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進化する全日本ラリー選手権のいま

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進化する全日本ラリー選手権のいま
進化する全日本ラリー選手権のいま
かつては普通に観ることさえ難しかった全日本ラリー選手権が
この10年前後で大きな変化を見せはじめている
競技そのものもアベレージラリーからSSラリーへと変わり
全戦がデイラリーとして開催されるようになった
加えて、観客の誘致や観戦エリアの設定なども積極的に行なわれるようになり
行政や地域との連携など、イベントの質を高め続けている
活性化し、進化する全日本ラリー選手権のいまに迫る
12
今日の全日本ラリー選手権は、ファンサービス
ジャパン」。世界を転戦する WRC の1戦が日本
を目的としたプログラムが充実してきている。各
で開催されたことで、ファンはもとより関係者も
イベントにギャラリーステージやセレモニアルス
含めラリーに携わるものの意識を大きく変えるき
タートなどが設定されるようになり、地域ごとに
っかけとなった。
特色のあるイベントが用意されている。また、国
街中で盛大に行なわれたセレモニアルスタート、
内外で活躍する有名ドライバーによるデモランを
安全管理されたギャラリーSS、ロードセクショ
行なう特設会場が設置されたり、ラリーカーやレ
ン区間では多くのラリーファンが走り抜けるラリ
プリカカーの展示、トークショー、さらに物産展
ーカーに声援を送った。ラリーカーが通過する各
などの出店があったりと、ラリー全体の質を高め
市町村では自治体が独自にラリーパークを設営し
ようとしている。
てギャラリーとともにラリーを盛り上げ、
「ラリ
アベレージラリー形式から
SSラリー形式へ
ージャパンで初めてラリーという競技を知った」
全日本ラリー選手権が現在のかたちを成した転
がアベレージラリー形式から、SSラリー形式へ
機のひとつが、2004 年に開催された「ラリー
とスタイルを変える。純粋に速さを競うSSラリ
という新たなファンを多く取り込んだ。
そして 2006 年、全日本ラリー選手権は全戦
13
進化する全日本ラリー選手権のいま
2012年に復活したモントレー。ギャラリーSSに隣接した広場には多くの出店が並び、SS観戦のほかにデモランや同乗走行、トークショーなど多彩なサポートイベントを開催。2日間で約2万人を集めた。
ラリー観戦そのものが
“旅”
であり、その魅力は多岐にわたる
ーはスポーツ性が高く、ギャラリーSS開設に関
地を知ってもらい楽しんでもらうか、毎年真剣に
する規則もより細かく具体化されていった。
議論を重ねている。多くのラリーが、そうやって
地域に深く根ざした
イベントの形成へ
現在のスタイルを構築してきた。そういった動き
サーキットで開催されるレースとは違い、ラリ
ひ期待してほしい。
は確実に他のイベントにも影響を与えている。
進化を続ける全日本ラリー選手権に、今後もぜ
ーはその地域とのつながりが深い。ラリーを観戦
することでその土地の文化に触れ、歴史を知るこ
とができるというのが、ラリー観戦の特徴だ。
観戦スタイルも、ただSSを観るだけではなく、
リエゾンやラリーパークなど、様々に楽しめる。
選手との距離感の近さも、ラリーならではの魅力
行政と地域が強力にバック
アップする新城ラリーは毎
年セレモニアルスタートを
見に集まるギャラリーが人
垣をつくる。選手との距離
の近さも好評を博している。
だ。ギャラリーが増えることはその地域の活性化
にもつながり、その社会貢献度は計り知れない。
観戦ステージを移動するギャラリーにとっても、
ラリー観戦そのものが“旅”となる。ラリーカー
と同じリエゾンルートを移動し、時にすれ違うこ
ともあるというシチュエーションは、ラリーなら
ではの醍醐味と言えるだろう。
近年では主催者だけではなく、地域の自治体や
商工会の有志たちが中心となって「ラリー支援委
員会」を組織し、どうやってギャラリーにその土
14
ラリー北海道ではセレモニ
アルスタート前に全選手と
全マシンを並べて“ラリー
ショー”
を行なっている。
お
目当ての選手からサインを
もらう最大のチャンスだ。
全日本ラリー選手権
キホンのキ!
