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研究課題名 DBZ/FEZ1 遺伝子欠損マウスを用いた統合失調症の発症機

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研究課題名 DBZ/FEZ1 遺伝子欠損マウスを用いた統合失調症の発症機
第5領域 (公募班員)
研究課題名
DBZ/FEZ1 遺伝子欠損マウスを用いた統合失調症の発症機序の解明
研究代表者名
谷口
所属・職名
大阪大学・医学系研究科・教室技術職員
研究分担者名
松崎伸介
分担者所属
大阪大学・医学系研究科
学
E-mail
[email protected]
研究成果報告書
(研究の背景)
スコットランドの 1 家系において 1 番染色体と 11 番染色体の転座が起きてお
り、高率に統合失調症、うつ病、躁鬱病といった疾患を発症すること、その転座領域に DISC1
遺伝子がコードされていることが報告された。そこで我々は、DISC1 転座部位を中心に結合す
る蛋白質が、生理的に重要な役割を持っており、転座が起きた結果、DISC1 との結合が阻害さ
れ、神経細胞に必要な生理的機能が障害され、統合失調症等の精神疾患を引き起こすのではない
かと仮説を立てた。そこで DISC1 転座部位の配列を用いて yeast-two-hybrid スクリーニングを行
った結果、DISC1 結合蛋白質として Fez1、KENDRIN、DBZ の 3 つを同定した。
(研究目的) 本研究では DBZ,Fez1 ノックアウトマウスによる行動変化及びこれら胎生期にお
けるノックアウトマウスの脳が未成熟であるか否かを確立し、また、胎生期における DBZ,Fez1
のニューロンの発達と成熟に関わる機能を明らかにすることで、これらの遺伝子欠損マウスが統
合性失調症のモデル動物になりうるか否かを明らかとし、DBZ,Fez1 が統合失調症の病態発現の
キーか否かを確立する。
(研究方法)
平成 18 年度は DBZ,Fez1 ノックアウトマウスの作製を中心に本プロジェクトを
進めるとともに、統合性失調症候補遺伝子 DISC1 の転座部位に結合する DBZ に焦点を当て、RI
In situ hybridization 法を用いることにより DBZ mRNA のアダルトマウスにおける詳細な脳内局
在の検討を行った。また、DBZ と DISC1 及び PAC1R をはじめとするその関連遺伝子の脳内に
おける局在を比較検討した。
(結果と考察)DBZ,Fez1 ノックアウトマウスの作製においては、キメラマウス作製の前段階で
ある ES クローンの取得がほぼ完了した。またアダルトマウスにおける DBZ mRNA の詳細な脳
内局在の検討を行った結果、大脳皮質、海馬、線状体、視床、梨状皮質、嗅球、側坐核の神経細
胞に強く発現が認められた。下位脳幹部においては三叉神経運動核、舌下神経核、顔面神経核、
三叉神経中脳路核、三叉神経脊髄路核、薄束核、楔状束核、蝸牛神経核、下丘、内側膝状体、台
形体核、、外側毛帯核、下オリーブ核に発現が強く認められた。また、DBZ mRNA と DISC1 mRNA
が共発現する領域は大脳皮質、海馬、下丘において認められた。しかしながら、脳幹において
DBZ mRNA を強く発現するニューロンは DISC1 mRNA の発現が認められなかった。さらに脳内
において DISC1/DBZ 及び、PACAP の受容体である PAC1mRNA の三つの因子がともに強く発
現する場所は海馬の歯状回に認められた。PACAP もこの領域に存在することが報告されており、
perforating system の破壊が統合性失調症の発症メカニズムに関与している可能性が示唆された。
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