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公立図書館における市民参画のあり方

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公立図書館における市民参画のあり方
第 14 分科会 市民と図書館
公立図書館における市民参画のあり方
―図書館協議会の現状と未来―
基調報告
図書館協議会の現状と課題(論点整理)
山口洋(中央大学文学部,図書館友の会全国連絡会運営委員)
パネルディスカッション 公立図書館における市民参画のあり方
パネラー
図書館協議会の制度的位置づけ
松岡要(元日本図書館協会事務局長)
田原市図書館協議会の活動から
森下芳則(元田原市図書館館長)
図書館協議会の未来を求めて―図書館友の会活動から見えてきたこと―
阿曾千代子(図書館とともだち・鎌倉,図書館友の会全国連絡会運営委員)
分科会概要
本分科会は図書館友の会全国連絡会が運営する分科会です。第 100 回大会より「市民と図書館」を分科
会名として毎年掲げ,公立図書館を支える市民の活動に注視し,両者の関わり方や今後の図書館運動の方
向性など,その時々の公立図書館界の出来事にも目配りしながら,参加者にとってその後の活動へ資する
ような分科会を企画してきました。
公立図書館は,市民の自立と地域社会の発展に不可欠な施設であり,市民自身が公立図書館に関心を持
ち続けることが必要です。また,市民が図書館を守り育ててゆくためには公立図書館のさまざまな活動や
頻発する諸課題に対し,市民がどのように関わるかが大切です。その関わり方の一つとして,図書館友の
会全国連絡会は早くから図書館協議会活動に注目し,全国 3,261 館の公立図書館の半数に設置されている
図書館協議会が,市民のために機能するためにはどの様な形が望ましいのかを考えてきました。その結果,
「私たちの図書館宣言」
(図書館友の会全国連絡会:2009.5.25 総会決議/2012.5.22 総会改訂)において,
「六 情報公開と民意に基づく図書館協議会が機能する図書館」として表明しております。また第 100 回
大会においては,図書館協議会をテーマに分科会を立ち上げました。その中で,図書館協議会は図書館法
によって位置付けられた,市民が図書館運営に意見を出せる機関であること,その活動により運営の改善
に結びついたことなど先駆的事例を報告していただき,図書館協議会を中心とした市民参画のあるべき姿
を議論しました。
しかし,現状は必ずしも理想的な状況にあるとは言い難く,図書館協議会が設置されていても機能しな
い事例や,図書館協議会の設置を要望してもそれが叶わない事例,さらには設置されていた図書館協議会
が廃止された事例もあります。また委員の選任方法などにも疑問を持たざるを得ない事例も聞かれます。
以上のような現状に鑑み,図書館協議会に対するとらえ方も多種多様であることから,そのあるべき姿に
ついて今一度,理解を深めることが必要であると考えるに至りました。
そこで今回の分科会では,公立図書館活動における市民参画の方法として,図書館協議会を軸に,さま
1 / 第 14 分科会 市民と図書館
ざまな活動を含めて考えたいと思います。今回は,図書館友の会全国連絡会において会員による各地の図
書館協議会調査を行い,その結果報告と論点整理を行います。また報告として松岡要氏(元日本図書館協
会事務局長)には,制度の視点から図書館法および関連法と図書館協議会についてお話しいただきます。
また森下芳則氏(元愛知県田原市図書館館長)には,図書館長のご経験から市民参画のあり方をお話しい
ただきます。さらに,阿曾千代子氏(図書館とともだち・鎌倉,図書館友の会全国連絡会運営委員)には,
市民の立場で図書館運動に関わられてきたご経験から市民参画のあり方をお話しいただきます。さらに「障
害者差別解消法」施行に伴い,「知る自由と学ぶ権利」は,障害の有無に関係なく「いつでも,どこでも,
誰でも,身近に無料で利用できる図書館」にて保障されねばならなくなりました。この点においても,利
用者である市民自身も理解を深め,公立図書館がその使命を果たすように働きかける必要もあります。
