲ 研究主題について Ⅳ 研究の仮説 Ⅴ 研究の全体構想 1 活動の流れ ……… 10 2 研究の構想図 ……… 11 Ⅵ 研究の実際 1 「 学 級 活 動 〔 内 容 ( 1 )〕 」 の 実 践 よ り ……… 12 2「総合的な学習の時間」の実践より ……… 22 3 「 体 育 科 ( 保 健 学 習 も 含 む )」 の 実 践 よ り ……… 25 Ⅶ 研究のまとめ 1 活動を振り返って ……… 28 2 成果と課題 ……… 29 おわりに ……… 30 主な参考文献 ……… 30 -1- はじめに 「がんばれ自分」 私が好きな言葉の一つであり、子どもたちにもよく伝える言葉でもある。自分がやって みようと思ったことには、どんなに時間や労力がかかっても最後までがんばることができ る。それが周りから認められるなどすることで、喜びや満足感を味わうことができるし、 次もがんばろうとやる気が出る。もし、それが思い通りにいかなかった時でも、自分で決 めて取り組んだことなら、その結果を素直に受けとめることができる。自分なりにがんば ったということが一つの財産である。それに、せっかくするなら少しでもいいものにしよ うと前向きにがんばることで、自分を成長させることができる。こうした体験の中、自分 のよさに気付いたり、自分の取組にやりがいを感じたりしながら、少しずつ自信を深めて いく。そんな時子どもたちは“自分のことが好き”と言えるに違いないのだ。 4月、昨年から引き続き担任している6年生の子どもたちに「自分って好き?」と尋ね る と 、「 よ く わ か ら な い 」 と 答 え た 子 が 多 か っ た 。 自 分 に い や な と こ ろ が あ る 、 わ か っ て い て も で き な い こ と も 多 い な ど 、そ の わ け も 聞 か せ て く れ た 。や る ま で に 時 間 が か か る し 、 活 動 を 始 め て も 周 り を 気 に し た り 、慎 重 に な っ た り す る こ と も 多 く 、自 信 の な さ を 感 じ た 。 「自分で決めて思い切ってやってごらん」とハッパをかけることも多い。もっと自分に自 信をもってほしいし、がんばる“自分のことが好き”と思う体験をいっぱいしてほしいと 思う。そのためには、体験を重ねることが一番である。それも、与えられたことをきちん とこなすだけなく、自分で考えて判断し実行する体験を重 ねていくことが大切だと思った。私はこの思いを、あさが おの世話を例にした資料(右の写真)を使って話をした。 種をまき、水や肥料をやり、日当たりをよくしたりしなが ら世話をした結果、花が咲き種ができる。その種をまた植 えることで次の花を咲かせることもできる。子どもたちも 自分で目標を決め、それに向けて精一杯取り組む中で自分 の力を高め、その力を基にして次の活動へつないでいくと いう「重なり」の部分で、共通していることが多い。 そこで、本年度は子どもたちが活動に取り組む際に必要 な 力 を 、「 見 つ め る 力 」「 か か わ る 力 」「 生 か す 力 」 の 3 つ に 設 定 し 、そ れ を 重 ね 合 い な が ら 実 践 し て い こ う と 考 え た 。 ① 課題ややるべきことをしっかり「見つめる」ことができれば、自分の目的意識をはっ 見つめる力 きりもつことができる。 ② 課 題 解 決 に 向 け て 自 分 が ど う す れ ば い い の か 、 自 分 の 方 向 性 を 「 見 つ め て 」、 解 決 方 法を考えたり、友だちと協力し合ったりしながら、活動に「かかわる」ことで、やりが かかわる力 いを感じることができる。 ③ 振り返りの場を通して、これまでの自分の「かかわり」を見直したり、友達との「か か わ り 」を 認 め 合 っ た り す る こ と で 、次 の 活 動 に「 生 か す 」こ と が で き る 。 生かす力 この「見つめる力−かかわる力−生かす力」の3つの力を意識しながら、様々な活動に 主 体 的 に 取 り 組 む 中 で 自 信 を 深 め 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も に な っ て ほ し い と願って、研究実践を進めていくことにする。 -2- Ⅰ 研究主題 “自分のことが好き”と言える子どもの育成を目指して ∼ Ⅱ 重ね合う3つの力を意識しながら ∼ 研究主題について 1 時代の背景から 国際化や情報化、価値観の多様化など激しく変化していく社会の中で、子どもたち を取り巻く環境も急激に変わってきている。便利さと引き換えに、体験活動の場が減 ったり、遊びや運動の機会も少なくなったりしている。こうしたことが要因の一つと なり、他者とのかかわり方を不得手に感じる子も増え、集団行動を好まず、一人の方 が 楽 、一 人 の 方 が 好 き と い っ た 傾 向 が 強 ま っ て い る 。 と 同 時 に 、「 自 分 さ え よ け れ ば 」 という考えから、自己中心的な言動をとる子どもも目立つようになってきた。 こ れ か ら の 子 ど も に と っ て 大 切 な 資 質 の 一 つ は 、「 主 体 性 」 だ と 考 え る 。 与 え ら れ た課題をきちんとこなすだけでなく、自分で考えて取り組むことや自分の力で活動す る体験を通して、活動の楽しさやみんなとやり遂げる喜びを味わってほしいと思う。 中でも、子どもたち自らが課題を見付け、自分たちの力で解決したり、学級全体でひ とつのことに向かって取り組んだりする中で、集団の中の一員としての自分の役割を 考 え 、 責 任 を も っ て 果 た す よ う な 体 験 を 大 事 に し た い と 考 え た 。「 自 分 が や っ た 」 と いう思いを実感することで、やる気も高まり、自分を高めたいと積極的に活動しよう と い う 意 識 を 高 め る こ と も で き る 。 そ う し た 体 験 を 大 事 に し な が ら 、“ 自 分 の こ と が 好き”と言える子どもを育てていきたいと考えた。 2 子どもの実態から 本学級の子どもたちは、とても素直で真面目である。どちらかというとおとなしい 感じを受け、思い切ってチャレンジするというよりは、慎重に無難にやろうという傾 向が強い。学級で取り組む様々なことに対しても、全力で活動する場面も多く見られ る。だが、中には自分一人くらいしなくてもどうにかなるだろう、誰かが自分の分も してくれるだろうといった集団の中の一員として、意識の低さを感じる言動が見られ ることもある。また、自分で考えて取り組むことに自信が持てないことも多く、指示 に頼りがちだったり、人を見ながら活動したりすることも見られる。でも、はじめは 乗り気でなくても、やってみるとおもしろかった、ためになったという思いを体験し た 子 も 多 く 、そ れ が エ ネ ル ギ ー と な り 、次 の ス テ ッ プ を 踏 み 出 せ た と い う こ と も 多 い 。 自分で考えて決めて実行したことなら、結果はどうであれ自分にプラスになること も 多 い 。 そ う し た 中 で 、「 自 分 に は こ ん な い い と こ ろ が あ っ た ん だ 、 自 分 の し た こ と が役に立ったんだ」という思いを実感する場面は多々あるし、逆に反省点が見えてく ることもある。お互いを分かり合えている学級だからこそ、いろいろとチャレンジで きるチャンスである。そうした体験をたくさんする中で、自分としっかり向き合い、 自 分 の よ さ や 可 能 性 を 伸 ば し て い く こ と が で き れ ば 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 実 感 す る場面も増えてくると考えた。 -3- 3 教師の思いから 昨年度は「声を大事にした学級づくり」をテーマにして、子どもたちの思いを大事に した実践を心がけてきた。学級集団としての高まりを感じる中、一つ一つの活動に時間 がかかったり、誰かがしてくれるのを待ってしまったりすることも多く、ついつい手を 貸してしまうことも多かった。結果を求めるあまり、私の価値観を押し付けていたり、 子どもの短所に目を向けがちになったりしがちで、子どもたち一人一人が自分らしさを 発揮できずにいたのではないか、そのため自分たちで考え実行するチャンスを少なくし ていたのではないか、といった反省点も見えてきた。 そこで、今年度は学級集団としての質を高めることはもちろんのこと、集団の中の個 に も 目 を 向 け る こ と が 大 切 だ と 考 え た 。友 だ ち と 一 緒 に 何 か を す る 喜 び を 味 わ う こ と で 、 「 自 分 ら し さ を 発 揮 す る 」 体 験 を す る こ と が で き 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 場 面 も増えるのではないだろうか。それに、一人一人が学級の一員としてやるべきことをし っかり自覚して取り組めるように、私自身も支援の在り方を考える必要性を感じた。子 どもたちが主体となって、いろいろな活動に取り組む中で、子どもたちに寄り添いなが ら、私自身も“自分のことが好き”と言えるような自分に高めていきたいと考えた。 4 保護者の願いから 最近の子どもたちを取り巻く環境を心配する保護者の声は高い。思い通りにいかない ことがあるとすぐにキレたり、簡単に人に危害を加えたりと、様々な問題が低年齢化し てきている。