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別紙のとおり。

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別紙のとおり。
(別紙)研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令の規定に基づき認定宿主ベクター系等を
定める件(平成16年1月29日文部科学省告示第7号)の改正に対する意見及び対応方針について
※以下、「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」を「省令」、「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執る
べき拡散防止措置等を定める省令の規定に基づき認定宿主ベクター系等を定める件」を「告示」といいます。
No
該当箇所
意見
1 別表第1第1項(7) 2003年にゲノム解析が完了した
Streptomyces avermitilisの菌株
Streptmyces属細菌 もこの認定宿主として加えること
が妥当であると判断いたします。
新旧対照表P2
理由
対応方針
S. avermitilis(type strain: Streptomyces avermitilis sp. nov., 今回の改正内容以外に関する御
nom.rev., a taxonomic home for the avermectin-producing
意見であり、次回の改正の際に、
streptomycetes)は1979年旧社団法人北里研究所と米国メルク社との あらためて妥当性等を専門的観点
研究によって開発された抗寄生虫・抗昆虫薬avermectinの生産菌で から検討させていただきます。
す。家畜の駆虫薬としてまた熱帯地方のオンコセルカ症の予防治療薬
としてWHOの指導のもと流行諸国で使われております。また本邦でも
沖縄県地方の糞線虫症の治療薬として、さらに近年長期入院患者の疥
癬の原因であるダニの駆除薬としても使われております。このように
avermectinの利用は上記のS. griseusの結核治療薬streptomycin(な
お世界的にstreptomycinを結核治療に使用することは少なくなってき
ている)よりも多く、過去20数年間の工業的な大規模培養にもかかわ
らず S. avermitilis によるヒトおよび動物への事故報告がありませ
ん。したがって、S. avermitilis は長年の大量培養からも裏付けら
れるように安全な微生物であると判断できます。また、2003年のゲノ
ム解析によって全ての遺伝子情報が得られることや、これまでも学術
論文にも多くの研究成果が掲載されており、S. parvulus,
S. kasugaensisよりも研究利用が多い。ゲノムが解析済みであること、
遺伝子改変などが整備されていること、これまでの工業的生産がなさ
れ安全性に問題がないこと、放線菌の最も興味ある現象である抗生物
質などの2次代謝産物の生産に関し工業生産に耐え得る菌であること
など、基礎研究のみならず応用研究にまで利用可能な宿主であると判
断できます。これらのことからStreptomyces avermitilis を認定宿
主ベクター系に加えることを提案いたします。
2 別表第2第1項(2) 平成16年告示のように、哺乳動物に 16年告示でP1で扱われており、実験生物として長年使用されてきた細 原案どおりとします。
別表第2第2項(3) 対して病原性を持たない無毒な真核 胞性粘菌(Dictyostelium disicoideum)のクラス分類が明確でない。 原虫は原生生物と同義なので、真
微生物(原生生物)の項を作るか、 上記微生物の遺伝子を大腸菌等でクローニングする場合には、省令別 核微生物は「原虫」の中に含まれる
原虫
「 原 虫 」 を 「 原 虫 ( 真 核 微 生 物 を 含 表第一第一号イでの対応が考えられ、省令によって拡散防止措置を決 と解釈されます。
む。)」などとする。
めることができるが、上記微生物を宿主とする場合(上記微生物に薬
新旧対照表P5、14
剤耐性遺伝子などを組み込む場合)の取り扱いがあいまいである。
-1-
No
該当箇所
意見
3 別表第2第2項(1) 下記(a)~(p)を追加する。
(a)Streptococcus dysgalactiae
原核生物及び真菌
subsp. dysgalactiae
(b)Streptococcus suis
新旧対照表P6
(c)Actinobacillus equuli
(d)Actinobacillus lignieresii
(e)Actinobacillus
pleuropneumoniae
(f)Actinobacillus suis
(g)Avibacterium paragallinarum
(別名Haemophilus
paragallinarum)
(h)Bordetella avium
(i)Dermatophilus congolensis
(j)Mannheimia haemolytica
(別名Pasteurella haemolytica)
(k)Moraxella bovis
(l)Mycoplasma hyopneumoniae
(m)Pasteurella trehalosi
(n)Staphylococcus hyicus
(o)Streptococcus porcinus
(p)Streptococcus uberis
4 別表第2第2項(1) 区分2に下記細菌を追加すべき
・Actinobacillus equuli
原核生物
・Actinobacillus lignieresii
・Actinobacillus
新旧対照表P6
pleuropneumoniae
・Actinobacillus suis
・Avibacterium paragallinarum
(別名Haemophilus
paragallinarum)
・Bordetella avium
理由
対応方針
(a)~(p)は、家畜伝染病予防法第三十六条の第二項に定められる「家 今回の改正内容以外に関する御
畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られているもののうち、監視 意見であり、次回の改正の際に、
