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プレストレストコンクリート部材の 設計と応用

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プレストレストコンクリート部材の 設計と応用
土木学会関西支部
第25回 コンクリート構造の設計・施工・維持管理の基本に関する研修会
説 明 内 容
・プレストレストコンクリートの設計(設計編11章に即して)
11.1
11.2
11.3
11.4
11.5
プレストレストコンクリート部材の
設計と応用
2011年8月2日
概説
プレストレストコンクリートの特徴
プレストレストコンクリート部材の挙動と解析
プレストレストコンクリート部材の設計
PC部材の耐久性を高めるための方策および構造細目
・プレストレストコンクリート技術の応用
オリエンタル白石(株)
杉田 篤彦
1
11.1 プレストレストコンクリートの概説
2
P.154
プレストレストコンクリート(PC)とは何か
コンクリートの性質
弱い!
楽勝だね
♪
助けて~~~
引張力
《鉄筋コンクリート》
RC = Reinforced Concrete
圧縮力
《PCコンクリート》
PC = Pre-stressed Concrete
強い!
Pre(前もって) 応力が与えられた コンクリート
コンクリートの引張強度は
圧縮強度の 1/10 程度
3
4
1
PCの概念
RC桁とPC桁
コンクリートの性
質2
コンクリートの引張
側の補強
応力をコンクリートに
導入
コンクリートの断面
全体が有効
RCよりも断面を小さ
くすることができる
緊張材:PC鋼材
《 鉄筋コンクリート(RC)桁 》
鉄筋で引張部分
を補強
多少のひびわれ
はやむを得ない
《 プレストレストコンクリート(PC)桁 》
プレストレスを導入
して補強
ひびわれの制御
が自由にできる
5
6
PP.154~155
11.2 PCの特徴
11.2.1 PCの原理
P
荷重
圧縮応力
上縁
上縁
中立軸
下縁
荷重
P C 桁
P
荷重による応力
σc’
中立軸
引張応力
下縁
7
2
σc
プレストレスによる応力
σct’
+
合成応力
Σσc’
=
σct
Σσc
8
PP.155~156
死荷重
プレストレス
u
P
A
P・ep
Zu
l
P
A
P ・ep
Zl
プレストレス
+
死荷重
活荷重
11.2.2プレストレストコンクリートの分類
(1)構造体としての設計上の分類
プレストレス
+
死荷重
+
活荷重
①コンクリートに引張応力を発生させない
PC構造、フルプレストレス :床版、タンク
②コンクリートの引張応力は制限値以内
PC構造、パーシャルプレストレス:道路橋主桁
③コンクリートのひび割れの発生を認めるが、
ひび割れ幅制限を行う
PRC(PPC)構造:コスト縮減
u :断面上縁のプレストレスによる応力度
l :断面下縁のプレストレスによる応力度
9
10
PC構造とPRC構造
PC構造
PRC構造
ひび割れ発生
許さない
ひび割れ発生
許す
プレストレス
縁応力度制御
ひび割れ幅制御
(異形鉄筋併用)
コンクリートの
引張応力
コンクリートの
ひび割れ
名 称
×(全て圧縮)
×
○(許容値内)
×
○
○(ひび割れ幅)
-(無視)
○(鉄筋の応力度)
PC(フル)
PC(パーシャル)
PRC
RC
大 導入レベル 小
使用限界状態
設計荷重作用時(使用限界状態)
自由度の高い設計が可能
11
12
3
PP.156~158
1)プレテンション方式
11.2.2 PCの分類
(2)プレストレス工法による分類
1)プレテンション
付 着
B.U. B.C.
