...

H25年次報告書 (PDF: 120KB) - 東洋学研究情報センター

by user

on
Category: Documents
38

views

Report

Comments

Transcript

H25年次報告書 (PDF: 120KB) - 東洋学研究情報センター
平成 26年 4月 30日
平成25年度 東洋学研究情報センター共同研究課題年次実績報告書
※この報告書はHPなどで公表されます。
1.研究課題名
チベット美術の情報プラットフォームの構築と公開
2.申請研究者
(氏名) 森 雅秀 (所属・職名)金沢大学 教授
3.申請者以外の共同研究者
(氏名) 高田 良宏 (所属・職名)金沢大学 准教授
乾 仁志
高野山大学 教授
矢島 道彦
鶴見大学 非常勤講師
高島 淳
東京外国語大学 教授
永﨑 研宣
人文情報学研究所 所長
苫米地 等流
人文情報学研究所 研究員
高本 康子
北海道大学 学術研究員
馬場 紀寿
東京大学東洋文化研究所 准教授
3.研究期間
平成24年4月1日から平成26年3月31日(2年間)
4.課題の概要
東洋学、さらには人文学における非文献リポジトリ開発のモデルケースとして、仏教美術を中心とし
たチベット美術の情報プラットフォームの整備と公開を行う。わが国の諸研究機関に所蔵されている
チベット美術の画像データを整理・統合し、インターネット上で公開するための統一的フォーマットを
開発する。チベット美術の主要なジャンルである絵画、彫刻、工芸、壁画、建築などに関する画像
データを中心に、作品そのものの基礎的情報、関連するテキストの文字情報、書誌情報、地理的情
報などをリンクさせ、全体を一元的に扱う情報プラットフォームを構築し、非文献リポジトリの国際的
な標準としての普及をはかる。図像資料を中心に仏教学、美術史、建築史学、民俗学、宗教学、歴
史学などのさまざまな分野の成果を統合することで、総合的なチベット仏教美術の研究基盤を確立さ
せるとともに、人文科学における情報の整理、統合、発信にかかわる基本的なモデルを提供する。さ
らに、国内の大学に附置されているインド学仏教学関係の研究機関を横断的に連携させることで、
それぞれが所有する貴重な研究資料やデータの共有と有効な活用、設備・備品の効果的な導入、人
材の活用や合理化を進め、さまざまな分野での連携・活性化を将来的に可能とする。
5.今年度の研究実施状況
(1)鶴見大学図書館に所蔵されている戦前の逸見梅栄のチベット関係の画像資料について、基本的なデータ
ベースを作成した。鶴見大学図書館において、データの調査、写真撮影、過去の出版物との照合などを行っ
た。また、被写体の確定と現在の状況との比較のために、中国の承徳市と北京市において、現地調査を実施し
た。
(2)高野山大学が所蔵するラダック地方およびグゲ地方のチベット美術の画像資料について、撮影フィルムのデ
ジタル化をおこない、それぞれのデータに関する分析を進めた。また、チベット美術に関するテキスト情報の収
集と整備を行った。
(3)チベット美術学者正木晃撮影の写真資料に関して、基礎的データの整理を進め、データベース公開のため
の準備を行った。
(4)これらの画像データをもとに、情報プラットフォームの構築作業を進め、汎用的フォーマットの設計と、入力の
ためのソフトウェアの開発を行った。
6.今年度の研究成果の概要
逸見梅栄の画像データに関しては、およそ1500点について、画像データベースを整備し、インターネット上で
公開した。このデータベースは、チベット美術のみならず、人文学の領域における情報プラットフォームの汎用モ
デルとして設計された。また、『鶴見大学図書館所蔵 逸見梅栄コレクション画像資料3〜5』の三分冊(各320
1/4
頁)を刊行し、紙媒体による成果刊行もおこなった。
研究分担者の高田良宏は、学術情報リポジトリに関するシステム構築を進め、その成果を『情報処理学会論
文誌』や『大学情報システム環境研究』などの当該分野の学術雑誌で発表した。同じく、高本康子は戦時期満
洲における日本人によるチベット仏教調査について、『日本チベット学会会報』等に論文を発表するとともに、日
本近代仏教史研究会などの隣接分野研究会や学会において口頭発表を行い、チベット学や仏教美術以外の領
域においても、インパクトのある研究を進めた。
7-1.共同利用・共同研究活動の状況
(1)共同研究のための研究会、シンポジウム等の実施状況
対象
研究会等名称
開催期間
形態(区分)
H25.11.24
旧・満洲において第二次世界
チベット情報プラッ 大戦前に行われたチベット仏
教に関する調査を対象に、当
トフォームの構築と 時、収集された写真資料、公
公開
開された印刷物などに関する
研究発表・討議が行われた
国内
研究会
参加人数
概要
8
※共同利用・共同研究の活性化を図る目的で実施した研究会等について記入して下さい。
※対象が国内研究者向けの場合は「国内」、国際的な研究会等は「国際」、一般の方向けの場合は「一般」と記入して下さい。
(対象が重複する場合は、両方記入して下さい)
(2)上記(1)の研究会、シンポジウム等の参加状況
平成25年度
区分
東京大学内
国立大学
公立大学
私立大学
参加人数
外国人 大学院生
機関数
4
6
独立行政法人等公的研究機関
1
2
民間機関
外国機関
その他
計
5
8
延べ人数
外国人 大学院生
3
6
3
大学共同利用機関法人
2
0
3
8
0
3
※参加者の所属機関数、参加人数、延べ人数を区分に応じて記入して下さい。
※外国人、大学院生の人数はそれぞれ参加人数、延べ人数に対しての内数を記入して下さい。