伝染病の病原体以外のもの」として農林水産省告示第505号に公示 あらためて妥当性等を専門的観
される病原体であり、また日本細菌学会が定める「病原体等安全取扱 点から検討させていただきます。
・管理指針」(2008年版)において、(a)(b)はBSL2相当の、(c)~
(p)はBSL1* (日和見感染症の病原微生物)相当の病原体とされ、
学会において既にこれらの病原性の有無および程度が認知されてい
る。従って省令第三条の表第一号の要件である「哺乳動物等に対する
病原性がないもの」に該当しないため。
文献に記載された病原性に関する情報から勘案して、追加すべきと考 今回の改正内容以外に関する御
える。
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
-2-
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
(続き)
・Mannheimia haemolytica
(別名Pasteurella haemolytica)
・Moraxella bovis
・Mycoplasma hyopneumoniae
・Pasteurella trehalosi
・Staphylococcus hyicus
・Streptococcus acidominimus
・Streptococcus canis
・Streptococcus dysgalactiae
subsp. dysgalactiae
・Streptococcus gallolyticus
subsp. gallolyticus
・Streptococcus gallolyticus
subsp. pasteurianus
・Streptococcus gallolyticus
subsp. macedonicus
・Streptococcus porcinus
・Streptococcus sinensis
・Streptococcus suis
5 別表第2第1項(4) 原核生物を自然宿主とするウイルス 同じ意味であれば、2つの言葉があると別のものを指すという誤解を与える 御指摘のとおり、「原核生物を自然
別表第3第5項
が、バクテリオファージを指しているな と考えます。
宿主とするウイルス」に統一いたし
らば、用語をどちらかに統一するべき
ます。
原核生物を自然宿主 です。
とするウイルス
バクテリオファージ
新旧対照表P6、20
-3-
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
6 別表第2第2項(1) Haemophilus somnus の表記を
種名が変更されたため。
「Histophilus somni
Haemophilus somnus (別名Haemophilus somnus)」に修
Actinomyces
正する。
pyogenes
Actinomyces pyogenes の表記を
「Arcanobacterium pyogenes
新旧対照表P6、8 (別名Actinomyces pyogenes)」に
修正する。
御指摘のとおり、修正させていただ
きます。
7 別表第2第2項(1) 下記1)から3)を追加する。
1)Candida glabrata 及び
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観点
から検討させていただきます。
別表第二に記載が無いため。
Candida tropicalis
2)Capnocytophaga canimorsus:
新旧対照表P7
イヌの口腔内細菌。咬傷などによ
ってヒトに感染し敗血症などを起
こす。死亡例もある。
Capnocytophaga cynodegmi:ネコ
の口腔内細菌。咬傷などによって
ヒトに感染し敗血症などを起こす。
死亡例もある。
Capnocytophaga
Capnocytophaga
Capnocytophaga
Capnocytophaga
Capnocytophaga
Capnocytophaga
gingivalis
granulosa
haemolytica
leadbetteri
ochracea
sputigena
これらはヒトの口腔内細菌である。
歯周病に関連するといわれるほか、
日和見的に全身感染症を起こすこ
とがある。これらの細菌はペニシ
リン系などの種々の抗生物質に感
受性を示し、治療が可能である。B
SL2相当。
3)Clostridium piliforme:BSL2
相当。
-4-
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
8 別表第2第2項(1) 別表第2でクラス2として掲げら これらの生物種が病因となる伝染性疾病は、いずれも家畜伝染病予防 今回の改正内容以外に関する御
別表第2第2項(3) れている生物の中に、ミツバチの 法で家畜伝染病あるいは届出伝染病として定められているもので、我 意見であり、次回の改正の際に、
別表第2第2項(4) 伝染性疾病の病因として知られて が国にとって、特に畜産の振興等にとって重要な病害となっている。 あらためて妥当性等を専門的観
いる下記の生物6種が、現行告示 一方、省令第三条で、実験分類クラス2については、「微生物、きの 点から検討させていただきます。
Ascosphaera apis 及び改正案ともに含まれているの こ類及び寄生虫のうち、哺乳動物等(哺乳綱及び鳥綱に属する動物)
Melissococcus
で削除すべき。
に対する病原性が低いものであって、文部科学大臣が定めるもの」と
plutonius
Ascosphaera apis ハチノスカビ 規定されている。これらの生物は、節足動物門昆虫綱に属するミツバ
(別名Melissococus (届出伝染病チョーク病の病因) チに対する病原性を確かに有しているが、哺乳動物等に対する病原性
pluton 又は
Melissococcus plutonius
は知られていない。
Streptococcus
(別名 Melissococus pluton 又は
pluton)
Streptococcus pluton)ヨ-ロッ
Paenibacillus
パ腐蛆病菌(家畜伝染病腐蛆病の
larvae subsp.