ベンドアップ / ボンドコントロール
2)ポストテンション
くさび式
ねじ式
ループ式
3)その他工法
a.化学的方法(膨張セメント)
b.フラットジャッキ(機械的)
4)連続繊維補強材
FRP(炭素、アラミド、ガラス)
フレシネー工法
アンダーソン工法
SEEE工法
バウル・レオンハルト工法 etc
13
14
プレテンションの定着付近の応力
プレテンション方式の定着のしくみ
◯ 圧縮応力の流れ
圧縮応力の流れ
部材端部
定着後の変形
定着前の形状
PC鋼材
◯ PC鋼材とコンクリートとの付着応力分布
付着応力
付着長さ 65φ
◯ PC鋼材引張応力分布
σp
σpx
0
15
4
16
2)ポストテンション方式
ポストテンション方式の定着のしくみ
ネジ方式
くさび方式
17
18
P.158
ポストテンション方式の定着具の例
② ねじ方式
くさび方式
11.2.3 PC(構造)の特長
全断面を有効に利用できる
スレンダー、長支間化
ひび割れ安全度が高い
水密性、耐久性
たわみ総量が小さい。
プレストレスによるたわみ(反り)、ねじりモーメント低減
プレキャスト化が可能
工期短縮、型枠の転用(経済的)、CO2の削減
施工管理
緊張、グラウトなど細心の注意が必要
高性能化
ネジ方式
19
20
5
PP.159~163
プレストレスの変化に関与する要因
①プレストレッシング直後の状態
材料の性質
②クリープ・収縮、
リラクセーションが終
わった状態
構造的
プレストレスの減少
11.3 PC部材の挙動と解析
11.3.1 プレストレス力
PC鋼材とシースの摩擦
PC鋼材とシースの摩擦
①
定着体のセット(めりこみ)
②
コンクリートの弾性変形
③
コンクリートのクリープ・収縮 ④
PC鋼材のリラクセーション
PC鋼材のリラクセーション
Px
Pi e
(
⑤
徐々に
減少する
緊張直後のプレストレス力
pt
pi
(① ② ③ )
有効プレストレス力
pe
pt
(④ ⑤ )
21
プレストレスの減少
①PC鋼材とシースとの間の摩擦
瞬時に
減少する
22
PP.159~160
プレストレスの減少
②定着部の滑動(セット)
x)
l
μ:角変化1ラジアン当たりの摩擦係数
α:角変化(ラジアン)
λ:緊張材の単位長さ当たりの摩擦係数
x :緊張材の引張端から設計断面までの長さ
P.161
A0
Ep
A0
23
24
6
プレストレスの減少
③コンクリートの弾性変形による減少
PP.160~161
∆ σ pcs
プレテンション方式の場合
p
n
PP.161~162
プレストレスの減少
④コンクリートのクリープ・収縮
n φ (σ cd +σ cpt )+E p ε cs
σ cpt
φ
1+n
1+
σ pt
2
'
cpg
ポストテンション方式の場合
p
1
n
2
'
cpg
N 1
N
25
クリープ
26
一定の持続荷重の元でコンクリート
の変形が大きくなる現象
乾燥収縮
コンクリート
弾性変形
弾性変形+塑性変形
P
P
Δe
時間
Δe
Δc
Δe:弾性変形
PC鋼材
時間
Δc:塑性変形
時間
27
28
7
PP.162~163
プレストレスの減少
⑤PC鋼材のリラクセーション
プレストレス力の変化に及ぼす要因
ポストテンション方式
一定ひずみ下で応力が低下する現象
pr
・
pt
γ:PC鋼材の見かけの
リラクセーション率
プレテンション方式
状態Ⅰ
状態Ⅱ
状態Ⅰ
状態Ⅱ
シースとの摩擦
○
-
-
-
弾性変形
○
-
○
-
定着具の滑動
○
-
-
-
クリープ,乾燥収縮
-
○
-
○
リラクセーション
-
○
○
○
注)状態Ⅰ:緊張中から緊張直後までに考慮すべき要因
状態Ⅱ:緊張直後から,クリープ,乾燥収縮,リラクセーション終了時までに
考慮すべき要因
29
30
PP.163~166
11.3.2 曲げと軸力を受ける部材
(1)ひび割れ発生前
(1)ひび割れ発生前
PC鋼材量が適当な
場合の破壊荷重(g)
PC鋼材量が極端に
少 な い場合 の
破壊荷重
GL:はり自重
DL:死荷重
LL:活荷重
②断面内のひずみは直線分布
(f) PC鋼材降伏
(e)
(3)終局耐力
①コンクリート、PC鋼材、鉄筋は弾性体
