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「産学連携の現状と課題、今後の方向性」 「産学連携の
第80回研究環境基盤部会 5 Star Inst. 共同利用・共同研究拠点における 「産学連携の現状と課題、今後の方向性」 「産学連携の意義や成果」について 資料3 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会(第80回)H28.9.8 物質・デバイス領域共同研究拠点 北海道大学 東北大学 東京工業大学 電子科学研究所 多元物質科学研究所(中核機関) 大阪大学 化学生命科学研究所 産業科学研究所 九州大学 先導物質化学研究所 説明担当者:化生研穐田宗隆所長、多元研垣花眞人副所長、産研関野徹所長補佐 文部科学省3F2特別会議室 平成28年9月8日(木)15時~ 北海道大学電子科学研究所 東北大学多元物質科学研究所 東京工業大学化学生命科学研究所 大阪大学産業科学研究所 九州大学先導物質化学研究所 1 共同研究拠点は産学連携にどのような形で寄与すべきか 経済成長の側面からの要請 イノベーション創出と人材が経済成長の要 H26年6月2日の閣議決定より そのためには産業界含めてその土壌形成が重要 産学連携がキーポイント 学校教育の側面からの制約 共同研究拠点は学校教育法により規定されている。現行の法令上は研究教育の質の 向上がその目的であり、この点を逸脱してはならない。 学部・研究科基幹講座: 本質的な制限 附置研究所・センター: 両立の可能性 両立を試みる 産学連携は「学術利用」と「産業利用」とのバランスをとって両立を検討。 拠点経費を産業利用も考慮して活用すればそのバランスをとることは可能と結論 以上を踏まえ、イノベーション創出、人材育成に貢献するため、 現状分析と産業界からの要望を考慮した方策などについて考察する。 2 共同利用・共同研究拠点 (原典)学 術 利 用 http://www.mext.go.jp/a_menu/kyoten/ 概 要 学術研究の発展には、個々の大学の枠 を越えて大型の研究設備や大量の資料・データ等を全国の 研究者が共同で利用したり、共同研究を行う 我が国の てきました。 (略) 我が国全体の 学術研究の更なる発展 のためには、国公私立大学を問わず大学の研究ポテンシャルを 活用し、 研究者 が共同で研究を行う体制を整備する ことが重要です。 このため、文部科学省では、(略) 共同利用・共同研究拠点の認定制度 我が国の イノベーション創出には、個々の大 学の枠を越えて大型の研究設備や大量の資料・データ等を 民間企業が共同で利用したり、共同研究を行う 文言置換が可能かどうか? 「共同利用・共同研究」のシステムが大きく貢献し (加工した文面) 産業利用 「共同利用・共同研究」 のシステムが大きく貢 献してきました。 (略) 我が国全体の更なる イノベーション創出 のためには、国公私立大学を問わず大学の研究ポテンシャル を活用し、 民間企業が共同で研究開発を行う体制を整 備することが重要です。 このため、文部科学省では、(略) 研究分野にわたり、共同 利用・共同研究拠点が形成されるなど、我が国の 学術研 究の基盤強化と新たな学術研究の展開が 共同利用・共同研究拠点の認定制 度 を設けました。 本制度の実施により、広範な 産業分野 にわたり、共 同利用・共同研究拠点が形成されるなど、我が国の 産業 基盤強化と新たなイノベーション創出が期 期待されます。 待されます。 を設けました。 本制度の実施により、広範な 仮に産業用に文言を置き換えてみた。 3 大学は企業からどのように見えているか: 共同研究拠点を形成しない場合 大学側 A研究所A研究室:新規物質合成に強い。 企業側 コンタクト 新機能物質が欲しい。 相互情報共有が少ない A研究所B研究室:通常観察できないも のも観察できる。 できたけど機能はきちんと目標に達した かどうかわからない。観察したい。 相互情報共有が少ない A研究所C研究室:理論計算が得意 相互情報共有がほぼ無い B研究所D研究室:量産化プロセス開発 に強い。 