Comments
Description
Transcript
PowerEdgeとEqualLogicによる
PowerEdgeとEqualLogicによる 仮想サーバ/ストレージ環境を構築 Webシステムを皮切りに 学内クラウドの構築も視野に • サーバ仮想化 • ストレージ仮想化 • iSCSI ストレージ 「クラウドであれば早けれ ば翌日にも新たなシステム を立ち上げることができま す。Webシステムから開始 し、最終的には基幹システ ムも含め、20 ∼ 30 のシス テムをクラウド上で運用す る計画です」 学校法人 東京理科大学 総合情報システム部 情報開発課 主任 松田大氏 カスタマー・プロファイル 企業名 学校法人 東京理科大学 業種 教育機関 地域 東京都 設立 1881 年 Web サイト http://www.tus.ac.jp/ 導入効果 • VMware ESXi を用いたサーバ仮想化によ り、物理サーバの新規導入台数と運用工数を 大幅に抑制 • iSCSI ベースの仮想ストレージの選択により、 課題 ●現場から寄せられる要望を踏まえてシステムを整備するに当たって、物理サーバの増加 を抑制するとともに、柔軟かつ迅速に対応できるインフラが求められていた。 ソリューション と 「Power Edge R610」 、仮想ス ●デルのラックマウントサーバ 「Power Edge R710」 、仮想化ソフトウェア 「VMware ESXi」 トレージ・システム 「EqualLogic PS6000XV」 を用いた学内クラウドを構築。物理サーバ数を抑制するとともに、新システムの追加も 容易に可能な柔軟性の高いシステム環境を実現した。 容易な運用性と拡張性を確保 • OpenManageと既存の統合運用管理ツー ルの連携により、管理の高度化も実現 東京大学物理学科を卒業して間もない 21 人の青年理学士により、東京 物理学講習所として 1881 年に創立された学校法人 東京理科大学(以 下、東京理科大学) 。創立より教育と研究をともに重視する教育研究機関 を目指してきた同大学では、実力を備えた学生を卒業させる「実力主義」 の伝統を教育面で受け継ぐとともに、研究面では、情報科学教育研究機 構、総合研究機構および生命科学研究所などの整備・拡充にもたゆまぬ 努カを払ってきた。そうした東京理科大学では、研究者や学生をサポー トするために各種 ITシステムを早くから整備してきた。だがその一方で、 利用者のニーズに都度応じたシステム構築はサーバの増加を招き、運用 負荷やコスト増といった問題も浮上していた。これらの問題を解決するた め、同大学では仮想サーバ/ストレージの導入を決断した。 「IT 予算の削減や IT 投資の効率 化が大学でも強く求められるよ うになっており、その実現に向け 仮想化は決して無視できない存 在と言えました」 学校法人 東京理科大学 総合情報システム部 部長 後藤邦夫氏 サーバ導入に要する時間とコストが 迅速な新システム整備の壁に 学内の情報共通基盤として 仮想化によるクラウド構築を決断 「理学の普及を以って国運発展の基礎となす」と 東京理科大学はこれらの課題解決に向けた方策 の建学の理念を掲げる学校法人 東京理科大学(以 を見極めるべく検討を開始。そこで着目したのが、 下、東京理科大学)。創立 125 周年を迎えた 2006 仮想化技術を活用したクラウド・コンピューティング 年には「 Conscience(良心)」との新たなスロー 基盤の構築であった。総合情報システム部部長の ガンを提唱するなど、論理教育に力を入れている 後藤邦夫氏は、 「これまでは、入試の合格発表用シ 大学として知られている。科学技術が環境技術や ステムなど、季節によって負荷が高まるシステムの エネルギー問題などと深く関わるようになる中、研 ために、一時的にサーバ・リソースを有償で調達し 究に欠かせない存在となった ITを、ツールとして適 てきました。しかし、仮想化技術を用いたクラウド・ 切に使いこなすための倫理観が、科学者に強く求 コンピューティングであれば自前のリソースを柔軟 められているからだ。 に拡充させることで、負荷の上昇に際しても容易に そんな同大学では、研究者や学生をサポートす 対応できると見込まれます。