遷移領域
(2)ひび割れ発生後
塑性領域
荷 重
■応力解析の仮定
③コンクリートは全断面有効
ひび割れ発生荷重(d)
■コンクリート断面の応力度算出式
弾性領域
断面に引張応力は発生しない(c)
DL+LL
たわみが0となる荷重(b)
DL
GL
下縁
上縁
c'
荷重状態(a)
た わ み
31
N
A
M
, c
Z'
N
A
M
Z
軸力:
N
曲げ:
M
P ep
32
8
(2)ひび割れ発生後
(3)終局耐力
■PC部材の破壊様式
■終局耐力算定の仮定
①コンクリートは圧壊しないでPC鋼材が破断
① 破壊時の断面ひずみは直線分布
②PC鋼材が降伏、部材曲率が大きくなり圧壊
② 付着のある鋼材のひずみは各位置のコンク
リートひずみと同じ
③PC鋼材が降伏する前に圧壊
■応力解析の仮定
③ 中心軸以下部分のコンクリートの引張抵抗
は無視
中立軸以下のコンクリートの引張抵抗は無視
し、断面内のひずみは直線分布と仮定。
■破壊モーメントMu
Mu Tp・(dp k 2・x) Ts・(ds k 2・x)
33
34
PP.166~168
11.3.3 せん断を受ける部材
P.169
11.3.4 ねじりを受ける部材
■せん断破壊耐力
σi
■ねじりひび割れ発生前の挙動
σx σ y
(σ x σ y )2 4τ2
2
4
(a) せん断引張破壊
圧 壊
■曲げせん断破壊耐力
V yd
Vcd
Vsd
V ped
■ウエブ圧縮破壊耐力
Vwcd
f wcd bw d / γb
ひび割れ発生ねじりモーメントの約80%以下では弾
性理論が適用可能(0.7f’cd程度が事実上の適用限
界と推定される)。
■ねじりひび割れ発生後の挙動
① ねじり補強筋を有しない場合、爆発的に破壊(1%程
度の補強筋でじん性向上)。
(b) 曲げせん断破壊
ウエブ圧壊
② ねじり剛性は急激に低下。
③ ねじり抵抗モーメントの分担は明らかでない。
(c) ウエブ圧縮破壊
35
36
9
PP.169~172
11.4 PC部材の設計
設計の手順(1)
応力度に関する検討の一般的な流れ
Start
断面形状
の仮定
PC鋼材の
仮定
NO
荷重の計算
断面力解析
プレストレス
の計算
制限値を
満足
荷重による
応力度の計算
合成応力度
の照査
YES
37
End
38
ポストテンション単純T桁橋
主桁 を架設した後,
場所打ち床版
横桁
と 横桁
のコンクリートを打設し,
横締めPC鋼材を緊張して一体化
① 設計断面の仮定します。
場所打ち床版
主桁
39
40
10
① 死荷重
橋面荷重
横桁自重
桁間床版
主桁自重
② 作用荷重を計算
します。
② 活荷重
衝撃荷重
群集荷重
B活荷重
A活荷重
41
42
⑤ クリープ
③ 温度、温度差
⑥ プレストレス
④ 乾燥収縮
プレストレス
43
プレストレス
44
11
④ 荷重によるコンクリート応力度を計算します。
③ 断面力を計算します。
圧縮(+)
曲げモーメント図
引張(-)
45
46
PC鋼材配置(1)
⑤ PC鋼材を仮定します。
PC鋼材を図心に配置
軸力
N=P
曲げモーメント M=P×e=0
PC鋼材を偏心配置
軸力
P C 鋼 材
N=P
曲げモーメント M=P×e=P・e
47
48
12
PC鋼材配置(2)
⑥ プレストレスを計算します。
断面力に合わせて曲線配置する
PC鋼材を曲線配置
軸力
N=P
P
曲げモーメント M1=P×e1(負の曲げモーメント)
P
M2=P×e2(正の曲げモーメント)
引張(-)
圧縮(+)
49
50
⑦ 荷重による応力度とプレストレスを合成し
ます。
プレストレス
重
圧縮(+)
合成応力
圧縮(+)
引張(-)
NO
⑧ 合成応力度が
許容値以内に
あるか検討
=
+
引張(-)
①か⑤へ戻る
荷
① 断面変更
圧縮(+)
⑤ PC鋼材量変更
引張(-)
YES
51
52
13
PP.172~174
設計の手順(2)
限界状態設計法
⑨ 図面を作成します。
使用限界状態に対する検討
:設計荷重作用時
終局限界状態に対する検討
:終局荷重作用時(6章 7章)
施工時の検討
:緊張時 ひび割れ 施工時コンクリート応力度
変形 桁の横座掘 etc
チェックを行い設計終了!
