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戦姫絶唱シンフォギア〜とある戦士の物語〜 ID:73401

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戦姫絶唱シンフォギア〜とある戦士の物語〜 ID:73401
戦姫絶唱シンフォギア∼とある戦士の物語∼
かもめカメ
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP
DF化したものです。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
︻あらすじ︼
其れは突如として始まる物語⋮
とある場所にて発見されし物が、後の世に大きな影響を与える事に
なる⋮
そして其れを司る少年達と、
その歌で世界を救う少女達の物語⋮
ー少女の歌には、血が流れている。
少年の身体は、魂の器となりて、憑依せん⋮ー
※﹃戦姫絶唱シンフォギア﹄に作者が新たに考えたオリキャラを加
えた物語。
意味が分からん
本編で見れば分かるから
!
尚、オリキャラの仕様が多重クロス設定。
え
ア ル ケ ミッ ク カ ル ト
第2期・G編︹フロンティア事変︺完結
第1期・無印︹ルナアタック︺完結
更に言うならバトル好きな方はウェルカム
?
第3期+α・GX編︹魔法少女事変︺始動
!
!
!
!
?
目 次 1︶ 過去の話/誕生 │││││││││││││││││
プロローグ
2︶ 救済 ││││││││││││││││││││││
1
第13話 防人VS炎/ルームシェア ││││││││││
第12話 会合 ││││││││││││││││││││
第11話 不協和音 ││││││││││││││││││
第10話 診断結果 ││││││││││││││││││
第9話 転校生 ││││││││││││││││││││
第8話 英雄石板 │││││││││││││││││││
第7話 死したる肉体 │││││││││││││││││
第6話 人類守護の砦 │││││││││││││││││
第5話 再会 │││││││││││││││││││││
第4話 襲名 │││││││││││││││││││││
第3話 仮面被りし青年 ││││││││││││││││
第2話 覚醒せし少女 │││││││││││││││││
第1話 覚醒の前触れ ││││││││││││││││
プロローグ │││││││││││││││││││││
第1章 無印∼ルナアタック編∼
エピローグ︶ 物語の始まり ││││││││││││││
7︶ 悲劇/死 ││││││││││││││││││││
6︶ 運命 ││││││││││││││││││││││
5︶ 兆し ││││││││││││││││││││││
4︶ 邂逅 ││││││││││││││││││││││
3︶ 胎動 ││││││││││││││││││││││
4
12
25
39
47
55
70
81
84
93
182 172 165 158 146 136 127 121 113 105 98
第14話 すれ違い/共鳴 │││││││││││││││
第15話 ミーティング ││││││││││││││││
第16話 溝 │││││││││││││││││││││
第17話 ネフシュタンの鎧 ││││││││││││││
第18話 水の魂を導く者 │││││││││││││││
第19話 水魂VS炎魂 ││││││││││││││││
第20話 絶唱 ││││││││││││││││││││
第21話 帰省 ││││││││││││││││││││
第22話 新たな仲間 │││││││││││││││││
第23話 修行開始 ││││││││││││││││││
第24話 修行/魔術師と騎士達の王 ││││││││││
第25話 修行/不屈の心の娘 │││││││││││││
第26話 複雑な気持ち ││││││││││││││││
第27話 神との邂逅 │││││││││││││││││
第28話 異常と怪しさ ││││││││││││││││
第29話 作戦会議/移送開始 │││││││││││││
第30話 移送作戦/修行の成果 ││││││││││││
第31話 結界内の攻防 前編 │││││││││││││
第31話 結界内の攻防 後編 │││││││││││││
第32話 火竜VS氷魔 ││││││││││││││││
第33話 兆しの行方 │││││││││││││││││
第34話 絆︽くさり︾に入りし罅 │││││││││││
第35話 弓と水と槍と炎 │││││││││││││││
第36話 導師の︽歌︾ ││││││││││││││││
第37話 亀裂 ││││││││││││││││││││
387 378 369 358 350 340 332 321 314 309 300 291 288 281 275 264 257 247 238 229 223 217 207 198 191
第37.5話 義兄と義妹の歌 │││││││││││││
第38話 陽だまりの翳り │││││││││││││││
第39話 風と水の共闘 ││││││││││││││││
第40話 絆が生んだ奇跡 │││││││││││││││
││││││││││││││
第41話 友情復活 ││││││││││││││││││
第42話 防人とデート⁉
第44話 逆光のフリューゲル
│││││││││││
第43話 防人の想い │││││││││││││││││
?
"
│││││││││││││││
!
│││││││││││││││
!
第60話 暴走再び ││││││││││││││││││
第59話 魔塔降臨そして⋮ ││││││││││││││
第58話 精魂導師VS融合ノイズ │││││││││││
第57話 終わりの女と聖なる乙女/再会と邂逅 │││││
第56話 決戦の時/聖女来る │││││││││││││
第55話 伊達じゃない
第54話 水+風=嵐︽ストーム︾ │││││││││││
第53話 寝返りと告白 ││││││││││││││││
第52話 裏切り │││││││││││││││││││
第51話 漢よ、吼えろ
第50話 不吉な音色が渡りし時/軍師総長と聖女 ││││
第49話 ︽自由︾と︽正義︾と︽運命︾ │││││││││
第48話 3人の装者/3人の導師 │││││││││││
第47話 情報 ││││││││││││││││││││
第46話 運命が動き出す時 ││││││││││││││
第45.5話 赤と紅と橙と青/4人の共闘 │││││││
第45話 両翼を導く風 ││││││││││││││││
"
585 578 565 558 550 547 543 533 527 521 515 506 497 490 482 473 465 456 448 432 425 419 411 401 395
第61話 仲間の声/シンフォギア │││││││││││
第62話 狩猟魂 │││││││││││││││││││
synchrogazer
/
XILLIA
第63話 守護神・爆熱・氷嵐 │││││││││││││
第64話 "
嘘予告
│││││││││││││││││││││││
主人公サイドVol.3 ││││││││││││││││
ロックサイド&霊風サイド︹Vol.2︺ ││││││││
主人公サイドvol.2 ││││││││││││││││
キャラ設定 ロックサイド │││││││││││││││
キャラ設定 霊風サイド ││││││││││││││││
キャラ設定 主人公サイド │││││││││││││││
無印編 キャラ設定集
最終話 そして⋮/エピローグ │││││││││││││
"
#プロローグ │││││││││││││││││││││
sofMusic ││││││││││
#1 ガングニールの少女 炎の導師 ││││││││││
#2 Queen
#4 ﹃片翼﹄奏でし︽2振りの槍︾ │││││││││││
#5 トリガードライヴ ││││││││││││││││
#6 残りの余命 │││││││││││││││││││
#7 奏とオディナの出会い ││││││││││││││
#8 望む者 臨む者 │││││││││││││││││
#9 幻影の弾丸︽ファントム・バレット︾ │││││││
614 601 595
628
"
第2章 G編∼フロンティア事変∼
?
#3 ︽烈槍︾纏いし独奏 │││││││││││││││
'
695 687 681 675 667 658 649
808 793 784 774 764 753 740 721 707 700
623
"
│
#10 ﹃英雄﹄達と未来 │││││││││││││││
#11 学園祭 ││││││││││││││││││││
#12 大海の逆鱗 ││││││││││││││││││
││││││││││││││││
#13 為すべき事 ││││││││││││││││││
#14 響の大特訓‼
∼ │││││││││││││
#34 女神の﹃盾﹄ │││││││││││││││││
#33 ﹃槍﹄と﹃拳﹄∼ガングニールシスター∼ ││││
#32 魂の行方 │││││││││││││││││││
#31 Preserved Roses │││││││
#30 鳴と音,水と風 ││││││││││││││││
#29 さよなら │││││││││││││││││││
#28 想いをこの手に ││││││││││││││││
#27 ディスティニーアーク │││││││││││││
#26 2分40秒︽タイムリミット︾ │││││││││
#25 其々の戦い ││││││││││││││││││
#24 最後の力 │││││││││││││││││││
#23 残酷と再会と目覚め⋮ │││││││││││││
#22 英雄故事 │││││││││││││││││││
#21 セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ ││││││││
#20 繋ぐ手と手/記憶の欠片 ││││││││││││
#19 君がキミで⋮俺がオレで居られる前に ││││││
#18 主治医/﹃生命の拳﹄ │││││││││││││
#17 残酷な宣言/会合と罵声 ││││││││││││
#16 月下に吼える﹃暴走﹄ │││││││││││││
#15 決闘∼響VS憑友
?
108710751061105710431039102710181007 997 971 957 944 930 909 894 886 876 868 856 852 842 832 821 817
#35 蘇る﹃無の魂﹄ ││││││││││││││││
│││││││││
#36 ﹃銀腕﹄の鼓動/発動﹃エクスドライブ﹄ │││││
#37 その﹃炎﹄は不死鳥の如く⋮
11291122111311011094
第3章 GX編 ∼魔法少女事変∼
♪プロローグ │││││││││││││││││││││
♪1 奇跡を纏いし少女/奇跡を起こす青年 │││││││
♪2 調査結果 ││││││││││││││││││││
♪3 再会と﹃︹絶唱︺石板﹄前編 │││││││││││
♪3 再会と﹃︹絶唱︺石板﹄後編 │││││││││││
♪4 Δウイング/ SRCHCS │││││││││││
♪5 自動人形︽オートスコアラー︾/雷の精魂導師 │││
/大地の精魂導師 │││││││││││
♪6 奇跡の殺戮者/氷の精魂導師 │││││││││││
♪7ノイズ復活
♪8 FUSION DRIVE /GAMEOVER ││
♪9 装者と導師の黄昏 ││││││││││││││││
♪10 亀裂と罅 │││││││││││││││││││
♪11 ﹃鏡﹄の力∼9人目のシンフォギア装者∼ ││││
♪12 ガングニール再び/雷の裁き ││││││││││
12871277126412521233122612171210120011921183117411621155
# F I N A L エ ピ ロ ー グ / 次 な る 戦 い の 序 章 を 添 え て ⋮ 1140
# 4 0 V i t a l i z a t i o n F U L L B U R S T #39 再醒進化 │││││││││││││││││││
#38 ﹃FULL BURST IGNITION﹄ │││
!
#41 キングofカイザー ││││││││││││││
1133
1150
│
♪13 黒キ炎VS白キ雷 │││││││││││││││
♪14 復活と記憶の欠片 │││││││││││││││
♪15 edge works │││││││││││││
♪16﹃王﹄と﹃女王﹄と﹃杖﹄と﹃氷刀﹄ │││││││
♪17 ﹁想い出﹂/殺戮者と﹃リベレーション﹄ │││││
♪18 ﹃負﹄と﹃獣﹄ │││││││││││││││││
♪19 抜剣/ビースト・オン・ザ・イグニッション │││
♪20 罠⋮﹃IGNITE KILLER﹄ ││││││
│││││││││││││││││
♪21 ボーンとアヤカシの正体/決着⋮ ││││││││
♪22 修行と水着
♪35﹃氷﹄と絆深めし﹃英雄﹄達 │││││││││││
♪34 ﹃氷結の刃﹄ ││││││││││││││││││
♪33 ﹃Beyond the BLADE﹄ ││││││
♪32 怒りと涙 │││││││││││││││││││
♪31 ﹃剣﹄敗れる │││││││││││││││││
♪30.5 とある変化 ││││││││││││││││
♪30 ライジンと憑友 ││││││││││││││││
♪29﹃鏡﹄﹃騎士﹄﹃雷﹄ │││││││││││││││
♪28 4人で1つ ││││││││││││││││││
♪27 不協和音 │││││││││││││││││││
♪26 欠陥だらけの自動人形 │││││││││││││
♪25 暗い過去 │││││││││││││││││││
♪24 輝きを継ぐ、君らしく︵後編︶ │││││││││
♪24 輝きを継ぐ、君らしく︵前編︶ │││││││││
♪23 闇への誘い ││││││││││││││││││
?
1536152915201512150114971491147914681461145714461440142714121400138813751363135213381325131713081296
♪36 ﹃魔女狩り﹄VS﹃竜滅剣﹄ │││││││││││
♪36.5 ﹃王﹄と﹃風﹄と﹃片翼﹄と∼決着∼ ││││
♪37 ﹃Commited RED﹄ ││││││││││
♪38 義兄妹喧嘩 ││││││││││││││││││
♪39 英雄に必要な素質 │││││││││││││││
♪40∼義妹を思う故∼ ││││││││││││││││
♪41 決戦∼勝利の鍵はコインに有り∼ ││││││││
♪42 大地の王者 ││││││││││││││││││
♪43 暴君番長 │││││││││││││││││││
♪44 終焉のレクイエム │││││││││││││││
♪45 始まりの海/終わりの大地 │││││││││││
♪46﹃怪獣の王﹄ ││││││││││││││││││
クリスマスはお手伝い
││││││││││││
││││││││││││││││
SPファイル2:巷で噂の通りすがりの風来坊 ││││││
SPファイル:1 始まりは突然に │││││││││││
義理でも兄妹 │││││││││││││││││││││
?
164416381626161516081594158815831576156615521546
1704169616851678167116571647
特別編
まさかのです
太陽の少女の⋮ ││││││││││││││││││││
ハロウィンです
!
陽だまりへのプレゼント ││││││││││││││││
!
プロローグ
1︶ 過去の話/誕生
これから起こる前の話をしよう。
其れは、突然の出来事だった⋮
ーーーーーー
今から1000年いや、2000年
⋮
ううん⋮其れよりも前の事だ
そこの人々は時に争い、時には共闘・共存していた世界。
そんな彼等の行動を踏み躙る存在が現れた⋮
不気味な姿をした存在だった。
これが後に認定特異災害とも呼ばれる存在﹃ノイズ﹄との邂逅で
あった。
ノイズ達は人間に触れると、己自身と共に、人間を炭へと変える炭
化能力が備わっていた。
其れを見た人々は可能な限り、ノイズに対抗しようと奮闘するも、
結果は目に見えていた⋮完敗だった。
なす術が無く、未曾有の危機に晒された人類。
しかし、神は彼等を見捨てなかった⋮
神は数多の次元世界に存在する歴戦の勇者を呼び寄せ、ノイズ達に
立ち向かわせた。
ある者は、剣や魔法と言ったファンタジー溢れる力でノイズを倒
し、
ある者は、機械の身体・鎧、そしてあまつさえロボットまで用いて、
ノイズと立ち向かう者もいれば、
ある者達は、数多の武器を掲げながら、立ち向かう歴戦の勇者もい
た。
そしてノイズが滅び、人々は歓喜に満ちた。
1
?
人々はその歴戦の勇者達を象徴するかのようにある者を作り始め
た。
其れはその人物達の特徴を最大限に書き記した石板だった。
勇者達は最後に人々に対してこう告げた。
﹃不気味な存在が完全に無くなったとは言い切れない。
もしかしたら、近い内にまた現れるかもしれない。
だが、臆するな。
新たなる光の希望が、俺達を導き、そして勝利へと誘うだろう。
その時までは暫しの平穏を約束する。
そして、その希望が現れたのなら、その者に尽力して欲しい﹄
其れが勇者達の最後の言葉であった。
其れから勇者達は人前に姿をあらわす事は無くなった。
人々は勇者達の事を、﹃英雄﹄と呼ぶようになった。
そして、彼等の行動を記した石板を︻英雄の軌跡を記した石板︼と
﹂
﹁産まれて来てくれて⋮ありがとう⋮﹂
つくも
この日、1人の女性が母親になった瞬間であった。
﹁これからよろしくね⋮憑友﹂
2
呼ぶようになっていった。
ーーーーーー
其れから2000年もの間、ノイズ達は人前に姿をあらわす事は無
く、
人々は其れを退治し、信仰していった﹃英雄﹄も忘れてしまってい
た。
そんなある日の事だった⋮
ノイズが再び、2000年の時を超えて再び地球に観測されたのは
⋮
オギャー
そんな時に1人の女性が1人の赤ん坊を出産した⋮
﹁オギャ
!
元気一杯に泣く男の子だった。
!
女性は赤ん坊に対して、その子の名前を言った。
どんな存在だろうと分け隔てる事なく接して欲しいと言う思いが
アゥ∼﹂
込められた名前。
﹁ウキャ
名前が気に入ったのか、少年は嬉しそうに笑っていたように見え
た。
こうしてこの世に1人の男の子が誕生した。
そして12年前。
その子⋮憑友が3歳になった頃。
とある研究施設にて、1人の少女の歌が、ある物を起動させた。
これが後に﹃ノイズ﹄達を相手に戦える人類の最後の希望⋮
通称﹃シンフォギアシステム﹄の誕生の瞬間であった。
物語の下準備は間も無く終える⋮
さぁ、誰も知らない﹃戦姫絶唱﹄の始まり⋮
その時はもう間も無くだ。
3
!
2︶ 救済
じんさい つ く も
げんや
﹃シンフォギアシステム﹄が誕生して、早くてもう6年の時が流れた。
彼⋮人絆憑友は9歳になっていた。
彼は今、家族揃ってとある場所にて旅行に来ていた。
因みに彼の家族構成はと言うと、
﹁もうすぐしたら、目的地に着くぞ∼﹂
そう言いかけるのは、憑友の父親にして一家の大黒柱・人絆玄也。
口調こそは男っぽいのだが、顔付きがあまりにも女顔な為なのか⋮
いつも1人で外出する時は逆ナンされてしまうと言うコンプレッ
クスの持ち主である。
その血が流れているであろう憑友に至っても同じ事が言えたのは
言うまでもない。
﹁そうね∼。アウトドアも楽しまないとね∼﹂
え
⋮そんな物は2人には存在しませんでした。
字が違う
いいえ、事実ですから⋮。
?
いてる。其れは自分の息子の前でも当たり前にしているのは言うま
でもなく、そうなってしまった為か。
憑友はこの歳でブラックコーヒーを最低3杯飲まないと寝付けな
いぐらいにまでゲンナリとしていたのである。
そして、そんな彼等に付き合ってられないと言った存在がいるのも
また事実で⋮
﹃やれやれ。困ったご両親だな。こっちの事も考えて欲しいものだな
4
そう言い返すのは、母性溢れるいや、訂正。溢れまくって、収まら
ない母性の持ち主は憑友の母親・人絆ジャンヌ。
本名は、ジャンヌ・カデンツァヴァナと言っていた。
⋮両方、一目惚れだそうです。はい⋮。
カデンツァヴァナの家系の1人である。
2人が結婚した理由
交際期間
その後、父親の玄也がプロポーズして、ジャンヌは其れを了承。
?
スピードや電撃よりも疾い光速結婚でした。
?
其れ以来、2人はいつもこんな風に毎日イチャラブな生活を送って
?
そうだろ
るか
憑友﹄
﹄と言う題材の実験をしたのだが、
自身を実験台にして、
﹃その人の魂を電子機器に宿らせたら、どうな
かつては1人の人間としてこの世に生きて来たそうなのだが、
名はライド。正式名はライド・グラップラー。
そう言ってきたのは1つの電子機器だった。
?
﹂
﹂
!
﹂
﹂﹂
ドガァァンッ
﹁﹁⁉
﹁な、何
突如、遠くの方から爆発音が聞こえた。
!
そんな時だった。
を浮かべていた。
そんなラブラブな両親を前にライドは呆れてしまい、憑友は苦笑い
﹁あはは⋮﹂
﹃はぁ∼⋮こっちの事も考えて貰いたいものだな⋮﹄
父の発言に母が応える。
﹁おー
﹁さぁ、アウトドアを楽しもう
と、そんな事を言ってる間に目的地に到着したようだ。
また違った部門が得意だとか⋮。
因みにライドは機械工学が得意なようで、他の兄弟姉妹は其れとは
バル関係だと自負している。
たがらないようで、逆に兄弟姉妹でありながら、共に競い合ったライ
因みに兄弟姉妹がいるそうなのだが、あまりその事に関しては喋り
るのである。
その後に、玄也に発見され、現在では彼の家族として生活をしてい
体である魂は、その電子機器内に留まる事に成功したのであった。
その際肉体的には死亡したが、脳のスキャニングを実行、その精神
電子に繋がれた状態のライドの身体を炭化させてしまったのだ。
運悪く、その時に特定認定災害﹃ノイズ﹄がライドの研究所を襲い、
?
!
?
5
?
其れを聞いた憑友の両親は驚き、憑友は動揺していた。
この先で何かあったのか⁉
﹂
すると、父・玄也はライドと話をしていた。
﹁ライド
?
﹄
?
﹁憑友⁉
たのだ‼
﹂
こんな所で息子の成長ぶりを知らしめられるとはな⋮
!
ピードで駆け抜けていったのだ。
﹁っく
﹂
しかし、流石の子供だ。体力が衰えてしまった玄也よりも速いス
すかさず後を追う事にした。
それに気付いたジャンヌは呼び止めようとするも既に遅く、玄也は
?
向かおうとした時、憑友が勝手に爆発が起こった場所へと走り出し
!
﹂
﹁っ
﹂
そしてそ場所へと向かおうとした。だが、
そう言うと、玄也は車の中に備え付けてあったある物を取り出し、
﹁⋮ああ﹂
オチだろうな。⋮行くのか
﹃分からない。けど、こういう場合、大抵は碌な事にしかならないのが
!
?
あの馬鹿息子が
﹁⁉
!
かけていった。
ーーーーーー
﹂
そしてその頃、先を走っていた憑友は何かを見つけたのか、そこで
⋮女の子
足を止めた。
﹁⁉
?
﹁大丈⋮夫
⋮⁉
﹂
?
⋮
しっかり‼
﹂
?
それにより憑友は急いで応急処置を施す事にした。
憑友はこれがすぐに血だと分かった。
﹁
女の子の口と瞳から⋮赤い液体が流れている事に。
少年はその女の子を抱き、そして気付いた。
?
そこには髪がオレンジ色の1人の少女が倒れていた。
?
6
?
だが、そこは親としての意地なのか、玄也も憑友の後を必死に追い
!
!
﹂
﹂
その時だった。
憑友
お父さん
﹁‼
﹁
?
⋮ドクンッ
⋮うん
﹂
⋮ドクンッ
⋮
さい。そして、治療道具を用意する様に頼みなさい
﹁
そう言うと憑友は一目散に来た道を逆走した。
﹂
それを見届けた玄也は、ライドを呼んだ。
﹁ライド。彼女の容態は
良いね
けど、ジャンヌなら可能かもしれない。
兎に角、今は私がその可能性を断ち切らせるのを防ぐ。
私共々彼女を運んでくれ﹄
﹂
?
した。
﹁助けてやる。だから⋮死ぬんじゃねえ
!
ているのは事実で⋮
そんな彼女が病院に赴けば勿論、看護師や医師は彼女に憧れを持っ
女に救われた生命は約1万を超した程だと言う。
それも総合医療に関しては随一の実力を誇る女性で、これまでに彼
彼女⋮ジャンヌはこう見えて医者でもある。
でいた。
其れからしばらく経ち、彼等は現在、近くの総合病院へと駆け込ん
ーーーーーー
﹂
それを見た玄也はそっと彼女を背負い、急いで家族の元へと走り出
そう言うとライドの機器から、医療用道具が現れて、彼女に繋げた。
﹁分かった
﹂
まだ生きてる⋮私が担ぐから、憑友は先にお母さんの所に行きな
!
﹃これはかなりの出血だ。助かる可能性が見出しきれない。
!
﹁
!
それに気付いた玄也は彼女の胸に耳を添えた。
を見た。
そこに漸く追いついた父・玄也は、憑友の隣に血が流れている少女
!
!
!
!
7
!
!
!
ジャ、ジャンヌ様よ‼
﹁‼
﹂
﹂
?
?
ジャンヌ様ーー‼
?
﹁貴方達
急患がいるのに⋮邪魔したい訳
﹂
?
あの姿⋮俺には一度も見せた事無いんだけど⋮。
?
だから、生命までは∼⁉
?
﹁聞こえたわよ⋮あ・な・た♪﹂
ご、御免なさい‼
?
﹁は、はひぃ∼⁉
﹂
SIしましょうね∼♪﹂
﹁そこまでする必要は無いけど⋮。後でゆっくり、O☆HA☆NA☆
﹁⁉
﹂
と、察して口にして言わずにそのままにしておこうとしたが、
口に言わずにしておこう⋮︶﹂
﹁︵こ、怖っ⁉
その時の玄也は、
﹃ありがとう♪﹄と気軽に接していて、
その道を走りながら駆け抜けるジャンヌは譲り受けた皆に対して
と、その一言で、皆は直ぐに恐怖し、直ぐに道を譲り受けた。
!
今回ばかりは苛立っていた。⋮邪魔だからである。
いつもなら誰とでもフランクに接する彼女なのだが、
と、看護師や医師達が押し寄せる勢いで来たのは言うまでもない。
本当か‼
﹁⁉
?
自分の息子が反省しているのを見た玄也はそっと彼の頭に手を置
た。
因みにライドさんは少女に繋がったままなので、ジャンヌに預け
ジャンヌの手術中に憑友は父・玄也と2人きりで会話をしていた。
﹁お父さん⋮御免なさい。勝手な事をして⋮﹂
患者を助ける⋮生命を救う為の治療と言う名の戦いを。
これから先はジャンヌにとっては戦いである。
その後、ジャンヌの計らいで緊急手術を行う事にした。
と、違う意味で母親の事を思っていたそうな⋮。
﹁﹃︵仕事のON/OFFが激しいなぁ∼⋮︶﹄﹂
それを見ていた憑友とライドはと言うと⋮
と、完全に尻に敷かれていたのであった。
?
8
?
?
いた。
﹁確かに、勝手な判断で先走ったのは歪めないな
﹁うっ⋮﹂
﹂
たが、そこは父として、しっかりと説教をした。
それを聞いた憑友はシュンとまるで小さくなったかのように身を
縮ませた。
﹂
お前が見つけてくれなかったら、きっと今頃、あ
しかし玄也はそんな息子に対して次に取った行動は⋮頭を撫でた。
﹁⋮え
﹁驚く事は無いだろ
の子はこの時に死んでいたのかもしれないんだぞ
その子を見つけたお前は、その子を救える可能性を見出したんだ。
今はジャンヌが治療にあたってるけど⋮
元を正せば、お前が見つけたから、ジャンヌが今、その生命を救お
﹂
﹂
うと頑張っているんだ。だから⋮誇りに思いなさい。
⋮うん
誰かを救えたと言う事に⋮な
﹁‼
!
?
自分が見つけたから救える生命があると言う事に。
そして、手術中のランプが消え、そこから母親のジャンヌがやって
きた。
﹂
手にはライドも所持していた。
﹁ジャンヌ。彼女は
答えは⋮
失になっている可能性があるの﹂
ただ、何か後頭部を強打した後があってね⋮もしかしたら、記憶喪
内部の方の手術に専念出来たわ。
﹁一時はどうなるかと思ったけど、外部の方の傷が無かったから、後は
﹃あれは最早、神の域そのものだったな∼﹄と。
その時のライドは後にこう語った⋮
安否は確認が取れ、生存する事が出来た。
﹁バッチリよ♪貴方﹂
?
9
?
?
?
?
玄也の言葉を聞いた憑友は嬉しくなった。
?
しかし、それに伴う代償も判明された。
﹂テヘ☆
﹂
﹂
後頭部の強打で記憶が欠落している可能性があるという事に。
﹁それで、考えたんだけど⋮良いかな
するとジャンヌはある事を考えたので言おうとしたら⋮
バレちゃった
﹁どうせなら、我が家に住ませようって根端は見え見えだよ
﹁あれ
?
?
の
力
だってさ﹂
君が助けた少女を我が家に住まわせるのは
よ。憑友は如何思う
﹂
そうかいそうかい
けど、楽しくなりそう
﹁ははは
!
﹂
?
﹂
?
﹂
?
ていた。
﹂
?
﹁⋮セレナ⋮セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ。それが私の名前﹂
ジャンヌからの質問に少女はこう答えた。
﹁⋮貴方のお名前⋮憶えてる
﹂
﹁私はジャンヌ。こんな格好だけど、こう見えてもお医者さんなのよ
﹁⋮貴方は
﹂
そこには1人の女性もといジャンヌが付きっきりで少女を看病し
突然聞こえてきた声に少女はその方に顔を向ける。
﹁おはよう。具合は如何
少女は自分が何処にいるのか分からなかった。
少女が目を覚ました。
﹁⋮う、う∼ん⋮⋮こ、こは⋮
それから一週間が経ったある日の事。
ーーーーーー
そう言うと、憑友達はまだ眠っている少女の元へと行った。
﹁りょうか∼い☆それじゃあ、あの子の所に行きましょ♪﹂
!
!
﹁う∼ん⋮分かんない
﹁⋮いいよ。何となく予想はしていたんだ。俺が言える事は何も無い
恐るべしラブパワー⋮。
愛
出会って間もないのに、もう奥さんの考えを読み解くとは⋮
そこは玄也であった。
?
?
?
10
?
!
?
﹁⋮そっか﹂
少女⋮セレナは自分の名前を言った。
それに思い当たる事があったのか、ジャンヌは動揺するも、すぐに
貴方が彼処まで酷い怪我を負った原因
思考を通称・仕事モードにシフトする。
﹁他 に 憶 え て る 事 っ て あ る
を﹂
﹁⋮憶えて無い。
﹂
﹁⋮え
⋮えぇぇぇ
﹂
私の家族になっちゃいなさい♪﹂
い出して。それにもし、1人なら⋮
﹁今は無理にでも思い出さなくていいわ。ゆっくり時間を掛けて、思
﹁え
じたジャンヌはすぐにその子を抱きしめた。
ジャンヌの質問にセレナは話す度に段々と暗くなっていくのを感
もしれない⋮﹂
家族もいたのか如何かも分からない。もしかしたら、1人だったか
?
に今度は逆に驚いてしまった。
﹁大丈夫よ♪愛しのダーリンと可愛い息子も了承したから
辛かったよね。うんと泣いていいから﹂
ジャンヌの囁きにセレナは泣いた。
脈を放つ石の板に導かれるかのように⋮
物語は別の所でも動き始めていた。
本来の史実に沿わない存在がいるという事に。
こうして憑友の家族に1人の少女が家族になった。
た。
だから⋮
因みに歳は13であった為、義理の姉と言う形で保護したのであっ
人絆セレナと名乗るようになった。
それと同時に性名もジャンヌの夫・玄也の性・人絆に改めて、
それからは彼女・セレナは、ジャンヌ達に引き取られた。
何故かそうでもしないと、心が落ち着けなかったかのように。
!
11
?
ジャンヌの言葉により落ち着いたセレナだったが、彼女の爆弾発言
?
3︶ 胎動
さて、無事にセレナを救った憑友の家族。
それとはまた別の場所で起こった事を話そう。
それは少し遡って、2年前になる。
本編から8年前だと換算しても構わないだろう。
そこで運命に翻弄されし2人の少年少女の物語が始まろうとして
いた。
ーーーーーー
﹁もうすぐ着くぞ﹂
そう声を掛けるのは1人の男性。
﹂
名は雪音雅律。当時の世界では有名なヴァイオリニストである。
﹂
﹁クリスは大丈夫
﹁うん
ロック
そして、もう1人⋮
如何したの
﹂
彼女との間に生まれた娘・クリスだった。
そんな彼と共に付いてきたのは、彼の妻のソネット・M・ユキネと、
?
でもなく、ロックは少しこしょばゆい感じになっていた。
けれど、そこに優しさがある事もこの家族は知っていたのは言うま
しかしそれでもやはり目付きは本当に鋭かった。
うだ。
しかし、この家族と一緒にいたおかげである程度緩和されているよ
昔は本当に口が堅く、笑いさえしなかった。
そんなロックを見つけた雅律達は彼を養子として迎えた。
だった。
彼は戦争孤児で、つい最近まで戦争に駆り出されていた悲劇の少年
ル・ユキネ。
ソネットの問いに対して、ドライに接する少年の名はロック・アイ
?
﹁⋮﹂
﹁
?
12
!
﹁⋮何でもない⋮﹂
?
そんな彼等一家は現在、NGO活動で家族総出で南米はバルベルデ
にやって来ていた。
歌で戦争をなくしたいという願いのために⋮
しかし、それはこの地に来た時に消滅する事になるとは⋮
まだ、この時の家族は知らない⋮⋮
ーーーーーー
あれから1週間。
彼⋮ロック・アイル・ユキネは身動きを封じられていた。
へへっ
﹂
両方の手首足首を鉄の錠でがっちりと固定され、身動きすら出来な
い状況になっていた。
﹁まさか此奴があの︻冷眼のロック︼とはな
!
︻冷眼のロック︼
﹁⋮⋮⋮﹂
えガキンチョとはな‼
ゲヘヘッ
﹂
﹁数年前に俺らテロリストを脅かしていた存在がまだ10歳も満たね
?
た。
雪音一家と出会った為か、身体能力が大きく低下してしまってい
なり苦戦させられ、終いには身包みを全て剥がされ、拘束されていた。
その影響があったのか、今の彼はテロリスト1人相手するのにもか
理由は簡単だ⋮その時に雪音一家と出会ったからだ。
しかし、その名は1年前に忽然と消えた。
だった。
テ ロ リ ス ト 達 か ら 言 わ せ れ ば 脅 威 と し か 成 り え な い 最 悪 の 存 在
弱き者達から見たら正義の象徴として捉えられており、
普通の人から見れば人を殺した殺人者だが、
幼いながらも、各地に蔓延るテロリスト達を殺してきた。
二つ名であった。
それは、かつてロックが雪音一家に出会う前に貰った異名であり、
!
﹁︵あの時⋮自分の技量を怠ったばかりに⋮
クリス⋮ごめん⋮︶﹂
13
?
﹁あぁ
﹁︵⋮え
﹂
﹂
死んだら電気ショックが自動的に流れて無理や
此奴、死んでるんじゃねえか
︶﹂
ーそれがお前の望みか
ー
それは奇跡を生む切欠を作ったのかもしれない⋮
自らを戒めにかけた少年。
﹁︵こんな俺の事はいい⋮自由になって欲しい⋮クリス⋮︶﹂
守ってやれなかった後悔の念に立たされていた。
にしてしまった事に。
る存在、雅律とソネットロックは力を失ったばかりに結果的に見殺し
自分が守ってやりたいと思えた存在の2人⋮クリスの両親でもあ
ロックは心の中で悔やんだ。
り蘇生させるんだからよ
﹁そんな訳ないない
?
﹂
﹁⋮ お ま ⋮ え ⋮ な の ⋮ か ⋮
⋮俺⋮に⋮話し⋮かけ⋮た⋮の⋮は⋮
そんな中、辺りを見渡したロックは、近くに光る物を見つけた。
で、ロックの不可解な行動を見る事は無かった。
幸いな事にこの時、テロリスト達は元の配置場所へと戻っていたの
突然、頭の中に聞こえてきた声にロックは周りを見渡す。
?
?
ただそこには無数の文字が書かれていた。
だが、あまりにも難しい字で書かれていて、分からなかった。
すると、ロックの言葉に反応したのか、
﹂
石の板⋮石板は突如宙に浮いたのだ
﹁
と思ったら⋮
当然、それに驚くロック。すると⋮石板が光を発し、点滅をしたか
!
⋮しゃ⋮べっ⋮た⋮だと
﹂
ーそれがお前の望みなのかと聞いているー
﹁⁉
なんとその石板から喋ったのだ
驚いて当然なのである。
!
?
14
!
!
?
?
それはひとつの石の板だった。
?
ー私の力を貸してやらなくも無いぞ
ー
石板の声の持ち主は皮肉げに語り出した。
それを見ていたロックは少し苛立っていた。
ぶっ壊そう⋮そう考えていた。
だが、
﹁⋮﹂
しかし、それを実行に移す力を持っていなかった。
ー
かなりのダメージで、肉体も精神もやられていたからだ。
ー⋮黙秘は肯定と取っても良いのだな
﹂コクッ
私
ー
?
ー私はご覧の通り、ただの石板だ。
だが、君が願えば、それは現実と化すかもしれないな
いもうと
﹁⋮頼む。⋮クリスを⋮
俺の義妹を⋮助けてくれ⋮﹂
﹂
ー
それを見た石板は浮いたまま、彼の手の方にやってきた。
それを聞いたロックは悔しくも首を縦に振った。
?
彼の必死の訴えにその石板はこう答え返した。
ー助けてやるのは構わないが⋮
﹁っ
そして青年はその石板に触れた⋮
?
を言った⋮
﹁﹃その者はかつては人間だった。
愛する者含みし少数を犠牲に多数の命を救おうとした愚かな存在。
やがてそれは︽守護者︾と言う名で呼ばれ、穢れ仕事をやらされん。
運命の夜の日、彼は1人の少女の元に現れん。
彼女の赴くままと同時に、人間だった頃の己を殺すと言う矛盾を行
わん。
しかし其れは成す事は無かった。
15
?
テロリスト達を倒しても別に構わないだろ
⋮っ
!
ーでは、石板に触れたまえー
﹁⁉
!
!
その時、ロックは石板に刻まれた文字を見てそのまま書いてある事
!
?
!
其れを改めさせる機会を自ら生み出したから。
やがて男は自ら呼び出した少女にあの日の己を託し、この世を去ら
ん。
しかし、彼の顔は笑顔であった⋮
その運命に彼は後悔しなくなったから⋮﹄﹂
石板に書かれていた事をありのままに喋ったロック。
すると石板は光り輝き、目を開けた瞬間にそこに1人の男がそこに
いた。
白いマントと赤の外套を纏い、白髪で、肌が黒い男が、
マ ス ター
⋮お前は⋮一体⋮﹂
先程の石板を左手で持っていながら目の前に現れたのだ。
﹁
﹂
﹁案ずるな、仮の契約者。貴様の願いは聞き届けてやる。その証拠と
して先ず手始めに⋮﹂
と、男が言おうとした時、
﹂
﹁⋮そうか。
マ ス ター
手当たり次第探すとしよう。
仮の契約者は此処で英気を養いたまえ﹂
﹄
と。しかしそれは杞憂する事になる。
そう言うと男が瞬時に消えたので、ロックは驚く。
騙されたのか
﹃だ、誰だ貴様は⁉
?
16
パキィンッ‼
﹁⁉
﹂
?
﹁⋮分からない。何処で何をされているのかも分からない⋮﹂
⋮貴様の妹は何処にいる
﹁風邪を引いては此方も参るのでな。
確かに今のロックは身包み一つも無い。裸同然だ。
らせた。
身体の自由を得たロック。すると、男は白いマントをロックに羽織
傷一つ付けない精巧な技術で。
瞬時にロックを捕まえていた枷が全て破壊された。それも皮膚に
?
?
﹁手枷足枷を壊しておいた。これで多少は信用してくれるかね
?
﹃構わん
撃て‼
﹄
近くで銃撃戦が行い始めた。
生命だけは⋮ぎゃぁぁぁ⁉
﹄
﹄
?
?
なんでこの弾丸の雨を避けられるんだ⁉
?
待ってくれ⁉
?
﹃う、嘘だろ⁉
﹂
﹃お、おい
﹁‼
?
!
すると、
撃て‼
﹄
﹄
﹃だ、誰だ貴様は⁉
﹃構わん
?
﹄
﹄
?
た。
生命だけは⋮ぎゃぁぁぁ⁉
なんでこの弾丸の雨を避けられるんだ⁉
待ってくれ⁉
﹃う、嘘だろ⁉
﹃お、おい
クリスはこの時感じた。
?
すると壁越しから男はこう告げた。
近くで声が聞こえた。男の声だった。
﹃ふむ。此処か⋮﹄
すると⋮
嫌気を感じ始めたクリス。
このまま今度はそいつの下で扱かれるのかと思うと、この世の中に
に。
テロリスト達よりも相当の実力者がこの場所に来たのだと言う事
?
?
近くで銃撃戦が行い始めた。それに気付いたクリスは、耳音を立て
!
?
1人という今の状況で彼女の心は折れそうになっていた。
私はどうすれば⋮︶﹂
頼りになるロック義兄も今じゃ何処にいるのかさえ分からない⋮
にぃ
お父さんも、お母さんも死んだ⋮
﹁︵もう、誰も来やしない⋮
同じ戦争孤児の皆んなと同室で1人だけ隅っこで丸まっていた。
その頃、ロックが助けたかった少女、雪音クリスはと言うと⋮
ーーーーーー
たのであった。
ロックは驚く事ばかりな現状にもはや思考も追いついていなかっ
!
!
17
?
﹃この声の近くにいるなら離れておけ。
﹂
下手をすれば⋮死ぬぞ﹄
﹁
そう聞こえたので、クリスはすぐにその近くにいた孤児達を反対側
の方へと押し退ける。
﹄
﹃⋮ふむ。賢明な判断、感謝しよう。
⋮はぁっ
・
・
・
だった。
﹂
﹂
﹁雪音クリスとやらはどいつだ
﹁⁉
﹂
?
そして現れたのは、赤い外套を羽織った白髪で黒い肌の筋肉質の男
り刻んだと言う行為に。
銃や爆発物で壁を壊すと思っていた行動が、まさかの斬撃で壁を斬
クリスはそこで初めて口を開いた。
﹁はぁ⁉
斬られたのだ。
・
男が言うと壁が一瞬で文字通りバラバラに⋮
中の様子が分かっているかのような話し方をしたのか、
!
それを見たのか、男はすぐにクリスの元にやって来た。
しかし、クリスは警戒を怠らなかった。
もしかしたら、此奴も違うテロリストの仲間なのだと。
だが、それは男の一言によって杞憂になる。
﹂
﹁⋮ロックという奴がお前を探していた﹂
﹁⋮え
﹁此処にいるテロリスト達は気絶している。だが、いつ覚ますか分か
らない。だから、急いでこの場から離れろ。
脱出ルートは確保してある。その道に突き進むが良い。私が保証
しよう﹂
そう言うと孤児達は急いでそのルートへと走って行った。
18
?
男が自分を探していた事に激しく動揺するクリス。
?
それを言うと男はすぐに孤児達の方を向く。
?
﹂
クリスはそのまま男の方に顔を向けた。
﹁⋮あんた、名前は
﹂
少年﹄
?
突然聞こえた声にロックは動揺し、辺りを見渡す。
﹁⁉
﹃この部屋に何の用だ
その部屋を見ていたら、
﹁此処は⋮﹂
いが。
周りには大量の石の板があった。と言っても、7.8枚程度しか無
一方、ロックはとある部屋へとやって来ていた。
ーーー
と、ギザな口調でそう語った。
﹁⋮アーチャー。それが私の名だ、お嬢さん﹂
クリスの問いに男はこう言った。
?
しかし誰もいない⋮影すら存在しない。
⋮は
﹂
﹃此処だ。少年﹄
﹁
?
た。
ロックはその方向を見ると、其処には人⋮では無く、電子機器が
あった。
まるでディスプレイのような形の電子機器にロックは啞然としつ
つも、それを手に持つ。
すると突如、ディスプレイが点滅し、
﹂
﹄
﹃ふぅ⋮ようやく見つけたか﹄
﹁⁉
乱暴に扱うな‼
ガシャンッ
﹃痛っ⁉
?
い、電子機器は悲鳴を上げた。
なんと其処から声がしたので、ロックは慌て、それを落としてしま
?
!
?
19
?
仕方がないと思ったのか、その声の持ち主は自分の居場所を教え
?
﹁って言うか、お前、誰だよ
﹂
﹃人 に 物 を 尋 ね る 時 は 先 ず 自 分 か ら 名 前 を 名 乗 る の で は 無 い の か い
﹄
﹁⋮生憎、そう言う常識を教え込まれる前に蒸発したんでな﹂
それを聞いた電子機器は軽率だったと後悔したのだが、もう遅い。
後悔先に立たずである。
﹃⋮そうか。なら、今回のみ許そう。だが、次は無い。
私の名はソウル。ソウル・バレッツ。
かつては人だったのだよ、これでも。
だが、この電子機器に魂を移す実験をしていた時、
﹃ノイズ﹄に襲わ
﹄
れて、今ではすっかり体を無くし、魂はまるで付喪神のように電子機
器に取り憑いた有様だ。
さて、私の事は話したから、次は君の番だよ
電子機器の名はソウルと言った。
如何すれば良いのか⋮教えてください﹂
救いたいんだ。
﹁⋮ロマン馬鹿か。それよりも、早く此処から出たい。大切な義妹を
それを見たロックはこの施設で初めて口から笑みが零れた。
自他共に認めていた。
其れ程までにロマンスを大事にするような性格の持ち主であると
ソウルは自らをロマン馬鹿と自覚していた。
る事を夢見ている⋮単なるロマン馬鹿だと思ってくれ﹄
此処にある石板⋮﹃英雄石板﹄を探して見つけては、それを解読す
こう言う身でな。
﹃ロック⋮成る程。さて、先の騒動がなんなのかはわからないが、私は
それが俺の名だ﹂
﹁俺は⋮ロック⋮ロック・アイル・ユキネ⋮
ドと同じ状況になってしまったのかもしれない。
如何やらライドと同じ実験の時にノイズに襲われてしまってライ
?
﹃⋮最低限の礼儀作法は教わっていたようだな。それなら大いに結構
だ。
20
?
﹄
なら、私を使うといい。その方が確実に君の今の願いを聞き届けら
れるぞ
それを聞いたロックはソウルを持つ。すると、ソウルはロックの左
腕に某OCGの専用ディスクのような形に変化した。
﹃既に此処にある石板は解読済みだ。だが、持っておいて損なことは
無い。寧ろ、まだまだ価値がある物だ。
﹂
私をその石板達の方に向けてくれ﹄
﹁⋮こうか
収してしまったのだ‼
﹁このカードは
﹂
そのカードを手に取るロック。
着され、更にそのフォルダから一枚のカードが現れた。
そう言うとディスプレイ画面からフォルダらしき物が現れ、腰に装
後は⋮これを使え、ロック。君に相応しい物だ﹄
﹃これでこの施設を放棄しても構わないだろう。
?
ソウルがそう言うと、なんと石板達がデータに変換され、最後は吸
﹃上出来だ﹄
そう言うとロックはディスプレイ画面を石板の方に向けた。
?
れ﹄
?
﹂
?
きている。﹄
﹃細かい事は後程。今は此処から脱出しよう。先程からかなり荒れて
﹁英雄に導かれし存在
く。たったこれだけで君は成れる⋮英雄に導かれし存在に﹄
﹃良 し。次 に 関 節 辺 り に 付 い て い る レ バ ー を 手 の 甲 の 方 に 持 っ て い
カードを差し込んだ。
そう言うとロックはディスプレイ画面を起こし、その機械の間に
﹁⋮ああ⋮こうか
﹂
そのカードをこの電気機器・︽ソウルアブソーバー︾に装填してく
さて、話を戻そう。
これを悪の為に使うな。それだけは約束してくれ⋮
﹃これから先、君が守りたい物を守れる力だ。
?
21
?
﹂
そう言っていると、天井が崩落し始めてきた
﹁っ
ーソウル
﹄
フォーム⋮フォーマル
ー
それは新たな存在の誕生の瞬間だった⋮
﹃では、参ろうか
ロックはすぐにそのレバーを手の方へと引いた
!
んだ。大丈夫、君なら扱いきれる
ーお前らの魂
オレが頂く‼
﹄
ー
ソウルの励ましでそれを身に纏った
!
これは⋮
﹂
﹂
!
﹂
にぃ
スイコンドウシ
﹂
手によって、保護されていた。
クリスは先に脱出しており、赤い外套を羽織った男・アーチャーの
たが、
途中でクリスに会う事も無かった彼にとっては、急いで探そうとし
そして長い道のりを経て、無事に外に出る事が出来たロック。
ーーー
彼が通った後の道は障害物が何一つ無かったと言う。
単なる障害物でしかなく、
途中、壁などが崩れて行けない道のりも、ソウルの力を得た彼には
そう言いながらも彼はそのまま走り抜ける。
﹁スイコンドウシ⋮
﹃それが君の新たな姿⋮水魂導師・ソウルだ﹄
﹁⋮
蒼き外套を羽織った、新たな存在に。
謎の発声音と同時にその姿は露わになった。
?
!
﹃大丈夫だ。危害を加えるつもりは無い。あいつの存在を受け入れる
それを見たロックは慌てるが、
更にディスプレイから青が主体の謎の物体が浮遊していた。
そう言うとロックの身体が全身スーツボディに変わった。
!
!
!
!
!
クリスの驚き顔を見て、自分が今、変わった姿をしているのを思い
?
!
22
!
!
!
!
クリス
﹁
!
その声⋮ロック義兄⁉
﹁
!
﹂
出し、ソウルに話かけた。⋮小声で。
﹁⋮なぁ。これ如何やって
﹁何の話してんだ
﹂
﹁いや、あの時に言う暇なんか無いのは重々知っているから⋮﹂
る。⋮言うのを忘れていた。済まないな﹄
﹃心配はするな。レバーを元の位置に戻して、カードを抜けば元に戻
?
﹁⁉
しっかり
﹂
白いマントを羽織った、傷だらけの姿に。
すると元の姿に戻った。
後にディスプレイを元に戻した。
そう言うと、ロックはレバーを元の位置に戻し、カードを抜き、最
今、元に戻るから⋮﹂
﹁⋮いや、何でも無い。
静に対処した。
と、不意にクリスが話しかけてきたので、ロックは慌てつつも、冷
?
お前達が私を持っている限りはな
﹂
お前達の傍から離れる事は無いさ。
に成るだけだ。
カードになれば、そこから意志が生まれる謂わば精霊みたいなもの
の事だ。
﹁案ずるな、私自身がこの世にいる時間が限界に達してしまっただけ
だが最後にこう言っていた。
になった。
それを見届けたアーチャーは、2人に別れを告げ、そのままカード
た。
その後、国連軍の介入により、その土地のテロリスト達は鎮圧化し
所を確保し、そこで生活をした。
その後、2人はアーチャーの手により、一先ず安静にしていける場
!
そして2人は国連軍により、帰国された。
時は、本当に嬉しく感じていたそうだ。
それは謎の発言のように感じた2人だったが、それが現実に化した
?
23
?
しかし、それは同時に物語の歯車が動き出す時でもあった。
ーーー
2人が見たのは保護施設というよりももっと言い方を悪く言えば、
調教するようなまさに拷問とでも呼べるような場所だった。
そんな雰囲気に嫌気がさした2人はそれから行方不明になった。
そんな2人を見つけたのは⋮
﹁付いてきなさい⋮﹂
後にそれが世界を絶望へとかえる女性⋮
︽フィーネ︾との出会いであった。
さぁ、物語は確実に整って来ていた⋮
この先にあるのは、希望か、絶望か。
それとも⋮そのどちらとでも無い⋮何かなのだろうか⋮
・
・
・
・
・
それを知る者はこの世には存在しない⋮
そう⋮この世には⋮ね。
24
4︶ 邂逅
それは本当に唐突な出来事であった⋮
セレナを家族として迎えた人絆一家。
彼等は今は長い世界旅行から日本に帰国して、
現在は東京の中でも、都会に近いながら自然と向き合える場所に家
を持ち、そこで生活していた。
自然と調和した都会的なシンボル。そんな感じな場所に家がある。
ここは交通のアクセスが都会に次いで便利で、
更 に 通 信 環 境 も 整 っ て い る ま さ に 生 物 に と っ て の ユ ー ト ピ ア と
なっていた。
その為か、この場所は﹁自然都会﹂と言う名で知られているのであ
る。
?
憑友の後ろを思いきり抱き付き、
憑友は踏み止まろうとしたが、
25
ーーーーーー
さて、そんな話は置いておいて。
今は9月の始まりであった。
この日から憑友は学校へと勉学に励んでいる。
今日も片道10分ちょいの電車に乗り、学校へと向かっていた。
そして、学校に近付いてくるとお決まりのパターンがやって来るの
である⋮
憑友にとってはこれが毎回うんざりさせられているのである。
それが⋮
﹁憑友∼‼
!
ドバァッ
﹂
﹁うぉっ⁉
?
﹂
ゴテンッ
!
ご、御免⁉
⋮大丈夫
﹂
運悪く、小石につまづき、憑友はそのまま顔面強打した。
﹁⁉
?
体力がきついんだよ
⋮大丈夫
憑友
?
﹂
?
﹁うん
おはよう
﹂
﹁痛たた⋮。と、兎に角⋮おはよう。響。未来﹂
その2人を見た憑友は話しかけた。
ンで纏めていて、少し母性がある少女だった。
先程の少女と違い、ビリジアン︵深緑系︶の色合いの髪を白いリボ
だった。
そうやって、少女に注意しながらこちらを見るのは1人の女の子
?
憑友君は此処最近まで世界を周って来たんだから。
﹁もう⋮駄目だよ。
すると、そんな少女の後ろからまた違う声が聞こえた。
髪が少し黄土色で、少し幼げな少女がいた。
だった。
それをやった自覚があるのか、こっちに顔を向けるのは1人の少女
?
は人気者になっていた。
﹁と、その前に⋮﹂
された響は痛そうにしていたが、
﹁酷いよ∼⁉
﹂
﹁さっきの抱きつきのお返し♪﹂
それをやる前にもっと酷い事をした響が悪いのは言うまでもなく、
貴方
実はこの3人は共に仲が良く、いつも﹁仲良し3人組﹂と学校内で
小日向未来の2人その者である。ーー
ーーこれが﹃シンフォギア﹄の主人公の立花響と、彼女の幼馴染の
黄土色の髪の子は響、白いリボンの子は未来と言っていた。
!
と憑友が言うと、響のおデコに⋮
﹂
パチンッ
﹁痛っ⁉
!
デコピンをした。
?
?
26
?
﹁おはよう♪﹂
!
﹂
⋮私、呪われてるかも⋮﹂
﹁これは流石に響が悪いんだからね
﹁未来まで⁉
?
﹁
﹂
如何したの
﹁如何かしたの
﹂
﹂
行こう行こう
!
それを見た2人は憑友を心配していた。
﹂
﹁⋮御免。何でも無いや⋮さ
﹁ああ、ちょっと⁉
﹂
﹂
憑友は何かを感じとったのか、辺りを見渡した。
﹁
ーピチョンッ⋮ー
そんな中、
たのであった。
3人は共に仲が良く、絆で得た何かと思わせるような物を持ってい
と、何時もこんな感じで話をするのである。
こればかりは自業自得であるのだが⋮。
?
⋮
まるで、幽霊の様に。
﹁彼奴が⋮人絆憑友か⋮﹂
そう言うと、青年はすぐに消えてしまった⋮
ーーーーーー
まるで、そこには何も無かったかのように感じながら⋮
!
すると、彼等のいた場所から1人の青年が何処からともなく現れた
い。
因みにその時の2人の顔が少し赤くなっていたのは言うまでも無
していた。
響と未来はそんな憑友に勢いで流されながらも楽しく今日も過ご
のまま走ったのだ
そう言うと憑友は右手で響の左手を、左手で未来の右手を握るとそ
!
?
?
﹁ちょっと、憑友
?
!
27
?
?
!
お義父さん
﹂
一方、此処は憑友の家の一角で、父・玄也の仕事場であった。
﹁あんまり無茶し過ぎると、憑友が心配しますよ
﹁ははは⋮面目無い。﹂
?
た。
﹁⋮本当に学校に行かなくて良かったのかい
行きたいと思えるようになったら、言いなさい。
⋮なら、無理矢理って言うのは良くないしね。
﹁⋮そうか。
それに⋮彼氏と呼べる存在は今の所居ないから⋮﹂
友達の作り方も知らないから⋮。
かな⋮。
ないといけないんですけど、運動音痴で、あんまり好きにはなれない
身体は軽いジョギング程度しかしないので⋮本当は身体を動かさ
﹁勉学なら心配しないで。こう見えて、頭は冴えてるんですよ♪
いるのであるが⋮
来たり、勉学・部活動に積極的に取り組んだり等、思春期真っ只中に
本来なら彼女の年齢だと、中学校で通って、友達を作り、彼氏が出
玄也はセレナにそう質問してきた。
﹂
それに気付いた玄也は苦笑いをしつつも、しっかりと反省してい
憩を促した。
玄也が仕事に没頭しているのを見たセレナはお茶を持ってきて、休
因みに、デスクワーク上にはライドもいたりする。
なった憑友の義姉・セレナと、父・玄也がいた。
そこには玄也の妻・ジャンヌによって生命を救われ、現在は養子と
?
⋮はい
♪﹄
﹂
﹂
﹁ありがとう♪ライド。貴方が応急処置して無かったら、今頃私⋮﹂
﹁ネガティブな話は無∼し、だったよね
﹁あ⋮えへへ。御免なさい☆﹂テヘッ☆
?
28
?
セレナは私達にとって、かけがえのない家族だからね﹂
﹁
!
﹃うん。セレナも家族の輪に入れて、私としても実に喜ばしい限りだ
!
と、そんな風に今日も一日、元気に過ごしていた。
そう言えば、お義父さん
この石板みたいなのは
これはね⋮
﹂
するとセレナが玄也の机にあった一枚の石の板を見た。
﹁
⋮ああ。これかい
?
?
﹂
?
﹂
かれていた時代にも現れていた事に。
﹁ああ。だが、驚くのはまだはやいぞ
だが、この石板に書かれている戦士達。⋮ここでは、総称して﹃英
れば、力を発揮する事が出来ない。と、都市伝説内で聞いたんだ。
先ず、
﹃シンフォギア﹄と呼ばれる力を持つ戦士達は、歌を歌わなけ
?
今、巷で大量発生中の認定特異災害﹃ノイズ﹄が昔、その壁画に描
無理もないのも頷ける。
玄也の発言に驚くセレナ。
﹁そんなに前からノイズが⁉
たって、とある場所の壁画に描かれていたんだ﹂
﹁その﹃シンフォギア﹄達と同じいや、それ以上の力で、ノイズを倒し
仕方のない事だった。
のだが、こういう噂話で出て来ているくらいだから、半信半疑なのは
都市伝説なので、本当にいるのか如何かは分かってはいない状況な
力を持った戦士達の事。
﹃シンフォギア﹄とは、今現在において現れた﹃ノイズ﹄に対抗しうる
その問いにセレナは首を縦に振る。
た事あるかな
﹁現在、都市伝説で﹃シンフォギア﹄と呼ばれる戦士達がいるのは聞い
すると、玄也はこんな話をし始めた。
自信満々に言う父・玄也の話にセレナは釘付けになった。
んだ﹂
世界に少なくても100枚は必ずあると言われている歴史遺産な
略称名として﹃英雄石板﹄と呼ばれている物だよ。
︻英雄の軌跡を記した石板︼と昔の人達がそう呼んでいた物で、今では
﹁
セレナの問いに対し、玄也はこう答えた。
?
?
29
?
?
雄﹄として考えておこうか
﹂
そう言うと玄也は近くに置いてあるソファにセレナを座らせると、
近くに置いてあったコーヒーをセレナに渡す。
セレナはそれを受け取ると、後ろを見ながら、ゆっくりとソファに
腰を下ろして、話を聞く事にした。
因みにライドも、ソファ間の机に置いた。
﹁さっきも言った通り、
﹃シンフォギア﹄の戦士達は歌を歌わなければ、
その身の力を発揮する事が出来ない仕組みがあるらしくてね。
都市伝説内のビデオを見ても、やはり歌を歌って攻撃している事が
分かったんだ。
何故、唄を歌いながら攻撃しなければいけないのかは、流石の僕で
も、それは専門外なんだけどね。
だが、英雄達は歌を﹃歌わない﹄存在が殆どだったという事。
つまり、元からノイズ達を圧倒する力を持っていたんだ。
それも⋮下手をすれば⋮
﹂
この地球を消滅するぐらいの力を、彼等はしていたんだ﹂
﹁⁉
其れ程の実力者達が﹃ノイズ﹄と激戦を繰り広げたという事に。
﹁僕はね、この石板に書かれている﹃英雄﹄達の軌跡を読み、そして解
き明かしたいんだ。
﹃英雄﹄達が行ってきた数々の偉業をね﹂
﹂
話を聞き、玄也の目標を聞いたセレナは衝撃の言葉を言い放った。
﹁⋮ねぇ、お義父さん。
﹂
それ⋮私にも出来るかな⋮
﹁え
それは、唐突だった。
のが大半である。
本来なら、そこで反対し、幸せな人生を歩んで欲しいと思っている
なんと、セレナが玄也の手伝いをしたいと言ってきたのだ。
?
30
?
その話を聞いたセレナは驚愕した。
?
?
玄也もそう考えて言おうと思ったが⋮
セレナの瞳の奥に眠る小さな小さな揺るがない精神に⋮負けた。
﹁⋮はぁ∼⋮
⋮本当にそれで良いのかい
﹂
﹁それでも⋮良い。
私も、興味と同時に真剣になりたいものを見つけたいから
﹁⋮はぁ∼⋮
こう言う所は、ジャンヌに似てきたかもな⋮
⋮分かった。完敗だ。俺の負け。
本当
﹁但し
﹂
﹂
そう言うとセレナと玄也は指切りをした。
それは同時に、大切な約束事でもあった。
﹂
もしかしたら、開いてはいけないパンドラの箱かもしれないんだぞ
?
セレナの好きな様にしなさい﹂
﹁
?
﹁危険だと思うものには触れるな。これだけは約束してくれ。
!
た。
すると、それに反応したのか、デスクワークに敷かれていた約10
﹂﹂
枚程の石板の内の一つが、光り輝いたのだ
﹁﹁⁉
!
﹂
?
﹁⋮
え⁉
何これ
?
⋮﹂
すると、セレナはその石板に少し触れた⋮その時だった。
玄也は動揺しながらも不思議がっていた。
﹁これは一体⋮何が起こっているんだ⋮⁉
玄也は慌てて、その石板を見て、ソファ間の机に置いた。
もちろん、それを見たセレナと玄也、ライドも驚いた。
?
!
31
﹂
良い
?
﹂
﹁⋮はい
!
命の危機にまた直面して欲しくない、娘に対する父の親心でもあっ
!
?
!
嘘⋮読める
⋮読んでみよう⋮︶﹂
それを感じとったセレナ。すると、石板に書かれていた文字を見る
や、
﹁︵え
なんと、それが読める事に驚いていた。
そこで、セレナはそれを試してみた⋮
⋮読める⋮のか
﹄
﹂
セレナ達は光の眩しさに、目を閉じ、腕で防ぐ。
すると、突然、光が強くなり、部屋全体を覆った
﹃何っ⁉
﹁⁉
そしてその全てを得た力は、愛する者達を守る剣とならん﹄﹂
を薙ぎ払わん。
またある時は、髪を伸ばし、銃と光り輝く剣を用いて、数多の弾丸
剣で戦わん。
ある時は背中に羽を生やし、妖精の姿となりて、空を制し、巨大な
ある時は人の姿をして、二振りの剣で全てを斬り伏せん。
﹁﹃その者 肌の色を除いて全てを黒に染めん。
!
﹁くぅ∼
﹂
貴方は
﹂
よく寝た∼⋮って⋮ここ何処だ
⋮あんたは
﹁⋮あ、あの∼⋮﹂
﹁ん
﹁私、セレナって言います
﹂
?
⋮俺は⋮キリトって言うんだ。宜しくな﹂
!
それが初めての出会いだった。
?
のであった。
これが、後の運命に大きく動くとは、まだこの時の皆は⋮知らない
キリトと名乗った青年。
﹁俺か
?
!
そして、背中には黒と水色の剣のが備わっていた。
いた青年だった。
髪が黒く、黒色のコートを羽織っており、これまた黒のズボンを履
そこに居たのは⋮1人の青年だった。
そして光が消え、そこでセレナは目を開けた。
すると同時に、そこから﹁スタッ﹂と、足音が聞こえた。
!
?
?
?
32
?
?
ーーーーーー
ー
一方、憑友はと言うと、学校が終わり、響と未来と帰路についてい
た時だった。
ーピチョンッ⋮
って、聞いてる
﹁それでね∼⋮
憑友
?
﹂
﹁︵⋮まただ。今朝も感じたこの感覚⋮一体⋮︶﹂
!
!
て悉く阻害させられたのである。
﹄じゃないよ∼
話聞いてた
﹂
おまけに変な発音までする始末である。
﹁﹃はへっ
?
﹂
如何かしたの
﹁⋮ゴメンなさい。聞いてませんでした⋮﹂
﹁むぅ∼
﹁今日一日、上の空だったよ
﹂
今朝と同じ事が先程起こったので、憑友は考えていたら、響によっ
﹂
⋮はへっ
?
﹁⁉
?
?
!
﹁あはは⋮ゴメン。
それで、何の話してたっけ
﹂
!
因みに彼の母・ジャンヌも歌上手である。
其れ程にまで、歌が上手いのである。
をかく程、彼にとっての黒歴史なのだが。
何気に鼻唄交じりで授業中歌っていたりしているので、常に赤っ恥
実は、憑友も実は歌が上手い。
﹁はいはい。照れるような事言われても、俺は照れないからな∼﹂
﹁でも、憑友も中々の歌上手なんだよね♪﹂
﹁あの2人の声って、癒されるんだよね∼﹂
ウイング﹄の話にシフトした。
すると響は今、音楽業界にて人気を博しているユニット﹃ツヴァイ
憑友はこれ以上は無意味だと判断して、響の話に専念した。
﹁今、話題のユニット﹃ツヴァイウイング﹄の事だよ
﹂
それと同時に、未来にまで心配させられる始末であった。
憑友が自分の話を聞いていなかった事に、顔を膨らます響。
?
!
?
?
33
?
あなた
彼女が歌っただけで、軽い怪我が治ったとか言う患者もいたりする
程⋮。
歌で怪我が治るとか何処かのアニメのような事を起こすな⋮憑友
の母親様は‼
私も
﹂
﹁寧ろ、憑友君のは癒すというよりも⋮人の心を熱くしてくれる何か
があると私は思うな∼﹂
﹁あ、未来もそう思った
!
﹃月光﹄
﹂
﹂
物がオレンジの少女の2人だった。
もう1人は逆に髪が少し赤みのかかったオレンジで、スーツらしき
1人は髪とスーツらしき物が青で統一された少女で、
そこには2人の女の子がいた。内、1人は歌を歌っていた。
﹁∼♪﹂
一方、此処はとある場所。
ーーーーーー
まるでそこには何も無かったかのように⋮
そう言うと青年は人混みの中へと消えていった⋮
﹁⋮後、3年⋮か⋮﹂
そして、それを見ていたのは今朝に現れた1人の青年だった。
そんな中でも、3人は今日も一緒に帰って行った。
﹁置いて行かないで∼﹂
﹁待ってよ∼
それを見た2人はお互い顔を見るや、クススと笑っていた。
そのまま2人よりも先に前を歩いた。
﹁⋮ったく。ほら行くぞ、﹃太陽﹄、﹃陽だまり﹄﹂
み、
すると響が放った言葉に、憑友はコーヒーゼリーを瞬時に呑み込
﹁もちろん、憑友もだよ
ゼリー︵ブラック100%︶を3個同時に口の中に頬張った。
そんな2人のテンションを見た憑友は帰り際に購入したコーヒー
﹁相変わらず仲がよろしいようで⋮﹂
?
!
!
34
?
!
﹂
歌を歌っているのはその内の前者の方︵青の少女の方︶だった。
2人の女の子がある者と戦っていた。それは⋮
﹃○☆□◇▽△﹄
今、世界が震撼していた認定特異災害﹃ノイズ﹄だった。
﹂
﹂
﹁はぁ⋮はぁ⋮ったく。どうしたもんかな⋮。翼⋮まだ戦えるか
﹁はぁ⋮はぁ⋮大丈夫⋮奏となら、何処までも
﹁ははは⋮心中だけは御免だからな⋮はぁぁぁ‼
?
を薙ぎ払っていく
そう言うと﹃奏﹄と呼ばれた少女は自ら持っていた槍で、数多の敵
?
!
達を斬り伏せていった
﹂
そしてそれが隙を生んでしまう⋮
ナが切れかかろうとしていた。
だが、いつにも増して、かなりの数のノイズに流石の2人もスタミ
!
そして﹃翼﹄と呼ばれた少女もまた、己が持っていた刀で、ノイズ
!
﹂
死にたいのか⁉
﹂
俺様、ナイスファインプレー
﹁よっしゃー
﹂
﹁
此処から離れろ
﹁
?
﹂
!
2人はその青年を避難させようとしたが、青年はそれを人差し指を
た。
緑の髪と、アクティブ系なボーイッシュスタイルが特徴の少年だっ
そこにいたのは1人の青年だった。
!
⋮民間人
呆然とする奏に、後ろから声が聞こえてきた。
ノイズが瞬時に、炭へと化していた事に。
目を開けてみた奏は驚いていた。
﹁⋮⋮え
が⋮一行に襲ってこない。
此処までか、奏がそう思って、目を瞑った。
た
奏が少し鈍らせてしまい、背後からノイズが攻撃を仕掛けてきてい
!
?
!
!
35
奏
﹁⁉
?
﹂
﹁⁉
?
!
!
立てて、指を振った。
﹁チチチチッ
甘く見ないでくれよな
ア﹄装者様
都市伝説の存在・
﹃シンフォギ
?
スピリット
﹂
!
と言うーーが現れて、青年はそれを左腕に装着した
を取り出した
﹁カッコよく決めるぜ
⋮
!
引いた
ツ
﹂
フォーム⋮オリジン‼
ー
?
羽を生やした何かが現れた
ー
そしてそれを青年は纏ったのだ
ー精なる魂、私に刻め
﹂
のような姿をした青年がそこにいた
﹁
﹁お前は一体⋮﹂
その姿を見た2人は驚いていた。
そんな2人に青年はこう答えた。
﹂
﹁俺の名はスピリット。風の魂を導く師者。
フウコンドウシ
今度はこの俺の暴風を⋮止めてみやがれ
風魂導師・スピリットだ
﹁さぁ、ノイズ共
!
そう言うと青年⋮スピリットはすかさず前に出た
!
﹂
!
!
そして現れたのは、その何かを纏い、羽根を生やした⋮正に、妖精
!
!
!
そう言うと、彼の腕に付けられていた電子機器のディスプレイから
ースピリット
!
そう言うと肘の関節部に備え付けられていたレバーを手の方へと
﹁⋮変身
﹂
すると青年はそのカードを電子機器の画面の間に挿し込み、そして
!
!
そして、画面を起こし、腰にあったフォルダの中から一枚のカード
!
そう言うと青年の懐から電子機器ーー︽スピリットアブソーバー︾
﹄
﹃こっちの準備は万端よ
行くぜ
俺はこう見えて⋮場数には慣れてんだよ⋮
!
!
!
!
36
?
!
!
﹂﹂
そしてノイズに向けて拳を突き出した
﹁﹁⁉
力を貸してくれ
﹂
﹁まだまだこんなもんじゃないぜ
ミドリ
!
!
ー
?
填した
ースピリット
フォーム、ミドリ‼
こし、先程装填したカードを取り出し、左手に持っていたカードを装
青年はそれを取ると、すかさずスピリットアブソーバーの画面を起
現れた
そう言うと青年の腰にあったフォルダらしき物から突如、カードが
!
!
その拳で⋮ノイズを倒したから。
それを見た2人は驚かされた。
?
ー
!
持った緑のパーカーを着た何かが現れた
風の咎人‼
そして、それを青年が纏った
ー聖なる扉
?
カーを羽織った青年がそこにいた。
ミドリフォーム、見参
﹁この風は、生涯止むこと無し
風を纏いし少女の魂
ってな
﹂
!
!
﹁これでラストだ
﹂
それを見ていた2人は驚きつつも、美しく感じていた。
まるで、風と共に踊っているかのように。
そう言うと青年はその両手棍を自由自在に操って見せた
!
フルドライブ‼
?
スイッチを拳で叩いた。
﹃スピリット・ミドリ
﹂
!
膨大な量を生み出し始めた⋮
まるで、小さな台風のように。
そう言うと彼の周りに大量の風が徐々に視界に捉え切れるほどの
﹁はぁぁぁぁあ‼
﹄
そう言うと、青年は左腕に装着されたアブソーバーに備わっている
!
!
そこには、先程その何かが使用していたロッドを持ち、緑のパー
!
!
そ う 言 う と デ ィ ス プ レ イ か ら 今 度 は ロ ッ ド と 呼 ば れ る 両 手 棍 を
!
!
?
!
37
!
!
﹁行っけぇぇぇぇ
エアリアル・ドラゴン
‼
﹂
?
﹁ふぅ⋮1丁あがり♪﹂
暴発で、一掃されたのであった。
ドガァァァ
ノイズ達はそのまま飲み込まれ、そして⋮
そう言うと青年はノイズに向かって、その風の塊を投げつけた
"
抜いた。
すると、彼は元の姿に戻った。
﹂
それを見た奏と翼の2人は驚きながらも、接触した。
﹁あんた、やるね。一体、何者なんだ
レ
フ
﹁俺は風の向くまま気のむくままに行動する流浪人。
せ い よ う レ フ
だが、まぁ⋮この場所も悪くはないな。
﹁ふ∼ん
彼・霊風との出会いを果たした翼と奏。
﹂
なんで民間人に名前教えるのよ
奏と翼ねぇ⋮んじゃ、よろしくな
﹁って、ちょっと奏⁉
﹂
﹁私は﹃天羽奏﹄。んで、こっちは私のパートナーの﹃風鳴翼﹄だ﹂
奏の言った一言を青年・霊風はその明るさで自己紹介した。
!
?
俺の名は精妖 霊風。幽霊の霊と風で、霊風。よろしくな
﹂
そう言うと彼はアブソーバーを起こし、先程使用したカードを引き
!
!"
!
ない⋮
全てはあの⋮2年前のライブが運命を起こした事だったかもしれ
後に新たな運命を招き寄せる事になった⋮
﹃シンフォギアシステム﹄以外で﹃ノイズ﹄と立ち向かう青年の存在は、
部二ーーに配属された。
あの後、霊風は2人と共に特異災害対策機動部二課ーー通称・特機
!
?
38
!
それもまた運命に近づく為の邂逅だった。
?
5︶ 兆し
それは時が進み、2年前。
あの後、家に帰ってきていた憑友は、見慣れぬ顔を見て、驚かされ
た。
また、1人⋮しかもいつの間にか、家族が増えてると言う感情に。
しかし、話を聞いた限りでは、
肝心のその1人の名はキリトと呼ばれていて、別世界に存在する
﹃英雄﹄の1人だと、言ってきたので、
﹁嘘だぁ∼﹂と、言い返そうと
したが、セレナ本人がその真実を知っており、その話を聞いて憑友は
一瞬、時間が止まったかのように動きを止め、そこからうって変わっ
て、パニック状態になったのは言うまでもない。
しかし、時間の流れは人の本質を変える事が出来るようで⋮
﹂
その頃からすっかり家族として受け入れた憑友はキリトと共にと
ある山中で、アウトドアを堪能していた。
そんな時に熊が襲いかかってきて、憑友はパニック状態になった。
すると、キリトが背中に背負っていた黒い剣で、熊を斬り伏せたの
だ
それを見た憑友はキリトの事を憧れるようになり、
そして今に至るのである。
﹁俺の剣技はあんまりお勧め出来ないんだけど⋮﹂
﹂
そう言いながら、ぽりぽりと頬を掻くキリトを他所に憑友は完全に
目が覚悟を持っていた。
﹁⋮はぁ。分かったよ。やりゃあいいんだろ⁉
流石のキリトもこれには降参した。
?
39
時間が経つにつれ、それが当たり前のように感じていた。
﹂
?
ーーーー
師匠
せんせー
俺から剣術を学びたい
そんなある日の事だった。
﹁え
﹁お願いします
!
何故こうなったのかというと、事の発端は先週の日曜の事だった。
!
?
!
因みにこう言う行為は憑友自らの物では無く、義姉セレナから教え
込まれた方法だった。
つまり、キリトはセレナの覚悟の仕方に負けたのである。
⋮英雄としては少しみっともないである。
けど、いざ練習をしてみると如何だったか。
キリトの実力を前に、憑友はキリトに一撃すら与えられなかったの
である。
﹁良し。今日は此処まで。明日もやるぞ﹂
﹁お、押忍⋮﹂
それからほぼ毎日。
土日祝日は予定が無い時と飯時以外は朝から夜まで、
﹂
平日は帰ってきてから夜までの時間を要した。
そして⋮
﹁はぁぁぁぁあ
﹂
ガキィン
﹁んな⁉
!
取ったのだ
﹁マジかよ⋮﹂
それを悟ったキリトは苦笑いを浮かべながらも、嬉しく思ってい
た。
かつて、自分の剣技を教えたキリトにとってかけがえのない相棒
に。
キリト⁉
﹂
!
﹁︵ユージオ。お前、今日から兄弟子だな⋮︶﹂
⋮
そう感じていると、キリトの身体が透け始めた
﹁へ
?
﹁如何して⁉
﹂
嘘⋮嘘だよね
⋮お願いだから、嘘だって言ってくれよ
﹁あはは⋮。⋮如何やらお別れみたいだな﹂
﹁え
?
あまりの出来事に憑友は追いつけなかった。
﹂
!
?
40
!
!
キ リ ト の 剣 技 を 教 わ っ た 憑 友 は あ っ と い う 間 に キ リ ト に 1 本 を
?
!
キリトの身体の変化に気付いた憑友はキリトの所にやって来た。
?
?
何せ、つい最近まで一緒に生活していた人が突然消える事が、どれ
だけ辛い事なのか。
しかし、それはキリトも同じである。
﹁俺は、昔、14の時に人生を大きく変えられた。信頼に足る存在、大
切な仲間やフレンド、相棒、そして愛する人。
俺はそんな人生の中を生き抜いて来た。
だから、お前も頑張ってみてくれ。
心配するなって。俺は⋮いつでも、お前の⋮傍に⋮いるから。
お前が⋮憑友が⋮持って⋮いる⋮か⋮ぎ⋮り⋮な⋮⋮﹂
そう言うとキリトは光となって消えてしまった⋮
﹂
残っていたのは、キリトの顔写真が載ってるカードだけだった。
﹁うわあぁぁぁぁぁぁ‼
その日、憑友は泣いた。
まるで涙が雨のように流れ、そしてそれは枯れる事になった。
ーーーーーー
﹁⋮成る程。
大丈夫みたいだ。彼はこの世界での顕現していられる時間が無く
なってしまったんだろう。
だが、今は彼はこのカードの中に眠ってる。
何れまたひょっこりと声を出して、目を覚ますさ﹂
﹁そうなんだ⋮良かった⋮﹂
その後、玄也の調査の結果を聞いたセレナは一先ず落ち着いてい
た。
彼女もまた、キリトに対して仲良く接してきた存在だったから。
セレナはこの事を憑友に言おうか如何か考えていた。
﹁大 丈 夫。憑 友 は 君 の 事 を 信 頼 し て い る。そ れ に こ の 事 も 本 当 だ か
⋮はい
﹂
彼が死んだ訳では無く、カードとなって、今後も居続ける事になる
と言う事に。
41
?
ら、直ぐにでも報告した方が良いよ﹂
﹁
!
その後、セレナから話を聞いた憑友は嬉し泣きをしていたと言う。
!
﹂
それに伴って、ライドがフォルダケースを作成し、憑友はいつも肌
身離さず持ち歩くようになったのだとか。
ーーーーーー
﹂
それから1月経ったある日の事だった。
﹃ツヴァイウイング﹄のライブ
それは学校の昼休みの時だった。
﹁え
﹂
﹂
?
やしないかい
残念そうにしていると、突然スマホから着信が来た⋮都合が良すぎ
なったんだと。
彼女の歌には自分と同じパワフルなボイスに魅了されて、ファンに
ファンになっていた。
この時から憑友は﹃ツヴァイウイング﹄の、それも﹃天羽奏﹄の大
憑友も同じなようだ。
その事を聞いた未来は残念そうにしていた。
と、生憎予定が詰まってしまっていた。
収と解読の日時だな⋮﹂
﹁ん∼⋮この日は父さんと義姉さんと一緒に最近発見された石板の回
そのライブの日時を聞いた憑友はスマホを弄った。
﹁えっと⋮☆月○日だけど⋮その日って、開いてる
ちなみにもう響とは既に連絡済みで、快く了承していた。
イング﹄のライブ会場に行かないかと誘われてきたのである。
突然、未来から今、日本を代表する有名アーティスト﹃ツヴァイウ
﹁う∼ん⋮日時を教えてくれないか
﹁うん。響も誘ったから、後は憑友君だけなんだけど⋮良い
?
﹂
﹄
それを見た憑友は未来に断りを入れて、通話をした。
そこには﹁父・玄也﹂と書かれていた。
それに気付いた憑友は受信先を見た。
?
今は大丈夫かい
﹁もしもし
﹃やぁ
?
?
るね
﹂
42
?
?
?
﹁別に⋮今は昼休みだから構わないけど⋮都合良い時に電話掛けてく
!
?
・
☆月○日の予定﹄
・
﹃あはは⋮。学校の流れ的な用紙を見て、時間を見たら、ちょうど昼休
み時だったから掛けたんだ。
と、話を逸らす前に⋮
前に話していたろ
確かその日は義姉さんと父さんと一緒に石板の回収と解読の日
﹂
﹄ガチャッ
!
﹁⋮都合が良すぎるな、おい⋮﹂
勉強はしろよな。以上
ピッ
!
それじゃ、学校の方⋮お節介かもしれんが、念の為。
ら。それだけ言おうと思っていたんだ。
☆月*日に変更になったんだ。だから、その日は特に何も無いか
﹃その事に関して何だけど⋮
じゃ無かったっけ
﹁ん
?
﹂
?
皆は快く了承してくれた。
ただ⋮
﹂
﹃そのライブ会場。私も連れて行ってくれないか
﹁ど、如何したのライドさん
﹄
そしてその日の夜、家族揃っての食事時に昼間の事を皆に話すと、
ーーーーーー
あった。
憑友も同じだったので、未来からそのライブチケットを貰ったので
容を話すと、未来は大いに喜んでいた。
と、今まで黙っていた未来が話しかけてきたので、先程の電話の内
﹁如何かしたの
まさかの日時変更に憑友は呆然としつつも、若干嬉しかった。
なんとも都合が良すぎる内容だった。
!
?
があるかもしれないって言ってるの。
だから、連れて行って欲しいんだけど⋮
﹁へぇ∼、﹃英雄石板﹄がね∼。
﹂
﹁実は、ライドさんね。そのライブ会場内にもしかしたら、
﹃英雄石板﹄
セレナがその話をした。
ライドのあまりのテンションに流石の皆は引いていたのだが、
?
43
?
?
寧ろ、持っていてくれ
﹄
分かった。但し、キリトのカードも一緒に連れて行くからね
﹃それに関しては問題無い
!
ーーーーーー
そして迎えた当日
薄地で黒のコートを羽織っていた。
すると、
こっちだ、こっち
!
﹂
響
!
﹁⋮あ、おーい
あ、おーい
!
!
﹁あれ
未来は
﹂
先に来ていないの⁉
?
﹂
?
⋮ガチャッ
ーー
﹃はい、小日向です﹄
如何やら繋がったようで、憑友は話をした。
﹂
そう言うと憑友はスマホを響に渡した。
﹃うん⋮﹄
よ
﹂
﹁⋮分かった。近くに響がいる。変わるから、ありのままの事を話せ
かなくちゃ行けなくなったの⋮﹄
﹃それが、盛岡のおばあちゃんが体調を崩して、これから家族総出で行
﹁憑友だけど、今ライブ会場に居るんだけど、何かあったのか
﹂
ーーpipipi⋮pipipi⋮prrrrr⋮prrrrr
すると憑友はスマホを取り出し、未来に連絡を掛けた。
﹁何やってんだよ⋮全く﹂
そう⋮肝心の誘った本人・未来がまだ会場に来ていなかったのだ。
﹁え
?
そしてそれはすぐに分かった。
しかし、憑友は違和感を感じる。
遅れて、響がやって来た。けど、それでもまだ開演1時間前である。
﹁ん
﹂
黒のジーンズと、鮮やかな炎をあしらったシャツを着て、その上に、
憑友はライブ会場に足を運んでいた。
!
トと同行する事になった。
こうして、憑友の初めてのライブ観覧はライドとカード化したキリ
!
!
?
!
44
?
?
?
響は未来の話を聞いた時、﹁えええええ⁉
﹂
久しぶりだね∼♪ミス・響
﹁ご無沙汰してます
﹃うむ
﹄
﹂と、大声で喋ったので、
そう言うと憑友はコートの内ポケットからライドを取り出した。
﹁あ、そうだ。今日はライドさんも一緒に来たんだ﹂
思い出し、その話をする。
そしてライブ会場に入った時、憑友は響に話さないと行けない事を
それは憑友も同じだった。
だ。
其れ程までに未来と憑友と3人でこのライブを楽しみたかった様
と、かなりショックしていた。
﹁私⋮呪われてるかも⋮﹂
れを受け取り、ジーンズのポケットに入れた。
と、同時に響が通話を切って、スマホを返してきたので、憑友はそ
憑友は慌てて周りの人達に、響の代わりに謝罪していた。
?
2人と1つ︵ ︶はその後、売店等で必要なアイテムを手に入れて、
⋮と、話が逸れたので、本題に入ろう。
く2人揃って可愛がられていた。
セレナに至っては恋の相談役まで買って出たぐらいに、セレナによ
以来、2人とは顔見知りな歓迎になった。
その時に、セレナとライドの2人と出会った。
だった。
実は、響は憑友の家に遊びに来た事があり、その時は未来も一緒
!
響に断りを入れて、一旦会場の席から離れた。
と、ライドがシリアスな面持ちで話しかけて来たので、
﹃憑友。少し話がある﹄
その時に、
ライブ会場の方へと入って行った。
?
﹂
そして、離れた憑友とライドは話をした。
﹁話って
﹃うん⋮
?
45
!
!
以前、前に私には兄弟姉妹がいると言ったのは、憶えているか
﹃うん⋮先程から、私と同じ存在を感知したのでな。
ら、
﹄
だが、それとこのライブ会場に何の関係性があるのかと尋ねてみた
ようだ。
ライドの話を聞いた憑友は首を縦に振った。如何やら憶えていた
?
﹄
﹂
もしかしたら、私と同じ実験をした兄弟姉妹の誰かと言う可能性が
あるのだ﹄
その通りだな
﹁⋮分かった。兎に角、今はライブを楽しもうぜ
﹃ああ
!
・
・
・
・
・
それを知るものはこの世にはいない⋮
それとも希望の始まりか⋮
さぁ⋮運命の扉が開く時、それは絶望の始まりか。
これが憑友にとって平和な世界での、最後の会話になろうとは⋮
しかし、時の流れは時に残酷な時間を与える時もある⋮
!
そう⋮この世にはね。
46
!
6︶ 運命
一方、此処はライブ会場のステージ裏。
そ こ に は た く さ ん の ス タ ッ フ と 一 緒 に、2 人 の 男 性 が 念 入 り に
チェックしていた。
﹁では、此方で⋮﹂
﹂
﹁はい。お願いしますね﹂
﹁んじゃ、よろしく∼
スタッフの受け答えを丁寧に返したのは、緒川慎二と言う男で、こ
のライブのメインであり、現在人気を博している有名アーティスト
﹃ツヴァイウイング﹄の1人・風鳴翼のマネージャーである。
そして、それとは逆にフレンドリーに話すのは、依然﹃シンフォギ
ア﹄装者を救った青年・精妖霊風であった。
彼もまた緒川と同じく﹃ツヴァイウイング﹄の1人・天羽奏の専属
マネージャーとなっていた。
実はこの男、アシスト系の仕事が得意で、それによって、今ではすっ
かり彼女達は勿論、スタッフの皆とも親しみやすい存在になってい
た。
謂わば﹁フレンドリーマネージャー﹂とでも言っても過言では無
かった。
それを見ていた緒川は溜め息を零す。
つ
寧ろこう言う性格程、カリスマ性に長けて
や
﹁はぁ⋮霊風さん。少しは真面目にやって下さいね﹂
﹁そんな事言われてもよ
時世には必要だし
﹂
誰とでも気軽に話せるような⋮それこそ、奏みたいな存在が今のご
いるって知らないか
?
流 石 の 緒 川 も こ れ ば か り は さ ら に 溜 め 息 を 零 さ ず に は い ら れ な
かった。
2人の性格が何処となく似ていたのは分かっていたが、此処まで来
れば最早、双子みたいな感覚しかなかった。
47
!
?
﹁⋮はぁ。貴方と言う人は、全く⋮﹂
!
⋮はぁ。⋮まぁ、こればかりは良いですかね⋮﹂
﹁んじゃあ、俺は彼奴らの所に行って来ますんで♪後は、よろしく∼
♪﹂
﹁って、ちょっ⁉
﹂
いたいた。⋮って、頭は掻くなよ。女の髪は肌よりも大事なん
奏﹂
誰かと思えば、霊風じゃないか
﹁︵⋮な訳ないか⋮︶﹂
﹁⋮うん。大丈夫⋮﹂
﹁⋮翼ちゃんは大丈夫かい
﹂
こう言う気配りが出来る奴ほどモテるのである。
からは王者のように防衛しているのだ。
やすいマネージャーランキング﹂で、初登場1位を獲得するや、そこ
その甲斐もあってか、今では、某人気ランキング番組にて、
﹁親しみ
特機部ニの皆にお裾分けしていたのだ。
この男、趣味がスイーツ作りで、それを用いてはいつもスタッフや
実はこのクッキーは霊風お手製である。
﹁はいはい﹂
﹁悪いな、霊風。お前のクッキーって、本当に美味しんだよな∼♪﹂
そこにはクッキーとカフェオレがあった。
2人はそれを見て受け取る。
﹁ほら、差し入れ﹂
る奏と、体育座りで少し暗い雰囲気を醸し出している翼がいた。
そこにはライブで楽しもうとしていて、さっきからうずうずしてい
﹁⋮あ⋮﹂
﹁お
だからな
﹁お
さて、そんな霊風はある所に来ていた。
ーーーーーー
自分の仕事をし始めた。
それを見た緒川は止めようとするも時遅し。しかし、思考を変えて
しまった⋮
そう言うと霊風は後の事を全て緒川に一任させて、何処かへ行って
?
霊風は少し暗い感じの翼を心配した。
?
48
!
?
?
?
それに対し、翼は笑顔を向けて答えるも、霊風は完全にお見通しで
あった。
しかし、そこは敢えて言わず、違う話をする。
﹁⋮そっか。まぁ、大人の事情は大人に任せて、お前らはステージでド
派手に暴れて歌って来い
﹂
それでこそ、私のマネージャーだね∼
達も楽しくなくなるぜ
﹁⋮うん⋮﹂
﹁流石、霊風
霊風は翼を激励した。
それによって、先程よりもマシになった。
﹂
ステージに立つ、お前らが楽しんでないと、会場のオーディエンス
!
此
奴
﹁もちろん、分かっていますよ
﹂
?
弦十郎のダンナ﹂
﹁今回は⋮言わなくても分かっているよな
うのもなんだが、胡散臭い事この上ない組織だ。
前身である〝風鳴機関〟共々、所属している身の上でこんな事を言
課〟ーー通称・特機部ニーーの司令官を務めている。
翼の叔父であり、霊風や翼、奏の所属する〝特異災害対策機動部二
風 鳴 弦 十 郎。
かざなりげんじゅうろう
﹁いらしてたんですか、風鳴のおやっさん﹂
﹁こりゃまた、弦十郎のダンナ﹂
た男の登場に、霊風の隣いた翼から﹁司令っ﹂という声が洩れた。
一聴すれば間違えようもない程に印象深く、そして威厳に満ち満ち
を打つダンディ・オブ・ダンディな渋い声音。
会話の途切れるタイミングを図ったかの様に響いた革靴の音と、耳
﹁奏、翼、此処にいたのか﹂
すると、
少し過大評価しすぎではないかと思った。
でも言わんばかりの顔と発言をした。
それを見た奏は﹁やっぱり、私のマネージャーは最高だね∼♪﹂と
!
?
⋮
﹁そうか。だが、霊風に先を越された様で癪だが、俺が言える事は1つ
!
49
!
﹂
思いきり楽しんで来い。ただ、それだけだ﹂
﹁司令⋮はい⋮
﹂
!
こんなカード⋮私は⋮﹂
私 の マ ネ ー ジ ャ ー は お 前 の 事 も 気 掛 か り な ん だ よ。
声が届いていた事に⋮。
何せ、2人の傍に居ながらも、電話越しとは言え、此処まで地味に
霊風はそう感じていた。
相手は恐らくいや、間違いなくあの人・櫻井了子だろう。
していたようだ。
そんな話をしていると、如何やら弦十郎氏は電話が鳴って、通話を
﹁│││分かった、直ぐに向かおう﹂
きっと﹂
くれないか
﹁翼の心配事を無くすにはこれが良いと言う霊風の考えを受け取って
しかし、それを奏が征した。
ドだからだった。
た時に使用したカードで、此処までに彼の主力として使っていたカー
翼は否定して、返却しようとした。かつて、自分達と初めて出会っ
﹁受け取っとけよ。翼﹂
﹁良いの⁉
そしてその下には、︻風を纏いし少女 ミドリ︼と書かれていた。
1人の少女のイラストがあった。
翼が貰ったカードには緑の髪とこれまた緑のパーカーを羽織った
カードを取り出し、それを翼に渡した。
そう言うと霊風は腰元に備わっているフォルダケースから一枚の
これはその奇跡の一枚をな
﹃翼﹄を羽ばたかせるには﹃風﹄を纏わせる必要がある。
﹁もし、心配なら、このカード。翼に託すよ。
霊風も彼の寛大さにはいつまで経っても、頭が上がらなかった。
かもしれない。
流石、弦十郎氏だ。彼のこう言う粋な配慮が彼の心の器の象徴なの
!
すると弦十郎は携帯をポケットに戻す。
50
?
?
それを見た奏は、
﹁ステージの上は、任せてくれ
﹂
﹁さ て 難 し い 事 は ダ ン ナ や 了 子 さ ん に 任 せ て さ、ア タ シ ら は
友の2人もいた。
勿論、その中には、今日このライブ楽しみにしてやって来た響と憑
た。
会場席には大勢のファン達が自分達の曲を聴く為に来てくれてい
もうすぐライブが始まると言う緊張感。
き返した。
そう言うと弦十郎氏は自分の仕事をする為に、此処まで来た道を引
﹁うん。では、頼んだぞ﹂
そう言うと霊風も又、軽い足取りで、その場から立ち去った。
﹁んじゃ、俺も裏方に徹しますかね∼﹂
と、弦十郎にサムズアップのポーズを決めた。
!
パーっと⋮⋮﹂
大きく伸びをしながら奏は言うが、未だに翼の表情は晴れない。ど
ライブ
ころか、時間が近づくにつれて更に不安な色が滲みでてくる始末。
そんな中でも、霊風は物陰に潜んでいた。
﹁︵あんなんで、本当に成功するのかな⋮今回の計画︶﹂
霊風がそう考えていた。
実は今回のライブは表面上は﹃ツヴァイウイング﹄の単独ライブな
のだが、
裏では、弦十郎が率いる特殊チームによる﹃完全聖遺物﹄と呼ばれ
る遺物・︽ネフシュタンの鎧︾の起動実験が進行していたのだ。
詳しい内容は霊風本人はあまり知る必要が無いと判断したので、忘
れたが、重要な事が一点だけ。
それは、
今回のライブで、完全聖遺物を起動する事が出来れば、人類に希望
の未来がやって来ると言う事だけ。
コイツ
人類の未来だとか、世界の命運だとか⋮⋮⋮⋮兎角、そんな御大層
な見えない重圧に押しつぶされそうになる翼を、果たして誰が真実〝
51
!
見て〟やっているのだろうか
﹁ッ⋮⋮⋮⋮﹂
﹁マジメが過ぎるぞ、翼
いっちゃいそうだ﹂
ないよね
﹂
﹁分かってんじゃねぇか﹂
﹁││││││奏と一緒なら、何とかなりそうな気がする
仲良き事は美しき哉、とは誰が言ったのやら⋮
﹁︵⋮⋮やれやれ、杞憂過ぎたな︶﹂
﹂
﹁⋮⋮私達が楽しんでいないと、ライブに来てくれたみんなも楽しめ
手を握り、互いの温もりを確かめ合う様にしながら翼が口を開く。
で楽しめない﹂
﹁アタシの相棒は翼なんだから⋮⋮翼がそんな顔してると、アタシま
奏のマネージャーである霊風にとっては、嬉しく思っていた。
めている相棒・奏はやってのけた。
肉親である司令にも、出来なかった事を、霊風がマネージャーを務
だが、そんな翼を奏は変えてくれていた。
荷を背負い込み続けてきた。
そんな司令の立場を考慮して│││コイツはずっと、一人でその重
今や唯一の肉親である司令は二課の責任者。
小さい頃から戦姫として戦う事を余儀なくされてきた翼にとって、
家族〝だからこそ〟言えない事が、翼にはいっぱいある。
家族にも言えない重圧がある。
﹁奏⋮⋮﹂
あんまりガチガチだと、そのうちポッキリ
答えは、翼を後ろからギュッと抱きしめてやっていた。
?
粋な気がしてならなかったので、霊風はそのまま、緒川のいる所へと
向かった。後は2人に任せよう。そう信じて。
去り際、後ろ姿だけではあったが確認した││││││手を握り合
い、大空へと飛び立つ決意を固めた二人の雄姿にエールを送りなが
ら。
52
?
何だか良い雰囲気になっている二人の邪魔をするのも何となく無
!
?
厄
しかし、それが平和な世の中の出来事の最後になろうとはこの時の
災
彼等は知らなかった⋮
すぐそこまで、ノイズが迫ってきている事に。
ーーーーーー
と。
そして、会場にいる響と憑友はこの周りを埋め尽くす人の賑わいぶ
りに感化されていた。
もし、開演でもしたら、如何なるのだろうか
しかしそんな2人の疑問は、やがて照明が落ち、ステージに光が
灯った瞬間に興奮と共に飛び去った。
前奏が始まった瞬間、巻き起こる歓声に数瞬とまたずに会場のボル
テージは一気にMAXとなる。地上に人々のオレンジ色の光が溢れ
たかと思えば、天上から降りしきるのは純白の輝きと無数の白い羽。
その中を飛ぶ様にして降り立つ二人の少女││││││風鳴翼と天
羽奏の姿に、観客の興奮は極限まで高まった。天使の様に優美な姿は
会場中央の十字路の真ん中へと降り立ち│││そして、〝歌〟が響き
渡る。
それは、単純に1+1から導き出される従来の二重奏︵デュエット︶
を遥かに超えた歌声。世界を創造した天壌の女神にも似た輝きが、歌
声と共に耳から、目から、口から││││││五感はおろか、細胞の
一つ一つに至るまで突き立てる様な音の力となって襲い来る。
躍動︵ビート︶は天をも衝かん程に高鳴り、駆ける二人がメインス
テージを背にした瞬間、音が消える。
││││││天井に奔る無数の光が空を割る。
違う、割れた先に出ずる夕陽の輝きこそが本物の天空︵ソラ︶。割れ
た天井はそのまま翼の様に広がり、少女達の羽となって輝いた。
逆光の夕陽は世界を照らし、少女達を祝福するかの様に雄大な輝き
を放つ。翼を広げ舞い踊る二人は、手に手を携えて遂に羽ばたく。
それはまるで壮大な叙情詩の様であり、であれば天に祈る様な二人
53
?
は差し詰め御伽噺の主人公、といった所だろうか。
時間にすればたったの数分。
しかしその数分の内に響の中を駆け巡ったのは、荘厳な神話の創生
︶﹂
から終端に至るまでの永い物語。女神の誕生から翔躍へと向かう、余
りにも美しく力強い詩︵うた︶。
﹁︵ドキドキして、目が離せない⋮⋮
つ二人にジッと見惚れていた。
﹁︵凄いよ⋮⋮これが〝ライブ〟なんだ
こんなにも胸を焼き焦がすような熱いビート
俺、あんた達の歌が好きだ‼
1番好きだ
﹁まだまだ行くぞーーーッ
﹂
︶﹂
俺の魂が今すぐにでも、叫びたいと騒いでやがる‼
﹁︵すげぇ⋮すげぇよ
それは憑友も同じだった。いや、彼は更にその上を行っていた。
│〝ツヴァイウィング〟のファンになっていた。
激情の様に押し寄せるそれに酔いしれて、気づけば響は二人の││
初恋にも似た感覚。
︶﹂
周囲の遍く観客が未だに興奮冷めやらぬ中、響はステージの上に立
!
!
げてくるのを感じた。
滾るそれを抑える必要も意味もない。
思いっきり、今という時間を楽しもう。
││││││それが、幸福な〝日常〟の終わりであろう事など、今
の彼女と彼は知る由もなかった。
悲劇の扉は開かれてしまったから⋮
54
!!
観客の興奮に応える様な声に、響と憑友は腹の底から興奮が込み上
!!
?
!
更なる高揚とと共に、一曲目が終わった。
?
!
7︶ 悲劇/死
⋮⁉
﹃ノイズ﹄だと
﹂
会場の雰囲気が最高潮に達したその時だった⋮
突然、中央の模型が爆発を起こした
それを見た観客達は慌て出した。
﹂
﹂﹂
レーダー感知
﹁﹁⁉
﹃
こんな時に限って、ボケをかます憑友。
観客の慌てぶりに動揺する響と、
﹁サプライズにしては、派手じゃないか⋮
﹁なに⋮
それは勿論、憑友と響も同じであった。
!
手を握った。
﹂
﹁先ずは此処から走ろう
﹁う、うん
﹂
!
﹄
響は怯えていた。憑友も本当は怯えていたい。けど、彼は逆に響の
﹁憑友⋮﹂
ライドの機能の1つのレーダーにまさかのノイズが感知していた。
?
?
?
憑友はその詠を聞いた。
⋮﹂
﹁Croitzal ronzell gungnir zizzl
最早、絶対絶命だったその時だった⋮
ようとしたが、直ぐ後ろにもノイズが来ていたのだ。
それがまさかのノイズだと気付いた2人は急いで来た道を逆走し
しかし、上空から何かが降ってきて、2人行く手を阻んで来た。
そう言うと2人は急いで会場を後にしようとした。
!
55
?
﹂
するとステージ側の方から何かの光が現れて、そこから無数の槍が
降る光景を見た。
すると、
﹂
﹂
﹁伏せろおぉぉぉ
﹁っ‼
﹁うぇっ⁉
すると、此方の方に数多の槍が降り注いで来た
ーSTARDUST∞FOTONー
その攻撃で、ノイズ達が消滅した。
﹁速く逃げろ
﹂
た女性だった。
服装がステージ衣装からボディスーツと機械的な装備を身に纏っ
するとその槍が降ってきた方向から1人の女性が現れた。
!
それに対して、何がなんだか分からない響は動揺を隠せなかった。
せた。
突然の出来事に、憑友はすかさず響を自分の方へと寄せて身を屈ま
!
﹁え
⋮奏さん
﹂
その時、それを言った本人を見て驚いていた。
その女性が叱咤が飛び、憑友は急いで離れようとした。
!
﹁今はそれよりも速く
﹂
いた翼もいた事に驚いていた2人。
﹁これって⋮﹂
憑友はそう言うと、ライドが話しかけてきた。
﹄
﹃あれが都市伝説にもなっている﹃シンフォギア﹄を纏いし者達か⁉
まだうら若き少女達ではないか⁉
人が、まさか都市伝説として語られている﹃シンフォギア装者﹄だと
まさか、日本が誇れる有名アーティスト﹃ツヴァイウイング﹄の2
確かにライドの言う通りである。
?
?
そこには青い髪と水色のスーツボディを︵いつの間にか︶着用して
そう言うと奏は再びメインステージの方へと赴く。
!
56
?
?
なんと、つい先程まで歌を歌っていたアーティスト・奏だった。
?
いう事に。
この時の2人はただ、そればかり眺めていた⋮
ーーーーーー
そんな2人を他所に、翼と奏の2人は﹃ノイズ﹄を殲滅していた。
しかし、それでもやはり、無力な民間人が炭化されて行くのを見る
﹂
と、正直辛いに越した事が無かった。
﹁きゃぁぁあ‼
そうしていると、1人の女性が悲鳴をあげていた。
その視線の先にはノイズがいた。
2人はそこまで行こうとするも、他のノイズ達に足止めを食らって
しまっていた。
しかも、よく見てみると、女性のお腹が少し膨らんでいた。
まさかの妊婦であった⋮
最早、絶対絶命
た。
このままでは、お腹の子供まで死んでしまうかも知れない状況だっ
!
その時だ
グサッ
﹄
シュッ
﹂
!
にやって来た。
﹁大丈夫ですか⁉
﹂
?
﹂
俺は彼奴らの援護に行きます
﹂
!
﹁は、はい⋮﹂
﹁緒川さん
﹁あいよ
﹁気を付けて
!
それを確認した緒川は女性をお姫様抱っこするや、其処からすかさ
行った
すると、もう1人の男が今ノイズと戦っている奏達の方へと走って
!
﹂
すると、後ろから駆ける足音がして、そこから2人の男が彼女の元
た。
突然、自分を襲おうとしたノイズが自ら炭化して、消えた事に驚い
﹁⁉
﹃☆○⁉
!
!
!
!
57
?
!
?
?
ず高速移動した。まるで忍者のように。
緒川はこう見えて、元は忍の者で、代々翼の家系である﹁風鳴家﹂に
仕えて来たのだ。
その身のこなしにより、急いで離れることにした。
そんな中、もう1人の男・霊風は戦場と化したメインステージに
スーツ姿で現れた。
ら
俺が来たからには、容赦はしないぞ‼
﹂
すると、霊風は懐から電子機器・スピリットアブソーバーを起動さ
前
せた⋮
お
﹁ノイズ共
﹁あまり無茶はしないで下さいね
﹂
すると、霊風の後ろから何かが現れた⋮幽霊のように。
れていなかった。
此処までに多くの人々が炭化されていったのを見て、怒りを抑えら
していた。
流石の﹁フレンドリーマネージャー﹂でも、これには怒りを露わに
?
事が出来ますか
﹂
﹁分かってるよ、シロエさん。貴方なら、この先の未来で、勝利をする
のような存在だった。
群青色の髪、白いローブ、木で出来た杖を持っていて、まるで賢者
そう言って来たのは1人の青年だった。
?
ただ、予想外な事をすれば⋮﹂
﹁おい、それって、2人の内の何方かが
﹂
それで得た勝利はいらねぇよ
を使えってしか聞こえ
"
と言うワードは使っていませんが⋮兎に角、今は彼女
達を救う事が最優先です。行きます﹂
絶唱
シロエの戦略に霊風は叱咤した。
ないぞ
"
﹁僕は
絶唱
ねないぐらいにまで此方としては劣勢ですね。
﹁勝率ははっきり言って、上手くいっても半分以下。最悪0になり兼
すると、シロエは自身が身に付けている眼鏡を動かした。
青年の名はシロエと言っていた。
霊風はそう言ってきた。
?
!
"
58
!
!
!
"
﹁⋮あぁ⋮﹂
そう言うと霊風は右腰に備えてあったフォルダケースから一枚の
カードを取り出した。
﹂
﹄
そこには先程の幽霊と同じような格好をしたので青年のイラスト
スピリット
があった。
﹁行くぜ
﹃それじゃ⋮Are you ready
!
﹂
そこに先程のカードを装填し、
﹁変身
そしてレバーを引いた
フォーム⋮シロエ‼
?
ー
が現れ、霊風はそれを纏った。
ー屈指の参謀、腹黒眼鏡
﹁
﹁
見つめる先は30秒先の未来
アストラルバインド
‼
﹂
、腹黒眼鏡・シロエ推参ってな
そう言うとそこから杖を前方に突き出した。
"
そう言うと霊風は白いローブと眼鏡を掛け、杖を持っていた。
!
?
霊風
﹂
それを見た奏達は一斉に攻撃をする
﹁サンキュー
!
!
﹂
!
そう言うとディスプレイから杖を持った白いローブを羽織った者
ースピリット
ー
そう言うと霊風は左腕にアブソーバーを装着し、画面を起こした。
?
!
そう唱えると、ノイズ達が光の楔で身動きを封じられた
"
﹁分かってる分かってる
﹂
﹁そう言う時のお前は分かってない
﹁た、確かに⋮﹂
﹂
それ、あんまりすぎるんじゃない⁉
﹂
!
﹁って、翼⁉
‼
棘の楔に朽ち果てろ
ソーンバインド・ホステージ
﹁さっさと終わらせるぞ
?
﹂
すると、ノイズの1体が3人とは違った方向に行っているのを見
そう雑談を繰り返しながら、数多の敵達を薙ぎ倒す3人。
"
?
!
!
!
!
?
59
!
!
!
﹁マネージャーとして言わせるなよ ﹁あまり無理はすんなよ﹂って﹂
!
!
"
"
"
て、3人は視線を追った。
ドガァァァ
そこには、
﹁きゃぁっ‼
!
かって行く
しかも、響は先程の落下で、足に怪我をしてしまった
⋮っち
時限式は此処までかよ‼
﹂
それを見た奏は急いでその場へと駆け抜ける⋮だが
﹁
わば
呪いの力
であった。
"
あの馬鹿
﹂
フォルダに戻すと同時に今度は別のカードを取り出した
だった。
フォーム・ランサー‼
ー
すると、今度はそのカードを装填し、レバーを引いた
ースピリット
?
だが、それは瞬く間に炭へと化した。
そう言うと今度は前方を塞ごうとノイズ達が足止めをしていた。
!
!
赤 い 槍 を 持 っ た 青 い ボ デ ィ ス ー ツ を 纏 っ た 青 髪 の 男 の イ ラ ス ト
!
そ う 言 う と 霊 風 は ア ブ ソ ー バ ー か ら シ ロ エ の カ ー ド を 取 り 出 し、
﹁
故に彼女はその力を発揮させていた。
ている聖遺物だ。
神話に出る神・オーディンが使用した槍・
﹁グングニル﹂が元になっ
奏の纏っているシンフォギアの名は﹃ガングニール﹄。
そしてそれは自ら纏ったシンフォギアが応えてくれた。
それでも、奏は自分の人生を狂わせたノイズを憎んでいた。
"
しかし、これはあまりにも危険で、かなりの精神力と体力を削ぐ謂
置の事である。
奏の言っていた時限式とは、装者とその聖遺物の謂わば強制共鳴装
そうぼやきながらも、急いで響の方へと駆け付ける
?
!
!
!
!
しかも、それに気付いたのか、ノイズ達は一斉にそちらの方へと向
なんと響と憑友の2人がまだそこにいたのだ
﹂
﹂
響ぃ‼
?
﹁⁉
?
!
!
60
!
?
!
!
何故なら、先程装填したカードを呼び出したからだ。
光の皇子
ー
すると、今度はそれを纏った。
ークランの猟犬
!
どけぇぇぇ
﹂
!
﹁これでも喰らえ
コ
﹂
!
叩いた。
﹃スピリット・ランサー
フルドライブ‼
﹄
?
り、
ゲ
イ
ボ
ル
ク
﹁刺し穿つ⋮死棘の槍‼
一気に突いたのだ
﹂
?
﹁あんた、槍も扱えるのかよ⁉
﹂
そこから槍を巧みに扱って、奏の所までやって来た
そのおかげで、前方範囲のノイズ達は一掃された。
!
したのだ
﹁行って来いやー
﹂
﹂
?
功する。
﹂
奏は急いで後ろにいた響に、
﹁走れ‼
彼処から回って来い
!
﹂と叱咤し、響もそれでハッ
それをすると奏は響に襲いかかろうとしたノイズ達を防ぐ事に成
﹁うぉぉぉ
﹂
すると霊風が奏の前に出たと思ったら、急停止と同時に、奏を飛ば
かさず手に取る。
そう言うと霊風は左手を出した。それを見た奏はそれに気付き、す
ねぇ⋮手を出せ
﹁長 柄 系 統 武 器 な ら 何 で も ♪ っ と、ん な 事 よ り も 言 っ て る 場 合 じ ゃ
?
!
そう言うと動きながら、姿勢を下に落としそこから一気に詰め寄
!
そう言うとディスプレイに付けられていたドライブボタンを拳で
てめぇらの心臓⋮貰い受ける
ア
荒々しい口調を言いながら、ノイズを薙ぎ倒し、奏の後を追う霊風。
﹁邪魔だ
そこには、先程とは一風かわって、青い姿をした霊風がそこにいた。
!
!
!
!
61
!
!
!
となって走り出す。
﹁響
!
近くにいた憑友も響の後を追った。
しかし、此処に来てノイズ達が特攻を仕掛けてきたのだ‼
それを見た奏はすぐに槍を回転させて盾のように扱った。
それでも、守ろうと必死になった。
其れを奏は防ぐが、そこにもう一体の追撃が襲いかかって来た。
かを吹き出した。
すると追い打ちを掛けるかのように大型ノイズがヘドロに似た何
た
しかし、それと同時に身に纏っている機械部分に傷が付き始めてき
?
そしてその衝撃で、下半身の機械部分が壊れて、吹き飛ばされた。
﹂
しかし、それが仇となった⋮
﹂
⋮グサッ⋮‼
﹁⋮ぇ⋮
?
⋮響ぃぃぃ‼
﹁⁉
?
?
しっかりしろ
﹂
!
目を開けてくれ
しっかりしてくれ
そしてそれは奏もそうだった。
﹁響
﹁おい
!
⋮奏さん
﹂
?
﹁え
﹂
﹂
﹁だから、あんたも聞いて欲しいんだ⋮私の最後の曲を⋮﹂
﹁
﹁ごめん⋮私がいながら⋮﹂
言った。
生 き て る の を 確 認 し た 奏 は す ぐ に そ の 連 れ で あ ろ う 少 年 に こ う
だが、その瞳にハイライトは灯されていなかった。
2人の声が聞こえたのか、響はゆっくりと目を開けた。
生きるのを諦めるな
!
!
!
それを見た憑友は叫びながら、響の元へと走り抜ける。
時、胸元に刺さってしまったのだ⋮
奏が纏っていた機械の一部が、後ろにいた響が此方に振り向いた
それはあまりにも酷い不運だった⋮
﹂
﹁⁉
?
!
?
62
!
?
?
そう言うと奏は近くに置いてきていた槍を取り、ノイズ達の方へと
歩み寄った。
﹁いつか⋮心と身体を空っぽにして、歌いたかったんだよな⋮﹂
そう言いながら、徐々に場を縮める奏。
﹂
﹁今はこんなに沢山の連中が聞いてくれるんだ。だからあたしも出し
惜しみ無しで行く﹂
﹁取って置きのをくれてやる。絶唱を
nal⋮ー
﹁この詠⋮まさか⁉
﹂
﹃絶唱するつもりなの⁉
zizzl⋮ー
﹁力強い⋮なのに、悲しい曲⋮﹂
﹄
﹃これは⋮まさか自爆するつもりじゃないだろうな⁉
﹂
?
nal⋮ー
﹁いけない
奏
﹂
歌ってはダメぇぇぇ‼
﹂
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
﹁
﹄
ー E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l 奏ちゃん‼
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
すると奏は持っていた槍を掲げて、詠い出した⋮
!!
?
﹂
﹁嘘だろ⋮﹂
部に奏が倒れており、翼と霊風が奏を介抱していた⋮
そして見た光景は、先程までいた数多のノイズが消え、そして中心
それにより、憑友は響を庇いながら、その衝撃を耐えた。
﹁うわぁ⁉
弾け飛び、衝撃波がノイズ達に襲いかかった。
すると、奏の周りから白い炎のような物が現れると、そのまま鎧が
そうして、奏は禁忌とされた力・絶唱を放った。
ーEmustolronzen fine el zizzlー
?
63
?
?
﹁⋮⋮⋮歌が⋮⋮聞こえる
!
﹃そうさ。命を燃やす最後の⋮歌さ﹄
?
!
?
だが、それはあまりにも残酷だった⋮
3人の所に来た憑友は奏の姿を見て、吐き気に襲われた。
奏の身体はもうボロボロで、眼も既にハイライトが届いていなかっ
た。
更によく見てみれば、声さえ聞こえていないようだった。
それを見た憑友は酷く悲しんでいた⋮
ーーーSIDEto憑友
何でだよ⋮
何で、あんたって人は、こんな事を平然としやがる⋮
﹄って。
ついさっき自分から言っていたじゃないかよ⋮
﹃生きるのを諦めるな
それなのに、言った本人が生きるのを諦めたら⋮意味無いだろが
そう感じていると俺は無意識に奏さんの手を取っていた⋮
すると、奏さんは俺の方向を向いた。
﹂
産声を上げようとしていた⋮
﹁うおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
ーーーNO SIDE
﹁うおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
﹂
突然、憑友は雄叫びを上げた。
い、異常反応
先ずい
﹄
霊風
!
急いでその子から翼ちゃんと共
!
?
?
するとそれを見ていたスピリットが何かを感知した
﹃⁉
﹂
今すぐ‼
に離れて‼
離して
﹂
⋮
霊風
﹁っ⁉
﹁⁉
?
!
スピリットの真意を知らない霊風はそのまま従い、翼を無理やり抱
!
?
?
64
﹁⋮あの子を大事にしてくれよ⋮あの子はお前の事⋮﹂
分かっている。分かっているさ。
俺はあいつとは親しい仲さ。けどな⋮
﹂
﹁それは⋮出来そうに無いかな⋮﹂
﹁⋮え
!
!
何でか分からなかった。けど、今の俺の中に眠りし何かが今まさに
?
!
?
?
き抱え、その場から離れた。
すると、それと同時に、憑友の身体のあちこちから⋮
ボォォォォオオオンッ‼
奏⋮奏ぇぇぇぇ‼
﹂
何と、灼熱の炎が出て来たのだ
﹁⁉
﹂
?
と言っておる。我の問いに答えろ少年﹂
?
﹂
?
えた。
本当に
だが、
﹂
﹁但し、条件がある﹂
そう簡単に行く訳がないのは事実であった。
憑友はその話を聞いた。その内容が⋮
﹁これを使うにあたり、お前の命と引き換えにこの女子を救う事が出
おなご
するとその鳥が憑友の願いを叶えると言ったのだ。
﹁⁉
﹁そうか。なら、救ってみせようぞ﹂
﹁俺は⋮この人を救いたい‼
﹂
その鳥ーーエンシャンと名乗っていたーーの質問に憑友はこう答
﹁我が名はエンシャン。お主の願いはなんだ
人では無いのに、どうして気付かなかったのかは置いておきたい。
いた。
その光景から呼び戻したその者は憑友に質問をしていた事に気付
﹁え⋮あ﹂
﹁お主の願いはなんだ
羽根が炎のように舞い上がるその光景に憑友は心を奪われた。
それは一羽の鳥だった。
﹁お主の願いはなんだ
すると、彼等の前に巨大な存在が現れた⋮
ていた奏。
一方、その灼熱の炎の中心部にいた憑友ともはや風前の灯火となっ
ーーー
それを見ていた2人は驚きようが無かった。
?
!
?
?
65
?
?
少年
﹂
来る。但しそれ即ち、お主の命が無くなると言う事だ。
それでも良いのだな
?
のだ。
しかし、この男はすでに決まっていた。
﹁⋮お願いします。彼女を⋮天羽奏を救って下さい
す。
ですから、お願いします
﹂
?
言い放つ。
﹂
?
こんな程度でへこたれてる場合かよ
﹁さすれば、彼女の辛い人生を全て受ける事になるぞ
のだな
﹁俺 の 覚 悟 は も う 決 ま っ て る
﹂
それでも良い
憑友の覚悟を見たエンシャンは更に追い打ちをかけるような事を
彼女を生き返らせてくれ‼
俺が命を捨てる事で彼女が救える事が出来るなら、それが本望で
!
死ぬ代わりに、彼女を生き返らせると、エンシャンがそう言ってきた
今、命を散らそうとしている人の命を自分の命と交換して、自分が
あまりにも理不尽すぎる内容だった。
?
﹁お主の覚悟、見させてもらった
﹂
に、この女子を蘇らせようぞ‼
はぁぁぁ‼
良かろう
!
?
ぐはぁぁぁ⁉
お主の命を頂く代わり
!
あ⋮がぁぁぁ⁉
﹂
?
た。
⋮うがぁぁぁぁ⁉
?
対して、
﹁⁉
?
そう言うと鳥は左の羽で、奏の身体をみるみると回復させていっ
?
そこには、聖遺物が完全に消えて、元のライブ衣装に戻っていた奏
そう言うと鳥は周りの炎と共に消えていった⋮
﹁お主の願いは確かに叶えたぞ﹂
そして、全てが終わった。
たのだ。
憑友には今まで奏が受けてきた痛みが今、まさに一斉に襲いかかっ
?
66
!
!
?
それを見たエンシャンは憑友の覚悟を確かに受け止めた。
!
と、
まるで奏が受けてきていた全ての痛みを受け、完全に命の灯火と
なった憑友だけだった。
奏
﹂
それを見た2人は急いで奏の所へとやって来た。
﹁奏
﹁
⋮奏‼
﹂
﹁⋮っく⋮う⋮此処⋮は⋮
﹂
霊風も、彼女と同じような事を言う。すると⋮
必死に彼女の名を言う翼。
!
?
﹁翼⋮か
⋮あいつは⋮⁉
﹂
?
しっかりしろ
﹂
痛みを全て受けたような姿をしていた。
﹁おい
良かった⋮﹂
﹂
お前が私の分の痛みを⁉
絶対に喋るな‼
なんでお前が
良いな
⋮簡単⋮です。
﹁良 く ね え よ
ず、喋るな
﹁なんで⋮
﹂
いた
喋るな
﹁⁉
まだ助かる方法がある
!
だから⋮﹁もう⋮無理ですよ﹂
そう言っていると、徐々に彼の右足が炭へと化している事に気が付
ので。﹂
彼奴もいなく⋮なると⋮大事な⋮幼馴染が⋮おかしくなりそうな
すみませんが⋮彼奴⋮響の事を⋮お願い致します。
だけど⋮それも⋮今日で⋮終わり⋮みたいです。
が⋮私は⋮好きでした。
﹁俺は⋮貴方の⋮声を聞いて⋮彼処まで⋮熱い曲を⋮歌ってる⋮貴方
﹁⁉
⋮俺は⋮あんたの⋮ファン⋮だからですよ⋮﹂
?
!
﹁⋮良かった⋮元気に⋮なったん⋮ですね。
!
!
!
!
取り敢え
そこには、先程まで無傷だった筈の少年・憑友がまるで自分の体の
そして、奏は横を振り向いた。
?
奏が目を開けた。それもちゃんとハイライトも灯して。
?
?
?
!
!
!
67
!
?
?
⋮え
﹂
れそうにないって﹂
憑友
お前が居なくなれば、私は今後どうすれば良いんだ
すると、今まで黙っていたライドが口を開かせた
﹃逝くな
‼
!
後は⋮家族に言って下さい⋮御免なさい。今日から⋮我が家に帰
だから、此れからは響の事を⋮お願い⋮します。
﹁俺は⋮貴方を救う代わりに⋮己の命を⋮捨てました。
?
!
お願いだから⋮逝くな
味が成さなくなっているのだ
だから、死ぬんじゃない
﹄
!
﹂
おい、それはお前がやる事だろ
必ず⋮渡してくださいね⋮﹂
﹁‼
めるな
だから、死ぬな
生きるのを諦
!
原
作
天羽奏と言う本来の史実では死ぬ運命の者が、
ーーー
者としての実力を失ってしまった⋮
ジャンヌに至っては、その日以降、手術をするのを恐れてしまい、医
その後、憑友の死を家族に聞かせたら、セレナや玄也が落ち込み、
ら消えた⋮
そう言うと憑友の身体は全身炭と化して、そして風と共にこの世か
楽⋮し⋮か⋮っ⋮た⋮よ⋮﹂
ん⋮未来⋮そして、響⋮
ようやくスッキリした⋮父さん⋮母さん⋮義姉ちゃん⋮ライドさ
﹁へへへ⋮最後の最期で、奏さんに⋮怒られるなんてな⋮
!
﹁響が目を覚ました⋮ら⋮コレを⋮こいつらを⋮お願いします。
たカードと、ライドを外して、奏の手にそれを渡した。
すると最後の力を振り絞り、憑友はフォルダのカード内に入ってい
ライドの必死の抵抗も結局無意味となった。
俺は⋮もう⋮長く生きそうに⋮ないや﹂
﹁あはは⋮我儘な⋮電子機器だな。⋮でも、御免な、ライドさん。
!
!
憑友と言う大事な場所を得た私は今では君と共に行動しないと意
!
!
68
?
?
イ レ ギュ ラー
人絆憑友と言う違う史実によって変えられた。
この日、﹃ノイズ﹄の被害者数が過去最大となった。
そして、その中には、奏の命を救い、この世から去った憑友もその
数にいた。
そして響は、治療室にて、摘出手術を受けていた⋮
﹁⋮生き⋮て⋮る⋮⋮﹂
ーーー
﹂
そして、奏を救い、代わりに死んだ男・憑友はと言うと⋮とある場
所に着いていた。
﹁痛てて⋮此処は
そこはなにもない真っ白な空間だった。
すると、
﹁此処は天国と地獄の狭間謂わば境界線の間柄と言う場所だ﹂
そう言うと1人の若い男が歩いてきた。
そして此れが後の世の始まりだと、この時の憑友は知る由も無かっ
た⋮
69
?
エピローグ︶ 物語の始まり
﹂
ーーーSIDEto憑友
﹁痛てて⋮此処は
俺は周りの様子を見てみた。
あれから痛みが全く感じられない所を見ると、如何やら死んでし
まったようだ。
けど、此処は一体⋮
なぁ
﹂
!
と言う風貌を醸し出している青年がそこにいた。
﹁風貌とはなんだ、風貌とは
﹂
此れでも歴とした神なんだよ
俺、声出してたっけ
あれ
と言うよりも⋮
﹁安心しろ。お前の心の声は筒抜けだ﹂
全然安心出来ねぇ⁉
﹁人の心の声を盗み聞きするんじゃねぇ⁉
そこでスルーするか⁉
!
﹁はいはい。そんな事はほっといて、話を進めるぞ∼﹂
?
?
良いな
﹂
・・・はい
その為にまた、元の世界に戻してやると言っているんだ。
﹁お前にはあの世界でやって欲しいことがあるんだよ。
﹁それ、如何いう訳
﹂
﹁先ず、お前の事なんだが、単刀直入に言うと、またあの世界に帰れ
?
別に許可してくれたんだよ﹂
はい∼そうなんですか∼
と言うか、俺の身体もう無いんですけど
?
それと、肉体の方は半分幽霊⋮まぁ妖みたいな者だと、そう思えば
せて貰おう。
﹁棒読みで読んだのは歪めるが、今はそれどころじゃないので割愛さ
?
本来なら、そんな事は異例に反しているんだが、急務なのでな。特
!
と、後ろから声がしたので、振り返ると、そこには如何にも神です
﹁此処は天国と地獄の狭間謂わば境界線のようなものだ﹂
?
!
?
?
70
?
?
?
?
良い。その肉体を使用する。
﹂
見た目はお前そのものだし、拒絶反応もしないぞ
なんですか、そのチート性能⋮
﹁んで、そんな俺にやって欲しい事って
しかし俺はすぐに思考を切り替えた。
もう場の空気で分かっちまったから。
これ、否定権が無いなと言う事に。
﹂
?
﹁⁉
﹂
英雄石板だって⁉
なんであんたが⁉
﹁お前にはその﹃英雄石板﹄の内に入っている
欲しいんだ。
9つの石板
を集めて
お前の世界で言うところの﹃英雄石板﹄に関するものだ﹂
﹁別に案ずるな。お前にはとある物を集めてきて欲しい。
?
?
⋮それマジ
そう言うと神は何処からともなく1人︵
投げてきた⋮
﹂
投げるって、なんだよそれ⋮。
﹁何すんだよ∼⁉
おまけに喋ってるし⋮あ、いや喋ら無いと意味無いか。
と言うより⋮
﹁⋮ユルいな⋮この幽霊⋮﹂
そう。まさかの幽霊っぽい奴がお目付役だった。
﹂
?
ユ・ル・セ・ンだ‼
俺様の名はユルセンだ‼
﹂
﹁ユルいとか言うな‼
許せん
赦せん
﹁え
?
﹁何方ともアクセントと発音違ーう
!
?
?
名前はユルセンと言うらしい⋮
﹂
︶のお目付役を無理やり
を遂行しているか如何かを見る為にお目付け役をくれてやる﹂ブンッ
﹁ああ。それと、お前が元の世界に戻るにあたって、お前が立派に任務
?
る事を約束しよう﹂
そうすれば、お前は元の世界で元の肉体に戻り、普通の生活に戻れ
"
?
?
?
71
"
?
?
?
!
え
︻幽霊ライダー︼にも同じ名を持っている奴がいる
る。良いな
﹂
2年半⋮長いようで以外と短いな⋮
﹂
﹁因みに、期限は2年と半年だ。それ以上居続ければ、悪霊みたいにな
まぁ、見た目も⋮似てると思うけど⋮多分、別人だと思う⋮うん。
?
﹁大抵そんなものだ。と言う訳だから、ユルセンの事頼んだぞ
ぐにそれを引っ張った⋮え
足元が何も感じない⋮え
ガシャンッ
⋮あれ
﹁嘘だろ∼⁉
﹂
まだ聞きたい事山程あったのに∼∼⁉
んじゃ、絶対に覚えてろ∼
﹁因みに夢の中でなら、何時でも逢えるからな∼﹂
?
このまま真っ逆さまに落ちてしまったのであった⋮
?
?
!
?
そう言うと神の近くから紐がいつの間にか降りて来ていて、神はす
?
?
﹁じゃ、行ってら∼﹂
?
﹂
﹂
憑友が地上へと落ちる際に、ユルセンのアドバイスを聞いて、なん
﹁応よ
﹁流石に痛い目にあった⋮でも、サンキューな。ユルセン﹂
さて、一方の憑友はと言うと、なんとか地上へと戻ってこれたのだ。
ーーー
そう言うと1羽の鳥は翼をはためかせ、飛翔したのであった⋮
﹁⋮お主の活躍⋮期待しておるぞ⋮﹂
そう言うと神は何処かへと消えた。
俺はそれの手伝いに過ぎん﹂
﹁さあね。彼奴の運命は彼奴自身が決める事だ。
﹁お前はこれで良かったのか
するとそこに1羽の鳥がやって来た。エンシャンだった。
一先ず、彼・憑友を現実の方へと送った神。
ーーーNO SIDE
そう言うと俺はそのまま地上へと落ちて行った⋮
!
?
72
?
!
﹂
とか無事に地上へと降りてこれたようだ。
﹁此処は⋮﹁自然都会﹂か
﹁
﹂
﹁因みになんだけどさ
﹂
い風景の﹁自然都会﹂の場所だった。
そして憑友は辺りを見渡すと、そこは如何も自分にとっては懐かし
?
ようだ。
﹂
?
それに驚いていたら、
﹂
﹁別に構わないんじゃ無いかしら
﹁⋮は
﹂
如何やらあのライブ会場の悲劇から2週間が過ぎたばかりだった
ユルセンが今のこの時間を調べてくれてたらしい。
それは唐突であった。
﹁に、2週間
﹁今の時間はお前が死んで約2週間過ぎた辺りだぜ∼﹂
?
た。
﹁⋮あんたは
﹂
﹁ほむら。暁美ほむら。それが私の名前﹂
少女・ほむらはそう言った。
﹁それよりも、今は貴方の帰るべき場所に行ったら如何
⋮あ﹂
?
?
﹁帰るべき場所
﹂
黒いストレートヘアーと、黒と白を基調とした服装を着た少女だっ
た。
後ろから声が聞こえたので、振り返るとそこには1人の少女がい
?
﹁⋮﹂
そして憑友は2週間ぶりとなる我が家の前にやって来ていた。
ーーー
此処には自分の家があると言う事に。
此処は﹁自然都会﹂。
ほむらの言われた事を考えた憑友はすぐにその答えを出した。
?
73
?
しかし、憑友は中々勇気が出なかった。
無理も無い。いきなり死んだ身なのに、半分妖怪みたいな姿になっ
﹂
て帰って来たら、誰だって近寄りたく無いと思うに違いない。
﹂
﹁貴方の家族はそんな程度の愛しかないの
﹁え
?
﹂
﹂
!
﹂
?
﹂
友をほったらかしにして、憑友の周りを見る。
そして、
﹁⋮憑友⋮なの⋮
?
﹂
⋮憑友ー‼
﹁うわあ⁉
﹂
?
﹁本当に良かったのか
﹂
そんなほむらの所にユルセンがやって来た。
・
・
それを遠くから見ていたほむらは少し笑顔を見せていた。
分の義弟の憑友だと言う事に。
・
これによりセレナは確信した。今目の前にいるのは紛れもなく自
?
﹁‼
﹁⋮うん。⋮遅くなり過ぎたけど⋮ただいま、セレナ義姉さん﹂
・
憑友はしどろもどろで何か言おうとしたのだが、セレナはそんな憑
﹁え、えっと⋮その∼⋮﹂
たから。
何せ、今目の前には2週間前に死んだ筈の義弟そっくりな少年がい
そこでセレナは、驚いていた。
﹁どちらさ⋮ま⋮で
するとドアが開き、そしてセレナが顔を出してきた。
声からして、セレナであった。
﹁
﹁はぁい
ピンポーン⋮
憑友は軽く頷くとインターホンを鳴らした。
しかしそんな事はほむらの一言で全て流されていった。
信じなさい。貴方の家族を﹂
﹁貴方の両親からもらった愛情はそんな程度じゃ無いはずよ。
?
?
?
74
!
﹁ええ。彼は英雄達を導く存在だから。それに⋮彼にはなって欲しく
﹂
無いのよ。⋮私みたいに﹂
﹁
最後に言った一言をユルセンは聞き取れなかったが、今はこの嬉し
い事を見守る事が必要だと言う事なのだろう。
ーーー
その後、玄也とジャンヌも家に帰って来て、2人はセレナがあまり
にも笑顔を振りまいていたので、その真意を問うと、セレナはそのま
ま2人を居間へと連れて来させられた。そしてそこにまさか自分達
の息子である憑友がいた事に驚きつつも、感動の再会を果たした。
﹂
そして憑友は今の自分の置かれている立場をありのままに家族全
﹂
員に話をした。
﹁そんな⋮
﹁それじゃあ⋮貴方はまだ半分死んでいると言う事なのね
﹁そうか⋮﹂
上から、あまりの出来事にショックするセレナ。
哀しみよりも、冷静が勝った母・ジャンヌ。
﹂
今ではもう300もある石板の中から特徴も知らない9つの
石板を探さないといけないの⁉
⋮うん。コピーさえ貰えればそれで充分だ。
うん⋮実は如何しても早急に調べ無いといけないんだ。
﹁あ、もしもし。玄也だけど⋮うん。久しぶり。
ガチャッ
すると、玄也は携帯を取り出すや否や、とある場所に連絡を入れた。
あまりにも無謀に等しい事だった。
﹁しかも、それを2年半の内に全て探さないといけないのか⋮﹂
?
﹁9つ
石板を探さないといけないんだ⋮﹂
今、父さんと義姉さんが携わっている﹃英雄石板﹄の中から9つの
﹁ただ、可能性があるんだ。
そしてただ一言で済ませてしまった玄也の3人が其々そう言った。
?
!
!
75
?
⋮うん。ありがとう。それと同時に俺の我儘を聞いてくれないか
⋮ う ん。⋮ う ん。分 か っ た。じ ゃ 今 度 の 土 曜、お 邪 魔 す る か ら。
︵ピッ︶憑友。今度の土曜日は私と共に来なさい。
先程、私の親友に連絡を入れたんだ。
彼なら、憑友の今の状態を教えても大丈夫な信頼に足る男だから﹂
玄也の行動の速さは異常のものだったが、それに感謝しつつ、今回
はこれっきりとなった。
せんせー
因みに食事時に憑友はライドがいない事に気付いて聞いてみた所、
如何やら今は響の所に自身の剣術の師匠でもあるキリトと共にそち
らの方へと行ってしまったようだ。
忘れ形見としてはいけ好かないデザインだが、それでも大事に持っ
ている事に内心嬉しく思っていた。
ーーー
そして土曜日。
とある場所へとやって来た。
﹂
そこには立札があり、
﹁風鳴﹂と堂々とした威厳のある風格が漂う立
此処は
札が飾っていた。
﹁⋮父さん
?
﹂
﹂
?
すると、
?
ただ、あまりにも似つかわしく無い。
と、そこの家主らしきダンディな男が現れた。
﹁そんな大きな声で出さなくても良いだろ⁉
﹂
近くにいた憑友はそれにより、軽い混乱状態に陥る。
と、何処かの携帯獣のような爆音を発した。
﹁うわぁ⁉
﹁頼もぉぉぉぉぉ‼
そこから大きく吸うと、
を叩くや、
そう言うと玄也は扉に備わっている鉄の輪を持ち、それを使い、戸
﹁まぁ、詳しくは後で﹂
?
?
76
?
家の構造ははっきり言って和風な家。なのに現れたのはダンディ
な面持ちを持つ50︵歳︶手前の男が現れたのだ。
それを遠くから見ていたほむらとユルセンもこれに驚いていた。
﹁⋮普通ああ言う人って、洋風な家に住むものだけど⋮﹂
と、ほむらがそうぼやいていたのは気の所為にしておきたい。
さて、話を戻して、男をみた玄也は手を振った。
﹁いやぁ∼久しぶりだね∼弦ちゃん♪﹂
﹁お前も相変わらずだな⋮玄也﹂
その男・弦十郎は玄也の態度に半ば呆れていた。
そんな玄也の態度に憑友は思わず目を見開いた。
﹁と、その前に、この子の事を紹介したくてね﹂
そう言うと玄也は近くにいた憑友を自分の方に寄せてきた。
⋮君は確か⋮﹂
憑友の顔を見た弦十郎は何かを思い詰める。
﹁ん
弦十郎が憑友の顔を見て、何かを思い出そうとした時だった。
﹁この子は私とジャンヌの息子で、2週間前に君の所で保護している
﹂
少女﹃天羽奏﹄を救った代わりに命を捨てた者・憑友だ﹂
﹁何だと
玄也の言った言動に弦十郎は思い出した。
あのライブ会場での悲劇の後に奏が翼に抱きついて大泣きしてい
た。
その理由が、とある1人の少年が自分の命を蘇らせ、そしてその少
年が代わりに死んでしまったと言う事を。
﹂
そして今、その少年が目の前にいるのである。
驚くのも無理は無い。
﹁此処では何だし、中に入れて貰えないかな
その時にユルセンやほむらも霊体化して、侵入した。
玄也に言われ、弦十郎は家の中へ2人を入れた。
?
77
?
そして、事の発端を聞いた弦十郎は何から何まで困惑するばかり
だった。
﹁だが、そんな事例は聞いた事が無いぞ﹂
﹁確かにね。でも、﹃英雄﹄はあったみたいだよ﹂
流石の弦十郎もこれには何をすれば分からなかった。
しかし、玄也は﹃英雄石板﹄の話をした。
弦十郎はそれを聞いて唖然としていた。
そんな中でも、玄也は話を進めた。
﹁かつて、
﹃英雄﹄の中に、成る前に一度死んで、そこから幽霊となっ
て戦った英雄がいるんだ。これがその石板の写真だ﹂
﹂
そう言うと弦十郎と憑友に写真を手渡す。
﹁⋮コレがその石板か
﹁まぁね。これは︻幽霊の仮面被りし者の軌跡︼と書かれていてね。
セレナ曰く、この英雄は一度死んだ時に、英雄の力を授かったと記
してあると言われたんだ。
数多の偉人・英雄達の力を使い、眼が特徴の悪魔を祓ったと言う伝
説が記されてあった﹂
まるで今の自分だなぁと思った憑友。
すると玄也は話をまたし始めた。
﹁今の憑友はそれに近いいや、そのものだと考えても良い。
けど、憑友はこの戦士とは違う存在になるかもしれない。
そこで、昨日の電話でも話した通り⋮
﹂
この子に鍛練を積ませて欲しいんだ﹂
﹁・・・・・・はい⁉
まさかの玄也の発言に、間が空いて驚く。
﹁この子はこう見えて、格闘術が得意だ。
まぁ、以前は剣術も習っていたから大丈夫だろうけど⋮﹂
﹁それで、昨日の電話で、俺の所で修業させて欲しいと言う事になった
のか⋮はぁ。お前という奴は⋮﹂
玄也の自由っぷりに流石の弦十郎も頭が痛かった。
それは勿論、憑友も言えた事だった。
78
?
?
だが、弦十郎は憑友の顔を見て話をした。
憑友君﹂
﹁こんな馬鹿な奴だが、頭は賢く冴えてる奴だ。
俺の修業⋮君は耐えられるか
大切な者を捨てたく無いんです
今はこれだけしか言えません。けど
俺はもう
﹂
!
!
﹁俺のこの力は、誰かを守る為にあるんだと思います。
その威厳とした発言に憑友は真剣になる。そして、
?
させるきっかけをつくった。
﹂
﹁⋮因みにアクション映画とかは好きか
⋮え
?
自分の身体から炎が突然出てきたのだ。
そして、ある日。
け暮れていた。
いない所を見計らって、ほむらの攻撃方法も教わりつつ、修業に明
け暮れていた。
それからはと言うと、弦十郎の家に住み込み、日々1人で修業に明
同時にズッコケたのは言うまでもない。
それを聞いた玄也と、近くの木陰に潜んでいたほむらとユルセンが
言って来た言葉に思わず返事してしまった憑友は悪く無い。
﹁はい
﹂
憑友の力強い言葉で、弦十郎は見直さなきゃなと、彼の覚悟を改め
!
?
熱き炎の魂を導く師者
・炎魂導師の誕生でもあった。
エンコンドウシ
そして、それは新たな力となった。
"
そして、長い年月がかかり、
あのライブ会場の悲劇から2年後。
物語は動き出した⋮
さぁ、物語の下準備は全て整った。
間も無く始まる⋮
歌で世界を救う少女達と、
魂を纏いし少年達の物語⋮
79
!
その力で、数多のノイズ達を焼き祓ったのであった。
"
始まります。
80
第1章 無印∼ルナアタック編∼
プロローグ
雨が激しく降る中、屋根の無いバス停に、1人の少女が花束を持っ
て、激しい雨の中を、バスをただひたすら待っていた。
バスが現れるや少女はバスに乗りある場所へと目指す⋮
ー八千八声 泣いて血を吐く ホトトギス
それ守らんは 身を持たざれんー
雨に打たれた服は雨水に滴り落ちており、彼女自身は其れを拭こう
ともしなかった。
やがてバスが少女の目的地に着くと、少女は下車した。その時、雨
は降るのを止んだ。
しかし、空の模様は快晴に非ず、寧ろ曇天のような雲行きだった。
少女の目的地は墓場だった。
数多の人達の墓場が有る中を、少女は歩く。
多くの墓があった。
中には、墓石に名が刻まれていない墓石が殆どだった。
数多の人達が死んだのに、その名前すら刻まれてはいなかった。
そんな中、少女は立ち止まった。
そこには、2人の男女の顔が載った写真と墓石があった。
ただ、この墓石にも先に述べた通り、名前が刻まれてはいなかった。
少女の瞳は写真の方に向いていた。そこに映し出されていたのは、
黄色のショートヘアーをした少女と、
クリムゾンカラーのショートヘアーの少年の姿だった。
2人とも、顔に泥が付いていた。
すると少女は膝をつき、花束を持っていた手を滑らせた。
﹁会いたいよ⋮もう会えないなんて⋮嫌だよ⋮﹂
少女は涙を流した。
﹁私は嫌だよ⋮響⋮憑友⋮﹂
少女は写真に写っている少女と少年の名前を言った。
81
しかし、それを答えてくれる者は誰1人としていない。
その代わりに無情の雨が降り注ぎ始めた。
まるで哀しき雨のように。
その日、少女は涙を流し続けた。
彼女の親友が命を散らした事に。
彼女はもう二度と自分の目の前から居なくなってしまった2人の
親友に。
もう二度と会えなくなってしまったと言う悲しい現実に。
これは後に始まる熾烈を極めた物語の末路の話。
彼女の親友である少女は、歌を歌い、そして血を流し、それでも最
後まで諦めなかった。
ーー少女の歌には、血が流れているーー
彼女の親友である少年は、その身を器にし、数多の存在に肉体を明
け渡した。
ーー少年の身体は、魂の器となりて、憑依せん⋮ーー
如何にしてこのような悲劇が生まれてしまったのだろうか。
何故、こんな結末になってしまったのだろうか。
どうして彼女の親友2人がこの世から去らなければならなかった
のだろうか。
如何して彼女の親友である2人の男女は彼女だけを置いてこの世
から去ってしまったのであろうか。
それを知る者は今の所、存在しない。
さぁ、物語を動かしていこう。
これは、とある出来事を機に、戦う力を身につけた1人の少女と、
とある出来事を機に、その肉体の変化に気付き、それを使い立ち向
かった1人の少年。
82
2人の物語を⋮始めよう。
83
第1話 覚醒の前触れ
ライブ会場を襲った悲劇から早2年。
あの時の生存者にして、その時に奏の代わりに死んだ憑友の幼馴
染・立花響は高校生になっていた。
私立リディアン音楽院。それが今の彼女の学校だ。
基本的には女子校であるが、メインが音楽関連の授業が殆ど。
それ故に、就職先は専ら音楽に関連した職に進む子が多い。
アイドル、ミュージシャン、歌手等実に多岐に渡るのである。
そんな学校なのだが、
﹁立花さん⋮﹂︵^ │ ^#︶
﹁あ、ははは⋮﹂
響は入学初日にまさかの遅刻をしていた。
あの悲劇の後、響は人助けと言う趣味が生まれた。
︶⋮
﹂
それをいつも見守っているのは、彼女の幼馴染・未来であった。
それともう1人︵
未来が言うあの日とは、あのライブ会場の悲劇の時だった。
⋮﹂
﹁それは仕方ないよ、ライドさん。響はあの日から少し変わったから
因みに全員、この事は承知済みである。
そんなライドに話しかける未来。
ある。
何故、此処にいるのかと言うと、ただ単に、特許を得ただけの事で
ライド・グラップラーだった。
れ程言っていたのに⋮﹄
﹃はぁぁぁ⋮全く、響は自分の事を棚に上げるのは良く無い事だとあ
?
84
そしてそれからと言うもの、いつもこんな感じの毎日を送ってい
た。
﹂
﹁た・ち・ば・な・さ・ん‼
﹁は、はい‼
?
⋮とまあ、いつもこんな感じである。
?
じぶん
あのライブ会場で、響とそして未来の大切な幼馴染の憑友が、命を
落とした事を。
あの後、響は涙を流していた。
それ以来、響は憑友がやった行為を何故かし始めた。
まるで、その罪を忘れないように。
そして漸く授業が終わり、響は未来と同じ部屋に来た。
響と未来は現在、リディアンが用意した寮部屋でルームシェアして
いるのである。
﹂
とは言え、幼馴染が同部屋になるのは、些か怪しいのだが⋮。まぁ、
そこは置いといておこう。
﹁ぷはぁ∼、疲れた∼。
入学初日からクライマックス100連発だよ∼
私⋮呪われてるかも⋮﹂
﹁半分は響のドジだけど、残りはいつものお節介でしょ
CD発売は明日だっけ∼
すると響は机に置かれた冊子の裏を見た。
﹁お∼
ひゃあ∼。やっぱりかっこいいなぁ∼翼さんは
た。
如何やら明日、新曲を出すらしい。
﹂
すると未来が響がこの学院に入学してきた理由を話した。
﹁翼さんに憧れて、リディアンに入学したもんね﹂
響にとっては進学するには充分な内容だった。
﹃それは憑友も同じだったさ。尤も彼は奏のファンだったがな。
85
﹁人助けって言ってよ∼﹂
﹃君のその人助けは、逆に度が過ぎているな。
﹂
憑友でも、其処までお人好しでは無いぞ﹄
﹁お人好しじゃなくて、人助け
﹁﹃はいはい﹄﹂
﹂
?
そう言いながら、2人と1つは何気無い会話をしていた。
﹁2人揃って言わないでよ∼⁉
!
?
そこには、現在、単独でライブをしている少女・風鳴翼が写ってい
!
!
今頃、彼女は何をしているのだろうか
﹄
﹁確かに⋮あれからもう2年が経つけど、今は何処で何をしているの
か、分からないね﹂
ライドも憑友が好きだった少女・奏の事を心配していた。
あの悲劇からすぐに、奏は表から顔を現さなくなった。
真意は不明で、それを知るのは恐らく相棒である翼だけ。
しかし、その翼もだんまりと決め込んでいたのであった。
そんな話をしていた2人とは裏腹に響は自分の胸にあった傷を見
た。
その傷はフォルテの形をしていた。
そして、自分の胸を見た響は着直すや、今度は左胸にあった一枚の
カードを取り出した。
そこには髪と服が黒、剣が黒と水色の二刀流を持った青年のイラス
トが描かれていた。
そしてその下には、︻黒の剣士 キリト︼と書かれていた。
ライドと共に響に渡った憑友の忘れ形見であった。
﹁憑友⋮﹂
﹁響⋮﹂
憑友の事を思った響。そして、そんな響を気遣う未来。
﹃⋮﹄
そんな2人を見ていたライドは何も言えなくなったのであった⋮
ーーー
た。
撃てぇぇぇぇ‼
﹂
すると上空からヘリが現れた。
フォーム⋮オリジン‼
ー
﹁Imyuteus amenohabakiri tron⋮﹂
ースピリット
!
?
86
?
そんな中、とある場所では﹃ノイズ﹄が侵攻していた。
﹁っく
?
自衛隊がそんなノイズ達に攻撃を仕掛けるも、全く効果が無かっ
!
そこから1人の少女と、1人の青年が降りてきた
ー精なる魂、私に刻め
ー
イズを一掃し、青年がそれを纏った。
そして青年の方は羽の生えた何かが現れ、自衛隊に近づいていたノ
すると、少女はみるみると来ていた服が変化した。
!
しかし、何時にも増して、数があまりにも多かった。
そして、そんな彼女の無茶に付き添う霊風。
数多の敵を前に一汗もかかない翼。
︵挿入歌﹁絶刀・天羽々斬﹂水樹奈々︶
そう言うと、翼が勝手に前に出た為、霊風が仕方なく後を追った。
纏った2人は地上に降り立った。
!
翼
﹁はぁっ
﹂って少しは人の話を聞け⁉
﹂
まるで、あのライブ会場の悲劇を思い出すかのように。
﹁っち
!
?
を取り出した。
!
ースピリット
フォーム⋮マカ&ソウル‼
ー
?
んでいた
ー
そしてそれを、霊風が纏った
ーお前の魂、頂くよ‼
﹂
その時に、人型ノイズが前方を塞いで来た。
所まで駆けて行った。
そう言うと、霊風は鎌を巧みに操りながら、翼が待つ大型ノイズの
︵挿入歌﹁resonance﹂T.M.revolution︶
﹁行くぜ‼
スピリット・マカ&ソウルフォームの誕生である。
?
!
方が武器種・鎌へと変貌し、それを少女の霊が扱いノイズ達を切り刻
すると、ディスプレイから2つの霊らしき者が現れるや、男の魂の
!
そう言うと、カードをアブソーバーに装填し、レバーを引いた。
﹁仕方ない⋮やるか
﹂
そんな翼を見ていた霊風は、溜め息混じりながらも、一枚のカード
受けないと言わんばかりの行動をしていた。
翼は防人としての使命を全うしていた。しかし、そんな翼は指図を
!
!
?
87
!
﹄
?
それを見た霊風はドライブボタンを叩いた。
﹂
﹃スピリット・マカ&ソウル、フルドライブ‼
﹁魂の共鳴
と変貌した。
﹁喰らえぇぇぇぇ‼
魔女狩り
ーーー‼
﹂
?
﹂
⋮無茶をしてたら、スイーツ抜きにしてやるからな
﹁そんな脅しは必要ない
﹁翼
そしてそのまま直行し、翼と合流した。
それと同時にノイズは真っ二つとなり炭へと化した。
そう言うと水平のように薙ぎ払った。
"
﹂
そう言うと姿勢を低くし、構えた。すると、鎌が瞬時に光の大鎌へ
!
けどな、ちっとは俺の事を頼れ
あいつ
奏もお前の事を頼ったようにな
﹂
!
力して倒そうとした⋮その時だ
﹄
ボォォォォォオオオオオ‼
﹂﹂
﹃○☆□◇◇○☆⁉
﹁﹁
突然、2人とノイズとの間から火柱が発生したのだ
2人は発生した場所に顔を移す。
を。
但し、青年の顔には仮面が被っていた。炎をモチーフにした仮面
た。
そこには1人の青年が拳でストレートを放ち、そこに居合わせてい
!
?
!
取り敢えず、宥める事に成功した霊風は残っている大型ノイズを協
﹁⋮分かりました﹂
!
あいつの代わりなんか、俺には出来ないさ。
﹁奏の代わりとして、俺が出て来てるんだ。
無かった。
本来ならこの行為自体が許されざるものだが、今はそれどころでは
した。
そんな翼を前に、霊風は翼をこちらに向けて、すかさず平手打ちを
!
?"
?
88
!
!
﹁⋮ノイズある所に、﹃英雄石板﹄あり。
灼熱の炎は死して得た力。
今宵の俺は燃え滾る業火の如く、焼き尽くす⋮﹂
仮面を被りし青年はそう言うとノイズの方へと歩んで行く。
しかし、何処からどう見ても、私服姿な彼はノイズに触れれば、そ
﹂
れこそ命を落としかねない存在だった。
﹁危ないから、早く逃げっ⋮‼
た⋮
それを見た2人は息を呑んだ⋮
絶望に浸ろうとしたその時だった⋮
﹄
ボォォォォ⋮ボォォォォォオオオオオ‼
﹂﹂
﹃◇○☆○☆⁉
﹁﹁⁉
?
!
翼が何かを言おうとした時、ノイズがその青年を叩き潰してしまっ
?
してそのまま、ノイズの手を燃やし尽くしたのだ
何故なら、そこに青年が平然と立っていたから⋮
それを見た2人は驚愕した。
﹁おいノイズ共⋮俺に触れたら⋮火傷じゃ済まねえぞ
﹂ そして青年の身体からなんと炎が噴き出て来たのだ
のイラストだった。
すると、少年は自らの炎でそのカードを燃やしたのだ
た。
﹁行くぞ⋮ナツ﹂
青年はそう呟いた。
ーフォーム⋮ナツ‼
ー
すると、そこから1人の魂が現れた⋮先程描かれていた青年だっ
!
髪がピンクで、黒のチョッキを着たマフラーを巻いていた青年の姿
した。
すると、青年は腰に付けてあったケースから一枚のカードを取り出
それを見た2人は驚愕する⋮
?
!
!
!
なんと、先程叩き潰した筈のノイズの手の下から炎が噴き出て、そ
?
!
?
89
?
ー
すると何処からか電子音が聞こえたが、そのままスルーし、青年は
その魂を纏った
ー炎で滅せ、竜滅者‼
﹁一気に決める⋮﹂
そう言うと、青年はそのまま跳躍
!
⋮
鉄拳
‼
﹂
大型ノイズを簡単に飛び越えたのだ
火龍の
?
そして⋮
﹁
"
⋮何と言う力だよ⋮﹂
小型ノイズ達が消滅してしまったのだ⋮
﹁⁉
﹁これは最早、人知を越えているとしか言いようが無い⋮
そんな青年の力を見た2人はそれぞれの感想を述べた。
すると、ノイズの頭から何かが見えた。
火龍の鉄拳
﹂
すると青年はそのカードを腰に備わったケースに入れ、代わりに一
しかし、このカードはその常識を逸脱していたのであった。
基本的にカードは燃やされたら、灰となって消えてしまう⋮
でも、それは普通ではありえない事である。
如何やら、再生能力があるようだ。
すると、無数に散らばった光が1つとなりて、カードになった。
そこで、青年はすぐに飛び退き、姿を元に戻した。
も、やはり抜けなかった。
もう一発をお見舞いさせた。それにより少し緩み、取れそうになる
﹁
すると、青年はすかさずもう片方の手に炎を纏わせ、
そして引っ張ろうとするも、中々離さなかった。
ズが唯一持っていた石の角っこを持った。
すると青年はすかさずノイズの後頭部まで駆け上がり、そしてノイ
!
?
﹁﹃英雄石板﹄発見。これより回収にあたる﹂
﹂
そしてそのまま大型ノイズはノックダウンし、その衝撃で、周りの
そのまま相手の後頭部にめがけて、拳を打ち付けたのだ
"
!
すると少年はその青年の姿に早変わりした。
?
!
"
"!
90
!
"
"
枚のカードを取り出した。
そこには、赤い髪と赤いシャツ、水色のジーンズを履いた機械的な
腕を纏った少年がイラストになっていた。
!
﹁頼むぜ⋮アカネ﹂
ー
そう言うと再びカードを燃やした
ーフォーム⋮アカネ‼
そしてそれを青年は纏った
ー
?
イグナイト
ーーー‼
﹂
引っ張ると同時に、残った右手に力を加え始めた
﹁うぉぉぉぉ
?
!
すると再び石板の方へと赴き、そしてそのまま左てで石板を持って
ー聖なる扉、炎の咎人‼
!
すると今度はイラスト通りの少年が現れた。
?
"
﹁
セカンド
サード
‼
﹂
?
﹂
‼
そう言うと先ず一発ぶん殴る。そして振り上げ⋮
!"
"
﹁
ホムラ
‼
イグナイト
そして⋮﹂
⋮
リート
ーーー‼
そして最後に大きく振り上げ⋮
﹁
"
最後に渾身の一発をぶつけた
"
﹂
と、同時に石板を剥がすことに成功した
⋮
エルプション
‼
"
﹂
?
た⋮
フレアリィ
"
﹁これで⋮終わらせてやる⋮
"
!
何処かに連絡した青年は最後に右手にありったけの力を加え始め
﹁﹃英雄石板﹄回収完了。⋮了解﹂
した。
するとそのまま石板を腰に備わっていたボックスポーチへと収納
!
それにより、ノイズは完全に息絶え絶えの状態。
!
?
?
"
91
また一発⋮
﹁
"
"
また一発⋮と、徐々に火力が大きくなっていた⋮
?
"
"
"
"
"
そしてその一撃を大型ノイズに浴びせた⋮
それを翼と霊風の2人は傍観せざるを得なかった。
あった。
そして戦いが終わり、青年の身体から出ていた炎は鎮火されたので
大型ノイズはそのあまりの熱により、炭へと化した。
!
﹂
そして、青年が立ち去ろうとした時、翼はハッとなって、彼を止め
待ちなさい
た。
﹁
﹁⋮﹂
﹂
翼の質問に青年はこう答えた⋮
﹁貴方は一体何者なの⁉
!
⋮‼
﹂
﹁⋮早くても明日、分かる事さ⋮﹂
﹁え
?
あったと。
後で、地元の住民から、流れ星とは明らかに異なる動きをした光が
そう言うと青年はその場から瞬時に去った⋮
﹁いつか⋮会えるよな⋮響⋮未来⋮﹂
と仲良く3人でくっ付いて撮った写真だった。
黄土色の少女とビリジアン系の色合いで白いリボンが特徴の少女
そこには、2人の少女と青年の若い頃の写真があった。
り出すと、蓋を開けた。
すると、彼は胸からロケット︵写真を入れるペンダントの方︶を取
先程の炎の柱のおかげで上手く巻いた青年。
ーーーSIDEto
消えたと同時に、彼の姿はもうそこにはいなかったのであった⋮
そう告げると同時に彼の周りから炎が柱となって現れ、そして柱が
?
それがまさか青年の事だとは、思いもしないだろうとは。
92
?
!
第2話 覚醒せし少女
昨夜の出来事から一夜明け、今はお昼休み。
響は未来とライドと共に、食堂に来ていた。
すると、未来はスマホを弄り、ニュースを見ると、昨夜の情報が入っ
て来ていた。
﹄
﹁﹃自衛隊、特異災害対策機動部による避難誘導で、被害は最小限に食
い止められた。﹄だって﹂
﹃うむ⋮場所を見る限り、この場所から相当近いようだな
そして放課後。
ーーー
﹂
え込んでいたのは言うまでもない。
そして、そんな響を見て、ライドと未来は2人揃って頭を手で押さ
いたのは言うまでもなかった。
と話をしようとしたが、逆に色々と恥ずかしい思いをした響がそこに
その時、翼が響達の方へと歩み寄ってきたので、響は立ち上がり翼
やって来た意味である存在・﹃風鳴翼﹄がいた。
それに気付いた2人はその方向を見ると、そこには響がこの学校に
と、そんな雑談をしていると、急に食堂が騒ついてきた。
﹁そっか∼⋮﹂
いる言動なのだよ﹄
イズと戦ったと言う事になってしまう。これはあまりにも矛盾して
る筈。だが、その青年はそれが通じていない処か、自らの肉体で、ノ
本来、ノイズは触れれば自ら共々相手を炭化させる能力を持ってい
﹃だが、普通では考えにくいな。
﹁その人、強いんだね∼﹂
ていう事も記事に挙げられてるよ
﹁うん。後、1人の青年が大型ノイズ相手に素手で挑んで、勝利したっ
?
﹂と示唆され、響は慌ててCDが
響は未来の課題を待とうとしようと思っていたが、未来から逆に
﹁CD売り切れちゃうんじゃないの
販売されているショップへと、走り出した。
93
?
?
﹁はぁはぁCD
はぁはぁ特典
⋮﹂
!
ノイズだ
⋮ノイズ⋮
ノイズが近くにいる‼
﹂
﹄
?
﹂
!
ネージャーこと霊風も同じだった。
近くに昨夜現れた青年と同じ反応を捕捉
﹂
!
するとスタッフの1人が、
﹁
出します
防犯カメラから映像を
そしてそれは、後ろで腕を組み、壁に背を預けていた奏の専属マ
んだ。
翼の一言で、スタッフが粗方の状況を教えられると、翼は苦虫を噛
﹁状況を教えて下さい
そこに、先程授業を終えて、そのまま直行した翼がそこにいた。
一方、此処は特異災害対策機動部。
ーーー
勿論、憑友の忘れ形見であるキリトのカードも一緒に。
因みにライドは響の制服のポケット内に入れられている。
した。
すると、遠くから女の子の声が聞こえ、響はカバンを置いて、急行
﹁
﹃響
すると、それに感づいたのか、ライドが響に注意を促した。
じた⋮
そして、コンビニの角を曲がって、一息つこうとした時、異変を感
そんな響は苦笑いしつつ、謝っていた。
た。
因みにその時に響は未来によって、ライドを忘れそうになってい
﹁あはは⋮御免なさい﹂
﹃急ぐのは構わないが、私を置いて行かないでくれ給え﹄
!
!
!
!
た。
﹁⋮高みの見物⋮と言う事かしら⋮﹂
それを見ていた翼はそう呟いていたが、それは違っていた。
映像は次の瞬間、青年がノイズと戦っている映像を捕捉したのだ
!
すると、其処には昨夜、大型ノイズを相手に戦った青年が其処にい
!
94
!
!
﹁⁉
﹁
﹂
如何かしたの
弦十郎君
﹂
?
その先は水道だ
﹁おねぇちゃん
﹂
﹂
﹄
﹁そんなの今は関係ない
!
右を見た。
するともうすぐ其処までノイズが迫って来ていた⋮
響は女の子の顔をしっかりと支え、そして⋮飛び込んだ
がると同時に走った
響
﹃⁉
﹄
﹂
ライドの注意を受けた響は驚愕した。其処には先程いなかったノ
?
!
⋮⁉
﹁え
?
そして、やっとの思いで振り切ったと思ったその時だった。
のであった。
それに気付いた響は、女の子をおんぶして背負い、また走り出した
た。
かなりの距離を歩いてきたのか、流石の女の子も限界になってい
!
そのまま反対岸の方まで泳ぐと、先に女の子を先に上げ、そして上
!
!
女の子を担ぎ、ライドをしっかりとポケットの奥にやると、響は左
!
!
﹃響
イズから必死になって、逃げてきていた。
一方、先程女の子の悲鳴を聞いた響は現在、その女の子と共に、ノ
ーーー
魔化していたのであった。
其処を隣で座っていた櫻井了子に感づかれるも、何とかその場を誤
﹁⋮いや、何でもない﹂
?
そんな中、弦十郎は青年の事を少し気掛かりにしていた。
﹁⋮﹂
た。
霊風の言った一言で、機動部のスタッフも張り詰めた緊張感を解し
で⋮﹂
﹁如何やら、彼奴はノイズを敵として捉えてるようだな。俺達と同じ
?
!
?
95
?
イズ達がもう其処にいたから。
せっかくの行為が全て無駄だった。
女の子もそれに気付き、響の腕にしがみつく。
絶対絶命のその時だった⋮
﹂
﹁︵私に出来る事を⋮出来る事が絶対にあるはずだ⋮
諦めないで‼
︶生きるのを⋮
!
n⋮﹂
﹄
すると、響の身体が光りだしたのだ
﹃響⁉
に機械的なパーツを纏った響が其処にいた
ーーー
櫻井了子が、
﹁まさかこれって⋮アウフヴァッヘン波形
﹁ガングニール⋮だと⁉
﹂
そして画面には︻GUNGNIR︼と書かれていた。
﹂
スタッフが位置を特定し、照合パターンを検知していた。すると、
一方、機動部の方では新たな反応を感知していた⋮
!
オレンジと黒、白が基調としたタイツにも似たスーツを纏い、所々
それに気付いたライド。そして其処には⋮
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
そう言うと彼女の思いが呼応したのか、響は詠を歌った⋮聖詠を。
?
そう言うと青年はその場所へ行こうとした。
﹁⋮この感じ⋮響⋮お前なのか⋮﹂
ていた。
其処の周りには、大量のノイズの死骸の跡である炭が山積みになっ
﹁⋮﹂
一方、別の場所で、光の柱を見た者がいた。
ーーー
それはかつて、奏が使用していた聖遺物だったから。
弦十郎の言った一言で、翼と霊風は驚愕させられた。
?
96
?
大至急よ
﹄
すると、突然通信が入った。
青年はそれに応える。
﹂
響ちゃんが
﹁もしもし﹂
﹃大変だよ
⋮場所は
﹃このままの方向に行って
﹁⁉
!
描かれていた。
ー
すると青年はそのカードを燃やした
ーフォーム、ナノハ‼
エース・オブ・エース
﹄
ー
!
あった。
⋮﹃太陽﹄⋮﹂
そう言うと青年は光の柱が発生した方向へと向かっていったので
﹁あの光は⋮お前なのか
すると、なんとそのまま空中を飛んだのだ
それを纏った青年はそのまま跳躍した。
ー全力全開
ジーンズと、白のフォールドマントに変更された。
すると、青年の腰は女性が履いていたロングスカートから、青の
程のイラストの女性らしい魂が現れ、青年はそれを纏った。
するとまた何処からか電子音が聞こえるや、燃やした方の手から先
!
そして金の鉾先になっている槍を前方に構えた女性のイラストが
髪、
其処には青と白を基調とした服装に茶色のサイドポニーに纏めた
それと同時に、一枚のカードを取り出した。
そう言うと青年は通信を切り、急いで行った。
!
!
?
?
!
!
97
!
?
第3話 仮面被りし青年
を
何故君がそれを
ガングニール
少女を護ろうとした響は無意識に聖詠を唱えた事により、かつて自
分を救ってくれた女性・奏が纏っていた聖遺物・
纏っていた。
﹂
︵挿入歌﹁撃槍・ガングニール﹂悠木碧︶
﹁ふぇ⋮えぇぇぇ⁉
﹂
その姿は嫌でも思い出す
﹁なんで⋮私、どうなっちゃってるの
﹃そ れ は 私 も 同 じ だ ⁉
﹄
に、救った女性・奏が着ていた装備だったから。
ライドにとっては、自分のパートナー・憑友が自らの命と引き換え
いライド。
戸惑う響と、困惑と嫌な思い出を出したかのように苛立ちを隠さな
纏っているのだ⁉
"
と。
だからなのか、ライドは奏に関するものに対して怒りに満ちている
何故、憑友を救ってくれなかったのか
のかもしれない。
"
してしまったのだ。
故にライドはその時の当事者である翼にこの事を話したかったの
だ。
﹂
その為に、響と共にリディアンに入ったのだ。
﹁おねぇちゃん、かっこいい
すると、少女がそう呟いたので、響は手を出して自分の近くに持っ
!
お姉ちゃんの大事な人の形見だから﹂
ていくと、下に置いたままのライドをその少女に手渡した。
﹂
﹁ちゃんと持っててね
﹁⋮うん
?
すると響はジャンプした⋮したのだが⋮。
ぐ。
かりと持った。すると響はそのままお姫様だっこの形で、少女を担
そう言うと女の子は必死になって、ライドを手放さないようにしっ
!
98
?
"
!
?
?
それを本人に言わせてやると思った矢先に、奏が表舞台から姿を消
"
﹁ふえ⁉
⋮えぇぇぇ⁉
﹂
なんとバイクと同等のスピードで走っていた
いし少女 ミドリ︼が装填されていた。
﹂
﹁こいつの風は速いんだよ。それはまさに疾風の如くってな
﹂
!
﹃スピリット・ミドリ
フルドライブ‼
﹄
そう言うと霊風はアブソーバーのドライブボタンを叩いた。
お先に
んじゃ
其処には霊風がいつも使用しているフェイバリットカード︻風を纏
すると、霊風は左腕を見せた。
﹁なんで、バイクと同等のスピードで走れるの
を機動させ、隣の霊風にバイクを動かしながら話をした。
すると、翼はヘルメットに内蔵されてある小型のマイクとイヤホン
!
な翼の横に、普通に颯爽と走っている青年がいた。霊風だ。
一方、機動部から許可を得て、バイクで現場に急行する翼と、そん
ーーー
その存在は響の事を知っていたのであった⋮
﹁⋮響。お前なんだな⋮﹂
そんな響の様子を影から見守る存在がいた。
着地には失敗するものの、少女を守り続けていた。
そしてすかさず前方に回避するが、まだ自分の力に振り回されて、
降りかかってきた。
すると、響は上を向く。すると直ぐ様、ノイズ達が自分達の所まで
少しクレーターが出来たのはほっといて欲しい。
してしまうが、なんとか持ち堪え、そのまま足で着地した。その時に
人よりも遥かに逸脱したその跳躍により、空中で思いきり体勢を崩
?
方がスピードを上げていった
﹂
?
?
そう言うと青年の走る速度がスピードカー並みに速くなり、先に
‼
ドラゴン・アクセル
!
﹁行くぜ
"
すると、先程まで同等のスピードで走っていたのが、徐々に霊風の
!
99
?
!
!"
行ってしまったのだ
それに気付いた翼は﹁⁉
ていた。
ま、待ちなさい
﹂と言って、後を追っ
すると、一体のノイズが響の方へと襲いかかってきた
︶﹂
!
響は咄嗟に、腕を振り回した。
﹄
⋮私が、やったの⋮
何か来る
!
しかし、やはりまだ自分の力に振り回されっぱなしになっていた。
けていた。
そんな中、響は女の子とライドを担いだまま、必死になって避け続
ーーー
そう言うと神は再び天界へと消えてしまったのだった。
あの馬鹿共に格の違いと言うのを見せておけよ⋮﹂
ジャー︾そして︽防人嬢︾⋮
﹁⋮ ふ っ。相 変 わ ら ず の マ イ ペ ー ス ぶ り だ。︽フ レ ン ド リ ー マ ネ ー
に半幽霊もとい妖として蘇らせた張本人である神だった。
そしてそんな様子を見ていた1人の男がいた。それは憑友を現世
!
すると、ノイズは瞬時に炭となって消えた⋮
﹁︵
﹃これは⋮
?
むバイクが向かって来ていた。すると、バイクの搭乗者がヘルメット
を脱いだ⋮そして素顔を見て、ライドは驚かされた。
それはなんとアーティスト﹃風鳴翼﹄だった。
すると、すぐにすれ違うや、巨大ノイズにバイクを特攻させ、自分
は後方へと大きく跳躍しながら⋮
﹁Imyuteus amenohabakiri tron⋮﹂
聖詠を唱えた。
すると翼は響の前で見事に着地に成功した。
﹂
﹁惚けない。死ぬわよ﹂
﹁
﹁貴方はその子を守ってなさい﹂
そう言うと翼はノイズへと走っていった。
100
?
!
!
すると、ライドの言った通り、ノイズの大群を物ともせずに突き進
!
!
!
﹁翼⋮さん
﹂
﹂
﹁悪いね∼お嬢ちゃん
﹁ひゃあ⁉
れ、霊風さん
﹂
﹁霊風
な♪﹂
﹂
あの︽フレンドリーマネージャー︾として有名な
貴方も手伝いなさい
﹂ったく、分ったよ
と、話はまた後で
!
まさに2人の息はピッタリだった。
対して霊風はその得物を最大限に活かした攻撃を行う
すると、翼は数多の技で敵を薙ぎ払っていく。
︵挿入歌﹁絶刀・天羽々斬﹂水樹奈々︶
そう言うと霊風は仕方なく翼の後を追った。
!
﹁ふぅ∼終了終了﹃ストップ
﹂﹂﹂
な⋮﹂
﹁⁉
⋮⁉
﹁﹁﹁
﹃な、なんだこの大きさは⁉
まだ何かいるわ
﹄
﹄え
﹂
推定30mもあった
あの高さでは、﹃天ノ逆鱗﹄は届かない
誇ったノイズが現れたのだ
﹁っく
!
!
﹂
?
ヒュー♪ヒュ∼ルル∼♪
翼の屈指の技でも届かない事に響は諦めかけたその時だった⋮
!
!
すると、先程まで響がジャンプして届いた場所を優に越す身長を
!
そして、あっという間に全てのノイズが倒されたのであった。
!
!
﹁おぉ∼これはこれは凄い有名人扱いになったもんだな。俺、モテ⋮
⁉
﹁え
其処には、武器︽両手棍・フォンシェン︾を担いだ霊風がいた。
すると、後方から声が聞こえ、吃驚する響。
?
?
?
?
!
?
?
101
?
?
﹁⋮
これ⋮口笛
﹂
澄ませた。すると、
ヒュー♪ヒュ∼ルル∼♪
﹁この音楽⋮何処かで⋮﹂
スタッ
スタッ
﹃これは⋮憑友が口癖で吹いていた口笛の音色と同じだ
スタッ
ーーーSIDEto響
!
貴方は昨日の
﹂
!
のだと確信する。
?
すると青年が話をしだした。
﹂
﹁だから昨日似たような事を言ったろ
る﹄ってな
⋮この声⋮﹂
⋮﹃早ければ明日、にでも分か
其処で翼さんはその特徴を見て、突然現れた青年の事を知っている
﹁‼
すると1人の青年が此方にやって来ていた。
そしてその私も含めた4人はその足音の鳴った方を見る。
!
そんな会話の時、
スタッ
!
﹄
響が聞いたのを機に、翼と霊風、そして女の子とライドが全員耳を
突然、遠くから口笛の音が聞こえた。
?
!
と、此方に近付く足音がした。
!
と。
?
向け、
﹁久しぶりだな
嘘⋮なんで
﹂
?
?
私はさらに困惑した。
﹁⁉
響いや、﹃太陽﹄﹂
色々と頭の中がごちゃごちゃになっていると、青年が私の方に顔を
じゃあ、この人は一体誰なのか
だけど、その声の持ち主はもうこの世にはいない⋮
この声は知っている声だ。
青年が話した事で、私は疑惑を感じ始めた。
﹁え
?
102
?
?
?
?
今、確かに自分の名前を言い当てた。まだ名前すら言っていない⋮
翼さんは別としてもだが。
それに、先程言った﹃太陽﹄と言う言葉に私はさらに困惑した。
未来だけ
何故ならそれは、未来だけが私に対して言う親しみのある言葉だと
⋮
る。
ひ
と
じゃあ、今目の前にいるこの青年は一体誰なの
・・・・・・・
必ず帰るからね⋮セレナ義姉さん﹂
・・・・・・・
⋮⋮⋮了解。任務を続行する。
精妖霊風、そして立花響の3人と接触。
セイコンドウシ
同時に、﹃シンフォギア﹄の装者・風鳴翼と、﹃精魂導師﹄の1人・
﹁もしもし。俺です。現在、大型ノイズと接触。
すると、青年さんが耳を手で覆うと何処かと話をし始めた。
?
でも、彼はもう2年も前にこの世から亡くなっている。お墓もあ
⋮憑友だ。
⋮いや、違う。この言葉を言うのはもう1人いるじゃないか。
?
﹄
⋮今、セレナ義姉さんって⋮﹂
﹃まさか⁉
﹁⋮え
?
急時に会おうと言う方がおかしいからな﹂
嘘⋮この人⋮未来のことまで知っていた⋮なんで
すると、青年の言った一言で私は確信に変わる。
﹁それに⋮ライドさんも元気そうで何よりだよ﹂
ライドさん。
それを言うのはもう決まっている。
来の3人だけ。
ライドさんが居候していた﹁人絆家﹂の人達で1人、そして私と未
?
本当は未来にも会いたかった。けど、今は仕方ないかな。こんな緊
﹁ずっと、お前に会いたかった。
手を下ろし、そして仮面を外しながら話しかけてきた。
この青年の話し相手が、セレナさんだったからだ。すると、青年は
私はその言葉で衝撃となった。
?
103
?
しかし、今ここに居るのは私とその1人のみ。
つまり⋮
﹁貴方⋮もしかして⋮﹂
恐る恐る聞いてみたと同時に仮面が取れたようで、私達に顔を見せ
た。
﹁久しぶりだな⋮響﹂
その顔は忘れもしない顔だった。
私は思わず、涙を流していた。
一方の翼さんと霊風さんは驚愕していた。
﹂
当然だもんね。何せ、今私達の目の前にいるのは⋮
﹁俺の事⋮憶えてるか
﹂
私と未来の数少ない男友達にして、かけがえの無い幼馴染⋮
かつて奏さんを救って、自分の命を落としたかつての少年にして、
﹁⋮勿論だよ⋮憑友
?
︽人絆 憑友︾がそこにいた。
104
!
第4話 襲名
響が奏の聖遺物︽ガングニール︾を纏い、女の子を守っていると、翼
と霊風が現れ、2人でノイズ達を殲滅したかに見えた。
だが、其処に新たに30mは下らない大型ノイズが現れたのだ。
そんな3人の前に仮面の青年が現れた。
すると青年が仮面を外すとなんと、かつて奏の命を救う代わりに命
を落としてこの世から亡くなった少年・人絆憑友が成長した姿で現れ
たのであった‼
ーーー
3人は未だに驚きが隠せなかった。
翼と霊風は昨日出くわした青年がまさか2年前に奏を救い、そして
その命を散らせた少年だったと言う事に。
そして響はと言うと、2年前に自分達から消えた少年に涙が零れて
来ていた。
それに気付いた青年・憑友は響に寄り、涙を指で掬った。
﹁涙を流すなよ。俺が泣かせたみたいになるじゃねぇかよ⋮﹂
﹁だって⋮本当の事だもん⋮﹂
﹁まぁ、否定しないけどな﹂
そう言うと、憑友は響が抱いている女の子を見て、女の子の頭を撫
でた。
だから、このお姉ちゃんから離れちゃ駄目だよ
﹁心配しないでね。お兄ちゃんがあの怖い怖いをこの拳でギャフンと
言わせてやるからな
有難いな∼
﹁⋮はい﹂
﹂
後、その電子機器、実はお兄ちゃんのなんだ。返してくれたらいい
!
﹁
⋮うん
﹂
ある。いや∼将来が楽しみになってきましたな∼ヌフフ。
確実だと思わせるのであり、こう言う所が地味に発揮されているので
こう言う扱いに長けてる憑友は何れ一級フラグ建築士になるのが
!
105
?
﹁⋮うん。有難う♪﹂ナデナデ
?
?
!
﹁後でしばくぞ
﹂
﹂
﹁誰に言ってるの⋮
⋮ゴホンゴホン。さ、それは兎も角⋮﹁︵スルーしたな
﹂
﹁ナレーション﹂﹁
ドキッ⁉
︶﹂
⋮え、ええと。と、兎に角
﹄
それを言うと憑友は久しぶりにライドと会話をした。
﹁久しぶりだな、ライドさん﹂
﹃憑友⋮本当に、君なのだな⋮⁉
﹄
長年、連れ添って来た存在の顔をもう忘れたのか
認知症は困るなぁ∼全く﹂
﹃私はまだ認知症な年頃では無い‼
﹂
﹂と怒りに満ちた声を上げ
﹄︵T○T︶
涙脆くなってないか⁉
⋮あぁ。お帰り。憑友∼∼‼
﹁だろうな。⋮兎に角、ただいま﹂
﹃
?
﹁当たり前だろ
?
?
﹄
﹁あ、御免。忘れてた﹂
﹃☆○☆○◇▽□‼
?
⋮それはまさか⋮﹄
だ。
何せ、昨日の夜はおろか、まだその力に振り回されていると言うの
それを聞いた翼は驚いていた。
﹁あぁ⋮でも、やっぱりまだまだ暴走しちゃうんだ⋮﹂
﹃
﹁ライドさん。俺な⋮自らの身体に炎を纏えるようになったんだ⋮﹂
それを見た憑友は話をした。
如何やら﹁ふざけるな‼
﹂と言っていた。
たので、4人はその方向を向くと、憑友が言った。
?
﹁泣くなよ‼
﹄︵#︶
と、そんな会話をしていたら、
﹃☆○☆○◇▽□‼
?
?
大型ノイズが﹁俺の事忘れてないか‼
?
?
?
!
?
?
⋮なら、何故此奴は昨日﹃英雄石板﹄から生み出されるカー
そして霊風はそんな憑友の会話に気がかりな事を思っていた。
﹁︵暴走
?
106
?
?
?
?
!
!
︶﹂
ド︻ヒーローカード︼を燃やして、そしてその力を扱いきれる事が出
来たんだ
霊風の言う通り、もし暴走していたとなると、そのカードは基本的
こ
には使いこなせない。
現に霊風は昔は風の力を扱いきれず、暴走した過去を持っていた。
けど、その時はスピリットがそのブレーカーとなっていたのだ。
今ではこうして扱いきれるようになり、
こ
れ
そ
れ
英雄の力を扱いきれているけれど、
自分と憑友とは訳が違っているのである。
憑友は自ら使いこなせない炎の力を暴走させていながら、更にその
ライドさんがい
上でヒーローカードを燃やしてまで使う事に違和感いや、矛盾点を感
じていた。
⋮それじゃあ⋮
﹄
そして、ライドを左腕に装着した
Areyouready
?
!
り出した。
﹂
そこには灼熱の炎を纏った者のイラストが描かれていた
﹁響、見ててくれ。これが⋮俺が得た⋮新たな力だ
し、
そしてレバーを関節から手の甲へと引いた。
﹁変身‼
﹂
すると、真ん中が真っ二つに枝分かれした
そしてカードを装填
そう言うとライドのディスプレイ画面を起こした。
!
!
すると、憑友は腰に付けてあるカードケースから一枚のカードを取
﹃OK
?
君の為なら、なんだってしてやろうでは無
﹁だから、ライドさん。俺と共に戦ってくれないか
﹂
分かった
れば、百人力さ
﹄
﹃憑友⋮良し
いか
﹂
ライドさん
襲名式と行きますか
﹁サンキュー
!
!
その際に、画面もカードをサンドされるようにセットした
!
?
107
?
そう言うと大型ノイズの方を向いた憑友。
!
!
!
!
!
!
!
ーライド‼
フォーム⋮オ・レ‼
ー
?
れを纏った
ー英雄の魂、オレに宿れ‼
ー
するとそこから灼熱の炎を纏った衣を羽織った魂が現れ、憑友はそ
けて放った。
そして、憑友はライドいや、電子機器ライドアブソーバーを天に向
?
弦十郎君
⋮﹂
これは⋮昨夜、翼さんと霊風さんが邂逅した青
﹂
昨日から考え込んでるけど⋮もしかして、あの青年君
﹂
﹁ふ∼ん⋮まぁいっか
﹂
﹂
﹁この波形は⋮間違い有りません
す
﹂
!
纏った憑友がそこにいた
﹁この熱き魂は地獄の業火から譲りし力
!
!
赤と炎をあしらった外套を羽織り、灼熱と彷彿させるような籠手を
そこには、
そして響が次に見たのは、驚くべき姿だった。
ーーー
そこには、少し笑みを浮かべていた弦十郎氏が居たとか。
﹁やはりか⋮︵お前なのだな⋮憑友⋮︶﹂
﹁嘘
霊風さんと同じ﹃精魂導師﹄の力で
﹁⋮あ、ああ。⋮とは言え、約一年と半年の間は見ていなかったがな
とお知り合い
?
?
﹁
﹁⋮やはり、お前なのだな⋮﹂
!
﹁新たな数値を確認
一方、憑友の変身は機動二課の方にまで知れ渡っていた。
ーーー
そのあまりの暑さに響達は手で覆い隠していた⋮
た
そして姿が現れたと同時に灼熱の炎が大地を炎の海へと変貌させ
?
!
年と同じ波形です
!
!
108
!
?
!
エンコンドウシ
その身の炎で、相手を焼き尽くす
炎の魂を導く師者。﹃炎魂導師﹄ライド‼
﹂
本日付けで襲名させてもらいます。ってな
そう言うと、憑友は拳同士を打ち付ける。
﹂
すると、装備してある籠手がほんのりと赤く輝いた。
﹁行っくぞ∼∼‼
縮めると、そこから一気に跳躍したのだ
その高さはなんと、30mを優に超えていた
﹂
それを見た3人は驚いてしまっていた
﹁うぉぉぉりゃぁぁぁ‼
!
のまま蹴りを決め込んだのだ
それにより、ノイズは更にもがき苦しんでいた
そんな時だった⋮
!
これならライドさんと共に立ち向かえるぜ
寧ろ、その逆
﹂
なんだろう
﹂
!
ーーーSIDEto憑友
良し
こんな時にセレナ義姉さんから
ピロピロピロリン♪ピロピロピロリン♪
ん
如何したの
﹃あのね、憑友。そのノイズなんだけど⋮﹄
﹁もしもし
ピロピロピロリン♪ピロピロ⋮ガチャッ
?
﹂
こいつは石板を二枚も飲み込んでいるのよ
父さん
んじゃどっちかしか手に入れられないじゃんか
﹄
!
?
﹁まさか、石板とか無いとか言わないだろうな
﹃違う
﹁はぁ⁉
!
!
?
!
するとそこから一気に急降下すると同時に、足からも火が出て、そ
顔面強打した。
それによりノイズはものの見事に喰らい、そしてそのまま地べたに
のだ
そう言うと憑友はなんとそのまま拳をノイズに鉄拳を食らわせた
?
!
!
そう言うと、炎魂導師となった憑友はそのまま太腿をバネの容量で
?
﹃聞こえるか、憑友。私だ。今そこに風魂導師の霊風君がいるんだよ
すると、セレナ義姉さんが何か言おうとした所へ玄也が代わった。
?
?
?
!
!
109
?
!
!
!
?
!
﹄
ね
﹂
?
思いっきりね。響ちゃんはまだ装者
!
⋮了解
﹂
!
いやだってさ
ーーー
だ、大丈夫
﹁⋮へっくしょん
﹁⁉
﹂
﹂
弦十郎君
﹂
﹁も、問題ない。⋮誰か俺の噂でもしたのか
のか
?
?
!
俺もやるのかよ⁉
﹁え⁉
?
﹂
けど⁉
?
俺、お前みたいな芸当出来っこ無いんだ
そしてセレナの話をありのままに伝えた。
そんな風に思っていると、憑友が突然霊風の所にやって来た。
さ、気を取り直すとしようか。
ーーー
動二課のメンバーがいたのは言うまでも無かった。
因みにその時に弦十郎がくしゃみをした事に内心吃驚していた機
?
それとも、本当に風邪な
気の所為にしておこうと2人は内心思っていたそうな⋮。
いような存在を知っていたりするのだが⋮。
尤も、翼と霊風はそれとよく似たような光景を取ってもおかしくな
ているのはあまりにも異常であった。
しかもその時に通信が入って来ていたのか、普通に避けながら話し
そこからノイズに向かって一気に鉄拳食らわせるし、
一回のジャンプで30mは跳ぶし、
?
そのあまりの光景に3人はただ傍観していた。
ーーーNO SIDE
そう言うと俺は通信を切り、急いで霊風の所へと向かった。
﹁
を守る事に専念させて欲しい﹄
になったばかりだから、戦闘力は皆無に等しい。彼女には女の子の方
んも加えて3人で戦いなさい
﹃彼にも手伝って貰いなさい。それで石板を回収したら、後は翼ちゃ
⋮いるけど、如何したの
﹁ん
?
?
?
110
?
!
しかし、霊風はそんな事は一切知らない謂わば素人同然だった。
しかし、話を聞いてみると、如何やらノイズの中には時々、
﹃英雄石
板﹄を呑み込んで、急成長するノイズがいるのだとか。
それ故にそれらを憑友は﹁特異型ノイズ﹂と定めていた。
昨日、翼達の前に現れたのは、その特異型ノイズがそこにいた為で
あった。
そしてこの特異型ノイズはそのまま倒す事も可能だが、中に入って
いるのは世界遺産に登録された品物﹃英雄石板﹄であると言う事で、倒
すのが極めて困難なノイズの一種であった。
こいつらの特徴は大きく分かれて3つあると言う事。
①体内に﹃英雄石板﹄を呑み込んでいる事。
これは先に言ったので割愛させて貰おう。
②このノイズ達は普通に質量兵器でも倒す事が可能。
但し、中に入っている﹃英雄石板﹄にもダメージを受けてしまうと
言うデメリットがあった。
③﹃英雄石板﹄を取り出すには、
﹃精魂導師﹄と言う者達になりし者
がそれらを取り出せる事が出来る。と言う事だった。
今の所、詳しい内容は分かってはいないのだが、
﹃精魂導師﹄と言う
者達にはそんな力が宿っているらしいとの事だった。
大まかな話を聞いた霊風は渋々了承した。
そして憑友は通信相手であるセレナと話をした。
如何やら今回は前回と同じ後頭部と、更に今回は人間で言う所の心
臓部あたりにあると言う事が判明した。
それを聞いた霊風は、
﹁んじゃ⋮心臓部を狙うわ﹂
と、心臓部の方を狙う事にし、憑友は逆に後頭部を狙う事にした。
そして、翼に回収完了と共に3人で倒すと言う事を伝えると、翼は
そのまま無言のまま頷いた。
そして憑友は響の方へとやって来て、
﹁今回は、その子を守る事だけ
に専念してくれ﹂と言い、響はそのまま頷いた。
111
﹂
﹂
そして準備運動をし始める憑友と霊風。
﹁頼りにしてますよ、先輩
﹁回収はお前の方が先輩だけどな
﹁⋮言えてます﹂
そう言うと2人はそれぞれ構えた。
霊風は両手棍を前に突き出す構えを、
そして憑友は拳を構えた。
﹂
ただ、その構え方を見た翼と霊風は何かに感づく。
⋮憑友のその構え⋮何処かで
﹁
﹂
風鳴弦十郎と言う人から教わりましたけど
?
﹂﹂
匠ですよ
﹂
﹂
お2人の知り合いか如何かは分かりませんけど、あの人は俺の師
?
?
!
﹂﹁風鳴のおやっさんがか⁉
?
﹁あの馬鹿が⋮秘匿だとあれ程言っていただろうが⋮﹂
課のスタッフも全員驚いていた。
憑友のカミングアウトに翼と霊風は勿論、それを聞いていた機動二
﹁﹁師匠
?
﹁
﹁司令が
この構えですか
﹁
?
と、弦十郎が言っていたのは言うまでも無かった⋮。
112
?
?
?
第5話 再会
﹂
そんな事よりも、と憑友はノイズの方に集中した。
﹁荒れまくるぜ∼‼
ふぇ
何
﹂
そう言っていると、響の胸から何かが光となって出て来た
﹁
師匠‼
せんせー
あったのは、
﹁‼
﹂
せんせー
⋮そっか。師匠とも、久しぶりだったな。
﹂
これで俺は百人力いや、千人力だ
行くぜ
﹂
憑友が剣術を教わった存在・キリトのカードだった。
﹁
せんせー
⋮師匠。俺と一緒に戦ってくれますか
﹂
⋮よっしゃ
!
すると、
﹁ああ
?
!
﹁お前があれからどれだけ成長したのか、見せてくれ
﹁
﹂
さん
﹄
ライド
憑友の前に現れたその光は憑友が取る事で、その光は消え、そこに
と移動してしまった。
あまりの出来事に響は驚いていると、その光はそのまま憑友の方へ
!
?
﹂
せんせー
ー
た憑友の剣術の師匠︻黒の剣士 キリト︼のカードを装填し、
﹁変身‼
!
フォーム⋮キリト‼
そして、レバーを引いたのだ
ーライド
!
?
纏った
ー黒剣、双閃、アメイジング‼
ー
そう言うと、そこから黒の装備を纏った魂が現れ、憑友はそれを
?
?
!
そこには黒のコート、黒と水色の双剣を背中に携えた憑友がそこに
いた
!
113
?
そう言うと憑友はレバーを元に戻し、カードを引き抜くと手元に来
!
!
では、参ろうか
﹃OK
!
!
?
と、声が聞こえた⋮キリトの声だった
!
!
!
!
!
ライド・キリトフォームの誕生である
シンガンのように撃ってきたのだ
するとノイズが流石に苛立ったのか、ヘドロらしき物体をなんとマ
︵挿入歌﹁crossing field﹂LiSA︶
!
﹁⋮
はぁぁぁぁ‼
﹂
だが、憑友は違った
いた。
そして霊風は霊風で、両手棍を巧みに回転させて、上手く防御して
空中から巨大な大剣を顕現させ、防ぐ。
ー天ノ逆鱗ー
それを見た翼は響達の前に出て、
!
しかし、驚くにはまだ早かった。
その弾丸が憑友に襲いかかろうとした
はぁ‼
﹂
絶対絶命のその時だった
﹁っ
!
﹄
﹁流石、師匠だぜ
せんせー
こんな物朝飯前ですもんね
しかし、当の本人である憑友はと言うと⋮
それを見ていた全員が驚愕していた。
﹃⁉
なんと、そのヘドロの弾丸を⋮斬ったのだ⋮
!
それを見ていた響と女の子、翼と霊風は驚いた。
憑友はなんとそのままあの弾丸の雨を掻い潜り抜けたのだ
!
﹂
それを聞いた皆はこう思った。
﹃その﹃英雄﹄⋮化け物じゃないのか
いく憑友。
﹄と。
しかし、そんな降りしきる弾丸の雨を剣で斬りつけながら近づいて
?
﹂
﹁本来なら剣では斬れない筈の魔法すらも斬ってしまうんですから、
本当にせんせーは凄い人です
!
114
?
以前は確か、本物の銃弾を剣で見事に真っ二つにしてましたもんね
!
!
!
?
!
!
!
?
と、キリトの武勇伝を豪語していた。
!
﹄と。
と、やたらキリトを豪語しまくる憑友を他所に、他の皆は一斉に
言った⋮
﹃それ、最早化け物だろ⁉
いたドライブボタンを叩いた
フルドライブ‼
﹃ライド・キリト
﹂
﹁はぁぁぁぁぁ‼
⋮綺麗⋮
トリーム
﹂
﹄
スターバースト・ストリーム
が決まった
計16連撃の奥義にして、キリトの十八番・
‼
﹂
スターバースト・ス
最後の一撃を2つの剣で同時に斬りつけたのだ
﹁これが師匠の力だ
そしてそれを連続で斬り尽くし、そして、
ザクッ
また一発、
ザクッ
すると、足元を中心に一発、
と、目をキラキラして見ていた。
﹁
それを見た響は、
すると、2つの剣が青く光り輝き始めたのだ
?
!
すると、背中に担いでいたもう1つの剣を取ると、ライドに着いて
そう言っているとあっという間に足元までやってきた
?
行くぜ
﹂
から地面に叩きつけられた。
﹁よっしゃ
!
"
フォーム⋮ランサー‼
を入れ替えてレバーを引いた
ースピリット
ー
そしてそのまま心臓部の方へとやって来た
すると2年前に使用した、青の配色が多い姿へと変身した
クランの猟犬、光の皇子‼
!
すると、少しだけ明らかにノイズとは別の異物を見つけた。
!
!
?
?
!
そう言うと霊風も腰からカードを取り出し、装填されていたカード
!
115
!
?
!
それにより、ノイズの右足が完全に破壊され、ノイズはそのまま頭
!
"
!
!
!
"
!
!"
!
?
!
このイボイボみたいなのは
﹂
すると憑友が後頭部にやって来たので、話をする。
﹁おい
﹁それが﹃英雄石板﹄ですよ﹂
ーライド
フォーム⋮ナツ‼
ー
そのカードを装填し、レバーを引いた
り出し、レバーを肘関節の方に戻し、キリトのカードを抜くと今度は
すると、憑友は腰に付けていたカードケースから一枚のカードを取
になっていたのは言うまでもない。
憑友の言った一言に霊風は何処かのギャグマンガのようなポーズ
?
そして現れた魂に、翼と霊風は驚いていた
?
れたのだから。
ー
そんな2人はほっといて、憑友はそれを纏った
ー炎で滅せ、竜滅者‼
火竜の鉄拳
‼
﹂
変わり、黒髪だった憑友の髪の一部がピンク色に瞬時に変わった
﹁うぉぉぉりゃぁぁぁ
"
それを合図にノイズの後頭部を殴る憑友。
!"
﹂
胞を薙ぎ払っていく。
﹁今です
炎龍王の
⋮⋮
崩拳
‼
"
﹂
?
した時、
﹁
"
そして引っ張ってみると、スルリと抜け易くなった
それを見た霊風は気付き、連続で槍を連続で突いた
そして、
!
すると先程よりもスルリと抜けやすくなったのだ
すると同時に、石板を引き抜き始める。
先程よりも更にその上を行く爆炎でノイズを殴った
"
すると憑友も同じ事をしていたので、まだ攻撃しないとと言おうと
そう言われ、霊風は石板を引き抜く
しかし、中々引き抜けない。
それを見た霊風は槍と化した長柄武器で石板の周りのノイズの細
!
するとそこにはマフラーを巻いて、紺のチョッキを羽織った姿へと
?
!
何故なら、昨夜憑友がその身の炎で燃やして呼び出した魂がまた現
!
!
!
?
!
!
116
!
!
!
!
"
﹁これで
﹂
﹂
憑友と霊風は共にそこから離れる。
すると、ノイズが少し縮んだように見えた。
それにより、石板は両方引き抜かれたのであった
そしてそれぞれ最後の一発を与え、石板を引き抜く
﹁終わりだ
!
でも無かった。
﹂と言っていたのは言うま
?
フルドライブ‼
﹄
フルドライブ‼
?
叩いた。
﹃ライド・ナツ
﹂﹂
﹃スピリット・ランサー
﹁﹁はぁぁぁぁぁ‼
﹄
?
それに気付いた霊風もスピリットに付いているドライブボタンを
そう言うと憑友はライドに付いているドライブボタンを叩いた。
﹁最後はド派手に決めますか
﹂
響が﹁私、お荷物係じゃないですよ⁉
因みに霊風が取った石板は近くにいた響にそのまま手渡され、
そして憑友は後ろ腰に備えられたポーチに石板を収納した。
!
!
!
になり、雷が纏わり付いた
そしてそれを相手にぶっ放した
ー蒼ノ一閃ー
ゲ
イ
突き穿つ
⋮
ボ
ル
ク
死翔の槍
‼
﹂
?
﹁喰らえぇぇぇ⋮
その槍をぶっ放したのだ
"
そしてそれを待っていたかのように、憑友は自身の手を燃やして
2つの攻撃にノイズはそのままダメージを食らう。
"
た槍を投げ槍の用量で持ちそして、
翼の放った斬撃波と同時に、霊風も上空へと跳躍するや、持ってい
!
と跳び、自身が持っていた刀を握りしめる。すると、刀が巨大な大剣
そうすると2人は気溜めに入り、翼はそれに気付くと瞬時に上空へ
?
!
!
"
117
!
!
!
"
待っていた
﹂
⋮
﹁竜を滅する力を刮目せよ
紅蓮鳳凰剣
‼
滅竜奥義・不知火型
頭突きを繰り出したのだ
﹁よっと
﹂
がその反動で後ろに転びそうになった⋮その時、
それによりホッとしたのか、自分が纏っていたスーツが消失し、響
口にする。
スタッフの1人・友里からコーヒーの差し入れを貰い、響はそれを
﹁あ、暖かい物どうも﹂
﹁暖かい物、どうぞ﹂
それを見ていた響に、
に再会したのであった。
そんな時に、響が守っていた女の子の母親が現れて、女の子は無事
その後、自衛隊が駆け付け、其々の後処理に負われていた。
ーーー
それを見届けた響以外の3人は変身を解除したのであった⋮
あった。
そしてそのままノイズを貫通、ノイズはそれにより爆散したので
!
そう言うと炎を全身に⋮特に、頭の部分を激しく燃やしてそのまま
?
﹁⁉
憑友
﹂
誰かに助けられ、響が後ろを見てお礼を言おうとしたら、
!
﹁むぅ∼
それ如何言う意味よ
﹂
﹂
﹂
そのままの意味だよ∼だ
﹁酷いよ⁉
﹁あん
!
そ ん な 雑 談 を し て い た 2 人 に 先 程 戦 っ て い た 翼 と 霊 風 が 此 方 に
!
!
﹁あんまり無茶すんなよ。このバカ響♪﹂
それが憑友だと知り、内心ホッとしていた。
!
?
?
118
!
!
"
"
"
"
?
やって来たのだ。
﹂
﹂
もしかして⋮俺の事
メラメラハートの色男
﹁⋮﹂
﹁よ
﹁め、メラメラ
﹁他に誰がいるかよ
﹁ですよね∼⋮﹂
﹂
﹁君はあの時、奏を救ってくれたのよね
﹁⋮はい。間違い無いです﹂
﹂
憑友がそう答えると、翼がなんと頭を下げてきたのだ
?
たのだ
それに困惑する憑友。
するとその真意を聞いた。
﹁奏を救ってくれて⋮ありがとう。
貴方が居なければ、奏はもう⋮
﹂
芸能界で人気のアーティストであるあの﹃風鳴翼﹄が頭を下げて来
!
そんな会話をしていると、翼が憑友の所へとやって来た。
?
!
それに気付いた翼は頭を上げた。
あ
の
人
﹁良いんですよ。あれくらい。
俺は天羽奏のファンなんです。
!
俺が苛めたように思われ
好きな物の為に命を燃やすのは、良いじゃ無いですか
だから、気にしてません﹂
憑友の言葉で翼の目から涙が零れた。
﹂
泣かないで下さいよ⁉
それを見た憑友は慌てだした
﹁って、ちょっ⁉
るじゃ無いですか⁉
な、泣いてなんか⋮﹂
﹁違う違う。これは嬉し泣きなんだよ。なぁ
そんな2人に霊風は首を突っ込む。
﹁ぐすっ⋮﹂
!
翼♪﹂
霊風の悪戯じみた言葉に翼は反論するも、顔が真っ赤になっていた
﹁っ⁉
?
?
?
?
119
?
?
!
すると、それを察知したのか、翼の肩に手を置く憑友。
!
!
?
のは言うまでも無かった。
そんな中で、響はそのまま帰ろうとした。
しかし、其処に黒服姿の男達に囲まれてしまった。
﹂﹁⋮如何してもか
﹂
それを見た憑友も、苦笑いしていた。
﹁え
﹁如何しても∼
﹂
と言ってきた。
﹁貴方達をこのまま返すわけにはいきません﹂
すると、翼が先程までの態度をガラリと変え、
?
ら、
あれ、これ何処かでやったような⋮︶﹂とデジャヴを感じていた
2人とも手錠を掛けられてしまっていた
﹁因みにさ
こ
れ
俺の手錠って、特別製だよね
﹁サンキュー﹂
そんな2人の会話に3人は驚かされた。
何故、2人が知っているのかを。
・・
緒川さん﹂
?
そんな話をした男に対して、憑友は話しかけた。
﹁すみませんね。貴方達の身柄を拘束させて頂きます﹂
響が慌てていると、隣にいた男の人が話しかけてきた。
!
ん
それを見た憑友は﹁︵仕事のON/OFFがきっちりしてるなぁ⋮
それでも翼はブレていなかった。
﹁特異災害対策機動部二課までご同行願います﹂
それにより、憑友は肩をガックリと落としていた。
憑友が苦笑いしながらそう言うも霊風が変わりに受け答えをした。
﹁悪いな⋮如何してもなんだよ﹂
?
﹁勿論ですよ。憑友君﹂
?
120
?
?
第6話 人類守護の砦
そして車で連行されていく響と憑友。
すると、とある建物が見えてきた。
﹂
﹁余計な事言わないでよ⁉
とやって来ていた。
ライドさん
﹂
?
﹁へぇ
﹂
﹁さ、手すりに掴まって下さいね
﹂
それを見ていた響に、緒川が話しかけて来た。
らしき物に手をやる。
すると翼と霊風はエレベーターに入るや、奥の方へと入り、手すり
すると、エレベーターと思わしき物に入って行く。
かった。
響はそう言うも、その答えを言う者は少なくてもこの場にはいな
﹁あ、あの∼⋮此処、先生達がいる中央棟ですよね⋮なんで
﹂
そして、2人と1つは学院内の1つである、講師達がいる中央棟へ
三様の反応をしていたのであった。
そんな2人の雑話を聞いていた翼と霊風、そして緒川の3人は三者
﹁ふ∼ん⋮でも、それなりに出来るのは分かったよ﹂
!
﹄
憑友は全く分からない場所だったが、響とライドは良く知っている
場所だった。何故なら⋮
﹂
此処知っているのか
﹁なんで、学院に
﹁
﹂
?
﹃憑友。響はこれでも、ちゃんと勉学に励んで入学したんだぞ
﹁余計なお世話だよ⁉
﹁⋮へぇ∼。馬鹿でも入学出来るんだな∼﹂
﹁此処、私が通ってる場所だけど⋮﹂
?
?
?
﹁なんで俺な訳
﹂
﹁霊風君は、憑友君の手錠をしっかり持ってて下さい﹂
すると緒川は今度は霊風に話しかけた。
そう言うと響に手すりを持たせた。
?
?
121
?
?
?
緒川に言われ、霊風は嫌々ながらも仕方なく憑友の手錠をしっかり
と持ち、手すりに掴まった。
﹁あ、あの∼危ないって⋮﹂
﹂﹂
響が言おうとした時、エレベーターが急降下し⋮
﹁﹁ぎゃあぁぁぁぁああああ⁉
そのまま憑友と共に絶叫したのであった。
因みに、憑友を持っていた霊風は憑友がそのまま浮いてしまい、そ
れを必死に持っていたせいで自分の身体が浮き、そして巻き込まれた
のは言うまでも無い。
その後なんとか収まり、響が苦笑いをしたのだが、翼から﹁愛想は
無用よ﹂と言われ、軽くショックしていた。
すると、ガラスの先の景色が変わった。
まるで壁画に色を塗ったかのような風景が見えた。
﹁これから先に微笑みなんて無用よ﹂
﹂
翼からそんな言葉を言われた響は緊張する。が、
﹂
﹁本当は歓迎会の準備でもしてんじゃないの
﹁へ
?
﹁で、でも流石にそれは無いんじゃ⋮﹂
そう言って、憑友の言った事に否定した響なのだが⋮
122
?
憑友の言った一言に響が間の抜けた声を上げた。
?
パァンッ
﹂
﹁ようこそ
﹁⋮へ
パァンッ
人類守護の砦
特異災害対策機動部二課へ
?
更に上を見てみると
立花響さま☆人絆憑友さま‼
?
﹁さあさあ、笑って笑って
﹂
﹂
手錠をしたままの写真だなんて、きっと悲しい想
い出になっちゃいます
?
﹂
﹂
!
﹁へ
﹂
なんて⋮それはあんまりなんじゃないの
﹂
﹁とか言いながら、ちゃっかり人の持ち物を漁って、個人情報を得よう
調査などお手の物なのさ
﹁我々二課の前身は大戦時に設立した特務機関なのでね。
ですか⁉
﹁それに、初めて会うのになんで皆さんは私と憑友の事を知ってるん
!
﹁えぇ、嫌ですよ⁉
お近づきの印にスリーショット写真♪﹂
!
すると1人の女性が響と憑友の方に近づいて来た。
緒川と憑友は苦笑いをして、霊風はケラケラと笑っていた。
るスピリットと共に呆れ、
それを見た響とライドは惚け、翼は頭を抱え込み霊風のバディであ
と何故か自分達の名前入りで熱烈に歓迎されていた。
︹熱烈歓迎‼
︺
いダルマや、色々とパーティー会場のような体勢になっていた。
しかもご丁寧に歓迎会ムード一色で、近くには目玉が塗られていな
!
!
憑友の言う通りになっていたので、惚けていた。
!
!
!
?
た。
私のカバン‼
それを見た響は、
﹁あぁ⁉
?
﹂
何が﹃調査はお手の物﹄ですか⁉
か‼
?
憑友君の言う通りじゃ無いです
?
?
123
?
すると先程写真を撮ろうとしていた女性が鞄らしき物を持ってき
?
?
﹂
勿論、怒った。プライベートに関するモノを漁っていたのだから当
然である。
⋮んじゃ、なんで憑友君の事を知ってたんですか
しかし、響は此処で疑問に思った。
﹁あれ
?
﹁お前もな。憑友君﹂
⋮えぇぇぇぇ⁉
?
﹂
?
﹂
?
﹄
パリィィィンッ‼
﹃
なんと、たったそれだけで手錠が壊れたのだ
弦十郎は成長した弟子を見て、感心した。
んです。あの時よりも精進し無いと生き残れませんしね
﹂
と努力して来たんです。それと同時に、
﹃英雄石板﹄を探し回って来た
﹁当然です。1年と半年の間、戦場に赴いては、戦争の火種を無くそう
﹁うむ。修行時代よりも精進していたんだな﹂
そしてそのまま手錠を解除し、手首を捻った。
!
?
それと同時に、軽く膝を曲げて、そして手錠の間を正確に狙って⋮
そのまま勢いよく真下へ降ろす。
﹁⋮ふっ‼
すると手錠を付けた両手を上に掲げた。そして⋮
そう言うと、憑友は大きく背伸びをして、軽く意識を統一した。
﹁まぁ、色々とありましたから。さて、それじゃ⋮﹂
﹁1年と半年ぶりだな
まさかの知り合いに響は驚いた。
﹁え
﹂
お久しぶりです。師匠﹂
﹁ふぅ⋮取り敢えず一言。
そして、赤いシャツを着た男の人と面と面で向き合うや、
そう言うと、響に代わり、憑友が前に出た。
?
?
ねぇ
ちょっと良いかしら
あ、私の名前は⋮﹂
それに対して憑友は自分の成長譚を語ったのであった。
﹁
?
?
124
?
﹁櫻井了子。﹃シンフォギア﹄を基となった物、
﹃聖遺物﹄に関する記述
?
を提唱した理論。通称︻櫻井理論︼を掲げた人。だと、母さんが言っ
ていました﹂
﹂
その人って、私の知ってる人かしら
﹂
﹂
すると女性・櫻井了子が疑問に感じ言おうとする前に自己紹介しよ
母さん
まさか⋮﹂
﹁oh⋮orz﹂
櫻井の今までに見ない行動に全員が驚愕していた。
﹂
勿論、弦十郎も櫻井の行動に驚いていた。
﹁⋮。お前の両親は化け物だな
そんな2人の対応に響達は惚けていた。
﹁貴方に言われたくは無いですよ師匠﹂
?
翼はそれに対して、緒川に問い詰める。
﹁⋮貴方も知っていたの
﹁あ、あはは⋮。⋮はい﹂
?
た。
天羽奏がそこにいた。
何があった⋮んだ⋮
!
奏は2人を見て、すぐに涙が零れた。
﹂
﹂
憑友にとっては、自分が命を燃やし尽くしてまで救った存在⋮
響にとっては、かつて自分を救ってくれた存在であり、
顔を見た。
その声に気付いた響と憑友はその声の方に振り向くと、その女性の
?
すると、突然ドアが開いた。
﹁なんか、随分と騒がしいな
?
そこには、ラフな格好をした女性がそこにいた。
﹂
緒川は苦笑いしながら逸そうと思ったが、翼の鋭い剣幕に降参し
?
うとしたら、憑友には無用だった。
﹁そ、そうなの⋮。
﹁ジャンヌ⋮⁉
﹁ジャンヌって言う人はご存知ですか
?
﹁そのまさかです。自分はそのジャンヌの息子です﹂
?
?
そして2人に近づき、響にはハグをした。
⋮奏さん⋮
!
125
?
﹁生きてたんだな。⋮ありがとう。生きてくれて
﹁
!
奏の嬉し涙に響もハグを返した。
因みに弦十郎と憑友との会話の最中に緒川により手錠を外してあ
る。
そして奏はそのまま視線を憑友の方に向けた。
﹁あんたも、生きてたんだな。ありがとう。あんたのおかげで、今の私
は生きてる。本当にありがとう﹂
﹁奏さん⋮﹂
奏の涙を見た憑友は視線を逸らした。
﹂
それを見た奏は不思議そうに見ていた。
﹁如何したんだよ
そして憑友はこの場を借りて告白した⋮
﹁俺、実は⋮
半分死んでます⋮﹂
126
?
・・・・・
第7話 死したる肉体
﹁俺、実は⋮半分死んでます﹂
憑友の言った一言に、皆は驚いていた。
⋮如何言う⋮事⋮なの
﹂
唯、弦十郎と緒川は冷静になって。
﹁え
奏が冗談だろ
﹂
?
と言った口調で話しかけるも、憑友は首を縦には振
の前に居るじゃないか。冗談はやめてくれよな
﹁⋮う、嘘はやめてくれよ。だって、此処に居るじゃないか。私達の目
そしてそれと同時に、奏もハグをやめ、憑友の方に向けた。
奏にハグしていた響は手を離し、憑友の方に向く。
?
響﹂
?
﹂と響に示唆するが、
?
?
﹁なんだよ⋮それ⋮
﹂
じゃあ、此処に居るのは幻なのかよ⁉
影なのかよ⁉
私がただ単に具現化した幻
奏はそれが本当なので知り、膝をついて泣き出した。
響の答えと、憑友が所持していたライドが揃ってそう答えたので、
言った事は1つとしてない。これは紛れもない事実だ﹄
﹃因みに私も、憑友と共に行動して来たが、彼が一度も私達の前で嘘を
の私だから良く知ってます﹂
﹁憑友は確かに、これまで一度も嘘をついた事はありません。幼馴染
響は首を横に振りながら、
奏は﹁冗談だよな
憑友の問いに響は俯向く。
そう言うと憑友は響を見るや、響に質問する。
俺が今まで嘘を言った事ってあるか
﹁俺は、嘘は死んでも言いません。⋮って、もう死んでたんだっけ。
そしてそれに追い打ちをかけるかのように憑友は話しだした。
らず、寧ろ横に振った。否定したのだ⋮
?
﹂と、惚けた声を出した。
?
﹁確かに俺は死んでます。けど、同時に生きてもいます。
その行為に気付いた奏は咄嗟に﹁へ
そんな奏の涙に、憑友は奏の瞳から流した涙を掬って見せた。
?
127
?
今の俺は半分幽霊みたいなものです。言うなれば、化け物と言われ
ても可笑しくはありません。
幽霊みたいに透明化や、すり抜けも出来ますし。
人間みたいに誰かに触れる事や食べたり、飲んだりする事も出来ま
す﹂
憑友の言葉に皆、驚いていた。
半分幽霊な存在などこの世に存在するのかと言う疑問に。
﹂
﹄
皆が疑心暗鬼のようにしていたので、憑友はライドと話をした。
﹁ライド。︿メディカルモード﹀って使える
﹃まぁ、久しぶり感があるが、使えるので問題はない
そう言うとライドを電子パッドのように操作して、そして1つのア
プリを起動させた。
こ
れ
すると、それを響に渡し、憑友は説明した。
﹁響。ライドさんを心臓の部分に翳してくれ。その後、奏さんに渡し
てくれ﹂
﹁う、うん⋮﹂
⋮ドクンッ
⋮
すると憑友は説明をした。
いします﹂
﹁あ、ああ⋮﹂
ドクンッ
⋮ドクンッ
ドクンッ
!
そう言うと響に渡された奏はそれを心臓部に翳した。すると⋮
ドクンッ
!
!
た。
そう言うと奏からライドを返却し、今度は憑友自身が心臓部に翳し
違います﹂
﹁今のは奏さんの心臓音です。何方も当たり前ですね。しかし⋮俺は
此方も響とは少しテンポが違うがちゃんと鳴っていた。
!
128
!
?
そう言うと響は心臓部にライドを翳した。すると、
﹄
ドクンッ
﹃‼
!
なんと、電子パッドから心臓音が鳴ったのだ
!
﹁今のは、響の心臓の鼓動音です。次に奏さんにも響と同じ事をお願
!
?
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮
しかし、いつまで経っても心臓音がしなかったのだ。
憑友はその状態のまま話をし続けた。
﹁今、ご視聴頂いた通り、俺の心臓音は出てません。
寧ろ、動いてすらいないのです。
普通、喋ったり、運動したりすれば心臓の音は若干速くなります。
自分の精神状態でも同じ事が言えます。
けれど、今の俺はそれでも心臓の鼓動音はこうして話している今で
も、鳴っていません。
それはつまり、肉体は死んでいると言う事になります。
心臓が動かないと全身に酸素が送られてきませんからね﹂
その話を聞いた一同は目を見開いた。
弦十郎と緒川を除いて。
﹁しかし、俺には代わりとなるものが存在します﹂
すると、憑友は上着をこの場で脱ぎ始めたのだ‼
それを見た一同は驚愕し、女性達に至っては目を閉じたり、手で隠
したりとかした。
⋮ボォゥッ
⋮ボォゥッ
⋮
コレは今の俺にとっては大事な命なんで
と憑友は、慌てて宥めさせる。
﹂
﹁お、落ち着いて下さい⁉
すから‼
それを聞いた皆は﹃え
﹄と声を上げたのであった。
﹁この炎は、︹命の灯火︺と言いまして、俺の今の心臓なんです。
心臓を抉りながらゆっくりと取られていく感覚
だと思っ
此処に水を掛けられたりでもしたら、俺は逆に皆さんで例えて言う
ならば、
てくれても構いません﹂
その話を聞いた一同は目を見開き、そして青ざめた。
もしさっきの行動をやっていたら、間違いなく憑友を殺していたの
"
129
?
そして服を脱ぎ捨てた憑友を見た一同は驚愕した。
ボォゥッ
!
なんと憑友の左胸に青白い炎が出ていたのだ
!
一同は急いで、水で冷やそうとした。それに気付いた弦十郎と緒川
!
!
?
?
?
"
﹂
という事は⋮弦十郎君はこの事、知っていたの
かもしれないと。
﹁
﹁緒川さん⋮貴方も
﹁もしかして、その時に
﹂
﹂
﹁僕は弦十郎さんと憑友君本人の口から直接聞かされていまして⋮﹂
て、俺の親友にな﹂
﹁あ あ。こ い つ の 修 行 を す る 時 に 知 ら さ れ た の だ。こ い つ の 父 に し
翼も自身のマネージャーである緒川に迫った。
問いかける。
すると、櫻井は弦十郎がこの事を知っていて皆を止めさせたのかと
?
通信相手を見た。そこには、
﹃玄也﹄
﹂
と書かれていたので、弦十郎は電話をかけた。
﹁もしもし。こんな時になんだ
﹃こんな時にとはひどいな∼﹄
﹁現に今、お前さんの息子。自分の正体バラしたぞ
?
?
﹂
﹁良 く な い だ ろ う が ⁉
この場には彼の幼馴染の響君もいるのだぞ
しかし、どうも今の玄也はかなり陽気な性格だった⋮
﹃あ、それは良いんだよ∼﹄
﹂
すると、そんな時に弦十郎の胸ポケットから携帯が鳴り、弦十郎は
り合いだったのかの経緯も分かったのであった。
翼はそれに加えて何故、自分のマネージャーである緒川と憑友が知
知っていたのかに合点がいった皆。
2人が何故、憑友の事を知っていたのか、そして彼の身体の構造を
たのですけどね﹂
﹁はい。ただ、その時は2人から口止めをされていたので、話せなかっ
?
と、思いきや今度はシリアスな一面を出してきた。まるで二十面相
と、話が逸れる前に本題に入るよ﹄
グが今日だっただけなんだよ。
﹃どうせ、彼奴は自分から直接話そうとしていたんだ。そのタイミン
?
130
?
?
!
﹂
﹁へ
﹂
﹂
﹂
する事が決まった﹂
﹂
﹁済まんが、明日から、この上⋮リディアン音楽院に憑友君。君を編入
た。そして、憑友に近づくや。
すると、話が漸く纏ったのか、弦十郎は電話を終え、携帯をしまっ
憑友よ⋮君のその心の声はあながち本当のようだぞ。
と、心の中でそう呟いていた。
な︶﹂
しかも、相当何か悪巧みを思いついて、其れを師匠に話したようだ
﹁︵あの様子⋮如何も話し相手は父さんだな。
其れを見ていた憑友は、
その為か、皆は吃驚していた。
まさかの展開に弦十郎は大声で叫んだ。
﹁はぁ⁉
﹃明日から、憑友をリディアンに通わせておいてね∼♪﹄
そう言うと憑友の父・玄也は本題の方に入った。その内容が⋮
?
?
みたいだ。
﹂
﹄
﹁⋮お前のそのコロコロと変わる性格はなんとか出来ないのか
要件はなんだ
﹃堅苦しい性格じゃないのは、知ってるだろ
﹁⋮はぁ。⋮それで
?
﹃はいはい。んじゃあ要件を話すね∼﹄
?
﹂﹂﹂﹂
?
一方、日本から遠く離れた場所。
ーーー
であった。
一体、何が有ったらそうなったのかはこの時の皆は知らなかったの
と、4人揃って絶叫したのであった。
﹁﹁﹁﹁はぁぁぁぁあ⁉
上から響、奏と翼、そして憑友が目を見開くや否や⋮
﹁え
﹁なっ⁉
﹂
﹁は
?
131
?
?
?
?
そこでは、戦争が勃発していた。
﹂
テロリストと自衛隊の激しい攻防戦だった。
﹁撃てぇぇぇ
﹁
﹂
!
青二才のくせに
﹂
﹁お前らがいるから戦争は終わらないんだ⋮﹂
﹁ふっ
言ってくれたな
!
構わねえ
撃てぇぇぇ
﹂
!
﹂
そんな時に突然、戦車の前に立ち尽くす1人の青年がいた。
⋮誰だ貴様は
最早此処までかと思われていた。
そんな中で、多くの子供達が親を亡くしてしまっていた。
激しく燃える火の海。
!
﹁お前らよりかはもうちょっとマシな方なんだけどな
﹁何
!
?
!
ざまぁ見やがれ
撃つのをやめさせた。
﹁ふっ
!
﹂
それ、死亡フラグだから。
?
すると、
フォーム⋮グレイ‼
!
﹄
ー
砂煙が一瞬で凍り、そしてそのまま地面に落ちてしまったのだ
﹃⁉
ー氷で凍てつけ、悪魔狩り∼
﹄
すると青年はなんと、その上着を脱ぎ捨てたのだ
﹃何故そこで脱ぐ⁉
すると、青年は左手で拳を作り、右手の掌に打ち付けた。
テロリスト達は一斉にそう言った。
?
!
そこには先程の青年が着ていた服とは全く違う服を着ていた。
!
突然、電子音が聞こえ、砂煙の中から青白い光が現れるや、なんと
ーソウル
ー
とりあえず、テロリストの人はこれだけは言わせてくれ。
と、テロリストはそう言った。
!
それにより、たくさんの砂煙が舞い、テロリストの1人が手を挙げ、
そう言うとテロリスト達は青年に向けて大量に発泡した。
!
!
?
132
?
﹁
アイスメイク
床
フロア
﹂
⋮﹂
そしてそのまま前方に向けて放った
﹁
!
すると彼の手の間から冷気が発した。
"
‼
﹂
?
る。
プリズン
アイスメイク・牢獄
"
﹂
何だよこれ⁉
﹁な、何だこれは⁉
﹁冷めた⁉
﹂
﹁それにさっきから寒くねぇか
﹂
まさか⋮⁉
?
?
?
そんな訳⋮⁉
?
?
?
﹂
!
ボタンを叩いた
ーソウル・グレイ
フルドライブ‼
﹁お前らはこれでおしまいだ⋮﹂
ー
?
アイスメイク
⋮﹂
すると青年の身体から黒い模様が浮かび上がった
﹁喰らえ。
"
﹁
銀世界
﹂
そう言うと次のポイントに向かった。
﹁まだ。終わらない⋮火種であるテロリスト達を無くすまで﹂
そして青年はその場を後にした。
その一撃で、テロリスト達は瞬時に凍結されてしまった。
"
シ ル バー
そしてそのまま前方に向けて掌を突き出し、放った⋮
"
!
!
!
そう言うと青年は左腕に装着した電子機器に付いているドライブ
た餓鬼共の復讐の牙を
﹁そのまさかだよ⋮喰らうが良い。お前らの所為で大切な家族を失っ
﹁はぁ
﹂
それにより今度はテロリスト達を1つの牢獄の檻へと閉じ込めた
﹁続けて喰らいな。
"
まった。その範囲内にいたテロリストはその反動で、足元を掬われ
すると、彼前方範囲の床がスケートリンク場のように固まってし
"!
?
お前は
﹂
そこで、彼はまた違う姿を見せた。
﹁⁉
?
!
133
"
"
!
"
﹂
﹁俺の事を知ってるのか
ない
だが、生憎俺はお前らテロリストに容赦し
り出し、新たなカードを装填し、
﹁変身﹂
そしてレバーを引いた。
するとディスプレイから新たな魂が現れた。
フォーム⋮アオト
ー
青の服と、金色の髪、そして水の刀を持つ青年の魂が現れたのだ
ーソウル
﹂
ー聖なる扉、水の咎人ー
﹁一気に決める⋮
ー
フリーズグレイス
フルドライブ‼
そう言うと青年はそのままドライブボタンを叩いた
﹄
?
﹂
その後、そのテロリストは気絶したと言う。
そう言うと青年はその場を後にした。
﹁うるさい。そのまま気絶でもしてろ﹂
︻冷眼のロック︼‼
﹁やはり、お前は⋮俺達⋮テロリストの敵だったんだな⋮
そして生き残ったテロリストの1人がこう言った。
そのたった一撃で、テロリスト達をやっつけた青年。
その際に、氷と水の波状攻撃がテロリスト達を襲った。
青年は刀を二本持ってそこからX型の衝撃波を相手に当てた。
﹃うわぁぁ‼
﹁水と氷でその罪を洗い流せ⋮
ーソウル・アオト
!
﹂
‼
?
!
"
!
いたと言う。
自衛隊が駆け付けた時には、そこにはテロリスト達が全員やられて
そう言いながら青年は、その戦場をたった1日で全て崩落させた。
たった1人の妹の為だけに⋮俺は生きていくんだ⋮﹂
全ては戦争で親を無くした子供達の為⋮
﹁俺は単なる︽掃除屋︾だ。蔓延る悪を間引きする︽正義の掃除屋︾だ。
!
!
そう言うと青年は左腕に装着されていた電子機器からカードを取
?
そして青年はそれを纏った。
!
?
"
!
?
134
!
彼の名はロック・アイル・ユキネ。
︽水魂導師︾の異名を持つ男。
テロリスト達を脅かす者であり、同時に﹃英雄﹄達の力を扱う事が
水の魂を導く師者
出来る者。
全ては自分と同じような思いをしている子供達の笑顔を守るため。
そんな彼は今日もテロリスト達がいる戦場を駆け巡る。
"
全ては、たった1人の義理の妹の笑顔を見たいが為に。
135
"
第8話 英雄石板
翼と霊風によって特異災害対策機動部二課ーー通称・特機部ニーー
へと連行された憑友と響。
そこでは弦十郎達がすっかり歓迎ムードに漂っていた。
そこで2人は奏と再会する。
そして、憑友は自分の今の肉体の状態を説明した。
それと同時に、憑友の父・玄也に電話していた弦十郎からリディア
ンに通うように示唆されたのであった⋮
ーーー
その後、2人の健康状態を見たいと言ってきた櫻井氏に無理やり連
﹂﹂
﹂
れられ、メディカルルームへと連行させられた2人。その際に、
⋮なんで∼⁉
﹁取り敢えず⋮脱ぎましょうか
﹁﹁え
?
﹁クタクタ∼﹂
﹁お疲れ⋮様⋮
﹂
そして無事にメディカルチェックを終えた2人。
∼数十分後∼
こんなやり取りがあったのは言うまでもない。
?
と、2人の事なんだけど⋮
?
俺だ。霊風だ。2人を連れて来たぞ
?
すると霊風はドアをノックした。
﹁奏
﹂
そして、霊風の案内により、奏の部屋へとやって来た。
霊風の言葉に2人は耳を傾け、2人とも大きく頷いた。
これから奏の部屋に来て欲しいんだけど⋮来るか
﹂
俺も初めて来た時に受けたけど、それ以上にやられたみたいだな。
﹁あはは⋮。相当やられたみたいだな。
なかった。
そんな2人を霊風がお出迎えしてくれたのだが、2人はそれ所では
身体中触りまくりやがって⋮﹂
﹁な、なんなんだよ⋮あの櫻井とか言う人は。
?
136
?
?
﹃ああ
入って来て良いぜ
﹄
さんや義姉さんから聞いたんですけど⋮
あのライブ会場の悲劇から何があったんですか
﹁それも含めて今から話すよ﹂
あんた
そう言うと奏は話をし始めた。
﹂
﹁そう言えば、奏さんは2年前に忽然と芸能界から姿を消したって、父
す事にした。
そんな奏を見て、憑友は奏の事を知りたくなり、この場を借りて話
﹁あはは⋮﹂
﹁もうあればかりは懲り懲りだな⋮﹂
﹁取り敢えず、先ずはお疲れ♪﹂
かっていた。
因 み に 霊 風 は 奏 が 座 っ て い る ソ フ ァ の 近 く に あ る 壁 に も た れ 掛
れたので、そのまま腰掛けた。
2人は奏の方へと近付いて、そしてソファに腰掛けるように示唆さ
するとソファの所で、奏が手を振っていた。
お部屋を見つけた。
そこには、沢山のアクセサリーや、ぬいぐるみが彩りよく飾られた
と入って行った。それを見た2人も続いて入る。
相手からの了承を得たので、霊風はカードキーでドアを開け、中へ
!
ようだ。
その話を聞いていた霊風は少し頬を掻いた。少し照れくさかった
死になってたな﹂
れたんだ。あの時は私に興味を示せる物が無いのか、当時の霊風は必
霊風が時々、私に﹃英雄﹄達の軌跡が記された石板をよく見せてく
それから数週間が経ったある日かな⋮
だ。
両翼揃ったツヴァイウイングはこの時に事実上の解散となったん
それ以来私はアーティストと言う道を諦めてしまったんだ。
たんだ。所謂、拒絶反応見たいな奴でね。
﹁あの日、憑友に救われた私はあの後から歌を歌う事が出来なくなっ
?
137
!
﹁そしたらさ、﹃英雄石板﹄だったかな
﹂﹂
てしまったけどな⋮
﹂
憑友が言っていたのは。
していたのに、今では私がその霊風の裏方に徹してる。立場が逆転し
可笑しいよな。2年前までは私が表舞台に立って、霊風が裏方に徹
してるんだ。
﹁ああ。私はそれを使って、時々霊風が持って帰ってくる石板を解読
そこには高度な技術の塊とも呼べる機械が設置されていた。
奏の話を聞いた憑友はある場所に指を指した。
﹁⋮成る程。じゃあ、彼処にある機械はその為の奴だったんですね﹂
所持している石板の解読と言う新たな趣味を持つ様になったんだ﹂
﹁それからと言うもの、私はアーティストと言う活動の場から、霊風が
石板﹄を奏が読める様になったという事に。
普通の人なら先ず読めないであろう文字で書かれている筈の﹃英雄
奏の言葉に2人は耳を疑う。
﹁﹁⁉
なったんだ﹂
しかしいつしか見ていく内に、ある日突然、それが読めるように
ら、当時の私は読めなかった。
あれには沢山の古代文字が使われていて、なんて書いてあるのかす
?
ですか
﹁でも、それって逆に言えば今までの恩返しみたいな事なんじゃ無い
しかし、2人は笑わなかった。
そう言うと奏は笑った。醜いだろと言わんばかりに。
!
﹂
て事は⋮此処で石板の解読が出来るという事か。良し
るか
﹁
やってみ
それを聞いた奏は、﹁ありがとう﹂と言って感謝の言葉を放った。
よ﹂
言う事は逆に素晴らしいんですよ。だから誇りに思って良いんです
だとしたら、これまで自分を支えてくれた存在の手助けができると
や、今でもそうかもしれない。
話を聞いた限り、霊風さんは奏さんの専属マネージャーだった。い
?
!
138
?
!
?
そう言うと憑友はいきなり席から離れるや、その機械が置かれたデ
スクに腰掛けた。
それを見た響はその様子を見たいと思い、憑友の所へと赴く。
奏と霊風も同じ気持ちだった。
すると憑友は腰に備わっているポーチから英雄石板を取り出した。
それも4枚。
﹁えっと、一昨日と昨日、そして今日の二枚。
響。これを解読する事が出来れば、
﹃英雄石板﹄からカードが現れる
んだ。そしてそれは俺や霊風さんが変身する戦士﹃精魂導師﹄にとっ
﹂
て無くてはならない力となるんだ﹂
﹁ふぇ∼﹂
﹁さて、解読でもしますか
そう言うと機械を弄りながら、解析に取り掛かる憑友。
因みにライドもケーブルに繋げてサポートしてくれていた。
そんなに解読が終わっちゃうの
﹂
だ。だけどもっと驚いたのが、セレナ義姉さんかな。あの人、解読に
要する時間は全て1分以内で終わらせちゃうんだもん。
速いのもなんのそのだよ﹂
それを聞いた3人は間が空きつつ惚けた。
すると、憑友は先程分析が完了したばかりの石板に手を翳し、そし
て解読して得た古代文字を詠唱した。
﹁詠唱開始。
﹃その者は不運に見舞われし青年なり。
しかし、其れでも相棒と呼んだ少女の為に、
並行した世界を壊し続けん。
やがて其れが大いなる野望だと知っても、
其れでも、青年は少女の為にその野望を打ち壊さん。
139
!
そして開始してから僅か3分で、1つ目の解読が成功したのだ⋮‼
﹁早っ⁉
﹁俺のはまだ遅い方だぞ
?
俺の父さん・玄也はこれを遅くても3分以内で解読完了しちゃうん
?
?
そして青年は少女を守る為にその身を消し、少女に願いを託さん。
一族から伝わりし歌をその少女に託して⋮﹄﹂
すると、石板が光輝き、それが一点に集中し、そしてその光が消え
ると同時に一枚のカードが現れた。
﹁解読完了。えっと⋮︻審判を超えし槍 ルドガー︼ね。
これで1枚目の石板の解読は終了っと。
こんな風に、
①石板を回収する。
②その石板を解析する。 ③解析から得た古代文字を詠唱する。
④そこからカードが現れて、それを回収する。
この一連の流れを繰り返しながら、英雄石板を解読してるんだ﹂
﹁へぇ∼そうなんだ∼﹂
英雄石板の大まかな流れを聞いた響。
140
そして憑友は石板があった場所について話す。
﹁これまでに世界のあちこちを回ってきたんだ。
ある時はエベレスト。ある時はピラミッド内部。
またある時は戦場真っ只中の場所で、俺は石板を回収し続けていた
んだ﹂
﹂
﹂
﹁お前⋮まさか、その時から自分の身体の暴走を抑制しつつ、押さえ込
んでいたのか
﹁はい。そうですけど
﹁精神的に強えぇ⋮﹂
だが、其れは同時にその者を龍へと駆り立てん。
﹃その者は右眼を幼き頃に捨てた。
﹁詠唱開始。
そしてまた同じ動作をし、詠唱した。
そして、コツを掴んだのか、先程よりも早く解析が終わった。
そんな霊風は放っておいて、憑友は2枚目の方に取り掛かった。
り、意気消沈していた。
それと同時に自身の身体を抑制していた事に霊風は壁に寄りかか
?
?
いつしかその者を﹃独眼竜﹄と呼ぶようになった。
その若きカリスマ性で一国を収める長へと登り詰めた。
そして青年の前に立ちはだかるのは、天涯孤独と言われた男にとっ
て、
刃を交えて成す﹃甲斐の若虎﹄と呼ばれし好敵手の存在。
﹃竜の右眼﹄と言う背中を託せし者と共に、彼の物語は突き進む⋮
婆娑羅な物語へと⋮﹄﹂
するとそこからまたカードが現れた。
﹁カード名⋮︻奥州筆頭 伊達政宗︼か。中々良いのを引き当てたか
な﹂
そんな人達も英雄になれるの
﹂
その伊達政宗って言う人って、戦国時代にいた武将の名前だ
そこで響は疑問に思った事をぶつけた。
﹁ねぇ
よね
﹁確かに俺が言った︻伊達政宗︼はこの世に存在した武将の1人だ。
けど、これに描かれている︻伊達政宗︼は、この世界とは異なる世
界・パラレルワールドと呼ばれる平行世界上で名を馳せた人物なん
だ。
このように、
﹃英雄﹄達の中にはこの世界でも知られている有名な存
在がいるのもまた事実なんだ。
ただ、彼等は全員、この世界の出身では無く、神によって遣わされ
た平行世界上の人間達が殆どなんだ﹂
﹂
﹁それを俺達︽精魂導師︾はその力を使って、ノイズ達を倒している⋮
という事なのか
其れを境に彼は大事な家族を奪った者に復讐を抱かん。
﹃その青年は目の前で家族を失った⋮
﹁詠唱開始。
そしてあっという間に3枚目の解析を終えて、再び詠唱を始めた。
そう言うと手際よく次の作業に入る。
⋮﹂
けど、中々言う事を聞かない人達がいるのもまた事実ですけどね
﹁はい。﹃英雄石板﹄に記されし者達は今の所は皆友好的です。
?
141
?
?
?
大いなる人を相手に小さき己は刃を向けてその者達を刈り殺す。
そこにあるのはただひたすらに復讐の心のみ。
やがて青年は己が刈り殺し続けた者達の力を得ん。
其れでも、彼はその者達を倒し続けん。
一生涯燃え尽きぬ事のない︽復讐︾と言う名の紅蓮の炎を掲げて
⋮﹄﹂
すると3枚目も解読に成功すると同時にライドに一任していた4
枚目の石板の解析がし終えたので、その石板を手元に持ってきて、続
けて詠唱を始めた。
﹁詠唱開始。
﹃その少年は最初は弱かった。
数多の強豪、手強い好敵手達、悪しき野望を生み出す組織。
其れでも、彼は初めて出会ったかけがえの無い相棒と共に勝利を
飾ってきた。
を見て驚かされた。
な ん と 石 板 解 読 を し 始 め た 時 間 か ら 3 0 分 以 内 に 終 わ ら せ て し
まっていたのだ。響はそれにより驚かされたのであった。
すると奏が話を切り出した。
﹁これから先、色々と大変になるだろうと思うから、これからこの部屋
も自由に使って構わないからな。
此処は元々倉庫だった所を改修したんだ。時間帯があるのが歪め
142
今宵もまた、その相棒と共に旅に出らん。
まだ見ぬ者達と出会いと別れを繰り返しそして、新たな仲間と共に
⋮
今宵も彼と相棒は旅に出らん⋮
己が掲げた目標の為に⋮﹄﹂
﹂
すると4枚目も無事に終わり、これで石板の解読は終了した。
⋮って、始めてから30分も経ってない⁉
﹁⋮ふぅ。お∼わった。⋮今回の解読完了∼﹂
﹁凄⋮
?
そんな憑友に響は感化した。そしてふと部屋に置かれていた時計
ほっと一息つく憑友。
?
﹂
無いけど、その間なら自由に使ってくれても構わないからな
﹁因みにその時間帯ってのは
﹂
!
﹁﹁はい
﹂﹂
⋮こんな俺の相方だけど、これからもよろしくな﹂
﹁はぁ⋮お前と言う奴は。
いぜ﹂
﹁朝は8時から夜は12時まで。その間なら自由に使ってくれても良
?
はい、これ﹂
!
⋮あ
翼さんのCD
﹂
!
﹁え
﹂
分かった
﹂
﹁お前が持っとかないと、いけないんじゃ無かったか
人の事を頼んだよ﹂
﹁あ⋮そっか。⋮うん
憑友﹂
!
ーーー
までも無かったのであった。
それでも、2人と1つは再会したと言う興奮が勝っていたのは言う
だ︵怒られている理由は2人とも別々なのだが︶。
その後響とライドは未来に、憑友はセレナにこっ酷く怒られたそう
そう言うと2人はそれぞれの道へと帰って行った。
﹁またね
﹁それじゃ、俺はこれで﹂
!
明日までは2
そう言うと今度はライドとキリトのカードを響に渡した。
あと⋮はい、これ﹂
と口止め料みたいな物かな。
響は翼さんのファンだからって言う事で。今回のお詫びと言う事
﹁帰り際に緒川さんに遭ってな。その時に渡されたんだ。
﹁
そう言うと憑友は響にある物を渡した。
﹁そうだな。と、忘れるところだった
﹁なんか、色々と大変な目に遭ったよ∼﹂
その後の帰り道。憑友と響は一緒に帰っていた。
∼∼
その話を聞いた2人は今日はその日に解散となった。
!
!
!
?
?
143
?
一方、此処は戦地真っ只中の場所。
そこでロック・アイル・ユキネはたった1人で戦地を動かしていた
ま、待ってくれ
頼むから命だけは
﹂
テロリスト達を相手に次々と倒して行っていた。
﹁ひぃ⁉
!
﹂
けど、それもこれまでだ。
お前の今の顔を見たら、部下はどんな顔を見せるんだろうな
?
装填し、
﹁変身﹂
フォーム⋮タツヤ
そしてレバーを引いた。
ーソウル
ー
!
神の左手
それをロックは身に纏った
ー悪魔の右手
ー
!
!
!
せて、腰に備わっているカードケースから一枚のカードを取り出し、
そう言うとロックは電子機器・ソウルアブソーバーを左腕に装着さ
?
ぽどお前に忠誠でも立ててたんだな
﹁お前の仲間は気絶するだけで充分な連中ばかり。お前の部下はよっ
気絶していたと言う事だけだった。
周りには彼によって倒されたテロリスト達がいた。幸いなのは皆、
そんな中、1人のテロリストがロックに命乞いをしていた。
!
するとディスプレイから2丁拳銃を構えた青年の魂が現れた
!
お、お願いだから
命だけは⋮﹂
!
後で目を覚ましたテロリスト達は自分達が信仰していたボスがい
そう言うとロックはその場を後にした。
﹁⋮次の場所に行くか⋮﹂
そしてその瞬間、テロリストは蒸気となって露散した。
そして拳銃の引き金を引いた。
﹁黙れ﹂
﹁ひぃ⁉
そう言うと右手に持った拳銃を構えた。
﹁お前には借りがあるからな⋮消えてもらう﹂
ソウル・タツヤフォームである。
クの姿がいた。
其処には白の服に緑のストライプラインが刻まれた服を着たロッ
!
144
?
?
なくなった事に気付きら探し回るも、結局見つかる前に自衛隊の手に
より捕捉されてしまったのであった。
その後、彼等のボスの行方を知るのは誰1人として居なかった⋮
対峙した存在・ロック以外は。
145
第9話 転校生
翌日。
人助け以外何があると思いますか
無いですよね⋮。
響は今日も今日とて遅刻をしたのである。
理由
﹂
あるとすれば、寝坊以外無いと思う。
そして、
﹁立花さん‼
?
遅くなりました
﹂
そして授業が始まろうとしたその時だった
バタンッ
﹁す、すみません
!
﹄
﹁遅すぎですよ
﹃え⁉
転校生君
﹂
!
先生の一言で、皆は驚愕した。
!
唯、2人はそれ以上の反応だった。
皆の反応はともかく、響や未来もそれは同じだった。
制服だった。
しかもよく見れば、存在すらしない筈の男性用に仕立て上げられた
しかも、自分達と同じリディアンの制服を着て。
らだ。
其処には1人の男の子が息を乱しながらこの教室に入って来たか
それを見た生徒達は驚いていた。
突然、ドアが勢いよく開いて、其処から男の子の声が聞こえて来た。
!
!
そう言うと先生に席に座るよう促されて、響は未来の隣に座った。
﹁は、はい⋮﹂
﹁今回のみ、このくらいで済みますけど、また遅刻でもしたら⋮﹂
しかし、今日はそれだけで済んだのだ。
それを見ていた未来とライドは半ば呆れていた。
うまでも無かった。
今日もみっちり先生から有り難∼いお灸を据えられていたのは言
﹁は、はい⋮﹂
?
!
146
?
?
﹂
なんとこの学院で初めての男子生徒だったからである。
﹁何処で道草食ってたんですか
た。
﹂
今日、この学院始まって以来、初の男子生徒を紹介したいと
じんさい
﹁皆さん、初めまして。俺の名は人絆憑友と言います
つくも
人の絆と書いて、人絆。
憑依の憑と友と書いて憑友と言います
いです。
!
ライドは心の中でだが︶。
しかし、未来は少し険悪なムードを漂わせていた。
﹁それでは、人絆君は立花さんの隣の席へ﹂
﹁あ、はい﹂
そう言うと憑友は響と未来の席に座った。
そして近くにやってくるなり、響は耳打ちをした。
﹂
俺も今朝、親父から言われたんだから⁉
﹂
?
﹁まさか、同じクラスになるなんて⋮﹂
﹁仕方ないだろ⁉
﹁それ以外に何がある
﹂
それを見ていた憑友とライド、響の3人は苦笑いをしていた︵響と
まるで可愛気のある弟ポジションだと。
それを聞いた皆は、黄色い歓声を送っていた。
こんな俺ですが、よろしくお願いします
﹂
音楽にはあまり自信が無いので、皆さんから教えて貰えると有り難
!
!
先生に示唆された生徒はみんなの前に立ち、そして自己紹介をし
思います。それでは転校生君。自己紹介を﹂
﹁静かに
そしてようやく話をし終えたのか、先生が皆の視線を集めた。
﹁はい。すみません﹂
るように
﹁親孝行するのは構いませんけど、遅刻は良くないので、以後気をつけ
した﹂
﹁すみません。父親の書類整理を手伝っていたら、思いきり遅刻しま
!
﹁んじゃ、それが遅刻した本当の理由なの
?
147
!
!
﹁響
﹂
﹁﹁︵ドキッ⁉
︶﹂﹂
﹂
﹂
するとそんな耳打ち会話に未来が首を突っ込んできた。
﹁この人と知り合い
﹁あ、あぁ∼えっと∼⋮それは⁉
咄嗟に彼女を連れて逃げていたんだよ
⋮
そうそう
そうなんだよ∼‼
大声出すなよ響‼
︶﹂
﹂
俺も
な、響ちゃん⁉
いや∼でも、まさかこの学
その後はなんとか逃げ延びる事が出来たんだよ
﹂
﹁え
?
院にやってくるなんて思わなかったよ∼あはは
﹁︵⁉
!
!
﹁昨日、この子がノイズが発生していた現場近くで見つけてね
響の慌てっぷりに憑友が助け舟を出す。
?
?
!
﹁立花さん
﹂﹂
人絆君‼
﹁﹁は、はい‼
﹂
?
﹁﹁す、すみませんでした‼
﹂﹂
﹁それ程までに2人は私の授業がつまらないと言うのですかね∼
?
∼数時間後∼
午前の授業が終わり、漸く昼休みの時間になった。
れた。
﹁あの∼もし良ければ、屋上で食べませんか
﹂
﹂
自 分、料 理 が 好 き で。よ く 作 り 過 ぎ て し ま う ん で す。如 何 で す か
?
響は未来を連れて食堂へと移動しようとしたが、憑友に声を掛けら
?
響の発言に、憑友はアイコンタクトを取ろうとしたが時既に遅し。
?
!
!
!
先生に見つかり、2人は有り難∼いお灸を据えられたそうな。
?
それを聞いた未来は響の方を見る。未来の行動に響は目が泳ぎな
がら、憑友の方を見ると、憑友がアイコンタクトをして来たので、響
は仕方なく彼と一緒に行動した。
ーーー
そして屋上に着くなり、憑友はお弁当を並べた。
148
?
!
?
?
?
?
?
﹂
タッパーに入れられていた料理を見て、未来と共にはしゃぐ響。
本当に貴方が
美味しい∼♡﹂
そして一口。
﹁
﹁美味しい
ーーーSIDEto憑友
﹁未来⋮﹂
幼馴染の憑友なの⋮
﹂
﹂
﹂
﹁2年前のライブ会場の悲劇で、私と響の前から居なくなった⋮
未来からの言葉に俺は箸を動かしていた手がピタリと止まった。
﹁⋮貴方は、私の知ってる憑友なの
?
?
﹁⋮貴方は、私の知ってる憑友なの
憑友の方を向いて話しかけてきた。
すると、未来の箸を動かしていた方の手が止まり、
だったから。
何せ、話しているのが自身が死ぬ前にいつも側にいた幼馴染の未来
た。
しかし、憑友はやはりこう言う言い方に違和感を感じまくってい
実際に言えてる事だったので否定出来ないのである⋮。
未来の答えに憑友はありのままを話す。
父は父で目を離した隙に何処かに旅立っている様な存在なので⋮﹂
母さんは海外出張なんかで、殆ど家を空けていて、
﹁ええ。家で料理が作れるのは俺と義理の姉さんだけなんです。
?
﹁もう二度と会えなくなるかもって思って⋮﹂グスンッ
誰だって泣きたくなる。
そうだよな⋮いきなり大事な幼馴染が急に死にましたってなると、
話を聞く内に未来の瞳から涙が零れ始める。
けど、もう其処には骨の欠片すら残ってなくて⋮﹂
﹁私、貴方が死んだって聞いて嘘だって思っていた。
説明しないといけないのは事実だ。
良いんだよ、響。俺は自ら選んだ道でこんな事をしたんだ。
追い打ちをかける未来に、響は名前以外何も浮かばなかった。
?
149
!
!
・・・・
・・
そんな顔を見せてくれるなよ。未来。
﹂
ガサッ
﹁え
未来だって響と同じくらいに俺の事を思ってくれていたんだよな
今の今まで⋮
﹁御免。陽だまりいや、未来。
?
遅れて御免な。こんなにも寂しい思いをさせてしまって⋮﹂
気付けば、俺は未来の顔を自分の胸に抱きしめていた。
やっぱり俺って不器用なんだなぁ⋮
こんな行為でしか女の子の涙を受け止めきれないんだから。
未来も、今目の前にいる相手が自分と響にとって大切な幼馴染だと
知って、俺の胸の中で、大声で泣いた。
その涙は、嬉しかった方なのか。はたまた寂しかった方なのかは、
知る由も無いし、知りたくも無かった。
こんなにも迷惑を掛けた俺にそんな権利は無いに等しいから。
その後、なんとか宥めて、
俺は自分がまだ死んでいる事と、新たな都市伝説を生み出している
存在︽精魂導師︾の1人という事を俺は伏せて、残りはありのままに
話した。
先の2つを話さないのは単に、これ以上未来の顔から涙を零して欲
しくなかった事と、これ以上未来を危険な目には合わせたく無かった
だけである。
けど、其れだけあれば充分だと思っている。
大切な者を守る為には時に真実を隠さなければいけないと言う事
に。
この日、俺は初めて嘘をついた。意味がある言葉だった。
本来なら、顔に出ても可笑しくは無いのに、何故か顔に出なかった。
でも、其れでも良かった。
今の未来の顔には笑顔が見れたから。
そして食べ終わった俺達は急いで教室の方へと戻っていった。
150
?
さぁて
!
おー‼
!
﹁はい
﹂
先生﹂
﹁私達にも何か用ですか
﹁大変言いづらいのですが⋮
なんの事だ
俺達に関係している事
?
?
﹂﹁え
・・・え
﹁へぇ
﹂
﹁﹁﹁えええええええええ⁉
﹂﹂﹂
何が如何なったらこうなるんだよ⁉
待て待て待て待て待て待てゴラァ⁉
?
なんで響と未来と同部屋なんだよ⁉
?
?
そりゃあ、俺達は幼馴染だから親近感はあるが、其れはさすがに不
?
?
?
?
これから3人は同部屋になります。今日から﹂
?
﹁其れに立花さん達も一緒ですね。好都合です﹂
転校初日に俺何かしでかしたか
﹂
﹂
午後の授業も乗りきるぞ∼
﹁うー⋮
!
あ、憑友君
先生
!
﹁
?
?
?
151
?
?
味過ぎるんじゃねえのかよ⁉
最初は私こそ貴方達と同じ反論はしましたよ⁉
﹁ちなみにこれは学院長からのご指示なので。
も、勿論
﹂
?
やっちまえ‼
﹂
テロリスト達がうじゃうじゃと居座っていた。
﹁ひゃはぁぁ
其処にはやはりと言わんばかりか⋮
そこではやはり、戦争で多くの人々が死んでいっていた。
一方、此処はまたしても戦地の一角。
ーーー
の方へと戻っていった。
そう言うと俺達はもう直ぐ次の授業をハッと思い出し、急いで教室
﹁いや、俺が1番に呪われてるからな⁉
﹁今回ばかりは私にも呪われてるかもね⋮﹂
﹁うん、そうだねぇ⋮。はぁ∼⋮私、呪われてるかも⋮﹂
﹁初日からとんだ1日になったな⋮﹂
行った。
そ う 言 う と 先 生 は こ れ か ら そ の 準 備 に 取 り 掛 か る ら し く 急 い で
﹁そうですか。では、頼みましたよ﹂
﹁お気遣い無く。布団と毛布さえ支給して下さればなんとか﹂
後、ベットの件なんですか⋮﹂
﹁兎に角、3人はこれからルームシェアと言う形でお願いしますね。
見事にハモったよ俺達⋮。
﹁﹁﹁ご愁傷様です⋮﹂﹂﹂
あぁ∼⋮色々と⋮
ない言葉に押されてしまったらしく⋮﹂
ですけど、学院長が﹃世界のトップ直々のご命令だ﹄と訳の分から
?
?
?
誰だてめぇは
﹂
そんな戦地に1人の青年・ロックが歩いてきた。
﹁
?
なら、思う存分に堕とし甲斐がありそうだな﹂
そ う 言 う と 青 年 は 腰 に ぶ ら 下 げ て い た カ ー ド ケ ー ス か ら 一 枚 の
152
!
!
﹁この土地の人間は、︻冷眼のロック︼は知られていないらしい。
?
ー
カードを取り出し、左腕に装着されていた電子機器・ソウルアブソー
バー
を起動させ、カードを装填し、
﹁変身﹂
フォーム⋮ミツナリ
そしてレバーを引いた。
ーソウル
するとディスプレイから黒と紫が映えたスリムな甲冑を纏った男
!
凶王三成
ー
の魂が現れ、ロックは其れを纏った。
ー君子殉凶
!
白へと変色し、そして前髪を一点に集めた。
すると、瞬時にテロリスト達の前へとやって来たのだ
﹂
其れも⋮0.001秒と言う速さで。
﹁な⁉
そう言うと抜刀した。と同時に納刀した。
﹂
?
その瞬間だった。
うごぉぉぉぉ⁉
﹂
ジャキキキキキキキキキキィ‼
﹁
﹁な、何が起こったんだ⁉
﹂
?
かった。
瞬 時 に 無 数 の 斬 撃 が テ ロ リ ス ト の 1 人 を 蝕 む か の よ う に 襲 い か
﹁み、見えなかったぞ⁉
?
?
!
更に彼の髪の色が、通常の金交じりの黒から紫の色が少し混じった
ような甲冑に身を纏ったロックがいた。
そしてそこには刀と鞘を手に持ち、空気の抵抗を極力減らしたかの
!
懺悔
其れを見た男の仲間は何が起こったのかよく分からずにいた。
"
ロックが今使用している武士・
︻君子殉凶 石田三成︼が最も得意な
技である。
すると、ロックはアブソーバーからカードを取り出すや、また違う
153
!
﹁斬られろ⋮その身を以てな﹂
?
前方範囲の敵達を瞬時に無数の斬撃で斬り尽くす技。
"
フォーム⋮リヴァイ
ー
カードをカードケースから取り出し、其れを装填させ、レバーを引い
た。
ーソウル
ー人類最強、兵士長
ー
すると今度は茶色の服を着た魂が現れ、ロックは其れを纏った。
!
に飛んだ
ヤーが現れ、ワイヤーが何かに引っ掛かると、そこに向かうかのよう
すると、グリップを握るや、其れを操作すると、腰の装置からワイ
見た目はカッターで使われている刃物に良く似ていた。
を差し込み、引き抜くと、そこから鉄で出来た刃が現れた。
いていた。其れをロックは手に持ち、腰についた装備にそのグリップ
そしてそこからケーブルが現れその先にはグリップらしき物が付
すると今度は腰に機械の装置が装着され、
!
おいかけようにもあまりの速さに照準が定めきれなかった
た時、後ろから刃物で斬られたような衝撃と痛みが襲いかかった。
﹁其れでいい⋮動いたら、削げねえからな﹂
背後にはロックがいて、そのブレードでテロリストを斬ったのだ
すると、ロックはアブソーバーからカードを取り出し、
そしてまた違うカードを取り出した。
﹁最後は頼むぞ⋮アーチャー﹂
た
ーソウル
フォーム、アーチャー‼
ー
するとロックはアブソーバーにそのカードを装填し、レバーを引い
!
すると1人のテロリストが目で追うと、いつの間にかロックが消え
!
いつしかその速さがあまりにも早くなり、皆は必死になって、目で
と同時にその行為を繰り返すロック。
其れを見た皆は驚きを隠せなかった。
﹁なんだよあれ⋮﹂
﹂
﹁な、何⁉
!
た。
すると今度は赤い外套を羽織った魂が現れ、ロックは其れを纏っ
?
154
!
?
!
!
ーUnlimited Blade Works‼
ー
すると青年の姿はかつて幼き頃の青年と義理の妹を助けた英雄の
姿と瓜二つとなった。
﹁一気に決める⋮﹂
すると、ロックは、テロリスト達の影を狙って、短剣を連続で投げ
た。
其れにより、テロリスト達は身動きが取れなくなった
ー影縫いー
いた。
ーソウル・アーチャー
フルドライブ‼
ー
するとそこからロックはソウルについているドライブボタンを叩
!
そ の 体 は、き っ と 剣 で 出 来 て い た。﹂
So as I pray, unlimited blade works.
故 に、 生 涯 に 意 味 は な く。
Yet, those hands will never hold anything.
彼 の 者 は 常 に 独 り 剣 の 丘 で 勝 利 に 酔 う。
Have withstood pain to create many weapons.
ただの一度も理解されない。
N o r k n o w n t o L i f e.
ただの一度も敗走はなく、
U n k n o w n t o D e a t h.
幾 た び の 戦 場 を 越 え て 不 敗。
I have created over a thousand blades.
血 潮 は 鉄 で 心 は 硝 子。
Steel is my body, and fire is my blood.
﹁体 は 剣 で 出 来 て い る。
I am the bone of my sword.
縫いーにより、身動き1つ取れなかった。
テロリスト達はこれを好機と見て攻撃をしようにも、忍者の技ー影
すると青年は自身の胸に左腕を翳し、詠唱を始めた
?
詠唱が完了すると同時に周りの景色が砂地から荒野へと変わり、テ
ロリスト達は驚く。
155
?
!
!
上を見ろ
するとロックは右手を人差し指を指して上へと向けた。
はらった。
﹄
すると其れを合図に一斉に武器達がテロリスト達を襲った
﹃うわぁぁぁぁぁ‼
﹁what
﹃私よ﹄
sup
︵誰だ
︶﹂
?
﹂
?
﹂
﹁⋮お前が苦労する相手が来たというのか
﹄
﹃ええ。2週間の内に日本に来れるかしら
﹄
ロ ッ ク 通 信 を 切 る な り、ソ ウ ル ア ブ ソ ー バ ー を 左 腕 に 装 着 し て、
そう言うとフィーネの方から通信を切り、
﹃⋮ふっ。余裕があるわね。期待してるわ﹄
﹁2時間でお前のアジトに着いてやる﹂
﹃
笑わせるな﹂
?
﹁2週間の内に日本
?
其れはそうと、貴方にも手伝って欲しい事があるのよ﹄
﹃心配は無用よ。彼女は無事よ。
そんな事よりも、義妹に手を出して無いだろうな
いもうと
﹁余計なお世話だ。俺にとってテロリスト達は対象に過ぎん。
﹃随分と荒らしまくってるわね﹄
﹁⋮あんたか。フィーネ﹂
'
かってきたので、電話に出た。
そ し て 其 れ を 見 た ロ ッ ク は 変 身 を 解 除 し た。と 同 時 に 電 話 が 掛
と、無傷のロックただ1人が立っていた。
すると周りの景色が消え、そこには大量の血を流したテロリスト達
!
するとロックは右手を宣誓時に用いる形に変え、そして手を前方に
うと飢えていた。
そこには数多の数の剣や斧、槍等が今か今かとテロリスト達を襲お
其れを見たテロリスト達は口を開けて、目を見開いていた。
そう言っていたかのような行動をした。
"
そして其れをまともにくらったテロリスト達。
?
?
?
156
"
?
カードケースから一枚のカードを取り出した。
すると、そこから1人の女性の幽霊が現れた。
﹂
金髪で、黒のリボンで纏めた女性だった。
﹁私を呼んだって事は、何処か行くの
﹂
?
ーソウル
フォーム⋮フェイト‼
ー
ロックはそのカードをアブソーバーに装填し、レバーを引いた。
り、
其れを聞いたロックはありがとうと言うとその幽霊はカードに入
﹁分かった。あまり無茶しちゃ駄目だからね
﹁ああ。この世界の日本まで一気に飛びたい。力を貸してくれ﹂
?
?
雷光一閃
ー
すると先程の髪型の女性の魂が現れ、ロックは其れを纏った。
ー疾風迅雷
!
その後、フィーネはロックが時間通りにやって来た事に驚きと感心
そう言うとロックはなんと空を飛び、そのままその場を後にした。
﹁最速で駆け抜けるぞ﹂
!
をしていたそうだ。
157
!
第10話 診断結果
﹂
学校の時間が終わり、漸くかと思った響と憑友。
すると、
﹁ビッキー
と未来がやってきた。
⋮響ちゃんのお知り合いですか
?
﹂
!
私は板場弓美
﹂
私、アニメが好きなんだ∼
!
自己紹介した。
3人の少女達・創世と詩織と弓美の自己紹介を聞いた憑友は自分も
話も是非お願いしますね♪﹂
﹁アニメですか。自分はポ○モンの事しか知らないので、それ以外の
!
あったら、周って見ましょうね
﹁んで
﹂
良かったら今度
﹁美 味 い 物 巡 り か ∼。基 本 外 食 と か し な い 派 だ か ら、今 度 良 い 店 が
趣味です。よろしくお願いしますね♪﹂
﹁私は寺島詩織と言います。皆さんと一緒に美味い物巡りをする事が
これ⋮︶﹂
﹁つ、ツッキーですか⋮あはは⋮︵響のネーミングのパロディだよね⋮
は﹁ヒナ﹂って呼んでるんだ♪これから宜しくね﹁ツッキー﹂
私は安藤創世。私は響の事を﹁ビッキー﹂って呼んでいて、未来に
﹁あ、そっか。自己紹介して無かったね。
もそんな響を見ては支えてやって来た存在なのだ。
そんな幼かった響に手を差し伸べてきたのが、未来であり、彼女達
響には多くの罵声を浴びてきたのだ。
2年前のライブ会場の悲劇に憑友が死んだ後、
それもその筈だ。
たのだ。
未来や響とは小学校からの幼馴染だが、3人の事は実は知らなかっ
実は憑友はその少女達3人と会った事が無かったのだ。
﹁
﹂
おそらく響の事を呼んでいるであろうその名を呼んだ少女達3人
!
色んな話をしようよ
!
!
!
158
?
﹁さて。では今朝も言いましたけど、改めて。人絆憑友と言います。
人の絆と書いて人絆、憑依の憑と友と書いて憑友と、難しいかもし
﹂
れませんが、よろしくお願いします。
趣味は⋮﹃英雄石板﹄の鑑賞かな
﹂
それって、世界遺産に登録されている凄く価値のあ
﹁﹃英雄石板﹄⁉
?
!
に話を軌道修正させた。
﹁そう言えば、創世さん達は響ちゃんと何か予定でも
?
﹁んじゃあ、ビッキーは
﹂
しれなかったのか、少しがっかりしていたように見えた。
未来も顔には出さないが、それでもやはり3人同様、寂しいのかも
でも、3人には憑友の第一印象は好評価だった。親孝行者だなと。
それを聞いた3人は少しがっかりしていた。
色々と話をしたいので﹂
さってくれた事には感謝していますが、先ずは母さんと久しぶりに
たら、次いつ会えるのか分からなくなるんで。折角のご招待をして下
今日は久しぶりに母さんが家に帰って来る日なので。そこを逃し
﹁そうなんだ。でも、御免なさい。
けど、そこは敢えてグッと堪え、断りの言葉をかけた。
それを聞いた憑友は今すぐに行きたいと思った。
くて﹂
思って。憑友も一緒に来て欲しいんだ。そこで歓迎パーティーした
実は今から近くのお好み焼き屋の﹁フラワー﹂に行かないかなって
﹁あ、そうだった。
﹂
そう言う会話をしていると、憑友が創世達が話そうとしていた内容
﹁へぇ∼﹂
についたんですけどね⋮﹂
﹁まぁ、父親が勝手に回収してはそれの解読等をしてるんで、自然と身
∼︶﹂↑因みにこれは響の呟きである。
﹁へ、へぇ∼︵そんなに凄いものだったんだ⋮全然、知らなかったよ
それの鑑賞って、凄いよ∼
る逸品だよね⁉
?
﹁ごめん。この後用事が入っちゃってて﹂
?
159
?
﹁また呼び出し
あんた本当にアニメみたいな生き様しちゃって﹂
﹁そっか∼。じゃあしょうがないか⋮また今度誘うね﹂
﹁⋮⋮﹂
その日はそれで終わり、詩織達と未来はそのお好み焼き屋へと向
かっていった。
その時の未来の顔を見て、響は胸が苦しかった。それは憑友も言え
た事だった。
そして、荷物の整理をして、響は自分の不幸さにがくりと肩を落と
して憑友がそんな響の肩に手を置き、同情していたが、すると響が
ハッと何かを思い出したのか、鞄の中を漁り、その中にあったライド
﹂
とキリトのカードを憑友に返却した。
﹁今日からは憑友が持っててよ
﹁翼さん
﹂
ディアンの制服を着ていた翼がいた。
ので、憑友も釣られて顔をその方向を見ると、そこには響と同じリ
そう話していると、響はふと何かを感じ、廊下側のドアの方を見た
﹁うん。それは確かにそうだよね⋮﹂
な﹂
﹁ああ。ありがとな。⋮でも、まさか同部屋になるとは思わなかった
!
ガシィン
その際に、響が﹁なんでぇぇぇ⁉ ﹂とエレベーター内で叫んでい
そしてエレベーターでまた本部の方へと連行された2人であった。
!
そう言われるや、
﹂
ガシィン
﹁へ
!
そして本部へ着くなり、メディカルルームへと連れてこられた2
ーーー
らチョップされていたのであった。
たのは言うまでも無く、その際に憑友から﹁少しは黙れ﹂と言いなが
?
160
?
﹁重要参考人として再び本部の方へご同行願います﹂
?
﹁またかよ⋮﹂
?
人。
そして2人は近くのソファに座らせられるや否や、手錠が外され、
﹁それでは∼
先日のメディカルチェックの結果発表∼♪﹂
了子から前回受けた身体検査の調査結果が行われたのであった。
了子の発言に憑友は溜息交じりで呆れていたが、
﹁︵コーヒー欲しい⋮︶﹂
内心では凄く胃がムカムカしていたのであった。
すると了子は電子画面から響と憑友の身体検査のパラメータらし
・・
き物を画面に出力させ、先に響のパラメータを先に大きくさせた。
如何やら先に響の結果から発表するようだ。
﹁初体験の負荷は若干残ってはいるものの、身体に異常はほぼ見られ
ませんでした∼﹂
⋮何とも呆れた口調だと思った憑友。
る翼に目を向けた。
と言う
﹂
すると翼の首元から赤いクリスタルのような物が出て来た。
﹂
﹁天羽々斬。翼が持つ︽第1号聖遺物︾だ﹂
﹁︽聖遺物︾
﹁︽聖遺物︾ってのは、
﹃英雄石板﹄とよく似た物だと親父から聞いた事
がある。
︽伝承︾や︽伝説︾に出てくる武器や防具の一部の欠片を基に生み出さ
161
それに感づいたのか、了子が指示棒の先っちょで正確に憑友の頭を
叩いた。
ほぼ
それに悶絶する憑友は今回ばかりは相手が悪かったのであった。
それを苦笑いで見ていた響は、了子の発言に会った
言葉が気になっていた。
﹁あはは⋮。でも、ほぼですか⋮﹂
﹂
﹁そうよね。貴方が聞きたいのはそんな事じゃあ無いわよね
﹁教えて下さい。あの力の事を
"
?
"
そう響が聞いてきたので、了子の隣で聞いていた弦十郎は後ろにい
!
すると隣で悶絶していた憑友が話をし出した。
?
れた異端技術の事だって言っていたな。
例えば、アーサー王伝説って言うおとぎ話に出てくる聖剣︽エクス
カリバー︾や、
ケルト神話で有名なアルスターの英雄・クーフーリンが使用してい
た魔槍︽ゲイボルク︾も、
その︽聖遺物︾というカテゴリに分類されているんだ。
分かりやすく言うなら、みんなが知っているようなあまりにも有名
﹂
弦十郎師匠﹂
な武器や防具。その一部の欠片の事を此処の人達は総称して︽聖遺
物︾と呼んでいるだ。⋮でしたよね
﹁概ね正解だ。勉学も怠ってはいないようだな
﹁あそこ迄にムキになって熱く語る親父に言って下さい。毎日軽く小
3時間ノンストップで聞くこちらの身にもなって欲しいものです﹂
それを聞いたこの場の者達は取り敢えず心の中で、
﹃︵お気の毒に⋮︶﹄
﹂
兎に角、概ねの事は先程憑友君が言っていたような物だけど
と、憑友に対して情けをかけていたのは言うまでも無い。
﹁⋮
世界各地の遺跡から発掘されているのよ
まぁ、当然ながら響には、
﹁全然分かりません﹂
﹁だろうね⋮﹂﹁だろうとも⋮﹂﹁だろうと思った⋮﹂
﹁っ
﹂
﹁それじゃあ次は憑友君の番よ∼
﹂
それを見ていた憑友は呆れて、手で頭を押さえていた。
た。
右からあおいさん、藤堯さん、そして霊風の3人が連続でそう言っ
?
﹂
?
﹁ええ。まぁ、色々と紆余曲折な出来事があったものなので⋮﹂
これは流石の憑友君自身も知っているよね
﹁憑友君の場合は、響ちゃんの力とは全く異なる力を持っているの。
おいと藤堯よりも前、弦十郎の右横にやって来て、手摺に腰掛けた。
そう言うと、響は憑友の隣に座り、壁際に突っ立っていた霊風があ
!
162
?
?
そう言うと了子に主導権が握られ、講義をした。
?
!
!
﹁憑友君の力はかつて、この﹃英雄石板﹄に描かれていた時代の頃に、
その﹃英雄石板﹄に刻まれた﹃英雄﹄達と共に邪悪なる根源と言う存
在に立ち向かった者。
通称︽精魂導師︾と呼ばれる者達の力を宿しているのよね∼♪
そして憑友君もそうだけど、此処にいる霊風君もその中の1人だと
思ってくれても構わないわ∼﹂
﹁︽精魂導師︾⋮
⋮まぁ、それは良いとして。
親父から聞いた話の通りですね﹂
﹁そうなの
本来なら先程の話にも出た﹃シンフォギア﹄の力を持った者達にし
か倒す事が出来ない認定特異災害︽ノイズ︾と戦えるもう1つの存在。
﹂
それが︽精魂導師︾なのよ。⋮って言っても、それはもう実感してい
るから分かってるわよね
されていた。
けど、昨夜の件に関してはそれが見受けられなかったの。
一昨日と昨日の間に何が起こったのか、教えてくれるかしら
﹁え、えぇ∼と⋮﹂
﹂
それにより、以前まで貴方に宿っている︽精魂導師︾の力に振り回
だから、貴方の言っていた事は本当になるわ。
やっぱり貴方の心臓は止まっていたわ。
﹁そうなの。
﹁バイタル⋮身体系ですか﹂
﹁問題は、憑友君のバイタルの方なの﹂
すると、了子は本題の方へと入った。
その微妙な空気に皆は苦笑いしかしなかった。翼を除いて。
﹁は、はい。現に昨夜、ボコボコに殴ってましたし⋮﹂
?
友を借りてくぞ。心配するな。別に殺したりとかそんなんじゃなく
﹁悪りぃね。了子さん。此処からは俺の管轄なんだわ。響ちゃん。憑
がいた。
憑友の服が引っ張られたので、憑友はその方を見ると、そこには霊風
了子の気迫に流石の憑友もタジタジに成ろうとなっていたら、急に
?
163
?
てな。これは男と男の会話なんだ。
ちょっと待って⁉
痛いから⁉
首きついから⁉
?
﹂
風鳴のおやっさん。憑友を借りてくから、後はよろしくな﹂
﹁へ⋮へ
?
?
そう言うと霊風は憑友を連れてメディカルルームを後にしたので
あった。
ーーー次回へ続く。
164
?
第11話 不協和音
﹁そうね。⋮貴方と私⋮
﹂
戦いましょうか﹂
﹁⋮ふぇ
それは唐突だった。
後ろでは爆炎が渦巻いている中、翼は響に刃を向けたのであった。
響は思った。何故こんな事になってしまったのかを⋮
それは1、2時間前に遡るのであった。
ーーーーーー
あの後、憑友と霊風がメディカルルームから退室し、今は響と翼、了
子と弦十郎、藤堯とあおいさんの6人しかいなかった。
そして響は何故、自分に﹃シンフォギア﹄が纏えたのか疑問をぶつ
けた。
本来ならば、
﹃シンフォギア﹄を纏いし者︽適合者︾には、翼が身に
つけている︽︽聖遺物の欠片︾が入っているペンダント︾が何よりも必
要な筈。だが、響にはそれを持っていない。
﹂
それなのに、何故纏う事が出来たのか未だに分かってはいなかっ
た。
すると了子は画面にある画像を写した。
響はそれを見て、何かを感じた。
自分の身体内部のレントゲン写真だった。
すると弦十郎から話を切り出して来た。
﹁これが何なのか、君にはわかる筈だ﹂
それを聞いた響は確かに身に覚えがあった。
﹁あ、はい。2年前の怪我です。私と憑友もあの場所にいました
それを聞いた翼は目を見開く。
すると、了子が重大な事実を翼に告げた。
!
165
?
﹁心臓付近に食い込んでいる為、手術でも摘出不可能な無数の破片。
調査の結果⋮これはかつて、奏ちゃんが身に纏っていた︽聖遺物・
﹂
ガングニール︾の砕けた破片の欠片である事が判明したわ﹂
﹁‼
片翼
その事実に翼は驚愕し、そのまま顔を手で覆いながら部屋を後にし
てしまった。
かつては自分の隣で戦っていた奏。
しかし、あのライブでの悲劇後に、奏が生き返ると同時にその聖遺
女の子
物のペンダントは砂塵となり消滅した。
そして今ではそれが、見ず知らずの響に譲渡された形で現れた事に
翼は眩暈や吐き気に襲われたのであった⋮
﹂
そして翼が退室したと同時に、響は弦十郎にある事を聞いてみる事
にした。
如何した
﹁あの⋮﹂
﹁ん
彼等の一家になら、話しても大丈夫だ。俺が保証しよう。
幸いなのは、彼⋮憑友の家族はその事を知っている事だ。
だから、公に公表する事が出来ないんだ。
フォギア︾と同じで特殊な力を持っているんだ。
霊 風 や 憑 友 君 達 も 同 様 の 事 は 言 え る ん だ。︽精 魂 導 師︾も、︽シ ン
ら、君の周りにいる人達にも危害を加え兼ねない。
﹁⋮君が︽シンフォギア︾の力を持っている事を他の誰かに知れ渡った
だが、現実は甘くは無かった。
たから。
もし、この事を誰かに話せたら、少しは気が楽になるのかなと思っ
大切な親友だからこそ、彼女は本当に心苦しかったのだ。
現に、未来に対して響は嘘をついた。
自分が特異災害である︽ノイズ︾を倒せる存在である事を。
響は心苦しかった。
﹁この力の事を⋮他の誰かに言っては駄目なのでしょうか⋮﹂
?
ただ、それ以外の場合だと、下手をすれば命に関わる事にもなり兼
166
?
?
ねない﹂
﹁命に⋮関わる⋮
﹂
⋮﹂
られる羽目になる事を知ってしまったのであった。
﹁俺達が守りたいのは機密では無い。人の命だ。
?
特異災害対策機動部二課
として改めて協力を要請した
もう1つは憑友や霊風が変身する︽精魂導師︾の力だけしか︽ノイ
1つは︽シンフォギア︾を纏いし戦姫と、
ただ2つを除いてそれはその限りでは無い。
る。
触れるという事は=人が炭となって消えるという事を意味してい
即ち
﹁人類は︽ノイズ︾には打ち勝てない。それに触れる事も出来ない。
それは響にとってはあまりにも辛い現実だった。
うだい﹂
﹁貴方に秘められた力はそれだけ大きな物だという事を分かってちょ
その為にも、この事は隠し通してはくれないだろうか
﹂
それにプラスで、最悪の場合、憑友がモルモットのような生活を送
もし公表でもしたら、憑友の周りの人達は勿論だが、
い。
確かに憑友はこの場所以外で自分が死んでいる事を公表していな
そこで響はふと思い出した。
﹁憑友も⋮
位置に奴はいるんだ﹂
憑友はそれにプラスして、自分にまで悪影響を及ぼし兼ねない立ち
いる事に繋がり兼ね無いんだ。
いと言っていた。けど、それを実行すれば、今の響君がやろうとして
憑友も本来なら今の自分の状態を君の親友にありのままに話した
﹁響君の気持ちも分からなくは無いが、如何か我慢してくれ。
死んでしまうんじゃ無いのかと。
未来の事を、大切な親友がもしかしたら自分の所為で最悪の場合、
そこで響はふとフラッシュバックが発生する。
!
ズ︾に対処する事が出来ないんだ﹂
﹁日本政府
"
167
!
"
⋮なんで憑友の名前が出てくるんですか
﹂
い。本当なら君の前にまず憑友に言わなければならないのだが⋮﹂
﹁え
響の疑問に弦十郎はこう答えた。
すると藤堯が、
﹁ノイズの出現を確認
﹂
友と霊風もそこにいた。
そして着いた時にはそこには弦十郎達と今まで何処にいたのか、憑
それを感じた2人は急いでブリーフィングルームへと向かった。
すると突然、照明が暗くなると同時にアラームが鳴り響く。
けれどそれでも翼は聞く耳を立てる事は無かった。
その後、翼の所へ赴いた響は今の自分の事を話した。
出る決意をした。
誰かを助けられる事に誇りを持っても良いと2人に示唆され、戦場に
しかし、それでも響は自らが宿した力に向き合い、そしてこの力で
に気が付いた様だった。
弦十郎の話を聞いた響は憑友が自分や未来の事を気遣っている事
らして欲しかったんだろう﹂
だろう。君や親友達には︽ノイズ︾達が蔓延る世の中でも、平和で暮
いと自談していた。本当は自分1人で事の対処に当たりたかったん
﹁あいつ⋮憑友は君や君の親友に対する感情の起伏があまりにも激し
?
所にノイズが現れた。
それを見た翼は急いで現場に急行し、霊風も慌てて後を追う。
それに釣られて響も後を追おうとすると憑友に肩を握られ、抑え込
﹂
まれていた。
離して
﹂
それに、憑友と
もしかしたら、今日でお前の命が無くなるんだぞ
今は自分の力を信じたいだけ
﹂
!
﹁
﹁良いのかよ
﹁そんなの関係無い
同じように⋮﹂
﹁命を粗末にするんじゃねえ‼
!
その一言で、響と周りのスタッフ達は憑友の方へと振り向く。
?
!
168
?
と言っていた。そして座標を見てみると、此処からそう遠く無い場
!
!
!
!
﹁⋮
⋮ごめん﹂
そう言うと憑友は響の肩に乗っけていた手をどかした。
﹂
﹁⋮こっちこそ御免。⋮でも、私に宿ったこの力で誰かを助けられる
⋮誰かを守られるんだったら⋮
かこの場を脱したのであった。
すると、響が翼の方へとやって来て話をし始めた。
﹁翼さ∼ん
﹂
だから、
その後、ノイズを相手に苦戦を強いられた2人に加勢して、なんと
ーーー
そう言うと響は翼や霊風の後を追っていた。
!
私、今はまだ足手まといですけれど、一生懸命頑張ります
一緒に戦って下さい
!
!
うとした。だが、身動きが取れなかった
影縫い⋮だと⁉
﹂
込んでいた短剣が影に刺さっていたのだ
﹁⁉
戦いましょうか﹂
﹁そうね⋮貴方と私⋮
すると翼は響に対してこう告げた。
い。相当深く刺し込んでいた。
霊風は翼に文句を言おうとするも、思うように口が大きく開かな
!
なんでだと思い、後ろを振り返ると、そこには翼がいつの間にか仕
!
それを聞いた霊風はこれで少しは大丈夫かなと思って足を動かそ
!
?
169
!
?
﹁⋮え
﹂
だったら⋮如何して⋮﹂
﹂
纏うのであれば⋮
!
﹂
!
何
を受け継いでいるの‼
﹂
?
奏の⋮
﹂
奏の
﹁⁉
"
﹁覚悟を持たずに遊び半分で戦場に来た貴方に⋮
そしてある場所で止まるや、
それを聞いた翼は刃を向けるのを止め、響から離れていく。
それこそ全然分かりません
分かってないのに構えろだなんて⋮
私、アームドギアなんて分かりません。
﹁か、覚悟とかそんな⋮
あまりにも無茶苦茶な発言で、響は頭の中がパニクっていた。
胸の覚悟を構えてごらんなさい
﹂
貴方は何者をも貫き通す一振り︽ガングニール︾のシンフォギアを
﹁それは常在戦場の意思の体現。
翼の発言で少し怯える響。
⋮貴方もアームドギアを構えなさい﹂
﹃風鳴翼﹄が許せるはずが無い。
力を合わせ、共に戦う事など⋮
﹁私は貴方を受け入れられない。
そう言うと翼は響にこう告げた。
﹁え
﹁私が貴方と戦いたいからよ﹂
﹁⁉
﹁分かっているわそんな事﹂
私は翼さんと霊風さん。それに憑友君と共に立ちm⋮﹂
﹁え、そ、そう言う意味じゃなくてですね⋮
響は何が起こっているのか分からなくなった。
それが冒頭の部分であった。
すると翼は響に刃を向けたのであった。
?
"
170
?
?
?
その一言で響は怯む。
響ちゃん
そこから離れろ‼
﹂
それを見た霊風は急いで響に示唆する。
﹁
?
蹴りながら響に特攻した
ー天ノ逆鱗ー
﹂
﹁はぁぁぁぁ
﹁⁉
﹂
﹃protection
﹄
万事急すと思ったその時、
!
ら刃はあまりにもでかい剣に成り、翼はそのままその剣の柄の部分を
しかし、それよりも先に翼が持っていた刃を天に投げるや、そこか
!
!
!
!
装を纏い、左手に金の穂先が付いた槍らしき物を持った憑友が右手で
響はその声により目を開けると、そこには、白と青を基調とした服
?
桜色の魔法陣らしき物で防いでいたのであった
171
!
第12話 会合
翼が響に刃を向ける数時間前にまた遡る。
ーーー
憑友は霊風によりメディカルルームから強制退室され、現在憑友は
霊風によりまだ引き摺られていた。
流石にもう何度言っても言う事を聞いてくれないのを見たのか、憑
友は離してくれる事が無いと思い諦めた。
そんな憑友を引き摺ってきた霊風はとある一室へと足を運んでい
た。
突然、足を止めた霊風に憑友がその扉の上に、
﹃霊風の部屋﹄と堂々と書かれていたので、冷や汗をかいていた。
すると、
﹁入れ﹂
﹂
止めきれないと分かってしまった。そしたら、憑友のカードケースか
﹂
ら1枚のカードが勝手に出て来ては具現化するなり、
﹁2人とも⋮O☆HA☆NA☆SIしようか
?
172
霊風の発言で、お邪魔する事になった。
そして部屋に入るや否や、
辺りを見渡す霊風。そして部屋の一室にあるベットの毛布を払っ
た。
するとそこには、
﹂
﹁⋮あ﹂
﹁は
拠していた。
﹁いや∼。偶には良いかな∼ってな
﹂
?
!
こっちの事も考えろ、駄肉‼
!
それ
﹁開き直るな
﹁何だよ
!
そう言うなり、2人が喧嘩しようとしていた。憑友は止めようにも
!
﹂
なんともあまりにもラフ過ぎる格好をした奏が霊風のベットを占
﹁何やってんだよ⋮奏﹂
?
﹁﹁⁉
﹂﹂
﹁あ、なのはさん⋮﹂
そこから現れた女性・なのはの言葉で物の見事に2人は喧嘩を辞め
た。
その時の2人は後にこう語った。
﹃あの女性の後ろに魔王の気配を感じた⋮﹄と。
そして、そんないざこざが有りつつも、現在は奏にラフ過ぎる格好
からパーカーを羽織らせた事で一応落ち着き、そして話の本題へと話
を進めた。
因みにテーブルを挟んで、
霊風 奏
テーブル
憑友
この様に座っていた。
﹁さて、先ずは先の健康診断はまぁ、大丈夫だと言う事は大いに分かっ
たから。今回はこの話は無し。
本題は、今現在、俺達が所有している﹃英雄﹄の力を宿したカード
︻ヒーローカード︼が幾つあるのかをお互い確認したくてあの時、連れ
て来させたんだ。
﹂
私はこう見えて、あんたが回収した石板
⋮まあ、此処に関係無い奴が1人⋮﹂
﹁それは酷いんじゃねえ⁉
の解析をやってるんだから、参加する権利はあるっての
﹂
か
﹁お前さん⋮憑友は、カードでも、英雄達の魂を呼び出す事は知ってる
それに釣られて憑友も霊風と同じ事をした。
カードを全て取り出した。
そう言うと、霊風は腰に備わっていたカードケースを手に持って、
ないので﹂
﹁まあまあ。落ち着いて下さい。奏さん。俺は別に居て貰っても構わ
!
?
﹁なら、始めるぞ﹂
⋮うん、まぁ。多少なりですけど知ってます﹂
﹁え
?
173
?
?
そう言うと、2人は共にカードの裏面にあったマークをタッチし
て、それを全て表向きにしてカードを並べる。
﹄
﹄
ん
そして全て置いた時、カード上からホログラムが現れ、そこにはた
﹄
くさんの人達がカードの上に現れたのだ。
燃えてきたぞーー
﹃はぁ∼⋮良く寝た⋮﹄
﹃よっしゃあ
﹃にゃははは⋮。あ、さっきはごめんね☆﹄
﹃貴方、一体何をしたのよ⋮﹄
ミドリ⁉
俺と関係ある奴いねぇじゃねえかよ‼
﹃なんか良く分かんねぇな⋮こんな状況になn﹃あ、アカネ ﹄ん
お
﹃ったく、何だよ
先ずは憑友の方のカード達からで、
﹄
最初は全身黒のコーデをした青年からだった。
﹃先ずは俺からか。俺の名はキリト。
皆からそう呼ばれてる。憑友に剣術を教えてる。宜しくな﹄
﹄
貴殿とまたお会い出来た事に、某は熱く燃え滾
俺は別に関係無いな⋮﹄
﹃まあまあ。でも、楽しそうだよね。ソウル♪﹄
﹃そうか
政宗殿
﹃うぉぉぉ
ピカチュウ
﹄
そうじゃなけりゃ俺のrivalじゃねえからな‼
﹄
りますぞ‼
﹃OKOK
﹄
﹃何だかワクワクして来たな
﹃ピカチュウ
﹃⋮そうだな﹄
﹃お前、其れだけかよ⋮﹄
﹃でも、意外といけますね﹄
﹃⋮な、何だか怖いです⋮﹄
収集つかないじゃないの、これ⁉
⋮取り敢えず一言。
﹃ちょっと
?
?
!
﹃あはは⋮。色々な人が居るんだな⋮﹄
!
⋮混沌になったな⋮これ⋮。
カオス
!
174
!
そう思いつつも、皆は其々自己紹介を簡単にした。
?
!
?
!
?
!
!
?
?
!
!
!
﹄
次に自己紹介したのは、ピンク髪でマフラーを巻いていた青年だっ
た。
宜しくな
﹃俺はナツ・ドラグニル
ドラゴンスレイヤー
炎の滅竜魔導士だ
﹃OK
次は俺の番だな。
そう言うと今度は三日月の兜を被った男が前に出て喋った。
ど、彼の師匠になった覚えは無いからそのつもりで﹄
﹃暁 美 ほ む ら。憑 友 に 護 身 用 と し て 銃 に 関 す る い ろ は を 教 え て る け
すると今度は白と紫の服を着ていた女の子が話しかけてきた。
﹃俺の名はアカネ。そこに居るミドリとは一応幼馴染だ。宜しくな﹄
すると今度は赤髪の少年が喋りだした。
﹁﹁︵いや、其れを言われても分かりませんから⋮︶﹂﹂と。
ではこう思った。
その時の霊風と奏︵さっきなのはにこっ酷く怒られた2人︶は内心
其れが悩みです。宜しくね♪﹄
言うのは良いけど、この姿って、
﹃魔法少女﹄のカテゴリに入るのか、
高町なのはと言います。こう見えて魔法少女やってます。⋮って
﹃次は私だね。
存在だった。
そう言うと今度は白と青の服装をして、先程2人をこっ酷く叱った
!
!
lの関係だ。宜しく頼むぜ、maybe
﹄
そう言うと最後は待ってましたと言わんばかりの少年と1匹の兎
後は何も無い。其れだけだ﹄
﹃エレン・イェーガー。其れが俺の名だ。
の軍に所属しているかのような服装をしていた。
そう言うと続け様に1人の青年が話しかけて来た。格好は何処か
こう見えて料理は得意なんだ。宜しくな﹄
俺の名はルドガー・ウィル・クルスニク。
﹃あはは⋮と、次は俺だな。
すると今度はこの中で異彩を放つ青年が喋りだした。
?
175
!
俺の名は奥州筆頭 伊達政宗。そこに居る真田幸村とはriva
!
﹄
こっちは相棒のピカチュウ
っぽい奴が喋りだした。
﹃俺、サトシ
﹃ピカピカチュウ
﹄
アカネとは同じ世界出身で、幼馴染なんだ♪宜
﹃んじゃ、先ずは私からだね
﹄
私の名前はミドリ
しくね
!
のコンビだった。
﹄
﹃私は鎌職人のマカ=アルバーン。んで、こっちは相棒のソウル
﹃ソウル=イーターだ。クールに行こうぜ
﹃これから宜しくね﹄
そう言うと今度は眼鏡と白いローブを羽織った青年だった。
!
に分類されている。因みにほむらも﹃魔法少女﹄だからな。
﹃私は佐倉杏子。そこにいるほむらとは同じ世界出身で、﹃魔法少女﹄
そう言うと今度は赤髪の女の子が話をし出した。
この中では屈指の参謀役を担っています。宜しくお願いしますね﹄
ギルマスをしていました。
住んでいた世界ではギルド︽記録の地平線ーログ・ホライズンー︾の
初めまして、付与術師︽エンチャンター︾のシロエと言います。
﹃えっと、次は僕ですね。
﹄
すると今度はツインテールの女の子とギザギザヘアの頭の男の子
そんな訳で、宜しくな﹄
には行かないからな。
真名を聞きたければ、其れなりの実力を見せてくれないと教える訳
﹃俺の名はランサー。まっ、これは偽名だけどな。
身青タイツの男だった。
そう言うと次はやっとかと言わんばかりの雰囲気を出していた全
!
!
最初は、緑のパーカーを着た女の子からだった。
すると今度は霊風のメンバーから自己紹介をして来た。
其れを見ていた憑友は苦笑いしていたのは言うまでも無かった。
実はサトシと名乗った少年と憑友の声が似ていたからであった。
そのサトシと名乗った少年に霊風と奏の2人は目を見開いた。
!
?
176
!
!
?
宜しくな﹄
すると次はなんとも熱苦しい熱気をホログラムになっても発揮さ
せている男が話しかけて来た。
﹃某は真田源次郎幸村
﹄
?
ただ、金髪の方の腰に鞭があったので、憑友は
﹁︵まさか、ドSの女王様なのか⋮﹂
言っている事がダダ漏れしてるから
そう感じていた⋮が、
﹃はいそこ
完全に聞かれていたようだった。
!
ナツとは同じギルドの仲間なのよ。
﹃はぁ。⋮兎に角。自己紹介から先よね。
私ルーシィ
﹄
すると今度は金髪の女性と青髪の女の子が前に出た。
言わんばかりに首を縦に振っていたのは言うまでも無かった。
いたのかも﹂と言っていたが、所持している側の霊風はその通りだと
因みにその際に憑友は﹁緒川さんがキャラ崩壊したら、こうなって
もありますので、何卒宜しくお願いします‼
其方の仲間である政宗殿とは生涯屈指の好敵手として、相見える事
!
入って来て数分後に翼と響も漸く来た。
いた。
そして着いた時にはそこには弦十郎が被害の状況に苦虫を噛んで
それを感じた2人は急いでブリーフィングルームへと向かった。
すると突然、照明が暗くなると同時にアラームが鳴り響く。
上がっていた。
その後は、英雄達をカードケースの中に戻しながら、雑談話で盛り
その後、霊風や憑友達も英雄達に自己紹介をしたのであった。
取り敢えずは此処にいる全員は自己紹介を終えた。
﹃えっと⋮お願いします⋮﹄
大事な友達を探しているの﹄
んで、こっちの少女はレヴィアタン。
!
177
!
すると藤堯が、
﹁ノイズの出現を確認
﹂
と言っていた。そして座標を見てみると、此処からそう遠く無い場
所にノイズが現れた。
それを見た翼は急いで現場に急行し、霊風も慌てて後を追う。
⋮ごめん﹂
﹂
それに釣られて響も後を追おうとすると憑友に肩を握られ、抑え込
﹂
今は自分の力を信じたいだけ
それに、憑友と
もしかしたら、今日でお前の命が無くなるんだぞ
﹂
まれていた。
離して
﹁⋮
!
﹁
﹁良いのかよ
﹁そんなの関係無い
同じように⋮﹂
﹁命を粗末にするんじゃねえ‼
!
その一言で、響と周りのスタッフ達は憑友の方へと振り向く。
?
!
﹂
!
結局、あいつは人助けをする事に生き甲斐を持っていましたから﹂
﹁分かっています⋮とは言えないかな。
ければいけないんだ﹂
﹁辛いだろうが、響君の決めた事なんだ。自分の運命は自分で決めな
した。
すると、それを見たのか。弦十郎が憑友の肩に手を置きそして話を
にも激しく感じていた。
今の今まではそんな事はしなかった。なのに、感情の起伏があまり
生まれて初めて響に怒りを孕んだ声を出したのは。
その場に残ってしまった憑友はひどく落ち込んでいた。
ーーー
そう言うと響は翼や霊風の後を追っていた。
⋮誰かを守られるんだったら⋮
﹁⋮こっちこそ御免。⋮でも、私に宿ったこの力で誰かを助けられる
そう言うと憑友は響の肩に乗っけていた手をどかした。
!
⋮これは
﹂
それを見た弦十郎は1枚の物を憑友に手渡す。
﹁
?
178
!
!
!
!
?
﹁これは調査の結果、﹃英雄石板﹄である事が判明した物だ。
此処の創設時に地層深くに埋まれていたんだ。これを君に託す﹂
そう言われ、憑友は弦十郎から1枚の英雄石板を受け取るや、近く
のソファで解析し、そしてライドと共に解析した結果、僅か1分で解
析完了して即座に詠唱を始めた。
﹁⋮詠唱開始。
﹃その者は、︽憤怒︾の怒りで国を1つ滅ぼし、罪人となった。
だが、それは同時にその者を聖なる騎士へと成りあげた。
その者の身体には︽魔神︾の力を宿しながらも、その力で︽魔神︾を
葬りさらん。
己に持ちし︽反撃︾の力と、その︽獄炎︾の黒き炎にて、その者は
守り続けん⋮
大事な存在の生き写しである姫君を守る為に⋮﹄﹂
すると﹃英雄石板﹄が光り輝くや、そこから1枚のカードが現れた。
石板﹄だけしか残っておらず、
憑友の姿を見失っていたのであった。
ーーー
そしてノイズが倒され、響は安堵するも、翼に刃を向けられていた
その頃、憑友は急いでライド左腕に装着し、腰のカードケースから一
フォーム、ナノハ‼
ー
枚のカードを取り出し、アブソーバーに装填して、レバーを引いた。
ーライド
!
?
179
そこには金髪で、少し小さいながらもその身体から大きなオーラを
﹂
宿した少年のイラストが描かれていた。
ド ラ ゴ ン・シ ン
﹁︻憤怒の罪 メリオダス︼⋮
場面だった⋮
﹂
を仕込まれていたので
"
憑友は何処いった⁉
しかもご丁寧に霊風は翼により
こんな時に限って⋮⁉
あった。
﹁っく
?
影縫い
そこには、ノイズを倒した形跡と同時に、翼が響に刃を向けていた
憑友がそう呟いていると、弦十郎が慌てていた。
!
?
"
!
弦十郎が止めに行こうとした時にソファをみると、そこには﹃英雄
!
ー
そして走りながらその英雄の魂を纏った。
ー不屈の心、エース・オブ・エース
すると憑友は軽く跳躍するとなんと足の踝辺りから翼が生え、その
﹂
まま飛行したのだ
﹁飛ばす⋮
!
特攻を仕掛けていた。
ー天ノ逆鱗ー
その技を使用し、響に襲いかかろうとしていたのだ
其れを見た憑友は響と翼に入るや右手を前方に突き出した
﹂
﹃protection.﹄
﹁はぁぁぁぁ‼
﹂
て、今度は憑友に刃を向けた。
﹁貴方は私の邪魔をしたいの
﹂
﹁⋮じゃねえよ﹂
﹁
﹁そんなんじゃねえって言ってるんだよ
なんで協力してノイズに立ち向かわない
﹁彼女に⋮立花響に⋮奏の⋮
﹂
﹂
奏の何を受け継いでいるのか、確かめるだけよ
﹁嘘つき‼
幼馴染
響は自分が本気で殺されそうになったと初めて気付き、息遣いが荒
!
お前⋮俺の眼の前で人を、其れも⋮
﹄
!
!
?
大切な響を平気で殺そうとしていただろうが
﹃⁉
﹂
そして巨大な剣は粒子となって消え、翼は新しい刀を腰から出し
た事に。
自分の身の丈を優に越す巨大な剣を魔法陣らしき物体で止められ
そして其れは受け止められ、翼は目を見開いていた。
?
!
!
翼が刀を投げ、その刀が大きくなるや、翼がその刀に蹴りを加えて
そう言うと響の元へと急行した憑友は状況を目の当たりにした。
!
?
その一言で、皆は驚愕した。
?
180
!
!
?
くなり、過呼吸になろうとしていた。
其れを見た霊風は力づくで、影縫いの束縛から解放するなり、響に
寄り添い、手当をする。
﹁すみません。霊風先輩。
響の事、お願いします⋮﹂
﹁⋮分かった。あいつの目を覚ましてくれ﹂
そう言うと霊風は被害に遭わないように少し遠くの場所まで行っ
た。
憑友は其れを見届けると、翼の方へと向き直り、話を続けた。
﹁俺はあんたを許さない。
﹂
例え、神様、仏様、奏様が許しても⋮
俺はあんたを許さない
そう言うと憑友は一枚のカードを取り出した。
!
そこには先程解読に成功したばかりのカードがそこにあった。
﹂
﹁俺の怒りは︽憤怒︾し、そして⋮国を滅ぼす⋮
タイマンやろうぜ⋮SAKIMORIさん
?
そこにはもう怒りに狂った憑友と刃を向けていた翼しかいなかっ
た。
次回へ続く。
181
!
第13話 防人VS炎/ルームシェア
その宣言と同時に、2人は身を構える。
﹁行くぜ、ライドさん。試運転だけど付き合えよ
﹁⋮はい﹂
よ﹂
﹄
ト
ド ラ ゴ ン・シ ン
﹂
自分から手を出すタイプじゃない事を分かった上で、使用してくれ
﹁俺の力は相手の攻撃をそのまま跳ね返す力だ。
﹁貴方の力⋮お借りします。憤怒の罪﹂
憑友の後ろにやってきた。
そう言うと憑友が所持していたカードから1人の男が霊体となり、
⋮﹂
もう二度と目の前で大切な存在が命を散らすのを見たくないから
ヒ
﹁ああ。だから、立ち向かわないといけないんだ⋮
かってるだろ
﹃⋮ あ ま り 感 情 に 身 を 委 ね る な よ。憑 友。彼 女 は 屈 指 の 実 力 者。分
?
ー
そう言うと霊体はカードの中へと入り、憑友はそのカードをアブ
ソーバーに装填し、
﹁変身⋮﹂
フォーム⋮メリオダス‼
?
レバーを引いた。
ーライド
憤怒のドラゴン‼
憑友は其れを纏った。
ー七つの大罪
ー
?
それは、剣なのに⋮刃が折れていたのだ。
・・・・・・・
すると、憑友はその装飾品を引き抜くと、翼は凝視した。
に。
背中に携えているという事は、剣に分類される何かがあると言う事
翼は目にしていた。憑友の背中に龍をあしらった装飾品を。
其れを見た翼は刃を構えた。
そこには先程の魂の姿と同じ姿をした憑友がそこにいた。
!
182
?
すると、そこから黒のチョッキを羽織った金髪の少年の魂が現れ、
!
﹁っな⁉
⋮っく
何の事だ
り
私を侮辱するつもりか
合
う
刃折れの剣
﹂
・・・・
と言う所かな。
これはこの英雄の持ち物に過ぎない。
強いて言うなら⋮
や
!
ねえぞ
そう言うと憑友は刃を後方にして、武器を構えた⋮
﹂
!
から雷の斬撃を放った
ー蒼ノ一閃ー
がいたが、刃から物凄いオーラを纏っていた
﹂何⁉
‼
﹂
﹂
その行動で、翼が少し怯んだ。
﹁﹁その判断が命取りだ
リミット・カウンター
限 反 撃
?
!
!
するとその刃を振りかぶった
﹁
?
こんなもんかよ
?
賢明な判断だった。
﹁如何した
﹂
其れを見た翼は咄嗟に刀で防御する⋮
何とその一振りで大地が抉れたのだ
"
降り注ぐ⋮
すると翼は上空へと跳ぶと、そこから大量の光の刃を憑友に向けて
!
すると、砂煙が露散するや、そこにはやはりダメージを受けた憑友
友は其れを真面に受けたと言う事に。
振りの速度を落として、スピードを緩めたにも関わらず、奴は⋮憑
其れを見た翼は目を見開く。
しかし、その攻撃を憑友はそのまま受け、砂煙が舞った。
!
其れにより翼は苛立ちが募ったのか、刀から両手剣へと変え、そこ
!
其れに俺はこの剣であんたのそのプライドをへし折ってやる
剣
あんたとタイマンしようとは言ったが、殺しあうとは一言も言って
"
﹁侮辱
!
?
?
が過ちだったという事をこの時はまだ知らなかった。
流石のこの数では防ぎきれまいと思っていた翼だが、その判断こそ
すると今度は自分の前に剣を構える憑友。
ー千ノ落涙ー
!
183
"
?
?
憑友の挑発に翼はまんまと引っかかる。
?
!
!
"
フルドライブ‼
ー
すると憑友はアブソーバーについているドライブボタンを叩いた。
ーライド・メリオダス
?
た。
そして着地した翼は驚愕した。
何と剣を構えてはいなかったのだ⋮
つまり、あの猛攻をノーガードで受けたのだ⋮
すると憑友が喋った。
﹂
﹂
﹁全て受ける事により、この技は威力を増さん。
これが俺の⋮
うわぁぁぁぁぁ‼
︽リベンジ・カウンタァァァァァ︾‼
﹁⁉
﹁⁉
リベンジ・カウンター
な、何を⁉
﹂
手を差し伸べてきたのだ
するとそんな翼の所へ憑友が変身を解除してやって来るなり、翼に
あの時の判断ミスでこうなってしまったのか、と。
翼はこの時、思った⋮
を吸収、最大まで溜めきった後に最大級の一撃を放つ技。
自分自身に数多の敵の攻撃をノーガードで受ける事により、その力
憑友が現在憑依させている相手・メリオダスの最強反撃技。
"
立ち続けていた憑友がそこに居たのであった⋮
出しにされ、地面に完全に地に伏した翼と、ボロボロの状態ながらも
そしてそこには、アスファルトで固められていた道路が完全に剥き
れに耐え切れなかったのか、強制解除された。
憑友が放った一閃で、翼はものの見事にくらい、シンフォギアも其
?
!
!
其れを真面に受けた憑友。しかし、彼から異質なオーラを纏ってい
そう言うと同時に翼の技が憑友に襲いかかった。
!
?
!
貴方も体感しましたよね。俺の怒りの炎。
﹁これに懲りて、俺の幼馴染を傷付けないで下さい。
?
184
?
"
?
今回は﹃英雄﹄の皆さんに宥められて抑え込まれましたけど、
次は容赦しません。其れだけは分かって下さい﹂
﹁彼奴⋮響にはまだ覚悟が出来てません。アームドギアが出せる訳無
いじゃないですか。
もしかしたら、彼奴の手には武器を持たない方が良いのかもしれま
せんけどね﹂
﹁⋮其れでも、私はまだあの子に心を開くつもりは無いわ⋮﹂
﹁其れで良いんです。今は其れで﹂
そう言うと更に手を差し伸べて来た。
其れを見た翼は手を出し、そして憑友に引っ張られる形で立ち上
がったのであった。
その後、憑友が霊風や奏にこの事を伝えられ、翼はその話を聞いた
2人にみっちりと扱かれたそうな。
一方の響はと言うと、過呼吸の影響もあって、心配していたが、何
さっきまで避難警報発令していたん
?
よく考えてみれば、警報は確かに発令していたなと思い出していた。
185
とか元に戻る事が出来た様だった。
その後、今回の任務は終了し、皆は其々の住む場所へと帰宅した。
ーーーーー
そして、憑友は現在響が住む寮部屋へとやって来た。
因みにその際に通信越しだが、母親と久方ぶりの会話をした。
相も変わらず元気にやっていたのでホッとしていたが、毎回電話に
出る時は決まって当の2人はイチャラブ状態だったので、
﹁︵何でいつもイチャラブ状態の時に電話するんだろう、俺って⋮︶﹂
と、憑友の内心がそう思っていた。
そして響の部屋へとやって来るなり、響は﹁ただいま∼﹂
今まで何してたの⁉
と、疲れきった声を上げていたので、憑友が冷や汗を掻いてると、
﹂
﹁あ、響
だよ
!
と、未来がばっちり起きていた事に憑友は内心惚けていたが、よく
!
すると未来が憑友の顔を見て、
﹁憑友も憑友で、かなり長い時間ジャンヌさんと話していたんだね﹂
と示唆された。
其れを聞いた憑友は放課後そう言っていたなと思い出していた。
俺に荷物
﹂
﹁そう言えば、夕方頃に配達員の人が来たよ。憑友のお荷物だって﹂
﹁
﹁でも、課題もあるから、やれなくない
﹂
﹁良し。これで、何時でも﹃英雄石板﹄の解析が出来る﹂
﹁おぉ∼。凄いですな∼﹂
隅っこに自分の重要スペースを組み立てたのであった。
其れを見た憑友は早速準備に取り掛かって、あっという間に部屋の
更に2枚のカードが一緒に入っていた。
置いてあった物と同じ機材、
内心そう言いつつ、中身を開けてみると、パソコンや、奏の部屋に
何を入れてきたのやら⋮︶﹂
﹁︵間違いなく、俺のだよな⋮。
そこには憑友の義姉が描いたであろう絵が描かれていた。
た。
そう言うと部屋へと招かれるや、そこに一つだけ段ボールがあっ
?
半分だけ刻まれていた。
そして、そのカードの左側に先程見たカードとよく似たマークが左
かれており、そこには金色に輝く剣が携えられていた。
もう一つは金の癖っ毛のついた髪に青いドレスを纏った女性が描
マークらしきものが半分だけ刻まれていた。
ており、手には双剣のような物を持っていた。そして右側には何かの
1つは赤い髪の青年で、顔にフェイスペイントらしきものが刻まれ
く見た。
そう言いつつも、憑友は段ボール箱の中にあった2枚のカードをよ
まぁ、音楽や体育、家庭科の方は実技だから、何とかしないとな﹂
だから。後は出力させて、提出すればそれだけで良いみたいだしな。
﹁そこは抜かりは無い。このパソコンで課題をする事も出来るみたい
?
186
?
﹁︻剣製の魔術師 衛宮士郎︼と︻剣の英霊 セイバー︼
兎に角、明日も早いし寝ますかね∼﹂
あれ
未来は
﹂
そう言うと寝ようとしたのだが、
﹁
?
?
たのだが、探してもいなかった。すると、
﹁此処にいるけど
﹂
﹂
﹁なんで上にいる
なんと上で響と一緒に寝ていたのであった
﹂
何で上で寝ているのか聞こうとしたら、
﹁何時もこんな感じだよ
﹁えぇ∼⋮﹂
⋮はい⁉
いやちょっと未来さん
﹁だから、下の方使って良いからね♪﹂
﹁え
?
事になったのであった。
!
﹁あんたから聞いて会得したあの⋮
影縫い
だったか。
そこには1人の女と1人の青年が話をしていた。
一方、とある山間部の邸宅。
ーーーーーー
そう言うと憑友も明日の為に寝たのであった。
﹁これからが楽しみになりそうだな⋮
﹂
其れを見た憑友は溜め息交じりで手を抑えつつ、結局その案を呑む
2人共ぐっすりと寝ていた。
響はまだしも、未来もよっぽど疲れていたのだろうか。
何故ならそこには2人の寝顔があったから。
ベットの上に上がって猛抗議しようかと思ったのだが、諦めた。
未 来 の カ ミ ン グ ア ウ ト に 憑 友 は 敢 え て は っ き り と 言 お う と し て、
幾らなん⋮でも⋮って﹂
響があっさりと言ってきたので、憑友は冷や汗をかいた。
?
!
二段ベットの下は未来が使用していると響と未来本人が言ってい
?
?
?
"
﹁そう⋮さて、そんな事の為に呼んだんじゃ無いから、本題の方へと始
された﹂
あれは大いに役に立った。お陰でアーチャーの力を最大限に発揮
"
187
?
めましょうか﹂
﹁⋮そうだな﹂
2人が話を進めようとした時、ふと扉の音が聞こえてきたので、2
ロック義兄ぃ
﹂
人は警戒するが、すぐに解除した。
﹁⁉
!
まっていた。
何故なら、クリスの姿があまりにもアレだったから⋮⁉
何だよ⋮これ
﹂
?
﹂
いのか⁉
////﹂
⋮⁉
﹁は
﹁へ、変態兄貴‼
﹂
﹁お前に言われたく無い‼
?
﹁言われなくても着るっての‼
﹂
さっさと服着ろ‼
その一言で、クリスは羞恥心に駆られた。
?
﹂
俺を呼んでまで何を得たい
事にした。
﹁それで
?
﹂
︽ガングニール︾適合者・立花響の確保を貴方達にお願いするわ﹂
今までに確認されてこなかった異色の例、
サンプル
﹁﹃英雄石板﹄の力を持つ赤髪の少年・人絆憑友の確保と、
ロックの質問にフィーネは少し考え、こう述べた。
﹁そうね⋮﹂
﹂
そして漸く上着を着たクリスと共にロックはフィーネの話を聞く
此処も混沌になってたんだな⋮。
カオス
⋮取り敢えず一言言わせてくれ。
﹁あんたもあんたで喧しい
﹁ふふふ。相変わらずウブな事ね﹂
?
?
!
?
?
﹁幾ら、フィーネと一緒に居たからって、其れはあんまりだとは思わな
﹁
上着をクリスに投げた。
ロックはすぐに顔を俯くや否や、何処から取り出したのか、一枚の
?
其れを見たロックは微笑んでいたのだが、すぐに何故か青ざめてし
何故なら、青年⋮ロックの義理の妹・クリスが顔を出してきたのだ。
?
?
?
188
?
すると小さなカードをフィーネは2人に手渡すや、そこからホログ
ラム画面が現れた。そしてそこには憑友の顔と、響の顔が映し出され
ていた。
﹁⋮ 理 由 は 問 わ な い。此 奴 ら さ え 捕 ま え て く れ ば そ れ で い い の だ ろ
﹂
﹁話が速くて助かるわね。流石︻冷眼のロック︼と言われた男ね﹂
﹁そんな昔の名は此処では禁句だ。フィーネ﹂
﹁ふふっ。そうね⋮
︽水魂導師︾ソウル﹂
そう言うとロックは席を立ち、その場を後にした。
﹁⋮良いのかよ、あんなので﹂
﹁心配する事は無いわ。あの子は受けた任務は必ず成し遂げる男よ﹂
﹂
そう言いながら、フィーネはクリスと共にのんびりとティータイム
をとる事にした。
﹁⋮それにしても、あの子の紅茶は何故此処まで美味いのかしらね
を探しては、調理し始めていた。
すると、そんな彼の隣から髪が水色の女性が現れた。
﹁また、変な我儘に付き合わされてるんじゃ無いでしょうね
﹁それは無いが、先ず一言言わせてくれ。
﹂
そんな中でロックは1人、冷蔵庫の中身を漁るや、使えそうな食材
そう言いつつも、2人はその紅茶を絶賛していたそうな。
野郎と同じ味付けじゃないかよ⋮﹂
﹁言えてるけど、あたしは知らねえよ。つぅか、この味付け、あの白髪
?
な。︻氷の狙撃手︼さん
﹂
﹁⋮はぁ。あんまりヘマをやらかすんじゃ無いわよ
﹂
フィーネが近くにいるみたいな感覚になるから、あんまり顔を出す
?
そう言うとロックと話していた女性はすぐにカード内に消えた。
!
?
189
?
﹁⋮全ては準備が大事。
用意周到
、
備えあれば憂いなし
"
。
"
マークを付けていたので
因みにその料理を食べた二人は感涙していたのは言うまでも無く、
気の所為にして欲しい。
そうな雰囲気を醸し出しながら、カードケースへと戻っていったのは
何かを言おうとした時にバッサリと物申されて、一瞬キャラ崩壊し
﹁トマト﹁冷蔵庫に毎日あると思うなトマト眼鏡﹂ガビーン⋮﹂
れるや、
そうしていると、今度はカードケースからメガネを掛けた男性が現
そう言いながら、ロックは料理を作り上げていくのであった。
クリスの両親の故郷の言葉には中々良い意味を持っているな⋮﹂
"
そ の 2 人 を 見 た ロ ッ ク は 頭 に 何 故 か
あった⋮。
190
"
?
第14話 すれ違い/共鳴
翼が響に刃を向けたあの一件から一ヶ月。
相も変わらず、響と翼との関係はギクシャクしていた。
その映像を見ていた弦十郎は頭を抱えていた。
﹁一月経っても⋮噛み合わんか⋮
少しは霊風と憑友を見習って欲しいものだ⋮﹂
弦十郎はそう呟きながら、次に憑友と霊風の映像を見た。
彼の言う通り、翼と響との関係ははっきり言ってダメダメなのに対
して、今見ている憑友と霊風の戦闘記録では、2人は其々の得物を最
大限に活かしつつ、パートナーの隙を確実に埋めていた。
阿吽の呼吸とも呼べるぐらいに。
﹁霊風は誰に対してもフレンドリーに接し、
憑友は自分が未だ未熟である事を知っているからこうなっている
のかもしれないな。
はたまた︽精魂導師︾同士だから息が合っていると言うべきか。
真意は定かでは無いにしろ、翼や響君には彼等に対して見習うべき
所だな⋮﹂
ーーーーーー
一方、翼は学院近くに設立された和風の建物の一室にて、正座をし
つつ、瞑想をしていた。
そして、彼女はあの出来事を思い出していた。
それは、かつて2年前に起こったライブ会場の悲劇だった。
そこで翼はかつての片翼である奏が禁忌とされた力・︽絶唱︾を使
い、後はもう死ぬだけの運命だった奏に必死になって、生きて欲しい
と願っていた⋮
だが、そこへ奏が救おうとした子供のうちの1人が涙目を流しなが
ら、奏の手を握っていた。
翼はあの時の子供が憑友だと言う事を思い返していた。
﹁︵あの子がいなければ、今頃奏は死んでいたのかもしれない。
けど、その代わりにあの子が死んでしまった⋮
191
だけど、2年という歳月の中で、あの子は青年となって私達の目の
前に再び現れた⋮︶﹂
そう心の中で言う翼。
あの出来事は全て無かったんだと思った。
しかし、現実は甘くは無かった。
それはあまりにも辛い現状だった。
自分達の前に現れた青年は、半分幽霊の謂わば日本で言うところの
︽妖怪︾に似たものに彼はなっていた。
姿はごく普通の人間なのに、死んだだけで妖怪や幽霊扱い。
翼はそれがあまりにも残酷すぎた。
漸くお礼が言えると思ったのに、彼は半分死んでいたのだ。
非常に辛い現状だった。
それを聞いた奏はその後、哀しき涙を流していた。
それを翼はただ見守る事しか出来なかった⋮
しれない⋮
私はそれでも、あの子の⋮憑友の為に出来る事をやるまで⋮
︶﹂
!
そう心の中で呟くと、翼は目を見開き、刀を瞬時に抜刀する⋮
そして近くにあったろうそくを寸での所で止めた
﹁︵全ては⋮私の弱さが引き起こした出来事だ⋮︶﹂
そう言うと刀を鞘へと納刀し、部屋を後にした。
ーーーーーー
!
きた。
この1ヶ月の間に、かなりの数の石板が特異ノイズ達から回収して
た。
翼が和室にて瞑想をしていた時、霊風は未だに石板の解析をしてい
!
192
﹁︵ほんの少ししか会わなかったけれど、彼は自分の命を簡単に投げ出
してまで大切なモノを守る力を持っていた。
って。
あの時、私もそこまで至っていたら、奏も、あの子⋮憑友も、死な
翼は泣き虫で、弱虫だ
ずに済んだのかもしれない⋮
奏は言ったよね⋮
"
確かに私は今も昔もおそらくこれからもそんな状態になるのかも
"
あれから霊風も憑友には及ばないものの、それでも1人で石板の回
収に成功出来る程の実力を持ち始めていた。
それから奏に色々と教わって今はなんとか1人で石板解析が出来
るようになっていた。
だが、やはりまだまだ時間がかかるようで、一枚で約30分も時間
をかけていたのであった。
と、そうこうしていると、石板の解析が完了したのか、
霊風は石板に手を置き、もう片方の手で先程出力したばかりの文字
を詠唱した。
﹁詠唱開始。
﹃その者は、槍を携えた女の騎士なり。
彼女は身分の低い皇族であり姫でもあるが、それ故に民の声を直に
聞く事も容易かった。
そんな彼女がある日、1人の青年と出会わん。
193
青年の活躍により、その地に蔓延る悪しき闇は取り除かれるも、
姫君は青年に再び会いたいと思うようになる。
そして彼女は再び槍を携え、かつての仲間と共に、青年を探す。
そしていつしか、彼女には﹃槍の姫騎士﹄と呼ばれるようにならん
⋮﹄﹂
するとそこから一枚のカードが現れた。
そこには槍を後ろに携えながら、身を構える1人の少女の姿が描か
れていた。
﹁︻姫騎士 アリーシャ︼か。
﹂
っと、ふぅ∼これで全部だな。はぁ∼疲れた∼﹂
﹁やっと終わったのか
美味いな∼﹂
﹁サンキュ∼﹂ゴクゴクッ
﹁ぷはぁ∼
﹁その飲み方は無いんじゃ無いのか
﹂
と奏がやってきて、コーヒーを渡してきた。
霊風はやっとこの一ヶ月で集まった石板の解析を完了し、一息つく
?
