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流行地で学ぶウイルス性出血熱:エボラ出血熱
流行地で学ぶウイルス性出血熱 西條政幸 国立感染症研究所ウイルス第1部 出血熱ウイルス • • • • • エボラ出血熱 マールブルグ出血熱 クリミア・コンゴ出血熱 ラッサ熱 その他 エボラ,マールブルグ出血熱 Ebola and Marburg hemorrhagic fever Masayuki Saijo, M. D., Ph. D Department of Virology 1, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan エボラウイルスおよびマールブルグウイ ルスの電子顕微鏡所見 フィロウイルス科, エボラ(マールブルグ)ウイルス属: Zaire EBOV, Sudan EBOV, Ivory Coast EBOV and Reston EBOV, Bundibugyo EBOV/Lake Victoria Marburg virus はじめて確認されたのフィロウイルス 感染症(エボラとマールブルグ) 地域 年 ウイルス 患者数(致死率) ドイツ/ユーゴスラビ ア 1967 マールブルグウイルス 32 (23%) スーダン(南部) 1976 スーダンエボラウイルス 284 (53%) ザイール(北部) 1976 ザイールエボラウイルス 318 (88%) フィリピン 1989 レストンエボラウイルス 4(0%) アイボリーコースト 1994 アイボリーコーストエボラウ イルス 1(0%) ウガンダ 2007 ブンディブージョ 149(25%) エボラおよびマールブルグ出血熱の流行 EBO-R 1992 MBG 1967 フィロウイルス 輸入感染例 EBO-IC 1994 EBO-R 1989/92 EBO-S 1976/79 EBO-R 1989/90 EBO-? 1995/96 EBO-Z 1976/95 MBG 1998/99 MBG 1980/87 MBG 1975 MBG 2004/05 Marburg hemorrhagic fever Surviral DR of the Congo Angola Europe Zimbabwe Kenya Patients Patients Death EHFとMHFの流行 Ebola hemorrhagic fever Sudan Ebola virus Zaire Ebola virus DR of the Uganda Congo Sudan Gabon 出血症状 Whoozing from gingiva Gengivorragia 消化管出血 血性嘔吐・血性下痢 キクイット総合病院 エボラ出血熱で亡くなられた修道女のひとり Danielaのお墓 キクイット市街 キクイット市街 エボラウイルスの宿主 Fruit bats as reservoirs of Ebola virus Leroy EM, Kumulungui B, Pourrut X, Rouquet P, Hassanin A, Yaba P, Delicat A, Paweska JT, Gonzalez JP, Swanepoel R Nature. 2005 Dec 1;438(7068):575-6 クリミア・コンゴ出血熱 クリミア・コンゴ出血熱 (A) 分布 (B) 感染経路 【tick-animal 【tick-tick cycles】 egg cycles】 Adult tick Domestic animals (sheep) Transovarial transmission premature tick クリミア・コンゴ出血熱患者 臨床経過 症状: 発熱, 意識障害, 出血(鼻孔, 歯肉, 皮膚と消化 管) 検査所見: 貧血 (Hb 10.0 g/dl), 血小板減少 (8.4×1010/L), 肝機能障害 (ALT, AST, LDHはそれぞれ 173, 216, and 268 U/L, 高ビリルビン血症, 低アルブ ミン血症, 低蛋白血症)が認められた.腎機能は 保たれていた. CCHF患者におけるウイルス学的検査所見の推移 発病からの日数 1 RT-PCR (nested) Ag-capture ELISA (OD405) + 300 0.381 0.007 0.000 200 IgG-ELISA (OD405) (1:100) (1:400) 0.075 0.924 1.882 0.031 0.486 0.972 IgM-capture ELISA (1:100) (OD405) (1:400) 0.020 2.692 2.711 0.040 1.606 2.001 5 9 1 5 9 NC Positive reaction 急性期CCHF患者におけるウイルス血症と液 性免疫応答のまとめ RT-PCR IgM抗体 IgG 抗体 On set 1 2 3 Weeks from onset 4 血清疫学 • 男:女 比; 45:25 (2: 不 明) • 72血清中23検体でIgG 抗体が,9検体でIgM抗 体が検出された. • CCHFウイルス抗体陽 性率は,男性31%,女 性22%であった. 新疆ウイグル自治区CCHF流行地のヒツジ におけるCCHFウイルス抗体保有状況 • ほぼ60%のヒツジが CCHFウイルスに対する 抗体を有している. • ヒツジから採取されたダニ からもCCHFウイルスが検 出される. 胡楊柳 ラッサ熱 ラッサウイルス アレナウイルス科: 旧世界アレナウイルスグループ Lassa virus Mopeia virus Lujo virus LCMV 新世界アレナウイルスグループ Junin virus Machupo virus Guanarito virus etc 砂状(arenosos) ラッサウイルスの生活環とヒトへ の感染経路 マストミス属のネズミ (Mastomys natalensis) ヒト 院内感染 ヒト アフリカにおけるラッサウイルス 感染状況 国 No. tested No. positive % ナイジェリア 238 51 21 ガーナ 335 50 15 ザンビア 270 9 3 Lassa virus Maiduguri UTHポリオ研 ラッサ総合病院 ラッサ総合病院 居住環境 生活環境 結語 • ウイルス性出血熱を解説した。 • ウイルス性出血熱流行地の状況につ いて解説した.