53
54
PP.174~177
11.4.5 定着部の設計
引張域
PP.177~184
11.5 PC部材の耐久性を高めるための方策
および構造細目
引張域
圧縮域
PC橋の耐久性を高める方策 (1)
圧縮域
引張域
■緊張材の腐食防止
引張域
■ポストテンション方式
定着支圧応力度
定着部補強(割裂 周辺引張 偏心力 etc)
■プレテンション方式
部材端周辺引張に抵抗する補強筋
55
56
14
■確実なグラウト注入
■プレグラウトPC鋼材
グラウトの目的
・緊張材の耐腐食性
・コンクリート部材と緊張材に付着を与え一体化すること
ポリエチレン(PE)管で被覆され
たPC鋼材に遅延硬化型のエポ
キシ樹脂をグラウト材として、あ
らかじめ充填したPC鋼材
・適切なシース径(空隙率)や中間排気口の設置位置を決定する.
・注入口・排気口の構造やグラウトホース径は,圧力損失が
少ないものを選定する.
・PC鋼材の定着端部まで充填可能な構造を有する定着具を
使用する.
・必要に応じて,充填状況の確認やPCグラウトの再注入が
可能であるシステムを使用する.
PE管
PC鋼より線
エポキシ樹脂
57
58
PC橋の耐久性を高める方策 (2)
■樹脂塗装PC鋼材
■高性能コンクリート
エポキシ樹脂系
高密度ポリエチレン樹脂系
樹脂でコーティングすることにより、
PC鋼材に防食機能を付与したもの
59
60
15
PC橋の耐久性を高める方策 (3)
PC橋の耐久性を高める方策 (4)
■エポキシ樹脂塗装鉄筋
■非鉄シース
エポキシ樹脂塗装鉄筋の適用例
エポキシ樹脂でコーティングするこ
とにより、鉄筋に防食機能を付与し
たもの
61
62
PP.179~183
PC橋の耐久性を高める方策 (5)
PC構造物の照査の前提条件<構造細目>
■透明シース
緊張材のかぶり
緊張材のあき
緊張材の配置形状・配置間隔
緊張材の最小曲げ半径
定着体と緊張材図心線の直角性
定着具支圧面からの直線区間の設置
曲げモーメント交番点付近の分散配置
定着間隔・縁端距離の確保と定着部付近の補強
緊張ジャッキ作業空間の確保
偏向部(外ケーブル)の補強
外ケーブル用
グラウト充填の確認
PCケーブルの維持管理
63
64
16
1) 端部定着具のかぶり
2) PC鋼材の定着具間隔と縁端距離
B
e
D
a
A A d
桁端部定着
B
定着具
d
グラウト
キャップ
a
d
D
d
a’ かぶり確保
マルチワイヤーシステム定着具、最小間隔 (単位;mm)
a
注:グラウトキャップ使用時は
キャップのかぶりを確保
種別
D
d
7S12.7
220
135
12S12.7
270
180
12S15.2
350
230
A<D
B>D
A・B≧D2
Dとeに方向性は無い
ここに、e=1.5dとする。
65
66
3) 斜角を有する場合の端部定着具間隔
4)鋼材間隔と部材厚
鋼材種類別シース径
○斜角のある場合の留意点
斜角のある場合の定着具間隔は、
切り欠き寸法を考慮し余裕を持っ
て間隔(D)を決める。
鋼材種別
シース
内径
シース
外径
バイブレーター
7S12.7
55
58
PC鋼材
12S12.7
65(70)
68(77)
12S15.2
75(80)
78(87)
(シース)
D
バイブレーター
45mm~60mm
B
注; シース径( )内数値は、ケーブル
を後挿入する場合を示す。
後挿入は#2000番台のものを使用
Bはバイブレーターの挿入スペース
60~80mm程度
○留意事項; 十分な打設性能を考慮した部材厚さの設定を行う
67
68
17
PP.183~184
外ケーブル構造およびプレキャストセグメント構造
◆内ケーブル方式
プレキャストセグメント方式について
◆外ケーブル方式
プレキャストセグメントT桁
プレキャストセグメント箱桁
ロングラインマッチキャスト方式
仕切板
ショートラインマッチキャスト方式
69
70
PC橋梁(その1)
プレストレストコンクリート技術の応用
連続ラーメン箱桁
旧 日本道路公団 大井沢橋 P&Z工法
このほかにも海洋構造物・地下構造物・舗装や補強など
に利用されています.