理論的に機能が説明できる?それなら もっと良い物質はどんな構造か知りた い。 市場要求量の生産が可能なプロセスを 検討したい。 ●開発のフェーズによって、あるいは目的によってその都度自分たちで共同 研究先を探す必要がある。 ●シーズのデパートで買い物をする感じ。 4 共同研究拠点の意義: 単独型の共同研究拠点を形成した場合 大学側 A研究所A研究室:新規物質合成に強い。 企業側 コンタクト 新機能物質が欲しい。 相互情報共有できている A研究所B研究室:通常観察できないも のも観察できる。 相互情報共有できている A研究室から提案: B研究室とC研究室含めた共同研究で 開発を加速。 A研究所C研究室:理論計算が得意 相互情報共有がほぼ無い B研究所D研究室:量産化プロセス開発 に強い。 市場要求量の生産が可能なプロセスを 検討したい。 ●拠点内に関しては“制度”として情報共有が進み、 研究室の枠を超えた共同研究が容易に。 ●複数研究者の多彩な視点から拠点内公知技術・ノウハウの活用等による 効果的なイノベーション創出。 5 ネットワーク型共同研究拠点の意義: ネットワーク型共同研究拠点を形成した場合 大学側 シーズ発信 提案 産業界向け ワンストップ窓口(検討中) α研究所A研究室:新規物質合成に強 い。 相互情報共有できている 新機能物質が欲しい。 今後 α研究所B研究室:通常観察できないも のも観察できる。 相互情報共有できている 現状 α研究所C研究室:理論計算が得意 相互情報共有できている β研究所D研究室:量産化プロセス開発 に強い。 z研究所E研究室:拠点利用者 企業側 拠点利用者 経由 課題を新しい別の技術で解決できない か。 シーズに自社の強みを付加して新規事 業化へ! A研究室、B研究室、C研究室、β研究所D研究 室、更に拠点利用のz研究所E研究室のチーム を形成し共同研究で開発を加速。 量産まで考慮した新機能物質の創生が可能に。 ●ネットワーク型拠点内の情報がオープン。ネットワーク拠点内はアライアンス経費の有効 活用により蓄えられている人材と、その人材がカバーする領域の広さが特徴。 ●研究者と企業研究者の橋渡し役(URA)の活用⇒飛躍的な機能向上。 ●ワンストップ窓口を設けて企業への情報発信を積極的に行い、かつ企業からのアクセス を促すことで更に産学連携が加速。 ●究極は大学、企業の垣根が無い完全なオープンサイエンス。それを先取り。 6 産学連携の現状分析1:本当にネットワーク型拠点は企業から見て魅力的か 100% 文科省のデータから理工学系(共同研究型)の中で常勤 教員数、企業との共同研究数、金額の比率をネットワーク 型と単独拠点型で比較した。(図1) 単独拠点(20拠点) 大学共同利用機関(4研究所) 生体医歯工学共同利用・共同研究拠点(ネットワーク) 物質・デバイス領域共同研究拠点(ネットワーク) 80% 60% 411 1446 58 87 222 213 249 835 共同研究数 共同研究費 931 40% 377 109 20% 404 0% 常勤教員数 図1.H26年度常勤教員数と (単位百万円) 企業との共同研究数・研究費の構成 H28.7.12科学技術・学術審議回 学術分科会研究環境基盤部会(第7 9回)資料2-1p2データより 400 300 200 100 0 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 図2.物質デバイス領域共同研究拠点の企業との 共同研究数推移 40 30 20 10 0 H23 H24 H25 H26 H27 図3.社会人博士課程受入人数 (H21、H22はデータ精度なく除外) H28 当共同研究拠点が少ない人数で企業と多く の共同研究を行っていることがわかる! 更にネットワーク型で集計しても約30%の人 数で40%の対企業共同研究を行っている! なぜ? 当拠点のデータではH26年度が特に多いわけではない。 拠点活動開始後は徐々に増加しておりH27年度は300件 を超えているため、この統計は単発的な結果ではない。 (図2) 社会人博士課程受入人数も安定しており、企業の拠点に 対する期待は次の2点に関して維持されているのではと 考えている。 1:先端単発シーズだけではなく幅広い関連研究を含めた 課題解決力、イノベーション創出力(各研究所のイノベー ション創出努力を次ページ以降でご紹介) 2:人脈形成、公知技術も利用したオン・ジョブトレーニン グによる人材育成 ここで育った人材は産業界と大学を結び、拠点内の膨大 な非知財化資産も含めて活用でき、イノベーション創出の キーマンとなることが期待される。 7 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み: 北海道大学電子科学研究所 ・産研アライアンス連携ラボ ・ニコンイメージングセンター 光量子情報研究分野の教授1名助教2名、博士研究員3名を含む合 計8名のスタッフを阪大産研アライアンスラボに配置し、共同研究を 積極的に推進 日本唯一のニコンによるバイオイメージング拠点として、最先端光学顕 微鏡等を共用化することで、バイオイメージング技術の普及 44 67 47 19 9 電子科学研究所 民間企業12社が協賛 医学研究科 歯学研究科 利用人数 527人 20 29 理学・生命科学 292 工学・情報科学 その他の学内 他大学・研究法人 協賛企業・一般企業 世界に8拠点を展開するニコンイメージングセンター ・ナノテク連携支援室 ・国際連携支援室 最先端のナノテク関連設備群の共用化、人材育成、等を通じて、異 分野融合とマテリアルイノベーションの更なる加速 欧米の3つの研究所、アジアの3つの研究所・センターと交流協定を 締結し、人材交流や共同研究プロジェクトを積極的に実施 学内 3000 2000 公的 研究機関 他大学 1000 中小企業 延べ人数 (人) 4000 大企業 0 H24 H25 H26 ・社会連携客員部門 外部有識者で構成され研究所の教員だけの閉じた集団の議 論では生まれてこない新奇なビジョンを模索する 利用件数 639件 (外部機関参画 40%以上) (過去5年間) 利用者による論文数 320報以上 (過去5年間) 新概念コンピューティング産業創出分野 新学際領域を自ら生み出す 8 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み: 東北大学多元物質科学研究所 東北大学レアメタル・グリーン イノベーション研究開発拠点 東北発素材技術先導プロジェクト ~産学官協働によるナノテク研究開発拠点の形成により、 東北素材産業の発展を牽引~ 東北復興次世代 エネルギー 研究開発プロジェクト 研究戦略・産学連携推進室 TAGEN CAF (TAGEN CENTRAL ANALYTICAL FACILITY) Next-generation Energies for Tohoku Recovery 有機-無機ハイブリッドナノ材料 A. 組成分析装置 B. 分子構造解析装置 C. 構造組織解析装置 D. 基盤設備 再生可能エネルギーパーク構築 東北大学(多元研) -住友金属鉱山 包括共同研究 -豊田中央研究所 包括共同研究 産学連携先端材料研究開発センター 産学官による連携体制を構築し、未来の社会を支える新しい材料に係る加工、製造、処理、 分析及び評価の各プロセスにおける技術の研究開発及び実用化を促進することにより、東 北地域の産業復興及び我が国の材料分野における国際競争力の強化に寄与する。 ビッグプロジェクト活用で社会実装 9 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み: 東京工業大学化学生命科学研究所 すずかけ台キャンパス 分析支援センター (分析手法開発) アライアンスコアラボ 大学間連携 国際連携 産学連携 光+CO2 国際共同研究の策定 情報活用 企画委員会 機能性フィルム研究会 (会員企業130社) 機能高分子 材料 World Research Hub Initiative ベンチャー育成 分野、領域に研究所の 強みを活かす 産学連携の企画、運用 