小学6年生の関係した事件や事故を耳にすると、保護者も私も他人事とは 思えない。保護者会などでも、友達関係を心配する声や、心も体も成長してほしいとい う 親 の 願 い を 聞 い て き た 。 4 月 に 行 っ た 保 護 者 向 け の ア ン ケ ー ト 結 果 か ら 見 て も 、「 い ろ い ろ な こ と に 積 極 的 に 挑 戦 し 自 分 を 高 め て ほ し い 」「 自 分 の 長 所 は 伸 ば し 、 短 所 は 直 し な が ら 成 長 し て ほ し い 」 と い っ た 声 が 多 く 聞 か れ た 。「 最 上 級 生 と し て も が ん ば っ て ほしい」という、子どもたちに寄せる周りの期待も大きい。 そこで、こうした保護者の思いも大事にしながら、一人一人が確実に足跡を残してい け る よ う な 取 組 を し て い き た い 。 そ し て 、「 自 分 を 認 め て く れ る 人 が い る 」 、 「 自 分 を 支 えてくれる人がいる」といった思いを感じながら、前向きにがんばろうと意欲的に活動 す る 中 で 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 思 え る 場 面 も 増 や し て い き た い と 考 え た 。 小学校しめくくりの一年である。自分をじっくり見つめ、自分で精一杯かかわる体験 を通して、自分に自信を持ち“自分のことが好き”と言える一人一人となって、卒業の 時を迎えてほしいと考えて、本主題を設定した。 「自分がやった」 「自分もやれるんだ」 勇気 「自分にはこんなよさがある」 「自分のしたことが役に立ったんだ」 協力 「自分なりにがんばった」 「自分らしさを発揮できた」 やりがい 自 信 “自分のことが好き” -4- 安心 「自分を認めてもらえた」 「自分を支えてくれる人がいる」 Ⅲ 研究主題について 1 「“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も 」 と は ・ ・ ・ 5月に行った、子どもたちの意識調査の結果を基に、分析してみた。 ① 子どもたちは、どんな時“自分のことが好き”と感じるのか。 ◇ 自分のやりたいことが、思いどおりに運んだとき ◇ 悩んだり苦労したりしながらも、何かをやり遂げたとき ◇ 周りに認められたりほめられたりしたとき ◇ 結果がうまくいかなくても、自分なりにがんばったとき → ② どれも自分自身が体験したからこそ味わえる思いである。 “自分のことが好き”という子どもはどれ位いるのか。 “自分のことが好き”と思っていない子どもが70 「自 分 の こ と が 好 き か 」 %ほどもいる。その中には、自分の力を出し切ってい ない、自分のすることに迷いがある、もう少しがんば らないといけないと思う、といった思いをもっている 大好き あまり好きでない → まあまあ好き 好きでない こともわかった。と同時に、まだまだやれる、やって みたいと思っている子も多かった。 まだ、自分の力を試したいという思いを持っている子が多い。 “自分のことが好き”と、自分をプラスイメージでとらえた場合と、逆にマイナス イメージを強くもって活動した場合では、その取組に違いが出てくる。 プラス志向に考えて臨む マイナス志向に考えて臨む ↓ 自分がうまくやれることを予想できる ↓ 目標に対して積極的に向かっていく ↓ 努力が報われることが多い ↓ 自信を持って活動することができる ↓ 迷いが生じ、優柔不断になりがちである ↓ 自分の力を十分に発揮できないことが多い ↓ 他者からの影響も受けやすい ↓ 活動意欲が高まらなくなってしまう → プラス志向で活動していくと、自分に自信がもてるようになる。 自分に自信があると、多少いやなことがあってもごまかさずに現実をよく見て、そ の状況において何ができるかをよく考え、実行し、その結果に責任をもつことができ る。人任せ、状況任せではなく、自分に責任をもつことができると思う。 そ こ で 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も を 育 て る 上 で 大 切 に し た い こ と は 、 いろいろなことに挑戦する中で、 「 自 分 に 自 信 が も て る よ う に す る こ と 」だ と 考 え た 。 “自分のことが好き”と言える子どもを育てるには 「自分に自信をもって活動できる」ようにしていくことが大切 -5- 「自分に自信をもって活動できる」ようになれば、やる気が高まるし、精一杯活動に 取り組むことができる。また、自分の思いを伝えたり、意見交換したりしながら、友達 とも積極的にかかわることもできる。その活動がうまくいけば、次への活動にも意欲が 増す。もしうまくいかなかったとしても、失敗体験を生かしたり再度挑戦しようという 気持ちにもなる。自分からという意識で取り組む中で体験する様々なことを、自分なり に丸ごと受け入れることで、また一つ自信を深めることにもなると考える。 「自分に自信をもって活動すれば」 ◇ 自分のやりたいことに向けて、やる気をもって取り組む ことができる ◇ 自分なりのやり方・考え方で、精一杯活動に取り組むこ とができる ◇ 自分の思いを伝えたり 、友達と意見交換したりしながら 、 積極的に取り組むことができる うまくいった うまくいかなかった 「よし、次もやってみよう」 「もう一度チャレンジしてみよう」 次の段階への挑戦 「がんばってよかったな」 再挑戦 自信の深まり 「やればできるんだな 」」 「自分ってなかなかいいな」 “自分のことが好き”と言える子ども 2 「重ね合う3つの力」とは・・・ “自分のことが好き”と言えるように、自信をもって活動できる子どもを育てていく ためには、様々な活動に取り組んでいく必要性がある。それも、子どもが受け身となっ て活動するのではなく、課題意識をもち、主体的に活動する力を身に付け、その力を基 に新たな課題や意欲をもって、次の活動につないでいけるような活動の過程が大切であ る。その活動過程の中で、育てたい力を次の3点に設定することにした。 《子どもの思い》 《活動の流れ》 《育てたい力》 「これでいいのかな」 【目的意識】 課題意識をもつ 見つめる力 「自分たちの力で工夫して やってみよう」【挑戦意欲】 主体的に活動する かかわる力 「次もがんばってみよう」 【やりがい】 活動を振り返る 生かす力 -6- 次 に 、「 見 つ め る 力 − か か わ る 力 − 生 か す 力 」 と い う 3 つ の 力 を 、 な ぜ 「 重 ね 合 う 3 つ の力」とするのか。それは、自分をじっくり見つめ、自分で精一杯かかわる体験をくり返 す中で自分自身としっかり向き合い、少しずつ自分の力を高めていけるようにしたい。そ のためには活動の積み重ねが大切という思いからである。同じ活動に取り組むにしても、 目的意識をどれだけもって臨むかによって、その活動に向かう意欲は違ってくる。人から 与えられたものよりも、自分でという意識が強ければ強いほど、積極的に挑戦しようとす るし、その活動にやりがいを感じることにもなる。さらには、自分なりに取り組んだ結果 であれば、やり遂げた成就感や喜びも大きく、次の活動のエネルギーにもなる。つまり、 「見つめる力−かかわる力−生かす力」の3つの力がうまく重なっていくことで相乗効果 となり、効果も大きくなると考えたのである。 今回の実践に当たっては、活動過程の段階で3つの力をそれぞれ重点的に取り上げなが ら、高めていくようにする。 ① 課題決定……課題をしっかり「見つめる力」 → 【目的意識】が高まるように ② 課題解決……活動に積極的に「かかわる力」 → 【挑戦意欲】が持続できるように ③ 反省・評価…次の活動に「生かす力」 → 【やりがい】を感じるように 課題との 出会い 課題決定 見つめる力 課題解決に 向けての活動 次の活動へ 見つめる力 課題ややるべきことを しっかり見つめる 実践 かかわる力 振り返り 課題解決に向けての 方向性を見つめる 反省・評価 成就感 生かす力 自分の成長を 見つめる ① 【目的意識】 かかわる力 対象にかかわる中で 活動意欲を高める 活動に積極的に かかわる 自分のかかわりを 振り返る ② 【挑戦意欲】 生かす力 これまでの体験を 生かす 自分や友達の よさも生かす 次の活動に 生かす ③ 【やりがい】 こうして、3つの力を高めることを意識することで、活動へ の意欲を高め、主体的に活動する子どもを育てることができる と考え、実践を進めていくことにする。そうすれば、ねらいと す る「 自 分 に 自 信 を も っ て 活 動 す る 」こ と が で き る よ う に な り 、 その体験を通して“自分のことが好き”と言える子どもの姿が 見えてくるであろう。 -7- Ⅳ 研究の仮説 1 研究の仮説 「 見 つ め る 力 − か か わ る 力 − 生 か す 力 」と い う 重 ね 合 う 3 つ の 力 を 意 識 し な が ら 、 目 的 意 識 を し っ か り も ち 、 や り が い を 感 じ る よ う な 活 動 を し て い け ば 、「 自 分 に 自 信 を も つ こ と 」 が で き 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も が 育 つ で あ ろ う 。 2 実践を支える手だて 今回の研究実践を支える手だてとして、以下の点を大事にしていくことにする。 