71
旧 建設省 菅野橋 張出し架設工法
18
72
PC斜張橋
PC橋梁(その2)
上信越自動車道 碓氷橋 支間[email protected]
洲本大橋 (洲本市) 支間 2@74m
● PC斜張橋の特徴
呼子大橋 (佐賀県) 最大支間250m
長大支間に適している。
国内最大支間は260m(伊唐島大橋 鹿児島県)である
桁高を低くでき,桁下空間が大きく取れる
斜材に調整力を与えることにより主桁・塔に作用する断面力
を軽減でき,経済的な設計ができる
斜材配置・塔形状などの自由度が高く,景観も独特なものとな
る
斜材を用いた張出し架設により,合理的な施工法となる
大芝大橋 (広島県) 最大支間210m セグメント
73
74
PC橋梁(その3)
エクストラドーズド橋は,桁橋と斜張
橋の中間的な形状と構造特性を有し
ています.
桁橋に配置した外ケーブルを塔部で
大きく偏心させています.
エクストラドーズド橋
日見夢大橋
西湘バイパス 小田原ブルーウェイブリッジ
最大支間122m 場所打ち張出し架設
桁橋
山陽自動車道 つくはら橋
最大支間180m 場所打ち張出し架設
保津川大橋
エクストラドーズド橋
都田川橋
斜張橋
75
19
76
PC橋梁(その4)
● アーチ橋の特徴
朧大橋
景観に優れ,耐震性に優れた構造形式である
アーチ部材の主断面力は圧縮力であり,コンクリートの特
性に合致している
国内最大支間は260m(天翔大橋 宮崎県)である
地盤の堅固な所に採用される
架設途中はアーチを形成していないため,不安定な構造で
ある
アーチ橋の施工法
①全支保工施工
②セントル工法
③張出し工法:ピロン・メラン張出し工法・トラス張出し工法
④合成アーチ巻立て工法
⑤ロアリング工法
アーチ橋
池田へそっこ大橋
77
78
PC橋梁(その5)
● 吊り床版橋の特徴
吊り構造であり,床版は純引張部材である
大きな水平反力をとるためのアンカー基礎が必要である
国内最大支間は147.6m(夢吊橋)
理論的には,吊り橋規模の超支間が可能である
スレンダーで景観に優れる
床版厚は支間長に関係なく15cm~35cm程度と薄い
支保工が不要であり,大規模な架設機械も不要である
張渡した主ケーブルを利用して,プレキャスト床版を架設できる
歩道橋としての実績が多い
自動車道橋には,たわみ抑制の目的で上路式吊り床版橋が適
用されている(速日峰橋,青雲橋、のぞみ橋、など)
張弦橋
吊り床版橋(直路・上路)
79
80
20
PC橋梁(その6)
10250
9250
450
● PCコンポ橋
コンポ橋
PCコンポ橋は,主桁をプレキャストセグメント工法で製作し,
床版はプレキャストPC板を型枠代わりに使用してPC合成床版とした
PC合成桁橋です
550
場所打ちRC床版18cm
T形コンポ橋
1750
2%
PC板8cm
場所打コンクリート
主桁(セグメント)
3@2800=8400
925
925
10700
445
9810
445
2 3 0 0 20 0
場所打ち床版
t = 20 0 mm
3000
3150
主桁セグメント
U形コンポ橋
外ケーブル
19 S 15 .2 B
PC板
t=1 1 0 m m
775
PC板
PC板
t=8 0 m m
3000
775
81
施工の合理化・省力化
主桁・横桁の少数化
工期短縮(セグメント化,PC板)
建設コスト縮減
耐久性の向上
ライフサイクルコスト低減
環境保全に貢献
産業廃棄物の減少
現場作業騒音振動の減少
