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欧州環境情報
情報報告 ウィーン ●欧州環境情報 ○ 英国 大気汚染物質の年次報告を発表 英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA)が、2007年の同国における大気汚染物質に関する報 告書を発表した。2006年比で各汚染物質は減少しており、非メタン揮発性有機化合物は2%減、 アンモニアは3%減、窒素酸化物は7%減、二酸化硫黄は12%減となっている。長期的に見て も、1990年以降それらは着実に減少傾向を示しており、アンモニアは21%減、窒素酸化物は46% 減、非メタン揮発性有機化合物は64%減、二酸化硫黄は84%減となっている。 ○ 再生可能エネルギーの国際機関が誕生 国際再生可能エネルギー機関であるIRENAが1月26日誕生し、ドイツのボンで記念式典が実 施され100ヵ国以上の政府代表者が参加した。IRENAは、ドイツ主導のもとで進められスペイン やデンマーク等から支援を受けて設立された。再生可能エネルギーに焦点を当てた初の国際機 関であるIRENAは、今後加盟諸国間での、再生可能エネルギー容量の拡大や財政支援、技術移 転やノウハウの伝授に向けた枠組み作りに取り組む予定だ。 ○ ドイツ 新たな電池法を策定へ ドイツ連邦内閣は、連邦環境省より提出されていた新電池法を承認した。これにより、廃電 池の回収目標値として2012年までに35%、2016年までに45%が設定され、汚染物質を含む電池 量が大幅に削減される予定だ。この法律は、EUの廃電池指令に従い策定されたものであるが、 EU指令の2012年回収目標値(25%)よりも高い値となっている。 ○ アルバニア 水力発電施設を3ヵ所に建設へ アルバニア政府は、同国東部に3ヵ所の水力発電施設を建設すると発表した。同プロジェク トには、オーストリアのEVNとノルウェーのStatkraftが合計9億5,000万ユーロを投資して、 合計能力340MWで年間発電量が1,000GWhの施設を建設する。それぞれの施設は、首都ティラナ の南部にあるDevol川の河川水を利用する予定だ。 ○ ロシア 2020年までに発電に占める再生可能エネルギー割合を4.5%に増加予定 現在、再生可能エネルギー発電の割合が1%以下であるロシアは、2020年までにその数値を 4.5%(2万2,000MW相当)まで引き上げるように取り組む。エネルギー相が、プーチン首相が 再生可能エネルギー発電における政府ガイドラインについて署名したと明らかにしたもので、 同ガイドラインは再生可能エネルギー産業をより利益性を持つものにすることを目標にして おり、今後水部門や暖房部門、太陽エネルギー発電、風力発電といった部門の研究開発に投資 -23- 情報報告 ウィーン される予定だ。 ○ オーストリア 2007年における温室効果ガス排出量が減少 オーストリア環境省は、2007年に温室効果ガス排出量について、前年比3.9%減(350万トン 減)の8,800万トン(CO2換算)になると発表した。ただ、1990年以来最も増加している輸送部 門については、30万トン増加している。これは、バイオ燃料の使用によって減少したものの、 交通量が3%弱増加したためにその分を相殺したためと報告されている。 ○ ドイツ 中国と気候変動への取り組みに関する覚書を締結 ドイツのガブリエル環境相と中国のZhang Ping国家発展・改革委員長は、気候変動への取り 組みに関する覚書に署名した。特に重要な分野としては、気候変動、エネルギー部門、研究開 発部門であり、ドイツと中国は連邦環境省と国家発展・改革委員会(NDRC)間でワーキン ググループを設立する予定。 ○ ドイツ アルジェリアとモロッコとの水関連の協力強化を模索 ドイツのガブリエル環境相は、2009年2月にアルジェリアとモロッコを訪問し、水および下 水処理に関する情報収集や水部門における二国間協力に取り組む予定だ。現在ドイツは、両国 における水技術の輸出に関してフランスとイタリアに次ぐ第3位であるものの、両国を水技術 や下水処理技術、下水再使用技術、(太陽エネルギー利用の)海水淡水化技術のサプライヤー にとって関心ある地域と考えており、協力関係強化を目指している。 ○ オーストリア ブルガリアと持続可能なエネルギー政策について協力 オーストリアのエネルギー庁とブルガリアエネルギー効率庁の各代表がウィーンで会談し、 両国間で再生可能エネルギーや省エネルギー対策について相互関係を構築することで合意し た。オーストリア・エネルギー庁の代表者は、「持続可能なエネルギー供給システムを形成す る上でオーストリアのノウハウは貢献できるだろうし、すでにオーストリア企業はブルガリア 市場で積極的に活動していることから、この協力は成功に導かれるだろう」と述べた。 ○ アイルランド 2007年における廃棄物報告書を発表 アイルランド保護局は、2007年における廃棄物報告書を発表した。それによると、一般廃棄 物発生量は前年比0.4%増となり大きな変化はない。リサイクル率は、一般廃棄物で2013年目 標の35%を超える36%、家庭ごみは同じく目標値である50%と比較してまだ低いものの前年比 8%増の26%、包装廃棄物は2011年目標の60%を超える64%となっている。一方で、生分解性 廃棄物の埋立処理量が前年比4%増の148万トンとなっており、2010年までの埋立指令目標達 成(100万トン未満)にはあと50万トン削減する必要がある。そのため、2009年は埋立指令遵 守に向けた生分解性廃棄物の取り組みが緊急課題として挙げられている。 -24-