エネルギー ・環境 みらい創造機構 三菱化学 BASF 東京応化 バイオ・医療 触媒 企業 包括 連携 サブナノ粒子 触媒 燃料電池 光触媒 村田製作所 富士通研究所 ナノ医療品 DDS型ホウ素デリ バリーシステム KAST 地方自治体との研究開発連携 味の素 第一三共 同仁化学 強い分野を活かした産学連携 東京工業大学 産学連携推進本部 10 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み: 大阪大学産業科学研究所 産学連携室:新産業創出・インダストリーオンキャン パス実現による産学連携推進 三菱電機広域エリアセキュリティ テクノロジー共同研究部門 大量センサからの 高密度なセンサ データ空間生成と 可視化、及び、セ キュリティリスクの 現状把握と将来予 測を可能とするエ リアセキュリティの 高度化 •産学連携室を中心に、産学連 携による社会貢献の推進 •インキュベーション棟の企業リ サーチパークを通じたインダスト リーオンキャンパスの実現 •国際連携研究によるオープン イノベーションの推進 •産研協会と連携した啓発活動 量子ビーム科学研究施設 総合解析センター ナノテクノロジー設備供用拠点 国際共同研究センター 新産業創出にむけ、企業が実験室・ 研究室を構築し、共同研究を実施。 (H28年9月現在:22社入居) 分子技術開発実装センター (設立予定) 新産業創製研究部門 研究分野 ・産業界の後援団体として産業発展に貢献 ・産業科学の知識普及(産研テクノサロン、学 術講演会) ・研究成果実用化支援(新産業創造研究会) ・人材の育成 産業に資する最先端科学研究の推進 11 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み: 九州大学先導物質化学研究所 先導研イノベーション創出組織体制 H26年設置ソフトマテリアル部門国際ハブ拠点 H25年設置分子システムデバイス国際教育研究拠点 ソフトマテリアル実用化事例 生体親和性薄膜をカバーした循環器用ステント 脳外科・心臓外科用の人工血管 教育プログラムとしての活動例 企業インターンシップ、産学連携キャリアパス教育、福岡市と連 携した実践教育、マネージメント・リーダーシップ教育 H25年設置エネルギー基盤技術国際教育センター 炭素資源国際教育研究センター 産学連携実施例(エネルギー分野) 炭素資源高効率ガス化(第四世代ガス化)技術の実用化検討 鹿児島県にバイオマスガス化発電プラントを建設 産学連携で未来エネルギーマネジメント研究を実施 実証事業(H29~)地産地消型再生可能エネルギー利用 イノベーションに資する人材育成 12 産学連携の現状分析2:企業の装置利用 1200 企業の共同利用機器利用数も増加しており、こうした側面 から見ても産学連携に寄与していることがわかる。(図4) 800 企業の機器利用が増加傾向にあるのは? 400 0 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 図4.共通機器企業利用数(原則有償) (5研合計) 当拠点では更に技術職員ネットワークもアクティブに活動し ている。その結果、ネットワークのどこでも高い技術に裏付けさ れた正確なデータが得られること、既存の条件だけでは測定で きないことも諦めずにトライすることなどが企業にとっても魅力 なのではないか。(別途説明) 今後の取り組み:強みを活かして 1:研究者ネットワークを更に深化させる 現状分析から、課題解決力が人的ネットワークで自然に強化されていると推測されるので、更にこの 点を推進する。 これに関しては第2期拠点・アライアンス活動そのものの目的であるため、提案させてただいた方策 を推進する。 結果として無尽蔵とも言える今まで知財化してこなかった見えない有益情報も活きてくる。 2:技術職員ネットワークを更に深化させる 企業も高価な測定装置が最高のレベルで維持管理するのが非常に難しく、担当者が異動するだけで 停止を余儀なくされるケースも多い。