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最新!XenDesktop で始めるデスクトップ仮想化⼊⾨
⽬次
第 1 章 デスクトップ仮想化の概要と導⼊の準備
第 2 章 XenServer/XenCenter のインストールと設定
第 3 章 ゲスト OS の準備と Active Directory の設定
第 4 章 XenDesktop のインストールと設定
第 5 章 Citrix Desktop Studio による XenDesktop の構成
第 6 章 Citrix XenApp のインストール
第 7 章 Citrix Provisioning Services による配信
注意事項
本資料で構築する環境は本番運用を想定した推奨システム構成ではありません。
本資料はシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社の正式な技術サポート文書ではありません。その
ため、この文書の記述に関して問い合わせをお受けすることは出来ません。あくまでも、補助的な資料と
いう位置づけであることを予めご了承ください。
本資料に記載されている事柄は、予告なく変更される場合があります。
第 1 章 デスクトップ仮想化の概要と導⼊の準備
デスクトップ仮想化とは、これまで各クライアントに個別に⽤意していたデスクトップ環境をサーバーに
集中配置して運⽤するソリューションです。シトリックス社では、このデスクトップ仮想化を実現する製
品として⼤企業向けに「XenDesktop」、中堅中⼩企業向けに「VDI-in-a-Box」を提供しています。
最新版の「XenDesktop」を動作させるためのセットアップ、設定などをわかりやすく、順を追って説明
いたします。
XenDesktop では、それを動作させるための仮想マシンインフラストラクチャーとして、シトリックス社
が提供する XenServer だけでなく、VMware 社が提供するハイパーバイザーである VMware vSphere、
VMware ESX(i)、マイクロソフト社が提供する Hyper-V などユーザーニーズにあわせて選択することが
可能です。
例えば、XenDesktop との親和性やサポート⼀元化などを⽬的に XenDesktop との組み合わせとして
XenServer を選択したり、既存の⾃社環境が VMware ESX(i)で構築されている場合には VMware 上にデ
スクトップ仮想化ソリューションとして XenDesktop を選択することが可能です。
本連載では XenDesktop 環境を構築するに当たり最も広く使⽤されている XenServer を選択した場合の
セットアップや設定に関してご紹介いたします。最新版の以下の環境を利⽤いたします。
• XenDesktop 5.6
• XenServer 6.0
• XenApp 6.5
まず、インストールおよび設定の前に、デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化の概要、また
XenDesktop の基本情報などをご紹介いたします。
■デスクトップ仮想化とは
デスクトップ仮想化とは、これまで各クライアントに個別に⽤意していたデスクトップ環境をサーバー
に集中配置して運⽤するソリューションです。
Citrix XenDesktop で Windows 7 OS を仮想化
デスクトップ仮想化によるメリットとして、以下のことが挙げられます。
・デスクトップ環境をサーバー側で集中管理できるため、OS やアプリケーションを⼀括管理できる
・オフィスだけでなく、⾃宅や外出先からも同じデスクトップ環境を利⽤できる
・個⼈情報漏えい事故等の防⽌
・1 つのデスクトップ環境を複数の利⽤者で共有できる
今回ご紹介する Citrix XenDesktop では、通常の PC はもちろん、iPhone や iPad などを使って仮想デ
スクトップ環境を利⽤することができます。
このようなデスクトップ仮想化を実現するソリューションを VDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼
びます。代表的な VDI には、Citrix XenDesktop のほか、Microsoft VDI、VMware View などがあります。
なお、Citrix XenDesktop における VDI 機能は Citrix XenDesktop の機能のほんの⼀部に過ぎず、後述
のアプリケーションの仮想化を実現する XenApp と組み合わせる事によってユーザーの様々な要求に応え
られる、あらゆるタイプのデスクトップ環境を仮想的に配信出来ます。
■アプリケーション仮想化とは
アプリケーション仮想化とは、アプリケーションを個別のデスクトップにインストールせず、サーバー
で集中管理して運⽤するソリューションです。アプリケーション仮想化には、アプリケーションをサーバ
ー側で実⾏する⽅式と、デスクトップ側で実⾏する⽅式の、2 つの⽅式があります。
アプリケーション仮想化によるメリットとして、以下のことが挙げられます。
・アプリケーションをサーバー側で集中管理できるため、バージョンや設定などを⼀括管理できる
・オフィスだけでなく、⾃宅や外出先からもアプリケーションを利⽤できる
・アプリケーションを複数の利⽤者で共有できる
代表的なアプリケーション仮想化には、Citrix XenApp や Microsoft App-V、VMware ThinApp などが
あります。
アプリケーション仮想化のメリットは、デスクトップ仮想化のメリットと似通っています。両者の違い
は、ユーザーが利⽤するデスクトップ環境全体を仮想化するのか、ユーザーが実⾏するアプリケーション
を個別に仮想化するかの違いです。両者を組み合わせることで、より効率的な環境を実現することができ
ます。
Citrix XenApp は XenDesktop 同様、通常の PC はもちろん、iPhone や iPad などを使って公開アプリ
ケーションを利⽤したり、共有ドキュメントにアクセスする事ができます。
また、XenDesktop と XenApp のアプリケーション公開機能、アプリケーションストリーミング機能を
組み合わせることで、より多彩なメリットを享受することができます。
■XenDesktop の構成
XenDesktop は以下の 3 つのコンポーネントで構成されています。
• XenDesktop Controller
XenDesktop インフラストラクチャーの中⼼的な役割を担うものです。ユーザーへの仮想デスク
トップの配信のほか、ユーザー認証、VM 電源管理、ポリシーの決定など、仮想デスクトップの
アクセス制御などを⾏います。
• Web Interface
ユーザーがデスクトップやアプリケーションにアクセスするためのアクセスポイントです。アプ
リケーション、デスクトップ、またはその両⽅のリンクがユーザーに表⽰されます。ユーザー認
証⽅法や、仮想デスクトップの画⾯⾊数の設定などを⾏う事が出来ます。
• Provisioning Services
単⼀のシステムイメージを複数の仮想マシンに配信します。各仮想マシンは配信されたシステム
イメージを使って、OS やアプリケーションを起動できます。
これら 3 つのコンポーネントをインストールするサーバーは、同じ Active Directory のドメインに参加
している必要があります。⼩規模な構成で利⽤する場合、Provisioning Services を導⼊しない構成も可能
です。その場合、管理コンソールでどのユーザーがどの仮想デスクトップを利⽤するのかを正しく設定す
る必要があります。
■XenServer について
Citrix XenServer は、サーバー仮想化プラットフォームです。サーバー仮想化とは、単⼀の物理サーバー
上で複数の仮想マシンを実⾏できるようにする技術です。各仮想マシンは、完全に隔離された状態で異な
るオペレーティングシステムやアプリケーションを実⾏することが可能となります。
ここでは、ユーザー独⾃の完全な仮想マシン(VM)と、OS、アプリケーション、設定を含むカスタマイ
ズされたデスクトップ環境を各ユーザーに提供できる設定を⾏うために XenServer を利⽤いたします。
ユーザーは、⾃⾝のクライアントデバイスからサーバー上の仮想マシン内でアプリケーション・データと
OS ストリーミングを組み合わせて⾃⾝専⽤のデスクトップ環境を使⽤できます。
また、XenServer はクラウドや仮想環境に実績のあるエンタープライズクラスの仮想化プラットフォー
ムであり、仮想インフラストラクチャーの作成と管理に必要とされるすべての機能を提供しています。ラ
イブマイグレーションや共有ストレージのサポート、P2V および V2V 変換を備えていながら、無償で利⽤
できるサーバー仮想化製品であるため、最近では広く利⽤されるようになりました。XenServer は、⽤途
や⽬的ごとに複数のエディションが提供されており、無償版のほか、対応している機能ごとに以下のエデ
ィションがあります。
• Advanced
• Enterprise
• Platinum
例えば、可⽤性のサポートが必要な場合は Advanced、⾃動的なロードバランシングが必要であれば
Enterprise Edition が必要になります。
各 Edition の違いについて詳しい説明はこちらのサイトをご覧ください。
無償版の XenServer をインストール後 30 ⽇以上継続して利⽤したい場合は、アクティベーション(無償)
を⾏う必要があります。
アクティベーションを実⾏して XenServer のユーザー登録を⾏うことで、XenServer を継続利⽤する
ためのライセンスを取得出来ます。ただし 1 年の有効期限付きのライセンスであるため、アクティベーシ
ョンは 1 年ごとに⾏う必要があります。
■XenDesktop/XenApp を使うための準備
XenDesktop と XenApp を使い始めるには、以下のような⼿順で環境を構築します。
My Citrix アカウント登録
必要なコンポーネントのダウンロード
インストール
ライセンスの適⽤
各種設定
仮想デスクトップ/仮想アプリケーションの実⾏
今回は My Citrix へアカウント登録を⾏い、各コンポーネントをダウンロードする⼿順を説明します。
■My Citrix アカウント登録
必要なコンポーネントをダウンロードするには、Citrix 社の Web サイトで My Citrix にアカウントを作
成する必要があります。
1.Citrix 社の Web サイトにアクセスします
2.右上の[Log In]リンクをクリックします
3. My Citrix サイトへ移動
4.[新規カスタマーアカウント]をクリックします
5.「My Citrix 登録」画⾯が表⽰されたら、必要事項を⼊⼒しアカウントを登録します
[My Citrix サイト]アカウント登録⼊⼒画⾯
6.ID/パスワードの情報をメールで受け取ります
7.アカウントを有効化します
登録が完了すると、ID/パスワードの書かれたメールが届きます。
添付された URL にアクセスし、アカウントを有効にしてください。
My Citrix について詳しくは以下のページを参考にしてください。
・My Citrix のユーザー登録について
http://www.citrix.co.jp/customerservice/mycitrix/new_user.html
・そのほかの情報
http://www.citrix.co.jp/customerservice/mycitrix/
http://www.citrix.co.jp/customerservice/ps_faq.html
■必要なコンポーネントのダウンロード
XenDesktop は複数のコンポーネントによって成り⽴ちます。ここでは必要なコンポーネントをダウンロ
ードする⼿順を説明します。
1. 登録した My Citrix の ID でログインする。
2. 「Welcome to My Citrix」というページが表⽰される。
3. グレーのバー上の「Downloads」をクリックする。
4. 「The downloads you need in one, easy place.」というページが表⽰されるので、同ページの「Search
Downloads by Product」から「XenDesktop」を選択する。
5. このページから「XenDesktop 5.6 xxx」をクリックする。
6. 「XenDesktop 5.6」のページが表⽰されるので、「Custom Download」をクリックして展開して、
以下のコンポーネントをダウンロードしてください。
・Delivery Controller and Additional Components
・Desktop Director
・Receiver for Windows
・XenApp for Windows Server 2008
・XenServer(※XenServer 上に XenDesktop VDI 環境を構築する場合に必要)
・Provisioning Services
・Profile Manager
7. ダウンロードするには「Download Agreement」に同意する必要があります。
「I have read and certify
that I comply with the above Export Control Laws.」にチェックマークを⼊れて、「Accept」ボタン
を押します。
8. Citrix Download Manager が表⽰されますので「Download Now」ボタンを押してコンポーネントを
ダウンロードしてください。
9. ダウンロードした iso ファイルを CD-R/RW や DVD-R/RW などのメディアに書き込んでおいてくださ
い。NFS サーバー上に ISO イメージを置く環境があればメディアに書き込む必要はなく、XenServer か
ら ISO イメージを直接読み込むことができます。
【参考情報】ISO ファイルを CD-R に書き込む⽅法
・Windows XP/2003
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/825isorec/isorec.html
・Windows 7/Windows Server 2008 R2
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/1259win7isowrite/win7isowrite.html
【参考情報】NFS を XenServer で使う
XenServer は ISO イメージを NFS サーバー上に置くことにより、ISO イメージを CD/DVD などに書き込
むことなく読み込むことができます。
最後に NFS サーバーの構築⽅法と XenServer で NFS サーバー領域を登録する⼿順を説明します。
なお、今回の⼿順では CentOS 5 を使って NFS サーバーを構築します。
以下の⼿順に従って構築してください。
◆NFS サーバーの構築
1)CentOS 5 を通常通りインストールしたあと、固定 IP を設定します。
IP:172.18.5.5
サブネットマスク:255.255.0.0
デフォルトゲートウェイ:172.18.5.1
DNS:172.18.5.12(※AD サーバーの IP)
2)nfs-utils パッケージをインストールします。
# yum install nfs-utils
3)idmapd.conf のドメインを CentOS のホスト名に書き換えます。
# vi /etc/idmapd.conf
Domain = nfs.localdomain
4)/etc/exports に NFS 共有する場所とオプションを指定します。
# vi /etc/exports
/nfs 172.18.5.0/24(rw,sync,no_root_squash,no_all_squash)
5)NFS 共有するフォルダを作成します。
# cd /
# mkdir nfs
# chown nfsnobody:nfsnobody /nfs
6)必要なサービスを起動します。
# /etc/init.d/portmap restart
# /etc/init.d/nfslock restart
# /etc/init.d/nfs start
7)サービスの⾃動起動を設定します。
# chkconfig portmap on
# chkconfig nfslock on
# chkconfig nfs on
以上で、ファイアウォールを無効にしている場合は NFS サーバーの準備は完了です。
NFS サーバーのファイアウォールを有効にして使う場合は以下のページを参考に、各種ポートの固定とポ
ート解放を⾏なってください。
http://www.tooyama.org/nfs.html
◆XenServer で NFS サーバー領域を登録する
1)XenCenter で XenServer にアクセスします。
2)サーバーを「右クリック→New SR」をクリックします。
3)「New Storage Repository」で「NFS ISO」をクリックします。
4)NFS ライブラリの名前を決定します。
5)「Share Name」に NFS 共有の場所を⼊⼒します。
例) 172.18.5.5:/nfs
以上で XenServer から NFS 領域にアクセスできるようになります。
後は NFS サーバーの/nfs に ISO イメージを転送すれば、仮想マシンに OS やアプリケーションをインス
トールする際に インストールメディアの⼀つとして利⽤可能になります。
第 2 章 XenServer/XenCenter のインストールと設定
■XenServer のインストール
Citrix XenDesktop のコンポーネントをダウンロードして、XenServer のディスクを作成したら、サーバ