全日本ラリー選手権の魅力は、身近なクルマたちが
“ラリーカー”
となって一般の公道で勝負する非日常感だ
ここでは観戦に役立つ基礎知識を紹介していこう
観 戦のために知っておきたいルールを解説
1
選手権の位置づけ
2
“全日本ラリー選手権”
は
国内最高峰のラリー競技!
2013年開催スケジュール
北は北海道、南は佐賀まで
個性的な全9戦が開催
全日本ラリー選手権は、日本自動車連盟(JAF)登録クラブ・団体が主催
2013年の全日本ラリー選手権は、2012年と同じく4月から10月にかけて
する国内格式のラリー競技です。1979年の全日本ラリードライバー選手権
全9戦が開催予定。それぞれに特徴をもった、その地方ならではの個性豊か
を前身として1980年にスタート、
以来30年以上にわたって開催されています。
なラウンドが設定されています。
車両規定は幾度かの変遷を経て、2003年に大きく変更され、世界ラリー
今シーズンは北海道で2戦、東北1戦、関東1戦、中部・近畿が3戦、四
選手権のグループN規定に準じたものが導入されました。また、2006年に
国1戦、九州で1戦が行なわれます。ほぼすべてのラリーで観戦エリアが設
は運営規則も一新され、全日本戦のすべてが競技区間
“スペシャルステージ”
けられる予定ですが、観戦に行く場合はラリーの情報に加えて、その地方の
での速さを競う「SSラリー」へと変わりました。出場するにはドライバー
名産品や観光名所などを調べてい
/コ・ドライバーともJAFの競技ライセンス(国内Bライセンス以上)が必
くと、より楽しみの幅も広がるは
要となります。
ず。週末のドライブや旅行がてら
全日本選手権
地方選手権
(北海道/東日本/中部・近畿/中四国/九州)
全日本選手権の下には全国5地区
(北海道、東日本、中部・近畿、中四
国、九州)に分かれた各地区トップ
ラリーシリーズ(JAF 地方選手権)
があり、その下には各地区のジュニ
アシリーズや県シリーズなどが存在
し、総走行距離やSS総距離によりレ
ベル分けされています。総走行距離
・レベルともに最高峰にあるのが全
日本選手権なのです。
の観戦計画を立ててみるのも楽し
み方のひとつです。
第3戦 福島
県シリーズ
ジュニアシリーズ など
第6戦 京都
第1戦 佐賀
3
第7戦 十勝
第4戦 洞爺
第5戦 群馬
第8戦 岐阜
第9戦 愛知
第2戦 愛媛
ポイント制度
イベント係数とデイポイント制で
最後まで見逃せない選手権争いに
各ラリーの総合順位およびクラス順位によって、各選手にはポイントが与えら
れます。全9戦を終えた段階で最も得点の高い選手がチャンピオンとなります。
参戦するラウンドは選手が自由に選べますが、8戦以上に出場している場合は上
位7戦分のポイントで計算する有効得点制を採用しています。さらに、各デイの
クラス1位〜3位に3点〜1点を与えるデイポイント制が2011年から採り入れ
られ、多くの選手に得点のチャンスが増えています。加えて各ラリーごとに距離
と路面に応じた得点係数も掛けられており、シーズン終盤まで目が離せない選手
権争いが繰り広げられます。
ポイント表
(係数早見表)
順位
ポイント×0.8
ポイント×1.0
ポイント×1.2
ポイント×1.5
ポイント×2.0
ポイント×2.5
1位
8
10
12
15
20
25
2位
6.4
8
9.6
12
16
20
3位
4.8
6
7.2
9
12
15
得点係数
SS距離
ターマック
50㎞未満
0.8
50〜100㎞未満
1.0
100〜150㎞未満
1.2
150㎞以上
1.5
4位
4
5
6
7.5
10
12.5
5位
3.2
4
4.8
6
8
10
6位
2.4
3
3.6
4.5
6
7.5
7位
1.6
2
2.4
3
4
5
8位
0.8
1
1.2
1.5
2
2.5
2位
2点
3位
1点
デイポイント表
ミックス
0.8
1.2
1.5
2.0
グラベル
0.8
1.5
2.0
2.5
順位
ポイント
1位
3点
※デイポイントはイベント係数に関係なく、クラ
スごとに上記の点数が与えられる。