病因)
larvae
Paenibacillus larvae subsp.
(別名 Bacillus
larvae (別名 Bacillus larvae)
larvae)
アメリカ腐蛆病菌(家畜伝染病腐
Nosema apis
蛆病の病因)
Acarapis woodi
Nosema apis ミツバチノゼマ原虫
Varroa jacobsoni (届出伝染病ノゼマ病の病因)
Acarapis woodi アカリンダニ(届
新旧対照表P7~9、出伝染病アカリンダニ症の病因)
15、17
Varroa jacobsoni ミツバチヘギ
イタダニ(届出伝染病バロア病の
病因)
9 別表第2第2項(1) ・Streptococcus equi を
文献に記載された病原性に関する情報から勘案して、修正すべきと考 今回の改正内容以外に関する御
Streptococcus equi subsp. equi える。
意見であり、次回の改正の際に、
Streptococcus equi 及び Streptococcus equi subsp.
あらためて妥当性等を専門的観点
zooepidemicusに修正。
から検討させていただきます。
新旧対照表P10
-5-
No
該当箇所
意見
理由
10 別表第2第2項(1) Mycobacterium bovis BCG株は、現 Mycobacterium bovis BCG株は、現行の結核ワクチンとして使用され
行のクラス2からクラス1へ下げ 安全性は高いと考えられます。また、感染研ではBSL1と分類してい
Mycobacterium
ることが適当と考えます。
ます。
bovis BCG株
対応方針
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
新旧対照表P9
11 別表第2第2項(1) TA100株は今回用いた宿主のTA1535
にR-FactorプラスミドのpKM101
Salmonella 属全種 を組み込んで作成した株であるの
(S. paratyphi A型、で、遺伝子が組み込まれたTA100株
S. typhi、
がクラス1での取扱いであれば、
S. typhimuriumの 安全上の観点から、このベクター
TA98株及びTA100株 が組み込まれていないことによっ
を除く。)
て、危険度が増大するとは解しに
くいのでTA1535株は、クラス1と
新旧対照表P10
解釈できる。
umu試験は、大腸菌のDNA損傷修復遺伝子に関与するumuC遺伝子の発現
を利用した化学変異原を短期に検出できる方法として知られていま
す。umu試験で用いています試験菌株は、大腸菌由来のumuオペロンと
lacZ遺伝子をもつプラスミド(pMC1403)とを融合させて作成した組
換えプラスミド(pSK1002)をSalmonella typhimurium のTA1535株に
宿主として組み込んで開発された試験で、国内の上下水道の遺伝毒性
試験の公定法としてのみならず国際標準化機構(ISO)において水と
排水の遺伝毒性試験としてISO13829としても承認されて広く変異原性
試験法として使用されています。この試験に使用されている遺伝子組
換菌株は、現在は省令にしたがって遺伝子組換え実験として行ってお
り、実験分類としては告示の別表第二の区分でクラス2の実験分類と
して宿主を確認し微生物使用実験を実施しています。平成18年2月6
日の改正で当初クラス2となっていたSalmonella属のうちSalmonella
属TA100株とTA98株がクラス2から除外されてクラス1の実験分類にな
っています。しかし、umu試験で使用しているTA1535株が明記されて
いないため現在もクラス2として使用しています。当初Salmonella属
がクラス2となっていましたが、平成18年2月6日の改正で
Salmonella属TA100株がクラス2から除外されてクラス1の実験分類に
なっています。
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観点
から検討させていただきます。
12 別表第2第2項(2) Pseudo cowpox virusを追加し、今
回の改正で追記されるOrf virus及
Orf virus
び現行告示に掲載されるBovine
Bovine papular
papular stomatitis virusと併せ
stomatitis virus
て、表記を「Parapoxvirus」に統
一する。
新旧対照表P11、13
Pseudo cowpox virus、Orf virus及びBovine papular stomatitis
virusは、いずれも「Veterinary Virologyは、第3版 (Academic