ーに XenServer をインストールします。XenServer をインストールするサーバーは以下の条件に合った
ものを⽤意してください。
64bit 対応のハードウェア
仮想化⽀援機能(AMD-V/Intel VT-x)が利⽤できる
メモリを 16GB 以上搭載している
以降はこの XenServer 上に、Active Directory 環境、XenDesktop 環境や XenApp 環境を構築します。
それでは早速、XenServer をインストールしてみましょう。
1. XenServer のインストールディスクを⼊れて、ブートします。
2.「Citrix XenServer」起動画⾯が表⽰されたら Enter キーを⼊⼒します。
3.「キーマップの選択」画⾯では、お使いのキーボードの種類を選択します。
4.「Welcome to XenServer Setup」という画⾯が表⽰されます。
セットアップを実⾏するには[OK]をクリックします。
ドライバをあらかじめ読込む場合は[F9]キーをクリックします。
データのバックアップをする必要がある場合は[Reboot]を押して、バックアップ後再度セットアップを実
⾏してください。
5. 「ライセンス」ではライセンスを確認の上、同意する場合は[Accept EULA]をクリックします。
6. インストールできるストレージが複数ある場合は「ディスクの選択」画⾯が表⽰されます。XenServer
をインストールするストレージを選択します。
7. 「Virtual Machine Storage」選択画⾯が表⽰されます。仮想マシンを置くストレージを選びます。
また、今回は XenDesktop を構築しますので、「Enable thin Provisioning(Optimized storage for
XenDesktop)」にチェックマークをつけて[OK]をクリックします。
※XenDesktop 本体と仮想マシンを配置するストレージは分けることをおすすめします。
8. インストールに使うソースの選択」では、"Local media"を選択して[OK]をクリックします。
9. 「Supplemental Packs」は今回は必要ないため、ここでは[No]をクリックします。
10. メディアのチェックは必要に応じて実⾏してください。ここでは{Skip verification}を選択して[OK]
をクリックします。
11. XenCenter でログインする際に使う管理者パスワードを設定します。⼊⼒したら[OK]をクリックしま
す。
12. 「Networking」ではネットワークの設定を⾏います。固定 IP を設定して[OK]をクリックします。
13. 「Hostname and DNS Configuration」では、ホスト名と DNS サーバーを指定して[OK]をクリック
します。
14. 「タイムゾーンの選択」では{Asia}を選択して[OK]をクリックします。
15. 次の画⾯では{Tokyo}を選択して[OK]をクリックします。
16. 「System Time」では NTP を使うか、⼿動で時刻を設定するか選択します。ここでは{Using NTP}
を選び、時刻を⾃動修正するように設定します。
17. {Using NTP}を選択した場合、「NTP 設定」画⾯が表⽰されます。NTP サーバーを指定して[OK]を
クリックします。
16. すべての初期設定が終了すると「Confirm Installation」画⾯が表⽰されます。[Install XenServer]
をクリックすると XenServer のインストールが始まり、すべてのディスクデータが上書きされます。イン
ストールを続⾏する場合は[Install XenServer]をクリックします。
17. インストール中。インストールは数分で終了します。
18. 「Installation Complete」が表⽰されたらインストールは終了です。DVD メディアを取り出して[OK]
を押すと再起動します。
19. Citrix XenSever 起動中は以下のような画⾯が表⽰されます。
20. Citrix XenSever が起動したら IP の設定などを確認してください。
以上で XenServer のインストールは完了です。
■XenCenter のインストール
XenServer のインストールが終了したら、次に IP を設定して XenCenter をインストールしましょう。
XenCenter は XenServer を管理するツールで、仮想マシンの実⾏や停⽌、パフォーマンスの確認、
XenConvert を使って P2V(Physical to Virtual)した仮想マシンのコンバート等が出来ます。
・IP の設定
XenCenter をインストールする前に、XenCenter をインストールするクライアントの IP 等を正しく設
定しましょう。以下の⼿順に従い、設定します。
ネットワークに接続している Ethernet アダプタを選択し、[右クリック - プロパティ]をクリックします。
「ローカル接続のプロパティ」画⾯で{インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)}を選択し、
ダブルクリックします。
「インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」画⾯で IP 等設定します。
IP: 172.18.5.50
サブネットマスク: 255.255.0.0
デフォルトゲートウェイ: 172.18.5.1
DNS: 172.18.5.1
・XenCenter のダウンロード
XenServer の管理は XenCenter を使って⾏ないます。
ブラウザで XenServer の IP アドレスにアクセスすると、XenCenter installer をダウンロードできます。
・インストーラの実⾏
ダウンロードしておいた XenCenter のインストーラを実⾏します。
なお、XenCenter を実⾏する Windows にあらかじめ.Net Framework 3.5 SP1 以降のバージョンが導⼊
されている必要がある点にご注意ください。 .Net Framework 3.5 SP1 以降のバージョンがインストール
されていない場合、XenCenter のインストールを完了できません。
1. 「Destination Folder」画⾯でインストール先を指定します。{Install for:}を All Users に設定します。
2. 「Ready to install Citrix XenCenter」画⾯で[Install]をクリックするとインストール開始します。
3. 「Completed the Citrix XenCenter Setup Wizard」と表⽰されましたら[Finish]をクリックしてウィ
ザードを終了してください。
・管理サーバーの追加と設定
XenCenter をインストールしたら XenCenter を起動して、XenServer を追加します。
XenServer に仮想マシンを追加、
削除したり構成や設定の変更を XenCenter からできるようになります。
以下の⼿順に従って操作してください。
XenCenter を起動します。
XenCenter 右ペインにある[ADD a server]をクリックします。
「Add New Server」画⾯が表⽰されますので、サーバーの IP、設定したログイン情報を⼊⼒して[Add]
をクリックします。
設定例)
Server: 172.18.5.10
User name: root
Password: インストール時設定した管理パスワード
この⼿順により、XenCenter に管理サーバーが追加されます。
・仮想マシンの追加
XenCenter に XenServer を登録できたら、次に仮想マシンを作成しましょう。ここでは Active
Directory サーバーを例に、XenCenter を使った仮想マシンの作成⼿順をご説明します。
1. XenCenter で管理サーバーを選択して[New VM]をクリックします。
2. 新規仮想マシン作成ウィザードが開始されます
3. 「Template」では、これからインストールする仮想マシンにあったテンプレートを選択します。この
⼿順では Windows Server 2008 R2 上で動く Active Directory 環境をまず作成しますので、{Windows
Server 2008 R2(64-bit)}を選択して[Next]をクリックします。
4. 「Name」ではこの VM につける名称と、この VM の詳細情報を⼊⼒します。
5. 「Installation Media」ではインストール⼿段を選択します。
・Install from DVD drive: DVD/CD メディアを使って OS をインストールする場合
・Boot from network : ネットワークブートして OS をインストールする場合
6. 「Home Server」ではデフォルト設定のまま、[Next]をクリックします。
7. 「CPU & Memory」では割り当てる仮想 CPU 数とメモリを設定します。
8. 「Storage」では割り当てるディスク容量を設定します。デフォルトでは選択したテンプレートによっ
て設定されているディスク容量が割り当てられています。[Properties]をクリックします。
9. 「Edit Disk」画⾯が表⽰されますので、{Size:}で適切なディスク容量を指定します。 Provisioning
Services サーバー、Active Directory サーバーは出来るだけ多くの容量を割り当ててください。その他の
サーバーは 24 - 32GB 程度あれば良いと思います。
10. 「Networking」では仮想ネットワークインターフェイスを指定して[Next]をクリックします。
11. 設定した項⽬を確認して[Finish]をクリックしてウィザードを終了してください。
12. 作成した VM を起動すると、通常の Windows Server インストール画⾯になりますので、通常通りイ
ンストールしてください。
13. OS をインストール後、XenCenter のメニューから「VM→Install XenServer Tools」を実⾏して、仮
想マシンに XenServer Tools を導⼊します。なお、XenServer Tools を導⼊する場合はあらかじめ VM に
「.Net Framework 3.5.1」がインストールされている必要があります。
Windows Server 2008 R2 の場合は、「サーバーマネージャー→機能」から追加できます。
以降は必要 VM 分、この操作の繰り返しを⾏います。
第 3 章 ゲスト OS の準備と Active Directory の設定
■必要な Windows Server/仮想デスクトップをインストール
XenDesktop 環境、XenApp 環境をスムーズに構築するため、あらかじめ以下の環境を⽤意しておいてく
ださい。
Active Directory ⽤の Windows Server 環境は、このガイドの流れに従って構築されたのであればすでに
インストール済みであると思いますので、残りの DDC ⽤、PVS ⽤、XenApp ⽤、仮想デスクトップ環境
⽤の Windows をそれぞれ XenServer のゲストとしてインストールします。
今回は様々なコンポーネントで Windows Server 2008 R2 SP1 環境を使うため、XenServer のクローン
機能を使ってインストール済みの Windows Server 2008 R2 SP1 をクローンしても良いでしょう。本番
環境として使う場合は動作確認後に必ず、それぞれのサーバーに適切なライセンスキーを割り当ててライ
センス認証をしてください。
• Active Directory (AD) Windows Server 2008 R2 SP1
メモリ 3GB 以上割当て
• XenDesktop Controller (ddc) Windows Server 2008 R2
メモリ 3GB 以上割当て
• Provisioning Services (pvs) Windows Server 2008 R2
メモリ 3GB 以上割当て
ディスクを出来るだけ⼤きめで割当て
• XenApp 6.5(xenapp65) Windows Server 2008 R2 SP1
メモリ 3GB 以上割当て
• 仮想デスクトップ環境 Windows 7 x86
メモリ 1GB 割当て
■Active Directory の導⼊と設定
XenDesktop や XenApp を動かすには Active Directory が構築されていて、各サーバーが Active Directory
に所属している必要があります。
ここでは Windows Server 2008 R2 を使って、Active Directory 環境を構築するまでの⼿順をご説明し
ます。
以下、Active Directory ドメイン名は「ad.xendesktop.example.com」とする例を⽰します。
・コンピュータ名の設定
まず、すべてのサーバー、クライアントのコンピュータ名を変更します。
1. サーバーマネージャーを開きます。
2. [システムプロパティの変更]をクリックします。
3. 「システムプロパティ」画⾯で[変更]をクリックします。
4. 「コンピュータ名/ドメイン名の変更」画⾯の{コンピュータ名}にコンピュータ名を設定します(ここで
は ad とします)。
同様に他のサーバーも名前を変更しておいてください。
コンピュータ名を変更した後は Windows Server の再起動が必要です。
XenDesktop Controller (ddc)
Provisioning Services (pvs)
XenApp 6.5(xa)
・IP の設定
次に、Active Directory サーバーの IP 設定を変更して固定 IP を割り当てます。
1. サーバーマネージャーを開きます。
2. [ネットワーク接続の表⽰]をクリックします。
3. ネットワークに接続している Ethernet アダプタを選択し、「右クリック→プロパティ」をクリックし
ます。
4. 「ローカル接続のプロパティ」画⾯で{インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)}を選択し、
ダブルクリックします。
5. 「インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」画⾯で IP、DNS など設定します。
IP: 172.18.5.12
サブネットマスク: 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ: 172.18.5.1
DNS: 変更しない
・サーバーの役割を追加
次に Active Directory の導⼊を⾏います。
ad というコンピュータ名を付けた仮想マシンに Active Directory を導⼊しましょう。
1. サーバーマネージャーを開き、左ペインの{役割}を選択します。
2. 右ペインに「役割」設定が表⽰されますので、{役割の概要}の[役割の追加]ボタンをクリックします。
3. 「役割の追加ウィザード」の「開始する前に」が表⽰されます。内容を確認して[次へ]ボタンをクリッ
クします。
4. 「サーバーの役割」で{Active Directory ドメインサービス}を選択しクリックします。
5. 「Active Directory ドメインサービス」が表⽰されます。内容を確認して[次へ]ボタンをクリックしま
す。
6. 「確認」が表⽰されます。インストールするコンポーネントと内容を確認して[インストール]を開始し
ます。
7. インストールが終了すると「インストールの結果」が表⽰されます。
「ウィザードを終了し、Active Directory ドメインサービスインストールウィザード(dcpromo.exe)を起
動します」をクリックします。
・Active Directory ドメインサービス インストールウィザードの実⾏
Active Directory ドメインサービスをインストール後、引き続きウィザードに従ってセットアップを⾏い
ます。
1. 「Active Directory ドメインサービス インストールウィザード」が表⽰されます。{詳細モードイン
ストールを使⽤する}をオフのまま、[次へ]をクリックします。
2. 「オペレーティングシステムの互換性」メッセージが表⽰されます。内容を確認して[次へ]ボタンをク
リックします。
3. 「展開の構成の選択」で{新しいフォレストに新しいドメインを作成する}を選択して[次へ]ボタンをク
リックします。
4. 「フォレストのルートドメイン名」を設定します。ここでは「xendesktop.example.com」ドメイン
を設定します。
5. 「フォレストの機能レベル」を選択して[次へ]ボタンをクリックします。
なお、機能レベルは Windows Server 2008 以下のバージョンがある環境では「Windows Server 2003」
をそれぞれ選択してください。
「Windows Server 2008 R2」では Windows Server 2003 や XP などが Active Directory に参加できな
いためです。
今回はクライアントおよびサーバーに Windows Server 2003 や XP を含んでいないため、より多くの機
能が使える「Windows Server 2008 R2」を選択することにします。
9. 「追加のドメインコントローラ オプション」で{DNS サーバー}が選択されている状態で[次へ]ボタン
をクリックします。
10. 警告画⾯(権限のある親ゾーンが⾒つからないか、Windows DNS サーバーが実⾏されていないため、
この DNS サーバーの委任を作成できません)が表⽰されますが、これからそれを作成するので[はい]をク