3つの力をより具体化して実践するために (1)身に付けさせたい学習要素の洗い出し 活動の場や機会を 保障するために 子どもの活動に寄り添える ようにするために (2)他の教育活動との関連 (3)教師の支援・働きかけ (1)身に付けさせたい学習要素の洗い出し 「見つめる力−かかわる力−生かす力」といった重ね合う3つの力を意識して実 践していく上で、子どもにどんな力が必要なのか、もっとどんな力を育てればいい のかをはっきりさせる必要がある。その育てたい力をより具体化したものを、身に 付けさせたい学習要素として、洗い出してみることにした。 身に付けさせたい学習要素 期待する子どもの姿 A:課題を見付ける力……… 自分がやりたいことを見付けることができる B:見通しをもつ力 ……… 見通しをもって、活動計画を立てることができる C:自分で決める力 ……… 自分がやりたいことを自分で決めて活動することができる D:企画・運営する力……… 自分がやりたいことに向けて進んで取り組むことができる E:情報交換する力 友達や周りの取組にも目を向けながら活動することができる ……… F:前向きに考える力……… 自分のためになると考えて取り組むことができる G:自他を認める力 自分や友達のよさを生かしながら活動することができる ……… H:自分の思いを伝える力… I:自己評価する力 J:次につなぐ力 自分の思いや考えを伝えながら活動することができる ……… 自分の取組を振り返り、それを生かそうとすることができる ………… 活動を通して体験したことを次の活動につなぐことができる な お 、「 重 ね 合 う 3 つ の 力 」 と こ の 「 身 に 付 け さ せ た い 学 習 要 素 」 の 関 連 に つ い て は 、 P 1 2 の 活 動 の 流 れ の 中 で く わ し く 示 し て い る 。 ま た 、「 Ⅵ 研究の実際」 の 文 中 に も 、こ の「 身 に 付 け さ せ た い 学 習 要 素 」を 〈A 〉と し た 形 で 記 述 し て い く 。 -8- (2)他の教育活動との関連 今 回 の 研 究 に 当 た っ て は 、学 級 活 動 を 柱 に し て 検 証 し て い く が 、総 合 的 な 学 習 の 時 間 、 体育においても取り組んでみることにする。それぞれの教科等のねらいや特性を大事に しながら、次のようなねらいを設定し、題材の組み立てを考えながら実践していく。 ① ② ③ 学級の一員として、友達とかかわり合う中で自分のよさに気付く →学級活動 地域に生きる一人として課題を解決していく中で、自分の生き方を考える→総合的な学習の時間 自分の体力や健康に関心を持ち、よりよい生活習慣を身に付ける →体育(含保健学習) 一つ一つの活動が単発で終わらないようにすることが、重ね合う3つの力を高める上 で大事な点であり、そのためには内容を考えたり、身に付けさせたい学習要素の関連を 考えていくことも大切になってくる。更には、他の教育活動との関連を図ることで活動 の幅も広がり、それぞれの学びを深めることができ、より深まりのある実践が期待でき る。 (3)教師の支援・働きかけ “自分のことが好き”と言える子どもを育てていく上で、個を大事にすることはいう までもないが、あくまでも学級集団の中の一人であるということも忘れてはいけない。 一人一人の自信の深まりが、学級の成長となりつながっていくのである。 そ こ で 、「 大 好 き な 友 達 、 学 級 、 そ れ に 大 好 き な 自 分 を つ く っ て い こ う 」 を 学 級 づ く りのテーマにし、そのポイントとして次の点を大事にしていこうと考えた。 ① 一人一人の「よさ」を大事に 学級 ② 一人一人の「思いや願い」を生かして ③ 一人一人に「場と機会」を ④ 一人一人に「やりとげる実感」を ⑤ 一人一人が「大切な一人」として ⑥ 一人一人の「居場所」があるように ⑦ 一人一人の「一人」として 学級 個 個 一人一人が高まると、学級 全体の力も相乗的に高まる! また、活動の主体者はあくまでも子どもたちである。自分をじっくり見つめ、自分で 精一杯かかわる体験を通して、自分自身としっかり向き合っていけるような取組を進め ていこうと考えている。その中で教師は、何かを教えるという立場ではなく、子どもた ちの活動を支え、促進する役に徹することが重要である。必要に応じて助言したり、働 きかけたりすることはあっても、最終的に決断し実行するのは、子どもたち自身である ことを忘れてはいけない。子どもに任せるところは任せ、できるだけ「待ちの姿勢」で 支援や働きかけをしていこうと考えた。 主体的な取組 教 師 協力 安心 勇気 信頼 待ちの姿勢 子ども -9- Ⅴ 研究の全体構想 1 活動の流れ “自分のことを好き”と言える子ども=「自分に自信をもって活動できる」ように することを目指す本実践では、活動の流れを以下のように考えている。 子どもの活動・思い 教師の支援・働きかけ 「これでいいのかな」 「こうしてみたい」 「やってみたいな」 「これならできそうだ」 「これをやってみるぞ」 「みんなで考えてみよう」 「この方法でやってみよう」 「一人でやってみよう」 「どうしたらいいのかな」 「ダメだ、何とかしないと」 「別のやり方でやってみるよ」 「友達のやり方はどんなかな」 「楽しかったな」 「やった、できたぞ」 「今度はこれをやってみよう」 「友達のやり方はよかったね」 「どうしたらうまくいくかな」 「もう一度挑戦してみよう」 「これでいいのかな」 「こうしてみたい」 「やってみたいな」 「これならできそうだ」 「これをやってみるぞ」 「みんなで考えてみよう」 「この方法でやってみよう」 「一人でやってみよう」 「どうしたらいいのかな」 「ダメだ、何とかしないと」 「別のやり方でやってみるよ」 「友達のやり方はどんなかな」 「楽しかったな」 「やった、できたぞ」 「今度はこれをやってみよう」 「友達のやり方はよかったね」 「どうしたらうまくいくかな」 「もう一度挑戦してみよう」 活動の流れ 課題との 出合い 課題決定 【目的意識】 課題解決に 向けての活動 実践活動 【挑戦意欲】 【やりがい】 次の活動へ 【振り返り】 反省・評価 成就感 見つめる力 かかわる力 生かす力 「重ね合う3つの力」の段階で身に付けさせたい学習要素 身に付けさせたい学習要素 見つめる力 A:課題を見付ける力 B:見通しをもつ力 C:自分で決める力 D:企画・運営する力 E:情報交換する力 F:前向きに考える力 G:自他を認める力 H:自分の思いを伝える力 I:自己評価する力 J:次につなぐ力 ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ - 10- ◎重点目標 かかわる力 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○関連目標 生かす力 ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 2 研究の構想図 子どもの実態 保護者の思い 教師の願い 〈研 究 主 題〉 “自分のことが好き”と言える子どもの育成を目指して ∼重ね合う3つの力を意識しながら∼ (1)身に付けさせたい学習要素の洗い出し B:見通しをもつ力 D:企画・運営する力 F:前向きに考える力 H:自分の思いを伝える力 J:次につなぐ力 課題との出合い 見つめる力 【目的意識】 課題解決に 向けての活動 かかわる力 【挑戦意欲】 反省・評価 生かす力 次の活動へ 【やりがい】 活動の高まり 「自分に自信をもって活動できる」ようになる “自分のことが好き”と言える子どもの姿 - 11- ︵3︶教師の支援・働きかけ ︵2︶他の教育活動との関連 A:課題を見付ける力 C:自分で決める力 E:情報交換する力 G:自他を認める力 I:自己評価する力 Ⅵ 研究の実際 1 「 学 級 活 動 〔( 内 容 ( 1 )〕」 の 実 践 よ り 〈ねらい〉学級集団の一員として、友達とかかわり合う中で自分のよさに気付く (1)活動内容 (2)他の教育活動との関連 ・学級活動「話合い活動 の充実」(話合いの進め 方、議題提案の仕方など) (1)身に付けさせたい学習要素 〔主な活動〕 「学級目標をつくろう」 (学級としての方向性をはっきり させ、みんなでがんばろうとい う意識が高まるようにする) (3)教師の支援・働きかけ ◆5年生までの反省点を生 かし、高めたい力を意識 できるような話合い活動 の工夫をする。 〈A,B,C,F〉 「学級のミニ集会を開こう」 ・道徳「ロレンソの友達」 (信頼・友情と男女の協力) (定期的に集会を開き、学級のま とまりが高まるようにする) 〈B,D,E,F,G〉 ・縦割り班活動 (リーダ ーとして班を世話をする) ・国語科「学級討論会を しよう」(討論の仕方) ・学校行事「運動会」 (応援リーダー、児童役員 としての責任を果たす) (最上級生としての自覚を高める ようにする) 〈A,B,G,J〉 「運動会を成功させよう」 (学校行事に自分たちの力を発揮 しながら、積極的にかかわるこ とができるようにする) 「秋の作戦に取り組もう」 よりよくするためにアイ デアを出し合い活動する) ・学級活動「自分を大事 にしよう 内容(2)」 (今の自分をしっかり見つ めこれからの目標をもつ) ・親子一緒のレクリエーション ◆定期的に集会を開く中で、 企画−実践し、やり遂げ る喜びを味わえるように する。 「学校に役立つことをしよう」 〈D,F,G,H〉 ・係活動の充実 (学級を ◆決まったことの実践に向 けた場や時間の確保に努 めながら、見通しをもっ て活動できるようにする。 (秋の作戦という一つの目標に向 けて、みんなで役割分担して、 取り組んでいけるようにする) 〈A,B,D,E,G,I〉 「自分のいいところさがしを しよう」 (自分のよさを見直す活動を通し て、自分を更に高めていこうと いう意欲が高まるようにする) 〈C,D,G,H,I〉 - 12- ◆自分たちに何ができるの か、取材活動や道徳にお ける気付きなどから、課 題へと高めるようにする。 ◆自分たちの手で運動会を 成功させたいという思い を大事に、主体的に活動 できるようにする。 ◆活動後は、振り返りカー ドを活用しながら、自分 の活動の跡を残していけ るようにする。 ◆計画に沿った活動ができ るように、活動の様子を 情報交換する場を設ける ようにする。 ◆自分のいいところさがし を、いろいろな形で行っ ていくことで、自分自身 をしっかり見つめられる ようにする。 ◆子どもたちの活動を認め てもらえるように、親子 で活動する機会を設ける。 ( 2 ) 学 級 活 動 〔 内 容 ( 1 )〕 の 充 実 を 図 る た め の 手 だ て 「学級や学校の生活の充実と向上に関すること」をねらいとしている学級活動〔内容 ( 1 )〕 の 実 践 に 当 た っ て は 、 あ さ が お を 育 て る こ と と 関 連 付 け て 、 活 動 を 進 め て い け るようにしている。※「P2 ① はじめに」でも紹介 議題提案 ⑤ 「学級の中に生じている問題、みんなで 取り組んでみたいこと、学級をよりよくす るためにしてみたいことなどから、話し合 ってほしいことを議題として提案する。 これまでの活動を振 り返り、反省したり次 の活動につないだりし ていく。 「あさがおの種をまこう」 ② 振り返り 「できたたねを 次にまたまいて、 きれいな花を咲か せよう」 生かす力 学級会(話合い) 計画委員会を開いた り、必要な資料を準備 したりして、学級会を 見 つ め る 力 開く。 ④ 「水をしっかり あげて、芽が 出るようにしよう」 実践活動 みんなで話し合って 決めたことを、それぞ かかわる力 れの役割を果たしなが ら実践していく。 「お世話したか いあって、き れいな花が咲 きましたね。」 ③ 活動に向けての準備 学級会で決まったことに向けて、役割分担して準備を進めていく。 「水や肥料をあげたり、日光に当てたりしながら、しっ かりお世話しよう」 こ の よ う に 、「 重 ね 合 う 3 つ の 力 」 を 高 め る た め に 、 話 合 い 活 動 の 充 実 を 図 っ て い く が、学習カードの準備や資料の提供などをしながら、子どもたちができるだけ自分たち の手で自信をもって活動できるように、支援していきたいと考えた。 かかわる力 生かす力 見つめる力 ・アンケート ・話合い活動グッズ ・振り返りカード ・実態調査 ・活動計画表 ・掲示コーナー ・議題カード ・子どもと一緒に活動 ・発表会 - 13- ( 3 )「 学 級 目 標 を つ く ろ う 」 私は、学級目標にこだわりをもちたいと思っている。それは、学級全員の共通目標と としてよりどころとなるものだし、一年間学級の目指す方向でもあると考えているから で あ る 。次 の 点 を 大 事 に し な が ら 、子 ど も も 私 も 納 得 の い く 学 級 目 標 を 作 る こ と に し た 。 大 事 に し た い 点 ① ○ 時間はかかっても十分な話合いを通して決定する。 ○ 合言葉的な言葉を入れる。 ○ 自分たちの学級らしさを出す。 「重ね合う3つの力」を高めるための具体的な手だて 見つめる力 → 学級の実態をもとに、どんな力を高めればいいかを考える。 ア 5年生時を振り返り、反省点を洗い出す イ どんな学級にしたいか 、よりよくするためにはどんな力が必要か 、 などについての意見を出す (アンケート) かかわる力 → 学級目標を決めるための話合い活動に積極的に参加する。 ウ 自分の考えを発言しながら、話合い活動に参加する (話合いカード) 生かす力 ② → 決まった学級目標をもとに 、 学級が盛り上がるような活動を考える 。 エ 学級目標達成に向けて、どんな活動ができるかについて話し合 い、役割分担して取り組む。 オ 活動を振り返り、自分や友達のがんばりに目を向ける。 (振り返りカード) 活動の流れ ア ウ 反省点の見直し イ 学級として高めたい力 5年生時の終わりに、自分たちの 自分たちの学級をよりよくしていくた 学級を振り返り、出し合った反省点 ために必要な力について、みんなで意見 やもっとがんばりたいことなどを、 を出し合い、整理していった。一人一人 話合いの参考にしていった。 の思いを集約することができた。 学級会 事前に反省点や高めたい力を提示したことで、それ を意識して話し合うことができた。その結果、次の3 つを工夫する点として、決定していった。 ○ 高めたい力を四字熟語を使ってはっきりさせる。 ○ 合 言 葉 は 卒 業 を 意 識 し て 、「 は ば た け 6 の 2 」 ○「ろくのに(6年2組)の言葉を頭文字に使う。 みんなに提案中 エ 学級を盛り上げる活動 決定した学級目標を前面の掲示物として制作する以外に も、シンボルマークや旗、学級の歌づくりにも取り組むこ とになった。一人一役を受け持つ形で活動を進めていった が、任せられているという思いから、それぞれに工夫を生 かした活動が展開された。でき上がったものは、みんなに できあがった学級の歌 紹介しがんばりを認め合うようにした。 - 14- オ 活動の振り返り 自分自身の取組を振り返る中で出てきた課題を、次に生かせるようにすることが大切 だと考え、活動記録だけでなく、活動後の思いを書き込む形の振り返りカードを活用し ながら、自分の歩みを残していけるようにした。 ★でき上がった学級目標と掲示物★ 卒業を意識した合言葉 一人一人の顔写真とがん ばりたいことを回りに ︵反省点と高めたい力︶ 学級目標ができるまで も提示 「ろくのに」を頭文字に 高めたい力を四字熟語で表現 6年2組のシンボルマーク 「ローニーマン」 話合いカード 学級づくりのテーマを 私の字で書き込みました。 高めたい力の色の葉っぱに、学 級でがんばったことなどを記録 していくようになっている。 学級目標の中に記されている四 字熟語が学級として高めたい力で もあり、みんなの目標として共通 理解したものである。こうして、 学級全体が向かうべき方向性をは っきりさせることができた。これ を意識することで、学級にいる一 人一人の子どもたちが仲間としてまとまり、その中の一員として精一杯自分らしさを発 揮しながら活動することができる。学級目標づくりは、その土台として、またスタート の大事な一歩して意味ある活動となった。 - 15- ( 4 )「 学 級 の ミ ニ 集 会 ( ミ ニ ミ ニ フ ェ ス テ ィ バ ル ) を 開 こ う 」 学級集会など、一つの目標に向けてみんながまとまって活動する体験を通して、楽し さや満足感を味わうことができる。反面、企画−準備−運営と担当の子どもたちは、全 体 の こ と を 考 え 苦 労 す る 点 も 多 い 。そ う し た 様 々 な 体 験 が 自 分 を 成 長 さ せ る も の で あ る 。 ① 「重ね合う3つの力」を高めるための具体的な手だて 見つめる力 → 学級の付けたい力が更に高まるようなミニ集会の計画を話し合う。 ア 集会の運営の仕方について、学級会で話し合う 。(話合いカード) かかわる力 → 役割分担して、定期的に学級のミニミニフェスティバルを開いていく。 イ 輪番制でミニ集会を企画−準備−運営をする 。(掲示コーナー) 生かす力 ② → ミニミニフェスティバル集会への自分自身のかかわりを振り返る。 ウ 活動を振り返り、反省点を次に生かしていくようにする。 活動の流れ ア 学級会での話合い 学級のみんながもっと分かり合い、仲よくなれることをねらってミニ集会を開く わけだが、ただ楽しむのではなく目的意識を持って活動することで、得るものも違 ってくる。そういった思いを「先生からの話」で伝え、話合いを進めていった。 (決定事項)○ ○ ○ イ 輪番制で進行役を担当する。○ 集会名は「ミニミニフェスティバル」 予定を早めに決め、無理をしない範囲で、準備したり運営したりする。 ゲームの内容は、学級の高めたい力を意識したものにしていく。 ミニミニフェスティバルの実施 業間の休み時間を使って実施するので、ゲームの内 容や準備物は、掲示コーナーを使って知らせている。 学級の様子をしっかり見つめて、高めたい力を考えて いくようにしたが、回を重ねるごとにアレンジを加え たりしながら意欲的に活動する姿に、頼もしさを感じ ることも多かった。 “臨機応変”がポイント ウ “一致団結”しながら 掲示コーナー “初志貫徹”をめざせ! 「伝言ゲーム」 「耳のトレーニング」 「クロスワード」 チーム別にジェスチャーを伝言! 言う側も答える側も力を合わせ ことわざを使ったオリジナルのク うまく伝わるように考えていた。 る中で、協力の大切さを実感! ロスワードを苦労の末考案した。 活動の振り返り 集会の予定ぎりぎりになって準備したり、グループの共通理解が足りなかったり すると、集会の運営がうまくいかないことが多い。そういった反省点を次の集会で 気を付けるように心がけていくことで、少しずつ高まりを見せている。 - 16- ( 5 )「 学 校 に 役 立 つ こ と を し よ う 」( ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 ) 最上級生としての自覚を高めようと始めた活動だったが、回を重ねるごとに反省点が 多くなってきた。