今回は会場からの発言や報告も交えたパネルディスカッションの時間をとります。各地の事例や課題な
どを報告し合い,パネリストのご意見も交えながら,公立図書館の市民参画における現状を認識し進むべ
き方向性やあるべき姿を考え,参加者でその情報を共有し,あすからの各地の活動に資するような分科会
を予定しております。
(山口
2 / 第 14 分科会 市民と図書館
洋:中央大学文学部,図書館友の会全国連絡会運営委員)
パネラー
田原市図書館協議会の活動から
森下芳則(元田原市図書館館長)
図書館協議会の設置
私は 1999 年に田原町の図書館建設準備室(2003 年に田原市)に招聘され,2002 年の開館後は図書館
長として勤務し,2010 年 3 月に退職しました。その間の図書館協議会の設置と活動を通じて感じ,考えた
ことを報告します。
新図書館準備の一つとして図書館条例の検討があります。当然,図書館協議会設置を含んだ条例案とし
ましたが,町の幹部からは「法定の協議会は制約があるから,図書館法に基づかない懇談会にしてはどう
か」という意見がありました。
住民への公開,意見の尊重が行政運営上の制約と感じる意識があることがうかがえました。一方で,図
書館法に基づき,条例に明記された法定協議会の重みを意識していることも分かります。愛知県でもほと
んどの図書館長は非専門職であり,数年で異動しています。教育機関であるにもかかわらず,専門性をも
った運営を行なっていないという感覚が図書館協議会設置を避けたい理由ではないかと思います。
実際,指定管理者制度への移行や図書館運営上の問題が表面化した場合,図書館協議会への報告や同意
が求められます。そんな時,当局とは異なる協議会の意見は新聞などで報じられます。多くの場合,図書
館の意義を踏まえた立派な見解であり,図書館協議会の存在意義を示しています。
田原町図書館条例では,協議会委員は 10 名以内,任期 2 年としました。委員の選任については,次の
ような考え方で行いました。①読書や図書館活動についての関心や経験のある人に委嘱する。
(あて職には
しない)②学校教育,社会教育,学識経験者の各分野から委嘱する。③一部の委員については公募する。
学校教育からは 3 名とし,小中学校の図書室担当教員と校長から各 1 名,若い世代と女性の意見を反映
するために,青年会議所と婦人会からそれぞれ 1 名を推薦してもらいました。会の代表ではなく,読書,
図書館に関心のある方にお願いしました。学識経験者として高校の学校司書,近隣図書館の職員,その他
に公募委員 2 名を募集しました。
図書館開館後には,隣接の2町を編入合併して田原市となり,旧 2 町からも委員を選出しました。
図書館協議会の活動
図書館協議会は年間3~4回の開催でした。そのうち1回は他の図書館の視察にあて,その他の協議会
で図書館活動の報告と議論を行ないました。前年度の活動と次年度の計画,予算などのほか,子ども読書
推進計画,学校図書館との連携,資料の収集,図書館への要望,提言などの報告と意見交換などを行なっ
てきました。
図書館協議会の活動から派生した取り組みを二つ紹介します。
一つは「田原市図書館と学校図書館との連携を考える会」の発足です。協議会における議論の中から,
委員長であった校長のリーダーシップで実現しました。小中学校の図書主任,学校司書(各校に週2回巡
回)
,図書館職員からは児童担当,小学校に巡回する移動図書館担当,夏休みの課題についてレファレンス
担当も参加することがありました。さらに学校教育課,図書館長も参加して,学校と公共図書館で情報交
換や研修,施設見学などを通じて相互の理解が深まりました。図書館は,学校との連携を通じて効果的な
資料提供を行なうとともに,学校図書館の整備にも協力しました。
3 / 第 14 分科会 市民と図書館
当時の田原市では,各校個別に図書購入していました。学校によって納入の条件が異なり,発注から納
入までの期間が長いことがネックになっていました。また電算化の取り組みも遅れていました。連携する
会で公共図書館の経験を紹介し,納入書店を指定し装備と書誌データを統一しました。図書装備の負担を
軽減し,コンピュータ導入の条件整備になりました。