リックして作業を続⾏します。
11. 「データベース、ログファイル、および SYSVOL の場所」の設定画⾯はデフォルト設定のまま、[次
へ]ボタンをクリックします。
12. 「ディレクトリサービス復元モード Administrator パスワード」画⾯で、Active Directory を復元す
るためのパスワードを⼊⼒します。
13. 「概要」画⾯ではこれまで設定した構成を確認してください。問題なければ[次へ]ボタンをクリック
します。
14. Active Directory の構築と DNS サービスの導⼊が開始されます。しばらく待ちます。
15. ウィザード終了後、Active Directory サーバーを再起動します。
16. 再起動後、以下のアカウント名でログインできれば Active Directory と DNS サービスは正常に稼働
しています。
ユーザー名: XENDESKTOP\Administrator
パスワード: コンピュータ名 ad に設定していたパスワード
17. ログイン後、「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ」を開いて、DNS
が 127.0.0.1(⾃分⾃⾝)になっていること、フルコンピューター名、ドメインが正しく設定されているこ
とを確認してください。
■Active Directory DNS サーバーの設定
DNS サーバーが稼働したら、逆引きを⾏えるように設定するため、「逆引き参照ゾーン」を定義します。
・逆引き参照ゾーンの設定
1. 「スタート→管理ツール→DNS」をクリックして「DNS マネージャー」を開きます。
2. 展開して{逆引き参照ゾーン}を「右クリック→新しいゾーン」をクリックします。
3. 「新しいゾーン ウィザードの開始」が表⽰されます。[次へ]ボタンをクリックして続⾏します。
4. 「ゾーンの種類」を選択します。ここでは「プライマリゾーン」「Active Directory にゾーンを格納す
る」を選択した状態で[次へ]ボタンをクリックします。
5. 「Active Directory ゾーンレプリケーション スコープ」では{このドメインのドメインコントローラ
上で実⾏しているすべての DNS サーバー}を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
6. 「逆引き参照ゾーン名」で逆引きに利⽤するインターフェイスを選択します。今回はすべて IPv4 アド
レスを使い構築しますので、{IPv4 逆引き参照ゾーン}を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
7. 次の画⾯で逆引き参照の識別名(ネットワーク ID)を指定して[次へ]ボタンをクリックします。
8. 「動的更新」ではどのように DNS サーバーに対して動的更新を認めるか設定します。{セキュリティで
保護された動的更新のみを許可する}を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。
9. 「新しいゾーンウィザードの完了」が表⽰されますので、内容を確認して[完了]ボタンをクリックして
ください。
10. 「DNS マネージャー」の{逆引き参照ゾーン}に参照ゾーン(5.18.172.in-assr.arpa)が追加されます。
■Active Directory に OU を作成
OU とは組織単位を表す略称で、要するにグループを作成します。ここで作成する OU 名は XenDesktop
や XenApp のインストール時に使うものです。ここでは XENDESKTOP という組織単位を作ります。
1. 「スタート→管理ツール→Active Directory ユーザーとコンピュータ」をクリックして、「Active
Directory ユーザーとコンピュータ」画⾯を開きます。
2. "xendesktop.example.com"上で[右クリック→新規作成→組織単位(OU)]をクリックします。
3. 「新しいオブジェクト→組織単位(OU)」画⾯で OU の名前を⼊⼒します。ここでは「XENDESKTOP」
と⼊⼒して[OK]を押します。
4. "XENDESKTOP"という OU が追加されます。
■Active Directory ⽤アカウントの作成
先ほど作成した OU に ad.xendesktop.example.com にアクセスを許可するユーザーを追加します。ここ
で追加したユーザーを使い ad.xendesktop.example.com にすべてのサーバー、クライアントを所属させ
て、かつ、Web Interface からユーザーがデスクトップやアプリケーション、コンテンツにアクセスする
際のログイン名、パスワードとして利⽤します。
作成した OU (XENDESKTOP)を「右クリック→新規作成→ユーザー」をクリックします。
「新しいオブジェクト→ユーザー」が表⽰されます。必要事項を⼊⼒して[次へ]をクリックします。
パスワードを⼊⼒します。{ユーザーは次回ログオン時にパスワード変更が必要}はオフ、その他の項⽬は
必要に応じて設定し、[次へ]をクリックします。
設定した内容を確認して問題なければ[完了]をクリックしてユーザーを作成した OU (DDC)に追加します。
以降は必要なユーザー分、この操作の繰り返しを⾏います。
ddc
pvs
xenapp65
win7vdi
user
■各サーバーの IP 設定の変更
Active Directory へ所属するための準備が終わったら、各サーバーおよび Windows クライアントに IP、
サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS の設定を⾏いましょう。
「インターネット プロトコル
バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティ」を開いてそれぞれ設定してください。
IP: 172.18.5.0/24
サブネットマスク: 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ: 172.18.5.1
DNS: 172.18.5.12
■各サーバーを Active Directory に参加させる
XenServer 上に構築した仮想マシン全てを Active Directory に所属させます。
OU に追加したユーザーとパスワードを使って、それぞれのサーバーから Active Directory にログインし
てください。
1. 「システムのプロパティ」を開きます。
2. [コンピュータ名]タブをクリックして[変更]をクリックします。
3. 「コンピュータ名/ドメイン名の画⾯で以下のように設定して[OK]をクリックします。
コンピュータ名:
(例)
ddc
pvs
xenapp65
所属するグループ:
●ドメイン
xendesktop.example.com
4. 認証の画⾯が表⽰されますので、Active Directory の XENDESKTOP という OU に登録したユーザーを
それぞれのサーバーに割り当てます。
5. 正しいユーザー、パスワードが⼊⼒されると「xendesktop.example.com ドメインへようこそ」と表
⽰されます。
6. ⼀旦再起動します。再起動後ドメインにログインできれば設定は正しく⾏われています。
以降、これをサーバー毎に繰り返します。
XenServer と XenCenter のインストールと設定、そして Active Directory の構築を⾏いました。次はい
よいよ XenDesktop の構築に移りたいと思います。
第 4 章 XenDesktop のインストールと設定
第3章ではデスクトップ仮想化やアプリケーションの仮想化についてと、XenServer のインストール、
Active Directory の構築までを解説しました。いよいよ、XenDesktop のインストールに⼊っていきます。
XenServer 上に構築した Windows 7 を XenDesktop Controller 経由で利⽤するための環境を作成します。
仮想デスクトップとして使う Windows 7 は、あらかじめ Virtual Desktop Agent(以降 VDA)をインス
トールしておきます。
XenDesktop Controller をインストールしたサーバーで Desktop Studio を実⾏して XenDesktop を構成
します。
なお、このガイドでは以下の通り各種サーバーを略称表記しています。
• AD サーバー
Active Directory を構築するサーバー
コンピュータ名:ad
Active Directory ドメイン名:xendesktop.example.com
• DDC サーバー
XenDesktop Controller を構築するサーバー
コンピュータ名:ddc
• PVS サーバー
Provisioning Services を構築するサーバー
コンピュータ名:pvs
• XenApp
XenApp 6.5 を構築するサーバー
コンピュータ名:xenapp65
■XenDesktop 環境の構築
XenDesktop 環境を構築しましょう。以下の⼿順に従って構築してください。
1. XenDesktop Controller インストール前に必要なコンポーネントと諸注意
まず、DDC サーバーに XenDesktop Controller をインストールします。
XenDesktop Controller を実⾏するためには、.Net Framework 3.5 SP1 以降のバージョンがあらかじめ
導⼊されている必要があります。これ以外のコンポーネントについては必要に応じて、XenDesktop
Controller のインストール時に⾃動的にインストールされます。
Windows Server 2008 R2 以降のバージョンであれば、「サーバーマネージャー→機能」から.Net
Framework 3.5 SP1 よりも新しい.Net Framework 3.5.1 を追加できます。本ガイドでは XenDesktop
の関連コンポーネントのインストール時はドメインの管理者(XENDESKTOP¥Administrator)としてロ
グインした状態で⾏なうことを想定しています。
2. XenDesktop Controller のシステム要件
XenDesktop Controller をインストールするサーバー(以下 DDC サーバーと表記)は以下の OS が実⾏
されている必要があります。
• Windows Server 2008 Standard または Enterprise Edition(32 または 64 ビット)Service Pack
2
• Windows Server 2008 R2 Standard または Enterprise Edition(64 ビットのみ)
※Windows Server 2008 R2 Service Pack1 では XenDesktop Controller は正常に動作しませんのでご
注意ください。
最新の情報は以下のドキュメントをご覧ください。
http://support.citrix.com/proddocs/topic/xendesktop-ibi/nl/ja/cds-sys-reqs-controllers-ibi.html?l
ocale=ja
3.XenDesktop Controller のインストール
XenDesktop Controller のメディアをセットするとセットアップ画⾯が表⽰されます。
1)「XenDesktop のインストール」をクリックします。
2)「Citrix ライセンス契約書」が表⽰されますのでライセンスを読み、[ライセンス契約に同意します]を選
び[次へ]をクリックします。
3)「コンポーネントの選択」の画⾯ではすでにすべてのコンポーネントが選択されていますので、そのま
ま[次へ]をクリックします。
• XenDesktop Controller
• Web Access
• Desktop Studio
• Desktop Director
• ライセンスサーバー
• SQL Server Express
4)「概要」でインストールする場所とコンポーネントを確認して、「インストール」ボタンをクリックし
ます。
XenDesktop Controller のインストールの実⾏により、XenDesktop の動作に必要なコンポーネントは⾃
動的に組み込まれます。インストールが終わるまで少々を待ちましょう。
5)「インストール完了」と表⽰されたら、「閉じた後に XenDesktop を構成する」にチェックマークが⼊
っていることを確認して、「閉じる」ボタンを押します。
6)「Citrix Desktop Studio」が起動します。ここで DDC サーバーでの作業は⼀旦終わります。
■ライセンスサーバーの構成
・ライセンスサーバーにブラウザからログイン
適切なライセンスを登録して XenDesktop の機能を利⽤可能にするため、ブラウザからライセンスサーバ
ーにアクセスしてライセンスファイルを登録しましょう。
このガイドの例では、DDC サーバーにライセンスサーバーをインストールしましたので、以下の⼿順に従
って DDC サーバーにライセンスファイルを登録します。
1)ブラウザでライセンスサーバーにアクセスします。
例)http://ddc.xendesktop.example.com:8082/
2)サイトの右上の「Administration」ボタンをクリックします。
3)ログインウィンドウが表⽰されます。以下のように⼊⼒して「Submit」ボタンを押します。
User Name: XENDESKTOP¥Administrator(※ドメインの管理者アカウント)
Password: ライセンスサーバー構築時に設定したパスワード
Display Language: Japanese(※ライセンスサーバーの UI ⾔語を決定)
4)正しい ID でログインできると、ライセンスサーバーのシステム情報が表⽰されます。
5)左のメニューから「ベンダーデーモン設定」をクリックします。
6)「ベンダーデーモン設定」が表⽰されたら、「インポート」ボタンをクリックして「ライセンスファイ
ルのインポート」画⾯を表⽰します。
7)「ローカルマシン上のライセンスファイル」の「参照」ボタンを押して、取得したライセンスファイル
を指定し、「インポート」ボタンを押してください。
8)正しくインポートされると「ライセンスファイルが...citrix/licensing/myfiles/xxxx.lic にアップロード
されました」と表⽰されます。
9)ライセンスサーバーを再起動して、もう⼀度ブラウザから Web Interface にアクセスします。
適切なライセンスがライセンスサーバーに登録されます。
3.仮想デスクトップ環境を準備する
今回はまず、XenServer 上に作成した Windows7 に XenDesktop の VDI 機能を使ってアクセスするとい
うシンプルな構成を構築しましょう。これを実現するためにまずは仮想デスクトップ⽤の Windows 7 の
環境を準備します。
・Windows 7(仮想デスクトップ環境)のインストール
Windows 7 は通常通りインストールを⾏ないます。Windows 7 のインストール後に Windows Update
を⾏なうわけですが、その前に XenServer Tools をゲスト OS にインストールしてください。XenServer
Tools を導⼊することで、仮想化に適した各種ドライバが組み込まれて、ネットワークやディスクのパフ
ォーマンス、XenCenter 上におけるマウスの操作性が向上します。
XenServer Tools を導⼊するには、XenCenter のメニュー「VM→Install XenServer Tools」を実⾏して
インストールして、導⼊後再起動します。
・IP の設定
次に、Windows 7(仮想デスクトップ環境)の IP 設定を変更して固定 IP を割り当てます。
1)「ネットワークと共有センター」を開きます。
2)「ローカルエリア接続」をクリックします。
3)「ローカルエリア接続の状態」ウィンドウが表⽰されたら{動作状況}の「プロパティ」ボタンをクリ
ックします。
3)「ローカルエリア接続のプロパティ」画⾯で{インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)}を
選択し、ダブルクリックします。
4)「インターネットプロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」画⾯で IP、DNS など設定します。
IP: 172.18.5.30
サブネットマスク: 255.255.0.0
デフォルトゲートウェイ: 172.18.5.1
DNS: 172.18.5.12
・Windows 7(仮想デスクトップ環境)を Active Directory に参加させる
Windows 7(仮想デスクトップ環境)を Active Directory に参加させます。
以下の⼿順で登録してください。
1)「システムのプロパティ」を開きます。
2)[コンピュータ名]タブをクリックして[変更]をクリックします。
3)「コンピュータ名/ドメイン名の画⾯で以下のように設定して[OK]をクリックします。
コンピュータ名:
win7vdi
所属するグループ:
●ドメイン
xendesktop.example.com
4)認証の画⾯が表⽰されますので、Active Directory の XENDESKTOP という OU に登録したユーザー
「win7vdi」のユーザー名パスワードを⼊⼒してください。
5)正しいユーザー、パスワードが⼊⼒されると「xendesktop.example.com ドメインへようこそ」と表
⽰されます。
6)⼀旦ゲスト OS の Windows 7 を再起動します。再起動後ドメインにログインできれば設定は正しく⾏
われています。