※「東京大学内」の所属機関数は「部局数」等を記入して下さい。
※参加人数及び延べ人数の算出方法は、以下の例に基づき算出して下さい。
1.1つの共同利用・共同研究課題で2人が3日間参加した場合:参加人数2人、延べ人数6人
(3)共同利用・共同研究に供する施設・設備及び資料等の利用状況等
○データベースの作成・活用・利用・公開状況
蓄積情報の概要
公開方法
データベース名
鶴見大学図書館
所蔵 逸見梅栄コ 戦前の満洲で収集されたチ
1
刊行物
レクション画像資 ベット美術に関する画像データ
料1〜5
鶴見大学図書館
所蔵 逸見梅栄コ 戦前の満洲で収集されたチ
2
インターネット
レクション画像資 ベット美術に関する画像データ
料
蓄積量/利用・提供情況
1491件
蓄積量
利用(アクセ
ス)件数
蓄積量
1491件
利用(アクセ
ス)件数
1については刊行物であるため、アクセス件数はカウントできない。2については、現時点では関係研究
者のみへの公開のため、実質的なアクセス数を明示できない。
※カウントできないものについては欄外にその理由を記入して下さい。
2/4
(4)独創的・先端的な学術研究を推進する特色ある共同研究活動
人文学における学術情報リポジトリの構築をめざし、チベット仏教美術の画像データベースを構築した。画
像データのファイル形式、メタデータの選定、ハーベスティングへの対応など、画像データベース構築のた
めの基本となる問題の解決を進めた。また、戦前の満洲におけるチベット仏教調査の分析をおこなうこと
で、わが国のチベット研究史をとらえ直すとともに、当時の東洋学研究そのものの再評価につながる研究成
果をあげた。
(5)国公私を通じた研究者の参加を促進するための取組状況
共同研究のグループは国立大学法人、私立大学、および民間の研究機関に属する研究者で構成されてい
るが、とりわけ、チベット美術を専門とする研究者に加え、データベース開発、人文学の情報処理、言語処
理などの専門家が参画することで、所属機関の枠を超えた学際的な研究を進めた。さらに、データベースの
作成と公開においては、現在、わが国のあらゆる領域の学術情報のデータベース化を進める「学術資源リ
ポジトリ協議会」の全面的なバックアップを受けた。
(6)共同利用・共同研究を通じた特色ある人材育成の取組
金沢大学人間社会環境研究科で実施されている博士課程リーディング大学院「文化資源マネージャー養成
プログラム」所属学生に対し、研究会参加要請、現地調査派遣等を行い、共同研究の活動に積極的に関与
させることで、研究メソッドの修得や、研究成果の社会への還元の方法などを学ぶことができた。
(7)関連分野発展への取組(大型プロジェクトの発案・運営、ネットワークの構築 等)
本研究課題をさらに発展させ、国際的な標準規格となる仏教美術の総合的なデータベースの構築をテーマ
にした課題で、科学研究費補助金(A)(海外研究)が採択され、より包括的、多角的、かつ汎用的なデータ
ベースの作成へと展開している。そのための国内外の研究者間のネットワーク構築が、着実に進められて
いる。
7-2.共同利用・共同研究による研究成果
(1)共同利用・共同研究を活用して発表された論文数(参加研究者がファーストオーサーであるものを対象)
区分
平成25年度
論文数
9
0
うち国際学術誌に
掲載された論文数
(9)
0
※下段の( )内には、東文研以外の研究者による成果(内数)を記載。
(2)共同利用・共同研究による特筆すべき研究成果(特許を含む)
龍谷大学龍谷ミュージアムにおいて開催された「チベットの仏教世界:もうひとつの大谷探検隊」に協力し、
本研究課題の成果であるチベット美術データベースを活用するとともに、記念講演会において、以下の2件
の講演を行い、研究成果の社会への還元に努めた。
森雅秀「チベット仏教美術の魅力」
高本康子「近代日本とチベット-青木文教の生涯を通じて-」 H26年4月、5月 H26年度実績
※共同利用・共同研究による国際的にも優れた研究成果や産業・社会活動等に大きな影響を与えた研究成果についてご記入ください
(3)共同利用・共同研究活動が発展したプロジェクト等
プロジェクト期間
プロジェクト名
主な財源
国際標準となるチベット美
術情報プラットフォームの 科学研究費補助金
構築と公開
H25-29
プロジェクトの概要
本研究課題をさらに発展させ、
国際標準となる情報プラット
フォームを構築することで、学
術情報データベースのモデル
を提示する。
※プロジェクト研究に発展した共同利用・共同研究がある場合、そのプロジェクト研究の名称と財源(国の補助事業等)、
期間、概要を記入して下さい。
3/4
(4) 7-1(1)以外の公開講座、公開講演会等の実施状況
シンポジウム・講演会
セミナー・公開講座
その他
件数
開催期間
H26.4.27
H26.5.11
2
形態(区分)
公開講演会
公開講演会
対象
合計件数
2
0
0
公開講座等名称
概要
参加人数
一般
「チベット仏教美術の魅力」
龍谷ミュージアム
というテーマで、研究代表
「チベットの仏教世
200(予定)
者である森雅秀が実施し
界」記念講演会
た。
一般
龍谷ミュージアム
「チベットの仏教世
界」記念講演会
「近代日本とチベット-青木文
教の生涯を通じて-」という
200(予定)
テーマで、共同研究者である
高本康子が実施した。
※対象欄について、国内研究者向けの公開講座等の場合は「国内」、国際的な講演会等は「国際」、一般の方向けの場合は
「一般」と記入して下さい。(対象が重複する場合は、両方記入して下さい)
4/4
Fly UP