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~日本共産党 視察報告~ 日 時:平成24年5月26日(土)~27日(日) 研修項目:第17回全国小さくても輝く自治体フォーラム 研修場所:北海道東川町 参加議員:渡辺 勉 分科会①育ちあいを活かす自治体づくり ―文化・福祉・子育― 佐々木久美子 分科会②自然エネルギーを活かす自治体 づくり ◎渡辺 勉 分科会① 育ちあいを活かす自治体づくり―文化・福祉・子育 ・剣淵町 絵本をキーワードにまちづくり 24 年前絵本の里つくろう会を中心にふるさと創生基金 1 億円をもとに絵本の館 を建て、まちづくりの中心にして、まちおこしを行ってきた。 『絵本のまちづくり』をはたにかかげ、絵本を真ん中に置きながら、町民一人 ひとりがそこを起点に横に手をつなぎながら、人の心のゆたかさをもとめる道を たどろうとした。 今では北海道旅行中に、剣淵に立ち寄り絵本を借りて道内をめぐり、帰りに宅 配便で返本する観光客もいて『絵本の町剣淵』は全国ブランドにもなりつつある。 また、絵本の館を訪れた人達の投票により、絵本コンクールを行い『剣淵絵本 大賞』を毎年決めるというユニークな取り組みもある。 ・奈井江町 住民が主役のまちづくり (子どもへの取り組み) 平成 14 年『子どもの権利に関する条例』の制定 1.子どもの権利の尊重・保障 2.子どもとの協働 3.幸福に暮らせるまちづくりを基本理念に (分 科 会) <小児期からの生活習慣病予防事業> ◎目 的 奈井江町の子ども達の健康状態を把握し、継続的にかかわるこ とで小中高生・保護者・家族・地域へと健康への関心が高まり、 予防の大切さを理解し、健康行動の見直しが図られる。 ◎事業内容 ①小学3年生~高校生までの健康診断(身体計測・問診・血圧測定・ 血液検査) ②関係者向け学習会の実施 ③小児期からの生活習慣病予防講演会の実施 ④生活習慣病予防のためのパンフレット作成 ⑤検診の結果をふまえ、かかりつけの医者等と課題を検討し、解決 に向けて事業を実施する。 ⑥児童生徒用の「すこやか手帳」の作成 ⑦健診事後教室の開催(クッキング教室・運動教室) ⑧年2回、学校で放課後に行う。 ⑨結果は保健センターへ、保護者に来てもらう。来ないときは、保 健師が家庭訪問をする。 <効果> ・地域に開かれ、連携しやすい学校になった。 ・学校医に、相談しやすい体制ができた。 ・保護者を含め、住民の健康意識が高まった。 ・健診結果を地域の課題としてとらえ、行政、医師会、学校、地区組織、 住民が一体となり健康づくりを考えるようになった。 <子どもの社会参加> 子ども会議の開催 ・町長と語る会 全町一斉クリーン作戦 ・子ども達による看板・環境カレンダー・ポスターの作成 産業まつりへの子どもの主体参加 ◎まちづくりは、大人だけが参加するのではなく、子どもからも積極 的に参加、意見を聞く機会を・・・・・ ・東川町 「前例踏襲型」行政から「個性創造型」行政へ 「前例がない」、「予算がない」、「ほかの町でやっていない」の「3つのない」か らの脱皮と「change, challenge , chance」の「3つの cha 」のとりくみ <小さくても輝く自治体の大きな取り組み> 1.写真の町事業 ア、写真甲子園、国際写真フェスティバル イ、小学生の写真絵日記 2.転入者へのサービスなど ア、ウェルコメ事業 ウ、君のいすと写真プレゼント イ、婚姻届と出生届 3.特別町民 ア、ふるさと納税を活用した「ひがしかわ株主」制度 4.教育 ア、東川中学校の木製の椅子と机、 椅子は 3 年間でプレゼント イ、東川小学校に彫刻作品の配置、 食育事業の展開 ウ、幼保一元化と保育料の独自軽減 エ、国際交流(留学生、姉妹提携、 友好交流、職員) (東川町の子育てネットワーク) 5.景観団体と住宅建設支援 ア、美しい東川の風景を守り育てる条例 ウ、帰ってこいよ住宅 オ、優良田園住宅 イ、カーポート等の整備支援 エ、グリーンヴィレッジ カ、新築苗木プレゼント 6.