・仮想デスクトップ環境に Virtual Desktop Agent をインストールする
Active Directory への参加ができたら、次に仮想デスクトップ環境に Virtual Desktop Agent をインスト
ールします。XenDesktop 5.6 のインストールメディアを挿⼊するか、NFS サーバー上の XenDesktop 5.6
ISO イメージをマウントしてください。
1)XenDesktop のインストールメニューが⾃動的に表⽰されます。
「Virtual Desktop Agent のインストール」を選びます。
2)次に「簡易展開」「カスタムインストール」を選択する画⾯が表⽰されます。
ここでは「カスタムインストール」を選びます。
3)「ライセンス規約」が表⽰されますのでライセンスを読み、「ライセンス契約に同意します」を選び「次
へ」ボタンをクリックします。
4)「インストールする Virtual Desktop Agent の選択」画⾯が表⽰されます。ここでは「Virtual Desktop
Agent」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。
5)「インストールするコンポーネントの選択」では Virtual Desktop Agent と Citrix Receiver が選択さ
れた状態で、「次へ」ボタンをクリックします。 XenApp 配信⽤の URL は XenApp のインストール後設
定する必要があるので覚えておいてください。
6)「Personal vDisk の構成」画⾯が表⽰されます。vDisk は共⽤型の PXE OS ブートイメージに使われま
すが、通常はユーザーがその OS イメージに対して変更を加えることはできません。Personal vDisk は
vDisk の PXE OS ブートイメージに対して専⽤の領域を組み合わせて変更を可能にする XenDesktop 5.6
で追加された機能です。
今回は「いいえ、Personal vDisk をすぐには有効にしません」を選んでください。
7)「コントローラの場所」画⾯が表⽰されます。今回の⼿順ではコントローラは DDC サーバーにインスト
ールしていますので、ここには以下のように⼊⼒する必要があります。
ddc.xendesktop.example.com
⼊⼒が終わったら、「チェック」ボタンをクリックしてください。正しく名前解決できれば「全てのコン
トローラアドレスが解決しました」と表⽰されます。「次へ」ボタンをクリックします。
8)「仮想デスクトップの構成」が表⽰されます。ここで仮想デスクトップに対して様々な設定と最適化が
実⾏されます。実⾏される概要は以下の通りです。
-ファイアウォールの必要なポートが開放される
-パフォーマンスを最適化するための様々な設定が加えられる
-Windows リモート管理サービスが有効化される
9)「仮想デスクトップの構成」を⾏なったら、「次へ」ボタンをクリックします。
10)「概要」画⾯で、これまでに⾏なった設定を確認して「インストール」ボタンをクリックします。
「Virtual Desktop Agent」のインストールが始まります。
11)インストールが完了したら Windows 7(仮想デスクトップ環境)を再起動してください。
ここで Windows 7(仮想デスクトップ環境)での作業は終わります。
引き続き、「Citrix Desktop Studio」による XenDesktop の構成作業に移ります。
なお、「Virtual Desktop Agent」(以降 VDA)のインストールを⾏なった際に最適化を実⾏した場合、
いくつかのサービスが無効化されます。この状態では Windows Update ができません。必要に応じてサー
ビスを有効にしてください。
XenDesktop 仮想マシンの最適化については以下のドキュメントを参照してください。
http://support.citrix.com/article/CTX125875
第 5 章 Citrix Desktop Studio による XenDesktop の構成
■Citrix Desktop Studio による XenDesktop の構成
Citrix Desktop Studio を使って、XenDesktop の構成を⾏ないましょう。 XenDesktop による VDI 環境
が利⽤可能になるまであと⼀息です!
1)Citrix Desktop Studio が起動したら、項⽬の中から「デスクトップ展開」をクリックします。
2)「デスクトップ展開」ウィザードが起動して、XenDesktop の構成を⾏ないます。
3)「サイト」画⾯では以下の例のように識別しやすい名前を⼊⼒してください。
サイト:技術部
これから作成する XenDesktop サイトを識別するための名前
データベース構成:デフォルトのデータベースを使⽤する
4)「デフォルトのデータベースを使⽤する」を選んだ場合、データベースが存在しない場合「データベー
スを⾒つけられませんでした」というメッセージが表⽰されます。「OK」ボタンを押して新しいデータベ
ースを作成します。
5)「現在のアカウント情報にはデータベースへアクセスして必要な操作を実⾏するために⼗分な権限があ
りません」というメッセージが表⽰されます。ここでは「はい」ボタンを押してください。
6)「アカウント情報の⼊⼒」画⾯が表⽰されます。DDC サーバーのローカル管理者のアカウント情報を⼊
⼒してください。
7)「ライセンス」画⾯でライセンスサーバーとライセンスの選択を⾏ないます。
まず、「ライセンスサーバー」にライセンスサーバーの情報を以下のように⼊⼒します。
ライセンスサーバーの IP:ポート番号
ポート番号は特に設定変更していなければ、ポート番号 27000 が設定されています。
例:172.18.5.21:27000
ライセンスサーバーの IP、ポート番号を⼊⼒したら「接続」ボタンを押して接続確認を⾏ないます。
VDI Edition 以上のライセンスが、ライセンスサーバーに登録されていれば、「既存のライセンスから選
択する」を使って、XenDesktop に適切なライセンスを割り当てることができます。
Express Edition を使う場合はここでは⼀旦、「XenDesktop 30 ⽇間トライアル」を選択してください。
「次へ」ボタンを押して構成を続⾏します。
8)「コネクション」で仮想化ホストの種類を選びます。
コネクションでは接続先のホストの種類とホストの情報を設定します。
ホストの種類:XenServer
アドレス:http://XenServer の IP
ユーザー名:root
パスワード:root に設定したパスワード
コネクション名:XenServerHost1
この接続の識別しやすい名前を設定します。
仮想マシン:⼿動で仮想マシンを作成する
今回はすでに仮想マシンを作成していますので、「⼿動」を選択します。
8)「概要」画⾯で内容を確認して「完了」ボタンを押してください。
9)初期構成が完了していることを確認します。
◆コラム
XenDesktop Express Edition のライセンスについて
XenDesktop には 10 接続まで可能な無償版の Express Edition ライセンスがあります。 XenDesktop は
組み込みで 30 ⽇の評価期間がありますが、この期間を超えて使⽤したい場合、Express Edition ライセン
スのアクティベートを⾏なうことによりライセンスファイルを取得することができます。
http://support.citrix.com/article/CTX127575
以下のページでアクティベートを⾏ない、Express Edition ライセンスを取得してください。
http://deliver.citrix.com/go/citrix/activatexdexpress?userId=guest
ダウンロードしたライセンスファイルは有償版のライセンスファイルと同様、ライセンス管理コンソール
を使ってライセンスを登録します。ライセンスファイルのアップロード後、さらに Desktop Studio で「製
品エディションを変更」を⾏なう必要があります。
Desktop Studio を起動して、「構成→ライセンス」設定を開き、右サイドバーにある「製品エディション
の変更」をクリックします。
以下の通り、項⽬を選択します。
XenDesktop のエディション
●Express Edition
XenDesktop のライセンスモデル
○ユーザー/デバイスライセンス
●同時接続ライセンス
以上で、XenDesktop Express Edition ライセンスを利⽤可能になります。
■Windows 7(仮想デスクトップ環境)を XenDesktop 仮想マシンとして登録
XenDesktop の初期構成が終わったら、次に仮想デスクトップ環境として⽤意した Windows 7 を
XenDesktop に登録して管理できるようにしましょう。XenDesktop 仮想マシンとして登録することで、
Web Interface などから VDI 環境にアクセスできるようになります。
・マシンの作成
Desktop Studio を起動したら、XenDesktop に仮想マシンを登録しましょう。今回はすでにインストール
して、エージェント(VDA)をインストール済みの Windows 7 を登録します。次の⼿順に従って作業を
⾏ないましょう。
1)Desktop Studio の初期構成画⾯のマシン作成の項⽬の「構成」ボタンをクリックします。
2)「カタログ作成」ウィザードが表⽰されたら、マシンの種類「既存」を選択する。
3)「仮想マシンのインポート」では、「VM を追加」ボタンをクリックして、「VDI ⽤としたい VM」を選
択する。「VM の選択」ウィンドウにはホスト上に存在する全ての VM が表⽰されるので、誤った VM を
選択することのないように気をつけること。
4)「カタログの作成」ウィンドウに戻り、選択した VM が登録されていることを確認する。次に「コンピ
ューターアカウント」を設定する。選択した VM が Active Directory にアクセスするためのアカウントを
設定する。
ここでは以下のように設定する。
XENDESKTOP¥win7vdi
5)「カタログの作成」ウィンドウに戻り、AD へ接続アカウントが登録されていることを確認する。次に「ユ
ーザー名」を設定する。この VM にアクセスを許可するユーザーを設定する。ここでは以下のように設定
する。
XENDESKTOP¥user
6)「管理者」の設定などを⾏なう。
7)「概要」でこの VDI グループ(カタログ)に対して識別できる「カタログ名」を⼊⼒する
8)「マシン作成」が完了していることを確認する。
・マシンへのユーザー割り当て
最後に「ユーザー割り当て」を実⾏します。次の⼿順に従って作業を⾏ないましょう。
1)Desktop Studio の初期構成画⾯のユーザー割り当ての項⽬の「構成」ボタンをクリックします。
2)「デスクトップグループの作成」で割り当て⽤のマシンを選択します。
3)「ユーザー割り当て」で前の⼿順で設定した仮想マシン、ユーザーにチェックマークをつけて選択しま
す。
4)「委任先」はそのままの設定で、「次へ」ボタンをクリックします。
5)「概要」でこれまでの設定を確認して、表⽰名、デスクトップグループ名を設定します。
6)登録後、Desktop Studio で仮想デスクトップのステータスを確認します。「⾮登録」が 0 になってい
ることを確認します。
以上で XenDesktop への Windows 7(仮想デスクトップ環境)の登録は終了です。次の⼿順では早速 VDI
へ Web Interface で接続して、XenDesktop を触ってみましょう。
◆コラム
仮想デスクトップが⾮登録からステータスが変わらない場合
仮想デスクトップを Desktop Studio で登録したのにもかかわらず、「⾮登録」状態のままステータスが
変化しない場合は、DDC サーバーと仮想デスクトップ環境を再起動した後、Web Interface から仮想デス
クトップに接続してみてください。これでうまくいくと思います。
■Web Interface でアクセス
仮想デスクトップの登録を⾏ないましたので、クライアントマシンのブラウザで Web Interface にアクセ
スして VDI 環境を使ってみましょう。ウェブブラウザで以下のサイトを開いてください。
http://ddc.xendesktop.example.com
初めて XenDesktop にアクセスした場合は、「Citrix Receiver」をクライアントにインストールする必要
があります。
リンク遷移先の「Client Center」をクリックして、該当する OS 向けの「Citrix Receiver」をダウンロー
ドしてインストールしてください。
「Citrix Receiver」をインストール後、再度 Web Interface にアクセスします。
情報バー「この Web サイトは、'Citrix Systems, Inc.'からの'Citrix Systems, Inc'アドオンを実⾏しよう
としています。」が表⽰されますので、「許可」ボタンを押してください。「Citrix Receiver」プラグイ
ンが読み込まれて、VDI にブラウザからアクセスできるようになります。
正しいユーザー名、パスワード、ドメイン名を⼊⼒してください。このガイドでは"user"というユーザー
で xendesktop.example.com 上に構築した VDI にアクセスする環境を構築しましたので、以下のように
⼊⼒します。
ユーザー名:user
パスワード:ユーザーのパスワード
ドメイン:xendesktop.example.com
もしくは、Windows Server の AD ドメイン環境にアクセスするように認証情報を⼊⼒してもかまいませ
ん。
ユーザー名:XENDESKTOP¥user
パスワード:ユーザーのパスワード
ドメイン:
正しく認証できると、⼀つの仮想デスクトップ環境「My Virtual Desktop」が表⽰されるはずです。 My
Virtual Desktop をクリックして仮想デスクトップ環境に接続してください。
IE8 では情報バー「ddc.xendesktop.example.com から launch.ica を開くか、または保存しますか?」
と表⽰されることがあります。この場合は「ファイルを開く」ボタンをクリックしてください。
以上で仮想デスクトップ環境に接続できました。
初期設定では仮想デスクトップの表⽰は「シームレス」に設定されています。このため、表⽰されている
仮想デスクトップウィンドウが⼩さいと感じた場合はウインドウサイズを変更してみてください。デスク
トップサイズを⼤きくできます。
第 6 章 Citrix XenApp のインストール
■Citrix XenApp のインストール
XenDesktop 環境が作成できましたので、次にアプリケーションの仮想化を⾏なう、 XenApp のインスト
ールを⾏ないます。XenApp をインストールするサーバーを操作して、XenApp をセットアップしましょ
う。
Citrix のサーバーからダウンロードした zip パッケージを展開すると、3 つの iso イメージが⾒つかると思
います。
XA6.5_2008R2_ML.iso
XA50_WS08_EN.iso
XA50_WS08_JA.iso
XenApp 6.5 は Windows Server 2008 R2 ⽤、XenApp 5.0 は Windows Server 2008 ⽤です。今回、
XenApp をインストールする環境は Windows Server 2008 R2 ですので、XA6.5_2008R2_ML.iso を使
います。それでは早速 XenApp 6.5 をインストールしましょう。
1)メディアを挿⼊すると、⾃動的に XenApp のインストーラが起動します。「XenApp サーバーのインス
トール」をクリックしてインストールを開始します。
2)「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」が表⽰されます。
3)「サーバーの役割の追加」をクリックします。
4)「XenApp のエディションの選択」を⾏ないます。今回は「Enterprise Edition」を選択します。
5)「ライセンス契約書」が表⽰されます。「ライセンス契約書に同意する」を選んで「次へ」ボタンをク
リックします。
6)「XenApp の役割の選択」でインストールするコンポーネントを選択します。
-XenApp
7)「XenApp 役割のサブコンポーネントの選択」でインストールするサブコンポーネントがあれば、ここ
で指定します。
8)「必須要件の確認」でこれから⾏なわれる作業⼀覧を確認してください。選んだコンポーネントによっ
て⾃動的に必要なソフトウェア、設定が⾏なわれます。「次へ」ボタンを押します。
9)「インストールの開始」画⾯で「インストール」ボタンを押すと、XenApp のインストールの事前準備
が始まります。
10)インストール完了まで何度か再起動してウィザードを実⾏する必要があります。画⾯の指⽰に従ってイ
ンストールを⾏なってください。再起動後、「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」が表⽰され
ますので「インストールの再開」リンクをクリックしてください。引き続きコンポーネントのインストー
ルが⾏なわれます。
11)事前準備が終わるといよいよ XenApp 本体のインストールです。「インストールの開始」画⾯で「イ
ンストール」ボタンを押すと、XenApp のインストールが始まります。
12)インストールが終わったら「完了」ボタンを押してください。
■XenApp の構成
XenApp インストール後、XenApp の構成を⾏ないましょう。 XenApp によるアプリケーションの仮想化
環境が利⽤可能になるまであと⼀息です!