架設時の安全性向上
吊り足場の組立解体不要
主桁の安定性向上
82
PC防災構造物
PC容器
卵形消化漕
貯水槽
ロックシェッド
スノーシェッド
PCフレーム
83
84
21
PC海洋構造物
その他
耐震補強
消波堤
ポンツーン
段床版
覆蓋
85
86
新材料・新構造の橋梁例
外ケーブルによる既設橋の補強
新素材 → 超高強度繊維補強セメント系複合体
σck=
ck=200N/mm2
緊張材をコンクリートの外側に配置し,定着部あるいは
偏向部(デビエータ)を介して部材に緊張力を与えること
により,必要な性能の向上を図る工法です
外ケーブル補強例
酒田みらい橋 (2002年、
50m、歩道橋
、歩道橋))
(2002年、50m
鉄筋は使用しない、上床版厚50mm
、ウエブ厚80mm
80mm
鉄筋は使用しない、上床版厚50mm、ウエブ厚
87
22
88
新材料・新構造の橋梁例
新材料・新構造の橋梁例
PCトラス橋
軽量化 → 高強度人工軽量骨材の使用
北海道縦貫自動車道 シラリカ川橋 (96.2m)
96.2m)
2
コンクリートは50N/mm
、単位重量18.5kN/m3
コンクリートは50N/mm 、単位重量18.5kN/m
斜材にコンクリート製斜材を採用
89
90
新材料・新構造の橋梁例
ストラット付き張出し床版
ストラット付き張出し床版
比較的小型の箱型断面で広
幅員の橋梁が建設できる。
ストラットと上床版接合部の例、ストラットは鋼製またはコンクリート製
91
23
92
新材料・新構造の橋梁例
プレテンションウエブPC
橋
プレテンションウエブPC橋
第二東名 芝川高架橋 (ストラット付きPC
箱桁)
(ストラット付きPC箱桁)
第二東名 錐ケ瀧橋
•軽量化
•現場の省力化
第二東名 桂島高架橋(波形ウェブストラット付きPC
箱桁)
桂島高架橋(波形ウェブストラット付きPC箱桁)
•耐久性の向上
93
● 複合橋(波形鋼板ウエブPC橋)
新材料・新構造の橋梁例
合成構造
異種材料の組合せで
部材断面を構成
94
PC箱桁橋のウエブを波形鋼板
に置き換えた合成構造です。
波形鋼板ウェブ橋
主桁自重の軽減(20~30%)
高いせん断座屈耐力
・補剛材が不要
優れたアコーディオン効果
・軸力に抵抗しないウエブ
・効率のよいプレストレス導入
施工の合理化・工期短縮
コスト縮減
接合部の耐久性重要
複合トラス橋
複合構造橋梁
合成けた橋
混合構造
異種材料の部材の組合せ
で構造物を構成
新開橋 (新潟県) 最大支間30m
2主単純箱桁 架設桁架設
銀山御幸橋 (秋田県) 最大支間45.5m
耐候性鋼板使用 押出し架設
・コンクリート桁と鋼桁を橋軸
方向に接合した橋梁
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● 複合橋(鋼トラスウエブPC橋)
プレストレストコンクリート技術の応用
第二東名 猿田川橋・巴川橋 最大支間119m
場所打ち張出し架設
丈夫で、美しく、長持ちする
コンクリート構造物の実現
鋼管トラス材
主桁自重の軽減
合理的構造・コスト縮減
施工性に有利な等桁高
長支間化が可能
圧迫感の少ない景観性
トラス格点部の耐久性重要
Concrete for Human !
人と文明を支えるコンクリート構造物を造り、
将来に残していく。そして技術の研鑽も!
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