Press)」(1999年版)等において、人獣共通感染症の病原体とされる
同属のウイルスである。また、Bovine papular stomatitis virusは、
家畜伝染病予防法第四条に定める「家畜伝染病以外の伝染性疾病(農
林水産省令で定めるものに限る。以下「届出伝染病」という)」のう
ち、「牛丘疹性口炎」の病原体であり、Pseudo cowpox virus は、
Orf virusとともに家畜伝染病予防法第三十六条の第二項に定める「家
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
-6-
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
(続き)
畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られているもののうち、監視伝染
病の病原体以外のもの」として農林水産省告示第505号に公示される病原
体である。従って省令第三条の表第一号の要件である「哺乳動物等に対す
る病原性がないもの」に該当しないため。
13 別表第2第2項(2) 下記(a)(b)を追加する。
いずれもBovine herpesvirus 3型から名称が変更され、再分類され
(a) Alceaphine herpesvirus 1型 たものであり、家畜伝染病予防法第四条に定める「家畜伝染病以外の
ウイルス
(b) Ovine herpesvirus 2型
伝染性疾病(農林水産省令で定めるものに限る。以下「届出伝染病」
という)」のうち、「悪性カタル熱」の病原体とされている。従って省
新旧対照表P11、13
令第三条の表第一号の要件である「哺乳動物等に対する病原性がない
もの」に該当しないため。
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
14 別表第2第2項(2) アルボウイルス(昆虫媒介性ウイ
ルス)のうち、現行告示に掲載さ
Bluetongue virus、 れるオルビウイルス属
Epizootic
(Bluetongue virus、Epizootic
hemorrhagic
hemorrhagic disease virus、
disease virus、
Ibaraki virus、Kasba
Ibaraki virus、
(別名Chuzan)virus)の表記を
Kasba(別名Chuzan) 「Orbivirus(African
virus、
Horsesickness virusを除く)」に
Aino virus、
する。
Akabanevirus、
オルソブニヤウイルス属(Aino
Batai virus、
virus、Akabanevirus、Batai
Bunyamwera
virus、Bunyamwera virus、
virus、
California encephalitis virus、
California
La Cross virus、Simbu virus)の
encephalitis
表記を「Orthobunya virus」に統
virus、
一する。
La Cross virus、
Simbu virus
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
アルボウイルスの血清型の分類には、型番号を用いる場合
(Bluetonguevirus 1型~24型等)や分離地名を用いる場合(Ibaraki
virus、Kasba(別名Chuzan)virus等)があるが、特に後者の記述方
法では、実質的に血清型に相当する区分について、当該別表(別表第
二)中に膨大なリストの記載を要する恐れがあるため。
新旧対照表P11~13
-7-
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
15 別表第2第2項(2) Bovine rhinovirus 1型~3型を追
加し、現行告示に掲載されるHuman
Human rhinovirus A rhinovirus AおよびHuman
Human rhinovirus B rhinovirus Bとともに、表記を
「Rhinovirus(Human, Bovine)」に
新旧対照表P12
統一する。
Bovine rhinovirus 1型~3型は、いずれも「Veterinary Virology 第 今回の改正内容以外に関する御
3版(Academic Press)」(1999年版)等において牛の鼻炎、鼻カタル 意見であり、次回の改正の際に、