XenApp の構成を⾏なうには「Citrix XenApp サーバーの管理マネージャー」の「サーバー構成タスク」
をそれぞれ実施します。まずは「ライセンスの設定」を⾏ないましょう。
◆XenApp ライセンスの設定
1)「ライセンス構成」画⾯でライセンスサーバーの場所を以下のように指定します。
ライセンスサーバー名:172.18.5.21
ライセンスサーバーのポート:27000(変更しない)
2)⼊⼒後、「接続のテスト」ボタンを押して正しくライセンスサーバーと通信できることを確認してくだ
さい。「次へ」ボタンを押して次に進みます。
3)「ライセンスモデルの選択」で XenApp のライセンスモデルを決定して「適⽤」ボタンを押します。通
常この設定では、ライセンスサーバー上で⾒つかった適切なライセンスが⾃動的に選択されます。
これで「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「ライセンスの設定」
が終了します。
◆XenApp の構成
正しいライセンスを割り当てたら、次に XenApp の環境を構成しましょう。
1)サーバー管理タスク「XenApp」のくくりの「構成」リンクをクリックします。
2)「XenApp サーバー構成 実⾏するタスクの選択」画⾯が表⽰されます。「新しいサーバーファームを
作成する」を選択してください。
3)作成する「新しいサーバーファームの基本情報」を⼊⼒します。ここでは以下のように⼊⼒します。
新規サーバーファーム名:XenApp65
最初の Citrix 管理者名:XENDESKTOP¥Administrator
4)「新しいサーバーファームで使⽤するデータベースを選択」する画⾯が表⽰されます。今回は「新規デ
ータベース」をクリックして「次へ」ボタンをクリックします。
5)Windows 資格情報の⼊⼒画⾯が表⽰されます。Active Directory の管理者のユーザー名とパスワードを
⼊⼒します。
6)「データベースの資格情報を⼊⼒して接続をテスト」を⾏います。「次へ」ボタンをクリックします。
7)「シャドウ機能の設定」を⾏います。「このサーバー上のユーザーセッションのシャドウを許可する」
のまま、「次へ」ボタンをクリックします。
8)「サーバーの詳細設定」画⾯が表⽰されます。ここでの設定変更は必須ではありませんので、デフォル
ト設定のまま、「次へ」ボタンをクリックします。
9)「設定の適⽤」画⾯が表⽰され、これまで設定した設定の確認画⾯が表⽰されます。設定を確認して問
題なければ「適⽤」ボタンをクリックします。
10)Microsoft SQL Server Express Edition のインストールと XenApp の設定が⾏われます。終了後「完
了」ボタンをクリックして、サーバーを再起動してください。
これで「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「XenApp の構成」が
終了します。
◆Web Interface の構成
最後に「Web Interface」を設定します。今回のガイドでは DDC サーバー上に XenDesktop 管理環境と
Web Interface をインストールしていますので、この Web Interface から XenApp で公開するアプリケ
ーションにアクセスできるように設定しましょう。
1)まず、DDC サーバーにログインして、「Desktop Studio」を起動してください。
2)「Desktop Studio」左サイドメニュー「Access→Citrix Web Interface→XenApp Web サイト」を選
びます。
3)「Desktop Studio」右サイドバーの「操作」から「Internal Site - 設定の変更」の「サーバーファー
ム」をクリックします。
4)「サーバーファームの管理 - Internal Site」が表⽰されますので、「追加」ボタンをクリックします。
5)「サーバーファームの追加」が表⽰されますので、以下の設定を追加して[OK]を押します。
ファーム名:XenApp65
サーバー:xenapp65.xendesktop.example.com
「Citrix Web Interface→XenApp Services サイト」にも同様の設定を⾏なっておきましょう。これで
「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「Web Interface の構成」は
終了です。
◆App Center による XenApp の構成
DDC サーバーの「Web Interface」の設定が終わったら、「XenApp のサーバー」のコンソールに戻って
作業を続⾏してください。App Center を実⾏して、XenApp インストール時に作成したファームの検出を
⾏います。
1)App Center を起動する毎にメッセージが表⽰されます。ここでは必ず「Authenticode 署名チェックを
有効にする」を選択してください。
2)初回起動をすると App Center の検出ウィザードが表⽰されます。「次へ」ボタンをクリックします。
3)「製品またはコンポーネントの選択」画⾯が表⽰されます。XenApp のみチェックを⼊れて「次へ」ボ
タンをクリックします。
Citrix リソース
XenApp オン
Single Sign-On オフ
4)「サーバーの選択」で「ローカルコンピュータを追加」ボタンをクリックして「XenApp65」サーバー
を追加します。「次へ」ボタンをクリックします。
「検出のプレビュー」が表⽰されます。設定内容を確認して「次へ」ボタンをクリックします。
検出を開始します。
設定に問題がなければ「完了]ボタンをクリックしてアプリケーションの公開設定を⾏います。設定に問題
があれば下にエラー内容が表⽰されますので、その指⽰に従って対応してください。
◆ワーカーグループの作成
XenApp 6.0 以降のバージョンでは、それ以前のバージョンにはなかった「ワーカーグループ」という概
念が追加されています。ワーカーグループに作成した OU を登録して組織単位毎に任意の公開アプリケー
ションを使⽤許可します。それではワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」に対して、組織単位
(XENDESKTOP)を登録してみましょう。
「ワーカーグループ→右クリック→ワーカーグループの作成」
「ワーカーグループのプロパティ」が表⽰されるので、名前と説明に、作成するワーカーグループを識別
できる情報を⼊⼒する。
「追加」ボタンをクリックします。「組織単位の検索」ウィンドウが表⽰されるので、「名前」に組織単
位(OU)を⼊⼒します。このガイドでは XENDESKTOP という組織単位を作成してユーザーを登録してい
るため、XENDESKTOP と⼊⼒して「検索開始」ボタンをクリックします。
検索結果に「XENDESKTOP」という OU が⾒つかります。「OK」ボタンをクリックして、ワーカーグル
ープに OU を登録します。複数の OU を登録する場合はこれを繰り返します。
「ワーカーグループのプロパティ」に登録した OU が追加されているのを確認します。
「ワーカーグループのプロパティ」のディレクトリの選択で「ファームサーバー」を選択して「追加」ボ
タンをクリックします。
「サーバーの選択」画⾯で XenApp のインストール時に作成したファーム(XenApp65)が表⽰されます。
ファームを選択して「追加」ボタンをクリックします。選択した項⽬にファームとサーバーの場所が追加
されていることを確認して「OK」ボタンをクリックします。
「ワーカーグループのプロパティ」に登録したファームサーバーが追加されているのを確認して、「OK」
ボタンをクリックします。
◆アプリケーションの公開
次に、アプリケーションの公開設定を⾏い、Web Interface からアプリケーションを起動できるように設
定しましょう。このガイドでは例として「ペイント」を公開アプリケーションにする流れを説明します。
ガイドの⼿順に従って、そのほかのアプリケーションを公開してみてください。
1)「App Center」を起動します。
2)「App Center」左サイドメニューから「XenApp→XenApp65」ファームをクリックして展開します。
3)XenApp65 内の「アプリケーション」フォルダで「右クリック→アプリケーションの公開」を選択しま
す。
4)「XenApp アプリケーションの公開ウィザード」が表⽰されます。[次へ]をクリックします。
5)アプリケーションの表⽰名とアプリケーションの説明を⼊⼒します。ここで⼊⼒した説明は、Web
Interface に表⽰されます。アプリケーションを識別しやすい名前を⼊⼒しましょう。
表⽰名:絵描きツール
アプリケーションの説明:XenApp で公開した初めてのアプリ「ペイント」です。
6)「絵描きツール」を選択したときに実⾏する「アプリケーションの種類」を選択します。「インストー
ル済みアプリケーションをサーバーで実⾏する」ように設定して「次へ」ボタンをクリックします。
7)「絵描きツール」がインストールされている「アプリケーションの場所」を⼊⼒します。
「コマンドライン」にアプリケーションがインストールしている場所を選択してください。「作業フォル
ダ」はアプリケーションの場所を指定すると⾃動的に設定されます。「次へ」ボタンをクリックします。
Windows Server 2008 R2 では、ペイントは以下のパスにあります。
C:\Windows\system32\mspaint.exe
8)「サーバー」画⾯で「追加」ボタンを押して、アプリケーション「絵描きツール」を配信するサーバー
を追加します。
9)「追加」ボタンを押すと「サーバーの選択」ウィンドウが表⽰されますので、「ワーカーグループ」を
ダブルクリックします。
10)前の⼿順で作成したワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」をダブルクリックして「選択した項⽬」に
追加したら「OK」ボタンを押します。
11)「絵描きツール」はワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」上で実⾏するように設定できました。「次
へ」ボタンをクリックします。
12)「ユーザーまたはグループの選択」で公開アプリケーションの実⾏を許可するユーザーを設定します。
今回は以下のユーザーを許可します。
設定されているユーザーの接続のみを許可する
設定済みユーザー:
XENDESKTOP\\user
これにより、XENDESKTOP ドメインの user のみが Web Interface へログインして公開アプリケーショ
ンを実⾏できるようになります。必要に応じて他のユーザーを追加してください。
13)ショートカットとアイコンの設定を⾏います。必要に応じてそのほかの設定を⾏なってください。「ク
ライアントのデスクトップにショートカットを追加する」をクリックして選択したら「次へ」ボタンをク
リックします。
14)すべて設定を終えたら「完了」ボタンをクリックします。引き続き詳細設定を⾏うこともできます。
15)設定が終わると以下のように公開設定したアプリケーションがコンソールに登録されます。
これで「App Center」による XenApp の構成は終了です。
◆レジストリの確認と変更
XenApp 6.5 は環境により、リモートログインできないことがあるようです。
XenApp 6.5 Constantly Prohibits Logons
http://forums.citrix.com/thread.jspa?threadID=293676&start=0&tstart=0
XenApp サーバーでコマンドプロンプトを起動して qfarm /load とコマンドを実⾏してください。ログオ
ンモードが「ログオン禁⽌」と出た場合、この問題に該当します。
「ログイン禁⽌」の設定のまま公開アプリケーションを実⾏しようとすると、XenApp を実⾏するサーバ
ーでイベント ID:10001 とイベント ID:30107 がイベントログに記録されて、公開アプリケーションが起
動しません。
先のフォーラムに報告されているように、XenApp サーバーのレジストリ値を確認して、設定を変更して
ください。なお、この変更は XenApp サーバーのみ変更してください。そのほかのサーバーは変更する必
要はありません。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal
Server\fDenyTSConnections
初期値:1
変更する値:0
これにより XenApp の公開アプリケーションにアクセスできるようになります。
◆動作確認
ガイドに従いインストールしたのであれば、ブラウザで XenDesktop の VDI 環境にアクセスできるはずで
す。
URL: http://ddc.xendesktop.example.com/
ユーザー名: user
パスワード: AD のユーザー追加時に設定したパスワード
ドメイン: xendesktop.example.com
「デスクトップ」と「アプリケーション」タブが表⽰されるようになりました。「デスクトップ」は VDI
環境にアクセスするためのアイコンが表⽰されており、「アプリケーション」は公開アプリケーションに
アクセスするためのアイコンが表⽰されます。
ログインしたら公開したアプリケーションをクリックしてアプリケーションを起動してみましょう。「ア
プリケーション」タブをクリックして、「絵描きツール」アイコンをクリックしてください。
例図のように、ペイントが起動したでしょうか?