そこで、自分たちの取組を見つめ直すことが必要だと、再度話合いの 機会を持ち、共通理解した上で活動を続けていこうということになった。 「朝から校長先 生がそうじして いるよ」 見つめる力 「6年生として何 か役立つことをし たらどうだろう」 「教頭先生に活 動内容を相談し てみよう」 週に1回、 朝からのボラ ンティタイム かかわる力 「活動のお知ら せ板を作ると、 することがわか りやすいよね」 「他の先生方か らもほめてもら ったね」 活動記録カ ードを作って 書いていこう 「がんばった後 はすっきりした 気分になるね」 活動中 かかわる力 見つめる力 「時間に遅れた り真面目にしな い人がいるけど 、 これでいいかな 」 生かす力 もう一度、 みんなで話し 合ってみよう 「一人一人が自 覚をもって、が んばってやって いこう」 ( 6 )「 運 動 会 を 成 功 さ せ よ う 」 (決定事項)○ 運動会でがんばりたいことを書いたカードを、教室に掲示する。 ○ 運動会までの予定表を作る。 ○ 地域の方など、お世話になっている方に案内状を出す。 ○ 運動会当日、赤組白組お互いにエールの交換をする。 お互いに送ったエールの言葉 万国旗のようにして掲示しためあてカード 6年生として思い出に残る運動会にしたいという思いが強かった分、自分たちでやっ て い こ う と い う 意 識 も 高 か っ た 。で も 、台 風 の 影 響 等 で 予 想 以 上 に ハ ー ド な 日 程 と な り 、 バタバタした実践となってしまったことを残念がる感想も聞かれた。 ( 7 )「 秋 の 作 戦 に 取 り 組 も う 」 係活動の活性化も兼ねて、学 級がより楽しく、より盛り上が るような活動を「秋の作戦」と 名付けて取り組んだ。学級の実 態を見つめながら、やりたい活 動を決めて、時間をかけてじっ 【「秋 の 作 戦 」の 活 動 例 】 ◇みんなに読書の機会を増やしてほしい →・読んだ本を紹介するブックレターコーナーを設置 ・自分たちのおすすめの本を、朝の会で紹介 ◇給食の片づけを早くしよう →・給食当番の準備やあいさつの時間等をチェックし、記録 くりかかわっていったこともあ り、少しずつ改良を加えたりし ながらも、やり遂げたという思 いを実感できた子も多かった。 ◇みんなで昼休みに遊ぶ機会をふやそう →・長縄チャレンジ表を作成し、記録を残していく ・新しい遊び(パワーアッププログラム)を考えて紹介 - 17- ( 8 )「 自 分 の い い と こ ろ さ が し を し よ う 」 “自分のことが好き”と言えるようにするためには、自分自身のことをもっと知る必 要がある。それもできるだけプラス志向で自分のことをとらえ、自分に自信をもって活 動できるようになってほしいと思い、自分のいいところさがしに取り組むことにした。 ① 「重ね合う3つの力」を高めるための具体的な手だて 見つめる力 → 自分や学級のいいところさがしのやり方を話し合う。 ア どんなやり方で、いいところさがしをしていくかについて、学級 会で話し合う。 (話合いカード) かかわる力 → 自分や友達、学級のいいところをさがしていく。 イ 具体的な計画を立てて 、実践活動を進めていく 。 ( 掲示コーナー ) ウ 自分は大事な一人なんだという思いを深める 。 ( 内容(2 )) 生かす力 ② → 自分のことをもっと知ってもらう場を設定する。 エ 休日を使って親子で参加できる集会を開き、自分のことをアピー ルする機会にする 。 ( 体育・総合的な学習の時間との関連 ) ア 活動の流れ 実践記録カード 学級会「一人一人や学級のよさを 再発見できるような“よかよか大作 戦”に取り組もう」 (決定事項) ○ 作戦名は「みんな大好き大作戦」に変更 ○ 内容は自分や友達のいいところさがし ・いいとこポストの設置 ・いいとこジャンケン (がんばっていることの発表) ・いいとこバスケット (ミニミニフェスティバルで実施) ・フリー抽選でのいいとこさがし ・いいとこカルタ (親子レクリエーションで実施) イ「みんな大好き大作戦」の取組紹介 ○ フリー抽選でのいいとこさがし ○ ① 朝の会で日直が友達の名前が書いてある カードを引く。 ② 誰を引いたかは知らせずに、一日かけて、 その友達のいいところをさがす。 ③ 帰りの会でみんなに発表する。 いいとこバスケット ① 自分のいい ところを書い たカードを首 にかける。 ② フルーツバ スケットと同 ゲーム感覚で楽しむ中で、お互いの じやり方で遊 よさに目を向けることができた。他の ぶ。 やり方もさがしてみたらと、次の活動 に生かそうとする声も聞かれた。 - 18- ウ 「 大 事 な 一 人 と し て の 自 分 」〔 内 容 ( 2 )〕 ※ 授 業 参 観 時 に 実 施 イメージする将来の自分と今の自分を見つめてみた時、今のままではいけない、これ からの先の自分に自信がない、という答えが大部分だった。そこで、これまでの自分の 歩みを振り返り、自分ががんばってきたことで今の自分があること、たくさんの人に支 えられてきたことなどを感じ取り、前向きに活動する意欲を高めたいと考えた。 事前に尋ねておいた「将来な りたい人のイメージ」の発表 後、今の自分と照らし合わせ 、 自分を振り返るようにした。 自分がかけがえのない一人で あることを感じてほしいと見 せた、胎児の様子や出産の場 面の映像への関心も高かった。 手紙に返事を書くという形で書いた親への思いを代表の子 が発表すると、涙ぐまれる保護者もいらっしゃった。 秘密で書いてもらっておいた 保護者からの手紙を読み、自 分を支えてくれる親の存在の 大きさを再認識できた。 私自身が支えとしている詩を紹介し て、担任からの思いを伝えた。 しんみりと自分のことを振り返 「自分を大事にしよう」学習後の感想です。 る時間となった。続けて「いのち の大切さ」 「産まれた時の自分」 「自 分の“好き度”チェック」などの 活動も行った。この取組の前後に “自分のことが好き”かと尋ねた 結果をみても、成果があったと分 析できる。 アンケートより 「自分のことが好きか」 親からもらったメッセージ あなたのとても元気な産声を聞いた時は、涙が出るほ ど感激しました。とても愛おしく思いました。 これから大人になっていく途中、いろいろな苦労がある かもしれません。でも、プラス思考でそれを乗り越えてい ってください。お父さん、お母さんもいつでもあなたのそ ばで見守っていますから。自分を大切にし、他の人にも優 しくできる人になってほしい。自立し、社会の中できちん と生活できる人になってほしい。 H16.11.7 - 19- 取組前 取組後 0% 20% 40% 大好き あまり好きでない 60% 80% まあまあ好き 好きでない 100% エ 「 心 も 体 も あ た た ま る ポ カ ポ カ 大 作 戦 」( 学 級 レ ク リ エ ー シ ョ ン と し て 休 日 に 実 施 ) ○ 学級会での話合い 今まで行ってきた自分に関する活動のまとめと2学期の活動報告会を兼ねて、親子 で集会を開こうということになった。こうしたいという思いを実践に結びつけようと 主体的に活動する子どもたちの姿には、これまでの取組を通して培った自信が感じら れた。活動のつながりと対応して「重ね合う3つの力」も高まっていると実感した。 自分のよさを、もっ と知ってもらおう。 親子で一緒に楽しめ る時間を持ちたい。 「心も体もあたたまるポカポカ大作戦 」 の内容を学級会で話し合って決めよう 。 生かす力 見つめる力 かかわる力 ○ かかわる力 親に協力をお願いしよう 。 (学級懇談会に説明) か か わ る 力 役割分担して準備しよう。 生かす力 「心も体もあたたまるポカポカ大作戦」当日 パワーアップ プログラム 展示コーナー 平和学習をまとめた 個人のパネルと、2 学期の活動を写真入 りで紹介したカード を展示、子どもたち の成長を嬉しそうに 見ていらした。 (運動遊び) 子どもたちが考 え出した運動に 友達の親と挑戦! 次第に盛り上が っていった。 平和学習のまとめ 友達からもらったカード 自分、担任、学 級のいいところ をカルタの読み 札。これまでの 活動で使ったカ ードを使った絵 札も好評だった。 親からもらった我が子のいいところ できあがり のカルタ 一人一人が自分の役割を果たした後 に、親子で食べた保護者手作りのカレ ーとクレープの味は格別だった。やり 遂げたからこそ味わえた満足感、そし て見られた笑顔だったと思う。 - 20- 親に書いてもらった感想より 写真とカードを使った絵札 いいとこカルタ 自分で作った読み札 修学旅行を通し て平和について の自分の意見発 表と班で考えた 原爆に関するク イズを親に出題、 答えてもらった。 (9)考察 ① 毎回の「今回のポイント」を設定して、提案理由に基づいた話合いとなるように心 がけたことで、話合い活動の充実も図ることができた。この議題で何を話し合い、ど んな活動をしていきたいのか、そのためにはどんな手だてをとっていけばいいのかと いった点をしっかり見つめるようにすると、子どもたちの目的意識もはっきりして、 実践へのやる気も高まった。 〔学級会の議題と「今回のポイント」・抽出児童の活動の様子〕 回 議 題 今回のポイント 1 「学級目標をつくろう」 学 級 会 グ ッ ズ を 使 っ て、話合い学級会の進 め方を確認する。 3 「6の2の目標にある 話合いカードに意見が 4つの力を高めるため たくさん書かれていた にミニ集会を開こう」 ので、その意見をもと に原案をつくる。 