現在も学校司書との連携は継続されています。また図書館が学校図書館支援センター物流部門として学
校への資料の配送を積極的に行っています。
もう一つは 2007 年(平成 19 年)に図書館運営のための理念と目標を図書館協議会に諮問したことで
す。
図書館協議会への諮問
田原市図書館は 2002 年 8 月の開館より 2 度の合併を経て,3 つの図書館と 2 台の移動図書館を一体的
に運営し,利用実績は比較的高い水準でした。当時,図書館運営のための理念,目標を職員,市民の間で
共有する必要性は感じていましたが,作成には至りませんでした。
しかし,2007 年度予算の内示は田原市図書館にとって極めて厳しいものでした。資料購入費が前年の
5,800 万円から半減の 2,900 万円,併せて嘱託職員 4 名と臨時職員 1 名を減らすというものでした。当事
者としては,削減の金額も問題ですが,なぜ削減をするのかという理由も重大でした。予算内示の説明で
は「重要度の認識は低いが市民満足度の高い施策(図書館等)への経費配分を抑制し,重要度の認識が高
いものの市民満足度が低い施策(環境保全等)に経費配分し,総体的な市民満足度の向上を図る」とあり
ました。一般会計 300 億円の 0.13%にあたる 4,000 万円を削減して図書館の市民満足度を決定的に損な
い,田原市の市民満足度が総体的に向上するという机上の空想論としか思えません。また,市役所の中で
は,近隣の自治体との比較で予算や人員の増減を考えるというのが一般的な態度でした。田原市をどのよ
うな地域にするのか,そのための図書館の役割や市民に対する貢献などという観点からの説明はありませ
んでした。
予算内示に対して,とりあえず資料費の増額と職員数の確保に努めました。その結果,資料購入費につ
いては 500 万円の増額をえて 3,400 万円になり前年比 41%のカット,職員については非正規職員5名削
減に対して,正規職員 1 名増と人事課の予算から臨時職員を手当てすることで開館時間を維持することが
できました。
これは,誰のために何をするのかを明確にする図書館政策の必要性を痛感するできごとでした。
2007 年 7 月の図書館協議会で「田原市図書館の理念(使命)と達成すべき目標について」とする諮問を
行ないました。8月には中川幾郎氏の講演会「田原市の図書館の明日を拓く~「行政」から「政策」へ」
を開催し,図書館政策についての理解を深める機会になりました。図書館協議会では,1年間,5回にわ
たって検討をおこない,翌 2008 年8月に図書館長あての答申をいただきました。
答申の検討を通じて,委員も図書館への理解が深まりました。答申が完成すると,委員の中から市長に
答申の内容を直接説明したいという声があがり,市長との懇談会を設定しました。
答申をいただいた 2008 年にリーマンショックがあり,翌 2009 年はトヨタショックが田原市の財政を
直撃することになりました。財政的には非常に厳しい時期でしたが,答申に込められた委員の熱意が理事
者に伝わることで,この時の図書館を支えてくました。
4 / 第 14 分科会 市民と図書館
図書館協議会の課題
図書館運営にあたる図書館員が,市民の代表である図書館協議会委員に図書館のあり方と現状,課題な
どの説明を行い,委員が図書館活動の当事者として参加してもらう仕組みが図書館協議会です。
実務者あるいは他館の協議会委員としての経験から,図書館協議会の開催頻度が年1回あるいは2~3
回程度では,委員の理解を深めることは難しいと感じてきました。
図書館協議会が効果的に機能するためには,①図書館が図書館協議会の役割を尊重し,教育機関として
の自律性をもって図書館運営がされていること。②委員が図書館についての理解を深める機会が用意され
ていること,などが必要です。
このような要件を考えると,図書館協議会も指定管理などアウトソーシングの問題と無関係ではありえ
ません。
図書館協議会が諮問にこたえ,意見を述べるという役割を果たし,さらに図書館活動に参加できる仕組
みを用意することが図書館に求められていると思います。
5 / 第 14 分科会 市民と図書館
パネラー
図書館協議会の未来を求めて―図書館友の会活動から見えてきたこと―