■XenApp で公開したアプリケーションを VDI で利⽤する
「XenDesktop は XenApp と XenDesktop VDI の組み合わせによって成り⽴つ」と、第⼀回⽬の連載記
事でご紹介したのを覚えていますでしょうか?今回のガイドの最後に、「XenApp で公開したアプリケー
ションを VDI で利⽤する」⽅法を説明いたします。
XenDesktop 5.6 では VDA エージェントを VDI 環境にインストールする際に Citrix Receiver もインスト
ールしています。この Citrix Receiver に XenApp の情報を登録することで、公開アプリケーションを VDI
環境上のデスクトップやスタートメニューに追加できます。
これにより、VDI デスクトップユーザーはローカルアプリケーション、オンラインアプリケーションなど
を意識することなく、アプリケーションを実⾏可能になるわけです。早速設定を⾏なってみましょう。
1)まず、VDI 環境にアクセスしてください。通知領域の「Citrix Receiver」を「右クリック→基本設定」
を開きます。
2)「基本設定」メニューの「プラグインの状態」を選びます。
3)「Online Plug-in」を「右クリック→サーバーの変更」をクリックします。
4)サーバーアドレスに以下のように⼊⼒して「更新」ボタンを押します。
5)もう⼀度「基本設定」メニューの「プラグインの状態」に戻ります。
6)「Online Plug-in」を「右クリック→アプリケーションの更新」をクリックします。
7)これで指定した場所に XenApp の公開アプリケーションのアイコンが配置されます。
8)VDI 環境上からアプリケーションを起動してみましょう。
まるで VDI 上にインストールされているアプリケーションを実⾏しているかのようにアプリケーションが
起動しました。今回はペイントを使って VDI 上にオンラインによるアプリケーション配信を⾏ないました
が、XenApp 上で動作するアプリであれば同じ⼿順でアプリケーションを使わせることができます。
たとえば、販売担当がログインすると、デスクトップに販売⽤のアプリが、仕⼊担当がログインすると在
庫管理⽤のアプリが表⽰されるなどといったことが可能になるわけです。
◆コラム
XenApp の公開アプリケーションのアイコンが VDI 環境で登録されない
XenApp で公開したアプリケーションが先の設定を⾏なってもアイコンが追加されない場合は、以下の設
定を今⼀度確認してみてください。
1)「XenApp 公開アプリケーション」で「ショートカットの表⽰設定」を適切に⾏なっているか
これまでのガイドに従って公開したアプリケーション「絵描きツール」を例にとって説明します。「絵描
きツール」のプロパティ画⾯を開き、「基本設定→ショートカットの表⽰」を開きます。 この画⾯に「ア
プリケーションのショートカットの追加先」という設定がありますので、適切に設定します。
例)VDI デスクトップにショートカットを配置する
2)「Web Interface」で「XenApp Services サイト」に「XenApp」のファームを登録したか
「Web Interface」の「XenApp Services サイト」を開き、「XenApp」のファームを登録しておく必要
があります。このガイドの例では XenApp65、サーバーxenapp65.xendesktop.example.com というフ
ァーム)を登録していることを今⼀度確認してください。
第 7 章 Citrix Provisioning Services による配信
Citrix Provisioning Services(PVS)をつかって、プロビジョニングした仮想デスクトップ環境を作成しま
す。そして、PVS 環境の構築をし、XenDesktop PVS-VDI をクライアントで使ってみるまでをご紹介し
たいと思います。
PVS を利⽤することにより、1 つの標準的なデスクトップイメージ(OS とソフトウェアスタック)をネッ
トワークサービスから物理デスクトップにオンデマンド配信することが可能になります。 1 つの標準的な
デスクトップ OS とソフトウェアイメージを、各デスクトップに物理的に展開するのではなく、動的にオ
ンデマンド配信することにより、デスクトップの運⽤/管理コストを低減させ、データセキュリティの向
上やソフトウェア設定やパッチ適⽤に伴うリスクをなくします。
これまで XenServer にインストールした仮想マシン(Windows 7)に Web Interface からアクセスする
というスタンダードな仮想デスクトップ環境を作成しました。
Citrix Provisioning Services をつかって、プロビジョニングした仮想デスクトップ環境を利⽤すると以下
のような構成になります。
以下のような流れで環境を構築していきます。
• DHCP 環境の構築編
1. 既存の DHCP サーバーを停⽌
2. Active Directory に役割「DHCP サーバー」を追加
3. DHCP サーバーの構成を変更
• マスターイメージの⽤意編
4. Win7 をインストール
5. DHCP で IP を取るように設定
6. Win7 を AD に参加
7. Win7 に VDA(Citrix Receiver)を⼊れる
8. Desktop Studio に登録して VDI アクセス
9. VDI から XenApp にアクセスできるように設定
10. 確認後、Desktop Studio カタログから削除
• PVS 環境の構築編
11. PVS のインストールと環境構築
12. Win7 にターゲットデバイスのインストール
13. PVS サーバーにデバイスを登録
14. vDisk へ Win7 環境をコンバート
15. ディスクレスクライアントの作成
16. PVS サーバーでディスクレスクライアントの複製
• DDC サーバーの構築編
17. Citrix Desktop Studio でカタログを登録
• 動作確認編
18. VDI 接続確認
それでは早速、構築プロビジョニングした仮想デスクトップ環境を構築しましょう。
■DHCP 環境の構築編
これまでの⼿順では、全てのサーバーや仮想デスクトップに対して固定の IP を振っていました。
Provisioning Services による仮想デスクトップのプロビジョニングを⾏なうには、DHCP 環境が必要にな
ります。
本ガイドでは Active Directory を構築した AD サーバーに DHCP サーバーを追加して運⽤する流れを説明
します。次の⼿順に従って、まずは DHCP 環境を構築してみます。
1.既存の DHCP サーバーを停⽌
まずは既存の DHCP サーバー(もしくはサービス)を停⽌してください。多くの場合はルーターが DHCP
サーバーを兼務しています。これを無効にします。
2.Active Directory に役割「DHCP サーバー」を追加
Windows Server 2008 R2 ではサーバーマネージャーの「役割」で DHCP サーバーを選択するだけで、
DHCP サービスを稼働することができます。以下の⼿順に従って DHCP サーバーを追加してください。
1)「サーバーマネージャー」を起動します。
2)サーバーマネージャーの「役割の追加」をクリックし、DHCP サーバーを選択します。
3)「DHCP サーバー」の説明が表⽰されるので「次へ」ボタンをクリックします。
4)「ネットワークバインディングの選択」。そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
5)「IPv4 DVS サーバー設定の指定」で以下例のように設定して「次へ」ボタンをクリックします。
・親ドメイン
xendesktop.example.com
・優先 DNS サーバーの IP アドレス
127.0.0.1
・代替 DNS サーバーの IPv4 アドレス
(空⽩のまま、設定しない)
6)「IPv4 WINS サーバー設定の指定」では「このネットワーク上のアプリケーションに WINS は必要な
い」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
7)「DHCP スコープの追加または編集」で「追加」ボタンを押します。
8)「スコープの追加」で以下例のように設定して「OK」ボタンをクリックします。
・スコープ名:Internal DHCP
・開始 IP アドレス:172.18.5.100
・終了 IP アドレス:172.18.5.230
・サブネットの種類:ワイヤード
v このスコープをアクティブ化する
・サブネットマスク:255.255.0.0
・デフォルトゲートウェイ:172.18.5.1
9)「DHCPv6 ステートレスモードの構成」では「このサーバーに対する DHCPv6 ステートレスモードを
無効にする」を選んだ状態で「次へ」ボタンをクリックします。
10)「DHCP サーバーの承認」では「現在の資格情報を使⽤する」を選んだ状態で「次へ」ボタンをクリッ
クします。
11)「インストールオプションの確認」で設定内容を確認して「インストール」ボタンをクリックします。
これにより DHCP サーバーがインストールされます。
3.DHCP サーバーの構成を変更
次に DHCP サーバーに DHCP PXE オプションを追加します。
この設定により、ディスクレスクライアントからアクセスがあった場合に、Provisioning Server や TFTP
サーバーの名前や IP アドレス、ブートストラップファイル名をクライアントに提供でき、PXE ブートをす
ることができるようになります。
以下の⼿順に従って、DHCP サーバーに設定を追加してください。
1)「サーバーマネージャー→DHCP サーバー」のスコープオプションを開いて項⽬を追加します。
・006 DNS サーバー
172.18.5.12
・066 ブートサーバーホスト名
172.18.5.22 (=PVS サーバーの IP を指定)
・076 ブートファイル名
ARDBP32.bin
詳しくは以下のページを参考にしてください。
http://support.citrix.com/article/CTX118513
■マスターイメージの⽤意編
「マスターイメージ」とは、PXE ブートする差異の⼤元の OS イメージを指しています。 Windows 7 を
XenServer 上に通常通りインストールして、必要な設定やコンポーネントを追加した環境を vDisk にコン
バートしたものをマスターイメージにします。
4.Windows 7 をインストール
Windows 7 を通常通りインストールします。インストール後、XenServer Tools をインストールします。
その後に Windows Update を⾏ない、最新の状態にしてください。
5.DHCP で IP を取るように設定
インストールした Windows 7 の IP 設定を確認します。先に構築した DHCP サーバーによって IP が割り
振られていることを確認してください。
DHCP サーバーへの設定追加により、IP や DNS、デフォルトゲートウェイなどが正しく設定されているこ
とを確認します。
6.Win7 を AD に参加
インストールした Windows 7 を Active Directory に参加させます。ここでは win7vdi2 というコンピュ
ータ名を設定して、Active Directory に参加してください。
7.Win7 に VDA(Citrix Receiver)を⼊れる
Windows 7 に VDA と Citrix Receiver をインストールします。インストール⼿順は前の VDI 環境構築と
⼿順は同様です。
8.Desktop Studio に登録して VDI アクセス
VDA と Citrix Receiver をインストールした環境を、DDC サーバーの Desktop Studio を使って登録しま
す。登録⼿順は前の VDI 環境構築と⼿順は同様です。
9.VDI から XenApp にアクセスできるように設定
仮想デスクトップ環境にインストール済みの Citrix Receiver を起動して、XenApp 公開アプリケーション
が利⽤可能になるように設定を変更します。設定⼿順は前の VDI 上における XenApp 環境構築と⼿順は同
様です。
10.確認後、Desktop Studio カタログから削除
VDI 接続および公開アプリケーションの実⾏が確認できたら、Desktop Studio から仮想デスクトップを削
除します。 VDA と Citrix Receiver は削除せずそのまま残しておいてください。
■Provisioning Services 環境の構築編
Provisioning Services は OS をストリーム配信する技術のことです。XenDesktop によるデスクトップ仮
想化はユーザーデータや OS を個別に管理しますが、 OS を⼤量にかつ同様の構成で配備したい場合、
Provisioning Services を使うことでこの問題を解決できます。
Provisioning Services の概要については以下の URL を参考にしてください。
http://thinkit.co.jp/story/2010/06/08/1580
以下の URL からドキュメントをダウンロードできます。
http://support.citrix.com/product/provsvr/pvsv6.0/#tab-doc
11.PVS のインストールと環境構築
Provisioning Services の実⾏には事前に SQL Server 2005 SP3 以降のバージョンが必要です。ここでイ
ンストールを⾏ないましょう。
◆SQL Server 2005 Express のインストール
1) SQL Server 2005 Express Edition SP3 をダウンロードします。
http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=3181842a-4090-4431-acdd
-9a1c832e65a6
2) ダウンロードしたインストーラーを実⾏します。
3) 使⽤許諾書に同意します。
4)「必要なコンポーネント」で「インストール」ボタンをクリックします。
5)インストールが終わったら「次へ」ボタンをクリックします。
6)「Microsoft SQL Server インストールウィザード」で「次へ」ボタンをクリックします。
7)「システム構成チェック」で「ASP.Net バージョン登録の要件」で警告が出るが、そのまま「次へ」ボ
タンをクリックして進みます。
8)SQL サーバーのインストールが実⾏されます。
9)「登録情報」で名前、会社名を適宜⼊⼒します。
10)「機能の選択」で以下を選択して「次へ」ボタンを押します。
・データベースサービス
-データファイル
-レプリケーション
-共有ツール
・クライアントコンポーネント
-接続コンポーネント
11)認証モードは「Windows 認証モード」を選んで「次へ」ボタンをクリックします。
12)「構成オプション」は双⽅有効にして「次へ」ボタンをクリックします。
・ユーザーインスタンスを有効にする
・ユーザーを SQL Server 管理者ロールに追加する
13)「エラーと使⽤状況レポートの設定」は適宜設定して「次へ」ボタンをクリックします。
以上で SQL Server 2005 Express Edition SP3 のインストールは終了です。
次に Provisioning Services 6.1 をインストールします。
◆Provisioning Services 6.1 のインストール
PVS 6.1 のメディアを挿⼊すると Provisioning Services のインストールメニューが表⽰されます。まず
はサーバーをインストールするため、
「サーバーのインストール」をクリックしてインストール開始します。
1)「サーバーのインストール」をクリックすると、さらに選択肢が現われますので「サーバーのインスト
ール」をクリックします。
2)「Provisioning Services」のインストールウィザードが起動しますので、
「インストール」ボタンをク
リックして必要コンポーネントをインストールしてください。