また、仮想化であれば るために、IT の活用を積極的に推進してきた。イン 物理サーバの台数を抑えられるメリットもあります。 ターネットで研究者が情報発信するための仕組み ここにきて IT 予算の削減や IT 投資の効率化が大学 を他大学に先駆けて整備したほか、学習教材の配 でも強く求められるようになっており、その実現に 信、さらに学生と教員のコミュニケーションを促す 向け仮想化、クラウド・コンピューティングは無視で ための仕組みも ITを用いて整えてきたのである。 きない存在と言えました」 と語る。 ただし、IT の活用をいち早く進めてきたゆえの こうした検討の後、2009 年8 月には「学内クラウ 悩みも抱えていた。現場のニーズに応えるかたち ド構築プロジェクト」を発足。クラウド・コンピュー でシステムを追加・拡張してきたことでサーバが増 ティング基盤構築のための要件を新たに策定すると 加、管理負荷や運用コストが増大する事態に見舞 ともに、ベンダー各社に対して提案を募った。 われていたのである。 もっとも、東京理科大学にとってクラウド・コン 東京理科大学 総合情報システム部 情報開発課 ピューティングの構築は初めてのこと。そのため 主任の松田大氏は、近年になり新たな要求への対 に、学内のあらゆるシステムをクラウド上に移行さ 応が急務となっていたと打ち明ける。 せることには、業務継続性の観点からも不安の声 「例えば、東京理科大学の公式ホームページは学 があったという。そこで今回のクラウド・コンピュー 部・学科・研究センター、様々な部門が作成したコ ティング基盤構築では、 「全学的なクラウド展開の ンテンツを表示しています。これらのホームページ ためのノウハウ蓄積」を主目的として掲げ、まずは は単に HTMLファイルを使った静的なページから IA サーバ上で稼働する Web ポータル系システム Webアプリケーションを使った動的なページまで、 のみを移行させることを決定した。総合情報システ システムの異なる種々のホームページが混在して 「iSCSIで接続する EqualLogic であれば、専門的な知識は必要 ありません。加えてシンプルな 設計が行える点を高く評価しま した」 学校法人 東京理科大学 総合情報システム部 次長 篠原篤氏 います。ホームページ毎に専用の Webアプリケー ションが必要となる場合は、運用の都合で既存サー バとは別に新しいサーバを設置することもありま す。しかし、新規にサーバを設置するためには予算 の申請から機器の設置、その管理まで考慮しなけ ればなりません。そうした手続きの関係から、場合 によっては予算の申請からサービスインまで 1 年以 上を要するケースもあります。また、ホームページ 毎に様々なサーバ機器が混在していたことから、私 導入システム ハードウェア Power Edge R710×2 台 Power Edge R610×1 台 EqualLogic PS6000XV×1 台 たち管理者の負担も増大していました。このような 新規ホームページの展開や従来型のシステム開発 にあたり、サーバ台数増加に伴う運用コスト、管理 負担の増加、サービスインまでの長期間化といっ た問題が浮上していたのです」 ソフトウェア VMware ESXi Server1、2 PowerEdge R710 Server3 PowerEdge R610 vSphere4 ESXi Standard vCenter UTM DMZ LAN VMotion LAN Server Console LAN PowerConnect 6248 UPS Storage Pool RAID50 PowerConnect 6248 EqualLogic PS6000XV 実行容量約6.2TB ム部情報開発課の阿南尚人氏は、 「小規模でのクラ フォーマンスを制御することが可能だ。 ウドの構築と運用を通じ、まずはノウハウを蓄積し このような優れた電力効率と性能を両立させる ようと考えました。今回はクラウド化から基幹シス カギは、インテルの新しい 32nm プロセス技術に テムを除いていますが、構築、運用ノウハウを蓄積 基づく拡張版インテル ® マイクロアーキテクチャー した暁には、全学的な展開も視野に入れています」 と説明する。 