﹁んなもんは関係無いよ。飲み物はこうやって飲むのが一番なんだか
?
!
らよ
﹂
﹂
﹁⋮後でたっぷりと躾直さないとな⋮﹂
﹁なんか言ったか
夜更かしはお肌の天敵
って、聞いた事無いか
﹂
﹂
﹁⋮そうだな。そうする。奏も夜遅くまで起きておくなよ
﹁なんでも。それよりも明日も早いし、早く寝たら
?
?
﹄
?
すると未来が響に話しかけてきた。
まさか、朝と夜を間違えてアラームセットしたとか
﹁何
﹂
あぁ∼いや∼⋮﹂
﹁え
﹁こんな時間に用事
確かに、今の時間帯は夜の6時あたり。
未来はそう言い放つ。
?
﹂
この1ヶ月の間に軽く10件あったら、そりゃうんざりします。
憑友はその事で内心うんざりしていた。
﹁マジかよ⋮︵ミーティングかよ⋮行きたくねぇ∼︶﹂
たぞ
﹃憑友。如何やらミーティングの知らせのようだ。私のところにも来
と話しかけてきた。
すると憑友と共に行動していたライドが憑友の肩に乗り、ヒソヒソ
せた。
ミーティングのお知らせで、響は苦虫を噛んだかのような表情を見
﹁うぁ⋮﹂
﹃二課で定例ミーティング 17:30∼﹄
すると、響の端末からアラーム音が聞こえ、響は内容を見てみると、
憑友は相変わらずライドと共に石板の解析をしていた。
パソコンを使って動画を見ていて、
としていたが、今その課題に集中していたのは響だけであり、未来は
一方、憑友と響の2人は未来も加えた3人でレポートを完成しよう
ーーーーーー
そう言うと2人は其々の部屋に行き、そして就寝した。
﹁無い⋮事も無いか。んじゃあ、私も寝ますかな﹂
"
?
?
!
?
?
194
"
?
こんな時間に用事をするものなんて大抵限られている。親か兄弟
姉妹か友達の誰かだ。
⋮尤も響や憑友はその限りでは無いのだが。
しどろもどろの響を見たのか、憑友は助け舟を出した。
﹂
︶﹂
ありが
﹁いや、最初に未来が言った通り、アラームを朝と夜に間違えただけ
さ﹂
﹁⋮そう。なら、良いけど。
でも、もし用事とかだったら言ってよね
未来いつの間に母性が出始めたんだ
﹁は、はい⋮﹂
﹁︵あれ
未来の一声で、憑友は目をパチクリと動かした。
﹁夜間外出とか、門限とかは私でなんとかするけど⋮﹂
﹁う∼⋮ごめんね﹂
そう言いながら響は憑友の方を向くや、アイコンタクトで
とジェスチャーすると、憑友もそれに気付きアイコンタクト
とう
﹂
マークが付き、響はすっかり未来が前
﹁2人とも、こっちの方は何とかしてね﹂
﹁
﹁あ﹂
それを見た憑友は頭の上に
ごめんね
﹂
!
﹂
﹁うん
何とかするから
それに山みたいに抱え込んだレポートじゃ、それも出来ないでしょ
だけど、響は憶えて貰わなくちゃ困るよ。
﹁一緒に流れ星を見ようって約束。憑友にはまだ言っていなかったん
に言っていた事を今になって思い出していた。
?
そう言うと響がなんと此処で服を脱ぎ始めたのだ‼
!
ビンタを食らったのは言うまでも無い。⋮ラッキースケベめ。
それを見た憑友は慌てるも時既に遅く、後から未来に何も言わずに
?
!
195
?
?
とそうジェスチャーしたので
"
すると未来は自分が見ていたパソコンを2人に見せてきた。
あった。
アラーム音は極力避けてくれよ
で、
"
"
?
"
?
?
そう言いつつも、未来は響の着替えを手伝う。
﹁ほら⋮バンザイして﹂
未来にそう言われ、響はバンザイをする。
すると響は何かを呟き始めた。
﹂
﹁⋮私、このままじゃダメだよね⋮﹂
﹁
﹁しっかりしないといけないよね⋮
今よりも⋮ずっと、きっと、もっと⋮﹂
﹁⋮﹂
響の呟きに先程ビンタをくらい、頬に赤い紅葉が出来ていた憑友は
悲しい目をしながらその事を聞きながら、作業をしていたのであっ
た。
﹂
そして手を止めた。
﹂﹂
﹁⋮良し。完成
﹁﹁
そこには小さな装置で、カードが一枚漸く入れられるようなスペー
着替えを終えた響と未来は憑友の方へとやって来た。
!
現界ブースター
スの隙間しかなかった。
﹁名付けて、
"
凄い∼‼
﹂
その﹃英雄﹄が現世に召喚されるのだ
﹁おぉ∼
﹂
!
その顔
﹂
そこは突かないで欲しかったよ、未来さん⋮﹂
そう言えば、如何したの
﹁何でも無いので、はい⋮﹂
﹁ん
﹁ぐはっ‼
﹁でも、ネーミングがイマイチかな﹂
?
んと
これに﹃英雄石板﹄によって解析が完了したカードを差し込むと、な
"!
?
?
髪は黒の毛が前髪に少しで、後は全て銀髪の青年が現れた。
と変わった。
すると、そこから光の粒子が形作り、そしてそこから1人の青年へ
そう言うと憑友は早速一枚のカードを差し込んだ。
?
!
!
?
196
?
?
﹁後は頼んだぜ
﹁ああ﹂
ルドガー
﹂
!
近くにいるルドガーと呼ばれた青年に話しかけた。
⋮ああ。君が憑友が言っていた﹃小日向未来﹄ちゃんだね
﹁あ、あの∼⋮﹂
﹁
﹂
俺はルドガー。ルドガー・ウィル・クルスニク。
⋮は、はい⋮﹂
⋮取り敢えず、何か食べる
﹁え
?
?
未来も何か説明して欲しいと思ったのだが、今は他にあても無く、
て、出て行った。
そう言うと未来とそのルドガーを置いて2人は足早に玄関を開け
!
その後、未来はルドガーの料理を絶賛する事になろうとはこの時の
あった。
そう言いながらルドガーはキッチンを借りて、料理をし始めたので
?
未来自身は知る由もなかった⋮
197
?
第15話 ミーティング
﹂
そして、寮部屋から出て来た2人は急いで二課の方へとやって来
た。
﹁遅くなりました
﹂
⋮憑友、その顔⋮如何した
ていた。
﹁
﹁何でもありません
﹂
?
﹁あれ
霊風先輩と奏さんは
﹂
憑友はふと見てみて、奏と霊風が居ないことに気が付いた。
るスタッフの面々だった。
憑友と響、翼、緒川、櫻井、弦十郎、友里と藤堯、そして下層にい
因みに今此処に居るのは、
櫻井がすぐに話を始めた。
を憑友に浴びせていたのは言うまでも無かったが、
それを見た響以外の女性陣はたったそれだけで理解し、冷たい視線
したのであった。
憑友はこれ以上聞いて欲しく無いかのように、弦十郎の質問を即答
﹁
﹂
憑友の顔には未だ未来によって付けられた赤い紅葉がまだ浮き出
すると、弦十郎が憑友の顔を見て驚いていた。
そう言いながら、2人は弦十郎達にお詫びをした。
﹁本当にすみません﹂
!
?
するとホログラムディスプレイにマップが現れた。
そう言うとミーティングを始めた。
ましょう﹂
﹁そうですか。分かりました。お待たせしました。ミーティング始め
もなるだろう﹂
今の今まで、真面に休んでいなかったからな。偶には良い骨休めで
仕方が無いから今回は不参加と言う形を取ったんだ。
﹁2人にも連絡をしたんだが、如何やら爆睡してるみたいでな。
?
198
!
?
?
黄色の大きい点が一つと、そこを周辺に無数の赤い点とその周囲を
囲うかのような薄い赤の膜が張ってあった。
すると弦十郎は響に質問した。
﹂
憑友は画面を見て前屈みになっている。
﹁如何思う
﹁⋮いっぱいですね﹂
﹁﹂ズコッ
﹂
もうちょっと何か感じなかったのかよ⁉
﹂
響の直感すぎる質問に憑友は前のめりにズッコケ、テーブルに顔面
強打した。
﹁痛てぇ⋮響
﹂
﹁いや、だって他に思いつくもの無いんだもん
﹁そこで自己主張する事はないだろ‼
﹁落ち着け、2人とも﹂
?
﹂
!
﹁こんなにも出ていたのか⋮
﹂
宿した﹃特異ノイズ﹄の発生地点だ﹂
﹁この青いマークは憑友や霊風にとって必要な力﹃英雄石板﹄を体内に
が付いた。
そう言うと弦十郎の合図と共に、赤い点の場所に今度は青いマーク
﹁そして⋮﹂
﹁﹃ノイズ﹄⋮この一ヶ月の間に其れ程まで⋮
これは此処1ヶ月にて出現した﹃ノイズ﹄の発生地点だ。﹂
﹁取り敢えず⋮
弦十郎により2人はすぐに話を元に戻した。と言うより戻された。
?
!
!
﹁さて、この話は此処までにしよう。
?
﹁えっと⋮テレビのニュースや学校で教えてもらった程度ですが⋮﹂
﹃ノイズ﹄について⋮響君が知っている事は
﹂
すると弦十郎はこの話を切り上げ、響に向かって再び説明した。
見せてきていると思っても構わない﹂
か対処する事が出来ている。現にこちらの戦力としては実に偏りを
﹁この﹃特異ノイズ﹄は皆全て憑友君や霊風が回収したおかげで、何と
その数はざっと見た限り20は確実にあった。
!
199
?
!
すると響は﹃ノイズ﹄について説明をした。
﹁先ず、﹃無感情で機械的に人間を襲う事﹄。
そして、﹃襲われた人間は炭化されてしまう事﹄。
﹃時と場所を選ばずに突然現れて、周囲に被害を及ぼす︽特異災害︾と
﹂
して認定されている事﹄﹂
﹁意外と詳しいんだな
﹁えへへ⋮﹂
﹁学校のレポート課題で調べただけだろうが﹂
﹁うぐっ⋮﹂
弦十郎に褒められた響だが、憑友にいたいところを突かれたので
あった。
﹁それに、お前、まだ﹃特異ノイズ﹄の事も話していないぞ
俺はそのまま特異種と呼んでいる奴等の事だ。
﹃特異ノイズ﹄は通常の﹃ノイズ﹄達とは明らかに異なり、
逆に言えば、通常種相手だと俺達︽精魂導師︾は︽シンフォギア︾の
ど、特異種相手にははっきり言って、足手まといにしかならない。
悔しいけど、︽シンフォギア︾を纏いし戦姫達には大変言い辛いけ
﹁それに対応出来るのは︽精魂導師︾と呼ばれる者達だけ。
﹁な、成る程⋮﹂
ねないと言う事になるんだ﹂
つまりその特異種の撃破=歴史遺産﹃英雄石板﹄の損失にもなり兼
雄石板﹄をその身に宿している。
﹁だが、特異種達には体内に世界遺産にも登録されている歴史遺産﹃英
イズ﹄の最大の特徴と言う訳だ﹂
害を及ぼす︽特異災害︾として認定されている事﹄の3つが﹃特異ノ
この2点に先程言った﹃時と場所を選ばずに突然現れて、周囲に被
が最近の活動で分かった事。
﹃人を襲うが通常種特有の︽炭化能力︾を備わってはいない﹄と言う事
﹃近代兵器で倒せる﹄と言う事と、これは最近知った事なんだが、
?
戦姫達の足枷にしかならない。霊風先輩は通常種相手でも、完全に立
ち回れていますけど、俺はそうじゃありませんので﹂
200
?
﹁⋮そう⋮﹂
憑友の発言に答えたのは翼だけだった。
﹁さて、話を戻すとしましょうか
古の昔にね
﹂
観測そのものはずーっと前からあったのよ
それこそ世界中の太
﹃ノイズ﹄の発生が国連の議題に挙がったのは13年前だけど、
!
?
のが多いだろうな⋮﹂
﹂
﹁でもね、﹃ノイズ﹄の発生率は其れ程高くは無いのよ
﹁⋮何
?
﹂
﹂
?
た。
﹁これは
﹂
そこには杖なのか、はたまた弓なりの様な形をした物が描かれてい
テーブル上に置いた。
そ う 言 う と 憑 友 は ラ イ ド を 弄 り、ホ ロ グ ラ ム 画 面 を 起 動 さ せ て、
否定的に捉えたいけど、それを証明する根拠があるのが事実⋮﹂
﹁確率的には低いが、決して0じゃ無いのが歪めない。
その事実に響は憑友を見てそう叫んだ。
﹁それって、誰かがノイズを操っていると言う事
﹁誰かが作為を働かせてノイズ達を使役している⋮
﹁この発生件数は誰が如何見ても明らかに異常。だとすると⋮﹂
である。
何故なら、自分が行ってきた場所の殆どでノイズと出くわしたから
櫻井が言った一言で、憑友は目を疑った。
﹂
﹁世界の各地に残る神話や伝承等の数々の偉業は、
﹃ノイズ﹄由来のも
古の昔からノイズは観測されていたとされる書物や壁画があるのよ﹂
﹁そうなのよ。憑友君や霊風君が使用している﹃英雄﹄達が存在した太
て、親父が言っていました﹂
﹁﹃英雄石板﹄に記されていた時代からもっと前にノイズは現れた。っ
?
憑友の問いに二課の面々は頷いていた。
ら一度は聞いた事がある筈です﹂
﹁これはソロモンの杖。弦十郎師匠や二課に配属されている皆さんな
?
201
?
ソロモンの杖
そして憑友は話を戻す。
﹁
﹄
?
﹁⋮いつ気付いた
﹁ついさっき﹂
﹂
何の話をしてるの
?
師匠﹂
?
をしている所よ﹂
が出てきているんだ﹂
時発揮し、更には装者以外の人間でも使用出来るであろうと研究結果
完全状態の聖遺物は1度起動させれば、その後は100%の力を常
とその力を発揮する事は出来ないけれど⋮
ような欠片は、装者が歌って︽シンフォギア︾として再構築させない
﹁翼さんの︽天羽々斬︾や響ちゃんの胸の内にある︽ガングニール︾の
友里の説明が終わると今度は藤堯が説明に入った。
︽完全聖遺物・デュランダル︾よ﹂
て、日本政府の管理下の下、我々二課が研究している聖遺物⋮それが
﹁此処よりも深い最下層通称︽アビス︾と呼ばれる場所にて保管してい
すると今度は友里が代弁し始めた。
﹁デュランダル⋮
﹂
﹁おそらく2人が話しているのは、サクリストD︽デュランダル︾の話
いち早く気付いた翼が2人の話の中心になっている物を話した。
それを聞いた響は何が何だかさっぱり分からない状態だったが、
すると憑友が何かに気付いたのか、弦十郎に例の物の話をした。
﹁
﹂
﹁それに、此処にはアレが保管されているんでしょ
・・
だが、其々の心境は別々である事はまだ知らない。
その一言で、周りの皆は驚愕した。
﹃⁉
ら解析して分かりました﹂
これは﹃ノイズ﹄達を使役し、呼び出す事が出来る代物だと壁画か
現した物です。
言っていた壁画から解析して、それをイメージとしてホログラムで再
玄也⋮親父が﹃英雄石板﹄に関する壁画のところにあったものだと
"
?
?
202
"
?
﹁それが
﹂
私が提唱した﹁﹃櫻井理論﹄ね﹂うぐっ⋮良い所を持って行
る事にした。
﹁RPGとかで、魔法とかよく聞くだろ
故に
自然の摂理
・
森羅万象
"
に異を唱える事が可能。
"
いても良いんだ﹂
﹁へ、へぇ∼﹂
﹁⋮頭パンクしてたな
?
何が何だか分からない響だったが、緒川から色々と事情を話してく
げさせた。
し込んできて、弦十郎は其れを察したのか、翼をミーティングから上
その後、ミーティングをしていると後ろに突っ立っていた緒川が話
﹁ごめんなさい⋮﹂
﹂
︽フォニックゲイン︾はそこから生まれた余剰エネルギーだと思って
"
人間には未知なる可能性を無限に作れる生物。
例えて言うなら⋮人間だな。
るんだ。
その代わり、自然とは程遠い物ほどそれが多く形成されていってい
つまり、自然によって作られているんじゃ無いんだ。
︽フォニックゲイン︾はそれが無い。
る事から、自然によって成り立っているのに対し、 何故、似て非なるのかは、
﹃マナ﹄は大気中に至る所で確認されてい
と似て非なる物なんだ。
その﹃マナ﹄こそが、先程櫻井氏が言っていた︽フォニックゲイン︾
が、此処では総称して﹃マナ﹄と呼ぶ事にしよう。
あの時に必要なのは魔力の源とも呼べる大気の物質が必要なんだ
?
チンプンカンプンになっていたので、憑友が少しわかりやすく説明す
櫻井の言葉から出てきた︽フォニックゲイン︾という言葉に、響は
﹁
なのよ﹂
だけど、完全聖遺物の軌道には相応の︽フォニックゲイン︾が必要
かれたわ⋮お、ホン。
!
"
203
?
れたので、何とかパニクる事は先ず無かった。
﹂
そして、ミーティングが終わった響と憑友は帰路につこうとした。
﹁しかし、憑友って、どうしてそこまで詳しく知ってたの
﹁前に言ったろ ﹃弦十郎師匠の所にお邪魔した事がある﹄って。その
?
レポート
⋮ああ
?
レポート
!
!
面倒くさくなってしまったけどな⋮﹂
﹂
﹁あはは⋮
た⁉
まだ書き残したままだっ
たら、綺麗さっぱり忘れる事が出来たが、反面、逆に余計に後処理が
それが何故か頭から離れられなくて、結果的にレポートで纏めてい
時に遊び心で閲覧禁止のやつを見てしまったんだよ⋮機密系のな。
?
﹁何やってんだ
ユルセン
﹂
そんな顔をして
そ、そんな事は無いよ∼だ
﹄
彼奴いつのまに⁉
響∼‼
其れを遠くから見ていたユルセン。
﹃⋮﹄
すると誰も居ないことを確認したユルセン。
﹂
其れよりも早くあの子を追ったら
!
待てよ∼
!
﹃⁉
⋮あ⁉
﹂
⋮って、なんだよ∼お前かよ∼憑友∼﹄
﹁如何したんだ
﹃うわぁ⁉
?
なんか思い出がある様な目で周りを見ていたぞ
?
?
如何なんだよ∼
﹁へ
?
?
?
そう言うと憑友はそのまま響の後を追って行った。
?
だが、女性の髪は銀髪で響の髪よりも長く伸びていた。
顔つきがまるで響に似ていた。まるで双子みたいに。
に、ユルセンのいた場所に1人の女性が立っていた。
するとユルセンの身体から光が放たれ、そして光が消えたと同時
?
?
ラ幽霊のユルセンが辺りを見渡していた。
見ると、そこにはいつも陰ながら憑友の事を見てくれていたゆるキャ
して、ライドはそのままスリープモードになり、憑友は感じた方向を
後を追おうとした憑友だが、何かを感じたのか、ライドと少し話を
そう言うや、響はダッシュで走って行ってしまったのであった。
?
?
204
?
?
?
尤も、翼や奏には劣るが。
﹃思えば⋮この時から私の運命が変わったんだっけ⋮﹄
そう言いながら、周りを見渡すユルセンと思わしき女性。
﹃此処の経験があったから、あの堅い絆を生み出したのかもしれない
⋮﹄
そう言いながら、周りを再び見渡す女性。
﹃今はゆるキャラ幽霊みたいな姿に成っちゃったけど、
私は私で、やるべき事をやるしか無いよね⋮﹄
そして今、この女性が=ユルセンだと言う事が分かった。
そしてユルセンはある者の名を呟いた
﹃私、こんな姿になっても、頑張るからね⋮
205
⋮未来﹄
206
第16話 溝
ミーティングを終えてから数日。
響と憑友は現在、音楽の授業を受けていた。
⋮う∼ん⋮﹂
﹁憑友君。貴方、中々良い声をお持ちね﹂
﹁え
すると歌声を聞いた先生からお褒めの言葉を貰った憑友。
﹂
しかし、自分にはそんな自覚は無いと思っていた。
﹁母親譲り
そりゃ、あの人もこの学院の生徒だけど⋮こん
?
﹁立花さん‼
﹂
としたまさにその時。
響がそのまま翼の方を見続けていたので、アイコンタクトをとろう
な時間に何を⋮って、響。そのまま見続けていると⋮︶﹂
﹁︵今のは、翼さんか
憑友はその方向に一瞬だけ見た。
そんな話をしていると、響はある方向を注視していた。其れを見た
﹁憑友君のお母さん、歌が上手いもんね♪﹂
﹁其れはあり得るかも⋮﹂
?
であった。
!
因みに響はまだレポートの途中であった。
寧ろ、私が呪われてる
!
﹁行儀悪い事するなよな⋮自称呪われボディ﹂
レポートを書いていた。
そう言いつつ、創世と弓美の2人に弁当を食べさせてもらいつつ、
﹁人類は呪われてる
﹂
因みに今回の料理は憑友が呼び出した存在・ルドガーのお手製料理
所で昼食を食べていた。
憑友は響と未来とそして響の友達である創世達と共に芝生のある
そして昼休み。
其れを見た憑友は頭を抑え込んでいたのは言うまでも無い。
のであった。
先生からの怒声に響は変な声を上げて、未来に心配されてしまった
?
207
?
﹁ほら、お馬鹿な事やってないで。レポートの提出は今日の放課後よ﹂
﹁だはら、こふひて、へんはぁいにいとぉむでりゅんだひょ︵だから、
こうして限界に挑んでるんだよ︶﹂
﹁食べるか、話すか、その何方かにしろよな﹂
私よりも多い癖に
﹂
﹂
レポート
そう言うと響は一気に喉の奥まで口の中に入れていた食べ物を飲
み込んだ。
﹂
﹁ふぅ⋮そう言う憑友は如何なのよ⁉
間に合うのかな∼
﹄
!
いつも一緒にいるのに、如何してそこまで出来るの
﹂
﹂ヒュー♪ヒュルル∼♪
﹁今完全に見下したよね⁉
﹁さあな∼
﹁嘘∼⁉
後はもう1月分からのレポートを書けば其れで終わり﹂
﹁定期的に出しているからな。
その言葉に憑友以外の皆が唖然としていた。
﹃・・・え
﹁生憎、俺の分のはこれは1年次分のレポート分全部だぞ
?
もうそこまでレポート終わってるなら⋮﹂
﹂
﹂
未来と憑友は響を待っていた。
そうこうしつつも、放課後。
﹁いや、俺が呪われてるから⋮﹂
﹁うう∼⋮私呪われてるかも⋮﹂
﹁他に誰がいる‼
﹁其れって、私の事
きゃいけない理由がこの馬鹿に関連してるので、如何しても⋮﹂
﹁あははお気持ちはありがたいんだけど、このレポートを書き終えな
﹁んじゃ、憑友は
其れはもうまるで仲良しという度合いを過ぎていた。
る事になっていた為、そう言うと響が涙目になっていた。
そして未来も3人に誘われたが、未来は響のレポートの手伝いをす
話の内容から屋上でバトミントンをする予定だそうだ。
うとした。
そう言っていると、創世達が弁当を食べ終えて、その場を後にしよ
?
?
?
?
?
?
208
?
?
すると響がようやく職員室から出て来たので、
﹂
2人は如何だったのか聞いてみる事にした。
﹁先生はなんて
﹁壮絶に字が汚すぎるって﹂
﹂
﹁そうじゃなくて、提出出来たのかって聞いてるんだけど
﹁時間過ぎてたけど、レポート受け取って貰えたの
﹂
2人にそう言われた響だが、
﹁今回だけは特別だって
⋮でも、お疲れ∼
﹂
﹁うぐっ⋮痛い所突かないでよ∼。
﹂
﹁んじゃあ、次回からはちゃんとやりなさいと言う事だな﹂
?
﹁
⋮︵ピッ
︶はい﹂
pirororo♪pirororo♪
1人だけになった響。しかし、そんな世の中も
も同行する事にした。
すると、未来がカバンを取りに行ってくると行って来たので、憑友
たのは言うまでも無かった。
そう言って、響は2人にハイタッチしようとしたが、先生に怒られ
!
ーーーーーー
一方、未来と一緒に教室に来た憑友の方にも連絡が来た。
﹂
⋮未来。ごめん﹂
﹁⋮
!
?
﹁え⁉
⋮じゃあな
/////﹂
やべ⁉
!
そう言うと憑友は自分のカバンだけを持ってその場を後にした。
﹁あ
﹂
﹁⋮ありがとう。未来って、見ない内に綺麗になったな﹂
﹁仕方ないよ。今はそっちの方に専念してね﹂
﹁ごめんな。響と未来と3人一緒に流れ星見たかったな⋮﹂
﹁⋮そっか﹂
﹁これから急用が出来てしまったんだ﹂
如何かしたの
﹁ん
?
209
!
?
?
その電子音で無残にも崩壊する事になろうとは⋮
!
?
?
﹂
︶。
その後、未来はすぐに思考を戻し、響のいる職員室の方へやって来
⋮⋮響
たが、
﹁
﹁響
貴方⋮﹂
未来はすかさず通話をした。
だった。
すると未来の携帯から着信が掛かり、未来は其れを見ると響から
そして其処にはやはり響は居なかった。
未来は結局、響に会えず、1人で寮の部屋へと帰宅した。
ーーーーーー
そう言うと、2人は急いで憑友の後を追っていった。
﹁⋮だな。⋮行こう﹂﹁ええ﹂
そう言うのは、黒髪のストレートの女の子。名はほむら。
は出来ないわ﹂
﹁分からないわ。でも、其れがあの子の為に成るんなら、私達は手出し
そしてもう1人。
そう言うのは高身長の青年。名はルドガー。
﹁⋮あれで良かったのかな⋮﹂
其れを見ていた青年と少女がいた。
そう言いながら、ユルセンは憑友の後を急いで追った。
やっぱり何回も味わいたくないや⋮﹄
﹃⋮思えばこの時から既に未来との間に溝を作り始めたんだよね⋮
ユルセンはそう言うと、未来から離れた。
﹃⋮ごめんね、未来﹄
だった。
其れは憑友の事を陰から見守っていたゆるキャラな幽霊・ユルセン
﹃⋮﹄
そんな様子を見ていた存在が1人︵
其処にはもう響は居なかった。
?
今晩の流れ星、一緒に見られないかも⋮﹄
﹃ごめん。急な用事が入っちゃった⋮
!
210
?
?
﹁っ
⋮また大事な用なの
﹃⋮うん﹄
﹁⋮うん。⋮‼
﹂
﹁⋮行こう。響﹂
﹂
に憑友がライドを既に左腕に装着させて待機していた。
そう言うと響は電話をきった。それを待っていたかのように、近く
﹁うん。ありがとう⋮ごめんね﹂
ーーーーー
部屋の鍵開けておくから、あまり遅くならないでね﹂
﹁分かった。なら、仕方ないよ。
?
響君
﹄
!
?
りを抱いていた。
憑友
﹁お前らが来るから⋮お前らさえいなければ‼
﹂﹂
﹃あまり無茶はするな
﹁﹁分かってる‼
!
状の剣で何かを斬ろうとしている青年のイラストがあった⋮
﹂
そしてそれを装填し、
﹁変身‼
n⋮﹂
ーライド
フォーム⋮エレン‼
ー
?
纏った⋮
?
むと、
そして憑友は纏うと同時に響に右手を差し出す。響はその手を掴
︵挿入歌﹁激槍・ガングニール﹂悠木碧︶
ー反撃の狼煙、怒りの戦士‼
ー
そして響はガングニールを纏い、憑友はカードから現れた存在を
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
其処には、宙を舞いながら、剣と言うよりカッターの刃物に近い形
カードを取り出した。
そう言うと響は聖詠を歌い、憑友は右腰のカードケースから一枚の
!
﹂
そう言うと2人は地下鉄の階段にいた大量の﹃ノイズ﹄を見て、怒
?
?
レバーを引いた。
?
!
211
!
﹁てめぇらの相手は⋮俺達だ‼
﹂
﹂
るや、そのまま一直線へと飛んだのだ
﹁此処は任せたぞ‼
そして憑友は一旦、響を投げ飛ばしたのだ‼
!
リガーを押した。すると、腰についてあった装置からワイヤーが現れ
そう言うと憑友は残った左手にグリップらしき物を持つと、そのト
?
﹂
﹂
仙台周辺︶を束ねた男・伊達政宗がいた。
﹁何の用だ
﹁今のてめぇに、俺は扱えないぜ
扱えたけりゃ、少しはcooldownしろよな
﹁⋮⋮⋮フゥ。⋮落ち着け。俺⋮﹂
﹂
﹂
﹁ふっ。さ、ド派手なpartyの始まりだぜ
Areyouready
﹂
奥州筆頭・伊達政宗⋮推して参る‼
﹁Yes.understand‼
﹁OK
!
﹂
と、声をかけられ、憑友は後ろを向くと其処には奥州︵現在宮城は
﹁待ちな、boy﹂
すると、そんな怒りに満ち溢れていた憑友に、
﹁お前らさえ⋮来なければ⋮
た一枚のカードを取り出し、装填した。
そしてアブソーバーからカードを引き抜くや、カードケースからま
停止。
そして急行するや否や、其処から回転斬りで一掃すると、その場に
纏っているエレンの能力︽立体機動︾を用いて急行して行った。
そして響を置いていった憑友は奥にいるノイズ達の方へと今現在
とどまった。
そして投げ飛ばされた響は尻餅をつきそうになるが、なんとか踏み
?
?
フォーム⋮マサムネ‼
ー
に持った伊達政宗がノイズ達を切り刻む。
そして、前方にアブソーバーを構えると、其処から六本の刀を同時
ーライド
そう言うとアブソーバーの中へと入り、憑友はレバーを引いた
?
?
?
212
!
?
?
?
!
!
!
!
レッ
Let
パー
リィ
sParty
ー
!
ツ
そして憑友に近付き、憑友はそれを纏った⋮
ー奥州筆頭
!
!
刀を携えた武士の格好をした憑友がいた⋮
WAR DANCE
刀きた⋮
﹁
﹂
?
を消滅させていった
HELLofHEAVEN
‼
そして最後はすべて抜刀して、
﹁
﹄
﹂
此処一ケ月の内に手に入れたカードだった。
フォーム⋮イチカ
ー
それをアブソーバーに装填、レバーを引いた
ーライド
!
すると憑友はすぐに新たなカードを取り出した。
全方位に特大の雷が降り注がれた⋮
?
!
まるで龍の鉤爪のように。
フルドライブ‼
そして、憑友はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹃ライド・マサムネ
﹂
そう言うと周りのノイズ達を連続してで斬り付けまくる⋮
﹁龍の逆鱗に触れたが、オチだぜmaybe
すると六本の刀を一旦、一本に戻した。
!
その度に徐々に一本、また一本と、刀を持って抜刀して行く⋮
!
?
?
!
"
!
!
!
そして其処から大量の雷が迸るや其処から無数の斬撃でノイズ達
‼
すると、憑友は腰の六本の刀を指と指の間に挟み、そして一気に抜
!
其処には三日月文様の兜と、青き衣を鎧の上に羽織り、腰に六本の
'
"
!
現れ、憑友はそれを纏った⋮
ー
!
﹂
しき武器が所持された。
﹁一気に決める⋮
﹃ライド・イチカ
フルドライブ‼
﹄
そう言うと憑友はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
!
?
!
すると、背中から白い翼を模したバックユニットと、手に白い刀ら
ー武士道精神、白式一閃
!
するとアブソーバーから白い機体らしきものを纏った青年の魂が
!
213
"
"
‼
﹂
これで終いだ
!
すると、白い刀からエネルギーが放出され、光り輝き始めた
零落白夜
﹁うおぉぉぉぉぉぉぉぉ
?
!
!
﹂
現れるや、その後、そのノイズが来た場所から衝撃音が聞こえた⋮
﹂
﹁あんた達が⋮誰かの約束を犯し⋮
﹁響⋮⁉
しかも、亀裂と同時にその壁も凹んでいた⋮
その際に衝撃音が聞こえたのだ。
其処には響が手を壁に叩きつけていた。
!
﹂
!
何事かと思って見てみると、明らかに葡萄の様な姿をしたノイズが
急いで響の所へ向こうとしたら、突然爆発が起こった。
気が付けば、ノイズはもういなかった。
縦に一閃したその威力に前方のノイズ達は一掃され、
"
﹁嘘のない言葉を⋮争いのない世界を、﹂
﹁⁉
!
?
いるという事を。
そんな時、
遅くなった
!
﹂
ルドガーさん。ほむらさん
お願いします
﹁
﹁ごめんなさい。遅くなって﹂
﹁悪い
﹂
その時、憑友は感じてしまった。明らかに響では無い何かが其処に
?
フォーム、ルドガー‼
ー
?
装填、そしてレバーを引いた
ーライド
憑友は纏った
はあっ
﹂
ー銃剣槌士、審判の槍
﹁行くぞ
!
ー
そう言うと双剣を逆手に構えてアクロバティックな攻撃を連続で
!
!
!
そう言うと双剣でノイズを切り裂く青年の魂が現れるとそのまま
!
!
ドを取り出し、自身が変身していた姿を解除し、ルドガーのカードを
すると憑友は2人をカードケースに入れると、ルドガーの方のカー
!
!
!
214
"
!
一迅
鳴時雨
舞斑雪
﹂
"!
繰り出していく⋮
﹁
"!" !
メージを与えるかのように。
エイミングヒート
タイドバレット
﹂
そう言うと今度は腰から2丁拳銃を取り出した
﹁
"!
﹁
アッパー・ブレイズ
﹃ライド・ルドガー
﹁槌で叩かれ、﹂
エオリエーネ
フルドライブ‼
﹂
﹄
するとすぐに剣を逆手に持ち、一閃。
﹁剣で切り裂かれ、﹂
そして回帰一閃。
戻ってきた処を拳銃をキャッチして、乱射した
﹁銃で撃ち抜かれろ
﹂
!
そして其処からすかさず、ハンマーを振りかぶった
そう言うとまず拳銃を上空へと投げた
?
﹁⁉
大丈夫か
﹂
﹂
あ、待ちなさい
あの馬鹿
﹁憑友⋮
﹁
!
!
それを見ていた響と憑友。
すると、其処から流れ星が見えてきたのだ
!
しかし、ノイズはいつの間にか地上へと続く道を作り上げていた。
2人は急いで葡萄の姿をしたノイズを追った。
!
﹂
を防ぎ、なんとか理性を取り戻していた。
それにより、周りのノイズ達は消えると、其処には響が手で爆発物
祓砕斬
アヤミ
零水‼
!
!
そしてすかさずアブソーバーのドライブボタンを叩いた
豪快なハンマー攻撃で、ノイズ達は吹っ飛ばされ、
"!
!
!
?
!
"!"
と、今度は何処から取り出したのか、ハンマーを振り回し始めた。
2丁拳銃の弾丸から炎と水が吹き出て、ノイズ達は更に一掃する
"!"
!
双 剣 の 攻 撃 が 見 事 に ク リ ー ン ヒ ッ ト し て い た。ま る で 確 実 に ダ
"!"
!
!
?
215
"
"
"
!
﹁流れ⋮星
﹂
﹁いや、違う⋮あれは⋮
﹂
そう言いながら2人は急いで地上へと上がっていった
︵挿入歌﹁絶刀・天羽々斬﹂水樹奈々︶
そして2人が地上に這い出てきた頃には、既にノイズは翼の手に
よって、倒されていた。
それを見た響は、翼に訴えた。自分の中にある何かを。
﹂
﹁私だって、守りたいものがあるんです
だから⋮
﹂
んで、どうすんだよ
﹂
そう言うと翼が再び刃を向けようとした。そんな時だ⋮
﹂
﹁だから
﹁⁉
﹁誰だ⁉
それを聞いた皆は辺りを見渡す。
彼処
﹄
!
そして、2人も憑友の視線の先を見た。
其処には確かに誰かがいた。
しかし、闇夜に紛れて分からなかった。
そして月の明かりが照らされ、其奴は現れた。
そしてそれを見た翼は驚愕した⋮
﹁︽ネフシュタンの鎧︾⋮⁉
﹂
それはかつて、自身が弱かった故に起こった引き金の存在⋮
!
!
!
突然、此処にいる皆とは明らかに違う声が聞こえた。
?
そうしていると、憑友の隣にユルセンが現れた。
﹂
彼処だ
⋮
﹃憑友
﹁え
!
?
216
!
!
?
!
そう言うと、憑友は構えをとった。
!
!
完全聖遺物・︽ネフシュタンの鎧︾を纏った少女が其処にいた⋮
!
?
?
?
?
第17話 ネフシュタンの鎧
﹂
ーーーーSIDEto憑友
﹁︽ネフシュタンの鎧︾⋮⁉
すると、
か
ネフシュタンの鎧
あの女の子が纏っている鎧みたいな奴のこと
翼さんは確かにそう言った⋮
?
弦十郎氏から通信が入ってきた。繋げるぞ﹄
分かった﹂
﹃憑友
?
今からお前達の現場に急行する
受け、俺はそのまま繋げて貰った。
﹃憑友
何ととしてでも、︽ネフシュタンの鎧︾を確保して欲しい⋮
﹂
確保か。何か訳あり見たいだけど、やるしか無いよね⋮
﹁了解
ーーーーーーNO SIDE
そう言うと俺は通信を切って、鎧の少女に向いて構えた⋮
!
開けた。
?
そう言うと翼は思い返していた。
私の不手際で奪われた命を忘れぬものか
﹂
﹁2年前、私の不始末で奪われた物を忘れぬものか⋮何より⋮
﹁へぇ∼。って事はあんた、この鎧の出自を知ってるんだ∼
﹄
﹂
翼が目を開いていると、そのネフシュタンの鎧を纏った少女が口を
いた⋮
翼達の前に完全聖遺物︽ネフシュタンの鎧︾を纏った少女が佇んで
憑友が弦十郎と通信をしていた頃、
!
!
!
ライドさんから弦十郎師匠からの通信が入ってきたとの知らせを
﹁
!
!
!
止め、奏の命を救ってくれた。
今まで受けてきた呪いとも呼べる力の代償をその身一つで全て受け
奏が死んでしまうと思った時に、彼⋮憑友が奏の手を取ると、奏が
!
217
?
!
だが、代わりに憑友が実際に死んで、今は半分幽霊となって、現れ
たという事に。
そう言うと翼は大剣サイズとなっていたアームドギアを再び構え
始めた⋮
それに準じて鎧を纏った少女の方も、右手に弓なりの形をした杖を
持って、鎧に付いている鞭らしき物を持って構えた
場で置いていった︽ガングニール︾のシンフォギア⋮
﹂
﹁︵奏を救ってくれた憑友の死という事件の原因と、奏があのライブ会
!
人間なんですよ⁉
︶﹂
時を経て、再び揃って現れるという巡り合わせ⋮
﹂﹂
相手は人です
だが、この残酷は私にとって心地いい⋮
翼さん
⋮⁉
?
すると、其処に響が翼の腰に抱きついた
﹁止めて下さい
﹁﹁戦場で何を馬鹿な事を
!
﹂
方へと離し、上空へと逃げ延びる⋮
そうだ
憑友
﹂
﹂
﹂
翼は咄嗟に響を後
対して憑友は、掌を相手の方に向けて、腰を深く落とした構え方を
だった。
響はまだまだ戦闘経験が浅い為か、自身の構え方はいまいちの体勢
それを予知していたのか、返事をするなり、2人は構えた。
響は憑友と一緒に2人の戦いを止めようと言おうとしたが、憑友は
﹁言われなくても
﹁
そして響は何とか立ち上がると、近くに憑友がいた。
食らった。
それを合図に2人は熾烈なる攻防を繰り広げ、響はその余波を諸に
た。
そして、2人のいた場所に鞭らしき物が振られて衝撃波が発生し
!
!
否定した。
﹁寧ろ、貴方と気が合いそうね
﹁だったら、仲良くじゃれあうかい⋮
?
そう言うと鎧の少女から攻撃を仕掛けて来た
!
そんな響の反論に、鎧の少女と翼が同時にハモりながら響の反論を
?
!
!
!
!
!
218
!
!
!
!
!
した。
其れだけで、今の憑友からオーラのような気配を漂わせていた。
﹂と言うなり、瞬時に鎧の少女の懐へ
そして、
すると、憑友は響に﹁お先
﹂
﹂
と踏み込んでいた⋮
﹁ふんっ‼
⋮がはっ⁉
﹁⁉
﹂﹂
其れにより、鎧の少女は腹を抑え込んだ。
この男
同時に少女は悟った⋮
憑友に、今の自分は勝てないという事に。
ーーーーーーSIDEto鎧の少女
おまけに速ぇ⋮
?
何だよ⋮こいつ⋮
めちゃくちゃ強すぎじゃねぇかよ⁉
!
すかさず拳の形をするなり、見事に腹部にクリーンヒットした⋮
﹁﹁
!
!
そう言う事ならやるしかねぇか⋮
必死に腹を抑え込んでいる様にな﹄
っち⋮
ーーーーーーNO SIDE
?
蹲る。
そんな中、憑友は、
﹁大人しくその鎧を渡してくれないか
ながら手を差し伸べようとした⋮その時だった
グサッ
!
先程、青年が放った矢となった剣が憑友の心臓部にクリーンヒット
﹂
﹁がはっ⁉
!
﹂と言い
鎧の少女は通信相手の言う通り、腹を必死になって抑え込みながら
!
﹃遅くなった。今から援護する。先ずはそのままゆっくりしゃがめ。
!
たった一発しか受けてねぇのに⋮此奴の相手なんて⋮死んでも嫌
ピピピッ
になって来やがった
ピピピッ
こんな時に誰だよ
!
仕方ない⋮とにかく、通信を⋮
!
!
!
?
219
?
?
!
!
!
?
した。
それをチラリと見た鎧の少女は直ぐに鞭を使い、憑友を薙ぎ払いな
がら後退した。
其れを見た翼と響は辺りを見渡す。だが、何処にいるのか分からな
かった⋮
そして憑友はというと、心臓部に命中したものの、元から死んでい
る身なので、平気であった。
そしてそのまま無理やり矢を引き抜く。
⋮弓矢だから、かなり近い
そして胸に手を当て、辺りを見渡した。
﹁︵痛てぇ⋮何処から撃って来やがった⁉
﹁憑友
﹂
場所に居るはず⋮なのに、気配が全く感じねぇ⋮と、そろそろか︶﹂
?
それを見た2人は目を見開く。
﹁ふぅ⋮なんとか大丈夫だな。
⋮積もる話もあるが、今はあの鎧を取り返す⋮だろ
﹂
すると、そこには矢で貫かれた筈の心臓部が完全に修復されていた
た。
憑友はその2人を見て、心臓部を抑えていた手をゆっくりと退かし
其れに合わせて響も憑友のほうへとやって来た。
すると不意に翼が憑友の方へとやって来た。
!
﹁⁉
﹂
なんででしょうか
it
﹂
?
sthinkingTime
マジかよ⋮なんで、傷が塞がってやがる⁉
﹁さ あ な
♪﹂
﹁なんでそこだけ英語
'
最早お馴染みとなった憑友のボケを響が見事にツッコむ。
?
それを見た翼は呆れ半分になりながらも、武器を構えて、少女の方
へと駆け抜ける
!
﹂
憑友が続けて行こうとした時、
﹁待て、憑友
!
220
!
?
?
憑友に示唆された2人は頷くや、鎧の少女の方へと向き直る。
?
!
﹁
せんせー
師匠⁉
﹂
﹂
?
﹂
!
ー
フォーム、キリト
バーを引いた
ーライド
黒剣、双閃、アメイジング
キリトの魂を纏った憑友。
すると、その時。
そうするや、急いで翼の後を追う
!
﹁
⋮うぉぉぉ
﹂
それを見た憑友は直感で感じた⋮翼が危ないと。
すると、キリトの能力を用いて、一気に加速する⋮
ヒュゥゥゥン‼
﹂﹂
そして憑友は、狙撃してきた場所に剣を構えた。
!
憑友たちのいる場所からでは如何しても小さく見えるが、人である
すると、月夜の光に照らし出されたシルエット。
憑友は屋上にいるであろう相手に向けて、挑発を繰り出す。
﹁そんな高みの場所で見物とは、大層腰抜けなんだな
﹂
それを見た翼と鎧の少女の2人はその間合いから直ぐに後退する。
面にめり込んだ。
いる武器︽エリシュデータ︾によって、真っ二つに割れ、それぞれ地
遠くからおそらく狙撃したであろう銃弾がキリトの魂に刻まれて
﹁﹁⁉
ジャキィンッ‼
そして翼と鎧の少女に割り込み、そして⋮
その時に、ジェットエンジンのような音が聞こえた⋮
!
!
?
!
鎧の少女の後方にある高層ビルの屋上から何かが光った。
!
!
!
のままキリトのカードを取り出すや直ぐにアブソーバーに装填し、レ
キリトの意味が全く分からなかった憑友だが、有無を言わさずにそ
﹁いきなり過ぎですよ⁉
﹁何も言わずに俺の力を使え
突然、カードケースからキリトが現れて、憑友を呼び止めた。
?
!
?
?
221
!
!
事は確かであった。
すると、少しジャンプの動作をしたと思えば、その場所から消えた。
﹂
そして、憑友は気配を感知したのか、鎧の少女の方へと向き、剣を
構えた
﹁⋮﹂
﹁ようやくお出ましか
!
いきなりこの場に現れたのだから。
それって、まさか⋮⁉
﹂
そう言うと青年は腰からカードを取り出した
﹁⁉
﹁変身﹂
フォーム、フォーマル
レバーを引いた
ーソウル
ー
!
はそれを纏った
ー
水の魂を導く師者
ーお前らの魂、オレが頂く
﹁せせらぐ水の裁き⋮
"
新たな︽精魂導師︾の存在だった⋮
それは憑友達にとって、全く見た事が無い⋮
︽水魂導師︾ソウル。この場に馳せ参上した﹂
⋮
すると左腕のアブソーバーから青と水をあしらった魂が現れ、青年
!
!
いた左腕のアブソーバーに装填、そして⋮
憑友はそれの正体に気づくも、青年はそのカードを前から装着して
?
!
それを見た翼と響は驚いていた。先程までいなかった筈の青年が
そこには1人の青年がいた。
?
"
!
!
222
?
第18話 水の魂を導く者
先程少女に通信を寄越してきた相手は現在、皆がいる場所から約1
000m以上も離れた場所にいた。
彼は双眼鏡を見て、今の状況を確認した。
﹂
﹂
﹁⋮やはり凄まじいの一言に限る⋮今日は頼んだぞ、アーチャー。︻氷
の狙撃手︼さん
﹁⋮善処するとしよう。無理な行動は慎みたまえ﹂
・・・
﹁遠距離なら任せて。それと⋮普通にシノンって呼びなさいよね
﹁とは言っても、フィーネと大差ない声してるからどうしようも⋮す
みません。言い過ぎましたから。
だから、拳銃を使って零距離射撃だけは勘弁して下さい﹂
青年と話していた2人はそれぞれ返答すると、カードケースの中に
入り、青年はその2人のイラストのカードを取り出した。
なっていた⋮
ー
そう言い放つと、剣がみるみると捻り始め、終いには一つの矢と
﹁我 が 骨 子 は 捻 れ 狂 う⋮﹂
I am the bone of my sword.
青年はその剣を持つと、
れた。
そう唱えると其処から黒く塗られた弓が現れ、更に一振りの剣が現
﹁同調開始﹂
ト レ ー ス・オ ン
するとその力を纏った彼は右手を前方に突き出すや、
!
そう言うと彼は先ず、アーチャーと呼んでいた男のイラストが描か
れたカードを左腕のアブソーバーに装填、
﹁変身﹂
フォーム、アーチャー
そして、レバーを引いた
ーソウル
!
!
﹁偽りの螺旋の剣。その身を矢となりて、穿たん⋮
そしてそれを弓に番え、そして集中して正確に⋮
!
223
!
?
Unlimited Blade Works
!
ガ ラ ド ボ ル グ Ⅱ
偽・螺旋剣﹂
放った⋮
ーーーーーー
グサッ
フォーム、シノン
ー
装填していたカードを入れ替えて、レバーを引いた
ーソウル
!
が現れ、青年はそれを纏った
﹁⋮照準準備﹂
!
覗かせた。
其処では、翼と自分の味方である鎧の少女が対峙していた
そして、近くを見てみると、憑友が立っていた⋮
﹂
なのになんで生
彼奴の心臓部に確かに狙った筈だ
きてる
﹁⋮いや、今はそれどころでは無いな﹂
敗北を告げる弾丸の味⋮その身を以て味わうと良い⋮
﹂
そう言うと直ぐに冷静になり視線を元に戻し、狙いを定める⋮
﹁
﹂
フルドライブ
ブレイジング・トリガー
﹃ソウル・シノン
﹁
﹄
そう言うと青年は引き金を引いた
!
そして弾丸は見る見ると翼の方へと放たれ、そして⋮
!
"
!
そう言うと翼にロックオンしたと同時にドライブボタンを叩いた
"
!
馬鹿な⁉
!
﹁⁉
!
?
!
機である狙撃銃︽ウルティマラティオヘカートⅡ︾のスコープに顔を
すると青年は静かに銃を固定し、うつ伏せ状態になって、女性の愛
ー
敗北の弾丸
!
ー氷の狙撃手
!
すると今度は髪が水色で迷彩色に近い色合いの服を着た女性の魂
!
!
そう言うと今度はもう一枚のカードを取り出して、アブソーバーに
﹁⋮次へと参ろうか⋮﹂
それを双眼鏡で確認した青年は、不敵な笑みを浮かべた。
ーーーーーー
﹂
﹁がはっ⁉
!
?
224
!
?
"
!
"
・・・・
ジャキィンッ
何
﹂
斬られた。
﹁⁉
﹂
れまた黒い片手剣で、銃弾を斬ったようなポージングをしていた
﹁この距離からの狙撃を⋮斬っただと
﹂
﹁知り合い
﹂
?
笑わせないで。彼奴とは一応、仲間なのよ。
﹁⋮知り合いなのか
﹁彼奴と言うのは、彼が今変身している﹃英雄﹄の事よ﹂
﹁何
﹁彼奴に私の弾丸は効かないわ﹂
﹃英雄﹄︻氷の狙撃手 シノン︼が現れた。
青年は理解不能に陷っていると、隣から現在自分が使用している
!
スコープから覗いてみると、射線上に憑友が黒一色のコーデで、こ
予想をはるかに超えた斜め上の事態に凝視する青年。
!
﹂
!
﹂
?
黒の片手剣を構えていた。
!
て⋮
ーーーーーー
シュンッ
﹂
直ぐにクリスの後ろへとやって来た
﹁ようやくお出ましか
?
!
そう言うと、青年は変身を解除するなり、そのビルから瞬時に消え
﹁⋮バレたか。なら、クリスの元へ行くとしよう⋮﹂
に背負い、一息ついた。
憑友はそう言い放っていた。その口の動きを見た青年は銃を背中
﹃そんな高みの場所で見物とは、大層腰抜けなんだな
﹄
青年がそう呟きながら、スコープを覗いていると、憑友がこちらに
﹁⋮相性は最悪と言っても良いか⋮
そう言うと青年の隣にいた﹃英雄﹄・シノンはすぐに消えた。
た唯一の男なんだから⋮
それに、私の弾丸を至近距離でものの見事に真っ二つに斬り落とし
?
!
225
?
﹁⋮﹂
憑友の挑発を悉く受け流す青年。
それは、まさか⋮⁉
﹂
すると青年はカードケースから一枚のカードを取り出した。
﹁⁉
﹁変身﹂
ー
青年は直ぐにアブソーバー内のカードと入れ替え、そして⋮
憑友が何かに気付くも既に遅く。
?
フォーム、フォーマル
レバーを引いた
ーソウル
!
!
現れ、青年はそれを纏った
ーお前らの魂、オレが頂く
﹁せせらぐ水の裁き⋮
ー
水の魂を導く師者
⋮
"
︽水魂導師︾ソウルの参上だった⋮
ーーーーーー
させた
すると青年は、右手から水を作り出すや、其処から弓の形へと変形
新たに現れた︽精魂導師︾の存在を凝視する憑友達。
!
︽水魂導師︾ソウル。この場に馳せ参上した﹂
"
そして其処に現れたのは、水の力を宿した︽精魂導師︾⋮
!
!
すると其処から青のカラーリングと水のマークをあしらった魂が
!
﹂﹂﹂
︽炎魂導師︾﹂
?
﹁え
⋮⁉
﹂
﹁憑友⋮良い名だ﹂
それが俺の名だ⋮
?
﹂
じんさい
憑依の憑の字に友と書いて、憑友。
つくも
﹁⋮人絆憑友。人と絆と書いて人絆。
た。
分の事を聞かれたので、憑友は冷静になって、自己紹介をする事にし
すると突然、自己紹介をして来たので、3人は吃驚した。そして、自
﹁﹁﹁
お前の名はなんだ
﹁俺の名はロック。ロック・アイル。
!
!
226
?
?
﹂
そう言うや、なんといきなり弓矢で攻撃して来たのだ
﹁いきなりは無いだろ⁉
﹂
﹁惚けてたお前が悪い﹂
﹂
﹁翼さん
﹁⁉
?
では翼と鎧の少女がやり合っていた
﹁お呼びでは無いんだよ
に向けて放った
⋮
﹂
﹂
すると其処からノイズが操られて響の元に現れた
﹁あれは⋮ソロモンの杖⁉
﹁余所見を見る暇があると思ったか
!
合流出来なかった
ならば
﹂
そしてそのまま響はノイズに捕まってしまった
﹁っち
フォーム、オ・レ
と入れ替え、レバーを引いた
ーライド
ー
!
はそれを纏った
ー英雄の魂、オレに宿れ
ー
!
!
そして纏った憑友は拳同士をぶつけ、其処から炎を吹き出した
炎の魂を導く師者
見参
﹂
﹁その炎は灼熱のプロミネンス
︽炎魂導師︾ライド
そう言うや拳を構える憑友。
!
"!
それを見た青年⋮ロックはすぐに弓矢の射撃攻撃を連射した
!
!
!
!
!
すると其処から赤のカラーリングと炎をあしらった魂が現れ、憑友
!
!
そう言うや、憑友はカードを取り出してはアブソーバー内のカード
!
!
!
それを見た憑友は助けようとしたが、ソウルの射撃によって安易に
?
?
!
!
そう言うや鎧の少女は腰に携えていた弓なりの形をした武器を響
﹂
此奴等でも相手してな
!
すると、少女はそんな響を見たのか、
!
避けていると響の声が聞こえて来たので、その方向を見ると、其処
!
!
!
227
?
"
それを見た憑友は拳で全て叩き落とした
﹁⋮ほぅ⋮少しはやるようだな
水で潔く鎮火されれば良いものを﹂
﹂
﹁生憎、そんな程度の水温じゃ、俺の火力ではすぐに蒸気となって消え
るのがオチだぜ
そう言うと、それぞれ自分の得物を構えた
228
?
!
!
炎魂導師と水魂導師。
!
!
同じ師者が戦う異例の展開が始まった⋮
続く
!
第19話 水魂VS炎魂
﹂
そして2人はそれぞれの得物を構え、そして⋮動いた
﹂
﹁はぁぁぁぁ
﹁ふっ
!
﹁⋮ならば
﹂
共にジリ貧状態へと発展する。
対して、ロックの方も狙った場所を憑友の拳で悉く防がれていて、
い。
憑友が拳で攻撃する。が、ロックの弓矢の攻撃で、中々手が届かな
!
⋮なら、こっちだって
!
ていた。
﹁
﹂
ていた小刀を持った少年のような出で立ちの男のイラストが描かれ
黒髪で、青い服装をしていて、手に奇妙な形をした剣と黒く塗られ
した。
そう言うと、ロックはすかさず後退するや、1枚のカードを取り出
!
ド ラ ゴ ン・シ ン
る﹃英雄﹄︻憤怒の罪 メリオダス︼をケースから取り出した。
そしてそれぞれのアブソーバーに入れていたカードを交換し、レ
バーを引いた
ー
ー
!
!
フォーム、メリオダス
ーライド
!
?
はそれぞれ纏った
ー七つの大罪、憤怒のドラゴン
ー
運命の闇
ー
刃折れの剣
を取
と、鞘に収めて
"
ーランド・ザ・ソーディアン
すると憑友は背中に携えしメリオダスの愛剣
滅鬼丸
"
!
"
り出した。
するとロックも、腕に忍ばせていた小刀
いた剣を引き抜いた
!
"
!
!
!
と が、ロックの方にはマントを羽織った少年剣士の魂が現れ、2人
すると、それぞれのアブソーバーから憑友の方にはメリオダスの魂
フォーム、リオン‼
ーソウル
!
229
!
それを見た憑友は咄嗟に、以前翼の攻撃を全て反射させた実力を誇
!
﹁この剣の名はシャルティエ。俺が纏っている者が最後まで使用して
いた剣だ。それは最早相棒とでも呼べる代物だ。お前にはあるか
そう言う愛着のある剣が⋮﹂
シャルティエ。ロックは確かにそう言った。
本来、
﹃英雄﹄達はそれよりも少し上にあたる存在。通称︻英霊︼と
呼ばれる者がいるのだが、彼等は自身の使っている愛着のある武器や
防具などを総称して︻宝具︼と呼んでいるのだが、
この︻宝具︼は発動と同時に、その︻英霊︼達の本当の名前﹃真名﹄
を晒すと言う欠点を持っている。
その下位の存在である﹃英雄﹄も例外ではない。
数多の戦士達の武器や防具の名を知れば、それだけ自分に不利にな
りかねない事へも繋がるからだ。
ロックはそれでも、その剣の名を言った。
こっ ち
余程自信があると言う事になる。
ち
﹂
﹂
︶﹂
﹁なっ⁉ ︵なんだ、今の攻撃⁉
月閃虚崩
﹂
一振りなのに、まるで連続で斬られ
?
持していた剣が弾かれた
崩龍斬光剣
﹂
すると其処から瞬時にロックの姿が消えた⋮と同時に後ろから斬
!
"!
撃を食らわされた憑友。
﹁終いだ⋮
"
230
?
!
こっ
月閃光
!
﹁⋮悪いな。俺は剣術の方は護身用なんで。
拳闘術が得物なんだよ﹂
﹂
そう言うと、憑友は拳を前へと突き出した。
﹁そうか⋮なら、これで決めてやろう
そう言うと、ロックはすかさず懐へと入り込んだ
!
それを見た憑友は剣で防ごうとする。
﹁無駄だ。
"!
そこからまるで月を描くかのような動きに憑友の体勢が崩れた
"
ているかのような感覚は⁉
﹁
﹁⁉
"!
?
?
更に其処から今度はその動きにプラスした動きについに憑友が所
?
"
﹁ぐはっ⁉
﹂
全反撃
がロックに炸裂し
それと同時に空へとぶっ放されるや、其処から無数の連撃に襲われ
﹂
!
フルカウンター
た。しかし、負けじと憑友も力を振り絞った
‼
﹂
ぐわぁ
全反撃
フルカウンター
﹁なんの⋮
﹁何っ⁉
相 手 の 攻 撃 を そ の ま ま 跳 ね 返 す 技
た。
"
?
﹁⋮少しはやる様だな
た
﹃ソウル・リオン
だが、これはどう避ける
フルドライブ
﹄
!
﹂
!
た
それを見た憑友は咄嗟に剣を構える。
すると、隣にメリオダスが現れた
﹁
はい
行くぜ
﹂
﹁俺のもう1つの力を使うのを許す。それで止めろ
!
﹂
﹃ライド・メリオダス
﹁はぁぁぁぁあ
フルドライブ
﹄
!
塵も残さん
奥義
﹂
﹂
そう言うと憑友が所持している剣から黒い炎が現れた
﹁良い気になるな
!"
!
獄
炎
そしてそんな中で、憑友とロックは互いに距離を離した。
図の様な光景が出来上がっていた。
互いの技が炸裂し、周りの草木が燃やされるかの様な灼熱の地獄絵
大
﹂
﹂
それを見たロックはすかさず懐に入り、そして⋮
!"
"!
浄破滅燃闇
﹁
"!
!
!
!
そう言うと憑友はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
!
そう言うとロックが持っていた2つの剣から紫色の炎が噴き出し
!
そう言うとロックは左腕のアブソーバーのドライブボタンを叩い
?
それにより、ロックは吹き飛ぶが、なんとか体勢を立て直した。
"
!
!
デッドリー・ヘルブレイズ
﹁
"
231
?
!
"
?
"
!
!
!
!
"
﹁⋮やっぱ、すげぇな。あんたは﹂
﹂
﹁⋮なら、次だ﹂
﹁おう
ー
ー
そう言うとお互い、カードを取り出し、また新たなカードと交換し、
レバーを引いた
フォーム、ナノハ
ーライド
!
ー
黄色に変わり、そして黒のマントを羽織った
対してロックは黒を基調とした動きやすい服装に変わり、髪の色が
と腰にフォールドマントを羽織らせた。
色に変わり、女性のスカート部分は代わりに青が基調となったズボン
そして憑友は白を基調とした服装で、髪の色がクリムゾンから、茶
!
!
が現れ、2人はそれぞれ纏った
ー
エース・オブ・エース
ー全力全開
!
雷光一閃
ー疾風迅雷
!
!
ロックからは黄色のストレートで、黒の衣装を身に纏った女性の魂
すると其処から憑友側は白の衣装を纏った女性の魂が、
!
!
フォーム、フェイト
ーソウル
!
﹂
・
・
・
・
・
・
ロックがそう呟いていたが、憑友はそれを聞くことは無かった。
﹁⋮拒絶しそうになったが、なんとかなったか⋮﹂
そう言うとお互いの魂は元に戻った。
﹁なのは⋮うん♪﹂
あるから。でも、今度会ったら、また仲直りしようね♪﹂
﹁ううん。こればかりはしょうがないよ。それに、今は其々の立場が
⋮﹂
﹁ごめんね⋮なのは。本当はなのはとは私だって戦いたくない。けど
・
から今度は黄色の髪が特徴の女性がその髪をたなびかせて現れた。
そう言ってきたので、誰のことなのか聞こうとしたら、ロックの傍
﹁え
﹁如何しても戦わないといけないんだね⋮フェイトちゃん﹂
態で現れるや、
すると、憑友の方ではそのモデルになった﹃英雄﹄
・なのはが幽霊状
!
232
!
!
?
﹁さぁ、行くぞ
デバイス
﹂
デバイス
トの愛機・バルディッシュを構えた。
﹂
シュート
﹂
﹂
!
シュート‼
﹂
それを見た憑友もなのはの愛機・レイジングハートを構えた
﹁
プラズマランサー
アクセルシューター
?
"! " "!
かった。
﹂
﹁⋮なら、これで終わりだ
﹁ふっ⋮来い
﹂
!
﹃ライド・ナノハ
﹄
﹄
フルドライブ
フルドライブ
﹃ソウル・フェイト
!
﹂
ーー‼
ーー‼
ブレイカー
﹂
ロックは斧の形からビーム状になった大剣を構えた
憑友は杖の先端を矛先のように形作り、
そう言うと2人は互いの得物をそれぞれ構えた。
!
"
?
﹂
⋮
ザンバー
?
‼
‼
?
ジェット
"
"
全力全開
﹁
雷光一閃
?
﹂
﹁
スターライト
"
﹁
⋮
"
﹁
"
!
!
!
すると2人は共にアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
"
"
!
互いの事を分かっているのか、2人の戦いは中々均衡を崩す事が無
来るスピードアタッカータイプ。
を持ち合わせている。その為なのか、その分だけ速く移動する事が出
の属性へと直に変換する事が出来る希少能力・
﹃魔力変換素質・電気﹄
一方、ロックが変身した﹃英雄・フェイト﹄は、魔力をそのまま﹃雷﹄
持っている。その為、持久戦になれば、それだけ有利になる。
魔力の素・マナを自分の場所へと寄せ集める希少能力・
﹃魔力収束﹄を
憑友が変身した﹃英雄・なのは﹄は、ありとあらゆる場所に蔓延る
互いに魔法を用いた戦闘が開始された。
"
そして、
﹁
"
!
そう言うとロックは所持していた武器であり、先程の女性・フェイ
!
ハーケンセイバー
﹁
"
マルチシューター
﹁
"
"
"
233
"
"
"
そして其処から憑友は前方に魔法陣が現れて、それを矛先で突き、
対してロックはその大剣を振りかざした
!
⋮
‼
ソーバー内のカードを交換、そしてレバーを引いた
ー
!
剣を逆手に持って、特攻している場面のイラストだった⋮
フォーム、ユリウス
ー
をそのカードと交換し、レバーを引いた
ーソウル
ルドガー
﹂
すると先程のイラストの通りの好青年の男の魂が現れた。
それを見て、
﹂
如何したんだ
﹁まさか⁉
﹁
?
ー兄の覚悟は、弟想い
ー
それを見た憑友は首を傾げていると、ロックはその魂を纏った
ルドガーがその魂を見て、驚愕していた。
?
すると男はルドガーの方を見て、話をし始める。
いる男が現れた。
すると、ロックの横から茶髪で眼鏡、そして白衣のような羽織って
!
!
!
!
そうしていると、ロックはアブソーバーの中に入れてあったカード
!
茶髪て眼鏡を掛けており、そして白衣らしきものを羽織った男が双
ていたのは、
すると、ロックも憑友と同様にカードを取り出した。其処に描かれ
そして憑友はルドガーの魂を纏った。
!
!
そう言うと憑友は今度はルドガーのカードを取り出し、そしてアブ
﹁なら次だ
﹂
そして煙が晴れ、其処にいた2人。しかし、まだまだ余力があった
!
すると魔法陣から大魔力のビームが、
‼
?
大剣から特大の斬撃の衝撃波がぶつかった
ドガァァンッ‼
?
それにより、爆煙が発生する。
?
フォーム、ルドガー
ーライド
!
審判の槍
銃剣槌士
!
!
?
234
!
!
?
﹁随分と、成長したようだな
﹂
﹁⋮兄さん﹂
﹁はい⁉
ルドガー﹂
﹂
?
!
縦に振りながら、そう答えた。
﹂
﹁だが、今は⋮お前が何処まで成長したのか、見せてくれ
﹁兄さん⋮ああ
﹂
ロックは逆に冷静になり、ユリウスに質問すると、ユリウスは首を
﹁ああ﹂
﹁⋮お前が言っていた弟なのか
たのか、気になるような声音を発した。
なんとルドガーの兄と言う衝撃の言葉に、憑友は何処から声を出し
?
を仕掛けた
するとその2人を纏っている2人は同じ双剣を逆手に持って、攻撃
そう言うとルドガーとその兄であるユリウスはその場から消えた。
!
﹁
﹁
"
轟臥衝
雷封刃
﹂
﹂
﹂
双針乱舞
﹂﹂
﹃ソウル・ユリウス
﹂
フルドライブ
その覚悟、試させてもらうぞ
﹄
﹂
そう言うとすかさず回転しながら切り刻まれた
﹁
そう言うと、ロックは逆手に持った剣を広げて構えた
!
あまりにも咄嗟な状態に、憑友はそのまま受けてしまう⋮そして、
!
"!
!
そう言うとロックはアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹁中々だ⋮なら、これで終わりだ
どちらも互いの技を見切っているかの様に、悉く防いだ
"!
﹂
いの剣技がぶつかりあった
﹁
鳴時雨
﹁
"
アサルトダンス
﹁﹁
"
!
先ず手始めに牽制をすると、其処から一気に間合いを縮めると、互
﹂
﹂
"! "! !
"!
"! "!
"!
!
!
!
!
"
235
?
蒼破刃
﹁
"
魔神剣
﹁
"
"
"
﹁
ばっさいざん
じゅうが
祓砕斬・十臥
‼
そらよぉ
﹄
﹂
フルドライブ
﹁んな訳無いだろうが
!
其処からハンマーで一撃を加える
﹁槌で叩かれ、
剣で切り裂かれ⋮﹂
更に其処から双剣を一閃、おまけに回帰時に一閃。
‼
﹂
そして上空へと投げた2丁拳銃をとるや、其処から乱射した
あやみ
﹁銃で撃ちぬかれろ
﹂
ばっさいざん
祓砕斬・零水
﹁ぬぉっ⁉
?
⋮﹂
?
⋮
て事は⋮⁉
﹂
﹃残念﹄と書かれた案山子が置いてあった
﹂
﹁忍者かよ⁉
﹁遅い
?
﹂
しかし、奴は一体いつの間に変身をしたのだ
大丈夫か、ライドさん
嗟にアブソーバーを盾にして防いだ
﹁くっ⋮
﹄
﹃ああ。私は大丈夫だ
⁉
!
そしてロックも再び構えた。その時だった。
そう言うと憑友は再び構えた。
!
!
!
新たな姿へと変わったロックが小刀で、襲いかかろうとしたので、咄
何かを感知した憑友は咄嗟に後ろに振り返った。すると其処には
?
!
それを見た憑友⋮だが、よく見てみると⋮
﹁はぁ⋮はぁ⋮やったのか
そして、其処から倒れた。
その攻撃を食らったロック。
?
!
?
!
!
そう言うとすかさず腰に付いていた2丁拳銃を上空へと投げるや、
!
﹃ライド・ルドガー
それを食らった憑友だが、すかさずドライブボタンを叩いた
最後に十文字の斬撃が炸裂した。
こんなものか⋮﹂
"
"
!
236
?
!
!
!
"
"
?
﹂
﹃Gatrandis babel ziggurat edena
翼さんの声
l⋮﹄
﹁
﹁⁉
ひとまずここは保留にさせて貰おう⋮﹂
﹃この歌。前にも何処かで⋮﹄
?
それを見た憑友は﹁あ、待ちやがれ⁉
﹂と言いながら急いで、翼
そう言うとロックは瞬時に消えてしまった
?
と響のいる場所へと走って行った。
237
!
?
?
第20話 絶唱
憑友とロックが戦闘を開始していた頃、
翼と響は鎧の少女を相手にしていた。
だが、鎧の少女は腰に携えていた弓なり状の杖ー名称︽完全聖遺物︾
ソロモンの杖ーを使う。すると、響の所にノイズが操られて現れたの
だ
それを見た響は逃げる事にした。今の自分では、あまり戦う力が無
いから。
しかし、ノイズ達が特殊な粘液を吐いた。
それに触れた響は身動きが取れなくなってしまった
﹁その子に構って、私を忘れたか‼
﹂
それを見た鎧の少女はさっさと撤退しようとするも、
!
﹂
の足をガッシリと掴むや、其処から投げ、更に翼の頭を踏ん付けた
﹁のぼせあがるなよ、人気者
﹂
﹁この場の主役と勘違いしているなら教えてやる⋮
狙いは端から此奴と、あの格闘馬鹿を掻っ攫う事だ
?
たのか、驚きの表情を見せた。
﹂
﹁鎧も、仲間も、あんたにはすぎてんじゃねぇのか
鎧の少女はそう言い放つ。
﹁繰り返すものかと⋮私は誓った⋮
ら大量の剣が降り注いできた
!
﹂
そう言うと翼は剣を上空に掲げた。すると、その剣の先にある空か
!
﹂
それを聞いた響は自分と憑友が狙われているとは思いもしなかっ
指した。
と言いながら、鎧の少女は響と、向こう側にいた憑友の2人に指を
!
!
を腕のみで防ぐや、怒りとも呼べる様な声音を発すると、そのまま翼
翼が剣でそれを妨害し、更に足による追撃をするも鎧の少女はそれ
?
誰も彼もが構ってくれる等と思うんじゃねぇ
﹁くっ
!
!
すると鎧の少女は自分が何故此処に来たのかを話し始めた。
!
238
!
ー千ノ落涙ー
それを見た少女はすかさず跳び退き、翼も技を発動した後に身体を
動かし、その場から回避した。そして同時に2人は響の元から離れる
や、そこから爆発が何回も起こった
﹂
﹂
﹁大丈夫か⁉
で、何が起こったのか見ると、
それを見ていた響。すると、ノイズが瞬時に炭となって消えたの
!
がらそう語るので、響はどう言う事なのかと聞いてきた。
﹁︽ネフシュタンの鎧︾
﹂
あれは、︽完全聖遺物︾と呼ばれている代物だ﹂
﹁完全⋮聖遺物⋮⁉
﹁え
﹂
?
⋮あ。さっき、あっちの方へ⋮﹂
﹁⋮ところで、憑友は何処に
それを話した霊風は苦虫を噛むかのように表情を歪ませていた。
ともいけ好かねえ気分だ﹂
そんな完全聖遺物を、あの少女が身に纏っているという事か。なん
を誇っている。
︹悪人︺が使えば、それだけで世界を支配する事も不可能では無い実力
但し、それはあくまでそれを扱う者が︹善者︺の場合だ。
の資格の無い者達にも扱える可能性がある代物だ。
たにも関わらず、一度起動すれば以降は100%の力を発揮し、適合
その通りだ。︽完全聖遺物︾は数多の聖遺物よりも太古の昔にあっ
?
霊風は先程の鎧の少女が身に纏っていた鎧を見て、頭を掻き毟りな
それよりも⋮︽ネフシュタンの鎧︾とはな。厄介な事この上無いな﹂
﹁悪りぃ、此処へ来る際に別のノイズ達を相手に対峙していたんだ。
風がそこにいた。
そこには2つの槍を持った赤い衣を纏い、赤いハチマキを巻いた霊
﹁霊風さん
?
﹁如何やら、風鳴のおやっさん達から話を聞いていたようだな
?
た方向を見ると、そこには紫の炎と黒い炎が草木を燃やしいて、その
239
!
それでもやはり、冷静に戻ると、憑友の事を聞くと、響が指を指し
?
中で憑友ともう1人の存在・ロックが激しい攻防を見せていた。
﹂
すると近くから強烈な光が襲いかかって来たので、そちらを見渡す
﹂
ぐはっ
翼さん
と、
﹁
﹁うっ
﹂
こんな時、新手か⁉
伏していた。
翼
ちっ
?
﹁
﹁⁉
﹂
ている白い光球ーNIRVANA GEDONーを食らって、地面に
鎧の少女と戦っていた翼が鎧の少女が放った中心が黒い雷を発し
!
!
!
放つ
ちっ
邪魔するなぁぁぁぁぁ
﹂
するとその場所から数多のノイズが大量発生した
﹁⁉
!
甲斐の若虎の実力、思い知れーーーー
!
︻天覇絶槍 真田幸村︼の魂を宿していた
烈火
﹂
すると常人では到底不可能な速さで槍を動かした
﹁
大烈火
ーーーー
﹂
そしてそこから間を開けると、今度は更にスピードを上げた
﹁
!
紅蓮脚
そして⋮
大紅蓮脚
ーーーー
﹂
こから足の脚力でまるで独楽のように回り始めた
﹁
"
!
するとまたしてもスピードを上げて、ノイズを一掃し始めた
"
すると今度は腰に装備してあるカードを取り出し、アブソーバーに
!
"!
!
そして最後に大きく踏み込み突きするや、2つの槍を繋げるや、そ
"
!
"!
!
!
憑友の所にいる武将・︻奥州筆頭 伊達政宗︼の永遠の好敵手⋮
時代に生き抜いた武将であり、
戦国武将の1人にして、この現世に史実とはまた違う異なった戦国
そう、彼が今その身に纏っているのは、
始めた
そう言うと霊風は2つの槍を前方に構えると、そこから連続で突き
!
?
!
!
すると少女は腰に携えていたソロモンの杖を取り出すや、ビームを
?
!
!
240
!
!
!
"
"
"
ー
装填されていた幸村のカードを取り出すや、すかさずそのカードを入
フォーム⋮キョウコ
れ、レバーを引いた
ースピリット
!
!
纏った
つるぎ
囲に入り、一掃された
﹂
る豪快なやり方だった
﹁次だ
フォーム、レヴィアタン
替えレバーを引いた
ースピリット
水竜姫
!
はそれを纏った
ー絶対防衛
ー
ー
たアクセサリーのようなものを身につけている少女の魂が現れ、霊風
すると今度は青い髪をストレートにして、その頭には竜の翼を模し
!
!
そう言うと今度はまた違うカードを取り出し、そしてカードを入れ
!
変身のモデルである杏子の得物・
︽多節棍槍︾を使った芸当とも呼べ
!
が徐々に長くなり、終いには遠くにいたノイズ達までも薙ぎ払いの範
手の所がパカッと割れるやその隙間からチェーンが見え、そしてそれ
持ち変えていた。すると遠くのノイズを狙って槍を薙ぎ払うと、持ち
すると霊風の髪がポニーテールに纏められ、手には一振りの槍へと
ー剣に答えし、多節な槍
ー
ンレッドの服装をし、槍を持った女の子の魂が現れ、霊風はそれを
そう言うとアブソーバーから赤い髪をポニーテールで結った、ワイ
!
!
﹂
﹂
﹁えぇ⁉
翼が生えてきた
すると霊風の髪がポニーテールからストレートになり、腰辺りから
!
!
!
彼処からなら
!
を見渡す。
﹁⋮
﹂
それを見た響は驚いていると、今度はなんと上空へと飛翔し、辺り
﹁ふっ
?
から三叉槍に持ち替えていた。
241
!
!
!
!
そう言うと、先程とはまた違い、杏子の時に使用していた多節棍槍
!
すると今度はその槍をとある場所に向けた。
しかし、向けた場所にはノイズがいなかった。
!
それを見た響は首を傾げるが⋮次の瞬間、目を見開いた。
!
何せ、槍の矛先から水が大量にこちらの方へとやって来たのだ
﹂
そしてその水は霊風の上空に集まって、水の塊を作り上げた
﹁一気に決める
﹄
フルドライブ
そう言うと、アブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹃スピリット・レヴィアタン
!
﹂
‼
!
!
!
ハイドロ・カッター・レイン
!"
せたノイズを相手に闘っている時、
﹁彼奴⋮中々やるなぁ∼
それに比べて⋮あんたはまるで出来損ないだな
そう言いながら、翼を見ていた鎧の少女。
﹂
﹁確かに⋮私は出来損ないだ⋮﹂
﹁ぁ
﹁この身を一振りの剣として鍛えて来た筈なのに⋮
あの日、無様に生き残ってしまった⋮
出来損ないの剣として、恥を晒し続けてきた⋮
﹂
!
﹁そうかい。なら、脱がせるものなら脱がせて⋮何
﹂
﹂
そう言いながら、剣を杖のようにして立ち上がる翼。
この身の汚名を削がせて貰う
奪われた︽ネフシュタンの鎧︾を取り戻す事で⋮
だが、それも今日までの事⋮
!
憑友がロックと、霊風は響を守りながらノイズを鎧の少女が呼び寄
さて、場面を少し巻き戻すとしよう。
ーーーーーー
それによりノイズが一掃されたのであった
した
するとその水の塊から水の斬撃刃が形成し、それを雨のように降ら
﹁食らえ
?
!
!
?
?
242
"
!
!
?
そう言うと鎧の少女が動こうとしたが、何故か身体が動かなかった
!
何故だと少女は思っていると、ふと足元の影を見た。
﹂
そこには翼が先に投擲した小刀が影を刺し、地面に刺されていた
これは⋮
ー影縫いー
﹁⁉
!
﹂﹁翼さん
﹂
﹂
?
すると翼は響に顔を向けた
﹂
!
翼
﹂
﹂
そう言うと剣を響の方へと向けて話し続ける。
﹁防人の生き様⋮覚悟を見せてあげる
!
少女の言った言葉に霊風と響が翼の名を叫ぶ。
﹁翼
﹁歌うのか⋮︽絶唱︾を⋮⁉
それを聞いた少女は、その身を青ざめさせた。
そう言いながら、翼は覚悟を持った目付きで少女を見た。
﹁月が覗いている内に⋮決着を着けましょう⋮﹂
そう言おうとしたら、翼は月を見ながらこう言った⋮
﹁お前⋮まさか⋮﹂
かの展開が頭によぎる。
すると、翼は月を見ていた。そして、今の現状を見て、少女はまさ
それを見た鎧の少女は一瞬だが、何かを思い出す。
!
!
﹁貴方の胸に⋮焼き付けなさい
﹁やめろ
!
!
お前がいて、奏がいるから俺がいるんだ
﹁おい⋮ふざけんじゃねぇ⋮ぶざけんな∼‼
?
ねぇかよ
?
が、翼はそれでも少女の方へと向き直りそして⋮
それでも必死になって、翼の行為を止めさせようと奮闘する霊風だ
これ以上、彼奴に負の感情を与えるんじゃねぇ‼
﹂
お前がいなくなれば、俺もそうだが、何よりも奏が悲しむだけじゃ
!
奏の事⋮お願いします⋮﹂
﹁御免なさい、霊風さん。
だが、
すると今度は霊風が翼を止めようと必死になっていた。
!
!
243
?
!
歌い始めた⋮﹃絶唱﹄を。
﹃Gatrandis babel ziggurat edena
l⋮﹄
ーーーーーー
翼さんの声
﹂
その翼の声を聞き、遠くにいた憑友とロックは耳を澄ましていた。
﹁
﹁⁉
ひとまずここは保留にさせて貰おう⋮﹂
﹃この歌⋮前に何処かで⋮﹄
?
﹂と言いながら急いで、翼
?
翼ーーーー
!
zzl⋮﹄
﹁やめろ
﹂
﹃Emustolronzen fine el baral zi
ーーーーーー
と響のいる場所へと走って行った。
それを見た憑友は﹁あ、待ちやがれ⁉
そう言うとロックは瞬時に消えてしまった
?
シュンッ
﹃fine el zi⋮﹄⁉
言い切れなかった。
﹂
その声を聞いた皆はその方を向く。
﹁⋮無駄な血は流したくはないのだがな
﹂
何が起こったのか分からない皆、すると其処から声が聞こえた。
?
!
﹃Emustolronzen﹄
そして肩を持たれ、最後の詠唱を⋮
いた⋮
ようとしたが、外してしまい、それと同時にもう直ぐ目の前まで来て
た身体を無理やり動かし、ソロモンの杖を使って、ノイズ達を盾にし
そして徐々に少女の方へと近づく翼を見て、少女は影縫いに縫られ
l⋮﹄
﹃Gatrandis babel ziggurat edena
る霊風。だが、それでも翼は歌い続けた。
絶唱を歌い続ける翼。それを必死になって止めさせようと示唆す
!
!
?
244
!
?
そこには黒塗りの弓を持った赤い外套を羽織った青年・ロックがい
た。
﹁そんな⋮﹂
響は絶望した。彼と戦っていた憑友がいないからだ。
﹂
するとそれを察したのか、ロックは話し始める。
﹂
﹁そこのアマ。まだ奴は生きている。現に⋮
﹁はぁぁぁ
!
方まで跳んで行った
そして着地するなり、また話を続けた。
翼さんに何をした
﹂
﹁このように、まだ俺の事をしつこく狙ってきているしな
﹁お前
﹁⁉
︵こ、声が⋮出ない⁉
⋮
身体は
!
⋮
声が出ないと言った状態に陥ってしまっていた
しかもおまけに、身体が言う事を効かない。
︶﹂
﹂
動けない⁉
!
そう言うと憑友は拳を構えて警戒態勢に入った。
!
一方、翼は何が起こったのか分からず状態だった。
?
?
!
それを気配で察知したロックはすかさず上空に回避し、鎧の少女の
言い切ろうとすると其処から憑友が拳を構えて殴り掛かった。
!
告げた。
という技を御存知か
⋮ああ。案ずるな防人嬢。
影縫い
の器官を封じる効果が付与されている。
狙った部位に該当する影の所を狙う事で、その部位の内部及び外部
﹁俺のはそれの発展系でな。
だが、彼も扱えるという事に目を見開く。
だった。
翼も忍びの家系として生まれてきた緒川から教わって会得した技
忍びのいた時代では、それが大きな戦力としても捉えきれていた。
?
﹁
﹂
貴殿は
﹁‼
﹂
すると何が言いたいのかが分かったのか、ロックは翼に対してこう
!
?
!
影縫い。それは忍びの技。
"
245
?
?
"
?
とでも名付けようか﹂
この場合は、喉や口を狙ったから、発声器官が封じられたのだろう。
名付けるなら⋮
影縫い・発声殺し
"
る。なので、この場は退かせて貰う⋮ではな
ちょっ⁉
おま﹁撤退だ。指図は受けんぞ﹂⋮くそっ
人絆憑友⋮貴殿との勝負を持ち越すのを許し給え⋮﹂
﹁⁉
?
はぁ⋮はぁ⋮はぁ⋮﹂
﹂
ゴホッ⁉
ようになった翼。
ゲホッ
だが、
﹁⁉
!
﹁翼さぁぁぁぁん
﹂
?
﹂
それにより、声もちゃんと出ていて、尚且つ身体が動く事が出来る
﹁
の影に刺さっている矢を退かせた。
追撃しようと思ったが、憑友はその拳を構えるのを止め、そして翼
去ってしまった⋮
そう言うと少女に刺してあった小刀を抜き、そのまま空へと消え
!
?
﹁案ずるな、影に刺さっている矢をどかせば影縫いと同様に自由にな
﹂
﹁⁉
"
?
?
知らなかった⋮
そしてその場所に1つの石板があったという事をこの時の彼等は
アンの近くに設立してある病院へと急いで搬送した⋮
そしてそれと同時に、現場に弦十郎が現れ、憑友達は急いでリディ
全て歌っていた為か、口や鼻から大量の血を吐き出した。
﹃絶唱﹄を最後の最後で妨害されてはいたものの、それでもやはりほぼ
!
246
?
!
第21話 帰省
あの後、病院に搬送された翼は医師達の手術を受ける事になった。
その時、弦十郎が頭を下げていた。
その後、弦十郎は近くにいた黒服の男達に憑友達が戦った2人の存
在と︽ネフシュタンの鎧︾の捜索を言い渡し、弦十郎はまた地下深く
の二課の方へと戻っていった。
現在、待合室には憑友と霊風の︽精魂導師︾の2人とこの中で唯一
の︽シンフォギア︾の装者である響、そして翼のマネージャーである
緒川の4人だけだった。
ライドやスピリットはメカ故に、翼の手術のサポートを任されたの
で、現在は端末内にはおらず、手術室の電子機器内に入り込み、手術
の手伝いをしている。
﹂
すると弦十郎と入れ違いなのか、奏が憑友達の前に現れた。
﹂
憑友∼
247
﹁翼は⁉
﹁⋮すみません。俺がいながら⋮
⋮あら
﹂
﹂
!
そしてそれは現実と化す。
﹁♪∼♪∼⋮
か、母さん
﹂﹂
!
なんと憑友の母・ジャンヌがやって来たのだ
﹁﹁はぁぁ⁉
﹁憑友君のお母さん
﹁
?
?
﹂
その独特の足音に何処かで聞いた様な気がしてきた憑友と響。
すると、そんな憑友達の方から足音が聞こえた。
対して霊風は今の翼の容態を言うと、奏は逆に安心しきっていた。
が無いと思っていた。
翼の安否を気にしていた奏だが、憑友は自分の不甲斐なさに申し訳
﹁⋮そっか⋮﹂
だが、それでも崖っ淵に立たされているのは確かだ⋮﹂
﹁落ち着け。一応、命の危険性は低いと医師は言っていた。
!
?
久しぶりの我が子を見てその場で抱きつくジャンヌ。
!
!
﹂
く、苦しい⋮︵色んな意味で死にそう⋮あ、いや俺もう半
﹁久しぶり∼♪元気にしてた∼
していて、
忘れてた
!
響と緒川の2人は苦笑いをしていた。
すると、ジャンヌは﹁はっ⁉
方へと赴いていた
﹂と言うなり、手術室の
そんな2人の関係を見て、霊風と奏は目をパチクリしながら呆然と
友だったが、自分は半分死んでいたと思い返していた。
そのあまりにもデカイ胸に押し付けられて、窒息死になりそうな憑
分くらい死んでるんだった⋮︶﹂
﹁ちょっ⁉
?
?
く、苦しい⋮⁉
﹂
するとジャンヌは再び憑友に抱きついた
﹁がはっ⁉
!
その言葉を聞いた憑友と響はホッと一安心していた。
﹁私にかかれば、こんなのは朝飯前よ♪﹂
から、
それを見た憑友達はジャンヌの方へ駆けだし、そしてジャンヌの口
入っていった。
そう言うと2人は握手し、そして担当の医師は再び手術室の方へと
たので♪﹂
﹁いいえ∼♪寧ろ、大事な息子の友達なら、尚の事救いたいと思ってい
﹁本日はお忙しい中、態々来てくれてありがとうございました﹂
現れたのは担当の医師とジャンヌが現れた。
え、
そしてジャンヌが入室して僅か5分以内に、手術中のランプが消
と100%自信を持っていた。
﹁あ、これ確実に生き返るな⋮﹂
それを見た憑友は、
と言うなり、手術室の方へと入っていった。
﹁大丈夫♪こう見えて、お医者さんなのよ♪﹂
それを見た奏と霊風は止めようとするも、
!
﹁えへへ∼♪久しぶりの我が子との再会なんだから∼♪
?
248
?
?
﹂
少しは我慢しなさいよね∼♪﹂
﹁な、尚の事キツい∼⁉
けた。
﹁響ちゃんも久しぶりだね♪﹂
ご、ごぶしゃたしていましゅ⁉
?
と⋮
﹁く⋮苦しい⋮ギブ⋮
﹂﹂
!
た。
︶あ
!
﹁ごめんね∼♪﹂
﹂
﹁だったら、そんな事するなよ⁉ アラフォーのくs︵ゴツンッ
痛っ⁉
?
それに伴い、開放するなり、憑友はぜはぁぜはぁと息を荒くしてい
更ながら思い出した。
憑友がジャンヌの胸に押さえつけられたままだったと言う事を今
﹁あ﹂
﹂
すると、ジャンヌの視界の下から手が出てきたので、その先を見る
に違和感ありありだったのだから。
見た目は如何あっても20歳のこの女性が憑友の母親だと言う事
まさかのカミングアウトに2人は息ぴったりに驚いていた。
﹁﹁・・・・・・はい⁉
私はジャンヌ。憑友の母親で∼す♪﹂
﹁えっと⋮貴方達が天羽奏ちゃんと、精妖霊風君ね
そんな2人を見て緒川は相変わらず苦笑し続けていた。
そんな響を見た2人はこれまた呆然としていた。
響はちょっといやそれどころか、カミまくりだった。
﹁は、はひぃ
﹂
するとジャンヌは憑友を抱きついたまま、今度は響の方に視線を向
それを見ていた奏と霊風はまた呆然としていた。
?
?
?
それを見た皆は﹃︵禁句だな⋮絶対に⋮︶﹄と全員の心が一致してい
憑友が見ない内に反抗期迎えてる∼
!
た。
﹁うわぁ∼ん
!
249
!
憑友が反論すると問答無用にジャンヌから鉄拳制裁をくらった。
?
お母さん寂しいよ∼
うぇ∼んうぇ∼ん
憑友
﹂
リディアンに通ってるのよね
﹂
﹂
﹂︵つД`︶ノ
!
﹁息子に対して拳骨しておいて嘘泣きするなよ⋮﹂
﹁⋮ちっ﹂
﹁今、﹃ちっ﹄って舌打ちしてたよな⁉
その場は一瞬で混沌と化した。
﹁あ、そうだ
すると、ジャンヌは話を変えてきた。
これには流石の4人も呆然としていた。
?
﹂
と言うより、なんでそんな事母さんが知ってる訳
﹂
良いわね∼♪両手に花なんて♪そう言う三角関係
と言うよりも話を逸らすな
も有りよね∼♪﹂ジー⋮
﹁はあ⁉
/////﹂
⋮あ、そう⋮﹂
﹂
それも格が違う名医師なのよ
﹂
﹂
?
言っておきながら。
﹁⋮それで、本題は何
﹂
バレちゃった
﹁あら
﹁翼さんの事は恐らくもののついでだろ
﹁へ
﹁私はお医者よ
?
あの子の場合は、ただ単に救ってやりたいと思っただけよ
﹁翼ちゃん⋮さっき手術を受けた女の子ね。
?
?
?
?
こんな事の為に来たんじゃないだろ
そう言うと憑友はさっさと話を変えてきた。話を自ら逸らすなと
そんな響を見た奏と霊風はなんとなくその気持ちを察していた。
憑友は余程鈍感と見た。
響は顔を俯き耳まで顔を真っ赤にしていた。
憑友は病院なのに思わず叫んでしまい、
!
﹁あら♪そうなの
?
!
アしてるんだけど
﹁いや、会ったと言うよりも、俺、今は響と未来の寮部屋でルームシェ
!
!
⋮うん。まぁ通ってるのは確かだけど⋮﹂
!
﹁未来ちゃんともう会った
﹁あ
!
ジャンヌの爆弾発言に、
﹁⁉
?
?
?
250
?
?
?
?
人の命、ましてやまだ若い青春真っ盛りな女の子を見す見す見殺す
ような女に育った憶えは更々ございませ∼ん♪
今度の週末⋮
さて、話が逸れちゃったから、本題の方はざっくりといきま∼す
憑友
﹂
響ちゃんと未来ちゃんを連れて⋮
家に帰省しなさい
﹂
!
﹁⋮一言言わせろ⋮
と言う事で
不幸だぁぁぁぁ⁉
が、
その時に言われたんだ∼﹂
﹁へぇ∼、その時にジャンヌさんに会ったんだ
﹁そ、そうなの
﹂
﹂
今の所は大丈夫そうで、後は奏さんや霊風さんに任せて来たのだ
あれから俺は翼さんのお見舞いに行った。
はぁ∼。なんでこうなるんだよ⋮全く。
ーーーーーーSIDEto憑友
ーーー数日後。
﹂
﹁因みに拒否権は無いので、よろしく∼♪﹂
その際に医師達に怒鳴られてしまった。
またしてもジャンヌの爆弾発言に憑友はまた大声で叫んでしまい、
﹁・・・・・・・・・・・・・はい⁉
!
?
﹁呑気に話している場合か、お前らは⋮
?
﹁自然都会﹂の方へと向かっていた。
その時、俺はふいに窓の外を見た。
そこには﹁自然都会﹂に向かって飛んでいく小さな虫達の群れが見
なんだあれ
﹂
えていて、その都会から大量の鳥が一斉に飛び交っていた。
﹁
﹁如何かしたの
﹂
251
?
!
今、俺は未来と響と一緒にモノレールに乗っては、俺の実家がある
?
!
?
?
?
﹁⋮いや、何でもないや﹂
取り敢えずそう言うと俺達はモノレールを下車し、目的地である
﹁自然都会駅﹂に到着した。
此処は他の区域とは違い、
①車などの自動車やエンジン搭載車は運転による敷地内への侵入
禁止。
︵但し、自転車や徒歩、電動工具や家庭用品はその限りでは無い︶
②野生の動物達もいる為、狩猟や捕獲・密輸の禁止。
この2つを守って生活さえしてくれれば、後は何も文句は言われな
い場所である。
因みにこの駅はギリギリ敷地外なので、その効果範囲外である。
そう言うと俺達は徒歩で自宅の方へと歩いて行った。
だが、異様な光景を見た。
それは⋮虫の数だった。
﹂
に痛みが来たのか、響はびっくりしながらそう言い、未来はそんな響
いや、でも彼処まで怪我はしない筈なん
の手を心配しながら、絆創膏を貼っていた。
だけど、今のは静電気か
その時だった⋮
追った。
それを見た響はまっすぐ走りだしたので、未来と俺も急いで後を
の先に見えた。
そんな事を考えつつ、歩いていたら、あっと言う間に自宅が目と鼻
だが⋮⋮んじゃ何なんだ
?
?
﹂﹂﹂
252
﹁自然都会﹂でも、これ程の数の虫を見た事が無かった。
︶痛っ⁉
しかも、よく見てみれば、見た事無い虫がいっぱいいた。
﹂
﹁凄∼⋮︵パチッ
﹁大丈夫
?
とか言っていたら、響が早速その虫に触れると、虫に触れた方の手
!
﹁グルルルルルル⋮﹂
﹁﹁﹁⁉
?
まるで何かに飢えているかのような鋭い視線に俺達はすぐに身を
寄せて、固める。
そしてそいつは現れた。
碧の色合いをし、所々に白い毛が生えたまるで竜の鱗を纏った狼
に。
その姿に、俺は響と未来を背中の方にやり、拳を構えた。すると、
﹂
﹁わぁ∼い♪﹂
﹁へ
なんとその狼の上に黒髪ストレートの小さな女の子がその狼の上
と、そう言おうとしたら、カードケースが勝手に開いて、そ
で眺めていやがるときた
危ない
!
﹁ユイ⁉
﹂
﹂
パパ
﹂
﹁え
﹂
﹁へ
・
・
・
﹂﹂﹂
・・・・・・・・・え
﹁あ
?
﹁﹁﹁えぇぇぇぇぇ⁉
?
そしてキリト師匠はその子を凝視して、そして一言⋮
如何やら今は誰でも見えるようだ。
それに気付いた響と未来も驚いていた。
こからなんと俺の剣術の師匠・キリトが現れた。
!
!
﹁あ、憑友
﹂﹂
それに響ちゃんに未来ちゃん
﹁あ、義姉さん﹂
﹁﹁憑友君のお姉さん‼
﹂
!
や、俺達にも説明してくれ⋮。
何事かを聞こうとしたら、近くにいる狼を見て納得していた⋮い
?
!
すると、その声を聞いたのか、自宅の方から誰かがこっちに来た。
またしても爆弾発言を投下された俺達であった。
?
?
253
?
!
?
すると義姉さんはこう告げた。
﹁こ の 狼 は オ ウ ガ っ て 言 う の。種 族 名 は ジ ン オ ウ ガ っ て 言 う ん だ っ
﹂
て。憑友がリディアンに通い始めた頃に解析した﹃英雄石板﹄から出
﹂
て来た謂わば歴とした歴戦の猛者よ
﹂
﹂
﹁いや、明らかにモンスターだろ
﹁そうだけど
﹁いや、そこは否定しろ⁉
?
人の話をスルーするな
⋮あ﹂
子のように幸せムードを醸し出していた。
﹁まさかキリト君の娘さんだなんてね♪⋮あれ
確かキリト君って、16.7歳くらいじゃなかったっけ
﹂
色々と計算が合わなくなってきたぞ。
だとなると⋮あれ
るな﹂
﹁私そこまで馬鹿じゃないよ⁉
﹂
﹂
﹁字が下手な奴の何処が馬鹿じゃないだ⁉
せに
﹁人の心を抉るような言い方しないでよ∼⁉
﹂
?
?
?
﹁取り敢えず、2人共落ち着け﹂
いつもレポート三昧のく
ん∼駄目だ。やっぱりややこしくなるから、響に教えても無意味にな
﹁ああ。英雄達は皆、全盛期の頃の姿で俺達の世界に記されていて⋮
﹂
﹁えっと⋮如何いう事
?
自分達の全盛期の頃の姿で現れるって、言っていたな。
・・・
⋮確かに。確か﹃英雄石板﹄に記されている﹃英雄﹄達はその時の
?
?
が、視線の先には、キリト師匠とその女の子・ユイちゃんがまるで親
その子の事でセレナ義姉さんはここ最近心配していたそうだった
そうしてさっきの女の子⋮ユイだったな。
﹁え
たんだけど⋮如何やらその心配は無くなったみたいね﹂
はとある﹃英雄﹄の娘さんらしくて、誰なのかさっぱり分からなかっ
﹁んで、オウガの上にいる黒髪の女の子は﹃ユイ﹄って言う名前で、実
!
それでも次の話をするセレナ義姉さん。
?
?
?
254
?
!
そう言うとセレナ義姉さんは俺と響にW脳天チョップを食らわせ
た。
痛い⋮かなり痛い。
﹁痛いです∼セレナさん∼﹂
﹁まぁ、それは良いとして、早く中に入りなさい。
ごめんね、オウガ。この子は私の義弟なの。
そしてこの子達はその義弟の幼馴染なの。
貴方のテリトリーにおそらく入っちゃったのかもしれないけど、そ
れでも許して貰えないかしら⋮﹂
﹁グルルゥゥ⋮⋮﹂
そう言うとオウガと呼ばれた狼はすぐにお座りの姿勢になった。
するとオウガの頭の上にいたユイちゃんがオウガの背中を滑り台
のように滑走していった。
⋮てか、その背中、よく滑るね⋮見た目ゴワゴワしてるのに。
義姉さん、あの狼を手懐かせたの
合いしたからそうなってるのかもしれないな∼
255
そう言うとオウガは何か鳴き声を鳴いた。
﹁クオォォォォォ∼﹂
その鳴き声に誘われてやって来たのは、先程響が痛い目にあったあ
の虫だった。
﹂
すると虫達はその狼の周りに集まって、その身体にひっつく。
そして、
﹁グォォォォォ‼
その雄叫びと共に、身体のあちこちに生えていた毛が逆立った
それを見た俺達は驚愕していた。
くすぐったいってば∼♪﹂
な、何今の
﹂
するとオウガは、セレナの方に近付いて、セレナの顔を舐めた
﹁ちょっと
﹁﹂ペコリ
﹁⋮は
!
虫を纏いながら、その身体の体毛がまるで怒りに満ち溢れていた。
!
?
そう言うと狼はすぐにその場を去っていた。
!
﹁ううん。全然♪強いて言うなら、あの子の気持ちを弁えた上で話し
!
さ、家に入りましょ♪ユイちゃんもお腹すいたもんね∼
﹁はい♪﹂
﹁﹁可愛い∼♡﹂﹂
﹂
?
ユイちゃんの言った一言で響と未来はもうメロメロ状態になって
いた。
各言う俺もそうであるのだが⋮
﹂
﹂
だが、それ以上に、
﹁師匠∼
﹁ギクッ⁉
﹁色々と話して下さいね♪﹂
﹁あ、ああ⋮﹂
256
?
如何いう事なのかはっきりと説明するまで、返さないからな
!
?
第22話 新たな仲間
前回の話
かつて、二課が研究していた完全聖遺物︽ネフシュタンの鎧︾を纏っ
により絶
た少女と、
︽水魂導師︾の名を持つ青年が憑友達の前に現れ、憑友はそ
の青年ことロックを相手に互角に渡り合っていた。
影縫い・発声殺し
だが、その時に翼が絶唱を放とうとする。
だが、対峙していた相手⋮ロックの
白いワンピースを着ていた女の子がいた。
しぶりに帰宅すると、そこに居たのは碧色の鱗を纏った狼と、黒髪で
そしてその母親の命令で、響と未来を連れて憑友は実家の方へと久
その病院で、憑友は母・ジャンヌと久しぶりの再会をしていた。
その際にかなりの負 荷が翼を襲い、病院に搬送された。
バックファイア
唱を歌い損ね、そしてロックと鎧の少女はすぐに撤退した。
"
になるなんてね∼﹂
親父
﹂
﹁あんたの今の説得力皆無だからな⁉
抑えていた。
﹂
玄也の答えに何も意味が無い事を知ると、憑友はかえって手で頭を
ミルクを飲んでいた。
そして未来の膝の上では先程の黒髪の女の子・ユイが座り込んで、
たりする。話がついていけないからである。
その間、隣で座っていた響と未来は、のんびりジュースを飲んでい
によるものだと判明したので、説明を求めていた。
思って、聞いてみたら、まさかの﹁﹃英雄石板﹄の解析から出た結果﹂
何故なら、家の前であんなにもデカい狼がいる時点で、もしやと
今現在、憑友は父・玄也に理由を問うていた。
?
257
"
そして一悶着あったものの、現在は自宅の方へと足を踏み入れ込ん
でいた。
ーーー
﹁⋮で、あれは一体何だよ⁉
!
﹁いや∼﹃英雄石板﹄だから人しかいないと思ったら、案の定あんな事
?
﹁まぁ、でもね
如何言う事
﹂
?
﹂
?
﹁⋮良いか
﹂
?
ユイ。お前の事を言っても⋮﹂
教えてくれるかい
それだけが知りたいんだ。
いよ。けど、この子は他の子達よりも人の感情を敏感に捉えている。
﹁さて、ユイちゃんの事だけど⋮包み隠さず話して欲しいとは言わな
それを見た憑友は苦笑を浮かべていた。
た。
それを見た響と未来はユイの仕草にまたメロメロ状態になってい
た。
すると、先程まで未来の膝上で座っていたユイがキリトに抱きつい
すると光の粒子が形成し、黒の服装の姿をしたキリトが現れた。
﹃現界ブースター﹄を取り出して、キリトのカードを差し込んだ。
そう言うと憑友は今回の帰省の際にリディアンの寮で完成させた
接話を聞かせてくれないか
があるみたいなんだ。キリト君は知っているみたいだから、彼から直
敏感なのか、その人の所へ行くなり、その人の精神面を回復させる力
ユイちゃんは寂しいとか悲しい、怒り等の謂わば﹃負の感情﹄には
﹁まず、ユイちゃんの方から。
すると玄也はその話を始めた。
そんな中でも憑友はもう訳が分からなかった。
首を傾げる仕草でその2人が心癒されたのは事実だが⋮。
玄也が言った言葉に首を傾げる未来と響とユイ。ユイは特にその
﹁え
け分かったのは事実かな﹂
あのユイちゃんや、ジンオウガも﹃英雄﹄と呼ばれる由縁が少しだ
?
た。
に座りキリトの膝に頭を置いた。俗に言う膝枕をし、キリトは話をし
そう言うと、キリトは近くのソファに座り、ユイはそのキリトの隣
﹁⋮分かった﹂
﹁はい。この人達は大丈夫です﹂
?
258
?
﹂
﹁ユイは⋮人工知能︽AI︾なんだ﹂
﹁え
﹁人工⋮﹂﹁知能⋮﹂
キリトのカミングアウトに憑友と響、未来は驚いていた。
その後も話をし続けたキリト。話を纏めるとこうなった。
先ず、ユイはキリトの娘だが、人工知能︽AI︾と言う存在な事。
そして、ユイはそのなかでも特に人の感情能力を察知し、そしてそ
れをケア⋮つまり対処する為にいる存在︽メンタルヘルスケア︾のプ
ログラムを持っている電子体だと言う事に。
だが、キリトが英雄になる切欠を生んだ事件で、ユイはその時に大
量のエラーを蓄積し、遂には自分の名前以外の事を全て忘れてしまっ
た悲しい女の子となった。
その時にキリトは出会ったそうだ。
以来、キリトと共に行動していたユイはすくすくと成長した。
見た目は変わってなくても、キリトはユイは大事な娘だと言いきる
までにユイの事を娘のように今でも可愛がっていると言う事に。
﹁⋮そっか。ありがとう、キリト君。そこまで話してくれて﹂
﹂
﹁いや。此処まで話さないと、ユイの事を話すには必要だったからな。
それはそうと、ユイはこの後如何なるんだ
?
﹂
キリトは心配になっていた。もしかしたら、ユイをこの家に預ける
事になるかもしれないと。
けど、それは杞憂となった。
﹂
﹁だったら、私達で面倒見ようよ
﹁未来
!
心したのか、
﹂
﹁それじゃあ⋮お願いしても良いかな
﹁はい
﹁⋮ありがとう﹂
を下げたのであった。
﹂
玄也は未来にお願いしたのであった。そしてキリトも軽くだが、頭
?
259
?
なんと、未来が名乗りを上げたのだ。その目を見た玄也は、意を決
?
!
それを見た憑友は頭を抑え込み、響はしどろもどろになっていた。
すると玄也は次の話題へと切り替えた。
﹁それじゃあ、ユイちゃんに関する話は此処までにしようか。
次はあの狼⋮︽雷狼竜︾ジンオウガの事について話すとしようかな﹂
そう言われて、憑友達は話を聞いた。
﹁彼に関する事はそのあまりにも凄まじいの一言に限るね。
セレナ曰く、
﹃自然と共に行動していた﹄と言っていた。
そしてそれは石板にも詳しく書かれていたんだ。
それがこのジンオウガの石板だよ﹂
そう言うとソファの横に置いてあったジュラルミンケースを机に
置き、そしてケースを開き、そしてその石板を憑友に渡した。
﹂
それを受け取った憑友は、じっくり見て、解析した。
﹁︻無双の狩人と呼ばれし狼の竜の軌跡︼
﹁それがジンオウガの﹃英雄石板﹄だ﹂
そう言われて、憑友は文章を読んだ。
﹁﹃その者は人に非ず。己を狼に化けし竜なり。
身体に虫を纏わせ、共に過ごさん。
数多の力で幾万の狩人と呼ばれし者達を薙ぎ倒して来た。
故にその者、︻無双の狩人︼と呼ばれる様にならん。
その身に宿りし雷で、多数の敵を世に葬って来た。
その意味も兼ねて、その者に雷纏いし狼の竜⋮︽雷狼竜︾と呼ばれ
る様になった。
今宵も彼は、己の領土にて、浸入せし者達を薙ぎ倒さん。
全ては自分のかつての領土を奪った嵐の力宿りし龍に復讐する為
に⋮﹄
⋮これが⋮ジンオウガの⋮﹂
﹁ジンオウガは元々、﹃英雄﹄としては相応しくない存在だった。
けど、それを上回る程の実力を誇っていたのは事実﹂
テリトリー
﹁もしかしたら、この石板に刻まれた時代に、ノイズ達が現れて、それ
ら が 自 分 の 領 土 に 入 っ て 来 て 許 さ な く な っ て、ノ イ ズ 達 を 相 手 に
260
?
戦っていたのかもしれない﹂
﹁其れを見た人々から﹃英雄﹄として認められたのかもしれないね﹂
ジンオウガの話を聞いた3人は其々の感情を抱いていた。
響は先程の狼がそれ程までに強かったと言う事に。
﹂
未来は逆に恐怖よりも、頼れる存在と言う事に。
そして憑友は、その実力に感化されていた。
すると、ドアがガチャリと開く。
お客様ですか
そして1人の青年が歩いてきた。
﹁ただいま戻って参りました⋮
そう言うとキリトはジンに手を差し伸べて来たので、ジンも握手を
﹁宜しくな﹂
﹁そして、こちらの黒服の人はキリト。俺の剣術の師匠なんだ﹂
た。そしてキリトの事も紹介した。
そう言うと憑友はジンと握手を交わし、そして響と未来を紹介し
﹁響です﹂﹁未来です﹂
﹁改めて、憑友です。んで、こっちの2人の女の子は、幼馴染の⋮﹂
居候しています﹂
﹁海道ジンです。今は僕の大切な親友を探す為に貴方のお父様の所に
きた。
そう言うとジンと呼ばれた青年は憑友の所に来て、手を差し伸べて
この子は僕の息子の憑友だ﹂
﹁おかえりジン君。あ、そうだ。まだ話してなかったね。
?
﹂
交わす。と、ジンの口から予想だにしない言葉を聞いた。
憑友達は首を傾げた。
﹁なんで、俺の二つ名を⋮﹂
﹂
﹁僕もこう見えて二つ名持ちなので。
︻秒殺の皇帝︼はご存知ですか
?
?
261
?
﹁初めまして。貴方が︻黒の剣士︼ですね
﹂
﹄
﹁⁉
﹃
?
その異名を聞いたキリトは目を見開き、
?
﹁︻秒殺の皇帝︼⋮‼
﹄
まさか、お前も⋮
﹂
!
だ﹂
﹁凄っ⋮‼
﹂
更には、そのLBXを飛躍的に育成させる学校も設立されているん
に楽しむプレイヤーもいる。
プラモデルとして飾っているコレクターもいれば、僕みたいに実際
ビーゲームの一つだ。
﹁LBXとは、僕がいた別次元の地球でブームとなっている一種のホ
すると今度はジンが話を始めた。
ヤーらしい﹂
︽LBX︾と呼ばれる掌サイズのロボットを使用する事で戦うプレイ
彼自身の戦闘力はそこまで大した程じゃないんだけど、
︻皇帝の名を持つ青年の軌跡︼から生み出された存在なんだ。
﹁この子は﹃英雄石板﹄の内の一つ
そう言っていると、玄也が説明をした。
ら。
何せ、今目の前にいるこの青年が、キリトと同じ﹃英雄﹄なのだか
その一言で、周りの空気は一変した。
﹃⁉
﹁ええ。貴方と同じ⋮﹃英雄﹄です﹂
?
けど﹂
?
なった。
真っ直ぐな目をした存在で、僕にとってはかけがえのない親友に
けど、そんな僕に手を差し伸べてくれた人がいるんだ。
何せ、﹃英雄﹄達に仇なす敵側の方に着いていたから。
﹁当時の僕は﹃英雄﹄と呼ばれる程の存在じゃなかった。
そう言うと、ジンは再び話し始めた。
﹃まさかの中学生⁉
﹄
僕の今の姿はその当時の時の姿だ⋮おそらく中学1.2年の時だ
追い込んだんだ。
﹁だけど、それは当時に起こったある出来事で、一時は使用禁止にまで
?
262
?
先程言った居候している理由がその親友なんです﹂
﹁それ以来、僕は彼と共に行動する事が多くなった。
その時から﹃英雄﹄に選ばれたのかもしれない。
それから幾多の苦難をその親友と、仲間達と共に立ち向かったん
だ﹂
ならさ
俺の所に来いよ
あんたの親友
﹂
﹁これが僕が﹃英雄﹄になったお話であり、此処にいる経緯でもある﹂
﹁そっか⋮
﹂
憑友の言った台詞に目を見開くジン。
﹁え
もしかしたら、見つかるかもしれないぜ
!
﹂
だから、もしかしたら、君の親友の石板も見つかるかもしれないよ
︽精魂導師︾の力を持っている戦士なんだ。
﹁憑友はこう見えて、﹃英雄﹄達の力を扱える者、
すると玄也は先程呟こうとしていた事を言いだした。
4人だけになった。
そして今、この居間にいるのは玄也と憑友、そしてキリトとジンの
その時にユイも手伝うと言って、3人でキッチンへと向かった。
なので、響と未来はセレナのいるキッチンへと向かった。
た。
如何やら響と未来と一緒に料理を手伝って欲しいという内容だっ
!
!
玄也が何かを呟こうとしたら、セレナの声がした。
!
!
﹂
﹁⋮こんな僕だけど、宜しく頼む﹂
﹁ああ、こちらこそ
そう言うと再び握手をしてこの話は終えた。
!
263
?
それを聞いたジンはその方が確実に会えると言う結論に至り、
?
第23話 修行開始
ジンとの話を終えると、玄也は憑友に話しかけてきた。
﹁さて、﹃英雄石板﹄の話はこれで全部だよ。
さて⋮本題に入るとしようか、憑友﹂
﹁⋮はい﹂
如何やら今回の話には本題があったようだ。
すると玄也は話を始めてきた。
﹁つい最近の出来事で、響ちゃんに変化を感じなかったかい
内容はまさかの響だった。
﹂
しかし、憑友は逆に冷静になっていた。いや、寧ろ何かに危惧して
いたような表情を浮かべていた。
実は此処に来る前に、憑友は父・玄也に密かに電話をしていたのだ。
その時は一息ついた時に話そうと思ったのだが、母・ジャンヌの思
いもよらないサプライズ登場と同時にその母親からの強制執行が相
まって、あまり落ち着いていられなかった。
すると憑友は玄也に語り始めた。今の響の現状に⋮
・・・・・
﹁響は、基本的には皆と一緒にいる時は、いつものあの響のままなんだ
けど⋮
俺と同じ⋮感情の起伏が激しくなってきたと感じてます﹂
感情の起伏
それは、憑友のように、
﹃特定﹄の人や物に対して感情的になりやす
い現象の事である。
ト リ ガー
憑友の場合は、
﹃立花響﹄と言う存在と、
﹃小日向未来﹄と言う存在
Emotion Drive
の2つの引き金があり、片方の引き金を引けば強制的に感情の起伏が
激しくなる。
憑友はこの事を﹃感 情 機 動 システム︵通称EDシステム︶﹄と
言っている。
そのEDシステムは、一度トリガーを引けば、後は感情の赴くまま
に動き出す。代わりに、自身の生命を著しくだが、低下させる機能を
持っている。
264
?
憑友自体は一度死んでるから大丈夫だろ
に感じていた。
んもあまりの出来事にその日から時間が止まってしまったかのよう
﹁勿論、僕やジャンヌ、セレナもそして今日一緒に来てくれた未来ちゃ
よ﹂
がこの世から亡くなったと言う事により、当時は本当に心苦しかった
そんな響ちゃんなんだけど、傷口に塩を塗るかのように、憑友⋮君
そのせいで、響ちゃんの父親は現実逃避して、失踪してしまった。
いたようだ。
だけど、会場の関係者遺族や、クラスメイト達から罵声が相次いで
て今まで過ごしてきた。
﹁⋮響ちゃんは確か、あのライブ会場にて、数少ない生存者の1人とし
に身を任せていた事を玄也に話した。
憑友はついこの間のノイズ騒動の時の響の感情があまりにも怒り
さて、話が大まかに逸れたので、戻すとしよう。
ていたのだ。
や未来とは親しみがあった訳で、2人の事になると発動しやすくなっ
なので、憑友は極力この力を使わないようにしてきたが、やはり響
言う事である。
つまり、憑友自身がこの世に長く留まる時間がそれだけ短くなると
そのEDシステムを使用する事=︹生命の灯火︺の縮小
即ち、何が言いたいのかと言うと⋮
う事である。
尤も適切に言うなら、
︹生命の灯火︺は擬似心臓に変わりは無いとい
︹生命の灯火︺は謂わば、ありとあらゆる非科学的事象を集めた産物。
はいないだろうか
憑友にとっては大事な生命線でもある︹生命の灯火︺の事を忘れて
そう思った貴方はそう感じてはいけない。
?
けどね、響ちゃんはそれを遥かに上回る程の負の感情を背負ってし
まった﹂
265
?
﹁その日から響ちゃんは学校にも行きたく無いと言っていた。
食欲も湧かなくて、何よりも1人でいる時間が多くなったと当時の
響ちゃんのお母さんが言っていたんだ。
下手をすれば、響ちゃんも憑友の後を追おうとしていたくらいに。
それからはと言うもの、僕達も微力ながら遠くからその手伝いをし
て、響ちゃんはなんとか立ち上がって、今の生活に戻れたんだけど、
けど、それ以来今日まで響ちゃんは僕達の家に来る事から遠ざけて
きていたんだ﹂
﹁⋮﹂
玄也の話を聞いた憑友はそれを聞いて哀しんだ。
自分が大切だと思っていた少女がまさか自分の死で、そこまで暗く
なってしまった事に。
﹁もしかしたら、響ちゃんも﹃未来ちゃん﹄や﹃憑友﹄と言う2つのト
リガーがあるから、そうなっているのかもしれない。
﹂
﹁本来、︽聖遺物︾は赤いペンダントを介して、適合者に装着される。
それは、様々なセーフティが必要だから。
﹂
けど、響ちゃんはそのペンダントが無く、代わりに自身の心臓部に
埋め込まれている⋮この意味は分かるかい
﹄
﹁響ちゃんのケースは、
その一言で、3人は目を見開く。
﹃⁉
﹂
それはつまり、聖遺物と︽融合︾していると言っても過言では無い﹂
﹁その通り。
﹁⋮響にはそのセーフティが掛かっていない
それを聞いた憑友はある1つの過程に辿り着く。
?
?
266
それに、響ちゃんの場合は、心臓部近くに天羽奏さんの聖遺物︽ガ
ングニール︾の欠片が埋め込まれているんだろ
﹁え
もしかしたら、その影響なのかもしれない⋮﹂
?
それを聞いていたジンとキリトも玄也の話を聞く耳を立てた。
玄也の言った台詞に憑友は声を上げた。
?
?
、後は
と言う事。
適合係数が高くなる事
不老長寿
メリットとしては、
を倒せる事
"
"
、
"
、そして⋮
、
素手でもノイズ
"
人では無く、物として捉えられてしまう事
暴走を引き起こす事がある事
それは⋮
でも、それに伴う対価もある。
"
のような存在になってしまう事
﹄
﹂
"
お、珍しいのがやって来たか。
﹂
わ、ワイバーン
﹂
の鱗を纏った翼竜が庭先に来ていた
﹁⁉
﹁紹介しよう。
すると、リオレウスと呼ばれた赤き翼竜が此方を見つけ、そして顔
あまりに迫力があったから。
それを見た憑友は驚愕した。
︽空の王者︾リオレウスと︽陸の女王︾リオレイアだ﹂
ジンオウガと同じ世界の存在で、屈指の実力を誇る猛者⋮
!
其処には、赤い鱗を纏った翼竜らしき者と、それと同じ姿をした翠
そう言うと憑友達は窓の向こうを見て、憑友は驚いた。
﹁
憑友、こっちに来なさい﹂
﹁
それを聞いた玄也は何かを察した。
すると、窓がカタカタと揺れた。
そう言うと話は終わった。
﹁⋮了解﹂
くれぐれも最新の注意を払ってくれ﹂
い。
けど、これがいつ起こっても不思議では無い状況なのは変わりは無
﹁まぁ、今はそんな事は無いに等しいから大丈夫だと思う。
れた。
玄也の話を聞いた3人は、今の響の置かれた立場に胸を痛み付けら
﹃⁉
"
"
"
"
不老長寿故に、致命傷以外での死は無いと言うある意味、ゾンビ
"
?
?
267
"
?
?
奥さんと共に此処まで降りてくるなんて
!
を近づかせる。
﹂
レウス
そんなに怯えるな。
すると玄也はその顔を撫でたのだ
﹁⁉
﹁ははは
如何したんだ
﹂
﹁グォォォ⋮﹂
?
?
﹁
なんか言ったか、親父
﹂
﹂
!
﹁何故そこで政治的発言をしたんだよ⋮
ジン君との和睦も兼ねてね
さ、ご飯でもするとしようか
﹁⋮ううん。なんでも無いさ。
?
﹂
と、憑友はセレナに聞いたら、自分と入れ違いの形で、ちょ
へと帰って来た。
その後、響と未来は憑友の家に一泊し、そして憑友の家から寮部屋
何せ、2年もずっと入れ違いを受けていたのだから。
のは言うまでも無い。
ただ、此処まで入れ違いするとは予想だにもしなかった憑友がいた
くちょく顔を出してきていた様だ。
何故
でも無かった様だ。
響は久しぶり感が出て緊張しまくっていたが、未来は如何やらそう
そして、夕飯時はとても大いに楽しめた。
言うまでも無い。
最も、ユイちゃんとセレナの2人は見慣れていたようだったのは、
その後、響達の方からもばっちりと先程の2体を見て、驚いていた。
そう言いながら、4人はセレナ達のいる部屋へと移動した。
?
!
﹁如何やら、ただ単に、憑友達の事を見に来ただけじゃ無いようだ⋮﹂
翼竜と共に飛び立ち、共に﹁自然都会﹂の奥地へと消えた。
そう言うと、レウスと呼ばれた赤き翼竜は、レイアと呼ばれた翠の
﹁⋮そうか。態々ご足労掛けたね。ありがとう﹂
?
!
?
268
?
?
その間はユイは現界し続けていたので、響と未来と一緒に親子繋ぎ
のようにして、道を歩いていた。
憑友はそんな3人の隣で溜め息を吐きつつも、微笑ましく見てい
た。
そして帰って来た頃にはユイちゃんはぐっすりと眠っていて、憑友
におんぶされていた。
お
前
ら
﹁まるで、親子みたいだね﹂
未来∼﹂
﹁いや、寧ろ響と未来の方がよっぽど親子みたいで、俺は蚊帳の外だっ
そうだったかな∼
たぞ⋮﹂
﹁え∼
﹃白﹄って言うのは、誰なんだ
﹂
この﹃黒﹄って言うのは、キリト師匠で間違い無いとして、この
せんせー
﹁えぇ∼と⋮︻黒と白の娘 ユイ︼か。
た。
ドがゆらゆらと揺れながら地面につこうとしたので、慌てて手を取っ
背中に感じていた重みが無くなった憑友は慌てて振り返るとカー
そうしていると、ユイの身体が光り、そしてすっと消えた。
﹁うふふ。意外とそうだったりしてね﹂
?
キリトに聞かなかったのかって
の中に閉まった。
え
教えてもくれなかったそう
?
﹂
?
した。
すると、憑友は響に耳を貸せと示唆し、響は耳を傾け、憑友は話を
憑友が色々と作業をしていた。
﹁何、してるの
﹁⋮あ、起こしちまったか﹂
すると、下の方から音がしたので、下を見ると、
如何やら中々寝付け無いようだ。
響はこんな夜中に何故か目が覚めた。
その日の深夜、
です。
?
269
?
そう思いつつも、結局誰も分からず、憑友はユイのカードをケース
?
?
﹂
﹁実は、緒川さんから響にビデオレターがあるんだよ﹂
﹁ビデオレター
すると響はゆっくりと未来から離れて、二段ベッドから降り、
2人はそっと玄関を開けて、そそくさと屋上手前の階段の所まで
やって来た。
憑友は周りに誰も居ない事を確認すると、響にイヤホンを装着する
様に促し、響はその通りに従った。
そして、響は緒川が編集したと思われるビデオレターを見た。
其処には、こんな内容が刻まれていた。
2年前のライブの時に奏が﹃絶唱﹄を発動し、もうすぐ死にそうに
なった事。
その時に、響の幼馴染である当時の憑友が自分の命と引き換えに、
奏を救った。
しかし、それを境に奏は歌に対して壮絶な拒絶反応を示す様にな
り、
奏の要望により、﹃ツヴァイウイング﹄は解散となった事。
それと同時に戦う術を失い、最早何も出来なくなった奏。
そんな奏の分まで翼は己の身を剣へと変えてきた事。
それ以来、翼は時に1人で、ある時は霊風と2人で、ノイズを殲滅
して来たと言う事。
そして、以前現れた︽ネフシュタンの鎧︾の奪還と言う、剣として
の責務を死ぬ覚悟で果たそうとしていた事を。
ありとあらゆる内容がそのビデオレターに詰まっていた。
それを聞いた響は涙を流していた。
自分にも守りたいものがあるのに⋮
奏の代わりになるなんて言ってしまったばかりに⋮
そう溢れてくる涙を憑友はただ、自分の方へと引き寄せ、涙を流さ
せた。
憑友はただそれだけの事をする事しか出来なかった⋮
270
?
そして、涙を流し終えた響は、憑友と共に、自分達の部屋へと帰宅
し、就寝した。
ーーーーー
そして数日後。
響は学校の屋上に居た。
それからの響は自分が何をしたらいいのか分からずじまいだった。
すると、憑友がやって来て、ジュースが入ったペットボトルを渡し
てきた。
響はそれを受け取り、そして蓋を開けて、少し飲んだ。
対して憑友は響の隣に来ては豪快に飲んだ。
﹁はぁ∼。⋮まだ、あの事を考えているんだな﹂
﹁⋮うん﹂
響は緒川のビデオレターの内容を聞いて、改めさせる気分になって
いた。
﹂
﹂
271
すると、
﹁響。憑友﹂
﹁⋮未来﹂
大切な存在である未来がやって来た。
﹁最近、憑友と2人きりでいる事が多くなってるよ
﹁言っておくけど、恋愛感情なんて抱いてないからな
﹁はいはい﹂
すると響が2人の会話を挟む様に話を変えてきた。
﹁そんな感じ﹂
⋮って、俺らしくもねえな﹂
﹁⋮男は無理と言う程熱くなる時があるのさ。
﹁だって響、無理してるんだもん。憑友もそうだよ﹂
﹁⋮やっぱり、未来には隠し事出来ないね﹂
手が自分の手に触れて、誤魔化しきれない事を悟った。
響はなんとか場の空気を変えて、誤魔化そうとしたけれど、未来の
しまった。
憑友が物申すも未来に簡単に丸められて、逆に何も言えなくなって
?
?
﹁⋮うん。でも、ごめんね未来。
こればかりは私だけで考えなくちゃいけないんだ⋮﹂
﹁⋮そっか﹂
﹁︵そうだ。今のお前にはそれが良いのかもしれない。
⋮俺もいつか必ず話さないといけないな⋮未来に今の俺の本当の
事を⋮︶﹂
すると未来は立ち上がるや、響を陰ながら応援すると言う言葉を投
げかけた。それにより、響は先程よりも笑顔を見せたので、憑友は今
はこの人生を謳歌する事にして。
すると未来が、
動画で撮ったんだ♪﹂
﹁そうだ。こと座流星群見る
﹂
﹂﹁お、俺にも
見る見る
!
﹁あ、あれ
﹂
﹁⋮おい。何も映って無いじゃんか
けれど、何も映っていなかった。
﹂﹂
﹁うん、光量不足だって⋮﹂
﹁﹁駄目じゃん⁉
﹂﹂﹂
︶﹂
!
すると、響は大きな声で、
何故なら馴染みのある場所だったから。
そこに着いた憑友は頭を押さえ込んでいた。
そして、響は憑友を無理やり連れて、とある場所に来た。
ーーーーー
た。
その瞳に宿りし魂を見た憑友は、それを見て一安心したのであっ
﹁︵私は⋮私のままで良いんだ⋮
そして響は同時に大切な事を未来から教わったのだった。
憑友は自分の残りの人生の為に多く残していきたいと願った。
けれども、この何気無い日常を響は壊したく無いと改めさせ、
?
?
﹁﹁﹁⋮ぷっ。ぷははは
﹂
すると2人は未来が撮った動画を見てみた。
﹁
?
!
?
272
!
!
﹂
この馬鹿
な、なんだいきなり⁉
?
そうです。
﹂
⋮って、憑友君
すると響が衝撃の言葉を口にした。
﹂
﹁私に⋮戦い方を教えて下さい
﹁⋮この俺が⋮君に
!
それを聞いた憑友はまた頭を抑えていた。
なんと弦十郎の特訓を受ける事にしたのだ
?
思って
﹂
﹁⋮俺の修行は厳しいぞ
﹂
﹂
なんで君まで⁉
師匠。俺はその為に来たんです﹂
﹁それで、憑友は響君のアシストかな
すると弦十郎の一言で、受けると申し出た
?
?
﹂
﹂
!
﹁時に、響君⋮
?
﹂﹁あ、デジャヴ⋮﹂
君は、アクション映画とか嗜むかね
﹁⋮え
﹂
すると響に対してはこんな台詞を言った。
﹁押忍
特別にまた教えてやる
﹁﹃原点回帰﹄か。成る程な。初心を忘れるべからずか。良いだろう。
﹁﹃原点回帰﹄って、知ってますよね
?
!
﹁弦十郎さんなら、きっとすごい武術を知っているんじゃないかなと
!
何故、響が知っていたのかというと、憑友に無理やり聞いたからだ
そう、そこはかつて、自分が修行をした場所・弦十郎の家だった。
﹁取り敢えず響の話を聞いて下さい。弦十郎師匠﹂
?
﹁頼もぉぉぉ‼
﹁うわぁ⁉
﹂
?
﹁︵いや、過大評価し過ぎだって⋮︶﹂
!
!
?
273
?
弦十郎の言った一言で、響は呆然とし、憑友はデジャヴを感じてい
たのであった。
274
ともあれ、今日から響は弦十郎の教えを請い、憑友は﹃原点回帰﹄を
しつつ、新たな力を取り入れる特訓を開始したのであった⋮
!
第24話 修行/魔術師と騎士達の王
それから響は弦十郎の元にて日々、稽古に励んでいた。
対して憑友はその間、自ら作成したアイテム﹃現界ブースター﹄を
使用し、響が自分の力の半分の所まで到達する間だけ、
﹃英雄﹄達⋮そ
れも、キリトやルドガーなどの剣術を使用する相手と木刀を用いた模
擬戦をする事にした。
偶に皆んなと思いきり楽しんだりと、青春を謳歌したりもした。
そんな中で、未来は某スポ根漫画のように、憑友と響をこっそりと
陰から見守っていたりしていた。
ーーーーー
ある日、未来は近くに響が居ない事に気付き、辺りを見渡すと、響
の枕元に置き手紙が置かれていた。
そこには
﹃修行
ガッコー、お休みします﹄
﹂
と、書かれていた。
﹁何なの、これ
﹄
パァンッ
prrrrr⋮prrrrr⋮prr⋮ガチャッ
﹃もしもし
﹁おはよう、憑友﹂
﹃おはよう﹄シュッ
!
!
と書かれていたので、未来は直ぐに電話を掛けた。
起きたら連絡して下さい﹄
﹃未来へ
そしてそこには、
んのカードだけ置かれていた。
だが、そこには憑友の姿が無く、響と同じで置き手紙と、ユイちゃ
訳が分からなかった未来は下にいるだろう憑友のベッドを調べた。
?
けた。
未来は電話越しに聞こえてきた音に疑問を抱きつつ、憑友と話を続
!
?
275
!
﹂
近くにいるけど
﹁響、見てない
﹃響
﹄
﹂
?
﹂
だ。だから⋮﹄
﹁⋮分かった。どれくらい掛かりそうなの
その修行
﹂
?
み込みが早い。早くて2週間の
?
﹂
?
﹁未来﹂
﹁ふぇ⁉
なんで⁉
﹁はぁ⋮はぁ⋮誰から⋮
﹂
一方、電話相手である憑友は通信を切った。
ーーーーー
せる事にした。
そういうと会話は此処で終わり、未来は学校の方へと身支度を済ま
﹃ああ。道中は気を付けろよ﹄
友も﹂
﹁そっか、分かった。じゃあ、あまり無理しちゃ駄目だからね。響も憑
キリト師匠もその方が良いって言っていたから﹄
せんせー
あ、そうそう、ユイちゃんのカード。これは未来に預かっててくれ。
それじゃあ
内にはマスター出来るさ。⋮と、これ以上は流石に厳禁だな。
﹃⋮俺にも分からない。ただ、響は
?
未来には戦うと言うよりも、ずっと側で見守っててあげて欲しいん
俺が響に稽古付けたんだ。
もし、その後で響や未来が酷い目に遭ったら、元も子もないからさ。
﹃俺、残りの余命があと1年しかないからさ。
すると憑友は話をしだした。
﹁え
﹃⋮響にはこれからも未来の事を守って欲しいから﹄
何か、訳があるの
﹁置き手紙で﹃学校、お休みします﹄って書いて有ったから。
?
?
!
?
ら﹂
﹁⋮だからって、私の攻撃を全て捌きながら電話しないでよ∼⁉
?
﹁俺が﹃朝起きたら連絡するように﹄って言う置き手紙を書いていたか
?
276
?
?
﹂
﹂
俺は一応半幽霊だぞ
今の私じゃ、憑友に勝てないよ∼⁉
﹁いやいや、忘れたか
朝飯前だから⋮
寧ろ、今の響に敵う奴なんているのか
﹁﹂ジー⋮
﹁⋮なんだ、その目は﹂
﹁はぁ⋮私、呪われてるかも⋮﹂
妖怪だぞ
こんな事は
?
﹁ん
ああ、済まんな。セイバー君﹂
﹁料理が出来ましたよ﹂
すると、
た。
そんな中で、2人の師匠である弦十郎は縁側で2人の様子を見てい
そのあまりの堅牢さに響のメンタルはズダボロになっていた。
ドしていた。
紙一重の所までは行けたが、それでもやはり全て躱すか、腕でガー
それなのに、響は1発たりとも憑友に当てる事が出来なかった。
実は先程まで憑友は響とスパーリングしていたのだ。
?
朝食‼
﹂
﹂
﹂
朝食出来たぞ
シロウ
セイバー﹂
﹂
!
別の次元の世界にてセイバーと共に戦いに身を投じた青年だった。
彼の名は衛宮士郎。
すると、セイバーはその青年の名前を言った。
﹁いや、あの2人より食欲出てねえか
﹁早く食べましょう
﹁食いつくな
﹁
﹁おーい、響、憑友
髪は赤くてショート、長袖長ズボンを履いた青年だった。
すると、そこへまた1人現れた。今度は青年だった。
名前はセイバーと呼ばれていた。
それでいて、ブロンド風の衣装を身に纏っていた。
髪型は非常に整っているが、前髪に癖っ毛が生えていた。
そこに1人の女性が現れた。
?
277
?
?
?
?
!
?
!
!
!
!
﹁む、心外にも程があります﹂
﹁ま、なにはともあれ、飯にするか
﹂
弦十郎の一言で、皆は朝食を摂る事にした。
士郎の作る料理は殆どが日本人好みの和食がメイン。
故に、皆の反応は良好だった。
その勢いは留まる所を知らなかった。
﹁ご馳走様でした﹂
﹁お粗末様でした﹂
そして食事を終えて、憑友は士郎と共に食器洗いをした。
ん
な
其れに対して響はセイバーと共に稽古に励む事にした。
こ
﹁いつもすみません。士郎さん﹂
﹁気にするなよ、元からお人好しな性格だからさ﹂
﹁其れでも、やっぱり凄いですよ。
セイバーさんと共に﹃英雄﹄と呼ばれるのは伊達では無いですね﹂
そうなのだ。
実は士郎とセイバーは共に﹃英雄﹄と呼ばれる存在にだった。
更に強いて言うなら、セイバーはその﹃英雄﹄よりも上の存在﹃英
霊﹄に分類される謂わば神的存在なのだ。
﹁しかし、驚きましたよ。
まさか、セイバーの正体があの騎士王アーサーだなんて﹂
憑友はそう呟いた。
セイバーの正体⋮それは、かの︽アーサー王伝説︾に出てくる有名
な存在・︽騎士王アーサー︾だったから。
しかし、見た目が大きく異なっていた。
先ず、性別が全く違っていた。
其れに名前も違っていた。
﹁まぁ、この世界の史実も、俺のいた世界の史実も、関係無いさ。
﹂
278
!
俺にとってあいつはセイバーで変わりは無いんだからな﹂
う、うるさいな‼
?
﹁⋮デキテル∼﹂
﹁⁉
?
すると、突然、物騒な音がしたので、嫌な予感がしたので、見てみ
ると、そこには木剣を構えたセイバーと、地面に倒れて目を回してい
る響がいた。
﹁きゅ∼﹂
﹁何処からそんな声出してるんだよ⋮﹂
﹂
﹁す、すみません。つい調子に乗ってしまいました⋮﹂
﹁幾ら何でもやり過ぎだ
そのあまりの光景に其々の対処に追われる事になったのであった。
そしてその場を片付けた面々は、現在今でのんびり寛いでいた。
そして、響の頭には何故かタンコブが出来ていて、憑友は逆に手を
ぶらぶらと振っていた。
誰がやったのか薄々気付いているので、割愛とさせて頂こう。
﹁⋮さて。セイバーさんは、響と交えた感想をお願いします﹂
憑友から改めてセイバーの感想を聞いた。
まだ
﹁はい。先ず、ヒビキははっきり言って、まだまだと言った所です﹂
﹁うぐっ⋮﹂
と示唆した。
最初の一言なので、かなり落ち込む響。しかし、セイバーは
話は終わってませんよ
﹁その代わり、対処する時の能力に長けているのが特徴ですね。
私も使いたくは無かったのですが、不意打ちを数回に分けて攻撃し
"
たんですけど、ほぼ全て躱したり、受け止めたりはしてました。
﹂
飴と鞭だな⋮
﹂﹂
今、何か私の悪口を言いましたか
憑友と士郎はそう感じていた。
﹁む
﹁﹁言ってないから⁉
﹂
?
﹁︵まさか此処で﹃直感﹄が発動するとは⋮恐るべし騎士王アーサー︶﹂
?
?
279
!
"
こう言う状況判断能力の高さは確固たる物ですので、それをしっか
⋮はい
りと伸ばして下さい﹂
﹁
!
セイバーの話を聞いた響は笑顔になった。
!
そう言うとセイバーは今度は士郎を無理やり連れて、弦十郎の敷地
内にある道場へと足を運んで行ったのであった。
﹂
その時に、士郎が思いきり耳を引っ張られて行ったので、2人は呆
然としていた。
﹁⋮でも、何とかなりそう
﹁だな﹂
﹁
なのはさん
﹂
そこにはなのはのカードが描かれていた。
するとカードケースから一枚のカードが出て来た。
!
﹃やっほー﹄
?
﹄
﹁え
本当ですか
﹂
﹃それよりも、響ちゃんの力になれそうな存在⋮心当たりあんだけど
﹁何処からそんな台詞を吐いた⁉
﹂
ホログラム上になったなのはが現れた。
すると、なのはのカードの裏をタッチした。すると、カードの上に
?
で、そのまま稽古に励む事になった。
一方、取り残された響だが、弦十郎が買い出しから済ませて来たの
したのであった。
るという事なので、憑友は早速、その﹃英雄﹄が眠る石板を探す事に
だが、今回のなのはは響と該当する﹃英雄﹄の存在に心当たりがあ
定められなかった。
格闘系の﹃英雄﹄は憑友が所持しているが、共に︹炎︺の属性で、中々
ではほんの一握りしかいないと言う事だった。
と言う分類になっており、この力を持っている者は﹃英雄﹄達の中
光・人間・格闘・拳
実は響は性質上にて、﹃英雄﹄達の属性に例えると、
如何やら、響と同じ格闘系の存在に心当たりがあるようだ。
?
⋮因みに士郎はセイバーにみっちりと鍛え直されていたりする⋮。
280
?
?
第25話 修行/不屈の心の娘
ーーーーsideto 憑友
﹁んで、心当たりのある人って何なんですか
﹃私の娘だよ♪﹄
うとしていた。
﹂
俺は今、なのはさんの案内で響と同じ属性を持った﹃英雄﹄を探そ
?
この人。自分の娘
しかし、突然のカミングアウトに俺はポカーンと言う音が出るくら
い呆然としていた。
今、なんて言った
﹂
﹁⋮すみません⋮もう1回聞きます。
その心当たりの人って誰ですか
﹃何度も言うけど、私の娘だよ♪﹄
﹁orz⋮﹂
?
するとその男が俺に気付いたのか、此方に振り向いた。
その顔を見た俺はすぐに拳を構え、戦闘態勢に入った⋮
何故なら、その男こそ⋮
﹁⋮まさか、此処でまた逢えるとはな ︽炎魂導師︾いや、人絆憑友﹂
︽水魂導師︾ソウルの変身者⋮ロックと顔がそっくりだったからだ。
!
髪は水色でストレート、水色と群青色のパーカーを羽織っていた。
た。
そして、俺はそんな中を歩いてみると、そこに1人の男が立ってい
ロックとの邂逅をした場所だった。
︽ネフシュタンの鎧︾を纏った少女と、
︽水魂導師︾と呼ばれていた男・
り、
そこはつい先日、翼さんが﹃絶唱﹄を発動しようとしていた所であ
そしてやって来た場所に、俺は見開いていた。
幾ら何でもスパーリングの相手に自分の娘を紹介するか、普通⋮。
まさかの解答に俺は色々と頭を抑え込んでいた。
?
﹂
俺はそう言うとロックが何かを投げて来たので、俺は慌ててそれを
﹁お前⋮ロックか。何しに此処へ来た
?
!
281
?
空中でキャッチした。
⋮如何言うつもりだ
﹂
そして手に入れた物は、なんと﹃英雄石板﹄だった
﹁⁉
﹂
﹁⋮お前の餞別品さ。﹂
﹁何
!
﹂
?
おい、待てよ
ろうとした
﹁⁉
﹂
すると、それを察したのかロックはそのまま俺に背中を向けて、去
まるで挑発みたいな台詞だな⋮
ロックはそう言ってきた。
今此処で俺を止める事も不可能ではないぞ
だが、それを止める正義の味方がいるのもまた然り。
俺にとって大切な物を奪い尽くした者達にな。
﹁俺はこの世界に蔓延る悪を根絶やしにしなければならない。
そう言うとロックは話し始めてきた。
?
数を言ったのか⋮
・
・
・
・
・
何故、
﹃英雄﹄達の力を宿したカード⋮通称︻ヒーローカード︼の枚
めるのだろうか⋮
敵として戦っておきながら、何で彼処まで俺の事を過剰な期待を込
何なんだよ、彼奴。
そう言うと今度こそその場を後にしてしまった。
まだお前に見せていない姿があるから楽しみにしておけよ﹂
俺の住処にあと10枚の計12枚。
﹁言い忘れたが、お前に見せていない姿は手元にあるのでこの2枚。
・
たのか、俺に2枚のカードをちらつかせた。
そう言うとロックはその場を去ろうとしたら、急に何かを思い出し
今度会った時は、互いの事を理解したいものだな⋮﹂
いから、貴様にくれてやる。
それは此処にあった物。だが、俺はその力を使うつもりは毛頭もな
﹁⋮悪いが、この後用事があるのでな。
!
!
俺は何1つ分からないまま、余計に謎を増やしたのだった。
282
?
?
?
そんな時になのはさんがカードケースから現れた。
こんな時に⋮
﹂
如何したんですか
何なんだ
﹁
﹂
この石板の中に娘がいるんだ∼♪﹄
この石板
⋮えぇぇぇ⁉
その子は以来、その女性を母親のように感じた。
そこへ現れしは桜色の光を纏った1人の女性。
た。
あまりの衰弱さと、親がいないと言う事実の中で、1人で生きてき
﹃その子はかつては弱かった。
﹁解析完了。詠唱開始。
の様子を見ていた。
因みにこの場には弦十郎と響、そして現界したなのはの3人が、そ
た。
如何やら、解析が完了したようで、そのまま詠唱準備に取り掛かっ
すると憑友が準備に取り掛かった。
その憑友の姿を見た弦十郎は流石、玄也の息子だと感心していた。
﹁憑友らしいですけどね﹂
﹁⋮相変わらず、凄いな﹂
て、そして解析をし始めた。
に繋げ、更にUSBを用いてライドとノートパソコンとの間とも繋げ
通称︽HeroTraceMachine︾をそのノートパソコン
そして、﹃英雄石板﹄を解析する為の装置⋮
すると憑友は、今回持ってきていたリュックサックを漁り、
きたので、弦十郎が少し大きめのノートパソコンを持ってきた。
弦十郎の家に帰って来た憑友は、弦十郎にパソコンが無いか聞いて
それから数時間後。
ーーーーーNO SIDE
まさかの爆弾発言に俺は大声を発していたのであった⋮。
﹁へぇ
﹃これだよ
?
?
しかし、突きつけられる自分の存在理由。
283
!
?
!
?
?
己の正体。己の経歴。
果ての先では、その子は母親のように感じた女性に牙を剥けん。
されども、女性はそれでも大切な娘の為に己の身体を傷つけてまで
その子を助けた。
その心に触れた子は、女性に助けを請い、女性は子の助けを受けて、
それを助けん。
以来、その子はその女性と、女性の親友の元ですくすくと成長して
いく。
鮮烈なる青春の物語へと進む為に⋮﹄﹂
すると、詠唱が終わると、そこから一枚のカードが現れた。
そこには金色の髪で、小さな女の子が元気そうに今にでも動き出し
そうな程、生き生きとした姿が描かれていた。
そして何よりも⋮その子は眼の色が左右別々だった。
右側の眼は赤く、対して左側の眼は緑の眼をしていた。
か訳が分からないままなのはに抱き付かれてしまった。そのおかげ
で、現在なのはがその子に対して離さないと言わんばかりの言動を見
せていた。
それを見ていた憑友と響は呆然としていて、弦十郎は何か察したの
284
﹁えっと∼⋮︻不屈の心の娘 ヴィヴィオ︼か。
取り敢えず、現界させてみよう﹂
そう言うと憑友は﹃現界ブースター﹄を取り出し、
先程のカードを挿入した。
するとブースターから光が放出、同時にそれがみるみると人の形に
形成していく。
﹂
って、ちょっ⋮﹂ムギュ
そして光が消え、そこにいたのは先程のイラストに描かれた通りの
此処は
少女が現れたのだ。
﹁⋮
なのはママ⁉
﹁ヴィヴィオ∼﹂
﹁⁉
!
?
するとなのはがその子に抱き付いたので、女の子は何が起こったの
?
?
?
か、豪快な笑い声を出していた。
﹂
そして漸く落ち着いたのか、なのはは女の子から離れて、現在皆に
説明をしていた。
﹁⋮それで⋮この子が、なのはさんの娘さんですか
﹁うん♪﹂
なのはママの娘、高町ヴィヴィオです
そう言うとその女の子が自己紹介をした。
﹁初めまして
﹂
!
?
介した。
﹂
﹁この子はセイクリッドハート。愛称はクリスって言うんです
私にとっては大事なパートナーです
﹂
?
﹂
?
あれ
やっても良いの
"
?
ヴィヴィオは庭の真ん中に立った。
﹁なのはママ⋮本当に
﹂
なのはに言われたまま、3人は庭の縁側に座り込み、
ーーーーー
﹁じゃあ⋮表に出て確かめてみます
するとなのははこんな事を言って来た。
弦十郎の一言に憑友と響は確かにと言いながら頷いた。
生の響君の相手は務まるのか
﹁だが、まだ小学生のそれも10歳にも満たなさそうな女の子に、高校
したので、憑友は警戒を解き、皆も軽い挨拶をした。
そう言うとクリスが宜しくとでも言っているかのような行動を示
!
!
それに気付いたヴィヴィオはその人形を手に取ると、その人形も紹
来たので、響は驚き、憑友は警戒し、弦十郎は目を見開いていた。
すると、ヴィヴィオの隣から小さなうさぎの人形がピョコッと出て
かった響は吃驚していた。
まさか自分よりも下の存在とスパーリングするとは思ってもいな
﹁4年生⁉
一応、この世界だと小学4年生です﹂
!
﹁大丈夫だよ。私も派手にフェイトちゃんとやり合ったから、この子
"
285
?
今、フェイトママとやり合ったって言わなかった⁉
達は理解してくれるよ∼﹂
﹁なのはママ⁉
﹂
﹂
﹁言ったよ∼﹂
﹁なんで⁉
?
さぎの人形︽クリス︾を手に取った。
!
﹁行くよ、クリス。
セット、アップ
!
にいた。
・
・
・
・
・
﹂﹁は
﹂﹁え
?
ヴィヴィオ♪﹂
﹁へ
﹂
﹁大分、良くなったね♪
言った。
3人を代表して憑友がそう叫ぶと、なのははニコニコしながらこう
﹁だ、誰⁉
﹂
と同じで、背丈がかなり長く、そして胸もかなり大きめの女性が其処
ヴィヴィオと金髪のサイドポニーをし、瞳の色と配置がヴィヴィオ
は、
そして光が収まり、憑友達はヴィヴィオの方を見た。すると其処に
それでも、なのはだけはしっかりと娘を見ていた。
それを見ていた3人は眩しくて目を塞いでしまった。
するとヴィヴィオの周りを虹色の光が包み込んでいく。
セイクリッドハート
﹂
そして流石にもう呆れたのか、ヴィヴィオはすぐに思考を変え、う
としたけど、なのはの言動に流石の娘でも頭を抑えていた。
なのはの口から思いもよらない発言にヴィヴィオは文句を言おう
﹁それは後で♪さ、早く早く∼﹂
?
?
?
﹁﹁﹁なんです︵だ︶と∼∼⁉
﹂﹂﹂
響、弦十郎、そして憑友の3人は、それぞれ別々に言うと⋮
なのはの口から思いもよらない言葉が発せさられたので、
?
?
286
?
最後は同時に叫んでいたのであった。
﹁あはは⋮。やっぱりこうなるんだね⋮﹂
一方、ヴィヴィオは矢張りかと言わんばかりに苦笑していたので
あった⋮
因みにその後、
﹂
﹂
ヴィヴィオは響とスパーリングを行なったのだが⋮
﹁はぁ
﹁ぎゃふんっ⁉
ご覧の通り、響はボロ負けしているのである。
響からすればさらに精神的ダメージも半端じゃあない。
何せ相手は一応変身して、急成長しているとは言え、自分よりも下
の小学生である。
その小学生に高校生である筈の自分がボロ負けしたら、そりゃ誰
だって、精神的ダメージがきてもおかしくは無いのだから。
﹂
?
﹁つ、強すぎる∼∼﹂
﹂
﹁何言ってんだよ⋮まだ良い方じゃねえのか
﹁戦って無いからそんな事言えるんだよ
﹁じゃあ、ナツやアカネと変えてやろうか
!
そう憑友は呟いていた。
﹁そろそろ⋮かな⋮﹂
けれど、此処まででもうかなりの数のスパーリングをして来た響。
た。
憑友と響の会話を見たヴィヴィオは相も変わらず苦笑いをしてい
﹁すみませんでした⋮﹂
ノイズみたいに消し炭になっても知らねぇけど⋮﹂
?
287
?
!
第26話 複雑な気持ち
憑友と響が弦十郎の元で修行︵憑友は原点回帰︶をしていたその頃
⋮
霊風は奏と共に翼の容態を見ていた。
ジャンヌが救ったとは言え、未だに意識不明の状態に変わりは無
かった。
﹁zzz⋮﹂
﹁⋮はぁ。またか⋮﹂
霊風は溜め息交じりに横を見た。
其処には奏が翼の手を握ったまま、寝ていた。
奏は翼が目を覚ましたくて、あれから一睡もしていなかった。
霊風はその事を知っていたので、何も言わずながらも、奏に予備の
毛布を掛けた。
そして霊風は奏と翼を病室に置いて、1人その場を後にした。
近くにある自販機で缶コーヒーを選んだ霊風は、そのまま一気飲み
した。
﹁⋮ったく。少しはこっちの身の事を考えて欲しいものだな⋮﹂
そう言いながら、霊風はカードケースから8枚のカードを取り出し
た。
どれも、自分が使っていたカードでは無かった。
それは、翼の﹃絶唱﹄を発動する前の1ヶ月の間に、霊風が憑友と
共に手に入れた石板を奏が解析して得た新たな﹃英雄﹄達だった。
﹁蓄電の竜に迅翼の竜、杖と本の少女2人、魔槍使い、大剣使いに剣を
使う女剣士⋮
何れも俺の力になってくれる﹃英雄﹄達か⋮﹂
霊風はそう感じていた。すると⋮
piropiropiroring♪piropiropiro
288
ring♪⋮
霊風の端末から電話が掛かってきたので、霊風は相手を確認する
と、電話を掛けた。
﹁⋮もしもし﹂
﹃相変わらずだな。その態度は⋮﹄
・
﹁んな事はどうでも良いんだよ⋮それで、俺になんか用か
・
神様﹂
なんと霊風の相手はまさかの神様だった
・
・
・
・
﹄
・
・
・
﹄
すると神様は話を続けた。衝撃の言葉を放ちながら⋮
・
﹃如何だ
・
転生した気分は
神様はそう言った。
霊風の正体、それは⋮転生者だったのだ。
﹃とは言え、あんたの願いを確かに聞き届けた筈だが
そう神は告げた。
?
しかし、結果は如何だ
れ﹄と言う何とも無欲な願いを神にお願いしていた。
霊風はこの世界に転生する際に、条件として﹃ごく普通の生活をく
?
﹁とは言え、俺は誰しも﹃主人公﹄になりたいとか言った憶えは無い事
霊風は憤慨していた。
ましてや、たった1人の少年が死んだ事で、原作が改変された事に
だが、自分が加わったくらいで原作を変える事が出来なかった。
と出会う事が出来た。
己は戦いの身に投じた事で、奏と翼⋮﹃ツヴァイウイング﹄の2人
?
289
!
﹁すこぶる悪いね。誰かさんの所為で︵#︶﹂
?
?
称
号
を憶えてくれたのは助かったな。
﹂
俺に﹃主人公﹄と言う肩書きはあまりにも荷が重すぎるからな⋮後
は全く聞き届けていないがな
﹃うぐっ⋮其処を突かれるとは⋮。
さて、お前にはまだ特典を⋮﹁要らねえよ、そんなもん﹂なんだと
﹄
の
力
神様は直ぐに特典の話をしたが、霊風によって即却下された。
そ
とことん無欲な男である。
﹁俺はもうこれ以上、転生特典を使用してまで誰かの命を助けたいと
か考えたくないんだよ⋮じゃあな⋮
出来る事なら、あんたとの会話はこれでお終いにしたいけどな⋮﹂
そう言うと霊風は通信を強制的に切った。
﹁俺が転生しても、世界が呪われていくだけなのかもしれないな⋮﹂
そう言うと、霊風は缶コーヒーを全て飲み干し、そしてまた奏と翼
がいる病室へと向かって行った⋮
﹁︵俺がいる限り、俺の周りは不幸になる⋮
ならば、潔くそして、儚く散りたいものだな⋮
だけど⋮同時に俺は⋮彼奴らの事を見過ごせないのかもしれない
⋮︶﹂
霊風の心境はそう語る。
それは、早く自分はこの世から去りたいと言う思い。そして⋮
大事な存在を置いていっても良いのかと言う疑問⋮
彼のたった2つの欲が、霊風の心境を苦しめていた。
・
・
・
・
・
その者を知る者はこの世にはいない⋮
そう⋮この世にはね。
290
?
第27話 神との邂逅
響と憑友が弦十郎の元で修業に励んでいた頃、
翼は生と死の狭間と言う名の海を漂い続けていた。
ーーーーーSIDEto翼
私⋮生きてる⋮
﹁貴方は⋮
﹂
﹁取り敢えず、話をしようか﹂
そう言うと指でパッチンッ
と鳴らした。
白いローブを身に纏った男の人がそこにいた⋮
青白いショートヘアで、
私は何者かの声が聞こえ、その方を見て見ると、
⋮え
﹁真面目が過ぎるな⋮防人の華よ﹂
来れたのだろうか⋮
あれさえ取り戻す事が出来たら、どれだけこの身が安らぎに満ちて
︽ネフシュタンの鎧︾⋮
いや、違う⋮死に損なっただけ。
?
﹁⁉
こ、これは⋮﹂
すると、辺りが深海から、あのライブ会場そのままの姿になった。
!
?
﹃英雄﹄の中には、この様に周りの風景そのものを変質して戦う戦士が
いると言う。
﹂
さて、そんな話をする為にあんたを呼んだんじゃ無いのでな。
話すなら、それ相応のマナーが必要だよな
そう言うとまた指を鳴らした。
少し荒々しい風だった。
すると今度は何処からともなく風が吹いてきた。
?
291
?
﹁これは俺の心像現象で見せている謂わば結界だ。
?
すると、風は見る見ると形を作り始める。
終いには風は1つの椅子を作り上げていた⋮
しかも、ご丁寧に視認する事も出来るとは⋮
も椅子を作り上げていた。
﹂
早く座れ﹂
すると男はその椅子となった炎の上に腰掛けたのだ
﹁⁉
﹁何を突っ立っている
⋮正直、心配事でしかならない。
男が座っている椅子⋮熱くないのだろうか
ま、まさか口に出していたのか
﹁心配するな。熱くも痒くもないから﹂
な⁉
えてくるんでな
﹁いや、口に出してなんかいねぇよ。お前さんの心の声が嫌でも聞こ
!
すると今度は地面から大量の炎が吹くと、それも形を変えて、此方
れ、また指を鳴らした。
その思いもよらない行動に惚けていると、その男は私から少し離
!
﹂
?
﹂
﹂
﹁さて、話をしましょうか
風鳴翼さん
防人嬢
?
いや、
でありながら、ふかふかとしていた。
もしれない荒々しい風が瞬く間に落ち着き、まるでそよ風の様に椅子
すると、先程まで、誰1人として座らせるものかと言っていたのか
男はそう示唆してきたので、私は渋々その風の椅子に座った。
ほら、さっさと座れ﹂
﹁あんたはあんただ。それは変わりはないんだよ⋮
﹁⁉
﹁﹃防人として不覚を取った﹄とか思うなかれ﹂
⋮まさか心の声が読まれていたとは。防人t⋮
の心の中だからな
ま、無理もねえか。此処は、結界を張っているとは言え、お前さん
?
?
色々と聞きたい事があるからな。
そう言うと私は彼と話をする事にした。
?
292
?
?
?
?
?
﹁先ず、俺は何者か
俺は神様だ。
これを先に言わねえと、意味がないからな
ま、経歴が浅い若き神様だと思えば良い﹂
私はその一言で、目を見開いた。
よ﹂
﹁ご都合主義者か貴様は⋮
﹂
あ、でもプライバシーに関する事は聞こえてはいないから安心しろ
﹁そう言う愚痴っぽいものが嫌でも聞こえてくるからそれは却下な。
い﹂
﹁⋮私の心の声を聞いて、それに答えるのはいくら神でも止めて下さ
⋮と言うよりも⋮
その一言で、私は何故かホッとしていた。
ただ、内面的な肉体の方に支障が出ていただけだ。﹂
奴と違って、外面的な肉体と精神は健在している。
﹁また、心の声がダダ漏れだぞ。それに、お前はまだあの憑友とか言う
思うから。
目の前に神様がいると言う事は、やはり私は死んでしまったのかと
?
あんまりその状態が長引くと、本当に死ぬぞ。
﹁お前さんは、防人としての使命に捉われ過ぎだ。
と、こんな時にまで話す必要は無いな。﹂
過ぎん。
だが、俺にとっては此処は俺と言う神が生まれた最 初 の 分 岐 点に
ファーストターニングポイント
故に、この心像現象の風景には戸惑いがあるんだろう⋮
﹁あんたは、奏と言うとても大事な存在がいる。
それを聞いた私は渋々、神様の話を聞く事にした。
本題に入るとしよう﹂
﹁さて、こんな話をした所為で、喋る時間が短くなったな。
⋮なんだろう、この神。性根が少し腐ってる⋮。
﹁最高の褒め言葉をどうも﹂
!
293
?
・
・
・
・
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
そのうちポッキリいっちゃいそうだってね﹂
﹁え⁉
何故、貴方が⋮その台詞を⁉
現にお前の左手からその者の鼓動を感じないか
﹂
﹁お前はまだ生きろ。お前の帰りを待ってる奴がいるだろ
?
?
﹁⁉
待って
﹂
﹂
!
それは今後の私にとっても、大事な話だった。
﹁貴方が、憑友が言っていた神様なら、教えて下さい
あの子⋮憑友が蘇る為に必要な﹃英雄石板﹄の特徴を
それに私にだけ免じたと言う事は、あの子が話しても、一切口を開
如何やら話が通じたようだ。
﹁⋮彼奴を蘇らせるヒントを、あんたに免じて教えておこう﹂
すると神は、頭を掻きながらも私の方を見て話をしてきた。
基本的に不器用である私でも、これだけは絶対に譲れなかった。
から。
私としては彼⋮憑友にはまだまだ人生を楽しんでもらって欲しい
ろか、ノーヒントの状態で、彼をまた現世に戻した。
板﹄の中から、今目の前にいる神はどの石板が欲しいのか、詳細はお
だが、現在分かっているだけでも、300枚以上存在する﹃英雄石
彼は⋮憑友は神様から﹃英雄石板﹄を探してこいと言ってきた。
そう。私は憑友から聞いた話を思い出していた。
﹂
私はすぐにその場から離れようとしていた神にある事を言った。
﹁
?
﹁さて、手短になったが、如何やらお前さんとはこれっきりだな﹂
奏が私が帰ってくるのを、待っている⋮
奏の温もりだ。
そうだ⋮この温もりは⋮
確かにそこから温もりを感じる⋮
見た目はなんの変わらないただの私の左手だけど、
そう神様が言って来たので、私は自分の左手を見た。
?
?
!
!
294
?
かなかった筈。
そう言うと神は告げ口のように答えた。
﹁︽竜を滅する剣︾
︽魔を穿つ弓︾
︽銀の腕︾
︽女神の慈愛受けし︽鎌︾と︽鋸︾︾
︽2振りの槍︾
︽女神の盾︾
︽歪んだ鏡︾
そして⋮︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾
それが、憑友を蘇らせるヒントだ。﹂
︽竜を滅する剣︾と︽魔を穿つ弓︾に︽銀の腕︾⋮
﹂
⋮響の事⋮宜しく頼むな﹂
﹁え
神は何故、憑友ではなく⋮響と言ったのか
?
それとも、違う存在の響なのか⋮
響と言われて思い付くのは、奏の︽ガングニール︾を継承した立花
響の事なのか
?
295
︽女神の盾︾に︽女神の慈愛受けし︽鎌︾と︽鋸︾︾⋮
﹁悪いが、これ以上は教えられん。
ただ強いて言うなら⋮
お前たちの身近にあるものだと思えば良い⋮﹂
まだ貴方には色々と話が
そう神が言うと、徐々に私の視界がぼんやりとしてきた⋮
待って
!
!
︽歪んだ鏡︾と︽ふた振りの槍︾そして⋮
︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾
?
⋮駄目だ。なんの事だがさっぱり分からない⋮
何かのキーワードなのか
?
﹁これ以上長く居座れば、魂を失う。さぁ、行け。
!
その一言を最後に私の意識は元の身体の方へと戻って行った⋮
?
駄目だ。意識がそう持たないときたか⋮
ならば、残りは元に戻った時に考えるべきか⋮
ーーーーーSIDEto神
⋮我ながら、とことん甘くなったものだ。
あまりにもお人好し過ぎたな。
天
羽々
斬
後は頼んだぞ、防人嬢いや、風鳴翼。
︽竜を滅する剣︾を纏いし歌姫よ。
そして、霊風よ。
お前なら、彼奴らを導いてくれる事を、俺は信じてる⋮
何せ、あんたは⋮俺の先輩なんだから⋮
ーーーーーNO SIDE
神との邂逅を果たした翼は自分の左手を動かした。
それを見た医療スタッフ達は急いでメディカルチェックを行った。
一方、その時の翼はこう感じていた。
﹁︵生き⋮てる⋮
不思議な感覚⋮
まるで、世界から切り離されて、
私だけの時間が遅く感じている気分⋮︶﹂
そう思っていると、近くにある窓の先に自分が通っているリディア
ンを見た。するとそこから歌が聞こえてきた。
それは、校歌だった。
自分が通っているリディアンの校歌が翼は聞こえていた。
﹁︵そうか⋮私、仕事でも、任務でも無いのに、学校を休むのは初めて
だったな⋮
精勤賞は絶望的か⋮︶﹂
そう感じていた翼。すると、
﹃響の事⋮宜しく頼む⋮﹄
先程まで精神世界にて対話をした相手、神様との話を思い出してい
た。
﹁︵あの子がもしそうなら、私は改める機会を見出さないとね。
それともう1つ⋮︶﹂
296
すると今度は憑友に関する話を思い出す。
﹁︵︽竜を滅する剣︾、︽魔を穿つ弓︾、︽銀の腕︾⋮
︶﹂
︽女神の盾︾と︽女神の慈愛受けし︽鎌︾と︽鋸︾︾⋮
︽2振りの槍︾、︽歪んだ鏡︾⋮
そして⋮︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾⋮
憑友をこの世に戻せる唯一の手掛かりなら⋮
私は探してみせる⋮あの子が生きて行ける為に⋮
ーーーーー
翼の意識が回復した日の夕刻頃。
ノイズの被害にあった廃墟付近を3台の黒い車が移動していた。
そこには、日本の防衛大臣である広木 威椎が乗車していた。
車内では、彼がシンフォギアの事を厳しくながらも、それでもその
優しさに溢れる内容を零していた。
そんな彼の乗った車がトンネルに入り、出ようとした時だった。
突然、トラックが道を塞ぎ、車が玉突き事故を起こすと、トラック
から武装したテロリスト達が現れ、そして⋮
この日、広木防衛大臣は射殺されたのであった⋮
テロリスト共﹂
そこには、1人の青年が、彼等の道を塞いでいた。
﹂
そして、テロリストの1人がこう述べた。
﹂
﹁き、貴様は⋮︻冷眼のロック︼⁉
﹁ふっ。なら、話が早いよな
?
る⋮
紫と白が交互に交じっており、紫のマフラーと、茶色の服を着てい
そこには、
バーを装着し、腰のカードケースから1枚のカードを取り出した。
そう言うと、ロックは左腕に相棒である電子機器・ソウルアブソー
?
297
!
そしてテロリスト達は彼が所有していた物を取り上げ、そして退散
しようとした時、妙に肌寒かった。
﹄
﹁随分と、人を殺したいみたいだな
﹃⁉
?
その声を聞いた皆は目を見開いた。
?
ス
死神
デ
の正位置。
タロットカードを手に持っている男のイラストが描かれていた。
﹁お前達のカードは
フォーム、ダイキ
バーを引いた
ーソウル
ー
!
ると、ロックはそれを纏った。
ボックス・マジシャン
!
そして手から背丈を優に越す鎌が現れた。
それを見たテロリスト達は一斉に射撃を繰り出す
しかし、
﹁無駄だ﹂
ロックの一言は現実と化した。
なんと、瞬時にロックが1人から3人に増えたのだ
それを見たテロリスト達は驚愕した
﹁これで、ジ・エンドだ﹂
た
﹃﹃﹃ソウル・ダイキ
必殺ファンクション
﹂﹂﹂
﹄﹄﹄
!
デスサイズハリケーン
﹂﹂﹂
持っていた鎌を同時に薙ぎ払った
﹁﹁﹁
﹁此方、ロック。任務は達成した。
するとロックはある場所へと連絡を掛けた。
無傷で立ったままのロックがそこにいた。
切り刻まれ、見るのもあまりにも無残な姿と化したテロリスト達と、
その言葉で、周りのテロリスト達は一掃され、そこには身も完全に
"
!
す る と 3 人 の ロ ッ ク は す ぐ に 上 空 へ ス ピ ン し な が ら 跳 躍 す る と、
﹁﹁﹁
フルドライブ
するとロックは3人同時に一斉にソウルのドライブボタンを叩い
!
!
!
するとロックの姿が狂ったピエロのような仮面をし、
ータロット・マジック
ー
すると、そこから黒い顔をしたピエロのような姿をした何かが現れ
!
!
そう言うとロックはそのカードをアブソーバーに装填、そしてレ
⋮行くぞ﹂
意味は⋮終焉、消滅等の死に直結する物だ。
"
!
"
298
"
!
!
"
"
これより例の物を持って帰還する﹂
そう言うとロックはテロリスト達が取り上げようとした物を携え
て、その場を後にしようとした。
するとカードケースからフェイトが現れたので、ロックは話をする
事にした。
﹂
﹁⋮あんたは一応、警察みたいな仕事をしてるんだ。
今なら俺を現逮する事も不可能じゃないぞ
﹂
﹁⋮いつもすまない﹂
ろう
﹁⋮ううん。今の私はそんな力は無いよ。さ、急いで妹さんの所に帰
?
そう言うとロックはフェイトを装填し、レバーを引き、フェイトの
魂を纏うと、そのままその場を後にした。
299
?
第28話 異常と怪しさ
時は約5時間前に遡る⋮
此処最近修行をしていた響と憑友。
現在はリディアンの真下に設立された特機部二の司令室にいた。
﹂
﹁はぁ∼⋮朝からハード過ぎますよ∼﹂
﹁ば∼か、あ∼ほ、響∼﹂
﹁バイ○ンマン風に言わないでよ⁉
2人は現在、休憩中であったりする。
此処に来る前までに響は随分と力を蓄え、成長していた。
﹁でも、あれはあんまりだよ∼﹂
そう響は言いながら、とある日の事を思い出していた。
ー回想ー
その日も弦十郎の元で修行に励んでいた響と憑友。
尤も、憑友は現在、弦十郎が飼っている鯉の餌やりをやっていたり
する。
﹂
﹂あら
﹂
響がサンドバッグで練習していた。が、中々上達しなかった。
﹁そうじゃない。
﹂
稲妻を喰らい、雷を握り潰すべし
﹁言ってる事、全然分かりません
﹁安心しろ、俺も同じだから⋮﹁でも、やってみます
?
を述べようとしたら、響がチャレンジしてみると言いだしたので、そ
の思いもしない言葉で、憑友はズッコケた。
そして精神を集中し始める響。
﹂
そして、心臓の音が鼓動したまさにその時、
﹁はぁっ
れた。
やったと思ったら、ヤバイ展開になってしまった。
なんと、その前方方向に憑友がいた
!
300
?
!
弦十郎の言った一言に、響が全く分からないと言い、憑友も同意見
!
!
その1発のパンチで、サンドバッグが吊るされた木の枝が簡単に壊
!
﹁⁉
憑⋮友⋮
﹁ふっ
﹂
﹂
響は避けてと言おうとしたが、それは杞憂に終わる。
!
放った
た。
﹂
﹁今の技は、僕の戦友が得意としていた技
最後、渾身のストレートにやられる技だ﹂
炎崩し
"
んもですけど﹂
﹁あ、はい⋮﹂
﹁そうとなれば⋮
﹂
。一度捕まれば
﹁君にはまだまだこれから先の事も考えて欲しいからね。勿論、響さ
来た。
ジンはお茶を啜りながらそう話すと、お茶を置いて此方へとやって
だった。
縁側にいた人物はつい先日憑友の仲間になった﹃英雄﹄海道ジン
﹁思いつきでやったけど⋮意外とデメリットが多い技だな、これ﹂
"
ほむらくずし
響がその光景を目の当たりにした時、縁側にいた人物が話をし出し
﹁嘘
⋮
するとサンドバッグはそのまま何処かへと飛んで行ってしまった
!
そうしていると今度は少し上へと向けると、右手でストレートを
その力で、威力を相殺された。
のだ
時計回りに振り向いた瞬間に左手でフック攻撃をお見舞いさせた
!
!
撃を受け止めるアイテムを装置した。
!
そんな響と弦十郎の修行を見た2人はそう話していたそうだ。
﹁それだけは口に出して欲しくなかったよ、ジン⋮﹂
﹁⋮君の師匠は色々と可笑しいかもね﹂
そう言うと響は返事をしたので、そのまま修行に励んだ。
﹁此方もスイッチを入れるとしようか⋮
﹂
そう言うと弦十郎は手にボクシングをする際に使用する相手の攻
!
301
?
!
ー回想endー
思い返しただけでも、凄かったとしか言い切れなかった。
完全に不意を突かれても可笑しく無いのに、それを見切ったと思っ
﹂
たら、そのまま威力を相殺、更にはそのまま星の彼方にまでぶっ飛ば
しのだから、尚の事怖い。
師匠は﹂
﹁ははは、まぁ何はともあれ⋮頑張れよ、明日のチャンピオン
﹁響を何の大会に出させるつもりですか
!
﹂
﹂
あの∼、自分でやると決めた癖に申し訳無いんですけど⋮
﹁ぷはぁ∼。
すると貰った飲料水を飲んでいた響がこんな事を言って来た。
来たので、2人は快く貰った。
するとそんな2人の所に友里がスポーツドリンクをお裾分けして
憑友の言葉に会えなく撃沈した響。
﹁うぐっ⋮私、呪われてるかも⋮﹂
申し開きは
をしても、おかしくないって言ってるんだけど。
﹁弦十郎の修行を受けたお前なら、拳だけでそのまま全てをK.O.
響が反論しようとすると、
⋮訂正。洒落にもなっていなかった。
﹁それ如何言う事
﹁下手したら此奴、本当に優勝してしまいますので、止めて下さい﹂
そう響が感じていたら、弦十郎の言った一言に憑友が物申した。
?
⋮外国とか
﹂
何もうら若き高校生に頼まなくても、他にノイズを倒せる武器って
無いんですか
﹁え
﹂
﹁その答えはNOとだけ言っておく﹂
?
憑友は弦十郎にアイコンタクトをし、弦十郎はそれに気付いたのか、
話を始める。
﹁功績には無いな。
日本だって、
︽シンフォギア︾は最重要機密として完全非公開されて
302
?
?
響が言った事に対して憑友は否定した。首を傾げた響を見たのか、
?
いる。
何で
﹂
だが、︽精魂導師︾はその限りでは無い﹂
﹁え
⋮て、風鳴のおやっさん
何そのジャージ姿
?
?
して、振り向くとそこには霊風がニコニコ笑顔でやって来た。
﹁おはようさ∼ん
﹂
するとメインドアから誰かが入ってきたので、憑友はその音に反応
と思ったそうだ。
いな⋮︶﹂
﹁︵此奴⋮話の内容があまりにも詳細し過ぎて、全然脳に入って来てな
その話を聞いている響を見た憑友は、
の特機部ニの現状を響に分かりやすく説明したのであった。
すると友里が﹁情報封鎖も二課の仕事だから﹂と言い始めると、今
﹁そう言えば、私⋮あんまり気にしないでやらかしたかも⋮﹂
に喋り始めた。
していたので、憑友は頭を抱えると、響は何かを思い出したかのよう
憑友の説明を受けた響は納得したのか如何かも怪しい雰囲気を出
﹁へぇ∼⋮あ﹂
フォギア︾と同様で、機密事項になっているらしいんだと﹂
ただ、変身者等のプライバシーやプライベートに関する事は︽シン
故に非公開する義務なんか無いんだよ。
認知されていない。
﹁元々︽精魂導師︾は一種のおとぎ話に出てくる架空の存在としてしか
すると今度は憑友が話をし始めた。
?
﹂
!
﹂ん
如何した
憑友﹂
?
たからな。今は休憩時間なのさ
﹁はいはい﹁あの、霊風先輩
!
れていた。
能がついた機械があった。因みにカラーは緑で、風のイラストが描か
そこにはカードが一枚入るスペースがある何かを読み取らせる機
に渡した。
弦十郎と話をしていた霊風の所に憑友が現れ、憑友はある物を霊風
?
﹁おはよう、霊風君。これはつい先程まで響君と憑友の修行をしてい
!
303
?
﹁これは
﹂
⋮似てるな
これと﹂
?
現化させる力を秘めたアイテムです
り共闘する事が出来たり、別行動したりする事が出来ます
﹁
⋮あれ
了子女史は
﹂
すると、霊風は辺りを見渡すと誰かがいない事に気づく。
たそうな。 それを見ていた他の人達からは、まるで兄弟みたいな光景だと思っ
そう言うと霊風は憑友の髪をワシャワシャと掻き乱していた。
﹁⋮いや、サンキューな。おかげで良い物を貰えたよ﹂
事が出来ないのがデメリットですけど⋮﹂
ただ、ブースターに差し込んでいる間は、その﹃英雄﹄の力は纏う
!
これを使えば、戦場でも日常でも、
﹃英雄﹄達が直接戦闘を補助した
描きました。
霊風先輩のは、緑のカラーリングと風をモチーフにしたイラストを
頂きました。
カラーリングはそれぞれの︽精魂導師︾の名前からイメージさせて
!
﹁これは﹃現界ブースター﹄と言って、これに挿入した﹃英雄﹄達を顕
﹁
のカラーリングと炎のイラストが描かれていた。
自分が先程渡されたアイテムと同じ形状を持っていたが、此方は赤
そう言うと憑友は自分の腰に付けていたある物を取り出した。
?
?
すると弦十郎が話し始めた。
﹂﹂
﹁長田町さ﹂
﹁﹁長田町
?
すると弦十郎はそれに付けと加えてある者の名を教えた。
関係閣僚達に対して説明義務を果たしに行ってくれている﹂
﹁本部の安全性及びその防衛システムについて、
霊風に言われて、弦十郎は小さく頷き、そして話を続けた。
﹁またお偉いさんに呼び出されたのか
﹂
霊風に言われて、初めて気づく響と憑友。
そう、櫻井女史だった。
?
?
304
?
?
にも説明をしに言っているらしい﹂
﹁この世界の何処かにいると言われる財政を一任されていると言われ
キングorカイザー
ている男⋮
﹂﹂
﹂
何で都市伝説のようなウワサ話までにしか留まってるんですか
そんな行動したら、かえって目立つと思うんですけど
﹂
?
﹁その﹃キングorカイザー﹄さんって、何でそんな事をしてるのに、
た。
霊風と弦十郎に言われた言葉に響は疑問に感じたので、質問してみ
しいと了子君本人が言っていた﹂
﹁現に、了子君は彼と話す際は、基本的には電話での対話がほとんどら
まるで都市伝説のような存在だと言われているんだ﹂
一切無いと言われていてな。
ありとあらゆるプライベート情報及びプライバシーに関する者が
る。
る謂わば︽偽善者︾のようなやり方をする者だと言う事が判明してい
現に戦争孤児や、修道院育ちの子供達やシスター達に援助をしてい
ていないが、子供達には優しいらしい。
︽職権乱用︾も、あったとしてもほんの数回程度で、基本的には何もし
ただ、︽独裁者︾の様な自分主義者じゃないらしい。
ば︽職権乱用王︾とも呼ばれている。
その為なら、自分の立場を無理やり酷使させる力を持っている謂わ
あり、︽独裁者︾でもある。
ありとあらゆる手を使ってこの世の中の流れを変えた︽革命者︾で
直後に現れた謎の存在の事で、
﹁﹃キングorカイザー﹄ってのは、シンフォギアシステムが生まれた
疑問に答えた。
すると、この中でマネージャー稼業をしている霊風がそんな2人の
﹁﹁キングorカイザー
"
﹁彼の顔を見た者がいないからだ﹂
﹁え
?
305
?
"
?
﹁キングorカイザーは基本的に人との接触を拒んでいる。
先程霊風が言った援助は名前は書かれてあっても、在籍してる場所
が無く、殆どが仕送りのようなケースが殆ど。
故に彼の顔を見た者はいないという事らしい﹂
そうしていると、弦十郎話を話を脱線した事に気付き、すぐに話を
﹂
元に戻そうとし、時計の時間を見てみると、
﹁⋮了子君の帰りが遅いな
﹁⁉
⋮凄ぇ⋮﹂
彼奴はやりこなしているからな﹂
奏の面倒と翼のフォロー⋮﹃ツヴァイウイング﹄の2人の面倒事を
﹁彼奴も何気に忙しいみたいだな。
そう言うと霊風はささっと司令室から立ち去って行った。
立花と憑友。おやっさんの修行、頑張れよ∼﹂
いんじゃね
今回は了子女史と話がしたかった為に来たのに、肝心の本人が居な
﹁どうせ、長く掛かってるんなら、俺はこの辺で失礼するぜ。
?
ーーーーーSIDEto憑友
数時間後、リディアンの制服に着替え終わっていた俺と響。
だが、司令室は騒然としていた。
何故ならつい先程、防衛大臣である者・広木氏が何者かに銃殺され
たと言う報告が出されたのだ。
それを見た俺と響は嫌な予感しかしなかった。
するとそんな時に、
﹁大変、長らくお待たせしました∼♪﹂
﹂
﹁あ﹂﹁
!
いる事を言うと了子さんは驚いていた。
弦十郎師匠は広木防衛大臣が殺害された事と、犯行声明が出されて
櫻井了子が本部に帰還して来たのだ。
﹂
﹁了子君
!
306
?
そんな霊風に対して、寛大な人だと憑友はそう思ったそうだ。
?
だけど、俺はこの時、何かが引っかかる様な気がしたが、それは頭
の隅に置いておく事にした。
すると響は心配していた事を言った。当然だ。
だって、メールを送ったり、電話も掛けたのに一向に音沙汰無しな
のだから。
その事を伝えると、了子さんはポケットの中に潜めてた端末を取り
出し、調べた⋮が。
﹂
﹁壊れてるみたい♪﹂
﹁駄目じゃん⁉
⋮最近、こんな小さなボケでもツッコミしたくなって来たのは如何
してだろう⋮。
﹁心配してくれてありがとう。でも、それはそれとして⋮﹂
そうすると了子さんは持ってきていたアタッシュケースらしき物
をソファに置き、そしてケースの中身を取り出した。
そこにはチップらしき物が入っていた。
﹁政府から受領した機密資料も無事よ﹂
その一言を聞いた弦十郎と響はホッとしていた。
だが、俺は何か怪しいと感じていた。
何故かこんな近くから血の匂いがして来たからだ。
﹄
いくら、俺が人外じゃないにしろ、此処まで敏感になるのは如何し
ても⋮
﹃気になるか∼
それよりも少し移動して見ろよ。何か面白
﹁︵⋮いきなり過ぎるぞ、ユルセン︶﹂
﹄
﹃まあ、そんな事は後々
い物が有りそうだぜ
⋮しゃあないか。
!
﹁⁉
﹂
ラとアタッシュケースの方を向いた。
そう言うと俺は近くに置いてある水を汲み、そして飲む。そしてチ
?
アタッシュケースの淵に、血の跡が残っている事に。
307
?
?
そこで俺は見てしまった。
?
﹁︵まさか、了子さんが広木防衛大臣を⁉
如何したの
憑友﹂
︶﹂
⋮いや、先程のリアクショ
ンを見れば、それは無い。だとすれば一体⋮
﹁
?
?
⋮怪しい。
弦十郎師匠の一言で、皆はブリーフィングルームへと移動した。
﹁とりあえず、先ずは今後の作戦について話し合おう﹂
うになった。
すると不意に響から声を掛けて来たので、危うくコップを落としそ
?
俺はこの時、そう感じていたのであった。
308
?
第29話 作戦会議/移送開始
憑友は急いでブリーフィングルームへと入室すると、そこには多く
の二課のスタッフが既に待機していた。
﹂
何処に座ろうか迷っていると、
﹁あ、此方です
と、声が聞こえたのでその方を見ると、1人の女性スタッフが手を
振っていたので、急いでその場所へと向かい、確保していたであろう
席に座った。
﹂
ミルク
すると先程の女性スタッフが耳打ち程度に話しかけてきた。
﹁響さんが心配してましたよ
﹁
﹂
﹁如何致しまして♪⋮と、如何やら始まるみたいよ﹂
﹁そうですか。では改めて⋮ありがとうございます。牛乳さん﹂
実家が牧場経営で、こんな名前になってるの﹂
﹁牧藁牛乳よ。
まきわらミルク
それはそうと、ありがとうございます。えっと⋮﹂
﹁あはは⋮。彼奴にも言っておきます。
?
その内容とは先ず、
ノイズが頻繁にリディアン周辺に現れているのは、特機部二の更に
真下、通称︽アビス︾に眠りし完全聖遺物︻デュランダル︼を狙って
いるという可能性があると言う事。
そこで、二課はこの聖遺物を永田町最深部の特別電算室︽記憶の遺
跡︾への移送を計画する事案が成されたという事。
そしてその執行時間が翌日の明朝5時との事だった。
後の内容はチップに記載されてあり、後で配布するとの事だった。
上の意向には流石の弦十郎も逆らえなかった様だ。
そしてその日は解散となった。
すると憑友は先程の女性スタッフ・牧藁の所へと赴いた。
309
!
そう言うと憑友は前を向き、そして会議の内容を聞いた。
!
ミルク
﹁あの⋮今度、牛乳さんのご実家に行っても良いでしょうか
何事も先ずは試せというのが性分なんで﹂
ありがとうございます
てみるわ﹂
﹁
﹂
﹁ふふっ。変わった子。でも良いわ。この騒動が終わったら、連絡し
?
﹄
?
⋮。
﹁︵んで
何の⋮って、いねぇし⋮︶﹂
﹃⋮あんまり、あの剣に響を触れさせるなよ
お前は今日は此処に何しに来たんだ
︶﹂
尤も、話し相手であるユルセンは幽霊なので、普通に喋れるのだが
ら。
何故なら、なのはから教わった方法︽念話︾を用いて話しているか
因みに前回も今回も響達には聞こえてはいない。
すると彼の横からユルセンが現れたので、憑友は話をした。
﹃まぁた、いつもの推理タイムか
﹁︵⋮何か嫌な予感しかしない⋮何故なんだろうな⋮︶﹂
い顔をしていた。
回収している間は、響が時々喋っていたが、憑友はあんまり浮かな
そして響と憑友は了子がデュランダルを回収する作業を見ていた。
に了子の所へと赴いて行った。
そう言うと響が待っていたらしく、憑友は牧藁に一礼すると響と共
!
如何したの
﹂
?
﹂
?
?
なるのよ♪﹂
﹁長過ぎじゃねぇか⁉
﹂
﹄
﹁東京スカイタワー3本分を誇る長さで、1800mぐらいの長さに
﹁ほぇ∼⋮彼処がアビスですか
のように、回収作業の続きを見た。
響がそんな憑友を見て話しかけてきたが、憑友は何事も無かったか
﹁⋮いや、何でもない﹂
﹁
そこにはもうユルセンはいなく、憑友は頭を掻いていた。
ユルセンが何かを呟いたので、憑友は何かを言い返そうとしたが⋮
﹁︵はぁ
?
?
?
?
310
!
?
了子の言った一言に思わず憑友はツッコミを入れた。
しかし、当然ながらスルーされるのであった。
それを見た憑友は軽くorz状態になっていたのは言うまでもな
い。
すると了子が2人に暫くの仮眠を取るように促してきたので、憑友
はすぐに立ち直るや、了子のご厚意に甘える事にした。
憑友
朝から何処行ってたのよ
そして寮に着くと案の定、未来がいたのだった。
﹁ちょっと、響
!
﹁え⁉
ちょっ
ちょっと待って⁉
﹂
﹁︵やばい⋮眠くなってきた⋮︶響⋮行くぞ∼﹂
まるでウトウトしていた。
ようとしたら、憑友の様子が変だった。
未来の言葉に響は目を泳がせながら、憑友に弁明の余地をお願いし
﹁ああ、いや∼その∼﹂
いきなり修行とか言われても⋮﹂
!
?
は最後の力を振り絞って、響の腕を掴むとそのまま全速力で寮から出
て行った。
﹁ああ、ちょっと⋮﹂
未来がそんな2人を止めようとしたが、結局2人を止める事が出来
なかった。
﹁⋮心配もさせてくれないなんて⋮﹂
ーーーーー
そして、響は憑友と共に、二課のロビーにて寛いでいた。
だが、それは憑友だけで、響は溜め息をついていた。
何故なら、
﹁zzz⋮zzz⋮zzz⋮﹂
肝心の憑友が爆睡してしまったからだ。
まぁ、その他には先程の未来の事も兼ねていたのだが。
そんな響の所に緒川が現れた。
311
!
!
あまりの睡魔にこのままでは此処で爆睡しかねないと思った憑友
?
響はこの前のビデオレターの件の感想を直接緒川に言うと、緒川は
安心したかのように、一安心していた。
すると緒川は翼の容態が安定した事を響に伝えると、響は良かった
とホッと一安心していた。
そして緒川のだが話を聞いて、響は気が楽になり、憑友を起こそう
としたが、緒川が面倒を見ると言ったので、響はその厚意に甘えて、1
人先に行った。
それを確認した緒川は呟きながら、憑友に顔を向けた。
憑友君﹂
﹂
﹁翼さんも響さんみたいに素直になったら良いのにな⋮
そう思いませんか
﹁⋮いつ気付いた、忍びさんよ
そこには半目状態の憑友がソファ全体を使って、呑気に寛いでい
た。
﹁僕が翼さんのことを喋り始めた時からですよ﹂
﹂ニコッ
﹁⋮お前、やっぱり怖いよ⋮色々と﹂
﹁何の事でしょうね
﹁⋮いけ好かねえ⋮と。んじゃあな﹂
そう言うと憑友はソファから立ち上がり、響の後を追った。
それを見た緒川は相変わらず、笑顔を振りまきながら、2人を見
送っていたのであった。
ーーーーー
そして翌日の明朝⋮
多数の黒い車と、ピンクの車が並び、その近くにはヘリが一機ある
中、
黒スーツを纏ったまるで○走中に存在するハ○ターのような格好
をした男達と、響と憑友が整列していた。
すると弦十郎が話をし始めた。
﹂
﹁防衛大臣殺害犯を検挙する名目で検問を配備、
︽記憶の遺跡︾まで一気に駆け抜ける
その話を聞いた憑友と響は真剣の表情を見せた。
!
312
?
?
?
﹂
﹁名付けて、﹃天下のオーライ
﹁では⋮出発だ
独り占め作戦
﹄﹂
313
!
!
その一言を合図に皆は出発したのであった⋮
!
!
第30話 移送作戦/修行の成果
車は出発した。
ピンクの車を中心に、四方を黒の車で固めていた。
ピンクの車の車内には運転席には所持者である了子が、
助手席には響が、そしてその後ろには完全聖遺物︽デュランダル︾が
入ったアタッシュケースが、
そしてその︽デュランダル︾の隣には憑友が足と腕を組みながら、瞑
想をしていた。
弦十郎はヘリに乗り、上空から様子を見ていた。
そして橋に入った時、響は窓を開けて前後を見てみると、
⋮‼
﹂
﹁⋮前方注意﹂
﹁え
打した
﹂
﹁あ痛っ⁉
﹁え
﹂﹁げ⁉
﹂
﹁しっかり捕まっててね。私のドラテクは凶暴よ∼﹂
頭を大きく抱えていると、
いくら半分死んでいる身でも、やはり痛いものは痛かったようで、
﹁憑友
﹂
その際に瞑想していた憑友はそのままアタッシュケースに頭を強
!
瞬間
﹂
その亀裂が崩壊した
﹂
﹁了子さん
﹁
!
憑友が言った一言に響は前をみると左前方に亀裂があると思った
?
!
?
!
?
﹃敵襲だ
座標は確認出来ていないが、恐らくノイズだろう
!
﹄
了子と響はナビから、憑友は端末のライドからその通信を聴いた。
通信が入ってくる。
するとスピードを上げ、そして橋の先のゲートを通ると弦十郎から
?
!
314
?
!
すると了子はすかさず車を右へと回した
!
﹁この展開⋮想定していたよりも、早いかも
﹂
﹂
﹄
そしてそのまま此方に向
気を付けろ
そう言って響達が乗ったピンクの車がマンホールを通過したと同
⋮まさか⋮ライドさん
時に、後ろの車が吹っ飛ばされた
﹁な⁉
﹃言わなくてもリサーチ済みだ
奴らは地下水から奇襲をかけている
ライドの話を聞いた皆。
すると今度は前の車が吹っ飛ばされた
かってきた
﹁酷いよ⁉
﹂
﹁痛い∼⋮頭、響みたいな馬鹿になりそう⋮﹂
ない。
そして勿論、今度は窓に頭を強打される憑友がいたのは言うまでも
するとすかさず了子はハンドルを左に回す
﹂
﹁了子さん
!
!
﹁弦十郎君
ちょっとヤバいんじゃない
﹃分かっている
﹄
するとライドが説明をしてきた。
﹃護衛車を的確に狙ってくるノイズ⋮憑友。君はどう捉える
﹂
﹂
﹁⋮ノイズを操ってる奴がいると言う事だな﹂
﹁⁉
﹁先日のあの子かしら
﹁ええ﹂
﹁⋮彼奴もいると考えなければな﹂
憑友はライドの話からある予想を立てた。
そして、もしかしたら、
︽水魂導師︾ソウルことロックが、そこにい
近くにいる可能性があると言う事。
もしかしたら、あの子⋮︽ネフシュタンの鎧︾を纏った少女がこの
?
!
﹃憑友。その可能性があると言うのなら、もしかしたら⋮﹄
?
﹄
この先の薬品工場で爆発でもしたら、︽デュランダル︾が⋮﹂
?
すると了子はそんな状況をほっといて、弦十郎と通信をし始めた。
?
?
315
!
!
!
!
!
!
!
?
!
?
るかもしれないと言う可能性へと辿り着いた。
その話を聞いた響は、浮かない顔をしていたが、すぐに吹っ切れた
ようだ。
ーーーーーSIDEto憑友
﹂
﹄
響が俺の話を聞いた時は浮かない顔をして心配したけど、どうやら
杞憂だったようだ。
﹁それで、勝算は⁉
﹃思いつきを数字で語れるものかよ
如何やら了子さんと弦十郎師匠の話は纏まっていたようだ。
敢えて危険地帯に進む事で、人々の軽減を減らす寸法のようだ。
そうしていると前方の護衛車にノイズが襲いかかり、護衛車内の男
達はすぐに走行中の車から降りて、車は爆発した。
そしてそれと同時に、薬品工場の近くまで来ていた。
響は歓喜を上げているけど、そう簡単に終わるつもりは無いらしい
な。
現に⋮
ガタンッ
﹁あ﹂
ま、車は見事に反転し、スピンをした。
うぐっ⋮気持ち悪ィ⋮
そうしていると、響と了子が車から脱出したので、俺も急いで、シー
トベルトを外し、デュランダルを担いで脱出した。
︵こう言う時に、限って⋮デュランダルが重たすぎる
︶﹂
するとそこには既に大量のノイズ達がうじゃうじゃと群がってい
た。
﹁っち
!
阻害されても可笑しく無い⋮
纏った少女が高みの見物をしていた。
俺は辺りを見渡すと、とある一角にあの子⋮︽ネフシュタンの鎧︾を
!
316
!
?
了子さんの車の片輪が浮き、その勢いのあるスピードに乗ったま
﹁やっぱりか⋮﹂
!
流石に肩に担いでいるとは言え、あまりにも重い。動きが思いきり
!
﹂
﹁了子さん。これいくら俺でも、重く感じるんですけど⋮﹂
何言ってるのあんた
﹂
こっちの身が持たないよ
﹁だったら、いっそのこと此処に置いて私達は逃げましょ
はあ⁉
﹁そんなのダメです
﹁それもそうよね⋮﹂
分かってるのなら、最初から言うな⁉
特に肩が⁉
そうしていると、ノイズ達が身体を変化させ、特攻してきた
!
?
その影響で、思いきり吹き飛ばされた
それを見た俺達は瞬時に車から離れた
それと同時に車が爆発した
!
!
?
?
!
?
気絶してしまった。
りまだ響には回避する事が難しいのかもしれない。その所為で、一瞬
なんとか俺は衝撃を和らげて、なんとか回避に成功したけど、やは
!
﹂
﹃憑友。如何やら、弦十郎氏はこの車の黒煙で、こちらの視界を捉えき
れていないらしい﹄
﹄
﹁だったら、録画機能開始
﹃分かった
!
した。
するとまたノイズが特攻して来た
くっ
変身すると先程の録画機能は完全停止してしまうから⋮使
えない
了子さんが
するとそこから紫色のバリアが
俺達を守ってる⋮
﹂
に話をした。
すると響がようやく目を覚ました。俺は響の方を見た後、了子さん
﹁了子さん
いや、それよりも、あんな芸当は常人なら使えない
?
!
そんな時、了子さんが手を前に出した。
如何すれば⋮
!
!
そう言うと俺はライドさんに備わった機能の1つ・録画機能を使用
!
?
!
!
!
317
!
﹁了子さん⋮それは一体
﹁出来る女の嗜みよ♪﹂
﹁﹁
⋮了解
﹂﹂
﹂
﹁それはそうと、貴方達のやりたい事を⋮やってみなさい﹂
⋮と言うか、なんで今まで気付かなかったんだろう。
だ。
如何せスルーするなら、いっそツッコまないようにすれば良いん
﹁⋮これ以上ツッコまないようにしよう﹂
?
n⋮﹂
﹁変身
﹂
ーライド
ー
フォーム、オ・レ
英雄の魂、オレに宿れ
︶﹂
そして其処からは響の土壇場だった。
ふっ⋮お前らしいよ。全く。
すると響は足のヒール部分を取り壊した
﹁︵ヒールが邪魔だ
かさず立ち上がる。
如何やら地面に露出していた鉄パイプに引っかかり、転倒するも、す
すると響がまっすぐ突っ込んでいったので、止めようとしたけど、
⋮
俺はすかさずあの少女の周りを見た。けれど、彼処に彼奴はいない
アを纏っていた。
すると俺達の姿は︽炎魂導師︾ライドとガングニールのシンフォギ
!
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
た⋮
カードを装填、そしてレバーを引いた。それと同時に響は聖詠を歌っ
す る と 俺 は ラ イ ド に 録 画 機 能 を 取 り 消 し、そ し て 左 腕 に 装 着 し、
!
!
!
ヴィヴィオちゃんが現れた。如何したんだ
?
俺も負けてられないと思い、戦闘態勢に入ると、カードケースから
確実に弦十郎師匠の修行が身についていた。
ノイズの猛攻を意図も簡単に倒していく。
!
!
318
!
﹁すみません
﹂
﹂
今すぐ私のカードを使って下さい
⋮訳は後で聞く事にして、今はそうするか
そう言うと俺はすかさずカードケースからヴィヴィオのカードを
﹁
!
フォーム、ヴィヴィオ‼
ー
取り出して、アブソーバー内のカードと交換、そしてレバーを引いた
ーライド
?
ー
すると其処からヴィヴィオの通称﹃大人モード﹄の時の姿が現れ、俺
不屈の娘
はそれを纏った
ー幼き聖王
!
!
・
・
・
神経を研ぎ澄ませ⋮
俺はすかさず集中する。
其処には、赤と緑の異彩眼がくっきりと描かれていた。
オッドアイ
そして俺は目を開けた。
服装も黒タイツと上に白いジャケットを羽織った姿をした。
そして俺のヘアースタイルはショートからサイドポニーに変わり、
!
放った
﹁其処だーーーーー
撃を防いだ。
﹂
﹁⋮何故、此処にいると分かった
?
ガーリック臭い事くらいだな
﹂
?
?
ソウル‼
!
﹁⋮お前は犬か﹂
﹁お前に言われたくないよ
﹂
﹁魔力がダダ漏れ。殺気出まくり。微妙な足音。そして⋮
そうだな⋮敢えて言うなら⋮
﹂
するとその攻撃に気付いたのか、その存在は姿を露わにし、俺の攻
!
!
319
!
!
!
!
俺はすかさず自分の後ろに振り返り、そして渾身の右ストレートを
!
そうだ。俺の放った場所にいたのは、
︽水魂導師︾ソウルことロック
が其処にいたのだ。
確かに今の俺は常人の人よりも敏感だけど、犬呼ばわりして欲しく
ない
寧ろ、お前みたいに上の存在にみすみす命令を受けて実行している
﹂
お前の方が犬呼ばわりされても可笑しくねぇっての
﹁それもそうか。ならば
!
する少女が描かれていた。
フォーム、サヤカ
ー
するとロックはそのカードを装填し、レバーを引いた
﹁変身﹂
ーソウル
!
!
其処には水色の髪で少し洋風な雰囲気を纏った同じ形の剣を使用
そう言うとロックはカードケースからカードを取り出す。
!
クはそれを纏った
つるぎ
ー槍に答えし、無限の剣
んが現れた。
﹂
ー
﹁まさか⋮さやか、貴方なの⁉
﹁え
?
?
﹁は
⋮
うわぁぁぁぁぁ⁉
﹂
結界の中へ、一名様ご案内﹂
﹁お前との戦いに、ノイズは邪魔でしかならないからな。
そう言うと、ロックは剣を掲げた。
まさか、同じ世界出身かよ⁉
﹂
その姿を見た俺は警戒をする。するとカードケースからほむらさ
!
!
するとアブソーバーから、先程のイラストの少女の魂が現れ、ロッ
!
?
そして瞬時に巨大化した
まった。
⋮しゃあないか。やるだけやってやらぁ
!
それを真面に受けた俺はそのままその結界の中へと連行されてし
!
そうすると彼奴の周囲から禍々しい力が含まれた黒い球体が現れ、
!
320
!
?
?
第31話 結界内の攻防 前編
ーーーーーSIDEto憑友
俺は結界内に無理やり入れ込まれたが、なんとか着地に成功する。
でも、なんか気味悪い所だな⋮まるで闇が全てを覆い尽くしている
かのような結界だ。
例えて言うなら⋮深海。そんな感じのする結界だった。
すると上空からロックがゆっくりと降りて、着地した。
﹂
も
の
自分は魔女ですとでも言っているのか
﹁此処は魔女の結界と呼ばれるものだ﹂
﹁魔女の結界
んじゃあれか
﹁正確には、俺が纏っている魂の経緯が生んだ結界だと考えろ﹂
?
すると其処から金髪で、腰に鞘を
そう言うとロックはアブソーバーからカードを外し、そして新たな
カードを装填し、レバーを引いた
﹂
何処かで聞いた事あるな。えっと∼
聖なる扉⋮
﹂
﹁俺を早く出せ
脅かすなよアカネ⋮
アカネって確か⋮
そう言う事か
きて来たので、驚いてしまった。
ん
﹂
と交換し、レバーを引いた
ネのカードだ。
此奴となら⋮
そう考えると俺は瞬時にアカネの魂を纏った
!
!
交換したカードは︻炎を灯した少年 アカネ︼⋮先程会話したアカ
!
そう言うと俺はすかさずカードを取り出し、アブソーバーのカード
﹁そうとなれば話は早い
!
!
!
考え事をしている最中にアカネがカードケースから無理やり出て
﹁うわぁ⁉
?
!
!
携えた青年の魂が現れ、それをロックは纏った
フォーム、アオト
ーソウル
ー
!
!
!
!
電子音を聞いた俺はふと何かを思い出す。
水の咎人
聖なる扉
!
?
321
?
?
!
?
ー
フォーム、アカネ
ーライド
炎の咎人
聖なる扉
!
﹂
アオト
﹂
なんでお前がそっち側に付
!
﹁アカネ⋮⁉
﹁おい
いてるんだよ
これは如何言う事だよ
するとロックの方から1人の青年の魂が見えた⋮
!
まさかのお知り合い
!
マジかよ⁉
なのはさんとフェイト
さん。
さん。
ルドガーとユリウス
?
そしてアカネとアオト
だっけ
さん。
ほむらさんとさやか
?
?
?
ワダツミ
な。
﹁
イグナイト
﹂
"!
ら、俺は無理やり拳をぶつけた
﹂
⋮くぅ∼⋮手が痛い∼
﹁なら、これは如何だ
メギド・フレイム
そんな事、させるかよ
ブボタンを叩いた
必殺技か
﹁燃やし尽くせ
‼
﹂
ジ
いくら必殺技と言えど、詠唱含む溜め時間が必要なのが弱点
チャー
俺はすかさず両手の拳で大火力の炎をお見舞いさせた
?
ば、通常技を受ければそれだけ相手に隙が生まれる
これならば⋮
!
なら
!
!
!"
!
"
!
そう言うとロックの左腕に装着されていたアブソーバーのドライ
!
!
そう考えていたら、ロックがいきなり刀で攻撃をして来やがったか
﹁
﹂
これだけ関連している組み合わせがあるのはある意味凄いことだ
?
と言うか、此処まで関連者が多いのは凄すぎなんだけど
?
﹁俺達はミドリと同じアカデミーからの同級生だ﹂
え
!
?
"!
!
322
!
!
?
!
!
!" "
﹄
そう思っていた時もありました。
フルドライブ
けれど、奴は違った。
﹂
﹃ソウル・アオト
﹁⁉
!
ていなかった
俺の攻撃を全て受けたのにも関わらず、彼奴の身体には傷1つつい
!
アブソリュート・シン
。
"
﹂
﹂
それじゃあ、彼奴に勝てる策がねぇ
﹂
しまった
﹁ぐわあ⁉
かなり痛い。⋮そうだった。今の俺は︹炎︺を纏っているか
! !"
﹂
ら、彼奴の︹水︺にはめっぽう弱かったんだ⋮
﹁くそ
ねぇ。
!
フォーム、エレン
ー
ー
!
引いた
ーライド
!
怒りの戦士
此奴の機動力を活かせば
ー反撃の狼煙
!
・
﹁ふっ。まさかお前も同じやつを持っているとはな
・
﹂
俺は調査兵団と言う部隊に所属する青年・エレンの魂を纏った。
!
!
!
そう言うと俺はすかさずカードを取り出し、交換、そしてレバーを
﹁だったら、次はこれだ
﹂
落ち着け俺。こんな所で怒りに身を任せたら、それこそ埒があか
!
くっ
?
﹁水よ逆巻け⋮
アブソリュート・ゼロ
回復型の必殺技だと⁉
﹁な、何⁉
型の必殺技だ﹂
如何なる技を受けても、どんな状態異常をも全回復させる回復特化
﹁技の名は、
何故だと思っていたら、相手が説明をし始めた。
!
"
"
?
?
!
!
!
?
323
?
!
え
・
・
お前も
ーソウル
如何言う事だ⁉
ー
フォーム、リヴァイ
史上最強、兵士長
!
馬鹿な
﹂
お前に出来て、俺に出来ないものは無い。と﹂
ますます、怒りに身を任せてしまいそうだ
﹁行っただろう
⋮くっ
﹂
!
!
﹁其方が来ないのなら、此方から行かせて貰う
!
此処にいたら、却って的になるだけ
無尽に駆け回りはじめた
不味い
だったら、俺も彼奴のスピードに追いつけばいい
!
縦横無尽に動き回る
けど、圧倒的に強すぎる
フォーム、ホムラ
ー
して、交換、そしてレバーを引いた
ーライド
それを纏った
﹁っ
﹂
ー時間の叛逆
!
﹂
無限に連なれ
後は、このまま追い詰める
﹁⋮変身﹂
!
ー
その内の1発が掠ったのか、ロックはすぐに地上に着地した。
﹁くっ
数撃ちゃ当たるって言うしな
そう言うと俺は辺り一帯を攻撃をした
!
其処には銃と盾を持った黒がメインカラーの少女の魂が現れ、俺は
!
!
俺はすぐに地上に着地すると、今度はほむらさんのカードを取り出
差が歴然だった。まるで、キャリアが違うと感じたぐらいだ。
!
そして其処から無数の斬撃を与える空中戦を行った。
!
そう言うと、俺はエレンの力を借りて、すぐに機動装置を機動させ、
!
!
!
そう言うとロックは腰についてある機動装置を使い、結界内を縦横
!
﹁⁉
すると其処には、エレンと同じ制服を纏ったロックが其処にいた
!
!
するとロックはカードを取り出し、俺と同じ行動を取った。
?
!
!
!
!
!
324
?
?
?
!
?
!
フォーム、クルミ
ー
するとロックはすぐに新たなカードを取り出し、交換してレバーを
引いた
ーソウル
いや、よく見たら、黄色の眼には時計のようなものが刻まれ
てるだと⁉
ー
それを見ていた俺の隙をつき、ロックはすぐにその魂を纏った
ー時の精霊、ナイトメア
﹂
そして、長針のような銃と短針のような銃の2つを構えた。
まるで、10時10分を示しているかのように。
﹁時間を叛逆する者同士⋮何方が上か、やってみるか
?
そう言うとロックはすぐに銃を此方に向けて撃って来やがった
俺はすかさず左腕に装着されていた盾で防ぐ。
﹂
ほむらさん
何処から
それよりもよく聞きなさい。
私は確かに貴方に銃の扱い方を教えたわ。
!
因みにその盾の内側にライドさんがいたりする。
俺はすかさず右手に銃を構えて放った
﹃落ち着きなさい、憑友﹄
﹁くっ
けど、やはりそう簡単には当たってくれない
!
如何言う事ですか
攻撃力ははっきり言うと駄目よ。もちろん自覚してるわよ﹄
くそっ
﹂
!
⋮⁉
すると其処から目の色が赤と黄色のゴスロリ姿の魂が現れた
!
其処にはゴスロリ柄の衣装を身に纏ったロックが其処にいた。
!
けど、私の魂を使っても、それは無意味に等しいわ﹄
⁉
!
?
⋮不味いな。完全に相手のペースに乗ってしまっている⋮
そんな程度か
﹁如何した
!
こんな時、如何すれば⋮
!
?
!
?
﹃私の力は﹃時間操作﹄の能力が主よ。
?
325
!
!
!
?
!
﹃一応、貴方の魂の中にいるわ。
!
するとカードケースから1枚のカードが現れた。
このカードは⋮
すると俺はすかさずそのカードを手に取った
!
そのカードはつい最近仲間になった相手のカードだ。
戦ってくれるのか
!
反撃だ
フォーム、ジン
バーを引いた
ーライド
ー
!
秒殺
皇帝降臨
ー
織ったような戦士の魂が現れ、それを纏った
ー瞬殺
!
!
掲げた戦士に俺はなった
又の名を⋮︽秒殺の皇帝︾の再来
ぐはっ
﹂
すると俺はすかさずその身を動かした
速い
何っ⁉
﹁⁉
一気に決める
そんなの関係ないくらいにまで全く影響していない
ならば
必殺ファンクション
﹂
ー
アタックファンクション
インパクトカイザー
ー
た
すると俺は大きく振りかぶり、そのままハンマーを地面に叩きつけ
"!
というより⋮微妙なネーミングだよな⋮これ。
俺がそう叫ぶと、ライドアブソーバーから電子音が聞こえた
﹁
"! !
"!
"
!
!
!
ハンマーって言えば、それこそ重たいイメージがあるのに、これは
動くスピードが速い
!
!
?
!
!
!
名付けるなら⋮︽炎魂導師︾ライド・ジンフォーム。
!
黒い甲冑を身に包み、そして身の丈ど同等の長さを誇るハンマーを
!
!
するとアブソーバーから紫色を主体とした角が生えたマントを羽
!
!
そう言うと俺はすかさずアブソーバーのカードと交換、そしてレ
﹂
﹁ああ。共に行こう
?
憑友君
それじゃあ
!
良し
!
!
326
!
!
!
?
"
"
!
すると其処から炎柱が発生し、ロックはその攻撃を真面に食らった
﹂
手応えあり
よし
ならば
﹁くっ
フォーム、タツヤ
ー
!
divineleft
ー
した2丁拳銃を携えた青年の魂が現れ、それを纏った
demonright
﹂
なんだこの感覚
憑友
任せろ
﹂
せんせー
﹁すみません。せんせーの力をお貸し下さい
﹁よっしゃ
﹂
⋮まるで何か嫌な予感しかしない
!
フォーム、キリト
れ替え、そしてレバーを引き、現れた魂を纏った
ーライド
ー
!
!
﹂
少しずつ、そして着実に狙い定める
それを合図に攻撃が開始された。
そして、俺の額から汗が滴り、地面に落ちた。
!
静けさが蔓延る中、お互い先ずは様子を見る。
ロックも懐から2丁の拳銃を取り出し、構えた。
そう言うと俺は背中に携えた剣を双方持って構え、
﹁生憎、こっちも同意見だけどな
﹁2丁拳銃と二刀流⋮悪くは無いな﹂
彼奴がロックが変身している魂の存在か。
すると、ロックの側から1人の青年の魂が見えた
黒剣、双閃、アメイジング
!
!
!
そう言うとカードが現れ、俺はすかさず取ると、ジンのカードと入
!
ー悪魔の右手、 神 の 左 手
⁉
師匠
せんせー
﹁大丈夫か⁉
!
俺に劍術を教わったキリト師匠だった
?
すると今度は、
?
!
するとアブソーバーから白い服に身を包んだ変わった銃口の形を
ーソウル
すると今度は別のカードを取り出してレバーを引いた
!
!
!
!
!
!
!
!
!
327
!
!
!
!
!
!
ロックは拳銃を巧みに操って、魔法陣を発生させて、攻撃しようと
していた
﹂﹁はぁっ
﹂
けど、俺のキリト師匠にそんなもんは通用しない
﹁っ
ジャキィィン
・
・
だから、負けられないんだよ
﹂
・
・
さは相変わらず凄いとしか思えないぜ
﹁ふっ、ならば⋮
!
相手も必死に攻撃をするも、数多の魔法陣を斬って行くその勇まし
!
えないとまさに唯一無二の能力だ。
なら、破壊する事が出来る能力であり、これはキリト師匠だけしか扱
この効果は、相手の攻撃属性が、
︹拳闘︺
︹守護︺
︹回復︺以外の属性
キリト師匠の能力﹃破壊﹄の能力が発動したからだ。
ブラスト
自分で作った魔法陣を斬られたら誰だって驚くもんさ。
・
その掛け声と砕けた音を聞いたロックは凝視した。
!
!
引いた
ーソウル
フォーム、アーチャー
ー
!
れ、ロックはそれを纏った
ーUnlimited Blade Works
﹁はぁっ
﹂
﹂
くっ
﹁⁉
いきなりかよ
るなんて
ー
﹁この魂は俺が初めて出会った﹃英雄﹄の力だ。お前に負けるつもりは
しかも⋮強い⋮
!
!
!
!
距離にして数十m先にいた筈なのに、此処まで来
白と黒の剣⋮まるで夫婦のような剣だった。
其処から1組の短剣が現れた。
﹁同調開始﹂
ト レ ー ス・オ ン
そしてすかさず腕を臍を隠すかのように交差すると、
!
!
するとロックのアブソーバーから赤い外套を羽織った男の魂が現
!
!
そう言うと今度はまた別のカードを取り出し、入れ替えてレバーを
!
!
?
328
!
!
!
!
無い
﹂
だけどな
﹁そうかよ⋮
﹂
つもりはねぇ
﹂
俺だって、この姿になったからには、負ける
こんな所で負けられないんだよ‼
﹂
﹁ふっ
﹁
ガキィン
ガキィン
ガキィン
そして⋮一気に
そして互いに剣を構える。
それを見たロックは瞬時に後退する。
そう言うと俺はすかさず吹き飛ばした
?
キリト師匠は俺が初めて出会った﹃英雄﹄だからだ
せんせー
何故なら⋮あんたと同じで⋮
!
﹁はぁぁぁぁあ
﹂
パリィィィン⋮
その一撃で、剣は破壊された
其処から一撃⋮
に戻っていたから
!
だって、先程使用していた剣が⋮罅1つも無い⋮完璧の状態で、元
俺は目を見開いた。
⋮え
ガキィン
その瞬間、
と言った。
﹁同調開始⋮﹂
ト レ ー ス・オ ン
するとロックは小声で、
!
!
しかし、ロックの方の剣は罅が入ってきていた
激しくぶつかり合う剣と剣。
!
!
!
!
329
!
!
!
!
!
!
?
!
!
!
!
!
﹂
ぐわぁ
﹁はぁっ
﹁⁉
﹂
何が起こったんだよ⋮
その攻撃で俺はおもいきり吹っ飛ばされた
くっ
!
贋作
で挑んでいる⋮
﹁無駄だ。こいつの能力﹃剣製﹄の前には、幾ら強力な武器で挑もうと
思っても、こちらは
"
⁉
なんだよ⋮それ⋮⁉
そんなんだと⋮勝ち目が無いじゃ無いか
フォーム、シロウ
!
レバーを引いた。
ーライド
ー
すると俺はキリト師匠のカードと衛宮のカードを入れ替え、そして
本当ならキリト師匠で決着を付けたかったけど⋮仕方ない。
﹁⋮了解です﹂
﹁俺と変わってくれ﹂
現れたのは、魔術師と呼ばれる存在・衛宮さんだった。
﹁⋮衛宮さん﹂
﹁あまり無茶するなよ﹂
またカードケースから1枚のカードが現れた。
その時だった。
相手の武器が無限に同じ物を作れると言うなら、如何したら⋮
!
?
言うならば、此方には無限に同じ武器で戦えると言う訳だ﹂
"
はそれを纏った。
ー剣製魔術師、トレース・オン
フォーム、シロウ
ーーーーーSIDEtoロック
ーライド
!
ー
!
アーチャーが危惧する理由が分からない。
俺と同体化しているアーチャーからそんな事を言われた。
﹃気をつけろ。仮のマスターよ﹄
彼奴が纏った魂に俺は余裕な態度を示していた。だが、
剣製魔術師、トレース・オン
!
ー
するとアブソーバーから赤髪で白と紺の服を着ている魂が現れ、俺
!
!
330
!
!
!
!
?
?
ト レ ー ス・オ ン
すると彼奴⋮憑友は臍の所で腕を交差させ⋮
﹁同調開始﹂
そう言うとその手には、アーチャーと同じ武器﹃夫婦剣 干将・莫
あの武器はアーチャーの武器の筈
耶﹄が握られていた
馬鹿な⁉
何故、彼奴がそれを出せる⁉
﹂
331
﹁行くぞ⋮赤き弓兵‼
tobecontinued⋮
!
!
?
?
?
第31話 結界内の攻防 後編
ーーーーーSIDEtoロック
何故、彼奴からアーチャーの武器﹃夫婦剣 干将・莫耶﹄が現れた
んだ⁉
そう考えていると、憑友はその夫婦剣を投げてきた
そう言えば、
﹃干将・莫耶﹄には同時に投げる事でブーメランのよう
トレース
な性質が付加する事が出来るって、前にアーチャーが言っていたな。
﹂
ならば
﹁ふっ
俺も同じ手でやるだけ
I am the bone of my sword.
俺はすかさず詠唱をする⋮
﹁我 が 骨 子 は 捻 り 狂 う⋮﹂
﹂
今こそ穿たん⋮螺旋の剣の矢よ
ガ ラ ド ボ ル グ Ⅱ
﹁偽・螺旋剣
﹂
これなら⋮⁉
﹁はぁっ
!
彼奴の剣は確かにブーメランの状態で、今は俺の後ろに
飛ばされている筈なのに⋮
?
﹁同調開始﹂
ト レ ー ス・オ ン
そう感じていると、彼奴の手はまた交差し、そして詠唱した。
なのに、何故此処までアーチャーの武器を巧みに扱える
だけど、彼奴の使った︻ヒーローカード︼は全くの別物。
アーチャーと同じ戦闘スタイルを持っているんだ。
そうだ。アーチャーだ。
何故か、彼奴の攻撃パターンは何処かで見た事が有るような⋮
すると俺はそいつの行動に疑問を感じた。
?
馬鹿な⁉
俺が放った矢を⋮彼奴は受け止め、そして⋮斬った⋮
俺はそいつの行動に驚かされた⋮
?
!
!
たのは、かの有名な聖剣のモデルにもなったと言われる螺旋の剣。
そしてすかさず︽黒弓フェイルノート︾を取り出し、そして同調し
!
!
!
332
!
?
!
そして、そいつの手から身の丈を優に越す、石で作られた巨大すぎ
る大剣が現れた
なんだよ⋮あの武器は⁉
するとその大剣を持ったまま、懐へ⋮⁉
ていた場所を瞬時に来るなんて⁉
﹂
そう言うと9回、俺の急所を狙ってきやがった
﹁ぐはっ‼
ナインライブズ・ブレイドワークス
あまりのスピードに俺は何も出来なかった。
﹁是・射 殺 す 百 頭﹂
相手がそう来るなら⋮
此方はその伝説を壊してやる
彼奴⋮︽炎魂導師︾は確かにそう言った。
くっ
!
?
あの重たい武器を軽々と持っていながら、少なくても30mは離れ
?
?
!
!
フォーム、イズナ
てレバーを引いた
ーソウル
ー伝説粉砕
黒き稲妻
ー
俺はすかさずそれを纏った。
ー
しかも、後ろには竜を冠する程の威圧も持っていた。
が現れた。
するとアブソーバーから黒を基調とした鎧を身に纏った青年の魂
!
!
そう言うと俺は新しいカードを取り出し、アーチャーと交代、そし
!
?
!
!
だが⋮
﹂
バリィィィンッ
﹁⁉
ただ、気力の消費が半端じゃない⋮
己自身も驚いている。
幾ら堅い大剣でも、この鎧には傷一つ付かないとは⋮
!
そのまま俺に先程の大剣をぶつけて来る憑友。
い格好になっていた。
その姿はまるで竜の鎧を纏いし竜使いとでも呼んでも可笑しくな
!
333
!
こうしているだけでも、かなりの精神力を削がれて行っているとは
!
!
?
⋮
﹁何だよ⋮それ、ありかよ⁉
ありだから仕方ない。
﹂
ライトニング・ドラグーン
。
﹁これは﹃伝説を砕きし者︽ガイストクラッシャー︾﹄と呼ばれた者の
1人が装着する姿で、名は
﹂
!
"
し暗くなっている。
ウェポンフォーム‼
ー
そこには、パネルボタンが3つあり、うち左側のパネルボタンは少
そう言うと俺はアブソーバーのディスプレイを見た。
⋮良し。今だ。
持っていかれてしまうからな。
そう言うと俺は全身で気を貯め始める。そうでもしないと、気力を
だが、これだけで終わる訳が無いのでな
黒き雷を生み出す黒龍の力を宿した鎧だ。
"
そこで俺は右側のパネルボタンを押した。
ーフォームチェンジ
!
﹂
﹂
!
いとは⋮
此処に軽く1時間ぐらい居るんだけど
そう考えていたら⋮
﹂
﹁なぁ
か
⋮何
ーーーーーーSIDEto憑友
まだやるつもりなの
けど、俺はそんな事は前々からやって来ていた動体視力のおかげで
なかったからな。
最初こそは驚いていた。鎧から武器に変化するなんて考えてもい
俺はロックの槍の攻撃に必死になって避けていた。
?
!
そのあまりの早さにさすがの︽炎魂導師︾も避けるだけしか出来な
そう言うと俺は両手でその槍を巧みに操る
﹁なぁ⁉
﹁はぁぁぁぁ
て右手に紫水晶の輝きが集まりだすと、そこから1つの槍が現れた。
アメシスト
電子音からそう発声されると俺の体に身に纏った鎧が飛散し、そし
?
!
?
?
?
334
?
!
?
苦にならなかった。
それよりも⋮この結界に入ってから、違和感を感じまくっていた。
何故だろう⋮この結界に入ってから、時の流れが速く感じる様に
なっていた。
﹂
此処に軽く1時間ぐらい居るんだけど
まだやるつもりなの
そこで俺はロックの攻撃を避けながら、こう告げた。
﹂
﹁なぁ
か
﹁⋮何
如何やら、相手は全く知らないらしい。
して来た。
俺はこの間までに少なくても5回は﹃英雄﹄達の力を使い、変身を
?
如何やって測ったかって
けど、それは全て10分毎に変身を繰り返してきたんだ。
え
?
6=60。
×
?
すると、
ー
フォーム、サヤカ
バーから現れた魂を纏った。
ーソウル
槍に答えし、無限の剣
!
そう言うとロックはカードを交換、そしてレバーを引き、アブソー
﹁なら、此奴の力を倒せたら、この結界が解けるかもな
﹂
60分=1時間と言う計算に基づく。と言う訳である。
つまり10
変身を繰り返した回数は今のこの姿で6回目。
さて、話を戻すとして。
点だけど。
録画機能もその一つで、変身する際は強制解除されてしまうのが欠
闘時では多いに役立たない機能を豊富に付加されているのだ。
以前見せたペースメーカーの他にも、ナビゲーターやカメラ等、戦
ライドさんには通称﹃如何でも良い機能﹄を付けているのだ。
ライドさんを甘くみすぎだな。
?
間の姿だった。
それはこの結界に送った際に使用していたほむらさんの世界の仲
!
!
335
?
?
?
﹄
するとロックはすかさずアブソーバーのドライブボタンを叩いた
フルドライブ
﹃ソウル・サヤカ
!
が悪くなっちまう
・
・
・
・
・
・
・
﹃これを相手にお前は何処まで戦えるかな
⋮完全にキャラが変わってやがる。
だけどな⋮
!
フォーム、カケル
ー
・
・
﹄
と、それをアブソーバーに装填、そしてレバーを引いた
ーライド
ー赤き稲妻、ライバード‼
ー
するとそのスポーツカーは瞬く間に俺に纏わりついた
それを拳で叩いた
俺はすかさずその車の上に乗り、
するとアブソーバーからなんと真っ赤なスポーツカーが現れた
!
⋮かっけええ⋮
その言い方﹄
﹁ゼツボー的にかっけええ
﹃⋮使い方違くないか
そんな事は関係ないぜ
そう言えばそうだ。なんで言ったんだろう
まぁいいか
あれ
﹂
真っ赤な鎧を身に纏った戦士に俺は変身した。
?
そう言うと俺は何処から取り出したのか、変わった形状をした剣を
!
?
!
!
!
?
!
!
!
そうしていると、俺はカードケースから1枚のカードを取り出す
俺は心の声と実際に言い放った声が一致した。
﹁俺だって、負けたくないんだよ
﹂
格になったかの様な性格になっていた。
先程までの冷静さは微塵も無く、代わりに超が付く程の熱苦しい性
!
!
だって、あんなにも不気味な姿をした人魚を見たら、それこそ気分
・
その姿を見て、俺は吐き気に襲われそうになった。
するとロックの姿が見る見る変化していく⋮
﹂
﹁はぁぁぁぁあ‼
!
!
?
336
!
?
!
取り出した。
そして俺は動き回る
﹂
そのスピードにロックは驚き、そして最初の斬撃を与えた
﹁ぐっ
ー
!
を押した。
ーチェンジ
ビークルモード
そこで俺は防いでいた剣で押し返すと同時に、左側のパネルボタン
なっていた。
2つのパネルボタンがあって、うち右側のパネルボタンは少し暗く
ディスプレイにパネルボタンがあった。
そして俺は防ぎながら、アブソーバーを見てみると、
俺はそれを剣で防ぐ。
そこからロックは所持していた剣を使い攻撃を仕掛けてくるが、
!
!
いた
ト○ンス○ォー○ーかよ⁉
でも、中々良いぜ
!
⋮と思ったけど⋮
が、全て当たる事は無かった。
まだまだ行くぜ
するとライドさんが念話で話しかけてきた。
おれはそれに自問自答した。
⋮如何やってさっきのロボット姿になれるんだ
!
イメージ⋮
兎に角今は⋮
こ
の
状
態
あ
の
ビークルモードからロボットに戻るイメージを⋮
姿
﹃︵憑友。イメージしてみろ。この状態ではそれが一番良い方法だ︶﹄
?
ロックは逃すまいと、剣を無限に作り出して、攻撃を仕掛けてきた
そう言うと俺は結界の周りをその姿で駆け回る
!
?
時に俺は先程アブソーバーから現れた赤いスポーツカーに変化して
電子音からそんな声が聞こえると俺はすかさずバク宙をすると同
!
?
俺はイメージしてみた。
!
337
!
!
ゼッターモード
ー
すると、電子音が聞こえてきた。
ーチェンジ
これで一気に決めてやる
すると俺は元の姿に戻った
良し
!
フルドライブ
﹄
!
たが、関係ないぜ
‼
﹂
俺はそのまま背中のブースターを使い、相手に特攻していく
ライトニングスラッシュ
?
そして軽く1捻りを加えて⋮
﹁伝家宝刀
"
!
!
!
ロックはそこが狙い目だと思ったのか、無限の剣を此方に放って来
すると俺は一気に跳躍
﹃ライド・カケル
すると俺はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
!
!
﹁憑友
﹂
﹄
まだ戦いは終わっていないからな。
入れて、レバーを引き、そして纏った。
俺もそれを見届けると、カードを取り出し、
︽炎魂導師︾のカードを
それと同時に、結界に罅が入りそして、飛散した。
その攻撃を受けて、ロックは元の姿に戻った。
﹃ぐはぁ⁉
すれ違う瞬間に斬撃を与え、そして俺は華麗に着地に成功した。
!"
?
﹂
﹂
!
﹁寒っ⁉
﹂
いや、こんな時期なのに⋮寒く感じる⋮だと⁉
ロックの声に俺は鳥肌を感じた。
﹁⁉
﹁中々やるな⋮憑友⋮
そう感心していると⋮
如何やら、1人でもノイズと戦える様だな。
戦っていたのは響1人だから、響がノイズを殲滅していたんだな。
周りにいたノイズは結界に入る前よりもかなり少ない。
すると響がこっちにやって来た。
!
338
!
!
!
!
?
?
?
如何やら響も感じている⋮
!
ー
するとロックはカードケースから1枚のカードを取り出し、装填、
!
フォーム、グレイ
そしてレバーを引いた
ーソウル
!
それを纏った
ー氷で凍てつけ、悪魔狩り∼
なんだよこの力⋮
﹂
ー
まるで化け物じゃねえか
ならば、そっちがその気なら⋮
!
妥協なのかもしれない。
ドラゴンスレイヤー
フォーム、ナツ
!
するとそこからナツの魂が現れ、俺はそれを纏った
ーライド
ー
!
﹂
炎で滅せ、竜滅者
﹁さぁ⋮
燃えてきたぞ⋮
!
!
何故、このカードを入れたのかは分からなかったけど、今はこれが
入れたカードは︻炎の滅竜魔導士 ナツ︼
いた。
俺はすかさずカードを取り出し、カードを交換、そしてレバーを引
くっ
﹁続きと行こうぜ
くっ
纏った瞬間に更なる寒気が襲われた⋮
!
!
するとそこから白いコートを纏った男の魂が現れ、そしてロックは
!
!
339
!
!
!
?
!
!
第32話 火竜VS氷魔
前回の話
薬品工場にて激闘を繰り広げていた響と憑友。
憑友はノイズ達の事を響に任せ、己は︽水魂導師︾ソウルことロッ
クと激闘を繰り広げていた。
数多の変身を繰り返しながら、そしてロックが発生させた結界を生
ませた存在の﹃英雄﹄を倒し、結界が崩壊。
憑友も無事に響と合流するも、
デビルスレイヤー
ロックから発生されて来る寒すぎる冷気を感じた憑友。
ドラゴンスレイヤー
そこには﹃英雄﹄の1人︻氷の滅悪魔導士 グレイ︼を纏ったロッ
クがいた。
憑友はそれに対して︻炎の滅竜魔導士 ナツ︼を纏ったのであった。
﹂
ーーーーーーNO SIDE
﹁さぁ⋮燃えてきたぞ⋮
そう言いながらハニかむ憑友。
その姿は首に鱗模様のマフラーを巻いて、袖なしのチョッキを羽
織っていた。
﹂
・
・
・
響はこの姿を今回ので2度目なのだが、以前は夜だったので、どん
・
・
な姿なのか、あまり分かっていなかった。
けれど、改めて見て思った事⋮
・
そう⋮チョッキ以外上着は何も着ていないのだ。
・
﹁⋮って、上チョッキ以外着てない⁉
?
そうするとロックの側から男の魂が現れた。
﹁随分と久しぶりだな⋮ナツ﹂
グレイ
﹂
﹂
﹁とことんやってやらぁ
﹁上等じゃねぇか
﹂
!
そういうと2人は消えて、憑友は拳同士を打ち付けた。
!
340
!
すると憑友の隣からナツの魂が現れた。
﹁お前こそな
!
如何やら知り合いの様だ。
!
﹁派手に行くとしますか
﹂
﹁ふん⋮そうするとしようじゃないか
放り投げた。
﹂﹁・・・はぁ⁉
同時にハモった。
﹁﹁何故、服を脱ぐ⁉
﹂﹂
﹂
それを見た響は驚き、憑友は間が空いてからようやく理解し、
﹁え⁉
﹂
するとロックは自身の上着に手を置くと、それを⋮
!
!
?
アイスメイク
⋮
床
﹂
"!
フロア
するとロックは左手をパーにし、右手をグーにして左手に垂直に立
た。
それを見ていた了子は呆然としていて、鎧の少女は頭を抱えてい
た。
上半身裸になりつつも、その肉体美はまさに男の憧れそのものだっ
しかもご丁寧に上着の下には何も着ていない⋮裸だ。
?
"
てた。
﹁
"
すると一瞬で周りがスケートリンクそのものになってしまった。
そして周りにいたノイズ達⋮特に人型のノイズ達はそのせいで、か
なり足場が悪くなってしまったのか、立つ事も困難になっていた。
﹂﹁うぇぇ⁉
﹂
それは勿論、憑友や響も同じなようで、
﹁うわぁ⁉
?
い響。
はぁ
﹂
!
なんとか脚が揺れる中でも足で踏ん張る憑友と、思うように立てな
?
するとロックはそこを狙った
﹁
﹂
!
!
きゃぁ
﹁⁉
﹂
﹁響
?
ロックは軽やかに滑りながら、響を効果範囲外に吹き飛ばした
!
!
341
?
そしてその手を地面につけた。
"
!
憑友はそれを見て、怒りを露わにするが、逆に好都合でもあると感
じた。
ス
‼
﹂
先程と同じ構えだ
!
もしかしたら、このまま響を守りながらの戦いだったのだから。
ン
アイスメイク・槍騎兵
ラ
するとロックは再び構えを取る
﹁
"
!
紅蓮火竜拳
ーーーー
﹂
!
アイスメイク
⋮
戦 斧
バトルアックス
﹂
だが、それでもロックは再び構えを取り、今度は水平上に持って行
その連続攻撃で、沢山の氷の槍が四散していった。
﹁
それを見た憑友は瞬時に両手から炎を噴き出し、
すると今度はロックの前方から大量の氷の槍が放たれた
?
"!
くと、
﹁
"
で躱した
今度は氷の斧が現れ、薙ぎ払いを仕掛けてきた。それを憑友は初見
"
ー
!
氷魔
⋮﹂
しまっ⁉
﹁
﹂
﹂
﹂
零ノ太刀
﹁
﹁ぐはぁ⁉
"! ?
相性最悪のカードを引いてしまった⋮
ぐはぁ⋮
くっ
!
ーーーーSIDEto憑友
その攻撃で憑友は大きく吹き飛ばされた。
?
に、相手には更に︹滅悪︺の効果付きかよ
!
只でさえ︹炎︺と︹氷︺は相反するものとして、忌み嫌われてるの
!
何かを言おうとした時、憑友の目の前にロックが現れた
﹁
すると、
するとロックの左腕にタトゥーが入り込まれた。
ーデビルスレイヤー⋮
するとロックはアブソーバーのパネルボタンを押した。
﹂
﹁まだだ
!
"
!
!
!
!
342
"
!
"
"
"
"
"
俺、一応︹妖怪︺みたいなものだから、通常の人達よりも、かなり
痛い⋮
︹滅悪︺属性は相手の属性が、
︹悪魔︺︹妖怪︺︹幽霊︺なら⋮
与ダメージが上がる効果を持っているって、前にナツさんがポツリ
と呟いていたのを思い出していた。
そんな程度か
﹂
つまり、今の俺にとって、相性最悪とも言える﹃英雄﹄と言う事に
なる⋮
﹁如何した
俺はすかさず立ち上がる。
だったら、とことんやってやらぁ
⋮言ってくれるじゃねえかよ⋮
?
いた。
今まで使って来なかったけど、今は使うしかねえや
雷炎竜‼
ー
そう言うと俺は真ん中のボタンを押した
ーモード
!
て雷が降ってきた
﹂
だけど、この雷は⋮﹃勝利への片道切符﹄だ
すると俺の周りから炎と雷のオーラが纏わりついた
﹂
﹁行くぞ⋮悪魔狩り﹂
﹁⁉
俺の姿を見たロックは驚いていた。
⋮憑友
!
ら。
﹁
﹂
俺自身もナツさんにこんな力があるなんてびっくりしてるんだか
!
!
響の声が聞こえてくる⋮心配させてばっかだな、俺は。
﹁
⋮憑友ーー‼
すると何処からか黒い雲が上空から現れると、其処から俺に目掛け
?
!
パネルボタンは3つあり、その内の左側のボタンは少し暗くなって
あった。
そしてライドさんを見てみると、そこにはやはりパネルボタンが
!
!
?
!
!
?
343
!
!
?
!
!
あの雷を⁉
﹂
真面に食らって平気でいやがるだと⁉
﹁嘘
﹁
に耐性があるものもいるから。
さて、話を戻そう。
‼
﹂
俺は瞬時にロックの懐に入り、
雷炎竜の撃鉄
?
﹁
?
ぐわぁぁぁぁ‼
だが⋮⁉
?
モード雷炎竜
た。
﹁くっ
⋮ならば
﹂
そう言うと俺は拳同士を打ち付けた。
﹂
︹水︺と︹氷︺VS︹炎︺と︹雷︺の方が正しいのか﹂
﹁︹水︺VS︹雷︺か⋮あ、いや正確には
授業の時に言っていたな。
﹃︹水︺は純度があるとそれだけ︹電気︺を通しやすくする﹄と理科の
も発生されている。
そのおかげもあってか、この力には︹炎︺の他に、
︹雷︺の追撃効果
込んだ事で得た力だってナツさん本人が言っていた。
ナツさんの仲間に︹雷︺の属性を使う奴がいて、その人の力を飲み
ナツさんが使用している魔法の中で、特殊な力。
"
ロックが何か言おうとしたけど、それは上空からの雷で封じられ
﹁ぐはっ‼
﹂
﹃英雄﹄達の中にはその︹雷︺の属性を持っている奴等もいれば、それ
る。
俺は元から死んでる身。だから、この雷を食らってもまだ生きてい
だけど、俺や﹃英雄﹄達はその限りではない。
うん。普通ならこれで人間は死んでるからね。
れぞれのリアクションを見せてくれた。
そう考え込んでいたら、上から響、了子さん、そして鎧の少女がそ
?
?
"
?
!
其処からはロックと俺とのガチンコ対決だった⋮
!
!
344
!
"
"
﹁
﹁
﹁
﹁
﹁
アイスゲイザー
﹁
氷欠泉
﹁
"
"
"
"
"
﹂
﹂
﹂
﹂
﹂
﹂
﹂
ヴァ ン ブ レ イ ス
⋮面白くなってきたぜ
火竜の砕牙
氷魔剣
アイスブリンガー
火竜の煌炎
氷雪砲
アイスキャノン
火竜の握撃
アイスメイク・魔王の前腕甲
火竜の翼撃
﹁
"
俺も負けられねえ
雷炎竜の
﹁
﹁﹁
咆哮
/
⋮﹂
激昂
ーーーー‼
﹂
﹂﹂
?
その衝撃の余波で、周りにいたノイズ達が一気に葬られ、
お互いの技は周りにいた者達に衝撃波となって、襲いかかった
憑友とロック。ナツとグレイ。
ーーーーNO SIDE
俺の口から灼熱の炎が、ロックの方からは極寒の冷気が放たれた
"
⋮﹂
"
氷魔の
﹁
"
"
俺はすかさず大きく空気を吸い込む。そして⋮
!
そう感じているとロックは空気を吸い込み始めた。
!
"!
"!
"!
"
"!
"!
"!
"!
"
"
了子は先程憑友達を守った時に使用したバリアを張るも張った瞬
間に罅を入れられて、了子は驚いていた。
そしてその中心点にいた憑友とロックは、共にアブソーバーのドラ
﹄
﹄
フルドライブ
フルドライブ
イブボタンを叩いた
﹃ライド・ナツ
﹃ソウル・グレイ
!
するとロックは右手を前方に翳し、
!
!
滅竜奥義・改
﹂
憑友は両手から炎と雷のオーラが纏った
﹁
"!
!
!
!
345
"
"
響と鎧の少女はその衝撃で、軽く吹き飛ばされ、
!
!
"
"
"
﹁
全ての世界よ⋮氷結せん
紅蓮爆雷刃
﹁
‼
﹂
シ ル バー
アイスメイク銀世界
﹁
‼
﹂
﹂
そしてそれぞれの技が炸裂する⋮
"
?
?
の事だったので、其処は踏ん張りを掛けた
き刺し、なんとか堪える⋮
リアを張るも、またもやすぐに罅が入ってしまっていた
覚醒⁉
起動
﹂
!
そうしていると、後ろにあった︽デュランダル︾の入ったケースの
!
了子は了子で、先程の威力を身を以て知ったので、今度は両手でバ
!
一方の鎧の少女も︽ネフシュタンの鎧︾についている鞭を地面に突
!
響はそれによりまたもや飛ばされそうになるが、流石にもう2回目
其々の攻撃で先程よりも激しい攻撃を見せていた
"
"
電子ロックが解除された事に気づき、そして⋮ケースをぶち破った
﹁⁉
?
﹂
けど、其処へ響のタックルが炸裂
﹁渡すもんかーー
﹂
?
俺もようやく立てるくらいだ⋮
そんな時だった。
周りの空気が一変した。
また彼奴が他のカードを使って⋮
﹂ブルブルッ⋮
!
ロックまで身震いしている⋮だと⋮
?
﹁⁉
いや、違う
!
?
ロックの方は地面に膝をつかせた。
﹁はぁ⋮はぁ⋮くっ⁉
結局、まだ決着が付けていねぇのかよ⋮
はぁ⋮はぁ⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
その時、周りの空気が一変した。
すると響は︽デュランダル︾を持った。
!
!
?
それに気付いた鎧の少女は︽デュランダル︾を取ろうと手を伸ばす
?
?
346
!
"
!
"
"
!
そう言えば、先程から感じるこの空気の乱れは⋮後ろから
いや、なんだか響の様子が⋮変だ
全身を黄金のように光り輝く聖剣を持った響がいた。
ダル︾なのか
そう思った俺は後ろを振り向くと、其処には鎧の少女と︽デュラン
?
青いブロンド姿をした女性・セイバーさんだった
﹁せ、セイバーさ⋮﹂
今は早く私の力を
﹁話は後で
﹂
了解
!
﹂
フォーム、セイバー‼
と交代、そしてレバーを引いた
﹁変身
ーライド
ー
?
を纏った。
ー騎士王見参
の
人
聖剣降臨
ー
フルドライブ‼
﹄
?
ーーーーーーSIDEtoロック
セイバーの代名詞とも呼べる愛剣の名を放つ一撃を⋮
こ
走りながら俺は詠唱を放つ⋮
﹃ライド・セイバー
そして俺はすかさずドライブボタンを叩いた
!
﹂
其れを見ていると、隣にはアーチャーの姿が⋮
﹁何故だ⋮﹂
え
﹁何故、彼女が彼奴の元に⁉
アーチャーが動揺している⋮
?
?
!
俺はその時、彼奴が駆け出していきながら、新しい力を纏った。
!
するとアブソーバーから青い服を纏った女性の魂が現れ、俺はそれ
!
!
そんな思いで走りながら、無我夢中にセイバーさんのカードをナツ
響の方が痛いと言うのなら⋮こんなのは苦にはならないんだよ
痛い⋮死んでいるのに痛い。けど⋮
俺はようやく立てる足に無理やり鞭を打ち付け、走った。
﹁⁉
!
?
﹂
このままでは彼女が
そう感じていると、カードケースから1人の女性が現れた。
!
!
!
!
!
347
!
?
!
!
!
?
﹁彼奴⋮憑友が変身したのって⋮一体⋮﹂
するとアーチャーはその答えを教えてくれた。
﹁あの男がなった者の名はセイバー。
本名、アルトリア・ペンドラゴン。
私のいた世界では⋮︽騎士王アーサー︾としても知られている﹃英
雄﹄であり、
︽騎士王アーサー︾だと⁉
私と同じ⋮﹃英霊﹄と呼ばれる者だ﹂
⁉
ーーーーーーNO SIDE
現させるも、その唸り声と共に、剣を振り下ろした
かった
このまま行くと、薬品工場の大部分である中心施設を襲いかねな
まった。 それを見た鎧の少女は回避しようとしたが、衝撃で飛ばされてし
!
響の唸り声に鎧の少女は怯み、ソロモンの杖を使って、ノイズを出
?
⋮
‼
﹂
束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるが良い
ス
バー
"
そして憑友は詠唱を言い始める。
﹁
ク
リ
約束された
エ
響、行くぞ⋮
カ
勝利の剣
⋮
"
⋮
る剣︽デュランダル︾と同じ様に光り輝く聖剣を持っていた。
すると、その範囲内に憑友が近づいていた。両手には響の持ってい
!
"
︽デュランダル︾の光と真っ向から激突した⋮
その勢いにより、薬品工場全体に衝撃が襲いかかった
!
!
348
?
"
そう言うと憑友が所持していた剣の光が、響が所持していた聖剣
?
"
"
﹂
ロックも、鎧の少女も、その衝撃で吹き飛ばされてしまったので
︽デュランダル︾と同等の力だと⁉
あった。
﹁⁉
そして光が収まった時には、響は既にシンフォギアを解除し、
そう言いつつ、了子はバリアで守りながらそう呟いていた。
?
憑友は持っていた剣が光の粒子となりて消え、
そして憑友は意識を失ったのであった⋮
349
?
第33話 兆しの行方
薬品工場での件から数日。
山奥にひっそりと佇む廃墟のような屋敷。
そこの一角にある泉の桟橋にて、鎧の少女⋮雪音クリスは先日の騒
動を思い返していた。
彼奴
﹁︵︻完全聖遺物︼の起動には相応の﹃フォニックゲイン﹄が必要だと
フィーネは言っていた。
あたしがソロモンの杖を起動するのに半年も掛けたのに、響はあっ
という間に成し遂げた︶﹂
︻完全聖遺物︼はクリスの思っている通り、
相応のフォニックゲインを必要としている。
だが、響はまだ2カ月かそこら辺でなったばかりの経歴が浅すぎる
少女だ。
ス
カ
リ
バー
﹄
そして⋮エクスカリバーとはっきり言った。
﹄
エクスカリバー⋮﹃アーサー王伝説﹄に出てくるあまりにも有名す
﹂
ぎる剣⋮それをあの男ははっきりと言っていた。
彼奴も、あの男も⋮︶両方、化け物め⋮
クリスの顔は苦虫を噛んでいた。
!
﹂
﹁この私とロック義兄に身柄を確保させるくらい、フィーネは彼奴ら
にご執心と言う訳かよ⋮
!
350
そんな少女が︻完全聖遺物︼の1つ︽デュランダル︾を起動させた
のだ。
驚かない方が可笑しいのである。
だが、クリスはそれだけでは終わらなかった。
ク
束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるが良い
ーー
﹃
エ
﹃約束された⋮勝利の剣‼
ーー
"!
﹁︵あの男⋮ロック義兄と戦って、まだあんな力を持っていた⋮
それは先日、響に向けて放った憑友の一撃だった。
?
"
﹁そしてまた、私は⋮﹂
するとクリスは誰かが桟橋に来たのを察し、後ろを振り向くとそこ
にはフィーネがいた。
こ
ん
な
物
﹁分かっている。自分に課せられたものくらい⋮
﹂
︽ソロモンの杖︾に頼らなくても、あんたの言う事くらいやってやらぁ
!
そう言うとクリスはソロモンの杖をフィーネに投げ飛ばした
フィーネはそれを簡単に受け止めた。
﹂
﹁彼 奴 等 よ り も、あ た し と ロ ッ ク 義 兄 が 優 秀 だ っ て 事 を 証 明 し て や
らぁ
ロックが現れた
﹁⋮﹂
﹂
それなのに、何故貴方は此処まで私に尽力してくれているのかしら
﹁貴方には前にも言った筈よね。
!
フィーネがそう呟くと、フィーネの影が変化し、そして其処から
︻冷眼のロック︼﹂
それなのに、貴方は何故、私の命令に背かない⋮
﹁⋮私の目的の為ならば、貴方達は捨て駒なのよ。
フィーネはクリスがいなくなった泉の桟橋で突っ立っていた。
そう言うとクリスは足早に立ち去ってしまった。
!
すると口を閉ざしていたロックは口を開いた。
﹂
﹁⋮居場所﹂
﹁なに
フィーネの呟きには誰も答えてくれなかった。
﹁⋮素直じゃないわね﹂
そう言うとロックはまた影の中へと入って消えてしまった。
り下がろう﹂
それならばこの身、お前の手となり、足となり、従順な犬にでも成
も、それでも帰ってこれる居場所を与えた。
﹁俺にとっても、クリスにとっても、あんたは俺達の事をこき使おうと
?
351
!
!
?
ーーーーーー
一方、病院にて。
生死の狭間から生還し、意識を回復した翼は、松葉杖をつきながら
だが、それでも前へと歩んでいた。
するとそんな時、医師と看護婦が1人の患者を運んでいく様子をと
らえた。
そしてすれ違った。
其処で翼はその患者を見て、驚かされた。
その患者が、憑友だったからだ。
そのまま医師と看護婦は憑友を病室の方へと入れられていた。
その一部始終を見ていた翼。
あたし
⋮今の⋮﹂
すると、翼の名前を言いながら、奏と霊風の2人がやって来た。
﹁奏
﹁あぁ。 私もさっき見たんだけど、あれは間違いなく憑友だ。でも、
何があったらあんな事になるんだよ⋮﹂
﹂
﹁全くだよな。ったく、先輩として俺は彼奴に何も出来ないのかよ⋮
くそ
憑友の状態を見ていた奏は落ち込み、霊風に至っては、壁に拳を打
﹂
ち付けるくらい悔しい思いでいっぱいだった。
﹁⋮あの子は
﹁響の事か
?
﹁
﹂
彼奴なら⋮ほら、彼処﹂
?
チ
﹄
その方向を見てみると、其処には響と、響と憑友の幼馴染である未来
がグラウンドを走り込んでいた。
その様子を見ていた翼達。
ダ
此処は立ち入り禁止の場所ですよ⁉
友達が重症を負ったって言われて、黙っていられるかよ
?
すると、
﹃貴方達
!
﹃うるせぇ
﹄
!
352
!
!
翼は響が来ない事に気付き、質問すると奏が指を指して来たので、
?
!
﹃さっさと行かせろ
﹁
霊風さん
﹂
﹁何があったんだよ
﹄
﹂
此方はネイビーカラーのコーデをしていた。
もう1人はサイドヘアの所だけ青く、後は茶髪で、
クリムゾンカラーのコーデをしており、
1人は前髪の部分だけ赤で、後は真っ黒で、
でも暴れ回る2人の青年がいた。
そして、其処にいたのは警官が4人かがりで羽交締めしても、それ
奏はその事に頷くと先に行き、霊風は翼を支えながら、後を追った。
た。
近くから声が聞こえて来たので、霊風は先に奏を先行させる事にし
!
!
身柄拘束を解いた。
﹁まず、お前達の名前は
﹂
霊風の質問にそれぞれ答えた。
﹁俺の名は浅岡逝都です。んでこっちは⋮﹂
憑友にだと
﹂
ネイビーの方は一走馬燈と言った。
たのだ
!
そして2人はつい先程運ばれた憑友に用があって来たと言って来
!
?
﹁一走馬燈です。俺達は憑友に用があって来たんです
﹁何
?
﹂
すると霊風は2人と話がしたいと言ってきたので、警官達は2人の
と風鳴翼がいれば、それは勿論驚くのも無理もなかった。
更に其処にはあの有名アーティスト︽ツヴァイウイング︾の天羽奏
ている男・霊風がいれば、そりゃ驚くも無理はないし、
何せ、自分達の前に︽フレンドリーマネージャー︾と言う異名を持っ
め、霊風の方を見て、驚いた。
すると霊風の存在に気付いた警官により、その2人も暴れるのをや
!
クリムゾンカラーの青年は浅岡逝都と名乗り、
?
353
!
﹁⋮如何言う関係なんだ
﹂
﹂﹂
霊風はその2人と憑友の関係を聞いてみた。
チ
そして出た答えは⋮
ダ
﹁﹁彼奴は俺達の友達だ
︶﹂
そして、霊風はノックをすると、
﹁誰だ
﹂と渋い声が聞こえて来た
そして其処には、﹁人絆憑友様﹂と書かれた立て札があった。
そしてついた場所は病室だった。
奏と翼も3人の後を追う事にしたのであった。
と、2人は霊風と同行する事にしたのであった。
霊風は溜め息を吐くと、2人にこっちに来いとジェスチャーを送る
てしまった。
そう言い残すとランサーはじゃあなと言いながら手を振って消え
目利きには自信があるんだよ﹄
﹃伊達に多くの戦場の空気を吸ってきたんじゃねぇよ。
﹁︵何故、そう言いきれる
だが、此奴らは本当の事しか言っていないみたいだな﹄
﹃まぁ、色々な。
﹁︵如何したんだよ、ランサー︶﹂
のはから教わった念話で話を始めた。
誰にも気付かれない様に霊風は憑友に付いてる﹃英雄﹄の1人・な
けが見える様に細工まで施している程にまで。
すると霊風の近くからランサーが現れた。しかもご丁寧に霊風だ
霊風は勿論、奏と翼の2人も半信半疑だった。
と言いながらハモったのであった。
!
其処には無数の線が憑友の体に付いており、
言ってきたので、霊風は自分の後ろにいる4人を入室させた。
ので、霊風は、
﹁俺です。風鳴のおやっさん﹂と言うと、入って来いと
?
﹂
354
?
?
その隣には、弦十郎が様子を見ていた。
﹁⋮その子達は
?
﹂
﹁2人曰く憑友のダチだと言っておりますが
﹁何
﹂
﹁⋮まぁ、それは本人が言うまでは保留にしておこう。
憑友はこんな友達がいたのかと。
弦十郎はその2人を見つめながら、半信半疑になっていた。
?
お2人さん
﹂
現在はご覧の通りだ。かなりの疲労で現在は安定している﹂
﹁そっか。⋮だそうだぜ
?
﹁⋮う⋮ぅぅ⋮
⋮此処⋮は⋮
﹂
と、そんな時だった。
だが、この2人は憑友の事を知っている⋮一体何故なのか。
い︹妖怪︺の身となっているので、人目を避ける様にしていた筈。
憑友は実質1年半前にこの世から亡くなり、そして︹半幽霊︺もと
この2人は本当に憑友の知り合いなのかと。
だが、弦十郎は不思議に思っていた。
その言葉を聞いた2人は安堵する。
?
ゆ、逝都
﹂﹁無事か
⋮⁉
﹁憑友
﹁
﹂
﹂
それに、馬燈も⁉
なんでこんな所に⁉
って
?
掛けんじゃねぇよ、後輩。
?
確かに、俺も話を聞いてみたけど、それでもまだにわかには信じ難
と、風鳴のおやっさんがそう言ってきたので、思い出してみた。
﹁それはそうと⋮憑友。この2人とは知り合いなのか
﹂
まぁ⋮何はともあれ。なんとか無事で良かったよ。ったく⋮迷惑
ーーーーーーSIDEto霊風
のは言うまでも無かった。
因みにその様子を見ていた奏と翼、霊風と弦十郎は呆然としていた
なってしまったのであった。
んだり、背中を容赦無く叩いて来たので、憑友は痛い思いをする事に
憑友が2人が此処にいる事に驚いていると、憑友の肩を思いきり掴
?
!
355
?
か、痛い痛い⁉
?
!
憑友が目を覚ましたので、霊風と弦十郎が声をかけようとしたら、
?
?
?
こ
の
2
人
いもんな。
逝都と馬燈が憑友の友達なのか
んです。
現に俺の今の状態も知っていますし﹂
⋮は
ちょっと待て。今此奴なんて言った
﹂
自分の状態を知っているって言わなかったか
だとしたら⋮
﹂
﹁憑友が半分幽霊だと言う事もか
﹁当たり前だろ
憑友
﹁そんな事も知らないのなら、ダチとは言わないぜ
おい
﹂
﹁あ、はい。知り合いでは無く、本当の友達で、俺の数少ない理解者な
?
?
;︶
送られてるじゃねぇかよ
﹁⋮穴があったら入りたいです﹂
不幸だーー⁉
﹂
?
風鳴のおやっさん。
俺達は俺達で今後の活動の事を話さないといけないのでな﹂
済まないが、2人は憑友の事をお願いする。
﹁ああ。そうだな⋮
此処だと⋮﹂
如何します
﹁まぁ、それは兎も角として⋮
⋮はぁ。仕方ないか。
とか言いながら、ムンクの叫びのような顔を出すんじゃねぇよ⁉
﹁嫌だ∼∼⁉
﹁入る前に捕まえてあげるから安心しろ♪﹂
おまけにそのダチまで痛い視線
幾らなんでも、言って良い事と悪い事の区別くらい出来るだろうが
⁉
︳
;︶
¬
﹁あはは⋮﹂f^︳^;︶
︳
﹁お前な⋮﹂︵
﹁⋮﹂︵
¬
356
!
!
?
?
?
?
!
¬
苦笑いで誤魔化すんじゃねぇよ
¬
?
?
?
!
!
?
﹁分っかりやした
﹂
そう言うと俺達は部屋を後にした。
その際に⋮
あんまりですよ、師匠⁉
?
﹁⋮復帰次第、稽古し直すからな﹂
﹁えぇぇぇ⁉
﹂﹂
﹂
やれやれ。憑友も憑友で、頼れる仲間がいたんだな。
﹁俺達は憑友のダチだ。安心してくれ﹂
!
弦十郎と憑友の関係を知ったダチはその後、たっぷりと憑友に質問
﹁﹁師匠⁉
?
責めをしてきたと憑友本人が言っていたのは言うまでも無いけどな。
357
?
第34話 絆︽くさり︾に入りし罅
一方、響はと言うと、未来と共に身体を動かしたので、現在は風呂
に未来と一緒に入浴していた。
入浴後は未来からお好み焼き屋﹃ふらわー﹄で食べようと約束して
来たので、響は驚きながらも、約束を交えたのであった。
ーーーーSIDEto響
私は未来との約束をした後、外出する事にした。
私が︽デュランダル︾を扱えなかった所為で、憑友があんな状態に
なってしまったから。
そんな今の私はネガティヴな状態のまま、公園のベンチに座ってい
た。
⋮
︽水魂導師︾⁉
﹂
﹁お前は⋮︽ガングニール︾の装者﹂
﹁え
?
私の所に︽水魂導師︾ソウルが私服姿で現れた
なんでこんな所に⁉
?
だけど、彼は逆にベンチに座った。
﹁お前とやり合うつもりは無い。
と言うより、女を傷付けるような性格じゃないのでな。﹂
そう言いながら、私にベンチに座れと示唆して来たので、私は少し
警戒しながらも端っこ側に座った。
そしてソウルは何処から取り出したのか、ジュースを私に渡してき
た。
だけど⋮毒とか入ってそうな気がする⋮。
﹁⋮毒を入れる暇は無かったよ。
現にこれ⋮そこの自販機で買ったばかりの奴だ﹂
と言いながら、自販機のある所を指差した。
そう言う事なら飲んじゃおう
するとソウルが開口一番⋮
そう言うと私はそのままジュースを受け取り、そして飲んでいく。
!
358
!
私は咄嗟にベンチから離れて、徒手空拳の構えをする。
!
?
﹂ブシューーーー⁉
﹁お前⋮憑友の事、好きなのか
﹁⁉
﹂
?
ちょっと待って⋮て、もう居ない⋮﹂
////
?
としては⋮その∼⋮あの∼⋮﹂////
﹁︵此奴、途中から話がダダ漏れしてるって気付いているのか
⋮まぁ其れは良いさ。
あ
今度会ったら決着を付けよう。そう伝えておいてくれ﹂
﹁え
︶
た、確かにそれは憑友の事は友達や幼馴染としてでは無くて、異性
の、の、の、飲みながらそんな事言わないで∼⁉
?
あった。
と言うか⋮
﹁私のさっきの時間返してーーーー⁉
うぅ∼⋮私、呪われてるかも⋮。
﹂
羞恥していた分の時間返してよ∼∼⁉
?
未来は私と一緒に買い物をして、その後お好み焼き屋の﹃ふらわー﹄
⋮先に結果的に言うと私はその未来の誘いを断ってしまった。
私は話を終わらせて、電話を切って、今度は未来と話をした。
不意に足音が聞こえて来たので、見てみるとそこには未来がいた。
そうして話が纏まると思った時⋮
だって、その病院には憑友もいるから。
私は勿論そのまま了承した。
りに翼さんの見舞いに行って来て貰えないかと言う事だった。
内容は、今日如何しても外せない用事が出来てしまったので、代わ
私はそのまま電話に出た。
相手は緒川さんだった。
いつも通りの何気無い日常の中、私は端末からの着信に気付いた。
そして翌日。
ーーーーーー
そう言いながら私は寮部屋の方へと帰宅したのであった。
?
気付いた時にはもうその人は何処かに消えて行ってしまったので
!
で食べようと考えてくれていたけど⋮ごめんね。未来。
359
?
?
?
そして私は花束を購入して、翼さんの病室に来た。
響
﹂
そして意を決して入ろうとすると、
﹁あれ
何処かで⋮
ん
﹂
もしかして⋮
﹂
﹁何故、お前が此処にいる⁉
え
﹁逝都に馬燈⋮なの
今の此奴
﹂
﹂
﹁﹁其れ以外に誰が憑友の面倒を見る⁉
﹁変わりすぎにも程があるよ⁉
﹂﹂
よく見ると、其処には2人の男の子も一緒だった。
膝の上に置かれていたりする。
憑友が車椅子に乗りながら此方に来ていた。因みにライドさんは
﹁あ、憑友﹂
?
立花‼
﹁あ
?
﹂
2人は憑友が幽霊だと言うのを知ってるんだろうか⋮
﹂
⋮な、何
﹁おーい響∼
﹁ふぇ
﹁顔に出ていたから敢えて言うけど、この2人は俺の事は知ってるか
?
?
それから数ヶ月後にあのライブの悲劇が襲ったんだっけ。
にある国ブラジルの方へと行ってしまった。
けど、私達が中2になった時に、家庭の事情で2人とも日本の裏側
つも一緒に通学したりする様になったっけ⋮
それ以来私達︵特に憑友︶のいじめはなりを潜めて、この5人でい
喧嘩でも強くて、其れでいて憑友にも私と未来にも優しかった。
そんな時にこの2人は憑友の事を助けてくれた。
私や未来も其れを止めようとしたけど無理で何も出来なかった。
虐められていた。
その時の憑友は私と未来と一緒にいた所為で、いじめっ子からよく
校生だった。
この2人は私と未来、そして憑友が小学5年生の時にやって来た転
その2人はまさかの馬燈君と逝都君の2人だった。
?
?
?
?
?
?
?
360
?
!
?
?
らな
﹂
﹂
﹁嘘
﹁何方の意味でだよ⋮﹂
どっちもだよ⁉
顔に出ていた事と、2人が憑友の今の状態を知っていると言う事の
?
⋮ああ∼。なるへそ∼﹂
2つの意味でだよ⁉
﹁ん
?
ないでよ∼⁉
﹁まぁ⋮取り敢えず入ろうぜ
すると、
﹂
﹁何をしているの
翼さん
﹁おいおい
﹂
俺達
﹂
大丈夫なのかよ⁉
!
﹂
?
﹁だって⋮これ
﹂
何を訳の分からない事を⋮﹂
﹁心配しましたよ
﹁
!
﹁あ⋮///﹂
心配したんですよ
誘拐されたんじゃないかって思って⋮
!
われたんじゃないかと思ったんですよ
﹂
﹁奏さんも霊風さんも今日は来れないって言っていたから、其処を狙
!
其処には派手にめちゃくちゃになった部屋が其処にあった。
そう言いながら私は翼さんの病室を指差した。
!
!
﹁
?
それは勿論憑友達もそうだった。
私は翼さんの名前を言おうとして部屋の中を見て、驚愕した。
と言う事で私は憑友と逝都と馬燈の3人で部屋に入室した。
確かに⋮。
俺もちょくちょく会ってるけど、何分この身なんでね﹂
?
?
すると突然、憑友が何かを見て勝手に納得していた。勝手に納得し
?
後ろから翼さんが
!
!
!
361
?
!
?
﹁⋮///﹂
﹁こ ん な 状 況 だ っ た ら と 思 う と 本 当 に 心 配 し た ん で す よ
お前
﹁なんで⁉
﹂
﹁響のは木製ハンマーで打ったから。
有名アー
それと地味に痛い物で叩かないで∼⁉
それはそうとして⋮﹂
スルーしないで∼⁉
!
﹁え
﹂﹁はぁ
﹂﹁ふぇ
﹂
真っ赤になった翼さんがいた。
それを見た私達はようやく納得して⋮苦笑いしたのであった。
﹁⋮取り敢えず。
?
ーーーーーーNO SIDE
よ∼はい⋮。
いや∼まさか、翼さんが整理が出来ないとは思いもしませんでした
あった。
私達3人は憑友に示唆されて、部屋の片付けをする事にしたので
響は下着類、馬燈は雑誌等の整理、逝都はゴミ掃除等を頼むな
﹂
憑 友 に 言 わ れ て 改 め て 翼 さ ん の 顔 を 見 る と 其 処 に は 完 全 に 顔 が
﹂
しかも最後のは私だけど、明ら
ティスト﹃風鳴翼﹄が誘拐されたとなったと知れたら⋮﹂
﹁///﹂
ゴドンッ
兎に角無事でよかった∼
﹁⋮取り敢えず⋮﹂
スパンッ
なんで私達が
パシンッ
﹁あべしっ⁉
﹂
﹂
﹂
﹁だわばっ⁉
﹁ぎゃふんっ⁉
憑友
!
かに2人よりも威力が高かった音がしたよ⁉
痛いよ∼⁉
!
?
?
362
?
?
?
?
!
﹁お前ら、これ以上翼さんを恥ずかしい思いさせて如何するんだよ
?
!
?
?
?
!
?
?
そして粗方部屋の片付けが終わりつつ、なんとか住める環境にまで
住める様になると、憑友は近くに設置されてあるテーブルにライドを
置き、ベッドで座っている翼と話を始めた。
﹁それにしても、意外でしたよ。
翼さんが此処までとは⋮﹂
﹁///⋮こう言う事にまで気が回らなくて⋮﹂
﹁ははは⋮。自分でもそれは良くわかります。昔の自分も、良く部屋
を散らかし放題でやらかしてましたので。
けど、此処にいる響や逝都、馬燈のおかげで今ではちゃんと整理整
頓が出来る様になりました。
本当に彼奴らには頭が上がりませんよ﹂
響に対する件に関しては﹂
そう言いながら、懸命に残った作業をしている3人を見る憑友と
翼。
﹁⋮それで、如何ですか
﹁⋮それを今から話そうと思うわ。けど⋮﹂
そう言いながらまた3人を見る翼。
憑友は如何やら逝都と馬燈がいるので如何しても話せないと感じ
たようだ。
すると憑友は2人を呼び、2人におつかいを頼みこむ事にした。
幸いな事に、この病院では飲食の持ち込みが可能だと言う事を思い
出し、その旨を伝えると、2人は真っ直ぐ何処かへと走り去ってし
まったのであった。
それを見届けた憑友は翼にアイコンタクトを取った。
翼はそれに気付き、アイコンタクトで﹃ありがとう﹄と返してくれ
た。
﹂
そして翼は響の方を見てみたら、響は手をはたいて、
﹁お終いです
ニコニコ笑顔でピースをしたのであった。
それを見た憑友は苦笑いしつつも、翼に目を通す。
363
?
響は残りの分をし終えたので、憑友は翼の代わりにお礼を言うと、
﹁ありがとう。響﹂
!
そして翼は響に関しての事を改めて話し合った。
ーーーーーーSIDEto憑友
まぁ、結果から言うならば、無事に翼さんと響との和解はする事が
出来たのが何よりの誤算だったな。
ライドさん﹂
まぁ、これで次からはお互い協力し合えると思うな⋮
﹄
如何した
﹃⋮うん
﹁
なんか変だな
?
?
彼奴⋮何処行ったんだろ⋮
辺りの視界をくまなく探しても、ユルセンが何処にもいなかった。
︶﹂
﹁︵ユルセンが⋮いない
あれ
そう言うと俺は辺りを見てみた。
﹁ふーん。まぁ良いか﹂
⋮気の所為だろう﹄
が⋮
﹃⋮いや。先程、向かい側の図書室でミス.未来がいた様な気がした
てみた。
突然、机上に置いてあったライドさんが何かを見つけたので、話し
?
?
?
そんなユルセンはその後悔の念を持ったまま未来の後を追ったの
その理由を知る者は此処にはいなかった⋮⋮。
ユルセンは今の未来を見て、激しく後悔していた。
ラことユルセンだった。
それは憑友のアドバイザーとして活躍しているゆる∼い幽霊キャ
﹃⋮未来⋮﹄
そんな様子を遠くから見ていた者がいた。
その光景を目の当たりにした未来はそのまま帰ろうとしていた。
それは、響と憑友が翼と話をしている所だった。
図書室から未来が出てきては、先程の光景を思い出していた。
つい先程ライドが言っていた事は本当の事だった。
一方、
ーーーーーーNO SIDE
?
364
?
であった。
﹂
その後、未来はそのまま﹃ふらわー﹄に寄って、お好み焼きを食べ
ていると、
入り口の戸が開いたので、見てみると、
﹂
豚玉2つと、広島風の特大を2つお土産で
﹂
﹂﹁なんでお前が⁉
それに馬燈君
小日向
逝都⁉
﹁おばちゃん
﹁
﹁⁉
!
未来﹂
!
﹁応よ
﹂
﹁2人とも⋮ありがとう﹂
だから、お前は逆に憑友の事を見守ってくれれば良いんだよ﹂
自分の命よりも大切な者だと、憑友は言っていた。
あいつ
命を燃やしてでも守らないといけない⋮
けど、響や未来はそれとは別さ。
て欲しいと思ってるんだろう。
﹁俺達は憑友にとって唯一の男友達だからな。彼奴は俺達に力を貸し
けど、それを伝えるのはお前自身だぜ
﹁⋮取り敢えず、あの馬鹿2人の事を心配してるのは良く分かった。
その後、未来は今の2人に自分と憑友と響の今の事を話すと⋮
もちろん、響も一緒に入っているが。
3人は憑友を介して知り合った仲である。
なんと逝都と馬燈の2人が来店して来たので、驚いていた。
?
!
!
?
なんと、
︽ネフシュタンの鎧︾を纏った少女が市街区に出没したのだ
その頃、二課では怪しい雰囲気を発していた。
ーーーーーー
た。
その後、未来はそんな2人のために見守る事を決意するのであっ
そう言うと2人は手土産を持って、店を後にしたのであった。
﹁同じあの馬鹿2人の心配組の仲さ。頼ってくれよ﹂
!
365
?
!
﹁周辺軸の区域に避難警報を
そして響君に連絡を
だが、この時二課は知らなかった。
﹂
またしても、あの子がこの近くにやって来ている⋮
ーーーーーーSIDEto響
この鎧の少女の近くにもう1人の存在がいる事に。
!
師匠からの連絡を聞いた私は急いでその場所へ向かおうとした。
響
﹂
その時だった⋮
﹁
﹂
﹁⁉
しまった
彼奴の他にもいたのか
﹂
此処で、未来を⋮失いたくない‼
そして⋮未来の方へと落ちようとしていた⋮
!
!
⋮響
﹂
未来は響の今の姿を見て、訳が分からなかった。
ーーーーーーNO SIDE
私はそれだけ言って、あの子の元へと駆け抜けていった⋮。
﹁⋮ごめん⋮未来⋮﹂
﹁⁉
かかる車を拳で食い止めた。
私は瞬時に︽ガングニール︾を纏って、そしてすかさず未来に襲い
n⋮﹂
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
未来の前で。
私はなんの躊躇いも無く⋮聖詠を、唄った⋮
嫌だ⋮
?
鎧の少女はそう言っていたけど、私は近くにあった車が、吹き飛び、
!
!
﹁未来
﹂
此処は⋮⁉
﹂
まさか、未来とこんな場所で出会うなんて⋮
未来が
﹁お前はーーーー
⁉
﹁来ちゃ駄目
?
!
叫ぼうとした時に、あの子の攻撃が未来を⋮
!
!
!
!
!
?
?
?
366
!
!
!
!
そんな時、
﹁未来ーー‼
﹂
響が⋮
この反応⋮
﹂
を押しながら急行した逝都と馬燈の3人がやって来た。
後ろから声がし、振り向くと其処には車椅子に座った憑友と、それ
?
⋮彼奴⋮⁉
﹁憑友
﹁⁉
!
何言ってるの
早く此処から⋮⁉
﹂
?
不味い
﹂
すると憑友はそれをイッキ飲みした。
﹁ぷはぁ⋮
!
﹁変身‼
憑友。此処でやれば⋮
﹂
﹂
フォーム、オ・レ‼
レバーを引いた
ーライド
﹄
ー
?
オレに宿れ‼
ー
?
﹂
其処には都市伝説としてここ最近見かける様になった存在⋮
そして未来は驚いていた。
ー英雄の魂
するとアブソーバーから炎の魂が現れ、憑友はそれを纏った⋮
!
!
2人からの答えに憑友は頷き、そして⋮
﹁⋮ああ﹂﹁無茶はするなよ﹂
﹁逝都、馬燈。未来の事頼むぞ﹂
﹁憑友⋮
﹁未来⋮今まで黙ってて御免﹂
そしてライドアブソーバーに装填し、
そう言うと憑友は腰のカードケースから1枚のカードを取り出し、
!
した。
﹃良いのか
!
﹁それでも⋮あの馬鹿を連れ帰らなければならないんだ⋮
?
すると憑友は車椅子からすかさず立ち上がり、ライドを左腕に装着
!
!
﹁我慢しろ。無茶を承知で動かしてるんだ⋮
﹂
馬燈は逆に懐から黄色いドリンクを憑友に渡してきた。
未来が憑友を制止しようとすると、逝都に止められてしまった。
﹁⁉
悪い。未来。俺はあの馬鹿を止めてくる﹂
?
!
!
!
?
?
367
?
?
﹂
︽炎魂導師︾ライドの姿をした憑友が其処にいた⋮
﹁今行くぞ⋮響‼
!
憑友の正体を知っていた2人にとっては、そんな未来に対して何も
﹁﹁⋮﹂﹂
2人の変身した姿を見た未来はそれ以上何も言えなかった⋮
﹁響⋮憑友⋮﹂
あった⋮
そう言うと力強く跳躍してその場から離れていってしまったので
?
答えられなかったのであった⋮
368
!
第35話 弓と水と槍と炎
ーーーーーーSIDEto響
﹂
︵挿入歌﹃私ト云ウ 音響キ ソノ先二﹄悠木碧︶
走りながらあの子の存在を感知した私。
﹁とんくせぇのが一丁前に挑発するつもりかよ⋮
鎧の少女も後を追って来た。
攻撃して来た
如何して、そんな事するの⁉
﹂
﹁とんくせぇのがやってくれる
﹂
﹁とんくさいとか言う名前じゃない‼
﹁⁉
15歳
﹂
体重は⋮もう少し仲良くなっ
誕生日は9月13日で、血液型はO型
この後に及んで⋮
﹂
とち狂ってやがると思いきや、今度は偽善者ぶりかよ‼
﹁悠長な
﹂
するとその子は振り向き様にネフシュタンに付いている鞭を使い、
そして市街地からある程度離れて、私はその子を振り向いた。
!
そう言うと私はネフシュタンの鞭を使い先制するも、簡単に避けや
がった⋮⁉
?
369
私はそんな名前じゃない‼
﹁私は立花響
﹂
﹁身長はこの間の測定で157センチ
たら教えてあげる
﹂
﹁趣味は人助けで、好きな物はごはん&ごはん
後は⋮
彼氏いない歴は年齢と同じ‼
﹁な、何をとち狂ってやがるんだお前⋮﹂
今、この場ではっきりと言わないと
この場で話さないと⋮いけないんだ‼
﹂
!
ーーーーーーSIDEtoクリス
だから、ちゃんと話し合いたい
﹁私達はノイズと違って言葉が通じ合える
!
?
!
?
?
!
!
!
!
!
!
?
!
?
!
!
!
?
?
この短期間の間に、彼奴は⋮急成長してやがるだと⁉
人間は言葉が通じ合えば⋮﹂
﹂
分かり合えるかよ人間が
あたしは⋮そんな言葉が嫌いなんだよ‼
﹁話し合おうよ
っく
﹁うるせぇ
そんな風に出来ているものか
?
!
?
りゃならないんだよ‼
ならないんだよ‼
あ
ん
な
酷
い
目
言葉が通じ合わなければ、何れこうなるんだよ‼
﹂
﹁分かっちゃいる事をペラペラ喋ってんじゃねぇ‼
もう我慢出来ねえ
そんな事は知ったこっちゃねぇ
﹂
私だって、負ける訳にはいかないんだもん
お前の全てを⋮粉々にしてくれてやる‼
﹁
﹁うるせぇ
これでも喰らいやがれ
﹂
﹂
其処には、エネルギーを集めようとしている響の姿がいた
﹂
﹁︵こんなんじゃ駄目だ⋮
?
翼さんの様にギアを固定出来ない⋮
!
⋮させるかよーー‼
﹁この短期間の間でアームドギアを手にしようと言うのか⁉
!
!
!
?
激しい爆発により、少女はやったのかと思ったが、
すると少女はもう片方で同じ技を放ったのであった
﹁持ってけ、ダブルだーー‼
それを見た響は瞬時にその攻撃を腕で防ぐ
を放った
ーNIRVANA GEDONー
そう言うとクリスは以前、翼の時に使用した技⋮
ーーーーーーNO SIDE
!
!
?
!
フィーネからは引きずってでも連れて来いって言われたけど、もう
!
?
?
なんで、ロック義兄だけ、拷問や調教等の地獄に遭わされなければ
?
そんな風に出来ていたなら⋮なんで私のパパとママが殺されなけ
!
!
?
?
!
!
370
!
!
!
!
︶﹂
エネルギーは有るんだ⋮
形成されないなら⋮
︶﹂
?
ジャッキが伸びたのだ
かって特攻した
﹁︵最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に
︶﹂
胸の響きを、この思いを⋮
伝える為にーーーー‼
のパワージャッキのパワーをぶつけた
その威力はそのまま鎧の少女に衝撃波を与えたのであった⋮
その威力で、なんと︽ネフシュタンの鎧︾に罅が入ったのであった
!
!
そして特攻した響は拳を鎧の少女の腹に正確に狙い撃ち、そしてそ
?
!
!
すると響は瞬時に背中のブースターを点火し、そして鎧の少女に向
そしてそのまま鞭を握った響は、そのまま鞭を引っ張る
?
もちろん、その反動で鎧の少女は響の方に引っ張られた
﹁︵雷⋮握り潰す様にーーーー‼
︶﹂
な ん と ガ ン ト レ ッ ト 部 分 が 稼 働 し、ガ ン ト レ ッ ト 部 分 の パ ワ ー
そう響が思っていたら、腕のガントレット部分が変化を見せた⋮
﹁︵その分のエネルギーを⋮この拳でぶつけるだけ‼
そう言うと鎧の少女は再び鞭で攻撃しようとする‼
!
!
この雪音クリスを
﹂
その威力を感じた少女は危惧したが、響はノーガード状態で向かい
馬鹿にしてんのか
!
合っていた
﹁っ‼
!
!
︶﹂
﹁そっか⋮クリスちゃんって言うんだ⋮ ︵あれ
処かで聞いた様な⋮
でも、この名前⋮何
?
そして、今の響の言う事を聞く気にはなれなかった。
あったから。
大切な者を失った彼女にとって、根絶やしにしないといけない物が
スはその話を否定した。
響はそう言いながら戦いを止めさせようとしていた。けれどクリ
?
!
すると少女⋮クリスは自分の名前を打ち明けた。
?
371
!
?
!
!
!
!
するとクリスは響に猛攻を加えていく⋮
対して響はそれでも懸命に話し合おうとする⋮
﹁ふっ飛べよ
アーマーパージだーー‼
﹂
再生して行く事と、響の諦めない不屈の心にうんざりしたのか、
クリスは自分の纏っている鎧が再び自分の身体の力を吸収しつつ、
!
!
ように周囲に散乱させた
その歌と共にクリスの身に新たな鎧が纏った⋮
︽魔弓・イチイバル︾のシンフォギアだった
⋮響⋮
ーーーーーー
﹁
﹂
!
だが、思うように身体が動けずにいた⋮
﹁くっ ︵やっぱり、あんなドーピング剤で無理やり身体を動かしたか
!
先程の爆発を見た憑友は急いで急行していた。
!
彼女の力で、かつて消失したとされた﹃第2号聖遺物﹄⋮
けていた。
赤のイメージカラーで、腰にはウイングの様な物を模したものをつ
!
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
そしてクリスは唄った⋮聖詠を。
ーHAMMER PUNCHERー
!
そう言うとクリスはなんと︽ネフシュタンの鎧︾を壊して、散弾の
?
︶﹂
ら⋮如何しても身体に支障が来てるのか⋮‼
でも⋮諦めてたまるかよーーーー‼
いた
﹁︵俺が生きている間は⋮
?
︵挿入歌﹃魔弓・イチイバル﹄高垣彩陽︶
ーーーーーーSIDEto響
た⋮
その心の叫びを心の中で言いながら、憑友は急行して行くのであっ
俺が響と未来を守るんだーーーー‼
︶﹂
すると先程までの足取りが一気に軽やかになり、一気にかけ走って
?
?
!
!
372
!
今行くからな
!
クリスちゃんが歌を歌った⋮私はそれだけで驚いていた。
完全聖遺物だと歌を歌わなくてもノイズを倒せるいや、それ以上の
力を秘めている。
﹂
けど、クリスちゃんの歌った歌に私は思わず驚いていた。
﹂
﹁⋮せたな﹂
﹁え
何か言った
な、何⁉
いきなり過ぎだよ⁉
﹁私に歌を⋮歌わせたな‼
わ⁉
﹁私はな⋮歌が嫌いなんだよ‼
﹂
じゃあなんで歌を歌うの⁉
?
そう思っていたら、腕の手甲の部分が変化して、クロスボウのよう
な形になって、撃って来た⁉
避けないと‼
?
しかも2つも
おまけにクロスボウが変化して⋮って⋮
なんでガトリング⁉
避けまくらないと⋮
か、身体が⋮動かない⁉
ザクッ
⁉
なんで
そう思っていたら、連射して来た∼⁉
?
これって、まさか⋮⁉
そう思って後ろを見てみると、其処には一本の矢が⁉
?
だけどその隙を突かれて、クリスちゃんから跳び蹴り貰ってしかも
私は一生懸命に避けまくっていた。
?
クリス‼
﹂⋮ロック義兄
?
て﹂
何を勝手に⋮﹁好い加減にしろ
!
声がした方を見ると、︽水魂導師︾ソウルの姿が
﹁てめぇ
?
﹂
⋮⁉
⋮まさか、兄妹⁉
?
!
﹁済まないな、
︽ガングニール︾の装者。2対1という卑怯な手を使っ
?
?
?
!
!
ロックにぃ
え
?
373
?
?
?
?
?
?
?
?
?
﹁義理のだがな。﹂
﹂
﹁へぇ∼⋮て、なんで聞こえてるの
﹁心の声がダダ漏れだ﹂
﹁勝手に聞かないでよ⁉
﹂
﹂
?
と言うか、これ本当にピンチだよ⁉
1人で漸くなのに、2人相手だと私勝ち目ないよ∼⁉
本当に何も出来ないよ∼⁉
﹁はぁぁぁぁあ‼
どに当たる音と同時に多数の弾丸が撃ち落とされていた
私はその方向を見て驚いた。
其処には⋮憑友がいたから
!
憑友
﹂
﹁あの野郎
﹂
せんせー
私の弾丸を
とは言え、この数多の弾丸を如何に捌ききれるかが問題だ。
!
すると私とクリスちゃんの間に誰かが割って入って来て、弾が鉄な
﹂
もう駄目だ⋮そう思った。
そう思ってると撃って来た
悪いと思ってるなら、やめてよ∼⁉
﹁悪く思うなよ
すると、クリスちゃんが私にガトリングを向けて来た
?
!
!
?
?
!
幾らキリト師匠の過去の話を基にやって見ても、この弾丸の
!
たって言うんだから、驚きようが無いよ。
吃驚した⁉
﹁いや、それ以前にお前の方がハードル高いからな
うわぁ⁉
?
﹂
?
キリト師匠⁉
!
?
ってか、心の中にまで出て来ないで下さいよ
﹁悪ぃ悪ぃ。
?
雨をキリト師匠は剣1本で後ろにいた仲間を守りながら撃ち落とし
くっ
!
374
?
?
!
ーーーーーーSIDEto憑友
﹁
!
全く、世話の焼ける奴だな、響は。
!
分かるか
﹂
それよりも、お前は拳の振りが大まかになってる⋮
それをどう改善するか
?
⋮
キリト師匠の演舞って確か⋮剣の演舞だよな
なら、それを拳でやる俺って⋮案外馬鹿
だけど⋮この方がしっくりと来ている
ならば、剣のような鋭さと⋮
いや、ある‼
﹂
俺のこの思いを⋮
キリト師匠
﹁ふっ。後はおもいきりやってみろ
そうとなれば⋮
アドバイスありがとうございます
良し
形となれーーーー‼
ボォォォォ‼
数多の弾丸を撃ち尽くしていくクリス。
ていた。
﹁︵なんだ、此奴
︶﹂
?
サブウェポン
を出すつもりか⁉
"
⋮それは、
︽精魂導師︾達の主力の武器に必要とさ
"
そしてロックはそんな違和感をクリスと同様に感じていた。
さらに増してきてやがるだと⁉
さっきよりもスピードが劣ろえねぇばかりか、寧ろ
そんな彼女は今自分の攻撃を受け流している憑友に違和感を感じ
!
ならばそれを、炎で形作って、イメージするだけだ
器が‼
手甲の裏に潜めし隠しナイフを突き出して出現させる⋮そんな武
⋮
だけど、そんな武器あるのか
拳のような身のこなしを併せ持つ武器が必要だ
!
?
だけど、このモーションはキリト師匠の演舞をアレンジしたモノ。
れねえ。
⋮確かに。俺のこの拳はこんな人間離れした芸当じゃ成し遂げら
?
!
ーーーーーーNO SIDE
?
﹁︵こ の 力 は ⋮ ま さ か あ い つ ⋮
サブウェポン
︶﹂
"
?
375
?
!
?
!
!
?
!
?
!
!
"
れる武器の事。
幾多にも及ぶ武器の中から選び、そして主力のメインウェポンと同
様に使える事ができる武器の事である。
ロックこと︽水魂導師︾ソウルは、
メインウェポンは弓と二丁拳銃の性能を併せ持つ特殊武器で、
サブウェポンは二刀短剣である。
故にロックの戦闘スタイルは遠近対応型の戦闘スタイルに特化し
ている。
霊風こと︽風魂導師︾スピリットは、
ロッ
ド
メインウェポンが槍、鎌、斧、杖etc⋮様々な長柄武器を扱える
事が可能な両手棍型の武器で、
サブウェポンは格闘術を用いていた為に籠手を使用する。
ファイター
中距離や防御時にはロッドを使い、不意打ち程度に格闘技を取り入
れた戦 士 タイプなのである。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
376
だが、憑友の場合は少し違った。
メインウェポンこそ今の戦闘スタイルの拳を用いた格闘戦なので、
籠手を使用するが、
・
・
今の今までサブウェポンを使用する事は無かった。
・
⋮いや、訂正しよう。
無かったのでは無い⋮出来なかったのだ。
この日まで憑友はメインウェポン1つで戦って来たのだ。
いくら数多の武器を扱える﹃英雄﹄達の力とて、それは﹃英雄﹄達
の所有物に過ぎず、
憑 友 は 自 分 に も メ イ ン を 代 替 出 来 る 程 の 屈 指 の サ ブ ウ ェ ポ ン を
持ってはいなかったのだ。
・
!
しかし、それも今日までの事。
・
憑友の願いが︽炎魂導師︾に新たな力を授けた⋮
ザシュッ
突如聞こえてきた斬撃音。
!
その音を聞いたクリスはガトリングを撃ちやめ、ロックはそんなク
リスと共に目を見開く。
﹂
377
其処には両手の甲から一本の赤みを帯びた刺突状の剣を具現化さ
⋮︽刺突刃︾だ‼
?
!
サブウェポン
"
せた憑友が其処にいた
﹁これが俺の
"
第36話 導師の︽歌︾
サブウェポン
クリスが所持していた︽聖遺物︾の1つ︽イチイバル︾の力と、
︽水魂導師︾ソウルことロックの妨害により、
一髪で避けた
﹂と言い、
!
ままに話した。
﹁⋮分かった。﹂
憑友はそう言うと、ロックの方に振り向く。
お前の望み通り⋮此処で決着を付けてやる
の︽刺突刃︾の刃を収納し、拳同士を打ち
!
ロックもそれに気付いたのか、憑友の方を向く。
﹁ロック
サブウェポン
そう言うと2人はそれぞれの得物を出した。
憑友は
付け、
﹂
そして、ロックがこの戦いで決着を付けると言っていた事をありの
う事。
︽水魂導師︾ソウルことロックはそんなクリスの義理の兄であるとい
鎧の少女の名は雪音クリスという名前である事。
る前の事を話した。
すると不意に響から声が聞こえたので、振り向くと、響は憑友が来
﹁憑友⋮﹂
憑友はそんな響に注意をしつつ、相対する2人を見つめた。
それにより、響は身動きが取れやすくなり、﹁ありがとう
その隙に憑友は後ろにいた響の影に刺さっている矢を抜いた。
!
すると其処から熱波を帯びた真空波が発生し、クリスとロックは間
"
響が絶対絶命の時、間一髪で助けに入った憑友。
⋮︽刺突刃︾だ
﹂
そして憑友は自分の願いを込める事で、新たな力・
を獲得したのであった。
サブウェポン
ーーーーーーNO SIDE
﹁これが俺の
"
そう言うと憑友はその刺突刃の剣を薙ぎ払った
"
﹁⋮感謝する﹂
!
"
"
378
!
!
"
ロックは左手から水を形成し、弓を作り、背中に矢筒を形成させた。
そして響とクリスもそんな2人を見て、構え直した。
﹁響。こう言う場合はな⋮﹂
憑友が何か言いかけたので、響は耳を傾けた。
そして、憑友はこう告げた。
﹂
﹂
﹂
後はジャンケンだとか⋮にらめっ
って、それ暴力紛いになってるよ
﹁戦って、無理やり話を聞かせれば良いんだよ﹂
﹁・・・⁉
﹁それ以外にあるかよ⁉
﹂
﹁他にも色々あるでしょう⁉
﹁例えばなんだよ
﹂
﹁お話すればそれで良いでしょ⁉
こだとか⋮
⋮何故こうなった⋮。
憑友と響の対話を聞いていた2人はポカ∼ンと言う音が出てもお
かしくない程、今の2人に対して呆然としていた。
何がしたいんだ⋮この2人は⋮
お前
あ
の
子
﹁⋮と、そう言う場合じゃないな。
響はクリスの相手を頼む
﹂
!
ただ憑友は響の構え方の反転版である。
そして響と憑友の2人は同時に拳を打ち付け、同じ構えをとった。
に思考を変えて、クリスの方を見る。
憑友が改めてそう示唆すると、響はさっきの話は何処へやらとすぐ
こっちは漢と漢の喧嘩をしないとな⋮行くぜ、ロック
?
すると憑友は此処にいる全員にこんな事を呟いた。
﹁知ってたか
・
・
・
・
︽精魂導師︾にも⋮
?
379
?
!
?
?
?
!
歌があるっていう事を⋮﹂
﹂
﹁え
?
﹂
﹁何
?
﹁何だと
﹂
憑友の発言に上から響、ロック、クリスの3人が其々言い放った。
すると憑友は歌を歌った⋮
︵挿入歌﹁タイプ:ワイルド﹂松本梨香︶
︶﹂
すると憑友のスピードが速くなり、ロックが気付いた時にはもう既
に腹に鉄拳を食らっていた
﹂
"
﹁はぁぁぁぁあ‼
すると憑友は今度は
を動かしながら攻撃していく
"
?
﹂
﹂
?
﹂
?
歌に思いを乗せて歌ってみろよ。
きっと世界観がガラリと変わるからさ
⋮﹂
!
憑友の言った言葉にロックは感化されていた。
﹁
﹂
﹁聞いてみたいんだよ。ライバルの歌を。その声を。
憑友の言った一言でロックは焦りから呆然とした態度を見せた。
﹁・・・何
﹁⋮お前ってさ⋮歌は好きか
そして歌を歌い終わると同時に即効で後退し、話しかけた。
そんなロックを憑友は攻撃しながらじっくりと観察していた。
自分の攻撃ペースを乱されたロックは焦りを始めて、
﹁⋮﹂
﹁くっ
その攻撃はまるで戦場に居ながら、舞を踊っているかの様に。
!
サブウェポン ︽刺突刃︾を展開させ、身体
実に多岐多様に渡る程の物である。
身体能力の強化を生んだり、様々な追加効果を生んだり等⋮
それは、周りの味方の士気を上げたり、癒しを与えたり、
だが、︽精魂導師︾達がひとたび歌を歌うと、周りの空気が一変する。
︽シンフォギア︾の装者とは違い、簡単に変身する事が出来るから。
本来、︽精魂導師︾達に歌は必要ではない。
ロックはそう思った。以前とは比べ物にならない事に。
あまりにも⋮速すぎる
︵ば、馬鹿な⁉
!
﹁がはっ⁉
?
!
380
!
?
!
ロックは時々鼻歌を口ずさむ事が偶にあった。
その時は大概クリスが近くにいて、クリスの心情を変化させてき
た。
もし今此処で歌えば、多少は元のクリスに戻ってくれるのではない
自身のライバル
のかと思うとロックは歌いたくなってきた。
そしてそれを聞きたいと言ってきた憑 友。
そんな思いを胸に、ロックは⋮歌った⋮
拳をロックに向けた。
﹁それでこそ、俺のライバルだぜ
﹂
⋮ふっ⋮なら、掛かって来い
﹂
そしてそんなお前を⋮俺は、勝ってみせる
﹁
﹁行くぜーー‼
それを合図に響とクリスもそれぞれの目の前の存在と相対した
そう言うと2人の戦いに幕が上がった。
﹂
歌の出だしからその熱い想いを感じた憑友は笑顔を見せて、右手の
︵挿入歌﹁DREAM FIGHTER﹂宮野真守︶
!
つ
しかし、響も負けじとその弾丸の雨を避けたり、受け流したりしな
がら、自分の想いを届けようとしていた。
﹂
そして憑友とロック⋮2人の戦いは最初からクライマックス状態
だった
﹂
﹁はぁぁぁぁぁ
﹁ふっ‼
﹁︵凄いな⋮ロック⋮
かの様な熱いエール⋮
これが⋮お前の︽歌︾なんだな⋮
︶﹂
﹁︵俺はこれ程までに彼奴の事を期待していたのか⋮
!
!
魅惑のあるスゥィートボイスでありながら、まるで応援されている
!
撃を悉く防いでいた。
互いのメインウェポンとサブウェポンを切り替えながら、互いの攻
!
!
?
381
!
!
!
クリスはそんなロックの歌に合わせて数多の弾丸を響に向けて放
!
?
!
!
ならば、今の俺に為すべき事を為すまでだ
﹃ライド・オレ
﹄
フルドライブ‼
フルドライブ‼
﹂﹂
﹃ソウル・フォーマル
﹁﹁はぁぁぁぁぁ
すると2人の得物をそれぞれ⋮
憑友の拳から炎が噴き出て、
ロックの弓から水が形成されていく⋮
﹂
﹄
︶﹂
そう言うと2人は互いのアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
アビス・ブラスター
そして一本の矢を放った
﹁奥義⋮
‼
シューーート‼
﹂
しかし負けじと憑友は右手の拳に炎を纏わせた
﹁シンプルイズネーミング
﹂
そう言うとロックは弓を構え、矢を弦に番え、そして⋮
﹁これで終いだ⋮
?
?
その矢に大量の水が付加されて⋮
"
と言う意味を表していた。
?
"
そう感じていると憑友の右手の拳と、ロックが放った一矢が激突し
単純過ぎにも程があるだろ
皆を代表して一言言わせて欲しい⋮
したのだ
まるで顔がア○パ○のあの御方そのものの必殺パンチの様に特攻
そう言うと憑友はその右手を前方に向けて特攻した
﹂
ーーーー‼
単純な名前
憑友はそう叫んだ。
直訳すると
超⋮
その名は⋮
﹁
?
!
熱・血・弾
!
"
"
!
?
!
!
"
!
382
!
!
!
!
!
!
"
た
その激突で更に光と爆発が起こった
ロックは確信した⋮勝ったと。
・
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
だが、その油断が命取りとなる事をこの時の彼は知らない⋮
何故なら⋮
この音は⋮⁉
ジュゥゥゥ⋮
﹁
・
ロックは奇妙な音を聞いた。
まるで水が熱せられていく様な音が聞こえた。
そして目の前の光景を見て、ロックは驚愕する⋮
﹂
く、それを水蒸気の様に水を沸騰させている憑友が其処にいたのだ
﹁負けてたまるかぁぁぁぁ‼
何処にそんな力があるんだ⁉
前進し始めたのだ
﹁⁉ ︵馬鹿な
︶﹂
﹂
?
そう言うと憑友が受け止めていた矢を拳で撃ち落としたのだ
﹁俺は⋮まだ⋮諦めねぇぇぇぇぇ‼
あれ程の高火力で、何
すると憑友は未だ勢いのある水の矢を受け止めずつ、なんと前へと
?
!
其処には、己の拳で、ロック自らが放った矢を受け止めただけでな
!
?
!
処まで進むつもりだ⁉
!
ドガァァッ
﹂
ぐはっ⁉
﹁っ‼
吹っ飛ばされたのであった。
ーーーーーーSIDEtoロック
﹂
はぁ⋮はぁ⋮やはり⋮強いな⋮あの男は⋮
﹁はぁ⋮はぁ⋮ヤベェ⋮もう力が⋮
!
!
顔 面 ヒ ッ ト を 食 ら っ た ロ ッ ク は そ の ま ま 木 々 を 薙 ぎ 払 い な が ら、
その拳で、ロックの顔面にヒットさせた憑友が其処にいた。
?
﹁⁉
!
﹂
?
ま特攻して、そして⋮
それを見て脅かされたロック。憑友はその隙を見逃さずにそのま
!
?
?
?
?
383
!
!
?
如何やら相手の方は真面に動けないか⋮だが。
この勝負は俺の負けだ。
﹂
あんな攻撃を悉く受け止めた上に、この威力ははっきり言うと反則
物に等しいな。
そう感じていると、
遠くの方から剣の形をした何かが爆風を防いでいた。
﹂
如何やらクリスの方には相手側の増援が来た様だな。
そう感じていると⋮
﹁何やってんだよ、この馬鹿後輩
﹁あはは⋮。⋮ごめんなしゃい。霊風先輩﹂
此処で俺が代わりに相手をしてやっても良いぜ
如何やらこの前の風の導師がやって来たみたいだ。
﹁如何する
⋮それもまた一興。だが⋮
﹁アーチャー
﹂
力を貸してくれ
俺は⋮あいつを助けたいんだ‼
生涯のライバルを
﹁⋮ふっ。何を言い出すかと思えば⋮
?
そんなのはお前の自由さ。
アーチャー⋮
⋮救いたいと言うのなら、救ってみせろ‼
﹂
﹂
すると俺の隣からアーチャーが現れて、一言言ってきた。
!
!
!
い﹂
﹁⋮そうかよ﹂
そう言っていたら⋮
﹄
ヒュー⋮
﹃⁉
ノイズだと⁉
動け⋮ない⋮
﹂
やべ⋮
﹁うぉ⁉
﹁
こんな所で俺のライバルをみすみす殺されてたまるか
!
﹁⋮いや、来る前に決着が付いてる。これ以上戦う理由が何処にも無
?
!
?
!
384
?
そう感じた俺はすかさずアーチャーのカードを取り出した。
ぐっ
?
?
!
!
?
!
!
!
いつも、俺達を見守ってくれて⋮ありがとう。
これからも頼む⋮
フォーム、アーチャー
チャーの魂を纏った
ーソウル
Unlimited Blade Works
!
ー
し、彼 奴 の 元 へ と 高 速 移 動 し な が ら レ バ ー を 引 き、す か さ ず ア ー
そう言うとアーチャーが消え、俺はすかさずアブソーバーに装填
﹁ふっ⋮了解した。マスター﹂
!
!
⋮ロック⋮﹂
バルを助けた
‼
﹂
﹂
﹂
そう言うと風の導師もノイズ達を相手に攻撃をしてきた
い⋮
だが、こんな所でノイズが来るのは大抵彼奴が彼処にいるしかいな
!
﹁良いね∼青春だね∼♪なら、俺もそんな2人の青春を応援しますか
﹁‼
﹁俺とお前はライバルだ。こんな所で死なせてたまるか
﹁
!
将・莫耶﹄をすかさずトレースして、ノイズの猛攻から憑友を⋮ライ
そして俺はすかさず手を交差して、アーチャーの愛剣﹃夫婦剣 干
!
!
羽々斬︾の装者といつの間にか合流していた⋮
﹄
いや、合流していたんじゃない⋮合流させられたのか⁉
そう感じていると⋮
﹃命じた事も出来ないなんて⋮
この声は⋮
貴方達は私にどれだけ失望させれば気が済むのかしら
⁉
?
た。
にいる日の入り間近の海岸近くに佇む1人の金髪の女を見て驚愕し
そして俺は上空にいる空中型ノイズ達が徘徊している場所の真下
?
!
いなして行くと、いつの間にかクリスと︽ガングニール︾の装者と︽天
そう思いながら、俺はすかさず後ろにいた憑友を担ぎつつ、攻撃を
!
?
385
?
!
!
?
何故、お前が此処にいる⋮⁉
﹂﹂
386
﹁﹁フィーネ
!
?
第37話 亀裂
﹂﹂
ーーーーーーSIDEto翼
﹁﹁フィーネ‼
ソロモンの杖を持っていた女性を見てそう告げた。
フィーネ⋮それは終わりの名を持つ者の事だが⋮一体⋮
﹁へぇ∼此奴等を影から操っていた本体⋮謂わばボスキャラ登場か
面白いね∼♪﹂
霊風さんの様子が少し変に思えてきた私。
﹂
色々とアタマが痛くなりそうだった。
﹁っ
消してやる
﹂
まさか、此処にいる2人は戦争孤児なのか⁉
?
⁉
﹂
そんな事があり得るのか⁉
?
もしそれが可能ならば、何故それが今の今まで出来なかったのだ⁉
?
なった世界を元に戻るんだろ⁉
﹁そうすればあんたの言う様に、人は呪いから解放されて、バラバラに
?
﹁こんな奴がいなくたって、戦争の火種くらい、私とロック義兄が全て
退け、立花は私の腕に収まった。
そう感じていたら、鎧の少女は自分をノイズから庇った立花を押し
?
?
水の魂の使い手と︽ネフシュタンの鎧︾を纏っていた少女は同時に
?
戦争の火種⁉
!
もう貴方達には用は無いわ﹄
﹁⁉
!
﹂﹁⋮﹂
⁉
﹂
!
何故、止めるんだ‼
﹁よく聞け、翼
悔しいけど、この中のメンバーでおそらく古参な俺だとしても、彼
!
?
私が前に出ようとしたら、霊風に止められた。
翼
貴様⋮
﹁よせ
?
?
!
387
!
?
﹃⋮はぁ⋮
?
奴に敵う事なんて無理に等しいんだ。そんな俺が駄目なら当然なが
ら、お前や憑友、響ちゃんだって敵う筈がねぇだろ⋮﹂
私は霊風さんの言葉を聞くと霊風の方を見た。
其処には苦虫を噛んだかの様な悔し顔を晒け出している霊風さん
私はこれまで一度たりとも霊風さんから一本も取れてな
の顔を見た。
⋮くっ
い。
そんな私が霊風さんが危惧している程の実力を相手にあの女に勝
てる見込みなど無い⋮
近くから粒子が集まりだした
やらせはせん
ただと⁉
﹁っ
来い
﹄
﹁グォォォォォーー‼
﹃
﹂
?
それを見た霊風さんから
﹁ら、ラギアクルスだと⁉
﹂
それがあの怪物の名前なのか⋮
と、そう告げた。
ラギアクルス
ズに向けて放った
その攻撃で、ノイズは瞬時に炭化して、消えた⋮
なんと言う威力なんだ⋮
!
!
!
と、そう思っていたら、その怪物は口から電撃を帯びた弾丸をノイ
?
?
?
そして回収し終わるとソロモンの杖を使って、ノイズを指揮してき
!
そう考えていると、フィーネと呼ばれた女の右手が青白く光ると、
この2人を守りながら戦うのは幾ら霊風さんと私でも至難の業だ。
せた憑友が此処にいる⋮
しかも、此方には疲弊した立花と、病み上がりな上にさらに悪化さ
!
すると水の導師が海に向かってそう叫ぶと、
﹂
ラギア‼
!
?
388
!
?
?
!
!
海から凶暴なワニの様な顔つきをした何かが現れた‼
!
﹂
そう感じていたら、フィーネと名乗った女は此処から立ち去ってし
まった⋮
﹁待てよ⋮フィーネーー‼
﹂
⋮また会おう。
⋮今度は敵としてではなく、ライバルとして⋮﹂
ロスト
そう言うと水の導師もその場から立ち去ってしまった⋮
﹃聞こえるか、翼﹄
⋮叔父様。
﹃フィーネ及び2人の行方は完全に不明した。
霊風と共に憑友と響君を連れて帰還してくれ﹄
﹁⋮了解しました﹂
﹁あの少女だったのか⋮﹂
弦十郎はその内の少女の方に見覚えがあった。
た。
また違う一面の記事と一緒に小さな男の子の顔が写し出されてい
其処には一面の記事と一緒に小さな女の子の顔と、
藤堯がその情報を映像に出した。
だが、その代わりに2つの情報を集める事に成功していた。
一方、3人の反応をロストしてしまった二課。
ーーーーーーNO SIDE
の場を立ち去った。
通信をきると私は霊風さんに叔父様の話した内容を話し、2人でこ
!
﹁憑友に伝えろ。やり方は簡単だ。其処に電話を繋げるだけだ。
﹁⋮え
﹁19537﹂
ち止まり、私の方に顔を向けて話してきた。
へと入っていった。水の導師も海の方へと行こうとしたが、直ぐに立
それを見た水の導師はラギアに命令し、ラギアと呼ばれた怪物は海
すると鎧の少女は直ぐに後を追って行ってしまった。
?
!
﹁雪音クリス。現在16歳。
389
?
2年前行方知れずとなった、過去に選抜されたギア候補者の1人で
す﹂
藤堯が鎧の少女⋮クリスの説明をすると今度はもう1つの記事の
方を拡大させて説明をした。
﹁そして、此方の男の子。名前は、ロック・アイル。
彼がまだ5歳の頃に両親をテロリスト達に殺されて以来、たった1
コードネーム
﹂
人でテロリスト達に反旗を翻したとして噂されていたテロリスト達
の脅威的で、 異 名は⋮
司令、ご存知だったのですか
﹁︻冷眼のロック︼⋮﹂
⁉
司令はこの男の子の事をまた知っていた。
その理由を今度は弦十郎自ら説明した。
﹁憑友がごく偶に連絡をしてきた時があってな。その際に相手をして
いたテロリスト達からちょくちょく耳にしていたと言っていた⋮
まさかこんな歳でもう戦場で数多の死線を潜って来ていたとは⋮﹂
弦十郎の言葉に藤堯と友里も少し浮かない顔をしながらもその記
事を纏める事にしたのであった。
そしてオペレーターの席についてあったモニターには未来と逝都、
そして馬燈の3人が黒服のSP達に守られていたのであった⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
⋮此処は⋮
⋮
だけど⋮心地良いなんて。
もしかして、かなりの多様化でもう死んでしまったのだろうか⋮
﹂
﹁何考えてやがるんだ⋮お前はよ⋮﹂
﹁⋮神⋮様
なんで此処に
﹁一枚も俺が欲しい石板を持って来ないとはな
﹂
?
まるでその身だけで深海まで深く潜られてしまったかの様な感覚
真っ暗で何も見えない⋮
?
まぁ良い⋮ほら、手を出せよ。今回だけだからな
?
?
?
?
390
?
そう言いながら、神様は右手を出してきた。
﹂
俺も右手を出した。すると、神は俺の右手を引っ張ると、そのまま
の勢いで上へと押し戻されていく⋮
﹁取り敢えず、自分の分くらいはきっちりやって来いよな∼
そう言いながら手を振りながら、俺を見送る神。
そうだよな⋮俺にはまだやるべき事が残っているんだからな⋮
そう言うと俺はそのまま光のある方へと手を伸ばした⋮
ーーーーーー
ゴドンッ
﹂
たし
私⋮此処で⋮⁉
酷いよ⋮﹂
憑友
﹂
そんなに俺の意識は無かったのかよ
﹁と、それは良いとして⋮私、翼さんに認められたよ
い、1週間
⁉
1週間も寝てばっかりだっ
少しは静かにしてくれよ。
うぅ∼⁉
﹁あ痛っ⁉
﹁取り敢えずうるさい﹂
﹁う、う∼ん⋮あれ
此奴にはいつも迷惑掛けっぱなしになったな⋮
ドの上に頭を乗せてそのまま寝ていた。
そして目が覚めると其処には俺の手を握ってくれていた響がベッ
!
!
?
!
?
﹁それは兎も角、心配したんだからね⁉
素直でよろしいです。
﹁うぐっ⋮はぁ∼い﹂
此処、病室だろ
?
﹂
﹂
⋮そっか。ふふふ⋮﹂
如何したの
﹁
﹂
﹁なんでも無い﹂
﹁
変わったのか、変えられたのかやら⋮﹂
わったなって思って⋮
﹁あ、声に出してたか。いや、あの一件以来、翼さんは響の見る目が変
?
391
?
?
まだまだ半人前な私だけど、友に戦ってくれる大事な仲間だって
!
!
!
?
?
?
!
!
?
?
﹁そっか
﹂
そう言いながらも響はニコニコと笑顔を、俺に見せてくれる。
けど、俺はそんなお前の顔を見て、少し苛立っていた。
さて、その理由を話すとしようかな。
﹁⋮時に響。今、俺はお前に対して非常に苛立っています。心当たり
があるのなら正直に答えなさい。答えれば、お咎め無しにします﹂ニ
コッ︵#︶
俺はそう言いながら、眉間に皺が出来るほど眉毛を引き寄せつつ
も、顔は朗らかな顔をして見せた。
すると響はありのままの事を話した。
結果から言うと今回の件が原因で未来と喧嘩してしまった様だ。
あの後、寮へと帰った後、未来が響に拒絶の姿勢を見せ、そして俺
が現在使用しているベッドの方へと身を疼くまり、そしてそれ以来、
未来は一切話を聞いてくれなかったと言う事らしい。
それを聞いた俺はひとまずその怒りの矛先を収めて、落ち着かせ
た。
確かに俺と響、未来、逝都、馬燈の5人の中で未来は仲間外れ的な
ものだからな。
逝都や馬燈は俺が直接話して、男の約束として誰にも言わない様に
してきたけれど、未来はその限りでは無い。
だからだろうな⋮未来は響に拒絶を見せたのは。
響だけじゃ無い。俺もそうだな。
おそらく帰って来ても、未来は俺に対しても拒絶の態度を見せるだ
ろうな⋮
俺と響と未来。
俺達3人は超が付くほど仲良し3人組だった。
だからかな⋮今はこの心が逆に痛かった⋮
辛かった⋮こんなにも身近な存在と喧嘩した時の後悔に俺は何も
出来なかった。
辛い⋮辛すぎるよ⋮
そして未来はそれよりももっと辛い中を生きてると言う事を改め
392
!
て知れた。
未来は俺と響の事を心配してくれていたんだ。
なのに、俺達は⋮くそっ
俺がそう感じていると、響はメモ帳に何かを書いて、部屋から出て
行こうとした。
問おうとしたら、この後学校の授業がある様で、今日の内にも未来
に謝りたいと言って、響は病室から立ち去ってしまった。
俺は響の書いたメモ帳を見てみた。
けど⋮
相変わらず⋮字が汚い⁉
だけど良く見てみると、其処には⋮
﹃19537。
﹄
翼さんがロックさんから聞いた話だって
其処に電話を掛けて
!
﹃⋮ようやくかかって来たか
﹄
﹁お前が俺に番号を送るなんてな
?
﹂
﹂
﹁待たせたな
﹁うわぁ⁉
ってか、何処から現れた⁉
﹂
今からって⋮此処からどのくらいかかると思ってr⋮
するとロックは今から其方に来ると言って電話を切った。
話し相手はロックだった。
ロック﹂
purrrr⋮purrrr⋮purrrr⋮purr⋮ガチャ
因みに今は病室ベッドから屋上に来ている。
けた。
俺は響の書いたメモを便りに端末の番号を押して、そして電話を掛
!
ど、ど、何処からやって来た⁉
﹁驚かすなよな⁉
?
?
いや、それ何
もはや忍者の偉業を軽く超えちゃってるよ
を探して、そして其処から移動してきただけだ﹂
﹁その事に関しては詫びよう。で何処からかと言われたら、お前の影
?
?
?
393
!
?
?
!
﹁それよりもお前に大事な話があるんだ。
何だって
394
フィーネ⋮奴の正体を﹂
⁉
?
第37.5話 義兄と義妹の歌
響が未来に嘘をつき、未来と喧嘩してしまったその日の夜⋮
あの戦いの後の夜、クリスは1人近くの公園を彷徨いていた。
夕方相見えた少女、響の言った言葉が如何しても頭から離れられな
かった。
﹁︵私の目的は戦いの意思と力を持った人間を倒して、戦争の火種を少
しでも無くして、ロック義兄の負担を減らしたいのに⋮︶﹂
クリスがそう考え込んでいると、女の子の泣いてる声がしたので其
方に顔を向けると、其処には小さな男の子と女の子がいて、女の子は
ベンチに座って泣いていた。
と言う音が聞こえた為、苛立ちながら後ろを振り向くと其
それを見たクリスは男の子に言いながら拳を振り上げようとした
が、
ガシッ
処には⋮
ロック義兄
﹂
﹁女が拳を振り上げるものじゃ無い。クリス﹂
﹁⁉
﹂﹁良いの⁉
﹂
﹂
﹂
そんなクリスをほっといて、ロックは男の子と女の子の方に同じ目
﹂
線になって話しかけた。
﹁如何かしたのか
﹁迷子になったの∼﹂シクシク
﹁迷子かよ⋮だったら最初から言えっての⋮﹂
よ、余計なお世話だ
﹁拳を振り上げるような奴に言われる筋合いは無いと思うが
﹁んな⁉
!
だったら、俺とこのお姉ちゃんが一緒に探してあげるよ﹂
﹁ほんとう⁉
?
出してみた。
ロックの話を聞いていたクリスはその会話を見て、自分の事を思い
﹁ああ。勿論さ﹂
?
?
?
﹁兎に角、迷子になったのか⋮良し。
?
395
!
なんとロックがいたので、クリスは驚いてしまった。
?
ーーーーーーSIDEtoクリス
思えば、ロック義兄は本当に小さな時から子供達の事を良く見てい
たし、私の時もそうだった⋮
ー回想ー
﹄
まだ自分が小さくて、ロック義兄が義兄になったばかりの頃の話
だった。
﹃うぇ∼ん
﹄
﹃美味いじゃないか
その調子だよ
﹄
﹃味に自信が無いけど、美味しそうに食べてくれてありがとうな﹄
﹃下手くそだけど、気に入ってくれてよかったよ﹄
今こうやって思い返してみれば⋮
な⋮
パパとママが居なくなったあの日からそれは更に加速していった
の次に考えるようになって⋮
だけど、何時からだろう⋮ロック義兄は私の為に自分の事なんか二
いに家族として好きだった。
あの頃の私はロック義兄は本当に自分の兄だと錯覚していたくら
﹃ほら
ロック義兄だった。
﹃⋮﹄
そんな時に私の事を第一に考えていたのがパパでもママでもなく、
た。
あの頃の私は時々、パパとママから離れていた為にすぐに泣いてい
!
!
如何かしたのかクリス
﹂
﹂
?
!
思えば、私はロック義兄に甘えてばかりになっていた。
ー回想endー
せるからな﹄
﹃俺はクリスの両親の分まで生きて、クリスに幸せな生活を送ってみ
﹃妹を守るのは常に兄としての役目だからな﹄
!
396
!
だから今度は私がロック義兄を守る番なんだ
﹁
﹁え
?
?
//な、なんでもねぇよ⋮‼
﹂
﹁俺の顔をチラチラ見ていたから。⋮何か付いているのか
﹁⁉
言えねえよ、ぜってぇに‼
ーーーーーーNO SIDE
﹂
?
その視線に気付いたクリスは顔を真っ赤に染まりそうになるのを
で、
傍から見たら、まるで家族みたいと思えていた人達が多かったそう
こんな風に並びつつ、手を握っていた。
ロック 男の子 女の子 クリス
因みに、
いていた。
そして男の子と女の子の親を探す為、2人は子供達と共に街中を歩
?
敢えて堪えて、気を紛らせる為だったのか、それとも無意識のうちに
﹂
だったのか⋮鼻歌を歌っていた。
﹂
な、なんだよ⋮﹂
﹁⋮﹂
﹁⋮
﹁⋮クスクス⋮
笑う事も無いだろ⁉
?
﹂
?
そんなロックの鼻歌を聞いて、心地よい気分になっていた。
対してクリスは先程の羞恥心が何処へ行ったのやら⋮
その歌を聞いていた子供達は目をキラキラしていた。
曲名は﹁光射す場所﹂のオルゴール版だった。
そうすると今度はロックも鼻歌を歌った。
﹁其処だけ強調すんじゃねぇ⁉
﹁あはは⋮いや∼久しぶりに聞いたよ。クリスの鼻歌♪﹂
するとロックはこう言ってきた。
真っ赤にしながら反論を述べた。
今度はロックが小声で笑みを浮かべていたので、今度はクリスが顔を
女の子が見ていた事に気付いたクリスは答えるように示唆すると
﹁⁉
!
397
?
?
?
?
そして4人が交番あたりにさしかかろうとした時、1人の男性が現
れた。
すると手を繋いでいた男の子と女の子が一斉にその男性の元へと
走った。
如何やら父親らしい。
﹁うちの息子達がお世話になりました﹂
﹁いや、別に気にしてはいないので。寧ろ、この子達のおかげで、この
場所の事が良く分かりました。
﹂
﹂
良かったね、お父さんと再会できて﹂
﹁うん
﹁お兄ちゃん、ありがとう
﹁如何いたしまして﹂
3人の会話を聞いていたクリス。
それをちらりと見たロックは何かを察したのか、クリスが言いたい
事を代弁した。
﹂
﹂
﹁そうだ。2人は如何して其処まで仲良しでいられるのか、教えてく
れないかい
う∼ん⋮分からないや。
﹁あはは⋮
そうか。ありがとう。おかげで良いアドバイスを貰えた
﹁喧嘩はするけど、それでも仲良しになるの∼
時々喧嘩もしちゃうし﹂
﹁え
?
!
去ってしまったので、クリスはお辞儀をするとロックの後を追いかけ
ていった。
﹁なんで、あんな事言うんだよ⋮迷惑だ﹂
﹂
﹁いつもの事だろ﹂
﹁いつもじゃねぇ
そしてそのまま先程いた公園にやって来てしまっていた。
そう言いながら、2人は夜の街を歩き続けながら、
!