阿曾千代子(図書館とともだち・鎌倉,図書館友の会全国連絡会運営委員)
はじめに
明治 44(1911)年に創立した初代鎌倉町立図書館は関東大震災で全壊し,2 代目となる図書館は,昭和 11
(1936)年,当時鎌倉に居住した間島弟彦・愛子夫妻からの全額寄附により場所を移して新築開館した。注
1)
間島夫妻は,青山学院大学の図書館建設にあたっても同窓生として大きな力を尽くされ,現在は間島記念
館と呼ばれるこの建物の入り口正面には,ご子息に本を読み聞かせる弟彦氏の像が据えられると共に,2 階
には夫妻を顕彰するコーナーが設えてある。注 2)
本分科会では,これら二つの図書館のみならず,青山学院や鎌倉市の教育文化事業に多大な貢献をされた
間島夫妻への敬意と感謝を胸に,図書館を友とする市民の立場で報告したい。
1.なぜ今,図書館協議会か
図書館友の会全国連絡会(以下 図友連)は,2009 年 5 月「私たちの図書館宣言」を決議し,市民が友と考
える公立図書館の形を 7 項目の「あるべき図書館の姿」に掲げた。注 3)その一つが「六
情報公開と民意
に基づく図書館協議会が機能する図書館」である。
他の 6 項目が図書館設置者に向けた市民要望であるのに比し,これは図書館協議会委員を含む市民自身
が,その実現のために主体的に取り組まなければならない点で他の項目と異なる視点を持つ。即ち,図書館
協議会は市民代表の委員によって委員長が互選され,進行・審議される諮問機関であるからこそ,市民はそ
の在り方に対してより重い責任を担って運営しなければならない。
本報告では図書館友の会活動から見えてきた図書館協議会の現状と課題を述べ,図書館協議会の確かな
未来を求めるための術を考察したい。
2.図書館友の会活動から見えてきた図書館協議会の現状
報告者の居住する神奈川県内の公立図書館では,窓口業務委託や指定管理者制度の導入,資料費削減,職員
の非常勤化などが進んでいる。図書館の有用性や利便性,公が担う図書館の根源的な存在意義が十分に理解
されぬまま,その状況は年々厳しさを増している。
図書館協議会についても同様で,その設置を求めて市民が半世紀近く声をあげ続ける自治体(横浜市),設
置されてはいるものの報酬費捻出の厳しさによる開催回数の削減,あるいは図書館協議会そのものの廃止
(神奈川県)や社会教育委員会への統合化(川崎市)など,縮小に向けた動きがじわりと進行している。
また,自治体によっては図書館協議会が示す答申や決議が,図友連がめざす図書館像とは全く違う方向へ進
むための論拠とされることがあり,図書館協議会に対する失望や疑問を口にする図友連会員の声も聴く。さ
らに,毎回報告を聞くのみで討議らしい討議がされないなど,図書館協議会の形骸化を嘆く声も少なくない。
その一方で,答申や報告書が教育委員会や議会等での説明や答弁に有効に働き,自治体の図書館政策に好影
響を与えた事例もある。
3.図書館協議会の課題
図書館協議会の在り様は自治体ごとに異なり一律ではないが,前述したように,図友連は図書館協議会を
6 / 第 14 分科会 市民と図書館
図書館法で規定された諮問機関として高く位置づけ,未設置自治体にはその設置を,設置自治体には一層の
活性化を広くアピールしたいと考えている。国会や省庁への要請活動もその一環である。注 4)
また,図書館協議会を真に機能させるためにはまず現状調査が必要と考え,図友連では 2 度のアンケート調
査を行った。今後はこの基礎資料をもとに,図書館協議会の望ましい形を具体的に提言していくことができ
ればと願っている。
それにしても,この間の図書館界における図書館協議会活性化への取組みは十分と言えないのではない
か。過去十数年の集会等で図書館協議会が大きなテーマになることはなく,関連資料を探しても数少なく残
念に思う。
4.図書館協議会を真に機能させるために
図書館協議会の形骸化の原因としては,委員の選出方法,開催回数と委員報酬額,諮問内容や審議方法,情
報公開と資料提供の在り方,委員研修の有無など様々な観点からその理由を探る必要があるが,何れにして
も帰するところは「人」の問題ではないだろうか。
委員の適性に対する疑問や不満,宛職選出から見えてくる前例主義の悪しき慣習,それによる公募委員選