※ミックスは、SS総距離の50%以上90%未満がグラベル路面
15
知っておきたい
4
車両規定
全 日 本 ラ リ ー 用 語 集
排気量や駆動方式によって
ラリーカーは4クラスに分類
▶FIA/JAF公認車両
FIA/JAF公認を取得するために自動車メーカーがFIA/JAFに届け出た車
両です。三菱ランサーエボリューションやスバル・インプレッサなどは
これらに該当するため、WRCなどの国際競技に参加することも可能です。
全日本ラリー選手権に出場するラリーカーは、排気量や駆動方式、また改造の範囲によって4
つのクラスに分類されています。クラスを細かく分けることで様々なメーカーのクルマが参戦で
き、全日本ラリー選手権は車種バラエティが非常に豊かです。
トップカテゴリーであるJN4およびJN3は、FIA公認あるいはJAF登録された車両をベースに、
国際グループN車両規則に近い国内ラリー車両規則に則って製作されたラリーカーです。一方、
排気量の小さなJN2とJN1は基本的に一般の車検に合致した車両であれば参加できます。ただし
この場合は、10年以内に製造された車両であることが条件とされています。
また、公道を使用する競技であるため一般の車検が必要であること、そしてJAFの規定に従っ
た安全装備(ロールケージ/4点式以上のシートベルト/消火器など)が備わっていることの2
点は、すべてのクラスに共通しています。
全日本ラリー選手権クラス区分
クラス
排気量
(JN2のみ2WD限定)
車両区分
車両区分
JN4
JN3
3000㏄超
1500㏄超/3000㏄以下
RN/RJ
RN/RJ
JN2
1400㏄超/1500㏄以下の2WD車
RN/RJ/RF
JN1
1400㏄以下
RN/RJ/RF
※過給器つき車両は、排気量×1.7(ターボ係数)で換算した数値をも
とに区分される。
5
●RN車両
FIA/JAF公認車両をベースにして作られるラリーカー
●RJ車両
JAF登録車両をベースにして作られるラリーカー
●RF車両
一般の車検の保安基準に適合した車両をベースとす
るラリーカー
▶JAF登録車両
FIA 公認は取得していないが、国内の各モータースポーツに参加する可
能性があるため、自動車メーカーがJAFに届け出た車両です。2013年か
らはAPRCなどの地域選手権に各国独自の公認車両(ナショナルカー)=
JAF登録車両の参戦を認めるよう規定が改訂されました。
▶ドライバーとコ・ドライバー
ラリーはふたりひと組で参加するモータースポーツです。コ・ドライバ
ーとは日本語で言うところの
「共同運転者」
。コ・ドライバーはコースの
状態を記したペースノートを読み上げたり、道先案内、ドライバーのス
ケジュール管理やメンタルのケアを行なうなど、欠かせない存在と言え
ます。また、コ・ドライバーもライセンスが必要で、場合によってはド
ライバーと交替してステアリングを握ることも可能です。
▶ペースノートとレッキ
ドライバーはコ・ドライバーの読み上げるペースノートに従ってスペシ
ャルステージを全開で駆け抜けます。ペースノートは主催者によって認
められたコースの事前試走(レッキ)で作成し、コーナーの曲率や道の
上り下り、滑りやすい部分や注意ポイントなどの情報が書き込まれてい
ます。
▶アイテナリー
ラリーのスケジュールです。ラリーはSS通過タイム以外のすべてのスケ
ジュールが事前に決められており、このアイテナリーには先頭走者のタ
イムコントロール(チェックポイントのようなもの)通過目標時刻が記
されています。全競技車はこのアイテナリーと、各自に渡されるタイム
カードを元に行動しなければなりません。
ラリーカーの装備
速く走るためだけでなく
補強や万一のための安全装備も充実
ラリーは公道を使用するモータースポーツです。スペシャルステージで0.1秒
を争う選手たちのラリーカーには、ターマックやグラベルなどあらゆる路面で速
く走るためのチューニングはもちろん、ボディ補強や万が一の際の安全装備(消
火器など)も施されています。
荒れた路面で全開走行を続けるマシンには大きな負担がかかります。高速で段