398
!
!
そ う 言 う と ロ ッ ク は 男 の 子 達 の 父 に 会 釈 を す る と そ の ま ま 立 ち
よ﹂
!
?
するとロックはベンチに座って、クリスに座るようにジャスチャー
を出すと、クリスは渋々それに従った。
﹂
マークが付きそうなほど、首
﹁何故、俺があんな事言ったのか分かるか
突然の出来事にクリスは頭の上から
を傾げた。
するとロックはその理由を教えた。
?
﹂
クリスを襲えと。
そしてフィーネはソロモンの杖を使い、ノイズ達に命令した。
完全聖遺物︽ネフシュタンの鎧︾を。
女の手から光が具現化し、そしてフィーネは纏った⋮
てソロモンの杖からノイズを出してクリスを包囲させると同時に、彼
クリスは必死になって反旗を翻すも、フィーネは電話を切り、そし
其処には電話越しに会話をしているフィーネの姿がいた。
トに向かった。
ロックが憑友の所へ行っている間、クリスは1人でフィーネのアジ
ーーーーーー
ロックの台詞を聞いたクリスはそれ以上何も言えなかった。
﹁ロック義兄⋮﹂
が俺にとっても幸せなんだよ⋮﹂
お前の事を大事な存在だと思ってくれる人と一緒に居てくれた方
だけど、クリスの場合はそうはいかないんだ。
俺はライバルの1人か2人くらいいればそれで良いんだ。
てしまうからな。
﹁もしかしたら、クリスを幸せにする前に俺がこの世から居なくなっ
た言動を言ってきたので、驚かされるのも無理はなかった。
いきなり何を言い出すのかと思えば、友達を作れだとか現を抜かし
ロックの一言に驚かされるクリス。当然である。
﹁⋮はぁ⁉
﹁お前には友達やら彼氏なんかを作って欲しいと思ってるんだ﹂
?
クリスは泣き叫びながら、街の方へと走り去ってしまった⋮
399
?
︷数多の流れは近い内にいずれ邂逅し、やがて1つとならん⋮︸
そしてこれはその1つになろうとする前触れなのかもしれない⋮
400
第38話 陽だまりの翳り
あくる日の事。
雨が降りしきる朝、未来は1人先に起きて、身支度をして、朝早く
学校の方へと向かった。
ふいに何かに気付いた未来はその方向を見ると、
大量の炭と共に1人の女の子が横たわっていた。
ーーーーーーSIDEto響
今日は朝から師匠の電話が来たので、私は電話を掛けた。
内容は今朝方にてノイズと交戦した跡が見つかったと言う事だっ
た。
幸いなのは今朝方未明だったので、人が炭化した形跡が無かったの
は救いでもあった。
だけど、私はその時まで寮部屋に居て、翼さんも病み上がりだから
あまり無茶出来ない。
霊風さんは今日は奏さんのところに行ってるって、師匠よりも前に
メールで来ていた。
憑友はまだベッドの上で回復に専念している。
となると、交戦した相手はある程度目処がついている⋮
クリスちゃんとロックさんの2人だけだ。
そう思っていたら如何やらその仮説は本当のようで、
師匠から︽イチイバル︾の波形パターンを検知していた。
つまり、クリスちゃんがノイズと戦っていた事になる。
けど、その肝心のクリスちゃんは居ない。
それに、それだけなのかと聞いたら師匠からはそれだけしか検知さ
れていないらしい。
つまり、今クリスちゃんにはロックさんがついていないという事に
なる。
如何してそうなってしまったんだろう⋮
これは最早呪われたレベルを通り越しているとしか言いようが無
いよ⋮
401
そう思いながら、この後授業が始まるので、私は師匠との通話を切
り、教室に入った。
そして私の机を見てみると、未来が来ていなかった。
﹁ビッキー﹂
﹂
すると私の元に創世ちゃん達がやって来た。
﹁小日向さん、お休みなんですか
﹁私よりも先に登校した筈なのに⋮﹂
如何してなの⋮未来⋮
私は⋮このままなんて⋮嫌だよ⋮
ーーーーーーNO SIDE
降りしきる雨の中、憑友は病室のベッドで読書をしていた。
なにぶん今の自分の身体にダメージが残ってしまっているので、と
﹄
てもじゃないがまともにやり合う体力が全快していないのである。
﹃大量に本を読んだとしても、何を調べているのだ、憑友
天をも穿つ塔いや、天を貫く魔塔か⋮﹂
﹁﹃カ・ディンギル﹄⋮
に関する重要なワードを教えてくれたのだ。
それはつい先日、憑友の前に現れたロックがフィーネの正体とそれ
憑友は読書ではなく、ある物を独自に調べていた。
攻略する事は出来ないからな﹂
﹁彼奴⋮ロックが言った事に関する情報を少しでも多く蓄積しないと
?
︶﹂
そう呟きながら、憑友は懸命にそのワードに関する情報を模索して
いたのであった。
︵そう言えば⋮ユルセンは何処に行ったんだ
そんな憑友はふとある事に思い出していた。
﹁
?
やって来ていた。
﹁⋮﹂
その場所は時々、みんなと一緒に食べに来るお好み焼き屋﹃ふら
わー﹄であった。
402
?
その憑友が探していたユル∼い幽霊ことユルセンはとある場所に
ーーーーーー
?
ユルセンはその店の中へと霊体となって入っていった。
そして店の奥には未来がクリスの面倒を見ていた。
﹁︵未来⋮クリスちゃん⋮︶﹂
ユルセンはそんな声を発するもその声を2人には届かなかった。
ーーーーーーSIDEto未来
雨が降りしきる中で倒れていた女の子。
私はそのままにする訳にも行かずに、
﹃ふらわー﹄のおばちゃんのお
家にお邪魔して介護していた。すると、女の子が目を覚ました。
目を覚ましたのは良いけど⋮
﹂バサッ
下の方は流石に⋮//
﹁⁉
!
お友達の具合は
そうしていると、
﹁如何
﹂
そう言うと女の子の方も気付いた様で布団に包まってくれた。
?
えて来るそうなんだけど、憑友からは感じられなかった。
実は意外にも肩に顔を置くと耳元から少ないけど心臓の音が聞こ
その時に心臓が聞こえて来なかった。
が肩を貸してくれたの。
それはつい先日の時に、私がウトウトと眠気に襲われた時に、憑友
いつ知ったのかって
憑友が生きていないと言う事に。
そして薄々気付いていたんだけど⋮
響の胸の上にフォルテの形をした傷跡がある事。
⋮ううん。それよりも気にしちゃう事があっただけの事。
その際に、大量のアザがあったけど、私は気にしてはいない。
そして私は女の子の背中を水で軽く拭いてあげた。
ーーーーーー
干す事にした。
そう言うと私はおばちゃんが持っていた洗濯物を持って、洗濯物を
﹁ついさっき目が覚めた所なんです。ありがとうおばちゃん﹂
﹃ふらわー﹄のおばちゃんが洗濯物を持ってこっちにやって来た。
?
?
403
?
だから、私はこの時に半信半疑になっていた。
憑友が実は半分幽霊みたいな存在じゃないのかって。
今はその半信半疑の状態に私はいるけれどね。
私はそれでも2人のために心配事をしていたけど、2人は私に心配
を掛けさせまいとしていた。
仲良し3人組としてまるで除け者にされたような気分に今の私は
顔には出さなかったけど、やっぱり落ち込んでいる事に関しては自覚
していた。
﹁⋮何にも、言わないんだな⋮﹂
そう思っていたら、女の子がそう呟いてきたから、私は﹁うん﹂と
言いながら、彼女の背中を拭きながら話をした。
﹁私、そう言う事は苦手みたい⋮
今までの関係を壊したくなくて⋮なのに⋮
一番大切な物を2つも壊してしまった⋮﹂
﹂
そう言うと女の子は話を始めた。
それは、彼女の壮絶な人生の出来事だった。
この場所の裏側に位置する場所にて女の子の両親は殺されて、
404
2人にはなんて言えばいいんだろう⋮
またいつもの何気ない日常に戻れるのかな⋮
いや、これは我がままなのかもしれない。
2人との関係を壊したくなかったのに、2人の関係を壊したのは結
局私なんだ。
私は2人との関係を⋮憑友と響との関係を自分から壊してしまっ
た。
だから、私はもう⋮
そう考えていたら、女の子はいつの間にか着替えをしていた。
外を見てみたら、いつの間にか晴れていた。
考え事してるとやっぱり時間の流れは速いんだね⋮
友達と喧嘩した事無いの
﹁喧嘩か⋮私にはよく分からないな﹂
﹁
?
﹁⋮友達居ないんだ。いるのはたった1人の義理の兄だけなんだ﹂
?
たった1人の家族だった兄も容赦なく痛めつけられて、
そして女の子自身はその幼かった自分がまるで奴隷のように扱き
使われていた事を話してくれた。
彼女の話を聞いた私。
私はそれでも、彼女の事が心配になってきていた。
﹂
すると彼女は私の今の現状を打開する話へと切り替えてきた。
﹂
﹁お前さ。その子達に1発ぶん殴ったら如何だ
﹁ふぇ
い、いきなり過ぎだよ⁉
﹂
﹁どっちが強いのか示したらそこで終わり。
後はまた仲良くすれば良いだろ
?
私は何もしてねぇよ﹂
﹁⋮クリス。雪音クリス。それがあたしの名前だ﹂
﹁気遣ってくれてありがとう。えっと⋮﹂
それでも言いたかったんだ。
﹁あん
﹁ありがとう﹂
だけど⋮
⋮そう簡単に言って来れるけど⋮私には無理だよ⋮
?
こう言う言葉が出てきたのは⋮
そっか。クリスって言うんだ。
だからなんだろうか
﹂
⋮良いのかよ、それで⋮﹂
私と友達になってくれる
﹁⁉
?
私にとっても、貴方にとっても大事な友達で居たいから。
そうしていると突然サイレンが⋮⁉
外を見てみるとそこには大勢の人達が避難していた⋮
私は今、翼さんとお話をしていた。
ーーーーーーSIDEto響
こんな事になるのは大抵決まってる⋮ノイズしかいない⋮
!
?
405
?
﹁私は小日向未来。もし良かったら⋮
?
自分の事をありのままに話した。
!
?
﹁うん﹂
?
すると翼さんも自分の事を話してくれて、なんだか心が少し落ち着
いていた。
そしたらいきなりサイレンが鳴り響いてきたので、私は翼さんと共
に師匠と連絡をした。
相当の数だ。未明に感知したノイズ達と関連性
﹁翼です。立花も一緒です﹂
﹃ノイズを検知した
が高い
だが、彼奴は病み上がりな状態だ
﹄ですが⋮
﹂
﹄
何故、私はもう⋮﹃メディカルチェックの結果が出てない者を出
響君は憑友共にそのノイズの駆除を頼む
﹁⁉
す訳にはいかない
大丈夫です、翼さん
!
﹂
﹂
私と憑友がやればあっという間です
⋮だが⋮﹁そ・れ・に
!
?
!
!
﹂
﹁何って⁉
﹂
﹂
?
ノイズが現れたんだよ
!
﹁おい、一体なんの騒ぎだよ⋮⁉
そんな様子を見たクリスはその光景に驚いていた。
あった。
中には子供が泣きながら親に手を引っ張られて走っている光景も
勢の人達が一斉に逃げていた。
響が現場に向かう時、未来とクリスがいる﹃ふらわー﹄周辺では大
ーーーーーーNO SIDE
そう言うと私は急いで現場の方へと向かっていった⋮
﹁はい
だが、あまり無理はしないでくれ﹂
﹁⋮そうか。
私と憑友はそのお手伝いをしに行く様なものですよ﹂
﹁霊風さんが先に行ってノイズを倒してくれている筈です
﹁
!
!
幸いにもつい先程、憑友が完治したとの情報が入った。
!
!
?
この騒動を引き起こしたのは自分だと言う事に。
未来の言った一言でクリスは目を見開き、そして気付いた。
?
406
!
!
!
!
!
未来が﹃ふらわー﹄のおばちゃんと共に避難しようとしたら、クリ
スが反対の方向へと行ってしまい、未来は止めようとしたが、止める
事が出来ず、仕方なくおばちゃんだけでもと思い、避難する事にした
のであった。
何やってんだよ、あたしは⋮
ーーーーーーSIDEtoクリス
くそっ
私のせいで関係のない奴等にまで⋮
畜生ーーーーーー
私は泣いた。私のやり方だと何も変える事なんか出来ねぇのかよ
けど、何時だって私のやる事は⋮何時も何時も⋮
私がしたかった事はこんな事じゃない⋮
!
そう感じていたら、ノイズ共が私のところにやって来た⋮
私は此処だ⋮
だから、関係ない奴を巻き込むんじゃねぇ
そう言うとノイズ共は私に向かって特攻してきた⋮
私はすかさず聖詠を歌った⋮
﹁Killiter⋮ゲホッゲホッ
﹂
﹂
だけど、思うように唄えない⋮
ハッ‼
!
!
てそこから拳1発でノイズを圧倒していた⋮
﹁ったく⋮かなりの数だな⋮ならば致し方ないか⋮
た。
﹂
!
するとそこから光の粒子が舞い、それが形成して行っていた⋮
﹂
そして現れたのは全身鎧に身を包んだ巨漢の男だった⋮
﹁悪いが力を貸してくれないか⋮
?
!
り出して、何処から取り出したのか、一枚のカードをその機械に入れ
そう言うと男はポケットからカードが一枚入るくらいの機械を取
!
!
すると突然やって来た男が足でアスファルトをくり抜き、壁を作っ
﹁ふんっ‼
このまま死ぬのか⋮
その隙に上空からノイズが⋮
!
?
!
!
?
407
!
!
!
!
!
?
!
!
﹁応よ
任せとけ祭りだぜ
﹂
﹂
そう言うと男はまた違うカードを機械に差し込んだ
﹁彼奴1人に任せる訳にも行かないか⋮ふっ
そう言うと男はノイズの方へと向かって行っただと⁉
!
だった。
﹁上の敵を頼む⋮
﹂
﹁承知した。我が主の恩師の為、この︻烈火の将︼いざ参る
有りかよ
そう言うと女剣士はすぐに上空へと飛びやがった
なんだよそれ⁉
!
そして現れたのは男よりも更にデカい巨漢の男が立っていた⋮
﹁こう言うのはいけ好かないのはわかるが⋮﹂
﹂
﹁そ れ 以 上 言 わ な く て も 良 い。王 た る 役 目 を 果 た し に 行 く だ け の 事
!
そう考えていると隣にいた男はまたしても違うカードを入れた。
!
!
!
?
﹂
そして現れたのは、ピンクのポニーテールを着飾った1人の女剣士
!
!
?
!
なんだよそれ⁉
﹂
そう言うと男が右手を前方に構えるとそこから2匹の牛と共に荷
車が現れた
ヴ ィ ア・エ ク ス プ グ ナ テ ィ オ
遙かなる蹂躙制覇
"!
?
男がそう叫ぶと牛達が豪快に動き回り、ノイズ達を殲滅していた⋮
﹁では行くぞ
!" !
‼
﹂
圧巻に浸っていると、空からノイズの炭が降ってきたので上を見る
紫電⋮一閃
?
と、
﹁はぁぁぁぁあ
"
していた
女か所持していた剣から火が噴き出し、そして上空のノイズを殲滅
!"
﹁
クロススラッシュ
‼
﹂
独特の剣技でノイズを殲滅していた
?
の屋上まで跳躍した⋮
何者なんだよ、あんたは⁉
?
!
そうしていると私の近くにいた赤髪の男が私を抱いて近くの建物
!
"
更にそのまま鎧の男の方を見て見ると、
!
408
!
!
"
﹂
﹁大丈夫か
﹁っ‼
﹂
私はすかさずその男から離れた。すると其処へノイズが
ヒュンッ‼
ザクッ
﹂
﹁大丈夫かクリス
﹂
﹂
どれだけ迷惑させれば気が済むんだ
うぅ∼⋮何すんだよ
ゴツンッ‼
﹁あ痛ッ⁉
﹁それはこっちの台詞だ
﹂
!
ロック義兄の一言により、私は何も言えなかった。
するとロック義兄が私の近くにいた男と話をしていた。
﹁義妹を助けて頂きありがとうございます﹂
﹁こう言う時に大人が出ないと意味がないからな。
とは言え、俺は大人でありながら無力に等しい。
数は少ないが、心強い仲間を出しておいた。
彼等が共に戦ってくれるだろう﹂
﹁⋮ご協力感謝します。
⋮ああ、そうだな⋮それしかねぇんだよ
行くぞ、クリス。俺達のやって来た事は俺達で罪を滅ぼすんだ
‼
フォーム、アカツキ
に装填し、レバーを引いた
﹁変身﹂
ーソウル
ー
﹂
するとそこから紫髪のポニーテールをした少し小さなクノイチが
!
!
のカードケースから一枚のカードを取り出して、ソウルアブソーバー
そして私は聖詠を歌い、ロック義兄はソウルを左腕に装着させ、腰
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
!
!
私はこの時、知った⋮ロック義兄が私をずっと探していた事に。
!
!
?
撃ってきた方向を見てみるとそこからロック義兄がやって来て⋮
﹁⁉
ロック義兄
まるで矢で撃ち抜かれたかのような印象だった。
その音と共に私の前にいたノイズ達が一斉に炭化して行った。
?
!
?
!
409
?
!
!
?
!
?
?
ー
現れて、ロック義兄はそれを纏った。
ー地平線上、クノイチアサシン
そこには私と身長の差が10センチ近くあったロック義兄が今で
!
は私と同じ身差へと変わらないくらいにまで変化していた。
﹂
410
!
そうこなくちゃな
!
﹁いざ参る⋮
⋮ふっ
!
第39話 風と水の共闘
︵挿入歌﹃魔弓・イチイバル﹄高垣彩陽︶
2人は弦十郎から離れるとすぐに別行動を開始した。
クリスはまず空中にいるノイズ達を相手にガトリングや小型ミサ
イルで撃ちまくっていた。
レヴァンテイン
﹂
その際に危うく女剣士の方に当たりそうだったが、
﹁
その連結刃を高速回転させて防いだ
私の射線上にいたあんたが悪りぃんだよ
るのかよ
﹂
﹁つうか、てめえ何者なんだよ⁉
﹂
!
?
そう言うと女剣士が連結刃をクリスに向けて放ってきた
﹂
普通人間が何もしないで空を飛べ
と、クリスは反論を述べたのである。
﹁へ
女剣士はそう言いながら冷酷な目をクリスに向けた。が、
﹁⋮少しは敵味方の区分をして貰いたいものだな﹂
!
女剣士の持っていた剣が長剣から連結刃へと変えて、自分の周りを
﹃Schlangeform.﹄
!
﹁生憎今は魔力で浮いているのでな。この方が動き易いから⋮な
!
﹂
﹂
ていた形跡があり、女剣士はその隙を見逃さなかった⋮
﹁⁉
﹁余所見をしている暇があるなら⋮⁉
クロスボウを放った
うとしていた⋮
﹁これで貸し借りは無しだ
﹂
それに気付いた女剣士はすかさずそこから飛び退く。
!
だが、それは女剣士から反れ、その先にノイズがその女剣士を襲お
!
女剣士がそう言おうとしたら今度はクリスがその女剣士に向けて
?
!
クリスは後ろを振り向くとそこにはノイズが奇襲をかけようとし
の顔を避け、後ろへと向かっていた。
それを見たクリスは抵抗しようとしたが、連結刃の切っ先はクリス
!
!
!
?
!
411
!
﹁⋮少しはやるようだな﹂
すると女剣士はクリスに顔を向けて自己紹介した。
﹁私の名はシグナム。︻烈火の将︼の名を持つ騎士だ﹂
﹁⋮雪音クリス。それが私の名前だ⋮﹂
﹂
﹁クリスか⋮中々似合ってる名だな﹂
﹁んな⁉
た。
﹁レヴァンテイン
﹂
﹃Bogenform.﹄
するとその連結させた剣と鞘が大きな弓へと変化させた
﹁︽魔弓・イチイバル︾⋮
⋮ふっ。だったらあんたも、どれ程強いのか見せてくれよな
その実力⋮私に見せてくれ﹂
﹁
﹂
﹁ふっ⋮ならばその目で確かめてみる事だな。
行くぞ、レヴァンテイン
﹃ja.﹄
!
そう言うとクリスは3連4門のガトリング2砲を構え、
﹂
そう言うと女剣士⋮シグナムは剣と腰に携えていた鞘を連結させ
?
て、
﹁これでもくらえーー
﹂
ーBILLION MAIDENー
クリスはガトリング2砲による弾丸を雨のように降らせた
!
に開口一番⋮
翔けよ、隼‼
そして矢を放った⋮
その範囲内にいたノイズ達を焼き尽くしたのであった⋮
ーーーーーーSIDEtoロック
!
その矢から炎が迸り、やがてその炎が隼のように翔け巡り、そして
!
﹃Sturmfalken.﹄
﹁
﹂
そしてシグナムは目を閉じて精神を統一し、そして目を開くと同時
!
そしてシグナムは弓を構えながら、魔力で練った矢を番える⋮そし
!
!
!
?"
!
412
!
"
空の様子を見ていたが、凄まじいの一言に限るな⋮
!
﹂
そう感化していたら、カードケースからフェイトさんが現れた。
﹂
﹁シグナムがやってくれたんだ⋮
﹁⋮お知り合い⋮ですか
!
たのだろうな。
そう考え込んでいると、
﹁そこでボォーッとしてるなら、少しは手伝えよチミッ子
﹂
!
てた⋮
と言うよりも何故、こんな奴のところに来たんだろうか
?
⋮そう言えば俺の近くにはあの白い鎧を纏った男がいるのを忘れ
﹁チミッ子では無い
﹂
いるフェイトさんの友人と戦う事も無くなったから、心の迷いが消え
まぁ、この前の︽炎魂導師︾との決着以来、彼奴⋮憑友側に付いて
そう言いながらかなりご機嫌が良いフェイトさん。
磨しているライバルなんだよ♪﹂
﹁うん。昔は敵同士だったけど、今では頼れる仲間であり、共に切磋琢
?
そうすると今度はフェイトさんの代わりに俺が今変身している﹃英
アカツキ⁉
﹂
雄﹄が俺の隣に現れた。
﹂
﹁んな⁉
﹁何
?
﹁当たり前だ。私と彼奴は同じギルドの仲間だからな﹂
⋮いきなりすぎて驚きの連続になって来た。
ホ ラ イ ズ ン・ ア サ シ ン
突然俺の隣から、俺が変身している﹃英雄﹄
︻地平線の暗殺者 アカツキ︼
がそこにいた。
﹁それは良いとして、お前さんの妹のおパ⋮﹂
ガシャンッ
⋮何だ今の動きは⁉
﹂
﹁ギャフンッ⁉
!
自分でやってないのに身体が勝手に動いて、鎧の男の顔面に飛び蹴
?
?
413
!
この男、俺が変身している者の名を何故知ってるんだ
?
りをクリーンヒットさせたのだが、一体如何言う原理なんだ
﹁済まないな。何分、此奴に対する処置がまさか癖になるとは思って
もいなかったのでな⋮﹂
﹂
﹄
直継は﹂
そう言いながらアカツキさんが謝罪してきた⋮俺だけに。
﹁ってか、俺に謝罪は
﹁如何せ碌な事しか考えていないのだろ
﹁そりゃご尤もで∼﹂
⋮なんだこの漫才のようなコントは。
﹃ぷっ⋮意外に受けるぞ、これは⋮クスクス⋮
ソウルもソウルでいきなり話しかけてくるな⁉
ていた。
⋮一言言わせろ⋮
豪快にも程があるだろ
﹂
そう思っていたらノイズに囲まれていただと⁉
やべぇじゃねぇか
﹁うぉ⁉
﹂
動しても10秒しか持たねえよ
が⁉
‼
﹂
ってか、お前はそれ知ってるだろう
﹂
何を言ってるのか訳が分からない
アストラル・バインド
如何すれば⋮
﹁
?
の男が牛に命じながら、己は己で豪快に剣を使ってノイズ共を一掃し
が指を指した。その方向には牛二頭を豪快に乗りこなしている巨漢
そう言いながら鎧の男︵アカツキさん曰く名は直継と言っていた︶
いにな﹂
﹁それはそうと、厄介事だけは勘弁してくれよな⋮あのおっさんみた
そしてさっきのコントの何処に笑う要素があった⁉
?
!
?
すると一部のノイズ達が光を帯びた楔によって身を封じられた
?
414
?
?
!
があるから大丈夫なのでは無いのか
あの技
﹁直継は
あの技
"
﹁馬鹿野郎
あれ
"
は使ったら5分間は再使用に時間が掛かる故に発
!" ?
一体誰がこんな事を⋮
!
!
"
!
?
?
!
"
?
"
﹁⁉
この技は⋮
﹂
﹁間違い無い⋮主君の技だ
﹂
如何やら2人は知ってる存在みたいだが、一体⋮
﹁やれやれ、ノイズの群れがいるから見てみりゃ⋮
お前、この間の︽水魂導師︾じゃねぇかよ⋮﹂
そう言って来た者に俺は見た。
お前は⋮風の導師
自称︽炎魂導師︾のライバルさん
・
﹂
今此奴はなんと言ったか
・
ムカッ
﹂
自称︽炎魂導師︾のライバルだと言ったか⋮
奴
俺は⋮俺は⋮‼
彼
﹁俺も憑友も自他共に認めるライバルだ
!
﹁まぁ、言いたい事はわかるけど、今は此奴らの掃討を手伝えよ
そう思っていたら、その男が俺達の前に現れた。
!
行動をしていた。
﹁そうでなくちゃ、彼奴のライバルになんかなれねぇよ
﹂
そう言うと風の導師も一緒になって戦ってくれた⋮
﹂
俺も交ぜろ
もしかして、俺の殻を破る手伝いをしていたと言うのか
これが俺の新たな﹃英雄﹄の力だ
⋮余計なお世話だが⋮ありがとう。
﹁行くぜ
!
?
!
!
そう言うと俺はいつの間にかノイズ達に八つ当たりにも似た様な
!
?
フォーム、バサラ
ー
青年のカードをアブソーバーに装填して、レバーを引いた⋮
ースピリット
!
れを纏った⋮
ー勇者の一族
かぞく
妹を守れ
ー
すると風の導師から白い大剣が現れた⋮
!
お前の名前は
﹂
﹁俺の名は霊風。彼奴⋮憑友の先輩的存在だ。
!
!
!
するとそこからイラストに書かれた青年の魂が現れ、風の導師はそ
!
!
そう言うと風の導師はカードケースから白い大剣を片手に持った
!
?
415
!
?
!
?
!
?
?
!
大剣を構えながら、そう言ってきた風の導師いや、霊風。
敵が名乗ったのに、俺が名乗らないと言うのはいけないよな。
﹁⋮ロック。ロック・アイル・ユキネだ、風の導師いや︽風魂導師︾の
霊風﹂
勿論、お前さんの妹さんと、風鳴のおやっさんが呼
﹁⋮ふっ。良いぜ。なら、お前さんと俺の2人でこの数のノイズを殲
滅してやろうぜ
﹂
やるだけやってやるだけだ
び出した﹃英雄﹄達も一緒だぜ
ああ⋮
!
!
!
フォーム、ラウラ
してレバーを引いた⋮
ーソウル
ー
ー
隠した少女の魂が現れ、俺はそれを纏った⋮
ー大胆不敵な、ブラック・ラビット
さぁ、ノイズ共⋮俺のレールガンは荒れるぞ⋮
て撃った⋮
怖っ
けど、負けられねぇ
﹂
その一撃で大半のノイズが炭化していった⋮
﹁うぉっ⁉
フルドライブ
﹄
そう言うと霊風はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹃スピリット・バサラ
!
バ ニ シ ン グ・ シ フ ト
無次元の執行
﹂
?
﹁決まれ⋮
ーー‼
すると霊風は大剣を両手に持って高く掲げてそして、
!
すると斬った空間が歪みを発生させた⋮
そのまま縦斬り一閃をした。
"
!
!
!
そう言うと俺は右側に装備されていたレールガンを取り出し、そし
!
!
!
するとアブソーバーから銀髪のストレートで、左目がアイパッチで
!
!
そう言うと俺は憑友にはまだ見せていない姿をするカードを装填
!
が消えてしまった⋮
まだまだ始まったばかりだぜ
へこたれるなよ
﹂
!
す、凄すぎる⋮
﹁ほらほら
?
!
⋮ふっ。言ってくれるじゃないか。
!
416
!
!
?
!
それにより、近くにいたノイズ達が一斉に吸い込まれて最後は歪み
!
"
やってやろうじゃないか
フォーム、バン
ー
フォーム、キング
!
ー
そう言うと今度は2人揃って新たなカードを取り出し、先程のカー
!
ドを入れ替えて、レバーを引いた
ーソウル
ースピリット
!
現れ、それぞれ纏った⋮
ー七つの大罪、強欲のフォックス
﹂
ー
ー七つの大罪、怠惰・ザ・グリズリー
﹁一気に決めるぞ
!
フルドライブ
﹄
!
フルドライブ
!
﹃ソウル・バン
﹃スピリット・キング
﹄
そう言うと2人揃ってドライブボタンを叩いた
﹁⋮委細承知﹂
ー
霊風の方は逆に槍を持った少年のような出で立ちの姿をした魂が
するとそこから俺の方からは白髪で赤い服を纏った男が、
!
!
!
﹁
バニシング・キル
﹂
き、そして一気に放った⋮
そして俺は手に持っていた四節棍を振りながら、敵に特攻して行
その際に槍が勝手に動いていたのは気の所為にしておこう。
!
!
そう言うと霊風は槍を前方に構えた。
!
!
"!
⋮浄化しな、雑音共。
けど、まだ沢山いるが心配する事は無かった。何故なら⋮
霊槍シャスティフル・第四形態
﹁
﹂
"!
"
俺が使用したカード︻強欲の罪 バン︼には特殊な体質の持ち主で、
フォックス・シン
伊達に︻不死身のバン︼と言う異名を持っている訳では無いようだ。
アンデッド ・
して行った。
だが、攻撃を食らったのにも関わらず、俺の身体はみるみると再生
から光線が放たれた。俺も巻き添えを食らわせて。
すると霊風が所持していた槍が向日葵のような形態になると、そこ
サン・フラワー
"
417
!
!
その攻撃により、俺が通ったノイズ達は殲滅した。
"
"
なんでも魂を抜かれない限りはその身は不死身なんだそうだ。
﹁悪りぃ、捲き込んじまって﹂
すると霊風が俺の所までやってきた。
﹁いや、こうやって共に戦えるのはとても大切な事だからな﹂
﹁⋮はっ。イイね。そうこなくちゃ
!
⋮ああ
﹂
⋮背中託すから、お前の背中、俺に預からせてくれ⋮﹂
﹁
!
さぁ、まだまだノイズは山程いる。
!
此処かからが本当の正念場だ
418
!
第40話 絆が生んだ奇跡
数多のノイズ達がクリスと霊風、そしてロックの元へと駆け抜けて
いく。
﹄
その時に響は取り残された人達の救助をしていた。
すると、
﹂
﹃きゃあぁぁぁぁ
﹁‼
﹁くっ⋮
﹂
して避難から遅れた人達を探し回っていた。
一方、同時刻の別の場所で憑友は病み上がりな身体を無理やり酷使
ーーーーーー
響はそのビルの中へと入っていった。
響が向かった場所はとある廃ビル内であった。
た。
遠くから悲鳴が聞こえてきたので、響は急いでその場所へと向かっ
!
た。
﹂
﹁おーい
馬燈
﹂
逝都
!
﹁
!
﹁そっか
﹁
ありがとう
⋮ああ﹂
﹂
﹂
﹁気にするな。友達だろ
!
﹂
!
﹁え
﹂
﹁なぁ⋮未来は
﹂
すると逝都から耳を疑うような発言をした。
ていた。
2人が此処に来るまでに避難を完了させていた事に憑友は感謝し
?
!
﹁ここら辺区域の人達は避難が完了してるぜ
憑友が考え込んでいると、逝都と馬燈の2人が駆けつけた。
憑友
今の所は大丈夫そうだが、もしもと言う嫌な予感しかしていなかっ
憑友は焦りを感じていた。
!
!
?
?
419
?
!
!
!
﹁彼奴、近くのシェルターにいなかったんだ。他の場所も確認してみ
⋮くっ
﹂
たんだが、何処にもそんな子はいないって⋮﹂
﹁っ‼
!
待てよ∼∼⁉
から走り去ってしまった⋮
お、おーい⁉
?
誰かいm﹃ghoooo
馬燈﹂
﹄⁉
﹂
?
まり場のような場所だった。
﹁誰かー
!
私が向かったビルはとても人が働くスペース等なくて、不良達の溜
ーーーーーーSIDEto響
そう言うと2人はそれでもと言いながら、憑友の後を追った。
今は彼奴の勝手に委ねる事しか出来ないなんてな⋮﹂
﹁⋮悔しいけど、彼奴には力がある。だけど俺達にはそれがない。
⋮行っちまいやがった。如何する
﹁⁉
!
2人の発言を聞いた憑友は病み上がりな身体を更に酷使して2人
?
﹁
⋮⁉
﹂
私はその上を見ると、其処にはタコ型のノイズがいた。
と、それは良いとして。
ここ最近の私って⋮ある意味人じゃなくなって来ている
嗟に下へと華麗に着地した。
誰かいないのかと思って叫んだら、上から攻撃がしてきて、私は咄
!
?
なんで此処に
手の出ている方を見てると、其処には⋮
﹁﹂しー
未来
そう思っていたら、未来がポケットから携帯を取り出して、何かを
弄ると私に見せてきた。
﹃静かに
あれは大きな音に反応するみたい﹄
すると未来はまた新しい文を書いて私に見せてきた。
﹃あれに追いかけられて、
﹃ふらわー﹄のおばちゃんと此処に逃げ込ん
だの﹄
420
?
?
?
私は喋ろうとしたら、突然私以外の手が私の口を塞いだ。
!
﹁
﹂
私は︽シンフォギア︾があるから、ノイズを倒す事が出来る。
けど、今此処で変身したら、未来やおばちゃん達に被害が出てしま
う⋮
︽シンフォギア︾は歌わなければ纏う事が出来ない⋮
如何すれば⋮
﹂
それでも⋮2人と一緒にいたい。
私も戦いたい⋮
駄目だよ⋮未来⋮
!
響と憑友の2人に背負わせたくない⋮
﹁如何思われようと関係ない。
!
して⋮
﹁私⋮
もう迷わない
﹄
!
いった。
﹂
私だって⋮未来と憑友と一緒にいたいんだ⋮
かけがえのない﹃陽だまり﹄の為に‼
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
?
私は聖詠を唄った⋮大事な親友。ううん⋮私と憑友にとって⋮
!
そう言うと未来はノイズをひき連れて私とおばちゃんから離れて
﹃‼
﹂
そう言い終えると私の耳元から顔を離して、未来は立ち上がり、そ
!
今更2人に許して貰おうとか思ってない。
﹁私⋮響に酷いことをした。勿論、憑友にも⋮
そして未来とやり取りをし続けると未来が私の耳元で呟いた。
ルの内容を見せ合った。
此処で喋るとノイズに見つかってしまうから、私も未来と同じメー
それを見た私は驚愕した。
私がそう考えていたら、未来がまたメールの内容を見せた。
!
!
?
421
!
n⋮﹂
そう言うと私は︽シンフォギア︾を纏い、おばちゃんを抱えてすぐ
にビルから去った。
﹂
︵挿入歌﹁私ト云ウ 音響キ ソノ先二﹂悠木碧︶
﹁響さん
すると其処には緒川さんがいて、緒川さんにおばちゃんを頼むと私
はすぐに未来を追った
何処にいるの⋮未来⋮
も良かった⋮
その際に緒川さんが私の名前を呼んだけど、そんなのは今は如何で
!
けて﹄
﹃駄目だよ
そんな事、未来にはさせられない
﹃何ともならない
﹃⁉
﹄
﹄
﹃危険なのは分かってる。
だからお願いしてるの。
わたしの全部を預けられるの⋮
響と憑友だけなんだから﹄
ー回想endー
戦っているのは私と憑友だけなんじゃない⋮
﹂
﹂
︽炎魂導師︾ライドの姿になっていた。
すると後ろから声が聞こえてきたので、振り向くと其処には憑友が
﹁響
﹄
私が囮になってノイズをの気をひくから、その間におばちゃんを助
﹃響、聞いて。
ー回想ー
私は先程の未来とのメールでの会話を思い返していた⋮
!
!
﹁何があったんだ
422
!
﹃元陸上部の逃げ足だから何とかなる﹄
!
﹃じゃあ、何とかして﹄
!
!
!
?
!
返事をしたいけど、歌を歌わないと︽シンフォギア︾は解除されて
﹂
忘れてた。お前、歌を歌わないと解除されるんだったな。
しまう⋮
た。
ーライド
ー
!
ー
すると憑友はなのはさんの魂を纏った
フォーム、ナノハ
すると憑友はそのカードをライドさんに装填して、レバーを引い
なのはさんのカードだった。
私も少なからずお世話になった﹃英雄﹄
其処には白いドレスを纏った女性がいた。
と言うと憑友は私にカードを見せた。
だったら⋮
﹁⋮
!
!
︶
頭の中から憑友の声が聞こえてきた⁉
︵これで良いだろ
うわぁ⁉
だろ
︶
︶
︶
?
なんで
私達の居場所に
この分からずや
詳細は後日。それよりも、何があったんだ⁉
︶
未来を探して
未来がノイズに追われてるの
︵なんだって⁉
だから⋮お願い
︵⋮却下だ︶
!
3人一緒に帰ろう
?
!
未来の危険な状態なのに⁉
・
!
なんで⁉
・
︵探すんじゃないだろうが
⁉
︶
⋮そうだよね。うん
︵3人一緒に帰る
︵ああ
!
?
!
!
!
︵念話と呼ばれるモノで俗に言う﹃テレパシー﹄の様な物だ。
?
?
!
?
?
差し向けた。
私はその手を取ると、憑友が一気に急上昇した⋮⁉
ちょっと、い
そう言うと憑友は私の頭から手を退き、そして今度はその手を私に
!
すると憑友は私と同じ速度を保ちながら、私の頭に手を置いた。
ー不屈の心、エース・オブ・エース
!
!
?
?
423
!
!
?
!
!
大至急だ
﹂
しかもおまけにこんなありんこにも見える
未来の生体反応を探してくれ
きなり過ぎだよ∼⁉
﹁ライドさん
いきなり過ぎだ
!
無謀にも程と限度があるだ
?
﹃何
﹄
﹂
人々の中からミス.未来を探せだと⁉
ろ
﹁グタグタ言ってんじゃねぇ‼
憑友が⋮怒った⋮
?
かった。
そうだよね⋮私だって⋮
﹂
大切な人がこの世にいなくなるのだけは絶対に嫌なんだーー‼
﹁ヴォォォォォ‼
2人の元に何かが接近してきた。
2人の魂の叫びに呼応したのか、
ーーーーーーNO SIDE
?
?
れたのは⋮
﹂﹂
﹁ヴォォォォォ‼
﹁﹁⁉
﹂
その気配に感知した2人は咄嗟に戦闘態勢を構える。が、其処に現
?
!
その声により、私は憑友がどれだけの覚悟を持っていたのかが分
もっと御免なんだよ‼
﹂
大事な人が居なくなるのは⋮
﹁俺はもう目の前で、大事な人の涙なんかもう見たくないんだよ
!
?
!
!
纏った竜⋮
リオレウスだった
!
何と以前、憑友の実家がある区域﹁自然都会﹂で出会った赤い鱗を
?
424
?
!
!
第41話 友情復活
﹂
ーーーーーーSIDEto憑友
﹁ヴォォォォォ‼
い鱗を纏った龍⋮リオレウスだった
た
喋った
﹂
︾
俺と響の前でこのドラゴン⋮喋ったのか⁉
﹂
﹂
俺の背中に乗れ
⋮うん
︽話は後だ
﹁‼
﹁⋮そうだよな
大事な友達を助けるんだろ
︾
!
するとレウスは咆哮をあげるとそのまま上空を徘徊し始めた
そう言うと俺と響はレウスの背中に乗った。
こんな所で立ち止まる訳にはいけない
!
そう考えていると、レウスが少し下に降下して、俺達に話掛けてき
マジかよ
﹁え⁉
︽お前らの友情⋮俺の所にも届いてきたぜ
!
俺と響の前に現れたのは、以前俺達が﹁自然都会﹂にて出会った赤
?
がそこにいた
それを見た響はレウスの背中からすかさず⋮お、降りた⁉
地上から4000mは下らない程の高さからシンフォ
︽あの嬢ちゃん、肝が座ってるな∼♪さて、俺も負けてられねぇな
ギアを纏っているとはいえ、パラシュート無しで落ちやがった⁉
︾
!
んだ。
すると、レウスはいきなり急降下した‼
なんでさ∼∼⁉
気持ち悪い∼∼⁉
?
?
?
レウスが唐突に喋って来たので、俺は渋々背中に生えている鱗を掴
しっかり掴まっとけよ
!
?
あの馬鹿
?
それから逃げているいや、先程の響の内容から囮となっている未来
で、俺と響はその方向を見るとそこには青いタコ型のノイズと、
するとレウスは何かを見つけたのか、その方角に顔を向けていたの
!
!
!
!
425
?
?
!
!
!
!
!
?
行って来いやーーー‼
︾
了子さんと同等ぐらいに気持ち悪すぎる∼∼⁉
︽ほら
?
まま俺を放り投げとばした⋮
なんで、いつもこうなる∼∼⁉
!
ジャッキをブースターにして、未来を助ける場面に遭遇していた。
そ う 考 え て い た ら、ノ イ ズ を 拳 で 粉 砕 し た 響 が、す ぐ に パ ワ ー
?
そう思っていると、そのままレウスは口で俺の背中を持つと、その
ってか、首⋮意外と長っ⁉
そう言うとレウスは背中にいる俺に顔を向けてきた。
?
?
!
だけど、あのままだと間に合わない
待ってろよ
き、それを纏った⋮
に吹かした
未来
﹁響
﹂﹂
﹁﹁‼
掴まれ
﹂
!
ー
こから2人を引き寄せて、着陸態勢に入った⋮
﹂
そして、見事に着地してやったぜ
﹁良っしゃ⋮﹂
コテッ
﹂
﹂
﹁あら
﹁え
﹁ちょっ、憑友⁉
!
俺達は着地した場所から思いきりコケた。
まさかの石ころにつまづき、
?
!
!
響は俺の左手を、未来は逆に右手の方をしっかりと握ると、俺はそ
そう言うと2人は其々、
!
そして近くにまでやって来て、
!
すると俺は両手を空の方に向けて、そこから炎をブースターのよう
?
!
!
そう言うと俺はすかさずナツさんのカードを装填してレバーを引
!
フォーム、ナツ
ーライド
!
竜滅者‼
炎で滅せ
!
!
426
!
?
?
﹁ちょっ⁉
﹂﹂
﹂
﹂
﹂
大丈夫
﹁何処か痛いの⁉
﹂
﹂
コテッ
﹁え⁉
﹁なっ⁉
﹂
倒れてきただと⁉
と、
ヤバい⁉
火 と、
未来‼
!
?
?
まった。
﹁あ痛たた⋮大丈夫
未来﹂
塩
が駄目だったん
ま響に押し倒されて、おまけに憑友の上に乗っかる形で川に落ちてし
まさか、響が石ころでつまづくなんて予想もしなかった私はそのま
ーーーーーーSIDEto未来
なってしまった。
しかし、結果的にそれは儚く散り、俺はそのまま2人の下敷きに
それと、耐えて
響
?
踏ん張れよ
!
響の馬鹿が足を踏み外して、そのまま未来を巻き込んで、俺の方に
﹁嘘でしょ⁉
?
しかも着地した場所がまさか傾斜がある事に気付かず⋮
しかもその先には川が流れていた⋮って⁉
﹁﹁憑友⁉
ザバァンッ
そう思った俺はすかさず2人を離すとそのまま川に⋮
?
なんで∼∼⁉
まさか川に落ちるとは⋮トホホのホ∼⋮
痛ったぁぁぁぁ⁉
ズキンッ
﹁
水なのに染みる∼∼⁉
水
忘れてたーーー‼
痛い∼∼⁉
・・・‼
俺、
︹半幽霊︺だから、
だ∼∼⁉
?
"
?
"
?
"
今頃気付くなんて、俺とんだ馬鹿者じゃないか∼∼⁉
"
そう言いながら2人が来るけど、
?
!
427
"
!
?
?
!
?
?
?
"
?
?
?
!
?
?
﹁私はなんとか⋮﹂
上からも下からも
服が濡れただけだから、大してなんとも無かったよ。
﹂
﹁おい⋮俺を忘れるなよ⋮ってか、痛い痛いから
痛いから
﹁﹁あ﹂﹂
訂正。憑友以外は無事でした。
リディアンの制服に戻っている。
因みに響と憑友はノイズと戦っていた時の姿では無くて、私と同じ
あの後、私と響で憑友を川のほとりの方にまで引っ張って来る。
!
﹂
こうでもしないと俺、致命傷になり兼ねない
此処で
すると憑友は咄嗟に服を脱ぎ始めた⁉
﹁ちょっと、憑友
﹂
﹁仕方ないだろうが⁉
んだから
?
そして私は憑友の左胸を見て目を見開いた。
そう言うと憑友は上半身裸になった。
?
憑友⋮それ⋮
﹂
其処には、淡い赤色を発している火が灯されていた。
﹁⁉
!
すると憑友は自分の上半身を見て、納得したのか、私に説明をして
くれた。
内容は私が半信半疑になっていた事を確信へと至る結果になって
いた。
憑友に灯されている火は憑友にとって大切な火である事を教えて
くれただけで無く、自分自身の今の現状を打ち明けてくれた。
﹁今迄黙っててごめん。話したかったけれど、話せばきっと俺達の戦
いに巻き込む可能性があったんだ。ごめんな未来﹂
﹁ううん。心配はしたけど、こうやって話してくれたのは嬉しかった
よ。勿論響もね♪﹂
﹁うん⋮そうだね⋮﹂σ︵^︳^;︶
﹁何冷や汗掻いてんだか。どっちみちこうなる運命だったんだよ。
さて⋮帰ろう。俺達の居場所に﹂
428
!
!
私は咄嗟にそう告げた。
?
﹁﹁うん
﹂﹂
そう言いながら私は憑友と響⋮
大切なものを再び取り戻す事が出来た。
帰り際に憑友の顔が変だと話を変えると、憑友が響も変だと言っ
て、響は私の顔も変だと話していたので、帰り際に3人一緒に証拠の
写真を撮ってみた。
そして撮った写真を見た私達は驚きつつも、なんだかんだで3人一
緒に笑いあった。
こんな日が続いていけたら良いな⋮
ーーーーーーNO SIDE
その後、事後処理に当たっていた弦十郎と再会した憑友と響は未来
を連れて事情説明をした。
・
・
・
・
・
それを聞いた弦十郎は頭を掻きながらも、2人の弟子の説得と、一
緒に行動していた霊風の説明を受け、弦十郎は未来を外部協力者とし
て、二課への出入りを許してくれた。
それを聞いた憑友は、
﹁出来れば、逝都と馬燈も未来と同じ外部協力者として二課の行き来
をしてくれませんか。彼奴らも未来と同じで避難誘導していたそう
なんです﹂
と、弦十郎にそう話した。
その話を聞いた弦十郎はその話をしようとしていたようで、その話
をした。
結果から申し上げるとその話は許可すると言う事で、逝都と馬燈の
2人も二課の外部協力者として出入りを許可する事になったので
あった。
その話を逝都と馬燈に連絡すると2人は大はしゃぎしていて、憑友
は苦笑いしていたのは言うまでも無かった。
話が済むと弦十郎から帰宅するよう促されたので、3人一緒に寮部
屋へと帰宅した。
そして、入浴や食事をした3人は2段ベッドに入っていった。
429
!
勿論、憑友は下のベッドで、響と未来は前と同じ上のベッドで寝る
事になった。
﹁お休み∼﹂
﹁お休み﹂
﹁お休み﹂
﹂﹂
﹁zzz⋮﹂
﹁﹁早っ⁉
﹂と言って笑ってきたので、未来はそのまま響とイ
3人一緒に挨拶を交わすと真っ先に響が寝たので、2人が驚くと、
響が﹁にししし
﹃おう
︵うん
︶﹄
これからもよろしくお願いしますね﹂
今回は特にありがとうございます。
﹃英雄﹄の皆さんもいつも助けてくれてありがとう。
﹁ありがとう、ライドさん。
﹃然し、3人がまた仲良くなってくれて私は嬉しく思うぞ。憑友﹄
の方へと入っていった。
チャつき始めたので、憑友は蚊帳の外だなと感じて、そのままベッド
!
!
其処には先程3人一緒に撮った写真が飾ってあった。
因みにあの時響と憑友を乗せて来た火竜・リオレウスはそのまま
﹁自然都会﹂の方へと帰って行ったのは言うまでも無い。
ーーーーーー
場所は変わり、此処は二課内部は奏の部屋。
﹁⋮﹂
奏は今、自分の目の前に置かれている物に手を触れようとしてい
た。
置かれている物はかつて自分が歌を歌う時に不可欠だったマイク
だった。
奏は必死になっていた。自分のファンである憑友があんなにも頑
張っているというのに、自身はあの日から歌を歌う事に拒絶し続けて
430
?
そう言うと憑友はベッドの枕元に置いてある写真立てを見た。
!
きていた。
奏はそんな奴の為にもう一度マイクを握ろうとしていた。
ただひたすらがむしゃらのように。
そしてようやくマイクを持てた。
⋮くそ⋮
﹂
だが、其処から手が滑り、マイクを落としてしまった。
﹁
奴
︶﹂
!
自
分
かつての自分を、
︽ツヴァイウイング︾として翼と共に活躍したあの
でいた。
そう言い、そう思いながら、奏は再びマイクを持つ事に時間を注い
﹁︵憑友が彼処まで頑張っているのに、私は⋮
彼
奏はマイクを持てなかった事に泣いていた。
!
時の片翼を取り戻す為に⋮
431
!
第42話 防人とデート⁉
ーーーーーーSIDEto憑友
未来との和解を済んでノイズ達もこの1週間は何も音沙汰無しと
なったとある日の後日。
俺と響は未来と逝都と馬燈の3人を連れてリディアンの地下にあ
る二課本部を案内していた。
因みに今日は日曜日で、学校の先生達に事情説明をするのに手こず
らせたが、なんとか誤魔化して此処までやって来た次第である。
逝都と馬燈の2人は俺とは違う高校に入学している。
とはいえ、2人とも実は歌が得意な方である。
小学校の頃はよく響と未来と3人で2人の歌をよく聴いていた。
週1のペースで聴いていたぐらいだからな。
2人の歌はロックに溢れた歌を歌うので、俺はそんな2人の曲が好
きだ。
⋮と。何気に話が脱線してしまったな。戻すとしよう。
そんな2人の通っている高校はリディアンには劣るものの、それで
も屈指の名門音楽学校なのである。
此処の真上・リディアンは新しいけれど、それでも有名な音楽学校
として名を連ねている名門校である。
だけど、此処は俺以外全員女子と言うその名の通りの女子校である
︵俺が来る前まではな︶。
それに比べて2人の通っている学校は両立で、歌に関連した職業に
つける学校として常にNo.1として君臨している名門校なのであ
る。
なのでこういう他の学校の視察とかには凄く興味があったのか、リ
さん。そして藤堯さんの3人が其処にいた。
そう考えていたら、休憩室辺りで翼さんとそのマネージャーの緒川
!
432
?
ディアンに着くなり、2人は目を輝かせていたけどな⋮。
﹂
憑友に立花か﹂
﹁
?
翼さん
﹁
!
なんだろうこのスリーショット⋮微妙。
ナンノコトデショウカネ∼
ジブンハサッパリシリマセンヨ
﹁⋮なんか俺が邪魔だなぁって顔をしてるぞ、憑友﹂
﹂
﹁サァ
∼
﹂
?
痛い所を突いてきたよ、未来さん。
?
﹂
?
﹂
?
﹂
!
取り敢えず⋮
﹁威張るのはよせ﹂
ゴツンッ
﹂﹁響さん
﹂
﹁あ痛っ⁉
!
﹁立花⁉
?
その拍子で響は頭を抱え込み、
それを見た翼さんと緒川さんが響を心配している。
﹁相変わらずなんだから響も憑友も﹂
﹁相変わらずのマイペースぶりだな⋮この2人﹂
﹁こいつらは常にこんなもんだからどうしようも無いだろ
上から未来、逝都、馬燈の3人がそれぞれそう言った。
?
その後、翼さんと未来が響を介して意気投合していて、響ははぐら
うん。これだけは譲れないのだよ。如何してもな。
﹂
俺は取り敢えず少し威張っている響に空手チョップを繰り出した。
﹂
そんな未来の自己紹介にえっへんと胸を張って威張る響。
﹁私と憑友の幼馴染です
﹁初めまして。小日向未来です﹂
未来もそれに気付いたのか、自己紹介をした。
そう言って翼さんは未来を見つめる。
﹁其方の子は
ミを加えた。けど、やっぱりツッコミ役としては10点かな。
そうしていると翼さんが話を変えようとすると藤堯さんがツッコ
﹁よく無いですよ⁉
﹁⋮まぁそれは良いとして﹂
地味に痛いです。精神面が特に痛い。
うぐっ⁉
﹁じゃあどうして片言なの
?
?
433
?
?
かされた事により顔を膨らませていた。
あの後、外部協力者になった未来と逝都と馬燈の3人なんだが、実
は裏で弦十郎師匠が手を回してくれたので、頭が上がらないのであ
る。
そう言えば師匠は
﹂
と、そんな事考えていたら⋮
﹁あれ
かった。
﹁私達も探してはいるのだが⋮﹂
﹁ま、そのうちなんとかなるっしょ
!
構えてるし、馬燈は逆に疲れきってるな⋮
﹂
﹂
?
﹁あ∼ら、良いわね∼♪ガールズトーク♪﹂
﹁と言うより、普通のフレンドトークなんじゃないのか
了子さんと一緒って、珍しいですね
すると遠くから了子さんと霊風先輩がやってきた。
﹁霊風先輩
?
ま、それよりも⋮なんか1人増えてないか
﹂
﹁あ⋮あはは⋮。⋮すみません。込みいった諸事情があって⋮﹂
?
特異災害対策機動部二課へ‼
﹁⋮ま、良いか。そういう堅苦しい話は無しにして。改めて⋮
ようこそ
?
﹂
風鳴のおやっさんの代わりに俺が代わりに歓迎してやろう
くな
霊風先輩
﹂
﹁よ、宜しくお願いします﹂
﹁宜しく頼むぜ
﹁押忍﹂
!
われるだけの事はある様です。
﹁そう言えば、了子さんは大人の恋の話ってあるんですか
﹂
宜し
うん。全くブレてないや。流石﹁フレンドリーマネージャー﹂と言
!
!
翼さんも探してはいる様だけど、逝都の奴は相変わらずのんびりと
﹁お前は本当にお気楽だな⋮﹂
﹂
響 が そ の 肝 心 の 弦 十 郎 師 匠 を 探 す も 辺 り に は 弦 十 郎 師 匠 が い な
?
﹁まぁな。色々とメディカルチェック等を受けてるんだよ。
!
!
434
?
!
そう思っていたら、隣にいた響が了子さんに対してそう言い放っ
た。
﹂と言ってきた。
いきなりなんでそんな展開になるのやら。と思っていた。
有るの
すると了子さんは、﹁モチのロン
え
﹁あはは⋮﹂
﹂
﹁了子さんの恋話⁉
座の恋物語∼
⋮取り敢えず一言。
よく噛まずに言えたな⁉
早口で
多分俺の考えている事は多分違うのは百も承知だ。
﹁そうね⋮遠い昔の話になるわね。
﹂﹂
こう見えて呆れちゃうくらい一途なんだから∼﹂
﹁﹁おー
﹁意外だな﹂
﹁意外でした。櫻井女史は恋より研究一筋だと思っていました⋮
﹂
きっと、おっとりメロメロおしゃれで大人な銀
何処の怪談話だよ⋮﹂
﹁私の恋話100物語を聞いたら、夜眠れなくなるわよ∼﹂
!
!
そう考えていると、翼さんは頭に手を当てていた。
?
?
どな。
それに、女の子の恋するパワー
100物語なんて言うけれど、強ち間違ってはいないと思うしな。
﹂
﹁命短し恋せよ乙女と言うじゃない
は凄いのよ∼
!
・
・
・
・
・
・
﹁女の子ですか⋮﹂
﹁女の子ねぇ⋮﹂
キィンッ
﹂﹁なんで⋮俺だけ⋮ココ⋮なん⋮がはっ⁉
ドオンッ
﹁ぐはっ
!
﹂
うん。それはまぁ確かに嘘ではない様な気がする。多分。
!
そう言うと緒川さんは見事に顔面を裏拳でノックアウトして、
?
!
435
?
!
うん。意外だよな。でも、俺はそんな事はどうでも良かったんだけ
!
?
﹁意外だったぜ⋮﹂
!
霊風先輩は逆に男にとって大事な部分を蹴り上げられた。
この痛み分からなくは無いだろ
それを見た俺、逝都、馬燈、藤堯さんは全員彼処を隠していた。
読者諸君。特に男性諸君
﹁﹁うんうん
それで⁉
﹂﹂
﹁私が︽聖遺物︾の研究を始めたのもそもそも⋮
﹂
そう読者諸君に言っていたら、了子さんが話を戻していた。
男にとって彼処は大事な部分だ。故に悶絶し兼ねないんだぞ。
!
!
をくらわせた。
藤堯さんもそれに気付いて、
﹁緒川さん⁉
⋮困ったものだな。
末。
霊風
﹂と言っていたの
おまけにクリスも下を向いたまま一言すら話しかけてくれない始
﹁⋮﹂
フィーネからの支援金ももう無い。
を食べていたのだが、肝心の食糧がもう底をついてしまった。
あの後、行く宛の無い俺とクリスはとあるマンションの一室で料理
ーーーーーーSIDEtoロック
頭が凹むくらい拳骨をくらっていたけど⋮大丈夫なんだろうか。
それはそうと⋮2人とも大丈夫かな⋮。特に霊風先輩は⋮。
﹁いや、そもそも焦らされ多様な気がしないんだけど⋮﹂
﹁うーん。ガードは堅いか⋮﹂
﹁聞きそびれちゃったね﹂
していったのであった。
は言うまでもなく、そして了子さんは手を振りながら、来た道を逆走
?
そう言うと緒川さんの顔面に蹴りを加え、そして霊風先輩には拳骨
﹁﹁話をして来たのはどっちだよ︵ですか︶﹂﹂
﹁⋮ま、まぁ私も忙しいから。此処で油を売ってられないわ♪﹂
な。経験豊富な人から話を聞けばなんとかなるでしょうよ。
話を聞いてるじゃないか⋮。でも、やっぱりこう言う事は男は疎いし
おいおい⋮さっきから話聞いてれば、響と未来⋮完全に了子さんの
?
こう言う時に歌を歌ってやりたい気持ちも今ではすっかりその気
436
!
が起きていない。
﹁⋮あまり無理はしないで下さい﹂
⋮ありがとう。ユーリさん。
今、俺と話してるのは1人の女性。
名はユーリ・フロストル。﹃英雄﹄の1人だ。
フェイトと同じ、
︽空戦魔導師︾でもあるが、フェイトとは違う世界
の者同士の様だ。
彼女は剣を扱えると自慢げに言っていたが、アーチャーから教わっ
た俺の剣術を前に会えなく撃沈。
だが、その代わり槍を扱い方にはアーチャーよりも長けていたの
で、槍を扱う時に力を貸してくれている。
と、話が逸れてしまったな。
このままだと如何しようも無いな⋮困ったものだな。
﹂﹂﹂
ガチャッ⋮
﹁﹁﹁⁉
ドアノブの音
確かに此処は鍵が掛かっていなかったから、勝手に入ってしまった
のは否めないが、誰かが此処に来る事なんてまずありえない⋮
一体誰が
!
まさかこんなにも早く来
!
いき、そしてすぐに戻って来て報告してくれた。
⋮
﹁髪とシャツが赤で、黄色のネクタイをしている男が来てます⋮
髪とシャツが赤で、黄色のネクタイ
るとはな⋮
!
以前、クリスを助けてくれたOTONA⋮風鳴弦十郎だった。
﹁応援は連れて来てない。俺1人だ﹂
回って俺達の方に顔を向けた。
ビニール袋を持って来た男は俺達の目の前まで来ると、クルリと
と割り込んできた。
それを見たクリスは驚くと、クリスと俺の間にビニール袋がどさっ
そう言うと俺はすぐに警戒を解いた。
?
﹂
それに気付いたのか、近くにいたユーリが霊体化を使って先行して
!
!
437
?
ーーーーーーSIDEtoクリス
﹁⋮どうせならば、憑友を連れて来て欲しかったな。
あんたには多少なりとも信用しているが、憑友には劣るからな﹂
!
﹁あいつの格闘技の師匠であっても⋮揺るがない訳か⋮﹂
そう言いながら、2人だけで話をしてやがる⋮
なんだよ⋮私だけ置いてけぼりじゃねぇかよ
ふざけんな
!
彼奴の言葉に嘘ついてるかもしれないってのに
そう言うとロック義兄が毒味をして来た
何やってんだよ
!
﹁と、差し入れだ。毒なんか盛っちゃいない﹂
!
私はもうあんな所には行きたくねえよ
保護だと⋮
﹁ああ﹂
﹁⋮俺達の保護だな﹂
﹁今となっては俺だけになってしまったがな﹂
すると、いつの間にかまた2人で話をしていた。
私は渋々それを受け止り、そしてあんパンを食べた。
にやって来た。
そう言うとロック義兄は私に自分が口に入れ込んだあんパンを私
﹁⋮うん。大丈夫そうだな﹂
!
その後、国連軍の介入によって現地に囚われていた娘と息子は、2
うだが、戦火での後の行方は両者揃って不明のままだった。
それぞれ、雪音一家には1人娘が、アイル家には1人息子がいたそ
まま死亡したのが10年前。
黒鉄スチルと、アイス・アイルが同じく戦火で奇襲を受けて、その
さに正義の味方とも呼べる夫婦⋮
かつて、自分の事など後回しにして、多くの子供達を救って来たま
年前。
民救済のNGO活動にて戦火に巻き込まれて死亡したと言うのが8
﹁ヴァイオリニストの雪音雅律と、声楽家のソネット・M・ユキネが難
!
!
438
!
人だけで暮らしていた所を見つけて日本で保護した﹂
そう言うと今度は私に牛乳を渡してくる。今度はロック義兄でな
く、男が口をつけたから大丈夫だ。
それにしても、
﹁良く調べたものだな。
雪音の両親は︽シンフォギア︾装者にとっては都合がいい格好の餌
だと思っていたが⋮﹂
如何いう事だよ⋮
﹁伊達に元情報機関だと名乗ってはいないからな﹂
私のパパとママが格好の餌⁉
!
﹁それで、なんで俺の家族の事も知ってるんだ
いをし始めた。
そう言うとロック義兄は私から目を背けて、あのおっさんと話し合
聞いても反吐が出るとか言って勝手に逃げ出すしな﹂
﹁⋮クリスに関する話は此処までにしておこう。どうせ話を最後まで
﹁⋮﹂
⋮嘘だろ⋮それ⋮
重要視されてきていたんだ﹂
歌うと言う事はそれだけ歌の音程や絶対音感等、音に関するものが
﹁︽シンフォギア︾は︽歌︾を歌う事で真価を発揮する。
?
﹂
俺はクリスには勿論、クリスの両親にも一切合切話はしていないが
?
今のお前はまるで自分の両親の後を継いだ様に思えるからな﹂
﹁⋮そうか。だが、俺は両親とは違う。
俺は自分の目の前にいる者の事だけを守る事しか出来ていない。
俺は自分が3歳の頃、物心つく頃には既に両親はいなかった。
だが、両親のやっていた事は俺のかつての住む場所にあったから良
く覚えていた。
昔は誰でもよかった。誰か守れたのならそれで良かった。
けど今は違う。
今の俺はクリスを守る事だけに集中している。
439
!
﹁それに関しては、憑友が調べてくれた。
?
・
・
ナイト
クリスだけを守る騎士に﹂
ロック義兄⋮
﹁そうか。ならば俺が此処に来た目的⋮分かるか
そう言うと赤髪のおっさんがそう喋ってきた。
﹁単純明解すぎる﹂
そしてその問いの答えはロック義兄が言った。
・
﹂
話が見えすぎていると言う事なのか
・
﹁俺達を保護しにきたんだろ
﹁それが、大人としての責務だからな﹂
なんだよ、それ⋮今更過ぎるじゃねぇかよ
﹂
﹂
そして弦十郎に一礼するとそこから一気に加速してジャンプし、そ
した。
弦十郎の質問にロックは弦十郎に漸く聞けるぐらいの音量で話を
﹁俺は⋮﹂
﹁⋮君は如何するのかね﹂
それでも、クリスの事を頼みます﹂
自分の事なんか眼中に無いと思っているんでしょう。
﹁彼奴は大人嫌いな奴なんです。
それを見ていたロックは弦十郎の方を見て話をした。
ま別の場所へと向かってしまった。
クリスは聖詠を歌い、そして︽イチイバル︾を纏いながら、そのま
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
時にガラスを割って、そのまま落下し始めると同時に、
そう言うとクリスは牛乳を飲み終えるとそのまま投げ捨てると同
ーーーーーーNO SIDE
大人大人って、私達の事を何も知らない癖に
﹁クリス
‼
?
ー
してカードケースから1枚のカードを取り出して、アブソーバーに装
フォーム、ユーリ
填、そしてレバーを引いた。
ーソウル
!
するとそこからツインテールの女性が現れて、ロックはそれを纏っ
!
440
!
?
?
!
?
?
た。
ー石化の槍の、ブリューナク
ー
するとロックはそのまま空中を自由に飛び回ると、クリスの後を
追って行ってしまったのであった。
弦十郎はそんな彼らを見て何も言えなかったのであった⋮
ーーーーーー
遡る事数分前。
了子と別れた一同は弦十郎の帰りを待っていたのだが、
﹁そろそろ次の仕事の時間が迫ってきてますね﹂
緒川の言った一言で響は驚いていた。
つい最近まで身体に負担が掛かっていたのに、復帰してまだそう
経ってもい無い中でアーティスト活動に取り組んでいるのだから。
﹁あまり無茶はしないでくれよ。
奏の奴、翼の事心配していたからな﹂
﹂
﹁ありがとうございます。霊風さん﹂
⋮そうですね﹂
﹁礼を言う相手が間違って無いかい
﹁
?
に何処から取り出したのか、ステッキを持ってモグラ叩きの要領で見
事に全員の頭にクリーンヒットして、痛そうにしていたのは言うまで
も無い。
﹁⋮でも、今は慣らし運転のつもりですので﹂
﹂
﹁という事は、今までみたいな過密スケジュールじゃないんですよね
⁉
﹁え、ええ⋮﹂
すると翼の言った言葉に食いついて来た響は質問すると、翼は流石
に怯んでしまった。
﹂
それを見ながら、憑友と逝都と馬燈の3人はお茶を飲むと、
﹁だったら、デートしましょう
﹂
?
﹂﹂﹂ブシューー‼
?
﹁で、デート
﹁﹁﹁⁉
?
!
441
!
霊風と翼の会話を聞いた皆はニヤニヤしていたが、未来以外の全員
!
?
響の爆弾発言で3人はものの見事に口に含んでいたお茶を噴き零
し、そして不幸な事に、3人の目の前には霊風が居座っていて、文句
を言う前に3人の頭がまた少し凹んだ事は言うまでも無かった。
ーーー
数日後。
結果的に翼はそのデートの約束をしたのだが、
自分よりも先に逝都と馬燈が先に集合場所に集まっていたので、軽
く話をしていた。
因みに今回のデートの参加者は、
響,未来,翼の女性3人と、
憑友,逝都,馬燈の男性3人の計6人のデートである。
いや、デートでは無く、最早一種の修学旅行気分と考えても良かっ
た。
﹂と言いながらも、頬を染めてい
442
﹁それにしても⋮あの子達何してるのかしら﹂
そう言うのは翼であった。
逝都と馬燈も翼の気持ちも分かってはいた。
﹂と声が聞こえてきたので、
集合時間になっても残りの3人が来ていないのだ。
すると、漸く遠くから﹁すみませ∼ん
たのは言うまでも無かった。
遅刻した分を取り戻したいだけだ
響と憑友はそう話していると、翼が5人の方に振り返ると、
﹁誰かが
﹁うん。それだ﹂
﹁すっごく楽しみにしていた人みたい﹂
﹁⋮まるで∼えっと⋮﹂
そう言うと翼は他の5人よりも先に行こうとした。
﹁時間が勿体無いわ。急ぎましょ﹂
呼べるに相応しい程、着飾った翼がいた。
響が謝罪し、未来が説明して顔を上げると、そこには渾身の力作と
顔を向くと、響と未来と憑友の3人が漸くやってきたのだ。
!
それにしても⋮SAKIMORIイアー恐るべし⋮
!
!
それを見ていた男達は心の中で、
﹃やっぱり女の子なんだなぁ﹄と改
めて実感していたそうな。
そんなこんなでショッピングモールにて色々な事をやっていく一
同。
映画を観に行った際は逝都と馬燈が泣けるシーンのところを思い
きり寝ていたので、憑友に問答無用で目覚ましビンタを食らわせられ
たり、
試着時は皆んなでミニファッションショーを開いたりしていた。
クレーンゲームの時は響の大声がやけにうるさかったのか、憑友に
無言のチョップを貰った響がそこにいて、未来はそんな響にとってお
きの場所へと案内した。その場所は⋮
凄い
﹂
憑友の言う通り、カラオケなのである
﹁なんだか久しぶりに来たな⋮カラオケ﹂
そう
﹂
﹁うおー凄い
﹁何が
!
よ‼
﹂
﹁だってだって
トップアーティストと一緒にカラオケをしてるんだ
響がハイテンションになったので、憑友が代わりに聞いてみると、
!
﹃
﹄
それを良く良く考えてみれば確かにそうだと思っていたら、
翼は日本に住むものなら有名なトップアーティストなのだから。
響の言った事に一理あると思った憑友。
﹁言われてみればそうだな⋮﹂
!
﹁
逝都か
﹂ ﹂
?
﹂
﹁ううん﹂﹁違うよ﹂
﹁響と未来
﹁俺、まだ決めてない﹂
﹁んじゃ馬燈
﹁いや、俺じゃねぇよ﹂
?
?
443
!
!
?
?
突然演歌の歌が流れ始めた。
?
?
じゃあ一体誰がと思っていたら、翼が前に出て、皆んなの前でお辞
儀をした。
﹁一度こう言うの、やってみたかったのよね﹂
そう言うと翼は歌を歌ったのであった。
︵※此処から先は歌のタイトルが出るので、その歌を所持している人
はその歌を聴くことを推奨します。
そうでない方はそのまま先に進んでもらっても構いません。︶
︵挿入歌﹁恋の桶狭間﹂水樹奈々︶
ー歌略ー
そして翼が歌を終える頃には、皆は拍手を送っていた。
﹄
けど、それと同時に皆の心は、
﹃上手いけど、渋い⁉
と共感していたのは言うまでも無かった。
すると次はあの有名なカードゲームのEDにもなった曲が流れて
﹂
!
らも、歌を歌い始めた。
︵挿入歌﹁WakeUpYourHeart﹂ KENN︶
ー歌略ー
﹂
そして歌い上げると翼は拍手を送っていた。
﹁中々上手いな⋮
﹁いや∼ありがたいです。翼さんにお褒めの言葉を貰うとは⋮
﹁は、恥ずかし∼﹂////
た。
﹂
歌を歌い上げると、未来はそのまま席に戻って顔を手で隠してい
ー歌略ー
︵挿入歌﹁陽だまりメモリア﹂井口裕香︶
は皆んなの前で歌を歌い始めた。
すると今度はまた違った曲が流れて来た。今度は未来らしく、未来
!
!
444
?
翼さんには劣るけどやってみるぜ
﹂
次は俺だな
逝都
!
きた。
﹁お
﹁頑張れ
!
どうやら次は逝都の様で先程の翼の歌を聴いてかなり緊張しなが
!
!
如何やら、相当きている様で、流石の皆は苦笑いをしていた。勿論、
あのトップアーティストである翼でさえも。
憑友は心の中で﹁︵じゃあ、なんで歌うんだよ⋮︶﹂と思っていた。
﹂
すると今度は馬燈が代わりに前に立って歌を歌う準備をした。
﹂
﹁新曲か
俺の歌聞いてみなって
﹁まぁな
﹂
﹂
﹂
﹂
そう言うと今度は響が歌を歌い始めた
﹁勿論
﹁この曲は⋮次は響か
すると今度はまた違った曲が流れて来た。
そう言うと憑友と馬燈はジュースの入ったグラスで乾杯した。
﹁まぁな
﹁やっぱりお前らしい曲だったな
歌い終わると皆んなから拍手喝采を浴びた
ー歌略ー
︵挿入歌﹁Integrity﹂小西克幸︶
そう言うと馬燈は歌を歌い始めた⋮
!
!
すると今度は憑友にとって身に覚えのある曲が流れて来たので、憑
そして響の番が終わると響はVサインを出した。
ー歌略ー
︵挿入歌﹁サンクチュアリ・アリス﹂悠木碧︶
!
?
﹂
﹂
友が席から立ち、皆の前に出た。
﹁いよっ
﹂
﹁待ってました
﹁大本命
﹂
?
母親譲りだって言ってますけど、多分違うと思うんですよ﹂
﹁実は憑友はああ見えて、歌上手いんですよ。
をし始めた。
そんな様子を見た翼は首を傾げていると、未来が翼の隣に座って話
上から逝都,馬燈,響の発言に憑友は苛立つ。
﹁煽てるな‼
!
!
!
445
?
!
!
!
!
!
﹁そうなのか
⋮始まるな⋮﹂
﹂
あんな風に歌えるとは思ってもいなかった﹂
﹁凄いな⋮
そうして歌い終わると、翼は目を見開いていた。
ー歌略ー
︵挿入歌﹁ライバル﹂松本梨香︶
そうしていると、憑友は歌を歌い始めた。
?
⋮
﹁えっへん
!
俺また歌うの
しかも、良く聞くと、
﹁おい⁉
﹂
﹂
?
﹁シンクロ率高っ⁉
﹂
﹃だって、歌上手いんだからしょうがないよ﹄
﹁誰1人、割込予約しなかったな⁉
なんと次の曲は憑友が2曲目に選んだ曲だった
?
輩﹂
﹁ギクッ⁉
﹂松本梨香︶
⋮いつ気付いたんだ⋮﹂︵^︳^;︶
なんと憑友の隣にいたのは霊風だったのだ
﹁ショッピングモールを周っていた時からですけど何か
霊風先
?
﹁⋮なんか怪しいな⋮霊風先輩﹂
た。
そう言うと霊風は憑友に後を託して、そのまま店の外へと出て行っ
?
!
﹁あはは⋮こりゃ、緒川の所で修行のやり直しかな⋮﹂
﹂
﹁⋮だからって、こそこそしなくても良いんじゃないですか
の隣に立ちながら手洗いをしながら、隣の男に対して話をし始めた。
そして手洗い場にやって来た憑友は近くに1人の男がいたのでそ
歌っていたのだが、席を外して、手洗い場の方へと向かった。
そして無事に歌いきった憑友だが、その後も皆と一緒にカラオケを
ー歌略ー
︵挿入歌﹁OK
つつ、歌を歌った。
他の面々が歌うと思っていたのが、まさかの展開に憑友は頭を抑え
?
!
翼の発言に威張る憑友だが、次の曲が流れて来ていた。
?
!
446
!
?
憑友の呟きには誰も答えてはくれなかった⋮
447
第43話 防人の想い
早く早く∼
﹂
ーーーーーーSIDEto翼
﹁翼さ∼ん
﹁お前な⋮﹂
ていたのは正直驚いている。
﹁どうして5人はそんなにも元気なんだ
﹂
私は上にいる皆にそう聞いてみると、
﹁翼さんがへばり過ぎなんですよ
と、立花が言って、
?
と、此方は小日向が言っていた。
﹁今日は慣れない事ばかりでしたもんね﹂
!
﹂
それに対して私以外の5人はあっという間に1番上まで登りきっ
ど、流石に階段が長くて、私は直ぐにバテてしまった。
時間を見て、﹁ぜひ来て欲しい場所がある﹂と言って連れて来たけれ
カラオケに行った後、色んな所を周って来て、最後は憑友と立花が
立花と響がそう言って私の事を待っていた。
!
﹂
そして肝心の憑友はと言うと、
﹁皆、全員が同じと言う訳じゃないんですよ﹂
そう言いながら、私に手を差し伸べて来たので、私はその手を掴む
と、憑友が手を引っ張ってくれた。
あのバカ
﹁誰にだって得意不得意があるんですよ。
響は身体を動かすのが取り柄な脳筋タイプ。
未来は皆んなにとっての大事な居場所。
逝都と馬燈は、頼り甲斐のあるダチで、
俺は⋮まぁ、化け物と呼ばれても可笑しくない変な人だと思ってく
れても良いかな∼なんて﹂
448
!
俺達は日々の鍛錬を怠らないぐらいにメキメキと蓄えてますか
﹁ま
﹁おうよ
﹂
らね
!
小日向の後を続け様に浅岡と一走がそう言った。
!
!
そう言いながら、頭の後ろに手を回しながら頭を掻く憑友。
そうか⋮誰にだって、得意不得意はあるものね。
私だって、歌を歌うのはどちらかと言えば好きだけど、
整理整頓や料理はどうしても苦手だからな。
それに、防人としてこの身を剣として鍛えあげたのだが、今回の
見ろよ
﹂
デートでは何分勝手が違ったのかもしれないな。
﹁お
様々な色のコントラストが冴えていた。
すると立花がその街並みの光景に指をさした。
﹁彼処が、皆んなと待ち合わせした場所です。
﹂
皆んなと遊んだ所も、そうでない所も、ぜーんぶ
﹂
翼さんと霊風さんが救って来てる世界なんです
﹁私と霊風さんが⋮⁉
﹁そうですよ﹂
!
一緒になって救って来ていた世界なんです。
だから、知らないなんて言葉⋮言わないで下さいね♪﹂
憑友⋮ありがとう。
﹁でも、出来れば⋮奏さんにもこの光景を見せてやりたかったな∼
﹂
これから色んな出来事が起こるかもしれない⋮
それってワクワクしませんか⁉
ワクワク
﹁﹃英雄﹄達だって、大切な者がいたから、﹃英雄﹄になれたんです。
?
!
﹁翼さんや霊風さんだけではない。あのライブ会場前までは奏さんも
そう言うと私の右隣に憑友がやって来て、話を続ける。
?
!
2年前に行われた︽ツヴァイウイング︾のライブ会場が目に映った。
多くの人達が住む都市、そして⋮
そこには、海と山と、紅く染まった夕焼け空と、
の光景を見てみた。
なんなのだろうかと思っていたら、立花に連れて行かれて、私はそ
いて呼んでいた。
と、私が1番上にあった場所を見ていたら、浅岡が展望台の方を向
!
?
449
!
﹂
自分もいつか、その﹃英雄﹄達を導く師者としてではなく、
﹃英雄﹄として、呼ばれたいなぁ∼て、思ってるんです
!
﹁馬燈まで⁉
﹂
﹂
﹂
﹂
逝都
響
﹂
﹂
﹁と言う訳で、代表として響ちゃん
れ
﹁よぉ∼し
﹁って、ちょっと⋮⁉
﹂
1発ガツンとお見舞いさせてや
﹂
ってか、手を振り回しながら追いかけ
﹁翼さんのファンとして⋮1発殴られろ∼
お前は⁉
ってか、なんでさ∼⁉
﹁ジャイ○ンか⁉
てくるな∼⁉
﹂
﹃英雄﹄達を導く⋮のでは無く、自ら﹃英雄﹄として前に立ちたいか⋮
憑友らしいな。
今、笑いましたね⁉
﹁ふっ﹂
﹁あ⁉
﹁って、ちょっと待てよ
!
﹁世界中の翼ファンが黙っちゃいられないぞ∼﹂
!
﹁あぁ∼あ⋮憑友がトップアーティスト﹃風鳴翼﹄を苛めた∼
﹁す、済まない﹂
?
﹂
?
叔父様の所で修行していたのだから、大丈夫だろう。
多分か⋮。⋮まぁ、大丈夫だろうな。あの2人なら⋮
﹁大丈夫ですよ⋮多分﹂
それを遠くから見ている一走と浅岡の4人がいたが、
て逃げる憑友の様子と、
ンガンと地面にクレーターを作っていく立花と、それから必死になっ
私が目にしたのは、完全に女の子の力とは思えない程の威力で、ガ
﹁⋮本当にほっといて良いのか
そう言いながら、小日向が私の隣にやって来た。
論私も皆んないつもと変わりませんから﹂
﹁大丈夫ですよ。いつもの事ですから。響も憑友も、逝都と馬燈も、勿
あんなので良いのだろうか⋮﹂
そう言うと立花が憑友を追いかけまわしていた。
?
?
!
?
?
450
?
!
?
?
!
?
!
!
⋮色んな意味で。
でも、この景色が奏と霊風さんが見てきた世界だと。
2人と私が救ってきた世界なんだと言う事を初めて知れたのかも
しれない⋮
ーーーーーーNO SIDE
一方、憑友達の元から立ち去った霊風は二課本部へと帰ってきてい
た。
そして霊風は今、とある部屋の前にやって来ていた。
﹁⋮﹂
誰だ
﹄
コンコンッ
﹃
!
して、奏が顔を出してきた。
﹁⋮取り敢えず、待たせたな﹂
﹁お前は何処ぞの︻伝説の傭兵︼さんか
⋮取り敢えず邪魔するぞ﹂
・
・
﹂
何もしてねぇよ。強いて言うなら、此処最近本当に散らかし
?
﹁⋮そうか﹂
ていたままだったからさ。霊風が来たから慌てて片付けたんだよ﹂
﹁別に
霊風はそう質問してきた。
﹁奏。お前⋮此処で何をしていたんだ
すると、鍵をかけ終わった奏が来たので、霊風は話をし始めた。
た。
と思いつつも、ある物を見て、奏が何をしていたのかをすぐに見破っ
・
奏の部屋へと入った霊風は見た目は其れなりに綺麗にしているな
そう言うと、霊風は奏の部屋へと押しかけた。
?
そして其れが終わったと同時に、ドアがガチャリと鍵が外れる音が
らごちゃごちゃした音が流れた。
霊風に気付いたのか、奏は﹁少し時間をくれ﹂と言うと部屋の中か
そう⋮奏の部屋だった。
﹁俺だ。奏﹂
?
?
451
?
そう言うと霊風はソファに座った。
奏は一応安堵の息を心の中で零していたのは言うまでも無かった。
そして奏はソファ近くに設置してあるベッドにダイブした。
すると、霊風は先程の話の続きを言い放った⋮
﹁⋮ならさ。
・
・
・
﹂
なんで⋮デスクの引き出しの所から⋮
・
﹂
ミサンガが出っぱなしなんだ
﹁⁉
﹁⋮別に俺がとやかく言うつもりはねぇよ。
その話を聞いた奏は少し顔を俯いた。
為、自分の手元に忍ばせていたのだ。
ただその時はライブ衣装以外の物を身に付ける事が出来なかった
勿論、2年前のライブ会場の時も付けていたのだ。
ても付けていたのだ。
逆に言えば、レコーディングやライブ等、歌を歌う時は必ずと言っ
歌を歌う時以外は全くつけないようにしていたのだ。
である物として、
更に言えば、霊風お手製であった為、奏は霊風と出会ったきっかけ
そして緑が霊風の3人をイメージしたカラーリングであった。
オレンジが奏、青が翼、
その三色の色は其々、
として先程のミサンガを貰ったのだ。
実は奏は霊風と出会い、霊風から16歳の誕生日の時にプレゼント
霊風はそう言い放った。
歌を歌う時以外は全くつけないからな﹂
オだったり⋮
﹁お前、あれ付ける時はいつも、ライブ会場だったり、レコードスタジ
で編んであったミサンガが端っこだけ顔を出していた。
クの引き出しを見てみると、そこには、オレンジと青、緑の三色の糸
霊風に言われ、奏は﹃英雄石板﹄の解析装置が設置されているデス
?
寧ろ、歌って欲しいんだ。翼の為にも⋮そして、お前の為にもな﹂
452
?
﹁霊風⋮﹂
だから、その間までに歌を辞めな
﹁憑友の奴、言ってたぜ ﹃いつか自分も奏さんみたいな人の心を熱く
するアーティストになってみせる
﹂
いで下さい﹄ってな﹂
﹁
呼んでいたそうだ。
ように扱っていたと言っていたが、その存在の最期の時に﹁友達﹂と
かつてはその﹁友達﹂を自分にとって都合のいい﹁駒﹂か﹁犬﹂の
﹁友達﹂を失った者。
奴は、自分が﹃英雄﹄になる前に自身の中で唯一とも呼べる大切な
エルエルフ
そう言うとエルエルフはカードケースの中へと消えた。
﹁⋮お前に言うつもりはないからだ。其れだけは忘れるな﹂
お前のそう言う性格、俺は嫌いなんだぜ。エルエルフ。
⋮何だよ。無口のまま現れやがって。
﹁⋮﹂
の真剣さが見れてよかったよ。
最も、彼奴は元から真剣に向き合っていたけれど、今回はそれ以上
奏も、これで漸く歌と真剣に向き合ってくれるだろうな。
ーーーーーーSIDEto霊風
部屋をこっそりと抜け出して行った。
奏の様子を見た霊風は蚊帳の外になりそうだと感づくと、そのまま
いたのであった。
其れを見た奏は意を決して、自分のすべき事を成し遂げようとして
そう言いながら、奏に向かってハニカミスマイルを見せる霊風。
また聴きたいんだ﹂︵^∇^︶
﹁俺もさ。お前と翼の曲⋮
そして、そんな自分を信じてくれている人がいると言う事に。
自分はこんなにも迷惑を掛けているんだなと。
霊風の言った言葉に奏は涙を流していた。
!
?
以来、奴はその友達の事を唯一の友達として存在し続けているそう
453
!
だ。
こう言う青春ものは涙脆くて泣けるんだよな⋮︵ ; ; ︶
と、其れは良いや。
櫻井女史﹂
俺は奏の部屋を抜け出して次に向かって来たのは⋮
﹁随分と遅かったわね♪﹂
﹁⋮うるせぇな。そんな物、俺の勝手だろ
あった。
・
いつあれを動かすんだ
﹁⋮そうかよ﹂
﹁近い内にね﹂
﹁⋮で
・
﹂
そして櫻井女史の目と鼻の先には、響と憑友の写真が山程貼って
俺は櫻井女史のいる研究部屋へと足を踏み込んでいた。
?
﹁え⁉
復帰ステージですか
﹂
ーーーーーーNO SIDE
翼と奏と3人で⋮
なら、最後くらいは彼奴らと歌いたいな⋮
もうすぐ動き出すのか⋮
に置いて、そのまま部屋を後にした。
そう言うと俺は此処へ来る際に自販機で購入した缶コーヒーを机
?
通称︻アーティストフェス︼に急遽参加する事が決まったのだ
ジとなったのだ。
!
だな﹂
﹁立花にとっても辛い場所だな。憑友に至ってはあまりにも辛い場所
憑友は翼の方に目を向けると、翼は其れを察し話をした。
を見て、響も裏面のチケットを見て目を見開いていた。
そう言いながら憑友は裏面を見てみると、見た事のあるライブ会場
﹁だから、俺達にチケットを⋮
翼さん此処って⋮﹂
この︻アーティストフェス︼が翼にとってあの日以来の復帰ステー
!
かと思っていたら、翼が10日後に開催されるアーティスト達の祭典
実は翼から響と未来と憑友の3人を呼び出したので、何かあったの
学校の昼休みの時間、響はそう言った。
!
454
?
?
﹂
﹂
﹁⋮ありがとうございます翼さん﹂
﹁
﹁響
﹁響⋮﹂
翼の言った一言に、響は逆に感謝していた。
其れを聞いた残りの3人。
すると響が話をし始めた。
﹁いくら辛くても、過去は絶対に乗り越えていけます
﹁⋮そうだよな⋮
﹂
﹂
俺だって、いつまでも過去に囚われている訳じゃ無いんです
﹂
過去の積み重ねがあるから、未来への道があるんです
﹁立花⋮憑友⋮ありがとう。
私もそうありたいと思っている⋮
!
響と憑友の話を聞いた翼は自分の目標の為に、今新たな一歩を踏み
!
出した⋮
片翼でも飛べるように⋮何処までも⋮
455
!
!
!
!
?
?
第44話 逆光のフリューゲル
"
パチッ
パチッ
パチッ
何処から⋮
?
?
!
奏と一緒に何処までも歌いたい
と言う欲が。
当初の私は奏がもう歌えないと言われたショックが逆流して、自暴
いた。
それに、この日本が頻繁にノイズの被害に遭っている事は分かって
防人として生きている私だが、欲はある。
だった。
けれど、話を聞けば、私のみをスカウトしに来たという内容ばかり
彼の所にまで聞き及んでいたと言う事に当初は驚いていた。
たそうです。
グレイザー氏はあのライブ会場での悲劇の後に私の所にやってき
けど、今回も私のみをスカウトしに来たと言う事ですね。
・
私としては奏となら何処までも行きたい。
そうですか⋮
出展開を持ちかけてきた人です﹂
﹁メトロミュージックのプロデューサーです。以前、翼さんの海外進
た。
私はその人の事を知らなかったので、緒川さんが私に説明してき
そう言うと緒川さんの向いた方向に1人の男性がやって来た。
拍手の音
トニー・グレイザー氏⁉
!
﹂
﹁
パチッ
緒川さんもそう感じてくれた様だ。
結果は好調。これなら安心出来そうだ。
きた。
私は今、ライブ会場の裏手にて今回のライブのリハーサルを終えて
ええ。
﹁リハーサル、良い感じでしたね﹂
ーーーーーーSIDEto翼
"
?
?
!
"
456
!
!
"
自棄になっていた。
今思い返せば、あの頃から、歌えなくなったけれども奏にいつも心
配させられていた。もちろん霊風さんにも。
だから、それを察したのか、緒川さんがその話を何度も何度も断っ
ていたそうです。
﹂
﹁中々首を縦に振ってくれないのでね。直接交渉をしに来たのだよ﹂
﹂﹂﹂
﹁その話ちょいと待ってはくれないか
﹁﹁﹁⁉
したので、私達はその方を見るとそこには霊風さんがいた。
﹂
﹁これはこれは︽フレンドリーマネージャー︾の精妖霊風では無いか
今日はまたどんな内容で
?
そう思っていると、グレイザー氏が話をしていると別の方から声が
?
これだけは言わせろ。
如何言う事なんだ
今日のライブであんたの考えは変わるぜ
﹂と言って、そのまま私
?
!
一体如何言う事なんだろう
今日のライブで、グレイザー氏の考えが変わる
達から立ち去った。
﹂
﹁そいつの人生のレールを踏みにじる様な事はしたくは無いけどな⋮
?
そう考えてると、霊風さんは﹁じゃあな
?
先程の質問の答えは聞かせてくれるかい
﹂
﹁そうですか。では良い返事を期待しているよ﹂
私の答えは其れしか思い浮かべなかった。
﹁⋮やはり霊風さんと同じで、今回のライブ会場を見ない限りは﹂
?
⋮
そう言うとグレイザー氏は私と緒川さんの元から離れて立ち去っ
prrrrrr
こんな時に
!
た。
電話
prrrrrr
?
!
私はすかさず電話をかけた。
そして私はその相手を確認すると、﹃奏﹄と書かれていた。
?
457
?
﹁⋮さて。彼の言ってた事はこの際、少し外そう。
?
?
?
?
﹁もしもし奏
如何かしたの
﹃ごめんな。翼﹄
﹁ううん。大丈夫だよ﹂
﹂
﹃堅苦しいのは嫌いだって前に言ったよな
﹁う、うん⋮﹂
?
なかった⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
﹁折角チケット貰ったのに、開演に遅れちゃう∼⁉
﹂
その際に、隣の控室に明かりが灯してあった事をこの時の私は知ら
そう思いながら、私はライブの準備をする為に控室に行った。
私にとっても、奏は私にとって大事な片翼だから⋮
ずっと隣にいる⋮か。
ませたのか、すぐに電話をきった。
そう言うと奏は如何やら本当に外せない用事だった様で、用件を済
﹁⋮ありがとう。奏﹂
﹃私はいつだって翼の隣にいる事を忘れるなよ﹄
奏はそう話をすると、こう纏めた。
﹄
だから、今の私を間近で見て貰いたかったのだが⋮
奏にはいつも甘えてきたから。
其れは奏が今回のライブ会場に来れなくなったと言う事だった。
﹁⋮そう⋮なんだ⋮﹂
﹃悪いな、翼。今回のお前の﹃復帰ステージ﹄来れなくなった﹄
?
理由か
響の居残りだ。
俺は今、猛スピードで走っていた。
﹁未来と逝都と馬燈の3人を先に行かせて正解だったよ⋮ったく﹂
?
と先に席の確保をお願いさせた。
あのチケットには俺の方には3枚渡されたのだが、翼さん曰く﹁一
走と浅岡の分だ。2人にも是非聴いて欲しいんだ﹂と言う想いがあっ
たので、その日の帰りに出会って、2人に手渡したんだ。
その時の2人は凄く喜んでいた。
458
?
今回はライブがあったから、未来には先に到着している逝都と馬燈
?
﹂
ノイズ
﹂
⋮
﹄
弦十郎師匠。そんなに慌てて
師匠
﹂
﹃これから翼と霊風にも連絡を﹄
﹁待って下さい
響
!
そう言うお人好し⋮嫌いじゃないぜ。
⋮変わってないな。響は。
﹂
あの会場で、最後の最後まで歌いきって欲しいんです⋮
翼さんは自分の戦いに臨んで欲しいんです。
﹁現場には私と憑友の2人でお願いします。
!
﹁俺からもお願いします。弦十郎師匠
﹂
何せ、ステージを真近で見られる特等席だそうだからな。
誰からだ
⋮pirrrr
なんて、そう考えてると、
pirrrr
こんな時に電話
﹄
そう思い電話をかけると、
﹃憑友か
﹁如何したんですか
﹁
﹁え⁉
﹃ノイズの出現パターンを検知した
?
声を聞く限り、弦十郎師匠だな。
?
!
それを近くで聞いた響は電話で二課へとアクセスした。
?
?
!
!
!
です⋮
﹂
には藤堯が教える
身した。
ライドさん
では参ろうか
﹁行くぜ
﹃OK
﹂
!
!
!
そう言うと俺と響は人目のつかない所まで行き、そしてそれぞれ変
﹄
無茶はするなよ
﹂﹂
!
﹁﹁了解
!
﹃⋮分かった。2人の事を尊重しよう。座標は響君には友里が、憑友
!
!
!
459
?
?
翼さんにとってはこの日が思い入れのあるライブにして欲しいん
!
!
!
AreYouReady
﹁変身
﹂
﹄
て装填し、レバーを引いた。
そう言うと俺はこの間の石板で解析した新たなカードを取り出し
!
n⋮﹂
ーライド
ー
フォーム、イッキ
最弱にして、無冠の剣王
!
‼
﹂
フルドライブ
一刀修羅
﹃ライド・イッキ
﹁全開放
?
﹄
!
その手を掴む。そして、一気に跳んだ
た
俺達の楽しみを壊した罪⋮贖って貰うぞ
ーーーーーーSIDEto未来
ノイズ共
!
ビルの屋上へと着地するやそこから一気にノイズの方へと向かっ
!
そのまま俺は︽シンフォギア︾を纏った響に手を差し伸べると響が
そう言うと俺の周りが一気に変わった。
!"
!
俺はそれを纏うと一気にアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
そして響も聖詠を歌った。
の好青年が現れて、俺はそれを纏った。
するとアブソーバーから黒い刀を持った少し茶髪が交じった黒髪
!
場に足を運んで、1番良く見える席に座っていた。
けれど、流石の私も緊張しちゃって。
それに気付いた2人が、
﹁此処は俺達が確保してくから、今の内に手
洗い済ませて来いよ﹂と言ってきたので、私は2人の言葉に甘えてそ
して手洗い場へとやって来ていた。
奏さん
﹂
するとそこで出会ったのは⋮
﹁⋮
﹁﹂ドキッ⁉
?
?
?
460
"
!
ライブ会場で逝都と馬燈の2人と出会った私はそのままライブ会
!
!
なんと奏さんだった。なんでこんな所に
﹁あ∼あはは⋮﹂
なんとか誤魔化そうとしているのを見ると、何か隠しているみたい
です。
なので、私は﹁誰にも言いませんよ。もちろん翼さんにも﹂と言う
と、呆気に取られた様な顔を見せると、そのまま話をしてきた。
﹁私⋮翼のお荷物になってるんじゃあないかなって思ってな。
彼 奴 の た め に も と 思 っ て い た ん だ け ど ⋮ や っ ぱ り 翼 の 事 を 良 く
知ってるのは私だけなんだと思ったんだ。
でも⋮﹂
﹂
﹁大丈夫ですよ﹂
﹁え
だって⋮
﹁翼さんの事を真近で見て来たんですよね。
だったら、翼さんの心の拠り所になれば良いんですから﹂
﹁⋮そんなものなのか⋮﹂
﹁そんなものですよ﹂
私だって、私を拠り所にしている響と憑友がいて、私もそんな2人
を心の拠り所としているんですから。
﹁⋮そっか。ありがとな。小日向ちゃん﹂
﹁未来で良いですよ﹂
﹁それなら、私の事も奏って呼んでくれよ。
でも、本当にありがとな。おかげで肩の荷が下りた様な気がしてき
たよ﹂
そうですか⋮よかった。
そう考えてると外から歓声が上がってきていた。
﹁そろそろ翼の出番だな。
﹂
彼奴を応援してくれよな﹂
﹁⋮はい
その時、私は奏さんの格好を改めて見た。
そう言うと奏さんが手洗い場から立ち去っていった。
!
461
?
そこにはローブで隠していたとは言え、今日翼さんが着る予定の服
装のオレンジ版で、鏡で反転したかの様な格好をしていた。
頑張って下さい。奏さん
げていた。
何故ならステージ上にて風鳴翼が現れたからだ。
それを見た観客達のテンションはヒートアップしていた
﹂
﹂
そんな歓声の中、未来は如何にか席に戻ってこれた。
﹁遅かったな
﹁何か問題があったのか
﹁ううん。けど、響と憑友、間に合わなかったね﹂
﹂
そう言いながら、未来は隣空いた2つの席を見ていた。
﹂
響と憑友が座る予定の席だった。
﹁なら、彼奴らの分まで騒ごうぜ
﹁お前らしいったらありゃしないな⋮
そんな心のこもった歌声を聞いた皆は知らない。自分の想いなど。
であると。
絶望に染まっても、それは自分にとっては希望であり、心の拠り所
しない⋮
例え、片翼をもがれても、それでももう片翼を切り落とす様な事は
翼は今の自分の気持ちをありのままの感情に流して。
その歌を聞いた皆はテンションが更にヒートアップしていた。
︵挿入歌﹁FRIGHT FEATHERS﹂水樹奈々︶
そして翼はと言うと、観客に新曲を披露した。
ブを観ることにした。
未来はそんな2人を見ながらもそれもそうだと腹を括り、翼のライ
﹁もう⋮﹂
そう言うと2人はすぐにライブの盛り上がりの波に入った。
!
!
!
そしてライブ会場では会場のオーディエンス達が黄色い歓声を上
ーーーーーーNO SIDE
!
だけど、其れを聴いて心の底から思ってる人にその歌が届けたら⋮
と、翼はそう思った。
462
?
?
﹂
今日は皆んなの前で歌を歌えて本当に気持ちよかっ
そして歌が歌い終わり、翼は観客の皆に自分のありのままの事を伝
えた。
﹂
﹁ありがとう皆
た
﹂
﹄
こんなにも歌が好きなんだって⋮
﹁こんな想いは久しぶり⋮忘れていた。
けど、思い出した⋮
﹁え
﹃ならば、その歌でこの俺を感化させてみろ
!
唯一の光が観客達のペンライトだけとなっていた。
﹂
お前の歌を聞いてやろうではないか
!
﹁これは⋮一体⋮
めた⋮
するとそのオブジェクトの真上に誰かがいた。
﹃我は数多の次元を飛び越え、両翼が奏し歌に惚れた者。
レフ・スピリットなり
﹄
ならばこそ、その内の片翼をもぎ取る事も厭わない⋮
我が名はレフ
﹁⁉
この声⋮﹂
﹃ちょいと待ちな
﹄
するとそんな男に対して、
なんとそこには不気味な仮面を被った男がそこにいた
!
すると謎の存在はそのままライブ会場内へとダイブした
﹂
の隣に降り立った。
﹁
するとローブを纏った謎の存在がすかさずそのローブを外した
そして翼は目を見開いた⋮
!
!
そしてそこからワイヤーアクションでくるくると回転しながら、翼
!
そこにはローブを纏っていて、顔を隠した謎の存在がいた。
すると男が見た方向にライトが照らされた。
!
するとライブの中央地点のオブジェクトがカラフルな虹を描き始
!
?
﹃ならば、この俺が
﹄
すると突然、ライブ会場の中央から徐々に光が消えていき、
!
!
!
!
!
!
﹃ほう⋮来たか。もう1人の片翼よ﹄
?
463
?
!
!
!
﹂
﹃両翼の歌が聞きたいなら聴かせてやる⋮
風鳴翼と⋮
天羽奏と言う⋮
︽ツヴァイウイング︾の歌をな
!
!
それは翼にとってはかけがえのない存在、
464
天羽奏がそこにいた
!
第45話 両翼を導く風
謎の男、レフ・スピリットの出現と消息不明だった︽ツヴァイウイ
ング︾の片翼、天羽奏のサプライズ登場に会場は一気にざわつき始め
た。
翼はピンマイクとマイクの電源を落として、奏に色々と質問した。
﹂
因みに奏はピンマイクを装着していないので、マイクの電源だけ落
とした。
﹁なんで奏が此処に⁉
﹂
﹂
?
﹁霊風さんも⋮⁉
﹂
﹃もう良いか。流石に苛立って来たぞ
﹄
﹃お前と翼の歌、2人が一緒に歌う所をまた聴きたい﹄ってな﹂
﹁それに霊風にも言われたんだ。
﹁立花と憑友が⋮﹂
そう言う感情を出してくれた憑友と響には感謝しないとな﹂
この歌で、たくさんの人を救いたいって。
歌を歌いたい。
けど、彼奴らに逆に励まされちゃったんだ。
﹁私は今のままで良いと思ってた。
そう言うと奏が説明に入った。
﹁え
﹁憑友とその友達のおかげさ﹂
﹁今迄拒絶反応があったんじゃ⋮⁉
﹁そんなのは決まってる。私も歌を歌いたいからさ﹂
?
﹁厨二病
何かの病気なの
﹂
﹁あれ、霊風なんだけど⋮彼奴、厨二病なんだよな⋮﹂︵│。│;
すると奏は翼の耳元で呟いた。
そう言うと翼と奏は中央にいたレフ・スピリットに顔を向けた。
!
?
?
﹃この肉体はあの︽フレンドリーマネージャー︾と呼ばれている男、精
奏がそう言っていると、
﹁あ、いやそうじゃなくて⋮﹂
?
465
?
妖霊風の身体を乗っ取っている。だが、お前達2人の歌を聴けたな
⋮うん
﹂
﹄
﹂
ら、私はすぐにこの男の身体からすぐに立ち去り、そして成仏してや
ろうではないか
完全に役にハマっている霊風がそこにいた。
それを見た奏は溜め息を零しながら呆れていた。
﹂
﹁兎に角、私達の歌を聴かせればそれで良いから﹂
﹁ど、如何やって⁉
﹁大丈夫さ⋮私と翼。
?
両翼揃った︽ツヴァイウイング︾は何処までも飛べるだろ
﹁
?
!
﹂
に言われたんだ⋮
﹃貴方が歌ってくれていた方が良い﹄って。
﹃その方が、あの子の為にもなるから﹄と言って来た。
﹂
だから、私はその言葉を聞いて、私はその子の為に歌う事にした
こんな私だけど、赦してはくれないだろうか⁉
奏の話を聞いた皆は沈黙が続いていく。
しかし、1人の拍手が聞こえて来た。
が多くなり、終いには
それを境に、1人、2人、4人、8人と、徐々にその拍手をする人
?
!
﹁だけど、私はそのファンの親友と名乗る女の子と、そのファンの家族
剣に話を聞いていた。
観客にいた未来,逝都,馬燈の3人はその事情を知っていたので、真
それを聞いた皆は驚きを隠せなかった。
なかった⋮
私はその後悔の念に囚われて、今の今までマイクを持つ事すら出来
けど、それを代償にそのファンはこの世から逝ってしまった⋮
﹁私は2年前のあの日、自分のファンの1人によって命を救われた。
を話し始めた。
そして奏は自分が如何して今の今まで表舞台から姿を消したのか
かけた。
そう言うと2人はマイクの電源を付けて、マイク越しに観客に話し
!
!
466
!
﹁お帰りなさい
奏さん
﹂
︶﹄
!
﹃︵さぁ⋮ショータイムだ
く歌を歌ってくれ給え
が流れてきたのだ
﹂
この曲って⋮
間違いない
﹁おい⁉
﹁ああ
︶さぁ
﹂
逆光のフリューゲル
﹂
この歓声の中で、この俺の心に響
﹄
⋮翼と奏、
︽ツヴァイウイング︾の代
て、マイクを握って、歌い出した
曲名は
表曲であった⋮
"
﹂
にヒートアップしていた
﹁
﹃︵お前らはやっぱり2人で一緒に飛ばないと意味がないんだよ。
その歌を聴く霊風は、
から。
これ程までに観客と一体となったライブを見た事が無かったのだ
それを見ていたトニー・グレイザーは驚きを隠せなかった。
!
そして会場のオーディエンス達が曲を聞き始めるや、其処から一気
︵挿入歌﹁逆光のフリューゲル﹂ツヴァイウイング︶
!
!
そして奏と翼の2人はその曲を聞いて、顔をあわせると頷きそし
かがわかり、未来は目を輝かしていた。
逝都と馬燈の2人はこの曲のイントロを聞いて、すぐにこの曲が何
!
!
!
するとそこから2人にとっても、観客の人達にとっても懐かしい曲
その2つの︽ウイング︾で、この俺の心を響かせてくれ
風が鳴りし翼と天へと奏でる羽よ
!
そう言うと霊風は手元に持っているスイッチを押した⋮
!
!
レフ・スピリットになりきっていた霊風は心の中でそう呟いた。
れている人が居るのだから⋮
﹃︵奏⋮お前には居場所があるんだ。こんなにもお前の事を待ってく
それを聞いた奏からは涙が溢れてきていた。
と、奏を歓迎する声が聞こえて来たのだ。
﹁貴方と翼さんの歌をもう一度聴かせて‼
!
!
!
!
?
"
467
?
!
!
!
俺はお前達を支えてきたのは何故か分かるか
︶﹄
!
﹁皆んな
ありがとう
皆んなのおかげで、あのレフ・スピリットとか
ぐに仮面やローブを外して、ステージの上に戻って来た。
そして歌が終わったと同時に、霊風はそのまま闇夜に紛れると、す
間の流れはあっという間だった。
そう心の中で呟いていると、あっという間に歌が終わっていた。時
お前達は2人揃って︽ツヴァイウイング︾なんだぜ
だから、俺はお前達の事を献身的にサポートしてきたんだ⋮
俺はお前ら︽ツヴァイウイング︾のファンだからさ。
?
﹂
?
﹂
﹂
﹁霊風様ーー
﹁兄貴ーー
するとそこから観客から
そう言いながら霊風は会場の観客達に手を振る。
エンス達の応援で起きた奇跡にありがとう‼
これも︽ツヴァイウイング︾の歌と、そして何よりも観客のオーディ
言う奴は俺の身体から抜け出て、そのまま成仏していった
!
﹂
﹁お詫びも兼ねて
ぜ
この俺からお前達に熱い歌をプレゼントしてやる
すると霊風は手元のスイッチを押した。
その一言に会場が揺れるほどの大盛況を見せた
!
tion︶
霊風の歌を聴いた皆は先程までの応援を遥かに越すテンションを
上げて、ライブ会場全体を揺らす程にまで、ヒートアップした
!
そして霊風は歌いながらステージ上へと上がり、そしてステージで
2分も満たない内に歌いきってしまった。
アンコール
﹂
それでも、観客達のテンションは上がり、終いには
﹁アンコール
!
﹁良いね良いね∼
そうこなくちゃ
!
観客達からのアンコール節が炸裂した。
!
!
468
!
!
と、黄色い歓声が上がっていた。
!
!
︵挿入歌﹁ignitedーイグナイテッドー﹂T.M.Revolu
!
!
じゃあ、アンコールは特別な歌を聴かせてやるぜ
今夜限りのタッグ
妖霊風のコラボソング⋮聴かせてやるぜーー‼
﹂
霊風の一言で観客達は最高潮に高まっていた
もしかしたら、
︽ツヴァイウイング︾とこの俺、
︽フレンドリーマネージャー︾こと精
!
﹁憶えてるか⋮
3人。
﹃ふぅ∼
今日も絶好調だったな
﹃ちょっ⁉
奏
﹄
﹄
!
何の歌なんだ、霊風
﹃♪∼♪∼♪∼﹄
﹃
それは霊風であった。
あぁ⋮
?
どんな人なんだ
?
歌を歌っていたんだ﹄
﹃へぇ∼⋮
﹄﹄
﹃⋮居ないよ﹄
!
霊風の衝撃発言で2人は驚愕していた。
﹃﹃え
﹄
その人は、様々な歌を歌っていながら、喜怒哀楽を表現したような
俺がいた世界で俺が特に好きだった歌手の歌なんだ⋮
﹃ん
﹄
するとそんな2人の近くで鼻歌を歌っている存在がいた。
相も変わらず2人はいつも通りの展開となっていた。
?
﹃つれないな∼翼∼﹄
﹃うん。そうだね﹄
!
その日も無事にアーティスト活動と共にノイズの掃討もし終えた
ー回想ー
そう言うと、3人はその時の出来事を思い返した。
俺と出会って、ある程度余裕が出来た時の事を⋮﹂
?
すると霊風がマイクの電源を切って、2人に話をした。
何せ、急に3人で歌える曲など作ってもいないから。
だが、急な展開に奏と翼は困惑していた。
?
?
?
469
!
!
?
当然だ⋮霊風は元を正せばこの世界の人間では無い。
以前、霊風の話をしたが、霊風は転生者︽リターナー︾である。
故に前世の記憶を持っており、その時の記憶からその歌手の歌を
歌ってみせたのだから。
だが、霊風が転生者である事をこの時の奏と翼は知らない。
もちろん、現在ライブ会場にいる今の2人にも未だに明かしていな
い。
﹄
なので、その歌の持ち主がいないと言う事実を霊風は正直に言った
だけなのである。
その話を一部抜粋して本当なら霊風は話した。
﹄
﹃ならさ⋮あたいと翼と霊風。3人の組曲作ろうぜ
﹃え⁉
﹄
すると突然、奏の口から発した言葉に霊風は驚いていた。
!
﹁そのまさかさ
﹂
それを察した霊風は、
その思い出を思い出した2人はまさかと目を合わせた。
ー回想endー
⋮
う事が出来なくなり、その歌詞は御蔵入りとなってしまったのだった
そしてその負の感情に呑まれた奏はマイクを握る事は勿論、歌を歌
りに憑友が死に、
奏が﹃絶唱﹄を放って、虫の息となった所を憑友によって蘇る代わ
だが、結果的にノイズがそのライブ会場を襲撃、
目しようとしていたのだ。
そしてそれを本当ならあの日⋮2年前のライブ会場で皆にお披露
に完了した。
そして数ヶ月かけてようやく完成し、歌に必要な音色や音程も無事
こうして3人は暇を見つけてはその歌の歌詞作りに翻弄した。
!
翼の方も、うんうんと首を縦に振っていた。
やってやろうじゃねぇかよ
﹃⋮しゃあねぇな⋮
!
﹄
﹃そうこなくちゃな
!
!
470
?
と言うと手元のスイッチを押した
歌った
︵挿入歌﹃Preserverd Roses﹄
T.M.Revolution&水樹奈々&高山みなみver.︶
3人の歌声が聞こえてくると、会場のテンションは大きく響いた
が出来るかもしれないほどの黄色い歓声が飛び交っていた
に紙吹雪が舞った
そして歌のサビ部分に入ると、中央のオブジェから大量の火花と共
!
まるでその歌声だけで、今自分達がいるライブ会場を崩壊させる事
!
風も同様にマイクに電源を入れると、2人の間に割り込み、そして
そしてそのイントロを聴いた2人はすぐにマイクの電源を入れ、霊
始めた
すると会場のライトが彩りの色を見せながら独特のリズムを発し
!
﹂
﹂
﹂
﹂と声が聞こえ、振り返るとそ
!
イザーはこう語った。
﹁私の目は如何やら節穴の様だ。
みす逃すとはな⋮
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
こ ん な に も 観 客 達 の 心 を 鷲 掴 み に す る アーティストデュオ を み す
・
その言葉の真意を聞こうとすると、それを察したのかトニー・グレ
だ﹂
﹁君か。今夜は早々にこの場から離れて、準備をしないといけないの
こには翼のマネージャーの緒川がいた。
するとそこへ﹁Mr.グレイザー
そして、ライブ会場を後にしようとしていたトニー・グレイザー。
ーーーーーー
そう言うと今回のライブは大成功を納めたのであった。
?
のであった。
﹁サンキュー
﹁皆んな、ありがとう
!
﹁皆んなの応援を、これからもよろしく頼むぜ∼‼
!
そして歌はラストを歌い上げ、あっと言う間に歌いきってしまった
!
!
471
!
!
﹁‼
・
それって⋮﹂
・
﹁2人の為の準備をしなくてはな⋮
﹂
そう。トニー氏は今までの自分の方針を変える一言だった⋮
今までは翼ばかりにスカウトしてきたが、このライブにより、奏も
一緒に面倒を見ると言って来たのだ
します
﹂と深々とお辞儀をし、トニー氏は最後に﹁︽フレンドリーマ
それを聞いた緒川は、﹁ツヴァイウイングの2人を⋮宜しくお願い
!
?
2人の︽シンフォギア装者︾と、同じく2人の︽精魂導師︾が、ノ
クリスとロック。
そこには、響と憑友と⋮
さて、時を遡る事数十分前の出来事へと戻ろう。
ーーーーーー
を後にしたのだった。
ネージャー︾にもそう伝えておいてくれ﹂と言うと、そのライブ会場
!
イズ達と激闘を繰り広げていた⋮‼
472
!
!
?
第45.5話 赤と紅と橙と青/4人の共闘
翼と奏、そして霊風のライブが開催されていた時、
憑友と響はノイズの発生場所へと移動していた。
このー‼
﹂
そのノイズの場所では、
﹁くっ
﹁魔神剣
魔神剣・双牙
﹂
!
フルドライブ
﹄
!
奥義
!
けて薙ぎ払った
塵も残さん
﹁
?
かった
﹁きゃあ
﹂
クリス⁉
?
!
いた
﹂
そしてノイズがクリスに弾丸を放った
﹁っ⁉
﹂
絶対絶命のその時だった
﹁たぁぁ‼
響がクリスに襲いかかろうとした弾丸を倒した。
?
!
?
!
助けに行こうにも、他のノイズに邪魔されて、ロックは焦り始めた
!
大型のタンク型ノイズの攻撃を喰らい、クリスが絶対絶命になって
﹁⁉
﹂
そうしていると、
!
そして薙ぎ払った場所にノイズはいなかったが、それでも数が多
﹂
‼
" !" !
エ︾と︽短刀・滅鬼丸︾から紫の炎が現れ、そしてそれをノイズに向
するとロックが所持していたリオンの武器、︽湾曲剣・シャルティ
﹃ソウル・リオン
するとロックはすかさずドライブボタンを叩いた
た
﹃英雄﹄リオン・マグナスの魂を纏ったロックがノイズ達を殲滅してい
!
ガトリングで攻撃を繰り出しているクリスと、
!
浄破滅焦闇
"
?
473
?
!
!
!
"
!
そして着地と同時に、ガントレット状にしているパワージャッキを
伸ばして、高速移動しながら、ジグザグ走行した響。
するとそこから一気にノイズが殲滅していた
﹂
﹁大丈夫か⁉
﹂
今度は憑友がロックを助けたのだった
﹁そぉらぁ
襲をしようとしていた事に気付いた。と同時に、
其れを見たロックは呆気に取られていると、真後ろからノイズが奇
!
﹁
﹂
⋮うん
助かった
﹂
﹁憑友⋮共に戦うぞ﹂
﹂
ロック
﹂
﹂
ー
ー
ぞれのアブソーバーに装填し、レバーを引いた
フォーム、ナノハ
ーライド
フォーム、フェイト
ーソウル
!
雷光一閃
ー
ー
そして俺たちはそれぞれの魂を纏った
!
ー不屈の心、エース・オブ・エース
ー疾風迅雷
!
!
フェイトさんが現れた。
!
﹂
フェイトちゃん
!
﹁なのは
﹁やっちゃおう
﹂
そして俺たちが纏うと俺の右隣になのはさんが、ロックの左隣に
!
!
!
!
ロックはなのはさんの親友、フェイトのカードを取り出して、それ
そう言うと俺はなのはさんのカードを、
﹁元からそのつもりだぜ
!
!
﹁これで貸し借りは無しだからな
と、響が危ないと思ったが、クリスが助けてくれた
﹁⁉
と、そんな事言ってる場合じゃねえな。
なんとか間に合ったか。
﹁済まない⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
?
!
!
!
!
!
!
474
!
!
!
?
あっちは大丈夫そうだな。
!
﹁うん
﹂
﹂
シュート‼
﹂
そう言うと姿を消して、俺達は共に空から攻撃を仕掛けた
アクセルシューター
﹁
‼
?
"
?
しかもこの通信音は確か⋮
pipipipi
こんな時に通信
!
﹁セレナ義姉さん
何か用かな
﹂
うん、本当に久しぶりだね。
?
押してダメなら引いてみるか
成る程な。
けど、相手の装甲は付け焼刃だと簡単に折れるわ﹄
幸い皆同じ場所にあるから1人でも取り出せるわ。
3枚確認されたわ。
﹃実は今目の前にいるノイズなんだけど、そいつの中に﹃英雄石板﹄が
?
!
俺とロックの行動は流石と言えるべきだな。
"
?
pipipipi
ん
﹂
﹁もしもし
?
久しぶり﹄
﹃あ、憑友
!
そう言うと俺は通信を掛けた。
?
!
!
プラズマランサー
﹁
"
﹂
?
だ。
﹁なら、同時にやれば良いんだな
﹂
俺の一言にロックは首を傾げるも、すぐにその意図が分かったよう
それさえ分かればなんとかなるんじゃないのか
﹁俺とロック⋮俺達が今なっている﹃英雄﹄が何者なのか。
ロックの言う通り、そう簡単にはいかないさ⋮けど、
に特攻して、石板を引き抜くという荒くれた内容だ。
内容は2人で同じ場所をピンポイントで狙って、そして俺がその際
⋮出来るのか。そんな事⋮﹂
﹁2人で一点突破をするだと⋮⁉
た。
そう言うと俺はセレナ義姉さんとの通信をきって、ロックと話をし
!
?
?
475
"
ああ
﹁やってくれるか
﹁フッ⋮当然だ﹂
﹂
﹂﹂
ノイズに照準を構える⋮
﹂
そして、
﹁行くぜ
﹁これが俺達の⋮﹂
﹁﹁ダブルブレイクだ
いた
﹃ライド・ナノハ
﹄
﹄
﹃﹃デュアル・フルドライブ‼
﹃ソウル・フェイト
!
を開始、
そして両方同時に放った⋮
﹄﹄
なのはさんとフェイトさんのコンビネーション魔法を⋮
﹄
﹃全力全開‼
した⋮
﹁中距離殲滅
﹂
﹂
ブラスト・カラミティ
﹁コンビネーション魔法
﹁﹁
‼
﹂﹂
?
!
!
そしてよく見ると、そこに3枚の﹃英雄石板﹄があった。
ズはその身体に風穴が出来た。
そうすると範囲内の雑魚ノイズ達はその光で一掃され、特異型ノイ
"
するとなのはさんとフェイトさんの声がアブソーバーを介して発
﹄
﹃疾風迅雷‼
?
!
そう言うとアブソーバーを離して、すかさず俺とロックはチャージ
?
け、そして俺はライドさんの、ロックはソウルのドライブボタンを叩
を向けるとそれぞれの左腕に装着されているアブソーバーをくっつ
そう言うと俺はノイズの方に顔を向け、ロックはそれに対して背中
!
そう言うと俺とロックは共に上空に上がると、相対していた特異型
そうこなくちゃな
?
!
!
!
476
!
!
!
!
?
"
俺はすかさずそれの回収に成功した。
如何言うつもりだ
﹂
その内の一枚をロックに渡した。
﹁
さて、残りをやっちゃいますか
話がわかる奴は嫌いじゃないぜ
ソーバーに装填、そしてレバーを引いた
ー
!
ー幾多の冒険、黄金コンビ
クはその青年の魂を纏った⋮
!
!
ボールのような形になっていた。
そしてそのボールには数字が書かれていた。
ー
俺はすかさずその項目の中から﹃⑥﹄のパネルボタンを押した
ーカロス・スタイル
すると俺が纏っているサトシさんの服装が青色に変わった
﹁ッチャブルォ‼
﹂
そして現れたのは、
ル︼を投げた
そして俺はすかさず腰についてるボール⋮︻通称 モンスターボー
!
!
!
そこには6つの項目があり、それぞれサトシさんが腰につけている
すると俺はすかさずアブソーバーにパネルにある項目を見た。
ー
ー
ー絆、最強、進化を超えろ
!
を帯びたオレンジ色のドラゴンが現れ、俺はサトシさんの方を、ロッ
ロックの方からは青い炎のようなマフラーを羽織った青年と赤み
が現れ、
そう言うと俺のアブソーバーからサトシさんと相棒のピカチュウ
フォーム、サトシ&ピカチュウ
ーライド
フォーム、アラン&リザードン
!
ー
ーソウル
!
!
そう言うと俺とロックは新たなカードを取り出して、それをアブ
!
そう言うと俺の思考を察知したのか、ロックが頷いた。
!
⋮何だよ。なんかあんまりしっくり来ないな⋮。お前の口調⋮。
﹁⋮お言葉に甘える﹂
﹁お礼なんだから、受け取れよ﹂
?
!
!
?
477
?
覆面を被っているプロレスラーのような姿をした存在だった⋮
すると俺の隣からサトシさんが半透明の姿で現れた。
﹁彼奴はルチャブル。格闘技が得意なポケモンだ
!
﹂
戦略だから、俺達トレーナーは戦闘力が皆無だから気をつけてくれよ
俺達ポケモントレーナーはポケモンを使ってバトルするのが基本
!
了解
そう言うと俺はそのルチャブルと言うポケモンに指示を出す事に
した。
⋮でも、如何やって
﹁こう使うんだ﹂
ソーバーに4つのボタンが現れた⋮
﹁成る程⋮サンキュー
﹂
そうとなれば、話が早い
よく見れば、下に別の形のボタンがあるけど⋮
4つのパネルボタンが表示された
ん
﹂
事が出来るんだ﹂
﹁へぇ∼
面白いな⋮
!
!
!
﹁一気に決めるぞ
﹂
の能力があるんだ。効果はスタイルに合わせたポケモンを使用する
俺の場合はそれを使えば、俺のスタイルが変わるスタイルチェンジ
?
!
俺はすかさずルチャブルにレーダーを照射、そしてアブソーバーに
!
なっているから、それを見て参考にしろ﹂
技名は先程スキャニングした時にアブソーバーに表示される様に
﹁ポケモン達の指示する際は技名を言わなければならない。
!
外線レーダーを照射すると、そこから瞬時に読み取り、そしてアブ
するとロックはそのドラゴンにアブソーバーに搭載されている赤
ドラゴンーーリザードンと言うらしいーーと一緒だった。
すると近くにロックが来た。隣には先程の青年の魂と共に現れた
?
!
﹁これは一部のトレーナーにしか無い能力なんだ。
?
478
!
!
‼
﹂
?
﹂
‼
﹂と言うとすかさ
するとロックがそう言って来たので、俺は﹁応
﹂
﹂
ドラゴンクロー
フライングプレス
ずパネルボタンを見て、そして技名を言い放った
﹁ルチャブル
﹁リザードン
﹁チャブーー‼
﹁ヴォォォォォンッ‼
?
と思っていたら、
を切り裂いた
そう言うとリザードンは腕の爪から緑色の発光体を纏って、ノイズ
"
フライングボディプレス
にも似た技をお見舞いした
"
ありえないぐらいにやりすぎだ∼⁉
﹂
﹂
﹁これでトドメだ
﹁俺達もやるぞ
!
﹂
で、ルチャブルに代わって、ピカチュウが戦闘に出た
﹁ドライブボタンで一気に決めろ
そしてロックもドライブボタンを叩いた
した後、そのままドライブボタンを叩いた
フルドライブ
﹄
﹃ライド・サトシ&ピカチュウ
フルドライブ
﹄
﹃ソウル・アラン&リザードン
‼
﹂
ブラストバーン
ボルテッカー
これでトドメだ
﹁ピカチュウ
﹁リザードン
﹂
ピッカピッカピカピカピカピカピカピカ⋮﹂
﹁ヴォォォォォンッ‼
﹁ピッカ
﹂
!
?
そう言うとリザードンは腕に、全体重を乗せて地面にぶつけた
!
!
!
!
?
"
"!
!
!
!
サトシさんに言われた俺はすかさずピカチュウにレーダーを照射
!
!
と思っていたら、ロックが王手をかける。そしてサトシさんの一言
?
らってそのまま灰となって消えたのだから。
プ レ ス 発 生 場 所 か ら 半 径 5 m 以 内 の ノ イ ズ 達 ま で 巻 き 添 え を 食
その威力が半端じゃなかったよ⋮。
技の一つ、
自分のルチャブルが回転してそしてそのままノイズ達にプロレス
凄え⋮
!
!
479
"
!" !"
!
?
?
"
!
!" !"
!
!
!
するとその先から地面が割れ、そこから爆発した
!
対してピカチュウは走り始めると、徐々にイナズマのような素早さ
と共に威力が加速していた
は無かった⋮‼
それにピカチュウ
!
そしてそのままノイズ達を過ぎ去るとそこにはもうノイズ達の後
!
サトシさん
凄え⋮凄えよ
!
ライバル
として、な
!
だ。
﹂
"
﹁⋮ではまた会おう。今度は⋮﹂
⋮あぁ⋮
﹁共に切磋琢磨する
﹁
"
俺は響の所へと行くと、2人揃って変身を解除した。
﹂
!
﹁遅くなっちまったな⋮﹂
﹁でも、クリスちゃんと一緒に戦えたから
⋮そうだな。
最初は敵でも、いずれ味方になる。
昨日の敵は今日の友
?
これは⋮ミス.未来に忍ばせておいた盗聴器からか
﹄
会場がやけに騒がしいな
まさか、ノイズが⁉
1人は翼さんの声。1人は霊風先輩の声。
もう1人は⋮これは⋮奏さんの声か⁉
⋮そうか。奏さん。また歌えるようになったんだな⋮
?
そんな俺の顔を響が見ていたが、俺はスルーし、響はその時に﹁ス
!
この盗聴器の先から微かにだけど、3人の歌声が聞こえてきてる。
ライドがそう言っているけど、違う。
?
﹃
そうしていると、アブソーバーから音が聞こえた。
⋮ん
今日の敵は明日の友
!
まぁ⋮いっか
?
?
?
そう言うとロックはクリスと共にその場から立ち去った。
!
﹂
と、そうこうしている内に向こうの方も如何やら終わっていたよう
?
!
480
!
!
?
ルーしないでよ∼⁉
﹂と言っていたけれど、それでもこんなひと時
で入られて俺は凄く嬉しく思っていた。
俺がこの世に入られる時間はこの日を以って⋮
あと5ヶ月を切っていた。
481
?
第46話 運命が動き出す時
ここ最近⋮と言っても、1週間しか経っていないのだが。
それでも、ノイズが出現していない中で、
何時もと変わらぬ日常を謳歌していた憑友。
今日は朝から先生の許可を貰い、陸上部員達と共にランニングをし
ていた。
陸上部員と言えど、流石に女子校なので、メニューはやはり少なく
感じていた。
なので、憑友はそのメニューの1.5倍の量を自分だけにすると
黙々とそのメニューをこなしていた。
そして、最後のメニューが終わると近くのベンチに腰掛けた。
すると、
ピチャッ⁉
なんというか⋮その⋮﹂
?
﹂
⋮まぁ⋮同じ病棟にいたんだからそうでしょうね﹂
?
﹂
発動した翼さんと会ったと言う事に。
以って話し合う事すら出来なかった神様が、
﹃絶唱﹄を未遂とは言えど
このリディアンに入ってから、俺が九死に一生を得た時以外は全く
翼さんの一言で、俺は驚いていた。
ーーーーーーSIDEto憑友
﹁⁉
﹁治療している時に私は、神様に出会ったんだ﹂
﹁
﹁私が以前、入院していた事は知っているわよね
スポーツドリンクを手渡すと、翼は話をしだした。
ながらも、憑友の隣に座り、そして先程、顔に近づけさせた元凶の物、
かったら、どうぞ﹂と何気なくベンチに座るように促すと、翼は俯き
そう言いながら、翼の目が泳いでいる事に気がつくと、憑友は﹁良
﹁ご、ごめんなさい⁉
見てみると、そこにはなんと翼がいた。
なんとも恥ずかしい声を上げた憑友。それを仕掛けた本人の顔を
﹂
﹁ひゃあぁ⁉
?
?
482
?
?
﹂
﹁その時、神様はお前を生き返らせるヒントとなる﹃英雄石板﹄の特徴
本当ですか⁉
を教えてくれた﹂
﹁
一体誰の事を指しているのかすら分からない⋮
駄目だ。さっぱり分からない。
そして⋮︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾⋮
︽歪みし鏡︾
︽女神の慈愛を受けし﹃鎌﹄と﹃鋸﹄︾
︽女神の盾︾
︽銀の腕︾
︽ふた振りの槍︾
︽魔を穿つ弓︾
︽竜を滅する剣︾
全部で九つ。
徴らしい﹂
それが、神様が言った憑友が探さないといけない﹃英雄石板﹄の特
︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾
︽歪みし鏡︾そして、
︽女神の慈愛を受けし﹃鎌﹄と﹃鋸﹄︾
︽女神の盾︾
︽銀の腕︾
︽ふた振りの槍︾
︽魔を穿つ弓︾
﹁︽竜を滅する剣︾
ない﹃英雄石板﹄の特徴を話してくれた。
すると翼は首を縦に振り、そして神様が言った俺が探さないといけ
神様は俺にはノーヒントで探せと言っていたからな。
翼さんの一言で俺はまた驚かされた⋮
?
そして最後に言った特徴⋮
俺の手元にいる皆さんは全く以って関係が無いものが多い。
だけど、おかげでかなりの数の﹃英雄石板﹄の数が除外された。
!
483
!
!
︽槍の名を冠する﹃拳﹄︾
これに心辺りはある。けれど⋮それは﹃英雄﹄になどまだ呼べない
?
⋮済まない。今日はこの後、記者会見を開いている﹂
存在の筈。なんで神様はそれを欲しているんだろうか
﹁
何の
そう言うと翼さんが席を立った。
記者会見
?
そうですか。
・
・
そこには無数の兵士が見るも無残な姿へと変貌を遂げていた。
ていた。
いた場所に向かっていたクリスは、その屋敷内の光景を見て、驚愕し
憑友がランニングをし終えていたその頃、フィーネが根城を立てて
ーーーーーーNO SIDE
はこの辺で終わりにした。
そう考えをつくと、俺は陸上部の顧問の先生に話をして、今日の所
どな。
尤も、その間までに俺は神様の依頼を完了しないといけないんだけ
うかもしれない程の歌だな⋮
この学校の歌は好きだな。卒業したとしても、つい口ずさんでしま
そう思っていると、学校の校歌が聞こえてきた。
事なんだろうな。
確かにな⋮尤も、それはあと4ヶ月と少しの後にその結末が分かる
⋮人間としてか。
・
そう言うと翼は少し小走りながら、その場を後にした。
﹁ははは⋮。⋮善処します﹂
だがな﹂
﹁後は、憑友が人間として戻ってくれたら、何もかもがハッピーエンド
・
これで、ようやくと言った所ですね﹂
﹁おめでとうございます。
見がこの後あるんだ﹂
﹁奏と一緒に︽ツヴァイウイング︾が世界進出をするので、その記者会
?
そしてその内の1人の兵士の腕には米国の腕章があった。
484
!
!
﹂
如何やら米国兵の者達のようだ。
﹁一体、此処で何が⋮⁉
如何見ても可笑しい音が鳴ったので、後ろを振り向くとそこには超人
それを見ながらクリスが屋敷を歩くと、後ろの扉からガトンと言う
?
私じゃない
やったのは⋮
﹂
すぎるOTONAこと風鳴弦十郎がいた。
﹁違う
!
!
﹂
﹁え⋮﹂
﹁風鳴司令
﹂
・
の傍にいた彼女の仕業だ﹂
・
﹁そして、この状況をやってのけたのは、俺達の傍にいて尚且つ、君達
﹁‼
お前さんも、もちろん君のお義兄さんもな﹂
﹁誰もお前達がやったなどとは思ってはいないし、疑ってもいないさ。
それを見たクリスの頭を弦十郎は手を置き、そしてこう語った。
視して、周りの状況を確認し始めた。
クリスは弁明を試みようとするが、現れたSP達は自分の事など無
!
﹃Iloveyou.SAYONARA﹄
と書かれていた。
そしてSPの1人がその紙を取った。
すると何処からか奇妙な音が聞こえた。
﹂
フォーム、アーチャー‼
イ
ア
ス
﹂
ー
まるで、何かの起爆装置が作動したかのように⋮
﹁‼
ーソウル
ア
Unlimited Blade Works
ロ ー・
﹁熾天覆う七つの円環‼
!
?
﹁⁉
﹂
SP達は咄嗟の判断ミスをしてしまい、大惨事になろうとしたが⋮
突然の爆発に弦十郎は咄嗟に近くにいたクリスを庇う。
?
!
するとSPの1人が妙な置き手紙を発見した。そこには
!
!
485
?
?
?
﹁怪我はないか
﹂
・
・
﹁⋮俺がギアの有る無しに関係なく、
﹁なんでギアを纏えない奴が私を守るんだよ
﹂
そしてクリスは今の状況を確認し、そして弦十郎から離れた。
アーチャーの姿を借りたロックに助けられた。
?
﹁んだよ⁉
﹁クリス﹂
パシッ‼
﹄
﹃⁉
﹂
﹁⁉
﹂
?
﹂
﹁お前は自分の両親の事も否定するのかよ‼
﹂
事を少しばかり分かってるんだ。
分かってる。けどな⋮それでも俺はお前の家族と一緒にいて、お前の
﹁クリス。俺はお前の義理の兄だから、こんな事言って腹が立つのは
きていた。
その一言。たったその一言だけで、クリスの目元から涙腺が溢れて
﹁⁉
﹂
こがぶつかると目と目を合わせてロックは大声でこう語った。
そしてクリスと顔を向け、そしてクリスのおでこと、ロックのおで
﹁‼
﹃私は自分のお父さんやお母さんの事も嫌いだ﹄って﹂
﹁お前が言ったその言葉は、こう捉えてるとも考えがつくぞ。
そう言うとロックはこう語った。
は思ってもいなかった。
そして何よりクリスもまさか自分の義理の兄からビンタを貰うと
突然の出来事に弦十郎達二課のスタッフも、
突然、ロックがクリスの顔をビンタした。
こんな時⋮‼
そしてクリスがムキになって猛抗議を唱えていると、
﹁大人⋮﹂
お前さんよりも少しばかり、大人だからだ﹂
!
?
486
?
?
?
?
?
?
お前は雅律義父さんとソネット義母さんの2人の事が大好きだっ
て事は。
他の大人は嫌いだと思ってくれても構わない。
だけど、これだけは言わせろいや、言いやがれ⋮
⋮うぅ⋮‼
﹂
﹃だけど、両親だけは大好きだ﹄と﹂
﹁
そう言いながら、クリスはロックにその身を委ね、ロックはクリス
を自身の胸へと引き寄せた。
そしてクリスは泣いた。
どれだけの時間を要したのかは分からない。
︶﹂
けれど、それでもクリスが泣き止む頃には既に正午を迎えようとし
ていた。
﹁︵私⋮やっぱりパパとママの言葉⋮大好きだよ⋮
クリスの心の中はそれで一杯だった。
ーーーーーー
そして弦十郎達は現場を後にしようとした。
﹁やっぱり私は⋮﹂
﹁⋮来られないか。まぁ、それも良いだろう。
﹁何
﹂
﹁ふっ⋮案外もう交わっていたりしてな﹂
いずれその道が俺達の道と交わるさ﹂
お前さん達はいつも2人ぼっちと言うわけでは無い。
!
それに変わりは無いさ﹂
﹁⋮ふっ。憑友の奴、俺が中での指揮を執ってる間に何処まで情報を
集めているのやら⋮﹂
﹁憑友に会ったら、こう伝えてくれ。
﹃以前、話した情報の内、︽カ・ディンギル︾の方を教えても良い﹄と
な﹂
﹁⋮用意周到なんだな﹂
﹁テロリストキラーたるもの、無計画でやりあう程、無謀な事はしない
487
?
﹁俺と奴⋮人絆憑友は互いに認めたライバルであり、戦友だ。
?
主義でな﹂
そう言っていると、2人は弦十郎から端末を受け取った。
曰く﹁限度額内なら、公共交通機関が利用でき、自販機にも適用さ
れている﹂との事らしい。
因みにこれを受け取った時の霊風は、
﹁︵ta○poとS○icaの
合体版かよ︶﹂と心の中で呟いていたのは言うまでも無い。
﹂
﹁︵﹃カ・ディンギル﹄⋮不気味な音が聞こえ始めてきたな。︶後手に回
るのは終いだ。此方から撃ってでる
何処にだよ⋮﹂
﹁俺に用か
﹂
シルバーホーン
クについてる﹃英雄﹄の1人、司葉達也が現れた。
するとブースターから光の粒子が現れ、それが形作り、そしてロッ
た。
同型の奴を取り出し、腰のカードケースから達也のカードを挿入し
そう言うとロックは霊風と憑友が持っていた﹃現界ブースター﹄と
﹁⋮頼むぞ。達也﹂
手を握り、屋敷跡から立ち去った。
2人きりになったロックとクリス。すると突然ロックがクリスの
﹁
﹁⋮行くぞ。クリス﹂
そう言うと弦十郎達は来た道を逆走し、屋敷跡から立ち去った。
!
﹁⋮変わってる⋮﹂
寧ろ、あの狭いマンションのような場所が俺は好きだ﹂
俺達の居場所はこんな豪華な場所は嫌いだ。
﹁これで、此処を訪れる者にとっては居心地が良くなっただろう。
役目を終えた達也は﹁またな﹂と言い残すとそのまま消えた。
まるでそこに何もなかったかのように。
すると一瞬で、屋敷跡が何も無いさら地へと変貌を遂げた。
り出すと屋敷に向けてトリガーを引いた。
そう言うと達也は懐から愛機の拳銃・
︽S H ・トライデント︾を取
﹁⋮分かった﹂
﹁あの屋敷を跡形もなく消してくれ﹂
?
488
?
﹂
﹁お前も人の事が言えないだろ。この期に及んでまだ俺が作ったうさ
⋮そ、そ、それとこれとは話が別だろうが⁉
ぎのぬいぐるみを持ってるんだから﹂
﹁⁉
?
﹂
﹁⋮あんなにもボロボロなのに、まだ持っていてくれていると言うの
が可笑しいんだがな﹂
﹁べ、別に良いだろうが、そんな事⁉
﹁はいはい﹂
そう言いながら2人は街の方へと歩いていく。
?
そこに待つ運命は、絶望のカウントダウンか。
それとも希望の始まりなのか⋮
・
・
・
・
それを知る者は此処にはいない。
そう⋮此処にはね。
489
?
第47話 情報
ーーーーーーSIDEto憑友
﹂﹁憑友‼
逝都に馬燈
﹂
如何したんだ
﹂
久方ぶりに未来と響と3人で寮まで帰っていると、
⋮
﹁おーい
﹁
?
?
!
それ賛成
﹂
!
﹁え
﹂
﹂
マジか
﹁ドキッ⁉
?
﹁ふーん⋮ならしゃあ無いか。またな
﹂
!
﹂
それを見た響は﹁私も連れてって∼⁉ ﹂とか言っていたが、無視
そう言うと2人は足早に﹃ふらわー﹄の方へと走って行った。
﹁ああ
﹂
﹁ごめんね。今日は響の課題の手伝いだから、早めに帰宅したいんだ﹂
だけど今日はそうはいかないのだ
はぁ∼⋮やっぱり食いついてきたよ。この馬鹿響は。
﹁おー
﹁久しぶりに﹃ふらわー﹄のお好み焼き食いに行こうぜ
逝都と馬燈の2人が俺達の方にやって来た。
?
!
!
?
?
?
そのまま俺は響を引き摺る形で寮へと帰ろうとすると突然、ライド
﹂
さんの端末から連絡が入ってきた。
弦十郎師匠
﹁
?
した。
﹁もしもし。憑友です﹂
?
﹃憑友か。連絡して済まないな﹄
﹁いえ、もう放課後なので、今の所は大丈夫ですけど⋮
﹂
その際にフェイスチャットと呼ばれる機能を使って話をする事に
そう思いつつも、俺は弦十郎師匠と連絡をつけた。
うん。未来の言う通りになるかもしれないな。
﹁もしかして⋮﹂
﹂
﹁
?
490
!
!
!
?
!
?
⋮これは⋮何かあったな
入っていた。
︽カ・ディンギル︾⋮ロックと会ったのか。
﹁本当にごく一部でしか分かりませんでしたが
﹃其れでも構わん﹄
?
所謂
情報共有
と言う様なものだ。
そう言うと俺は独学で手に入れた情報を皆に話した。
﹁では⋮﹂
﹂
﹃カ・ディンギルについての情報を教えてくれ﹄
すると弦十郎師匠がこう語った。
﹁所で⋮俺になんか用ですか
﹂
は、奏さんと霊風先輩が移り込み、そして弦十郎師匠の下には響が
弦十郎師匠が映っている映像の隣では翼さんが、そしてその下に
そうするフェイスチャットが4分割に割れた。
?
?
﹄
⋮そう言えば見かけていないな。
﹃所で、了子君は
⋮如何やら弦十郎師匠も薄々気付き始めている様だな。
﹃︽バラルの呪詛︾⋮それが奴の目的か﹄
れている事なんですけどね﹂
強いて言うなら、
︽バラルの呪詛︾から人々を救う塔だと言い伝えら
でした。
で、秘匿情報が多すぎたが故に、これ以上の権限では立ち回れません
ただ、古代の文明はやはりそのものが聖遺物と同等クラス。なの
かつての地球にあった魔の力を宿した塔である事が分かりました。
﹁︽カ・ディンギル︾とは、
"
?
了子さんなら
何かを企んでいるのか
﹁大丈夫ですよ
﹂
!
?
﹁何が来たって、私を守ってくれた時の様にドカンとやってくれます
お前な⋮。何故そう言い切れるんだよ⋮
!
491
"
ここ1週間もの間、一切合切現れなかった⋮
?
﹂
!
え
そうだっけ
⋮
薬品工場の時か。確かにあれは凄いとしか
!
んだもん。
一体、何処ぞの魔法使いか
トなんだろうか
それともどっかにいるビームを張り巡らせた盾を持ってるロボッ
?
言えない。何せ、手を翳しただけで、ノイズをも退けるバリアを張る
?
ルなのか
又は世界一のサッカーバカが気力で作った異次元のバリアウォー
?
バリアなのか
若しくは剣と魔法のRPGにでてくる光の結界か何かか
そう考えていたら、
ていたし﹄
﹃そうなのか
﹂
﹄
マークが出ていた。
師匠や了子さんって、人間離れした特技とかあるんじゃない
?
の文字が現れた。
!
声の主からして、了子さんだった。
﹃やっと繋がった∼
ごめんね、寝坊しちゃった♪﹄
そう考え事をしていると4分割の間から﹃SOUND ONLY﹄
全く以って異なっているのである。
るもの⋮
了子さんのは明らかに魔法や気力なんかの非科学的現象に該当す
弦十郎師匠は完全なる物理的法則に該当するものだけれど、
うーん⋮流石にそれはな⋮。
んですか
﹁うぇ
奏さんは頭に
上から翼を広げさんと霊風先輩がその考えを否定した。
?
﹃確かに無理だな。あの人、研究員として二課に配属されたって聞い
⋮﹄
﹃い や。戦 闘 訓 練 を 碌 に 受 講 し て い な い 櫻 井 女 史 に そ の 様 な こ と は
?
?
それかそれか、何処ぞの携帯獣達が持っている技の一つにある緑の
?
?
492
?
?
﹄
﹄
なんか色々と言い訳をしている様だけど、今回ばかりは許す事にし
よう。
そう⋮今回だけはな。
﹃そっちに異常は無かったか
﹃寝坊して、ゴミを出せなかったけど⋮如何かしたの
﹃
何かしら
﹄
﹄
﹃それよりも了子君に聞きたい事がある﹄
ている様だ。
翼さんも言葉には出ていないが、顔を見る限り、如何やらホッとし
それを聞いた響と霊風先輩、奏さんがホッとしていた。
?
?
﹄
?
二課の本部そのものが⋮︽カ・ディンギル︾なのか
もしかして⋮さっきの話し合い⋮
﹂
﹁聞いてる訳ないだろうが∼∼⁉
﹂
如何してこうなるんだよ∼∼⁉
ーーーーーーNO SIDE
?
⋮聞いてなかった
﹁あれ
の会議を開き、そして気付いた時にはもう既に遅かった。
俺の思考が活性化していたら、何故か俺を除いて他の皆だけで今後
?
だとすると、天を仰ぐ程の塔と言う意味⋮まさかとは思うけど⋮
るのよ∼♪︶﹄
﹃︵このエレベーターシャフトは東京スカイタワー3本分の長さを誇
いた。
だが、それと同時に俺は以前了子さんが言っていた事を思い出して
⋮確かに一理ある。
﹃何故、そんな物を我々は気付かなかったのだ
転じて﹃天を仰ぐ程の塔﹄と言う意味を持っているわ﹄
﹃︽カ・ディンギル︾とは、古代シュメールの言葉にて、﹃高みの存在﹄
めた。
その話を聞いた了子さんは先程とはうって変わって、その話をし始
⋮この言葉が意味しているものは
﹃⋮︽カ・ディンギル︾
?
?
?
?
493
?
?
憑友達との作戦会議を開いた弦十郎率いる二課の面々は、ほんの些
細な情報でも良いと言いながら、必死に作業をしていた。
すると、藤堯と友里の座る席よりも下にいるスタッフの席の一角に
牧藁君﹂
﹂
て仕事をしていた牧藁がその席から話しかけてきた。
如何かしたのか
﹁あの∼⋮ひとつ言っても良いですか
﹁
?
ぽい絵でしょうか
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
あんまり好きにはなれません﹂
でも、私、エレベーターシャフトの向こう側に描かれている壁画っ
ね。
まぁでも、他に非常用階段があるので、私は気にしていませんけど
最短ルートが無いなぁと思って。
毎回、エレベーターシャフトを使わないと二課本部から地上へ出る
﹁あ、いや。本当に大した事じゃ無いんですけど⋮
?
?
んです⋮﹂
﹁古代の文明に囚われ過ぎてる
⋮まさか
﹂
!
﹂
突然警報が鳴り響いた
﹁如何した⁉
確認‼
﹂
ーーーーーー
﹁合計6体⋮直ぐに向かいます
﹁行くんだな﹂
つい先程まで一緒に居たのだ。
翼は急いで準備をしていると奏から話しかけられた。
﹁⋮うん﹂
﹂
﹁飛行タイプの超大型ノイズが三体⋮いや、更に三体確認
!
お前の居場所は、私が守ってやるから﹂
﹁⋮必ず帰ってこいよ。
合計六体
すると奏は翼を自分の方へと引き寄せて、耳元でこう言った。
!
?
!
﹁だって⋮古代の文明に囚われ過ぎていると言う感じにしか思えない
・
﹁如何してだ
?
弦十郎が牧藁の言った台詞で何かを感じたと思ったその時
?
!
?
494
?
﹁奏⋮うん
﹂
そう言うと、翼は直ぐに緒川からヘルメットを貰い、ノイズの元へ
と向かっていった。
﹁緒川っち⋮奏を頼むぜ﹂
﹁はい﹂
﹁霊風⋮﹂
﹂
﹁何、辛 気 く せ え 顔 し て ん だ よ。大 丈 夫 さ。翼 と 共 に 帰 っ て 来 る さ。
心配するなよ
⋮行ってくる⋮
﹁平気
私と翼さんと霊風さんと憑友でなんとかしてみせるから
﹂
すると、その話を聞いていた未来が心配して2人の方を向いた。
﹁響⋮憑友⋮﹂
一方、響と憑友の方にも連絡は届いており、その詳細を聞いた。
ーーーーーー
そう言うと霊風も翼の後を追った。
!
!
!
ターへの避難誘導を行なって欲しいとお願いした。
すると憑友が付け加えて、逝都と馬燈の2人と出会ったら、2人に
もお願いして欲しいと頼むと、未来は了解した。
未来を巻き込んだ2人は後悔の念に立たされようとしていた。
そんな2人に対して未来はこう話した。
未来⋮﹂﹂
﹁私がリディアンに戻るのは、響と憑友の居場所を守る為だから﹂
﹁﹁
響は未来の右手を、憑友は左手の方を握った。
﹁小日向未来は私にとっても、憑友にとっても掛け替えのない﹃陽だま
り﹄なの﹂
だから⋮﹂
﹁そしてそれは俺達にとっても絶対に帰って来る場所なんだ﹂
﹁これまでもそうだし﹂
﹁これからだってそうさ
!
495
!
そう言うと響は未来にこの周辺の人達をリディアンの地下シェル
!
そう言うと2人は共に未来の手を取った。
!
﹁私は
﹂﹁俺は
﹂
﹁﹁絶対に帰って来る
!
方へと走り去った。
﹂﹂
﹁さて、俺達も一仕事しますか
﹂
!
﹁
ロ
ノ
ス
︽黒の剣聖︾
ク
﹂
⋮まさかあんたが手伝ってくれるなんてね⋮
行くぜ
フォーム、カナタ
ー
!
いた
ーライド
れ、憑友はそれを纏った
!
それに乗ると、そのホバーボートはそのまま速度を上げた
何これ
に座らせた
﹁うぇ⁉
﹂
﹂
言わなかったか
何を
﹁ん
﹁
⋮聞いてないよ‼
﹂
﹂
風にして空を飛ぶ輩がいるって事を﹂
﹁
だがこの時の彼らは知らない⋮
そう言いつつも、憑友は上空へと飛行したのであった
?
数時間後に、今迄よりも類を見ない激闘の幕が上がる事に⋮
!
﹁幾ら空戦魔導師と言えども、中には魔法の消耗を抑える為にこんな
?
?
?
!
すると前方に響がいたので、腕を引っ張って、そのまま後ろの座席
!
すると憑友の隣からホバーボートのような形の物体が現れ、憑友は
ー
空戦教官
!
ー黒の剣聖
!
するとアブソーバーから黒髪で紺色のコートを羽織った青年が現
!
そう言うと憑友はアブソーバーにそのカードを装填し、レバーを引
!
!
そして腰のカードケースから引き抜いたカードを見た。
る。
そう言うと響は走り、憑友はライドアブソーバーを左腕に装着す
﹁うん
﹂
2人の話を聞いた未来はうんと首を縦に振り、そしてリディアンの
!
!
!
!
?
496
!
!
?
!
第48話 3人の装者/3人の導師
あの後、弦十郎から通信が入って来た。
如何やら6体の飛行機型ノイズは東京スカイタワーがある第24
区域に侵攻して行っているという情報が入った。
なんでも、スカイタワーには二課の活動時の電波管理等を統括して
いると言うのである。
つまり敵はこのスカイタワーを狙う事で、二課のシステムを麻痺さ
せて、混乱に乗じて何かをしでかそうとしているという事らしい。
憑友と響は一足先にスカイタワーの上空へと急行した。
﹂
そしてそこで目に付いたのは、6体の飛行機型ノイズが円を描きな
がら、スカイタワー上空周辺を漂っていた。
﹁三体は色彩判断からして、恐らく青⋮﹂
﹁それって、﹃英雄石板﹄が入っていると言う事
﹁ああ﹂
憑友は特殊なスコープを覗いて、ノイズの色を判断した。
実は特異型ノイズ達には共通点がある。
それは、
﹃体色が真紅のような赤と蒼海のような青、そして黄金のよ
うなような黄色﹄の三色しか存在しないと言う事であった。
要するに、ノイズの体色がその三色の内の一つを有しており、
その一つの色で、身体全体を覆っているのだ。
強いて言うなら、その三色以外は存在しないと言う事である。
?
それを見た響きは、憑友の向いてる方を向くと、そこにはなんとさ
らに飛行機型ノイズがまた三体増えたのだ‼
そして飛行機型ノイズ達は一斉に地上に大量のノイズを降らし、
?
497
?
それを聞いた響はその三体の始末をする事が出来ない事を悔やむ
が、
﹂
﹂
﹁その三体は俺と霊風先輩がやる。
如何し⋮⁉
響は残りの三体を⋮⁉
﹁
?
憑友は何かに気づいたのか、それ以上何も喋らなかった。
?
更に背中からもノイズを排出し始めた
﹁ノイズの上だと
﹂
地上の奴らも含めても、この数を如何やって﹁憑友
﹁合わせて9体⋮
くっ
﹂
!
﹂
降りたのだろう
﹁⁉
⋮分かった﹂
﹂
高速移動して来た霊風が駆けつけてきていた。
﹁なら、俺も派手に行きますか
!
フルドライブ
﹄
そう言うと憑友はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹃ライド・カナタ
!
﹁喰らえ
ストライクブラスター
‼
"
﹂
そして前方に剣の先を向け、そして⋮
するとそのリボルバーが四回動きながらチャージし、
﹂何だ
そして憑友はそのまま己のエネルギーを︽魔力︾へと変換、
た。
よく見てみると、剣の腹の部分はリボルバーのような形をしてい
それを握った。
そう言うと、アブソーバーから大剣クラスの武器が顕現し、憑友は
!
!
その様子を見た憑友は近くからバイクに乗ってきた翼と、その後を
を伸ばし、そしてそのまま飛行機型ノイズの一体を倒した。
そして︽シンフォギア︾を纏った響は落下と同時にパワージャッキ
︵挿入歌﹃私ト云ウ 音響キ ソノ先二﹄悠木碧︶
n⋮﹂
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
そして歌った⋮︽聖詠︾を。
みを浮かぶ。
憑友は響の行動を見て目を見開くが、響はそんな憑友に対して、笑
?
!
そしてそのままノイズの上に辿り着くや、響はなんとそこから飛び
響の提案を飲み込んだ憑友は、そのままノイズ達の上空を飛んだ。
?
!
!
﹁あのノイズ達の上に回って
!
!"
?
498
!
!
﹃英雄﹄なのはの
スターライトブレイカー
の砲撃魔法を繰り出した
に勝るとも劣らない程
"
⋮ヤバっ⁉
かった。
﹁
﹂
しかし、射程距離の関係か、大型ノイズの所まで届く事が出来な
!
"
れ、憑友はそのまま落下してしまった‼
る。
現に、先程の大技
ストライクブラスター
は1発撃つだけで、か
"
こ
の
技
ストライクブラスター
は、1度変身して放ったら、その後は強制
"
﹁落ちる∼⁉
﹂
だと、憑友はカナタ本人から話を聞いていたのだ。
解除され、再使用には半日必要﹄
﹃
それを打開する案として、
自立飛行があまり出来ないのはその為でもある。
それを使用すれば、それだけかなりの精神力を削ぐのである。
なりの魔力を持って行かれる代物。
"
しかし、カナタは欠点として、極度の魔法量の少なさが影響してい
が空を飛ぶ際に欠かさない愛機である。
先程憑友が載っていたホバーボートは︽ホウキ︾と呼ばれるカナタ
とは言っていない︶と言う矛盾したような存在。
空戦魔導士でありながら、自立飛行があまり出来ない︵完全に0だ
カナタ・エイジ。憑友が変身していた﹃英雄﹄は⋮
?
憑友が失敗に終わったと悟っていると、変身前の姿へと強制解除さ
?
だろうか
殺
技
③憑友は魔導師では無くて、元の一般人に戻っている。
←
②その反動で、変身は強制解除される。
←
①憑友はカナタのフルドライブを発動した。
必
さて、これらを踏まえた上で、憑友の現在の状況を理解して頂けた
?
要約するなら、
?
499
!
"
つまりは落下しながら、地面へと真っ逆さまに急降下しているので
ある。
﹄
そんな憑友の慌てぶりに本当にお久方ぶりのゆる∼い幽霊キャラ
ことユルセンがやって来た。
自分が何者なのか分かってねぇだろ
﹃お前さ
⋮
﹄
?
そう言うことか⋮﹂
﹃んじゃあ後は分かるよな∼
﹁え
!
始める⋮
霊風先輩
そうしていると、
﹂
⋮翼さん
﹁憑友
﹁
!
た。
﹂
﹂
!
﹁くっ
﹂
!
フルドライブ
は、1度
﹂
を発動すれば、半日は使用不可だ﹂
﹁あの人は単独飛行特化型だから無理﹂
だな。
﹁俺のパートナーのレヴィアタンも基本的に腕力足りてないから無理
?
"
だったら、なのはさんは⁉
⋮
"
﹁嘘⁉
!
﹁いや、その考えは却下だ。さっき使っていた﹃英雄﹄⋮カナタさんの
﹁憑友が使っていた﹃英雄﹄を使えば⋮
相手に頭上を取られる事がこうも立ち回りにくいとは⋮
そして遅れてガングニールのシンフォギアを纏った響がやって来
スピリット︾に変身していた霊風、
そんな憑友の所に天羽々斬のシンフォギアを纏った翼と︽風魂導師
!
出すと羞恥心に囚われたのであった。
自分の今の現状を改めて感じた憑友は先程口にしていた事を思い
﹁︵そう言えば俺⋮半幽霊だったんだ⋮︶﹂
そして、地面すれすれの所で止まり、そして着地した。
するとみるみる落下スピードが減少していき⋮
!
そう言うと憑友は足を地面の方へと向けると、そのまま何かを念じ
?
?
俺は歴とした人間⋮じゃなかった⋮半分幽霊だったんだ﹂
﹁はぁ⁉
?
!
!
?
500
?
!
﹂と最早口癖のように
この間手に入れたタバサも、使い魔の風竜︽シルフィード︾がいな
いからほぼ不可能だな﹂
憑友達の話を聞いた響は﹁呪われてる⋮
喋って来たのであった。
使い魔
の有無である。
に立ち回れなかったと言う。それは⋮
魔法を行使する事が出来ても、肝心の奴がいなかった為、思うよう
以前、1人でノイズを殲滅する際にこっそりと使用したのだが、
である。
︻トリステイン︼と呼ばれる世界で魔法を行使する歴とした魔法使い
因みに霊風が言ったタバサとは、﹃英雄﹄の1人で、
!
のだ。
サトシとピカチュウ、
・
アランとリザードン、
・
・
2人1組
で一枚のカードになっている。
"
マカとソウル、
この英雄達は皆
・
それで、話を聞いてみると、如何やら離れ離れになっていると言う
その風竜が全く出なかったのだ。
い魔を呼び出す魔方陣を形成して、発動したのだが、
だが、霊風はそのタバサの︻ヒーローカード︼を使用し、そして使
係を結んだと言う。
そしてそのまま儀式を執り行った事で、タバサとその風竜は主従関
た。
対してタバサは風の力を宿した竜⋮風竜︽シルフィード︾を召喚し
あったと言っていた。
その内のタバサの友人の1人が、霊風と同じ人間を呼び出した時も
召喚するのである。
タバサのいる世界では、魔法学校があり、その昇格試験で使い魔を
"
あった。
その肝心の使い魔がいないので、如何することも出来なかったので
実はタバサも上の3組と同じケースにあたるのだが、
"
501
"
さて、脱線し過ぎたので、話すを戻すとしよう。
そんな話を憑友達がしていると、ノイズが憑友達に襲いかかって来
たので、
憑友達はそれを躱し続けた。
だが、
コテッ
まったのだ
ーーーーーーSIDEto憑友
あ痛っ⁉
なんでこうなるんだよ∼⁉
﹁⋮なんか﹂
﹁いろいろと⋮﹂
﹁﹁ごめん⋮﹂﹂
あ、才ですか⋮。
?
生涯不運のまま死にたくねぇ⁉
!
﹂
﹁憑友
やべえ
!
ヤバい⁉
このままじゃ
ズドドドドドッッッ‼
俺はその方向を見ていると⋮
士郎さん
ルドガー
嫌だよそれ⁉
り、矢は全てノイズ達に命中し、弾丸も半分以上がヒットしていた。
そうしていると、横から弾丸の雨と矢の雨がノイズと俺の間を通
?
!
そうしていると上空からノイズが俺目当てに攻撃してきた
⋮
響
!
⋮あ、俺1度死んでたんだった。
?
俺って、不運持ちと一緒にいる事になっていたのか
⋮響もそうだったな∼⋮
て事は⋮
﹁﹁運の低さが半端じゃないから⋮﹂﹂
いや、そこでなんで謝るんですか
?
?
?
!
!
なんとこんな時に憑友は顔面から地面に思いっきりズッコケてし
﹂
﹁んな⁉
!
?
502
?
?
﹁⁉
﹂
クリスちゃん
﹁ロック⋮⁉
﹂
無理やり連れてきた﹂
﹁なんでそんな言い方しやがるんだよ⁉
?
がいた
﹂
そこには2人の少年少女⋮雪音クリスと、ロック・アイル・ユキネ
﹁人に対しての接し方がなってないぞ﹂
﹂
﹁遅くなって済まない。クリスがピーチクパーチク喧しかったから、
!
あたし達はお前らの助っ人で現れてきたんじゃな
﹁如何してこんな所に⁉
﹂
﹁勘違いすんなよ
いからな
?
!
!
﹁⁉
////﹂
はいそこで、弦十郎師匠の一言炸裂
﹄
なんでお前らが
ってか、何処から声が聞こえてるんだ
お前ら⋮それ。
﹁
二課の端末機じゃないか⁉
﹂
﹃俺がやった。文句は後で聞くとするが
﹁いえ、滅相もございません‼
?
⋮気の所為で会って欲しい。
﹂
?
﹃剣﹄の使い手の翼さん。
確かにロックの言う通りだな。
﹂
そう言いながら、ロックはギザな態度で話しかけてきた。
怖いものなど何もないだろ
︹炎︺︹水︺︹風︺に長けた魂の師者が此処にいるんだ。
﹃剣﹄﹃弓﹄﹃槍﹄を扱いし歌姫達と⋮
﹁何はともあれ⋮今この場には、
なのかな
たのか、霊風先輩の身体が一瞬縮んだかのように見えたのは気の所為
端末機を介して弦十郎師匠の声が聞こえ、更に自分がやったと自供し
霊風先輩がそう言いながら、端末機を取り上げようとしたら、その
?
?
?
?
!
﹃助っ人だ。到着に少々時間が掛かったみたいだがな﹄
そう言いながら、クリスが反論してるんだけど⋮
!
?
503
?
?
?
?
﹃弓﹄の射撃手、雪音クリス。
﹃槍﹄の拳闘士である響。
3人の︽シンフォギア︾装者と、
︹水︺の魂を導く師者、ロック・アイル・ユキネ。
︹風︺の魂を導く師者、精妖霊風先輩。
そして⋮︹炎︺の魂を導く師者である俺⋮
3人の︽精魂導師︾が此処にいるんだ
なら、やってやるしかないだろ
ドを取り出し、
それを見た霊風先輩とロックも、自分達の基礎スタイルであるカー
そう言うと俺は通常時の姿であるカードを取り出した。
!
﹂﹂﹂
ー
ー
3人同時にカードをアブソーバーに装填、そして⋮
﹁﹁﹁変身‼
3人同時にレバーを引いた
ー
ー
フォーム、オリジン‼
俺に宿れ
ー
ー
?
?
フォーム、オ・レ
ーライド
ー英雄の魂
さあ、ノイズ共⋮
﹁人間⋮舐めるなよ
﹂
ー精なる魂、私に刻め‼
ーお前らの魂、オレが頂く
!
⋮
504
!
フォーム、フォーマル
ーソウル
ースピリット
!
!
そして俺達はそれぞれの魂を纏った
!
此処からが俺達︽精魂導師︾の者達と、
︽シンフォギア装者︾による
!
!
!
!
!
!
?
!
レクイエム
鎮魂歌の始まりだ
!
505
第49話 ︽自由︾と︽正義︾と︽運命︾
ーーーーーーSIDEto憑友
さぁ∼て⋮勢いで言って見たものの⋮
あのノイズの群れを如何やって掃討しないといけないのか⋮
あ、因みに俺がこんな考え事している際、
響の奴がクリスにがっつり抱きついていたり、霊風先輩がロックに
牙を向けたので、翼さんが代わりに宥めていたりしているのである。
うーん⋮カオスだなぁ⋮
と、現実逃避しないしないと。
さて、改めて周りを見てみるか⋮
視界に捉えている数だけでも約3000ものノイズの大群が地上
を徘徊、
上空を見渡せば、それの半分くらいの数の飛行型ノイズがうじゃう
!
手に1人でノイズを殲滅しようとしていた。
大方予想がついた。
⋮いや、違うな⋮
あの娘、響と翼と一緒に戦おうとは思ってもいない様だな。
ん
吃驚した⁉
﹂
?
﹄
あの様子⋮まさか1人で罪滅ぼしとか考えてねぇだろうな
?
﹃お前の言う通りだ。ライドの相棒さん
﹁うわぁ⁉
?
?
?
?
506
じゃ⋮気持ち悪りぃ。
そしてやっぱり目が行くのが、大型のジャンボ機クラスの大型ノイ
ズ6体⋮いや違うか。響があの時、そのうちの1体をパンチ1発で貫
通してそのまま爆散したから5体だ。
それと同時に同系統の特異型ノイズ3体。
計8体の親玉クラスのノイズが東京スカイタワー周辺を徘徊して
﹂
いるときたもんだ⋮さて、如何すれば⋮
クリス
ロック
﹁待て
?
!
そう思いながら、ロックの向いてる方を見るとそこにはクリスが勝
?
そう考えていたら、ライドさんが入っているアブソーバーから全く
違う人の声がしたので、画面の中を見てみると、そこにはライドさん
﹂
の代わりに青い髪の青年がそこにいた。
﹁貴方は
﹃俺はソウル・ショット。ロックのパートナーで⋮
ライドさんのお兄さん
ライド・グラップラーの兄だ﹄
んな⁉
なんで此処に⁉
くっ
如何すれば⋮
﹁あの少女⋮立花響は一体何者なのだ
﹂
それを見ていた俺の隣にロックが来た。
クリスはその動作に顔を紅くしていた。
そう言うと翼さんもクリスの手を掴む。
仲良くなれるからね♪﹂
2人とこうやって手を握りあえる。
今はこの手に何も持っていないから⋮
⋮でも、今は思わない。
半人前は嫌だなって。
んな武器を持ってはいない。
憑友でさえ、
︽刺突刃︾って呼ばれる武器を持っている。でも私はそ
﹁如何して私にはアームドギアが無いんだろうって、ずっと考えてた。
れぞれの手を握り、こう語り出した。
何か揉め事をしていたが、その時に響がその2人の間に入って、そ
そんな事をしていると、クリスと翼さんがぶつかった。
!
ああなった以上、義理の兄であるロックでさえ、止められない﹄
んな事をしたんだ。
だから、クリスはその為に今までの自分の罪を無くす為に1人であ
クリスはノイズを自分の手で呼び寄せた。
君の考えている事は予想通りだ。
﹃詳しい話はまた次の機会で。
?
?
響は一体何者なのかか⋮そんなの決まってる。
?
507
?
!
俺と同じ⋮
﹁人助けが生き甲斐の馬鹿だけど、まるで﹃太陽﹄のような明るい存在
⋮﹂
そして何よりも⋮
﹁俺にとってはかけがえの無い⋮幼馴染だ﹂
﹁⋮そうか。
立花響⋮クリスにとって、かけがえの無い友達になって欲しいな
﹂
⋮まさか、ロックからそんな言葉が出てくるなんてな。
⋮﹂
﹁そう言う奴なんだよ⋮立花響と言う嬢ちゃんは⋮
霊風先輩⋮そうですね
俺がそう思っていると、ロックのカードケースが勝手に開き、そこ
から俺達の前にそのカードが現れた
き落とす⋮
﹂
﹂
﹁憑友
﹂
そうしていると、響達もこっちに近づいてきた
そうとなれば、話は早い
!
!
﹁俺たちも手伝わせろ。
⋮そうですね
﹂
﹂
蚊一匹すら通れない程の包囲網⋮張ってやるさ
﹂﹁押忍
﹁良し。では⋮行くぞ
﹁応
!
!
﹂
?
そう言う通り俺達は目の前のカードを手に取り、そして左腕に装着
!
﹂
間は無防備になってしまう⋮だから﹁皆まで言うなよ、翼﹂霊風
﹁あの子が上空のノイズを殲滅する案を出してくれた。だけど、その
﹁響
!
!
!
2人は目の前のカードを使ってくれ。俺もこのカードで奴等を叩
﹂
手伝ってくれるのか⁉
お前達⋮
これはすごいな⋮
!
﹁⋮そうか。わかった。
⁉
﹁
!
!
?
?
!
!
508
!
!
!
!
?
!
3人同時にレバーを引いた⋮
れた。
ー
ー
そして俺達は其々の魂を纏った⋮
運命の翼
ー
無限の正義
自由の剣
ー怒りの激昂
ー青き翼
ー真紅の翼
ー
!
!
!
!
﹂﹁了解した
﹂
﹂
!
討し始めた。
俺達も急いで其々の方へと駆け抜ける⋮
そしてクリスは歌を歌った。とっても優しい暖かい歌を。
︵挿入歌﹃繋いだ手だけが紡ぐもの﹄高垣彩陽︶
俺は響のいる場所の上空にいるノイズ達を蹴散らしていく⋮
数が多い⋮ならば、これなら如何だ
め、そしてぶっ放した
!
プの狙撃砲が出てきて、俺はそれを左腕で担ぐと、そのまま狙いを定
そう言うと俺が纏っている英雄の左の翼から緑のレールガンタイ
?
!
!
そう霊風先輩が言うと響と翼は其々の方へと向き直り、ノイズを掃
﹁うん
﹁俺達は上空を抑える。2人は地上の方を頼むぜ
それを纏った俺達はそのままノイズの方に顔を向く。 !
!
!
霊風先輩方はディープカラーなワインレッドを模した翼が其々現
ロックの方は8枚の青い羽が、
俺の方からは幻想的なオーロラをした赤い翼が、
れた。
すると其々のアブソーバーから機械の様な身体をした魂が其々現
フォーム、アスラン‼
ー
されていたアブソーバーにそのカードを装填、そして⋮
﹂﹂﹂
フォーム、シン‼
﹁﹁﹁変身‼
ーライド
フォーム、キラ‼
ー
ーソウル
!
ースピリット
?
!
509
?
?
!
!
?
!
!
ズドドドドド⋮
っと
ふぅ⋮危ねえ。
すると一直線上にいたノイズ達が跡形も無く灰となった⋮
すげえ⋮
迂闊だった⋮ついさっきノイズの奇襲にあう所だったぜ⋮
﹂
でも、如何やって倒そうか⋮
﹁う∼ん⋮⁉
成る程⋮
に映り込んだ。
はは∼ん
せんせー
これで斬れと言う事ですか⋮
かなり重い⋮⁉
ガシンッ
うぉ⁉
けど⋮
そう言うと俺はすかさず右手にその剣の持ち手を取った⋮
!
そりゃ重たい筈だ
そう言うと俺はその剣を両手で引き抜いた
良し抜けた⋮って、長っ⁉
!
!
キリト師匠の双剣を両方持っているかよりかはまだマシか
?
!
!
そう考えていたら、今度は右の翼の方から剣の持ち手らしき物が目
!
!
!
これはもしや⋮
けど⋮⁉
は
なのか⁉
マジですげえ
ノイズが灰にならずに斬られた
何この現象
﹂
﹁憑友、後ろ‼
するとふいに下から響の声が聞こえたので後ろを振り返る兎に角
!
そしてようやく灰と
それとも、あの有名すぎるSF映画シリーズの有名な剣、●イトセ
●バーなのか
﹁一閃‼
?
それは良いや。兎に角先ずは⋮
ザクッ
!
?
!
?
﹂
う ぉ ⁉
?
ジュゥゥゥ‼
なった‼
?
510
!
?
?
!
しかも、よく見れば刃物の部分からエネルギーが消費しているんだ
?
!
?
?
?
あの有名すぎるロボットアニメに出てくるビー●サー●ルなる物
!
﹂
もうそこまでノイズが‼
誰今の
﹁左手を出せ
⁉
消滅⁉
消滅した⋮
⁉
﹁今の技は、
⋮いや、そんな事より
﹂
手を出して掴んだ。たったそれだけで⁉
パルマフィオキーナ
?
ら奇妙な光が発生すると共に、奇襲をかけたノイズを掴むとノイズが
そうして謎の声に従い、俺はそのまま左手を出した。すると左手か
今はやってみるだけ
﹁うぉぉぉ‼
?
へぇ∼⋮てか、吃驚した⁉
﹁俺の名はシン・アスカ。
⁉
マジですか
つうか、あんた誰
ーーーーーーSIDEto霊風
昔はよくアニメ見ていたっけ
﹁俺が言う事も無さそうだな﹂
まぁ、ぶっちゃけそうなんだけど。
そう言うと俺は背中の翼を射出、そしてその上に乗った
ていく
そしてそこからビームライフルでノイズを一体一体確実に仕留め
!
?
俺は転生者だから、此奴の事はアニメでよく知っていた。
アスラン・ザラとはな。
﹃ガンダムSEED﹄に出てくる主人公の1人、
さて、まさかロックから貰った﹃英雄﹄がよりにもよって、
?
零距離で真価を発揮する攻撃技であり、俺の必殺技だ﹂
"
?
"
お前が今なっている﹃英雄﹄だ﹂
?
でバッサバッサと薙ぎ倒す
ノイズ共、相手が悪かったな⋮
﹂
﹁俺は長柄武器が⋮お得意なんだよ
さぁて、一丁おっ始めるか
!
!
?
!
511
!
!
!
?
?
?
?
途中見逃しがあったけど、ビームサーベル二本を連結した丙剣形態
!
ーーーーーーSIDEtoロック
達也の分析のおかげで得た﹃英雄﹄達。
シン・アスカ
アスラン・ザラ
そして⋮俺の持っているこのカードもまたその2人と同じ世界出
身の者
⋮
﹁邪魔するなよ﹂
﹁お互いにな﹂
俺はクリスに背中を預け、そして腰に携えていた二丁のライフルを
﹂
使い、クリスの前方と俺の前方のノイズを掃討していく。
けど、やはり多いな⋮
﹁だが、これなら⋮如何だ
そう言うと俺は背中の翼から8枚の羽を射出した⋮
﹁行くぞ、クリス
﹂
﹂
﹂﹂
クリスはあらゆる兵装を一斉に展開した。
ぞれ、
そして俺達を守ってくれていた憑友達の返事を聞いた俺達はそれ
!
するとその羽が自動で動き、そしてノイズ達に的確に狙いを定めつ
つ、高速移動しながらノイズにヒットしていく⋮
この﹃英雄﹄⋮キラ・ヤマトの力の一つ⋮
対多戦用主兵器・スーパードラグーンの力だ
!
そう言うとあっという間にノイズを葬り去った⋮
!
﹄
スーパードラグーン
が集ま
俺もソウルのドライブボタンを叩くと同時に﹃英雄﹄の力を一斉展
フルドライブ‼
開し、技をぶっ放した。
﹃ソウル・キラ‼
俺の周りにいたビット型支援兵器
"
?
"
?
512
!
!
﹂﹂﹁﹁いけぇぇぇ‼
﹁んなもん分ってるよ
﹁﹁託した‼
?
!
!
クリスに合図を言うとクリスは返事をし、
?
ーーー‼
﹂
ハイマット・フルバースト
ハイマット⋮フルバースト
り、そして一斉照射した
﹁
フルドライブ
キラの必殺技
?
!
うな。
そう思っているとクリスも技を放った⋮
ーMEGADETHQUARTETー
﹁よっと
回収完了
﹂
!
フィーネ。お前との決着をつける時だ
ーーーーーーNO SIDE
﹁やった∼
やった∼
﹂
﹂
﹁茶化す場面では無いと思いますけど
何しやがんだ⁉
熱いですな∼
それに仲間でも、ラ
?
﹁やめろ馬鹿
﹁お∼
俺達は仲間だろ
!
﹁済まない。俺達のけじめを押し付けてしまって﹂
﹂
﹁何そんな風に言ってんだよ
イバルになれるさ
﹁憑友⋮ああ。そうだな﹂
!
﹂
皆はそれぞれ合流して、そしてクリスを見た響がすぐに抱きつく。
風、翼、クリス、ロックの6人。
こうして無事に東京スカイタワー防衛戦を切り抜けた響、憑友、霊
!
けど、まだ落とし前をつけなけりゃいけない相手がいる⋮
いは終わったな。
如何やら﹃英雄石板﹄の方も無事に回収できたようだ。此処での戦
!
勿論、親玉のノイズ達も特異型ノイズも同様だ。
その一斉照射で、上空のノイズが殲滅した。
!
射線上に入れば最後、身体は全て蜂の巣に変えられるのがオチだろ
砲を一斉照射する豪快な技。
背中腰に携えていたレールカノンと、腹に装着されていた荷電粒子
その技は二丁のライフルと、8基のドラグーンに
"
"
?
!
?
!
!
お前そう言うのに疎いよな∼⋮﹂
?
!
513
"
"
それぞれの気持ちが交錯していく中、響の端末から連絡が入ってき
た。
﹁はい
﹂ ﹃響⁉
リディアンがノイズに襲われ⋮﹄プツンッ
!
だが、そんな憑友の肩に手を置く存在がいた。
﹂
﹁憑友⋮俺に考えがある﹂
﹁ロック⋮
!
その言葉を聞いた憑友は負の感情に押し潰されそうになった。
﹁リディアンが⋮﹂
その話を聞いた憑友は最悪の出来事が起こった事に後悔した⋮
﹃学校が⋮
けど、何かがおかしかった。
如何やら話し相手は未来のようだ。
その声を聞いた憑友はその相手を瞬時に判断した。
﹂
﹄
﹁未来
?
?
ロックだった。するとロックは驚愕の行動を言った⋮
﹂
514
?
﹁俺が⋮フィーネを止める
!
!
!
?
第50話 不吉な音色が渡りし時/軍師総長と聖女
響と憑友達がスカイタワー防衛戦をしていた頃、リディアンはノイ
ズ達に襲われていた
難が遅れていないのか探し回った。
他に残っている人はいませんかー
!
﹁学校が⋮
響と憑友が帰ってくる場所が⋮
﹂
ると其処にはノイズによって無残な姿へと変えられた校舎があった。
すると地響きが未来のいる校舎の方へと響き、未来はその方角を見
﹁誰かー
﹂
未来は3人に避難するように促すと、そのまま足早に他の生徒の避
そんな中で未来は友達の創世達と出会う。
響や憑友にとっての帰る場所がノイズに襲われたと言う事に。
しかし未来の心は複雑だった。
そんな中、未来は自衛隊員の人達と共に先導を行っていた。
いでシェルターへと避難していた。
そんな中、自衛隊員の導きにより、リディアンの生徒や先生達は急
幸いなのはその場には特異型ノイズがいなかったと言う事だった。
!
!
ノイズが三体現れた
それはなんと奏だったのだ
﹂
﹂
﹁緒川のあんちゃん
﹁分かっています
!
そして未来は目の前にいる存在に目を見開いた。
その声と共に誰かに押されてなんとか一命を取り留めた。
﹁危ねえ‼
﹂
そしてノイズが三体とも未来に襲いかかろうとしたまさにその時
!
!
を正確に狙った
ー影縫いー
﹁急 い で 下 さ い
あ
影縫い は 本 当 に 数 秒 単 位 で し か 足 止 め で き ま せ ん
れ
そう言うと緒川は拳銃を用いてノイズ達のほんの少ししか無い影
!
!
!
515
!
すると突然近くの窓ガラスが割れて、未来はその方を見ると其処に
!
?
!
﹂
そ う 言 わ れ た 未 来 は 奏 に 起 き 上 げ ら れ る 形 で 急 い で 二 課 の エ レ
ベーターシャフトへと駆け込んだ。
そしてなんとか一命を取り留めた3人。
緒川は急いで弦十郎に報告する為に通信をし始めた。
﹁⋮はい。以前、ノイズのリディアン侵攻は被害を拡大しつつ継続し
ています﹂
﹁大丈夫か、未来ちゃん﹂
﹁はい﹂
奏は緒川の代わりに未来の心情を癒やす。
そんな中、緒川は弦十郎にある報告をした。
﹄
﹁⋮それよりも指令﹂
﹃
﹄
﹂
﹁︽カ・ディンギル︾の正体が判明しました﹂
﹃なんだと
﹁︽カ・ディンギル︾の正体が分かったのか
!
﹁物証はありません。けれどもし、この事を憑友君が気付いてくれて
いたらと思うと⋮﹂
﹂﹂﹂
ドオンッ‼
﹁﹁﹁⁉
?
﹃きゃあぁぁぁぁ
﹂
﹄﹃てめぇ
緒川‼
﹄
如何した
﹃ぐぁぁあ‼
﹁⁉
くっ
一体何があったんだ
﹁指令
?
?
牧藁君⁉
﹄
!
!
!
?
﹂
⁉
!
!
ーーーーーーSIDEto弦十郎
た
そして何者が其処から侵入し、そしてそのまま緒川の首を締め付け
た
すると突然エレベーターの上から何かが落ちてきたような音がし
?
!
?
?
516
!
?
!
!
﹄ 階級は俺よりも高いぞ
﹃言ってない‼
﹄
﹁因みに武道では俺と同等だぞ
﹃化け物
﹁テヘペロ☆
ーーーーーーNO SIDE
来を守っていた。
﹂
緒川が首を締め付けられ、奏は未来に危害を及ばぬように懸命に未
に置かれていた⋮
一方、緒川達の乗っているエレベーターシャフト内では危機的状況
﹂
私は伊達にこの場のムードメイカーじゃないんです
﹁此処は私達に任せて、指令は緒川さん達の所へ
﹂
大丈夫です
から
ミルク
﹁牧藁⋮﹂
﹁牛乳ちゃん⋮﹂
⋮そうするとしようかな。
コマンドマスター
﹁後は頼んだぞ⋮牧藁
﹂
﹃⁉
言っていなかったか
コマンドマスター⁉
﹁了解です
!
ガンガンやっちゃいますよ∼
﹁それに関しては同感だ⋮﹂
﹂
まぁ、何はともあれ⋮牛乳
﹁ラジャー
﹂
?
!
﹁⋮責めてどっちかに言ってくれないか
﹁それは無理な話なのです
はぁ⋮駄目だなこれは。
﹂
後は頼むぞ
﹁この性格とのギャップが激しすぎね⋮﹂
!
そう思いながら俺は緒川達の元へと急いだ。
!
!
と言う訳で、皆さん
?
?
?
牧藁は俺よりも長く軍の指揮を任せられていて、
﹄
指令総長の実力⋮期待しているぞ﹂
!
?
!
517
!
?
!
?
!
!
!
?
そしてそんな緒川に首を締め付けている本人⋮フィーネが話し始
めた。
﹂
﹁こうも早く悟られるとは⋮
何がきっかけだ
﹁塔なんて目立つもの⋮そんなものを目立たずに建設するには、地下
へと伸ばすしかありません⋮
﹂
そうこうしてるとエレベーターが止まり、ドアが開いた
﹁漏洩した情報を逆手に上手くいなせたと思ったのだが⋮﹂
そして⋮それを可能とするのは⋮
ベーターシャフトこそ︽カ・ディンギル︾
そんな事が行われているとすれば、特異災害対策機動部二課のエレ
!
を数発フィーネに浴びせる⋮
いていた
しかも、クリスは白銀のような色だが、フィーネは逆に黄金色に輝
た完全聖遺物︽ネフシュタンの鎧︾を身に纏っていた。
しかし、フィーネは現在クリスが以前二課の前に現れた時に来てい
!
そして緒川はすかさず忍びのような動きで拳銃を取り出すと弾丸
!
!
!
へと吊るした
﹂
﹁やめろーーー
﹁がはっ⁉
まり、そのままエレベーターから緒川のいるフロアへと放り出され
た。
﹁お前には本当に良いものを貰ったよ。
﹂
立花響と、人絆憑友と言う異色の症例を持つ者を2人も私に貢がせ
てくれたのだからな﹂
﹁ふざけんじゃねぇ⋮ふざけんじゃねぇー
そう言うと奏はそのまま立ち上がった。
!
518
?
するとフィーネの後ろにいた奏がパンチをしようとしたが、鞭に捕
﹂﹂
﹁﹁奏さん⁉
﹂
﹂
!
﹁ふんっ
!
するとフィーネは鎧についている鞭で緒川の身体を拘束させ、上空
!
?
!
?
!
しかしフィーネは逆に奏に対して、更に鞭を自由に動かしながら奏
を部屋の壁や天井、床に叩きつけていく⋮
﹂
﹂
﹁がはっ⁉
﹁奏さん
?
︽完全聖遺物
デュランダル
︾が眠っていた。
"
﹂
ちてきて、其処から砂煙と共に何かが現れた
風鳴弦十郎だった
﹁私をまだその名で呼ぶか
のだ。
﹂
﹁女に手を挙げるのは気が引けるが⋮
﹂
3人に手を出すのなら⋮
﹂﹁ダンナ
﹂
お前をぶっ飛ばす‼
﹁指令⋮
?
今の今まで仲間だった者が今相対する⋮
風鳴弦十郎と櫻井了子もといフィーネ。
!
ーーーーーーNO SIDE
!
フィーネの正体⋮それは二課の研究員である女性、櫻井了子だった
フィーネは弦十郎を見てそう言った。
!
!
そして、響と憑友の格闘技の師匠⋮
それは二課の指令であり、翼の叔父であり、
ていた
それを見ていた未来、緒川、奏の3人はその姿を見て、目を見開い
!
すると2人の間の天井から亀裂が入るや其処から一気に何かが落
﹁
﹁待ちな、了子﹂
だった。
そ し て フ ィ ー ネ は そ ん な 緒 川 に 対 し て 攻 撃 し よ う と し た そ の 時
フィーネはその部屋を入ろうとするが、それを緒川が阻止。
"
その部屋にはかつて、響と憑友が護送任務の時に搬送していた物⋮
屋の前に来た。
そしてフィーネはそのまま緒川を投げ飛ばすと、そのままとある部
!
!
!
519
?
一方、東京スカイタワー防衛戦を終えた一同とはまた違う場所。
其処では1人の女性がその危機に察知していた。
﹁⋮じゃあ、行ってくるね♪ジル君﹂
﹁お気を付けて、お嬢様﹂
すると女性は近くにいたセバスチャンかSPのような格好をした
男性と話し合いを終えるとそのままある場所へと歩み始めた。
しかし、その先にはノイズがまだ残っていた⋮
﹁雑音は嫌いだから⋮さっさと逝け﹂
素通りした。
するとノイズ達が一瞬で灰と化した⋮
﹁フィーネ⋮ううん。了子ちゃん。貴方の思惑⋮
︻聖女︼の名を持つ私⋮
﹂
すると女性は瞬時にその間合いを詰め、そしてそのままノイズ達を
!
ジャンヌ・カデンツァヴァナが止めて見せるからね
520
!
!
そう言うと女性、ジャンヌ・カデンツァヴァナもとい人絆ジャンヌ
は前へと歩み始めた。
人絆憑友の母・ジャンヌ⋮
今、戦場に立つ
!
第51話 漢よ、吼えろ
﹂
員、動かしたと言う訳だ﹂
前
﹂
﹂
﹁⋮陽動に陽動をぶつけて来たか。⋮くえない男だ。
だが、この私を止められるとでも
﹁おうとも‼
フィーネは自らが纏いし︽完全聖遺物
ていた鞭で攻撃を仕掛ける。
ネフシュタン
しかし、弦十郎はそれを難なく躱していく⋮
"
⋮
︾に備わっ
巨漢な弦十郎だが、見た目とは裏腹にそのスピードは侮れなかった
!
"
後は燻り出す為に、敢えてお前の策に講じて、装者達と導師達を全
た。
米国政府のご丁寧な道案内で、了子の行動にはとっくに気付いてい
お
それに此方には勝手に突き進む猪突猛進な男弟子がいるものでな。
﹁調査部だって無能じゃあない。
﹁何時から気付いていた
フィーネの相手をしていた。
仲間を傷つけた報いを晴らす為⋮
かつての同胞を止める為、
二課の超人すぎるOTONAこと、風鳴弦十郎が、
そしてフィーネは最終調整を施そうとしたその時、
を穿つ魔塔︽カ・ディンギル︾そのものだった。
二課内部、それは櫻井了子もといフィーネの手によって作られた天
!
一汗掻いた後で話を聞かせてもらおうか
!
避けた。
だが、その衝撃波に鎧の一部が掠った。
すると掠った場所から罅が入る⋮
それを見たフィーネは目を見開きながらも、すぐに冷静になり、今
!
521
?
そう言うと弦十郎とフィーネの格闘戦が始まった。
!
?
そして弦十郎が1発お見舞いさせようとするが、それをフィーネは
!
度は両方の鞭を同時に放つ⋮
﹂
⋮完全聖遺物を退ける⋮
フィーネの腹めがけてアッパーカットを繰り出した
﹁くっ
如何言う事だ⁉
漢の鍛練はそいつで充分だ
﹂
普通それだと怠けて、身体が鈍るのが普通
﹁映画見て、飯食って、寝る
⋮いやいやいやいや⁉
だから⁉
!
!
!
しかし、それを弦十郎は手で止めるや、そのまま引っ張り、そして
!
人
﹂
!
もいない⋮と思ったその時
﹂
﹂
﹁はっ
﹁何
﹂
﹂
天井へと吹き飛ばし、ソロモンの杖は天井に突き刺さった
﹁お前は⋮⁉
﹁︻冷眼のロック︼何故貴様が此処に⁉
!
フィーネの背後から奇襲を仕掛けた存在が瞬時にソロモンの杖を
!
すると何処からか声が聞こえたので、皆は辺りを見渡す。しかし何
!
そう言うとフィーネはもう一つの完全聖遺物︽ソロモンの杖︾を取
﹁為れど、人の身である限りは
その人から教わった響と憑友って⋮やっぱり化け物
2
うん⋮弦十郎はある意味化け物である。
思っていたそうな⋮。
弦十郎の言葉を前に未来、緒川、そして奏の3人はそう心の中で
?
此処でノイズを繰り出すつもりだ
り出した
!
﹂
﹁させるか
!
﹂
するとロックは付け加えてこう告げた。
その一言を聞いた皆は驚いていた。
﹁なんだと
﹁お前の影を探して正解だったよ。フィーネ﹂
するとロックはすかさず弦十郎の隣にやって来る。
ロック・アイル・ユキネであった。
そ れ は つ い 先 程 ま で ス カ イ タ ワ ー 防 衛 戦 に て 戦 っ て い た 筈 の 男、
?
?
522
?
!
?
!
!
り
し
の力によって俺は数分後の未来からやって来
﹁俺はほんの少し未来からやって来たロック・アイル・ユキネだ。
ぎ
影這い・過去行き
す
俺の独学で得た力、
た﹂
軸から強制退去してしまうからな。
﹂
それはそうと、此処からは俺が相手をしてやる。フィーネ
﹁⋮遂には反逆を構えて来たか
!
仕掛ける⋮
そう言うとフィーネは鞭を巧みに動かしながら、ロックへと攻撃を
!
﹂
﹁未来の出来事は話せないのがルール。言ってしまえば俺はこの時間
のであった。
今回のケースは未来からやって来た=過去へと飛んできた。
かったりする事も出来ると言うのであった。
その際に時間の流れも変える事が出来、過去へ行ったり、未来へ向
かけたと言う事である。
と入り、そしてフィーネの影を見つけるや、そのまま背後から奇襲を
するとロックの足元が影だけになると、ロックはそのまま影の中へ
そして同時に発光させた。
そしてその真後ろに﹃英雄﹄シロエが呼び出した発光系魔法を配置、
それはロックの周りに装者と導師を配置し、
した。
それは前回の話にて、嘆こうとしていた憑友にロックはある提案を
ちんぷんかんぷんな貴方達に噛み砕いてご説明するとしよう。
そこで、
ロックの言っている言葉に未来達は全く分からなかった。
"
﹁変身
﹂
バーに装填、そして⋮
ロックはすかさずそれを避けながら、カードを取り出し、アブソー
!
物を纏った﹃英雄﹄が現れるや、ロックはそのままその魂を纏った⋮
するとアブソーバーから黒と紫をあしらった服装いや、甲冑らしき
レバーを引いた。
!
523
"
フォーム、ミツナリ
ーソウル
ー
するとすかさず手に持っていた三成の愛刀、
神速抜刀
君子殉凶
!
﹂
防いでいく⋮
﹁消えろ
﹁それはお前の方だ
刀した。
懺悔
﹂
すると時間差で連続の斬撃が襲いかかった
"
﹁ふっ。殺したければ殺せば良い
﹂
無銘刀 白
﹂
!
そう言うとフィーネの首元めがけて刀を振り下ろ⋮
﹁ああ、そうさせてもらう⋮お前と言う闇をな
・
を鞘か
だが、脳内パルスの信号が途絶すれば、聖遺物も無となる﹂
﹁完全に融合体になっていたか。
や地面に寝そべらせ、首元に刀を向けた。
それを見たロックは刀を抜き、そしてフィーネの顎をすかさず掴む
するとその攻撃を食らったフィーネは後退した。
﹂
﹁ぐあっ⁉
?
!
は瞬時に間合いに入り込むとそのまま鞘から抜刀するとそのまま納
そう言うとフィーネは鞭を同時に放つが、三成の魂を纏ったロック
!
!
!
ら抜刀するや其処から目にも見えぬ速さでネフシュタンの鞭を悉く
"
!
!
!
524
"
!
!
"
⋮がはっ⁉
グサッ‼
﹁⁉
?
﹂
何が⋮﹁大丈夫か
﹂⋮この声は⋮﹂
?
﹂
そして、フィーネとロックの元に近づくや、
切り、緒川にさえ横切ると、弦十郎の隣を過ぎさる。
それを見た奏はそう呟くと、霊風はそのまま奏を横切り、未来も横
﹁霊⋮風⋮なのか
﹁いや∼間に合った間に合った♪﹂
精妖霊風がいた。
筈の男⋮
時間軸ではスカイタワー防衛戦に参加していて、一緒に参加している
それは緒川達も同じで、後ろを振り返ると、其処にはロックがこの
聞こえた。
皆を代表して弦十郎が何か言いたそうにしていると、後ろから声が
﹁⁉
それを見たフィーネ以外の一同は目を見開く。
背中から一つの槍を貫かれて。
代わりにロックが地に伏した。
⋮されなかった。
?
?
525
?
?
﹁ふん
﹂
﹁がはっ⁉
﹂
﹂
なんとそのままロックを蹴飛ばした。
巫女殿は
更にそれだけではなく、
﹁相も変わらずですな∼
﹁⁉
如何言う⋮﹂
﹂
・
・
・
﹂
・
・
﹂
!
﹁知らなかったなんてな
・
・
そう言うと霊風は手に持っていた槍をなんと弦十郎に向けた
﹁︽騎士︾か⋮良くもなければ悪くもないな⋮﹂
︽騎士︾⋮だったとは⋮‼
﹁まさか⋮お前が⋮フィーネの⋮言っていた⋮
するとロックがその光景を見て、ようやく理解した。
そう言うとフィーネの手を無理やり掴んで立ち上がらせたのだ
?
俺はこの女⋮フィーネの仲間だと言う事に
﹂
﹁な⁉
﹂
﹁嘘⁉
﹁そんな⁉
﹂
!
?
フィーネの仲間だと言う事に。
それは、精妖霊風が⋮
突然のカミングアウト⋮
?
﹁⋮嘘だろ⋮
526
?
!
?
奏の言葉に今は誰も応えてくれなかった⋮
?
!
?
?
?
?
第52話 裏切り
二課の内部にてフィーネと弦十郎が激闘を繰り広げる中、ロックが
その場に出現し、フィーネに牙を向けた。
そしてフィーネにトドメを刺そうとしたが、何処からか飛んできた
槍に貫かれて、ロックは絶命寸前へと陥った。
そんなロック達の元に、霊風が現れるが、霊風はロックをそのまま
蹴飛ばすだけじゃなく、なんと敵であるフィーネを立ち上がらせたの
だ
そして皆は驚愕させられた⋮
霊風が実は、フィーネの仲間であったと言う事に⋮
⋮くっ
まさか、霊風がフィーネの言っていた﹃懐に潜
あの男
ーーーーーーSIDEtoロック
がはっ⁉
!
何故お前が此処に⁉
いやそれよりも⋮
﹁くっ
﹂
感情を最大限に活かした芸当でまさか俺がこんな目に遭うとは⋮
なんと言う演技力だ⋮
みし︽騎士︾﹄だったとは⋮
?
!
!
る前に出るだけで良いんだからな
﹂
﹂
いつの間にそんな事が起こっていたんだ⁉
﹁ならば⋮何故此処に⁉
くっ
?
﹂
でも、俺は今の人生は好きじゃないからな﹂
﹁如何言う事ですか⁉
?
放った。
転生者
って、知ってるか
﹂
?
﹁
"
SP姿のキラとよく似た声をした青年が言うと霊風はある言葉を
?
﹁さぁな
?
?
その後は、何処かの影になりそうな場所を適当に探して、お前が出
お前が潜った影の中をこっそりと後を追って来たんだよ。
﹁簡単な話だ。
!
!
527
!
!
?
!
"
﹁
転生者
だと
転生者
"
﹂
?
その通り
﹂
う⋮二次創作物の話の事か
﹁流石、奏
!
﹂
?
⁉
?
は無かった。
すると霊風は更なる事実を突きつけた
身者だ。
﹁俺は昔、この世界とは違う、別の次元に存在する平行世界上の地球出
!
ただ1人、フィーネは口元を歪め笑みを浮かべながら、その限りで
皆は驚愕の色に染まる。
﹄
﹃⁉
な、何
その転生者だからだよ﹂
﹁俺が⋮
愕の事実を告げた⋮
そう言うと白のリボンを付けていた女の子がそう言うと霊風は驚
?
!
﹁それで⋮何が言いたいんですか⁉
﹂
﹁それって⋮﹃前世の記憶を持ったまま、別の世界に転生する﹄って言
⋮前に一度そう言うのを聞いた事がある。確か意味は⋮
?
?
528
"
・
・
・
・
そして俺は同時にこの世界で転生を果たした。
・
俺はこの世界の事を知っていた⋮
何故なら⋮
そんな馬鹿な⁉
・
・
・
・
この世界は俺のいた世界では、アニメ即ちフィクションの世界だっ
た﹂
⁉
?
イチイバル
︾と共にいると言う事も。
"
人絆憑友⋮
﹂
2人の存在がな
﹁⁉
﹂
天羽奏⋮お前の存在と、
しかし、此処でイレギュラーが起こった⋮
翼が︽絶唱︾を放った事も、みんなよく知っていた。
物
8年前に行方を眩ましていた雪音クリスがまだ生きていて、︽聖遺
響の嬢ちゃんが︽ガングニール︾を纏うと言う事も。
﹁そして俺はこの先の事も知ってる。
?
なんで⁉
呼ばれた女性に向けた
﹁あ、私と憑友が⁉
﹂
﹁お前はこの時点で既に殉職している
﹂
2年前のあのライブ会場の悲劇でな
﹂
お前は今日この日まで死なずに、逆に生きていた
ブ
たった1人の少年が、その歴史を狂わせた
モ
それだけじゃない
だけど
﹁俺はあのライブ会場から全てが始まる⋮そう思っていた。
﹁‼
!
あの格闘娘
そして 響 の人生は大きく変わる筈だった⋮だが
その歴史は、たった1人のモブ⋮
人絆憑友の手によって狂わせられた
!
!
お前はあの時、殉職して、防人嬢は1人でその身を剣へと変え、
!
!
!
?
!
そう言うと霊風は先程まで弦十郎氏に向けていた槍の矛先を奏と
!
?
!
!
529
"
?
?
翼は俺の想定していた翼よりもなりを潜めた。だが
響ちゃんの人生は想定外の崩壊を起こさせた
!
ば⋮
﹂
﹂
そんなのは好都合さ
俺にだってよく分かるさ
あの時、憑友がその行為を止めていれば⋮
⋮だからって
こんな歴史は歩まなかった
﹁
﹁ああ、そうだよ
奏さん⁉
﹂
﹂
の
﹂
女
化け物
としてな
﹂
﹂
﹂
もしあの時、奏が︽絶唱︾を放ってそのまま塵となって消えていれ
!
﹁でもな⋮俺はこの力を持つ故に今の今まで人に嫌われていた。
自らの力すら扱えきれない、
こ
⋮この男⋮目から涙が流れている⋮
﹁そんな俺を、フィーネは利用した。
事の計画を順調に進めるためにな﹂
計画だと⋮⁉
﹂
﹁⋮で良いのかよ﹂
﹁あぁ
"
!
お前はそれで良いのかよって言ってるんだよーーー‼
!
"
﹂
﹁私にとって、あんたは無くてはならない相棒だ
の
女
の
下
僕
フィーネに仕える犬では無くて、
そ
私はあんたを取り返す
それはこれまでだって、これからだってそうだ
?
!
!
!
﹁⋮﹂
だけど、それがどうしたんだよ‼
あんたが2度目の人生を送っていると言う事に。
かった。
﹁確かにあんたが何者なのか。それは付き合いの長い私でさえ知らな
!
!
霊風がそう言うと奏と呼ばれた女は話し始めた。
﹁⋮何が言いたい
?
﹁
﹁⁉
﹁奏⁉
?
?
?
?
?
?
530
!
!
!
!
!
!
・
﹂
﹃天羽奏﹄と言うアーティストを導く風として
フィーネの手から
天羽奏⋮なんて、大胆な女だ⋮
あんたを取り返す
﹂
﹁⋮ふっ。それはそれで結構だ。
だが
﹂
そう言うと霊風は奏に槍を向けた
‼
!
﹄
!
﹂
フルドライブ
ストーム・ボルグ
"
?
﹃スピリット・オリジン
﹁穿ち、抉れ
?
!
そしてそのまま奏に向かって槍をぶっ放してきた
やめろーーー‼
?
ガシィンッ‼
!
!"
!
そう言うと霊風は左腕のアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹁
てめぇの命⋮今度こそ尽き果てな
!
!
!
!
"
531
!
"
!
﹁﹁﹁﹁⋮⁉
⋮え
﹁がはっ⁉
﹂﹂﹂﹂
﹂
俺は目を開き、そして目をさらに大きく見開かせた。
他の皆も同じだった。そこには⋮
槍によって、鎧諸共、身体に穴を開けられたフィーネと⋮
その槍を携えた霊風がいた⋮‼
?
532
?
?
?
第53話 寝返りと告白
如何やって向きを変えた⁉
ーーーーーーSIDEtoロック
﹁馬鹿な⋮⁉
⋮フィーネの言った通りだ。
霊風の後ろにはフィーネがいた。
﹂
なのに、何故フィーネにその槍を向け直したんだ⁉
そして何故貫けたのか⁉
?
そして霊風の槍の矛先は奏と言う女の人に向けていた⋮
?
たんだ⁉
いや、そもそも⋮如何やってあのスピードから180度向きを変え
?
!
?
少なくとも俺の視認したのは推定でも、時速80kmは下らない⋮
?
普通そんなスピードで、急カーブすれば、間違いなく遠心力の因果
で横転するのが目に見えている⋮なのに何故⁉
?
﹁生憎、俺は脳筋じゃなくて⋮テクニシャンなんだよ。手先が器用な
﹂
んだよな∼﹂
﹁霊風
﹁え
﹂
﹁お前の声が聞けて良かったよ。奏﹂
!
﹁お前と翼と初めて会った日。
よ、余計なお世話だ
﹂
お前って本当に男みたいな大胆な性格だったな⋮﹂
﹁⁉
・
・
・
・
・
よっぽど恥ずかしい思い出なんだろうなぁ。
・
・
・
そう言いながらも、奏と言う女の頬が赤く染まる⋮
!
﹂
////﹂
⋮大胆⋮‼
﹁⁉
﹁
何の事だろう
まぁ良いか。そう思っていると霊風は再び話を
?
?
﹁此処でそれ言いますか⋮⁉
﹂
﹁だけど、俺はその性格が好きだ。今までもこれからもな﹂
・
そう言うと霊風はフィーネに槍を突き刺したまま話を始めた。
?
?
?
?
533
!
!
?
始めた。
﹁⋮本当はお前を死んで欲しくは無かった。
だけど、俺は︽運命︾を変える事が出来なかった。
だけど、あのモブいや、彼奴⋮憑友のおかげでお前がこの日まで生
きてくれた。
正直悔しかった。あの子に奏が助けられるなんてな。
ってな
﹂
天羽奏の専属マネージャーと同時に、
だからもう決めたんだ⋮あのライブ会場の後から⋮
奏を守る⋮騎士になる
////⋮もう⋮馬鹿野郎⋮////﹂
!
そう言うと霊風は持っていた槍を引き抜くや、そのまま槍を高跳び
﹁‼
!
﹂
棒を応用して、槍を地面に付けるとそのままフィーネに蹴りを加え込
んだ
!
!
だけど今は違う
・
・
・
・
・
・
奏を守る存在⋮
・
!
!
う⋮
でも、おかげで肩の荷が下りたみたいだ。
﹁ふっ。漸くか⋮遅すぎるな﹂
﹂
﹁それに関しては俺も同感だ﹂
エルエルフ⋮刄更⋮
﹁俺達もいる事も忘れるなよ
﹁常に前を見据えろ、我々の主よ﹂
!
おのれぇぇぇぇ
﹂
ゼクス⋮ナルガ⋮へへっ。やっぱり俺はこうでなくちゃな
﹁くっ
!
!
俺の事を思ってくれていた奴に俺はなんで気付かなかったんだろ
ったく⋮俺も俺で馬鹿な奴だよな、全く⋮
ーーーーーーSIDEto霊風
片翼を守りし風だ
﹂
俺は天羽奏の専属マネージャーと同時に
!
﹁俺は今の今までお前の犬だった⋮下僕だった⋮
何故、私に歯向かう
﹁ぐっ
!
!
534
"
"
?
﹁かかって来いよ
終わりの名を持つ女
﹂
!
フォーム、アリーシャ
直後にレバーを引いた
﹂
ースピリット
﹁あらよっと
ー
!
!
そう言うと俺はアブソーバーからカードを取り出し、そして装填の
!
!
ー導師の従者
姫騎士の槍
ー
俺はすかさずアリーシャの愛槍、
﹂
フォージスピア
の穂先を地面
"
!
に突くとそのまま身体を独楽のように周り始める⋮
﹁櫓独楽
﹂
!
"
!
ドレスを身に纏った女性の魂が現れ、俺はそれを纏った。
そしてアブソーバーからベージュ色のサイドポニーと白のバトル
!
にいてくれた。
本来なら、手元から去る事もあったはずなのに、今日までずっと傍
ばしにして、無理矢理にでもレヴィアタンを酷使し続けていた。
だけど、俺はそれを前者は否定して後者は二の次、三の次へと先延
それに、彼女には大事な親友と再会させる約束までした。
彼女は争い事はしたくない性格。
レヴィアタンには本当に色々とお世話になっていた俺。
俺はそう言いながらレヴィアタンに謝罪する。
﹁今まで俺の無茶ぶりに付き合ってごめん﹂
レヴィアタンが現れた。
︽水竜︾を冠する名を持つ少女⋮
そこには俺が初めて出会った﹃英雄﹄であり、
そしてブースターから光の粒子が放出すると、
イテム⋮﹃現界ブースター﹄を取り出し、そしてカードを装填した。
俺は動作をやめるとすぐに憑友から貰った﹃英雄﹄達を顕現するア
はそのまま壁へと衝突し、そのままめり込んだ。
その内の蹴りの1発をフィーネの腹にクリーンヒットし、フィーネ
﹁んなっ⁉
!
そんな俺の言葉を聞いたレヴィアタンは俺の方に向くと話をし始
535
?
めた。
﹁例え、貴方がどんな人だろうと⋮
大事な友達を探してくれるという約束は本物だった。
だから、私は貴方の事を信じ続けてきた。
私は争う事はしたくない。けど、それでも私と同じ歳の女の子達が
一生懸命に今の人生を生きているのなら、私はその子達の為にも、
貴方の為にも、頑張ってみせるから﹂
レヴィアタン⋮ありがとう。
ロックの治療を頼む⋮
﹂
俺はそう心の中で呟くと、直ぐにレヴィアタンに指揮をした。
﹂
﹁レヴィアタン
﹁はい
!
﹂
そんなの⋮決まってるよ
﹁何故、私に牙を向く⁉
んぁ
?
がいる、そして⋮相棒がいるんだ⋮
そんな奴等の叫びで漸く目が覚めたんだ⋮
お
れ
た
ち
月を穿ち、︽バラルの呪詛︾を解き放つ計画
だから、お前のやり方⋮
⋮ああ
⋮頼んだぞ⋮︻風魂導師︼﹂
﹁⋮今のお前になら、俺が使えそうだな。
は⋮
﹂
そう言うと俺の目の前に一枚のカードが現れた⋮
シンフォギア装者と精魂導師が阻止してやる‼
!
!
﹁今の今まで俺の事をこんなにも心配させてくれた仲間がいる、友達
!
それと同時にフィーネが壁から這い出てきた。
そう言うとレヴィアタンはロックの元へと向かい、治療を始めた。
!
﹂
換、そして、
﹁変身
レバーを引いた。
!
536
!
?
そういうと俺はそのカードを手に取り、アブソーバーのカードと交
!
!
"
?
"
!
ースピリット
フォーム、エルエルフ
ー
!
世界を曝け
あば
ー
た青年の魂が現れ、俺はそれを纏った
ー知性参謀
達を導いた青年。
友達
の死が関連していたりする。
友達
エルエルフ本人は頑なに自らを英雄視される事を嫌っている。
理由はおそらく⋮
本来ならエルエルフは自分ではなく、自分にとって唯一の
が﹃英雄﹄にならなければいけない存在だった。
だが、﹃英雄﹄になる直前で、その友達はこの世から去った⋮
"
"
彼もまた俺のいた世界では
過ぎないから。
アニメの中の世界の人物
の1人に
"
と。
俺みたいな歴史を歩むな。お前にはまだ仲間がいる、友達がい
る、そして⋮相棒がいる
が今になって漸く分かった。
でも、だからこそ俺はエルエルフいや、ミハエルの言いたかった事
"
転生者︽リターナー︾の俺はその事情をよく知っている。
のだろう。
エルエルフの友達の代わりにエルエルフを﹃英雄﹄として昇格させた
神︵俺が転生する際に出会った若い神とは別の神にあたる存在︶が、
"
︽革命機︾と呼ばれるロボットを操るまだ20歳にも満たない未成年
!
するとアブソーバーから白髪でこれまた白を基調とした軍服を着
!
エルエルフ⋮本名ミハエル。
!
"
な。
⋮ありがとう。
﹂
﹁⋮ふっ。何に変身したかと思えば、お前の得物である長柄武器を持
たない戦士に成ろうとはな
﹂
槍、両手斧、 斧 槍、長杖、狙撃銃etc
ハルバード
俺の得物は確かに長柄武器だ。
﹁
﹁勘違いするなよ、フィーネ﹂
!
537
!
それに気付いた俺を見たエルエルフは俺に力を貸してくれたんだ
"
"
?
両手で一つの武器を持つバトルスタイルは俺の得意分野だけど⋮
だからと言って、他の武器が不得手とは限らないんだよ
!
﹂
﹂
﹁それにあんたには見せてないけど、奏は俺が初めて出会った時の事、
憶えてるか⋮
﹁初めて出会った時の事⋮
初めて出会った時の事⋮
﹂
そうだ⋮あいつ⋮徒手空拳を使用していた⋮
﹁その顔だと思い出してくれた様だな
ああ⋮でも、如何やって⋮
?
﹂
﹁緒川っち
﹁
⋮
﹂
﹂
﹁拳銃貸してくれ
﹁え⁉
﹂
すると霊風はフィーネと向き合うと、
?
!
私は霊風にそう言われて記憶を頼りに思い出していた。
?
ーーーーーーSIDEto奏
?
?
速リロードさせて、その拳銃を霊風に投げた
なんで⁉
?
﹂
から取り出したのか、コンバットナイフを逆手に持った
﹁サバイバル術で勝てる程、甘くは無い
﹁だろうな﹂
!
対して霊風はその銃を左手で華麗にキャッチすると、右手から何処
!
を零すと、
拳銃とナイフによるラッシュ攻撃を繰り出していく⋮
近づければナイフで斬られ、
古代の異端技術であるネフシュタンの鎧。
近代技術で生み出された拳銃とナイフと、
鎧︾だ。
だが、フィーネの纏っているのはあの完全聖遺物︽ネフシュタンの
遠くに行けば弾丸で撃たれる⋮まさに遠近を征する攻略法だ。
!
フィーネの言い分に霊風は逆に冷静に、そして口元から不敵な笑み
!
538
!
!
いきなり何をと思ったら、緒川のあんちゃんが直ぐに拳銃の弾を高
?
!
!
異端技術の方が圧倒的に不利になる筈⋮そう思っていたら、
﹁ったく、神様も何勝手に特典を追加しやがって⋮﹂
︶り⁉
﹂
と、霊風がそう呟くと、そのまま眼を閉じ、そして一気に開眼させ
た
﹂
⋮何のつm︵グサッ
﹁っ‼
﹁
﹂
白から赤へと変わっていた。
﹁な⋮何が⋮⁉
﹁﹃英雄・エルエルフ﹄の能力⋮
。
"
身させる能力だ。
そして、今俺がなっているのは⋮﹂
ー
フォーム、両儀式
そう言うとそこで発生音が聞こえた。
ースピリット
空の境界、直死の魔眼
その眼を開けば、あの世へと逝かせる﹃魔眼﹄の持ち主
!
そう言うと霊風はナイフと拳銃の持ち手を入れ替えた。
⋮︻魔眼の境界者 両儀式︼の力だ﹂
﹁
!
﹁⋮
直死
﹂
今度は逆の手で持ち替えた。
先程までは、拳銃が左、ナイフが右の逆手で持っていたが、
"
発動時、エルエルフのカードから別の︻ヒーローカード︼に高速変
クイックチェンジ
それによく見てみれば、霊風が纏っていた服装が、
フィーネの鎧に亀裂を生んだ⋮
いつの間にか霊風がフィーネの懐へ入るなり、そのままナイフで
何故なら、
フィーネが何か言おうとしたが、それは出来なかった。
?
!
"
?
!
﹃スピリット・両儀式
フルドライブ
﹄
そう言うと霊風はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
"!
!
﹁
俺の前に立つんじゃねぇ⋮
﹂
イフで一閃し、剣道で言う所の﹃残の構え﹄をした。
そう言うと霊風は瞬時にフィーネの懐へ入り込むなり、そのままナ
!
!
"
!"
539
!
?
!
?
"
"
﹁⁉
ぐはっ‼
﹂
いや、ちょっと待て。
霊風の奴⋮一閃しかしてないよな
おのれ⋮
﹂
何で3つも傷口が広がるんだ
﹁くっ
そしてその手の先には一本の短剣が、フィーネの影に刺さっていた
て、何かを投擲した様な動作をとった後をしていた。。
︽水魂導師︾が霊風のパートナー英雄であるレヴィアタンに支えられ
その声を聞いた私達はその方へ向くと、そこにはロックとか言う
﹁ハァ⋮ハァ⋮無駄だ﹂
まるで何かによって縛られているかの様に。
そうしていると、フィーネの動きが止まった。
!
?
するとフィーネが纏っていた鎧から傷口が3つ開いた⋮
?
ー影縫いー
翼が緒川のあんちゃんから教わった技だ。
なのだが、まさかあいつも使えるなんて⋮
﹂
奴
﹁謝るのは後だ。先ずはフィーネを止める
﹁そうだな⋮
﹂
!
きた。
﹂
﹁俺とロックでフィーネ諸共、デュランダルを壊す
そうすれば、フィーネの目的が防げる⋮
⁉
お前の所に必ず帰ってくる⋮約束する﹂
にそのまま⋮
そう言うと霊風は私のおでこと自身のおでこをくっ付けると同時
!
!
そう言うと霊風は私の所に来て、緒川のあんちゃんの拳銃を渡して
!
﹁だが、死ぬつもりは無え。
?
540
!
!
?
?
﹁悪いなレヴィアタン。それにロックも済まなかったな﹂
!
!
チュッ
き、
き、
541
え
!
今のって⋮
?
キス
////
﹁おやっさん。緒川っち。奏と憑友の友人ちゃんの事、頼んだぜ﹂
そう言うと霊風はロックの隣に立ち、2人が同時に頷くや、身動き
が取れないフィーネを勢いよくタックルするなり、そのままデュラン
そ
れ
ダルが保管されている部屋へと強行突破していった。
とは言え、あんな場面でキスをするかよ⁉
私のファーストキスなんだぞ‼
帰って来たら、責任取らせてやるーーー‼
﹁⋮取り敢えず行きましょう。奏さん﹂
あ、はい。
未来ちゃんに言われるなり、私はダンナと緒川さんと一緒にその場
を後にした。
そ の 時 の 未 来 ち ゃ ん ⋮ 本 当 に 冷 静 過 ぎ て い た の は 言 う ま で も 無
かった⋮。肝が据わっているわ∼未来ちゃん⋮
542
?
?
?
第54話 水+風=嵐︽ストーム︾
ーーーーーーNO SIDE
奏達が司令室へと向かい、ロックと霊風は2人でフィーネと激闘を
繰り広げていた。
因みに現在、霊風は﹃英雄﹄の1人、
︻魔眼の境界者 両儀式︼の魂
を纏い、
ロックも同じく﹃英雄﹄の1人、
︻運命を冠する裏切り者 リオン︼
ちょこまかと
﹂
﹂
の魂を纏って、2人でフィーネを相手にしていた。
﹁くっ
やすい謂わば
クイックタイプ
の﹃英雄﹄である。
しかも、今2人が纏っている﹃英雄﹄は共に俊敏さや小回りが利き
から。
自分が利用していた輩2人が手を組んで、己を相手にしているのだ
フィーネにとってはかなりの痛手である。
フィーネの呟きに霊風はそう言い返す。
﹁そう言う性質なもんでな
!
"
パワーモード
呼ばれるものに分かれている。
攻撃力の高さが随一を誇る
タクティクス
圧倒的な堅牢力を誇る
ディフェンススタイル
"
手先の器用さや手数の多さ等の特殊な行動が取れる
"
タフネスマルチ
そして、高い俊敏力と小回りの利きやすさに長けた
プ
テクニック
クイックタイ
尋常じゃない程の耐久性能とバランスの良いステータスを誇る
"
パワー︾テクニック︾スピード︾ディフェンス︾パワー
其々、
"
"
個々の差があるけれど、大きく分けて主に5つの︽ポジション︾と
﹃英雄﹄にも、自分が得意としている分野がある。
"
"
"
"
"
543
!
!
この5つのポジションに大きく分かれている。
"
と言う風に有利になっている。
タフネスバランスは相性の有利不利は無い。
其々の﹃英雄﹄達はその中の一つに少なくても必ず入っている。
但し、例外として複数のポジションを持つ﹃英雄﹄達も少なからず
存在している。
例えば、憑友についている﹃英雄﹄キリトは、
と
パワー
の2つのポジションを同時に所持し
手数の多さと、それに見合わない程の攻撃を生むポジションの持ち
主
テクニック
"
と言う事から、
"
﹂
!
チした
ー式、顕現
ー
!
﹁﹁これで決める
﹂﹂
更に腰には、脇差らしき刀が添えられていた⋮
すると霊風の格好が、赤の服装から着物へと変わった⋮
空の境界
霊風はそのまま︹殺︺⋮では無く、
︹剣︺の方のパネルボタンをタッ
いた。
その二文字が書かれてあり、その内の︹殺︺の文字は灰色になって
︹殺︺︹剣︺
そこには、
そう言うと霊風はアブソーバーのパネルを見た。
﹁此処で終わるつもりは無え
それにより、フィーネは逆に苛立ちを隠せなかった。
そんな2人が変身している﹃英雄﹄は共にスピードに長けている為、
さて、話を戻そう。
ている。
"
﹃ソウル・リオン
フルドライブ
﹄
!
!
フルドライブ
!
すると霊風はその刀を持ち、瞑想をする。
﹃スピリット・両儀式
﹄
そう言うと2人は同時にアブソーバーのドライブボタンを叩いた
!
!
!
!
544
"
!
!
!
煉獄殺
目障りなんだよ
﹂
﹂
フルドライブ
魔神煉獄殺
を繰り出し
その隙に、ロックがフィーネの懐に入り、一閃すると、
いい気になるな
﹁
魔神
﹂
貴様らに何が分かる
﹁ぐはぁ⁉
﹁
﹁
全ては夢⋮
﹂
"
そして一閃をした⋮
フルドライブ
必殺技⋮
無垢識・空の境界
﹂
?
が炸裂した⋮
"
!
﹂﹁ぐっ
なってしまった
﹂
﹁な⁉
!
そう言うとフィーネは拘束した2人をそのまま地面に叩きつけた
﹁ハァ⋮ハァ⋮もう流石に遊びの時間は此処までだ⋮
﹂
を壊そうとするが、
︽ネフシュタン︾の鞭によって身動き1つ取れなく
それを見た2人は急いで、
︽デュランダル︾が保管されているケース
それを受けたフィーネはそのまま地面に倒れ伏した。
﹁ガハッ⁉
"
霊風が変身している﹃英雄﹄両儀式のもう1つの人格から成せる
!
前、直ぐ目の前に着物を着ていた霊風が懐へと忍び込み、
それにより、フィーネは宙へと浮かばせられ、そして地面に着く直
た。
そうするとロックはリオンの必殺技⋮
!!
"
!
俺の目の前から・・・消えてしまえ
"
!
?
その威力はビル10階程の高さから真っ逆さまに転落したぐらい
の威力を誇っていた。
それを受けた2人は地面にぶつかると、そのまま意識を手放し、変
身が強制解除された。
﹁ふっ⋮他愛もない﹂
545
"
!"
?
!
! !"
"
"
"
"
!
そう言うとフィーネは︽デュランダル︾が保管されているケースの
真下にあったコンソールを弄り始めた。
そして操作し終えると、そのまま地上へと移動した。
?
その際に、霊風とロックを引きずって⋮
546
フィーネの野望を止める事は出来るのだろうか⁉
次回へ続く⋮
!
第55話 伊達じゃない
ーーーーーーSIDEto奏
ご無事で何よりです
﹂
これは一体如何なってるんだ⁉
司令
二課の機能の半分が麻痺していた。
﹁
﹁牧藁
﹂
様々な回線不具合やシステムエラーなど、
そして指令室本部内では予想外な出来事が起きていた。
!
!
凄い用意周到ぶりだな⋮
・
・
・
⋮この世の全ての人類は消滅してもおかしくないのかもしれない⋮
たった1枚でこの程度なら、もし全ての﹃英雄石板﹄が消失したら
・
たった1枚の﹃英雄石板﹄の消失で、その家系は一瞬で崩壊した。
だけど、それの損失が過去に1件だけあった。
だ。
確かに﹃英雄石板﹄は貴重な物だ。世界遺産にも登録された逸品達
!
て、玄也に預けておいて正解だったな﹂
﹁︽ツヴァイウイング復活ライブ︾の後で逝都君と魔燈君の2人を介し
首が飛ぶ所でした。悪い意味で﹂
もしこの場に﹃英雄石板﹄等の貴重品が保管してあったら、確実に
回る程の大量のバグデータが侵攻しています。
システムトラブル等は私自ら率先して解消していますが、それを上
唯一繋がれるのは音声電話のみという最悪の事態です。
﹁簡潔に述べるなら、機能の半分以上が麻痺してます。
すると牧藁さんが話を簡単に纏めてくれた。
?
!
其れほど迄に﹃英雄﹄達はそんな偉業や功績を成し遂げたんだと改
めて実感された。
﹂
と、そんな事を考えていると、緒川のあんちゃんが響達に連絡を入
リディアンがノイズに襲われてるの‼
?
れてくれた。
学校が⋮
!
それを聞いた未来ちゃんは響達に連絡した。
﹁響
!
547
!
!
!
﹂
﹂
!
﹂
そう言うと突然、電源が強制的に落ちた
﹂
何が起こってるやがるんだ⁉
﹁如何したの⁉
此処で来るとは
﹁響⋮憑友⋮﹂
﹁くっ
﹁此方の指示を全く受け付けません
﹁何者かが二課の機能を完全にジャック
?
!
﹁司令⋮﹂
﹁皆まで言うな、牧藁君。
⋮君の言いたい指示はなんだ
?
く。
其れを見た未来ちゃんは牧藁さんの方を振り向く。
そこにあったのは、牧藁さんの笑顔だった。
場の空気を知らない、謂わばKY過ぎる牧藁さん。
だけど、今回に限ってはその限りではない。
﹁二課のスタッフ全員に通達
﹃⁉
﹄
﹂
!
そして牧藁さんは未来ちゃんの隣に立ち、未来ちゃんの肩に手を置
そうしていると、牧藁さんとダンナが話をしていた。
﹁⋮﹂
﹂
私に至っては悔しい顔でこの事態にいるのだから。
皆んなの顔から笑顔なんてものは無かった。
!
!
?
今日この時間を持って、我々二課は本部そのものを放棄します
!
もちろん、私もだ。
そう言うと牧藁さんは話の内容を付け加えた。
﹁放棄するのは二課全てではありません。
まだ稼働できるものがあるのなら、其れを活用しつつ、この場から
撤退、そして避難者の人達がいるシェルターへと移動。
二課のスタッフ全員はそのシェルター内にいる人々の安全確保に
重点、同時に、ノイズなどの情報を風鳴司令若しくは緒川さん又は私
548
!
その一言で、ダンナと緒川のあんちゃん以外の人達が驚愕した。
?
に逐一報告して下さい
﹁ああ﹂
﹁司令、僕達も﹂
﹂
ターへと向かっていった
﹄とその一言を済ませると、その場に
あった必要最低限な情報だけを纏め、そして避難者達のいるシェル
其れを聞いた皆は、﹃はい
!
﹁
⋮はい
﹂
﹁さ、響ちゃんと憑友君達に無事を知らせよう﹂
!
あ、ああ﹂
﹂
そう言うと、私は皆の後を追った。
﹁
﹁奏さんも速く行きましょう
凄いな⋮牧藁さん。カリスマだ⋮
!
無事に帰って来いよ⋮霊風。
549
!
!
!
!
!
第56話 決戦の時/聖女来る
ーーーーーーNO SIDE
スカイタワーの防衛戦を終え、ロックを未来達のいる二課の方へと
飛ばした憑友達一行。
その際に、霊風がいなくなった事に疑問を抱きつつも、
翼、クリス、響そして憑友の4人は急いでリディアンの方へと向
かっていた。
君達は甘い
︽シンフォギア︾や︽精魂導師︾の力を使えばひとっ飛びだろと思った
そこの読者諸君
そして4人がリディアンの元へと来るなり、驚愕した。
のである。
の消耗分の回復がまだだった為、止むを得ず響達と一緒に走っている
憑友に至っては、前に使用していた﹃英雄﹄の1人、
︻カナタ︼の力
ある。
界があると言う事と、最低限のインターバルが必要だったと言う事で
これから先の事態を予感して、そのまま纏ったまま向かうのには限
憑友達が何故走ってるのかと言うと、
!
そこはもう学校と呼べる建造物では無く、ただの瓦礫の山と化した
皆んなーー
﹂
廃物件の様な光景だった。
﹁未来ーー
!
﹂
は静寂のみだった。
﹁リディアンが⋮
でいた。
﹁櫻井女史⋮
﹂
翼がそう嘆こうとして、上を見上げるとそこには1人の女性が佇ん
!
櫻井を見たクリスは櫻井女史のもう1つの名を言った⋮
とはいえ、見え見えであった。
しかし、服の右腹の部分には破れた跡と血の跡が白衣を纏っていた
其れは櫻井了子であった。
?
550
!
響は未来達の安否を確認するかの様に、声を出すが、帰ってくるの
!
﹁フィーネ
お前の仕業か
﹁ふふふ⋮ははは‼
﹂
﹂
自分の仲間である存在が今回の騒動の黒幕だと言う事に。
その一言で翼は驚愕した。
!
﹂
!
だ。
すると櫻井は眼鏡を取り、髪留めを外す。
すると青白い光が彼女の周りを包み込んだ⋮
そして光が消え、4人は目を見開く⋮
其れを見た4人は驚愕した
上げた。
・
するとフィーネは鎧についてる鞭を使うと近くにいる何かを持ち
・
髪がベージュに近い金髪ヘアーの女・フィーネが、そこにいた。
そこには、黄金色に染まった︽ネフシュタンの鎧︾を纏い、
!
を回収した際の手の発行色と同じだった。
しかも、よく見てみれば、その光はかつて、クリスのネフシュタン
!
アタッシュケースの件があった為、憑友は櫻井女史を疑っていたの
正確には信3:不信7の割合で疑いをかけていた。
その時は半信半疑だった⋮いや、少し違うな。
その際にフィーネの正体を聞かされていたのだ。
憑友は以前、ロックと病院は屋上で出会った。
憑友はそう言い放つ。
﹁⋮やっぱりあんたが真犯人か⋮
其れを聞いた櫻井もといフィーネは天高く嘲笑う。
?
そんな2人を見た翼とクリスは其々の所へと向かい、2人に話しか
いた。
たての4足歩行生物の赤ちゃんの様に、立つ事が困難にまで疲弊して
そして2人はそのまま地面に激突、かなりの痛手で、まるで産まれ
そうするとフィーネはそのまま2人を4人方へと投げ飛ばした。
︽風魂導師︾スピリットこと精妖霊風の2人が拘束されていた。
︽水魂導師︾ソウルことロック・アイル・ユキネと、
そこには血が流れ、かなり不安定な状態になっている⋮
!
551
!
けた。
﹁霊風さん
﹂
ロック義兄
霊風さん‼
﹁返事してくれよ
﹁⋮ぅ⋮ぁ⋮﹂
﹁⋮ぐ⋮ぁ⋮﹂
?
﹁霊風先輩⋮ロック⋮く
﹂
⋮フィーーーーネーーーー‼
よくも、2人を‼
しかけた。
﹁⋮嘘ですよね
﹂
そんなの嘘ですよね⁉
?
其れでも話しかける響。
と、響の答えを簡単に否定した。
希少な完全状態の︽聖遺物︾だからな﹂
﹁あれはデュランダルを守っただけの事。
其れに対してフィーネは、
だって了子さん、あの時私と憑友を救ってくれました
?
﹂
そんな2人のやり取りの中、響はフィーネと変わった櫻井了子に話
︽幽霊症例︾﹂
﹁ふん。お前よりはまだマシな方だがな。
?
?
!
2人がまだ息がある事を見た翼とクリスは安堵する。
!
!
﹂
其れを聞いていた憑友は流石に業を煮やした。
﹁ふざけんじゃねえ⋮
﹂
ふざけんじゃねえーーーー‼
﹁憑友⋮﹂
﹁まるで過去へと蘇る亡霊⋮
﹁﹁え
﹂﹂
フィーネの突然の発言に翼と響は疑問を浮かべ、
﹁如何言う事だよ
﹂
﹁ふっ。其れならば、お前達の仲間が実証済みの筈だがな
?
クリスに至っては何の事だかさっぱりだった。
﹂
しかし、それ以上の言葉でフィーネは響の質問を悉く受け流す。
!
?
!
552
!
?
?
そういうとフィーネはそんな3人に話しかけた。
過去から蘇った亡霊そのもの
ではな
﹁︽ガングニール︾と︽天羽々斬︾の装者は知ってると思うが、
そこにいる人絆憑友こそ
いか。
"
2年前⋮︽ツヴァイウイングのライブ会場での悲劇︾の際に、お前
という存在はこの世から灰となって消えた。
地縛霊
とでも呼べる存在だ。
だが、今この場にいる。
正に
"
半幽霊
﹂
と言う半分が幽霊の身体となっている存在が、お前達の
"
・
・
・
・
・
・
・
だが、フィーネは話をし始める。
・
・
・
それを聞いた皆は意味が分からなかった。
﹁精妖霊風は元々この世界の存在ではない﹂
・
そんな中でもフィーネは﹁それにだ﹂と言って、話を付け加えた。
なかった悔いの感情が出ていた。
その際の憑友は先程までの怒りと言う感情は無く、逆に今まで言え
た。
のまま、
﹁⋮フィーネの言う通りだ﹂と肯定するかの様に俯いてしまっ
そして隣にいた憑友の顔を見ると、憑友はクリスに顔を向けず、そ
その話を聞いたクリスは驚愕していた。
せた存在だったと言う事に。
憑友は2年前のライブにて、奏の命を救って、その後、己を死滅さ
今の今までごく普通に生活していたが、よくよく考えてみれば、
フィーネの内容を聞いた2人は其れを聞いてハッと思い出した。
目の前にいる事を忘れたか
人絆憑友は今までに類を見ないケース⋮
日本ではそんな輩を︹妖怪︺という妖の類を付けているそうだが⋮
"
別次元の世界にて死に、記憶を持ったままこの世界で転生した者
﹁精妖霊風⋮奴は、
⋮
553
"
!
"
"
転生者︽リターナー︾だ﹂
"
﹁転⋮生⋮者⋮
﹄
﹂
奴は私の僕になった。
だが、ついさっき反旗を翻してくれた⋮
女
たった1人の片翼の為に、私の首元を噛み殺そうとしたがな
それを聞いた皆は驚愕したかのように、顔色を変える。
しかし、翼だけは顔色1つ変える事は無かった。
始めると、翼はフィーネにこう告げた。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
﹁例え、霊風さんがそんな存在だとしても⋮
・
霊風さんは霊風さんだ
﹂
?
﹂
?
﹁
それは⋮﹃英雄石板﹄⁉
それを見た憑友は驚愕した。
それも⋮3枚も。
そう言うとフィーネは何処からかある物を取り出した。
﹁⋮茶番はお終いにしよう﹂
それ以上でも、それ以下でも無い‼
!
するとフィーネにその石板を空中に投げると、
腰に携えていた物⋮
︽完全聖遺物︾であり、ノイズを呼び、使役し、
﹂
そしてノイズ達の住まう地、﹃バビロニアの宝物庫﹄を開く鍵⋮
!
寧ろ、凄まじい程のオーラが翼の身体に纏っているかのように感じ
!
!
﹁私はそんな奴を、ツヴァイウイングと出会う前に接触を図り、そして
それはもはや予知と言う範囲では無いのだから。
フィーネの言った一言で皆は驚愕する。
﹃⁉
知っていると言う事だ﹂
﹁要するに、奴はこの世界の今までの出来事も、これから先の出来事も
?
︽ソロモンの杖︾を取り出すや、そのまま杖からビームを石板に向けて
照射した
!
554
?
そう、フィーネはなんと﹃英雄石板﹄を3枚も所持していたのだ
!
そしてそのビームを浴びた石板が変化していき、
なんと人の姿へと変えたノイズが三体現れたのだ‼
青い髪で女顔のような出で立ちの青年と、
黒い髪で、背中に3つのイボが出ている青年と、
融合ノイズを相手に何処まで立ち向かえるか
﹁﹃英雄石板﹄の力を最大限に発揮させたノイズ⋮
その姿をした三体のノイズが現れた
が羽織っている服装とよく似た服装をしている女の子。
白髪で、肌黒く、そして何よりロックについてる﹃英雄﹄アーチャー
?
﹁え
﹂
﹁ライド⋮﹂
ドを取り出すや、
そうフィーネが言うと青い髪の青年は何処からともなく黒いカー
達の力を扱えるがな﹂
因みにだが、
﹃英雄石板﹄を取り込んだ融合ノイズ達は、その﹃英雄﹄
?
・
・
ブラスター・ブレード
・
・
﹂
・
・
・
そしてノイズが、白い鎧と白い剣を纏い、そして携えていた。
﹁
た⋮
そこには中世の時代にいた騎士のような出で立ちを醸し出してい
"
生じ始める⋮
身体がまるで機械いや、ロボットのような姿へと変わり始めたのだ
!
するともう1人の青年の方の姿をしたノイズも身体の方に変化が
!
そして現れたのは、まるでロボットであり、人間のようなフォルム
を持つ正に半々な姿をした何かに変わっていた。
さらに女の子の方も両手を臍の部分でクロスさせるや、
﹁トレース・オン﹂
555
!
すると同時に、そのノイズの周りから光が発生し、
その一言に憑友は目を見開く。
?
そうノイズが呟いた。
"
!
と呟いた。
ミ
ヤ
シ
ロ
ウ
アー
チャー
それを聞いた憑友とクリスは驚愕した。
エ
何せその言葉は、
剣製の魔術師と赤き弓兵の戦闘時の言葉だったから。
すると少女の手に2振りの小剣か握られていた。
それを見た2人はまた驚愕する⋮
しろう
アーチャー
女の子の手に持つ武器の名は⋮︽夫婦剣 干将・莫耶︾
衛宮とエミヤの愛剣であったから。
﹁⋮やれ﹂
フィーネが言うと同時に、三体のノイズが4人に襲いかかる⋮
我が神はここにありて⋮
﹂
556
それを見ていた4人は何が起こったのか、分からなかった。
フィーネも同じだったが、すぐに冷静になった。
﹁⋮お前が邪魔をするとはな⋮﹂
フィーネはそう呟くと、
!
!
そんな声が聞こえるや、ノイズ達は吹き飛ばされた。
?
﹁
"
リュミノジテ・エテルネェル‼
"
憑友達は後ろから足音が聞こえて来て、憑友達は後ろを振り返る。
そこに居たのは⋮
白衣を羽織り、紺色の服を着て、
旗らしき物を片手槍のように持ち、
腰に剣を携えた1人の女性が現れた。
それを見た憑友と響は目を見開き、そしてその者の正体であろう名
前を口にした⋮
﹂
パーフェクトドクター
557
﹂
﹁憑友君のお母さん⁉
﹁母さん
人絆ジャンヌであった
ううん⋮フィーネ﹂
﹁久しぶりだね⋮了子ちゃん。
!
憑友の母親にして、︽完璧なる医師︾の名を持つ女性⋮
現れた女性の正体が、
それを聞いたクリスと翼の2人は目を見開いた。
?
第57話 終わりの女と聖なる乙女/再会と邂逅
ーーーーーーSIDEto憑友
如何言う事なんだ⋮
俺は今、脳内のパラメータが混乱状態に陥っていた。
了子さんの正体がフィーネだと言う事は知っていた。
母 さ ん と 了 子 さ ん は 昔 は 呉 越 同 舟 の 間 柄 だ っ た と 言 う 事 も 勿 論
知っていたのだが、
母さんが了子さん⋮いや、今はフィーネと言っていたな。
そのフィーネを相手に話し合いをしている事に未だに驚きようが
無かった。
﹁久しぶりだね、フィーネ。あの日以来かしらね。
貴方が了子ちゃんの身体を自らの物とした時以来に﹂
﹁そう言うお前は、まだこの世に既存し続けていたか⋮﹂
﹁フィーネには言われたくないな∼
さ
ん
フィー
﹁⋮意味わかんねぇ﹂
ネ
あ、クリスもそう思った
俺もそうだよ。
﹂
ジャンヌも、了子さんも、何を話しているのかさっぱりわからない。
母
⋮話が見えて来ない。
から﹂
私はちゃんと輪廻転生を繰り返しながら、今日まで生きているんだ
鍵となる力を手に入れて、何度でも蘇る人には言われたくないよ。
貴方の中の遺伝子そのものに自分の情報を押し込んで、
?
﹁私が生まれた時代の後から産まれて来て、何故私に構う⋮
!
?
﹂
﹁人の負の感情を、そのまま放置にする程、私は聖女と言う名で呼ばれ
た憶えは無いから
?
558
?
その話を聞いたのか、フィーネは歯を噛み締め、
!
そして鞭で母さんに攻撃⁉
﹂
母さん
﹁ふっ
!
そう思っていたら、母さん⋮凄っ⁉
?
!
え
何が凄いのかって
?
いくら俺でもそこまでいかないよ⁉
﹂
色んな意味で⁉
⋮これだから、裁定者は好きでは無い
あ、母さんの語尾に♪マークがついた⋮はっきり言って、ヤバい‼
﹁それは良い褒め言葉として受け取っておくよ∼♪﹂
﹁チッ
何、我が家の母親⋮怖いんですけど
たから
迫ってくる鞭を、腰の剣と、槍のような物を巧みに使って、阻止し
?
ああ言う言い方をする母さんは、
なのはさんのO☆HA☆NA☆SIモードとなんら変わら無いぐ
らいの威圧感が発せられているからだ。
とは言え⋮さっき、フィーネは母さんの事⋮﹃裁定者﹄と言ってい
たな⋮如何いう事なんだ
?
﹁ふぅ∼⋮こんな事する為に私は来たんじゃ無かったわ。
はぁ⋮﹂
と言いながら、母さんは武器を下ろした。
カード
すると母さんはロックと霊風先輩の元へ行く。
我が裁定者の名に於いて命ずる⋮
そして2人の頭頂部に、カードを置いた⋮
﹁
?
﹂
汝らの力よ。我を通じて、彼の者達へと力を与えん⋮
グラン・バルトロス
そう言うと母さんは手を地面につかせた。
"
?
すると霊風先輩とロックの身体が光輝き始めた⋮
一体何が⋮⁉
!
!
ーーーーーーSIDEtoロック
?
559
!
?
!
!
?
?
"
﹁目が覚めたか
⋮此処は⋮
?
⋮そうか。
これから如何したものか⋮
﹁そんな事をわt﹁決まってるじゃない
﹂は
﹂
?
みたいなのを履いている女がいた。
?
﹁凛
何故此処に⁉
﹂
?
それがあの女の名か
?
2代目
如何言う事だ
?
⁉
初代だと⁉
﹁なんでさ⁉
﹂
・
・
・
・
・ マ ス ター
﹁あら、久しぶりに貴方の口癖を聞いた気分ね∼
﹁ぐっ⋮﹂
た。
そう言うとリンと呼ばれた女は俺の手を取り、そして走りはじめ
私が貴方の居場所へと戻すから、ついて来なさい﹂
﹁今はこんな不安定な場所は逆に貴方を危険な目に遭わせるわ。
これが憑友が言っていた﹃カオス﹄と呼ばれる場面なのだろうか⋮。
?
?
⋮凄い雰囲気だ。
﹂
﹁とまぁ、そんなのは後回しよ。アーチャー、久しぶりね﹂
?
﹁私は遠坂凛。そこに居るアーチャーの初代魔術師よ﹂
?
﹁初めまして。アーチャーの2代目マスターさん﹂
リン
?
それを見たアーチャーは目が仰天した。
ミニスカ
そこには、黒髪で、アーチャーと同じ色合いの赤い服装を着ており、
たので、俺は振り向いた。
するとアーチャーが何かを言おうとした時に、俺の後ろから声がし
!
?
だが、不意を突かれ、そのまま意識を手放したのだ。2人揃って﹂
﹁その考えは間違ってはいない。
た筈。
俺は確か⋮フィーネを相手に霊風と言う名の男と共に相対してい
仮のマスターよ﹂
アーチャー
?
?
560
?
?
そんなに手を引っ張るな
でも、俺にはまだ帰る場所があるんだ⋮
待ってくれる仲間がいる⋮
クリスを⋮1人ぼっちにさせたくないんだ⋮‼
⋮此処は一体⋮
ーーーーーーSIDEto霊風
﹁目が覚めましたか
﹂
⋮レヴィアタン
なんで君が此処にいるんだ
﹁私にもさっぱり分かりません⋮﹂
そうなのか。
それはそうと、此処は何処なんだ
他の﹃英雄﹄達の姿が見えない⋮何処なんだ
﹁確かに⋮﹂
﹁此処は深淵の魔境﹃影の国﹄だ﹂
?
?
?
居たんだけど⋮
なんであんたが此処にいる訳⁉
私の事を知っているとはな﹂
﹂
﹁ふむ⋮それもそうだな。
?
﹂
私の名は⋮言わなくても分かるだろ
ろ
お前は私の事を知ってるだ
そんな事よりも話をしよう。このままだと埒があかない。
﹁貴方は一体⋮
﹁ほぅ
?
タイツらしきボディスーツを着た女性がいた。
しき声が聞こえてきたので、振り返ると、そこに居たのは、
レヴィアタンが何か言おうとしたら、何処からか聞こえてきた女ら
?
!
⋮つくづく予想していたが、案の定の結果を出してきてくれたな。
﹁⋮済まぬが、凛には如何しようもできないからな﹂
アーチャー
おい
なんとかしてくれ
!
?
?
?
?
561
!
!
!
?
?
・
﹁ああ⋮そうですね。
・
・
・
﹃影の国﹄の女王⋮スカサハ﹂
スカサハ
俺が言った通り、﹃影の国﹄を統べる女王にして、
ランサーこと︽光の皇子︾と呼ばれている男⋮クー・フーリンが、
セタンタと呼ばれていた幼名時代の時の槍術の師でもある。
クー・フーリンが持つ槍、
︽魔槍ゲイボルグ︾は元を正せば、スカサ
ハ本人の武器だ。
それをスカサハは弟子であるクー・フーリンに授けたと言われてい
る。
そんなスカサハが何故こんな場所に⋮いや、違うな。
何故、俺達がスカサハが統べる﹃影の国﹄にやって来たのだろうか
﹁それはひとまずだ。
この場はお前さん達が来る場では無い。
﹂
私の先へ行けば、間違い無く今のお前達はあの世逝きだ。
回れ右して、この場から立ち去れ。
⋮確かにそうだな。
お前達はまだ叶えたい物があるのだろ
?
俺はまだこんな場所に来るところでは無い⋮
レヴィアタンの仲間を探す為に⋮
仲間達がまだ諦めていない⋮
そして何よりも⋮
﹁霊風さん⋮
﹂
奏の想いを⋮まだ言って無いからな
!
⋮凄い⋮
そう言うとスカサハは俺の肩に手を置いた。
﹁ふっ。なら、お前にはこれを授けるとするか⋮﹂
!
!
スカサハからまさか力を与えてくれるなんて⋮
!
562
?
﹁さぁ、行け。お前達の仲間の為にな﹂
!
!
!
!
!
それを聞いた俺とレヴィアタンは同時に頷き、そしてスカサハの元
から走り去る。
待ってくれよ、お前ら
2人が目を覚ました
風がおり、
すると神秘の光が消えると、そこには完全に傷が癒えたロックと霊
それをただ高みの見物で見続けているフィーネ。
4人と、
ジャンヌがやった神秘を目の当たりにした憑友、響、翼、クリスの
ーーーーーーNO SIDE
!
た。
﹂
そして6人は同時に頷いた。
﹁フィーネ⋮お前は俺達が止めてみせる
﹂
そう言うと、響達︽シンフォギア︾装者は聖詠を歌った⋮
!
そして、憑友達︽精魂導師︾は、アブソーバーを左腕に装着させ、
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
﹁Imyuteus amenohabakiri tron⋮﹂
n⋮﹂
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
そして戻って来ると、ロックと霊風は既に全快になっていた。
憑友は響と一緒に、衝撃避けが出来る場所に移動した。
幸いにも、息はしているので、疲れただけのようだ。
そう言うとジャンヌは目を閉じた。
﹁⋮うん。お休みなさい﹂
今は⋮休ませて⋮ね
私とフィーネの関係は後でゆっくり話してあげるから⋮
﹁うん。でも、後はごめんね。
﹁大丈夫
母さん﹂
やりのけたジャンヌはそのままくったりしたので、憑友は話しかけ
それを見たクリスはロックに抱きつき、翼は霊風を安否した。
!
?
563
?
憑友は︻炎の魂を導く者︼
ロックは︻水の魂を導く者︼
ベーシック
霊風は︻風の魂を導く者︼
それぞれの基 本 フォームのカードをアブソーバーに装填させ、そ
して⋮
﹂﹂﹂
3人同時にレバーを引いた⋮
﹁﹁﹁変身‼
フォーム、オ・レ
ーライド
ー
ー
フォーム、フォーマル
英雄の魂、オレに宿れ
ーソウル
ー
フォーム、オリジン
お前らの魂、オレが頂く
ースピリット
!
!
!
!
!
⋮
﹂
激闘の幕が⋮今
﹁はぁぁぁぁあ
切って落とされた
!
そして⋮憑友は炎を発している刺突刃を出し、響と共に拳を構えた
翼は剣を、霊風は身の丈を超える風の槍を、
ソウルは水の弓を、クリスはクロスボウを、
そして6人はそれぞれ構えた。
精なる魂、私に刻め
!
!
564
!
!
!
?
!
!
!
第58話 精魂導師VS融合ノイズ
其々、
︽シンフォギア︾を纏った響達と、
︽精魂導師︾に変身した憑
友達は其々の戦う相手へと立ち向かった。
サ
シ
シンフォギア装者達は3人でフィーネを、
みたい
そして精魂導師は融合ノイズ達と1対1で戦い始めたのだった
ーーーーーーSIDEto霊風
さて、無事に精神の世界から戻って来て早々、融合ノイズ
けど、融合型は見た感じどうも違うな⋮
見た目がノイズじゃない⋮
他の2人の融合ノイズも同様だ。
ロックと相対しているのは、俺の偏見だと恐らく
クロエ・フォン・アインツベルン
クロ
だろう。
衝撃を加えるなりして、取り除けば後は普通のノイズに変わる。
特異型はただ単に、ノイズの体内に﹃英雄石板﹄が入っているだけ。
事がある。
ノイズとは言え、融合ノイズは今までの特異型ノイズと大きく違う
な奴等の相手をする事になった俺。
!
の子の内の1人。
に対する考え方が少し劣っている。なので、ロックに
だが、油断は禁物だ。
相手は女の子で、アーチャーと同じ力を持つ者。
そう簡単に勝たせてはくれない筈だ。
だ。
そして、憑友と相対しているのは⋮間違いないな、騎士団を統べる
先導者
"
彼のいる世界ではカードゲームが勝敗を握っている。
565
?
"
士郎やセイバー、アーチャー達の住む世界とよく似た世界にいる女
"
能力は士郎やアーチャーと同じ、﹃無限の剣製﹄の使い手。
物の見方
だが、彼女のケースは他の2人のような、
"
とっては、相性は少し有利に動くだろう。
"
先導者⋮先導アイチ。
"
ヴァンガード
ユニット
先導者
。
と呼ばれるモンスターを用いて、そのユニットに己の
その世界での意味は、
"
"
ているのか。
それをノイズが喰らい、融合したのか。
ブラスター・ブレード
アイチの分身とも呼べる切り札⋮
然もおまけに、あのノイズの姿は間違いない⋮
それだけに此処からでもすごい威圧感だ⋮
"
くっ⋮
俺も先輩としての意地を見せてやりますか
!
それを真っ向から戦う憑友は正直凄いの一言で片付けられねぇな。
!
!
!
この3つの騎士団を統べる実績を誇る先導者として、
﹃英雄﹄になっ
その2つの勢力の力を併せ持つ騎士団︽ゴールドパラディン︾
そして
闇を纏う黒き騎士団︽シャドウパラディン︾
高貴なる白き騎士団︽ロイヤルパラディン︾
その中でも、アイチは、
ドバトルが盛んな世界出身の﹃英雄﹄だ。
魂を憑依︽ライド︾させて戦うシュミレーションにも似た戦略的カー
"
ア ラ ヤ シ キ
まさか、阿頼耶識システムの相手と相対するとはね
俺が戦う融合ノイズが取り込んだ相手⋮
名は三日月・オーガス。
のパイロット。
"
悪
魔
バルバトスを倒す
!
・
・
・
・
でも良いさ。俺には俺なりのやり方で⋮
何よりも、それをフィーネが持っていたと言う事になるのか。
・
そんな奴の﹃英雄石板﹄があるとは思ってもいなかったし、
無口で愛想ない性格な奴だが、仲間想いな奴。
ガンダムバルバトス
融合ノイズの姿のモデルにもなったロボット⋮
鉄の華の団と書いて、﹃鉄華団﹄に属する少年にして、
!
そう言うと俺は、自身が相対している融合ノイズを見た。
!
566
"
"
"
"
"
﹂
﹁はぁぁぁぁあ
﹁
ぐっ‼
﹂
やっぱり強え⋮
やべっ
﹂
重たい⋮
﹁
﹁⁉
﹂
シュンッ
ヤバかった∼。
出機構が施されていたんだったな。
﹂
危ねぇ危ねぇ⋮
﹁⋮
パイルバンカー
の様な射
まるで俺の槍が小枝の様で、あのメイスが大樹の幹の様に、一撃が
!
それに対して、ノイズは初期武器のメイスを軽々しく振り回す⋮
そう言うと俺は風の槍で、攻撃をし始める
!
そう言えば、あのメイスの先端部分は
⋮危ねぇ⁉
!
?
レンチメイスか
がった⋮
ちっ
レンチメイス
厄介な事、この上ない
!
いる。
謂わば電動ハサミとでも呼べる代物だ。
そんなものに挟まれてみろ⋮簡単に真っ二つだ
それだけは絶対に避けないとな
フォーム、キング
ー
し、アブソーバーに装填、そしてレバーを引いた
ースピリット
そして現れた魂を俺は纏った
!
!
!
!
そう言うと俺は、
︻怠惰の罪︼を背負いし﹃英雄﹄のカードを取り出
!
!
メイスの部分は先端部の開閉機構と特殊チェーンソーを施されて
構のメイスだ。
アニメの終盤から三日月もといバルバトスが使用していた特殊機
!
!
ミみたいな形をしたハンマーにもよく似た武器を取り出してきや
すると今度はそのメイスを捨てて、何処から取り寄せたのか、ハサ
"
!
!
"
!
?
!
567
?
!
!
!
!
ー七つの大罪、怠惰のグリズリー
ー
増 殖
インクリース
そして俺は直ぐ様、攻撃を仕掛けた
数撃ちゃ当たるってな
﹁霊槍シャスティフォル・第5形態
﹂
それにより、槍が無数の小さな槍へと増殖した。
そしてそのままその槍達を無数に放つ
フルドライブ
て、向日葵の形を形成していく
そして放つ
﹁霊槍シャスティフォル・第4形態
そして融合ノイズにダメージを⋮
あ⋮やっぱり駄目だったか。
﹄
光 華
サンフラワー
﹂
するとシャスティフォルは元の槍に戻るなり、そのまま形を変え
﹃スピリット・キング
そう言うと俺はドライブボタンを叩いた
なら、これで如何だ
受けたのに、傷一つ付いていないとは⋮恐るべし
しかし、その攻撃はノーガードで受けた。
!
だったら
な、融合ノイズ。
あのソー●ー●ーム似の技を簡単に耐えてくれるなんてな⋮凄え
"!
!
填、そしてレバーを引き、そして纏った
ー
フォーム、ランサー
ースピリット
光の皇子
クランの猟犬
!
﹁
﹂
フルドライブ
てめぇの心臓、貰い受ける
﹃スピリット・ランサー
イ・
ボ
ル
グ
﹂
﹄
そしてすかさずドライブボタンを叩いた
!
!
!
!
!"
!
そしてすかさず懐に入り込み、穿つ⋮
ゲ
﹁刺し穿つ死棘の槍
グサッ
!
!
!
!
568
!
!
!
!
!
"
!
!
!
"
"
!
そう言うと今度はランサーのカードを取り出し、アブソーバーに装
!
!
"
﹁
﹂
﹂
﹂
良く見てみれば、石板がある⋮
良し、手応えありだ
ん
ならば
⁉
﹁おうらぁぁぁぁぁぁ
﹁‼
そしてそれに抵抗する融合ノイズ。
心
臓
なら言う言葉はこれかな⋮
﹂
﹁おめぇの石板確かに頂いたぜ
﹁
﹂
さて、フィナーレといきますか
?
ドと交換、そしてレバーを引いた。
ー
フォーム、レヴィアタン
ースピリット
水竜姫
これで終いだ
ー絶対防衛
ー
!
魔槍の使い手
フルドライブ
﹄
!
そして俺はイメージする⋮スカサハが放つ一撃を⋮
﹃スピリット・レヴィアタン
そして俺はすかさずドライブボタンを叩いた
!
!
!
﹂
﹂
﹄﹂
レヴィアタン
刺し穿ち、突き穿つ⋮
﹄
行くぞ
﹃はい
スカサハ直伝
ゲ イ ボ ル グ・オ ル タ ナ テ ィ ブ
⁉
﹁﹃貫き穿つ死翔の槍‼
﹁‼
! !"
その一撃を喰らい、融合ノイズは灰となって消えた。
?
?
!
﹁
すると俺の手に、レヴィアタンの形見の槍がもう一本現れた。
!
!
!
そう言うと俺はレヴィアタンのカードを取り出し、ランサーのカー
!
⋮って、これはサトシの台詞だな。俺には似合わない台詞だ。
と、言ってる内に石板ゲットだぜ
だが、生憎俺は筋力は伊達じゃないんだよ
!
!
俺はその石板を引き抜く
?
!
?
569
!
!
!
?
!
!
?
!
!
"
ふぅ⋮スカサハさんは強いな。まったく⋮
﹄
レヴィアタン。ありがとう。
﹃はい
とは言え、流石にクタクタだ。少し休憩しないとな。
次の戦いの為にも⋮
ーーーーーーSIDEtoロック
俺は今、融合ノイズと戦っていた。
思うような動きが取れない
・
・
・
だが、融合ノイズが取り込んだ﹃英雄﹄がまさか女の子だとは⋮
くっ
みたいな設定
それに何より、その取り込んだ﹃英雄﹄のやり方が気にくわない
何故、アーチャーと同じ戦闘方法なんだ
弓を番えて矢を放つ、
夫婦剣を取り出すや、そこから斬撃へ⋮
﹂
まるでアーチャーが女の子になったらと言うIF
の相手に俺は非常に戦い辛かった。
﹁だが、こんな所で負ける訳にはいかん
?
!
フォーム、タツヤ
填、そしてレバーを引いた
ーソウル
divin left
そして俺は其奴を纏った
demon right
ー悪 魔 の 右 手、 神 の 左 手
﹂
ー
ー
シルバー・ホーン
を両方の手に其々持ちながら、正確に狙い撃つ
ロ ー・
イ
ア
ス
良く見れば、あれはアーチャーの最大の防御系宝具⋮
ア
アーチャーのような⋮
?
熾天覆う七つの円環じゃないか
益々アーチャーのような奴だ⋮ん
んじゃあ⋮彼奴も弱点らしいものがあるのか
ならば⋮
?
?
!
くっ
そして攻撃が⋮効かなかった。
だが、ノイズはそれを見るや、そのまま手を前に翳す。
!
そう言うと俺は達也の愛機であるCAD﹃S・ H トライデント﹄
﹁はっ
!
!
!
!
!
!
570
!
!
!
すると俺はそこから一枚のカードを取り出し、アブソーバーに装
!
!
!
!
!
!
そう言うと俺は大罪人が1人、
︻強欲の罪︼を持つ彼奴をカードケー
ー
スから取り出し、そしてアブソーバーの達也のカードと交換、そして
強欲のフォックス
フォーム、バン
レバーを引き、そして纏った。
ーソウル
七つの大罪
!
!
クレシュース
ー
!
フルドライブ
﹄
手にし、そしてドライブボタンを叩いた
﹃ソウル・バン
!
それを見たノイズは凝視した。
﹂
だが、その油断が命取りだ
﹁はぁぁぁぁあ‼
!
そう言うと俺は多節棍を豪快にぶん回す
?
痛みが襲いかかっている⋮
これでもくらえ
フォーム、アーチャー
バーを引き、そして纏った。
ーソウル
Unlimited Blade Works
ー
!
!
そして俺はアーチャーのカードを取り出し、すかさず交換して、レ
俺は情けは無用になった。
そして俺はまだ生きているノイズに対して、
特異型よりもスルリと抜けたな⋮呆気ないものだ。
俺はすかさずその石板を引き抜いた。
露出していた。
俺はそのままノイズの元へ向かうと、ノイズの腹から﹃英雄石板﹄が
だった建造物に埋もれた。
そして最後に一閃すると、融合ノイズはそのまま廃墟と化した学校
﹂
‼
死神の一薙
ア サ ル ト ハ ン ト
!
﹁
?
!
その一撃一撃はまさに大岩を何度も食らわせられてるかのような
!
すると俺はすかさずノイズの懐へと入った。
!
!
するとアブソーバーから3つに分かれた多節棍が現れ、俺はそれを
ー聖棍
そして俺はパネルボタンを押した。
!
!
!
571
!
"
"
﹁⋮さらばだ﹂
フルドライブ
﹄
そう言うと俺はドライブボタンを叩いた。
﹂
偽りの螺旋の剣よ。今こそ矢となりて、目の前を立ち塞がる壁を
﹃ソウル・アーチャー
﹁
偽・螺旋剣
ガ ラ ド ボ ル グ Ⅱ
貫け⋮
!
﹁
壊れた幻想
ブロークン・ファンタズム
﹂
そう言うと俺はそのまま数歩歩いて、去り際に⋮
﹁飲み込んだのが仇になったな⋮﹂
だが、それで良いのさ。
そしてノイズはそのままその矢を飲み込んだ。
そして俺はガラドボルグの矢をノイズに放ち、
!
をして来た。
だが、お前たちは多くの人を殺してきたんだ⋮
報いを受けろ⋮
親
玉
それを最後にノイズは灰となりつつ、露散していった⋮
﹂
﹃すこし休憩した方が良い。まだフィーネがいるからな﹄
ふっ。相変わらずのお人好しだな。
若しくはオカンだな⋮アーチャー
﹃オカンでは無いのだが⋮﹄
﹁いや、言動の時点でオカンなんだけど⋮
けれど、やっぱり強い⋮
俺は今、目の前の融合ノイズと相対している。
ーーーーーーSIDEto憑友
兎にも角にも、今はこの身を少しでも休ませておかなくては⋮
?
?
﹂
!
剣の太刀筋も良し、それを実行に移せる言動力も良し。
!
!
すると、ノイズは自分の身体に何か異変を感じたのか、俺に命乞い
そう言って、指パッチンした。
"
こんな﹃英雄﹄がいたなんて、思いもしなかった⋮
﹁ぐっ
!
572
"
"
"
"
"
!
見た感じに剣の使い手だと分かる⋮
けど、何故こんなにも違和感が
﹂
考えても埒があかない
﹁一気に行く
!
!
ー
フォーム、メリオダス
て、レバーを引き、そして纏った
ーライド
七つの大罪、憤怒のドラゴン
そして俺は今まで使っていた愛剣、
腰に携えていた剣を引き抜く
﹂
刃折れの剣
﹁無闇に勝手に使ってすみません。けど今は⋮
﹃いや、今のは良い判断だ。
を抜かずに、
"
!
はい
今はそれの許可を許す
﹄
刃折れの剣でやりあおうとしたら、確実に死ぬぞ。
!
!
!
"
!
そう言うと俺はメリオダスさんのカードをアブソーバーに装填し
!
!
!
た。
真なる愛剣⋮
魔剣ロストヴェイン
使い方は分かってる⋮ならばやるのみ
・
・
・
フルドライブ
﹄
そう考えた俺はすかさずドライブボタンを叩いた
﹃ライド・メリオダス
・
﹂﹂﹂﹂﹂
!
故に俺は4体までしか今の所は作りきれない。
但し、一体一体の力量は低いのが最大の欠点。
事が出来るという事。
これは自分の力量を減らす事で、忍者で言う所の
これが魔剣の力⋮実像分身の力だ。
すると俺の近くに4人の俺がいた。
﹁はぁぁぁぁあ
!
影分身
!
"
!
メリオダスさんが騎士団時の時に使用していた武器。
"
を作る
そう言うと俺はメリオダスさんの真なる愛剣を持ち、ノイズに構え
!
と思っている
メリオダスさんはこれの10倍は朝飯前どころか、寝てても出来る
"
"
!
!
573
!
﹃なんか、過大評価し過ぎてねぇか
ソンナコトナイデスヨ∼
それよりも、今は全てに懸ける
﹄
﹃︵じゃあ、なんで片言なんだよ⋮︶﹄
?
!
・
・
フルドライブ
﹄
そう言うと俺はドライブボタンを叩いた
﹂
﹃ライド・メリオダス
﹁行くぜーー
!
!
!
﹁⁉
﹂
そう言うと俺はいや、俺達は、ノイズをフルボッコしていく⋮
!
﹂﹂﹂﹂﹂
これでもくらえ
フルストライク
全突撃
"!
!
!
筈⋮だった。
﹂
﹂﹂﹂﹂な‼
?
﹁‼
﹁﹁﹁﹁﹁⁉
﹂
その一撃必殺の5方向同時攻撃に流石のノイズもこれには参った
﹁﹁﹁﹁﹁
!
?
?
がった⁉
次は貴方の力を借ります
なんてやつだよ⁉
ならば
聖剣降臨
ー
フォーム、セイバー
き、魂を纏った。
ーライド
騎士王見参
!
!
⋮
﹂
隠すと、そのままノイズの元へと突き進む
﹁
!
インビシブル・エア
そして俺は壁に隠れて、聖剣をセイバーさんの能力﹃風 王 結 界﹄で
!
!
そう言うと今度はセイバーさんのカードと入れ替え、レバーを引
!
?
なんとノイズの奴、触手のようなものを出して、分身達を消しや
?
?
!
うで、肩に傷を負わせた
そしてそのままノイズの腹に剣を打ちかます
を叩いた。
そして、そのまま反動として回転する。と同時に、ドライブボタン
!
!
574
"
!
ノイズも今の俺の攻撃で自分が斬られるとは思っていなかったよ
?
﹃ライド・セイバー
ス
⋮
カ
リ
フルドライブ
バー
﹂
⋮意外とあっさり抜けた⋮
﹄
!
しかも、融合ノイズは普通のノイズに戻ってる⋮
せんせー
なら、後はいつも通りに終わらせますか
キリト師匠
!
﹂
︾を振り回し
!
!
俺はすかさずその上に跨り、そしてそのまま石板を引き抜いた。
そして良く見てみると、頭から石板の一部が出てきていた。
そうしていると、融合ノイズは地面に寝そべっていた。
しまいかねないからな。
あの威力だったら、融合ノイズに入っている﹃英雄石板﹄が壊れて
放った。
た時よりも威力をぐっと抑えたセイバーさんの技を融合ノイズに
デュランダル
束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流。受けるがいい
ク
﹁約束された⋮勝利の剣‼
エ
一気に決める
﹁
!
そして俺はかつて響が︽完全聖遺物
!"
"
!
フォーム、キリト
そして纏った。
ーライド
ー
!
フルドライブ
﹄
!
だけど、
﹃ライド・キリト
ザシュッ
ザシュッ
ザシュッ
!
こんな所で⋮終わる訳にはいかないんだーー
ザシュッ
!
スター⋮バースト⋮⋮ストリーム
‼
﹂
?
シュッザシュッザシュッザシュッ
﹁
"
!
ザシュッザシュッザシュッザシュッザシュッザシュッザシュッザ
!
!
!
それを見たノイズは立ち上がるや、俺に向かって特攻してきた。
黒剣、双閃、アメイジング
!
そう言うと俺はキリト師匠のカードと入れ替えて、レバーを引き、
頼みます
!
!
!
575
"
?
!
"
"
15の連撃から最後の一閃を受けたノイズはそのまま切り刻まれ
た後、灰となって消滅した。
﹂
ふぅ⋮なんとか終わったな。
憑友
﹂
﹁おーい
﹁憑友
あ、ロック
それに霊風先輩
﹁こっちも終わr﹁憑友‼
﹂﹂
﹂
﹂
!
?
!
!
グサッ
え
﹁﹁⁉
576
?
!
!
!
?
?
﹁﹁
﹁
﹂﹂
⋮憑友ーーーー‼
﹂
俺⋮何が起こったんだ⋮
577
?
駄目だ⋮力が⋮入らない⋮なんで⋮
?
?
!
第59話 魔塔降臨そして⋮
前回、何故あんな事があったのか
それは少し数分前に遡る⋮
憑友達はフィーネとそして融合ノイズを相手に激闘を始めようと
した。
その際に、憑友等︽精魂導師︾は融合ノイズ達の相手をする事にし、
そして響達︽シンフォギア︾装者達はフィーネと相対する事になっ
た。
そ ん な 響 達 の 攻 撃 は フ ィ ー ネ に は 何 一 つ 傷 を 負 わ せ る 程 度 の ダ
メージはおろか、フィーネに一回もダメージを与えられていなかっ
た。
そんな中でも、響はフィーネに何か言おうとした。
そんな響が偶然にも、フィーネの纏っている鎧についてる鞭の内の
一本が先程から全く攻撃してこない事に気付く。
フィーネはその間まで一本の鞭で凌いでいたのだ。
憑友ーー‼
﹂
だが、それが命取りとなり、今に至るのであった。
ーーーーーーSIDEto響
そんな⋮私のせいで⋮憑友が⋮⁉
了
子
さ
ん
ら
そうフィーネが言うと、地面が揺れ始めた⋮
て、
そしてノイズ達によって廃墟と化していた学校が完全に崩壊され
!
天を突き、宇宙にある﹃月﹄を穿つとしよう⋮﹂
そ
﹁ふぅ⋮さて、そろそろ動かすとしよう⋮
?
そこからエレベーターシャフトの模様と同じ色合いの塔らしきも
のが現れた。
﹁これぞ、﹃月﹄を穿つ魔塔
!
578
?
響は辺りを見渡すと、その鞭が憑友の真後ろにあった。
﹁
?
響の掛け声を聞き、振り向く憑友。
!
荷電粒子砲、︽カ・ディンギル︾
︽カ・ディンギル︾⋮
﹂
﹁﹃月﹄を穿つだと⁉
﹂
?
﹂
!
確かに、何故﹃月﹄を狙うの⋮
﹁⋮︽バラルの呪詛︾かよ﹂
霊風さん
言語︾の復元と、
フィーネ
﹂
﹂
了
子
さ
ん
あんたが同じ高みに昇りたいと思った相手に会う為か
答えろ
﹁だからって⋮なんで、憑友を
了
子
さ
ん
俺達の仲間を、なんで⁉
﹂
?
たのだ⋮
﹄
︽カ・ディンギル︾の起動キーをな﹂
﹃
そんな⋮じゃあ、最初からこの計画は始まっていたの⋮⁉
﹁私自身が使えば済む問題だったがな⋮
﹂
﹂
?
そう言うとロックさんと霊風さんの2人はカードケースからカー
そんな奴を⋮お前はーー‼
﹁憑友は俺にとって仲間であり、ライバルだ。
ふざけやがって
﹁そこを付け狙った。って訳か⋮
だから私は、それをギリギリまで待って⋮﹂
かったのだ。
︽幽霊症例︾の起動源︹命の灯火︺から特殊な磁場を発している事が分
?
﹁あの︽幽霊症例︾には初めて会った時のドックの際に埋め込んでおい
すると霊風さんの質問に対して、フィーネはこう言った⋮
!
霊風さんの言っていた事に対して、フィーネは肯定した。
﹁⋮ふっ。お前は超能力者か、何かか
?
!
!
ならばこそ、それを穿つ事で、かつての自分の時代にあった︽統一
﹁﹃月﹄こそが︽バラルの呪詛︾の源。
?
?
するとクリスちゃんとロックさんがフィーネに話しかける。
﹁何の為に⁉
!
!
579
?
!
フォーム、ミツナリ
ー
フォーム、ユキムラ
ー
ドを取り出して、アブソーバーに装填して、そしてレバーを引いた。
ーソウル
ースピリット
の魂が、
すると、ロックさんからは白い髪でスマートな甲冑を着込んだ青年
!
!
了
ー
子
!
刀した
﹂
懺悔
た
烈火
﹁
大烈火
﹂
"!
了
子
さ
ん
子
さ
ん
さ
了
子
さ
流石のフィーネでも止められなかった。
ん
だけど、不敵な笑みを浮かべていた⋮なんで
まさか、てめえ
⋮音
﹁⁉
﹁そのまさかだ﹂
﹂
霊風さんは何かを察した。
すると︽カ・ディンギル︾が輝き始めた⋮
ーーーーーーNO SIDE
そんな最中、ロックは辺りを見渡していた。
は悉く受け流されていく。
そうしている間にも、響以外の全員で攻撃を仕掛けるも、フィーネ
輝きを増す︽カ・ディンギル︾を前にした霊風は前世の記憶を漁る。
!
!
?
すると︽カ・ディンギル︾の方から音がし始めてきた⋮
?
目にも留まらぬ速さで2つの槍を連続で突く霊風さん。
"!"
しかし、そこへ赤い姿へと変わった霊風さんが来て、攻撃を仕掛け
余裕で受け止めるフィーネ。
了
そう言うと同時に、無数の斬撃がフィーネに襲いかかった。それを
﹁
!
するとロックさんがフィーネとの間合いを瞬時に縮めて、一気に抜
ん
霊風さんからは赤がトレードマークの双槍使いの青年の魂が現れ
て、それぞれ纏った
凶王三成
ー君子殉凶
ー
!
!
六文銭
ー天覇絶槍
!
"
!
?
580
!
!
!
"
"
﹁︵クリス⋮
クリスがいない⁉
︶﹂
?
クリスちゃん
害させられた。
﹁
﹂
!
nal⋮ー
?
?
⋮ー
﹂
﹁クリスーー‼
﹁⁉
﹂
ー E m u s t o l r o n z e n f i n e e l z i z z l
自分は自身の父親と母親の事が大好きなんだという事に。
この時、クリスは感じていた⋮
nal⋮ー
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
上空へと到着したクリスは尚も、﹃絶唱﹄の歌を詠う⋮
zizzl⋮ー
ー E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l それは﹃絶唱﹄の歌詞だったから。
すると突然の歌を聞いた皆は目を見開く。
﹁この詠⋮まさか⁉
﹂
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
チャージされ続けていた。
フィーネはそう言っている間に、
︽カ・ディンギル︾のエネルギーは
﹁︽カ・ディンギル︾は誰にも止められない
クリスがミサイルに乗って、
︽カ・ディンギル︾上空へと飛んでいた。
と、
と、ふいに響が上を向いて言ったので、残りのメンバーは上を見る
﹂
そんな2人を見たフィーネは攻撃をしようとしたが、翼によって妨
付く。
それを感じ取った霊風はロックの動揺で何かを探しているのに気
?
のだ
そこには義理の兄であるロックがクリスの元へと急いで来ていた
と、歌い終わると同時に聞こえてきた声にクリスは驚く。
?
!
581
!
﹁ロック義兄⁉
﹁⁉
なんで﹂
////﹂
お前と一緒の方がマシなんだよ﹂
そんな廃人みたいな生活を送るよりか⋮
ライフ
そんなのははっきり言って御免だ。
俺は生きたまま死んでいる生活を送らないといけない。
俺はお前を守りし騎士だ。お前を守らなかったら、
﹁お前1人で先に行くな。
?
を見せた。
⋮おうよ
﹂
﹁⋮一緒に止めるぞ⋮クリス
﹁
!
フルドライブ
電子砲へと合体させた。
﹃ソウル・フォーマル
﹁行こう⋮クリス⋮﹂
﹁⋮うん﹂
!
ハイドロ・アビス・ブラスター
て離した。それも2人同時に⋮
﹁
﹄
ーー‼
﹂
?
放たれた
ロックの技とクリスの﹃絶唱﹄で生み出されたエネルギーが同時に
"
そう言うとクリスは引き金を引き、ロックは弓の弦を引っ張りそし
!
そしてクリスも二丁の特大ライフルへと型物を変え、それを1つの
わり、そして水の弓を取り出し、そしてドライブボタンを叩いた。
そう言うとロックはベーシックスタイルであるフォーマルへと変
!
﹂
ロックの突然過ぎる発言に、クリスは顔を一気に茹で蛸のような顔
?
粒子砲が発射された
ていっていた⋮
そしてロックもまた、先程まで激しかった水の勢いが徐々に減少し
ていた。
だが、
﹃絶唱﹄を受けたクリスのシンフォギアは徐々に罅が入って来
そのまま激しく激突をぶつける両者の攻撃。
!
それと同時に地上の方では︽カ・ディンギル︾から特大のエネルギー
!
582
!
"
するとクリスは隣に立っているロックに手を差し伸べてきた。
それを見たロックは弓を持ったまま、もう一方の手でクリスの手を
握った。
がそこに居るかのように。
その際に2人の後ろからオーラのような物が見えた。
荒ぶる海を征した王者の竜
まるで⋮
ドガァァァ‼
⋮
そしてやがて2人は︽カ・ディンギル︾が放ったエネルギーの光に
"
し損ねただと⁉
﹂
フィーネは結果を見て動揺する⋮
﹁⁉
?
!
そんな様子を見ていた響と翼、霊風の3人。
ーーーーーー
飲み込まれた⋮
?
⋮ぁ⋮ぁぁ⋮ああぁぁぁぁ‼
えてしまっていた。
﹁
?
ライバルであり、同時に仲間を失った憑友。
﹁⋮ロック⋮﹂
その悲鳴を聞いたのか、ここに来て、憑友が目を開けた。
﹂
それを見た翼と響。2人の結末を見た響の瞳からハイライトが消
のまま近くの森の中へと落ちていってしまった⋮
だが、同時に月が見える地点から、2人は意識を無くしたまま、そ
部欠けたとは言え、月の完全破壊を食い止めたのだ。
彼女の仕掛けた︽カ・ディンギル︾の攻撃は2人の活躍により、一
?
583
"
!
立て
憑友
世界はまだ君を求めている⋮
584
!
次回へ続く⋮
!
!
第60話 暴走再び
雪音とロックの活躍により、
︽カ・ディンギル︾の第1射は月の完全
破壊を食い止めた。
だが、その代わり、クリスとロックの2人はそのまま森の中へと落
ちていってしまった⋮
その一部始終を見た響は泣きながら、地面に膝を着かせた。
ーーーーーーSIDEto響
せっかく仲良くなれたのに⋮こんなの⋮嫌だよ⋮嘘⋮だよ⋮
ドクン⋮
もっとたくさんお話ししたかった⋮
話さないと、喧嘩する事も、
今よりももっと仲良くなれるなんて事も出来なんだよ⋮
ドクンッ
‼
⋮
の矛先をフィーネに向けた。
⋮ドクンッ‼
?
?
﹂
585
クリスちゃん⋮夢があるって。
人に化けし化け物が‼
﹂
人の命をかってに弄んだ故に罵声をかけるか
﹁お前は無駄とせせら嗤うか‼
﹂
でも、私、クリスちゃんの夢。まだ聞けてないよ⋮
無駄な事を﹂
人の尊厳を侮辱しやがって
﹂
﹂
﹁自分達を殺して、月への直撃を阻止したか。
ハッ
無駄な事だって⋮
﹁見た夢も成せないとは⋮とんだ屑だな
ドクンッ‼
めぇ
﹁フィーネ⋮
?
生命を燃やして⋮大切な者を守り抜く事を⋮
いのち
﹁笑ったか⋮
て
ーーーーーーNO SIDE
?
!
!
そう言うと翼と霊風の2人はフィーネに其々の得物である、剣と槍
?
!
!
!
﹁おめぇ⋮
?
!
!
!
!
﹂﹂
﹁それが⋮﹂﹄
﹁﹁⁉
﹃﹁夢ごと命を踏み躙った人の言う事かーー‼
すると2人の間にいた響が立ち上がった。
﹂﹄
暴走
がここに来
だが、その姿はあまりにも変わり果ててしまっていた。
目が赤で、後は全て真っ黒に染まっていた。
かつて、
︽デュランダル︾を護送した際に起きた
て発動してしまったのだ。
"
つまり、響の負の感情によって、
暴走状態
が発動されたのだ。
しかし、今回は以前とは違い︽デュランダル︾を所持していない。
"
"
﹁⁉
﹂
﹁響ちゃんを実験材料にしやがって
﹂
フィーネにとってはそれは計算通りの展開だったのだ。
それを見たフィーネは不敵で尚且つ妖麗な笑みを浮かべる。
"
!
なんの事だか
﹂
霊風の言った言葉に翼は目を見開く。
﹁実験
﹁惚けんじゃねぇ
?
料にしたんだろうが
﹂
に
それを利用して、お前は︽ネフシュタン︾と一心同体になったくせ
!
︽聖遺物︾の欠片を体内に宿している響ちゃんの身体を、お前は実験材
!
?
﹂﹄
?
込んでいく
響 は そ れ を ま と も に 受 け な が ら も そ れ で も フ ィ ー ネ に 向 か っ て
掛けてきた。
だが、肝心のフィーネはそれを悉く受け止め、さらには反撃まで仕
!
そう言っていると、響がフィーネに向かって怒涛のラッシュを叩き
﹃﹁Ugaaaaaaa‼
それ即ち、肯定と言う意味でもあった。
そんなフィーネの態度は妖麗で且つ不敵な笑みを浮かべていた。
霊風の発言を聞いた翼はフィーネに向ける。
﹂
﹁⁉
!
586
?
?
?
?
ラッシュを繰り広げていく
その威力で2人のいた地点の地面に亀裂やら衝撃が襲いかかる⋮
!
そしてそれを見ていた翼と霊風の2人はその衝撃をまともに浴び
ながらも、響を宥めるように言葉をかける。
・
・
・
・
・
・
だが、その響に2人の声は全く以って聞こえていなかった。
⋮いや、聞こえていた。
すると響はそんな2人に顔を向けると、其処から一気に2人の間合
いを縮めては、2人に猛獣の爪と化した手を挙げたのだ
そんな2人に響は己の拳を振り上げる
それに苛立ちを隠せない翼と霊風。
に見ていた。
﹂
フィーネはそう言いながら、そんな3人の戦いを高みの見物のよう
﹁最早人に非ず。人の姿をした﹃破壊衝動﹄に過ぎん⋮
それを見た2人は響の暴走を止めるように動きまわる。
!
!
徒達の安否が分からない始末。
それ以前に、未来がいるであろうこの場所に肝心の未来や学園の生
した⋮
クリスとロックの義兄妹が月の破壊を防ぐと同時にその命を落と
フィーネが身体を抉った事で憑友が倒れ、
今の響の感情は最早絶望に染まった者そのものであった。
激しい激闘が2人の体力をじわじわと削っていく⋮
!
不幸
と言うにはあまりにもデカ過ぎる結末。
彼女が生まれながらにして持っている﹃呪われ体質﹄も此処まで来
れば最早
"
たのだ‼
﹂
﹁まさか⋮
?
2人は︽カ・ディンギル︾の方を見るとなんとチャージし始めてい
応を感じた2人。
そうしていると、再び︽カ・ディンギル︾から膨大なエネルギー反
いかける。
そんな彼女の心境を分からなくは無い翼と霊風はそれでも響に問
"
!
587
!
て
めぇ
⋮フィーネ
﹂
!
﹂
!
﹂
!
﹁
⋮ああ﹂
﹁操作する者がいなくなる⋮そう言いたいんだよな
﹂
そう言うと霊風は得物である槍の矛先をフィーネに向けた。
﹁だが、お前を倒せば⋮
すると翼はフィーネに刃を向けた。
フィーネの発言を聞いた霊風はそう愚痴を零す。
しねぇ⋮﹂
﹁⋮それさえあれば永久に撃ち放題って訳か。ロマンの欠片もありも
けてある⋮
その為に、エネルギー炉心には不滅の剣︽デュランダル︾を取り付
必要ならば何発でも撃てる。
しか撃てないのなら、それは最早欠陥も同然。
﹁︽カ・ディンギル︾がそう如何に最強の兵器でも、それがたった1発
﹁くっ
!
﹂
そして響が翼を攻撃しようとしたその時だった⋮
かった。
そ の 様 子 を 見 た フ ィ ー ネ は 何 を し よ う と し て い る の か 分 か ら な
﹁
そして翼は得物の剣を地面に刺した。
翼がそう言っていると響が2人の元へと駆ける⋮
だから⋮﹂
私はいや、私と霊風さんの2人で、︽カ・ディンギル︾を止める
﹁立花⋮
がら、立ち上がる。
そう言っていると、2人とフィーネの間にいた響が呻き声を上げな
?
!
588
!
?
﹂
ドサッ
﹁⋮⁉
﹂
﹂
グシャッ‼
﹁⋮⁉
﹁な、何
の手によって止められた。
そして翼はと言うとその何者かによって、横へと吹き飛ばされ、吹
き飛ばした本人を見た響以外の3人はその姿を見て驚愕させられた。
そして響も自分が放った手を受け止めた存在の温もりを感じて気
付かされた⋮
589
!
翼の立っていた場所で、翼に向けて振り下ろされた響の手は何者か
?
?
?
﹁はぁ⋮はぁ⋮⋮はぁ⋮はぁ⋮⋮﹂
其処にはフィーネによって胸の部分が完全に空洞と化していた存
在⋮
憑友が其処にいた。
響はそんな憑友の空洞と化した胸に手を貫通させていた。
影縫い
⋮
してそれとは別の経由ー今思えば、それはフィーネの策略だがーによ
りロックが使用する相手を動けなくする特殊な技法。
590
響はそれを離そうとするが、逆に憑友に引っ張られた。
そして同時にその状態のまま、憑友に抱かれた。
﹁⋮らしく⋮ねぇじゃんか⋮響﹂
憑友は荒い息使いながらもそう話していく。
﹁﹃この⋮拳は⋮誰かと⋮手を繋ぐ⋮為の物﹄⋮だろ
そんな⋮力を⋮暴力⋮の為に⋮使うなよ。
まるで細身の剣のような形状をした刺突刃の刃物を、憑友は右手で
刃物の刀身が全て抜けた。
そして同時に、右腕に装着されていたサブウェポン︽刺突刃︾から
そう言いながら、憑友は左手で響の頭を撫でる。
⋮くれ﹂
その⋮力を⋮託した⋮奏⋮さんの⋮想いを⋮無駄に⋮しない⋮で
?
キャッチするや、そのまま響の影に向けて放ち、その剣で影を刺した。
"
元は翼のマネージャーである緒川と、その緒川から教わった翼、そ
"
憑友は緒川本人と、ロックから密かに教わっていたので、それが可
能になっていたのだ。
そうしていると、響の頭を撫でるのをやめた憑友はそのまま響から
﹂
離れ、フィーネの方へと足を引き摺りながら胸を左手で抑えながら前
へと出る。
﹁⋮まだ生きていたか。︽幽霊症例︾﹂
﹁へへっ⋮伊達に⋮2年間も⋮成仏⋮出来て⋮ないんでね⋮
フィーネがそう言うと憑友は笑って誤魔化す。
そう言うと憑友は抑え続けている心臓部から手を離した。
﹁はぁぁぁ⋮⋮﹂
すると憑友は気溜めを始める。
ていた。
﹁何をするつもりだ
﹁後は⋮たの⋮み⋮ま⋮す⋮⋮﹂
翼と霊風にその火の粉がやって来ていた。
に、
すると憑友から放たれていた火の粉がまるで意思を持つかのよう
そう言いながら息使いが更に荒くなっていく憑友。
俺に⋮とっては⋮これが⋮運⋮命の⋮選⋮択⋮だからな﹂
﹁⋮さぁな⋮
﹂
すると身体のあちこちから火の粉が憑友の周りから飛び散り出し
!
そう言うと憑友は膝から地に落ち、そして身体の全てを地面に預け
るかのように地に伏した。
﹂
﹂
それと同時に翼と霊風の身体から炎が纏った⋮
﹁憑友⋮ああ⋮
﹁この想い⋮無駄にはしない
!
ける。
﹂
!
すると翼が持っていた剣の刀身が真っ赤な炎を煽り、
風と炎。1つに交わりし時⋮
"
591
?
そう言うと2人はそれぞれの得物を携え、フィーネにその矛先を向
!
!
霊風が使用していた槍の矛先が紅蓮のような赤みを帯びた⋮
﹁
"
﹁
その強さ⋮﹃熱風﹄へと変わらん⋮
﹂
︶﹂
!
2人はそう言うとそのままフィーネにその矛先をぶつける。
!"
だが、その俊敏さが尋常じゃなかった⋮
︵この距離を⋮瞬時にだと⋮⁉
カスッ
﹁⁉
?
ターを取り付けられているかのように。
その後も、翼と霊風はフィーネに向かって、猛攻を仕掛ける⋮
だが、フィーネも負けじと反撃に出る⋮
しかし、2人はそれを紙一重で全て避ける⋮
飛翔した
まさか
⋮っ‼
﹂
﹂
﹁これを、剣と見て取れるか‼
﹁何を⋮⁉
?
翼はそのまま︽カ・ディンギル︾の方へとその身を羽ばたかせる⋮
!
?
すると翼が両手に剣を出し、足に付いてる刃を開かせるとそのまま
!
!
!
まるで2人の背中にジョットエンジン並みの出力を持ったブース
それを2人は僅か1秒でフィーネの懐までやって来たのだ⋮
30⋮それは翼と霊風からフィーネまでの距離。
?
!
!
?
フィーネは翼が何をしようとしているのかを気付くと、鞭を使っ
て、攻撃する⋮
フィーネ
﹂
だが、その攻撃は翼の元へと届かなかった⋮
﹂
何故なら⋮
﹁何
﹁俺を倒してからにするんだな
!
熱風の槍、決めてやる⋮
‼
﹂
その槍を槍投げの様に用いると、そのままフィーネに向けて放った
﹁
フレアリィ・ドリル・ランサー
?
"
!"
!
其処には熱風へと変わった槍を携えた霊風がいた。すると霊風は
!
!
!
592
"
!
"
"
すると槍の矛先は螺旋の形状になるや、そのまま炎を上げながら回
転しながら、フィーネに放つ
1人
盾
!
﹂
﹁俺達の想いをーー‼
﹂﹂
﹂
霊風は塔を跳びながら上へと目指していたから。
もう1人
何故なら、翼は空を剣で飛び⋮
れた。
だが、フィーネはその対決が無駄だと言う事に今更ながら気付かさ
それは同時にフィーネの守りが堅いと言う事も分かった。
り、盾が勝った事を意味し、
だが、その対決は威力が切れた槍がそのまま地面に落ちた事によ
その威力は壮絶な物だった。
そしてその炎の螺旋槍と鞭の障壁が激突した。
矛
ーASGARDー
フィーネは咄嗟に鞭を使って障壁を作り上げた。
!
目を覚ませ
﹁此処で終わらせない
﹁響ーー‼
?
が発生する。
雷の力を携えし狼の竜
その時、フィーネは見た⋮
霊風の背中から、
それにより、2人は同時に攻撃をした。
の姿が⋮
"
﹂
反応⋮ロスト。
それ以降、翼と霊風の姿が全く以って無くなったのだ。
だが、その代償があまりにもデカかった⋮
フィーネは落胆する。自分の計画が此処で潰えたと言う事に。
﹁そんな⋮⁉
これにより、もう2度と月を破壊される事が無くなったのである。
ル︾の砲台が完全に壊された。
そして沈黙から一転⋮膨大な程の爆音と共に、魔塔︽カ・ディンギ
!
そう言うと翼の剣の炎が更に燃え、霊風のなけなしの拳から迸る雷
﹁立花ーー‼
?
"
593
!
?
?
それ即ち⋮生存不明と言う事でもあった。
594
第61話 仲間の声/シンフォギア
魔塔
カ・ディンギル︾は崩壊した。
翼と霊風⋮2人の活躍により、フィーネの計画の中枢を担っていた
建造物︽
声が聞こえていた。
そしてその校歌を歌っているのは⋮リディアンの生徒や教諭達の
学 校の校歌だった⋮
リディアン
微かに⋮だが、同時に聞こえてきたのは⋮
♪∼♪∼♪∼
そして幾多もの罵声が飛び交った⋮その時だった⋮
えていなかった⋮
しかし、響の心は此処に非ずと言った感じで、何者の声すらも聞こ
激しい罵倒が彼女の身体に突き刺さってくる⋮
その怒りの矛先を響に向けた。
そんな響に対してフィーネは自分の計画を狂わされた事に憤慨し、
彼女の不幸は何処まで続けば気が済むのか知れたものじゃない。
未来達の安否がまともに取れていない事に⋮
そして何よりも⋮
事を⋮
翼と霊風、ロックとクリスが命を賭けてまで未来へと繋いで去った
憑友を結果的に自分が殺したと言う深い挫折を⋮
その証拠として、彼女の瞳に光が灯されていなかった⋮
の絶望へと叩き落とされていた。
響は先程までの暴走状態から理性を取り戻したのも束の間、悲しみ
しまっていた⋮
だがその代償として、翼と霊風の姿がそれ以降全く見えなくなって
"
そしてその声の中に⋮未来の声があったのだった⋮
ーーーーーー
595
"
一方、数時間前。
未来は奏と弦十郎等二課の面々と共にシェルターへと移動してい
た。
その際に、天井が崩壊。その瓦礫が未来と奏に襲い掛かろうとした
際に弦十郎の咄嗟の判断により、2人はなんとか守られたが、その際
に、弦十郎は突然の態勢により、背中と頭から血を流すという事態に
なった。
そんな中で未来達はシェルターの一室に到着した。
そこには未来と憑友そして響のクラスメートの創世達がいた。
事態を飲み込めていない創世達に血を流していた弦十郎が友里の
手当てを受けながら、今回の事態を噛み砕いて説明した。
その話を聞きながら、電子機器を弄る藤堯と牧藁の2人。
如何やら通信が可能のようで、2人はその映像をこの場にいた皆に
見せた。
596
そこには、憑友と響の2人と、本性いや、化けの皮を剥がしたフィー
ネこと櫻井了子が相対していた。
だが、憑友の変わり果てた姿を見た未来達は口を塞いだ。
憑友の心臓部が抉れていたからだ。
しかも、その映像には翼と霊風、ロックとクリスの2人が映ってい
なかった。
クリスとロックの2人は月の破壊を防ぐ為⋮
翼と霊風は︽カ・ディンギル︾破壊の為に、その身を燃やしていた
⋮
そんな中で、憑友と響がその現場にいた事に未来が気付くと、創世
達が話しかけて来たので、未来はありのままの事を話した。
壊す
それを聞いた3人の内の1人、板場弓美が己が持っていた疑問をあ
と何かを
"
りのままにぶつけた。
ドガッ
"
だが、それを未来は自分
そんな中、シェルターの方からドガッ
ような音が聞こえてきた。
!
それを聞いた皆はその音のする方⋮未来達が入って来ていたシェ
!
ルターとは全くの正反対の方を見る。
・
・
・ ・ ・
・
・
・
・
・
と言う音が聞こえており、それが更に増
そこには棚があり、そのスペースには非常食があるのだが、
先程の音からカタカタッ
していっていた。
ドガァァァッ
そうしていると⋮
シュパァンッ
それに馬燈君
逝都
﹂
﹂
﹁⁉
﹂
すると、未来はその壁の方を向くとそこにいたのは⋮
のだ。
なんと、その棚が設置されていた壁が、棚ごと斬られ、吹き飛ばした
!
!
しかも、2人の後ろにはたくさんの人がいた。
なんと憑友と響と未来の幼馴染の浅岡と一走であった
﹁よっ
⋮あ、未来っち
﹁ん
?
!
ママ
かっこいいお姉ちゃんとかっこいいお兄ちゃんだ
﹂
!
﹂
!
それを弦十郎に説明する。
しかし、未来は女の子の言った﹃応援﹄になにか閃いた。
しかし、現状では如何することも出来ない事を藤堯が説明する。
そう言って来た女の子。
﹁ねぇ。あのかっこいいお姉ちゃん達に応援しよう
未来に至っては、響と憑友らしいと言ってその光景を見た。
その話を女の子の母親から聞いた未来達。
響と憑友が再会した日に、2人が救った女の子だったのだ。
た日と共に、
実はこの女の子は響が学校初日で、初めて︽シンフォギア︾を纏っ
と言って、画面内の映像の方まで来ていた。
﹁あ
すると、緒川の近くにいた女の子が藤堯が見せている映像を見て、
者がいた。
そして未来達が入って来た方からは緒川が現れ、彼の後ろにも避難
如何やら2人はシェルター内の人達を探し回っていたようだ。
!
?
!
597
!
?
!
﹂
﹁此処から響や憑友達に私達の声を⋮無事を知らせるには如何すれば
良いんですか⁉
ノイズ
﹂と言った。
﹂
﹂
と遭うかもしれないのに、戦う力を持っている俺
!
チ
の狭い扉しかなかった。
と斬られ、未来達はそ
それを見た馬燈はすぐに懐に携えていた刀で十文字斬りを放つ
すると十文字斬りを受けた箇所がスパンッ
のまま中へと進行していく。
!
そこには大人が入りきれず、子供がようやく入れるくらいの大きさ
へと急行した。
そして未来達は緒川の先導によりその設備が設置されている場所
逝都と馬燈も憑友や響を見殺しになんかしたくないのだと。
ダ
その言葉を聞いた未来達は口から笑みが零れていた。
達が守らないで如何するんだよ
﹁道中で
﹁んなもん決まってらぁ
何をしてるのかと思って、聞いてみたら⋮
そう言うと、逝都と馬燈は準備運動を始めた。
届かせられます
その話を聞いていた藤堯が、
﹁学校の施設が無事なら、此処から声を
?
!
"
ま一気にジャンプして、設備のブレーカーを起動させた
分達がまだ生きている事を知らせる為に、ある曲を歌った⋮
無事に戻って来た未来達は、ある意味で憑友と響が帰る場所を⋮自
る。
功した事を実感した6人は急いで弦十郎達のいるシェルターへと戻
ジャンプした為か、そのまま一気に崩れ落ちたものの、それでも成
!
未来が乗り、4人と同じ態勢にすると、その上に弓美が乗り、そのま
その上に創世と詩織が乗り、逝都と馬燈と同じ態勢にすると、今度は
そしてそのまま逝都と馬燈が膝を曲げて、背中を踏み台にすると、
だが、未来、創世達、逝都と馬燈の6人はなんとか入れた。
トだった。
しかし、それでも大人の類には入っている緒川では、ぎりぎりアウ
!
598
!
"
︶﹂
それこそ⋮先程響が聞いた曲⋮
リディアンの校歌であった。
﹁︵響⋮憑友⋮私達は無事だよ⋮
ーーーーーーSIDEto響
歌が⋮聞こえる⋮
耳触りな⋮何が聞こえている
﹂
暖かくて⋮私と憑友が帰る場所の歌が⋮聞こえる
﹁ッ
﹂
この歌を⋮耳触りだと⋮言うな⋮
﹁ん
暖かくて⋮とても優しくて⋮心が落ち着けて⋮
そして、どんな事でも⋮立ち上がれるこの歌を⋮
耳触りだと言うなーー
まだ戦えるだと⁉
ピカーーーンッ‼
﹁⁉
鳴り渡る不快な歌の所為か⁉
何を支えて立ち上がる
何を握って力へと変える
⋮そうだ。お前が纏っている物はなんだ⋮⁉
心は確かに折り砕いた筈⋮⁉
⋮なのに、何纏っている⋮
それは私が作った物なのか
お前が纏うそれは一体なんだ
﹂
﹂
そんなのは分からない⋮判らないですよ。
でも⋮これだけは言える⋮
これはみんなの思いで作り上げた⋮
シーンーーフォーギアーーーーーー
ーーーーーーNO SIDE
が空へと駆ける⋮
青き光に導かれるは、︽竜を滅する剣︾
599
!
?
?
!
?
!
?
?
朱き月が降り、暁の太陽が日の出と共に動き出すと共に、3筋の光
!
!
?
!
?
?
紅き光に導かれるは、︽魔を穿つ弓︾
そ し て 天 に も 届 く 程 の 黄 色 き 光 に 導 か れ る は、︽槍 の 名 を 冠 す る
﹃拳﹄︾
その3筋の光が消えると同時に、それを纏いし少女達が、
奇跡の翼と共に、舞い上がる⋮
そしてそれと同時期に、3つのポイントから3つの生命が動き出し
ていた。
深き海溝の果てに居座る物は、その光に反応し、ワニのような口を
開かせ、目を輝かせつつ開け、そして海の中でも響く咆哮を繰り出す
や、そのまま深海とは真逆の、海上へと進行していく⋮
また、ある平野では、多数の蟲達が騒ぎ立てる。
それを感知したのは、その蟲と共に共存する狼。
その蟲の騒動を見た狼は、空を見る。
そこには、一部が欠けた月と、暁に照らされし太陽。
そして、3つの光だった。
それを見た狼は、その場からその強靭な脚でその元凶である場所へ
と赴く⋮
そしてまた別の地点では、雲海が流れ込む地にて、つがいの竜がそ
の光景を目の当たりにしていた。翠の竜と朱き竜だった。
朱の竜は翠の竜の目を見る。
翠の竜は何も言わずに微笑む。
それを見た朱の竜は、自身の顔と翠の竜の顔へと擦り寄せ、そして
その場へと急いだ⋮大きな翼を羽ばたかせて。
3つの光により、新たな3つの生命が呼び寄せられていた。
決戦の時は⋮もうすぐだった⋮
600
!
!
第62話 狩猟魂
暁に照らされし太陽の下、3つの光が空へと駆ける⋮
すや、そのままノイズを召喚させた。
ん
な
機
能
しかし、フィーネはそれを拒むばかりか、
︽ソロモンの杖︾を取り出
そんな中でも、響と言う女の子は話し合いを持ちかける。
それを聞いたフィーネは更に不快に感じさせた。
しかし、それをクリスや翼は否定した⋮テレパシーで。
取り付けていないと。
自分が作った︽シンフォギア︾には、空中遊泳や、色彩変化などは
そ
そんな中、フィーネは不快な気持ちになっていた。
シェルター内にいた未来達はその映像を見て歓喜していた。
た⋮
そこには︽シンフォギア︾を纏った3人の女の子達が空を飛んでい
!
ノイズはそのまま3人に特攻を仕掛けるものの、3人は空中を自在
に飛びながら避ける。
しかしフィーネは杖を真上に向け放った
!
その瞬間、リディアンもとい︽カ・ディンギル︾周辺に位置する住
宅街等で、ノイズが大量発生されたのだ
その数⋮実に10000
!
・
・
そんな光景の中で、フィーネは嘲笑う。
その数を見た3人は狼狽えてしまっていた⋮
!
⋮っ
なんなのだこの蟲は
﹂﹁これは一体
﹂
?
バチッ
対して響はその蟲を触った⋮その時⋮
クリスと翼はその蟲を見て疑問詞が出る。
﹁なんだ
それはもちろん、上空にいる響達の所にもやって来ていた。
だが、その蟲から特殊な磁場が発生していた。
﹂
だが、そんなフィーネの周りに何かがうようよしていた。
﹁
!
?
!
601
!
その正体は、蟲だった。
?
﹂
立花⁉
﹁っ⁉
﹁
﹂
﹁もしかして⋮﹂
﹂
そう響が呟こうとしたその時だった
ウオォォォォォォ⋮⋮
てる。
﹄
ウオォォォォォォンッ‼
﹃⁉
へとやって来ていた
﹂
しかもデケェ⁉
﹁なんなのだ
﹁狼⁉
﹂
﹁走っただけでノイズが死滅
?
こ
の
すると響はその狼を見て、思い出す⋮
﹁オウガ⁉
﹂
事
憑友の家にお邪魔した際に出会ったあの狼であるという事に。
それは自分がまだ未来に︽シンフォギア︾を伝える前、
!
上からフィーネ、クリス、翼が其々言う。
﹂
しかも、その存在が走って来た場所にいたノイズは⋮全滅していた
!
そして声のした方向を見ると其処から1匹の狼らしき存在が此方
?
?
何処からともなく聞こえてくる咆哮にこの場にいた4人が耳を立
!
そして響はこの蟲達が何者なのかも分かった。
手を離した。
その蟲を触った瞬間に、響は痛みを感じたのか、その蟲を握った右
﹁おめぇ、大丈夫かよ⁉
?
?
?
?
602
?
!
!
﹁ウォォォォォン
⋮
﹂
と言う立派な名前が。
・
とも呼ばれている地上を徘徊する狼の姿をした竜
雷狼竜 ジンオウガ
へと集まり始めたのだ⋮
すると、先程までうようよしていた蟲⋮雷光虫達がジンオウガの方
すると今度は、呻き声を発していく。
た。
そうしていると、ジンオウガは一棟のビルの屋上に華麗に着地し
無双の狩人
響の問いに軽快に答える狼いや、彼には名前がある。
!
"
﹁ヴォォォォォォォォォォォン‼
?
超帯電状態
並みが全て逆立ちしたのだ
ジンオウガの特殊状態
の姿だった
!
だが、それを更に不快へと誘う⋮
その様子を見たフィーネは不快な顔を出す。
上空にいるノイズ達にも。
ジンオウガの周囲に存在していたノイズ達が一斉に灰となった⋮
そして雷が咆哮をするかのような声を発すると全身から雷を放ち、
大の雷が無数に放たれた⋮ジンオウガの背中から。
そしたらなんと、ジンオウガの立つビルの周辺にいるノイズ達に特
するとジンオウガは呻き声を発する。
"
!
先程よりも最早、咆哮に近い声を轟かすと同時に、ジンオウガの毛
﹂
そして全ての蟲達がジンオウガに集まった瞬間、
!
"
603
"
"
"
﹂
﹁ヴォォォォォォォォォォォ‼
﹁⁉
仕掛けていた
﹂
そしてその光の正体が、まさかの雷であった
すると海面が上昇すると、其処から地上へと何者かが現れた
⋮ラギア⁉
﹂
それを見たクリスは驚愕した。
﹁
と呼ばれている存在⋮
が地上に現れたのだ
海竜
海の王者 ラギアクルス
ターにして、種を代表して
"
のような行動で、直線上にいたノイズ達を葬り去った
フィーネは嫌な予感を感じたのか、鞭を使って、ジンオウガを攻撃
其処には翼と共に︽カ・ディンギル︾を破壊した存在⋮霊風がいた。
⋮
そしてそのまま崩壊した︽カ・ディンギル︾の頂上へと登り詰める
ないと言わんばかりに、そのまま過ぎ去る。
かって来たので、慌てて躱すとジンオウガはフィーネの事など眼中に
フィーネは更に顔をしかめていると、先程のジンオウガが此方に向
其処にはクリスの義兄⋮ロックがいた。
そしてラギアはそのままクリスがいた場所へと向かって行った。
!
するとラギアは迸る雷を全身に浴びると、そのまままるで槍の突進
!
"
そう。かつて、憑友とロックの決着後に現れた海を征するモンス
?
!
!
!
すると突然、海の底から光が発生して、其処からノイズ達に攻撃を
それを見ていた3人はジンオウガと同じ方向を向いた。
ルーするや、そのまま海面がある方角を向いていた。
そしてその声を聞いたジンオウガはほかのノイズ達の事を完全ス
その声を聞いたフィーネは辺りを見渡す。
突然聞こえてきた轟めく咆哮。
?
?
"
604
!
"
しようとした。が、
﹁ヴォォォォォォォオオオ‼
﹂
﹂
﹂
﹂
今度は遥か上空から聞こえてきた声に4人は驚く。
?
はその威力により灰となって消えてしまったのだ
そしてその正体が上空から舞い降りてきた⋮
火竜 リオレウス
空の王者
が現れたのだ
靭な翼で世界を飛び回れる実力から
⋮
とも呼ばれる存在
"
テ リ ト リー
今この場に3体のモンスターがノイズを倒していく⋮
ジンオウガ、ラキドクルス、そしてリオレウス。
!
"
その正体は、飛竜と呼ばれる存在達を代表する存在にして、その強
そして羽ばたかせ続けている強靭な翼。
赤い鱗と甲殻、強靭な脚、針らしき物が付いてる尻尾、
!
!
なんと其処から火球が出没し、そのままノイズ達に攻撃し、ノイズ
ドガァァァ‼
すると1つの雲が赤く染まり出す⋮と思いきや、
そして憑友と共に未来を助ける際にも聞こえてきた声だったから。
それはジンオウガと出会った日と、
えがあった。
翼、クリス、フィーネは動揺を見せる。そして響はこの声に身に覚
?
﹁上から何かが来る
またしても
﹁一体何が来るってんだよ⁉
﹁ちっ
!
﹂
﹁この声⋮まさか⁉
?
?
全ては、自分達の絶対領域に侵入した者を⋮抹殺する為に。
!
"
605
!
"
すると、レウスはそのままフィーネの方へと滑空するや、そのまま
脚でフィーネを攻撃する。
しかしフィーネはそのままヒラリと躱す。
だが、レウスの目的は其処ではなかった。
レウスはそのまま火球を連発させ、フィーネを後退させていく
するとそのままレウスは全身を半回転させた
しかし、レウスは寧ろ計算通りとも言えるような顔を見せた。
だが、フィーネは避けるばかりか、そのままレウスに向かって来た。
!
ドガッ
た。
フィーネは何をしようと関係ないと思ったが、其処が命取りとなっ
!
・
・
・
・
すると3体は顔を上に向けるとなんと3人を⋮
咥えた。
すると小突いた3体は、口を開けるや、そのまま⋮
そしてラギアも自身の目と鼻の先にいる存在⋮ロックを小突く。
するとジンオウガも脚元にいた存在⋮霊風を小突く。
それは⋮憑友だったから。
その何かを見た響は⋮目を見開いた。
それを悟ったレウスはそのままレウスの脚元にいる何かを小突く。
そして森の方へと顔を向けると今度はラギアが此方を見る。
方を見る。
するとレウスは︽カ・ディンギル︾の方を向くと、ジンオウガが此
レウスの尻尾に。
はない⋮当てられたのだ。
・
フィーネは何かに当たって、吹き飛ばされた⋮いや、当たったので
﹂
﹁ぐはっ⁉
!
丸呑みをし始めたのだ
!
606
?
﹃⁉
﹄
﹁何をしようと言うのだ⋮
﹂
その様子を見た響達は目を見開き、動揺する。
それに対してフィーネは嫌な予感を感じていた。
そして3体は3人をそのまま噛まずに丸呑みにした。
すると3体の身体が光り輝く⋮
そして3体はそのまま上空へとジャンプした
その力を取り込んだかのように
するとその光の球体から亀裂が入る⋮
まるで、
。
それと同時に彼等の身体が光の球体へと変化し始める。
!
!
"
立っていた⋮
其処にいたのは⋮
﹁まさか、ジンオウガの力が出てくるとはな
!
﹁⋮⁉
﹂
﹁フィーネ
﹂
た装備に身を包んでいた。それも全快状態で
⋮3人の︽精魂導師︾が、レウス,ラギア,ジンオウガの特徴を持っ
其処には先程まで瀕死の重傷を受けていた筈の憑友,ロック,霊風
﹁ありがとう⋮レウス。俺に力を貸してくれて﹂
﹁ラギア⋮お前が俺を助けてくれたんだな﹂
﹂
勿論、シェルター内にいた皆も驚いていた。
その顔を見た4人は驚いていた。
すると3人の戦士は其々の兜のマスク部分を上部へと上げた。
!
ら光の粒子で出来ているであろう翼を生やした3人の戦士が上空で
そしてガラスが砕ける音と共に、其処には鎧や兜で覆われ、背中か
!
"
!
我に返る。
﹂
!
武器も持たずにどうやって止める
﹂
?
﹁お前の暴動⋮俺達が止めてやる
﹁⋮ふっ。どうやってだ
確かに。
?
607
?
?
フィーネはその一部始終を見て、呆然としていると、憑友の一言で
?
憑友達には今、自分の武器達を所持していない。
しかし、それでも憑友達は冷静になって、左腕に装着されたままの
アブソーバーを見るとパネルボタンが軽く10個存在し、その内の1
つを其々押した。
ーChargeAxー
ーLongBowー
ーDualBladesー
すると、憑友の背中から巨大な盾と剣が、
ロックの左手に機械的な弓が現れ、
霊風は短剣サイズの剣を両手に1つずつ携えた。
/炎斧アクセリオン/
/ハイボルトアロー/
/王牙双刃︻土雷︼/
イズ達に斬り裂いていく⋮
いた。
すると剣が斬り裂いていくと刀身が黄色へと光り出した。
そのまま斬り続けると、今度は赤に変わった。
すると憑友はその剣を盾に納めると、盾が変化と共に、︽何か︾が
チャージされた。
すると大型のノイズが憑友に攻撃を仕掛けてきた
!
608
3人が先程手にした武器の銘である。
すると憑友と霊風はノイズの方へと突撃する。
ロックはその場に留まるや、懐からビンを取り出した。
するとそのビンを弓に取り付けたのだ。
するとそのまま腰に付いてる矢筒から矢を右手で持ち、そしてその
まま弓に番えると、溜めを始め⋮そして、矢を放った
広範囲にノイズを射抜いてみせたのだ
すると、その矢が放った瞬間に矢が一気に拡散していき、そのまま
!
その間に霊風は手に持っていた剣をまるで舞の如く踊りながらノ
!
一方、憑友は剣で攻撃しつつ、盾でガードと言う立ち回り方をして
!
憑友は盾で防ぐが、その猛攻に苦しみ出す。
しかし憑友は逆にニヤけていた。まるで不敵な笑みのように。
すると憑友は盾でノイズを押し退けると、剣と盾を1つにした。
すると盾が回転しながら、そのまま斬り付けた⋮
その姿はまるで︽斧︾そのものであった
!
奪われていた。
﹂
﹂﹁ああ
﹁行くぞ
﹁はい
﹂
その光景を見ていた︽シンフォギア︾装者達はその光景にただ目を
!
﹄
すると3人は同時に言い放つ⋮
﹃狩技、発動
﹂
すると盾からビームで構成された剣が現れた
﹁喰らえぇぇぇぇ
エネルギーブレイド
!
その瞬間に、ビームの範囲内にいたノイズ達は真っ二つになるや、
上げた
そしてそのまま空中に飛び上がると同時に、そのビームの剣を振り
!
!
すると憑友は斧を剣と盾に戻すや、そのまま剣を盾に突き刺した。
!
!
霊風の掛け声に憑友とロックが応える。
!
!
そのまま灰となって消えた
"
先程チャージした物⋮﹃チャージビン﹄をチャージした数だけ消費
する事で放てる技。
その威力は、チャージした﹃ビン﹄の数に比例する。
最大で約1km離れた敵にも当てられるのが利点であるが、
﹃ビン﹄が1本もチャージされていなければ、ビームすら出ないのが欠
点でもある。
そんな憑友の攻撃を合図に、ロックと霊風は構えを取る⋮
!
ロックは二本の矢を同時に持つと、そのままワイヤーのような物
で、二本の矢を結び付けた。
そしてそのまま矢に番え⋮放った
!
609
!
!
憑友が所持している武器の種類﹃チャージアックス﹄の狩技である。
"
すると二本の矢の間にワイヤーが張られ、そのままノイズ達を真っ
二つにした
ブレイドワイヤー
が炸裂した
"
・
狩
技
ブレイドワイヤー
を使用すると、遠くに離れてて
"
放った
一方、霊風の方は剣を構えて周りの気を集めると、そのまま解き
も、相手を斬る事が出来るのである。
・
しかし、この
"
本来なら射撃に属する﹃弓﹄には︹斬︺の属性が存在しない。
!
ロックが使用している武器の種類﹃弓﹄の狩技⋮
!
暴走した響と同じ顔へと変貌した
で⋮
獣宿し︻餓狼︼
"
獣宿し︻餓狼︼
するとノイズが攻撃を仕掛けて来た
しかし、霊風はそれをタイミングよく躱す
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ズの背後へと瞬間移動し、そして連続で切り刻んでいく
まるで、1振りなのに2回斬られてる感覚に。
狩
技
獣宿し︻餓狼︼ である。
"
6人は其々の視界に入っているノイズ達を一掃し始めたのだった
く、
話したい事が色々とあるようであったが、今はそれどころではな
そうしていると、3人の元に響達が駆けつける。
る。
連続で斬り裂いただけで、相手にとっては非常に堪える技なのであ
この
手数の多さが特徴の﹃双剣﹄の長所を更に伸ばしたのが、
!
その瞬間に瞬時に反撃に移るかのように、瞬時に攻撃してきたノイ
!
!
霊風が現在使用している武器の種類﹃双剣﹄の狩技である。
"
と霊風がそう言っていた。
﹁
﹂
それを見た憑友とロック以外の4人は驚くが、此方は理性がある様
!
すると霊風の全身からドス黒いアメジストのようなオーラと共に、
!
"
610
"
"
"
⋮
ーーーーーー
そして、街を埋め尽くしていた10000体のノイズ達は6人ノイ
ズ活躍により、あっという間に1000体と10分の1にまで減少し
ていた
グサッ
突き刺したのだ
すると杖から緑の光が発生すると、その光が周辺に散布、
それと共にその光がフィーネの方へと集まる⋮
そして、彼等が目にしたのは、
黙示録の赤き竜
であった。
もはや異形の物へと成り果てたフィーネの姿⋮
﹁でけぇ⋮﹂
黙示録の赤き竜
此処までデカイとは⋮
﹁この姿⋮
を前に、貴様らは終わるのだ
"
!
ーーーーーーSIDEto憑友
皆を代表して、憑友がそう言った。
"
︽ネフシュタンの鎧︾と︽ソロモンの杖︾、
うわぁ∼⋮ベタな台詞だ∼⋮
"
更におまけに︽デュランダル︾⋮
﹂
!
!
!
其処にはフィーネが、なんと︽ソロモンの杖︾を自らの肉体に⋮
それに釣られ、皆も憑友の向いてる方向を見ると、
そんな中、憑友はある方向を見た。
!
︽完全聖遺物︾を全て装備して、更に悍ましい姿へと変わり果てやがっ
て⋮
!
611
!
"
未来
それに馬燈に逝都
﹂
そう感じていると、シェルターがあった場所から人が出てきた。
﹁⋮
⋮フィーネ
﹂
エネルギーの球をぶっ飛ばした
﹁逃げろーー
﹂
!
いた⋮
許さねぇ
んだーーーーーー‼
!
ーーーーーーSIDEto霊風
フィーネの野郎
エンドを守る
絶対に止めてやる
!
!
"
お前の鉄壁の力⋮俺に貸してくれ‼
⋮と、今はそんな事は関係ない
フォーム、エンドウ
俺はそのままレバーを引いた
ースピリット
ー
!
!
がる⋮
そして俺はすかさず民間人とフィーネが放った光球の前に立ち塞
!
!
ロックはラギアSシリーズだったがな。
憑友が着ているのはレウスSシリーズ、
すると先程までの装備⋮ジンオウSシリーズが強制解除された。
そうすると俺はすかさずそのカードをアブソーバーに装填した。
?
まだ、憑友やロックにも見せてもいないカードだ。
取り出した。
そう感じた俺はすかさずカードケースからある﹃英雄﹄のカードを
?
そうしていると、霊風先輩がカードケースからある物を取り出して
⋮霊風先輩
﹁うぉぉぉぉ
しかし、この距離だと間に合わ⋮
!
!
そう言うとフィーネが︽デュランダル︾から白と黒の色が混じった
﹁お前達さえいなければーーーーーー‼
?
﹂ニヤッ
!
!
612
?
?
"
サッカーバカ‼
ー
そして其処から迸る雷と共に土煙が充満し始めた⋮
ー鉄壁守護神
?
!