出要望の高まりと失望,そもそも委嘱する館長が図書館の専門家ではないジレンマ等,図書館協議会を機能
させるのが「人」である以上,その委員構成は慎重に決定されなければならない。そして,委員は館長の意向
に沿って人選されるのだから,図書館協議会が館長の資質によって大きく左右されるのは当然の理ともい
える。
ならば,自治体が図書館法に依る公立図書館を設置する際には,まず専門的職員の館長と,館長の諮問機関
であると同時に意見具申機関でもある図書館協議会が同時に置かれるべきではないか。
現行では,図書館法は図書館の設置のみならず,図書館協議会の必置を定めてはいない。戦前戦中,図書館
が国家体制に組み込まれた反省から,戦後,社会教育機関である公立図書館の設置は,自治体の判断によると
ころとなった。教育に国の過干渉を許さないための法の精神であろう。
しかし,繰り返しになるが,もし自治体が図書館法に依拠する公立図書館を設置するのであれば,少なくと
もそこには司書資格を有する経験を積んだ館長が求められるべきであり,館長を育成するための司書職制
度と,館長の諮問機関である市民代表からなる図書館協議会の必置が不可欠と報告者は考えている。
5.図書館協議会に未来はあるか
戦後の仕組みの中で新しく生まれ変わった公立図書館は,その後多くの図書館員の努力によって「市民の
図書館」として発展してきた。市民の一人として,図書館界の先人たちとそれを受け継ぐ図書館員の努力に
深く感謝したい。
しかし現在の図書館状況を見渡すと,図書館運営にあたる「人」が軽んじられるだけでなく「市民の図書
館」そのものが失われてしまいかねない危機的な状況にあるといわざるを得ない。その中で,ピンチをチャ
ンスにかえるために全国各地の図書館友の会は懸命に知恵を絞り,その方法の一つとして図書館協議会を
もっと活かしたいと願ってきた。なぜなら,先に述べたように,図書館協議会の決議は市民の責任が重く問
われるからこそ,在り方によっては一層の市民力が発揮できる可能性を持つのだから。しかし現段階では,
図書館と同様,図友連が掲げる図書館協議会の「あるべき姿」にはまだかなりの距離がある。
公立図書館が真に「知の拠点」であり「民主主義の砦」であるならば,そして「住民の学びを支えるため
7 / 第 14 分科会 市民と図書館
の社会教育機関」であり「資料を通して市民自治をサポート」してきた自負が図書館界にあるならば,図書
館が困難な状況にある今だからこそ,図書館の未来を図書館協議会の未来と重ね,広い視野をもってよりよ
い図書館協議会づくりを共に探ってほしい。
最後に
図書館友の会の願いはただ一つ。今よりも一歩でも半歩でも確かで夢のある公立図書館を次の世代に手
渡したいということだけだ。その具体化が「私たちの図書館宣言」であり,中でも図書館協議会については
先ず自らが責任を果たさねばならないと考える。いつの日か,かつて組織された全国図書館協議会連合会注
5)を復活させ,図友連が掲げる「情報公開と民意に基づく図書館協議会が機能する図書館」の実現のために,
図書館職員と市民が共に学び,真摯に評価しあい,其々の特質を十二分に活かす場がつくれたらと願う。
図書館協議会の未来を求めることは,図書館の未来を求めることと分かちがたく結びついている。
注
1)鎌倉図書館百年史(2011 年 鎌倉市 発行)
2)小伝
間島弟彦(1977 年 青山学院 発行)
3)私たちの図書館宣言(2009.5.25 総会決議/2012.5.22 総会改訂)
http://totomoren.net/
4)公立図書館の振興を求める要望書(2016.5.24)
http://totomoren.net/blog/?paged=3
5)図書館協議会と全国図書館協議会連合会
(1964.3.25 全国図書館協議会連合会 発行)
第 102 回全国図書館大会ホームページ 掲載原稿
URL:http://jla-rally.info/tokyo102th/
2016 年 9 月 21 日 作成
8 / 第 14 分科会 市民と図書館
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