Nehalem にある。この最新のアーキテクチャー を採用したインテル ® Xeon® プロセッサー5600 EqualLogicによる設計のシンプルさと メモリを最小限の電力ステートに自動的に移行させ 導入コストの優位性でデルを選定 東京理科大学はベンダーの選定を開始。そして、 番台は、必要な性能を確保しながらプロセッサーと る、インテル ® インテリジェント・パワー・テクノロ ジーを搭載している。 2010 年 10 月に最終的に導入パートナーとして白 また、仮想化支援機能の VT-xにより、仮想マシ 羽の矢を立てたのがデルであった。 ン上の OS からハイパーバイザへ移行する待ち時 デルを選定した理由の 1 つが、他社に対する圧倒 間の短縮も実現し、仮想化環境でのさらなるパ 的なコスト・パフォーマンスの高さだ。総合情報誌 フォーマンスの向上も図られている。加えて、イン システム部担当課長のナラヤン デベンドラ氏は、 「東京理科大学では教室に設置するクライアント サーバプールに共存でき、仮想マシンのフェイル オーバーや負荷分散、災害復旧などの機能強化も 回の仮想化サーバの選定にあたっても、デルが提 実現している。 加えて、同時に採用した iSCSI による仮想スト をさらに超えるものでした」 学校法人 東京理科大学 総合情報誌システム部 担当課長 ナラヤン デベンドラ氏 テルの仮想化技術「FlexMigration」により、異な PC にもデル製品を採用しており、そのコスト・パ をさらに超えるほどでした」 と話す。 たものの、今回、デルから提示 されたシステムは私たちの期待 る世代のプロセッサーを搭載したサーバが同一の フォーマンスの高さは十分に認知していました。今 示したシステムは性能、コストともに私たちの期待 「デル製品のコスト・パフォーマ ンスの高さは十分に認知してい 手厚い導入サポートも選定の鍵に 運用負荷軽減のため作り込みも実施 レージ・システム「EqualLogic PS6000XV 」の 機能の高さも決め手になった。一般的なストレージ 一方で、手厚い導入サポートも東京理科大学がデ 製品は機能を追加するごとにオプション費用が発生 ルを選定した理由の 1つであったと松田氏は話す。 する。しかし、EqualLogicにはディスク・アレイの 「クラウド・コンピューティングに関する私たちの 割当ての動的変更や自動ロードバランシングなど 疑問に対して、仮想化技術に精通したエンジニアを の機能が標準で搭載されている。総合情報システ 派遣してもらえるなど、必要に応じて親身に情報を ム部 次長の篠原篤氏は、 「ストレージに FC-SAN 提供してもらうことができました。他社よりも細や (Fibre Channel-Storage Area Network ) を かにサポートを受けることができたことから、安心 選択する案もありましたが、FC-SAN は SAN ス してデルに構築を依頼することができました」 イッチとファイバ・チャネル、HBA(Host Bus 導入作業が開始されたのは 2010 年 11 月のこと。 Adaptor) から構成されるために、運用が煩雑とな 以降、11 月中には作業が完了、12 月のトレーニング り、障害が発生するポイントが増えてしまいます。 を経て、現在、東京理科大では仮想 OS の作成など その点、iSCSIで接続する EqualLogicであれば、 に関して検証を行っている最中だ。2011 年 4 月に 専門的な知識を必要とせず、シンプルな運用が行 は、クラウドは本番稼働を開始する計画である。 える点を高く評価しました」 と強調する。 導入にあたっては、運用負荷を軽減するための サーバ仮想化のプラットフォームには過去の豊富 工夫も施した。例えば、Power Edge R610 上で な導入実績を踏まえ VMware ESXiを採用、その 稼働する「 VMware vCenter 」と UPS を連携さ ハードウェア基盤として、大容量メモリと大規模な I せ、停電発生時に Power Edge R610 だけでな / O 帯 域 幅 を 備 え た ラック マ ウ ント・サ ー バ く、その上で稼働している仮想サーバもシャットダ 「Power Edge R710」 「Power Edge R610」 ウンできる仕組みを用意したこともその 1 つ。