4 「最上級生としての自 事前に出てきた意見を 覚を高めるために、学 みんなに知らせて、自 校に役立つことをしよ 分の考えを決めるヒン う」 トにする。 9 「小学校最後の運動会 昨年の取組を振り返っ を心に残るような運動 たり、本に載っている 会にしよう」 例などを紹介する。 14 「親子でできるポカポ どんな活動を伝えたい カ大作戦の計画を立て かといった点から、話 よう」 合いを進めていく。 ② 抽 出 児 (男子) ・四字熟語の意味を考えながら、学級目標を考えていた。 ・掲示物づくりの担当だったが 、「こうしたらいい」と意 見は出していたが、制作にはあまり意欲的ではなかった。 ・理由をきちんとつけて、説得力のある発言をしていた。 ・自分の班が担当の時には、ことわざを使ったオリジナル クロスワードにしようと提案し、率先して活動していた。 行き詰まり出すと友達に指示することが多くなった。 ・司会グループの一員として、 副司会の役割に取り組んだ。 ・活動予定の前日には帰りの会で連絡したり、活動記録カ ードへの記入を呼びかけたりする姿が見られるようにな った。ボランティア活動にはやや消極的である。 ・無理をせずにできるような活動にしようと呼びかけた。 ・運動が苦手だと言いつつも、組体操や全員リレーの練習 にもがんばって取り組んでいた。 ・自分の出した意見が決定したので、上機嫌になった。 ・保護者向けの案内状をつくる担当としてがんばった。 ・当日参加できずにとても残念がっていた。 自分たちで企画し実践できるように、手を出すことを控えるようにした。その分、 悩 み 迷 い な が ら も 自 力 で や り 遂 げ ら れ た 時 の 喜 び も 大 き か っ た よ う で 、「 大 変 だ っ た けどやってよかった」という声も聞かれた。でも、活動内容によっては個人差が大き く 、任 せ っ き り に し て し ま う と「 で き な い か ら お も し ろ く な い 、や り た く な く な っ た 」 と意欲が減退してしまうこともある。友達同士のかかわりを大事にしたり、教師の適 切な支援や働きかけを考えたりしながら、安心して活動できるような学級の支持的風 2学期末の振り返りカード 土をつくっていかなければならない。 ③ 学級会等でいくら時間をかけて話し合って決め たことでも、その後の実践活動が大事になってく る。活動していく中で、また新たな課題にぶつか ることもあるだろうし、もっといいやり方を思い つくかもしれない。型にはまった活動よりは、自 分たちのアイディアを出し合ったり、失敗体験を 生かしたりしながら取り組む方が楽しいし、積極 的に活動にかかわることができる。また、活動し たことを伝える場を設けることで、自分たちの歩 みを振り返ることにもなり、次の活動にもつなが っていく。様々な活動を通して、自分が体験した ことを生かせるような自分に高めてことが必要で あるとあらためて感じた。 - 21- 赤線は1学期の評価 2 「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の 実 践 よ り 〈ねらい〉地域に生きる一人として、課題を解決 していく中で 、自分の生き方を考える。 (1)活動内容 (2)他の教育活動との関連 ・学級活動「話合い活動 の充実」(話合いの仕方 や課題の決め方など) ・道徳「知らんぷりはで きないよ」(車いすの方 に接するときについて) ・国語科「学級討論会を しよう」(討論会や話し 合いの進め方について) ・図工「未来に生きる私」 (将来の自分をイメージ して粘土で表現する) ・学級活動「自分のいい ところさがし」(自分の よさを見付け、生かして いこうとする) (1)身に付けさせたい学習要素 〔主な活動〕 (3)教師の支援・働きかけ 「自分史づくり」 (いろいろな方の支えがあって成 長できたことを感じとることが できるようにする) ・国語科「自分の考えを 発信しよう」(自分の考 えを資料を効果的に使っ て発表する) 「先輩からの講話」 (いろいろな分野で活躍されてい る方の話を聞き、今後の活動の ヒントにする) 〈A,E,F,J〉 「将来の自分像」 (どんな自分になりたいか、どん な仕事をしたいのか、将来の自 分をイメージする) 〈A,B,G,J〉 「レッツチャレンジ」 (田迎に生きる一人として、今の 自分にできることに取り組んで いくことができるようにする) 〈A,B,E,H,I〉 「自分からのメッセージ」 ・家庭科「近隣の人々と の生活を考えよう」 (地域の方とのふれあい) (これまでの活動をまとめて発表 する。また、自分のよりよい将 来についても考える) 〈C,E,F,H,I,J〉 ( 2 )「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の 充 実 を 図 る た め の 手 だ て ① 課題解決学習のサイクルを身に付ける。 課題に気付く−課題解決に取り組む−考えをまとめる 生かす力 ② かかわる力 見つめる力 人とかかわる機会を増やす。 ③ 自分の思いを伝えたり、自分の考えを発信したりする 場を大事にする。 ④ 来事などを紹介し、振り 返りやすくする。 〈A,G,J〉 ・学校行事「修学旅行」 (被爆体験などを聞き、平 和学習に取り組むなど) ◆主な活動や記憶に残る出 活動を通した学びを自分自身で振り返るようにする。 - 22- ◆国際ボランティア、環境 や福祉問題など、様々な 分野の方との交流をもつ ことで、今後の活動に見 通しがもてるようにする。 ◆将来の自分の姿をイメー ジすることで、これから どんなことに取り組んで いきたいのかを考えるよ うにする。 ◆これまでの活動を振り返 り、ウェビングなどしな がら自分でやりたいこと を決めるようにする。 ◆課題解決に当たっては、 見通しをもって活動でき るようにアドバイスする 。 ◆これまでの活動をもとに 、 伝えたいことを発信する 場を設定する。 ◆これからの自分の生き方 を考えるようにする。 ( 3 )「 自 分 史 づ く り 」 これまでの6年間を振り返る活動を通して、たくさんの人に出会い、支えられてきた ことに気付くことができたし、自分自身も成長を見つめるいい機会になった。 ( 4 )「 先 輩 か ら の 講 話 」 様々な分野で活躍されている方の講話は、説得力があり同感だと思う点や考えさせら れることなども多く、自分自身を見つめる上で大変効果があった。 クリスティーネハナコさ ん( 国際交流員・ドイツ ) 浜辺誠司さん (天明水の会) 最相博子さん (地雷被害者支援の会) 倉田哲也さん (障害者労働センター) 外国の言葉や生活 文化の違いについて 水の環境を守る活動に ついて 国際ボランティア の活動について 障害者の問題について ( 5 )「 将 来 の 自 分 像 」 将来の自分をイメージすることで、これからどんな力を付けていくことが必要かを考 える機会になった。国語科や図画工作科の学習と関連付けることで、より具体的にイメ ージを広げ、夢の実現に向けて自分の力を高めようという意識の向上にもつながった。 ( 6 )「 レ ッ ツ チ ャ レ ン ジ 」 2学期は自分で課題を決め、その課題解決に向けてグループごとに活動していった。 見つめる力 → これまでの活動をもとに、自分が一番やってみたいことを考える。 かかわる力 → 課題解決に向けて 、取材活動や体験活動など積極的に取り組んでいく 。 生かす力 → 活動報告会を開き、自分たちの活動やそこで学んだことを伝える。 できた課題別グループと主な活動の様子 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ グループ名 ユニセフ 田迎の宝物 バリアフリー ケアセンター 地域とのふれあい 水の環境 地 雷 麻薬撲滅 環 境 伝統文化 花づくり 主な活動 ユニセフの活動について 学校周辺の歴史物の調査 田迎の町で見付けたバリアフリー 老健施設の高齢者との交流 地域の各種団体の活動 EMぼかし団子を作って投入 地雷被害や廃絶運動について 麻薬の被害の恐ろしさ 森林と水の環境の関連 地域に伝わる伝統文化 地域の花づくりについて ⑫ 二の井手の活動 二の井手のことをもっとたく さんの人に知らせる 発表資料 パネル パネル 地 図 パネル 年 表 パネル パネル パネル カード カード パネル プレゼン パネル ビデオ ④ケアセンターでの取材 ⑤各種団体長への取材 ⑥ぼかし団子づくり - 23- 教師の支援・働きかけ 他の学級で集めた資料を紹介 写真を効果的に使った資料づくり 実際に歩いてみて探すことをアドバイス 施設の担当者とのきっかけづくり 地域の方への取材依頼 材料の手配、安全面でのサポート 最相さん(地雷被害者支援の会)との連絡 資料の提供 森林の仕事をされている方への取材依頼 田迎大太鼓保存会の練習への参加 花卉農家の方への取材依頼 早朝の花市場への取材同行 資料を届ける学校との連絡・引率 対外的な発表の場への参加 ⑩田迎太鼓の体験 ⑪花市場での体験 ( 7 )「 自 分 か ら の メ ッ セ ー ジ 」 課題解決活動に取り組むに当たっては、自分たちの活動をアピールしたり他者からの 評価を受けたりする場の設定にも努めた。自分の活動を認めてもらえた、相手に思いが 伝わったという体験で自信を深め、更には次の活動への意欲にもつながり、自分が体験 したことを生かそうと前向きに取り組む姿が見られた。 「肥後の水資源愛護賞」 授賞式への参加 「九州 川のワークショ ップ2004」への参加 これまで行ってきた二 二の井手の活動をもっと多 の井手の活動が認めら くの人に知ってもらおうと れての受賞である。 