これまで以上に技術職員の交流とレベルアップで5研究所の装置 群が最高の状態で安定した結果が出せることで更に多くの企業の要求にも応えることができる。 民間分析会社との違いは今までに無いような結果が出てきた場合の共同研究への移行が可能 なことと非標準治具を作ってでも装置を使いこなす技術力。 これを前面にPRして企業の共同研究に結びつける。 13 技術職員ネットワーク構築:先端研究の高度技術支援の為に 技術職員のレベルアップ(ノウハウ共有)によって実現できること 1:高度な装置群を最高のコンディションに!(有るものは完璧に) 2:新しい実験には治具を自作して計測!(無いものは作る) ガラス工場試作例 機械工場試作例 3He偏極ガス封入用セルの製作 散乱ガスセルの0.1mm幅スリット加工 円筒部の加工 偏曲セル付きガラスライン 複合加工機 ガスセル 14 技術職員ネットワーク構築:先端研究の高度技術支援の為に 技術職員のレベルアップのために 拠点全体で常勤108名、非常勤63名の技術職員が連携。 毎年5附置研究所技術職員有志による拠点・アライアンス技術支援シンポジウムを開催! 技術職員の全国ネットワークの構築 -分析・共通機器・工場の有効利用- ネットワーク型共同研究拠点の サービス機能向上 技術職員が企業からの来所者をきめ細かく ケアして質の高い成果を上げている。 このことが大学や学会から評価されて、職員表彰も多数。 例えば・・・ 北大電子研 :民間企業との共同研究での功績に対し、「北海道大学職員表彰」2名(2015)、 同1名(2016)、 「教育研究支援業務総長賞」1名(2015) 東北大多元研:第46回日本金属学会研究技術功労賞(2015)、同 第47回研究技術功労賞(2016)、日本鉄鋼協会 鉄鋼技能功績賞(2015)、日本金属学会東北支部研究発表会 ポスター発表 優秀賞(2015)、 日本化学会 第34回化学技術有功賞(2016) 15 有識者の意見抽出とフィードバック 産業界の要望を拠点運営に反映させるために アライアンス成果報告会時に年一回産業界有識者会議を開催 集計の結果、特に産業界に関するものとして以下のようなご意見をいただ いた。 (複数の企業から同様のご意見が上がったものを抜粋) 1:成果や研究領域の特徴などの情報発信(見える化)が不 足している。 大日本印刷、東芝、三菱化学 2:出口(目標)を明確に。 日本経済新聞、旭硝子、三菱化学 3:知財に関する戦略的動きが海外の研究機関と比較して 少ない。 旭硝子、三菱化学、東芝、富士フイルム 4:拠点としての産業界の窓口が見えない。 住友金属鉱山、旭硝子 16 拠点活動の情報公開・実績成果の「見える化」の推進 1:成果や研究領域の特徴などの情報発信(見える化)が不足している。 に対して(P1) 第2期スタートにあわせて 拠点ウェブサイトをリニューアル 活動実績 活動実績や成果、顕著業績を公開。 第2期の成果も、逐次公開できるまとめページを作成 公募情報、手続き 共同研究利用者や、応募を検討している研究者が ワンクリックで情報を入手できるようなページ構成の工夫 リサーチハイライト 研究所長のインタビューなどの特集記事を掲載 ニューストピックス お知らせ、イベント、成果、論文などの情報については、 各研究所の担当者が、直接投稿できる仕組みを構築 今までは→研究者の顔が見えない。研究内容も比較し辛い。 企業が拠点参加研究者から目ぼしい研究者をピックアップできる 環境を整備 研究者データベース 5附置研究所に所属する約500名の研究者(教授、 准教授、講師、助教)を登録、氏名や所属だけでなく、 専門分野などでキーワード検索が可能なデータベース あ 成果も人も見える化(オープンリサーチ)し、的確な 課題解決型のチームを編成可能。 この他、産研では定期的に記者会見を実施・継続し、拠点活動の見える化、産学連携の活性化に寄与している。 17 さらなる共同研究推進に向けワンストップで共同研究候補先を 検索できる研究者データベースの構築と公開 1:成果や研究領域の特徴などの情報発信(見える化)が不足している。 