﹁⋮⁉
・
・
・
﹂
・
いたからだ。
・
﹁さあ
・
・
・
サッカーやろうぜ
キックオフ‼
﹂
今、彼の地にて⋮
世界の頂点に立った鉄壁の守護神⋮
超次元のサッカーを繰り出したサッカーを愛する熱血馬鹿にして、
!
オレンジとビリジアン系のユニフォームを着ていた霊風が其処に
其処には、オレンジのバンダナを頭に巻き、
フィーネは先程までの表情を一変する。
何
何故なら⋮
だが、それが命取りになるとは思ってもいないだろう⋮
フィーネは高らかに声を上げていた。
空から見ていた5人は驚愕していた。
そしてそのまま光の球が霊風を飲み込んだ⋮
光の球と未来達の間に割って入った霊風。
ーーーーーーNO SIDE
!
?
613
?
!
第63話 守護神・爆熱・氷嵐
サッカーやろうぜ
﹂
ーーーーーーSIDEto霊風
﹁さあ
!
とか言う視線をお願いだから皆さん見せないで
?
円堂守
﹃英雄﹄達の中では異例の
防御特化型
を誇る最強のゴールキーパー⋮
﹂﹁⋮当然だ﹂
﹂
!
である。
やって見て思った事は、モンスター達はまだ俺達の体内に宿ってい
すると2人の装備⋮レウスSとラギアSの装備が消えた。
そう言うと2人もアブソーバーにカードを装填した。
⋮ありがとう。
﹁⋮はい
2人の力を貸してくれ
﹁これを使って、フィーネを追い詰めたい⋮
るカードを2人に手渡し、説明した。
そう感じていると、ロックと憑友がやって来たので、俺は手元にあ
なった。
フィーネが何かしようとしたが、翼とクリスのおかげで時間稼ぎに
て来た。
2人は俺が何をしたいのか分かったらしく、そのまま俺の所にやっ
憑友とロックに目を向けた。
そう感じていた俺はカードケースから2枚のカードを取り出すと、
!
盾兵の英霊︽シールダー︾に分類される程、尋常じゃない程の鉄壁
これがもし﹃聖杯戦争﹄だったら、十中八九いや、もうほぼ確定で、
"
その人物の魂を俺は纏っている。
"
まれた最強のサッカーバカにして、鉄壁の守護神⋮
俺が今、変身してるのは、
︻イナズマイレブン︼と言うアニメから生
とは言うものの⋮やっぱり強かったよ⋮円堂。
くれ∼
で呑気にサッカー
やっべぇ⋮こいつの口癖が移ってしまったよ⋮うん。こんな場所
!
!
!
614
"
"
る。
現に、俺の身体の中にジンオウガの魂がまだ宿っている事を感じて
いる。
そう感じていると、ロックと憑友は俺が手渡したカードに変身し
ー
!
た。
フォーム、ゴウエンジ
ーライド
ー
!
ー
ー妹想いの、炎の渦
!
豪炎寺修也
いた。
と
吹雪士郎
﹂
の姿をした憑友とロックが其処に
"
﹁凄い⋮脚に力が湧き上がってる⋮
"
として活躍したんだ。
"
フォワード
FW
"
に⋮
﹁⋮これ
﹂
!
﹂
⋮これを俺に
﹂
﹁良いのか
﹁うん
⋮ありがとうな。
?
?
そう言って俺に渡して来てくれたのは、サッカーボールだった。
﹁
﹂
そうしていると、俺の隣に小さな男の子が現れていた。⋮いつの間
脚に力が入るのは当然だ。
サッカーはゴールキーパー以外は脚のみで挑むスポーツ。
それも、得点を挙げるポジション
当然だ。2人は共にサッカープレイヤーだ。
!
"
カーと、氷のエースストライカー⋮
其処には円堂と同じ、心からサッカーを愛する炎のエースストライ
ー
熊殺し
!
ー氷結の狼
!
それを2人は纏った。
ロックの方は逆に銀髪で、白い肌が特徴の青年が其々現れ、
青年が、
すると2人のアブソーバーから、憑友の方は逆立った白髪と肌黒の
フォーム、フブキ
ーソウル
!
!
615
!
"
!
そう言うと俺はその子から大事なサッカーボールを預かった。
そして軽くリフティングをすると、2人も全身の筋肉をほぐすかの
ように、軽めのストレッチをする。
﹁こうやってストレッチするのは久しぶりだな﹂
﹁確かに言えてるな﹂
そして俺はそのままボールを高く蹴飛ばした
ファイアーー⋮⋮トルネード‼
﹂
すると憑友が時計回りに回転しながら、左脚から炎を上げた
﹁
!
!
の十八番⋮
ファイアトルネード
がフィーネに向けて放つ
!
灼熱の炎の脚で蹴ったボールを相手のゴールに向けて放つ豪炎寺
?"
"
ボールを脚の力で横回転させる。
てやぁぁぁ
﹂
すると周りから冷気が現れて、それがボールを包み込む⋮
エターナル⋮ブリザード
﹁凍てつけ⋮
!
エターナルブリザード
を蹴った
そう言うとロックは右脚に力を込めて、そのまま凍てついたボール
"!
!
でも、其処を今度はロックが両足で軽くキャッチするとそのまま
確かにボールだけどな。
まるで壁によって弾き返されるボールのように⋮って、打ったのは
り、簡単に弾き返しやがった。
だが、そう簡単に倒されてはくれないらしく、翼のような部位によ
"
!
人、
吹雪士郎
"
が出てるのはなんでだろう⋮中の人ネタ
あのバカ
⋮作者ならやりかねない
しかし、それも簡単に受け止めるフィーネ。
そしてそのままボールを弾き返した⋮倍の力で⋮
!
か。
?
それにしても⋮うん。やっぱり吹雪本人が蹴ってるような臨場感
の十八番の技である。
白恋中のキャプテンにして、イナズマイレブンの主要キャラの1
"
!
616
"
"
"
"
﹁なっ⁉
﹂﹁しまった
﹂
!
んだよ
を模した行動をする。
すると俺は野球アニメでよく見かける
放つシーン
"
正義の、鉄・拳
﹂
右手に捻りを加えて一気に⋮殴る
﹁
こんな所で負けねえんだよ
がらそのボールに食い込む⋮
﹂
﹂
来る。
﹂
そして一気に右脚に力を込めた
﹁てやぁ
ウルフレジェンド
‼
﹂
にロックが立つと雄叫びを上げる⋮
﹁
ASGARD
を三
そしてそのまま反時計回りに回転して、右脚でボールを蹴り込む
?
フィーネはそれを鞭によって作り上げた技
重に掛けた。
良い判断だが、甘いな⋮
"
!
"
!
するとそのボールに爪で斬り裂く動作が現れ、そのままボールの前
!
!
俺はそう言うとロックがすぐにそのボールの着地点にまでやって
﹁今だ
﹁何
バシィィッ
!
!
!
そう言うと俺の腕から巨大な拳の形をしたエネルギーが回転しな
!"
!
ならばもう1つの技がここで左右される。
しかし俺はジャンプなどしていない。
今のポージングをとって発動する技だ。
この体勢で出す技は大きく2つあるが、内1つはジャンプしてから
"
足を高く上げてボールを
だが、こんなシュートカウンターに負けるような﹃英雄﹄じゃねぇ
て来ていたのだから。
何せその弾き返されたボールが威力をそのまま俺の方へと向かっ
2人がそう呟く。無理もない。
?
!
!
"
617
"
"
﹁ふっ⋮造作m﹁はぁぁぁぁあ
ドライブチェイン
﹂何
﹂
ブースト
⋮憑友がやろうとしている行為だ。
!
全部のスイーツを一緒くたにしてもまだ甘い考えだったな。
!
この﹃英雄﹄達の最大の特徴を見逃すとはな⋮
"
と呼んでいるかな。
"
シュートチェ
"
少なくはない。
キリトやシノンの
スイッチ
や、サトシ達のポケモンの技にある
"
の技もこれに該当される。
"
顔を前に出し、左脚を後ろにやって⋮
﹂
すると左脚から剣の形をした炎が噴き出る
この技は⋮間違いない⋮
ーー
マキシマム⋮ファイア
!
た最強シュート。
﹂
確かにあの技も
﹁ぐわぁ
シュートチェイン
の1つだったな。
"
﹁ぐぬぬ⋮ふざけるなーー
﹂
⋮って、ちょっとそれあかんやろ⁉
にして、打つか
"
!
NIRVANA GEDON
"
この場合は⋮止めるんじゃなくて⋮
サッカーボールを
よ⁉
仕方ねえ
!
?
?
相手の技にさらに加速させる攻撃をして来たんだから。
流石のフィーネもこれには驚いたろうな。
!
"
アニメでは使用する事は無かったが、劇場版第1作で豪炎寺が放っ
マキシマムファイア
﹁
!
"
"
!
そうしていると、憑友は左脚を天へと高く上げる。
さて、話が逸れたから戻すか。
誓い系
"
だが、円堂達のような﹃英雄﹄の技の威力を増加させる﹃英雄﹄も
通常、
﹃英雄﹄達は個々の技で放つのが全体の過半数を占めている。
イン
尤も、俺達が今なってる﹃英雄﹄達はこの行為を、
仲間が放った技の威力を後押し⋮すなわち加速させる行為だ。
読んで字の如く。
"
"
618
"
"
﹁受け流す
﹂
イジゲン・ザ・ハンド
面に叩きつける
﹁
‼
﹂
?
リアが張られ、ボールはそのまま左に沿っていく
円堂から教えてくれたんだ。
だが、俺は受け流すだけに留まらない
込む⋮
今こそ放て
﹁うぉぉぉぉ
2人のエースストライカー
豪炎寺と吹雪の必殺技を
﹂
﹂
2
人
!
クロスファイア
‼
﹂
は其々の脚でボールに蹴り放つ⋮同時に。
﹁
クロスファイア
"
?
2人で放つ同時シュート技
を貫通させる⋮
"
"
てくれた。サンキュー
!
そしてボールは空高くに飛んでいた響ちゃんが無事にキャッチし
!
がフィーネの身体
そして2人が交差と同時にボールが一回バウンドし、そのまま2人
ロックの方からは青白い炎が其々オーラとなりて現れた。
憑友の身体から赤い炎が、
すると2人はボールの着地点に向かって一気に掛け走る
﹁はぁぁぁぁ‼
!
!
そしてそのままボールは威力を殺され、憑友とロックの方へと流れ
ボールはバリアに張り付いたまま一周した
!
!
この技は力加減によって、自由に受け流せる事が出来るのが、後に
は発生したら、そ
イジゲン・ザ・ハンド
"
のまま上へと受け流されるのが特徴なんだが、
本来なら、このバリア⋮
!
すると俺と後ろにいる未来ちゃん達の周りに黄色のドーム型のバ
"
!
すると俺は右手に力を込めてジャンプし、そしてそのまま右手を地
!
"
!
?
619
"
"
ーーーーーーNO SIDE
響はそのまま霊風の方へとやって来て、サッカーボールを渡してき
た。霊風はそのボールを受け取る。
するとフィーネはそのまま雄叫びを上げた。
上を見上げると、ノイズ達がまるで巨大な球体状の塊になって権限
していた。
﹂T│Pistonz︶
如何やら、その塊を自らを引き換えにこの星ごと滅ぼそうとしてい
た⋮
挿入歌︵﹁立ち上がリーヨ
そしてそのままフィーネはそのノイズの塊を響達へと襲い掛かる
!
!
響は皆んなを守る為に前へ出るが、霊風が手を前に出して、制止さ
せる。
﹁俺に任せてくれ⋮﹂
たった一言。だが、それだけで霊風が何かしようとしていると悟っ
た響は霊風の後ろに下がり、皆んなを守る体勢に入る。
徐々に近づいていくノイズの塊⋮
フルドライブ
﹄
そして霊風は左腕に装着されているアブソーバーのドライブボタ
ンを叩いた
﹃スピリット・エンドウ
﹂
すると右手が光り輝き始めた⋮
﹁お前の野望⋮俺達が止める
!
皆んなの心の声が聞こえたような気がするが気の所為だろう。
﹃でかっ⁉
﹄
それも⋮特大の大きさで。
するとそこから手の形をしたエネルギーが現れた⋮
げた。
そう言うと霊風は右手を大きく動かし、そして掌を太陽に向けて掲
!
!
!
!
?
すると霊風はそのまま一気にエネルギーが発している右手を前に
出す
!
620
!
﹁
オメガ・ザ⋮ハンド
‼
円堂の最強の技の1つ⋮
受け止めた
﹂
オメガ・ザ・ハンド
?
ながら、フィーネへと駆けていく
ら⋮
﹂
が、ノイズの塊を
何故なら、霊風の隣をロックと憑友が同じスピードで走っていたか
フィーネが何かを言おうとしたが、その言い分は途中で途切れた。
﹁ふっ⋮何度来ようと⋮
とを察知し、すぐに我へと返る。
その光景を見たフィーネは終始呆然としていたが、近づいて来るこ
!
すると霊風は響から受け止ったボールを今度は自身でドリブルし
残っていた。
円堂の姿をした霊風と、その周辺に巨大なクレーターの跡だけが
そして皆が目を開かせた時には、
その際に光が閃光のように輝いたので、皆は目を伏せる。
そしてそこからエネルギーが放出された。
だけではなく、なんとそのまま一気に握り潰したのだ
"
"
!
﹄
開けると、一気に3人同時にドライブボタンを叩いた
﹄
﹃ライド・ゴウエンジ
﹃ソウル・フブキ
﹄
﹄﹄﹄
﹃スピリット・エンドウ
!
?
﹂﹂﹂
﹃﹃﹃トライドライブ‼
﹁﹁﹁はぁぁぁぁあ‼
!
!
に高く蹴り上げると、そのまま3人も同時に跳んだ
そして3人同時に小さいボールの面積に向かってキックを放った
!
すると3人は同時に脚に力を込めて⋮そしてボールを3人で同時
?
!
そしてボールの着地点に3人が其々120度の間隔でスペースを
すると霊風が急に止まり、ボールを軽く蹴り飛ばす。
!
621
!
!
"
"
!
﹁
ジ・﹁﹁アース
‼
﹂﹂﹂
?
﹂
がフィーネに炸裂した
小癪な⋮⁉
ジ・アース
﹁ぬっ⁉
グサッ
﹁はぁぁぁぁ
﹂
そうフィーネが言うと、目の前に憑友が現れたのだ
?
!
円堂,豪炎寺,吹雪の3人で放つ地球名を持つ技⋮
"
"
﹃英雄石板﹄が握られていた
﹂
﹁﹃英雄石板﹄⋮確かに頂いたぜ。そして⋮これもな
﹁⁉
﹂
﹂
中にあるものを投げた⋮
﹁あれは⋮⁉
﹁︽デュランダル︾
﹂
そう⋮完全聖遺物の1つ⋮︽デュランダル︾であった
!
そう言うと憑友はそのままフィーネの元から離れるや、そのまま空
?
?
!
そしてそのままフィーネの鎧から手を引き抜くと両手にはなんと
そして憑友はそのままフィーネの鎧を手で貫かせた
﹂
﹁ぐはっ⁉
!
!
?
622
?
?
!
!
"
"
第 6 4 話 LLIA
synchrogazer
"
/
"
XI
"
︽デュランダル︾を突き放す
ダル︾はまた空中に飛んでいた響の元へ⋮
そして響は︽デュランダル︾をキャッチした⋮
まり始める響。
﹁諦めるなーー‼
﹂
!
それを合図にシェルターから出て来た皆も一斉に声を掛けていく
すると近くにいた憑友が響に声を掛けた
?
すると︽デュランダル︾が発せられる破壊衝動にまた全身が黒く染
!
!
更にそのままクリスとロックが正確に狙い撃ちながら、︽デュラン
!
そ の 触 手 に 翼 と 霊 風 が そ の 行 為 を 妨 害 す る と 同 時 に、剣 と 槍 で
え、︽デュランダル︾を取り戻そうとするが、
フィーネは咄嗟に自身の身体に纏わりついたノイズ達を触手に変
挿入歌︵﹁synchrogazer﹂水樹奈々︶
投げた
フィーネから︽デュランダル︾を強奪した憑友はそのまま空中へと
"
﹂﹂
やって来て、そして響を支える⋮
﹁﹁響ーーーーーー‼
﹁︵そうだ⋮
今の私は⋮私だけの力じゃない⋮
そうだ⋮この衝動に⋮
塗りつぶされてなるものかーー‼
︶
そして憑友と未来の声が戦場に響いた⋮
!
﹂
その声を聞いた響の身体は徐々に黒から元の色へと戻った
!
?
それと同時に︽デュランダル︾の刀身が黄金の輝きを見せたのだ
!
!
!
?
!
623
!
そしてそれをアシストするかのように翼とクリスが、響の元へと
!
﹁その力⋮何を束ねた⁉
﹂
皆んなの歌声がくれた⋮
その様子を見たフィーネは動揺を見せる⋮
響き合う
そしてその問いの答えに響はこう告げる⋮
﹁
﹂
再生だ‼
ネフシュタン
︶﹂
?
めた⋮
﹂
?
﹁︵如何した⁉
﹁⁉
﹂
フィーネ
!
﹁無駄な足掻きだな
?
その攻撃をまともにくらったフィーネの身体は徐々に崩壊をし始
ーsynchrogazerー
た
そう言うと翼とクリスと共に、響は︽デュランダル︾を振り下ろし
︽シンフォギア︾だーーーーーー‼
"
?
!
ん
た
ー
ー
カードを取り出し、そしてレバーを引いた
フォーム、ルドガー
ーライド
ー
!
!
フォーム、ジュード
フォーム、ミラ
ーソウル
ースピリット
!
!
金髪で剣を所持している女性が現れ、そのまま3人は同時に纏った
ー
!
ー人と精霊、絆の架け橋
ー
!
審判の槍
ー銃剣槌士
精霊の主
!
ー
ー四大使役
!
!
すると其処からルドガーと髪が黒髪の少年っぽさを感じる青年と、
!
!
!
そして憑友も、右腰に装着されているカードケースからルドガーの
2人はそのままアブソーバーに装填し、レバーを引いた。
そう言うとその2枚を霊風とロックに手渡す。
使わせて貰うぜ﹂
﹁フィーネがネフシュタンに入れていた﹃英雄石板﹄⋮
あ
す。
崩壊が始まる中で、憑友は後ろのベルトバックからカードを取り出
すると響達が斬り裂いた場所から憑友達︽精魂導師︾が降りてきた。
?
!
624
!
?
!
?
"
!
それを見たフィーネは驚愕した。
自分が︽ネフシュタン︾を纏う際にに組み込んでいた﹃英雄石板﹄が
今、この場で相対しているという現状に。
挿入歌︵﹁song 4u﹂浜崎あゆみ︶
すると憑友は隣にいた霊風に左拳を放つ
対して、霊風もまた憑友に左拳を放つ
しかし2人の攻撃は空振る。
!
ガチャッ‼
﹂
﹂
憑友
しかし⋮2人の目的はそれではなかった。
!
たのだ
﹄
﹄
すると2人同時にドライブボタンを叩いた
﹃ライド・ルドガー
﹃スピリット・ジュード
﹄﹄
ガーの兄・ユリウスの形見にして、ルドガーの愛剣
⋮
憑友
﹂﹁はい
﹂
﹂
カストール
を
"
合体秘
手に持つと、霊風と共に構えそして一気にフィーネを追い込む
﹁行くぞ
ザシュッ
﹂
ダァンッ
﹂﹁翔けろ
ザシュッ
﹁飛べ
ダンッ
!
﹂﹁嵐となりて
﹁風、織紡ぎ
!
﹂
?
﹂﹂
﹂﹁穿つ‼
ダァンッ
ザシュッ
﹁大地を
﹁﹁天昭、風縛刹‼
?
!
!
!
!
2人の変身している﹃英雄﹄⋮ルドガーとジュードによる
奥儀
"
!
!
!
!
!
"
そう言うとアブソーバーのドッキングが解除されると、憑友はルド
﹃﹃ツインドライブ‼
!
!
?
!
そう言っていると、なんと2人のアブソーバーがドッキングしてい
﹁はい
﹁行くぞ
?
!
!
!
!
625
!
!
!
!
"
天昭風縛刹
がフィーネに炸裂する
!
を叩いた
﹄
﹃ライド・ルドガー
﹃ソウル・ミラ
﹁始めるぞ
﹄
﹄﹄
﹂﹁お互いにな
‼
﹂﹂
再誕を誘う⋮終局の雷
﹁
﹂
﹁﹁クルセイダー
リバース
﹁
﹂
‼
﹂
そう言うとロックは詠唱を始めた
!
"
?
フィーネに降り注いだ
行為⋮ドッキングをした
﹂
﹁これでフィニッシュだ
﹄
﹄
霊風がそう言うと2人揃ってドライブボタンを叩いた
﹃ソウル・ミラ
﹃スピリット・ジュード
﹄﹄
?
﹁一気に
﹂﹁決める
﹂﹁精霊の力
﹂
﹂
にフィーネの背後に回った
﹂
その事に気付くフィーネだが、既に遅し。
﹁その刹那
!
そう言うと霊風はフィーネに拳を叩き込む
!
!
途中からロックが飛翔するかのように、空へと舞うと、霊風は瞬時
﹁人と
そう言うと、2人同時に駆ける
!
!
!
!
そう言うと2人のアブソーバーはドッキングを解除させると、
﹃﹃ツインドライブ‼
!
!
!
!
するとロックはそのまま霊風の元へと合流するなり、憑友がやった
!
そ う 言 う と 2 人 の 上 空 か ら 雷 雲 が 発 生 し、其 処 か ら 大 量 の 雷 が
?
!
!
!
そう言うと今度は2丁拳銃に持ち変える憑友。
﹃﹃ツインドライブ‼
!
?
!
同じようにアブソーバーをドッキングさせて、同時にドライブボタン
更にそのまま憑友はロックの所へ向かうなり、2人揃って、先程と
"
!
"
"
!
!
626
"
"
するとフィーネの身体がノイズの融合体
離れたのだ
黙示録の赤き竜
"
から
"
﹂
そう言うと剣でフィーネを斬り裂き、フィーネを地面に落とさせる
﹁天に合する
が剣を掲げていた。
そして霊風の拳でアッパーを繰り出されたフィーネの先にロック
!
!
それと同時にロックはフィーネの元へと駆け抜ける
﹂
﹂﹂
!
フィーネは体勢を変え、迎撃しようとしたが、なんと背後から霊風
﹂﹁俺達の
がジャンプして来ていたのだ
﹁これが
﹁﹁虎牙破斬・咢‼
そして最後は2人同時に⋮
!
合体秘奥儀
⋮
"
アギト
虎牙破斬・ 咢
"
が炸裂したので
その攻撃をくらったフィーネはそのまま地へと落ちていった⋮
?
"
!
!
2人が為せる
あった。
"
627
!
!
最終話 そして⋮/エピローグ
激しい激闘は、
︽精魂導師︾の3人のコンビネーションと、
︽シンフォギア装者︾である響達の一撃、
更には︽完全聖遺物︾同士による対消滅により、
フィーネの完敗となって、この激闘は終わりを告げた。
街はすっかりあと一歩で荒廃寸前の域にまで被害が出ていたが、
幸いにも、住民の人々は全員シェルターに避難していたので、人的
被害は0だと言う事が唯一の救いである。
そんな戦いにて大奮闘した響と憑友は、
完全に力を使い果たしたフィーネをそれぞれの両脇を抱えて、皆の
所へと歩ませる。
﹁お前達⋮⋮何を、馬鹿な事を⋮﹂
フィーネは途絶え途絶えながらもそう語る。
﹁このスクリューボールが⋮﹂
﹁お人好しの鑑だな⋮お前達は⋮﹂
上からクリスとロックは2人にそう言う。
すると響はフィーネを岩の椅子へと座らせながら話しかける。
﹁みんなに言われます。親友からも﹃変わった子﹄だって。
⋮もう終わりにしましょう。了子さん﹂
﹁⋮﹂
﹁⋮﹂
その様子を見ていた憑友と霊風はただ黙り込んでいた。
霊風は転生者。それも、この世界の事を知っている存在。
故に、この先の出来事が何があるのかを知っているのである。
そして憑友は、ただ、予感と言う範囲でしかないが、フィーネは最
後の最後で何かを仕掛けるのではないかと危惧していた。
﹁私は、フィーネだ﹂
﹁了子さんは了子さんですよ﹂
自分の事を主張するフィーネだが、響の前ではそれは意味なんてな
628
かった。
彼女は彼女なのだから。
﹁きっと私達⋮分かり合えます﹂
そう言うとフィーネは立ち上がりながら何かを訴え始める。
﹁ノイズは⋮先史文明期の人間達が作り上げたもの。
﹂
統一言語を失った我々は、
﹃手を繋ぐ﹄よりも、
﹃相手を殺す﹄こと
を求めて⋮
そんな人間が分かり合えるものか⋮﹂
﹁⋮人が、ノイズを⋮﹂
﹁だから、私はこの道しか選べなかった⋮
そう言うとフィーネはネフシュタンに付いてる鞭を握り締めた。
それを見たクリスが何かを言おうとしたが、翼が制止させる。
そして実際は短い時間が長い静寂を感じさせる⋮
すると響の近くにいた憑友が、フィーネに向けて話す。
この地
﹁人が言葉よりも強くなる事を⋮俺達が分からないとは思ってないで
すよ﹂
﹁⋮﹂
十人十色
。
例え、性格や個性が違っても、言葉や能力が違っても、体型や声が
違っても⋮
遺伝子の根本から違っても⋮
それで良いんです。
たった1つの事が統一されれば、それだけで色々と変化してしまい
ます。
全てバラバラの組み合わせだからこそ⋮
俺達はみんな違って。それでいてみんな良いんです﹂
その話を聞いたフィーネは目を閉じた。そして開眼と共に、鞭を振
り上げた
それを見た響は瞬時に躱してフィーネの懐の所で拳を寸止めする。
!
629
!
﹁それに⋮日本にはこんな四字熟語が存在します。
⋮
"
みんな違って、みんな良いんです。
"
その際に衝撃波を放って。
そして憑友はと言うと一瞬躱したが、鞭の方向を見た瞬間に嫌な予
感が察知し、なんとそのままフィーネの鞭に捕まって、そのまま鞭ご
とその場所まで向かっていった
!
﹂
それを見た霊風は急いでその鞭を弾き返そうとしたが、
最後の悪あがきか⁉
ガキィンッ
﹁⁉
?
!
向かっていく
﹂
それを見た皆もその先を見ると、その先には欠けた月があった
﹂
﹁私の勝ちだ‼
﹁
そのままシュルルと鞭は伸びていき、終いには月の欠片に刺さった
その言葉を聞いた響もその鞭の先⋮月を見た。
?
!
!
最後の力を振り絞ったのか、鞭はそのまままっすぐとある場所へと
?
フィーネはそのまま、全神経を全て使って、月を地球へと落とし始
めた
害の比ではない
﹂
食い止める為に動いたのだ。
﹁月の欠片を落とす
この身は此処で果てようとも魂までは耐えやしないのだからな
﹁私の悲願を邪魔する禍根は此処で纏めて叩いて砕く
そこではもう既に、月の欠片が地球へと迫ってきていた
その言葉を聞いた皆は全員後ろを振り返る。
!
て世界に蘇る
今度こそ世界を束ねる為に
!
何処かの場所、何時かの時代⋮
!
﹂
﹁︽聖遺物︾の発するアウフヴァッヘン波形がある限り、私は何度だっ
!
!
!
憑友は真っ先にそれを直感だけで見切ったので、鞭を掴んで、月を
!
月の欠片と言えど、そのまま地球に激突すれば、ノイズでの人災被
!
630
!
!
私は永遠の刹那に存在し続ける巫女、フィーネだーー
私の代わりに皆んなに伝えて下さい
蘇る度に何度でも。
何処かの場所、何時かの時代。
﹁うん。そうですよね。
⋮響の拳が、フィーネの胸に軽く当てた事で。
だが、その声は唐突に止んだ⋮
﹂
月の欠片が迫ってきている中、フィーネは高らかに発していく⋮
!
子
さ
ん
﹁私には伝えられないから。
了
ま
﹁了子さんの為にも⋮
い
了
子
間であった者が亡くなるのはよっぽど辛かった。
霊風やロックは捨て駒扱いされていたとは言え、それでもやはり仲
それを見ていたクリスや翼、奏は涙を浮かべる。
それを言ったフィーネは砂煙となって、その生涯に幕を下ろした。
﹁胸の歌を⋮信じなさい⋮﹂
そう言うと響の胸に指で小突く了子。
﹁本当にもう⋮ほうって置けない子なんだから﹂
巫女から研究者へと。
フィーネ
それを見たフィーネは溜息と共に、口調を変え、瞳の色を変えた⋮
そこには、守りたいモノがあると言う勇ましい眼を開かせていた。
フィーネは響の話を聞き、そして彼女の眼を見た。
私が現代を⋮守って見せますね
﹂
その言葉を聞いたフィーネは、響のやろうとしている事に気付く⋮
フィーネにしか伝えられないから
﹂
私達は未来にきっと繋げられる事を﹂
言葉を超えて、私達は1つになれるって事を。
世界を1つにするのに力は必要ない事を。
!
その後、藤堯が月の欠片の軌道計算を予測するも、完全に地球内へ
と入ってきていると示唆する。
631
!
!
その月を見ていた皆んなは恐怖になっていた。
﹂
﹂
軌道計算上に⋮高エネルギー反応
しかし、突然藤堯が画面を見て眼を見開いていた。
﹁⁉
司令
﹂
しかも⋮月の欠片のすぐ側で⁉
﹁っ
﹁まさか⋮憑友が⁉
﹂
この場にいない者⋮憑友が何かを仕掛けていたのだ
﹁月の欠片の質量が微量ですが、減少しています
すると響が月を見ながら前へと出る。
それを見た未来が呼びかける。
﹁響⋮﹂
﹁なんとかする。
⋮ちょ∼っと、行ってくるから。
それに⋮
!
い事を察した。
だが、それを言う事は無かった。
その覚悟を決めた眼を開かせた響の思いを無駄にしたくないから。
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
nal⋮
E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l z
izzl⋮
G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e n
al⋮
Emustolronzen fine el zizzl⋮ー
632
迎えに行かないとね♪
だから⋮
﹂
﹃生きるの、諦めないで﹄﹂
﹁
そう言うと響は助走を付けて、飛翔した
!
その言葉を聞いた未来は空へと飛んだ響に涙を流し、奏は響がした
!
?
!
?
?
!
﹁⋮響ちゃん⋮﹂
!
空からその詠が聞こえた⋮
詠の名は﹃絶唱﹄⋮︽シンフォギア︾を見に纏う装者達にとっての
諸刃の剣であった⋮
ス
カ
リ
バー
流石月の欠片だ。﹃英雄﹄達の力を発揮させて
ーーーーーーSIDEto憑友
はぁ⋮はぁ⋮ちっ
ク
ばっさいざん
あやみ
約束された勝利の剣
エ
も、微量でしか、削りきれねぇ⋮
セイバーの宝具
ルドガーの秘奥儀
祓砕斬・零水
カナタの魔導戦技
スターライト・ブレイカー
ストライク・ブラスター
なのはさんの魔法
セイクリッド・ブレイ
滅竜奥義・紅蓮爆炎刃
その娘さんであるヴィヴィオの魔法格闘技
ザー
ナツさんの滅竜魔法
まだ0.5%しか削れていない。
せんせー
もう残されているカードはあと一枚。
キリト師匠のカードだけだった。
此処までなのか⋮そう思っていた。
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
nal⋮ー
⋮この詠は⋮
ー E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l 633
パルマフィオキーナ
インパクトカイザー
"
シンの握撃技
"
"
ラヴァノヴァ
HELLofHEVEN
零落白夜
政宗の婆娑羅技
一夏の技
アカネさんのアクティブスキル
"
ライトニングスラッシュ
全突撃
フルストライク
駆流のロボ・ライバードの技
デッドリーシンズ
"
マキシマムファイア
メリオダスの禁断奥義
豪炎寺の技
"
"
"
"
"
"
"
"
"
"
"
"
ジンの必殺ファンクション
"
"
"
"
その他にも﹃英雄﹄達の力を発揮させてやって来たけど⋮それでも
"
"
"
!
!
"
"
"
"
zizzl⋮ー
絶唱⋮
誰が歌っているんだ
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
nal⋮ー
翼さんとも、クリスの声じゃない⋮
お前な⁉
﹂
﹄
ー E m u s t o l r o n z e n f i n e e l z i z z l
⋮ー
奏さんはもう纏えない⋮まさか⋮
そう思い、俺は音が聞こえてきた方向に顔を向ける。
そこに居たのは⋮
﹁えへへ﹂
﹁⋮なんでお前なんだよ。響﹂
紛れもない立花響⋮俺の幼馴染だった。
﹂﹂
﹃そんなにイチャイチャしたいのなら、さっさとどけよ
﹁﹁
!
﹁来なくて良いのによ﹂
﹁この地球を守るって決めたんだもん
﹁ちょっ⁉
﹁⋮ツンデレだね∼﹂ニヤニヤ
﹁⋮勝手にしやがれ﹂
⋮そうかよ。
﹃迎えに行ってくる﹄って﹂
﹁それに⋮未来に言ったんだ。
⋮ふぇ
それに、憑友がいない地球⋮私は嫌いだから﹂
!
全く⋮こいつと一緒にいると、毎日飽きないな。
?
クリスと翼の︽シンフォギア装者︾が、
霊風とロック⋮2人の︽精魂導師︾を手で繋いで此方へとやって来
たのだ。
634
?
?
?
?
その声を聞いた俺達は響が来た場所を見ると、そこには、
?
ーーーーーーNO SIDE
﹁翼さん⋮クリスちゃん⋮﹂
﹁一生分の歌を歌うにはちょっと、多すぎる気がするけどな﹂
﹂
﹁⋮それもそうだな。だが、それがまた良いのだろう﹂
﹁俺達︽精魂導師︾を舐めるなよ
き渡る⋮
﹂
3人の歌姫と、三人の︽導師︾の歌声が宇宙と言う名のそらへと響
陽+松本梨香,宮野真守,西川貴教︶
挿入歌︵﹃FirstLoveSong﹄悠木碧,水樹奈々,高垣彩
霊風とロックの2人からの発言に響と憑友は同時に頷いた
﹁新たなステージだ﹂
﹁此処からが俺達の
霊風とロックは憑友の手を取る。
そう言うと翼とクリスは響の手を取り、
﹁霊風先輩⋮ロック⋮﹂
なのか⋮検討も付かないがな﹂
﹁歌を歌わずしてこの力⋮ならば、歌姫と共に奏でる歌はどれ程の物
?
霊風はレヴィアタン、
﹄
﹄
﹄
そして憑友はキリトのカードを取り出し、アブソーバーに装填、そ
してレバーを引き、そして三人は纏った。
それぞれが初めて出会った﹃英雄﹄達と。
フルオーバードライブ‼
そして三人は共にドライブボタンを叩いた。
﹃ライド・キリト
フルオーバードライブ‼
?
?
フルオーバードライブ‼
?
﹃ソウル・アーチャー
﹃スピリット・レヴィアタン
﹂
?
﹂
!
するとロックは手元からアーチャーの愛剣﹃干将・莫耶﹄を取り出
﹁トレース・オン⋮オーバーエッジ‼
すると三人は其々の得物を持ち寄る。
!
!
!
すや、そのまま刀身が一気に伸びた
﹁うおおお‼
?
635
!
!
するとロックはアーチャー、
!
そして霊風はレヴィアタンの形見の槍を頭の上で回し始めた。
すると本来ならこの場にはない筈の︹水︺が何処からともなく現れ
﹂
て、更には霊風の頭上に集まって来ていた
﹁はぁぁぁぁあ⋮
﹂
クリスは全身から大量のミサイルを、
そして歌姫達も、其々の得物を解放させていく⋮
すると刀身が青から黄色へと変わった
﹁はぁぁぁぁぁ‼
く、寧ろそれでもまだ溜める
すると刀身が青へと変わる⋮だが、憑友はそれを解き放つ事は無
両手に其々持つと、力を溜め始める。
そして憑友はキリトの愛剣﹃エリシュデータ・ダークリパルサー﹄を
!
﹂
トを限界突破を超える程、大きく伸ばす⋮
﹂﹁この歌は
﹂
!
﹁俺達の
﹄
﹂﹁思いをきっと
﹁例え何で有ろうとも
﹂
﹁これが私達の
﹂
﹁これが俺達の
﹃歌の力だーーーーーー‼
!
そして響は腕を大きくし、そして腕と脚についてるバンカーユニッ
大剣へと変え、
翼は剣の長さをもはや地球を一刀両断するぐらいの大きさを誇る
!
!
!
のまま月の欠片へと発射する
その威力はまさに水龍の如く⋮
そしてロックは双剣で無数に斬撃を飛ばす
り出されていき、それが月の欠片に突き刺さる
クリスは大量のミサイルを撃ちはなつ
⋮
そして4人の攻撃と共に、響と憑友の攻撃が月の欠片へと響き渡る
!
そして翼はその身の大剣で一刀両断を繰り出し、
!
その一振り一振りからアーチャーの得物﹃干将・莫耶﹄が無限に作
!
!
!
そう言うと霊風は頭上に集めた水を針のように先端を尖らすとそ
?
636
!
?
!
!
!
!
!
!
637
ドガァァァァァッッッ⋮⋮⋮⋮⋮
そして話はプロローグへと戻るのであった⋮
大量の流星群が降り注ぎながら⋮
︽シンフォギア装者︾と︽精魂導師︾の消息が途絶えた。
その日、地球で青白い光が輝き、そして⋮
!
ーーーーーSIDEto未来
あれから3週間の月日が経ち、
響や憑友達の捜索が打ち切られる事になりました。
弦十郎さんからは、
﹃作戦行動中の行方不明﹄から﹃死亡﹄扱いをす
る事になった。
元から死んでる身である憑友は、そのリストには加えられていな
い。
に行く時以外は、1歩も動かない
なく、たった2人で作業を進めています。
憑友と響が守った大事な街⋮
無言の帰宅になるかもしれないが、それでも綺麗にして出迎えた
い。
2人はそう言っていました。
けど、その時の発言や表情で、私はこの2人も私と同じ気持ちなん
だと思いました。
それでも⋮響と憑友が帰って来ない事は変わりはありませんでし
た。
638
郊外にお墓が建てられますが、そこに2人の名前は有りません⋮
外国政府からの追及を逃れる為と言っていますが、私には分かりま
せん。
とある場所
奏さんは玄也さんの計らいで、現在は憑友の家に住んでいるそうな
のですが、あれから
"
逝都と馬燈の2人は住宅街の修復作業を雨の日も嵐の日も、休む事
状態が続いているとの事です。
"
そして私はお墓に辿り着きました。
一時止んだ雨も、私が流した涙により、再び雨が降りしきる。
そんな中、私の身体が突然雨に打たれなくなって、上を見上げると、
そこには白の傘が広げられていて、
持ってる方の手を見ると、
﹁風邪ひくからやめてくれよ⋮響ちゃんと憑友に頭が上がらなくなる
から﹂
とある場所
とは、此処の事です。
そこには奏さんと逝都、馬燈の3人がいた。
奏さんの時に言っていた
⋮
涙を流したい⋮けど、それだと、私はあの2人の事を忘れてしまう
⋮
忘れたくない存在⋮その大切な人が、なんで私の前から消えたのか
私は奏さんに抱きついて、涙を流した。
"
にいる
馬燈
﹁逝都
﹁分かってる
﹁﹂コクッ
﹂
﹂
そう言うと逝都と馬燈の2人が先に現場に急行した。
﹁未来ちゃん⋮﹂
﹁⋮行きます。響と憑友の想いを⋮無駄にしたくないんです
﹂
雨の音でかき消されるかと思った声が聞こえて来るのだから、近く
!
の後を追った。
それを聞いた奏さんは私の手を引っ張ると、私は奏さんと共に2人
!
!
!
!
639
"
私の想いを何処にぶつければ良いのか、分からなかった。
﹄
そんな時だった。
﹂﹂﹂﹂
﹃きゃぁぁぁ‼
﹁﹁﹁﹁‼
?
此処からそう遠くない所で悲鳴が聞こえた⋮
?
!
そして2人の後を追って見ると、そこには1人の女性と、3人の子
供がいて、その前に逝都と馬燈が、ノイズを遠ざけていた
私はその隙をついて、女性の方を引っ張る。
奏さんは1人の子供を抱き抱えた。
此処までかよ
﹂
そんな中、ついにノイズ達が前からも後ろからも囲まれてしまっ
それを見た子供達は皆でその女性を見て、心配する。
まった。
そして坂のある道路へと差し掛かったその時に、女性が疲れてし
先程の墓の道を通り抜け、私たちは反対側の道路へと駆け走る。
いつの間にか雨も止んでいた。
何も言わないまま、未来達はその女性と子供達と共に走る。
ーーーーーNO SIDE
抱き抱えて、みんなで走り始めた。
それを見た逝都と馬燈もほんの一種の隙をついて、残りの子供達を
!
﹁諦めないで
﹂
﹂
﹄
?
?
そしてあと少しでノイズが触れると思ったその時だった⋮
ノイズが近づくにつれ、奏達は必死になって、子供達を庇う。
これ以上進ませないという意思の現れのように。
しかしそれでも未来は皆の前に出て通せんぼをする。
奏も今の自分では何も出来ないと悔しがる。
それを見た子供達も女性の方へと駆け寄る。
う。
未来はそう女性に言い聞かせるが、女性はそのまま倒れ込んでしま
!
ドガァァァッッッ‼
⋮‼
?
640
た。
﹁ちっ
!
逝都が舌打ちしながらそう叫ぶ。
!
﹃□☆□○⁉
﹁
!
なんとノイズ達が衝撃で、全て消滅したのだ。
そして未来はその衝撃と共に、何かの気配を感じて、上側の坂の方
を見ると、そこには3つの光と、炎と水と風が巻き起こされていた
そしてその光等が消えるとそこに居たのは、
翼と霊風,ロックとクリスそして⋮
﹂
﹂
憑友と響がそこに居た。
﹁翼⋮霊風⋮
﹁おいおい⋮﹂
⋮﹂
﹁本当⋮なんだよな⋮
﹁
!
﹂
﹁遅れてやって来るのが、
﹃真打﹄って奴だと、俺は思うんだけどな∼
そう言いながら、2人⋮響と憑友は未来にそう言ってきた。
﹁これで、未来に何回嘘ついたんだろうな。俺達⋮﹂
﹁ごめん。いろいろ機密を守らなくちゃいけなかったから⋮﹂
未来に至っては瞳に涙が出る寸前であった。
上から奏,逝都,馬燈,未来がその光景を見て其々そう言う。
!
!
﹁そんな要素は1つ足りとも要らない。寧ろ直ぐに助けるのが当たり
前だろうに⋮﹂
霊風のふざけた台詞も、ロックの前では完全に受け流せし+カウン
ターの言葉が炸裂する。
そんな中で、未来は涙を流しながら、2人に抱きついた。
その時にそのまま憑友は脚元がズレて、そのまま響と共に未来に押
﹂
し倒されてしまったのは言うまでもない。
﹂﹂
憑友
!
﹁﹁ただいま
﹁おかえり⋮響
!
!
641
!
?
こうして後に︽ルナアタック︾と呼ばれる事変は幕を閉じたのだっ
た。
その後、未来と響と流れ星を見た憑友は、この世界事の為に、今を
生き抜く事を誓っていた。
そして、空港では、奏が1人だけ先に世界を周ると言い出し、
・
・
・
・
・
・
霊風は奏の意見を尊重させて、旅へと行かせた。
その時に、2人の左指にと同じ指輪が嵌められていたのは気の所為
では無いだろう。
ロックとクリスはあの事変の後、二課に配属となり、
ロックはスパイとして、活躍する様になった。
翼は奏が先に世界へと行った際に、自分も奏と同じ様に何れ世界へ
と翔ばたかせると意気込んでいた。
ーーーーーー
とある場所⋮
がまだ開いたままだから。
そこでは、久しぶりに憑友と再会した憑友の義理の姉・セレナが買
い物の為にまだノイズの被害の爪痕が残る住宅街の中を歩いていた。
しかしセレナはそれをスキップしながら軽々とお買い物気分に味
わっていた。
そしてそんな彼女の前から黒い帽子と、サングラスをかけた、ピン
642
バビロニアの宝物庫
ノイズの被害はまだ尽きる事は無い⋮何故ならまだノイズ達が出
入りしている場所
"
だが⋮時の運命は⋮彼等を戦いへと誘うのであった。
終わる事の無い⋮戦いの為に。
それでも彼等は前へと尽き進む⋮
"
クの髪が出ている女性が歩いてきた。
そしてそんな2人が交差した。
するとサングラスをかけていた女性は不意に立ち止まるや、そのま
ま何かを見たかのようにサングラスを外した。
﹂
そこに映し出された瞳は、淡い青を連想させるような瞳だった。
﹁⋮セレナ⋮なの⋮
その瞳の持ち主であるピンク髪の女性はそう言った。
そんな彼女が発した言葉にセレナは気付かないまま、住宅街の方へ
と闇夜のように消え去った⋮
これが後に関わる事件へと大きく動く前触れなのかもしれない⋮
そして、また別の場所。
﹁⋮﹂
全体を見渡せる展望台の所から1人のローブを纏った者がいた。
その風格からあまりにも不気味なその存在⋮
リ
セッ
ト
﹁⋮此処の核を取り除けば⋮
世界は創世の再誕できる。
その為には⋮︻四英雄︼を見つけるか﹂
そう言い残しながら、ローブを纏った男は闇夜に瞬時に消え去った
⋮
これから始まる物語は、果たして絶望が覆う未来か。
はたまた、世界を照らす希望への道筋か。
それを知るのは⋮貴方なのかもしれない⋮
無印編︹ルナアタック編︺
643
?
ーーーーーFinーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー
キャスト
人絆憑友︵オリ︶ 松本梨香
サトシ
立花響 悠木碧
ユルセン
ロック・アイル・ユキネ︵オリ︶ 宮野真守
吹雪士郎
風 鳴 翼 水樹奈々
フェイト・T・ハラオウン
雪音クリス 高垣彩陽
精妖霊風︵オリ︶ 西川貴教
天羽奏 高山みなみ
小日向未来 井口裕香
風鳴弦十郎 石川英郎
緒川真次 保志総一朗
真田幸村
644
キラ・ヤマト
櫻井了子/フィーネ 沢城みゆき
シノン︵朝田篠乃︶
ミラ・マクスウェル
藤堯朔也 赤羽根健治
友里あおい 瀬戸麻沙美
ライド︵オリ︶ クリス・ペプラー
ソウル︵オリ︶ 櫻井孝宏
ナルガ
スピリット︵オリ︶ 洲崎綾
人絆玄也︵オリ︶ 小山力也
人絆ジャンヌ︵オリ︶ 田村ゆかり
高町なのは
人絆セレナ/セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ 堀江由衣
浅岡逝都︵オリ︶ KENN
ミルク
一走馬燈︵オリ︶ 小西克幸
牧藁牛乳︵オリ︶ 竹達彩奈
キリト︵桐ヶ谷和人︶ 松岡禎丞
645
黒曜イズナ
カナタ・エイジ
アーチャー︵エミヤ︶ 諏訪部順一
レヴィアタン 早見沙織
メリオダス 梶裕貴
エレン
ナツ・ドラグニル 柿原徹也
アカネ
グレイ・フルバスター 中村悠一
司馬達也
東城刃更
ルーシィ・ハートフィリア 平野綾
ユイ 伊藤かな恵
ミドリ
ランサー︵クー・フーリン︶ 神奈延年
ゼクス
シロエ 寺島拓篤
直継 前野智昭
アカツキ 加藤英美里
ジュード・マティス 代永翼
先導アイチ
仙道ダイキ 勝杏里
バン 鈴木達央
時崎狂三 真田アサミ
エルエルフ 木村良平
シグナム 清水香里
キング︵ハーレクイン︶ 福山潤
ライダー︵イスカンダル︶ 大塚明夫
リオン・マグナス 緑川光
アスラン・ザラ 石田彰
シン・アスカ 鈴村健一
646
カケル︵轟駆流︶ 井上麻里奈
ラウラ・ボーデヴィッヒ
ユーリ・フロストル 種田梨沙
暁美ほむら 斎藤千和
クロエ・フォン・アインツベルン
ルドガー・ウィル・クルスニク 近藤隆
ユリウス・ウィル・クルスニク 大川透
ピカチュウ 大谷育江
アラン 小野賢章
リザードン 佐藤健輔
アリーシャ・ディフダ 茅野芽衣
海道ジン 小田久史
アオト 斎藤壮馬
石田三成 関智一
リヴァイ 神谷浩史
織斑一夏 内山昂輝
ソウル=イーター
マカ=アルバーン 小早川千明
佐倉杏子 野中藍
セイバー︵アルトリア︶ 川澄綾子
衛宮士郎 杉山紀彰
高町ヴィヴィオ 水橋かおり
タバサ いのくちゆか
黒鉄一輝 逢坂良太
三日月・オーガス 川西健吾
両義式 坂本真綾
円堂守 竹内順子
豪炎寺修也 野島裕史
遠坂凛 植田佳奈
スカサハ 能登麻美子
レウス︵リオレウス︶ 小畑伸太郎
647
レイア︵リオレイア︶ 新田恵海
オウガ︵ジンオウガ︶ 千葉進歩
ラギア︵ラギアクルス︶ 中田譲治
648
無印編 キャラ設定集
キャラ設定 主人公サイド
じんさい つ く も
人絆憑友
イメージCV:松本梨香
︵ポケットモンスター サトシetc︶
生年月日 1月27日生
血液型 O型
趣味 機械弄り/石板解析
好きな物 某携帯獣の電気鼠さん/芋けんぴ
嫌いな物
ドーピング剤
プロローグ1 誕生↓5歳
プロローグ2 9歳
ラストプロローグ 13歳
本編∼ 15歳
この物語の主人公にして、オリ主。
プロローグ1にて誕生した男の子。
プロローグ2にて、死ぬ間際のセレナを見つけ、彼女を救う切欠を
作り、記憶喪失になったセレナを家に住みつかせる切欠を作った。
ラストプロローグでは、天羽奏を救いたいと願ったあまり、自分で
も知らない力が発動して、エンシャンと名乗る鳥と契約をして奏を救
う代償として命を落とし死亡した。
しかし、あの世にて神様と名乗る青年によって咎められ、再び現世
へと舞い降りた。
その時に自分だけが見えるゆる∼い幽霊キャラ﹃ユルセン﹄も一緒
にやって来た。
事情を知った両親とライドは彼の成長を暖かく見守る事になった。
プロローグ4の時では既に﹃シンフォギア﹄の主人公・響と親友の
649
未来とは幼馴染な関係であり、
セレナは年が離れてるけど、支えてくれる良き姉と言う印象を持っ
ている。
ツヴァイウイングは片割れ﹃天羽奏﹄のファン。
響の事を﹃太陽﹄、未来の時は﹃陽だまり﹄と、時々そう言う事があ
る。
お人好しな性格。因みに料理は得意で、アレンジ料理もこなせる。
弱点は塩︵故に食事時も塩分0のメニューばかり︶と水︵清水以外
は大丈夫︶と火︵己自身のは例外︶と﹃聖﹄と付くもの又はそれに関
しかも何気に弱点多っ⁉
連したもの︵聖書とか十字架とか︶⋮って、ほとんどお祓い時に用い
られる物ばかり
CV:堀江由衣
グラップラー
人絆セレナ︵本名 セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ︶
ーー
その他の属性の場合は、通常通り使える。
但し、︹水︺の属性を持っている﹃英雄﹄達の力は扱えきれない。
幅させる機能を持っている、正に︽炎のカリスマ︾。
﹃英雄﹄達の属性が︹炎︺の場合、その属性を持つ﹃英雄﹄達の力を増
炎の魂を導く師者は伊達では無く、
偶に、トンファーやヌンチャクを用いる事も可能。
基本的に相手を素手で殴る拳闘士タイプ。
いる。
全身を赤や橙色のカラーリングと炎のマークを着飾った姿をして
し、レバーを引く事で変身する憑友の戦闘時の姿。
憑友がライドを左腕に装着し、
︻炎の魂を導く師者︼のカードを装填
︻炎魂導師 ライド︼
ーー
あ、﹃英雄﹄達の力は弱点対象外なので、普通に使える。
?
生年月日 8月21日生︵非公式なので要注意︶
血液型 AB型
650
!
趣味 ガールズトーク/石板解析
好きな物
憑
友
可愛い系なら何でも︵キモカワ系もあり︶
義弟特製オムライス
嫌いな物
特になし
プロローグ2 13歳
ラストプロローグ 17歳
本編∼ 19歳
原作では故人の存在。
この作品では、憑友によって見つけられ、ジャンヌの救済を持って、
一部の記憶が無くなる代わりに存命する。
フォニックゲインを大量に消費していたので、シンフォギアを纏う
事は出来無いが、時間の流れと共に徐々にだが、取り戻しつつある。
651
現在は憑友にとっての義理の姉として振舞っている。
と同時に、玄也が進めている﹃英雄石板﹄に関する研究の手伝いを
している。
家事はどちらかと言うと得意な方だが、レシピ通りに作らせないと
⋮いかん。これ以上は絶対に言えないから
家族︵憑友=セレナ=ライド≦ジャンヌ︶
好きな物
趣味 英雄石板の発掘及び石板解析
血液型 A型
生年月日 10月7日生
名探偵コナン 毛利小五郎︵2代目︶etc︶
fate/zero 衛宮切嗣
︵テイルズオブヴェスペリア デューク
イメージCV:小山力也
人絆玄也
響や未来にとってはいろいろと相談出来るお姉さんポジ。
!
リンゴ
嫌いな物
タバコ・酒
憑友の父にして、セレナの義父。
ある日に出会ったジャンヌに一目惚れして、即プロポーズをかけた
所、相思相愛だった事に気づき、即結婚し、僅か1年も満たない内に
憑友の父になった。
元は古代文明の研究者で、
プロローグ4にて発見した﹃英雄石板﹄を解読しようと奮闘中。
本編では、ジャンヌと共にセレナと憑友の事を気にかけている。
因みに弦十郎とは小学時代から高校時代までの旧知の仲。
ライドとは研究繋がりの関係である。
だが、彼にはまだ憑友やセレナも知らない顔があるようで⋮。
人絆ジャンヌ
イメージCV:田村ゆかり
︵NARUTO テンテン
魔法少女リリカルなのはシリーズ 高町なのは インフィニット・ストラトス 篠ノ之束etc︶
生年月日1月6日生
血液型 B型
趣味 ランニング/観光巡り
好きな物
家族︵憑友=セレナ=ライド≦玄也︶
憑友とセレナが調理した料理全般
嫌いな物
火︵憑友の︽炎魂導師︾や︹灯火︺は大丈夫︶
憑友の母親にして、セレナの義母。
旧姓はジャンヌ・カデンツァヴァナで、セレナとマリアの実母とは
姉妹の関係。
652
ある日に出会った玄也に一目惚れ。そこを玄也からのプロポーズ
を快く了承し、即結婚。
しかもそのままの勢いで、1年足らずで憑友を身籠り、出産し、一
児の母となる。
玄也とは常にイチャラブで、憑友とセレナ、ライドの3人からは呆
られている。
本業は医者で、全ての医療に秀でたまさにパーフェクトドクター。
その名は医療界ではまさに神扱いをしている。
ジャンヌはジャンヌで、フレンドリーに接する性格を持っているの
で、誰とでもフレンドリーである。
本編では玄也と共にセレナと憑友の事を遠くに居ながらも気にか
けている。
後は︵中の人関連で︶歌うまだが、料理が絶望的な為、いつも息子
の憑友にお世話になりっぱなしである⋮。
因みにB/W/Hはそれぞれ90/45/78と言うまさに理想
体型であるが、逆に悩みであり、コンプレックスでもあるそう⋮。
ライド
イメージCV:クリス・ペプラー
︵仮面ライダードライブ クリム・スタインベルト etc︶
人絆一家に居座っている電子機器。
本名はライド・グラップラー。
かつては機械工学の革命者と呼ばれていた程、機械にめっぽう強
い。
自らの研究テーマ﹃人間の魂を電子機器に宿らせられるか﹄と言う
なんとも無茶ぶりなテーマを考えていたそうで、その実験を自ら被験
体になってやっていた際にノイズが研究所を襲撃し、そのまま肉体は
炭化してしまった。
のだが、奇跡的に電子機器内にその魂を宿す事に成功した。
その後、偶々研究所へやって来た玄也に発見され、そのまま居候の
身になった。
653
電子機器に宿らせているので、食事は必要無いが週1のペースで充
電しないといけ無い程の高燃費持ち。
ユルセン
CV:悠木碧
某︻幽霊ライダー︼に出て来たあの目玉幽霊そのまんまな格好をし
たゆる∼い幽霊。
憑友と﹃英雄﹄達以外に視認することが出来ない存在。
いつも、憑友がピンチの時に助けてくれるのだが、その真意は不明
なまま。
時々、響と未来⋮特に未来に対しては特別な感情を抱く事がある。
尚、幽霊なので基本的には何も食べずに過ごせるが、お好み焼きの
匂いだけは敏感に反応する癖がある。
前世がもしかしたらお好み焼きが大好物だったのかもしれない。
ーー憑友側に付いている﹃英雄﹄達ーー
キリト
CV:松岡禎丞
本名は桐ヶ谷和人。
カード名は︻黒の剣士 キリト︼
ブラスト
片手剣で戦う全身黒ずくめの服装を装備している剣士。
︽二刀流︾や︽破壊︾を使用する事が出来る。
憑友の剣術の師匠である。
目を離した隙に昼寝をする悪癖あり。大の辛党。
ーーー
ナツ
CV:柿原徹也
ドラゴンスレイヤー
本名はナツ・ドラグニル。
カード名は︻炎の滅竜魔導士 ナツ︼
フェアリーテイル
その身から炎を出す事が出来る青年。
ギルド︻妖精の尻尾︼に所属している荒くれ者だが、仲間に関して
654
は非常に大事にする仲間思いの熱い奴。
乗り物酔いが起きやすく、乗っている間、大人しくなるだけでなく
本当に酔っている。
ーーー
アカネ
CV:柿原徹也
本名はアカネ・ドッグス。
カード名は︻炎を灯せし少年 アカネ︼
聖なる扉︽ディバインゲート︾を目指して、日夜修行の日々を送っ
ている。
ナツとは同じ攻撃方法と同じ属性の為か、意気投合している。
大好物は冷やしトマト。
ーーー
ほむら
CV:斎藤千和
本名は暁美ほむら。
カード名は︻銃の魔法少女 ほむら︼
憑友が再び現世にやって来た時に側にいた不思議な存在。
憑友の幼馴染である響の事を大事な誰かと重ね合せる傾向が見ら
れる。
憑友に銃術を教えた存在。師匠扱いされることを毛嫌いしている。
ーーー
なのは
CV:田村ゆかり
本名は高町なのは。
カード名は︻エース・オブ・エース なのは︼
槍と砲撃系魔法を得意としている女性。
憑友の印象は面倒見の良い母親的ポジション。
655
教導官としての実績もあり、憑友にサバイバル術を教えていた。
O☆HA☆NA☆SIの時の笑顔を見て以来、憑友をトラウマにさ
せた過去を持つ。
大事な娘がいると言う事なのか、憑友の母であるジャンヌとは気が
合う。
ーーー
ルドガー
CV:近藤隆
本名はルドガー・ウィル・クルスニク。
カード名は︻銃剣槌士 ルドガー︼
銃と剣とハンマーそして、力を解放した際に現れる槍を巧みに扱う
実力を持つ戦士で、顔がイケメンで更に料理も得意と言う完璧超人。
だが、不運に遭いやすさが半端じゃない程、運が非常に低い。
憑友にとっては良い良父ポジション的に捉えられている。
料理の中で特にトマトを使った料理が得意。
ーーー
政宗
CV:中村和哉
本名は伊達政宗。カード名は︻奥州筆頭 伊達政宗︼
奥州︵今で言う宮城は仙台辺り︶を統べた戦国の武将の1人。
腰に6本の刀を持ち、それを全て引き抜いて相手を斬る︽六爪流︾の
使い手。
rival
英語交じりの日本語で話す。名月に酒を飲む事が趣味。
自分にとっての好敵手がいるようで、ごくたまに緒川にちょっかい
を出す事がある。
ーーー
サトシ&ピカチュウ
CV:松本梨香&大谷育江
本名はそのまま。
カード名は︻黄金コンビ サトシ&ピカチュウ︼
656
異世界の地で旅をしながら成長していった少年。
腰についているボールで様々な相手とバトルをする。
ピカチュウ達ー総称名︽ポケモン︾ーに愛されている。
・
・
・
・
・
但し、自身は超が恋愛面では付くほど鈍感な持ち主で、相棒のピカ
チュウからいつも呆れられている
ーーー
メリオダス
CV:梶裕貴
ド ラ ゴ ン・シ ン
本名はそのまま。
カード名は︻憤怒の罪 メリオダス︼
ウェイターのような格好をしている。
料理は見た目が美味そうなのに、味が残念。
ただ、酒に自信はある。
・
・
657
背中に刃が折れた剣を背負っているが、あくまで相手を痛めつけな
い用で、本命の武器がある模様との事だそうだが⋮
政宗とは酒で宴を交わす仲。
ーーー
エレン
CV:梶裕貴
巨人クラスのサイズ等を見た瞬間に怒り狂う事がある。
基本的には友好的だが、目付きが怖く、近寄りがたい印象を持つ。
る。
メリオダスと声が似ている為か、サトシや憑友にいつも間違われ
ブレードと呼ばれる︹刀剣︺カテゴリの武器を使った斬撃が得意。
腰に備わった機動装置で自由自在に飛び回り、
本名はエレン・イェーガー。カード名は︻反撃の狂戦士 エレン︼
?
キャラ設定 霊風サイド
せいようレフ
精妖霊風
イメージCV:西川貴教
︵機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ハイネ・ヴェステンフ
ルスetc
T.M.revolutionとして大活躍中︶
プロローグ4 17歳
プロローグ6∼エピローグ 20歳
本編∼ 22歳
今作のオリキャラの1人にしてメインキャラの1人。
プロローグ4のラストにて初登場。
︽精魂導師︾内では大人の分類。
電子機器・スピリットとの邂逅、
︽精魂導師︾になった経緯、等々
︽精魂導師︾に関わる経歴が謎に包まれていて、本人は決して人前で話
す事は無い。
今作では﹃ツヴァイウイング﹄の片翼・天羽奏の専属マネージャー
として活躍する様になる。
しかもそのフレンドリーな性格でお菓子作りと言う趣味がある為
か、
某人気ランキング番組内にて﹃親しみやすいマネージャーランキン
グ﹄部門にて初登場1位を獲得。それ以来、皆から︽フレンドリーマ
ネージャー︾として皆の人気者になっている。
⋮マネージャー職なのに、目立って如何する⋮。
プロローグ時までは奏と翼のスリーマンセルの体制だったが、
本編では、奏が戦線離脱を余儀なくされ、戦場に立てなくなった奏
に代わり、翼のフォローをするマンツーマンの体制として活躍する。
両手斧・両手剣・槍・鎌・両手棍・杖等の
両手で持つ長柄武器を得物としている。
自炊も出来る万能マン。
658
だが、苦手な物があるようで⋮
ーーー
︻風魂導師 スピリット︼
霊風がスピリットを左腕に装着し、
︻風の魂を導く師者︼のカードを
装填し、レバーを引く事で変身する霊風の戦闘時の姿。
ファイター
全身を緑やビリジアン系色のカラーリングと竜巻と風のマークを
着飾った姿をしている。
基本的に風の塊で作った両手棍を用いて打突攻撃をする戦 士 タイ
プ。
両手棍を形状変化させて、大剣や槍、鎌や斧などに変化させる事が
出来る中距離万能型。
風の魂を導く師者は﹃英雄﹄達の属性が︹風︺の場合、その属性を
持つ﹃英雄﹄達の力を増幅させる機能を持っている、正に︽風のカリ
スマ︾。
更に、類似属性である︹雷︺の属性を持っている﹃英雄﹄達の力も
少しだが、増幅させる事も出来る。
但し、︹地︺や︹炎︺の属性の﹃英雄﹄達とは相性が悪い。
その他の属性の場合は、通常通り使える。
ーーー
天羽奏
CV:高山みなみ
プロローグ4 14歳
プロローグ6∼エピローグ 17歳
本編∼ 19歳
御存知﹃シンフォギア﹄のキャラで、原作では故人の存在。
プロローグまでは原作通りで、絶唱を放つも、
憑友によって命を救われた。
代わりに憑友は自分が殺したと思い込むようになり、
以来、歌を歌う事に拒絶反応が起こり、それ以来戦線離脱を余儀な
くされてしまうだけではなく、翼とのユニット﹃ツヴァイウイング﹄も
この時期に事実上の解散となった。
659
?
それからは霊風が持って来ていた﹃英雄石板﹄の解析という新たな
趣味を見つけ、現在はかつてのマネージャーであった霊風を支える存
在となっている。
だが、やはり自分の家族を殺したノイズに対する怨念はまだ如何し
ても残ったままである。
憑友が再び目の前に現れた際、嬉し涙を流していたが、真実を聞か
された後は1人部屋に籠って、そして悲しみの涙を流していた。
なので、憑友との接し方に躊躇いがある模様。
風鳴翼
CV:水樹奈々
プロローグ4 12歳
プロローグ6∼エピローグ 15歳
本編∼ 18歳
660
御存知﹃シンフォギア﹄のもう1人の主人公で誰もが知るSAKI
MORIさん。
原作では奏が死んだ事で、響に対する感情は怒りを孕んでいた。
けど、今作は奏は生きているので、そう言う感情は多少なりにだが
潜めている。が、やはり響に関する感情は良好とは言い切れない。
自信が弱かったばかりに憑友をこの世から亡くしてしまったと言
う自負の念に囚われている為か、響に対する者とは違い、憑友には逆
に躊躇いを生じやすい。
基本的には原作通りの展開をする人だが、奏に揶揄われる事がちょ
くちょくある。
﹃天羽々斬﹄
御存知SAKIMORIさんが使用するシンフォギア。
原作同様なので、割愛させて貰うが、まだ使い道があるようで⋮
スピリット
イメージCV:洲崎綾
︵暗殺教室 茅野カエデ
?
アイカツ
夏樹みくる
バトルガールハイスクール 星月みきetc︶
ランスロッド
霊風と一緒にいる電子機器。
本名はスピリット・ L Rで、ライドの姉。
かつては美食の料理人と呼ばれていた程、食材の良さが分かり、料
理には絶対の自信があった。
﹃人間の魂を電子機器に宿らせ、そしてその味覚が感じられるか﹄と言
うライドの研究テーマに似たようなテーマを考えていたそうで、その
実験を自ら被験体になってやっていた際にノイズが研究所を襲撃し、
そのまま肉体は炭化してしまった。
のだが、奇跡的に電子機器内にその魂を宿す事に成功した。
その後、偶々研究所へやって来た当時の霊風に発見され、そのまま
彼の元に就く事にした。
電子機器に宿らせているので、食事は必要無いが如何しても美味し
い物に目が無い様で、今の自分に本当に後悔してるんだとか⋮。
風鳴弦十郎
CV:石川英郎
御存知﹃シンフォギア﹄の超人すぎるOTONA様。
憑友に格闘術の基本を教えた為、憑友とは師弟関係を持つ。
後は原作通り。憑友達を遠くから指揮しつつも、やはり大人として
の責務なのか、憑友達を気にかけている。
因みに憑友の父・玄也とは小・中・高校時代からの旧友。
と思っていたが、そこ
かつては2人揃って﹃知の玄也、武の弦十郎﹄とまで言われた程の
実力者。
下手すればノイズ相手でも倒せるんじゃね
これを他の次元に住みしものはこう呼ぶであろう⋮﹃殴り愛﹄と。
の家の一部を壊しかねないくらいにまでやり合う事も⋮。
憑友とスパーリングする事もあるが、師弟なのに容赦無しで、自分
い。
はやはりフラグ修正されたのか、ノイズに対してはやはり対処出来な
?
661
!
なので、止めようにも手の施しようが無いのである。
それなのに、家は半壊どころか、傷1つつかないとか、どんだけの
頑丈な家に住んでいるのか⋮。
櫻井了子
CV:沢城みゆき
御存知﹃シンフォギア﹄のミステリアスレディ。
櫻井理論の提唱者など原作通りの展開を見せてくれる。
響のケースと、憑友のケースに興味を持っているようで⋮
因みに憑友の母・ジャンヌとは犬猿の仲でありながら呉越同舟の間
柄。
緒川慎次
CV:保志総一朗
御存知﹃シンフォギア﹄のエージェントにしてNINJA様兼翼の
マネージャー。
今作では憑友の正体を知っていた数少ない存在。
基本的に翼のマネージャーをする等、基本は原作通り。
友里あおい/藤堯朔也
CV:瀬戸麻沙美/赤羽根健治
御存知﹃シンフォギア﹄における優秀なオペレーター2人。
2人一緒にいる事が殆どなのは気の所為にして欲しい⋮。
原作通りの立場を担う。
ーー霊風側に付いてる﹃英雄﹄達ーー
ミドリ
CV:伊藤かな恵
本名はそのまま。カード名は︻風を纏いし少女 ミドリ︼
憑友についているアカネと、ロックについているアオトとは、同じ
世界出身で、アカデミーの同級生。
662
?
霊風が出会った英雄の中で、霊風にとっては無くてはならない相棒
であり、主戦力。
元気で活発な性格だが、響を見た時に、自分の大切な親友と声が似
ていた為、何故か響には敬遠しがちになる。
大好物はキュウリ⋮カッパか‼
ーーー
ランサー
CV:神奈延年
本名はクー・フーリン。
カード名は︻アルスターの英雄 ランサー︼⋮ネタバレし過ぎ
︽魔槍ゲイボルク︾を使う槍使い。
︽クランの猟犬︾や︽光の皇子︾とも呼ばれている程、有名な戦士。
ロック側についているアーチャーとは二度相対した者同士。
いつも自由奔放で、目を離した隙に何処からか竿を持ってきては海
まで釣りをしに行く奔放さを持っている。
だが、人を見る目はしっかりとしていて、ミドリの次に霊風が使用
する主戦力な存在。
他人の家に勝手に入り、飯を食べてはさっさと帰る食い逃げ常習
犯。
ーーー
マカ=アルバーン/ソウル=イーター
CV:小早川千明/内山昴輝
本名はソウルの方はソウル=エヴァンス。マカはそのまま。
カード名は︻死武専コンビ マカ&ソウル︼
憑友側にいるサトシ&ピカチュウと同様に2人で1つのカードに
入っている。
ソウルは武器に変換する体質の持ち主で、マカはそんな彼のパート
ナーである。
常に目の前の仕事をテキパキと片付ける仕事人。だが、マカは音痴
な為か、歌や踊りがダメダメで、ソウルは勉強不得意の凸凹コンビ。
だが、それ故に魂を共鳴し合える仲を持つ。
663
!
?
ーーー
シロエ
CV:寺島拓篤
本名は城鐘恵。
カード名は︻腹黒眼鏡 シロエ︼
異世界︽エルダー・テイル︾と呼ばれる所で住んでいた英雄。
ギルド︽記録の地平線ーログ・ホライズンー︾のギルドマスター。
戦略における仕事の早さはまさに屈指の参謀とも呼べる実力の持
ち主。
ただ、偶に腹黒い事を言う事が偶にある。
今作ではそれは潜めているが、やはり如何しても出てしまう事があ
る模様⋮。
ーーー
杏子
CV:野中藍
本名は佐倉杏子。
カード名は︻槍棍の魔法少女 杏子︼
憑友についているほむらとは同じ世界出身の英雄。
常に何処から調達して来たのか、食べ物をいつも手に持っていて、
お裾分けしてくる事が殆ど。
特にリンゴとたい焼きはほぼ毎回のように持ち歩いていたりする
⋮。
多節棍の先端に槍の穂先を付けたような武器を使う。
強力な技を持っていないけれど、それを補って広範囲のリーチを獲
得している。
ーーー
幸村
CV:保志総一朗
本名は真田︵源次郎︶幸村。
カード名は︻天覇絶槍 真田幸村︼
憑友側についている政宗とは互いが認める好敵手関係。
664
2つの槍を炎を出しながら巧みに操る技量の持ち主。
﹄とか言う程、結構ウブ。
︶をしたら、間違い無くこうなっ
露出が高い女子を見て、﹃破廉恥な⁉
緒川さんがキャラ崩壊︵メタ発言
ていても可笑しくない。
?
ーーー
﹁なんで⁉
﹂⋮嘘です。ちゃんとした理由で使います。
﹂いや、知らんがな⁉
で、ルーシィの活躍があまり出ない。
ただ、
︹星霊︺達の中にそれが該当しているのがおり、専らそれ頼り
事の為に使うな‼
代わりに、腰に携えている鞭で、女王様気取りに使用すr﹁そんな
霊風が現在唯一持っている長柄武器を持たない英雄。
・・・・
︹星霊︺と呼ばれる種族を使役し、共闘する戦闘スタイルを持つ。
憑友側についているナツとは同じ世界出身でギルド仲間。
カード名は︻星霊に愛されし者 ルーシィ︼
本名はルーシィ・ハートフィリア。
CV:平野綾
ルーシィ
ーーー
因みに﹃殴り愛﹄を教えたのも此奴。
!
なのである。本人も友達になりたいと思っていたぐらいだし。
だが、嫌いでは無く、体質故に滅龍魔法に耐性を持っていないだけ
その為、ナツとは如何しても仲間になりきれない。
るが⋮。
非戦闘時はしまっているので、見た目は人間の女の子そのものであ
闘時に露骨し、尻尾も生えてくる。
内に宿している。現状として、自分の耳と腰から竜の翼らしき物を戦
見た目は普通の女の子だが、実は竜の名を冠する通り、竜の力を体
カード名は︻水竜姫 レヴィアタン︼
?
665
?
本名はそのまま。
CV:早見沙織
レヴィアタン
?
昔はかなりの控え目だったそうだが、彼女の友達のおかげで、今は
多少なりともみんなとは打ち解けている。
その肝心の友達と離れ離れな為、霊風にお願いしていた。
実は霊風が1番最初に出会った英雄。
ーーー
アリーシャ
CV:茅野愛衣
本名はアリーシャ・ディフダ。
カード名は︻姫騎士 アリーシャ︼
別次元の世界では第三皇女として存在していた正真正銘のご令嬢。
槍術を使いながら、戦う。
︽精魂導師︾のやり方を見て、かつての自分の仲間の事を思い出す節が
ある。
幸村みたいなやり方をする事もある為か、意外と意気投合してい
666
る。
彼女には槍術を教わった師匠なる存在もいる様だが⋮
る。
槍を自由自在に扱える技量の持ち主だが、個性が翼とよく似てい
?
キャラ設定 ロックサイド
ロック・アイル・ユキネ
イメージCV:宮野真守
︵テイルズオブヴェスペリア フレン
ポケットモンスター ベストウィッシュ デント
ウルトラヒーロー ウルトラマンゼロetc︶
プロローグ3 9歳
本編∼ 17歳
今作のもう1人の主人公的ポジションにしてオリキャラ。
元は戦争孤児で、テロリスト達に酷い仕打ちをされて来た為、テロ
リスト達に関しては怒りを露わにする。
そ の 為 に 様 々 な 暗 殺 術 を 身 に 付 け た 実 力 者 へ と 僅 か 7 歳 の 時 に
なった。
その実力は大人顔向け当たり前。野生の猛獣達をも恐怖に陥れた
程。
それ故に、その冷たき視線に恐れをなしたテロリスト達から︻冷眼
のロック︼として呼ばれる様になった。
プロローグ3の時に、クリスの家族に出迎えられ、1年ばかりだが、
共に暮らした。その影響で︻冷眼のロック︼がその世から消え失せた
と思った。
だが、バルベルデに来た際に、テロリスト達相手に今までの鍛錬を
怠った所為で、クリスの両親を助けられずに見殺しにしてしまう。
その為、彼はクリスが幸せになるまで彼女の傍から離れない様に誓
いを立てた。
テロリスト達に囚われていた際に、石板に封じてあった英雄・アー
チャーと出会い、その後に電子機器・ソウルと出会った事で、
︽水魂導
師︾の力を得た。
その後、国連軍の介入によりクリスと共に保護されたが、本編開始
2年前にクリス共々行方を眩ます。
その時にフィーネと出会い、クリスと共にフィーネのアジトに住む
667
事になった。
以来、戦地に赴いてはテロリスト達を一部を除いた者達を気絶にま
でする実力を持つ様になり、
抹殺対象者は容赦無く倒して行った。
ラ イ バ ル
︽炎魂導師︾の名を持つ憑友と初めて戦った時に、彼の実力を認め、自
身の好敵手として認めている。
料理は得意で、素っ気なくこなし、射撃においての命中精度は屈指
の実力者。おまけにソウルから教わった学習能力も相まって、憑友と
同じ完璧超人になったのだが、注射が大の嫌いだとか⋮。
ーーー
︻水魂導師 ソウル︼
ロックがソウルを左腕に装着し、
︻水の魂を導く師者︼のカードを装
填し、レバーを引く事で変身するロックの戦闘時の姿。
スナイパー
全身を青や群青色のカラーリングと雫と波のマークを着飾った姿
をしている。
基本的に水で作った弓や銃を用いて射撃・狙撃をする狙撃手タイ
プ。
だが、相手が接近された場合は二刀短剣を用いた白兵戦をする事も
可能な遠近対応型。
水の魂を導く師者は﹃英雄﹄達の属性が︹水︺の場合、その属性を
持つ﹃英雄﹄達の力を増幅させる機能を持っている、正に︽水のカリ
スマ︾。
更に、類似属性である︹氷︺の属性を持っている﹃英雄﹄達の力も
少しだが、増幅ささせる事も出来る。
但し、︹雷︺や︹風︺の属性の﹃英雄﹄達とは相性が悪い。
その他の属性の場合は、通常通り使える。
ーーー
雪音クリス
CV:高垣彩陽
プロローグ3 8歳
668
本編∼ 16歳
御存知﹃シンフォギア﹄の皆んなの愛人さん。
基本的には原作同様だが、ロックと言う存在がいる為、原作よりも
更にツンデレになりやすい。
多少の料理が出来るが、義兄であるロックには敵わない模様。
だが、当のロック本人からお墨付きを貰っているのをまだ気付いて
いなかったりする⋮。
食事のマナーは相変わらず駄目駄目で、ロックから毎回指摘されて
いるも治す気配が一向に無い。
歌を歌う事を嫌ってはいるものの、ロックの歌声を聴く事に関して
は嫌いでは無い様で⋮
他の奴の事を名前で呼ばない癖は相変わらず。
だが、ロック側に付いている﹃英雄﹄達の一部のみは名前で呼ぶ事
がある。
フィーネ
CV:沢城みゆき
御存知﹃シンフォギア﹄無印編のラスボス。
今作では時折キャラ崩壊を起こす事がごく稀にある。
その殆どがロックと居る時が多いのは気の所為にして欲しい⋮。
基本的には原作同様の展開をする。
ロックやクリス︵特にロック︶を弄る悪癖がある。
憑友の母親であるジャンヌとは何か関係がある様で⋮
ソウル
イメージCV:櫻井孝宏
︵コードギアス 反逆のルルーシュ 枢木スザク
トリコ ココ
本名はソウル・バレッツ。
ロックと共に行動する電子機器。
PSYCHO│PASS│サイコパス│ 槙島聖護etc︶
?
669
?
かつては魂魄理論を唱え、精神論の異端者と呼ばれていた程、精神
論にめっぽう強い。が、同時に自称︻ロマン馬鹿︼と呼んでいる程、自
分がナルシストだと自覚している。
﹃人間の魂を電子機器に宿らせられるか﹄とライドと同じテーマを考
えていたそうで、その実験をライドとはまた違った方向から自ら被験
体になってやっていた際にノイズが自らの研究所を襲撃し、そのまま
肉体は炭化してしまった。
だが、ライドと同様に奇跡的に電子機器内にその魂を宿す事に成功
した。
その後、研究所へやって来たテロリスト達に発見され、軟禁生活を
余儀なくされていた時にロックと出会い、彼に︽水魂導師︾の力を授
けた後、ロックと共に行動している。
電子機器に宿らせているので、食事は必要無い。
あまりにも無口な為、此処ぞと言う場面以外は滅多に喋らない。
意外とお笑い好き。
ーーロック側に付いている﹃英雄﹄達ーー
アーチャー
CV:諏訪部順一
本名はエミヤシロウ。
カード名は︻錬鉄の弓兵 アーチャー︼
皮肉屋でキザな性格の青年。
ロックが初めて出会った英雄だが、
英雄よりも少しだけ上の存在﹃英霊﹄と呼ばれる種族の1人。
誰もが認める万能家政夫。︵本人は頑なに否定中︶
ロックやクリスの面倒も見ていた。
ーーー
グレイ
CV:中村悠一
デビルスレイヤー
本名はグレイ・フルバスター。
カード名は︻氷の滅悪魔導士 グレイ︼
670
仲間を大切にする好青年。だが、服を脱ぐ癖を持つ残念な人。
右胸に自身が働いていたギルドの紋章を掲げている。
憑友側にいるナツとは喧嘩が絶えない分、仲間であり、ライバルで
あると自他共に認めている仲。
いつロックに就いたのかは不明。
ーーー
アオト
CV:斎藤壮馬
本名はそのまま。
カード名は︻水を留めし少年 アオト︼
憑友側にいるアカネ、霊風側についてるミドリとは同じ世界出身
ドライバ
で、アカデミーの同級生。
刀型の武器︽刃刀 ワダツミ︾を所持している。
常にネガティブな性格で、暖かい物を食べる事が無い。
大好物はサバ寿司。
ーーー
ユリウス
CV:大川透
本名はユリウス・ウィル・クルスニク。
カード名は︻クラウンエージェント ユリウス︼
憑友側にいるルドガーとは異母兄弟であるが、兄弟の様に仲が良
かった。
﹃英雄﹄になる前にルドガーと相対し、そして彼から引導を渡された。
そしてこの世界でもまた剣を交える関係になってしまうが、昔より
も穏やかで、ルドガーの成長ぶりに期待している。
仕事はきっちりとやりこなす主義の持ち主。
大好物はトマト料理で、トマトに目がない。
ーーー
シノン
CV:沢城みゆき
本名は朝田詩乃。
671
カード名は︻氷の狙撃手 シノン︼
憑友側にいるキリトとは仲間であり、超えたい存在だとライバル視
している。
フィーネと何処と無く声が似てる為、ロックからいつも間違えられ
ている。
︽ウルティマラティオ・へカートII︾と呼ばれる対物ライフルの狙撃
銃が愛機で、遠くからの狙撃が得意。
逆に近接戦闘ではアーチャーよりも劣っている為、アーチャーにラ
イバル心を出す事がある。
ーーー
リヴァイ
CV:神谷浩史
本名はリヴァイ・アッカーマン。
カード名は︻調査兵団兵士長 リヴァイ︼
憑友側に付いてるエレンとは同じ世界の住人で、エレンの上司にあ
たる存在。
素早い動きを最大限に活かした攻撃をする事が出来、またグレイと
同じ仲間想い。
大の潔癖症な為、フィーネのアジトに戻って来るなり、すぐに掃除
してしまう癖が身に付いてしまった⋮。
ーーー
フェイト
CV:水樹奈々
本名はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
カード名は︻迅雷の執務官 フェイト︼
憑友側に付いてるなのはとは最初の友達であり、大切な存在。
再びなのはと戦わなければいけないと苦悩するも、なのはの一言で
吹っ切れ、今は早くこの事態を収束させて、なのはと一緒にいたいと
思っている。
ーーー
リオン
672
CV:緑川光
本名はリオン・マグナス︵真の名はエミリオ・カトレット︶。
カード名は︻運命を冠する裏切り者 リオン︼
短剣と片手剣と言う異色の組み合わせの二刀流を巧みに扱う少年
剣士。
︹闇︺と︹土︺の2つの属性を扱える双属性の持ち主。
片手剣︽ソーディアン・シャルティエ︾を愛剣としている。
ア サ シ ン
常に冷静に対処する性格。反面、大の甘党で、スウィーツにはツン
デレながらも目がない。
ーーー
アカツキ
CV:加藤英美里
本名は羽根静。
カード名は︻地平線の暗殺者 アカツキ︼
霊風側にいるシロエとは同じ世界出身で仲間。
シロエの事を﹁主君﹂と時折そう言っている。
アーチャー以外の皆と同様、いつ仲間になったのかその経緯が分か
らない。
ロックの中ではアーチャーの次に頼りにされている存在。
追跡者と言う能力を使って追跡する程、忍者のような身のこなしを
持つ生粋のクノイチ。
﹁第19話﹂の最後にロックが変身していたのも実はこの人の魂。
ーーー
達也
CV:中村悠一
本名は司波達也︵真の名は四葉達也︶。
カード名は︻魔法科高校の劣等生 司波達也︼
2丁拳銃を用いた魔法演算術式が得意。
だが、処理速度は低いのが欠点。
その代わり、即死クラスの攻撃を受けても直ぐに自動再生する能力
が付加されている。
673
常に1人で機械と向き合っている為か、ソウルとは気が合う。
ロックに代わり、﹃英雄石板﹄の解析を一任されている。
ーーー
三成
CV:関智一
本名は石田三成。
カード名は︻君子殉凶 石田三成︼
政宗と幸村と同じ世界の者で、豊臣秀吉率いる覇王軍の忠実なる右
腕。
相手を惨殺する事を躊躇わない性格の持ち主。
常に1人でいる事が多い。
ロックに抜刀術を教えた存在。
674
だが、師匠と言われるのを嫌っている。
ある男に対して復讐の炎を纏っている。そのある者とは⋮
?
主人公サイドvol.2
立花響
CV:悠木碧
御存知﹃戦姫絶唱シンフォギア︵以下シンフォギア︶﹄の主人公。
基本的に原作同様。
だが強いて言えば、憑友とのスキンシップが半端じゃない事が唯一
とでも言える。
未来とは相変わらずの仲良し。
憑友と3人で一緒にいる時は、﹁仲良し3人組﹂とでも呼ばれてい
て、凄く仲が良い。
憑友の事は友好と言うより、好意を持っていたりする描写がある⋮
プロローグ7の後、九死に一生を得るも、憑友がこの世から去って
しまったと言うあまりにも残酷な現実を突きつけられ、更にライブ会
場の悲劇での生存者故に、遺族や友人達からの罵声に苦しみ、
﹃傷口に塩を塗る﹄かのように父親の失踪も相まって、かなりの精神的
被害を受けてしまった。
その影響で、憑友の家族とはそれ以来会わなくなってしまう⋮
しかし、ルナアタック第3話で憑友との運命の再会に歓喜したもの
の、
憑友の現状に泣きそうになるも、それでも憑友の為と思いながら、
奏から託された︽聖遺物・ガングニール︾のシンフォギアを使う事を
決意する。
後は基本的に原作通りの展開を見せる。
﹃ガングニール﹄
響が使うシンフォギアの聖遺物。原作通り心臓近くに破片が残っ
ていて、本来の﹃槍﹄としての性能を持たず、
﹃拳﹄としての性能を発
揮させている。
原作では、技があまり無かったので、今回は憑友と﹃英雄﹄達の技
を会得しようと努力する事になった。
675
!
ーーーーーー
小日向未来
CV:井口裕香
此方も御存知﹃シンフォギア﹄において響の幼馴染兼正妻ポジの女
の子。
原作同様に響の事を心配しながらも暖かく見守る︵序盤はな⋮⁉
︶。
憑友の事は響と同様に密かに好意を持ちつつも、仲良し3人組とし
ていつも一緒にいた。
プロローグ7の後、憑友の死を聞いて響と共に泣き崩れた。
その後は、響よりかはマシだが、それでもやはり憑友の家族の所に
行く事を躊躇っていた。
憑友の代わりにライドの愚痴をしっかりと受け止める役目を持っ
ていたりする描写が至る所にある。
ルナアタック編第9話の際に憑友との再会に喜んでいた。
それ以降はリディアンに通いだした憑友と3人仲良く通学するよ
うになる。
が、まだこの時の未来は憑友がどんな存在なのかまだ知らない。
憑友が作った﹃現界ブースター﹄で呼び出した﹃英雄﹄達と何故か
仲良くなってしまっていると言うある意味凄い能力を持っていたり
する⋮。
ーーーーーー
安藤創世・寺島詩織・板場弓美
CV:︵創世︶小松未可子 ︵詩織︶東山奈央
︵弓美︶赤崎千夏
御存知﹃シンフォギア﹄にて、響と未来の友達。
今作では憑友の友達にもなる。
創世は憑友の事を﹁ツッキー﹂と呼んでいる。
いつも3人一緒にいる事が多い。
憑友の趣味﹃英雄石板の解析﹄に3人とも興味がある。
676
?
ーー憑友側に着いている﹃英雄﹄達part2ーー
セイバー
CV:川澄綾子
本名はアルトリア・ペンドラゴン。
カード名は︻剣の英霊 セイバー︼
別次元では︽騎士王アーサー︾としても有名な存在。
青い騎士服を身に纏いながら戦う。
憑友がリディアンに通う際に届けられた段ボール箱の中に、下記の
士郎と共に入れられていた。
何よりもすぐにお腹が空くので、よく食べる。
故に憑友や響達から﹁腹ペコ王﹂と呼ばれていたりする。
ーーー
士郎
CV:杉山紀彰
本名は衛宮士郎。
カード名は︻剣製の魔術師 士郎︼
セイバー⋮アルトリアにとっては大事な存在で、それは士郎も同じ
である。
憑友がリディアンに通う際に届けられた段ボール箱の中に、上記の
セイバーと共に入れられていた。
料理の腕には自信があり、特に和食が得意。
殆どキッチンを独占しているが、稀に機械類を点検する事もある。
料理と自身の運のなさに共感したのか、ルドガーとは親しい。
憑友と同じお人好し。
ーーー
一夏
CV:内山昂輝
本名は織斑一夏。
カード名は︻白のIS操縦者 織斑一夏︼
女性にしか使えないパワードスーツ︽IS︾を起動させてしまった
677
少年。憑友の立場に同情している。
尚、相変わらずの朴念仁。
料理が得意なので、ルドガーや士郎とは何気に切磋琢磨している
仲。
本編では第24話時点でほんの少ししか出ていないある意味不運
な男。
ーーー
ジン
CV:小田久史
本名は海道ジン。
カード名は︻秒殺の皇帝 海道ジン︼
小さなロボットを用いて戦うプレイヤー。
その動きの速さから︻秒殺の皇帝︼として恐れられた。
現在は、自身の親友を探す手立てとして憑友の家に居候していた
が、
憑友と行動を同じにする事で、親友を早く探す事が出来るのではな
コードネーム
いかと言う事に至り、同行する事になった。
ーーー
ユイ
メンタルヘルスケアプログラム
CV:伊藤かな恵
本名はM H C P No.001 C N ・Yui。
カード名は︻黒と白の娘 ユイ︼
A
I
キリトの娘で、精神を落ち着かせるメンタルヘルスケアカウンセリ
ングとハッキングが得意。その正体は人工知能で、ノイズに触れても
炭化しない性質を持つ。
今までは電子内にいたのでその為なのか、現実世界を見てはしゃぐ
姿を度々見る描写がある。
実家に帰省時に憑友一家に下記のオウガ達と共に居候していた。
キリトには﹁パパ﹂と呼んでいて、憑友には﹁パパの付き人︵キリ
ト同行時︶﹂又は﹁憑友さん︵キリト不在時︶﹂と呼んでいる。
ーーー
678
オウガ
イメージCV:千葉進歩
︵銀魂 近藤勲
テイルズシリーズ ウィル・レイナードetc︶
本名はジンオウガ。
カード名は︻無双の狩人 ジンオウガ︼
太古の昔に存在していた狼の姿をした竜︽牙竜種︾の一体。
通常は本来の姿である狼の姿をしていて、戦闘時はその姿をあし
らった鎧を身に纏う。時と場合によっては擬人化する力を持つ。
帰省時にユイと共に居候していた。
ユイの面倒を見ていた為か、ユイに懐かれている。
テリトリー
狼の性質と雷の属性を持つ竜と呼ばれていた事から︽雷狼竜︾とも
呼ばれており、そして虫と共存出来る能力を持つ。
其処で繰り広げれる状態強化︽超帯電状態︾を用いて自身の領土内
に侵入した者を懲らしめる。
実はそれよりももっと凄い能力を持っていると言っているが、それ
を扱う事が非常に難しい為、あまり使用する事がない。
ーーー
レウス
イメージCV:大畑伸太郎
︵流星のロックマン 牛島ゴン太
フューチャーカード バディファイト ドラムバンカー・ドラゴンetc︶
本名はリオレウス。
カード名は︻空の王者 リオレウス︼
ジンオウガとは同じ世界で生き、そして絶滅したと思われる種族
で、︽飛竜種︾と呼ばれる種族で、種を代表する屈指の実力者。
翼を広げて、上空から攻撃を仕掛けてくるその様はまさに空を制す
る王そのもの。
口から炎を吹き出す事から︽火竜︾と言う異名を持っている。
オウガのような特殊能力が無い分、火力ではこちらが圧倒的。
679
水や雷に弱く、飛翔時に目眩しを食らうと、思うように行動できな
い。愛しの彼女がいる。
オウガと同様、時に擬人化する能力を持つ。
ーーー
レイア
イメージCV:新田恵海
ヴァンガードG 安城トコハetc︶
︵ラブライブ 高坂穂乃果
カードファイト‼
本名はリオレイア。
カード名は︻陸の女王 リオレイア︼
上のレウスの彼女で、母性を醸し出している。
レウスとのコンビネーションは破格の力を誇る。
尻尾に猛毒を宿しており、他のものが触れないように、寝る時は常
に自分の身体の中に仕舞い込んで寝る。
憑友の帰省時にレウス共々、憑友達と出会って以来、憑友達とは仲
良くなっている。
レウスと一緒にいる時は常にレウスに甘えている。
そうじゃ無い時は基本的に面倒見の良い姉御肌。
レウスやオウガと同じで擬人化する事が出来る。
680
?
ロックサイド&霊風サイド︹Vol.2︺
ロック側に付いている﹃英雄﹄達
ラウラ
CV:井上麻里奈
本名はラウラ・ボーデヴィッヒ。
カード名は︻ドイツの代表候補生 ラウラ︼
憑友についている﹃英雄﹄一夏の事を我が嫁にせんと考えている少
女。
見た目は少女だが、一個小隊の少佐を務める実力を誇る正真正銘の
軍人。
ロックのやり方に異義を思っているものの、それを押し留めながら
を持っている。
銃術
に長
時間に関する概念を超越し過ぎている為、扱うのに苦労すると言わ
れている。
それに加え、対価を要求してくるので使う機会が限られている。
ーーー
イズナ
CV:松岡禎丞
本名は黒曜イズナ。
681
見守り続けている。
と、
"
軍人気質な性分の持ち主だが、乙女的言動をとる事もしばしばあ
時間
"
る。
ーーー
狂三
CV:真田アサミ
本名は時崎狂三。
カード名は︻精霊︽ナイトメア︾ 狂三︼
憑友についている﹃英雄﹄ほむらと同じ
けた存在。
"
ただ、ほむらよりも格段に上で、数多の敵を前に立ち向かえる技量
"
カード名は︻伝説を壊せし雷龍 イズナ︼
︽ガイストクラッシャー︾と呼ばれる伝説や神話の存在を倒す者達の
1人。
かつては大切な姉がいたが、その︽ガイスト︾と呼ばれる者達によっ
て殺され、以降は︽ガイスト︾を倒す為に戦い続けていた。
ロックとは立場が違えど、其れなりに気にかけており、
クリスの場合は、なんだかんだで妹のような存在として接してい
る。
ーーー
ダイキ
CV:勝杏里
本名は仙道ダイキ。
カード名は︻箱の中の魔術師 ダイキ︼
常にタロットカードを持ち歩いている。
682
凄腕のプレイヤーで、その芸当からカード名にも書かれている異名
︻箱の中の魔術師︼という名が知られている。
犬猿の仲とも呼べる存在がいるというのだが⋮
キングが毛嫌いしているのを気付いてはいるが、普通に接してく
語尾にいつも♪マークがつくのが特徴。
﹁団ちょ♪﹂とそう呼んでいる。
憑友についているメリオダスとは同じ騎士団の中で、
ぐにその身を再生する体質能力を持っている。
︽不死身のバン︾とも呼ばれておる故なのか、どんな事をされても、す
ア ン デッ ド
カード名は︻強欲の罪 バン︼
フォックス・シン
本名はそのまま。
CV:鈴木達央
バン
ーーー
⋮。
最も自分勝手なので、手を貸す事もあればそうで無い時もあるとか
ロックとの経緯は不明だが、ロックに加担している。
?
る。
ーーー
ラギア
イメージCV:中田譲治
本名はラギアクルス。
カード名は︻海の王者 ラギアクルス︼
オウガ達と同じ世界出身で、海を徘徊する︽海竜種︾の一体。
種を代表して、
︽海竜︾とも呼ばれたり、レウスと違い、海を征して
いる事から︽海の王者︾とも呼ばれている。
ロックの事を見守る父親的存在で、海を徘徊する際は頼られてい
る。
ーーー
ユーリ
CV:種田梨沙
ブ リュー ナ ク
本名はユーリ・フロストル。
カード名は︻空穿の閃光 ユーリ︼
石化の槍︽トリシューラ︾を愛機とする少女。
律義で義理堅いのか、クリスには嫌われている。
ロックとは性格が似ているのか、普通に接している。
剣も使えると自負していたのだが、ロックの剣戟の前にあっさり敗
北を喫し、以来は槍使いとして信用されている。
ーーーー
霊風に付いている﹃英雄﹄達
ゼクス
イメージCV:神奈延年
本名はライゼクス。
カード名は︻電竜 ライゼクス︼
オウガ達と同じ世界出身で、レウスとレイアと同じ︽飛竜種︾に属
している竜。
683
各部位には蓄電器官が備わってあり、そこから強力な電気を放出す
る事から︽電竜︾とも呼ばれている。
飛竜種の中では非常に好戦的で、テリトリーに入っては自分が強い
と豪語するような性格。
翼を使って腕のように攻撃する特徴を持っている。
下記のモンスターと一緒になって、霊風に中々心を開いてくれな
い。
だが、それには訳があるようで⋮
ーーー
ナルガ
イメージCV:櫻井孝宏
本名はナルガクルガ。
カード名は︻迅竜 ナルガクルガ︼
オウガやレウス、ゼクスにラギア達と同じ世界の出身で、素早い身
のこなしが最大の売りとしている。
四肢で行動する生態系を持っているが、レウス,レイア,ゼクスと
同じ︽飛竜種︾に属している。
腕についてる翼は捕食をする際にも使われており、それはまさに鋭
き刃のように獲物を一撃で葬りさる⋮
ゼクスと同じで、何か訳があるようで⋮
ーーー
シグナム
CV:清水香里
本名はそのまま。
カード名は︻烈火の将 シグナム︼
非常に好戦的で、時折ゼクスとやりあったりする。
り同志の間柄。
特にロックについているフェイトとは切磋琢磨するライバルであ
間の1人。
長剣、連結刃、弓を巧みに扱う剣士にして、なのはとフェイトの仲
?
684
?
上記のゼクスと同じで、霊風に中々心を開いてくれない。
!
他にも仲間もとい家族がいるのだが、現在は皆離れ離れになってい
る。
ーーー
キング
CV:福山潤
グリズリー・シン
本名は︽妖精王︾ハーレクイン。
カード名は︻怠惰の罪 キング︼
憑友に付いてるメリオダスの仲間で、正真正銘の妖精。
かつては︽妖精の森︾と呼ばれる自分の故郷を守っていたのだが、そ
の怠惰により滅亡寸前にまで追いやった罪を背負っている。
メリオダスとは同じ騎士団として名を馳せている。
通常は子供っぽい姿をしているが、式典などの催し物の際はおっさ
んのような出で立ちの正装へと変わる事が出来る。
同じ騎士団のバンの事を毛嫌いしている。
685
ーーー
刄更
CV:中村悠一
インフィニットスレイヤー
本名は東城刄更。
カード名は︻神速剣術使い 刄更︼
︽勇者の一族︾と呼ばれる血族の者で、魔族に仇なす者達に属していた
が、幼い頃に現在の自分の所有する愛剣を引き抜いた事でその一族が
住む里が崩壊寸前にまで追いやり、父親と共に里から追い出される。
その後、魔族の血を引く義理の妹を守る為に剣を振るう事を誓って
いる⋮
をあまり信用していないようで⋮
ーーー
タバサ
CV:いのくちゆか
カード名は︻雪風の魔法学園生 タバサ︼
本名はシャルロット・エレーヌ・オルレアン。
?
現在はその妹達を見つける為に霊風に力を貸しているが、霊風の事
!
︽トリステイン魔法学院︾と呼ばれる学院に通っている魔法使い。
言葉を交える事が苦手で、あまり喋りたがらない。
趣味は読書。
小柄なのに大食いなので、憑友についている﹃英雄﹄セイバーと意
気投合していたりする⋮⁉
水と風の魔法が得意で、そこから併せた氷属性の魔法が大得意。
使い魔を召喚する事もできるが、肝心の使い魔が現在行方不明なの
で召喚する事が出来ない。
ーーー
エルエルフ
CV:木村良平
本名はミハエル。
カード名は︻革命を導く参謀長 エルエルフ︼
︽ドルシア軍︾と呼ばれる次元世界上に存在する機関のエージェント。
聡明な状況把握能力と一瞬で大多数の相手を殲滅するほど高い戦
闘能力を持ち合わせている。
基本的には霊風の意見には賛同もしなければ、反対もしない中庸の
立場を取っている。
﹁友達﹂と呼べる存在を己が﹃英雄﹄になる前に死んだと供述している
事から、﹁自分がその友達を殺した﹂と言う後悔の念に立たされてい
る。
そう言う経緯がある為か、あまり霊風に己の力を貸す事が無い。
刄更とゼクス、ナルガと同様で霊風の事をあまり信用していない。
686
?
だが、理由があるようで⋮
?
主人公サイドVol.3
あさおかゆくと
浅岡逝都
イメージCV:KENN
︵遊戯王GX 遊城十代
マジンボーン 竜神翔悟
宇宙兄弟 南波日々人etc︶
今作で憑友と仲良しの男の子でオリキャラ。憑友と同い年。
憑友の良き理解者である。
実はヤンキーで、憑友とはどうも不釣り合い過ぎてコンプレックス
を抱えているのだとか⋮。
だが、持ち味の前向きさでそれをこなし続けている。
意外とファンタジー系の映画が好きというギャップを持っている。
いっそうまとう
ーーーーーー
一走馬燈
イメージCV:小西克幸
︵テイルズオブシンフォニア ロイド
FAIRYTAIL ZERO ユーリ・ドレアー
ガイストクラッシャー ロック・ボルカンetc︶
逝都と同じ憑友の親友にしてオリキャラ。
憑友の事を、逝都と共に理解しながらも、それでも暖かく見守る。
︽走馬燈流派︾と呼ばれる抜刀剣術の使い手であり、数々の抜刀流派の
者達を相手に全戦全勝を上げている。
だが、それはあくまで公式によるもので、非公式試合などでは互角
の戦いが多い。
まきわら
ミルク
ーーーーーー
牧藁 牛乳
イメージCV:竹達彩奈
︵ソードアート・オンライン リーファ/桐ヶ谷直葉
ディバインゲート ヒカリ
デート・ア・ライブ 五河琴里 etc︶
687
二課に勤務している明るい女性スタッフ。
実家が牧場経営をしている為、こう言う名前になった。
二課に勤務するようになった理由は自分でも分かってない模様。
まわりの皆を明るくするムードメイカーポジション。
憑友の事を弟のように可愛いがる素振りを見せている。
ーーーーーー
憑友達についている﹃英雄﹄達
カケル
CV:井上麻里奈
本名は轟 駆流。
カード名は︻赤き稲妻のドライバー カケル︼
憑友よりも身長が低いがそれはまだ小学生である為。
一つ上と同い年の幼馴染がいて、現在はその幼馴染と仲間を探して
いる。
︽ライバード︾と呼ばれる赤い車に乗って、そこからロボットへと変形
させて戦う戦士。
憑友についている﹃英雄﹄の中では年少グループに分かれている。
﹁ゼツボー的に○○﹂が口癖で、それは憑友が纏っても同じ様に言った
りしている。
ーーー
シン
CV:鈴村健一
本名はシン・アスカ。
モビルスーツ
カード名は︻運命の翼 シン︼
他の次元世界でM Sと呼ばれるロボットを使用して戦った少年。
己が﹃英雄﹄になる前に両親と妹を失っており、ロックの事を自分
と同じ道を歩んでほしく無いと願っている。
格闘戦においては無類の強さを誇るが、ロックとの相性では最悪の
数値を叩き出されてしまい、ロックには使用する機会が無かったが、
ロックから憑友に手渡された後は憑友の﹃英雄﹄として共に戦って
688
いる。
尚、憑友との相性は最高値を叩き出している。
MSの名前はデスティニーで、﹁運命﹂の名を冠していて、
格闘戦、近接戦、遠距離砲撃の3種類をバランスの良い機体構成に
なっているが、ロックの時は砲撃ばかりで、憑友の時は逆に近接及び
格闘戦が専らである。
ーーー
キラ
CV:保志総一朗
本名はキラ・ヤマト。
カード名は︻自由の翼 キラ︼
上記のシンと同じ世界出身。
シン同様MSと呼ばれるロボットを扱い戦場を生き抜いてきた。
大切な親友と幾度となく敵対してきたが、後に和解し、共闘した。
その後も自分の思いを胸にひたすら世の中の戦争を無くそうと努
力している。
ロックの理想と共感しており、ロックを助力している。
MS名はストライクフリーダムで、﹁自由の祈り﹂とも称されてい
る。
ロックとの相性は最高で、全方位の敵を一掃する対艦戦闘並みの力
を持っている。
銃撃においては凄腕の実力を誇る。
ーーー
アスラン
CV:石田彰
本名はアスラン・ザラ。
カード名は︻正義の翼 アスラン︼
キラとシン⋮2人と同じ世界出身で、キラの親友にしてシンの上
官。
キラとシンのブレーキ役であるため、2人に関しては悩みの種と
なっている。
689
だが、戦闘指揮能力は高く、連携して攻撃をする事が出来るだけで
なく、近接及び遠距離砲撃をバランスよく扱えている。
キラ,シンと共にロック側についていたが、東京スカイタワー襲撃
戦時にロックから霊風へと手渡された。
MS名はインフィニットジャスティスで、
﹁正義への改変﹂と称され
ている。
こちらは逆に霊風の長柄の扱い方が影響している為か、霊風との相
性は最高値を叩き出している。
その他の攻撃方法も素っ気なくこなせている。
ーーー
カナタ
CV:松岡禎丞
本名はカナタ・エイジ。
カード名は︻空戦魔導教官 カナタ︼
キリトとよく声が似ているが、こちらは地上戦よりも空中戦が得
意。
ホバーボートを使って空中を高速移動する。
愛剣が2つあるが、両方同時に出す事は無い。
ロックについてる少女、ユーリ・フロストルとは同じ世界出身であ
り、上司と部下の間柄と同時に先輩後輩の間柄。
言葉を省略する癖がある。
ーーー
アラン&リザードン
CV:アラン︶小野賢章
リザードン︶佐藤健輔
本名は2人ともそのまま。
カード名は︻メガシンカ使い アラン︼
サトシと同じ世界出身で、︽カロス地方︾と呼ばれる土地の出身ト
レーナー。
相棒のリザードンとはサトシとピカチュウのように、固い絆で結ば
れている。
690
ロックについてるが、己の力を発揮する事がまだ出来ていない為、
使用を控えるように促している。
ーーー
ライダー
CV:大塚明夫
本名はイスカンダル⋮彼の征服王その者である。
カード名は︻﹃征服﹄の騎乗兵 ライダー︼
霊風が所持していたが、弦十郎に護身用として持たされている。
何気に弦十郎とは親しく、背中を預けているため、弦十郎のパート
ナー﹃英雄﹄と勝手に言い始めた。
ーーー
一輝
CV:逢坂良太
本名は黒鉄一輝。カード名は︻一刀修羅 一輝︼
死の魔眼﹄の持ち主。
高速で攻撃する事が可能なタイプ。
冷たい物が苦手だが、ハーゲンダッツのストロベリーだけは食べ
る。
ーーー
アイチ
691
剣術としては腕があるが、魔力が低い為に、最弱の烙印を押された
戦士。
織
憑友と共に行動するが、自らの力を発揮する事が出来ずに葛藤して
いる。
ーーー
両義式
CV:坂本真綾
本名はそのままだが、赤と青の組み合わせの服装時は、両義
となる。
カード名は︻直死の魔眼 両義式︼
"
霊風が所持していた﹃英雄﹄にして、神をも殺しにかかる程の眼﹃直
"
CV:代永翼
本 名 は 先 導 ア イ チ。カ ー ド 名 は︻パ ラ デ ィ ン ヴ ァ ン ガ ー ド ア イ
チ︼
ブラスター・ブレード
騎士達の先導者︽ヴァンガード︾を指揮する存在。
切り札は自らの分身
ていたが、憑友が両方を回収した後、霊風の手に渡る。
フィーネの策略により、下記のミラ共々ネフシュタンに飲み込まれ
本名はジュード・マティス。カード名は︻絆の拳 ジュード︼
CV:代永翼
ジュード
ーーー
いる。
相変わらず食事は非常食以外食わない為、霊風はいつも手を焼いて
ノイズに融合されたが、霊風が回収して、彼の元に就く。
フィーネによって保管されていた。
元は鉄華団のメンバーの1人。
本名は三日月・オーガス。カード名は︻鉄華団の悪魔 三日月︼
CV:川西健吾
三日月
ーーー
燃料補給の件は後程分かる。
ノイズに融合されたが、ロックが回収し、以降は彼の元に就く。
がされた。
3枚一組のカードだったのだが、フィーネによって無理矢理引き剥
本名はそのまま。カード名は︻もう一つの人格 クロエ︼
CV:斎藤千和
クロエ・フォン・アインツベルン
ーーー
ノイズに融合されたが、憑友が回収に成功と同時に彼の元に就く。
"
以降は医療関係では皆からお世話になっている。
ーーー
692
"
ミラ
CV:沢城みゆき
本名はミラ・マクスウェル⋮精霊達の主である。
カード名は︻若き精霊の主 ミラ︼
フィーネの策略により、上記のジュードと共にネフシュタンに飲み
込まれていたが、憑友によって回収した後、ロックの手に渡り、以降
は彼の所でお世話になる。
化け物クラスの食漢で、体型が崩れない。
セイバーとタバサとは気があうが、3人よってしまうと後が大変に
なるのは言うまでも無い。
ーーー
円堂
CV:竹内順子
本名は円堂守。カード名は︻鉄壁のゴールキーパー 円堂︼
693
世界一にも輝いた超が付くほどのサッカーバカ。
実は霊風がこっそりと下記の豪炎寺と吹雪と一緒に隠し持ってい
た。
最強のゴールキーパーと言う事もあってか、どの攻撃も全て受け止
める最硬の持ち主。
ーーー
豪炎寺
CV:野島裕史。
本 名 は 豪 炎 寺 修 也。カ ー ド 名 は︻炎 の エ ー ス ス ト ラ イ カ ー 豪 炎
寺︼
サッカーを心から愛している青年。
円堂と同じサッカーバカ。
霊風がこっそりと隠し持っていた後、憑友の方に手渡され以降は彼
の元に就く。
炎の蹴りで全てを燃やす⋮
ーーー
吹雪
!
CV:宮野真守
本名は吹雪士郎。カード名は︻氷のエースストライカー 吹雪︼
上の円堂と豪炎寺と同じ世界の出身で、共に世界一にもなった実力
者。2人と同じサッカーバカ。
相手の動きを封じるディフェンスと、攻撃のオフェンスと、2つの
力を持ち合わせている。
霊風がこっそりと隠し持っていた後はロックの方へと渡る。その
後はロックの元に就く。
694
嘘予告
﹁これって一体⁉
﹂
﹂
ノイズとは異なる存在
﹁ギャォォォーー‼
﹁﹁やれ‼
﹂﹂
﹃ギャガャガ‼
﹂
達⋮
﹄﹃イーッ‼
﹄
?
?
﹁ネガー‼
そして⋮
﹂
絶対絶命のピンチ
その時
﹁行くぞ
﹂
﹂﹂﹂
1人の青年が50mを超す
﹁﹁﹁変身
になれば、
し
﹂
光の巨人
に変身する事なれば、
仮面の
3人の男達が腰に、腕にベルトやブレスを装着し変身する
超人
ほ
"
﹁この地球を⋮舐めるなよ
1人の人間と、4人の異種族が変身して戦う
になれ
凄腕チーム
"
"
"
"
!
この星を無かった事にしようとする謎の敵
﹁この星を⋮リセットする
﹂
完全な闇に覆われている不気味な存在達。
?
!
!
!
!
自分達よりも多い多数勢力と、それを仕切る異形と呼べる怪人達。
?
自分達よりも遥かに上回る身の丈を誇る怪獣・宇宙人⋮
!
憑友達︽精魂導師︾の前に突如として現れた、
響達︽シンフォギア装者︾と、
!
?
﹁何が起きているんだ
﹂
それはあくる日に起きた出来事だった⋮
?
﹁フォフォフォフォフォフォ⋮
"
!
!
"
695
!
?
"
ば、
﹁私達は
﹂
﹂﹂
﹁大いなる闇を﹂
﹁﹁取り除く
妖精を引き連れた2人の女の子達が変身する
けつける
そして⋮
﹂﹂﹂
﹁俺達の住むこの星は⋮
﹁﹁俺達が守る‼
︽精魂導師︾覚醒の時
劇場版︵風︶
戦姫絶唱シンフォギア∼とある戦士の物語∼
伝説の戦士
ーIgnitionForceー︹四英雄の絆︺
近年投稿開始
続報を待て⋮
!
が駆
"
!
!
696
!
?
"
!
!
何が
﹁で、済みましたか
ん
﹂
﹁あんな嘘予告言ってるんじゃないですよ
え∼
だいたい如何するんですか⁉
?
下さいよ⁉
は∼い。
﹂
﹂
嘘ついても良い日だよな
﹂
?
⋮ところで、今日は何の日か知ってる
﹁エイプリルフールでしょ
嘘ついたらいけないんだからな
それって何月何日
﹂
﹁4月1日でしょうが
⋮
!
?
んじゃあ、今日の投稿日見た
﹁は
?
!
?
?
?
697
?
!
さっさと投稿して、無印編もとい︽ルナアタック編︾を終わらせて
!
?
﹄じゃない
﹁﹃え∼
?
あんた、まだG編にすら行ってないんですから
!
?
?
?
この嘘予告は本当にやるつもりだぜ
﹂
!
698
そうだ
﹁マジかよ⁉
?
!
!
﹂
﹂
?
4月⋮2日⋮
は
んじゃあ、その日以降は
﹁⋮嘘ついちゃいけない日だ⋮⁉
﹂
もう気付いても遅いもんね∼
﹁まさか⋮⁉
そのまさかだ
?
この嘘予告を聞いた奴等、まんまと騙されたな
!
?
!
?
4月1日が嘘ついても良い日だよね
?
大マジだぜ
と言う訳で、響ちゃん達の活躍は勿論だが
今回は憑友達︽精魂導師︾の活躍に乞うご期待だぜ
﹁マジでやるのかよ⋮orz﹂
だって、その方が面白いじゃんか
最近のはこう言うシチュエーションがありありなんだぜ
﹁だからって、俺達を巻き込むな∼⁉
﹂
某特撮系のはテレビ版後に直結した映画が主流なんだから
?
﹂
いつ投稿するのかは分かりませんが、極力早めに皆様方にお見せし
と言う訳で、この嘘予告は本当の予告
﹁ふざけんな∼∼⁉
安心しろ。君の周りには呪われ体質がごまんといるんだ。
?
!
たった数件なんてあんまりだから⁉
?
たいと思いますので、お楽しみに∼∼
後、感想送って∼∼⁉
699
!
?
!
!
!
!
!
?
第2章 G編∼フロンティア事変∼
#プロローグ
それは突然として始まる物語⋮
貴方は今日、またこの世界へと帰って来ました。
再び描かれるのは、3人の歌姫と、3人の導師が描いた軌跡。
その世界のとある人の夢から、この物語は始まるのであった⋮
ーーーーーSIDEto
此処は何処
﹄
私の事を⋮知っている人なのかな⋮
怖かった⋮けど、足が動かない⋮
すると私の天井もとうとう崩れてきた。
まるで金縛りに遭っているかのように。
!
そう考えていたら、天井が崩壊しながら此方に迫ってきていた。
でも、私はその人の名前を知らない⋮
?
知らない筈なのに⋮何かが引っかかる。
だけど、私はその人の事を⋮知らない。
私は振り返ると、そこには1人の女の子が私の名前を呼んでいた。
⋮誰かが私の名前が聞こえてきた。
﹃■■ナーー
そして瞳から⋮血が流れていた⋮
そんな中で、周りは火の海になっていた。
色が見えず、ただ白と黒と灰色の謂わばモノクロのような光景。
私はなんでこんな場所にいるんだろう⋮
??
■■ナ
﹄
もう此処までなんだ⋮そう思っていたら、何かに引っ張られた。
﹃大丈夫か
!
になっていた。
よく見ていたら、かなり身長が短いけど、目先は私とほぼ同じ。
700
?
?
!
男の声だった。私はその人の事を知らない筈なのに⋮心が安らか
!
何方かと言うと男の子と言う感じが一番適当だと思う。
だけど、その人の名前を私は知らない⋮
すると男の子が私の手を握り、一緒に歩かせる。不思議と拒絶反応
が無い。やっぱり私はこの人の事を知ってるんだ⋮身体の方が。
だけど、神経や脳ではそれは知らないと主張していた。
そんな気分だった。
すると男の人の前方で天井が崩壊した。
周りはもう火の海。逃げ場なんて無かった。
だけど、男の子は私をそのまま身体の方へと引き寄せると、そのま
﹄
ま男の子は私を崩壊した天井の抜け道らしき物に指を指して、私をそ
の中へと入れさせる。
﹃貴方はどうするの⁉
そう促すように言われ、私はそのまま先に行ってしまっていた。
だから、それまで⋮生きててくれよ﹄
﹃後で必ず追いつく
急に発したのは⋮意外にも自分の声だった。
?
﹄
そんな中でも私はその施設から抜け出し、
﹂
そして施設から抜け出て約300mを歩いた所でそのまま倒れた
⋮
﹁⋮はっ‼
突然、ドアのノック音が聞こえて来た。
コンコンッ
そう考え込んでいると、
何時からそうなったのだろう⋮駄目だ。全然思い出せない。
だけど、あんな夢を見たのは初めてかもしれない。
如何やら、夢の様だ。
?
701
!
そして抜け道から出られたと同時に、抜け道が完全に塞がれてし
■■ーーー‼
まった。
﹃
?
それは先程の男の子の名前なんだろうか。
!
﹂
私はそのノックに対して返事をすると、そのドアの向こう側にいる
起きてた
人物が話しかけてきた。
﹁あ、セレナ義姉さん
?
﹂
﹁そう⋮こっちの部屋にまで魘され声が聞こえていたから心配したよ
結させた﹃英雄﹄の1人である。
そして、月の欠片の衝突︽ルナアタック事変︾と呼ばれる事件を終
む家族の息子⋮
如何やら、話の相手は私の義理の弟にして、私が住んでいる家に住
﹁憑友⋮う、うん。ついさっき﹂
?
そう言いながら、憑友はドア越しに話しかける。
そっか⋮憑友には迷惑かけちゃったな。
﹁うん。ごめんね﹂
私はそう返事をすると、憑友は何事も無かったかのように雑談へと
話を変えた。
如何やらこの後、二課からの依頼で、憑友の幼馴染で﹃英雄﹄の1
人の響ちゃんと一緒に護衛任務に就くとの事で、早めに朝食を食った
そうだ。
とは言ったものの、私は時計を見るとそこにはまだ明け方の3時過
﹂
ぎである事をアナログ式の目覚ましがお知らせしていた。
﹁帰りは
﹂
!
憑友は居なくなったと言う事かもしれない。
そう言うとドア越しから感じたオーラが消えた。
﹁ああ⋮行ってきます﹂
﹁⋮気をつけてね﹂
る予定があったんだ。
緒に、翼さんのスペシャルライブ﹃QueenofMusic﹄を見
私も今日は憑友と響の幼馴染である未来ちゃんや馬燈君たちと一
そうだった⋮私とした事が、うっかり忘れてしまっていた。
に行くんだ
﹁今日はその依頼が終わればまっすぐ翼さんのスペシャルライブに観
?
702
?
そして話をし終えた私は改めて自分の身体を見てみた。
明らかに尋常じゃない程の汗が出ていた。
ベトベトしてる⋮仕方ない⋮こう言う時は天然の方に行こうかな。
↓セレナーーー
そう言うと私は身支度を済ませると、とある場所へと向かった。
ーーー
1人
一体
どう捉えれば良いのか分からないけど。
⋮いや、1人だけいるか。
こんな時間に誰か入って来る事はまず無いだろう。
が入っている。着替え用である。
そして左手にバスケットを持ってきているが、その中には私の私服
まで此処まで来ていた。
とある場所に着いた私。格好は汗でベタ付いていた寝間着姿のま
??
セレナちゃん﹂
翼と爪が一つに合わさっている翼竜タイプのモンスターである。
その身は翠色の鱗と甲殻を纏っており、
本名はリオレイア。
彼女の名前はレイア。
から尻尾が出ていた。
だけど、背中には無数の小さな棘が付いてて、よく見ると腰の辺り
す。絶対に⋮多分︶女の子⋮
2つに分かれた立派な双丘をたわわに実っている︵羨ましくないで
緑の髪で、瞳は髪よりも深い翠色の目をしている。
私の所へ1人の女の子がやって来た。
﹁あ、如何も。レイアさん﹂
﹁如何かしたの
そして近くに置いてある桶を持って、湯浴みを掛けてると、
しかもこれは実は源泉から直接持ってきているから、暖かい。
此処は天然の露天風呂で、お肌がスベスベになったりできる。
そこにあったのは、濁り湯と呼ばれる﹃温泉﹄の一種だ。
バスローブを身に纏って、その場所に行く。
そう言うと私はそのまま服を脱ぎ、産まれた時の姿へと変え、
?
?
703
?
そして何よりも、その強靭な毒仕込みの尻尾と、脚力の持ち主で、
︻陸の女王︼とも呼び声が高いドラゴンである。
尤も今は﹃擬人化﹄して人の姿に変わっているだけなんだけど。
そんなレイアさんが何故、此処で温泉に浸かっているかと言うと、
旦那さんが帰って来て、1人でいられる時間がこの時間帯だけだと
言う事らしい。
レイアさんはこう見えて子持ちだ。それも一度に6人の子供を産
んだ凄腕ママさんドラゴンなのだ。
三男三女の6人兄弟姉妹である。
それにみんなそれぞれ特徴を持っている。
長男は銀の鱗と甲殻を持っている冷静沈着のソル
次男は青い鱗と甲殻が特徴の豪快な性格のリソウル
三男坊はクリムゾンカラーの甲殻と鱗が特徴で、甘えん坊だけど2
人の兄にも負けない強さを誇るコクエン
704
長女は金の鱗と甲殻を持っていて、美貌すぎるルナ
次女は桜色の鱗と甲殻で、天真爛漫なリハート
三女は母親似だけど、臆病で怯えてしまうと母よりも強い猛毒を
放ってしまうのが玉に瑕のシドク
そんな個性豊かな兄弟姉妹を彼女は昼間たった1人で世話してい
るのである。
そしてその旦那さんはと言うと、その間に様々な肉を調達してはそ
れを奥さんにあーんと言いつつ口移しして食べさせていたりする程
熱々カップルである。
しかもこれがまた生粋のイケメンときた。
⋮話が逸れたから戻さないと。
そんな理由で今この時間帯は基本的にレイアさんが﹃擬人化﹄した
﹂
姿で風呂と言う名の温泉に浸りに来ているのだ。
﹁悩み事
レイアさんからの言葉で私は今朝の夢を話した。
﹁⋮今朝夢を見てて﹂
?
するとレイアさんは、
﹂
﹁⋮それはもしかしたら忘れていた記憶だったりするかもね﹂
﹁記憶⋮ですか
そう言ってきた。
記憶⋮
確かに、私は元は此処の家族の1人じゃない。
私の元の名前はセレナ・カデンツァヴァナ・イヴ。
だけど、
カデンツァヴァナのセレナとしての記憶が⋮私には無い。
あるのは、自分が﹃人絆セレナ﹄としての記憶しか今は無い。
義理の母親であるジャンヌ義母さんから話は聞いていた。
私は一体、何者なのだろうか。
その感情しか今の私には無かった。
﹁何はともあれ、その夢は憶えて置いて損は無いから﹂
そう言うとレイアさんが上がっていった。
もう少し教えて欲しかったけど、これは自分の問題だ。
けど、分からなくなったら、皆んなに聞いてみよう。
きっと、私の記憶が戻る方法があるかもしれない⋮
ーーーーーーNO SIDE
貴方はこの物語の目撃者になるのかもしれません⋮
これから始まる物語は、果たして何が待っているのだろうか。
!
705
?
戦姫絶唱シンフォギア
∼とある戦士の物語∼
︹G編・フロンティア事変編︺
︽シンフォギア︾VS︽シンフォギア︾
︽精魂導師︾VS︽精魂導師︾
?
706
果たして、その戦いに意味はあるのだろうか
次回へ続く⋮
!
#1 ガングニールの少女 炎の導師
数多の宇宙には﹃地球﹄と呼ばれる星がある。
だが、それはまた別の次元で可能性が秘めていたりする。
恐竜がまだ絶滅していない地球
超常現象が相次ぎ、人が住めない地球
怪獣・宇宙人・怪人・化け物が徘徊する地球
何事も無い平和な地球
これだけ挙げてもまだほんの1部であるが、それ故に地球と言う星
は無限の可能性を秘めていた。
・
・
そしてこの物語の地球では地球の衛星である﹃月﹄が大きく関係し
ていた。
その月は⋮土星のような姿になっていた。
707
別に土星の様に大きいのでは無い⋮
土星のように、月の周りに小さな粒子が周りをくるくると回ってい
るのである。
此処はそんな世界で生まれた6人の少年少女達の物語⋮
ーーーーー
激しい豪雨が降りしきる中、一台の列車が路線を走る。
しかし、その列車の上空では大量の不気味な生物が列車を襲おうと
今か今かと待ち構えていた。
列車は搭載してある兵器で迎撃しようとするが、
生物には全くもって有効打にならなかった。
生物の名は︽ノイズ︾。
別名︻認定特異災害︼とも呼ばれるこの生物は、人を殺す事に特化
した謂わば殺人兵器である。
するとノイズ達は一斉に列車に襲いかかった
!
そのまま車内の従業員達をなんと灰へと化えた
﹁きゃっ
﹂
﹁大丈夫ですか⁉
﹂
すると列車が爆発を起こした。
である。骨の欠片を1つも残さずに。
彼等に触れた者は彼等諸共灰となってこの世から消えてしまうの
!
﹂
﹁平 気 で す
それよりもウェル博士は車両の前方へ避難して下さい
男性は安否を確認するが、女性はそのまま立ち上がる。
それにより白衣を着た男性の近くにいた女性が倒れた。
?
!
た。
﹁大変です
凄い数のノイズが追って来てます
︽精魂導師︾の1人である。
雄﹄達を導く師者⋮
﹂
かつてこの世界の地球で起こった︽ルナアタック︾を阻止した﹃英
少年の名は人絆憑友。
始めた。
そう少年は促すと、皆は同時に頷くとそのまま前の車両へと移動し
﹁兎に角、今は前の車両へ行きましょう﹂
だった。
見た目はクリムゾンカラーの髪と、ルビーのような瞳を持つ少年
するとただ1人だけ黙っていた少年が少女達とウェルの間に立つ。
そして蒼海の髪と青い瞳の少年⋮ロックがそう言う。
白い髪の少女⋮クリス。
上からオレンジ髪の少女⋮響。
﹁まるで何者かに操られている⋮そんな感じしかしないな﹂
!
!
﹁連中⋮明らかにこっちを獲物として定めてやがる⋮
﹂
するとウェルの後ろのドアが開いて、そこから4人の男女が現れ
女性がそう言うと白衣を着た男性⋮ウェルは頷く。
!
!
ーーーーーーSIDEto
??
708
!
﹁第71チェックポイントの通過を確認。
岩隈の米軍基地はもう間もなくです。ですが
﹂
﹁このままだと基地にまで被害が及び兼ねない⋮如何します
しか言いようが無い。
通信です
相手は⋮人絆玄也さんからです
このまま如何したものか⋮
﹁
玄也から⁉
彼等に伝えておいてくれ。
司令﹂
と言いたいが⋮今回ばかりは感謝する﹂
今回はなんとしてでも敵の手に渡って欲しくないんだろ
顔に出てるぞ﹄
な⁉
﹁余計なお世話だ⁉
?
﹃とりあえず、憑友達の方にラギアとレウスが向かって行った。
る。
全く⋮お前は何処から監視し続けているのやら。頭が思いやられ
﹁ああ⋮﹂
かなりの被害だな﹄
それよりも、此方も小型カメラ搭載のミニヘリで確認した。
﹃⋮怒ってるなら誤るよ。
﹁何処かでのんびりと発掘調査している奴等と一緒にしないでくれ﹂
﹃相変らず厄介な案件に巻き込まれてるね⋮﹄
そう言うとオペレーターである藤堯が通信をした。
﹁⋮出てくれ﹂
﹂
うん⋮敵の狙いがおそらく︽ソロモンの杖︾の強奪を考えていると
?
!
!
﹂
憑友達に通信を
﹁りょ∼か∼い
!
牧藁
﹂
﹁言ったそばからもう来たか⋮
2つ確認﹂
﹁司令。第73チェックポイント付近の上空から高エネルギー反応が
⋮全く。お前は本当に自分の息子には甘すぎるんだからな。
そう言うと玄也は通信を切った。
?
?
!
!
709
!
?
!
今回は如何なるのやら⋮
お手並み拝見とさせて貰うぞ⋮︽精魂導師︾
ーーーーーーSIDEto憑友
雨が降りしきる中、俺は車内にて手持ちのカードを確認した。
今手持ちにある﹃英雄﹄達のカードは⋮
︽ルナアタック︾後に回収した﹃英雄﹄上条当麻
かつての相棒を探すドラム・バンカー・ドラゴン
瞬間移動が得意の黒鉄一輝
こ
う
言
う
時
ハンマー攻撃とランチャーの攻撃が得意の海道ジン
せんせー
かつての大事件で敵の手元にいて、こんな雨の日に限って役立たず
の無能な錬金術師のマスタング大佐
そしてこの俺のパートナー﹃英雄﹄キリト師匠
⋮少ない。大誤算だった。
﹁3ヶ月前に世界に衝撃を与えた︽ルナアタック︾。それを景気に、日
本政府が開示した﹃櫻井理論﹄。
そのほとんどが未だ謎に包まれています﹂
確かに⋮
でも、この博士は知らないんだろうな。
俺達がその1ヶ月後に起こった事件の事を。
⋮いや、知らない方が良いのかもしれない。
710
なんでこんな時に限って、空を飛べるのが1人しかいないんだよ。
ミスった∼⋮
まさか、その他の奴等全員家に置いてくるなんて⋮ユイちゃんや
﹂
ヴィヴィオちゃんがいないのは良かったけど、他の人達がいないのは
結構痛い。
﹃落ち込んでいても仕方ないだろ
それよりも早く動くぞ﹄
⋮ああ。そうだな⋮ライドさん
高速で移動するノイズがいるのか
﹁はい⋮はい⋮多数のノイズ達の中に高速で移動するパターン⁉
!
そう考えていたら、白衣を着た男性⋮ウェル博士が話し始める。
?
?
!
嫌な予感しかしないから。
霊風先輩もこのウェル博士の事は如何も嫌いなようで、警戒を怠る
なと言われていたけどな。
アー ク セ プ ター
転生者である霊風さんだからこその考えだな。
﹁ですが、この完全聖遺物︽ソロモンの杖︾を解析し、世界を脅かす認
﹂
定特異災害・ノイズに対抗しうる新たな可能性を模索する事が出来れ
ば⋮
﹁そいつは⋮︽ソロモンの杖︾は簡単に扱っちゃいけねぇんだ⋮﹂
⋮クリスさん。
﹁クリス⋮﹂﹁クリスちゃん⋮﹂
クリスの言っている事は間違いとは言えない⋮説得力がある。
﹁尤も⋮私がとやかく言われる筋合いは無いんだけどな﹂
⋮否定したいけど、否定出来ない。
かつて、クリスさん自身がその︽ソロモンの杖︾を使っていたから。
﹂//
//////⋮お前、本当の馬鹿⋮﹂
ちょっお前
⁉
!
⋮
如何した
ロック
?
何処からそんな言葉が出て来た⁉
﹁⋮これが百合と言う奴か﹂
おいちょっと待て⁉
﹂
⋮出番みたいだな
﹁了解しました
﹁
﹂
?
!
?
だけど⋮そんなのは関係無い。
うわぁ
そう思っていると響がクリスさんの手を握った。
﹁⁉
﹁∼∼∼∼‼
﹁大丈夫だよ﹂
!
?
あはは⋮流石、響だな。クリスさんがデレたようん⋮。
?
?
!
バーを回した。
すると俺達の頭上からノイズが降り注ぎ始めた
﹁貴方達は今現在、此方にラギアとレウスが急行してるから彼等の力
きた。
すると友里さんは拳銃で撃ちながら、俺達の方を向くと話しかけて
!
711
!
?
?
クリスさんの答えに女性⋮友里さんが頷きながら、拳銃のリボル
!
を
﹂
﹁﹁了解
﹂
﹂﹂
﹁行きます
そう言うと俺とロックは自身の基本スタイルであるカードを取り
出し、ライドさんとロックのデバイス・ソウルを左腕に装着させ、そ
﹂
ー
してカードを装填し、レバーを引く
﹁﹁変身﹂
フォーム、オ・レ
ーライド
ー
!
n⋮﹂
そして俺とロックの周りを炎の魂と水の魂が駆け巡る⋮
⋮
ー
ー
!
俺が頂く
俺に宿れ
そして最後に魂を俺とロックはその身に纏った
ー英雄の魂
!
ーお前らの魂
!
ンがあれば
﹁あ痛⁉
﹂
なんで
ボコンッ
﹁⋮取り敢えず﹂
!
!
んなもん⋮
?
⋮そう言う事だ。
﹁そう言うのは温存しておくのが一番。という事だろう﹂
なんで
そう言うと俺はそのまま響にゲンコツをお見舞いさせた。
﹂
﹁どんな敵がどれだけ来ようとも、訓練してきたあのコンビネーショ
﹁針雀がうじゃうじゃと⋮﹂
挿入歌︵﹃正義を信じて、握り締めて﹄悠木碧︶
そして開口一番に響が拳で天井を開けて、地上へと顔を出す。
わった。
そう発生音声が聞こえると同時に響とクリスも戦闘時の姿へと変
!
!
そして響とクリスも徐々にその格好を戦闘時の姿へと変えていく
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
!
フォーム、フォーマル
ーソウル
!
!
!
?
712
!
!
!
!
ってか、勝手に人の台詞取るなよ、ロック。
﹂
⋮それはそれとして。
﹁分かったか
ん
がいた
そこにはラギアの背電殻を爪の脚力だけで持ち抱えていたレウス
するとロックが俺に手をやると指を指す。
﹁如何した
﹂
チョンチョン
やれやれ⋮
﹁はぁ∼い⋮﹂
?
ラギア
﹂
レウス
﹂
だったら一丁、派手にやりますか
﹁来い
﹁来てくれ
!
!
﹁﹁狩猟解禁
本能解放‼
﹂﹂
?
そして左腕のアブソーバーに其々のパネルボタンを押した
ーーLight bow gunーー
ライトボウガ
"
如何やら今回は一緒のようだ。
が現れた。
すると俺とロックの手元に﹃軽弩﹄と呼ばれる武器
ン
其々
憑友のは/火竜砲/
ロックのは/雷砲サンダークルス/
!
俺は火竜と呼ばれしドラゴン⋮リオレウスの装備を其々纏った。
ロックは海竜と呼ばれしドラゴン⋮ラギアクルスの装備を、
そして包み込んだ時、俺達の姿は変わった。
む⋮
そう言うと俺とロックの周りをレウスとラギアのオーラが包み込
!
体は俺達の体へと吸収された。
そう言うと俺とロックの元へラギアとレウスが急行し、そのまま2
!
!
あおいさんの言う通りだったな。
へっ
!
!
!
713
?
?
!
"
ス タ イ ル
エ リ ア ル
そして今回の俺達のやり方は⋮空中戦。
﹂
そして俺達は其々の弾をリロードする。
﹁喰らえ
そう言うと俺は弾を撃つ
速射対応・火炎
が発揮されてい
その弾はそのまま連続で3発連続でノイズ達にヒットするやその
まま火を起こした
俺のこの武器/火竜砲/には、
る。
"
ガン﹄にはその
速射対応
のボウガンが多く存在するとの事。
いや、正確には俺とロックが身につけてるこの武器種﹃ライトボウ
回数の弾をその後に連続で撃ってくれる代物である。
これは俺が撃った弾の種類が、
﹃火炎弾﹄なら1発放つだけで、規定
"
!
"
くっていた。
/雷砲サンダークルス/は
る。
速射対応・貫通Lv2
が備わってい
"
しかし⋮このままだと埒が明かないな。
此処に来て⁉
⋮あのノイズ⋮色が違う⋮
特異型
使える奴がいるって
?
響達の方も順調に数を減らしていっている。
あれ
﹂
﹁あれって、まさか⋮﹂
﹁﹃特異型﹄⁉
うわっ、マジかよ⁉
え
?
?
をそのまま貫通させる効果を持つ弾丸を連続で放てると言う物だ。
此方は逆に﹃Lv2貫通弾﹄と呼ばれる弾丸を使用する事で、相手
"
現に、俺が撃っている間にロックも自分の武器で連続で弾を撃ちま
"
⋮しょうがない。借りよう。
?
?
は一度使ったら、再使用出来るのが、最低でも1時間掛かるんだ。
ほら、俺一応死んでる身だから。
﹁御免、ロック﹂
﹁⋮ほら﹂
714
!
!
?
確かにそうだけど、ロックの﹃英雄﹄達とは違って、俺の﹃英雄﹄達
?
俺の顔に書かれてた
そう言うと俺は俺にカードを手渡してきた。
え
ロック
﹁あまりにも軽装だったから怪しいなと思っただけだ﹂
ありがとう
﹁おう
﹂
﹁さ、始めるぞ﹂
!
フォーム、フェイト
て、レバーを引いた
ーライド
ー
!
す。
そう心の中で言うと俺はその魂を纏った
ー疾風迅雷
雷光一閃
ー
!
フォーム、ユーリ
バーを引いた。
ーソウル
!
ー
ー
!
に空中だ。
﹁一気に仕掛けるぜ
﹂
!
デバイス
﹄
﹄
フルドライブ
フルドライブ
﹃ライド・フェイト
﹃ソウル・ユーリ
!
ト
が二刀流に別れた
そう言うと俺が所持するフェイトの愛機
!
!
バルディッシュ・アサル
そう言うと俺共にロックは同時にドライブボタンを叩いた。
﹁ああ
﹂
変身したロックは俺の隣にまでやって来る。因みに俺達2人は共
ー石化の槍の、ブリューナク
そしてロックはカードから現れた魂を纏った。
ま﹃擬人化﹄と呼ばれる能力を用いて、列車の上に立った。
するとロックはラギアを列車の上に排出させると、ラギアはそのま
!
そしてロックの方もカードをアブソーバーに装填し、そのままレ
!
その際にレウスが体から排出され、レウスは元の竜へと戻った。
!
フェイト⋮なのはさんの親友だったな。今日は宜しくお願いしま
!
!
そう言うと俺はロックから借りたカードをアブソーバーに装填し
!
!
"
!
715
?
!
!
﹃RiotZamber・Stinger.﹄
"
﹁一気に決める
はぁぁぁぁあ
﹂
そう言うと俺は﹃特異型﹄に無数の斬撃を連続で斬り掛かる
!
還させて、待機させていたのだ。
フォトンランサー・ファランクスシフト
その数は30発。これで蜂の巣だ
﹁
‼
﹂
?
と襲い掛かる。
その間にロックはユーリさんの三叉型の愛槍
槍投げの用に構えた⋮
と還ろ
⋮貫け
トリオン・ゴルゴン
﹂
トリシューラ
を
穿たれし者に、聖なる神の加護と共に、その身を衝撃で割れる物へ
"
そして徐々に貫かれた部分から石のように硬くなり始めた
そのまま真っ直ぐ飛び、そのまま﹃特異型﹄にヒットした
故に、その魂に宿っている存在が消える事は無い。
揮させているのである。
そのカードを使う事で、俺達はその魂達の器となって、その力を発
ドの事である。
︻ヒーローカード︼は、簡潔に言うならば﹃英雄﹄達の魂が入ったカー
ているカード︻ヒーローカード︼が顕現されるのである。
その﹃英雄石板﹄に書かれている文字を解析する事で、俺達が使っ
る。
現在分かっているだけで、その数は400種類は既に確認されてい
にも認定されている物である。
それは、俺達︽精魂導師︾が無くてはならない物にして、世界遺産
﹃英雄石板﹄
出した
おれはそこを見逃さず、すかさず突き出ていた﹃英雄石板﹄を取り
!
そう言うとロックはそのままユーリさんの愛槍を投げた
"!
﹁
!
"
その合図と共にスフィアが針の形になって、そのまま﹃特異型﹄へ
"
!
無数の斬撃を加えつつ、その時に得たエネルギーをスフィアへと返
れていた。
そして最後の斬撃を与えた後、俺の周りに大量のスフィアが準備さ
!
!
!"
!
!
"
!
716
"
"
勿論、俺達自身も消えたりはしないのだがな。
と、そんな事していると、一枚の﹃英雄石板﹄が現れた。
と同時に、ノイズが石化したのを確認すると、俺は突き刺さったま
まのトリシューラを引き抜いて、その場から離れた。
﹂
そして列車の上に着陸と同時に、ノイズは地面と衝突、粉々に砕け
た。
﹁﹃英雄石板﹄回収完了
そうすると、ロック,クリスさん,そして響の3人がやって来た。
如何やら其方の方も粗方片付いていたようだ。
けど、まだまだ多いな。
それに、まだ一際動きが速い奴がいやがるな⋮
あおいさんが言っていた﹃高速移動するノイズ﹄の様だ。
﹂
﹂
﹂
おまけにあいつがこのノイズ達の取り巻きの様だ。
﹂
やべぇ⁉
ったく
?
﹁やってくれるぜ
﹁うん
﹂﹁如何した
何ボォーとしてるんだよ⁉
﹂﹁勿論
?
響と同時にそのまま列車の天井部分を殴った。
因みに俺達はまだ列車の上にいる。つまり、天井を叩くと言う事は
⋮
下に落ちるという事である。
?
俺はそのまま近くにいたロックの手を握る。
対して響はクリスさんをそのままお姫様抱っこした⁉
﹁ふはぁ∼。ギリギリセーフ﹂
ギリギリすぎてこっちの寿命が縮んだじゃねぇかよ
あ、俺死んでたんだった∼♪
﹁⋮そのノリはやめた方が良いぞ﹂
!
717
!
この先トンネルだってのに⁉
﹁響
?
?
?
?
!
⋮って、ちょっとクリスちゃん⁉
ん
!
如何したひび⋮き⋮って⁉
﹁あ
?
そう言うと俺の右腕に装着されていた武器︽刺突刃︾が出現すると
!
!
?
!
﹁はい、そうします﹂
﹁何はともあれ助かったぜ
﹂
攻めあぐるとはこう言う事か
如何いたしまして
﹁くそっ
﹂
﹂
﹁⋮それ、言葉として成り立ってるのか
﹁そうだ
﹁何か閃いたのか⁉
それとドンマイ、ロック。
﹂
﹂
もしかして今の考え⋮フラグだった
﹁師匠の戦術マニュアルで見た事ある
﹂
⋮嫌な予感しかし無いのは何でだろう⋮。
﹁まさかのスルー⋮﹂
!
!
弦十郎師匠
あんた、なに響に変なものを見させてるんだ∼∼⁉
﹂
﹂
帰ってきたらフルボッコだ∼∼‼
ーーー
﹄
﹁へっくしゅん‼
﹃⁉
﹁司令⋮大丈夫ですか
︶﹄
﹁何か嫌な寒気がして来た⋮﹂
﹃︵それ死亡フラグ
?
﹁こう言う時は、列車の連結部を壊して、ぶつければ良いって
あれ
!
?
かったりする⋮。
ーーー
﹁おっさんのマニュアルってのは面白映画だろう⋮﹂
﹂
﹂
﹂
﹁それに、ノイズ達は位相差障壁のおかげで、簡単にすり抜けられるぞ
列車をぶつけた所で意味が無いぞ
﹁憑友にも手伝って貰うからね☆﹂
⋮逃げても良い
﹁フッフッフ∼ン♪ぶつけるのはそれだけじゃ無いよ
?
718
?
その頃、弦十郎達の方ではそう言う事が起こったのは言うまでも無
!
?
?
!
?
!
!
?
?
?
?
!
?
﹁はい、巻き込みフラグ確定∼
﹂
そんな目で俺を見るな∼∼⁉
﹁うわぁ⋮﹁メタだぁ⋮﹂﹂
俺の身にもなりやがれ∼∼⁉
結局、俺はその響の提案に巻き込まれたのである。
そして計画通りに進めて行く。
既に基本形態に戻った俺とロック。
ロックとクリスさんの射撃で、連結部が壊されるや、響はその間に
割って入る。
﹂
﹂
分ったよ
﹁憑友も手伝ってよ
﹁あーもう
!
!
﹂
!
が火を噴き始めた。
フルドライブ
﹄
そして俺もアブソーバーのドライブボタンを叩いた。
﹃ライド・オレ
!
‼
﹂
そして列車からノイズの一部が出てきた
ブースト・ノヴァ
﹁アシスト全開
?
イズに拳をぶつけた
!
すると響のブースターの火が更に燃え盛り、そしてそのまま響はノ
を響に送る
ネルギーを集めた左手をはっけいの様に構えてそして全エネルギー
そう言うと俺はすかさず響の後ろに回るや、そのまま響の背中にエ
"
!
そう言うと俺は響の隣に立ち、左腕に全ての炎を凝縮させる⋮
!
!
!
そして響のアームドギア︹G G ナックル︺が巨大化し、ブースター
ガングニール
そう言うと俺と響は共に右手を構えた。
でも⋮悪くは無いな﹂
﹁⋮ったく。お前の口癖は幾つあるものか⋮
﹁2人一緒なら、平気へっちゃらだよ
そう言いながら、俺も一緒に引き離した。
!
!
719
?
!
?
"
その際に爆熱の炎を相手に浴びせていた⋮
ブースト・ノヴァ
如何したんだよ
﹁⋮可笑しい﹂
え
ロック義兄。
彼奴等⋮一体何処まで進化し続けるんだよ⋮
撃⋮更にその攻撃を加速させるかの様な爆熱の炎がアシストした⋮
閉鎖空間で相手の機動力を封じた上で、遮蔽物の向こうから重い一
ーーーーーーSIDEtoクリス
ふぅ⋮漸く依頼終了だな。
それと同時に明けの太陽が昇っていた。
その一撃を食らったノイズ達は一瞬で跡形も無く消え去った⋮
が出来るのである。
く、追加効果として、
︹炎︺の属性と︹火傷︺の状態異常を負わせる事
アシスト専用技で、アシストを受けた者の火力を上げるだけでは無
!
そんなのはあたいの知った事じゃねぇ。
に全てのエネルギーを与えていた⋮何故なんだ
﹂
﹁あれくらいなら憑友と共に放てば良ければ良いものを、彼奴は立花
?
でも⋮嫌な予感しかしねえのは何故なんだ⋮
?
?
720
?
#2 Queen
⋮あ﹂
﹁グォォォォ
﹁
﹂
sofMusic
その時にウェル博士が何か言おうとしたら⋮
それを聞いた皆も漸く気を休めたが、
了した。
友里が契約書にサイン代わりの印を押して今回の任務は無事に終
その後、漸く今回の護衛任務を終えた憑友一行。
'
ドだった
﹂
ゴテンッ
﹁あ痛⁉
﹁︹忘れるとは良い度胸だな
今度忘れたら黒焦げにしてやるからな
﹂
?
﹂﹂
﹁⋮ふん﹂
﹁﹁
﹁確かめさせて頂きましたよ﹂
︺﹂
をかました。
それを見ていたウェルは改めて4人に向かって話をしだした。
そう言いながら涙目になる憑友。
自業自得とは言え、かなり痛いよ⋮﹂
﹁⋮﹃今度忘れ物したら黒焦げにしてやる﹄って。
﹁⋮なんて言われたんだ
去ってしまったのであった。
そう言うとレウスは元来た場所の方角へとそのまま飛翔して飛び
!
!
?
憑友はそれを見ると、そこには憑友の元に就いてる﹃英雄﹄達のカー
するとレウスは口に咥え込んでいた物を憑友に渡してきた。
憑友はそんな事はお構い無しにレウスの方へと近付く。
それを見た米国軍人達は怯えてしまったが、
憑友はその声を聞いて上を見るとそこからレウスが現れたのだ。
!
!
するとレウスはそのまま顎で憑友の頭に拳骨
!
?
721
?
?
﹁⋮﹂
﹁皆さんが︽ルナアタックの英雄︾と呼ばれている事が伊達ではないと
いう事をね﹂
その話を聞いた響はそれに釣られて天狗に成ろうとしていたので、
憑友はそのまま響にデコピンし、響は地味に痛がっていたのは言うま
でも無い。更にそのままクリスから拳骨を貰ったのも言うまでも無
い。
こんな時でも響の不幸が発動するとは⋮恐るべし、響の呪われボ
ディ⋮。
そんな中でも、ウェルは話を進める。
誰からも信奉される⋮偉大なる﹃英雄﹄を
﹂
﹁世界がこんな状況だからこそ、僕達は﹃英雄﹄を求めている。
そう
その言葉を口にしたウェルに違和感を感じ始める友里。
ロックに至っては馬耳東風の様に軽く受け流していた。
しかし、そのウェルの話に首をつっこむ者がいた。
﹂
﹂
﹁⋮そんなの﹃英雄﹄じゃないね﹂
﹁
﹁憑友
それは憑友だった。
すると憑友は話を始めた。
﹁さっきから黙って聞いてりゃ、
﹃英雄﹄
﹃英雄﹄と連呼しやがって⋮
そう簡単に﹃英雄﹄になれるもんかよ
﹃英雄﹄達の何が分かるってんだよ
た。
﹂
﹃英雄﹄達の中には進んでなった者はいない。
周りからの信頼を得て初めて﹃英雄﹄になれる。
だが、この男は、まるで生贄を捧げられし者が﹃英雄﹄だとそう言
う風に捉えられたから。
722
!
﹃英雄石板﹄を1つ足りとも解析出来なかったあんたに⋮
!
ウェルの話は憑友から言わせれば、傍迷惑な話にしか聞こえなかっ
その言葉から怒りがこみ上げていた。
!
!
!
?
?
ある程度の話をした憑友は皆を連れて帰る。
そして帰り際にウェルに対してこう発言した。
﹁﹃英雄﹄になる者は、
自らの命を投げ売ってでも、護りたいものがあるんだよ⋮
﹂
ウェル博士⋮あんたの発言は﹃英雄﹄達への冒涜として捉えさせて
やる⋮
そう言いながら冷たい眼を向けた憑友はそのまま響達の方へと歩
み始めたのであった。
ーーーーーーSIDEtoロック
あの一悶着が終わった後、︽ソロモンの杖︾を託した俺達。
﹁やっと任務が終わった∼⋮﹂
⋮前々から言いたかったのだが、
何時になったらその口調を止めてくれるのだろうか。
もう少し女の子らしい言動を取ってほしいものだ⋮。
⋮でも、それ以前に気がかりな事がある。
憑友⋮お前の身体⋮様子が変だ。
何があったんだろうか⋮
スト行動ばかり目立っていやがる⋮
ここ最近のお前の活躍は、ほとんど俺達の力を加速させていくアシ
?
?
昨日届いた手紙では、アルゼンチンの方にいた。
ていると言う。
彼女は今、世界各地を転々と移動しながら、ボランティア活動をし
因みに言っておくが、片翼である天羽奏ではない。
今回は一緒に歌う相手がいたな⋮
そう言えばこの後、防人嬢⋮風鳴翼のステージがあったな。
そうしているとクリスと立花がウキウキしていた。
この感情が杞憂だと有難いんだがな。
変なロック⋮﹂
﹂
以前の様なあの威勢の良かったお前は何処に行ったんだ⋮
﹁
?
723
!
⋮俺の顔になんか付いてるか
﹁
!
⋮いや。⋮何でも無い﹂
﹁
?
あっという間に日本の裏側の方に居たという事になる。
今、彼女が何処にいるのかは、彼女のマネージャーであり、俺達︽精
魂導師︾の1人でもある男⋮精妖霊風でも知らないらしい。
何でも自由奔放なんだそうだ。
話が脱線したから戻すとしよう。
今回のステージで防人嬢と一緒に歌う相手は確か⋮
マリア・カデンツァヴァナ・イヴ⋮だったな。
僅か3ヶ月の間に世界のトップスターに昇り詰め、
皆から︽世界の歌姫︾と呼ばれている人物だ。
言動はクールで高貴な貴族な雰囲気を出していると俺は解釈して
いるが、
歌っている間の彼女の曲には微妙にだが、悲しみに暮れている。そ
んな感情が歌声と共に流れ込んで来ているのである。
楽しく歌を歌っていない。と言うよりも、無理矢理歌を歌わされて
俺も行くしか無い
頼むぞ⋮シノン
!
!
724
いる。そんな感じしかしなかった。
と、そう考えていたら、
﹂
﹁4人が頑張ってくれたから、司令が東京までヘリを出してくれるそ
うよ﹂
﹁マジっすか
爆発⁉
ドガァァァ‼
⁉
﹂
﹂
﹁マジっすか
﹁マジだな
﹁マジ以外何がある‼
﹂
しかも⋮ノイズだと⁉
?
それを見た憑友は頭を抱えた⋮分からなくも無いがな。
友里さんの話を聞いた立花はハイテンションになっていた。
!
?
そう言うとクリスが先に行き、憑友,立花が後を追う。
?
!
?
?
﹁任せなさい
﹂
レバーを引いた。
フォーム、シノン
!
敗北の弾丸
ー
たかのように俺はシノンの魂を纏った
ー氷の狙撃手
!
ーコンバート
モード︹ALO︺
ー
﹁⋮お前、そう言う趣味があったんだな⋮﹂
と言いながら、何故か引いていた⋮なんでだ
そこに映っていたのは⋮俺
﹂
しかも⋮なんでだ⁉
﹁何時の間に猫耳
如何してだ⁉
2
人
?
そこの立花とクリス‼
?
?
?
そう言うと憑友はライドの機能を弄ると、俺にライドを向けた。
?
そして憑友達に近付くと憑友が俺の身体を見て開口一番。
しかもおまけに耳も遠くの音まで聞こえてきた。
腰辺りから猫の尻尾が現れたのだ。
そう言うと俺の身体に変化が生じた。
!
俺はその中から右側のボタンを押した。
た。
3つのボタンがあり、そのうちの真ん中のボタンは灰色になってい
そして俺はそのままアブソーバーに付いてるパネルボタンを見た。
!
!
いだ少女が俺と共に同じ速さで駆け抜け、そしてそのまま俺と同調し
するとそこから水色の髪と長距離対応のスナイパーライフルを担
ーソウル
ー
装着、そしてシノンのカードを取り出すとアブソーバーに装填して、
そう言うと俺は走りながらすかさず左腕にソウルアブソーバーを
!
!
なら、なんであんたはそれを選んだ⁉
?
﹃諦めなさい。これは猫妖精︽ケット・シー︾の基本姿なのよ﹄
こっちが恥ずかしいんだからな⁉
///
こっち見た瞬間に憑友と同じ目をしながら必死に笑いを堪らすな
おい
!
725
!
?
!
キリトのように他の妖精もあっただろうが⁉
﹃そうかしら ︽ケット・シー︾はアラン達トレーナーのような存在で
?
﹄
﹁⋮取り敢えず、よろしく⋮な
﹂
﹂///
ボコッ
こんの⋮何やってやがる
﹁あれ
﹁ふがっ⁉
﹂
そう言うと憑友は俺の身体から生えた尻尾を握った
!
と言いながらニヤニヤするな
らかなりヤバイから﹄
そしてそれを先に言いやがれ
!
﹁うん。そだね∼⋮﹂
﹁こう言う時は、ほっといた方が身の為なんじゃねぇのか
﹁うわぁなんだろう⋮この混沌と化した場所⋮﹂
!
歩譲ったとしても、納めてくれよ
﹃Queen
sofMusic﹄のライブ会場である。
此処は響や憑友達のいる基地とは違った場所。
ーーーーーーNO SIDE
ていた。
﹂
そしてその中にDr.ウェルの姿も、
︽ソロモンの杖︾が居なくなっ
しかし、多くの米軍兵が灰となってしまったのは辛かった。
く倒して今回は終わった。
と、そうこうしながらノイズ達はと言うと立花とクリスの2人が多
!
2人も2人で、この状況をノイズと戦いながらだからそこは100
?
﹃言い忘れてたけど、その尻尾。感覚が共有されてあるから触られた
﹂
﹁あべし⁉
!
!
﹃私の力を活かせる妖精はこれしかないのよ。諦めなさい﹄
それ初耳なんだが⋮
たかしら
もあるけど、視力と聴覚は他の妖精達よりも逸脱しているのは知って
?
'
726
?
?
?
!
?
そこでは今でもせっせせっせと会場のリハーサルや設置作業に勤
しむスタッフ達がいた。
﹁♪∼♪∼♪∼﹂
そんな中、ライブ会場の客席の1つに座っていた1人の女性が鼻歌
を歌いながら、その様子を見ていた。
するとそんな彼女の所に1つの足音が聞こえてきた。
﹂
女性が振り向くと、そこには緑の髪と、翠色の瞳、そして毛色とは
違って、身を引き締めたような紺のスーツ姿の男が現れた。
﹁貴方が来るなんてね⋮︽フレンドリーマネージャー︾﹂
﹁︽世界の歌姫︾にまで及んでいるとは光栄極まれりですな∼
スーツの男はそう言いながらニコニコと話をしだす。
男の名は精妖霊風。
︽フ レ ン ド リ ー マ ネ ー ジ ャ ー︾と い う 異 名 を 持 つ 凄 腕 の カ リ ス マ マ
ネージャーにして、
⋮これは
た。
﹁
﹂
?
それと⋮﹂
そう言うと、その女性の耳元まで顔を近付けるとこう呟いた。
﹁変な騒動を起こせば只じゃ済まないからな。
﹂
マリア・カデンツァヴァナ・イヴ﹂
﹁⁉
?
727
?
かつて終わりの名を持つ巫女︽フィーネ︾のスパイとして暗躍して
いた男。
それと同時に彼女が起こした事件
︽ルナアタック︾を食い止めた﹃英雄﹄の1人。
そしてその正体は、﹃英雄﹄達の魂を導く師者⋮
﹂
︽精魂導師︾の1人にして、前世の記憶を持つ転生者⋮
私に何か用かしら
︽リターナー︾である。
﹁⋮それで
?
そう言うと女性はそう話し始めると、霊風からある物を手渡され
?
﹁今後ともよろしくと言う意味でのプレゼントさ。
?
その一言を言うと後は何も無かったかのように霊風は女性⋮マリ
アの後を去って行った。
ーーーーーーSIDEtoマリア
﹃変な騒動を起こせば只じゃ済まないからな﹄
あの男⋮精妖霊風は一体何者なんだ⋮
それに⋮このプレゼントも先程言った台詞で怪しくなった。
でも、開けてみないと分からない事も有るわね。
そう考えた私は蓋を開けた。
そこには青とピンクとオレンジの三色の糸で編まれたミサンガが
あった。
何がしたいというのだ⋮あの男は⋮ん
私はミサンガの下に敷いていた紙に目が通り、そのまま紙を開い
た。
そこにはこう書かれていた。
﹃いつか、あんたと翼と奏。3人のライブを見てみたい。
故にこのミサンガを贈る。
3人に聖なる加護があらんことを⋮﹄
す﹄
prrrrr⋮
⋮ぐずぐずしてる時間は無い。そう言う訳ね。
OK、マム。
世界最後のステージの幕を上げましょうか。
ーーーーーーSIDEto霊風
賑わってる賑わってるな∼。
いたいた。
全世界生放送ライブ。凄い物だな⋮
⋮お
﹂
728
?
⋮全く。あの男は何気に欲深いと言う奴なのか。
prrrrr⋮
⋮来たわ。
ピッ
!
﹃此方の準備は完了。﹃サクリストS﹄が到着次第、始められる手筈で
!
﹁おーい、翼。緒川っち
!
?
﹁
霊風さん
﹂
・
・
眼鏡を外す癖があるのだ。
﹁それ、私もつい先程言いました﹂
あ、やっぱり
防人嬢
﹂
///ちょ、霊風さん⁉
﹂
そう言いながら、俺を睨み付ける翼。
﹁うぅ⋮﹂
﹁さて、さっきからスタッフが呼んでたから行った行った
?
﹂
!
﹂
﹁そして、その緒川っちの笑顔で簡単に言い包められたと言う訳か
それと同時に翼にも物申す。
?
ウブだね∼︵ニヤニヤ
﹁⁉
?
﹂
?
え
・
俺の何処が仕事モードだ
﹁口調でバレバレです﹂
﹁⋮改善⋮出来ないからこのまま行くか⋮﹂
?
それと貴方も仕事モードになってますよ﹂
・
﹁はぁ⋮分かりました。
いするぜ
﹁さてと⋮俺も準備するから。緒川っちも何時でも行けるようにお願
そう思いながら、翼を見送った俺と緒川。
る⋮あっちの方で。
だけど⋮瞳に涙を溜めるようなら睨むなよ⋮こっちが逆に痛くな
?
マネージャーの時は眼鏡を付けるんだが、二課に関連してる場合は
?
と、それは良いとして⋮
﹂
﹁緒川⋮お前また仕事モードになってるぞ
﹁⁉
﹂
間であるアーティスト、風鳴翼とそのマネージャーの緒川であった。
俺が来たのは今回のステージライブのメインの1人にして、俺の仲
ははは⋮悪りぃ悪りぃ。
﹁はぁ⋮貴方という人は⋮何処で油を売っていたいたんですか⋮
!
緒川には悪い癖がある。
?
?
?
729
?
!
﹁改善する努力をしましょうよ⁉
そんなの知った事か
﹂
?
風鳴翼
我が主﹄
と言う者の為にわざわざこの日本の
"
私がいるから翼は飛べる。
翼がいるから私は飛べる。
それが私達の﹃両翼﹄なんだから。
・
・
・
・
﹃⋮そうか。我が主は良い仲間を持っているのだな﹄
﹄
何言ってんだよ
﹃
オディナ
⋮その言葉、感謝する⋮
お前も大事な仲間だぜ
﹃
この身は今後とも我が主の為の一番槍としてご期待に添えよう
ああ、頼むぜ
ーーーーーーSIDEto
ピピピッ
久しぶりだね
ピピピッ
⋮来ましたね。
ピッ
﹃あ、もしも∼し
マム
﹄
!
!
ご無沙汰ですね。
!
!
会場内はマリアの歌で大盛況ですね。このままで⋮
??
そう思いながら、私は会場の中へと入っていった。
なかったな。
﹄
髪型もあれから大幅に変わっているから簡単に私だと誰も気付か
!
あたいにとっちゃ、翼は私にとってかけがえの無い片翼なんだよ。
ああ。 地にやって来たのか
﹃⋮それ程までにその
3ヶ月の間に成長してんのかな∼
へぇ∼。此処で翼が歌を歌うのか⋮
ーーーーーーSIDEto
そう言うと俺はステージの方へと歩んで行った。
!
"
?
?
!
?
そう言うと私は会場内へと入っていった。
!
!
!
730
??
!
!
?
!
貴方の方は相変わらずの生活を
﹃まぁ∼ね♪﹄
そうですか。
﹃会えるよ
﹄
﹃私の運はこう見えて強いんだよ∼
⋮そうでしたね。
またね∼♪﹄
では。
﹃うん
ガチャッ
﹄
﹄
﹄
それで⋮私に何か用件があって電話を掛けて来たのでしょ
﹃うん。そうだよ。
そんな大それた事はしませんよ。
⋮マムは一体今回の件⋮何を企んでいるの
企む
﹃⋮そう。
では。
﹃今度、何か奢らせてね
﹄
⋮ふふ。えぇ。そうするとしましょう。
でも、もしもの事があったら⋮その時は私に頼ってよね
?
?
?
貴方は全く⋮でも、会えたらですけれどね。
!
ふぅ⋮あの子もあの子で、相も変わらずと言った所ですね。
﹂
﹁マム⋮今の人は
?
﹂﹂
﹁⋮じゃあ⋮なんで
﹂
﹁なんでそんな人がマムに電話掛けたんデス
?
﹁⋮あの子は、私の命を繋ぎ止めてくれているからですよ﹂
﹂
ギア︾の1つ︽アイギス︾を強奪して、脱獄した泥棒猫ですけどね。
と言っても、聖遺物をまともに起動も出来ず、終いには︽シンフォ
﹁﹁⁉
﹁元F.I.S.の女の子です﹂
貴方達よりも前にいた⋮
﹂
﹁誰だったんデス
?
?
731
!
!
!
?
!
?
?
﹁﹁え
﹂﹂
私の命を、自分の立場など関係なく最優先に行動していた。
その手は誰かを殺すのではなく、誰かを助ける為の神の手のような
持ち主。
私はその子が戦う姿を見たくないと思ったのか、
研究材料の1つである︽アイギス︾を彼女に渡して、脱獄の手助け
をした。
先程言った泥棒猫はあれは彼女を守る為に言ったもの。
騎
士
昔はかなり後悔をしましたが、今となっては良い思い出なのかもし
れませんね。
それに、彼女は今、そんな彼女を守る旦那さんがいる。
その間に生まれた子と幸せに暮らしていると聞きました。
それがおよそ15,6年前の出来事。
その時は私もその子の子供と面識をしました。
その子供は今から2年前にこの世から去ってしまいましたけれど。
しかし、彼女も当時は余りの出来事で、医療に携わるのを拒んでい
た。
だけど、その2週間後には元の生活に戻った⋮
なにがあったのかは知りませんが、
今の私達には目的があります。
出来る事なら、この事態を終息した後で、楽しみたいものですね⋮
ジャンヌ・カデンツァヴァナ。いや⋮
人絆ジャンヌ。
私の信頼者である少女よ⋮
ーーーーーーNO SIDE
一方、会場内では大いに盛り上がりを見せていた。
それはステージ上でマリアが歌を歌い終えていたから。
732
?
それを聞いた大観衆は一斉にマリアコールを発生する。
そんなライブ会場内の特別室には5人の少女と2人の男の子達が
生で観戦していた。
響と憑友の友人である創世、弓美、詩織。
幼馴染である逝都と馬燈と未来。
﹂
流石、マリア・カデンツァヴァナ・イヴ
そして、憑友の義理の姉であるセレナも此処にいた。
﹁おお∼
生の迫力は違うね∼
!
﹁え
﹂
﹂
﹁せーのっ
﹂
それは⋮まさかのハリセンだった。
ソゴソと何かを探し始める動作をするなり何かを取り出した。
そう言いながら、2人の隣にいた未来が2人が寝てる席の後ろをゴ
﹁もう⋮﹂
すると、
そんな2人を見た創世は苦笑していた。
﹁⋮ね、寝てる⋮﹂︵゜д゜U︶
﹁﹁zzz⋮﹂﹂
た2人の男の子、逝都と馬燈の2人が爆睡していた。
いびきをかく音がしたので、横を見ると、そこにはこの部屋でたっ
弓美と詩織がそう言いながら、観戦していると、
す
﹁全米チャートに登場してからまだ数ヶ月なのに、この貫禄は無しで
!
!
﹂
パシンッ‼
﹁あべし⁉
パシンッ‼
﹂Σ︵゜д゜lll︶
﹂
﹁くわばらっ⁉
?
2人はその反動でそのまま後ろに倒れ、頭から地面に激突。
そのまま2人の顔面にクリーンヒット。
﹁⁉
?
?
そう言うと未来はそのハリセンをそのまま⋮
!
?
733
!
?
?
ん
な
物
そのまま2人の目が渦を巻き、頭の上に星々が輝いていた。
そ
⋮俗に言う気絶である。
それにしても⋮どこにハリセンを隠し持っていたのでしょうか⋮。
つい先程まで無かった筈なのに⋮色々と可笑しいのであった。
それを見た創世は未来に対して、あまりの対応にビビりまくってい
たのは此処だけの話である。
そう思いながら未来は左手首に着いてる腕時計を見た。
それに気付いた創世は未来と話しかける。
この2人⋮何気に男の子達をほったらかしている⋮ある意味残酷
な2人である。
﹂
﹁⋮ビッキーやツッキー達からまだ連絡が来てないんだね﹂
﹁うん﹂
﹁もうすぐメインイベントが始まっちゃうよ
﹁大丈夫よ。あの2人の事だから﹂
すると今の今まで黙っていたセレナが2人の話の間に入ってきた。
﹁それにいつもの人助けや、お人好しが影響してるのかもしれないし
ね﹂
﹁セレナさん⋮そうですね。そうだと良いんですけど⋮﹂
そう言うと詩織と弓美もその話を聞いて話しかけると、周りのライ
トが一斉に消えた。
もうそんな時間かよ⁉
それに気付いた5人はステージの方へと目を向けていた。
﹁あ痛たた⋮って⁉
﹂Σ︵゜д゜lll︶
始まっちまうぞ
おい、起きろよ馬燈
﹂Σ︵゜д゜lll︶
﹁︵マリア・カデンツァヴァナ・イヴ⋮
た。
そんな中、ただ一人⋮セレナだけは浮かない顔をしていたのであっ
ジを見た。
人の分のペンライトを渡したので、2人はそれを受け取ると、ステー
そう言いながら、2人はあたふたしてるとそれに気付いた弓美が2
もう間近じゃん
﹁うぅ⋮⋮なんとか⋮大丈⋮夫じゃねぇ⁉
‼
?
!
?
734
?
!
?
?
名を持つ人⋮
ファミリーネーム
私の本名と同じ性
彼女と私には何か関係があるのかしら⋮
︶﹂
今は、このステージを観よう。その方がもしかしたら、記憶が早く
蘇るかもしれないと信じて⋮
sofMusic﹄のロゴが現れるとそのままそのロゴの文字が
Tubasa﹄の文字が現る。
戦場に咲い、
き身の貴方を﹂
﹁見せて貰うわよ。
するとスポットライトがピンク髪の女性⋮マリアに当てられた。
エレベーターのように現れた
それと同時に、ステージ上に2人のシルエットがステージの下から
﹃Maria
変わり、
n
するとステージの映像パネルから今回のライブタイトル﹃Quee
ーーーーーー
そう思うとセレナはステージの方に顔を向けた。
!
!
歌い始めた
挿入歌︵﹃不死鳥のフランメ﹄水樹奈々
日笠陽子︶
そして今度は同時にスポットライトに当てられた2人は共に歌を
それと同時に今度は翼にスポットライトが当てられた。
?
しかける。
!
そして翼は話を続ける。
すると翼の声を聞いた皆から黄色い歓声が上がる。
﹁ありがとう皆んな
﹂
するとステージで手を振っていた2人の内、翼が前へと歩み皆に話
それは勿論、特別室にいた未来達も同様である。
が一体と化していた。
そして歌が歌い終わると、あっと言う間に会場のオーディエンス達
て全世界の首都にも多大な影響力を誇っていた。
感じさせていた。それ程2人の歌声がライブ会場にいる観衆達、そし
圧倒的な2人の歌声を聞いた大観衆はあっと言う間の時間を長く
×
!
735
×
'
﹁私はいつも⋮皆んなから、たくさんの勇気を分けて貰ってる。
﹂
だから今日は⋮私の歌を聞いてくれる人達に少しでも勇気を分け
与えてあげられたらと思っている
全力疾走だ
とそう思っている⋮
﹂
﹂
この場に奏が居ないのは残念だけど、それでも彼女も同じ気持ちだ
﹁私も素晴らしいアーティストに巡り会えた事を光栄に思う。
だが、私としてはこれはこれで良い思い出にもなった﹂
今回のライブでは参加する事が出来なかった。
彼女は現在、世界を股にかけたボランティアに出ているとの事で、
本来ならば、もう1人の存在・天羽奏にも共に歌いたかったが、
グ﹄の1人・風鳴翼とユニットを組み、歌えた事を光栄に思う。
そして、この大舞台に日本のトップアーティスト﹃ツヴァイウイン
﹁今日のライブに参加出来た事を感謝している。
カリスマに長けていると言っても過言では無かった。
た。
その威勢のある言動はあっという間に周りの空気を独占して見せ
ついてこられる奴だけ、ついて来い
振り返らない
﹁私の歌を全部、世界中にくれて上げる
性⋮マリアが話し始める。
すると今度は翼の隣にいた存在にして、
︻世界の歌姫︼と呼ばれる女
その翼の声を聞いた大観衆はまた黄色い歓声を上げる。
!
わす。
すると、会場の雰囲気が最高潮になる⋮
・
・
・
・
・
・
・
﹁私達が世界に伝えて行かなくちゃね。
歌には力があるって事を﹂
﹂
奏のマネージャーにして、︽風魂導師︾⋮霊風であった
﹁⋮始めるつもりか⋮︻世界の歌姫︼さんよ
そう言いながら、ステージ裏でステージの方を見る霊風。
?
!
するとその話をステージ裏で聞いていた1人の者が疑心を持った。
!
そう言いながら、2人は共にステージの真ん中で観衆達に握手を交
!
736
!
!
!
!
ステージの方では如何やら翼も同じ様な事を言い終わった後であ
り、
そして握手をやめたマリアは数歩翼に背中を向けながら歩く。
そしてマリアは告げる⋮
﹂
﹁そして⋮もう1つ﹂
﹁
そう言うとマリアは腰に着いてるスカーフを上へと上げる⋮
するとステージの周りに⋮
ノイズが現れたのだ
それを見た観客達は一斉に先程までの黄色い歓声が、瞬く間に悲鳴
へと変わり始めたのだ‼
﹁
やっぱりか‼
﹂
その光景を目の当たりにした翼は目を見開く。
?
﹁
霊風さん⁉
﹂
いいな⁉
﹂
﹁お前は兎に角、隙を見つけて︽ギア︾を纏え
きりだ
その話を聞いた翼はそのまま頷く。
﹂
そしてマイクに向けて叫んだ⋮
﹁狼狽えるな‼
ーーーーーーSIDEto弦十郎
﹂
﹁ノイズの出現パターン感知
﹁なんだと⁉
﹂
川さん。そして霊風君が居る場所です
﹂
翼ちゃんと緒
俺からの命令はそれっ
sofMusic﹄会場
﹁場所は⋮⁉ ﹃Queen
!
彼処にはたくさんの観客達がいる⋮
!
!
﹁⋮うろたえるな⋮﹂
すると、その悲鳴を聞いたマリアは呟いていた。
!
そう言うとステージの裏に隠れていた霊風が直ぐに翼の前に出る
?
?
しかも、翼のシンフォギアの情報は秘匿したままだ⋮
!
?
?
'
?
?
!
!
737
!
!
?
!
!
!
そう言えば⋮
﹂
やり辛い事この上無い
﹂
映像が流れている限り、翼は︽ギア︾を纏う事出来ない
﹁響君達は⁉
﹁現在、ライブ会場の方へとヘリで急行させています
﹁先程あおいさんに連絡を入れた所です
ちっ
襲われそう⋮
なってやがる⋮
⋮
何が狙い目なんだ⋮マリアは。
いや⋮この後の展開は、知っている筈。
なのに⋮なんで俺はこんなに警戒してるんだ
特に俺はこの世界の事を知っている筈⋮
それは勿論、この後の展開も予想が付く筈だ。
なのに⋮なんで
ほ
もしかして⋮記憶が欠落し始めてきているのか
求する
﹂
考え事してる間に戦線布告⁉
﹁そして⋮﹂
⁉
!
!
げられた
⋮まさか⋮⁉
﹁Granzizel bilfen gungnir zizzl
?
!
そう言うとマリアが持っていたレイピア型のマイクが上に放り投
?
﹁私達は︽ノイズ︾を操る力を以ってして、この地球の全ての国家に要
し
俺は前世の記憶を持った転生者︽リターナー︾だ。
?
いや、今の所ノイズ達は観客達に被害を及ぼしていない⋮
?
!
そ れ 以 外 に は 沢 山 の オ ー デ ィ エ ン ス 達 が ノ イ ズ に 襲 わ れ そ う に
今このステージには、マリアと翼とそして俺。
﹂
響君達
!
!
ーーーーーーSIDEto霊風
⋮三連戦になるが⋮頼んだぞ
!
?
?
738
!
!
!
?
!
⋮﹂
﹂
そう言うとマリアの服装がかつての奏が着ていた︽ギア︾へと変
わっていた⋮
その色を黒く染めて⋮
﹁私は⋮私達はフィーネ。
終わりの名を持つ者だ‼
の
739
やっぱり着やがったか⋮
黒
?
︽烈槍︾ガングニール‼
?
!
#3 ︽烈槍︾纏いし独奏
会場に現れたノイズに怯える観客達。
それは勿論、特別室にいた未来達も同様である。
そんな中、憑友と響達が乗り込むヘリはそのままライブ会場の方へ
と急行していた。
﹁了解です。装者2名並びに導師2名計4名にて、状況並びに介入ま
で40分を予定。事態の終息にあたります。
﹂﹂コクッ
聞いての通りよ。気を抜かずの三連戦になるけど、お願いね﹂
﹁﹁
﹁了解した﹂
﹁⋮﹂
﹂
を退かせ、なんとヘリのドアを無理やり開けたのだ‼
それを見た一同は驚愕する
ふざけるな
﹂
その間にどれだけの命を失わせるんだ
すると、憑友は左腕にライドを装着させた
﹁40分だと⁉
俺はもうそんなのは見たくないんだよ
!
出した。
﹂
お前もそのカードで変身して、クリスと共に来い
するとロックにその内の1枚を投げ渡す
﹁ロック
﹂
その発言を聞いた他の2人も同様だ。
その真意を聞こうとするが、なんと憑友はそのまま身を投げだした
!
!
そう言うと憑友は右腰に付いてるカードから2枚のカードを取り
!
よ
!
!
?
しかし、憑友が何も言わないので、ロックが話しかけると、ロック
る。
そう言うと響とクリスはそのまま頷き、ロックが了解の意を告げ
﹁⋮如何した憑友
!
?
響はそのまま此処からダイブだ
﹁⋮ふぇ⁉
!
!
あまりの発言に響は目を見開く。
?
740
?
!
!
のだ
その光景を見た一同は下を向いた。
ーーーーーーSIDEto憑友
こんな所で、俺は負けたくないんだよ
ノイズが人を殺すマシーンなら、
ー
アブソーバーのレバーを引いた
ーライド
フォーム、カナタ
そう思った俺はそのまま既に降下する前にカードを装填していた
俺達はそれを止める希望の光なんだーー
!
ー黒の剣聖
空戦教官
ー
ク
ロ
ノ
ス
そして俺はそのままその﹃英雄﹄の魂を纏った
!
飛び降りたのだ
⋮え、ええ。分かったわ
﹂
!
﹁行くぞ﹂
そう言うとロックはそのままクリスの右手首を左手で持つ。
﹁
ください。先行して行きますので﹂
﹁友里さん。俺と憑友のアブソーバーにライブ映像を転送しておいて
するとロックは友里の方を向く。
腕にアブソーバー本体は装着されている。
ソーバー・ソウルに装填させる。因みに憑友が飛び降りた時に既に左
そう言うとロックはそのまま憑友に渡されたカードを自分のアブ
﹁⋮ふっ。流石俺のライバルだ﹂
後ろに乗った
その光景を見た一同だが、そこを憑友が見事にキャッチして、彼の
!
すると響は憑友が何かしたいのかが分かり、そのまま助走を付けて
憑友が先程の行動を見た一行。
ーーーーーーNO SIDE
呼び出し、その上に乗った。
俺はその力を使って、空中から彼の専用ホバーボート︽ホウキ︾を
タ・エイジ
空戦魔導士の若き教官にして、︽黒の剣聖︾の称号を持つ男⋮カナ
!
!
!
!
!
741
!
!
!
!
﹁え
何処にだぁぁぁぁ⁉
﹂
?
バーのレバーを引いた
フォーム、イチカ
!
ー武士道精神
白式一閃
ー
魂が現れるや、そのままロックの身体に纏った
するとロックのアブソーバーから白い機械の身体を纏った青年の
ーソウル
ー
す る と ロ ッ ク は ク リ ス の 方 に 身 体 を 向 け る と そ の ま ま ア ブ ソ ー
だ。
そう言いながらクリスはそのままロックと共にヘリから落ちたの
?
!
︻白き鎧纏いし者 一夏︼へと変身した
﹂
﹁助かっ⋮た⁉
﹁如何した
﹁無い﹂
////﹂
﹁即答すんじゃねぇ⁉
﹂
この体勢以外で
⋮兎に角、憑友の後を追うぞ﹂
﹁なんでこんな体勢なんだよ⁉
?
﹁他にねぇのかよ⁉
﹁
?
?
﹂
朴念仁になってる
そう思っていると、アブソーバーから映像が流れてきた。
きのめされる事になるのはもう少し先の話になる。
因みにその時に響はクリスにからかっていたので、完全に後から叩
その光景を見ていた憑友はそう心の中で言っていたそうな。
ぞ
ロック⋮お前、まさか一夏の性格が移ったのか
しかしそんなクリスの態度に全く理解していないロック⋮
⋮俗に言う⋮お姫様抱っこである。
背中と太ももをロックが腕を使って抱き抱えていた。
クリスが今どんな状態かと言われると⋮
た。
クリスはなんとか助かったものの、今の体勢に羞恥心を抱いてい
!
﹂////
するとそのまま各部に付いてるスラスターでクリスを受け止めた。
!
そう言うとロックは憑友側に付いてる﹃英雄﹄の1人、
!
!
?
742
!
!
?
?
?
?
それを見た憑友はそのまま腰を下ろして、映像を見た。
それに気付いた響もその状況を見る為に憑友の肩に頭を置いて、映
像を見た。
﹂
﹂
!
そこには、黒いガングニールを纏ったマリアとステージ衣装の翼、
このフォルム⋮
急ぐぞ
﹂
そして紺のスーツを着た霊風がステージの上にいた
﹁‼
!
﹁黒い⋮ガングニール⋮⁉
﹂
﹁まさか⋮はっ
﹁ふぇ
!
再び立ち上がると、そのままスピードを上げていく
響は必死になって憑友の脚にしがみつく。
伝えると、
﹁この映像が流れてる間は、翼さんは︽シンフォギア︾を纏えない⋮
プロフィール等だけは秘匿したままだ
つまり⋮﹂
﹁翼さんが映像が流れてる間にギアを纏うと⋮
﹁そうだ。
る。
其れに今回は全世界生放送で流れている⋮
﹁そんな⋮ん
じゃあ憑友達も
﹂
無闇やたらに動けないのが現状だ﹂
来ないという一点張りだ。
﹂
自分達は公開するつもりでも、日本政府のお偉いさん達は其れは出
!
其れだけで翼さんがシンフォギア装者である事が公の場に晒され
!
!
ていたんだが、響やクリス、翼さんのような︽シンフォギア︾装者の
プライバシー関連の情報以外は全て公開したと弦十郎師匠が言っ
!
そして響は先程憑友が言っていた発言に疑問を持ち、それを憑友に
!
そう言うと憑友はそのままカナタのホバーボート︽ホウキ︾の上に
!
?
?
と答え、その理由を話す。
そう言うと響がそんな質問をして来たので、憑友はその答えにNO
?
?
743
?
﹁俺達︽精魂導師︾は、謂わばお伽話の存在。
マークが飛び出てきた。
プライバシー等に関しては全く持って関係無い。俺以外はな﹂
その最後の答えに響の頭上から
その疑問を付け加える形で解説する。
﹁俺は2年前のあのライブ会場から、今でも﹃死亡﹄扱いされている。
公の場ではいつも偽名を使わせられているから気が気では無い。
故に弦十郎師匠は俺が︽精魂導師︾の1人には換算してくれていな
い。
巷では、
﹃炎を纏った謎の存在﹄として、都市伝説になっているから
な﹂
その話を聞いた響はそのまま口を塞ぎこんでいた⋮
ーーーーーー
﹂
一方、ライブ会場ではマリアが世界に向けて要求をしていた。
﹁我々、武装組織﹃フィーネ﹄は世界各国に要求する。
そうだな⋮差し当たって、国土の割譲を求めようか
マリアの発言に世界は震撼された
!
其れが国土が大きい国ほどその被害は尋常では無い⋮
のだ。
割譲でもすれば、其れだけで多くの人々の行き場を無くしてしまう
!
きたのだ
その問い掛けにマリアは平然とした雰囲気で話した。
そしてマリアの発言に疑問を持っていた翼。
額には汗をも流しながら。
た。
その発言に霊風は苦虫を噛むかのように苦痛の表情を浮かべてい
﹁世界を敵に回すと言うのかよ⋮
﹂
なければ、世界の主能都市がノイズによって完全に崩壊すると言って
しかも、話を聞いてると、24時間⋮つまり明日までに要求に応え
物である。
てはその被害は最早1%の割譲でさえも苦しい状況に追い込まれる
大きな国であるロシアやカナダ、ブラジルにアメリカ、中国に至っ
!
744
?
!
!
自分達の楽土の為だと言うマリアの発言に霊風の右手の拳から血
が流れ始めた⋮
其れを見た翼は反論し、即座に聖詠を詠おうとするが、耳に付けら
れていたインカムから緒川によって制止させられる。
しかし其れでも歌おうとしたら、今度は霊風がその握力で流れてい
言動の違いに困惑する2人。
其れでも、着々と人々は避難を始めていた。
しかし⋮何故かこのステージの何処かで何かを感じるのは一体⋮
其れは理解している。
私のステージに必要なのは人では無い。
ーーーーーーSIDEtoマリア
其れは勿論、特別室にいた未来達も同様であった。
!
た右手の拳で制止させられた。
其れを見たマリアは次にありえない事をした⋮
﹂
﹁会場のオーディエンス諸君を解放する
ノイズには手出しさせない
速やかにお引き取り願おうか
!
そのマリアの発言に翼と霊風は凝視する。
!
!
そう考えていると私はステージ会場の奥にある特別室を目を通り
⋮何、今の感覚⋮
?
過ぎた。
セレナ⁉
いた。
⁉
どうして貴方が其処に
?
た⋮如何して
如何してなの⋮セレナ⋮
微塵も残されていなかった。
特別室を見たマリアの顔が先程のような独裁者のような風貌など
ーーーーーーNO SIDE
!
?
其ればかりか、私の事などまるで知らないと言う雰囲気を出してい
だけど、私の表情に彼女は答えてはくれなかった⋮
?
745
!
そう思い私はもう一度その部屋を見ると⋮そこには、妹のセレナが
?
代わりにあったのは、寂しさと言う感情のみだった。
﹂
そうしていると、霊風が翼とマリアの間まで歩き、そして叫んだ。
﹁お前達なんかに⋮世界を明け渡せるものかよ
﹁⋮ほぅ。勇ましいわね
そう言うの⋮嫌いじゃ無いわよ﹂
﹁俺はあんたのその態度で苛立ってるんだけど⋮な
﹂
霊の発言を聞いたマリアは直ぐに先程の顔へと戻した。
!
するとカードケースは霊風のベルトに自動装着された
﹂
﹁ノイズから人々を守る為には⋮これだ
頼むぞ
!
!
ケースが現れ、霊風はそのまま右腰にやるとそのまま手を離した。
そう言うと霊風は左の内ポケットを漁ると、そこから1つのカード
アイテム﹃現界ブースターα﹄であった。
其れは憑友がこの3ヶ月の間に完成させ、更にアップデートさせた
ダーを取り出す⋮
そう言うと霊風は懐から風のエンブレムがあしらったカードリー
!
?
カードを取り出すと、その二枚のカードを新型の﹃現界ブースターα﹄
にスキャンした
ー
ーコール・オブ・直継
んと拳銃の形へと変わり、そのままノイズ達に向けて2発撃ち放つ
﹂﹁はぁ
﹂
人の青年に変わっていた
﹁おらよ
﹂
﹁最新式の﹃現界ブースター﹄だ。
﹁⁉
そう言うと2人はそのままノイズの一体を其々倒す
!
﹂
勿論、彼奴らは﹃英雄石板﹄から解析された凄腕の﹃英雄﹄達だぜ
!
!
!
すると、2つの弾丸は徐々に弾から姿を変えて、到達する頃には2
!
すると霊風はそのままブースターを拳銃のように持ち替えると、な
ー
ーコール・オブ・円堂
!
!
?
746
!
そう言うと霊風は右腰に自動装着されたカードケースから二枚の
!
!
?
マリアはその光景に目を見開くと霊風が解説をした。
﹁昔のは非戦闘時に重宝されていて、戦闘時でも僅か5分しか戦えな
﹂
中々の逸品だろ
﹂
﹂
かったが、最新式のは、最低10分⋮最高1時間までの戦闘を可能と
してる。
如何だ
﹁なに
﹁⋮だから如何したと言うのだ
?
﹂
﹂
る﹃現界ブースターα﹄そのものであった
﹁何
﹁貴方達だけの専売特許では無くてよ
れをスキャンした
ー
ー
!
ーコール・オブ・にゃん太
ーコール・オブ・鬼道
けて、マントを羽織っていた⋮
班長
﹂﹁鬼道
何故なら⋮
﹁
﹂
其れを見た﹃英雄﹄2人は驚愕した。
!
そしてもう1人はドレッドヘアーを1つ縛りにして、ゴーグルをか
1人は猫の顔をしたレイピアの双剣を携えし紳士が、
するとそのまま姿が変わり、
するとマリアは、自分の足元近くにその弾丸を2発撃ち放つ
!
!
!
そう言うとマリアは何処からともなく二枚のカードを取り出し、其
?
!
そこには黒く染まっているが、紛れもなく今現在霊風が所持してい
そう言うとマリアは懐からある物を取り出した。
?
?
其れを見ていた霊風と翼も其々別々の反応だが驚きの顔に包まれ
る⋮
!
ンした。
ーコール・オブ・ランサー
ー
ポケットから一枚のカードを取り出し、そのままブースターにスキャ
其れを感じ取った霊風はそのままカードケースから⋮ではなく、胸
!
747
?
自分達の仲間であったから。
!
﹂
そして頭上へと銃口を向けると、そのまま引き金を引く
すると弾が変化し、人の形になりて、
召喚に応じたぜ
そしてそのまま地面に着地した。
﹁サーヴァント・ランサー
?
!
た
﹂﹂
ーコール・オブ・バゼット
した
そこには1人のスーツを着た女性がランサーに拳をぶつけようと
するとそのまま弾から人の姿になった。
するとそのままマリアはランサーに向けて撃ち放つ
その電子音が発した名前に驚愕する2人。
﹁﹁何
ー
そう言うとマリアは再びカードを取り出すと、そのままスキャンし
﹁サーヴァント⋮なら、貴方にはこれがお誂え向きかしらね﹂
ルグを相手に向けた。
そう言いながらランサーことクー・フーリンは愛槍︽魔槍︾ゲイボ
!
る。
ス
ター
おめぇとだけは殺りたくねぇんだけどよ⋮バゼット
﹂
!
﹂
﹁⋮もしもし﹂
!
までに翼さんの護衛をお願いします。
﹃霊風さん。緒川です
現在放送室の方へと向かっています。その間
其れを見た霊風は通信相手と話しかける
お先にどうぞとでも言わんばかりに。
霊風はマリアの方を向くと、マリアはそのまま手を出した。まるで
すると突然耳に付けてるインカムから通信が入ってきた。
其れを見た霊風はそのまま視線をマリアの方に向き直る。
ト。
そう言うとランサーごとステージからそのまま下りて行くバゼッ
ので
﹁其れは此方とて同じです。しかし、私としても私なりの立場がある
﹁ちっ
マ
其れを見たランサーは一瞬の隙を生んだが、そのまま槍で受け止め
!
!
!
748
!
!
!
変身許可は先程司令から了承を得ました。
其れとあと20分の間に憑友君や響さん達がやって来ます
﹁⋮了解した。これより任務を遂行する﹂
バーを取り出した。
﹄
そう言うと霊風は右側の内ポケットを漁ると、そこからアブソー
!
﹂
﹂
﹂
﹂
そしてランサー以外の2人の﹃英雄﹄に向けてこう告げた。
円堂
﹂﹂
﹁直継
﹁﹁
﹁ああ
﹁任せとけ祭り
2人はそのままノイズを迎撃してくれ
﹁にゃん太と鬼道は俺が相手をする。
!
まさか⋮
﹂
⋮嫌な予感が的中したようだ。
すると霊風は翼からマイクを奪うと電源をつけて喋りだした
初めまして
﹁テレビを前のご覧の皆さん
!
在⋮
精妖霊風のお出ましだ
・
﹂
・
すると霊風はそのまま話をしだした。
﹁だが、其れはあくまで表側の顔。
・
﹁変身
﹂
腕に装着されたアブソーバーに装填し、
そう言うと、胸ポケットからカードを1枚取り出すと、そのまま左
!
!
裏の顔を今日、世界の皆様方にお披露目しよう
﹂
マネージャーにして、
︽フレンドリーマネージャー︾としても名高い存
﹃ツヴァイウイング﹄の片翼・天羽奏の
日本が誇るアーティスト
!
!
マリアはもしやと思っていたら、霊風の顔から不敵な笑みが零れる
﹁⁉
其れを左腕に装着した。
のディスプレイが出てきた。
其れを見た霊風は右の内ポケットを漁ると、今度はipadサイズ
そう言うと2人はそのままノイズ達を相手に戦い始めた
!
!
!
!
749
!
!
!
!
!
?
フォーム、オリジン‼
そしてレバーを引いた
ースピリット
﹁
.風の魂を導く師者
見参ってな
ー
!
﹁詳しい話を聞かせて貰うとしようか。
世界の歌姫⋮マリア・カデンツァヴァナ・イヴ
﹂
そう言うと手持ちの槍の矛先をマリアに向けた。
︽風魂導師︾スピリット
﹂
そして、風で出来た槍︽ウィンドルロッド︾を振り回す⋮
すると霊風の身体が緑主体のボディスーツへと変わり、
の身体に纏った
するとアブソーバーのディスプレイから風の魂が舞い、其れが霊風
?
そう言うと霊風はすかさずマリアに攻撃を仕掛ける
!
!
!
!
!
しかし、マリアはそのままマントで防御する
﹂
ガキィンッ
﹁な⁉
!
のよ。
!
気持ち悪りぃったらありゃしないぜ⋮って、ん
﹂
?
た
!
纏えないまま防戦一方を繰り広げていた
するが、ノイズ達に進路を妨害されてしまう。
其れを見た霊風は先程のローブから目を離し、翼の方へと行こうと
!
ので、その方を見ると、なんと翼がギアを纏っているマリアにギアを
そう思い、近付こうとした時、ステージ上から音が聞こえ聞こえた
﹁まさか⋮逃げ遅れ⋮
﹂
そう言うと霊風は視界の中に茶色のローブを纏った存在を発見し
﹁ちっ
そして霊風の視界には数多のノイズがうろちょろしていた。
そのまま華麗に着地する。
落とされた霊風。
そう言うとそのまま槍の柄部分を握るとそのままステージ上から
貴方の相手は彼等が務めるわ
﹂
﹁無駄な足掻きね。其れに今の私は貴方では無く、あの子に用がある
?
!
750
!
!
"
!
"
!
﹁⋮邪魔するなーー‼
﹂
と其れをアブソーバーに装填し、そしてレバーを引いた
フォーム、ユキナ
ー
3ヶ月の間に入手した新しいカードで。
ースピリット
!
!
そう言いながら、霊風はカードケースから1枚のカードを取り出す
?
を纏った
ー剣巫の監視者
ー
!
﹂
!
折れてしまったのだ
﹁貴方はまだステージから降りる事は許されない⋮
飛ばされたのだ
しかもその先にノイズ達が
﹂
﹂
!
シュルルルル∼∼∼∼∼‼
ならば最後に私はこの身を剣と変えて⋮戦う
!
?
私はもう⋮みんなと⋮奏に会う事も出来ないのか⋮
くっ⋮このまま私は何も出来ずにノイズに殺されてしまうのか⋮
ーーーーーーSIDEto翼
!
そのままステージの方へ⋮通り過ぎ⋮なんとステージの場外へと
そう言うとマリアが翼をステージの方へと蹴り飛ばしたのだ
!
!
ステージの裏へと周ろうとした翼だが、運悪く履いていたヒールが
そして到達しようとしたその時だった。
常識に疎い反面、屈指の槍と学習能力を持つ凄腕の﹃英雄﹄である。
﹃ストライク・ザ・ブラッド﹄のヒロインである。
霊風がなった﹃英雄﹄の名は⋮姫柊雪菜。
そして霊風はその﹃英雄﹄の力でノイズ達を一掃していく⋮
﹃雪霞﹄の槍
するとディスプレイから槍を携えた女の子の魂が現れ、霊風は其れ
!
!
?
そう思って私は目を閉じ、聖詠を⋮
ガサッ
⋮え
!
私は咄嗟の出来事に動揺した。
?
751
!
!
!
勝手な事を
﹁っ
!
翼ーー‼
﹁⁉
?
地面に落ちる感覚がしない⋮いや、寧ろ⋮誰かに抱き抱えて⋮
﹁⋮﹂
私は誰かによって助けられていた。
茶色のローブを纏った存在だった。
私だよ、翼﹂
あ、ありがとうございます﹂
男なのか、女なのかも分からない⋮でも、まずはお礼を言わないと
﹁⋮
その声⋮
﹁⋮ぷっ、ははは
え
﹂
そう感じると、ローブを纏った女性はローブのフードを外した⋮そ
﹂
何故お前が此処に居る⁉
こに居たのは⋮
﹁⁉
﹁嘘だろ⋮いつの間に⁉
?
﹁奏⋮⁉
﹂
﹁久しぶりだな。翼﹂
﹃ツヴァイウイング﹄の片翼⋮
私を助けたのは、私のパートナーにして、
?
そして私はその存在に目を奪われた⋮
マリアが、霊風さんが叫んだ。私も同じ気持ちだった。
?
?
天羽奏だった。
752
?
!
!
!
#4 ﹃片翼﹄奏でし︽2振りの槍︾
﹁久しぶりだな。翼﹂
そう言いながら、ローブを纏っていた女性⋮天羽奏は自身の片翼で
﹂
あり、現在お姫様抱っこさせている少女・翼にそう言った。
﹂
するとステージへと霊風が駆け付けてきた
﹁大丈夫か、翼
翼が色々と世話になったな
﹂
﹁取り敢えず自己紹介だな⋮﹃ツヴァイウイング﹄は片翼、天羽奏。
ニールを纏った女性⋮マリアに視線を向けた。
すると奏は翼を霊風に預けると、そのまま立ち上がり、黒いガング
そんな事は後々と言いながら⋮
そう言うと奏は手を振った。
﹁私は大丈夫です。でも⋮如何して奏が此処に⁉
!
真近であんな光景を見て驚かされちゃったぜ
そう言いながらハニカむ奏。
私自身も知らねぇよ﹂
﹂
﹁そう⋮だが、貴方が来た所で何が変わるのかしら
﹁さぁな
何しに来たんだと思ったのかもしれない。
﹂
だが、奏は話をし続ける。話題を変えながら。
﹁時に、お前のそれ⋮ガングニールだよな
﹁⋮ええ。そうね。
?
!
たわね
﹁私は知らないね﹂
﹂
⋮そう言えば貴方は﹃元﹄ガングニールの︽シンフォギア︾装者だっ
?
﹂
﹁あの宣戦布告は中々だな⋮私には真似出来ないや。
すると奏は話をし始める。
しかし、マリアは其れでも平然としていた。
そう言いながら奏はマリアを睨みつける。
?
貴方が手放した物が他の誰かが勝手に使う事に
如何
?
?
753
?
!
その一言を聞いた3人は呆然とした。
?
?
﹁⋮は
﹂
奏の一言で完全に出鼻を挫かれたマリア。
﹁確かに其れは本物のガングニールだ。
だけどよ⋮私は其れを1人の女の子に託したんだ。
﹂
私はその子に何も出来ずにノイズ達が倒されるのをただひたすら
に我慢していた。
だが⋮其れも今日までの事
そう言うと奏はローブを外した
其れを見た3人は驚愕した
﹂
﹂
イの方に指を指す。
﹂
マリアはそれを見ると、そこには何も映ってはいなかったのだ
﹁いつの間に⁉
﹁この一戦⋮無駄にはしない⋮
﹂
そう言うと奏は聖遺物のコンバーターを握りしめた。
風,馬の耳に念仏であった。
其れを見た翼と霊風は奏に離れろと示唆するが、今の奏は馬耳東
そう言うと奏は軽くストレッチを始めた。
ね⋮﹂
﹁さあて⋮翼を可愛がってくれた分は、きっちり返して貰うとするか
!
そう言うと奏は右手で中継がされているであろう映像ディスプレ
てるみたいだぜ
﹁因みに私が翼を助けたと同時に、中継は全∼部シャットダウンされ
だが、奏の顔から不敵な笑みを浮かべながらある事を言った。
マリアは叫んだ事で中継が入っていると思っていた。
代表してマリアがそう叫ぶ。
﹁聖遺物のコンバーターだと
3人に見せた。
そして奏は首元からある物が出て来て、奏は其れを左手で持って、
な格好をした奏がいた。
そこには、元の髪型に戻り、かなりのラフさが目立つボーイッシュ
!
!
!
?
?
!
754
?
⋮オディナ‼
﹄
﹄
﹂
そう言うと奏はコンバーターをマリアの方に向けた
﹁行くぞ
?
﹃我が槍⋮味わうと良い‼
﹃⁉
?
!
!
すると奏は聖遺物のコンバーターを用いて聖詠を⋮歌い始めた⋮
突然聞こえてきたその声に3人は驚愕した。
?
﹁Croitzal gaedearg gaebuidhe zi
zzl⋮﹂
755
!
すると奏の周りに光のオーブが張り巡らされていく
するとシルエットはそのまま分散し、奏の身体に纏い始めた
ようなシルエットが現れたのだ
すると奏が所持していた聖遺物のコンバーターから1人の青年の
!
﹂
ーーーーーーSIDEto弦十郎
聖遺物名は⋮
﹂
﹁アウフヴァッヘン波形感知
﹁照合完了
そう言うと映像から
︻gaedearg gaebuidhe︼
と書かれていた。
ゲイ・ジャルグ⋮ゲイ・ボウ
そんな聖遺物あったのだろうか
﹄
久しぶり∼
﹄
私だって最初こそ驚いたんだから
﹁お前が持っている聖遺物⋮俺達は初めて聞いたぞ
﹃其れは勿論でしょう
﹂
ニットが装備され、奏は︽シンフォギア︾を纏ったのだ
そして全てが纏い終わると、背中にXのような形をしたバックユ
!
!
?
のか
﹄
﹃ガ ン グ ニ ー ル よ り は 劣 る け ど ⋮ あ た し の 力 は ま だ ま だ こ れ か ら だ
756
!
そう感じた俺はすかさず奏に連絡をした。
?
!
!
!
すると奏は直ぐに連絡に応じてくれた。
﹃もしもし
弦十郎のダンナ∼
!
﹁俺だ。弦十郎だ﹂
﹃お
!
奏も初めて出会った聖遺物⋮それを一回の聖詠で物にしたと言う
!
!
!
?
⋮相変わらず暢気かつ大胆だな⋮お前は。
?
!
ぜ﹄
そう言うと奏の方から電話が切れた。
⋮あまり無茶はするなよ。
ーーーーーーSIDEto霊風
ゲイ・ジャルグに⋮ゲイ・ボウだと⁉
それはケルト神話の1つ﹃フィン物語群﹄に描かれている騎士団⋮
﹃フィアナ騎士団﹄の1員であり、一番槍⋮
ディルムッド・オディナの愛槍だぞ⁉
ディルムッド・オディナ。
﹃輝く貌﹄とも呼ばれている男にして、
ゲイ・ジャルグ,ゲイ・ボウと言う名の槍2つと、
モラルタ,ベガルタと言う二本の剣を所持していた凄腕の実力者
!
その内のゲイ・ジャルグとゲイ・ボウ⋮その2つの聖遺物の欠片が
﹂
奏のあのコンバーターの中に眠っているのか⁉
﹁何なの⋮その姿⁉
?
見た目は2年前のライブ会場時に見せたあのギアそのものだけど
⋮
﹂
背中にバックユニットが装備されているのが決定的な違いだった。
だが、何故そんな物を⋮
﹁ふぅ∼⋮
お前とこうやって共闘できるのは凄えな
?
した
﹄
故に貴方の事を思って考えている。
全ては主を守る為
!
757
?
?
確かにマリアの言う通り、それは俺も驚いている。
?
そう奏が言うとコンバーターが淡いピンクを発光させながら点滅
!
!
﹃今の私は貴方の一番槍である。
!
﹁堅苦しいのはよしてくれよ、オディナ﹂
﹃⋮申し訳ない﹄
そう言いながら、奏は自分の胸上に備え付けられているコンバー
ターと話をし始めていた。
なんでコンバーターから人の声が聞こえるんだ
⋮分からない。一体何が⋮
る。
・
・
マリアはその行為を無駄に見るつもりもなく、マントで攻撃した
・
だが、その攻撃は⋮
ビギィッ
﹂﹂﹂
﹂
!
そう感じていると、奏は手に何も持たずにマリアの方へと歩み寄
?
そう言うと奏は背中のバックユニットに手を添えた。
するとユニットから二本の槍が現れ、奏はそれを手にした
赤くて長い槍と、黄色くて短い槍の2つを。
そう言うと奏はそれを両手で自由自在に振り回す⋮
まるで踊っているかのように。
すると奏はこんな事を口にした。
﹂
﹁翼の曲⋮借りるぜ﹂
﹁え
!
!
対して翼はいつの間にかシンフォギアを纏っていた⋮てか早いよ
そう言うと奏は翼の方に顔を向けた。
﹁生憎、今の私に魔力等は効かないぜ
﹁﹁﹁⁉
その効果音で、無力化された。
!
他人の曲で、戦うだと
﹂
それは3ヶ月前の翼の単独ライブの時に歌っていた曲だった⋮
﹁⁉
?
!
758
?
?
そう言いながら奏は歌を歌いながら、マリアに攻撃を仕掛けてきた
?
挿入歌︵﹁FRIGHT FEATHERS﹂高山みなみVer.︶
!
﹁私のギアは特別製だぜ
起こした
うに
あんなの喰らったら⋮
﹁これなら⋮﹂
﹂
﹁悪りぃけど、それは無理だな
﹂
!
そう言うと奏は赤い槍の方をマントに刺した⋮その時だった
ビギィッ
バサッ
!
マントに戻ってしまったのだ
"
相手の魔力を無効化する ︻破邪の槍︼として
これって⋮まさか⋮
﹁ゲイ・ジャルグは、
有名なんだとよ﹂
﹂
﹃宝具﹄
それって⋮﹃宝具﹄の力か⁉
"
基本的には使用する事自体無い。
﹃英雄﹄達の上位にあたる存在﹃英霊﹄達の必殺技。
?
﹁⁉
!
なんと独楽のような動きをしていたマントが、あっと言う間に只の
﹂
﹁なに⁉
!
!
しかも今度はマントを独楽のように自身の周りを駆け巡るかのよ
た
だが、そのままマリアは再びマントを使って奏に攻撃を仕掛けてき
そして後ろにいたノイズ達が一斉に炭と化した。
するとマリアはそのまま躱す。
使えるようだ。
如何やら、
︽ガングニール︾を使用した時に使っていた技はそのまま
ーLAST∞METEORー
!
そう言うと奏は右手に持っていた赤い槍を高速回転させて、竜巻を
!
!
!
?
759
!
?
何故なら、宝具発動時に自分の愛武器達や成し得た偉業が宝具に
なったりするからだ。
それ即ち、自分の正体に気付かれる可能性があると言う訳だ。
フェイカー
尤も、ロックに仕えているアーチャーことエミヤは、贋作を作る存
在⋮贋作者である。
自分の愛武器なぞいとも簡単に破棄できるキチガイ﹃英霊﹄の1人
だ。
話を戻そう。
相手の能力強化を全て無効化させる
今回のゲイ・ジャルグには、
そう言う効果を持っている。
DEARG∞COMET
﹁私なりに言うならこの技は⋮
﹂
"
マリアの足元を狙った
そう言いながら奏はすかさず今度は左手に携えていた黄色の槍で
とでも呼ぼうかな⋮そして
"
!
﹁くっ
﹂
レス腱にその槍が一瞬だが、突き刺さった。
マリアはその隙を突かれ、すかさず回避するが、僅かに足元のアキ
!
﹂
マリアの方へと歩み寄る。
因みにだが、歌はもう歌い終わっている。
相手に呪いを付与する
だな﹂
︻呪いの槍︼として呼ばれてるぜ
﹁対して、このゲイ・ボウには、
BUIDHE∞COMET∞DUST
例えて言うなら⋮
"
﹁何がしたいのか、私達に話してくれないか
﹂
そう言いながら奏はマリアの方へと手を差し伸べる。
"
?
?
すると奏は左手に持っていた黄色の槍⋮ゲイ・ボウを担ぎながら、
立ち上がる事が困難になっていた。
﹁⋮⁉
そうするとマリアは回避し、立ち上がろうとするが⋮
!
?
760
"
"
"
"
人助け馬鹿
超が付く程のお人好し
そんな奏をみた俺は心の中で溜息を零しながら、心の中で愚痴を
言っていた。
全 く ⋮ お 前 は 何 処 か の 立花響 と 人 絆 憑 友 に 影 響 さ れ た ん じ ゃ な
いだろうかと。
⋮上から
そして手を差し伸べようとしたその時に、歌が聞こえてきた。
⋮まさか
﹂
が一斉に攻撃を仕掛けて来たのだ
﹁
﹂
姉貴が負傷してるとなると、かなりきついな﹂
﹁5対3⋮数は此方が有利だけど⋮
着されていた。
そして彼等の左腕には、俺達︽精魂導師︾が使うアブソーバーが装
切歌と調と同じ金髪と黒髪であった。
そんな中、俺は2人の男の子に目を向けていた。
うに構えていた。
調も髪に付いてるギアから大量の小型鋸を何時でも射出出来るよ
ムドギア︽イガリマサイス︾を振り上げ、
そうマリアが言うと、切歌が俺達に手に持っていた武器いや、アー
﹁このくらい平気⋮とは行かないわね﹂
黒髪の方が、月読調だったな。
金髪の方が、暁切歌。
名前は確か⋮
ピンクのギアを纏った黒髪の女の子だった。
金髪で緑のギアを纏った女の子と、
そう言いながら、マリアの近くに2人の女の子が降りてきた。
﹁⋮マリアに何したの﹂
﹁大丈夫デス
それに気付いた奏はすかさず俺と翼の所へと後退させた。
!
そう思い俺は上を見るとそこには2人の女の子と、2人の男の子達
?
﹁⋮ああ。⋮そうだな﹂
761
!
!
そう言いながら2人はそれぞれ武器を構えていた。
黒髪の方は、切歌と同じ鎌を持って、
金髪の方は⋮鎖を扱ってきた。
鎖だけではない⋮
左腰には剣も備えられている。恐らく関連するなら、鎖と剣の性質
を併せ持つ特殊武器︽蛇腹剣︾があるし、
反対側には鞭も用意されている⋮
彼奴はきっと中距離対応型の戦士という事か。
鎌を持っている奴もそうだな⋮
﹂
腰のベルト辺りに何かを収納しているケースがある。
﹂
お前等の魂、縛り付けてやる
クナイや手裏剣のような投擲物なのだろうか⋮
コウコンドウシ
オンコンドウシ
﹁︽光魂導師︾タマシイ
﹁︽闇魂導師︾コア。
肉体ごと切り裂く覚悟は出来たか
荒ぶる風の魂を導く師者
︽風魂導師︾スピリット
﹁
ほぅ⋮光魂導師に闇魂導師ねぇ⋮なら俺も名乗るとしましょうか。
!
・
・
・
・
・
﹂
そう言うと俺は分かるように、指を上へと差し向ける。
その答えは⋮上にある。
俺の言った台詞に向こうの4人は警戒しつつも疑問を向ける。
⋮今さっきまではな﹂
・
﹁5対3か⋮まぁ確かにそうなるな。
彼奴等が来るって事に。
それに薄々気付いていたんだ⋮
ポンを彼等に向けた。
槍,杖,両手棍,薙刀,関節棍等の中距離制圧型の俺のメインウェ
そう言うと俺は得物の長柄武器︽ウィンドルロッド︾を振り回す。
俺の風⋮乗りこなせるかい
"!
?
﹂﹂
それを見た4人は上を見ると⋮
﹁﹁はぁぁぁぁ
!
762
!
?
!
!
"
﹃⁉
﹄
そこから俺達の仲間⋮
憑友と響ちゃんが、
拳を掲げてライブ会場に特攻していた
それを見た4人はそのまま散開、うち切歌と調の2人はマリアを担
いでの回避だったが。
そう感じていると、気配が感じたから後ろを振り返ると、白い鎧を
身に纏っていたロックと⋮
お姫様抱っこされて、顔を茹で蛸のように染めていたクリスがい
た。
﹂
⋮取り敢えず、帰ったらコーヒー飲みたい。ブラックで。
見参
﹁炎の魂を導く師者⋮
︽炎魂導師︾ライド
!
F.I.S.の子供達
さぁ、大人しくしてくれよ⋮武装組織﹃フィーネ﹄いや⋮
これで、5対7だな。形成逆転だ。
!
!
763
!
?
#5 トリガードライヴ
翼のピンチを救った奏は、新たな聖遺物︽ゲイ・ジャルグ&ゲイ・
ボウ︾と言う異色の2つで1つの聖遺物のギアを纏って﹃フィーネ﹄を
名乗る人物・マリアを相手に有利に進め、そして追い込んだと思った
その時に、マリアの仲間である少女2人と少年2人が合流、そして交
﹂
﹂
﹂
戦となるが、その直後に遅れて憑友達がライブ会場にやって来て、再
び戦況が逆転されたのであった⋮
こんな戦い
ーーーーーー
﹁止めようよ
﹁⋮そんな、綺麗事を⋮
響はそう言いながら、マリア達に説得を試みるが⋮
今日出会った私達が争う理由なんて無いのに
!
﹂
俺達﹃フィーネ﹄はそんなお前さん達のような奴等が気にく
﹂
﹁⋮邪魔をする奴は⋮容赦しない⋮
わねぇんだよ
﹁おうよ
切歌がその説得を拒絶した。
ピンクのギアを纏う少女・調と、ビリジアン系色のギアを纏う少女・
﹁綺麗事で戦う奴の言う事なんて聞いてられるかデス
!
今の俺達の力って⋮
こんな事をして、俺達⋮何がしたかったんだろう⋮
確かにそうかもしれないな。
綺麗事⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
憑友のライバル⋮ロック以外は。
﹁⋮憑友⋮﹂
人を除いて誰もいなかった⋮
その際に、憑友がそう呟いていたが、その言葉を聞き取れた人は1
﹁⋮綺麗事か⋮﹂
師︾コアと名乗った少年が其々の得物を向けた。
そう言いながら、
︽光魂導師︾タマシイと名乗った少年と、
︽闇魂導
!
764
!
!
!
!
!
﹁話せば分かり会えるよ
﹂
﹁偽善者﹂
﹁⁉
偽善者⋮響が⋮
セッ
ト
偽善者
﹂ 戦う必要なんて⋮﹂
悪あがきと行こうかな⋮
⋮トリガー⋮告げる⋮
ーーーーーーNO SIDE
﹄
﹁ははは⋮ははは⋮﹂
﹃
﹂
⋮おい、何をそんなに笑っ⋮⁉
﹁⋮憑友⋮
﹁憑友
﹂
?
この際だ⋮もうあと一ヶ月でこの世から亡くなる俺の⋮
心が狂って来た⋮
⋮はは⋮ははは⋮ははははは⋮
﹁この世界には貴方のような存在が多すぎる
!
ロックは憑友の肩に手を置こうとするが、本人がそれを拒んだ。
﹂
そして響よりも前に出て、マリア達に指を向け、告げた。
﹁偽善者⋮だと⋮ふざけんな
﹄
⋮てめえ
﹂
そう言うお前達も同じ﹃偽善者﹄だろうが
﹃
﹁
!
!
を離さなかった
その鞭を持ったまま憑友は話を続ける。
た
タマシイは強引に鞭を引っ張るも、憑友の身体はビクともしなかっ
!
だが、憑友はその鞭を簡単に受け止めるだけではなく、そのまま鞭
きた。短気な性格のようだ。
憑友から言われた一言で、タマシイはそのまま鞭で攻撃を仕掛けて
!
765
!
?
?
憑友の突然の事態に周りの状況が変化し始める。
?
?
?
!
!
﹁てめえらに⋮てめえらに、響の何が分かる‼
じゃねぇ
﹂
﹂
﹁響の事を何も知らないお前達に、響の事を﹃偽善者﹄呼ばわりしてん
?
フォーム、ユカリ
ー
!
ー
!
せ、レバーを引いた。
ー
フォーム、アカネ
ーライド
炎の咎人
聖なる扉
炎を噴き出す⋮
﹁
⋮
﹂
ナイトメア・パレード
メギド・フレイム
﹁
‼
﹂
?
﹁⋮何⁉
﹂
しかし、その攻撃は⋮
赤き︹炎︺と、黒き︹闇︺が激突する⋮
"
"
バーに装填させ、レバーを引いた。
すると上空にいたタマシイはそれを見逃さずに、カードをアブソー
とどのつまり、憑友に軍配が上がったのだ。
コアの闇の一撃が簡単に押し退かせられた結果になった。
?
!
!
対して、コアの方も、鎌の先から闇の瘴気を纏わせて、一撃を放つ
!
そして地面に着地と同時に、アカネのドライバ﹃イグナイト﹄から
!
!
とその鎌の上を通り越すと同時に、カードをアブソーバーに装填さ
するとすかさずその鎌で憑友を刈り取ろうとするが、憑友はヒラリ
ー聖なる扉、闇の魔女王
して機械的な鎌を持った女の子が現れ、コアはそれを纏った。
するとそこから紫が主体としたコーデとカーディガンを羽織り、そ
ーコア
ドを取り出し、そしてアブソーバーに装填させ、レバーを引いた。
それを見たコアはすかさず右腰についてるカードケースからカー
たのだ
すると鞭の所有者であるタマシイ自身が鞭と同じ、上へと飛ばされ
そう言うと手に持っていた鞭を豪快に上へと掲げた。
!
!
!
"
766
!
!
"
ータマシー
フォーム、ウェンディ
竜滅者
が現れ、それを纏った
ー風で吹き飛べ
ー
!
!
ー
!
するとタマシイのアブソーバーから青髪のツインテールの女の子
!
天竜の⋮咆哮
を開けた
﹁
﹂
?
ーライド
フォーム、ナツ
竜滅者
ー
れ、それを憑友は纏った
ー炎で滅せ
火竜の咆哮
仕掛けた
﹁
‼
﹂
?
!
ー
!
中央に照射され、そこからスライム型のノイズが現れたのだ
それを見た翼,クリス,奏,ロック,霊風の5人はすかさず戦闘体
!
そんな激闘を繰り広げていると、何処からか緑のビームが、会場の
そこにあったのだから。
そこには完全に焼け溶け、最早原型を留めていないメインパネルが
そして皆は後ろにあったメインパネルに驚愕した。
その一撃で、タマシイ達は緊急回避をした。
"
すると憑友はタマシイと同じ動作をして、そのままお返しの攻撃を
!
!
するとアブソーバーからピンク髪で、マフラーを巻いた青年が現
!
憑友はそう言いながら、レバーを引いた。
﹁そんな程度か。本物の﹃咆哮﹄をお見舞いしてやろう⋮﹂
ブレス
すると憑友はカードを取り出し、アブソーバーに装填させ、
風。
その様子を只々見ていた︽シンフォギア︾の装者達と、ロックと霊
い憑友がそこに居たから。
何せそこには腕でガードしたのにも関わらず、キズ1つ着いていな
それを見たタマシイは驚愕させられた。
ガードした。
まるで風のブレスとも呼べる技を憑友はそれを見た瞬間に、腕で
‼
するとタマシイはそのまま空気をこれでもかと吸い込み、そして口
!
"
!
!
767
"
"
﹂
勢に入った⋮その時だった。
憑友⁉
ドサッ⋮
﹁
﹂
!
憑友を返して
﹂
!
イムノイズに、砲撃技
HORIZON†SPEAR
するとスライムノイズは更に急成長したのだ
"
をぶっ放した
ニール・スピア︾が携えてあり、マリアはそのまま先程出現したスラ
そう言うと、いつの間にかマリアの手には、アームドギア︽ガング
﹁この男にはまだ利用価値がある。特に私にはな﹂
﹁
するとマリアが憑友の所まで近付くと、そのまま担ぎあげたのだ。
にした。
タマシイが、得物の1つである鎖で、響をそれ以上行かせないよう
﹁させねぇよ
響が憑友に近付こうとしたが、
それも、変身も強制解除されて。
戦っていた筈の憑友が地べたに完全に倒れていた。
響の声が聞こえ、もう一度振り返ると、そこには完全に先程まで
?
﹂
?
﹂
ズ達を殲滅し始めたのであった。
﹁立花
そんな響に翼が話しかける。
?
﹁今、立花がここで諦めたら、誰が憑友を連れて帰る⁉
憑友を連れて帰るのは、いつも憑友の側にいた立花だけだろ⁉
﹂
その光景を見ていた皆は黙り込みながら、それでも湧き上がるノイ
目の前で、大切な存在を連れ去られた事に。
響の声が会場に響く⋮
﹁憑友ーー‼
するとマリア達はそのまま逃亡したのであった⋮憑友を攫って。
闘し始めた。
それを見た翼達はこの状況を打開させる為に、被害を抑えようと奮
!
"
?
!
768
!
!
!
﹁おめぇにとって、あの馬鹿はそんな程度かよ‼
⋮な
﹂
﹁奏さん⋮はい
ションアタック
F2CA・トライバースト
﹂
と、
で、スライムノイズを
、ロックの新技
タイフーン・スピア
DEARG∞COMET
と、霊風の新技
奏の
ロー
倒したのであった。
スパイラル・ア
その後、響は翼とクリスとで生み出した﹃絶唱﹄を用いたコンビネー
あった。
それを聞いた響は皆んなと共に、スライムノイズを倒して行くので
憑友だったら⋮絶対そうしますから
﹂
﹁彼奴はそんな柔な奴じゃない⋮今はまだだけど、必ず連れて帰ろう
そんな響の隣に奏が立つ。
翼の声と、クリスの声を聞いた響は、それでハッとなった。
?
此処は⋮何処だ⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
流すばかりであった⋮
すと、響はそれを胸の方へ寄せると同時に悲しい現状にただただ涙を
落ちており、それを見つけたロックは、カードケースを拾い、響に渡
そして現場には、憑友が使用していたカードケースがいつの間にか
しかし、その代償があまりにもデカかったのであった。
ノイズを倒す事に成功した一同。
"
"
"
"
"
その際に、虹の竜巻を起こして⋮
"
"
⋮
駄目だ。思い出せない⋮
あの後⋮一体なにが起こったんだろう⋮
それに此処は一体⋮
﹁⋮目が覚めたようね。人絆憑友﹂
⋮マリア・カデンツァヴァナ・イヴ。
?
黒髪の女の子から響の罵声を聞いて、その後⋮トリガーを起動して
俺⋮確か⋮あの時⋮
?
769
!
!
?
"
⋮今の俺の敵。
つまり此処は彼女達のアジトか。
それによく見てみると、ビーム状の格子に囲まれている⋮
俺は捕虜になったという事か。
﹁⋮抵抗して来ないのね﹂
﹁⋮何しに来たんだ⋮こんな捕虜相手と話し合おうなんざ⋮変わった
歌姫な事で﹂
そう言うと、マリアは俺の近くにまで来て、毛布をくれた。
﹁此処は少しばかり冷えるからこれで暖まりなさい。
それに、これも貴方に返しておくわ﹂
そう言って、マリアが毛布と共にやったのは、俺の相棒であるライ
ドさんと、キリト師匠のカードだった。
﹂
⋮他のカード達が見当たらない。
﹁⋮他のカードは
﹁其処までは知らないわ。
ただあのライブ会場で私にも気付かずに、カードケースごと落とし
たのかもしれないわね﹂
﹁⋮話を変えても良いですか﹂
そんなの今のご時世では通用しねえんだよ
﹁⋮タメ口で構わないのに﹂
年上に対してタメ口
⋮これが。
﹁⋮何故俺に此処まで接してくる⋮
するとビーム状の格子が消えた。
するとマリアは格子の近くにあったディスプレイを弄る。
今此処に来て、初めて気付いたのだ。
もう一度だけ言う⋮本当に気付いてなどいない。
た。
そして俺はそのままそれに気付かずに、奴等の掌で踊らされてい
あの場にいた彼女達は俺を元から狙っていたような目をしていた。
﹂
敵に塩を送って、何がしたいんだ
?
俺の真意はそれだった。
?
?
770
?
今なら逃げられるぞ
﹂
かかったんだ。
特定物や特定者に対する感情
"
トリガードライヴ
己の中に眠る
能力。
を引き金に起こす
しかも、今回は︽トリガードライヴ︾を発動した事で、更に拍車が
俺の余命はあと持ってして1ヶ月を切っている。
今の俺には何もかも疲れたんだ⋮摩耗していたんだ。
﹁疲れたんだ⋮何もかも﹂
﹁え
﹁⋮れたから﹂
﹁⋮これでも動かないなんてね﹂
俺の思考や、皆はそう感じている事だろうが⋮
!
ている。
ロックは義理の妹であるクリスさん、
ト リ ガー
"
まっているのである。
余命の削減
。
投げ出さないといけない⋮それ程までに俺の心に深く浸透してし
この四つの存在のどれかが関連していると、最早自分の命を簡単に
ガーよりも圧倒的にデカかった。
俺にとって掛け替えのない幼馴染達に関するトリガーは他のトリ
響,未来,逝都,馬燈。
その中でも特に⋮
とにかく俺の中に眠る引き金はあまりにも多いのだ。
板﹄の皆んな等、
親父,お袋,ライドさん,セレナ義姉さんのような家族や﹃英雄石
創世,弓美,詩織等の学校の皆んな⋮
翼さん、奏さん、クリスさん、霊風さん、ロック、二課の皆⋮
だが、俺は特質だった⋮
霊風さんは、翼さんと奏さんに対する引き金がある。
ト リ ガー
︽精魂導師︾に成れる物は少なくても1つはその感情の引き金が入っ
"
その代償こそが⋮
"
771
?
とどのつまり⋮命を削る事である。
今回はそれが大きく影響してしまった所為で、俺の身体はあと数週
間でこの世から消えてしまう事も、自分自身実感していた。
まだ神が与えた課題を終わらせていないままなのに⋮
︽竜を滅する﹃剣﹄︾,︽魔を穿つ﹃弓﹄︾
︽銀の﹃腕﹄︾,︽女神の﹃盾﹄︾
︽女神の慈愛を受けし﹃鎌﹄と﹃鋸﹄︾
槍
の名を冠する﹃拳﹄︾
︽2振りの﹃槍﹄︾,︽歪みし﹃鏡﹄︾
そして⋮︽
だった⋮
?
と言っても、どっちも私の話なんだけどね﹂
﹁貴方を此処に連れてきたのは大きく2つ。
一体何をしたいのやら⋮この歌姫さんは。
に座った。
それを見たマリアは﹁隣、座るわね﹂と改めて言い直して、俺の隣
取れるジェスチャーをした。
そうマリアが言ってきた。それに気付いた俺はそのままどうぞと
﹁⋮少し隣良いかしら
﹂
結局ルナアタックから3ヶ月経った今でも未だに収穫は0のまま
"
⋮俺は神になったつもりはないんだがな。
﹁もう1つは⋮﹂
どうせ碌な事j⋮
﹁セレナ・カデンツァヴァナ・イヴについてよ﹂
772
"
﹁1つ目は、私達の仲間を蘇らせて欲しい事﹂
?
⋮セレナ義姉さんの事だと⋮
?
773
#6 残りの余命
憑友は困惑していた。
﹂
それはマリアが、自分の義理の姉であるセレナの事を話に出したか
ら。
﹁⋮俺とそのセレナとか言う人と関係が在るとでも
﹁調べは付いてるのよ。
貴方の義理の姉・人絆セレナの本名が、
﹃セレナ・カデンツァヴァナ・
イヴ﹄だと言う事を﹂
﹁⋮﹂
﹁教えて。セレナは元気にしているのかを﹂
憑友はマリアの顔を見た。
そこにはまるで長年生き別れた存在と出会って、それでもまだ寂し
い想いに浸っている者が出る顔をしていた。
それを見た憑友は、マリアによって支給された毛布をマリアに掛け
た。
その憑友の行動に戸惑うマリアを余所に、憑友は自分の命を削りな
がらも話をし始めた。自分の義姉・セレナの事を。
﹁セレナ義姉さんは、俺がまだ9歳かそのくらいの年に、全身に傷や火
傷等を負って、倒れていた所を俺が見つけたんだ。
一緒に居合わせていた親父と母さんの状況判断のおかげで、命に関
わる峠は無事に乗り越えた。
けど、代償として⋮
﹂
自分の名前以外の事を全て忘れてしまっていた⋮﹂
﹁
その時のセレナ義姉さんは涙を流していた。
⋮貴方がセレナ義姉さんの姉なら、なんで迎えに行ってあげられな
かったんだ⋮﹂
774
?
﹁その後、セレナ義姉さんを俺達家族が養子として迎えたんだ。
其れをみた憑友はそのまま話をし続けた。
憑友の話を聞いたマリアは目を見開かせていた。
!
憑友から発せられた言葉にマリアはそのまま憑友に顔をも向けず
に、俯いてしまった。
その様子を見た憑友は、何も言い返さず、代わりにこう告げた。
﹁今のセレナ義姉さんは貴方の事なんて、憶えていないのかもしれな
い。でも⋮
貴方がセレナ義姉さんと一緒に暮らしたいと言うのなら、俺は何も
言い返しません。
その代わりに、こんなテロ行為を辞めて、自首して下さい﹂
憑友はそう発しながら告げるが、マリアは首を縦⋮では無く、横に
振った。答えはNOとも言える行動だった。
その理由をマリアは告げた。
﹁私にはまだやるべき事があるの。
この星を⋮人々を救う為に⋮﹂
そう言い残すと、マリアは自分に掛けた毛布を今度は憑友にかけ
て、ビーム状の格子をまた憑友の周りに張り巡らせた。
そしておやすみの挨拶をするとマリアはその部屋から立ち去った
のであった。
それを見た憑友はマリアの悲しい表情に胸が苦しくなりながらも、
本当の事を言った自分は何が出来るのであろうかと自問自答しつつ、
その日は就寝した⋮
そして、そんな憑友を見た1つと1枚ことライドさんと﹃英雄﹄キ
リトは、
﹁⋮これで良かったんだろうか⋮﹂
﹃それは、私にも分からないさ。
ただ、憑友の命は持って数週間と言う事だけだろう﹄
﹁⋮﹂
﹃出来る事が憑友の残りの余命を⋮見守る事しか出来ないと言う事な
のか⋮﹄
﹁⋮ああ﹂
﹃⋮しんみりした話は此処までにして、今日はもう眠ろう⋮﹄
775
﹁そうだな⋮︵また何時しか会えるよな⋮アスナ⋮︶﹂
2人はそのままスリープし、その日は就寝したのであった。
ーーーーーー
一方、此処はリディアン女学院。
かつては山の頂上に設立されていた学校だが、
先史文明期の巫女・フィーネが極秘裏に建造していた荷電粒子砲
︽カディン・ギル︾にて、その場所は禁止区指定されていた。
そして現在、リディアンは都市部の一角にある草花達と共生してい
る建物に移し替えて、リディアンの生徒達は今日も元気のいい朝を迎
えていた。
ただ1人⋮響を除いて。
﹁⋮﹂
何時もなら明るくて、五月蝿い性格の彼女があまりにも深刻した顔
を見せていた。
﹁響⋮﹂
その様子を隣に座っている響と憑友の幼馴染にして親友の未来が
心配していた。
そんな2人の様子を廊下側に座っていた2人の生徒が見ていた。
2人の生徒の学生服は他の生徒達と明らかに異なっている服装を
着用していた。
﹁彼処まで深刻だと、今度の学園祭⋮響ちゃん欠席する可能性がある
な⋮﹂
﹁ああ⋮﹂
2人の生徒の名は、浅岡逝都と、一走馬燈。憑友の唯一の男友達で
ある。
本来、リディアンは、講師を除いて皆、女性と言う謂わば女子校な
のである。
なのに何故、男であるこの2人が此処に通学しているのかと言う
と、
自分達が通っていた学校を夏休み前まで通って、その後は、二課の
司令にして風鳴翼の叔父・弦十郎の手により、この学院に特別編入さ
776
れたのである。
2人とも見た目もさる事ながら、学力や身体能力も高かった為、リ
ディアンの生徒達から黄色い歓声を貰ったのだが、現在はなりを潜め
ている。
そんな2人の座っている席の前には、先日のライブ会場で未来とと
もに居合わせた3人の女の子⋮創世,弓美,詩織の3人が座っていた。
﹁ビッキーが彼処まで沈むなんて⋮﹂
﹁憑友君が居なくなった事に影響が出ているんですね⋮﹂
﹂
﹁まるでドラマやアニメじゃない⋮﹂
﹁長距離恋愛だと言いたいのか
﹁そうは言ってないけど⋮私達もやっぱり心配するわよ⋮﹂
そう言いながら、5人は響と未来が座っている席を見る。
人
物
響きと未来の座っている席は3人まで座れる席であり、その端っこ
には本来座るべき存在であろう憑友はそこには虚空となりて、存在し
なかった。
ーーーーーー
夜が明けた頃、憑友は1人ただ闇雲に何かをしている⋮と言う訳で
はなく、残りのエネルギーもとい余命を温存する為に、格子の奥の壁
側に毛布に包まれながら、ただひたすら仮眠をしていた。
彼は実は一度死んでいる。読者諸君は気付いているだろうか
その際に、自身の身体は幽霊のような特徴を持ち合わせたハイブ
だ。
その後、この世界の神様に生き返らせる条件付きで再び現界したの
度去っているのだ。
劇︾で、奏の命を救う代わりに、その身を灰へと化し、この世から一
彼は2年半前に起こった﹃ツヴァイウイング﹄の︽ライブ会場の悲
?
リットボディ、通称︹半幽霊︺として今も尚、現界し続けているので
ある。
すり抜け
られると言う特徴があ
⋮さて、私が言いたいのは何かと言う事なのだが⋮
幽霊は壁でも何であろうと、
る。
"
777
?
"
これは他の者達で言う所の
ているのである。
霊体化
と言う能力が大きく影響し
"
霊体化
しないで、ずっとマリア達のアジトに長
"
﹁もちろんデス
﹂
霊体化
﹁⋮お前ら2人共⋮食べてるのか
を使用する際にも、自身の命を削っ
﹂
だが、それを見ていた憑友は溜め息を零していた。
断すら出来ないのであった。
いつ襲われる︵両方の意味で︶かもしれない状況での対応な故に油
させ、2人はそろ∼りと、お盆を憑友の方にやった。
そう言いながら、2人は慎重に憑友の周りのビーム状の格子を解除
如何やら朝食のようだ。
読調がお盆を持って来ていた。
そこには金髪の女の子・暁切歌と、黒髪ツインテールの女の子・月
﹁⋮これ﹂
﹁⋮ついさっき﹂
﹁⋮起きてたデスか⋮﹂
それに気付いた憑友はその方に顔を向ける。
そんな中、憑友が収監されている牢屋のドアが開いた。
態ではそれすらも惜しいのである。
と言っても、ほんの1、2時間程度の消費なのだが、今の憑友の状
ていたからだ。
その理由は簡単だ。
居し続けているのかに疑問を持っている者は居ないだろうか
つまり⋮何故、
幽霊の特徴を併せ持つ憑友にとって、それは造作もない事だ。
"
"
?
そう言うと憑友は自分のポケットから何かを漁り始める。
切歌と調は何かをすると思ったのか、ギアのペンダントを取り出す
待て
のジェスチャーをして。
778
"
?
"
﹁食費250円⋮食べ盛りにしては酷え話だ﹂
﹁今日は250円﹂
!
が、憑友が手を前に翳した。
"
﹁⋮ 有 っ た。ほ ら。こ れ で あ の 2 人 と 共 に 何 処 か で 食 べ に 行 っ て 来
"
い﹂
そう言うと、憑友は2人の足元に向かってある物を投げた。
それは⋮憑友の財布だった。
﹂
実は憑友はポケットマネーよりも現金派で、常に懐に仕舞い込んで
﹂
いくら敵でも、こんな物は受け取れないデスよ⁉
いるのである。
﹁⁉
﹁⋮如何して⋮
それを見た2人は動揺する。それも当然だ。
敵とはいえ、何故ここまで気遣うのかを。
すると憑友は語り始めた⋮
自分が響と再会する前の自分の話を⋮
だ﹂
⋮だから俺はそんな事態に陥って欲しくないから、君達に渡したん
それにその子供達は、君達のような若い子達ばっかりだった。
俺はそんな事態に陥った世界が嫌いだった。
らと思うと⋮
これが戦争等の人的災害や、ノイズのような特異災害の場合だった
その時は自然災害だったが⋮
溶岩で固まった土地からは骨の一本すら残っていなかった⋮
⋮
そこの土地にいた子供達は俺が助けようとしたが、時既に遅かった
その土地には活火山があって、それが活発、噴火した。
だけど⋮俺は結局その子達を救う事は出来なかった。
⋮
子供達の気持ちに俺は可能な限りの物資をその子達に届け続けた
生きている子供達がいた。
そこでは、食糧はおろか、水すらも手に入れられないような場所で、
その時に、小さな子供達しかいない場所を見つけた。
善者﹄紛いな事を繰り返してきた。
﹁2年前⋮俺は世界を股にかけて、ノイズを⋮人々の戦争を止める﹃偽
?
憑友の話を聞いた切歌と調は自分達のやって来ている事が偽善な
779
?
?
のか如何かも怪しくなったのであった。 そして話を聞いた切歌と調は、憑友の財布を持って、牢屋を後にし
た。因みに格子はまた張り巡らせている。
そして2人が持って来たメニューを憑友は一口付けた。
﹁⋮美味いな﹂
そう言いながら、少し微笑んでいた。
ーーーーーー
そして食べ終えた憑友は再び眠りに就こうとしたが、牢屋のドアが
開いて来たので、眠るのをやめた憑友はその方を振り向くと、其処に
いたのは、
﹁おやおや、ご就寝の時間でしたか﹂
﹁⋮Dr.ウェル﹂
化け物
完全聖遺物
﹃ソロモンの杖﹄を携えていた。
先日、行方を眩ませていたウェル博士が、同じく消失したと思われ
ていた
た。
﹁如何ですか
新しい住処は
﹂
﹁⋮なんなら、変わってやろうか
?
﹁いや、遠慮しておきましょう﹂
﹂
憑友はそう言うと、ウェルは不敵な笑みを浮かべながら話しかけ
たまた行き詰まったのか﹂
﹁⋮こんな俺 相手を観察する為に来るなんて、よっぽど暇なのか、は
"
完全聖遺物 ﹃ネフィリム﹄
"
"
﹁⋮と言いますと
﹂
必要なんじゃないのか
?
﹂
⋮だが、進化実験するなら、其れなりの経験が﹃ネフィリム﹄には
それと⋮﹃ネフィリム﹄ね⋮
﹁F.I.S.⋮武装組織﹃フィーネ﹄の本当の名か。
の進化実験にね﹂
我々﹃F.I.S.﹄が所持している
﹁それよりも、貴方には実験に手伝って貰いますよ。
そう言うとウェルは咳こむ動作をすると、本題に入った。
?
?
?
780
"
﹂
﹂
﹁その﹃ネフィリム﹄に様々な戦闘を見せれば、良いアドバンテージに
なるんじゃないのか
せんせー
﹁⋮成る程。では、貴方がそれを見せてはくれませんか
イ
会
場
sofMusic に ケ ー ス ご と 落 と
ブ
﹁生憎手持ちにあるのは、格闘術と剣術使いの師匠の力だけだ。
ラ
他 の は 全 て あ の Queen
からない。
﹁⋮貴方があの子達に何をしたいのか⋮何を成したいのかの真意が分
﹁叔母さんとはもう呼んでくれないのですね﹂
﹁⋮お久しぶりですね。ナスターシャさん﹂モグモグッ
それを受け取った憑友は食事を進めながら話をし始めた。
椅子に搭載されているメカアームで、夕飯を憑友に渡した。
そう言う憑友に対して、女性・ナスターシャは格子を解除させて、車
のやら﹂
の間にか夕飯時とは⋮俺の体内時計もとうとう可笑しくなって来た
えばウェル博士が来て何かを言ったと思えば、今度は貴方が来ていつ
﹁⋮ついさっきまで少女達から昼飯貰って食って、食べ終わったと思
時間は19時を回っていた。
女性の後ろに掛けられていた時計を見た。
そう言いながら話しかけてきた女性の言った台詞を聞いた憑友は
﹁すみませんね。こんな時間になって﹂
﹁⋮﹂
しかもご丁寧に、お盆まで持って来ていた。
女性がやって来ていた。
そこには発展した技術を持った車椅子に乗っている眼帯をかけた
開いたので、憑友はかなり苛立ちながら視線を向けると、
憑友は漸く落ち着けると思って、寝ようとするとまた部屋のドアが
ま牢屋から出て行った。
そう言うとウェルは不敵な笑みと不気味な笑いをしたまま、そのま
﹁そうですか⋮ならば、それを探す為に動くとしましょう﹂
したみたいだからな﹂
'
現にあの宣戦布告の猶予である24時間はとっくに過ぎたばかり
781
?
?
・
・
か、此処1週間何もしないなんて⋮﹂
﹁貴方の事は、彼女にだけ伝えてあります。それ以上は言わないと⋮﹂
﹁⋮そうですか﹂
そう言うと憑友は手を添えて﹁ご馳走様でした﹂と感謝をした。
そこには質素だった夕飯の飯は何1つ残ってはいなかった。
俗に言う完食である。
﹁⋮如何して俺を軟禁なんか⋮こんな化け物、さっさと成仏させれば
良いのに﹂
そう言いながら、憑友は話をし始めたが、
ナスターシャはそうはいかなかった。
﹁今宵、このアジトを放棄させます。
いつでも向かう準備は出来ています。貴方を除いて﹂
如何やら、今現在住んでいるこのアジトを放棄する算段のようだっ
た。
そして残されたのは、憑友自身の準備だけだった。
﹁⋮要は俺が最後と言う訳か﹂
﹁マリア達の方はもう既に動いています。
貴方の身体の容態が悪化しているのは、彼女から充分に承知してい
るのです﹂
﹁⋮母さんめ⋮﹂
憑友はそう愚痴を零す。
実は憑友はナスターシャ教授とはこれが初めてでは無い。
寧ろこれで3回目なのである。
1回目は憑友がまだ産まれたばかりの頃に、母親であるジャンヌ
と、父親である玄也に抱っこされた時に、3番目に抱かれたのがこの
女性・ナスターシャ教授だったのだ。ただ、その頃はまだ記憶が皆無
で、あまり覚えられなかったのだが⋮。
そして2回目の時は、母親・ジャンヌと共に、ナスターシャ教授に
成長した姿を見せる為に顔を合わせた。その頃に漸く顔を憶えた。
ジャンヌとナスターシャとの関係は前々から知っていた憑友だが、
今回の件に深く関わっていた事には驚かされていたのだ。
782
﹁もう直ぐこのアジトに、貴方の仲間が来ます。
・
・
・
・
しかし、此処で貴方を返すわけには行かないのです。
・
貴方⋮仲間にすら、自分の本当の余命を言っていないのでしょ
﹁⋮顔に書いてたか﹂
ナスターシャの言い放った言葉に憑友は肯定した。
・
﹂
実は憑友は、響や二課のメンバーにはあと1年しか生きられない
と、嘘をついていたのだ。
ただ、2年前から会っていた弦十郎と緒川の2人は本当の事を知っ
ているのは事実だが⋮。
・
響達︽シンフォギア︾装者や、霊風,ロックの︽精魂導師︾達には
﹃あと1年しか生きられない﹄と嘘をついていたのだ。
⋮大事な事なので、2回言わせてもらう。
﹁すみませんが、貴方にも同行して貰います。
終わった際にはかならずあの子達の元へお返ししましょう﹂
ナスターシャの言った台詞を聞いた憑友は、黙り込むが、すぐに思
考を変えて、
﹁分かった﹂
ただそれだけ言うと、憑友は今の今まで使う事が無かった脚を⋮動
かした。
783
?
#7 奏とオディナの出会い
憑友が決意した話から1週間前に戻そう。
それは奏が二課に戻ってきた時の話に戻る⋮
ーーーーーー
奏を始めとした︽シンフォギア︾装者とロックと霊風は響の精神状
態が安全では無い事を悟ると、響を未来の所に送った。
その際に、響はユイのカード以外をカードケースごとロックに手渡
し、響は未来と共に自分達が住んでいる学生寮へと帰って行った。
その後、霊風が用意した車に乗った残りのメンバーは、現在二課が
活動拠点としている場所へと向かっていた。
そこは⋮﹁自然都会﹂だった。
本来なら自動車などの人口物は一切合切立ち入りを禁止されてい
る場所なのだが、霊風が用意した車は特別に進入の許可を得た所謂
であり、平然とその奥地へと向かっていった。因みに時刻は
わっていた。
シャフト程ではないが︶を下りた先には、作戦指揮を執る指令室が備
長いエレベーター︵と言ってもカディンギルのようなエレベーター
そう言いながら、施設の中へと移動する一同。
﹁私や霊風さん達は奏が3ヶ月の間に何度も来たけれどね﹂
﹁此処が﹁自然都会﹂⋮初めて来たぜ﹂
そして車はとある施設の所までやって来て、駐車した。
ていた。
る蟲⋮雷光虫達が光を出しながら美しい幻想的な光景を見せてくれ
道中、
︻雷狼竜︼の異名を持つモンスター・ジンオウガと共生してい
現在午後10時である。
特別車
"
そして奏が一歩前に出ると、それに気付いた弦十郎が奏の元へと歩
み始める。
﹂
﹁⋮無事に帰って来て何よりだ。奏﹂
﹁まぁな
そう言いながら2人は握手を交わす。再会の暁の瞬間であった。
784
"
!
それを見た二課のスタッフも一同に奏の元へと集まっていた。
雑談に花を咲かせていると、弦十郎が奏に話を持ちかけた。今回の
一件についてを。
﹁取り敢えず、話をしよう。翼達も聞いておいて損は無いだろう﹂
そう言うと、弦十郎は藤堯と友里、牧藁と緒川以外のスタッフを指
令室で待機させつつ、現場の仕事をやるように示唆するとスタッフは
全員満場一致で自分達の仕事に取りかかった。
そして弦十郎達は長い廊下をエスカレーターで移動していく。
そして弦十郎が立ち止まった場所で奏達は目を見開いていた。
そこには、
︻英雄石板保管室︼と書かれた一室だった。
弦十郎はそこのドアのロックを解除すると、
そのまま皆を中に通す。
そして内部には壁一面にたくさんの﹃英雄石板﹄が保管されていた。
﹂
!
30枚程度が、まるでピラミッドのように連なっていた。
奏に言われ、それを聞いた弦十郎は話を進めた。
﹁あの﹃英雄石板﹄等は、詠唱を行ったものの、肝心のカードが無かっ
たのだ。つまり、誰かが先に解読そして詠唱を行った事で既にもぬけ
の殻と化していたんだ﹂
その話を聞いた奏は近くにあったテーブルに納められてた椅子に
座った。
奏を筆頭他のメンバーも席に着き、そして弦十郎が席に着いたのを
機に話を始めた。
﹁さて⋮話というのは他でも無い。
奏⋮お前のそのギアは一体如何言う事なんだ
こっているのだが⋮﹂
2つの聖遺物が1つになっているなど、俺には想像し難い現象が起
?
785
その数⋮300枚は下らなかった
⋮此処に積まれてるのは
すると奏はある場所を見つめた。
﹁
?
見つめた先にあったのは、大量の﹃英雄石板﹄の山であった。
?
﹃その話は私が言おう﹄
すると突然聞こえてきた声にこの場にいる全員が警戒する。
すると奏が所持していたコンバーターであるギアペンダントが奏
から離れ、テーブル中央に滑り込んだ
トから映像が出て来たのだ
まるでホログラムのように。
それを見た一同は目を向け、視線を当てると、なんとギアペンダン
!
﹁てめぇ
﹂
﹂
1
霊風と﹃英雄﹄セイバーであった。
人
貴方なのですか⁉
ランサーじゃんか⁉
﹁ランサー⁉
1
転生者
?
﹁⋮それで、君の名は
﹂
すると青年は自身の名を告げた⋮真名を。
フィオナ騎士団
の一番槍であり、
﹃我が名は、ディルムッド・オディナ。
騎士団長
﹂
フィン・マックールと
同時に我がマスター⋮天羽奏の身を守る騎士なり
﹁ディルムッド・オディナ⋮確か、
﹂
"
では、何故セイバーがそのディルムッドと知り合いなのだ
共に戦場を駆け巡った存在⋮
﹁
"
﹄
そこから数分後には元に戻り、そのまま話を進めた。
でも無かった。
その光景をみた他の皆はその声の高さに吃驚していたのは言うま
訂正。
枚
それを見た瞬間に声を上げた存在が約1名⋮
あった。
そしてその映像には顔付きがイケメンで、右目の下辺りに黒子が
!
謂わば彼は私や、アーチャー、もう1人のランサーと同じ﹃英霊﹄即
そのオディナと戦って、時には共闘もした存在なのです。
おきましょう。
﹁私はシロウと出会う前に、ランサー⋮この場ではオディナと申して
するとロックがそのオディナとセイバーの関連の話を聞くと、
ペンダント⋮オディナがそう言うと、緒川が軽い解説をした。
?
?
"
786
"
?
!
"
?
!
!
"
?
﹂
ち使い魔︽サーヴァント︾の1人でもあるんです﹂
その話を聞いた皆は真剣に話を聞いた。
すると霊風が話を変えた。
﹁んで⋮オディナと奏はいつ出会ったんだよ
そう聞くと、奏がその説明に入った。
ーーーーーーSIDEto奏
∼回想∼
あれは私がアイルランドで旅をしていた頃の話になる⋮
そこではある噂が流れていた。
麗しい美青年によって、女性達が見る見ると行方不明になっていく
という不可思議現象に。
面白半分でその話を調査する事にした私はとある森にその美青年
がいる事を突き止めて、私はその場所まで向かったんだ。
長い森の中を、食糧や水を切らしつつ、歩いていた。
だけど、幾つもの困難を乗り越えてもその美青年を見つける事が出
来なかった。
まずい
﹂
すら持っていなかった私はただひたすら逃げる事だけに専念した。
だけど、途中で石の出っ張りに気付かずに、踏み外して転んでし
まった。
︶﹂
そして後ろにはノイズがもう目の前に迫ってきていた。
﹁︵此処までなのかよ⋮
い出していた。
!
そして、私は心の中で決意して言ったんだ。
れたんだ。
元を正せば私があの子達に言った言葉なのに、私が逆に元気付けら
﹃﹃生きるのを⋮諦めないで︵めるな︶
﹄﹄
私はそう思った。けど、その時に響ちゃんや憑友が言った言葉を思
!
787
?
そして、食糧や水が尽きたその時、私の近くでノイズが発生したん
だ。
﹁っ
!
そう思った私はすぐに逃げる事に専念した。聖遺物のペンダント
!
﹁生きるのを⋮諦めるか‼
グサッ‼
﹃□○□△○⁉
﹄
﹂と。
そしてノイズが私の所まできた瞬間、
?
﹂
にいた。
?
つい最近、誰もいない森の中で召喚
のような事をされて、途方に
オディナは、私に説明をしてくれたんだ。
その理由をオディナに聞いたんだ。
オディナの身体が⋮消滅仕掛けていた事に。
オディナの様子が変だと気付いた私はこの目で驚愕した。
その後、オディナはたった1人でノイズを殲滅して見せたけど、
それが私とオディナとの出会いだった。
﹁怪我は無いか
﹂
と、黄色で短い槍、そして背中腰に2つの剣を携えていた青年がそこ
灰となったノイズの先にいたのは、緑のタイツ姿に、赤くて長い槍
し、ノイズは灰と化した。
そう言うと、槍の所持者であろう存在が、そのままノイズを薙ぎ倒
﹁ふっ
⋮赤い槍で。
私の目の前までやってきたノイズが貫かれたんだ。
?
?
り抜いてきた。
だが⋮そろそろ限界が来ている事を彼自身が知っていた。
私は何か出来る事が無いかと思って、悩みに悩んだ。
・
・
・
・
・
・
ブランク
そしてふと私は胸ポケットの中にあった物を取り出した。
それはまだ﹃聖遺物﹄の欠片が入れられていない所謂
・
ペンダントを持っていなかったじゃないかって
と呼ばれていたギアペンダントだった。
え
・
そうさ。私が所持していたのは﹃聖遺物の欠片﹄が入っていないた
勿論、持っていなかったさ⋮中身がな。
"
?
"
暮れながらも、自分と団長フィンが守ったこのアイルランドの地を守
?
788
!
?
だのアクセサリ用のギアペンダントだけなのさ。
私はそのまま彼の額に押し付けたんだ⋮何故か知らないけど⋮。
すると光が発生して、私とオディナは目を瞑ってしまったんだ⋮
﹄
そして光が収まったので、目を開けるとそこにはもう既にオディナ
はいなかった。
間に合わなかったと思ったんだけど⋮
﹂
﹃何故いきなりあんな事を⋮って、なんだこれは⁉
﹁ペンダントが喋った⁉
∼回想END∼
?
入っているのさ﹂
﹄
マスター
言わせてくれるぜ。
﹄
それを聞いた皆は先程とはうって変わって周りの空気がガラリと
﹁⋮だそうだぜ﹂
う。我が槍は奏の為に
マスター
奏の槍として、最大限のパフォーマンスで戦場に立つ事を約束しよ
はしないで頂きたい。
﹃⋮そのLINKERの事は我は知らないが、その件については心配
与して戦ったっけ⋮
となってはフィーネだったけどーーから処方したLINKERを投
確かに私は﹃ガングニール﹄を使用していた時は、了子さんーー今
⋮翼の言っている事には一理ある。
LINKERを使用しないと戦えないんじゃ⋮﹂
﹁だけど、奏は私や雪音とは違い、後天性適合者。
オディナ⋮へっ
を持っている⋮
ペンダントになったのは痛手だが、 奏の槍として仕える事に誇り
な。
﹃とは言え、そのおかげで私は今こうやって無事に生きているのだが
私だって咄嗟の判断で引き起こしたんだから、知らねぇよ⋮。
そんな事言われてもよ⋮。
﹃話が滅茶苦茶だ⁉
﹄
﹁⋮そう言う経緯があって、オディナは今現在、私のギアペンダントに
?
!
789
?
!
!
変わった。
⋮ありがとな。オディナ。
﹃︵当たり前の事をしたまでだ。
マスターの槍たる者、マスターの仲間も同じなのだ。
︶﹄
!
と言った雰囲気で、上の空になって
オディナ‼
心、此処に非ず
?
だから、これからもよろしく頼む⋮
︶﹄
ああ、よろしくな
﹃︵御意⋮
いた。
響は正に、
それから1週間が経った。
ーーーーーーNO SIDE
!
もない。
その影響から、クラスの女子達から好評を博しているのは言うまで
独学についてこれないという現状であった。
翼と同じ学年で学業に励む事にしたのだが、完全に授業自体が彼の
で、
何故此処にロックが居るかと言うと、クリス共々弦十郎の計らい
︵男性用︶を着ていたクリスの義理の兄・ロックがいた。
クリスはそぉ∼と後ろを振り向くと、其処には、リディアンの制服
﹁﹂ギクっ⁉
﹁⋮此処で油売るとはな⋮クリス﹂
そんなクリスはまだ知らない⋮
えを言い出した。
翼はクリスが何をしているのかと質問するとクリスが意味深な答
ぶつかった相手は今日は完全にオフだった翼であった。
そんな中、クリスは誰かと勢いよくぶつかった。
クリスは未だに学校に慣れていなかったのだ。
⋮ただ1人⋮クリスを除いて。
響達のクラスを始め、多くの生徒がせっせと作業に勤しんでいた。
秋桜祭⋮俗に言う﹃学園祭﹄である。
そんな中で、学院では学校行事が迫っていた。
"
?
790
"
!
⋮因みにロックも、逝都と馬燈と同じ黄色い歓声をまともに浴びて
被害を受けた1人であるのはこの際如何でも良い話である。
さて、話を戻そう⋮
ロックを見つけたクリスはかなり怯えていた。
﹁ろ、ロック義兄⋮﹂
今雪音が遭いたくなかった存在の1人であったからだ。
﹂
﹂
﹃お 前 に は た く さ ん の 友 達 を 作 っ て 欲 し
﹁お前は如何して友達を作りたがらない
俺 は 前 に 言 っ た よ な
た。
ーーーーーーSIDEto翼
"
私と奏、雪音兄妹と霊風さん⋮そして立花。
武装組織﹃フィーネ﹄
が此処にいると
そしてその日の夜、彼等は弦十郎から任務が掛かり、現場に急行し
のクラスメイトが来て、一緒に準備に勤しんでいたのであった⋮
そしてそのまま翼はクリスと2人きりで学校の話をしていると、翼
因みにロックのクラスの出し物は⋮カフェだそうだ。
⋮敢えて言おう。ロックと翼は別々のクラスである。
方へと出歩いて行った。
クは翼にクリスの事を託すと、そのままクラスメイトと共に、校外の
するとロックの後ろからロックのクラスの女子達が来たので、ロッ
クは翼に後の事をお願いした。
た。すると翼が﹁暫く雪音を預からせてくれ﹂と言って来たので、ロッ
そう言うとクリスが逃げ出そうとしたが、翼に完全に頭を抑えられ
﹁そ、そんなの私の勝手だろ⁉
その友達から逃げ回って、何がしたいんだ
い﹄って。
?
私達は現在、とある廃病棟に来ていた。
情報によれば、マリア達
の事だそうだ。
"
791
?
?
?
﹂
﹁響ちゃん、大丈夫か
?
﹂
大丈夫です
!
﹁⋮はい
!
そう言いつつも、やはり立花は先日のライブの一件が大きく影響し
ているか⋮
たとえ敵が仕掛けた罠だとしても⋮私はううん⋮私達は臆する事
など無い。
彼女⋮マリア達の真意と⋮
792
憑友を取り戻す為に
この身を剣と鍛えた私は何であろうと、仲間を取り返す
!
!
#8 望む者 臨む者
ーーーーーーSIDEto牧藁
﹁︽シンフォギア︾装者、並びに︽精魂導師︾の2人。
共に進行開始しました﹂
﹁⋮﹂
今回ばかりは慎重に行って欲しいと私はそう思った。
何せ、こんな都市郊外の廃病棟に彼女達⋮武装組織﹃フィーネ﹄が
いるのだから。
そして、もしかしたら⋮憑友君もそこに居るかも知れないから。
敵の手の内にいる限り、人質になっても可笑しくはない。
⋮気を付けて。皆んな⋮
ーーーーーーSIDEto霊風
﹄
⋮進行して早数分。
﹃○☆□○☆□
﹂
⋮早速お出ましと言う事か。
﹁一気に行くぞ
﹂﹁ええ
﹂
!
﹂﹂
を取り出して装填し、
﹁﹁変身
そしてレバーを引いた。
他のシンフォギア装者達も代表してクリスの聖詠が聞こえた。
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
フォーム、フォーマル
すると全員がシンフォギアを纏い、
ーソウル
ー
!
ー
フォーム、オリジン
お前らの魂、俺が頂く‼
ースピリット
!
精なる魂、私に刻め‼
?
!
?
!
793
!
!
そう言うと俺とロックはアブソーバーを左腕に装着、其々のカード
!
﹂﹁承知した﹂
﹁おうよ
﹂
翼
﹁行くぜ
!
﹁はい
!
!
!
俺達も︽精魂導師︾に変身した。
︵挿入歌﹃Bye│Bye Lullaby﹄高垣彩陽︶
﹂
⋮で、変身したのは良いんだ⋮良いんだけどよさ⋮
﹁♪挨拶無用のガトリング
﹂
﹁はぁ⋮はぁ⋮
﹂
︶⋮。
﹂
﹁⋮何でこんなに手こずるんだよ⁉
ア
ン
チ・
リ
ン
﹂
カー
﹁はぁ⋮はぁ⋮ギアの出力が⋮落ちている⋮⁉
⋮やっぱりか。
﹂
﹂
この赤い霧状の煙⋮A│LINKERか
何とかしない⋮と⋮⋮⁉
⋮はぁ⋮はぁ⋮⁉
⋮まさか⋮俺達にも⋮だと⁉
﹁がはっ⁉
﹁くっ⁉
何がどうなってやがる⁉
!
﹂
?
﹂
?
そう考えていたら、ノイズ達が復元されていきやがる⋮
﹁⁉
しかし⋮この赤い煙が厄介だな⋮
﹁いや、明らかにワザとだろ⁉
﹁悪りぃ悪りぃ。ノイズが居るかと思ったぜ﹂
⋮うん。思わな⋮︵シュンッ
﹁それを俺に言った所で彼奴が変わると思うか
﹁⋮おい、ロック。もうちょっとマシな選曲なかったのか
⋮相変わらず荒い歌を歌いやがるな⋮クリスの奴⋮。
ゴミ箱行きへのデスパーリィー
!
・
・
・
﹂
ンが減少していくように仕向けられている様になっているのに⋮
?
どうなってんだ⁉
如何して、奏以外の全員が同じ状態になるんだ⁉
ーーーーーーSIDEto奏
翼が⋮クリスが⋮響ちゃんが⋮
ロックに、霊風まで⋮
私以外の皆の息が荒くなってやがる
?
!
794
!
?
?
?
!
?
!
この霧が発生している間は、
︽シンフォギア︾装者のフォニックゲイ
?
?
?
?
?
!
?
﹃マスターには私が付いている。
私はこう見えても﹃英雄﹄の1人だ。
﹂
それも︽シンフォギア︾としての加護で、マスターだけがこうして
﹂
そうは言っても、如何すれば⋮
無事に居るのかもしれません﹄
くっ
﹂
如何した霊風⁉
﹁か、奏⋮
﹁
何か閃いたのか
﹁この赤い霧を⋮吹き飛ばしてくれ⋮
そうすれば⋮俺達⋮全員⋮また⋮元に⋮戻る⋮
!
﹂
⋮此処に入ってから出てきているこの霧か
赤い霧
オディナ‼
?
TORNADO∞PRIME
名付けるなら⋮
とでも名乗るとするかな。
LAST∞METEOR
ーーーーーーSIDEtoウェル
A│LINKERを霧状に散布して早3分。
こうも簡単に攻略されるとは⋮
今は只のもぬけの殻であるこの場所。
いるのはこの僕と、我々﹃F.I.S.﹄が極秘裏にしていた
⋮
﹃ネフィリム﹄だけですけどね⋮
物を喰らう完全聖遺物
ネフィリム
さあ、行きなさい
楽しい楽しい⋮﹃食事﹄の時間ですよ‼
ーーーーーーSIDEtoロック
奏嬢がこの赤い霧を吹き飛ばしてくれたお陰で、今ではすっかり元
?
!
"
聖遺
よりも広範囲だから、
"
その竜巻でノイズ達も倒せて一石二鳥だぜ
しかも範囲は
"
にして、扇風機の様に周りの霧を吹き飛ばした。
そう言うと私は2つの槍でノイズを倒しつつ、プロペラのような形
行くぞ
﹁分かった
﹄
?
﹃御意
!
!
!
"
!
"
795
!
!
?
!
!
!
!
!
!
"
に戻る事が出来た
﹂
かって、襲って来た
﹁‼
﹁炭化しないだと⁉
﹂
﹂
﹁それに、こんなノイズ居るのかよ⁉
彼奴は
・
・
・
完全聖遺物
だと⁉
⋮﹃ネフィリム﹄だ
﹂
﹂
!
すると霊風が皆の前に立った。
﹁気を付けろ
・
あの人達の力を使うぞ
?
"
その話を聞いた俺達は驚愕した。
完全聖遺物
"
"
上から、 翼と、クリス、そして奏嬢の3人が言ってきた。
防人嬢
﹁何なんだよ、あの化け物⁉
﹂
そう感じていると、奥から何かが高速で移動して来て、立花に向
!
立花はすぐに拳で対処するが⋮
!
?
あのノイズ紛いな奴が、
"
!
それに如何して霊風がその事を知ってるんだ
﹁ロック
!
ー
ー
ソーバーとそのスティックをドッキングさせた
対して、俺の方には腰に巻くベルトが現れた。
!
すると霊風の所から1つのスティックが現れ、霊風はそのままアブ
ーアブソーバー・ドライバー
ーアブソーバー・スパーク
を動かし、そして俺は右を、霊風は上の方にアブソーバーを動かした。
ブソーバーを持ち前方に翳すと、そのまま上,右,下,左の順番に手
するとアブソーバーが強制解除され、俺達2人はそのまま左手にア
すると俺達2人はそのカードをアブソーバーに装填した。
が、憑友⋮我がライバルも同じカードを持っている。
俺はそのまま頷くと、霊風と同じカードを取り出した。俺もそうだ
だが、俺は霊風が何がしたいのか分かった。
は円しか描かれていなかった。
カードには人のイラスト⋮ではなく、十字型の形に、その先っぽに
し、俺の方を向きながら話しかけた。
そう思っていると霊風はカードケースから一枚のカードを取り出
!
!
!
796
?
?
?
俺はそのままアブソーバーをそのベルトとドッキングさせ、そして
腰にベルトを巻いた。
﹂
するとベルトが自動的に装着されたのだ。
﹁行くぜ
﹂﹂
!
パネルボタンを其々押した。
?
ー
フォーム、ギンガ‼
フォーム、ドライブ‼
ースピリット
ーソウル
ー
そう言うと俺と霊風はアブソーバーのディスプレイに映っている
﹁﹁新たな力だ
﹁これが俺達の⋮﹂
!
﹂﹁ギンガーー‼
﹂
銀河の覇者
ー
トップギア
俺はベルトのレバーを左から右へと移動させ、
﹁変身
変身した
ー未来の戦士
ーStartYourEngine
そう言うと俺達の体が変化した。
!
!
?
けの形になって嵌まったのだ
俺達が変身したのは特殊な﹃英雄﹄達。通称⋮
︻刑事のライダー︼仮面ライダードライブ。
﹃乗り物で駆ける超人﹄と呼ばれる﹃英雄﹄の1人、
︻銀河の覇者︼ウルトラマンギンガ。
﹃光の巨人﹄と呼ばれる﹃英雄﹄の1人、
俺達が変身したのは、特別な存在⋮
!
ー
対して俺はヘルメットを被り、そしてタイヤがガチャンとタスキ掛
た。
霊風さんは鉄仮面を被り、そして胸に青い光を帯びた球が装着され
!
そう言うと霊風はアブソーバーをそのまま上へとやり、
ている戦士の魂が現れた。
俺の方では、上が赤、下が黒、そして何故かタイヤをタスキ掛けし
面で赤と銀色のスーツをした戦士が、
すると霊風の周りに青のクリスタルが全身に散りばめられた鉄仮
?
!
!
797
!
!
!
﹃四英雄﹄
凄腕の実力者達の力である。
2ヶ月前に起きた事件︽四英雄事変︾
その時に、俺達︽精魂導師︾と︽シンフォギア︾装者が共に戦った
のが、先の﹃四英雄﹄だった。
﹃光の巨人﹄ウルトラマン
﹃バイクで駆ける超人﹄仮面ライダー
﹃チーム性No.1﹄スーパー戦隊
そして﹃伝説の戦士﹄プリキュア
そんな彼等の力を1つに合わせたのが、俺達が先程アブソーバーに
装填したカード⋮
﹃アドバンス・フォース﹄のカードだ。
︽ルナアタック︾よりも過激だった︽四英雄事変︾⋮
798
だが、世間はその事を全く知らなかった。
理由は、彼等がこの世界の人々の記憶を改竄したから。
自分達の存在は幻の様なものだと言うと、其々の世界へと帰って
行った⋮
もちろんその後に、撮られていた映像も全てフィクションである事
を世間に言うと、世間はその流れにそのまま従い、あっという間にこ
の事変は世間の知らない存在になった。
その戦いの記憶が残っていたのは、その時に﹃四英雄﹄と共に戦っ
た俺達﹃特異災害対策機動部二課﹄ー通称﹃特機部二﹄ーのメンバー
と、憑友と立花の幼馴染である、小日向と浅岡と馬燈の3人だけで
あった。
その後、俺達は新たな力を手にし、立花達は新たなギアを纏う様に
なっていったんだがな。
⋮と、そんな事よりも彼奴をなんとかしないとな。
そうしていると、霊風は腕を前に出してクロスさせた。
すると全身に散りばめられていたクリスタルが白く輝く
すると右手から白い剣が現れた。
!
﹁
ギンガセイバー
‼
﹂
?
そう言いながら、ネフィリムと呼ばれた怪物にその剣を振りかざす
"
しかし、ネフィリムはそれを簡単に躱しただけではなく、腕のよう
な部位で簡単に真っ二つに折れたのだ。
﹂
﹁パワーが強い。それに加えスピードも申し分ない。
ならば
押した。
ードライブ
タイプ⋮ワイルド
ー
!
ータイヤコウカーン
フッキングレッカー
ー
!
取り付けられたタイヤに変わった。
俺はそのままクレーンをネフィリムに投げつけた
するとネフィリムはそのまま捕まった
﹁霊風
﹂
﹁言われなくても
﹂
簡単には解けない仕組みになっている。
必死に抜け出そうとするのがよく分かるが、生憎生半可な火力だと
!
!
すると右肩のタイヤが変わり、レッカー車のクレーンのような物が
!
すると俺は再びパネルボタンの1つを押した。
ドライブ・タイプワイルドの姿だった。
されていた。
好をした姿に変わった。タスキ掛けしてあったタイヤは右肩に装着
そう言うと俺の身体が赤と黒から、黒と白のアメフト選手の様な格
!
そう言うと俺はベルトに付いてるアブソーバーのパネルボタンを
!
フルドライブ‼
﹄
﹄
?
フルドライブ‼
?
﹃ソウル・ドライブ
﹃スピリット・ギンガ
ーーーーーNO SIDE
!
!
けたアブソーバーのドライブボタンを叩いた。
対して霊風はスティック状の物⋮アブソーバー・スパークに取り付
ンを押した。
そう言うと俺はベルトに装着されたアブソーバーのドライブボタ
!
!
799
"
!
するとロックはそのままクレーン付タイヤをネフィリムにぶつけ、
空へと跳ぶ
がさらに青く輝く
そして霊風は腕を前に出して、クロスさせると、全身のクリスタル
!
変えた
﹂
ギンガクロスシュート
﹁はあぁぁぁぁ‼
﹁
‼
﹂
ライダーキック
がネフィリムに炸裂
と、
ギンガクロスシュート
仮面ライダーの十八番
ギンガの必殺光線
やったかと思ったのも束の間だった⋮
した。
?
頑丈にも程があるだろ⁉
﹂
?
それを見た響とクリス、ロックは目を見開く。
奏は誰なのか分からなかったのか、頭の上から
いた。
マークが出てきて
聞こえてきた方を見るとそこにいたのは1人の白衣の男性だった。
た。
霊風がそう愚痴ると、何処からか拍手のような音が響き渡って来
﹁っ
なんとネフィリムには風穴すら開いていなかったのだ
"
"
"
そのまま陰陽を描く動作をさせ、水平になった所をすかさずL字に
!
?
!
除し、皆の前に立って、白衣の男性と話をし始めた。
﹁⋮随分と荒い事しやがるじゃねぇか⋮
ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。
いや⋮マッドDr.ウェル﹂
?
﹁とは言え、この僕でも計算外の事も起こりました。
をし続けた。
そう言うとDr.ウェルはそんな霊風の親父ギャグを無視して話
れ落ちるのがオチさ。⋮オチだけにな﹂ニヤッ
﹁どうせその化けの皮はすぐに風化して、脆くなって、最終的には剥が
﹁マッドとは心外ですね。これでも僕は只のDr.ですよ
﹂
するとウルトラマンギンガの力と姿を借りていた霊風は変身を解
?
800
!
!
"
"
"
何と言っても、精妖霊風。そしてロック・アイル・ユキネ君。
君達2人のその力は何だ
﹂
するとスパークは瞬時に何処かへと消えてしまった
ー
バーを持っていくと、今度は左の方にアブソーバーを動かした
ーアブソーバー・フォン
た。
すると霊風はアブソーバーをそのガラケーとドッキングさせた
ー
?
そこには完全に少し大きいぐらいに感じるガラケーがあった。
すると霊風はダイヤルを押した。
0・0・4・0・0・4と。
フォーム、ジュウオウ⋮エレファント‼
すると電子音が聞こえた
ースピリット
!
すると何もない空間から画面が無いガラケー型のアイテムが現れ
!
そして霊風は再び上,右,下,左の順番で動かし、真ん中にアブソー
!
そう言うと霊風は﹃アブソーバー・スパーク﹄を上に投げた。
ちゃんと隅々まで調べたのかどうかも怪しいぜ﹂
﹁お生憎様とだけ言っておくぜ
せんでしたよ
僕の調べた資料でも、そんな物を所持していると言う情報は有りま
?
!
!
ブースターα﹄とドッキングしたのだ
﹂
森林の王者
ー
に向かって威嚇射撃のように引き金を引いた
﹁変身
ー本能覚醒
すると霊風の身体が黄緑のボディスーツを着ていた
ジュウオウエレファント
﹂
そして胸には象のペイントが施されていた。
﹁森林の王者
霊風が変身したのは、
﹃チーム性No.1﹄として︽四英雄︾の仲間
!
!
!
!
すると霊風はそのまま左から右へとその銃を動かすとそのまま上
まるで単発銃のような形をしていた。
!
すると霊風はガラケーを閉じ、そこに以前使用したアイテム﹃現界
!
霊風はそう高々と名乗った。
!
801
?
?
!
!
に入っているスーパーチーム⋮
総称名⋮﹃スーパー戦隊﹄の力であった。
その中でも霊風が変身したのは、そんな﹃スーパー戦隊﹄で、
動物戦隊 ジュウオウジャー
の力で、
記念すべき40組目のスーパー戦隊⋮
するとまた別のボタンを押した。
フォーム、スペクター
!
想いを繋げろ
ー
ロックはそのままその幽霊と一心同体になった
ーレディゴー覚悟
!
!
するとロックの周りにパーカーを羽織った青い幽霊が現れた
ーソウル
ー
仮面ライダーに変身する際の素体・トランジェントである。
ていた。
するとロックの身体は黒と青をベースにしたボディスーツになっ
を解除した。
に目を通すと、そのまま器用な手つきで、今の姿・ドライブフォーム
そしてロックは再びベルトに装着されてあるソウル・アブソーバー
へと変身したのだ。
嗅覚⋮鼻の能力が逸脱している戦士・ジュウオウエレファントの力
"
我の生き様
桶狭間
ー
!
能の状態らしい。
ノブナガ‼
!
するとロックはその内の紫のボタンを押した
ーカイガン
?
!
のような画像でガッチリと固定されていた。如何やらまだ使用不可
そこには5つのボタンがあったが、内1つは灰色で、もう1つは鎖
するとロックは再びアブソーバーに付いてるパネルボタンを見た。
ソウル・﹃仮面ライダー﹄スペクターフォームの姿である。
顔が画面で覆われ、そして頭部から二本の角が現れたのだ。
すると全身が黒のスーツと各部にプロテクターが装着され、
!
!
!
のような形をした銃が現れ、ロッ
ト︶が現れ、ロックはそれを纏った
するとアブソーバーから青い手
クはそれを両手で携える。
!
するとアブソーバーから紫のパーカーの幽霊︵通称パーカーゴース
!
?
802
"
仮面ライダースペクターの主兵装・ガンガンハンドである。
するとロックはその銃をウェルの方へと差し向ける。
それを見た霊風は何処から取り出したのか、青と赤のキューブ型の
銃を取り出した。
ジュウオウジャーの主兵装武器・ジュウオウバスターであった。
2人はそのままウェル博士に銃口を向けた。
﹂
それを見たクリスもすかさず霊風達と同じようにアームドギア︽イ
チイバル・クロスボウ︾を向けた。
﹁あんたと話してる暇は無い。
﹂
俺達が来た理由はただ1つ。
俺 達 の 仲 間
人絆憑友を返して貰おうか
﹁⋮やれやれ⋮
その答えとしましてはNOとでも言いましょう。
彼にはまだ貴方達の元には帰らせる訳には行かないのでね⋮
そう言うとウェルは懐に隠し持っていた︽ソロモンの杖︾を取り出
し、ノイズを出現させた。
更にポケットから黒い拳銃を取り出したのだ。
﹂
﹂
それを見た霊風とロックは驚愕した。
﹁何
﹁﹃現界ブースターα﹄だと
それは、自分達︽精魂導師︾の強化型アシストアイテム・
﹃現界ブー
スターα﹄だった
注いでいるのですよ。
現に貴方方が出会った2人の少年⋮
﹂
︽光魂導師︾タマシイと︽闇魂導師︾コアが使用していた﹃英雄﹄達も
私の手で解析したのですからね⋮
スターα﹄にスキャンさせた
﹂
ー
するとウェルは懐からカードを取り出し、そのまま黒い﹃現界ブー
!
!
!
803
!
!
﹁言い忘れてましたけど、僕はこう見えて﹃英雄石板﹄の解析にも力を
!
ーロード・トゥ・バーサーカー
﹁⁉
?
その電子音を聞いた霊風は怯んでしまう。
するとウェルは足元に向けて弾丸を放つ
すると弾丸が見る見ると人の形になっていく⋮
に包まれた戦士が咆哮を上げた
‼
﹁Arrrthurrrrrr
﹂
︵いや、寧ろこっちで良かったのか⁉
︶﹂
そして人の形になると、そこから真っ黒の剣を携えた全身を黒い鎧
!
!
そしてスキャンした
﹂
ーロード・トゥ・バーサーカー
﹁へ
ー
するとウェルは今度は上に向けて弾丸を放つ。
すると弾丸は見る見るとデカくなっていく⋮
!
﹂
あの2人も﹃英雄﹄なのか⁉
そして遂にはその巨体が地面の着地と共に振動を与える⋮
﹂
⋮霊風
!
﹁■■■■■ーーー
﹁嘘だろ∼⁉
﹁バーサーカー⋮狂戦士
?
﹁﹃英雄﹄所の問題じゃねぇ
﹂
?
そう霊風は考えていると、ウェルはもう1枚のカードを取り出し、
﹁そっちで来たか⁉
?
!
!
!
ント︾だ
﹂
セイバーやランサー,アーチャーと同じ﹃英霊﹄⋮つまり︽サーヴァ
!
?
!
?
まま翼と奏を脇に挟め、そのまま後ろへとジャンプする
﹂
それを見たロックはクリスと響を担ぎ、ジャンプした
﹁■■■■■ーーー
逃がすかよ
﹂
の足下を正確に狙った
それを見たウェルはそこから一歩も動けなかった
だが、ウェルは不敵な笑みを浮かべていた。
!
!
すると霊風は奏を担ぐと、そのままジュウオウショックで、ウェル
﹁
そう言うと2体の﹃英霊﹄は周りを見境い無く壊していく⋮
!!
!
﹁Gaaaaaaaaa
﹂
!
!
!
!
そう霊風はロックにツッコむと、そのまま後ろへと振り返り、その
!
804
?
!
?
!
!
それを感じたロックはふと上を向くと、そこには先程自分達が苦戦
﹂
していた相手である﹃ネフィリム﹄が、気球型ノイズで何処かへと連
れて行く場面だった
それを見たロックは皆に指示を出す。
﹂
﹂
翼も後の事を頼み、急いでノイズの
俺達は簡単にはやられねぇよ
﹂
﹁立花はクリスと共にウェルを確保してくれ
﹂
防人嬢と奏嬢はあのネフィリムの確保を
﹁ですが⋮
﹁心配するなよ
﹁⋮分かった。行くぞ、翼
﹂
そう言うと奏は先行して行く
方へと走り抜ける⋮
﹂
﹁俺達も一気に決めるぞ
﹁委細承知
﹂
すると2人は其々カードを取り出した
﹁頼むぞ、アーチャー
﹁今回はお前さんの力を借りるぜ⋮セイバー
すると2人は元の︽精魂導師︾の姿に戻る。
その際にアブソーバーであるソウルとスピリットは左腕に装着し
直されている。
ー
ー
すると、其々のカードをアブソーバーに装填し、そしてレバーを引
フォーム、アーチャー
フォーム、セイバー
!
いた
ーソウル
ースピリット
!
クスカリバーなのだが、
ー
騎士王の得物は、
︻聖剣︼との呼び名が高いあまりにも有名な剣・エ
しかしロックは霊風が持った物を見て目を見開いた。
!
纏った
聖剣降臨
ーUnlimited Blade Works
ー騎士王見参
!
すると2人は其々の得物を構えた。
!
ー
すると2人の周りを赤き英雄と青の騎士王の魂が駆け巡り、其々
!
!
!
805
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
﹂
﹂
霊風が持っていたのは明らかに⋮槍だった
﹁聖剣じゃない⋮だと⁉
・
﹁言い忘れたけど、槍も使えるんだぜ
騎士王さんのもう1つの得物武器さ
﹂
﹁叛逆の騎士を討った槍⋮ロンゴミニアド。
そう言うと霊風はその槍を前に出しながら構えた。
!
⋮
対してロックはすかさず手をクロスさせた。
︶
﹁︵彼奴の武器は前に一度、憑友が見せてくれた。
ト レ ー ス・オ ン
あれがオリジナルと言う事ならば⋮出来る
同調開始﹂
そう言うと手に石で出来た巨大な大剣が現れたのだ
!
﹁言わなかったか
フェイカー
ライブボタンを叩いた
﹄
﹄
フルドライブ
フルドライブ
それは霊風の方も同じだった
﹃ソウル・アーチャー
﹃スピリット・セイバー
﹂
すると2人はすかさず2体のバーサーカーに力を解放した
ナインライブズ・ブレイドワークス
﹁是・射 殺 す 百 頭 ‼
﹁
突き立て、喰らえ
十三の牙
﹂
そうしていると霊風は何かの詠唱を始めた
!"
いたが、時既に遅し。
それを聞いた2体のバーサーカーはまさかと言う顔を表現させて
!
その際に近くにいた鎧バーサーカーの方も巻き添えを食らわせる
の大剣を振り回す
そう言うとロックは筋肉質のバーサーカーを相手に連続でその石
!
!
!
!
そう言うとロックはすかさず左腕に装着されたアブソーバーのド
俺はこう見えて贋作者だという事を
﹂
それを見た筋肉質の方のバーサーカーは目を開かせ驚いていた。
!
!
そう言うと霊風はそのまま鎧の方のバーサーカーへと立ち向かう
!
!
?
!
806
?
?
!
!
!
?
!
!
"
ゴ
ミ
ニ
ア
ド
﹂
ロックの斬撃が終わると、すかさずロックはそのまま大剣を置いて
上へと跳んだ。
ン
その瞬間
ロ
﹁﹃最果てにて輝ける槍﹄‼
その槍から途轍もない程の威力を持った一撃が2体を襲った
その攻撃を受けたバーサーカーは元のカードになった。
それをすかさずロックは回収した。
その瞬間、近くの海から奇怪な音が聞こえた一同はすぐにその場へ
と移動した。
そこには、海上に出ていた潜水艦とその潜水艦の上にいる奏と翼
と、渦の中心に槍を添え、更にその槍の上には︽烈槍・ガングニール︾
を纏ったマリアが、ネフィリムの入っているケージを持っていた。
807
!
?
!
#9 幻影の弾丸︽ファントム・バレット︾
ロック達がバーサーカーと対峙していた際、奏と翼の﹃ツヴァイウ
イング﹄コンビは完全聖遺物﹃ネフィリム﹄が入れられたケージを運
んでいた気球型ノイズの所まで急行していた。
翼のギアは元から機動力に長けていた。
奏の場合は、コンバーターに入っている存在・オディナのクラス補
正の影響がそのままギアに影響していた。
オディナや、霊風に就いてるクー・フーリンは﹃槍兵の英霊︽ラン
サー︾﹄のクラス補正が適用されている。
クラスには、其々の得物に影響した能力が存在する。
基本的な項目は、
体力や防御を現す﹃耐久﹄
物理攻撃力を現す﹃筋力﹄
﹂
!
は驚きようが無かった。
するとそんな2人に通信が入ってきた
!
808
特殊攻撃力を現す﹃魔力﹄
クリティカル等の不確定要素に影響を生む﹃運﹄
自身の真名を晒す代わりに強力な技を放つ必殺技もとい﹃宝具﹄
そして、素早さに影響を与える﹃敏捷﹄の6つで構成されている。
その内、ランサークラスの﹃英霊﹄達は共通して、
﹃敏捷﹄の値が高
い。
ランサーの力を持っているオディナはその﹃敏捷﹄が高いのである。
それが、今の奏を、ギアを通じて影響しているのである。
つまり、何が言いたいのかと言うと⋮
今の奏の敏捷力は﹃英霊﹄達⋮それもランサークラスの﹃敏捷力﹄を
獲得しているという事である。
この先海だ
故に今、翼と同等いや、若干速く移動しているのである。
﹂
﹁まずいぞ、翼
﹁⁉
!
奏はこの先の地形を思い出したのか、翼にそう告げる。翼もこれに
?
﹃翼ちゃん
奏ちゃん
相手は牧藁だった
そのまま海へと跳んで
二課の面々の仮設本部でもあった
﹄
すると2人の先の海から突如として潜水艦が現れたのだ‼
意味深な答えを聞いた奏と翼はそのまま海へと跳んだ
!
らなかったのだ
シュンッ
ガサッ
翼
!
落ちなかった。
﹁大丈夫か⁉
﹂
?
キャッチしたのだ
の槍の上に︽烈槍
ガングニール
"
︾を纏ったマリアがその槍の上に
そして奏はそのまま潜水艦の方へとバク宙しながら後退すると、そ
とどのつまり⋮チートと言わざるを得ないと言う事だ。
故に人間よりも遥かに逸脱しているのである。
ラスそのものだ。
先述に述べた通り、奏の敏捷さは﹃英雄﹄達の上位存在﹃英霊﹄ク
!
な ん と 奏 が 水 上 を 高 速 移 動 し て、翼 の 元 ま で や っ て 来 て、翼 を
﹁奏⋮
﹂
突然、槍が飛んで来て、翼はそのまま海へと⋮
﹂
﹁うわぁ‼
⋮だが
そして翼はそのまま斬撃でノイズを倒すと、ケージを掴もうとする
!
奏がした事は俗に言う踏み付けジャンプと言う動作となんら変わ
空を跳んだ
それを見た翼はそれを確認すると、そのまま奏の脚を踏み台にして
に伝えた。
それを見た翼は目を見開くが、奏は何も言わずにその視線だけを翼
すると奏はそのまま翼の前に出ると、海に背を向け、脚を出した。
した
すると2人はそのまま同時にその潜水艦を踏み台にして、ジャンプ
!
?
!
!
!
!
!
!
!
"
809
!
?
!
!
﹃ネフィリム﹄のケージを持って立っていた。
それと同時に海岸沿いでは霊風達が到着していた。
彼
女
暁の太陽が照りだされる中、確保されていたウェルが衝撃発言をし
た。
﹄
﹁時間通りですね。﹃フィーネ﹄﹂
﹃⁉
ーーーーーーSIDEtoロック
フィーネ⋮だと⁉
もある﹂
﹁そんな⋮じゃあ、まさか⋮⁉
﹂
ーーーーーーSIDEto弦十郎
新たに目覚めたと言うのか⋮フィーネ‼
?
ているのでは無く⋮﹂
!
のか⋮
またしても⋮先史文明期の亡霊が俺達の前に立ちはだかるという
﹁蘇った﹃フィーネ﹄その者が組織を統率しているというのか⋮
﹂
﹁⋮つまり、異端技術を使う事から﹃フィーネ﹄の名を組織になぞらえ
?
﹁終わりを意味する名は我々組織の象徴であり、マリアの︻二つ名︼で
?
ガチャッ
﹂﹂
﹁動くな﹂
﹁﹁⁉
﹂
⋮まさか⋮貴方が動くなんてね⋮
雪音
﹁立花
!
!
ローブで正体が分からねぇ
﹁ちっ
﹂
る時間が欲しいわね⋮そう考えていたら⋮
だが、このままDr.とソロモンの杖を救いつつ、此処から離脱す
ネフィリムを取り戻したのは僥倖。
ーーーーーーSIDEtoマリア
﹁⋮﹂
また俺たちの前に立ちはだかると言うのか⋮了子君⋮
﹁⋮弦十郎さん⋮﹂
!
!
810
?
?
!
ローブで隠していて、尚且つ声帯も変えるとは⋮あの子⋮仲間を裏
切るつもりなのかしら
下手に動け
それにDr.を助けるなんて⋮彼から言わせればそれは否な筈⋮
﹁Dr.ウェルとソロモンの杖を此方に渡して貰おうか
人しくしておけ﹂
・
・
﹂
・
・
﹂
そう言うと彼は所持していた拳銃を剣へと変えた。
・
・
そしてその2人に向けて斬撃を飛ばしてきた
・
﹂﹁てめぇ
・
撃どうだろうが、斬りつけようが、関係無い事だ
へと跳んだ。
彼の念話もといテレパシーが聞こえてきたので、私はそのまま上空
無い︶﹄
﹃︵止めておけ。此処での目的は終わった。無闇に争うのは得策では
て、何か一撃を与えようとしたが、
わたしはそれを見ると、先程から睨みつけてきている双翼に対し
!
﹁勘違いするなDr.ウェル。俺はいつだってお前を殺せるんだ。大
﹁⋮まさか君が僕を助けてくれるとは﹂
自分の味方に銃を向けるなんて⋮
だけど、何故貴方がそこまでするのか分からないわ⋮
戻せた。
そう言ってると彼の行動のおかげで、Dr.とソロモンの杖は取り
ば、
︽シンフォギア︾装者や︽精魂導師︾でも、ひとたまりも無いぞ﹂
?
そう言うと彼はウェルを持つとそのまま上空へとジャンプした
!
!
するとそこには既にマムが用意していた飛行機⋮オスプレイと呼
ばれているけどね。
待って
憑友を返して
﹂
!
は何も言わないまま、そのまま上空へと去ろうとした。
811
?
﹁俺はひとたまりも無いぞとしか言わなかったぞ。
・
﹁うわぁ
!
そのオスプレイに私と彼は搭乗した。
﹁
!
すると私達の行動に気付いた︽融合症例︾が訴えて来たけれど、私
!
ーーーーーーSIDEtoロック
﹂
彼奴ら⋮空から逃げるつもりか⁉
﹁逃がすかよ
?
私を使いなさい
﹂
RED HOT BLAZE
ナイパーライフルに変えた。
狙撃攻撃技
⋮ロック
そうしていると、
﹁
"
氷の狙撃手
ー
フォーム、シノン
て、レバーを引くと、そのまま魂を纏った
ーソウル
敗北の弾丸
ているようだ
そう考えていると、
﹁ソロモンの杖を⋮返しやがれ
﹂
そう言うとクリスが照準を構えた
﹄
そこを俺を操っているシノンは見逃さなかった
﹃敗北の弾丸はこんなもんじゃ無いわよ
を地面に固定して、照準を構えた
そしてクリスが先に捉えたのか、撃とうとした瞬間⋮
何
﹂
シュンッ⋮
﹁⁉
この状態じゃ、俺の方も狙えきれな
﹄
﹄⋮シノン
消えた⋮ステルス機能だと⁉
バレット
⋮﹃私を甘く見過ぎよ
﹃私の弾丸は⋮
ファントム
!
幻 影をも殺せる弾丸なのよ‼
?
!
!
!
そう言うとすかさず愛銃である︽ウルティマラティオヘカートⅡ︾
!
!
!
!
すると俺の身体が勝手に動いた。如何やらシノンが勝手に動かし
!
!
!
そう言うと俺はそのままカードを持つと、アブソーバーを装填し
⋮なにか訳ありみたいだ。
して俺の前に立った。
すると突然、カードケースからシノンのカードが出て来て、精霊化
!
だった。
そう言うとクリスがアームドギア︽イチイバル・クロスボウ︾をス
!
"
!
!
!
!
?
?
?
812
!
そう言うとシノンの照準が捉えた
すると照準の先から赤いレーザーラインが現れた
すると、それはそのまま途中で光が屈折した
﹄
シノンはそのままトリガーを引いた
ファントム⋮バレット
﹃幻影の弾丸ーーーーーー‼
そう言うとシノンの銃口から火が噴いた
そして弾丸はそのままその場所へと放たれた
﹂
憑友を取り返せなかっただけでなく、
⋮シノン⋮
﹂
そしてそのままマリア達﹃フィーネ﹄が乗った飛行機は消えていっ
何も出来なかった⋮
てしまった。
﹁⋮くそ
⁉
﹁私に﹃英雄﹄と呼ばれる筋合いなんか無いわよ‼
お前、それでも﹃英雄﹄なのかよ
ウェル博士とそしてソロモンの杖まで
何処がだ
﹁⋮ふぅ。取り敢えずこれで良いわ﹂
!
マーキング弾
⋮まさか、シノンが狙っていたのはコレだったのか⁉
位置情報を示した⋮
⋮
そう言うとシノンは疲れたのか、そのまま消えてしまった。
⋮後は勝手に探しなさい﹂
よ。現にソウルのアブソーバーに位置情報が示しているから。
それと、私が撃ったのは⋮ステルスをも無効にするマーキング弾
﹁⋮反省してるのならそれで良いわ。
あんな事言って⋮ごめんなさい。
⋮済まない。カッとなってしまった。自分じゃ無いようだ。
⋮好きで成ったんじゃ無いんだから⋮それだけは⋮忘れないで﹂
?
!
よ。人選を間違えたら確実にアウトだったな﹂
そう言いながら、俺の隣にアーチャーが現れた
!
﹁ふっ。彼女のそう言う能力の高さには私ですらも凌駕しているのだ
?
?
?
813
!
!
!
!
?
!
!
!
!
!
﹁⋮私だって勿論、他の﹃英雄﹄達だって⋮
?
?
﹁良いか
私は彼女に無い物を持っているのならば、彼女は私には無
い物を持っているのだよ。
故に使い方と対応を充分にしておいてくれ﹂
そう言うとアーチャーはそのまま目を閉じると同時にカードケー
スに入った。すると立ち替りのように今度は違うカードが精霊化し
て俺の前に立った。
その人物は、黄色で前髪が少し緑で癖っ毛のある剣を携えし女性
だった。
﹁次は私がその場所までのルートを確保するようにしておこう﹂
その者の名はミラ=マクスウェル。
憑友のルドガーと、霊風のジュードと同じ世界の出身にして、
自然の摂理を司る属性⋮地水火風を其々統一している﹃四大精霊﹄
を滑る存在⋮
元素の精霊﹃マクスウェル﹄の名を継ぐ女性だった。
それを聞いた俺はすかさず頷くと、カードを手にして、そのままア
イフリート、シルフ、ノーム、ウンディーネ
﹂
ブソーバーに⋮ではなく、憑友が開発した強化型アイテム﹃現界ブー
ー
スターα﹄にそのカードをスキャンした
ーロード・トゥ・ミラ
するとそこから人の形になりて、1人の女性が降りた。
そして俺はそのままアブソーバーを上に向けて、弾丸を放った。
!
先程言った女性・ミラ=マクスウェル本人の登場である。
﹁お願いします﹂
﹁わかった。行くぞ
!
!
方に飛ぶと、ミラもそのまま違う方向に飛んで行った⋮
待っていてくれ⋮憑友⋮お前を必ず、取り戻してみせる‼
俺は日の出の太陽に向かってそう心の中で誓った⋮
ーーーーーーNO SIDE
一方、此処はオスプレイ内。
を羽織った者が壁に背を預け、下半身を床に伏せていた。
そこには先程響とクリスに斬撃の衝撃波をお見舞いさせたローブ
!
?
そう言うとミラの真後ろから四精霊と呼ばれる存在達が一斉に四
!
814
?
﹂
﹂
そんな彼の所にガングニールを解除したマリアがやって来た。
﹁何故あんな事を⋮自分の仲間だろ⁉
第一声が其れだった。
﹁何故⋮如何して⋮﹁死にたいから﹂⋮え
するとその相手の返答にマリアは呆然とした。
ローブを羽織った者はそのままフードの部分をとった。
そこには、赤い髪と紅の瞳がハイライトを今にも失いそうな眼をし
ていた。
ローブの者の正体⋮それは、マリア達が敵対している組織のメン
炎の魂を導く師者 ︽炎魂導
バーで、相対していた響の幼馴染で尚且つ⋮
︽ルナアタック︾の英雄の1人である
師︾ライドこと⋮人絆憑友だった。
マーキング
不明者の名はロック・アイル・ユキネ⋮クリスの義理の兄だ。
一方、二課の方では1人の行方を捜していた。
ーーーーーー
この飛行機に、幻影の弾丸と呼ばれる追跡弾が施されている事に⋮
ファントム・バレット
だが、この時の彼等はまだ気づいていなかった⋮
の場を後にした。
そんな様子を見ていた2人の男の子達はそれ以上何も言わずにそ
﹁⋮彼奴⋮﹂﹁⋮﹂
も言わずにただ何もしなかった⋮
マリアの行動に驚かされた憑友は一瞬だが吃驚するも、そのまま何
て、彼の肩に頭を乗せた。
それ程の覚悟を持っているのに気付いたマリアは、憑友の隣に座っ
憑友はそう言いながら、顔を俯かせてしまった。
中で逝きたい⋮﹂
俺は彼奴らを裏切って、そして彼奴らの手で殺されて、彼奴らの手の
﹁自分の本当の余命を言わずに彼奴らの前から消えてなくなるなら⋮
"
彼はあの後、1枚の紙を残して、去って行ってしまっていたのだ。
紙には何かが書いてあった。
815
?
?
"
その内容は⋮
﹃憑友を連れて帰る。1人で探しに行く。﹄
それだけしか書かれていなかったのであった。
﹁なんで⋮私の前から⋮﹂
クリスはそう言いながら、懸命に捜していた。
自分の事を知っている数少ない存在⋮それが居なくなれば、誰だっ
て探しに行きたいのである。
しかしその日は朝で、しかもこれから学校である⋮
クリスは涙を流しながら、翼と響の2人に連れられて、学校へと向
かうのであった。
それを見た奏と霊風は2人に何か出来ないのか模索する事にした
のであった。
だが、それは学園祭当日まで何も成果を得られない事を今の響達は
知らない⋮
816
#10 ﹃英雄﹄達と未来
憑友が完全に連行︵響達の思い込みなんだが︶されてから、響は未
来と一緒の部屋にいた。
︽ルナアタック︾までは、学生寮に憑友と同じ部屋で住んでいたのだ
が、
霊風とロック、そして憑友が新たな力を得た事件︽四英雄事変︾の
際に、その学生寮は跡形も無くなってしまったのであった。
では、その2人は今何処で暮らしているのかというと、
実は意外にも﹁自然都会﹂から目と鼻の先のマンションに暮らして
いたのだった。
そのマンションは主に被害を受けた人達が暮らせるように、賃金等
がかなり低いのである。
その他にも、冷暖房完備に、防音や防犯なんかも万全である為、理
ら⋮学校休むね⋮﹂
そう言うと響は未来に霊風から預かった憑友のカードケースを渡
すと、その格好のまま、ベットにダイブして、そのまま寝息が聞こえ
てきた。如何やらもうそのまま寝てしまった。
それを見た未来は響を心配しつつも、自分は玄関から居間に行き、
そして近くのテーブルの方についた。
そのテーブルには、ドールハウスの形をした物体が置かれていた。
817
想形とでも言えるマンションなのである。
そんなマンションには、響や未来以外にも多くのリディアン生徒が
住まっているのである。
﹂
﹁⋮ただいま⋮﹂
﹁あ、響
﹂
?
﹁⋮うん。⋮だけど、ゴメンね未来。私、今日なんだか疲れちゃったか
﹁⋮何か、あったの⋮
何処か暗い顔をした響がそこに居た。
しかし、そこにはいつもの明るい顔の響では無く、
そんな中、響が帰ってきたので、未来が響を迎える。
!
ただ、そのドールハウスには明らかに要らない筈の機械的な装置が
ドールハウスの外庭部分に設置されていた。
すると未来はその装置に、カードケースから4枚のカードと、胸ポ
ケットからカードを1枚取り出すと、それをその装置に全て入れた。
まるで押入れに入れる洋服のように。
ドラゴンスレイヤー
因みに入れたカードの﹃英雄﹄達は、
︻炎の滅竜魔導士 ナツ︼
︻炎の咎人 アカネ︼
︻剣士の英霊 セイバー︼
︻エース・オブ・エース なのは︼
︻黒と白の娘 ユイ︼の5人のカードである。
久しぶりだな
﹂
するとドールハウスから1/20スケールで、そのカードに描かれ
よっ
ていた5人が現れた。
﹁お
!
﹂
﹁せ、セイバーちゃん⁉
//﹂
﹁確かにそうね。それは良いとして、セイバーちゃん
﹂
イを膝の上に置きながらアカネの言った事に肯定しながら頷く。
するとアカネがそう言うと、セイバーもドールハウス内の和室でユ
のか
﹁つうか、久しぶりって言っても、1週間経つか如何かのもんじゃねぇ
る⋮未来さん凄いです。色んな意味で⋮。
すっかり﹃英雄﹄達と交流を深めた何気に凄い存在になっていたりす
の相談役として、
﹃英雄﹄達とのスキンシップが影響したのか、今では
⋮﹃ヒーローシェアハウス﹄を作ってから、未来はいつも﹃英雄﹄達
実は未来⋮憑友が夏休みの暇な時間に密かに作ったドールハウス
拶する。
すると真っ先にナツが未来に話掛けて来たので、未来も皆んなに挨
﹁お久しぶりですナツさん。それに皆さんも﹂
!
!
バーの顔まで自分の顔を持って来る
それを聞いたセイバーは頬を少し赤らめながら、なのはの急接近に
!
するとなのはがそんなセイバーに動揺させる一言を言いつつ、セイ
?
818
?
?
驚く。
﹂
﹁貴方だけ今回この中で唯一、霊風君達と戦っていたよね
﹂
パパが元気だったのかも
その時の事を教えてくれないかな
﹁私も気になります
?
するとなのはの一言がセイバーを激しく動揺し、ユイが更に後押し
!
?
と言う名の追撃もとい笑顔をくらったセイバーは白旗を上げて、その
時の話をし始めた。
⋮何やってるの⋮セイバー⋮。
︻騎士王︼の肩書きは何処に行った
﹂
﹁そんな物は今は必要ありません
!
﹂
そんな様子を見ていた未来は苦笑いをしていた。
入っていたのは言うまでも無かった。
その際にユイが苦しそうにしていたので、なのはとアカネが助けに
き締めていた。
その際に、セイバーはユイのその愛くるしい笑顔を見て思いきり抱
た。
そう言うと未来とユイが2人揃ってセイバーに感謝の言葉を言っ
﹁ありがとうございます
﹁そう⋮ありがとう、セイバーさん﹂
ています﹂
ただ、ツクモとキリトの2人は無事である事は現段階では確認出来
剣である私が何1つ出来ませんでした⋮
事が出来ませんでした。
﹁申し訳有りません、ミク。私の力を以ってしても、ツクモを取り返す
﹁⋮そうですか。憑友が⋮﹂
る皆に話をした。
そうしていると、セイバーは先程までの時間に起きた事を此処にい
⋮意外に侮れないぞ⋮この﹃腹ペコ王﹄⋮。
たので。気にしないで下さい﹂
﹁あ、いえ⋮申し訳有りません⋮何か悪い事を言われたような気がし
いきなり大声出して⋮﹂
﹁ど、如何したのセイバーさん⁉
?
!
819
!
かぞく
俺達が必ずあの2人を助けてやるからよ
そんな未来の所に、挨拶以外何も言わなかったナツがやって来た。
﹁心配すんなよ
奴じゃないからな﹂ニッ
﹁ナツさん⋮憑友の事をお願いします
﹁おう
﹂
!
⋮はい
﹂
依頼の報酬は、お前の笑顔を見せる事だ
﹁
﹂
俺とグレイは仲が悪いけどよ、それでもギルドの仲間を売るような
!
火竜の咆哮
レストリストロック
その際にナツが
束魔法
を繰り出そうとしたが、なのはの拘
で完全拘束されていたのは言うまで
︶﹂
未来はそんな﹃英雄﹄達のいざこざを見ながら、心の中でそう呟い
﹁︵響が頑張ってる⋮私も憑友の帰りを待ってあげなくちゃ
も無かった⋮
"
"
"
その2人のやりとりを聞いた皆はナツを弄る皆。
!
!
!
"
ていた。
820
!
!
!
#11 学園祭
﹂
﹂
ーーーーーーSIDEto憑友
﹁潜入
﹁そうデーース
﹁⋮うん﹂
⋮いきなりで済まなかった。
何でこんな事になったかと言う前振りが必要だな。
それはほんの2.3時間前の事だった。
ー回想ー
何時も通りの朝を過ごしていた俺。
あれからちょくちょくマリアさんや金髪と黒髪の女の子ーー名前
が確か黒髪ツインテールの方が調で、金髪イタ娘が切歌と言うらしい
がーー2人が俺の所にやって来ては、飯の用意をしてくれていた。
自分達の分まで削ってまで俺の事を気遣ってくれているようだ。
えんじゃおん
こうせいき
それと、ライブ会場に現れた2人の男の子の名前もこの時に知っ
た。
陰陽・闇邪怨と、陰陽・光聖希と言う名前だった。明らさまに2人
とも兄弟であった。しかも双子ときた。
それと同時に﹃F.I.S.﹄によって管理された存在⋮
﹃レセプターチルドレン﹄でもあった。
邪怨の方は︹闇︺、聖希の方は︹光︺の属性を持つ魂を導く師者⋮
︽光魂導師︾タマシイと︽闇魂導師︾コアになれるそうだ。
その時に使っていたアブソーバー⋮タマシイとコアは、ライドさん
の7人兄弟の三男と三女であった。
因みに、ライドさんの兄弟は3人兄弟と、4人姉妹の計7人の兄弟
姉妹になっているそうだ。
ソウルが長男で、ライドさんは次男、そしてスピリットさんは長女
と言う事らしい。
821
!
?
新たなフィーネ降臨のための器として観測していた子供達の総
"
⋮
称
"
そして俺はふと思った⋮次女と末っ子の四女は
⋮あれ
いつから話が逸れたんだ
と。
⋮兎に角話を戻そう。
み込んではいけないような気がして、俺はそれ以上言わなかった。
あまり詳しく知らないけど、ライドさんの家系の事はあまり深く踏
そうなんだが⋮﹄との事らしい。
しかし、次女の行方は分からない⋮タマシイとコアは何か知ってい
我々兄弟姉妹全員が誰よりも愛していた存在だからな。
きょ う だ い
ライドさん曰く、﹃四女はおそらく今でも元気に過ごしているさ。
?
﹁⋮聖遺物を奪う﹂
﹁⋮何がしたいんだ
﹂
﹃リディアン音楽院 秋桜祭﹄と言うタイトルが書かれていた。
そこには、
そうしていると調が俺に紙を渡してきた。
1万円残して後は空っぽって⋮まぁ、それは良いんだけどな。
因みにあの後に切歌から財布を返してくれたが、
光聖希のちびっ子4人組がやって来たのだ。
いてきたので、視線を見せると、そこには調と切歌、そして闇邪怨と
そんな俺がそうやって思考を順繰り返していると、牢屋のドアが開
?
﹁其処で
潜入をするんデス‼
﹂
⋮また話が逸れた⋮此処最近そんな事ばっかりだ。
けないとの事だそうだ。
両方を用いても恐らく響の中に混じってる︽ガングニール︾は取り除
故に最新技術を持ってしても、最高の医師の手によっても、又その
何故なら、彼奴の胸の中にある。それも摘出不可能までに。
だが、響のギアペンダントは⋮無い。
帯になるだろう。
仕事が終わる頃にはおそらく学園祭が後少しで終わるという時間
あるって、前にマネージャーである霊風さんから聞いてたな。
奏さんはおそらくスケジュール的にはその日の朝は九州で仕事が
うと言う事か。
聖遺物を奪う⋮つまり、翼さんとクリスさんのギアペンダントを奪
?
?
822
?
!
﹁潜入
﹂
ー回想ー
⋮という訳である。
でも、俺が行くと逆に生徒に見つかるから無理な話だ。
﹁おーい⋮﹂
ローブを羽織れば間違いなく怪しまれるのがオチだしな⋮
﹁おーい﹂
後は、声を変えればなんとかなるかもしれないけど、響達にモロバ
レするのがオチだし⋮
﹂
此処は一層の事同行しない方が⋮
﹁人の話を聞けーー‼
﹂
せんせー
キリト師匠⁉
﹂
?
﹁うわぁ⁉
ゴツンッ‼
何すんだよ⁉
痛ってぇ⁉
如何いう事
?
?
﹁こう言っちゃなんだけど⋮俺の力使うか
﹄
え
﹃
?
と言う顔をしている。
キリト師匠の言った一言で、俺とこの場に居合わせた4人は何が
?
ー
に装填し、そして勝手にレバーが引いた
フォーム、キリト
まさか此処で変身
ーライド
え⁉
ー
それを押してくれ︶﹄
?
⋮あ、あった。これを押せば良いのか⋮えい
と書かれたボタンがあるだろ
[GGO]
!
﹃︵あんまり使いたくなかったけど⋮其処のパネルボタンに、
[GGO]
するとキリト師匠が俺の脳内に直接話しかけて来た。
⋮マジで、この場所で変身したよ⋮
ー黒剣、双閃、アメイジング
!
!
!
!
するとキリト師匠のカードが勝手に動いて、そのままアブソーバー
ので、俺はそのままアブソーバーを装着した。
するとキリト師匠は俺にアブソーバーを装着してくれと示唆した
?
?
?
?
?
?
823
?
?
?
﹂
モード⋮ガン・ゲイル
﹂
ー
﹂え
そうした俺はそのままアブソーバーのパネルボタンを押した。
ーコンバート
すると俺の身体全身から閃光が発せられた
それを見た4人も目を塞いでしまった。俺もだ。
そうして、閃光が消えた。
嘘⋮⁉
いつの間に
﹂
言ってる意味が分からん。
?
!
けど、何が起こったのかさっぱr﹁貴方、誰デスか⁉
﹁⁉
はぁ
?
!
!
﹁人質がすり替えられただと⁉
﹁うわぁ⁉
?
とするな⁉
此処お前達の移動拠点だろうが⁉
あんた
あんた
いや、だから師匠は師匠で何がしたかったんですか
⋮あ、ああ⋮﹂
﹃⋮取り敢えず、誰か鏡を持って来てくれ﹄
﹁え
?
俺の視界から黒くて長いのが垂れてきた⋮
一体何が起こってるんだよ⋮それに鏡って⋮
なんだ
?
﹃はぁ⋮やっぱりそうなるのか⋮使いたくなかったんだが⋮﹄
?
ーーーーーーNO SIDE
まさか⋮
そう思った俺はそのままそれを触る。⋮感触からして⋮髪の毛
?
後で分かるから。
そんな中、響の側に寄る1人の女の子がやって来た。
だ。
もしれないと思っていた彼女だったが、リディアンには来ていたよう
何か呆然としていた。彼女の心理的要素から学園祭当日は来ないか
そんな中に、肌色に近いオレンジ髪のショートヘアの女の子⋮響は
いに盛り上がりを見せていた。
そんな憑友達とはうって変わって、リディアンの方では学園祭が大
理由
までも無かった。
そんな憑友はこの後に、吃驚して数十分の間気絶していたのは言う
?
?
一体何を⋮って、其処からペンダントとアブソーバーを装着しよう
?
?
824
?
?
?
?
ビリジアン系の色合いを見せる黒髪に白のリボンをつけた少女で、
この場にはいない憑友と、呆然としている響の幼馴染・未来であった。
﹂ ﹂
じ ゃ な い よ。こ れ か ら 板 場 さ ん 達 と 逝 都 達 の 番 だ よ
如何したの
﹁ひ∼びき
﹁未来
﹁如 何 し た の
﹂
?
!
ただ、その少女は酷く溜め息を零していた。
﹂
俺だって好きでこんな格好になったんじゃ無いんだ
﹁なんで、こんな事になるの⋮師匠の馬鹿野郎⋮﹂
﹄
﹃仕方ないだろ
から⁉
﹁これじゃあ、男の子じゃなくて⋮男の娘じゃないですか⁉
相手を奇襲にかける事も造作も無いのである。
その中でも、﹃GGO﹄は敵の目を誤魔化しやすい性能を持つ。
以上の3つの姿を自由自在に変えられるのだ。
女性の容姿になり、銃の攻撃を可能とする﹃GGO﹄
そして、今現在憑友がなっている⋮
妖精になって、空を飛び回る﹃ALO﹄
二刀流の手数と、耐久性を活かした﹃SAO﹄
キリトは主に、
記しても可笑しくは無かったのだ。
これが某光の巨人に例えるならば俗に言う﹃タイプチェンジ﹄と表
キリトには戦況に合わせて姿を変える能力がある。
この姿⋮実は憑友のパートナー﹃英雄﹄キリトの影響でもあった。
実はこの少j⋮いや、訂正。この人物⋮実は憑友であった。
?
い格好だった。
見た目は黒髪のストレートだが、服装はどちらかと言うと軽装に近
そんな2人を1人の女の子が通り過ぎた。
その時、未来の顔がほんのりと赤くなったのは言うまでも無い。
会場である体育館へと急いだ。
それを聞いた響は驚き、そして未来はそんな響の手を繋ぎ、急いで
?
?
?
だが、その容姿があまりにも女性の顔付きだったので、今の憑友は
825
?
﹂
恥ずかしいと言う感情しかなかったのである。
﹁しー﹂
﹁しーデス⋮
﹂
・
・
﹂
﹁⋮俺じゃなくて、僕ならOK﹂
﹁いや、するかよ⁉
﹁⋮怪しまれるのがオチ﹂
﹂
﹁ぐぬぬ⋮正論突かれて、何も反論出来ない⋮
﹂
つうか、彼奴らは何処に行った⁉
﹁⋮﹂﹁⋮と、兎に角行くデス
﹁はぐらかされた⁉
?
﹂
﹂
ってか、彼奴ら変な所に寄ってないだろうな⁉
!
それも連続で⁉
﹁⋮﹂﹁⋮と、兎に角行くデス
﹁今ので、2回目だぞ⁉
?
﹂
?
?
?
!
すると突然すぎる調の発言に憑友は呆然とする。
﹁え
﹁⋮僕﹂
﹁⋮はぁ⋮おまけになんで俺が⋮﹂
・
それを見た憑友はまた溜め息を吐いた。
静かにしてとジェスチャーしてきた。
そうしていると、2人の女の子⋮調と切歌が自身の唇に指を当て、
!
並びにクラスメイトの皆んな
﹂
﹂
!
E︵KENN&小西克幸ver.︶︶
︵挿入歌﹃Believe in Myself﹄EDGEofLIF
そう2人が言うと音楽が流れた。
﹁俺達のライブ⋮聞いてくれ
﹁先輩方
の唯一の男友達である逝都と馬燈の2人であった。
そんな中、体育館内では、板場達のステージが終わって、次は憑友
ーーーーーー
この作品の代名詞﹃混沌な場の空気﹄が出現したのであった。
カオス
⋮なんとも言えない雰囲気となっていたのは言うまでも無い。
?
!
!
!
826
?
2人の音楽が聞こえ、2人が歌い出して僅か数十秒の内に女子生徒
たちから黄色い歓声が上がりまくっていた。
それを聞いた響と未来は両手で耳を塞ぎこんだが、あまりの歓声の
高さに塞いでも耳が痛くなった。
そんな中、2人の近くにクリスと翼が耳を塞ぎながらやって来た。
︶﹂
・
・
それを近くで漸く感じた未来が2人と会話しようとすると、誰かい
⋮ロックさんがいない
ない事に気が付いた。
﹁︵あれ
・
である。勿論、憑友が全部自腹を切っています。
屋台を散策しつつ、たこ焼きやら綿あめなどを食べ歩きしていたらの
女の子と大絶賛に間違わられている憑友はと言うと、ステージ周辺の
そんなステージとは裏腹に、学校に潜入している調と切歌、そして
ーーーーーー
評価は意外にも高得点で、周りの観客達も賑わいを見せていた。
た。
そう話していると、あっという間に2人のステージが終わってい
は翼より1つ下だ。まぁ、未来や憑友、そして響に対しては上だが。
バカ
のである。クリスが翼と同い年ならなんとかなるのだが、生憎クリス
女の子であるクリスにとっては、それは教育上的にあまり良く無い
1枚とは言ったが、カーテン1枚で隔てているのだ。
いう事に疎いようだ。
⋮世間から言わせるならそれは同棲と言うのだが⋮ロックはそう
シェアしてるのである。
クリスの住む場所でロックは1枚隔ててるとは言え、同じ部屋を
クリスの言った一言で、未来は少し驚いていた。
﹁ロック義兄の奴、未だに学校にすら現してねぇんだ⋮﹂
未来の思惑を読み取ったのか、クリスが未来の耳元で声を出した。
実はロックは今日の学園祭に何故か来ていないのだ。
そうなのだ。
?
しかし、憑友は寧ろ2人の楽しそうな笑顔を見て、少し微笑みを浮
827
?
如何したデス
かべていた。
﹁
﹁⋮気持ち悪い﹂
﹂
﹂
!
る。
!
﹁悪りぃ悪りぃ
﹂
﹁今まで何処行ってたデス⁉
﹂
返ると、其処には闇呪怨と聖光希の2人がやって来た。
そんな時に、不意に﹁おーい
﹂と声が聞こえたので、3人が振り
その為か、憑友は予想以上にしんどかったそうだ⋮ご愁傷様であ
実はこの数分の間に、めちゃくちゃに叩き込まれたのであった。
そう言いながら調がOKサインを出していた。
﹁⋮合格﹂
う顔しか出来ないんですよ
﹁悪かったですね⋮如何せおr﹁じー⋮﹂⋮ゲフンゲフン。僕はそう言
?
?
﹁﹁︵ナイス
フォロー‼
︶﹂﹂
そんな2人は、憑友の顔を見ると、心の中で、
の話を信じる事にした。
中の憑友の証言により、嘘とは信じ難い物になったので、切歌は2人
すると切歌がそれは嘘だという発言をしようとするが、此処に在籍
﹁⋮信じるデス⋮。﹂
﹁俺もこの学院に入った時は、全校女子生徒たちから逃げ回ったな∼﹂
﹁いや、それ理由になって⋮﹂
たそうだ。それを聞いた憑友はそんな2人を理解していた。
如何やら先まで2人は玄関の門の所で女子生徒たちに巻き込まれ
﹁納得﹂
﹁⋮此処の生徒に完全に足止めされてしまっていた﹂
!
?
﹂
そう言うと今度は調が一枚のチラシを憑友に渡してきた。
つもりだ
﹁それはそうと、如何やって︽シンフォギア︾装者のペンダントを奪う
すると憑友が業を煮やしたのか、本題の方に入った。
とそう叫んでいたのは言うまでも無い。
!
?
828
?
それを受け取った憑友はそれを見た。其処には、
﹂
﹂
!