二の井手チームが参加した。 有志3人で二の井手の活 他校への活動紹介 (本荘小・春竹小・ 田迎南小) 二の井手をきれいにす 動をまとめた新聞を制作 る活動への理解と協力 し作品が認められた。 を依頼しに行った。 「 川の壁新聞コンテスト」 に応募し、入賞(入選) 「6年3組の友達に向けて活動報告会」 シティF の水野さ による発 の仕方の ドバイス M ん 表 ア 堂々と発表中 ゲストの 竹田さん からもほ めてもら いました (8)考察 ① 各自が見付けた課題解決に向けて活動していく総合的な学習の時間の学習過程と、 「重ね合う3つの力」を高めるという点では重なる部分が多く、意識しながら実践す ることができた。特に、体験活動や既習の学習事項などを見つめたり、対象とかかわ ったりすることで、自分の目的意識をしっかりもち活動することができた。 ② 課題解決への意欲が高まると、積極的に活動し、その活動にやりがいを感じること になる。その中で見えてくる新しい課題、もう一歩上を目指した取組にチャレンジす るとき、これまで培った「重ね合う3つの力」を生かせるようにすることで、自分自 身 を 高 め る こ と が で き る 。ス モ ー ル ス テ ッ プ で も い い か ら 、自 分 で よ く 考 え て 実 行 し 、 やり遂げる体験を重ねていくことが大切である。更には、一つ一つの活動の区切りで 自分の活動を振り返り、軌道修正しながら活動をつなげるようにすることで、自分が や っ た と い う 手 応 え を 感 じ 、“ 自 分 の こ と 好 き ” と い う 思 い を 感 じ る こ と に も つ な が っていく。 ③ 総合的な学習の時間では、人とかかわる場面も多い。一緒になって活動する中で、 その人のよさや参考になる点などを生かすようにすれば、更に自分自身の活動の幅を 広 げ る こ と が で き る 。子 ど も た ち に 情 報 提 供 で き る よ う に 、私 自 身 の ア ン テ ナ を 広 げ 、 人とのかかわりを広げていかなければならない。これからも教師として頼りにされる 存在でありたいと考えている。 - 24- 3 「 体 育 科 ( 保 健 学 習 も 含 む )」 の 実 践 よ り (1)活動内容 〈ねらい〉自分の体力や健康に目を向け、 よりよい生活習慣を身に付ける。 (1)身に付けさせたい学習要素 (2)他の教育活動との関連 ・学級活動「話合い活動 の充実」(意見のまとめ 方や決定の仕方 など) (3)教師の支援・働きかけ 〔主な活動〕 「体つくり運動Ⅰ」 ◆運動への苦手意識が少し でもなくなるように、楽 しみながら体力つくりが できるような工夫をして いく。 (自分たちで考え出した“パワー アッププログラム”を活用しな がら、自分の体力を高めるよう にする) 〈A,C,I,J〉 ・道徳「嘉悦孝子」 (高い目標に向かって、く じけず努力する) ◆養護教諭や学校栄養職員 をはじめとして、専門的 な立場の人とのかかわり を深めるようにする。 「病気の予防」 (保健) ・総合的な学習の時間 「レッツチャレンジ」 (麻薬撲滅チームの活動) (生活習慣病や薬物乱用が体に与 える影響について知り、自分自 身で健康な生活を送ろうという 意識を高めることができる) ◆正しい知識を習得できる ように、情報の提供や資 料提示の仕方などを工夫 していく。 〈A,C,E,I,J〉 ・家庭科「楽しい食事を 工夫しよう」(バランス のとれた食生活について) ・学級活動「自分のいい ところさがし」(自分の よさをもっと伸ばしてい こうとする) 「体つくり運動Ⅱ」 ◆運動の機会を増やし、自 分で自分の健康をつくっ ていくという思いが高ま るような手だてをとる。 (体力の向上を目指し、簡単にで きる運動や親子でできるような 運動に取り組んでいく) 〈A,C,I,J〉 ( 2 )「 体 育 科 ( 保 健 学 習 も 含 む ) の 充 実 を 図 る た め の 手 だ て ① めあて学習・課題解決学習を進めていく。 体育科 保健学習 めあて学習 課題解決学習 ・自分なりのめあてを立てる ことができる 見つめる力 ・課題を発見し、その課題に 対しての学習意欲や関心を 高めることができる ・練習方法を工夫したり、友 達とかかわり合ったりしな がら、練習する かかわる力 ・課題解決に対して見通しを もち、学習する中で、子ど もなりの答えを見つけ出す ・高い技能の習得を目指して さらに練習方法を工夫した りしていく 生かす力 ・学習したことをもとに自分 の生活に生かしていこうと する意識をもつ ② 学 習 カ ー ド の 活 用 を 図 っ て い く 。( め あ て と 自 己 評 価 ) ③ 情 報 提 供 に 努 め る 。( I T の 活 用 、 ヒ ン ト カ ー ド 、 専 門 的 な 立 場 か ら の 支 援 ) ④ 友達との教え合いなど、かかわりを大事にしていく。 - 25- ( 3 )「 体 づ く り 運 動 Ⅰ ( パ ワ ー ア ッ プ プ ロ グ ラ ム )」 私が県体力向上推進委員会のメンバーであることから、昨年度に体力つくりをねらい とした簡単な運動を子どもたちと一緒になって考え、まとめたものが「パワーアッププ ログラム」である。体づくり運動への取組として、体力テストの結果を参考にし、高め たい力を洗い出し、このパワーアッププログラムにチャレンジいくことにした。自分た ちが考え提案した運動なので、楽しみながらとても意欲的に活動することができた。 見つめる力 生かす力 かかわる力 体力テストの実施 | パワーアップナビの活用 めあてに向けての取組 | ・友達とのかかわり ・練習方法の工夫 ・学習意欲の継続 | どんな力が高まったのか (体力テスト診断ソフト) ※県体力向上推進委員会で作成 | どんな力を高めたいのか 学習の振り返り | ・がんばった点 ・伸びたと思うところ ・見えてきた課題 | 次にどんなことをするか 自己評価 めあての決定 次のめあての設定 体力テストの結果などを参考にして自分の高めたい力を洗い 立ち幅跳びに挑戦 出したことで、自分のめあてとして、はっきり意識することが できたし、学習にも精力的にかかわる姿が多く見られた。1時 間の学習を通して自己評価したことを生かして、次時のめあて 設定にも役立てた。声をかけ合って活動する姿に、友達とのか かわり合いを大事にしてきた成果を感じた。 ( 4 )「 病 気 の 予 防 」( 保 健 学 習 ) 子 ど も た ち は 、 興 味 ・ 関 心 の あ る 活 動 や 事 象 に 出 合 っ た 時 、「 も っ と 知 り た い 、 や っ てみたい」という意欲をもつ。教師からの一方的な知識の伝達で終わらないようにする ために、導入段階で学習意欲が高まるような手立てを心がけたことで、自分の課題をし っかりもつことができた。見つめる力を高めることが、この後の課題解決への意欲にも つながり、主体的に学習する力を高めることにもなるということを感じた。 薬物乱用 ・薬物乱用防止キャラバンカーで の学習、元麻薬取締官の講話 ・ビデオや写真などの提示 もっとくわしく調べてみたい 薬物の怖さを多くの人に伝えたい (総合的な学習の時間での取組へ ) 近視の予防 ・「 ねずみ君はテレビっ子」の話 (姿勢の悪さ、暗い部屋での読書 テレビの見過ぎ など) 糖分のとりすぎ ・ジュースに含まれる砂糖の量を 糖度計を使って測定 ・一日に摂取していい砂糖の量 自分もだぶるところがあるぞ 糖分を摂りすぎるとどうなるのか 目の健康を考えた生活をしたい 今のうちから生活習慣を整えよう (家庭での協力も依頼) - 26- (学校栄養職員の授業参加) ( 4 )「 体 づ く り 運 動 Ⅱ ( パ ワ ー ア ッ プ プ ロ グ ラ ム )」 学習カード 体力を高める運動を他にも提案しようというこ とから、夏休みを利用して考えたり、係活動の一 つとして本などを使って調べたりした。道具や場 所がなくても手軽にできる運動にした方が取り組 みやすい、という前回の反省点を生かしながら新 種目を考えていく子どもたちの姿には、自信が感 じられた。各自高めたい力、めあては違うにして も、自分たちで考えた種目に挑戦するということ で、運動があまり得意でないという子もやる気を 出して取り組んでいた。休み時間の遊びとしても 楽しむ姿も見られた。 「落とさず走れ」 友達のグッドポイントも発見! 「V字足じゃんけん」 更には、自分たちのがんばりを知ってもらいたいという気持ちから、他の学級にも道 具類を貸し出したり、親子で挑戦したりした。運動の機会も増え、体力アップはもちろ ん、健康づくりにも効果的だと話す笑顔が見られて嬉しかった。 (5)考察 ① めあて学習や課題解決学習でも、自分の体力や運動能力、生活習慣などをしっかり 見つめて、自分に合っためあてや課題を持つことが大切である。個人差はあっても、 めあてを達成した時の喜びは同じだし、それが自信となって次のめあてに向けてがん ば る こ と が で き る 。「 重 ね 合 う 3 つ の 力 」 が 更 に 高 ま る よ う に 、 多 様 な 学 習 の 場 や 機 会の確保、それに一人一人に合った支援を心がけながら、子どもたちの活動が十分保 障できるようにしていく必要性を感じた。 ② 「グッドポイント発見」ということで、学習カー ドによかった点やがんばったところを書く欄を設け たり、動きのヒントになることを紹介するコーナー を設置したりした。回を重ねるにつれ、多様な気付 きを出し合うようになり、認め合いの場としても役 立てていった。