に対して(P2) 異動や検索キーワードなど情報は随時更新 「第1原理計算」を専門とする 5附置研究所に所属する研究者 が一覧表示される 例えば 「第一原理計算」 とキーワードを入力 各分野(細目有)に所属する 研究者群を検索可能 研究詳細は あ ここをクリック 18 産学連携強化のために:弱点の克服と新規取り組み 2:出口(目標)を明確に。 に対して 産業界への報告時に研究の社会貢献の目標を明確にする。 出口から見て何が必要か → 必要なものを作る・開発する 3:知財に関する戦略的動きが海外の研究機関と比較して少ない。 に対して 対策案として当拠点だけでは対応が難しいため、規制緩和への提案(p24~p27)を策定。 4:拠点としての産業界に対する窓口が見えない。 に対して 拠点本部に産業界向けのワンストップ窓口を準備する。その役割は以下のとおり。 1:産業界に情報発信(指摘事項1の情報発信力不足とのご指摘にも対応) 2:企業ニーズの吸い上げ(潜在ニーズも含む) 3:課題解決型研究者チームを構成 4:同チームと企業との共同研究契約の一本化窓口としても機能 (これも規制緩和のお願いで別途ご報告) 5:産業界を巻き込んでイノベーション創出(オープンイノベーション) するための仕組みづくり(企業ニーズ先取り型等の研究者チーム編成など) ここで構成された研究チームと企業との共同研究契約締結へと導く。 (イノベーション創出研究者チーム形成はネットワーク型共同研究拠点の強み) 2:、3:は研究者教育とのバランスを取る必要あり。行き過ぎると下請けになり、 弊害が生まれる。 19 まとめ ① 共同研究拠点には幅広い人脈と知識を有する人材が豊富である。 その結果として個々の研究室に埋没している非知財化シーズ(知識、ノウハウなど)をも 共有できる。 ② 共同研究拠点は企業の若手研究者も上記特徴を有する技術者として育てている。 イノベーション創出のキーマンとなる。 ③ ネットワーク型共同研究拠点は更に広い人脈、知識を有することができるだけでなく、それぞれ の大学が持つ強みを活かして相補的に機能することで総合力が高まる。 ④ ネットワーク型共同研究拠点は技術職員も幅広い知識を共有することで、質の高い研 究の土台を支えている。 ⑤ イノベーション創出の土壌作りは第1期から行ってきたが、結実は難しい。産業界との協調 が必須であり、多くの出会いが必要。そのために必要なことは・・・ ⑥ 産学連携ワンストップ窓口(URAと事務職員も必要)を作り、拠点と産業界の接点が希薄 にならないようにする。 研究者、技術者の目線だけではなく拠点構成員全てが機能 し、かつ産業界が協調しないとイノベーションを創出し、 結実させることはできない。 20 ★ネットワーク型拠点 ★5研究所アライアンス ★若手アライアンス ★蓄積ノウハウの 共有 共同研究拠点は4輪駆動自動車と同じ 教員 本部拠点推進室/URA 拠点運営委員会 がドライブ 事務職員 ★各拠点に事務 ★事務連携 ★URAサポート ★共用機器 ★技術職員の ネットワーク構築 ★技術支援ネットワーク ★ネット中継 技術職員 共同利用 共同研究拠点 ★産学連携ワンストップ窓口 (URA) 拠点 利用者 拠点予算の 活用が鍵 出張費、研究費等支 弁により活性化 学生 ★企業から 論文博士受入 ★切磋琢磨の場を 提供 (ネットワーク型)共同研究拠点の利用により研究者のポテンシャルが上がるだけでなく非知財 化の埋もれたノウハウを活用できる。これを活かして産学連携へ! これに 限られた資源であっても大きな成果・社会貢献 21 参 考 資 料 22 イノベーション創出に向けた組織としての特筆すべき取り組み(2):大阪大学産業科学研究所 大阪大学:量子・材料から人間・社会までを繋 ぐ 卓越「分子技術」 開発実装拠点整備事業 大阪大学 産学連携本部 学内に眠るニーズ 技術シーズの活用 新産業に結びつく可能性がある アイデア、研究成果 企業の潜在ニーズ 単独では手を出せない でも、踏み込みたい社会ニーや 将来有望な新産業の種 ネットワーク型共同研究拠点 ダイナミック・アライアンス事業 (5附置研ネットの最大活用) 産業科学研究所 