﹃ステージにて、歌うま合戦開催
﹄
優勝者はどんな願いも1つ叶えられる
当日参加・飛び入り参加も可能
と書かれていた。
﹃⋮﹄
﹁⋮え
何
﹁⋮成る程⋮んで、お前らが参加するのか
!
﹂
﹁決定デ∼ス
!
ジ上に立って歌を歌おうとしていた。
﹁︵お手並み拝見と行きますか⋮
?
するとクリスの歌が済んだのか、評価が下された。
と、同時にそう考えていたそうだ。
﹁︵⋮やっぱり、皆んなに愛されてるな∼︶﹂
いた。
その歌声を聞いた憑友はまるで意表を突いたかのように目を見開
︵挿入歌﹃教室モノクローム﹄高垣彩陽︶
憑友はそう感じながら、クリスは歌を歌い始めた。
良い歌、聞かせてくれよ⋮サラブレッドさん
︶﹂
そうして5人がステージにやって来ると其処ではクリスがステー
ーーーーーー
腹を括りつつ、今の自分の状況に諦めた。
しかもそのまま4人のテンションが高くなったので、憑友は完全に
が出てくるとは思いもしなかっただろう。
切歌のトンデモ発言で、まさか自分に就いてる﹃英雄﹄衛宮の口癖
﹂
﹁なんでさ⁉
?
その話を聞いた憑友はそれを断る。だが⋮
﹁⋮相分かった。断る﹂
﹁⋮私と切ちゃんが歌う。けど、あまり自信が無い。貴方は保険﹂
それに動揺する憑友。すると調が話をし出した。
すると何故か全員が憑友に視線を向ける。
?
?
!
?
829
?
結果は文句無しの高得点。
﹂
それを見た観客達は皆、クリスに盛大な拍手が鳴り響いた。
飛び入りも大歓迎ですよ
新チャンピオン誕生
次なる挑戦者は⁉
﹁勝ち抜きステージ
さぁ
!
!
﹂デス
歌が即座に手を上げようとすると、
﹁次はわたs﹁僕が歌います‼
﹂
と、このステージを仕切っていた司会者がそう言って来たので、切
?
!
﹁彼奴は一体⋮
﹂
﹁それじゃあ、お名前を教えてくれませんか
﹂
﹁僕の名前は⋮キリカ。
き り が や つ き か
桐ヶ谷憑歌です
﹁それでは、憑歌ちゃん
﹁⁉
⋮わ、分かりました∼
﹂
﹁⋮﹃Alive A life﹄をお願いします﹂
すると司会の女子生徒がそう言うと憑歌は、
歌は何を歌いましょうか‼
﹂
それを4人に聞き取れる声で言うと、憑歌は前に出た。
それにこの際だから、一曲歌いたい﹂
﹁ああ言う歌に影響されれば、誰だって歌いたいものですよ⋮真剣に。
たが、憑歌はこう答えた。
その際に4人に先程の自分達の作戦が全然違うと言いだそうとし
そう名乗った少女は司会に促され前へと行く。
!
?
!
﹂
自身の肌の色を除いて、全てが黒に包まれた存在だった。
けると、其処に立っていたのは1人の少女だった。
するとその声を聞いたのか、スポットライトはその声がした方に向
?
?
!
!
﹁それでは歌って頂きましょう
﹂
!
すると周りの観客達が一斉に目を見開いた。
﹃Alive A life﹄です
伝説のアーティスト、リカさんが歌った一曲⋮
!
830
!
そう言うと司会は憑歌にマイクを手渡す。
?
リカ。
それは声優としても活躍し、尚且つ歌を歌うアーティストと言う二
面の顔を持つと言われる女性。
その曲はカバーソングもあるものの、常にトップ圏内に入る実力を
誇っていたのだ
﹁⋮﹂﹁響
﹂﹁
﹂
如何した、立花
﹁⋮似てる﹂
﹁え
﹂
その中でただ1人だけ⋮響だけ憑歌の顔を見ていた。
調や切歌達も凄いと絶賛していた。
すると周りの観客達は皆、憑歌が歌う曲に鳥肌が立ち、
︵挿入歌﹃Alive A life﹄松本梨香︶
を浴びた憑歌は歌を歌い始めた。
するとスポットライトを除く全ての照明が消され、スポットライト
!
けど、その差は僅か1点の差だった
﹂
またの挑戦をお待ちしてますね
﹁え
﹂
﹁⋮あ、いいえ。今度は必ず倒してみせますよ
!
を上げたのだった
それを見た︽シンフォギア︾装者達は驚かされたのであった。
!
そして司会が次のチャレンジャーを指名すると今度は切歌達が手
その憑歌に対して、真近にいたクリスは疑問に感じた。
﹁⋮﹂
﹂
﹁あ、はい。⋮もう此処には来れないかもしれないけど⋮﹂
﹁残念
!
そして評価は⋮奇しくもクリスの高得点には及ばなかった。
しまった。
響の呟きに未来と翼が考えていると、あっという間に歌が終わって
?
?
?
!
!
831
?
?
#12 大海の逆鱗
︽シンフォギア︾装者達が切歌達の姿を捉える数分前。
その頃、とある工業地帯に多数の防護服に身を包んだ組織が1つの
廃倉庫へと向かっていた。
そこにはマリア達﹃フィーネ﹄が搭乗する飛行機が格納されていた。
ーーーーーーSIDEtoマリア
調や切歌が私の代わりに、ギアを探してくれている。
闇呪怨と聖光希も。
そして、私達の敵である筈の憑友まで調達の保護者として行ってし
まった。
私達はもう誰にも止める事すら出来ない。
私はただ1人、近くにある培養液が入ってるカプセルに向けてそう
考えていた。
ぶらいゼロ
832
そこに居たのは、1人の青年だった。
無頼零。私の妹⋮セレナの大切な人。
彼もまた私達と同じレセプターチルドレンの1人で、闇呪怨と聖光
希から﹁兄貴﹂として懐かれている存在。
無口であまり喋らない性格。だけど、それに見合わぬ程の行動力を
持つ男。
そんな彼にセレナは恋に堕ちたのかもしれないわね。
現に私もそうだから。だけど⋮私はこの道を歩み始めた。
貴方を救う為に⋮セレナともう一度会いたいが為に。
セレナが生きている事に私は嬉しく思った。
けど、記憶を無くしていた⋮自身の名前以外。私の妹である事も。
そうなると必然的に無頼の事も知らない。
だけど、私は彼を助けたい⋮
心肺などのバイタルは平常になっているのだが、如何して目を覚ま
こない。
その際に一命を取り留めたものの、6年経った今でも未だに起きて
彼が6年前、セレナを助ける代わりに自らの命を落としかけた。
!
さないのかが分からなかった。
このままでは、彼の生命もあと僅かだと言う事も知らされていた。
だけど、責めて彼にもう一度、セレナが生きている姿を見せて欲し
い。私の願いはそれだけだった。
私には﹃英雄﹄達が入ってるカードケースを握っている。
だが、彼等は全員⋮元を正せば無頼の元に就いてる﹃英雄﹄達だ。
保護者役のエギルさんとタケシさん。
以前、﹃現界ブースターα﹄で出現させた鬼道ににゃん太、それに
バーサーカー2体。
馬鹿力が取り柄の女の子・ヨルムンガンドと、
馬鹿魔力の多さが特徴のミソラ・ホイットテールと成瀬澪。
灼熱の炎剣を持つ皇女、ステラ・ヴァーミリオン。
ステラとはまた違う炎の剣を使う少年・アリババ。
黒い機体を纏う少女・鳳鈴音。
妖精女王の名を持つ魔導士・エルザ。
エルザとは違う素質を持つ魔導師・はやてとヴィータ、シャマルに
ザフィーラ。
そんな彼女達の部下・スバルとティアナ。
ドリル状の剣を持つ男・ハガン。
拳銃を使った格闘術が得意な里見。
詰替用のブレードを装着しているミカサ。
他にも様々な﹃英雄﹄達が存在しているが、その中でも彼⋮無頼が
初めて出会った﹃英雄﹄だけは異質だった。
︻無の英雄 ギンジ︼
やりたいことも無く、全てに無関心で無為な日々を過ごしていた青
年。
そんな彼と波長が合ったのか如何かは定かじゃないけど、少なくて
も彼⋮無頼の側に片時も離れなかった存在だ。
そんな彼⋮ギンジはただ1人、カプセルの中にいる自分の相棒に目
を通していた。
﹁⋮何時まで⋮こんな事しなくちゃいけないんだろうな⋮﹂
833
﹁⋮﹂
ギンジの台詞を聞いた私はそのまま黙り込んでしまった。
あの時、私が速く彼を見つけたので、彼の生命は取り留めている。
けど、あと1秒でも速く彼を見つけていたら、それだけで彼は早く
に目を覚ましていたのかもしれない⋮
私はその事で苦悩していた。
﹁⋮別にお前を責めてるわけじゃねぇ。寧ろ零を見つけて救ってくれ
た事に俺は感謝の言葉しか思い浮かばないんだよ﹂
そう言いながら、彼は話を始めた。
﹁俺が彼奴のパートナー﹃英雄﹄なのに⋮俺は何も出来なかった。
悔しいんだ⋮相棒を助けたかったのに、何も出来なかった自分に
⋮﹂
そう言いながら彼は力いっぱいに自分の拳を握り締める。
その際に、ポタポタと血が流れ始めた。尋常じゃない後悔が滲み出
ていたのであった。それを見た私はそのまま俯いてしまった⋮
ーーーーーーNO SIDE
そんな中、調や と切歌がクリスに向けて宣戦布告をし、ステージ
に立って、歌を歌った。
︵挿入歌﹃ORBITAL BEAT﹄南條愛乃,茅野愛衣ver.︶
そんな歌を聞いていた皆も真剣にその歌に感化していた。
それは、﹃ツヴァイウイング﹄の曲でもあったから。
それを聞いた翼と響は目を見開いていたのであった。
すると憑歌と名乗った女の子は急いでその場を後にした。
その様子を見ていた未来は響達に﹁手洗い行ってくるね﹂と言うと、
響達はそのまま頷き、そして未来は急いでその憑歌の元へと急ぐ。
ーーーーーーSIDEto未来
あの子⋮憑歌ちゃんの様子が変だった。
何かを隠しているかのように。
すると私は咄嗟に壁の方へと体を寄せた。
834
その視線の先には憑歌ちゃんがいたから。
すると彼女は誰も見られていない事を分かったのか、左腕を前に出
すと、即座に彼女の周りからポリゴンのような形をした光を発した。
そしてその姿を見た私は驚愕し、思わず口から声が出そうになり、
慌てて塞いだ。そこに居たのは⋮憑友だった。
先程の少女⋮憑歌ちゃんの正体が、憑友だった。
バレてる⋮⁉
﹁ふぅ⋮⋮隠れてないで出てきてくれ﹂
でも⋮行って聞きたい
如何やって、あの人達から抜け出せたのかを。
﹁⋮憑友⋮﹂
私は決意を固め、憑友の所へと歩み始めた。
ーーーーーーNO SIDE
憑友はその時、既に後ろから誰かが後を追っている事に気づいてい
た。
だが、何故人目の付かない所でキリトの能力を解除したのか。
そう疑問に思っている者がいるかもしれないが実は⋮
ただ単に、エネルギーの問題であった。
能力を使う度に憑友の生命エネルギーは消費されていくのである。
生命エネルギー⋮憑友にとってそれは、﹃生命﹄に関するものだっ
た。
故に、彼は使い続ける度に自身の身体がまるで毒に侵されるかのよ
うな激痛を走っていたのだ。
先程歌を歌っていたが、それでも生命の消費は免れていない。
そんな中で憑友は歌を歌っていたのだ。
凄まじい程の耐久力である。
そんな中、憑友は後ろを振り返るとそこには自分の幼馴染である未
来がそこに居た。
﹁未来⋮﹂
﹁憑友⋮良かった。無事だったんだね﹂
835
!
?
そう言いながら彼の元へと来る未来。
﹂
だが、彼はそのまま手を前に出した。待ったの合図で。
﹁憑友
﹂
?
﹂
﹂と約束し
!
﹁ああ⋮
﹂
﹁⋮気を付けてね
﹂
﹁⋮今度は元気になって帰ってくるから⋮
!
﹂
いるのかが分かったのか、先程まで握っていた手を離した。
そういうと憑友が電話を切ると、未来は憑友がなにかしようとして
﹁もしもし⋮はい。⋮はい⋮了解したマム。必ず連れて帰る⋮﹂
憑友はそれを見た。相手はナスターシャだった。
そうしているとライドから通信が入ってきた。
たのであった。
それを見た憑友は顔を赤く染めつつも、
﹁⋮ああ。必ず
そう言いながら最後に未来は憑友に暖かい笑顔を見せつけた。
だけど、必ず話せる機会があれば、必ず話してね♪﹂
﹁何も言えないのならそれで良い。
すると未来は彼の手を握ったまま話を続けた。
﹁⋮
だが、そんな憑友を見たのか、未来は彼の手を握った。
自分の今の立場では如何する事も出来ず、俯いてしまった。
﹁⋮﹂
憑友も憑友で、何か言いたい事を言いたかったようだが、
憑友の発言を聞いた未来はしばし困惑する。
﹁⋮如何して
﹁⋮ごめん。未来⋮俺はまだ帰れない。2人の所に﹂
?
!
い。
まさか、憑友には誰にも言っていない事を隠しているのかもしれな
﹁︵元気になって帰ってくる⋮
ていった。
ポリゴンのような形をした光に包まれ、またあの少女の姿へと変わっ
そう言うと憑友は急いでかけ走って去って行った。その際にまた
!
836
!
⋮今度、弦十郎さんに聞いてみないと⋮︶﹂
そう思った未来は響達の元へと向かって行った。
未来に正体がバレたものの、未来の心の器の大きさに涙を零しなが
ら、憑歌いや憑友は走っていた。
また、未来に嘘をついてしまったから。
ーーーーーー
一方、今から数分前の事。
武装組織﹃フィーネ﹄のアジトを見つけた米国軍はそのまま倉庫内
へと突入していた。
そんな様子を遠くの電柱の上で偵察もとい高みの見物している者
在りけり。
﹁⋮﹂
﹁あの時は咄嗟の判断でやっただけだ。座標ではこの廃れた倉庫の中
を位置しているが、そこに憑友がいるとは限らない。空中を飛行中な
ら分かるのだが⋮﹂
﹁⋮地上に降りてしまえば骨折り損になり兼ねないか⋮﹂
そうアーチャーに示唆されたロックはそのまま頷いた。
その時だった
ドガァァァ‼
﹂﹂
突然の爆発を聞いたロックとアーチャー。
﹁﹁‼
!
?
837
名はロック・アイル・ユキネ⋮雪音クリスの義理の兄である。
﹂
そんなロックの隣には、彼のパートナー﹃英雄﹄である存在⋮アー
チャーがいた。
﹁此処に奴がいるのか
﹂
﹁⋮分からない﹂
﹁なに
?
アーチャーの質問に対し、ロックは不明と答える。
?
?
アーチャーは魂をカードにして、ロックの右腰についてるカード
ケースへと戻る。
すると、倉庫から黒煙が空へと昇りはじめたのだ
﹁
﹂
﹁凄い音がしたのって此処
﹂
ロックは中で何が起こっているのか気がかりになっていると⋮
!
れた⋮
するとそんな野球少年達の会話の時に、1人の兵士がノイズに襲わ
なんとその場に野球少年達が来たのだ
?
﹂
!
青年だった。
﹂
あの子達に仕掛けようとしてる
行くぞ
⋮彼奴
リオン
!
﹁ちっ
﹁⁉
﹂
!
!
黒髪で、紫に近いピンクのマントを羽織った青い服を着用している
するとロックのカードケースから1人の青年が具現化した。
それは、先日廃病棟にて存在が確認されたウェル博士だった。
それを見たロックは更にその後にやって来た存在に見開いた。
!
運命の闇
フォーム、リオン
ズ達が現れ、野球少年達に襲いかかる
ーソウル
ランド・ザ・ソーディアン
行きなさい
﹄
ノイズ‼
﹂﹂﹂
?
さっさと、帰りなさい⋮永遠にね
さぁ
﹃○☆□○☆□‼
﹁﹁﹁うわぁぁぁぁぁ‼
!
?
?
!
!
ー
こんな所にやって来るとは⋮行儀のなっていない子供達ですね。
!
!
ーーーーーーSIDEtoウェル
!
!
!
それと同時に、ウェルが手に持っていた﹃ソロモンの杖﹄からノイ
いた
ソーバーを左腕に装着し、リオンのカードを装填、そしてレバーを引
そう言うと青年⋮リオンはカードになり、ロックはすかさずアブ
﹁ああ
?
!
!
!
838
!
!
ははは⋮
ジャキィン⋮
ジャキィン⋮
ジャキィンジャキィン‼
839
﹂
髪姿で、両手に片手剣と短刀を持った戦士がそこにいた。
そして何よりも⋮左腕に、アブソーバーが付けられていた⋮
な、な、な、何故貴様が此処にいる
﹁⋮﹂ギロッ‼
⁉
⋮俺は今⋮
﹁⋮Dr.ウェル。
?
!
そして私の前に現れたのは、青い服、ピンクのマントを羽織った、黒
!
!
﹂﹂﹂
ははは⋮は
﹁﹁﹁⋮
?
そう言うと少年達は逃走した。
ノイズは俺が食い止める
?
!
!
!
﹁⋮此処から早く逃げろ
!
?
逆鱗に触れられて、苛立ってるんだよーー‼
ロック・アイル・ユキネ⋮
何故貴様が此処に
﹂
?
ブソーバーに装填した
そう思ってると、ロックは以前、廃病棟の時に使用したカードをア
!
動かした
ーアブソーバー・スパーク
﹂
フォーム、アグル‼
ー
ングさせて、アブソーバーのパネルボタンを押した
ーソウル
た⋮
﹂
﹁アグルーー‼
なんて光なんだ⁉
海の巨人
ー地球の光
くっ
ー
するとそのままロックは上へとドッキングさせたスパークを掲げ
?
!
そう言うとスパークと呼ばれたアイテムと、アブソーバーをドッキ
﹁海の怒り⋮思い知れ
ー
と上,右,下,左の順に動かすと、そのまま上の方にアブソーバーを
するとアブソーバーが装着を解除するとそれを持ち、前方に向ける
!
!
!
!
とった。
するとアグルに変身したロックは右手を前に出し、挑発の構えを
たのだ。
地球の光の1つ﹃海の力﹄を体現化させた戦士に、ロックは変身し
海の力を宿せし光の巨人⋮﹃ウルトラマンアグル﹄
ていた。
がら、その中に逆三角形の形を青白い光が胸に付いている戦士が立っ
青い身体、鉄のような仮面を付け、そして、互角形の形をしていな
そうして光が収まり、ウェルは顔を向けるとそこには、
ーーーーーーNO SIDE
?
!
840
!
?
!
!
!
﹁⋮掛かって来い﹂
そう言いながら、挑発を仕掛けるロック。
挑発と言う行為はロックはするタイプでは無い。
したとしても、それは自身が怒りに満ち溢れている時にしかしない
のだ⋮
!
とどのつまり⋮
841
今の彼は猛烈に激怒していたのであった⋮
まさに⋮﹃大海の逆鱗﹄の如く⋮
!
#13 為すべき事
一方、ウェル博士と﹃ウルトラマンアグル﹄に扮したロックが戦闘
を開始していた時、ナスターシャは憑友達に自分達の居場所が突き止
められた、所定のポイントにて合流すると示唆された。
それをステージ上にいた調と切歌、観客席に居座っていた陰陽兄
弟、
そして未来と話をしていた憑友はその話を聞いた。
そして道中で彼等5人は再会し、そのまま入口である門の方へと向
かうも、其処へイベントで使用したであろう大道具を運ぶリディアン
生徒に阻まれてしまった。
そして漸くと思ったのも束の間だった。
彼等の全方には翼が先回りし、
そして後ろからはクリスと響が行く手を阻ませた。
﹂
超が付く程のお人好し
其処にいる立 花 響 以外はね﹂
﹁え
その隙を憑歌は見逃さなかった。
トンッ
た。
﹂
﹂
そうすると、憑歌は調達の背中にくるりと回り、手で彼女達を押し
!
842
調は今の状況を打開しようと何かを言おうとしたら、憑歌によって
止められた。
﹁⋮貴方も﹃フィーネ﹄のメンバーなのか
﹁詳しい話をして貰えないだろうか
そんな中、響だけが、憑歌に違和感を持っていた。
﹁⋮﹂
早くこの子達をナスターシャの所へ先に行かせるように。
そう言いながら、憑歌は今の状況を考えていた。
﹁⋮ええ。⋮と言っても、僕はこの子達のお守りですけど﹂
?
﹁⋮それを言った所で、信じてくれるとは思えませんけどね。
?
突然、自分の事だと思った響は驚いた。
?
あまりの行動に驚く皆。
しかし、憑歌の目を見た調はそのまま切歌の手を握って、この場を
後にした。
﹁⋮2人の事を頼む﹂
﹁⋮分かった﹂﹁⋮帰って来いよ﹂
そう言うと2人の少年達もその後を追った。
﹂
それを見届けた憑歌に声がかかる。
﹁如何して⋮
なんで私の事を知ってるの
響が憑歌に向かってそう言うと、響の胸ポケットから1枚のカード
が現れ、光を帯び始めた
すると見る見ると姿が変わると、手の平サイズの妖精になった
すると妖精を見た憑歌は冷や汗を掻き始めた。
すると妖精⋮ユイちゃんが憑歌の事をこう呼んだ。
・
・
・
﹁パパの力を使ったんですね⋮
・
憑友さん﹂と⋮
そのユイちゃんの質問を聞いた3人は驚愕した。
⋮嘘はついちゃいけないよ⋮ユイちゃん
目の前にいる憑歌ちゃんが⋮憑友
ーーーーーーSIDEto響
ら。
何故なら、今目の前にいる髪の長い女の子が、憑友だと言われたか
!
!
﹁私は本当の事しか言いません。
!
?
﹂
843
?
?
如何してパパの﹃GGO﹄の時の姿で、皆さんの前に現れたんです
か
﹁⋮﹂
?
ユイちゃんの質問に憑歌ちゃんは黙り込んだ。
それって⋮本当の事なの⋮
パの方のおじいちゃんとおばあちゃんだけです
﹂
!
誰の事なんだろ
⋮それだけしかいないとなると⋮結構ヤバいよね⁉
でも、リーファ
﹁⋮為す為に﹂
え
?
?
私がその姓名で聞いた事のある人達は、パパとリーファさんと、パ
﹃桐ヶ谷﹄と言う姓名はそう簡単にはいません。
﹁それに、パパの苗字﹃桐ヶ谷﹄も使用しています。
?
ない⋮ごめん⋮﹂
そう言うとそのまま走って、学校から出て行ってしまった
如何してなの⋮憑友⋮
・
・
・
・
改め
﹃悪霊になる﹄と言う名の猛毒に。
・
り込んでくる。
それに、俺が︽炎魂導師︾になればなる程⋮俺の身体全体に毒が回
⋮つまりはあと4週間しかこの場に留められない。
俺の残りの生命時間は672時間⋮日数に例えると28日。
もう1ヶ月を切った⋮
ひ と つ き
だけど⋮今の俺には、響達の手を借りる訳にはいかないんだ⋮
これじゃ、以前の未来と全く同じ事をしているようなものだ。
大切な幼馴染なのに、傷を付けてしまった。
そして、響に心の傷を付けてしまった⋮
ユイちゃんの所為で、正体がバレてしまった。
ーーーーーーSIDEto憑歌↓憑友
私には何も耳に聞こえていなかった⋮
翼さんやクリスちゃんが何か言っていたような気がするけど、今の
そんな私の心の叫びに答えてくれる者はいなかった⋮
!
!
﹁⋮為すべき事を成すまで、僕はううん⋮俺はまだ響達の元には帰れ
?
神様は俺をこの世界で2年と半年の間に、9つの﹃英雄石板﹄を探
844
?
すように言い渡された。
翼さんが神様と出会ったおかげ︵無印編 第27話参照︶で、探す
石板のヒントを手に入れたけれど⋮
︽ルナアタック︾の時と︽四英雄事変︾の際に変身し過ぎた所為で、俺
の身体にその毒が回り始めた。
2年半の活動エネルギーを消費し過ぎると、自分の身体が悪霊にな
ると言っていた。
それはつまり、残りの生命時間があっても、活動エネルギーが無い。
故に、列車での護衛任務の際に、エネルギーを響にすべて託したん
だ。
エネルギーを溜める事が困難になっていた俺だが、相手にそのエネ
ルギーを渡す事は可能だった。
それ故に響にエネルギーを譲渡する事が出来たのだ。
⋮話を戻そう⋮キリが無い。
もう1ヶ月を切ったこの肉体も、後はこうしてのんびりとした時間
しか設けられていない。
もう二度と響達と一緒に戦えない⋮
辛いけれど⋮
ごめん⋮響⋮
そう心の中で言いながら、俺はリディアンから離れて行った。
ーーーーーー
その後、調達との合流ポイントに来た俺が見たのは、
激しい疲労に見舞われているマリアと、白衣に斬られた跡が所々に
出ているDr.ウェルの姿がいた。
何事かと一緒に居たであろう存在⋮ナスターシャさんに聞いた所
によると、
米国政府が自分達の居場所を突き止めただけではなく、
ロックがその場にやって来て、ウェル操るノイズと交戦を繰り広げ
たそうだ。
845
その際に、ウェルは濃いめの青い身体で胸元に青いクリスタルをし
の力を使った
ていたそうだ。そのクリスタルは変身してから2分で赤の点滅へと
変わったと言っていた⋮
アグル
の力で戦ったん
恐らくロックは﹃四英雄﹄の一角 ﹃光の巨人 ﹄
んだろう。それも、
﹃海﹄の力を宿した戦士
だろう。
"
"
ジ︾も含むのならば、
ミラクルタイプ
ルナミラクルゼロ
﹃宇宙開拓の英雄﹄ダイナの
﹃英雄の息子﹄ゼロの
ビクトリーナイト
"
状況に合わせて能力を変える︽タイプチェンジ︾や︽モードチェン
くいる⋮
他にもウルトラマンの故郷には多くの青い身体の﹃光の戦士﹄が多
﹃光の国の研究員﹄ヒカリ
﹃慈愛の勇者﹄コスモス
青い身体の﹃光の戦士﹄は他にも存在する⋮
は光の剣を作れるのが特徴だ⋮斬撃も得意分野だから。
そういう事なら、ウェルのボロボロの白衣にも説明が付く。アグル
"
"
ジュネッスブルー
﹃地底の守護神﹄ビクトリーの
﹃絆の戦士﹄ネクサスの
"
・
・
・
ダイナが先なんじゃ無いのか
風先輩が言っていたな。
え
前者はさっき言ったでしょ
いや、そもそもティガは
と、そんな戯言はこの際、置いておこう。
後者は⋮あれは青じゃなくて、紫⋮だよね
?
いた。
俺はそのまま裾の方に振り向くと、そこには調と切歌が俺を止めて
方に戻ろうとすると、突然俺の裾が掴まれた。
そうしていると、話が纏ったようで、俺は何も言わずに元の牢屋の
?
?
その中でも、アグルは最初から青いウルトラマン達の先駆けだと霊
・
この4人も青の戦士としてカウントされるだろう。
"
"
846
"
"
"
"
?
?
﹁如何して、私達を逃す手助けをしたんデスか⁉
﹂
﹁⋮あの時、私達をそのまま連行する方が最善の筈⋮何で
﹂
ああ⋮そう言う事か。なら、答えは既に出尽くしている。
﹂
﹂
﹂
﹂
﹁⋮どうせなら、最後は裏切られて、最後は仲間の手の中で逝きたいか
ら﹂
﹁⋮
﹂﹁調
パシンッ‼
⁉
﹂﹁
﹁な
﹂﹁ほう⋮﹂﹁し、調
﹁‼
ビンタ⋮なんで⋮
﹁⋮自分自身の命⋮粗末にしないで‼
た。
⋮頬が赤くて痛い⋮ビンタなのに⋮心が痛かった⋮
﹁⋮ごめんなさい。調⋮普段はあんな事しない性格だから﹂
﹁⋮ 知 っ て る。彼 女 達 と 話 を し た 時 も、基 本 的 に 大 人 し そ う な 性 格
だったから﹂
そう言いながら、マリアが先程の調の行為を代わりに謝罪してき
た。
だけど、俺はもう⋮誰も救えないのかもしれない。
そう言うとマリアも切歌達の後を追って行った。
⋮さっきのビンタ⋮やはりまだ胸に突き刺さったようだ⋮さっき
から力が出ない⋮怒る力なんか全く無かった⋮
847
?
?
それを見た切歌達はそんな調に動揺しつつも、調の後を追っていっ
そう言うと調はそのまま部屋から飛び出した。
?
?
?
!
?
﹁⋮先程の調の行為で取り乱してしまいましたが⋮
憑友⋮貴方に渡しておきたい物があります。私の部屋に来なさい﹂
そう言うとナスターシャは電動車椅子を使って、俺を呼びかけた。
俺はそれを聞くと、そのままナスターシャの部屋へと案内された。
数々の電子機器に無数のディスプレイが展開されている中、
その一角にある物を俺は見た。そこにあったのは⋮義腕だった。
ダークリ
た だ、右 腕 の 部 分 し か な か っ た。そ れ に、や け に リ ア ル 感 が 半 端
じゃなかった。
そしてもう1つは剣が取り付けられたグリップだった。
その剣の形は俺の師匠であるキリトさんの左手用の剣
と形がよく似ていたが、色合いが赤みの橙色と黒で構成さ
俺の発言の意味はYES⋮つまり、義腕を受け取る事にした。
﹁⋮そうですか⋮﹂
皆んなを守る為に⋮﹂
﹁⋮俺に戦う力を戻してくれるなら⋮俺はそれを受け取って、戦う。
俺もようやくまともな戦闘が出来ると言う事か。
⋮そうか。それだけでもありがたい。
使うかどうかは貴方次第です﹂
物です。
活動エネルギーとして使えるとは言え、結局は貴方の生命を喰らう
但し、これを使い続けると、貴方の身体は完全に消滅します。
う。
貴方専用に調整を施しましたので、拒絶反応は恐らく無いでしょ
ように、剣先が出る仕様に組み入れました。
す。戦闘時のみ、その変換機能が発揮され、右手首から︽刺突刃︾の
です。非戦闘の時はそのエネルギー変換の機能はロックがかかりま
﹁これは貴方の生命エネルギーを活動エネルギーとして活用するもの
始めた。
するとナスターシャは自らの手で、その義腕を取り、俺に説明をし
れていた。
パルサー
"
その理由を聞いたナスターシャは酷く落ち込んでいた。辛い気持
848
"
ちは分からなくは無い。だけど、これは俺が生きた道なんだ⋮最後の
最後まで戦場で戦いたい。大切な人の背中を守る為に⋮大切な人の
隣に立つ為に。
兄弟子
妹弟子
⋮決めた。決行しょう⋮
俺と響⋮
お互いの事を理解するには⋮
この拳で分かり合う為に⋮
そう思った俺はそのまま自分の右腕を消去させ、そしてそのまま右
腕を身体に取り付けた。
手の感触がある⋮しかも、腕自体が軽い。まるで本物みたいだ。
﹁⋮そして、これは貴方に﹂
Dフレアリパルサー
﹄と言います﹂
ダークリパルサー
"
そ う 言 う と ナ ス タ ー シ ャ さ ん か ら 先 程 の 義 腕 の 所 に あ っ た 剣 を
持ってきた。
﹁これは貴方と共にいた﹃英雄﹄キリトが持つ剣
﹃手甲剣
︽手甲剣︾と呼ばれる武器の1つ⋮
のデータを基に貴方用に改良を重ねた手の甲の剣と書いて⋮
"
ノ﹄と言う⋮
D
ってなんだ
直訳するなら⋮﹃熱を祓いし物﹄と言う事か。
でも、
?
﹁Dとは﹃闇,暗黒﹄と言う意味を表す⋮
Dark
イニシャル
の頭文字です。
"
﹃悪しき闇を纏いし熱を祓う物﹄と言う意味が込められているのです﹂
そのまま直訳するなら⋮
れて、﹃祓うモノ﹄。
フレアは﹃熱﹄、そしてリパルサーは﹃英雄﹄キリトの武器になぞら
"
そんな疑問を察したのか、ナスターシャさんが話をしてきた。
"
849
!
"
フレアは﹃熱﹄、リパルサーは確かキリトさんの武器では、
﹃祓うモ
Dフレアリパルサー⋮
"
"
﹃悪しき闇を纏いし熱を祓う物﹄⋮悪くは無いな。
アームシルード
﹁これは剣の持ち手の部分にグリップが付いた形になっていますが、
剣とグリップの脱着も可能。
更に連結させる事で、逆手持ち,順手,腕 盾 剣の形態が可能です﹂
﹂
逆手,順手,手甲剣⋮コレは恐らく攻撃時の際に使用する事が多い
か。
でも⋮
﹁アームシルードって
そんな言葉は聞いた事が無い。どんな物なんだ
﹁アームシルード⋮
﹃腕﹄に付く﹃盾﹄の役目を持つ﹃剣﹄と言う意味を表しています。
剣自体が盾の役目になる
と言う事です﹂
⋮要するに、盾の役目を果たす剣の形態と言う事です。
言い換えるなら、
⋮成る程⋮
最大の防御
シャがいた場所を見た。
そのまま牢屋に帰ろうとした時、俺はふと何かを感じ、ナスター
まま部屋を後にした。
そしてナスターシャは俺の事を察したのか、俺にそう言うと、その
﹁⋮今日はゆっくりお休みなさい﹂
名残はあるけど、でも⋮それが俺の人生だから。
俺はもう充分生きてきたんだ。
そんなにも悲しい顔をしないで欲しい。
﹁⋮ナスターシャさん⋮﹂
す﹂
﹁貴 方 に し て あ げ ら れ る の が こ れ だ け と 言 う の が 非 常 に 辛 い だ け で
剣が盾 役になるなんて。
攻撃
攻撃は最大の防御と言うが、まさか本当にそうなるとはな⋮。
"
其処には血の跡があった。匂いもまさにそれそのものだった。
⋮まさか、ナスターシャ博士は⋮
850
?
?
"
851
死期が迫って来ている⋮
?
#14 響の大特訓‼
⋮未来。
﹂
大丈夫
︶﹂
私は1人じゃない
未来がいつも傍に居てくれてるから
⋮ちょぉぉ∼と、修行して来るね♪
﹁
﹁響⋮﹂
すると、その着替える時に、未来が起きてきた。
そう言うと響は制服姿に着替える。
なら、やる事はただ1つ
﹁︵このまま、憑友に縋り続けるのは良くない⋮
だが、このままだと何も出来ない⋮そう感じた響。
その後、響はなんとか無事にいつも通りの生活を送っていた。
まった。
憑友と再会したのも束の間、憑友は﹃フィーネ﹄の元へと行ってし
?
!
!
開け、出て行った。
﹁⋮憑友と一緒に帰って来てね﹂
そう未来が言うが、その返事に答える物はいなかった。
ーーーーーー
さて、そんな響はと言うと、現在⋮
土下座するな⁉
?
﹂
ってか、頭上げろ⁉
﹂
?
﹁お願いします‼
﹁いきなり過ぎだろ
﹁しかし、なんでまた⋮
﹂
そう未来が言い残すと、響は未来に笑顔を見せて、そのまま玄関を
﹁⋮うん。ちゃんと帰って来てね﹂
!
だ。
実は2人は今日は朝早くから出現したノイズ達を迎撃していたの
ような感じだが、2人の言動を見るとそうでは無いらしい。
はなから見れば、霊風とロックに何かされたんだなと思ってしまう
座をしていたのだ。
二課の保持する仮設本部の潜水艦にて、霊風とロックに対して土下
?
?
852
!
!
︾の中で、この世界にとっての国宝クラスの
それもまた新たな﹃特異型﹄が発見されたので、2人でそれを回収
していたのだ。
ノイズ
﹃特異型ノイズ﹄
︽認定特異災害
﹁私、このままだと憑友と共に戦えない
﹂
﹁⋮霊風。この馬鹿は本当にやるつもりなのか
﹁⋮この態度⋮
﹂
だから、憑友と共に戦っている2人に修行を付けて貰いたいんです
!
すると響は顔を上げて、2人に向けてこう言い放った。
る。
そしていきなり廊下のど真ん中で土下座をして、今に至るのであ
うとした際に、響と出会った。
パートナー・奏のところに預け、そして疲れを取ろうと寝室に向かお
中で唯一、その解析が出来る存在にして、
︽ツヴァイウイング︾は翼の
そんな﹃特異型﹄から石板を回収した2人はそのまま この二課の
手で倒せると言うのだ。
その力を使えば、
﹃特異型﹄は普通のノイズに戻り、あとは自分達の
る。
だが、
︽精魂導師︾と呼ばれる物達はそれを取り除く力を所持してい
倒したら、﹃英雄石板﹄に傷が付いてしまうのである。
取り込んだノイズ達は、近代兵器でも倒せる事は倒せるのだが、
とも呼ばれている。
世界遺産﹃英雄石板﹄を取り込んだノイズの総称。又の名を﹃特異型﹄
"
響の決意の固さに霊風とロックは如何したものかと思った。
すると、そんな微妙な会話な空気の中、
エルエルフ
﹂
﹁⋮やらせるだけやらせてみればいい﹂
﹁うぉっ⁉
た。それに気付いた霊風は何処ぞのギャグマンガのようなポーズを
なんと突如として、霊風の元に就いてる﹃英雄﹄エルエルフが現れ
?
853
"
マジでガチで、マジガチもんだな⋮﹂︵ーー;︶
?
!
この女
して、驚いた。
﹁響は格闘の能力が高い。ならば、近接戦で発揮する奴等を集めれば
﹂
良いだけの事だ﹂
﹁⋮対象は
エルエルフの説明を聞いた一同。代表として、ロックがそれに該当
する者達が誰なのかをエルエルフに問う。
そしてエルエルフは以下の名前を言った。
﹁ナツ,アカネ,サトシ,ヴィヴィオ,司波達也,黒曜イズナ,バン,
円堂,ジュード,そして俺の10名が此奴の面倒を見る。
その方が効率が良い﹂
﹁お、おう⋮﹂
そう言うと霊風は、ジュードと円堂とエルエルフ自身のカードを、
ロックは、達也とイズナとバンのカードをエルエルフに渡した。
響は憑友のカードケースからナツ,アカネ,サトシ,ヴィヴィオの
カードを取り出し、残りのカード入りケースは霊風に渡した。
するとエルエルフはそのままついて来いと示唆してきたので、響は
そのまま彼の後について行く事にした。
おっ さ ん
﹁⋮大丈夫かな⋮響ちゃん⋮﹂︵ーー;︶
﹁⋮大丈夫だろう。弦十郎を師にしている奴だ。そう簡単には⋮﹂
﹁ぎゃぁぁぁぁ⁉
2人の会話が弾もうとしたその時だった⋮
ぐほぉぉぉぉ⁉
?
﹁如何した
そんな程度で、憑友の隣に立とうだなんて、100年以上
つ、強すぎる⋮
ーーーーーーSIDEto響
2人は心の中で同時にそう呟いていたのである⋮。
﹁﹁︵大丈夫だろう⋮多分⋮︶﹂﹂
あまりのデカい叫び声に思わず2人は身震いした。
﹂
ぐへぇぇぇぇ⁉
なんでぇぇぇ⁉
?
﹂﹂
?
﹁﹁
?
854
?
?
先になりそうだな﹂
見た目とは裏腹過ぎるよ⁉
私は今、エルエルフさんを相手に修行を付けて貰ってるんだけど⋮
正直に言うと強すぎる⋮
?
れてるから⁉
ヴィヴィオちゃんに応援されてるけど、逆にプレッシャーを掛けら
﹁頑張れ∼﹂
⁉
サバイバル術に長けた存在だとは言え、明らかに軍人クラスだよね
!
﹁頑張れよ∼♪﹂
﹁⋮話にならん﹂
2
人
﹂﹁根性だ
の
﹂
!
と
匹
﹂
イズナさんは冷た過ぎる
1
﹂﹁ピカピカッチュウ
!
バンさんはお気楽過ぎ
こ
!
!
⋮だけど、頑張る
私は今度こそ⋮憑友を守る為に
!
!
?
うぅ⋮。言い方が荒いよ、ナツさん。アカネさん。
﹁俺達に勝てれば、彼奴の隣に立てるかもな
﹁そんなんで憑友の隣に立つ事自体間違いなんだよ﹂
しているけど⋮
ジュードさんからは苦笑いされるし、達也さんに至っては普通に接
﹁頑張ってくれ﹂
﹁あはは⋮﹂f︵^︳^;︶
?
サトシさん,円堂さん,ピカチュウは暑苦しいよ⁉
そ
﹁気合いだ
!
855
?
#15 決闘∼響VS憑友
∼
月を穿つ計画 ︽ルナアタック︾が
ー荷電粒子砲﹃カ・ディンギル﹄
︵=元二課本部兼﹃リディアン﹄︶跡
地ー
かつて、フィーネが起こした
行われた場所。
﹂
﹁分からねえ⋮けど、何を仕掛けてくるのか自体は予測済みだ
そう言いながら、頂上へと登る一行。
するとそんな彼等の前に2人のシルエットが見えた。
﹂
それを見た一同はそれぞれ変身する⋮
せ、ノイズを発生させたのだ
﹂
そう言うと、ウェルは自ら所持している﹃ソロモンの杖﹄を起動さ
!
﹃カ・ディンギル﹄の跡地であった事に驚愕していたのであった。
あった場所と同時に出現させた荷電粒子砲⋮
しかし、その場所がまさか、
﹃リディアン﹄と﹃二課本部﹄がかつて
ターンから、場所を特定した。
彼等が此処にいる理由は、1時間半前にやって来たノイズの出現パ
﹁⋮此処に憑友がいると言うのか
﹁決闘を臨む場としてはお誂え向きな場所と言うわけか⋮﹂
いていた。
其処に翼、響、クリス、奏、ロック、そして霊風はその場所へと赴
"
n⋮﹂
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
!
﹂
︽シンフォギア︾装者達からは代表として、響が聖詠を詠い⋮
﹂
!
856
"
?
それを見た一同はその内の1人を見て、驚愕する。
﹂
﹁ウェル博士⁉
﹁彼奴が⋮
?
﹁此処で貴方達の英雄譚もお終いですね﹂
!
﹁行っくぜぇぇぇ
﹁いざ
!
そう言うと2人は揃って、左腕に其々のアブソーバーを装着、そし
﹂﹂
てカードを装填し⋮
﹁﹁変身
ー
フォーム、フォーマル
レバーを引いた
ーソウル
お前らの魂、俺が頂く
!
ー
フォーム、オリジン
!
﹂
?
﹁くっ
﹂﹁響ちゃん
﹂
﹁立花⁉
た
この先へは行かせないと、通せん坊をするかのように、道を塞いでい
響の緊急事態に、皆は一斉に響の方へと赴くが、ノイズ達がまるで
﹂
するとその者は真っ直ぐそのまま響の方へと間合いを詰め寄った
ウェルの返答に聞こえてきたのは男の声だった。
﹁喋るな。お前の吐いた空気を吸いたくない﹂
﹁⋮良いのですか
その様子を見たウェルは自分の隣にいる存在に向けて話しかけた。
そう言うと2人は其々の姿に変身した。
精なる魂、私に刻め
ースピリット
!
!
﹁ちっ
性根が腐ってやがる
﹂
!
﹁はっ
﹂
を感じていた。
響は男の動作がどうにも自分と同じ⋮いや、それでもやはり違和感
﹁︵この感覚⋮︶﹂
た。
そんな中で、響は己が相対している男に違和感を感じまくってい
ーーーーーー
に集中した。
そう霊風が舌打ちしながらも、皆は周りのノイズを殲滅する事だけ
!
!
857
!
!
!
!
?
!
!
﹁彼等の邪魔はしないで貰いたい﹂
!
そう言うと男はいきなり
はっけい
を繰り出してきた
その対応に響はそのまま真面に喰らった
"
!
ングなどを連続で繰り出して行く
﹂
そのコンボに響はただ黙って受けようとは微塵も思っていない
﹁はぁぁぁぁ
!
!
更に男はそのまま響に蹴り,殴打,頭突きにチョップ,投げにスイ
!
"
﹂
て、男の手をガッチリと絡ませる⋮
﹁⁉
げの様にして相手を投げた
まま男にストレートをぶつけた
﹂
!
﹁行っけぇぇぇ
を響は憶えたのだ
ナックル
"
ガングニール
アクセルスマッシュ
そして其処から更にアッパーをぶつけたのだ
﹂
ヴィヴィオの技
﹁まだまだーー
"
来たのだ‼
そしてそのまま男に向かって右手のストレートをぶっ放した
火竜の鉄拳
である⋮
!
その時に、響の右手が龍の様に見えた⋮
ナツの技
メギド・フレイム
である⋮
!
いかかった
アカネの技
"
当だった
エルエルフのサバイバル術と達也の体術を組み合わせて出来た芸
掛けていく
そうすると響は連続で先程のお返しとばかりに男に連続攻撃を仕
"
更にそのまま今度は左手の炎から放射状の炎を噴き出させ、男に襲
"
!
そう言うと、響のアームドギア︽G G・ K︾から火が噴き出して
!
!
!
!
そして響は拳を引き抜くと、そのまま高速でダッシュすると、その
!
するとなんと脚だけで、男を軽々と持ち上げ、そしてそのまま巴投
!
グのスピードが遅くなった。そして響はそのまま自らの脚を利用し
そう言うと、響は地面に拳をめり込ませた。そのおかげで、スイン
!
?
"
!
!
その攻撃に対して、男は見切ったのか、攻撃を受ける瞬間にカウン
!
858
?
ターを繰り出すが、既に其処に響の姿はいなかった
辺りを見渡すも、何処にもいない。
穴を掘った形跡も見当たらない。
﹁⋮︵
﹂
フライングプレス
を応用したのか⋮︶﹂
すると響がそのポイントに着地と同時に、周りの地面が隆起した
そう言うと男はそのまま響が落ちてくるポイントから離れた。
﹁⋮甘い﹂
﹁おうりゃぁぁ‼
だが、男はすぐにその答えに辿り着いたのか⋮上を見た。
!
﹂シュッ‼
﹂
実はこの戦い方をする存在に作者は心当たりがある。
なんと響は瞬時に男の背後に回ってカウンターを入れたのだ
﹁何⁉
ドガァッ
﹁
そしてそのまま男は拳を響の顔面にぶつけようとした⋮だが
た。
そう男は心の中で言うと、響の顔を見るなり、また戦闘態勢に入っ
"
!
?
が使える。
⋮さて、本題のジュードは
と言うと⋮
ミラは状況に応じて術の詠唱無しで放てる﹃魔技﹄と呼ばれる能力
いたり、
の三種類に分けて戦える﹃ウェポンシフト﹄と呼ばれる能力を持って
ルドガーの場合は、状況に応じて⋮︹双剣︺
︹2丁拳銃︺
︹ハンマー︺
当する事なんだが。
これは、ジュードの世界と共に生きてる存在⋮ルドガーとミラも該
そんなジュードには特殊な能力が備わっている。
れる存在だ。
ジュード・マティス⋮﹃人と精霊の架け橋になった青年﹄とも言わ
!
!
?
﹃集中回避﹄の能力を持っているのである。
敵の攻撃をバックステップで回避し、その敵の後ろに回り込む⋮
?
859
"
?
!
!
つまり何が言いたいのかと言うと⋮
て事は⋮
響はジュードの﹃集中回避﹄を会得しちゃった。と言う事である。
⋮
?
魔神拳
と、其処からなんと衝撃波が放たれたのだ
ナツやカナタのような
達等、発音が同じでも、実際
達や、
魔導師
魔導士
なのはやフェイトのような
"
"
仮面に罅が入った
まさかの攻撃で男の身体が少し掠れた。その際に男が被っていた
さて、話を戻すとしよう。
イルズ石板﹄として分類されているのである。
ジュードやルドガー,ミラは︹剣と魔法のRPG︺に関連する﹃テ
には少し違う存在には更に事細かく分類されているのである。
"
"
る﹃SAO石板﹄等、多岐に渡っている。
キリトやシノン,ユイのような︹VRMMOによる死因︺に関連す
ンハン石板﹄
レウスやラギア、オウガのような︹狩猟魂︺を宿している者達﹃モ
士郎やセイバーのような︹聖杯戦争︺に関連する﹃fate石板﹄
を目指す者達が関連する﹃ディバゲ石板﹄
アカネやアオト,ミドリのような︹聖なる扉︽ディバインゲート︾︺
例えば⋮
てる霊風の指示の下、分類される。
﹃英雄石板﹄には其々のシリーズがあり、転生者で﹃英雄﹄達の事を知っ
さて、此処でだが、少し話を逸らそう。
る。
達⋮﹃テイルズ石板﹄に分類される者達の殆どが憶える技の一つであ
ジュードを始め、
﹃テイルズ﹄シリーズの作品にて登場する﹃英雄﹄
"
!
そう考え込んでいると、響は手の甲を地面擦れ擦れにまで接する
?
﹁⋮如何して、こんな事しないといけないの⋮憑友⋮﹂
その訳は⋮
それを見た響は攻撃を止めた。
!
860
"
響が戦っていた男が⋮憑友だったから。
と腕から刃渡りが20cmくらいの剣が現れた。
だが、男は自分の正体に気付かれたにも関わらず、そのまま右腕を
軽く振る。
すると、シュッ
﹂
﹁そんなんで、俺の隣に立とうと思っていたのか⋮
⋮ガッカリだ⋮﹂
を動かした
ーアブソーバー・コミューン
ー
上,右,下,左に動かして前方に構えるとそのまま下にアブソーバー
するとアブソーバーが左腕から離れると、そのまま手に持つと、
装填した。
マークが入ったカードを彼の左腕に装着されている愛 機 ・ライドに
アブソーバー
そう言うと憑友は左腕に付いてる手甲剣を逆手にして、十字型の
?
更に其処から無数の斬撃に響は後ろに押し退けられていた。
瞬時に懐に入った憑友の斬撃で、響は吹っ飛ばされた
﹁⋮下らん﹂
﹁ぐっ
ジャキィン
その刹那⋮
それを見た響は直ぐに警戒した。
せている刃が現れたのだ。
更に今度は左腕を軽く振ると、其処から赤みの橙と黒の色合いを見
!
コミューン﹄と呼ばれたアイテムをドッキングさせた
内の一つを押した
ーMax Heart
ー
すると憑友はアブソーバーの液晶画面に出ているパネルボタンの
!
黒髪ストレートの女の子、
オレンジのショートの女の子、
すると其処から3人の女の子のアップ画面が現れた。
!
!
861
!
!
すると憑友の髪が伸び、そのままアブソーバーと﹃アブソーバー・
!
!
そして黄色のツインテールの女の子の顔が有った。
ー
憑友はその内、オレンジ髪の女の子のアップが描かれたパネルボタ
フォーム、キュアブラック
ンを押して、そのまま上に掲げた
ーライド
黒が主体のコーデをした姿に⋮
光の使者
﹂
ー
!
﹂
﹁如何して⋮⁉
﹂
﹁なんでだよ⁉
﹁こんな事が有ると言うのか⋮⁉
其々の声が飛び交う⋮
﹂
闘攻撃を繰り広げる⋮
﹂
その怒涛の猛攻に響は悪戦苦闘を強いられる⋮
へと投げ飛ばした
ー
すると憑友はそのまま上にアブソーバーを掲げる
ーアブソーバー・スパーク
バー・スパーク﹄を持つや、そのままライドアブソーバーとドッキン
するとそのまま以前、霊風が使用したのと同じアイテム﹃アブソー
!
!
させていた﹃アブソーバー・コミューン﹄は既に無くなっていた。
だが、既に憑友は元の姿に戻っており、アブソーバーとドッキング
響はなんとか空中で姿勢制御をすると、そのまま着地した。
!
するとそのまま憑友は一気に懐に入るやそのまま響の手を掴み、空
!
!
そう言うと憑友はそのまま一気にジャンプするやそのまま響に格
﹁⋮始めるぞ⋮
だが、その声に憑友は耳を貸さなかった。
?
?
それと同時に、皆は響と戦っていた相手に驚愕させられた。
それに気付いた皆も響の方に視線を向けた。
!
すると憑友の服装が見る見ると変わっていく⋮
!
!
そして、アブソーバーは左腰に装着された
浄化だ
何だよ⋮あれ⋮⁉
ー黒だ
﹁
!
!
!
それを見た奏はその様子に凝視した。
?
!
?
!
862
!
グさせた。
フォーム、ティガ
ー
すると憑友はアブソーバーのパネルボタンから一つを選択した。
ーライド
させると陰陽を描くような動作をし、そしてスパークを上に掲げた
現れ、それを憑友が纏った
すると、其処から赤,紫,銀のカラーリングをした鉄仮面の戦士が
!
そして憑友はスパークを前に構えると、そのまま腕を十字にクロス
!
胸に楕円型の青いクリスタルが輝く戦士⋮
﹃超古代の光の巨人﹄ウルトラマンティガに変身した
た。
﹁ン∼⋮ハァッ
ングを施したスマートな戦士に変わった
ティガの能力︽タイプチェンジ︾の一つ、
・
・
・
・
空中戦及び速攻戦仕様の﹃スカイタイプ﹄に変わった
すると憑友はそのまま腕を上に出すと同時に空を飛んだ
響はその攻撃を避けようとしたが、既に遅し。
ら光線を放った
するとティガに扮した憑友は右手を左腰に添えると同時に、右手か
を誇るタイプ。
当然だ。スカイタイプは、ティガのタイプの中で、1番のスピード
た。
響は視線をその方に動かすが、その動きに目が追いつけて居なかっ
!
!
!
すると、体の色が先程の三色トリコロールから、紫と銀のカラーリ
その掛け声で、腕を下ろしながら開かせた。
﹂
因 み に ク ロ ス さ せ た 際 に ク リ ス タ ル か ら、紫色の光 が 発 光 し て い
所でクロスさせた。
そうするとティガに扮した憑友は、そのまま腕を額のクリスタルの
!
グを施し、そして額に透明のクリスタルが嵌め込まれた鉄仮面に、
そして現れたのは、金のプロテクターと、赤,紫,銀のカラーリン
ー
﹃3﹄つの顔
!
ー光と闇
!
!
!
863
!
!
﹁⁉
凍ってる
﹂
ティガフリーザー
が炸裂した
!
なんと、響の足が凍り付いたのだ
﹂
スカイタイプの技
﹁ハァッ‼
"
けた。
ティガ・スカイキック
"
﹁ン∼⋮ハァッ‼
﹂
その際に今度はクリスタルから赤い光が発光した。
そ れ を 見 た 憑 友 は 再 び 額 の ク リ ス タ ル の 所 で 腕 を ク ロ ス さ せ た。
るが、踏みとどまり、逆に意地と根性で脚の周りの氷を粉砕させた。
その攻撃をまともに食らった響は意識が持っていかされそうにな
である。
すると其処を憑友はそのまま上空から響に向かってキックをぶつ
"
すると今度は紫のスマートな体から、赤くてゴツい体へと変わった
?
ティガのもう一つの姿⋮
格闘戦と水中戦が得意な姿﹃パワータイプ﹄へと変わった
憑友の拳や蹴りを響の腕や脚にヒットさせていく⋮
﹂
﹂
私が憑友の隣に立ってちゃいけないの⁉
﹁俺の隣に立とうとする事がそもそも行けないんだ
﹁如何して
﹁関係大有りだ
﹂
﹁それと今の状況は関係無いじゃん
﹂
﹁お前には、未来を守り続けて欲しいんだよ
!
﹂
激しい口論と共に、憑友の拳と響の拳がぶつかり合う⋮
?
!
!
響の拳や蹴りが憑友の顔や身体のあちこちにヒットするならば、
た
そうすると2人は一気に間合いを詰め、白熱の攻防を繰り広げ始め
!
!
﹁うぉぉぉ
﹂
⋮はぁぁぁぁ
﹂
そう言うとすかさず憑友は拳を振り上げた
﹁
響もその行動を見て、瞬時に拳を構えた。
!
!
!
憑友の怒号に響は先程の威勢が完全に殺された。
!
!
!
!
864
?
!
?
"
!
!
そして2人の拳がそのままクロスし、そのままパンチが⋮
ドガァァァ‼
クロスカウンターパンチ
⋮ヒットした⋮
tその結果は⋮
﹁⋮如何して⋮なの⋮﹂
だが⋮
﹁立花‼
﹂
友を取り返せた事に安堵した。
響はまさかの憑友の今の状態に顔を赤らめるが、それよりも今は憑
その際に憑友の変身は強制解除された。
崩した。
響の拳を食らった憑友はそのまま響にもたれかかるように姿勢を
響の拳がヒットし、憑友の拳は響には当たらなかった⋮
﹁⋮幼馴染に⋮手を⋮上げる⋮か⋮よ⋮﹂バタッ
"
!
?
た⋮
﹂
翼の声が聞こえたので、響は憑友の無事を言おうとしたその時だっ
?
﹁後ろだ‼
?
865
"
ガブリッ‼
﹂
﹂
響の左腕を⋮食ったのだ。
﹂
﹁うう⋮うわぁぁぁぁぁ‼
﹁⋮ひび⋮き⋮⁉
?
⋮。
⋮
赤い⋮液体⋮
?
が放っていた。嗚咽を誘う臭い⋮身体から少しベタつく赤い液体に
突然の響の悲鳴により、憑友は目を覚ますが⋮自分の身体から異臭
?
866
﹁⋮え
?
響は後ろを振り向くと、其処にはネフィリムがおり、
?
?
血液
ブラッド
だと言う事に。
その液体に手を触れた憑友は、それを指の間で掬うとそのまま開か
せ、そして気付いた。⋮これは
"
垂れていた。
﹁︵⋮許さない⋮︶﹂
そしてその余波は近くにいた響にまで影響を受けた⋮
その瞬間、彼の中に眠りし引き金がプチンと切れた⋮
ト リ ガー
最悪の予測を立ててしまった憑友。
﹁︵まさか⋮響の左腕を⋮⁉
︶﹂
︽ネフィリム︾がいた。そしてそのネフィリムの口元には、赤い液体が
そして後ろを振り向くと、其処には何かを吟味してる完全聖遺物
腕が忽然と無くなっている事に気が付いた。
憑友は血液が何処から現れたのか辺りを見渡すと、目の前の響の左
"
⋮
しようにも、その黒い霧から発せられる威圧感に足が竦んでしまって
いた。
﹂
そして黒い霧が晴れ、中から現れたのは⋮
﹁グルルル⋮
﹃ティガダーク﹄に扮した憑友が⋮其処にいた⋮
・
・
!
・
・
全身が黒の身体をしたウルトラマンティガの本当の姿⋮
﹁⋮⋮﹂
以前、︽デュランダル︾を使用した際の暴走状態の響と、
!
867
?
ー
﹂
!
?
︶⋮ネフィリムーーーー‼
ーティガダーク⋮
﹁︵許さない⋮
!
その瞬間に2人の周りに黒い霧がドーム状となりて形成していく
!
それを見ていた翼達はその光景に只々嫌な予感と共に2人を救出
!
#16 月下に吼える﹃暴走﹄
ーーーーーーSIDEtoロック
デュランダル
なんなんだ⋮あの姿は⋮⁉
かつて、
︽完全聖遺物
⋮
︾を使用した時の立花の姿だ
"
?
﹃ティガダーク﹄かよ⋮厄介な事この上無いぜ⋮
なったんだ
﹁⋮ちっ
﹂
ティガ⋮ダーク⋮
﹁⋮知ってるのか
・
!
・
・
・
・
ティガの元々の姿
ティガの元々の姿だ﹂
て⋮
・
・
﹁﹃ティガダーク﹄⋮ウルトラマンティガが﹃闇の力﹄を持った姿にし
俺は霊風にそう問うと、霊風は頷くと同時に話し始めた。
﹂
﹃光の巨人﹄である存在、ティガが如何して﹃闇﹄を象徴する黒い姿に
なんだ
だが、それを除いたとしても⋮我がライバル、憑友のあの姿はなん
"
闇の⋮力⋮
それよりも厄介なのは⋮その闇の力そのものだ﹂
﹁⋮要するに、ティガはかつては﹃闇の戦士﹄だったと言う事だ。
?
﹂
!
かう⋮
事に⋮
俺も止めなくては⋮
﹂
憑友に気を取られ過ぎて、翼達がノイズに身動きを封じられている
そんな中で、俺は気付かなかった⋮
!
そう言うと霊風は先行して、ティガダークに扮した憑友の元へと向
﹁そう言う事だ⋮行くぞ
⋮その闇の力に⋮飲み込まれる
不安定な状態で闇の力を酷使し続ければ⋮﹂
しかもおまけに、憑友の精神が安定していない。
﹁闇のティガは、途轍も無い程の力を秘めてる⋮
?
868
?
?
!
!
!
﹁
ス
ロック義兄
﹂
⋮今助けて﹁あたい達の事より、あのバカ2人を止めろ‼
﹂
﹁あたい達をナメんなよ
そう言いながら、威張るクリス。
よせ
憑友
立花
﹂
!
!
⋮ふっ。イチイバルだけに、威張るとはな⋮
!
⋮分かった。必ずあの2人を取り戻す⋮
﹁
⁉
!
﹂
?
﹂クリ
?
げる様子があった⋮
﹂
﹁ハァッ‼
﹂
いた⋮
圧倒的すぎる⋮
抉り取り、そして引き千切った⋮
していた。
あんな姿を見せられたら⋮俺でも恐怖に狩られる⋮
だけど⋮負ける訳には行かない
憑友を元の姿に戻す為に⋮
!
装着されているアブソーバーに装填し、レバーを引いた。
そう言うと俺はすかさず﹃アドバンスフォース﹄のカードを左腕に
!
!
そんな中でも、憑友の拳はネフィリムの身体を跡形も無くしようと
如何やら、さっきのは心臓のようだ。
その行動で、ネフィリムは完全に機能を停止していた。
!
そうしていると、響がネフィリムの体内から奇妙な形をした何かを
!
そんなネフィリムを相手に、ティガ扮する憑友が追い打ちを掛けて
﹁グォフォ
そしてその猛攻でネフィリムは空へと吹き飛ばされた⋮
しかも、良く見てみれば⋮先程食われた筈の左腕が再生してるだと
!
暴走状態の立花が、ネフィリムの攻撃を物ともせず、猛攻を繰り広
﹁ウガァァァァ‼
俺は防人嬢が言い放った方向を見た。其処には、
!
?
!
869
?
!
!
!
!
するとアブソーバーが左腕から離れ、そのまま左手に持つ。
その時に、霊風も同じ動作をした。
そして俺と霊風は即座に頷くと、そのまま⋮
ーー
上,右,下,左そして真ん中に持ってくるとそのまま同時に下に掲
げた。
ーーアブソーバー・コミューン
﹁ああ
﹂
﹁あの子達の力を使うぞ
﹂
そしてそれと同時に、俺と霊風の髪が少し伸びた。
すると、光の球が現れ、そのまま1つのアイテムになった。
!
ミューン﹄とアブソーバーをドッキングさせた⋮
た⋮
ーー
俺と霊風は同時に同じ所のボタンを押した⋮
ーーSplash☆Star‼
有った。
俺はその内⋮左側の女の子を。
フォーム、キュアブルーム
ー
フォーム、キュアイーグレット
ー
霊風は逆に、右側の女の子のパネルボタンを押した
ーソウル
ースピリット
!
!
!
す る と 其 処 に 2 人 の 女 の 子 の ア ッ プ が 描 か れ た パ ネ ル ボ タ ン が
?
!
するとアブソーバーの液晶画面から幾つものパネルボタンが現れ
!
そう言うと俺と霊風は同時にそのアイテム⋮﹃アブソーバー・コ
!
た
ー
!
俺と霊風はそのままアイコンタクトで、同時に憑友を相手にし始め
白銀色の服を着た霊風の姿に。
赤紫色の服をした俺の姿と、
そう言うと俺と霊風の姿が一瞬で変わった⋮
!
花のブルーム
ー花鳥風月
!
鳥のイーグレット
ー花鳥風月
ー
そう発声音がすると俺と霊風はそのままアブソーバーを上に掲げ
!
!
870
!
!
!
!
た。
フェ
ア
それに気付いた憑友はギリギリで回避すると、標的を俺と霊風に変
えた。
そのまま憑友相手に2対1と言うあまり公平的にとは言えない状
況だが、それでも今の憑友を抑えるにはこれしか無い。
そう思いながら、俺達の動きで憑友は翻弄されていた。
そしてほぼ同じ位置に立った俺達。
すると霊風が俺に右手を出してきた。
・
・
﹄は相手を倒す
﹁こう言うのはしたくは無いんだけど⋮浄化させるにはこれしか無い
んだよ⋮﹂
・
"
その言葉で俺は察した。
・
﹃四英雄﹄の一角にして、
﹃伝説の戦士 プリキュア
これで⋮決める
﹄
﹂
﹂
﹄
!
﹃ソウル・キュアブルーム
﹃スピリット・キュアイーグレット
﹄﹄
?
﹂
871
技を持ってはいない。
﹂
﹁プリキュアの力託されし俺達に
﹁奇跡の力を分け与え給え
!
!
すると俺達の手を握っていない方の手に力が収束され始めた⋮
!
!
!
﹃﹃ユニゾン・フルドライブ‼
届けーーーー
﹂﹂
?"
!
ツイン・ストリーム・スプラッシュ‼
﹁﹁
﹂
﹁⁉
"
!
"
だけど、相手の闇を取り除く技なら数多く憶えている。
﹂﹁大空の精霊よ
!
!
霊風がやりたい事に俺は感づいた。
﹁⋮奇遇だな。俺もそうだったから﹂
なら、さっさと終わらせますか
﹁⋮へ
﹁大地の精霊よ
そう言うと俺と霊風は手を握った
﹂
﹁ああ
!
俺達は言い放つ⋮彼女達の技の合図を⋮詠唱を⋮
!
!
!
?
ツイン・ストリーム・スプラッ
"
技名の前に何故﹃プリキュア﹄を付けないのかだと
が、憑友にヒットした⋮
スプラッシュスターの必殺浄化技・
シュ
⋮何
!
掲げた。
!
フォーム、コスモス
士のパネルボタンを押した。
ーソウル
一方の霊風は
ースピリット
フォーム、ゼロ
ー
ー
﹁お前がそれを選ぶなら⋮俺はこいつだ
!
!
﹂ポチッ
身した﹃アグル﹄よりも澄み渡る青空のような色合いの身体を持つ戦
ングさせ、俺はアブソーバーに移し出されている液晶画面から以前変
すると俺達の所にスティック状のアイテムが現れ、そのままドッキ
ーーアブソーバー・スパーク
ーー
そして俺達2人は左手に所持していたアブソーバーを同時に上に
うん⋮やはりこの方が落ち着く。
それと同時に俺達の姿は元の男の姿になった。
その瞬間に、﹃アブソーバー・コミューン﹄は光となって消滅した。
た。
させると、そのまま後ろに﹃アブソーバー・コミューン﹄を放り投げ
そこで俺達はアブソーバーと﹃アブソーバー・コミューン﹄を分離
霊風もそれに同感していたようだ。
そう感じた俺は霊風の方に顔を向けた。
しい。
技をくらったものの⋮やはりそう簡単には闇を取り除きれないら
いのだろうと思えてくるのだけど⋮と、そんな話は置いておいてだ。
だが、憑友は平然と言っている辺り、彼奴は本当に何の隔たりが無
かしいのだ。それは勿論、霊風も一緒だ。
も、男でそれを言うのには抵抗力が激しすぎる⋮と言うよりも、恥ず
見た目は女の子でも、中身は男のままだ。⋮女の子だったらまだし
?
"
俺はアブソーバー・スパークを顔の横まで持って来て、
そう言うと俺達は其々の変身の構えをした。
!
!
!
872
?
﹂
﹂
霊風はスパークを顔の前に持って来させた⋮
﹁ジュアッ
﹁コスモース
そう言うと俺は天高くスパークを掲げ、霊風はスパークをそのまま
ー
!
目に覆い被せた。
ー
それと同時に俺達の周りを光が包み込む⋮
慈愛の勇者
セブンの息子
ー癒しの戦士
ー若き隊長
!
!
ガブレスレット﹄を叩いた
すると霊風の周りから炎が揺蕩いながら、その身の色を変えた⋮
﹂
!
その際に、エレキギターのような音が流れた。
﹁ストロングコロナ⋮ゼロ‼
そう言うと霊風は猛ダッシュで、憑友に向かう⋮
?
﹂
そして霊風は体勢が崩れた憑友を掴むと⋮
﹁ウルトラ⋮ハリケーン‼
そう言うとそのまま憑友を上空へと飛ばした⋮
?
風の周りを包み込む⋮
﹁ハァッ
﹂
﹁ルナミラクルゼロ⋮シュアッ
﹂
それと同時にハープのような音色が流れた。
!
すると霊風はまたブレスレットを叩く。すると今度は青き光が霊
!
られただけでは無く、そのままカウンターを食らい、体勢を崩された。
憑友はそのまま攻撃をするが、ゼロに扮した霊風に簡単に受け止め
!
!
すると霊風はすかさず左手首に付けられていたブレスレット﹃サー
俺と霊風はなった。
熱い魂を持つ﹃超越の戦士﹄ウルトラマンゼロに⋮
優しき光を生み出す﹃慈愛の勇者﹄ウルトラマンコスモスと、
!
!
﹂﹁ああ
して憑友の周りを飛ぶ。
﹁一気に決めるぞ
﹂
!
!
そう言うと俺は天に向けて手を上げ、そして胸の所まで持ってく
!
873
!
!
上空へと飛ばされた憑友の所に俺と霊風は挟み撃ちになるように
!
る。するとそこから光が溢れてきた。
﹂
霊風はそのまま右手に光を集め、そして同時に放った⋮癒しの力
を。
﹂
﹁フルムーンウェーブ⋮
﹂
﹁フルムーンレクト
﹁ジュアッ⁉
!
⋮立花の方は如何したんだろうか⋮
感覚⋮
確か、立花は左腕を食われた筈⋮なのに、何故元に戻ってる
俺も反対側の方の腕を持って、担いだ⋮なのに、なんなんだ⋮この
そう言いながら、霊風は憑友を担いだ。
﹁こりゃあヤバいかもしれないな⋮﹂
んだ
⋮ん
られ、気絶している立花が其処にいた。
そう言いながら、指を指すと其処には防人嬢とクリスによって担げ
﹂
﹁響ちゃんは⋮ふっ。無事みたいだぜ
全くだな⋮
前を戻すのに精一杯だったのによ⋮﹂
﹁ははは⋮。疲れ過ぎて眠っちまってやがるよ⋮ったく。こっちはお
眠っていた。
如何やら、余程のエネルギーを持って行かれたのか、スヤスヤと
﹁zzz⋮zzz⋮﹂
見た。
それを見た俺と霊風は変身を解除し、元の姿に戻り、憑友の様子を
ゆっくりと倒れた。
そしてそれと同時に変身が強制解除され、憑友はそのまま膝から
ガがいた。
そして光が消えると共に其処には元のカラーリングとなったティ
そして地面に着地と同時に、光が憑友を包み込み⋮
先程の﹃プリキュア﹄の力も相まって、闇を浄化されてきている⋮
双方向からの癒しの光を憑友は真面に浴びた。
!
?
?
874
?
?
?
右腕がまるで機械のように冷たい⋮
憑友の身に何があったんだ⋮
⋮だが、今はこの瞬間は喜びに浸ろう。
大切な仲間を取り戻せたのだから。
そう思いながら、俺達は二課の方へと戻って行った。
875
?
#17 残酷な宣言/会合と罵声
憑友がティガダークになってから既に1週間が経とうとしていた。
そんな中で、霊風は病室にてずっと待機していた。
﹁⋮くそ⋮彼奴の先輩なのに⋮﹂
霊風は悔しさに浸っていた⋮
自分という存在がいながら、後輩である憑友を闇の底まで堕として
しまったのかを。
か
つ
て
の
愛
槍
そんな様子を近くで見ていた少女⋮奏は落ち込んでいた。
奏もまた、響に自分のガングニールを託した事への責任感に浸って
いた。
﹁⋮此処に居たか﹂
そう2人が意気消沈していると、咄嗟の声が聞こえたので、2人は
顔を上げた。
其処にいたのは、響と憑友の武道術の師匠にして、自分達が所属す
る二課の司令・弦十郎であった。
﹁風鳴のおやっさん⋮﹂
﹁弦十郎のダンナ⋮﹂
﹁⋮此処に向かってほしい。お前達に会いたいと言ってる人がいてな
⋮﹂
そう言うと2人に地図が書いてあるメモを渡すと、弦十郎は﹁これ
から調べ物があるのでな﹂とそう言うと、響と憑友の様子を見ずにそ
のままくるりと元来た道を引き返して行った⋮
2人の師匠でありながら、その2人の様子を見もせずに立ち去ると
言う事に霊風は苛立ちを隠し通せなかったが、弦十郎から発した気力
︽オーラ︾がそれを抑え込んだ。
オーラから感じ取ったのは⋮︽悔しさ︾と︽無能さ︾と︽悲しみ︾
⋮何れも人間の﹃負の感情﹄だった。
2人はその様子を見届けると、そのままメモの方に目を向けた。
そして2人は眼を見開いた。
876
自然⋮都会
﹁此処って⋮﹂
﹁
⋮
﹂
?
ドアが開いた。
﹁あら、奏さんに霊風さん
﹁やぁ⋮セレナちゃん﹂
﹂
すると家の中から返事が返って来たので、そのまましばらく待つと
く叩いた。
そうすると霊風は、その家の玄関であろうドアを︵コンコンッ︶軽
うだ。
メモに記された地図から見ても、このウッドハウスで間違い無いよ
と建っていた。
そして目に付いたのはウッドハウスの二階建ての一軒家がポツン
の道を進んでいく。
さて、そんな﹁自然都会﹂に踏み込んだ2人はそのままメモの通り
られている。 それ故に都会の中にある自然と言う事で、
﹁自然都会﹂とそう名付け
だが、一歩その区域から外れると周りは全て都会になる。
入り込む。
自然の力によって生み出されたまさに幻想のような光景が、視界に
うな風景を醸し出す場所になっている。
﹁自然都会﹂は、都会に位置していながら、その区域はまるで自然のよ
て来た。
そして2人は憑友の実家が据えられている場所、
﹁自然都会﹂にやっ
ーーーーーー
何はともあれ、2人はそのままメモに従い、病院を後にした。
"
その彼の奥さんにして、憑友の母親のジャンヌ。
すると其処にはこの家の主である男にして、憑友の父親・玄也と、
そしてセレナはリビングへと2人を通す。
2人はその言葉に甘える事にして、家の中へと入って行った。
そしてセレナは2人の声や表情で察したのか、入るように促す。
出迎えてくれたのはこの家の娘・セレナであった。
!
877
"
そしてそんな2人の向かい側には、かつての敵で、今の戦友である
お前もなのか
﹂
ロックが其処に居合わせていた。
﹁⁉
・
・
・
﹂
?
に﹂
﹁⋮如何言う事だ
﹂
・
・
・
・
・
・
この間のライブでの騒動から、憑友の様子が明らかに変だと言う事
﹁そもそも今回の件⋮君達は気付いているだろ
?
そう言うと玄也はそのまま目を瞑りながら、話をし始めた。
﹁ロックの言う通りだ。憑友のおやっさん﹂
﹁⋮言ってる意味が全く掴み取れん﹂
﹁君達だからこそ、憑友の事を頼みたいんだ﹂
﹁⋮ああ。そもそも何で俺達だけなんだ
・
﹁⋮いきなりすぎるな。我がライバルの父よ﹂
憑友の事に関しては感謝しよう⋮ありがとう﹂
されてるよ。
﹁さて、君達の事は憑友から良い意味で聞き飽きたぐらいによく聞か
その行為に3人は改め直した。
それを見届けた玄也は3人に顔を向け直す。
そのまま軽いお辞儀をするとそのまま二階の方へと行ってしまった。
ンに行き、そして3人と母であるジャンヌに麦茶を提供し、セレナは
其れを見た玄也は、セレナに顔を向けるとセレナはそのままキッチ
ロックの隣に座った。
そう言うとセレナに座るように示唆されたので、2人はそのまま
﹁まぁな。ただ俺の場合はクリスを置いて、此処に来たがな﹂
!
玄也がそう言うとロックは﹁ああ﹂と言いながら、以前の護衛任務
﹁心当たりがあるようだね﹂
先に察知していたロックを除いて。
﹁⋮そうだな﹂
だが、1人だけ⋮
それは霊風もまた然りだった。
玄也の問い掛けに奏は首を傾げた。
?
878
?
の事を皆に話した。
﹁先日のライブ前に憑友と立花とクリスと四人で、Dr.ウェルと︽ソ
ロモンの杖︾の護衛任務をした時だ。
彼奴は自分の力をそのまま響に譲渡していた。
まるで自分の力を相手にそのまま与えるように﹂
﹁⋮そうか。其処まで衰弱して来てるのね⋮﹂
﹂
ロックの話を聞いたジャンヌは口を開かせながら、落ち込んでい
た。
それを感じた霊風。
﹁︵この様子だと⋮何か隠しているのか⋮
﹂
﹁⋮ああ。その通りだよ﹂
﹁⁉
﹂
﹁声⋮出てたぞ⋮﹂
﹁∼∼∼∼∼∼⁉
?
﹁憑友にはもう時間が無い。
玄也は3人に衝撃の事実を伝えた⋮
しかし、それが好機だったのか⋮
声で顔を手で覆い隠した。やっちまったと。
まさか自分の心の声が駄々漏れしていた事に霊風は声にならない
?
残りの時間はあと⋮
879
?
﹄
1週間しか無い﹂
﹃⁉
それはあまりにも突然すぎる発言だった⋮
ーーーーーー
一方、その頃。
翼は自分の叔父であり、二課の司令である弦十郎と2人きりで話を
していた。
翼の手にはシャーレ︵又はペトリ皿︶と呼ばれる物があり、その中
﹂
には何かの結晶の欠片が有った。
﹁これは⋮
﹂
?
﹁⋮﹃身に纏う︽シンフォギア︾﹄として、エネルギー化と再構成が繰
気付くと、弦十郎は話を続けた。
真を光に当てた。それを見た翼はそのレントゲン写真が響の物だと
そう言うと弦十郎は次にとある人間の身体であろうレントゲン写
﹁胸のガングニールが⋮⁉
﹁メディカルチェックの際に採取した響君の対組織の一部だ﹂
すると弦十郎はこう告げた。
翼はシャーレの中身を見て、弦十郎に疑問を問い掛けた。
?
880
?
り返してきた結果⋮
体内の侵食震動が進んだんだ﹂
﹁生体と聖遺物が1つに溶けあって⋮﹂
﹁適合者を超越した響君の爆発的な力の源だ﹂
それを聞いた翼はこのまま行けば響きは如何なるのかを弦十郎に
聞いた。
弦十郎からの答えは⋮あまりにも残酷な宣言だった。
・
・
・
・
﹁最悪の場合は死に至らせる。
良くても、それが人として呼べる存在なのか⋮﹂
その話を聞いた翼はその前黙り込んでしまおうとした。
﹂
だが、翼にはまだもう1つの疑問を持っていた。
﹂
﹁⋮じゃあ、憑友は如何なるんですか
﹁⋮何
ました。
彼の身にも何か有るのですか⁉
﹁⋮﹂
﹂
の際には立花に自分の力をそのまま明け渡して勝利したと言ってい
それに雪音から話を聞いたのですが、以前のウェル博士の護衛任務
﹁憑友はあの﹃四英雄事変﹄以降から戦う度に息が荒くなっています。
フォー ス カ ル ト
すると翼はそのままその根拠を言った。
かった。何故いきなりそんな事を口に言うのか。
翼 の 口 か ら 憑 友 に 関 す る 話 を 耳 に 入 れ た 弦 十 郎 は 驚 き を 隠 せ な
?
した。
﹁⋮それは
﹂
先程の響のレントゲン写真とはまた違ったレントゲン写真を取り出
その話を聞いた弦十郎は、溜め息を零しながら頭を掻くとそのまま
話せないのであれば、それで良いです﹂
﹃風鳴翼﹄と言う一個人としての話です。
ウイング﹄としての私では無く、
﹁これは、
﹃シンフォギア装者﹄の私、
﹃防人﹄としての私、
﹃ツヴァイ
?
﹁これは、憑友のレントゲン写真だ﹂
?
881
?
弦十郎はそう告げると、翼に憑友のレントゲン写真を手渡した。
それを受け取った翼は光を写真に当てた。
﹁⋮左胸の位置が白いのは⋮﹂
﹁憑友の今の心臓位置である︹生命の灯火︺の場所だ﹂
そう言われ、翼はそのままレントゲン写真をくまなく調べる。
﹂
すると翼は何かに気付いた。
﹁これは⋮⁉
その場所は先程の︹生命の灯火︺に有った。
其処には、10桁を上回る数字が刻まれていた。
﹁それは⋮
憑友がこの世界に居られる⋮
﹂
タイムリミットだ﹂
﹁⁉
この場でもまた、憑友の現状に驚愕させられる者がいた⋮
ネフィリム
この残酷すぎる結末を⋮誰が止められるのだろうか。
答えを知る者は⋮この場に⋮いや⋮
この場は勿論⋮
神様ですら⋮知らないのであった⋮。
ーーーーーーSIDEto憑友
⋮此処は⋮
あの時の⋮2年前の⋮ライブ会場⋮
如何して、俺は此処に⋮
確かあの時⋮俺は⋮
響との決闘をして、負けて、その後⋮
!
ネフィリムによって響の左腕が無くなったんだ
早く戻って、彼奴を懲らしめて⋮
そうだ⋮
!
?
?
?
882
?
!
﹁止めておけ。それにもうその件に関してはもう終わってる﹂
⋮え
?
!
?
俺は突然すぎた声を聞き、顔を振り向けると其処にいたのは⋮
夕日をバックにして、人のシルエットの形をした何者かが、
あの時のライブ会場で開かれた羽根型のドームの天井を翼のよう
に見立てながら存在していた。
つい先程までいなかったのに⋮
だって、ついさっき着たばかりだしな﹂
﹁まぁ、ゆっくり話そうぜ
﹂
きる時間をくれた神様だった。
そう、俺をこの世界に再び︵と言っても、半幽霊の状態だが⋮︶生
﹁⋮今更なんのつもりだ⋮神様﹂
俺はその口調で、何者なのか分かった。
そう言いながら皮肉な態度を見せる存在。
﹁そうだろうな
!
時間は余裕であるからな﹂
?
こんな所でのんびり出来るか⋮
どな
﹂
動が此処に来て襲いかかったんだからな。自業自得だと思うんだけ
﹁そう言ってもな。お前さんの感情の引き金︽トリガードライヴ︾の反
!
俺の時間はもう残されてはいないんだ。
そう言いながら神は話をし始めようとした。
﹁さて、此処からゆっくり話そうぜ
それを見た俺もそのまま隣にあった椅子に座り込んだ。
そう言いながら、神は近くに設置した椅子に座った。
﹁取り敢えず座れ﹂
椅子が出来上がった。
すると何処からともなく木が生えて、其処から形が変わって自然の
そう言うと神は指パッチンをした。
?
んだからな
﹂
﹂
⋮ゲッシュ
誰かを守る為の力⋮それはそれで大いに結構だ。
﹁ケルト神話に於いて、﹃禁忌﹄と言う意味を持っている。
?
?
883
?
﹁それに、感情が昂ぶり過ぎて、お前はとうとう︽ゲッシュ︾を犯した
﹁ぐぬぬぬ⋮﹂
?
だが、闇を生み出すまでの力を欲するのは良くないんだからな
⋮確かに⋮
﹁⋮さて、積もる話は山程ある。
反動とすれば、最低でも一週間はこの状態だ。
ゆっくり話そう⋮今後の事も含めてな﹂
そう言うと俺と神様⋮2人だけの話になった⋮
今後の事か⋮
⋮俺はあと何日生きていけるんだろう⋮
ーーーーーーNO SIDE
﹂
憑友が神様と話をしている時、世界の時間は1週間が経過してい
た。
そんな時に、響は目を覚ましていた。
だが、響の身体に変化し始めている事に響はまだ気付いていなかっ
た。
その後、無事に学校に戻れた響だが、浮かない顔をしていた。それ
もその筈だ。
憑友を取り戻せたと思ったら、今度はその彼が植物にも似た状態が
続いているのだから。
そんな中でも、響は作り笑いをしながらクリスと翼にご迷惑を兼ね
た謝罪を言うが、
翼が咄嗟に左腕を強く握って来たので、響はその握力で思わず痛み
を感じた。
翼は自分のやった事に気付き、そして謝る。
だが、翼はそんな響に対して罵声を浴びせたのだった。
それを間近で聞いたクリスは翼に反論を述べようとしたが、浴びせ
られた響本人によって止められた。
そして翼はそのまま響に対して無用だと言いきるとそのまま響の
884
?
元から去ってしまい、それを見たクリスも流石に苛立ち、翼の元へと
︶の存在が現れた。
?
行きながら後を追っていった。
﹂
取り残された響。そんな響の前に1人︵
﹁⋮なぁ
?
﹁⋮ユルセン
﹂
になったのだ。
﹁⋮今日は皆んなと帰ったら如何なんだ
﹂
?
﹂
!
見つけたのは⋮︽ネフィリム︾の心臓。
狂ったかのような顔をしたのであった。
だが、そんなウェルはある物を見つけ、その怯えは見る見ると笑い
﹃暴走﹄によりすっかり怯え狂っていた。
金⋮名称︽マイナストリガードライヴ︾
︵又の名を︽闇堕ち︾︶と響の
先の戦闘での憑友のティガダークが生み出された負の感情の引き
て歩いていた。
ンギル︾の跡地では、ウェルがソロモンの杖をそのまま杖のようにし
一方、ネフィリムとの死闘が繰り広げられえていた場所︽カ・ディ
ーーーーーー
⋮まぁ、結局はいつも通りの展開になるのは別の話。
ける事にした。
それを見届けた響は自分の胸の痛みを押さえ込みながら、授業を受
そう言うとユルセンは響から離れるなり、いきなり消え去った。
﹁⋮じゃ、またな
﹁⋮そう⋮だね。今日は学校終われば、皆んなと一緒に帰ろう﹂
むぞ
そんなんじゃ、憑友が悲し
ア装者と精魂導師、そして未来,逝都,馬燈はユルセンが見えるよう
実は先の事件﹃四英雄事変﹄の時に初めて出会い、以来シンフォギ
フォー ス カ ル ト
何故、響が幽霊であるユルセンが見えるのか。
だった。
それは憑友のサポートの役割を持つゆるキャラ幽霊ことユルセン
?
この力が後の運命を大きく動かす事になろうとは、まだこの時、誰
も知らない⋮
885
?
#18 主治医/﹃生命の拳﹄
ウェルが何か企んでいた頃、響は皆んなと一緒に帰っていた。
創世と詩織に弓美の3人組と、未来,馬燈,逝都の6人で帰ってい
た。
相も変わらず響は顔には出してはいなかったが、それでもやはり落
ち込んでいたのに変わりは無かった。
そんな響の為に、未来は今回の件を創世達に話した。
すると皆はお好み焼きパーティーで響を元気付けようと考え、今は
それを実行している最中だった。
ーーーーーー
そんな響達とは別の地点では、調と切歌,陰陽兄弟の4人が街を徘
徊していた。
実はつい先日の響の﹃暴走﹄と、憑友の﹃闇堕ち﹄の際にナスター
シャの身体の傷が広がっていたのだ。
4人は如何しようも出来ないと嘆いていた。
仲間の内の1人であるウェルが入ればなんとかなるとは思えるが、
先の案件等で既に4人はウェルに対して険悪していたのだ。
しかし、彼等の仲間にして、今回の騒動を引き起こした﹃張本人﹄マ
リアに探すように命じられて、彼等は仕方なくウェルを探す事になっ
た。
そんな中、マリアとナスターシャがいる飛行艇に1人の存在が歩み
寄っていたのを、この時の彼女達はまだ知らない⋮
ーーーーーーSIDEtoマリア
マムの傷は広がりつつある。
応急処置でなんとか止めて、
﹃英雄﹄の1人に換算する存在で、医療
系が得意な存在⋮
︻ポケモンドクター タケシ︼と︻風の癒やし手 シャマル︼
彼等2人のおかげで一命を取り留めたけど、それでも傷は深い⋮
886
私は一体如何すれば⋮
そう考えていたら、ドアが開いた。
﹂
私はその方に振り向くとそこには零のパートナー﹃英雄﹄であるギ
ンジがそこにいた。
﹁⋮表に女性が来てる。バックみたいなのを担いでな。
⋮一体誰が
俺が代わりに見張ってるから、相手を頼む﹂
﹁⋮分かったわ﹂
こんな場所に
そう思った私は入り口の方へと向かう事にした。
そしてその入り口のゲートを開くと、
﹂
其処にいたのは清楚な人で、とても近づき難い存z⋮
﹁あ、如何も♪﹂
⋮訂正。フレンドリーすぎる人が其処にいた。
﹂
﹂え
?
﹁こう見えても、ナスターシャ教授の主治医をしているんだよ
?
﹁ナスターシャ教授⋮元気にしてますか
そう女性は問い掛けて来た。
マムの事を知ってる⋮
?
って、ちょっと待って⁉
﹁あ、此処だね♪﹂
もう滅茶苦茶よ⁉
勝手に入らないでよ
いや、なんで今マムが寝ている場所を1発で当てたの
?
﹁久しぶりだね。マム♪﹂
の方を見ると、
性
私も後を追いかけると、其処ではギンジが呆然としていた。私は女
そう思いながら、女性はマムの部屋へと入って行った。
?
﹂
887
?
﹁⋮貴方には関係無いk﹁主治医だとしても
?
そう言うと﹁お邪魔しま∼す♪﹂と言って、勝手に入って行った⋮
?
?
﹁良くこの場所が分かりましたね﹂
﹁えっへん
!
﹂
其処には女性とマムが和やかな雰囲気を醸し出していた⋮なんで
﹂
﹁⋮マリア。この2人って、如何いう関係なんだ
﹁私も知りたいわよ⋮
兎に角、この人は誰
それに今更だけど、如何してマムの事を知ってるの
さっき主治医って言ったわよね
﹂
﹁⋮まだ自己紹介すらしていなかったのですか
?
す﹂
そう言いながら、私に名刺を渡してきた。
⋮つい最近聞いたような⋮
其処には確かに﹃人絆ジャンヌ﹄と書かれていた⋮ん
人絆
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮え
﹁えへへ∼﹂
この人が憑友のお母さん
﹁まだ20にしか見えないのは気の所為
﹁奇遇だな⋮俺もそう思った﹂
﹂
⋮ありえない。
﹁実はもう三十路過ぎてま∼す♪﹂
そしてまさかのアラサー
﹂
!
まった。
如何したマリア
﹂
彼の母親と言う事は⋮セレナの事も知っていると言う事なの⋮
﹁⋮一体何なんだよ、あの人は⋮
?
?
?
そ う 言 う と 私 と ギ ン ジ を そ の ま ま 部 屋 の 外 へ と 追 い 出 さ れ て し
﹁さて、マムはゆっくり休んでて。私が治して見せるから
⋮この人が⋮
?
﹁この人は、﹃人絆憑友﹄の母親なのですよ﹂
そう思っていると、マムから衝撃な言葉が飛び交った⋮
?
?
私の名前は人絆ジャンヌ。ナスターシャ教授の主治医をしていま
﹁マムから話は聞いてるよ。
そう言いきると、女性は此方に顔を向け、自己紹介をした。
﹂
﹁だって、マムの身体が心配だったんだからね
!
?
888
!
?
?
え
そう言うとギンジは私の顔に指を添え、そして何かを掬った。
﹁涙⋮出てたぞ﹂
その一言で私は漸く今の自分の状況に気がついた。
涙を流していたのだ。涙を流す理由はおそらく⋮
マムを元に戻せるかもしれない⋮
セレナの居場所が分かるかもしれない⋮
いや、その両方なのだとこの時知った。
﹂
そしてそう考え込んでいたら、ドアが開き、其処から先程の女性・
ジャンヌが現れた。
﹁あまり無茶は駄目なんだからね
﹂
﹁分かっていますよ﹂
﹁本当に∼
﹁本当です﹂
﹁⋮そっか。じゃあね∼
!
﹂
⋮ジャンヌさん
﹁あ、そうだ
結局、何も言い出せなかった⋮セレナが無事なのかを。
でその場から立ち去って行った⋮
そう言うとジャンヌさんは手首に着いてる腕時計を見るなり急い
⋮と、2人もナスターシャ教授の事をお願いするね♪﹂
!
?
﹂
﹁セレナちゃんは記憶が曖昧だけど、大丈夫
﹂ 私が必ず治して見せるから
‼
﹁じゃあ、またね
!
﹃必ず治して見せるから
﹄
最後に言ったあの言葉⋮
そう言うと今度こそ、彼女はその場を後にした。
!
!
そう言うとジャンヌさんは私に向けてこう言った⋮
?
!
!
889
?
?
あの言葉に私は期待をしてしまっていた。
その後、マムの容態を見てみたら、思いのほか元気になっていた。
たった数十分の時間しか無かった筈なのに、マムの身体が回復する
なんて⋮
⋮私の頭の中の記憶からあの人に似てる人が思い浮か
あの人は一体⋮あれ
如何して
無いのだ。
こう見えても彼等はまだ成長期の真っ最中。食べ盛りに変わりは
が空いているようだ。
そう話をしていると切歌の方から腹の虫が鳴いた。如何やらお腹
﹁⋮そうだな﹂
﹁⋮でも、本当に良かった﹂
﹁全くだよナ⋮﹂
﹁はぁ⋮。まさかマムが出るとは思ってもいなかったデスよ﹂
いたのだ。
自分達が今なにをしてるのかで、遠回しだが確実に心配してくれて
するのは至極当然の事だ。
相手は自分達の事を大切に育ててくれた謂わば母親的存在。心配
いかかった。それもその筈だ。
まさかの通信相手がナスターシャに通信を終えた4人は脱力が襲
であった。
そしてナスターシャは4人にウェルの捜索を改めてお願いしたの
て、ナスターシャはお咎めはしなかった。
説教じみた事は言ったものの、自分の為に動いてくれた4人に対し
その事で、吃驚する切歌達4人。
ない事に気付き連絡をした。
ジャンヌがマリア達と出会った後、ナスターシャは直ぐに調達がい
ーーーーーーNO SIDE
私はあの人の事を⋮知っている
べてきた⋮
?
以前は憑友が、彼等にお金を渡して、それを使って食べ物を食べて
890
?
?
来たが。
今回は憑友は既に仲間の元へとやり方が違えど返した。
それに、今の彼女等には自分達が所持している程度のお金しか存在
しないのである。
﹁彼奴って、本当にお人好しだったよな⋮﹂
﹁⋮そうデスね。だけど、悪く無い人だったデス﹂
﹁⋮まるで、自分の事なんて考えてすらいなかったな﹂
﹁⋮他の偽善者達よりも、彼が1番に偽善者ぶってだけど⋮けど、とて
も優しかった﹂
憑友の話をした4人は何故か心の中に虚しさを感じていた。
﹁まるで﹃兄貴﹄のような人だったな⋮﹂
そう闇呪怨が言うと皆んなもそう感じていた。
彼等が﹃兄貴﹄と呼んでいる存在⋮名を﹃無頼零﹄
⋮此処にはいない⋮セレナの想い人だ。
891
彼もまた﹃F.I.S.﹄によって連れて来られた﹃レセプターチル
ドレン﹄の一人であった。
そんな中でも彼は﹃レセプターチルドレン﹄の中で特別な存在だっ
た。
その名に反して、仲間が傷ついたら、例え大の大人であろうと容赦
しなかった。
料理も得意で、誰とでもフレンドリーに接してくれていた。
調や切歌,陰陽兄弟もそんな彼の性格に惹かれた存在の1人であ
る。
調には、友達のつくり方を教えてくれた。
切歌には、ファッションに関する事を教えた。
陰陽兄弟には守る為の術を教えてくれた。
それ以来、4人は零の事をまるで自分達のお兄ちゃんのようになっ
飯はその後でたらふく
光聖希がそう言うと皆もそうしようという考えに至り、調と切歌は
!
ていったのだ。
今はウェル博士を探そうぜ
﹁⋮と、兎に角
!
﹂
食ってやろうぜ
!
手を繋いで、陰陽兄弟はその2人の後を追うかのように走って行っ
た。
ーーーーーー
一方、響達はと言うと学校帰りにお好み焼き屋﹃ふらわー﹄の方へ
と向かう事になっていた。
理由は前回少し述べたのだが、響を元気づけようと言うのが最大の
理由と言っても過言では無かった。
その主催をしたのが意外にも未来だと言う事を聞いた響は驚いて
たのは言うまでも無い。
そんな時、3台の黒の車が響達を通り過ぎて行った。
そして次の瞬間⋮
﹂
ドガァァァ‼
﹁⁉
﹂
﹂
なんと突然、爆発音が聞こえたのだ
﹁今の⋮⁉
﹂
﹁まさかじゃないだろうな⋮
﹁それ以外に何がある⋮
﹂
その後ろを未来達が追いかけるのだが⋮
﹂
そんな馬鹿な⁉
﹁⋮響ちゃん
﹁⁉
なんと2人よりも後ろにいた筈の響が2人を追い越して行ったの
だ
そして皆が到着すると其処には、灰となった人達の残骸と、無惨な
姿になった車と、大量のノイズと、それを操る︽ソロモンの杖︾と何
﹂
かを持っていたウェルが不敵な笑みを浮かべながら其処にいた。
﹁誰が追いかけって来たって⋮こいつを渡すわけには⋮
そんなウェルに対して響は呟く。
そう言いながらウェルは左手に持っていた何かを見ていた。
!
892
!
?
!
?
そう言うと逝都と馬燈が先行して皆よりも先に走る⋮
!
!
?
!
?
?
!
﹁ウェル⋮博士⋮
﹂
﹁な、なんでお前が此処に
﹂
﹂
そう言うとウェルは︽ソロモンの杖︾でノイズに命令を下した
﹁マズイ‼
n⋮‼
﹂
そう言いながら響はなんとそのままノイズに拳をぶつけたのだ
それを見た一同は驚愕した
﹁⁉
ひ、人の身で⋮ノイズに触れた⋮⁉
﹂
﹁嘘⋮だろ⋮⁉
﹂
﹁マジかよ⋮⁉
﹂
・
響の行動に上からウェル,馬燈,逝都がそう言い放つ。
?
・
ぬ。
ていた。
﹁この拳も
生命も
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
普通ではあり得ない出来事が、彼女の身体に着実と変化をもたらし
だが、響はその人の身の状態で、ノイズに触れたのだ。
・
本 来、人 の 身 の 状 態 で ノ イ ズ に 触 れ れ ば そ れ は 勿 論 灰となって死
・
そしてそのままシンフォギアを纏い、そしてノイズを粉砕した
!
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
⋮
り出した。だが、それよりも先に響が前に出て、そして聖詠を詠った
逝都と馬燈は未来達を守るように懐からカード型のアイテムを取
!
!
⋮シンフォギアだ‼
!
tobecontinued⋮
はたまた死へと追いやる猛毒となるのか⋮
その変化は、幸福を掴む為の力なのか。
?
!
893
?
?
!
?
?
?
#19 君がキミで⋮俺がオレで居られる前に
生命も
﹂
︵挿入歌﹁正義を信じて、握り締めて﹂悠木碧︶
﹁この拳も
﹁な、なぁ⋮馬燈⋮。
響の奴、様子が変じゃないか
?
︶﹂
そしてその葉っぱは響に触れた瞬間⋮
ボオッ
﹂
﹁ヒィッ⁉
﹄
そう感じながら、響はそのままノイズを撃破し始めた⋮
!
すると響の横を一枚の葉っぱが落ちてきた。
一方の響はその力に対して傲慢していた。
﹁︵力が⋮漲る⋮
2人は今の響から感情が露わになっている事に気付いていた。
2人は響に対してそう言う態度を見せていた。
﹁ああ⋮﹂
﹂
それを見た一同の内、逝都と馬燈は別の反応を示していた。
そう言うと響の身体は輝き始めた。
⋮シンフォギアだ‼
!
﹂
﹁ニンキョウ・ゴクドー
﹁抜剣納刀
﹂
!
!
アクティベート
!
馬燈は腰に刀と剣を其々鞘に収められた謂わば納刀状態の腰巻を
ローブが嵌め込まれ、
そう言うと逝都の靴と手から機械のブーツと金属をあしらったグ
﹃YES.sir.of the⋮set UP.﹄
﹁﹁スタンバイ
﹂﹂
馬燈は刀を模したアクセサリを取り出した。
都は菱形の形をしたアイテムを、
それを見た2人は明らかに響の様子が可笑しいと思うと懐から逝
!
!
なんと葉っぱが燃えて、消滅したのだ
﹃⁉
!
!
894
?
!
?
?
装着していた。
すると逝都はそのまま拳同士をぶつけて、
﹂
﹂
馬燈は左腰にセットしていた刀を鞘ごと引き抜いた⋮
﹁憑友がくれたこの力⋮
﹁大切な者を守る為に⋮戦う
!
そう言うと2人もなんとそのままノイズに向かって突撃したのだ
!
!
響の接近に加え、無知の少年2人もそのまま此方に来ている事に
ウェルは︽ソロモンの杖︾を使ってノイズを呼び出し、そしてバリケー
﹂
ドのようにして、3人の行く手を阻ませる⋮だが。
﹁はぁぁぁぁあ
響は自身の格闘術を用いて、ノイズを葬りさる
ウェルはその様子を見て愉悦に浸る。
﹁おらおら
﹂
だが、現実はそうでは無かった。
生身の身体に何が出来ると思うかと、そう思っていた。
も無いから。
3人の内の2人は何れも︽シンフォギア装者︾でも︽精魂導師︾で
!
!
た攻撃が主なんだが⋮︶ノイズを撃破していた⋮
剣を使った双剣状態でノイズを葬りさっていたのだ
カンッ‼
﹂
﹁⋮なんと鋸﹂
⋮
響とウェルの間に黒い物が盾の役割になって、ウェルを守っていた
﹁⁉
盾⁉
時だった⋮
グニールで木っ端微塵となり、そしてそのままぶつかろうとしたその
そんな様子を見たウェルは更にノイズを増やすも、それを響のガン
!
一方、馬燈は刀と鞘で、時には抜刀術を使い、時には帯刀状態で、
!
そう言いながら逝都は響と同じ格闘術で︵強いて言うなら脚を使っ
!
?
!
?
895
!
?
!
﹁調ちゃん⁉
切歌ちゃん⁉
すると突然、
﹂
ジャリリィィィィ‼
﹁な⁉
﹂
ガギィンッ
!
しかし、響の攻撃に調と切歌の2人係で漸く保って入られていた。
た響。
そしてそれがいつの間にか来ていた調と切歌によるものだと知っ
?
﹁一丁上がり
﹂
!
た。
そしてその鎖の行き着く先には響がいた。
つまり、先程の鎖はタマシイの仕業だったのだ
フォーム、ガジル
ー
のカードを装填、そしてレバーを引いた
ーコア
!
!
カードを取り出すとそのまま左腕に装着していたアブソーバーにそ
そ う 言 う と コ ア は す か さ ず 右 腰 に 備 え て い た カ ー ド ケ ー ス か ら
!
しかも光聖希の手から無数の鎖が地面や空中等にバラ撒かれてい
︽闇魂導師︾コアこと陰陽闇呪怨の陰陽兄弟が現れていた。
すると調と切歌のそばに︽光魂導師︾タマシイこと陰陽光聖希と、
﹁こういう手で使う事を許し給え⋮
﹂
突然響の身体を無数の鎖が封じ込み始めたのだ
?
竜滅者‼
ー
の魂が現れ、それをコアは纏った
ー鉄で砕け
鉄竜棍
‼
﹂
腕の拳を響にぶつけた
﹁
﹂
﹁がはっ⁉
﹂﹁立花‼
﹂
?
?
ただ1つ⋮カードに描かれている﹃英雄﹄を除いて。
それを見たタマシイはそのままコアと同じ動作をした。
響がダメージを受けると同時に未来と逝都が響の心配をする。
﹁響
?
!
そう言うとコアはそのまま左腕を後ろに引かせるとそのままその
!
!
するとコアの周りに黒服で顔に釘のような物を埋め込んでいる男
!
"
896
?
!
!
?
?
!
"
ータマシイ
フォーム、ユーノ‼
ー
?
結界魔導師
してそれを纏った
ー魔法の鎖
して手を入れた。
ー
するとすぐにその魔法陣から緑色の魔力が練られた鎖が出現
﹂
それと同時に響を拘束し始めた
﹁うぐっ⁉
と、
フルドライブ
﹄
‼
﹂
タマシイがアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹂
アレスター・チェーン
﹃タマシイ・ユーノ
﹁くらいな
﹁がはっ⁉
?
!
"
!
いっきり引っ張った
するとその魔法陣から魔力が流れ、そのまま響にダメージを与えた
!
こには響を拘束している鎖と同じ形状の鎖が顕現、そしてそれを思
そう言うと自身の前に設置してある魔法陣から手を引き出すと、そ
!
必死に逃げようとする響だが、思ったよりも力が出せないでいる
!
!
するとそのままタマシイは今度は緑の魔法陣を自身の前に出し、そ
!
!
そう言うとタマシイの周りにマントを羽織った少年の魂が漂い、そ
!
!
﹁偽善者はそのまま朽ち果てろーー‼
﹂
?
ー
!
そう言うと今度は2人揃ってカードを取り出し、アブソーバーに装
ー
フォーム、ロディ
フォーム、ハヤト
!
填するなり、同時にレバーを引いた
ータマシイ
ーコア
時空を超えし、蛇腹の使い手
!
基準はゴールデン
!
!
!
!
金剛鳥人
!
897
?
!"
?
それと同時に、魔法で出来た鎖は消滅した。
!
そう言うと2人の姿が変わった。
タマシイは軽装の姿で尚且つ、腰には剣と短剣が差してあった。
そしてコアの方はと言うと闇と言うイメージとは裏腹に金の装飾
が施された装備を纏っていた⋮
そうするとコアは両手を上に挙げた。
﹂
するとコアの周りの鎧が変化して、2振りの鎌が出現した
﹁俺のパートナー﹃英雄﹄の力⋮受けてみろ
そう言うと、コアは2振りの鎌で響を切り刻もうと動き出した
それを見た響はすかさず避ける⋮
槍よ
﹂
フルドライブ
まるで蛇腹剣のように。
﹄
するとタマシイはそのままアブソーバーのドライブボタンを叩い
と引き寄せられ、そしてタマシイから強烈な蹴りを食らった響。
そうすると響の足にその蛇腹剣が絡まり、そのままタマシイの方へ
タマシイと相性が良かったのだ。
彼女は特に蛇腹剣を使う事に重視した立ち回りが得意なタイプで、
﹃テイルズ石板﹄に属する者であった。
ルドガー,ミラ,ジュード,リオン,ユリウスと同じ⋮
本名⋮ロンドリーネ・E・エッフェンベルク。
タマシイが変身した﹃英雄﹄の名は、ロディ。
それと同時に刀身が長く伸びた
しかしその隙にタマシイは腰に携えていた剣を響に向け放った。
!
!
!
!
!
‼
﹂
練った槍が無数に出現して、そのまま空中で態勢が取れない響に連続
デモンズランス・レイン
"
?
で食らわせ、そして特大の槍で⋮
﹁
そのまま貫かせた
!
響はその攻撃でそのまま地面に激突⋮
ザクッ
!
898
!
!
た
貫け
﹃タマシイ・ロディ
﹁
!"
そ う 詠 唱 す る と タ マ シ イ の 後 方 か ら 大 量 の 闇 に 覆 わ れ た 魔 力 で
!
!
!
"
"
﹁がはっ⁉
﹂
出来なかった。
﹁地面に付くにはまだ早過ぎる⋮
を与えていく⋮
﹂
そして鎌の攻撃で、響は再び上空へ飛ばされた
‼
﹂
闇呪怨はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹄
黄金、旋・風・掌
フルドライブ
金剛鳥人拳奥義
?
﹃コア・ハヤト
﹁
"
!
黄金旋風掌
が響にダイレクトにくらったのであった
ハヤト︼の必殺技⋮
金剛寺ハヤト
﹂
﹂
!
それを見た兄弟は驚きの表情を見せた。
しかし響はなんと立ち上がろうとしていた
響を倒した事に感化する2人。
﹁はぁ⋮はぁ⋮そう⋮だな⋮
﹁はぁ⋮はぁ⋮やったぜ⋮
その攻撃を食らった響は今度こそ地面に激突した。
﹃ガイストクラッシャー﹄の1人であった。
神話を模る金属生命体﹃ガイスト﹄を壊す者⋮
ロックの元についてる﹃英雄﹄⋮イズナと同じ⋮
"
めた⋮
だが、響はすぐに胸のフォルテの傷跡に手を添えて、悶え苦しみ始
!
!
!
して、コアのパートナー﹃英雄﹄
︻風を纏いし﹃伝説粉砕者﹄ 金剛寺
突風と共に無数の風の刃のようなものを飛ばして攻撃を放つ技に
!
!
!
その間に鎌から元の派手な鎧を身に纏った姿になったコアもとい
!
!
そう言うと今度は、コアが2振りの鎌の連続攻撃で響に大ダメージ
!
?
カチャッ
!
⋮
﹂﹂
プスッ
﹁﹁⁉
!
それを見たウェルは調と切歌の2人に、緑の液体が入った注射器を
!
なんと投与したのだ
!
?
899
"
"
てめぇ
﹂
それを見た陰陽兄弟は、
﹁
﹂
が入った注射器をその反論している2人に無理矢理投与させた
﹂
すると反論を述べていた兄弟は響と同様に悶え苦しみ始めた
﹂
2人に何しやがるデス⁉
﹁それ以上は止めて
?
んな事は関係なしにウェルはペラペラと喋り始めたのだ
それも、﹃絶唱﹄使い放題
!
事も無い
オ
グ
僕を救う価値は有りだと思いませんか⁉
⋮
﹁⋮やろう。切ちゃん。呪怨。聖希⋮
﹂
バ
リ
さ
﹂
﹂
纏っちゃいなよ
マムの所にドクターを連れて行かないと⋮
﹁⋮くそぉがぁぁぁぁ
﹂
ユー達唄っちゃいなよ
ん
セ
発動し放題‼
!
﹁⋮やるしか⋮無いのか⋮
﹁さぁ
ドライヴ︾も、﹃絶唱﹄も、歌い放題
﹂
ブソーバーに装填、そしてレバーを引いた
ー
?
ー
フォーム、チェイン‼
!
フォーム、ブラッディ‼
?
ータマシイ
ーコア
!
!
リ
﹂
ガー
そう言うと陰陽兄弟は胸ポケットからカードを取り出し、そしてア
﹁⋮ぃわないです⋮デェェェスッ‼
今なら︽トリガー
それを聞いた四人は苦虫を噛んだような苦痛の表情を捉え、そして
?
!
それに、この僕が居なければ、あのナスターシャの容態が安定する
効果で、︽トリガードライヴ︾連発
それにプラスして、2人に投与した﹃glycerigger﹄の
るのですよ
!
﹁LINKERの連続投与であの︽融合症例︾を相手に対等に渡り合え
!
ていない2人が2人に投与した薬をやめさせるように示唆するが、そ
そう言うと先程の液体の影響で身体のコンディションが整えきれ
!
﹁
!
と言いながら反論を述べようとすると、ウェルは今度は黄色の液体
﹁勝手なことを
!
!
!
?
?
!
!
!
!
!
!
!
900
!
!
!
そう言うとタマシイの方から光の鎖を身体全体に帯びた魂が現れ、
ー
コアの方からはフード付きローブを纏った大鎌を持った魂が現れ、
2人は其々纏った
私が縛る
ー天への魂
俺が裁く
セッ
ト
﹂﹂
﹁﹁トリガー⋮告げる‼
そう言うと2人の装甲が変化し始めた
﹄﹄
﹃﹃トリガードライヴ‼
?
刃物が現れたのだ
enal⋮ーー
まさか⋮この歌って⋮﹃絶唱﹄⁉
ベーシックフォーム
?
﹂
響の説得も彼女達2人には届いていなかった⋮
てしまうんだ
﹁駄目だよ⋮LINKER頼りの﹃絶唱﹄は、装者の命をボロボロにし
izzl⋮
E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l z
に近い力⋮
多大な負荷が後で襲う代わりに、一時的に出力を上げる謂わば禁忌
︽シンフォギア︾を纏う者達が使用できる力の1つにして、諸刃の剣。
﹃絶唱﹄
歌の出だしを聞いた響は2人の歌に気を取られた。
﹁⁉
﹂
ー ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d
!
そこから更に、肩,背中,両腕,両足の踵から鎌のような形をした
そしてコアは得物である鎌が大きくなるのは勿論のこと、
その数⋮9本。
タマシイは全身の鎖が尻尾のような形へと形成し始めた。
!
それは2人の︽精魂導師︾の⋮其々の基 本 の 姿であった。
そこに居た。
のオーラを纏った大鎌と死神のような服装をした︽闇魂導師︾コアが
光の鎖が全身に結ばれている格好をした︽光魂導師︾タマシイと、闇
ー
ー獄への魂
!
そして現れたのは⋮
!
?
!
901
!
!
!
?
G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e n
al⋮
E m u s t o l r o n z e n f i n e e l z i z z l
⋮ーー
そして切歌と調の2人は歌いきった⋮﹃絶唱﹄を。
その瞬間に、2人のギアに変化が生じ始めた。
調のギアは武装の殆どが変化、特に腕のパーツから鋸が出現させ
た。
切歌の方は得物である鎌が巨大化だけでは無く、ブースターまで付
き始めたのだ。
そしてそのまま攻撃をしようとした⋮その時だった。
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
nal⋮
E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l z
﹂
たのだ。
﹁っ
﹂
それをした張本人⋮響が2人に向けて気合いの入った言動をする。
﹂
!
まるで威圧感に浸っているかのような顔を見て、調と切歌は勿論の
ハーモニクス‼
こと、陰陽兄弟も攻撃のタイミングを外してしまった⋮
﹁セット
?
にするとそのまま上空へと撃ち放った
そして撃ち放った﹃絶唱﹄のパワーは、かつてライブ会場にて撃ち
!
唱﹄の力を1つに収束するなり、アームドギア︽G G・ K︾を1つ
ガングニール・ナックル
そう言うと響の﹃絶唱﹄の特性を使い、2人の﹃絶唱﹄と自らの﹃絶
!
902
izzl⋮
G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e n
al⋮
⋮エネルギーレベルが、﹃絶唱﹄発動前と⋮変わらない⁉
Emustolronzen fine el zizzl⋮ー
﹁⁉
﹂
?
2人の﹃絶唱﹄の力が突然発動した﹃絶唱﹄により、効果が減少し
﹁減圧
?
!
放たれた虹の嵐を生み出しながら、﹃絶唱﹄の力が消失した。
その力の反動で響は動く事が出来なくなった。
身体温度がオーバーヒートになっているからでもあるが、既にこの
時点で、ギアの出力が不調をきたしていた。
﹂
﹁今なら⋮
が、
﹁⋮⁉
﹂
﹂
?
﹁久方ぶりだな⋮Dr.ウェル﹂
テ ロ リ ス ト キ ラー
﹁テ、テテ、テテテ⋮テロリストキラー⁉
﹂
までの威勢が嘘と思えるような怯え状態になっていた。
それを実感した2人よりも、ウェルがその存在に気付くなり、先程
2人は視線を見せるとそこには青い髪の青年がそこに立っていた。
襲った
その理由を探る2人だが、その理由を知る前に謎の衝撃が2人を
2人はその場から一歩も足が動けなかった。
﹁身体が⋮動かない⋮⁉
な、なんだよこれ
倒せるまたとないチャンスをと思い、2人が攻撃しようとした⋮だ
その響の行動に放心状態だった陰陽兄弟はすぐに我に戻って、響を
﹂
﹁やれる⋮
!
尤も、その厄介な奴が現在も意識不明の重体なんだがな。
飛ばしかねないぞ。
立花をこれ以上傷付けたら、俺以上に厄介な奴がお前達の首を吹き
浅岡と一走がなんでノイズに触れても戦えるのかは後にして、
4対1でよくもまぁ派手にやってくれたもんだ。
ーーーーーーSIDEtoロック
ロック・アイル・ユキネが、そこにいた。
持つ者。そして︽イチイバル装者︾クリスの義理の兄⋮
それは﹃武装集団殺し﹄と謳われた存在にして、
︽水魂導師︾の名を
?
903
!
?
!
﹁如何した
影殺し
︽光と闇の精魂導師︾
お前等なら俺が仕掛けた
﹂﹁ふざけやがって⋮
﹂
!
﹂
﹂
⋮意図も簡単に解けるのでは
︽光︾で照らせば影が薄れて動けるだろうに
無いのか
?
"
︽闇︾を地面に撒けば、影という概念が消えるから動けるだろうに
﹁んな⁉
⋮そろそろか。
﹂﹁っと⋮
ブォンッ‼
﹁なぁっ⁉
効果が切れて良かったな
!
?
の足か。ならば、此処で壊せば⋮
霊風
﹂
﹁止めとけ。ロック﹂
﹁っ⁉
ながら遅れてやって来た翼の
騎刃ノ一閃
で立花の近くにあった
"
その後、俺とクリス、そして小日向は弦十郎から立花に関する話を
∼∼
にいちゃもんを付けていた。
その際に何か防人嬢が呟いて、クリスがそれを聞いたのか、防人嬢
貯水タンクに切れ込みを入れ、立花の身体をクールダウンさせた。
"
て来たクリスと奏嬢の2人に抑えられていた。その時、バイクで駆け
その後、小日向が駆けつけ、立花の元へ行こうとするが、遅れてやっ
に乗ってこの場から去ってしまった。
そうしていると4人が︵その内の1人がウェルを担ぎ︶オスプレイ
⋮くっ
何れ決着を付けられる⋮﹂
﹁⋮今は響ちゃんの事が最優先だ。
何故だ
そう思っていたら、いつの間にか霊風がやって来ていた。
!
!
そう思っていると上空からオスプレイが降りてきた。﹃フィーネ﹄
?
ふん。学習能力は平均並みで感情的だな。
?
?
?
"
?
?
?
!
!
904
?
聞いた。
このままだと立花の身体が聖遺物に侵され、最終的には死に至る又
は人ならざる物へと変わってしまうと言う衝撃の事実を告げられた。
そして弦十郎はそんな中で、小日向が唯一立花の近くにいてくれる
抑止力だと言う事を伝えると小日向は了解した。
その後、小日向は立花と、彼女と同室にした憑友の様子を見る為に
司令室から去って行く。
それと入れ違いに防人嬢と奏嬢と霊風の3人が司令室に入って来
た。
その際に、防人嬢はうかない顔をしていた。
つい先程、すれ違った小日向に今の立花の状況を黙っていた事に。
﹂
だが、小日向はそのまま何も言わずに作り笑顔を見せて去って行っ
たそうだ。
﹁⋮それで、私達に何か用が
﹁正確には、翼とクリス君にも耳を通して欲しい案件だ﹂
そう言うと司令は2人にある書類を見せた。
⋮これは
﹂
書類には黄色と緑の棒グラフが描かれているが、黄色よりも緑が短
かった。
そしてよく見てみると、黄色の欄には﹃平均値﹄と書かれていた。
つまり緑は、﹃個人値﹄と言う事だろう。
俺には分かった。このグラフが誰の物なのかを。
それに気付いたのか、司令は俺の顔を見るなり、まるでお前が喋っ
ても構わんと言う態度を示してきたので、俺は喋った。
﹁これは⋮憑友のバイタルですね﹂
﹁そうだ﹂
それを聞いた防人嬢とクリスは目を凝視した。
何故なら、この書類に書かれているバイタルはどれも、憑友と同じ
学生の平均を大きく下回る数値を叩き出していたからだ。
905
?
それは俺達の手元にも寄せられている。
﹁
?
防人嬢は疑問を浮かべる。
?
更に弦十郎司令は2人に憑友の今の状態を伝えた。
それを聞いた2人。
クリスは机を盛大に叩くなり、そのまま司令室から去ってしまっ
た。
一方の防人嬢は先程の書類を握り潰していた。
それを間近で見ていた奏嬢は黙って、防人嬢を自分の胸元まで寄せ
た。それに気付いた防人嬢は奏嬢にしがみつきながら号泣したので
あった。
立花の状態と憑友の残りの余命⋮
似た者同士でお似合いな奴等が既に死と隣り合わせにいた事に⋮
俺は何も出来ずに悔しむ事しか出来なかった⋮
ーーーーーー
病室では、響の容態は安定し、そして響は覚醒した。
それと同時に響は辺りを見渡す。
そして買い出しが終わった一行は少し疲れたので、休憩する事にし
た。
だか、休憩した場所自体が誤りだった。
4人が休憩したのは建築途中だったと思われる場所だった。
普段はバリケードなどで立ち入る事さえ出来ないのに、今日に限っ
て そ れ が 開 い て い た の だ。そ れ を 4 人 は そ の ま ま 入 っ て 行 っ て し
まったのだ。
906
すると右隣に憑友がまだ寝ている事に気が付いた。
響は可能な限り、右手を出して、憑友の左手を握ろうとした。もし
かしたら、憑友が目覚めてくれるかもしれないと思って。
﹂
そして触れようとした⋮その瞬間だった。
﹁⋮⁉
﹂
?
一方、響の元から立ち去った調達は買い出しに来ていた。
ーーーーーー
﹁憑友が⋮この世から⋮消える⋮
それはあまりにも残酷すぎる展開だった。
突然、身体を巡るかのような記録が響に襲った。
?
そのまま休憩に入った一行。
だが、切歌は隣にいた調の様子が変だと言う事に気が付いた。
ずっとその調子だったんデスか⁉
﹂
よく見ると額や頬から汗が出ていて、少し熱を出していた
﹁⁉
!
兄弟もそれを聞いて調を気遣う。
﹂
切歌は調の容態が良くない事に気が付き、切歌の台詞を聞いた陰陽
?
赤くなってんじゃねえかよ
!
﹁⋮大⋮丈夫だよ⋮﹂
﹂
﹁なにが大丈夫だよ‼
﹁少し待ってろ⋮
?
此処までなのか⋮
だ。
だが、庇ったは良いが、その後の行動が出来なかった。怯えたから
それをみた2人は切歌と調を守る為に、身を庇う。
りかねなかった。
切歌だと調を守ろうと必死になるが、調と共に鉄パイプの餌食にな
倒れてしまった調では、何も出来ない。
した
3人は上を見ると、そこから体力の鉄パイプが調と切歌を襲おうと
切歌が起き上がらせようとすると、嫌な音が上から聞こえてきた。
ま倒れてしまった。
そしてそのまま近くに置いてあったパイプを倒し、調自身もそのま
安静にしろと光聖希が言うもそれを聞かずに歩く調。
うとするが、調はそのまま立ち上がって歩こうとした。
そう言うと2人で袋に入ってる日用品からタオルと水を取り出そ
!
3人は目を伏した。
⋮⋮⋮
907
?
!
﹁⋮
﹂
だが、一行に鉄パイプが襲って来ない事に違和感を持つ切歌。
そして徐々に目を開けると、そこにはピンクで無数の六角形が1つ
に集まって出来たバリアが⋮張られていた。
それを見た切歌は何がどうなっているのかと困惑し、それを見た兄
弟も困惑せざるを得なかった。
そしてそれと同時刻。
﹁自然都会﹂の方でも⋮ある変化が起きていた事を⋮
この時の﹃フィーネ﹄並びに﹃二課﹄の面々は知らない⋮
908
?
#20 繋ぐ手と手/記憶の欠片
あれから目を覚ました調と一緒に、切歌はなにがあったかを調に悟
られないようにした。もちろん陰陽兄弟も切歌に口止めをくらって。
そうしながら4人はマリア達のいるヘリへと戻り、現在いる場所か
らステルス機能を使って飛行し飛び立った。
そして今はマリアがヘリの操縦を行っており、その隣の席では零の
パートナー﹃英雄﹄であるギンジが座って得物である斧型ドライバ︽ヤ
シャヒメ︾を抱えながら瞑想していた。
﹁⋮⋮﹂
一方、マリアはヘリを操縦しながら昼にナスターシャに言われた言
葉を思い出していた。
﹁自分はもうフィーネを演じる必要はない﹂という言葉、それは一体ど
ういうことなのか⋮⋮。
気配を感じて振り返りざまにアームドギアを振るうとそれがノイズ
﹂
から逃げ惑っている男性に当たってしまい、男性は苦痛の表情を見せ
た。
﹁っ
マリアはその出来事に一瞬戸惑いを見せてしまう。
また、陰陽兄弟の方では其々の得物でノイズを一瞬で炭化させつ
909
彼女は少しだけ数か月前の出来事を思い出していた。
∼回想∼
それはシンフォギアを纏い、訓練をしている時のこと⋮⋮、マリア
ベーシックフォーム
はガングニール、切歌はイガリマ、調はシュルシャガナを装着し、陰
陽 兄 弟 は 其 々 の 基本時の姿 に 変 身 し、ホ ロ グ ラ ム で 出 来 た 夜 の 街 で
ウェルの出したノイズと戦っていた。
︵挿入歌﹃鏖鋸・シュルシャガナ﹄南條愛乃︶
を放ってノイズ達を切り裂き、マリアと切歌も
調はツインテールのアームドギアから小型鋸を大量に射出して攻
α式 百輪廻
撃する技
"
ガングニールとイガリマでノイズを切り裂くが⋮⋮マリアは背後に
"
!?
つ、光聖希は更に得物である鞭や鎖で、逃げ惑う人々を確実に救い出
していた。
その時、ナスターシャからマリアの耳についた発信機から連絡が入
り、マリアは先ほど攻撃してしまった男性を庇うために襲いかかって
きたノイズをアームドギアで貫く。
﹃マリア、この通信はあなただけに繋いでいます。 調と切歌の2人
私にフィーネを演じろと⋮⋮﹂
には声は届いていません﹄ ﹁またあの話
う。
け止められなかった
今さら無理よ
!
﹂
フィーネの魂が宿る器として集められた孤児だけど、現実は魂を受
﹁無理よ
私達は﹃セレプターチルドレン﹄⋮
技術の先端を所有していることを示さなければならない﹂のだとい
はマリアの中にフィーネの魂が再誕したことにし、自分達こそが異端
ちの計画遂行にはウェルの助力が不可欠、彼をこちらに引き入れるに
どこか呆れたような声を出すマリアだが、ナスターシャ曰く﹁私た
?
HORIZON † SPEAR
ネルギー砲撃を放つ技
かるノイズを切り裂き、咄嗟にアームドギアの砲身部から高出力のエ
マリアがそう叫ぶと同時に彼女はアームドギアを振るって襲いか
!!
暗い表情を浮かべるマリア。様子を見ていたギンジはどう声をか
﹁っ、ごめんなさい⋮⋮﹂
﹁マリア⋮﹂
の元に駆け寄る。
すると近くにて瞑想をしていた﹃英雄﹄ギンジが、すぐさまマリア
る。
そこで訓練が終了し、ホログラムも解除されて周りは元の空間に戻
開いた。
撃は一般男性に直撃しその男性が消滅してしまい、それにマリアは見
ノイズに放ったつもりだった⋮⋮、だが、マリアの狙いが外れ、砲
"
910
!
それをノイズに向けて放った。
"
けようかと考えている時、そこに拍手をしながらウェルが踏みより、
彼が切歌と調の2人が立つ後ろに回り込むと切歌の肩に彼は手を乗
せ、切歌と調は不満そうな顔でウェルを見る。
﹁シンフォギアシステム、素晴らしい力だ。 そして適性の薄い君達
﹂
に力を授ける僕の改良したLINKERも、この力を持ってすれば英
雄として世界を⋮⋮くふふふふ
切歌の肩と調のツインテールを撫でながら不気味な笑顔を浮かべ
るウェル⋮⋮、そんなウェルにマリアも切歌と調同様に怪訝そうな表
情を浮かべ、一緒に特訓をしていた兄弟に至っては⋮
﹂
﹂
﹁汚ねえ手で嫌らしく切歌と調に触ってんじゃねえぞ、テメー
﹁今度はお前の身体を鎖で縛り付けて、首を刈り取るからな
!
たのか⋮⋮
︶﹂
﹁⋮⋮マムの言ったことか
﹂
の鍵が揃った今、どうしてマムはこれ以上嘘をつく必要がないと言っ
﹁︵﹃シェンショウジン﹄と﹃ネフィリムの心臓﹄、
﹃フロンティア﹄起動
のか疑問で仕方がなかった。
たのに、なのになぜ今になってフィーネを演じる必要がないと言った
そして時は戻り、現在⋮⋮マリアはあの時ナスターシャはああ言っ
∼回想END∼
そう思ったウェルはさっと切歌と調から手を離し離れた。
だが、これ以上やれば間違いなく自分になにかされる。
ていない。
げなかった。所詮はただの餓鬼の言いがかりだと、ウェルはそう思っ
がらそんな兄弟に対して﹁おー、恐い恐い﹂と言いつつも、警戒を上
激しい憎悪に満ちた目で兄弟はウェルを睨みつけ、ウェルは僅かな
!
アは驚きつつもギンジのその言葉に頷いた。
あ
の
野
郎
﹂
﹁Ms.ナスターシャにもなにか考えがあんだろ。 あんまり深く考
﹂
えなくてもいいんじゃねぇのか
﹁でも⋮⋮
﹁それより⋮Dr.ウェル、切歌と調にLINKER使った2人に異
?
911
!
不意にギンジがマリアにそう尋ね、自分の心を読まれたことにマリ
?
?
!
常がないか検査してたよな
あ の 野 郎
たな。
それに兄弟の方も試薬品を使ってい
ウェルが何かやらかさないようにちょっと見張ってくる﹂
それだけを言い残してギンジは瞑想をやめ、ヤシャヒメをボール型
のアイテムに変化させると彼は立ち上がってこの場をマリアに任せ、
マリアの呼びとめも聞かず彼はそそくさとその場を立ち去って行っ
た。
﹁もう少し話を聞いてくれてもいいじゃない⋮﹂
頬を膨らませてほんのちょっとだけぶーたれるマリアだったがす
ぐに彼女は気持ちを切り替えてヘリを操縦することに専念した。
ちなみにウェル達の元に向かっている途中、ギンジは⋮⋮。
﹁︵そういえば⋮
あの検査って切歌や調の事とか丸分かりなんじゃ⋮
⋮一回ぶん殴っとくか。あ、いや⋮斧で両断した方が早いな。
あの兄弟の為にも⋮。
それと⋮零の様子も、見に行くか⋮︶﹂
︶﹂
その頃、丁度検査の終えた切歌は⋮⋮、あの時自分の発動したバリ
あんなこと、どうして⋮⋮
アについてのことで思い悩んでいた。
﹁︵あれは、私のしたことデスか
!?
た。
奏が集められ、弦十郎から響のガングニールの話を聞くことになっ
そして今この場には弦十郎を含め、響,クリス,翼,霊風,ロック,
クリスを含めて響の身体の中の現状を教えることにしたのだった。
が今どのようになっているのか、これ以上彼女を戦わせないためにも
その頃、二課の治療室では目を覚ました響に、弦十郎は彼女の身体
ーーーーーー
分達の出来事のように苦悩していたのであった。
そしてそんな切歌の様子をただ2人は何も言わないまままるで自
?
912
?
﹁これが、響くんの身体のスキャナー画像だ。 体内にあるガングニールがさらなる侵食と増殖を果たした結果、新
たな臓器を形成している⋮⋮﹂
﹁前に見た画像よりも、酷くなってるな⋮⋮﹂
ロックがぼそりと呟き、それに対して弦十郎も﹁その通りだ﹂と頷
いた。
﹁これが響くんの爆発力の源であり、命を蝕んでいる⋮⋮﹂
﹁っ⋮⋮﹂
それを聞いたクリスはどこか悔しそうな表情を見せながら顔を俯
かせるが、その時響は少しだけ笑った。
﹁なははは⋮⋮、つまり、胸のガングニールを活性化させるために融合
してしまうから今後はなるべくギアを纏わないようにしろと⋮⋮あ
﹂
ははは⋮⋮﹂
﹁立花⋮⋮
無邪気に笑っている響に翼は怒鳴るように彼女の腕を掴むが⋮⋮
自分の命をもっと大切にしろ
翼よりも先に霊風が口を開いた。
﹁立花響
言っているんだ
お前にもしものことがあって悲しむ人のことを考えろ
寝言を口にするな
﹁霊風さんの言うとおりだ
なるべくだと
﹂
﹂
違う、少なくともこの現状をどうにかしない以上ギアを纏うなと
? !!
今後一切の戦闘を禁止すると言っているのだ
は必死に響に訴えた。
﹁このままでは死ぬんだぞ
立花
﹂
!!
防人嬢
﹁そんくらいにしときな
2人とも落ち着け
﹂
!!
2人の言ってること、分かるよな
﹂
﹁立花、霊風も翼もお前を心配して言ってるんだ。 !!
そこでクリスとロックが響と翼達の間に入って仲裁に入った。
!?
霊風と翼が響を怒鳴りつけ、翼に至っては尻眼に涙を浮かべて彼女
!!
!!
!!
!!
!!
?
?
913
!!
ギアをなるべく纏わないようにだと⋮
!!
ロックが心配そうに響に言い、響は眉を寄せて顔を俯かせながらも
﹂と翼に言い、翼は顔を響とクリスから背けて部屋の
ロックの言葉に無言で頷き、クリスは翼に﹁このバカだって分かって
やってるんだ
外へと出て行った。それを見ていた相方の奏は響を元気付けるとそ
のまま翼の後を追っていった⋮。
その後、苦虫を噛んだかのような態度で霊風も部屋から退室した。
﹁医療班だって無能ではない。 了子くんが残したデータを元に対策を進めている最中だ﹂
﹁師匠⋮⋮﹂
弦十郎は響に笑みを向けながら彼女の頭に手を置く。
﹁治療法なんてすぐに見つかる。 ﹂
その僅かな時間ゆっくりしてても罰は当たるものか
だから、今は休め
﹁分かり⋮ました⋮﹂
!
かった⋮
その事を、響と未来,逝都と馬燈の4人に知らせる訳には行かな
言う事に。
自分達の仲間⋮人絆憑友の余命があと1週間しか生きられないと
ていた⋮
だが、響以外の皆はそれと同じ悲しみをもう1つ既に知ってしまっ
戸惑いつつも響は玄十郎にそう返事を返した。
!
彼等にとって、憑友は⋮掛け替えのない⋮
︽幼馴染︾だから⋮
914
!
ーーーーーー
同じころ、マリア達の乗っているヘリは目的地の座標ポイントに到
達し、操縦席には操縦を行っているマリアは勿論、ウェル,ナスター
シャ,切歌,調,ギンジ,陰陽兄弟⋮全員︵内1人は﹃英雄﹄︶が集め
られていた。
そこでナスターシャが﹁マリア、お願いします﹂とマリアに伝える
とマリアは頷き、ヘリからプロペラのついた物体﹁シャトルマーカー﹂
シェンショウジン
が幾つか射出されてまるでなにかを囲むように並んでいく。
﹁ステルスカット、 神 獣 鏡のエネルギーを収束﹂
シェンショウジン
ナスターシャがそう言うとヘリはステルス機能を解除する。
﹁長野県﹃皆神山﹄より出土した神 獣 鏡とは鏡の聖遺物、その特性は
光を屈折させて周囲の景色に溶け込む鏡面明細と古来より魔を払う
シェンショウジン
915
力⋮
⋮聖遺物由来のエネルギーを中和する神 獣 鏡の力を持ってしてフ
ロンティアに施された封印を解除します﹂
シェンショウジン
とどのつまり、この海の底に沈んでいる﹁フロンティア﹂と呼ばれ
るものを呼び出すために、
﹁神 獣 鏡﹂と呼ばれる聖遺物のエネルギー
をあのシャトルマーカーに向けて放ち、そのフロンティアを起動させ
るためのエネルギーを増幅させ、フロンティアを呼び起こそうという
のだ。
そしてナスターシャがそのエネルギーを発射するためのスイッチ
に手をかけた時、ウェルがナスターシャの腕を掴んだ。
﹂
﹁フロンティアの封印が解けるということはその存在を露わにすると
いうこと。 すべての準備が整ってからでも遅くないのでは
﹁心配は無用です﹂
?
そうしているとギンジはウェルの首根っこを掴んで引っ張り、彼を
﹂
ナスターシャから引き離す。
﹁ほら、邪魔だ退け﹂
﹁あなたはいつも⋮⋮
!!
マリア達と違っていつも自分をぞんざいに扱っていながらも、自分
が憧れていた﹃英雄﹄の1人・ギンジをウェルは睨みつけるが、ギン
ジは知らん顔で⋮と言うより興味のきょの字さえも湧き上がってこ
な い ギ ン ジ は ウ ェ ル と 顔 を 合 わ せ よ う と し な か っ た。一 発 く ら い
殴ってやろうかと思ったがマリア達の力が自分にも必要なことは事
実なため、ウェルは我慢して気を静めた。
そしてナスターシャはエネルギーを発射し、フロンティアを起動さ
せようとする。
﹁ふふっ、これで⋮⋮フロンティアに施された封印が解けるぅ⋮⋮。
と・け・るぅ∼♪﹂
しかし、実際はフロンティアはほんの少し動いた程度で後は泡立て
﹂
ただけで止まってしまい、フロンティアの封印が解けることはなかっ
た。
﹁解け⋮⋮ない⋮⋮
これはナスターシャが今の自分たちにはフロンティアを起動させ
ることができないことをウェルに知らしめるためであり、ナスター
シャ曰く﹁機械的にエネルギーを増幅しただけでは封印は解けない﹂
とのこと。
﹂
それを聞いたウェルは歯をギリギリで噛みしめてかなりの不機嫌
ぐいいいいいい∼
そうな表情を見せていた。
﹁いいいいいい
ーーーーーー
とが判明していた。
う遠くない未来に月が落下してくることがほぼ確実に近いというこ
一方、二課ではオペレーター達の調べによりウェルの言っていたそ
たのは言うまでもない。
そしてギンジも冷静でいながら地味に笑いを堪える顔を見せてい
そんなウェルの顔を見て密かに心の中で笑う兄弟と調だった。
!!?
916
?
﹃︵︵︵ぷっ、変な顔︶︶︶﹄
!!
翌日、東京スカイタワーにてマリアとナスターシャは米国政府の
エージェント達とある取引をするためにそこへと向かっていた。
尚、今回はボディーガードとして、
狼の姿をした﹃英雄﹄⋮
︻鋼の守護獣 ザフィーラ ︼も同伴している。
因みにスカイタワーに進入した際は人間体で入り、人目が無いエレ
ベーター内で馴染み深い狼の姿になっていた。
マ リ ア は ナ ス タ ー シ ャ の 車 椅 子 を 押 し な が ら マ リ ア は ナ ス タ ー
シャに﹁フィーネを演じる必要がない﹂とは一体どういうことなのか
を尋ねていた。
﹁言葉通りの意味です。
私達がしてきたことはテロリストの真似ごとにすぎません。
﹂
﹂
真に成すべきことは月がもたらす最悪の被害をいかに抑えるか。
⋮⋮違いますか
﹁つまり、今の私たちでは世界は救えないと
そしてナスターシャとマリアが取引先の部屋に入るとそこには黒
服でサングラスをかけた数人の男性達が立っており、このことをマリ
アは知らされていなかったのか少しだけ戸惑ってしまう。
ナスターシャは﹁講話を彼等に持ちかけるために召集した﹂とマリ
アに説明した。
﹁Dr.ウェルには既に話しています。 さあ、これからの大切な話をしましょう﹂
そんな2人の会話をザフィーラはただ付き添いながら黙っていた。
ーーーーーー
その頃、同じくスカイツリーを訪れていた響は、未来と一緒に今は
水族館を一緒に見て回っていた。
因みに今回はそれに加えて、セイバーとヴィヴィオの2人も同伴し
ていた。
彼
女
マ ス ター
2人の場合は未来の制止を振り切ってまで行こうとする響の更な
彼
女
るブレーキ役としているのだが、セイバーの魔術師である﹁士郎﹂と、
ヴィヴィオの母親である﹁なのは﹂から許可を得ているので、実質お
917
?
?
休み同然のような物だった。
因みに何故現界し続けているかと言うと、未来にも﹃現界ブース
ター﹄を所持しているから。
ただ此方のは、霊風
今は未来は飲み物を買いに行き、響は水槽の前で1人考え事をして
いた。
そんな響の様子をセイバーとヴィヴィオが少し落ち込みながらそ
の様子を見ていた。
そしてそんな3人の様子を影から見つめる2人の人物⋮ロックと
クリスがいた。
﹁おい、ロック義兄
﹂
なんであたし達がこんなコソコソとしなくちゃいけねえんだよ
あのバカを見張るんだったらもっと堂々と⋮⋮
﹁いや、俺達も行ったらどちらかと言ったら邪魔になるだけだ。 立花は小日向と2人っきりにした方がきっと良いと思った事。
そ れ に セ イ バ ー と ヴ ィ ヴ ィ オ は 立 花 達 に と っ て は 頼 れ る 存 在 だ。
そっちの方が立花だって落ち着ける筈さ﹂
今にも響のところへと飛び出して行こうとするクリスをそう言っ
てロックが抑え、クリスは不満そうにロックを見つめてそんな不機嫌
ただ、あいつ等のこと⋮よく知ってるなと
そんな不機嫌そうな顔して⋮﹂
な顔をするクリスにロックはほんのちょっとだけ戸惑った。
﹁⋮如何したクリス
﹁別に、なんでもねーよ
思って⋮⋮﹂
・
・
・
礼だと思いながらもついつい笑ってしまった。
﹂
・
?
﹁な、なに笑ってんだよ
////﹂
﹁いや、クリス⋮もしかしてヤキモチ⋮なのか
﹁なあ
﹂
クリスはそう言いながらそっぽを向き、ロックはそんなクリスに失
!
!?
918
!
?
!
?
ロックに図星を突かれてしまい、顔を真っ赤にしてしまうクリス、
!!?
当然そんなことを言えばクリスが怒るかもしれないとロックは思う
が⋮
実際はまた違う方向にクリスは顔を真っ赤にしていたのはまた別
の話。
﹁あいつ等のことをよく知ってる方には当てはまらないさ。
よく考えてみろ
俺とクリスが憑友達と出会ったのはほんの数ヶ月前のあの邂逅か
らだろ。
⋮憑友がよく喋ってくれていたんだ。
彼奴の自慢話を聞かされる身にもなって貰いたいぐらいに憑友は
立花と小日向の事をよく知っていた。幼馴染と言うレベルを越して
るぐらいにな﹂
﹁⋮そう⋮なのか⋮﹂
そんなやり取りをコウマとクリスがしているとはつゆ知らず、響は
翼に言われた﹁このままでは死んでしまう﹂という言葉を思い出して
いた。
﹁︵死ぬ、戦えば死ぬ⋮⋮。考えて見れば、当り前のこと⋮⋮。
でも、何時か麻痺してしまってそれはとても遠いことだと錯覚して
いた⋮⋮。 戦えない私って誰からも必要とされない私なのかな⋮︶﹂
そんなことを考えていた響の頬に突然ひんやりとした感触が伝わ
り、
﹁うひゃああああああ ﹂とついつい大きな声を出してしまい、そ
話。
﹂
!?
そんな響に未来から注意された。
﹁だだだだ、だってこんなことされたら誰だって声出ちゃうって
私
﹂
尚、その際に2人が危うく尾行がバレそうになったことはまた別の
の影響で周りのお客さん達が響にびっくりした。
!!!?
不満な顔をして未来は響にそう言い、そしてその残りの2人である
919
?
﹁響が悪いんだからね﹂
﹁えっ
?
﹁だって、折角4人で遊びにきたのにつまらなさそうにしてるから﹂
?
ヴィヴィオとセイバーも不満な顔を見せていた。特にヴィヴィオに
至っては頬を膨らませてまるでフグのような顔付きまでしていた。
そのことに響は﹁ごめん﹂と申し訳なさそうにして謝る。
﹁心配しないでぇ
﹂
今日は久しぶりのデートだもの
楽しくない筈がないよ
かもしれない⋮。
﹁デートの続きだよ
せっかくのスカイタワー
﹂
!
た。
セイバーは一応こう見えて王様である。
クリスはロックに手を差しのべられて彼女は戸惑いつつもその手
﹁あ、あぁ⋮⋮﹂
行くぞ。クリス﹂
﹁さて、俺達も立花がギアを纏わないように見張らないとな。
た。
一方が幼馴染同士なのに此方は謂わば﹃王﹄と﹃姫﹄そのものであっ
そしてヴィヴィオは聖王と呼ばれた少女の複製体。
ク ロー ン
めた。その後をセイバーはヴィヴィオと手を繋いで2人の後を追っ
そう言って響は笑顔を未来に向け、彼女の手を取って2人は歩き始
⋮丸ごと楽しまなきゃ
ていたな⋮まぁ結局は合コン紛いな結末になったけど﹂と言っていた
因みにもしこの場に逝都がいたら、﹁翼さんの時もデートって言っ
思ったそうだ。
それを遠くから見ていたロックとクリスは2人同時に同じことを
﹃︵︵あっ、やっぱりそういう仲なんだなあの2人⋮︶︶﹄
!
!
!
を取ると、ロックの先導で響と未来の後を追いかけた。
920
!
!
ーーーーー
一方でとある森の中にヘリを止め、調は出来たカップ麺を味見す
る。
﹁うん、思った通りの味が出た﹂
カップ麺で思った通りの味ってなんだ⋮⋮と思うかきっとなにか
工夫かなにかしたんだろう。
近くにいた光聖希はそう感じたそうな⋮。
また、ヘリの外では切歌が膝を抱えて座っており、彼女は自分の中
にいるかもしれないフィーネの魂について思い悩んでいた。
アがフィーネというのは⋮⋮︶﹂
﹁⋮切歌、そろそろ飯⋮あっ⋮////﹂
そろそろ昼ごはんの時間なのを教えにきた闇呪怨は不意に顔を反
なんで顔を背けるデスか
﹂
らし、いきなり顔を反らしたりして一体どうしたのかと首を傾げる切
歌。
エ ジュ
﹁闇呪
?
⋮⋮っ
////﹂
﹁お前⋮膝を抱えたらスカート⋮///﹂
﹁スカート
!!?
!
まあ、でも今回は許してあげるデス⋮⋮﹂
﹁結局見たんじゃないデスか
見たと言っても一瞬っていうか⋮﹂
?
!!
﹁いやいやいや
で首を横に振った。
にして﹁み、見たのデスか ////﹂と問いかけると闇呪怨は全力
切歌は闇呪怨に言われて慌ててスカートを抑え、彼女は顔を真っ赤
?
921
﹁︵もしも私に、フィーネの魂が宿っているのだとしたら⋮⋮私の魂
は、消えてしまうのデスか
?
私がフィーネの魂の器だとするとマリ
あっ、ちょっと待つデス
!
?
﹁⋮あぁ、すまな⋮って。切歌
﹂
﹂と誤魔化
そんな時、闇呪怨は切歌の様子がなにかおかしいことに気づき、切
歌はそれにドキッとして慌てて﹁な、なんでもないデス
それを抱き抱えるかのように太い木の枝の上に居座っていた。
尚、やはりまた得物である斧型ドライバ︽ヤシャヒメ︾を展開して
その様子を木の上で昼寝をしていたギンジは微笑んでいた。
闇呪怨と切歌はお互いに微笑み合った。
﹁そっか﹂
少し気が楽になったデスよ﹂
﹁心配してくれてありがとうデス、闇呪。 俺はお前の事を大切にしているから﹂
お前の決心がつくまで言わなくていいさ。
﹁まあ、慌てることじゃないんなら⋮
ほど言い辛いことなのだと感じた。
顔を俯かせ、口ごもってしまう切歌、そんな切歌を見て闇呪怨はよ
﹁⋮ありがとうデス、闇呪。 けどこれは⋮⋮﹂
エ ジュ
悩みならきっと真面目に聞いて力になってくれる筈だ﹂
﹁俺だけじゃない、調やマリア,ギンジさんに聖希,マムだってお前の
すると闇呪怨は切歌の肩にそっと手を置いて、話しかけた。
切歌はその事できっと悩んでいると闇呪怨は考えた。
無数に集まって出来たバリア。
先日、切歌が調を救おうとした時に発生したピンクで六角形の形が
﹁︵⋮先日のあのバリアの件を引きずってるのか⋮︶﹂
と言うよりも、彼自身も今の切歌の心境に心当たりがあった。
た。
すが⋮正直言って闇呪怨から見てなんでもないようには見えなかっ
!!
﹂
そこに調が昼ごはんの準備が出来たことを2人に知らせにきた。
﹁ありがとデス
なにを作ってくれたデスか
﹂
922
?
?
!
!
﹂
﹁298円⋮⋮
﹁御馳走デス
!!
それを聞いた瞬間、ギンジは一瞬、姿勢が崩れ、危うく落ちそうに
なるがなんとか踏み留まり、口元を押さえて尻眼に涙を浮かべた。
﹁︵こいつ等にいつかちゃんとしたもの食わせてやりたい⋮
︶﹂
異端技術の入ったチップをエージェント達にマリアが渡し、ナス
場所は戻り、スカイタワーのマリア達のいる部屋では⋮⋮。
ーーーーーー
た。
そう心の中で呟いていた事をこの時の皆は知らなかったのであっ
れない⁉
と言うよりも、憑友とか言っていた奴の配慮がまだ良かったかもし
!
﹂と唸り声
ターシャが次の話題に移ろうとしたその時、エージェント達は突然拳
銃を取り出してマリア達に銃口を向けた。
それに気付いた﹃英雄﹄ザフィーラは﹁グルルルゥゥ
﹂
を上げて威嚇し始めた。
﹁マム
!
﹁初めから、取引に応じるつもりはなかったのですか
ト達へと襲いかかる。
﹁う、うわああああああ
﹂
﹂
ント達は気づき、窓をすり抜けて部屋に侵入したノイズがエージェン
そんな時、窓に飛行型のノイズが何体も飛んでいることにエージェ
後は不必要なものを片付けるだけ⋮⋮﹂
﹁必要なものは手に入った。 取引に応じるつもりはなかった。
ナスターシャの言うとおり、米国政府のエージェント達は最初から
?
を使い、ノイズを呼び出して操っているもの、
このノイズ達はスカイタワーから離れた場所でウェルがソロモン
!!!?
923
?
﹁あなたの歌よりも、銃弾は遥かに早く、躊躇なく命を奪う﹂
!!
マリアはすぐさま聖詠を詠った⋮
﹁Granzizel bilfen gungnir zizzl
⋮﹂
そ し て マ リ ア は ガ ン グ ニ ー ル を 纏 う と を 口 ず さ み な が ら 槍 型 の
アームドギアで邪魔なノイズ達を一気に一掃し、ナスターシャを抱え
てすぐにここから脱出した。
その際、エージェントに渡したチップを破壊して。
そしてマリアの行動を察したザフィーラはマリアの後を狼の姿で
後を追いかけた。
︵挿入歌﹃烈槍・ガングニール﹄日笠陽子︶
またスカイタワーの展望台に来ていた響,未来,ヴィヴィオ,セイ
バー,クリス,ロックもノイズが目の前で飛行しているところを目撃
し、人々は逃げ惑う。
﹂
﹂
﹂
未来は走りだそうとする響の腕を掴み、彼女を行かせないように引
行かないで響
き止める。
﹁待って
﹁この手を離さない
貴方はヒビキを止めて置いて下さい
﹂
!
になっていたヴィヴィオがやって来た。そこに泣きながら歩く子供
このままじゃ
!
の姿が響達の目に入り、響は未来と向き合う。
﹁胸のガングニールさえ使わなければ大丈夫なんだ
﹂
俺達も⋮⋮
!
﹂
﹁クリス
﹁あぁ
!!
﹂
!
924
!
するとそんな2人の所に礼装を纏ったセイバーと既に大人モード
﹁私達が助けに行くから
﹁ミク
そう必死に響に訴える未来。
遠くに行って欲しくない
﹂
!!
﹁未来⋮⋮だけど行かなきゃ
!!
響を戦わせたくない
!!
!!
!!
!
!
!
そう言って響達はあの子供を追いかけて走り出した。
!
だがその時、飛行ノイズ達が一斉にあの子供とその子の元に行こう
とする響と未来に向かって真っすぐと襲いかかってきた。
ロックはこのままではまずいと悟ったのか、すかさずカードを二枚
と﹃現界ブースターα﹄を取り出して連続スキャンした
ー
ーロード・トゥ・シグナム
するとロックはすかさずノイズに向けて弾丸を2発放った
﹂
すると弾丸は徐々に姿を変えて、2人の女性へと変わった
した
﹂
シグナムさん
﹁フェイトママ
﹂
﹁此処は任せて
﹂
﹁自分のやるべき事を全うしてくれ
﹂
!
!
﹂
﹂
!
フォギアを纏っていた。
﹁あんまり動くんじゃねぇぞ
﹂
﹁⋮ああ言っているが、フェイトは如何したい
﹁ふふ。大丈夫だよ、シグナム。
!
あの子、ちゃんと考えて撃っているから﹂
﹂
?
!
﹁そうか。なら、お構い無しに動くとしよう
﹂
そう言うとロックはすかさず響達の後を追い、クリスは既にシン
﹁了解した﹂
﹁分かりました
﹁空中のノイズをクリスと共に
2人に言われたヴィヴィオはそのまま響達と共に行動を開始した。
即ち、空中戦は得意分野であると言う事である。
イトに至ってはもう1人のママである︶。そして共に空戦魔導師⋮
2人は共に同じ世界出身で、ヴィヴィオにとっては知り合い︵フェ
︻迅雷の執務官 フェイト︼と︻烈火の将 シグナム︼
﹁はい
﹂
2人は其々の得物⋮前者は斧型の杖で、後者は刀でノイズを斬り伏
﹁はぁっ‼
﹁はぁぁぁぁ
!
!
!
ー
ーロード・トゥ・フェイト
!
!
!
!
925
!
?
!
!
!
そんな2人の会話にクリスがツッコミを入れていたのだが、2人は
全く聞く耳すら立てていなかったのはこの際如何でも良い事である。
﹂
﹂
そして響と未来は先ほどの子供の少年を連れて少年を励ましなが
ら親を探し回る。
﹁ほらほら、男の子が泣いてちゃ、みっともないよ
﹁みんなと一緒に避難すればきっと会えるからきっと大丈夫だよ
﹂
いだああああああああ
﹂
﹁⋮⋮私のせいだ、全ては、フィーネを背負い切れなかった⋮⋮私のせ
マリアは銃で撃たれて死んだ一般人達を見つめていた。
がらマントを伸縮自在に操って軍人を叩き飛ばす。
いたが⋮⋮それに一般人も巻き込まれ、それにマリアを目を見開きな
者達からの攻撃を受け、マントで銃撃をナスターシャを庇って防いで
その頃、マリアは上の階に逃げている途中、軍隊の人間と思われる
﹁響
井が崩壊し、未来は慌てて響を突き飛ばした。
響と未来も避難しようとするがその時ノイズがビルを突き破って天
るように言って係員と少年はすぐにその場から離れ、少しだけ遅れて
そこに係員と思われる人物が少年を抱きかかえ、響と未来も避難す
?
?
﹂と叫んでしまう。
!!
てえええええええ
うろたえるな、行け
﹂
﹂
それを見ていた生き残っていた一般人達は⋮⋮恐怖のあまり﹁助け
なり、防御魔法で一般人に被害を及ばさない様に動き始めた。
その様子を見ていたザフィーラは人々を守る為に人型の姿になる
で軍人を叩きつけた。
そう叫びながらマリアはマントで軍人を吹き飛ばし、アームドギア
!!!!
マリアはナスターシャを抱えてアームドギアを天井に向けて掲げ
だ言葉だった。
あの時、ライブ会場でも言ったその言葉は⋮⋮自分に向かって叫ん
﹁は、はいいいいい
﹁うろたえるな
!!!!
!!
!!
926
!!
る。
﹁もう迷わない
一気に行って見せる
響⋮⋮﹂
﹂
因みにあの騒動の際に、セイバーとヴィヴィオは共にタワーへと侵
だが寸前のところで未来が響の腕を掴んだ。
れてそこでバランスを崩した響が崩壊した壁から落ちてしまう⋮⋮
未来がなにかを言おうとしたその時、突然彼女たちの足場が強く揺
﹁うん、あのね
﹁ありがとう、未来、助かったよ﹂
来にお礼を言う。
また、響と未来はどうにか助かることが出来、響は助けてくれた未
その後を、ザフィーラは防御魔法を駆使しつつ、2人の跡を追った。
彼女は進んでいく。
アームドギアを回転させてマリアは跳びあがり、一気に最上階まで
!!
はやく手を離して
﹂
入してきたノイズ達を相手にしていた為、其方に手が伸ばせずにい
ここはもう持たない
﹂
!!
た。
﹁未来
私が響を守らなきゃ
! !!
今日はもう少しだけ、私に頑張らせて﹂
必死に腕を掴む未来に響は微笑んでそう伝えるが、未来は涙を流し
ながらも必死に腕に力を入れて響を掴む。
だが、
そしてそれと同時にセイバーとヴィヴィオがノイズの掃討を終え
るなり、直ぐさま2人の元へと急行した
﹂
﹁私だって⋮⋮守りたいのに⋮⋮
響いいいいいいい
!
!
地面へと落下していく。ノイズに時間を取られ過ぎたのだ。
そして⋮⋮響の﹁左腕﹂はするりと未来の右手から抜け落ち、響は
!!!!
﹂
そして彼女⋮響は聖詠を口ずさみ、ガングニールを纏って地面に着
今行く
地した。
﹁未来
!!
927
!!
!
いつか、本当に私が困った時、未来に助けて貰うから⋮
﹁未来⋮⋮。 ﹁ダメ
!! !!
!!
その時、未来のいた場所が煙をあげて大きな爆発を起こし、それを
見た響は眼を見開いて未来の名を叫んだ。
﹃速報です‼
ニュースを見ていた。
﹂
そしてリビングでは、セレナの義父であり、憑友の実父⋮玄也が
其処ではセレナが部屋の掃除をしていた。
此処は﹁自然都会﹂に位置する憑友の実家。
スカイタワーが爆発する前。
ーーーーーー
響の虚しすぎる絶叫がスカイタワー周辺に響き渡っていた。
﹁未来うううううううううううう
!!!!!!
つい先程、東京スカイタワー周辺に大量のノイズが確認されました
?
繰り返します
速やかにシェルターへと避難して下
スカイタワー周辺にお住いの皆さんは速やかにシェルターへと避
﹄
難して下さい
さい
﹁⋮﹂
!
!
﹂
ピキンッ
それを見たセレナは最初、不思議そうな顔をしたが、突然⋮
2人。計5人が写っている写真であった。
覆った女性の3人と、ピンクの髪の少女とオレンジ色の髪をした少女
い瞳と蒼い瞳と言うオッドアイの女性と、紺色で右眼をアイパッチで
其処に写っていたのは、今となんら変わりはしないジャンヌと、紅
を取ったセレナはその写真を見た。
すると不意に書棚の隙間から一枚の写真がはみ出ていたので、それ
意気揚々と楽しく掃除をするセレナ。
友の実母⋮ジャンヌの部屋を掃除していた。
そんな中でセレナは、次の掃除場所として、自身の義母にして、憑
だった。
ニ ュ ー ス の 内 容 を 聞 い た 玄 也。そ の 顔 か ら は 悔 し い 思 い で 一 杯
!
﹁あぐっ
!
928
!
ただいま⋮⁉
セレナ⁉
﹂
何かに刺激されたか、突然の頭痛に頭を抑え始めたセレナ。
﹁セレナ∼
?
?
た。
﹁この写真を見たからなの⋮⁉
﹂
置いてあった写真を見て、ジャンヌはまさかと言う予感を感じさせ
ジャンヌは直ぐに容態を確認した。それと同時にセレナの近くに
抑えながら、悶え苦しんでいる様子を目の当たりにした。
その直後にジャンヌが帰宅し、部屋に入ると其処にはセレナが頭を
?
ジャンヌの問いに答える者は居なかった。
929
!
#21 セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ
ーーーーーーSIDEtoセレナ
うぐぅ⋮あ、頭が⋮痛い⋮‼
あの写真を見てから、息も苦しくなって来た⋮‼
⋮セレ⋮セレナ
﹄
たった一枚の写真で⋮如何して
﹃⋮レ⋮⋮ナ
私の名前を呼んでいる
此処は何処
⁉
﹄
!
た。
如何やら起こしているようだった。
﹃う∼ん⋮あともう少し⋮zzz⋮﹄
⋮私の名前
あの子は私の事を知ってるの⋮
﹃駄目よ。セレナ。もう直ぐお母さんがやって来るわよ﹄
セレナ
?
ピンクの髪の少女が、オレンジ色の髪をした少女に話しかけてい
其処には先程の写真に載っていた2人の少女がいた。
不意に聞こえてきた声に私はその声がした方向⋮後ろを振り返る。
﹃起きて、セレナ
そうしていると、
私は混乱していた。其処は全く知らない筈の場所だから。
?
?
!
?
!
?
・
・
・
・
・
・
マリア姉さん⋮﹄
マリア⋮姉さん
すると突然、周りの景色が真っ暗になった。
えて言うならそのまま小さくなっていたような姿をしていた。
容姿は、あの歌姫﹃マリア・カデンツァヴァナ・イヴ﹄と同じ。敢
?
﹃むぅ∼⋮まだ寝足りないよ∼⋮
そしてその子はピンク髪の少女にこう言った⋮
目を擦って起き上がった。
そうするとオレンジ髪の少女がこのまま寝続けるのを諦めたのか、
?
930
?
何が起こったの
﹃大丈夫だよ。私﹄
え
そして不意に聞こえて来た声に私は辺りを見渡す。しかし其処は
何も無い、黒で染められた無の世界⋮
すると何かの気配を感じた私はそのまま後ろを振り返ると、其処に
は先程のオレンジ髪の少女が其処に立っていた。
それと同時に頭の痛みもすぅ∼⋮と消えていた。
﹁貴方は⋮﹂
﹃まだ記憶が思い出せていないんだよね。もう1人の私﹄
もう1人の私⋮それだけで、彼女が私自身である事を悟っていた。
そしてそれが幼い頃の自分だと言う事も。
私はその事実を突き付けられて、何故か﹁ごめんなさい﹂と謝って
いた。
だけど、其処にいたもう1人の私は首を横に振った。
﹃大丈夫だよ。仕方が無いもの。
﹄
でも、貴方と言う存在を取り戻せるのが今しか無いの。
だから⋮よく見てて欲しいの。
貴方が無くしてしまった記憶を⋮思い出を⋮
そう言われた少女は私の隣に来た。
﹁あのオッドアイの女性は
﹂
アイの女性の事を知ろうとした。
私はジャンヌ義母さんの事は知っていたので、代わりにあのオッド
その女性には私も見覚えがあった⋮ジャンヌ義母さんだった。
そしてそんな3人の所に1人の女性がやって来た。
していた。
幼い頃の私が言ったマリア姉さんなる存在と一緒に楽しい食事を
と
其処には先程の写真に載っていた紅と蒼のオッドアイをした女性
するとまた今度は別の視点からの思い出を見せてくれた。
!
﹃ソロ・カデンツァヴァナ。私⋮この場では貴方もだけどね。
?
931
?
それと、マリア姉さんの本当のお母さんだよ。
そして、貴方がの義理の母であるジャンヌさんの⋮妹なの﹄
そうか⋮その人が私の本当のお母さんなんだね。
そしてジャンヌ義母さんは、実は私にとっては叔母さんで、ジャン
ヌ 義 母 さ ん に と っ て は 私 は 姪 っ 子 だ っ た。謂 わ ば 親 戚 同 然 の 関 係
だったんだ。
﹂
私はそう思っていた。けど、隣にいたもう1人の小さな私は深刻な
顔をしていた。
﹁⋮如何かしたの
その問いに幼い私はどう説明すれば良いのか、困惑していた。
だけど知りたい。何故、自分の実の母親を見て、なぜそんな顔しか
しないのかを。
すると意を決してくれたのか、幼い私は口を開けた。
﹃⋮お母さんは、私が10歳の時に⋮亡くなったの﹄
亡くなった⋮
如何して
だ、だって、まだ記憶の中ではあんなに活き活きとしているじゃ無
い⁉
その頃の私は全く知らなかったの﹄
⋮そうだったのね。
不死の病か。もしこの場にジャンヌ義母さんがいたら、どれだけ心
強かったのか。
﹃マリア姉さんはこの事を知っていた。
だから、お母さんとの別れの際に、私を抱き寄せて一緒に泣いてく
れたの。自分が無力だったばかりに。それは私も同じ事だったんだ
けどね﹄
そう言われながら、周りの景色はいつの間にかその母親の埋葬が行
われていた。
因みにこの際に父親が誰なのか聞いたら、
﹃憶えていない﹄と言われ
た。なんでって聞いたら、
﹃自分を産んだ直後に、戦争地に赴いて、帰
らぬ人になってしまった﹄と、幼き頃の私がそう告げた。
932
?
?
﹃当時流行りの不死の病にこの時から既に侵されていたの。
?
つまり、当時の私とマリアさんは両親が居ない⋮身寄りの無い孤児
になってしまったと言う事であった。
そして周りの景色はまた別の場所へと映し出されていた。
其処には先程の風景よりも何やら機械的な施設内にいた。
其処には少し背丈が大きくなった幼い私とマリア姉さん。そして、
写真にも写っていたアイパッチをした女性が、電動車椅子に乗って、
話をしていた。
﹃彼女はナスターシャさん。お母さんとジャンヌさんの事を娘のよう
に可愛がってくれた存在。そしてそれは私達姉妹にも愛情を注いで
くれた人⋮﹄
ナスターシャ。小さい私はそう言ってくれた。
そうか⋮この人が⋮
そう思って横に目を向けると、其処には私がいるのだが⋮何故だろ
う。やけに大きくなったのではと錯覚していた。
﹃あ、これ
周りの景色と同じ時系列の体型にしないと、私維持できなくなるか
ら﹄
と、言ってきたので私は何故か納得した。何故だろう
それは兎も角、私は景色の様子を見た。
トを渡された。
﹁あれは⋮聖遺物のギアペンダント
﹂
そしてとある日の風景にて、ナスターシャさんが私に赤いペンダン
?
そしてそれと同時に幼い私は聖遺物を纏った。
n⋮﹄
﹃Seilien coffin airget│lamh tro
る物⋮聖詠を詠った。
そう言う中で、景色の中の私は聖遺物を起動する為のパスワードな
だよ。それも先天性のね﹄
﹃うん。貴方も昔は、響ちゃん達と同じ︽シンフォギア︾装者だったん
た。
それは翼ちゃんやクリスちゃんが持っているギアペンダントだっ
?
933
?
﹃アガートラーム。私の力を最大限に発揮できる聖遺物。
尤も、今は手持ちには無いんだけどね﹄
そう言う中で私はその様子をじっくり見ていた。
そして今度はあくる日の様子が映し出されていた。
其処には大勢の男の子が小さい私を相手に虐めをしていた。
マリアさんはその時は不在だった。
﹃今の私にしては可笑しいかもしれないけど⋮この日、私は運命と出
会ったの﹄
⋮運命⋮Destiny⋮響きは良いかもしれないけど⋮不安で
しかない。
そう感じて俯いて居たら、先程までの暴力していた男の子達の1人
が私の足下に飛ばされてやって来た。
其処で顔を上げると、其処には1人の少年が私を庇って、そして拳
レディーファーストって言うのを知らないらしいな
から血が流れていた⋮
﹃お前等
だったら、俺が教え込ませてやる⋮掛かって来いよ﹄
そうだ⋮この子だ⋮この子は私にとって、初恋の相手だったんだ⋮
磨かれていた⋮
少年が言った台詞⋮私はその言葉で摩耗していたであろう記憶が
﹃気にするなよ。﹃漢たる者、弱き者を救え﹄なんだよ﹄
﹃あ、ありがとう⋮///﹄
で小さかった頃の私が受けた傷口に張った。
すると男の子を退治した少年はそのまま、懐に忍ばせていた絆創膏
⋮そうだ⋮この時からだ。
ううん⋮この感覚⋮前にも味わっている⋮
それを見た私は胸が焼ける様な痛みをし始めた。
してそのまま反撃した。
だけど、少年は動じる事も無く、寧ろ全ての攻撃を受け止めて、そ
げた。
その少年の挑発をまんまと掛かった男の子達は一斉に拳を振り上
?
!
そう思っていたら、当時の私がその子に自己紹介した。
934
!
よろしくな
セレナ
﹄
!
ぶらい レイ
無頼零
﹄
!
﹃私⋮セレナ。セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ﹄
レイ
///⋮うん
﹃俺の名は零
﹃⁉
!
⋮はっ⁉
俺は何を言って⋮⁉
達も同じだった。
うわぁ
﹄
その瞬間に眩い閃光が襲いかかった。それは記憶を巡っている私
それを見た零はそのカードに手を触れた。
ると同時に一枚のカードが現れた。
すると、石板が光輝き、それが一点に集中し、そしてその光が消え
?
その身に﹃無﹄の力が有り続ける限り⋮﹄﹂
しかし少年は幼馴染を、仲間達を守る為に行動せん。
しかし、悪戯し神の仕業により、
﹃英雄﹄と言う名の鎖に繋がれん。
に、その野望を打ち壊さん。
赤き炎を灯した少年,青き水を留めた少年,翠の風を纏う少女と共
少年は自らの幼馴染である存在⋮
やがて大いなる野望が訪れた⋮
それ故にその者の中に眠りし力は﹃無﹄の力となる。
﹃その者は全てにおいて興味を持たない少年だった。
﹃﹁詠唱開始。
その﹃英雄﹄の軌跡をなぞった物語を。
すると零はその石板に触れて、感じたのか⋮詠唱を放った。
当時の私の時から﹃英雄石板﹄は貴重だったんだ。
そうだ⋮あれは間違いない。﹃英雄石板﹄だ。
そしてそんなある日、彼は1枚の石で出来た板を持ってきていた。
その後、マリアさんと零が出会って、賑やかな生活になって行った。
だから迂闊に手を上げられなかったんだ。
た。
実は彼はこの施設内の男の子達を統率する兄貴のような存在だっ
その日を境に虐めは無くなっていた。
れたんだ⋮
そうだ⋮あの子の言動、態度。⋮そして何よりもその笑顔に私は惚
!
!
?
935
?
やがて光が消え、零はカードがあった場所を見て凝視した。
其処に居たのは、
焦げ茶色のフード付きダウンジャケットに、黒のズボンを履いた⋮
﹄
銀と黒が交じった髪を生やした少年だった。
﹃お前は一体⋮
﹃ギンジ。そう呼ばれている﹄
それが零と﹃英雄﹄ギンジとの出会いだった。
まるで義理の弟の憑友とキリトのような関係になっていた。
そしてその日から時間の流れが過ぎて行った。
時間の流れが速くなったのは私にとっては逆に良かったのかもし
れない。
当時の私はそれを見て欲しく無いとの事だったけど、時間の流れを
速くしている際に一瞬だけ見た景色を見て、それは納得してしまっ
た。
たくさんの子供達がこの施設に入ったのは良いが、この施設から出
て来た者は1人もいなかった。何故なら其処で何かの実験をしてお
り、私達はその実験のサンプルになっていたから。
それをみた私は当時の私が見て欲しく無い理由も分かった。
確かに今の私ではその光景を見れば、そのまま嗚咽や吐き気に襲わ
れてしまうからだ。
只でさえかつての私でさえも苦しんだのに、記憶が欠けていた私が
完全聖遺物
ネフィリム﹄と呼ば
その光景を見れば間違い無く精神的にも体力的にもどっちも持って
行かれる事に変わりは無かった。
そして最悪の日が訪れた。
研究者が実験にしていた物⋮﹃
"
る﹃絶唱﹄と呼ばれる︽シンフォギア︾の切り札を使おうという事に。
その一言で今の私は気づいた。それは人体にかなりの負担をかけ
それを聞いた当時の私は、﹃私、歌うよ﹄と突然言い出していた。
い﹄だと当時のナスターシャさんが言っていた。
これは﹃歌を介さず、強制的にネフィリムを起動させてしまったせ
れていた存在が暴走を始めたのだ。
"
936
?
﹃やめて、セレナ
下手をすれば絶唱は命にも関わるかもしれない
れないの
﹄
﹃そんな賭けみたいな
!
﹃⋮っ﹄
だから、大丈夫だよ
﹄
みんなが死ぬのは、嫌だから⋮。 ﹄
でも、ここにいる人たちを、救うためだから。 ﹃心配してくれて有難う。 で引きとめた。
私はマリア姉さんに向けて微笑み、それでも姉さんは私の腕を掴ん
りたいと望んだのは、私なんだから⋮﹄
ギアを纏う力は、私が望んだ力じゃないけど、この力でみんなを守
私だけじゃない、だから、なんとかなる
﹃F.I.S.﹄の人たちがなんとかしてくれる。 る。 ﹃⋮その時は、マリア姉さんと此処には居ない零がなんとかしてくれ
もしそれでネフィリムを抑えられなかったら⋮⋮
﹄
﹃私の絶唱でネフィリムを起動する前の状態にリセットできるかもし
⋮、しかし、私は⋮。
当然、マリアさん⋮ううん。マリア姉さんは私を止めようとした
!
!
である聖
"
ー G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e
そして私は歌った、ネフィリムを止めるために﹃絶唱﹄を⋮⋮。
遺物﹃アガートラーム﹄を纏ってネフィリムのもとへと向かった。
を約束し、私はそれに笑顔で頷くと〝白銀のシンフォギア
ギンジさんがそう言ってきたので、私は頷きつつ必ず帰ってくる事
る。お前の帰る場所が此処にはあるんだから﹄
﹃必ず、生きて帰ってきてくれ。お前の事を待ってくれている人がい
た。
のパートナー契約を果たしたばかりの﹃英雄﹄ギンジさんが立ってい
私は今にも泣き出しそうな姉さんの頬を撫で、そして近くには零と
?
937
!
!
!
nal⋮
E m u s t o l r o n z e n f i n e e l b a r a l z
izzl⋮
G a t r a n d i s b a b e l z i g g u r a t e d e n
al⋮
Emustolronzen fine el zizzl⋮ー
その歌は力強く⋮同時に悲しい気持ちになる唄だった⋮
結果、
﹃絶唱﹄の力でネフィリムは起動する前に狙い通りリセットさ
れた。
﹄﹄
だけど、
﹃絶唱﹄の威力で周辺が破壊され、私の周りには炎が巻き起
こっていた。
﹃﹃セレナ⋮⋮
マリア姉さんとギンジさんがセレナのもとへと駆け寄ろうとする
が、炎で中々近づくことができなかった。
﹄
﹃実験はただじゃないんだぞ ﹄
﹃無能共め
﹄と心無い
マリアは助けを求めたが、研究者たちは﹃貴重な実験サンプルが自
滅したか
!
!!
ふざけんじゃねぇ
﹄
あなた達を守るために血を流したの
言葉しか吐かず、ギンジそんな研究者たちを睨みつけた。
﹄
﹃どうしてそんなこと言うの
は私の妹なのよ
!!
り返り、マリアとギンジは私の元へと行こうとするが、瓦礫が2人の
元に降り注ぎ、それをナスターシャが身を呈して庇った。
色が見えず、ただ白と黒と灰色の謂わばモノクロのような光景。
そんな中で、周りは火の海になっていた。
﹄
そして瞳から⋮血が流れていた⋮
﹃セレナーー
そう考えていたら、天井が崩壊しながら此方に迫ってきていた。
そうだ⋮これはあの時の悪夢だ。
⋮マリア姉さんが私の名前を言ってきた。
!
938
!!
﹃お前達の方がよっぽどの屑じゃねえかよ‼
?
!!
そんな中、私は目や口から血を流しながらマリア姉さんの方へと振
!
!
怖かった⋮けど、足が動かない⋮
﹃大丈夫か
セレナ
﹄
もう此処までなんだ⋮そう思っていたら、何かに引っ張られた。
すると私の天井もとうとう崩れてきた。
まるで金縛りに遭っているかのように。
!
させる。
﹃貴方はどうするの⁉
?
⋮レイーーー‼
まった。
﹃
﹄
そして抜け道から出られたと同時に、抜け道が完全に塞がれてし
そう促すように言われ、私はそのまま先に行ってしまっていた。
だから、それまで⋮生きててくれよ﹄
﹃後で必ず追いつく
﹄
を崩壊した天井の抜け道らしき物に目を向けて、私をその中へと入れ
だけど、零は私をそのまま身体の方へと引き寄せると、そのまま私
周りはもう火の海。逃げ場なんて無かった。
すると零の前方で天井が崩壊した。
私はこの人の事が⋮好きだったから。
だったんだ。
悪夢では拒絶反応が無かったけど、今思い返せばそれは当然の事
そう考えていたら零が当時の私の手を握り、一緒に歩く。
何故零が此処に居たのかは定かでは無かった。
それは私が惚れた存在⋮零だった。
何方かと言うと男の子と言う感じが一番適当だと思う。
よく見ていたら、かなり身長が短いけど、目先は私とほぼ同じ。
男の声だった。心が安らかになっていた。
!
!
?
もう会えなくなったなんて⋮嫌だった。
そんな中でも私はその施設から抜け出し、
そして施設から抜け出て約300mを歩いた所でそのまま倒れた
⋮
939
!
私は愛している人の名前を叫んだ。
!
そして⋮
﹃女の⋮子
⋮⁉
⋮血が出てる
﹄
其処にはまだ幼さが残っていた私の義理の弟⋮憑友が其処にいた。
﹄
そして時の流れが消え、周りが黒くなった。其処から先は﹃セレナ・
カデンツァヴァナ・イヴとしての記憶﹄としてでは無く⋮
﹃人絆セレナ﹄としての記憶になっていたから。
﹃⋮これが貴方が今の今まで無くしていた記憶の欠片⋮
ごめんなさい。もう1人の私。
本当はもっと速く教えておかないといけないと思ったのに⋮
そう言いながらもう1人の私は涙を流していた。
﹄
私はずっと1人ぼっちだと思っていたけど、そうじゃない⋮
私の事を娘のように可愛がってくれた人がいる。
マリア姉さんと言う大事な家族がいる。
だけどそれは間違いだった。
それに今の今まで私はずっと1人だと思っていた。
そのおかげで、今の私と昔の私が結び付いたんだよ。
﹁昔の私が今の私に教えてくれた事は決して無駄じゃないから。
﹃⋮⋮え⋮
﹁ありがとう﹂って。
そして言いたかった⋮
それを見た私はそっともう1人の私を胸に引き寄せて抱き寄せた。
!
﹄
﹂
私の周りにはちゃんと私の事を大事にしてくれている人達がすぐ
目の前に居たんだって﹂
﹃もう1人の私⋮﹄
﹁だからこれだけは言わせて
これからは一緒に歩もう。
⋮うん‼
!
?
セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ
﹃‼
?
﹃セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ﹄である幼い頃の私の魂が1つに
940
?
!
?
?
そう言うとすぅ∼と﹃人絆セレナ﹄である今の私の魂と、
?
なっていった⋮
それと同時に光が入り込んだ⋮
彼処に私の帰る場所がある⋮
それとさりげながらも、セレナの瞳の奥底には、
﹁誰かを守りたい﹂
長しているよ。
て、私はそれを受け取ると涙を拭いた。ソロ⋮貴方の娘はちゃんと成
それに気付いたダーリンはさりげなく懐からハンカチを渡してき
思っていると言ってくれた事に私は涙を流していた。
そ し て 今 の 自 分 は ジ ャ ン ヌ が 義 理 の お 母 さ ん で あ る 事 を 誇 り に
出来たから。
たし、何故発見当初にあんな大怪我を追っていたのかもこれで理解が
セレナもやっぱり大変な目にあっていたと言う事が何よりも知れ
その後、詳しい話を聞いた私。
アの妹に戻ったと言う事を意味していたから。
記憶が戻ったと言う事は、この子はあの子⋮ソロの娘であり、マリ
になっていた。
その一言を聞いた私はその発言に対して、嬉しさ半分、寂しさ半分
﹁私⋮記憶が戻ったよ⋮﹂と。
するとセレナを抱き締めていた私にセレナは耳元でこう言った。
私はそれだけで嬉しかった。
れたから。
何故ならその後、セレナの容態は安定して、そして目を覚ましてく
けど、如何やらそれは杞憂に終わってしまった。
来ないかと思っていた。
そして激しい頭痛のような痛みに悶え苦しむセレナに私は何も出
た彼⋮玄也に頼んで、ソファにセレナを寝かせた。
突然倒れたセレナを見た私はすぐに居間の方へと向かい、寛いでい
ーーーーーーSIDEtoジャンヌ
そう言うと私はその光の先へと走って行った。
今度はもう置いて行かないよ。もう1人の私⋮
!
と言う強い意志を見せてくれた。
941
!
!
それを感じたのか、私のダーリンである玄也は、
﹁2人で話し合いな
さい。僕は尊重するから﹂とやや投げやり的言動にちょっとイラつく
も、彼なりの気遣いであると言う事は確かだったからそれは有難く受
け止めた。
そして玄也が居なくなり、居間には私とセレナの2人きりとなっ
た。
そして私はこうなる事を予感していたのかもしれないと思うと、そ
のまま胸から赤いペンダントを取り出し、セレナに手渡した。
﹁⋮これは⋮﹂
﹁ナスターシャ⋮マムが私を逃す為に託してくれた聖遺物︽アイギス︾
が入ったペンダントよ。
女神の盾
の代名詞。
尤も、私はその力を上手く扱えなかったんだけどね﹂
︽アイギス︾
又の名を︽イージス︾とも呼ばれる
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ラーム︾を﹃防御﹄として使っていたと言っていた。
マムの話では、セレナはヌアザが使用していた聖遺物︽アガート
無い機能生粋の防御力を生む聖遺物として重宝されている。
・
その性質は﹃防御﹄⋮要するにこの聖遺物は他の聖遺物にはあまり
"
﹂
なら、この生粋の﹃防御﹄を誇る︽アイギス︾はまさにセレナにとっ
て不足は無いのである。
﹁⋮アイギス⋮
⋮そっか。そんな時期になったのね。
心の底からこの子の聖詠が聞こえてきた⋮
!
り、それをセレナに渡す。
﹂
﹁⋮行って来なさい﹂
﹁え
貴方のその瞳から私は感じたよ。
﹁貴方の思い⋮マリアちゃんに届かせて
て元気いっぱいに、
﹂
その言葉を聞いたセレナは涙を浮かべながらも必死に堪えてそし
!
942
"
そう言うと私はマムが今度行くであろう場所が描かれた地図を作
!
?
﹁はい
﹂
﹁行ってきます﹂
﹁気をつけてね﹂
﹂
﹁うん。⋮必ず帰ってくるね
憑友と一緒に
レイアさん
﹂
き、セレナは髪を抑えると上空から翠の竜が降りてきたのだ
﹁
だ
ダーリン程じゃないけど、飛ばして行くわよ
﹂
!
するとレイアは翼を地面に付けた。
﹁︹乗って
﹁ありがとう
︺﹂
リオレイア⋮又の名を︻陸の女王︼がセレナの元へとやって来たの
セレナの相談役である者⋮
それは憑友のピンチに助けてくれる火竜・リオレウスの妻にして、
!
!
玄関から出たセレナはそのまま走ろうと思ったら、そのまま風が吹
ーーーーーーNO SIDE
憑友の命はもう⋮
⋮ごめんなさい。セレナ⋮
まった。
そ う 言 う と セ レ ナ は そ の ま ま 玄 関 の ド ア を 開 け て 出 て 行 っ て し
!
!
と返事をするとすぐに身支度を済ませて、玄関に立った。
!
根っこの所に跨がる。
そしてレイアはそのまま助走を付けて飛翔した
己が⋮3日も眠っていた事に⋮
セレナはまだ気付かない⋮
その間に事件は一刻と過ぎていた。
すのであった。
セレナはそのまま地図に書かれていた場所・フロンティアへと目指
!
そ う 言 う と セ レ ナ は レ イ ア の 背 中 に 生 え て い る 棘 よ り も 上 ⋮ 首
!
!
943
!
!
!
#22 英雄故事
ーーーーーーNO SIDE
﹁未来⋮⋮﹂
スカイタワーの未来のいた場所が爆発し、それを唖然と見つめてい
る響⋮⋮。
そんな彼女は、未来の名前を静かに呟きながら彼女との思い出⋮⋮
喧嘩してしまった時のことや、ルナアタック事件が終わった後に、一
緒にようやく流れ星を見た時のことを思い返していた。
響はその場に膝を突いてしまい、ガングニールの装着を解除し、そ
の場で彼女は泣き崩れてしまった⋮⋮。
﹁なんで⋮⋮こんなことに⋮⋮うぅ、ひっく⋮⋮﹂
そんな時、飛行ノイズの何体かが響目掛けて襲いかかり、間一髪の
ところでシンフォギアを纏った駆け付けた翼とクリスと奏,︽精魂導
﹂
﹂
すると不意に奇襲を仕掛けてきたノイズに2人は隙を突かれそう
俺の所に集めてくれ
になるが、それは霊風にカバーされた。
﹁何体か﹃特異型﹄が混じってる
C U T I N C U T O U T
を地上にいるノイズ達へと撃ちま
クリスは腰部アーマーを展開し、追尾式小型ミサイルを発射する
挿入歌︵﹃Bye│Bye Lullaby﹄高垣彩陽︶
それを聞いた2人は即座に頷きながら飛行ノイズ達に撃ち放つ。
!
を蝕んでいきやがる
!!
!
やってくれるのは⋮⋮どこのどいつだ
︶
︵少しずつなにかが壊れて狂っていきやがる⋮⋮ あたしの居場所
くる。
"
!
"
ら、赤い槍を空へと向け放つ
すると同時に大量の槍へと変わり、そのまま無数のノイズが炭に
!
そしてそんなクリスとは対称的に奏は二本の槍を巧みに操りなが
!!
944
師︾の姿の霊風がノイズを撃ち抜き、切り裂き、貫いた。
﹁立花
﹂
!!
響のことを翼に任せたクリスと奏はノイズ達へと戦いを挑む。
﹁そいつは任せた
!!
なっていく⋮
あたしは⋮⋮
︶
﹂
なんだ、悪いのはいつもあたしのせいじゃねーか。 ⋮⋮
︵どうして⋮⋮あたしがソロモンの杖を起動させちまったばっかりに
次々と撃ち抜く。
クリスはそのままノイズの殲滅に集中し、ガトリングでノイズ達を
銃弾を直に喰らって炭になって行った。
射される銃弾でノイズ達は反撃する暇もなく、クリスにガトリングの
さらにそこへクリスがガトリングに変形したアームドギアから発
﹁お前かああああああああああ
!!!!!?
ーSTARDUST∞PHOTONー
!
﹂
と自分のせいであると⋮⋮。
﹁っ⋮⋮
を2体の巨大飛行ノイズへと放ち、直撃を
クリスはギアから大型ミサイル2基を生成し、砲撃を行う
MEG
全部⋮⋮自分のせいであるとクリスは感じていた⋮⋮、ずっとずっ
てもソロモンの起動させしなければ被害は起こることはなかった。
自分ではなく、他人が使い、ノイズによる被害を出したからと言っ
イズの被害はずっと自分のせいだと。
そう、クリスはずっと感じていた⋮⋮、ソロモンで呼び出されたノ
!!
"
バー達が現場での調査を行い、響は二課の車の中で顔を俯かせながら
そう言ういざこざの最中、二課の弦十郎や緒川といった二課のメン
で爆発が起きて、未来達を助けられなかった事を悔やんでいた。
その理由は未来達を救おうと奮闘したものの、助けようとした直前
クは何も言い返せ無かった。
その後、ロックがシグナムとフェイトに支えられて来た。だがロッ
事を口には出さずに気付いたのであった。
その様子を見た奏は何も言わずにただクリスの様子が変だと言う
﹁はぁ、はぁ⋮⋮﹂
受けたノイズは撃墜し、それで全てのノイズをクリスは全滅させた。
A DETH FUGA
"
!!
945
!!
座っていた。
︶
︵絶対に離しちゃいけなかったんだ⋮⋮。 未来と繋いだこの手だけは⋮⋮
響は未来と握っていた左手を見つめながら、あの時未来の手を離し
てしまったことをずっと後悔していた。
そして自分の事を少なからず助けようとしてくれた﹃英雄﹄⋮
セイバーとヴィヴィオも未来と一緒だった。
﹃英雄﹄と言えどもその根本は紛れも無い人間である。
例外にサトシと共にいるピカチュウ達のような不思議な生物と共
存している者がいれば、
レウスやドラムのような特殊な環境で育ったモンスターも少なか
らず存在している。
だが、それを除いたら﹃英雄﹄達の殆どが人間である事に変わりは
無い。
あの爆発をくらえばその結末は⋮目に見えていた。
﹁温かいもの、どうぞ﹂
そんな響の元に二課のオペレーターのあおいがコーヒーを持って
響に差し出し、あおいは響に優しく微笑みながら彼女にコーヒーを渡
し、響はそのコーヒーを受け取った。
そしてコーヒーを受け取った響は遂に我慢ができなくなったのか、
彼女は涙を流し、泣きだしてしまった。
﹁でも、私にとって1番温かいものは⋮⋮もう⋮⋮ひっく、ふう⋮⋮﹂
イ
バー
マ ス ター
フェイカー
そんな響の様子に響の近くにあった2枚のカードはそんな響に何
も言わなかった。
﹁⋮セイバー⋮﹂
セ
﹁ヴィヴィオ⋮﹂
聖
王
アルトリアの魔術師にして贋作者 衛宮士郎。
ヴィヴィオのママにして、空戦魔導師⋮高町なのは。
そんな2人が見据えた先に2人が大事にしていた者が居るかどう
か⋮分からなかった。
946
!
ーーーーーー
一方、﹃F.I.S.﹄のメンバーの乗るヘリの中では⋮⋮
あの時、スカイタワーで何人かの兵を手にかけてしまったマリア
は、そんな自分に怒りを覚えて拳を窓に強くぶつけた。
﹂
﹁この手は血に汚れて⋮セレナ、私はもう⋮
うわああああああ
﹂
マリアに⋮⋮﹂
﹁それは僕からお話しましょう
﹁なにがあったんだ
ナスターシャがギンジの腕を掴み、首を横に振った。
そんな彼女を心配し、皆を代表してギンジが声をかけようとしたが
彼女は大声で泣き出してしまう。
そのことに、マリアは悔しさと悲しさの気持ちでいっぱいとなり、
!
﹁マム
﹂
としたのですよ
﹂
の命を救いたいという私達の遂行なる理念を⋮⋮米国政府に売ろう
﹁ナスターシャは10年を待たずに訪れる月の落下より1つでも多く
たのかをウェルはなにも知らない5人に話し始めた。
そこにウェルが現れてギンジ,陰陽兄弟,切歌,調に一体なにがあっ
!
﹂
るが、ウェルの話は続き、彼は﹁それだけではありません﹂と今度は
切歌と調にマリアの器にフィーネの魂が宿ったというのもデタラメ
であることを切歌と調に話し、マリアは切歌と調に振り返らないまま
窓を向いたまま2人に謝罪した。
﹁ごめん⋮⋮2人とも⋮⋮ごめん﹂
﹂
マリアの表情はギンジ達からは伺えなかったが、恐らくはきっと泣
いている⋮⋮5人はそう感じた。
﹁マリアがフィーネじゃないとしたら、じゃあ
!!
947
!!!!
?
ウェルの話を聞いた調と切歌はナスターシャに確かめようと尋ね
﹁本当なのデスか
!
!?
?
﹁僕を計画に加担させるためとはいえ、あなた達まで巻き込んだこの
裏切りは⋮⋮あんまりだと思いませんかぁ
だな
﹂
﹂といった感じで
﹂
あなたは人の話を聞いてたんですかぁ
一応は﹂
それでマリア、このボケメガネの言ってることは⋮⋮本当⋮⋮なん
勝手に言ってろボケメガネ。 ﹁でも失敗したら元も子もないだろ。 これは立派な裏切りだと言ってるんですよぉ
﹁はああ
マムもなにか考えがあったんだろ
結果的にこっちの情報は渡らなかった。
﹁まあ、俺は別に気にしないけどな。 表情1つ変えなかった。
責めるように言うが⋮⋮ギンジは﹁だからなんだ
ウェルは笑みを浮かべながらそんな風にマリアとナスターシャを
よ﹂
折角手に入れたネフィリムの心臓も⋮⋮無駄になるところでした
?
いかけにマリアは﹁本当よ﹂と頷き、切歌と調には自分がフィーネで
はないことを話し、人類救済の話も一時棚上げしようというのもすべ
て本当であると話す。
﹁マムは、米国政府にフロンティアに関するデータを渡して協力を仰
ごうとしたの﹂
﹁だけど、米国政府とその協力者は自分たちだけが助かろうとしてい
るって⋮⋮﹂
﹂
﹁それに、切り捨てられる人達を少しでも守るため世界に敵対してき
た筈デス
﹁あのまま講話が結ばれてしまえば私達の優位性は失われてしまう。
る言葉を返すことに。
たが、ナスターシャはそれには答えず、代わりにウェルの言葉に対す
マリアの言葉を聞いて切歌と調はナスターシャに訳を聞こうとし
!!?
948
?
?
?
!!
?
ギンジの問いかけに窓の方を向いていたマリアは振り返り、彼の問
?
だからあなたはあの場でノイズを召喚し、会議を踏みにじってみせ
た﹂
そんなナスターシャの言葉にウェルは不気味に口元だけ笑みを浮
かべさせる。
﹂
﹁やだな∼、悪だつな米国の連中からあなたを守ってみせたというの
に⋮⋮このソロモンの杖で
ウェルはソロモンの杖をナスターシャに向け、切歌と調は身構え、
兄弟は懐に忍ばせていたアブソーバーを取り出し、そしてギンジは銀
のボール型アクセサリを取り出すが⋮
﹂
⋮そこにマリアが両手を広げてギンジ達がウェルに手出ししない
よう、彼女はウェルを庇ったのだ。
﹂
そうでなくなっちゃ
﹁マリア⋮⋮どうしてデスか
﹁ふ、ふははははは
﹁偽りの気持ちでは世界を守れない
セレナの想いなんて告げやしない
!!
しない
﹂
世界を変えていけるのはドクターのやり方だけ
ならば私はドクターに賛同する
全ては力⋮⋮力を持って貫かなければ正義を成すことなどできや
!
述べてきた。
﹁そんなの嫌だよ⋮⋮。 ?
からねー﹂
さて、計画の軌道修正に忙しくなりそうだ、来客の対応もあります
い。 ﹁あとのことは僕に任せて、ナスターシャはゆっくり静養してくださ
スターシャは咳きこんでしまってなにも言うことができなかった。
がフィーネではなくマリアとしての選択ならばと言い、それ以上はナ
またナスターシャはマリアの言葉に﹁分かりました﹂と言い、それ
だってそれじゃ力で弱い人達を抑え込むってことだよ
﹂
先に調がマリアの言うその﹁ウェルの考え﹂に否定的な自分の意見を
このマリアの行為は、ギンジ達にとっては意外なものであり、真っ
!!
949
!
!?
!
!
!
!!
ウェルはそれだけを言い残すとギンジ達のいる部屋から出て行き、
自分の仕事を行うことに。
一方、ヘリの中のとある場所では⋮⋮檻の中に閉じ込められている
未来とセイバー,ヴィヴィオの姿があった⋮⋮。
﹁⋮⋮響⋮⋮﹂
そしてそんな未来に対して⋮
﹁セイバーさん⋮﹂
﹁大丈夫ですよ⋮︵今の私では⋮シロウ⋮信頼しています。必ず助け
に来てくれる事を⋮︶﹂
セイバーとヴィヴィオもまた未来の気持ちを察したのか、それ以上
言う事は無かった。セイバーはその内なる願いを、今はいない最愛の
人に向けてそう心の中で助けを求めたのであった⋮
余計なお世話だっての⁉
﹂
?
⋮此処はファミレスだ。
親子連れが多いんだ。少しは弁えろ﹂
﹁うぐっ⋮﹂
950
ーーーーーー
夕方頃、クリスは翼と奏,霊風とロックを誘い、店︵と言ってもファ
﹂
ミレスなのだが︶でクリスはスパゲッティを頼んで食事をしていた。
﹁なんか頼めよ、奢るぞ
﹁はあ
レディーとしての対応も出来ていない﹂
﹁クリス、いい加減食べ方をもう少し治せ。
リスの顔を見て呆れていた。
クリスは口の周りをスパゲッティで汚しており、ロックはそんなク
?
﹁そうやってすぐカッとなる所もアウトだ。
!?
そして翼はというと顔を窓の方に向けて横を向き、先ほどのクリス
の申し出を断った。奏も手を振りながら苦笑いしながら遠慮してい
た。
﹁生憎、夜9時以降は食事を控えている﹂
﹁私も⋮今日は流石に⋮食欲湧かないんだ﹂
﹁そんなんだから⋮⋮そんなんなんだよ﹂
﹁あー、なるほど。 ﹂
そう言えばクリスちゃんって、ロックが太るって注意してるのも聞
かないで夜遅くになんか食べたりしてるんだよな
///﹂と顔を真っ赤にして霊風の顔面を殴
﹂
!!
のは此処だけの話。
﹁っというか雪音、貴様はなにが言いたい
怒って翼は立ち上がり、帰ろうとする。
用がないなら帰るぞ
だが、ロックの不意打ちチョップだけは何故か真面に食らっていた
る事など造作も無いのである。
霊風は風の使い手⋮風の軌道だけでひょいっとクリスの拳を避け
ろうとしたが、
﹁どこ見てんだコラぁ
見ているクリスの胸が原因であると考え、それに気づいたクリスは
夜遅くに食物を食べても太らないクリス、その原因は全部今霊風が
﹁でも太らないのは全部そっちに行っちゃってるからなのか⋮⋮﹂
﹁⋮ああ。何度言っても言う事を守らんじゃじゃ馬だ﹂
?
?
かった。
それを見たクリスは翼を眼で見上げながら﹁怒ってるのか
いかける。
﹁愉快でいられる道理がない
﹂と問
それに気づいた奏が翼を抑えようとするが、全く持って効果が無
!?
﹂と強く叩きつけ、顔を俯かせ⋮⋮
!!
そんな翼を見てクリスはそこでようやく翼を呼んだ要件を言うこと
翼は両手をテーブルに﹁バン
⋮そして⋮⋮仲間を守れない私の不甲斐なさを想えば⋮⋮﹂
﹃F.I.S.﹄や、立花に憑友⋮
!
951
!!
に。
﹁呼びだしたのは、一度一緒に飯を食ってみたかっただけさ。 腹を割って色々と話し合うのも悪くないと思ってな。 あたし等何時からこうなんだ
⋮⋮﹂
なのか
﹂
﹁⋮確かにあるな。
そして霊風はロックと男同士で話したい事があると言うと、そのま
それを見た奏はクリスに詫びを入れるとそのまま翼の後を追った。
クリスの制止の声も聞かずにそこから立ち去って行ってしまった。
そして翼はそのまま立ちあがってバイクのヘルメットを手に持ち、
ラは首を傾げているが、シノンはそれに憤慨しているのだとか⋮。
因みにミラとシノンに対しては﹃フィーネ擬き﹄と言っており、ミ
まぁ尤もアーチャーは真名では無く、仮名なので対象外なのだが。
はフィーネとアーチャーくらいしか知らなかった。
ロックも知っている限りではクリスが人のことを名前で呼んだの
強いせいか、未だに呼び捨てでは無いのだとか。
の限りでは無いが、如何せんロックは自分の義理の兄と言う感覚が根
以外の人も﹁お前﹂や﹁アンタ﹂と呼ぶことが多い。ロックはまだそ
実際に、クリスは人のことを響の場合は﹁バカ﹂と呼んだり、それ
事は無いな﹂
俺の場合もロック義兄と呼んでいるからな。名前だけで呼ばれる
・・
⋮なぁ、ロック。もしかしてクリスって人の名前を呼ぶのって苦手
﹁そーいやぁ、クリスは中々名前で呼ぶ事はしないよな
﹁はあ
そ、それはお前⋮⋮////﹂
﹁腹 を 割 っ て 話 す な ら い い 加 減 名 前 く ら い 呼 ん で 貰 い た い も の だ
んでクリスの言葉を遮った。
そこまでクリスが言いかけたところで翼が﹁雪音﹂と彼女の名を呼
連携をとって﹂
目的は同じ筈なのにてんでバラバラになっちまってる⋮⋮もっと
?
まレシートを持って、クリスを置いてそのまま店を後にした。
952
?
!?
?
結果的に今の状況はクリスが先程言った通り、
﹃バラバラ﹄に散って
しまったのだった。
﹁結局話せずじまいか⋮⋮。 でもそれで良かったのかもな⋮⋮﹂
そう呟いたクリスは置いてあったコーヒーを飲み、
﹁苦いな⋮⋮﹂と
呟くのだった。
ーーーーーー
翼
﹂
そして店から出てきた翼はそのままバイクに跨がり、この場から去
ろうとした。
﹁おい、待てよ
!
﹂
つ
の
聖
遺
﹂
物
﹁現状は最悪。﹃F.I.S.﹄が月の公転軌道を修正しようにも、どう
ていた。
一方、霊風とロックもまたファミレス近くのコンビニにてたむろし
ーーーーーー
そう不安を煽るような言葉しか浮かべられなかった。
﹃︵この状態が続けば⋮︶﹄
ゲイ・ジャルグ&ゲイ・ボウの使い手⋮オディナは⋮
2
そ ん な 2 人 の 亀 裂 を 感 じ た 奏 の ペ ン ダ ン ト に し て、
その様子を奏は何も言い返せなかった。
にした。
そう言うとバイクのエンジンを掛け、そのまま翼はバイクで店を後
⋮ごめんなさい⋮奏﹂
だ。
⋮だけど、仲間を護れない者に︽防人︾としての私が許されないん
﹁済まない奏。
奏の口から聞いた言葉に対して翼は、
のか
﹁翼の事は大体の予想は付く。けど、あの態度は良くないんじゃない
﹁奏⋮﹂
すると後を追って来た奏に止められた。
!
対応すれば良いのか⋮
!
953
?
﹁⋮フロンティア﹂
ロックが自分達の現状に痛手を負っていた。
テ ロ リ ス ト
﹂と呟き返し
響の戦線離脱、憑友の意識不明、
﹃フィーネ﹄を名乗った武装組織の
考え。
そんな思考が行き交う中、霊風の言った一言に﹁何
た。
すると霊風はロックに話した。
﹁フロンティア。
前世の記憶を頼りにしている俺が得た最善策だ。
この事は風鳴のおやっさんにすら話していない事だ﹂
そう言うと霊風はロックにその﹁フロンティアに関する情報﹂を与
えたのであった。
ーーーーーー
翌日、二課の司令室に呼び出された憑友以外のメンバー。そこには
勿 論 馬 燈 と 逝 都 も い る。彼 等 は 既 に 先 日 の ス カ イ タ ワ ー の 件 は
ニュースを聞いて、響が未来を助けられ無かった事に対して、2人は
響を咎める事はしなかったものの、それ以来響と会話はおろか視線す
ら遠ざけていた。
そんな中、響は弦十郎から1つのトランシーバーを手渡され、弦十
郎はそれが調べたところ、間違いなく未来のものであることを話し
た。
しかもその発見場所はスカイタワーから離れた場所⋮⋮つまり、あ
の爆発には未来は巻き込まれていないという証拠であり、未来が生き
ている証拠だった。
﹂
﹁だが、何者かによって連れ出され、拉致されていると見るのが妥当な
それってつまり
ところだな﹂
﹁師匠
﹂
弦十郎は響達の方へと振り返って笑顔を見せ、未来が無事なことが
﹁こんなところで呆けている場合じゃないってことだ
!!
954
?
!!
!!
幼
馴
染
2
人
分 か っ た 響 は 嬉 し そ う に 笑 顔 を 見 せ た。そ れ を 見 た 逝都と馬燈 は 今
までの冷戦のような喧嘩はなんだったのかと思えるぐらいに少し朗
らかになった。
そんな響の笑顔を見て奏は彼女に﹁よかったな、響ちゃん﹂と声を
良かった⋮⋮未来⋮⋮﹂
かけた。
﹁はい
﹁だが、まだ安心はできないぞ、立花。 ﹂
彼女⋮小日向を助け出さなければ⋮⋮﹂
﹁えぇ、絶対に未来を助け出します
りしていたが。
﹁大丈夫かクリス
﹁あ、あぁ⋮⋮﹂
﹂
く疲れた顔をして1番走るのも遅く、若干ロックがクリスを心配した
ただその中で1人⋮いや、訂正。2人⋮クリスと奏だけは既に物凄
先ずは走ることにした。
になり、ロック,霊風,馬燈と逝都,クリス,翼,響,奏,弦十郎は
それから弦十郎の提案で気分転換に身体でも動かそうということ
!!
﹁な、なにを
////﹂
クリスが離れないようにしっかりと彼女の手を握り締めた。
このままではクリスが自分たちから離れてしまうと思い、ロックは
?
え
何時したのかって
詳しくは無印のエピローグで
﹂
﹁︵今一瞬、メタな発言が聞こえて来たような気がしたが⋮ま、いっか。
!
?
実はこの2人⋮前にも言ったかもしれないが、婚約済みである。
一方、奏の方には霊風が付き添っていた。
のは言うまでも無い。
そう言われたクリスの顔は俯いていたが、茹で蛸の様になっていた
﹁クリスが、置いて行かれそうだからな⋮﹂
!?
?
だけど、翼や響ちゃん達が頑張ってるのに、私が黙ってい
それよりも⋮︶久々のトレーニングだから苦労してるのか
﹁かもな⋮
!
955
!!
?
るのは可笑しいから⋮な
﹂
霊風の問いに対して奏は諦めようとは思ってもいなかったようだ。
それを心配しそうに見ていた霊風は杞憂で良かったとそう思った。
因みに⋮特訓指導者である弦十郎は走りながら﹁英雄故事﹂という
曲を歌っており、それにすかさずクリスがツッコミを入れる。
﹂
﹁なんでおっさんが歌ってんだよ
っていうかこれなんの歌だ
!?
部中国語なのだから⋮⋮。
﹁﹃英雄故事﹄ねぇ⋮
?
俯いてきゃダメだ
︶
︵私はまだ⋮立ち上がれるんだ⋮
!
そう思いながら、奏はクリスとは逆の思考を巡らせていた。
今はこの2振りの槍⋮仲間を助ける為に
︶
全ての運動が終えたクリスは、そんなことを考え、感じていた。
は、ここは⋮⋮暖か過ぎんだよ︶
︵ど い つ も こ い つ も ご 陽 気 で ⋮⋮ あ た し み た い な 奴 の 居 場 所 に し て
ないにも関わらず。
1番疲れた顔をしていた⋮⋮他のメンバーは殆ど顔色1つ変わって
色々な運動をすることになったのだが⋮⋮やはりクリスと奏だけが
そ こ か ら 笑 顔 の 戻 っ た 響 も 弦 十 郎 に 合 わ せ て 同 じ 歌 を 歌 い 出 し、
私が未来を助けるんだ
憑友がいない今は⋮
︵そうだ
そして響はどうやって未来を助けるかを考えることにした。
ぐにそんなどうでもいいことし、考えのをやめた。
霊風はそんなことを思いながら、弦十郎の声を思い出していたがす
⋮違和感有り有りだな⋮これ︶﹂︵ーー;︶
てる気がする⋮⋮
⋮。︵そう言えば風鳴の声って、暁の1人と、斧と剣のソーマ使いに似
またカンフー映画の見過ぎじゃないだろうな
風鳴のおやっさん
クリスがそう言うのも仕方がないのかもしれない、なにせ歌詞が全
?
!
956
!
!!
!
#23 残酷と再会と目覚め⋮
ーーーーーーNO SIDE
﹁︵マリアがフィーネでないのなら、きっと私の中に⋮⋮怖いデスよ
⋮⋮︶﹂
その頃、﹃フィーネ﹄側の方では、
切歌と調、兄弟の4人は干していた毛布などを籠に入れており、切
歌は洗濯物を入れながら自分の中にいるかもしれないフィーネの魂
に怯え、不安な表情を見せていた。
﹂と切歌に問いかけた。
そんな時、
﹃英雄﹄の1人がそんな切歌の様子に気づき、
﹁どうかし
﹂
ましたか
﹁えっ
サーヴァント
コー
ド
本来なら﹃シールダー﹄と呼ばれる異なる名前
異名
で呼ばなけ
ム
"
ネー
それにマシュと言うのは実を言うと自分の本当の名前である。
頑丈さを誇っている。
い。だが、その防御力は闇に染まった聖剣の攻撃すら耐えられる程の
ント﹄と言う存在の為、まだ思うように力を発揮する事は出来ていな
尤も自分自身が﹃英 霊﹄の中で中途半端な存在⋮﹃デミ・サーヴァ
子であった。
防御特化型のクラス⋮盾兵の英霊︽シールダー︾の力を宿した女の
1人であり、
セイバーやアーチャー,ランサーにバーサーカーと同じ﹃英霊﹄の
話しかけられた﹃英雄﹄の名は、マシュ・キリエライト。
﹁何故か元気が無かったみたいでしたので⋮⋮﹂
?
フィーネだからじゃないよ﹂
﹁私は、マリアだからお手伝いがしたかった。 歌達は調の方へと振り返った。
が、そんな時調が静かに﹁マリア、どうしちゃったのかな﹂と呟き、切
そんなマシュに問いかけられて切歌はどうにか誤魔化そうとする
望で皆からそう呼ばれている。
ればならないのだが、本人は寧ろ名前で呼んで欲しいと言う本人の希
"
957
?
﹁あっ、うん、そうデスとも
﹂
﹁俺もマリアの姉御だから、彼処まで戦えたんだ⋮
﹁俺達も調と同じ気持ちさ﹂
﹁﹃英雄﹄の立場として言います。
マリア
﹂
フィーネ
と言う女性だからこそ、私達は彼
彼女は私達の事も考えてくれていました。私も彼女が
という存在では無く、
"
!
!
"
﹂
!?
﹁それだけ
﹂と驚きにも似た声をあげ、そんな切歌に調は一体どうし
切歌の問いかけに調はそれだけしか答えることができず、切歌は
﹁⋮⋮よく、分からないよ⋮⋮﹂
がフィーネになってしまうのかもしれないのデスよ
マリアがフィーネでないのならその魂の器として集められた私達
﹁調は怖くないんデスか
⋮⋮、それは⋮⋮フィーネの魂のことについて⋮⋮。
しかし、切歌はそれとは別にもう1つだけ気になることがあった
ず、彼女はマリアの言葉に今でもまだ困惑したままだった。
それなのにマリアがあんなことを言ったのか、調には全く分から
ア、弱い人達の味方だったマリア⋮⋮なのに⋮⋮﹂
﹁身寄りがなくて泣いているばかりいる私達に優しくしてくれたマリ
女の元で動きたいと思っています﹂
"
?
ち ょ っ と 待 て 下 さ い ⋮⋮ フ ィ ー ネ の 魂 が 切 歌 さ ん 達 に ⋮⋮
き、調と兄弟は顔を見合せて3人は首を傾げた。
︵⋮
︶
?
切歌は持った毛布を抱えたまま、逃げるようにそこから離れて行
﹁っ⋮⋮﹂
たのかと目を見開いて問いかけるが⋮⋮。
!?
﹂と伝えた後、彼女はすぐに近くに置いて
!
切歌の腕を掴んで引きとめた。
の部屋の中に閉じこもろうとしたが⋮⋮部屋に入る直前にマシュが
いかけ、ヘリの中に戻った切歌は自分の部屋へと一直線に向かい自分
あった自分の武器である大盾を背中に担ぐとそのまま切歌の後を追
ところに行ってきます
マシュは自分の持っていた毛布を調に渡し、﹁ちょっと切歌さんの
⋮⋮
!! ?
958
"
因みにあの大盾は背中に担ぐと何故か縮小するというちょっと変
﹂
﹂
わり種な機能を持っているので、余裕で動けたりする。
切歌さん⋮
﹁ま、待って下さい
!
﹂
?
﹁最初から諦めてどうするんですか
﹂
﹁そんな方法を見つける時間なんてないデスよ⋮⋮﹂
としたらなにか解決策を見つめるためにも⋮⋮﹂
それと⋮先程の話で察しました。フィーネの魂が宿っているのだ
の為にこの盾で救ってみせます。
﹁言いたくないのなら、良いです。でも、私も一介の﹃英 霊﹄。貴方達
サーヴァント
まったのだと思い、切歌は言うべきかどうか悩んだが⋮⋮。
言葉を聞いて先ほどの自分の言葉で大体のことをマシュは悟ってし
そう尋ねてくるマシュに切歌は驚きの顔を浮かべ、切歌はマシュの
フィーネの魂⋮⋮についてなのですか
﹁切歌さん⋮⋮貴方が悩んでるのってその⋮⋮
かけた。
後静かに頷いてマシュを部屋に招きいれて2人はベッドの上に腰を
マシュは切歌に優しく微笑みかけ、切歌は戸惑い、少し考え込んだ
﹁貴方のお部屋、入っても大丈夫ですか
﹂
﹁⋮マシュ⋮さん⋮
!
それは、死ぬってこと。
貴方は⋮⋮死ぬのが怖くないのですか
﹁っ、そ、それは⋮⋮﹂
﹂
?
?
﹁切歌さんには、好きな人たちがいますよね
﹂
﹁切歌さん、貴方の魂が塗り替えられるんですよ
でも、魂なんて⋮⋮本当にどうすることも⋮⋮﹂
マシュさんは優しいデス。 ﹁ありがとう、マシュさん⋮。 なかった。
に伝えるが⋮⋮切歌は暗い表情を見せたまま首を縦には振ってくれ
を掴んで﹁貴方が貴方でいられるための方法を考えましょう﹂と切歌
そう言いながらマシュは立ち上がって切歌の前に立ち、彼女の両肩
!?
?
959
?
?
切歌は答える前にマシュがそうやってすぐに話を切り替え、切歌は
﹁話を纏めて欲しいデス﹂と文句を言うが、マシュ自体は話を切り替え
たつもりはなかった。
﹂
﹁死 ん で し ま う と、好 き な 人 と 何 時 ま で も い ら れ な く な る ん で す よ
⋮⋮
﹁⋮⋮﹂
﹁私は少なくても、好きな人達といられなくなるのは⋮
⋮辛くて嫌いです。 貴方といられなくなるのも嫌です。
貴方は⋮⋮いなくなって欲しくないんです。 それは此処にいる皆んなもそう思っています⋮⋮﹂
切歌はマシュの顔を伺うとその目は今にも泣き出しそうな目をし
ており、切歌はマシュがどれだけ自分の心配をしているかが伝わり、
切歌は立ち上がると彼女はマシュに抱きつき、その切歌の行動に驚い
た。
﹁怖いに、怖いに決まってるじゃないデスか
じゃないデスか
うえええええええ
﹂
自分でいられなくなるなんて⋮⋮死ぬなんて、怖いに決まってる
!!
た。
!
と言い、マシュから離れた。
﹁だって、つい最近フィーネの力の一部が発動したんデスよ
?
られるようにしないと⋮⋮﹂
?
それを見た切歌は首を縦に振った。
そう言うとマシュは切歌に真剣の眼差しを見せてきた。
﹁切歌さん。少しお話しても良いですか
﹂
だから、だからなにか⋮⋮せめて私が、大好きなみんなに覚えてい
もう、時間はないデス。 しかし、切歌は首を横に振り、
﹁きっともうそんな時間はないデス﹂
﹁大丈夫です、必ず、必ず助けます。貴方を⋮⋮
﹂
切歌は遂にはマシュの胸の中で泣き出し、マシュは切歌を抱きしめ
!!
!!
960
?
そしてマシュは語り始めた⋮自分という存在が生まれた理由を。
﹁元々私は、切歌さん達と同じ人間です。尤も、魔術師と呼ばれる魔法
とは似て非なる存在の1人だったんですけどね﹂
その出だしを、聞いた切歌は驚いていた。
マシュは実は自分達となんら変わりない存在だと言う事に。
﹁そ こ で 私 は 大 切 な 人 に 出 会 い ま し た。私 が 信 頼 し て い る 先 輩 で あ
運
命
り、マスターと呼ばれる者でした。
それが後のFATEでした﹂
次に出てきたのは、マシュにとっての大事な人の話だった。
マシュはその他にも様々な事を切歌に教えた。
そしていよいよ本題に入った⋮
こ
の
力
﹁ある日、自分達の住む場所が爆発して、私はあと少しで死ぬと言うま
さに死の淵に立たされていました。
そんな私に差し伸べたのは、私に﹃盾兵の力﹄を与えてくれた︽英
霊︾でした。
名前は全く知りませんでした。﹂
﹁けれどその英霊と一体化した事で、今の私が存在します。
魂を宿すとは逆のパターンを私は経験しています。
ですけど、これをした事により、その英霊は消滅してしまいました
⋮
魂の存在である﹃英霊﹄が、
﹃人間﹄であった私に力を全て託して、
そのまま消えていってしまったんです﹂
﹁私はその時は我武者羅でした。
何故、私にあんな力を⋮。
何故、死ぬ筈だった私が生きて、力がある筈の英霊が消えてしまわ
ないといけないのか、全くもって分かりませんでした。
けど、英霊の思いは受け継いでいます。
英霊は、
﹃大切な者を守れるように﹄と言うのが信条だった様です。
フィーネのタマシイすら勝てる思いを
!
961
!
その思いは私の中に今も根強く生きています。
思いを持ち続けて下さい
﹂
!
それを聞いた切歌は涙を拭き、そして﹁はいデス
﹂と元気いっぱ
いの笑顔を見せてくれた。その表情にマシュからも笑顔が飛び交っ
ていた。
そんな2人の様子を見に、ギンジが駆けつけようとしたが、部屋に
入る前に聞こえた楽しそうな声を聞いたのか、それ以上は何もしない
で、ただ単に扉の横の壁に背中を預けた。ギンジは﹁如何やら杞憂み
たいだったな﹂とそう呟きながら、背中を壁に預けたまま、また瞑想
をしたのであった。
ーーーーーー
それからヘリは目的地であるフロンティアに行くことになり、操縦
﹂
席ではナスターシャ以外のメンバーが終結し、ナスターシャは今は
ベッドで寝込んでいた。
﹁マムの様子はどうなのデスか
マリアが言うにはナスターシャは疲労に加えて病状も進行している
のだと話した。
﹂
以前やって来たジャンヌの力を以ってしても、ナスターシャの容態
変化には至らなかったようだ。
のんびり構えていられないということですよ
﹁そんな⋮⋮﹂
﹁つまり
その旗振りこそが僕達に課せられた使命なのですから
妙にハイテンションな声で言うウェルだが、ギンジ達はただウェル
の話を聞くだけでなにも答えなかった。
そんな時、ヘリの警告音が鳴り響き、モニターを映すとそこには米
国政府の艦艇が映り、切歌達はそのことに驚きの声をあげるがウェル
は冷静に﹁こうなることは予想済み﹂と余裕の態度を崩さなかった。
﹁せいぜい連中を派手に葬って世間の目をこちらに向けさせるのはど
962
!
切歌はマリアにナスターシャの容態がどうなっているのかを聞き、
?
月が落下する前に、人類は新天地にて結集しなければならない
!
!!
!
!
うでしょう
﹂
﹂
﹁⋮⋮そんなのは弱者を生み出す強者のやり方⋮⋮﹂
﹁そんな事して、何になるんだよ‼
﹂
この道を行くことを恐れはしない﹂
﹁でも、マリアこれは⋮⋮
﹁明らかに言葉と行動が矛盾してるじゃねえかよ
﹂
弱者を支配する強者の支配構造を終わらせる者。 ﹁私は⋮私達はフィーネ。 えて姉御︶の名を呼ぶが⋮⋮。
の意見に賛同し、調と光聖希は不満そうにマリア︵光聖希はそれに加
ウェルの意見に調と光聖希は反対しようとしたがマリアはウェル
?
﹁私も
﹂
する為に走り出した。
めに司令室から走り出した。その後を、奏と霊風の槍々コンビも出撃
イズが襲っているという報告を受け、真っ先に翼が出撃準備をするた
司令室にてノイズがマリア達の乗ったヘリの近くにあった艦隊をノ
その頃、この近くにいる二課の本部でもある戦艦はというと⋮⋮、
リアのこの行動には納得いかないところがあった。
ギンジとマシュも調と光聖希と同じ意見だったのか、彼等もまたマ
!
!
なっ
﹂
の肩を掴んで引きとめ、響の制服のネクタイをクリスが、響の頭を
ここにいろって
?
ロックが掴むなり撫でてきた。
﹁死ぬ気かお前
!
﹁⋮⋮うん﹂
﹂
?
ここにいることになり、ロックは響に﹁俺も行くから心配するな﹂言
クリスは優しく響に微笑みかえ、響は戸惑いつつも頷いて大人しく
﹁⋮司令。此奴と憑友を頼みます﹂
﹁頼んだからな
﹂
お前が居ないといけない奴がいるから⋮な
﹁立花。お前はここから、いなくなっちゃいけないんだ。
!
?
963
?
そう言いながら響も出て行こうとしたのだが、クリスとロックが響
!
い、彼もまたクリスと一緒に出撃準備に入った。
場所を戻し、ソロモンの杖によって呼び出されたノイズは艦隊の軍
﹂
人たちを次々に襲い、そのことにマリアは黙ったままだったが⋮⋮彼
女は唇を血が出るくらいに噛みしめていた。
﹁こんなことが、マリアが望んでいることなの
弱い人達を守るために、本当に必要なことなの
﹁っ⋮⋮﹂
﹂
﹂と
調の問いかけに、マリアは答えなかったが⋮⋮次の瞬間、調はヘリ
の扉を開き、そのことに切歌は驚いて﹁なにやってるんデスか
調を引きとめようとしたが⋮⋮。
﹂
﹁マリアが苦しんでいるのなら、私が助けてあげるんだ﹂
﹁調
切歌の制止も聞かず、調はヘリから飛び降りた。
!?
それと同時に﹁歌﹂を口ずさもうとしたら、﹁ちょっと待てぇぇ‼
聖希
いた。
﹁
﹂
﹁⋮うん⋮
﹂
⋮俺にも手伝わせろよ。調﹂
﹁お前ばっかり負担は掛けさせねえよ
!
﹁Various shul shagana tron⋮﹂
そして聖希は懐から憑友達︽精魂導師︾達が使用する変身アイテム
⋮マルチアブソーバーを取り出した。
﹁俺の我儘に付き合って済まねぇな、タマシイ﹂
私は何時でも、貴方の為になら頑張れるんだから
﹃大丈夫
!
そう言うと光聖希はタマシイと呼ばれたアブソーバーを左腕に装
﹄
行こう
﹂
!
﹁ああ
!
!
964
?
?
と言う声が聞こえたので、上を見るとそこには光聖希も一緒に来て
?
!!
そう言うと切歌は再び歌を詠った⋮聖詠と言う名の﹁歌﹂を。
!
!
!
ー
着するなり、右腰に備えていたカードケースからカードを取り出し、
﹂
装填し、
﹁変身
フォーム、チェイン‼
?
そう言いながらレバーを引いた
ータマシイ
ー
!
すると光聖希の周りを身体全身に鎖を縛られた戦士の姿が現れる
私が縛る
や、それを光聖希は纏った
ー天への魂
!
﹂
﹂
!
﹂と彼女達に提案するが、ギンジがすぐ
?
?
α式 百輪廻
を空中から放ち、ノイズを次々と切り裂き、
その間、光聖希は奇妙な行動を取った。
せて調は回転しながらノコギリでノイズを切り裂く。
のいる場所まで行くとアームドギアを巨大な回転ノコギリに変形さ
今度は靴に装備されている車輪を動かして高速で動き、大量のノイズ
撃する
調はツインテールのアームドギアから小型鋸を大量に射出して攻
︵挿入歌﹃鏖鋸・シュルシャガナ﹄南條愛乃︶
口ずさみながらノイズと戦い合っていた。
しかし、マリアはなにも答えてはくれず、一方で調は自分の﹁歌﹂を
こんなことしたら、お前⋮﹂
これがマリアの本当にやりたいことなのか
﹁⋮⋮なあ、マリア、調や光聖希の言うとおりだ。 ﹁おやおや、怖い怖い⋮⋮﹂
﹁切歌達に触るな﹂
さま切歌を掴むウェルの手を弾いた。
ら、良い方法がありますよ
だが、そこにウェルが切歌と闇呪怨の肩を掴み、
﹁連れ戻したいのな
調を心配する切歌と光聖希を心配する闇呪怨。
﹁聖希
﹁調⋮⋮
聖希の方へと引き寄せて、2人揃って艦艇の上に降り立つ。
つ。その鎖は意志があるかのように、調を巻き付けるや、そのまま光
そして変身した光聖希はシンフォギアを纏った調に向けて鎖を放
!
"
965
!
!
!
!
"
なんと、先程調が放った
α式 百輪廻
の内の一部を自分が嵌め
"
確にノイズ達を葬り始めたのだ
場所に回転しながら置いていく⋮
するとその鋸が摩擦を起こし、炎が噴き出してきたのだ
そしてその数が10本⋮指の数だけ存在していた。
すると光聖希はそのままダッシュし始めたのだ
灰燼と化した⋮
ダッシュと同時に、直線上にいたノイズはその炎によって瞬く間に
!
!
!
そしで光聖希はそのままヨーヨーと化した鋸を自分が立っている
!
それをし終えるなり、まるで荒れ狂うヨーヨーのような動きで、正
させたのだ
ていたメインウェポン⋮︽チェーンリング︾の先端のチェーンと結合
"
そんな時、調の隙をついて背後からノイズの一体が襲いかかって来
扱っていたのだ。
本 も 使 用 し た。そ れ な の に ヨ ー ヨ ー を ま る で 自 分 の 身 体 の よ う に
尤も、基本的には1.2個しか使わない筈のヨーヨーを、彼は10
光聖希はそのトリックを繰り出したのだ。
﹃ダッシュ・ザ・ケルベロス﹄と。
その技を彼⋮キメルはこう名付けた⋮
リックがある。
場で待機させ、摩擦熱からの炎を噴き出してから一気に爆走するト
それは、﹃ウォーク・ザ・ドッグ﹄の体勢になるなり、じーっとその
く似た者があった。
その﹃英雄﹄が繰り出した技の中に、先程光聖希が出した攻撃とよ
ハイパーヨーヨーの再ブームを巻き起こした存在であった。
﹃英雄﹄の名は⋮﹃斗陸キメル﹄
1人の﹃英雄﹄の手によって。
実はそのトリック⋮上級版が存在しているのだ。
リックがある。
突然だが、ヨーヨーの技に﹃ウォーク・ザ・ドッグ﹄と呼ばれるト
!
て、光聖希が駆け付けようとしたが、自分の後ろにもノイズがまだ生
966
!
き残っていた事に気付いた。もう駄目なのかと思ったその時、そこに
駆け付けたシンフォギアを纏った切歌が鎌のアームドギアを投げつ
けてアームドギアは調を襲おうとしていたノイズに突き刺さり消滅
した。
そして光聖希の方では逆にノイズが左と右と半分ずつにスパンと
ありが⋮⋮﹂
切れ、灰になると同時に、そこには光聖希の双子の闇呪怨がそこにい
た。
﹁切ちゃん
しら⋮べ⋮⁉
﹂
?
リ
セ
リ
ガー
R﹂の︽精魂導師︾対応版であった。
﹁私、私じゃなくなっちゃうかもしれないデス
﹁例え私が消えたとしても世界が残れば、私と調の思い出は残るデス
のかがよく分からなかった。
切歌はそう言って調に手を差し伸べ、調は切歌がなにを言っている
!!
!
そうなる前に、なにか残さなきゃきっと忘れられちゃうデス
﹂
glycerigger﹂と呼ばれる品物で、
﹁Anti│LINKE
グ
そ し て 闇 呪 怨 が 光 聖 希 に 打 ち 込 ん だ の は、﹁A n t i │
フォギアは強制的に解除されてしまった。
るものであり、これは適合係数を引き下げる効力があり、調のシン
切歌が調に打ち込んだものは﹁Anti│LINKER﹂と呼ばれ
青い色素を施した液体が内蔵されていた。
じような物を持っていた。それは先程切歌が調に与えた奴とは違い、
そして調の元へと行こうとした光聖希だが、闇呪怨もまた切歌と同
﹁⋮ごめん。聖希﹂
﹁⁉
の場に倒れそうになってしまう。
LINKERと似たようなものを、切歌は調の首に打ち込み、調はそ
そこまで言いかけた時、ウェルが以前、切歌と調の首に打ち込んだ
!
しか⋮⋮
﹂
だが、切歌の言うように本当に時間がないのだとすればなにかを残
!
967
?
だから私はドクターのやり方で世界を守るデス、もう⋮⋮そうする
!
すためにはこんな方法しかないのは事実⋮⋮。
闇呪怨は切歌のために例え納得のできないものだとしても彼女に
協力もしたい、しかし切歌もこんなことは間違ってると説得したいと
いう2つ想いが闇呪怨の中でぶつかり、闇呪怨は自分は一体どうすれ
ばいいのか、もうなにをすればいいのかが彼は分からなかった。
それでも彼は切歌達を守る為に、己の力を使う事を決意していた。
そんな時、海から翼とクリスと奏が飛び出して現れ、更に反対側か
ら水の色合いの服と緑の服を纏ったロックと霊風が現れ、翼は切歌に
アームドギアを振るい、クリスは調を捕まえる。
﹂
﹂と文句を言うが翼は聞く耳を持たず、アームドギアを振
翼と切歌は剣と鎌のアームドギアをぶつけ合わせ、切歌は﹁邪魔す
るなデス
るう。
﹁おい、ウェルの野郎はここにいないのか
ソロモンの杖を使うあいつはどこにいやがる
やがて翼は切歌の首筋にアームドギアを突きつけた。
それと同時に、光聖希はロックに背後を取られ、拳銃を頭に押さえ
つけられた。それと同時にタマシイが変身を強制もせずに解除され
た。
先程闇呪怨によって打たれた﹁Anti│glycerigge
r﹂の効果が此処に来てやって来たのだ。
その隙をロックは見逃さずに、光聖希に拳銃を頭に向けたまま身柄
を拘束させた。
そして闇呪怨もまた霊風の槍捌きにより、得物である鎌を落とさ
れ、拾おうとした矢先に霊風の槍の矛先が自身の顔に迫られた。
﹂
状況は二課の方が有利であり、それを見かねたウェルが⋮⋮用意し
ていた﹁助っ人達﹂を呼び出すことにした。
﹁ならば傾いた天秤を元に戻すとしましょうよ
﹂
﹂
!
?
できるだけドラマティックに、できるだけドラマティックにぃ
﹁まさか、あれを⋮⋮
あの子達の内、2人はまだ少女よ⁉
﹁その内の2人は﹃英雄﹄本人でしょうが‼
?
?
!
968
!?
!?
!!
するとマリア達の乗るヘリから﹁誰﹂かが一斉に飛び降り、聞き覚
えのある声が﹁歌﹂を詠っていた⋮
﹁Rei shen shou jing rei zizzl⋮﹂
その声を聞いた者達は動くのを止めた。
﹂
﹂
それと同時にその者は翼達の前に降り立った。
そこに立つのは⋮⋮。
﹂
相性最悪じゃねえかよ
﹁ま、まさか⋮⋮
﹁ちっ
た⋮⋮。
?
ロック義兄
﹂
冗談だろう⋮⁉
﹂
!
突然、ロックは後ろを見やると其処には金髪のサイドポニーの少女
だが、それだけでは無かった⋮
かった。
当然、モニターからそれを見ていた響も驚きの声をあげるしかな
﹁⋮⋮そんな⋮⋮、未来⋮⋮
﹂
其処にはシンフォギア⋮⋮﹁神 獣 鏡﹂を身に纏った小日向未来だっ
シェンショウジン
上からロック,霊風,光聖希がそれぞれを口にした。
﹁てめぇ⋮ふざけんなーーーーー
!
!
が既に拳を構え、そのままロックをアッパーカットで殴ったのだ
﹁
﹁⁉
?
!
配を感知するなり、そのまま緊急回避をした。それは闇呪怨も同じ
だった。
そして2人が戦っていた場所は何者かの爪の跡を残したような風
景しか残らなかった。
﹁下らん﹂
﹁⋮﹂
その声を聞いた霊風は目を凝視した。
其処には⋮
969
!
!
その姿を見た霊風はそう言うと今度は自分の横からのドス黒い気
?
!
黒いバリアジャケットに身を包み込んだ大人モードのヴィヴィオ
と、
オ
ル
タ
黒 く 塗 り つ ぶ さ れ た 鎧 を 見 に 纏 う 堕 ち し﹃騎 士 王﹄⋮ セ イ バ ー
︹黒化版︺が其処にいた。
﹂
そんな様子を響と共に見ていた﹃英雄﹄2人⋮
﹁セイバー⋮﹂﹁ヴィヴィオ⋮
衛宮士郎と高町なのはは驚愕していたのであった⋮
それと同時に、病室では1人の少年が目を覚ました。
﹁⋮あと少ししか⋮ない⋮﹂
そう言うと少年は自分に繋がれていた医療機器を全て千切り、その
まま部屋から抜け出していた。
そしてアラームがなる頃には、彼の姿はその病室はおろか、その周
﹂
?
辺にすらいなかった⋮
﹁俺の最後の力⋮死ぬ気で⋮出す‼
970
!
#24 最後の力
ーーーーーーNO SIDE
﹁シェンショウジンをギアとして、人の身に纏わせたのですね﹂
F.I.Sのヘリの操縦席に外の騒ぎに気づいたナスターシャが
そこに現れ、ナスターシャは睨みつようにウェルを見つめる。
シェンショウジン
だがマリアはナスターシャはまだ寝ていないとダメだと彼女を心
配したがナスターシャはマリアに言葉は返さず、 神 獣 鏡を纏ってい
リ
セ
リ
ガー
る未来とマイナストリガードライヴこと︽闇堕ち︾した﹃英雄﹄⋮セ
イバーとヴィヴィオの方に目を向ける。
グ
﹁アレは封印解除に不可欠なれど、人の心を惑わす力。 ﹂
﹂
それに加え、あの子の友人達に﹃glycerigger﹄まで⋮
あなたの差し金ですねドクター⋮⋮
﹁使い時に使ったまでの事ですよ。
尤も、あの﹃英雄﹄のケースは無理やりでしたけれどね
ナスターシャはウェルを睨みつけたがウェルは鼻で笑ったとぼけ
たような口調ではぐらかし、ウェルは未来をどのように神獣鏡を纏わ
せた時のことを話し始めた。
∼回想∼
それはウェルが檻の中に閉じ込められている未来の前に現れた時、
彼は未来に優しい口調でこう伝えた。
﹃そんなに警戒しないでください。 少しお話でもしませんか
﹄
﹄
そのウェルの告げ口に未来は首を傾げながらウェルを見上げた。
﹃私の、力⋮⋮
﹄
ルは未来に神獣鏡のシンフォギアを渡し、ウェルは未来がリディアン
971
!
!
きっとあなたの力になってあげられますよ﹄
?
この者の話を信用しては行けません
﹃そう、力です⋮⋮﹄
﹃ミク
﹃未来さん
!
?
そう言ってセイバーとヴィヴィオは未来を止めようとしたが、ウェ
!
!
に通う生徒達はシンフォギアに適応が見込められた奏者候補達の1
﹄
﹄﹄
﹄
人ということで彼女の身体をシンフォギアを装着できるように処置
﹄﹃許さない
したのだ。
﹃貴様
⋮うぁぁぁぁ⁉
?
リ
セ
リ
リ
セ
リ
リ
セ
ガー
ガー
リ
ガー
所持してれば誰だって慣れるのですよ
まぁ、
﹃英雄﹄には効果が無いのは聞くまでも有りませんがね⋮
﹂
ですよ⋮⋮
﹁なぜそこで﹃愛﹄
﹁﹃愛﹄
﹂
けるとウェルは物凄い剣幕で高らかに叫んだ。
に思ったナスターシャは﹁ならばなぜあの娘は
!!
﹂
﹂とウェルに問いか
ならばどうやって未来に神獣鏡を纏わせることができたのか疑問
!
?
glyceriggerも、
︽精魂導師︾と﹃トリガードライヴ﹄さえ
グ
装者量産し放題です。
しませんよ。 リンカー使ってホイホイとシンフォギアに適応できれば誰も苦労
﹁んっんっんー。ちょっと違うかなー。 ggerによってなにも知らずに⋮そして無理やりに⋮⋮﹂
﹁つまりあの娘はあなたのリンカーに、
﹃英雄﹄2人はglyceri
∼回想END∼
したような姿へと変わってしまったのであった。
それにより、2人は以前憑友がティガからティガダークに﹃闇堕ち﹄
それは﹃英雄・英霊﹄なども例外ではない。
に危険な代物だったのだ。
上の2つの条件を満たしていなければ悪性が発動すると言う非常
①︽精魂導師︾②﹃トリガードライヴ﹄
実はこのglycerigger⋮2つの欠点が存在するのだ。
グ
用したglyceriggerを2人に無理やり投与したのだ。
グ
そして激しく抵抗した﹃英雄﹄2人にウェルは以前、陰陽兄弟に使
﹃﹃⁉
﹃お二人は⋮無理やりでも動かしますか⋮ね‼
!
!?
?
972
?
?
!
!!
﹂
﹁リンカーが﹃これ以上旧友を戦わせたくない﹄という思いを神獣鏡に
繋げてくれたのですよ
やばいくらいに麗しいじゃありませんか
めた
﹁ふざけるな
﹂
!
ばれる漢⋮ザフィーラであった。
﹂
﹁彼奴は⋮ヴィヴィオやあの子達を道具として使うな
﹁ひ、ひぃぃぃ⁉
﹂
それはヴィヴィオの知る者にして、狼の姿になれる︻守護獣︼と呼
﹁ザフィーラさん⁉
﹂
が、それよりも先にウェルに体当たりし、そしてそのウェルの首を絞
それを聞いたギンジはウェルに向かって拳を振り上げようとした
バいのは今のお前の顔だと言いたい。
そう言ってまた顔芸を披露しながら叫ぶウェルだが⋮⋮、むしろヤ
!!
!!
﹁⋮で、ですが、もう既に遅い
ご覧なさい
﹂
!
ーーーーーーー
﹃歪鏡﹄の誘惑に堕ちた未来の姿しか映していなかった。
其処には既に﹃光﹄から﹃闇﹄に堕ちた﹃英雄﹄2人と、
そう言いながら、ウェルはモニターを指した。
!
緒にいたマリアでさえも驚かされたのであった。
処まで怒りに満ちていた事にこの場にいる﹃英雄﹄2人はおろか、一
普段は大人しく、物事を冷静に捉える性格であろうザフィーラが此
その威圧をも超えた剣幕にウェルは怯えたのであった⋮
?
﹂
﹃聖王﹄と呼ばれた存在になったヴィヴィオが其処にいた。
そしてその両隣には黒い鎧を身に纏ったセイバー︹オルタ︺と、
ように叫ぶ神獣鏡を纏った未来。
そして戦艦の上で翼,クリス,ロック,奏,霊風の前で雄たけびの
﹁うおおおおおおおおおおお
!!!!!
973
?
!
!
﹂と悪態付
今の未来を見てここにいる全員が驚きの表情を浮かべ、闇呪怨は自
﹂
分達の乗っていたヘリを見上げ、﹁あのクソメガネ⋮⋮
き、闇呪怨は未来を見つめる。
﹁あの発狂メガネ、関係ない奴を巻き込みやがって‼
﹁お前⋮⋮﹂
!!
﹁ふざけんな⋮⋮
﹂
﹁クリスの言うとおりだ。小日向
バ
カ
彼 奴 ら の 信 頼 者
オの無事を確認。⋮⋮ですが⋮⋮﹂と報告するがそれにクリスは﹁無
なっていた小日向未来の無事を確認。ならびにセイバーとヴィヴィ
また翼は未来の姿を確認し、二課に未来達のことを﹁行方不明と
ど⋮⋮︶﹂
﹁︵やっぱり響や憑友達じゃないとダメなのか⋮当然かもしれないけ
ない。
彼女との付き合いが最も長い者は、残念ながら今のこの場にいはい
た。
ロックも未来に解除を促すも、彼女に声はまるで聞こえていなかっ
今すぐそのシンフォギアを解除しろ
﹂
クリスはそれを聞いて怒りを露わにする。
私たち以上に急ごしらえな分壊れやすい⋮⋮﹂
﹁あの奏者はリンカーで無理やり仕立て上げられた消耗品。 調が口を開き、説明をした。
えるのか分からず困惑していると不意に彼女に腕で拘束されている
ではないということを実感し、クリスもなぜ未来がシンフォギアを纏
そして霊風はそんな闇呪怨を見てやはり彼は根っからの悪い人間
?
﹂と叫ぶが⋮⋮既にこのことを二課の戦艦からモニター
あれを見てあの立花や、なのはと士郎になんて説明すれば
いいんだよ
くしていた。
﹁どう説明する
無事じゃない⋮⋮
?
974
!!
!!
!!
確かに﹃今﹄はそうかもしれない⋮⋮。 だがな、クリス⋮
?
で見ていた響達に伝わっており、やはり彼女達も唖然とそこに立ち尽
!!
事だと
!?
﹂
だったら無理やりにでもあの︽シンフォギア︾を引き剥がして⋮
⋮連れて帰って立花の前に出せば良いだけの話だ
ンフォギアに装備されているバイザーを装着して飛行する。
そう言い放つと同時にロックは未来へと突っ込んでいき、未来はシ
!!
それを見逃さないと悟ったロックはそのまま跳躍して、上空から攻
﹂
撃を加えようとした⋮が、
﹁はぁぁぁぁぁ‼
ドガァ
?
にヒットさせた
ロック義兄は下がってろ
を手に持ち、ロックと共に未来の追撃に向かう。
﹁こういうのはあたしの仕事だ
!!
な友達なんだ
こんな所で引っ込んでいられるか
﹂
クリスが初めて出来た友達ならば、俺にとってはお前の大事
!!
!
﹁あぁ、だったら⋮⋮﹂
!!
フォーム、アーチャー‼
填、そしてレバーを引き、そのまま纏った
ーソウル
Unlimited Blade Works
形に形成するなり、それを番える⋮
ー
それを見た未来は手に持っている、折り畳み式の扇形のアームドギ
!
フェイルノート﹄を持つと、そのまま無数の剣を作り、そのまま矢の
そう言うとロックはすかさず左手に彼がご自慢する愛弓﹃黒弓 !
?
!
﹃アーチャー﹄のカードを取り出すなり、そのままアブソーバーに装
そう言うとロックはアブソーバーから自分のパートナー﹃英雄﹄⋮
﹁﹁一緒にやればいい︵って︶だけの話だ
﹂﹂
﹁⋮⋮へっ、全くロック義兄って奴は⋮⋮だったら⋮⋮﹂
ため息を吐くと戦艦の上でロックと立ち並ぶ。
クリスの言葉にそう返すロックに彼女は思わず笑みを零し、小さく
!
﹁断る
﹂
それを見たクリスは調の拘束を解いてボーガン型のアームドギア
!
ヴィヴィオ﹄がそのままロックにアッパーカットを今度はロックの腹
瞬時にその間に割って入ってきた︽闇堕ち︾ヴィヴィオいや、
﹃聖王
﹂
﹁ぐはっ⁉
!
!
975
?
!
ア︽シェンショウジン・オウシャク︾から紫の光弾を発射するがそれ
をロックは両手で構えた弓矢を放つ事で相殺し、その後ロックは両腕
ク
リ
ス
の
アー
ム
ド
ギ
ア
を広げるとロックの肩を踏み台にクリスが高くジャンプ。
QUEEN
s INFERND
を未来に放つが未
そこから︽イチイバル・ボーガン︾から複数のエネルギー矢を高速
連射する技
"
うとしたが、霊風がその攻撃を中断させた
かつてのお前は何処へ行った⁉
﹄
?
セイバーの異様な姿を見て、奏のペンダントの中にいる﹃英雄﹄ラ
相対していた。
そんな最中、奏は1人、黒化したセイバー⋮セイバー︹オルタ︺と
﹁⋮﹂
てやったぜ﹂
﹁悪いな、ヴィヴィオちゃん。なのはちゃんじゃなくて、俺が止めに来
あ ん た の お 母 さ ん
その攻撃により、ヴィヴィオは後退した。
!
その隙に﹃聖王ヴィヴィオ﹄はそんな2人の隙を突き、攻撃をしよ
来は俊敏な動きでクリスの攻撃を避けていた。
'
!
ンサーのディルムッドは驚愕していた。
セイバー
﹂
﹃何故なのだ⁉
ヤベェ
﹁⋮消えろ﹂
﹁⁉
?
意味だった。
たかが3人⋮されど3人⋮
それだけで士気と言う名の天秤を傾けるのは充分過ぎたのであっ
た。
そんな中、ロックは﹁単独行動﹂と言う﹃アーチャー﹄のクラス補
正を利用して、戦艦から戦艦へと高速移動を素早く行ないながら未来
の背後に遠回りながらだが、回り込むと彼女の腕を掴むが未来はどう
にかロックの手を振り払い、廻し蹴りを喰らわせる。
しかしロックもその蹴りを右腕で受け流し、もう1度未来を捕まえ
ようとするが彼女は上空に跳びあがって避けられてしまった。
また、切歌が翼の一瞬の隙を突いてそこから逃げだそうとしたがそ
976
"
!
ディルムッドの必死の説得もオルタと化したセイバーの前では無
?
れよりも早く翼がアームドギアを切歌に突きつけ、再び彼女の動きを
封じた。
﹂
﹁隙あ⋮⋮り⋮⋮じゃ、ないデスね⋮⋮﹂
﹁切歌
ロックとクリスが未来を止めに行ってしまったため、闇呪怨は切歌
を助けに行くことが可能となり、闇呪怨は一瞬で翼の目の前にまで迫
ると両手にいつの間にか2振りの鎌を振り上げ、彼女を斬りつけよう
﹂
とするがそれよりも素早く翼はそこから離れた。
﹁助かったデス、闇呪⋮⋮
﹁うるさい黙ってろ﹂
﹁⋮⋮えっ⋮⋮﹂
金剛寺ハヤト︼のカードを装填した。
﹂
﹁⋮⋮んでだ⋮⋮﹂
﹁闇⋮呪
﹁なんでこんなことに手を貸そうとする切歌ァ
﹂
闇呪怨は自身のパートナー﹃英雄﹄⋮︻風を纏いし﹃伝説粉砕者﹄ 歌はオズオズとした様子で闇呪怨に声をかけようとしたが⋮⋮。
怨⋮⋮、だが今の闇呪怨からは全くそういったものが感じられず、切
けてくれており、自分たちを守るためならどんなことだってする闇呪
なぜなら彼はいつも自分やマリア達に優しく接してくれて気にか
突然の闇呪怨の予想外の厳しい言葉に切歌は驚いた。
!
の身に纏った
フォーム、ハヤト‼
金剛鳥人
クリスタルと化し、そのまま両手に集まり、そして2振りの鎌へと形
すると彼はすかさず両手を広げると、身に纏った鎧が砕け、それが
!
ーコア
?
ー
基準はゴールデン
!
!
その隙に闇呪怨ことコアはレバーを引いて現れた﹃英雄﹄の魂をそ
う。
女は闇呪怨に対して若干の怖ささえ感じ、眼尻に涙を溜めこんでしま
いきなりの闇呪怨の怒鳴り声に切歌は﹁ビクッ﹂と肩を震わし、彼
!!
?
!
977
!!
成した。
どうしてこんな事をするんですか
﹂
それと同時に、上空のオスプレイからマシュが降り立った
﹁切歌さん
それを聞いた切歌は、語り始めた。
!
﹁そ、それは⋮⋮マシュさんは、私のことを励ましてくれたけど⋮⋮そ
れでもやっぱり不安で不安で仕方ないんデス
自分を失いそうになる恐怖が、不安が、悲しさが
マシュさんや闇呪にはきっと分からないデス
!!
﹁だからって⋮⋮
だからって間違ったやり方で良いと思ってんのか
﹂
!!?
れないが、こちらの空気を呼んで今まで黙っていてくれた翼達二課の
状況が状況なのでまさか泣いてしまうとは思わなかったのかもし
彼女を抱き締め、それを見た闇呪怨はオロオロとし始める。
す自分の涙を手で拭いまくる。それを見たマシュは切歌の元に赴き、
遂には切歌は泣き出してしまい、泣きだしてしまった切歌は溢れだ
﹁思ってなんていないデスよ、でも、でも⋮⋮
﹂
⋮だから、この世界で私が生きた証をせめて残したいんデス⋮⋮﹂
それでも、もしもって思うと⋮
マシュの言葉を全く信じていない訳じゃないんデス。 !!
!!
!!
女性陣から﹁女の子を泣かせるなんてサイテー﹂とでも言いたげな視
その目は
﹂
線が闇呪怨に突き刺さっていた。
﹁な、なんだよ⁉
!!?
技
BILLION MAIDEN
を放ち、未来に幾つか弾丸が直
ボーガンから変形した4門の3連ガトリング砲からの一斉掃射する
一方、未来は飛行して海の上を走り、クリスは戦艦の上を走りながら
代表して翼から冷ややかな目で見られて困惑する闇呪怨ことコア。
﹁話はよく分からんが女子を泣かせる男子というのは関心せんな﹂
?
"
から光弾をクリスに向けて放つ。
978
!
撃したが未来はまるで痛みを感じていないかのようにアームドギア
"
そしてその隙にロックが攻め込んだ⋮
﹁ロック義兄
﹂
ロックに突然ビームらしきものが直撃し、ロックは海に落下する。
行こうとするがその時、
耶﹄を用いてその攻撃を弾かせ、ロックは未来に真っ直ぐ突っ込んで
だが光弾が発射、アーチャーに扮したロックは彼の愛剣﹃干将・莫
!
いな﹂
﹁そう言うなよ、おやっさん
けて、その間の分の金が手に入るんだから一石二鳥だぜ
﹂
﹂
お前は未来の相手をしていろ
ら﹃アグル﹄にいつの間にか変身したロックが立ち塞がった
﹁クリス
俺はこの2人を相手をする
!!
!
の中から青い光が放たれ、2人はそのまま緊急回避した。そして海か
そう言いながら白い奴⋮ガルムはクリスに照準を向けるが⋮⋮海
2人は今は訳あって、ウェルに渋々協力しているのである。
2人はそう呼ばれていた。
︻マグマスター マグナ︼
︻ガッツガンナー ガルム︼
彼等は﹃宇宙人﹄の類に入っている者⋮名は其々、
その宇宙人2体と非常に酷似していた。それもその筈だ。
かつての﹃四英雄事変﹄の際にその姿を見たのだ。
︻サーベル暴君 マグマ星人︼
︻分身宇宙人 ガッツ星人︼
それを見たクリスはその姿をした存在に見覚えがあった。
﹁あれは⋮⁉
﹂
この仕事さえ終われば、旦那を探しに行
﹁⋮ったく、あのいけ好かねぇ奴からのご命令だとイライラしかしな
た
サーベルのような物をつけた此方も明らかに人間では無い存在がい
と、オレンジ髪で仮面舞踏会等で見かけられる仮面を被った片腕が
とそこには白い身体と2丁拳銃を携えた明らかに人間では無い存在
一体なにが起こったのか、クリスがビームが飛んできた方向を見る
!?
?
!
!
!!
!!
979
!
な
﹂
やってくれるじゃねえか
﹂
﹁此奴等⋮﹃ウルトラマン﹄の事を知ってる
ワクワクする
アグルスラッシュ
﹂
"
アグルに扮したロックの言葉にクリスは頷き、ロックは2人の宇宙
人に向き直るとアグルは手から発射する光弾
﹁ちっ
を2人に喰らわせようとするが、悉く躱された。
"
﹁まさか、
﹃ウルトラマン﹄の力を使ってくるなんてな
!
まま残りのメンバーの方へと赴いて行った
何をしてるのですか⁉
さっさとやってしまいなさい
﹄
!
り込んでしまった
﹃⁉
﹄
﹁お断りだ
﹃な⁉
﹂
﹁てめぇとは元々気が合わなかったんだよ
ウェルの命令を悉く拒否したのだ
!
﹂
!
直ぐ伸ばした
そしてそのまま右手側に居た戦艦にビームを放ったのだ
!
!
そう言うとマグナは右腕をサーベルに変えて、そのまま右手を真っ
ば﹃宇宙人﹄だ。それは認めてやる。だがな⋮
俺だって、ガルムのおっさんだって、此処にいる奴等から言わせれ
!
!
するとウェルが通信して来て、攻撃せよと命令して来たが、
?
!
マグナはそこからサーベルを収納するや、そのまま胡座をかいて座
圧倒的劣勢の状態⋮だが、
元へとやって来てしまっていた。
それを見たロックは皆に注意するよう呼びかけるが、マグナは皆の
!
それを見た2人の内、ガルムだけがロックと相対し、マグナはその
空中から移動する。
被害が出てしまうと考えたロックはここから離れようと別の場所に
そう思いながらロックは空中へと飛行し、ここではクリス達の方に
は無いのだから。
い。彼等の同族は﹃ウルトラマン﹄達に滅ぼされたと言っても過言で
2人が﹃ウルトラマン﹄の事を知ってる事に驚くロック。無理も無
!
!
?
980
!
?
其処には、ノイズに襲われそうになっていた米国兵が居た
!
そしてそのビームはそのまま⋮なんとノイズ達に貫通ヒットし、ノ
イズが炭化した
﹂
﹁こう見えても俺達は﹃英雄﹄として呼ばれてるんだ⋮
守るべき物が有るのなら、
それを守るのが筋ってもんだろうが‼
?
その話を聞いた此処にいる全ての男はこう感じた⋮
﹂
981
!
﹄と。
!
ヒヨッコの癖に⋮カッコ付けやがって⋮
!
﹃此奴⋮漢だ
﹁かっ
!
それを聞いたもう1人の﹃宇宙人の英雄﹄ガルムはそう愚痴ってい
たのは此処だけの話。
そんな中でもクリスと未来との抗争はまだまだ熾烈になっていた。
またクリスと未来の戦いを見ていたウェルは⋮⋮。
﹁脳へのダイレクトフィードバック によって己の意思に関係なくプ
シェンショウジン
ログラムされたバトルパターンを実行
流石は神 獣 鏡のシンフォギア !!
それを纏わせる僕のLINKERも最高だ
そ・れ・に∼
!!
!!
この有様
俺っちは一体⋮⋮︶﹂
憑友のお世話係の筈なのに、憑友の容態は最悪⋮
い、未来を助けることもできない。 響のガングニールの侵食を食い止める方法も未だに見つけられな
﹁︵俺っちは⋮⋮なにもできないのかよ⋮⋮。 ている幽霊のユルセンがモニターに映る翼達の戦いの様子を見て、
また響から少し離れた場所では皆には見えないように透明になっ
﹁師匠⋮⋮﹂
そんな時、弦十郎が響の頭に手を乗せ、響は弦十郎の顔を見る。
に誤って顔を俯かせる。それをなのはと士郎は黙り込んでいた。
いき、それをモニターから見ていた響は﹁ごめん、ごめんね﹂と未来
確かにナスターシャの言うとおり、未来は次第にクリスに押されて
を反らしてしまう。
た様子はなく悪な笑みを浮かべており、マリアはこの惨状からつい目
ウェルの言葉にナスターシャがそう返したがウェルは特に気にし
を導く者﹄達でさえも﹂
﹁それでも偽りの意思ではあの奏者たちには届かない。勿論、
﹃英雄達
僕こそが﹃英雄﹄なのだーーーーーー‼
﹂
僕の作ったglyceriggerを使えば、幾ら﹃英雄﹄達でも
?
ユルセンは幽霊であるが故になにもできない自分を悔しく思って
982
?
!
いた。
︶﹂
﹁︵くっ、やり辛れぇ
人だ
幾ら助けるためとはいえあの娘はあたしの恩
!!
﹂
﹃女の子は優しく扱ってくださいね
霊風さん
放つ﹁閃光﹂を放つ。
﹁避けろ雪音
!
﹂
﹂﹁マジかよ⁉
?
﹂
!!
極太の破壊ビームを放射する技
流星
を放とうとする。
"
に剣を携え直したセイバー︹オルタ︺が力を溜め始めたのだ
︵挿入歌﹃歪鏡・シェンショウジン﹄井口裕香︶
﹁鳴け、地に堕ちる時だ﹂
!
そしてそれと同時に未来の両側を、右手側にヴィヴィオが、左手側
"
パネルのような物を形成し、腕から伸びるケーブルと接続することで
そして遂に未来は﹁歌﹂を口ずさみ始め、脚部装甲から円形のミラー
﹁まだそんなちょせーのを
から飛び退いて翼の元にまで戻ってくる。
クリスと霊風は翼に言われた通り未来の攻撃を避け、すぐさまそこ
﹁くっ
﹂
リスにアームドギアの扇を鏡のように展開し、複数のビームを同時に
そんな時だ、未来は急に立ち上がり、立ち上がると同時に未来はク
とウェルはクリス達に忠告した。
で﹄
乱暴にギアを引き離せば接続された端末が脳を傷つけかねないの
?
その時、ウェルの声が未来の纏うシンフォギアから流れた。
ざかる
たが、即座に霊風がそれをいなすなり、クリスを抱えて、未来から遠
すかさず近くに来ていたセイバーが、黒い槍でクリスを貫こうとし
﹁なっ⁉
﹁やらせはしない﹂
急いで未来の元に駆け寄って未来に触れようとするが⋮⋮。
そして翼達のいる戦艦の上にクリスは未来を撃ち落とし、クリスは
!!
!
983
?
!
!
するとセイバー︹オルタ︺が詠唱のような物を口ずさみ始めた⋮
﹁卑王鉄槌。極光は反転する⋮﹂
その詠唱を聞いた霊風は顔を青ざめた。
﹂
すると、近くにアグル扮するロックが変身を解いてすかさずやって
ター﹂を展開する。
に未来の破壊ビームが発射され、クリスはシールドピット﹁リフレク
できないということに気づき、調を助け出そうとするがそれよりも先
同時に光聖希も調がいるためクリスが未来の攻撃を避けることが
﹁調
に気づき、下手に動くことができなかった。
スは自分の後ろにギアを纏っていない無防備な状態の調がいること
それを見た霊風は一斉にその場にいた全員に回避を命じるが、クリ
それと同時にヴィヴィオも己の拳に虹色の魔力光を溜め始めた
!
!
来るなり、再びアーチャーの姿をし、クリスと共にその攻撃を防ぐ為
ロ ー・
イ
ア
ス
﹂
?
た
﹁だったらぁ
﹂
!!
シールダーのマシュが2人の隣にやって来た
﹂
大丈夫、こう見えても﹃盾兵の英霊﹄として呼ば
守る事に関しては得意分野です
﹁私も受け止めます
れているんです
!
!
﹁真名⋮偽装登録⋮行きます
﹂
!
そう言うとありったけの魔力が大盾に宿し始めた
!
そう言うとマシュは背中に背負っていた大盾を持つと、
!
!
す る と そ ん な 2 人 の 元 に、先 程 ま で 切 歌 を 抱 き 締 め て い た 存 在・
リフレクターで
するとロックとクリスの前に、7つの花弁をあしらった盾が顕現し
熾天覆う七つの円環‼
ア
﹁体 は 剣 で 出 来 て い る⋮
I am the bone of my sword.
の布石を放つ
!
!!
だが、それと同時に未来,ヴィヴィオ,そしてセイバーが一斉に放
つ⋮
!
984
!!
!
﹁光を呑め
エ ク ス カ リ バー ⋮ モ ル ガー ン
約束された勝利の剣 ﹂
魔
ア
法
﹂
、そして﹃宝具﹄をぶっ放して来た
﹂
流星
ビー
、
ム
"
﹁はぁぁぁぁ‼
撃
す る と そ の ま ま 3 人 同 時 に 高 威 力 の
射
インパクトキャノン
2人はそれを見て、更に警戒する。
デ
ス
するとマシュは自分の﹃宝具﹄を⋮﹃真名解放﹄を行った⋮
カ
ル
﹁宝具⋮展開します
ド・
仮想宝具
ロー
擬似展開/人理の礎‼
!
調をそこからすぐに離れさせるデス
﹂
!!
﹂と疑問を口
?
れた所で⋮⋮
増え始めた
﹂ ロ ー・
ア
イ
ア
ス
そして終いにはピットが消滅し始めたのだ
この威力は⋮
!
ピットが罅が入る度に、此方は逆に一枚、また一枚と削られていく⋮
そしてロックの方も熾天覆う七つの円環で防いでいくも、クリスの
﹁ぐっ
!
!
た。それも1つや2つとかそんな物では無く、10,20とその数が
そうこうしている内にクリス体射出されたピットに罅が入り始め
!?
!
なのに、なんでこっちが押されてんだ
﹂
そいつがどんなシンフォギアか知らねえが今更どんなのぶっこま
﹁イチイバルのリフレクターは月をも穿つ一撃をも変更できる。 一方で未来の攻撃を防いでいるクリスはというと⋮⋮。
にする。
ほどの切歌の言葉を聞いて﹁いったいどういうことだ
切歌が光聖希に向かって叫び、光聖希は頷くと彼女を抱え、翼は先
切り捨てられる前に
﹁聖希
られ、そのまま3人の攻撃を3人で抑え始めた。
すると2人を覆い隠す程の巨大な盾の形をしたエネルギー体が張
?
!!
!!
!
それに対して、攻撃側の技は衰えるどころか、更に威力が上がって
きていた
!
985
"
"
!
?
!
!
!
!
"
!
するとセイバー︹オルタ︺はその間に、今度は先程クリスを後退さ
やべぇ
﹂
せた黒くて異形すぎる槍を構えた
﹁
ン
ゴ
ミ
﹁突き立て、喰らえ
ロ
ド
﹂
十三の牙
ア
最果てにて輝ける槍 ニ
そしてその槍を頭上に掲げ、﹃真名解放﹄を⋮﹃宝具﹄を放った
﹁聖槍、抜錨﹂
だが、その間にもセイバーは詠唱を口ずさむ⋮
それに気付いた霊風は、皆の元へと駆け抜ける⋮
!
!
かかる
シェンショウジン
﹂
これが神 獣 鏡のシンフォギア⋮⋮﹂
﹁呑気に説明してる場合か
出することができなかった。
﹁︵くそ、逃げたいのは山々だが⋮⋮
︶﹂
︶﹂
﹁︵技を防ぐだけで⋮身体のエネルギーが持ってかれてしまう⋮
﹁ぐっ⋮︵このままだと、2人が⋮
その時翼が巨大化させた大剣のアームドギアを戦艦に突き刺して
!
!!
!
︶﹂
流石にもう逃げられないところまで彼女は押されており、そこから脱
から離れ、光聖希はもうクリス達に逃げても構わないと伝えるが⋮⋮
そうしていたら、光聖希にツッコまれて調は彼に抱えられてその場
るのか理由を語るが、ハッキリ言って意味が分からない。
クリスの後ろにいる調がなぜクリスのリフレクターが押されてい
!!
986
!
﹁無垢にして苛烈、魔を退ける輝く力の本流。 !
その槍での一撃も加わるや、その勢いにより、そのまま3人を襲い
!
!
!
!
!
!
盾にして防ぎ、クリスの首根っこを掴む。
それと同時に、霊風もまたロックの首根っこを掴むと、素早くそこ
から離れる。
﹂といつの間にか奏が現れ、マシュを担ぎ、そのまま
それを見たマシュは最後までやろうとするが、﹁此処で死なせる訳
には行かねえ
天ノ逆鱗
を盾にして攻撃を防ぎ、
"
回する事が出来ないのである
舌を噛む
﹂と驚きの声をあげるが翼は﹁喋っていると
!?
﹂と言い放ってクリスを黙らせ、翼はアームドギアの上を
クリスは﹁とんずまり
すると翼は前方に大剣のアームドギアを出現させ、それに気付いた
!
レードには必死にその上に乗っている霊風と奏がいるので、迂闊に旋
撃 に 巻 き 込 ま れ る 危 険 性 が あ る た め で あ る。そ れ に 翼 の レ ッ グ ブ
ちなみになぜ横に逃げないのかというとそれは減速してしまい、攻
ら真っ直ぐ走って逃れようとする。
れ、翼は空から何重にも大剣を突き刺して盾にしながら未来の光線か
クリス達を救ったのは良かったもののアームドギアはすぐに破壊さ
しかし巨大な剣を発生する技
其れを見た翼はそのまま更に加速させていく
まるでサーフィンをするかのように。
た
すると霊風と奏は翼が展開していたレッグブレードに同時に乗っ
先頭を走っていた2人に追いつかせる。
!
た。
﹁やめるデス
﹂
﹄
調は仲間
私達の大切な⋮⋮
﹃仲間と言いきれますか
!!
﹃私たちを裏切り、敵に利する彼女を、月読調を仲間と言い切れるので
来の代わりにウェルが返答して切歌にそう問いかけた。
切歌は調を巻き込むような攻撃をやめるように未来に訴えるが、未
?
!!
!!
更にブーストさせ、上空へと飛びあがって未来達の攻撃を完全に避け
靴のブースターでなぞるように上り其処に霊風の︽風魂導師︾の力で
!!
987
"
!
!
すか
﹄
﹁っ、違う⋮⋮
﹂
私がちゃんと調に打ち明けられなかったんデス
私が、調を裏切ってしまったんデス
肩を震わせて今にも泣き出しそうな切歌の背中を見つめる闇呪怨、
!
﹂
彼は静かに﹁切歌⋮⋮﹂と彼女を心配し、切歌の名前を呼んで闇呪怨
﹂
ドクターのやり方では、弱い人達は救えない
は彼女の元に駆け寄ろうとするが⋮⋮。
﹁切ちゃん
﹁あんな奴の言う事はデタラメだ
!!
と光聖希の意見に同意する。
﹁顔芸一人祭り野郎が好き勝手してもいいのかよ
俺達の目的は、こんなことじゃなかった筈だろ
﹃全くあなたは何時も言ってくれますね。 この発狂メガネ
﹂
!! !?
﹄
!
応しい光景だった。
﹁ノイズを放ったか
﹂
クリス
﹁くそったれが
待て
︶﹂
﹂
そう考え込んでいたら、彼女の隣をマシュも走り、クリスはマシュ
とか
﹁︵ソロモンの杖があるかぎり、バビロニアの宝物庫は開けっ放してこ
クリスは駆けだしてノイズの殲滅へと向かう。
﹁⁉
!!
!
!!
﹂
によって炭化されていき、そのさまはまさに﹁地獄絵図﹂と呼ぶに相
が普通に攻撃してノイズが倒せる筈もなく次々と軍人たちはノイズ
イズを召喚し、戦艦の上にいた軍人たちはどうにかノイズに攻撃する
するとウェルはソロモンの杖を使って全ての戦艦の上に大量のノ
があるとすれば、せいぜいこのソロモンの杖
究データはこちらだけの占有物ではありませんから、アドバンテージ
︽シンフォギア︾と﹃聖遺物﹄、
︽精魂導師︾と﹃英雄石板﹄に関する研
何せ我々は降りかかる災厄に対してあまりにも無力ですから。 ね。 ですが私のやり方では⋮⋮というのは確かにそうかもしれません
!
それよりも先に調と光聖希はそう切歌に訴えかけ⋮⋮、闇呪怨も調
!
!!
!
988
!!
!
?
?
!?
がこちらに来たことに驚きを隠せないでいた。
﹂
私にも手伝わせて下さい
﹂
﹄
!
﹁お前⋮⋮
﹁こうなったのは私達の責任
盾=防御ではありません
﹂
そう言うと思ったぜ、嬢ちゃん
﹁へっ、勝手にやってろよ
﹃へっ
!! !!
!!
ズは瞬時に炭へと化した
がスナイパーライフル型のビーム銃で狙撃していた
﹁やあっ
﹂
撃破していく。
ング砲に変形させたアームドギアで回転しながら放ち、空中ノイズを
そう思ったクリスは空中へと飛びあがり、腰部のアーマーとガトリ
それを見てクリスは確信した⋮此奴も﹃英雄﹄だと言う事に。
!
照射された方向にクリスはバイザー越しで見ると、其処にはガルム
!
すると2人がいたノイズに何処からともなくビームが放たれ、ノイ
すると2人の会話の最中に何者かの声がインカムに流れてきた。
!
!
するとそのまま衝撃波となり、ノイズ達に炸裂し、遠くの
!
如何やら彼も相当、ウェルの言動に苛立ちを
!
﹂
!
ていた。
⋮なぁ⁉
﹃前を見ろ、ヒヨッコ
﹁
?
﹄
見せていたようで、仮面越しでも戦ってやると言うオーラが滲み出し
ノイズ達を薙ぎ払った
のいる艦の上に降りてくるなり、右腕をサーベルに変えて、そのまま
そんな最中に、先程まで胡座をかいていたマグナがクリスとマシュ
く。
場所からガルムがライフルからビームを照射して、ノイズ達を撃ち抜
きり叩く
またマシュは地上に残っているノイズ達に向けて盾を地面に思い
!
いた。近くにいた2人でさえ今走っても、撃ったり、しても間に合わ
ない⋮
!
989
!
だが、ガルムの掛け声で前に視線を戻すとノイズが目の前まで来て
?
ガ ラ ド ボ ル グ Ⅱ
﹁偽・螺旋剣‼
﹂
すると何処からともなく螺旋を描いた矢がマグナに迫ろうとした
ノイズを射抜く
それを見たマグナはすかさず後退する。
ノイズが炭へと化したと同時に、その先にはアーチャー扮するロッ
クが弓を構えていた
宇宙人さん
﹁倒せられるか
ト レ ー ス・ オ ン
同調、開始﹂
?
なにも残せないんデス
攻撃し、翼はアームドギアで攻撃を防ぐ。
﹁こうするしか⋮⋮
﹃そうそう、そのまま抑えておいてください﹄
!!
た。
﹁緒川さん
﹂
﹁人命救助は僕達に任せてください
﹂
﹂
それよりも翼さん達は未来さ
めに二課の戦艦も現れ、同時になぜか海の中から緒川も飛び出してき
そのすぐ後に、丁度ノイズに襲われている軍人たちを非難させるた
其れを見た奏はすかさず後を追った。
水上を駆け抜けたのだった。
イバーが騎乗、そしてその後ろにヴィヴィオを乗せる形で馬がなんと
その際に何処からとも無くおぞましい姿をした馬が現れ、それをセ
く。
バー︹オルタ︺とヴィヴィオも未来の護衛なのか、その後をついて行
ウェルがそう言うと未来はどこかへと飛んで行き、その後をセイ
!!
一方、切歌はというと⋮⋮彼女は鎌のアームドギアを振るって翼を
ーーーーーー
﹂
何やら賭け事みたいな事をほざいていたのはこの際如何でも良い話。
そしてギザな態度を見せると、マグナは逆に燃え上がったようで、
!
﹁ふっ⋮では、始めよう。
﹂
﹁甘く見るなよ
?
んの捕捉を
!!
990
?
!
!
!?
!!
﹁頼んだぜ
緒川っち
﹂
それだけ伝えると翼は緒川に﹁頼みます ﹂とだけ返し、彼は調を
!
︶﹄と。
!
いのかと問いかける。
!!
られるのか弦十郎は悩んだ。
﹁︵私に⋮⋮できること⋮⋮。 私は、未来を助けたい⋮⋮
でも、今の私じゃどうすることも⋮⋮
︶﹂
!
てながら司令室へとやって来た
!
しかしそんな時、調を保護してきた緒川が何時もとは違いかなり慌
ら一粒の涙を流した。
響は悔しそうに唇を噛みしめ、拳を強く握りしめ、彼女はその瞳か
未来⋮⋮
を﹁シンフォギア殺し﹂
﹁英雄キラー﹂と称し、これをどうすれば止め
それが先ほどクリス達の防御を突破した理由であり、弦十朗はこれ
力を宿す者達に効果が見受けられるとの事だった。
そして︽闇堕ち︾した﹃英雄﹄達も同様で、此方は逆に﹃英雄﹄の
きないということである。
報告があり、つまり︽シンフォギア︾では未来の攻撃を防ぐことがで
たエネルギー波は聖遺物由来の力を﹃分解﹄する特性が見られるとの
2人の﹃英雄﹄の分析が完了し、彼女⋮未来の纏うギアより発せられ
その頃、二課では未来の纏うシンフォギアの解析並びに闇堕ちした
ーーーーーー
闇呪怨自身が戦う意志が無かったから。
その間に2人⋮霊風と闇呪怨は何故か戦おうとはしなかった。
﹁私がいなくなっても調には忘れて欲しくないんデス
﹂
翼と戦いを繰り広げ、翼と切歌は対峙し、翼は一体切歌はなにがした
そのまま切歌は調を気にしつつも﹁やるべきことがある﹂と言って
﹃︵SINOBI⋮恐るべし
それを見た一同はこう思った⋮
海の上を普通に走って⋮⋮。
抱えて、光聖希は担いでその場を去って行った。
!!
!!
!!
991
!
﹁大変です
﹂
﹂
﹁如何した⁉
﹁先程、病院からの連絡が来て⋮
﹂
憑友君が⋮病室に居ないとの報告が
﹁なんだと⁉
その話を聞いた皆は驚愕していた。
﹂
﹄
病院にてまだ眠りに就いている筈の憑友が何者かに誘拐されたの
かと。
ーーーーーーSIDEto奏
﹄
嘘だろ⋮憑友が⋮行方不明⋮
﹃こんな事⋮有るのかよ‼
﹄
彼奴の身体は︹半幽霊︺の身体。機械的な奴を中に入れ込んだ
﹃そんな事はとっくの昔に済んでます
﹃ならば今、彼の居場所を特定する事は⁉
?
としても、すぐに地面に落としてしまう⋮
﹄
しかし響は先程の報告を聞いて、深刻そうにしていた。
接近し、二課の戦艦の上には響が立っていた。
そして二課の戦艦は未来達の立っている戦艦の付近にギリギリで
ーーーーーーNO SIDE
くそぉぉぉぉぉ‼
半幽霊故の欠点が、まさかこんな時に⋮
﹃ちっ
!
?
?
!
?
992
?
!
?
!
!
!
﹁一緒に帰ろう、未来﹂
︵BGM﹁陽だまりのメモリア﹂︶
響はそれでも目の前の事に集中し、未来にそう呼びかけるが未来は
バイザーを解除し、
﹁帰れないよ、私にはやらないといけないことがあ
﹂
るんだもの﹂と答えて拒否した。
﹁やらなきゃならないこと
定した。
﹂
?
憑友と一緒の世界が好きなんだ﹂
﹁でも、響や憑友が戦わなくていい世界だよ
﹂
未来がそう問いかけるが響は首を横に振る。
﹂
!!
?
﹁例え未来と戦ってでも⋮⋮そんなことさせない
﹁私は響や憑友を戦わせたくないの⋮⋮
﹂
﹁ありがとう、だけど私⋮⋮戦うよ⋮
憑友との約束を守るために⋮
!!
﹂
私が一番好きな世界は未来がそばにいてくれる暖かい陽だまりで、
﹁だけど未来、こんなやり方で作った世界は暖かいのかな
と未来は響に説明したが響は周りの惨事を見つめ、未来の考えを否
だから私は響や憑友が戦わなくていい世界を作るの﹂
﹁私は響や憑友にこれ以上戦って欲しくない。 響は未来の言葉に首を傾げる。
﹁争いのない世界
そこには争いも無く誰もが穏やかに笑って暮らせる世界なんだよ﹂
﹁このギアが放つ輝きはね、新しい世界を照らし出すんだって。 ?
そう言って響は聖詠を口ずさもうとしたその時だった⋮
!!
993
?
﹂﹂
︶
﹂﹂
!
994
﹁全く⋮⋮世話のやける幼馴染2人だな﹂
﹁﹁え
﹂
て終いには其処から何かが現れた
﹁ヴォォォォォオオオ‼
﹁﹁憑友︵
?
﹁よっ。響、それに未来﹂
靭な足腰が特徴の生き物の上に誰かが乗っていた。
尻尾の先から火が噴き出し、翼と、そして二本の角、3本の爪、強
?
!
其処には雲がかかっていたが、その雲が徐々に紅く染まって、そし
た。
突然の声が聞こえ、2人はその声がしたであろう方向⋮上を見上げ
?
その正体は、現在﹃英雄﹄の1人、サトシの姿を借りた︽炎魂導師︾
ライド⋮
人絆憑友がやって来たのだった
﹁ヴォォォォンッ
﹂
﹁ありがとな、リザードン﹂
すると憑友は生き物の上から降りて、響の隣に立った。
!
の私服に戻った。
⋮あ、うん﹂
﹁響。あれ⋮持ってる
﹁ふぇ
﹂
それと同時に憑友もサトシのカントー・ジョウト時代の服装から元
そう言うとリザードンと呼ばれた生き物は粒子となって、消えた。
!
る凹みに向けてスキャンさせた
ー
ーコール・オブ・シロウ
!
ー
ーコール・オブ・ナノハ
!
!
枚のカードを取り出すや、そのまま拳銃の上⋮リロード部分の所にあ
そして憑友は右腰に既に装着させたカードケースからすかさず、2
するとスキャナーも拳銃型のアイテムへと早変わりした。
のまま拳銃のように持ち替えた。
そうすると憑友は懐からスキャナー型のアイテムを取り出すや、そ
する事が出来るのだ
カードケースを受け取った事で、憑友は再び﹃英雄﹄達と共に行動
だが、それも此処で終わり。
のカードしか持ち合わせて居なかったのだ。
そして先程まで変身していた︻黄金コンビ サトシ&ピカチュウ︼
自身の剣術の先生︻黒の剣士 キリト︼のカード。
ドと、
憑友の手持ちには、己自身の力である︻炎の魂を導く師者︼のカー
憑友の言ったあれとはこのカードケースの事であった。
︻ヒーローカード︼が入っていたカードケースを憑友に渡した。
そう言うと響は﹃英雄石板﹄によって取り出されたカード⋮
?
!
995
?
すると憑友は響の隣に向けて1発、そして自身の真横に1発放っ
た。それは光を放つ弾丸だった。
﹂
彼
女
の
母
親
すると其処からみるみると形を変え、終いには2人の戦士が立って
いた
﹁⋮﹂
﹁助けに来たよ⋮ヴィヴィオ
﹃聖王﹄へと堕ちたヴィヴィオを救うために、高町なのはが降り立ち⋮
﹂
﹁⋮貴方と相対するとはな⋮シロウ﹂
﹁お前を取り戻す。セイバー
彼
女
の
鞘
した者⋮衛宮士郎がセイバーを取り戻す為に動く⋮
﹂﹂
﹁4対3だが、お前を救う為ならこの命⋮全てをぶつける
﹁私は絶対に⋮﹂
﹁俺は絶対に⋮﹂
﹁﹁未来を助ける‼
﹂
!
!
︹オルタ︺へと堕ちた﹃英霊﹄には、彼女のマスターにして、彼女が愛
!
次回を待て
2人は未来を、セイバーとヴィヴィオを救う事が出来るのか
?
tobecontinued⋮
!
996
!
!
#25 其々の戦い
未来とセイバーとヴィヴィオ⋮
響,憑友,なのはと士郎⋮
其々が其々の為すべき事を成す為に⋮動き始めた。
憑友はなのはと士郎を見る。
2人の瞳には其々の思いが滲んでいた。
それを察した憑友は何も言わずにただ2人に向かって頷いた。
其れを見た2人は﹃ありがとう﹄と同時に言うなり、士郎はセイバー
の方を、なのははヴィヴィオの方を見た。
マ ス ター
﹁やはり貴方が立ち塞がるか、シロウ﹂
﹂
﹁当たり前だ。俺はセイバーの魔術師であり、お前の家族だ。闇に飲
まれた家族を放って置く奴なんか何処にもいない。
俺はセイバー⋮お前を救って、取り戻してみせる
﹁⋮ふっ。人間如き⋮愚かな﹂
すると士郎はすかさず足に強化の魔術を施すなり、未来達の戦艦よ
りも少し遠くにある戦艦の方へと水走りで駆け抜ける
﹁ヴィヴィオ⋮﹂
﹁⋮﹂
駆け抜けて行った⋮
其れをセイバーは、愛馬であるラムレイに乗ったまま、水上の上を
!
だが、ヴィヴィオは出現した時から此処まで、技を放つ際に発する
気迫以外、全くの無言を貫いていた。
そうしていると、なのはに向かって魔力弾を放ったのだ
分かったのだ。
だがなのはは、先程の攻撃を受け流した事で、ヴィヴィオの状況が
い威力の爆発音と津波を発生した。
そして弾き飛ばされた魔力弾はそのまま海に落ちたと同時に物凄
エクセリオン﹄でその攻撃を弾き飛ばす。
其れを見たなのははすかさず愛機のデバイス﹃レイジングハート・
!
997
!
その頃、なのははヴィヴィオと話をしようとしていた。
!
﹁︵まさか⋮自分の身体の言う事が利かないんじゃ⋮
﹁
︵なのはママ‼
︶﹂
訳は至ってシンプルだ。
︶﹂
するとヴィヴィオの身体が一瞬、驚いたような体勢になった。その
﹁︵ヴィヴィオ。なのはママだよ︶﹂
た。
そう思ったなのはは目を閉じ、ヴィヴィオに向けて念話をし出し
?
を見せ、ヴィヴィオと念話をし始める。
﹁︵ヴィヴィオ。今の自分がやってる事分かる
﹁︵うん⋮︶﹂
!
﹁︵そっか⋮分かった。
自分の母親
ヴィヴィオ
!
︶﹂
!
﹁⋮如何して
﹂
俺はそこには行けない﹂
︶﹂
俺はそれはそれで良いと思ってる。だけど⋮
﹁未来。お前の目指している世界⋮理想郷みたいな世界。
そしてこの場に残っていたのは3人だけ。
へと赴いて行った。
艦の方へと高速飛行する。それと同時にヴィヴィオもまたその方向
そう言うとなのはは士郎とセイバーが行った方向とは逆の方の戦
くれるという事に。
ヴィヴィオは確信した。なのはが絶対に今の自分の状態を助けて
後はママに任せて
︶﹂
マは敵だって、身体が言う事利かないの
﹁︵うん。身体が乗っ取られたみたいな感覚で、こうしている間でもマ
?
?
﹁︵やめて欲しいと思っているんだけど、そうも行かないんだよね
︶﹂
自分の愛娘の念話越しの声を聞いたなのはは一安心したような顔
かったようだ。
身体は毒によって乗っ取られようだが、﹃心﹄まで乗っ取る事は無
?
俺は未来⋮お前が側にいて、響が側にいる。そんな世界が好きだ。
未来が遠くに行ってしまいそうだから。
﹁だって、それだと⋮
?
998
!
先輩達や、仲間、クラスメイトや、幼馴染と、
皆んなが近くに居てくれているそんな世界が好きなんだ。
後は何もいらないんだ﹂
﹁憑友⋮﹂
﹂
﹁お前が⋮未来が遠くに行っちゃうのは辛いんだ。だから⋮
意地でもお前を救って、側に居させてやる‼
﹁⋮そう﹂
・
﹂
そう言うと未来はアームドギアを構えた。
・
﹁行くぞ⋮響。
・
﹂
2人で未来を救うんだ
﹁うん
?
し、そして上に動かした
ーアブソーバー・スパーク
ー
を装填するなり、アブソーバーを上,右,下,左,真ん中の順で動か
そう言うと憑友はアブソーバーに﹃アドバンスフォース﹄のカード
!
かさずライドとドッキングさせる
また同じウルトラマンの力を使う事は不可能ではないのである。
但し、
﹃アブソーバー・スパーク﹄を解除し、また手元に戻してから
ンに変更したりすると、変身する事が出来ない。
1度変身したウルトラマンは、3分間が過ぎたり、他のウルトラマ
だが先程、響が行った通り、1度﹃ウルトラマン﹄の力を使ったら、
であり、それを用いる事で﹃ウルトラマン﹄達の力が使えるのである。
﹃アブソーバー・スパーク﹄はウルトラマン達の力を宿した専用ツール
そして⋮響が響でいられる最終通告でもあった。
タイムリミット
2分40秒⋮それが響がギアを纏える残り時間であり、
そう言いながら響は今の自分に残された時間を説明した。
だけど、﹃ウルトラマン﹄達って3分間も戦えるんだよね﹂
﹂
﹁響。お前がギアを纏える時間は
!
﹁2分40秒。それしかないよ。
?
すると上から棒状のアイテム﹃アブソーバー・スパーク﹄が現れ、す
!
!
たかが3分、されど3分⋮響はそれが羨ましかった。
999
!
﹁⋮いや、一部を除いてな﹂
だが、憑友はそう言うとアブソーバーの液晶パネルボタンからとあ
フォーム⋮レオ‼
ー
るウルトラマンのボタンを押した
ーライド
!
するとスティックパーツが腕の形に沿うように形つくる
﹁行くぞ﹂
そう呟く憑友。
﹁レオーー‼
﹂
けてそして叫んだ
手を水平にさせ、そしてリングを嵌めた方の手⋮左手を未来の方に向
すると憑友は腕をクロスさせ、そして大きく弧を描くと、そのまま
!
状の突起物がアブソーバーの下から現れ、憑友はそれを嵌めた。
そう言うとアブソーバー・スパークとドッキングした所からリング
?
ーレグルスの戦士
炎のキック‼
ー
するとアブソーバーから光が発した
!
?
得した格闘ウルトラマン⋮
そして⋮ウルトラマンゼロの師匠⋮
︻しし座のウルトラ戦士 ウルトラマンレオ︼に変身した
﹃俺がこの姿でいられるのは偶然にも2分40秒だ。
﹂
響が消える⋮未来が遠ざかると言うのなら⋮
﹂
俺はこの世から去って逝きたい﹄
﹁憑友⋮⁉
﹁如何して⋮如何してそんな事まで
だが、憑友の意志は固く⋮決して揺るがなかった。
﹃未来を救えない⋮響を救えない⋮
響と一緒に
!
それだけで嫌なんだ。
だから、俺は未来を救う為に、戦う
﹂
!
!
3人で一緒に帰ろう⋮あの輝きがあった当時の俺達のように
﹁憑友⋮うん
﹄
憑友の驚きの言動に響と未来は其々のリアクションを見せた。
!
!
すると憑友の身体が赤の身体つきをした戦士にして、宇宙拳法を会
!
!
?
!
1000
!
?
そう言うと響は聖詠を詠った⋮
彼
女
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
n⋮﹂
少 年 と 少 女
今、﹃未来を救う﹄。たったそれだけの為に⋮
自分の命を燃やす憑友と響が⋮そこに居た。
ーーーーーー士郎 SIDE
憑友と響が未来を救おうと動き出したその頃、
士郎は今、闇堕ちしたセイバー⋮セイバー︹オルタ︺と相対してい
た。
だが、セイバーは闇に染めた聖剣だけでは無く、聖槍まで使用して、
士郎を追い込む。
彼女の持つ聖槍の名は﹁ロンゴミニアド﹂
アーサー王がかつて、自分を中心とした組織﹁円卓の騎士﹂の中に
いた者の1人にして、アーサー王の不義の子・モードレットを貫いた
⋮︹オルタ︺になれば槍も有りかよ⋮﹂
1001
槍の名である。
﹁くっ
それを見たセイバー⋮アルトリアは理解出来なかった。
そう言うと士郎は不敵な笑みを零した。
﹁⋮まぁな﹂
﹁まだ続けるか、シロウ﹂
に、士郎の前へとやって来るなり、槍の矛先を士郎の顔に向けた。
すると槍を携えたセイバー︹オルタ︺は自身の愛馬・ラムレイと共
サー王﹂が使用した槍なのだから。
だが、彼女は槍も扱える。聖なる槍﹃ロンゴミニアド﹄もまた、﹁アー
イメージが強い。
アーサー王ならば当然、有名な剣﹃エクスカリバー﹄を持っている
かの﹁アーサー王﹂である。
事。だが、彼女﹃セイバー﹄の真の名は⋮アルトリア・ペンドラゴン。
彼が知っているのは、
﹁聖剣﹂を持つセイバーの姿しか知らなかった
た。
そう言いながら、普段の彼⋮士郎とは思えないような愚痴を零し
!
﹂
だが、それは唐突に感じた﹁直感﹂で悟った。
﹁
アルトリアはすかさず馬に乗りながら後ろを振り向きざまに槍を
薙ぎ払う
するとどこからとも無く1本の矢が襲いかかってきていたのだ
功した
フルンディング
それを弾き返したのも束の間、その間に士郎は間合いを離す事に成
!
!
まさか⋮﹂
!
既に天に向けて放っていたのだ
ていたのだ
体
は
剣
で
出
来
て
い
る。
そう言うと士郎は自分の胸を拳で叩くなり、詠唱を始めた⋮
血
潮
は
鉄
で
心
﹁I am the bone of my sword.
は
!
!
そしてそのまま、危機的状況に追い込まれた際の布石として用意し
!
なので、此処に来る前にアーチャーの弓での戦い方を用いて、矢を
実は士郎はこの戦況になる事を予め予想していた。
﹁そのまさかだよ、セイバー
﹂
﹁今のは⋮アーチャーの﹃赤原猟犬﹄。
!
た
た
だ
だ
の
の
た
一
一
度
度
び
も
も
敗
理
の
走
解
は
さ
戦
な
れ
く、
な
場
い。
Unknown to Death.
Nor known to Life.﹂
の
愛
者
馬
は
常
に
独
り
を
剣
越
の
え
丘
て
で
彼の放っている詠唱を聞いたアルトリアは冷酷さから一変、急に青
ざめるや、ラムレイと共に士郎の方へと駆け走る
彼
だが、その間にも彼の詠唱はクライマックスを迎える⋮
!
!
そ
﹂
の
に、
体
は、
生
さず戦艦の上に叩きつけた
きっ
!
涯
と
剣
に
で
意
出
来
味
て
そして最後の詠唱を言い終わるなり、その胸に当てていた拳をすか
‼
は
い
硝
不
利
た
な
So as I pray, unlimited blade works.ッ
子。
敗。
Yet, those hands will never hold anyt
故
に
Have withstood pain to create many we
勝
I have created over a thousand blades
幾
Steel is my body, and fire is my bloo
1002
!
?
そしてその範囲に入ってしまったアルトリアと共に、
すると地面に魔術回路が形成され、その範囲をアルトリアの所まで
範囲を広げた
士郎は結界を形成した⋮自分の中に眠る⋮﹃心象風景﹄の世界へと
誘った。
そして目を開けたアルトリアは驚かされた。
そこには無数の剣と、それに突き刺さった荒野の姿しか映されてい
なかったから。
衛宮士郎の固有結界魔術にして、自身の宝具⋮
﹃無限の剣製﹄が発動したのだ。
実はこの固有結界⋮ロックに就いてる﹃英雄﹄アーチャーも使える
のだ。
理由は至ってシンプルなので此処では割愛させてもらう。
︶
︵ネタバレなので、教える訳には行かない
知っている奴等はそのままGO
知らない奴等は色々調べてみてくれ
いつつも、やりたそうな目をしていたのは此処だけの話。
﹁行くぞ、騎士王。
!
お前の真作の剣で全て斬り伏せるのが先か、
俺の贋作の剣で騎士王を斬り伏せるのが先か⋮今此処で
﹁決着⋮か。⋮良かろう。足掻いて見るがいい﹂
ト レ ー ス・オ ン
そう言うとアルトリアは闇に染まりし聖剣を携える。
そして士郎は﹁同調開始﹂と言い放つ
﹂
士郎の驚愕の一言に対し、アルトリアは﹁上から目線とは⋮﹂と言
俺のこの無数の贋作の剣を全て斬り伏せて見せろ﹂
﹁セイバー。お前が﹃剣士の英霊﹄と言うのなら⋮
羽織った衛宮士郎がそこに居た。
概念礼装と呼ばれるアイテム﹁魔力殺しの聖骸布﹂と白いマントを
マ ル ティー ン
には、自身の魔術回路27本を全て開放させ、尚且つ⋮
すると突然聞こえてきた声にアルトリアは後ろを振り返る。そこ
﹁半端者が、真の使い手相手に勝てる見込みなんか0に近い﹂
!
!
!
!
1003
!
すると士郎の手に現れたのはいつもの愛剣﹃干将・莫耶﹄⋮
1004
﹂
では無かった。
﹁⁉
?
セイバーは驚愕させられた。
士郎が今持っているのは、﹃干将・莫耶﹄と同じ2振りの剣だった。
だが、剣の形状は先の双剣では無いのだ。
1つは黒く染まっている片手剣。
もう1つは澄み切るような水色の片手剣だった。
士郎がトレースしたのは、憑友のパートナー﹃英雄﹄にして、
︻黒の剣士︼として有名な二刀流の剣士⋮
キリトの二刀流⋮
貴方のいつもの武器では無い﹂
﹃エリシュデータ・ダークリパルサー﹄だったのだ
﹁何故
﹁偶には、他の奴の剣を扱いたいものさ﹂
そう言いながら、士郎は片手剣二本を構えた。
﹃英雄﹄キリトの構えをして。
一方、なのははヴィヴィオと相対していた。
ーーーーーーなのは SIDE
そう言いながら2人の剣が金属音と共にぶつかり合った⋮
た。
いような武器もトレースして、この結界の中に保存しているのであっ
メリオダスの﹃刃折れの剣﹄のような最早、剣としての機能すらな
一夏の﹃雪片弐型﹄のような近代的武器や、
キリトの剣は勿論、
は、それをトレースさせ、この固有結界の中に保存していたのだ。
実は士郎はこの数ヶ月の間、セイバー以外の剣士達の武器を見て
!
今回はまだ念話で話せるのでまだ良い方だが、
ちた事があった。
だが、かつて自分のいた世界にて、ヴィヴィオは今と同じ状況に堕
念話を閉じ、なのはは自分の愛娘を助ける為に、動き出す。
!
1005
?
前回はそれ以上に酷かった。
自分に後遺症と言う名の傷跡を残した張本人にして、
なのはの親友、ヴィヴィオのもう1人の母・フェイトにとっての因
縁の相手によって無理矢理動かされていたのだ。
その時は自分の後遺症が完全に発症させてまでしても、ヴィヴィオ
を取り戻す事に成功、以降は自身とフェイトの手ですくすくと成長さ
せたのだ。
今回はその辛い思い出が蘇ってしまったのだ。
しかも、それをやったのがまさかのマッドサイエンティスト。
尚の事、今と過去の思い出が重なってしまったのだ。
だが、そんな程度で︻不屈の心︼︻エース・オブ・エース︼と呼ばれ
﹂
ている魔導師・高町なのはでは無かった⋮
デバイス
﹁ヴィヴィオ。今、助けるからね⋮
そして格闘技の構えをした。
して身体の自由が言う事を聞かないヴィヴィオは勝手に身体が動き、
そう言うとなのはは、自分の愛機﹃レイジングハート﹄を携え、対
!
そして、ヴィヴィオの拳がなのはを捉え、なのはは杖で受け止める
と同時に、救う為の戦いが始まった⋮
!
1006
!
#26 2分40秒︽タイムリミット︾
ーーーーーー響&憑友 SIDE
響と憑友は2人で未来を助ける為に動き出す⋮
憑友はすかさず未来に向かって特攻を仕掛ける。
!
だが、未来はアームドギア︽シェンショウジン・オウシャク︾を鏡
閃光
を放つ⋮
!
のような円形の形に展開するなり、そこから光のビームを出した。
クリスと霊風を襲った技
"
レオブレラ
ける⋮
トを展開させるとそこから銀色の傘が現れ、その猛攻の中を、潜り抜
だが、憑友はすかさず左腕に備え付けられていたアームブレスレッ
"
かったアイテム⋮﹃ウルトラマント﹄を変化させた武器だった
きを未来のアームドギアにぶつけた
そしてまた同じ攻撃を繰り出してきた⋮
た。
だが、未来の手には既にアームドギアのストックが用意されてい
それと同時に、アームドギアは粉々に粉砕された。
それを見た未来はアームドギアを手放し、後退。
!
そして攻撃が止んだと同時にレオに扮する憑友はそのまま正拳突
!
それはレオが伝説のウルトラマン⋮﹃ウルトラマンキング﹄から授
"
!
レオヌンチャク
ヌンチャクの姿になり、それを振り回しながら接近し続けた
り、そのまま未来の肩に手を置くなりそのまま巴投げをした
︶﹄
身体中の血が沸騰しそうだ⋮⋮
︶﹂
そこには﹃ガングニール﹄を纏った響が拳を構えていた。
﹁︵熱い⋮⋮
﹃︵やはり響の身体を⋮これ以上やらせない
すると憑友はすかさず未来の後ろに向けて、レオのチョップ技
ハ
"
!
!
それを動かしながら、憑友は未来のアームドギアを振り落とすな
"
!
すると憑友は先程のブレスレットを展開するなり、そのままなんと
!
!
!
1007
"
"
ンドスライサー
を響の拳と共にぶつけるが、未来は直ぐにそれを回
避、2人の攻撃は不発に終わった。
ーーーーーーSIDEto憑友
響はガングニールの危険を冒してまでギアを纏った。
それを俺は知っている。
何故なのか、それは此処に来る時にユルセンと出会って、ありのま
まの状況を教えてくれたから。
と言うよりも、ユルセンが見た光景・記憶を俺は見るような感覚で
それを見た。
ー回想ー
シェンショウジン
それが数分前の出来事⋮⋮。
響は未来の纏うギア︽神 獣 鏡︾のエネルギー波を利用し、未来のギ
アを解除しようと提案した。
そのことに弦十郎師匠は驚き、響を引き留めようとしたがその肝心
の響は⋮⋮。
﹂
それは絶対に絶対です
﹁翼さんもクリスちゃんも奏さんも、ロックさんも霊風さんも戦って
﹂
いる今、動けるのは私だけです。 ﹂
死んでも未来を連れて帰ります
﹁死ぬのは許さん
﹁じゃあ、死んでも生きて帰ってきます
だって、まだ憑友を探さないと行けないんですから‼
!!
は2分40秒になります
﹂
﹁過去のデータと現在の融合深度から計算すると、響さんの活動限界
た結果を報告していた。
そうしていると藤堯さんと友里さんが響のガングニールを解析し
?
!!
!!
友里からそう伝えられ、響は頷いて見せる。
﹁例え微力でも、私達が響ちゃんを支えることが出来れば、きっと﹂
で友里さんが響の前に駆け寄り⋮⋮。
藤堯さんからの報告を聞いて唖然となる弦十郎師匠。するとそこ
!!
1008
"
!!
それを見た牧藁さんもそれに頷いていた。
﹁オ ー バ ー ヒ ー ト ま で の 時 間 は ご く 限 ら れ て い る。勝 算 は あ る の か
﹂
﹂
そう弦十郎が言うと響の言葉に俺は驚いた。
﹂
﹁思いつきを数字で語れるものかよ
﹁なっ⋮⋮
!!
ーーーーーーNO SIDE
それだけは絶対に死守しないとな⋮
俺がレオの姿で居られ無くなれば、それは響の敗北にも繋がる。
る為に俺は変身したんだ。
響のタイムリミットと同じでそれがどのくらいの長さなのかを計
マン。
レオは地球上では2分40秒しか活動する事が出来ないウルトラ
して、ある存在の事に気付いた⋮それがウルトラマンレオだった。
そして俺はすかさず響のタイムリミットに関する情報を試行錯誤
そして今に至るのである。
ー回想ENDー
て弦十郎師匠は響に出撃の許可を出した。
た。そしてその発言をした響は﹁へへ﹂と不敵な笑みを浮かべ、そし
るとは思ってもいなかった弦十郎師匠。俺もこれにはお手上げだっ
まさか昔⋮と言っても3ヶ月前に師匠が言ったことを響に言われ
!
た。
!!
﹃胸に抱える時限爆弾は本物だ。 作戦時間超過、その代償は確実な死であることを忘れるな
﹄
2人が未来を救おうとした時に、響のインカムから通信が入ってき
!
1009
?
通信機を通して弦十郎の声が響に伝わる。
︵死ぬ、私が⋮⋮死ぬ
そんなの⋮死ねるかあああああああ
︶
響は未来の攻撃を押し返して膝蹴りを彼女に叩き込み、2人は空中
へと飛び立つ。それを見た憑友も空を飛ぶ
﹁うぐっ、うう⋮⋮
﹂
私がしたいのはこんなことじゃない
それと同時にレオ扮する憑友も胸に手を掴みながら苦しみ出した
!
からガングニールの結晶が生えてきて響は苦痛に表情を歪める。
その時、響の身体のガングニールの侵食が急激に進み、彼女の身体
戦いから開放してあげないと﹂
戦わないことだけが本当に温かい世界を約束してくれる。 ﹁戦うなんて間違っている。 マーカーを射出する。
していき、同時にタイミングを見計らったマリアはヘリからシャトル
を使って、憑友はレオの宇宙拳法を用いてビームを蹴って未来に接近
未来は響に﹁混沌﹂を繰り出すが響はガングニールのブーツの効果
!
シェンショウジン
﹂
そこでようやく未来は完全に正気に戻ったのだが、彼女の意思とは
︶﹂﹄
関係なく、 神 獣 鏡は響と憑友に攻撃を続ける。
﹃﹁︵誰が未来の身体を好き勝手にしているんだ
﹁嫌だ
もう離さない
﹂
!!!!!
に抱きつき、未来は2人に対して自分を離すように必死に訴える。
そして響は未来に掴みかかって彼女に抱きつき、その上を憑友が更
!!
絶対に、絶対にいいいいいいいいい
!! !!
﹃未来が⋮響が居ない世界なんて⋮
もう二度と離さない
!!
1010
!!!!!
?
そしてそれと同時にレオのカラータイマーが点滅し始めた
!?
それを見た未来は⋮⋮。
﹁違う
!!
こんなことじゃ、ないのにいいいいいいい
!!!! !
!
響いいいいいいい
俺は大嫌いなんだよーーーーーー‼
﹁憑友ぉぉぉぉぉ
﹄
﹂
!!!! ?
がはっ⁉
﹂
?
に挟めながら、
﹁うおおおおお‼
﹂
﹂
そう叫びながら、海上から姿を現した。
だが、その身体からは光の粒子が少しずつ飛び散っていた⋮
ドをスキャンした。
!
すると光の弾丸は姿を変え、キリトの姿に変わった。
すると憑友はブースターの引き金を引いた。
ーコール・オブ・キリト
ー
ターα﹄を取り出すやそこに自身のパートナー﹃英雄﹄⋮キリトのカー
そして憑友はふらふらになり、肩で息をしながらも、﹃現界ブース
そして憑友は二課の戦艦の上に着地するなり、2人を下ろした。
!
先程の衝撃でギアを解除され、並びに気絶した響と未来の2人を両脇
しかし、それでも彼は意地と気合いと根性と言う名の気力だけで、
故に憑友の身体にダメージが食らったのだ。
彼の身体は︹半幽霊︺⋮半分が非科学的な身体で作られている。
それは憑友も例外ではない。
例え⋮非科学的な物であっても。
持っていた。
今の神獣鏡の力はありとあらゆる事を﹃無﹄にしてしまう能力を
レオの変身が強制的に解除され、更にはダメージまで受けた憑友
﹃⁉
そしてその光を浴びた結果⋮
いた⋮
響、憑友に直撃し、光線はそのまま海の中にあるフロンティアへと届
そして最後は3人にシャトルマーカーから放たれた光線が未来と
未来ーーーーーーーー
﹁そいつが聖遺物を消しちゃうって言うなら、こんなの脱いじゃえ
カーが作っている光の輪の中へと向かっていく。
響は腰のブースターを使い、憑友と未来を巻き込みシャトルマー
!
?
1011
!!!!
!!
!
?
﹂
それと同時に気が抜けたのか、そのまま倒れ込もうとした所をキリ
しっかりしろ
トによって抱えられた。
﹁おい⁉
﹁あ⋮そ⋮こ⋮﹂
﹁何処に行けばいい
﹂
に耳を傾け、そして憑友はその場所を指定した。
けて﹁行きたい場所がある﹂と呟くと、キリトはそのまま憑友の口許
キリトが憑友の安否を確認すると憑友はそのままキリトの耳に向
!
にして、その場から立ち去ってしまったのであった。
未来を助ける事に成功した響と憑友。
だが、憑友の命はもう残り僅かだった⋮
ーーーーーーSIDEto士郎
今のは⋮
﹁ああ。その通りだな﹂
本当に良かった。
﹂
だけど、俺は俺の為すべき事をやらないといけない⋮
﹁これで終いだ⋮
を放つつもりだ
﹂
だから、俺はイメージし、そして撃鉄を⋮打つ
ト レ ー ス・オ ン
﹁投影開始ッ‼
を向ける⋮
彼
女
と
言
う
英
霊
衛宮士郎 と セイバー⋮アルトリア を 結 ば せ て く れ た ア イ テ ム ⋮ そ れ
俺と言う魔術師
目指した理想郷の名を持つ物。そして⋮
イメージするのは聖剣を納めし偉大なる鞘にして、聖剣の使い手が
?
!
!
そういうとセイバーの剣から黒い魔力が溢れてきていた⋮﹃宝具﹄
!
!
とキリトの姿が変わり、キリトは憑友の手を引き寄せ、肩を組むよう
キリトはそれを見るなり、
﹁コンバート。モード︹ALO︺﹂と言う
そこには海中から巨大な古代都市のようなものが出現していた。
そう言いながら憑友は指を指し、キリトはその視線の先を向けた。
?
﹁⋮如何やら、ミクはあの2人によって救われたのか﹂
!
!
1012
?
﹂
﹁卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め
今しか⋮無い
エ ク ス カ リ バ ー・ モ ル ガ ー ン
﹁﹃ 約束された勝利の剣﹄‼
此処で止めるだけだ
ロ
ン
﹂
お前を取り戻す⋮最強の防具を⋮‼
ヴァ
﹁はぁぁぁぁ⋮‼
ア
﹂
全て遠き理想郷ーーーーーー‼
﹁⁉
その隙を⋮俺は見逃さない⋮
﹂
そ し て そ の ま ま 懐 に 忍 ば せ て お い た 形 状 が 不 変 則 な 短 剣 を セ イ
バーの心臓に刺し、そして叫ぶ⋮
!
1013
!
?
!
?
!
?
その一言で、セイバーの﹃宝具﹄の攻撃は消え、更に一瞬怯んだ⋮
?
?
!
!
ルー
ル
ブ
レ
イ
カー
﹂
﹁破戒すべき全ての符‼
除
ーーーーーーNOSIDE
﹂
﹂
﹁ああ。俺もだよ⋮セイバー⋮
﹁貴方と一緒で⋮良かった⋮
それを察したのか、セイバーは俺の胸の方へと身を寄せた。
そうか⋮もう時間なんだな。
それと同時に俺とセイバーの身体から光の粒子が飛び散り始めた。
そうしていると、結界が崩れていく。
﹁おかえり﹂と。
そして俺はセイバーに告げた。
そして俺に御礼を言ってくるセイバー。
⋮ありがとう。シロウ﹂
﹁はぁ⋮はぁ⋮
結果は成功だった。
きた。
白みがかかった髪と顔も色がつき、そして癖っ毛もピョコンと出て
り、
黒かった鎧と衣装も、青と銀のメイルであしらった元の服装に戻
そしてその容姿が変わってきた。
そしてそのまま行き倒れるセイバー。
リセットされる代物だ。今回はそれに目をつけたんだ。
解
こ の 短 剣 に 突 き 刺 さ れ た 者 達 は 幾 ら 強 化 し て い よ う が、全 て
この短剣は絶ち切る事だけに特化して等いない。
だが、今回はそれが有効打になった。
忌々しい短剣。
魔術師の英霊︽キャスター︾が俺とセイバーの関係を絶ち切らせた
俺が投影したのは、かつて自分のミスでセイバーを奪われた相手⋮
﹂
﹁ああああぁぁぁぁあ⁉
?
て消えた⋮
そう言うと士郎とセイバーはキスをして、そしてそのまま光となっ
!
!
1014
?
そして2人が戦った戦艦の上には、士郎とセイバーの︻ヒーロー
カード︼しか置かれていなかった。
次は少し話を数分前に戻し、なのはとヴィヴィオの戦いに戻そう。
ーーーーーーSIDEtoなのは
私はヴィヴィオの動きを止めつつ、戸惑いを隠しきれていなかっ
た。
ヴィヴィオがまた﹃聖王﹄へと堕ちた事に。
前回も同じ出来事を巡り合わせたと言うのに。
だけど、今回と前回では大きく違う。
まず1つ目は、ヴィヴィオの精神状態。
前回は精神も完全に操られていた。
だけど、今回は精神は操られていない。それは先程の念話で実証済
み。
2つ目は、クリスもといセイクリッドハートと融合したままの状態
デバイス
1015
であると言う事。
前回はまだセイクリッドハート⋮ヴィヴィオの愛機がまだ所持し
ていなかった。
だけど今回は既にクリスとは既に融合している状態であると言う
事。故にヴィヴィオはあそこ迄耐えているのかもしれない。
3つ目は、これがもはや決定的かもしれない。
それは⋮年齢差。
前回は私がまだ機動六課としての仕事をした時で、当時のヴィヴィ
オは6歳だった。まだまだ甘えたがりなお年頃だった。
だけど今回は10歳⋮精神が少し成長した状態でもあった。
もし、ヴィヴィオがまだ6歳のままだったら⋮
もし、クリスが近くに居なかったら⋮
もし、精神まで乗っ取られていたら⋮
そう言う最悪の事態を回避しただけでも私は嬉しさと同時に、やり
辛い感情を出していた。
それでも私は⋮ヴィヴィオを助ける
そう決めた私は﹃レイジングハート﹄と話をつける。
!
レストリストロック
⋮
﹂
を発
女は﹃貴方と共に﹄と言い返してき
レイジングハート
私が言った言葉に対して、 彼
た⋮ありがとう、レイジングハート。
それを聞いた私はすかさず、拘束魔法
動し、ヴィヴィオの身動きを封じる⋮
全力全開
﹂
﹃StarlightBreaker.﹄
﹁スターライト⋮ブレイカー‼
ーーーーーーNO SIDE
ドガァァァ‼
その力を前に爆発が起きた。
スターライト・ブレイカー
"
﹁ありがとう⋮ママ⋮
粒子が飛び散り始めた
﹂
﹂
﹁帰ろう。ヴィヴィオ﹂
﹁ママ。ありがとう
!
そう言うと同時に2人の身体も士郎とセイバーの時と同様に光の
!
!
﹁ヴィヴィオ⋮良かった⋮
﹂
そうになり、なのははそれを支えるようにして抱きしめた。
そしてなのはは直ぐにヴィヴィオの元に赴くとヴィヴィオが倒れ
ヴィヴィオが漸く立っていると言う状況だった。
そこには、黒の衣装から白と紺のスーツを着た⋮大人モード状態の
を向けた。
そして煙が立ち込めていく中、なのははその煙の先にいる存在に目
なのはの代名詞とも呼ばれる砲撃魔法。
?
"
?
!
"
!
そしてすかさず杖にありったけのエネルギーを注ぎ込む⋮
﹁
!
放つ技は私と言う存在の代名詞である砲撃魔法⋮
"
そしてその場にはなのはとヴィヴィオのカードが置かれていた⋮
そう言うと2人は寄り添い、そして光となって消滅した。
﹁どう致しましてなの♪﹂
!
1016
"
"
ーーーーーー
それぞれの戦いが終わったのも束の間、
海上に現れた古代都市を前に、戦艦の上で切歌と戦っていた翼と切
﹂
歌達はこのことに驚き戦いを思わず中断してしまった。
﹁いったいなにが⋮⋮
﹂
だった。
﹂
お前なにして⋮⋮
!?
﹁雪⋮⋮音⋮⋮
﹁クリス
﹂
か せ る と そ こ に 立 っ て い た の は ⋮⋮ 敵 で あ る 切 歌 で さ え 驚 く 人 物
翼は自分を撃った人物を確かめようと倒れながらも顔を後ろに向
﹁っ
そんな時、翼の背中を誰かが銃弾で撃ち、翼はその場に倒れこんだ。
?
を構えていた。
﹁済まない⋮。
ロック‼
﹂
これは、俺とクリスが抱える十字架だ﹂
﹁ぐっ、クリス
で身動きが取れなかった。
﹁⋮⋮さよならだ﹂
縫い
そう言いながら、奏は動こうとしたが、いつの間にかロックの
?
tobecontinued⋮
そしてそこで待つのは、果たして⋮
物語は佳境へと誘う⋮
リへと乗って行ってしまった⋮
影
そう言うとクリスとロックは切歌と闇呪怨と共に﹃フィーネ﹄のヘ
"
霊風は後ろを振り返るとそこにはなんと、ロックが手刀をした動作
そのまま倒れ込んでしまった。
そう言いながら、霊風が近づこうとしたが、突然、首に衝撃が来て、
!?
?
!!
1017
!?
"
#27 ディスティニーアーク
ーーーーーーNOSIDE
二課の基地でもある潜水艦にて、ある部屋で調と光聖希は緒川と一
緒におり、緒川は調のシンフォギア﹃シュルシャガナ﹄のペンダント
と光聖希の変身アイテム﹃タマシイアブソーバー﹄を、預かることに
なった。
﹁申し訳ありませんが、これは預からせて頂きますね﹂
﹂と首を傾げると⋮⋮彼女はどこか
﹁⋮⋮お願い、みんなを止めて⋮⋮﹂
調のその言葉に緒川は﹁えっ
悲しそうな表情をしながら﹁お願い、助けて⋮⋮﹂と呟くのだった。
それを見ていた光聖希は何も言わなかった。
また、司令室ではF.I.Sが目覚めさせた巨大な島のようなもの
﹂と驚きの声をあげていた。
⋮⋮﹁フロンティア﹂について調べており、弦十郎も﹁これがF.I.
Sが求めていた⋮⋮フロンティア
シェンショウジン
﹂と小さく呟い
?
﹁未来∼
﹂
元へと訪れ、彼女は未来に抱きついた。
た未来がベッドの上で座っており、そこに元気いっぱいの響が未来の
一方⋮⋮二課のとある医療室では⋮⋮神 獣 鏡の力を完全に消失し
た。
が牧藁から伝えられ、弦十郎は﹁乗り込むつもりか
さらに新たな米国政府の艦隊がフロンティアに向かっていること
!?
フのあおいも訪れており、翼は友里︵以下あおい︶に未来の容態は大
ほんとによかった∼
﹂
丈夫かどうかを尋ねたがあおいによればどこも異常なところはない
らしい。
﹁よかった∼
!
せいであると分かると未来は今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。
せるが⋮⋮未来は響の頬が怪我していることに気づき、それが自分の
響は完全に未来が無事であると分かり、とても嬉しそうに笑顔を見
!
1018
?
そこには頭に包帯を巻いた翼と霊風、軽い怪我で済んだ奏とスタッ
!!
﹁私の⋮⋮私のせいだよね⋮⋮
﹁えっ
響
﹂
﹂
﹁うん、未来のおかげだよ♪ ありがとう、未来♪﹂
!
﹂
私が未来を助けたんじゃない。 未来が私を助けたんだよ
﹁そうそう
﹁君は守ることができたんだよ。大切な親友を守ることが﹂
た様子で響を見つめる。
しかし、響はそんな未来の言葉を笑い飛ばし、未来は少し唖然とし
?
ら救ってくれたんだ﹂
﹁私が困っている時、やっぱり未来は助けてくれた
ありがとう
﹂
!!
﹂
2人はそれに察したのか、首を縦に振り、頷いた。
あおいと翼は霊風と奏の顔を見た。
ただそれだけだった。
﹁憑友⋮今、何処にいるのか⋮分からない﹂
未来はその事を響に説明を促す。そして響から言われたのは⋮
漂い始めた。
未来から言った一言で皆は先程までの明るい空気が一転、暗い空が
﹁⋮憑友は
存在が欠けていた。
だが、それと同時に周りを見渡すと、そこには居なくてはいけない
た﹂ということを意味していた。
べるが⋮⋮、未来はそれがつまり﹁響のガングニールは完全に消滅し
溜めつつも﹁自分が響を救うことができた﹂という喜びに笑みを浮か
響は笑顔で未来の両手を握りしめ、それを知った未来は眼尻に涙を
!
﹁つまりは、未来ちゃんの﹃響を守りたい﹄という強い想いが響を死か
片も除去されたというのだ。
のシンフォギアのみならず響の身体を蝕んでいたガングニールの欠
は聖遺物由来の力を分解し無力化する効果があったらしく、響と未来
あおいの説明によるとあの未来の纏っていたシンフォギアの力に
するとあおいがその詳細を教えてくれた。
すると響の肩に霊風が手を置きながら未来に説明した。
!
!
?
1019
?
﹁だけど、F.I.Sは遂にフロンティアを浮上させたわ。 本当の戦いはこれからよ﹂
﹁F.I.Sの企みなど私と奏,霊風さんの3人で払って見せる。 心配は無用だ﹂
しかし、未来は翼の言った﹁3人﹂というキーワードを耳にし、な
ぜ﹁雪音クリス﹂﹁ロック・アイル・ユキネ﹂の名前が入っていないの
か首を傾げ、その疑問を未来が問いかけると翼と響はどこか言い辛そ
うな顔を浮かべていた。
それもその筈⋮
その肝心な2人は今⋮敵側に寝返ったのだから。
﹂と言葉を返した。
1020
ーーーーーー
その頃、フロンティアの地に降り立ったマリア,ナスターシャ,切
歌,闇呪怨,クリス,ロック,ウェル。
そして﹃英雄﹄達であるギンジ,マシュ,ザフィーラの3人がいた。
マシュはナスターシャの車椅子を押しており、
そして、ギンジとザフィーラはある物を引っ張っていた。そこには
﹂と言い返した。それを
培養液でタール漬けされている1人の人間があった。
それを見たロックは、
﹁邪魔になるのでは
そしてクリスは話の区切りを見極めたかのように﹁こんなのが海中
ので、ロックはそれを聞いたのか、闇呪怨に謝罪をした。
リアからは﹁大事な人なの。1人にはしたくなかったから﹂と言った
聞いた闇呪怨はすぐに激昂するがマリアによって制止され、そしてマ
?
に眠っていたとはな﹂と呟き、それに対してウェルは﹁あなたが望ん
だ新天地ですよ
?
﹁⋮⋮﹂
﹄
クリスはフロンティアを見つめながら翼を裏切り、マリア達の仲間
になった時のことを思い出していた。
﹃仲間を裏切り、あたしたちに付くと言うのデスか
﹃こいつが証明書代わりだ﹄
クリスの足もとには倒れこんだ翼がおり、それが証拠だと切歌に言
うクリスだが⋮⋮そう簡単に受け入れられる筈がなかった。
﹃力を叩きつぶせるのはさらに大きな力だけ。
あたしの望みはこれ以上戦火を広げないこと。
無駄に散る命を1つでも少なくしたい﹄
﹃⋮⋮﹄
クリスのその言葉を聞き、それには切歌自身も同じ想いだったた
め、クリスが嘘をついているようにも見えなかったので切歌は頷いて
彼女を受け入れたのだ。
そしてそれは闇呪怨とロックの方も同じだった。
ただロックの場合はそれに加えて、
﹃そ れ に 俺 は ⋮ ク リ ス に は 平 和 な 世 界 で 幸 せ に 生 き て き て 欲 し い ん
だ。あいつの分の罪も俺が全部背負ってやる。それがクリスの兄で
ある俺の役目だ﹄
﹃お前⋮﹄
闇呪怨は光聖希の双子の兄。
そしてロックはクリスの義理の兄。
同じ兄としての想いに共感したのか、闇呪怨はロックを受け入れた
のだった。
そしてクリスとロックはマリア達と共にフロンティアの奥へと進
﹂と問いかけ、クリスはマリアを後ろから少
み、マリアはクリス達に﹁本当に私達と共に戦うことが戦火の拡大を
防げると信じているの
し見つめて微笑した。
いい﹂
1021
!?
気に入らなければ鉄火場の最前線で戦うあたしを後ろから撃てば
﹁ふん、信用されてねえんだな。 ?