の病原体とされるHuman rhinovirus A及びBと同属のウイルスであり、あらためて妥当性等を専門的観
省令第三条の表第一号の要件である「哺乳動物等に対する病原性がな 点から検討させていただきます。
いもの」に該当しないため。
16 別表第2第2項(2) 現行告示に掲載されるInfectious
bovine rhinotracheitis virusを
Infectious bovine Bovine herpesvirus 1型に表記を
rhinotracheitis
修正するとともに、Bovine herpes
virus
virus 2、5型を追加し、これらを
「Bovine herpesvirus 1、2および
新旧対照表P12
5型」または単に
「Bovineherpesvirus」とする。
これらのウイルスは、いずれも「Veterinary Virology 第3版
(Academic Press)」(1999年版)等において「同程度の病原性を有す
る」とされる同属のウイルスであり、このうちBovine herpesvirus 2
型が牛乳頭炎の、Bovine herpesvirus 5型が脳炎の病原微生物として
知られる。さらにBovine herpesvirus 1型は家畜伝染病予防法第四条
に定める「家畜伝染病以外の伝染性疾病(農林水産省令で定めるもの
に限る。以下「届出伝染病」という)」のうち、「牛伝染性鼻気管炎」
の病原体である。従って省令第三条の表第一号の要件である「哺乳動
物等に対する病原性がないもの」に該当しないため。なお、Bovine
herpesvirus 3型は名称が変更されたため(次項参照)、またBovine
herpesvirus 4型は病原性の有無が確定していないため、ここに含め
ていない。
17 別表第2第3項(2) 以下のハンタウイルス属のウイル 別表第2に記載が無いため。
スを別表第2第3項(2)に追加す
ハンタウイルス属の る。
ウイルス
Dobrava virus
新旧対照表P14、15 東欧に分布したApodemus
flavicollis やA. agrarius が保
有するハンタウイルス。腎症候性
出血熱の原因ウイルスの一つ。BSL
3病原体。
-8-
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観点
から検討させていただきます。
No
該当箇所
意見
理由
(続き)
Seoul virus
世界中に生息するRattus
norvegicus、R. rattus から分離
されたハンタウイルス。腎症候性
出血熱の原因ウイルス。日本にお
いても港湾地区のドブネズミに感
染が確認されている。BSL3病原体。
Thailand virus
タイに生息するオニネズミ。免疫
学的解析から、Seoul virus や
Hantaan virus の近縁なウイルス
であることが明らかになっている。
BSL3相当と予想される。
Saaremaa virus
ヨーロッパに生息するApodemus
agtatius が保有したハンタウイル
ス。腎症候性出血熱の原因ウイル
ス。BSL3病原体。
Puumala virus
ヨーロッパに生息する主に
Clethrionomys glareolus もしく
はNephropathia epidemica が保有
したハンタウイルス。BSL3病原体。
-9-
対応方針
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
(続き)
Khabarovsk virus (KBRV)
北ユーラシアに生息するMicrotus
fortis に感染が確認されたハンタ
ウイルス。本ウイルスを原因とし
た疾患の発生は確認されていない。
Microtus 属の齧歯類が自然宿主と
して確認されている他のハンタウ
イルス (TULV, PHV) などと同様
に、弱毒ハンタウイルスの一つと
考えられる。BSL2と予想される。
Tula virus (TULV)
Microtus arvalis に感染の確認さ
れたウイルス。本ウイルスを原因
とした患者発生は確認されていな
い。ヒトへの病原性は低病原性も
しくは非病原性と考えられている。
KBRVやPHV同様、BSL2と予想される。
Andes virus
なお、Andes virus については、
今回の改正案においてクラス3
として位置づけているところで
す。
Oligoryzomys flavescens に感染
が確認されたハンタウイルス。そ
の遺伝子性状および抗原性状から
ハンタウイルス肺症候群の原因ウ
イルスの一つ。BSL3病原体。
Sin Nombre virus
1993年にPeromyscus maniculatus
から分離されたウイルス。ハンタ
