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4:都市の安全形成に関する方針(PDF:168KB)
第2章 都市整備の方針 4.都市の安全形成に関する方針 4.1.人にやさしいまちづくりの方針 少子・高齢社会を迎え、子どもから高齢者・障害者まで、全ての住民が安心し、自立した 生活を営むことができる生活環境の形成が必要となっています。 * このため、「島根県のひとにやさしいまちづくり条例 」に基づき、すべての人が安全かつ * 円滑に利用できる生活基盤の整備(バリアフリー化 )を進めるとともに、行政・福祉・文化・ 教育などの公共公益施設を有機的に連携し、サービスの充実を図ります。 (1) 安全性の確保に向けた道路整備 道路の両側又は片側に歩道が整備されている箇所は量的に少なく、歩道の広さや連続性が 確保されていないなど質的な向上が必要な箇所が見られます。また、自転車と歩行者の共存 により歩行者の安全確保が保たれていないことも問題となってきています。 このため、通学路に指定されている路線や駅、バス停、日常生活上必要な施設が多く立地 している地区、交通事故が比較的多い箇所、踏切渋滞の解消を図る箇所などを選定し、優先 的に整備に取り組みます。 ① 安全な歩行者空間の確保 ・歩道空間の確保が容易な路線(新設道路を含む) については、歩行者や自転車、車いすなど、多様 な通行が安全に行えるよう車道と歩道を分離さ せることを基本とし、必要な歩道幅員の確保、横 断歩道や歩道橋(地下道)の設置などにより連続 的で計画的な歩行者空間の整備を検討します。 ・歩道幅員の確保が容易でない箇所については、交 通安全に関する住民による自主点検や既存資料 を基に、危険性や通行性の観点から十分な現状把 歩行者通行帯整備の例 握・検証などを行います。特に、危険性や緊急性 の高い箇所から優先的な歩行者空間の明確な標示を行います。 ・住宅団地整備により児童数が急激に増加した、錦新町や崎田地区周辺は交通量が比較的多 いため、歩行者への安全な通行に配慮した整備を検討します。 ② 交通安全施設および法規制による安全性の向上 ・道路での安全・快適な通行を実現するため、身近な道路の整備 やガードレール、カーブミラー、道路照明などを適切に配置す るとともに、段差の整備、障害物の除去などのバリアフリー化 * を図ります。また、夜間における路上犯罪などの抑制効果のあ る防犯灯、防護柵の設置など、安心して歩ける歩道整備を図り ます。 ・住宅地内の道路の安全性を確保するため、優先道路の明確化、 車両進入禁止の指定や商業地周辺の駐車禁止区域など、関係機 関と連携した規制・誘導による交通管理の充実を図ります。 33 第2章 都市整備の方針 (2) 生活基盤のバリアフリー化に向けた整備 高齢化社会を見据えて、既存の社会福祉施設の充実を進めるとともに、「島根県ひとにや * * さしいまちづくり条例 」や「ハートビル法 」に基づき、民間・公共建築物や道路、公園な * ど、不特定多数の人々が利用する施設の、ユニバーサルデザイン に基づいたバリアフリー化 * など福祉のまちづくりを進めます。 ・公共公益施設などでは、目的地までの円滑な移動を実現するため、エレベーター、スロー * * * プ 、多目的トイレ 、誘導表示 の設置などを推進します。 ・歩道については、段差による支障の少ない連続的な整備を図ります。 ・鉄道駅のホームについては、安全な移動や車輌とホームの乗降格差など、バリアをなくす * 諸整備を検討します。また、公益施設の出入口、バス乗降口などについては、スロープ を 設置するなど、車いすや電動スクーターの利用などにも配慮し、高齢者や障害者が気軽に * 利用できるようバリアフリー 空間の確保を推進します。さらに、高齢者や障害者だけでな * く、すべての人にやさしいユニバーサルデザイン の考え方も積極的に取り入れます。 ・公営住宅も含めて、高齢者や障害者にやさしく快適でゆとりのある住宅の質的な向上を図 ります。 (3) 通る空間だけでなく、憩いの空間を創出 ・歩行者は多少危険であっても、距離の短い路線を選択する場合があります。このため、商 店街やウォーキングコース、公園緑地などと既存の歩行空間が連携した、安全で遠回りし たくなるゆったりと歩ける空間を演出します。 ・地域の主体性を尊重しつつ、地域の特性に応じた舗装や植栽など個性豊かなまちづくりを 演出する歩道の整備を検討していきます。 ■歩行者ネットワークのイメージ 新市 住宅と学校をつなぐ 9 N 街地 新市街地 旧国道 住宅と学校をつなぐ 学校 出雲街道を活かし、新旧のまちをつなぐ JR 山陰本線 公共公益 施設群 学校 学校 9 学校 住宅と学校、 公共公益施設群をつなぐ 歩行者ネットワーク及び バリアフリー形成ゾーン 34 第2章 都市整備の方針 4.2.災害に強いまちづくりの方針 本町における災害は、豪雨、豪雪などの自然災害や火災があり、近年では地震による急傾 * 斜地の崩壊や土石流危険渓流 などの危険性が指摘されています。このため、「東出雲町地域 * 防災計画 」について、町の実情に合わせた見直し・運用を行うとともに、予防的な措置を行 い、災害が起きにくい都市づくりを目指します。災害発生後においても、避難、復旧に迅速 に対応でき、安全に暮らせる都市づくりを進めます。 (1) 拠点とネットワークによる防災体制づくり ① 避難場所・避難路の整備 ・避難場所は、町内の小中学校、幼稚園、保育園、公民館、公園・広場などが指定されてい ます。このため、防災マップや広報を通じて、これらの施設の住民への周知徹底を図りま す。 ・指定されている避難場所に加え、社会福祉施設や医療施設などの公共施設で避難場所にふ さわしい施設は避難場所に指定し、避難生活や救援活動に必要な施設の拡充を図ります。 ・避難路には、通学路や中心地区への主要道路を位置づけ、沿道建物の不燃化、緑地帯の確 保を進めるなど、防災機能の強化を図ります。 ・幅員の広い幹線道路は、緊急輸送路として位置づけ、地域防災計画と整合を図りながら代 替ルートについても検討します。また、狭隘道路の拡幅についても検討していきます。 ② 防災体制の強化 ・大規模な災害に対し、近隣の各市町や自治会・事業所などの自主防災組織・関係機関との 連携強化を図り、広域的な視点での防災体制の確立を図ります。このため、松江地区広域 行政組合消防本部の充実と機能強化を促進するとともに、消防用資機材などの施設整備を 行い、防災訓練や団員研修を行う中で、消防団の組織力の充実を図ります。 ③ 災害情報システムの整備 ・災害発生時の効率的な避難誘導、応急対策を進めるため、緊急通信体制の整備や島根県総 * 合防災情報システム 、震度情報ネットワークシステムを活用した防災情報システムの整 備・充実を図ります。 (2) 日常的なまちづくりにおける防災空間の整備 ・地震・火災に強いまちづくりを進めるため、生垣設置、宅地内植栽を推進します。 ・老朽化した木造建物が密集する既成市街地については、不燃化・耐震化を誘導します。 ・不特定多数の住民が利用する公共建築物については、耐震性の診断を行い、問題があれば 改修するなど、必要な措置を行います。 ・火災時には、道路、公園の樹木や宅地の庭木などは延焼防止・遅延効果があるため、安全 * な避難空間として、道路や公園などのオープンスペース の確保に努めます。 * ・上・下水道の地震対策や街路の共同溝など、ライフライン の安全性と信頼性向上のための 整備を検討します。 (3) 法規制や各種事業などによる規制・誘導 ・市街地およびその背後地では安全性の高い宅地造成が行われるよう適切な指導を行います。 ・災害危険箇所の改修のために行われている各種治山、治水事業などを計画的かつ継続的に 推進します。山林については、本来の機能に加え、防災機能を高めるため、植林などの緑 化事業を進め、環境に悪影響を与えると思われる開発を防止するなど、山林の保護・育成 を図ります。 35 第2章 都市整備の方針 36 都市防災方針図