﹂
﹁それに此方には﹃現界ブースターα﹄がある。カードもかなりある。
お前らに預けても構わないぞ
﹁勿論、そのつもりですよ。 ですが﹃英雄石板﹄のカード達と﹃現界ブースター﹄は遠慮してお
きます。 なにせそれを動かせるのは貴方ですから宝の持ち腐れです﹂
クリスとロックの言葉にウェルがそう返し、やがて一同は﹁ジェネ
レータールーム﹂と呼ばれる巨大な球体のようなものがある場所に辿
り着き、ウェルはその球体に近づいて﹁ネフィリムの心臓﹂を貼り付
けた。
すると球体がオレンジ色に輝き出し、それと同時にフロンティアに
は草木が生え始める。
﹁心臓だけとなっても聖遺物を喰らい取り込む性質はそのままだなん
て、いやらしいですねぇ。 ふひひひ⋮⋮﹂
﹁エネルギーが、フロンティアに行き渡ったようですね﹂
それからウェルは﹁フロンティアのブリッジ﹂に向かうと言い、ウェ
ルはナスターシャには﹁制御室でフロンティアの面倒をお願いします
ね﹂とだけ伝え、彼はその場を去っていくのだった。
また、切歌は球体の光を見つめながら調と光聖希の﹁ドクターでの
やり方じゃ弱い人達は救えない﹂﹁間違ったやりかたでいいと思って
んのか﹂という言葉を思い出していた。
﹂
﹁そうじゃないんデス、フロンティアの力でないと誰も助けられない
んデス。 調だって助けられないんデス
ーーーーーー
クリスの名を心の中で呟いた。
﹁︵クリス⋮︶﹂
そんな悲しい顔をした義理の妹を見たロックは、
﹁︵わりぃ、ロック義兄。 こんな我侭な私を⋮︶﹂
を見ながら思い浮かべた。
じまってるんだな⋮⋮﹂と心の中で呟き、彼女は隣にいたロックの顔
クリスはそんな切歌を見つめながら、﹁あいつも色々と背負いこん
!!
1022
?
その頃、ウェルはマリアと共にフロンティアのブリッジに辿り着く
とブリッジの中央にある巨大な紫の球体のようなものがある場所ま
で歩き、ウェルはLINKERを取り出してそれを自分の腕に打ち込
﹂
もうとする。
﹁それは
﹁LINKERですよ。 聖遺物を取り込むネフィリムの細胞サンプルから生成したLIN
KERですぅ♪﹂
ウェルは不気味に笑いながらそのLINKERを自分の左腕に撃
ち込むとウェルの左腕は異形な形へと変化し
、その左腕で球体へと触れると球体が輝きだしはじめ、その球体に
﹂
複数の艦隊がフロンティアに接近してきている映像が映った。
﹁早く動かしたいなー。 ﹂
ちょっとくらい動かしても構いませんよねマリア
﹁っ⋮⋮
たが⋮⋮その時ウェルの声が音声としてナスターシャのいる制御室
御室でナスターシャは落下する月を阻止するための装置を探してい
マリアはウェルがなにをしようとしているのか気づき、同じころ制
?
﹂
で響き、さらに彼女の前にはこちらに接近してきている艦隊の映像も
映りだした。
﹁これは⋮⋮
⋮⋮
ドクター
﹂
これだけあれば十分にいきり立つ⋮⋮
﹁早すぎます
﹄
!
地球まで引きずり降ろそうとする。
﹁どっこいしょおおおおおおおおおおお
﹁加速するドクターの欲望
﹂
手遅れになる前に私が信じた異端技術で阻止して見せる
﹂
!!
!!!!!
いき、やがてその光が左手の形となり、その左手は月を掴むと一気に
起動させ、フロンティアの鉄片から金色の光が放たれ月へと向かって
しかし、ウェルはナスターシャの制止を聞かずフロンティアの力を
!!
!
1023
?
!
﹃1つに繋がることでフロンティアのエネルギー状況は伝わってくる
!?
!!
!
そしてフロンティアは空中に浮こうと空を飛び立ち、艦隊はそんな
フロンティアの姿を見て危険と思ったのか攻撃を開始したが、フロン
﹂
ティアには艦隊の攻撃など一切通用しなかった。
﹁楽しすぎて眼鏡がずり落ちそうだぁ
蹂躙する力を
に思えて仕方がなかった。
﹁手に入れたぞ
これで僕も英雄になれる
!!
やったあああああああ
﹂
﹂と疑問
?
る。
﹁月の落下を早めたのか
救済の準備はなにもできていない こ
﹂
!!
た者達、それがマリア達とウェルの違いだった。
﹁これが僕の考えた1番確実な人類救済の方法です
手で弾き、マリアは床に倒れこむ。
﹂
マリアはウェルに掴みかかろうとしたがウェルはマリアの頬を左
!!
!!
﹁っ、そんなことのために私は悪を背負ってきた訳ではない
﹂
分達は﹁多少の犠牲を払ってでも多くの人達を救う﹂ことを目的とし
﹁こいつは自分さえ生き残ればいい人間﹂ことを目的としたウェル、自
互いの人類救済の違いに⋮⋮。
はね﹂と嫌らしい笑みを浮かべ、ここでマリアはようやく分かった、お
しかもウェルは﹁人類なんか絶滅しませんよ、僕が生きている限り
というのだ。
うにはLINKERが作用している限りは制御件は自分にあるのだ
だが、フロンティアはマリアの操作を全く受け付けず、ウェルが言
れでは本当に人類が絶滅してしまう
!?
言い、マリアはウェルを押し退かしてフロンティアを制御しようとす
さらにウェルは﹁月の落下を早めちゃいましたよ﹂とワザとらしく
ひひひひひ
この星のラストアクションヒーローだぁ
!!!!!
!!!!!
は冷や汗をかいて﹁本当にこれが人類を救済する力なのか
その光景にウェルは心底楽しそうに不気味な笑い声をあげ、マリア
浮かばせて全て押しつぶされ、破壊される。
するとフロンティアの下部が輝き出し、周りにあった艦隊は空中に
!
!!
1024
!!
!!
!!!
フィーネを気取っていた頃でも思いだしてそ
﹁今ここで僕を手にかけても月の落下は変わらない事実だろう
⋮
﹁なんで、そうやっていつも1人で抱え込もうとしやがる⁉
キリトはこの日、初めて憑友に叱咤した。
﹂
と同じように、身体の至る所から既に光の粒子が飛び散り始めていた
しかし、キリトの身体からは士郎とセイバー,なのはとヴィヴィオ
彼を支えてきたパートナー﹃英雄﹄キリトであった。
それはつい先程まで未来との戦闘を終えたばかりの憑友と、そんな
﹁⋮お前⋮やっぱり⋮﹂
﹁有難う⋮キリト師匠﹂
そんな中で、一筋の光がそのフロンティアへと降り立った。
なかった。
を流して﹁セレナ⋮⋮﹂と実の妹の名を何度もつぶやくことしかでき
ウェルはマリアを指差して見下したような眼で見つめ、マリアは涙
こで恥ずかしさに悶えてなぁ♪﹂
ダメな女だなぁ
!?
せてきたキリト。
だが、その怒りを孕んだ顔を見たのは憑友は始めてだった。
﹁俺達がいるんだ⋮響達がいるんだ⋮家族がいるんだ⋮なのに⋮
なんで、仲間の力を借りないで、1人で抱え込もうとしやがる⁉
だけど、彼の身体はもう既に半分、半透明になっていた。
葉だった。
﹂
それは今の今までキリトが黙って見てきた鬱憤を晴らすような言
?
1025
!
今の今までは苦笑いやお茶目、羞恥する顔を憑友に、その仲間に見
?
!
﹁だって⋮俺はそれしか取り柄が無いから⋮﹂
そう言うと憑友はキリトの手を取った。
﹁今の今まで⋮ありがとう⋮﹂
﹁憑友⋮くそぉぉぉ⋮﹂
そう言いながら、キリトは涙を流しながら姿が消え、そして憑友の
手にはキリトのカードが存在した。
そして憑友の手に付いた涙もまた光の粒となって露散した。
そして憑友は這い上がり、そして歩いていく⋮
此処で自分の生涯を終える為に。
1026
#28 想いをこの手に
フロンティアが起動していた頃、響達二課の面々は、自分達の戦艦
で飛行してどうにかフロンティアの真上に侵入することができた。
いよいよ本番が近付いていると分かった霊風は光聖希と一緒に司
﹂
ダンナ
﹂
令室へと入り、そこには響と未来、既に出撃体制に入っている翼と奏
がいた。
﹁翼、奏、行けるか
﹁無論です﹂﹁準備は万端だぜ
へと向かおうとするが響が心配そうに翼の名を呼んだ。
私と翼、そして霊風の3人のステージだろ
﹂
あの人の言葉を借りるなら⋮
﹄﹂
ー
ん中の順で動かしそして最後に右に動かした
ーアブソーバー・ドライバー
表れ、霊風のアブソーバーとドッキングさせた
を巻いた
貼付されたパネルボタンがあり、その中の1人を押し、そしてベルト
そこには、30人をも超える程の仮面ライダーの顔アップの画像が
そして霊風はすかさずアブソーバーのパネルボタンを見た。
!
そして空中からベルト型アイテム﹃アブソーバー・ドライバー﹄が
!
ら離れ、それを右手でキャッチするなり、そのまま上,右,下,左,真
ソーバーに装填して、レバーを引いた。そしてアブソーバーが左腕か
そういうと霊風はすかさず﹃アドバンスフォース﹄のカードをアブ
﹃此処からは俺達のステージだ
﹁行くぞ
そして外に出た3人は、此方に向かってノイズが迫ってきていた。
?
﹁案ずるな、1人で立つステージには馴れた身だ﹂
﹁1人じゃないだろ
﹁⋮そうだったわね﹂
﹁何はともあれ、行きますか。
ついでに憑友も連れて帰るさ
﹂
弦十郎の言葉に翼と奏はそう答え、彼女はバイクの置いてある場所
!
?
?
翼達は笑みを浮かべて響にそう言い残して立ち去って行った。
!
!
1027
!
!
!
!
﹂
ースピリット
﹁変身‼
フォーム、鎧武‼
ー
?
イドさせた
そしてすかさずアブソーバーについてるレバーを左から右にスラ
!
顔に嵌った
それを見た奏は眼を凝らした
甲冑へと変化した。
ーフルーツ、甲冑、オンステージ‼
?
た
た専用武器﹃大橙丸﹄をドッキングさせ、ナギナタのように振り回し
すると霊風は腰に携えていた剣﹃無双セイバー﹄と既に手にしてい
︻フルーツ纏いしライダー 鎧武︼に扮した霊風が其処に立っていた。
﹃四英雄﹄は一角、﹃仮面ライダー﹄の1人⋮
そしてそこにいたのは、
ー
そしてそのままオレンジがパカンッと割れ、そしてオレンジの皮が
!
すると霊風の真上からオレンジが落ちてきて、そのまますっぽりと
!
!
化した
そしてそのまま霊風はベルトのパネルボタンの隅っこにあったボ
タンを押した
を繰り
"
クに騎乗する。
その瞬間に翼が先陣を切るかのようにして、
出しながら先行した。
騎刃ノ一閃
一台のバイク﹃サクラハリケーン﹄が現れ、そのまま霊風はそのバイ
すると霊風の後ろの空間からなんとファスナーが出現し、其処から
!
た。
﹁行くぜ
奏
﹂
!
ンジンを吹かしながら、翼の後を追った。
そう言うと奏はすかさず霊風の腰に手を巻き付き、そして霊風はエ
﹁⋮ふっ。荒っぽいハネムーンになりそうだ⋮な
﹂
そして霊風はバイクを起動するなり、そのまま奏に手を差し伸べ
"
!
!
1028
?
!
それをノイズにぶつけるとノイズは真っ二つに両断し、そして炭と
!
その際に翼が取り零したノイズ達を相手に、霊風は鎧武のアームズ
チェンジ能力を駆使して、戦場を駆け抜けていくのであった。
ーーーーーー
一方、二課の司令室ではこの3人でも十分今のところ上手くやれて
いるが⋮⋮、以前︽カ・ディンギル︾出現時に憑友達が戦った⋮
﹃英雄石板﹄の力を宿したノイズ⋮﹃融合ノイズ﹄が出現する可能性も
低くはなく、そうなった場合は霊風1人でしか闘いを強いる事にな
る。
それは翼と奏⋮﹃ツヴァイウイング﹄の2人にも同様である。
あまりうかうかしてられないのである。
どう立ちまわればいいのか、緒川は疑問に思ったが⋮⋮。
﹁いいえ、シンフォギア奏者は1人じゃありません﹂
﹁ギアのない響くんを戦わせるつもりはないぞ。 ﹃英雄﹄達が側にいてもだ﹂
﹂と響に問いかけた。
1029
確かに、あの力があればノイズと戦うこともできる⋮。
﹃英雄﹄達が側にいたら戦う事も出来る⋮。
しかしまだ響には身体のダメージが残っている。
それに、
﹃英雄﹄達の大半は響の手元にいるが、それだと響自身が荷
物になり兼ねない筈⋮⋮流石に病み上がりの状態で戦わせる訳には
いかないと弦十郎は響に言う。
﹁戦うのは、私じゃありません﹂
﹂
その響の言葉の意味はつまり⋮⋮﹁調に協力してほしい﹂というこ
とだった。だが、響は更に皆を驚愕させた。
﹁それに、調ちゃんには心強い騎士も一緒ですから
それを聞いた一同はこう捉えた⋮
﹁光聖希にも協力して欲しい﹂と。
!
そして司令室に呼ばれた調と光聖希は手錠が外され、彼女は﹁捕虜
に出撃要請ってどこまで本気なの
?
その返答次第では、容赦しないと言える態度で光聖希は怒りの矛先
﹂
を響に向けた。
﹁勿論全部
!!
だが響は笑顔でそう言ってのけた。
それを聞いた光聖希は先程まての怒りを孕んだ形相は何処に置い
てきたと思えるように呆然としてしまった。
﹁あなたのそういうところ好きじゃない。 正しさを振りかざす偽善者のあなたは⋮⋮﹂
﹁私、自分のやっていることが正しいだなんて、思ってないよ⋮⋮。 以前、大きな怪我をしちゃった時家族が喜んでくれると思ってリハ
ビリを頑張ったんだけど私が家に帰ってからお母さんもおばあちゃ
んもずっと暗い顔ばかりしてた。 それでも私は、自分の気持ちだけは偽りたくない。 偽ってしまったら、誰とも手を繋げなくなる﹂
そんなこと本気で思っているのか﹂と思っ
響は自分の両手を見つめ、真剣な眼差しで調を見つめながらそう言
い放ち、調は﹁手を繋ぐ
たが、響は調の右手と光聖希の左手を握りしめる。
﹁調ちゃんにも、光聖君にも、やりたいことをやり遂げて欲しい
﹂
もしもそれが私達と同じ目的なら力を貸してほしいんだ⋮⋮
﹂﹂
?
﹂と確認
?
﹂と不安そうに尋ねるが、光聖希のカードケース
?
てみた。
!
へへへ﹂
そう言い残したらその﹃英雄﹄は直ぐ様に光聖希のカードに入って
﹁あ、そっか
﹁だったらまだ一日も経ってない﹂
﹁昨日の敵は今日の友だよ
﹂
姿をした明るい女の子が居て、その﹃英雄﹄は調にこんなことを言っ
其処には白色のツインテールでユイちゃんのような小さな妖精の
から1枚のカードが具現化した。
敵だったのよ
その調の言葉に響と未来は笑顔を見せるが、調は﹁だけど信じるの
﹁っ、みんなを助けるためなら、手伝ってもいい﹂
し、調に話しかける。
たいことは、暴走する仲間たちを止めること、でしたよね
そこへ響と調,光聖希の間に緒川が立ち、彼は調に﹁あなたのやり
﹁﹁私の︵俺の︶⋮⋮やりたいこと
!
!
1030
?
!
?
行った。
﹁ありがとな。シロップ﹂
﹁どう致しまして♪﹂
彼女の名はシロップ。
霊風の元に就いてる﹃英雄﹄レヴィアタンの大事な仲間であった。
するとそこに弦十郎も立ちあがって調達の元まで歩み寄る。
﹂
﹁敵とか味方とか言う前に子供のやりたいことを支えてやれない大人
﹂
なんてカッコ悪くて敵わないんだよ
﹁師匠
﹁﹃相変わらず﹄なのね⋮⋮﹂
﹁甘いのは分かっている⋮⋮んっ
﹂
尻に出ていた涙を拭い、弦十郎の顔を見上げる。
そして弦十郎は﹁こいつは、可能性だ﹂とだけ調に伝えると調は眼
返し、そして光聖希にアブソーバーを返した。
弦十郎はそう言いながら調に彼女のシンフォギアのペンダントを
!
﹁ハッチまで案内してあげる
﹂
使ったのか、ユルセンにはよく分からなかった。
ならばなぜ調は弦十郎に対して﹁相変わらず﹂などという言葉を
る。
たが、お互いに今までそんな様子はなかった。寧ろこれが初めてであ
ユルセンは弦十郎と調は以前会ったことがあるのだろうかと思っ
ず﹄という言葉の部分⋮⋮
弦十郎と近くで霊体化していたユルセンは調が今言った﹃相変わら
たな∼⋮︶﹂
﹁︵弦十郎も気づいたのか、今、調の奴が気になるようなことを言って
?
認していたのは言うまでもなく、それに気付いた友里と牧藁の2人に
それを見たスタッフは、
﹃︵あ、やっぱり付き合ってるんだ⋮︶﹄と誤
て、少し顔を赤らめていた。
響はにっこりとした笑顔で未来に向けると、未来は響の笑顔を見
た。
響は調達をハッチまで案内しようとしたがその前に響は未来を見
!
1031
!!
こっ酷く怒られたのは言うまでも無い。
因みにその際に何もしていない⋮寧ろ無実である筈の藤堯まで被
害が飛び火したのは如何でも良い話である⋮。
それから響は調をハッチまで案内し、調はシンフォギアを纏い、
そして光聖希は︽精魂導師︾に変身して、アームドギアから巨大な
円状の刃を形成し、内側に乗り高速で走らせる﹁非常Σ式 禁月輪﹂で
ハッチから発進し、光聖希は調の腰に向けて鎖を絡めるなり、足元の
シューズをスケボーのような形に変えて、調に引っ張られる感じに発
進するが⋮⋮調の後ろには、響が立っていた。
﹂
響くんに戦わせるつもりないと言った筈だぞ
﹂と通信で
それを見た未来、弦十郎は驚きの声をあげ、弦十郎は﹁なにをやっ
ている
絶対に‼
﹃人助け﹄です
響を怒鳴るが響は笑みを浮かべたまま⋮⋮。
﹁戦いじゃありません
それに、憑友を連れて帰るんです
!!
が⋮⋮。
﹂
﹁弦十郎さん、行かせてやってはくれませんか
人助けは⋮⋮1番響らしいことですから
?
!!
笑顔で答える響だが、弦十郎は必死に響を呼び戻そうとする⋮⋮だ
!
!!
﹂
んだがな﹂と呟き笑みを零した。
ーーーーーー
﹁弦十郎さんも
するとその時、空から赤い矢が大量に降り注ぎ、翼はバイクから飛
﹁︵ふっ⋮⋮想像の斜め上すぎる⋮⋮︶﹂
を浮かべていた。
それにつられたのか、隣で並走していた霊風と奏のカップルも笑み
ていた。
に伝え、翼達は最初こそそれに驚いたが⋮⋮翼は自然と笑みを浮かべ
同じころ、響と調と光聖希も出撃したことを弦十郎達は通信で翼達
﹁子供ばかりに、良いカッコさせてたまるか
﹂
﹁はあ﹂とため息を吐き出し、
﹁こういう無茶無謀な役割は俺の役目な
笑顔で未来はそう言いながら弦十郎に頼み、それを見た弦十郎は
!
!!
!?
1032
?
!!?
び退いてすぐさまその攻撃を回避し、翼は矢が降ってきた方向を見つ
そろそろだと思っていた
めるとそこには崖の上に立つシンフォギアを纏ったクリスの姿が
あった。
﹂
﹁どうやら誘い出されてきたみたいだな
ぞ、雪音
!
ら現れたのだ
﹁やっぱりてめえか。ロック
⋮ふっ。
ダークヒーローになったつもりか
﹁ダークヒーロー
﹂
﹂
!
﹁奏
此処から先はお前が行け
﹂
﹂
﹁私達は私達のやるべき事をする
人
2
人
それを聞いた奏は﹁無茶すんなよ⋮
そして翼と霊風はクリスとロックを相手に、戦いの幕を上げた⋮
2
高速移動した⋮
﹂と言い残すと、自身の足で
手で振り回しながら、2槍流の様に扱っていた。
と、現在変身している鎧武の得物︽大橙丸・ナギナタモード︾を両
ド︾
それを見た霊風は自分の武器である風の変化棍︽ウインドルロッ
そう言いながらロックは水の弓︽オーシャンボウ︾を構えた。
ダークヒーローなぞ端から成っている⋮
たった1人の存在を守る為に存在するんだ。
俺は元から影や闇の中に生きる存在だ。
!
!
!
すると自分達の影からなんとロックが剣を突き刺す動作をしなが
すかさず自分のいた場所を軽く跳躍した。
それと共に霊風は何かに気付いたのか、奏を突き放すなり、霊風は
それに気付いた霊風達もバイクから降りた。
!!
前にある崖の上に切歌と闇呪怨が立っていることに気づき、2人が止
響が一体どうしたのかと光聖希と調に問いかけるが、2人が答える
響を降ろして光聖希と共に立ち止まった。
一方、調と光聖希,響は翼の後を追いかけていたがその途中で調は
!
!
1033
?
!
!
!
!
まった理由が分かった。
そして切歌は聖詠を詠った⋮
﹂
フォーム、ブラッディ
ー
そして闇呪怨はアブソーバーを装着し、それと同時に1枚のカード
﹁Zeios igalima raizen tron⋮﹂
!
を装填、そしてレバーを引いた。
﹁変身
ーコア
!
俺が裁く
ー
すると其処から死神を彷彿させる姿をした魂が現れ、闇呪怨はそれ
を纏った
ー獄への魂
!
!
と問いかけた。
﹂
﹂
﹂
?
﹁ドクターのやり方ではなにも残らない
﹂
弟の分際で‼
なんで切歌を止めなかった‼
﹁切歌⋮⋮このバカタレが
間に合わないデス
﹁ドクターのやり方でないとなにも残せないデス
!!
の
2
人
今戦っている翼とクリスも前に言ってましたしね⋮。
あ
⋮まぁ、デジャヴと言えばそうなんですけどね。
﹃英雄﹄達はデジャヴを感じたとか。
と4人が同時に怒鳴り、その光景を見ていた憑友に就いてる一部の
?
兄さんも兄さんだ
﹁お前に俺の何が分かる‼
そんな4人に響は
﹁みんな落ち着いて話し合おうよ
﹂﹂﹂﹂
!!
!!
と訴えかけるが⋮
﹂
言い争う切歌と調、闇呪怨と光聖希。
?
﹁﹁﹁﹁戦場でなにをバカなことを
いくさば
!!
アを手に持って構え、切歌は調にどうしても自分達の邪魔をするのか
切歌は﹁歌﹂を口ずさんでシンフォギアを纏い、鎌型のアームドギ
!
!
!!
!
1034
!
!
﹁あなたは先に行って。 あなたならきっとマリアを止められる、手を繋いでくれる
﹁調ちゃん⋮⋮﹂
﹁私とギアを繋ぐリンカーにだって限りがある。 だから行って⋮⋮。 ﹃胸の歌を、信じなさい﹄﹂
﹁俺はこいつを⋮調を守るって決めたんだ。
調を傷付けるなら、例え調と仲良しの切歌でも、
兄さんでも⋮容赦しない
だから立花響
﹃この世界を頼んだぞ﹄﹂
﹂
!
防がせた
出すなり、響を守る蛇の様な動きを見せ、響を闇呪怨と切歌の手から
射出して攻撃する﹁α式 百輪廻﹂を放ち、光聖希は瞬時に鎖を呼び
闇呪怨と切歌だったが調は切歌にアームドギアから小型鋸を大量に
響は先へと進み、響を先に進ませないようにと襲いかかろうとする
でいく。
きっかけを生んだ存在を思い出し、響は強く頷き、彼女は先へと進ん
かつて自分達のパワーアップとと憑友達に﹃四英雄﹄の力を授かる
て響に伝えた言葉と、
その言葉を伝えると、響はかつてフィーネが最後に﹁櫻井了子﹂とし
調が微笑みを響に向けて、光聖希は右手でサムズアップをしながら
!
聖希
なんであいつ等を⋮⋮
で防ぐとそのまま切歌の隣に立った。
﹁調
!?
あいつ等は2人が嫌った偽善者と夢語りじゃないデスか
!!
﹂
1035
!
切歌はアームドギアを回転させて調の攻撃を防ぎ、闇呪怨は鎖を鎌
!
﹁でもあいつは、自分を偽って動いてるんじゃない、動きたいから動く
!!
!!
あいつが眩しくて羨ましくて⋮⋮少しだけ信じてみたい﹂
﹂
﹁俺は今でもあいつは嫌いだよ、今でも俺はあの人を否定する。 俺はあくまでお前等を止めるために戦う。
調を守る騎士なんだ。ただそれだけで充分なんだよ
﹁⋮⋮際デスか。 でも、私だって引き下がれないんデス
私が私でいられる内になにかを残したいんデス
!!
んデス
﹂
γ式 卍火車
を2
を放ち、調はツインテール部分のアームドギアを伸縮可能
裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から挟撃する
eッTぉ
切・呪リ
﹂と言い放ち、切歌は跳びあがるとアームドギアの刃を3枚に分
調は切歌に﹁それが理由
﹂と問いかけると切歌は﹁これが理由デ
調やマリア、マムが暮らす世界と私がここにいたって証を残したい
!!
!!
なアームとして扱い、2枚の巨大鋸を投擲する
"
"
そして光聖希と闇呪怨も、2人の得物でぶつけ合う⋮
バインド・オブ・シャイン
﹂
judgment・Death
光聖希はその鎖で、闇を捕まえる
闇呪怨に放つが、
闇呪怨はその鎌で、光を裂く
その鎖を切り裂いた⋮
﹁﹁この胸に
﹂﹂
﹁﹁ぶつかる理由が
﹂﹂
﹂﹂﹂﹂ を
で
"
"
"
﹁俺だって⋮此処で負けるものかーーーー‼
"
だが翼はそれを避けて何度もクリスに斬りかかり、クリスは翼から
の攻撃を避けながらハンドガンのアームドギアで翼を何度も撃つ。
剣のアームドギアを振るいながらクリスに斬りかかるがクリスは翼
また翼とクリス,霊風とロックも激しい戦闘を開始しており、翼は
ーーーーーー
!!!!!
其々の得物同士の戦いに均衡を崩す時は来るのだろうか⋮
?
!
!
人同時に自分の持ち歌を歌いながらお互いに放ってぶつけ合わせる。
"
ス
?
!!
﹁﹁﹁﹁あるのならああああああ
!!
!!
1036
"
!
一度離れてハンドガンの弾を素早く装填し、ジャンプしながら銃弾を
翼に放つが翼はそれを難なく避ける。
そして霊風とロックはこれ以上やったら埒があかないと判断した
﹂
﹂
のか、懐から﹃現界ブースターα﹄を取り出す。
﹁考えてる事は同じか
﹁ならば、常に考える事も同じ
キャンした
だが⋮
ーerror⋮
ー
ーerror⋮
﹂﹂
こしたのだ
なんとスキャンさせた筈の﹃現界ブースターα﹄がエラー表示を起
﹁﹁何
ー
レヴィアタンとアーチャーを取り出して、そしてブースターにス
そう言うと霊風とロックは其々のパートナー﹃英雄﹄⋮
!
!
﹂
私のせいだわ⋮⋮ こんなものを見たいが為ではなかったのに
かった呪怨と聖希まで⋮。 ﹁ど う し て ⋮⋮ 仲 の よ か っ た 調 と 切 歌 ま で ⋮ 兄 弟 喧 嘩 す ら し て い な
の様子がモニターに映されていた。
を浮かべながら笑っており、フロンティアのブリッジでは調達の戦い
またその様子を少し離れた場所で双眼鏡でウェルが不気味な笑み
!
フロンティアの情報を解析して月
?
の落下を止められる手だてを見つけました。 ﹃マリア、今、あなた1人ですね
スターシャからの通信が入り、ナスターシャはマリアの名を呼ぶ。
マリアは膝を突いてその場で泣き出してしまうが⋮⋮そんな時、ナ
!
﹂
最後に残された希望⋮⋮それには、あなたの歌が必要です﹄
﹁私の⋮⋮歌
?
1037
!
!
!
!!
﹂
﹁ふひひひ⋮⋮もうすぐだぁ。 フロンティアだけじゃない、僕は支
配者になるんだぁ♪ ふはははは
た。
﹂
﹁何⋮これ
﹂
無事で
それと同時に、憑友の身体はみるみると黒い何かが侵食を始めてい
﹂と言いながら、彼を担ごうとした。
するとふと見つめた先に誰かいる事を確認した響は、その方へと赴
そんな中で、響は1人、マリアの元へと突き進む。
ーーーーーー
ろう。
その力がどれ程危険な物なのか⋮彼は一生知らないままになるだ
同じころ、ウェルは自分の左腕を彼は見つめていた。
!!
それを見た響はタダそれだけしか言えなかった⋮
?
1038
く。
憑友
響は﹁良かった∼
だが、響の手は⋮
﹂
スルリ⋮
﹁⋮え
!
憑友の手を取れなかった⋮
?
!
そして其処にいたのは、
﹁
!
なんと、憑友であった。
!
#29 さよなら
響は憑友を連れて帰ろうとした。だが、憑友の身体に触れる事すら
出来なくなっていた。
﹁うっ⋮ゔ⋮﹂
するとその本人である憑友が目を開いたので、響は憑友の名を言っ
た。
﹂
そしてその声に気付いたのか、憑友は響の顔を見た。
﹁憑友
喋らないで
﹂
助けを求めるk⋮﹂
!
﹁憶えて⋮いる⋮か
すると憑友は今までの自分がしてきた事を話した。
だ。
響は助けを求め様としたが、突然憑友が響に向けて謝り出したの
﹁え
﹁ごめんな⋮響﹂
﹁⁉
だが、響は今の憑友が可笑しい事に気が付く。
その声を聞いた憑友はホッとしていた。
﹁良かっ⋮た⋮響が⋮響のま⋮まだ⋮﹂
!
ーーーーーー
その予感が的中して、響の瞳から涙が溜まり始めた⋮
﹁本当は⋮今日まで⋮だったんだ⋮﹂
そして響の予感は的中してしまった⋮
だけど、響は嫌な予感しか感じなかった。
だが、それまでにはまだ半年以上も存在するのである。
た。
それはまだ二課に入ったばかりの頃に、憑友が言っていた事だっ
それを聞いた響は思い出した。
﹃あと1年しか生きられない﹄って⋮言う⋮言葉に﹂
俺が⋮前に⋮言った⋮
?
1039
?
?
そしてそれは響を監視していた二課の者達にも知れ渡った。
そしてそれと同時に、ノイズや﹃聖遺物﹄を発見した際に生じるア
﹃⁉
﹄
それを聞いた二課の面々と未来は弦十郎を凝視する。
すると弦十郎は、﹁⋮済まない﹂と言うと説明した。
﹁この事は、憑友自身から口封じされていた。
﹂
ウフヴァッヘン波形感知のサイレンとは違うサイレンが鳴り響いた。
すると映像から1人の生体図が投写された。
其処の上部には、
﹃Tukumo Jinsai﹄と名前が出ていた。
それは、人絆憑友のバイタルチェックの画面だった
貴方、最初から知ってたんですか
﹁これは⋮憑友君の⋮なんでいきなり⋮
まさか⋮弦十郎さん
!
憑友君の生命活動時間が、本当はあと半年だったって言う事に
!
!
﹁緒川さん
貴方もですね
﹂
そしてこの事を弦十郎が知っていると言う事はつまり、
それを聞いた未来は口に手を添えて、涙が流れ始めた。
﹁そんな⋮﹂
たんだ﹂
仲間に⋮特に、響君や未来君には絶対に言うなときつく言われてい
!
!
!
﹁神獣鏡には、
十郎は衝撃の事実を決定付けた。
だが、現実は酷かった。未来は弦十郎が﹁それに⋮﹂と加えると弦
す。
弦十郎に言われた言葉で未来から流れている涙が更に激しさを増
﹁彼は先の未来君を救う為に全ての力を出したのだろう﹂
﹁じゃあ⋮憑友は⋮﹂
物であった。 緒川もまた弦十郎と同じタイミングで憑友の存在を知っていた人
﹁すみません。僕からも憑友君に口止めをされていました﹂
!
1040
?
﹃悪しき闇を祓う力﹄を備えられていた。
そして憑友の身体は、
︹半幽霊︺⋮つまりは︹闇︺に関連していた⋮﹂
その話を聞いた未来は自分がやって来た行為に悔しながら涙を流
した。あまりにも残酷すぎる事実だったのだ。それは⋮
未来は響が纏う﹃ガングニール﹄を消去し、彼女を救える事に成功
した。
だが、
︹半幽霊︺の身である彼⋮憑友を自分が、直接では無いにしろ
⋮自分の手で殺したと言う現実を突き付けられたのだった。
ーーーーーー
⋮ねぇ
⋮ねぇ
﹂
響は憑友の言った言葉で、目からハイライトが消えていた。
﹁嘘⋮冗談だよね
﹂
﹁⋮﹂フルフルッ
﹁そんな⋮⁉
?
!
まった。
﹂
そしてそれと同時に、彼の身体が衣類諸共灰へと化していた
﹁響⋮最後に⋮俺の⋮我が⋮儘⋮聞いて⋮く⋮れ⋮ないか⋮
絶対に助け
﹂と言いながら
そんな事
﹂とそう反論するが、憑友は﹁頼む⋮
け聞こえるような声で言うと、響は﹁嫌だよ
るんだから
響にそう言った。
!
﹁本当は⋮まだ⋮生きたい⋮
そして響は憑友の目を見た。憑友の目から涙が出ていた。
!
!
その話を聞いた響は憑友の口に耳を添える。そして憑友は響にだ
?
!
あまりにも残酷すぎる結末を聞いた響はその場に立ち尽くしてし
?
最後に響に笑顔を向けると、そのまま全身が灰になり、そして風と
そう言うと憑友の身体はとうとう灰へと化し、
未来の事を頼んだよ⋮﹂
だから⋮
だから、俺は此処で無くなるんだ。
集めきれなかった⋮
だけど⋮俺は⋮結局⋮神が探して欲しい⋮石板を⋮
!
1041
?
!
共に崩れさって行った⋮
﹁ううううぅぅ⋮
うわぁーーーーーーーーーーーー‼
憑友ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼
戦場と化した場に、1つの命が散った⋮
それはあまりにも残酷すぎる絶望だった⋮
﹂
それでも⋮涙を止め、そして立ち上がる響。
﹁⋮私⋮やってみるよ⋮
憑友の分まで
﹂
?
?
!
皆んなを守る為に⋮
その彼女は言った。
憑友の想いを無駄にしない為に⋮
ーーーーーー
1042
!
#30 鳴と音,水と風
フロンティアの上ではそれぞれの場所で翼とクリス,切歌と調,闇
呪怨と光聖希,そしてロックと霊風の戦いが繰り広げられていた。
をクリスへと放つがクリスはそれを上へと飛びあがって
翼はクリスに向かって大剣のアームドギアを振るって青い斬撃
蒼ノ一閃
﹁なぜ弓を引く雪音
﹂
アでそれらを全て弾く。
クリスは空中からハンドガンで翼に銃弾を放つが翼はアームドギ
避ける。
"
﹂とクリスに言
!?
くそれを避ける。
!?
﹂
﹁あ た し の 十 字 架 を ⋮⋮ 他 の 誰 か に 背 負 わ せ る 訳 に は い か ね ー だ ろ
﹁なにを求めて手を伸ばしている
﹂
ンでそれを防ぎ、左手に持っているハンドガンで翼を撃つが翼は素早
ドギアでクリスに斬りかかるがクリスは右手に持っているハンドガ
翼はアームドギアをクリスの放つ銃弾を避けながら接近し、アーム
うがやはり彼女はなにも答えてはくれなかった。
翼は﹁その沈黙を答えと受け取らねばならないのか
翼がそうクリスに問いかけるがクリスはなにも答えようとはせず、
!?
ることに気づき、そのせいで反応が鈍ってしまいクリスの放った銃弾
が当たりそうになったが翼はアームドギアでどうにか防いだ⋮⋮、し
かし上手く防ぎきることができなかったため吹き飛ばされてしまう。
そして霊風とロックは先程、﹃現界ブースター﹄を用いて、其々の
パートナー﹃英雄﹄を呼び出そうとしたが、突然のエラー発生に驚愕
﹂
していた。
﹁何故⁉
していた。
ロックは如何してそうなると言わんばかりの態度を顔から露わに
?
1043
"
その時、翼はクリスの首になにか装置のようなものを付けられてい
﹁っ⋮⋮﹂
!!
そしてそれは霊風も同じだった。
そもそも、この﹃現界ブースター﹄は憑友の手によって作られた物
だ。
﹃現界ブースター﹄は実は、
﹂とか云々と言っていた。
使用すれば使用者の命⋮つまり寿命を縮めてまで﹃英雄﹄達を現界
と言う名の召喚を施すアイテムである。
だが、憑友は﹁ロックと霊風のは特別製
⋮ちょっと待てよ。
筈⋮⁉
﹂
﹂と呟いた。
この﹃現界ブースター﹄は本来は使用者である俺達の寿命を縮める
ん
﹁俺達が何をしたって⋮
何故、憑友の﹃現界ブースター﹄だけは対価が激しいのかを⋮
自分とロックの﹃現界ブースター﹄は普通に使えるのに、
其処で霊風はふと思い返した。
う事を⋮
なんでも、憑友にとっては、2人は仲間である故の配慮であると言
!
﹂
それを聞いたロックは﹁何 ﹂と返答すると、霊風はこう説明した。
﹁其れこそが間違いだったんだ‼
﹁だが、それは憑友が配慮してそうしてくれたと⋮﹂
?
?
だ⋮﹂
それを聞いたロックは何を言ってるんだ
きを見せた。それを見た霊風は衝撃発言をした。
﹂
?
?
﹁もし、その対価が⋮憑友の命を削り取っていたら
﹁そんな事あr⋮
﹂
とでも言うような顔付
だが、憑友はそれを取り除いてくれた⋮其れこそが間違いだったん
呼び出す代物。
﹁この﹃現界ブースター﹄は、俺達の寿命を対価として、
﹃英雄﹄達を
?
背負い込む超が付く程のお人好しである事に。
よくよく思い返してみれば、あの憑友は他人の命の危機まで勝手に
霊風の言った発言にロックは反論しようとしたが、
!
1044
?
其れを思った霊風は﹁まさか⁉
?
いのち
﹁⋮じゃ、じゃあ⋮俺達が今まで﹃現界ブースター﹄を使って来た分の
ツケが⋮﹂
﹁全部、憑友に払わせていたんだよ⋮寿命を﹂
﹂
其れを聞いたロックはブースターを落とし、そして衝撃が走った⋮
ーーーーーー
﹁切ちゃんが切ちゃんでいられる内にって⋮⋮どういうこと
﹁あたしの中にフィーネの魂が⋮⋮覚醒しそうなんデス﹂
﹁⋮⋮えっ
﹂
﹁だったら⋮⋮私は尚のこと切ちゃんを止めてみせる﹂
る可能性はあったと調に話す。
はフィーネの魂が宿る可能性のある者達が集められた、だからこうな
中にフィーネがいるということを打ち明け、切歌曰くそもそも自分達
場所は変わり、調と切歌のいる場所では切歌がとうとう調に自分の
?
﹁これ以上、塗りつぶされないように大好きな切ちゃんを守るために﹂
﹁っ、大好きとか言うな
﹂
!!
﹂
!!
きの指輪︽チェーンリング︾を振り上げて闇呪怨の鎌を絡めて、その
下ろそうしたが、光聖希はすかさず自分の指にはめていたチェーン付
面に倒れこむ光聖希、闇呪怨は倒れこんだ光聖希に向かって鎌を振り
そこに闇呪怨が光聖希の腕を掴み上げて背負い投げを繰り出し、地
﹁戦いに集中できてないようだなお前は
光聖希はそう考えどこかやるせない気持ちになった。
お互いに言えるほど仲のいい2人が戦わなければならないのか⋮⋮
も光聖希は調と切歌の方を気にしており、光聖希はなぜあんなことを
調と切歌がそんなやり取りをしている中、闇呪怨と戦い合いながら
あたしの方がずっと調の方が大好きデス
!!
﹂
まま左に動かすと鎌も左の方へと持って行かれ、その隙に危機を脱し
ながら立ち上がる。
﹁うぜぇ⋮⋮
﹂
?
!
1045
?
そう言う兄さんの方こそ戦いに集中出来てないじゃないか‼
﹁
!
﹁うぉぉぉ
﹂
﹁はぁぁぁぁあ
﹂
闇呪怨は今すぐにでも切歌の元へと行きたかった。行って切歌を
自分も止めたかった⋮⋮。
それは光聖希もまた同じであった。2人は双子故にそれぞれの思
惑も同じだった。
どちらも調と切歌に声をかけて⋮⋮どうにかして安心させてやり
たいと思った⋮⋮、だから自分の前に立ちはだかる自分の兄︵弟︶に
かなり鬱陶しく感じていたのだ。
そして切歌と調の方では⋮⋮2人はお互いにアームドギアを構え
﹂
て対峙しており、どちらも今にも互いに跳びかかりそうな勢いだっ
た。
﹁だから、大好きな人たちがいる世界を守るんデス
﹁切ちゃん⋮⋮﹂
飛行する
緊急Φ式 双月カルマ
を切歌は発動する。
封
という技を調は発動し、肩部プロ
ギアの鋸をヘリコプターのローターのように上下に展開し、空中を
!!
テクターを展開し、それぞれの先端に鎌を装備させて自在に操る
伐・PィNo奇ぉ
﹁調⋮⋮﹂
"
"
それぞれの武装で攻撃を激しくぶつけ合わせる。
﹁﹁大好きだって⋮⋮言ってるでしょおおおおおおお
4人が同時にぶつかり合うその時だった⋮
﹂﹂
そして翼とクリス,霊風とロック,調と切歌,闇呪怨と光聖希。
!!!!!!
切歌と調がお互いの名前を呼んだ後、2人は空中へと跳びあがって
"
1046
!
!
"
⁉
﹄
﹃憑友ーーーーーーーーーーーー‼
﹃‼
﹄
?
たからだった。
シャがマリアの歌が月の落下を止めてくれるかもしれないと言われ
一体なぜそんなことをする理由があったのか⋮⋮それはナスター
下の真実を語っていた。
行っており、マリアは先ず最初にテレビを見ている人々に対して月落
同 じ 頃 ⋮⋮ マ リ ア は フ ロ ン テ ィ ア の 中 か ら 生 放 送 で T V 中 継 を
ーーーーーー
ていた。
あまりにも悲しすぎる出来事に皆は意気消沈寸前に陥ってしまっ
叩きつける者がいた。
悔し文句を言いながら、地面に伏しそして地面に向かって己の拳を
それを聞いた8人は、驚愕し、そして目を見開く者がいれば、
﹃﹃この世から消えた︵ました︶﹄﹄
﹃あの子⋮人絆憑友が⋮﹄
﹃俺たちの仲間⋮憑友が⋮﹄
﹃心して聞きなさい⋮﹄
﹃皆、悲報が入った⋮﹄
がそれぞれ言った。
二課の面々には弦十郎が、F.I.S.メンバーにはナスターシャ
一体何が起こったのか、そう思っていると、
突然聞こえてきた響の声に、8人は寸での所で動きを止めた。
?
もしも成功することができれば月を公転軌道上に戻すことが可能
1047
?
であり、しかしそれはマリア1人では不可能であるため多くの人々の
中のある﹁歌﹂が必要だというのだ。
﹂
﹁すべてを偽ってきた私の言葉、どれほど届くか自信はない。 だが、
歌が力になるというのならこの事実だけは⋮⋮信じてほしい
そしてマリアは自分のギアの聖詠を口ずさむ。
⋮﹂
黒い﹃ガングニール﹄を纏う⋮
マリアは強く呼びかける。
皆の歌を、貸してほしい
﹂
﹁私1人の力では落下する月を受け止め切れない
しい
だから貸してほ
今テレビを見ている人々に対して
﹁Granzizel bilfen gungnir zizzl
!!
ーーーーーー
限り歌を歌う。
それだけがセレナを報いられる私の贖罪﹂という想いで彼女は力の
かの命を救って見せる。 タル部分が発行し始め、マリアは﹁セレナが助けてくれた私の命、誰
マリアは﹁歌﹂を歌い始めるとマリアのガングニールの赤いクリス
!!
!
!!
﹂
一方、フロンティア近海には1体の竜がフロンティアへと近づいて
いた⋮
﹁待っててね⋮マリア姉さん
ンティアへと急行した。
1048
!!
翠の竜・リオレイアに跨る女の子・セレナはそう言いながら、フロ
!
!
全ては⋮
大切な姉・マリアの元へと行きたいと言うその感情だけで。
ーーーーーー
また、響はフロンティアのマリアがいるブリッジへと向かって必死
︶﹂
私も負けられない
にかなりの高さを誇る階段を走って登っていた。
﹁︵誰かが頑張っている
﹁⁉
﹂
﹁勝手に触るんじゃない﹂
その時だった。
た。
そんなタール漬けにされた男の子を見た響はそれに触れようとし
た。
其処には1人の男の子が培養液に浸りそしてタール漬けされてい
響はその場所まで戻り、そしてそれを見た。
そんな響はふと目をした場所に何かがある事に気が付いた。
進むこと以外、答えなんてある訳がない
!!
青年が立っていた。
黒混じりの銀髪で、茶色のダウンと緑がかった黒のズボンを履いた
﹂
青年が其処に立っていた。
﹁あなたは一体
それを見た響は﹁アカネさんのと同じ
﹂と口にした。
を取り出した。
そして青年はそのボールを握り潰した
するとそのボールが変化し、ボールから金属製の斧が現れた
!
それを見た響は先程までとは一転して、警戒する。
!
そう響が言うのと同時に、青年はポケットから丸い金属製のボール
?
1049
!!
!!
つい先程まで人の気配すらしなかった筈なのに、響の後ろに1人の
?
だが、青年はその斧を地面に付けた。
﹂
﹁⋮早く行け﹂
﹁え
﹂と言って走り去ろうとしたが、
それはあまりの出来事故に警戒していた響は呆然とした。
すると青年は響に告げる。
任せて
﹁俺だって一介の﹃英雄﹄だ。
⋮マリアの事を頼む﹂
それを聞いた響は﹁うん
!
誕生日は9月13日生まれ
!
自己紹介した。
﹁私、立花響
好きな物は⋮﹂
急に立ち止まり、その青年に自己紹介をし忘れていた為に、この場で
!
れた⁉
﹂
﹁ば、馬鹿
クリスちゃんならまだしも、赤の他人にまてバカって言わ
﹁自分のプロフィールは極力隠せよ、馬鹿﹂
!
﹂
え、
﹁ちゃっちゃと片付けないと、約束の玩具はお預けですよ
﹂と言
そんな時、クリスが耳につけている通信機からウェルの声が聞こ
た。
ムドギアで弾いて防いでおり、中々決着をつけることができなかっ
また、翼とクリスの戦いでは⋮⋮翼はクリスの撃つ銃弾を悉くアー
ーーーーーー
﹁お前を必ず取り戻す。他の者達もな﹂
触れた。
そしてギンジはタール漬けにされている男の子のカプセルに手を
頷くとそのままマリア達の元へと急ぎ出した。
そう言った青年⋮ギンジは、
﹁早く行け﹂と促した。それを見た響は
﹁ギンジ。それが俺の名だ﹂
﹁え
﹁⋮ギンジ﹂
そう嘆いていると青年は名前を言った。
?
うな表情を浮かべていた。
われてクリスはそれに対してなにも答えなかったが明らかに怪訝そ
?
1050
?
?
﹁︵ソロモンの杖の力なんて⋮⋮人がもってきゃ、いけないんだ
スに話しかける。
﹁犬の首輪をされてまでなにをなそうとしているのか
﹂ ︶﹂
何者かが従わせているのではと予測しており、それを前提に翼はクリ
さらに翼はクリスの首についてある装置⋮⋮その装置がクリスを
!!
違 う か
?
!?
﹁汚 れ 仕 事 は 居 場 所 の な い 奴 が こ な す っ て の が 相 場 だ ろ
﹂
クリスの言葉に対して翼は口元で笑みを浮かべる。
﹂
﹁首根っこひこずってでも連れて帰ってやる
お前の居場所、帰る場所に
﹁へっ⋮⋮﹂
!
てやる。 両翼は今、持たない⋮
片翼では飛べぬ私に⋮⋮先輩と風を吹かせるものの使命だ
てやる
︶﹄
﹂
﹃︵そうさ、だから翼のやりたいことはあたしが、周りのみんなが助け
﹁︵そうだったよね、奏⋮⋮︶﹂
べる。
翼はそう言い放ちながら自分の相棒⋮⋮﹁天羽奏﹂の姿を思い浮か
!!
﹁お前がどんなに拒絶しようと、私はお前のやりたいことに手を貸し
としていた事に胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
度と会わないと思って今まで忘れていた⋮⋮というよりも忘れよう
翼にそう言われてクリスは翼から顔を反らし、またクリスはもう二
!
﹂と怒鳴るが⋮⋮眼尻には涙が見え隠れしてい
!!
﹁⋮⋮風鳴⋮⋮先輩﹂
リスはそれを聞いてなにかを決意したかのような表情を浮かべる。
くびのギアが爆ぜるまでもうまもなくですよ﹂という報告が入り、ク
そんな時、ウェルからの通信が入り、
﹁何をしているんですか。そっ
た。
えらそーなことを
に翼は不思議と笑みを浮かべた。クリスは翼に対し﹁その仕上がりで
そう呟いていると奏が遠くからそう言う言葉を言ったような感覚
!
1051
?
ぎこちない様子ではあったが初めて自分の名前を呼んでくれたこ
﹂
昨日まで組み立ててきたあたしのコンビネーション
とに翼は一瞬驚いたような顔を浮かべる。
﹂
﹁次で決める
だ
一斉に発射する
MEGA DETH PARTY
千
をクリスが、空
"
﹂
願ったり叶ったりぃー
叫びをあげる。
﹁いやっほー
してやったりぃ∼
﹂
!!!!
相変わらずいやらしい笑みを浮かべるウェルだが、ウェルは自分の
チョロすぎるぅ♪﹂
そのためにぶつけ合わせたのですが、こうもそうこうするとは実に
﹁︽シンフォギア︾装者と︽精魂導師︾は、僕の統治する世界には不要。
︽水魂導師︾ソウルのロック・アイル・ユキネが、地面に倒れていた。
︽風魂導師︾スピリットの精妖霊風と、
そんなウェルの近くには既に︽精魂導師︾の2人⋮
!!!!
えてしまう、それを見たウェルは立ち上がってテンションの高い声で
その爆発に翼とクリスは巻き込まれてお互いの姿は爆発の中に消
﹁くわあああ
﹂
を翼が放ち、空中で激しくぶつかり合い、大きな爆発が起き
間から大量の剣を具現化し、上空から落下させ広範囲を攻撃する
ノ落涙
"
﹁うわあああ
た。
"
"
ドギアを盾にして使い攻撃を防ぎ、腰部アーマーから小型ミサイルを
その矢は幾つもの矢に分裂して翼に降り注ぐが翼は大剣のアーム
ンをクロスボウに変形させて矢を翼に向かって放つ。
り、蒼ノ一閃を放つがクリスもそれを寸前のところで避け、ハンドガ
ハンドガンを構えて翼に撃つが翼はそれを避けて空中へと飛びあが
翼とクリスはお互いに不敵な笑みを浮かべており、銃弾をクリスは
﹁ふっ、ならばこちらも真打ちをくれてやる
!
!!!?!!!?
!
1052
!!
!!
﹂と素っ頓狂な声をあげた。
前にクリスとシンフォギアが解除されている翼の姿が目に映り、ウェ
ルはそのことに驚きを隠せず﹁はぁ
﹁っ
﹂
﹂
﹁Anti│LINKERは、忘れた頃にやってくるぅ
﹂
するが⋮⋮アームドギアはなぜか展開することができなかった。
スに差し向け、クリスは舌打ちしつつもアームドギアを展開しようと
座り込んでしまうが彼はソロモンの杖からノイズを呼び出してクリ
クリスはウェルに迫ろうと歩き、ウェルは完全にビビってその場に
約束の反故たぁ悪役のやりそうな事だ﹂
﹁壊れてんだよ。 ﹁な、なんで爆発しない
﹁壊れた﹂装置を取り外した。
させようとスイッチを押すが⋮⋮爆発する気配はなく、クリスは首の
ルはあるスイッチ⋮⋮クリスの首につけてある﹁爆発﹂の装置を起動
しかし勿論ウェルはその要求を飲むつもりなどさらさらなく、ウェ
ねぇ﹂
﹁こ ん な ま ま 事 み た い な 取 引 に ど こ ま で 応 じ る 理 由 が あ る ん で す か
ため、その代わりとしてソロモンの杖を渡すように言う。
と振り返ってウェルに約束通り二課の︽シンフォギア︾装者を倒した
クリスのシンフォギアは所々が破損しており、彼女はウェルの方へ
!?
フォギアの出力を下げるガスをまき散らしており、この状態ではクリ
アーマーパージだ
﹂
スはアームドギアを出すばかりかまともに動くことすらできなかっ
た。
﹁チッ、ぶっ飛べ
!!
はどこかに飛んで行き、そのせいでウェルのコントロールを受け付け
からクリスが飛び出して杖を奪い取ろうとするがミスしてしまい杖
ウェルは砂煙があがる中恐る恐る辺りの様子を確認するが、煙の中
し、ウェルは悲鳴をあげて咄嗟に岩陰に隠れる。
て取り外し、取り外して吹き飛んだアーマーは何体かのノイズを撃破
するとクリスは自身のシンフォギアのアーマーを全て吹き飛ばし
!!
1053
!?
実はこの辺り周辺にはウェルがいつの間にか病院の時と同じシン
!
!?
﹂
なくなったノイズ達は一斉にクリスとウェルに迫ろうとしてきてい
た。
﹁杖が
﹁先輩⋮⋮
﹂
霊風⋮⋮
ロック義兄⋮⋮
!
﹂
自分に生き甲斐をくれた義理の兄の名前⋮⋮。
そしてクリスは咄嗟にある人物の名を呼んだ⋮⋮自分の先輩達と、
﹁ひ、ひいいいいい
!!!!?
!!
千ノ落涙
がノイズ達に降り注ぎ、クリスとウェルの周
"
そんなことが出来るのか
﹂
インを高めず出力の低いギアを纏うだとぉ
﹁Anti│LINKERの負荷を抑えるためにあえてフォニックゲ
︵挿入歌﹃絶刀・天羽々斬﹄水樹奈々︶
パートナー﹃英雄﹄であるアーチャーの力を纏ったロックだった。
﹃英雄﹄ランサーの力を纏った霊風と、
ブモードになる以前と同じ形をした﹃天羽々斬﹄を纏った翼と、
クリスの危機を救ったのは⋮⋮ギアの出力を抑えたエクスドライ
がそのままノイズを貫通させ、ノイズは灰と化した。
そしてもう一体がクリスの背後を狙おうとしたが、真横から赤い槍
剣で切り裂いた。
てきたが⋮⋮それはクリスの前に現れた水色の戦士が白と黒の夫婦
だが、その中を一体だけ切り抜けたノイズがクリスへと跳びかかっ
りにいたノイズ達はそれを喰らって一斉に消えさる。
を攻撃する
そんな時、空間から大量の剣を具現化し、上空から落下させ広範囲
!
"
!?
を繰り出してノイズ達を消し去る。
同時に横回転し、展開した脚部のブレードで周囲を切り裂く
逆羅刹
翼は剣のアームドギアで次々とノイズ達を切り裂き、次に逆立ちと
﹁できんだよ、そういう先輩だ﹂
!?
"
ても分かる。 だからかわせる、かわしてくれる。 ただの一言で通じ合えるから。 1054
!?
﹁一緒に積み上げてきたコンビネーションだからこそ、目を瞑ってい
"
あたしのバカにも、付き合って貰える
傷をつけて破壊していたりするのだ。
﹂
"
を放ってノイズ達を切り裂き、ウェルは翼がノイズと戦っている隙
翼は巨大化させたアームドギアから放つエネルギー刃
蒼ノ一閃
実はクリスの首に付けられていた装置は翼が既にアームドギアで
!
にそそくさをソロモンを置いて逃げて行ってしまった。
﹂
すると翼はまたノイズ達がクリスを囲もうとしているのに気付い
たが⋮⋮。
﹁クリスに手ぇ出そうとしてんじゃねえ
﹂
用いてたったの一振りでノイズ達を一瞬で切り裂いたのだ
﹁馬鹿め
リ
セ
リ
ガー
A n t i │ glycerigger も 同 時 に 散 布 さ れ て い た の だ
グ
今、この場にはAnti│LINKERの︽精魂導師︾対応版⋮
!
ロックは跳びかかってくるノイズ達を左右の夫婦剣﹃干将・莫耶﹄を
!!
するとロックはそのまま膝を地に付けてしまった。
ウェルはそう言う。
!
それにより、一気に体力を奪われたロック。
それを霊風は肩に担ぎ、そしてロックをクリスの所へと運ぶなり、
﹂
﹂と勢いのある返答をすると、霊風は
﹁後は任せろ﹂と言って、霊風は翼の隣に立った。
﹂
﹁久方ぶりに⋮あの曲。
歌ってやりますか
﹁奏がいない分は、2人で
霊風は翼の問いに﹁応とも
1枚のカードを取り出した。
﹂
﹂
!
それは、ロックの基本の戦闘時に使うカード⋮
!
!
!
︻水の魂を導く師者︼のカードであった
﹁な、何を⁉
?
﹁こう使うのさ
﹂
!
!
すると霊風はそのままカードに装填し、そしてレバーを引いた
﹁変身
!
1055
"
!
ースピリット
フォーム、フォーマル‼
私、頂く
のまま纏ったのだ
ーお前等の魂
ー
ー
すると霊風の周りに水とそして弓を番える戦士の魂が現れるや、そ
?
︽嵐魂導師︾トルネイドに融合変身した。
それを見たウェルは﹁ひ、ひぃぃぃ⁉
た。
﹁さぁ∼て。
!
?
可愛い後輩を可愛いがってくれたんだ⋮
﹂
﹂と言いながら尻餅をつい
今の霊風はその2つの力を持つ︽精魂導師︾⋮
水と風は合わせる事で災害を生む自然現象﹃嵐﹄が生まれる⋮
ロックの︽水魂導師︾の力が1つになった姿⋮
己が持つ︽風魂導師︾の力と、
其処には、水の弓を構えた霊風が其処にいた。
!
!
対価を払う覚悟は出来たか、マッドサイエンティスト
1056
!
!
#31 Preserved Roses
︽風魂導師︾と︽水魂導師︾の力を合わせた存在⋮︽嵐魂導師︾トルネ
イドへと融合変身した霊風は、左手に毒物である可変棍︽ウインドル
﹂
ロッド︾と、右手に持った弓︽オーシャンボウ︾を携えていた。
﹁な、何故貴様等が生きている
ウェルは其処までして漸くロックと霊風が何故生きているのか、何
故あんなにもピンピンとしているのかに。
するとクリスに抱き抱えていたロックは指パッチンをした。
﹂
﹁ハズレだよ∼﹂と紙に書かれ
するとウェルの近くにいた霊風とロックの倒れた存在は、そのまま
煙を発生し、そして其処には﹁残念
た木になった。
それを見たウェルは驚愕した。
﹁変わり身の術。⋮中々面白いだろ
﹂
そう言いながらロックはしてやったりと言った表情を見せた。
リ
セ
リ
影這い
を用いて、影へと潜み、機
実は翼とクリスの激突の際に、ロックと霊風はすかさず変わり身の
グ
術で入れ替わり、そして自分達は
会を伺っていたのだ。
ガー
"
グ
リ
セ
﹂
リ
ガー
Anti│glyceriggerは﹃英雄﹄達の力を使う︽精魂
導師︾の力を抑える様に設定されている。
だが、
﹁ふん。そんな事か﹂とでも言うかのような態度で霊風は鼻でウェル
をおちょくる。
!
﹂
そうすると、ロッドを槍に変えるなり、そのまま弓に番え、
そして撃った
シュンッ
!
ひ、ひぃぃぃ⁉
!
1057
!
?
"
Anti│glyceriggerが発生している間は、
貴様等の力は抑えられる
﹁だ、だが
!
ウェルはそう言った。
!
?
バンッ
﹁⋮⁉
?
グ
リ
セ
リ
ガー
霊風の行動で即座にウェルは怖じ気付いた。
何せ、Anti│glyceriggerの効果が全く持って無意
味になっていたのだ
﹂
!
水樹奈々︶
ず、寧ろ磨きがかっていた
翼は出力を抑えたギアでありながらも、その技量は劣ってはおら
2人はそれを皮切りに周りのノイズ達を殲滅し始めた
ion
︵挿入歌﹃Preserved Roses﹄T.M.revolut
すると霊風と翼は﹁歌﹂を口ずさみ始めた⋮阿吽の呼吸で。
﹁俺達の歌⋮聞きやがれ
後ろにやりながら構えた。
霊風は︽オーシャンボウ︾をウェルに向け、
︽ウインドルロッド︾を
え、
翼はアームドギア︽アメノハバキリ・ブレード︾を上段の構えで構
翼も霊風が言いたい事が分かった様で、
すると霊風は翼に顔を向ける。
!
たり、2丁拳銃にして連射した
/////﹂
姿となっており、彼女は自分の裸を隠すようにうずくまり、それを見
今のクリスはシンフォギアのアーマーを飛ばしたため一糸纏わぬ
﹁ってこっちみんなバカァ
を解除して元の姿へと戻り、霊風はクリスの方へと振り返るが⋮⋮。
全てのノイズを倒し終え、翼はシンフォギアを解除し、霊風は変身
とロッドを振りかざしてノイズを縦に切り裂く。
ムドギアを構え、2人は同時に跳びあがり、2人同時にアームドギア
翼と並び立ち、2人同時に頷きあい、ロッド︹サイスモード︺とアー
まま押し返してノイズにダメージを与える。
それに気付いた霊風はロッドを回転させて攻撃を防ぎ、液体をその
のようなものを吐き出す。
すると複数のノイズが合体して巨大化し、巨大ノイズは口から液体
!
作で動かしながら、動作途中でロッドを上に投げるなり、弓で射抜い
そして霊風はロッドで叩く、貫く、薙ぎ払う、刈り取ると言った動
!
!!
1058
!
×
た霊風は顔を真っ赤にしたが、突然、肩に違和感を感じ、見てみると
其処には手が置いてあった。
⋮﹂
そしてその先を見て、霊風は青ざめた。
﹁男に二言は無いよな
てきていた。
お前もクリスの裸見ただろうが⁉
霊風は﹁ご、誤解だって⁉
⋮って言うか
る訳で⋮⋮。
・
・
﹂と言い返す
﹂
﹂と問いかけると翼は﹁それだけだ﹂と返
続く言葉を斜めに聞き流す訳にははいかんだろ﹂
﹁雪音が先輩と呼んでくれたのだ。 んだ﹂
﹁////そ、それにしたってよ、なんであたしの言葉を信じてくれた
なにより、こんな特殊な雪音を知ることができたのは僥倖だ﹂
﹁私も、1人ではなにもできないことを思い出させた。 そんなクリスに翼は﹁気に病むな﹂と声をかける。
少し照れくさそうに謝るクリスとロック。
﹁︵こんなしおらしいクリスとロックは初めてだ︶﹂
﹁申し訳有りませんでした﹂
﹁っ、勝手に飛び出して⋮⋮ごめんなさい//﹂
﹁回収完了、これで一安心だな﹂
リスに渡した。
それからクリスは学校の制服の姿へと戻り、翼はソロモンの杖をク
今度会ったら絶対ぶん殴ってやろうと思うロックだった。
﹁あのくそ野郎クリスの裸見やがったのかあああああああ
!!!!!!
がいたということは⋮⋮つまり、ウェルもクリスの裸を見たことにな
そこでふと2人はあることに気がついた、それは先ほどまでウェル
いったのやらと呆れていたのであった。
と、ロックは顔を真っ赤に染まって、先程までの威勢はどこへ置いて
?
?
其処にはロックが﹃干将・莫耶﹄を既にあと1㎜で当たる所まで迫っ
?
クリスは﹁それだけか
?
1059
!
し、クリスはそれを聞いて﹁全くどうかしてやがる﹂と思った。
﹁︵だからこいつらの傍は、どうしようもなく、あたしの帰る居場所な
んだな⋮⋮︶﹂
クリスはそう感じた。
そしてそのそんなクリスの顔を見たロックは自然と笑顔になって
いた。
﹁︵やっぱり、2人はそんな笑顔が素敵だな⋮︶﹂
そんな2人を見て、霊風はあらためて実感した。
﹂
?
早くこの事態を終わらせなければと言う感情に。
﹁⋮そう言えば、奏からの連絡がまだ来ていないんだが
すると翼はそう問いかけた。
それに気付いた皆は確かにと感じていると⋮
﹄
ドガァァァンッ
﹃⁉
﹂
突然近くから大きな爆発音が聞こえたのだ
﹂
﹁まさか⋮行くぞ
﹁ああ
出したのであった。
其処に待ち受けるのは一体⋮
?
1060
!
!
!
?
そう言うと霊風達はその爆発が起きたであろう場所へと向け、走り
!
#32 魂の行方
翼達が奮闘していた頃の﹃F.I.S.﹄組はと言うと⋮
切歌と調は互いに歌を口ずさみながら戦闘を行っており、切歌は肩
部のアーマーの鎌で何度も調に斬りかかっているが調は鋸のアーム
ドギアでそれらを全て弾く。
非常Σ式 禁月輪
を切歌に
調は一度切歌から距離を取るとアームドギアから巨大な円状の刃
を形成し、内側に乗り高速で突進する
"
うに合体させ、対象を挟み切る
双斬・死nデRぇラ
を発動する。
繰り出し、対する切歌は2本に分裂させたアームドギアをハサミのよ
"
"
α式 百輪廻
を切歌に向かって放つ。
"
時に降り立つ。
﹁切ちゃん⋮⋮どうしても引けないの
﹁切歌
やめろ
﹂
絶唱は身体に相当の負荷が
﹁ままならない思いは力づくで押し通すしかないじゃないデスか﹂
自分の首筋にLINKERを押し当てて中の液体を注入する。
切歌はそう言ってLINKERを取り出して調に投げ渡し、切歌は
スよ﹂
﹁どうしても引かせたいというのなら、力づくでやってみると良いデ
?
も空中へと飛びあがって空中で激しく激突した後、2人は地上へと同
しかし切歌は2本のアームドギアでそれら全てを弾き飛ばし、切歌
を大量に射出して攻撃する
飛び退くように離れて空中に跳びあがるとアームドギアから小型鋸
そして切歌と調のアームドギア同士がぶつかり合い、調は切歌から
"
!
﹂
﹂
!!
闇呪怨は切歌とはなんだかんだでいつも一緒にいたりする。
向けた。
それを見た光聖希はいつも側にいた兄・闇呪怨にその怒りの矛先を
は切歌を止める様に促すも肝心の本人は歌おうとしていた。
光聖希は切歌が﹃絶唱﹄を使おうとしていることに気づき、光聖希
﹁お前に俺の何が分かる‼
其れなのに⋮兄さんはなんで止めないんだよ
特にLINKERを使ってる奴は⋮最悪、死ぬんだぞ
!!
1061
"
?
!
!!
闇呪怨が怪我をした時は、切歌が手当をしてくれて、
切歌が虐められていた時は、闇呪怨が切歌を守る為にその虐めを止
めたり⋮
ほんの一部だが、それ以上に切歌と闇呪怨は仲が良かった。
それは切歌の事を良く知る調も、兄の事を良く知っている光聖希が
嫉妬するぐらいに。
まぁ、尤もその調と光聖希も仲が良いのは言うまでも無いが、
2
人
闇 呪 怨 と 切 歌 が そ ん な 2 人 に 嫉 妬 し て い る 事 を こ の 時 の
調と光聖希は知らない。
そんな中で、双子は其々の得物、
︽蛇腹剣・チェーンブレイド︾と、︽両刃鎌・デモンズサイス︾を振り
かざす⋮
其々のぶつかり合いに金属音が発生する。
其処に光聖希は鎖を飛ばすが、闇呪怨は肩のプロテクターから投擲
用のカッターナイフをぶつけ、相殺させる。
そうしていると光聖希の想いも空しく切歌は﹃絶唱﹄を歌い、同じ
く調もLINKERを自分に注入して﹃絶唱﹄を歌い、
﹃絶唱﹄を歌い
終えると切歌のアームドギア︽イガリマサイス︾が超巨大化する。
﹂
﹁﹃絶唱﹄にて繰り出されるイガリマは、相手の魂を刈り取る刃
分からず屋の調からほんの少し負けん気を削れば
!
らず屋はどっち
﹂と切歌に怒鳴りあげる。
﹁私の望む世界は切ちゃんがいなくちゃ駄目。 寂しさを押し付ける世界なんて欲しくないよ
﹂
また調はシンフォギアの両手両足が変形して長くなり、調は﹁分か
!!
に調に訴えかける。
﹁私が調を守るんです
彼女はそう叫びながら切歌は高速回転して調に向かって行くが、調
!!
!!
例え、フィーネの魂に私が塗りつぶされることになっても
﹂
するが調は右手の鋸で切歌の攻撃を弾き、切歌は涙を流しながら必死
切歌は巨大化したアームドギアに跨って空中を飛行して調に接近
!
!!?
1062
!
はその攻撃を今度は左手の鋸を回転させて弾いて防ぐ。
﹂
﹁ドクターのやり方で助かる人達も、私と同じように大切な人を失っ
てしまうのよ
そんな世界に生き残ったって私は二度と歌えない
例えわたしが調に嫌われてもおおおおおお
﹂と
調もまた涙を流し、切歌に必死に訴えかけるが切歌は﹁でも、そう
するしかいデス
!!
後を闇呪怨が襲おうとしたが⋮⋮。
﹁切ちゃん、もう戦わないで
私から大好きな切ちゃんを奪わないでえええええ
!!
﹁なっ⁉
﹂
﹂
﹂
﹂
﹁へっ⋮⋮
﹁なに⋮⋮これ
情で自分の両手を見つめた。
﹂
らせ、バリアは切歌のアームドギアを弾き飛ばし、調は唖然とした表
ランダル護送作戦﹄の際に使っていたバリアと同じものを調は張り巡
調は咄嗟に両手を前にかざすとかつてフィーネが響と憑友の﹃デュ
!!!!
線に向かって行く。それに気付いた光聖希は調の方へと向かい、その
構えたがそれを切歌は遂に破壊してしまい、切歌はそのまま調に一直
叫ぶと同時に切歌はアームドギアを振るい、調は防ごうと両手の鋸を
!!
?
唖然としていた。
﹁まさか⋮⋮調デスか
フィーネの器になったのは⋮⋮調なのに、あたしは調を⋮⋮
﹂
?
?
とアームドギアは高速回転しながら切歌の背中目指して向かって行
ばされていたアームドギアが輝き、それが輝き、地面から刃が抜ける
はショックを受け、切歌は涙を流しながら右手を横に伸ばすと弾き飛
切歌は調を結局はただ悲しませてしまっただけという事実に、彼女
ことだけデス﹂
﹁調に悲しい想いをして欲しくなかったのに、できたのは調を泣かす
﹁切ちゃん
﹂
切歌は調から離れ、切歌は﹁信じられない﹂といった顔を浮かべて
﹁まさか⋮⁉
?
1063
!!
!
?
?
?
く。
﹁あたし、本当に嫌な子だね⋮⋮。 ﹂
消えてなくなりたいデス⋮⋮﹂
﹁ダメ、切ちゃん
びかけた。
﹁﹁やめろおおおおおおお
切歌ああああああああああ
﹂﹂
!!!!!
切歌ああああああああああ
﹂
闇呪怨はその状態のまま必死に彼女に手を伸ばすが⋮⋮その手が
﹁切歌
!!!!!
に足を痛められてしまってしまい、2人揃って地面に倒れこむ。
陰陽兄弟は切歌の元へと駆け出そうとしたが、実は先程の攻撃の際
!!!!!
ており、それに気づいた闇呪怨と光聖希の陰陽兄弟は必死に切歌に呼
顔がと目が真っ赤になるくらい切歌の瞳から大量の涙が流れ落ち
!!
届くことはない⋮⋮、そしてアームドギアは切歌を⋮
グサッ‼
?
調ええええええええええ
﹂
!!!!!?
⋮切歌を庇った調の背中に突き刺さった。
﹁調⋮⋮
?
1064
!!
調ええええええええ
﹂
してそのまま抱擁しながら涙を流した。
そんな様子を見た闇呪怨はただ悲鳴をあげながら、
!
セレナ
﹂
う、うぅ⋮⋮
!
の場に跪く。
﹁私の歌は⋮⋮誰の命も救えないの⋮⋮
﹂
起きてください
!!
﹁調⋮⋮目を開けて、調
!!
に戻すにはまだまだエネルギーが足りず、彼女は眼尻に涙を溜めてそ
同じころ⋮⋮マリアは丁度歌い終えていたのだが⋮⋮月を軌道上
そう叫びながら、地面を叩きつける事しかできなかった。
﹁こんな事をしたいんじゃなかったのに⋮うわぁぁぁぁぁ
﹂
光聖希は調の元に来るなり、そのままアームドギアを取り除き、そ
だか分からなくなり悲鳴をあげ、
大好きな人を失ってしまったことで切歌はもはやもうなにがなん
切歌と光聖希が調の名を叫ぶように呼ぶが、
﹁調⋮⋮
!!!!!
呼びかけるが、なんの反応もなかった。
あの後、光聖希に変わって、調を抱き上げていた。
調が死んだと言う事で、先程までのいざこざは何もかも無くなって
いた。
1065
!
切歌は涙を溢れださせながら目を開けようとはしない調に必死に
!
!
しかし、調には﹁意識﹂は事態はまだ生き残っていた。
調の意識は深い闇の中に沈もうとしていたが⋮⋮
調は自分の隣に誰かが立っていることに気づき、
﹁あなたは
﹂と問
いかけたがその人物は﹁どうだっていいじゃない、そんなこと﹂と返
されてしまう。
そこにいたのは、かつて響達と憑友達と激闘を繰り広げた﹃先史文
明期の巫女﹄⋮櫻井了子いや、⋮フィーネだった。
﹁どうでもよくないよ。 私の友達が泣いている﹂
﹁そうね、誰の魂も塗りつぶすこともなくこのまま大人しくしている
つもりだったけど、そうはいかないものね。 魂を両断する一撃を受けてあまり長くはもちそうにないか﹂
その言葉は魂を消し去る切歌のアームドギアの刃を調の代わりに
フィーネが受けたということを意味しており、調はどうして自分の代
わりにそんなことをしたのかとフィーネに問いかけた。
﹂
﹁あの子達に伝えて欲しいのよ﹂
﹁あの子達
出来ないって。 今日を生きるあなた達でなんとかなさい。
それに彼にはまだ生きて貰わないと困るしね﹂
フィーネはそれだけを伝えると彼女はすでに身体の殆どが粒子と
なって消滅し、調は誰にそれを伝えればいいのかが分かった。
﹁立花⋮⋮響。
人絆⋮憑友。
だけど、彼はもう⋮﹂
﹁い つ か 未 来 に 人 が 繋 が れ る な ん て 事 は 亡 霊 が 語 れ る も の で は な い
わ。
それに私は彼に興味が有る。
⋮もう2度と会う事も無いでしょうね﹂
1066
?
いつかの時代、どこかの場所で今更正義の味方を気取ることなんて
﹁だって数千年も悪者やってきたのよ。 ?
それだけを言うとフィーネが完全に消えさり、現実の世界では調の
﹂
﹂
傷 が 完 全 に 塞 が っ て お り、泣 き じ ゃ く る 切 歌 は﹁目 を 開 け て よ、調
⋮⋮﹂と小さく呟くと⋮⋮。
えっ、身体の、怪我が
﹁開いてるよ、切ちゃん﹂
﹁へっ
﹁調
﹁じー﹂
?
﹁調⋮
﹂
聖希⋮
!
!
げてきていた。
﹁もう離さない
絶対に
調がいない世界なんて⋮
﹁⋮ありがとう///。
でも、大丈夫だよ﹂
﹂
それを聞いた光聖希達は頭に
すると調は、
﹂
⋮⋮﹂ マークを浮かべ、首を傾げる。
﹁たぶん、フィーネに助けられた﹂
﹁フィーネが、デスか
一緒にマリアを救おう﹂
だから切ちゃんの力も貸して欲しい。 ﹁みんなが私を助けてくれている。 そう言うと調は切歌と光聖希に抱きつき⋮⋮。
?
﹁うん。 今度こそ調と一緒にみんなを助けるデスよ
!
!
その時に闇呪怨も近くにいて、調が生き返った事に嬉しさがこみ上
その時に、調は少し顔を真っ赤に染めた。
にハグした。
光聖希が近づいてきて、調は彼の愛称を言うと光聖希はそのまま調
﹁
﹂
そんな時、
くが、だがどうして調が生き返ったのかが切歌は分からなかった。
切歌は調が起き上がってくれたことが嬉しくてつい彼女に抱きつ
!!
!
?
!
!
1067
!
﹁ああ
百人力になってやる
俺は調が側にいてくれるだけで
﹂
零の兄貴を
﹁迎えに行こう。マリアを
﹂
!
何事かと行こうとしたが、
﹄
ドガァァァァァァァ
﹃⁉
﹁今のは⋮向こうからだ
﹂
今度は遺跡よりも違う場所から爆発音が聞こえた。
それを見た一同は急いでその場所へと向かって行った
ーーーーーー
跡の再起動を促していた⋮⋮。
﹁無理よ、私の歌で世界を救うなんて
﹂
﹂
⋮⋮ウェルはマリアを殴って押し退かす。
﹁きゃあ
﹄
﹁月が落ちなきゃ、好き勝手できないだろーが
﹃マリア
﹂
そこにウェルが現れ、マリアもそのことに気づいて立ち上がるが
!
!!
﹃マリア、月の落下を食い止める最後のチャンスなんですよ
﹄
一方、ブリッジでは泣き崩れるマリアに対し、ナスターシャは月遺
!
うとした瞬間に、切歌達の上空を飛んでいった何かが素通りした。
何処か遠くから怪物の様な声がしたので、その声がした方角をみよ
ヴォォォォ⋮⋮
それを聞いた皆は踏み進めようとしたその時だった
!
!
れたような顔を浮かべる。
に﹁やっぱり余計なことをしていたのはあのおばはんか﹂と思い、呆
そこで通信でナスターシャの声が聞こえてウェルはナスターシャ
!!
!?
!
1068
!
!
!
!
!
!
?
﹃聞きなさいドクターウェル。 フロンティアの機動を使って収束したフォニックゲインを月へと
﹄
あんたが月に行ってくればい
照射し、バラルの呪詛を司る遺跡を再起動できれば月を元の軌道に戻
せるのです
﹂
﹁そんなに遺跡を動かせたいのなら
いだろ
!
!!
﹂
!!
!!
英雄に憧れる僕が英雄を越えてみせる
﹂
﹂
!!
この僕を殺すことは全人類を殺すことだぞ
!!
出現させるが⋮⋮。
﹁手に掛けるのか
﹂
!?
響が現れて彼を庇う。
私は立花響16歳
﹂
﹁そこをどけ、融合症例第一号
﹁違う
て彼女と話す気などさらさらなかった。
﹁マムがこの男に殺されたのだ
!!
ならば私もこいつを殺す
世界を守れないのなら私も生きる意味は無い
﹂
響はそう言い放つがマリアは﹁お前と話すことなどない
﹂と言っ
ただの立花響がマリアさんとお話したくてここにきている
融合症例なんかじゃない
!!
!!
!!
!! !!
!!
﹂
かって駆け出してウェルは悲鳴をあげるが⋮⋮ウェルを庇うように
結局ウェルの言葉はマリアに聞き入られず、マリアはウェルに向
﹁殺す
﹂
そこで遂にウェルに対する怒りを爆発させて槍のアームドギアを
﹁っ、よくもマムを
うはははははは
法
だったら支配可能なまで減らせばいい、僕だからこそ気づいた必勝
数がその手に余るからだ
﹁有史以来、人類が数多の英雄が人類支配を成しえなかったのは人の
と彼女の名を呼ぶが彼女からの返事はなかった。
スターシャのいる場所の遺跡が空へと飛びあがり、マリアは﹁マム
ウェルはそう叫びながらフロンティアのあるスイッチを押すとナ
!!
!!!!!
!!
!!
1069
!! !!
!!
そう言い放ってマリアはアームドギアをウェルに向かって放つが
それを響は片手で掴み上げて受け止め、その手からは血が溢れている
が⋮⋮響は笑みを崩さなかった。
﹄﹂
﹁意味なんて、あとから考えればいいじゃないですか
だから⋮
﹃生きるのを諦めないで
n⋮﹂
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
すると響はガングニールを纏う時の﹁歌﹂を口ずさんだ⋮聖詠を。
!
こんなことってありえない
﹂
響の聖詠が⋮なんとマリアのガングニールを強制解除させ、辺りが
光へと包まれる。
﹁何がおきているの
なんなの
胸の歌がしてみせたこと
融合者は適合者ではありえないはず。 これはあなたの歌
あなたの歌ってなに
!!
﹂
!!
は⋮⋮。
﹁行っちゃえ響
ハートの、全部でぇ
同じころ、二課の戦艦の中のモニターでこの様子を伺っていた未来
!?
1070
!
?
!?
?
?
そして響は⋮⋮マリアの問いに答えるかのように叫ぶ。
!!
﹁撃槍・ガングニールだああああああああああああああああああああ
﹂
﹂
1071
あああああああああ
タールに触れた。
そ れ を 見 つ け た セ レ ナ は そ の ま ま 零 と 呼 ば れ た 男 の 子 が 入 っ た
﹁零⋮レイなの⋮⁉
そしてセレナは其処に眠りし者を見て、目を見開いた。
すると先程まで響が立ち止まった部屋へとやって来た。
セレナはマリアがいるであろう場所へと向かって行く。
そしてそんな激動が繰り広げられている中、
ーーーーーー
!!!!!!!!!
?
﹁やっと会えた⋮レイ⋮
﹂
﹂
トナー﹃英雄﹄ギンジが其処にいた。
﹁ギンジさん。私⋮﹂
﹂
﹁おかえり﹂
﹁え
そうギンジが言うとなんといきなりギンジは土下座をしたのだ
﹁今はマリアを頼む⋮
﹂
お前がマリアを救ってくれ‼
﹂
!
彼奴を止められるのはもう俺達では無理だ。
セレナ
﹁私が必ずマリア姉さんを助ける⋮
﹁︵マリア姉さん⋮
私が必ず助けてあげるから
︶﹂
セレナと出会った事で、今⋮奇跡が起きようとしていた
﹁え
ーなら、俺も覚まさないとな⋮ー
お前の大切な人が⋮帰って来たぞ﹂
﹁⋮レイ。
そう言うとセレナは急いでマリアのいる方へと急いだ。
ギンジさん⋮レイの事をお願いします
﹂
だが、セレナはそんな事は端からのつもりだ。
?
!
!
!
すると突然、聞こえてきた声に後ろを振り返ると其処には零のパー
﹁⁉
﹁やっぱりお前だったんだな﹂
識が無いけれども再会したのだ。泣かないはずは無いのである。
その存在とはもう2度と会えないと思っていたのが、此処に来て意
いや、セレナにとっては自分が愛した存在なのだ。
それは生き別れてしまった恋人を想うような顔をしていた。
!
そう懇願してくるギンジ。
!
ーーーーーーSIDEto
!
1072
?
?
?
⋮此処は⋮
﹁はぁ⋮
?
﹂
ていなかっただけだ﹂
﹂
あ、そうですか⋮ちっ。
﹂
﹁今、舌打ちしたよな
﹁さぁ
如何した⋮
﹁⋮まぁ良い。さっさと来い。お前を今から⋮な⁉
なんで∼⁉
ザバァァンッ‼
な、な、波
?
くそっ。まさか、憑友を連れて行かれるとは⋮
しかし、何故彼奴が⋮
﹂
﹁随分とやられたものだな
﹁思いきりな﹂
まさか憑友を無理やり連れて行くとはな⋮
だが、この先に待ち受けるのは希望か、絶望か。
ふっ⋮楽しみになってきやがったな。
﹂
﹁全く⋮お前はそれでも一介の神だぞ
楽しんで如何する
﹂
﹁そんなの俺の勝手さ﹂
﹁な⁉
ふっ。派手に暴れて行けよ⋮人絆憑友。
?
?
?
?
﹂
﹁簡潔に述べると、お前を蘇らせる程の量を持つ﹃英雄石板﹄が存在し
ですか
﹁なら、なんで2年半前に探して欲しい石板を言ってくれなかったん
お前には期待していたんだけどな
﹂
⋮やっぱりあんたなんだな。神様。
﹁そうだな﹂
そうか⋮俺、完全に亡くなったんだ⋮
?
?
?
1073
?
?
ーーーーーーSIDEto
?
?
﹁⋮だけど、リセットまでして良いのかよって話だな⋮ったく﹂
余計な書類整理しないといけなくなっちまったな⋮ったく。
あまり無茶すんじゃないぞ
なんで、俺がこんな所に⋮
波に飲み込まれて⋮
あ痛たたた⋮。
ーーーーーーSIDEto憑友
!
﹁まさか、私がお前を救うとはな⋮﹂
﹁この声⋮⁉
1074
﹂
?
なんでお前が此処にいるんだ
⋮フィーネ⁉
?
﹂
#33 ﹃槍﹄と﹃拳﹄∼ガングニールシスター∼
﹁ガングニールの⋮⋮適合だと
﹂
終われるものかああああ
!
﹁ウェル博士
﹂
くっ、間に合わなかったか﹂
を通ってどこかへと行ってしまった。
に穴が空き、丁度そこに緒川と弦十郎が駆けつけたがウェルはその穴
ウェルはその場の床に左手を叩きつけるようにして手を置くと床
あああ
﹁こんなところで⋮⋮こんな、ところで
てしまい、階段を転がって下の床へと倒れこむ。
段を下って響とマリアから離れようとするがその途中に足を滑らせ
まう﹂と危機感を抱き、ウェルは情けない悲鳴をあげながら急いで階
それを見たウェルは﹁このままでは自分の計画が台無しになってし
きを隠せず、目を見開いていた。
マリアのガングニールは響のものへと変わったことにマリアは驚
!?
そのシンフォギアは
?
リアを支える。
応えてくれたんです
﹂と返し、その直後に響は倒れそうになったマ
い、そう問いかけると響は﹁マリアさんのガングニールが、私の歌に
緒川が失った筈の響がガングニールを纏っていることを疑問に思
﹁響さん
!!
!
ンティアの動きも止められる﹂とのことだった。
﹁⋮⋮お願い、戦う資格のない私に変わって⋮⋮お願い⋮⋮
﹂
力はネフィリムの心臓。 それを停止させればウェルの暴挙もフロ
法を響達に教えており、その方法とはマリア曰く﹁フロンティアの動
場所は戻り、響達のいる場所ではマリアがフロンティアを止める方
﹁ソロモンの杖がもうなくとも、僕にはまだフロンティアがある⋮⋮﹂
りながらとある場所に向かって歩いていた。
制御できる﹂と響に説明し、一方そのウェルはフロンティアの壁を触
リアは﹁今のウェルは左腕をフロンティアと繋げることで意のままに
そんな時、フロンティアが突然上昇を始めて宙へと舞い上がり、マ
!!
1075
!!!!!
!
膝を突きながら頭を下げてそう響に頼むマリア、すると響は﹁調
﹂とでも言いたそうな表情を浮かべる。
だから、心配しないで
﹂
ちゃんや光聖君にも頼まれてるんだ﹂とマリアに声をかけ、マリアは
少し﹁えっ
﹁マリアさんを助けてって
えた。
﹂
﹄
ドガァァァァァ
﹃⁉
﹁なんだと⁉
﹂
﹄
﹄
その数、20
俺よりも階級が上の君がパニックになったら、元
﹃た、た、た、大変です∼⁉
﹁少しは落ち着け
﹂
﹃そ、そうでした⋮
も子もないぞ
すぅ∼はぁ∼⋮
フロンティア中央部にて、謎の未確認反応を感知
大変です
?
それに伴って、奏ちゃんがたった1人で応戦しています
!
!
!
﹁⋮奏の事を頼む
﹂
にいける覚悟をした目をしていた。
それを聞いた響は弦十郎に顔を向けた。其処にはすぐにでも助け
!
﹁師匠
﹂
﹁ウェル博士の追跡は、俺たちに任せろ
﹁ネフィリムの心臓を止めます
だから響くんは⋮⋮﹂
響がおり、その時弦十郎が床を殴って床に巨大な穴を開ける音が聞こ
マリアは顔をあげるとそこには自信に満ちた笑顔を浮かべている
!
﹂と言うと、通信してきた相手⋮牧藁が普
?
段の彼女とは思えないような慌てぶりを見せていた。
弦十郎は﹁如何した⁉
すると弦十郎の端末から連絡が入ってきた。
突然の爆発音に、ブリッジにいた全員が驚く。
!
笑顔でガッツポーズを決める響、そんな時だった。
!!
!!
!
!
!
!
1076
!
?
!
?
!
?
﹁勿論です
﹂
ちょーっと行ってくるから
﹂
!
クリスちゃん
ロックさん
霊風さん
﹂
﹂
!!
たし4人の元へと駆けつける。
﹁翼さん
﹂
!!
だから⋮⋮
!
よ
﹂
﹁お、おう、ったりめーだ
﹁流石は俺の妹だな﹂
シスコンとはなんだ
﹂
﹂
﹂と勢いのある返事を翼に返した。
﹁ったく、お前相当のシスコンだな
﹁
?
﹂
!?
でていた。
嫌だったか
////﹂
いない事に頭を抑えてしまっていた。そして未だにクリスの頭を撫
言った態度で言うがロックの耳には聞こえてはいたものの、理解して
そんなロックに霊風は呆れつつどこか嬉しそうな声で﹁全く⋮⋮﹂と
クリスの頭に手を置いてワシャワシャと彼女の頭を撫でるロック、
だ⋮﹂
﹁あ、そうだった。こいつ知らなくて良い奴は本当に知らなかったん
?
﹂
﹁やったねクリスちゃん きっと取り戻して帰ってくると信じてた
はクリスの両手を握りしめる。
その時、響はクリスがソロモンの杖を持っていることに気づき、響
と響に声をかけ、響は﹁はい
﹂
纏っている翼とクリス、変身を解いているロックと霊風達と合流を果
それだけを言い残してブリッジから外へと出るとシンフォギアを
﹁待ってて
所からフロンティア中央部へと向かって行くことになった。
十郎と緒川は床の穴の中へ、響とはネフィリムの心臓があるという場
響は笑顔を見せてウィンクした後にサムズアップし、それを見た弦
!
!
﹁もう遅れはとりません
﹁立花
!!
そこで翼は響が言いきる前に彼女は頷き、
﹁あぁ、一緒に戦うぞ
!
!
﹁ええい、何時まで撫でてんだよ
﹁
?
1077
!!
!!
!!
!!
!!
!!
?
?
﹂という正論でロックは黙り込むことになった。
心底残念そうな顔をするロックだが、﹁今こんなことやってる場合
じゃねえだろ
そこに丁度弦十郎からの通信が入り、オペレーター達がネフィリム
の 心 臓 部 分 が ど こ に あ る か 突 き と め た こ と を ロ ッ ク 達 に 報 告 し た。
そして弦十郎達はネフィリムの心臓があるという場所へと急いで行
﹂
あれ
﹁俺達は
﹂﹂
この場に槍と弓、そして⋮⋮剣を携えているのは私たち
くことにし、翼達には奏の応援を要請した。
﹁行くぞ
だけだ
﹁んっ
それにマグナ
なんでお前らが此処に
﹁ガルム
ガルムとマグナが駆けつけて来た。
で、振り向くと其処には先ほど共に共闘した宇宙人、
するというそんな彼等の所に﹁おーい﹂と言う声が聞こえて来たの
メ押しは流石にきつかったのは此処だけの話だった。
だが、2人のアイテムであり、相棒のソウルとスピリットからのダ
かった。
スルー、無論こんな状況なので霊風とロックも特に追及することはな
だろうかと思う霊風とロック、しかしそんな2人の疑問は翼は華麗に
クリスが弓、響が槍、翼が剣で例えられるのなら自分達はなんなの
﹃忘れられているな﹄ ﹃ドンマイ♪﹄
?
﹂
﹂
﹂
士郎,セイバー,ヴィヴィオ,そしてなのはのカードだった
﹁吹き飛ばされる前に回収して置いたんだよ
俺達だって﹃英雄﹄の一人だ
仲間の﹃英雄﹄ぐらい助けてやんねぇとな
﹁ガルムさん⋮マグナさん⋮ありがとうございます
!
!
!
!
!
それは先の戦闘で反応がロストした筈の自分達の仲間の﹃英雄﹄
それを見たロック達は驚いていた。
そう言いながらガルムは4枚のカードを手渡してきた。
﹁それよりもほらよ﹂
?
?
?
1078
!!
?
!!
? !!
バーに装填、そしてレバーを引いた
ー
フォーム、マグナ
ースピリット
フォーム、ガルム
!
!
た
ー熱血、サーベル
ー
ー
﹂
フロンティアを喰らって同化
!
﹁
ゼットン
ブラック・ミスト
﹂
﹂
6 ブラック・ミスト﹄にも似てなくもないし⋮⋮﹂
﹁どことなくゼットンに似てるような気が⋮うーん。でも﹃No.9
フロンティアが生み出した新たなネフィリムが現れた。
な怪獣のような姿でどことなくネフィリムに似た⋮⋮というよりも
すると5人の前にあった地面が突然膨らみ始め、やがてそれは巨大
したネフィリムの力を、思い知るが良い
!!!!!
﹁人ん家の庭を走り廻す野良猫めぇ
の心臓部のある場所に来ていたウェルにモニターから見られていた。
そして5人は奏のいる場所を目指すが⋮⋮その様子はネフィリム
戻ってきた4人のカードをケースに戻す。
そして2人は翼達の方を向くと、翼達は頷き、響はガルムによって
ー2丁拳銃、ビーム・スナイパー
!
!
紅きバーサク
するとアブソーバーから先程の2人が現れるや、それを2人は纏っ
ーソウル
ー
!
霊風はマグナのカードを、ロックはガルムのカードを其々のアブソー
ルーしておけとも言わんばかりの態度で2人の事をスルーし、そして
を起こしていて、ロックは止めなくても良いのかと言うと霊風はス
そう言いながら、ガルムとマグナはカードになってもやはり口喧嘩
!
響はそうお礼を言うと、ガルムはロックの手を持ち、
﹂
マグナは逆に霊風の手を取ると、そのまま2人はカードになった
﹁俺達も手伝ってやる
﹂
﹂
!
﹁大丈夫大丈夫。どうせいつもの事だから﹂
﹁⋮こんなので良いのか
﹁口答えすんじゃねぇ
﹁それを言うならガルムのおっさんだって
﹁このヒヨッコがお前さん等の事が気に入ったらしくてな﹂
!
!
!
?
?
1079
?
!
!
!
?
﹁ああ、いや何でもない⋮こっちの話﹂
霊風がそんなことを呟き、それを聞いたロックが疑問に感じたが、
霊風は忘れてくれとでも言うかのように促してきたので、ロックは首
を傾げていた。そんな中で、ネフィリムは気にせず背中からミサイル
﹂
自律的完全聖遺物なのか
﹂
のようなものを放ち、霊風達は一斉に飛び退いてミサイル攻撃を避け
た。
﹁あの敵
﹁にしては張り切りすぎだ
!?
ホークアイショット
でクリスに向かって行った火球
"
﹂
!
そう見えるだけなのでは⋮⋮と思えて仕方がない。
こっちは急いでんだ
!
を傾げていたのはこの際どうでも良い話。
⋮と言うより、ロック⋮あんた朴念仁ですか
少しは義妹の動揺で察してくれませんか
技
﹂と言うと、
スティンガーサーベル
でネフィリムに攻撃を仕掛ける
!
マグナに扮した霊風は右腕に装着されたサーベルで勢い良く貫く
て貰うぜ
そう思っていたら、霊風が﹁さっさと片付けさせて奏の所へ行かせ
?
?
そして霊風の言った﹁ランデブー﹂と言う言葉を聞いたロックは首
にしていたので説得力は皆無なのは此処だけの話で、
と、霊風がそう言ってきたので、クリスは反論するが、顔が真っ赤
﹁ランデブーは後にしてくれよ
﹂
思っていたクリスだが、それってぶっちゃけロックがイケメンだから
﹁なんか何時もに増してカッコいい気がするな、ロック義兄⋮﹂とか
﹁えっ⋮⋮////あ、あぁ⋮⋮﹂
﹁大丈夫か
をかき消し、ロックはクリスの前へと着地する。
射させる技
ルムに扮したロックが2丁拳銃の内、長身銃の方を構えてビームを発
そこにネフィリムの放った火球がクリスに当たりそうになるが、ガ
!!
!!
"
になっていた
一旦、体勢を立て直そうとしたその時だった。
!
1080
"
?
!!
だが、ネフィリムの皮膚は以前とは比べ物にならないぐらいに頑丈
"
﹂
カジャァア
奏
﹂
﹁うわぁ‼
﹁⁉
?
!
﹂と霊風が言うと、先程の天井の所に騎士や兵
?
にいた
いや、オーディーンだけじゃない
それを見た霊風はそれに驚かされた
﹁あれは⋮オーディーン⁉
?
﹂
?
それにみんなも
て驚愕した⋮
﹁バン君⁉
?
﹂
逆手持ち二刀流を持つ少女達が現れたのだ
の様なものを持っている少女,白髪ショートの少女と金髪ショートで
いる︶と、黄色髪の長刀を持った少女と黒髪ストレートでタブレット
そうしていると今度は鎧を纏った戦士が8人︵うち3人は顔が出て
意味は⋮邪心,束縛,そして⋮堕落﹂
﹁﹃悪魔﹄の正位置。
デビル
其処には悪魔のイラストが描かれていた。
師︼ダイキは何処からとも無くタロットカードを取り出した。
そしてそれを見たロックの元に就く﹃英雄﹄の1人、
︻箱の中の魔術
﹃英雄﹄の1人にして︻秒殺の皇帝︼と呼ばれる青年・ジンがそう叫ぶ。
!
ドケースとロックのカードケースから其々1枚のカードが具現化し
それを聞いたメンバーは首を傾げるが、響が持っていた憑友のカー
リュウビにジャンヌDだと⁉
ハカイオー,フェンリル,パンドラ,アキレス︵D9︶,ミネルバ,
!
!
士、ソルジャーのような格好をしたノイズが少なくても30体が其処
﹁何があったんだ⁉
まで瞬時に戻ってきた。
それを見た霊風は己の俊敏力で華麗に奏をキャッチすると、皆の所
突然、天井が吹き飛び、其処から奏が落ちてきたのだ
!
!
キリトは響が憑友との別れの際に響に手渡されていた。そしてそ
イズナ,そしてキリトが現れた。
黒鉄一輝,司波達也,カナタ・エイジにユーリ・フロストル,黒曜
それに気付いたのか、響とロックのカードケースから其々、
!
1081
!
?
の直後に憑友は灰燼と化したのだ。
スグ
﹂
﹂
白銀レッカ
﹂
そして4人の少女達を見た皆は其々の名を言った。
﹁やめてくれ
﹂
﹂
﹁おい、馬鹿なことは止めろ
﹁深雪
珠雫
しずく
﹂﹁レクティさん
﹁レクティ
﹁元に戻ってくれ
たから。
するとネフィリムの咆哮と共に、一斉に攻撃を開始し始めた
道だった
う方へと向かって行った
それは先程響がやって来たブリッジへの
その内の一体⋮左腕に獅子の顔を模した盾を持った奴は何処か違
!
何故なら、彼等は既にネフィリムによって捕食されていた者達だっ
しかし、彼女達はおろか、彼等の耳には声すら聞こえてはいない。
それは自分達の知っている存在だったのだ。
!
!
を携えた青年が矢を放った行動をしていた。
すると其処から無数の攻撃が響達に襲いかかってきたのだ
其処から防戦一方になる二課の面々。
ら倒れてしまう。
!
そして其処を槍を携えた戦士が突き刺そうとした
﹂
絶対絶命の時だった
﹁はぁぁぁぁあ
﹂
ガキィン
﹁
!
!
そうしていると響がなんと足元を掬われ、そのまま尻餅をつきなが
!
それを見たロックは横に視線を移すと、其処には一角獣を模した弓
すると先程までいた場所を矢が真横から通り過ぎた。
動きを封じようとしたが、すぐにその場から後退する。
それに気付いたロックは行かせないと言わんばかりに弓を用いて
!
槍を携えていた戦士の槍の攻撃を誰かが受け流した
!
!
1082
!
!
!
!
!
!
!
!
!
響は視線を見ると其処には赤い槍が見え、そのまま視線を泳がせる
﹂﹁奏さん
﹂
と、其処には奏が立っていた
﹁奏
!
﹁大丈夫か⁉
奏
﹂
⋮奏。私の言いたい事は分かるか
﹁ああ⋮なんと無くな﹂
﹄
バキィィッ‼
﹃‼
?
﹁奏⋮お前⋮﹂
﹁今はこの方が良いんだ⋮だよな
﹃その通りです。
﹄
オディナ﹂
で黄色の槍を持つと、そのまま膝に向けて振り下ろしそして、
!
?
それを聞いたオディナは﹃ならばやってくれ
﹄と言うと奏は両手
マスターの槍としてとても有意義に過ごせたのだ。
﹃別に構わない。私はマスターの為に動いているのだ。
て﹂
﹁オディナ⋮ごめんな。黄色の槍⋮こんなにもボロボロにしてしまっ
ナ﹄と話をした。
奏は首を縦に振る。そして奏は胸のペンダントにいる存在﹃オディ
そう言いながら霊風は奏を支える。
?
この騒動の際に罅が入ってしまっていたのだ。
の黄色の槍は既に半身に罅が入っていた。
そう言いながら、もう片方の黄色の槍で立ち上がる奏。しかし、そ
﹁へへっ⋮待たせて済まないな﹂
!
!
?
1083
!
?
私は⋮いや、私達には心強い存在がいると言う事を
﹄
それを聞いた皆、すると天井から声が聞こえてきたので、振り返る
!
と其処には切歌や調、陰陽兄弟⋮﹃F.I.S.﹄の子供達が駆けつけ
てきたのだ
それを見た皆の士気は高まり、反撃に撃って出た
﹂
﹁響ちゃん
﹂
奏さん
﹁私とのライブ⋮一緒に歌ってくれないか
それは奏からのオファーだった
﹂
その問いに対し、響は⋮
﹁はい
?
本になってしまった槍を携えた
それに合わせるかのように、響は徒手空拳の構えをとった
そして2人は歌い合わせた⋮先程の翼と霊風のように。
優勢に動き出した
まるで2人の思考が分かっているのか、その攻撃で戦士達を相手に
た
そうすると奏の槍と響の拳がまるで阿吽の呼吸のように動き始め
︵挿入歌﹃私ト云ウ音響キソノ先ニ﹄悠木碧&高山みなみver.︶
!
!
そう元気よく頷いた。それを見た奏は響の頭に手を置き、そして一
!
﹂
すると奏は響を止め、響は奏に視線をやる。
﹁
!
イズが現れたのだ
だが、響と奏の前にノイズ達はあっという間に殲滅されていく⋮
!
連れながら、戦士達を相手に戦いを仕掛けていくのであった⋮
!
それを見た翼は﹁私達も負けてられないな ﹂と言って、皆を引き
!
するとネフィリムが先程とは違う咆哮で叫ぶとなんと地面からノ
!
!
1084
?
!
!
!
?
!
その頃、ブリッジにいたマリアはこの悲劇を前に涙ぐんでいた。
ーーーーーーSIDEtoマリア
﹁私では⋮⋮なにもできやしない。 セレナの歌を、セレナを⋮⋮無駄なものにしてしまう⋮⋮﹂
そう呟き、涙ぐむ私⋮⋮
私のやって来た事は無駄だったと言う事なのね⋮情けないわ。
そんな時だった⋮
﹁マリア姉さん﹂
﹂
1085
私を呼ぶ声が聞こえ、顔をあげると⋮⋮そこにはセレナがいた。
そうか⋮これは夢なんだ⋮
﹂
もう私は今の現状から離れても良いんだ⋮
﹁マリア姉さん
此処にいるのはセレナなの
それとも私を嵌める為の偽物なの
⋮如何でも良くなってきた。
﹁⋮﹂
てそして⋮
﹁目を覚ましなさいよ
駄目駄目マリア姉さん‼
?
!
そう思っていたら、セレナが私の肩に手を置いて、右手を平手にし
?
?
?
﹂
パシンッ‼
﹁痛ッ⁉
夢じゃない⋮
・
・
私の事ばかり考えている
じゃ、じゃあ⋮
へ
?
?
本当に貴方なの⋮セレナ⋮
!
・
ドが付く程のシスコンのマリア姉さん﹂
﹁目が覚めた
?
?
その事に私は目を仰天させていた。
1086
?
#34 女神の﹃盾﹄
ーーーーーーNO SIDE
涙ぐむマリア⋮⋮だがそんな時、
﹁マリア姉さん﹂と彼女を呼ぶ声が
﹂
聞こえ、マリアは顔をあげると⋮⋮そこにはセレナがいた。
﹁マリア姉さんが、やりたいことはなに
﹁っ⋮⋮歌で、世界を救いたい。 締める。
﹁生まれたままの感情を、隠さないで
月の公転軌道修正も可能⋮⋮﹂
これだけのフォニックゲインを照射すれば月の遺跡を再起動させ、
﹁フロンティアを経由してここに収束している。 フォニックゲインが集まっていることに気づく。
礫を払いのけて脱出し、マリアとセレナの歌によって世界中の人々の
と⋮⋮彼女は変形した車椅子を身体に纏い、自分に降り注いでいた瓦
同じころ、ウェルによって月へと飛ばされたナスターシャはという
ーーーーーー
の身体からも光が溢れだした。
口ずさむと2人の周りに光が渦巻き、また彼女達の﹁歌﹂を聞いた人々
う﹁歌﹂を口ずさみ、それを聞いたマリアもセレナの後を続けて歌を
セレナはマリアにその言葉を伝えた後、静かに﹁Apple﹂とい
マリア姉さんのやりたい事⋮私はそれを支えるよ﹂
大事なお姉ちゃんなの⋮だから、
﹁私は此処にいる。マリア姉さんは私の大事な⋮
﹁セレナ⋮⋮﹂
﹂
するとセレナはマリアへと寄り添い、静かに彼女の手をとって握り
月の落下がもたらす最悪からみんなを助けたい﹂
?
そしてナスターシャはフロンティアのブリッジにいるマリアに通
﹂
1087
?
信で話しかけ、マリアはナスターシャの声を聞いて驚く。
﹁マム
!!
﹃あなたの歌に世界が共鳴しています。 これだけフォニックゲインが高まれば月の遺跡を可動させるには
十分です。 月は私が責任を持って止めます。 もう何もあなたを縛るものはありません。 行きなさいマリア、行って私にあなたの歌を聴かせなさい﹄
﹁マム⋮⋮﹂
そしてナスターシャは近くにいたセレナに向けて話を始めた。
﹃セレナ。貴方には辛い思いをしてしまいました。
あの時、私はマリアを救うだけで精一杯でした。
本当にすみません。
これからは貴方がマリアを支えて下さい﹄
﹁マム⋮
﹂
マリア姉さんを助けてくれてありがとう。
貴方の思い、無駄にはしない
それは、ナスターシャとはもう二度と会えないことを意味してお
り、それが分かったマリアとセレナは自分の口元を押さえて涙を流し
﹂
た⋮⋮だが、マリアはすぐに決意に満ちた表情を浮かべて見せた。
﹁OK、マム
﹁世界最高のステージの幕を開けましょう
来たのだ
﹂
この場へとやって来たネフィリムによって堕とされた戦士がやって
そしてその爆発から煙が起こり、そして其処には先程響達の元から
警戒した。
そうしていると、何処からか爆発が起こり、それに気付いた2人は
!!!!!
﹂
は払い除けたのだ
﹁セレナ⁉
﹁マリア姉さん。私は戦うよ。
今度こそ誰1人も欠ける事なく⋮皆んなを救ってみせる
!
!
1088
!
そしてマリアは涙を拭いさり、宣言する⋮⋮。
!
それに気付いたマリアはセレナを庇おうとするが、その手をセレナ
!
?
・
・
・
・
・
私の歌は⋮
・
・
・
誰かを守る為の歌だから
﹂
!
そう言うとセレナは口ずさんだ⋮義理の母⋮ジャンヌから託され
た聖遺物の聖詠を⋮
1089
!
﹁p r o t e c s a i g i s w e l r a i z e n t r o n
⋮﹂
するとセレナの周りをシンフォギアの変身の際に発生するエネル
光
ギーバリアが展開され始めた
そしてバリアが消えると其処には、
両腕に半分に割れた盾らしき物を装着させたセレナが其処にいた。
﹂
誰かを守る為に生まれた﹃生粋の防御型﹄シンフォギア⋮
︻アイギス︼を纏ったセレナが立っていた
﹁貴方の拳⋮私には絶対に届かない
ーーーーーー
私の盾は、守る事に特化した盾なんだから‼
!
﹄
それを聞いた通信相手はナスターシャと話をし始めたのだった。
!
物をタッチすると、そのまま通信を行った。
如何したの
ー
するとナスターシャは制御盤を用いて、とある者の電話番号らしき
﹁後は、あの子達の今後ですね⋮﹂
いた。
一方、ナスターシャは月に存在する遺跡にて月の軌道修正を終えて
?
!
1090
!
ーprrrrr⋮prrrrr⋮prrrrr⋮
﹃もしもし
?
﹁貴方に用があって連絡しました﹂
?
ーーーーーー
場所は戻り、フロンティアはブリッジ。
其処では今、セレナが盾を持つ戦士と相対していた
︵挿入歌﹃on my way﹄堀江由衣︶
セレナは歌を歌いながら、盾持ち戦士と激突を繰り広げていた
盾持ち戦士はまるでプロボクサーのような構えをしながら、全身の
鎧でセレナへ向けてパンチを繰り出す
しかし、セレナは両手についてる盾を使ってその攻撃を防ぐ
しかし戦士の方は其処から更にラッシュを仕掛けてきた
PARADIN ガーター
盾を作った
それに気付いたセレナはすかさず両手の盾を合体させて1つの大
!
!
!
のだ
のバネでなんと一気に間合いを詰めて強烈なパンチをお見舞いした
だが、戦士は何か閃いたのか、即座にバックステップを取ると、足
その防御力を前に、盾持ちの戦士の攻撃は悉く防ぐ
"
!
﹂と叫んだ。
崩れ、そしてその隙を戦士によって殴られた
それを見たマリアは﹁セレナ
しかし、セレナは戦士の猛攻で苦戦を強いられていた。
!
セレナにこれ以上しないで
﹂
戦士の猛攻は尋常じゃないレベルの領域にまで発展し始めた
﹁やめて
!
!
!
その一撃でセレナの防御が簡単に崩れ、それによりセレナは体勢が
!
戦士はそのままセレナを踏み潰した
﹂と心配した。
と言うが、戦士は盾がついた方の左手でマリアを殴ったのだ
それを見たセレナは﹁マリア姉さん‼
てようとした。
その拳骨部分には獅子を模した盾が付いており、それをセレナに当
すると戦士はトドメを刺すかのように、盾を拳に装着した。
?
!
それを見たマリアが戦士の所に向かって、
﹁セレナから離れなさい﹂
!
猛攻を前に、セレナは立ち上がるように這い上がようとしたが、
マリアの声が響くが、そんなのは戦士の耳には届かなかった。
!
1091
!
!
!
"
﹁
セレナーーーーーー‼
﹁︵もうダメなの⋮
嫌だ⋮死にたくない⋮
﹂
︶﹂
折角、マリア姉さんと⋮零に会えたのに⋮
此処で死にたくない
誰か⋮助けて⋮
!
助けて⋮零ーーーー‼
?
セレナは心の中でそう叫んだ。
セレナの想いは⋮
1092
?
ガシッ‼
!
?
!
?
!
﹂
⋮嘘⋮⁉
﹁⁉
﹁
﹂
レイ
﹂
それはセレナが愛した男⋮
﹁零⋮⋮
!
︶﹂
無頼零が其処にいたのだった
?
﹂
﹁随分と俺の彼女を可愛がってくれたな⋮
!
そしてセレナはその手の先を見て驚愕した⋮
だ
セレナとその盾の間には手があり、それを片手で受け止めていたの
其処には盾を構えた戦士の動きが止まっており、
そう言うとセレナは恐る恐る目を開けた。
﹁︵⋮襲って⋮来ない⋮なんで
?
?
その対価⋮覚悟を持って償え‼
?
1093
?
!
!
﹂
#35 蘇る﹃無の魂﹄
﹁零
セレナは叫んだ。自分の大切な存在が今、目の前で過去の自分と同
じように、自分を助けてくれた事に。
そして戦士の拳を振り払い、すかさず零は蹴りを戦士にお見舞いさ
せた。
その攻撃で戦士は吹き飛び、そのまま壁に激突したのだ
﹁本当はついさっきまで記憶喪失で、自分の本当の名前以外忘れてい
こそ﹂と言いながら、セレナは話した。
それを謝罪する零。しかし、彼女は零を抱き締め返し、
﹁ううん。私
自分の大切な者を不幸な目に遭わせた後悔。
君を不幸な目に遭わせてしまって⋮﹂
﹁ごめんな、セレナ。
そうしていると零と呼ばれた青年はセレナに優しく抱き締めた。
マリアは驚かされていた。
つい先程までタール漬けにされていた者とは思えないその筋力に
!
﹂
たの。貴方が謝る事じゃない。私がちゃんとしていたら、こんな事に
ならなかったのに⋮
!
それに気付いた零はその涙を拭いた。
﹂
﹁これからは俺がお前の事を必ず守ってみせる⋮
﹁零⋮
﹂
そう言いながらセレナは零の肩の上で涙を流し始めた。
!
彼女にとって、かけがえのない存在が今ここに居て、蘇ったのだか
ら。
そうしていると、先程壁にぶつけられていた戦士が立ち上がり、咆
哮を飛ばしてきた。
それに気付いたセレナとマリアは警戒する。
するとその2人の前を零が立った。
﹁俺の彼女と仲間を可愛いがってくれた事⋮
1094
!
2人の再会を見ていたマリアは密かに嬉し涙を流していた。
!
覚悟と言う名の対価で払って貰うぞ
﹃英雄﹄の1人、︻レオのボーンファイター︼ギルバート
﹂
そう言うと零はその戦士の真名⋮ギルバートの名を当てるなり、
﹂
﹄
懐から霊風達と同じアイテム⋮マルチアブソーバーを取り出した
﹁行くぞホロウ
﹄
俺には大事な者がいるんだ⋮
負ける訳にはいかない
﹃久方ぶりの変身、しかも相当のブランクで大丈夫なのか
﹂
﹁心配するな
んだ
﹂
!
﹂
レバーが引いた。
﹁変身‼
フォーム、ムニキス
!
はそのまま纏った
ー無に帰す魂、私が紡ぐ
ー
﹂
!
り出した。
そしてそれを見た︽闇堕ち︾戦士⋮ギルバートは攻撃を仕掛ける
だが、その攻撃は全て斧で相殺された
相手は拳で攻撃をして来ているので、身動きが速い。
!
!
そう言うと零は背中から斧の形をした武器︽ホロウアックス︾を取
﹁これが俺の力だ。行くぞ
︽無魂導師︾ホロウに変身した零が其処にいた。
頑丈な銀のプロテクターを纏った戦士⋮
其処にいたのは、背中にギアを背負い、
!
!
するとアブソーバーから先程のイラストと同じ戦士の魂が現れ、零
ーホロウ
ー
そうするとそのカードをそのままアブソーバーに装填し、そして⋮
其処には歯車の形をした物を背中に背負った戦士が描かれていた。
そして右腰に付いてるカードケースから1枚のカードを取り出した。
そう言うと零はホロウと呼ばれたアブソーバーを左腕に装着させ、
﹁ああ
﹃⋮ふっ。ならさっさと終わらせるぞ
!
!
?
1095
!
!
!
!
!
?
!
!
なのに零は、その全ての攻撃を斧で相殺しているのだ。斧は普段は
こ
の
男
動きが遅い武器の1つであり、全ての攻撃を相殺する事はほぼ不可能
である。
だが、その全ての攻撃を無頼零はやっているのだ⋮。
﹂
驚かない方が可笑しいのである。
﹁はぁぁぁぁあ
!
そう言うと零はその斧を地面に付け、そのまま地面を這わせた
魔神衝波
すると其処から衝撃波が発生し、ギルバートを襲った
んどが覚える技
魔神剣
の拡大版であった⋮
"
すると斧からハンマーへと変化したのだ
た。
!
ー
!
引いた
ーホロウ
フォーム、ギンジ
武
器
そう言うと零はそのカードをアブソーバーに装填、そしてレバーを
﹁俺のパートナー﹃英雄﹄⋮受けやがれ
﹂
そこには、今まで自分達の事を見てくれていたギンジが描かれてい
すると零はカードケースから1枚のカードを取り出した。
それを受けた事で悶えるギルバート。
⋮
すると其処からアッパー、フック、叩きつけの連続攻撃を仕掛ける
!
更に零は斧を持ち、手元のグリップを回した。
!
ルドガーやジュード達﹃テイルズ﹄シリーズの作品のキャラのほと
"
!
!
"
無の英雄
ー
と、ギンジは魂となり、そのまま零に纏った
ー聖なる扉
そして現れたのは、ギンジの姿をした零その者であった
!
回薙ぎ払う⋮
すると其処から銀色のエネルギー弾が発生し、そのまま戦士・ギル
!
すると零はすかさず斧型ドライバ﹃ヤシャヒメ﹄を担ぎ、そして1
!
!
!
メ﹄を携えて、そして宙を舞う。零はそのままギンジの着地点に立つ
す る と ア ブ ソ ー バ ー か ら ギ ン ジ が 己 の 斧 型 の ドライバ﹃ヤ シ ャ ヒ
!
!
1096
"
!
﹂
バートにダイレクトに決まったのだ
﹁一気に決めてやるぞ
!
﹄
そう言うと零はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
フルドライブ
﹃ホロウ・ギンジ
!
!
!
り回した
ストラグル⋮ヴェイン
‼
﹂
ストラグル・ヴェイン
を放ち、ギルバートはそ
数回振り回したと同時に、そのまま縦斬りをした
﹁
零はギンジの技
"
!
そう気迫の籠もった声を発しながら、斧を頭の上まで持ってきて振
﹂
﹁はぁぁぁぁあ⋮
!
!
﹂
が、零はセレナの頭を撫でるなり、いきなりまた抱きついたのだ
﹁遅くなって、ごめん⋮
今度は絶対に離さないから⋮
もう少し早く
!
反応を感知した。
数分前、二課の方ではセレナのシンフォギアと、零の︽精魂導師︾の
ーーーーーー
言うまでも無かった。
ね。まぁ、それが良いんだけど︶﹂とマリアがそう心の中で呟いたのは
気付けば⋮﹂と此方も謝罪をして来たので、
﹁︵どっちもどっちなのよ
それを聞いたセレナは﹁私だって、ごめんなさい
!
それに気付いたセレナは慌てて後ろに下がって、深く反省していた
のは間違いなく、
だが、あと1歩動けば先程ウェルが落ちた穴へと真っ逆さまだった
を崩しかねなかったが、なんとか踏み止まった。
そしたらセレナがいきなり後ろから抱き付かれて、零は慌てて足元
やり遂げた感覚に満足する零は変身を解除した。
それを取った零はカードケースに入れた。
いた。
となって散り、そして倒れた場所にはギルバートのカードが置かれて
のままダメージを負った。そしてそのまま地面に倒れると同時に、光
"
?
!
1097
!
"
"
﹂
﹂
と言う意味で
﹁アウフヴァッヘン波形、並びに︽精魂導師︾の反応を感知
﹁照合パターン検知
そうするとホログラム映像からは
﹂
︻Aigis︼と書かれていた。
﹁アイギス⋮女神の盾
﹁更に︽精魂導師︾の反応では⋮﹃無﹄
﹂
属性の有利不利が無い属性
﹃無﹄のエネルギー反応って⋮あるんですか
﹁ゲームで言うところの
の﹃無﹄だと思ってくれた方が良いわ。
いや、それだけじゃ無い⋮
翔吾達︻ボーンファイター︼のカードが存在しない⋮
レッカ達︻ガイストクラッシャー︼、
バン達︻LBXプレイヤー︼達に、
﹁無い⋮
其処で零はふとカードケースの中を見てみると、
て内1枚は自分のパートナー﹃英雄﹄ギンジ︶しかなかった。
の基本形態用のカードで、内1枚は先程のギルバートのカード、そし
分の6︵とどのつまり、半分ちょい︶あたる⋮25枚︵内1枚は自分
零は自分のカードケースの中を見たが、手元にいたのは全体の10
その為、憑友達よりも多くの﹃英雄﹄達を見つけたのだが、
実は零は憑友達よりも前に﹃英雄石板﹄と言う存在を知っていた。
それは自分が今の状態になる前⋮そう6年前のある日だった。
実は零が戦った﹃英雄﹄は心当たりがあったのだ。
そんな中で、零は違和感を感じていた。
ーーーーーー
安心して下さい⋮敵では無いですよ。
言っておこう⋮
そう思って欲しいと二課の誰もがそう思っているのだが、はっきり
私達の敵でなければ良いんだけど⋮﹂
と言う事は、この︽精魂導師︾は︽無魂導師︾と呼ぶのね。
"
リーファ,珠雫,レクティ,深雪のカードも存在しない⋮
1098
"
?
?
!
!
!
!
!
!
⋮
﹂
そうしていると零の肩に何か重みが感じ、肩の方に顔を見ると其処
には手が置かれており、その先の方まで振り向くと、其処にはニコニ
コ笑顔︵絶対に怒ってる顔︶をしていたセレナがいた。
それを見た零は青ざめた。間違いなく殺されると。
﹁セレナ。
零が言ったのは全員﹃英雄﹄達の事よ﹂
しかし、其処にマリアが助け舟を出したことで、セレナは先程まで
のニコニコ笑顔が無くなって、ちょっと吃驚していた。
そして零は逆に助かったとマリアに向けて心の中でそう呟いてい
﹂
たのは言うまでも無い。そうしていると、
今の爆発は⁉
ドガァァァ‼
﹁なんだ⁉
﹂
響ちゃん達を助けて
﹁レイアさん
﹁︹乗って
︺﹂
何せ、自分を此処まで連れてきた頼れる存在だから。
た。
それを見た零とマリアは吃驚するが、セレナは逆に冷静に対応し
するとブリッジの所から突然、竜の顔が現れた。
突然の爆発に3人は驚く。
?
?
た
を握ると、そのままレイアの背中に向かって走り、そしてジャンプし
竜の言葉を聞いた2人は驚くが、セレナは躊躇いも無く、2人の手
!
!
ちた。
﹁飛ばせますか
﹁︹問題無いわ
﹂
︺﹂
この声は⋮
﹂
﹁︹俺を忘れるとは良い度胸だな
﹁⁉
!
零
?
︺﹂
そう言ってレイアが飛翔しようとしたその時だった。
!
!
1099
?
!
それにより、2人はセレナによって無理やりレイアの背中に落っこ
!
?
するとセレナ達の元に一匹の竜が空から落ちてきた
る腕、ジグザグしている尻尾、
まるで虎の模様にも似た皮膚と鱗、剛力な爪を生やした翼が生えて
!
そして何より⋮顔つきがティラノサウルスによく似た竜が其処に
現れた。
その竜の名は⋮ティガレックス。
無事だったんだな
﹂
又の名を︻轟竜︼と呼ばれし暴君の竜であった
﹁レックス
俺を舐めるなよ、零
︺﹂
!
!
するとレックスはそのまま地を這うようにしながら、そのまま爆発
そのまま背中にくっ付いた。
そう言うと零はティガレックスの愛称・レックスの背中へと移り、
︻轟竜︼と呼ばれている俺を
﹁︹ふっ
!
の起こった場所へと向かっていく⋮
1100
!
!
!
!
それに続いてセレナとマリアも、レイアの背中に乗って、後を追っ
た⋮
!
#36 ﹃銀腕﹄の鼓動/発動﹃エクスドライブ﹄
零,セレナ,マリアは其処で酷い光景を目の当たりにした。
8体の機械を模したノイズ,7人の鎧を纏った戦士,
金色で緑の羽根を生やした妖精,2刀短剣を逆手に構えた少女,
タブレットを所持した少女,そして小太刀を構えた少女が響達二課
の面々と、切歌,調,陰陽兄弟をズタボコにしていた。
それを見た切歌が﹁やめるデェェス‼
﹂と言いな
そしてその内の1機・オーディーンと呼ばれた戦士が調の頭を手だ
けで持ち上げた
調ェェェ‼
﹁﹁調ェェェェ‼
﹁
﹂
く発光し、そしてそのまま貫こうとしていた
そうしていると、調にオーディーンの槍﹃リタリエイター﹄が激し
をした戦士に吹き飛ばされてしまった。
此方では地面から青い鮫のような姿をした戦士と、茶色でサイの姿
すると今度は陰陽兄弟が助けに行こうとするが、
きを封じられてしまった。
がら助けようとするが、背後をパンドラと呼ばれた機体によって身動
?
﹂﹂
めされてしまっていて、思うように行けなかった。
!
3人の声により、響達も助けに行こうとするが、他の戦士達に足止
!
そしてそのまま調に向けて槍を放とうとしたその瞬間だった
ガジィィン‼
﹂
?
﹂﹂
﹂﹁零デェェェス‼
﹁﹁兄貴ーーーー‼
﹁零⋮
﹂
それを見た兄弟は,調と切歌は涙を流した。
そしてその斧を取るかのように、1人の戦士が前に立った。
そして調を離し、オーディーンはすかさず後退する。
調と槍の間に斧があり、その斧によってその攻撃は防がれた。
?
﹂
﹁⁉
?
⋮斧
﹁⋮
?
?
﹁ったく、俺がいなくて、少しは成長したかなと思っていたら⋮
?
!
1101
!
?
?
!
ふっ。やっぱりお前達はお前達だな﹂
ーーーーーーSIDEtoウェル
久方ぶりの登場だと言うのになんだこの不遇さは⁉
それよりも、あの男⋮無頼零⋮
何故彼が、今頃になって蘇った⁉
?
が蘇った⁉
あのタール漬けの中身は腐食液を入れておいたハズなのに、何故彼
?
!
‼
さぁ、やりなさい
ていたのだ。
ネフィリム
ウルトラマン達を苦しめてきた怪獣
︻社会化現象にもなった機体︼の腕,
禍々しい9本の尻尾,
ハイパーゼットン
の胸体,
"
肉を持ったネフィリムが誕生したのだ
するとネフィリムが咆哮を上げた
面につけた
そこにセレナが︻アイギス︼を纏って、そのまま腕についた盾を地
達に襲いかかろうとしたが、
すると大地が亀裂を起こし、そこから一気に衝撃波を発生させ、響
!
!
そして︻怪獣王︼と呼ばれた存在にも勝るとも劣らない程の足の筋
"
ネフィリムの最終進化系⋮ネフィリム・ノヴァとは大きく掛け離れ
似てもいなかったから。
何せ、今のネフィリムは自分の前世で見た容姿とはまったくもって
それを見た霊風はかなりヤバイ事をこの時悟った。
たネフィリムか隆起して来た。
ウェルがそう言ったのと同時に、地面からフロンティアと一体化し
ーーーーーーNO SIDE
その力で装者と導師を葬ってしまえーーーー‼
!
この世界に﹃英雄﹄など、僕だけいれば良いのだからーーーーーー
まぁ⋮良いでしょう。
?
!
1102
?
!
?
protectionバリア
すると地面に魔法陣が発生し、その攻撃は防がれた
!
キャッスル・オブ・ストーン
で皆を守る⋮
堂に其々変わり、防御技
ン・ザ・ハンド
と
"
イジゲ
それを見た霊風とロックはすかさず前に出るなり、
﹃英雄﹄直継と円
だが、今度はネフィリムは腕から暴風と激流を放射して来たのだ
"
しかしネフィリムは口からレーザーを放ってきた
!
"
"
なものまで飛ばしてきたのだ
更に同時にネフィリムの背中に生えていた翼から黒い鱗粉のよう
!
"
ー
其々、カードを取り出し、そしてレバーを引いた
ー
フォーム、ヒカリ
フォーム、ユカリ
ータマシイ
ーコア
!
!
それを見た陰陽兄弟はすかさず頷くと、そのまま2人の前に出て
!
!
!
ー
ー
ー聖なる扉、闇の魔女王
!
く⋮
すると2人は阿吽の呼吸でそのレーザーと鱗粉の攻撃を封じてい
!
ー聖なる扉、光妖精女
と、紫髪で此方は鎌を構えた少女が出現し、2人は其々纏った。
すると2人のアブソーバーから其々、黄色髪で剣を持った女の子
!
そこには赤いコアらしき物があり、そのまま何かを吸収し始めた⋮
そうするとネフィリムの腹がぱかっと開いた。
!
口から徐々に火の球が形成し始めていた。
すると霊風は﹁まさか﹂と言う最悪の考えがよぎった。
・
・
・
・
・
・
と呼ばれる程の高火力の持ち主であった。
霊風の前世の記憶ではこの時に、ネフィリムが放ったのは
の火球
1兆度
"
展開を。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
もし、その1兆度の火球をチャージしたら如何なるかという最悪の
・
すると霊風は最悪の展開を予想してしまった⋮
だが、それはチャージ無しで放っていたのを霊風は思い出した。
"
1103
!
"
それを見た一同は何をしでかすのかと思っていたら、ネフィリムの
!
徐々に膨れ上がる火球⋮
そんな中でも彼等は立ち向かおうとするが、ネフィリムについてる
﹃英雄﹄達を相手だと思うように動きが取れなかった⋮
!
ー
すると零はカードケースからカードを取り出し、装填、そしてレ
フォーム、はやて
バーを引いた
ーホロウ
!
!
タンを叩いた
フルドライブ
⋮
響け⋮終焉の笛
﹃ホロウ・はやて
﹁
﹂
‼
ラグナロク
﹄
!
達は倒れ、そしてカードになった⋮
らないぐらいの大きさにまで膨張していた
ーーーーーーSIDEtoマリア
皆んなの命が危ない⋮
力を合わせても⋮
ーそんな程度か、貴様の覚悟は⋮
え
⋮
此処は何処なの
ー此処は俺の心象風景の中だー
ー
まるで雲の上に宮殿がある様な光景⋮
そうしているといつの間にか全く別の空間へと来てしまっていた
!
!
セレナでも、他の﹃英雄﹄達でもあれを止める事は出来ない⋮例え
だけど、私に出来る事は⋮
!
!
しかし、その間にネフィリムの火球はまるで擬似太陽となんら変わ
!
その砲撃魔法と皆が一ヶ所に集めてくれたおかげで、残りの﹃英雄﹄
?
"
!
!
についた︽闇堕ち︾英雄達に向け、そしてアブソーバーのドライブボ
すると零は左腕を魔導書、右手で杖を持つと、その杖をネフィリム
ー夜天の主、ここに在り
ー
すると零の周りを黒の羽を生やした女性が徘徊すると、零に纏った
!
"
?
1104
!
!
"
"
!
﹁⁉
﹂
後ろから聞こえてきた声に私は目にした。
﹂
・
・
・
・
・
・
ー
そこにいたのは、椅子の上に座ったまるで王の品格を持つ戦士だっ
た。
﹁貴方は⋮
・
ーふっ。この銀腕を見ても未だに知らぬとはな
銀腕⋮
・
アガートラーム
ー
﹂
アガートラームの事を知ってるのならば、俺が誰なのかも
何故、聖遺物が完全状態に
ーほぅ
﹁如何にも﹂
﹁まさか⋮ダーナ神族のヌァザ⋮⁉
分かるだろ
?
⋮
﹂
ー時にお前さんは今、何を求めている
﹁え
何を求めているのか
ー
?
ケルト神話に登場する神の1人にして、
︽アガートラーム︾の使い手
?
・
それはまさか⋮
!
?
?
?
ない。
﹁私は⋮私は⋮
ー
セレナを、切歌に調を、零と光聖希と闇呪怨、皆んなを守りたい
ーうむ。その覚悟、この先何があろうとも忘れるではないぞ
そう言うと光輝いて、気付けば元の光景に戻っていた⋮
今まさにネフィリムが放とうとしていた
そしてネフィリムは火球を皆んなに放った
﹂
ーーーーーーNO SIDE
﹁もう私は⋮迷わない
漸く取り戻せたこの風景⋮誰にも奪わせるものですか‼
それだけはなんとしてでも阻止してみせる⋮
!
!
?
!
!
!
﹂
私が求めているのは一体⋮ううん。そんなの決まっていた事じゃ
?
!
!
!
1105
?
!
?
するとそこにウェルの指示を受けたネフィリムが巨大な火球を響
達に向けて発射し、響達は爆発に巻き込まれたが⋮⋮煙の中からマリ
アの﹁歌﹂⋮聖詠が聞こえた⋮
﹁Seilien coffin airget│lamh tro
n⋮﹂
そして煙が振り払われるとそこには英語の文字が書かれている光
の球体の中にいる響達シンフォギア装者と、零達︽精魂導師︾がいた。
﹂
ネフィリムは更に追加で火球を響達に向かって放つが⋮⋮響が前
フォニックゲインを力に変えて
ハーモニクス
に出て腕のユニットを1つに合体させる。
﹁セット
S2CA
!!
切歌ちゃん
﹂
﹂
﹁︵⋮⋮繋いだ手だけが紡ぐもの⋮⋮︶﹂
び歌を2人は歌い始める。
調の言葉に力強く、けれども静かに頷く響、互いに笑みを見た後、再
﹁⋮⋮うん﹂
だから私に見せて、あなたの言う﹃人助け﹄、私達に﹂
﹁あなたの言ってること、偽善でないと信じたい。 最後に真ん中にいる響が調と切歌の手を﹁両手﹂で握りしめる。
﹁調ちゃん
歌はそう返してこの2人もまた手を握り締める。
クリスは苦笑しながらそんなことを言い、クリスの言葉に対して切
﹁それはお互いさまデスよ
﹁あたしも、つける薬がないな﹂
セレナは切歌の手を握る。
そう言いながら奏は翼と手を握り、
﹁この音色だけは忘れたくないね﹂
﹁私達だって⋮﹂
の﹁手﹂を握り締める。
翼はそう言いながら調に手を差し伸べ、調は少し戸惑いつつも彼女
﹁惹かれあう音色に、理由なんていらない﹂
そして響はその拳でネフィリムの火球を殴って消し去る。
!!!!
!!
!!
!
1106
!!
!
﹁絶唱8人分、たかだか八人ポッチでしっかり背くきか
﹂
ウェルはそう叫びながらネフィリムを操り、ネフィリムは火球を8
!!!?
マッドサイエンティスト
﹂
人のシンフォギア奏者達に撃ち込むが、そこに5人の戦士が盾になる
⋮
﹁誰が8人ポッチだ‼
!
﹂
﹁俺達︽精魂導師︾もまたシンフォギア装者達と同じ、
﹃歌を歌う者﹄達
だ
﹂
!
﹂
﹁俺達に向けたこの一撃⋮
﹁俺達は止めてみせる⋮
﹄
﹁俺達は、絶対に⋮﹂
﹃諦めない‼
!
S.﹄側の︽精魂導師︾の元へと届けられた
﹂
﹂と口許から笑みを浮かべ、
﹁俺達の即席チーム⋮見せてやるぜ
﹂と言うと自分の前に
カードになり、全員はそのままカードをアブソーバーに装填した
ーーーーー
右,下,左,真ん中の順に動かすと全員で左の方に動かした
ーーーーーアブソーバー・フォン‼
!
そして左腕から離れたアブソーバーを右手で持つなり、全員で上,
!
あ っ た 光 に 手 を 触 れ た。す る と そ の 光 は﹃ア ド バ ン ス フ ォ ー ス﹄の
!
!
それをきっかけに他の︽精魂導師︾は﹁応
!
それを見た霊風は、﹁⋮へっ
!
カード﹃アドバンスフォース﹄が、光を放ち、そしてその光は﹃F.I.
すると霊風とロックのカードケースから﹃四英雄﹄の力を宿した
?
すると霊風はダイヤルボタンを押した
0・0・3・6・0・1と。
そして他のメンバーも一斉にダイヤルボタンを押した
零が0・0・3・6・0・2、
ロックは0・0・3・6・0・3、
光聖希は0・0・3・6・0・4、
闇呪怨は0・0・3・6・0・5、
!
!
のアブソーバーとドッキングさせ、1つのガラケーになった。
すると全員で一斉に変身アイテム﹃アブソーバー・フォン﹄を各々
?
1107
?
!
!
ー
ー
ー
フォーム、レッドバスター
其々のボタンを押し、そしてケータイを閉じた
ースピリット
フォーム、ブルーバスター
ーホロウ
フォーム、スタッグバスター
!
ー
ー
フォーム、イエローバスター
ーソウル
ーコア
ータマシイ
!
!
!
!
!
ー特命任務
ー特命任務
!
!
!
て全員が其々を纏った
ー特命任務
ー
ー
ジャンピング・ラビット
パワー・オブ・コング
!
レディー、ゴー
!
ゴールド・ビートル
ーウイルス・シャットダウン
﹂
﹁レッドバスター
﹂
﹂
﹁スタッグバスター
﹄
!
!
レディー⋮﹂
なった霊風達が其処にいた
﹁バスターズ
ー
そう言うと皆は揃って駆けっこをするような体勢をとる。
﹂
そして、
﹁ゴー
霊風=レッドバスターの掛け声と共に戦陣をきった
それを見たネフィリムは咆哮を放った。
!
するとネフィリムの足元から無数のノイズ達が具現化してきた
!
!
それは36番目のスーパー戦隊・
︻特命戦隊ゴーバスターズ︼の姿に
﹃特命戦隊、ゴーバスターズ
!
﹁ビートバスター
﹁イエローバスター﹂
﹂
﹁ブルーバスター
!
ー
ー
ー
ー特命任務
シルバー・スタッグ
!
!
!
!
スピード・チーター
ー特命任務
!
!
!
!
!
!
すると5人の周りを赤,青,黄,金,銀の戦士の魂が徘徊し、そし
!
!
フォーム、ビートバスター
!
!
1108
!
!
だが、そんなのが如何したと言わんばかりに5人のコンビネーショ
ンは凄まじかった⋮
だのだ。
﹁8人じゃない⋮⋮私が束ねるこの歌は
﹂
70億の
絶唱だああ
!!
ラーム︾を纏い、一同は新たな
﹂
エクスドライブモード
へとパワー
"
シンフォギアだあああああああ
!!
が、
それを見た霊風以外の︽精魂導師︾も歓喜に包まれようとしていた
込むとネフィリムは身体を貫かれて爆発を起こした。
響がそう叫び、8人が光の柱となってネフィリムへと真っ直ぐ突っ
ああああ
﹁響き合うみんなの歌声がくれた
アップしたシンフォギアを纏ったのだ。
"
り、マリアはセレナが以前纏っていた白銀のシンフォギア︽アガート
響がそう叫びと⋮⋮響達の身体から光が溢れだしてそれが柱とな
!!
けている⋮⋮そしてその人々の﹁光﹂は⋮⋮新たなる﹁奇跡﹂を呼ん
世,詩織,弓美等を始めとした﹁歌﹂と﹁光﹂が彼女達に力を与え続
だが、響達は負けはしない、世界中の人々⋮⋮未来や逝都に馬燈,創
ギアが破壊されて行く。
くなり、そのためか響、翼、クリス、切歌、調,奏,セレナのシンフォ
その頃、球体によって一応受け止められたが⋮⋮徐々に耐えきれな
ていった
光聖希=ビートと、闇呪怨=スタッグは阿吽の呼吸で一網打尽にし
葬りさり、
零=ブルーバスターは持ち味の怪力を活かしてノイズ達を一撃で
ロック=イエローバスターは高い所からの連続射撃で奮闘、
え、
霊風=レッドバスターは得意のスピードで翻弄した隙に斬撃を加
!
ああああああああああああ
!!!!!!!
1109
!
!!!!!!
﹁まだだ
﹂
﹁ウェル博士
﹂
﹂と愕然とし、膝を突いていた。
お前の手に世界は大き過ぎたようだな
!!
?
銃から銃弾をウェルの左腕の影に撃ち込み、動きを封じる
﹂
﹂
を繰り出し、ウェルは左腕の動きを完全に止められた。
﹁なあ
﹁あなたの好きにはさせません
﹂
影縫い
"
い光を放つ。
﹁っ、なにをした
兆度だぁ
﹂
うふははははは
がそれを弦十郎は拳1つで粉々に粉砕する。
そんな時、3人の乗るジープに向かって巨大な岩が降り注いできた
僕を殺せば簡単なこと⋮⋮﹂
﹁確保だなんて悠長なことを。 ことを翼達に伝え、ジープで弦十郎達は急いで戦艦へと戻った。
弦十郎と緒川はウェルを拘束した後、フロンティアが暴走を始める
だが⋮⋮破壊したからと言ってどうにかなる状況でもなかった。
だがそこに弦十郎が拳一振りでコントロールパネルを破壊した。
僕が英雄に成れない世界なんて蒸発してしまえば⋮⋮﹂
!!!!
食らい、糧として暴走を開始する、そこから放たれるエネルギーは1
こちらの制御を離れたネフィリムの心臓はフロンティアの船体を
!!
!?
﹁ただ一言、ネフィリムの心臓を切り離せと命じただけ
動かし、コントロールパネルに手を置くとネフィリムの心臓が突然眩
ウェルはそう叫んで腕から血を噴き出させながら左腕を無理やり
﹁ぐう、奇跡が一生懸命の報酬なら僕にこそ
!!!!!
"
を見たウェルはコントロールパネルに手を触れようとしたが緒川が
そんな時、影響を受けていなかった緒川と弦十郎が駆けつけ、それ
!!
じられず、﹁なん⋮⋮だと
フロンティア炉心部にてウェルはネフィリムがやられた事実が信
少し前の時間に戻そう⋮
ーーーーーー
霊風の一言で警戒を見せた。
!
!!!!
1110
!!
!?
﹁殺しはしない。 ﹂
お前を世界を滅ぼした悪魔にも、理想に殉じた英雄にもさせやしな
い。 殺してくれぇ
何処にでもいるただの人間として裁いてやる
﹁⋮⋮畜生ううううう
英雄にしてくれよおおおおおお
﹂ !!!!!
!!
さて、貴方達は今の今まで戦いの場面を見てもらいましたが、
ーーーーーー
はなかった。
嘆くように叫ぶウェルだが⋮⋮その願いは決して叶えられること
僕を英雄にしてくれ
!!
と言う事に。
1つきになる事は有りませんか
この作品⋮主人公は誰なんだ
主人公は既に死んでいます。
?
こう書かれています⋮
ヒーロー
﹃英雄は、一度死んで蘇る⋮
﹄と。
だけど、かの有名な︻幽霊の仮面ライダー︼のキャッチコピーには
?
︻先史文明期の巫女︼フィーネと向き合っていた⋮
して、かつて︽ルナアタック︾を引き起こした元凶⋮
この作品の主人公・人絆憑友は今、本来なら存在しない筈の人物に
!
すると憑友の身体に今の現状が鮮明に描かれ始めてきたのだ
ウェルの悪足掻きを前に苦戦を強いられる二課と﹃F.I.S.﹄の
その後にセレナが愛した存在・零の完全復活。
そしてそのセレナがシンフォギアを纏った事。
何もかも失い、なげくマリアの目を覚ますセレナ。
数多の融合ノイズとネフィリムの猛攻に苦しむ二課の面々。
涙を振り絞り、マリアの﹃ガングニール﹄を己の物にした響。
!
するとフィーネは今の現状を伝える為、憑友の肩に手を添えた。
れに過ぎない﹂と言い返した。
憑友は﹁なんで、あんたが⋮﹂と言うとフィーネは﹁ただの気まぐ
!
1111
!! !!!!
面々。
しかし其処に70億の人々の﹁歌﹂と﹁光﹂が生んだ力
エクスド
を発動し、ネフィリムをついに倒した面々の姿が脳裏に焼き
﹂
言って、憑友の身体の中にすうっ⋮と入って行った⋮。
其れを聞いたフィーネは終始驚くも、呆れながらも﹁此方こそな﹂と
﹁これから宜しく頼むな⋮フィーネ﹂
後はお前の意思を尊重しよう﹂
﹁⋮では、行くぞ⋮
﹁フィーネ⋮ありがとう﹂
ただ、お前の事を放っておけなかっただけだ⋮﹂
心配するな。お前を乗っ取るつもりは無い。
﹁なら、私の力を貸してあげる。
するとフィーネはこう述べた。
其れに気付いた憑友は急な対応だったので、驚かされた
するとフィーネが憑友に抱きついたのだ
いながら生きる為の力はもう残っていない。
フィーネの言った言葉。だが憑友は﹁だけど、俺にはもう⋮﹂と言
止められるのは恐らくお前だけだ。憑友﹂
彼奴の力は今、暴走を起こしている。
﹁だが、ネフィリムはあんな程度でやられるような輩では無い。
﹁⋮今のが⋮﹂
付いた。
ライブ
"
!
!
﹁待っててくれよ皆んな⋮今、助けに行くぞ⋮
!
1112
"
#37 その﹃炎﹄は不死鳥の如く⋮
其れに対抗してシンフォギア装者達と︽精魂導師︾は気を改め
て一斉に攻撃を加え始める⋮
きた
それを見たネフィリムは響達の姿を見るとすかさず襲いかかって
それを見た霊風達は一瞬、隙をつけてしまった⋮
そんなネフィリムの腹の中にはなんとライドが捕まっていた。
名付けるなら、ネフィリム・ノヴァ・オメガと名乗っておこう。
最早原型すら辛うじて留める程度のその姿⋮
した。
どよりも超巨大な⋮⋮赤いや、最早紅蓮と化したネフィリムへと変化
そして⋮⋮フロンティアはネフィリムの心臓を中心に変形し、先ほ
出していた。
その頃、二課の戦艦も弦十郎達を乗せて無事にフロンティアから脱
!
!
終Ω式 ディストピア
ベーシックフォーム
終虐・Ne破aァ乱怒
を発動し、3枚の刃が付
調は武装の一部を分離して巨大なオートマタに再構成し、その頭部
に騎乗し操作する
を発動させ、
いているアームドギアを振り回し斬りかかる
"
ストリングマリオネット
⁉
2人は悲鳴をあげる。
を放ち、
﹂﹂
サウザントサイス
!?
を
﹁それだけに飽き足らず、
︽精魂導師︾の属性力まで食らってやがるだ
﹁聖遺物どころか、そのエネルギーまでも食らっているのか
﹂
陰陽兄弟からは白と黒の光が溢れ、その光をネフィリムは吸収し、
"
"
其処に闇呪怨が闇夜に紛れた鎌の千連撃
﹂
﹂
﹁きゃあああああ
﹁うあああああ
﹁﹁うわぁぁぁぁぁ‼
?
切歌と調から翠とピンクの光が溢れ出し、
?
ネフィリムに向けて攻撃を繰り出したが⋮⋮。
"
光聖希は大量のチェーンで攻撃を仕掛け、相手の動きを完全に操る
"
"
!!!!?
!!!!?
1113
!
!
陰陽兄弟は其々の基 本 的 姿になるなり、
"
"
と
﹂
﹂
﹁臨界に達したら地上は
﹁蒸発しちゃう
﹂
!?
フルオープンだ
ネフィリムの背後にこじ開ける。
﹁バビロニア
エクスドライブ
﹂
!!
を閉じ込めてしまおうと考えていたのだ。
﹁人を殺すだけじゃないって
!!
﹁﹁マリア
﹂﹂
﹂
﹂
出した触手に拘束されてしまい、マリアは動きを封じられてしまう。
入り口をさらに巨大化させることに成功したが、その時ネフィリムの
マリアはそう叫びながらソロモンを使ってバビロニアの宝物庫の
﹁明日をおおおおおおおおおおおおお
!!!!!!
どこかへと飛んで行くがそれをマリアが掴み取る。
時、ネフィリムが腕を振るってクリスを弾き飛ばし、ソロモンの杖を
の穴は小さく、クリスはさらに穴を巨大化させようとしたが⋮⋮その
そしてバビロニアの宝物庫を完全に開くことに成功したが、まだそ
やってみろよ、ソロモオオオオオオオオオン
!!!!!!
つまり、クリスはバビロニアの宝物庫を開き、その中にネフィリム
﹁X Dの出力でソロモンの杖を機能拡張したのか
﹂
えているとそこにクリスがソロモンを構えてバビロニアの宝物庫を
マリア,霊風,翼,響がそう言いながらなにか対抗策はないかと考
!?
ネフィリ
!!
﹂
﹂と言ってネフィリムと共にバビロニアの宝物庫へと入る
て行き、マリアは﹁格納は私が内部よりゲートを閉じる
ムは私が
覚悟をする。
﹁自分を犠牲にするつもりデスか
﹂
!?
﹂
?
﹁マリアーーーーー
﹂
マリア姉さーーん‼
﹁マリアーー‼
﹁やめて
!!!!
だけど、全ての命は私が守ってみせる。
﹁こんな事で私の罪が償えるはずが無い。 ?
1114
!?
!!
そのままネフィリムはマリアと共にバビロニアの宝物庫へと落ち
!!
!!
!
零⋮セレナの事⋮お願いね。
セレナ⋮貴方にもう一度会えて⋮嬉しかった﹂
マリアはそう覚悟を決めるが⋮⋮そんな時、マリアの隣に響が駆け
つける。
﹁それじゃ、マリアさんの命は私達が守ってみせますね﹂
そして響と同様にマリアの元に奏、翼、クリス、霊風、ロック⋮二
課の面々が駆けつけ、さらに其処から零達も駆けつけた。マリアは
﹁あなた達⋮⋮﹂と驚きの声をあげる。
﹂となんとも彼女の口からとは思えない程
すると零とセレナから思い切り拳骨を貰ったマリア。
その拍子に﹁あ痛っ⁉
の可愛らしい声が出たのはこの際如何でも言い話で、其れを見た一同
は吃驚していた。
俺はセレナを護る事は最初から決めてんだ
﹂
!
すると零とセレナが其々口にした。
﹁マリア
だけど、セレナの悲しむ顔は見たく無いんだよ
﹂
﹂
お前はセレナの悲しむ顔を見たいのかよ
﹁セレナ⋮零⋮ごめんなさい⋮
﹁マリア姉さんが居なくなったら、私⋮私⋮
マリア
!
ナスターシャはそのままその場へと倒れこんでしまった⋮⋮。
﹁星が⋮⋮音楽となって⋮⋮﹂
ための装置を起動させ、彼女はそこから映る地球を見つめる。
ナスターシャは口から血を吐き出しながら月の落下を食い止める
動を確認。 月軌道アジャスト開始⋮⋮﹂
﹁フォニックゲイン照射計測、月遺跡、バラルの呪詛、管制装置の再起
また、一方でその頃、ナスターシャはというと⋮⋮。
ーーーーーー
その響の言葉に、マリアは笑みを浮かべる。
でも、私達、私達は⋮⋮一人じゃないんだ﹂
﹁英雄でない私に世界なんて守れやしない。 !
1115
?
するとそんな会話の時に響はこう述べた。
!
!
!
!
ーーーーーー
そ し て そ の ま ま ネ フ ィ リ ム を 宝 物 庫 内 に 入 れ よ う と し た そ の 時
だった⋮
またしてもネフィリムが火炎弾をチャージし始めたのだ
力が活性化している事に気付いてしまった
だ
に何も出来ずにいた⋮
このままじゃ私、炭となって消えちゃう⋮⁉
ーーーーーーSIDEto響
まずい⁉
水が蒸発して、冷やしきれない⋮
﹂
﹁風を送れば余計に威力が上がってしまう⋮
﹁響ちゃん‼
皆んな⋮私⋮もう死ぬのかな⋮
﹄
やっと呪いから解放されたのに⋮
﹃響
未来⋮ごめんね⋮
憑友⋮今度は私がそっちに行くからね⋮
そう思った私は目を閉じ、覚悟を決めた⋮
その時だった⋮
﹂
﹂
!
!
﹁くそっ
しかも物理的じゃなくて科学的に炭になっちゃう
?
?
?
!
アや︽精魂導師︾のバトルスーツを超えて襲いかかって来た。それ故
翼の声により、皆は助けようとしたが、火炎弾の高熱がシンフォギ
﹁立花
﹂
そして射線外へと避難しようとした時、触手が響の足を捕まえたの
手の猛攻から抜け出せていた。
其れを見た一同は射線外へと避難させる。因みにマリアは既に触
!
其れを見た一同は攻撃を仕掛けていくが、仕掛けいく分だけ、その
!
!
!
1116
!
!
!
ー勝手にこっちに来ても困るんだけどな
え
ーーーーーーNO SIDE
﹄
﹁⋮え
﹂
カスッ⋮
ー
そして火炎弾が放とうとしたその時だった。
翼達はその光景を見て、絶望的に陥った。
にチャージした火炎弾を放とうとしていた
響は何者かの声に驚いているが、その間にネフィリムが今まさに響
?
!
ると、ネフィリムが急に腹を抑え始めた⋮
するとそれと同時に、ネフィリムが抑えていたお腹を離すと、その
何事かと思った一同はその隙に響を助ける。
!
ネフィリムは何が如何なってやがると言った感じの表情を見せてい
なんと先程までの巨体な火炎弾が一気に鎮火され、その光景を前に
﹃⁉
?
1117
?
?
お腹から炎が噴き出し、そしてお腹が破裂した
け出したのだった
それを見た一同は驚きながらも、﹁あの鳥は一体⋮
ドガァァァ‼
そして、幸せになって下さい。
貴方達を置いて逝く私をどうか許して下さい。
光聖希⋮闇呪怨⋮そして零。
マリア⋮切歌⋮調⋮セレナ。
ーーーーーーSIDEtoナスターシャ
そして肝心の鳥はそのまま月の遺跡へとやって来ていた⋮
た。
﹂と思ってい
へと登ると、なんとソロモンの杖なしで、バビロニアの宝物庫から抜
それと同時に、お腹から﹃炎﹄の翼を持った鳥が現れ、そのまま天
!
⋮え
﹁⋮帰りましょう。皆んな、貴方の事を待っていますから﹂
そうですね。
⋮突然の爆発。だけど、それが私にとってはいい埋葬代わりになり
!
?
!
しかし、死ぬ筈のこの肉体⋮何故かすごく暖かい⋮
とても暖かくなれそうです⋮
ーーーーーーNO SIDE
一方、二課では予想だにしない展開が発生していた。
時速マッハ10
﹂
それは先程、バビロニアの宝物庫から出てきた﹃炎の鳥﹄の動きを
上空より熱源反応感知
観察していたから。
﹁
﹂
近くの海岸へと移動中
﹁なんだと⁉
!
!
のだ
1118
?
そう言って来た声に私はそのまま眠りにつきました。
?
そうこうしていると近くの海岸にてその鳥は止まった。
!
普通の鳥では到底出せないスピードをこの﹃炎の鳥﹄は出していた
?
!
!
すると今度は﹁Tukumo Jinsai﹂のバイタルチェック
用のホログラム画像が展開してきたのだ
するとその画像からは信じられないパターンが検知された⋮
なんと、憑友の生体フォールド波が発生していたのだ
イズ達が一斉に響達に襲いかかってきたのだ
﹂
な、何するの⁉
なり頭を突かれる響。
﹁痛っ⁉
﹁﹁﹁⁉
﹂﹂﹂
⋮って、その声⋮﹂
ヒュー♪ヒュ∼ルル∼♪
が聞こえてきたのだ。
そうしていると炎の鳥は丸くなると、何処からとも無く口笛の音色
﹁馬鹿じゃないもん
︶﹂
呆気にとらわれていると、響の目の前に先程の炎の鳥が現れ、いき
じっていた﹃融合型﹄も灰となった。
彼等の周りにいたノイズ達が一斉に灰へと化し、更にその中に混
万事休すかと思われたその時だった⋮
周りはまるで四面楚歌の状態で、迂闊に動かせない状況⋮
!
更に其処からネフィリムが咆哮を発生させると、其処から大量のノ
た。
だが、数があまりにも多く、その数は少なくても30は下らながっ
を扱うノイズ⋮通称﹃融合型﹄も存在していた。
その中には、以前フィーネが憑友達を相手に戦った﹃英雄﹄達の力
その頃、バビロニアの宝物庫内では数多のノイズ達が溢れていた。
ーーーーーー
のまま空の彼方へと消えたのだ⋮
すると体勢を徐々に小さくすると身体から炎を噴き出し、そしてそ
向かって飛翔した。
その頃、炎の鳥はナスターシャを海岸へと下ろすとそのまま空へと
!
!
!
!
!
1119
!
この馬∼鹿
じゃねぇよ
?
﹁︵何するの⁉
!
!
?
?
その音色を聞いたクリス達は首を傾げるが、
?
翼,霊風,そして響だけは目を見開いた。
それはかつて、自分達の前に現れた男が口癖でよく吹く口笛の音色
げた。
それを見た零以外の人間は目を見開いた。
・
・
・
そして最後に顔を覆っていた炎が消えると同時にその者は顔を上
!
だったから。
すると火の塊になっていた炎の鳥はみるみる姿を変えていく⋮
﹂
炎から現れたのは、人の手足だった⋮
﹁まさか⋮﹂﹁マジかよ⋮⁉
﹁あ、あ、あ⋮﹂
!
その姿を自分達が良く知っているという事に。
その中で先の3人は驚愕していた。
鳥から人へと変えていく⋮
徐々にその姿は露わになっていく。
?
・
・
・
・
・
・
翼と奏,クリスにロック,霊風の仲間であり、
セレナの義理の弟⋮
人絆憑友が今、蘇ったのであった⋮
の咆哮は無意味に等しくらしく、憑友は何処から取り出したのか綿棒
ネフィリムも憑友を見たのか咆哮を発する。だが、憑友にとってそ
とネフィリムの方を見やる。
そう言うと響は憑友にカードケースを渡し、憑友はそれを受け取る
!
を使って、耳を掃除し、そしてそれを終えると左腕に先程ネフィリム
!
の腹の中にいたライドを装置させ、そして自分のカードをアブソー
フォーム、オ・レ
!
バーに装填させ、レバーを引いた
ーライド
!
1120
其処にいたのは⋮
﹁ただいま﹂
﹁⋮
﹂
?
響と此処にはいない未来,逝都,馬燈の幼馴染にして、
⋮おかえり⋮憑友‼
!
英雄の魂、オレに宿れ
ー
﹂
そして拳を打ち付けた憑友は、ネフィリムに向けて一言⋮
﹁行くぞ、ネフィリム⋮
俺達の覚悟、その身に焼き付ける覚悟は出来たか
?
その瞬間、憑友の目が両目ルビーからルビーとゴールドのオッドア
イに変わった⋮
!
さあ、物語はラストへと近づいた⋮
1121
!
ラストバトルの幕が上がる⋮
!
!
# 3 8 ﹃F U L L B U R S T I G N I T I O
N﹄
拳を打ち付けた憑友。
それと同時にネフィリムが咆哮をあげるとノイズ達が一斉に憑友
に襲いかかってきた
﹁はっ⋮
﹂
それを見た響達は憑友を援護しようとするが、
!
﹂
﹂と声を上げ、
?
﹂
!
﹁あんたは
﹂
零に目を通した。
そうすると残心を残す憑友はセレナの元に赴くとその近くにいた
﹁凄すぎる⋮﹂と憑友の本当の強さを目の当たりにした。
﹁あれがあの人の本当の強さ⋮
そしてマリア達﹃F.I.S.﹄の皆は
﹁たった1撃で⁉
﹁前より強くなってやがる
その光景を見た二課のメンバーは
のだ
憑友はなんとそのまま拳と蹴りだけでノイズ達を一瞬で葬らせた
!
﹁ああ
勿論だ
﹂
ある俺が許さねえ
!
﹂
﹁今度、セレナ義姉さんを悲しませるような事をしたら、今度は義弟で
そのまま話をし出した。
そう零が言って、頭を下げようとしたが、憑友は﹁待て﹂と言って、
﹁そうか⋮君がセレナを⋮ありがとう﹂
零、この子は人絆憑友。私の義理の弟なの﹂
﹁彼は無頼零。私が記憶を失う前に出会った人よ。
た。
である。すると2人の間にセレナが割り込んで来て、零の事を説明し
憑友は零に向かってそう言った。まだ憑友は零の事を知らないの
?
!
1122
!
!
﹂ ﹁⋮セレナ義姉さんの事⋮お願いします﹂
﹁応
零の事ばかりを聞いた憑友は笑みを浮かべる。
それを聞いたセレナは顔が耳の先まで真っ赤になってしどろもど
ろになってしまい、それを見たマリアは﹁︵零には本当に弱いのね⋮︶﹂
と呆れ半分、可愛い気半分な眼差しで見ていたのは言うまでもない。
そして憑友はネフィリムの方に向き、そのまま口にした。
﹂
﹁今こそ我ら﹃英雄達の魂を導く師者﹄に﹃先史文明の力﹄を授けてく
れ給え⋮フィーネ⋮
いった⋮
が発生し、その光の先は霊風達︽精魂導師︾のカードケースに入って
友はそのままそのカードを頭上に掲げると、そのカードから5つの光
すると憑友の手の平から光が構成され、1つのカードになった。憑
!
それが⋮
﹁﹁フィーネ⁉
﹂﹂
そして其処に描かれたイラストを見て、霊風とロックは驚愕した。
た。
光輝くカードがあり、それを取り出すとその光からカードが形成され
それを感じた霊風達はカードケースの中を見ると、其処に1枚だけ
!
ネが描かれていたのだ
カードのイラストに描かれていた⋮
ー
すると憑友はそのカードをアブソーバーにスキャンさせた⋮
ーパワーアップ
フレームが現れた
ーバーニング・ライド・アブソーバー
ー
!
!
するとアブソーバーの形が四角のタブレット型に炎をあしらった
!
!
!
カードのイラストを見て驚いていた。何せ自分を助けた存在がその
それを見た二課のメンバーも驚愕し、そして助けられた調もその
それは﹃F.I.S.﹄の︽精魂導師︾達のカードも同じだった。
!
かつて自分達を操り、
︽ルナアタック︾を引き起こした存在・フィー
?
1123
!
す る と 憑 友 は そ の ま ま ラ イ ド に 手 を 合 わ せ る と な ん と ア ブ ソ ー
バーをスライドさせたのだ
﹁変身
﹂
フォーム、オ・レ
そしてレバーを引いた
ーライド
ー
を元の状態にスライドし直すとそのままレバーを構え、
処に自分のベーシックフォームのカードを装填すると、アブソーバー
カードを置き、そしてその下にはカードを入れるスペースがあり、其
するとその下にカードを置く場所があり、そこに先程のフィーネの
!
を纏った
ー英雄の魂
オレに宿れ
灼熱、炎拳、バーニング・ヴォルケーノ
!
ー
するとアブソーバーから灼熱の力を宿した戦士が現れ、憑友はそれ
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
﹂
︽爆炎導師︾バーニング・ライドにパワーアップした
﹁燃え盛る﹃炎﹄の魂
見参‼
バーニング・ライド
ーーーーーーSIDEto憑友
新たな力⋮バーニング・ライド⋮
凄い、力が漲って来た⋮
フィーネ
!
憑友の姿が灼熱の神を連想させる姿を見せていた⋮
その姿を見た一同は驚愕した。
?
俺達の戦いだ
さぁ、此処からは⋮
だが、それがお前らしいなー
ーさっき言った言葉をもう忘れるとは⋮。
ああ⋮行くぜ
ーあまり無理はするなよー
!
!
!
!
!
そして現れたのは全身が炎をあしらった姿になった灼熱の戦士⋮
!
!
!
!
!
!
1124
!
!
!
!
ーーーーーーNO SIDE
そうすると憑友の拳から灼熱の塊が現れ、それを憑友は一気に拳で
マグマ・ヴォルケーノ
ノイズにぶつけた
その威力でノイズ達をなんと1撃で葬り去った
ー
ー
それを見た霊風達も自分達の力を出す為に⋮
己が守りたい物を護る為に⋮
﹂
﹄
ー
ーーーーー
フィーネのカードを使用した
﹂
﹂
ーーーーーパワーアップ
﹁俺達は
﹂
﹁誰かを護りたいんだ
﹁この想い⋮
﹂
﹁無駄にしたくはない
﹁俺達は⋮
﹃負けられないんだーーーー‼
ーアビス・ソウル・アブソーバー
ーホーリー・タマシイ・アブソーバー
ー
ー
ーインパクト・ホロウ・アブソーバー
アップさせた
そして霊風達も憑友と同じ動作をし、そしてアブソーバーをパワー
!
!
え、
﹃変身
﹄
フォーム、フォーマル
そしてレバーを引いた
ーソウル
フォーム、オリジン
!
ー
して其々のベーシックフォームのカードを装填、そしてレバーを構
そしてアブソーバーをスライドさせ、フィーネのカードを置き、そ
!
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
ースピリット
!
!
!
!
!
1125
"
!
ーハリケーン・スピリット・アブソーバー
!
!
!
!
!
!
?
!
ーダークネス・コア・アブソーバー
!
!
!
!
"
フォーム、チェイン
﹃FULL BURST IGNITION﹄
ータマシイ
ーコア
フォーム、ブラッディ
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
ーホロウ
フォーム、ムニキス
﹃FULL BURST IGNITION﹄
た
ーお前らの魂、オレが頂く
ー
ー
激流、海弓、アビス・ザ・オーシャン
ー精なる魂、私に刻め
暴風、烈槍、ハリケーン・ストーム
ー天への魂、私が縛る
聖天、縛鎖、ホーリー・シャイニング
ー極への魂、俺が裁く
極悪、断罪、ダークネス・エクリプス
ー無に帰す魂、私が紡ぐ
ー
ー
ー
ー
ー
そして鉄のような身体つきをした斧使いの魂が現れ、霊風達に纏っ
光の鎖を全身に縛った戦士,黒い死神衣装の鎌使い,
水のバリアを張った弓使い,暴風を羽織った槍使い,
そう言うと其々のアブソーバーから、
!
!
!
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
ー
ー
すると皆の姿も装いも新たにパワーアップを果たした
ノイズ達を射抜いていく⋮
投げの要領でノイズ達を振り回し、他のノイズ達にぶつけた
その隙に闇呪怨がその群れを一刀両断した
!
!
光聖希は鎖を用いて、ノイズ達を捕まえるなり、そのままハンマー
!
なんと矢が無数に枝分かれして、其処から更に水を帯びた矢が無数に
ロックは弓を携えるなり、矢を番い、そして撃ち放つと、其処から
のノイズ達は一掃され、
そして霊風はすかさず槍を前方に構え、そして突進すると、直線上
!
!
!
!
!
!
!
1126
!
!
!
!
!
多機能、万能、インパクト・バランス
!
!
!
!
!
そして零は斧とハンマーを交互に使いながら、全てノイズ達を1撃
で葬り去っていった⋮
取り出した。
すると瞬く間に6人の周りに光が包み込んだ⋮
ーーーーーーSIDEto憑友
﹂
ユカリ
それにギンジ
!
﹂
﹁貴方は⋮
﹂
﹁おめぇは⋮
﹂
﹂
﹁お前は⋮
そしてその扉の近くに1人の少年が立っていた⋮
そうしていると俺達の近くにいつの間にか扉が現れていた。
アカネさんが知っているという事は、同じ存在だと言う事か。
﹁全く⋮﹂
﹂
其々の隣にはアオトとミドリさんもいるが、残りの3人は知らな
零風先輩,ロック,陰陽兄弟に零の奴がやって来た。
そうしていると、実体化していたアカネさんに言われて振り返ると
﹁おい、あれ⋮﹂
⋮此処は一体⋮
光が現れ、包み込んだ。
アカネさんのカードを出して、他の皆もカードを取り出した瞬間に
!
闇呪怨はユカリ,零はパートナー﹃英雄﹄であるギンジのカードを
ロックはアオト,霊風はミドリ,光聖希はヒカリ,
それに気付いた皆は其々、
すると憑友はカードケースからアカネのカードを取り出した。
!
いた⋮一体何者なんだろうか⋮
アカネ,ミドリさん,アオト,そしてギンジの4人が目を見開いて
!
﹁君は⋮
!
1127
?
!
い。
﹁ヒカリ
﹁やっほー
!
﹁相変わらずね⋮﹂
!
!
!
導かれし少年少女達、そして︽導
1128
﹁︽ディバインゲート︾へようこそ
く師者︾達♪﹂
!
#39 再醒進化
﹁﹃鍵の精﹄⋮まさか君が俺達を呼んだと言う事か﹂
霊風はそう言いながら、皆の前に立った。
,
﹂と言い
!
愛する人を悲しませてしまった
そして﹃鍵の精﹄と呼ばれた男の子は﹁うん、そうだよ
ながら話をし始めた。
,
⋮
"
﹁君達は﹃絶望﹄を味わった。
大切な仲間が消えた
"
だから、君達に僕から新しい力を授けるね
﹂
だけど、それ以上の﹃奇跡﹄を生み出したのも君達なんだよ。
"
"
掛け替えのないモノを失った
"
タルが現れ、その中に人らしきモノが入っていた。
﹂
それを見た霊風は目を見開いた。
﹁それは⋮﹃聖石﹄⁉
ユカリと闇呪怨には紫のクリスタル﹃闇の聖石﹄が、
ヒカリと光聖希には黄色のクリスタル﹃光の聖石﹄が、
ミドリと霊風の元には翠のクリスタル﹃風の聖石﹄が、
アオトとロックの元には青のクリスタル﹃水の聖石﹄が、
アカネと憑友の元には赤のクリスタル﹃火の聖石﹄が、
﹃聖石﹄と呼ばれたクリスタルはそのまま其々の場所へと赴いた
?
⋮
﹁新たな力と共に、君達の物語⋮見守ってるね
そしてアオトはロックの所に赴くと、そのまま光に包まれた⋮
その問い掛けに﹃鍵の精﹄は笑顔を見せた。
﹁ありがとう﹂
すると、アオトが﹃鍵の精﹄の元へと歩んだ。
それを聞いた皆は頷く。
﹂
そしてギンジと零には銀のクリスタル﹃無の聖石﹄が近づいてきた
!
に大きく手を動かすと、其処から赤,青,翠,黄,紫,銀色のクリス
そう言うと﹃鍵の精﹄は自身の胸に手を添え、そして手を扇のよう
!
!
1129
"
!
そして光から解放された皆が目にしたのは、響達が
エクスドライ
でノイズ達を殲滅している姿が其処に移し出されていた。
ー
セットし、そしてレバーを引いた
フォーム、アカネ
ーライド
フォーム、アオト
ー
フォーム、ミドリ
ー
フォーム、ヒカリ
フォーム、ユカリ
ータマシイ
ーコア
ー
ーーーーーー
フォーム、ギンジ
リベレーション
ーーーーーー再醒進化
ー
れた。それを6人は同時に其々の石を持ち、そしてアブソーバーに
するとアブソーバーから先程﹃鍵の精﹄から授かった﹃聖石﹄が現
填した。
ゲート︾の少年少女達のカードを取り出し、そしてアブソーバーに装
それを見た︽精魂導師︾達は一斉に頷くと、アカネ達︽ディバイン
ブ
"
!
ー
ー
ー
ー闇の魔女王
ー
ーーーーーー
てそのまま憑友達︽精魂導師︾に纏った
ー炎の咎人
!
ーーーーーー聖なる扉
ー水の咎人
ー
ー風の咎人
!
ー
ー光妖精女
!
!
した憑友達︽精魂導師︾の姿が其処に現れた
︵挿入歌﹃ワンミーツハー﹄ヒトリエ︶
を両手でぶつけるとそのままノイズ達の中へと進行すると、中心地点
すると憑友はアカネの再醒進化後の拳型装備︽イグナイト:リート︾
!
﹃再醒進化﹄を果たしたアカネ達︽ディバインゲート︾の者達の姿を模
其処に現れたのは、﹃進化﹄を超えた力⋮
ー無の英雄
!
!
て其処に先程セットした﹃聖石﹄がそんな彼等の魂に吸収され、そし
すると其々のアブソーバーから6人の少年少女達の魂が現れ、そし
!
ーホロウ
ー
ーソウル
!
!
!
ースピリット
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
1130
"
で爆炎の渦を放つ技
フレアリィ・エルプション
を繰り出す
"
!
ドウ︾の切っ先から闇の波動を纏わせ、
れる反撃技でノイズ達を一掃した。
カウンター:メア
と呼ば
"
すると2人の身体のダメージの跡が消えたのだ
が発動した。
"
いた。
アオトの技にして、回復技
メメント・ブルー
二刀流に構えて、瞑想をしながら、刀で周囲を薙ぎ払った動作をして
其処にはアオトに扮したロックが刀型装備︽ワダツミ:ディーネ︾を
それを見た2人はそれをやったであろう存在を見た。
!
すると憑友と闇呪怨の頭上から少量の雨が降った。
尤もダメージ等は受けるので、体力的には痛かったりする⋮。
故に、憑友と闇呪怨は炭化する事は無いのだ。
ある。
力を無効化する特殊なバリアが全身にコーティングされているので
今まで言っていなかったが、実は︽精魂導師︾達はノイズの炭化能
だが、2人は炭化する事は無かった。
負わせる⋮
だが、一部のノイズ達がその隙を突き、闇呪怨と憑友にダメージを
"
うとしたが、其処をユカリに扮する闇呪怨が鎌型の武器︽アビス:シャ
それに気付いたノイズ達は一斉にターゲットを憑友に変更し、迫ろ
"
メルヘンペイン・ステージ
発生し、それをノイズ達にぶつけた
"
!
ンシェン︾を華麗に頭上にて振り回し始めると、其処から闇の瘴気が
すると今度は霊風が先陣を切るかのように、棍型装備︽シル:フォ
"
ル・ウィスプ︾を頭上に掲げた
ビューティ・ビューティ
すると周囲のノイズ達が光の洗礼と共に灰へと化した
!
!
の属性の塊を出現させると、そのまま一か所に向けて放った
その属性達の先には零がギンジの再醒進化後の斧型装備︽ヤシャヒ
!
すると零以外の︽精魂導師︾達は其々の手から炎,水,風,光,闇
"
1131
!
そしてその後を光聖希がヒカリの再醒進化後の装備︽リュミエー
"
"
メ:ゼロ︾を構えていた⋮
して零はその斧を振り下ろした
⋮
!
そして自分達の周りにいたノイズ達を倒した憑友達はパワーアッ
"
すると扇状の形に配置されていたノイズ達が一斉に灰へと化した
!
そしてその斧に炎,水,風,光,闇の順でその塊達が吸収され、そ
!
インフィニティ・リバース
!
プした姿に戻ると共に、響達の元へと向かった⋮
1132
"
# 4 0 V i t a l i z a t i o n F U L L B
URST
広げていた⋮
﹂
憑友達が再醒進化を果たした頃、響達はノイズを相手に無双を繰り
﹁いっけえええええええええ
!!!!!
まだデスか
﹂
﹂
!! !?
﹂
の触手を切り裂き、その際にディストピアは破壊される。
﹁マリア
中してください
傾げる。
﹂
﹂と叫び、それに対してマリアは﹁なに
﹂
﹁外から開くなら中から開ける事だって出来るはずだ
﹁鍵なんだよ、そいつは
﹂
﹂と首を
?
!
!
うに開けられない⋮
﹂
するとそんなマリアの側にセレナが駆けつけた
﹁セレナ
﹂
﹁マリア姉さんだけにその責任を押し付けさせない
﹂
私も一緒にやるんだから
セレナ
!
﹁⋮ありがとう。
行くわよ
!
!
!
う1度バビロニアの宝物庫の扉をこじ開けようとするが、中々思うよ
翼とクリスにそう言われ、マリアは強く頷くとソロモンを構えても
!!
!!
!!
そこで響が﹁マリアさんは、その杖で宝物庫をもう一度開く事に集
!
調はディストピアの両腕の鋸でマリアを拘束しているネフィリム
﹁もう少し⋮⋮でぇ
﹁調
マリアを守っていた。
を撃破、切歌もアームドギアで襲いかかるノイズ達を切り裂きながら
ドギアでノイズ達を切り裂き、クリスはビームやミサイルでノイズ達
響は右腕に槍の装備を装着してノイズ達を一気に貫き、翼はアーム
!
﹁くっ、一振りの杖ではこれだけのノイズは制御は追いつかない
!
!
1133
!!
﹁うん
﹂
﹁﹁はぁぁぁぁあ‼
!
﹁手を繋ごう
﹂
﹂﹂
﹂
﹂
!!
みんな
!
﹂
!!
真っ直ぐに
﹁この手は、簡単には離さない
最短で
!
﹄
左手を握り締めた巨大な﹁手﹂が完成する。
Vitalization
そしてそのままネフィリムに向けてその力を一気にぶつけた
﹄
﹃一直線にいいいいいいいいいいいいい
が全く通用しない⋮
火力が足りていなかったのだ
﹂
﹄
万事休すかと思われた。だが、そんな時だった
﹁諦めるなーーーー‼
1人の少年の声が聞こえ、響達は後ろを振り向く。
すると其処から6人の少年達⋮︽精魂導師︾達が駆け付けたのだ
すると6人は其々の場所へと赴く
翼と奏の間に霊風が、クリスと翼の間にロックが、
!
!
?
!
!
だが、 原 作よりもパワーアップしているネフィリムにはその攻撃
オリジナル
﹃■■■■■■■■ーーーーー‼
!!!!!!
"
?
!
響とマリアのシンフォギアの装備が外れてそれらが合体し、右手と
﹃最速で
!!!!!!
8人はそれぞれの手をつなぎ合わせる。
﹁響ちゃんらしいな
!!!!
﹁ならば、行く道はひとつ
﹁チッ、迂回路はなさそうだ﹂
遮る。
一同は急いでその出口に向かっていくが⋮⋮ネフィリムがそれを
た
2人の姉妹の力でバビロニアの宝物庫をこじ開けることに成功し
?
!
!!
!
1134
!
"
セレナと切歌の間に闇呪怨、調と切歌の間に光聖希が、
﹂と叫ぶ
セレナとマリアの間に零が、そして響と奏の間に憑友が其々配置に
ついた
そして配置についた導師達は皆一斉に﹁はぁぁぁぁあ‼
と彼らの後ろから、水,風,炎,無,闇,光の属性のエネルギーがブー
スターのように放出し始めた
﹁これが、俺達︽精魂導師︾と
﹂
響達︽シンフォギア︾装者達の⋮
力だーーーー‼
﹄
がネフィリムに決まった⋮
Vitalization FULL BURST
した大技⋮
今ここに8人のシンフォギア装者達と6人の精魂導師の力を結集
﹄
!!!!!!!
!
!
!
﹃うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
?
﹃■■■■ーーーーー⁉
"
界へと戻ってくるが⋮⋮その勢いは止まらず地面に強く激突してし
まう。
そのまま、響達、憑友達はその場にボロボロの状態で膝を突いてい
た。
しかもソロモンの杖は遠く離れた場所に突き刺さり、マリアはどう
にか杖を取ろうとするが中々身体が上手く動かなかった。
﹁杖が⋮⋮すぐにソロモンの杖でゲートを閉じなくては、まもなくネ
1135
?
!
そのまま出口を塞いでいるネフィリムの身体を貫き、響達は外の世
?
!
"
フィリムの爆発が⋮⋮﹂
だがやはりマリアを含め、全員動ける状態ではなかった。
おまけに憑友達︽精魂導師︾達はノイズとの激戦と先の戦いでの消
﹂
耗で変身が解除されてしまっていた。
﹁まだだ⋮⋮﹂
﹁心強い仲間は、他にも⋮⋮
﹂
﹁俺達にとっての⋮﹂
﹂
﹁仲間はまだいる⋮
﹁仲間
!!
の﹁親友﹂を見つめる。
﹁私の⋮﹂﹁俺の⋮﹂
﹁﹁⋮親友だよ﹂﹂
それは勿論、響と憑友の親友である﹁小日向 未来﹂だった。
!
︶﹂
﹁︵ギアだけが戦う力じゃないって響が教えてくれた⋮⋮
側にいるだけでも力だって憑友が教えてくれた⋮⋮
お願い
!
閉じてえええええええええ
!!
そして未来はソロモンの杖を掴み取る。
﹁私だって、戦うんだ
!!
いいいいいいい
﹂
﹂
﹁もう響が、憑友が、誰もが闘わなくてもいいような⋮⋮世界にいいい
未来はソロモンの杖をバビロニアの宝物庫へと強く放り投げる。
!!!!!!
そこで響と憑友は立ち上がり、こちらに向かって走ってくる自分達
!
現存していたノイズ達は、全て消滅した⋮
調,陰陽兄弟の5人は月を見上げていた。
だが、ナスターシャとの連絡は途絶えたままであり、マリア,切歌,
その後、月は正常な位置へと戻っていくことが確認された。
!
この瞬間に、バビロニアの宝物庫は完全崩壊し、
こした。
入り、バビロニアの扉は完全に閉じ、ネフィリムはその中で爆発を起
その未来の想いが届いたのか、ソロモンの杖はバビロニアの中へと
!!!!
1136
?
﹁マムが未来を繋いでくれた。 ありがとう、お母さん⋮⋮﹂
マリアは静かに笑みを浮かべてそうお礼を述べ、そんな時、響が﹁マ
リアさん﹂と彼女の名を呼び、マリアが振り返るとそこには待機状態
のガングニールをマリアに返そうとする響がいた。
﹁⋮⋮ガングニールは君にこそ相応しい﹂
だが、マリアはそう言ってガングニールを響に譲ったのだ。
﹁だが、月の遺跡を再起動させてしまった﹂
マリアはそう呟きながら月を見上げる。
月の遺跡を再起動させたと言う事は、
かつて憑友達が戦った相手︽フィーネ︾が忌み嫌う呪い⋮︻バラル
の呪詛︼が復活したと言う事である。
﹁バラルの呪詛か﹂
﹁人類の相互理解はまた遠のいたって訳か﹂
﹂
﹂と言って
それは憑友達︽精魂導師︾達と、﹃英雄﹄達も同じであった。
﹁そうだな、取りあえず難しい話は後回しってことで
﹁いや、理解出来てるから⁉
﹂
﹁単純に話があんまり理解できてないだけだろ、お前﹂
!!
しながら反論した。
それを見た奏は﹁はぁ⋮﹂と溜め息をつきながらも、その顔には不
満の様子は無かった。
﹁歌、デスか﹂
﹁いつか人は繋がれる。 だけどそれはどこかの場所でも、いつかの未来でもない。 1137
それを聞いた翼とクリスはそう呟き、それを見ていたロックと奏は
2人揃って落ち込んでいた。
しかし、響は笑みを浮かべて﹁平気、へっちゃらです
﹂
退け、それによりマリア達は響の方へと振り返る。
﹁だってこの世界には﹃歌﹄があるんだよ
!!
それを聞いて周りにいたみんなも自然と笑みを浮かべる。
!
クリスは呆れたような目で霊風を見つめ、霊風はそれに対して苦笑
?
確かに、伝えたから﹂
調の言葉に、響は静かに頷く。
﹁立花 響、君に出会えてよかった﹂
マリアは笑みを浮かべて響にそう伝え、それに対して響は再び静か
に頷く。
すると政府の人達が現れた。
それを見た憑友達はこのままで良いのかと疑念を感じた。
マリア達﹃F.I.S.﹄はどうしようも出来ないのかと。
テロリスト紛いな事をしでかした人材でもある彼女達。
だが、マリアは政府に対してこう発言した。
﹁セレナと零。2人は何もしてないわ。だから、彼女達には何もしな
いで﹂
其れを聞いたセレナと零は驚き反論しようとするが、憑友がセレナ
を、霊風が零の肩を叩きそして首を横に振った。
自分達では無力だと言う事を。
それを見たマリアは憑友に向かって、﹁セレナと零の事⋮お願いす
るわ﹂と清々しい発言をしたので誰1人として言い返す事が出来ず、
マリア達は連行され始めた⋮その時だった⋮
1138
﹁やれやれ⋮
そんなのでよくもまぁ政府のお偉いさん達を護衛した存在だとは。
﹄
﹂
⋮片腹痛いね﹂
﹃
﹁貴方は⋮
マリア達とSP達の前に1人の男が通せん坊をしていた。
﹂
﹂﹂
その姿を見た響,未来,セレナ,そして憑友は驚愕した⋮
﹁﹁憑友君のお父さん
﹂
なんで此処に
﹁お義父さん
﹁親父
それは憑友の父でセレナの義父⋮人絆玄也だった。
1139
?
#41 キングofカイザー
日本政府がマリア達を連行しようとしていると、なんと憑友とセレ
ナの父・玄也が現れたのだ
それを聞いた一同は驚愕していた。
人絆玄也とはどんな存在なのかと言われればそれは人の観点で多
種多様とも言える⋮
二課の司令にして、翼の叔父・弦十郎にとっては彼の事は﹁小学時
代からの親友﹂と言う見解であり、
一般人から言わせるなら、玄也は﹁﹃英雄石板﹄の発掘並びに解析者﹂
という見解か多く取られるのが当たり前なのである。
セレナや憑友にとっては、
﹁父親︵セレナの場合は義父︶﹂と言う見
﹂と言う
方を取り、響や未来,此処にはいない逝都と馬燈にとっては﹁幼馴染
のお父さん﹂と言う見解だろう。
だが、彼の事を知らない人にとっては﹁このおっさん誰
のが大半だろう。
﹂
・
・
すると玄也はSP達の顔を見てこう言った。
をしでかすのか気が気では無かった。
それを見た憑友は﹁︵あ、やる気だ⋮悪知恵︶﹂とそう考えながら、何
それを見た玄也は不敵な笑みを憑友だけに見せた。
すると憑友は溜め息を零し、そして父・玄也の顔を見る。
﹁︵ったく⋮また始まったよ⋮悪知恵︶﹂
だが、憑友は気付いていた⋮父の悪い癖を。
・
それを見た響達は如何する事も出来ないのかと思った。
そう言いながら困った顔をした玄也。
﹁う∼ん⋮確かに﹂
ると言うのですか
﹁いくらあの﹃英雄石板発掘解析者﹄である貴方でも、政府を相手にす
SPの1人が玄也と話し始めた。
そんな玄也が何故この場所に来ているのかと疑問に感じていると、
?
﹁確かに、僕の力では彼女達を如何こうする事はおそらく不可能だろ
1140
!
・
・
・
・
と。
﹂
?
うね。
﹄
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮表の顔ではね
﹃は
その一言で皆は不思議がる。
・
今この男はなんと言った
・
表の顔と言わなかったか
?
﹂
﹂
﹂と声を掛けたり、またはその挙動を見
?
﹂とSP達のリーダーが怒鳴り散らした。
?
﹂
?
わった。
﹁坊ちゃん⋮え
マジで
﹂
・
・
・
﹁ご無事でなりよりです。憑友坊ちゃん﹂
・
憑友は男を見て、明らかに警戒していたが、男が言った一言で変
やってきた。
にな﹂と言って、そのリーダーの肩を叩くとそのまま憑友の元へと
すると︽パーフェクトSP︾と呼ばれた男は﹁今後も精進するよう
仰天していた。
リーダーの師匠が目の前にいる事に、他のSP達は目が飛び出る程に
と明らかにSPリーダーがその男に対しての挙動不審さと、その
﹁め、め、め、滅相もございません‼
師匠としてはお前の成長ぶりには感心してるぞ﹂
日本政府のSPに付けるぐらいにまで成長するとはな。
﹁ふっ。誰かと思えば、50番目の弟子では無いか。
﹁お、お、お、お久しぶりでございます⋮︽パーフェクトSP︾様⋮﹂
せたが、﹁馬鹿者が‼
それを見たSP達は﹁誰
サングラスに黒のSPスーツを着ていた男が前に出た。
すると玄也の後ろから、明らかに自分達よりも体格が違いすぎる黒
SPの会話を遮る声が聞こえた。
のか
﹁何を訳の分からないことw﹁お前らこそ、この者を何方と心得ている
?
?
其処には目元に横に一本の傷跡と、目の上に縦線一本の傷跡が入っ
そう言いながら男はサングラスを取り、憑友に素顔を見せた。
?
1141
?
?
たゴロツキも逃げ帰るような強面の顔をした男がにこやかな笑顔を
見せていた。
﹂
その笑顔を見た憑友はその男の名を言った⋮
﹄
﹁ジル叔父さん
﹃叔父さん
男の名はジル・ド・レェイジ。
憑友の母・ジャンヌを守る盾騎士にして、
だ。
・
・
・
だが、それはあくまで表の顔だ﹂
・
・
・
するとジルは衝撃発言をした⋮
た。
・
それを聞いた皆は先程玄也が言った表の顔と言うワードに反応し
・ ・
﹁このお方は人絆玄也。﹃英雄石板発掘解析者﹄の称号を持つ人間国宝
る。
するとジルは皆を軽く掃除させると、そのまま玄也の元へと駆け寄
遊んでくれた存在だったのだ
そして憑友にとっては叔父さんのような存在として、小さい頃よく
者である。
常に政府トップの護衛任務にて失敗が無いと言われるほどの実力
最強のスペシャルポリス⋮︽パーフェクトSP︾として、
!
﹁裏の顔は、政府を相手に余裕の対応を見せる戦略の使者⋮
!
1142
!
︽キングofカイザー︾様に在らせられる
﹂
それを聞いたSP達はまた目が飛び出る程の仰天を見せた。
勿論、二課のスタッフも装者や導師達も驚いていた。
そしてそれは憑友とセレナ⋮玄也の息子と義娘でさえも驚いてい
た。
キングofカイザー
この世の裏社会を牛耳る謎深き存在として、都市伝説になっている
存在。
その行いはまさに︻悪のカリスマ︼,
︻独裁者︼とでも呼ばれてもお
かしくはない程の所業しかしていないのだ。
そんな存在がまさか自分の父親だとは誰が予想した事か。
﹁まぁ。僕がこの名を使う時は大抵、家族や友人の為だけにしか使わ
ないんだけどね
例えば⋮
だし。
ロック君とクリス君の部屋を貸し与えたのもそうだし。
憑友に至っては響ちゃんと未来ちゃんの部屋をルームシェアする
﹂﹂
ように仕向けたのも僕だしね♪﹂
﹁﹁⋮⋮⋮はぁ⁉
あまりの発言にロックと憑友はそう叫ばずにはいられなかった。
﹁今回はハニーの頼みで此処に来たんだけどね。
⋮マリア・カデンツァヴァナ・イヴ,月読調,暁切歌。
陰陽闇呪怨と光聖希。そして無頼零。
君達の身の保険を僕が預かる。その為に此処にきた﹂
それを聞いた皆は驚いた。
1143
!
憑友やロック君達を女学院であるリディアンに編入させたのは僕
?
?
それは自分達の身の保証を証明してくれていたから。
それを聞いたSP達は猛抗議をしようとするが、インカムから雇用
人であろう男からの連絡が入った。
﹁如何やら、そちらの案件はちと問題がある様だね。
僕としてはそれでも太刀打ちできる術を持っている事だけは伝え
ておくからね﹂
そう不敵な笑みを浮かべた玄也に、SP達は渋々マリア達を置いて
撤退せざるを得ず、そのまま立ち去った。
尚、SPリーダーはジルと一勝負の申し込みをしていたのだが、ジ
ルはこれを了承し、後日再戦したのは後の話。
そうしていると憑友は不意に後ろからの気配に感じ振り向くと同
時に、誰かがのしかかってきたのだ。
﹂Σ︵・□・;︶
﹂︵つД`︶ノ
ってか、きつっ⁉
会いたかったよ∼∼
その誰かと言うと⋮
﹁憑友∼
﹁
俺、母さんに何かした ﹂と憑友はそう聞き返すと、ジャンヌは首
するとジャンヌは、﹁ありがとね♪﹂と憑友に言ってきた。
んには弱いんだ⋮︵│︳│U︶︶﹄と心の中でそう呟いていた。
そう言いながら何気に怯え泣きしている玄也を見た一同は、
﹃︵奥さ
だけど、ハニーの怒気には流石に敵わなかったよ⋮﹂︵ T︳T︶
けなかったんだ。
らね。僕個人としては君達は十分すぎるほどの罰を与えなくてはい
﹁やれやれ。マリア君達を見捨てたくないって言ったのはハニーだか
性・人絆ジャンヌであったのだ。
なんと憑友の母親であり、︽パーフェクトドクター︾の名を持つ女
﹁か、母さん
!
とそう言った。
﹃⋮⋮⋮⋮フィーネ
﹄
﹁貴方の事よ。⋮﹃フィーネ﹄♪﹂
?
1144
?
!
を横に振って⋮
?
なんでお母さんは自分の事知ってるのかな∼∼
ーーーーーーSIDEto憑友
あるぇ∼∼
ー⋮代われ。彼奴には色々と話があるからなー
あ、はい⋮
そう言うと俺は了子さんもといフィーネに身体を貸した。
ーーーーーーNO SIDE
皆が驚愕の表情を浮かべていた。
﹄
その口調を聞いた皆は目を見開いた。
﹃⋮いつ気が付いた
其処には憑友の特徴であるルビーの目が金色の瞳に変わっていた。
すると憑友は目を瞑り、そして開眼した。
かった。
特に二課の導師と装者、調は会っている故に驚きの顔しかしていな
?
レセプターチルドレン
だったのよ
だが、そんな事はお構い無しにジャンヌは話を仕切っていた。
﹁だって、私はこう見えても
?
?
"
﹃何
﹄
﹁そうだね∼。でも、私は信じてたよ﹂
﹃⋮だが、確率の問題だろう﹄
んてお見通しなんだから♪﹂
自分から産まれてくるだろう赤ん坊にもその血が流れている事な
"
﹃⋮なんでもお見通しという訳か﹄
フィーネはそう呟く。ジャンヌはそんなフィーネに対してハグし
てきたが、フィーネに悉く拒否られたのは言うまでも無い。
そんな混沌︵と書いてカオスと読む︶とした場の空気に皆は追いつ
何が言いたいかって
⋮要は結果オーライなのである。
いていなかったが、終わり良ければ全て良しなのである。
え
今は乗っ取る事はせず、互いに共有していると言う事。
した。
その後は憑友の身体を借りているフィーネは今の自分の立場を話
?
1145
?
﹁フィーネが憑友を助けてくれるって♪﹂
?
?
バリアなどフィーネの力の大半は無い状態。
それでも皆の役に立てる情報は保有していると言う事等を色々と
話をしたのであった。
フィーネは奏に向かって謝罪した。それは皆神山での惨劇は自分
がやったと言う供述だった事。
奏は皆神山での発掘調査員の最後の生き残りだったのだ。
だが、奏は
﹁謝る必要は無い。
今となれば、フィーネがいたから翼や響ちゃん達と出会った。霊風
が側にいてくれた。
フィーネがやった罪は消えないかもしれないけど、それでも私は今
のあんたの事は許すよ﹂
そう奏が言ったのを聞いたフィーネは﹁ありがとう﹂と涙を流して
いた。
するとジャンヌがマリア達の元に来ると、タブレットを見せた。
其処にはマリア達が一番に会いたかった存在・ナスターシャがベッ
トでゆっくりと寝ていた。まるで永い眠りに入っているかのように。
﹁マムは憑友が連れ帰って来たんだよ﹂
それを聞いたマリア達は憑友に顔を向ける。
其処には既にフィーネの金色の瞳ではなく、ルビーの瞳をした憑友
本人がいた。
﹁その後、レウスに乗って一足先に駆けつけた私が治療を施して、今は
ぐっすり安定しているわ。
少なくても10年は生きられるわよ♪﹂
それを聞いたマリア達は嬉し涙を流していた。 自分達を育てて
くれたナスターシャとの別れをせずに済んだ皆は一安心したので
あった。
その後、ジャンヌの計らいでマリア達﹃F.I.S.﹄は人絆家に身
を置く事になった。勿論ナスターシャ教授もである。
彼女達の事は内密にそして穏便に済まされた。
1146
﹃マリア・カデンツァヴァナ・イヴは月の落下を食い止めようとした英
雄﹄という偶像を強いられるが、本人自らの意思であった。
原作では切歌や調,響達未成年を守る為の操り人形だったマリア。
最
強
の
後
ろ
盾
だが、この話では其処までならなかった。
彼女にはキングofカイザーがいるのだから。
だが、自分が引き起こした暴動は自分で償うという意思を彼女は見
せたのだった。
尚、マリアはセレナと居るときは大抵妹であるセレナから弄り回さ
れるのをこの時の彼女は知らないのであった⋮お姉ちゃんガンバ⋮。
切歌や調,陰陽兄弟は来年度春から高校1年生。
其処でリディアンの元に居合わせる方が良いとの事案が成された
のであった。
そしてセレナは家族との再会を機に、マリアのマネージャーとして
生きる事を決意し、先輩である緒川と霊風に教わるような光景を度々
オリジナル
1147
お目に掛かる事があるようになったとか。
﹂と茶化すように
零はそんなセレナの後を継ぐかのように、玄也の助手として同席す
る形が多くなったそうだ。
そして憑友には﹁義兄さんって呼んでも良いぜ
け離れた結末を迎えて幕を下ろしたのであった。
後に︽フロンティア事変︾と呼ばれたこの騒動は、原 作と大きくか
感じつつ、今日もシンフォギアの研究に勤しむ事になるのであった。
ナスターシャはそんなマリア達の成長を見続けられる事に喜びを
なったが、憑友はそれを玉砕したのは言うまでも無い。
?
だが⋮
次なる戦いの準備は既に動き始めていた⋮
大いなる渦が呼び寄せし存在が蠢きを始めていた⋮
ーーーーーーSIDEto逝都
﹁終わったんだな⋮﹂
﹂
!
。
1148
﹁ああ﹂
と決めた奴等なのに⋮
だけど⋮
﹂
﹁⋮俺はまだ、彼奴等を守りたい⋮
﹁俺もだ⋮
俺達に何が出来るんだよ⋮
!
"
憑友が復活して、未来ちゃんや響ちゃんが無事に帰って来てくれた
事にはホッとした。
守る
だけど、同時に悔しかった⋮
俺達が
守られてしまっていた
"
﹁もう俺達の役目は終わりなのかもしれないな⋮﹂
それどころか、彼奴等ばかりに俺達が
結局俺達は⋮何も出来なかった。
"
彼奴等を⋮憑友や響達を⋮俺と馬燈は守りたい⋮
﹂﹂
﹁出来るわよ﹂
﹁﹁え
!
"
!
不意に聞こえてきた声に俺と馬燈は振り向く。
?
其処には金髪のストレート&ツインテールで、白衣を纏った女性
と、
碧と蒼のオッドアイを持つ青年の2人組が其処にいた。
﹁あんたは⋮﹂
﹂
﹁私の名はサモン。サモン・クリスチャーノ。
﹂
貴方達に助けを請う者よ﹂
﹁助けを、請う者⋮
﹁貴方達の力を貸して欲しいの⋮
ーーーーーー
今この場を持って、新たな戦いを生み出す火の粉は舞い始めた。
そしてその日を境に、逝都と馬燈の2人はそれ以降リディアンに顔
を出す事は無くなった⋮
1149
!
?
# F I N A L エ ピ ロ ー グ / 次 な る 戦 い の 序 章 を
添えて⋮
クリスちゃーん
﹂
数日後、リディアン音楽院にて⋮⋮。
﹁翼さーん
﹁っ⋮⋮////﹂
﹁あれ以来雪音が私のことを
先輩
と言ってくれないのだ﹂
か不満そうな表情を浮かべて﹁聞いてくれ立花﹂となにか話しだす。
未来と憑友と共に響は翼とクリスとロックに駆け寄ると翼はどこ
!!
"
翼にそう言われてクリスは顔を赤くし、すると響はにやにやした表
"
﹂
クリスちゃんってば翼さんのこと﹃先輩﹄って呼んで
情を浮かべる。
﹂
﹁なになに∼
るの
﹁ちょ、ちょっと響ったら
?
﹂
し、
﹁いい機会だから教えてやる﹂と言って響の頬を鷲掴みにするクリ
ス。
﹁あたしはお前より年上で、先輩だってことをぉ
!!!!
身体、なんともない
おかしくない
﹂
そんな響とクリスに翼と未来は呆れ、2人で響とクリスを止める。
﹁ねえ、響
?
?
ないぞ﹂
⋮ってか、その言い方だと奏さん死んでるような言い方しか聞こえ
﹁全く、お前という奴は⋮
⋮思いは⋮⋮絶対に無くしたりしないよ﹂
﹁でもね、胸のガングニールはなくなったけど、奏さんから託された歌
﹁響⋮⋮﹂
﹁私を蝕む聖遺物はあの時全部綺麗さっぱり消えたんだって﹂
言いながら未来を響は抱きしめる。
未来が心配して響に声をかけるが、響は﹁心配症だなぁ、未来は﹂と
?
1150
!!
未来が止めようとするがすでに遅く、クリスは眉をピクピクと動か
!
?
﹁ふぇ
⋮あ﹂
﹁立花∼
ごめんなさ∼い‼
﹂
﹁翼さん
﹂
それには﹃勇気﹄が必要なんだ⋮
﹃勇気﹄が俺達に力を貸してくれんだって⋮
さらに数日後、憑友は空港に立っていた。
﹂
と、話が逸れてしまったので戻るとしよう。
⋮恐るべし。
いないと憑友本人とフィーネ本人が証言している。
⋮因みに己の力で勝ち取ったものでフィーネは一切手出しはして
だ。
言う恐るべき思考であっという間に2年次分までのを修了させたの
もう既に2年次最後の分の評価を貰っており、後は3年次分だけと
での授業科目を全て取った。
あの後、憑友は逝都と馬燈が行方不明と言う事を聞き、憑友は学院
!
﹁誰の心にも﹃英雄﹄はいる。だがそれを使いこなせていないだけ。
それを聞いた憑友は空を見上げ、呟いた。
きっとそれは⋮⋮誰の胸にもある、歌なんだ⋮⋮﹂
﹁それに、それは私だけじゃない。 そして皆揃って笑みを浮かべ、響は空を見上げる。
それを見届けた皆はなんとか翼を宥めさせた。
をしていたのは言うまでも無い。
リスと、頭を抱え込むロックと呆れ同然の表情の憑友が揃って苦笑い
回していたのを見て、未来や先程まで響に怒りの矛先を向けていたク
に遅く、奏のパートナーである翼が鬼気迫る表情をしながら響を追い
それを聞いた憑友からの指摘で響はしまったと言う顔をするが既
?
2人を探しに行くついでに世界にはまだ多くの﹃英雄石板﹄がある
1151
!
憑友
﹂
かもしれないと憑友はそう言うと玄也達の了承を得て、今日旅立つ事
になった。
この事は響達には話してはいない。
﹂
!
話すと碌な事にならないから。
そう思いながら憑友はゲートを潜ろうとすると、
﹁待って
﹁響に未来
﹁勝手に行かないでよ
﹂
﹂
﹂
と声がしたので振り返ると其処には響と未来が駆けつけたのだ。
!
﹂
﹂﹁誰に言ってるの
﹁今なんか言ったか
﹁
﹁メタ∼⋮﹂
ドキッ
加えるかのようにある物を頭に付けた。
!
不便機能
ので1つ,ミラーモードでディスプレイを鏡のように
憑友がライドを取り出して、
は何がなんだか分からなくなったのだが、
そしてそれを見た響は﹁未来、可愛い
﹂と言ってきたので、未来
て来たので、未来は言う通りにし、そして憑友は未来のリボンに付け
ケットからある物を取り出し、未来に﹁後ろ向いててくれ﹂と示唆し
まぁ兎に角、憑友はその動作をすると何かを思い出したのか、胸ポ
⋮ゴフン。
﹂
ちっ⋮これだから女たらしは好きじゃ無いんだよ。
それを感じた2人は﹁あっ⋮///﹂と言いながら顔を朱く染めた。
そう言うと憑友は其々の頭に手を置き、そして撫でた。
﹁お前等⋮ああ﹂
﹁絶対に帰って来て
﹁私達、待ってるからね
!
?
?
の上辺りには小さなワンポイントアクセまで付いているのである。
其処には未来のリボンに加えて、カチューシャが付いていた。左耳
すると、それを未来に見せた。
"
1152
!
!
?
﹁ナレーション﹂
?
"
﹁これって⋮﹂
﹁ちょいと早い誕生日プレゼント。
似合ってるよ﹂
私のは
﹂
﹂
﹂と憑友が茶化してので、響
﹂と聞かれたが、
﹁お前のはまた今度、
そう言う憑友に未来は顔を真っ赤に染まっていた。
すると響は﹁あれ
響が女の子らしくなればの話だけどな
はムキーと言うも、すぐに笑顔を向けた。
﹁帰って来ないとただじゃおかないからね
﹁憑友の帰る場所はいつだって待ってるから
﹁ったりめえな事を言うなよ。
生きて帰ってくるさ
じゃあ⋮行ってきます﹂
そう言うと憑友は2人に背を向けそしてガッツポーズで飛行機へ
と向かって行った。
﹁︵俺が1人だと思ったら、それは違う。
俺の側にはいつも、﹃英雄﹄達がいて、頼れる﹃仲間﹄がいて、
大切な﹃家族﹄がいて、信じてくれている﹃友人﹄がいて、
そしていつも待っている﹃幼馴染﹄がいる。
それに今回からは﹃相棒﹄もいる。
︶﹂
俺の物語はまだ始まったばかりだ。
俺の旅路は此処から始まるんだ⋮
ーーーーーー
そして⋮憑友の旅路は此処から始まった。
そのカード達を胸ポケットにしまい込む。
そして最後の1枚は﹃自分自身﹄の力⋮ベーシックフォーム。
1つは、自身を育ててくれた剣の師匠で﹃英雄﹄⋮キリト。
1つは、己の中に眠りし﹃相棒﹄⋮フィーネ。
そう言いながら、憑友は3枚のカードを取り出した。
!
1153
!
!
!
!
?
その頃、大気圏外ではある異変が感知された⋮
禍々しい程の奇妙な渦が発生していた。
物語は動き出す⋮新たな物語が展開され始めようとしていた。
そしてその者が不敵な笑みを浮かべた。
背中には8枚の羽らしきものが備えられていた⋮
青く透き通るような肉体だが、眼が存在していなかった。
でいた。
そんな渦中に1人の人間が﹃考える人﹄のようなポージングで佇ん
!
ーーーG ︽フロンティア事変︾編 finーーー
1154
!
第3章 GX編 ∼魔法少女事変∼
♪プロローグ
かつて、この世には未知なる存在がいた。
名は︻ノイズ︼
︻認定特異災害︼とも呼ばれた人造殺戮兵器の総称。
それに触れれば最後、人は炭化しそして死ぬ。
災厄とも呼ばれた兵器でもあった。
だが、そんなノイズ達はこの世界にはもういない。
彼等が居住していた場所⋮︻バビロニアの宝物庫︼はある日、
﹃ネフィリム﹄と呼ばれた﹃完全聖遺物﹄と、
︽シンフォギア︾と呼ばれる﹃聖遺物﹄の力を宿した戦士達と、
︽精魂導師︾と呼ばれる﹃英雄﹄達の力を宿した戦士達によって、
・
・
﹂
?
1155
バビロニアの宝物庫は崩壊し、ノイズ達はその被害に遭い、そして
消滅を迎えた。
・
その日からノイズ達は人々の前に姿を現わす事は無かった。
⋮表向きはだがな。
裏では自分達の帰る場所を無くしたノイズ達もちらほらと目に映
りこんでいたのであった。
ーーーーーー
此処はモンゴル。
其処では今、1人の青年が周りが森に囲まれた場所を一人で歩いて
いた。
本当にこんな所にいるのか
だが、彼は喋りながら動いていた。
﹁なぁ
?
﹃私が出鱈目を言っていると
﹂
﹄
﹁そう言っては居ないだろうが
やっぱりいたのか、ノイズ
﹂
!
﹃‼
﹄ブルブルッ
すると青年の声に気付いたのか、ノイズと呼ばれた生物は攻撃⋮
腕に装着した。
青年はそう言うと、懐からタブレット型のアイテムを取り出し、左
﹁っ
ような角を生やしたこの世の生物とは思えない存在がいた。
そして見つけた先にいたのは、オレンジの体をし、そしてカブトの
森の茂みを掻き分けていく青年。
た。
そして感じた気配の後を辿るかのようにその場所へと移動を始め
すると青年は何かの気配を感じ、立ち止まる。
た。
そう言いながら青年はやはり1人でブツブツと1人会話をしてい
!
?
﹂
・
・
・
﹂
・
・
全に怯えていたのだ。
﹁なんで
﹃私にも分からない﹄
﹃何故、我々を襲って来ないのだろうか
﹃﹄ビクビクッ
﹄
なのに、此処にいるノイズはそんな挙動をしないどころか、寧ろ完
本来ならノイズは人を襲う事を躊躇わないと言われている。
それを見た青年はキョトンとした。
﹁え
⋮してこなかった。
!
すると青年はそのノイズに近づいたのだ
先程も言った通り、ノイズに触れると炭化してしまう性質を彼等は
!
タブレット型のアイテムを取り外して、懐に忍び込ませた。
完全に戦う気がないノイズを見たのか、青年は左腕に装着していた
!
?
?
1156
!
?
?
所持している。
︶﹂
近づくと言う事はそれだけで死に繋がるのである。
そして青年は何かに気付いた。
︵如何言う事だ、フィーネ。
それはノイズから緑色の血が流れていたのだ
﹁⁉
﹃﹄ビクビクッ
﹃私もこの件に関しては初めてだ。何故こんな事が⋮﹄
ノイズには血が流れてなどいないんじゃないのか
!
﹄コクコクッ
⋮あ、もしかして⋮炭化するから
﹃‼
﹁
﹂
それでもノイズは首を激しく横に振る。
﹁大丈夫。ノイズにも効く薬だから﹂
それを見たノイズは首を激しく横に振った。
を取り出した。
メディカルケース
そう言うと青年は背中に背負っていたリュックサックから医 療 箱
怪我していたのか。直してやるからな﹂
﹁︵まぁ良い。それは後にしよう。それよりも⋮︶
!
?
ている緑の血を拭き取り始めた。
その行動を見たノイズは驚愕した。
今、自分の身体に人間が触れていると言う事に。
﹁実は前に君みたいな心の優しいノイズに出会った事があってな。
?
心の優しいノイズには人間が触れても、炭化する事が無いんだ﹂
それを聞いたノイズは首を上にあげた。もし喋れてたら﹁えっ
と言う言葉が飛び交っていた事だろう。
﹁君は優しいから人に触れても、人も君自身も炭化しないんだ﹂
﹃⋮﹄
﹁ノイズ達は皆、悪い物として忌み嫌われてきている。
勿論、俺だってそうだった。
﹂
そして青年は﹁大丈夫だよ﹂と言いながらノイズの身体から出てき
う思えた。
それを見た青年は﹁︵このノイズ⋮優しい性格なんだ︶﹂と改めてそ
!
1157
?
?
?
?
けど、この旅をした時に気付かされたんだ。
﹂
ノイズ達の中には人間と共存したいと言う優しい性格のノイズ達
もいるって。
だから⋮君が君らしく生きていてくれよ
﹁⁉
⋮へへっ
﹂
﹁⋮アリガトウ﹂
今ではすっかり幼気がある少女へと変わった。
が、
先程までは青年と全く変わらなかった身長を誇っていたノイズだ
徐々に身体の構造を変えてきたのだ。
だが、ノイズに変化が生じ始めた。
ヤバいものでも配合しちまったのかと青年は慌てる。
たりとした。
そのノイズは青年の笑顔を見て、しばし沈黙すると、そのままぐっ
そう言うと青年は笑顔をノイズに向けた。
!
﹂
﹁名前は⋮
⋮アナタガクレルナマエガホシイ。
ナマエ
それを感じ取ったノイズは﹁アッ⋮﹂と言いながら顔を朱く染めた。
でた。
そう言うと青年は少女に変わったノイズの頭に手を置きそして撫
!
﹁君の名前は⋮ルオレ﹂
?
﹁うん。オレはオレンジの身体だったからで、ルは君の性格の事を指
﹁ルオレ。⋮ソレガワタシノナマエ
﹂
そう言うと青年は少女に名前を与えた。
⋮あ、これが良いな﹂
ノイズA⋮敵の雑魚兵かよ。
オレンジ⋮は論外。
﹁⋮ミカン⋮だとありきたりだし。
そう言われ、青年は少女の名前を考え始めた。
﹁そっか⋮﹂
ワタシ⋮ナマエナイ﹂
﹁
?
1158
?
?
?
しているんだ﹂
﹁⋮アリガトウ。エット⋮
﹂
﹁俺の名は人絆憑友
﹂
﹁ツ⋮ク⋮モ⋮
﹁ああ
﹂
﹂
﹂
!
一緒に来ないか
﹂
?
話
一体なんだ
ー何はともあれだが、少し話があるー
な。
まさか、ノイズに好かれる体質に成ろうとは⋮我ながら恐るべしだ
ーーーーーーSIDEto憑友
その問い掛けにノイズだった少女は首を縦に大きく振った。
﹁帰る所⋮無いんだろ
しかし、ノイズ特有の能力は発動しなかった。
そう言うとルオレは青年・憑友に抱きついたのだ⋮
﹁ツクモ⋮ツクモ⋮
憑友で構わない
そう言うと青年は少女⋮ルオレに自分の名前を教えてあげた。
﹁あ、そうだった⋮忘れてた﹂
?
知った事じゃない
ノイズだって、優しい者達だっているんだ。
ー
俺はそんなノイズ達にも生きていける環境を手に入れてみせる
己の手で
ーだが、先ずは己の身体を取り戻す事だな
はい、そうですね⋮。
うぅ∼⋮痛い所突かれて、心の中では号泣中です。︵ T︳T︶
ーだからって、私のスペースにまで涙を溢れさせないでくれ⁉
ー
!
だけど、
﹃元﹄ノイズである事には変わりは無いけど、そんなの俺の
⋮そうか。この子はもうノイズじゃないんだね。
恐らく最後の希望として、人間になりたいとそう願ったのだろうー
ーこのノイズ⋮ルオレは既にノイズの力が失っている。
?
!
此方にまで被害が及んでいる‼
?
?
?
!
1159
?
!
?
!
!
!
?
何はともあれ、この子をこのまま放っておく訳には行かないよな。
ノイズであった女の子か。
以前見つけた9つの﹃石板﹄の影響なのか。
はたまた、先日日本を襲った最悪の敵が引き起こした事件⋮
︽亜空伝説事変︾
それによるものなのだろうか。
真相は分からないけど、とにかく今はこの子の面倒をみないとな。
ーとか言いながら、ノイズをおんぶしているお前の身体が異常なの
はこの際如何でも良さそうだな⋮もう呆れてしまっているしなー
俺の身体が異常なのは元からだ。仕方ない事さ。
さて、そう言ってる間に近くの村にやって来たぞ。
さぁて、如何するかな⋮ん
⋮はぁ
山が縮んだ
ったく、こんな時に限ってかよ全く⋮
ヒュー♪
ブルルゥゥンッ
すると、
そう思った俺はすかさず口笛を吹いた。
!
先程﹃フォニックゲイン﹄の消費反応を感知した﹄
﹃憑友。如何やら二課のやり手のようだ。
?
﹂
頼んだぞ、ブランダル
﹁⋮ドコヘ
!
そして俺は背中に乗せたノイズだった女の子を座席に座らせた。
村の近隣に置いていた車が此処までやって来た。
!
1160
ドガァァァァァァァァ‼
?
なんでさ⁉
?
?
﹂
﹁ちょっと案件な。大丈夫。必ず帰ってくるから﹂
﹁ウン⋮
﹂
そう思った俺はそのまま駆け出していった。
/ええ
﹄
皆さん
/はい
!
あの馬鹿達がやってるんだ⋮
/ああ
久方ぶりに暴れましょう
﹃おお
!
!
では参ろうか
﹄
!
ー無茶ばかりして⋮少しは私の気持ちも考えろ
!
はいはい。⋮じゃあ、行くぞライドさん
﹃ああ
!
此処から先は⋮
ー
この子がさっきまでノイズだったなんて誰が思うのだろうな。
﹁エヘヘ⋮
﹁良し。良い子だ﹂
!
行くぜ、フィーネ
!
﹂
1161
!
俺達の出番だ
!
!
!
!
!
♪1 奇跡を纏いし少女/奇跡を起こす青年
それは突然だった⋮
そこでは月の落下を阻止し、世界を救ったナスターシャ教授が回収
して欲しいと依頼した﹃フロンティアの異端技術﹄を回収したスペー
スシャトルが地球へと向かっていた。
﹂
しかし、そのスペースシャトルはシステムトラブルが発生、後ろか
ら炎をあげながら地球へと墜落していたのだ。
﹂
﹁システムの再チェック、軌道を修正しせめて人のいないところに
﹁そんなの分かってますよ
だから、生きるのを諦めないで
ロットは﹁致し方なしか⋮⋮﹂と諦めの声をあげるが⋮⋮。
﹃へいき、へっちゃらです
﹄
するために国がミサイルを撃ち込んだのかと思い、もう1人のパイ
シャトルのレーダーにミサイルが2つ接近し、2人は自分たちを撃墜
正 し、せ め て 人 の い な い 場 所 に 向 か お う と す る の だ が ⋮⋮ そ の 時、
シャトルのパイロットの男性2人はどうにかシャトルの軌道を修
!!
﹃イチイバル﹄を纏った﹁雪音 クリス﹂
﹃天羽々斬﹄を纏った﹁風鳴 翼﹂
﹃ガングニール﹄を纏った﹁立花 響﹂
少女⋮⋮﹁歌﹂を力に変える︽シンフォギア︾と呼ばれる物⋮⋮
そしてシャトルに向かっていたミサイルが分解され、中から4人の
た⋮⋮。
するとその時、4人の少女と2人の青年の歌声が宇宙へと鳴り響い
feat.高山みなみ,宮野真守,西川貴教︶
︵挿入歌﹃RADIANT FORCE﹄悠木碧,水樹奈々,高垣彩陽
表情を見せる。
そんな時、1人の少女の声が聞こえ⋮⋮パイロットの1人は驚きの
!
﹃ゲイジャルグ・ゲイボウ﹄を纏った﹁天羽 奏﹂という少女達と、
﹃英雄﹄達の魂を導く師者⋮︽精魂導師︾の力を宿した者⋮
︽水魂導師︾ソウルこと﹁ロック・アイル・ユキネ﹂
1162
!
!
︽風魂導師︾スピリットこと﹁精妖 霊風﹂が中から現れたのだ。
先ず、最初にクリスが巨大なミサイルを出現させてその上に響と翼
が飛び乗り、クリスはミサイルを発射、続けて第二波にロックと奏を
﹂
﹂
乗せて発射、そして第三波に自分と霊風を乗せてミサイルを発射する
と同時に素早くその上に飛び乗る。
﹁まるで、雪音のようなじゃじゃ馬っぷり
﹂
﹁だったら乗りこなしてみて下さいよ、先輩
﹁いやっほー
い﹂
﹁余計な事を言ってんじゃねー⁉
﹂
﹁これで乗りこなせないのであれば、クリスの義兄を名乗る資格は無
﹁相変わらず上手いな⋮ロック﹂
ていた。
そんな中、ただ1人⋮ロックだけは片足で立っていながら瞑想をし
ら、奏はまるでサーファーのようにミサイルをコントロールする。
翼の言葉にクリスが不敵な笑みを浮かべながらそう言い放ちなが
!
!
対策機動タスクフォース﹃S.O.N.G.﹄の指令室にいた青年﹁緒
その様子をモニター越しに見ていた響達が所属する組織、超常災害
⋮⋮。
しかし、完全に減速させることはできず、このまま行けば山に激突
霊風は逆に風を連想させる翼を広げた。
ロックのもう片方の手から水を連想させる翼を広げ、
霊風は左手の黄色の槍に手を掛けると、
は右手の赤い槍の方に手を掛け、
奏は中央に立つと、そのまま2振りの槍を突き刺す。そしてロック
シャトルの落下速度を減速させる。
い、クリスはミサイルを出現させて発射はせず、噴射だけをさせて
乗り、響と翼はシャトルの前の方へと行くとギアのブースターを使
そう言いながら6人はシャトルに追いつくとシャトルの上に飛び
?
川 慎 次﹂は せ め て 中 に い る 乗 員 だ け で も 救 出 を と 響 達 に 言 う が
1163
!
⋮⋮。
響達はそれを拒否した。
﹁そいつは聞けねぇ相談だ
﹂
﹂
﹂
もっぺん同じ事を言ってみやがれ⋮今度は俺が鉄拳
﹁人名と等しく人の尊厳は守らねばならない
﹁おい緒川っち
制裁を加えてやるからな
!
﹁大袈裟過ぎだが、一理ある﹂
﹂
﹂
﹁ナスターシャ教授からの依頼なんですよ
こんな所で諦めません
オディナ
!
!
﹁響ちゃんらしいな⋮ったく。
んじゃあ、行くぞ
﹄
!
﹂
MEGA DETH PARTY
サイルが降り注ぐ。
﹂
﹁ぶん殴れえええええええ
﹁ええええ
﹂
﹂
を発射し、山に大量のミ
"
せて邪魔な木を切り裂こうとするのだが⋮⋮そんな時だった。
﹄
ビュルル∼∼∼‼
﹃
?
突然、彼女達の目の前を猛吹雪が下から襲いかかってきたのだ
!
突っ込んで行こうとし、翼は剣型の武器⋮⋮アームドギアを巨大化さ
そのままシャトルは山を下ってどんどん物凄い勢いで森の中へと
通ってなんとか通り抜けることに成功する。
同時に展開されていた翼が消え、シャトルは響が殴って破壊した穴を
ぶん殴って山を貫通させ、霊風とロックはすかさず手を引っ込めると
突然の無茶ぶりに驚く響だが、響は兎に角言われた通り飛んで山を
﹁言われなくても
﹁ロック
!?
!!
射する
動し、響の元に駆け寄ると腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に発
突、乗員だけではなく響達の身も⋮⋮だがそこでクリスがすかさず行
しかし、既に目の前には巨大な山が迫っており⋮⋮このままでは激
﹃御意
!
!
!
!
!
!
1164
!
"
それを受けた皆は目を覆い隠してしまう。
するとその猛吹雪の影響なのか、シャトルの動きが滑らかになって
いくのを感じた響達。
﹂
﹂
何か起こったのか、霊風は下を見ると顔を青ざめながら驚愕した。
﹂
底と地面が凍ってる
﹂
﹁な⁉
﹁何
﹁つまり⋮どういう事だ
﹄
﹁俺達がスケートリンクの上にいるようなものだ‼
﹃
なんと、地面とシャトルの底の部分が完全凍結してしまい、まるで
氷の上を滑るアイススケートの状態に自分達がいる事を告げた
すると奏は響に﹁代われ
﹂と言うと響のいた場所を乗っ取り、そ
とどのつまり⋮このまま行けば村が壊滅してしまうのである。
そしてこの先には村がある事も知っていた。
少ない程、抵抗力が低くなる。
摩擦が有るからこそ、抵抗力が高くなる。だが、摩擦が少なければ
!
生する技
TORNADO∞PRIME
で前方に竜巻を発生させ
のまま奏は槍を十字に構えてプロペラのように回転させて竜巻を発
!
"
て、思うように出来なかった⋮
?
そうとするが⋮
﹂
馬鹿マネと馬鹿義兄⁉
﹂
肝心のカード⋮点検に出してたんだった⁉
此方もだ
﹁しまった⁉
﹁如何
﹁何やってんだよ⁉
?
!
?
炎ならばと思えたが、今現在2人の手持ちにこの氷を掻き消す程の
しく後悔する2人。そしてその2人に突っ込むクリス。
此処ぞの時に必要なカードをセレナに預けてしまっていた事に激
?
﹂
霊風とロックはすかさず右腰のカードケースからカードを取り出
!
上から下へと落ちる﹃重力﹄と、シャトル全体の﹃重量﹄が相まっ
て、少しでも低減するように尽力するも、
"
1165
?
?
?
いつの間にポンコツになった
炎を持つ者が居ないことを思い出し、2人揃ってorz状態になった
⋮駄目じゃん
﹂
諦めかけたその時だった⋮
この声⋮﹂
﹁俺の出番だーーーーー‼
﹁え
﹁
﹄
⋮憑友‼
﹃
﹂
ワインレッドのジーンズを履いた青年だった。
赤い髪に、オレンジのフードとクリムゾンカラーのパーカー、
人の青年が立っていた。
響は声が聞こえてきたので、その方角に顔を向けると、其処には1
?
は確かに自分の仲間である憑友が立っていた
すると霊風はすかさず﹁シャトルの底と地面を溶かしてくれ‼
ー
らせると、アブソーバーから炎が発生した
ーパワーアップ
バーニング・ライド・アブソーバー
﹂
カードを置くとスライドさせた画面を元に戻し、そしてもう一枚の
にはカードが1枚入るぐらいのスペースがあり、其処にフィーネの
チパネルもといディスプレイ画面をそのままスライドさせると其処
パワーアップを果たしたライドアブソーバーを憑友は装備し、タッ
!
!
!
するとその内の1枚⋮女性の方のカードをアブソーバーに読み取
描かれていた。
1つは己の基本の姿。もう1つは女性のバストアップイラストが
次に右腰についてるカードケースから2枚のカードを取り出した。
レット⋮アブソーバーを取り出し左腕に装着する。
と叫ぶと、それを聞き取った憑友は首を縦に振り、そして懐からタブ
?
!
響の声を聞いた皆は響が視認している方向に顔を向けると、其処に
?
﹂
カードを装填するとレバーを構え、
﹁変身
!
1166
?
!
フォーム、オ・レ
そう叫びながら、レバーを引いた
ーライド
はそれを纏った
ー
ー
するとアブソーバーの画面から爆炎を纏った戦士の魂が現れ、憑友
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
バーニング・ヴォルケーノ‼
ー英雄の魂、俺に宿れ
灼熱、炎拳
?
!
!
﹄松本梨香︶
!
ら炎を噴き出し始めた
ていく⋮
しかし、その先には村があった
しかし、あと1kmしかない時、なんと響が憑友の隣にやって来た
!
すると凍りついていたシャトルの底と地面が見る見ると溶け始め
!
その歌を歌い始めた憑友はそのままシャトルを両手で抑え、足元か
︵挿入歌﹃ベストウイッシュ
それと同時に﹁歌﹂を歌い始めた
んだ
そして変身が完了した憑友はそのままシャトルに向かって走り込
!
だが、村から1km辺りで氷を溶かす事に成功した
!
!
﹂
﹁⋮ったく。ついて来いよ
﹁うん
響
!
﹂
!
闘し始めた
とロケットの間を連結していた骨組みに鎖を巻きつけ、そして必死に
すると四人はロックが何かしたいのかが分かり、そのままシャトル
その鎖をロックが持つなり、奏,クリス,霊風にその鎖を渡す。
つけられていた。
するとシャトルの後ろに4つの碇が落ちてきて、それには鎖が結び
座にアンカーを後方に4発飛ばした。
それを見たロックはアンカーガンと呼ばれる銃型武器を用いて、即
!
そう言うと憑友と響の2人でシャトルのスピードを落とそうと奮
!
1167
!
!
!
!
!
﹁1人よりも2人、だもんね♪﹂
!
しがみつく。
そして翼は足元のレッグブレードを後方へと起きつつ、翼を連想さ
せるような形に展開させた。
このままに出来るか⋮
﹂
そしてそのまま村へと突入した。
﹁くっ
!
車⋮だと
﹂
ジャイロモード
﹂
黒と赤が似合うワゴンだった⋮
﹁ブランダル
き、
そしてなんとロボットの姿へと変わったのだ
それを見た一同は呆気に取られていた。
﹂という始末である。
?
アンカーを外せ
!
手を付く。
﹁ロック
﹂
するとロボットに変形したワゴンもといブランダルがシャトルに
霊風に至っては﹁トランス○ォーマー⁉
!
憑友がそう叫ぶと突如、ブランダルと呼ばれたワゴン車から光輝
!
!
突然、自分達の前方に一台の車がやって来たのだ
翼はそう言った。
﹁⁉
ブルルゥゥゥンッ‼
ヒューーー‼
だ
そう言うと憑友は危機的状況にありながら、なんと口笛を吹いたの
!
と、そのままアンカーを放した。
するとシャトルの威力が少しだけ上がる⋮
持ち上がれーー‼
﹂
さらに突き当たりには建物が⋮
﹁行くぞ
?
!
しかし勢いはそのまま、村へと進入。
そのまま憑友は響とブランダルと共にシャトルを食い止め始める。
!
つも、クリス達に碇もといアンカーを繋いでる鎖を外すように言う
すると憑友はロックに向かってそう叫ぶと、ロックは目を見開きつ
!
!
1168
!
!
?
?
!
?
そう言うと憑友は響とブランダルに指示しながら、3人︵内1つは
ロボット︶同時に豪快にシャトルを投げたのだ‼
そしてそのシャトル内の宇宙飛行士と、そのシャトル上に居合わせ
この馬鹿2人
ていた翼率いるシンフォギア装者達と、霊風とロックの精魂導師の2
人も憑友と響の挙動には驚かざるを得なかった。
そして建物を超えたと同時にシャトルのエンジンを噴かせた。
﹂
霊風。ロック﹂
その勢いを使って、シャトルは直立した。
﹁はぁ⋮﹂
﹁大丈夫か
﹁問題無い﹂
﹁いや、問題大有りだよ‼
﹁何はともあれ⋮
任務⋮完了しました﹂
に着陸に成功させたのであった。
﹂
そしたな響は憑友と共に寝転がっていた。
﹁久しぶり
俺には昨日のように感じてんだけど
軽くワンシーズン過ぎたんだからね⁉
﹁久しぶり⋮なのか
﹁何言ってるの⁉
人
﹂
﹂
﹂
﹂となぜ響がいきなり笑いだしたのか分からず首を傾げる。
﹁私、シンフォギアを纏える奇跡が嬉しいんです
2
﹂
﹂と此方も首を傾げる。
それを聞いた憑友は吹き出し笑いをした。
男
それを見た霊風とロックは﹁お前もか
すると憑友は話した。
﹁だって、今生きているんだという事を実感を持てるんですから
?
﹁お前ら本当に⋮馬鹿だよな﹂
あった。
それを聞いた翼達は半ば呆れ、半ば感心を持っていたりするので
!
か
響は突然笑いだし、てっきりクリスは﹁おかしなところでもぶつけた
すると、翼とクリス,奏,ロック,霊風が彼女の元へと駆け寄ると
?
?
久方ぶりの弾む2人の会話。
?
?
こうして響達は近場の村にシャトルを犠牲者を出すことなく無事
?
?
!
1169
?
!
?
すると憑友達の元に先程シャトルを豪快に投げ飛ばしたロボット・
ブランダルが駆けつけた。
﹁ありがとな。ブランダル﹂
﹃♪﹄
如何やら﹁如何いたしまして﹂と言ってるようだ。
するとブランダルは元のワゴン車に戻る。
すると車の中から1人の少女が現れ、倒れこんでいる憑友に抱き付
いた。
その子誰
﹂
﹂
﹂
それを感じた憑友はそのままその少女に抱き返した。
つ、憑友
その言動を見た一同は目を見開く。
﹁え⁉
それを見た響が皆を代表してそう言った。
すると先程の少女は響の姿を見て、怯えた。
﹁おい、バカ。
私の所為
お前のせいでこの子ビビッてんじゃねぇかよ
﹁ふぇ
そう言うと翼と奏が少女に手を出してきたが、憑友にべったりと離
れない。
﹂とクリスが言って、手を出すと、憑友
それを見た﹃ツヴァイウイング﹄の2人はまさかのorz状態に
なったのは言うまでも無い。
﹁あたしが手本を見せてやる
は憑友本人談。
﹁⋮如何なってんだ
﹂﹁さぁ
﹂
﹁ま、まずは取り敢えず⋮帰りません
日本に﹂
因みに少女なので力は無いので、其処まで苦しくは無いと思ったの
の首を絞めるぐらいにまで怯えてしまった。
!
?
り、事後処理を政府に任せ、8人は村を後にした。
憑友がそう言うと皆は同時に頷き、そして8人乗りのワゴン車に乗
?
?
1170
!
?
ーーーーーー
そんな帰りの道中。
運転は霊風が運転している。
マネージャーとしての務めだそうだ。
勿論、今は災害や戦闘が無いので皆は普段通りの姿に戻っている。
翼と奏、ロックと霊風と憑友は私服、響とクリスはリディアンの制
服だった。
そして響は憑友が居ない間に起こった事を大まかに説明し、その補
足をクリスが行う形で話を聞いた。
フロンティア事変後、機動二課は解体され、
国連超常災害対策機動部⋮︹タスクフォース﹃S.O.N.G.﹄︺と
して再編成されたと言う事。
それに伴い、ノイズの存在が公の場に現れる事も無くなり、自分達
﹂
1171
は災害救助等をやる事になったと言う事だった。
﹁へぇ∼。
つまりは、響の趣味である﹃人助け﹄が﹃救助活動﹄と言う形で実
ところで⋮﹂
現したんだな﹂
﹁うん
﹁﹂プルプル⋮
つも助けてもらってるから⋮
もしかして⋮ペンダントが嫌なの
﹁⋮ウン﹂
れた。
すると先程まで怯えていた少女は響にいきなり抱き付いた
!
ら一個のケースが現れ、シンフォギア装者達はペンダントをそこに入
そう言いながら運転席と助手席の間にあるシフトレバーの後ろか
と言う訳ですから、ペンダントをそこのケースに入れて下さい﹂
﹁なら、最初からそう言えば良かったんだよ。
?
?
﹁大丈夫だよ。此処にいるお姉ちゃん達は俺の事を知ってる人達でい
!
!
﹁うわぁ
﹁♪﹂
⋮でも、可愛い♡﹂
そう言いながら響は少女に頬ずりすると少女は響に頬ずりをした。
その動作を見た装者達はメロメロになったのは言うまでもない。
何かあったのか
﹂
そしてその光景を霊風は苦笑いしていた。
﹁
﹂﹁霊風
﹂
﹂
するとロックに指摘され、﹁う、うん⋮﹂と素直に答えた。
?
﹁その子、実はノイズでした∼
﹁え⁉
!
!
﹂
?
﹁ん
﹂
!
⋮如何した、お前ら 何﹃鳩が豆鉄砲食らったような顔﹄をして
﹁﹁⋮﹂﹂
﹁冗談だよジョーク、ジョーク
﹁それは私もそう思う﹂とロックと翼がそう話す。
﹁冗談で言っていいノリではない筈なんだが
それを聞いた響は驚き、そして奏はそんな霊風に注意する。
すると突然霊風が軽いジョークを言ってきた。
?
?
﹂
?
﹁ガチで
﹂
﹁マジです﹂
﹁⋮マジで
になっていた。
そんな霊風は冗談だと言いながら謝罪するが、少女と憑友は無表情
⋮⋮﹂
?
﹁ガチです﹂
?
1172
?
﹃嘘⁉
﹄﹁嘘ぉ∼⋮﹂
その現実に装者と導師達は驚く事しか出来なかったのであった。
1173
?
♪2 調査結果
憑友と少女の事実を聞いた響達は驚愕していた。少女は実は﹃元﹄
ノイズであったという事に。
しかし先程の言動を見ても彼女がノイズであったと言うのは違和
感がありまくりである。だが、確証はある。
シンフォギア装者達が纏う聖遺物には耐性が無い故に攻撃を受け
たら炭化する。
つまり、先程シャトルを無事に着陸させた直後の響達が手を取ろう
としたのに少女は響達の所へ行かず、
今ペンダントを外した彼女達の場合、少女は響達の元へと一直線に
行った。
それは聖遺物を纏うギアとそれを構成する為のペンダントもとい
コンバーターがあった為なのである。
今までも。今この瞬間も。そしてこれからも。
・
・
そして今日も彼女等は半ば呆れつつも、
﹁立花らしい﹂との一言で済
・
ましたのであった。
そしてノイズだった少女⋮ルオレはそんな響の言葉と憑友の言葉
を聞いたのか、涙を流したのだ⋮
あった。
それを見た響と憑友はルオレの頭を撫でたり、ハグしたりしたので
女の子だと思わせる言動だった。
それは最早、ルオレが﹃元﹄ノイズであるとは思えず、寧ろ1人の
!
1174
謂わば聖遺物はノイズを払い除ける一種の魔除けと言う事なのだ。
それを聞いた翼達は少女に警戒をしだすが、響はそれでも手を差し
伸べて来た。
﹁それでも構わない。憑友は前に﹃ノイズにも人と共に生きていきた
﹂
い、優しい性格を持つノイズがいる﹄って言っていた。だから、私も
﹂
貴方と一緒になれたらと思ってる
﹁
!
その話を聞いた翼達はそんな性格の響にいつも振り回されてきた。
!
それを見た一同は﹃︵ノイズであったにしても、この子はもう人間な
んだ︶﹄と思っていた。
その後、彼等は憑友が所持していたワゴン車に驚かされまくってい
た。
まず、山の頂上に到達するなり、何処からともなく翼を展開させて、
空を飛ぶわ、
タイヤを水平にして水上移動したりとあからさまにハイスペック
﹂と言っ
すぎる機能を彼等は驚愕していて、それを優に扱える憑友は驚きを隠
せなかった。
因みにその際に、響から﹁まだ運転できる歳じゃないよね
た。
それもそうだ彼⋮憑友は響と同学年だ。響は未来と一緒で高校2
年生⋮つまり16,7歳。
運転免許が交付される年齢は18歳。
とどのつまり⋮憑友はまだ運転できる年では無いのだ。
だが、
﹁翼さんがバイクを特許申請した時と同じで、俺も特許申請をしただ
け﹂と憑友は自身満々に言った。
それを聞いた翼,奏,霊風は苦笑を浮かべていたのは此処だけの話。
そしてルオレはそんなハイスペックワゴン車の中から外の風景に
目を奪われていたのであった。そんなので良いのか
してそのまま日本に到着するなり、そのままとある場所に向かってい
た。
その場所とは⋮
1175
?
そ う し て い る と 憑 友 は S.O.N.G.が あ る 移 動 本 部 を 既 に 越
?
ーーーーーー
﹂
﹁まさかのこの場所とはな⋮﹂
﹁此処は
憑友達がやって来た場所を見て、霊風は心当たりがあり、皆を代表
してロックがそう尋ねてきた。
そして翼だけは苦虫を噛んだかのように、その場所に目を背けてい
た。
それを見たクリスと響は首を傾げつつも、翼の様子が可笑しい事に
気がつく。
その光景を見た奏は頭を掻きながら溜め息をした。
﹁此処は、翼の実家だ﹂
霊風が言った一言で響とクリスは目を見開いた。
当然だろう。自分達の仲間の家などあまり行かないものなのだか
ら。
だが、そんな実家である翼本人はと言うと家の方すら見ていなかっ
た。それを見ていた奏と憑友は同じタイミングで﹁はぁ⋮﹂と溜め息
を零したのは言うまでもない。
すると憑友はワゴンから降りた。ルオレも﹁イッショ二イキタイ
﹂と駄々を捏ねてしまったが、響とクリス、そして護衛という形で
奏と翼,霊風の3人だけをワゴンに残し、残りのメンバーだけで翼の
﹂
実家⋮風鳴八紘の元へと向かって行ったのだった。
まだ帰りたくないのか
ーーーーーーSIDEto霊風
﹁なぁ、翼
﹁⋮ああ﹂
?
このまま行って和解してくればそれでそれで結構なんだけどな。
原作通り翼の奴、親父さんの事に対して、未だに溝を作ったままか。
はぁ⋮参ったな。
?
1176
?
ロックも同行すると言い出したので、憑友は仕方ないと思ったのか、
!
それにしても、この世界でまともな父親って、憑友の親父さんと未
来ちゃんのお父さんだけだな⋮。
原作を見たけど、響ちゃんの父さんは周りの空気に押し潰されて、
娘をほっといてどっかに出て行くし、
翼の父親は堅物で超が付く程の不器用人間。
切歌や調,マリアとセレナちゃんの父さんは蒸発もとい他界。
クリスとロックの父親に至っては両親揃って戦争に巻き込まれて
死亡。
奏も皆神山の唯一の生き残り⋮つまり家族すらいない。
各言う俺の両親は物心ついた時にはノイズに殺されたって言われ
たな。尤も、それは隠蔽しているのでは無いのかと密かに思った事も
あったけど、今は分からないな。
両親か⋮
﹄
しかも、ホログラムと来たか⁉
﹂
﹃ざっと言うとこの車は私が改良させたんだ。その際にこの車に私の
細胞組織を構成させるプログラムを作成したのだ。
本体は憑友とまだ共有中だが、この車に意識を飛ばす事も造作も無
い事さ﹄
⋮もうなんでも有りだな⋮。キテ○ツか
﹁⋮﹂
﹃⋮ふぅ。何時ものお前では無いな。
﹁⋮ありがとう﹂
けてやれる事くらいは出来るさ﹄
もう少し周りに頼れば良い。今の私は非力だが、それでもお前を助
?
1177
俺の両親⋮特に父親は何をしていたのかな。
親子喧嘩か
﹂
?
﹁ってか、なんで此処に居るんだよ
?
そこんところは俺を転生させた神すらも教えてくれなかったな。
﹂
﹃なんだ
﹁⁉
﹁フィ、フィーネ⁉
?
いや、なんでお前が出て来る
?
?
そういうとフィーネの眼差しはかつて響ちゃんに託したときのよ
うな瞳を出して、そのままホログラムを解除して、姿を消した。
1人で出来ないのであれば、誰かに助けを乞うのも有りだぜ、翼。
ーーーーーーNO SIDE
3人がフィーネと話をしていた頃、憑友達は翼の実家⋮八紘の家に
お邪魔していた。
因みに憑友は右手にジュラルミンケースを所持している。
其処にはSPが家を厳重にしていた。
するとその内の1人のSPが憑友を目にした瞬間に憑友に会釈を
した。
それに気付いた憑友も会釈をした。
それを見た響達も釣られて会釈すると、SPが案内すると言う動作
をしたので、憑友はそのSPの後について行く。勿論響達も。
そしてとある一室に着く。
﹄
1178
﹁八紘様。玄也様の息子様がお見えに参っております﹂
﹃通せ。連れも一緒なのだろう
﹁はい﹂
﹃なら、その者達も通せ﹄
﹁畏まりました。どうぞ﹂
﹁失礼します﹂
らな﹂と言われ、憑友達を席に座らせた。因みにルオレは憑友の膝上
そして八紘はそのまま﹁席に座っても構わん。長話になりそうだか
置してある机に置いた。
そう言うと憑友は先程のジュラルミンケースを応接スペースに設
﹁構いませんよ。それよりも此方を﹂
﹁⋮此度の件は済まなかったな﹂
翼の父親⋮そして弦十郎の兄⋮風鳴八紘が其処にいた。
そして彼等が目にしたのは、一際威厳を感じるお偉いさんにして、
それを筆頭に、響達も一緒に入ってきた。
憑友は返事と共に部屋へと入った。
?
にちょこんと座っている。その仕草にクリスは内心、響は全体で﹁可
愛い﹂という表現をしていたのは言うまでもない。
そうしていると八紘はジュラルミンケースを開けた。
其処には1つの茶封筒があり、その中身を紐解くと、そのまま八紘
は書類と睨みっこし出した。
その中を響達はただ単に、
﹁息苦しい⋮﹂と思えたのは此処だけの話
⋮じゃあ何の為に来たんだよ⋮。
すると八紘は書類を読み漁り終えた。その時間は約3分。
カップ○か、ウルトラマンかよ⋮。
﹁⋮態々済まないな﹂
﹁こんな事しか出来ないのが悔しいですけど﹂
﹁それでも十二分過ぎる情報だ﹂
如何やら余程の重要案件だったようだ。
すると八紘は外にいるであろうSP達に声を掛けた。
さ﹂ そう言うと憑友と八紘は手を握った。交渉成立のようだ。
﹁次も頼むぞ﹂﹁当分先ですけどね﹂
それを見た一同は何とかこの場のやり取りが終わった事で一気に
疲れが襲ってきたのであった。
精神的に疲れたのだろう。
1179
するとドアから1人のSPが現れ、
﹁例の物を持って来てくれ﹂と八
紘から言われたので、SPは頷くと直ぐに例の物を取りに行き、そし
と言うか結構近場に有ったのね
てものの10秒以内に1つのジュラルミンケースを持って来たのだ
⋮いや、速いから⋮
﹂
?
﹁な に ⋮ 私 と し て は こ の 情 報 が 高 い 価 値 を 持 っ て い る と 思 っ て い る
貴方の方が損をしているように思えますが
﹁いえ。寧ろ多いぐらいです。あの量でこれだけの﹃英雄石板﹄⋮寧ろ
﹁対価としては少ないかもしれないが⋮﹂
響達もその中身を見た。其処には9つの﹃英雄石板﹄があった。
憑友はすかさずそのケースの中身を確認した。
するとSPからジュラルミンケースを受け取る憑友。
!
それによく見てみると、ルオレは憑友の膝上に、憑友の身体に沿う
かのようにぐっすりと眠りについていたのであった。
﹁さて、情報供給はこのくらいにして、此処からは敬語なしで行きま
す。
八紘さん。貴方何時まで翼さんの事を疎遠にしたままにするんで
﹂
すか
聖化されている岩の元にいた。
﹂
相沢さん
元気だったか
?
﹁ははは⋮。やっぱりか﹂
た。
それに気付いたルオレは怯えてしまい、憑友の後ろに隠れてしまっ
すると、相沢は憑友の隣にいた少女・ルオレに向けた。
そう言いながら、憑友は相沢と呼ばれた人と握手をした。
!
﹁
憑友君
⋮ああ
﹁ん
?
﹁ご無沙汰してます﹂
﹂
そして憑友達は翼の実家を後にしようとした時に、1人の男性が神
ーーーーーー
八紘の呟きに答える者はいなかったのであった。
﹁⋮余計なお世話⋮とも言えないか⋮﹂
そしてそれに気付いた響達も慌てて部屋を後にしたのであった。
ジュラルミンケースを提げて部屋を出た。
それだけを言うと憑友は﹁失礼します﹂と言って、先程受け取った
それだけで翼さんの気持ちも全然変わりますから﹂
してあげて下さいね。
俺が言う事は良く無いので言いませんけど、父親らしい事は少しは
はぁ⋮
﹁その様子だと、親父にもしつこく言われたみたいですね⋮。
これには流石の響達も息苦しく感じてしまった。
するとまた場の空気が重くなった。
﹂
﹁っ⋮
?
!
1180
!
?
?
﹁何が﹃やっぱりか﹄ですか。
﹄
この子の正体、分かってる癖に﹂
﹃え
﹁あはは⋮。まあ、色々とね﹂
そう言いながら相沢はルオレを見つめ始めた。
すると憑友はルオレと顔の目線を同じにして、ルオレの耳元で呟い
た。
⋮ホント
﹂
﹁相沢さんは、ルオレと同じ⋮﹃元﹄ノイズだったんだよ﹂
﹁⁉
だと言う事に。
?
話を切った。
﹁誰と連絡したの
﹂
未来だよ。久方ぶりに帰ってきたんだ。連絡の1つくらい良い
?
その時にルオレが相沢に﹁マタアエル
﹂と言ったが、相沢は﹁何
ると、相沢と別れ、響達と共に一行はワゴンへと戻って行った。
そうすると憑友はそのまま相沢が傍観していた岩に向けて礼をす
﹁⋮そうだよね
だろうが﹂
﹁ん
﹂
そしてルオレと相沢がハグを辞めたと同時にその通信を終えて、電
そうしている間に憑友はある人と連絡していた。
も積極的に抱きついていたから。
それを見た響達は目を見開いた。何せ、ルオレが自分達以外の人に
相沢の気持ちを感じたルオレはそのまま相沢に抱きついたのだ。
それに相沢は応えるかのように手を差し伸べ、握手した。
きた。
するとルオレは相沢の前に近づき、そして手を恐る恐る差し出して
けながら首を傾げた。響達には聞こえていなかったようだ。
そんな会話を見ていた響達は﹃
﹄と頭にクエスチョンマークを付
ルオレは驚いていた。此処にいる青年・相沢が実は自分と同じ存在
﹁ああ。憑友君が言った事は本当だよ﹂
?
!
?
1181
?
?
?
れ会えるよ﹂と言い返し、ルオレは笑みを浮かべながら憑友達の後を
追った。
そして一行はそのまま﹃元﹄二課で、現名﹃S.O.N.G.﹄の方
へと向かって行ったのであった⋮
1182
♪3 再会と﹃︹絶唱︺石板﹄前編
一 行 は 二 課 も と い S.O.N.G.の 移 動 本 部 で あ る 潜 水 艦 へ と
進入し、そして現在、憑友は先程八紘から受け取ったジュラルミン
ケースと、もう1つ別のジュラルミンケースを左手に提げ、右手はル
オレと手を繋いで司令室の方へと向かっていた。勿論、響達も同行中
である。
そしてドアが開くと其処には頭一つ飛び出た赤いや、ワインレッド
がトレードカラーのOTONAにして、響と憑友の師匠で、翼の叔父,
先程出会った八紘氏の弟,そして憑友の父・玄也の幼馴染の弦十郎と、
その隣には翼のマネージャーでSINOBIの緒川、そして響と憑友
の幼馴染で親友の未来が其処にいた。
勿論、藤堯や友里,牧藁と言った二課のスタッフも健在しているの
である。
1183
﹁人絆憑友。只今、長期の旅もとい﹃石板﹄探しの旅を終えてきました﹂
﹁まぁ、なにはともあれ。よく生きて帰ってくれた、憑友﹂
﹁ご無沙汰してます。弦十郎師匠﹂
そう言いながら憑友はケースを地面に置くと弦十郎と握手を交わ
した。そしてその様子を見た未来を見た憑友は面と面で向かい合う。
﹁ただいま。未来﹂
﹁おかえりなさい﹂
そう言いながら憑友は未来の頭を撫で、未来は憑友のいきなりの行
動に驚きつつも、顔は朱く染めていたのであった。
それを見た霊風は﹁コーヒー、コーヒー∼♪﹂と言いながら、翼達
にコーヒーを渡してそのまま皆と共にコーヒーを飲んだのであった。
因みに響は逆に不貞腐れているのは此処だけの話。
すると憑友は未来の頭に何かを通す。
すると未来は憑友に通された物を見て、驚いていた。
それは響達がギアを纏うために必要なアイテム⋮ギアペンダント
だったのだ
!
﹁これって⋮﹂
﹁お守り。如何してもと言う時に使って欲しいんだ﹂
﹁憑友⋮ありがとう﹂
それを聞いた未来は憑友にそう返事したのであった。
そしてルオレは此処に来て、未来に怯えてしまった。
﹂と言いながら、突然の出来事を難なくこなす弦十郎。
すると今度は憑友の元から離れて、何と弦十郎の肩に乗っかったの
だ
﹁おっと⋮
﹃︵⋮あんたやっぱり凄いわ⋮色んな意味で。︶﹄
﹂
憑友達は心の中でそう呟いていたのは言うまでも無い。
﹁この子は如何した
やる﹂
︶﹄
﹁すみません。突然の事で﹂
﹃︵信じちゃった⁉
︶﹄
﹁なぁに、心配するな。弟子の頼みとあらば、断る道理も無いしな
﹃︵おまけに壮大すぎた⁉
!
マリアの妹で憑友の義姉・セレナと、その彼氏もとい恋人の零の7
陽光聖希の5人と、
マリア・カデンツァヴァナ・イヴ,月読調,暁切歌,陰陽闇呪怨,陰
﹃元﹄F.I.S.のメンバー⋮
すると皆が入ってきたドアから7人の少年少女達が現れた。
⋮あんたやっぱりOTONAですね⋮弦十郎さん⋮。
大きさを目の当たりにしたのであった。
憑友と弦十郎の話を聞いた響達は改めて弦十郎の寛大な心の器の
?
﹂
﹁成る程な。⋮この子の面倒はお前が見れよ。金銭面は大人が務めて
嘘がバレバレになるのではと思っていた。
⋮︶﹄と呟いていた。響達は少女・ルオレの正体を聞いたので、憑友の
そ れ を 聞 い た 響 達 は 心 の 中 で﹃︵う わ ぁ ∼ ⋮ 出 鱈 目 過 ぎ る 嘘 だ ∼
しかも、両親はノイズによって⋮﹂
そしたら懐いてしまって。
﹁旅の最中に怪我をしていて、看病していたんです。
?
?
1184
!
!
人であった。
憑友はセレナをみるとすぐにセレナの元へと歩んだ。
﹁セレナ義姉さん。ただいま﹂
﹂
﹁おかえり。でも、連絡はちゃんとしてね﹂
﹁は、はい⋮﹂
﹁頑張れよ、義弟君
結構心に響く⋮
﹂
﹁あんたに義弟と言われたく無いし、義兄さんとも呼びたく無い
﹁うぐっ⋮
﹁そうか
﹂
遂に見つけました。俺が蘇るために必要な﹃英雄石板﹄を﹂
﹁弦十郎師匠。
たのか、2つのジュラルミンケースを手に持った。
﹂
そうしていると憑友は此処にいる全員の顔を見て、何かを思い出し
!
!
!
﹂
﹂
?
﹂
﹁可愛いデス⋮
﹂
!
せ、セレナ∼⁉
﹂///
?
以前の凛としたマリアからは想像もつかない程、彼女は感情が出や
のであった。
マリアの羞恥を見た一同。代表して響が﹁あはは⋮﹂と苦笑をした
そうしながらマリアはセレナに弄り回されていた。
﹁ちょっ⁉
﹁マリア姉さんは相変わらず初心ねぇ∼♪﹂
﹁わ、私はその⋮﹂
ロ状態であった。
そう言いながら切歌と調はルオレを見た後からこのようにメロメ
愛でたい⋮
﹁⋮撫でたい⋮
!
のままルオレと共に移動し始めた。
勿論、ルオレも一緒なのだが、ルオレは憑友に肩車をし、憑友はそ
それを聞いた一同はブリーフィングルームへと移動した。
﹁あ、はい
﹁⋮分かった。響君達もそれでいいな
ての︽シンフォギア︾装者と︽精魂導師︾と共に見て欲しいんです﹂
﹁ただ、此処では何ですので、ブリーフィングルームに、此処にいる全
!
!
1185
!
!
?
すくなっているだろう。
以前はクールとした態度だったマリアも、生き別れたセレナとの再
会以降からセレナに対しては非常に甘くなった。
それ故にセレナからいつも弄り回されていたのだった。
そのおかげか、今ではこんな羞恥を見せるマリアを度々目撃する事
もあるのだとか。
彼
女
彼
女
ただ、それはS.O.N.G.内と、憑友の実家内だけの話。
外 に 出 れ ば、マリア は 歌 姫 に な り、セレナ は そ れ を 支 え る マ ネ ー
ジャーに早変わりするのである。
と、話が逸れてしまったので、元に戻すとしよう。
そうしていると皆はブリーフィングルームに到着し、それぞれ自由
に席に着く。
座席は時計周りで、
憑友,響,未来,霊風,奏,翼,緒川,クリス,ロック,弦十郎,牧
読む。
⋮う、うん⋮﹂
﹁﹃槍の名を冠する﹃拳﹄﹄
﹃その者、ごく普通の少女だった。
だが、周りの人が死ぬ中で、唯一生き残る。
1186
藁,切歌,調,陰陽兄弟,零,セレナ,マリアとなっている。
すると憑友は皆に一纏めにした書類を配る。
そして憑友はカーテンを閉め、そして映像を流した。
﹁今、皆さんの手元に渡った書類は、俺が現世に蘇るために必要な﹃英
雄石板﹄が画像と共に記載されています。
其処に記載されているのは翼さんの証言により確定した石板です﹂
﹁これが、憑友を蘇らせる為の石板なのか﹂
﹂
﹁はい。では、響﹂
﹁は、はい⁉
﹁ふぇ
でくれ﹂
﹁1番最初の①の項目に書かれている石板の名称と、解読結果を読ん
?
憑友は響を指定し、響に書かれている内容を見ながら、解読結果を
?
そして2つの年が過ぎし頃、少女は戦士になった。
最初は何もできずに逃げてばかりの少女。
しかし、守るべき者の為に。
その身に宿りし欠片の力を使い、月の破片の落下を食い止めん。
その後起こりし事変にて、少女は死の危機に瀕するが、少女の親友
によりその危機は脱する。
そしてその身に再び槍を纏いて、喰らいし怪物を打ち倒す。
少女の想いはただ1つ⋮誰を守る﹃人助け﹄をする為に﹄
⋮これって⋮﹂
響が読み上げた文章を聞いた皆はその﹃石板﹄書かれている内容を
聞いて、思い当たる存在を知っていた。いや、もう目の前にいるのだ
から。それは響本人もそうだった。何せこの内容は間違いなく⋮
﹁そうだ。これは⋮﹃槍の名を冠する﹃拳﹄の軌跡﹄⋮
の事が書かれている﹃英雄石板﹄だ﹂
1187
響
"
⋮
"
﹃‼
⁉
から。
﹄
﹂と言いながら、席から立ち上がる。
﹁まさか⋮此処に有ったと言うのか
そして話を聞いていた翼は﹁まさか⋮⁉ ﹂と言う思考の元、他の
前まで存在してさえいなかったのにだ。
見したのだと。
そして話を聞く限り、憑友は此処で思い出に浸っていたら偶然、発
霊風の質問に憑友は﹁ええ﹂と答えた。
﹂
何故なら其処は、響が初めて︽ガングニール︾を纏った場所だった
響と翼,霊風,弦十郎と緒川,牧藁の6人は目を見開いていた。
その場所を見た一同は此処は何処なのかと首を傾げるが、
そう言うと背景に1つの風景が映った。
﹁そして、この﹃英雄石板﹄が発見された場所は此処です﹂
だが、それだけではなかった。
弦十郎に至っては﹁なんだと
その話を聞いた一同は目を見開く。
?
1つは槍の少女の力を受け継いだ少女との出会い。
そして2つの年に起きた身の回り。
だが、それは儚き夢へと追いやられる⋮
そしていつしか共に歌いもしだした。
槍の少女の生き様に少女は惚れた。
そんな彼女の元に現れた槍の少女。
そしてその身を人間ではなく、﹃剣﹄として鍛えあげてきた⋮
だが、少女の存在に父は少女を見ぬふりをしてきた。
﹃その者は少女で歌を歌うことが好きだった。
其処にはこう書かれていた。
﹃竜を滅する剣の軌跡﹄
立花の事が書かれていて、もしやと思ったら⋮やはり有った。
ーーーーーーSIDEto翼
書類にも目を通し始めた。それを見た一同も再び資料に目を通した。
?
もう1つは黒く染まりし、槍を使う女性との出会い。
1188
?
その2つの出来事を機に彼女の周りは変わる。
いや、変わったのは己自身。
いつしかその身が﹃剣﹄から﹃翼﹄になる事を信じて⋮﹄
⋮これは明らかに私自身の英雄譚。
神様は元から私が﹃英雄﹄だと知っていたのかもしれないな。
だが、まさか石板が発見された場所が、
﹃天羽々斬﹄の起動実験をし
た場に有ったとはな⋮
ーーーーーーSIDEto奏
私は1つの項目に目が止まった。
﹃2振りの槍の軌跡﹄
内容はこう書かれていた。
﹃その者,幼くして家族を雑音達により失った。
失った果てに得た撃槍の力。
しかし、その力の扱いは欠けていた。
そしてその身を死滅させる歌を歌うも、とある少年が身代わりとな
りて、九死に一生を得ん。
だが、その反動で歌を歌えなくなってしまう。
2つの年が過ぎし頃、彼女が助けた少女と彼女を助けてくれた少年
が現れん。
歓喜に浸るもすぐに絶望の渦へと放り込まれん。
それでも彼女は立ち上がる。
そして、長き旅に出会った1人の青年の力を授かり、再び戦場へと
降り立つ。
全ては守るべき者の為に⋮その2振りの槍を携えながら⋮﹄
どう考えても私の事だ。
それに最後の2行に至ってはオディナの事まで書かれていた。
そして見つけた場所は、かつて翼と歌ったあのライブ会場。
そのコンサートホールの下に埋められていたようだ。
其処はかつて、私が︽ガングニール︾を捨てた場所であり、
︽ネフシュタンの鎧︾が保管されていた場所だった。
1189
何気に思い出がある場所だと私はそう思った。
ーーーーーーSIDEtoクリス
あたしが見た項目⋮其処にはこう書かれていた。
﹃魔を穿つ弓の軌跡﹄
そして内容は⋮
﹃その者は少女であり、幼き頃に父と母を亡くす⋮
味わし傷跡は、簡単には癒えん。
そして少女は世界を憎む。
大切な者を奪ったこの世界に。
だが、其処で出会いしはその手で誰かと﹃手を繋ぐ﹄少女。
そして、その少女にとっての﹃陽だまり﹄たる存在。
2人と出会い、少女の運命は変わる⋮
そして自分の事を信じてくれる﹃剣﹄の先輩。
大切な者達と共に、
1190
少女は今日も人々を助ける為、
﹃銃﹄と言う概念になった魔を穿つ弓を携えん⋮﹄
⋮間違いねぇ⋮コレは私の事が書かれてやがる⋮
そして発見された場所はフィーネのアジト跡地。
フィーネと、そしてロック義兄と過ごした思い出深い場所だった。
ーーーーーーSIDEtoマリア
私が目を通した場所。其処にはこう書かれていた。
﹃銀の﹃腕﹄の軌跡﹄
内容はこう書かれていた。
﹃その者、小さき頃に大事な家族を助けられなかった。
だが、少女は挫けず。寧ろ世界を救う為に動き出す⋮
彼女が纏いし物は黒き﹃烈槍﹄。
の﹃腕﹄の名を持つ装備。
そして再び纏いしは少女の妹が使用していた﹃手﹄の特性を持つ銀
しかし、助けられなかった家族が所持していた力が奇跡を呼ぶ。
戦う術を失う少女⋮
しかしその力は、﹃擊槍﹄を使っていた少女がその身に纏った。
!
彼女は再び纏う⋮
その身に大切な者を守る者の為に⋮﹄
間違いなく私が体験した出来事だ。
尤も、内容は少し違っていた。
妹と言うのはおそらくセレナの事。
確かに助けに行こうとしたけど、出来なかった。
故に助けられなかったと言う解釈になるのだろうけど、
sofM
この文献ではセレナが死んだと言う意味合いが込められているか
のように感じた。
そして、その石板が発見された場所は、ライブ会場。
其処はかつて、私と翼が一緒にライブした﹃Queen
1191
usic﹄の会場でもあった。
本当に偶然にしては出来過ぎているかのようだった。
'
♪3 再会と﹃︹絶唱︺石板﹄後編
ーーーーーーSIDEto調
私が見た項目⋮
名称は﹃女神の加護を受けし﹃鋸﹄の軌跡﹄
女神の鋸⋮間違いない。シュルシャガナの事だ。
内容はこう書き記されていた。
﹃その少女は、常に﹃鎌﹄の少女と共に在りけり。
身に纏いし﹃鋸﹄でその小さき身体で雑音を切り刻む⋮
﹃手を繋ぐ﹄少女の事を﹃偽善﹄と呼び、険悪を見い出すも、その少女
の思いは生粋のようだった。
そんな中で、﹃鎌﹄の少女との仲が崩れ始めん。
結果的にそれは誤解を生んだ⋮生ませてしまった。
命尽き果てようとした時に現れんは﹃先史文明期の巫女﹄⋮
少女の体内に宿っていた魂だった。
その魂が少女を救い、
少女は後に﹃鎌﹄の少女と和解を果たさん。
そして彼女はその力で誰かの為に戦わん⋮
その隣には常に﹃鎌﹄の少女と共に⋮﹄
⋮これは完全に私の事だった。
しかも、大半が﹃鎌﹄の少女⋮切ちゃん絡みの内容だった。
確かに切ちゃんとは常に一緒にいるけど、此処まで書く事あるのか
な⋮
究所内だった。
ただ、写真の下には、
﹃※尚、項目⑤と⑥は同じ場所にて発見した﹄
と書かれていた。
そして私はすぐに項目⑥の方を見た。因みに項目⑤はシュルシャ
ガナです。
そこには﹃女神の加護受けし﹃鎌﹄の軌跡﹄と書かれていた。
1192
!
そして発見された場所は、私達が集められた元﹃F.I.S.﹄の研
?
鎌⋮イガリマの事
⋮じゃあ、切ちゃんに関係する事なのかな
ーーーーーーSIDEto切歌
で、デェ∼ス⋮。
⋮あ、どうも切歌デスよ
と、誰に言っているんだろう⋮。
まぁ、それは良いとしてですけど⋮
﹃女神の加護受けし﹃鎌﹄の軌跡﹄
⋮間違いなくイガリマの事デスね⋮はい。
﹁﹂じー⋮
⋮さっきから調にジト目をくらっているデス⋮⁉
デスよ
でも、めげないデスよ
さて、憑友義兄さんが解読したのを見て見るデス
何もしてない
1193
えっと⋮内容は⋮あ、ちゃんとふりがなふってくれてるデス
⋮もしかしてこれ、私だけの奴デスか
気遣いは有難いですけど、恥ずかしいデス
と、取り敢えず読んでみるですよ⋮
えっと⋮
ていた。
﹃先史文明の巫女﹄の力は、少女ではなく、隣にいた﹃鋸﹄の少女に宿っ
しかし、現実は違った。
それでも彼女は、隣にいる少女から自分との思い出を大切にした。
己が﹃先史文明の巫女﹄を宿しているのかと己自信を疑う少女。
だが、それは唐突に⋮それも亀裂を生み出した。
2人の仲は誰から見ても良いと言える⋮
少女の隣にはいつも﹃鋸﹄を扱う少女と共におらん。
﹃その者、魂を切り裂く﹃鎌﹄を所持する少女なり。
作︶※皆様にはふりがなを振っていません。ご了承下さい。
!
!
!
?
!
!
?
?
これ良く見たら、手書きデス
⋮あれ
?
マリアやセレナのには書かれていないデス⋮。
⋮あれ
?
誤解を生んだ自分⋮死にたいと感じた。
だが、その行為は、いつも側にいた少女が犠牲となりて、阻止をせ
ん。
絶望に浸る少女⋮しかし、奇跡は起きた。
自分の身代わりになった少女が生き残ったのだ⋮
﹄
もう2度と、大事な者を傷付けない為に⋮
偶然にしては出来過ぎてる⋮
そして︹アイギス︺の装者である私の9人。
﹃元﹄︹神 獣 鏡︺の未来ちゃん。
シェンショウジン
︹シュルシャガナ︺の調ちゃん。
︹イガリマ︺の切歌ちゃん。
︹アガートラーム︺のマリア姉さん。
︹ゲイジャルグ・ゲイボウ︺の奏さん。
︹イチイバル︺のクリスちゃん。
︹天羽々斬︺の翼ちゃん。
︹ガングニール︺の響ちゃん。
此処にいるのは、
しかも、項目は全部で9つ。
まさか自分の事が書かれている﹃英雄石板﹄と出会うなんて。
ーーーーーーSIDEtoセレナ
この石板に書いてある通り、私は二度と失ったりしないもんデス
あの出来事があったから、調とまた仲良くなれたんデス
⋮ぐすっ
泣きたくなってきたデェェェス
其れを踏まえながらも、少女はその子と共にいる事を誓う⋮
!
してるにしか思えなかった。
⋮さて、他の皆の石板の解読結果を見ている事だし、私も私の事を
書かれている石板を見てみないとね。
えっと、タイトルは⋮
﹃女神の﹃盾﹄の軌跡﹄
1194
!
けど、
﹃石板﹄の内容を見た限りだと、それがどうもみんなの事を指
!
!
!
!
⋮うん。︵その︶まんまだ。
内容は⋮
﹃その者は物心ついた時には既に家族は姉だけだった。
暴れる生きた聖遺物を前に、少女は、
﹃銀の腕﹄の力を宿した力でこ
れを止める。
しかし、代償として、その身体を内部から崩壊させた。
そんな彼女の所に駆けつけんは、少女の愛しき人。
彼は少女を助けた代わりに、自身を植物状態へと変化させられ、
少女はそれ以前までの記憶を失ってしまった⋮
そしてそんな少女の元に少年が駆けつけ、少女を救うきっかけを
作った。
時は流れ、少女は自分を救った少年とその家族の元ですくすくと成
長した。
ある日、少女の記憶は元に戻る。
1195
そして少女は、大事な家族の元へと向かう⋮
首に提げた﹃盾﹄の力と共に⋮﹄
間違いない。これは私の軌跡。
まさか、自分が﹃英雄﹄になるなんて⋮
そして発見された場所は、研究所跡地から数キロ先の場所。
其処は憑友が私を救った場所そのものだった。
ーーーーーーSIDEto未来
マークが無数に飛び交っている
みんなが、真剣にそれぞれの項目に目を通しています。
ただ、読み上げた響だけは頭から
けどね⋮。
やっぱり響は変わった子。
そして内容は⋮
﹃歪みし﹃鏡﹄の軌跡﹄
そして項目の最後に書かれていた﹃石板﹄に目を通した。
私は憑友に配られた書類に目を通した。
勿論、憑友の事もね。
だけど、私にとってはかけがえのない親友に代わりはないよ。
?
﹃その者は、皆から︹陽だまり︺と呼ばれる者なり。
隣には、自らが︹太陽︺のような明るい少女が側にいた。
だが、その少女との溝を作ってしまった⋮
そしてその間に出会いしは、︹雪のような髪︺を持つ少女だった。
雪髪の少女の言葉を聞いた少女は、後に太陽の少女と絆を取り戻さ
ん。
そして最後の最後まで、側にいた。
だが、それは長くは持たなかった。
太陽の少女の身体を蝕む︹撃槍︺の欠片。
少女はその抑止力になろうとするも、何も出来ず。
そして少女は闇に堕ちた⋮﹃歪みし﹃鏡﹄﹄の誘惑に。
少女は纏った⋮大事な存在が平和に暮らせる世界の為に。
だが、太陽の少女が前に立ち塞がる。
大切な親友を取り戻す為に。
憑友から手渡されたこのペンダント⋮。
1196
溝を生んでまで得た絆に亀裂が走る⋮
﹂
﹂
だが、
﹃歪みし﹃鏡﹄﹄の力を用いた事で、少女と太陽の少女が身に
纏う物は消え去った。隅々まで。
彼女に戦う力は無い。
だが、彼女の所に帰ってくる者は大勢いる。
故に彼女は見守る⋮
親友達が帰ってくる居場所で居続ける為に⋮﹄
これが、私の軌跡⋮
⋮やっぱり響の事も書かれていた。
それだけじゃ無い。クリスの事も書かれていた。
ねぇ⁉
敬えよ
クリスちゃん
⋮何だか、照れて来ちゃった。エヘヘ///
﹂
︶﹂﹂
クリス先輩、響
︵な、なんか寒気が
如何した
﹁﹁⁉
﹁
⋮な、何でも無いよ∼
あ、ああ⋮ってか、私はお前よりも年上だ
﹁ふぇ
﹁⁉
!
!
?
ふふっ。何だか良い事がおこりそうな予感⋮あ、そうだ。
!
?
?
?
?
!
?
見た目は響やクリス,翼さん達が所持しているシンフォギアのペン
ダントそのものだけど⋮これって一体⋮
ーーーーーーNO SIDE
魔導師
が刻まれている
が刻み込まれている﹃︹リリな
因みに現在分類化されている﹃英雄石板﹄は、
﹃︹絶唱︺石板﹄として分類化された。
今回の会議にて出された﹃英雄石板﹄は、
そうこうしている内に本日の会議はお開きとなった。
?
聖なる扉を目指す者達
なのはやヴィヴィオ等の
の︺石板﹄
ア カ ネ や ア オ ト 等、
﹃︹ディバゲ︺石板﹄
"
AIL︺石板﹄
士郎やセイバー等の
te/︺石板﹄
と向き
と関わった存在が居座る﹃︹fa
VRMMORPGでのデスゲーム
合った﹃︹SAO︺石板﹄等。
キリトやシノン等の
"
ツヴァイウイングの後を追う若き6人組バンド
そんな中、巷で噂が流れ込んでいた。
と言う噂が発
それから数ヶ月は何も起きず、日常を謳歌する事になった。
苦笑いを浮かべていたのであった。
その様子を見ていた緒川は﹁あはは⋮﹂と憑友達の考えている事に
だけを招集して、何かを話し込んでいた。
そして皆が部屋から出ていく中、憑友は︽精魂導師︾全員と、緒川
さて、話が逸れたので、戻すとしよう。
添えもあったおかげで、今では大半が分類されていた。
その際には、転生者︽リターナー︾であり、頼れる先輩・霊風の力
間に憑友は分類化してきた。
その他にも此処には全て書き記す事が出来ぬものの、この数ヶ月の
"
聖杯戦争
ナツやルーシィ等のギルドの紋章を持つ魔導士﹃︹FAIRY T
"
"
ソ ル ク フォ ク ス
"
1197
"
"
"
バンド名は、SRCHCS
生していた。
"
其れが今後の展開を大きく動き出していた。
ーーーーーーSIDEto
いよいよね⋮
⋮心苦しいわ﹂
﹁⋮そうだな﹂
﹂
召喚
の力。
サモン・クリスチャーノ。
私に宿りしは
ーーーーーーNO SIDE
さぁ、心構えは出来たか。
誰も予想しなかった展開を貴方に。
原
作
扉は開かれた⋮
i
f
私が犯した罪は、私自らの手で償わせるから。
私が犯した罪を貴方達に背負わせる訳には行かない。
スピリット姉さん,ホロウ姉さん,タマシイ姉さん。
ソウル兄さん,ライド兄さん,コア兄さん。
彼女の計画が起きれば、私が犯した禁忌が動き出してしまう。
彼女の起こそうとする計画⋮何としてでも死守しないといけない。
キャロル・マールス・ディーンハイム。
そうね⋮
何はともあれ、今は計画を止める事が最優先ですよ﹂
﹁まあまあ、落ち着いて下さいな。
﹁お前と言う奴は⋮
⋮また、貴方なの⋮セバスチャン。
﹁もう直ぐですね♪﹂
ならば、責任は全て私が請け負おう⋮
だけど、あの子達は私の想いを最優先した。
本当はあの子達に、自分達の幼馴染を傷付けて欲しく無い。
???
今こそ此処に蘇れ⋮﹃英雄﹄達よ
"
る⋮
オリジナルを逸脱したラストが待ち構える創作が、君を待ち構えてい
!
1198
!
此処から本格的な戦いが幕を上げる。
!
"
戦姫絶唱シンフォギアGX
ア ル ケ ミッ ク カ ル ト
∼とある戦士の物語∼
ヴァーサス
勃 発、魔法少女事変編
1199
始動
!
♪4 Δウイング/ SRCHCS
先の石板の件から数ヶ月。
レ ジェ ン ド
今ではノイズの脅威も去り、先の大戦⋮
︽亜空伝説事変︾の傷跡も有る中でも、人々は活気に満ち溢れていた。
其れは此処⋮私立リディアン音楽院︵通称リディアン︶でも同様に
見られていた。
もうじき夏休みに差し掛かろうとしているその中、
1人、淡々とリディアンに通学する1人の少女がいた。
雪のような白く透き通る髪を持つ少女⋮雪音クリスは今日もまた
1人、リディアンへと通っていた。
昨年度までは義理の兄である蒼のセミロングヘアの青年⋮ロック・
アイル・ユキネと共に登下校を繰り返していたが、年度末の卒業式に
て先輩であり、仲間である少女・風鳴翼と共に卒業したのであった。
憑友と響と未来は幼馴染だ。
1200
彼がリディアンに通っていたのは僅か10ヶ月も満たないものの、
其れでも学力は常にトップ圏内に入る実力を持っており、
全国一斉の学力検査ではなんと10位以内に入る実力まで示して
しまったのだ。
それ故に、あっと言う間に卒業してしまったのであった。
﹂と後ろから男の声が聞こえて来たので、振り返ると、
さて、そんな中でもクリスはただ1人、学校に行こうとしていると
﹁クリス先輩
﹂
バカ
﹁おめぇだけだよな。まともなのは﹂
﹁
﹁⋮わりぃ。こっちの話だ。
﹂
?
それに対して憑友は苦笑いしかしなかった。
そう言いながら話の内容を変えるクリス。
がここ最近はそういうのが無くなって来たな
あの響と未来と一緒に来る筈のおめぇ
あいつ
で今は仲間である憑友が手を振りながらやって来た。
そこにはリディアンの男性用夏服を着ていた少年にして、かつての敵
!
それよりも如何したんだ
?
?
いつもはその仲の良さを見せつけるかのようにやって来る3人組
なのだ。
その光景はちょっと色々と危ない光景︵恋愛方向での︶を過ぎらせ
ていたりするのである。
それは彼等の部屋に赴いても例外ではないのである。
まぁ、尤もその部屋に憑友は無理やり入れられた感じになっていた
事を後に気づき、それを起こした元凶︵=憑友の父︶にガツンと一喝
したのは此処だけの話。
しかし、ここ最近の憑友はそんな響と未来と一緒に下校する事はあ
るけれど、登校している姿を見かけなくなっていた。
すると憑友は周りをキョロキョロと伺うとそのままクリスに耳打
ちをした。
なんで
﹂
﹁あの2人とは今、別居中なんですよ﹂
﹁はぁ
まった。
それを見たクリスは、頭の上に
?
∼∼∼っ‼
///﹂
?
そうしていると⋮
﹁ク∼リスちゃ∼∼∼ん
憑友∼∼∼‼
﹂
?
﹁ぎゃふんっ⁉
﹂
ンを勢いよくそのままやって来た存在⋮響にぶつけた。
予想していたのか、2人は同時に溜め息を零すと共に、手提げカバ
と、噂をすれば何とやら⋮。
!
お情けを貰ったのは言うまでも無かった。
そしてしばし放心状態にしていると、すぐに我に戻ったクリスから
あった。
突然のカミングアウトで、クリスまで真っ赤にしてしまったので
﹁⋮⁉
﹁⋮彼奴らから、童○を奪われるんじゃないかと思って﹂///
マークを付けて首を傾げる。
その真意を聞こうとすると、突然憑友の顔が真っ赤に染まってし
なんと、憑友は今、2人から身を離していた。
?
?
1201
?
?
そのままもろに受ける響。
それを見ていた親友の未来と、いつの間にか来ていた調と切歌、陰
陽兄弟が驚いていたのであった。
﹁お前な⋮。
・
﹂
此 処 で い ち ゃ つ く よ う な 性 格 じ ゃ な い 事 ぐ ら い お 前 が 一 番 よ く
・
知ってるだろうが。それに、クリス先輩な
こ
い
つ
ら
﹁そうだ。私はお前よりも年上で学校では先輩
﹁えへへ⋮﹂
﹂
﹁反省の顔色無しと見た⋮
﹁うぐっ⋮
﹂
調と切歌,陰陽兄弟の前で示しつかねぇじゃねぇかよ﹂
!
?
﹂と言いながら手提
!
﹂
﹂
そう言うなりなんとルオレはそのまま憑友に抱きついたのだ
﹁ア、ツクモ⋮
﹁る、ルオレ
憑友達はそのまま門の方へ向かうとそこにはなんとルオレがいた。
た。
そんな話をしていると、リディアンの門の前がやけにざわついてい
げカバンで天誅を下したのは言うまでも無かった。
たので、クリスは響に﹁そういう事は家でやれ
その理由を聞いていたら、いつの間にか未来が響といちゃつき始め
を見た響と未来。
そうしていると調と切歌がこんな真夏の中でも手を握っていたの
!
﹁しゃあないか。
そのまま肩車した。
それを聞いた憑友は頭を掻きながらも、その理由を聞いたルオレを
テ⋮﹂
ダケド、ヒトリボッチハイヤダッタ。マタヒトリニナルノ、コワク
﹁ゴメンナサイ。
﹁家でお留守番しないといけないじゃないか﹂
如何でも良い話。
それを見た皆んなから黄色い歓声が上がって来たのだが、この際は
!
!
1202
!
先生に事情を説明するか﹂
﹁でも、如何やって
先生達もそれぞれの事情があるから、無理には出来ないよ
しくして欲しい。
﹂
ルオレ⋮出来るか
﹁ウン
﹂
﹁んじゃあ決まりだな。
私も説明してやるから、行くぞ﹂
﹁ありがとうございます。クリス先輩﹂
﹁へっ。後輩を導くのも先輩としての務めだからな
﹂
響達には御免だけど、ルオレの事頼んだぜ ﹂と言って、足早に空
憑友曰く﹁この後、親父の絶対命令で、ロンドンまで行かないと。
た。
そして下校の時間となったのだが、そこに憑友はいなかったのだっ
食らっているのは相変わらずなのであった。
その度に、憑友の空手チョップと、担当先生の説教という名の雷を
以外は。
因みに響は相変わらず授業中、居眠りばかりしたのであった。体育
健体育等は例外なので、それを受ける事にした。
因みに憑友は既に2年次の分の授業内容分は既に終えているが、保
し、今日1日ルオレの面倒を見つつ、学校の授業を受けたのであった。
その後は、クリスと共に事情を話した憑友。先生達は意外にも了承
そう言いながら、一行は登校したのであった。
﹂
﹁基本的にルオレには俺か響か未来と一緒にいながら、今日1日大人
たままこう言った。
そう言った憑友に未来がそう指摘すると、憑友はルオレの頭を撫で
?
?
?
そして夜になった。
まったのであった⋮
そうしていると、陰陽兄弟の方も憑友と同じ道へと走り去ってし
港の方へと向かって行ってしまったのであった⋮
!
1203
!
!
響達はと言うと、響達のクラスメイトで親友の創世,弓美,詩織も
含めたメンバーで、何故かクリスとロックの部屋へとやって来てい
た。
クリスが﹁なんで、家なんだよ⋮ ﹂と言う怒気を孕んだ声を上げ
そこには、
そうしていると、皆はテレビを見た。
座って、お菓子を食べていた。
一方、ルオレは今日初めて会ったばかりの詩織の膝上にちょこんと
るも、後輩達の言い分を聞いて、半ば呆れていたのであった。
!
星天ギャラクシィクロス
﹄
﹃Δウイング︵Tubasa&Maria&Kanade︶
とタイトルが現れた⋮
"
ツヴァイウイング
の2人と、
世界の歌姫
"
マリア・カデン
そう、響達は今日⋮新たな夢へと向かっていく自分達の仲間、翼と
奏の
"
"
とクリスの部屋に押しかけたのだった。
そうしていると、ライブが始まった⋮
が消えた⋮
s
﹃ladie
irl
s & gentleman. boy
!
'
s & g
するとバックステージから、1人の男の映像が流れてきた。
よく見ると、奏とマリアも同じ様だった。
そんなサプライズは聞いた事がないと思った翼。
!
すると3人に当てられていたスポットライト以外のすべての照明
無事に歌い終わった3人はそのまま手を振っていた。
一方、此処はそんなΔウイングがライブを行っている会場。
ーーーーーー
であった。
3人のシンフォニーが会場の雰囲気を一瞬で我が物へと変えたの
︵挿入歌﹃星天ギャラクシィクロス﹄水樹奈々,日笠陽子,高山みなみ︶
!
ツァヴァナ・イヴとのユニット・Δウイングの初ライブを観戦しよう
"
'
この度は風鳴翼,天羽奏,マリア・カデンツァヴァナ・イヴのユニッ
'
1204
!
"
ト・Δウイングのライブを着てくれて。
そしてこのライブを見てくれているお茶の間の皆、誠に
thank you so mach
ぜ
COMEON
ソ ル ク フォ ク ス
﹁
﹁
﹁
﹁
"
"
"
光の鎖の顕現者
﹄
s⋮
アビス・ソウル﹂
﹂
﹂
ホロウ・インパクト
タマシイ・ザ・シャイン
﹄
﹂
コア・ダークネス﹂
バーニング・ライド
闇を掛ける執行人
燃え盛る炎の魂
ソ ル ク フォ ク ス
!
情熱クールの矛盾野郎
ハリケーン・スピリット
"
﹄
﹂﹂
だが、2人は同じタイミングで喋った⋮
⁉
﹁﹁憑友の仮面
﹃‼
?
!
そんな2人の表情を見た皆は首を傾げた。
に、濡れてしまったのであった。
いたオレンジジュースを吹きこぼし、それを創世が何もしてないの
それと同時にお茶の間の響はその仮面を見た瞬間に飲もうとして
いていた。
そんな中で、翼はバーニング・ライドと名乗った者の仮面を見て、驚
た⋮
そう言いながら、6人は華麗に決め、観客達の勢いが激しさを増し
SRCHCSだ‼
﹂
そしてそこから6人のメンバーが、仮面を被って現れた
れた
その一言を言うと突然、赤・青・緑・黄色・紫・銀色の光の柱が現
SRCHCSーーーーーー
日本の若き6band
3人の新たな夢へ目指す中、この者達がお祝いに駆けつけてくれた
!
'
!
!
!
魅惑のスゥィートボイス
﹁
"
荒ぶる兄貴分
﹁
"
﹃日本から生まれたシックスバンド⋮
"
"
"
"
"
?
!
!
!
?
1205
!
!
!
"
それはかつて、憑友が響と再会する前まで使用していた⋮
自分の身を隠すための仮面だったのだ
そうしていると音楽が流れ出す
そしてライドは手に持っていたマイクをスピリットに投げ渡す
!
渡した
﹄
﹃アニキーーーーーー‼
此処からは俺達のステージだ
﹁行くぞ
﹂
それと同時に、スピリットも肩に掛けていたギターをライドに投げ
!
!
﹄
その荒ぶる歌声で、会場を一瞬にして掌握した⋮
げ渡す
﹃きゃゃぁぁぁ
ソウル様∼∼∼♡♡♡﹄
﹄宮野真守︶
そういうと今度はソウルが歌を歌い始めた
︵挿入歌﹃BREAK IT
﹂
?
﹄
熱くなろうぜ
﹂
今度はソウルに投げ渡し、共にキャッチした
﹁最後は俺のライブだ
﹃ライドーーーーーー‼
!
!
!
た
︵挿入歌﹃XY&Z﹄full ver. 松本梨香︶
そうして歌を歌い終わると、観客の声援がヒートアップした
そしてそれをライドが宥めると、そのまま手に持っていたマイクを
!
そう言うとライドは周囲の熱狂に応えるかのように、歌を歌い始め
?
!
それと同時に、ライドはスピリットから投げ渡されていたギターを
そうして歌い終わると、ソウルはマイクをライドに投げ渡す⋮
!
!
﹁次は俺の出番だ。準備は良いか⋮可愛い子猫ちゃん達
そしてそのまま両者は綺麗にキャッチした。
!
それに気付いたソウルは肩に掛けていたベースをスピリットに投
!
そして歌い終わると、今度はそのマイクをソウルに向けて投げ渡す
!
︵挿入歌﹃DOUBLE│DEAL﹄T.M.revolution︶
そういうとスピリットが歌を歌い始めた
﹂﹃イェーイ
﹁行くぞーーーーーー‼
?
!
1206
!
!
?
!
!
!
!
ゲリラライブ
楽しんでくれたか⁉
﹂
?
の2人と、
世界の歌姫
ツヴァイウ
マリア・カデンツァヴァナ・イヴ
此度は、俺達よりも前に日本で大活躍したユニット・
"
使って話し始めた。
﹄
﹁今回は俺達の
﹃イェーイ
"
﹁OK、良く分かった
!
"
ゲリラライブ
を仕掛けてい
"
ぜ。
﹂
その他の世界でも今回を皮切りに
﹄
くから、宜しく
﹃イェーイ
!
少女がやってきた。
﹁お疲れ様。マリアさん﹂
﹁今からはプライベートだから、姉さんと呼んでも良いのに
﹂
﹁ふふっ。それもそうね♪マリア姉さん♪﹂
﹁ちょっ、いきなり⁉
﹁うふふ♪﹂
﹂
﹂
?
姉としての威厳は何処行った⋮。頑張れ、マリア⋮。
だが、セレナに弄られまくっている。そんなので、大丈夫なのか
ここ最近のマリアは活気に満ち溢れていた。
マリアの実の妹であり、同時にマリアのマネージャーでもある。
少女の名はセレナ・カデンツァヴァナ・イヴ。
﹁せ、セレナ∼∼⁉
?
こ
の
事
襲
?
﹁ううん。私も知らなかった。まぁ、ゲリラと呼ばれるくらいだから、
奇
﹁セレナはゲリラライブは知っていたの
﹂
そうしながらマリアは先程のライブについて、セレナと話し合う。
?
マリアは一足先に控え室に戻ろうとしていると、1人のスーツ姿の
そして舞台が終わった3人。
ーーーーーー
た。
そう言うと、今回のライブは凄まじいサプライズと共に幕を下ろし
!
"
のライブを盛り上げようと、何の予告も無しのサプライズを計画した
イング
"
!
"
?
1207
"
知っていたら水の泡だしね﹂
﹁それもそうね⋮
でも、あの子達は一体⋮﹂
そう深く悩みながら歩んで行くと、突然、風が吹いたのだ。
﹂
だが、此処は出口よりもまだ遠い屋内。こんな場所まで風が来るの
﹂﹁誰かいるの
は可笑しかった。
﹁風⁉
た。
ーーーーーーSIDEto
例え、憑友が敵として俺達の前に立ちはだかろうとも⋮
俺には新しい力を得たんだ。
!
﹂と、クリスに言われ、今の自分の事を考えて行動し直したのであっ
響はその存在を見て、何かを感じ取ろうとしたが、﹁何やってんだ
の男が立っていた。
其処には、氷のような冷気を帯びた水色の髪を一纏めに結った仮面
すると響は何かを見つけたのか、足を止めた。
そして現場へと向かう響とクリス。
調達も行こうとしたが、クリスに止められてしまったのであった⋮
その情報を聞いた響とクリスは現場へと向かう。
その飛び火が近くの建物を巻き込み、火災が発生したのであった。
突然、燃料を積んだトラックが襲撃に遭い、炎上した。
響達のいる日本にも影響が発生していた。
一方、その頃。
ーーーーーー
と、右手に剣を携えて立っていた。
そして2人がいた場所には1人の女性がフラメンコのような体勢
すると2人はそのままジャンプで後退した。
る
2人は叫ぶと、其処から声がしだして来て、2人に何かが襲いかか
?
さぁ⋮行くか。
!
1208
!
⋮俺はもう2度と彼奴を⋮憑友を失わせる訳にはいかない⋮
???
!
ーアヤカシ
俺達の⋮
フォーム、ヤコウ
ー
ー
!
!
僕が切り裂く
1209
ー百鬼よ、凍てつけ
⋮戦いの幕開けだ。
!
!
♪5 自動人形︽オートスコアラー︾/雷の精魂導師
場所:イギリス・ロンドン﹃Δウイングライブ会場裏﹄
マリアとセレナの2人の前に1人の女性が剣を携え、そしてフラメ
ンコのような体勢で立っていた。
﹂と私情な
するとフラメンコの女性がマリアに向けて﹁纏うべきシンフォギア
を纏えないお前に用は無い﹂と言い出した。
それを聞いたセレナが﹁マリア姉さんを侮辱しないで
がらもマリアの為に怒ってくれた。
だが、女性はセレナに対して﹁対して貴方は守る事に拘り過ぎてる。
後ろからやられたら、ひとたまりも無いでしょうね﹂と言った次の瞬
間だった⋮
ガキィィン
セレナ達の真後ろを誰かが庇った⋮
﹁奏
いた
﹂
見せていた。
﹁今迄何処を歩いていたのですか
・
王様
﹂
?
・
すると先程の女性は奏と相対している男性を見ると、不敵な笑みを
そう感じていた。
まるで、心が無い⋮人形みたいだ︶﹂
﹁︵何なんだ、こいつは⋮
そう言いながら、奏は目の前の男を見て、違和感を感じた。
﹁嫌な予感がして来てみれば、あんまりじゃねえかよ⋮
﹂
イ・ボウ﹄のシンフォギアを纏った奏が、槍同士で鍔迫り合いをして
そこには1人の男性と、自分達の仲間にして、
﹃ゲイ・ジャルク,ゲ
!
!
!
﹁流石、部下想いな王様ですわね♪﹂
我が臣下にして、
﹃剣﹄と﹃風﹄を司るお前が危うかっただけの事よ﹂
﹁ふっ。この我自ら、槍を携えてやって来たのだ。
オレ
話し始めた。
その一言で、三人は目を見開く。すると今迄黙っていた男⋮王様が
?
1210
!
!
!
﹁そう言いたい所だが、お主も隙を作れば命を落としかねんぞ﹂
そう言われた女性が後ろから気配を感じたのか、振り向くと同時
に、そこから2振りの剣が目の前まで迫ってきていた⋮
それをすかさず自分の所持する剣で相殺した。
すると剣が真っ二つに折れたと同時に、霞のように消え去った⋮
﹁
﹂
皆んな⁉
﹂
﹂
それに⋮霊風
それに⋮憑友
﹁ロック⁉
﹁零
﹂
するとメンバー全員の仮面が剥がれる⋮
その話を聞いた3人は目を見開く。
﹁え
﹁来おったか、﹃英雄を導く導師﹄共﹂
CSがやって来た。
すると其処から先程のゲリラライブを生み出したチーム・SRCH
!
!
︽精魂導師︾の皆だった
力を扱える者⋮
何と先程のライブで登場したのは、自分達の仲間で、
﹃英雄石板﹄の
!
すると霊風が開口一番にこう告げた⋮
﹂
﹁自動人形⋮︽オートスコアラー︾だな⋮
﹁オート⋮﹂﹁スコアラー
﹁︽オートスコアラー︾
!
⋮と、足音が聞こえてきた。
その様子を見た翼達は警戒し始める⋮
がいた。
そして現れたのは、
︽オートスコアラー︾とはまた違う⋮1人の人間
!
すると自動人形達がそう言うと、彼等の後ろから、とてっ⋮とてっ
オートスコアラー
﹁これは⋮﹂﹁ふん。漸くか﹂
そうしていると突然、屋内にも関わらず、雷の音が聞こえてきた。
⋮霊風が言った事が本当なら⋮﹂
﹂
それと同時に翼も変身を終え、漸く皆の所に駆け付けた。
!
?
1211
?
!
?
!
?
!
﹁⋮﹂
・
・
・
荒々しい稲妻の髪型、全身に雷のマークをあしらった服装を身に
・
纏った青年が其処にいた。
﹂
﹁待ち兼ねたぞ。雷の魔術法師﹂
﹁雷の⋮魔術法師
﹂
すると青年は﹁はぁ⋮﹂と溜め息を零した。
﹁何で俺なんかねぇ⋮イラつく
それは、︽精魂導師︾に必要なアイテム⋮
︽マルチアブソーバー︾だったのだ
﹁行くぞ⋮﹂
ーアンデッド
フォーム、ボルテクス
ー
そう言うと青年は︽精魂導師︾の変身プロセスを行う⋮
!
雷鳴、轟く
ー
!
すると青年のアブソーバーから雷のマークをあしらった装備一式
!
!
それを見た︽精魂導師︾一同とシンフォギア装者は目を開いた。
そう言うと青年は懐からある物を取り出した。
﹁俺は下種では無いぞ、傲慢王﹂
﹁足掻いて見せろ、下種﹂
その一睨みで、ヤバい奴だと言う事が。
それを見た一同は一斉に戦闘態勢を構える。
すると目が合った瞬間に、一同にイナズマが走った⋮
!
を纏った戦士の魂が現れ、それを青年が纏った
ー神の裁き
!
︽雷魂導師︾アンデッドが其処にいた。
﹂
皆が一気に警戒する中、アンデッドは突然、こう呟いた。
﹁今頃、日本では火災が起きてる頃合いだなぁ
それと同時に、仲間の1人であるクリスの身が危ない事を思い出し
ている事を。
かつて前世で得た記憶でこの状況と同時に、日本では火災が発生し
それを聞いた霊風は頭の思考をフルに働かせた。
?
1212
!
?
!
そして現れたのは雷の力を宿した︽精魂導師︾⋮
!
た。
﹁ロック
憑友と共に日本に戻れ
﹁分かった
﹁ああ。
憑友
﹂
﹂
!
SRCHCSのリーダーに言われちゃ、やってやりますか
頼みましたよ、霊風先輩
!
そう言うと憑友はロックの隣に立つ。
﹁応よ
﹂
霊風はロックに指示する。
!
﹂
を使って、日本へと
"
つ⋮
その瞬間に2人はロックの技の一つ
影這い
"
急行した。
影さえあれば、何処へでも行ける
影這い
すると光聖希が光の玉︽フォトン・ボール︾を発生させて、光を放
!
!
!
﹁お前達の相手は俺達だ
﹁⋮﹂ピッピッ
﹂
それを見た光聖希がすかさず鎖で攻撃を仕掛ける⋮
するとアンデッドは挑発を仕掛けた
!
ばす
︽ライトニングスタッフ︾から魔弾を構成させ、鎖の攻撃を全て弾き飛
だが、その攻撃をアンデッドはメインウェポンである杖型の武器
!
せ、︽オートスコアラー︾2人と、アンデッドを相対した。
そして、2人が日本に向かったと同時に皆は直ぐに変身を完了さ
霊風はそうなる前に、ロックに指示させたのであった。
違いなくそっちの方へと行く妹想いの存在だ。
ロックはクリスの義理の兄だ。クリスの身が危ないと感じたら、間
今回は憑友を連れてロックは日本へと急行した。
ているのである。
但し、一度に運べるのは発動者を除いて1人まで。運用性には欠け
ると言う優れ物である。
光が無い場所が大きければ大きい程、その場所まで瞬時に行けられ
そしてそれは夜で真価を発揮する技でもあった。
"
"
!
!
1213
!
!
!
その直ぐ様に闇呪怨の鎌攻撃が襲い掛かる⋮
だが、今度はその杖で防御し、そのまま受け流した
﹂
!
!
するとアンデッドは腰から1冊の本を取り出した。
天翔る雷よ。
俗に言う⋮︽魔導書︾である。
﹁
今我の願いを聞き入れてくれるならば⋮
ボルテック・リバー
その雷を川のように流れ給え⋮
!"
﹂
風鳴る刃、輪を結び、火翼を以って、斬り荒ぶ。
‼
!
そして2人はそのまま横に回避するとその後方から翼と、後ろから
た。
マシュの力を纏った零のディフェンスコンビネーションで受け止め
だが、その攻撃は﹃アイギス﹄を既に纏っていたセレナと、
﹃英雄﹄
と、其処から雷の光線が放たれたのだ⋮まるで川の流れのように。
するとアンデッドの杖に大量の雷が迸り、そのまま霊風達に向ける
!"
霊風と奏が槍を携えて追撃するフォーメーションを構えていた
﹁
月よ煌めけ
?
風輪火斬 月煌
‼
﹂
荒ぶる風は、やがて火力を得て、灼熱の熱風とならん
そしてすかさず連続突きを仕掛けていく⋮
そして霊風は一気にアンデッドの懐に忍びこむ
けた
そう言うと翼はそのまま剣を持っていた女性目掛けて攻撃を仕掛
"
熱波、千烈槍
?
﹁
唸れ
"
"
!
!
"
!
その力で生み出した新たな技
舞いさせた
熱波千烈槍
をアンデッドにお見
"
名乗った者に2つの槍を同時に上空に投げた
降らせた
!
すると其処から2つの槍が無数の槍に変化し、そのまま雨のように
!
それと同時に奏がもう一体の︽オートスコアラー︾で自らを﹃王﹄と
!
"
霊風が﹃亜空伝説事変﹄の際に得た新たな風の力︽熱風︾
!"
1214
"
"
"
"
"
METEOR∞STAR∞RAIN
た。
その様子を見たマリアが﹁やり過ぎだ
﹂
﹂
処にいるマリア以外が全員首を横に振った。
﹁やり過ぎなものか⋮
手合わせして分かった⋮
﹁こいつらはヤバいぐらいに⋮化け物だ
﹁ふん。こんな程度で殺られる我では無いわ
﹂
﹂
!
身震いした。
人形である彼等でさえ、たじろぐ威圧感⋮
アンデッド⋮本気でヤバいのであった。
するとアンデッドは右手を前に左手を後ろに構えて挑発した
﹁かかって来いよ︽精魂導師︾。
お前等の相手は俺1人で充分だ﹂
そう言うとアンデッドは懐からある物を取り出した。
た。
﹁⁉
﹂
そう言いながら、アンデッドはそのアブソーバーを左腕にセット済
﹁そんな程度で驚かれると今からなる状態だと発狂し兼ねないな⋮﹂
アブソーバーが⋮もう1つだと
それはかなり薄いが、間違いなく︽マルチアブソーバー︾その物だっ
!
するとその雄叫びを聞いた2人も含め、今この場にいる皆が一斉に
﹁邪魔は貴様らだ。小童が
﹁邪魔をするか、下種の分際で
だが、そんな2人をアンデッドが制した。
そう言って、2人の︽オートスコアラー︾が戦闘を始めようとした。
こんな所で殺られてあげる訳には行きませんもの﹂
﹁王様の言う通りですね。
そんなショボい歌⋮宴を挙げる曲としては最低すぎる曲だな﹂
!
そう言うと同時に、コンテナから3人が姿を現した⋮無傷で。
!
!
﹁そして、7人目の︽精魂導師︾も⋮最早チートクラスだ
﹂
﹂と言うが、3人は愚か、此
その攻撃を受けた3人はそのまま近くの小型コンテナにぶつかっ
"
!
!
!
!
1215
"
?
みのアブソーバーの横にセットした。
其処には2枚のカードをセットできる形となったアブソーバーが
存在した。
その姿は例えて言うなら⋮折り畳めば○DSその物であるかのよ
うだった。
﹁﹃英雄﹄の数だけ、その組み合わせが存在する。
﹂
1216
さぁ、かかって来いよ。
此処から先は俺のサンダーショータイムだ
!
♪6 奇跡の殺戮者/氷の精魂導師
﹂
一方、響とクリス達がいる日本では1人の少女が一生懸命に走って
いた。何かを抱えながら。
その様子を見ていた女性と少女がいた。
姿はまるでカジノのディーラーのような格好をした女性と、
﹂
流石、レイアお姉さま∼♡﹂
バレリーナ衣装の少女が其処にいた。
﹁あぁん
﹁私に地味は似合わない⋮
﹁そのクールさがまたエクセレントですわ∼♡
︵ああ⋮もう、ゾクゾクしてきましたよ∼♡
このクールなレイアお姉さまと♡
﹂
母性溢れるファラお姉さまがイチャイチャして∼♡グフフ⋮
﹁⋮何を言ってるんだ、シィバ
﹁なんでもありませんわ∼♡﹂
⋮訂正。
このバレリーナ衣装の少女・シィバは百合好きの腐女子でした⋮
⋮なんでさ
そんな彼等の様子を1人の仮面を着けた者が遠くから火災現場と
共に見ていた。
﹁︵これが、俺が決めた事。
悔いは⋮無いとは言えないか。
だが、この力さえあれば、俺は今後、彼奴をずっと守ってやれる⋮
︶﹂
入ってきた。
﹃シンフォギア装者が救助活動を開始した。
救助者の数を教えてくれ﹄
﹁現在、20。内1人が階段内にいる。
全員救助次第やってくれ。合図を送るまで待機﹂
﹃了解した﹄
1217
?
!
!
!
仮面を着けた者はそう心の中で呟いていると、インカムから連絡が
!
すると通信が切れた。
﹁さて⋮此処から楽しみだな⋮ん
﹂
するとインカムからまた通信が来たので、何があったのかと思い、
連絡すると先程の人物とは違った男の声が聞こえた。
・
﹃そっちにコードネーム︽炎魂︾及び︽水魂︾が向かっている。
・
到着は約1分だ。
それと同時に、アレの使用を許可する。
頼んだぞ、ボーン。アヤカシ﹄
﹁﹃了解﹄﹂
そう言うと通信が切れた。
﹁⋮暴れるとしようかね⋮砂漠の暴君さんよ﹂
そう言いながら仮面の者は地面に向かってそう呟いた。
ーーーーーー
途中でヘリに乗った響とクリスは現在の被害状況を弦十郎から話
を聞き、目的地の火災現場の真上に到着するなり、響はヘリのドアを
開けた。
﹂
﹁任せたぞ﹂
﹁任された
すると響は歌った⋮助ける為に纏う⋮︽シンフォギア︾の﹃聖詠﹄を
⋮
n⋮﹂
そして響は﹃ガングニール﹄のシンフォギアを纏った⋮
そして響はそのまま友里の指示にしながら、取り残された人達の避
える。
すると、シンフォギアのインカムを通して、友里が現場の状況を伝
そして響はそのまま火災現場であるマンションへと突入した。
︵挿入歌﹃限界突破 G│beat﹄悠木碧︶
いた。
其処には1年前の姿とは思えない程、成長を遂げた響の姿が其処に
!
1218
?
そう言うと響はヘリから降りた⋮救命道具も無しで。
!
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
難及び救助に勤しんでいた⋮
ーーーーーー
が日本に到着した。
すると憑友は通信を行った。繋げた相手は⋮
憑友です
!
﹄
﹃如何した⁉
俺です
﹁弦十郎師匠
﹂
指示を願います
先程のライブ会場にいた青年・人絆憑友とロック・アイル・ユキネ
なっている影から2人の青年が現れた。
響がマンションに突入したと同時に、とあるマンションの死角と
!
現在、ロックと共に被害現場のすぐ近くにいます
!
彼等の上司にして心強いOTONA⋮風鳴弦十郎だった。
すると弦十郎は2人に事情を説明した。
﹃現在、響君がマンションに残されている住民の避難誘導にあたって
いる。もう間もなく完了する。
!
クリス君の方は被害状況を通達するように執り行っている。
ロックはそのままクリス君の元へ向かってくれ
﹄
﹂
憑友は響君の方を
﹁委細承知﹂﹁了解
!
﹂
のよ∼
︵はぁ∼⋮面倒くさい⋮
マ ス ター
﹁勿論ですよ∼♪ガリィちゃんはこれからお仕事をしないといけない
ね
﹁ガリィ。任務を遂行する為に、私は貴方の護衛をすれば良いのです
冑を纏った女性の2人だった。
その様子を遠くから見ていたのは、ゴスロリ衣装の少女と、騎士甲
そう言うと2人は頷くとそのまま双方の方へと向かって行った。
!
うの
︶﹂
幾ら﹃聖杯﹄のアルカナである私だからって、ご主人酷すぎだっつ
?
そう2人が会話をしていると、火災が起きたマンションの屋上から
顔に﹃面倒くさい﹄って、書かれている事に⋮。︶﹂
﹁⋮︵何も言わなくても良いですよね⋮。
!
1219
?
!
!
!
?
何かが出てきた⋮
それは、取り残された最後の救助者を助けた響だった。
﹁あれが⋮︽シンフォギア︾。
私達はさっさと行動しましょう♪
マスターの最優先対象⋮ですか﹂
﹁そんな所ね。さっ
インヨウ
氷刃・刹華斬
﹂
陰陽抜刀術⋮1の型。
﹁
ジャキィン‼
ガチャッ⋮
・
・
・
ーーーーーーNO SIDE
アヤカシと呼ばれた者がした行動は唯1つ⋮
?
我が秘めたる抜刀術を前にして、全ての炎よ、消え去れ⋮
さぁ、周りの穢らわしい炎の葬よ。
﹁了解﹂
⋮頼んだぞ﹄
﹃先程、ガングニール装者が最後の救助者を救出。
ーーーーーーSIDEtoアヤカシ
そう言うと2人の自動人形はそのまま闇の中へと消え去った。
オートスコアラー
﹁了承した。では護衛の任に就きます﹂
後で怒られるのは嫌いですからね∼♪﹂
!
腰に携えていた刀で抜刀術を行い、それを火災が起きているマン
1220
!
"!
・・・・・キィィィーーーーーーン‼
!
?
"
ションに向けて斬った。唯それだけである。
だが、納刀した直後、周りの火が消え、遂にはマンションそのもの
何が起こったの
﹂
が巨大な氷結晶へと変貌したのであった
﹁ふぇ
響は近くのマンションに着地し、そして救助者を救急車へと搬送し
たと同時に、その光景を目の当たりにした。
その様子を見ていた他の地域住民も驚かされていた。
そしてそれはニュースでも取り上げられていた。
そんな中、1人の少女は先程の火災もとい現在氷の結晶塔へと変貌
したマンションに目を向けていた。
﹂と心配をする声を発しな
其処にあったのは、何かを失った悲しい表情をした少女。ただそれ
だけだった。
その様子を響が見つけた。﹁大丈夫⁉
がら。
それを見られた少女は、涙を拭いいきなり魔法陣を錬成して響を攻
撃したのだ
﹂
象黙示録﹄を完成させる⋮
﹁世界を⋮壊す⋮⁉
﹂
﹁おれが奇跡を壊すと言っているんだ⋮
!
き飛ばした
その行動の前に、何も出来ない響。
絶対絶命のその時だった⋮
ボォォォォオオオ
﹂
突然、響とキャロルの間に爆炎が吹いた
!
何処からともなく口笛が聞こえてきた。
ヒューヒュルリ∼♪
すると⋮
響はその炎を見て、﹁この炎⋮まさか⋮﹂と呟く。
!
そう言うと少女⋮キャロルは魔法陣を錬成させ、そこから突風を吹
!
?
!
1221
!
?
﹁キャロル・マールス・ディーンハイムの錬金術は、世界を壊し、﹃万
!
!
そして2人の間のマンションの隙間から1人の男がやって来た。
﹂
﹁お前は⋮﹂
﹁
姿は先程のライブ映像の時に着ていた服装そのものを着用してい
た青年だった。
紅い髪、頬に赤みを帯びた傷跡、そしてルビーのような瞳が印象の
青年。
﹂
﹁随分と俺の幼馴染を可愛がってくれたじゃねぇかよ⋮﹂︵#︶
﹁憑友
﹁憑友
来てくれたんだ
﹁はいはい﹂
﹂
﹁それに、歌も聞いていたからね
﹂
ナンノコトデショウネ∼
ドキッ⁉
﹁サァ
﹂
﹁バレてるから良いの良いの
﹁良くない
そうだな、ライドさん
﹂
﹄
﹂
﹂ダラダラ∼
﹁お前ら⋮おれを忘れてるだろう⁉
⋮ごめんなさい。忘れてました。
﹁﹂カチンッ
派手に行きますか
!
って、いきなりかよ
しゃあない
ああ
目には目を、歯には歯を。
錬金術師には錬金術師だ
!
﹃久方ぶりに行くとしようではないか
!
?
!
!
!
そう言うと俺はすかさずアブソーバーを装着させ、カードを装填、
!
!
!
?
?
!
!
ったく⋮初っ端から大ピンチとはな。
ーーーーーーSIDEto憑友
︽炎魂導師︾ライドが其処にいた。
立花響の幼馴染にして、﹃英雄﹄達の力を宿した戦士⋮
その者の名は、人絆憑友。
!
!
?
!
1222
!
フォーム、マスタング
そしてレバーを引いた
ーライド
ー
!
!
ー
を着用した男が現れ、俺はそれを纏った
ー部下を想いし、焔のアルケミスト
﹂
指パッチンしただけで炎が出て来たよ
借
り
物
まさか、お前も錬金術を
﹂
結構痛い⋮精神的に。
﹂
!
霊﹄のままなのだからな
ー
人の心の声を聞くんじゃない
﹂
フィーネ
﹁⋮兎に角、なんでこんな事をする⁉
!
?
﹁そんなの命題とは言わない
命題とは、﹃命の題﹄と書いて﹃命題﹄と読むんだ
﹂
世界を壊す事は即ち、人の命を落とすも同義
命題とは言わせない
!
そう言うと俺はすかさず指パッチンをし、火を噴かせる
だが⋮
!
!
!
!
﹁世界を壊し、﹃万象黙示録﹄を為す。それがおれの為すべき命題だ﹂
?
!
ー仕方が無いでは無いのか。お前は私と共有してる今でも﹃半幽
うぐっ⋮
んな者、人の領域が成せる者では無い
﹁平凡なものか。気付かずに此処までやってくる気配を殺す実力⋮そ
凡ですよ﹂
俺自身に魔法や魔術、ましてや錬金術なんて使えないごく普通の平
﹁残念ながら﹃英雄﹄の力だ。
﹁くっ
水がある所では本当に役に立った事が無いのは否めないのだが⋮。
⋮尤も、﹃雨の日は無能﹄と言われるだけあって、湿気が多かったり、
流石、﹃焔﹄の錬金術師⋮絶大な火力だ。
!
!
そしてすかさず手袋越しに指パッチン
なんだと
ボォゥッ
﹁⁉
!
!
そして現れたのは、特殊な模様が刻まれた手袋をはめた、青い軍服
!
﹁ふへぇ∼⋮凄え⋮﹂
?
!
!
1223
!
﹂
﹂
シャキィィー
﹁な⁉
﹁手が⋮﹂
﹁凍っただと
納刀する時の音
ジャキィンッ
⁉
何処から⋮
其処にいたのは⋮青年だった。
氷のような冷たいながらも、透き通るような髪。
・
・
腰には1本の刀を携えていた。
そしてなりよりも⋮仮面を被っていた。
ーーーーーーNO SIDE
﹁⋮﹂
先程の仮面の青年は何も言わない。
ただ、その殺気にたじろぐ一同。
すると、青年は刀を抜刀し、そのまま一閃をする
その攻撃方向には、憑友達がいた
!
!
キャロルと呼ばれた少女と響もその方向に顔を向けた。
そして後ろを振り向く。
そして感じた⋮後ろにいる事に。
そう思った俺は辺りをくまなく探す。
?
﹂
そしてその攻撃はまるで斬撃波のように3人に襲いかかる
﹁うわぁ⁉
!
?
だが、手袋ごと凍らされたら、錬金術が使えない⋮誰がこんな事を
それがあるから、錬金術が使える。
手袋には錬金術の印が描かれている。
手袋ごと凍らされた⁉
!
﹁っ⁉
﹂
響は先程のキャロルの攻撃で出来た窪みにそのまま入って避け、
?
憑友はその攻撃を間一髪で尚且つ紙一重のように躱した。
?
1224
?
?
?
?
!
!
そしてキャロルはその斬撃波を魔法陣で受け止める⋮だが、魔法陣
﹂
!
り始めてきたのだ
つかり、そして⋮
﹄
キィィィン
﹃⁉
﹂
﹁我が一閃は氷を生み出す刃⋮﹂
﹁
﹂
何をする気なんだ⋮⁉
ソーバーをセットした⋮
?
!
す る と そ の ま ま セ ッ ト 済 み の ア ブ ソ ー バ ー の 隣 に そ の 薄 い ア ブ
だけど、既に左腕にアブソーバーはセットされている⋮。
そう言うと仮面野郎は懐から薄いアブソーバーを取り出した。
3人分な⋮
﹁その身で味わうと良い⋮氷の棺桶をプレゼントしよう⋮
!
その証拠として⋮先程の斬撃波はみるみる近くのマンションにぶ
この時のキャロルの状況判断は正しいとも言える行為であった。
た。
それに気付いたキャロルはそのまま身体の軸を逸らして、受け流し
!
そう⋮キャロルの錬金術の魔法陣がその斬撃波と触れた面から凍
﹂
の様子が接触した瞬間に変化した⋮
﹁な⁉
凍り始めてる
﹁⁉
?
﹂
﹁⁉
?
?
なんとマンションが凍ったのだ⋮
!
!
1225
?
!
♪7ノイズ復活
ーーーーーー
/大地の精魂導師
一方、時間を遡ること数分前。
と爆発し
ヘリから降りたクリスは近況を確認する為に周りを見渡す。
その瞬間、先程自分が送ってくれたヘリが ドガァンッ
た
ます∼♡﹂
鳥
﹁この仕業はおめぇらの仕業か⁉
﹂
あんなヘリをコインで撃ち落とすその姿⋮私、ますます惚れちゃい
小
﹁あぁん♪流石、レイアお姉さま∼♡
バレリーナ衣装の少女が近くにいた。
すると其処にはジ○ジョのような格好をしたディーラーの女性と、
見上げた。
クリスはその光景を見て、そして近くに気配を感じたクリスは上を
!
﹁あ
ぁ
なんじゃいてめぇは⁉
向くなり⋮
するとバレリーナ衣装の少女がクリスに向かってニコッと笑顔を
するとクリスが2人にそう告げた。
?
?
﹂
!
﹁此方の準備は出来ている⋮﹂
その間に、レイアは手持ちにコインを構えた。
めた。
まま両手でその片足のつま先を掴むとそのままくるくると回転し始
そう言うとシィバと呼ばれた少女はそのまま片足を天に向け、その
⋮なんともコロコロと変わる存在である。
﹁あ、はぁ∼い♡レイアお姉さま∼♡﹂
﹁その辺にしておけ。シィバ﹂
その表情の移り変わりの速さにクリスは瞬時、怯む。
いきなり阿修羅へと変貌し、激昂を見せた。
ぞゴルァァァァ
せっかくのお姉さまとのラブラブタイムに釘刺してくんじゃねぇ
?
1226
!
"
﹂
﹁だったら、貸し借り無しでやらせて貰う⋮
後で吠え面掻くんじゃねぇぞ
﹃聖詠﹄を詠った⋮
そう言うとクリスは胸元からギアのペンダントを取り出し、そして
!
女性・レイア。
︶﹂
﹁︵この動き⋮人間離れ所じゃねぇ
人外そのもの⋮⁉
だったら⋮やり易い
そう言いながらクリスは攻撃を仕掛けていく
て、攻撃を相殺していく
を放つ技
MEGA DETH PARTY
を放つ⋮
!
だが、レイアの隙を見逃さず、そのまま腰部アーマーからミサイル
徐々に押されていくクリス。
!
だが、レイアはその攻撃を相対するかのように、コインを取り出し
!
!
!
そしてクリスはすかさず攻撃を仕掛けるが、その攻撃を悉く避ける
︵挿入歌﹃TRUST HEART﹄高垣彩陽︶
掛ける
そしてクリスは﹃イチイバル﹄のシンフォギアを纏って、攻撃を仕
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
!
?
"
﹁敵だ
﹂
クリスちゃん⁉
敵の襲撃だ
﹄
?
﹂と 何 処 か ら か 声 が し た。す る と 影 が 濃 く
!
はなんと船が4隻も落ちてきたのだ
フォーム、アーチャー
絶対絶命のその時だった⋮
ーソウル
ブロークン・ファンタズム
﹂
Unlimited Blade Works
!
!
!
ー
なっていくのに気が付いたクリスはそのまま上を見上げると其処に
す る と 突 然﹁危 な い
友里からの通信にそう応えるクリス。
!
﹃何があったの
自分の効果がいまいちという状態に苦虫を噛むクリス。
だが、その攻撃でもレイアには何1つ影響が無かった。
"
﹁壊 れ た 幻 想 ‼
?
!
!
1227
!
!
ドガァァァンッ
﹂
⋮ロック義兄
るように、他の船も上空で爆発して消滅した
ロック・アイル・ユキネが立っていた
﹂
?
﹂
?
﹂﹂
?
と振り向くと其処には女の子が何かを抱えて立っていた。
だが、容姿が余りにも大胆過ぎた。
!
故に⋮
ゴツンッ
﹂バタンッ
﹁あがぁ⁉
!
握ってその場で
影這い
を用いてこの場を撤退した。
"
﹁シィバ。お前の力を借りるぞ﹂
﹁流石、レイアお姉さま∼♡﹂
﹁案ずるな。行き先は承知済みだ﹂
レイアお姉さまの活躍が見られなくなりました∼﹂
﹁あぁん⋮しょんぼりですぅ∼。
"
と同時に、ロックは嫌な気配を感じたのか、クリスと少女の手を
すると話を決め終わったと同時に、ロックが目覚めた。
そうしながらも少女と話し始めるクリス⋮完全にスルーですね⋮。
⋮って、何やってんだ
でロックの頭部を思いきり殴り、ロックはそのままK.O.となった
クリスはそのままイチイバルのアームドギア︽イチイバル・ C B︾
クロスボウ
すると不意に聞こえてきた声に2人は同時に返事したので、何事か
﹁﹁ああ⋮ん
﹁大丈夫ですか
⋮それにしても、派手にやってくれる⋮﹂
﹁まぁな
﹁大丈夫か
するとロックは瞬時にクリスの前にやって来た。
!