ウイルス肺症候群の原因ウイルス
として同定された。BSL3病原体。
- 10 -
No
該当箇所
意見
理由
(続き)
New York virus
米国東海岸、Peromyscusleucopus
から分離されたハンタウイルス。
Sin Nombre virusと遺伝子配列で
極めて近似しており、ハンタウイ
ルス肺症候群の原因ウイルスの一
つと考えられている。BSL3病原体。
Prospect Hill virus (PHV)
米国メリーランド州の Microtus
pennsylvanicusから分離されたハ
ンタウイルス。動物学者を対象と
した血清疫学調査では抗体陽性者
が報告されているものの、本ウイ
ルスを原因とした患者発生は報告
されていない。また米国では、腎
症候性出血熱患者が確認されてい
ない点や本ウイルス抗原を用いた
血清疫学調査から、低病原性もし
くは非病原性ハンタウイルスと認
知され、BSL2に位置づけられてい
る。国立感染症研究所施設規定で
もBSL2。
- 11 -
対応方針
No
該当箇所
意見
理由
(続き)
Thottapalayam virus
1964年にインドでSuncus murinus
から分離されたウイルス。抗体陽
性者は報告されているものの、本
ウイルスを原因とした患者発生は
報告されていない。未発表データ
だが、ウイルスのレセプタータイ
プは弱毒ウイルスと同じだったこ
とが確認されている。未発表デー
タだが、アフリカミドリザルを使
った感染実験では病原性は確認さ
れていない。国立感染症研究所施
設規定ではBSL2。
Camp Ripley virus
米国に生息しているBlarina
brevicauda に感染が確認されたハ
ンタウイルス。血清疫学調査が行
われておらず、本ウイルスを原因
とした患者が発生しているか不明。
BSL3相当。
Cao Bang virus
ベトナムに生息している
Anourosorex squamipes に感染が
確認されたハンタウイルス。2008
年9月現在、台湾に生息している
Anourosorex squamipes にも感染
が確認されている。ウイルスが分
離されていないため、ヒトへの病
原性は不明。BSL3相当。
- 12 -
対応方針
No
該当箇所
意見
理由
(続き)
Ash River virus
米国ミネソタ州のSorex cinereus
に初めて確認されたハンタウイル
ス。2008年9月現在、ウイルスは分
離されていない。ウイルスが分離
されていないため、ヒトへの病原
性は不明。BSL3相当。
Jemez Springs virus
米国ニューメキシコ州のSorex
monticolus に初めて確認されたハ
ンタウイルス。2008年9月現在、ウ
イルスが分離されていないため、
ヒトへの病原性は不明。BSL3相当。
Seewis virus
ヨーロッパに生息するSorex
araneus に感染が確認されている。
2008年9月現在、スイス、ハンガリ
ー、フィンランドのSorex araneus
に感染が確認されている。ウイル
スが分離されていないため、ヒト
への病原性は不明。BSL3相当。
- 13 -
対応方針
No
該当箇所
意見
理由
Imjin virus
韓国と北朝鮮の国境付近を流れる
イムジン川流域のジネズミ
(Crocidura lasiura)から分離され
たウイルス。食虫目のウイルスの
一つであるThottapalayam virus
と非常に近縁で、遺伝子配列から
同一のグループに含まれるウイル
スであることが確認されているが、
血清学的に違いが認められている。
ウイルスが実際に分離されており、
現在病原性についても解析が進め
られている。患者報告は確認され
ていない。BSL3相当。
Tanganya virus
アフリカ大陸の食虫目であるジネ
ズミ(Crocidura theresae)に遺伝
子断片が確認されたウイルス。 20
08年9月現在、ウイルス自体の分離
は報告されていない。BSL3相当。
Asama virus
2008年に日本の三重県のヒミズ
(Urotrichus talpoides)に確認さ
れたウイルス。2008年現在、患者
発生は確認されていない。ウイル
スについて報告した論文はPNASに
掲載予定(2008年9月現在)。今後の
血清疫学調査の結果や、病原性評
価の結果を待たなければならない
が国内生息したヒミズに認められ
た株で、日本国内での腎症候性出
血熱患者やハンタウイルス肺症候
群患者の報告は無い。BSL2相当。
- 14 -
対応方針
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
