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1 福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた主な対策について (基本

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1 福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた主な対策について (基本
福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた主な対策について
(基本的考え方)
○ 今般の事故を踏まえ、津波により全交流電源及び原子炉等冷却機能の
喪失が生じた場合においても、炉心損傷等のシビアアクシデントを防止す
るため、既に緊急安全対策を講じてきたところ。
○ その上で、IAEAへの報告書において究明された現時点での事故 原
因と課題を踏まえ、事業者における更なるシビアアクシデント対策と国・自
治体等における防災対策等について、短期、中長期それぞれの包括的な
原子力安全強化対策を打ち出すもの。
1.短期対策
シビアアクシデントが発生しても、被害拡大を迅速に防止する観点から、以
下の取組を追加緊急安全対策として、事業者に指示。
○ 水素爆発防止対策の強化(建屋の穴あけの手順の策定と訓練、ブローア
ウトパネル開手段確保など水素放出口の確保)
○ 事故対応環境の強化(トランシーバーや可搬式照明装置の確保、中央
制御室の放射線遮蔽機能の維持などのインフラ整備)
○ 事故時の放射線被ばくの管理体制の強化(事故時用の個人線量計の確
保。事故時に放射線管理の要員を拡充できる体制整備)
○ 緊急時対応資材の管理(がれき処理のための重機、マスクや防護服等
の確保、事業者間の融通手順)
2.中長期対策
更なる安全性向上を図るため、下記事項に取り組む。
(1) シビアアクシデントの防止策の強化(事業者)
・ 地震・津波等への対策強化(耐震バックチェックの早期完了、テロ対策)
・ 電源の確保(蓄電池の大容量化、制御機器や電源盤の上層階・高台への
分散配置、燃料タンクの耐震強化)
・ 冷却機能の確保(大規模淡水タンクの耐震強化、空冷式冷却システムの
開発、使用済燃料のドライキャスク貯蔵導入)
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(2) シビアアクシデントへの対応策(事業者)
・ 水素爆発対策強化(原子炉建屋における可燃性ガス濃度制御系の設置)
・ 格納容器ベントシステムの強化(ベントへのフィルター設置)
・ 事故対応環境の強化(緊急対策室の免震・遮へい・人員収容力の強化)
・ シビアアクシデント対応の訓練強化、資機材・レスキュー部隊の整備
(3) 原子力防災対応の強化(国・自治体)
・ 現地と中央等の意志決定機能の徹底
(オフサイトセンターの通信機能の強化、代替センター(バックアップオフサ
イトセンター)の整備、各電力会社と政府関係機関を連結したテレビ会議シ
ステムの構築)
・ 原子力災害時の広域避難や放射線防護基準の明確化(緊急時計画区域、
食品・子どもの被ばく関連の基準の見直し)
・ 自然災害と原子力事故との複合事態への対応(中央防災会議等で 府省
横断的に検討を行い、地方自治体の防災計画に反映)
(4) 安全確保の基盤の強化(国・自治体)
・ 原子力安全規制・防災の行政体制強化
(保安院分離など規制体制の見直し、各種防災業務の役割分担明確化)
・ 原子力安全・防災に係る法体系や基準・指針類の整備・強化
(原子炉の設計要求事項の見直し、確率論的安全評価(PSA)の活用、新
耐震指針への適合の法令要求化)
・ 安全系の独立性等の確保の規制要求化(津波等を考慮した建物の分散
配置による独立性確保、冷却方式の多様性確保の規制要求化)
・ 専門人材の確保(専門人材の育成強化、官民交流等による専門家の活
用)
(5)安全文化の徹底(全ての者)
原子力に携わる全ての者が安全文化を理解し、原子力安全の不断の向上
を図るため、国及び事業者等は、組織の安全目標の設定、個人と 組織にお
ける安全向上のための活動の推進・評価・改善等に取り組む。
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参考
これまで講じてきた主な原子力安全対策
1.事業者
(1) 緊急安全対策(3月30日)
①
全交流電源等喪失対策[短期対策]
・ 緊急時対応計画の作成・点検(ベントや海水注入の手順等の明確化)
・ 緊急時の電源確保(電源車等の代替電源確保)
・ 緊急時の除熱機能、使用済燃料貯蔵プールの冷却の確保(消防車、ポンプ車等)
②
建屋への浸水対策[短期対策]
・ 建屋への浸水対策(全交流電源等喪失対策に使用される機器の浸水対策)
③
冷温停止の迅速化を図る計画[中長期対策]
・ 海水ポンプ電動機等の予備品の確保
・ 空冷式非常用発電機等の高台等への設置
・ 海岸部の防潮堤の設置、建屋周りの防潮壁の設置、建屋周りの水密化
(2) 外部電源の信頼性確保(4月15日)
・ 各号機と複数の電源線のすべての回線との接続、送電鉄塔(電源線)の強化、
開閉所の浸水対策
2.国、自治体等
○ 安全規制行政体制の強化
(統合本部、被災者支援チーム等において、情報の共有、迅速な支援を実施)
○ 環境モニタリングの強化(モニタリングカー等による放射線量の測定・公表)
○ 放射性物質放出の影響の的確な把握・予測(SPEEDI の分析・公開)
○ 広域避難や放射線防護基準の明確化
○ 対外的なコミュニケーションの強化(被災自治体への職員派遣等)
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