また、 が選択された。 オープンソースの統合管理ツールとデルの管理ソ 両サーバに搭載されたインテル ® Xeon ® プロ フトウェア「OpenManage」 とを連携させ、システ セッサー 5600 番台は、アプリケーションの要求に ムの状態を一元的に把握できる仕組みも整えた。 応じて自動的に消費電力を調整し、サ ーバのパ 今後はハードウェアの基礎情報まで収集し、管理の 「クラウドにまつわる私たちの疑 問に対して、精通したエンジニア を派遣してもらえるなど、親身に 情報を提供してもらえ、安心し てデルに構築を依頼することが できました」 学校法人 東京理科大学 総合情報システム部 情報開発課 主任 松田大氏 高度化につなげることも視野に入れている。 今回構築された仮想サーバ上では東京理科大学 が所有する近代科学資料館のライブラリを紹介す る Webポータルや、生涯学習のためのセミナー向 け Web ポータルなどのシステムが運用されてい る。そこでの運用ノウハウの蓄積を通じ、今後は各 種システムを仮想化、クラウド・コンピューティング 基盤上に移行させる考えだ。 「クラウド・コンピューティング基盤を利用し始め てまず驚いたことは、仮想サーバの作成にかかる 時間の短さです。テンプレートさえあれば、新シス テムを翌日にも稼働させることができます」 ( 松田 氏) 東京理科大学では今後、学内の業務全体を見直 したうえで、必要に応じてシステムのクラウド・コン ピューティング基盤への移行を図っていくことを検 討しているという。 「まずは小規模のクラウドを構築 してノウハウを蓄積し、問題が無 いことを確認された暁には全学 的な展開も視野に入れています」 学校法人 東京理科大学 総合情報システム部 情報開発課 阿南尚人氏 「学内では研究者が利用するサーバのほか、各種 のパッケージ・システムも利用され、それらを一気 にクラウド・コンピューティング基盤上に移行させる ことは現実的には困難です。そこで、まずは業務を 改めて把握しその上で、システムの負荷などに応じ て、パブリック・クラウド、オンプレミスのシステムを 適切に使い分け、学内のあらゆる要求に迅速に応 えられるIT 基盤を整備する計画です」 (後藤氏) 今回の仮想サーバ、クラウド・コンピューティング 基盤導入を支援してきたデル。東京理科大学の 様々なシステムを支えるパートナーとして、デルの 存在感は今後、ますます増すことになりそうだ。 東京理科大学のシステム構築をサポートしたデルのスタッフ 今回導入された、PowerEdge R710/R610、EqualLogic PS6000XV (後列左より) ソリューション・サービス・デリバリー本部 コンサルティング第1 部 システム・インテグレーション シニア・アナリスト 畝髙孝雄 ソリューション・サービス・デリバリー本部 マルチベンダー・フィールド・サービス部 エンタープライズ・フィールド・テクニカル・サービス シニア・アナリスト 黒須美月 (前列左より) ソリューション・サービス・デリバリー本部 プロジェクト・マネジメント部 プロジェクト・マネージャ 渡邉英孝 公共営業本部 東日本営業部 アカウント・エクゼクティブ 永井信行 ユーザ導入事例ウェブサイトにて、他にも多くの事例をご覧いただけます。www.jp.dell.com/pubcase © 2011 Dell inc. ●Precision、DELLロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。 ●Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。 ●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。●取材 2010 年12 月 デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町 580 番地ソリッドスクエア東館 20F Tel. 044-542-4047 www.dell.com/jp