原子・分子操作技術 機能材料設計理論 機能性分子 創製技術 機能性タンパク質 創成分子技術 分子技術 開発実装センター 量子ビーム科学 技術 核酸標的分子技術 • • スキーム構築による新産業創 成の連鎖 基礎から実装までを経験する 人材育成 量子・電子 デバイス技術 AIシステム技術 【必要性・緊急性】 ○オープンイノベーションによる新産業創成加速・国際競 争力確保 ○出口テーマごとの課題解決→横断的技術概念による協 働的課題解決による社会実装加速、スキームの実現 ○大阪大学の国内外へのプレゼンスの訴求 ○異分野融合、協働・共創的オープンイノベーション加速 ○産業科学研究所のミッション遂行→大阪大学の機能強 化への貢献 新産業創成 競争力強化 学内に散在する 産学連携組織の再統合 【期待される効果】 ○国民からの科学技術への信頼・理解・支援の獲得と 我が国の国際プレゼンスの向上 ○大学発の社会実装スキーム確立、新産業創成の加 速、大学法人への信頼と支援の確保 ○挑戦するマインドを持つ学生、若手研究者の育成 ○我が国の国際プレゼンス・国際競争力の向上 ○産業科学研究所を核とした学内組織のより一層の 活性化、強化による大阪大学の機能強化 23 参考:規制緩和への提案 5 Star Inst. (ネットワーク型)共同研究拠点における 産学連携のさらなる推進に向けた問題点と 規制緩和への提案 目 次 ① 特許のワンストップサービス化 - 産学連携強化のために – ② 国立研究機関の特許関連費用(出願、審査請求、維持など)の無償化 - 大学をイノベーション創出する英智の源としての機能強化 – ③ 化学物質などの移動に関する規制緩和 - ネットワーク型共同研究拠点事業をより円滑に進めるために – 北海道大学 電子科学研究所 東北大学 多元物質科学研究所 東京工業大学 化学生命科学研究所 大阪大学 産業科学研究所 九州大学 先導物質化学研究所 東京工業大学化学生命科学研究所 24 規制緩和への提案 <1> 特許権のワンストップサービス化 産学連携強化のために ※ 国立研究機関統括する法務・知財センター(民間スペシャリストで構成) ネットワーク型拠点だから 1)複数の研究所が参画 →複数の大学の知財 2)機密保持 →複数の大学の法務 独立法人化で利害が相反 1)フレキシブルな特許・法務の仕組みと戦略を策定 2)各大学、TLO間の利権の調整 拠点 拠点 知財 法務 他の国立大学や ネットワーク型拠点 共同研究 ※ 大学間を調整し 窓口を1つに! 国立大法務知財センター (特許戦略部) GOAL 既にある技術探索 D 拠点 ) 現状 新規技術 ) 拠点 知財 法務 共同研究 最初に共同研究 始めた拠点 私立大学、県立大学など 企業など産業界 共同研究 他の国立大学 共同研究 STEP 拠点 ヽ ) ヽ 1st 他の 拠点 拠点 知財 法務 ) 共同研究 ・・ o ) 共同研究 ― ― ) 拠点 拠点 知財 法務 > < 他の国立大学 企業など産業界 私立大学、県立大学など 企業など産業界 私立大学、県立大学など 25 規制緩和への提案 <2> 規制緩和への提案<2> 国立大特許権の無償化 国立大特許関連費用の無償化 大学をイノベーション創出する英知の源として機能強化 特許出願したい! 国費を投じた 要素研究 新しい 技術・物質 が...お金がかかる。 ⇒ 研究室が立替 2007年4月から、 国立大の特許関連費用が有償に! (産業技術力強化法改定) ○これを機に大学の特許提出件数が減少。 ○業界全体には2007年は特異点ではない。 ○無償化を続けていれば増加した可能性あり。 要素・基礎研究の実用化に 「時間と維持費」が必要! ・大学法人だから….. ⇒ 出願前の厳しい精査 ・買い手が見つからなさそう….. ⇒ 権利を放棄 ⇒ 大学が判断 大学発特許の 2007年 日本全体では2007年は特異点でない! リーマンショック 大学法人化 2007年 ・出願 ・審査請求 ・維持 無償化! 1: 出願数アップ/権利維持 2: TLOの活性化 ※コストパフォーマンスを気にせず長期的に 技術を活かすことが可能に! 