18 別表第2第2項(3) 下記(a)~(c)の表記を修正する。 それぞれの属内における病原性の程度の差には、告示に掲載される「C 今回の改正内容以外に関する御
(a)Babesia属の原虫をまとめて、 ryptosporidium属全種
(哺乳動物に対する寄生性があるものに限る。)」意見であり、次回の改正の際に、
原虫
「Babesia属全種(哺乳動物等に対 及び今回の改正で追記される「Plasmodium属全種(哺乳動物等に対す あらためて妥当性等を専門的観点
する寄生性があるものに限る。)」 る寄生性があるものに限る。)」のそれに比べて特段の違いはなく、同 から検討させていただきます。
新旧対照表P14、15 とする。
一の実験分類(クラス2相当)とすることが妥当である。(a)~(c)に
(b)Eimeria属の原虫をまとめて、 は「獣医住血微生物学(近代出版)」、「新版家畜寄生虫病学(朝倉書
「Eimeria属全種(哺乳動物等に対 店)」等でその病原性が明記され、かつ家畜伝染病予防法第三十六条
する寄生性があるものに限る。)」 の第二項に定める「家畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られて
とする。
いるもののうち、監視伝染病の病原体以外のもの」として農林水産省
(c)Theileria属の原虫をまとめて、告示第505号に公示される病原体でありながら、当該別表(別表第
「Theileria属全種(哺乳動物等に 二)中に未記載のものが数多く存在しており(例えばBabesia属の
対する寄生性があるものに限る。)」Babesia gibsoni(自然宿主はイヌ)、Eimeria属のEimeria bovis(自
とする。
然宿主はウシ)、Theileria属のTheileria buffeli(自然宿主はウシ)
等)、省令第三条の表第一号の要件である「哺乳動物等に対する病原
性がないもの」に該当しない病原体を多数生じる恐れがあるため。
19 別表第2第2項(3) Babesia gibsoni を告示に追加し 以前に大臣確認申請で確認を受けた実績があり、その病原性等につい 御指摘のとおり、修正します。
て頂きたい。
て、遺伝子組換え技術等専門委員会で、既に議論されているため。
原虫
新旧対照表P14、15
20 別表第2第2項(3)Nosema apis はこの表より削除す セイヨウミツバチに対して病原性の原虫であり、宿主域は限りなく大 今回の改正内容以外に関する御
るのが最も妥当であると考えられ きく見積もっても六脚綱(昆虫など)を越えることはない。従って明 意見であり、次回の改正の際に、
Nosema apis
る。
らかにこの表の中では異質な存在である。(他は基本的に哺乳動物な あらためて妥当性等を専門的観点
どの「家畜」に対する病原性を持つもの)また、このNosema 属には から検討させていただきます。
新旧対照表P15
昆虫病原性の種が多く含まれており、昆虫に対する病原性を基準とす
るならば、それら多くの種とN. apis との取り扱いに差異を生じせし
める合理的理由が必要である。これはおそらく農水省でのミツバチの
扱いが「家畜」であるために起こったミスだと考えられる。
- 15 -
No
該当箇所
意見
理由
21 別表第2第2項(4) 旋尾線虫目全種を告示に追加して 別表第二に記載が無いため。
頂きたい。
寄生虫
対応方針
今回の改正内容以外に関する御
意見であり、次回の改正の際に、
あらためて妥当性等を専門的観
点から検討させていただきます。
新旧対照表P15
22 別表第2第3項(2) ・ハンタウイルス属に属するウイ
ルス(プロスペクトヒルウイルス
Andes virus
・ツーラウイルス・トッタパラヤ
Laguna Negra virus ンウイルスを除く)はクラス3に
Maporal virus
位置づける。
・プロスペクトヒルウイルス・ツ
新旧対照表P18
ーラウイルス・トッタパラヤンウ
イルスはクラス2に位置づける。
ハンタウイルス属に属するウイルスは多岐にわたり現在22ないし2 今回の改正内容以外に関する御
3の種類が認められていますが、未だ流動的であり年々その数を増や 意見であり、次回の改正の際に、
しています。しかしながら、その中にクラス4に該当するものはあり あらためて妥当性等を専門的観
ません。そのため、ハンタウイルス属のウイルスはクラス3に位置づ 点から検討させていただきます。
けるというくくりにした方がよいと考えます。個別に対応する場合、
22種類すべてを位置づけていただくことを要望します。また例外とし
て、ハンタウイルス属に属するウイルスでも調査・研究の結果ヒトへ
の病原性を持たないと判断され、米国およびヨーロッパでBSL2として