チャーの姿を借りた︽水魂導師︾ソウルにしてクリスの義理の兄⋮
そしてクリスは矢が放たれた方向を見ると、其処には﹃英霊﹄アー
!
何処からともなく1本の矢が刺さり、そして爆発し、それが連鎖す
﹁
!
!
?
1228
!
!
﹁どうぞどうぞご自由に∼♪
私の力はマスターとそしてお姉さまと王様の為だけの力なのです
から♪﹂
そう言うとレイアはシィバの身体に触れた。
すると2人はその場から消え去ったのだ⋮
が現れた。
﹂
そしてそれと同時に、なんとノイズが現れたのだ
﹁ノイズだと
厄介な事、この上ない状況である。
に分断した
すると突然、ノイズと3人の間から大地が隆起し、まるで砦のよう
にとっては造作もない。
だが、たかがノイズ⋮幾千ものノイズを葬ってきたロックとクリス
!
そして被弾した場所を見てみると、其処にはなんとも言えない光景
それを感知したロックはすぐに2人を抱えて緊急回避をする。
処へ突如として、何かが降り注ぐ
そして上手く逃げ延びた3人はこれからの事を話そうとするが、其
!
た。
徐々に近づくその振動⋮
﹂
レイアお姉さま∼
それはやがて3人も立てる事すらままならない状況になっていく
⋮
﹁いゃぁぁん
シィバ、怖いです∼
﹂
﹁やれやれ⋮勝手に人ん家の庭を荒くり回しやがって⋮﹂
やっぱり人外で人形なんですね⋮こいつら。
そんな中でも、平常心を保つ自動人形の2人。
オートスコアラー
⋮でも、レイアお姉さま大好きです∼♡グヘヘ⋮﹂
﹁此処で地味と言っては駄目ですよ
﹁案ずるな。私が地味にいるだろ
!
?
!
1229
!
そしてそれと同時に徐々に地響きが3人の方へと向かってきてい
!
!
!
そんな中、1人の男の声が聞こえてきた。
その声を聞いた一同は全員その声がした方向に目を向ける。
すると其処には⋮
番長
とでも呼んだ方が良い風格を醸し出していた。
学ラン姿、6つに割れた腹筋、一足の下駄を履いた者が其処にいた。
まるで
"
﹂
!
バー︾が握られていた
腕にセットし、そしてカードを装填し、
﹂
ー
?
﹁変身‼
フォーム、ランド‼
そしてレバーを引いた
ーボーン
!
すると男の周りから岩の槍が全方位を囲む
!
﹄と同時に口に
すると岩の槍が瞬時に粉砕し、飛び散った破片は
我が魂
ー
︹大地︺の力を司る﹃導師﹄⋮
︽地魂導師︾ボーンが此処に現れた
するとボーンは、そのまま四股踏みをした
!
すると男は拳をポキポキと指を鳴らした。
ー響く大地
そのままノイズ達を粉砕した
!
﹂と全員が感知できるレベルだ。
するとその男の足でなんと地震が起きたのだ
!
!
!
ま下へと向かった
それと同時に空から鋼鉄の肉体を体現化させた戦士が現れ、そのま
!
そして男はそのまま全員に顔を向け直し、そしてアブソーバーを左
した
それを見たロックとクリスは共に、
﹃精魂導師だと
!
そうすると男の手になんとロックと同じアイテム︽マルチアブソー
﹁俺が纏めて相手をしてやる⋮
そう言うと男は背中を見せ、そして鋭すぎる眼光を見せた。
﹁これ以上やるってんなら⋮﹂
"
?
!
とノイズ達が怯んだ
震度は5弱。構造が脆い建築物だとこの時点から崩壊するレベル
!
更にもう一方の足を上げてまた四股踏みをするとその威力で3人
震度は3。人が﹁地震だ
!
!
1230
!
である。
!
すると其処から無数
だと、この時のロックはそう感じた。
それをこの男⋮番長は四股踏みしただけで起こしているのだ
マグニチュードメイカー
歩く地 震 起 こ し
まるで
STONE NEEDLE
の岩が槍のように襲ってきた
最強の防御技
ロ ー・
ア
イ
ア
ス
熾天覆う七つの円環
を繰り出す。
だが、1つ入る度に一枚の花弁が散っていく
"
﹁くっ
﹂
のカードを取り出した
其処には緑の衣と、盾と剣を携えた青年が描かれていた
ロックはそのカードを装填し、レバーを引いた
ー
LEGEND∼
!
て防ぐ
その光景を見ていたボーンは攻撃をやめた。
ハイラルの勇者
ー
それと同時に剣士の魂はそのままロックに纏った
ー勇気のトライフォース
!
のへと変わった
そうこなくちゃな
﹂
そして背中に携えし剣を引き抜いた
﹁へっ
出したのだ
ただ先程よりも薄いが。
!
するとロックは驚かれつつも、更に彼のした行動に目を奪われた
!
そう言うとボーンは懐からなんともう1つのアブソーバーを取り
!
レジェンドヒーローズ
﹁﹃伝説の英雄﹄の力を使わせてもらう
!
﹂
!
!
するとロックの姿はアーチャーの赤い外套から緑衣の剣士そのも
!
!
すると其処から緑衣の剣士の魂が現れ、岩の槍を剣で相殺、盾で全
フォーム、リンク
!
ーソウル
!
!
!
!
そう言うとロックはアーチャーのカードを抜くと同時に今度は別
ならば
だが、石の槍はまだまだ続く⋮いや、終わりそうにも無い
!
"
!
!
それを見たロックはすかさずアーチャーの投影宝具の1つにして、
"
そう言うとボーンはなんと足蹴りを放った
﹂
﹁ほらよ
"
!
!
!
1231
"
!
!
!
"
ガチャンッ
のメカに変わったのだ
!
カシと同じ動作だった⋮
﹂
それは先の戦闘で見せた︽雷魂導師︾アンデッド,
︽氷魂導師︾アヤ
!
その姿はまるで3○Sのような構造に、レバーがついたような感じ
なんと2つのアブソーバーをドッキングさせたのだ
﹂
﹁なんだと⁉
!
﹁さて、そんじゃあ⋮派手に行かせてもらうぜ
1232
!
?
♪ 8 F U S I O N D R I V E / G A M E O V
ER
︽雷魂導師︾アンデッド
︽氷魂導師︾アヤカシ
︽地魂導師︾ボーン
彼等3人の所持するアブソーバーに更に別の薄型のアブソーバー
がドッキングされた
英雄と英雄。
を同時に言い放った
﹁﹁﹁
取り出した
そう言うと3人は右腰のカードケースからなんと2枚のカードを
2つの力。今こそ1つとなりて、新たな力を解き放て
﹂﹂﹂
すると3人は場所が別々なのに、まるで以心伝心のように同じ言葉
!
!
﹂﹂﹂
フォーム、アスナ
むと同時にレバーを引いた
﹁﹁﹁変身‼
ーーーーーー
ーアンデッド
ー
!
が現れた
ー
だが、それだけではなかった
ー&⋮アーサー‼
!
するとアンデッドの右手側に白の服装をした細剣使いの女性の魂
!
それに、︻聖王︼アーサーだと‼
聖なる剣の閃光よ、迸れ
﹂
?
それを見た霊風は驚愕した。
﹁︻閃光︼のアスナ⁉
﹁
するとアンデッドは左腕と右腕を十字のように構えた
?
そして左腕をそのまま天に向けた
!
﹂
すると今度は左手側に黄髪で王冠を被った白服姿の男性が現れた
?
!
1233
!"
"
それを1つに合わさったアブソーバーに其々装填し、そして折り畳
!
?
!
!"
!
!
"
ーFUSION DRIVE‼
ー
するとアスナが細剣を頭上に掲げ、アーサーもまた大剣型ドライバ
ー
﹃エクスカリバー﹄を頭上に掲げた
ーランベント・カリバー‼
!
いた。
﹂
﹁︻閃光︼のスピードと︻聖王︼の火力を前に⋮跪け。
︽精魂導師︾
するとアンデッドは瞬時に霊風の懐に入り込んだ‼
その体躯から思いがけない速さに一同は驚愕する
︵なんだよ、この力⋮⁉
大剣とは思えない速さで
﹁ぐがぁ⁉
︶﹂
更に其処から無数の刺突攻撃をお見舞いし始めたのだ
!
?
そして、先端が尖った大剣﹃ランベント・カリバー﹄を肩に掛けて
頭頂部には王冠を被った戦士が其処にいた。
腰にフォールドマントを纏いつつも、肩に袖付きコートを羽織り、
其処にいたのは⋮
そして光が消え、視界が良くなり、皆はアンデッドを見て驚愕した。
そして光の柱が現れ、その光景に皆は目を背ける。
?
﹂
に後手に回ったのだから。
﹁次は⋮
フォーム、キャスター
&⋮トーマ
ー
!
れ替え、そしてレバーを引いた
ーアンデッド
!
すると右手側に紫のローブを纏った女性が不敵な笑みを浮かべな
!
!
そう言うと2枚のカードを取り出して、アブソーバーのカードを入
俺はお前達さえ倒せばそれで良いしな﹂
﹁⋮成る程。まぁ⋮彼奴らは人形共にやらせるか。
既にいなかった。
そうアンデッドが言おうとするが、その場にシンフォギア装者達が
!
1234
?
?
!
!
!
そして最後の一刺しを食らった霊風はそのまま壁にめり込まれた
?
その様子を見た一同は驚愕した。何せ、速さが取り得の霊風が完全
!
がら現れ⋮
﹂
左手側には銀髪で黒い衣装、そして不気味な模様が刻まれていた青
年が現れた
裏切りの魔女と魔導殺し。負の力を俺に解き放て
そしてまた十字のように構えた
﹁
ー
ーFUSION DRIVE
エクリプス・ブレイカー
た。
﹂
するとアンデッドは右手の大剣を振りかざした
﹂
﹂﹁ぐぅっ⁉
!"
フォギアの皆を行かせたのであった。
とするも緒川がすかさず弾丸で足止めする
影縫い
を行って、シン
途中、エージェント達に拳銃を向けられ、行動制限を加えられよう
していた。
一方、先の戦闘から離脱したマリア達シンフォギア勢は会場を後に
ーーーーーー
アンデッドの力に屈する導師⋮戦況は圧倒的に不利であった。
!
クリムゾンスラッシュ
﹂﹁がっ⁉
?
﹁
﹁なぁ⁉
?
!
そしてそれを覆い隠す程のローブを纏ったアンデッドが其処にい
た巨大な大剣。
左腕には戦輪のような形をした盾が、右手には剣と銃が一体となっ
現れたのは、
すると今度は闇の瘴気がアンデッドを包み、そして晴れたと同時に
!"
!
!
たった一撃でタマシイ,コア,ホロウの3人を退く威力
?
"
セレナには2人の盾として一緒に連れてきた﹂との事。
狙っていた。
マリア曰く、﹁剣の女性は翼を狙い、そして王と名乗った男は奏を
す。
翼は頃合いを見計らって詳しい事情を説明するようにマリアに促
翼の後ろに奏、そしてマリアの後ろにセレナが乗車していた。
そして車内では、マリアが運転し、翼が助手席。
"
1235
!
!
"
"
そんな表現をする中で、マリアはやはり不自由な立場に立っている
﹂
事を痛感していた⋮翼に言われるまでは。
マリア
﹁
﹂
﹁
!
少しは働いて下さらないかしら
それ以前にお主が全て横取りするのがいけないの
?
眺めていた。
﹁王様
﹁我 が 働 く だ と
?
?
﹂
﹂﹁いつの間に
﹂
を斬ろうとしたその瞬間だった
!
﹂﹁嘘だろ
バキィンッ
﹁な
﹁なんで⁉
!
だ
﹁これは⋮﹂
・
・
・
・
・
・
・
仕込ませておいたと﹂
?
﹂
﹂
﹁行くぞ、翼
!
﹁あ⋮はい
﹁セレナちゃんはマリアを頼む
﹂
アとセレナを担いで着地し、そして2人を下ろした。
そして車をが爆発、その頭上から離脱に成功した翼と奏は其々マリ
on⋮﹂
﹁Croitzal gaedearg gaebuidhe tr
﹁Imyuteus amenohabakiri tron⋮﹂
して﹃聖詠﹄を唄う⋮2人同時に。
だが、それでも翼はマリアを受け止め、奏はセレナを受け止め、そ
﹁だから言ったであろう
・
なんとマリアが走行させていた車が一気に4分割にされていたの
!
意味深な言葉を口にする王に、剣の女性は首を傾げつつも、剣で車
まぁ⋮今回ばかしは我が仕込ませておいたがな﹂
だ。
﹂
更にその奥では王と名乗った男が金の杯を持ちながら、欠けた月を
構えていた。
前方には先程振り払った筈の剣の女性⋮オートスコアラーが待ち
!
?
!
!
1236
!
!
﹁ああ
防人として⋮﹃剣﹄としての意地を
そう言うと2人揃って歌い始めた
本来なら戦闘向きの曲では無い⋮一曲を。
を周辺にばら撒かせた
﹂
そう言うとファラは何処から取り出したのか、ジェム状のアイテム
﹁分かりましたわ、王様﹂
﹁興が冷めた。ファラ、例の物を﹂
王に至っては、﹁つまらん﹂と言葉まで発する始末。
だが、そんな中で相対していた2人は不満そうな顔をみせる。
だが、その2人の行動はまるで阿吽の呼吸そのものであった。
久方ぶりに歌う2人の曲。
︵挿入歌﹃ORBITAL BEAT﹄ツヴァイウイング︶
!
﹂﹁そんな⁉
﹂
!
!
すると其処からなんとノイズが現れたのだ
﹁ノイズ⁉
?
﹄
一気に蹴散らしてやるぜ
え、そして薙ぎ倒す
奏
﹂
!
める
我が剣・ファラよ﹂
﹁貴方の剣、大人しく殺されて貰えると助かります﹂
﹁面白みも無いのぉう
﹂
﹁そう言う王様は逆にこの事態に楽しんではいませんか
﹁当たり前な事を言わせるでは無い。
特に我はあの槍使いの女が気に入った。
ならば、我自ら出向くのが礼と言う物であろう
?
?
﹂
?
そう言うあんたは
名をなんと申す
⋮天羽奏だ
﹁其処の槍の女子
﹁あぁ
﹂
!
!
そう言うと先程まで月見酒に浸っていた王が動き出した。
﹁私はこの事態でも可能な限り温存しないといけないので﹂
?
﹂
それに続いて翼もまた姉妹に近づけさせまいとノイズを殲滅し始
!
それを見た翼とマリア達は見開く。だが、翼と奏は其々の得物を構
?
﹁たかがノイズ
﹃⁉
!
!
!
1237
!
!
そう言うと奏が先行してノイズを殲滅し始めた
?
!
?
すると王は奏や此処に居合わせる者達に名を語る
﹁我が名はレグルス・プライド。
文字通り、﹃傲慢にして、信念の王﹄その者なり
﹂
すると何処からともなく赤い槍が現れ、それを軽く振り回し始めた
そう言うとレグルスは指パッチンをした。
!
!
﹁王たる者、常に得意の分野に精を磨くのではなく、
苦手たる物を扱えなくてはならぬ。
今宵は天羽。貴様の槍、我が槍の手により、直々にへし折ってくれ
﹂
ようぞ
﹂
!
その間に翼は1人でノイズを殲滅し始める
そう言うと奏はレグルスと一騎打ちをし始める
やれるもんなら、やって見やがれ
﹁へっ
!
をぶつけた。その時だった
︵剣が⋮
︶﹂
徐々に剣先がまるで消失するかのような事態になり始めた
﹁
傷をつけたのだ
翼ー
﹂
⋮ぐはぁぁぁ⁉
﹁
奏さん‼
﹁
だが、
﹂
﹄
?
⋮私まで⁉
?
﹃ぐわぁぁぁあ⁉
オディナ⁉
?
なんと先の攻撃で奏のギアにまで傷が付くと同時に奏のギアも分
﹁
﹂
先程の一撃を食らった奏はなんとか立ち上がる。
?
﹂
﹂と叫んだ事により、奏は翼の方を見て、驚愕
すると翼の纏っていたギアが突然分解し始めたのだ
﹂
マリアが﹁
した
翼
﹁⁉
!
﹁余所見をするとは、良い度胸だ⋮なあ
!
!
?
!
!
!
!
そして進行を許してしまいそしてノイズが翼のギアペンダントに
!
!
!
そして何体か倒して斬ろうとした時、一体のノイズの攻撃と剣の先
!
!
!
?
!
1238
!
!
!
!
解され始めた
﹁
この声は⋮‼
そんな⋮⁉
﹂
?
ぶらりん状態になっていた
そしてそのまま4人をマリア達の方へと投げ飛ばした
そしてそのまま地面にバウンドする導師達。
いやるものだった
あった
返しなさい
﹁ふん。⋮帰るぞ、我が剣﹂
⋮白い羽根を落としながら。
神速のように去って行った。
そう言うとアンデッドは背中の翼を広げて、急上昇してこの場から
⋮シンフォギアに用は無いしな﹂
﹁断る。此奴等が使うと宝の持ち腐れだからな。
﹁
﹂
其処には導師と共に戦ってきた一部の﹃英雄﹄達のカードが其処に
る。
そう言いながらアンデッドは懐から何枚かのカードをちらつかせ
﹁俺の目的は済んだ﹂
!
マリアが近づくと其処には息はあるが、放っておけば確実に死に追
!
!
そしてその4本の腕には、霊風達︽精魂導師︾達が頭を摑まれ、宙
ていた。
機械の手と、白き翼を生やした︽雷魂導師︾アンデッドが上空に居座っ
マリアはその声を聞いて振り返ると其処には4本の腕と思わしき
?
﹃剣﹄と﹃王﹄のアルカナを所持するだけの事はある﹂
﹁流石、自動人形︽オートスコアラー︾。
すると、
しかし、2人の意識は不明の状態になっていた。
その様子を見ていたマリアとセレナは2人の元へと駆けつける。
だ
しかも、2人揃って生まれたままの姿へと変わり果ててしまったの
そして2人は同時にギアを分解され尽くされた。
!
!
!
1239
!
!
!
﹁よろしいので
﹂
﹁お主もあの女の音では不満であろうが。
果実を取るにはまだ早過ぎたと言う事だ。
熟れた奴が美味しいとも言えるからな﹂
﹁それはタイミングを逃さなければの話ですよ
マスター
﹂
でも、それもそうですわね。
如何します
﹃放っておけ。任務を遂行し得たのなら、それで充分だ﹄
﹁では、その通りに。
⋮行きますわよ、王様﹂
そう言いながら帰るようにレグルスに示唆するファラ。
するとレグルスは奏に視線を向けて話しかける。
﹁何れまた会おう。その時はお前の歌を吟味し、そして我が喉越しを
潤せる程の実力となって相見えようぞ⋮天羽奏。
この名は決して忘れんぞ。我が冷たき魂を溶かしてみせた槍よ﹂
そう言うとレグルスはファラの元へと近づき、そしてファラは先程
ノイズを呼び出したジェムとは違うジェムを取り出し、地面に落とし
た。
﹂
すると2人の足元に錬金術で構成された術式が現れ、2人はその場
から立ち去ったのであった⋮
﹁敗北では済まされない⋮くっ
﹁マリア姉さん⋮零⋮﹂
ーーーーーー
遡る事、数分前。
クリスとロックの方でも危険が迫ってきていた
それは先の同時詠唱で放った後、ボーンと呼ばれた導師が2枚の
!
自分達が何も出来なかった事への後悔だけだった。
自分達の敗北と言う名の挫折と、
この場に漂う空気はただ2つ⋮
!
1240
?
?
?
?
カードを取り出し、それを其々のアブソーバーに装填するなり、畳む
﹂
とそのままレバーを引いたのだ
﹁変身
ーボーン
ー
が現れた⋮だが、それでは終わらなかった
ー&⋮家康
ドを取りながら現れたのだ
その様子を見ていたロックとクリスと少女。
﹂
そんな中、突如ロックのカードケースから三成が現れたのだ
なぜ貴様が
﹁家康
﹂
﹁何⁉
人知を超えた神の力、東の虎と共に照らし出せ
そうしているとボーンは十字のように腕を構えた
﹁
そう言うとそのまま左腕を天に向けた
葵・オブ・ハート
すると2人の﹃英雄﹄の魂も左腕を天に向けた
﹂
ー
!
それを聞いたロックは﹃英雄﹄の1人⋮
︻緑衣の勇者︼リンクの力と共に駆け巡る
リンク。
それは常に伝説を生み出してきた青年。
!
さぁ、掛かって来な。︽水魂導師︾ソウル
﹂
﹁番長と言えば、拳で戦うのが相場で決まってるんだよ。
が嵌められていた
そして尚且つ左が機械のような手で、右手が先程の戦士と同じ籠手
黄色のフード付きパーカーを羽織り、
背中に神々しい程のオーラを纏わせた輪廻と、
そして光が収まり、其処に現れたのは、
その光を見た3人は目を背く
すると2人の魂がボーンに取り込み、そして光が発生する
!
!
ーFUSION DRIVE
!
!" !
!
!
!
!
!
今度は右手側に黄色の派手な格好で、腕に手甲を嵌めた青年がフー
!
!
するとボーンの左手側に黒タイツで赤いハチマキをした熱血青年
ー
フォーム、ドモン
!
!
!
!
1241
!
!
!
?
"
ハイラルと呼ばれる地方で生まれ、その右手に宿る力の1つ︽勇気
のトライフォース︾の力を携えた伝説の戦士。
退魔の剣﹃マスターソード﹄を携え、その一撃で邪なる者達を文字
通り退ける力を宿している。
剣だけではない。
馬術に、ボマー、弓術に魔法、ハンマーや鎖など多種多様な武器を
一目見ただけで完全に扱える技量を兼ね備えている。
・
・
そして何よりも⋮
彼は有名であった。
﹃リンク﹄と聞いて大抵の者はこの青年の事を知っているだろう。
あまりにも有名なのだから。
故に彼のカードを読み込ませた時に、音声からLEGENDと発声
したのだ。
﹃英雄﹄や﹃英霊﹄よりも上で、﹃四英雄﹄と互角の力を持つ者⋮
レジェンドヒーローズ
1242
それを皆はこう呼んでいる⋮ ﹃伝説の英雄﹄と。
これに該当する者の条件は唯1つ⋮﹃認知度の高さ﹄である。
例えば、
﹃マリオ﹄と言えば⋮あの赤い帽子と青のオーバーオールを着用した
ジャンプが得意な配管工を思い浮かぶだろう。
﹃ソニック﹄と言えば⋮あの青い身体で高速に動き回るあのハリネズ
ミの事を指すだろう。
﹃ルフィ﹄と言えば、仲間想いで有名なあの海賊達の王を目指す青年を
思い浮かぶだろう。
レジェンドヒーローズ
⋮このように。その人物の名前を口にしただけですぐに特定出来
てしまう存在達の事を、この世界では﹃伝 説 英 雄﹄と総称している
のである。
さて、話が逸れたので戻るとしよう。
リンクの力を得たロックはリンクの得意な剣術で攻撃を仕掛けて
いく
だが、片手剣と盾の組み合わせはロックは今迄してこなかったの
!
か、どうにも動きには不慣れであった。
﹂
その隙を作ってしまい、ボーンから一撃を貰ってしまった。
﹁⋮ならば此方は、此奴で行く
!
そう言うとロックは三成のカードを取り出し、アブソーバーに装填
!
!
し、レバーを引き、そして纏った
フォーム、三成
ーソウル
ー
!
げようとするロック。
だが、その攻撃を悉く受け流される。
﹂
だけに留まらず、更にそのままカウンターを食らわされていく
﹁ロック義兄
﹂とレイアからの指摘により、思うように動けなかった。
フルドライブ
﹄
パネルボタンを押し、そしてドライブボタンを叩いた
﹃ボーン・ドモン
﹂
俺のこの手が唸って光る、
﹁しまっ⁉
﹁必殺
﹂
シャイニング⋮フィンガー
﹂
﹂
?
﹁ぐはぁ⁉
ネルギーをぶつけた
!
そしてそのままボーンの左手がロックの顔面を掴みそしてそのエ
ーーーーーー‼
そうするとボーンは瞬時にロックの間合いに入り込んだのだ
お前を倒せと輝き叫ぶ
﹁
すると左腕の機械のような手が光り輝き始めた
!
"
?
?
!
"!
!
!
!
れている2人の英雄の内、ドモンと呼ばれた青年が描かれていた方の
すると止めと言わんばかりにボーンは左腕のアブソーバーに描か
とでも
その様子を見ていたクリスが叫ぶが、﹁余所見をしている暇がある
!
!
そしてすかさず三成の愛刀﹃無銘刀 白﹄を用いて速攻戦を繰り広
凶王三成
君子殉凶
!
?
!
1243
!
"
"
そしてそのままダメージを食らったロック。
しかし、それでも立ち上がるロック。
早く倒してクリスの所へ向かいたいが為に。
﹁⋮仕方ない﹂
そう言うとボーンは右腕に力を溜め、そして一気に地面に叩きつけ
た
﹂
すると地面が隆起し、そこから岩盤が現れ、それがロックに襲いか
‼
﹂
うわぁぁぁぁ‼
陽岩割り
かった
﹁
﹁⁉
﹂
⋮⁉
ロック義兄
!
そこへノイズが奇襲をかけたのだ
で防ぐ
!
﹂
精魂導師から自分達に見合うカードを奪取する事
﹁マスターから話を聞いていたが、お前が⋮﹂
﹁﹃リベレーション﹄⋮﹂
それが今の俺達⋮﹃リベレーション﹄が為す事だ﹂
。
そこで3つ目にして、今俺達がやっている最優先事項⋮
だが、その為にはそれと同格である﹃英雄﹄の力が必要不可欠。
2つ目はシンフォギアを取り除く。この世から全てな。
﹁第1にお前らのマスターを倒して、﹃万象黙示録﹄を止める事。
﹁お前の目的はなんだ
そして振り向いた先にはレイアがコインを構えて、撃っていた。
そうしていると、気配を感じ、すぐに右手の籠手で防御した。
を拝借し、何枚かのカードを取り出した。
それを見たボーンはそのままロックの腰についてるカードケース
そしてその衝撃により、クリスも意識を削ぎ落とされたのだった。
すると翼の時と同じように分解され始めたのだ
!
その攻撃に気付いたクリスは慌ててガトリングにしておいた武器
!
だがその行動が文字通り命取りになってしまった。
クリスはロックの悲惨な光景を目の当たりにした。
﹁
?
?
"
!
?
?
"
1244
!
?
"
!
"
﹁そこまでデス
﹂
そう話をしていると上空から切歌が現れたのだ
﹁成る程⋮かつての敵は今は味方と言う事か﹂
ボーンはそう言った。その言葉を聞いた切歌は驚きつつも、クリス
とロックを助ける為⋮﹃聖詠﹄を詠った。
﹁Zeios igalima raizen tron⋮﹂
すると切歌はシンフォギアを纏った。
!
それと同時に、切歌は懐に忍ばせていた﹃英雄召喚型﹄デバイス⋮
ー
︽現界ブースターβ︾を取り出し、そしてカードをスキャンさせた
﹂
ーコール・オブ・ユカリ
﹁お願いしますデス
!
すると弾から人の形となり、そこから1人の少女が現れた
ロック先輩をお願いするデス
﹂
︻闇魔女王︼ユカリ。闇呪怨に就いてる﹃英雄﹄であった。
﹁ユカリさん
﹁分かったわ﹂
そう言うと2人は其々行動に移す。
それを見ていたボーン。
するとユカリがボーンの前に立ちはだかる。
!
﹁任務は完了している。用も無いしな﹂
だが、それと同時に地面から2つの角を生やした竜が現れた
!
すると切歌はデバイスをガンモードにして、近くの足元に撃った。
!
へと潜り、この場からロストしてしまった⋮
そうしている間に調もやって来て、3人はこの場から撤退した。
﹁⋮予定外の闖入者。指示を下さい﹂
﹃追跡の必要は無い。帰投を命ずる﹄
﹁了解。シィバ。帰ろうか﹂
﹁はぁ∼い♡﹂
そう言うとレイアはシィバに触れるとそのまま消えた⋮
なんとか巻いた3人。
だが、クリスはこの事に悔しさだけが残っていたのであった。
1245
!
!
ボーンはそう言うと、その竜の背中に乗ると同時に、そのまま地面
!
!
そして憑友と響の方でも危機に立たされていた。
ーーーーーーSIDEto憑友
おそらく、響はキャロルのしたい事を話で解決しようとしている。
その為にギアを纏う事はしないだろう。
だが、キャロルがしたい事が分からない。
だが、それ以前に⋮
あの︹氷︺使い⋮何処かで見た事がある。
だけど⋮思い出せない。何故なんだ
⋮でもまだやらねばならない相手がいるな。
フォーム、ユーリ
&アサシン
左側に青紫のポニーテールを結った侍。
其々の魂が現れた
贖罪と共に、剣豪の腕を見舞いせよ
ー
ーFUSION DRIVE
ケンゴウ・ダークヒーロー
!
﹂
!"
するとアヤカシは己の左腕を天に向けた
﹁
そしてアヤカシは腕を十字のように構えた。
!
ー
!
黒髪をポニーテールで結い、
蒼破刃
﹂
下は袴、上が黒の服を羽織った剣士がそこに現れた
﹁一気に終わらせる⋮
"!
﹁
絶風刃
﹂
俺はその攻撃をなんとか避けた⋮
するといきなり青い衝撃波を放ってきた
"
!
そうしていると、アヤカシと呼ばれた男はアブソーバーに2枚の
逃したか
そう思っていたら、いつの間にかキャロルが消えていた。
?
カードをセットし、それを折り畳むとそのままレバーを引いた
ーアヤカシ
!
!
すると俺から見て右側に黒髪ストレートヘアーの青年が、
!
まさか、追い打ちをしてくるとは
﹂
? "!
!
!
﹁がはっ⁉
な⁉
?
1246
!
すると光が発生し、そこから1人の戦士が現れた。
!
!
"
"
了解
﹂
ルドガーさん
フィーネ
!
そう言うと俺はアブソーバーにフィーネのカードを読み取らせる
!
なら、俺はこいつを使う
﹄
行くぞ
﹃ああ
﹁頼むぞ
そして⋮
!
!
ー無茶はするなよー
!
!
!
ー
するとアブソーバーから炎をあしらった強化型アブソーバー⋮
ーバーニング・ライド・アブソーバー
に強化し、そのままアブソーバーをスライドさせ、フィーネを置い
!
﹁⋮銃剣
﹂
フォーム、ルドガー
ー
士。そんな奴に負けるつもりは無いぞ﹂
﹁こいつの実力は今に分かるぞ﹂
﹁何
ー
て、そしてまたスライドし直すと、ルドガーのカードを装填し、レバー
を引いた
ーライド
士、審判の槍
すると俺はルドガーの魂を纏った
ー銃剣
!
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
そして俺はルドガーの姿に変わった。
!
!
!
!
﹂
?
がいかく
骸殻‼
!
﹂
?
フ
﹁この状態は槍を扱えるのに特化してるんだよ。
みに扱う戦士だと聞いたが
﹁⋮確か、ルドガーは︹2丁拳銃︺と︹双剣︺そして︹ハンマー︺を巧
そう言うと俺は槍を構える。
今のこの状態は、ルドガー曰く﹁1/2状態﹂と言う状態らしい。
ハー
身体の一部が黒く染まった姿⋮骸殻へと変わった。
そして俺はルドガーの姿からまた別の姿に変わった。
﹁うぉぉぉ
こいつの実力は⋮懐中時計に在り。
?
1247
!
⋮ってか、なんでお前がそんな事知ってるんだ
﹁生憎、此方はすでに情報把握済みなのだよ﹂
﹁
絶影
﹂
﹂
﹂
"!
﹂
"!
﹂
"!
﹂﹂
爪竜連牙斬
エイミングヒート
円閃牙
"!
蒼破刃
﹂
﹂
を放つ。
そう言うとアヤカシと呼ばれた男は左手に刀を肩に乗せて挑発の
?
構えを取る。
何故、彼奴がルドガーの事を知ってるんだ
⋮まぁ、それはともかく。
﹁
"
だが2人の戦いは近郊を崩せない。
絶風刃
"
後悔すんなよ⋮刀使い
﹁
"
そしてアヤカシはそのまま先程放った風の刃
!
!
ーーーーーーNO SIDE
﹁
"
そうすると2人は其々の攻撃を繰り出していく
﹁
"
だが、それがいけなかった
⋮響
﹂﹁しまった
﹂
なんとその先には響がうずくまっていたのだ
﹁⁉
!
に大ダメージを与えた
﹂
﹁がはっ⁉
る。
﹂
しかし、響を守れたのか、憑友は立ち上がる。
﹁まだ⋮まだ終わってねぇぞ
"
!
そう言うと憑友は槍をまるでヨーヨーのように回して放つ技
バ
その様子を見たアヤカシは追い討ちをせずに、そのまま刀を納刀す
﹂
憑友⁉
?
﹁
?
!
すると憑友はすかさず響を抱えるが、その隙に先の刃が憑友の背中
!
!
!
それを見た憑友は大分目が慣れたのか、あっさりと躱す。
"
"!
"!
"!
ヘクセンチア
﹁
"
戦迅狼破
﹁﹁
"
?
1248
?
"
!
ドブレイカー
を放つ
﹂
FULL BURSTドライブ
‼
﹂
﹄
数多の槍よ、流星のように駆け巡り、そして一撃を
を叩いた
﹃アヤカシ・アサシン
‼
秘剣⋮燕返し
フルドライブ
﹂
ジャキィン‼
ザキッ
﹂
﹁まだ終わりでは無い
﹂
﹄
だが、アヤカシは追い討ちをし始めた
フルドライブ
びドライブボタンを叩いた
﹃アヤカシ・ユーリ
﹄
!
閃け、鮮烈なる刃
かのようなハイスピードで連続で憑友に斬り始めた
﹁
無辺の闇を鋭く斬り裂き、仇なす者を微塵に砕く
!"
!
!
すると一瞬の隙に憑友の懐へと入り込むと周りの時間が止まった
!
!
そう言うと今度はユーリと呼ばれた青年のパネルボタンを押し再
!
!
!
するとアヤカシは刀を抜き、精神を込めて一気に解き放つ
﹁
ザクッ
ぐはぁぁぁ⁉
﹁⁉
﹁憑友ー‼
﹂
!
"
?
すると一瞬で同時に3回の連続斬りをまともに受けた憑友
?
?
!
!
!
ンの英雄の魂が描かれたパネルボタンを押し、そしてドライブボタン
するとアヤカシは左腕に装着されていたアブソーバーからアサシ
!"
現れ、その無数の槍をアヤカシに向けた投げ飛ばし始めた
﹁
マター・デストラクト
⋮やるな﹂
?
うぉぉぉーー‼
﹁ぐはっ⁉
"
!
すると憑友は帰って来た槍を使い、円を描くとそこから無数の槍が
﹁はぁぁぁぁあ
﹃ライド・ルドガー
その隙に憑友はドライブボタンを叩いた
!
それをまともに受けたアヤカシ。
?
!
!
?
?
1249
!
!
"
!
!
?
"
"
"
"
﹂
漸毅狼影陣
決まれ⋮
﹁がはぁ⁉
る。
‼
﹂
﹂
﹁邪魔をするか、﹃撃槍﹄よ﹂
﹁如何して、こんな事を
﹂
﹁お前には関係n﹁関係無くない
分かる
﹂
︵カチンッ
︶お前に俺達の何が
!
!
増してや、俺達を逆に守り始めた
なのに、その友は俺達に守られる事をしなくなった。
﹁俺達は大切な友を守る為に此処まで来たんだ。
するとアヤカシは響の首を絞め、近くの壁にぶつける
!
ドケースを憑友に返し、そのまま帰ろうとしたが、響が通せん坊をす
その間に、アヤカシは憑友のカードケースから何枚かを奪うとカー
響は憑友の惨劇を見て、悲鳴を上げた。
に背中を預けられて倒れた。
その攻撃を受けた憑友は口から血が噴き出し、そしてそのまま地面
?
﹂
お前だけには一生分かって欲しく無い
﹂
この﹃偽善者﹄が‼
⁉
﹁‼
?
今宵はこの辺にしておく⋮﹂
彼等の登場と圧倒的な力を前に、
そして第三勢力﹃リベレーション﹄
新たな敵﹃自動人形︽オートスコアラー︾﹄
その問いに答える者はこの場には居なかった⋮
私のやってる事は⋮﹃偽善﹄なのかな⋮﹂
﹁⋮やっぱり⋮
そして響は涙を流した。
そう言うとアヤカシは吹雪と共にこの場から去ってしまった。
!
守ってやりたい者に逆に守られてきた俺達の気持ちなど⋮
!
!
!
?
⋮済まない⋮言い過ぎた。
﹁⁉
?
1250
"
!
?
"
?
があると言う事を。
シンフォギア装者と、︽精魂導師︾はなす術無く敗北した⋮
不屈の闘志
だが、彼等は知っている⋮
﹃英雄﹄達には
"
ならば、自分達もその闘志がある限り、何度でも蘇ると言う事に。
1251
"
♪9 装者と導師の黄昏
あの一件から、
︽オートスコアラー︾そして︽リベレーション︾は姿
を現さなくなった。
そんな中、空港から1人の女性が日本に降り立った。
﹁もう直ぐね⋮﹂
金髪のストレート&ツインテールで、白衣を纏った女性だった。
﹁ソウル兄さん。ライド兄さん。
スピリット姉さん。ホロウ姉さん。
﹂
コア兄さん。タマシイお姉ちゃん。
皆んなの顔が見てみたいわ
指した。
﹁︵全ては私の為に⋮
夢が叶えられると思った矢先に先の事件。
そんな中、翼と奏の2人は浮かない顔をしていた。
自然治癒と人工治療でも治るのに時間が掛かっていた。
彼等は憑友とは違い純粋に生身の身体。
だが、残りの導師達の方はそうは行かなかった。
現在は実家の方の湯に浸かりながら傷ついた身体を癒している。
既に半分死んでいた憑友は今は傷が完全に塞がり、今は療養中で、
あの一件からなんとか一命を取り留めた導師達。
そして翼達の方も、霊風達残りの︽精魂導師︾達は居なかった。
ただ、この場にロックは居なかった。
お迎えに来ていた。
そして響達はロンドンにてライブをしていた翼達﹃Δウイング﹄の
違った。
その光景とすれ違うかのように、彼女とシンフォギア装者達がすれ
︶﹂
そう言いながら、女性は近くのタクシーに乗り、とある場所へと目
!
再び戦場に出なければいけないこの状況⋮
1252
!
奏さ∼ん
マリアさ∼ん
セレナさ∼ん
2人はその夢をみすみす離すしか手は無かったのであった。
だがそれも、﹁翼さ∼ん
!
後輩
!
すると藤堯と友里が説明した。
された。
そう言うと弦十郎の後ろの液晶から3つのコンバーターが写し出
﹁シンフォギア装者勢揃い⋮とは言い難いかもしれないな﹂
入る事になった。
そんな和やかな雰囲気の中であるが、弦十郎が咳き込む事で本題に
れを感じたナスターシャは微笑みかけた。
マリアとセレナは久方ぶりのマムとの再会に際してハグした。そ
せていた。
そして指令室には弦十郎と牧藁、そしてナスターシャ博士が居合わ
そして一行は拠点である移動本部へと足を運んでいた。
ーーーーーー
⋮そう感じていたのであった。
もしかしたら、もうこの世に居なくなってしまったのかもしれない
恐らく、あの時の一撃が致命傷になったのかもしれない。
あの後から﹃オディナ﹄と会話すら出来なくなっていた。
だが、彼女の心はかなり抉られていた。
その様子を見た奏も内心、ホッとしたようだ。
それを聞いた翼は朗らかな笑顔を見せていた。
そしてよく見るとそこにはクリスに調,切歌も揃っていた。
た。
﹂と言う自分達よりも快活な笑顔を見せてくれる響の声が聞こえ
!
﹁新型ノイズに破壊された⋮
1253
!
﹃天羽々斬﹄﹃イチイバル﹄
そして﹃ゲイジャルグ・ゲイボウ﹄⋮愛称﹃オディナ﹄です。
コアとなる聖遺物の欠片は無事で、
﹃オディナ﹄の方は流石﹃英雄﹄
と言う事だけはあり、今の所はバイタル面でも安定しています。
ただ⋮﹂
﹁エネルギーをプロテクターとして固着させる為の機能が損なわれて
います﹂
それを聞いたマリアはかつてのセレナのギア﹃アガートラーム﹄の
ギアペンダントを取り出した。
﹂と言うが、ナスターシャが首を
今の3人のギアの状態は、﹃アガートラーム﹄と同じ状態だった。
するとクリスが﹁治るんだよな
横に振りながら説明した。
﹁幾ら﹃櫻井理論﹄が開示され、異端技術が発展したとしても、現在の
私達の手で治す事は不可能なのです。
フィーネ自らならばなんとかなる筈なのですが⋮﹂
﹁身体を共有している憑友君は現在療養生活を余儀されていて、監視
の目があるから、思うように動けないのが現状なの﹂
その話を聞いた装者達は負の感情に晒されていた。
﹁現状⋮動ける装者は響君。ただ1人⋮﹂
﹁私⋮だけ﹂
すると調と切歌が猛抗議する。自分達も戦えると。
だが、弦十郎はそれを却下した。
その理由を、友里に代わり、牧藁が代弁した。
曰く、
﹁LINKERで適合係数の不足値を補なわないシンフォギアの流用
は、どれ程身体の負担になっているのか。
3人に合わせたLINKERが無い以上⋮無理を強いる事は不可
能﹂
と言う事だった。
その話を聞いた2人は後悔の念しか出していなかった。
だが、それだけで話が終わる事では無かった。
1254
!
すると映像が変わり、そこには6つの棒グラフのデータが其々2つ
﹂
ずつ並べて現れた。
﹁これは
﹄
更にそれだけでは無く、
が奪われていたのであった
︽ルナアタックの英雄︾である導師達の元にいた﹃英雄﹄達のほとんど
その中でも特に、憑友,ロック,霊風⋮
数えただけでもざっと100は喪失していた。
︻炎竜妃︼バハムート,︻最強の流浪人︼緋村剣心etc⋮
︻幻想殺し︼上条当麻,︻ナックル・ストライカー︼スバル
︻騎士の魔導士︼エルザ,︻魔導師の娘︼ヴィヴィオ
︻一刀修羅︼黒鉄一輝,︻魔族の血を引く勇者︼東城刄更
︻君子殉凶︼石田三成,︻男性IS操縦者︼織斑一夏
︻電竜︼ライゼクス,︻直視の魔眼︼両儀式
︻腹黒眼鏡︼シロエ,︻格闘娘︼花崎ラン
そこには、
そこには先の事件にて強奪された﹃英雄﹄達のカードリストだった。
そう言いながら、皆に1枚の紙を手渡す。
彼等は憑友達の元についてる﹃英雄﹄達を強奪したと考えられる﹂
マリア君やクリス君、そして響君の証言を元にした結果⋮
て奪われたと言う方が正しいだろう。
だが、それでも大半がおそらく彼等︽リベレーション︾の手によっ
﹁幸い、皆のパートナー﹃英雄﹄達は奪われる事は無かったようだ。
何故なら大半が喪失していたのだから。
弦十郎の説明に皆は驚愕した。
﹃⁉
右が先の事件直前までの所持数。そして左はその後の所持数だ﹂
﹁これは、憑友達︽精魂導師︾の﹃英雄石板﹄の数を表したグラフだ。
響の問いに弦十郎が答える。
?
達⋮
つい今冬に襲いかかった敵と戦った際に立ち向かってくれた戦士
!
1255
?
レジェンドヒーローズ
﹃伝 説 英 雄﹄
その者達の力の殆どが奪われてしまっていたのであった。
ーーーーーー
一方、キャロル陣営の方では青のゴスロリ衣装の自動人形が、赤く
て縦ロールを持つ少女型の人形とキスをしていた
ガリィ﹂
﹁⋮いや、寧ろ今はこういう物を欲していた所だ。
質素な物で申し訳ありません﹂
﹁王。これが今回の献上品です。
形が﹃王﹄の称号を持つ唯一の男性型自動人形に赴いた。
そうしていると、ガリィと呼ばれた少女の隣にいた騎士型の自動人
♪﹂
﹁嫌ですよ∼。これでも穏便に事を進めるのは大変だったのですから
外時間が掛かったな
﹁最大戦力の一角であるミカを動かすだけの﹁想い出﹂を集めるには存
するとその人形が動き出し、人形がへたり込んだ。
!
た。
⋮はいっ
﹂
﹂
﹁面白い物を持ってきてくれたわね。
私にも下さらない
此処から離れる訳には行きませんことよ
働かざる者食うべからず
。
﹁正論だろうと、言い訳だろうと⋮
﹂
!
"
?
お前の強欲さでも、取ることは不可能だと思え
﹂
﹃女王﹄とは常に、皆が帰りし場所を守る事が最優先事項。
﹁あら、人聞きの悪い。
動かず、ここでのうのうとしていたのだろうが⋮﹃女王﹄の分際で
﹂
そして我と﹃騎士﹄がマスターの為に動いていたのに、お前は何も
おれ
﹃剣﹄に﹃硬貨﹄、﹃聖杯﹄に﹃小姓﹄、
﹁⋮お前と言う奴は。どこまで怠惰な奴なのだ⋮
?
!
1256
?
礼を言うぞ。我が騎士・ジィスよ﹂
﹁っ
!
そうしていると金ドリルツインヘアの女性が彼等の元にやって来
!
"
﹁言ってくれますわね⋮傲慢さの分際で
﹂
そう言うとなんとレグルスは槍を取り出して構え、対して﹃女王﹄と
よばれた女性は扇を広げて攻撃を仕掛けようとした
﹁⋮お腹空いたゾ﹂
キャロルは﹁如何した
ミカ﹂と質問すると⋮
するとミカがうだうだ言ってきた。
2人の説教を終わらせたキャロルは席に着く。
﹁は、はい⋮﹂
欲しければ、自分の手足を動かして行動で示せ﹂
い。
レグルスの言う通り、何もしていないお前に献上品を貰う権利は無
﹁お前もだ、ジュエル。
言われる。
その表情を見た﹃女王﹄は上から目線な体勢を取るが、キャロルに
﹁⋮申し訳ありません。我が主よ﹂
だが、その矛先を仲間に向けるでは無い﹂
り得。
﹁レグルス。お前は傲慢で尚且つ、多彩の武器を扱えるのが最大の取
冷や汗をかく羽目となった。
その光景を見ていた他のオートスコアラー達は人形でありながら
女王と王は渋々武器を下ろした。
か、
すると、﹁そこまでにしておけ﹂と言うキャロルの声が聞こえたの
!
それを聞いたキャロルはガリィと呼んだあのゴスロリ少女に﹁想い
出﹂回収と同時に一働きしてくれと頼んだのであった。
ーーーーーー
一方、キャロル陣営とも、S.O.N.G.陣営とは違う場所。
其処では3人の男達が壁に背を預けたり、ソファで寛いでいたり、
ベットにダイブしていた。
1257
!
その話を聞いたレグルスとジュエルはズッコケた⋮同時に。
?
すると背を預けていた青年が残りの2人と話を始める。
因みにこの青年は仮面はしていない。
﹁⋮本当に良かったのか
﹂
言う事だった。
通称﹃︽魔剣︾ダーインスレイフの欠片﹄が入った箱を届けにきたと
ナインが所持していた品﹃ドヴェルグ・ダインの遺産﹄⋮
を阻止する為に逃げ出してきて、そしてシンフォギア装者達にエルフ
は﹃世界を壊す為にある代物﹄と言う文献を見てしまい、その目論見
だが、ある日その建造物のデータにアクセスした際に、その建造物
言う。
自分はキャロルに命じられるまま、巨大建造物の建築に携わったと
キャロルの説明によると、
話をしていた。
今回の首謀者・キャロルと良く似た顔を持つ少女・エルフナインと
その頃、響達はクリスとロックが保護した少女で、
ーーーーーー
そう言うと部屋を後にした。
﹁⋮ウロチョロするだけだ﹂
﹁何処へ行く
そう言うと青年はその部屋から出て行こうとした。
﹁⋮そうか﹂
その為には少し仇で返す必要があっただけの事だ﹂
今まで守られてきた分を今度はこっちが返す番だからな。
のか。
キャロル⋮錬金術師を倒さない限り、この世界に平穏なんてあるも
﹁このまま行けば、恐らく世界は滅ぶ。
それに、俺達が成そうとしているのは⋮世界だ﹂
﹁情は移さない方が良いぜ。
大切な幼馴染を守る為に、幼馴染を倒すなんて⋮﹂
?
そしてエルフナインの調査結果を聞いた一同。
1258
?
すると性別が無いと言う。
なんでも友里がエルフナイン本人から聞いた話では、
﹁ホムンクルスであり、決して怪しい者では無い﹂と。
だご、一同は心の中で、
﹃︵怪しすぎる︶﹄と思っていたのは此処だけ
の話であった。
すると弦十郎の携帯から着信が来たので、弦十郎は応対した。
元気にしてたかな∼
﹄
因みに皆にも聞いて貰う為に、テレフォン対応のスピーカーをセッ
トした。
弦ちゃん
その相手は⋮
﹃やっほー
?
るよ﹄
﹁本当か
﹂
﹃憑友の様子は頗る体調が良くなって、明日からは本格的に参加でき
そして﹃キングofカイザー﹄の名を持つ男性⋮人絆玄也であった。
馴染。
憑友の父で、セレナ達﹃元F.I.S.﹄の義父にして、弦十郎の幼
﹁はぁ⋮お前だな、玄也﹂
!
﹄
﹄
そうしていると、玄也が弦十郎にこんな事を言ってきた。
﹂
﹃所で、今何処
﹁はぁ
如何やら場所を尋ねてきた。
﹃いやだから⋮今何処にいるの
?
の現在地を言った。
﹁現在は千葉県はいすみ市沖合にいます﹂
﹁⋮だそうだ﹂
﹃なら、近くの漁港まで来てくれ。これから先の戦いで重要になる存
﹂
在と対面させてあげるから﹄
﹁
1259
!
その話を聞いた一同は嬉しく感じた。
!
弦十郎は藤堯にアイコンタクトを取ると、藤堯は自分達のいる場所
?
?
玄也の言われるまま、一同は艦を近くの漁港まで行く事になった。
?
そして浮上し、そして陸に上がると其処には玄也がおり、そして彼
﹂
の隣には金髪ストレートでツインテールの白衣を羽織った女性がい
た。
﹁玄也。この方は
﹁彼女はサモン。
僕と同じ﹃英雄石板﹄の解析者として研究に勤しんでいるんだ﹂
そう言うと玄也はサモンとよばれた女性と皆をご対面させた。
するとサモンは弦十郎に手を差し伸べながら自己紹介をした。
﹁初めまして。サモン・クリスチャーノです。
S.O.N.G.の救助活躍は此方にまで広まっていたので、力添
えをしたくて、此処に参りました﹂
﹁S.O.N.G.司令の風鳴弦十郎だ。そして此処にいる少女たち
の事はくれぐれも⋮﹂
﹁えぇ⋮分かっています。内密にと言う事ですね。
さて、あまり時間がありません。詳細は貴方達の艦でお話したいの
です。
コードネーム
貴方達の前に現れた︽精魂導師︾⋮
⋮分かりました﹂
C N.アンデッド,アヤカシ,ボーンが使っていた力の事について﹂
﹁‼
それを見た玄也は﹁此処から先は見守らせて貰うからね⋮﹂と自分
がこれ以上何も出来ない事を悔いながらそう呟いていた。
ーーーーーー
そして部屋の一角の席に座ったサモンは、皆に説明をした。
なんでも、事の発端は数ヶ月前。
自分が﹃英雄石板﹄の研究の際に新たなる力を開発していた。
その時に、彼等が現れ、その力の結晶を盗まれたと言う。
それが、先の事件の時にアンデッド達が使用した力⋮
﹃FUSION DRIVE﹄であった。
2体の﹃英雄﹄の力を用いて、それを1つに融合させて戦う力だと
1260
?
そう言うと弦十郎はサモンを艦内へと収容する。
?
言う。
組み合わせ次第では、特化や生粋型になったり、其々をカバーした
りする事も出来ると言う。
﹁⋮ごめんなさい。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
私があの人達に奪われさえしなければこんな事にはならなかった
の
・
・
﹂
﹂
それに私はもう一度会いたかったの。ソウル兄さんや、スピリット
・
﹂﹁如何いう事だ
姉さん達に
﹁え
﹃⁉
﹄
ちょっと待て。
なんとサモンはソウルとスピリットの妹であると言うのだ
⋮ん
次男のライド,次女のホロウ
三男のコア,三女のタマシイ⋮
⋮って事は⋮
﹁あのもしかして⋮ライドさんも
﹂
﹂
﹂
タマシイは⁉
!
?
ライドは私の2番目の兄です
コアは⁉
﹂
?
﹁はい
﹁ホロウは⁉
﹁みんな、私の兄と姉です
?
中にいるのである
つまり、生前のライド達の事を知る存在なのだ。
!
実は彼等もノイズによって身体を亡くし、データとして電子機器の
では、ホロウやコア,タマシイは如何なのか。
ライドやソウル,スピリットはまさにその通りだった。
そもそも、ライド達は皆、身体を亡くしている。ノイズの影響で。
だった
なんとサモンは憑友達︽精魂導師︾と共にいる相棒⋮ライド達の妹
!
?
!
﹁⋮ソウルとスピリットは、私の1番上の兄と1番上の姉です﹂
するとサモンは衝撃の事実を口にした。
するとサモンが言った言葉に引っかかる奏とクリス。
?
!
確かソウルとスピリットには下に弟と妹がいる。
?
!
!
1261
!
?
?
﹂
﹂
﹂
﹁彼等を倒すには彼等と同じ﹃FUSION DRIVE﹄を搭載させ
ます
﹁だが、もしそれが可能だとしても、それを上回った場合は
﹂
﹁その為に彼等に奪われた直後に開発したシステムを搭載します
﹁その名は⋮﹃MONSTER DRIVE﹄
こうして憑友達︽精魂導師︾にも新たな力が携える事になった。
ーーーーーー
そして数日が過ぎたある日。
憑友はすっかり体調が良くなり、現在は響達と一緒に下校してい
た。
途中、未来の話に顔を赤らめた響を見て、憑友は首を傾げたのだが、
響の思考は完全に別の所に行っており、その理由を知るのはまだ先
であった。
因みに憑友のアブソーバーは既に改修がなされており、
現状では唯一の︽精魂導師︾として存在していた。
そんな中、今日の授業の話になっている中、響は先日の騒動の話を
思い返していた。
それはマリアが発した言葉が引っ掛かっていた。
憑友は響の今の状態に少しばかり知っていた。
憑友はその会話には交じってはいないのだが、
彼の身の回りの事を世話しているユル∼い幽霊ことユルセンがそ
の時の話を霊体化して話を聞き、そして憑友にありのままの事を伝え
ていたのだ。
響の浮かない顔を見た憑友。
するとふと視線を逸らすとそこには白髪となりて、死んでいる人の
姿を目撃した
オートスコアラーのガリィが其処にいた。
其処には青のイメージカラーのゴスロリ衣装の少女⋮
そして響は何かを感じたのか前の視線を見た。
それに気付いた皆。
!
1262
!
!
?
!
ガリィは響を戦わせようと翼達のギアを分解させたノイズ⋮アル
カ・ノイズを生み出すジェムを放り投げ、そしてアルカ・ノイズを生
み出した
﹂
﹂
それを見た憑友と響は変身しようとするが⋮
変身出来ないだと⁉
ー⋮ー
﹁‼
﹁唄えない⋮
胸に﹃聖詠﹄が浮かばない⋮
1263
?
!
!
此処に来て最大のピンチが⋮2人に襲いかかった⋮
!
!
?
♪10 亀裂と罅
その頃、マリアは1人で先の事変の事を思い返していた。
それは当時のマリアがセレナが死んだと思い込み、ナスターシャか
らお守り代わりとしてセレナが装着していた﹃アガートラーム﹄のギ
アペンダントを渡された時の思い出に浸っていた。
昔は死んだと思っていたセレナ。
しかし今はちゃんと生きている⋮自分の直ぐ近くで、着々と。
﹂
﹁強く⋮
⋮
すると突然、アラートが鳴り、そして近くの映像からアルカ・ノイ
ズ出現の情報との報せが
﹂
﹂
するとマリアの妹兼マネージャーのセレナが駆けつけた
﹁マリア姉さん
﹂
ーーーーーー
場所を戻し、現在。
!
!
そして姉妹は指令室の方へと向かった
﹁ええ
﹁行くわよ、セレナ
!
が⋮
﹃⋮﹄
﹁⋮襲って⋮来ない
そんな中でガリィは元からの性格であるその性根の腐った考えを
⋮ありました。
﹂
そんな中でもガリィ率いるアルカ・ノイズはそんな時間をくれる訳
た。
そ ん な 2 人 の 様 子 を、S.O.N.G.の メ ン バ ー は 驚 愕 し て い
いた
憑友はシステムによって変身・装着する事が出来ない状態になって
戦おうとするが、響は﹃聖詠﹄が、
響と憑友は︽オートスコアラー︾の1人・ガリィと鉢合わせになる。
!
!
?
1264
!
!
!
示そうとするが⋮
﹂
﹁あぁ∼もう。まどろっこしいな
⋮詩織さん
﹂ビクンッ⁉
﹁⁉
そんな時だった
﹁ガハハハッ
⋮お前は⋮⁉
﹁
﹂
?
此処は俺のテリトリーだ。
!
フォーム、牙王‼
ドを装填し、レバーを引いた
ーボーン
﹂
お前なのか⁉
﹁ドラム
﹁牙王
﹂
ー
だが、それ以前にあるカードが憑友の前に現れた。
それを見た憑友。
﹂
するとボーンの隣から小学生くらいの身長の少年の魂が現れた
?
此処に在り‼
ー
するとボーンはその少年の魂を纏った
ー太陽番長
?
!
︻番長の相棒︼ドラム・バンカー・ドラゴンだった。
バ ディ
それはドラゴンの姿をしたモンスター型の﹃英雄﹄⋮
?
そして纏ったボーンはその学ランを反対に着用し始める
!
!
!
!
そう言うとボーンは左腕にアブソーバーを装着し、そしてあるカー
人様の庭で遊んでんじゃねぇよ、雑音擬き
﹂
俺としては大誤算だけど⋮そんな事は関係ないな。
﹁それにしても⋮まさか対象が纏えない、唄えないとはな⋮。
其の場所に更にロックを倒した戦士・ボーンが現れた
⋮あらまぁ♪﹂
﹁
お嬢様系のあんたからそんな言葉が出てくるなんてな
!
!
そんな中でも詩織はガリィと話をしだした。
他の皆もその発言に驚く。
突然、詩織の発言にビビる憑友。
?
﹁炎で闇を焼き尽くし、光で誰かの心を照らす⋮
!
?
!
1265
!
!
!
!
?
?
太陽番長、此処に在り
た
ボーンは右手に持った
﹁
﹄
﹂
﹂
⋮如何して俺達を助ける⋮
﹂
なんとその大剣でアルカ・ノイズを斬ったのだ
﹃⁉
ザクッ
するとボーンはそのまま響達の元を素通りするなり、
!
するとボーンの目の前から龍の模様が刻まれた大剣が現れ、それを
ードラゴグレイブ
ー
そう言うとボーンは左腕のアブソーバーからパネルボタンを押し
︻太陽番長︼未門牙王だ
﹁これが、俺のパートナー﹃英雄﹄⋮
その姿はまさに漢の中の漢⋮番長そのものであった⋮
発揮した
そしてその学ランの中心に太陽のマークが現れ、そして勇ましさを
!
!
!
!
!
憑友の言う通りであった。
!
?
力無き者の盾になり、矛になる。
それが番長の名を刻んだ者達の性って言うもんだ
!
そうしているとボーンが﹁此処は俺に任せろ﹂と言ってきた。
番長の鑑そのものであった⋮
きをしていたのは間違い無かった。
その時、仮面越しではあるが、はっきりとそのものが朗らかな目付
そう言いながらボーンはそう言った。
﹂
﹁弱き者を守らない。それは番長の暗黙のルールに反るからな。
だが、ボーンはこう言った。
メリットなど無い筈と思っていた。
そんな相手が何故自分達を助けるのか。
る。
現に、憑友のライバル兼仲間であるロックを倒した実力を誇ってい
弦十郎の話を聞いた際に、彼は敵であると言う結論が出たからだ。
?
!
1266
!
!
!
﹂
それを聞いた創世達が響達の手を繋いでこの場から去る
﹁⋮ちっ。つくづくそう言うのが気にくわねえんだよ
!
短期で尚且つ性根が腐っているのである。
﹂と言った。
だが、そんなガリィは不適な笑みを浮かべた。
それを見たボーンは﹁何が可笑しい
﹁⁉
・
・
・
まさか
・
無かったのだ
﹂
﹁⋮何処までも性根が腐ってやがる‼
﹁お褒めに預かり光栄ですよ∼♪﹂
た
訳だな﹂
﹁左様。
﹂
・
・
・
・
ス
ター
私は﹃騎士﹄のアルカナを持つ者故、例え同胞であろうと、キャロル
マ
﹁⋮つまり、俺と響が此処に残れば、未来達に被害を与えない。と言う
さすれば、力無き者達を見過ごす事が出来る﹂
て立ち去れ。
﹁此処から先へ通りたければ、シンフォギア装者と︽炎の導師︾を置い
アラーが其処にいたから。
何故なら前方にアルカ・ノイズを従わせた騎士甲冑姿のオートスコ
一方、先程の爆発音があった場所には憑友達が立ち往生していた。
ーーーーーー
それを見たボーンは急いでガリィの後を追いかけた
﹁しまった
﹂
そう言いながらガリィは瞬時に水へと変化し、ボーンからすり抜け
?
!
つまり、この場にオートスコアラーが1人でいる事など⋮最初から
・
そして先日の自分もオートスコアラーは2人一組。
アンデッドの所にいたオートスコアラーは2人一組で来ていた。
ガリィの一言でボーンは気付いた。
﹂
それと同時に、響達の逃げた先から爆発音が聞こえた
?
﹁私ばかりに気を取られすぎじゃないですか∼
!
!
ガリィはそう口答えする。ガリィとはこういう性格なのである。
!
!
!
1267
?
?
!
騎士道精神
であろうと、
我が
の名に置いて、今此処で誓おう﹂
落とすような事は決してしない
﹂
それが我が生きていると言う証なのだから
﹁お前⋮
だ︶﹂
﹂
そう思った憑友。だが、現実は甘くは無かった
﹁駄目じゃないですか∼♪
﹁ガリィ⁉
﹂
追いつかれたのか
するとアルカ・ノイズの一体が、響に攻撃を仕掛けた
左右を其々のオートスコアラーが囲まれたまるで柵。
そして周りには大量のアルカ・ノイズ。
﹁くっ
﹂
勝手な事をするとマスターに叱られるのは私なんですから∼♪﹂
!
︵このオートスコアラー⋮義理人情が厚い。まるで﹃英雄﹄達のよう
!
!
生まれたばかり⋮育ち始めたばかり⋮成長し始めたばかりの命を
だが、それでも⋮
だから、私は他の皆からこき使われている。
だが、私は儚い命を散らす事を拒んでいる謂わば欠陥品。
尽くす。
私以外の姉君や妹君。そして我らが王とマスターは殺戮の限りを
だが、﹃騎士﹄としての加護を持っている。
先も言ったが、
﹃騎士﹄のアルカナを所持するオートスコアラーだ。
我が名はジィス・パライスン。
﹁如何にも。
﹁⋮お前も⋮︽オートスコアラー︾なのか
そう言いながら腰に携えていた剣の矛先を憑友達に向ける⋮
"
へ飛ばしてしまった
手持ちにあるアイテム﹃現界ブースターβ﹄も所持していない。
更には憑友のアブソーバーも使用不可能。
!
響はそれをギリギリで躱す⋮が、その反動でギアペンダントを遠く
!
!
?
1268
?
!
"
!
絶対絶命の大ピンチ
﹂
セレナ義姉さん
﹂﹁マリアさん
﹂
と、其処からセレナとマリアが現れた
﹁
﹁っ
!
其処から緒川が出ると、助手席側と後部座席側のドアが勢いよく開く
するとその近くの道路から一台の黒い車がスピンしながら止まり、
!
!
ンタクトをすると同時に﹃聖詠﹄を詠った
⋮﹂
すると2人はギアを纏った
フィーネ
マリアはかつて﹃武装組織
グニールをマントを取り除いた姿で。
︵挿入歌﹃烈槍・ガングニール﹄日笠陽子︶
セレナはその容姿とは裏腹に頑丈な鎧を纏った姿で現れた
"
を伸ばす
その攻撃に対してセレナは両手でガードする
PRADIN ガーター
となって、巨大な一枚盾になった
﹂
べるが、何も起きていない事に驚愕する
﹁何で分解されない⁉
生半可な攻撃じゃ、分解すら出来ないわ
﹂
!
ガングニール
はぁ
に動かしながら、アルカ・ノイズを葬って行く
!
そう言いながらマリアは槍型アームドギア︽G G ランス︾を巧み
!
﹁セレナのギアは﹃生粋の防御特化型﹄シンフォギア。
?
!
そしてノイズ達の攻撃が盾にヒットし、ガリィは不適な笑みを浮か
"
!
すると腕に備えられていた半分に斬られていた盾型の籠手が1つ
!
アルカ・ノイズ達はまず先にセレナの方のギアを分解しようと触手
!
!
すると2人はギアを纏いながら、アルカ・ノイズを葬っていく
!
﹄として来ていた黒いガン
﹁P r o t e c s a i g i s w e l r a i z e n t r o n
⋮﹂
﹁Granzizel bilfen gungnir zizzl
!
するとマリアは響のギアペンダントをキャッチし、セレナとアイコ
!
"
!
1269
!
!
"
一方、その頃セレナは﹃騎士﹄のオートスコアラー・ジィスと相対
していた。
﹁貴方の相手は私よ。
可愛い弟と、その幼馴染に手を出したんだから。それなりの覚悟を
して欲しいんだけど⋮﹂
そう言いながらセレナの視線はジィスを捉えていた。
まるで家族を重んじる姉そのものであった。
﹂
だが、ジィスは剣を納刀し、槍を背中に取り付けた
﹁逃げるの⁉
自分では相手にならないと。
その話を聞いたセレナは絶句した。
何よりも、私のこの騎士としての性を揺すぶる相手では無い﹂
家族の目の前で殺そうなどと毛頭も無い。
﹁左様。騎士とは言え、家族の事を大事にする様な輩を、
!
誰かを守る
と言うその行い⋮
するとジィスが﹁だが⋮﹂と言いながら付け加えた。
﹁貴殿の様に、
"
であると﹂
そしてセレナはマリアの方を向くと、何とマリアが押されていた
﹂
ガリィの攻撃が目の前に迫りそうになり、マリアはピンチになる
すると、
﹁駄目ぇぇぇ‼
を用いたセレナがマリアを退ける
何と盾をホバーボートのようにして高速移動する技
ドライブ
"
?
ジを与え⋮
それと同時に、セレナのギアに、ガリィが生み出した氷剣がダメー
!
QUICK
!
結局セレナの戦いは事なきを得た。
その直後に消え去った⋮
ジェムを地面に落として、そして術式が現れるとそのまま一礼する。
そ れ を 言 う と ジ ィ ス は 先 日 の フ ァ ラ が 使 用 し て い た テ レ ポ ー ト
"
!
"
1270
?
敵である私だが、敢えてこう言おう⋮
"
敵ながら天晴れ
"
﹂
﹁
!
キィィィンッ
り、そのまま変身が強制解除された。
﹂
だが、それでもセレナの所へ向かう
﹁セレナーーーーーー
﹁
⋮遅かったか
﹂
﹂
﹁あら∼♪噂をすれば⋮
あれは⋮
とすると、詩織達に止められた
﹂
﹁彼は私達を此処まで逃がしてくれたんです
﹁えっ⁉
﹂
そしてボーンの存在に気付いた緒川は拳銃を取り出し発砲しよう
﹁
﹂
そこに遅れてやってきたボーンがその光景を目の当たりにした。
﹁ちっ。予定が狂ったけど⋮まぁ良い﹂
!
!
それに気付いたマリアだが、ガングニールの負荷に耐え切れ無くな
にセレナは裸体となり、そのまま倒れてしまった。
そしてセレナの纏っていたギアが分解を始め、そして終えると同時
!
!
言われるぐらいの握力で。
﹁貴方には関係無い子t﹁黙れ﹂あ
した
ーサンシャイン・ナックル‼
ー
﹂
するとボーンの右腕が巨大な籠手に覆われた‼
︻太陽番長︼の新たなバディ
﹂
真っ赤に燃える様な赤いカラーリングだった
﹁来い
するとボーンは左腕を天に向けた
!
!
!
手の甲には太陽のマークがあしらった装飾品が飾られ、
?
するとボーンは左腕のアブソーバーから1つのパネルボタンを押
!
?
﹁黙れって言ってんだろうがーーーーーー
﹂
まるでそのまま手の甲ごと指だけで貫通させるんじゃないのかと
た。
そんな会話の最中、ボーンは右手を握り拳のように握り潰してい
?
!
!
?
!
!
1271
!
!
!
!
ーコール‼
ー
すると太陽の所から何かが落ちて、そして衝撃波が発生した
そして其処には⋮
赤く煌めく6つの羽。猛々しい二本の双角。
バルドラゴン
が其処にいた⋮
﹁頼んだぞ
﹂
所々に白い鎧があり、そして額にはゴーグルらしき物を着用した竜
!
?
﹁頑張るバルゥゥゥ‼
⋮喋ったのだ。
﹂
その様子を見ていた創世達は驚きながら叫んだ
﹄
ボタンをその巨大な籠手で叩いた
﹂
フルドライブ
必 殺 フェイズ
ファイナル
﹃ボーン・牙王
﹁
﹂
!
!
するとバルドラゴンの身体に変化が生じ始めた
‼
バルドラゴン
必殺コール
﹁頼むぞ
﹂
超頑張る‼
?
するとバルドラゴンの身体に付いていた鎧が弾けとぶ
﹁バル
?
た
すると鉄の塊が巨大で長いハンマーへと変化した
するとバルドラゴンはそのまま勢いよく回転し始める
!
!
は胸に刺さっていた剣を抜くと、そのままその鉄の塊にその剣を刺し
すると頭上には既に鉄の塊らしき物体が滞空、するとバルドラゴン
!
"!
!
そうしていると、ボーンは左腕のアブソーバーについてるドライブ
カー・ドラゴンの顔は浮かなかった。
だが、憑友についている﹃英雄﹄にして、モンスター⋮ドラムバン
台詞を言っていたのはこの際如何でも良い話である。
﹂と最早お約束の
弓美に至っては﹁アニメじゃないんだからー⁉
!
?
?
﹃ドラゴンが喋ったーー⁉
﹄
ボーンはそう言うと竜は雄叫び⋮
!
!
!
1272
!
?
!
"
!
!
"
"
!
﹁いっけぇぇぇ‼
﹂
バル・バースト⋮スマッシャー
﹁うおおおお
‼
﹂
?
?
テレポートでこの場から去った。
そしてそのハンマーの一撃はとてつも無い威力を発揮させた
だが、対象がいなくなった為、衝撃波だけで事無きを得た。
﹁良くやったな、バル
勿論バル
﹂
﹂
!
セレナに触らないで
﹂
!
あ
す
第3勢力
"
今回はお前達を助けた。だが、勘違いするな。
俺は﹃リベレーション﹄⋮お前達で言う
そして俺達の目的は⋮
"
﹃英雄﹄の力を奪う事。シンフォギアを破壊する事。
﹂
そして⋮未来を導く事。
その事を忘れるなよ⋮
!
その者だ。
﹁こんな姿で辺りをうろちょろしてもらうのは好かねえんだよ。
するな﹂とボーンに言われ、大人しくなる。
マリアはセレナに危害を加えようとしていると思ったが、﹁勘違い
﹁
ナに来ていた上着を被せた。
するとボーンはそのまま立ち上がり去ろうとするが、その前にセレ
そう言うとバルドラゴンと呼ばれた竜は光の粒子となって消えた。
﹁
これからもよろしく頼むな
!
するとボーンが隣に現れ、バルの頭を撫でた。
﹁疲れたバル∼﹂
小さな姿⋮SDサイズでへたり込んだ。
するとバルドラゴンは対象がいなくなった事で元の姿⋮では無く、
りかねないぐらいの威力を誇っていたのは言うまでも無い。
だが、その衝撃波だけで、道路に亀裂が入り、下手をすれば崖を作
!
それを見たガリィは慌てながら、テレポートジェムを落として緊急
するとそのハンマーをそのままガリィに向けて放つ
"
!
!
1273
!
"
!
!
そう言うとボーンは立ち去る。その時、突然砂嵐が吹き、そして止
む頃には其処にボーンは居なくなっていた⋮
そしてその場に残った一同の心境は浮かない顔だった。
セレナのギアは分解され、響は聖詠を唄えず、マリアは負荷の影響
で内面的に傷付き、そして唯一の導師である憑友は何1つ役に立たず
に地面に拳を叩きつけた。
そしてマリアは皆の元に歩き、怪我が無いか心配しつつ、響にガン
﹂﹁響⁉
﹂
﹂
グニールを返そうとすると響が条件反射でそのままギアを取り上げ
る。
﹁私のガングニールです
﹁これは、誰かを助ける為に使う力
私が貰った⋮私だけのガングニールです
﹁⋮﹂
その話を聞いた憑友は響の隣に立ち、そして肩に手を置く。
1274
!
?
!
!
そして⋮響が憑友の方に振り向いた瞬間⋮
パシィンッ
!
﹁⋮え
﹂
響の頬にビンタした。憑友の行動に驚く皆。
﹁女に手を上げたくは無かったが⋮﹂
そう言うと憑友は響の手にあるガングニールのギアペンダントを
マリアに返したのだ
⁉
﹂
?
﹂
﹁⋮分かりました﹂
此方が許可するまで、響にガングニールを纏わせないでください﹂
﹁緒川さん。弦十郎師匠にもこの事をよろしくお願いします。
﹁⋮憑友君﹂
かった。
言い訳したかった面々だが、先の憑友の発言で思うように話せな
つく。
そう言うと憑友はそのまま皆に一礼するとそのまま帰宅の途へと
﹁
そうしないと、お前⋮戦場で死ぬぞ﹂
そんな甘ったるい事は今すぐに消しておけ。
そんなのは、﹃英雄﹄達が成せる業だ。
﹁この先、綺麗事でなんとかなるとか思うな。
すると憑友は響に向けてこう吐いた。
そう言いながらマリアの手を持つとギアを無理やり手渡す憑友。
しょう﹂
なら、マリアさんが使ってくれていた方がガングニールも安泰で
寧ろ、拒絶されるのがオチ。
今の響の状態に、ガングニールは応えてなどくれない。
れる。そう判断した次第です。
﹁だったら、例え傷付いても、戦える人の方がガングニールは応えてく
﹁‼
﹁今の響はガングニールを持つ資格なんてありません﹂
﹂とマリアが言うと憑友はこう言った。
﹁如何いうつもりだ
!
?
それを聞き入れた緒川にも一礼すると、憑友はたった1人でその場
1275
?
?
!
を後にしたのであった⋮
そして響は憑友からビンタされた方の頬に手を添え、そして何故自
分がこんな事になってしまったのかを考え込んでしまったのであっ
た。
それ以来、憑友と響が会話する事は無くなった。
S.O.N.G.の方でも⋮学校の方でも⋮部屋にいても⋮
一言も会話する事は無かった。
⋮あの日までは。
1276
♪11 ﹃鏡﹄の力∼9人目のシンフォギア装者∼
﹂
その頃、緊急テレポートを行ったガリィは、キャロル達のアジトに
戻ってきていた。
﹁ガリィ⋮﹂
﹁そんな顔しないでくださいよ∼
碌に唄えない奴と、歌っても大した事無いんですから∼
私を置いて逃げやがって
﹂
!
﹂
﹃聖杯﹄の分際でよくもまぁその減らず口が叩けるものだ
﹁そんな事よりもジィスはどこ行きやがった⁉
な﹂
﹁ふんっ
﹁げっ。会いたく無い奴が嫌がったよ⋮﹂
スコアラー︾⋮レグルスが現れた。
そんな2人の会話を割って入るかのように、唯一の男性型︽オート
﹁逃げたのでは無い。戦略的撤退だ。性根腐ゴスロリ﹂
﹁そう言えば⋮あの騎士道馬鹿
﹁⋮だが、良くやった方だな。ジィスから報告を受けている﹂
!
!
それに我が臣下を過労で倒れては困るのでな﹂
﹁マスタ∼﹂
﹁俺が自ら頼んだのだ。
彼奴はミカとは対照的に防御特化型の︽オートスコアラー︾
傷付いた身体を治すのに必要なエネルギーを賄う為には色々と手
間がかかる。
だが、それ故にありとあらゆる戦況に置いては有利不利がない万能
マ ス ター
さを誇っている﹂
﹁ふっ。流石、我が神。見事な采配ぶり。
趣味の1つでも合えば、喜びに浸りたいものよ﹂
﹁⋮ちっ。これだから、王様は嫌いなんだっつうの﹂
そう言っているとキャロルが次の命令を繰り出した。
レイラインの解放
を進めよとの事だっ
それは、響のガングニールを分解せよとの事だった。
そして自分達の目的⋮
"
"
1277
!
﹁彼奴は休暇だ。欠陥故に息抜きも必要なのだ。
?
!
た。
﹂
するとキャロルはガリィに、﹁今回は戦闘特化型のミカを連れて行
﹂
くと良い﹂と言ってきた。
﹁良いゾ
﹁そっちに言ってんじゃねぇ
﹁お待ち下さい、マスター﹂
﹁⋮そうだな。ガリィ。2人を頼むぞ﹂
﹁⋮はぁ∼い⋮︵私はお守りかよ⋮ちっ
﹁聞こえていたぞ。ガリィ﹂
⋮じょ、冗談ですよ∼もう∼♪﹂
!
﹁分かったゾ
﹂
﹁では、ミカ様。ガリィ様。行きましょうか﹂
﹁⁉
﹂
﹁ミカを連れて行くのなら、私もお役に立てるかと﹂
ガリィは先のジィスの行動に苛立ちを隠してはいなかった。
するとキャロル達の会話の中、ジィスが現れた。
﹁⋮ちっ。漸くかってんだ⋮ジィス﹂
!
!
唄えない⋮
﹂
未来に言われ、﹁うん﹂と言いながら響は今回の事を話した。
くる場所⋮﹃陽だまり﹄である。
けれどもやはり響にとっては未来は大切な幼馴染で、そして帰って
あった。
そ し て 助 け た い と そ れ ぞ れ の 想 い が 交 錯 と 言 う 形 で 戦 っ た 事 も
て、
大事な存在。だけど、その関係を一度は壊してしまうも、仲直りし
響と憑友の幼馴染⋮未来だった。
﹁眠れないの
そんな中でもやはり響の側には彼女がいた。
さに心を痛めていた。
一方、響は憑友からのビンタを受けた事と、そして自分の不甲斐な
ーーーーーー
そう言うと3人はアジトを後にした。
!
?
1278
?
この手で誰かを傷付ける事がとても怖くて、自分の弱さで皆んなを
巻き込んでしまったと言う事を。
そして、今を思えば、そんな弱い心を持ってしまった自分に見切ら
れたのだろう。憑友がビンタと言う形で響との絆を断ち切られた。
そんな自分の事を悔やむ響。
そんな響の拳を未来は両手で優しく包み込む⋮
﹁私は知ってるよ。
響の歌は誰かを傷付ける物じゃないって事を⋮
きっとそれは1番近くにいる憑友もそれは1番良く知っているよ﹂
﹁憑友も⋮﹂
﹁うん。だって、憑友⋮﹃響の歌があるから今の俺がいるんだ。
響の歌は俺に生きる希望を与えてくれるんだ﹄って、前に言ってた
⋮憑友が⋮﹂
んだ⋮﹂
﹁
﹁私と憑友は信じてる。
響の歌は、拳は、誰かと手を繋ぐ為の物だって事を⋮﹂
﹁未来⋮ありがとう﹂
そう言いながら、2人は就寝した。
ーーーーーー
そしてリディアンでは未来と創世達で昼食を取っていたが、そこに
憑友と響の姿は無かった。
響は課題をしないといけないと言って、教室に残っていた。
﹂と言って良い程、花より団子な響。
普段は授業に追いつくだけでも一苦労で、﹁好きな食べ物はごはん
&ごはん
ツッキー⋮﹂﹁憑友⋮﹂
﹁これは⋮﹂
すると未来にギアペンダントを渡してきた。
創世達から言われる憑友。
﹁
するとそんな彼等の所に憑友がやって来た。
症と見て、間違い無かった。
そんな響が課題にのめり込んでいるとなると、先の戦いでは相当重
!
1279
!
!
﹁ガングニールのペンダント。
⋮俺だって、あんな事はしたくは無かった。
けど、俺は今の彼奴から放たれる歌に、心が踊らないんだ。
今迄は彼奴の歌を聴いたから此処まで生きてこれた。活力を誰よ
りも多く貰えた。
けど、今の響の歌には俺の心には届かない⋮﹂
﹁⋮つまり、今の立花さんの歌では自分はもしかしたら⋮﹂
﹁恐らく⋮あの世だな﹂
そう言いながら響の事を話す憑友。
話を聞いた創世達は消沈する。
﹁だが、彼奴はすぐに見つけ出せるさ。
﹂
をな﹂
"
﹁私だけ⋮
﹂
?
ス。
イギリスにて翼さん達と相対したファラと唯一の男性型のレグル
クリスさんが戦ったレイアとシィバ。
﹁響さん達の前に現れ強襲したガリィとジィス。
全員いる。
因みにあの後、霊風達も回復し、今はこの場に憑友以外の導師達が
インとサモンが説明した。
ラーと、第3勢力﹃リベレーション﹄に関する情報が流れ、エルフナ
一方、S.O.N.G.の方では、前回襲撃してきたオートスコア
ーーーーーー
その日、憑友とリディアンで会う事は無かった⋮
そう言うと憑友は席から離れて、手を振りながら後を立ち去った。
﹁﹂コクンッ
私が響が唄う理由を取り戻せる鍵なの
?
持っているのはただ1人⋮未来だけなんだ﹂
﹁その鍵を俺は持っていない。
?
己が唄う理由
響が唄う理由
"
⋮
﹁
"
そして未だ姿を現していないミカとジュエルの8体が、
1280
"
キャロルのオートスコアラーになります﹂
﹁此処からは私が話を進めるわ。
第3勢力﹃リベレーション﹄の構成人数はたった3人。
私は無理やり開発研究に携われてしまい、彼等に﹃FUSION DRIVE﹄と言う、
﹃英雄﹄2体の力を1つにしたシステムを構築す
るアブソーバーを作らされたわ。
⋮さて、経緯の話は此処までにしましょう。
まず、先の火災事件の際に記録された防犯カメラから映し出された
映像から発見された映像には憑友君と水色の戦士が映っていた。
憑友君が戦った戦士は⋮
︽氷魂導師︾アヤカシ。
その名の通り、氷のような冷気をまとった攻撃を得意とするだけで
はなく、翼さんのような生粋の刀使いで、
﹃陰陽抜刀術﹄と呼ばれる剣技で、相手を斬る剣技を持ち合わせている
1281
わ。
それに加え、彼の元についている﹃英雄﹄達は皆、刀や剣などの生
粋の剣士・侍型の﹃英雄﹄が多い事も分かったわ。
そして次に先の件にて憑友君が、
グラップラー
火災の件でロック君と相対したのは⋮
︽地魂導師︾ボーン。
此方は逆に己の拳で戦う拳闘士タイプ。
それに、義理人情に厚い性格でもあるわ。
現に彼が監視に着いた時は色々とお世話になったわ。
﹂
そして彼のやり方は以前の憑友君と響さんの格闘データとよく似
た戦い方をしてるのが特徴です﹂
﹁つまり、憑友君と響ちゃんと関係深いと言う事ですか
﹁恐らく。
⋮さて、最後の1人。
︽雷魂導師︾アンデッド。
故にその実力は先のイギリスでも、証明しています﹂
⋮﹃リベレーション﹄のリーダーだと言っていました。
?
そう言いながら、サモンはライブ会場内のカメラを見てみると、そ
魔法
に関する攻撃系統には強いと言
こにはアンデッドが霊風と零,陰陽兄弟4人を相手に圧勝していた。
﹁彼の特徴は雷を扱う事と、
う事も分かってます。
ですが、その詠唱文は長くても
詠唱付き
"
込みにくいのが特徴です﹂
﹁此奴らが⋮﹂﹁俺達の敵⋮
﹂
﹁人形遊びに付き合わされてこの体たらくかよ⋮
﹂
﹁おまけに導師の名を持つ者同士が戦う羽目になるとは⋮
そんな話をしていると弦十郎がこんな事を言った。
﹁そこで、エルフナイン君とサモン博士から立案が出た﹂
その話を聞いた皆は2人に視線を向ける。
すると映像にはある文字が書かれていた⋮
!
!
で人気の無い場所へと向かって走り出す
だが、そこに7体目のオートスコアラー・ミカが現れ、2人は急い
その頃、響と未来は2人きりで帰路へと着いていた。
ーーーーーー
だ﹂
﹁プロジェクト・イグナイトと、イグニッション・カインドプログラム
!
﹂
大半は詠唱無しでバンバンと放ってくるので迂闊に間合いに入り
2,3行ちょっとしかないだけの物ばかり。
彼が扱う魔法の殆どは
"
!
気配を感じて振り返るとなんと既にジィスが待機していた
﹁⋮また貴方ですか。
さもないと、アルカ・ノイズ達が貴方を襲いにかかりますよ﹂
去りなさい。
私達はシンフォギア装者だけが目的でなので、貴方は此処から立ち
!
そんな中で未来は響を助けようと動こうとした時、突然後ろからの
そこを渡っていた響は下に落っこちてしまう。
そして逃げた先でアルカ・ノイズの攻撃を受けた階段が分解され、
!
﹂とはっきりと言い切りながら、述べ始めた。
1282
"
"
そう言いながらジィスは未来をこの場から逃がそうとするが、
未来は﹁嫌です
!
﹂
﹁例え、シンフォギア装者じゃなくても、私は⋮
私は、響と憑友を守るんです
﹁⋮真性の愛が成せる業。
そう言うとジィスは未来の喉元に槍を突き付ける
﹁ならば、その愛を抱いて溺死しなさい﹂
未来ーーーーーー
﹂
ーーーーーーSIDEto未来
﹁⁉
響の声が聞こえる。
ーそれが貴方の愛なのですねー
え
ピカァァァンッ
﹂
!
⋮そうか。私が欲していた存在は此処にいたのか﹂
!
生きて、響と⋮憑友と⋮3人で明日を生きるんだ
私はまだ生きたい
ううん。違う⋮
私はこのままやられるの⋮
!
?
1283
!
!
!
なんだこの光は⁉
﹂
?
﹁⁉
﹂
﹁眩しいゾ∼⁉
﹁未来
眩しい⋮
ーーーーーー
!
!
?
?
?
⋮此処は
﹁此処は禊の間です﹂
⋮貴方は一体⋮
た
待って
貴方のお名前を
﹁名乗る者でありませんよ♪
ただ、強いて言うならば⋮
⋮はい
小日向未来。貴方のその思い⋮忘れないで下さいね﹂
のです。
私は一国を納め、女王として崇められた﹃倭の国の王﹄。それが私な
!
そう思っているとあたりがキラキラと光の粒子となって消え始め
私が⋮神獣鏡の正統な適合者⋮
歪みし鏡⋮神 獣 鏡のシンフォギア装者よ﹂
シェンショウジン
その愛を忘れないで下さい⋮小日向未来。
だが、今度からはこの力は貴方と共にいます。
かつての貴方の借り物の力。
﹁貴方にならこの鏡を持つに相応しい。
⋮
そこには真性の愛があるから﹂
しょう。
けれど、今の貴方は歪みし鏡の誘惑なぞ、全く持って通用しないで
友を殺すところでした。
﹁かつて、貴方は歪みし鏡の誘惑に負け、そして後一歩の所で大切な親
?
た。
それはつい先日、憑友からプレゼントとして貰ったペンダントだっ
出した。
そして光が収まり、そして未来は首にぶら下げていたある物を取り
ーーーーーーNO SIDE
!
1284
?
!
!
!
﹂
だが、それを見たジィスは目を見開いた。
﹁まさか、此処にもシンフォギアが⁉
そうしていると未来は目を閉じ、そしてペンダントを握り締め、そ
して⋮﹃聖詠﹄を詠った⋮
そして光が放たれると、未来の身体を、シンフォギアが纏い始めた
れていた時の未来の姿が現れた。
﹂
だが、その瞳のハイライトは消えてはいない⋮
﹁っ
!
すると未来はすかさず下に降りて、響をお姫様抱っこの形でこの場
!
1285
?
﹁Rei shen shou jing rei zizzl⋮﹂
!
そして変身を終えると、そこにはかつてウェルの企みにより、操ら
!
から離れようとする
﹂
待つんだゾ‼
わっていた
﹂
﹁アウフヴァッヘン波形を感知
﹁照合パターン⋮出ます
﹁神獣鏡だとっ⁉
﹂
﹂
﹁装着者は⋮未来ちゃん
﹁⁉
﹂ ﹂
そう言うと憑友は急いでその場所へと急行した。
⋮行かなきゃ
﹁神獣鏡⋮未来なんだな。
﹃どうやら神獣鏡が起動したようだ﹄
其処では憑友がシンフォギアの鼓動を感じた。
そしてS.O.N.G.から離れ、とある場所。
﹂
だが、未来が今⋮その神獣鏡のギアを纏っているのである。
に消失したと思っていた。
だが、それはかつての自分達の起こした︽フロンティア事変︾の時
神獣鏡はフロンティアを浮上する際に必要な聖遺物。
近くにいたナスターシャもこれには驚くばかりであった。
なんと、未来がまたシンフォギアを纏っている事に驚く一同。
﹂
そして映像には﹃SHEN SHOU JING﹄と書かれていた。
!
!
!
一 方 そ の 頃、S.O.N.G.の 方 で は 先 の 未 来 の 変 身 の 事 も 伝
ーーーーーー
﹁まさか、あの少女もシンフォギア装者だったとは⋮‼
﹁あ
!
?
!
1286
?
?
!
?
♪12 ガングニール再び/雷の裁き
﹂
響をお姫様抱っこした未来は響に⋮憑友から手渡されたギアのペ
ンダントを持たせる。
そして未来は響に話した。
﹁聞いて、響。
﹂
響の歌は誰かを傷付ける為の歌じゃ無いよ
﹁
る
私だから知ってるの
﹂
だって私は、響と戦って⋮救われたんだよ
﹁‼
﹂
﹁伸ばしたその手も、誰かを傷付ける為の歌じゃ無い事⋮私は知って
!
!
!
よ
﹂
だから怖がらないで
﹁未来⋮
﹂
ン・オウシャク︾を円型に変えて、そこからビームを放つ技
を放つ。
そんな未来の言葉を聞いた響。
﹂
その瞳の奥には魂が鼓動していた。
﹁未来。ありがとう﹂
﹁おかえり。響﹂
﹁うん
⋮私、今なら歌える
そう言うと近くの地面に降り立ち、響を下ろす。
閃光
"
⋮
そして響は未来から託されたペンダントを握り締めて叫びながら
"
それに対応するかのように、未来はアームドギア︽シェンショウジ
!
響の歌に救われて、響の手で今日に繋がっている人はたくさんいる
﹁私だけじゃ無い。
?
そうしていると、後ろからミカが強襲を掛けてきた
!
!
!
!
1287
!
!
!
﹃聖詠﹄を詠った⋮
﹂
︵挿入歌﹃限界突破 G│beat﹄悠木碧︶
﹁ありがとう未来。
私の歌を
!
私⋮この力と責任から逃げてきた。
﹂
だけどもう迷わない⋮だから聞いて
﹁⋮うん
ーーーーーー
﹂
その証拠として、ガングニールのギアが響の身体に纏ったのだ
すると響の声に、ガングニールは応えてくれた
nーーーーー‼
﹁Balwisyall Nescell gungnir tro
!
ようになった事に皆は歓喜していた。
﹁どうしようもねぇ、バカだな﹂
﹁バカ故に単純なんだろうな﹂
﹁ふっ。流石、響ちゃんだな⋮
ガングニールの後継者はこうでなくちゃな
!
波形感知を介して、笑みを浮かべていた。
﹃⋮どうやら、響ちゃん。吹っ切れたようね﹄
﹁ああ。
俺達も頑張ら無いとな⋮
幼馴染2人が戦っているんだ⋮
﹂
!
!
こんな所で挫けている暇なんて⋮無いんだからな
﹂
その頃、未来達の元へと駆け出そうとしていた憑友も、フィーネの
上からクリス,ロック,奏がそう言いながら響の勇姿に浸っていた。
!
その頃、S.O.N.G.の方でも響が再びガングニールを纏える
!
!
!
?
フィーネ‼
﹂
そう言うと憑友は左腕にアブソーバーを装着した。
﹁行くぞ
?
1288
!
!
﹂
﹃胸の炎⋮燃やしなさい
﹁応よ
﹄
がついたアブソーバーに変わった
ーバーニング・ライド・アブソーバー
﹂
フォーム、オ・レ
して、レバーを引いた
﹁変身
ーライド
ー英雄の魂
オレに宿れ
ー
灼熱,炎拳,バーニング・ヴォルケーノ‼
!
ー
ー
そして走りながらアブソーバーから現れた魂を纏った
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
カードを置き、またスライドし直し、そして基 本 の 姿のカードを装填
ベーシックフォーム
そして憑友はアブソーバーをスライドさせ、その下にフィーネの
!
!
するとアブソーバーは見る見る姿を変え、炎をあしらったフレーム
た。
すると憑友はフィーネのカードを取り出し、アブソーバーに翳し
!
!
達のもとへと急いだ
するとそのまま憑友は跳躍し、背中から炎の翼を広げて飛翔し、響
?
!
!
!
!
特徴で、
黄色のベストを着用していた青年。
﹁ひと暴れしますかね﹂
そう言うと青年は指を天に向けた。
すると突然そこへ雷が落ちてきたのだ
そしてそのまま雷は青年に直撃した
だが、青年の立っていた場所には青年は居なかった⋮
そして地面にも雷で焦げ付いた跡は一切無かった⋮
!
!
!
!
トパーズのような瞳。黄色のちょっと変わった稲妻模様の癖毛が
そう言いながら本に栞を挟んで閉じる青年。
﹁⋮ようやくと言った所か﹂
た。
その様子をこんな雨模様の中で呑気に屋外で読書していた輩がい
!
1289
!
!
この青年⋮まさか⋮⁉
ーーーーーー
アルカ・ノイズを殲滅していく
そして2人は其々の相手と激闘を繰り広げる
﹂
﹂
!
﹁私は、剣・槍・弓を扱う︽三騎士︾の力を持っています。
するとジィスは背後に手を回し、そこから一対の弓矢を構えた
その様子を見た未来は警戒する。
えも放棄した
だが、それを察したジィスは敢えて得物である槍と剣,そして盾さ
相手の攻撃を受け流すだけで精一杯だった。
だが、未来ははっきり言って戦闘経験は無いど素人。
そう言いながら、2人の攻防は始まる
﹁っ
﹁此処で貴方を打ち倒します
そして2人が相対し出したのは、今いる場所の屋上だった。
く。
そんな未来の行動を察したジィスはそのまま未来の後をついて行
そんな中で未来はジィスと戦いやすい場へと移動し始めた。
!
!
響は戦闘特化型のミカを、未来は防御特化型のジィスを筆頭とした
その頃、響と未来は同時に頷いて、激闘を繰り広げていた。
?
筋型。
弓矢を用いる事は無いです。
しかし、それでも⋮
﹂
私は貴方のその想いを込めた一撃を貰いたいのです﹂
﹂
﹁なら、今度はこっちが本気で行くよ
﹁臨む所です
友の﹃英雄﹄である衛宮と互角と言っても過言では無かった。
その正確さは、ロックのパートナー﹃英雄﹄であるアーチャーや、憑
その攻撃をジィスは正確に射抜く
そう言うと未来は接近しながら、アームドギアで連射し始める
!
!
!
しかしながら、私は先程の行動の通り、接近して攻撃を繰り出す脳
!
!
!
1290
!
!
来
その間にも未来は接近し、その隙を作らせてしまったジィス。
﹂
そして一撃を与えようとした⋮その時だった⋮
ビガァァァァァァ‼
⋮うわぁぁぁぁ‼
﹂
きゃあぁぁぁぁ‼
﹁
﹁⁉
未
!
を感じたが、
ぐっ
﹂
﹁余所見は禁物だゾ
﹁
!
するとそんな2人の戦いの間に何かが落ちてきた
それを察した2人はすぐにその場を飛び退ける。
ジィス‼
大丈夫なんだゾ
﹂
程まで未来と戦っていたジィスが傷付いていた
﹁
未来‼
﹂
抵抗すらせず、微動だにもしていなかった
﹁
り出したのか、レイピアを使って、未来のギアに傷を付けたのだ
は地面に倒れてしまった
!
その瞬間に未来が纏っていたギアが分解され、そしてそのまま未来
!
そう言いながら男はそのまま未来を上空へと投げると、何処から取
者と出会うとはな⋮﹂
﹁ふん。凄まじい程の魔力を感じて来てみれば、とんだクソ外れな装
!
そして未来の方はギアを纏ってはいるものの、力が入らないのか、
が未来を担ぎ上げていた。
そしてミカはジィスが落ちてきた方向を見ると、そこには1人の男
そう言うとジィスは気絶した。
﹁ミカ様⋮気を付けて⋮﹂ガクッ
?
!
そして衝撃と共に、砂煙が舞い、そして晴れるとそこにはなんと先
!
ミカがそれを阻止せんと動き出し、響は思うように動けなかった。
!
﹂
その声を聞いた響は戦いを中断し、上に行った自分の幼馴染に異変
ーーーーーー
小日向殿
?
?
1291
?
?
?
!
!
!
!
﹁
⋮未来ぅぅぅーーーーー‼
﹂
そんな中でも未来の名を叫ぶ響。
だが、そんな響にも危機が迫っていた
背後からミカが迫って来ていたのだ
﹂
ジャボンッ
﹁⁉
﹁残念∼
それは水に写った
幻
﹂
それに気付いた響はそのまま回転して拳をぶつけるが⋮
!
!
そう言いながら男のレイピアは砕け散った。
てな分、絶大だな﹂
﹁アルカ・ノイズの﹃分解﹄特性の加護を受けたこのレイピアは使い捨
?
その一撃をくらった響。
そうしていると響の懐へミカが射出物を飛ばしてきた
ガリィは機会を窺いながら、この隙を生み出していたのだ
そして響の真正面にはなんとガリィがいた
"
!
た
その瞬間、響のギアも分解され始めたのだ
するとそのまま地面に落下した響。
た。
﹁あの男は
﹂
﹁イギリスで会った︽雷魂導師︾
﹂
その頃、S.O.N.G.の方では青年の姿を見た霊風達は戦慄し
ーーーーーー
﹁⋮俺の事を知ってる訳か﹂
するとオートスコアラーは目の前にいる男に警戒をし出した。
2人のシンフォギア装者が倒れた瞬間でもあった。
!
それは勿論、胸に取り付けられているギアにヒットし、そして砕け
!
!
!
"
?
﹁サモン博士⁉
﹂
ただ1人⋮サモンだけは怯えていた。
その話を聞いた弦十郎達は驚きに包まれる中、
!
!
?
1292
!
!
誰1人として⋮勝てない
﹁ライジン・V・エレクロニング。
彼には勝てない⋮
!
力を誇るのよ﹂
今迄1000を超える数の軍勢を相手にたった1人で勝利した実
!
たかが1000人程度だろうg﹁誰が1000人と言ったか
﹁けっ
!
・
・
﹄
・
・
﹂
!
と言うのだ
・
・
・
・
・
・
軍勢の数⋮1000を相手にたった1人で挑んで、そして勝利した
だが、あの男⋮ライジンは人外だった。
力を誇る者はそう簡単にはいない。
だが、
﹃英雄﹄と言えども⋮無数の軍勢を相手に立ち向かえる程の実
それも﹃三国志﹄のような﹃英雄﹄達なら尚更強い。
たった1人で1つの軍勢を倒した実力を誇る者は多い。
その一言で皆は驚愕した。
﹃⁉
した男なのよ
1つの軍勢 ⋮ そ の 1000倍分 の 各 軍 勢 を 相 手 に た っ た 1 人 で 勝 利
・
﹁彼は、1000人程度の1つの軍勢を倒したんじゃない
﹂
﹂は
?
?
アイオニアン・ヘタイロイ
この者の正体は知っていたのだろう。
もし、この場にファラ又はレグルス。又はその双方揃っていれば、
は知らなかった。
そんな中でオートスコアラーは男が何者なのかこの場のメンバー
ーーーーーー
だ。
だが、そんな﹃英雄﹄の宝具でも⋮きっと彼には届かないと言うの
ライジン
それは読んで字の如く⋮軍勢そのものである。
文字通り、自らの軍勢を呼び出して、突撃する技。
彼の必殺技もとい﹃宝具﹄⋮﹃王 の 軍 勢﹄
猛者。
ライダー⋮又の名を︻征服王︼イスカンダル。人の身で王になりし
﹃英雄﹄の1人にして、﹃騎乗兵の英霊﹄である王の品格を持つ存在。
!
1293
!
!
すると男はそのまま帰路しようとしたその時だった
突然、上空から巨大な炎の塊が現れた。
﹁お前たちか⋮
お前たちが、響と未来をやったのかーーーーー‼
﹂
すると憑友は響と未来の姿を見て心を揺さぶられた。
イドに強化変身した憑友が其処に立っていた⋮
そしてその炎はみるみると消え、そしてそこには⋮バーニング・ラ
!
彼等︽オートスコアラー︾の目的は先の戦闘で達成されたばかり。
まま地面に投げ落として、そのままテレポートした。
そう感じたガリィはすかさずテレポートジェムを取り出して、その
今の自分達ではあの男達に為すすべは無い。
カを抑えつける。
そして其処に、先程傷を癒えたばかりのジィスも加わり、2人でミ
で抑えつける。
それを見たミカが戦いたそうにしていたので、それをガリィが掴ん
その猛々しくそして荒々しい口調を言いながら絶叫する憑友。
?
これ以上やった所で何かが変わる訳も無かったのだ。
﹂
!
いたアイテム⋮マルチアブソーバーを取り出し、左腕に装着した
!
するとライジンはベスト裏に忍ばせていた本から栞を抜き取った。
よく見てみるとそれは栞では無く、カードだった
!
するとライジンはそのカードをアブソーバーに装填、そしてレバー
を引いた
?
﹁変身﹂
ー
フォーム、ボルテクス‼
雷鳴,轟く‼
ーアンデッド
神の裁き
?
!
!
そして現れたのは、黄色で派手な雷の模様が刻まれたローブを羽
!
1294
!
そんな中で憑友は男⋮ライジンに目を向けた。
﹂
﹁お前が⋮お前がやったのか⋮
﹂
﹁⋮たとしたら
﹁倒す
?
それを聞いたライジンは不適な笑みを浮かべながら、懐に忍ばせて
!
織った杖と本を携えたライジンが其処にいた。
まるでファンタジー物語に出てくる魔法使いのような存在だった。
今まさに2人の戦いが切って落とされた
この戦い⋮勝つのは憑友か。はたまたライジンなのか。
それとも⋮
次回へ続く。
tobecontinued⋮
1295
!
♪13 黒キ炎VS白キ雷
雨が降りしきる中、憑友は2人に上着を羽織らせ、そして雨に当た
らず、尚且つ今から起きるであろう戦闘の激化に伴い、安全な所へと
移動させた。
そして憑友は上半身裸のまま、
︽雷魂導師︾アンデッド改め、ライジ
ンと相対する。
﹁﹃先史文明の巫女﹄の技術と、己の炎。
更には︽精魂導師︾特有の感情の引き金︽トリガードライヴ︾をも
﹂
この力は、世界を救う為に使ってきた力なんだ
発動しての応戦か。実に滑稽だ﹂
﹁ふざけんなよ
それを侮辱するな
!
そう言いながら憑友は拳を振り上げながら、ライジンに攻撃を仕掛
けていく
!
だが、ライジンはその攻撃を悉く躱していく⋮
そして同時に憑友にカウンターを与えていく
だが、憑友はそれを軽く受け止める
引いた
ー
フォーム、アカネ
ーライド
炎の咎人
聖なる扉
!
ト:リート︾から灼熱の炎をぶつける
﹂
だが、ライジンは本を開いて詠唱を始める
来たれ、雷神の刃
⋮エレキスラッシュ
﹁
すると杖から雷の刃が放たれ、憑友の攻撃を相殺する
"
バーを引いた
ーアンデッド
フォーム、アーサー
ー
担いだ青年の魂が現れ、ライジンはその魂を纏った
!
するとライジンの隣から白い服装が目立ち、王冠と金髪で、大剣を
!
!
その隙にライジンも憑友同様、アブソーバーにカードを装填し、レ
!
!
!
そしてアカネの力を纏った憑友はそのまま拳型ドライバ︽イグナイ
!
!
!
1296
!
!
すると憑友はカードを取り出して、カードを装填、そしてレバーを
!
!
!
!
!
!
"
ー聖なる扉
ナ イ ツ・ オ ブ・ キ ン グ
騎士達の﹃王﹄ ー
!
そしてライジンは大剣型ドライバ︽エクスカリバー︾を振りかざす
!
それを見た憑友はすかさず炎のシールドを展開し、その攻撃を受け
止めた。
何故回避をせずに、防御を選択したのか。
それは至極単純⋮その後ろに未来と響がいたから。
‼
﹂
﹄
対してライジンは大剣から光が輝き始めた
オース・ラヴァ
﹁
﹂
アクティブスキル
2人の﹃英雄﹄の必 殺 技が激突した
!
ーライド
黄金コンビ
ー
フォーム、サトシ&ピカチュウ
幾多の冒険
!
!
すると憑友はカードを入れ替え、すかさずレバーを引いた
そして爆煙が晴れ、其処にいた2人はまだ余裕があった。
!
すると憑友はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
フルドライブ
﹄
それと同時に、ライジンもドライブボタンを叩いた
﹃ライド・アカネ
フルドライブ
!
すると憑友の拳から灼熱の炎が噴き出し、
﹃アンデッド・アーサー
!
ホーリー・グレイル
﹁
"
した
すると憑友は以前、ロックと共闘した際に着ていた姿へと変わった
ーカロス・スタイル
ー
其処には①∼⑥までのボタンがあり、憑友は迷わず⑥のボタンを押
そのまま憑友はアブソーバーのパネルボタンを見た。
!
!
!
!
!
"
!
!
"! ?
!
!
︵詳細は無印編45.5話参照︶
ー
?
!
するとその姿を見たライジンは不適な笑みを浮かべながらそのま
フォーム⋮セレナ‼
!
まカードを入れ替え、そしてレバーを引いた
﹂
ーアンデッド
﹁え
?
1297
!
"
!
突然、アブソーバーの発生音から流れた名前に憑友は驚く。
自分の義理の姉であるセレナの名前を言ったのだから。
⋮
?
い奴の方でな⋮
﹂
残念ながら、俺が呼んだのは、お前が今なっている﹃英雄﹄と親し
者がいたな。
そっちの陣営には﹃セレナ﹄と言う﹃アイギス﹄のシンフォギア装
⋮ああ、そうか。
﹂
だが、アブソーバーから現れたのは自分の知るセレナでは無かった
﹁
!
セレナ義姉さんじゃない⋮⁉
﹁
!
を纏った
ートライポカロン
ジャジャーンとオシャレ
ー
!
﹁モンスターボール
モンスターボールだった
するとライジンはそのままボールを投げた
﹂
木の枝をつけたポケモン・テールナーを呼び出した
﹁テナテナー
モン⋮
﹁ゲッコウッ‼
﹂
ゲッコウガを呼んだ
﹁ポケモンバトルたるもの、
!
そして現れたのは、蛙と忍者を合わせたかのようなスマートなポケ
た
それを見た憑友は躊躇わずにあるポケモンが入ったボールを投げ
!
!
そして現れたのは、狐と魔法少女のような姿をし、スカート部分に
!
!
サトシ達︽ポケモントレーナー︾の必須アイテム⋮
﹂
それを見た憑友は目を見開いた。何故ならそれは⋮
するとライジンは腰からある物を取り出した⋮
すると其処には赤を基調とした服装をしたライジンが立っていた。
!
!
そう言うとライジンは隣に立っていたセレナと呼ばれた少女の霊
!
?
1298
?
!
﹂
かえんほうしゃ
﹂
ポケモン同士を戦わせるのが流儀。
行くぞ
テールナー
﹁テー⋮ナー
﹂
かげぶんしん
﹂
その先端から火を放射してきたのだ
﹁躱して、
﹁ゲッコウッ
"!
!
するとライジンの指示を受けたテールナーは木の枝を取り出して、
"!
!
"
めざめるパワー
﹂
﹂
めざめるパワー
なり、無数の分身を作り出した
﹁
﹁テ∼∼ナ∼‼
するとテールナーの技
命中していく
﹂
そして本体も命中した
﹁さぁ、どう動く
"
最後の最後まで
とことんやってやるぜー‼
﹁これだから⋮バトルは面白いんだよな⋮
なら
﹁俺達はもっともっと強くなる‼
﹁うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
﹂
﹂
﹂
﹂と驚愕の顔を見せた
その雄叫びと共に、ゲッコウガの身体に変化が生じ始めた
それを見たライジンは、
﹁なんだこの力は⁉
のだ
!
するとなんと憑友の動きとゲッコウガの動きがリンクし始めた
?
!
すると憑友のアブソーバーから光が放たれる
!
?
!
"
!
"!
挑発を見せるライジン。だが、憑友は笑みを浮かべていた。
?
が分身ゲッコウガ達に
すると憑友の指示を受けたゲッコウガはそのまま上空に回避する
!
!
!
?
!
!
ー
あるサトシとよく似た姿になっていた
ーシンクロ・ジェネレーション‼
?
2人の﹃シンクロニティ﹄が成せる存在⋮
それはサトシとゲッコウガ。
!
?
そしてゲッコウガの姿は、先程よりも憑友が纏っている﹃英雄﹄で
!
1299
! !"
?
"
サトシゲッコウガに変身したのだ
ーーーーーー
うのか⋮
ふっ⋮憑友らしいな⋮ったく
ーーーーーー
︵挿入歌﹃XY&Z﹄松本梨香︶
︶﹂
だが、
﹃フィーネ﹄の力を得た事でそれを扱える技量を獲得したと言
⋮いや、なれなかったのか。自分が当時はまだ弱いばかりに。
だが、サトシゲッコウガにはならなかった。
﹁︵1年前から使用していたサトシの力。
ただ1人、霊風は冷静に判断していた。
きを隠せなかった。
そ の 様 子 を 見 て い た S.O.N.G.の 面 々 は こ の 光 景 を 見 て 驚
!
﹂
そしてサトシゲッコウガへと変化したゲッコウガにサトシに扮す
る憑友が指示を出した
みずしゅりけん
"!
/うぉぉぉ⋮行っけぇぇぇ‼
それも完全にシンクロしていたのだ
﹁﹁ゲェェェ⋮コウガッ‼
﹂﹂
?
トした
﹁テナッ⁉
﹂
テールナー
すると今度は違うカードを取り出し、装填、そしてレバーを引いた
アブソーバーのカードを取り出した。
それを見たライジンはそのままテールナーをボールに戻し、そして
である。
その手裏剣の一撃で、テールナーは目を回した。俗に言う戦闘不能
﹁
﹂
するとその水の手裏剣はそのままテールナーにクリティカルヒッ
?
!
するとゲッコウガは背中の巨大な水の手裏剣を持った
﹁ゲッコウガ
!
その間になんと憑友がゲッコウガの動きを真似たのだ
!"
!
!
?
!
1300
!
!
!
!
!
ーアンデッド
フォーム、純平
ー
ー
が現れ、ライジンはそれを纏った
ていた
ミョルニルサンダー
つける
﹁
‼
﹂
?
た‼
﹁ゲッコウガ
⋮がはっ⁉
﹂
だが、アンデッドの攻撃は憑友のいる場所までは届いていない
それと同時に憑友にもダメージが襲いかかった
?
メージが与えられる﹄と言う物だったのだ
それを今更ながらに気づく憑友。
だが、それでも彼は立ち上がる。
カードを抜き、元の炎魂導師の姿に戻る。
それを見たライジンは首を傾げるが、
ー
憑友は今度はあるカードを差し込んで、レバーを引いた
フォーム、タギル
そのカードは⋮
ーライド
!
が現れた
だが、それだけでは無く、
なんと真反対の方から小さい生命体が現れたのだ
!
すると憑友の隣から青のインナーとゴーグルを着用した少年の魂
!
!
すると憑友はボールを取り出して、ゲッコウガを元に戻し、そして
それを見たライジンは拳を構える。
そしてシンクロしているゲッコウガも立ち上がる。
!
実は、サトシゲッコウガは、﹃シンクロしているパートナーにもダ
!
!
!
?
すると其処から雷が迸り、そのままゲッコウガがダメージをくらっ
"
!
するとライジンはそのままアブソーバーごと左の拳を地面に叩き
!
青と黄色が特徴の巨漢なカブトムシの姿をした戦士が其処に立っ
そして現れたのは、
ー﹁雷﹂、カブト、サイボーグ
すると隣から青と黄色を基調とした服装をした小太りな少年の魂
!
!
!
1301
!
!
"
デジモンハント
すると憑友は魂の方を纏った
ー熱血ヒーロー
ー
!
!
デジタルモンスター︵通称デジモン︶ と呼ばれるモンスター
"
超進化
‼
デ ジ モ ン
﹂
憑友はアブソーバーのパネルボタンを押し、そして叫んだ
﹁ガムドラモン
"
?
!
すると憑友の隣に小さな生命体⋮ガムドラモンが前に立ち、
いた
︻デジモンハンター 明石タギル︼の力を宿した憑友が其処に立って
と共に立ち向かう力を持つジェネラルの少年。
て、
そして現れたのは、青のインナーとゴーグルを着用した少年にし
!
アレスタードラモン‼
﹂
そしてかっこいいデジモンへと早変わりした
﹁超進化
﹃ライド・タギル
フルドライブ‼
﹄
アレスタードラモン‼
﹂
﹂
そして一気に解き放った
プリズムギャレット
‼
﹂
するとアレスタードラモンの周りを無数の光が現れた
﹁うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
﹁行っけぇぇぇ
?
﹁決まれ
‼
﹂
フルドライブ
トールハンマー
﹃アンデッド・純平
﹄
それを見たライジンもドライブボタンを叩いた
その無数の光は相手に斬り進んで行く
﹁
!
!
アレスタードラモンと呼ばれたデジモンはその場から消えていた。
しかも、先の衝撃で2人ともベーシックへと元に戻されており、
精神力をごっそりと削られて此方も肩で息をする憑友の姿がいた。
そして煙が晴れると、其処には、肩で息をするライジンと、
そう言うと2人の攻撃が衝撃となりて、爆発が起きた
?
!
!
?
"
!
!
!
?
?
!
そしてすかさず憑友はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
?
!
そして現れたのは先程まで可愛さがあったデジモンから、勇ましく
いく
するとガムドラモンと呼ばれたデジモンの姿が見る見る変化して
!"
!
!
!
!"
1302
"
!
!
"
"
﹁はぁ⋮はぁ⋮︵恐らく次が最後
︶﹂
だか、相手はまだパートナー﹃英雄﹄を出してはいない
ならば、此処で引きづり出してやる
フォーム、キリト
ー
するとライジンの口元がにやけた
いた
フォーム、アスナ‼
ーアンデッド
﹄
﹃アスナだって⁉
﹂
!
﹁⁉
?
ー
の魂が現れ、ライジンはそれを纏った
ー神速、閃光、副団長‼
ー
!
﹂
するとライジンのアブソーバーからそのアスナと呼ばれた女剣士
突然、キリトが憑友の隣に現れ、先の音声に目を見開く。
?
するとライジンはそのままアブソーバーに装填、そしてレバーを引
種を携えた白と赤を基調とした女性の剣士が描かれていた。
其処には、水色の刀身が細い剣⋮レイピアという武器ジャンルの一
した
するとライジンは右腰のカードケースから一枚のカードを取り出
﹁なら、お前のその魂が最も恐れる者に俺はなってやろう
!
そして憑友はキリトの魂を纏った。
黒剣、双閃、アメイジング
ーライド
り出して、アブソーバーに装填、そしてレバーを引いた
そうすると憑友は自身のパートナー﹃英雄﹄⋮キリトのカードを取
!
!
!
!
!
!
!
!
た。
憑友も二刀流で構えた⋮だが、異変が起こった
!
するとライジンは腰に携えていた細剣・ランベントライトを構え
︻神速の閃光 アスナ︼なのである。
それがライジンが纏った﹃英雄﹄⋮
そして⋮︻閃光︼の名を持つ女性⋮
ユイの母親。
それは、憑友のパートナー﹃英雄﹄⋮キリトの彼女にして、彼の娘・
?
1303
!
!
?
﹁⁉
⋮動けない⋮⁉
て憑友に語りかける。
﹂
﹁この﹃英雄﹄⋮名はアスナ。
お前が纏った﹃英雄﹄の彼女だ。
﹂
?
自分の彼女に武器を構える馬鹿が何処にいる
違うだろ
もしもお前の相手が、彼女だったら
⋮確かに﹂
武器を構えるか
﹁⁉
?
?
それを見たライジンは構えたまま﹁はぁ⋮﹂と溜め息を零し、そし
なんと身体が言う事を聞かないのであった
?
それならば、その﹃英雄﹄の
相性
を考える事だな。
"
﹂
考えておく。それが︽精魂導師︾を襲名した者の務めであり、義務だ
その﹃英雄﹄の話をよく聞いて、その﹃英雄﹄と相性の良し悪しを
"
パートナー﹃英雄﹄は︽精魂導師︾との信頼の証。
﹁聞けば、お前が初めて出会ったパートナー﹃英雄﹄のようだな。
?
だ
﹂
それに気付いた憑友
てしまった
だが、そのあまりのスピードに攻撃を食らっ
!
まい、また倒れこんでしまった
とは言え、あと1.2年積めば、名乗っても可笑しくは無い位の所
﹁お前に、︽精魂導師︾を名乗るには早過ぎたようだな。
のまま目線を同じにする。
するとライジンは細剣を納刀し、そして憑友の顎を手で掴むと、そ
まるで生まれたての子馬のようだった。
なんとか立ち上がろうとする憑友だが思うように動けない。
それを見たライジンはそのまま近づく。
!
なんとか立ち上がろうとするが、立ち上がった瞬間に足を挫いてし
!
1304
!
?
?
そう言うとライジンは細剣を構え直しそしてすぐに懐に入り込ん
﹁
!
!
!
まで来ている。
だが、﹃英雄﹄の有利不利を理解しないと⋮
!
今後の戦いでは⋮死ぬぞ﹂
﹁生憎⋮この身は3年前のライブ会場で燃え尽きている⋮
俺は半分幽霊だ。
﹂
だが、そんな俺でも側にいて欲しい奴がいるんだ⋮
こんな所で負ける訳には⋮
﹁⋮そうか﹂
!
たのだ
⋮何がしたい⁉
そう言うとライジンはそのままその場を去ってしまった⋮
⋮勝ち逃げの形になるかどうかはお前に判断しておく﹂
その人との契約は完了した。
だから、そのカードはお前にくれてやる。
﹃キリトの所に連れてって﹄とな。
大 切 な 人
﹁俺はこの人の願いを叶えただけだ。
するとライジンはこう語った。
相手の予想外すぎる行動に憑友は疑問を投げ掛ける。
﹁
﹂
するとライジンは先程使ったアスナのカードを憑友になんと渡し
元の私服に戻った。
そう言うとライジンはカードを抜き取り、アブソーバーを脱着し、
!
完全敗北。
それに加えて、相手に情けまで掛けられる始末。
そんな憑友の心を満たすのは⋮降り注ぐ雨だけだった。
﹂
ーーーーーーSIDEtoライジン
⋮
﹁⋮大丈夫ですか
ただ⋮
⋮なんでも無い。
?
1305
?
!
憑友はアスナのカードを持ち、そして⋮嘆きながら叫んだ⋮。
!
!
﹁ただ
﹂
アスナさんが愛しい人の所に帰れた事を嬉しく思ってる。
ただそれだけだ。
﹁⋮ふふふ﹂
⋮何が可笑しい
﹁︽炎の導師︾の事か
﹂
﹁それにしても、あの子⋮﹂
えてくれた師匠でもあった。
朱乃は俺にとってはパートナー﹃英雄﹄である前に、生きる術を教
⋮尤もその教え方がドS級だったのは言わないでおこう⋮うん。
るようになっていた。
だが、彼女の教えを受けた俺はいつしか﹃雷の魔術法師﹄と呼ばれ
︹悪魔︺そして︹堕天使︺に分類される女性。
俺のパートナー﹃英雄﹄でありながら、
︻雷の巫女 姫島朱乃︼
でも、お前の仲間の所へは必ず送り届けてやるからな。
⋮それもそうだな。
﹁ええ。何せ、貴方のパートナー﹃英雄﹄ですもの♪﹂
⋮ふっ。お見通しと言う訳か。
ただ、貴方はそう言う性格だったと思っていただけです♪﹂
﹁なんでもありませんわ。
?
己の力を封じる鎖⋮
⋮己の力を封じる鎖を﹂
それに彼には鎖を掛けていますわね⋮
ですけど、人として認知されている幽霊として、現界し続けてます。
わ。
﹁あの子の身体は確かに私から見たら、間違いなく死んでいる身です
共通する事があるんだろうな。
︹悪魔︺と︹幽霊︺。非なる者とは言え、﹃闇﹄に分類される種。
⋮そうか。
﹁ええ。あんなケースは私でも初めて見ましたわ﹂
?
1306
?
﹂
﹁⋮感情の引き金︽トリガードライヴ︾の事か。
だが、それは解放すれば良いだけの話では
﹁いいえ。それだけでは無いんです。
るとしか思えませんね﹂
﹁そうか⋮﹂
pipipi⋮
何はともあれ、今度こそは徹底的に倒すまでだ⋮
pipipi⋮
!
﹂
?
これの本当の使い方を教えるとしようか⋮
新たな力⋮﹃MONSTER DRIVE﹄
さて、本格的な戦いが始まるか。
ピッ
﹁了解した。我が雷⋮汝の願いの為に﹂
いなさい﹄
恐らくキャロルの陣営からも出てくると思うから、細心の注意を払
現在地を送るから、そこを襲撃しなさい。
﹃此方の下準備は整えたわ。
﹁もしもし﹂
ピッ
﹁そのつもりだ﹂
﹁出た方が良いのでは
⋮こんな時に連絡⋮しかもこのダイヤル音は⋮
!
!
まるでその鎖を掛けておかないといけないような何かを抱えてい
?
!
1307
!
!
♪14 復活と記憶の欠片
その頃、S.O.N.G.の方では、響と未来を搬送していた。
憑友は自分の足でなんとかここまでやって来ており、現在は牧藁か
ら手当を受けていた。
しかし、憑友の心は此処に在らずのようで、他の皆は何か言った所
で憑友には何1つ聞いてはいない事に薄々気づいていた。
無理も無いだろう。自分があと少し速く来ていれば、こんな事には
ならなかったのだから。
そ し て S.O.N.G.の 方 で は 新 た な シ ン フ ォ ギ ア の シ ス テ ム
⋮﹃project・Ignite﹄と、新たな︽精魂導師︾のプロ
グラム⋮﹃Ignition・Kind program﹄の近況報
告に入っていた。
﹁エルフナインさんの代わりに、私が現在の近況報告をするわね﹂
そう言いながらサモン博士は現在のシステム及びプログラムの近
況報告をシンフォギア装者ならびに精魂導師の皆に説明し始めた。
第 2 号 聖 遺 物
﹁先ずはエルフナインさんが手掛けている﹃project・Igni
te﹄について。
第1号聖遺物
此方の進捗状況は89%。
﹃旧﹄二課が保有していた﹃天羽々斬﹄ならびに﹃イチイバル﹄のデー
タとエルフナインさんの頑張りのお陰で改修は順調との事です。
ですが、
﹃ゲイジャルグ・ゲイボウ﹄愛称﹃オディナ﹄の改修には悪
戦苦闘中のようです。
何せ、
﹃英雄﹄そのものがペンダントの中に入っているので、彼を傷
付けずに﹃Igniteシステム﹄を導入するのには困難が掛かって
いるようです。
シェンショウジン
その他の聖遺物⋮﹃ガングニール﹄と﹃アイギス﹄、
そして﹃神 獣 鏡﹄は急ぎ改修をしてもらっています。
それが終われば、
﹃アガートラーム﹄の改修に入り、そして﹃イガリ
マ﹄と﹃シュルシャガナ﹄の改修に入るとの事です﹂
そう言うと次は自分の方の近況報告に移った。
1308
﹁次は私のプログラムの方なんですが、予想よりも速く終わり、
後はそれぞれのアブソーバーがそれぞれのメンテナンスを行って
おり、それが済めば完了です。
なので自分はこの後、エルフナインさんの手伝いに行きたいと思い
ます。
﹂
こう見えて、シンフォギアの改修作業を行った事もあるので、大丈
夫ですので
それを言い終えるとサモン博士は一同に会釈するとそのままエル
フナインの元へと向かって行った。
そして部屋から出ようとすると憑友とばったり会い、2人はそのま
﹂
⋮とは言えませんけどね。
ま会釈するとそのままそれぞれの道へと進んでいった。
﹁⋮大丈夫か
﹁えぇ⋮ばっちり
もう1人は刀でその相手と稽古をしていた
﹂
するとそんな2人の間に男が制止の構えを取った
﹁其処までだ,ボーン。それにアヤカシ。
つい先程連絡が入った。
これからが面白くなるってのに
﹃2週間後、襲撃せよ﹄とのご命令だ﹂
﹁ちぇっ
!
!
!
1人は籠手とアンクレットのような武装を取り付けており、
其処では2人の男が其々の得物で稽古をつけていた。
その頃、とある廃ビル内。
ーーーーーー
﹁⋮ありがとうございます﹂
﹁お前の所為とは言っていない。そこまで落ち込むな﹂
俺がいながら⋮﹂
すみません。弦十郎師匠。
!
を納刀した。
﹁それで、肝心の場所は
﹂
そうアヤカシが言ってきた。
?
1309
!
?
そう言いながらボーンは籠手とアンクレットを外し、アヤカシは刀
!
すると2人を止めた男⋮ライジンは
向こうを見ろ
とでも言っ
"
﹂
此処にもそれなりの従業員がいるようだが
﹁面白くなりそうだな
﹁人は如何する
﹁セバスチャン﹂
アヤカシの質問にライジンはセバスチャンを呼んだ。
する。という寸法にございます﹂
﹁⋮それならば有難い﹂
﹁じゃあ、その災害役は誰がやるんだ
良いね∼
﹂
﹂
﹂
﹁冗談だよ、冗談
﹁ボーン
﹁お
この際だ。思い切り暴れさせてやろう﹂
此処最近、自分達の不遇さにストレスを抱えているのだろう。
﹁モンスター達にやらせる。
﹂
その後、その近辺で災害を起こして信じこませ、人を立ち入れなく
に一斉送信します。
﹁まず、此方側からの脅迫及び避難警告のメールをその日の早朝6時
?
!
するとセバスチャンは説明した。
﹂
其処は、現在⋮S.O.N.G.が停泊している港であった。
そう言いながらライジンはとある座標にピンを刺した。
﹁場所は⋮此処だ﹂
そして3人はその地図に寄って集る。
バスチャンが近くの机に地図を広げた。
﹁此方にございます﹂と言いながら、彼等のお世話をしている執事・セ
と、其処には
ているかのような顔と動作をし、そして2人はその方向に振り向く
"
?
ーーーーーー
それから2週間後。
あれから未来は元気になって、健康面でも問題ないとの事で、無事
に退院した。
1310
?
!
﹁はぁ⋮先が思いやられる﹂
!
!
?
だが、まだ響の意識は戻ってはいなかった。
そんな中、エルフナインはすやすやと寝ていた。
それを見ていたサモン博士はエルフナインの分までせっせと仕事
をし始めた。
現在の彼女は、奏のギアである﹃オディナ﹄の改修に当たっていた。
コンバーターの中に入っているのは、﹃聖遺物の欠片﹄では無く、﹃英
雄﹄そのもの。
しかも、その上位互換の存在﹃英霊﹄である。
いくらエルフナインでも、 ﹃英雄﹄を傷付けずに﹃Ignite﹄
を組み込む
事はやはり難しいようだった。
"
していた
ラ
ン
サー
﹁目を覚ましない、﹃槍兵の英霊﹄。
其処には青い液体が入っており、それを一滴落とした。
そう言うとサモンは懐から小ビンを取り出した。
貴方の事を心配している主がいるんだから
﹂
だが、サモン博士はエルフナインに出来なかった事をやりきろうと
"
サモンがやった行為。
説明すると非常にややこしくて、非科学的な事が関与するので訳が
⋮此処は⋮
﹄
実験は成功した
青い液体を投与する事で、元の姿へと戻せるのか
"
これでまた奏の槍として振るって貰える
﹄
と言う実験を
分からない事になるので此処には書かないが、要約すると、
行ったのだ。
﹃くっ⋮ぅぅ⋮
すると其処から声が聞こえた
﹁此処はS.O.N.G.の艦内よ。
そして初めまして。私はサモン・クリスチャーノ。
!
?
貴方のギアを蘇らせた存在よ﹂
﹃誠なのか⋮
ありがとう⋮
!
!
!
!
!
1311
!
!
するとそのコンバーターは光り輝き、そしてオレンジの色合いに変
色した
!
﹂
﹁よし
!
"
﹁でも、残念ながらそう言う訳にも行かないの。
強力なオートスコアラー。そして︹雷︺,
︹氷︺,
︹大地︺の︽精魂導
師︾がいるわ。今のままだと恐らく勝てない﹂
・
それを聞いたオディナは﹁ならば﹂と言って、話をし続けた
﹂
﹃ならば、私の剣を使うときが来たようです﹄
﹁剣
すれば⋮
﹄
﹁なら、今現在行っているシステムを組み込めば良いわ
は寝ているこの子⋮エルフナインさんに聞いてね。
私は奏さんに貴方が蘇った事を知らせるわ﹂
詳しくは今
﹃だが、その力を発現すると奏の身体に負担が掛かってしまう⋮如何
!
そう言ってサモンはエルフナインを置いて、部屋を後にした。
ーーーーーーSIDEto憑友
⋮此処は⋮夢の中⋮
は知らない。
これは一体⋮ん
﹃⋮﹄
あそこに居るのは⋮
あれは⋮あの時出会った⋮キャロル
﹄
そして、奥の方には1人の男性⋮
﹃なあぁぁぁああぁぁ⁉
ボォォォンンッ‼
吃驚した⁉
うぉっ⁉
﹄
ぱ、パパさん
⋮パパ
﹃
え
﹃⋮曝発したぞ⋮﹄
危うく魂が抜ける所だった
?
?
性。
﹄
ハハハッ
アハハッ
⋮プフッ
﹃プフッ
!
そう言いながら俺とキャロルに顔が黒焦げた素顔を見せてきた男
!
それにこんなにもいっぱいの科学用の道具が置いてある部屋を俺
だけど、こんな場所⋮俺は知らない⋮
?
?
?
?
!
!
1312
!
!
?
!
そう言えば⋮さっきキャロルも笑ってたな。
なんでだろう。すごく面白いよ。キャロルのパパさん。
あれ
なんだ。あの子⋮笑えるじゃねえかよ。
あんな無愛想な顔をして。
笑った時の顔⋮素敵じゃないか。
そうしていると、その焦げ付いた料理を食べるキャロル。
﹄
顔色を見ても一目瞭然。明らかにやっちまったパターンだな。
﹃⋮美味いか
料理
るのである。
﹃はぁ⋮
だけどな⋮
も、
錬金術
ん
錬金術
﹄
も、レシピ通りにすれば間違い無いん
"
如何してママみたいに出来ないのかな
"
何となくキャロルの言い分は理解している自分が此処にいたりす
料理が全くのダメダメである。
それこそ0点を超えて│100点取っても可笑しく無いぐらいに
だって家の母さん⋮料理ダメダメだもん。
うわぁ⋮辛口だなぁ。まぁでも否定しないのは本当。
0点としか言いようにしかないし﹄
﹃苦いし、臭いし、美味しくないし。
?
そうか⋮此処はアトリエなんだ⋮
?
"
?
パパさん。
ママみたいに出来ないのか。
それは至極単純なものだったりするんですよ。
その方が絶対に美味しいに決まってる
﹄
!
そう思っているとキャロルが席を立つ。
﹃明日は私が作る
﹄
錬金術師なんでしょ♪﹄
﹃内緒♪秘密はパパで解き明かしてみて
﹃コツでもあるのか
!
﹃あはは⋮この﹃命題﹄は難題だ﹄
!
?
1313
?
"
でも、レシピ通りに上手くいくとは限らないんですよ、キャロルの
!
?
そうとも限らないさ。
﹄
錬金術も料理も⋮其処に﹃愛情﹄を注げば、その分美味しくなるん
だよ。
﹃問題を解き明かすまで、私がパパの料理を作ってあげる
神の奇跡
で無いのなら⋮
﹄
贖罪の炎で、イザークの穢れを清めよ‼
なんだ⋮あれは⋮キャロルのパパさん
﹃裁きよ
⁉
人の身に過ぎた悪魔の知恵だ
﹃それが
まるで漆黒のような光景⋮
そう思っていたら、突然背景がガラリと変わった
でも、なんで俺の夢の中に⋮
そうか⋮コレは俺の夢じゃない。キャロルの夢なんだ。
そう言いながらキャロルはニコニコとした笑顔を見せていた。
!
され、しかも下には炎が⋮
魔女狩り
﹄
そのものじゃないか‼
パパーー‼
⋮キャロル
っ
パパ
﹃パパ
キャロル
﹄
今お前のパパさんを救ってやるからな
!
キャロルのパパさん⋮イザークさんが木に包められた状態で磔に
なんだよこれ⋮
!
?
シュンッ
すり抜けてしまった
?
ー大丈夫か⁉
ー
い空間へとやって来ていた。
そうしているとまるで悪夢のような光景は消え、気がつけば俺は白
﹃世界を⋮﹄
﹃キャロル⋮生きて⋮もっと世界を識るんだ﹄
︶痛てぇ⁉
︵ドガッ
!
しまっ‼
!
!
そしてイザークさんを助けようとした⋮が。
そう言いながら俺はキャロルのパパ⋮イザークさんの元へと走り
待ってろよ
?
これじゃ⋮かつて太古にあった儀式⋮
!
?
!
!
"
!
!
!
?
1314
"
!
?
!
"
!
?
!
"
フィーネ
⋮此処は⋮まだ夢の中なのか⋮
?
だー
そっか⋮。ありがとう。フィーネ。
ーそれよりも、何を見たのだ
想い出
だったんだ⋮
"
!
だが、そんな事、今迄のお前には無かった事では無い
⋮そうか。あれはキャロルの
ー⋮干渉か
ー
?
﹁いよいよと言う事か﹂
⋮そろそろ頃合いか。
ーーーーーーSIDEtoキャロル
この時、既にS.O.N.G.がピンチに陥っていた事を。
だが、この時の俺は知らなかった。
そういうと俺は目覚める事にした⋮
言われなくてもな。
ーあまり無茶はするなよー
如何やら誰かに起こされているようだ。
そう言っていると身体が軽くなって来ている。
うん。分かった。
いておけー
だが、干渉すればする程、寿命が減っていく事を頭の隅に憶えて置
今回は初めての事のようだから、サービスだろう。
干渉するにしても、お前の残りの寿命を払っている。
ーそれはそうと、今後は気をつけろよ。
そんな事は一切無かった筈なのに⋮
ああ。確かに。
のか
"
恐らくキャロル⋮今回の首謀者の過去の出来事だと思う。
?
?
お前が其処まで魘される程の悪夢とは一体
ー
だが、お前の精神面が不安定になっていたから、呼び起こしたの
ーああ。まだ夢の中だ。
?
﹁⋮レグルス。ああ、そうだ﹂
1315
?
最も、9つ目のシンフォギアがあるとは想定外だったが⋮
﹁そんな想定外な事では動じぬのは良く知っておるわ﹂
マ
ス
ター
﹁⋮顔に書いていたのか﹂
﹁⋮済まぬの、我が神よ。
何せ、他人の気持ちを感じ取ってしまう呪いが付与されてる故﹂
﹁気にするな。元は俺が取り付けた出来心だ⋮﹂
﹁⋮赴くと言うのだな﹂
﹁ああ﹂
﹁⋮辛いものだな。
だが、マスターの決めた事を否定する訳にも行くまい。
⋮出来ることなら、生きて帰ってきて欲しいものぞ﹂
﹁そのお前の心遣いだけでもありがたく受け取っておく﹂
﹁マスター⋮﹂
さぁ⋮頃合いだ。仕上げと行こう。
ミカ。ジュエル⋮頼んだぞ。
他のオートスコアラーもしっかり頼むぞ。
1316
♪15 edge works
その頃、S.O.N.G.の方ではアルカ・ノイズが出現したとの
情報が入っていた。
そ し て そ の 座 標 は な ん と S.O.N.G.が 供 給 し て い る 発 電 施
設とその周辺の発電施設だった
﹁だが、これは予想外だったな。
!
﹂
!
﹂﹁承知﹂
整えられた鱗が特徴の竜だった⋮
3人は三匹に指示を出す。
ながら、移動を開始し始めたのだった
﹂
!
!
そしてゴリラのモンスターはビルからビルへと華麗にジャンプし
一角の竜は地面に潜り、
すると三匹は理解したのか、白いドラゴンは再び空へと飛び立ち、
!
顔はまるでパンサーのような姿をして、琥珀色の牙、そして綺麗に
そしてアヤカシの方では空から一体の白いドラゴンが降りてきた。
角を生やした竜が現れ、
面に潜む竜・ディアブロスと良く似ているが此方は逆に鼻先に一本の
ボーンの方には以前の火災の件で出てきた二本の角を生やした地
ラのようなモンスターが現れ、
するとライジンの方に黒い毛で覆われた二本の角を生やしたゴリ
吹いた
すると3人はそれぞれ首元にぶら下げていた笛らしきアイテムを
﹁了解
ボーン。アヤカシ。3人で手分けして探すぞ﹂
﹁それはつまり、近くに︽オートスコアラー︾がいると言う事だ。
まさか、アルカ・ノイズが出現するとは⋮
﹂
﹁危ねぇ、危ねぇ。危うく犠牲者を出す所だったぜ
その様子を高みの見物をしている3人の戦士⋮﹃リベレーション﹄
!
ーーーーーーSIDEto牧藁
﹂
﹁アルカ・ノイズの反応を検知
﹁座標絞り込みます
!
1317
!
!
この振動⋮まさか近場⁉
ドガァァァッ
ぐっ
﹂
?
!
﹁まさか、敵の狙いは⋮⁉
!
﹁
藤堯さん
﹁調べます
﹂
友里さん
⋮⁉
3時間前から
!
﹂
いう事だな⁉
﹁はい
ショナル。
そんな
﹂
此処の発電施設ならびにその周辺の施設等
﹂
誰がそんな事を⁉
﹂
私達に気付かれないように
そんな事が可能なのかしら⋮
ーーーーーー
﹂
者が指令室へとやって来た
﹁何が起きてるデスか
﹁アルカ・ノイズがこのドッグの発電施設を襲ってるの
なぜ民間人は既に避難を完了しているのか
"
すると憑友は疑問を持った。
を。
切歌の発した台詞に友里と牧藁がそれぞれ告げる。
﹂
幸いなのは、民間人が既に避難を終えていると言う事よ﹂
﹁それだけじゃないよ。他の周辺の発電施設も襲撃に遭ってるわ。
!
!
そうこうしていると憑友達︽精魂導師︾と、翼達︽シンフォギア︾装
?
でも、S.O.N.G.はこう見えて情報機密に長けたプロフェッ
?
?
でも、一体誰がこんな事を⋮
!
まさか、予告していた
?
﹁何はともあれ、発電施設にいるスタッフならびに民間人は居ないと
?
防犯カメラの映像を見て、3時間前から既に避難を終えています
﹁現在、襲撃を受けている発電施設等に従業員は居ません
もしかして、遅かったと言うの
?
で働いている人達の避難誘導は⁉
!
⋮それはつまり、スタッフや従業員の方達がいるという事⋮
緒川さんの思惑通り⋮此処周辺の発電施設みたいね。
?
!
!
?
1318
!
!
?
!
"
その疑問を口にはしなかったが、牧藁は口で簡単な説明もとい仮説
を立てた。
﹁コレは私の仮説だけど、誰かが既にこの事態の起こる事を予測して
いて、それを発電施設にて働いている民間人のメールか電話で告知し
ていたと思えるの。
﹂
そうじゃないと、発電施設にて働いている民間人をこんな事態にな
る前に避難を完了させるのは困難だからね。でも⋮﹂
﹁此処で電力の供給を絶つと、シンフォギアの改修は免れない
い
﹂
﹁それじゃあ、響も⁉
﹂
⋮そうだ⋮今はあのお人好しの生命維持装置にまで影響していた
んだ
﹁
﹂
﹁それだけじゃねぇ。この艦そのものの内部電源もそう長くは続かな
!
﹁おい
聖希
⋮あぁ
呪怨
いつの間に
﹂﹂
﹂
﹂﹂
一体何処に行ったのよ
﹂
?
﹁﹁いえ、なんでもありません‼
﹁なんか言った⁉
﹁奇遇だな⋮俺もだ﹂
﹁ま、マリア姉さんが怖い⋮﹂
⋮かなりイラついていた。
﹁あの子達⋮‼
﹂
そして調と切歌が居ない事を聞いたマリアは⋮
そしてそれに気付いた兄弟は急いで後を追った。
なんと先程いた筈の2人が居ないことに気付いたのだ
﹁﹁え
調ちゃんと切歌ちゃんを探せ
!
!
もなかった。
ぱりオカンだな⋮︶﹄とそう心の中で同時に呟いていたのは言うまで
そんなマリアとセレナと零の会話を聞いた一同は、
﹃︵マリアはやっ
?
?
!
!
!
そして何かに気付いたのか、近くにいた陰陽兄弟に話しかけた。
す。
皆んなの顔が焦りの色を見せる中、憑友はふと視線を周囲に目を通
!
!
?
1319
?
!
!
そんな中、そのいなくなった本人⋮調と切歌はS.O.N.G.艦
内の廊下を走っていた⋮メガネ︵曰く﹃潜入美人捜査官メガネ﹄︶を掛
けて。
﹂
﹂と調に向けて言うと調はこう告げた。
切歌は﹁潜入美人捜査官メガネで飛び出して一体何をする気ですか
⁉
﹁⋮時間稼ぎ﹂
﹁なんデスと⁉
﹁⋮今大切なのは、強化型シンフォギアの完成までに必要な時間と、エ
ネルギーを確保する事﹂
﹁確かにそうデスが、全くの無策じゃ何も⋮﹂
そう言いながら調と切歌はとある部屋の前へとやって来た。
﹂
﹁全くの無策じゃ無いよ、切ちゃん﹂
﹁⋮メディカルルーム
﹂と言うと調から拒否られる。
!
﹂
を取り出した。
﹁見つけた⋮
﹂
﹂
すると調は見つけた場所を見て、そしてそこに隠されているある物
受け止めてくれなかった調に違う意味で涙目になる切歌。
り床に転げ落ちた。
だが、調はそれをあっさりと躱し、切歌はそのまま顔面から思いき
まるで依然クリスと憑友に抱きつこうとした響のように。
としていた。
無い﹂との事のようで、それを聞いた切歌は今にでも調に抱きつこう
その理由は彼女曰く﹁切ちゃん以外に私の恥ずかしい所は見せたく
初からそう言えばイイデスよ
それを見た切歌は﹁だったら、だったで⋮助けたい人がいるなら、最
そんな中で調は現在眠っている響を見た。
2人は中に入り、そして調はある物を探し始める。
そこは現在、響が眠っているメディカルルームだった。
?
﹁此処にいたのかよ⋮全く
﹁⁉
!
!
1320
?
?
?
すると男の声が聞こえ、2人はすぐにその声を振り向くと、そこに
これには事情が有って⋮⁉
﹂
は陰陽兄弟が其々、光聖希は仁王立ち、闇呪怨は壁を背中にしていた。
﹁ち、違うんデスよ⁉
?
いた。
そうすると光聖希は仁王立ちをやめ、話しかけた。
﹁俺達も手伝ってやる⋮1人より2人。2人より4人だろ
﹂
﹁それを言うなら、﹃1人より2人。2人より3人﹄だ﹂
﹁小っちゃい事は気にするな
﹂
﹁﹁﹁それはワカチコ﹂﹂﹂
﹁ぐはっ⁉
?
であった。
ーーーーーー
そんな中、4人は現場に到着した。
其処では自衛隊員が懸命にアルカ・ノイズを倒していた
﹂
﹂
ズはその数で圧倒していた
﹁行くデス
﹁さぁ⋮魂の選別の刻だ
!
!
﹂﹂
ー
!
﹁﹁変身
ータマシイ
フォーム、チェイン
﹁Various shul shagana tron⋮﹂
⋮
切歌と調は其々のシンフォギアの﹃聖詠﹄を、代表して調が唄った
してレバーを引き、
そういうと兄弟は左腕にアブソーバーを装着させてカードを装填
﹁うん⋮﹂
﹂
﹁見せてやろうじゃねえかよ
くなった事に自衛隊員達も奮起するが、それでもやはりアルカ・ノイ
イズ特有の︽異相差障壁︾が無いとの事で、ノイズ達よりもやりやす
ノイズとは違い錬金術によって生み出されたアルカ・ノイズにはノ
!
まさかの光聖希がボケをかまし、それを3人は同時にツッコんだの
!
﹂
そう切歌が言い訳をしようとするが、闇呪怨はそんな切歌の肩を叩
?
!
!
!
1321
?
!
!
ーコア
フォーム、ブラッディ
ー
ー天への魂、私が縛る
ー
!
すると調は無数の丸鋸を飛ばす技
ように飛ばして左右から挟撃する技
し、
α式 百輪廻
を、切歌はアー
切・呪リeッTぉ
光聖希はチェーンリングから大量の鎖で叩きつける技
でアルカ・ノイズを殲滅し始めた
を繰り出
ジャッ
チェーン・
を、闇呪怨は漆黒の闇の瘴気を纏わせた鎌の一撃
ク・ザ・ナイトメア
"
﹂
おやっさん‼
﹂
﹂
何をやってるのか⋮分かってるんだろうな‼
十郎である。
﹃お前達
﹁勿論デス‼
﹁当たり前な事言わせるんじゃねえよ
﹂
?
如何したゾ
﹂
﹂
?
そう言いながら、ジュエルは所持していた扇子を開かせ、口を覆い
﹁⋮いえ。別に⋮﹂
⋮ん
﹁そうだゾ。でも、ニコイチで漸くだゾ。
﹁ふーん⋮あれがマスターの最優先対象ですか
﹃女王﹄のアルカナを持つ者⋮ジュエルだった。
もう1人は残りのオートスコアラー⋮
1人は先日響のシンフォギアを破壊させたミカで、
だった。
その様子を高みの見物で眺めているのは2体のオートスコアラー
いく。
そう言って4人は通信を切るとそのままアルカ・ノイズを殲滅して
﹁⋮今の内に強化型シンフォギアの完成をお願いします
﹁俺達は俺達のやり方でやると決めたんだ⋮
!
?
!
!
?
﹄
すると彼等に通信が入ってきた。相手は勿論⋮司令である風鳴弦
!
スネーク
"
"
"
ムドギア︽イガリマ・サイス︾の刃を3枚に分裂させ、ブーメランの
"
︵挿入歌﹃ジェノサイドソウ・ヘブン﹄南條愛乃︶
ー
ー獄への魂、俺が裁く
!
"
?
1322
"
!
!
"
!
?
隠す。
︶﹂
一見、冷静なジュエル。以前のような怠惰の存在では⋮
﹁︵あぁ∼ん♡如何しましょう∼⁉
あんな可愛い子達がいるなんて∼♡
私が全部お持ち帰りしちゃいましょう‼
それに⋮あの子達もカッコいいじゃ無い∼♡
決めた
ミカは﹁痛いゾ⁉
何もしてないのに∼⁉
﹂と言いながら離すよ
現にミカの縦ロールを右手で普通に触りまくっており、
しかもこの様子だとロリコンなのは間違いなかった。
す⋮。
⋮訂正。やっぱりこいつもシィバ同様ただ者ではなかったようで
?
?
?
くっているのであった。
⋮こんな奴が﹃女王﹄って⋮大丈夫なのか
﹂
﹁ギアの改修が終わるまで
﹂
﹁此処はやらせないデス‼
﹂
﹁それが俺達の
﹂
﹁今の役目だ‼
そう言いながら4人はアルカ・ノイズ達を殲滅していく⋮
その頃、他の発電施設では深刻な事態に陥っていた
﹁報 告 書 に 上 が っ て い た タ ー ゲ ッ ト だ
敵は人形だ
!
構わない
!
撃
そして﹃王﹄のアルカナ・レグルスは自衛隊と鉢合わせになっていた。
その頃、
﹃小姓﹄のアルカナ・シィバと﹃騎士﹄のアルカナ・ジィス,
と壊していく
ファラは風を起こしながら、剣で供給ケーブルが付いている鉄塔ご
ガリィはダムの水を使いながら水力発電施設を破壊し、
レイアはコインを弾丸のようにして施設を破壊し、
破壊の限りを尽くすオートスコアラー。
なんと残りのオートスコアラーが追撃を仕掛けていたのだ
!
!
!
?
うに説得を試みているものの、完全に心此処に非ずなようで、触りま
?
!
!
?
?
!
!
1323
!
てーーい
﹂
此処は私g﹁お前は下がって良い。ジィスよ﹂王⁉
それを合図に自衛隊の集中放火が3人に襲いかかる
﹁2人は下がって
﹂
!
!
!
﹁撃方やめーー
!
それはフラグですよ⋮自衛隊の皆さん。
馬鹿な⁉
﹂
﹁⋮流石は近代兵器と言う所かの﹂
﹁⁉
?
なんとそこには無傷の3人がそこにいた
?
た⋮。
まるで花弁の装飾模様が刻まれている盾によって3人を守ってい
!
だが、敢えてこの場を借りて此処で言おう⋮
そう言いながら自衛隊の面々は煙が晴れるのを待つ。
﹂
⋮やったのか
?
だが、その隙に集中放火を、3人は浴びた⋮
するとレグルスは指パッチンをした。
だ
するとジィスが前へ出ようとするとなんとレグルスが前に出たの
?
﹁さて、粋がるのも此処までだぞ⋮雑種共﹂
1324
!
オートスコアラー
♪16﹃王﹄と﹃女王﹄と﹃杖﹄と﹃氷刀﹄
﹁粋がるのも此処までだぞ⋮雑種共﹂
そう言うと﹃王﹄のアルカナを持つ唯一の男性型自動人形・レグル
スは指パッチンをした
がってきたのだ⋮
す る と レ グ ル ス の 背 後 か ら 無 数 の 金 色 の 波 紋 が 空 中 に 浮 か び 上
!
来たのだ‼
れたのだ
﹁楽に死ねると思うなよ⋮雑種よ﹂
それを見た王は口元を不敵な笑みで浮かべた
﹁そろそろ頃合いだな⋮﹂
あんなのがオートスコアラーだって言うのかよ‼
︻英雄王 ギルガメッシュ︼そのままじゃないか‼
?
装者2人のバイタル安定⁉
﹂
⋮シュルシャガナとイガリマ。
?
?
﹁え
!
あんなのがオートスコアラーだって言うのかよ
ーーーーーーSIDEto霊風
なんだよあれ⋮
⋮⁉
あんなの⋮あんなやり方⋮
冗談じゃない
!
そう言うと鎖が徐々に自衛隊の方達を締め付け始めた
!
そう言うと自衛隊の足元から波紋が浮かびそこからなんと鎖が現
﹁人間としての意地を見せてみるが良い⋮雑種共﹂
その攻撃を食らった自衛隊。だが、これだけでは終わらなかった
﹁﹁﹁﹁うわぁぁぁぁ⁉
﹂﹂﹂﹂
するとその波紋から大量の武器達がまるで弾丸のように射出して
した。
そしてレグルスはそのまま指パッチンした方の手でGOサインを
!
!
1325
!
?
?
そしてその鎖は瞬く間に自衛隊を拘束させていく
!
まるでセイバー達が戦った最強の敵⋮
!
!
?
?
﹁タマシイ並びにコア。
﹂
兄弟2人の精神状態が異様な不安定を示してる⁉
﹁どういう事だ⁉
⁉
﹂
?
がるな⋮
﹂
それも、かつて奏が使用していたLINKERを⋮
﹁﹃MODEL︳K﹄の奴を持って行きやがったな
﹂
奏がかつてガングニールを使用していた時の
!
あれはもういらないって前に言わなかったか⁉
﹁﹃MODEL︳K﹄⁉
﹂
﹁ダンナ
?
﹁そう言うわけにも行くまいて。
!
切歌‼
﹂
闇ぃっ‼
﹂
4人が吹き飛ばされた
﹁調
﹁光っ
﹂
﹁このまま見ていられるか‼
クリス‼
﹁おい待て
あの馬鹿者が‼
ああくそ
?
﹂
と思っていたら、奏と翼が止めてくれた。ナイスだぜ
!
!
!
?
?
?
!
そうしていると映像でミカともう1人⋮ジュエルの攻撃を受けて、
な。
そんな物を持って行ったんだ⋮後でたっぷりとお仕置きしないと
悪い言い方をするなれば﹃麻薬ドラッグ﹄である。
良い言い方だと﹃魔法の薬﹄とも呼べるし、
ああ、そうさ。あまりにもデータとしては良すぎる代物だ。
と前にフィーネが言っていたんだ﹂
あれは言い方を悪く言っちまうと、データとしては良い実験材料だ
?
!
前世の記憶を見た限り、あの2人⋮手元にLINKERを持ってや
やっぱりか。
そう言うと緒川っちは指令室を後にした。
﹁先程の警報はそう言う事だったんですね。事後処理をして来ます﹂
あの4人⋮まさか⋮⁉
?
?
!
1326
?
?
!
﹁待てよ
2人とも
﹂
﹁今の私達に何が出来る‼
﹂
﹂
﹂
確かにそうだ。けど⋮
奏⋮
﹂
!
﹁⋮マスターか
﹂
﹃其処までで良い﹄
﹁さて次は如何いたしめようか⋮﹂
そこには大量の自衛隊の骸が連なっていた。
そう言いながらレグルスは現在の光景を見て僥倖した。
やはり我はあの女子と激闘を繰り広げたいものだ﹂
︽2振りの槍の使い手︾天羽奏。
み。
数多の武器が有るなれど、余の心を潤してくれたのはあの女子の
︽聖槍ロンギヌス︾,︽竜滅剣バルムンク︾,︽聖弓シェキナー︾⋮
﹁うむ。あまり余の武器を射出するのは良くないものだ。
そんな中でレグルスは攻撃をやめた。
ーーーーーーNO SIDE
﹁皆さんにお話したい事があります﹂
⋮エルフナイン
﹁翼さん,奏さん,クリスさん,ロックさん,霊風さん﹂
このまま足踏みだけでは⋮そう思っていたら⋮
﹁⋮悪りぃ﹂
⋮済まない﹂
﹁
﹁今の私達に何が出来るっ
助けなければいけないだろうが
ならば、俺達の味方では無いのか
﹁﹃昨日の敵は今日の友﹄
﹁黙って咥えてろってのか⁉
?
!
?
だような声をあげるレグルス。
﹁今は良き時間だったのだがな ﹂とそう言いながら内心怒りを孕ん
すると突然、自分達のマスターであるキャロルが通信をしてきた。
?
?
1327
!
?
!
!
!
!
!
だが、キャロルはそれをスルーして話をする。
﹃ファラ達が目的を達成した。
お前達の任務も終了だ。お前達がやってくれたおかげで、スムーズ
に行えた﹄
﹁⋮気に食わぬな。
⋮行くのであろう⋮己自らの手で﹂
﹃ああ。
⋮お前が生きている事を信じているぞ﹄
﹁だと良いのだがな⋮﹂
そう言うとキャロルの方から通信を切った。
そ れ を 聞 い た レ グ ル ス は ジ ィ ス と シ ィ バ を 連 れ て 帰 投 し た の で
あった。
一方、場所を戻し、調達の方ではピンチになっていた
バックファイア
アルカ・ノイズとの激闘の最中に最強のオートスコアラー・ミカが
乱入してきたのだ
光
﹂﹁行くぜ
兄さん‼
!
﹂
?
導師たる者⋮
を掴む
﹁﹁
﹂﹂
いつ如何なる精神を持ってしても、為すべき事の為に動かん
ト リ ガー ド ラ イ ヴ
感情の引き金⋮オン‼
闇呪怨は紫と金色を混ぜたような瞳を開眼させ、ベーシックフォー
ムのスーツに付属されているプロテクターが黒く塗り潰されていく
俺達の
﹂
ライヴモード︾へと変化した
﹁へっ⋮行くぜ
!
!
!
1328
!
そ ん な 中 で も 切 歌 と 調 の 2 人 は ギ ア か ら の 負 荷 を 受 け て は お ら
!
ず、寧ろ響達先天性適合装者達と同じ立場に立っていた。
﹁行くぞ
!
すると陰陽兄弟は己の手を心臓部に持ってくると、そのまま己の胸
!
!
すると2人の眼は光聖希は黄色と金色を混ぜたような瞳に、
?
!"
"
そして現れたのは、
︽精魂導師︾が扱う感情の引き金⋮︽トリガード
!
﹁パートナー﹃英雄﹄の力を
﹂
ー
し、アブソーバーに装填して、レバーを引いた
ー
フォーム、チャイカ‼
フォーム、ハヤト‼
ータマシイ
ーコア
?
!
すると2人はそれぞれ自分のパートナー﹃英雄﹄のカードを取り出
!
それぞれ纏った
基準はゴールデン
ー
ー
紅のチャイカ‼
ー蛇腹で剣士
ー金剛超人
?
そして纏った瞬間に闇呪怨は突撃を繰り出す
!
開させ、ミカに一撃を与えようとした
ミカはその攻撃に気付いたが、もう既に目の前に来ていた
万事休すかと思われたその時だった
キィンッ
﹂
誰だ⁉
﹁
じ容姿とはな⋮。
遠坂の嬢ちゃんと犬猿の仲である存在・ルヴィアゼリッタと全く同
髪の色こそ違えど⋮間違いない。
﹁︵あの容姿⋮
その頃、調達が相対していた存在を見た霊風は焦っていた。
ーーーーーー
現れたのだ。
そしてミカの前に立っていたのは、銀髪でツンドリルヘアの女性が
達は光聖希の元に集まる。
その攻撃を見た光聖希は蛇腹剣を元の剣に戻し、それに気付いた調
だ
蛇腹剣の攻撃を誰かが割って入り、所持していた扇で弾き返したの
!
!
!
だが、その間に光聖希はチャイカの得物︽スネークブレード︾を展
しかし、ミカの圧倒的攻撃力を前に簡単に吹き飛ばされる。
!
そしてコアは金色の鎧を身に纏った翠髪の少年の魂が現れ、2人は
振り回して現れ、
するとタマシイからは赤の服装をした白髪の少女の魂が、蛇腹剣を
?
!
!
!
!
!
1329
!
?
!
!
そう言う風にしているのか、はたまた知らずに作ったのか⋮。
まぁ、どっちにしろ、あの関節部分を見て確信した。
彼奴も⋮︽オートスコアラー︾だ︶﹂
そう思わせながら霊風は映像に集中する。
その頃、キャロルの方では着々と進んでいた。
全ては﹃万象黙示録﹄を成す為に。
そして、戦いが激化する中、1人の存在が不敵な笑みを浮かべた。
﹁準備は整ったわ⋮
私もそろそろ動くとしましょうか﹂
そう言うとその者は部屋を後にした。
そしてそんな様子を⋮
﹁⋮﹂
緒川がしっかりと見ていた。
1330
すると緒川はその者の後を慎重に追っていく事にした。
緒川は既にこの時、感じていたのだろう⋮
その者が⋮﹃敵﹄であると言う事に。
ーーーーーー
さて、場所は調達の方へと戻る。
調達とミカの前に現れた女性は扇を開かせながら甲高い声で笑い
﹂
のですから。では名乗らせて貰いましょう。
私の名はジュエル・カーミラ・バートリー
そう言うとジュエルは扇を振り翳す。
﹃女王﹄のアルカナを持つ︽オートスコアラー︾でしてよ﹂
!
方ありませんね。何せ私だけ今の今まで戦闘に参加していなかった
﹁身分を弁えない家畜共に名を名乗る事はしたくはありませんが、仕
光聖希の言葉に、女性はこう答えた。
!
あげた。
実に良い宴ですわ∼
﹁おーほほほっ
!
﹂
﹁誰だお前は⁉
?
すると扇から蛇腹剣へと変化した
け始めた
﹂
そうこうしていると、2人のオートスコアラーが同時に攻撃を仕掛
明らかにヤバい奴だと言う事がこの時点で良く分かったから。
それを聞いた4人は身震いした
調教しがいがありますわ∼
﹁可愛い坊や達を甚振る事が生き甲斐なのですのよ♪
!
人の連携攻撃。
﹂
だけど、4人はその攻撃を避ける事が困難に感じていた⋮
﹁如何してなんだ⁉
なのになんで避けられないんだ⁉
﹂
﹂と言うと、力を溜め始めた。
それでも、劣勢に立たされている事に変わりは無かった。
すると闇呪怨が﹁こうなったら⋮
ー
﹂
それに気付いた光聖希は闇呪怨の分まで攻撃を捌き続けた
!
︽エクストリームフォーム︾‼
そして闇呪怨は大きく叫んだ
フォームチェンジ‼
ーExtremeForm
﹁
!
してクリスタルが砕けると其処から現れたのは⋮
﹂
一対の翼を生やし、金色の身体と羽を持つ鳥の獣⋮
﹁グァァァァァァ‼
鳥獣型ガイスト﹃ウインド・ガルーダ﹄へと闇呪怨が変化した
て突進を仕掛けた
すると闇呪怨は2人の攻撃をまともに受けながらも2人に向かっ
!
身体のシルエットが巨大な鳥を彷彿させるシルエットへと変化し、そ
徐々に全身を覆いそしてそのままクリスタルの中にいる闇呪怨の
すると闇呪怨の身体がクリスタルに覆い隠されていく
?"
!
?
!
た。
そう言いながら、4人は其々の得物で攻撃を捌く方向にシフトし
?
!
バラバラの攻撃で絶対にコンビネーションとしては最悪の筈の2
!
﹁こんなコンビネーションダメダメな奴等の攻撃なんか⋮
?
?
!
1331
!
!
!
"
それを見たジュエルは懐に隠し持っていたもう1つの扇を今度は
開かせて、盾を作り、そしてその攻撃を防ぐ
取った
ま投げ飛ばしたのだ
だが、その攻撃をガルーダへと変身した闇呪怨を盾にして、そのま
その攻撃をまともに受けるミカとジュエル。
始めた
そう言うと蛇腹剣を二刀流のように構え、そして鞭のように振るい
﹁蛇腹二刀流ってのも、悪くはねぇよ⋮な
﹂
だが、その隙に光聖希の蛇腹剣がジュエルの蛇腹剣型の扇を奪い
!
た。
﹂
そんな中でも懸命に立ち上がる4人。
﹁うっ痛たっ⋮﹂
﹁⋮簡単には行かせてはくれない⋮
﹁みたい⋮だな⋮﹂
!
﹁けど⋮それで負ける⋮俺達じゃない⋮
私は強いゾ
﹂
そう言うと4人は立ち上がる。
﹁ジャリンコ共
!
﹂
!
奪い取った蛇腹剣を落としてしまい、再びジュエルの手元に戻され
その衝撃で、闇呪怨は変身が解けてしまい、光聖希はジュエルから
た。
その影響で範囲上にいた調達をも巻き込んで、全員吹き飛ばされ
!
﹂
!
のまま扇の﹁骨﹂と呼ばれる部分に取り付けられた
﹂
1つの扇を閉じてそのまま弾いた⋮
﹂﹁ぐぁぁあ⁉
♪∼♭∼♭∼♪∼
﹁うわぁ⁉
﹂﹁⋮うっぐっ⁉
﹂
?
?
!
!
するとそれをまるでバイオリンを弾く時の構えを取り、そしてもう
!
そう言うとジュエルは扇を展開させ、肩から糸が現れ、その糸はそ
それ相応なりの覚悟を決めなさい
﹁この私の顔に泥を塗ってくれたのです。
!
﹁耳が痛いデェェェス⁉
?
?
1332
!
!
!
その音色はまるで哀しみを生み出す負の旋律そのものであり、その
音を間近で聞いた切歌達は耳に手を当てながら悶絶しながら苦しみ
だしたのだ
﹂
切ちゃん⁉
﹂
その隙を突いてミカが切歌に迫ったのだ
﹁
﹁っ⁉
﹁バイバーイ‼
﹂
﹂
︽氷魂導師︾アヤカシだった
﹁噂はレイアと王様から伺ってはおりますが⋮
貴方⋮﹃リベレーション﹄の一員ですわね
﹁⋮ああ。だからこそ⋮﹂
﹂
其々調と切歌の頭上に落ちてこようとしていた。その時だった⋮
!
ジャキィン
﹂﹂﹂﹂
ジャキィン
﹁﹁﹁﹁⋮え
!
!
そう言うとアヤカシは上の2枚を脱ぐとそのままその2枚は別れ、
?
!
先の火災にて憑友と相対した︹氷︺の力を持つ戦士⋮
そして男は刀を腰に携えていた鞘に納刀した。
攻撃を受け止められたミカは一時後退した。
ような冷たき刀を携えた男が割って入っていた。
そこにはミカの真っ赤に染まっている宝石とは打って変って氷の
切歌は目を開け、そして見開いた。
?
そう言って攻撃をしようとした⋮その瞬間だった。
!
!
ガキイィィン‼
﹁⋮え
?
﹄
﹃⁉
?
﹂
﹁お
?
始めたのだ‼
﹁俺達の目的でもあるからな﹂
?
するとなんといつの間にか、調と切歌のギアが⋮壊され、分解をし
?
1333
?
?
?
!
そう言うとアヤカシは2人のギアを斬った武器を見た。
するとその武器は一瞬の内に塵となった。
そしてギアを分解された調と切歌は生まれたままの姿になってし
まい、そのまま倒れ込んでしまった。
だが、幸いなのは、その上に先程アヤカシが投げ捨てたコートが
其々掛かるようになっていた。
⋮よくも⋮よくも切歌をーー
﹂
それを呆気にとられていた闇呪怨は直ぐに思考を元に戻した。
﹁⋮っ
﹁
陰陽抜刀術7の型
⋮﹂
そう言うと闇呪怨は得物である鎌で刈り取ろうとするが⋮
!
ななつごおり
凍連斬・ 七 氷
とうれんざん
呪怨に一閃した
﹁
﹂
・
・
・
・
・
・
・
・
から氷が現れ、なんと7回連続で同じ所を斬られた
﹂
!
その攻撃を食らった闇呪怨は苦痛を浮かべた。
だが、アヤカシは攻撃をやめなかった
やめろーー
それを見た光聖希は動き出した
﹁
!
フォーム、アスベル‼
ー
そのままアブソーバーに入れ、そしてレバーを引いた
ーアヤカシ
?
閃く刃
ー
た青年の魂が現れ、アヤカシはそれを纏った
ー抜刀の騎士
!
!
出した
烈空刃
"!
するとその刃から空気の斬撃波が発生し、その攻撃をまともに受け
﹁
﹂
するとアヤカシはそのまま剣を納刀するとすかさず抜刀術を繰り
!
!
するとアヤカシの隣に白を基調とし、腰に刀の形状をした剣を携え
!
!
そう言うとアヤカシはなんと﹃英雄﹄のカードを取り出した
﹁ならば、お前から先に頂く﹂
!
!
するとその一閃を食らった闇呪怨の身体はたすき掛けの形でそこ
"
!
するとアヤカシは先程納刀したばかりの刀に手を伸ばしそして闇
"
!
!
!
1334
"
"
!
"
た光聖希。
﹂
だが、これだけで終わる存在では無かった
﹁終わらせてやる⋮
!
いた
﹃アヤカシ・アスベル
﹄
!
轟衝斬‼
全てを切り裂く
光聖希の懐に入りすかさず抜刀した
﹁
獣破
獣破轟衝斬
い﹃秘奥義﹄⋮
﹂
が、光聖希に大ダメージを与えた。
アヤカシの﹃英雄﹄
︻抜刀騎士 アスベル︼が得意とする必殺技もと
すかさずの居合切りからの斬り上げを繰り出す⋮
!
するとアヤカシは先程抜刀したばかりの剣を納刀するとそのまま
フルドライブ
そう言うとアヤカシは自らのアブソーバーのドライブボタンを叩
!
!"
?
﹁聖希ーー‼
﹂
高く吹き飛ばされた。
その攻撃を食らった光聖希はそのまま瓦礫と化した建物の方へと
"
と、
カードの強奪
"
"
アヤカシが今回やって来た目的は2つ。
シンフォギアの破壊
"
﹁⋮さあな
﹂
?
俺達は唯の第三勢力﹃リベレーション﹄。
﹁お前、何者なんだゾ
だが、撤退しようとするとアヤカシの前にミカが現れた。
が目的だったのだ
そう言うとアヤカシはそのまま撤退して行った。
﹁⋮2人には勿体無い代物ばかりだったな﹂
方の元へと行き、同じようにカードケースからカードを漁った。
取ったカードケースを投げ捨てると、今度は遠く飛ばされた光聖希の
その間にカードケースから数枚のカードを抜き取り、そして一部
するとアヤカシは闇呪怨に峰打ちをし、闇呪怨を気絶させた。
﹁⋮他愛も無い﹂
?
1335
!
!
それ以上もそれ以下でもないのさ﹂
?
!
!
"
"
"
そう言うとアヤカシを覆い隠すかのように吹雪が発生し、そして晴
﹂
れた時には既にアヤカシが消えてしまっていた
﹁⋮まっ、いっかだゾ
だが、4人の方は既に戦闘不能であった
当然、アルカ・ノイズが出現するのである。
れてる代物。
ジェムとはキャロル達の所有するノイズ⋮アルカ・ノイズが凝縮さ
そう言うとミカはありったけのジェムを放り投げた
!
ておいたと言う事だった。
調ーー‼
﹂﹂
ズ達を葬った⋮だが、それだけでは無かった
﹂
すノイズ達が他にもいた。
﹁待たせて済まないな
﹁遅れてやって来るのが、真打ってもんだろ
﹂
?
﹁かなりピンチに変わりは無いがな﹂
﹁誰がだなぁんて、連れねぇ事言うなよな
﹂
れた者、そして身体のあちこちに弾丸が貫通されたかのような痕を残
よく見てみると、ノイズ達の中には腕を斬られた者、心臓部を抉ら
!
アルカ・ノイズ達を横切るかのように、2つの光線がアルカ・ノイ
!
幸いなのは、その攻撃前にアヤカシがコートを2人の方に羽織らせ
いた。
でシンフォギアを破壊・分解され、生まれたままの姿を曝け出されて
調と切歌に至っては、先のアヤカシの使用した禍々しい武器の攻撃
に刀一本だけで圧倒されてしまい、現在失神状態。
光聖希と闇呪怨は奮闘するも、先程現れたばかりのアヤカシを相手
!
?
!
﹂
そして調は自分の近くに一本の剣があった。
﹁剣⋮
?
1336
!
!
そんな中、アルカ・ノイズは4人の中で最も低い調を狙ってきた
﹁﹁
?
もはや此処までなのか⋮そう思ったその時だった⋮
!
振り抜けば風が鳴る﹃剣﹄
﹁ああ⋮
だ⋮
﹂
!
さぁ⋮反撃の時だ
新たな力を携えた︽精魂導師︾⋮霊風とロックが現れたのだった
強化型シンフォギアへと強化された翼とクリスと奏の3人と、
そしてノイズ達が一斉に露散すると、そこに現れたのは⋮
"
pipipi⋮
こんな時にか
pipipi⋮
通信
⋮もしもし
﹃俺だ、アンデッドだ。
!
回収には成功したが、まさかここまでとは驚きを隠せないな。
ーーーーーーSIDEtoアヤカシ
!
これが俺達が為さねば成らない事なんだ。
﹁いよいよだな。
そう言うと俺は通信を切り、そして仮面を外した。
⋮そうか。了解。
⋮あの力が完成したようだ﹄
お前はそのまま待機だ。俺達も直ぐに向かう。
?
!
悪く思うなよ⋮憑友﹂
1337
?
?
何せ俺とボーンは、お前の力になりたいからよ。
!
"
♪17 ﹁想い出﹂/殺戮者と﹃リベレーション﹄
﹄
ーーーーーーSIDEto憑友
﹃パパ。何処へ向かうの
干渉
が。
これは⋮キャロルの﹁想い出﹂
またなのか⋮
でも、なぜキャロルの﹁想い出﹂ばかり見るのだろう⋮
﹃見てごらん﹄
そこには1人の女性が赤ん坊を抱き抱えていた。
そう感じていると今度は場面がガラリと変わった。
たんだな。
人と人とが分かり合える⋮イザークさんはそんな思想を抱いてい
バラルの呪詛で統一言語を失われた人類。
⋮イザークさんの言う通りだ。
人と人とが分かり合う為にはとても大切な事なんだ⋮﹄
﹃パパはね⋮世界の全てを知りたいんだ。
自然豊かで、湖畔が綺麗に輝く美しき絶景とも言える光景だった。
を奪われた。
向けた。それにつられて、キャロルも、そして俺もその光景を見て目
そう言われ、キャロルのパパさん⋮イザークさんはある場所に顔を
?
おそらく、この先もキャロルの﹁想い出﹂を干渉するんだろうな。
生命活動時間を対価として払わされないといけない。
前回はサービスで見せてくれたようなものだけど、今回からは己の
?
その成分を調べて流行り病を治す薬を使うんだ﹄
﹃この先で採れる﹁アルニム﹂という薬草には高い薬効があるらしい。
?
"
その近くには1人の男性と6人の少年少女達が其処にいた。
﹄
今度は何なんだ
﹃オギャァ
?
﹃よく頑張ったね。エレメ。
君がこの子達を産んでいる時⋮
1338
"
﹃ああ⋮可愛い私の娘﹄
!
僕は何も出来なかったけど⋮﹄
﹃リダラ。ありがとう。
貴方が側に居てくれただけで、どれだけ心強かった事か⋮﹄
////﹄
リダラとエレメ
﹄
﹃ちょ、そんな事言わないでよ∼スピリット姉さん⁉
﹃そう言うホロウちゃんは妹を愛でたいのよね∼♪﹄
﹃もう、ソウル兄さんったら⋮﹄
?
ろう。
﹃これからよろしくな
俺達の妹
﹄
!
﹄
!
﹄
﹄
!
つまりこれはライドさん達の﹁想い出﹂なんだ。
男の子の方はコア。女の子の方はタマシイだろう。
おそらく陰陽兄弟のアブソーバー⋮
あれは双子の兄妹だな。
﹃可愛い
﹃次は俺達
あの恥じらう性格は零のアブソーバーであるホロウだろう。
﹃あ⋮宜しくね///﹄
あのどストレートな性格は霊風先輩のアブソーバー⋮スピリット。
﹃もう⋮うふふ。可愛いね♪食べちゃいたいくらい
この如何にも主人公ぶりを見せる性格⋮間違いなくライドさんだ。
!
あの冷静そうな性格⋮おそらくロックのアブソーバー⋮ソウルだ
﹃ようこそ。俺達の家族へ﹄
あの姿⋮幼いけど間違いない。
そう言いながら、産まれてきた子供を順番に抱き抱える。
﹃うふふ。順番ずつよ﹄
?
そう言いながら2人は仲の良さをアピールさせていた。
﹄
⋮まさか⋮
﹄﹃ズルい
この2人はとっても幸せそうだな⋮ん
妹触らせて
⋮何処かで聞いた事が⋮
﹃母さん
ライド
﹃あ、ライド兄さんズルい
え
!
!
﹃そうだぞ、ライド。最初は俺からだぞ﹄
?
!
!
!
1339
?
?
﹃アゥ∼
﹄
﹃これからよろしくね⋮サモン﹄
ウキャ∼
﹄
﹃僕達の7番目の子供。君を幸せにしてあげるからね﹄
﹃アゥ∼
サモン博士は何処に
していた。
あれ
﹃⋮如何してもなんですか⋮﹄
﹃そんなの酷いよ
﹄
﹃漸くサモンがこれからだって時に‼
⋮如何言う事なんだ
﹃仕方が無いのだ。
﹄
﹃済まぬ。お前達の意見を最優先にしたのだが⋮﹄
?
其処には先程のサモン博士以外の家族が髭を生やした存在と話を
そう感じていたら、また場が変わった。
これを見ていると幸せになれる気分になるな⋮
⋮そうか。これはおそらくライドさん達の﹁想い出﹂なんだろう。
!
﹃我が屋敷の奥底で封印されてきている存在⋮
魔神王
先代のお決まりでな。
7人目の子 呪いを解く力を身につけん。
だが、言い伝えでは、
故に、封印されし存在の務め 一切を全うさせん
を封印する
そう考え込んでいたら、髭を生やした存在が話を続けた。
いる。
この︽英雄大戦︾が有ったから人類は今はこうして平穏に暮らして
が強大な敵を前に戦った伝説。
確か、キリトさんやなのはさん達﹃英雄石板﹄に刻まれし﹃英雄﹄達
︽英雄大戦︾
我々はかつて起こった︽英雄大戦︾の末裔じゃ﹄
?
?
!
"
と書いておる。
役目を持つ資格が有るのは代々6人と決められておる。
"
ら、それこそ本末転倒じゃ﹄
1340
!
!
?
もしも、7人目の子であるサモンが本当に封印を解いてしまった
"
"
それって、サモン博士を仲間外れにしようとしているのか⁉
﹄
でそんな事を⁉
﹄
﹃⋮サモン
﹃
﹃⋮パパも⋮ママも⋮お兄ちゃん達もお姉ちゃん達も⋮
﹄
これには訳が⋮﹄
私を仲間外れに⋮﹄
﹃違うんだ‼
﹃皆んな大っ嫌い‼
﹄
そういうとサモンが家を飛び出して行った
﹃サモン‼
!
?
?
そうしていると急に身体を動かされた。
響
憑友
﹂
﹂
﹂
ヒドすぎ‼
如何やら現実の方に戻らないとな⋮
ーーーーーー
⋮
﹁⋮も⋮つ⋮も⋮
﹁未来
﹂
﹁無事で良かった∼‼
﹁ぐはっ
ゴツンっ⁉
﹁あ、ごめん⋮﹂
帰って来て早々にこれですか
あ痛ぁぁぁぁ⁉
!
﹂
﹂
いきなり押し倒しやがって‼
ごめんで済むなら警察要らねえよ‼
ゴツンっ‼
なんで⁉
﹁あ痛っ⁉
﹁大丈夫か、憑友⁉
?
!
?
?
!
?
?
﹄じゃない
﹁﹃なんで⁉
?
?
﹂
?
その間、サモン博士は今の今まで見つけられなかったのか⋮
だが、結局誰1人として見つけられなかったのか⋮
おそらく幼き日のサモン博士を探していたんだろう。
その後の光景は所々と変わっていた。
⋮サモンにとっては聞いてはいけなかった事なんだな。
?
!
?
なん
1341
?
!
?
?
?
?
あ、弦十郎師匠。
此処は⋮メディカルルームか。
﹁いきなり倒れたから驚いたぞ﹂
﹁ご心配おかけしました。でも、大丈夫です。
寧ろ、今身体を動かさないと鈍ってしまうぐらいです﹂
﹁それは頼もしいな。
さて、そんな憑友なんだが⋮早速やって貰いたい事がある。響君と
共にな﹂
へいき、へっちゃら
﹂
⋮ピンチなんですね。翼さん達が。
﹁響⋮﹂
﹁大丈夫
﹂
⋮ふっ。お前らしいよ、響。
﹁⋮弦十郎師匠。状況は
!
師自ら出向いてきただけではなく、
﹂
﹃リベレーション﹄が全員集合してしまっている。
思いつきを数字で語れるものかよ‼
﹂
﹂
勝算ははっきり言って絶望的だ。如何する
﹂
﹁なら、師匠の言葉を借りて一言⋮﹂
﹁
﹁
﹁んな⁉
?
﹁へっ。前に一度言って見たかったんだよ、この言葉
﹂
﹂
﹂
﹂
!
翼達がオートスコアラーの相手をしていたら、首謀者である錬金術
﹁はっきり言って最悪の展開だ。
?
﹁⋮ったく。一本取られたか。
﹂﹁うん
!
⋮行ってこい
﹂
響⋮頼むぜ
﹁はい
﹁ああ
﹁気を付けてね﹂
﹁未来⋮﹂
任せて
﹁うん
!
!
!
!
!
!
1342
!
?
?"
?
"
﹁﹁絶対に帰って来るから
﹂﹂
⋮へへっ。まさか此処まで響と似てきたとはな。
﹁さて⋮如何してくれる
先輩﹂
﹁反撃⋮程度では生温いな﹂
﹂
﹁んじゃまぁ⋮逆襲と行きますか
﹁ふっ。愚問だな。
⋮端からそのつもりだ
﹂
!
翳した
するとロックのアブソーバーを水が覆い、
霊風のアブソーバーを風が纏った
!
ーハリケーン・スピリット・アブソーバー
ー
ーアビス・ソウル・アブソーバー
!
ー
ー
上へ、ロックは右にアブソーバーを動かした
ーアブソーバー・スパーク
ーアブソーバー・ドライバー
ー
すると2人は其々のアイテムをアブソーバーとドッキングさせ、
!
上,左,下,右,真ん中の順にアブソーバーを動かしそして霊風は
つと、
それと同時にアブソーバーが左腕から離れ、2人はそれを左手に持
し、装填させ、レバーを引いた。
そしてカードケースから﹃アドバンスフォース﹄のカードを取り出
ドを入れて、スライドさせ、
カードを入れられる窪みがあり、其処に先程翳した﹁フィーネ﹂のカー
すると2人はアブソーバーをスライドさせた。其処には一枚分の
!
!
そう言うとロックと霊風は﹁フィーネ﹂のカードをアブソーバーに
﹁それじゃあ⋮いっちょ派手にやりますかね
﹂
その頃、翼達の方はオートスコアラーの2人と相対していた。
遡る。
憑友が突然と倒れ込み、メディカルルームへと搬送する15分前に
ーーーーーーNO SIDE
⋮さぁ、此処からが俺達の戦いだ
!
?
!
!
!
!
1343
!
!
ーー
其々のアブソーバーに描かれている戦士達のバストアップ写真が
ー
ー
フォーム、ギンガ‼
描かれているパネルボタンを押した
ースピリット
フォーム、スペクター
ーー﹃FULL BURST IGNITION﹄
ーソウル
?
!
!
﹂
ー
想いを繋げろ
銀河の覇者
覚悟
ー
すると2人は其々の戦士の変身プロセスを行いそして変身した
﹂
﹁ギンガーー
﹁変身
ー未来の戦士
ーレディーゴー
!
!
スペクター﹄に変身した。
﹂
だが、其れだけでは終わらない⋮
﹁行くぜ
!
すると2人は其々の戦士⋮﹃ウルトラマンギンガ﹄と﹃仮面ライダー
!
!
リップ部分を捻りそして外した
﹄
と青のパネルボタンの内、赤の方を押した
﹃今こそ、1つになる時⋮
するとアブソーバーから音声が流れた
﹄
ウルトラマン⋮タロウ
刺した
﹃ギンガに力を⋮
ギンガストリウム‼
すると霊風の身体の一部が変化していく⋮
⋮
ウルトラ6兄弟の力を1つにし、それをギンガが使用する強化変身
それはギンガの変身者⋮礼堂ヒカルがかつて変身して見せた姿。
!
?
!"
像に対して横にスライドさせ、先程捻って外したスパークグリップを
それを聞いた霊風はアブソーバーのパネルに写し出されている映
!
!
!
そしてそのまま霊風はアブソーバーのパネルボタンに付いてる赤
!
そう言うと霊風はアブソーバーを左腕に装着させ、スパークのグ
!
!
1344
!
!
!
!
!
!
!
!
"
ギンガストリウム
に霊風が変身したのだ
ロックもまた変化していた
だが、見た瞬間にその鎖が断ち、解放されたのだ
ンを押した
﹂
ー
そうするとロックはアブソーバーのドライブボタンを押した
ーダイブ・トゥ・ディープ
ー
それを見たロックは躊躇いなくその鎖に縛られていたパネルボタ
!
其処には鎖が掛けられているパネルボタンがあった。
ロックもアブソーバーのパネルボタンを見た。
霊風だけでは無い⋮
!
ゴースト
!
﹁変身
ギ・ザ・ギ・ザ
ディープスペクター
覚悟
!
スペクター最強の姿⋮
﹃ディープスペクター﹄へと強化変身したのだ
当然其処からアルカ・ノイズが現れる
﹂
﹁久方ぶりに﹃四英雄﹄の力を使うんだ⋮
肩を暖めらせてくれよな
﹁鈍ってなければいいがな⋮行かせてもらう
﹂
﹂
そうしているとミカが大量のアルカ・ノイズのジェムを放ってきた
ができるのである。
の力を使用する事で一部の﹃英雄﹄達の強化変身した姿を使用する事
だが、﹁フィーネ﹂の力﹃FULL BURST IGNITION﹄
本の姿でしか使えないから。
元は2人の今の姿には普通は成れない。例え﹃四英雄﹄の力でも、基
其々携える
ロックはディープスペクター専用武器・
﹁ディープスラッシャー﹂を
すると霊風はギンガの武器・﹁ギンガスパークランス﹂を、
!
スペクターの変身者⋮深海マコトが得た﹁友を守る為の力﹂であり、
!
ーゲンカイガン
ゲットゴー
!
するとロックもまた変化が起きた⋮
!
!
!
!
!
!
!
!
1345
!
"
!
"
﹁慣らし運転がてらに片付けるぞ
!
!
!
!
!
﹁綺麗に平らげてやるよ
﹂
﹁新車で初乗りだぜ⋮ひとっ走り付き合いな
そう言うと5人は一斉に駆け抜ける
﹂
歌は2人に任せ、一気に駆け抜ける
﹁ショォウラァ
!
﹂
︵挿入歌﹃BAYONET CHARGE﹄水樹奈々,高垣彩陽︶
!
!
!
いく
霊風はギンガスパークランスで己の得意な槍捌きを華麗に決めて
!
を回転させた
﹃ウルトラマンの力よ
た
﹄
‼
"
﹄﹂
?
ノイズは一斉に露散した
そしてそのまま落ちてきていたランスを取り、構え直す。
だが、まだアルカ・ノイズは山程いる。
光がある限り
﹃ウルトラセブンの力よ
﹄
﹁﹃
ワイドショット
‼
﹄﹂
?
さが
諦めないのが﹃ウルトラマン﹄の性。
霊風は続けてパネルボタンを押した
けれど、
"
すると霊風はランスを地面に刺して、今度はL字に構えた
!
!
"
いく
!
ズを倒していく
を180度動かす。
すると何かに気付いたのか、ロックはディープスラッシャーの剣先
!
その頃、ロックもディープスペクターの状態で確実にアルカ・ノイ
﹁俺達の戦いはここからだ
﹂
すると今度は黄色の光線が放たれ、再びアルカ・ノイズを粉砕して
"
!
!
すると右手から青白い光線が放たれ、その攻撃を食らったアルカ・
スペシウム光線
﹁﹃
!
そう言うとそのままランスを高く投げ、敵に向けて腕を十字に構え
!
!
ム⋮﹃ストリウムブレス﹄を見て、ディスクを回転させて、レリーフ
そして霊風はそのままアブソーバー内に映し出されているアイテ
!
!
1346
"
"
すると剣の形から銃の形へと変化し、そのまま弾丸を撃つ
悪りぃ、ロック義兄
ていた
﹁
﹂
﹁借りは俺よりもスコアを多く稼ぐ事だ。行くぞ
﹂
し、2丁拳銃のように撃ち放ったのだ
その際にロックはスペクターの武器・﹁ガンガンハンド﹂を取り出
すると2人は其々の方に向き直り、走り抜ける。
﹁応よ
﹂
そして放たれた場所を見るとクリスの背後にノイズが襲おうとし
!
導師︾では無いのだ
伊達に狙撃銃や弓、ショットガン等の銃火器の扱いに長けた︽精魂
構い無しである。
本来なら何方か片方しか使えない武器だが、ロックはそんな事はお
シャー﹂。
火縄銃型の﹁ガンガンハンド﹂と、ピストル型の﹁ディープスラッ
!
いた
﹃ソウル・スペクター
﹄
!
なった。
﹁一気に仕掛けるぞ
﹂
!
く
!
するとジュエルの口から思いもがけない言葉と共に扇を剣の形に
﹁おっさんはさっさと退場なさい
﹂
そう言うとロックと霊風は其々の武器を構えて攻撃を仕掛けてい
﹁ああ
﹂
全て散り、残すはミカとジュエル⋮2人のオートスコアラーのみと
そしてそうこうしているうちにアルカ・ノイズ達は翼達の分も含め
その攻撃を食らったアルカ・ノイズは消えさったのであった。
放った
そう言うとロックは銃口にエネルギーを溜め、そして一気に解き
﹂
﹁はぁぁぁぁ⋮はぁっ
フルドライブ
するとロックはドライバーに装着されているドライブボタンを叩
!
!
!
!
!
!
1347
!
!
!
!
!
!
変えて、そのまま2人の攻撃をいなしていく
させた
かしそしてL字に構えた
﹄﹂
‼
すると霊風はランスを再び地面に刺すと、そのまま身体を大きく動
﹃ウルトラマンAの力よ
﹄
だが、その瞬間に、霊風はディスクを回転させて、レリーフを回転
!
められた。
﹂
鎌鼬
を繰り出
"
﹁甘すぎですわ
そう言うとジュエルは扇を使って、風の斬撃波⋮
した
してレリーフを回転させた
﹄
!
﹁﹃
ウルトラバーリヤー
‼
﹄﹂
?
!
ーカイガン
王家の資格∼
ツタンカーメン
ピラミッドは三角∼
ー
!
!
!
のまま﹁ガンガンハンド﹂に装着し、サイスモードになった
そしてそのまま攻撃を仕掛けるロック
けれど、ロックは不適な笑みを浮かべる。
く。
だが、ジュエルはその攻撃を仕込み扇を笏の形にして、相殺してい
!
!
すると其処へスペクターのアイテム﹁コブラケータイ﹂が現れ、そ
した。
するとロックはスペクターの専用武器﹁ガンガンハンド﹂を取り出
!
!
その間にロックはスペクターの能力﹁眼魂チェンジ﹂を用いた
すると霊風の前に光の壁が現れ、鎌鼬の攻撃を全て塞いだ
"
そう言うと霊風は腕を水平に動かした
﹃ウルトラマンジャックの力よ
!
それを見た霊風はすかさず皆の前に立ち、ディスクを回転させ、そ
!
"
すると其処から銀の盾のような形に変わり、そのまま攻撃を受け止
2つの扇を合わせた。
霊風の光線が放たれるが、ジュエルは仕込み扇を元の扇に戻して、
メタリウム光線
!
﹁﹃
?
!
!
1348
!
!
"
"
"
﹁
⋮
﹂
﹂
を真っ直ぐに構えて特攻していた
ロックはすかさずバック宙をする。するとなんと奏が2振りの槍
﹁貰った
!
COMET∞STRIKE
が決まった
!
のもので、ジュエルに大ダメージを与えた⋮
槍の高速突進攻撃
"
た
を放つも、ミカはそれを余裕で躱す⋮が
翼はX字の青い斬撃を居合いのように飛ばし、対象を斬り裂く技
蒼刃罰光斬
!
う技
﹂
MEGA DETH FUGA
﹁ちょせぇ
﹂と言われて再び警戒
が着地と同時にヒットした。
クリスはそう言う。だが、翼が﹁いや待て
する。それは明らかに様子がおかしかった。
煙の中から術式が浮かび上がっていた。
﹁面目無いゾ﹂
﹁いや、手ずから凌いでよく分かった⋮俺の出番だ﹂
﹂
﹂
そこには今回の首謀者⋮キャロルが居り、2人を守っていた
﹁気を付けろ⋮
敵の頭の登場みたいだぜ⋮
﹁ラスボスのお出ましって訳か⋮
そう言いながら5人は其々の得物を構えた。
すると突然、雷が霊風達目掛けて襲いかかってきた
﹂
来ているのに、焼き焦げてしまっていた⋮
﹁この攻撃⋮まさか
!
!
なんとか攻撃を躱せたのだが、立っていた場所はコンクリートで出
ら回避させた。
それをいち早く感知した霊風は回避を命令すると全員をその場か
!
!
"
﹁マスター⋮お手を煩わせてしまい申し訳ありません﹂
!
!
"
その着地点目掛けてクリスが大型ミサイル2基を生成し、砲撃を行
"
"
一方、ミカを相手にしていた翼とクリスもそれぞれの攻撃を仕掛け
"
!
その攻撃に気付き攻撃を躱そうとするが、奏のスピードはそれ以上
!
!
!
!
1349
!
?
!
それに気付いた霊風は辺りを見渡す。
すると⋮見つけたのだ。
﹁⋮﹂
︽雷魂導師︾アンデッド⋮ライジンを。
だが、彼だけでは無かった
た
﹁⋮お前は1人でやると言うのか
そう言うとキャロルの手元に竪琴が現れた
﹁ふん﹂
﹂
﹂
そうしていると、ミカとジュエルはテレポートジェムを使って逃げ
今此処に3つの陣営が揃ったのだ
彼の仲間⋮地魂導師ボーンと氷魂導師アヤカシも居たのだ
﹁⋮両者を⋮討つ﹂
﹁派手に俺のテリトリーをやってくれたな∼
!
﹂
それを見た霊風はいち早く気付いた。
﹁あれは⋮
﹂
?
﹁聖遺物だって⁉
﹂
するとキャロルはその竪琴を弾いた
?
せていく
﹂
長促進したかのような冷徹な女性の姿へと早変わりした
﹁これくらいあれば、不足は無かろう⋮はぁ
用してきた
それを見た霊風達は一斉に回避した。
だが、﹃リベレーション﹄達は全く動かない
アース・アッパー
﹂
何故なら、その必要が無いから。
﹁
"!
!
そう言うとキャロルがすかさずピアノ線を使った攻撃を全体に使
!
!
そして現れたのは、先程の幼い姿であったキャロル⋮では無く、成
!
するとキャロルの身体をその竪琴型聖遺物﹃ダウルダブラ﹄が纏わ
!
﹁あれは⋮竪琴型の聖遺物﹃ダウルダブラ﹄だ﹂
﹁霊風、知ってるのか
!
!
1350
!
!
?
!
?
!
"
そう言いながらボーンが地面に向けて拳を突き立てた
﹂
!
!
すると目の前に岩の壁が現れ、キャロルの攻撃は防がれたのだ
﹁さあて⋮始めますかな
ボーンがそう言いながら拳同士を打ち付けた。
それと同時にアンデッドが杖を構えながら本を開き、
アヤカシは腰の刀に手を添える
!
!
戦いは三つ巴の戦いへと発展する⋮
1351
!
♪18 ﹃負﹄と﹃獣﹄
ーーーーーーSIDEto憑友
はっきり言うと戦闘が滅茶苦茶だった⋮
ロックと奏さんの攻撃を前にボーンとアヤカシがそれを悉く相殺
し、アンデッドの攻撃を霊風先輩が槍を巧みに扱いながら受け流して
いく。
そして翼さんとクリス先輩は成長したキャロルを相対するけれど、
キャロルの錬金術を前に悪戦苦闘だった。
﹁歌 う 訳 で も な い ⋮ な の に こ ん な エ ネ ル ギ ー ⋮ い っ た い 何 処 か ら ⁉
﹂
確かに。
シンフォギアを纏っているのであれば、歌を歌わなければその真価
の焼却です﹂
エルフナイン。
?
を発揮する事は不可能に近い⋮
想い出
なのに歌を歌わずしてこの威力⋮如何して
﹁
﹂
⋮如何言う事なんだ
﹁想い出
"
﹂
?
俺いつ頃から声を出していたんだ
のかもしれません。憑友さん﹂
⋮あれ
﹂
﹁レ グ ル ス が オ ー ト ス コ ア ラ ー 達 に 想 い 出 を 与 え て い る と 言 う の か
ある。
⋮まぁ、そんな事は良いか。それよりも先の発言で気になった事が
?
﹁それは、恐らく唯一の男性型オートスコアラー⋮レグルスが行った
威力を誇ってるんだ
所持していないとの事なんだが、じゃあ如何やったらあんな凄まじい
まだ日が浅いオートスコアラー達は消費するだけの想い出の量を
エルフナインがそう言った。
を変換錬成した物です⋮﹂
﹁キャロルやオートスコアラーの力は﹃想い出﹄と言う脳内の電気信号
?
?
?
1352
?
"
?
﹁ええ⋮///﹂
そう言うとエルフナインがモジモジしだした⋮何コノ子、愛デタイ
ンデスケド
⋮いかん。完全に理性がどっか言っていた。
エルフナインがこんな動作をする事はただ1つ⋮
⋮レグルス⋮据え膳なんちゃらって奴だよな。これは間違いなく
⋮
﹂
俺が泣かせたみたいになってるじゃないか
ぜん∼
﹁⋮取り敢えず後は言わなくて良いからね﹂
﹁はぅ∼⋮ずびぃま
だから泣かないで⁉
女性陣達から冷たい眼つきの応酬だよ⁉
⋮って、なんか冷たい視線が⋮⁉
﹃⋮﹄ジー⋮
未来∼
助けt⋮って、お前らもか∼い⁉
うわぁぁぁぁ⁉
響∼
誰か変わって∼⁉
?
︵│︳│#︶
?
はロックが︽地魂導師︾ボーンと呼ばれる相手と戦っていた。
⋮お腹に模様が付いてあるからです。
ロックはアーチャーと同じ力を持つ﹃英雄﹄⋮︻贋作の少女 クロ
なんで分かるのかって
エ︼を使用していた。
え
⋮してますけど、そ
だって、変身者⋮男だよ
露出して無いのかって
んなの言わなくても良く無い
と、そんな事は良いか。
?
そう思っているとボーンは衝撃の言葉を発した。
?
では有りませんし。え
アーチャーにはそんなのは無いしね。それにおへそ出すような人
?
?
?
1353
!
知ってましたけどね
⋮ああ∼もう嫌だよ∼⁉
﹃⋮﹄
﹄
!
?
?
?
"
?
ハイ、変わる気0
この声⋮﹂
﹃そんな程度かよ
﹁⁉
!
!
!
?
!
するとふと映像から音声が聞こえてきたので、振り返ると、其処に
?
?
・
・
・
・
・
・
・
﹂
﹂
﹂
暴君⋮番長⋮⁉
・
﹃暴君番長⋮舐め過ぎなんだよ
﹁⁉
﹂
如何したの憑友
そんな⋮⁉
﹁
﹁憑友
落ち着いて
嘘だ⋮嘘だ⋮
憑友⁉
﹄
﹂
つかったけど、この時の俺はそれに気付かなかった。
だって⋮だって⋮
もし、ボーンが彼奴だったら⋮動揺するしか無いじゃないかよ
如何してお前が其処にいるんだよ⋮
いや、お前だけじゃ無い
﹂
如何して、俺達の前に立ちはだかるんだ‼
ーーーーーーNO SIDE
憑友は廊下を走って行く。
サモン博士⁉
すると角付近で誰かとぶつかった。
﹂
す、すみません
!
そう言うと俺はそのまま指令室を出て行った。その際に調達とぶ
﹁こんなの嘘だーーーーーー‼
﹁
?
!
?
アヤカシ⋮お前がもしもそうなのであれば⋮お前もなのか
!
!
?
﹁あ痛っ⁉
﹁っ⋮
!
?
クリスチャーノだった⋮
これ⋮ライドさん
﹂
!
そう言うとサモンはその場を立ち去って行った。
﹁私の役目は終わり♪後はみんなに任せるわ♪﹂
﹁
バーを取り出して、憑友に渡した。
するとサモン博士は思い出したかのように、懐からライドアブソー
しかしサモン博士は﹁大丈夫だよ﹂と言って、なんとか立ち上がる。
憑友は先の衝撃でサモン博士を吹き飛ばしたのだ。
!
それは憑友を含む︽精魂導師︾達に新たな力を開発していたサモン・
!
1354
!
?
?
?
!
?
?
!
?
?
!
憑友は廊下の片隅に蹲り、そして涙を流した。
﹄
それに気付いたライドは話しかけた。
﹃如何かしたのか
・
・
﹂
を救ってみれば良い
﹁俺が⋮
﹄
﹄
﹁ライドさん⋮ありがとう﹂
﹁憑友﹂
ないよ。
だけど、いつか必ず教えてね
﹁響⋮ああ﹂
﹂
ってな
﹄
・
﹁さっきの映像で何が起こっているのかを話して欲しいとは思ってい
﹁響⋮﹂
立っていた。
すると不意に声が聞こえてきたので、顔を上げると其処には響が
!
﹃君の事を思っている2人なんだ。
自分はもう守られるだけの存在じゃない
だが、彼等の隣に立てるぐらいの力を身につけたんだ
!
!
彼等の背中を守れるように成長したんだ。私が保証する
!
﹃もし、ボーンとアヤカシがその2人ならば⋮憑友。お前がその2人
だが、ライドはこう語った。
知っていたから。
その話を聞いたライドは驚愕していた。彼もまたその者の存在を
君番長の事を話した。
・
すると憑友は先の映像から発した声と、そしてボーンが名乗った暴
﹃如何言う事なんだ
﹁⋮俺。ボーンとアヤカシに立ち向かえないかもしれない﹂
?
!
て立ち上がった。
﹁師匠から出撃許可が出てるんだ。私と憑友。2人で
﹂
そう言うと響は手を差し伸べて来て、憑友はその手に掴まり、そし
!
1355
?
だったら、彼等の心に響かせれば良い。
!"
?
彼等に守られていた頃の自分はもういない。
"
﹂
﹁⋮分かった。俺も本気を見せないとな
﹁それこそ憑友だね
﹂
!
﹁ちょっと⁉
﹂
﹂
が馬鹿らしくなり、そのまま響の頭を豪快に搔きむしる。
憑友はそんな響の︹太陽︺のような笑顔に先程まで泣いていた自分
そう言いながら響の笑顔を見た憑友。
!
あった。
!
﹂
さて、そろそろ私も行きますかね⋮⁉
﹁動か⋮ない
﹂
﹁すみませんが、ご同行をお願いします﹂
﹁⋮緒川⋮さん
?
残念だけど、私の計画としては寧ろ合格だった。
尤も、まさかアブソーバーと言う電子機器に変貌してしまったのは
兄さん達、姉さん達に再会出来た事は嬉しい限りね。
作戦は順調ね。
ーーーーーーSIDEtoサモン
ルームへと搬送されていたのであった。
それから3分も待たずに憑友は急に倒れ込んでしまい、メディカル
いる戦場の方へと向かうのであった。
響はそんな憑友に﹁うん
﹂と返事をするとそのまま翼達が戦って
其処には先程まで背負っていた荷が降りたかのような憑友の顔が
憑友の言葉と顔を見た響。
﹁さぁ、行こうぜ
?
?
情報収集済みという訳ね。
?
⋮ぐはっ
﹂
⋮貴方の背中を狙いやすくなっちゃうんだから
﹁⁉
動けるようね。
シュュュュンッ
⋮
?
そう言いながら、銃を女の人に構えないで欲しいわね。
﹁貴方は一体、何を企てようとしてるんですか
﹂
くっ⋮流石、S.O.N.G.専属のエージェント。既に私の事は
?
1356
!
!
?
!
﹁い、今のは⋮⁉
﹂
﹁サモン⋮召喚⋮まさか⁉
﹂
﹁サモンは英語でなんて呼ぶでしょうね
私の名はサモンよ
?
うわぁぁぁぁぁ⁉
﹂
?
﹂
!
霊風﹂
?
﹁⋮そっちは如何だ
﹁へっ。言わなくても分かってるだろ
﹁⋮ふっ。そうだな﹂
そう言いながら5人は立ち上がる。
﹂
﹂
﹁アレを試すにはギリギリ大丈夫ってとこかな﹂
﹁私はなんとかな﹂
﹁大丈夫か⋮クリス⋮翼﹂
﹁クソッタレが⋮
ロック達の方も劣勢だった。
そしてそれはアンデッド達﹃リベレーション﹄を相手にしている
た。
数百年の記憶を保有しているキャロルだからこそなし得る事だっ
せているのである。
キャロルは自らの記憶⋮﹁想い出﹂を焼却させて強力な力を発揮さ
にはシンフォギアを強化しても劣勢に立たされていた。
キャロル相手に翼とクリスが攻撃を仕掛けていくが、キャロルの前
戦場では完全に劣勢になっていた。
S.O.N.G.内でそう言う騒動がある中、
ーーーーーーNO SIDE
今から私は⋮貴方達の敵になります。
兄さん達⋮姉さん達⋮
バイバイ♪S.O.N.G.の皆さん。
⋮さて、私はもう此処に用は無いわね。
﹁
お願いするわ⋮︻灼眼の剣士︼ちゃん♪
気付いてももう遅いわよ。
?
?
?
?
1357
!
﹁ふっ。タマを隠しているのなら見せてみろ。
俺はお前等の全ての希望をぶち砕いてやる
﹂
﹂と言って
?
取り外した
そう言うと3人はそれぞれの胸のコンバーターの装置を起動させ、
﹁﹁﹁イグナイトモジュール⋮抜剣
﹂﹂﹂
きたので、2人は頷きながら返答して、そして3人はアレを発動する
するとクリスは翼と奏の2人に﹁付き合ってくれるか
ンがキャロルとシンフォギア装者達に対してそう答えた。
そう言いながらキャロルは挑発を仕掛けるが、アンデッド⋮ライジ
勿論、シンフォギア装者⋮お前達もな﹂
﹁そして俺達はそんなお前の野望を止めてやる。
!
現、そして3人の胸部と首の間を目掛けて突き刺した
た。
﹂
それを見たロックと霊風も両者が頷く。
﹁俺達も⋮
﹁彼奴らだけに重荷を背負わせて堪るかよ
﹂
それにより、声にも寄らない悲鳴を3人が悶えながらそれを受け
!
するとコンバーターが手元から離れて、其処から光の突起物が出
﹃﹃﹃Dainsleif﹄﹄﹄
!
!
己の中に眠りし﹃獣﹄よ。
始めた。
﹁﹁
今こそ此処に解放せん
ザ・イグニッション
﹃MONSTER DRIVE﹄
ビースト・オン
﹂﹂
ーー
そう言うと2人はそのままアブソーバーを力強く翳した
ーー﹃MONSTER DRIVE﹄
するとアブソーバーから匂いが発してきた⋮それも視認できるぐ
!
!
!
あっ⋮がぁ⋮⁉
﹂
らいの濃いピンクの臭いが。
﹁⁉
?
?
1358
!
!
そう言うと2人はアブソーバーのパネルボタンに手を添え、詠唱を
!
!
!"
"
﹂
﹂
するとなんと霊風とロックはその匂いを嗅いだ瞬間に翼達と同様、
悶え始めたのだ
﹁何だ⋮この匂いは⋮⁉
﹁駄目だ⋮目に焦点が⋮⁉
2人が吸った匂い。実はこれ、人としてはあまりにも危険な代物
だった。
事の発端は、翼達と共にエルフナインの話の最中まで遡る。
ー回想ー
エルフナイン曰くproject・IGNITEは﹃シンフォギア﹄
エクスドライブ
に搭載されている決戦機能を扱う為のものとの事だった。
決戦機能は主に3つ存在している。
己の身体を傷つけてまで放つ諸刃の剣⋮﹁絶唱﹂
相当量のフォニックゲインを束ねて起こす奇跡の力﹁X D モー
ド﹂
そして今回のシステム﹁IGNITE﹂の3つが存在するのである。
だが、実はこの﹁IGNITE﹂⋮翼達は既に目にしているのであ
る。
それは⋮響の﹁暴走﹂であった
①使用する際、アブソーバーから匂いが発する。その匂いを嗅ぐ事
注意点だった。
サモンから聞いた﹃MONSTER DRIVE﹄の使用する際の
そしてエルフナインは続け様に霊風とロックに話をし始めた。
た。
それが﹃project・IGNITE﹄の目指す所﹂との事だっ
の対抗策とする。
曰く﹁﹃暴走﹄を制御し、純粋な戦闘力へと変換錬成し、キャロルへ
た奏とクリスを引き離して、話をし続けた。
だが、それを聞いた霊風とロックはエルフナインに突っかかってい
響の﹁暴走﹂が今回のシステムの根本だと言う事に。
エルフナインから言われた事で翼とクリス、奏は憤慨する。
!
1359
?
?
!
で変身プロセスが開始される。
だが、その匂いはあまりにも強烈で、一般人がこれを嗅げば間違い
なく悶え死ぬぐらいの臭いを発するとの事。
②それを乗り越えた先に待ち構えているのが、理性の崩壊。
己の身体と脳内の電気信号のミスマッチ⋮つまり身体の言う事が
聞きにくくなる。
だが、それに打ち勝てば、理性の崩壊は無くならず、身体の言う事
も聞けるとの事。
③そしてそれを乗り越えた先にあるのは身体の変化。
それには相当の苦痛が襲いかかるとの事。
だが、それに打ち勝てば、
﹃MONSTER DRIVE﹄は発揮す
る。
その段階中は常に己の中の獣を扱わなければいけない。
そうエルフナインはサモンから聞かされていたようだ。
事。
そして霊風達の嗅いだ匂いは己の中に眠りし野性の獣の魂を呼び
起こし、それを増幅させる機能を持つとの事。
だが、その力を克服、そして乗り越える事が出来れば、キャロルや
1360
それを聞いた霊風とロックは驚愕した。
もしも、その経過途中で己の中の獣を扱いきれなかったら⋮
﹂
殺戮の魔剣
とも呼ば
おそらく、自分達は二度と人間には戻れないかもしれないという
﹂
﹂
ぎゃぁぁぁ‼
⋮うがぁぁぁぁ‼
⋮がはぁぁぁぁあ‼
モジュールのコアたるダインスレイフは
﹂
﹂
崖っ淵の状況に追い込まれるとの事だった。
ー回想ENDー
﹁うぅ⋮あぁ⋮ああーー‼
⋮はがぁ⋮
﹁がぁ⋮はぁ⋮うわぁぁぁぁぁ
﹁ぐっ
がぁ⋮⁉
?
!
?
そんな中でも5人は必死に悶え苦しむ。
﹁うぅ⋮がぁはっ⋮⁉
﹁げほっ⋮
!
れており、人の心の中に潜みし闇を増幅させる力を持っているとの
"
?
?
"
?
?
!
!
﹃リベレーション﹄達と対等に戦えれる。
だが、その力は凄まじく、霊風達はその力に飲み込まれそうになっ
てしまう⋮
遂にはS.O.N.G.の方でも危険信号まで出てしまう
このまま終わるのかと思ったその時だった。
ガシッ
!
!
﹄﹂
?
⋮ロック⋮義兄⋮⁉
リスの手を掴んだ
﹁
﹂
﹄﹂
?
﹂
!
のか。
﹂
!
そう言うとキャロルはアルカ・ノイズを生み出すジェムを上空に投
⋮何れにせよ、俺が立ち上がる力くらいくれてやろう
﹂
﹁尽きたのか、それとも折れたのか、それとも堕ちずに這い戻って来た
﹁ふぅ⋮取りあえずは良いか﹂
逆に、アンデッド達﹃リベレーション﹄は何故かホッとしていた。
それを見たキャロルはしけたツラを見せた。
﹁不発
だが、5人ともボロボロになってしまったのだ。
そう言うと5人の身体から光が放たれ、元の状態に戻った。
﹁お陰で、良い気付けに⋮なったぜ⋮﹂
﹁危うく⋮底なしの沼へと⋮堕ちそうだった⋮のでな﹂
﹁1人だと⋮寂しいから⋮な⋮
それを聞いた装者達は手を出し合う。
﹃守って見せるんだーー‼
﹁このまま⋮お前だけを⋮置いて逝くかよ⋮
?
!
それを聞いたロックは力ずくで闇に飲み込まれようとしているク
﹃生きるのを⋮諦める⋮ものかよーー‼
﹁こんな⋮所で⋮終わって⋮たまる⋮か⋮よ⋮
そしてもう片方の手で翼の手を掴んだ。
む。
奏の手を⋮今にも獣へと生まれ変わろうとしていた霊風が手を掴
﹂
﹁⋮霊風
!
?
1361
?
!
げ放った
だ
﹂
それを見たアンデッド達はキャロルに怒りを込み上げた
﹁何時までも地ベタに膝をつけていては、
市街の被害は抑えられまい﹂
﹂
﹁キャロル・マールス・ディーンハイム‼
﹁貴様だけは⋮絶対に許さない
?
﹂
﹂
?
絶対絶命⋮
その時だった
まさか⋮
!
双方は現れん⋮
!
燃え盛る炎の魂
⋮︽炎魂導師︾ライド、見参
﹂
!
場響と、
﹁
今2人が戦場に降り立つ
!
その心に有るは︹灼熱︺の魂の持ち主⋮人絆憑友。
"
その手で掴まされし者達に︹太陽︺のような暖かさを放つ少女⋮立
﹁キャロルちゃん
﹂
上空から2つの雄叫びが聞こえし時⋮
﹁⁉
﹁うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
﹂
﹁はぁぁぁぁあ‼
?
!
だが、アルカ・ノイズ達を倒せる力がもう無くに等しい状況。
翼達はこの状況の中でも立ち上がる。
た。
だが、キャロルはそんな2人をピアノ線を使った攻撃で拘束させ
そう言うとなんとボーンとアヤカシがキャロルに牙を剥く
!
!
の飛行系小型のアルカ・ノイズを出現させ、なんと街へと放たれたの
するとそこからキャリア型のアルカ・ノイズが現れ、そこから無数
!
!
?
1362
!
!
"
♪19 抜剣/ビースト・オン・ザ・イグニッション
キャロルと﹃リベレーション﹄の前に、響と憑友が現れた。
2人の様子はというと、絶好調のようだ。
﹂
ただ、憑友はボーンとアヤカシを見た瞬間に浮かない表情を見せて
いた。
事実、それに気付いた霊風に指摘を受けられていた。
﹁憑友。お前⋮なんでそんなにも浮かない顔をしているんだ
﹁⋮なんでもない⋮とは言えません。
﹂
優先にする事
﹂
﹃MONSTER DRIVE﹄と﹃IGNITE﹄の力を扱う事を最
﹁⋮今は、ただ1つ。
それに気付いた響は憑友の顔を見て、やる気の表情を見せた。
そう言うと憑友は拳同士を打ち付け、響を見やる。
﹁え
いのかもしれません﹂
けど、ボーンとアヤカシ。あの2人と自分はある意味因縁以上に深
?
てくれます
﹂
この力が本当に誰かを救う力なら、身に纏っている私達だって救っ
﹁自分はシンフォギアによって救われたって。
だが、それを響が割って入り込み、話をしだした。
してロックが不安を煽るような言葉を発した。
憑友は新たな力を扱う事を最優先にしようと策を出すが、皆を代表
﹁未来が教えてくれたんです﹂
﹁だが、今の俺達では⋮﹂
!
﹂
ダーインスレイフの呪いを打ち破るのは⋮
ならば、まず第一にこの力を扱う者達を守る事が救う事になるって
誰かを救う為にこの力がある。
﹁それは一概にも︽精魂導師︾も同じなんです。
!
1363
?
﹁だ か ら 信 じ る ん で す
﹂
!
!
!
﹁己の中の獣を操る為には⋮ただ1つ
﹂
﹂
﹂
!
憑友達︽精魂導師︾達はアブソーバーに手を添えた。
手を添え、
翼の合図を機に響達︽シンフォギア装者︾達は胸のコンバーターに
﹁もう一度行くぞ
﹁さぁて⋮休憩はこのくらいにしようじゃないか
﹁へへっ。流石、私のファンと私が救えた子だな﹂
﹁そんな馬鹿2人に俺達の人生を変えられたのは否めないけどな﹂
﹁馬鹿2人に乗せられてカッコつけねぇけどよ⋮﹂
そして、ガングニールとライドを。
ウル⋮
天羽々斬,イチイバル,ゲイジャルグ・ゲイボウ,スピリット,ソ
それを言われた皆は其々の相棒達に目を向ける。
!
すると何処からともなく上空から炎が、海から雷が、更に陸地には
なんだ
この蟲共は⋮﹂
光り輝く蟲達が集まりだした⋮
﹁
﹂
!
るでこれで2度目のような光景を見たかのような言葉を発した。
すると上空,陸地,海上から3つの雄叫びが発してきた
!
その声を聞いた霊風達は視線をその咆哮が響いてきた方へと視線
を移す。
すると視線の先から、
︻空の王者 リオレウス︼
︻海の王者 ラギアクルス︼
︻無双の狩人 ジンオウガ︼
﹂
彼等のモンスターが現れたのだ
﹁一気に行くぞ
!
﹂
すると憑友達は其々の新たな力を発動する
﹄
!
!
!
﹁イグナイトモジュール
﹃抜剣‼
?
1364
!
﹁これは⋮﹂﹁まさか⋮‼
?
キャロルがその蟲を払い除けようとするとボーンとアヤカシはま
?
?
﹃﹃﹃﹃Dainsleif﹄﹄﹄﹄
﹂﹂﹂
響達︽シンフォギア装者︾達はコンバーターを使用して、
﹁イグナイ
己の中に眠りし﹃獣﹄よ。
ト﹂を発動し、
﹁﹁﹁
今こそ此処に解放せん
ザ・イグニッション
﹃MONSTER DRIVE﹄
ビースト・オン
ーーー
﹂
シンフォギア⋮イグナイトver.の誕生だった
そして憑友達の方では驚くべき変化が起きた
!
合ったのだ
そして現れたのは、其々のモンスター達の姿を模した姿だった
識がある証拠だった
これこそが本当の﹃MONSTER DRIVE﹄の力だったのだ
!
しかも、その瞳にはしっかりとハイライトが映し出されていた⋮意
!
憑友達の身体を、其々のモンスター達が包み、そして憑友達と溶け
!
!
﹁未来が教えてくれたんだ⋮
力の意味を⋮背負う覚悟を⋮
﹂
この衝動に⋮塗り潰されて⋮
﹄
俺の身体を⋮使わせて⋮
﹃なるものかーー‼
獣なんかに⋮
﹁己が己で無くなろうとも⋮
!
この身に魂がある限り⋮
!
すると響達はその衝動を乗り越え、黒き装甲を纏った
!
そして意識が朦朧しながらも、力強く踏み止まる︽精魂導師︾
者。
激しく襲いかかる激痛と闇の瘴気に飲み込まれるシンフォギア装
するとアブソーバーから匂いが発し、憑友達はそれを吸い込んだ
ーーー﹃MONSTER DRIVE﹄
そう言うと3人はそのままアブソーバーを力強く翳した
!
?
!
!
!
︵挿入歌﹃RADIANT FORCE ︵IGNITED arra
1365
!
!
!
!
!"
"
!
!
ngement︶﹄
悠木碧,水樹奈々,高垣彩陽,高山みなみ
松本梨香,宮野真守,西川貴教︶
それを見たキャロルは不適な笑みを浮かべながら,地面にアルカ・
ノイズが入ってるジェムを放り投げ、アルカ・ノイズを発生させた。
オリジナル
その数⋮10000
原 作よりも遥かに多い数であった
﹂﹂
をしながら、ノイズを葬った
の剣が携えていた
ガングニールナックル
そこにはなんと奏がおり、奏の手には2振りの槍⋮ではなく、2つ
響はその光景を見て、驚いた。
!
しかし、その残りが響に近づこうとした瞬間、2つの剣が袈裟斬り
達を瞬時に葬り去る
そう言うと響はアームドギア︽G G K︾を巨大化させて、ノイズ
﹁﹁たかが10000
人に攻撃をしないように命令した。
それを見たライジンは2人に﹁高みの見物と行こうか﹂と言って、2
!
!
その彼には2つの槍の他に、2つの剣を所持していると言う文献が
ある。
剣の名は、︽大なる激情︾モラルタ,︽小なる激情︾ベガルタ。
奏はオディナの剣を扱っていたのだ
けた彼女とは予想もしない事だった。
その頃、憑友は腕と脇腹の間に生えた翼で空高く飛翔する
その上にクリスが乗った
!
それにより、奏は剣を扱って戦うと言う、本来なら槍を扱う事に長
るようにお願いしていたのだ。
﹁イグナイト﹂を搭載する際にエルフナインに剣型の形状へと変更す
あったのだ。
実はこれは奏のギアに入りし﹃英霊﹄オディナたっての希望でも
!
実は﹃MONSTER DRIVE﹄が発動した際に、憑友達の身
!
1366
!
!
ゲイジャルグ・ゲイボウの使い手⋮ディルムッド・オディナ。
!
体はモンスターの姿へと変わったのだが、体長が1.5倍の大きさに
なった。
それだけではなく、身体そのものの構造が吸収したモンスター達の
身体構造そのものになっていたのだ
かのように。
﹂
そのため、クリスを立ったまま乗せる事が出来るのである
﹂
﹁振り落とされないで下さいよ
﹁言われなくても
!
まるで人間の身体にモンスターの身体構造をそのまま埋め込んだ
!
MEGA DETH QUARTET
でアルカ・ノイズ約20
蒼ノ一閃
そして翼も雷を帯びた斬撃波
0を一撃で葬り去る
BLADE∞STAR
その間に奏はオディナの剣を使って、衝撃波を放った
すると、霊風の周りに大量の蟲が付着し始める。
﹂
そして雄叫びをあげた。
﹁帯電モード‼
すると霊風の身体の毛が一気に逆立つ
!
まくる
そう言うとクリスは憑友の上に立ち上がったまま、重火器を連射し
!
その間に霊風はジンオウガの力を発揮させていた。
"
を利用したのだ
そしてそのままアルカ・ノイズ達に雷の攻撃を仕掛けていった
!
霊風はジンオウガに関する情報を前世の時に知っていたので、それ
を迸る事が有る。
ジンオウガはこの﹃超帯電状態﹄の時、ごく稀にだが⋮走行時に雷
だ
すると素通りした場所にいたアルカ・ノイズ達が一斉に露散したの
そしてそのままアルカ・ノイズ達を高速で素通りする。
ド﹄を発動した
ジンオウガの力の象徴⋮﹃超帯電状態﹄を模したモード⋮﹃帯電モー
!
?
!
!
1367
!
"
!
"
!
"
"
"
!
その頃、ロックは逆に自分の身体についてる甲殻や鱗の色が、
白海竜
﹂
蒼から白へと変わっていた
﹁亜種形態⋮
!
だが、ロックが変化させた
白海竜
シフト
⋮ラギアクルス亜種は海だけ
"
降り注ぐ
そうこうしている間にロックは雄叫びと共に周りを大量の電気が
ているモンスターも多くいるのである。
亜種はこのように色が違うだけでは無く、生態環境に大きく変化し
では無く、陸をも征する力を秘めたラギアクルスである。
"
スタミナ回復の為だけに上がるようなモンスターである。
上がる時は大抵傷を癒す為か、水中で動き回りバテてきてしまい、
ラゴンである。陸には本来上がりたがらない性分。
ラギアクルスの別名は︻海の王者︼⋮その名の通り、海を征するド
大きく受けていた。
更に一部のモンスターは生態環境の影響もある事から、その影響も
を持つ。
文字通り、取り込んだモンスター達の姿を色違いの姿へと変える力
﹃MONSTER DRIVE﹄の能力の1つ⋮移行・亜種形態。
を葬り去った
そう言うとロックは地面を滑り、その突進によりアルカ・ノイズ達
"!
いった
するとそれを見ていたキャロルが、攻撃を仕掛けて来た
それに気付いた響達はその攻撃を躱した
明らかに元の状態よりも身軽くなっていた
つく
しかし、響はそれを掴んで無理やり引っ張る
﹁もう一丁
﹂
!
1368
"
!
その攻撃の余波で、アルカ・ノイズ達はあっという間に露散して
!
するとキャロルのピアノ線の攻撃が響のアームドギアにまとわり
!
!
!
!
それによりキャロルは体勢を崩すもなんとか踏み留まる⋮が、
!
!
﹁な⁉
﹂
なんと憑友が響の肩を鉤爪と化した足で掴みそのまま響ごと上空
へと飛び上がった
それにより完全に体勢を崩すキャロル。
その瞬間を見た一同は一斉に攻撃を仕掛けていく
双刃による斬撃波がキャロルを襲う
だが、キャロルはそれを残った右腕で防ぐ
掛けてきた
しかしそこへ上空から降りて来た響が憑友に身を委ねて特攻を仕
!
!
翼の斬撃波、クリスの矢、ロックの電撃玉、霊風の雷光蟲弾、奏の
!
!
﹂
弾丸のようにキャロルに攻撃を仕掛けた
﹁ぐはっ⁉
れた。
﹂
憑友はそのまま響を上空へと足でぶん投げた
﹂
﹁行っけぇぇぇ‼
﹁うぉぉぉ‼
﹂﹁あいつ⋮
けようとした
﹁
﹂
!
!
すると響の足のアームドギアが巨大化し、そのままキャロルにぶつ
?
!
その攻撃を食らったキャロルはそのまま施設の方へと吹き飛ばさ
?
!
憑友の竜の翼が大きく羽ばたき、そしてそのまま2人はまるで炎の
!
?
止められた。
﹁少しは待て。
もうすぐ面白い物が見られるぞ
﹂
そう言いながらライジンは不適な笑みを浮かべた。
!
?
そう言うと響がキャロルに向けてその蹴りをぶつけた
その衝撃で、爆発が起きた。
?
ーーーーーーSIDEto弦十郎
﹂
やったのか⋮
﹁現在解析中
!
1369
?
それを見た2人はキャロルの方へと向かおうとするが、ライジンに
!
﹂
﹁これで終わりですね
﹁勝ったの⋮⁉
﹂
﹂
﹂
間に合わなか⋮﹂バタンッ
﹁⁉
緒川
﹂
この怪我は⁉
緒川さん
⋮
⁉
だと良いんだが⋮
﹁デスデス⋮デェェェス
!
﹂
そう言えば⋮﹂
サモン博士は⁉
一体何が起きたと言うのだ⁉
﹁
﹁⁉
確か、部屋にいるのでは
サモン博士の正体だと
緒川、しっかりしろ
﹁サモン博士は⋮
!
﹂
﹂
?
!
?
﹁はぁ⋮はぁ⋮サモン博士の正体が⋮判明⋮しました⋮﹂
?
?
!
!
?
﹁はぁ⋮はぁ⋮﹂
﹁如何した
﹁
!
僕達の⋮﹃敵﹄です
何
?
なんだこの光景は⁉
﹁⁉
?
1370
?
?
?
?
!
?
!
!
ていた。
﹂
﹂
﹂
何故なら、自分の足を誰かが止めていたのだ。
﹂
﹂
その誰かは弦十郎の発言で確定していた。
﹁⋮え
﹁なんで⋮憑友
・
・
・
・
なんと憑友が自分達の敵であるキャロルを庇ったのだ
遂に起動したか
それを見たライジンは高々く笑いを上げる。
﹁グハハハッ
︽精魂導師︾
なんで俺が⋮こんな事を
なんで⋮⁉
ーーーーーーSIDEto憑友
その身に味わえ
﹂
﹃MONSTER DRIVE﹄の真の恐ろしさを
!
!
!
そしてキャロルと1番近くにいた響はその光景を目の当たりにし
そしてそれは間近にいた霊風達も同様だった。
弦十郎達の見た映像。それは驚愕のものだった。
ーーーーーーNO SIDE
憑友ーーーーーー‼
?
⋮
如何した、マリアく⋮ん⋮⁉
﹂
如何して
﹁嘘⋮﹂
﹁⁉
﹁なんで⋮
﹁これは一体⁉
﹁何やってんだよ⁉
?
?
お前は⋮何がしたいんだ⁉
?
!
!
!
?
1371
?
?
?
!
?
ーなんだこのプログラムは
ー
一体何が⋮
グラムを解j⋮‼
フィーネ⁉
?
⋮がはっ⁉
憑友
?
Sー
ガハッ‼
イグナイト⋮キラー
⁉
?
今すぐこのプロ
!
c o d e n a m e ⋮﹃I G N I T E K I L L E R﹄A C C E S
destroyermode強制起動します。
ーイグナイト機能検知。
?
﹁憑友
﹂
響
うぅ⁉
殺せ⋮
殺せ⋮
なんだ
コロセ⋮
これは⁉
?
眼⋮眼に焦点が⋮合わない⁉
?
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ⋮
やめろ⋮止めろ⋮
止めてくれーー‼
ーーーーーーNO SIDE
その頃、憑友の身体に変化が生じ始めた
身体は急に倒れ込み、いきなり血を吐いたのだ
!
!
!
?
憑友を
﹂
それも肉体の血液の3分の1を余裕で超える程の多量出血だった
﹁まずい
!
憑友が雄叫びと共にそのまま地面に倒れたのだ
!
霊風がそう言って、憑友に近付こうとしたその時、
!
1372
?
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
!
!
?
?
!
!
﹁⋮何が起こったのだ⋮
﹂
そう言いながら疲弊しながらも立ち上がるキャロル。
ボーンとアヤカシはその光景を見て、眼を逸らしていた。
そしてライジン⋮アンデッドは高々く笑いをあげた。
!
﹁例え、半幽霊であっても、やはり所詮は人間。
この日禍々しい力の前では抗いきれなかったか
﹄
﹂
でも、これで実験は成功だな。
なぁ、そうだろう
﹃⁉
?
サモン博士が何故かこの電力施設である戦場の中にいつの間にか
立っていた
﹁ええ。実験は成功よ。もうすぐ彼はいや、彼等は⋮
!
1373
?
サモン・クリスチャーノ
?
ライジンの言った方向に視線を向けるとそこには白衣を羽織った
?
貴方達の﹃敵﹄になる﹂
1374
♪20 罠⋮﹃IGNITE KILLER﹄
﹁ええ。実験は成功よ。もうすぐ彼はいや、彼等は⋮貴方達の﹃敵﹄に
なる﹂
そ う 言 い な が ら サ モ ン 博 士 は 翼 達 S.O.N.G.の メ ン バ ー を
﹂
素通りし、そのままライジンの方へと赴いたのだ
﹁サモン博士⋮
ンバーも同様だった。
するとサモンは甲高い声で笑いあげた。
﹁ハハハッ⋮
・
未だに私がついた嘘を信じてるなんて
いい気味ね
﹂
?
又の名を﹃I・K﹄プログラムと私はそう呼んでいたわ。
けど、貴方達は私の話をよく聞いていたかしら
・
・
・
・
・
・
・
・
・
私はいつも﹃I・K﹄、﹃I・K﹄って言っていたけど⋮
﹄
﹃Ignition Kind﹄とは一言も発していないのよ
﹃⁉
?
けれどただ1人⋮サモンだけはイニシャルで略し、
﹃I・K﹄プログ
だが、このプログラムの事は皆んなはフルネームで呼んでいた。
ラムの1つに組み込まれているのである。
そして今回使用した﹃MONSTER DRIVE﹄もそのプログ
IVE﹄も組み込まれている。
その力の中には、アンデッド達が使っていた﹃FUSION DR
憑友達︽精魂導師︾達の新たな力を組み入れたプログラムの総称名。
﹃IGNITION KIND﹄
﹂
入れたプログラム⋮通称﹃Ignition Kind﹄プログラム。
﹁﹃MONSTER DRIVE﹄は︽精魂導師︾達の新たな力を組み
﹃MONSTER DRIVE﹄の⋮本当の姿を。
するとサモンは皆に説明をした。
﹁⋮え
!
?
﹂
響はサモンの行動に不可思議な状態になっていた。それは他のメ
!
?
1375
?
?
?
ラムと言っていたのだ⋮
﹁﹃I・K﹄プログラムの﹃I・K﹄はね⋮﹂ニヤリ
そう言いながら不適な笑みをサモンは浮かべ、そして驚愕発言をし
ながら、響達に指を指した
﹂
﹂
!
するとなんとロックの瞳から血が流れた
﹂
﹂
その眼⁉
⋮がはっ⁉
爪から血が⁉
﹂
?
更に霊風の爪先から血が流れた
⋮血
﹁ロック義兄⁉
﹁え
﹁おい、霊風⁉
⋮なんで⋮ぐはっ⁉
!
為だけに生み出されたプログラムだと言う事を。
イ グ ナ イ ト
自分達が使っているこのプログラムが、響達の纏う新たな力を殺す
ていた。
それを聞いた響達や、その映像を見ていた弦十郎達も驚きに包まれ
の名前よ
﹃IGNITE KILLER﹄プログラムが、このプログラムの本当
ム⋮
﹁貴方達の力﹁イグナイト﹂システムを殺す為だけに生まれたプログラ
!
?
?
に口から多量の血を流したのだ
﹁さぁ、目覚めなさい。貴方達の敵は目の前にいるわよ
﹂
⋮いきなり血が流れて⋮しかも⋮こんなにも血が流れる
ーーーーーーSIDEtoロック
なんだ
なんて⋮⁉
﹂
?
クリスを⋮殺せ⋮だと
この女を⋮殺せ⋮
ロック義兄‼
﹁ロック義兄
クリス⋮
殺せ⋮
殺せ⋮殺せ⋮
え
?
!
そういうとロックと霊風が急に苦しみ出し、そして憑友と同じよう
﹁え
?
?
!
何を言ってるんだ⋮
!
!
?
1376
!
?
?
?
?
?
?
クリスは俺の義理の妹なんだ‼
殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮
止めろ⋮
苦⋮しい⋮
なんで⋮急に⋮⁉
ーーーーーーSIDEto霊風
止めろーーーーーー‼
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
?
しっかりしろ
霊風‼
﹂
急に⋮頭から囁かれているこの声は⁉
奏⋮それに翼⋮
なんだ
殺せ⋮⋮殺せ⋮
⁉
?
殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮殺せ⋮
そうだ⋮この苦しみ⋮
!
﹁霊風
この苦しみ⋮前に⋮見た事が⋮⁉
?
?
止めてくれ‼
せ殺せ殺せ殺せ⋮
止めろ
俺は愛する者を⋮殺したくないんだーーーーーー‼
ーーーーーーNO SIDE
それに気付いた響は憑友に駆け寄った。
すると憑友の身体がピクリと動いた。
た⋮
3人の口から血が流れると同時に黒い瘴気みたいなのが吐いてい
体に変化を起こした。
サモンの言った一言。その一言が倒れこんだ憑友,ロック,霊風の
?
?
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺
まさか⋮このプログラムのモデルって、まさか⋮⁉
?
?
!
?
!
!
!
1377
!
!
!
?
!
﹂
良かった∼∼
無事なんだよn﹁■■■■■■■■ー
﹂ぐ
だが、それが間違いだったと言う事をこの時の彼女は知らなかった
憑友
﹂
立花
!
⋮
﹁
はっ
﹁⁉
!
首を掴まれ、そのまま持ち上げられたのだ
ーーーーーー
それを見ていたS.O.N.G.の面々は驚愕していた。
﹂
﹂
憑友‼
﹂
﹂と憑友
ただ、この状態が続くと同士討ちになります
﹁何が起こったと言うのだ⁉
﹁分かりません‼
﹁サモン博士は⋮内通者だったという事⋮⁉
S.O.N.G.内は戦慄に走っていた⋮
場所は再び戦場へ。
﹂
立花の異常事態に気付いた翼は﹁何をしている
に言い寄るが、
﹁■■■■■■■■■■■ー
トは映し出されていなかった⋮
すると憑友はそのまま響を施設の方へと投げ飛ばしたのだ
の周りを、紫色の瘴気が纏っていたのだ
していた
﹁■■■■■■■■■■■ー
ちていた。
﹂
そして、その咆哮はもはや人の声に非ず⋮弱肉強食の﹃獣﹄へと堕
!
!
そして口からも闇の瘴気とも呼べるような物まで呼吸と共に排出
!
先程までの深紅のようなリオレウスの身体と半分化している憑友
そして憑友の顔を見て、驚愕した。
された
響はその攻撃に何も出来ないまま、そのまま施設の方へと吹き飛ば
!
!
その眼は真っ赤のような血の眼のようになり、そして瞳のハイライ
?
?
?
?
!
!
!
響は憑友が立ち上がった事にホッとしたのも束の間、なんと憑友に
!
!
!
1378
?
!
かつて、リオレウス達のいた世界で起きた異常事態。
そしてその2人は顔をあげた。
た
﹁■■■■■■■■■ーーー‼
﹂
﹂
ウイル
余りの出来事にクリスは無防備になってしまい、
⋮うわぁぁぁぁ‼
ガブリッ‼
﹁⁉
噛み付いたのだ
?
!
﹁よせっ
霊風‼
奏だ‼
﹂
﹂
奏は咄嗟にその攻撃をオディナの双剣で防ぐ。
私だ
﹂
﹁■■■■■■■ーーー‼
﹁霊風ーーーー‼
﹂
?
やる。
3人の状況を見た翼。それでも己の刀をサモン達に向け、そして見
?
!
﹁■■■■■■■■■■■ーーー‼
!
?
?
?
を仕掛けたのだ
そしてそのまま霊風は奏の上に覆い被さり、そのままその手で攻撃
そう言いながら奏は足元を掬われ、そのまま地面に倒れこむ。
﹁しまった
﹂
そして霊風はと言うともう片方の手で、奏のもう片方の足を掴んだ
そして悲鳴を上げた。
!
?
?
そう言うとロックはなんとクリスの足を⋮
?
!
其処にはもはや屍とも呼べるような﹃獣﹄のような姿へと堕ちてい
"
それの事象と憑友の今の状態が良く似ていた。
に侵されていると言っても過言では無かった。
もし、それと同じものならばおそらく、憑友の今の状態は
ス
そんな中、奏とクリスが響の元へと行こうとした⋮が、
﹂
?
ガシッ
⋮ロック⋮義兄
﹁⁉
﹂
?
近くに倒れていたロックと霊風が2人の足を握っていた。
⋮霊風
﹁⁉
?
!
!
1379
"
?
!
﹁3人に何をした‼
﹂
彼等の中に眠りし﹃獣﹄を呼び起こしただけ。
だ
驚愕の真実を突きつけられた翼は刀を構えて、そして振りかざす
からね﹂
しかも、解除する事も出来ないわよ。したらその場でドカーン
もう既に他の︽精魂導師︾達のアブソーバーは搭載済み。
﹁簡単な事よ
?
﹁くっ
﹂
が発生する
だが、その攻撃はアヤカシによって封じられ、そのまま鍔迫り合い
!
!
?
!
﹂
﹂
如何言う事だ⁉
ていたのにな
﹁⁉
﹂
?
?
だ
そして瞬時に抜刀して一閃した
﹂
この構え⋮まさか⋮ぐはっ
﹁⁉
そうしていると、翼の背後からボーンが奇襲をかけた
﹁余所見は禁物だぜ
﹂
!
!
﹂
キャロルに手を指し伸びた
﹁⋮なんのつもりだ
﹁交渉よ
貴方の成そうとしている﹃万象黙示録﹄が完成する。
稀代の召喚術師である私が手を組めば、
稀代の錬金術師である貴方と、
キャロル・マールス・ディーンハイム。
?
!
そうしていると、キャロルの元にサモンが現れ、なんとサモンは
かべていた。
それを見たキャロルは何が起こっているのか分からない表情を浮
!
そう言うとアヤカシは刀を納刀し、そして瞬時に翼の懐に忍び込ん
﹁それ以上の質問に答える義務は⋮無い
﹂
﹁かつてのお前は俺の︹刀︺を使い物にすら出来ないような威厳を見せ
﹁何を
﹁鈍だな⋮︹剣︺の分際で、俺の︹刀︺を錆にすら出来ぬとはな﹂
!
!
!
?
1380
!
?
!
?
私はこの世界の事、本当は好きじゃないのよ。利害が一致するから
両得でしょ
先日の件に関してはあれは一種の演技よ。
私達﹃リベレーション﹄が敵なのか、味方なのかを撹乱する為のね。
でも、S.O.N.G.の優秀なエージェントさんのおかげでバレ
てしまった以上、縋る道はこの交渉のみ。
受け入れたら、傘下に加わるわ。
﹂
その代わりに、私のお願いにも聞いて欲しいのよ﹂
﹁⋮内容はなんだ
﹂
手を結んだ。此処に同盟が成立した⋮最悪の同盟が
﹁⋮所で、ほっといて良いのか
!
そして内容を聞いたキャロルは﹁⋮良かろう﹂と言って、サモンと
のだろう。
サモンはそれを聞くなり、キャロルに耳打ちする。余程重要な事な
内容を聞いた。
そしてキャロルはサモンが何をしようとしているのかを探る為に
サモンは交渉を持ちかけたのだ。
?
﹁別に良いのよ。私達には関係無いしね。
・
・
・
・
・ ・ ・
・
・
・
・
取り戻したければ、取り戻せば良いだけの事よ
目には目を、歯には歯をってね﹂
サモンの言った一言を聞いた響はふと考えた。
﹁︵目には目を⋮歯には歯を⋮︶﹂
それを聞いた響は再び立ち上がる。
ていた
しかしその先には憑友が翼を羽ばたかせて、そのまま特攻を仕掛け
?
より尋常じゃ無いほどのダメージを負った4人が其処にいた。
そうキャロルに指摘され、振り向くと其処には既に精魂導師5人に
?
そしてそれを見た響は驚くべき行動に移した
﹁イグナイトモジュール⋮
!
1381
?
すると響はそのまま憑友の攻撃を避け、憑友は上空へと飛翔した。
!
すると憑友のアブソーバーから音声が流れた。
ー最優先対象の﹁イグナイト﹂反応消失。
﹃IGNITE KILLER﹄強制解除します。ー
すると憑友の身体は元の︽炎魂導師︾の姿へと戻り、そのまま地面
へと落ちたのである
それを見たサモンは驚きの顔しかしなかった。
その際に吸収されていたリオレウスとも分離した。
!
1382
⋮納刀﹂
そう言うと響の身体はイグナイト状態から元のガングニールの姿
﹄
に戻ったのだ
﹃⁉
!
その行動に驚く一同。
?
﹁何故だ⁉
﹂
﹁くっ
の
力
何故、
﹃IGNITE KILLER﹄が強制解除した⁉
生意気がーー‼
﹂
?
﹂
?
生し、響を襲う
﹂
・
だが、その攻撃は何者かの炎によって相殺された
﹁‼
﹂
!
﹂
?
﹁ありがとう⋮響。
﹂
おかげで戻ってこれた⋮
﹁憑友⋮
﹂
!
﹁何故だ‼
何故だ‼
何故だーー‼
?
﹂
何故、﹃MONSTER DRIVE﹄の呪縛から正気に戻った⁉
?
其処には髪をくしゃくしゃに掻き乱したサモンが其処にいた。
するとサモンの怒りに満ちた声が聞こえ、サモンの方を見やる。
﹁何故だ‼
!
﹂
れそうになり、響は咄嗟に支えた。
そう言いながら、憑友の元へと駆け寄る響。それと同時に憑友が倒
﹁憑友‼
人絆憑友が其処にいた。
﹁はぁ⋮はぁ⋮
其処には、傷付きながらも立ち上がる我らが主人公⋮
そして一同はその炎が発した方向を見た。
?
!
!
そう言うとキャロルがピアノ戦をドリルに変え、そのまま竜巻を発
!
私はこの力は使用しない‼
だけど、それが大事な存在を傷付けるのなら⋮
﹁イグナイトは、誰かを助ける為の力。
こ
すると響はサモンに向けて話しかけた。
?
?
?
サモンの問いに憑友はにやりとした顔を見せつけ、そして話した。
﹁簡単な事だ。
俺のこの闇は、対象者の闇を討ち殺す為の力。
ならば、その対象者の闇を祓えさえすれば、此方もやる事が無くな
1383
?
?
私とした事が⋮
﹂
り、そのまま闇の瘴気は消えるんだよ
﹁ぐっ
﹂
!
見やる。
そして響は﹁えへへ
けた。
全ては響の発想の転換だった
誰かを助け、そして命を救う為に使う力
この身を纏う︽シンフォギア︾は⋮
自分が初めてシンフォギアを纏ったあの日から。
"
響はそんな事の為に﹁ガングニール﹂を纏っている訳ではない。
る。
だがそれは悪い方向に言い換えれば、﹁戦争﹂の火種の1つでもあ
取ることでこれに代えることもできる﹂と言う意味を持っている。
の罰は同程度のものでなければならない、もしくは相当の代価を受け
この言葉は報復律と呼ばれるもので、
﹁人が誰かを傷付けた場合、そ
言う言葉に違和感を感じていた。
響はあの時、サモンの言った一言⋮﹁目には目を、歯には歯を﹂と
!
﹂と言いながら笑顔とサムズアップを見せつ
その話を聞いた奏とクリス、そして翼はそれを聞くなり、響の方を
!
!
想い
は変わらない⋮今迄も⋮今この瞬間も⋮そしてこれ
途中でその苦難に阻まれたものの、それでも⋮
この
からも⋮
"
ライドから発せられた音声が流れ、2人も元の姿に戻ったのだ
﹁⋮悪りぃ。奏⋮俺は⋮﹂
!
するとロックと霊風のアブソーバーからも憑友のアブソーバー⋮
た。
そう言うと3人も響と同じように、イグナイトモジュールを納刀し
﹁相変わらず優しい子だよ⋮響ちゃんは﹂
﹁あたしも太陽に当たりすぎたみてぇだな﹂
あの馬鹿
﹁⋮ふっ。立花らしいな﹂
そんな響を見たシンフォギア3人。
!
"
1384
!
響はそう今でも信じている。
"
リターナー
霊風は如何やら意識を持って行かれていなかったようだ。
伊達に転生者と呼ばれる事はあった。
けれど、自分の身体が言う事を聞かずにそのまま奏に襲いかかった
事に霊風としては今まで見せなかった哀しみの表情を浮かべていた。
すると奏はそんな霊風の顔に両手で押さえると⋮
﹂
チュッ
﹁⁉
﹁へへっ
﹂
なんとそのままキスしたのだ
勿論、させられた霊風本人は動揺していた
この奏⋮結構大胆だった
﹂
﹁そんな哀しむ顔を見せてくれるなよ。私のマネージャーはこんな所
でやられるような柔な男じゃないだろ
﹁クリス⋮ああ。約束しよう。
今度は必ずお前の背中を守ってみせる
⋮如何やら杞憂に終わったようだ。
﹂
⋮私の背中⋮今度はちゃんと守ってくれよ⋮﹂
⋮その代わりよ⋮
﹁んな事は関係無ぇ⋮。
﹁⋮済まない。クリス。俺がもっとしっかりしていれば⋮
﹁サモン博士いや⋮サモン・クリスチャーノ
!
﹂
その代わり、クリスを守る事が出来なかったと嘆いていた。
だが、ロックは自分が何をしたのか憶えてはいなかった。
出来た。
一方、元に戻ったロックはと言うと、クリスにより無事に戻る事が
と言いながら、奏に笑顔を見せたのであった。
﹁⋮お前には敵わんな﹂
その表情を見た霊風は、
そう言いながら笑顔を見せつける奏。
?
そうすると3人はシンフォギア装者達の間に入る。
!
!
1385
!
!
!
!
!
?
﹂
お前の目的がなんなのかは俺には知らない
だけど、これだけは言わせろ
!
﹂﹁本命はこっちか⁉
ボーンとアヤカシの方に。
﹁何っ⁉
﹂
﹂
そう言うと憑友は響から離れ、そして一気に懐に入った⋮
!
?
ま潰すかのように手を閉じさせた
﹂﹂
﹂
すると2人の仮面に罅が入った
﹁﹁⁉
﹁うおおお
そう言うと憑友の握撃で仮面の一部が砕けた
後方へと吹き飛び、建物の壁にぶつかった
しかし考えられるのはただ1つ⋮
﹁まさか、ボーンとアヤカシの正体を⁉
﹁その2人に何を吹き込んだ
如何して⋮
﹂
如何して、お前達と戦わないといけないんだ‼
そう言いながら憑友は驚愕の言葉を発した。
﹁答えろよ
﹂
?
!
!
しかし、顔から仮面の破片がパラパラと落ちてきていた。
そうしていると砂煙の中からボーンとアヤカシが立ち上がる。
?
何故そんな事をしたのかと考えるアンデッド=ライジン。
!
そしてそのまま2人の身体に掌底を叩き込み、そして2人は一斉に
!
!
そう言うと憑友は2人の仮面を爪を立てた手で押さえるとそのま
﹁うおおお
?
!
!
1386
!
!
?
﹂
そして仮面が完全に剥がれ落ち、そしてボーンとアヤカシが顔を上
げた。
その顔を見た瞬間、S.O.N.G.のメンバーは驚愕した。
それは数ヶ月前に行方を眩ませた憑友,響,未来の幼馴染にして、
憑友の数少ない男友達⋮
ボーン=浅岡逝都と、
アヤカシ=一走馬燈が⋮其処にいた。
1387
馬燈‼
?
﹄
逝都‼
﹃⁉
?
憑友の言葉に皆は驚愕した。
?
♪21 ボーンとアヤカシの正体/決着⋮
S.O.N.G.⋮ そ し て 現 場 に い た 響 達 は 驚 愕 の 顔 に 満 ち て い
た。
何故なら、自分達が相手をしていた存在⋮
︽地魂導師︾ボーンと︽氷魂導師︾アヤカシの正体が⋮
自分達の知り合い⋮
それに加えて、響と未来そして憑友に至っては、幼馴染にあたる存
在⋮
浅岡逝都と一走馬燈が其処にいたのだ。
﹁⋮何時から気が付きやがった⋮﹂
そう言いながら、逝都=ボーンは憑友に話しかける。
そして憑友は﹁ついさっきな﹂と言って、話をした。
・
・
・
・
﹁逝都。お前の口からはこんな事を言ったよな⋮
﹄
﹃ゴミ箱ならゴミ箱らしくしやがれ
﹄
余程俺に恨みの矛先を向けていた事が今になっては良く分かった。
大人はただそれを見て見ぬ振り⋮特に男性の先生達は。
れだけでこの有様だ。
ただ学力が高くて、女の子達から声をよく掛けられていた。ただそ
この頃の俺は、完全に負け組の虐められっ子だった。
!
1388
﹃暴君番長、舐め過ぎなんだよ﹄って。
︽暴君番長︾⋮その名はお前の⋮逝都の異名だったからな﹂
そう言いながら、憑友は想い出に浸り始めた。
ーーーーーーSIDEto憑友
ー回想ー
あれはまだ俺が小学生だった頃。
周りの女の子達から声をよく掛けられて、逆に男の子達から虐めに
遭う事が日常茶飯事になっていた頃だった。
ノロマ
その頃から俺のクラスに逝都と馬燈が転校してきたのは⋮
﹃さっさと歩けよ
!
﹃ごめんね∼。踏み台になってくれて♪﹄
!
此処も綺麗にしような∼
ある日、俺に転機が訪れた⋮
﹃ほらよ
﹄
!
誰だ
﹃んあ
﹄
?
のは⋮
﹄
﹄
﹄とか言わなかったっけ
﹄
﹄
?
﹃⋮はぁ⋮相変わらず懲りないな。逝都﹄
﹄
﹃そう言うお前こそ、
﹃虐めなど言語道断
﹃一言余計だ
﹃雑魚掃討よろしく
そう言いながら辺りを見渡す逝都。
﹃1対1やるのに、こいつら邪魔じゃん
タ イ マ ン
﹃俺はお前の掃除係じゃない﹄
!
﹃さぁて一丁派手にやりますか⋮
﹄
しかし当時の逝都と馬燈はそんなのは御構い無しだった。
力の持ち主ばかりだったから。
当時俺を虐めていた男の子達の殆どは学校内でもトップクラスの
たり前なのだったから。
当時の俺は喧嘩はやめてと思った。だって、返り討ちに遭うのが当
?
当時、俺と出会ったばかりの逝都と馬燈だった。
!
!
そう言いながら虐めっ子のリーダーの元に2人の男の子が現れた
お前らよくもまあ飽きずに虐待してくれてんじゃん
!
そんな時だった⋮殴ったような音が聞こえてきたのは。
ホウキで俺を﹃清掃﹄という名の﹃虐め﹄を受けていた。
そう言いながら、俺の衣服を無理やり脱がせて、そして汚い雑巾や
!
とはなんだ
﹃誰だ
?
2人の挑発を簡単に受けたリーダーは﹃やっちまえ﹄と言いながら、
そう言いながら棒を向ける馬燈。
﹃お前らにはこれで充分だしな﹄
方を向けた。
置いていたチリボウキを持った。ただ、相手にブラシを向けず、棒の
そう言いながら﹃はぁ⋮﹄と馬燈は溜め息をつきながらも、近くに
そう言いながら指を折っていく逝都。
!
1389
?
?
2人相手に30人の相手が襲いかかったんだ。
俺はこの時、終わったと思った⋮
∼数分後∼
だが、俺の思いはあっという間に杞憂に終わった。
其処には馬燈と逝都が平然と立っており、
彼等の前に30人の男の子達の山が盛られていて、その上には彼等
のリーダーが泡を吹いてK.O.されていたのだから。
・
・
・
・
相手が悪すぎたな。
やりきった感を感じた逝都は大きく背伸びして、そしてこう発し
た。
﹃ん∼
﹄
俺が、暴君番長だと気付いていたら、そんな事にならなかったのに
な
﹄
﹄
そう言いながら2人に手を差し伸べられたんだ。
﹃友達になってくれよ
⋮此方こそ⋮お願いします⋮
﹃こんな俺達だけどな﹄
﹃
ダ
チ
だけど、その生き様はまさに﹃番長﹄の如く。
そして自分が気に入った奴を友達にする変わり者。
なったと。
たった1人で挑んで勝利した実力から、﹃暴君﹄の名を馳せるように
後々聞いた話だと、逝都はこれまでに大人のヤクザ約10組分を
﹁⋮あれを気に俺に喧嘩を吹っかける輩はいなくなった。
∼回想END∼
なったんだ。
それ以来、俺と逝都と馬燈。俺達3人は友達になり、そして親友に
!
!
1390
!
逝都の発した言葉が、大きく印象に残った。
?
!
暴君そして番長⋮2つの名を合わせた異名⋮
﹃暴君番長﹄⋮それが逝都の二つ名になったと﹂
憑友からの指摘を受けた逝都は額から汗を出しながら強敵が現れ
て、それでもやる気に満ちた表情を見せた。
そうしていると憑友は﹁馬燈。﹂と言って、今度は馬燈の方に目を見
やる。
相手の懐に入り、そして瞬時に攻撃に派生させる抜刀術
﹁お前の剣術は見抜きやすかった。
︻走馬燈流剣術︼の基本の型を使っていた。
陰陽を模るような動きをしながら抜刀する対人特化型剣術
だが、問題は其処じゃない。
な顔を見せていた。
そう言いながら馬燈は顔を俯きながらも、その顔からは少し朗らか
﹁⋮お見通しと言うわけか﹂
お前がアヤカシだと言う事に辿り着いたと言うわけだ﹂
それらを照らし合わせた結果、馬燈。
そして先の2つの剣術を巧みに扱うその太刀筋⋮
声は同年代の者。男の声。
最初は誰なんだと思っていた⋮けど、話を聞く度に⋮
それに馬燈⋮お前はその両方の剣術をマスターした逸材の1人。
2つの流派を扱えるのは、﹃一走﹄の一族だけ。
︻陰陽抜刀術︼を使用していた。
だが、お前の抜刀術は裏の剣術がある事を俺は知っている。
"
なんで戦わないといけないん
?
憑友は2人に本題に入った。
親友だろ⁉
﹁如何して、俺と2人が戦わないといけないんだ‼
﹂
俺達は幼馴染だろ⁉
だ⁉
?
?
語り始めた。
!
﹁俺達の想いを⋮俺たちの気持ち⋮
﹁⋮お前に俺達の何が分かる⋮
﹂
すると馬燈と逝都は﹁はぁ⋮﹂と溜め息を零すと、少し間を空けて
?
1391
"
"
"
お前に分かるというのか⁉
憑友‼
﹂
?
&ヴィヴィオ
フォーム、アインハルト
てレバーを引き、そして十字に腕を構えた。
ーボーン
ー
&箒
フォーム、一夏
!
ルの少女の魂が現れたのだ
負かした時にカードケースからカードを奪っていた。
﹂
﹂
その中にヴィヴィオと一夏のカードも抜き取られていたのだ
聖王と覇王。2つの力よ、今こそ1つに
﹁
!
た
ー
ーー﹃FUSION DRIVE﹄
ー
ーセイクリッド・カイザー
ー零落・絢爛
﹂
﹂
アインハルトさん
﹂
!
﹁行きましょう
!
﹁分かりました、ヴィヴィオさん
一夏
﹂
!
!
!
!
行くぞ、箒
﹁行くぞ
﹁ああ
!
!
ーー
そう言うと2人はアブソーバーが装着されている左腕を天を掲げ
!"
!"
!
先の火災の際に、アヤカシ=馬燈が憑友と対戦した時、憑友を打ち
!
逝都の方ではなのはの娘であるヴィヴィオの魂と、翠のツインテー
﹃英雄﹄の一夏の魂が現れ、
すると馬燈の両隣にポニーテールの少女とそして憑友の元にいた
ーアヤカシ
!
!
ー
アブソーバーに2枚のカードをセットし、アブソーバーを閉じ、そし
そう言うと2人はフュージョンアブソーバーとドッキングさせた
?
!
!
!
白き諸刃よ。紅き力と共に、駆け抜けそして、抜刀せよ
﹁
"
始めたのだ
するとそのまま﹃英雄﹄達は逝都と馬燈に融合して纏った
そして現れたのは⋮
ルトのバリアジャケットを合わせたかのような服装をした逝都と、
ヴィヴィオのバリアジャケットとツインテールの少女⋮アインハ
!
!
するとそれに呼応するかのように、なんと﹃英雄﹄達が声掛けをし
!
1392
"
!
一夏のIS﹁白式﹂と、ポニーテールの少女⋮箒のIS﹁紅椿﹂の
特徴を大きく捉えた姿を模した馬燈が其処に立っていた。
﹁相性が良いもの同士を融合させてきたか﹂
そう言いながら霊風は少し動揺していた。
逝都がヴィヴィオと一緒にフュージョンさせた存在⋮アインハル
ト・ストラトス。
そして馬燈が一夏と一緒にフュージョンさせた存在⋮篠ノ之箒。
この2人の﹃英雄﹄は其々の﹃英雄﹄と相性が良い﹃英雄﹄である。
ヴィヴィオとアインハルトは格闘技︽ストライクアーツ︾を通じて
知り合った仲であり、親友以上の存在にして、切磋琢磨するライバル
関係である。
一方の箒と一夏は幼馴染にして、共に同じ学園に通う者同士。
そして其々所持する機体の性能がマッチする仕様となっている。
故に2人の組み合わせはトップクラスとも言える程、相性が良いの
﹂﹁なんだと
﹂
その行動にロックは突っ掛かろうとするが、其れを霊風に止められ
ただけでなく、
﹁なら、お前の想いをぶつけてこい﹂と後押しまでした
のだ
それを聞いた憑友は霊風に会釈するとそのまま2人の親友の前に
﹂
?
立った。
﹁まさか、お前1人で俺達を相手するだと
﹁ああ⋮必ず連れ帰る
!
1393
だ。
この中で一番﹃英雄﹄達の事を知っている霊風が言っているのだか
ら、間違いはない。
﹂と霊風に問いかけたが、その答えは憑友が﹁待ってくれ﹂
ロックはそんな霊風の言葉を聞いた時に直感が働き、警戒した。
﹁戦うか
﹁⁉
﹁⋮俺1人でやります﹂
そして憑友は衝撃の言葉を発した。
の一言で2人は立ち止まる。
?
なんと馬燈と逝都の相手を自分1人で相対すると宣言したのだ。
?
!
そ
の
力
お前達のフュージョンドライブ。
⋮もうお前達の専売特許じゃねえ
り出したのだ
﹂
バーに似た薄型のアブソーバー⋮︽フュージョンアブソーバー︾を取
そ う 言 う と 憑 友 は 懐 か ら な ん と 逝 都 達 が 使 用 し て い た ア ブ ソ ー
!
フォーム⋮ナツ
&アカネ‼
ー
てレバーを引くなり、そのまま憑友は十字に腕を構えた
ーライド
?
!
て2枚のカードを取り出して、装填するとアブソーバーを閉じ、そし
そしてそのまま憑友はライドアブソーバーにドッキングさせ、そし
!
﹁相性すら考えないとはな﹂
﹂
﹁その相性の前にお前は負けるんだよ﹂
﹁何
竜と己の焔。2つの炎よ、今1つに交われ
すると憑友は詠唱を発した
﹁
そう言うと左腕を天に掲げた
ー
ー﹃FUSION DRIVE﹄
イグナイト・サラマンダー
!
2人は全く別の世界の住人である。
そんな2人の力が憑友に融合したのだ
そして現れたのは⋮
﹂
下にはアカネが着用していた赤と黄色のパーカー⋮
ナツの特徴の竜の鱗模様のマフラーと、紺のチョッキ、そしてその
!
それに対してアカネは﹁常界︽テラスティア︾﹂出身。
ナツは﹁アースランド・マグノリア﹂の出身。
本来ならば2人は別の世界出身の﹃英雄﹄なのだから。
!"
それを見たアンデッド=ライジンは溜め息を零していた。
炎のドライバを扱う少年・アカネの魂が現れた。
すると憑友の両隣にFAIRY TAILの炎の使い手・ナツと、
!
すると2つの魂から爆炎が渦巻いた
!
1394
!
!
?
それを見たライジンは驚愕していた。
!
!
"
そして両腕にはそんなアカネのドライバ︽イグナイト:リート︾を
装着した憑友が其処にいた⋮
如何言う事なんだ⋮
ナツとアカネ。
⁉
ーーーーーーSIDEtoライジン
!
﹂
お前が俺達に挑発とはね∼⋮
﹂
そう言うとあの2人はライドに攻撃を仕掛けた。
いや、正確には確実にダメージが通っていた。
﹂
なのに、それを受けてまだ平然としている彼奴が異常だった
何故、彼処まで⋮⁉
つまりこういう事か⋮
必然的に他では成せない絆が生まれるんだよ
﹃新たな絆を誕生させた﹄と言うのか⁉
﹁行くぞ
?
﹂
この5人の﹃英雄﹄は俺と最も付き合いの長い﹃英雄﹄達だ。
そしてキリト師匠。
せんせー
なのはさんとほむらさん。
﹁ナツさんとアカネさん。
?
!
際に使用する悪い癖だ。
﹁ほぉ∼
!
だが、2人の攻撃の連続はライドに悉く受け流されていた。
!
あの動作は相手を戦う時、ナツと呼ばれている青年が良く挑発する
発して来た。
現、そして其処から﹃COME ON﹄と言う文字を描きながら、挑
そう言いながらライドは挑発の構えをしながら、指先から炎を発
俺の炎は3倍増しだぞ⋮
﹁行くぞ⋮逝都、馬燈。
なのに、何故彼処まで⋮
が、2人は全くと言って良い程の相性は無いに等しい筈。
俺の元についてる奴の中にこの2人の事をよく知ってる奴がいる
!
!
!
﹁その行為⋮やめておけばこんな事にならなかったのにな
?
!
!
1395
?
彼奴は別々の世界の出身の﹃英雄﹄達に⋮
!
火竜の咆哮
‼
﹂
?
ブレスを噴かせた
!
旋衝破
した
﹁
﹂
するとライドの放ったブレスを1つの球体状に纏め、そしてぶっ放
て構えた。
それを見た逝都=ボーンは﹁させるか ﹂と言って、前に立ちそし
!
そう言うとライドの口から火炎放射とも呼べる程の火力を帯びた
"
⋮アインハルトのカウンター魔法だ。
あまづき
からわれ
そしてその隙に馬燈=アヤカシが2振りの刀で攻めて来た
刀の銘は⋮雨月と空裂
アヤカシの元に付いてる﹃英雄﹄⋮篠ノ之箒の刀である。
で受け流した
!
そして、ライドはアブソーバーのドライブボタンを叩いた
フルドライブ
﹄
‼
?
﹂
"
滅竜奥義・紅蓮爆炎刃
﹃ライド・ナツ
﹁
!
覇王⋮断・空・拳
﹂
フルドライブ
ーーー‼
﹃ボーン・アインハルト
﹁
ーーー‼
﹂
﹄
﹄た⋮
するとそのままストレートパンチをお見舞いさせた
ラヴァノヴァ
え
﹁
?
!
そう言いながらライドはそのままボーンの拳と己の拳をぶつけた
"
これで決まっ⋮﹃ライド・アカネ
フルドライブ‼
!
!
?
?
"
!
だが、その隙にボーンが背後を取っていた。
シは怯むと同時に少し後退した。
するとアヤカシに向けて爆炎の炎を浴びせた。それにより、アヤカ
!
!
それに気付いたライドはボーンが放ってきた魔弾を最小限の動き
!
ボーンの元に付いてる﹃英雄﹄にして、
︻覇王の末裔︼と称され少女
"
!
?
1396
"
"
"
"
"
!
なんてパワーなんだ
その衝撃は此方にまでやって来ていた
くっ
た。
ドガッ
何故
そう思っていた⋮
そう感じていたら、ライドの奴がニヤリと不敵な笑みを浮かべてい
!
が、キャロルを倒していた
まさか、ライドは俺達を向けさせる為の囮だったのか⁉
ーーーーーーNO SIDE
全ては憑友の思惑通りだった。
ま倒れ、身体から緑の炎が上がったのだ
ながら、引っ張っていた。
﹂
﹂
その光景を見ていたサモン博士は頭の髪を自らの手で搔きむしり
振った。﹁この状態だと助からねぇ﹂と言いながら。
それに気付いたロックは消化を始めようとするが、霊風が首を横に
!
深な言葉を残し、そしてキャロルは歯をくいしばると同時に、そのま
はそれを拒み、
﹁呪われた旋律で誰かを救えるなどと思うなよ﹂と意味
そうこうしているとキャロルに手を差し伸べる響。だが、キャロル
その所為でキャロルの事態に気付かなかったのであった。
完全に憑友の方に目を向けてしまっていた。
憑友の常識を覆す行動により、サモン率いる﹃リベレーション﹄は
結果は見事に成功したのだ。
欲しいと憑友が考えていたのだ。
自分が派手に動き囮になる代わりに、響にはキャロルの相手をして
?
!
なんといつの間にかシンフォギア︽ガングニール︾の装者・立花響
﹁はぁ⋮はぁ⋮キャロルちゃん⋮﹂
﹁はぁ⋮はぁ⋮﹂
後ろから聞こえた音⋮振り返るとそこには、
この効果音がなるまでは。
!
﹁私の⋮私の⋮私の計画が∼∼‼
﹁計画
?
1397
!
?
?
それは何なのかと憑友が言おうとしたら、アンデッドはサモンの後
ろ首に手刀を当て、気絶させるなり、そのままお姫様抱っこした。
﹁これ以上は無意味だ。俺達の計画は失敗した。
だが、まだ策はある。今宵は撤退だ﹂
そう言うとアンデッドは懐から何とオートスコアラー達が使用し
ていたテレポートジェムを取り出し、そのまま地面に投げた。
それに気付いたボーン=逝都とアヤカシ=馬燈はそのジェムから
描かれた術式の上に立った。
﹁次こそはお前を倒して、お前を守る⋮﹂
そう馬燈が言い残すと同時にアンデッド達もテレポートしていっ
た。
色々とアクシデントがあったにせよ⋮何はともあれ、一先ずは今回
の騒動はS.O.N.G.の勝利に終わった。
意味深な言葉を残して。
1398
ーーーーーー
その頃、キャロルのアジトでは、着々と計画が進んでいた。
﹁⋮遂に動き出したか﹂
そう言いながらレグルスは自分の足下にある歯車を見てそう呟く。
するとそれを中心に幕が垂れ下がってきた。
赤、青、黄、緑、紫、白、銀、そして金の垂れ幕が。
﹁⋮我々の計画を進めるぞ﹂
そう言いながら、レグルスは静かに目を開けた。
ーーーーーー
その頃、ライジン達が使用していたアジトでは、たった1人⋮セバ
スチャンが窓のブラインドを開けて高々く笑っていた。
﹁はははははははッ
遂に⋮遂にこの時がやって来ましたよ
もう少しだけお待ち下さいませ⋮
!
!
魔神王
様
﹂
!
1399
"
時の流れは更なる戦いへと誘い始めたのであった⋮
!
"
♪22 修行と水着
ーーーーーーSIDEtoマリア
強くなりたい⋮
﹂
﹂
﹂
⋮
﹂
﹂
何でっ⁉
﹄と心の中で叫ぶ
翻弄する運命にも、立ちはだかる脅威にも負けない力が欲しくて、
ずっと踠いてきた⋮
﹁おーい、マリア∼﹂
﹂
﹂
﹁何をやってるデスか∼
﹁姉貴∼
﹁早くしようぜ∼
此処
求めた強さを手に入れる為⋮
私は海に来た
ムニュッ
﹂
﹁ひゃあ⁉
﹂
﹁ほーら、ボォ∼っとしてるとやっちゃうよ∼
﹁せ、セレナ∼⁉
﹂
こっちこっち
﹁うぅ∼⋮セレナ∼‼
﹁あははっ
姉としての威厳は何処行った
?
お願いだから、
﹁﹃いきなり胸を揉まないで∼⁉
でしょう﹂いきなり胸を揉まないで∼⁉
!
﹁うふふ。マリア姉さんは読心術には弱いもんね∼
?
?
?
∼∼
何故こうなっているのかと言うと数日前に遡るのである⋮
さて、いきなりの展開で戸惑っているであろう読者諸君。
ーーーーーーNO SIDE
わよ‼
そんなのは小悪魔になったセレナに無理やり置いて来させられた
?
1400
?
!
?
﹁⋮セレナに弄られ過ぎだろ⋮マリア。
!
?
!
!
?
?
?
?
?
?
先 の 騒 動 後、エ ル フ ナ イ ン が 切 歌 の ギ ア﹃イ ガ リ マ﹄と 調 の ギ ア
シェンショウジン
﹃シュルシャガナ﹄の改修を完了させた。
その際に、未来のギア﹃神 獣 鏡﹄とセレナのギア﹃アイギス﹄の改
修も完了し、ギアペンダントは2人の手元に戻ってきた。
そんな中で、特に吉報と呼べる事象があった。
かつてのセレナのギアにして、現在はその姉・マリアに託されたギ
ア﹃アガートラーム﹄がコンバーターを新造して復活した事だったの
だ。
これでシンフォギア装者が此処に9人揃い、そして尚且つ全員に
﹃イグナイト﹄を搭載していた。
だが、此処で疑問に生じてはいないだろうか
彼等の仲間である憑友を筆頭にした﹃英雄の魂を導く師者﹄⋮︽精
魂導師︾達にもパワーアップした要素が備わっている。
けれど、その力の1つがシンフォギア装者達を殺す為に作られた解
除不可能のプログラム⋮﹃IGNITE KILLER﹄プログラム
が組み込まれている事に。
それがあるのなら、
﹃イグナイト﹄は使用しない若しくは組み込まな
い方が良いのでは無いかと思う者もいるだろう。
だが、その答えはNOとだけ言っておく。
理由は、エルフナイン曰く﹁︽精魂導師︾の皆さんにはオートスコア
ラーが呼び出したアルカ・ノイズの殲滅等、対多数戦でその力を発揮
して欲しい。そしてオートスコアラーはシンフォギア装者達でしか
倒せないプログラムが組み込まれている﹂との事だった。
もし搭載しなかったら、おそらくまた二の舞になるのは当然だっ
た。
なので止む無く﹃イグナイト﹄を搭載する事になったのだ。
そんな中で、憑友は馬耳東風の如く、全くと言っていい程、心、此
処に非ずの状態だった。無理もないだろう。
何せ、ようやく探していた親友が敵として出てきた以上、前回はア
ドレナリンが大量分泌していた為、そこまでとはいかなかったが、今
は2人を傷つけたく無いと言う葛藤に悩まされている。
1401
?
そんな中で、弦十郎は一言発した。
︶︵‼
﹂
﹁うむ。新たな力の投入に伴い⋮
︶︵
︶﹄
此処らで1つ特訓だな
﹃特訓︵
それを聞いた一同。
F.I.Sとセレナと零とエルフナインは首を傾げ、
クリスとロックと奏は嫌な顔を出し、
?
憑友∼∼
﹂
翼は平常心のまま、未来と霊風は苦笑いをし、そして響は目を輝か
憑友はって
せていた。
え
﹁﹂そろりそろり⋮
ガシッ
?
﹁何、逃げてるのかな∼∼
﹂
﹁ふがっ⁉
!
ん
﹁え∼∼⋮俺も
﹂
?
間に心身の鍛錬に励むと良い﹂との事。
近い日に筑波の異端技術研究機構にて調査の受領任務があり、その
ンフォギアとイグナイトモジュールを使いこなす事は急務である。
何でも弦十郎曰く﹁オートスコアラーとの再戦に向けて、強化型シ
頭のマリアのような出だしから始まったと言うわけである。
そして現在、響達は修行の一環として海へとやって来て、そして冒
∼∼
ていたのは言うまでも無かった。
その理由を知っているセレナと未来はそんな憑友に対して苦笑し
⋮でも、何でそんなに逃げようとしたのか未だに分からない一行。
如何やら拒否権は憑友の手には有りませんでした⋮残念。
﹁もちろん
﹂
され、ものの見事に猫みたいに捕まえられてしまいました⋮駄目じゃ
尤も、それをいち早く気付いた響によって無理やり首根っこを掴ま
ご覧の通り、逃亡を図っておりました。
?
?
!
1402
?
!
?
?
それを2番弟子である響が快く承った。それに対して憑友は﹁絶対
に行きたく無い ﹂と駄々を捏ねていたのは言うまでも無く、その
ギャップを見た一同から結構笑い者にされたのは別の話。
そんな中で響達は海でのんびりと遊んでいるのである。
因みにこの場には響達シンフォギア装者の他に、憑友の家に現在泊
まっている元ノイズのルオレと、同じく元ノイズで、霊風と同じ保護
者枠として今回の特訓の面倒を見る事になった相沢さんも此処にい
たのである。
だけど、相沢さんは現在、ビーチパラソルの中に避難していた。相
当の暑がりなようだ。
対してルオレは調と切歌と共に砂遊びしていたのであった。
その頃、憑友はもう1人の保護者であり、先輩の霊風と、
ライバルのロック、陰陽兄弟、そして零に対して指示をしていたの
であった。
何をしているのかは後程分かることなので、先に進んじゃおう
けどな∼⋮アハハ⋮﹂
﹁取り敢えず肩の力を抜く為にレクリエーションのつもりだったんだ
﹁翼さん、本気にしちゃってるよ⋮﹂
因みに相手はセレナとマリアとエルフナインである。
バレーをしていた。
そしてそんな翼はと言うと、現在、クリスと奏と3人で変則ビーチ
仕方の無い事である。
そんな翼の様子に緒川は何と無くだが、予想がついてしまったのは
﹁また後で連絡します﹂と連絡を切られてしまったのであった。
それを受領した緒川は翼と連絡を取ったのだが、
上げた光の球体︵通称フォトスフィア︶のデータがあったのだ。
それは此処には残念ながら来れなかったナスターシャ博士が作り
は驚きのものを見ていた。
そんな中、受領任務を遂行している緒川と藤堯、そして牧藁の3人
!
翼が結構ズレた方向に行っている事にビーチバレーの審判をして
いる響と未来は苦笑いをしていた。
1403
!
そしてそんな中でも、奏はニヤニヤと翼の行動に結構茶化していた
りするのであった。
翼さんには本当に意地悪するんですね⋮奏さん。
そうしているとエルフナインがサーブを打つが、カスってしまい、
敢え無くミスをしたのてある。
﹁何でだろう﹂と言いながら、エルフナインは知識から得たやり方と体
感した難しさの矛盾を感じていると、マリアからこう言われた。
﹁背伸びをしなくても、誰かの真似をしなくても大丈夫﹂
ぃま
ぜぇん﹂と何とも可愛げの
そう言いながら簡単なサーブのしかたをエルフナインに教えるマ
リア。
その時にエルフナインが﹁ずみ
"
﹂
・
・
・
・
﹂
!
途中から燃え気になったのは⋮
!
﹁気がついたら、特訓になっていた⋮
﹁何処のどいつだ⁉
﹂
﹃元﹄が付くものは大抵すごいのか⋮ここの連中は⋮。
流石、﹃元﹄陸上部と﹃元﹄融合症例と﹃元﹄ノイズ⋮
対して日差しを浴びている3人はまだまだ元気である。
たビーチチェアでぐったりと疲れていたのであった。
響と未来とルオレ以外のメンバーがビーチパラソルの下に設置し
わってしまい、現在はと言うと⋮
そ し て 何 や か ん や で レ ク リ エ ー シ ョ ン か ら い き な り 特 訓 へ と 変
いたのであった。
それを近くで見ていた零が﹁⋮自分らしく⋮か﹂とボソリと呟いて
﹁はい
大切なのは、自分らしく打つ事だから﹂
・
﹁弱く振っても大丈夫。
ある声を発していたのであった。それでもマリアはこう話した。
"
﹂
!
するとエルフナインがそんな事を言っていた。
﹁晴れて良かったですね
こう言う時こそスタミナを付けて欲しい物だ。
結構運動が苦手である。
そう言いながら調とクリスはグタグタ言っていた。実はこの2人、
?
1404
!
実はこの日の前日に台風がやって来ていたのだ。
なので、一時はどうなる事かと心配していたのだが、杞憂に終わっ
たのだ。
尚、その際に憑友がガッツポーズを出していたのだが、台風が過ぎ
去ったと同時に、一気にテンションがorz状態になっていたのは此
処だけの話である。
しかし⋮なぜそこまで海を嫌うのだろうか
?
奏
﹂
それをふと思い出した奏が近くにいたセレナに話した。
セレナ﹂
如何かしたの
﹁なぁ
﹁ん
?
﹁彼奴⋮憑友は何で海を嫌うんだ
山は行きたがるくせに﹂
しかしセレナはこう話した。
﹂
﹁憑友⋮山も海も嫌いなんだよ
﹁⋮え
﹂
何と、あっさり爆弾発言を投下しちゃったよ
実は山も嫌いだと⁉
﹂
﹁まず、山が嫌いなのは、虫が嫌いだからよ﹂
それだけ
?
﹁⁉
︵な、なんだ⋮今の悪寒は
︶﹂
然都会﹂をうようよしているんだけどね⋮。
の
人
セレナさん
憑友は
まぁ、実際の所、その原因を作った元凶が憑友の実家が存在する﹁自
それを聞いた奏は少し引いたのであった。
﹁そ♪それだけ♪﹂
﹁⋮え
!
?
︶﹂と思った奏の表情を見たセレナはクスクスと小さ
?
く笑いながら話し始めた。
﹁︵じゃあ、何で
?
こ
この騒動が発展する前⋮ルオレと出会った所も山の麓だった。
確かに、憑友は山にいる事が最近多いのである。
?
うん、先に言わないといけなかったね。ごめんごめん。
す。
⋮因みに同い年の為、互いに呼び捨てで呼び合っている仲でありま
?
?
?
?
1405
?
?
ジンオウガ
雷狼竜さん⋮あんただよ⋮
あんたの蟲の影響で憑友がトラウマになっているんですよ‼
そうしているとセレナは今度は﹁何故海が嫌いなのか﹂と話を変え
てきた。
・
・
・
それを聞いた奏は納得していた。それは⋮
・
お
!
﹁憑友⋮︹半幽霊︺以前にカナヅチだからね⋮﹂
⋮意外すぎる弱点であった。
主人公なのにカナヅチ⋮要は泳げない⋮︻海賊王になる男︼か
1406
?
!
前さんは⁉
それを聞いた奏は納得したのであった。
﹁だから、憑友は海に行きたがらなかったのか⋮あれ
それを聞いた奏はふと思い出していた。
﹂
それはかつての︹フロンティア事変︺の際に、未来を助ける為に響
と共に憑友が水に浸水した事を思い出したのだ。
するとセレナ曰く⋮
﹁あの時は無我夢中で2人を守りたかったからって言う事と、あの時
光の巨人さん
変身していた﹃英雄﹄⋮ウルトラマンの加護のおかげだって憑友が後
から言ったんだよ﹂
との事だった。流石です
!
﹁お腹が空きません
﹂
そうしていると響が﹁所で皆さん⋮﹂と言って皆に話しかけてきた。
!
類も無いのである。
当然⋮誰かが買い出しに行くのが必然である。
﹄
それを感じ取った一同は一斉に構える⋮ジャンケンで
﹃買い物買い出しジャンケン⋮
!
当然、他の海水浴客もいないし、それを利用して商いをする売店の
だが、翼曰く﹁此処は政府保有のビーチ﹂との事。
お腹が空くのは当たり前である。
そう⋮実はもうお昼時である。
?
皆が同時に出そうとし、決まろうとしたその時だった⋮
!
1407
?
?
﹁飯出来たぞ∼‼
﹃ズゴォォォォ⁉
﹂
﹄
憑友が言った一言でシンフォギア装者全員がズッコケたのであっ
た。
﹂
﹂
因みにルオレは真っ先に飯にありつけていたりする⋮現金な女の
子だよ⋮この子⋮。
﹁作ってるなら、最初に言ってよ∼∼⁉
﹂
﹁と言うより、何をしているのかと思っていたら
﹁まさか、全員で準備していたのか⁉
!
?
だ。
⋮今更ながら敢えてこの場で言おう。
憑友達︽精魂導師︾は全員⋮料理が出来るのである。
今日はB・B・Q⋮バーベキューだぜーー
!
特にロックと零と憑友の3人が特に美味い。
﹁速くしろよ
﹂と霊風が
実は憑友が冒頭で指揮していたのは昼食準備の担当をしていたの
いる間、昼食の準備をしていたのだ
実は憑友達︽精魂導師︾達は響達がレクリエーション兼特訓をして
上から響、セレナ、マリアがそう口にしていた。
?
!
に集まり、そしてランチタイムに入ったのであった。
1408
?
?
言ったので、シンフォギア装者とエルフナインは直ぐ様に憑友達の元
!
勿論味は﹁美味っ‼
﹂と大絶賛していたのは言うまでも無かった。
﹂
それにしても⋮良く食材が有りましたね
﹁それにしても⋮良く食材が有ったね
?
?
だけだよ
﹂
5000︶を1枚取り出し、ヒラヒラと動かし
¥
因みに俺達は昼食の片付けをしなくちゃい
!
⋮という事で
﹃買い物買い出しジャンケン⋮ポン‼
﹄
結局やらないといけないみたいですね⋮。
それを言われた一同は再びジャンケンの構えをした。
けないから参加しないぞ﹂
﹁さっさと決めちゃいな
如何やらフラグ発生のようだ⋮。
た。
すると霊風はそんな奏の顔を見て、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ
霊風の行動を見た奏はそう呟く。
﹁⋮まさか⋮﹂
た。
して、樋口さん︵=
そう言いながら何処から取り出したのか、霊風は己の財布を取り出
﹁悪いが、それに必要な食材が無いぞ﹂
肝心のデザートが得意な霊風が首を横に振った。
そして食べ終えた一同は﹁デザートが欲しいな∼∼﹂と口にしたが、
ベキュー用として使用されているのであるから⋮。
量である。これ全て廃棄する予定だったとは思えない程の量がバー
⋮それにしても、良く集めたものだ⋮食材としてはあまりにも多い
だろう。
憑友の答えにツッコミを入れるセレナは決して間違ってはいない
﹁まさかの﹃○円食○﹄⁉
﹂
﹁地元の住民から要らないものや廃棄予定だったのを集めて調理した
すると憑友はこう答えた。
そ う 言 い な が ら 響 は 読 書 諸 君 の 疑 問 を 代 表 し て 憑 友 に 質 問 し た。
?
?
!
1409
?
?
そしてジャンケンが決まった⋮たった1回で。
出したのは其々、
調と切歌⋮チョキ
響,未来,セレナ,マリア,クリス,エルフナイン⋮グー
翼,奏⋮カッコいいチョキ︵もとい禁じ手・ピストル︶を出したの
であった。
因みに翼と奏には言ってはいないが、これは基本的には使用しては
いけない手である為、必然的に負けである。
﹂と 翼 が
ついうっかり出してしまっ
奏から教えて貰ったんだ
そうすると響がその2人が出した手を見て笑いあげるが、
﹁こ れ は カ ッ コ い い チ ョ キ だ
言った。そしてその肝心の奏は﹁うぐ⋮
﹂
た⋮﹂と後悔しているのであった。
﹁斬撃武器が⋮⁉
﹁退き並み負けたデス⋮﹂
!
るであろう髪型に奏はヘアチェンしたのであった。
名付けるならシンプルに、
﹁お団子ポニー﹂と言った方がしっくりく
完成した。
ニーテールのように結った髪を下ろしたヘアースタイルをした奏が
そして完成したのは、お団子に纏め、そのお団子ヘアの先からポ
ながらも奏の髪型チェンジをするのであった。
その際に、
﹁霊風∼。頼む∼﹂と奏に言われ、霊風はやれやれと思い
型を変えたのだ。
ベートの時に使用している度なしの眼鏡を掛けて、そしていつもの髪
因 み に そ ん な 翼 と マ リ ア の や り 取 り の 間 に 奏 は セ レ ナ が プ ラ イ
﹁⋮母親みたいになってるぞ⋮マリア﹂
﹁人気者なんだから⋮掛けて行きなさい♪﹂
自分が先程までかけていたサングラスを掛けた。
その際にマリアから色々と言われ、そして不満を持っている翼には
調と切歌はチョキを出した事で軽いカルチャーショックに陥った。
!
!
そしてそのまま四人は近くのコンビニへと向かったのであった。
1410
?
﹂
2
人
買 い 出 し が 終 わ っ た 翼 達。翼 と 奏 の 2 人 は 如 何 や ら 気 付 か れ 無
かったようだ。
﹂
﹁切ちゃん自分の好きな物ばっかり⋮
﹁こう言うのを役得と言うんデス
そうしていると、海の方面から、水柱が現れると同時に、
だが、焦りは禁物なのもまた事実である。
う。
確かに今の状態では、イグナイトの負の感情に呑み込まれてしま
だが、そこにエルフナインが現れて、特訓するように勧めていた。
一方、響達はと言うと優雅なサマーライフをエンジョイしていた。
ーーーーーー
そして良く見ると、まだ時間が経ってはいなかったのだった。
ていた。
そしてその社の周辺にはちらほらと夏場なのに氷の結晶が発生し
そこには壊滅に近いとも言える程無残な社しか建っていなかった。
その証拠に、翼達はとある社の所にやって来た。
だが、既に敵は新たな段階へと動き始めていた。
みを浮かべていた。
そう言いながら切歌と調の2人を見た﹃旧﹄ツヴァイウイングは笑
!
ゴスロリ姿のオートスコアラー・ガリィと、
!
1411
!
バレリーナ姿のオートスコアラー・シィバが現れた
戦いが始まろうとしていた
!
それにシィバ⁉
♪23 闇への誘い
﹁ガリィ
イルが噴き出しそうです
﹂
﹂
なのだが⋮
グフェフェフェフェ
﹂
﹁お前はお前でその腐女子脳を如何にかしやがれ⁉
?
!
﹂
だ・い・た・ん♡﹂
﹁相変わらず気持ち悪いんだよ、てめぇは
!
﹂﹃応
つけてきた
﹁行くぞ
﹄
そうしているとクリスとロックが駆けつけ、その後を憑友達も駆け
ガタ落ちするなんて⋮。
⋮なんでだろう。シィバが加わっただけで、こんなにもイメージが
!
﹁いやぁ∼∼ん♡ガリィお姉様
﹂
﹁私はガリィお姉様達とあんな事やこんな事するだけでもう鼻からオ
そう言い放つガリィ。流石敵役
﹁夏の想い出作りは充分かしら
?
!
ロックが変身プロセスを、クリスは聖詠を詠った⋮
俺が頂く
ー
フォーム、フォーマル
お前らの魂
!
ーソウル
﹁Killiter Ichaival tron⋮﹂
!
ロックの掛け声と共に、
︽精魂導師︾達は変身する。皆を代表して、
!
!
!
すると2人は其々、弾丸と矢を放つ
しかし、ガリィはそのまま近付く
﹂﹁何
﹂
そして身体にヒットした⋮と思っていたら、なんと液状化したのだ
﹁っ⁉
そしてガリィはいつの間にか皆の後ろに現れたのだ
いた
﹁さぁて、私も⋮本気と行こうやないか
﹂
そう言うとシィバの顔が天使のような顔から悪魔のような残酷さ
1412
!
?
!
!
︵挿入歌﹃TRUST HEART﹄高垣彩陽︶
!
!
!
!
!
!
その頃、シィバはいつの間にかビーチパラソルの上でバレエをして
!
?
!
が醸し出す顔を出してきた
﹂﹁セレナ
﹂
﹂
!
?
通せん坊する。
﹁キャロルちゃんの命令も無く動いているの⁉
﹂
び寄せた
﹂
!
ブソーバーにセットした
﹁ロック
狂三さんのカードを
﹂
﹂
!
︽ナイトメア︾時崎狂三︼のカードを取り出し、憑友に投げた
フォーム、ほむら
&狂三‼
ー
?
き、そして十字に構えた
ーライド
!
すると憑友の両隣に盾を持った拳銃使いの魔法少女と、
!
!
方にそのカードを装填し、アブソーバーを閉じすかさずレバーを引
憑友はそれを華麗にキャッチするとフュージョンアブソーバーの
!
そう言うとロックはすかさずカードケースから﹃英雄﹄︻時の精霊
﹁分かった
!
すると憑友はロックに向かって叫んだ。
ほむらのカードを取り出した。
そして憑友は﹃英雄﹄であり、拳銃の使い方を教えてくれた存在・
!
そう言うと憑友はフュージョンアブソーバーを取り出し、そしてア
性根が腐ってやがる
﹁ちっ⋮
!
そう言うとガリィはジェムを大量に放り投げ、アルカ・ノイズを呼
﹁さぁね
﹂
それを見ていたガリィは追いかけようとしたが、響と憑友の2人が
いるルオレと相沢、エルフナインと未来を連れてこの場から離れる。
響はマリアに皆を守るように指示し、マリアはここに立ち会わせて
﹁マリアさんは皆んなを
その攻撃を受けたセレナはそのまま地面である砂浜に倒れる。
そう言うとシィバは高速スピンをしながらセレナを襲った
!
そうすると、なんとシィバがビーチパラソルの上から瞬時にセレナ
!
の目の前までやってきたのだ
﹁⁉
!
﹂
﹁貴方に決めた
!
?
!
!
1413
!
?
﹂
短針と長針を彷彿させるような2丁拳銃を扱うゴスロリ衣装の少
時間を超越せし銃使い⋮時間を狂わせ
女の魂が現れた
﹁
そう言うと憑友は左腕を天に掲げた
ー
ー﹃FUSION DRIVE﹄
﹂
﹂
クロック・ザフキエル
﹁行くわよ⋮
﹁行きましょうか⋮
!
そして現れたのは⋮
!
た
?
﹂
﹂
﹁貰った
するとそれを傍観していたシィバが襲い掛かる
そう言うと憑友は2丁拳銃でアルカ・ノイズを一掃し始める。
﹁さぁ、﹃時﹄を狂わせられる準備は出来たか
﹂
しかも、黄色の瞳の方は良く見ると時計のような模様が描かれてい
そして憑友の瞳が赤と黄色の異彩眼へと変わった。
オッドアイ
には長針と短針の拳銃が握り締め、
左腕のアブソーバーを覆い隠すかのように盾が装着され、其々の手
姿をし、
ゴスロリ柄で、紫のカラーリングを施したほむらの魔法少女の時の
そのまま憑友の身体へと纏った
そう言うと2人は其々の拳銃を取り出し、上空に向けて一発放つと
!
!"
!
で発射していた
﹂と驚愕するが、突然背後から弾丸を受
﹁今の俺に﹃時﹄の概念は無い
﹂
﹁いつの間に⁉
!
化している性質がある。
﹂
らと時崎狂三には共通属性が幾つかあるが、その中でも特に2人が特
憑友が﹃FUSION DRIVE﹄に選んだ﹃英雄﹄⋮暁美ほむ
!
?
けたかのような痛みが襲い掛かり、後ろを見ると憑友が短針の方の銃
それを見たシィバは﹁何
そう言うとなんと憑友がその場から消えたのだ
﹁甘い
!
!
!
!
1414
!
!
!
"
!
﹃時間概念﹄
それが2人が最も得意としている性質である。
ほむらは、自分そして自分に触れた者達以外の﹃時﹄を止めたり、﹃遡
る﹄ことが出来る性質を持ち⋮
狂三こと︽ナイトメア︾は﹃時﹄を越えて、過去や未来等の自分を
呼び出せる事が出来ると言う性質を持つ。
一見すると2人とも同じでは無いように思えるが、そうでは無い。
彼等は単に﹃時﹄を扱う事に長けているだけなのである。
﹃時﹄と共に、彼女等は﹃人を辞めた身﹄⋮人外である。
憑友はその事を知っている⋮知っているからこそ、2人の力を合わ
せる事で﹃時間﹄そのものの概念をこの少年は壊して見せたのだ。
現に、シィバから攻撃を受ける前にほむらの能力を使って、自分以
外の﹃時﹄を止めて、自分をシィバの背後に立ち、そして経過と共に
早く動け
﹂
﹂
!
・
・
近くにはまだオートスコアラーがいて、更にアルカ・ノイズもいる。
なのに何が﹁やられた﹂のか気付かない。
﹂
⋮皆んなから離れてる⁉
﹂
そうしていると︽ガングニール︾を纏った響がいち早く気付いた。
﹁
﹁何⁉
﹂
?
1415
攻撃をした。
それが今回の種明かしである。
しかし、憑友は背後からの攻撃を与えると、そのまま立ち尽くして
しまった
﹁何をしている⁉
﹂
﹁⋮ちっ、やられた⋮
﹁何
!
?
ロックが悉く弓矢や弾丸で阻止した。
それを見たアルカ・ノイズ達は一斉に憑友に襲いかかるが、それを
!
ロックは憑友の言った一言に疑問を感じた。
?
﹁そう言う⋮事だ‼
?
?
!
そう言いながら憑友はオートスコアラー2体に弾丸を撃ち抜く。
だが、撃ち抜いた瞬間、2体のオートスコアラーは水になっていた
そう、此処に居たガリィとシィバ⋮2体のオートスコアラーは共に
偽物⋮
とどのつまり、囮だったのだ
﹁
まさか目的は⋮⁉
迫っている事だった
﹂
それを聞いた零はダッシュで追いかけた
﹁頼みます
ライダー
﹂
其処にはゴツい身体をした赤髪の男が描かれていた。
すると、零は1枚のカードを取り出した。
なので、スピードを得るには﹃英雄﹄の力が必要なのである。
此処に居る導師の中ではビリとも呼べる程敏捷が低い。
の重みに長けた攻撃力と、打たれ強い防御型。
しかし、零=ホロウは霊風のようなスピードタイプではなく、一撃
!
そ れ は 今 此 処 か ら 離 れ て い る 仲 間 ⋮ マ リ ア と セ レ ナ 達 に 危 険 が
﹁マリアさん達の方だって事だ
﹂
それを見たロックは驚くと同時に1つの仮定が生まれた。
!
!
?
!
!
引いた
ーホロウ
フォーム、ライダー
ー
!
征服王‼
ー
すると零の周りをその男の魂が徘徊し、そして纏った
ー王の軍勢
?
。
人の身で﹃王﹄に成った者
征服王 イスカンダル
つて交えた
⋮
"
にいた。
すると零の後ろから1匹の馬が現れた
角があり、黒くて剛毛な馬だった。
!
そしてその王の力⋮︻征服王 ライダー︼の姿を纏った零が其処
"
"
それはかつて、弦十郎が使用していたカードにして、セイバーがか
!
!
そう言うと零はアブソーバーにそのカードを装填、そしてレバーを
!
!
!
1416
!
!
"
そして馬が零の近くにやって来るなり、零はその馬が最初から嵌め
⋮ブケファラス‼
﹂
ていた手綱に手を伸ばし、そして勢いよく飛び乗った
﹁行くぞ
零はライダー=イスカンダルの愛馬
マリア達の方へと向かって行った⋮
ーーーーーー
リィとシィバが現れたのだ
﹂
﹁見つけたよ、ハズレ装者
﹂
﹁ふ∼ん。ガリィお姉様はこんなのがオキニなんですか∼。
⋮面倒いけど、私もあの子を殺りましょうかね⋮
それを見たマリアは直ぐさま聖詠を詠った
と言いながら水を凍らせて刺そうとした。
そう言うとガリィは﹁さぁ⋮何時までも逃げ回ってないで⋮‼
!
﹂と心配する。
?
︽アガートラーム︾であった
するとセレナが︽アイギス︾を纏った姿で、隣に立った
その姿を見た未来達。マリアはみんなを守る為に戦う⋮
﹁セレナ⋮ええ
﹂
それを見たガリィは﹁あの時みたいに失望させないでよね
いながら、アルカ・ノイズを発生させた
﹂
そう言うとマリアはアガートラームの籠手から短剣をアーチ状に
!
﹁置いていかないでね♪マリア姉さん﹂
!
!
﹂と言
!
︵挿入歌﹃銀碗・アガートラーム﹄日笠陽子︶
!
それは⋮新造されたギアにして、マリアの戦う力⋮
その隙にマリアの姿は見る見ると変わった。
それを見たシィバは﹁ガリィお姉様⁉
そしてそのまま勢いよく転げるガリィ。
躱し、すかさず左手でガリィを殴った。
その隙にガリィの攻撃が決まったと思った瞬間、マリアは紙一重で
n⋮﹂
﹁Seilien coffin airget│lamh tro
!
?
!
その頃、マリア達は急いで憑友達から離れていた。だが、其処にガ
と共に、零は
ブケファラス
!
?
!
!
1417
"
!
"
!
動かしながら取り出す。するとそこから無数の短剣が現れ、周囲に展
INFINITE†CRIME
開して一斉に飛ばした
BOXER ガントレット
なり、そのまま腕に付いた盾でノイズ達を殴っていた
マ
リ
ア
と
セ
レ
ナ
カデンツァヴァナの姉妹。
﹁うわぁ⋮私負けちゃう∼⋮あはは
!
!
﹁あ
﹂
受けてしまった
だが、ガリィは直ぐに躱すなり、マリアはガリィからカウンターを
マリアがガリィに攻撃を仕掛ける
﹂とガリィがそう言うと同時に
そ う し な が ら ア ル カ・ ノ イ ズ 達 を 殲 滅 し て い く
"
!
そしてセレナの方は大盾を縦半分にして、それぞれの腕に装着する
"
!
﹁⁉
﹂
ぐはっ‼
セレナ
﹁っ⁉
﹂
﹂
﹁貴方の相手は私なの♪﹂
﹁マリア姉さん‼
!
?
?
﹂
﹂
?
最早此れ迄かと思われた⋮その時だった⋮
﹁ちょっと、テンションダウンですよ∼
﹁私を失望させないでよねって言ったのに∼﹂
﹁ぐっ
その攻撃でセレナはマリアの元へと吹き飛ばされた。
だ
すると今度はセレナに向けて背後にいたシィバが襲いかかったの
!
?
!
1418
"
"
!
?
!
﹃ホロウ・ライダー
フルドライブ‼
!
へと変貌した
遠征は終わらん⋮
﹂
"
﹄
は、黒く、角が生えた強靭な脚を持つ馬に乗った⋮
﹂
征服王の姿を纏った零が其処にいた
零⋮
﹁
⋮⋮勝鬨を上げよ
すると零の後方から徐々に足音が現れた。
﹂
その声を聞いた皆はその声がした方を振り向いた。そこにいたの
﹁
するとマリアとセレナは何かの声を聞こえた。
それは未来達もそうだった。
何事かとガリィとシィバは周りを見渡す。
!
すると周りの景色が森の生えた場所から一変し、なんと一面が砂漠
?
!
!
!
我らが胸に彼方への野心ある限り
﹁
!
いた
﹂
﹂
これはもう出し惜しみなしにやっちゃいましょうよ⁉
﹁な、何よあの数
﹁お 姉 様
さっきからテレポートすら応答不可で逃げられませ∼ん⁉
!
大量に出現させた
達よ
﹂
その数⋮10000
﹄
我と共に、我の仲間の女子2人と戦えぬ者達を守れ
﹁我が勝鬨を前にしてこの数⋮戦いの血が滾る
!
遥か彼方の万里まで‼
﹃オォォォォォォーー‼
﹁いざ
?
?
征服王の軍臣
!
!
!
それを聞いたガリィは舌打ちするとそのままアルカ・ノイズを再び
?
兵士,猛者,策士⋮ありとあらゆる存在が一堂にこの場に集まって
!"
?
!
!
!
1419
"
"
アイオニアン・ヘタイロイ
﹂
﹃王 の 軍 勢﹄ーー‼
イズ目掛けて攻撃を開始し始めた
アルカ・ノイズはそれを見て分解しようと動き出した
まさに1つの戦がこの場で始まっていた⋮
それはまさに戦争そのものであった。
∼数分後∼
﹁嘘⋮でしょ⋮﹂
﹁そんな⋮﹂
ガリィとシィバは恐れ慄いていた。
﹁マリア
﹁零⋮﹂
征服王の忠実なる戦友達よ
セレナ
大丈夫か
﹂
そう言いながら不敵な笑みを浮かべるガリィ。
﹁聞かせて貰うわよ﹂
それと同時にマリアとセレナは揃ってギアに手を添える。
うに頑丈なパーツを添えた零だけの専用武器である。
⋮その名の通り、斧と言う一撃の重みに長けた攻撃武器と、盾のよ
ホロウシールドアックス。
肩に担ぐ形で構えた。
そう言うと零は愛機︽ホロウシールドアックス︾を振り回しそして
﹁うかうかしてられないぜ⋮コレは﹂
!
!
﹁助けに来てくれて⋮ありがとう⋮
﹂
を出しながらそのまま透明になって消え去った。
すると零はそのまま馬から降り、馬を撫でると、馬は嬉しそうな声
そしてそれと同時に周りの景色も直ぐに元の森林へと変わった。
!
圧倒的な差である。
﹁良くやった
!
そう言うと皆が一斉に武器を掲げた。
﹂
対して零が呼びだした兵士達は1人も欠ける事なく存命していた。
何故なら、其処にはアルカ・ノイズが1匹残らず駆逐されていた。
!
!
そう言うとマリアとセレナを通り過ぎ、数多の兵士達がアルカ・ノ
﹄
﹃ウォオォォォォォ‼
?
!
1420
?
!
セレナ
﹂
それに対しシィバはくるくる回りながら真剣な眼差しを向けてい
た。
﹂
﹁この力で決めてみせる
﹁うん
﹂
﹂
?
グナイト。
・
﹂﹂
だが、セレナにはその呪いが発動しなかったのだ
﹄
だが、本当の始まりは此処からだった⋮
﹂
キャァァァァ‼
ーアップデート完了しましたー
如何言う⋮⁉
﹃え
グァァァァァァ⁉
っ‼
﹂
零‼
?
ティガレックス︼が現れ、彼を抑え込み始める
のまま零の身体に入って行ってしまったのだ
が四股走行の状態でまるで獲物を見つけたかのような唸りを上げた
以前の憑友達が変化した﹃IGNITE KILLER﹄状態の零
かつての響の暴走と同じ状態となったマリアと、
と零⋮2人の姿を見て驚愕した。其処には⋮
一体何が起こっているのかとセレナは自問自答していると、マリア
!
だが、零の身体に触れた瞬間にレックスまでも悶え苦しみながらそ
!
するとそんな零の元に彼のパートナーモンスターである︻轟竜 !
本来は負の闇に呑み込まれながら激しく苦しみながら使う筈のイ
セレナのギアが無事にイグナイトを発動する事が出来たのだ。
・
だが、此処で異変が起きた。
﹁⋮え⁉
﹁がはぁぁぁぁ⁉
するとコンバーターが浮かび、そして2人に突き刺した
﹃﹃Dainsleif﹄﹄
﹁﹁イグナイトモジュール、抜剣‼
そう言うと2人は同時にイグナイトを発動させた
!
?
?
なんと零も苦しみながら悶え始めたのだ
﹁
?
1421
?
!
!
?
!
!
?
如何したホロウ⁉
﹁⁉
?
!
!
?
?
!
﹁如何⋮して⋮⁉
﹂
セレナには分からなかった。何故なら、零は﹃MONSTER D
RIVE﹄を使っていないにも関わらず、
﹃IGNITE KILLE
R﹄になったのだから。
すると2人はなんとそのまま暴走を起こした状態で其々を相手に
戦い始めたのだ
﹁⁉
﹂
剣
﹁こっちはこっちで美味しそうですわよ♪ガリィお姉様∼♪﹂
﹁ハズレ装者にはガッカリだけど⋮﹂
には勝てない⋮時間との勝負だった。
⋮ 正 直 に 言 お う。今 の セ レ ナ の 状 態 で は ダーインスレイフ の 呪 い
魔
目を逸らしたかった。だけど、身体が言う事を聞かなかった。
何故こんな事になってしまったのか。セレナは目の前の光景から
!
かかった
!
止めてーー‼
ドクンッ
﹂
キャァァァァ‼
なりて。
﹂
するとセレナの身体が変化した
﹁⁉
?
た。
︶
其処にはもうセレナと言う存在では無く、獣と化した人が其処にい
だ。
マリアと零の間に割り込んでまるで大乱闘のように戦い始めたの
するとセレナはマリアのように暴走を始め、
それは⋮精神が呪いに打ち負けた証拠でもあった。
!
?
!
!
かつての響の暴走のような姿と
私の大切な人がお互いを傷付けるのは⋮
マリア姉さんが⋮零が⋮
﹁︵嫌だ⋮嫌だ⋮
!
そうしているとガリィとシィバが自分にターゲットを変えて襲い
?
?
1422
?
!
﹁
あーあ⋮あんたが焦らすからこんな事に∼﹂
﹁うぐっ⋮でも、コレはコレで良いじゃないですか∼∼
﹂
になりますし♪﹂
﹁見つけた
そうこうしていると憑友達が走って追いかけてきた。
粗方ノイズは殲滅したようだ。
いい見世物
すると皆はマリアとセレナと零の状態を見て、驚かされていた。
其処には獣と化した雌2匹と、闇堕ちを殺す竜が互いを傷つけなが
ら闘っていたから。
するとロックはすかさず弓を番え、そして上空に向けて袋が入った
矢を放った
まマリア達の上空へと降り注ぐ
その時に3人の影に矢が命中した。
ガケヌイ・レイン
それと同時にマリア達の動きも止まったのだ
え去ってしまったらしい。
﹁勝てなかった⋮
私は⋮何に⋮負けたのだ⋮
?
﹁⋮セレナ義姉さん⋮﹂
こんなの残酷すぎるよ⋮︶﹂
私の前で大切な人がお互いを殺しあう⋮
﹁︵マリア姉さんと零⋮
マリアの声と、零の心の叫びに応える者は此処には居なかった。
︶﹂
﹁︵俺は⋮本当に⋮強いの⋮か
﹂
憑友は響を見やるが、響はそのまま首を横に振った。瞬間移動で消
其処には2体のオートスコアラーが居なかった。
そして彼等を保護すると辺りを見渡す。
すると3人はその衝撃の反動で強制解除された。
せた。
すると憑友はすかさず3人のだ懐に入るなり、腹部に掌底を食らわ
"
!
!
すると上空で袋が破れ、そのままその袋にあった小さな矢はそのま
!
?
1423
!
?
!
"
そしてセレナはそんな愛する人がお互いを傷付ける場面を見てし
まったせいで、気づかぬ内に涙を流していた。
それを憑友はただセレナの名を言う以外何も言わなかった。
ーーーーーー
話は数分前に遡る。
クリス達がアルカ・ノイズと戦っていた頃。
翼達の方も動いていた。
境内の近くで戦闘する場面を見て慌てていたからだ。
それに気付いた翼達は急いで人々の避難をし始める。
﹂
すると翼は1人の男性に目が入りその人に避難誘導の手伝いをお
願いしようと動いた。
﹂
子供達を避難させて、早く安全な場所へ
﹂
如何して俺がそんな事を
﹁此処は危険です
﹁冗談じゃない
待ちやがれ
!
た。
﹁あの人も生きていくのに必死なんだ
﹂
聞かせた。その時だった。
﹁うわぁぁぁぁ‼
!
浅岡‼
﹂
掴む逝都が其処にいた
﹁
﹂
決まってんだよ
﹁何してやがる⁉
﹁はぁ
この男に用があるんだよ
幼馴染としてな
﹂
それを聞いた2人がその男の跡を追うと其処には先程の男の頭を
先程の男の声が聞こえてきたのは。
﹂翼はそう言う風に奏に言い
それに気付いた奏が追いかけてやらせようとしたが、翼に止められ
なんとその男は1人勝手に逃げたのだ
﹁あ、てめぇ
!
﹂と逝都の口からは思いもよらない脅迫紛いの
?
挑発を出され、迂闊に手を出せなかった。
るんじゃないのかな
2人はそのまま変身しようとしたが、﹁変身したら世間が大騒ぎす
!
!
!
?
そう言われながら、逝都は怒号を放つ。
!
?
1424
!
!
!
!
!
?
?
!
﹁其処でこの男のリンチでも拝んでろ
﹂
さぁ⋮今の今まで何処に雲隠れしていたんだ
洸
この臆病者の大黒柱が‼
さぁ⋮答えろ
そう言いながら一発殴ろうとしたその時だった
!
﹂
先程の槍の攻撃は霊風のものだった
﹁逃げろ
た。
﹂
おめぇは知ってんだろうが
転生者だから分かるんだろうが
﹁邪魔すんじゃねえ
も
﹂
彼奴が何者なのか
!
﹂そう言うと逝都は懐からなんとオートスコ
!
その術式が光輝くと同時にその場から消え去っ
!
﹂
?
方へと向かって行った。
霊風
﹁︵洸⋮まさか⋮響ちゃんのお父さん⋮立花洸氏なのか
﹁如何した
﹂
︶﹂
すると霊風は翼達を探していたことを話し、3人は急いでビーチの
るのである。
これで周りの人からはこの武器はただの鉄パイプと言う認識にな
すると槍の穂先が折り畳みながら棒の中に収納した。
プを回した。
居なくなった霊風は一先ず人目を避けるように愛機の槍のグリッ
た。
そして術式が発生
アラーの使用していたテレポート・ジェムを取り出し、そのまま投げ、
﹁ちっ⋮此処までかよ
しかしもう其処には霊風と翼,奏以外視認する事は無かった。
それを聞いた逝都は再び辺りを見渡す。
﹁満を時す時まで⋮かよ﹂
﹁ああ。だが、今はその時じゃねぇんだよ
!
!
霊風の怒りを孕んだ声を聞き、洸と呼ばれた男は一目散に消え去っ
!
そして洸と逝都の間に霊風が現れたのだ
流すと、そのまま後退した。
洸と呼ばれた男の顔すれすれから槍が現れ、逝都はその攻撃を受け
!
!
?
﹁何でもない。早く行くぞ
!
?
1425
?
!
?
!
!
!
!
霊風の予想は果たしてホントかウソか。
答えは何れ出るだろう⋮
1426
♪24 輝きを継ぐ、君らしく︵前編︶
そしてシャトーへと戻ったガリィとシィバ。
﹂
其処では皆が其々のポーズで構えていた。
﹁派手に立ち回ったな
﹁目的ついでにちょっと寄っただけよ﹂
﹂
だからあのハズレ装者から毟り取って1番になるって決めた
﹁自分達だけペンダント壊せなかった事を引きづってるんだゾ
﹁煩い
﹂
﹂
﹂
ごめんなさい∼∼ジィスお姉様∼∼
﹁ああ∼∼腹立つ
﹁⋮はっ
二重人格⋮そう言うのが1番であった。
テヘペロ♪﹂
シィバ様﹂
って言う女に俺は興味が有るん
?
﹁⋮まずその人格を直してくれませんか
だけどな∼∼
でも⋮ジィスが破壊したセレナ
﹁私はそう言うのは興味すら無いもんね∼。
のだが。
尤も、シィバはペンダント破壊に興味のきょの字すら示さなかった
だ。
そのため、ガリィとシィバはペンダントを破壊していなかったの
ライジンの手により壊されてしまっている。
︵響と切歌︶,ジュエル︵相手は調︶。未来のギアはあの時襲いかかった
︵相手は翼︶,レイア︵相手はクリス︶,ジィス︵相手はセレナ︶,ミカ
この中でペンダントを破壊したのはレグルス︵相手は奏︶,ファラ
ミカの言われた台詞に怒りをぶつけるガリィ。
のよ
!
?
戦闘時は好戦的な性格⋮いや、戦闘狂とも呼べる存在・バシィへと
ジャンキー
百合百合要素前回の腐女子へと変貌するゲスい性格なのだが、
普段は他のオートスコアラーをお姉様︵レグルスのみ王様︶と呼び、
1つの人格・ハイドと同じ性格をこのシィバは内臓されていた。
二重人格に苦悩する有名な小説の人物⋮ヘンリー・ジキル及びもう
!
?
!
実はシィバの性格は特殊だった。
!
!
1427
!
!
変貌するのである。
そして口調も俺様口調へと変わるのである。
と、そうこうしているとファラが動き出した。
これからS.O.N.G.に受領したデータをコピーする為に。
するとそんな彼女等オートスコアラーの前に1人の女性が現れた。
敢えて言おう⋮キャロルでは無い。
如何しましたか
サモン博士﹂
﹁ファラ・スユーフ。貴方に渡しておきたい物が有るの﹂
﹁
だったら、これを託すわ﹂
?
のカードを手渡された。
風の加護があらん事を
"
水と氷の幻想を貴方達に
を手渡してきた。
﹁
﹂
それを見届けたサモン。すると今度はシィバとガリィにもカード
そう言うとファラは風のようにこの場から消え去った。
﹁うふふ。ありがとうございます。では行って参りますね﹂
﹁
﹂
そして、黒とピンクを基調とした機械を纏ったツインテールの少女
容姿がそっくりのまるで双子を連想させる少女2人。
帽子を被ったウエスタン風の男と、
青混じりの白髪と黒肌の青い鎧を纏った青年と、
風のような渦を巻いた髪型をした軽快な服装をした少年と、 そう言って、ファラに6枚のカードを託した。
﹁貴方、風の使い手よね
それは敵に寝返ったサモン・クリスチャーノだった。
?
見た目的に捉えても間違いなく王女様とも呼べる少女と、
まるで鮫を連想させるかのような鎧一式を纏った戦士と、
水色の服と髪をした杖を持っている青年と、
青髪でこれまた青のコーデをした傘をさしてる女性、
ピンクの車に乗っている小学生の女の子と、
ガリィが所持するカードには⋮
そう言いながらガリィに6枚、そしてシィバには4枚手渡された。
"
1428
?
"
"
そして槍を携えた癖っ毛が生えている紳士な男の6人が描かれて
いた。
対してシィバの手に渡った4人はと言うと、
一角獣の頭を彷彿させる弓を携えた青年と、
黒い車に乗り込む1人の少年と、
竜の背中で読書をしている少女と、
空まで飛べるようになったのは
貴方と同じ瞬間移動を使う﹃英雄﹄2体
テ レ ポー ト
そ し て ス マ ホ サ イ ズ の 機 械 を 手 に 持 っ て い る 麗 し い 姿 の 少 女 の
カードを手渡されていた。
﹁シィバ。身体の具合は如何
﹂
を組み込ませたけれど
﹂
⋮ちょっと待て⁉
今、サモン博士は何て言った⋮⁉
リィを引っ張る形てファラの後を追って消え去った⋮
ん
﹃英雄﹄を⋮組み込ませた⁉
この女性は一体⋮何をするつもりなのだろうか
ーーーーーー
そして自分達を倒さずに痛め付けたらそのまま撤退。
かのような態度。
主を失った人形達。だが、それでも彼等は何かを為そうとしている
その頃、響達は一同とある部室に集合して対策を講じていた。
?
そう言いながら、不敵な笑みを浮かべながら笑うサモン。
まぁ、4人に組み込ませただけでも幸いと言う所ね﹂
は不幸だったわ。
後のオートスコアラーにはそれを組み込ませる時間が無かったの
てジィスの4人だけ。
﹁とは言っても、組み込ませたのはレグルス,ジュエル,シィバそし
ドを組み込ませたのか⁉
つまり、オートスコアラーの身体に﹃英雄石板﹄を解析して得たカー
?
!
そう言いながらシィバはサモンの質問に答え、そしてそのままガ
凄いですよ∼∼
身体も軽くなった気分ですし∼
﹁バッチリグーですよ∼
?
?
?
?
1429
?
!
!
!
?
謎が謎を呼ぶ中、話は﹃イグナイトモジュール﹄そして﹃IGNI
TE KILLER﹄の話へと変わっていた。
体験した響達曰く、﹁力の﹃暴走﹄に呑み込まれると、頭の中まで真っ
黒く染まってしまい、何もかも分からなくなってしまう﹂との事だっ
た。
それは憑友達︽精魂導師︾達も同じだった。
﹁あの暴走を乗り越える為に必要な事が分からない限り、使用しない
方が懸命﹂との判断が下された。
だが、霊風は疑問に感じていた⋮
︶﹂
﹁︵彼奴の使用履歴からは﹃MONSTER DRIVE﹄は使用され
ていなかった⋮
じゃあ、なんで﹃IGNITE KILLER﹄が発動したんだ
ライド達アブソーバーは自分の相棒が使用した﹃英雄﹄や﹃力﹄を
こまめに記載するように設定されている為、使用した形跡を炙り出す
事が出来るのである。
だが、零のアブソーバー・ホロウの使用履歴を見てみたが、
今日の昼間の戦闘中の間は専らライダー⋮イスカンダルの力しか
使っていなかった。
つまり、
﹃MONSTER DRIVE﹄は使っていなかったのだ。
なのに、
﹃MONSTER DRIVE﹄の本当の力⋮対イグナイト
特化戦闘狂プログラム⋮﹃IGNITE KILLER﹄︵通称﹃IK﹄
プログラム︶が起動したのかが気になっていた。
その事をホロウに詳細を聞いたのだが、本人曰く⋮﹃いきなり過ぎ
たので分からない。気付いていたら、アブソーバー本体を乗っ取られ
て、言う事が聞かなかった﹄との事だった。
謎が謎を呼ぶ中で、霊風達一行は策を講じる事になった。
その頃、マリアと零の2人は傷を負いながらも、浜辺の方で腰掛け
ていた。
セレナはそんな2人をそっと見守りつつも、先の暴走の原因を自己
流で調べる事にした。
1430
?
﹁︵人形に救われるとは情けない⋮
私が弱いばかりに魔剣の呪いに抗えないなんて⋮︶﹂ ﹁︵いきなりの出来事で何もかもおかしくなってた。
﹃MONSTER DRIVE﹄は発動していないのに、襲いかかって
きたあの禍々しさの狂気⋮
︶﹂
もしまたあの症状が起きたら⋮俺は今度こそマリアやセレナを傷
つけかねない⋮
2人の想いは揺らぎ始めていた。
それと同時にセレナもまた思いに更けていた。
﹁︵私はイグナイトを受けてなんとも無かった⋮
だけど、その代わりにマリア姉さんが暴走を起こした。
それに、零までも﹃IGNITE KILLER﹄が発動して2人
が傷付けあって⋮
もう私はあの2人が喧嘩する所は見たくないのに⋮︶﹂
そんな3人。すると、彼等の前にバレーボールが転がり混んでき
た。
それを見た3人はボールが来た方を振り向くと、其処にはエルフナ
インが1人でバレーのサーブの練習をしていた。
それを見た3人はエルフナインに﹁一緒にやろう﹂と言って、エル
フナインの練習に手伝ってあげる事にした。
尤も、零の場合は身体を動かしたいという我欲があるのは此処だけ
の話。
﹂と呟き、
エルフナインのサーブの練習をしていた時、マリアは﹁色んな知識
を有しているエルフナインになら分かるのでは無いのか
それに気付いた零とセレナもエルフナインに見やる。
するとエルフナインはこう答えた。
﹁﹁え
﹂﹂
﹁それは⋮マリアさんが僕に教えてくれた事じゃ無いですか﹂
?