大学では2007年がピーク! 特許庁年次報告2014年版第2章p62から抜粋 特許庁年次報告2014年版第1章p2から抜粋 要素技術の特許の価値は どう使うかを考える人が決めるべき。 チャンスは全国民にあるべき! 26 規制緩和への提案 <3> 化学物質等の移動に関する規制緩和 ネットワーク型共同研究拠点事業をより円滑に進めるために 一般的な 共同研究 化学物質に関する法律 現状 新規物質生成 NG 法律 共同研究先間の化学物質の輸送は 多くの法律規制により実質不可能。 少量サンプルでも簡便な輸送手段がなく、 研究者本人が歩いて運ぶしか輸送の方法 はない。 1)あへん法、2)覚せい剤取締法、3)大麻取締法、4)麻薬及び向精神薬取締法、5)毒 物及び劇物取締法、6)化学兵器禁止条約、7)特定化学物質の環境への排出量の把握 等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)、8)特定物質の規制等によるオゾン層 の保護に関する法律、9)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関 する法律(医薬品医療機器等法)、10)化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (化審法)、11)ダイオキシン類対策特別措置法、12)大気汚染防止法、13)大気汚染防 止法 - スパイクタイヤ粉じん、14)自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の 特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、15)水質汚濁防止法、16)土壌 汚染対策法、17)悪臭防止法、18)高圧ガス保安法、19)労働安全衛生法、20)農薬取 締法、21)農用地の土壌の汚染防止等に関する法律、 22)海洋汚染等及び海上災害の 防止に関する法律、23)ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措 置法、24)人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、25)消防法、危険物の規制 に関する規則、26)火薬類取締法、27)爆発物取締罰則、28)特定工場における公害防 止組織の整備に関する法律、29)有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、3 0)特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律,等 規制 研究者は輸送で悩む! 新しい分析 国際展開 外為法、商社を通すルート ⇒ 更に時間がかかる! 研究開発はスピード勝負。 共同研究で成果を迅速に出すには 研究開発に限定した 軽減・除外申請措置が必要。 輸送に関する関係法律 1)船舶安全法、2)船舶安全法施行令、3)船舶安全法施行令規則、4)危険物船舶運送 及び貯蔵規則、5)船舶による危険物の運送基準等を定める告示、6)航空法、7)航空法 施行令、8)航空法施行令規則、9)航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示、 10)火薬類運送規則(鉄道輸送)、11)鉄道運輸規程(危険物不正持込み措置)、12)鉄 道運輸規程(危険物の手荷物託送禁止)、13)火薬類の運搬に関する内閣府令 (自動車輸送)- 14)消防法(航空、船舶、鉄道は適用除外、車両は指定数量に拠らず規 制)、危険物規制に関する規則、危険物の規制に関する技術上の基準を定める告示、1 5)郵便法(郵便禁制品)、16)高圧ガス保安法、17)一般高圧ガス保安規則、18)毒物 及び劇物取締法(船舶、航空運搬は船舶安全法、航空法)、19)毒物及び劇物取締法施 行令、等 国際的な合意形成で 海外共同研究もスピードアップ! 例)試薬専用運搬箱の仕様を策定してそれを使用す る限り各種禁止条項から除外できる 27