扱われているウイルスが下記の3種類あり、クラス2でよいと考える。
1.プロスペクトヒルウイルス 米国で疫学調査の結果ヒトへの感染
性を持たないと判断され、P2で取り扱われている。
2.ツーラウイルス ヨーロッパで発見され疫学調査の結果ヒトへの
病原性を持たないと判断され、P2で取り扱われている。
3.トッタパラヤンウイルス 1960年代にインドで分離され世界各地
で50年近くP2で取り扱われている。ハンタウイルス属に分類された以
降も米国におけるレベルの変更はない。
23 別表第3第4項
クラス2,3の区分で、ウイロイドという言葉の記述が無くなってい
る(リストに入っていなかったので、その方が整合性があります)の
で、ウイロイドは植物ウイロイド限定でクラス1として扱うというこ
とが明確になっていればいいと思う。
植物ウイルス及び
植物ウイロイド
新旧対照表P20
別表第2(第2条関係)の区分1
で掲げてあるものの中にはViroid
(Viroid 様Hepatitis D virusを含
まない)とあり具体的なウイロイ
ド株の名前が記載されていないの
で、ここも植物ウイロイド(ウイ
ロイド 様Hepatitis D virusを含
まない)の方が、判断しやすいの
では無いか?と思います。
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原案どおりとします。
告示別表第二は「Viroid
(Viroid 様Hepatitis D virusを
含まない。)」をクラス1と定め
るものですが、必ずしも植物ウ
イロイドに限定するものではあ
りません。また、改正後の告示
別表第三については、自立的な
増殖力及び保持力を保持したウ
イロイドのうち、省令別表第一
第一号ヘの適用を除外するもの
No
該当箇所
意見
理由
対応方針
(続き)
として「植物ウイロイド」を定
めているものであり、必ずしも全て
のウイロイドが該当するわけではあ
りません。
24
別表第3第5項
(哺乳動物等に対する病原性を、 ファージが増殖する場合には宿主である細菌は死滅するので細菌自体 御指摘のとおり、ファージが増
細菌に持たせないものに限る。)の が病原性を持つことはありません。一方溶原化する場合にはファージ 殖し宿主である細菌が死滅する
バクテリオファージ 注釈は削除するのが妥当。
が増殖するわけではないので告示第四条には当てはまりません。
場合、又は溶原化する場合は、
及びこれらの誘導体
告示第四条にはあてはまりませ
ん。しかしながら、ウイルス自
新旧対照表P20
体には哺乳動物等に対する直接
の病原性はないが、細菌に感染
すること等により、当該細菌が
哺乳動物等に対する病原性を持
つことになるウイルス(例えば、
ジフテリア菌に感染するウイル
ス)については、大臣確認を必
要とするという趣旨で括弧書き
の注釈を加えております。意見
5に基づき「バクテリオファー
ジ」を「原核生物を自然宿主と
するウイルス」と表記すること
に伴って、括弧書きを「(哺乳動
物等に対する病原性を、原核生
物に持たせないものに限る。)」
と修正します。
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No
25 全体
該当箇所
意見
遺伝子組換え実験等を含んだ、省
令に該当する遺伝子組換え生物等
の使用等の規制は、使用する生物
毎に規制するのではなく、実験施
設を規制する方針に変更すること
を求める。
理由
対応方針
省令に関しては、個々の種を特定して制定すると、内容が煩雑になり、 遺伝子組換え生物等の第二種使
研究の現場において、学内の遺伝子組換え実験委員会等での承認等の 用等については、使用する生物
手続きに時間を要し、研究推進における障害となっている。また、実 及びその使用方法の違いにより
際問題として、供与核酸を1つ以上含む場合の管理の仕方などは、現 生物多様性に対するリスクが異
場においても混乱をしている印象があり、より実態を把握できる管理 なる場合が想定されますので、
の仕方を考えるべきである。例えば、麻薬及び向精神薬取締法で規定 (実験施設ではなく)これらの
される薬剤としての麻薬に準じた規制をすることにより、より実態を 違いに応じて適切な拡散防止措
把握した管理が行え、研究者の側でも、手続きがより簡便化されると 置を執っていただくことが必要
考える。遺伝子組換え生物等に関しては、使用する種類毎にクラスを と考えています。
設けるのではなく、その実験系において、哺乳類への感染性を有する
ものと有しないものという2つの定義によって使用する実験施設を規
制する形にすればよい。
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