差を乗り越えたり、時には石を踏んだりしてダメージを受けることも少なくあり
グラベル
ません。そのため、マシンは強靭なサスペンションのほか、エンジンやトランス
ミッションなどを守るアンダーガード、乗員を守るためのロールケージや多点式
シートベルトなどが装備されているのです。
エンジン
コクピット
ターマック
エンジンの改造は規則により厳しく制限され、
コ
ンピュータについてはノーマル置き換えタイプ
であれば交換可能となっています。また、ター
ボ付き車両はグループN同様、吸気リストリク
ターの装着が義務づけられています。
ドア内張の素材置換、遮音材やリヤシートなど
不要な部分の排除が可能です。コ・ドライバー
側にはラリーコンピュータが装着され、ダッシ
ュボードには防眩加工が施されるなど、ラリー
カーならではの装備も追加されています。
ロールケージ
駆動系
アクシデントからクルーの安全を守るため、ラ
リーカーにはロールケージの装着が義務づけら
れています。横転などの際にもキャビン部分に
ダメージを受けないようFIAまたはJAFの厳格な
規定に従って作られたもので、室内に張り巡ら
された鋼管の総延長は数十mにもおよびます。
16
過酷な条件下で使用されるラリーカーの駆動系
には大きな負担がかかります。そのためクラッ
チディスク、クラッチカバー、フライホイール
などの交換が可能とされており、強化品や軽量
品を装着できます。ケースの改造なしに装着で
きるLSDやクロスミッションも装着可能です。
タイヤ&ホイール
現在、全日本ラリー選手権ではダンロップとヨ
コハマが代表的なタイヤサプライヤーと言える
でしょう。タイヤはホイールの適正適合範囲に
含まれるサイズの装着が認められています。ホ
イールは各クラスごとに使用可能な最大サイズ
が定められています。
サスペンション&ブレーキ
サスペンションは
取付部分の改造な
しに装着できるも
のであれば自由に
選択できます。舗
装路/未舗装路で
は別のセットを使
用し、タイヤとホ
イールの変更に伴
いブレーキロータ
ーのサイズも変わ
ります。上の比較
写真でも分かるよ
うに、車高にも大
きく違いが出ます。
全日本ラリー選手権
6
キホンのキ!
ラリーのしくみ
ラリーは競技区間のスペシャルステージと
移動区間のリエゾンを軸に構成されています
たくさんのマシンが一斉にスタート
するサーキットレースと違い、ラリー
1 スタート
2 スペシャルステージ
3 タイムコントロール
はいくつかの競技区間(スペシャルス
テージ=SS )を1台ずつタイムアタ
ックし、その積算タイムで勝敗を争い
ます。SSとSSの間は、一般の道路を
一般の交通とともに移動します。これ
は「リエゾン」と呼ばれ、ラリー競技
の特徴のひとつです。SSは基本的に
立ち入りが禁止されており、観客は主
催者によって定められたギャラリーエ
リアかリエゾン(ロードセクション)
あるいはサービスパークで観戦するこ
とになります。
全日本ラリー選手権では、1台ごとの出
走間隔は特別規則書に明記されない限り、
1分ごとにスタートしていきます。SS
のタイムは0.1秒まで計測され、すべて
のSSの合計タイム+ペナルティタイムが、
成績となります。
スペシャルステージは全開のタイムアタ
ック区間です。ドライバーたちが技量の
すべてを尽くして駆け抜ける様子は迫力
満点。ステージのタイムはスタート地点
とフィニッシュ地点に設置された光電管
で計測されます。
ラリー競技ではSSの走行時間以外のあ
らゆる行動が選手ごとに分単位で指定さ
れており、それをチェックするポイント
が、様々なポイントに設置されたタイム
コントロール(TC )です。選手はすべ
てのTCを必ず通過しなければなりません。
3
2
7
6
5
1
Illustration/Atsushi Arino
4
4 サービスパーク
車両の修復やセッティング変更を行なう
場所がサービスパークです。大きくダメ
ージを受けた車両をみるみる修復してい
く熟練メカニックの手際はまさに“プロ
の仕事”。ただし、周囲にはサービスパ
ークに出入りするラリーカーがいます。
見学する場合は周辺にも気をつけて!