こうした自分や友達のよさに目を向 ける取組は、プラス志向で取り組むもうという意欲 も高めるのに効果的である。 ③ 友達同士の教え合いや課題解決への取組など、友達とかかわり合う中で、お互いの ことが分かり親しさが増した気がするという子も多かった。自分のことを理解してく れる人がいる、自分のしたことを認めてくれる人がいるということは、活動を進める 上でも大きな支えとなり、活動のエネルギーにもなるということを確信した。 - 27- Ⅶ 研究のまとめ 1 活動を振り返って 身に付けさせたい学習要素について、どれくらい高まったか尋ねた結果である。 ○ 様々な活動に、主体的にかかわること、 課題に気付き、それを解決していこうとする 意 欲 も 高 ま っ た こ と で 、〈 A , C , E 〉 の 力 も付いたと思う。 ○ 友達と一緒に活動する体験も多かったの で、協力し合うこと大切さやゆずり合う気持 ちも必要だということを考えられるようにな っ て い る 。〈 G , H 〉 ○ 自己評価では、価値規準が人それぞれ違 うので、自分の伸びに目を向けるようにアド バ イ ス し て き た 。〈 I , G 〉 A:課題を見付ける力 B:見通しを持つ力 C:自分で決める力 D:企画・運営する力 E:情報交換する力 1 F:前向きに考える力 G:自他を認める力 H:自分の思いを伝える力 I:自己評価する力 J:次につなぐ力 0 10 20 30 人 また、2学期末に行った自己評価の結果をもとに考察してみる。 ○行事や活動にどれだ け、自分がかかわっ たかによって、自己 評価の点数もかわっ ていた。 ○全体の活動としては よかったが、自分の 取組が不十分だった ということで、評価 を下げたという子も いた。 ○2学期末の振り返り にまとめて行った評 価資料である。活動 後に評価しておくと 役立つ点もあったの ではないかというの が、私自身の反省点 である。 ※自己評価(4…がんばった∼1…がんばらなかった) 〔健康な生活・体力つくり〕 〔学級の一員〕 72 50 0 50 1学期, 54 2学期, 77 68 70 100 総合的にみた結果 59 56 51 0 〔課題解決活動〕 100 0 50 100 ◆抽出した児童のカードより(総合的な評価と感想)◆ ( 好 き 度 ) 結構責任がないところがあったけれ (男 子) 30% ど、それなりにがんばれたし、自分 ↓ としてはよくなったところも多いと 50% 思います。 ( 好 き 度 ) 後回しにしてあせることもあったの (女 子) 50% は反省点だけど、最後には「よかっ ↓ た」と思うことも多かったので、や 80% ってよかったです。 - 28- 0 50 100 1学期 2学期 最後に、今回の取組をやってみての、子どもたちの感想を紹介する。 “自分のことを好き”と思った場面 取組を終えて ・自分のしたことが結果となってあ らわれたとき ・自分のよさが発揮できたとき ・ほめられたりしたとき ・自分の成長を感じたとき ・どんな場合でも自分が勝てたと思 ったとき 2 子どもたちの感想より ・地域の人たちとふれ合いながら、どんど ん恥ずかしくなくなりました。 「自分はこ んなことができるんだ」と確信すること ができました。 ・自分たちがしてきたことを振り返ると、 いろいろと形になって残っていることも あって、 「すごいなあ」と思っています。 成果と課題 重 ね 合 う 3 つ の 力 を 意 識 し な が ら 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言 え る 子 ど も の 育 成 を 目 指して実践してきたことを振り返り、成果と課題について考えてみる。 ① 「どの教育活動でも実践可能である」 今回、学級活動を柱にし、総合的な学習の時間や体育でも「見つめる−かかわる− 生かす」力を高めることをねらって実践をしたが、めあてや課題など目的意識をしっ かりもつことが、活動への意欲につながると言うことが実証できた。各教科等のねら いや特性は違っていても、目的意識がはっきりしていると、その後の課題解決に向け ても主体的に取り組めるし、その成果を生かせる、という点では共通している。 → ② この後、どの教育活動でも活用できるような活動過程を考えてみたい。 「失敗体験も大切である」 自分では精一杯がんばったと思ったことでも、結果はうまくいくとは限らないし、 結果の受けとめ方も人それぞれである。活動した中で得たものはたくさんあるし、再 度挑戦することもできる。失敗した後をそのままにしないことが大切で、その原因を 探ったり次の手だてを考えたりする必要がある。そこには、友達のかかわりや教師の アドバイスを生かしながら、いかに次につなぐかが大事になってくる。失敗をバネに して次の一歩を踏み出したことで見えてくるものもあるし、やり遂げた後の喜びも味 わうことができる。いろいろと体験したことを、どう自分の生活に生かしていくよう にするかを考え、実践に結び付けていくようにすることが大切である。 → ③ 子どもたちが安心して活動できるような、学級づくりに努めていきたい。 「子どもに任せていいところは任せていい」 私自身「待ちの姿勢」を心がけてきた。手を貸せばスムーズに事が運ぶかもしれな いと思っても、できるだけ子どもたちに任せるようにした。自分たちの力でやれるだ けやってみようと意欲を見せた時、子どもたちの生き生きと活動する姿が見られた。 でも、活動が行き詰まったり、友達関係がうまくいかなかったりした時など、教師が 出る場面を見極めて、かかわっていくことが必要である。 → 一人一人を大事にしながら、子どもの必要感に応えられる教師でありたい。 自 分 な り に 目 標 意 識 を 持 ち 、 主 体 的 な 活 動 を 積 み 重 ね る 中 で 、「 重 ね 合 う 3 つ の力 」 も 高 ま り 、自 信 を も っ て 活 動 す る こ と が で き る 。そ う し た 体 験 を 通 し て 、 “自分のことが好き”と言える子どもの姿へと高まっていく。 - 29- おわりに 私は3月末に、腰を骨折というけがをした。幸い入院も手術もせずにすんだが、コルセ ットで固定し、できるだけ安静にしなくてはいけないという状態になった。4月になり、 年度初めの忙しさの中、学級担任としてもやるべきことは多いのに、自由に動けないこと で 仕 事 が は か ど ら ず 、 い ら だ っ た り あ せ っ た り す る こ と も 多 か っ た 。 で も そ ん な 時 、「 先 生 手 伝 い ま し ょ う か 」 と 手 を 貸 し て く れ る 子 ど も た ち 、「 で き る こ と が あ っ た ら 言 っ て く だ さ い 」 と 手 伝 い を 申 し 出 て く だ さ っ た 保 護 者 、「 無 理 し な い で ね 」 と 気 づ か っ て く だ さ る先生方に支えられて、乗り切ることができた。回復していく喜びはもちろんだが、温か いサポートもありがたく、嬉しいものだった。こうした体験は何でも自分でやれると思っ てきた私にとって、自分自身を振り返るいい機会になった。自分がどれだけ子どもたちを はじめとする、周りの人たちに支えられているのかを実感することができた。手助けして く れ る 優 し さ に ふ れ る た び 、 様 々 な 形 で の 励 ま し に 甘 え る た び に 、「 あ り が と う 」 の 言 葉 と共に、相手との距離も近くなっていく気がした。人とのふれあいって素敵なことだな、 とあらためて実感した気がする。そして、素直に自分を表現できる自分を、何かいいな、 好きだなと思えた。また、周りに支えられながら、自分にできることをがんばろうとする 自分も好きだなと感じた。けがをきっかけにして自分自身を見つめ直すチャンスをもらう こ と が で き 、 ま さ に け が の 功 名 だ っ た 。“ 自 分 の こ と が 好 き ” だ か ら 、 も っ と が ん ば ろ う と思えるし、そうしてがんばるからまた“自分のことが好き”と感じる。そう思ったこと が、今年度の学級づくりのテーマ「大好きな友達、学級、そして自分をつくっていこう」 につながったのである。 子どもたちが考えて作ってくれた読み札 そして、様々な活動に取り組んできた中で、自信をも っ て 活 動 す る 場 面 が 多 く な り 、“ 自 分 の こ と が 好 き ” と 言える子どもも増えてきているし、私自身も“自分のこ とが好き”と言える場面に出会うことができた。6年2 組 が ま す ま す “ 好 き ” に な っ た 。「 自 分 を 大 事 に で き る 人は、人も大事にできる」と言われる。これから先いろ い ろ な こ と を 体 験 し て い く 子 ど も た ち だ が 、“ 自 分 の こ とが好き”と言えるように、自分を見失わずまっすぐに 自分の選んだ道を歩いていってほしいと願っている。 今回の研究実践に当たっては、子どもたちをはじめと して、保護者や地域の方の協力、本校の先生方に様々な 形 で 協 力 し て い た だ い た 。こ の 実 践 を 通 し て 学 ん だ こ と 、 実感したことをエネルギーにして、これからもがんばっ 私のいいとこカルタ ていきたいと思う。支えてくださった多くの方々に、感 謝の気持ちでいっぱいである。 〔主な参考文献〕 ○ 新学習指導要領 解説書 文部省 ○ 初等教育資料 東洋館出版社 ○ 特別活動研究 明治図書 - 30- 子どもからもらったメッ セ ー ジ