3)「SQLncx64 は Provisioning Services x64 によってオプションで使⽤されます。今すぐインストール
しますか?」と表⽰されます。ここでは「はい」ボタンをクリックしてインストールします。
4)インストールを進めると、「Citrix Host Snap-In」のライセンスに同意する画⾯が表⽰されます。これ
は必要な機能ですので、「I accept the terms in the License Agreement」にチェックマークをつけて
「Install」ボタンをクリックします。
5)「Citrix Host Snap-In」のインストールが終わったら「Finish」ボタンをクリックして、PVS のインス
トールを続⾏します。
6)同様に「Citrix Broker PowerShell Snap-In」と「Citrix Configuration Snap-In」のインストールも⾏
なってください。
7)必須コンポーネントのインストールが⾏なわれると、「Provisioning Services」のインストールが始ま
ります。「次へ」ボタンをクリックして、インストールを開始しましょう。
8)「Provisioning Services」のライセンス契約書に同意しますを選んで、
「次へ」ボタンをクリックしま
す。
9)ユーザー情報にユーザー名、所属を⼊⼒して「次へ」ボタンをクリックします。
10)「インストール先」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
11)「セットアップの種類」は「すべて」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。
12)「インストール」ボタンを押して、Provisioning Services のセットアップが開始します。
13)インストールが終わったら、
「完了」ボタンをクリックします。引き続き「Provisioning Services コン
ソール」のインストールを⾏ないましょう。
14)「Provisioning Services 構成ウィザード」が表⽰されますが、それをそのままにして「コンソールの
インストール」を実施してください。
15)「Provisioning Services」のウィザードが表⽰されたら「次へ」ボタンをクリックしてインストール
を⾏ないます。
16)「Provisioning Services」の「ライセンス契約書に同意します」を選んで、
「次へ」ボタンをクリック
します。
17)ユーザー情報にユーザー名、所属を⼊⼒して「次へ」ボタンをクリックします。
18)「インストール先」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
19)「セットアップの種類」は「すべて」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。
20)「インストール」ボタンを押して、Provisioning Services のセットアップが開始します。
21)インストールが終わったら、
「完了」ボタンをクリックします。引き続き「Provisioning Services 構成
ウィザード」の作業に移ります。
◆vDisk 共有領域の作成
PVS サーバーには C:¥vdisk という領域を作成して、このフォルダ内に PXE イメージを配備します。その
ため、PVS サーバーは多くの空きディスクが必要です。
C:¥vdisk を作成したら以下の⼿順に従って、このフォルダを共有してください。
1)C:¥vdisk を「右クリック→共有→特定のユーザー」を選択します。
2)「Everyone」を追加して、アクセス許可のレベルを「読み取り/書き込み」にしてください。
※実際の運⽤では、アカウントを正しく設定してください。
◆Provisioning Services 6.1 の構成
「Provisioning Services 構成ウィザード」で環境の構成を⾏ないましょう。
1)「Provisioning Services 構成ウィザードの実⾏」が表⽰されたら「次へ」ボタンをクリックします。
2)「DHCP サービス」は以下の項⽬を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
・ほかのコンピュータで実⾏するサービス
3)「PXE サービス」は以下の項⽬を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
・このコンピュータで実⾏するサービス
Provisioning Services PXE Service
4)「ファームの構成」画⾯では「ファームを作成する」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
5)「データベースサーバー」画⾯で「参照」ボタンをクリックします。
6)「SQL Servers」で「PVS」インスタンスを選択して、
「OK」ボタンをクリックします。
7)「新規ファーム」画⾯の設定を以下に書き換えます。
データベース名:ProvisioningServices
ファーム名:XDFarm
サイト名:XDSite
コレクション名:XDCollection
・セキュリティ保護に Active Directory グループを利⽤する
ファーム管理者グループ:xendesktop.example.com/Users/Domain Admins
以上のように設定して[次へ]をクリックします。
8)「新規ストア」画⾯で「次へ」ボタンを押してください。
ストア名:XDStore
デフォルトのパス:¥¥pvs¥vdisk
9)「ライセンスサーバー」画⾯では、ライセンスサーバーを動かしているサーバーを指定します。このガ
イドに従ってインストールした場合は DDC サーバーでライセンスサーバーを動かしているため、以下のよ
うに設定して「次へ」ボタンをクリックします。
ライセンスサーバー名: ddc.xendesktop.example.com
ライセンスサーバーポート: 27000
10)「ユーザーアカウント」の画⾯では、「指定ユーザーアカウント」を選択して、以下のように設定して
「次へ」ボタンをクリックします。
User name: Administrator
Domain: xendesktop.example.com
Password: (ドメインのパスワード)
v このアカウント情報でデータベースを構成する
11)Active Directory コンピューターアカウントのパスワード
「コンピューターアカウントのパスワードを⾃動的に更新」をオフにして、
「次へ」ボタンをクリックしま
す。
12)「ネットワーク通信」
(ストリーム配信関連のネットワーク設定)はデフォルト設定のまま、
「次へ」ボ
タンをクリックします。
13)「TFTP オプションとブートストラップの場所」では、「Provisioning Services TFTP service を使⽤
する」をクリックして「次へ」ボタンをクリックします。
14)「ストリーム配信サーバー起動⼀覧」はデフォルト設定のまま、「次へ」ボタンをクリックします。
15)「完了」という画⾯が表⽰されたら、今まで設定した内容を確認の上、「完了」ボタンをクリックしま
す。
16)ネットワークサービスを停⽌した後、サービスの設定を変更してネットワークサービスが再起動されま
す。「完了」ボタンをクリックして設定完了です。
◆Provisioning Services の起動
インストールした Provisioning Services を起動してみましょう。以下の⼿順に従って起動してください。
1)「スタート→すべてのプログラム→Citrix→Provisioning Services→Provisioning Services Console」
を選択し、管理コンソールを起動します。
2)「Provisioning Services コンソール」を「右クリック→ファームへの接続」をクリックします。
3)「サーバー情報」の名前に PVS と⼊⼒して「接続」ボタンをクリックします。
4)接続後、展開すると以下のようにファームなどが表⽰されたら Provisioning Services のインストール
は成功です。
◆ストアの設定変更
Provisioning Services に接続できたら、作成済みのストアの設定を変更します。このガイドでは書き込み
キャッシュの設定先として vDisk を指定します。
1)「Provisioning Services コンソール→XDFarm→ストア→XDStore」を「右クリック→プロパティ」を
選択して「ストアのプロパティ」を開きます。
2)「全般」タブで「このストアを保有するサイト」を「XDSite」に変更してください。
3)「パス」設定で書き込みキャッシュパスの「追加」ボタンをクリックします。
4)「ストアのキャッシュパス」に「¥¥pvs¥vdisk」と⼊⼒します。
◆ここまでのまとめ
キャッシュの設定など終わったら、次に vDisk を作成しましょう。この後の作業ですが、作成した仮想デ
ィスク(vDisk)に VDI の OS イメージを「XenConvert 2.4.1」で既存のイメージを vDisk に取り込んで、
vDisk 上のイメージから OS を起動できるようにします。 XenServer 上にディスクレスクライアントを作
成して、このクライアントから vDisk 上の OS に PXE ブートという⼿法で OS を起動します。
⼀つの仮想的な OS イメージを複数の接続に対して使う⽅法ですので、当然ながら速いストレージとネッ
トワークが必要になります。XenDesktop の Provisioning Services 環境を快適に使うには、ストレージ
については SATA よりは SAS、SAS よりは SSD などの速いストレージ上で動作させるのが好ましく、ネ
ットワークについては 1GbE で少なくとも冗⻑化された環境であることが必須と⾔って良いでしょう。
作成した仮想ディスク(vDisk)に VDI の OS イメージを「XenConvert 2.4.1」で既存のイメージを vDisk
に取り込んで、vDisk 上のイメージから OS を起動できるようにします。 XenServer 上にディスクレスク
ライアントを作成して、このクライアントから vDisk 上の OS に PXE ブートという⼿法で OS を起動しま
す。
◆vDisk の作成
それでは、早速 vDisk を作成しましょう。vDisk を作成すると指定したサイズの仮想ハードディスクがス
トアに設定した共有領域に作成されます。
1)「Provisioning Services コンソール」を開きます。
2)「ストア→右クリック→vDisk の作成」を⾏ない、vDisk を作成します。
--vDisk の作成-・vDisk を含むサイト
XDSite
・vDisk を配置するストア
XDStore
・vDisk の作成に特定のサーバーを使⽤する
PVS
・ファイル名
Windows 7
・説明
・サイズ:24000(MB)
・VHD の種類:動的(Dynamic)
・VHD ブロックサイズ:2MB
3)「vDisk の作成」ボタンを押すと vDisk が作成されます。作成した vDisk をマウントしてみましょう。
4)ガイドに沿ってセットアップを⾏なっている場合はコンソール上に「Windows7」という vDisk が表⽰
されているはずです。これを「右クリック→vDisk のマウント」をしてください。
5)初めて vDisk をマウントした場合は、新しいハードディスクを接続した時と同様、フォーマットが必要
です。クイックフォーマットを⾏なってください。フォーマット後、ドライブが⼀つ追加されていること
を確認します。
6)フォーマットを⾏なったらこのディスクにデータの読み書きが⾏なえることを確認してください。
7)「Provisioning Services コンソール」に戻って「Windows7」という vDisk を「右クリック→vDisk の
マウント解除」を実⾏してください。マウント解除すると PVS サーバー上からドライブが⼀つ減ることを
確認します。
以上で Provisioning Services の環境構築は⼀旦終了です。
12.Win7 にターゲットデバイスのインストール
Provisioning Services による PXE ブートを⾏なうため、元になる OS イメージを準備しましょう。前の
⼿順で「仮想デスクトップ(XENDESKTOP¥win7vdi2)
」を作成したと思います。
今回はこの仮想マシンをマスターイメージ(以降 PVS マスター)にします。
◆ターゲットデバイスのインストール
まずは PVS マスターとする仮想マシンに「ターゲットデバイス」をインストールします。
1)仮想マシンを起動したら、その仮想マシンがドメインネットワークに接続されていることを確認して、
Provisioning Services のメディアを挿⼊してください。
2)Provisioning Services のインストール選択画⾯が表⽰されます。この中から「ターゲットデバイスのイ
ンストール」をクリックします。
3)次の選択肢は今回は新規インストールですので、
「ターゲットデバイスのインストール」をクリックしま
す。
4)「Citrix Provisioning Services ターゲットデバイス インストールウィザード」が表⽰されます。
「次へ」
ボタンをクリックして次に進みます。
5)Citrix Provisioning Services ライセンス契約書に同意します。
6)ユーザー情報を⼊⼒します。
7)インストール先を指定します。
8)「インストール」ボタンを押してインストールを開始します。
9)「インストールウィザードの完了」が表⽰されたら「完了」ボタンを押します。
10)再起動を促すメッセージが表⽰されますが、ここでは再起動せずに PVS マスターをシャットダウンし
てください。
11)仮想マシン「PVS マスター」のプロパティを開きます。
12)Boot Options で起動オプションを以下の順序のようにネットワークを優先に並べ替えます。
・Network
・DVD-Drive
・Hard Disk
13)仮想マシン「PVS マスター」の「Networking」タブを開いて、仮想マシンの MAC アドレスをメモし
ておきます。
13.PVS サーバーにデバイスを登録
◆デバイスの登録
次にデバイスの登録を⾏ないます。これからターゲットデバイスをインストールした「PVS マスター」の
登録を⾏ないます。
1)「Provisioning Services コンソール」を起動します。
2)ファームをたどって、「デバイスコレクション→XDCollection」を選択します。
3)「コレクション→右クリック→デバイスの作成」をクリックします。
4)「ターゲットデバイスのプロパティ」が表⽰されます。
5)それぞれ以下のように⼊⼒します。
・全般
名前:Master-Windows7
種類:実稼働
起動元:ハードディスク
MAC:「PVS マスター」の MAC アドレス
ポート:6901
クラス:⼊⼒しません
・vDisk
このデバイスの vDisk:
1)「追加」ボタンを押す
2)割り当てる vDisk から「XDStore¥Windows7」を選んで「OK」ボタンをクリックする。
・認証
変更しません
・パーソナリティ
変更しません
・ログ
変更しません
◆PVS サーバーに導⼊した「Provisioning Services コンソール」で状態の確認
デバイス「Master-Windows7」を作成したら、「PVS マスター」を起動してください。 Provisioning
Services コンソールで作成したデバイスが正しく認識されているか、以下の⼿順で状態を確認します。
・マスターイメージ
1)通知領域内の「仮想ディスク」アイコンに X 印がついていないこと
2)「仮想ディスクの状態」がアクティブになっていること
・PVS サーバー
1)「XDFarm→XDSite→サーバー」の「PVS」サーバーの接続にチェックマークが⼊っており、接続が 1
になっていること
2)「ファーム→ストア→XDStore」で vDisk「Windows7」にカギマークが⼊っており、接続が 1 になっ