5 パルクフェルメ
“マシンの整備等が禁止されている場所”
ですが、ほとんどの場合は、1日の競技
が終わったあとでラリーカーを保管して
おく場所を意味します。また、競技進行
の時間調整、車列調整のために設けられ
る場合もあります。この時間調整は“リ
グループ”と言われます。
6 リエゾン
SSとSSをつなぐ区間はリエゾン(ロー
ドセクション)と呼ばれ、ラリーカーは
一般車と一緒に交通法規を守って移動し
なければなりません。自分のクルマで観
戦している場合には、ラリーカーとすれ
違ったりすることも。ただし、選手は競
技中ですので非常識な行動は控えて。
7 ヘッドクオーター
ラリー競技全体を運営・管理する本部が
ヘッドクオーターです。ラリー会場近隣
のホテルや公共施設などに設定されるこ
とが多く、報道関係者の仕事場であるメ
ディアセンターや記者会見場が設置され
たり、様々な通達やステージのリザルト
が掲示される場所でもあります。
17
観戦ノスゝメ
全日本ラリーを120%楽しむ9つのポイント
ラリーを観戦に行きたいけれど
楽しむにはいったいどうすればいいの?
ここではそんな疑問にズバッとお答え!
これさえ読めば観戦が
いっそう楽しくなること請け合いです
まずは情報収集!
2 主催者のサイトを探そう
お気に入りの選手と
1 ラリーカーを見つけよう!
どんなスポーツでも同じですが、まずは自分のお気に入り
の選手やラリーカーを見つけてみましょう。たとえば出身県
が同じ選手や、マイカーと同じラリーカーなど、それだけで
も全日本ラリーがグッと身近なものになるはずです。興味が
湧いたらその選手の過去の戦績なども調べてみましょう。
30ページからの選手名鑑には主要選手48人が掲載されてい
るので、ぜひチェックしてください。
2013 年の全日本ラリーは全9
戦。日本各地で開催されているの
で、初めて観戦するのであれば、
まずは近くのラリーに行ってみる
のがいいでしょう。ラリーの仕組
みや観戦のリズムに慣れてきたら、
遠くのラリーに観光も兼ねて出か
けるのも楽しみ方のひとつです。
どのラリーも地域とのつながり
を大切にしており、お祭りや他の
イベントと同日開催しているとこ
観戦場所や料金、スケジュールといった観戦情報はイベ
ントの約ひと月ほど前から各サイトで公開される。
ろもあります。各主催者は公式ウ
ェブサイトを設けているので、最
新情報をチェックしてみましょう。JRCAのホームページでは全日本ラリー全主催者の
リンクを貼っています。特に、国際格式であるアジア・パシフィックラリー選手権と併
催されるラリー北海道などは大会の規模が大きく、各地から大勢の人が集まります。
21ページからの観戦ガイドで各ラリーを紹介していますので参考にして下さい。
好きなドライバーが見つ
かれば応援する側にも熱
が入るというもの。タイ
ミングを見計らって声を
掛ければサインや写真に
も応じてもらえるはず。
観戦エリアは屋外
4 アウトドア装備で行こう!
ギャラリーステージは
3 スケジュールを要チェック
2013年の全日本ラリー選手権はグラベル(未舗装路)4戦、ターマック(舗装路)5戦で構成
されています。ラリーカーのダイナミックな動きを楽しむならグラベルラリー、ドライバーの繊細
なテクニックを観るならターマックラリーがオススメです。
しかし、スペシャルステージ区間は自由に観戦できるわけではありません。各ラリーでその数は
異なりますが、観客の安全を考慮した観
戦エリアが設けられています。主催者の
ウェブサイトや公式プログラムを参考に、
いつ、どこに行けばお目当ての選手の走
りを見ることができるのか、必ず確認し
ましょう。ラリーはサーキットと違い、
一度通過したクルマはすぐには戻ってき
ません。綿密なスケジュールを立てて効
率良く観戦するのがポイントです。
また、ラリーによっては有料チケット
や事前受付が必要になる場合があります
ので、スケジュールと合わせて調べてお
写真は2012年の第5戦群馬での観戦エリアの模様。ラリーによ
きましょう。
ってはこのようにイベント会場に併設されている場合も。
18
ラリーの観戦エリアは一部を除いて山の斜面などに設けら
れます。観戦エリアに向かうために距離を歩いたりもするの
で、服装は動きやすく、少しくらい汚れても大丈夫なものの
方がよいでしょう。雨天に備えてポンチョやレインコートも
欠かせません。傘は周囲の観戦者の邪魔になる場合があるの
で避けましょう。飲料水や軽食も忘れずに。
観戦場所は路面よりも
高い場所に設けられる
ことが多く、観戦用の
駐車場から距離がある
場合も多いので歩きや
すい靴で。
ラリー北海道の名物ステ
ージ、陸別オフロードサ
ーキットは常設の観客席
があるため快適に観戦す
ることができる。
全日本ラリー選手権
キホンのキ!
