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聖アントニオ修道院からの手紙
No.39 ヨブ・戸田神父の私信です 聖アントニオ修道院からの手紙 釧 路 市 緑 ヶ 岡 5 丁 目 2 0 -1 5 2014 年 2 月 22 日 発 行 ★ 「倍返し」 ★ 三浦綾子著の「氷点」から ドラマで「倍返しだ」が流行し昨年の 夫と妻、息子とその妹の物語りを思い 流 行 語 大 賞 に な り ま し た 。「 や ら れ た ら 、 出します。夫が妻の裏切りの仕返しとし やり返す」と言う生き方に賛成ですか? て娘を殺した犯人の幼児を養女としても 倍返しは贈り物のお礼として倍にあた らい、妻には知らせないで養育させます。 る贈り物をする言葉でした。チョコをあ 妻は養女の陽子を可愛がって育てますが、 げた人、もらった人はどう思いますか? ある日陽子が自分の生んだ娘を殺した犯 ★ 「昔は、仇討ち」 人の子供である事を知ってから、陽子に 忠臣蔵は仇討ちです。明治6年に禁止 倍返しみたいなことをします。太陽のよ されるまで美徳とされていました。仇討 うに明るく生きようと陽子は、前向きに ち、敵討ちは普通には「仕返し」です。 がんばるのですが心が凍ってしまいます。 ★ 「旧約の律法」 それで書名が「氷点」にされたよし。 「目には目を、歯には歯を」これは「仕 返し」を認めているというよりも過剰な ★ 仕返しを禁じている掟です。 人間の奥深くにうずいている古傷が誰 ゆるしたいけどゆるせない哀しみ イエスはこれを否定しさらに命令しま にでもあります、その哀しみを思います。 す「敵を愛し自分を迫害する者のために 古傷の後腐れがチョットしたことで仕返 祈 り な さ い 」 と 。「 わ た し が 来 た の は 律 法 しをさせます。うらみ、ねたみ、憎しみ や預言者を廃止するためだ、と思っては は誰にでもあると思います。それで仕返 ならない。廃止するためではなく、完成 しのことも分かります。 するためである」と宣言しています。 陽子は母にひどい仕打ちを受けたとい 「兄弟に腹を立てる者は誰でも裁きを う理由ではなく自分が生まれながらに持 受 け る 」、「 敵 を 愛 し 、 自 分 を 迫 害 す る 者 っている罪の血が自分に流れていること のために祈りなさい」と言っています。 を知って死のうとした、となっています。 法律では「これくらいは守りなさいと ★ 「どうしたら? 秘訣は」 常識の範囲内での義務を要求しますが、 それは感謝です。恵みに感謝することと イエスは律法との違いを話して、私たち 考えます。皆さんは感謝を知っています、 皆に新しい生き方を教えます。 もっともっと感謝することが秘訣だと思 います。感謝、有り難い、かたじけない ★ 「宗教は理想を教えます」 教会はイエスの生き方を示して理想を 高く掲げています。少なくともこれくら 思 い 出 を 大 切 に し ま し ょ う 。「 受 け る よ り も 与 え る 方 が 幸 い で あ る 」( 使 徒 20: 18) ★ いの最低限ではなく最高を教えますから 木曜日 入門講座の日 「仕返し」ではなく「ゆるす愛、与える愛 午 前 は 10時 の教えがあります。 受付までご連絡ください。 司祭事務室 午後は1時半