狭義な福祉 ア、不妊治療全額支援 イ、福祉交付金の交付 ウ、傘寿の笑顔写真プレゼント エ、町立診療所無料送迎 オ、買い物支援「コープさっぽろと JA ひがしかわ」との連携 カ、デマンドバス運行 7.産業支援 企業立地等総合支援 8.産業振興 ア、木彫看板 イ、米缶 9.町の資源 ア、大雪旭岳源水 イ、地下水サミット <フォーラムに参加して・・渡辺 勉 ウ、合宿の里 > 人口1,137人の西興部村をはじめ、幌加内町、美深町、占冠町、月形町、津別 町、愛別町当麻町、東神楽町、大空町、比布町、鷹栖町、奈井江町、等など全国か ら350人の市町村長、職員、議員が参加した。 平成の大合併という嵐にのみ込まれそうになりながらも、自分の町らしい歩み方 をしよう、自分の町だから歩めるそんな歩み方を見つけられないかと、町長も村長 も職員も議員も住民も力を合わせて(勿論子ども達も)、町づくり村づくり、地域づ くりに額に汗して、知恵を出しあっている姿が報告された。 これらの一つ一つの取り組みには、その地域ならではの取り組み方もあるだろう が、一工夫することで、わが町にも十分活用できるということがたくさんあった。 「小さい町だからできる」と、始めからできない理由を考えるのではなく、わが町 で行うには、どのような工夫が必要か、知恵を出し合うことが大事ということを学 んだ。 全体のまとめとして、自治体問題研究所理事 河合 博司 酪農学園大教授は「小さくても輝く自治体が、小さいからこ そ輝いて、地域の人の本当の幸せと喜びと豊かな暮らし、生 活のために政策を実践して、日本と世界の21世紀のあり方 のモデルを作り出そうとしてきている。そのことをもっと学 びあって交流し合って、我がものにしていく段階にある。そ れがフォーラムに与えられた責務である」と締めくった。 (全体シンポジウム) ◎佐々木久美子 分科会② 自然エネルギーを生かす自治体づくり 美幌町:人口2,200人 ・森林資源による循環型経営 ・林地残林から木質ペレット製造で新たな雇用 ・木質バイオマス資源活用促進事業ではふるさと雇用再生特別交付金 ・木質バイオマスボイラー導入プロジェクトでは峠の湯「びほろ」 ニセコ町:人口4,823人 基幹産業は農業と観光業 ・地中熱ヒートポンプの取り組み・RED での街頭・低公害者 下川町:人口3,600人 ・下川町バイオマスタウン構想 ・地域のバイオマス利活用方法では ① 油代替燃料による木質バイオマスの活用 ② 軽油代替燃料による廃食油の活用 コメンテーター;岡本光亜昭氏(北海道森林組合連合会代表理事副会長) 山形定氏 (北海道大学) 大友詔雄氏 (NERC 代表) <フォーラムに参加して・・佐々木久美子 > 公共温泉や幼児センター町営住宅・高齢者複合住宅などの公共施設で木質バイオマス エネルギーを利用していて、全公共施設の暖房が42%であるというのには驚いた。ま た自然エネルギーを活用するまちづくりの経験交流では、森林資源を生かしたバイオマ スの取り組みが地元に、経済効果や雇用効果をもたらしている自然エネルギーの活用を 進めることが重要ではないかと感じた。 「東川町には国道・鉄道・上水道の3つがないけれど 他の都府県にはない北海道という大きな道がある」を キャッチフレーズに、たくさんの日本一、北海道一でま ちづくりをしている。君の椅子プロジェクトや大雪旭岳 源水があって、人口が増え続け8千人に迫っている。 「酪農と福祉」の西興部村では合併しないで自立の道を 選択し、人口1,137人で高齢化率は32.5%である。 17の事業体が乳牛26,600頭を飼育し、福祉関連 人口は約3,000人、村の人口の26%にのぼる。前市 長から引き継いだ福祉政策を充実し、特養は88床。 (君の椅子プロジェクト) 高齢化者見守りシステム(無料)、高齢化住宅料4割減、 中学生までの医療無料、保育料低減、ワクチン無料等を行っている。また04年に村民 全員の承諾をとり、森林が86%の村全域をエゾシカの有料猟区に指定。シカ肉処理場 も設置され、酪農学園大学と円山動物園との交流や相互協力協定も結んでいる。エゾシ カ駆除に費用をかけずに、狩猟者を要請しながら収入源にする取り組みが報告された。