サービス時間は
5 メカニックの神業を観よう
マシンが大きなダメージを負
って帰ってきたとしても、メ
カニックが一丸となって修復
していく様子は必見です。時
にはミッションの交換なども。
ロードセクションは
6 シャッターチャンス!
ギャラリーエリアは、安全のために道路よりも高い場所や少し離れた場所に
設けられることが多く、マシンが大きく写った写真を撮影しようとすると、な
かなか難しいもの。ですが、ロードセクションの移動区間はラリーカーも一般
の交通に混じって走ることになります。
その土地ならではの風景を見つけることができれば、歩道からのシャッター
チャンスも広がることでしょう。もちろん、撮影に集中しすぎて車道に出たり、
地域の方々の迷惑や他の交通の妨げになるような行為は危険なので、くれぐれ
も慎んでください。
サービスパークは柵などで囲
われていないことがほとんど。
見学はメカニックの作業を妨
げないように。サービスに出
入りする車両にも要注意です。
有名な“水沢うどん街(群馬)
”のな
かを走るラリーカー。こんな光景は
サーキットでは決して見られない。
ラリーの醍醐味は、SSの走行だけではありません。傷ついたマ
シンがみる間に修復されていくサービスもひとつの見どころです。
作業時間が限られているため、メカニックたちはまさに真剣勝負。
選手たちのサインがほしい場合もここで頼んでみましょう。ただし、
選手たちはあくまでも競技中であることを忘れずに!
ロードセクションで応援するのも楽
しみ方のひとつ。選手も手を振り返
してくれるのがうれしい。
記者会見もオープンに
各クラスの上位選手が一堂に会する様
子は壮観です。記者会見の時間や場所
は主催者のウェブサイト等で確認を。
7 楽しめるのが全日本ラリー
現在は、ラリー競技前後の記者会見を一般のギャラ
リーに公開しているイベントも多くみられます。イベ
ント後は各クラスの優勝クルーが一堂に会し、そのラ
リーで何が起きたのか、実際に戦っていた選手たちに
しか分からないことが彼ら自身の口から語られ
ます。ラリーを戦い終えた直後の選手たちの生
の声を直接聞くチャンスです。
観戦に行くなら
8 グルメや名所も堪能しよう
全国各地で開催される全日本ラリーに行ったら、その土地
ならではのおいしいものや歴史的な名所も楽しみのひとつで
す。こちらも21ページからの観戦ガイドに各ラリーの
“名物”
を紹介していますのでご参考に。もっと探せば関係者も知ら
ない隠れたグルメがあるかもしれません。
北海道・帯広といえば
やはりはずせないのは
十勝の豚丼。様々なバ
リエーションを出す店
舗も多いので、食べ歩
きするのも楽しい。
大きなイベントでは、地
域や近隣の県から出店が
ある場合も。お気に入り
を見つければ観戦の楽し
みがひとつ増えます。
リアルタイムに
9 順位を知るには?
現在ではほとんどの主催者公式サイトから、携帯電話などでリザルトを
チェックすることができます。JRCAにご入会いただければSS速報メー
ルをお届けします。また、RALLY STREAM(http://www.rallystream.
net/)では、リアルタイムに選手の位置情報も知ることができます。
!
CAUTION
モータースポーツには
危険がともないます
ラリーに限らず、モータースポーツ観戦には危険が伴いま
す。主催者の指示に従い、危険な場所には近づかないように
しましょう。また、観戦エリアであってもラリーカーがコー
スアウトしたりクラッシュした部品が飛んでくる可能性もゼ
ロではありません。走行中はなるべくコースに背を向けたり
せず、いつでも逃げられる態勢でいることが必要です。
19
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