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旭川市商店街の活性化に関する条例(仮称)素案の概要
旭川市商店街の活性化に関する条例(仮称)素案の概要 1 条例の目的 この条例は,商店街が地域のにぎわいづくり並びに地域コミュニティの維持及び 強化に果たす役割の重要性に鑑み,商店街の活性化に関する基本理念を定めるとと もに,事業者,商店会,経済関係団体,大型店,市等の責務を明らかにすることに より,商店街の活性化を図り,もって地域の発展及び市民生活の向上に寄与するこ とを目的とします。 【解説】 ・商店会は,地域に根付き,地域から離れては存続し得ない組織であり,身近な買物 の場としてだけではなく,祭りやイベントの実施など地域のにぎわいを創出すると ともに,防犯・防災,高齢者・子育て支援等の地域課題の解決など,住民が憩い・ 交流し,安心して生活するための地域コミュニティの核として重要な役割を果たし ています。 ・しかしながら,近年,郊外の大型量販店の出店のほか,車社会の進展やインターネ ット販売の普及をはじめとした消費者の買物行動の変化など,社会経済環境の変化 に伴い,商店街の商店数が減少しており,また,経営者の高齢化や後継者不足,商 店会への非加入店舗の増加等により,商店会の弱体化や活力低下が生じ,商店会が 本来持つ役割を果たせなくなってきているのが現状です。 ・商店会が衰退することは,市内の各地域コミュニティの維持・存続についても少な からず影響があり,さらに地域住民の日常の買物の場が失われると,地域住民の暮 らしにも影響してきます。 ・このため,本条例では,商店街の活性化に関する基本理念と商店街に関わる様々な 主体の責務を定めることにより,商店街の活性化を図り,その結果,地域の発展や 市民生活の向上を図ろうとするものです。 2 定義 ○商店街 ○事業者 ○商店会 ○経済関係団体 小売業,飲食業,サービス業等が集積している地域をいいます。 商店街において事業を営む者をいいます。 商店街の活性化を目的として組織する事業者の団体をいいます。 商工会議所,商工会その他地域経済の振興に関する活動を行う団 体をいいます。 ○大型店 大規模小売店舗立地法に規定する大規模小売店舗をいいます。 ○建物所有者等 商店街において土地又は建物を所有している者及び事業者に土 地又は建物を貸し付けている者をいいます。 【解説】 ・この条例で使われる用語を定義します。 ○商店街 小売業,飲食業,サービス業などが集まっている,又は連なっている地域をいい ます。その規模は問いません。 ○事業者 小売業,飲食業,サービス業だけでなく,商店街で事業を営む全ての業種を含み ます。 ○商店会 商店街振興組合のように法律に基づいて設置された団体のほか,商店街の活性化 を目的として複数の事業者で組織された任意の団体を含みます。 旭川市内には,7つの商店街振興組合のほか,22の任意の商店街組織の合計 29の商店会があります。 ○経済関係団体 商工会議所,商工会のほか,その他地域経済の振興に関する活動を行う団体とし て,経済活動支援やまちづくりに関係する会社やNPO法人を含みます。 ○大型店 市内に立地する店舗のうち,飲食店やサービス部門を除く小売に係る店舗面積が 1,000㎡を超える大規模小売店舗をいいます。 ○建物所有者等 商店街で土地や建物を所有している方や事業者に土地や建物を貸している方を いいます。 3 基本理念 市民,事業者,商店会,経済関係団体,大型店及び市は,商店街が地域のにぎわ いづくり並びに地域コミュニティの維持及び強化に果たす役割の重要性を認識し, 協働してその活性化に努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を果たすための基本的な理念を定めます。 ・この条例では,商店街に関わる各主体が,商店街が果たす役割の重要性を認識する とともに,各主体が,目標を共有し,共に力を合わせて行動することで,商店街の 活性化に努めることを基本理念とします。 4 事業者の責務 ○事業者は,商店街の活性化を図るため,商店会への積極的な加入に努めるものと します。 ○事業者は,商店会が商店街の活性化に関する事業又は地域課題の解決のための取 組を実施するときは,積極的に参加するとともに,当該事業等に協力するよう努 めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,事業者が果たすべき役割を定めます。 ・商店街の活性化のためには,商店会の組織自体に活力があることが重要であり,事 業者は,商店街で事業を営む一員として,一体となって商店街を活性化していく立 場であることから,商店会への積極的な加入に努めることとします。 ・商店街の活性化のためには,地域の事業者が一体となって商店会の活動に取り組む ことが重要なことから,事業者は,商店会に加入するだけではなく,商店会の事業 や取組に積極的に参加し,協力するよう努めることとします。 