間マリアが言ったあの言葉なのかと思っていたその時だった
!
1431
!
エルフナインの答えにセレナとマリアは目を見開き、そして零は昼
﹁まさか⋮﹂
?
﹂と言いながら、見
砂浜から突如として水柱が上がり、其処からガリィとシィバが現れ
たのだ
﹂
﹁お待たせ、ハズレ装者
﹂
堅物女
﹁元気にしてた
ホロウ
﹃⋮⋮﹄
﹁
﹂
﹁行くぞ、ホロウ﹂
いたホロウを取り出した。
そんな中で2人はギアペンダントを握り、そして零は懐に忍ばせて
下した態度を見せる。
ガリィは﹁今度こそ歌ってくれるんでしょうね
3人は咄嗟にエルフナインを守る体勢に入る。
?
して
︶﹄
もう貴方を傷付けるくらいなら⋮いっその事この端末ごと私を壊
﹃︵私は嫌だ。
とに。
大事な存在を傷つける為に自分は此処にいるのでは無いというこ
ホロウは零の事を心配していたのだ。
ら変身させなければ良いとホロウはそう考えていたのだ。
まい、臆病になってしまっていた。あんな暴走を引き起こすくらいな
如何やら先の戦いにて自分が不甲斐ない所為で零を暴走させてし
零はホロウに声を掛けたが、ホロウは返事をしてくれなかった。
?
の
身
体
ショックが襲いかかるものなのである。
だが、そんな自分がウイルスに感染させられたとあらば、相当の
している⋮いや、それどころかますます磨きがかかっているのだ。
だけどそれでも、人を助ける為に必要な薬を判別出来る能力は健在
めっきり無くなっていた。
ライド達と共にアブソーバーに移ってからは、薬物等を触れる事は
こ
だがそれは憑友の母・ジャンヌが活躍する前の話。
彼女に予防出来ないワクチンは無いと自他共に認める存在なのだ。
ホロウは医療薬に関しては随一を誇るエキスパート。
!
1432
?
!
!
!
?
﹄
すると零はホロウが入っているアブソーバーを撫でた。
﹃⋮へ
﹁ありがとう。ホロウ。
でもな、人間の神秘ってのは此処からなんだぜ
⋮俺はもう迷わない
﹂
仲間を、家族を、大切な人を、相棒を⋮
誰1人として傷付けない
﹃零⋮﹄
ーーーーーー
ガリィ達と零達の戦いを観戦していた。
﹁さぁて、どんな見世物にしてくれるんだろうな
そう言いながら、ヘラヘラとしていた。
ゴツンッ
?
するとそんな逝都に鉄拳ならぬ拳骨が襲いかかった
﹂
﹁あ痛っ⁉
﹂
その頃、砂浜とは別の地点では、ボーン=逝都が胡座をかきながら、
!
が腕に太陽を模ったどデカイ籠手でぶん殴っていた
﹂
怒りで支配する﹃暴君番長﹄
だけど、あんたとは違うんだよ
﹁お前、それでも番長かよ
﹁番長だよ
俺の力は怒りの力
炎で闇を焼き尽くし、光で誰かの心を照らす
だけどあんたは﹃太陽番長﹄
それがあんたの信念だろうが
俺とあんたとは同じ番長だから気に入っただけだよ
﹁⋮俺は知らないからな。お前の絆が解かれても﹂
﹁ほっとけ﹂
ったく
﹂
!
!
!
!
ーーーーーー
﹁⋮余計なお世話なんだよ⋮﹂
のカードケースに戻っていった。
それを聞いた﹃太陽番長﹄なる者はそのままカードとなって、逝都
!
!
"
!
!
!
逝都は慌ててそれを振り向くと其処には番長を彷彿させる小学生
!
!
!
1433
!
?
?
?
"
﹄
話は零達の視点へと戻る。
﹃零⋮私⋮私は⋮
﹁ホロウ。お前がいなかったら、俺はもしかしたら居なかったのかも
しれない⋮だから、俺の目の前であんな事はもう言うな。
俺は守る為に弱さを捨てたつもりだった。
だけど違う⋮それこそが間違いだった。
俺は弱い。おそらく他の導師達よりも一段と弱い。
だからこそ、俺は⋮弱い者としての力を有する
俺は力の強さを否定する
﹄
﹃零
﹂﹂
﹁﹁零
セレナ
﹁行くぞ、マリア
﹂
ホロウ
﹄
﹂
力に溺れて、大切な存在を傷付けるくらいなら⋮
!
如何やら、零の説得でホロウは吹っ切れたようだ
﹃ええ
頼むぞ
!
!
ドを装填、そしてレバーを引いた
それと同時にマリアとセレナが聖詠を詠った
n⋮﹂
﹁変身
﹂
ーホロウ
私が紡ぐ
ー
フォーム、ムニキス‼
無に帰す魂
すると3人は変身を完了させた
セレナ
マリア
﹂
!
!
!
!
3人の瞳には迷いが無かった。
﹁行くぞ、ホロウ
!
?
﹁Seilien coffin airget│lamh tro
⋮﹂
﹁p r o t e c s a i g i s w e l r a i z e n t r o n
!
!
して、セレナとマリアはギアを握り、零はホロウを左腕に装着し、カー
すると3人が綺麗に並び立ち、それぞれの包帯と絆創膏を剥がしそ
!
!
!
!
!
!
1434
!
!
!
!
!
﹃ええ
﹄﹁うん
!
﹂﹁ああ
!
﹂
アルカ・ノイズを出現させた。
するとアルカ・ノイズ達はそのまま攻撃を仕掛けた
セレナは大盾を2つに割り、そのまま斬撃を与える
guillo
でノイズ達を切り裂き、マリアもアームドギア
"
ズに斬撃を加えたのだ
る存在が使用していた15の武器の1つにして、
﹃剣と盾、そして斧の2通りの戦い方を得ている武器﹄⋮
﹃チャージアックス﹄をモデルに改良を加えた⋮
零の新武器︽ホロウ・アクス・カリバー︾である
だが、この武器はチャージアックスをモデルにしただけではない
!
強撃/防御重視型武器へと生まれ変わったのだ
するとマリアが攻撃を仕掛けていく
だが、ガリィとシィバの攻撃がマリアを襲いかかる
す術が無い。
"
で、そして隣には大盾モードの斧を持った
シールド
するとマリアの前にセレナがバリア状の大盾で攻撃を防ぐ
otectionバリア
零が立つ。
Pr
マリアは小さな短剣を3点としたバリアで防ぐが、2人の攻撃に為
!
!
!
グリップを斧に納刀する事で大盾のモードに変更する事も出来る
!
リオレウス達︻モンスターハンター︼の世界にてハンターと呼ばれ
!
すると地面に埋まっていた斧からなんと長剣が現れ、そのままノイ
その証拠として、斧のグリップを90度捻った
だが、零は常に進化している⋮
だが、その遅さでノイズの一体が襲いかかろうとした
そして零は斧を豪快に振り回す
く
︽アガートラーム・クレイドヒム︾を蛇腹剣に変化させて切り裂いてい
tineスラッシュ
"
!
それに対抗するかのように零,マリア,セレナの3人も動き始める
!
そう言うとガリィがアルカ・ノイズを呼び出すジェムを投げ大量の
!
"
1435
!
!
!
!
!
しかし、2人の氷と水の攻撃に3人が凍り付いてしまう
﹁点で弱すぎる
﹂
を持って行かれてしまい、膝を地についてしまった。
それでも気合と気迫でなんとか氷を壊し、なんとか脱出するが気力
!
﹂
﹂と挑
?
更に傷に塩を塗るかのように、シィバはセレナに
!
﹂
♪﹂と罵声を浴びせたのだ
﹁私はまだ⋮弱いまま⋮
﹁私は⋮﹂
﹁﹁‼
﹂﹂
﹁さっきエルフナインが言った事を思い出せ‼
?
﹁マリア
お前、エルフナインにそう言ってたよな。
﹃大事なのは自分らしくある事﹄
一言だった。
エルフナインの答え⋮それは昼時、マリアがエルフナインに言った
その言葉を思い出した2人。
﹃それは⋮マリアさんが僕に教えてくれた事じゃ無いですか﹄
﹂
するとそんな最中、零は立ち上がり、そして2人に叫んだ。
!
!
向けて﹁あんたはあんたでそんなお花畑みたいな考え方やめてよね∼
発をしてきたのだ
た。だが、ガリィが﹁その力⋮弱いあんた達が使えるとでも
そうこうしていると、マリアとセレナはギアペンダントに手を添え
りシィバの性格の所為なんだろう⋮。
⋮やっぱりシィバが話に絡むとこうもコミカルになるのはやっぱ
﹁煽てんな⁉
﹁弱いね、弱いね∼♪ガリィお姉様が強いですよ∼♪﹂
!
障りなだけだったから。だけど、今は違う
毎日だった⋮﹂
俺は昔弱かった。実験に使わされていく仲間達を前に俺は怯える
!
自分らしく生きていこうなんて今の今まで考えて来なかった。目
俺もそうだ。
!
1436
?
エルフナインが言った言葉⋮
?
ーーーーーーSIDEto零
そうだ。あの時からだ。
俺が﹃英雄石板﹄の解き手として目覚める前。
その間に多くの子供達が実験に使わされていた。
役立たずな子供は奴隷として売られて、徐々に数が減っていった。
中にはもうその時点でこの世から逝ってしまった者もいるかもし
れない。
そんな恐怖の毎日に俺は怯える日々を送っていた。
そんな中、セレナに出会った。
セレナに出会ったおかげで今の俺はいる。
そして﹃英雄﹄ギンジと出会った。
ギンジは俺にとって兄貴のような青年だった。
どんな事に関しても興味を湧かない態度⋮だけど、人一倍に仲間想
いなその性格。
気付かされるなんてね﹂
マリア⋮
﹁弱くても自分らしくある事⋮それが強さ
てくれた
﹂
それは勇気であり、同時に強さでもある
⋮そうだな。
そんな小さな勇者が頑張ってくれたんだ
﹂
!
1437
俺はそんなギンジに憧れを抱いていた。
だから、今の俺が此処にいる。
けど、それでもあの禍々しい力には抗えない⋮
俺の本当の強さじゃない証拠でもある。
﹁だけど、今は違う。
﹂
俺はこの弱さにも強さがあるって、今思えた。
だから俺はこの弱さも向き合う
﹁⋮もう。零は零なんだから﹂
セレナ⋮
!
﹁⋮ふっ。私が言った事なのに。零に叱咤させられ、エルフナインに
!
﹁エルフナインちゃんは此処まで危険がある中で私達の元にやって来
!
!
!
俺達も負けてられるか‼
﹂
﹂
﹂
﹁見ててね、エルフナイン
を始めた
己の中に眠りし﹃獣﹄よ。
﹁﹁イグナイトモジュール、抜剣
﹁
今こそ此処に解放せん
﹂﹂
﹂
ー
ザ・イグニッション
﹃MONSTER DRIVE﹄
ビースト・オン
﹃﹃Dainsleif﹄﹄
ー﹃MONSTER DRIVE﹄
するとギアから針状のエネルギーが発現し、2人に刺さる
ーーーーーーNO SIDE
!
!
み込んだ
その時だった
ー﹃イグナイト﹄反応検知。
﹄
﹂﹂﹂
﹃IGNITE KILLER﹄プログラムスタート
﹃零
﹁俺は⋮いや、俺達は
﹁﹁弱いまま⋮⋮この呪いに叛逆する‼
模様が刻まれていた
ー
セレナに至っては盾に恐ろしい顔を模った
!
襲い掛かった
だが、彼の瞳は決して揺るいでなかった
﹁俺の弱さ⋮それをお前なんかに渡すものかーーーーーー‼
ーーーーーーSIDEto逝都
﹂
?
!
!
だが、それと同時に零の身体から血が流れ、そして黒い瘴気が彼を
!
発動する事に成功した
するとそれに呼応して、マリアとセレナのギアは﹃イグナイト﹄を
?
!
!
!
それと同時に零の背後にティガレックスが現れ、レックスは零を包
!
!
!
!
!
そう言うとマリアとセレナはギアペンダントを握り締め、俺は詠唱
﹁俺達の野生の魂を
﹁君の勇気に応える歌を
?
!
!
1438
!
!
!
!"
"
さて、ようやく﹃IGNITE KILLER﹄が発動したな。
クソ狂竜
﹂
幸いにも人形共にはそれを操るスイッチを用意してるから大丈夫
だな。
﹂
⋮﹂
﹁さぁて、暴れなさいよ
﹁
﹁零‼
成功したな。
!
身体の言う事は聞くんだよな。
そのおかげで、例え﹃IGNITE KILLER﹄が発動しても、
何故なら、俺達は︽精魂導師︾であって、︽精魂導師︾に非ず。
俺や馬燈,そしてライジンは何も影響されない。
ILLER﹄を発動する様にしたしな。
飲み込まれる﹃暴走﹄を検知した場合、強制的に﹃IGNITE K
STER DRIVE﹄を使用しなくても﹃イグナイト﹄及びそれに
昼間、サモン博士が最新版にアップデートさせた事で例え﹃MON
!
さて、どうなってるのやら⋮
1439
?
!
♪24 輝きを継ぐ、君らしく︵後編︶
ーーーーーーNO SIDE
そして黒い瘴気に零は襲いかかった。
だが、零は立ち上がり、そして2人⋮セレナとマリアの方に歩き始
める。
説得は皆無。戦わざるを得ない雰囲気。
更にそれを真近で見たいと言いながらガリィとシィバまで来て、攻
撃して来ようと手を出して来た
﹂﹁え
ガシッ
﹁は
﹂
万事休すかと思われたその時だった。
!
﹂
﹁うおおおおおおお‼
それを真近で見たマリア,セレナ,エルフナイン。
したのだ
すると零はそのまま背後に振り返り、そして2人を同時に投げ飛ば
﹂
﹂﹁なんで∼⁉
?
﹁嘘
?
轟竜の手と化した零の手によって止められたから。
ガリィとシィバは驚いていた。何故なら2人の手を⋮
?
!
!
1440
?
そしてそれを遠くで見ていた逝都は驚愕した。
そして肝心の零はマリアとセレナに向けて⋮
﹁﹂ビシッ
零‼
﹂
俗に言う⋮サムズアップのポーズだった
﹁
!
右腕を上げそして右手を出し、親指を立てた⋮
!
なしたのだ
投げ飛ばした。
﹁こんなの聞いてないぞ‼
﹂
と言いながら、その場を去った。
その頃、零達はガリィ達と相対し始めた
それに対して身構えるセレナとマリア。
だけど、それを零は制する。
﹁後ろに下がって、耳を塞いでろ﹂
﹂
それと同時に腕に生えた翼を大きく伸ばす⋮そして一気に
﹁■■■■■■■■■■■■■ーー‼
大声を発した
?
を回した
それと同時にアルカ・ノイズ達が一気に消滅したのだ
!
!
それなのに、それを受けたガリィとシィバは真近で聞いてしまい目
だが、これはあくまで大声いや、咆哮だ。ブレスでは無い。
たのだ
100m先の建物の窓ガラスが一部割れてしまう程の威力を発し
その威力で、零の周りの砂塵が一気に吹き飛び、
!
!
そう言うなり、零は手を地面につけ、大きく息を吸い込む。
!
?
ガリィはアルカ・ノイズを出現させて、襲撃をさせる
!
逝都に至っては苛立ちを隠せないままテレポートジェムを足元に
何が何だか意味不明なガリィとシィバと逝都。
!
零はなんとあの﹃IGNITE KILLER﹄を己の力で乗りこ
それに気付いたセレナは零にハグをした。
?
!
1441
!
﹂と言
これが︻轟竜︼の名を持つモンスター⋮ティガレックスの最大の武
器の1つ⋮﹁ハイパーボイス﹂である
すると零は腕を大きく伸ばし後ろにいる2人に﹁飛び乗れ
能な限り動かし、そして一気に2人を人形の方に投げ飛ばした
の頭を強引に掴みそして更に上へと投げ飛ばした
使って2人を上空へと飛ばした
すると今度はすれ違い様にマリアとセレナが現れ、今度は零の足を
す。
その反動で地面に落下し始める零⋮だが、零は腕をまた大きく伸ば
!
吹き飛ばされた2人。そこへ追い打ちとばかりに零が2体の人形
を繰り出す
そして2人は一気にガリィとシィバの懐に入りそのままアッパー
!
うと2人は咄嗟に零の腕に足を乗せた。すると零はそのまま腕を可
!
!
ブースターで一気に駆け抜ける
ト レ ッ ト︾に 刺 す。す る と 短 剣 か ら 一 振 り の 剣 に 変 わ り、そ の ま ま
そしてマリアは短剣を黒く染まった銀の腕︽アガートラーム・ガン
!
!
セレナは逆に大盾をスピナーの形状のようにセットし、そして回転
と同時に一気に駆け抜けた
!
﹂﹁私は2番手∼﹂と言って爆散した。
その攻撃を食らったガリィとシィバは﹁1番乗りなんだから∼‼
"
"
そして2人はそのまま地面に落下するが、既に地面に着地していた
零にお姫様抱っこさせられる形で無事に降り立ったのである。
ガリィとシィバの戦いはマリアとセレナの勝利したのであった。
すると彼等の所に響達が駆けつけ、先の戦いの事を話していると憑
友は何かに気付いたのか、︽炎魂導師︾の姿になるなり、空を徘徊した。
そして帰って来たと思っていたら、憑友の手には12枚のヒーロー
シレンに、深雪さん
カードがあったのだ
﹁
ルークさんまで‼
!
!
?
1442
!
SERE†NADE
"
Malia│jyu・イージス
"
?
!
﹂
それに他にも見た事無い﹃英雄﹄達のカードまで
﹁まさか、ガリィ達が所持していたのか
あった。
﹁⋮ちっ
﹂
﹂
そ れ を 馬 燈 は た だ 刀 の 手 入 れ を し な が ら そ れ を 覗 い て い た の で
れたガリィとシィバの土台上の垂れ幕に錬金術が組み込まれていた。
その頃、キャロルのアジト⋮チフォージュ・シャトーでは先に倒さ
ーーーーーー
た。
GNITE KILLER﹄を乗りこなした逸材になったのであっ
何はともあれ、マリアとセレナは吹っ切れ、零はメンバー初の﹃I
これにより彼方側にも情報が渡ってしまったと言うのである。
いでは五分五分で結果的に暇を弄ばれたとの事だった。
それにいち早く気付いた霊風が相対していたのだが、槍と剣との戦
動をしていたのだ。
つまり、ガリィ達が一騒動している時、ファラがこっそりと隠密行
﹁ファラがデータをコピーして行きやがった﹂と。
すると霊風は答えた。
憑友は何故霊風がそんな顔をしているのか理由を聞いた。
だが、そこには苦虫を噛んだような顔を見せた霊風がそこにいた。
するとそれと同時に霊風が遅れてやってきた。
たのであった。
謎が謎を呼ぶ中、一行は兎に角何事も無かったので良かったと思っ
!
のであった。
ーーーーーー
さて、時間はあっという間に夜になり、皆は花火大会をしていた。
マリアの表情を見たF.I.S組とセレナと零は嬉しさに溢れ、翼
は﹁充実した特訓だった﹂と言うと、それを後輩であるクリスと、パー
トナーの奏,そして同い年のロックからツッコミをされていた。
1443
?
そう舌打ちするなり、馬燈は刀を納め、そのままその場から離れた
!
すると響が﹁お腹空きません⁉
﹂
犯人は
自覚持て
﹂と昼間と同じ事を言って来た。
確信犯‼
﹂
?
﹁嘘
﹁お前だよ
!
﹄
?
る事が無いラインナップを揃えた自販機に夢中になっていた。
じゃなかったっけ
?
そんな響に呆れた2人。すると、
﹂
君達は確か⋮未来ちゃんに、憑友くん
﹂﹁ん
﹁あれ
﹁え
﹂
そして3人はコンビニに入ろうとするが響が東京ではお目見えす
を握って走り始め、その後ろを憑友が追いかける事になった。
すると響の買い物に未来と憑友が付き合うと言って、未来は響の手
こんな時でも呪われているとは⋮
うん⋮流石、自称呪われている少女。
要は⋮響の1人負けである。
た︶。
と霊風すらもピストルを出していたので、結果的にチョキ扱いになっ
じ手のカッコいいチョキもといピストルを繰り出している。が、なん
響がパーで、後は全員チョキである︵因みに翼と奏はまたしても禁
そう言って出してきた手をよく見ると⋮
﹃買い物買い出しジャンケン⋮ポン
そう霊風の一言でマリアの合図で全員でジャンケンする事にした。
﹁今回は俺達もジャンケンに参加するから﹂
あ、やっぱりこの子がたらふく食ってたんですね⋮。
と言いながら響にグリグリの刑をする憑友。
!
﹁誰かさんの所為で、夜の分の食材は有りませ∼ん♪﹂
だが、その言葉に対して憑友は、
それを聞いたエルフナインは苦笑する。
⋮いや、あんた食い意地張り過ぎである。
?
!
!
したおじさんがいた。
するとおじさんは話を続けた。
﹁あ、ほら。いつも家の子と遊んでくれた⋮﹂
1444
!
?
?
そう言って2人は全方に視線を戻すとそこにはやる気の無い顔を
?
﹁
﹂
﹁如何したの
未来、憑⋮友
﹂
するとその場所に響がやってきた。
?
⋮響⋮
﹂
﹂
するとおじさんは響を見た瞬間に驚いていた。それは⋮
﹁
⋮お父⋮さん⋮
﹁⁉
!
!
それは響の父・立花洸だった
﹂
﹁‼
?
いや⋮知る時間が無かったのであった⋮
この時の憑友は知らされていなかった。
響の家庭に何があったのか⋮
﹁﹁響
﹂﹂
そして父を見た響は数歩下がり⋮そして来た道を逆走して行った
!
?
!
彼女⋮響の暗い過去をこの時の彼は知らなかった。
1445
?
!
!
!
♪25 暗い過去
夏の風物詩⋮蝉の音が一段と騒ぐこの頃、
響は1人黙々と帰宅準備をしていた。
それを見ていた未来と憑友は響に話かけたが、響は﹁大丈夫
言って、そのまま今日は真っ直ぐ帰って行った。
﹂と
実はこの日、響は先日再会した父・洸から﹁話がある﹂と連絡を受
けており、最初は行く気すらしなかった響だったのだが、憑友と未来
のお陰でなんとか話を聞くだけでもと思い、今に至るのである。
﹁⋮未来。御免な。俺が不甲斐ないばかりに﹂
﹁ううん。それは私も同じだから﹂
﹁⋮取り敢えず家に帰ろう﹂﹁うん﹂
そう言うと2人はそのまま帰宅した。
そして帰宅して早々、憑友は制服から私服へと早替えして、外へと
﹂
出て行こうとする。
﹁憑友
だけど、その所為で響を壊したく無いんだ。
⋮実家に戻って見る。
あのクソ親父の事だから真実を知ってると思うしな﹂
そう言うと憑友は家を飛び出して行った。
ーーーーーー
そして飛び出した憑友はレウスを呼び、そのまま背中に乗り、そし
﹂
て実家がある﹁自然都会﹂へと足を踏み込んだ。
おかえり。如何かしたのかい
﹁ただいま﹂
﹁
?
てくれた。今日は学会からの招集も無く、それと同時に裏の仕事も無
いようで、基本的に1人でのんびりと寛いでいたようだ。
因みに外にはSPのジルが、山のようなコブを持つ草食の竜⋮︻尾
槌竜 ドボルベルク︼を相手に組手していた。
1446
!
﹁御免。俺がいない間に、彼奴の身に何があったのか知らないんだ。
?
すると案の定と言うべきか、憑友の父・玄也が玄関に現れ、出迎え
?
⋮最早何でも有りである。
﹂
﹁教えてくれ、親父﹂
﹁
すると憑友は今回家にやって来た本題を話す事にした。
﹁俺が3年前に日本を離れ、
﹂
ナツさん,アカネさん,なのはさんと出会っていた時。
日本⋮それも、響の身に何が起こったのかを
﹁⋮﹂
た。
﹁これは
﹂
すると玄也は書斎棚から1冊のノートを取り出し、憑友に手渡し
そしてついた部屋は玄也の書斎であった。
われ、憑友は玄也の後を追った。
それを聞いた玄也は己の背中を憑友に見せ、
﹁付いてきなさい﹂と言
!
﹁⁉
﹂
んに関する出来事だよ﹂
これは憑友が日本を離れた直後に起きた身の回り⋮それも響ちゃ
﹁セレナが記憶を取り戻す前に書かせていたんだ。
?
馴染⋮それも、あのライブで数少ない生存者として生き残った響ちゃ
このノートの役目は何なのかと聞いたら、﹃このノートに憑友の幼
私はお義父さんからこのノートを渡された。
ら。
あ、そっか。半分死んでたんだった⋮失敬にも程があるな、私った
私としては嬉しいな。
私としては1枚さえ持って帰って、そして生きて帰ってくれた方が
今日から憑友は1人で日本を離れ、﹃英雄石板﹄を探しに行った。
︹4月30日○曜日天候晴れ
それを聞いた憑友はノートを見始めた。
?
1447
?
んの行動を書き記してくれ。
たとえどんな事があっても、絶対に踏み込んではいけないよ。
他人の家を踏み荒らすのと同じ行為になりかねないから﹄と言われ
たので、このノートを書く事にした。︺
︹5月21日☆曜日天候曇り
響ちゃんの周りの様子が変わり始めた。
つい先日から響ちゃんは体調も治り、リハビリを受けた事で元の私
生活に影響を受けなくなった。
だけど、この頃からいつも帰る時はいつも響ちゃんの服装がボロボ
ロになり始めていた。
学校でまさか虐めにあっているのかもしれない。
私はすぐにこの事をお義父さんに言った。
けれど、お義父さんは首を縦に振ってはくれなかった。
そうだ。最初の日に書いたあの誓約文の影響だった。
我まで負っていた。
﹄とも呼べる罵声がビニール
私はこの日決意し、響ちゃんのお家までこっそりと尾行した。幸い
1448
私はこの時始めて後悔した。此処まで無力だと言う事に。︺
︹6月15日△曜日 天候雨
今日から梅雨入りだと言っていた。
そんな雨の中でも私は響ちゃんの様子を見た。
だけど、響ちゃんは傘を差していなかった。
それどころか、5月の時よりも制服がボロボロになっていた。
そしてよく見てみると、傘は持っていた⋮
良かったのも束の間、その傘をよく凝らすと、その傘は骨組みが完
全に折れ曲がっていた。
﹄とか﹃税金泥棒
しかもビニール傘だからよく見えた。
そこには﹃死ね
傘に入っていた。︺
!
だけど、帰宅していた響ちゃんの姿はもう見たく無い程にまでに怪
もうすぐしたら夏休み。
︹7月14日□曜日天候快晴
!
響ちゃんには気付かなかった。
そして私は響ちゃんのお家に付いて目を見開いた。
そこには大量の落書きや罵声入りの紙が家中に貼られ、そして書か
れていた。
この時、疑惑から確信へと変わった。
響ちゃんは今、虐めにあっていると。
まだ小学生だった憑友が虐めにあっていた頃の方がまだ優しいと
感じたぐらいの物だった。︺
︹12月24日○曜日天候雪
随分と久方ぶりにこのノートを書くわ。
軽く3ヶ月ほったらかしにしていたけれど、強いて⋮いや悪く言っ
てしまうと、響ちゃんの虐めは夏休み明けからさらにエスカレートし
ていた。
この日、私はお義父さんとお義母さんから許可を貰い、響ちゃんの
1449
お家に遊びに行った。
そして上がったらそこには響ちゃんとそのご家族。
そして響ちゃんと憑友の大事な幼馴染・未来ちゃんがいた。
勿論、憑友の形見であったライドさんとキリト君のカードも机の上
に置かれていた。
けど、2人の気配を感じない⋮どうやらカードに意思が入っていな
いし、ライドさんも自らの手で電源をOFFっていたみたい。
そして周りを良く見て違和感を感じた。
それは響ちゃんのお父さん⋮洸さんがいなかった事だった。
この事は敢えて言わずにそのままクリスマス・イブを過ごした。
皆んなでプレゼント交換したのは良かったと思えた。︺
ハッピーニューイヤー
︹1月1日☆曜日天候快晴
今日から新年です
今回は家族総出で初詣を見に行った。
勿論、響ちゃんのご家族も一緒に。
響ちゃんの着物姿は中々新鮮だったよ
!
そしておみくじを引いたんだけど、私は末吉。ボチボチかな。
!
!
未来ちゃんは大吉
た。︺
すごかったよ
︹3月1日□曜日天候曇り
今日、家に突然未来ちゃんが現れた。
これは呪われたレベ
何なんだろうと思っていたら突然、
﹃響を⋮響を助けて
!
男たちが響ちゃん相手にレイプをしていた
それ程遠くない公園内は公衆トイレにやって来た。其処では多数の
そして私は響ちゃんのいる場所・響ちゃん達が通っている学校から
を発していた。
﹄とSOS
や っ ぱ り 響 ち ゃ ん の 身 に 何 か が あ っ た と し か 言 い よ う が な か っ
その時に﹃お父さん⋮お父さん⋮﹄と悲しい声で泣いていた。
たの。
けど、その時に響ちゃんが疲れてしまって私に膝枕して寝てしまっ
そんな中で楽しい1日を過ごしていたんだ。
ルだ⋮。
そんで響ちゃんはと言うと⋮まさかの大凶
!
﹃もう来ないで
︺
﹄と門前払いを食らってしまった。
勿論、響ちゃんにもこの事を言おうとしたんだけど、
日本を離れていた憑友が今日帰って来る。約一年足らずの帰国だ。
︹3月31日△曜日天候晴れ
私がもっとこの事を早く知っていれば⋮
だけど、此処まで酷い目に合わせるなんて⋮
の当たりにしたようで、そのまま男達をK.O.してくれた。
だけど、その時に偶々帰国していた逝都君と馬燈君がこの様子を目
るつもりでいたらしい。
しかし相手は全くお構い無し。それどころか私達にまで輪姦させ
私はそれを見た瞬間にはち切れそうになり、抗議した。
!
!
﹃響⋮学校どころか、私や逝都、馬燈以外の人を信じられなくなってし
まった﹄と言われてしまった。
つまり、私は響ちゃんから人間不信の対象になってしまったと言う
1450
!
!
そして未来ちゃんに話を聞いてみると、
!
事だった。
︺
それを聞いた私はもうこのノートには手を出さない事を誓った。
勿論、憑友にも関わらせない
こんな事⋮するんじゃなかった⋮
人の不幸を書き記す。こんな残酷な事は無い⋮無さすぎるよ
それ以降は何も書かれておらず、ページをめくっても後に残ってい
るのは白紙のページのみだった。
﹁⋮﹂
﹁あの日、憑友が生命を落とし、僕達の元に帰って来て、日本を離れた
後、響ちゃんの周りに対する態度がガラリと変わった。
﹂
まるで小学生だった頃の憑友の再来いや、それ以上の不幸が響ちゃ
んに襲ったんだ﹂
﹁⋮俺は今の今まで。響の事を知らないで来たってのかよ⋮
あのライブの日も、フロンティアでのあの日も⋮
けど、今の今まで彼は本気で涙を零す事は無かった。
彼はこれまで怒り、喜び、嬉しさ、呆れ⋮様々な感情を出してきた。
そう言いながら涙を零す憑友。
﹁だからって、こんな事⋮酷すぎだよ﹂
﹁他人の家の事情に口を出す事は絶対にあってはならない事なんだ﹂
で傷付いていたのを今の今まで知らずに生きていたのだから。
それもそうだ。自分が呑気に英雄探しをしている時に、響が此処ま
そう言いながら手に持ってるノートを握力だけで握り締める憑友。
!
幾度も血を流し続けてきた彼だが、涙を流す事は無かった。いや、
しなかった。
﹂
し、響と調、そして切歌が活動にあたった。
1451
!
!
!
だが、今回の件で自分はどれ程愚かな存在だったのだろうかと改め
されていたのであった。
憑友‼
?
!
そんな中、急に立ち眩みに襲われたかのような動きをし、憑友はそ
⋮⁉
のまま倒れてしまった⋮
﹁憑友
?
憑友が倒れたその頃、S.O.N.G.ではアルカ・ノイズが検知
?
しかし、響の精神状態の不安定の無さに終いには現場が滅茶苦茶に
なっていたのであった。
そして実行に移していたミカとジュエルはそのまま逃亡したので
あった。
如何やら計画は終わっていたようだ。
ーーーーーーSIDEto馬燈
⋮さて、此処まで来れば問題は無いか。
﹁ありがとうだゾ﹂
﹁⋮ふん。流石は騎士ですこと﹂
﹁騎士じゃない。侍だ﹂
pipipi⋮
⋮ちっ。こっちは人形と連む気は毛頭も無いのに。
pipipi⋮
!
アンデッド。
?
⁉
倒れただと
ていたら、突然倒れた﹄
ライドは﹁自然都会﹂の方に赴いて、ナイスミドルな男と話し合っ
﹃無断では無い。博士自らの依頼でな。
憑友を監視すると言って、無断で行動しやがって﹂
﹁そっちの様子は如何なんだ
⋮だが、今はこの空気の場から逃げるチャンスだな。
やっぱりか。
﹃済まないな、アヤカシ﹄
ピッ
このアラームは⋮
!
﹁そんな物、俺や逝都は知らないぞ
彼奴は立ち眩みで倒れる程、柔じゃない‼
﹃⋮そうか。済まないな﹄
﹁⋮いや、こっちこそ済まない。頭を冷やす﹂
ピッ
憑友が倒れる事態⋮
﹂
もしかして⋮俺達に預けていた改造油︽ドーピングオイル︾の後遺
?
!
﹃原因は不明だ。お前達なら知ってると思って連絡した次第だ﹄
?
1452
!
!
症なのか
それとも、何かの変化なのか⁉
全てはサモン博士の償いを果たす為に
ーーーーーーSIDEto憑友
これは⋮記憶⋮
なのに、俺はそれを知ろうとすらしなかった
に遭った。
俺が呑気に英雄探しをしている間に、響はこんな痛い目に⋮辛い目
恐れや怒り,哀しみなどの闇を象徴する﹁負﹂そのもの。
だけど、響のこれは、はっきり言うと、
出﹂。
そこにあるのは、喜びや嬉しさなどの光を象徴する﹁正﹂の﹁想い
の無い﹁想い出﹂なんだ。
サモン博士やキャロルの見た﹁想い出﹂はあれはその人のかけがえ
記憶﹂。⋮そうだよな。
恐らくコレは﹁想い出﹂では無い。寧ろ心に傷を受けた﹁悲しみの
だけど、響の﹁想い出﹂は全く持って聞こえなかった。
今までは人の﹁想い出﹂の干渉で声が聞こえて来た。
⋮声が聞え無い。
かつての小学生の頃の俺そのものだ。
そのものだ。
いや、こんなのは﹁想い出﹂とは呼ばない。コレは⋮﹁現世の地獄﹂
姿を見て確信した⋮コレは⋮﹁響の想い出﹂⋮
そしてその中心に⋮女の子がいた。
欲に見えた人間の屑達⋮
⋮白黒の世界⋮嫌な空気⋮周りの冷たすぎる冷酷な視線⋮
⋮この風景⋮
⋮また誰かの﹁想い出﹂を干渉しているのか。
!
何方にしても、今の俺達は憑友に会う権利は無い。
?
⋮俺は響や未来を守ると誓った。
!
1453
?
だけど、響を守る事なんて出来ないんだ
俺は彼奴と共に行動してきた。
誰かを守る戦士になると誓ったのに⋮
大事な幼馴染の悲惨さを知らずに⋮俺は⋮俺は⋮
⋮神様⋮
﹁落ち着け、馬鹿憑友﹂
何で、此処に⁉
﹁取り敢えず、此処から離れるぞ﹂
﹁⋮如何して俺を
﹂
如何やら、これは神様の心情風景のようだ。
場所はあの3年前のライブ会場の悲惨な光景に変わった。
そう言うと神様は指パッチンして、この場の空気が一変し、そして
!
けど、もう俺は響を守る事なんて出来ないのかもしれない。
!
⋮そうだったんですか。⋮ごめんなさい。
俺を置いていかないでくれ
握っていたユルセンがいた。
﹁ユルセン⋮﹂
﹁お願いだから、憑友
!
⋮ありがとう。
く堕ちそうになった俺を助けてくれた。今回はユルセンのお手柄だ。
ま号泣してしまっていた。今回ばかりは俺が悪い。ユルセンは危う
して宥めた。するとそのまま更に握り締めて俺の腕に抱きついたま
そう言いながら俺はユルセンの目玉のような頭の上に手を置きそ
﹁ごめんな⋮ユルセン﹂
それを忘れていたよ。
例え、どんな事が在っても、ずっと支えていたんだった。
一番身近に居たもんな。
﹂
そう言われ、俺は横を向くと、そこには俺の腕を小さな手で必死に
﹁謝る相手が違うだろ。お前さんの隣にいる奴に謝れ﹂
闇に呑まれ掛ける一歩手前だったぞ﹂
﹁お前の事を身近で心配していた奴からSOSを受けて来てみれば、
?
⋮ごめん。ユルセン。
!
1454
?
!
!
﹁⋮ふぅ。一段落したと思っているけどな
如何言う事なんですか
ちょっと外が騒がしい﹂
お前に何が出来る⁉
⋮行かなくちゃ
力で倒そうとしている﹂
﹁おい待て
仲裁なんてそれこそ本末転倒
逆効果だ
じゃあ如何すれば良いんだよ
﹂
﹁⋮ただ見守れ。それが彼奴らの先輩としての役目だろ
?
る事にした。
いや、待て
⋮頑張れよ⋮後輩。
﹁
お前は小日向未来の方に迎え
え
ーーーーーーNO SIDE
大至急だ
﹂
!
!
﹂
そこには⋮
﹁ジィス⋮﹂
﹁騎士﹂のアルカナを持つ欠陥だらけの自動人形⋮ジィス・パライスン
オートスコアラー
だが、未来は前を向いた瞬間、立ち止まった。
﹁⋮
そのまま帰路へとつこうとした。
その頃、響の怪我の具合をお見舞いに行った未来。
!
そう言うと神様の計らいで俺はそのままユルセンと共に現世に戻
俺の身にもなりやがれ﹂
﹁今から現実に戻す。取り敢えず今後はあんな﹁想い出﹂は見るなよ。
⋮分かりました。
﹂
しかも今、そんな最悪の状態の4人の前にジュエルとミカが本気の
で喧嘩して、仲が悪くなってしまった。
その影響で調と切歌が喧嘩し、其々に組みする呪怨と聖希の2人ま
だが、ジュエルとミカの攻撃で重症を負った。それだけでは無い。
﹁昼間、お前が倒れた直後、アルカ・ノイズが現れて、響達が殲滅した。
?
?
!
?
!
!
!
!
?
!
1455
?
!
!
がいた。
﹁小日向未来さん。
貴方にお話があって参りました。﹂
1456
♪26 欠陥だらけの自動人形
ーーーーーーSIDEto未来
オートスコアラー
私の目の前には、響やクリス、そして憑友達が戦いを繰り広げてい
る存在⋮自動人形の1人にして、私が戦った存在⋮ジィス・パライス
ンがそこにいた。
何故、彼女は私の所に現れたのか分からなかった。
彼女は他の人形達よりも遥かに人間的に見えた。
現に、周りの事を気遣って、私と2人きりで話せる場所は無いかと
︶とたった2人になっている。
質問してきて、私は前に響と憑友と一緒に流星群を見た場所にやって
来て、そこで彼女︵
﹁こんな時間に申し訳ありませんでした﹂
﹁い、いいえ⋮﹂
ジィスは礼儀正しい性格をしていた。
を体現したかのような存在だった。
私と戦った時も、アルカ・ノイズを呼び出さず、一騎討ちで立ち向
騎士道精神
かって来たぐらいに。
まるで
"
﹁⋮エルフナインは元気にしていますか
と、ジィスがそう言ってきた。
﹂
﹁私はエルフナインの姉という感じで構いません。彼女も私の事をお
ちゃんの顔つきが酷似していた。
そこにはエルフナインちゃんと、響が戦ったと思われるキャロル
ジィスはそう答え、そして頭の兜を取り外した。
﹁私はエルフナインとは謂わば姉妹のような者でして⋮﹂
無いんだけど⋮
本来なら敵であるジィスはそんな質問に答える義務なんか無い。
た。
私はエルフナインちゃんとジィスの関係を教えて欲しいって言っ
にしていた。
﹁エルフナインちゃんは元気だよ﹂と言い返すと、彼女の顔はにこやか
?
1457
?
それこそ、他のオートスコアラー達よりも人間的に感じた。
"
姉ちゃんと呼んでいましたので﹂
そう言えばエルフナインちゃんはホムンクルスと呼ばれる一種の
人造生命体。
それは何百年も生き続けてきたキャロルちゃんも同じ。
そしてこのジィスはそんな2人と顔が良く似ていた。
それに顔もエルフナインが心身共に成長したらと言う感じの顔つ
きだったのも頷ける。それが証拠だった。
マ
ス
ター
﹁私はエルフナインとキャロル様⋮マスターの肉体を移し替える為の
身体の1つだったのです。
ですが、乗り移り替わったキャロルが突如倒れてしまったんです。
2つの人格の共存は最悪、その肉体をも滅ぼしかねない
その原因は私と言う人格の存在でした。
それでも、あの2人は私を﹁大切な陽だまり﹂として一緒にいてく
けれど、私は違う⋮私は2人を助けてあげれなかった。
から。
あの2人には頭が上がらない⋮私の代わりに2人を助けてくれた
結局、2人のいじめを止めたのはいつも逝都と馬燈の2人だった。
し潰されて、何も出来なかった。
響や憑友の時、私は手を差し伸べようとしたけど、周りの空気に押
﹁仲間﹂から罵声を受けたんだから。傷付くのは当然だった。
しかも、ジィスは2人よりももっと酷かった。
まるで響や憑友と同じ﹁虐待﹂を受けていたんだ。
ジィスの話を聞いた私。
と罵声を受けて今日まで生きて来ました﹂
しかし、それを間近で見ていた他の人形達からは﹁お荷物﹂﹁劣化品﹂
り事なきを得て、私はこのように無事に生きてます。
そこで急遽新たなホムンクルスを製造し、マスターはその肉体に移
"
れた。それだけでも私は2人の側に居て欲しいって言われちゃった。
勿論、そのつもりだけどね。
だけど、ジィスは違う。
ジィスの周りにいた存在は居なかった。孤独だったんだ。
1458
"
﹂
?
私、何て事を⋮⁉
﹁⋮辛くなかったの
⋮
!
⋮え
いると言う事です﹂
持していたのです。
今すぐ修正しn⋮
女達には︹水︺そして︹氷︺の属性に長けた﹃英雄﹄達のカードを所
ガリィは︹水︺、シィバは︹氷︺を扱う事に長けています。故に、彼
ます。
ですが、それぞれの︹属性︺を扱う﹃英雄﹄達の力を手に入れてい
設けてはいません。
ガリィ,ミカさん,レイア様とファラ様にはそのようなスペースを
2枚のカードがこの身体に宿っています。
﹁正確には、私,シィバ,ジュエル,そしてレグルス⋮我らの王には各
言う事
つまり、オートスコアラー達は皆、
﹃英雄﹄達の力を宿しているって
﹁﹃ヒーローカード﹄を⁉
﹂
そして、我々自動人形には﹃英雄﹄の力を宿したカードを所持して
オートスコアラー
私の過去を聞いて欲しかった事。
エルフナインが元気にしているのか。
今日貴方の所に来たのは⋮
それは今も同じです。
だから、私はそんなマスターの為に動いてきたのです。
れました。
私が1人で怖気づいてしまった時は優しく微笑んで、一緒に居てく
私が傷を作れば、最優先に私の事を治療しようと動いて。
マスターは私の事を大切にしてくれました。
﹁私を助けてくれたのが、意外にもマスターだったからです。
するとジィスは話を続けた。
﹁如何いう⋮事
﹂
﹁はい。辛くは無かったです﹂
?
?
1459
?
?
希望
を与える属性。
⋮私の属性は︹光︺
⋮それは
彼女と⋮
代わりに、1つの流れ星が落ちていった⋮
私の問いに答えてくれる人は此処には居ない。
私は⋮如何すれば良いの⋮響⋮憑友⋮
だって、あんなにも心優しいのに⋮
⋮私は彼女とは戦いたくない。
おそらく他の人形達の所に帰ったんだろう。
物を投げて、そのままテレポートした。
そう言うとジィスは地面に向けてテレポートジェムと呼ばれる代
またいつか⋮今度は、一対一の真剣勝負をしましょう﹂
⋮そろそろお暇します。
身をマスターに捧げる所存であります。
ですが、それでも私を大事にしてくれるマスターの為に、私はこの
謂わば私は﹃絶望の光﹄とも言える存在なのです。
しかし私は闇に屈する者。人々に希望を与えてなどいません。
"
ジィスと友達になれますように。
1460
"
♪27 不協和音
憑友が急に倒れた時、調と切歌は喧嘩した。
その際は同じ任務を受けて、真っ先にやられた響か仲裁したが、
2人の喧嘩の飛び火は関係ない筈の陰陽兄弟の方にまで影響し、闇
呪怨は切歌を、光聖希は調の方に徹してしまい不仲になってしまって
いた。
その頃、残りの︽シンフォギア︾装者⋮翼,奏,マリア,セレナ,ク
リスの5人は汗を流すため、シャワーを浴びていた。
﹂
そうしていると話は響の今の精神状態の話に移った。
﹁やはり父親の一件だったのね﹂
﹁こういう時はどんな風にすればいいんだ
﹁どうしていいのかわからないのは私も同じだ。
一般的な家庭の在り方を知らぬまま過ごした私だからな⋮﹂
マリア,クリス,翼が話をしている中⋮
﹁⋮⋮⋮﹂
奏は黙りを決め込んでいた。
響の過去を聞いた時、それは自分の所為だと奏は思ってしまってい
た。
自分があの時助けたから響は此処にいる。
だけど、響の周りを壊したのは自分じゃないのかと。
あの時、響を助けなかったら、周りの空気は何事も無く穏やかに
なっていたのかもしれない。
でもそれだと、響を見殺しにしていたと思う。
奏はどっちに転んでも、結果的に見れば、自分は響に地獄を見せて
いたのかもしれないと言う自負に囚われていた。
﹂
﹂
1461
?
それを隣でシャワーを浴びていたセレナが話しかけてきた。
﹁まだ⋮根に持ってる
﹁⋮まぁ⋮な﹂
?
﹁響ちゃんなら心配いらないよ﹂
﹁え
?
奏の反応を聞いた他の3人も視線をセレナの方に移した。
そしてセレナはこう答えた。
﹁響ちゃんには、未来ちゃんがいる。憑友がいる。
私達が居て、零達もいる。
弦十郎さん達が居て、ライドさん達が居て、そしてキリトさんやギ
ンジさん達﹃英雄﹄の皆さんもいる。
響ちゃんの周りには此れ程の人達がいるからきっと大丈夫だよ﹂
﹁⋮そうだな﹂
その話を聞いていたマリア達は笑みを浮かべていた。
﹂
この中で響の事を良く知っているセレナだから言える事だった。
ーーーーーー
﹁敵の狙いは電気経路の調査だと
その頃、一行を乗せたS.O.N.G.艦艇内では弦十郎と緒川が
今回、ミカとジュエルが行った行動に驚かされていた。
﹁発電施設の破壊によって電力総量が低下した現在、政府の拠点には
優先的に電力が供給されています。
ここを辿ることにより⋮﹂
﹁表からは見えない首都構造を探ることが可能となるな﹂
そんなS.O.N.G.とは裏腹に、キャロル陣営。
﹂
するとファラが﹁間もなく﹁思い出﹂のインストールが完了すると
言うのに﹂と言いながら2人を制するが、
﹁自分の任務くらい分かってる
!
こんな貧相な場におり続ける事こそ毒ですわ﹂
きちんと遂行してやるから、好きにさせて欲しいゾ﹂
﹁欲深な私ですのよ
?
1462
?
場所はチフォージュ・シャトー内では、ミカが床にマップのような
いたな⋮ん
物を投写させた。
﹁派手に引ん
?
そうしていると、ミカとジュエルはこのまま去ろうとしていた。
﹁⋮何処へ行く﹂
?
そう言い、2人は去って行った。
その様子を見ていたレグルスは目を閉じる。
﹁⋮お前もか。ジィスよ﹂
﹁⋮はい﹂
旋律
はやはりあの子だったか﹂
するとレグルスの背後から先程未来に会ったばかりのジィスが現
れた。
﹁お前が好みの
﹁私は⋮﹂
﹁それは調の方だって⋮﹂
﹁⋮私に言いたい事⋮あるんでしょ﹂
でもやはり調と切歌⋮2人の大切な存在の側に居合わせていた。
陰陽兄弟は先程までの喧嘩よりかは大分和らいでいたけれど、それ
漂わせているとしか思えなかった。
しかし、今の調達の空気ははっきり言ってギクシャクとした物しか
そんな中、調達1年生組は歩いて帰っていた。
ーーーーーー
た。
そんなレグルスの呟きはレイアとファラには聞こえてはいなかっ
﹁⋮辛いものだな﹂
そう言うとジィスは来た道の方へとそのまま歩いて行った。
﹁勿体無きお言葉⋮感謝します﹂
お前の友としての命令だ﹂
だが、もし危険な事態に陥るのならば、即座に撤退しろ。
我の言う事はもう無い。
﹁⋮そうか。
﹁あの子以外の旋律など私は聞きたくありません﹂
"
2人の空気を見て、兄弟達は動揺しだす。
すると⋮
1463
"
?
﹂﹂﹂﹂
トガァンッ‼
﹁﹁﹁﹁⁉
?
突然、近くの境内が襲撃を受けた
それも目と鼻の先だった
﹁私達を焚き付けるつもりデス
﹂
するとその攻撃の余波が、調達の方にも襲いかかった
!
べながら居座っていた。
!
﹂﹂
して懐に忍ばせていた変身カードを装填し、そしてレバーを引いた
﹁﹁変身
﹁Various shul shagana tron⋮﹂
ー
ー
フォーム、チェイン
フォーム、ブラッティ
ータマシイ
ーコア
ー
ー天への魂、私が縛る
!
︵挿入歌﹁ジェノサイドソウ・ヘブン﹂南條愛乃︶
そして変身を完了させた一行は真っ先に攻撃を仕掛けていく
﹂
その様子を観戦していた弦十郎達は現場に急行しようとした。
だが、
ガシィンッ
﹁海底に巨大な人影だと
降レイ妹︶によって止められたのだった
彼奴は何処に⁉
?
てきたのだ。
﹁くっ
﹂
備を進めようとするが、クリスが﹁ロック義兄がいねぇ⁉
﹂と言っ
このままだと最悪な展開になるとそう思い、弦十郎はミサイルの準
﹁私と妹が地味に支援してやる。だから存分に暴れろ。ミカ﹂
!
なんとS.O.N.G.移動施設である潜水艇をレイアの﹃妹﹄
︵以
!
それに気付いた兄弟もそれぞれ、コアとタマシイをセットして、そ
そう言うと、調は聖詠を詠った
﹁足手まといと軽く見てるなら
﹂
をしたミカと、扇子を広げて優雅に扇ぐジュエルが妖美な笑みを浮か
そうしながら調はふと鳥居の方を見やると、そこには奇妙なポーズ
!
!
!
ー
ー極への魂、俺が裁く
!
!?
!
?
1464
!
!
!
!
!
だが、その攻撃の悉くをミカとジュエルは粉砕して行っていた。
!
!
!
その頃、皆から離れたロックはアブソーバーの上に︻フィーネ︼の
カードを翳してバージョンアップさせ、更に﹃アドバンスフォース﹄の
カードを︻フィーネ︼のカードを同時に装填し、其処から上,右,下,
ー
左,真ん中の順に動かし、そして上に掲げた。
ーアブソーバー・スパーク
フォーム、ヒカリ
ー
ブソーバー内に描かれていた﹃英雄﹄をタッチした
ーソウル
﹃FULL BURST IGNITION﹄
!
!
そしてすかさずアブソーバーとドッキングさせ、そしてすかさずア
!
にいた
﹁シュアッ
﹂
そう言うとロック/ヒカリは攻撃を仕掛けていく
に、まるで地上となんら変わらないくらいの動きで翻弄させていた
それでもヒカリ扮するロックは右腕に装着された変身アイテム﹃ナ
!
だが、レイ妹の方はそれが如何したと言わんばかりに水中の中なの
だが、ここは水中の中⋮身体が思うように動き辛い。
!
︻青きツルギの戦士 ウルトラマンヒカリ︼に変身したロックが其処
小さな剣と小さな盾を右腕に備え付けられている戦士⋮
る、
﹃︻光の巨人︼ウルトラマン﹄達の一族では名誉とも呼べる勲章を掲げ
青き身体、胸の周りに銀であしらった﹃スターマーク﹄と呼ばれる
そしてそんなレイ妹を相手するのは⋮
拘束から解放された。
それに気付かなかったレイ妹は少し怯む。その隙に潜水艇は動き、
そして水中では、レイ妹に向けて青い巨人が蹴りを加えた
すると眩い光がロックの周りを輝かせ、
させた
するとスパークを右腕にはめるとグリップが外れ、そしてまた接続
!
!
!
1465
!
!
!
イトブレス/ナイトブレード﹄から光の剣を形成させて、斬撃を与え
ていく
しかし、水中戦の戦いに不慣れなロック。
今の今までは地上戦,亜空間での戦い等が多かった。
水上戦の時もあったのだが、水中戦はからっきしである。
この場合、水の中でも平然と動ける﹃英雄﹄達の力を借りれば問題
無いのだが、ロックは敢えてヒカリに変身したのだ。
するとレイ妹が岩石を投げ飛ばして来た
それを見たロックは咄嗟にある構えをとった
!
!
そして岩石がぶつかりそうになる瞬間、ヒカリ扮するロックの身体
が何かを纏った。
そして岩石が紙一重になった瞬間⋮
﹂
シュパンッ
﹁⁉
!
勇者の鎧
と呼ばれる代物⋮﹃アーブギア﹄を纏ったヒ
そして姿を見て驚かされた。
それは⋮
"
﹁
﹂
ナイトシュート
︵⋮逃げられたか⋮
︶﹂
を舞い上がらせ、そのまま姿をくらませてしまった。
を放つが、レイ妹はすかさず両手を地面に叩きつけて、そのまま砂
"
組んで放つヒカリ及びツルギの必殺光線⋮
するとロックはナイトブレスのエネルギーを開放し、両手を十字に
﹁シュアッ
︻ハンターナイト ツルギ︼と。
この姿での名を皆はこう言うだろう⋮
否、この場合、ヒカリと言う名では無いに等しい。
カリが其処にいた。
"
!
!
1466
!
突然、岩石が斜めに真っ二つに斬られ、そのまま足元に落ちた。
?
"
!
それを見たヒカリはそのまま光に変え、潜水艇内に入ると、ロック
の姿に戻っていった。
ーーーーーー
一方、切歌達がミカとジュエルを相手に戦っていた頃。
未来はただ1人、とある場所へと来ていた。
そして未来の視線の先には⋮
﹁来て頂いてありがとうございます。未来さん﹂
オートスコアラー
﹁騎士﹂のアルカナの力を持つ、キャロルとエルフナインと同じ﹁ホム
ンクルス﹂であり、自動人形の1人⋮
ジィス・パライスンが其処にいた。
﹁如何しても戦わないといけないんですね⋮﹂
未来は言う⋮ジィスと戦わないといけないのかを。
その答えにジィスはただ首を縦に振った。
詠を詠った
此方でも新たな戦いが勃発しようとしていた⋮
そして未来はシンフォギア﹃神獣鏡﹄を纏った
!
﹁⋮お手並み拝見と行こうか﹂
る由も無い⋮
そんな戦いを観戦する者が居ようとはこの時の未来とジィスは知
!
1467
﹁騎士の力を持つ私です。主の要求に求めるのが、私の務め故⋮﹂
﹂
﹁⋮分かりました。
⋮行きます
﹂
!
そう言うと未来は首に提げていたペンダントを取り出し、そして聖
﹁我が騎士道⋮とくと見よ
!
﹁Rei shen shou jing rei zizzl⋮﹂
!
♪28 4人で1つ
兄
弟
の
精
魂
導
師
オートスコアラー
2人のシンフォギア装者
その頃、ミカとジュエル⋮2体の自動人形を相手に、 調 と 切 歌
と、闇呪怨と光聖希が相対する
まう。
それを見た調が﹁駄目
﹂
﹂と忠告するが、今の切歌には調の言う事
2体の人形からの悪口を聞いた切歌はなんとその挑発に乗ってし
﹁そんなこと⋮あるもんかデス
﹁私としては寧ろ弱体化したのかと錯覚してしまいましたわ﹂
これじゃギアを強化する前のほうがマシだったゾ﹂
﹁これっぽっちぃ
だが、その攻撃をミカとジュエルは悉く受け流す。
!
!
﹂
して左右から挟撃する
﹁どんなもんデス
切・呪リeッTぉ
をくらわせた
"
い知らず⋮
それを切歌に襲いながら降りかかる
それを見た切歌は回避をするが、
﹁変形しないと無理だゾ﹂
﹂
!
れ、切歌を守ったのだ
だが、それを見た切歌はそんな3人に苛立ちを隠せなかった
!
するとその間に、調の鋸と、光聖希の鎖と、闇呪怨の鎌の斬撃が現
そう言うと切歌は受け止めようと態勢を構えた。
﹁かわせないなら受け止めるだけデス
!
すると爆煙からミカが空中に大量のカーボンロッドを生成させて、
﹁こんなもんだゾ
﹂
その扇子の先にはニヤリとした不敵な笑みを浮かべているとはつ
ける仕草を見せた。
それを見たジュエルはミカを心配⋮する所か、寧ろ扇子を顔に近づ
!
︽イガリマ・サイス︾の刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ば
を聞こうとは思っても居らず、そのまま2人に向けて、アームドギア
!
"
!
1468
?
!
!
﹁なんで後先考えず庇うんデスか
﹂
﹂と驚いた。
調が⋮光聖や闇呪が大好きだからデス
え じゅ
﹁やっぱり私は⋮私達は足手まといと⋮﹂
﹁違うデス
それを聞いた調は﹁え
﹂
!
!
ず気付いていたから。
切歌は調の事が大好きなんだと。
ん
な
﹂
兄貴
事
貴
達
!
いと言う思いにも気付いていたのだ。
﹁大好きな調だから傷だらけになることが許せなかったんデス
﹁じゃあ⋮私は⋮﹂
けだった⋮﹂
﹁だけど、今は違う
頼れる人は多くなったんだ
!
﹁今までは俺達だけで生きてきた⋮頼れるのは零とマリアとセレナだ
姉
﹁私がそう思えるのはあの時調に庇ってもらったからデス⋮
みんなが私達を怒るのは⋮
私達を大切に思ってくれているからなんデス
﹁私達を⋮大切に思ってくれる⋮優しい人達が⋮﹂
!
それを聞いていた兄弟も調の肩に手を置いた。
﹂
だから、そんな調にもう二度とフロンティアでの人騒動はしたく無
あ
それに対して兄弟は目を閉じた。2人は切歌の気持ちを少なから
?
﹂
!
より吹き飛ばされる
﹁なんとなくで勝てる相手じゃないゾ
﹂
﹁おもちゃのパーティーも飽きてしまいましたわ。
これからはサドンデスに面白く行きましょうか
そう言いながら、2人は切歌達の方へと近づく
﹂
!
!
!
!
﹁マムが救ってくれたこの世界でかっこ悪いまま終わりたくない
﹂
そうこうしていると、切歌がジュエルの支援を受けたミカの攻撃に
い人達が大勢居るんだ
先輩達、
﹃英雄﹄の皆、クラスメイト⋮俺達の側にはこれだけの優し
!
!
1469
!
﹁だったら⋮かっこよくなるしかないデス⋮﹂
﹁自分のした事に向き合う強さを⋮﹂
そう思い、調は胸のモジュールペンダントを握り締めようとしてふ
と立ち止まる。
もし、この力を使用すれば⋮
近くにいる闇呪怨と光聖希が、
イグナイト
を殺すプログラム⋮
憑友や零達のように、自分達の今変わろうとしているこの力⋮
﹂
調と共に行動していた戦士⋮
︽光魂導師︾タマシイ=光聖希だった
﹁俺達は負けない⋮
﹂
漢には守らねばならないものがある
俺達はそれ以上の覚悟で、調を守る
﹂
﹂
俺にとってそれは調
﹁
﹁お前は俺が守る
真近で宣言したのだ
切歌、闇呪怨、そして光聖希は⋮自分が大好きな存在だから。
だが、同時に嬉しさもあった。
から体現化していた。
それだけで調の顔を見て分かる通り、今の感情は恥ずかしさが全身
た。
それを聞いた調はその光聖希の行動も相まって一気に紅く染まっ
!
そう言いながら、光聖希は調のおでこと自分のおでこをくっつけて
!
!"
!
例え、この身で調達を殺すプログラムが受けようとも⋮
!
!
調の手をそのままモジュールに持たせたのは、
﹁え
スッ⋮
だが、そんな調の手を⋮
事に。
﹃IGNITE KILLER﹄プログラムが起動してしまうと言う
"
!
1470
"
?
"
!
﹂と呟いてい
﹂と光聖希からの一撃に2人も一
そしてそれを聞いた切歌と闇呪怨は﹁﹁熱々∼﹂デス
たが、
﹁兄さん達も同じだろうが⁉
!
切ちゃん ﹂と言って、切歌
!
!
に手を差し伸べる。そして切歌もまた﹁やるデス ﹂と言って、その
そんな覚悟を聞いた調は﹁やろう⋮
﹃する﹄も﹃して﹄も、変わりはないのである。
何気にこの4人⋮結局は喧嘩しても仲が良いのである。
気に茹で蛸のように顔を真っ赤に染まっていた。
?
を握った
﹁﹁イグナイトモジュール、抜剣
﹂デス
﹂
手を握り、立ち上がり、そして2人は導師の前に立って、モジュール
!
悶え苦しみ始めた。
するとその反応を感知したのか⋮
ーー﹃イグナイト﹄反応検知。
﹃IGNITE KILLER﹄プログラム、強制起動
ーー
するとモジュールは空に浮き、そのまま2人に突き刺さり、2人は
!
﹂
!
!
﹃IGNITE KILLER﹄プログラムが発動し、導師である陰陽
!
!
兄弟も黒く染まり始めながら、悶え苦しみ始めた
いいですわ
﹁底知れず、天井知らずに高まる力
﹁いいですわ
!
よ∼‼
﹂
これこそ、デンジャーかつエクセレントに染め上げるものなのです
!
と、
ジュエルの身体はまるでナーガやメドゥーサを連想させる姿へと
変貌し始める
バーニングハート・メカニクス
メドゥーサ・オブ・ゴルゴン
が発動し
"
"
ミカの禁術決戦機能
ジュエルの禁忌決闘技能
たのだ
モコンを取り出し、2人に向けて送信し始めた
﹁ごめんね切ちゃん⋮
!
それと同時にジュエルは以前、シィバが零に対して使用していたリ
"
"
!
1471
!
!
そう言いながらミカの身体が燃え上がり、
?
!
闇呪⋮聖希⋮
﹂
﹁俺達は負けないさ
﹂
﹁こんな力に負けてなるかよ
﹂
﹁いいデスよ。それよりみんなに⋮﹂
﹁そうだ。みんなに謝らないと。
その為に⋮﹂
﹂﹂﹂﹂
﹁﹁俺達は⋮こんな所で⋮終われない‼
﹁﹁﹁﹁強くなるんだーーーー
﹂﹂
するとそれに呼応したのか、突然、足元が揺れ始め、
導師の隣から2体のモンスターが現れた
1匹は鋭い嘴、赤い身体にヒレのような物が生えた⋮
全身の至る所にマグマ⋮溶岩がへばり付いていた
!
﹂
﹁ザボアザギルーーーー
﹂
﹁アグナコトルーーーー
に巻きついた
﹂
だが、2人の身体は今、
﹃IGNITE KILLER﹄プログラム
2人の勢いは止まる事を知らなかった
に感染されていた
だが
!
!
するとなんと2人を覆い纏っていた黒い瘴気が逆に2人に呑み込
まれて行く
!
1472
そしてもう1匹は見た目そのものは鮫同然。
だが、なぜかヒレの所に前脚が付いていた。
後ろ脚にもついていた
それだけではない⋮
!
すると2体はそのまま2人の身体に吸収される。
!
すると2体はそれに呼応するかのように咆哮を発声し、そして2人
!
!
を連想させるような存在だった
地を這う鮫
﹂
﹁俺に切歌を助ける﹃戈﹄をーーーー
﹁俺に調を守る﹃鎧﹄をーーーー
まるで
!
!
そう言いながら、2人はそのモンスターの真名を発した
!
!
!
!
?
!
!
!
"
"
!
!
﹂
﹂
それを見たジュエルとミカは驚愕した。
﹁ぞなもしっ⁉
﹁あっちょんぷりけっ⁉
そして2人の姿は⋮
氷海のギャング
"
それと同時に調達ギア装者もイグナイトを発動に成功した
そして4人は頷きそして攻撃を仕掛けていく
気に戻り、攻撃を受け流していく
﹁最強のあたしには響かないゾ
﹁こんな程度で終わらせるなんて思わない事ね
﹂
もっと強く激しく歌うんだゾ
!
いく
﹁向き合うんだ⋮
﹂
!
特攻を仕掛けた
させ、大量のカーボンを落として来た
体で受けていた。
﹂
だが、闇呪怨の身体には傷1つ付いていなかった
!
その攻撃を切歌は逃げながら避け、闇呪怨は諸にそのカーボンを身
!
そしてすかさずミカは上空に浮き上がるや、そのまま魔法陣を錬成
ナーガと化したジュエルがその特攻を防いだ。
しかし、その攻撃をミカは伸ばした髪でソーサーを弾き潰し、
!
冷気が放たれ、そして氷を連想させる鎧のようなのを纏い、そのまま
そういうと調が小型のソーサーを大量に飛ばし、光聖希の身体から
﹁でないと乗り越えられない
﹂
を蛇腹剣に形態変化させて、鞭のようにしなりながら攻撃を仕掛けて
そう言いながら、ミカはカーボンを射出しながら、ジュエルは扇子
!
!
!
だが、一瞬の隙を見せたにも関わらず、ミカとジュエルはすぐに正
!
!
と呼んでも可笑しくないような雰囲気を醸し出す姿へと変貌した
溶岩の騎士
"
?
?
"
!
!
1473
"
!
アグナコトル⋮別名︻炎戈竜︼
ロックのモンスター⋮︻海竜︼ラギアクルスと同じ﹃海竜種﹄に属
するモンスター。
海竜種と呼ばれる所以、
﹃海﹄や﹃水辺﹄等、水に関する場所をテリ
トリーとしている。
だが、彼⋮アグナコトルの生息地は違う。
彼の生息地は⋮火山。それも、溶岩⋮マグマの中を平然と泳いで行
ける皮膚を持ち合わせている。
しかも、その皮膚は溶岩を身体に付着させる効果を持ち合わせてい
る。
つまり、今の闇呪怨はその溶岩が固まり、真っ黒く染まり、如何な
﹂
﹂
る攻撃をも寄せ付けない鎧を纏っているのと同義でもあったのだ
﹂
してミカの攻撃を回避し、闇呪怨は地面に嘴を突き立つや、そのまま
﹂
ドリルのように回転しながら潜行し、そしてそのままジュエルの足元
を掬ったのだ
﹂
﹁ぞなもしっ⁉
﹁あっちょんぷりけっ⁉
くなり、そのままジュエルをミカのいる所まで吹っ飛ばした
そしてそのまま地面にて激突する人形2体。
膨らませ始めたのだ
る種族。
﹃両生種﹄と呼ばれるカエル等と同じ、水中でも、陸上でも自由に動け
ザボアザギル⋮別名︻化け鮫︼
!
それを見計らったかのように、光聖希は身体を風船のように大きく
!
すると闇呪怨はナーガと化しているジュエルの尻尾を嘴で噛み付
?
!
1474
﹁闇雲に逃げててもジリ貧だゾ
だから⋮
﹂
!
そう言うと切歌はミカが飛ばした特大カーボンに鎌を突き立て、そ
!
?
!
﹁まさか、これで終わりだとでも⁉
﹁知ってるデス
!
﹁お前らにフルコースの締めをくれてやる
!
?
氷結袋
を奮い立たせて、身体の上半分を
特にザボアザギルは見た目こそは鮫だが、
怒りし時は体内の臓器
"
そんな光聖希は口から水を放出した
なんと瞬時に足元が凍り付き、身動きする事が出来なくなっていた
だが、それだけでは無い。
それに当たったミカとジュエルは動きが鈍った。
!
せる身体を持つ。今の光聖希の状態は今まさにこの状態である。
かい皮膚へと変え、体内に入っている水を放出する水瓶型へと変化さ
それだけではなく、その冷気を外し、身体を大きくする事で、柔ら
利な刃物のような氷結晶を生み出し、そして氷の鎧を身に着ける。
冷気によって硬くする性質を持ち合わせている。その際には鼻が鋭
"
更に追い討ちとばかりに切歌が型のワイヤーで、2人の身を拘束、
それと同時にワイヤーを射出した
高速で突進してきていた
ーFREEZE・LAVAー
ラヴァ・レーザー
と、
リで攻撃、その攻撃により、ミカとジュエルは爆散した
それにより、調と切歌、陰陽兄弟の勝利が確信した。
そしてそれを高みの見物で観戦していた戦士⋮
協力して、これを回収したのであった。
フローズ
その直後、上空から12枚のカードが舞い落ち、光聖希と闇呪怨は
!
4人の力を1つに合わせた最強技がミカとジュエルへと息ピッタ
"
更にミカとジュエルは左右を見渡した。
2 人 の 導 師
を撃ち放つ準備をしていた
其処には陰陽兄弟が熱線こと
ン・ブレス
﹂﹂
﹃禁﹄忌﹃禁﹄断﹃禁﹄殺﹃禁﹄術
﹁﹁足りない出力を掛け合わせて∼
!
"
"
"
!
だが、ワイヤーの先には調が巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り
しかしその攻撃はミカとジュエルには当たらず素通りする。
!
!
"
1475
!
四面楚歌之邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS
"
﹂
︽氷魂導師︾アヤカシ=馬燈は苦虫を噛んだかのような態度を見せて
いた。
﹁ちっ。
やはり、俺達の手で止めなくてはいけないようだな
そう言いながら、この場をテレポートして去って行った。
その後、4人はクリスと弦十郎にこっ酷く叱られたのは言うまでも
無くその際に、
﹁独断が過ぎました⋮﹂
﹁これからは気を付けるデス⋮﹂
﹁勝手な行為をしてしまいました⋮﹂
﹁申し訳無い気持ちと共にすみませんでした⋮﹂
と4人揃ってしおらしくなっていた。
4人は充分反省しており、4人はそのまま帰路へと着いて行った。
﹁︵先輩が手を引かないでもいっちょ前に歩いていきやがる⋮私とは
違うんだな⋮︶﹂
クリスの心の中ではそう呟いていた。
そしてそれをロックはただ黙って見守っていた。
だが、ロックは何か異変を感じ取っていた。
﹁︵さっきから感じるこの気配⋮一体、何が⋮︶﹂
その頃、調達はしおらしくなりながらも4人で帰っていた。
﹂
﹁足手まといにならない事⋮それは強くなることだけじゃない。自分
の行動に責任を伴わせることだったんだ﹂
﹁責任⋮自らの義に正しくあること。
でもそれを正義と言ったら調の嫌いな偽善ぽいデスか
言った後、調に聞き返す。
調はその言葉をかつて響に言った言葉に対して、調は後悔してい
た。
﹁ずっと謝りたかった。薄っぺらい言葉で響さんを傷付けてしまった
こと⋮﹂
1476
!
そう言いながら切歌はその言葉の意味をスマホで検索し、意味を
?
そんな悲しみに浸る調の肩を切歌が手を置いた。
それに気付いた調は切歌に顔を向けた。
﹂
﹁ごめんなさいの勇気を出すのは調1人じゃないデスよ。
調を守るのは私の役目デス
た。
も⋮全部⋮本当だよ﹂と言った。
その言葉を聞いた調は﹁切ちゃん⋮闇呪⋮聖希⋮ありがとう⋮いつ
ら﹂
楽しい事を4人で感じて、哀しい事は4人で分ければいいんだか
﹁俺達は4人で1つなんだから。
﹁俺達だって、同じだぜ
﹂
それに呼応してか、切歌と調の隣に光聖希と闇呪怨がそれぞれ立っ
!
こうして、4人の蟠りは和らぎ、新たな絆が生まれたのであった。
めでたしめでた⋮
﹂
?
﹂
すると光聖希が何かを見つけた
﹁あの狼煙はなんだ⁉
!
しかし、そこは先程自分達が戦った場所では無かった。
何かがあると思った4人は急いでその場所へと急行した
ーーーーーー
そして急行した4人が見たのは⋮
﹁はぁ⋮はぁ⋮はぁ⋮﹂
︽神 獣 鏡︾のシンフォギア装者の未来と、
シェンショウジン
息 も 絶 え 絶 え で、立 っ て い ら れ る の が や っ と の 状 態 だ っ た ⋮
!
そう言いながら指を指した場所からは狼煙が上がっていた。
?
1477
!
ドガァァァァァァンッ‼
﹂
⋮し
﹁⁉
﹁何デスか⁉
?
突然の爆発、それを聞いた調達は辺りを見渡す。
?
?
﹁くっ⋮
﹂
エルフナインとキャロルそっくりの容姿を持つ、未来と同じ傷だら
けの自動人形・ジィスと、
﹁強化した程度がこれとはな⋮﹂
そして、2人よりも遥かに全身に傷1つ無い実力を誇っている。
自分達のもう1つの敵﹃リベレーション﹄の1人⋮
︽雷魂導師︾アンデッド=ライジンが⋮
そこにいた。
1478
!
♪29﹃鏡﹄﹃騎士﹄﹃雷﹄
それは唐突だった⋮
ー回想ー
遡る事、数分前。
切歌達がミカとジュエルを相手に戦っていた頃⋮
﹂
﹁はぁっ
だけど、相手は止まってくれない
﹁お願い
話を聞いて
﹂
と同じ様な事をしているのかもしれない事を。
彼女は他の誰よりも響の事を知っている⋮知っているからこそ、響
﹁お話﹂をした方が、明らかに傷をつけずに解り合えると言う事を。
ならば、響が前に翼やクリス、調と切歌やマリアとの際にやった⋮
!
﹃人﹄ーーを倒す事など出来ないと言う事に。
だから、自分はそんな人形ーー未来からしてみればジィスは立派な
程、煌びやかな笑顔を、優しさを見せてくれていたから。
以前話した時にエルフナインの事を話した時は人形とは思えない
だけど、未来はジィスとは戦いたく無いと思っていた。
全ては彼女達のマスター⋮キャロルの為に動いている事も。
だけどそれで感じていた⋮ジィスは心の優しい存在だと言う事に。
ジィスとは1回戦い、1回だけ話を聞いた。
な性格が移っていた。
それに未来は響と付き合いが長かったのか、何気に響の﹁お人好し﹂
初めて響が︽ガングニール︾を纏った時と同じ様に。
る。
未来は他のシンフォギア装者達よりも遥かに戦闘経験は劣ってい
だが、戦況は明らかに未来が押されていた。
騎士甲冑姿のジィスが、其々の得物で相対していた。
神 獣 鏡を纏った未来と、
シェンショウジン
﹂
﹁くっ⋮
!
﹁聞いて上げたいのは山々なのですが⋮
!
1479
!
!
私にも私なりのプライドがあるので
矛盾
﹂
それに気付いた未来は、小型の鏡達を1つの盾にして身を防ぐ技⋮
そう言いながらジィスは携えていた槍を投擲してきた。
!
しかし、そこには既にジィスが居なかった
を使用して、槍を跳ね返した。
"
するとそこには剣を携えたジィスが攻撃を仕掛けようとしていた
すると未来は何かに気付いたのか、即座に振り向く。
!
"
それに気付いた未来。だが、それよりも先にジィスの剣が未来の顔
を⋮
﹂
ガシィン
﹁ぐっ‼
!
﹂
!
未来に向かって刺突攻撃を仕掛けた
﹂
すると光を纏った剣からなんと龍の形の光が放たれた
﹁きゃぁぁ
﹁嫌だよ
﹂と。
だが、未来は違っていた。故に言ったのだろう⋮
そう言い放つジィス。
そうすれば、私は貴方と2度と戦う事が無くなりますから⋮﹂
﹁歌って下さい。貴方の旋律を。
そしてそんな未来に剣を差し向けるジィス。
その攻撃をくらった未来はそのままダメージを受けてしまった。
!
!
!
そう言うとジィスは剣を構え、そして天高く掲げ、そしてそのまま
﹁はぁぁぁぁあ
だが、剣の衝撃により未来は後退をさせざるを得なかった。
ジン・オウシャク︾でなんとか防いだ。
傷を付けようとしたが、未来が咄嗟にアームドギア︽シェンショウ
?
!
1480
!
﹁何故
﹂
⋮だけど
﹁
︶﹂
これは⋮﹂
﹁⋮雷の⋮音⋮⋮
﹂
バチバチバチバチ
その時だった。
するとジィスは未来に剣を振り下ろした
!
と足音が聞こえてきたのだ。
!
﹂
!
フォーム、チェルシー
ー
済みのアブソーバーに装填し、レバーが引いた
ーアンデッド
ライジンはそれを纏った
ナイトレイド
ー
!
!
!
するとアブソーバーから飴を咥えたオレンジ髪の女性の魂が現れ、
!
!
するとライジンは1枚のカードを取り出すやそのまま左腕に装着
﹁ならば、俺がお前達を倒す
︽雷魂導師︾アンデッド=ライジンが其処にいた。
ている存在⋮
そこには杖と書物、そして魔法使いの帽子を連想する被り物を被っ
﹁懲りずにまた死闘という訳か⋮﹂
その足音を聞いた2人はその足音が聞こえてきた方向を見た。
するとトテッ⋮トテッ⋮
だが、それらしき物は何1つ存在していなかった。
2人はその音が何処から発してるのであろうかと、辺りを見渡す。
た。
突然、静電気が発生した時の様な音が2人の周りから聞こえ始め
!
!
やはり貴方はエルフナインと同じ⋮優しい人なのですね。
﹁︵そうですか⋮
それを見たジィスは心を揺るがされた。
そう言いながら涙を流し始める未来。
﹁嫌だよ⋮エルフナインちゃんのお姉さんを⋮倒すなんて⋮﹂
?
ー変身自在
!
1481
!
!
するとライジンはそのまま懐から煙玉を投げた
その煙により、2人は視界を遮られる⋮
!
﹁消えた⋮
﹂
﹁おーい、未来ちゃん
大丈夫か⁉
﹂
そして煙が晴れると其処にはライジンの姿がいなくなっていた。
そう言うと2人は互いの背中を預けて、身を固める。
﹁私も﹂
﹁未来さん。此処は共闘を持ち掛けたいのですが⋮﹂
!
姿をした霊風が駆けつけた。
﹂
オートスコアラー
!
﹁霊風さん
﹁一体、何があっ⋮っ
﹂
すると未来を呼ぶ声がしたので、振り向くと其処にはスピリットの
?
瞬間に警戒をした。
!
⋮。
﹂
﹁⋮だけどよ⋮﹃未来が危ない﹄って、響ちゃんが言いやがったからさ
﹁︵霊風⋮何かが変だ⋮︶﹂
この男
だが、この時、ジィスは何かを感じていた。
しかし、それを﹁待って
﹂と未来が制する。
何か言おうとした霊風だが、オートスコアラーであるジィスを見た
!
響ちゃんを大人しくさせるのに一苦労したんだぜ
﹂
!
?
1482
!
?
!
そう言いながら霊風は未来の肩に置こうとした⋮刹那⋮
﹁はぁっ
!
﹂
ガシィンッ
﹁ジィス⁉
なんとジィスが霊風に攻撃を仕掛けたのだ
!
!
﹁貴方⋮霊風ではありませんね
﹂
﹁え
﹂
それを見た未来はジィスを睨む⋮ジィスがこう告げるまでは。
!
?
・
・
・
・
其処には白い肌質の霊風の手だった。
・
・
・
・
白い肌質⋮
そう言いながら未来はなんと霊風を攻撃した
﹂
違う
?
﹁っ
!
気付いたのか
現れたのだ
﹁っ
﹂
シャクを構える未来。
そう言いながら槍を構えるジィスと、それに呼応するかの様にオウ
そう考えれば、一目瞭然ですからね﹂
ていました。
ガリィとミカがやられた時の︽風魂導師︾の身体は小麦色に染まっ
ね。
﹁私はエルフナインを通じて他の導師や装者の事を見てきましたから
!
!
し、腰にお化粧箱のような形をしたボックスを携えているライジンが
すると霊風の姿が変わり、なんとオレンジのストレートヘアに変貌
!
その指した方向に未来はその指した方向を向いた。
しかしそんな未来にジィスが近づき、指を指した。
しかしそんな証拠は1つとして見て取れなかった。
そう言われ、未来は霊風を見た。
﹂
﹁‼
?
⋮ん
?
1483
?
!
!
﹁︵エルフナインちゃんと身体を共有している
り⋮︶ならば
﹂
︶﹂
﹁︵チェルシーの利点は変装。それが読まれた今、この人の役目は終わ
を取り出し、元の基 本 姿に変わった。
ベーシックフォーム
そうしているとライジンは先程まで変身していた﹃英雄﹄のカード
だが、未来はジィスの身体の構造に疑問を浮かべた。
?
取り出し、そして其々をセット。
フォーム、レオーネ
&カイウス
!
ー
そして折り畳んでからレバーを引き、腕を十字に構えた
ーアンデッド
野生の魂‼
﹂
!
!
﹂
俺の中の野生の魂‼
﹁楽しませて貰いますか
﹁目覚めろ
﹂
ー
するとライジンの右側に黄色髪のお姉さんが現れ、
今こそ高鳴れ
左側に茶髪の少年剣士が現れた
﹁
そう言うと左腕を天に掲げた
!
ー﹃FUSION DRIVE﹄
! ?"
?
!
!
ソーバーとドッキングさせ、そしてカードケースから2枚のカードを
そう言うと懐から﹃フュージョンアブソーバー﹄を取り出してアブ
!
化し、そしてなんと獣人のような姿へと変貌した
ー
そしてそのまま2人の魂がライジンに纏った
ーデュアル・ビースト‼
そして姿を現したのは、
!
!
ていた
顔立ちはそれとは真逆でまるでオオカミを連想する顔へと変貌し
獅子の様な鬣を彷彿とした髪と、
?
︻百獣王化︽ライオネル︾ レオーネ︼と言う名で知られている。
者。
デーション︾ チェルシー︼の仲間で⋮その身を獅子へと変貌させる
先程ライジンが使用していた﹃英雄﹄⋮︻変身自在︽ガイアファン
レオーネ。
!
1484
!
するとライジンの両隣にいた2人の﹃英雄﹄の身体が見る見ると変
!
!
"
そしてカイウス。本名カイウス・クォールズ。
彼はその身に獣の血が流れる﹁レイモーン﹂と呼ばれる種族と人間
とのハーフ。
感情の昂りで﹁獣人化﹂の力を使用する事が出来る。
この2人の﹃英雄﹄の共通点はまさにその﹁変貌﹂能力であった。
その能力を受けたライジンは文字通り⋮﹁獣人﹂の姿をしていた。
二足歩行でありながら、その威圧感は﹁獅子﹂の如く。
そしてその軽業さは﹁狼﹂の如く。
そうしているとライジンは一瞬でその場から消えた
2人は辺りを探すが、それと同時に腹に痛みが襲いかかった
﹂
﹂
﹁がはっ⁉
﹁あぐっ
﹁遅い⋮﹂
あまりの速さに対処出来ない2人。
そのまま無防備にくらい続けていく⋮
﹁はぁ⋮はぁ⋮はぁ⋮﹂
がれていた。
ベーシック
その結果、無意識のうちに肩で呼吸をするぐらいにまで精神力を削
だが、外見こそは無傷でも、伊達では無かった。
のであった。
だが、制限時間を設けていながらも、その力はまさに﹁獣﹂そのも
そう言いながら未来とジィスを見やるライジン。
故に制限時間を設けなければ⋮こっちが﹃獣﹄になり兼ねない︶﹂
﹁︵2人の力は﹃獣﹄の力。
それと同時にライジンは基本姿へと強制的に戻った。
吹き飛ばされた。
そして最後の鉤爪攻撃と、回し蹴りにより、ジィスと未来は同時に
!
!
﹂
未来は息も絶え絶えで、立っていられるのがやっと⋮
﹁くっ⋮
1485
!
?
未来と同じ傷だらけの自動人形・ジィスは所持していた槍を杖にし
!
て立ち上がるのがやっとだった。
﹁強化した程度がこれとはな⋮﹂
ー回想ENDー
﹂
それと同時にミカとジュエルを倒したばかりの調達が現れ、そして
今に至るのである。
﹁⋮ミカとジュエルが殺られたか。
だが、お前達は罪を作ってしまった⋮
この世界を破滅へと導くと言う﹃罪﹄をな
フォーム、フェイリン&朱乃
ー
ソーバーに其々交換して、レバーを引き、そして腕を十字に構えた
ーアンデッド
1人は黄色のコーデとホウキを携えた4頭身サイズの女性で、
悪魔生み出し天からの雷轟⋮受けるが良い
あった。
﹁
﹂
F・B・D・S
そう言うとライジンは左腕を天に掲げた
ー﹃FUSION DRIVE﹄
ー
!
もう1人は8頭身で黒髪、そして魅惑かつ妖麗な姿をした女性で
!
そう言うとライジンはすかさず2枚のカードを取り出すや、アブ
!
するとライジンの両隣に2人の女性の魂が現れた
!
!"
そして現れたのは、悪魔の翼を生やし、黒髪で且つ黄色のコーデを
﹂
し、ホウキを携えたライジンが其処にいた。
﹁雷の裁きを受けるが良い
そう言うと天にホウキを掲げた
を落として来たのだ
すると何も無かった空が一瞬で積乱雲を発生し、其処から大量の雷
!
!
しかしそれでもライジンの攻撃は止むことを知らなかった
そしてその内の1つが一箇所に集まった6人に襲いかかった
絶対絶命のピンチ
!
!
それに気付いた4人はすかさず回避し、未来とジィスを回収する。
!
!
1486
!
!
すると2人の魂から雷が発生し、そしてそのままライジンに纏った
!
!
"
!
・
・
・
・
﹁⋮え
﹂
しかし、その電撃は自分達には襲いかかっては来なかった。
何事かと思っていた一行。
するとその光景に驚かされた。
なんと自分達に襲いかかろうとしていた雷が⋮
﹂
曲がっていたのだ。
﹁ぐっ⋮
る。
其処にいたのは⋮
﹂
﹁がっ⋮はっ⋮ぁ⋮
﹁憑友‼
なんと憑友だった
﹂
"
!
!
1つの眼で戦国乱世を生きた﹃竜﹄の名を持つ武将
⋮
すると何処からか聞こえてきた声に、皆はその声をした方向を見や
!
?
1487
?
憑友は今、﹃英雄﹄の1人にして⋮
"
又の名を⋮
独眼竜
と呼ばれる﹃英雄﹄
"
の様に受けていたのだ
﹂
﹁何故其処まで邪魔をする
俺達の計画を
﹁だから⋮って⋮⋮
WAR DANCE
‼
﹂
?
故にこの剣の流派の名はこう呼ばれる⋮
︽六爪流︾と。
MAGNUM STRIKE
﹂
﹂
?
突進を仕掛けた
﹁
﹁何⁉
‼
﹂
すると憑友は指の間に挟めた刀を器用に動かしながらライジンに
!
本を指と指の間に挟め、そして一気に抜刀した
﹁
"
!
た刀を引き抜く。すると一旦腰に刀を納刀すると両手を其々の刀6
そう言いながら憑友は意地と根性で立ち上がり、そして地面に刺し
仲間を傷つけられて、黙ってられるかよ
!
それはまさに﹁執念﹂が成せる業そのものであった。
上がる。
しかしそれでも、刀を地面に突き刺し、そして杖のようにして立ち
そして轟雷の攻撃が止むなり、そのまま地に膝を付く憑友。
!
ライジンの轟雷をその身で腰に携えていた刀を掲げる事で避雷針
︻奥州筆頭 伊達政宗︼の力を以て、
"
するとその攻撃により、ライジンはそのまま後退された
"
!
許してしまっていた
﹁ぐはっ‼
﹂
爪に見立てた刀によるX斬りがライジンにヒットした瞬間だった。
﹂
‼
!
X│BOLT
?
?
﹁
"
直ぐに詠唱を開始しようとするが、その隙に憑友が目前まで接近を
!
?
1488
!
!
6本の刀で相手を斬り倒す⋮その刀はまるで﹃竜の爪﹄の如く⋮
"
"
"
その衝撃の余波で、先程ライジンが変身していた﹁力﹂が強制解除
された。
﹂
﹂
それでも尚、立ち上がるライジン。
﹁俺は⋮まだ⋮
﹂
﹁まだやる気なのか
﹁憑友
すると不意に聞こえてきた男性の声。
それを聞いた憑友はその声をした方向を見た。
﹂
其処にはなんと憑友の父である玄也がこの光景を見ていた
﹂
﹂
⋮玄⋮也⋮
﹁親父
﹁
﹁‼
するとふらついていたライジンが玄也を見た瞬間にそう呟いた
﹂
﹂と驚かされると同時に警戒
それに気付いた憑友は警戒体勢に入るが、
﹁⋮黎雷
と玄也がそう呟いた事で一気に﹁え
を解いてしまった。
﹁⋮ごめん⋮なさい⋮﹂
を握力で潰し、そのままテレポートしていった⋮
それに気付いた憑友は変身を解き、未来達の元に行く。
幸い、怪我は軽傷なのが殆どだった。
だが、この場には既に、先程まで未来と戦っていたジィスの姿が見
当たらなかった。
どうやら先の戦闘中に直ぐにこの場を去っていたのだろう。
の
男
﹂
すると憑友達の元に玄也が歩いてきた。
﹁親父。
あ
ライジンの事⋮知ってるのか
憑友は玄也に問う⋮ライジンが何者なのかを。
?
すると玄也は﹁憑友、よく聞きなさい﹂と先に述べ、そして驚くべ
き発言をした⋮
!
1489
!
!
!
!
!
ライジンがそう呟くと、懐からテレポートジェムを取り出し、それ
?
?
!
?
!
﹁彼⋮君達が言っている存在・ライジンの本名は⋮
じんさいレラ
人絆黎雷﹂
﹁人絆⋮まさか⋮﹂
﹁そう⋮黎雷は⋮私の息子で⋮
お前の実のお兄さんだ﹂
1490
♪30 ライジンと憑友
父・玄也の言い放った言葉を前に驚愕の顔色しか浮かべていない憑
友。
無理もないだろう⋮
何せ、自分が戦っていた相手がまさかの﹁実の兄﹂と言うのだから。
その後、未来を寮へと運ぶように調達に言った憑友は玄也と共に家
に帰ってきていた。
その際、日本の反対に位置する国・アルゼンチンに海外出張してい
た筈の母こと人絆ジャンヌ︵旧名 ジャンヌ・カデンツァヴァナ︶と、
・
・
・
・
・
我が家にてシンフォギアの研究を未だに続けているナスターシャ博
士がいたのであった。
ナスターシャ博士はともかく⋮憑友は、ジャンヌが今居る場所に寒
気を感じていた。
﹂
﹂と思っている人が大半だと思うだろう⋮
この家系は違う
この物語の主人公⋮憑友である
字が違う
有名なのだ。
え
⋮いいや、此れが最適なのです。
?
さて、そんなジャンヌとナスターシャも加わった憑友一家。
話は先の玄也が言った﹁ライジンは我が家の子﹂説に話が変わった。
それはあまりにも残酷な現実を突き付ける話だった。
1491
その場所は⋮
﹁おかえり∼♪﹂
﹁その前に、キッチンから早く出やがれ‼
そうキッチンである⋮。
だが
じゃねぇ
いや、普通に考えたら⋮﹁母親がキッチンにいるのは当たり前なん
?
此処のキッチンを普段占拠しているのは、ジャンヌでは無い
!
?
何故なら⋮﹁ジャンヌが作った料理は一口食せば、必ず逝く﹂事で
!
!
!
要するに、ジャンヌは料理下手なのです。はい。
?
それは憑友がこの世に生まれるよりも5年も前に遡る。
ジャンヌと玄也。2人が出会った経緯は以前、ほんの少し教えてい
たが、憑友が生まれてくる前にジャンヌのお腹が膨らんでいた時期が
実は一度だけあったのだ。
当時はふくよかになっていってると玄也は勿論、本人・ジャンヌも
そう思っていた。
だが、妊婦特有の症状﹁悪阻﹂が始まったのを機に、それが﹁妊娠﹂
していた事を自覚する結果へと繋がった。
そして紅葉が散り、そして寒さが肌身に染み渡る様になった時期、
ジャンヌは第一子を迎えた。
それが、人絆黎雷⋮後のライジン・V・エレクロニングに成る男の
子だった。
ジャンヌと玄也は第一子を可愛がった。
そしてそれは黎雷の方にも着々と受け継がれていた。
だが、当時のジャンヌと玄也は今の様な莫大な富を獲得などしてお
らず、ごく普通の生活が出来るのがやっとの状態だった。
そんな中、ジャンヌと玄也は当時ある悩みの種を抱え込んでいた。
それは、
﹃エレクロニング・クインテットワークス﹄という人の感覚
⋮
眼を見て判断する﹁視覚﹂、
耳を傾け聞き分ける﹁聴覚﹂、
舌で味を楽しむ﹁味覚﹂、
鼻で匂いを嗅ぐ﹁嗅覚﹂、
そして手で触れる﹁触覚﹂。
通称﹁五感﹂を最大限に活かした人間の神秘に迫ろうとしていた大
手企業からだった。
内容は⋮霊雷の﹁養子﹂入りの件だった。
勿論、この頃の2人は猛反対をした。自分達の子を他所の子に仕立
てあげようなど誰が思う事かと。
しかし、相手がまさかの脅迫まがいな言動を迫られ、為すすべなく
1492
して、何も出来ずに丸められたのだ。
この時、ジャンヌのお腹には第二子がいた。
それが⋮憑友。この作品の主人公である。
そしてジャンヌは憑友を出産。
それと同時に強制的に黎雷はエレクロニング家の養子入りになっ
た⋮いや、﹃なってしまった﹄と。
それ以降、音沙汰無しの状態が続いていた。
何も無いのは、元気な証拠とも言うのかもしれない。
だが、当時の世は﹁あの存在﹂がいた。
認定特異災害︽ノイズ︾と言う存在が。
それは黎雷が養子入りしたエレクロニング家にも被害を受けたの
だ。
それにより、エレクロニング家は壊滅し、黎雷も居なくなったと。
その事実を知ったジャンヌは涙を流して、喉に何も遠さなかった日
ママー
﹄
1493
が何日も続いて、最悪の日に至っては廃人寸前までになっていたぐら
いにジャンヌの容態は悪化していた。
それでも、玄也の懸命な励ましでなんとか立ち上がり、そして今の
様な状態にまで戻っていたと言う。
玄也から黎雷が今も生きていると聞いたジャンヌは玄也の胸を借
りて、涙を流していた。
﹁生きててくれてありがとう⋮
探しに行けなくてごめんなさい⋮﹂と、この場にはいない黎雷=ラ
イジンに謝罪をするジャンヌ。
︶﹂
それを見た憑友は改めて考えた。
﹁︵ライジン⋮ううん。
兄さんは、俺が必ず
﹃パパー
!
﹃黎雷∼♪こっちよ∼
﹃こっちだよ∼﹄
﹄
ーーーーーーSIDEtoライジン
!
!
!
これは⋮﹁夢﹂
⋮否。これは俺の﹁想い出﹂か。
それも⋮俺がまだ5歳の頃の﹁想い出﹂か。
あの頃は楽しかった⋮何もかも。
それに、あの頃の俺はもうすく弟か妹が産まれてくる事に喜びを味
わっていたな。
だけど、現実はそうはいかなかった。
俺は母さんが新たに産んだ存在⋮弟を見た直後にエレクロニング
家の養子に無理やり入れられた。
理由は全く聞かされてはいなかった。
だけど、俺にとっては辛い過去だった。
それは養子入りした時からも過激になった。
だが、当時において厄災と呼ばれた存在﹃認定特異災害︽ノイズ︾﹄
の襲撃に、エレクロニング家は完全壊滅した。
その時、俺は屋敷内の一角でただノイズに殺されるのを待ってい
た。
俺を助ける者はいないんだと。
そしてそんな俺の前にノイズが壁をすり抜けて現れた。
この世の絶望に染まった俺。
何も出来ずに終わるんだなぁ⋮と思っていた。
だけど⋮ノイズは俺を襲って来なかった。
不思議に思った当時の俺は視線を向けた。
子供
われた。
﹄
美しく、そして長い黒髪をポニーテールで結い、そして黒と白を基
1494
?
そこには風穴を開けられたノイズが徐々に炭化していく光景だっ
た。
﹃あら
?
そしてノイズが消滅すると同時にその奥にいた存在に俺は目を奪
?
調とした学生服らしき服装をしていた。
そして何よりも目を奪われたのは⋮
背中から生えた﹃悪魔﹄を彷彿させる翼だった。
これが後に俺のパートナー﹃英雄﹄である存在⋮
︻雷光の巫女 姫島朱乃︼との出会いだった。
彼女に救われた俺は屋敷から離れ、そして屋外に脱出した。
アヴェンジャー
するとそこにいたのは、ビリジアン系色のマントと帽子を被った白
髪の男性ーー後にそいつは﹃復 讐 者﹄⋮又は﹃巌窟王﹄と呼ぶように
なっていたーーと、そして当時から若かったサモン博士の2人と出
会ったんだ。
これを機に俺の生活はガラリと変わった。
1495
あまねくノイズ達を焼き払い、そして倒す事に。
そしてそんな最中で、俺はサモン博士の計画を聞いた。
それは、
﹁この世の絶望の塊が近い内に侵攻する。
その為に力を貸して欲しい﹂と言う事だった。
人を救う事に関しては俺はしない。何せ、俺の助けを聞かなかった
輩達だ。
だが、動物達や自然は違う。彼らには意思疎通が出来ない。
出来ないからこそ、この自然を壊す輩を俺が倒すと誓ったんだ。
﹂
そう⋮だからこそ⋮俺は、サモン博士の計画に賛同したんだ。
﹁大丈夫
⋮ありがとう。﹃復 讐 者﹄
アヴェンジャー
⋮キャロルが目覚めたぞ﹂
﹁何は如何あれ。
⋮今度はお前か、雷の滅竜者。
﹁ふん。そんなんだから、あの馬鹿チビに出遅れんだろうが﹂
⋮黒い茨か。⋮大丈夫じゃないのが7割だな。
?
﹂
サモン博士
おかげでこちらの計画の支障を和らげられそうだ。
⋮
﹁具合の方は
如何する
﹂
既に逝都君と馬燈君は承諾済み。残っているのは貴方だけ。
此処からは本格的に私達も動くわ。
わ。
﹁知っての通り、8個あった錠が既に半分も彼等の所為で開けられた
サモン博士の計画の為には、十全に癒えてからだな。
だが、無理は禁物だ。
だが、上手くやれる事には変わりは無い﹂
﹁十全じゃないのが手痛い。
?
︽精魂導師︾そして︽シンフォギア︾よ⋮
さぁ⋮始めようか⋮
﹁なら、準備次第、作戦を決行するわ﹂
﹁答えはYESだ。異論は無い﹂
そんな事で一々問い掛けるな。
?
俺達の最後の戦いを
!
1496
?
?
♪30.5 とある変化
それは突然やって来ていた。
﹂
?
⋮⋮﹂
﹁
ほむらさん
?
て、騎士達の王が高らかに
したり、
約束された勝利の剣
を平気で放とうと
"
い。
何故なら⋮
﹁いや、此処でやるのか
﹂
アスナ﹂
﹁もぉ∼⋮キリト君の為を思ってやってるんだよ
﹁そうですよ∼
?
?
と、家族団欒な風景を見ています。
﹂
因みに憑友の剣術の師匠ことキリトはこの乱闘には参加していな
出た者が多く、乱戦状態になっていたりした。
兎に角、我こそはと言わんばかりに憑友と買い出しをしたいと願い
生み出そうとしていたり⋮etc.
焔の錬金術師と炎の竜人、果ては炎の精霊の力を持つ少女が獄炎を
炎のストライカーは高くジャンプしてボールを蹴っていたり、
り、
その隙に、憤怒の罪の人が彼に属する巨乳持ちの乳を揉んでいた
"
魔術師が固有結界を詠唱させて乱闘を抑制したり、その彼の僕にし
とい全力全開な一撃を放ったり、銃剣槌士が4種の武器で、半人前の
滅竜魔導士が口から炎を吐けば、白い魔王様からOHANASIも
誰が、憑友と一緒に買い出しの手伝いをするのかを。
動したのだが、此処で問題が発生していた。
与えようと憑友が提案し、それを憑友に属する﹃英雄﹄達が賛成し、行
しをしていた。直ぐにお腹が空く響の事だ。何か栄養が豊富な物を
現在、憑友はほむらを現界させ、そして響の検査入院の為の買い出
如何かしました
﹁
!
﹁ゆ、ユイまで⋮トホホ﹂
!
1497
?
勿論、それを見ていた一同は全員、そのあまりにも甘すぎる空間故
に左手には糖質0のブラックが添えられているのだが⋮
憑友は何故か芋けんぴーー俗に言う芋かりんとうの事であるーー
と思っている貴方達。
を食べながらこの風景を見ていた。
糖尿病にかかるぞ⁉
実は、憑友は体内の炎を常に燃焼させなければいけないので、常に
燃焼力が高い糖質を摂取しなければならないのだ。
⋮尤も、本人がブラックが飲めないのが本音なのだが。
そんな中で、そんな混沌︵と書いてカオスと読む︶とした場の空気
をほむらがカードリーダーに自ら通って現界し、憑友を連れ、そして
今に至るのである。
因みに憑友の買い出しに興味がない輩は全員、カードケース内で大
人しくしていたりする⋮。
主にやる気のなさを見せているようで実はちゃんとした指導をし
ている教官だったり⋮
一度寝たら、実の妹︵言い方を変えるなら叔母︶の恐怖の目覚まし
じゃなければ起きない親子がいたり⋮。
憎しみの感情しか見せた事が無い黒髪で左腕全体を包帯に包んで
いる女性がいれば、
店先に並んでいるプリンを見て、涎を垂らしているドラゴンがいた
ほむらさん﹂
り⋮と、なんだかんだで憑友の周りもカオスと化していた。
﹁何はともあれ⋮ありがとうございます
あの時と同じ⋮⋮まさか⋮貴女なの⋮
﹁︵こんな気持ちになるのって⋮嫌になるわね⋮
それは一体何なのかと、ほむら自身も気掛かりでならなかった。
そう言いながらもほむらは俯いていた。
りたい気分だっただけよ﹂
﹁気にする事は無いわ。私もあの空気の居心地が悪くて、野風に当た
!
1498
?
まどか⋮﹂
何か言いました
﹁え
﹂
?
﹁⋮なら、それで良いです。
い、いえ何でもないわ⁉
﹁⁉
?
﹂
︵まさか呟いていたなんて⋮︶﹂
⋮あ⋮ありがとう⋮﹂////
僕は貴女の事、必要なのですから﹂
﹁‼
そう言うと憑友は﹁じゃあ、行きましょう
に向けて再出発した
!
?
﹁︵待っててね、﹃まどか﹄。
貴女は私が必ず見つけるから
﹁⋮待っててね。皆んな。
が携えていた。
そしてその少女の左手には、木のツルによって模された変わった弓
女が其処にいた。
ピンクの髪で、桜色のラインが入った魔法少女のような姿をした少
その頃、その様子を遠くから見ていた存在が居た。
︶﹂
その際にほむらは空を見上げた。
そう言いながらほむらは憑友の後を追う。
⋮でも、それでも良いのかも知れないわね﹂
﹁本当にあの子は⋮まどかと同じなんだから。
クスッと笑みを浮かべていた。
そんな憑友の後ろ姿を見たほむらは憑友のハートの強さに思わず
!
﹂と言って、買い出し
けど、何か抱え込んでいるのなら、僕にも背負わせて下さい。
﹁貴女がどんな人なのか、まだ僕は分かってはいません。
そして憑友はこう告げた。
そう言うと憑友はなんとほむらの手を握ったのだ。
﹁
けど、これだけは約束して下さいね﹂
?
!
1499
?
?
﹂
﹃ほむらちゃん﹄﹂
﹁まどかさ∼ん
するとそんな彼女⋮まどかの元に2人の魔法少女が駆けつけた。
﹂
1人は彼女と同じピンクがイメージカラーで、白い雪のような髪を
した少女。
もう1人は黒髪で紫の衣装をした少女だった。
﹂
?
そして2人は手にステッキを持っていた。
美遊ちゃん
2人とも私を探しに来てくれたんだよね⁉
﹁ご、ごめんね⁉
﹂
﹁心配しました⋮
﹂
イリヤちゃん
!
戻ろう
﹁さぁ
帰ろうか
﹁うん
!
から離れ去った。
そう言うと2人は彼女の手を握るとそのまま飛翔し、そしてこの場
!
!
彼女達が何者なのかは何れ分かる時が来るだろう⋮
1500
!
?
!
!
!
♪31 ﹃剣﹄敗れる
ーーーーーーSIDEto馬燈
キャロルが最後の肉体に転生複写したか。
﹃王﹄
﹃剣﹄
﹃コ イ ン﹄
﹃騎
士﹄
そして残っている人形共は4体。
レグルス,ファラ,レイア,ジィスの4体。
その内、
﹃剣﹄の奴は己を﹃剣﹄と認識する歌女の所へと行ったか。
ならば、俺も行くのみだな。
俺と歌女と人形⋮悪く無い組み合わせだな。
さて、﹃剣の歌女﹄と﹃剣殺し﹄⋮
この俺の﹃氷結の刃﹄を前に、如何足掻く⋮
ーーーーーーSIDEto逝都
許可も得た事だしな。
負ける訳には行かないんだよ⋮
一方、此処は病院。
ーーーーーーNO SIDE
俺達の願いはただ1つ⋮全ての人々の平和を願う為に。
お前達が邪魔をすると言うのなら、俺達は徹底的に実行に移す
︽精魂導師︾︽シンフォギア︾そして︽自動人形︾
オートスコアラー
俺達に装着していたこのリストバンドとレッグサポーターを外す
それに今回こそはヤバイからな。
俺の元には熱い番長達がいるんだ。
さて、俺も気付けるとしようかね
俺もそうだけどな。
馬燈の奴⋮充分なくらいに張り切ってやがる。
!
でぇきてぇる∼
お世話になっていた。
この2人⋮恋人以上である。
そんな中、着替え終わった響。
実は響は検査入院の為にまた病院に来ていた。やはり﹃元﹄融合症
例だった故に、定期的過ぎる検診に響本人がトホホと呆れていた。
1501
!
そこでは今、響が着替えをしていたのだが、相も変わらず、未来に
!
!
するとその時、響の電話から着信が入った。
着信先は洸⋮響の父親からだった。
しかし響はこれを拒否し、定期検診に行こうとしたが、未来に止め
られた。
﹂と言いながら、部
けれど響は、﹁未来がいる。憑友がいる。皆んながいる。
だから、お父さんが居なくても平気へっちゃら
屋を後にした。
そしてそんな響の様子を見に来た憑友は、響が部屋を後にしていく
様子を見て、何処か浮かない顔をしていた。
その頃、翼,奏,マリア,セレナ,霊風そして零の6人は、緒川と
共にとある場所へとやって来ていた。
﹁此処が⋮﹂
﹁風鳴八紘邸。翼さんの生家です﹂
﹁まさかこんな形で帰るとは思わなかった﹂
そう言いながら、翼は自分の生家こと実家の門を眺める。
そもそもそのような出来事になったのには訳があった。
∼回想∼
﹃計測結果出ます﹄
そう言いながら友里は、モニター画面にその結果を出力させる。
其処には所々に黄色の点があり、そしてその間を結ぶ黄色の線が描
かれていた。
﹂と驚愕していた。
そしてその中に一際大きく存在する点があった。
﹃電力の優先供給地点になります﹄
それを聞いた切歌は﹁こんなにデスか⁉
﹃その中でも一際目立ってるのが⋮﹄
﹃深淵の竜宮。
秘匿レベルの高さから我々にも詳細な情報が伏せられている拠点
オートスコアラー
中の拠点﹄
﹃自動人形がその位置を割り出していたとなると⋮﹄
1502
!
異端技術に関連した危険物や未解析品を封印した絶対禁区。
?
﹃狙いはそこにある危険物﹄ ﹃だったら話は簡単だ。先回りして迎え撃つだけのこと
﹃だが襲撃予測地点はもう一つある﹄
﹄
そう弦十郎が言うと今度は違うマップ画面が現れ、拡大した。
それを見た翼は驚きに屈していた。
何故なら其処は、弦十郎の兄にして、翼の父・風鳴八紘の在宅地だっ
た。
するとそれを調査部を代表して緒川が説明し始めた。
﹃気になる出来事があったので調査部で独自に動いてみました。
報告によると事故や事件による神社や祠の損壊が頻発していまし
て。
いずれも明治政府の帝都構想で霊的防衛機能を備えていた龍脈⋮
︽レイライン︾のコントロールを担っていた要所になります﹄
それを聞いた弦十郎は敵の狙いの内にレイラインの関係が大きく
ある事を示唆する。
翼は﹁風鳴の屋敷には要石がある。狙われる道理もあるというわけ
か﹂と言った。
それは、必要な場所でもある。
∼
分からない人の為に此処で少しうんちくを話そう。
∼うんちくタ∼イム
う。
扇子は大きく4つのパーツに分断される。
1つ目は扇面。これは字の如く、扇子の大部分の事を指している。
扇ぐと風を送る扇子の重要部分だ。
2つ目は骨。
これは主に扇子の骨組み⋮竹や木、高級は物では骨格の一部を改良
して作り上げる。これもまた扇子の重要な部分である。
3つ目は責。
扇子を止める為に必要な帯状の輪の事で、地味かもしれないが、そ
1503
!
先ず、コンパクトで扇ぎやすい物・扇子をイメージしてみるとしよ
!
れでも、構成していく為には必要不可欠な部分だ。
そして4つ目。実はこれが重要だったりする。
名は 要 。
扇を開く際に根本で止めるものでこの部位が壊れると扇子として
の需用をなさなくなるため、最も重要な部分である。
それに因んだ言葉もある。
﹁肝心要﹂,﹁守備の要﹂が、それに該当するものである。
要石はそれと同様の存在の事で、これが破壊されると、龍脈⋮レイ
﹃要﹄だけにね☆
ラインが最悪暴走を始める危険性があるのである。
∼
つまり必要な存在だと言う事なのである
∼うんちくタイム終了∼
る。
そう言いながら喋った存在は隣にいる黒髪の少女の方に顔を向け
﹁﹂モグモグモグモグ⋮
﹁⋮見せてもらうとするぞ⋮﹃剣の歌女﹄﹂
その様子を高い木からまじまじと見ていた2人の存在⋮
そうしていると門が開き、一同は中に入っていった。
寒気しか感じないのは⋮︶﹂
﹁⋮︵何なんだ⋮この風の流れ⋮
﹁こちらも伏魔殿に飲み込まれないよう気を付けたいものだ﹂
うです﹂
﹁了解しました。⋮クリスさん達も間もなく深淵の竜宮に到着するそ
∼回想END∼
そして弦十郎がそれぞれの班に編成して、今に至る訳である。
お願いされ、この場にいる皆は頷く。
そんな中で、エルフナインから﹁キャロルの暴走を止めて下さい﹂と
!
其処では少女が何気に肉をガッツリと食していた。
﹁⋮俺も欲しいです﹂
﹁⋮はい﹂
﹁ありがとうございます﹂
1504
!
素直に言ったら、黒髪の少女から肉を貰った存在⋮いや、男は心の
中で何気に歓喜していたりしていた。
そんな中、翼達は要石の存在を見やる。初めて見た要石を前に息を
呑む一同。
霊風と奏は前に一度この場に来ていた為に、だいたいの予測はつい
ていた。
そうしていると緒川が翼に告げる。
すると翼達の前にこの家の主にして翼の父・八紘が顔を出してき
た。
﹁ご苦労だったな慎次。
それにS.O.N.G.に編入された君達の活躍も聞いている﹂
開口一番にそう話してくる八紘。
緒川は軽く会釈し、マリアとセレナ、そして零はオドオドしながら
﹂
1505
も何とか返事だけはした。
すると八紘は霊風と奏をみる。
﹁2人の活躍、今後とも期待している﹂
そう言うと八紘は緒川に今回の件に関する情報の開示をする事を
言うと、そのまま後退ろうとした。
そんな中で奏と霊風は、
﹁⋮霊風﹂
﹂
﹁駄目だ。﹃今回は首を出すな﹄とあれ程言っただろうが﹂
﹁だけどよ⋮
﹁お父様
しかし何とか踏み止まっているのである。
てしまいたいと言う葛藤をしていた。
しかし、それは共に戦った霊風もまた同じで、彼も怒りに身を任せ
だ。
翼の父親なのに、あの態度に大層ご機嫌ナナメになっていたから
そもそも今回の奏は誰よりも怒りの感情になっていた。
!
そんな中、父・八紘が去っていくと感じた翼は咄嗟に声を掛けた。
!
しかし、其処からなんて言えば良いのか、分からず終いになり⋮
﹁⋮沙汰もなく申し訳ありませんでした﹂
と、言う事ぐらいしか出来なかった。
すると八紘が驚愕の言葉を発した。
﹁お前がいなくとも風鳴の家に揺るぎはない。
勤めを果たし次第、戦場に戻るといいだろう﹂
その発言を聞いた奏と霊風発した先程までの発言と先の発言によ
貴方翼のパパさんでしょ
﹂
り、とうとう2人揃って堪忍袋の緒が切れ、怒ろうとするが⋮
﹁待ちなさい
た。
﹂﹂
そんな時、突然風鳴邸の庭に突然歪みらしき物が発生した
﹁﹁‼
!
するが、翼の制止により、なんとかその怒りの矛先を納めたのであっ
だ、マリア⋮﹂と抑制させる。だが、マリアはそれでも抗議しようと
そう言いながら彼女は八紘に文句を言おうとするが、翼が﹁いいん
﹁だったらもっと他に⋮﹂
ん︶は見た事無い⋮﹄と両方同時に言った。
マリアの激怒した発言を聞いたセレナと零は﹃こんなマリア︵姉さ
飛んでいき、
それを見ていた霊風と奏は驚いて、先程までの怒りが何処かへすっ
なんとマリアが八紘に向かって喧嘩口調をしたのだ
!
ち放つ
た
オートスコアラー
少しは手伝ってはくれませんの
⋮と言うよりも⋮
⋮王様
﹂
?
すると其処には、何やら玉座らしき物が既に備えられており、其処
そう言いながらファラは風鳴邸の屋根を見てそう言った。
?
1506
!
!
それに気付いた霊風と緒川はそれぞれ、槍を数本と拳銃から数発撃
?
だが、その攻撃は防がれ、代わりに自動人形の1体⋮ファラが現れ
!
﹁野暮ね。親子水入らずを邪魔するつもりなんてなかったのに⋮
!
オートスコアラー
には奏と相対した唯一の男性型自動人形のレグルスが、金の杯で何か
を飲みながら、この庭の眺めを一望していた。
﹁くだらん事に付き合うほど、我は暇では無い。
我は其処にいる天羽奏に用があるだけの事だ。
邪魔すると言うのなら⋮﹂
そう言うとレグルスは立ち上がると、背後から黄金の波紋が浮き上
がり、其処から無数の武器達が矛先を向けていた
ン
ス・ マ
カ
ブ
ル
﹁死の舞踏を貴女へ﹂
ダ
﹂
そう言うとファラは即座にアルカ・ノイズ用のジェムを投げた
﹁やはり狙いは要石か
﹁さて⋮レイラインの解放、やらせていただきますわ﹂
そしてファラはそのまま翼達の方に身体を向ける。
それを聞いて、武器を戻して、波紋を消し、再び玉座に座った。
それを見たファラはレグルスに対して詫びを入れる。レグルスは
!
付き合ってやるとも
﹂
そ れ と 同 時 に 2 人 は そ れ に プ ラ ス し て、﹃フ ュ ー ジ ョ ン ア ブ ソ ー
ー
バー﹄をドッキングさせて、2枚のカードをセットしてレバーを引き、
そして十字に構えた
フォーム、ランサー&ミドリ
!
フォーム、マシュ&ザフィーラ
ースピリット
ームニキス
!
﹂
ー
霊はシールダーのマシュと守護獣・ザフィーラが現れた
疾風衝動よ、駆けめぐれ
﹁
﹂
それと同時に2人は同時に左腕を天に掲げた
鉄壁の力、お願いします
﹁
!" !"
!
すると霊風の両隣にランサー=クー・フーリンとミドリが現れ、
!
!
!
!
"
1507
!
﹁Imyuteus amenohabakiri tron⋮﹂
!
そう言うとアルカ・ノイズが出現した
﹁あぁ
!
そしてそれにより、翼達シンフォギア装者はシンフォギアを纏った
!
!
そう言うと皆を代表して、翼が聖詠を詠った
!
それに連なり、霊風と零も変身した。
!
"
﹂
﹂
ーー﹃FUSION DRIVE﹄
﹁任せな‼
﹂
﹂
ー
に、後者達は零の身体に纏った
ー
ーボルグ・フォンシェン
ー烈鋼・カルデアス
!
ーー
!
先と、銀の棍棒が1つになった武器を振り回した
生え、そして右手に十字型の大盾を持っている戦士に早変わりした
風と霊はそれぞれ変わった
そうしていると戦闘が開始された
﹂
初めから全力で行くぜ
威勢だけは認めてやる
﹁此処までやって来たんだ
﹁ふんっ
そう言うと屋上で奏とレグルスの戦いが始まった
﹂
﹂
そんな中、翼達はアルカ・ノイズ達を相手に奮戦する
﹁ここは私が
いくさば
父から言われた言葉を前に少し寂しい思いをする翼。
だが、此処は生憎ながら⋮現状は戦場そのもの。
﹁捕まえてごらんなさい﹂
のだから。
その身を﹃剣﹄として磨いた翼は敵と相対する⋮それが今の自分な
!
!
!
!
!
其処には勿論、﹁王﹂のアルカナの力を持つ人形・レグルスがいた。
それと同時に、奏は1人屋上に赴く。 !
!
スピード並びに中距離特化型の戦士と、生粋の防御型の戦士へと霊
!
対して零はと言うと、髪の上から犬耳らしき物と、腰からは尻尾が
!
型がランサーだが、色はミドリと同じ翠髪になり、そして赤い槍の穂
霊風は青タイツのようなスーツに緑のパーカーを羽織り、そして髪
すると霊風と零の戦闘着が変化した。
!
!
それに反応してか、それぞれの英雄の魂達も呼応し、前者達は霊風
﹁行くぞ
﹁戦闘、開始します
﹁行くよ
?
﹁勤めを果たせ﹂
!
1508
!
!
!
!
蒼ノ一閃
!
を繰り出すが、その攻撃
するとファラが風を生み出し、高速で翼の周りを動き出す
翼は即座に剣から放つ衝撃波
"
を上空から落とす
天ノ逆鱗
を繰り出す
何かしら
!
﹂と言いながら、剣
すると今度はクリスから﹃盾﹄と誤認された経緯がある、巨大な剣
はファラの風圧により相殺される。
"
だが、それを見たファラは﹁あら
を突き刺した
すると異変が起こった
︶﹂
なんと剣が砕かれ始めたのだ
﹁︵剣が⋮砕かれていく⋮
?
"
れたのだ
それを見た奏とマリアは同時に﹁翼
﹁私のソードブレイカーは、
﹃剣﹄と定義されるものであれば、
﹂
﹂と叫んだ。
硬度も強度も問わずに噛み砕く哲学兵装。
﹂
さぁいかがいたしますか
﹁ならこいつは如何だ
?
そう言うと零が盾を使って攻撃を仕掛けていく
!
﹁成る程。﹃盾﹄と﹃槍﹄で来ましたか。
ですが⋮﹂
いかかったのだ
すると、2人のいた場所に、剣や槍、斧や盾等の武具が矢の様に襲
ファラから遠ざかる。
そうファラが言おうとしていると、2人は何かに気付き、すかさず
!
それに加え、翼のギアにまで影響を及ぼし、そして遂には翼がやら
?
"
﹂
グルスが欠伸を掻きながら、奏を相手に弄んでいた
﹁少しは私の方に集中しやがれ
﹁強化前の方が遥かに威勢が良かったが⋮
!
!
そして放ってきた方向を見ると、其処には玉座で暇を持て余したレ
﹁強欲な王様ですこと﹂
!
1509
!
!
!
!
それと同時に、ファラの背後を霊風が槍と棍棒で攻めまくる
!
!
!
今のお前では話にならん
﹂
強化型シンフォギアでも⋮﹂
だが、その先には要石が点在していた
﹂
アガートラームも﹃剣﹄と定義されてたかしら
そしてそのまま要石が衝撃と共に粉砕した
﹁あら
﹁哲学兵装⋮概念に干渉する呪いや現象に近いのか
﹁ごめんなさい。貴方の歌には興味ないの。
剣ちゃんに伝えてくれる
そう言うとファラは風と共に去っていった。
そしてマリアはすかさず屋上を見やる。
﹁声が出ずして、なにが歌女か。
主の歌は特一番に張り上げてな
次こそは必ず歌えよ、歌女ども
特に、天羽奏
﹂
目が覚めたら改めて貴方の歌を聴きに伺いますと﹂
?
!
!
﹂
?
!
!
ファラが風の斬撃で一掃され、その攻撃をマリアは間一髪で躱す。
﹁無駄よ﹂
短剣を投げるが、
するとアルカ・ノイズと戦っていたマリアがファラに向けて無数の
そう言いながら緒川と零がそれぞれ言う。
﹁かなわないって言うのかよ⋮﹂
﹁くっ
それを見たセレナが奏の元へと急ぎ、そして介抱する。
た。
を射出し、奏に集中放火させ、奏はそのまま屋根上から地面へと落ち
そう言うとレグルスは黄金の波紋を呼び寄せ、其処から大量の武器
!
?
﹁如何だ
﹂
そしてその様子を高い木から眺めていた男女は、
ていった。
通し、そしてその中に入ると、そのまま波紋が消えて、此処から去っ
そう言うとレグルスは黄金の波紋を呼び寄せ、その中に己の肉体を
!
﹁⋮あの青髪少女だけ、剣の質はある。﹃殺し﹄の質が﹂
?
1510
!
?
﹁そうか。
⋮さ、一旦撤退するぞ﹂
そう言うと男女はまるで忍びの様にその場から消え、同時に雨が降
り始めた。
そんな中で、緒川は司令こと弦十郎に今回の任の結果を報告し始め
る。
﹁要石の防衛に失敗しました。申し訳ありません⋮﹂
まさか
﹂
﹁二点を同時に攻められるとは⋮﹂
﹁二点
と、そして今回の元凶⋮キャロルだった
﹂と呟いた。
その映像を見たクリスは﹁くっ⋮閻魔様に土下座して蘇ったのか⁉
!
それは、自動人形の1人⋮﹃コイン﹄のアルカナの力を持つレイア
先⋮﹃深淵の竜宮﹄内のカメラがある物を捉えていた。
それは、今しがた弦十郎達S.O.N.G.の面々が向かウェイブ
その頃、弦十郎達の方も災厄が降り注いでいた
セキュリティが奴を補足している﹂
﹁あぁ。深淵の竜宮にも侵入者だ。
!?
と切歌が向かう事になった。
1511
!
?
そして弦十郎の指示により、クリス,ロック,陰陽兄弟,そして調
?
﹂
♪32 怒りと涙
﹁ここが⋮﹂
﹁深淵の竜宮
﹁だだっぴろいデース﹂
﹁ああ⋮﹂
そう言いながら、F.I.S組4人はそう呟く。
この場所は﹃深淵の竜宮﹄⋮S.O.N.G.にとっては用がある
場所である。
この場の何処かに今回の元凶であるキャロルがいると言うのだ。
しかも護衛として、
﹃コイン﹄のアルカナの力を持つレイアが付いて
いる。
そう簡単には倒せないのが現状だ。
そんな中で、
﹁ピクニックじゃねーんだ。行くぞ﹂
クリスは後輩達を導きながら、目的地へと移動し始めた。
そんな中で、クリスの義兄であるロックは浮かない顔をしていた。
﹁︵何かが引っ掛かる⋮
ロック義兄
﹂
まるで、誘き寄せられたかのような⋮︶﹂
﹁早く来いよ
G.でも気付かない存在が既にこの中に侵入していた。
そんな中で、この﹃深淵の竜宮﹄内では、キャロルでも、S.O.N.
た。
そうエルフナインからの情報を聞いた弦十郎は冷静に事を当たっ
それに類する危険物を手に入れようとしてるに違いありません﹂
﹁キャロルの目的は世界の破壊。ここに収められた聖遺物、もしくは
索にあたっていた。
宮﹄内のマップを取得するなり一同に弦十郎の指示を煽り、急いで捜
そんな中、非戦闘であるS.O.N.G.スタッフ達は﹃深淵の竜
⋮なんとも苦労が絶えない人である。
﹁⋮ああ。︵その前にこいつのタメ口を調教し直さないとな︶﹂
!
1512
?
!
だが、全ての防犯機能が完全にOFFられていた。
その事を、キャロルはおろか、S.O.N.G.の面々でも気付い
ていなかった。
その頃、ファラの攻撃を受けた翼は、夕刻頃に目を覚ました。
﹁そうか⋮私はファラと戦って⋮﹂
﹁︵身に余る夢を捨ててなお私では届かないのか⋮︶﹂と、心の中で呟く
翼﹂
翼。此度のファラの攻撃で、かなりの精神ダメージが堪えていたのだ
ろう。
﹁大丈夫
﹁すまない⋮不覚を取った﹂
すると襖越しにマリアが話しかけて来て、無事という事を翼はそう
伝えるとマリアが、
﹁動けるなら来てほしい。翼のパパさんが呼んでいるわ﹂
そう言われ、翼は衣服を着用して、そして己が父・八紘の元へと移
動した。
ーーーーーー
奏﹂と言った。
移動した先には奏達も既に集まっていた。
翼は奏に向けて﹁大丈夫
いる奏がいた。
調査依頼していました。これはその報告書となります﹂
﹁アルカ・ノイズの攻撃によって生じる赤い粒子をアーネンエルベに
そして皆は机上に置いてある多数の書類に目を通す。
ダラダラと冷や汗が流れ、零は苦笑いをしていた。
顔を見せていたのは此処だけの話で、その笑顔を見た霊風がやけに汗
その証拠に、セレナから﹁大丈夫じゃないくせに﹂と小悪魔的な笑
急に痛み悶えたのだ。まだそのような状態では無いと言う事だ。
セレナが近づき、ちょんと指でその折れた箇所を指で触れると奏が
だが、奏は﹁平気だって
﹂と大口を叩くが、
骨がやられた部位に骨盤矯正用の装置と包帯をぐるぐる巻きにして
実は、先のレグルスの際に骨が1本折れたらしく、その証拠として
?
!
1513
?
﹁アーネンエルベ⋮か﹂
﹂
﹁確か⋮シンフォギアの開発に関わりの深い独国政府の研究機関だっ
て言っていたな
上から緒川,霊風,零がそう言いながら報告書類に目を通していく
と、八紘が口を開けた。
﹁報告によると赤い物質はプリマ・マテリア。
分解による
﹂と言いながら、
万能の溶媒アルカ・ヘステによって分解還元された物質の根源要素
らしい﹂
それを聞いたマリアは﹁物質の根源
意味が分からなかったようだ。
すると緒川がその解釈をした。
?
ねぇのか
﹂
﹁いや、そもそも。何故世界を分解しようとしているのかが問題じゃ
﹁キャロルは世界を分解した後何を構築しようとしてるのか⋮﹂
の理論体系とありますが⋮﹂
﹁錬金術とは分解と解析、そこからの構築によって成り立つ異端技術
?
そう言いながら一同はキャロルの考えに思考を費やす。
﹂
そんな中で、八紘が翼に話しかけた。
﹁翼。傷の具合は
﹂
?
﹁いいんだマリア⋮いいんだ⋮﹂
シンフォギア勢の中で成人である彼女が、八紘に再び抗議するが、
マリアだった。
言葉にしては冷たすぎるんじゃないかしら
﹁それを合理的と言うのかもしれないけど傷付いた自分の娘にかける
だが、それに﹁待った﹂をかける者がいるのが然り。
それを聞いた翼は﹁⋮わかりました﹂とそう言うしかなかった。
そう言いながら、結局は翼の事を突き放す八紘。
いい。お前の守るべき要石はもうないのだ﹂
﹁ならばここを発ち然るべき施設にてこれらの情報の解析を進めると
﹁⋮はい。痛みは殺せます﹂
?
1514
?
﹁それも一理だよね⋮﹂
?
それを翼に言われ、なくなく食いさがるマリア。
それを見ていた霊風達も浮かない顔しか出来なかった。
﹂
国家安全保障のスペシャリストかもしれんが家族のつ
その後、部屋を後にした一行。
﹁あれは何だ
ながりをないがしろにして
勿論、マリアはご立腹である。
そして彼処では言わなかったが、奏と意外にも零が八紘の翼に対す
る態度に腹が立っていた。
それを見ていたセレナと、この中で冷静にいる霊風はそんな3人の
ご機嫌ナナメさに溜め息を零していたりしていた。
﹁すまない⋮だがあれが私達の在り方なんだ﹂
そう翼は言った。
だが、それでも家族をないがしろにするのは良くないのである。
﹂
︶﹂と
家族と言う﹃温かさ﹄を知らぬまま育っていった子供が世の中には
大勢とまでは行かないが、それでも少なからずいるのである。
それは勿論、読者諸君達のいる世界も。
そして彼女達が守る日常であるこの世界も同じ事である。
⋮さて、脱線してしまった様なので、話を戻そう。
そうしていると翼が襖の前に止まった。
﹁ここは子供時分の私の部屋だ。話の続きは中でしよう﹂
そう言いながら襖を開ける翼。
そしてその途中で、霊風は﹁︵あれ これ⋮デジャヴじゃね
思っていたのだが、時既に遅し。
また人形が
?
それを見た翼は顔を真っ赤にしながらあたふたしていた。
それを見た奏は逆に腹を抱えながら、逆に笑っていた。
それを見た霊風は溜め息をしながら、額に手を当て、
⋮如何やら部屋が散らかっていた様だ。翼だからこそである。
!
?
そしてそれを見たF.I.S組は一気に警戒をしだした
﹁敵襲
!
1515
!
!
﹁いや⋮その⋮私の不徳だ⋮﹂///
!?
翼と付き合いが長い2人だからこそのリアクションである。
﹁だからって10年間そのままにしておくなんて⋮
幼い頃はこの部屋でお父様に流行歌を聴かせた思い出もあるのに
⋮﹂
そう言いながら、翼は自分の手で部屋を片付け始める。
それを見たセレナは﹁手伝うわ﹂と言った。
因みにその時に奏も姉御的存在として、翼の部屋の片付けを手伝う
事にした。
その際に、零が手伝うと言いながら服を畳もうとした時に、セレナ
から何処から取り出したのか、巨大な盾で頭にダイレクトアタックさ
この男
せて、気絶させたのは此処だけの話である。やはり衣服は抵抗感があ
るもの。なのに、 零は筋金入りの鈍感である。
そんな中でマリアは翼の部屋をよく見渡し、ある事に気が付く。
1516
﹁それにしてもこの部屋は⋮﹂
ふとマリアは霊風に視線が行ったのだが、霊風もまたこの部屋の事
﹂
﹂
で何かに気付いていたのか、マリアに向けて首を縦に振った。
﹁昔からなの
﹁私が片付けられない女ってこと
だが今日まで生きていると窺い知ることもある。
﹁理由は聞いていない。
それは勿論、奏と霊風も同じであった。
その内容を聞いた皆は首を傾ける。
だが任命されたのは生まれたばかりの私だ﹂
候補者は嫡男である父・八紘とその弟の弦十郎叔父様。
考えるようになった。
﹁私がおじい様、現当主風鳴訃堂は老齢の域に差し掛かると跡継ぎを
マリアが話しかけると、翼は語り始めた。
﹁そうじゃない。パパさんのことだ﹂
⋮まぁ⋮だいたいはそうなんだけど、そうじゃありませんよ。
!?
?
﹂
どうやら私にはお父様の血が流れていないらしい﹂
﹁何
﹁マジかよ⋮﹂
それを聞いたマリアと零が驚愕した。
それは勿論、この場にいる面々もである。
﹂
﹁風鳴の血を濃く絶やさぬようおじい様がお母様の腹より産ませたの
が私だ﹂
﹁風鳴訃堂⋮人の道を外れたか
なのにこの体たらくではますます鬼子として疎まれてしまうな⋮﹂
なく道具として、﹃剣﹄として研鑽してきたのだ。
﹁以来私はお父様に少しでも受け入れてもらいたくてこの身を人では
自分の相棒の経緯を知り、奏の感情は怒りに身を包まれていた。
だ。
翼の話を聞いた奏も拳を握り締め、その拳から血が流れ出したの
それを聞いたマリアは憤慨する。
!
そう翼が言うと、奏が翼に近づき、そして翼の顔を向けるなり⋮
1517
!?
﹂
パシィン
﹁え
た。
﹁例え、お前がどんな存在だろうと、﹃翼﹄は﹃翼﹄だろ
﹃私達﹄だっているんだ
!
だから⋮だから⋮
﹂
た少し臆病な性格の子だった。
初めて出会った時は弦十郎の後ろに隠れて自分から遠ざかってい
翼は今でこそ、此処まで凛々しい姿を見せる様になったが、
その中でも特に、翼だけは別格だった。
いた。
故にもう2度と、自分の身近な人が居なくなる事を誰よりも嫌って
彼女は今日まで、友は居れど、家族は皆、ノイズにより殺された。
!
それ以上でもそれ以下でもねぇ
翼。
それに、翼だけじゃない
前に言ったよな
!
﹃ポックリ逝ってしまいそうだ﹄って。
?
!
すると今まで黙っていた奏がなんと翼に抱き付くなり、口を動かし
﹁しっかりしろよ⋮翼﹂
ビンタだった。
奏が翼に対してした行為、それは⋮
なんと奏のあまりの対応に周りの空気が一変したのだ。
!
そう言いながら涙を流し始める奏。
!
1518
?
故に自分から接して、仲良くなっていき、いつしか義理の姉妹の様
な関係になっていた。
故に奏は思っていた⋮
﹁このままだと翼が先に逝ってしまうんじゃないのか⋮﹂と。
そうして出した答えが先の言動なのである。
それを聞いた翼は奏に抱き着き、﹁ありがとう⋮奏﹂と言った。
それを聞いた奏は更に泣き出したのは言うまでもない。
1519
﹂
♪33 ﹃Beyond the BLADE﹄
﹁竜宮の管理システムとリンク完了しました
た。
﹁キャロルの狙いを絞り込めば対策を打つこともできるかも⋮
﹂
!
る。
記載されていたデータを見て、スタッフに止めてもらう様に指示す
そうしているとエルフナインがその管理システム内にある何かが
てください
止め
管理システムとの接続が成され、キャロルに関する情報を集めてい
その頃、S.O.N.G.の面々は、
﹃深淵の竜宮﹄に関する情報⋮
!
﹂
そしてそこに書かれてある文字を見たエルフナインは驚愕した。
﹂
﹁ヤントラ・サルヴァスパ
﹁なんだそれは
!
成してしまいます
﹂
﹁ヤントラ・サルヴァスパの管理区域割り出しました
﹂
に入れればワールドデストロイヤー⋮﹃チフォージュシャトー﹄は完
﹁あらゆる機械の起動と制御を可能にする情報集積体。キャロルが手
?
キャロルの手に渡る前に⋮
その頃、風鳴邸では緊急事態が発生した
﹂
なんと風鳴邸に再びファラとレグルスが見えたのだ
﹁要石を破壊した今、何の目的がある
よ﹂
﹁人の台詞を勝手に取るではない﹂
それを聞いた一同。
皆を代表して、セレナが聖詠を詠う⋮
⋮﹂
﹁p r o t e c s a i g i s w e l r a i z e n t r o n
!
﹁私達は歌が聴きたいだけ。王は槍ちゃんの歌声に酔いしれたいだけ
!
!
!
それを見た弦十郎はクリス達に現場に急行する様に指示を煽いだ。
!
!
1520
!
そして霊風と零も精魂導師に変身するなり、再び﹃FUSION ﹂
DRIVE﹄を発動した
﹁一気に行くぞ
!
字に構えた
フォーム、龍峰&ギルバート
﹂
ー
ー
フォーム、アリーシャ&雪菜
ー
そして其々の英雄が、2人の身体に纏った
ー
ーレオドラ・シールド
ー雪霞烈光閃
!
装備に身を包んでいた
つ槍を手に持っていた
そしてマリア,翼,零はファラを、
奏,セレナ,霊風はレグルスへと攻撃を仕掛ける
ソードブレイカー
EMPRESS†RE
だが、どの攻撃も決定打にならないでいた。
するとマリアが蛇腹剣にして攻撃する技
"
で、ファラに攻撃を仕掛けるが、ファラの﹃剣 殺 し﹄
﹂
て吹き飛ばされた
﹁マリア姉さん
!
により、蛇腹剣が破壊され、更にはマリア自身にまでダメージに加え
BELLION
!
!
そして2人の槍である、
﹃雪霞狼﹄と﹃フォージスピア﹄の矛先を持
へと変色させ、
アリーシャの戦闘時の服装を雪菜が通っている学校の制服カラー
そして霊風は赤混じりの黒髪をサイドポニーに結わせ、
!
零は左腕に小型の盾を装備した黄色の獅子と水色の龍を思わせる
そして2人は新たな姿へと変わった。
!
!
ームニキス
ースピリット
﹂
強力な盾を持ちし戦士の力を此処に
﹁
聖なる槍、頼みます
﹁
そう言うと2人は同時に天に掲げた
!
ーー
ーー﹃FUSION DRIVE﹄
!
!"
!"
!
!
すると零と霊風は其々2枚のカードを取り出し、其々セットして十
!
"
!
1521
"
!
!
!
"
﹁マリア
っく⋮
この身は﹃剣﹄
斬り開くまで
!
﹂
!
己の身体にまでダメージが入っていた
その攻撃を受け、翼は一気に退けられてしまった
﹂
!
ませ、終いには2人を蓑虫の様に身体を不自由にしてしまった
﹁我の心を奏でる風を与えるまで、この鎖は解けんぞ﹂
そう言いながらレグルスは指パッチンをした。
﹂
するとレグルスの後ろからなんと巨大な飛行艇が現れたのだ
﹁まんまAUOじゃねえかよ
メタいです⋮霊風さん。
!
乗せ、そのまま上空の方へと連れて行ったのであった
ーーーーーー
﹂
その頃、﹃深淵の竜宮﹄内では急変していた。
﹁あれは
﹁ヤントラ・サルヴァスパです﹂
入手していたのだ
!
遭
遇
それと同時にクリス達がキャロル達とエンカウント、そして戦いが
﹁クリスちゃん達が現着
﹂
なんとキャロルが既に情報集積体⋮﹃ヤントラ・サルヴァスパ﹄を
!
そんな中、なんとレグルスはその2人を鎖に包ませたまま飛行艇に
けどね。
⋮まぁ、レグルスのやり方が完全に一致しているのは否めないです
!
!
そして2人を倒れ込ませると同時に鎖がどんどんと2人の身体を絡
すると2人の足元から突如、鎖が現れ、そのまま2人の足を絡ませ、
﹁逃すと思ったか、我が歌女と風の子よ
それを見た奏と霊風はすぐに翼の元へと移動するが、
!
!
アームドギアは勿論の事、纏っているギアにも罅が入り、終いには
﹁︵砕かれていく⋮剣と鍛えたこの身も⋮歌声も⋮︶﹂
しかし、
その中へと特攻する。
そう言うとファラは風の斬撃波を翼に目掛けて攻撃を仕掛け、翼は
﹁その身が﹃剣﹄であるなら哲学が凌辱しましょう﹂
!
!
1522
!
?
開始し始めたのだ
ーーーーーー
場所は再び風鳴邸に戻る。
そこでは翼が無惨な姿でやられていた。
﹁なんて無力なんだ⋮私は⋮﹂
そう嘆く翼。
このまま、翼の心は折れてしまうのだろうか⋮
そんな翼に声をかける者がいた。
﹂
その人物は⋮
﹁歌え翼
思いもよらない人からの声掛けに一同は驚いていた。
!
﹂
﹁ですが私では風鳴の道具にも⋮剣にも⋮﹂
﹁ならなくていい
!
1523
!
なんと翼の父・八紘だった
!
﹂
そう言いながら翼が発した言葉を真っ向から否定する八紘。
翼の部屋10年間そのままじゃない
﹁夢を見続けることを恐れるな﹂
﹁そうだ
!
部屋だ
!
﹂
!
﹂
そんな父の真意に気付いた翼の目から涙が零れてきたのだ
全ては自分達が受けた呪いから翼を⋮娘を遠ざける為に。
遠ざけてきた⋮
﹁まさかお父様⋮私が夢を僅かでも追い続けられるよう風鳴の家より
﹁いい加減に気付けバカ娘
なんだかんだで、八紘は不器用な人なのである。
この人
に思っていての行動だったのだ。
それは全て八紘が血が繋がってなくても、愛娘である翼の事を大事
のだ
しかし、よく目を凝らして見るとそこには塵1つ被っていなかった
た。
マリアの言う通り、あの10年前の部屋がそのままだと思ってい
娘を疎んだ父親のすることではない
﹂
お前との思い出を失くさぬようそのままに保たれていたのがあの
﹁散らかっていても塵一つなかった
める
するとマリアが間に入り、先程の翼の部屋にて気付いた事を述べ始
!
!
﹂
﹁そ れ が お 父 様 の 望 み な ら ば 私 は も う 一 度 夢 を 見 て も い い の で す か
!
?
イグナイトモジュール抜剣ッ‼
﹂
娘の夢を第一に応援してくれている人からのエールでもあった。
﹁ならば聴いてください
そう言うと翼はイグナイトを発動した
﹁味見させていただきます﹂
ーーーーーー
との熾烈な戦いが勃発していた
!
?
その頃、
﹃深淵の竜宮﹄では、キャロル陣営とS.O.N.G.陣営
!
!
1524
!
!
!
その翼の問いに八紘は首を縦に振った。
!?
クリスとロックの射撃攻撃がキャロルに襲いかかるが、キャロルは
防御魔法陣でその攻撃を防いでいく。
一方、切歌と闇呪怨の鎌による攻撃をレイアに仕掛けていくが、そ
の攻撃を躱しながらコインによる攻撃で相殺させていく
合技 X 式 ヨーヨーギロチン
クロス
でアルカ・ノイズを屠っていく
その間にアルカ・ノイズを調の丸鋸と光聖希の鎖を連結した合体技
!
だが、キャロルがコピーした際に生じた後遺症が現れ、防御の展開
もキャロルが防ぐ。
その時に調は大量の丸鋸をキャロルに向けて射出するも、その攻撃
"
せ
﹂
QUARTET
﹁地味に窮地
で一斉放火させた
M E G A D E T H が切れ、その隙にヤントラ・サルヴァスパが丸鋸で弾き飛ばされ、更
﹂
には真っ二つに斬られたのだ
﹂
部
乗
﹁ヤントラ・サルヴァスパが
﹁その隙は見逃さねぇ
!
!
そ の 隙 を 見 た ク リ ス は 撃ち尽くし の 攻 撃
全
!
"
ていく
だが、
﹂
カキィン
﹁くっ
カキィン
た
ま
カキィン
いもうと
カキィン
⋮⋮
!
﹂
弓に番える時間を考えても、その高速射撃は圧巻である
﹂
するとその中の大型ミサイルがキャロルに近づく
﹁マスター
!
!
なんと、ロックがレイアのコインを全て矢で相殺していた
﹁悪いが、そう簡単に義妹の弾丸を落とさせはしない
!
ファラと翼の激闘も佳境に入っていた。
場所は三たび風鳴邸。
ーーーーーー
!
!
!
!
!
いち早く気付いたレイアはそう言いながら、コインを大量に射撃し
"
!
!
!
!
!
1525
"
!
﹁いくら出力を増した所でその存在が﹃剣﹄である以上私には毛ほどの
傷も負わせることは叶わない﹂
ファラはそう言いながら竜巻を起こし、その間を掻い潜りながら加
﹂
﹂
逆羅刹
をし、その剣を受け流した
速させた一撃を翼に食らわせようとする⋮だが
﹁剣に非ず
そう言いながら翼はそのまま
否、受け流しただけに非ず
ソードブレイカー
﹁ありえない⋮哲学の牙がなぜ
!
﹂
﹂
これは夢に向かって羽ばたく﹃翼﹄
と火を噴かせ始めたのだ
﹁否
﹁貴様の哲学に翼は折れぬと心得よ
﹂
!
!
そう言いながら翼の手には剣が2振り、そして足元の剣からはなん
﹁貴様はこれを﹃剣﹄と呼ぶのか
なんと、ファラの﹃剣 殺 し﹄が完全に折れたのだ
"
!
!
動で時計回りに高速回転しながら突進を繰り出す
ファラもその攻撃を剣で受け止めようとする
2人の距離が近づいた⋮その時だった。
ヒューーーーーーー‼
?
!
大火力を生むと、両手に携えし剣からも炎を噴かせ、そこから足の運
そう言いながら翼は跳躍し、そこから足の剣を1つにし、そこから
!
!
1526
"
!?
!
!
!
!
﹂
カチィン
﹁何⁉
されてしまったのだ
そんな中でも突進は止められない
﹁つまらん﹃剣﹄だな﹂
ガキィン
ガキィン
﹂
﹂
﹁誰だ⁉
﹁翼‼
なんと翼とファラを同時に吹っ飛ばしたのだ
﹂
﹁がはっ⁉
﹂
!
﹁くっ
!
そう言いながら2人を突き飛ばした張本人は静かに立ち上がる。
!
だが、そんな2人の間に1人の存在有りけり⋮
!
!
なんと翼の剣から放たれていた炎が全て鎮火され、更には氷漬けに
!
?
?
1527
?
!
?
そして顔を露わにした時、その顔を見たセレナは驚愕していた。
何故ならセレナはその者と会っていたから。
﹂
﹂
?
1528
﹁馬燈君⁉
俺の﹃刀刃﹄を前に何処まで足掻く
﹁さぁ⋮﹃翼﹄と化した﹃剣﹄と﹃剣殺し﹄。
?
何故貴方が
﹂
♪34 ﹃氷結の刃﹄
﹁一走⋮⁉
﹁アヤカシ⁉
﹂
翼とファラは突き飛ばした存在を見て、驚愕していた。
翼は仲間の親友、ファラは同盟を組んだ仲間によって突き飛ばされ
たのだから。
﹁これまでは︽精魂導師︾に与えた﹃IGNITE KILLER﹄で
人形共を倒そうと画策したが、それを上回るイグナイトシステムで悉
﹂
く敗れ、終いには﹃IGNITE KILLER﹄の力をコントロー
ルする始末⋮
﹁待て
どう言う事だ
!
そんな中、マリアは馬燈が言った台詞に疑い深い物を聞いた。
る。
そして、﹃刀﹄を使えば右に出る者無しと言われている剣豪でもあ
今は︽氷魂導師︾アヤカシと言う名を持ち合わせている。
だ。
男の名は一走馬燈。憑友の数少ない男友達にして、幼馴染の青年
そう言いながら男は腰に納刀したばかりの刀に手を添え始める。
!
だと言うのか
﹂
そう。︽精魂導師︾達を苦しめ続けていたあの﹃IGNITE KI
LLER﹄がオートスコアラーを倒せると馬燈の口からそのように聞
こえたのだ。
タ
ダ
そしてそのマリアの問いに﹁ああ、そうさ﹂と馬燈は肯定した
﹁歌を聴く為だけに現れたんだ。それも無料同然でな。
だよ﹂
そんな輩には、ブレーメンのような獣の咆哮を聴くだけで充分なん
!
そう言いながら、馬燈はアブソーバーにカードをセットし、レバー
フォーム、ヤコウ
!
を引いた。
ーアヤカシ
!
1529
?
?
あの﹃IGNITE KILLER﹄はオートスコアラーを倒す術
!
百鬼よ凍てつけ
僕が切り裂く
ー
!
豪の様な存在の魂が現れ、馬燈はそれを纏った
走馬燈流剣術
﹂
⋮﹂
翼の懐に侵入していた
﹂
彗閃
﹁⁉
﹁
!
そう言うと同時になんと馬燈は霊風に勝るとも劣らない俊敏力で
﹁
だが、その隙を馬燈は見逃す筈が無かった。
この男
その際に、翼はなんとか立ち上がる事に成功した。
ら抜刀する。
そう言うと馬燈=アヤカシはゆっくりと腰に携えていた刀を鞘か
﹁俺の前に熱など微塵も感じさせはしないぞ﹂
につけた戦士⋮いや、﹃剣豪﹄そのものへと姿を変えた。
そして纏った馬燈の姿は氷のような冷たさを連想される衣服を身
!
そう言うと馬燈の真上から鬼を彷彿させる角を3本も生やした剣
!
"
彗閃
だか、その際に翼が悲鳴を上げたのだ
ようにしてなんとか支えた
転させて鞘を振った
するとその先には、ファラが愛剣で斬撃を与えようとしていた
何故⁉
﹂
しかし、ファラの攻撃は簡単に受け止められたのである。
﹁っ⁉
?
!
!
そんな中、馬燈は腰に携えていた鞘を取り出すなり、そのまま半回
!
だが、それでも上半身まで倒れないよう、アームドギアの剣を杖の
その攻撃を食らった翼は膝を地に伏してしまう。
懐に入り、目にも留まらぬ速さで一閃を仕掛ける技。
"
!
それと同時に馬燈は直ぐに翼を素通りした。
"
?
﹂
すると案の定、ファラはその挑発に乗っかり、馬燈と熾烈な剣戟を
そう言いながらファラを挑発仕掛ける馬燈。
か
﹁あんたのその哲学に、
﹃鞘﹄と﹃刀﹄と言うカテゴリは含まれてるの
?
1530
"
"
"
?
始める
しかし、どの攻撃も決定打にならなかった
﹂
するとファラはその際に生じた疑問をぶつけた。
罅1つすら入っていなかったのだ
そう。馬燈の﹃剣﹄が、ファラの﹃剣 殺 し﹄の攻撃を食らっても、
ソードブレイカー
﹁何故、貴方の﹃剣﹄を陵辱出来ない⁉
?
徹な目付きへと変貌する。
﹁⋮なんと愚かな﹃剣殺し﹄だ﹂
すると馬燈は驚愕の発言を述べた。
﹁俺は今まで﹃剣﹄と呼称した覚えは微塵も無い
﹂
これはまごう事なき﹃刀﹄だ。
﹃剣﹄に非ず‼
うん⋮デジャヴ⋮。
﹁それにだ。
その一言を聞いた皆は凝視した。
まだ俺には此処にいる全員と組みとる事も造作も無いぞ
!
﹂
するとそんな疑問をぶつけられた馬燈は高高く笑いあげ、そして冷
!
フォーム、剣心
バーに装填、レバーを引いた
ーアヤカシ
LEGEND‼
ー
?
頬に十字傷の跡を持つ青年剣士の魂が現れた
それを見た一同は驚愕していた。
それは元は憑友が保管していた﹃伝説英雄﹄の力だから
抜刀の才
ー
するとその魂はそのまま馬燈に纏った
ー飛天御剣
!
︻不殺誓いし流浪人 緋村剣心︼の姿へと変身した。
﹃人斬り抜刀斎﹄と呼ばれた男⋮
かつて、数多の人を斬り、革命後は人を斬る事を辞めた者⋮
そして馬燈の姿は変化した。
!
!
!
するとアヤカシのアブソーバーから、赤の衣と灰色の袴を履いた左
!
!
すると馬燈はカードケースからカードを取り出し、そしてアブソー
幾ら挑発とは言え、大概にも程があると言うものであった。
?
?
!
!
1531
!
!
﹁行くぞ﹂
そう言うと馬燈は高速移動で、瞬時にマリアの懐に入り込んでいた
それに気付いたマリアは咄嗟にその身を防御する
そして刀による攻撃をなんとか凌いだマリア。だが、それが仇とな
る事をこの瞬間の彼女は知らない⋮
何故なら⋮防いだ直後に刀を収める鞘がマリアの横腹にダメージ
﹂
を与えたから。
﹂
双龍閃
﹁っ⁉
﹁
?
﹂
としていた。
﹁ちっ
そう言うと馬燈は刀を納刀すると、再び刀に手を添える
﹁無駄だ﹂
!
だが、その攻撃を馬燈は刀に手を添えたまま、回転による
﹂
転しながら零の背後に回り込んだ。それも背中に。
﹁しまっ⁉
﹁遅い﹂
龍巻閃
そう言うと馬燈は直ぐに抜刀し、零の背後に打撲の痕を負わせた
その攻撃を食らった零はそのまま膝を地につけられてしまう。
﹂
そのまま馬燈は刀で連続で斬ろうとしたその時、
﹂
﹁はぁぁぁぁあ
﹁
セレナが咄嗟に両手に付いた双盾を1つにし、その盾の面で相手に
!
!
遠心力を利用した。零の攻撃を真半身でかわした馬燈は、そのまま回
うとした
その隙を零は見逃さず、斧を軽々と振り回し、そして1撃を与えよ
!
すると馬燈の立っていた場所を零が愛武器である斧で粉砕しよう
そんな中、馬燈は何かを感じたのか、直ぐにその場から退く。
ジを受けてしまった。
まさかの鞘を使った攻撃にマリアはなす術無く、文字通り、ダメー
"
!
?
"
1532
!
!
"
"
!
プレッシャーと同時に攻撃をする
を繰り出す。
﹁この際だから、見せてやろう⋮
俺のパートナー﹃英雄﹄をな
PRESSURE・バーバリアン
﹂
ナの目的は零を守る事だけで、これは成功したとも言える。
それに気付いた馬燈はそのまま横に回避し、事なきを得たが、セレ
"
引いた
ーアヤカシ
フォーム、アカメ
ー
!
ナイトレイド
ー
れ、そのまま馬燈の身体に纏った
ー 一斬必殺
ける。
﹁葬る﹂
そう言うとセレナに向けて連続斬りを与えていく
からセレナを庇う
﹂
﹂
﹁そんな体たらくで何が出来る
﹁そんなもの、知った事かよ
!
そう言うと零は大型の斧を真っ二つに折ったのだ
!
しかし、そんな中でもセレナの想い人である零が、馬燈による攻撃
ナも地面に膝を伏しられる状況に、痛手を食らっていた。
だが、そのスレンダーの身体に似合わぬ一撃の重みにさすがのセレ
それに負けじと、セレナは盾でその攻撃をすべて防いでいく。
!
︻一斬必殺︽村雨︾ アカメ︼の力を宿した馬燈は、直ぐに攻撃を仕掛
えていた。
身体の至る所に何かのアザらしき物があり、左手には鞘ごと刀が携
すると馬燈の姿がまた変わった。
!
!
するとアブソーバーから刀を左手に持ち歩いている少女の魂が現
!
!
すると馬燈はそのカードをアブソーバーに装填し、そしてレバーを
れている赤い目の少女が描かれていた。
そこには、黒いストレートヘアで、籠手と具足以外は全て服に包ま
い、今度は違うカードを取り出した。
そう言うと馬燈は剣心のカードを取り出すと、カードケースにしま
!
!
!
!
1533
"
そして斧はそのまま片手斧
を仕掛けていく
2の状態になり、そのまま馬燈に攻撃
﹂と言った。
?
まぁ、尤も⋮
・
・
・
﹁流石に、パートナー﹃英雄﹄の力を以ってしても、倒し辛いな⋮
すると馬燈は恐るべき言葉を口にした。
それを見た零は﹁何がおかしい‼
そうしていると馬燈は不敵な笑みを浮かべた。
すると両者は直ぐに後退する。
しかし、その攻撃も馬燈の反射神経の前には効果が無いようだ。
×
アカメさんは6番目のパートナー﹃英雄﹄だしな﹂
1534
!
﹃⁉
﹄
・
・
・
なんと、馬燈が使用していた﹃英雄﹄の力は、6番目だと言ったの
だ
5本の指
つまり、彼女は馬燈にとって﹁5本の指にすら入らないがそれでも
実力を誇れる﹃英雄﹄の1人﹂であると告げたのだ
存在がいる﹂と言う事になるのだ
!
つまり、逆に言い返せば⋮﹁アカメ以上で本当の意味で
に入る実力を誇る
"
!
すると馬燈はカードケースからカードを取り出した。
"
﹁此処からは俺のパートナー﹃英雄﹄の紹介としようかね﹂
1535
?
!
♪35﹃氷﹄と絆深めし﹃英雄﹄達
﹁此処からは俺のパートナー﹃英雄﹄の紹介としようかね﹂
フォーム、アサシン
ー
そう言うと馬燈はアブソーバーのカードを交換し、そしてレバーを
引いた
ーアヤカシ
!
すると馬燈の近くにポニーテールのように長い髪を結った剣豪の
ー
魂が現れ、そのまま馬燈に纏った
ー架空の剣豪、燕返し
!
い、細すぎる⋮
﹁では参るとしよう⋮はぁっ
﹂
そう言うと直ぐに俺の目の前にやってきた⋮⁉
ガキィン
!
!
﹂
﹂
それにそれは負け確定フラグだっつうんだよ
﹁然り。だが、それだからこそ
いや、だから何がだよ⁉
を叩いていた
秘剣
﹂
⋮来る
フルドライブ
﹄
!
!
﹃アヤカシ・アサシン
﹁
!
!
そう言うと鍔迫り合いから離れるなり、馬燈の奴、ドライブボタン
?
﹂
あんなのだったら、鍔迫り合いで直ぐに逝ってしまいそうなくら
洗濯物を干すのに便利そう⋮じゃないな。
けど、何だよあの刀⋮かなりの細長さじゃねえかよ。
彼奴の姿が変わった事は何となく分かってはいた。
ーーーーーーSIDEto零
の衣装を着た剣豪の姿に変わった。
すると馬燈は一瞬で先程変身した剣心と似たような格好をした紫
!
!
?
?
!
!
何で俺が最初なんだよ
﹁如何した
!
そんな程度か
﹁うるせぇ
?
"
1536
!
!
!
"
ザシュッ
⋮ゑ
﹁零ー‼
﹂
燕返し
・
3
・
。それがこの俺がなっている﹃英雄﹄いや⋮﹃英霊﹄⋮
3回同時に斬られた感覚は⋮
・
なんだよ⋮今の⋮斬撃⋮
!×
"
巌流島の戦い
﹂
﹁ヒントをやるならこれに尽きる。
まさか⋮そいつの真名は⋮
アサシンの⋮﹃宝具﹄⋮
︻架空の剣豪 アサシン︼の﹃宝具﹄だ﹂
﹁
?
?
?
"
フォーム、アスベル
交換して、レバーを引いた
ーアヤカシ
ー
!
!
そう言うと馬燈君は私の方を振り向くとアブソーバーのカードを
﹁次は貴方の番だ。セレナさん﹂
その強烈な攻撃で零が倒れてしまった⋮
その男の魂が馬燈君に纏っていると言うのね。
郎。
そしてもう1人は細長い刀で武蔵と決闘を挑んだ男⋮佐々木小次
1人は2本の刀で立ち向かった者。名を宮本武蔵。
それは2人の男が決闘をしたと言われる伝説上の話。
巌流島の戦い。
ーーーーーーSIDEtoセレナ
アサシンの本当の名は⋮﹃佐々木小次郎﹄だったか⋮
⋮やはりか⋮
"
すると馬燈君の隣に赤茶色の髪で白い服を着ている腰に剣を携え
!
1537
"
!
抜刀の騎士
ー
ている剣士の魂が現れ、それを馬燈君は纏った。
ー閃く刃
﹂
いきなり冷気を帯びたX斬り
砕氷刃
すると馬燈君が一気に私の元に潜り込んだ
﹁
くっ
朧月夜
﹂
その際に地面から衝撃が放たれて、それを諸に食らう私。
そう言うと剣を地面に突き刺し、ぐるりと時計回りに回った
﹁月夜に沈め
しかも、抜刀直後に放って来たから、防御する暇すらなかった
!
!
すると馬燈君の姿が先程の魂と同じ姿に変わった。
!
幻魔衝烈破
﹂
掛けての斬りつけを放った
﹁
しかも、その際に衝撃波が私の身体にダメージを与えていく
た
しまっ⁉
﹃アヤカシ・アスベル
閃く刃は勝利の証
フルドライブ
﹂
﹄
!
白夜殲滅剣
らっていく⋮
﹁
苦しい⋮
﹂
﹂
すると先程、馬燈に吹き飛ばされたファラが立ち上がる。
しかし、それでも馬燈は息切れ1つすらしていなかった。
馬燈相手にセレナと零が続け様にやられてしまう。
ーーーーーーNO SIDE
ごめんなさい⋮マリア姉さん⋮
強い⋮下手をすれば、憑友よりも⋮
﹁セレナーー
"! !
!
!
そう言いながら、私の周りに駆け込むと同時に、無数の斬撃を食
﹁
!" !
そうしていると馬燈君はいつの間にかドライブボタンを叩いてい
!
"!
!
上に掛けての斬りつけ、更にぐるりと回ってそこから左上から右下に
そして地面に突き刺した剣を抜くとすかさず右下いや、左下から右
!
!
?
1538
!
"!
"
!
!
"
"'
"
!
"
"
﹂
﹁まさか⋮﹃剣殺し﹄である私にすら殺せない﹃剣﹄があるとは⋮﹂
﹁同じ事を2度も言わせるな。
これは﹃剣﹄に非ず、﹃刀﹄也ッ
﹃剣﹄は峰が無い。だが、﹃刀﹄はある。
故に俺は﹃刀﹄と﹃剣﹄を同じカテゴリに分類などしていない
た
ーアヤカシ
纏った
ー常住戦陣
死ぬまで勝つ‼
ー
ー
を基調とした着物と黒い袴を着た少年剣士の魂が現れ、それを馬燈は
後ろに一本に縛った足元にまで届くほどの長い黒髪が特徴で、赤と白
するとアブソーバーから額と鼻筋に傷跡があり、しめ縄の髪飾りで
フォーム、仁兵衛
そう言うと馬燈はすかさずカードを入れ替え、そしてレバーを引い
!
!
!
そして纏った馬燈はすかさずファラに攻撃を仕掛けていく
?
い。
﹂
ソードブレイカー
﹂
の攻撃で発生する筈の罅が何1つとして入ってはいなかった
﹁くっ
﹁如何した、そんな鈍で、俺の業物の刀には何も出来んぞ
陰陽抜刀術・一ノ型
﹂
"
﹁
氷刃・刹華斬
﹂
そう言うと剣を勢いよく振り下ろす
"!
その際にファラは馬燈から感じた殺気に気付き、防ごうとはせずに
するとその刀から衝撃波が放たれた。
!
その抜刀の際の動き方は⋮﹃華﹄があった。
そう言いながら陰陽を描くように刀を抜く馬燈。
﹁
かさず刀を納刀し、そして鞘ごと刀を持った。
そう言うと馬燈はファラの腹に蹴りを加えさせて後退させると、す
!
!
だが、いくらやれども、馬燈の﹃刀﹄に﹃剣﹄を陵辱する﹃剣 殺 し﹄
現に、ファラは二刀流で馬燈の剣戟を受け流していく
!
だが、流石のファラも只々、その身に黙って受けると言う事はしな
!
!
!
!
1539
!
!
"
"
緊急回避をする。
すると衝撃波はファラを通り過ぎ、後ろにあった壁に激突した。
するとなんとその壁が一瞬で凍結し、更には氷のタワーのようなも
。
のまで出来上がっていた
﹂
氷刃・刹華斬
﹁‼
﹁
!
それじゃあ、立花響が救助活動した直後に起きたあの結晶塔は⋮﹂
るマンションが瞬時に凍結したと言う話を聞いた。
そしてファラが避けた事で見た氷の結晶塔⋮
そしてマリアはこう仮定した。
?
﹂
?
た
﹂
走馬燈流剣術
⋮
かすみのやいば
霞 刃
﹂
"!
﹁な⁉
﹁
"
そう言うと馬燈はそのまま連続斬りを繰り出す
!
"
そう言っていると、ファラの懐に既に馬燈が抜刀の構えを取ってい
﹁え
﹁だろうな﹂
﹁だからとて、その様な剣では、私は倒せませんわ﹂
リアの質問を肯定したのだ。
その答えに馬燈は﹁あぁ⋮そう言えば、そうだったな﹂となんとマ
﹁先の救助活動の際に発生した火災鎮火は馬燈がやったのか
﹂と。
達が現れる数分前に、響が救助活動をした直後に突然、火災現場であ
ルスそしてライジン=アンデッドと相対した際に、響達の方にも人形
そう。それは、自分達がイギリスのライブ会場にて、ファラとレグ
﹁
するとそれを聞いていたマリアはある事を思い出した。
のだ
まさかの炎すら消してしまう力を誇る氷を馬燈は発動したと言う
強いて言うなら、太陽の力で漸くだがな﹂
この攻撃を前に今まで溶かす事に成功した﹃火﹄は存在せん。
顕現し、その中に閉じ込める。
振り下ろす事で衝撃波が放たれ、当たった物は瞬時に氷のタワーを
"
?
!
?
1540
"
!
!
"
するとその攻撃をファラは真面に受けてしまった。
馬燈がした斬撃数は10回。
霞刃
。
だが、ファラの身体には傷が11回刻まれていた
﹁
!
人形だから関係無いな﹂
そう言うと馬燈は両手で刀を持ち始める
富嶽三十六剣
‼
﹂
?
まま斬り下ろした
﹂
?
﹂
!
た刺突攻撃を馬燈に仕掛ける
富嶽山嵐
その瞬間を馬燈は見逃さなかった
﹄
フルドライブ
!
﹂
!
そう言うと馬燈も跳躍する
﹁一気に仕掛ける
﹃アヤカシ・仁兵衛
!
!
!
出される
払う。するとそこから嵐が吹き始め、そのままファラは上空へと放り
すると捌くと同時にファラの攻撃の隙に入り、そのまま水平に薙ぎ
。
富嶽渓流捌き
だが、馬燈は刀を持ったままその攻撃をいなし始めたのだ
﹁
"
からの⋮
‼
?
﹂
"
!
!
すると此処でファラがまさかの雄叫びをあげながら、二刀流を用い
﹁⋮はぁぁぁぁあ
それを受けたファラも何がなんだか分からない状態だった。
ファラの身体に傷痕が⋮3つ出来たのだ。それも平行に。
すると斬り下ろした刀を受けたファラの身体に異変が起きた。
‼
富嶽虎逢断ち
!
﹁
"
そう言うと馬燈は刀を構え、ファラに向けて斬り上げ、そしてその
"
﹁我が纏いし﹃英雄﹄の魂⋮今ここにお見せしよう⋮
!
これで食らった人間は刀を避ける事すら不可能なんだが⋮
だ。
幻覚さながらの高速連撃で、斬撃回数+1の攻撃を相手に与える技
"
!
1541
"
"
"
"
"
その高さはファラが空中に浮遊している場所よりも遥かに高い所
からだった⋮
富嶽鉄槌割り
‼
﹂
?
00m範囲にまで影響を及んだ
刀の使い方を完全に熟知している⋮
⁉
まさか⋮心を読まれた⁉
?
﹁⋮ふっ。独奏もそう感じていたとはな﹂
!
一走馬燈⋮翼と同等の﹃剣﹄いや、﹃刀﹄の使い手。
まさか、これ程までとは⋮
ーーーーーーSIDEtoマリア
ターが出来ていたのだ。
なんと、邸内はまるで隕石が落ちてきたかのような巨大なクレー
そして中心点である風鳴邸では、予想外の出来事が起きていた。
!
すると地面に激突と同時に、凄まじい衝撃が風鳴邸を中心に半径5
突する馬燈。
そしてその攻撃はファラにヒットし、そのままファラごと地面に激
﹁
そしてその高さから急降下と同時にファラに向けて斬り下ろした
一本で跳んだのだ
地上から測った場合、その高さは3776m⋮富士山の標高を跳躍
!
ーアヤカシ
フォーム、ユーリ
人
ー
!
を付けた刀使いの魂が現れ、それを馬燈が纏った
!
するとアブソーバーから黒髪に黒い服、そして左手首に黄色の腕輪
!
そう言うと馬燈はカードを入れ替えて、レバーを引いた。
くらい破天荒だぞ﹂
﹁だが、刀の使い方の中で、この﹃英雄﹄の扱い方は比べ物にならない
の⁉
それは、最早人の域を超えてしまっているとしか言えないじゃない
てもその通りだとしか言えないのだがな﹂
ただ、俺の経歴によって成せる業⋮まぁ、化け物じみてると言われ
﹁勘違いかもしれんが、読心でやってる訳ではない。
?
?
1542
!
"
!
"
ー下町育ち
ダ ー ク・ナ イ ト
影の騎士
ー
!
放り投げ、そして刀は左手で握ったまま、左肩に担いだ。
﹁この人の戦い方は荒っぽいぞ﹂
絶風刃
INFINITE†CRIME
そう言うと、そのまま私に向かって攻撃を仕掛けてきた
蒼破追蓮
私はすかさず短剣を投擲する
蒼破刃
を放つが、
﹁
﹂
"
"!
円閃襲落
峻円華斬
﹂
を放つ
だが、あの男の剣の
だが、それでも私はすかさず短剣を蛇腹剣にして攻撃を仕掛ける
EMPRESS†REBELLION
円閃牙
使い方に私は凝視してしまった⋮
﹁
!
刀をバトンのように自分の手の中で回転させているのだ
﹁そんな使い方⋮﹃剣﹄に非ず
⁉
三散華・追蓮
﹂って。
爪竜連牙斬
いつの間にか背後に⁉
三散華
残った右手で殴ってくるなんて
﹂
! "!
あんな使い方をしてたら、間違いなく翼が怒るでしょうね⋮
!
"! !
﹁何を考えていたのかは知らないが⋮﹂
!
?
"
!
すると馬燈は右手に携えていた鞘から刀を引き抜くと、鞘を後ろに
!
剣から放ってき衝撃波で1つも残らずに掃討されてしまった⋮
"!"
"!"
"
‼
﹂
?
右手から何かの衝撃波だと⁉
戦迅⋮狼破
を繰り出してくるなんて‼
﹁
くっ
"
﹁
﹂
フルドライブ
閃け、鮮烈なる刃
﹄
!
そう言うと一走馬燈は私の周りを囲いながら、斬撃を繰り出して来
!"
﹃アヤカシ・ユーリ
すると馬燈はアブソーバーのドライブボタンを叩いた
﹁決める﹂
しかも、まるで狼を連想させる衝撃波だと
?
?
!
!
!
1543
"!"
"!"
"!"
﹁連続で喰らえ。
くっ
"!"
?
しかも、最後に放った技に至っては、身体全体を動かしながら斬撃
!
"
"
"
"
"
"
た
避けられると思っていた私は避けようとしたが、身体が言う事を聞
﹂
無辺の闇を鋭く切り裂き⋮
かなかった⋮
﹁
仇なす者を微塵に砕く
そう言いながらスピードを上げ始めた
‼
﹂
このスピードでは最早回避すら⋮出来ない‼
漸毅狼影陣
?
翼⁉
﹁⋮マ⋮リア⋮﹂
まだ動けるとは⋮流石は防人。その身の本質はやはり﹃剣﹄で
⋮すごい⋮
﹂
?
お前の﹃翼﹄を地に落としてくれようか
﹂
﹁ならば⋮俺の真のパートナー﹃英雄﹄の力を以ってして、
あそこ迄痛め付けられたのに⋮まだ立ち上がるなんて⋮‼
今の私は﹃翼﹄だ‼
﹁今の私は⋮﹃剣﹄では無い‼
あったか﹂
﹁ほぅ
?
フォーム、タケル‼
換して、そしてレバーを引いた
ーアヤカシ
ー
?
諸刃
!
掃魔刀‼
ー
?
に纏った。
ー真明
!
ラーの軍服らしき者を着用した刀使いの青年の魂が現れ、馬燈の身体
するとアブソーバーから緑いや、どちらかと言うとサバイバルカ
!
!
そう言うと一走馬燈は懐からカードを取り出し、そしてカードを交
!
?
!
?
寧ろ、これ以上、立つ事すら出来ないなんて⋮
ように身体が言う事を聞いてくれない⋮
しかも、この連続攻撃でかなりのダメージを受けてしまって、思う
?
!
!"
"
此処まで強いなんて⋮
﹁決まれ⋮
ぐっ
!
"
流石の私でも膝を地に付けられてしまった。
!
?
1544
!
"
!
!
﹁これが⋮俺のパートナー﹃英雄﹄⋮
︻鬼を切る﹃魔女狩り﹄草薙タケル︼の力だ﹂
1545
♪36 ﹃魔女狩り﹄VS﹃竜滅剣﹄
ーーーーーーNO SIDE
︻鬼を切る﹃魔女狩り﹄ 草薙タケル︼の力を得た馬燈。
その威迫は他のパートナー﹃英雄﹄達を纏った馬燈とは桁外れの力
を感じていた。
そんな中でも、翼は立ち上がり、そして歌を歌いながら戦い始める
⋮
︵挿入歌﹃Byeond the BLADE∼IGNITED a
rrangement∼﹄水樹奈々︶
そう言いながら、翼は馬燈を相手に攻撃を仕掛ける。
そんな翼の攻撃に、馬燈は真っ向から対決し始めた
互いにぶつかる圧倒的な剣と刀の戦い。
︵目が⋮追いつけない⋮︶﹂
千ノ落涙
すると空から大量の光の剣が放たれた
すると翼は一時後退し、そしてすかさず剣を天に向けて掲げる。
るのだ。
その攻撃を翼は全て受け止めて、尚且つ己自身も攻撃を仕掛けてい
防人
今迄の馬燈の攻撃よりも遥かに速い剣筋。
それを見ていたマリアが感じた事はそれに尽きていた。
﹁⁉
戦いその者だった。
その速さは最早、残像を置いていや、音すらも置いていった光速の
!
﹁
掃魔刀
‼
﹂
それを見た馬燈はすかさずその場に止まる⋮その時だ
!
すると光の剣達の動きが完全に1/10にまで低速していた
そう馬燈が発言すると、馬燈が見ている景色が青くなる。
!
"
?
﹂
を全て真っ二つに切り落とした
﹁⁉
!
そしてその隙を馬燈は見逃さず自分に襲いかかってきていた剣達
!
"
するとそのまま馬燈は納刀すると、また陰陽のように描きながら抜
?
1546
!
?
"
"
陰陽抜刀術・弐ノ型
刀していく⋮
﹁
双刃・雪羅
‼
﹂
﹂
だが、それが仇になる⋮
﹁
つまり、先の翼の行動は無意味になったのだ。
そう言って、なんと刀と鞘を同時に水平斬りをしたのだ
?
たのであろう。
参ノ型⋮白銀・燕落とし
﹁まだだ⋮
﹂
それに気付いた翼は驚愕した。
すると翼のアームドギアと両脚のブレードに罅が入ったのだ
そう言うと、今度は刀を1回だけ振り下ろす。
"!
!
る。
の
技
燕返し
しかし、彼は語る⋮
こ
﹁燕落としは、
だ。
だが、俺の剣技がこれだけだと思うことなかれ
そう言うと再び翼に向かって斬り始める
!
"
﹂
此処でやられる彼女では無い
﹁はぁぁぁぁあ
四ノ型⋮樹氷・角天衝
﹂
せながら振り回し斬りかかる
﹁
風輪火斬
を放つ
"
!
そう言って、跳躍して翼を中心に置き4ヶ所のポイントを突く
!
"!
"
翼は双剣へと変形させたアームドギアの柄を繋ぎ合わせ、炎を纏わ
!
彼女は防人⋮人々を守る存在だ。
しかし、翼も黙ってその身を受けるようなものに非ず。
!
﹂
を真似、そして改良に改良を重ねた応用技
たった一振りで違う箇所に傷を負わせるのは到底不可能の事であ
!
もし、翼の剣を縦に構えていれば、この攻撃は未然に防ぐ事が出来
!
それに気付いた翼はそのまま剣を水平に向けて受け身に入る。
そういうと馬燈はすかさず翼の懐に入る
"
!
"
"
!
1547
!
"
"
"
"
するとそのポイントから樹氷が現れた。それも四つ⋮
するとそのまま樹氷同士が結びつき、最終的には翼の周りを封じ込
めた
だが
五ノ型⋮吹雪・星突閃
てしまう
何処にも
そして次の攻撃がまさかの脳に向けての攻撃だった
だが、翼の剣は何処にも非ず⋮
﹂
﹁﹃盾﹄だと
﹂
﹂
﹁﹃剣﹄だッ‼
天ノ逆鱗
により、その攻撃をなんとか防いだ翼。だが、頭と身
すると翼はそのままお得意の青い斬撃
馬燈はその攻撃を悉く避けた。
蒼ノ一閃
を繰り出すが、
"
﹁連続だ
りくづら
六ノ型⋮霙技・六面斬り
みぞれぎ
﹂
やはり、手が思う様に動けない程、命中精度が弱まっていた
"
アームドギアを持っているのが精一杯⋮なのだが⋮
体以外の部位は被弾した状態。
"
一太刀、背後に一太刀、
そして上からの振り下ろしと、下からの斬り上げを真面に受けた
!
そう言いながら馬燈はまず翼の身体に一太刀、更に左右からも其々
"!
!
﹁ーー
?
すると先程までいた馬燈の場所に巨大な﹃盾﹄が現れた
脳を突こうとした馬燈は咄嗟に後退する。
?
前に一度、こんな事があったね⋮。
うん、デジャヴ⋮。
?
!
かれ、そこへ追い打ちとばかりに、右手,左手,右ふとももを突かれ
それに気付いた翼は咄嗟に防御しようとしたが、先に左太ももを突
そう言いながら、翼の背後から現れた馬燈。
﹁
﹂
しかし、翼は逆に冷静に対処し、身動き封じを逆に伐採していった
!
!
!
!
!
1548
"!
!
!
"
"
"
﹁
七ノ型⋮凍刃・七連斬
﹂
八ノ型⋮雹魔・八岐の舞
ひょうま
﹂
その都度、その攻撃を受けた翼の身体は凍り付いた
﹁まだだ
撃を与えていく⋮
﹂
﹂
"!
﹁がはっ⁉
﹁邪魔する限り、攻撃は止まん
九ノ型
そう言うと今度は翼の周りを剣の舞の様に動きながら、8回もの斬
"!
!
そう言うと抜刀と納刀を7回繰り返しながら、斬撃を加えた
"!
霰 邪 ・九印斬
あられよこしま
していく
﹁
﹂
﹂と叫ぶ。
!
﹁下らん﹂
そう言うと馬燈の刀が、ファラの身体を斬りつけた
﹁邪魔者はそこで見ていろ。
﹂
防人・風鳴翼が此処で歌を亡くす様を
翼ーーーー‼
!
が、
!
そう言って、翼の喉元を斬りつけようとした⋮その時だった。
﹁
﹂
その衝撃によりファラは池のほとりまで吹き飛ばされた。
!
それを見ていたファラが立ち上がり、そして一閃を繰り出す
しかし、既に呼吸する事しか翼の身体は言う事を聞かなかった。
それに気付いたマリアが﹁翼
そう言いながら馬燈は翼の頭上に剣を構えた。
たな︶﹂
﹁これまでだな⋮︵少しは耐え抜くかと思っていたが⋮検討違いだっ
その攻撃により、翼は完全に膝を地に伏してしまった。
そう言いながら、全部で9回もの素通り一閃をした馬燈。
"!
!
そう言うと目にも止まらぬ速さで翼を素通りそして一閃を繰り返
!"
?
!
?
1549
!"
!
"
"
!
ドガァァァンッ‼
﹂
﹂
その差⋮0.1mm以下⋮髪一重である。
﹁何の爆発だ
﹂
アークが轟沈していた
﹁これは⋮
!
に大破した﹃王﹄のアルカナを持つ人形⋮レグルスの所有する移動艇・
そう言いながら、馬燈は爆発が起きた方向を見ると、そこには完全
?
﹁がはっ
﹂
ドガッ‼
目の前に⋮
それを見ていた馬燈はその光景に目を奪われてしまっていた。
!
?
1550
﹁
?
!
その音を聞いた馬燈は剣を翼に斬りつける所を止めた。
突然起きた爆発⋮
!
﹁うおおーー‼
﹂
風魂導師
2振りの槍を携えていた霊風が殴りにかかっていた事にすら気付
かずに。
と水しぶきを上げて落下した
!
﹂
そして馬燈はその殴り攻撃により、軽くぶっとばされ、そして、池
の中にドボンッ‼
!
﹁仲間をこれ以上、見殺してたまるかよーーーーーー‼
?
?
今此処に、風の魂⋮暴れ狂う熱風と化す
1551
?
♪36.5 ﹃王﹄と﹃風﹄と﹃片翼﹄と∼決着∼
さて、霊風が翼を救ったのは前回で明らかだ。
だが霊風は奏と共に、レグルスに拉致られ、彼の移動艇・アークに
よって、空の上にいた筈⋮
その間に翼は父の本音を聞き、ファラと激闘し、更には馬燈の夜襲
があったりと色々あった。
その間、奏と霊風の身に何があったのかを語ろう。
それは遡る事数十分前⋮
ーーーーーー
レグルスによって鎖でぐるぐる巻きにされた奏と霊風はそのまま
アークに乗せられていた。
神をも縛る鎖
を悉く己の力のみで断ち切るとは⋮
そして乗せられたと同時に、その鎖を断ち切る2人。
﹁ほぅ⋮
﹂
最早、人間を捨てたとしか言いようが無いな﹂
﹂
﹁生憎こっちは生涯人間なんだよ⋮
﹁人間⋮舐めんじゃねぇ
そう言うと2人は其々の槍を構えて攻撃を仕掛けていく
!
天羽奏‼
﹂
射出される数多の武器達が、それを邪魔して思う様に前へ進めないで
いた
オレ
﹁この我の猛攻を止めたくば歌え
レグルスの挑発が奏に襲いかかる。
新たに得たその旋律で、この我を酔いしれさせてみろ
?
﹂と逆挑発をしながら、イグナイトを発動させていただろう。
発動すると、装着者を獣にし、イグナイトモードを発生している自
けに存在するウイルスに侵食されている。
LLER﹄プログラムと言う、自分達のイグナイトモードを殺す為だ
彼の変身アイテムであるアブソーバーには、﹃IGNITE KI
だが、今の奏の近くには霊風がいる⋮自分が愛している人が。
やるよ
奏も内心はその挑発に乗っかって、
﹁私に喧嘩売った事、後悔させて
!
!
!
1552
"
!
だが、レグルスの所へと進もうとするもそれを彼の黄金の波紋から
!
"
!
分達から真っ先に襲いかかる様になっている。
自分のありったけを‼
﹂
!
故に奏は使う事に躊躇っていた。
歌え
だが、そんな事を考えていた奏に声を掛ける者在りけり⋮
﹁奏
﹂
?
してきたのだ
あ
の
力
﹃IGNITE KILLER﹄が再び霊風に襲いかかるのを。
俺はお前を信じてる
﹂
だが、霊風はこう言った。
﹁奏
﹂
故に奏はコンバーターを握った
﹁くっ
﹂
﹃IGNITE KILLER﹄ACCESSー
ーイグナイト反応検知。
その時だった⋮
そして奏のコンバーターがそのまま奏の胸上に突き刺さった
﹃Dainsleif﹄
﹁イグナイト・モジュール⋮抜剣‼
ならば、自分もそれに応えないといけないと。
霊風は自分の事を﹁信じてる﹂と言った⋮
ただそれだけの言葉に奏の心は大きく動いた。
たった一言⋮﹁信じてる﹂
!
るウイルスが反応したのだ
かった。
だが、霊風はそれを必死に堪えていた
﹁︵こんな所で⋮負けるかよ⋮︶﹂
だが、その勢いは更に増していた⋮
!
!
本来ならこの時点で霊風の身体は﹃暴走﹄が起きても可笑しくはな
!
奏のイグナイトに反応したのか、霊風のアブソーバーに内蔵してい
!
自 分 の 目 の 前 で ﹁野 生 の 暴 走﹂ と も 呼 べ る
それでも奏は抵抗する⋮
!
そう⋮奏が最も愛している存在が声を掛け、そして使用する様に推
﹁霊風⁉
!
!
!
1553
?
!
!
?
!
その勢いは霊風の身体にも変化していた
﹂
突然、奏の声が聞こえた霊風は視線を奏の方に向ける。
﹁霊風
諦めかけようとした⋮そんな時、
﹁︵此処まで⋮なのか⋮︶﹂
のだ。
今迄必死に立っていた霊風の身体が、遂に膝を地に伏してしまった
!
するとそこにはいつの間にか自分の目の前に奏がおり、そして⋮
!
﹂
チュッ⋮
﹁⁉
1554
!
なんと、奏が霊風にキスをしたのだ
?
﹁へへっ。これでおあいこだぜ﹂
そう言いながらハニかむ奏。
霊風は﹁おあいこ﹂と言う言葉を聞いて、前に何かしたのか、思い
﹂
出そうとしたが、如何せん、全く記憶に残っていな⋮
﹂
﹁フィーネがまだ敵でロックと共闘した事。
﹂///
もう忘れたのかよ⋮
⋮
!
ゲンキンですね⋮この男も。
?
の顔をレグルスに向けていた。
今宵はこの俺の手で
それを見たレグルスは憤慨する
﹁辞めだ辞めだ
!
その証拠に2人の顔は﹁あ、御免。忘れてた﹂とでも言わんばかり
い。
勿論、2人は完全にレグルスの事を忘れていたのは言うまでもな
と、此処に来て完全に蚊帳の外だったレグルスが叫ぶ。
﹁何時まで俺を除け者扱いするか‼
﹂
でも、これで逆に霊風の気力は一気に回復していた。
の事だった。︵詳しくは無印53話﹃寝返りと告白﹄参照︶
する計画﹂とも称された事件⋮通称﹁ルナアタック﹂の際の激闘の際
奏が言っていたことは、フィーネが﹁バラルの呪詛である月を破壊
をしていた。
そんな霊風の顔を見た奏はしてやったりとでも言わんばかりの顔
し、更には顔を真っ赤に染めてしまった。
そう言いながら奏の言葉を聞いた霊風はその言葉で完全に思い出
!
﹁え
!
如何やら思い出してくれた様だな
﹁へへっ
!
﹂
しかも、それを皮切りにその数が増え始めたのだ
!
すると、そんな波紋が突如、真っ二つに斬られ、波紋が消えたのだ
霊風に向けて今か今かと射出される事を待ち構えていた。
そう言いながら黄金の波紋が現れ、そこから数多の武器が矛を奏と
お前らをこの世から去ってしまえ‼
!
?
!
1555
?
!
﹁⁉
何事だ
﹂
突然の事態に混乱するレグルス。
すると、そんなレグルスの横を何者かが素通りした
それに気付いたレグルスはその方向に顔を向ける
﹂
そして奏と霊風の前にその存在現れたり⋮
﹁■■■■■■■■■ーー‼
!
︻迅竜 ナルガクルガ︼が現れたのだ
赤き眼光が冴える竜⋮
そして黒くしなる鞭のような尻尾を生やした⋮
それは黒い毛で身体を覆い、腕には鋭利な刃物らしき翼、
!
﹁おのれおのれおのれーーーーーー‼
﹂
それを見たレグルスは憤慨し、更に無数の波紋を呼び出した
中に2人を覆うとそのまま体を丸めた
﹁︵そうだ⋮俺だって1人で此処までやって来たんじゃない
俺にはもう大事な人がいるんだ⋮
此処でやられる訳には⋮
﹂
だが、その隙にレグルスが攻撃を仕掛けた
全方位からの武器射出による集中放火が。
数多の武器達が一斉にアークに突き刺さる⋮
!
するとナルガの身体が光輝き、そしてみるみると小さくなる⋮
そう霊風の声が心の底から叫び始める‼
いかないんだよーーーーーー‼
!
!
!
だが、ナルガはそのまま奏と霊風を庇うかのように、自分の身体の
!
その攻撃により、波紋は消滅し、射出を阻止する事に成功した
げ飛ばし、攻撃を仕掛けた
波紋に向けて、尻尾を器用に回しながら、尻尾の先から無数の棘を投
するとナルガクルガ⋮ナルガは、今まさに射出されようとしていた
!
?
!
!
刺さっていた。
そして響が纏っているギアの元である武器﹁ガングニール﹂も突き
ガナ﹂。
中には、切歌と調のギアが元である武器、﹁イガリマ﹂や﹁シュルシャ
!
!
?
?
1556
?
!
?
その光景を見たレグルスは﹁ふん⋮たわいも無い﹂と言いきる。
しかし、それがフラグだと言う事をこの人形は知らない⋮
⋮何処にもいないだと⁉
﹂
砂煙が治り、そしてその光景を見たレグルスは凝視した。
﹁何⁉
なのに姿が全く無かったのだ
そればかりか、2人を庇っていたナルガクルガでさえ、あの大きさ
そう、何処にも奏と霊風の姿がいなかったのだ
?
それを見たレグルスは慌てて辺りを見渡す。
﹂
!
!
しかし、そんな2人と一体の姿は何処にもいない
すると、
⋮なん⋮だと⋮⁉
?
ザクッ
﹁⁉
﹂
!
LER﹄の力を取り込んだ霊風がいた
しかも、霊風は奏に対して攻撃を行おうとはしてもいなかった
事が出来る様になったのだ‼
あれだけの猛攻をどうやって⁉
呼べる尻尾をしならせていた
﹁馬鹿な⁉
レグルスは驚愕する。当然の事だ。
?
しかし、霊風はそれを一蹴する。
﹂
﹁ナルガクルガの異名は知ってるか
﹁なに
﹁ナルガの別の名は︻迅竜︼。
﹂
﹂
あれ程の包囲網を前に逃げられる筈など無いのだ。
?
!
り、更に目の周りを赤い模様が描かれ、更に黒くしなやかな鋭利とも
更に敢えて言わせるなら、今の霊風の格好は、腕から刃が生えてお
?
零,陰陽兄弟が成されたように、霊風もこの力をコントロールする
!
!
2人は其々⋮イグナイトの力を得た奏と、﹃IGNITE KIL
そう言いながらレグルスに蹴りを加える2人⋮天羽奏と精妖霊風。
﹁遅えんだよ⋮
﹁気付くのが⋮﹂
?
!
?
1557
!
?
?
﹂
此奴の速さはモンスターの中でもトップクラスに入るスピード自
慢のモンスターだ。
あんな包囲網⋮突破せずしてなにが︻迅竜︼だ
ナルガクルガ⋮別名︻迅竜︼
ていると言っても過言では無い。
その名の通り、その驚異的な俊敏力は他のモンスターよりも逸脱し
!
﹂
そのスピードで、レグルスの包囲網を奏を抱えながらそれを突破し
たのだ
武器の貯蔵の準備は充分か
その速さはまさに﹃疾風迅雷﹄の如く
﹁行くぞ、慢心王
!
モラルタ
と
"
ベガ
"
る。
を両手に持ちながら構えた
そしてその隣では、奏がオディナの剣である
ルタ
"
ディングスタートの構えを取りながら、左右の腕についた刃を構え
そう言いながら、霊風は陸上競技でのスタート方法の一種・スタン
!
!
!
めた
︵挿入歌﹃サンクチュアリ
約束の空
ement∼﹄高山みなみ︶
∼IGNITEarrang
2人の攻撃がレグルスに襲いかかる⋮
"
パリィンッ
ザクッ
する準備をする⋮が
ザクッ
﹂
パリィンッ
﹁⁉
で全て一刀両断されたのだ
﹂
更にそこへ、双剣へと得物を変えた奏がレグルスに斬りかかる
て、その攻撃を防いでいく
!
だが、レグルスは波紋を真横に呼び寄せ、そこから武器を取り出し
!
!
なんとその波紋をナルガの力を宿した霊風の腕についていた刃翼
﹁遅すぎなんだよ⋮射出する時間が
!
!
!
だが、レグルスはその攻撃を前に再び黄金の波紋を呼び寄せ、射出
!
"
そして霊風が颯爽と走ると同時に、奏も走ると同時に、歌を歌い始
!
!
!
!
1558
"
!
?
そしてもう一方の手で、霊風に攻撃を仕掛けていくが、霊風の俊敏
さにより狙いが定まっていなかった
るなり、そのまま特攻を仕掛けた
STARDUST∞SLASH
黄金の波紋を今度は奏の周囲に張り巡らせる。
その数⋮約50。それが一斉に放たれたのだ
パリィンッ
﹂
パリィンッ
だが、奏は逆に冷静だった。何故なら⋮
パリィンッ
!
ル⋮﹁スペルブラスト﹂を。
キリトからは、射出物を斬り裂く技術いや、最早チート同然のスキ
対策を、
衛宮からは、射出するタイムラグなど、レグルスが用いた戦い方の
故に、2人から奏は教えて貰っていた⋮
である。
向けて正確無比に尚且つ、針の穴をも通す程の精密射撃で射るタイプ
最も、衛宮のやり方は己の投影魔術で複製した贋作の剣達を相手に
した経緯とその対策法を教えてくれた。
そして衛宮は、レグルスが用いている戦い方と良く似た相手と相対
チートな存在。
刀流の使い手で、射出した物をなんでも斬り落としてしまうある意味
キリトは自分がイグナイトを発動した時に使用する双剣と同じ二
のカードを借りて、2人から指導を受けていたのだ。
実は、奏はこの戦いを始める前に、憑友の所に赴き、士郎とキリト
!
シュンッ⋮‼
パリィンッ
﹂
!
﹁衛宮と桐ヶ谷のあんちゃん達のお陰だな⋮
﹁なにっ⁉
その攻撃を全て双剣で捌いたのだ
!
?
そう言いながら奏は感心した。
⋮‼
しかし、レグルスが黙ってこれを受ける輩では無い。
!
そうこうしていると奏が双剣を逆手に持って、霊風と同じ構えをす
!
"
!
!
そのありえない防御の仕方にレグルスは目を見開く。
1559
!
?
?
"
﹁これ程とは⋮ならば‼
たのだ
﹂
﹂
﹁この一撃の前に世界が裂く事は当たり前。
ならば、この一振りで全て終わらせよう‼
その力は伊達では無い。
かーーーーーー
﹂
﹂と叫びながらレグルスの元へと急行する。
全 て を 終 わ ら せ よ う と す る そ の 剣 の 威 力 を 前 に 奏 は﹁さ せ る
!
するとレグルスはその剣を掲げる。すると剣が螺旋を起こし始め
た。
乖離剣﹁エア﹂⋮それがレグルスが所持していた﹁剣﹂の名であっ
﹁⋮乖離剣⋮
に出た禁忌の剣だったから。
それを見た霊風は凝視した。それは自分の前世の時に見たアニメ
ていた。
例えて言うなら⋮そう、煙突の様な構造をした剣をレグルスは握っ
剣の様に穂先が鋭くなってはいなかった。
いや、剣と呼べるのかが分からなかった。
するとそこに現れたのは、奇妙な模様が描かれた剣だった。
せ、そこから剣の持ち手が現れ、それを握りながら引き抜く。
そういうとレグルスは射出している最中に、右側から波紋を呼び寄
?
﹂
!
だった。
オーディンの槍としてあまりにも有名すぎる存在⋮﹁グングニル﹂
かつての自分のアームドギアであった槍⋮﹁ガングニール﹂と、
そして⋮﹁グングニル﹂
﹁力を借りるぜ⋮﹁ガングニール﹂。
引き抜いたのは⋮
たのか、それを引き抜く。
そんな中、奏は射出物の中にあったある物を見ると、それに呼応し
だが、それを阻めるレグルスが呼び寄せた射出物達。
!
1560
!
そうレグルスが言いきると、物凄い質量が検知されていく⋮
?
!
すると奏は走る
つけたのだ
﹂
我の財でこの攻撃を防ぐと言うのか
その速さ⋮﹃流星﹄の如く⋮‼
﹁くっ
﹁これが私のやり方だーーーーーー
天羽奏‼
﹂
すると奏のスピードが一気に人間の身体を優に越す俊敏さを見せ
!
て、奏を吹き飛ばす
⋮
そしてトドメとばかりに、その剣を勢い良く振り下ろす
⋮だが⋮
パリィンッ
なん⋮だと⋮﹂
その音の出所は⋮乖離剣﹁エア﹂だった。
ガラスが壊れる音が戦慄する⋮
﹁⁉
!
そして音と共にエアが完全に砕け散ったのだ⋮‼
!
!
そのまま鍔迫り合いが発生するが、レグルスはそこから蹴りを加え
そう言いながら、剣を振り下ろす動作を槍2つで受け止める奏
?
!
ングニルの力を合わせた奏の仕業なのかと思ったのか、レグルスは奏
の方に顔を見やる。
しかし、奏も自分が何をしたのか、全く分からなかった。
ただの鍔迫り合いで剣が砕け散ること等、出来る訳がないと。
︶﹂
そこでふと奏はある事を思い出したのか、辺りを見渡す。
﹁︵あれ⋮霊風は
それもその筈⋮彼は今⋮
そう、霊風が、何処にもいなかった。
?
1561
!
!
?
!
!
何が起こったのか分からないレグルス。もしや、ガングニールとグ
?
?
﹁どうだ
俺のマッハ・ザ・ファインプレーは
﹂
!
なんだ⋮その縞模様は⋮⁉
﹂
?
モンスター達が存在する⋮
﹂
﹂
そういうと玉座から立ち上がる刹那⋮
﹂
シュンッ
﹁⁉
その速さ⋮0.001秒。
そう言いながら、霊風はレグルスの腹にパンチを繰り出した
﹁この動きに、追いついてみやがれ
!
!
それが、今俺がなっている﹃MONSTER DRIVE﹄の力だ
︻白疾風︼ナルガクルガ。
その名は⋮
俺がなっているナルガクルガはもう一つの名がある。
!
だが、そんなモンスターの中にはそれとは違う名を持つ実力を持つ
他のモンスター達にも異名は存在する。
ナルガクルガの異名は︻迅竜︼と呼ばれている。
だ。
﹁一部のモンスターには特殊な名が付く者達がいる。異名もその一つ
て、まるでシマウマを連想させる様な模様へと変わっていた。
だが今は、その黒地に白の線とも呼べるラインが何行にも並んでい
先程までの霊風は黒一色の無地だった。
そう、霊風の身体の紋様だった。
﹁
その光景を見たレグルスはふと違和感を感じた。
アークの玉座に鎮座していたのだから。
?
最早、人としての域を超えて、
﹁化物﹂と呼ばれても可笑しく無い領
!
!
?
1562
?
!
域に彼は存在しているのも同然だった。
そんな霊風の腹パンをくらったレグルスは後退する。
威力こそは大した奴では無い⋮瓦10枚重ねても、1枚も割れない
ぐらいの威力しか霊風は打っていない。
だが、あの威力は瓦100枚重ねても1発で粉砕する威力を持って
いた。
実はこれは俊敏力が意外と関係があるのである。
まぁ、話すとかなり長くなってしまうのは否めない。
︵約3分。字数にして1万∼3万弱ぐらい︶
ただ一つ言える事は⋮
どんなに小さな力でも、スピードに乗っかれば、それは一撃の威力
となる。
と言う事である。
そうこうしていると霊風のスピードが格段に上がっていく
更にその霊風の背中に奏がガングニールとグングニルを持ちなが
﹂
ゲイル・ホワイト∞SHOOTING∞STAR
胴体を貫いた
"
た⋮
﹁⋮ふぅ⋮はぁ⋮はぁ⋮
⋮見事だ。天羽奏⋮そして風魂導師⋮
⋮見事⋮だ⋮﹂
そう言いながら、レグルスは玉座に鎮座するとそのまま霊風の方に
カードを投げつけた
それを見た霊風はそれをキャッチする。
そこには﹃英雄﹄の力⋮﹃ヒーローカード﹄が4枚あった
﹁あと2枚は⋮我の身体に⋮埋め込まれている⋮が
!
!
!
1563
!
ら、騎乗位⋮では無く、背中に足をつけてその動きの速さの中、乗り
﹂﹁終わりだーーーーーー
こなしていた
﹁これで
!
!
!
そう言いながら霊風と奏⋮2人の槍使いによる攻撃がレグルスの
!
そして胴体を貫かれたレグルスは、そのまま玉座の方へと歩み始め
"
この2枚には悪性がある⋮
故に、我の身体と共に逝かせてもらう⋮
﹂
主を失った事で、機能を停止し、そのまま地上へと落下し始めた
そんな中、奏と霊風は必死になってアークにしがみつく
所有者であるレグルスを失った事で完全消失してしまった
!
だが、ここで奏が使用していたガングニールとグングニルの槍が、
!
!
そして王が居なくなった事で、2人が立っている浮遊艇・アークは、
ドガァァァ‼
そう言うと、レグルスは機能停止と同時に、玉座諸共⋮自爆した。
汝の歌⋮とても清々しかったぞ⋮﹂
﹁天羽奏⋮
そして告げた⋮
それを聞いた2人は止めようとするが、レグルスはそれを拒んだ。
!
2つの槍でどうにか身体をしがみつかせていた奏にとってはもは
や絶対絶命のピンチに立たされていた
だが、霊風が奏の手を握った
!
︽氷魂導師︾アヤカシこと馬燈が無双していた。
そして馬燈が翼の首を刎ねようとしていたのだ
まま一気に地面へと急降下していく
そして安全な場所に奏を寝かせると、霊風はそのまま一気に風鳴邸
そこから離れた場所に奏を瞬時に移動させ、
そこで霊風は上空を見て、アークが落下する地点を予想し、
故に今の状態ではまともに戦えない。
しかし、奏は先のレグルスの戦いにて、激しく消耗してしまった。
地上に着地した霊風と奏。
そしてナルガの柔軟な脚力のおかげでアークが落下する数秒前に
!
それを視界に捉えた霊風はそのまま奏をお姫様だっこすると、その
!
真下は風鳴邸で、その庭では、自分達以外のメンバーとファラが、
その直後だった⋮霊風が目にしたのは。
!
1564
?
の方へと移動する。
その速さ⋮﹃忍﹄の如く⋮
そして霊風が到着したと同時に、上空からアークが墜落したのだ
その身に宿りし熱き魂。
﹂
!"
?
向かってダッシュしながらレバーを引いた
ー
!
そう言うと霊風はそのカードをアブソーバーに装填、そして馬燈に
そして⋮熱血魂、燃え盛らん
今宵はその熱き魂を、我が肉体に宿らせ、
決意の表れとして掲げる六文銭。
甲斐の虎により育てられたその手腕⋮
﹁
雄﹄のカードを取り出し、額に当てて呟く。
と言うメッセージが既に届いていた為、霊風はそのままとある﹃英
ー﹃IGNITE KILLER﹄は強制解除されています。ー
ITE KILLER﹄の解除をしようとするが⋮
その瞬間に、霊風は﹃MONSTER DRIVE﹄こと﹃IGN
!
!
フォーム、幸村‼
!
六文銭‼
ースピリット
天覇絶槍
!
そして話は前回のラストへと続いていくのである⋮
﹁仲間をこれ以上、見殺してたまるかよーーーーーー‼
﹂
そして﹃英雄﹄を纏って現れた霊風は馬燈に開口1発、
?
?
1565
"
♪37 ﹃Commited RED﹄
翼が首を斬られそうになるところへ、霊風の熱血を込めた怒りの一
撃を馬燈にくらわせた
⋮お前は⋮精妖霊風
のである。
﹁くっ
チ
﹂
﹁情け容赦はこちらから願い下げだ
本気で来なければ、こちらから行くまでだ
そう言うと馬燈は脚と腕を巻くし上げる。
﹂
例え、憑友の友達だからって、容赦する気は毛頭も無いぞ
ダ
覚悟は出来てるだろうな⋮馬燈
﹁俺の大事な仲間に刀を向けたんだ。
!
﹃‼
﹄
⋮地面にクレーターをつけながら。
そしてそのままリストバンドを地面に落としていく⋮
すると馬燈はそのままリストバンドを外していく。
すると手首・足首に水色のリストバンドが嵌められていた。
!
﹂
そんな馬燈が、霊風の拳により、吹き飛ばされたのだ。驚く他無い
何せ、自分達が相手でも、馬燈が悉く刀で斬り伏せたのだから。
その光景を見ていた一同は、驚きを隠せなかった。
!
2 0 0 k g
1つにつき50kg⋮計0.2tを付けていながら、お前達を相手
に圧倒していた﹂
そのリストバンドの重さの中で、馬燈は霊風と奏,そしてレグルス
以外のメンバーをたった1人で相手していたのだ
化け物なのも大概にしろと言わんばかりに。
だが、霊風は逆に冷静だった。
それどころか⋮
﹁︵それ⋮何気にフラグだぞ︶﹂
!
1566
!
!
!
!
﹁このリストバンドは俺と馬燈の特別製でな。
﹁⋮﹂
?
と、内心そう感じている始末であった。
すると馬燈が先に攻撃を仕掛ける
上の速度だった
その速さは先程のレグルスと相対していた霊風と同等いや、それ以
!
そのあまりの速さに霊風は目を追いつけていなかった。
!
そして馬燈はすかさず背後に入るや一閃を⋮
シュンッ
﹁⋮﹂
﹁何⁉
﹂
ガキィンッ
!
槍で受け止めたのだ
馬燈は﹁︵紛れに決まってる
に駆け巡る。
そしてすかさず一閃⋮
シュンッ
﹂
ガキィンッ
﹁⁉
︶﹂と内心呟くと、そのまままた一気
!
!
馬燈の素早さでは視認する事すら出来なかった筈の霊風が、攻撃を
止められてしまった。
!
!
それから何度も何度も同じように霊風に向けて攻撃を仕掛ける馬
燈。
︶﹂と、焦りを始める馬燈。
だが、そのどの攻撃も霊風には悉く受け止められてしまった。
﹁︵一体何故⁉
そして俺はそんな風の流れを、この目で視認する事が出来る。
﹃風﹄は、空気の流れが生んだ現象だ。
至極当然だ。俺の属性は﹃風﹄だ。
﹁馬燈。俺がなんで、お前の攻撃が読めるのかがわからないだろう。
る。
それに気付いたのか、霊風は不敵な笑みを浮かべながら語り始め
?
1567
?
なんとまた受け止められたのだ⋮槍で。
?
しかも、ご丁寧に色分けまでされててな。
その風の流れを感じる事で、お前のそのスピードの乗った一閃を全
⋮無茶苦茶だ⋮
﹂
て防ぐ事が出来るという訳だ﹂
﹁
生き様
﹁聞かせてやる⋮俺の生涯を‼
﹂
そう言うと霊風はなんと歌を口ずさみ始めたのだ
?
on︶
そう言いながら霊風は2振りの槍で、馬燈に攻撃をし始めた
に防御に徹しなければいけない状況にまで追い込まれてしまった
本来、2槍を扱う者は早々いない。
どちらか片方でしか対処出来ないのである。
つ武器の事︶の中で特に槍を扱う事に長けた者。
2つの槍を扱う事が出来ないなどありえないのである。
一本気
すると霊風は2本の槍を連結させて馬燈に向けて一撃を放った
!
そして霊風は長柄武器︵主に両手斧や、両手棍,太刀等の両手で持
はまさに自分の手足同然でもあるのだ。
しかし、霊風が纏っている﹃英雄﹄⋮︻天覇絶槍 真田幸村︼は、槍
!
そのあまりの2槍の巧みな槍捌きの前に馬燈は攻撃から急変、一気
!
︵挿入歌﹃Committed RED﹄ T.M.revoluti
!
霊風のあまりのチートさに馬燈は驚愕の顔をみせる。
!
烈火炎
掛けていく
﹂
閃風
見舞いさせる
﹁くっ
だが、馬燈は内心驚愕していた⋮
霊風の連続攻撃を前に馬燈は何も出来ずにいた。
"
!
そしてそのまま槍を豪快に薙ぎ払いながらの回転攻撃を馬燈にお
!
更にそこから2本の槍に携え直すと、そこから一気に連続突きを仕
"
"
!
1568
!
"
"
"
﹁︵この﹃英雄﹄は、そんな攻撃を仕掛ける様な事はしない筈なのに⁉
︶﹂
噴天
はぁ
﹂
はぁっ
﹂
くの蹴りの一撃を馬燈にぶつけた
﹁せいっ
すると霊風が瞬時に馬燈へと近づいた
その速さに馬燈は目を仰天させた。
天羽
が発動した
﹂
﹂
そして霊風は馬燈の懐に入った
しまっ⋮⁉
﹁これで⋮﹂
﹁な⁉
?
!
それ程までに、霊風が風と一体になっていたのだ。
その風に乗る速さに馬燈は目を閉じる事すら忘れてしまっていた。
!
"
必殺技もとい﹃宝具﹄とも言える空中アクション⋮
これが、真田幸村の生涯をかけて得た技にして、
﹃英霊﹄で言う所の
!
!
!
そしてそれよりも高い場所に跳躍するなり、ライ○ーキックよろし
そう言うと馬燈に槍をぶつけ、そのまま上空へと放り投げ、
困るんだよ‼
だが、その2槍のアクションは常に進化し続けている事を忘れては
﹁確かに、俺の纏っている﹃英雄﹄は真田源二郎幸村の魂だ。
そんな馬燈の焦った顔を見た霊風は威風堂々と語りだす⋮
だが、どの攻撃も、霊風が今してきた攻撃には無い物ばかりだった。
その際に霊風は幸村の力を使っていた。
馬燈は一度、手合わせとして、霊風と対戦した事がある。
槍を巧みに扱う武将の1人。
もののふ
霊風の纏っている﹃英雄﹄⋮︻天覇絶槍 真田幸村︼は、2振りの
な事を聞かされてはいなかったからだ。
そう。それは、霊風の纏っている﹃英雄﹄がこんな戦い方をする様
?
﹁終わりだーーーー‼
?
?
1569
?
!
"
!
"
"
そして一気に炎⋮いや、それでは緩すぎる。強いて言うなら⋮﹁爆
炎﹂とも呼べる炎を纏ったアッパー攻撃を繰り出し、馬燈はそのアッ
パー攻撃を前になす術無く、吹き飛ばされた
!
その威力は、幸村の生涯の主君にして、越後を統括し、
﹃毘沙門﹄を
唱えた名武将⋮上杉謙信の最大の好敵手⋮
︻戦国覇王 武田信玄︼。
風林火山
を放った。
その者を彷彿させる一撃⋮
侵掠すること﹃火﹄の如く
'
'
'
その力は信玄⋮甲斐の虎を継承したかの様な一撃だった
動かざること﹃山﹄の如く
'
その力はまさに幸村に熱き魂と共に受け継がれていた
武田信玄が唱えた名言﹁風林火山﹂
静かなること﹃林﹄の如く
疾きこと﹃風﹄の如く
'
我が2槍
フルドライブ‼
我が炎‼
﹂
﹄
だが、その内に霊風はドライブボタンを叩いていた
天に吼えよ
﹃スピリット・幸村
﹁
!
?
六文銭が描かれていた
真田ノ六文銭
が馬燈にヒットし、
真田幸村の生涯を体現した必殺技
!
り、三途ノ河を越える為に必要な額⋮
そして、その連続突きが発生した場所には、真田幸村の代名詞であ
けて放った
そしてそのまま霊風は2本の槍で上空からの連続突きを地面に向
その姿⋮不死鳥の如く
そう言うと霊風は2本の槍で天高く舞い上がる
地に吼えよ
?" !
!
!
!
!
!
そしてそのアッパーを受けた馬燈はなんとか持ち堪える。
たのだった。
そしてその力を今度は身体を纏わせていた霊風にも与えられてい
!
'
!
"
1570
"
'
!
"
'
"
"
そして馬燈はその攻撃を食らったと同時に地に伏した。
﹁⋮くっ⋮
⋮熱き魂を込めた男が放つ一撃は⋮
如何して此処まで俺の心を溶かすのだろうか⋮﹂
ーーーーーーSIDEto馬燈
思えば、俺と逝都が初めて出会った時もこんな感じだった。
相手は拳と蹴りのみ。
対して俺は木刀のみ。
あの時は揉め事があって、こんな事になった筈。
今となっては如何でも良い痴話喧嘩だったがな。
そんな中で、あいつの蹴りの一撃には感服したな。
あいつは拳を交える事は幾度か会ったけど、
彼奴は﹁大地に直接触れているこの脚が原動力﹂と当時はほざいて
いたな。
だが、それは結果としては最適な言葉だった。
彼奴の蹴りは﹁鬼の脚﹂そのもの。
その威力を前に、悪魔も聖者もなす術無しと警められていたから
な。
彼奴⋮逝都のあの一撃を受けた事で、当時の俺の心を突き動かした
な。
当時の俺は文字通り、何を考えているのかよく分からない﹁鉄仮面﹂
﹁氷の男﹂とも呼ばれていた。
当時は感情を露わにする事は無かったからな。
そんな俺の感情を豊かにしたのが、逝都だった。
其れから俺は逝都と行動する様になったな。
ダ
チ
そんな中、俺と逝都が転校した学校にいたいじめられっ子な男の
子。
これが後の俺達の親友になる男⋮
人絆憑友との出会いだった。
憑友は本当に弱かった。
1571
!
そのあまりの弱さと、異性を魅了する何かが災いと化し、
同性から虐めに逢い、教師達は知らない振り。
そんな中でも、彼奴は懸命に生きていた。
だけど、転校して数日の内に、その行為はエスカレートし過ぎてい
た。
そしてその行為をただ見ていた逝都はついに堪忍袋の緒を切り、そ
して行動に移した。
その時、俺も無理やり連れて行った事を今でも鮮明に憶えている。
最も、俺ももうすぐで怒りに身を任せそうになっていたのは否めな
いけどな。
そ し て 憑 友 を 助 け た 俺 達 2 人 は そ ん な 憑 友 の 事 を い つ の 間 に か
ほっとけなくなっていた。
そして俺は⋮いや、俺達は憑友に言った。
﹁友達になってくれ﹂と。
その時の彼奴の笑顔は心の底から笑顔を出していたのかもしれな
い。
其れぐらいにまで、俺達は改めたんだ。
﹁憑友を虐める奴は俺達が許さない﹂と。
その時に、憑友の手を握ったんだが、
その手はまるでその冷たさの中にも微かに存在する暖かい魂のよ
うな物を。
彼奴の手を穢す訳にはいかないという思いがこの時、生み出され
た。
逝都の蹴り,憑友の冷たくも暖かい手。
そして、今俺が受けた⋮霊風の熱い拳。
その熱さ⋮﹁熱血﹂の如し。
俺の心を溶かしたのはこれで3人目だ。
そう思いながら、俺は辺りを見渡していく。
そこには、風鳴翼が、ファラと呼ばれるオートスコアラーをいつの
間にか倒していた。
1572
⋮如何やら俺は此処までの様だな。
済まない⋮サモン博士。
あんたの計画の成功率を低くしてしまって。
﹁⋮如何してこんな事を⋮﹂
そう言いながら、俺の視界に霊風が入り込む⋮
こんな事をしでかしたのか⋮か。
やらなければならない事があるとしか言えない。
もし、この計画が失敗すれば⋮
世界が滅ぶから⋮
ーーーーーーNO SIDE
馬燈と霊風とのバトルの間、翼はファラと戦いそしてファラを倒す
事に成功した。
1573
﹂
その頃、クリス一行がいる﹁深淵の竜宮﹂では予想だにしない出来
事が発生していた⋮
﹁何がどうなってやがる
﹁久方ぶりの聖遺物⋮
この味は甘くとろけて癖になるぅ∼﹂
そう言いながら、その者はクリスが放ったミサイルを左手で押さ
え、更にはそのミサイルを⋮喰っていた⋮
その光景を見た一同は驚愕する⋮
﹁嘘⋮﹂
﹁嘘なものか。僕こそが真実の人∼﹂
狂った科学者⋮
﹁ドクター・ウェルウウウウウ
﹂
ティアを起動させて、﹃英雄﹄になろうとした⋮
それはかつて、マリア達と共に行動をし、そして終いにはフロン
!
ーーーーーー
そんな最中、響は入院している時、響は携帯の着信履歴を見た。
其処には、響の父・洸からの着信が無数にあった。
1574
!
ドクター・ウェルが現れたのだった。
!!
けれど、どの着信履歴にも、響は一切取っていなかった。
﹁⋮壊れた物は元には戻らない﹂
そう呟きながら、窓から照らし出される月の光を浴びる響が其処に
あった⋮
そんな響のいる病院とは別の場所。
其処はかつて、響と憑友と共にやって来た流星群を見た場所。
﹁⋮﹂
﹁⋮﹂
其処に﹁歪鏡﹂のシンフォギア装者・未来と、
﹁騎士﹂のオートスコアラー・ジィスが、
風が通りながら静かにその場に居合わせていた。
1575
♪38 義兄妹喧嘩
場所﹃深淵の竜宮﹄内部
クリス達一行が目にしたのは、なんとフロンティア事変の際に自ら
英雄として求めた狂いし科学者⋮ドクター・ウェルがこの場所に監禁
されていた
﹂
調,切歌,陰陽兄弟は気味悪い顔を見せていた。
輩
2
人
﹂
﹂﹁ドクターを傷付けるのは⋮
﹂
﹂
僕の身に何かあれば、LINKERは永遠に⋮﹂
!
︶﹂
!
﹁優しさで出来たLINKERを作れるのは僕だけ
そんなので戦わせられてるなんて⋮
﹂
不憫過ぎて笑いが止まらん‼
﹁待つですよ
﹁何言ってやがる⁉
シュンッ
﹁そうとも
﹁だって、LINKERを作れるのは⋮﹂
?
!
が、突然後ろにいた調と切歌に制止される。
後
そう言いながらクリスはアームドギアを構える。
﹁︵後輩の前でかかされた恥は、100万倍にして返してやる
それを見ていたロックはただ黙って見守っていた。
その瞳の奥に有るのは、怒りだけだった。
そうクリスが呟く。
﹂
﹁不憫に一等賞が何を言うデス⋮
?
﹁私の1発を止めてくれたな⋮
!
!
!
ド ク タ ー・ウ ェ ル と 関 係 を 持 っ て い た F.I.S メ ン バ ー で あ る
だかのような顔をみせる。
そう言いながらその場に居合わせているクリスからは苦虫を噛ん
﹁くっ
﹂
旧世代のLINKERぶっ込んで、騙し騙しのギア運用と言う訳ね
﹁へっへ∼ん。
!
!
!
1576
!
!
ズバッ
ーーッ
ひ、ひぃぃぃ⁉
﹄
﹁⋮⁉
﹃⁉
﹂
そう言いながらウェルが何かを言おうとしているとウェルの顔面
に浅い傷を作らせた。そしてそのウェルの背後には1本の矢が突き
刺さっていた。
それに気付いたウェルは怖気付く。
そしてその矢が放たれた先を逆探知すると其処には、ロックはが弓
を構えていた。
﹁生憎、お前よりも信頼が出来て、その優しいLINKERを作れる医
者はごまんといる。
それに、俺達には最も信頼できる存在が近くにいるからな⋮﹂
﹂
そう言いながらニヤリと不敵な笑みを浮かべるロック。
﹁⋮パーフェクト・ドクターが﹂
⋮ジャンヌ・カデンツァヴァナがだと⁉
ロックはそうはっきりと言った。
﹁
授と生徒と言う関係だったと言う事がな﹂
﹁くっ⋮だが、僕に出来た事を彼女が出来ないとも⋮﹁逆だな﹂何
﹂
ウェルの履歴を漁っていたら、ジャンヌとあんたの関係は謂わば教
﹁前々から何か有るなと勘付いてはいたが、案の定と言う訳か。
友・人絆憑友の母でもある。
同時に、ロックやクリス,S.O.N.G.のメンバーの大事な戦
を持つ凄腕の名医でもある。
のホスピタルに引っ張りだこにして、
︻パーフェクト・ドクター︼の名
そしてジャンヌは現在姓を変え、
﹁人絆ジャンヌ﹂として、世界各地
マリアとセレナの母・ソロの姉にして、2人の義理の母。
ジャンヌ・カデンツァヴァナ。
如何やら、ウェルもその異名を持つ者の事を知っていた様だ。
?
して崇め讃えられているからな。
﹁あんたの領域はもうとっくの昔に超えて、今では︻神に近い医者︼と
?
1577
?
?
!
?
!
!
LINKERの作成なんて、今まではその忙しさに手を付ける事な
ど出来なかった。
けれど、漸く一段落済んだ今なら、レシピさえあれば、そんなもの
簡単に作れる。
﹂
それ所か、更なる改良を加えて、ノーリスク・ハイリターンと言う
﹂
非現実のLINKERすらも作り兼んな
﹁うぐっ
その話を聞いていた2人は朗らかな顔を見せていた。
そんな中で、今まで蚊帳の外にいたキャロルが行動を移した
﹁ほっとれば、話を勝手に進めるな﹂
!
ロックの抗議にウェルはとうとうぐうの音も出なくなってしまい、
?
そう言いながら、キャロルはアルカ・ノイズが入ったジェムを投げ
散らかす
﹂
そしてアルカ・ノイズを出現させた
﹁2人が戦えなくとも
!
イズ達に攻撃し始める
﹂
﹂と口を挟んでいたのは此処だけの話。
?
ウェルが﹁英雄だ
よせッ
﹁だったら、英雄様にさっきよりもデカイやつ、くれてやる‼
﹁
そう言うとクリスは再びミサイルを準備し始める
﹂
そんな中、レイアがウェルに対しての最善行動をキャロルに述べ、
盾にし、キャロルは自らの防御魔法陣でその攻撃を防いでいく。
するとその弾丸の一部がウェル達の方に行き、ウェルがキャロルを
!
そう言うとクリスが勝手に1人で行動し始め、すかさずアルカ・ノ
!
!
ちょこちょい
﹁即時、遂行﹂
﹂とこの場の状況を再確認させる。
この僕も
!
﹁何のつもりか知らないが、
そんな物を使えば、施設も
⋮なんてね﹂
?
﹁レイア。この場地を空けてみせろ﹂
海の藻屑だぞ‼
!
!
1578
!
!
!
それに気付いた皆は驚愕し、代表してまさかのウェルが﹁この、おっ
!
!
そう言うとレイアは行動に移し、クリスはミサイルを戻し、攻撃を
仕掛けていくが、レイアはアルカ・ノイズを盾にして、その攻撃を躱
していく。
その際に、ロックはクリスを見やる。
﹂
クリスの銃撃が滅茶苦茶になっていたからだ。
﹁あの⋮馬鹿野郎が⋮
ダッシュし始めた。
フォーム、ティグル‼
?
れ、ロックは纏った
?
そして終いにはその照準が、調の方に⋮
ていた
そうしていると、クリスが出鱈目な動きでレイアを撃ち抜こうとし
ー精密、弓撃、魔弾の王‼
ー
するとアブソーバーから赤髪で、矢筒と弓を携えた青年の魂が現
ーソウル
ー
アブソーバーに装填、そしてレバーを引きながらクリスに向かって
そう言いながら、ロックはあるカードを取り出すや、そのカードを
!
!
﹂と呼ぶが、その隙になんとロッ
間一髪の所でまさかのロックが黒く塗られていた弓でその攻撃を
防いだ。
クリスは思わず﹁ロック義兄⁉
クはクリスの腹を蹴り、クリスを吹き飛ばした
なんとか態勢を立て直そうと立ち上がったクリスは抗議しようと
!
?
するが、そんなクリスの足元へ矢が放たれ、更には後ろ,左右に矢が
!
放たれ、終いにはロックが地面に手を付けると其処から矢と矢の間か
﹂
ら水が噴水してきたのだ
水陣四方
﹁そのまんまの意味だ。
!
"
如何いう事だよ
﹁
"
1579
!
!
!
!
ガキィン
﹂
﹁‼
?
﹄
﹃‼
?
!
﹂
クリス⋮お前は要らない﹂
﹁⋮え
﹁‼
﹂
なら、なんでその後輩に銃口を向けた‼
﹂
﹁クリス。お前、大事な後輩の前で恥をかいたと思ってるだろ。
寧ろ、クリスに欠けている事を指摘し出した。
ロックには関係なかった。
それを聞いていた調達も﹁それは言い過ぎ﹂と言うが、そんな事は
なんとまさかのロックからの切り捨てに遭うクリス。
?
現に見てみろ
﹂
敵は一目散に撤退したぞ
お前が滅茶苦茶な事をしてくれた所為で‼
﹁
﹂
﹁今のお前に、こいつらの先輩面をする資格なんか⋮無い‼
?
!
いた陰陽兄弟の方に赴く。
﹁調。怪我は無かったか⁉
﹂
?
﹂
﹁あ、いえ⋮大丈夫です﹂
﹁切歌は
﹂
﹂
﹁こっちもピンピンデス
﹁兄弟は⁉
先輩
!
そう言うとロックは皆の前に立ち、この場を後にしようとしていた
﹁そうか﹂
﹁ご心配には及びません故﹂
﹁心配するなよ
!
?
﹂
一方、指摘した張本人であるロックは調と切歌、そしてその近くに
そんなクリスの精神はズタボロも同然だった。
まったと言う事実。
達に銃口を向け、更には追い打ちとばかりに敵はすぐに撤退してし
自分があんな態度をとったばかりに、ロックからは見限られ、後輩
?
?
それを聞いたクリスは膝を地に付け、愕然としていた。
?
!
!
?
1580
!
!
それに気付いたクリスが﹁待てよ
ち止まる。
だが、ロックはクリスに告げた。
﹂
⋮﹂
﹂
﹂と止めにかかり、ロックは立
﹁お前に背中を預けた俺が馬鹿だった﹂
﹁⁉
﹁
これは、小隊長の命令と同時に、義兄としての命令だ
この任が終わるまで、お前は戦う事を禁じる。
﹁⋮お前はS.O.N.G.の方へさっさと立ち去れ。
?
その時には既に
水陣四方
が解除されており、クリスはそのまま
"
﹂
?
そう言いながら冷酷な声で対処するロック。
しかし、それでも陰陽兄弟が反論をし続ける。
﹂
﹂
﹁だからって、あんな言い方は無いんじゃ無いのかよ
同じ兄妹なのによ
﹁如何して其処まで突き放すんだよ⁉
﹁⋮お前達には関係⋮無いとは言えんか。
前々から言っているが、俺とクリスは義兄妹だ。
その時、握っていた左拳から血が流れていた事に調達は気付き、そ
そう言いながらロックは1人先に前を歩く。
こんなので、人々を守る存在に彼奴はならないんだよ﹂
その結果がコレだ
だからこそ、俺以外の奴を守ると言う事もしなかった。
た。
彼奴は今の今まで俺以外の奴とコミュニケーションすらしなかっ
!
俺にとっては、そんな先輩面を持つ奴は嫌いなんでな﹂
﹁その後輩達に銃口を向けた奴を先輩としてまだ崇めるつもりか。
﹁クリス先輩は私達の為に﹂
﹁今のはあんまりデス‼
その様子を見ていた皆はロックに反論する。
絶望したかのような顔を見せていた。
"
そう言うとロックは調達を連れ、この場から立ち去る。
!
!
?
!
!
1581
!
してあの凄い威圧感の前に何も言わなかった。
そんな中、クリスは涙を流していた。
自分にとってかけがえの無い義兄からの宣告にただただそれに涙
を流すばかりだった。
1582
♪39 英雄に必要な素質
その頃、キャロル達はあの場の床に穴を作り、その中へと入り、深
部の方へと逃げ込んでいた。
その際にキャロルは自身の肉体であるホムンクルスの身体に不具
合が発生し、意識が離れていた。
俺は⋮落ちていたのか⋮﹂
しかし、それもレイアの介抱によりなんとか保つ事が出来たよう
だ。
﹁⋮
﹁またしても拒絶反応です。撤退の途中で意識を、
高レベルフォニックゲイナーが複数と、
伝承に記されし存在︽精魂導師︾が複数いた事に逸るのは理解出来
ますが⋮﹂
﹁杞憂だ﹂
そう言いながら、
﹁それよりも﹂と言わんばかりにキャロルは一緒に
撤退したかつて︽フロンティア事変︾を引き起こした元凶・ウェルと
話し合う。
﹂
﹁知っているぞ、Dr.ウェル。︽フロンティア事変︾関係者の1人。
そんなお前が何故此処に
してくれた
人権も、存在も失った僕は、人ではなく﹁物﹂
回収したネフィリムの一部として放り込まれていたのさ
﹁その左腕が⋮﹂
﹁イチイバルの砲撃も腕の力で受け止めたんじゃない。
﹂
接触する瞬間にネフィリムが喰らい、それを同化。
身体の一部として精神力を制御したまでの事
﹁面白い。よし、付いて来い。﹂
﹂
﹂
フロンティア事変の事も、僕の活躍も、寄ってたかって無かった事に
﹁我が身可哀さの連中と、あの闇を牛耳る男︽キングorカイザー︾が、
?
﹁だったら僕を争乱の只中へと案内してくれ﹂
﹁争乱の只中
!
!
!
!
?
1583
!
﹁英雄が立つ所さ
﹂
⋮やはりこの男。まだ自分を﹁英雄視﹂している様だ。
そのような者が﹁英雄﹂になれると思う方が非常な事だ。
﹁英雄﹂とは常に、
﹁誰か﹂を守る為に、﹁己の命﹂を落としても構わない⋮
﹁愛する者﹂達を守れるのならば、
﹁全て﹂を敵に回しても構わない⋮
﹁己﹂が﹁己﹂であり続ける限り、﹁罪﹂を背負おうと構わない⋮
こ
の
男
そんな者達が﹁英雄﹂になれる。
なのに、ウェルは⋮﹁自分﹂さえ良ければ、後は如何でも良いとし
か考えていない。
そんな者が﹁英雄﹂になろうと考えている⋮
そんな輩は、絶対に﹁英雄﹂とは誰からも言われない。
例え己が英雄と称しても、他者からはその行為は英雄とは呼ばない
のである。
要するに何が言いたいのかというと⋮
﹁代償﹂払わぬ奴に、﹁英雄﹂と呼ばれる資格は無いという事である。
良い例であげると、憑友達︽精魂導師︾の側にいる﹃英雄﹄達が良
い例だろう。
憑友のパートナー﹃英雄﹄⋮キリトの場合は、
生前に﹁支えあう仲間﹂を見殺しにし、
﹁孤独﹂と言う名の生き地獄
を得て、﹁英雄﹂へと昇華した。
ロックのパートナー⋮アーチャーことエミヤは、
﹁正義の味方﹂と言う概念に囚われたばかりに、
﹁愛する者達を含めた少数﹂を切り捨て、
﹁大多数﹂を救う救済をさせ
られ、挙句の果てには﹁世界崩壊阻止の掃除屋﹂として、忌み嫌われ
続けてきた結果、﹁英雄﹂の上位存在﹁英霊﹂と化した。
この様に、全てとは行かないが、
﹁英雄﹂になるには、それなりの﹁対価﹂を支払わなければ﹁ならない﹂
いや、﹁なれない﹂のである。
しかし、この男⋮Dr.ウェルは如何だ
?
1584
!
この男には、それ相応の﹁対価﹂など、持ってはいない。
あるのはただ、左腕に生きる聖遺物︽ネフィリム︾の一部のみ。 今のウェルの話し相手で交渉者であるキャロルの目的には⋮必要
性が無い⋮筈だった。
キャロルがウェルに向けて握手をする迄は。
キャロルはウェルのその左腕に用が有ったのかもしれないと言う
事に。
ウェルの左腕︽ネフィリム︾は、全てを喰らい、そして同化する性
質を持つ。
そこにキャロルは目を向けたのかもしれない。
もし、その性質を利用すれば、
此処に来た目的である︽ヤントラ・サルヴァスパ︾ の代替が出来る
と言う事に。
﹂
﹄
1585
﹁ネフィリムの左腕の詳細は追っ手を撒きつつ、聞かせて貰おう﹂
﹁脱出を急がなくても良いのか
﹁奴等の動きは把握済み。
時間稼ぎなど造作も無い﹂
は人形︶は歩いて行った。
その頃、ロック達の方では⋮
ーーーーーーSIDEto切歌
﹂
﹃だからと言って、彼処まで責め立てる事は無いだろ
﹁俺は彼奴の事を思ってやった事だ
﹃そのやり方が良く無いと言っているのが、未だに分からぬのか‼
﹁あんな周りの事を気にしないで、撃って良いモンじゃねえ
?
!
現に、此処が深海だと言う事を忘れて、ミサイルは展開するわ、相
!
﹄
そう言いながら、キャロルとウェル,そしてレイアの3人︵内1体
?
手の撹乱にまんまと嵌まって、仲間を傷付けようとしていたんだぞ‼
?
﹄
あんたはあんたで彼奴に対して甘すぎんだよ‼
﹃そう言う君に関しては逆に辛すぎだ‼
﹂
?
﹂
じゃないか‼
﹁人 の 事 を ⋮ 他 人 の 関 係 事 に 首 を 突 っ 込 ん で お き な が ら、良 い 度 胸
?
?
揉め事で口喧嘩を始めてしまったデス⁉
なんとか止めないと⋮⁉
﹁切ちゃん﹂
⋮如何したデスか、調
⋮そう⋮デス。
﹁気を落とすなよ。
俺達になりにクリス先輩を元気付けようぜ
﹁﹂コクッ
?
﹂
?
4 分 の 1
﹂
1/4ずつにしよう
﹁それ賛成
﹁ああ、そうだな﹂
調⋮光聖⋮闇呪⋮
﹂
﹃セキリュティシステムに侵入者の痕跡を発見
そう言うと、ロック先輩は影になっている部分に手を触れると、そ
れ。すぐに帰ってくる﹂
﹁⋮その前に、俺は行く場所が出来たから、少し別行動を取らせてく
したんです⋮けど⋮
そう言いながら、私達は急いで記憶して、その座標にまで行く事に
!
?
!
﹁⋮急いで憶えて、行動に移すぞ﹂
﹄
﹁じゃあ、切ちゃん。憶えるのは切ちゃんと私と光聖と闇呪の4人で
﹁こんなにいっぺんに憶えられ無いデスよ⁉
そう言いながら、あおいさんからデータを貰ったんデスけど⋮
﹃念の為に、隔壁やパージスイッチの確認の方をお願い﹄
ありがとうデス。光聖。闇呪。
﹂
﹁こればっかりは、私達は手も足も出せないよ﹂
?
?
?
ロック先輩と、司令が完全に揉め事を⋮それもクリス先輩に関する
不味い事になったデス⁉
あわわ⋮⁉
?
!
1586
?
?
の影の中に入って行ったデス
おぉ∼⋮これがロック先輩の十八番
でも⋮何処に
ーーーーーーNO SIDE
影這い
と言う奴ですか⋮
"
﹁
⋮アーチャー⋮﹂
外套を羽織りし﹃弓兵の英霊﹄なる存在⋮
ロック義兄のパートナー﹃英雄﹄にして、白髪で黒い肌質の、赤い
そこに居たのは、自分達の身の回りの事を世話してくれた、
それを見たクリスは顔を上げる。
するとそんなクリスの元に声を掛ける者在りけり。
﹁⋮やはりまだ此処にいたか﹂
ガティブになっていた。
やはり先程の騒動に影響を受けていたのか、クリスは心も身体もネ
私は⋮もう⋮︶﹂
向けて、果てにはロック義兄に見放されて⋮
﹁⋮︵後輩達の前で屈辱を晒されただけじゃなく、その後輩にも銃口を
丸まっていた。
先程まで戦闘を繰り出していた場所の近くで、体育座りで、身体を
その頃、ロックに突き放されたクリスは1人⋮
"
!
︻無限剣製の守護者 アーチャー︼がクリスの前に現れた⋮
1587
?
!
!
♪40∼義妹を思う故∼
クリスが哀しみに浸っている時、彼女と、その義兄・ロックの身を
守っていた存在・アーチャーが現れた。
突然の出来事に驚くクリス。
﹂と、なんとも紳士的且つフランクに接してきた。
だが、アーチャーはお構い無しに、
﹁隣に座っても宜しいだろうか
お嬢さん
するとそれを聞いたクリスは首だけを縦に振る。
﹁普通なもんかよ⋮﹂
﹁⋮彼奴が彼処まで冷たくした事にか
﹂
﹁まぁ、そう考える事でもない。寧ろこれが普通さ﹂
﹁⋮﹂
﹁義兄妹喧嘩とはな﹂
た。
了承を得たアーチャーはクリスの隣に座り込み、そして話しかけ
?
ていた。
そんな2人の様子をアーチャーはカードになっても、それを見届け
怒りを孕んだあの殺気を帯びた義兄の眼差しに。
だからクリスは驚いていたのだろう⋮
雑だのと言った軽いものばかり。
あったとしても、やれ味付けの配合が違うだの、やれ武器の扱いが
である。
何気にロックとクリス両名は、義兄妹喧嘩をする事は極めて稀なの
クリスはその問いに対しては何も言わず、ただ首を縦に振った。
そう言いながらアーチャーはクリスに問いかける。
?
育ての父親
である感じしかしなかった。
2人にとってアーチャー=エミヤは、オカンであり、大切な戦友で
あるが、それよりも
"
﹂
そのアーチャーに対して納得がいかないクリス。
するとアーチャーが﹁両成敗だ﹂とも取れる発言をした。
﹁なっ⁉
﹁今回ばかりは両方悪いに越した事は無いがな﹂
"
1588
?
?
しかしアーチャーはその理由を語る。
﹁先ず、クリス。君の場合は⋮
①目の前の敵に集中するあまり、味方の存在を厳かにしていた事。
②1人でもやれると思ってしまった事。
﹂
③周りの環境の場に全く気づかなかったが故に、下手をすれば仲間
諸共施設を破壊しようとした事。
﹂
そんなので、罪を償い切れると思ったら大間違いだ
﹁っ‼
﹁人は誰しも過ちを犯す。
﹁⋮﹂
さ
き
り方がいかんな﹂
彼奴も彼奴でお前の事を大事にしている気持ちは分かるが、そのや
③あそこまで突き放す言動にまで行き着かなくても良かった事。
②相も変わらずの義兄気取り。
①クリスに対しての忠告の仕方が駄目。
﹁次にロックの場合は⋮
故に彼はクリスを叱咤したのだろう。
それがアーチャーは嫌だったのだろう。
そしてその未来にある結末が安易に思い浮かべたのだろう。
ろう。
彼にとっては今のクリスは何処となく自分の経緯と似ていたのだ
そう言いながらクリスに叱咤するアーチャー。
﹁アーチャー⋮﹂
私の二の舞だけはなんとしてでもな﹂
も無い。
私としてはそんな事クリスにはして欲しくは無いし、なって欲しく
下手をすれば、己が愛した存在すら、この手で殺めかねない。
なってしまう。
その状態のクリスだと、いずれは自分の目の前の存在すら守れなく
!
そう言いながらアーチャーは今回のロックに対して駄目だしを愚
痴る。
1589
?
何方かが悪いと言う事は意外にも少ないものなのだ。
例えば、いじめの光景を目の当たりした事にしよう。
この場合は必然的に、いじめっ子が悪いと解釈する者が大半だろ
う。
だからと言って、それを決定付ける事は辞めた方が良い。
そんなの、お前がただ弱いだけだ。肉体的にも、精神
いじめられっ子の方も、強者の考え方としては、
﹁いじめられた
・
・
・
・
・
﹁なんで助けてくれないんだ
分かってくれないだろうか
・
・
﹂
・
・
・
・
・
・
﹂と罵られ
﹁だが、クリス。君を守りたいと言う想いだけは本物だ。それだけは
もう一度言おう⋮大半が両者共に悪いのである。
何方も悪いと言う事が大半なのである。
つまり、何が言いたいのかと言うと⋮
⋮罪悪感しか生まないのである。
﹂
﹁如何して助けなかった
だが、もし助けてもくれないばかりか、ただ見ているだけだったら
・
その場合、第三者が助けてくれるのであれば何も問題無い。
それにそれを見ていた第三者と言うケースも存在する。
的にもな﹂と言われるのがオチだろう。
?
だが、その肝心な話の内容を憶えていないと言うなんとも理不尽な
それはもう、色々と有ったさ。
∼回想∼
ーーーーーーSIDEtoアーチャー
に起こった話を⋮
かつてまだアーチャーが現界し続け、2人の面倒をしていた事の間
それはまだ2人が、当時現命していたフィーネと出会う前の話。
言いながら話し始めた⋮
それを聞いたアーチャーは﹁少し懐かしい話でもするとしよう﹂と
したばかりのクリスにはそれをまだ受け止めきれないでいた。
そう言いながらアーチャーはロックの想いを口にするが、先程喧嘩
﹁それに対する理由が⋮私は欲しい﹂
?
1590
?
?
記憶の所為で、未だにその話がなんだったのだ
だった。
と思う様な事ばかり
だが、私がどんな存在なのか。如何してこんな事をしているのか。
等と言う私自身としては如何でも良い事だけが記憶に残っていた
な。
あ、いや。生前の私⋮まだ私が衛宮士郎としての生を受けていた頃
の記憶は鮮明に憶えて置いて損は無いか。
⋮さて、勝手に私事が出て来た様なので、話を戻すとしよう。
肝心な内容の記憶は憶えていない癖に、あの出来事だけは鮮明に憶
えているな⋮昔も今この時も。
それはまだロックが︽水魂導師︾の力を手に入れて、漸く付け焼刃
だが、形になった頃だな。
その時、私も同行していた。彼の剣術や弓術は私が教え込んだと
言っても過言では無い。
だが、それはあくまで基本や基礎までの話。
後の応用は全て独学でと言う事だ。
そんなロックが休憩して、私がロックにお手製のスポーツドリンク
を渡した時に彼は口を開いた。
﹄
﹃⋮まだまだだな﹄
﹃何がだ
﹃⋮ほぅ﹄
そんな事を奴は言っていたな。
全く、この時から既にロックの心理状況等嫌でも分かってくる。
﹃パートナー英雄﹄に選ばれた﹃英雄/英霊﹄達は、選んでくれた︽精
魂 導 師︾の 心 が 分 か る と 言 う の だ。正 直 な 話、こ れ は こ れ で プ ラ イ
ベートに関与するので、止めて欲しいと思ったくらいだからな。
考えても見てみろ。パートナーの心の声が嫌でも聞こえてくるん
だぞ
1591
?
﹃俺はまだこんな所で立ち止まる様な輩じゃないと言うことさ﹄
?
﹃千里眼﹄持ちである私でも、此処まで見通せる事など不可能だ。
?
だが、これがあるおかげで、この時のロックの心理状況は分かった。
口ではあんな事を言っていたけれど、心の声は⋮
︶﹄
1592
あまりにも単純すぎる心の声。
だろうな﹂
﹁あぁ。何せあいつは君の義兄だ。彼奴も君の事を大事にしているの
﹁ロック義兄が⋮﹂
ーーーーーーNO SIDE
∼回想END∼
のだろうな。
だからなのだろう。そんなロックの事を何気にほっとけなかった
!
︶﹄
﹃︵こんなんじゃ⋮クリスを守ってあげられない。
﹄
クリスを光ある場所へと届けてあげられない
﹃
!
﹃︵その為にも、俺は彼奴を守れるぐらいにまで成長しないとな
!
﹁⋮﹂
﹁⋮さて、如何やら動きがあった様だな﹂
﹂と言いながら立ち上がる。
そう言いながら立ち上がるアーチャー。
それを聞いたクリスは﹁何がだよ
﹁道、分かるのかよ
﹂
﹂
﹁さて、私が案内するとしよう﹂
S搭載の機種を全て切っておいた。
なんでだよと言いながらも、クリスはアーチャーの言う通り、GP
味深な言葉を口にした。
するとアーチャーから﹁取り敢えず、GPS等は切っておけ﹂と意
そう言いながらクリスは右手と左拳を打ち付ける。
﹁キャロルのやろ∼か
ならば⋮その原因が何かしたと言う事だ。
第一ここに来たのは、キャロル達がこの施設に潜入したのが原因。
それを聞いたクリスは考える。
するとアーチャーは﹁考えて見ろ﹂と言い返す。
?
ちまちまと姑息な手を使う為には、地形を活かす事も頭に入れてお
かねばならないからな﹂
そう言いながらニヤリとした顔をみせるアーチャー。
﹁︵あ⋮なんかやらかすな︶﹂とクリスが心の中で呟いていたのは言う
までも無いし、此処だけの話である。
そうしながら、2人はキャロルの場所まで移動する事にした。
1593
!
﹁生憎私は﹃弓兵の英霊︽アーチャー︾﹄なのだよ。
?
♪41 決戦∼勝利の鍵はコインに有り∼
クリスとアーチャーが移動を開始した頃、ロック達もキャロル陣営
の方へと追い打ちを仕掛けようと行動していた。
﹂
だが、その場にリーダーとしての任を就いてるロックの姿が何処に
も見えなかった。
﹁全く何なんデスか⁉
﹁切ちゃん、落ち着いて⋮﹂
そんな中、切歌はなぜか膨れっ面になりながら、キャロルの元へと
移動していた。
そんな切歌を宥めるのは、やはりと言っても過言では無いぐらい切
歌といつも一緒にいる調だった。
そんな2人の様子を後ろから追いかけている陰陽兄弟は揃って苦
﹂
笑いをしながらもキャロル陣営の方へと向かっていた。
﹁しっかし、なんであんな事言ったんだろうな
で、一行はその場所へと行こうとした。
それは、キャロル達の情報をキャッチしたS.O.N.G.の証言
そう光聖希が言いながら、先に起きた事を思い出す。
?
だが、その時、ロックは突然の発言をしたのだ。
﹄
﹃悪いが、俺はパスする﹄
﹃⁉
﹁如何してデスか⁉
﹂
﹁何でだよ
影に手を伸ばすとそのまま
てしまったのだ。
﹂と言いながら、切歌と光聖希が
影這い
を用いて、その場から立ち去っ
"
てるのかもしれないな﹂
﹁あの人⋮何処か頭一つ飛び抜けてる分、頭のネジの一つか二つ、抜け
そんなロックの考えに2人は何も思い浮かばなかった。
それが先に起きた事態だった。
"
1594
?
反論に出るが、ロックは﹁やるべき事が出来た﹂と言って、そのまま
?
まさかの棄権発言に、元F.I.S組の四人は驚愕する。
?
﹁いや、それは無いんじゃねぇか
て行く⋮
⋮たぶん﹂
そんな事を考えながらも、4人は急いでキャロル達の元へと向かっ
?
﹂
そんな最中、突然指令室の出入口の扉が開いた
﹁
影這い
なぜ此処に
﹂
使えば、どうにでもなる。それよりも⋮﹂
はいなかった。
だが、ロックの身体を見渡すと水滴はおろか、服も水浸しになって
たとえ泳いだとしても、息が続かない場所にあるのだから。
竜宮﹄よりも遠い場所の海中に停泊しているのである。
実はこの潜水艦がある場所は現在、クリスや切歌達のいる﹃深淵の
弦十郎はそう告げる。
﹁ロック⁉
と一緒にいる筈のロックが来ていた。
それに気付いた者達は出入口の方に目を向けると、そこには切歌達
!
思う様に作戦が行かない事に苦虫を噛んだ様な顔を見せる弦十郎。
﹁くっ
けると言う現状に遭っていた。
だが、対象となっているキャロル達は切歌達の追っ手を振り払い続
前面に映像として映し出されていながら、作戦を指揮していた。
そこでは、現在ロック達が赴いている﹃深淵の竜宮﹄内のマップが
令室。
一方、此処はS.O.N.G.の移動潜水艦内の一角である作戦指
ーーーーーー
だが、この時までキャロルの足元すら見えてはいなかった。
!
?
"
﹂
﹁エルフナイン。こっちを向いてくれないか
﹁はい
﹂
?
そしてエルフナインの頭を撫でた。
そう言いながらロックはエルフナインを振り向かせ、
?
⋮はぅ∼∼⋮///﹂
⋮撫でた
﹁⁉
?
1595
!
そう言いながら、ロックはエルフナインに顔を向ける。
"
⋮えへへ⋮///﹂
﹁やっぱり君は可愛いな﹂
﹁
そう言いながらエルフナインの頭を撫でながらロックは口説き始
めた。
﹁︵こんな時に何をしてるんだよ⋮︶﹂⋮と、スタッフ一同はそう思って
いた。
⋮﹂
シュトンッ⋮
﹁⋮え
!
にすぅ⋮と、倒れ込んだ。
幾ら何でもやりすぎよ
!
﹁いい加減、出てきたら如何だ
﹄
﹃⋮ほう
﹃⁉
⋮いつ見破った
?
﹄
⋮キャロル・マールス・ディーンハイム﹂
?
すると大きく深呼吸し、そして目を開く。
だが、ロックは﹁少し黙ってろ﹂と一蹴する。
友里がロックに対して怒りを孕んだ声で言いかかる。
﹁ちょっと、ロック君
﹂
それを受けたエルフナインはそのままロックに身を寄せるかの様
で嫌な行為としか思えないのである。
いきなり撫でたと思っていたら、いきなりの不意打ち。それはそれ
突然の出来事に驚愕する一同。それもその筈だ。
エルフナインの首裏に手刀を放つまでは。
?
?
の身体からキャロルがホログラムとしてこの場に現れたのだ
それを見た一同は驚愕した。
﹃俺が何時、毒を仕込んだと思っていたのか⋮﹄
﹄
﹁最初からだ﹂
﹃何
故にこうして不意をかける事に成功したまでの事。
﹁俺は端からエルフナインの事を仲間だとは思ってはいなかったさ。
!
ロックの言った台詞に呼応するかの様に、気絶されたエルフナイン
?
?
1596
!
最も、お前もエルフナインと同じホムンクルスなら、一方的な感覚
﹂
支配など⋮お前の口から言う台詞から言わせるならば⋮
造作もない。だろ
﹄
ロック君
婚期逃し
﹂
﹂と反論を述べようとするが、
﹁いいから黙ってろ
そしてその言葉で皆は目を見開いた。
そうしているとロックは﹁だがな﹂と付け加えながら、話を続けた。
取り敢えずロック君⋮南無三。
⋮うん。流石の作者もあれは禁句だと思っていたのだが。
とか。
それを見ていた男3人は流石に血の気が真っ青に引いたとかなん
と逆に言い返され、友里は更に違う意味で堪忍袋の緒が切れた。
!
﹁
そのエルフナインに対しての辛口コメントに友里が
しても譲るつもりも無い﹂
エルフナインの事は仲間だとは思っていない。これだけは誰に対
﹁残念ながら、それに非ず。
か
﹃⋮ふっ。そこまで気付いていながら、敢えて泳がせていたと言う事
?
!
!
﹁俺はエルフナインの事を⋮
1597
?
!
﹄
大事な﹃家族﹄として受け止めている﹂
﹃⁉
﹃仲間﹄では無く、﹃家族﹄。
そうロックは口にしたのだ。
今の今までロックは﹃仲間﹄としてエルフナインを見てきたのでは
無い。
1人の存在として⋮﹃家族﹄として、見守って来ていたのだ
﹃⋮ふん。廃棄処分を家族扱いとはな﹄
﹁黙ってろ。
その内、お前の脳⋮矢で射抜かれるのがオチか、
・
・
・
言って、気絶から回復したばかりのエルフナインを預けるなり、影に
そうしていると、ロックは友里に﹁エルフナインをお願いします﹂と
のは言うまでも無い。
そして不幸なのか、ロックは未だにその結末に気付いていなかった
ど安易に想像出来てしまっていた。
取り敢えず、今回の案件が終わればロックがどんな結末になる事な
そう⋮今の所はだ。
・
な状況で言う事も無いと思い、今の所は保留にした。
それを見た友里は先程のロックの禁句を言おうとしたのだが、こん
エルフナインに謝っていた。
エルフナインを気絶させたロックは﹁痛かっただろ。ごめんな﹂と
そしてそれと同時にエルフナインが気絶から目が覚めた。
そう言いながらキャロルのホログラムは消えた。
﹃お前の忠告は無駄になるだろうがな﹄
ぞ﹂
その肉体が太陽の拳によって導かれるのがオチだと忠告しておく
!
﹂
手を触れようとしたが⋮﹁待て﹂と弦十郎の声に反応して、動きを止
める。
﹁クリス君とは如何するつもりだ
?
1598
?
影這い で﹃深淵の竜宮﹄の方へと
﹁その答えなら、彼奴がもう実行していますよ﹂
そう言い残すなり、ロックは
戻っていった。
"
﹁見つけたデス‼
﹂
それと同時刻、キャロルは会話を切ると、
ーーーーーー
かんでいた。
その証拠に、竜宮内のマップに点滅している座標の端に赤い点が浮
"
﹁くっ
此処まで周到とは⋮﹂
と切歌の声が聞こえた。如何やら追いついた様だ。
?
なりコインを撃ち放った
・
するとコインが撃ち放った先からその数と同等の矢が相殺させた
!
だが、レイアが切歌達のいる方角とは反対の方に向けるなり、いき
そう考えながら、後ずさるキャロル陣営。
!
何事かと思いながら、キャロルは後ろを振り向くと、其処には赤い
外套を羽織ったクリスと、
白髪で黒肌、黒のスキンスーツを着た男が黒塗りの弓を用いて、弓
﹂
私の矢を簡単に相殺するとは⋮﹂
を構えていた。
﹁ほぅ
アーチャー
﹁お前は派手なのが苦手な様だな
﹁⋮ふっ。生憎私は弓 兵だ。
・
・
・
・
﹂
?
・
・
・
・
・
いやぁ∼恐るべし、地獄耳。誰に似たのやら。
だが、アーチャーは全部聞こえていた様で、指摘されてしまった。
そんなアーチャーに対して愚痴を零すクリス。
﹁んな⁉
﹁丸聞こえだぞ、クリス﹂
﹁白兵戦もこなす癖に⋮﹂
・
そう言いながら不敵な笑みを零すアーチャー。
と言うものさ﹂
遠い所からちまちまとした攻撃を与える事だけが、唯一の得意分野
?
?
1599
!
﹂
﹂
﹂
だと︵デス︶
﹁︻あかいあくま︼よりはマシだと思うがね
﹁誰に言ってんだ
﹁ナレーションにだが
﹃アーチャーが⋮まさかのメタ発言⁉
うわぁ∼⋮メタい∼⋮。
カオス
そして何気に聞こえちゃってる
そして何気に空気が混沌化してる
﹁なんなのだ⋮この混沌とした空気は⋮﹂
﹄
!
のだが⋮
﹂
﹁例え、どんな事が起きようと、僕は英雄になるんだーー
﹁余計に場の空気を混沌に変えるな‼
﹂
れ、そんな中でもレイアはキャロルの為に忠義を尽くしていた。
そんなシンフォギア勢の場違いにも程がある空気に、キャロルは呆
﹁マスター、気を確かに﹂
?
﹁う、動け⋮無い⁉
﹂
それに気付いたウェルは退こうとするが⋮
刺さった。
全くかけ離れた空気へと変わろうとしていると、ウェルの足元に矢が
終いにはキャロルがツッコミすると言うあまりにもシリアスとは
ろうか⋮ウェルまでこの誘いに乗る始末。
しかし、そんな場違いの空気に煽られたのか、はたまた元々なのだ
?
す事が出来なかった。
それもその筈⋮その矢を飛ばした相手はクリス達よりももっと奥
にいて、其処からクリス達の横を過ぎて、ウェルの足元の影を狙った
のだから。
その相手は⋮
﹁カオスと化す奴が何処にいるかよ⋮普通は﹂
そう言いながら歩みよる者⋮
﹄と。
それを見たクリス達は見開きながらその者の名を言った。
﹃ロックさん︵義兄︶‼
?
1600
!
?
?
?
なんとまるで矢が自分の影を射止めたかの様に、その身が全く動か
?
﹁此処まで距離が有ったと言うのに、まさか瞬時に来るとはな
﹂
緑の衣を着た青年の姿が描かれたカードを取り出して装填し、そして
そしてフュージョンアブソーバーの方には黒い弓を構えた紅髪で、
そのままアーチャーのカードをアブソーバー本体に装填し、
出し、そのまま既に装着していたアブソーバーにドッキングすると、
そう言うとロックは懐ろから︽フュージョンアブソーバー︾を取り
﹁遠距離による矢の急襲⋮見せてやるよ﹂
ら、そしてカードになるや、そのままロックの手に収められた。
それに気付いたアーチャーも己の身体から光の粒子を散らしなが
そう言いながらロックはアーチャーに視線を向けて、頷く。
ね﹂
﹁伊達にこちとら、忍の輩から忍術教わって貰ってるんじゃ無いんで
?
&ティグル
ー
蓋をするかの様にセットするとそのままレバーを手の甲に向けて引
フォーム、アーチャー
き、そして十字の構えを取った
ーソウル
!
!
人智を超えた弓捌き⋮見せてやる
が現れた
﹁
そう言うとそのまま左腕を掲げる
すると2人の魂がロックへと纏った
ー
ー﹃FUSION DRIVE﹄
﹂
するとロックの両隣にアーチャーとティグルと呼ばれた青年の魂
!
アンリミテッド・リュミエール
!
が、色彩が緑に変色した外套を羽織り、
赤と白の髪が交互になっている髪質、
﹂
そして何よりも刺々しくも、艶やかな黒塗りの弓を所持していた。
だが、肝心の矢筒が無かった。
フェイカー
﹁矢が無ければ、弓の価値は無いぞ
していると、右手をぶら下げながら詠唱した。
レイアからの指摘を受けたロック。だが、そんな事はお構いなく話
﹁生憎こちらには贋作者がいるのでな﹂
?
1601
!
! !"
!
そして姿を現したのは、アーチャーが着込んでいた外套と同じだ
!
!
"
I am the bone of my sword.
﹁体 は 剣 で 出 来 て い る﹂
そう呟くと、右手には剣が投影され、それが徐々に捻れ捻りまくり、
終いには剣の面影すら残さず、寧ろ一本の矢と言う認識に近い形へと
変貌した⋮
流星螺旋
ラーシュ・ボルク
﹂
そしてロックはその矢へと変貌した剣を弓に番え、そして放った
﹁
そう言いながら弓から矢となりし剣が射抜かれた
﹁っ
﹂
その速さはまるで流星の様に⋮
いた
の様に射出する⋮が、その速さは衰える所か、更にスピードを上げて
それを見たレイアはすかさずその矢に向けてコインをマシンガン
!
!
"
﹂
﹂
?
﹂
?
何故ならその瞬間に、ロックはフュージョンアブソーバーを解除
レイアはロックの方に目を集中していた。
だが、レイアは違った。
そのままコインが高く上がっていくのを面々は見る。
してそのまま宙に向けてコイントスをした。
するとロックは足元に近づいたレイアのコインを1枚拾い上げ、そ
そう意味深な言葉をレイアに向けて言い放つロック。
思わないか
﹁これだけのコインだ。コイントスをするには持って来いでは無いと
﹁何をする気だ
⋮ロックの方に。
自分が使用したコインが⋮動き出したのだ。
するとレイアは驚愕した。
そうロックが言いながらレイアとの間にあるコインを見やる。
﹁⋮何
﹁良い収穫だ﹂
だが、それが仇になった。
うとしていたコインの数で漸く相殺した。
レイアも負けじとコインを連続射出し、そして4桁から5桁になろ
!
!
!
?
1602
!
"
し、すかさずカードケースから2枚のカードを取り出して、そのまま
フォーム、美琴
&アイゼン
ー
それぞれのアブソーバーに装填させて、レバーを引き、十字に構えた
ーソウル
!
茶髪で、少し小麦肌の女子中学生の魂が現れた
死神が起こす電撃のコイントス⋮受けてみろ
ー
ー﹃FUSION DRIVE﹄
レールガン・ウエクスプ
2人の共通点は⋮意外にも﹃コイン﹄だった。
﹂
︻﹃死神﹄の海賊 アイゼン︼のカードを使用した。
︻学園都市3位 御坂美琴︼と、
彼が纏った英雄は其々⋮
そう言いながらコインを握りしめるロック。
﹁さぁ⋮死神の呪いが付いた電撃を受ける覚悟は出来たか
!
﹂
そこには、黒服姿で、少し小麦肌の体質に変わったロックがいた。
そしてそれと同時にロックの姿は変化した。
たコインが手の平に収まった
そしてそのまま左腕を天に掲げた。それと同時に高く上がってい
﹁
!" !
するとロックの両隣に黄髪で長身の黒服に身を纏った男と、
!
!
﹁これだけあれば充分だな﹂
やってみようと画策したのが今の現状に至るのである。
なら、もしその弾丸をこっちの物にしたら如何なるのかと考えて、
コイン
シンガンの様に撃ってくる。
レイアは主に、コインを使った攻撃が得意だ。それも、コインをマ
そんな2人がコインを使う事にロックは閃いたのだ。
を持っている。
だが、常に裏側の面しか出てこないと言うある意味呪い同然の性質
アイゼンは日常時でも﹃コイントス﹄を使用する事もある。
する事が出来ない。
美琴は、己の技を使用する際、必ず﹃コイントス﹄をしないと発動
?
!
そう言いながらロックは地面に落ちてるコインを掴むなり、握りし
1603
!
!
"
めた。
するとロックの身体から電気が迸った
更には足に砂鉄らしき物体がロックの足に付着し始めた
﹂
そしてコインを親指の上にセットした。
﹁派手に行くぞ⋮
!
!
腕を見た瞬間に回避した。
超電磁砲
レー ル ガ ン
すると1番の奥の壁が一瞬で黒焦げになってしまった
それを見た一同は驚愕した。それもその筈だ。
先程ロックがやったのは、美琴の能力を用いた技
﹂
動したのだから。
﹁っ
それに気付いたレイアはコインを連続で撃ち放つ。
"
れ以上撃つな
を発
﹂と言われ、レイアは驚きながらもすぐに相殺から回
そんな時、キャロルは何かに気付いたのか、レイアに向かって﹁そ
だが、1発1発が重くのしかかっているかの様に感じていた。
"
!
そう言いながらコイントスをした⋮時にレイアはすぐにロックの
!
からな。
﹁お前がレイアのコインが存在すれば、その分、コイントスがし放題だ
﹁チッ⋮気付くのが速すぎ何だよ⋮﹂
それに気付かされたロックは舌打ちした。
避へと移行しながら回避を繰り返す。
!
どう言う事だよ⁉
﹂
先のレールガンが無限に放たれるのと同じな様に﹂
﹁
?
﹁レイアのコインをこいつは集めていた。それは⋮
こいつが纏っている﹃英雄﹄が技を放つ際に必要な弾丸の火薬入れ
⋮要は薬灸が必要だっただけという事だけだ。
レールガンから放たれる雷のエネルギーが弾丸の弾そのものだと
すれば、コインはその弾丸を撃ち放つ為に必要な薬灸と言う訳だ﹂
﹁お見事。何もかもな。
だからこそ、此処には無数の薬灸が備わってるんだよ﹂
1604
!
そう言うとキャロルはロックのからくりの正体を語り始めた。
!
そう言うと両手をコイントスの様に構えて、コイントスを交互にし
始めた
するとそこから多数の雷の弾丸の雨が降り注ぎはじめたのだ
それを捌こうと奮起しようとするレイアだが、逆にコインで相殺す
れば相手の思う壺だと言う事は既に承知済みなので、コインを束ねて
﹂
トンファーの形に変えて、攻撃を捌き始めるのだが、それが仇になっ
﹂
てしまった。現に⋮
﹁っ⁉
﹁生憎、格闘戦も得意なスタイルなんだよ
から、此処からが本番だな。
だけど、彼奴⋮キャロルがさっき何か言っていたな。
確か⋮﹁代替の物は既に手に入れた﹂だったか
?
そう思った俺は内心青ざめていた。
⋮まさか⋮
ヤントラ・サルヴァスパが無くなっても、代替品で賄う⋮
確か⋮キャロルの奴、ウェルを見つけた後にそう言ったよな
そんな物は何処にも存在しない筈⋮ん
代替品なんてあったか
待てよ
?
?
力を模造する事も造作も無い。
なら、ヤントラ・サルヴァスパを喰わせれば⋮
ヤントラ・サルヴァスパの代替など簡単に出来上がる
こうしてはいられない
そう思った俺はすかさずドライブボタンを叩いた
﹂
﹃ソウル・レールガン・ウエクスプ
!
そうすると俺はすかさずコイントスをした。
!
﹁悪いが、遊びは此処までだ
!
﹄
フルドライブ
!
!
!
ありとあらゆる聖遺物を喰らう聖遺物﹃ネフィリム﹄の力は、その
何故なら、ウェルがその代替品なのではと考えてしまったから。
?
さて、此処までやってた内に、クリスはちゃんと調達に謝っていた
ーーーーーーSIDEtoロック
ロックに懐を入られ、アッパーを食らったのだから。
!
?
!
1605
!
!
?
そしてすかさずレイアの身体に電撃を帯びた拳を殴り続ける
﹂
電撃を帯びた死神の拳を食らえ
そして最後に零距離からのレールガンをぶっ放す
﹁
﹂
ウェイスレス・ボルテック
﹁ぐっ
!
!
だが俺にとってはこれは時間稼ぎだと思っている。
﹂
!
しかも、憑友や立花以下に拳を使った攻撃はしない派だからな。
流石に相手が機械人形な影響か、こっちの身体にまで響いてくる。
!"
何故なら、もう既にクリス達が準備してくれたからな
﹁これでも喰らええええ
!
!
そう言いながら、クリスが既にイグナイトモジュールを抜剣、ミサ
?
イルに乗っかりながらレイアに向かって特攻を仕掛けた
ドガァァン‼
やったか
﹂
?
!
﹁随分と派手に暴れてるな
1606
!
!
"
え
ーーーーーーNO SIDE
突然聞こえた声。その声を前に一同は辺りを見渡す。
だが⋮今だにミサイルの上に乗っかっているクリスは目の前の存
在に驚き、何も言えない状態になっていた。
するとそのまま何かの攻撃を受け、大きく吹き飛ばされてしまう。
それに気付いた一同はクリスの方へと寄りかかる。
﹂
そして煙が晴れるとそこには、ミサイルを指一本で受け止めている
お前は⋮まさか⋮‼
者がいた。
﹁‼
﹁此処からは、俺も混ぜろや⋮あん
﹂
?
憑友の親友である⋮︻暴君番長︼の名を持つ男⋮
それは⋮ロックとクリスにとってはまさに厄介な相手であり⋮
?
︽地魂導師︾ボーン=浅岡逝都がそこにいた。
1607
?
?
♪42 大地の王者
﹃王者﹄
それは、人々の上に立つ責任と、それを実行に活かせるカリスマを
秘め、民衆の心を動かす者が居れば。
我が物顔で全てを蹂躙し、この世全てを独占する傲慢な者が居る。
﹃騎士達の王者﹄や﹃動物の王者達﹄はどちらかと言えば前者が適当で
ある。
対して﹃征服の王者﹄や﹃独裁者﹄は何方かと言えば後者に当ては
まるだろう。
では、この男⋮浅岡逝都は何方に入るのだろうか
・
・
⋮答えは両方⋮入らない。
いや、正確には⋮半分ずつ入っていると言った方が適切である。
人の上に立つ責任、そして他者を引っ張るカリスマで悪者たちを改
心させて舎弟にすれば、地の付く所は我が領土だと常に口言し、そし
て庭の様にウロウロする⋮
浅岡逝都とはそんな人物なのである。
⋮さて、何故いきなり浅岡逝都の事を紹介したのかと言うと⋮
ロ ッ ク 達 S.O.N.G.陣 営 と キ ャ ロ ル 陣 営 の 間 に 逝 都 が 割 っ
て入って来たのだ。
﹂
⋮真下から。
﹁なっ⁉
1608
?
誰が言ったか⋮突然の乱入者が地面の真下から割って入って来た
?
事に驚愕する両者。
対して乱入者⋮浅岡逝都は首を動かしながら、指をポキポキと音を
出し始める。
﹁あ∼あー⋮疲れた。
地上から此処まで来るのに地下を使って来たから、結構きつかった
なぁ⋮ったく⋮﹂
そう言いながら軽いストレッチを終える逝都こと︽地魂導師︾ボー
ン。
そんな中、逝都が言った言葉に一同は驚愕していた。
・
・
・
・
・
・
﹃地上から此処までやって来た﹄と言う事実に。
⋮因みに此処は深海内の施設﹃深淵の竜宮﹄。
此処の施設の周りは全て海水だ。
そんな海水周りの施設から此処の内部に侵入していたのだから。
どうやってこの全面海水に覆われている場所からどうやって穴を
1609
掘って此処まで来たのか不思議でならなかった。
﹂
だが、そんな疑問を払拭する事態が起きた。いや、出来たと言えば
良いのだろうか⋮
ドゴォン
﹁ヴォォォォォオオオオオ‼
つまりは、逝都はこのモンスターの力を借りて此処までやって来た
そう簡略しながら説明する逝都。
の一体だ﹂
その破壊力で全てを粉砕する事から︻砕竜︼と呼ばれている獣竜種
その粘菌はいわばジェル型のダイナマイト。
その頭と腕に付いてる粘菌と共生するモンスターで、
﹁こいつの名はブラキディオス。
には何やら黄緑色の付着物を付けたモンスターが現れたのだから。
全身が青く、リーゼントのような頭とボクサーグローブのような腕
それを見た一同は驚愕する。
逝都が現れた穴から巨大なモンスターが現れたから。
?
!
と言う事になるのだ。
﹁改めて名乗らせて貰いますかね⋮﹂
揺らぎしは﹃地﹄の魂
︽地魂導師︾ボーン
そう言いながら逝都は構えた。
﹁
﹂
!
ジを食らっていた。
なんでおめぇは私達に楯突くんだよ‼
まさか先輩が相手とはね﹂
そんな中、クリスが前に出た
﹁へぇ∼
﹁んな事は今は関係ねぇ
﹂
?
!
切歌達1年組はその迫力だけで窒息死しかねない程の精神ダメー
ボーン。
憑 友 と 同 じ 武 器 を 持 た な い ⋮ 己 の 身 体 で 勝 負 す る 格 闘 タ イ プ の
そう言いながら右脚を前に出す逝都。
さぁ⋮先ずは誰から俺と1対1を張るんだ
タ イ マ ン
大地の王者、此処に見参‼
!"
﹂
ディオスが前に立ちはだかり、そして逝都を守ったのだ
﹁んな⁉
その圧倒的な堅牢力にクリスの弾丸が傷1つ付かせなかった
すると逝都はブラキディオスの身体に触れてそして撫でた。
﹁此奴は元々は火山地帯に生息する習性を持っていて、
すよ。
!
翳した
!
﹁うぉぉぉおおおおおお‼
﹂
そのまま逝都の身体に纏わりつき始めた。
すると逝都を庇っていたブラキディオスの身体が粒子に変換され、
ー﹃MONSTER DRIVE﹄
ー
そう言うと逝都は左腕に備え付けられているアブソーバーに手を
だから、普段から強固な甲殻や鱗を纏ってるんですよ
﹂
生半可な甲殻だとマグマに溶けて最後は死滅するのがオチなんで
!
!
だが、その2人の間に先程紹介したばかりのモンスター・ブラキ
る。
そう言いながらクリスはクロスボウをガトリングに変えて連射す
!
?
?
!
?
1610
?
?
"
すると逝都の身体が変化した。
﹂
そこにはブラキディオスと名乗ったモンスターと姿が似てる逝都
がそこにいた。
﹁さて⋮ボコらせて頂くとしようかね‼
そう言うのと同時に一気にクリスの方へと詰め寄る逝都
その速さは、巨漢の割に素早かった
﹁オラァ
﹂
を逝都は黙って受けようとは思ってはいなかった。
それを見たクリスはガトリングで連発しながら後退るのだが、それ
!
?
!
﹂
ドガァン
﹄
﹁な⁉
﹃
事である。
?
すると逝都はクリスの弾丸を自分が必ず被弾する弾だけに向けて
﹁オラオラオラオラオラオラオラオラァァ‼
﹂
﹃粘菌による爆発力を活かした事で、クリスの弾丸が爆発した﹄と言う
さて、話が逸れてしまったので戻すのと同時に要点だけを言うと⋮
そう言った相互理解がある事でこの様な生態を維持しているのだ。
た文の為にブラキディオスに力を貸し与えているのだ。
にする為の道具にすぎないのであるが、それでもこの粘菌は先に述べ
ブラキディオスはその菌を自分の身を脅かす敵⋮所謂強者を相手
わせている。
内と共に爆発を起こし、そしてその菌の種を撒き散らす性質を持ち合
その菌は衝撃を与える事で地面に付着、そして数秒後にはその範囲
しており、実はその菌と共生しているのだ。
ブラキディオスの腕と頭頂部には粘菌と呼ばれる特殊な菌が付着
だが、逝都は余裕そうな態度を見せていた。
それを見ていた一同は驚きを隠せなかった。
なんと殴った弾が爆発したのだ
!
そう言いながら左腕でガトリングの弾丸を正確に殴った⋮刹那。
!
パンチしていく
!
1611
!
?
それと同時に、弾丸が爆発していく⋮
﹂
それを見たクリスは苦虫を噛みながら一旦後退する⋮が
﹁おうらぁよ
!
!
なり、そのまま振り上げた
するとクリスに向かって地走り火炎が発生
﹁クリス‼
﹁次はてめぇだよ
﹂なっ⋮うわぁ⁉
﹂
?
﹂と完全に弄んでいるのが窺えていた。
?
﹂
ロックの2人がいた。
﹁待って⋮くれ⋮
そう言いながら立ち上がる2人。
それに気付いた皆は逝都の方を見やる。
﹁良いねぇ∼、青春だね∼⋮
!
﹂
﹂と言う音を出しながら、地面にめり込んだ。
様な物を取り外し、そして地面へと⋮
﹁ゴトンッ
﹁この俺様がなんで、
︻暴君番長︼と呼ばれているのか⋮知ってるか
?
﹁俺が︻暴君番長︼と呼ばれる由縁。それは⋮﹂
る。
それを見た逝都は﹁じゃあ、教えてやろう⋮﹂と言いながら説明す
そんな唐突な発言に、一同は首を横に振る。
﹂
そう言うと逝都は両腕と両脚の手首に備えていたリストバンドの
だけど、そんな青春⋮俺はいらねぇんだよ
﹂
そんな2人を見たのか、逝都は突然拍手を送っていた。
!
感覚に陥ったので、振り返るとそこには既に息を荒くしたクリスと
それを聞いた調達は攻撃しようとするが、足が何者かに掴まれてる
その証拠に﹁次はどいつだ
しかし、肝心の逝都はまだやる気に満ちていた。
渾身のアッパーをくらってしまい、クリスと同様に地面に落下した。
そんなクリスを心配していたロックだが、その隙を逝都に狙われ、
!
され、そして地面へと受け身が取れない形で落とされた。
クリスが着地と同時に襲い掛かり、クリスはそのまま高く吹き飛ば
!
!
そう言いながら逝都はなんとリーゼントヘアの先を地面につける
!
﹁後輩の手を⋮煩わせたくねぇんだよ⋮此奴にだけは
!
1612
?
!
そう言うと息を吸い込み、そして息み始めた
と言う音が響くと同時に、逝都の身体の一部が
常人から、マッチョ以上の怪力者へと変貌し始めたのだ
すると⋮ボォフッ
!
に冷徹さが見える口調へと変わっていた。
﹁さぁ⋮始めるぞ﹂
そう言うとなんといきなり逝都が視界から消えてしまったのだ
突然の出来事に驚く一同。
の頭を今にでもリンゴの様に粉々にしようとしていた
それだけはさせるかと、クリスが弾丸を放つ
してなどいなかったのだ
破壊する
﹂
だから、此処であんたらのその禍々しい闇の結晶⋮﹃イグナイト﹄を
だが、俺をこの姿で出させたのは本当に素晴らしい事だ。
する為の物だ。
馬燈も常に身につけているが、俺は本当の姿を隠したり、力を抑制
同じ原理でなっている代物。
﹁俺は巨漢で素早い。あのリストバンドは言わばセーフティベルトと
!
ているのではないかと錯覚に陥る程、クリスの弾丸は何1つ意味を成
通、内部に入り込まないどころか、鋼の肉体みたいにまるで装甲をし
そして身体に命中した⋮だが、そのあまりの肉体の堅さに弾丸が貫
!
!
そして気付くとそこには既に逝都がアイアンクローの形で、ロック
た
するとロックがいきなり壁へと身体ごとめり込まれてしまってい
!
そう言いながら、息みを止めた逝都は先程の荒々しい口調から一気
﹁この筋肉そのものが︻暴君番長︼と言わしめる由縁だ﹂
顕現した逝都が現れたのだった。
そして終いには、ゴリラすらも顔負け青ざめな筋骨隆々な肉の塊を
!
!
うに交差させて防御の構えをした。が
!
それに対してクリスはモジュールを守ろうとクロスボウをXのよ
くる逝都。
そう言うといきなりクリスに向かってアイアンクローをかまして
!
1613
!
﹂
バキィッ‼
﹁⁉
なくなってしまったのだ
その握力は測り知れない物だった
!
﹂
﹁さぁ⋮俺の本気⋮見せてやるよ⋮
!
!
なんと逝都のアイアンクローでなんとクロスボウが使い物になら
?
地の叫びを宿りし王者の咆哮が、今まさに鳴り響こうとしていた。
1614
?
♪43 暴君番長
逝都の肉体は一言で言うならばもはや﹃怪物﹄そのもの。
あの特撮系に出た大猿﹃キングコング﹄と同格の肉体を有している
ぐらいなのだ。
そんな逝都の筋肉を使用したアイアンクローは、リンゴは勿論、ス
イカやダチョウの卵などをいとも容易く粉砕する程の力を有してい
る。
それに言い忘れていたが、彼は憑友と響の師匠にして、S.O.N.
G.の司令である風鳴弦十郎の元で修行をした事がある。
故にその筋骨隆々な肉体に、弦十郎直伝の中国拳法もとい人外拳法
を会得した逝都はもはや怪物以上の存在だった。
そうするとクリスを吹き飛ばした逝都は左腕にロック達︽精魂導
師︾が変身する際に使用するアイテム⋮﹁アブソーバー﹂を背中腰か
り出した
﹂
ストリートファイト
の⋮始まりだ
﹂
!
構えを見せていた。
﹁
"
フォーム、リュウ
﹃LEGEND﹄‼
ー
?
いた
ーボーン
!
ー
の筋肉ムキムキな肉体に宿らせた
ー波動・旋風・昇竜拳‼
!
身につけた逝都が現れた。
巻きつけ、頭には赤いハチマキ、そして手には赤いハンドグローブを
そして現れたのは、筋肉ムキムキな肉体に白い胴着と腰に黒い帯を
?
1615
ら取り出して、左腕に装着した
﹁行くぜ、ボーン
!
すると逝都は右腰に備え付けられたカードケースからカードを取
﹃了解です。マイスター﹄
!
そこには赤いハチマキと、白い胴着を着た男が腕をクロスした様な
!
すると逝都のアブソーバーから筋骨隆々な男の魂が現れ、逝都はそ
!
!
そう言うと逝都はそのカードをアブソーバーに装填し、レバーを引
"
逝都が変身したのは、格闘ゲーム︵通称﹁格ゲー﹂︶界に置いて、知
らない者は居ないと言われた﹃伝説の格闘家﹄⋮
︻真の格闘家 リュウ︼
その力を逝都はその身に宿らせたのだ
するといきなりスライディングを仕掛けて来た
だが、その攻撃には2人は軽く回避する⋮が
竜巻旋風脚
﹂
!
逝都はその反動を利用して、一気に距離を詰め直し、そして着地と
!
!
そうすると逝都は拳を打ち付け、そして身構える。
!
同時に、片脚を垂直にして、回転しながらクリスに攻撃をした
﹁
﹂
﹂
﹁がはぁ⁉
﹁クリス
"!
‼
"
﹂
?
すると両手に青い何かが形成され始めた
﹂
波動拳
﹁⁉
﹁
?
﹁代名詞
昇竜拳
‼
﹂
?
﹂
?
昇竜拳
それは正に﹁天下の宝刀﹂と言うべきものであった。
の世界において、知らぬ者は居ないと言われる技。
それは、逝都が纏っている﹃英雄﹄リュウの代名詞にして、
﹁格ゲー﹂
"
のまま天井にぶつかり、そして地面に勢いよく落下した。
するとそのまま身体全体を使ったアッパーを繰り出し、ロックはそ
﹁がはぁぁぁ⁉
"
逝都はその隙を見逃さなかった。現に、ロックの懐に入っていた。
その攻撃をくらったロックはよろめいてしまう。
食らってしまった。
そのスピードに流石のロックも躱す暇すら与えてくれず、まともに
放った
すると両手をロックに向け、その両手の中で形成された青い球を
!
ていると、逝都が両手を花の様な構えにして後方に向ける。
その攻撃を食らったクリスは地面に倒れ込まされ、ロックが心配し
!
!
!"
1616
?
"
"
"
それは⋮
﹂と言いながら驚いた。
そうこうしていると、逝都はまた違うカードを取り出した。
それを見た調は﹁
!
﹁︻グルメ四天王 トリコ︼。
フォーム、トリコ
﹃﹃J﹄STAR
s﹄‼
ー
?
バーを引いた
ーボーン
'
を取り出すと、今度はその︻トリコ︼と呼ばれたカードを装填し、レ
そう言いながら、逝都はアブソーバーに入れていたリュウのカード
こいつの力を試させて貰うぜ
﹂
何故なら、逝都が手にしているカード。それは⋮
!
!
!
!
キィィィンッ‼
その時だった
﹄
キィンッ
﹃⁉
!
?
納めて、残りの4本の指は等間隔にし、そして両手を擦り合わせた⋮
そして変身した逝都は右手を手刀の様にし、左手は親指を手の内に
ーナイフとフォークで、イタダキマス‼
ー
オレンジのベストを着た巨漢の男の魂が現れ、それを逝都は纏った
するとアブソーバーから、青髪で左目の下には爪痕が3本、
!
!
放った。
?"
この世の食材に感謝を込めて⋮頂きます‼
フライングナイフ
﹁行くぜ
‼
﹂
?
言われる物体﹃ナイフ﹄の形をした闘気が調達に襲い掛かってきた
!
するとその右手の先から無数の刃⋮いや、形は全てあの銀食器とも
そう言うと振り上げた右手を大きく振り下ろす。
"
!
そう言うと逝都は右手を手刀にし、大きく掲げた。
﹁
﹂
そう言いながら、逝都は擦り合わせた手を合わせ、そしてこう言い
﹁食材らしき物が無いのは仕方ないが、発動する際は必要だからな⋮﹂
それは何回も鳴り響く⋮逝都が腕を擦りつけている限り⋮。
何処からともなく金属音が聞こえたのだ。
?
1617
?
!
"
"
調はすぐにツインテール型のアームドギアから小型鋸を射出する
‼
﹂
で相殺していく。だが、
フライングフォーク
α式 百輪廻
﹁からの∼⋮
?
闇ヘノ霧斬り舞
と言う技を用いて、
"
いく
﹁なら、コレは如何だ‼
﹁
﹂
切ちゃん
﹁⁉
釘パンチ
﹂
‼
?
!
"
?
れ、後ろによろめく。
⋮がっ⁉
﹂
⋮がはっ⁉
﹂
だが、それだけでは終わらない。
﹁⁉
?
先程放った逝都の技⋮︻トリコ︼の技
釘パンチ
釘パンチ
此処から始まるのだ。いや、既に始まっていた。
"
突然、切歌が腹を抑えながら悶え苦しみ始めた。
?
もはや拷問と言っても過言では無い。
の恐ろしい所は
ギアを纏っているとは一介の女の子である切歌にとってはコレは
⋮因みに今の切歌は既に20回のパンチ分を腹で受け切っていた。
分のパンチが徐々に襲ってくる﹂と言う事なのである。
とどのつまり⋮﹁数回分のパンチを一回に集約し、そしてその威力
へと浸透し、相手や対象を内部から破壊する。﹂︵wiki引用︶
チを同時に打ちつける。当たると釘を打ちつけるかの如く破壊は奥
この技は、
﹁一瞬で腕の筋肉を伸縮・硬直させることで、数回のパン
知っている物かもしれないが、知らない物もいるのは確か。
﹃トリコ﹄を知っているファン。そして﹃JUMP﹄ファンにとっては
"
そう言うと同時に、切歌はそのパンチを腹にダイレクトに決めら
﹁
﹂
そう言いながら逝都は瞬時に懐に入った⋮切歌の懐に。
?
!
闇の霧を噴出させて、その攻撃を仲間達に被弾させる事なく回避して
それに気付いた闇呪怨は、
と今度は咲が鋭い闘気が4本、水平にしながら襲いかかる
その隙に逝都が左手を一気に前方に大きく伸ばした。
"
"
?
"
1618
"
!
"
"
!
"
"
﹁20回受けても未だやれるとは⋮大した根性。
・
・
・
だが、それ⋮
⋮がはっ⁉
⋮﹂
あと30回残っているからな﹂
﹁
﹂
事を知っていたのか
さて、此処まで一直線に話し込んできたが、何故調が︻トリコ︼の
それを聞いた切歌の瞳に光が消えていた。
逝都の宣告は最早、絶望そのもの。
﹁切ちゃん‼
?
﹂
だが、目の前にいる︻トリコ︼の力を纏った逝都は如何だ
﹁おらおらおらぁ‼
?
食への感謝も⋮戦いへの感謝にも、それは同じ事をやっていた。
るまじき行為をする善人。
︻トリコ︼と言う者は﹁食べる時は、礼節を尽くす﹂と言う人としてあ
驚きよりも⋮悲しみが生まれていた。
だが、今の調はそうじゃない。
やり方に当時の調は驚きに満ちていた。
単調な動きを入れてくるかと思えば、人智を超えた技を組み込んだ
それとその者の攻撃も調は頭に入れていた。
本人にだ。
る人物の魂︻トリコ︼と会っていたからだ。それもカードでは無くご
その際に、調達F.I.S.組は逝都が現在、絶賛発現中にしてい
通称﹃亜空伝説事変﹄
した事変⋮
実は、その後に起きた地球の全てを掌握しようとした者が引き起こ
ティア事変﹄。
して公にでは全てのノイズの消滅という騒動が成した事変⋮﹃フロン
それはかつて、自分達がテロ行為から生まれた地球を救う為の、そ
?
?
1619
?
!
﹁がふっ⁉
﹂
がはっ⁉
﹁ぐはぁぁぁ⁉
﹂
ツの性格を引き継いでいる。
!
のまま調と切歌が激突した。
﹂
﹁ごめんね、切ちゃん⁉
﹂
﹁調こそ大丈夫デスか⁉
?
﹂
!
フォーム、家康
して十字に構えた
ーボーン
&牙王‼
ー
?
﹁
絆の太陽⋮見せてやるよ‼
﹂ パーカーを羽織った黄色の籠手を装着した青年が現れた。
すると逝都の後ろに青い学ランと赤シャツを着た少年と、黄色の
!
!
そう言うと逝都は2枚のカードを其々のアブソーバーに装填し、そ
﹁これが俺のパートナー﹃英雄﹄の力だ
ドケースから2枚のカードを取り出した。
ブソーバー﹄を取り出し、アブソーバーとドッキングさせ、右腰のカー
そう言うと逝都は背中の腰に手を回し、そこから﹃フュージョンア
﹁百合百合しいのはそのくらいにして、さっさとぶっ倒れろ‼
﹂
そんな風に調が考え込みしていると、逝都が切歌を吹き飛ばし、そ
性格が出てきているのである。
英雄の性格が何1つ引き継いでいない。それどころか、全て逝都の
だが、今の逝都が︻トリコ︼の力を使っている時は全く違っている。
させている。
な攻撃や言動を多くしていたり、猪突猛進のような性格を大いに顕現
現に使った時は、冷静に対処する彼にしてはあまりにも熱血で単純
霊風が幸村の力を使った時はその性格が一層出てきている。
それに加えて、口癖として﹁燃えてきたぞ
﹂と発言する事もある。
例えば、憑友がナツの力を使った時、
﹁仲間=家族﹂を大切にするナ
引き継いでいる。
﹃英雄﹄達を纏う︽精魂導師︾達は、纏し﹃英雄﹄達の性格や癖を一部
寧ろ⋮﹃暴君番長﹄状態の逝都そのものであった。
︻トリコ︼の面影すら残ってはおらず、
?
?
!
?"
1620
?
?
?
"
そう言ってアブソーバーを付けたアブソーバーを天に向けて掲げ
ると同時にレバーを手前に向けて引いた
ー﹃FUSION DRIVE﹄
ー
!
すると2人の﹃英雄﹄の魂が逝都に纏った
バルソレイユ・コネクション‼
!
﹁
絆の番長、とくと見よ
﹂
すると逝都はその籠手付きの両手を拳にして、打ち付けた。
そして良く見ると、両手には籠手らしき物が嵌められていた。
太陽の刺繍入りの赤シャツを着た逝都が立っていた。
青の学ランと、その上に黄色のパーカーを羽織った、
そして現れたのは、
た。
と同時に、逝都の筋肉がリストバンドを付けた状態の姿へと戻っ
!
?
すると、先程まで
釘パンチ
の攻撃を受け続け、ようやく解放さ
その動きはボクサー顔負けだった。
まし、ラッシュをぶつけてきた。
そう言うと逝都は先ず、調の懐へと入るとアッパーカットをぶちか
!"
"
陽岩割り
るかのように。
の鉄板諸共隆起した。それはまさに断崖が自分達に襲いかかってく
すると地面がまるで隕石を食らったかのような衝撃を起こし、地面
そして3回程光輝いたと同時に逝都は地面に右の拳を叩きつけた。
だが、その間にみるみると、その籠手に宿った光が強くなり始めた。
それを見ていると、陰陽兄弟が調を助ける為、動き出す。
何故なら、先程からその籠手が光を放ち始めたから。
れた切歌が逝都の籠手を見て不思議がり始めた。
"
体格の所為で、2人よりも高くふき飛ばされてしまった
の形でスライディングキャッチをした。流石、切歌
調の為なら何で
それに気づいた切歌は急いで調の元へと急行し、調をお姫様抱っこ
!
その攻撃をまともに食らった兄弟と調。調に至ってはその小柄な
"
!
1621
"
"
もやるデスね
﹁調、大丈夫デスか⁉
﹂
﹂
﹁ありがとう、切ちゃん
?
鉄拳 ドラゴナックル
打ち付けていた。
﹁ウェポナイズ
﹂
&
太陽拳 バルナックル
"
た
すると逝都は周りを巻き込んだ怒濤のラッシュを繰り広げ始めた
!
まれている籠手と、白と赤が基調とした独特の形をした籠手を装着し
すると逝都の籠手が突然、黄色の籠手から太陽の紋様が手の甲に刻
"!
そんな中、2人は逝都の方に顔を向ける。そこには逝都が拳同士を
!
!
!"
その威力の前に、今の今まで傍観していたレイアが流石に立つ事す
らままならない程にまで、追い込まれていた。
‼
﹂
!
最早これまでかと思い、思わず目を瞑った⋮その時だった。
それと同時に巨大化した右手が調達に襲いかかった
?
そして逝都は右手を上に掲げた。するとその右手が光輝くと同時
ハウリング・サン・クラッシャー
に巨大な拳に変わった
﹁合技、
!
そう言うと同時に逝都は右手をぶちかます
"
!
"
ガシィッ‼
?
1622
"!
!
﹁⋮⋮
﹂
突然聞こえた何かを受け止める音。
そして、未だに衝撃や痛みが襲ってこない現状を肌身に感じた調は
ゆっくりとその眼を開けて確かめた。
!
するとそこには、自分達の前にて仁王立ちしながら、その身いっぱ
いで受け止めていたロックがいた
﹄
﹃ロックさん‼
﹂
﹁ロック義兄‼
﹂
!
まだ威勢があるなんてな⋮﹂
セルされた。
ると突然、逝都が﹁ん ﹂と言う声を発すると同時に必殺技がキャン
そう言いながら逝都はそのまま力で押し潰そうと動き出そうとす
﹁へぇ
その痛撃で倒れ込むのも最早時間の問題だった。
か、尋常じゃない程の痛みを真面に受けていた。
間一髪で助けたロックだが、流石に身体全体で受け止めている為
﹁ぐっ⋮
?
?
これは⋮﹂
言うとブレーキが壊れ、もはや歯止めすらその役目を成していない暴
それを見た逝都とロックは不思議がる。だが、今の逝都は何方かと
た。
取り出した。よく見てみると、此方には﹁Ω﹂が球の中に描かれてい
それと同時に逝都の方も、背中腰に付いていたポーチから紅い球を
が球の中に描かれていた。
球を取り出す。よく見てみれば、その蒼い球には﹁α﹂のような文字
そう言いながらロックは懐から青い輝きを放っていた物体⋮蒼い
﹁‼
すると、ロックの懐から青い輝きが発し始めた。
とかそれでも立ち上がる。
その痛みを真面に受けたロックは地面に膝を付け、倒れ込むが、何
?
1623
?
?
?
走列車そのものである。故に⋮
﹁⋮いいぜ。面白え⋮
この力⋮存分に暴れさせてやらぁ‼
﹂
何と紅い球が逝都の身体へと浸透したのだ
めた
それと同時に、逝都が使用していた2人の﹃英雄﹄の力を宿し
そして全てが自分の体内に入ると同時に逝都が突然悶え苦しみ始
!
そう言うと逝都はその紅い球を天に掲げた。するとそれに呼応し、
?
!
透し始めたのだ
何とロックの方も所持していた蒼い球がロックの身体の中へと浸
そうしていると今度はロックの方に異変が起き始めた。
た﹃FUSION DRIVE﹄が強制解除された。
!
巡り始めたのだ
それをしながら悶え苦しむ2人。
果たして彼らの身に何が起こっているのだろうか⁉
ーーーーーー
﹁⋮﹂
﹁⋮﹂
トにて、2人の存在⋮
かつて、響と憑友と未来の3人で鑑賞した流星群が見られたスポッ
攻防の中⋮
その頃、ロック達が﹃深淵の竜宮﹄の激闘,霊風達が﹃風鳴邸﹄の
?
それに対し、ロックは紅のラインが腕・頬・脇腹・脚にかけて駆け
のラインが駆け巡る。
逝都は蒼のラインが現れて、逝都の腕・背中・腰・頭頂部・腹をそ
すると2人の身体からラインが現れた
かった
ロックは突然の事と、その浸透時に精神や肉体にダメージが襲いか
!
!
1624
!
!
シェンショウジン
オートスコアラー
最弱にして最凶の聖遺物﹃神 獣 鏡﹄を纏う、響と憑友の幼馴染の小
日向未来と、
1625
﹃騎士﹄のアルカナの力を宿した︽自動人形︾のジィス・パライスン。
今まさに2人の戦いに終止符がうたれようとしていた⋮
!
♪44 終焉のレクイエム
かつて、響と憑友と3人で流星群を見たその場所で⋮
幼馴染,戦友達の背中を見守り続け、遂には共に戦う力を手に入れ
た少女が、此度の騒動の敵とその敵から逃げてきた少女の姉である存
在と話し合おうと考えていた。
﹁ジィスさん⋮﹂
﹁⋮貴方が何を言おうとも、私のこの決意だけは、止める気はありませ
ん。
私の目的が達成すれば、マスター⋮キャロルの目的を達成する為の
糧になるのならば、本望なのですから﹂
それを聞いた未来は﹁何をやってももう駄目なんだ⋮﹂と小声で呟
きながら言った。
正直に言うのならば、未来はこの自動人形⋮オートスコアラーと戦
いたいとは思ってはいない。話し合いで済むのなら、それに越した事
は無い。
だが、目の前のジィスに﹁話し合い﹂と言う選択肢は存在していな
い。
勿論、彼女も未来と同じ﹁話し合い﹂で済めばこんな苦痛を感じな
くては良かったのかもしれないと思っている。現に今でも、ジィスの
手は人形と言う存在でありながら手が震えていた。
彼女にとって小日向未来は﹁親しみやすい敵﹂と言う認識が彼女に
そう感じさせた。
次第に刃を交える事でその力に多大なる覚悟を持ち合わせている
事も、それに立ち向かう勇気を兼ね備えている事を実感させられてい
た。
だけど、それよりも﹁心優しい﹂と言う彼女の本質の方が根付いて
いた。それは彼女⋮ジィスも同じ事だった。
互いに守りたい者がある⋮
2人の本質は共に、﹁愛する者を守る為﹂の物だった。
未来は悔やみながらも首に下げていたギアペンダントを取り出し
1626
た。
﹁⋮私は⋮貴方と戦いたくない。
戦って勝ってしまったら、私の中の何かが壊れそうで⋮﹂
そう言いながら涙を零す未来。
それを見たジィスは苦虫を噛むかのように視線を逸らし尚且つ何
も持っていない左手を強く握り締める。
それでも彼女は、マスター⋮キャロルの為に動く。
﹁⋮行きますよ。小日向未来。私の好敵手﹂
それを聞いた未来は涙を拭き取り、そして一呼吸し、覚悟を決めた
かのような目をジィスに向け、そして聖詠を詠った⋮
﹁Rei shen shou jing rei zizzl⋮﹂
最弱にして最凶の聖遺物﹁神獣鏡﹂を纏った未来。
その光景を見たジィスは右手に最初から持っていた槍を持ち直し、
左手は背中に携えていた盾を取りながら持ち構える。
静寂が2人の間を通る⋮
そして何処からか現れた葉っぱがヒラヒラと2人の間に入って来
た。
やがてその葉っぱは徐々に高度を下ろし、そしてその地面に着く。
と同時に、金属音が鳴り響き始めた⋮戦いの始まりだった。
そこからはもう己の想いをぶつけた戦いになっていた。
未来も⋮ジィスも⋮
本当は2人共⋮こんな戦いなんてしたくは無かったと言う事に。
ク ロー ン
未来は知ってしまった⋮ジィスが他の人形達とは違い、﹁キャロル
の複製体﹂と言う事を。
そして、キャロルとは違い、エルフナインを大事にしていたと言う
事を。
ジィスは知ってしまった⋮小日向未来は︽装者︾と︽導師︾にとっ
ては掛け替えの無い﹁陽だまり﹂だと言うことを。
そして、己が大事にしていたエルフナインを自分と同じいや、それ
以上に大事にしてくれていた事を。
だが、それでも2人には大切な何かをなす為に戦う。
1627
!
﹁⋮貴方の歌⋮聞かせてはくれないんですね﹂
﹁⋮歌ったら⋮貴方ともう2度と会えなくなりそうだから﹂
﹁⋮小日向未来。貴方は本当に優しい⋮暖かすぎる。
それが自分の命取りと分かっていながら、それでも優しく微笑む
⋮﹂
﹁響が、憑友が言ったんです。
﹃未来は私にとって、俺にとっての⋮﹃陽だまり﹄だ﹄って﹂
﹁陽だまり⋮言えてますね。
﹂
確 か に 貴 方 と 今 こ う し て い る と 心 が 和 や か に な る。何 故 な の で
しょう
﹁流石にそこまでは私でも分からないなぁ⋮﹂
そう言いながら、戦い続けて行く2人。
2人の戦いは終わりそうにも無かった⋮
まるで、かつて袂を分かった存在の様な感じをこの2人から感じさ
せていた。
それでもジィスは﹁貴方の歌⋮聴かせて下さい﹂と懇願する。
その答えに未来は首を縦には振ってくれなかった。
未来はもしかしたら知っていたのかもしれない。
人形達が、シンフォギアの﹁イグナイト﹂の力を、その身に浴びよ
うとしているのかもしれないと言う考えが。
未来はそれでもジィスに対してはどうしても戦わないといけない
のかを自問自答していた。
そんな中でも、ジィスの攻撃を笏一つで捌いているのだから、驚き
ようが無い。
そして2人が鍔迫り合いをし、そしてそのまま後退する。
するとジィスは手に持っていた槍を地面に突き刺し、そして今度は
剣と盾では無く、剣と刀と言う異色の二刀流で未来に向けて構える。
﹁私はキャロル⋮マスターが生み出したホムンクルスの一体。
その中でも特に、マスターよりも錬金術では無く武術に於いては他
の人形達よりも逸脱しています。
その中でも特に、二刀流に於いては私の右に出る者は居ませんでし
1628
?
た。
小日向未来。この意味⋮分かりますよね
﹂
そう言いながら、ジィスは未来に問いかける。
それに対して未来は黙りながらも首は縦に振った。
つまり、ジィスは今⋮本気だと言う事を。
すると未来に衝撃が襲いかかった。
何せ自分の目の前にジィスが刀で突こうとしていた
﹁⁉
﹂
ザシュッ
するとジィスはその刀を己の首に向けて⋮
が⋮。
と言っても、ただ単にギアペンダントに切っ先が触れただけなのだ
まった。
一瞬の出来事に、未来は躱す事が出来ず、その刀の攻撃を受けてし
!
?
を天に掲げた。
聞こえる⁉
﹄友里さん
﹂
?
⋮だが、何も起こらない。
﹁一体何を⋮﹃未来ちゃん
?
そう意味深な言葉を呟くジィスは己の首から流した血が付いた刀
﹁これで、貴方も歌ってくれる⋮﹂
なんと軽くだが、己の首を掠りながら切ったのだ。
!
か感じなかった未来はその言葉に甘え、友里と話し始めた。
ジィスの言葉を鵜呑みにはしたくは無かったが、だが、嫌な予感し
始末。
終いには﹁出た方が良いですよ。何もしませんので﹂と言ってくる
しかし、ジィスは何も動かない。
しかし、あまり話せる暇は無いと思っていた未来。
声の質を見て、何かあったのかもしれない。
た。
すると未来の端末から友里の声が聞こえたので、咄嗟に話しかけ
!
1629
?
﹂
未来の嫌な予感は⋮この時、既に的中していた。
﹁如何かしたんですか⋮
ら、みんな苦しみ出したの‼
深海にいるクリスちゃん達や、
要石の護衛に向かっている翼ちゃん達の方にも、
﹂
終いには病院にいる響ちゃんにまで影響してるの‼
﹁え⁉
突然の発言に、未来は衝撃を受けた。
﹄
﹃未来ちゃん以外のシンフォギア装者のバイタルが変化したと思った
?
と、ジィスがそう告げる。
血を捧げた事で、
・
・
どくがたな
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
今回私は、小日向未来。貴方のギアペンダントを斬りつけ、そして
事も可能。﹃奇襲の毒 刀﹄と言う異名も持ち合わせています。
・
そしてこれは、所持者の血を啜る事で、特定の人の精神を汚染する
秘めた刀です。
斬りつけた物と同じ物を所持する者全てに﹃精神を汚染する﹄力を
・
﹃精神を汚染する刀﹄と言う由来があり、
﹁この刀は、﹃精染刀﹄と言う銘を持っています。
するとジィスは掲げていた刀を下ろし、そしてその刀を愛でる。
未来は﹁一体どう言う事⁉
﹂とジィスに問いかける。
﹁その様子だと、私の作戦は上手くいった様ですね﹂
そして終いには病院にいる筈の響にまで影響を受けていたのだ。
翼の実家に行ってる翼やマリア,奏にセレナ。
現在、深海の施設内にいるクリスや調達。
だが、この話はなんだ⋮
である響のブレーキ役として参加していた。
その間、例え、体が不自由だろうと絶対に人助けをしかねない幼馴染
未来は一応、今回の策については、源十郎から聞いており、未来は
何がどうなっているのかと困惑する未来。
自分以外のシンフォギア装者が苦しみ始めたと言う事に。
?
?
?
1630
?
ギアペンダント所持者⋮とどのつまり、シンフォギア装者全員に神
﹂
通力程度の精神攻撃を今まさに与えています﹂
﹁⁉
精染刀の所持者を殺す事
。
﹁そしてこの力を止める方法はただ一つ。
現に⋮
﹁ゲホッ
﹂
だが、あまり時間が残されていなかった。
未来としては、両方救いたいと言う﹁意思﹂がある。
皆を見捨てて、ジィスを倒さないか。
ジィスを倒して、皆を救うか。
此処に来て未来は二者択一を迫られた。
﹁そんな⋮﹂
つまり⋮私を倒さなければ、この呪いは解けませんよ﹂
"
どうして⁉
﹂
?
﹂
﹁え
そんな未来とジィスの戦いの最中⋮ある物が落ちて来ていた。
未来は悩む⋮どうすれば良いのかを。
移ってしまって居た。
小日向未来はなんだかんだで、響の側に居た為か、響の人助けが
だけども抗う⋮両方救いたいと言う﹁意思﹂の元に。
最早、両方救う時間は一刻の猶予が無い。
告げるカウントダウン。
貴方は私を倒さなければ、貴方の大切な人が死にますよ﹂
私が死ぬ時、それは呪いを受けた者達も道連れに死ぬと言う事。
﹁⋮私はこの刀を使うと、刀が私を喰い始めます。
﹁⁉
ジィスの口からタンと共に、血が噴き出し始めたから。
!
2人はそれを感知したのか、落ちて来ようとしていた物⋮黒の帽子
﹂
﹁ん
?
1631
?
"
?
?
に目を向けた。
するとその帽子はクルクルと回りながら、未来の頭上に浮いたまま
﹂
﹂
立ち止まった⋮刹那。
﹁え⁉
﹁んなっ⁉
なんと未来がその帽子の中へと一瞬の内に吸い込まれてしまった
のだ
それを見たジィスは驚かされた。
そして未来が吸い込まれた帽子はクルクルと回りつつ、被る方を上
向きにして、そのまま地面に落ちた。
ーーーーーーSIDEto未来
う、う∼⋮⋮此処は一体。
お嬢ちゃん﹂
私の周りはまるで白い空間みたいな光景が広がっていた。
辺りを見渡す私。此処は一体⋮
﹁勝手に連れて来た事、此処で詫びさせて貰うよ
え
﹁貴方は⋮
﹂
らしき物を持った1人のお爺さんがいた。
そこには黄色の服を羽織っている軍配の先に穂先が付いてる武器
突然聞こえた声に私はその声がした方向⋮背後を振り向いた。
?
﹁じゃあ⋮奇術師さん
一つお話をしても良いですか
﹂と、未来が質
?
?
かけた。
﹁貴方が、私を此処に呼んだのですよね
﹂
問したら、男はどうぞと言わんばかりの言動を見せ、未来は男と話し
?
しかし、未来は目の前の男を見て、自然とその人の話を聞いていた。
因みに未来は今、 神 獣 鏡を纏ったままだった。
シェンショウジン
そう言いながら男は未来に向かって話しかける。
ーーーーーーNO SIDE
﹁なぁに。ただのしがない奇術師よ﹂
?
1632
?
?
!
?
﹂
﹁如何にも﹂
やつがれ
﹁如何して
﹁僕はね
?
のぉ
それと合間見えなければ、お嬢ちゃんの友が死ぬんだろう
⋮はい⋮﹂
﹂
?
まう。
﹂
お嬢ちゃん。
﹁魂﹂は
しかし男はそんな未来の頭を撫でたのだ。
﹁え
﹁良いか
お嬢ちゃんの中にあるその﹁意思﹂は
﹁奇術師さん⋮はい
﹂
﹁当たって砕けろ﹂と言うぐらいにな﹂
なら、お前さんの﹁想い﹂を、あの女子カラクリにぶつけて見ろ
お前さんの中に今でも活気盛んに燃えてるんだ。
!
すると未来の身体が光輝く。
﹁そろそろ潮時かねぇ⋮﹂
﹁ありがとうございます。
﹂
⋮ワシはただのしがない奇術師。
あの⋮お名前は
﹁ん
名など無いに等しいがの。
すぐに解明でき、そして男に本当の名を感謝共に言った。
しかし、未来は男が最後に言った告げ口を聞いて、その男の名前を
そう言いながらウィンクして、別れを告げる男。
⋮赤き2振りの若虎が、僕の小倅だがな﹂
ただ⋮小倅や倅が元気にやっているのが、心配なただの親父様さ。
!
!
男から今の自分の状態を言い当てられてしまった未来は俯いてし
﹁っ
に宿っておるのだろう
き者へと変えてしまう⋮そんな葛藤の中を、お嬢ちゃんは今、その身
しかし、戦えば、せっかく縁を結べると思えた好敵手をその手で亡
?
お嬢ちゃんが今、相対している女子いや、カラクリに分類するのか
?
?
奇術師からの激励を受け取り、決意を固めた未来。
!
?
1633
?
!
?
?
﹁ありがとうございます⋮
小日向未来﹂
いきなり頭の上に帽子がやって来て、未来を吸い込み、そして帽子
が被る方を上向きにして落ちたと思えば、今度は未来がその中から光
と共に出てくれば誰だって驚くものである。
1634
今度は、友の為に使いなされよ
ジィスが呆然としていた。
⋮帽子から、再び小日向未来が⁉
?
そう言いながらジィスは目の前の行動に驚かされていた。
﹁⁉
﹂
そして未来にフラッシュが襲いかかり、気がつくと、目の前には
?
?
⋮かーかっかっかっ
⋮真田昌幸さん﹂
﹁っ
!
いやはや、お嬢ちゃんは見る目があるものだね∼
!
?
そんな中、ジィスは未来の瞳を見た。
﹂
そこには強い﹁意思﹂とそれを背負う為の﹁覚悟﹂を宿した未来の
瞳があった。
﹁⋮行くよジィスさん。
これが私の﹁想い﹂の力
イグナイトモジュール、抜剣‼
﹃Dainsleif﹄
?
!
そう言うと未来はギアペンダントを展開させ、そして胸に突き刺
うぐっ⋮
さった
﹁⁉
!
様々な負の感情が私の中へと入って来る⋮
私だけなんて⋮もう嫌だ
﹂
私は⋮もう⋮悲しみから⋮逃げない‼
⋮立ち向かうんだーーーー‼
すると未来のギアが変化した⋮
?
ま、現れたのだ
︶
をしたバイザーが閉じ、そして一気に勝負を仕掛けた
その表情が苦痛だと分かるぐらいに。
そして未来は最後に想いを乗せた一撃⋮
日食
を放った。
"
その一撃を放つのを見たジィスの顔には納得がいったかの様な少
"
突然の攻撃にジィスは防戦一方を余儀なくされた。
与えていく⋮
すると未来は歌いながらその歌に﹁想い﹂を乗せた攻撃をジィスに
ル︶﹂井口裕香︶
︵挿入歌﹁歪鏡・シェンショウジンーイグナイトver.ー︵オリジナ
!
そしてイグナイトを乗りこなす未来の顔の上下に付いてる牙の形
!
神獣鏡のイグナイトver.を纏った未来が、﹁理性﹂を保ったま
そしてボディスーツは黒く染めた⋮
そして現れたのは、紫のカラーリングを施したパーツが白く輝き、
!
?
!
だけど、響は⋮クリスは⋮皆んなは、それを乗り越えていってる⋮
!
︵辛い⋮痛い⋮悲しい⋮哀しい⋮憎しい⋮儚い⋮
!
!
1635
?
しの微笑みを浮かべ⋮そしてその攻撃をくらった。
技の反動でギアを強制解除された未来はそのおぼつかない足取り
でジィスの方へと歩み寄る。
そして立ち止まり、見てみるとそこにはジィスの身体から真紅の血
﹂
が流れながら身体のあちこちが傷を受けていた。
﹁ジィス⋮
そう言いながら、己の手で傷付けてしまったジィスを抱き寄せる未
来。
そんな中、彼女⋮ジィスの瞳は朧気であった。⋮まるで焦点があっ
てないかのように。
﹂
するとジィスは最後の力を振り絞って、未来の目から流れる涙を掬
う。
﹁貴方の想い⋮確かに⋮聞き⋮ま⋮した⋮
ならば⋮私の⋮我が⋮儘⋮聞いて⋮く⋮れ⋮ます⋮か⋮
それを聞いた未来は頭を縦に振る。
そしてジィスは最後の力を振り絞って、言葉を発する⋮
﹁キャロルを⋮私の⋮妹を⋮救って⋮下さい⋮
貴方と⋮貴方の⋮友達で⋮キャロルを⋮救って下さい。
あの子が⋮成す為の力は⋮﹃世界を識る﹄事⋮
世界を⋮壊すと⋮言う事は⋮
彼女の生まれた地さえも⋮失うから⋮﹂
﹁ジィスさん⋮﹂
﹁⋮頼みましたよ⋮私の⋮暖かい⋮陽だまりの⋮戦友よ⋮﹂
そう言うとジィスの瞳に光が灯らず、黒く濁る。
いには刀身全てがガラスや陶器が割れたかのような音を響かせなが
そしてジィスが所有していた刀は所有者を失った事で皹が入り、終
を流した⋮
それを見た未来はジィスの瞳を閉ざし、そして抱き寄せたまま、涙
?
ら、そして消え去った。あるのは唯⋮その刀を使用していた形跡があ
る刀の持ち手の所だけだった⋮
1636
!
そしてその刀の消失により、シンフォギアメンバーに襲いかかって
いた陣痛はバッサリと消え失せた。
﹂
そんな中、泣く事をやめ、そっと地面にジィスを寝かせる未来。
﹁貴方の想い⋮私がキャロルちゃんに伝えるから⋮
﹂
クライマックス
腕がまるでヒレの様に大きくなり、透き通るを通り越して、ほぼ半
うな形へと変化させた全身を紅く染めた逝都と、
そこには、身体中から紅蓮のようなラインを発生し、巨大な爪のよ
れようとしていた。
その頃、
﹃深淵の竜宮﹄では、ロックと逝都の戦いに終 止 符が打た
ーーーーーー
その発生してある場所の真下には⋮﹃深淵の竜宮﹄がある事を。
た。
まるでこの世の終わりを感じさせる光景に未来は目を離せなかっ
﹁一体⋮何が起きてるの⋮
その下には海が広がっていた。
なかった筈の黒雲が発生していた。
まるで太陽のような灼熱さを醸し出す空気と、そして先程まで絶対に
ふと未来がその音がする方を見てみると、そこには月があるのに、
突然聞こえた雷音。
ゴロロロロロ⋮
そんな時だった。
その瞳にはジィスから託された想いが奥底から伝わっていた。
!
透明の色へとその身を変貌させた、群青色が目立つ身体へと変えた
ロックが⋮そこにいた。
1637
?
♪45 始まりの海/終わりの大地
その日、人々は驚愕していた⋮
突然降りかかる嵐をも通り越した勢いのある豪雨と、
熱帯夜どころか、まるで﹁太陽が出ていない灼熱の夏﹂と言わざる
を得ない程の熱波が、襲いかかっていた。
・
・
そしてその中心点てある場所は海一面しかない。
だが、その真下には施設がある。
﹃深淵の竜宮﹄
其処では今、2人の戦士が激突を繰り広げようとしていた⋮
﹁大地﹂と﹁海原﹂という⋮
﹁自然﹂を⋮﹁地球﹂と言う名の﹁力﹂を用いて⋮
ーーーーーー
そこはまるで地獄絵図そのものだった⋮
1638
クリス達は目の前の光景に目を奪われるばかりだった。それは勿
論相手方も同じだった。
﹁ぐるるるぅぅぅぅ⋮⋮﹂
クリスにとってはかけがえの無い後輩の1人で、此処にはいない憑
友の親友・浅岡逝都が歯軋りしながら威嚇をあげる。
だが、その姿は最早﹁人﹂と言う概念そのものを捨ててしまってい
た。
後ろ全体を赤い鎧らしき物を覆い、前の方は黒みが掛かった灰色に
なり、脇にはトゲらしき物が突き出て、
三叉に分かれた爪と尻尾の先を生やしていた。
﹂
そして手の甲には、
﹁Ω﹂を連想させる文字が見えていた⋮溶岩がな
ぞる事で。
﹁あ⋮⋮がぁ⋮⋮がぁぁぁぁぁ⋮‼
身体は最早臓器すら見え透けており、群青色の後背部に、八つに枝
彼の身体もまた人外へと成り果てていた。
の兄⋮ロック・アイル・ユキネ。
その逝都と相対するのはS.O.N.G.の一員で、クリスの義理
?
分かれした後ろビレ。
そして極め付けは手全体が巨大な前ビレになっており、そのヒレに
は﹁α﹂を冠した水色の紋様が描かれていた。
そして何よりも、その2人がいる足場と天井にも変化が起きてい
た。
逝都の足元は何処から出てきたのか、溶岩が流れており、周りの破
片を悉く溶かしていき、天井からは、物凄い熱気が放たれていた⋮
水すら蒸気にする暇を無くすほどに。
そんな中、逝都が攻撃をし始めた
分の身体の変化に馴染めず、拒絶反応を起こしていた。
顔の表情から逝都は言わずとも好戦的で、対してロックは未だに自
の結末をただ何も出来ずに見守る事だけしか出来ずにいた⋮
そんな足元にいたクリス達は近くにあった高台へと登り、そして事
を連想させる程にまで降り始めたのだ。
その影響は止む所か、更に酷くなり、終いには彼の足元をまるで海
水が彼の周りに降り始めた⋮
対してロックの天井は何処から漏れ出したのであろうか、雨粒程の
!
り広げる⋮
まるで狂戦士のような雄叫びを響かせながら、ロックに格闘戦を繰
!
爪,牙,体,頭,尻尾を使った攻撃⋮それはもはや﹁野生﹂のよう
な攻撃の仕方だった。
その攻撃をロックはただただ受けるしかならなかった。
それを見ていたシンフォギアの皆は逝都に攻撃を仕掛けるも、まる
で溶岩のような皮質を前に攻撃が簡単に溶かされていく⋮
そんな中、ただ1人⋮
﹁⋮⋮⋮﹂
クリスだけは攻撃をしていなかった。
しかし、側には敵であるレイアがコインをトンファーの形にして構
ただ黙って目を閉じ、ガトリングもクロスボウへと変化させる。
!
1639
!
だが、そのどれもが格闘技の型に入ってはいないもの。
!
える⋮
するとレイアはそのままトンファーでクリスを攻撃する⋮が、
﹂
クリスはその攻撃をクロスボウで防御した⋮
﹁っ⁉
あまりの対応にレイアは目を見開く。
!
この馬鹿兄貴ーーーー‼
﹂
するとクリスは防御したまま、ロックの方に顔を向け⋮
﹂
﹁いい加減にしやがれーー‼
﹂
﹁っ⋮‼
﹁あ
?
?
﹂
ロック義兄が自らの意思で考えても、何も言わねぇよ‼
自分の事を考えずにいつも私の事ばかり考えて⋮
﹁それでも私の兄貴かよ⁉
そのままクリスはレイアの事を無視して、ロックを叱咤し始めた
いきなり怒鳴りつけたのだ。
?
﹁何っ⁉
﹂
﹁⋮ったく。⋮義妹に説教くらうなんざ、柄にもねぇな⋮﹂
そう言いながらロックはゆっくりと、だが着実に立ち始める⋮
それを見た逝都は目を見開く。
クが居たから。
﹁一気にケリを付けさせてやる⋮
﹂
クリスの⋮我が義妹が⋮俺の背中を押してくれたんだ⋮
此処で勝って⋮お前を、憑友の元へと届けてやる⋮
そう来なくちゃ⋮な‼
﹂
海の王が示す技を今この時を待って開示しよう
﹂
そう言うと、ロックの周りから大量の水が生成され始めた⋮
﹁
﹁へっ
!
!
!
!
そこにはボロボロになりながらも、その瞳に強い意志を宿したロッ
!
攻撃を食らっていたロックがここに来て、頭突きで逝都を押し返した
そう言いながら叱咤するクリス。その思いに応えたのか、先程ま
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