ていること
3)「XDFarm→デバイスコレクション→XDCollection」の「Master-Windows7」にチェックマークが⼊
っており、IP アドレスがとれていること
IP アドレスがとれていない、PXE ブートできていない場合は以下の点を確認してください。
・仮想デスクトップは DHCP で IP を取っているか(固定アドレスだとリンクできません)
・PVS サーバーで作成した vDisk はアンマウントされているか
・作成したターゲットデバイスに設定した MAC アドレスは正しく設定されているか
14.vDisk へ Win7 環境をコンバート
vDisk へマスターイメージとなる Windows 7 環境をコンバートしましょう。
◆XenConvert 環境の事前準備
vDisk へのマスターイメージのコンバートは、XenConvert 2.4.1 を利⽤して⾏ないます。 XenConvert
2.4.1 の実⾏には.Net Framework 4 の導⼊が必要ですので、以下からダウンロードしてインストールし
てください。
.Net Framework 4
http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=0a391abd-25c1-4fc0-919fb21f31ab88b7&displaylang=ja
XenConvert 2.4.1 は Citrix のサイトからダウンロードします。コンバートする環境に合わせて 32 ビット
版、64 ビット版のいずれかをダウンロードしてください。
XenConvert 2.4.1
http://www.citrix.com/English/ss/downloads/details.asp?downloadId=2318170&productId=68
3148
◆XenConvert のインストール
ダウンロードしたインストーラーを実⾏して、XenConvert 2.4.1 をインストールしてください。
XenConvert 2.4.1 の実⾏には.Net Framework 4 が必要です。
◆XenConvert の実⾏
1)「スタート→すべてのプログラム→Citrix→XenConvert」を起動します。
2)「Citrix XenConvert の InstallShield ウィザードへようこそ」が表⽰されたら「次へ」ボタンをクリッ
クします。
3)「Citrix XenConvert ウィザードへようこそ」と表⽰されたら、変換元が「このマシン」、変換先が
「Provisioning Services vDisk」になっている事を確認して、[次へ]をクリックします。
4)「変換するボリューム」画⾯では対象の仮想マシンのディスク領域が vDisk のディスク領域よりも⼩さ
い事を確認して、[次へ]をクリックします。「⾃動調整」ボタンを押すか、適切に調整してください。
5)「状態」が「開始準備完了」になったら、「変換」ボタンをクリックして VDI 環境を vDisk に変換する
処理が開始します。処理が終了するまでしばらく待ちます。
「Provisioning Services ⽤に最適化」ボタンをクリックすると、マスターイメージを VDI ⽤に最適化す
ることができます。必須ではないデスクトップ効果やサービスを無効にすることができます。
6)「ドライブ E:を使うにはフォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」とバックグラウ
ンドでメッセージが表⽰されますが、基本的に⾃動でフォーマットされたあとコンバートまで⾏なわれま
すので、この質問には答えずそのまま作業完了をお待ちください。
7)「この変換を続⾏すると、Provisioning Services vDisk 上のデータがすべて消去されます」という警告
メッセージが表⽰されます。「XenConvert」の処理を継続するには「はい」ボタンをクリックします。
8)処理完了後、「完了」ボタンをクリックします。
マスターイメージの VM で「コンピュータ」を開くと、ハードディスクドライブが⼆つ⾒えるようになっ
ていると思います。本ガイドの例では C ドライブが VM の元のハードディスクドライブ、E ドライブが vDisk
です。E ドライブにアクセスすると,C ドライブにあるファイルと同じものが展開されているはずです。
この E ドライブの内容が PXE ブートされるようになります。
◆Standard Image への変更
vDisk のイメージを複数デバイスからアクセスできるようにするため、標準イメージに設定変更します。
なお、この設定を⾏なうと、vDisk は読み取り専⽤になります。
1)Provisioning Services コンソールを起動します。
2)「XDFarm→ストア→XDStore」を選択します。
3)vDisk「Windows7」の接続が 0 であることを確認して、vDisk のプロパティを選択します。
4)「vDisk のプロパティ→全般」タブを開き、各種設定します。
以下の項⽬が設定されていることを確認します。
・アクセスモードを「プライベートイメージ」から「標準イメージ」に変更
・「Active Directory コンピューターアカウントのパスワード管理を有効にする」にチェック
・「この vDisk のストリーム配信を有効にする」にチェック
5)「vDisk のプロパティ」で「OK」ボタンを押して閉じます。
15.ディスクレスクライアントの作成
PVS サーバーを使った XenDesktop 環境は、今回作成するディスクレスクライアントに接続して PXE ブ
ートした環境にアクセスします。少数であれば、XenCenter のクローン機能を使って作成したディスクレ
スクライアントをクローンすれば良いですが、PVS サーバーの機能「ストリーム配信仮想マシンのセット
アップウィザード」を使って仮想マシンを複数⽤意しましょう。
それにはまず⼀つのディスクレス仮想マシンを作成して、テンプレート化しておく必要があります。
「スト
リーム配信仮想マシンのセットアップウィザード」でテンプレート化した仮想マシンと同様の構成の仮想
マシンが設定した数作成されます。
それでは早速テンプレートを作成しましょう。
◆仮想マシンを作成
1)XenCenter でサーバーを右クリックし[New VM] を選択します。
2)「Windows 7(64-bit)」を選択して「Next」ボタンをクリックします。
3)VM の名前を設定して「Next」ボタンをクリックします。
例)Name:Windows7
4)「Installation Media」は特に気にせずデフォルト設定のまま「Next」ボタンをクリックします。
5)「Home Server」はデフォルト設定のまま「Next」ボタンをクリックします。
6)「CPU & Memory」の設定を⾏ないます。ここでは以下のように設定して「Next」ボタンをクリックし
ます。
vCPU:1
Memory:2048MB
7)「Storage」は特に気にせずデフォルト設定のまま「Next」ボタンをクリックします。
8)「Network」も特に気にせずデフォルト設定のまま「Next」ボタンをクリックします。
9)「Finish」は「Start the new VM automatically」を無効にして「Finish」ボタンを押します。
これで仮想マシンが⼀つ作成されます。
◆ディスクレスクライアント化
作成した仮想マシンをディスクレス化+PXE ブート化しましょう。この作業を⾏なうことにより、ディス
クレスクライアントは PVS サーバーに DHCP で接続して、PXE イメージを使って Windows 7 を起動しま
す。本ガイドの⼿順に従って環境構築した場合はキャッシュは PVS サーバー上に展開されます。
1)作成した仮想マシンを選択し「右クリック→プロパティ」をクリックします。
2)「Boot Options」を以下のように設定します。
Boot order:
・Network
・DVD-Drive
・Hard Disk
3)「Storage」タブを開き、Position 0 の仮想ストレージを「Delete」ボタンを押して削除します。
◆ディスクレスクライアントをテンプレート化
作成した仮想マシンをテンプレート化します。
1)作成した仮想マシンを選択し「右クリック→Convert Template」をクリックします。
2)「Are you sure you want to convert VM to template? This cannot be undone.」と表⽰されます。
「Convert」ボタンを押して実⾏してください。
以上で、XenCenter 上での作業は終了です。
16.PVS サーバーでディスクレスクライアントの複製
ディスクレスクライアントの複製は Provisioning Services コンソールから実施します。以下の⼿順に従っ
て作業してください。
1)「XDFarm→サイト→XDSite」を「右クリック→ストリーム仮想マシンセットアップウィザード」をク
リックします。
2)「ようこそ」画⾯で「次へ」ボタンをクリックします。
3)「ハイパーバイザーコネクション」では以下のように設定して、「次へ」ボタンをクリックします。
・Citrix XenServer
ハイパーバイザー:172.18.5.10
ユーザー名:root
パスワード:(XenServer に設定した管理者 root のパスワード)
4)「仮想マシンテンプレート」で作成したテンプレートを選択して「次へ」ボタンをクリックします。
5)「コレクションと vDisk」で割り当てるコレクションと vDisk を指定して「次へ」ボタンをクリックし
ます。
6)「仮想マシン」の構成を設定します。以下の設定を⾏なって「次へ」ボタンをクリックします。
作成する仮想マシンの数:2
vCPU 数:1
メモリ:2048MB
Active Directory コンピューターアカウント
・新しいアカウントを作成する
※ここで指定する割り当てメモリは、元となるテンプレートで設定されているメモリ容量「以上」の値を
指定してください。テンプレートより⼩さな値を設定した場合、ディスクレスクライアントの複製に失敗
してしまいます。
4)「Active Directory のアカウントと場所」の構成を設定します。以下の設定を⾏なって「次へ」ボタン
をクリックします。
Active Directory コンピューターアカウントと場所
ドメイン:xendesktop.example.com
xendesktop.example.com/XENDESKTOP
アカウント名前付けスキーム:pvsxd56user###
※この設定により、xendesktop.example.com ドメインの XENDESKTOP という OU 配下にコンピュー
タが作成されます。
5)「概要」で作業内容を確認して「完了」ボタンを押すと仮想マシンが複製されます。本ガイドの例では
2 つの仮想マシンがテンプレートを元に作成されます。
6)XenCenter に⼆つのクライアントが追加されていることを確認します。
◆デバイスコレクションの追加と移動
ガイドに従い、PVS の環境を構築している場合は、「デバイスコレクション→XDCollection」には 3 つの
デバイスが登録されていると思います。
正常に PXE ブートさせるには、最初に作った「Master-Windows7」を別のデバイスコレクションに移動
する必要があります。
「デバイスコレクション→右クリック→デバイスコレクションの作成」で新しいデバ
イスコレクションを作成して、「Master-Windows7」をドラッグアンドドロップで移動してください。
■DDC サーバーの構築編
最後にディスクレスクライアントを DDC サーバーの「Desktop Studio」に登録します。次の図をご覧く
ださい。
スタンダードな仮想デスクトップ環境ではクライアントから仮想マシンに直接アクセスしていましたが、
PXE ブート型の仮想デスクトップへの接続は図のようにディスクレスクライアントに接続する形になりま
す。
ディスクレスクライアントは vDisk 上のマスターイメージと XenApp などによる公開アプリケーションに
アクセスして、DDC サーバーの Web Interface などを経由してクライアントからアクセスできるように
なります。
それでは早速登録しましょう。
17.Citrix Desktop Studio でカタログを登録
Citrix Desktop Studio でカタログを登録します。ここで「どういった種類の VDI を使うか」登録します。
1)Desktop Studio の「マシン」を選び、「右クリック→カタログを作成」をクリックします。
2)ウィザードから「ストリーム配信」を作成します。
マシンの種類:
Provisioning Services アドレス:172.18.5.22
デバイスコレクションドメイン:xendesktop.example.com
ターゲットの種類:仮想
3)「PVS デバイスコレクションの選択」では XDCollection を選びます。
4)「管理者」の設定を⾏ないます。
このカタログの使⽤を許可された管理者:
XENDESKTOP¥Administrator(完全)
管理者に関するカタログ説明:
Windows 7 PVS デスクトップ
5)「(カタログの)概要」を⼊⼒します。ここでは「PVS デスクトップ」と⼊⼒します。
これで、PVS デスクトップというマシンが登録されました。次にデスクトップグループを作成して、マシ
ン「PVS デスクトップ」を登録しましょう。
◆マシン「PVS デスクトップ」の登録
Citrix Desktop Studio でマシン「PVS デスクトップ」をデスクトップグループを作って登録しましょう。
1)Citrix Desktop Studio のメニューから、
「割り当て→右クリック→デスクトップグループを作成」
2)まず、
「割り当て⽤のマシンを選択」を⾏ないます。カタログ「PVS デスクトップ」をクリックして選択
します。
3)「マシンの追加」でこのデスクトップグループに追加したいマシンを選択して「次へ」ボタンをクリッ
クします。
4)「デスクトップグループ」にアクセスを許可するユーザーを選択します。ここでは以下のユーザーを追
加します。ユーザー毎のデスクトップは 1 とします。
XENDESKTOP\user
5)「委任先」は XENDESKTOP\Administrator(完全)の設定のまま、
「次へ」ボタンを押します。
6)「概要」ではこのデスクトップの概要を⼊⼒します。以下のように⼊⼒します。
表⽰名:PVS デスクトップ-Windows7
デスクトップグループ名:PVS デスクトップ
7)「割り当て」に「PVS デスクトップ」というデスクトップグループが作成され、2 つのマシンが追加さ
れていることを確認します。
■動作確認編
18.VDI 接続確認
構築した仮想デスクトップ環境に早速アクセスしてみましょう。
1)ブラウザで Web Interface にアクセスします。
http://ddc.xendesktop.example.com/
2)以下のユーザーでログインします。
ユーザー名:XENDESKTOP\user
パスワード:(user のパスワード)
3)「デスクトップ」タブをクリックします。
4)「PVS デスクトップ-Windows7」をクリックして実⾏します。
5)プロビジョニングした「仮想デスクトップ」にアクセスできました。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまで最新版の XenServer のインストールから始まり、最新版の XenDesktop のインストール/設定、
XenApp のインストール/設定、Citrix Provisioning Services を利⽤したデスクトップ仮想化環境の設定
をご紹介してきました。
このガイドをもとに、XenDesktop によるデスクトップ仮想化環境をお試しいただき、皆様のお役にたて
れば幸いです。
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2012 年 6 月現在
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