5 商店会の責務 ○商店会は,地域のにぎわいづくり並びに地域コミュニティの維持及び強化を図る ため,商店街を活性化する事業又は地域課題の解決のための取組を積極的に進 め,魅力ある商店街の形成に努めるものとします。 ○商店会は,商店街を活性化するために市民の意見の聴取に努めるものとします。 ○商店会は,その組織の基盤を強化するため,事業者の商店会への加入促進及び商 店会相互の連携に努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,商店会が果たすべき役割を定めます。 ・商店会は,商店街の活性化を図る上での中心的な主体として,商店街を活性化する ための事業や取組を積極的に進め,魅力ある商店街を作り上げていくことが重要で す。地域の事業者が商店会に加入したい,商店会の事業や取組に参加したい・協力 したいと思えるような商店会となるよう,商店会自身の努力も必要です。 ・商店会は,地域と密接な関わりを持った組織です。商店街の活性化のためには,地 域の住民の意見を聞き,住民の意見を商店会の活動に生かしていくことも重要なこ とから,地域の関係者を集めた会議の場での意見交換や商店街利用者のアンケート など,市民の意見の聴取に努めることとします。 ・商店街の活性化のためには,商店会の組織自体が安定し充実していることが不可欠 です。このため,商店会の組織をより強固なものにするため,事業者の商店会への 加入促進や商店会相互の連携に努めることとします。 6 経済関係団体の責務 経済関係団体は,事業者に対する経営の指導,経営に関する情報の収集及び提供 並びに事業者との共同事業の実施等を通じて,商店街の活性化に努めるものしま す。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,経済関係団体の果たすべき役割を定めます。 ・商店街の活性化のためには,商店会を構成する個々の事業者が自ら努力し経営基盤 の強化を図ることも重要ですが,経済関係団体の役割として,個々の事業者を経営 面でサポートしバックアップすることや,事業者と共同で事業を実施することなど により,商店街の活性化に努めることとします。 7 大型店の責務 ○大型店は,「4 事業者の責務」に記載の内容のほか,地域において商業を営む 者の一員として,地域社会に貢献するための活動を行うなど,当該地域における 商業の発展に寄与するよう努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,大型店が果たすべき役割を定めます。 ・大型店は,事業者に含まれるものですが,その規模などから地域社会への影響も大 きいことから,事業者とは別に大型店に関する役割として,地域社会に貢献するた めの活動を行うなど,地域の商業の発展に寄与するよう努めることとします。 8 建物所有者等の責務 建物所有者等は,事業者の商店会への加入の支援に努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,建物所有者等が果たすべき役割を定めます。 ・事業者の商店会への加入の支援として,具体的には,事業者が建物に入居する際に 商店会への加入を斡旋する,建物所有者が商店会の会費を負担することなどが考え られます。 9 市の責務 ○市は,市民,事業者,商店会,経済関係団体及び大型店と協働して,商店街の活 性化のために必要な施策の推進に努めるものとします。 ○市は,商店会が実施する商店街の活性化に関する事業又は地域課題の解決のため の取組に対して,必要な支援に努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するために,市が果たすべき役割を定めます。 ・市は,各主体と協働して,商店街の活性化のために必要な施策の推進に努めること とします。 ・商店街の事業や取組に対する市の支援には,商店街の活性化に関する条例の制定の ほか,商店会に対する補助金の交付など金銭的な支援や,商店会イベントへの参 加・協力,商店会活動に対する助言など人的な支援も含みます。 10 市民の協力 市民は,商店会が実施する商店街の活性化に関する事業又は地域課題の解決のた めの取組に協力するよう努めるものとします。 【解説】 ・条例の目的を実現するためには,市民の協力が不可欠なことから,市民の皆さんに 協力していただく内容を定めます。 ・この条例では,市民の皆さんに,商店街が地域コミュニティの核として重要な役割 を果たしていること,商店街の活性化は,自分達の地域の発展や自らの生活の向上 につながることを理解していただき,商店会の事業や取組に協力するよう努めるこ ととします。 11 委任 この条例の施行に関し必要な事項は,市長が定めることとします。 【解説】 ・条例の施行に関して必要な事項があれば,市長が規則などで別に定めることとしま す。